IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リンナイ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-加熱調理器 図1
  • 特開-加熱調理器 図2
  • 特開-加熱調理器 図3
  • 特開-加熱調理器 図4
  • 特開-加熱調理器 図5
  • 特開-加熱調理器 図6
  • 特開-加熱調理器 図7
  • 特開-加熱調理器 図8
  • 特開-加熱調理器 図9
  • 特開-加熱調理器 図10
  • 特開-加熱調理器 図11
  • 特開-加熱調理器 図12
  • 特開-加熱調理器 図13
  • 特開-加熱調理器 図14
  • 特開-加熱調理器 図15
  • 特開-加熱調理器 図16
  • 特開-加熱調理器 図17
  • 特開-加熱調理器 図18
  • 特開-加熱調理器 図19
  • 特開-加熱調理器 図20
  • 特開-加熱調理器 図21
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002274
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/12 20060101AFI20231228BHJP
【FI】
F24C3/12 E
F24C3/12 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101370
(22)【出願日】2022-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 宏直
(72)【発明者】
【氏名】坂元 愛理
(72)【発明者】
【氏名】池田 さゆり
(72)【発明者】
【氏名】古田 美咲
(57)【要約】
【課題】加熱対象を適切に加熱することができる技術を提供する。
【解決手段】加熱調理器は、加熱対象を加熱する加熱部と、前記加熱部の加熱力を変更するための指示を受け付ける変更指示部と、前記加熱部を制御する制御部と、を備えていてもよい。前記加熱部が、加熱開始時の加熱力よりも小さい第1加熱力による第1期間にわたる第1加熱と、前記第1加熱力よりも小さい第2加熱力による第2期間にわたる第2加熱と、を交互に実行してもよい。前記制御部は、前記第1加熱の実行中に、前記第1加熱力よりも大きく前記加熱開始時の加熱力よりも小さい所定の加熱力を基準加熱力として、前記基準加熱力よりも大きく前記加熱開始時の加熱力よりも小さい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱力を前記加熱開始時の加熱力に変更してもよい。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱対象を加熱する加熱部と、
前記加熱部の加熱力を変更するための指示を受け付ける変更指示部と、
前記加熱部を制御する制御部と、を備え、
前記加熱部が、加熱開始時の加熱力よりも小さい第1加熱力による第1期間にわたる第1加熱と、前記第1加熱力よりも小さい第2加熱力による第2期間にわたる第2加熱と、を交互に実行する加熱調理器であって、
前記制御部は、前記第1加熱の実行中に、前記第1加熱力よりも大きく前記加熱開始時の加熱力よりも小さい所定の加熱力を基準加熱力として、前記基準加熱力よりも大きく前記加熱開始時の加熱力よりも小さい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱力を前記基準加熱力に変更する、加熱調理器。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1加熱の実行中に、前記第1加熱力よりも大きく前記基準加熱力よりも小さい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱力を指示された加熱力に変更する、請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
加熱対象を加熱する加熱部と、
前記加熱部の加熱力を変更するための指示を受け付ける変更指示部と、
前記加熱部を制御する制御部と、を備え、
前記加熱部が、加熱開始時の加熱力よりも小さい第1加熱力による第1期間にわたる第1加熱と、前記第1加熱力よりも小さい第2加熱力による第2期間にわたる第2加熱と、を交互に実行する加熱調理器であって、
前記制御部は、前記第1加熱の実行中に、前記加熱開始時の加熱力よりも大きい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱力を前記加熱開始時の加熱力に変更する、加熱調理器。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1加熱の実行中に前記加熱部の加熱力を変更した後に、前記第1期間の終期まで変更後の加熱力を維持し、その後に前記第2加熱を実行する、請求項1から3のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項5】
加熱対象を加熱する加熱部と、
前記加熱部の加熱力を変更するための指示を受け付ける変更指示部と、
前記加熱部を制御する制御部と、を備え、
前記加熱部が、加熱開始時の加熱力よりも小さい第1加熱力による第1期間にわたる第1加熱と、前記第1加熱力よりも小さい第2加熱力による第2期間にわたる第2加熱と、を交互に実行する加熱調理器であって、
前記制御部は、前記第2加熱の実行中に、前記第2加熱力よりも大きく前記第1加熱力よりも小さい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱力を指示された加熱力に変更する、加熱調理器。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2加熱の実行中に前記加熱部の加熱力を変更した後に、前記第2期間の終期まで変更後の加熱力を維持し、その後に前記第1加熱を実行する、請求項5に記載の加熱調理器。
【請求項7】
加熱対象を加熱する加熱部と、
前記加熱部の加熱力を変更するための指示を受け付ける変更指示部と、
前記加熱部を制御する制御部と、を備え、
前記加熱部が、加熱開始時の加熱力よりも小さい第1加熱力による第1期間にわたる第1加熱と、前記第1加熱力よりも小さい第2加熱力による第2期間にわたる第2加熱と、を交互に実行する加熱調理器であって、
前記制御部は、前記第2加熱の実行中に、前記第1加熱力よりも大きい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱力を前記第1加熱力よりも大きい加熱力に変更し、前記第1期間と同期間にわたり変更後の加熱力を維持する、加熱調理器。
【請求項8】
