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  • 特開-砂蓄熱式風力発電装置。 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022734
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】砂蓄熱式風力発電装置。
(51)【国際特許分類】
   F03D 9/18 20160101AFI20240214BHJP
   F03D 1/04 20060101ALI20240214BHJP
   F03D 1/06 20060101ALI20240214BHJP
   F03D 3/06 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
F03D9/18
F03D1/04 A
F03D1/06 A
F03D3/06 A
F03D3/06 F
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022126035
(22)【出願日】2022-08-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】304007455
【氏名又は名称】林 精一
(72)【発明者】
【氏名】林 精一
(72)【発明者】
【氏名】林 幸子
(72)【発明者】
【氏名】林 寿一
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA14
3H178AA15
3H178AA18
3H178AA40
3H178AA42
3H178AA43
3H178AA54
3H178AA62
3H178BB31
3H178BB73
3H178DD24X
3H178DD29X
(57)【要約】
【課題】
砂容器内に砂ベース材と風洞を有し、風車と、風力発電機とを備え、
前記風洞内の上昇気流によって風力発電を行う砂蓄熱式風力発電装置を提供することにある。
【解決手段】
前記砂蓄熱式風力発電装置は、砂容器内に風洞の周囲に前記砂ベース材を配置し、風車と、風力発電機とを備え、太陽光照射加熱等により前記砂ベース材において蓄熱を可能とし、前記風洞内の空気の温度上昇により、前記風洞内の空気の内外温度差と、前記風洞の開口部の位置の高低差と、前記風洞の開口部の実効面積とに関係する空気量の上昇気流が流れ、前記風車の駆動に作用し、前記風車により駆動される前記風力発電機にて発電を可能とすることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
砂利、砂類を含む砂ベース材と、
上部開口部と下部開口部を有する風洞と、
前記風洞の側壁の周囲に配置され、前記砂ベース材を収納した砂容器と、
風流入口を有すると共に、前記風洞に接続された風洞前室と、
前記風洞内又は前記風洞前室内に設置された風車と、
前記風車に接続されて駆動される風力発電機と、を備え、
前記砂ベース材は、太陽光照射加熱、電力加熱、又は温水加熱のうち少なくともいずれかにより加熱されて熱エネルギーとして蓄熱され、前記風洞内の空気の温度上昇による上昇気流が生じるように構成れており、前記上昇気流により前記風車を駆動し、前記風車と連動し駆動される前記風力発電機により発電を行うことを特徴とする砂蓄熱式風力発電装置。
【請求項2】
前記砂容器は、上面から観た外形形状が略円形、略楕円形、略半円形、略三日月形半円形、略三角形、略四角形、又は多角形の形状を有することを特徴とする請求項1に記載の砂蓄熱式風力発電装置。
【請求項3】
前記風洞内には、軸流タービン型風車が設置され、前記風洞前室内には、垂直軸型風車が設置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の砂蓄熱式風力発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、砂容器内に熱エネルギーを蓄熱する砂ベース材と風洞を有し、
外部より前記砂容器内の前記砂ベース材に蓄熱を可能とし、前記風洞内の空気の温度上昇による上昇気流によって、風車の駆動に作用し、前記風車により駆動される風力発電機にて、発電を行うことを特徴とする、砂蓄熱式風力発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載には、円形平板状の車板から複数の羽根平が延出した形状をなした回転羽根であり、回転羽根の厚さは全体が均一で、各羽根平の回転方向の前縁には、風下方向が開口し、断面が弧状に形成された曲板部材が取り付けられていることを特徴とする軸流タービン風車の回転羽根。と記載されている。
