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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022721
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】歯がため
(51)【国際特許分類】
   A61J 17/02 20060101AFI20240214BHJP
【FI】
A61J17/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022126011
(22)【出願日】2022-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】503301347
【氏名又は名称】株式会社ケイジェイシー
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】崔 鍾植
(72)【発明者】
【氏名】村上 誠司
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047PP60
(57)【要約】
【課題】歯がため部を衛生的に保護することができる歯がためを提供すること。
【解決手段】基部2と、基部2に突設され乳幼児が口に含むことが可能な歯がため部3と、基部2と歯がため部3との間に設けられ乳幼児の喉突きを防止するシールド部4と、歯がため部3を被覆可能なカバー体5と、を備え、歯がため部3がカバー体5により包み込むように被覆される非使用状態と、該非使用状態においてカバー体5を裏返すことで歯がため部3が開放されるとともに裏返されたカバー体5によりシールド部4が被覆される使用状態と、に変形可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、前記基部に突設され乳幼児が口に含むことが可能な歯がため部と、前記基部と前記歯がため部との間に設けられ乳幼児の喉突きを防止するシールド部と、を備える歯がためであって、
前記歯がため部を被覆可能なカバー体を備え、
前記歯がため部が前記カバー体により包み込むように被覆される非使用状態と、該非使用状態において前記カバー体を裏返すことで前記歯がため部が開放されるとともに裏返された前記カバー体により前記シールド部が被覆される使用状態と、に変形可能であることを特徴とする歯がため。
【請求項2】
前記カバー体は、弾性部材により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の歯がため。
【請求項3】
前記カバー体は、前記非使用状態において前記歯がため部の前記シールド部側から先端側にかけて包み込むように被覆するとともに、該歯がため部の先端側が開口して形成されていることを特徴とする請求項2に記載の歯がため。
【請求項4】
前記使用状態において、前記カバー体は前記シールド部の周縁に係止されることを特徴とする請求項3に記載の歯がため。
【請求項5】
前記カバー体は、前記基部と別体とされていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の歯がため。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に乳幼児が使用する歯がために関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の歯がためとしては、例えば、乳幼児が把持する基部と、乳幼児が口に含むことが可能な歯がため部と、乳幼児の喉突きを防止するシールド部と、を備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2005-516681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された歯がためにあっては、乳幼児が口に含む歯がため部が常に露出していることで、乳幼児が歯がためを床に落としてしまったときや、口に入れずに遊んでいるときに埃や汚れが付着しやすいため、歯がため部が汚れや細菌で覆われる原因となるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、歯がため部を衛生的に保護することができる歯がためを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の歯がためは、
基部と、前記基部に突設され乳幼児が口に含むことが可能な歯がため部と、前記基部と前記歯がため部との間に設けられ乳幼児の喉突きを防止するシールド部と、を備える歯がためであって、