前記制御部は、前記第2加熱の実行中に、前記第1加熱力よりも大きく前記加熱開始時の加熱力よりも小さい所定の加熱力を基準加熱力として、前記基準加熱力よりも大きく前記加熱開始時の加熱力よりも小さい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱力を前記基準加熱力に変更し、前記第1期間と同期間にわたり変更後の加熱力を維持する、請求項7に記載の加熱調理器。
【請求項9】
前記制御部は、前記第2加熱の実行中に、前記第1加熱力よりも大きく前記基準加熱力よりも小さい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱力を指示された加熱力に変更し、前記第1期間と同期間にわたり変更後の加熱力を維持する、請求項7に記載の加熱調理器。
【請求項10】
前記制御部は、前記第2加熱の実行中に、前記加熱開始時の加熱力よりも大きい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱力を前記加熱開始時の加熱力に変更し、前記第1期間と同期間にわたり変更後の加熱力を維持する、請求項7に記載の加熱調理器。
【請求項11】
加熱対象を加熱する加熱部と、
前記加熱部の加熱力を変更するための指示を受け付ける変更指示部と、
前記加熱部を制御する制御部と、を備え、
前記加熱部が、加熱開始時の加熱力よりも小さい第1加熱力による第1期間にわたる第1加熱と、前記第1加熱力よりも小さい第2加熱力による第2期間にわたる第2加熱と、を交互に実行する加熱調理器であって、
前記制御部は、前記第1加熱の実行中に、前記第1加熱力よりも大きく前記加熱開始時の加熱力よりも小さい所定の加熱力を基準加熱力として、前記基準加熱力よりも大きく前記加熱開始時の加熱力よりも小さい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱態様を、前記基準加熱力による前記第1期間と同期間にわたる加熱と、前記第2加熱と、を交互に実行する加熱態様に変更する、加熱調理器。
【請求項12】
前記制御部は、前記第1加熱の実行中に、前記第1加熱力よりも大きく前記基準加熱力よりも小さい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱態様を、指示された加熱力による前記第1期間と同期間にわたる加熱と、前記第2加熱と、を交互に実行する加熱態様に変更する、請求項11に記載の加熱調理器。
【請求項13】
加熱対象を加熱する加熱部と、
前記加熱部の加熱力を変更するための指示を受け付ける変更指示部と、
前記加熱部を制御する制御部と、を備え、
前記加熱部が、加熱開始時の加熱力よりも小さい第1加熱力による第1期間にわたる第1加熱と、前記第1加熱力よりも小さい第2加熱力による第2期間にわたる第2加熱と、を交互に実行する加熱調理器であって、
前記制御部は、前記第1加熱の実行中に、前記加熱開始時の加熱力よりも大きい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱態様を、前記加熱開始時の加熱力による前記第1期間と同期間にわたる加熱と、前記第2加熱と、を交互に実行する加熱態様に変更する、加熱調理器。
【請求項14】
加熱対象を加熱する加熱部と、
前記加熱部の加熱力を変更するための指示を受け付ける変更指示部と、
前記加熱部を制御する制御部と、を備え、
前記加熱部が、加熱開始時の加熱力よりも小さい第1加熱力による第1期間にわたる第1加熱と、前記第1加熱力よりも小さい第2加熱力による第2期間にわたる第2加熱と、を交互に実行する加熱調理器であって、
前記制御部は、前記第2加熱の実行中に、前記第2加熱力よりも大きく前記第1加熱力よりも小さい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱態様を、指示された加熱力による前記第2期間と同期間にわたる加熱と、前記第1加熱と、を交互に実行する加熱態様に変更する、加熱調理器。
【請求項15】
加熱対象を加熱する加熱部と、
前記加熱部の加熱力を変更するための指示を受け付ける変更指示部と、
前記加熱部を制御する制御部と、を備え、
前記加熱部が、加熱開始時の加熱力よりも小さい第1加熱力による第1期間にわたる第1加熱と、前記第1加熱力よりも小さい第2加熱力による第2期間にわたる第2加熱と、を交互に実行する加熱調理器であって、
前記制御部は、前記第2加熱の実行中に、前記第1加熱力よりも大きい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱態様を、前記第1加熱力よりも大きい加熱力よる前記第1期間と同期間にわたる加熱と、前記第2加熱と、を交互に実行する加熱態様に変更する、加熱調理器。
【請求項16】
前記制御部は、前記第2加熱の実行中に、前記第1加熱力よりも大きく前記加熱開始時の加熱力よりも小さい所定の加熱力を基準加熱力として、前記基準加熱力よりも大きく前記加熱開始時の加熱力よりも小さい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱態様を、前記基準加熱力よる前記第1期間と同期間にわたる加熱と、前記第2加熱と、を交互に実行する加熱態様に変更する、請求項15に記載の加熱調理器。
【請求項17】
前記制御部は、前記第2加熱の実行中に、前記第1加熱力よりも大きく前記基準加熱力よりも小さい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱態様を、指示された加熱力よる前記第1期間と同期間にわたる加熱と、前記第2加熱と、を交互に実行する加熱態様に変更する、請求項15に記載の加熱調理器。
【請求項18】
前記制御部は、前記第2加熱の実行中に、前記加熱開始時の加熱力よりも大きい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱態様を、前記加熱開始時の加熱力よる前記第1期間と同期間にわたる加熱と、前記第2加熱と、を交互に実行する加熱態様に変更する、請求項15に記載の加熱調理器。
【請求項19】
前記加熱対象の温度を検出する温度検出部を更に備え、