【0003】
また、特許文献2に記載には、翼への気流W2と翼の第9線分に対応する面との間に負角βをもたせるように翼を取付けることにより、ベルヌーイの定理により説明される揚力に、さらに負角βによる負の圧力を加えることができる。従って、大きなトルクを得ることができ、風車効率を増大できる。と記載されている。
【0004】
また、特許文献3に記載には、同心円軸上に回転軸を有する揚力型風車と抗力型風車を備えた垂直軸型風車に関する。さらに言えば、揚力型風車と抗力型風車を備えており、マグナス効果に加え、表面効果も利用することで高トルクを生み出すことができるため、小型であるにも拘わらず高い回転効率を実現することができる垂直軸型風車に関する。と記載されている。
【0005】
また、特許文献4に記載には、回転始動時又は微風時にはサボニウス翼の特性を利用し、且つ、風速の大小に拘わらずダリウス翼及びサボニウス翼の回転エネルギを効率的に電気エネルギに変換させ得る風力発電装置。と記載されている。
【0006】
また、特許文献5に記載には、本発明に係る風力発電機は、風のエネルギーを回転に変換するプロペラと、励磁電流を流すことで磁石になる電磁石を有する電磁石型発電機と、励磁電流を制御する励磁電流制御部と、電磁石型発電機の電力を蓄える蓄電部とを備え、励磁電流制御部は、出力電圧が充電電圧未満になると、励磁電流を流すように制御する。と記載されている。
【0007】
また、特許文献6に記載には、基礎面から延直方向に立設した筒状部材にて構成された風洞と、前記筒状部材の周壁から法線方向に延出した複数の集風板と、前記集風板相互間及び筒状部材の上端開口を閉塞する天板と、前記筒状部材の周壁に設けられて前記集風板によって集約された風を前記風洞内に導く複数の風取込口と、前記風取込口に設けられて筒状部材外部から筒状部材内部への風の流通のみを許容し、内部から外部への流通を規制する逆流防止手段と、隣接する集風板間に設けられて集風板によって集約された風を下方に向けてガイドする複数のガイド板と、前記風洞の一端部から吹き出す風によって駆動されるタービンと、前記タービンにより駆動される発電機とを備えていることを特徴とする風力発電装置。と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2012―241705公報
【特許文献2】特開平06-159922公報
【特許文献3】特開2018-021476公報
【特許文献4】特開2007―40239公報
【特許文献5】特開2018-207628公報
【特許文献6】再表2008/0756766公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5は、風車に関係する発明であり、風洞との流体の作用に基づく、風力発電方法の記述はありません。
【0010】
特許文献6は、延直方向に立設した風洞と、前記筒状部材の周壁に設けられて前記集風板によって集約された風を前記風洞内に導く複数の風取込口と、隣接する集風板間に設けられて集風板によって集約された風によって駆動されるタービンにより駆動される風力発電装置であって、複数の風取込口をもつ風洞の構成は複雑であり、外部の風の影響(風塵等)を直接受け、建設費・維持費は高く、メンテナンス作業も困難と想定される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、熱エネルギーを蓄熱する前記砂容器内の砂ベース材に含まれる砂利、砂類に蓄熱し、前記風洞は前記砂容器内にあって、前記風洞内の流速は弱風から発電が可能であり、前記風洞・前記風車は前記砂容器内に、前記風力発電機は砂容器設置部の中にあるため損傷が少なく、交換頻度が少なく、落雷等の被害に遭いにくく、蓄熱材料費は安価であり、建設費・維持費が安く、設置場所は需要地に隣接して設置可能であり、送電コストの低減に役立つことが可能である。発電量に対して投資金額が少ない。これらを効果的に提供することを目的としている。
【0012】
本発明に係る砂蓄熱式風力発電装置において、
砂利、砂類を含む砂ベース材と、
上部開口部と下部開口部を有する風洞と、
前記風洞の側壁の周囲に配置され、前記砂ベース材を収納した砂容器と
風流入口を有すると共に、前記風洞に接続された風洞前室と、
前記風洞内又は前記風洞前室内に設置された風車と、
前記風車に接続されて駆動される風力発電機と、を備え、