前記歯がため部を被覆可能なカバー体を備え、
前記歯がため部が前記カバー体により包み込むように被覆される非使用状態と、該非使用状態において前記カバー体を裏返すことで前記歯がため部が開放されるとともに裏返された前記カバー体により前記シールド部が被覆される使用状態と、に変形可能であることを特徴としている。
この特徴によれば、乳幼児が使用しない非使用状態では、カバー体により歯がため部が被覆されることで埃や汚れが付着することが防止され、歯がためを衛生的に保護することができ、また、カバー体を裏返すことで容易に使用状態に変形させることができるとともに、裏返されたカバー体によりシールド部が被覆されることで、乳幼児の口が非使用状態において被覆されないシールド部に直接触れることを防止することができる。
【0007】
前記カバー体は、弾性部材により構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、カバー体が弾性変形可能であるので、機構部等を設けなくても容易に変形させることが可能となるとともに、安全性が向上する。
【0008】
前記カバー体は、前記非使用状態において前記歯がため部の前記シールド部側から先端側にかけて包み込むように被覆するとともに、該歯がため部の先端側が開口して形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、カバー体により歯がため部やシールド部を隙間なく被覆することができる一方で、開口に指を入れるだけでカバー体を容易に裏返すことができる。
【0009】
前記使用状態において、前記カバー体は前記シールド部の周縁に係止されることを特徴としている。
この特徴によれば、裏返されたカバー体が弾性復帰力により非使用状態の形状に戻ることが防止される。
【0010】
前記カバー体は、前記基部と別体とされていることを特徴としている。
この特徴によれば、カバー体と基部との間に生じる隙間から唾液や洗浄水等を排出することができ、カバー体内部に唾液や洗浄水が滞留することが防止されるため、衛生面が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】(a)は本発明の実施例における歯がための非使用状態、(b)は歯がための使用状態を示す斜視図である。
図2】(a)は歯がための非使用状態を示す左側面図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は底面図である。
図3】(a)は歯がための使用状態を示す左側面図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は底面図である。
図4】(a)は図2(a)のA-A断面図、(b)は図2(c)のB-B断面図である。
図5】(a)は図3(a)のC-C断面図、(b)は図3(c)のD-D断面図である。
図6】(a)は歯がための非使用状態を示す要部拡大図、(b)はカバー体を裏返し始めた状態を示す図、(c)は歯がための使用状態を示す要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る歯がためを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例0013】
以下、本発明の実施例としての歯がためについて、図1図5に基づいて説明する。以下、図1(a)、(b)の右下側を歯がための正面側(前方側)とし、正面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。また、図2及び図3において、歯がための左側面図は右側面図と同一に表れるため省略し、背面図は正面図と同一に表れるため省略する。
【0014】
図1図3に示されるように、本実施例の歯がため1は、円環状に形成された基部2と、基部2の上部に突設され、乳幼児が口に含むことが可能な大きさに形成された歯がため部3と、基部2と歯がため部3との間に設けられ、乳幼児の喉突きを防止するシールド部4と、歯がため部3及びシールド部4を被覆可能なカバー体5と、基部2の上部におけるシールド部4の左右側に突設される装飾部6と、を主に有している。
【0015】
本実施例の歯がため1は、植物の「ラズベリー」を模したものとされ、基部2は「茎」、シールド部4は「がく」、装飾部6は「葉」、歯がため部3は「果実」、カバー体5は「花弁」を模した形状とされ、すなわち歯がため1が全体としてラズベリーに統一されており、意匠性に優れている。尚、本発明の歯がためは、他の植物又は植物を模したものに限定されるものではなく各部位の形状は任意であり、種々に変更可能である。
【0016】