前記制御部は、前記加熱部の加熱態様を変更した後に、前記温度検出部の検出温度に基づいて前記加熱対象の温度が所定の基準温度を超えると判断する場合に、前記加熱部の加熱態様を、前記第1加熱と前記第2加熱とを交互に実行する加熱態様に戻す、請求項10から18のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、加熱力を変更可能な加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されている加熱調理器は、調理容器(加熱対象)を加熱する加熱部と、加熱部の加熱力を変更するための指示を受け付ける変更指示部と、加熱部を制御する制御部とを備えている。制御部は、加熱部の加熱力を第1加熱力と第1加熱力よりも小さい第2加熱力とに切り替えて調理容器内の麺を加熱する。制御部は、麺茹で工程において、変更指示部により加熱部の加熱力を変更する指示がなされたときに、第1加熱力と第2加熱力のうちの第1加熱力のみを変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-234929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の加熱調理器では、第1加熱力を変更することにより加熱対象を加熱し過ぎることが考えられる。そこで本明細書は、加熱対象を適切に加熱することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本技術の第1の態様では、加熱調理器が、加熱対象を加熱する加熱部と、前記加熱部の加熱力を変更するための指示を受け付ける変更指示部と、前記加熱部を制御する制御部と、を備えていてもよい。前記加熱部が、加熱開始時の加熱力よりも小さい第1加熱力による第1期間にわたる第1加熱と、前記第1加熱力よりも小さい第2加熱力による第2期間にわたる第2加熱と、を交互に実行してもよい。前記制御部は、前記第1加熱の実行中に、前記第1加熱力よりも大きく前記加熱開始時の加熱力よりも小さい所定の加熱力を基準加熱力として、前記基準加熱力よりも大きく前記加熱開始時の加熱力よりも小さい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱力を前記基準加熱力に変更してもよい。
【0006】
この構成によれば、加熱部の加熱力を大きくしつつも、制限を設けることにより(即ち、変更後の加熱力の上限を基準加熱力に制限することにより)加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。よって、加熱対象を適切に加熱することができる。そのため、例えば煮物料理において、煮汁を早く沸騰させることができると共に煮汁が吹きこぼれることや具材が焦げ付くことを抑制することができる。
【0007】
第2の態様では、上記第1の態様において、前記制御部は、前記第1加熱の実行中に、前記第1加熱力よりも大きく前記基準加熱力よりも小さい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱力を指示された加熱力に変更してもよい。
【0008】
この構成によれば、加熱部の加熱力が指示された加熱力に変更されるので加熱対象を適切に加熱することができる。
【0009】
第3の態様では、上記第1又は第2の態様において、加熱調理器が、加熱対象を加熱する加熱部と、前記加熱部の加熱力を変更するための指示を受け付ける変更指示部と、前記加熱部を制御する制御部と、を備えていてもよい。前記加熱部が、加熱開始時の加熱力よりも小さい第1加熱力による第1期間にわたる第1加熱と、前記第1加熱力よりも小さい第2加熱力による第2期間にわたる第2加熱と、を交互に実行してもよい。前記制御部は、前記第1加熱の実行中に、前記加熱開始時の加熱力よりも大きい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱力を前記加熱開始時の加熱力に変更してもよい。
【0010】
この構成によれば、加熱部の加熱力を大きくしつつも、制限を設けることにより(即ち、変更後の加熱力の上限を加熱開始時の加熱力に制限することにより)加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。よって、加熱対象を適切に加熱することができる。そのため、例えば煮物料理において、煮汁を早く沸騰させることができると共に煮汁が吹きこぼれることや具材が焦げ付くことを抑制することができる。
【0011】
第4の態様では、上記第1から第3の態様のいずれか一つにおいて、前記制御部は、前記第1加熱の実行中に前記加熱部の加熱力を変更した後に、前記第1期間の終期まで変更後の加熱力を維持し、その後に前記第2加熱を実行してもよい。
【0012】
この構成によれば、変更後の加熱力が第1期間の終期まで維持されるので加熱対象を十分に加熱することができる。また、第1期間の終期が到来した後に加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。
【0013】
第5の態様では、上記第1から第4の態様のいずれか一つにおいて、加熱調理器が、加熱対象を加熱する加熱部と、前記加熱部の加熱力を変更するための指示を受け付ける変更指示部と、前記加熱部を制御する制御部と、を備えていてもよい。前記加熱部が、加熱開始時の加熱力よりも小さい第1加熱力による第1期間にわたる第1加熱と、前記第1加熱力よりも小さい第2加熱力による第2期間にわたる第2加熱と、を交互に実行してもよい。前記制御部は、前記第2加熱の実行中に、前記第2加熱力よりも大きく前記第1加熱力よりも小さい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱力を指示された加熱力に変更してもよい。
【0014】
この構成によれば、加熱部の加熱力を大きくしつつも、制限を設けることにより(即ち、変更後の加熱力の上限を第1加熱力に制限することにより)加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。よって、加熱対象を適切に加熱することができる。そのため、例えば煮物料理において、煮汁を早く沸騰させることができると共に煮汁が吹きこぼれることや具材が焦げ付くことを抑制することができる。
【0015】
第6の態様では、上記第1から第5の態様のいずれか一つにおいて、前記制御部は、前記第2加熱の実行中に前記加熱部の加熱力を変更した後に、前記第2期間の終期まで変更後の加熱力を維持し、その後に前記第1加熱を実行してもよい。
【0016】
この構成によれば、変更後の加熱力が第2期間の終期まで維持されるので加熱対象を十分に加熱することができる。また、第2期間の終期が到来した後に加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。
【0017】
第7の態様では、上記第1から第6の態様のいずれか一つにおいて、加熱調理器が、加熱対象を加熱する加熱部と、前記加熱部の加熱力を変更するための指示を受け付ける変更指示部と、前記加熱部を制御する制御部と、を備えていてもよい。前記加熱部が、加熱開始時の加熱力よりも小さい第1加熱力による第1期間にわたる第1加熱と、前記第1加熱力よりも小さい第2加熱力による第2期間にわたる第2加熱と、を交互に実行してもよい。前記制御部は、前記第2加熱の実行中に、前記第1加熱力よりも大きい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱力を前記第1加熱力よりも大きい加熱力に変更し、前記第1期間と同期間にわたり変更後の加熱力を維持してもよい。
【0018】
この構成によれば、加熱部の加熱力を大きくしつつも、制限を設けることにより(即ち、変更後の加熱力の持続期間を第1期間と同期間に制限することにより)加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。よって、加熱対象を適切に加熱することができる。そのため、例えば煮物料理において、煮汁を早く沸騰させることができると共に煮汁が吹きこぼれることや具材が焦げ付くことを抑制することができる。