前記砂ベース材は、太陽光照射加熱、電力加熱、又は温水加熱のうち少なくともいずれかにより加熱されて熱エネルギーとして蓄熱され、前記風洞内の空気の温度上昇による上昇気流が生じるように構成れており、前記上昇気流により前記風車を駆動し、前記風車と連動し駆動される前記風力発電機により発電を行うことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る砂蓄熱式風力発電装置において、前記砂容器は、上面から観た外形形状が略円形、略楕円形、略半円形、略三日月形半円形、略三角形、略四角形、又は多角形の形状を有することを特徴とする。例えば、太陽光照射加熱を受ける面を大きくする略楕円形、略半円形、略三日月形半円形、略三角形、略四角形とする。又暴風に強くするために略円形とすることができる。形状はこれ等に限定されるものではない。
【0014】
また、本発明に係る砂蓄熱式風力発電装置において、前記風洞内には、軸流タービン型風車が設置され、前記風洞前室内には、垂直軸型風車が設置されることを特徴とする。
なお、前記軸流タービン型風車が設置される場合は、前記風洞の側壁の形状は円筒形状とする。
また、前記風車及び風力発電機を複数台設置可能である。
【0015】
また、本発明に係る砂蓄熱式風力発電装置において、前記砂ベース材は砂利、砂類を含み、
前記砂ベース材に熱エネルギーとして蓄熱し、前記風洞内の空気の温度上昇による、
前記風洞内の空気の内外温度差と、前記風洞の開口部の位置の高低差と、
前記風洞の開口部の実効面積と、に関係する空気量の上昇気流によって、
前記風車の駆動に作用し、前記風車と連動し駆動される前記風力発電機により、発電を行うことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る砂蓄熱式風力発電装置において、前記風車は、ベルヌーイ定理式風車、プロペラ式風車、マグナス式風車、ダリウス式風車、又はサボニウス式風車のうち少なくともいずれかを有して、前記風車を駆動し、前記風車により駆動される前記風力発電機にて、発電を行うことを特徴としてもよい。
【0017】
また、本発明に係る砂蓄熱式風力発電装置において、
外部より前記砂容器内の前記砂ベース材として含まれる砂利、砂類に蓄熱を可能とする手段として、
太陽光照射加熱の他、電力加熱として前記砂容器内の前記砂ベース材に加熱用電熱ヒータを配置して外部から加熱し蓄熱を行い、又は温水加熱として前記砂容器内の前記砂ベース材に加熱用温水パイプを配置して外部から加熱し蓄熱することを特徴としてもよい。
【0018】
また、本発明に係る砂蓄熱式風力発電装置において、熱エネルギーを蓄熱する前記砂容器の外周は、太陽光照射加熱にて前記砂容器の外部周辺から蓄熱を行う場合は吸熱材(黒色スチール等)を設定し、電力加熱、又は温水加熱等にて直接内部蓄熱を行う場合は断熱材(断熱スチール等)を設定することを特徴としてもよい。
なお、放熱面当たりの重量と保熱のために断熱材をどのように入れるかなどで変わってくる。
石を蓄熱、放熱させる場合、蓄熱した熱エネルギーは、かなりのピーク時タイムラグとピークエネルギー減衰を伴って放熱されている。
【0019】
また、本発明に係る砂蓄熱式風力発電装置において、必要に応じて、太陽光照射加熱をしていない場合は、前記砂容器の周辺は断熱材を用いて開閉する構成とすることを特徴としてもよい。
【0020】
また、本発明に係る砂蓄熱式風力発電装置において、前記砂ベースは各種砂利、各種砂、各種小石等を、砂利、砂類として、乾燥した前記砂ベース材を構成することを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、前記砂蓄熱式風力発電装置として、前記砂容器内に熱エネルギーを蓄熱する前記砂ベース材と前記風洞を有し、前記風車と、前記風力発電機とを備え、太陽光照射加熱等により前記砂容器内の前記砂ベース材において蓄熱を可能とし、前記風洞内の空気の温度上昇による、前記風洞内の空気の内外温度差と、前記風洞の開口部の位置の高低差と、前記風洞の開口部の実効面積とに関係する空気量の上昇気流が流れ、風車の駆動に作用し、前記風車により駆動される前記風力発電機にて発電を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の実施形態にかる砂蓄熱式風力発電装置Aの例である。
図2図2は、本発明の実施形態かかる砂蓄熱式風力発電装置Bの例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の各実施するための形態を説明する。
【0024】
砂ベース材を高温で加熱することで、大容量の熱エネルギーを貯蔵することが可能であること。
さらに、熱エネルギーを再び熱として抽出されていることが分かっていた。例えば、摂氏500~600程度の加熱で8メガワット程度に該当する発電が可能な熱エネルギーとされていた。