歯がため1は、基部2、歯がため部3、シールド部4、カバー体5及び装飾部6を含む全ての部位がシリコーンゴムにより形成された弾性部材であるため、乳幼児が歯がため部3以外の部位を口にしても安全とされている。尚、本実施例ではシリコーンゴムにより形成されているが、材質は任意であり、少なくとも一部がポリマー(PVC)やエラストマーなど他の素材により形成されていてもよい。
【0017】
基部2は、円環状に形成され、乳幼児が容易に把持できる大きさにて形成された把持部として機能する。図4及び図5に示されるように、基部2の上部には、シールド部4が一体に形成されているとともに、シールド部4の上面中央位置には、円柱状の凸部10が突設されている。
【0018】
図2図5に示されるように、シールド部4は、凸部10から前方に向けて略水平に突出する2つの突出部4aと、凸部10から後方に向けて略水平に突出する2つの突出部4bと、凸部10から左方に向けて略水平に突出する突出部4cと、凸部10から右方に向けて略水平に突出する突出部4dと、を有し、歯がため部3よりも前後左右方向に突出するように略水平方向に拡がるように形成されている。
【0019】
各突出部4a~4dはそれぞれ「葉」を模した形状とされ、先端に向けて先細るように形成されている。尚、前後の突出部4a、4bは同形状とされ、左右の突出部4c、4dは同形状とされている。また、左右の突出部4c、4dの先端と基部2との間には空間が形成されている(図4(a)参照)。
【0020】
また、図4(b)に示されるように、凸部10の中心位置から左右の突出部4c、4dの先端までの長さ寸法L2は、凸部10の中心位置Pから前後の突出部4a、4bの先端までの長さ寸法L1よりも長寸とされている(L2>L1)。つまり、前後の突出部4a、4bは基部2より前後に突出するので、安全上、大きく突出させることができないが、左右の突出部4c、4dは基部2の周方向に沿って突出するので基部2から突出しにくく安全であるため、シールド部4の左右方向の長さを極力長寸として乳幼児の喉突きを確実に防止することができる。
【0021】
また、図5に示されるように、突出部4a~4dの上面は、凸部10から先端に向けて漸次下方に傾斜するように形成されている。
【0022】
歯がため部3は、乳幼児が口に含むことが可能な大きさの略回転楕円体からなり、その表面には、乳幼児が噛んだときに歯茎を刺激してマッサージする効果を奏するように複数の小さな凸部が形成されている。また、図4及び図5に示されるように、歯がため部3の下部には凹部11が形成されており、凹部11に接着剤等を塗布して凸部10を嵌入することで、基部2に固着されている。
【0023】
図2図5に示されるように、カバー体5は、上部に開口5aを有するとともに、下部に開口5aよりも小さな開口5bを有する略筒状に形成されており、開口5bに凸部10を挿入した状態で該凸部10に歯がため部3の凹部11を嵌入することで、カバー体5の凸部10からの逸脱が歯がため部3により規制され、歯がため部3とシールド部4との間に下部が取付けられる。
【0024】
また、カバー体5は、下部の開口5bの周縁部から上部の開口5aの周縁部5gに向けて延びる複数(例えば、6個)の小片5c各々の側辺同士を接合することで略筒状に形成されている。各小片5cは、基部2や歯がため部3やシールド部4よりも薄肉で変形しやすいように形成されている。また、図4に示される非使用状態において、各小片5cは、上下方向の略中央部が上下部によりも外側に膨出するとともに、周方向の略中央部が接合部よりも外側に膨出している。
【0025】
つまり、図4(b)に示されるように、カバー体5の表面5eにおいて、各小片5cに対応する部分は外側に突出する凸部となり、小片5c同士が接合する接合部5dに対応する部分は内側に凹む凹部となっている。このように、カバー体5の表面5eは、周方向に向けて凹凸となるリブ構造で形成されていることで、カバー体5が軟質なシリコーンゴムにより形成されていても、非使用状態の形状を長期にわたり維持することができる。
【0026】
図4に示されるように、歯がため1の非使用状態において、歯がため部3は、カバー体5により下部側から上部側にかけて包み込むように被覆される。カバー体5により歯がため部3の側周面が被覆された状態において、カバー体5の裏面5fが歯がため部3の表面に接触しないようになっている。また、上部の開口5aの周縁部5gは、歯がため部3の上端部よりもやや上方に位置していることで、歯がため部3が開口5aから外側に突出しないようになっている。
【0027】
また、開口5aの直径L3は、前後の突出部4a、4bの先端部間の離間寸法L4よりも短寸であるとともに(L3<L4)、左右の突出部4c、4dの先端部間の離間寸法L5よりも短寸である(L3<L5)。