【0019】
第8の態様では、上記第1から第7の態様のいずれか一つにおいて、前記制御部は、前記第2加熱の実行中に、前記第1加熱力よりも大きく前記加熱開始時の加熱力よりも小さい所定の加熱力を基準加熱力として、前記基準加熱力よりも大きく前記加熱開始時の加熱力よりも小さい大きい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱力を前記基準加熱力に変更し、前記第1期間と同期間にわたり変更後の加熱力を維持してもよい。
【0020】
この構成によれば、加熱部の加熱力が基準加熱力に制限されるので加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。
【0021】
第9の態様では、上記第1から第8の態様のいずれか一つにおいて、前記制御部は、前記第2加熱の実行中に、前記第1加熱力よりも大きく前記基準加熱力よりも小さい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱力を指示された加熱力に変更し、前記第1期間と同期間にわたり変更後の加熱力を維持してもよい。
【0022】
この構成によれば、加熱部の加熱力が指示された加熱力に変更されるので加熱対象を適切に加熱することができる。
【0023】
第10の態様では、上記第1から第9の態様のいずれか一つにおいて、前記制御部は、前記第2加熱の実行中に、前記加熱開始時の加熱力よりも大きい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱力を前記加熱開始時の加熱力に変更し、前記第1期間と同期間にわたり変更後の加熱力を維持してもよい。
【0024】
この構成によれば、加熱部の加熱力が加熱開始時の加熱力に制限されるので加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。
【0025】
第11の態様では、上記第1から第10の態様のいずれか一つにおいて、加熱調理器が、加熱対象を加熱する加熱部と、前記加熱部の加熱力を変更するための指示を受け付ける変更指示部と、前記加熱部を制御する制御部と、を備えていてもよい。前記加熱部が、加熱開始時の加熱力よりも小さい第1加熱力による第1期間にわたる第1加熱と、前記第1加熱力よりも小さい第2加熱力による第2期間にわたる第2加熱と、を交互に実行してもよい。前記制御部は、前記第1加熱の実行中に、前記第1加熱力よりも大きく前記加熱開始時の加熱力よりも小さい所定の加熱力を基準加熱力として、前記基準加熱力よりも大きく前記加熱開始時の加熱力よりも小さい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱態様を、前記基準加熱力による前記第1期間と同期間にわたる加熱と、前記第2加熱と、を交互に実行する加熱態様に変更してもよい。
【0026】
この構成によれば、加熱部の加熱力を大きくしつつも、制限を設けることにより(即ち、変更後の加熱力の上限を基準加熱力に制限することにより)加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。よって、加熱対象を適切に加熱することができる。そのため、例えば煮物料理において、煮汁を早く沸騰させることができると共に煮汁が吹きこぼれることや具材が焦げ付くことを抑制することができる。
【0027】
第12の態様では、上記第1から第11の態様のいずれか一つにおいて、前記制御部は、前記第1加熱の実行中に、前記第1加熱力よりも大きく前記基準加熱力よりも小さい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱態様を、指示された加熱力による前記第1期間と同期間にわたる加熱と、前記第2加熱と、を交互に実行する加熱態様に変更してもよい。
【0028】
この構成によれば、加熱部の加熱力が指示された加熱力に変更されるので加熱対象を適切に加熱することができる。また、変更後の加熱力と第2加熱力とを反復するので、第1加熱力と第2加熱力とを反復するよりも加熱対象を十分に加熱することができる。
【0029】
第13の態様では、上記第1から第12の態様のいずれか一つにおいて、加熱調理器が、加熱対象を加熱する加熱部と、前記加熱部の加熱力を変更するための指示を受け付ける変更指示部と、前記加熱部を制御する制御部と、を備えていてもよい。前記加熱部が、加熱開始時の加熱力よりも小さい第1加熱力による第1期間にわたる第1加熱と、前記第1加熱力よりも小さい第2加熱力による第2期間にわたる第2加熱と、を交互に実行してもよい。前記制御部は、前記第1加熱の実行中に、前記加熱開始時の加熱力よりも大きい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱態様を、前記加熱開始時の加熱力による前記第1期間と同期間にわたる加熱と、前記第2加熱と、を交互に実行する加熱態様に変更してもよい。
【0030】
この構成によれば、加熱部の加熱力を大きくしつつも、制限を設けることにより(即ち、変更後の加熱力の上限を加熱開始時の加熱力に制限することにより)加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。よって、加熱対象を適切に加熱することができる。そのため、例えば煮物料理において、煮汁を早く沸騰させることができると共に煮汁が吹きこぼれることや具材が焦げ付くことを抑制することができる。
【0031】
第14の態様では、上記第1から第13の態様のいずれか一つにおいて、加熱調理器が、加熱対象を加熱する加熱部と、前記加熱部の加熱力を変更するための指示を受け付ける変更指示部と、前記加熱部を制御する制御部と、を備えていてもよい。前記加熱部が、加熱開始時の加熱力よりも小さい第1加熱力による第1期間にわたる第1加熱と、前記第1加熱力よりも小さい第2加熱力による第2期間にわたる第2加熱と、を交互に実行してもよい。前記制御部は、前記第2加熱の実行中に、前記第2加熱力よりも大きく前記第1加熱力よりも小さい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱態様を、指示された加熱力による前記第2期間と同期間にわたる加熱と、前記第1加熱と、を交互に実行する加熱態様に変更してもよい。
【0032】
この構成によれば、加熱部の加熱力を大きくしつつも、制限を設けることにより(即ち、変更後の加熱力の上限を第1加熱力に制限することにより)加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。よって、加熱対象を適切に加熱することができる。そのため、例えば煮物料理において、煮汁を早く沸騰させることができると共に煮汁が吹きこぼれることや具材が焦げ付くことを抑制することができる。
【0033】