【0025】
また、前記砂ベース材を蓄熱、放熱させる場合、蓄熱した熱エネルギーは、かなりのピーク時タイムラグとピークエネルギー減衰を伴って放熱されている。放熱面当たりの重量と保熱のために断熱材をどのように入れるかなどで変わる。例えば、無垢の大理石の例として、厚さ10cmに積んだものの片面を暖めると、大雑把に言って反対面から放熱のピークは凡そ7時間ぐらいのタイムラグを伴って表れる。この場合の減衰率は、断熱材なしの場合、ピーク入力熱エネルギーの50%弱程度になるとされている。
【0026】
以下に、本発明は、砂ベース材の大容量の熱エネルギーを貯蔵することが可能であることを利用した風力発電装置について詳しく説明する。
【0027】
本発明に係る熱エネルギーを蓄熱する前記砂ベース材は、各種砂利、各種砂、各種小石等を、砂利、砂類とし、乾燥した前記砂ベース材を構成する。
【0028】
本発明に係る、風洞の温度差による上昇気流量を、以下の数(1)に示す。

Qt = αA√{2gh(θi-θo)/Ti}×3600 (1)

但し、Qt:風洞内の温度差による上昇気流量[m3/h]、αA:風洞の開口部の実効面積[m2]、
θi:風洞内空気温度[℃]、θo:外気温度[℃]、θi―θo:風洞内の空気の内外温度差[℃]、h:風洞の開口部の位置の高低差[m]、g:重力加速度[m/s2]、Ti:室内絶対温度[K])である。
本発明の実施例として、前記砂ベース材は砂利、砂類等であって、
前記砂ベース材に熱エネルギーとして蓄熱し、前記風洞内の空気の温度上昇による、
前記風洞内の空気の内外温度差と、前記風洞の開口部の位置の高低差と、
前記風洞の開口部の実効面積と、に関係する空気量の上昇気流によって、
前記風車の駆動に作用し、前記風車と連動し駆動される前記風力発電機により、
発電を行うことを特徴とする、砂蓄熱式風力発電装置である。
【0029】
本発明の一実施例として、前記砂蓄熱式風力発電装置Aは製品構成としての概念図1を示す。
本発明に係る砂蓄熱式風力発電装置Aにおいて、
砂容器1と、砂容器設置部2があって、
砂利、又は砂類を含む砂ベース材3と、
上部開口部4と下部開口部5有する風洞6と、
前記風洞6の側壁の周囲に配置され、砂ベース材3を収納した前記砂容器1と、
砂容器設置部2に、風流入口7を有すると共に、前記風洞6内に設置された軸流タービン型の風車8と、前記風車8に接続されて駆動される風力発電機10と、を備え、
前記砂ベース材3は、太陽光照射加熱、電力加熱、又は温水加熱のうち少なくともいずれかにより加熱されて熱エネルギーとして蓄熱され、前記風洞6内の空気の温度上昇による上昇気流が生じるように構成れており、前記上昇気流により前記風車8を駆動し、前記風車8と連動し駆動される前記風力発電機10により発電を行うことを特徴とする。
【0030】
本発明の一実施例として、本発明に係る砂蓄熱式風力発電装置Aにおいて、
前記砂容器1は、上面から観た外形形状(又は横断面の外形形状)が略円形、略楕円形、略半円形、略三日月形半円形、略三角形、略四角形、又は多角形の形状を有することを特徴することができる。
【0031】
また、本発明の一実施例として、前記風車8は、ベルヌーイ定理式風車、又はプロペラ式風車等のうち少なくともいずれかを有して、前記風車8を駆動し、前記風車8により駆動される前記風力発電機10にて、発電を行うことを特徴とする、砂蓄熱式風力発電装置である。
【0032】
例えば、前記風車8の例として前記特許文献等には、前記風車の翼への気流と翼の線分に対応する面との間に負角をもたせるように翼を取付けることにより、ベルヌーイの定理により説明される揚力に、さらに負角による負の圧力を加えることができる。従って、大きなトルクを得ることができ、前記風車効率を増大できることが記載されている。
【0033】
また、本発明の一実施例として、砂蓄熱式風力発電装置Bは製品構成としての概念図2を示す。
本発明に係る砂蓄熱式風力発電装置Bにおいて、砂容器1と、砂容器設置部2があって、
砂容器1に、砂利、又は砂類を含む砂ベース材3と、
上部開口部4と下部開口部5有する風洞6と、
前記風洞6の側壁の周囲に配置され、砂ベース材3を収納した前記砂容器1と、
砂容器設置部2に、風流入口7を有すると共に、前記風洞6に接続された風洞前室9と、
前記風洞前室9内に設置された垂直軸型風車の風車18と、
前記風車18に接続されて駆動される風力発電機20と、を備え、
前記砂ベース材3は、太陽光照射加熱、電力加熱、又は温水加熱のうち少なくともいずれかにより加熱されて熱エネルギーとして蓄熱され、前記風洞6内の空気の温度上昇による上昇気流が生じるように構成れており、前記上昇気流により前記風車18を駆動し、前記風車18と連動し駆動される前記風力発電機20により発電を行うことを特徴とする。