【0028】
また、シールド部4及び装飾部6は基部2と一体に形成され、歯がため部3とカバー体5は基部2、シールド部4及び装飾部6とは別個に形成されており、カバー体5の開口5bを凸部10に挿入した状態で該凸部10に歯がため部3の凹部11を嵌入することで、カバー体5及び歯がため部3が基部2と一体となる。また、カバー体5は基部2とは別個に形成されていることで、開口5bと凸部10の外周面との間に隙間が形成されることで、乳幼児の唾液等が該隙間から適宜排出されるようになるので衛生面が向上する。
【0029】
次に、歯がため1を非使用状態から使用状態に変形させる方法について、図6に基づいて説明する。
【0030】
図6(a)に示されるように、歯がため1が非使用状態である場合、歯がため部3の上方を除く周面がカバー体5により被覆されることで、歯がため1が床面に落ちたりしても歯がため部3の表面に汚れや埃等が付着し難くなるため、歯がためを衛生的に保護することができる。
【0031】
ここで、歯がため1を使用状態に変形させる場合、特に図示しないが、カバー体5の上方から開口5aに指を挿入して、カバー体5の上部を指で摘まむ。次いで、図6(b)に示されるように、カバー体5の裏面5fが外側を向くように、カバー体5を上部側から下部側に向けて裏返すように変形させていく。
【0032】
そして、図6(c)に示されるように、カバー体5の裏面5fのほぼ全域が外側を向くように裏返したら、開口5aを指で押し広げてシールド部4に挿入し、カバー体5の表面5eにおける開口5aの周縁部5gをシールド部4の各突出部4a~4dの先端に係止させる。このとき、シールド部4の各突出部4a~4dの上面は、凸部10から先端に向けて漸次下方に傾斜するように形成されていることで、開口5aの周縁部5gが下方に向けて各突出部4a~4dの先端側にスムーズに誘導される。
【0033】
これにより、歯がため部3のほぼ全域が露出して開放状態となる一方で、シールド部4の上面のほぼ全域が、裏返されたカバー体5により上方から被覆される(図3参照)。また、開口5aの直径L3は、前後の突出部4a、4bの先端部間の離間寸法L4よりも短寸であるとともに(L3<L4)、左右の突出部4c、4dの先端部間の離間寸法L5よりも短寸であることで(L3<L5)、カバー体5の表面5eにおける開口5aの周縁部5gが、弾性復帰力によりシールド部4の各突出部4a~4dの上面の先端を超えた下面側に押し付けられるように係止されていることで、裏返されたカバー体5が弾性復帰力により元の形状、つまり、非使用状態の形状に戻ることが防止される。また、カバー体5の開口5aの周縁部5gは、全周にわたりカバー体5の他の部位よりも僅かながら肉厚に形成されていることから、使用状態において周縁部5gがシールド部4の各突出部4a~4dの先端を超えた下面側に確実に係止される。
【0034】
また、カバー体5は、非使用状態において歯がため部3側を向いていた裏面5fをシールド部4に接触させることなく、使用状態においてシールド部4の上面側を被覆することができる。つまり、非使用状態においてカバー体5により被覆されるのは歯がため部3だけでシールド部4は被覆されないが、使用状態において、カバー体5の裏面5fがシールド部4に接触して汚れることはないので、使用状態から再び非使用状態に戻すことができる。
【0035】
また、図6(c)に示されるように、使用状態において、カバー体5とシールド部4との間に隙間が形成されることで、乳幼児の口がカバー体5に接触したときに該カバー体5が弾性変形することによりクッションの役割を果たすため、喉突きの際の衝撃が緩和される。
【0036】
また、使用状態から非使用状態に変形するときは、カバー体5の表面5eにおける開口5aの周縁部5gを押し広げてシールド部4の各突出部4a~4dの先端との係止状態を解除し、表面5eが外側を向くように、カバー体5を下部側から上部側に向けて裏返すように変形させていくことで、図6(a)に示される非使用状態に復帰させることができる。
【0037】
このように、カバー体5を裏返して変形させるだけで非使用状態と使用状態とに変形させることができることで、歯がため1を、図示しない収容ケースに収容したり取出したりしなくても、乳幼児が最も口にする歯がため部3を瞬時に被覆したり開放したりすることができるため、乳幼児が使用と非使用とを頻繁に繰り返す場合でも埃や汚れから保護しながら使用することができる。
【0038】