第15の態様では、上記第1から第14の態様のいずれか一つにおいて、加熱調理器が、加熱対象を加熱する加熱部と、前記加熱部の加熱力を変更するための指示を受け付ける変更指示部と、前記加熱部を制御する制御部と、を備えていてもよい。前記加熱部が、加熱開始時の加熱力よりも小さい第1加熱力による第1期間にわたる第1加熱と、前記第1加熱力よりも小さい第2加熱力による第2期間にわたる第2加熱と、を交互に実行してもよい。前記制御部は、前記第2加熱の実行中に、前記第1加熱力よりも大きい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱態様を、前記第1加熱力よりも大きい加熱力よる前記第1期間と同期間にわたる加熱と、前記第2加熱と、を交互に実行する加熱態様に変更してもよい。
【0034】
この構成によれば、加熱部の加熱力を大きくしつつも、制限を設けることにより(即ち、変更後の加熱力の持続期間を第1期間と同期間に制限することにより)加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。よって、加熱対象を適切に加熱することができる。そのため、例えば煮物料理において、煮汁を早く沸騰させることができると共に煮汁が吹きこぼれることや具材が焦げ付くことを抑制することができる。
【0035】
第16の態様では、上記第1から第15の態様のいずれか一つにおいて、前記制御部は、前記第2加熱の実行中に、前記第1加熱力よりも大きく前記加熱開始時の加熱力よりも小さい所定の加熱力を基準加熱力として、前記基準加熱力よりも大きく前記加熱開始時の加熱力よりも小さい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱態様を、前記基準加熱力よる前記第1期間と同期間にわたる加熱と、前記第2加熱と、を交互に実行する加熱態様に変更してもよい。
【0036】
この構成によれば、加熱部の加熱力が基準加熱力に制限されるので加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。また、変更後の加熱力と第2加熱力とを反復するので、第1加熱力と第2加熱力とを反復するよりも加熱対象を十分に加熱することができる。
【0037】
第17の態様では、上記第1から第16の態様のいずれか一つにおいて、前記制御部は、前記第2加熱の実行中に、前記第1加熱力よりも大きく前記基準加熱力よりも小さい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱態様を、指示された加熱力よる前記第1期間と同期間にわたる加熱と、前記第2加熱と、を交互に実行する加熱態様に変更してもよい。
【0038】
この構成によれば、加熱部の加熱力が指示された加熱力に変更されるので加熱対象を適切に加熱することができる。また、変更後の加熱力と第2加熱力とを反復するので、第1加熱力と第2加熱力とを反復するよりも加熱対象を十分に加熱することができる。
【0039】
第18の態様では、上記第1から第17の態様のいずれか一つにおいて、前記制御部は、前記第2加熱の実行中に、前記加熱開始時の加熱力よりも大きい加熱力に変更するための指示が前記変更指示部で受け付けられる場合に、前記加熱部の加熱態様を、前記加熱開始時の加熱力よる前記第1期間と同期間にわたる加熱と、前記第2加熱と、を交互に実行する加熱態様に変更する。
【0040】
この構成によれば、加熱部の加熱力が加熱開始時の加熱力に制限されるので加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。また、変更後の加熱力と第2加熱力とを反復するので、第1加熱力と第2加熱力とを反復するよりも加熱対象を十分に加熱することができる。
【0041】
第19の態様では、上記第10から第18の態様のいずれか一つにおいて、加熱調理器は、前記加熱対象の温度を検出する温度検出部を更に備えていてもよい。前記制御部は、前記加熱部の加熱態様を変更した後に、前記温度検出部の検出温度に基づいて前記加熱対象の温度が所定の基準温度を超えると判断する場合に、前記加熱部の加熱態様を、前記第1加熱と前記第2加熱とを交互に実行する加熱態様に戻してもよい。
【0042】
この構成によれば、加熱対象の温度が基準温度を超えると判断される場合に加熱部の加熱態様が元に戻るので、加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】加熱調理器のブロック図を示す。
図2】加熱調理器を手前側から見た斜視図を示す。
図3】通常加熱と交互加熱のタイミングチャートを示す。
図4】第1加熱モード処理のフローチャートを示す(1)。
図5】第1加熱モード処理のフローチャートを示す(2)。
図6】第1加熱モード処理のタイミングチャートを示す(1)。
図7】第1加熱モード処理のタイミングチャートを示す(2)。
図8】第1加熱モード処理のタイミングチャートを示す(3)。
図9】第1加熱モード処理のタイミングチャートを示す(4)。
図10】第1加熱モード処理のタイミングチャートを示す(5)。
図11】第1加熱モード処理のタイミングチャートを示す(6)。
図12】第1加熱モード処理のタイミングチャートを示す(7)。
図13】第2加熱モード処理のフローチャートを示す(1)。
図14】第2加熱モード処理のフローチャートを示す(2)。
図15】第2加熱モード処理のタイミングチャートを示す(1)。
図16】第2加熱モード処理のタイミングチャートを示す(2)。
図17】第2加熱モード処理のタイミングチャートを示す(3)。
図18】第2加熱モード処理のタイミングチャートを示す(4)。
図19】第2加熱モード処理のタイミングチャートを示す(5)。
図20】第2加熱モード処理のタイミングチャートを示す(6)。
図21】第2加熱モード処理のタイミングチャートを示す(7)。
【発明を実施するための形態】
【0044】
(加熱調理器2の構成;図1図2
図1及び図2を参照して、本実施例の加熱調理器2の構成について説明する。加熱調理器2は、システムキッチンに組み込んで使用されるガス燃焼式のビルトインコンロである。加熱調理器2は、前面4aがシステムキッチンの手前側に露出する本体4と、本体4の上部に配置されており、システムキッチンのカウンタトップに露出する天板6と、を備えている。天板6には、五徳(符号省略)上の加熱対象(例えば鍋などの調理容器)を加熱する3個のコンロバーナ10(加熱部の一例)が設けられている。また、本体4には、グリル8が設けられている。
【0045】
本体4の前面4aにおいてユーザから見てグリル8の右側には、3個のコンロ操作部12(変更指示部の一例)と、コンロパネル14と、が設けられている。3個のコンロ操作部12は、それぞれ、3個のコンロバーナ10に対応する。コンロ操作部12は、コンロバーナ10の点火及び消火を行うと共に、コンロバーナ10の加熱力の調整を行うための操作部である。コンロ操作部12は、オルタネイト型のスイッチである。ユーザによってコンロ操作部12を消火位置から点火位置に移動させるための操作(以下では、「点火操作」と呼ぶ)が実行されると、コンロバーナ10が点火され、ユーザによってコンロ操作部12を点火位置から消火位置に移動させるための操作(以下では、「消火操作」と呼ぶ)が実行されると、コンロバーナ10が消火される。点火位置とは、コンロ操作部12の前面が本体の前面4aよりも前方に突出している位置であり、消火位置とは、コンロ操作部12が本体4内に収容されている位置である。