【0034】
本発明の一実施例として、本発明に係る砂蓄熱式風力発電装置Bにおいて、
前記砂容器1は、上面から観た外形形状(又は横断面の外形形状)が略円形、略楕円形、略半円形、略三日月形半円形、略三角形、略四角形、又は多角形の形状を有することを特徴することができる。
【0035】
また、本発明の一実施例として、前記風車18の前記垂直軸型風車の例として、マグナス式風車、ダリウス式風車、又はサボニウス式風車の、少なくともいずれかを有して、前記風車18を回転し、前記風力発電機20にて発電を行うことを特徴とする、前記砂蓄熱式風力発電装置である。
【0036】
なお、特許文献に記載には、前記風車18の前記垂直軸型風車の例として、同心円軸上に回転軸を有する揚力型風車と抗力型風車を備えた垂直軸型風車に関する。揚力型風車と抗力型風車を備えており、マグナス効果に加え、表面効果も利用することで高トルクを生み出すことができるため、小型であるにも拘わらず高い回転効率を実現することができる垂直軸型風車に関する。と記述されている。
【0037】
また、本発明の一実施例として、外部より前記砂容器内の前記砂ベース材3としての砂利、砂類等に蓄熱を可能とする手段として、太陽光照射加熱の他、電力加熱として前記砂容器内の前記砂ベース材に加熱用電熱ヒータを配置して外部から加熱し蓄熱を行い、又は温水加熱として前記砂容器内の前記砂ベース材3に加熱用温水パイプを配置して外部から加熱し蓄熱することを特徴とする、前記砂蓄熱式風力発電装置である。
【0038】
本発明は、熱エネルギーとして砂ベースの蓄熱であり、前記砂容器内に前記風洞があって、基本的には円筒であり、シンプルな構成であり、前記風洞、及び前記風車は砂容器、砂容器設置部内にあるため損傷が少なく、交換頻度が少なく、落雷等の被害に遭いにくく、また蓄熱する材料費は前記砂ベース材として用いる各種砂、各種砂利、各種小石等を含む前記砂利、砂類等として安価であり、建設費・維持費が安い。前記風洞内の風速は弱風から発電が可能であり、設置場所は需要地に隣接して設置可能であり、送電コストの低減に役立つことが可能である。発電量に対して投資金額が少ない等の特徴を有し、効果的に実施し得ることが可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 砂容器
2 砂容器設置部
3 砂ベース材
4 上部開口部
5 下部開口部
6 風洞
7 風流入口
8、18、 風車
9 風洞前室
10、20 風力発電機



図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2022-12-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
砂利、砂類を含む砂ベース材と、
上部開口部と下部開口部を有する風洞と、
前記風洞の側壁の周囲に配置され、前記砂ベース材を収納した砂容器と、
風流入口を有すると共に、前記風洞に接続された風洞前室と、
前記風洞内又は前記風洞前室内に設置された風車と、
前記風車に接続されて駆動される風力発電機と、を備え、
前記砂ベース材は、太陽光照射加熱、電力加熱、又は温水加熱のうち少なくともいずれかにより加熱されて熱エネルギーとして蓄熱され、前記風洞内の空気の温度上昇による、前記風洞内の空気の内外温度差と、前記風洞の開口部の位置の高低差と、前記風洞の開口部の実効面積と、に関係する空気量の上昇気流によって、前記風車を駆動し、前記風車と連動し駆動される前記風力発電機により発電を行うことを特徴とする砂蓄熱式風力発電装置。
【請求項2】
前記砂蓄熱式風力発電装置において、前記砂ベース材は、各種砂利、各種砂、又は各種小石等を有して、熱エネルギーとして蓄熱され、
前記風車は、ベルヌーイ定理式風車、プロペラ式風車、マグナス式風車、ダリウス式風車、又はサボニウス式風車のうち少なくともいずれかを有して、前記風車を駆動し、前記風車と連動し駆動される前記風力発電機により発電を行うことを特徴とする特徴とする請求項1に記載の砂蓄熱式風力発電装置。
【請求項3】
前記砂容器は、上面から観た外形形状が略円形、略楕円形、略半円形、略三日月形半円形、略三角形、略四角形、又は多角形の形状を有することを特徴とする請求項1に記載の砂蓄熱式風力発電装置。
【請求項4】
前記砂蓄熱式風力発電装置において、前記風洞内には、軸流タービン型風車が設置され、前記風洞前室内には、垂直軸型風車が設置され、前記風車及び風力発電機を複数台設置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の砂蓄熱式風力発電装置。