以上説明したように、本発明の実施例としての歯がため1にあっては、基部2と、基部2に突設され乳幼児が口に含むことが可能な歯がため部3と、基部2と歯がため部3との間に設けられ乳幼児の喉突きを防止するシールド部4と、歯がため部3を被覆可能なカバー体5と、を備え、歯がため部3がカバー体5により包み込むように被覆される非使用状態と、該非使用状態においてカバー体5を裏返すことで歯がため部3が開放されるとともに裏返されたカバー体5によりシールド部4が被覆される使用状態と、に変形可能である。
【0039】
これによれば、乳幼児が使用しない非使用状態では、カバー体5により歯がため部3が被覆されることで埃や汚れが付着することが防止され、歯がため3を衛生的に保護することができる。また、カバー体5を裏返すことで容易に使用状態に変形させることができるとともに、裏返されたカバー体5によりシールド部4が被覆されることで、乳幼児の口が、非使用状態において被覆されないシールド部4に直接触れることを防止することができる。また、非使用状態において歯がため部3側を向いていたカバー体5の裏面5fが衛生的に保たれているため、使用状態において乳幼児の口がカバー体5の裏面5fに直接触れることができる。
【0040】
また、カバー体5は、弾性部材としてのシリコーンゴムにより形成されていることで、機構部等を設けなくてもカバー体5を容易に変形させることが可能となるとともに、安全性が向上する。
【0041】
また、カバー体5は、非使用状態において歯がため部3のシールド部4側から先端側にかけて包み込むように被覆するとともに、該歯がため部3の先端側に開口5aが形成されていることで、カバー体5により歯がため部3やシールド部4を隙間なく被覆することができる一方で、開口5aに指を入れるだけでカバー体5を容易に裏返すことができる。
【0042】
また、使用状態において、カバー体5はシールド部4の周縁に係止されることで、裏返されたカバー体5が弾性復帰力により非使用状態の形状に戻ることが防止される。
【0043】
また、カバー体5は、基部2と別体とされていることで、カバー体5の開口5bと基部2との間に生じる隙間から唾液や洗浄水等を排出することができ、カバー体5内部に唾液や洗浄水等が滞留することが防止されるため、衛生面が向上する。
【0044】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0045】
例えば、前記実施例では、基部2は円環状に形成されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、基部2の形状は任意であり、例えば、球状や棒状などでもよく、種々に変形可能である。
【0046】
また、前記実施例では、カバー体5は、弾性部材により形成され、弾性変形により裏返すことができる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、カバー体は、弾性変形不能な樹脂材等からなる複数の分割片により構成されていてもよい。この場合、例えば、各分割片が一端を中心として回動させることにより裏返すことが可能とされていることで、歯がためが非使用状態と使用状態とに変形可能とされていればよい。
【0047】
また、前記実施例では、カバー体5の上部に開口5aが形成されており、非使用状態において歯がため部3の上方が開放される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、非使用状態において歯がため部3の全周囲が被覆されてもよいし、複数個所が部分的に開放されていてもよい。
【0048】
また、前記実施例では、使用状態において、カバー体5の裏面5fにおける開口5aの周縁部5gがシールド部4の先端に係止される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、使用状態において、カバー体5はシールド部4を被覆するようになっていれば、必ずしもシールド部4に係止されなくてもよい。さらには、カバー体5はシールド部4に接触していなくてもよい。
【0049】
また、前記実施例では、使用状態において、シールド部4の上面側がカバー体5により被覆される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、使用状態において、シールド部4の少なくとも一部が被覆されるようになっていればよい。
【0050】
また、前記実施例では、歯がためを例示した形態を例示したが、例えば、歯がため部3を乳頭部などに替えておしゃぶりとして用いることも可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 歯がため
2 基部
3 歯がため部
4 シールド部
4a~4d 突出部
5 カバー体
5a、5b 開口
5c 小片
5d 接合部
5e 表面
5f 裏面
6 装飾部
図1
図2
図3
図4
図5
図6