【0046】
コンロバーナ10の加熱力は、コンロ操作部12が点火位置に位置している状態で、ユーザがコンロ操作部12を時計回り又は反時計回りに操作することにより変更される。コンロ操作部12の操作によりコンロバーナ10の加熱力が指示される。
【0047】
コンロパネル14は、表示部14aと、操作部14bと、を備える。表示部14aには、コンロバーナ10の動作状態及び自動調理のメニューなどが表示される。ユーザは、操作部14bを操作することで自動調理に関する設定(例えば加熱力、時間)を入力することなどができる。
【0048】
また、3個のコンロバーナ10のそれぞれには、当該コンロバーナ10によって加熱される加熱対象(即ち調理容器)の温度を検出するための温度センサ16(温度検出部の一例)が設けられている。
【0049】
また、加熱調理器2は、制御部50を備える。制御部50は、メモリ52と、タイマ54と、を備える。制御部50は、メモリ52に記憶されているプログラム60に従って、加熱調理器2の動作を制御する。例えば、制御部50は、ユーザによってコンロ操作部12が操作されることに応じて、コンロバーナ10に接続されているガス供給路(図示省略)の流量調整弁(図示省略)の開度を調整する。また、制御部50は、後述の第1加熱モード処理(図4図5参照)及び第2加熱モード処理(図13図14参照)を実行する。
【0050】
(通常加熱と交互加熱の説明;図3
次に、加熱調理器2が実行する通常加熱と交互加熱について説明する。加熱調理器2は、通常加熱と交互加熱を実行可能である。図3に示すように、通常加熱は、コンロバーナ10の加熱力を交互に変更せずに一定に維持した状態で加熱対象を加熱する態様である。加熱調理器2は、通常加熱では、コンロ操作部12の操作により指示された加熱力を維持した状態で加熱対象を加熱する。
【0051】
交互加熱は、相対的に大きい加熱力による加熱と、相対的に小さい加熱力による加熱と、を自動で交互に実行することにより加熱対象を加熱する態様である。加熱調理器2は、交互加熱では、例えば第1加熱力h1による第1期間t1(例えば3秒間)にわたる第1加熱H1と、第2加熱力h2による第2期間t2(例えば3秒間)にわたる第2加熱H2と、を自動で交互に実行することにより加熱対象を加熱する。第1期間t1と第2期間t2は、同じ長さであっても異なる長さであってもよい。第1期間t1の終期と第2期間t2の始期が同じタイミングであり、第2期間t2の終期と第1期間t1の始期が同じタイミングである。第1加熱H1が終了するタイミングで第2加熱H2が開始され、第2加熱H2が終了するタイミングで第1加熱H1が開始される。第1加熱力h1は、第2加熱力h2よりも大きい加熱力である。また、第1加熱力h1は、加熱開始時(即ち、コンロバーナ10の点火時)の加熱力h0よりも小さい加熱力に設定されている。加熱調理器2は、例えば、コンロ操作部12で点火操作が受け付けられる場合に通常加熱を実行する。また、加熱調理器2は、例えば、コンロパネル14の操作部14bで交互加熱の指示が受け付けられる場合に交互加熱を実行する。
【0052】
(第1加熱モード処理:図4図5
図4及び図5を参照して、第1加熱モード処理について説明する。第1加熱モード処理は、例えば、コンロ操作部12で点火操作が受け付けられると開始される。
【0053】
第1加熱モード処理のS10では、加熱調理器2の制御部50は、コンロバーナ10による通常加熱を開始する。通常加熱の加熱開始時(即ち、コンロバーナ10の点火時)のコンロバーナ10の加熱力h0は、交互加熱の第1加熱力h1よりも大きい加熱力に設定されている。コンロバーナ10の加熱力は、コンロ操作部12の操作により変更可能である。制御部50は、通常加熱におけるコンロバーナ10の加熱力を、コンロ操作部12の操作により指示される加熱力hxに調整する。
【0054】
S12では、制御部50は、コンロパネル14の操作部14bで交互加熱の指示が受け付けられるか否かを判断する。交互加熱の指示が受け付けられる場合(S12でYES)、処理はS14に進む。交互加熱の指示が受け付けられない場合(S12でNO)、処理は待機する。S14では、制御部50は、コンロバーナ10による交互加熱を開始する。即ち、制御部50は、第1加熱力h1による第1期間t1にわたる第1加熱H1と、第2加熱力h2による第2期間t2にわたる第2加熱H2と、を交互に実行する(図3参照)。
【0055】
なお、制御部50は、コンロバーナ10による通常加熱又は交互加熱の実行中にコンロ操作部12で消火操作が受け付けられる場合は、通常加熱又は交互加熱を終了してコンロバーナ10を消火する。また、制御部50は、コンロバーナ10による交互加熱の実行中にコンロパネル14の操作部14bで交互加熱の終了指示が受け付けられる場合は、交互加熱を終了して通常加熱を再び実行する。また、交互加熱の継続期間が設定されている場合は、制御部50は、設定されている継続期間が満了する場合に、交互加熱を終了して通常加熱を再び実行する。これらの場合に、再実行される通常加熱の加熱力は、例えば、交互加熱が開始される直前の通常加熱の加熱力と同じ加熱力に調整される。
【0056】
S14に続くS16では、制御部50は、コンロバーナ10の加熱力を変更するための指示がコンロ操作部12で受け付けられるか否かを判断する。ユーザがコンロ操作部12を操作することにより、コンロバーナ10の加熱力の変更指示が受け付けられる。加熱力の変更指示が受け付けられる場合(S16でYES)、処理はS18に進む。加熱力の変更指示が受け付けられない場合(S16でNO)、処理は待機する。
【0057】
S18では、制御部50は、現在実行されている交互加熱において、第1加熱H1が実行されているか否かを判断する。第1加熱H1が実行されている場合(S18でYES)、処理はS20に進む。第1加熱H1が実行されていない場合(即ち、第2加熱H2が実行されている場合、S18でNO)、処理は図5のS40に進む。換言すると、第1加熱H1が実行される第1期間t1において加熱力の変更指示が受け付けられる場合(図6図7及び図8参照)、処理はS20に進み、第2加熱H2が実行される第2期間t2において加熱力の変更指示が受け付けられる場合(図9図10図11及び図12参照)、処理はS40に進む。
【0058】
S18でYESの後のS20では、制御部50は、上記のS16の変更指示で指示される加熱力hxが、加熱開始時の加熱力h0よりも大きいか否かを判断する。S16の変更指示で指示される加熱力hxが加熱開始時の加熱力h0よりも大きい場合(S20でYES)、処理はS22に進む。S16の変更指示で指示される加熱力hxが加熱開始時の加熱力h0よりも大きくない(小さい)場合(S20でNO)、処理はS24に進む。S22では、制御部50は、コンロバーナ10の加熱力を加熱開始時の加熱力h0に変更する(図6参照)。
【0059】
S20でNOの後のS24では、制御部50は、上記のS16の変更指示で指示される加熱力hxが、交互加熱の第1加熱力h1よりも大きいか否かを判断する。S16の変更指示で指示される加熱力hxが第1加熱力h1よりも大きい場合(S24でYES)、処理はS25に進む。S16の変更指示で指示される加熱力hxが第1加熱力h1よりも大きくない(小さい)場合(S24でNO)、処理はS28に進む。S28では、制御部50は、コンロバーナ10の加熱力を変更しない。
【0060】
S24でYESの後のS25では、制御部50は、上記のS16の変更指示で指示される加熱力hxが、所定の基準加熱力hrよりも大きいか否かを判断する。所定の基準加熱力hrは、第1加熱力h1よりも大きく、加熱開始時の加熱力h0よりも小さい加熱力である。基準加熱力hrは、例えば、第1加熱力h1と加熱開始時の加熱力h0との平均値に設定される。基準加熱力hrは、例えば、通常加熱の加熱開始時(即ち、コンロバーナ10の点火時)に、加熱開始時の加熱力h0に応じて設定される。S16の変更指示で指示される加熱力hxが基準加熱力hrよりも大きい場合(S25でYES)、処理はS27に進む。S16の変更指示で指示される加熱力hxが基準加熱力hrよりも大きくない(小さい)場合(S25でNO)、処理はS26に進む。S27では、制御部50は、コンロバーナ10の加熱力を基準加熱力hrに変更する(図7参照)。一方、S26では、制御部50は、コンロバーナ10の加熱力を、S16の変更指示で指示される加熱力hxに変更する(図8参照)。
【0061】
S22、S27又はS26に続くS30では、制御部50は、コンロバーナ10の変更後の加熱力(h0、hr又はhx)を、交互加熱の第1期間t1の終期まで維持する(図6図7及び図8参照)。制御部50は、変更後の加熱力を第1期間t1の終期まで維持した後に、コンロバーナ10の加熱力を第2加熱力h2に変更する。
【0062】
続くS32では、制御部50は、再び第1加熱H1と第2加熱H2との交互加熱を実行する。その後、処理はS16に戻る。
【0063】
図5に示すように、上記のS18でNOの後のS40では、制御部50は、上記のS16の変更指示で指示される加熱力hxが、加熱開始時の加熱力h0よりも大きいか否かを判断する。S16の変更指示で指示される加熱力hxが加熱開始時の加熱力h0よりも大きい場合(S40でYES)、処理はS42に進む。S16の変更指示で指示される加熱力hxが加熱開始時の加熱力h0よりも大きくない(小さい)場合(S40でNO)、処理はS44に進む。S42では、制御部50は、コンロバーナ10の加熱力を加熱開始時の加熱力h0に変更する(図9参照)。
【0064】
S40でNOの後のS44では、制御部50は、上記のS16の変更指示で指示される加熱力hxが、交互加熱の第1加熱力h1よりも大きいか否かを判断する。S16の変更指示で指示される加熱力hxが第1加熱力h1よりも大きい場合(S44でYES)、処理はS45に進む。S16の変更指示で指示される加熱力hxが第1加熱力h1よりも大きくない(小さい)場合(S44でNO)、処理はS50に進む。
【0065】
S44でYESの後のS45では、制御部50は、上記のS16の変更指示で指示される加熱力hxが、基準加熱力hrよりも大きいか否かを判断する。基準加熱力hrは、第1加熱力h1よりも大きく、加熱開始時の加熱力h0よりも小さい加熱力である。S16の変更指示で指示される加熱力hxが基準加熱力hrよりも大きい場合(S45でYES)、処理はS47に進む。S16の変更指示で指示される加熱力hxが基準加熱力hrよりも大きくない(小さい)場合(S45でNO)、処理はS46に進む。S47では、制御部50は、コンロバーナ10の加熱力を基準加熱力hrに変更する(図10参照)。一方、S46では、制御部50は、コンロバーナ10の加熱力を、S16の変更指示で指示される加熱力hxに変更する(図11参照)。
【0066】
S42、S47又はS46に続くS48では、制御部50は、コンロバーナ10の変更後の加熱力(h0、hr又はhx)を、交互加熱の第1期間t1と同期間にわたり維持する(図9図10及び図11参照)。制御部50は、変更後の加熱力を第1期間t1と同期間にわたり維持した後に、コンロバーナ10の加熱力を第2加熱力h2に変更する。
【0067】
S44でNOの後のS50では、制御部50は、上記のS16の変更指示で指示される加熱力hxが、交互加熱の第2加熱力h2よりも大きいか否かを判断する。S16の変更指示で指示される加熱力hxが第2加熱力h2よりも大きい場合(S50でYES)、処理はS52に進む。S16の変更指示で指示される加熱力hxが第2加熱力h2よりも大きくない(小さい)場合(S50でNO)、処理はS54に進む。S52では、制御部50は、コンロバーナ10の加熱力を、S16の変更指示で指示される加熱力hxに変更する(図12参照)。一方、S50でNOの後のS54では、制御部50は、コンロバーナ10の加熱力を変更しない。
【0068】
S52に続くS56では、制御部50は、コンロバーナ10の変更後の加熱力(hx)を、交互加熱の第2期間t2の終期まで維持する(図12参照)。制御部50は、変更後の加熱力を第2期間t2の終期まで維持した後に、コンロバーナ10の加熱力を第1加熱力h1に変更する。
【0069】
S48又はS56に続くS58では、制御部50は、再び第1加熱H1と第2加熱H2との交互加熱を実行する。その後、処理はS16に戻る。
【0070】
(第2加熱モード処理:図13及び図14
図13及び図14を参照して、第2加熱モード処理について説明する。第2加熱モード処理について、上記の第1加熱モード処理(図4及び図5参照)と同様の処理については詳細な説明を省略する。
【0071】
第2加熱モード処理では、図13に示すように、上記のS30に続いてS70の処理が実行される。S70では、制御部50は、コンロバーナ10の加熱態様を変更する。具体的には、制御部50は、交互加熱の加熱態様を、第2加熱H2と第3加熱H3とを交互に実行する加熱態様に変更する(図15図16及び図17参照)。第3加熱H3は、上記のS22、S27又はS26で変更した後の加熱力(h0、hr又はhx)による第1期間t1と同期間にわたる加熱を実行する態様である。
【0072】
続くS72では、制御部50は、加熱対象の温度Txが所定の基準温度Thを超えるか否かを判断する。例えば、制御部50は、温度センサ16の検出温度を所定周期で所定数(例えば1秒間隔で5個)だけサンプリングし、その全てが所定温度域(例えば98℃~102℃)に含まれる場合に、加熱対象の温度Txが基準温度Thを超えると判断し、上記サンプリングした温度の少なくとも1個が所定温度域に含まれない場合に、加熱対象の温度Txが基準温度Thを超えないと判断する。加熱対象の温度Txが基準温度Thを超えると判断される場合(S72でYES)、処理はS74に進む。加熱対象の温度Txが基準温度Thを超えると判断されない場合(S72でNO)、処理は待機する。
【0073】
S74では、制御部50は、コンロバーナ10の加熱態様を元に戻す。具体には、制御部50は、交互加熱の加熱態様を、第2加熱H2と第3加熱H3とを交互に実行する加熱態様から、第1加熱H1と第2加熱H2とを交互に実行する加熱態様に変更する(図15図16及び図17参照)。その後、処理はS16に戻る。
【0074】
第2加熱モード処理では、図14に示すように、上記のS48に続いてS80の処理が実行される。S80では、制御部50は、コンロバーナ10の加熱態様を変更する。具体的には、制御部50は、交互加熱の加熱態様を、第2加熱H2と第4加熱H4とを交互に実行する加熱態様に変更する(図18図19及び図20参照)。第4加熱H4は、上記のS42、S47又はS46で変更した後の加熱力(h0、hr又はhx)による第1期間t1と同期間にわたる加熱を実行する態様である。
【0075】
また、第2加熱モード処理では、上記のS56に続いてS90の処理が実行される。S90では、制御部50は、コンロバーナ10の加熱態様を変更する。具体的には、制御部50は、交互加熱の加熱態様を、第1加熱H1と第5加熱H5とを交互に実行する加熱態様に変更する(図21参照)。第5加熱H5は、上記のS52で変更した後の加熱力(hx)による第2期間t2と同期間にわたる加熱を実行する態様である。
【0076】
S80又はS90に続くS82では、制御部50は、加熱対象の温度Txが所定の基準温度Thを超えるか否かを判断する。S82は、上記のS72と同様の処理である。加熱対象の温度Txが基準温度Thを超えると判断される場合(S82でYES)、処理はS84に進む。加熱対象の温度Txが基準温度Thを超えると判断されない場合(S82でNO)、処理は待機する。
【0077】
S84では、制御部50は、コンロバーナ10の加熱態様を元に戻す。具体的には、制御部50は、交互加熱の加熱態様を、第1加熱H1と第2加熱H2とを交互に実行する加熱態様に変更する(図18図19図20及び図21参照)。その後、処理はS16に戻る。
【0078】
(効果)
以上、実施例の加熱調理器2について説明した。以上の説明から明らかなように、加熱調理器2の制御部50は、第1加熱H1の実行中に、加熱開始時の加熱力h0よりも大きい加熱力hxに変更するための指示がコンロ操作部12で受け付けられる場合に、コンロバーナ10の加熱力を加熱開始時の加熱力h0に変更する(図4のS20、S22、図6参照)。この構成によれば、コンロバーナ10の加熱力を大きくしつつも、変更後の加熱力の上限を加熱開始時の加熱力h0に制限することにより、加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。よって、加熱対象を適切に加熱することができる。
【0079】
また、制御部50は、第1加熱H1の実行中に、基準加熱力hrよりも大きく加熱開始時の加熱力h0よりも小さい加熱力hxに変更するための指示がコンロ操作部12で受け付けられる場合に、コンロバーナ10の加熱力を基準加熱力hrに変更する(図4のS20、S24、S25、S27、図7参照)。この構成によれば、コンロバーナ10の加熱力を大きくしつつも、変更後の加熱力の上限を基準加熱力hrに制限することにより、加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。よって、加熱対象を適切に加熱することができる。
【0080】
また、制御部50は、第1加熱H1の実行中に、第1加熱力h1よりも大きく基準加熱力hrよりも小さい加熱力hxに変更するための指示がコンロ操作部12で受け付けられる場合に、コンロバーナ10の加熱力を指示された加熱力hxに変更する(図4のS20、S24、S25、S26、図8参照)。この構成によれば、コンロバーナ10の加熱力が指示された加熱力hxに変更されるので加熱対象を適切に加熱することができる。
【0081】
また、制御部50は、第1加熱H1の実行中にコンロバーナ10の加熱力を変更した後に、第1期間t1の終期まで変更後の加熱力を維持し、その後に第2加熱H2を実行する(図4のS30、S32、図6図7図8参照)。この構成によれば、変更後の加熱力が第1期間t1の終期まで維持されるので加熱対象を十分に加熱することができる。また、第1期間t1の終期が到来した後に加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。加熱力の変更指示が受け付けられたステップのみ加熱力を変更するので、加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。
【0082】
また、制御部50は、第2加熱H2の実行中に、第2加熱力h2よりも大きく第1加熱力h1よりも小さい加熱力hxに変更するための指示がコンロ操作部12で受け付けられる場合に、コンロバーナ10の加熱力を指示された加熱力hxに変更する(図5のS44、S50、S52、図12参照)。この構成によれば、コンロバーナ10の加熱力を大きくしつつも、変更後の加熱力の上限を第1加熱力h1に制限することにより加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。よって、加熱対象を適切に加熱することができる。
【0083】
また、制御部50は、第2加熱H2の実行中にコンロバーナ10の加熱力を変更した後に、第2期間t2の終期まで変更後の加熱力を維持し、その後に第1加熱H1を実行する(図5のS56、S58、図12参照)。この構成によれば、変更後の加熱力が第2期間t2の終期まで維持されるので加熱対象を十分に加熱することができる。また、第2期間t2の終期が到来した後に加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。加熱力の変更指示が受け付けられたステップのみ加熱力を変更するので、加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。
【0084】
また、制御部50は、第2加熱H2の実行中に、第1加熱力h1よりも大きい加熱力に変更するための指示がコンロ操作部12で受け付けられる場合に、コンロバーナ10の加熱力を第1加熱力h1よりも大きい加熱力に変更し、第1期間t1と同期間にわたり変更後の加熱力を維持する(図5のS40、S42、S44、S45、S46、S47、S48、図9図10図11参照)。この構成によれば、コンロバーナ10の加熱力を大きくしつつも、変更後の加熱力の持続期間を第1期間t1と同期間に制限することにより、加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。よって、加熱対象を適切に加熱することができる。
【0085】
制御部50は、第2加熱H2の実行中に、加熱開始時の加熱力h0よりも大きい加熱力hxに変更するための指示がコンロ操作部12で受け付けられる場合に、コンロバーナ10の加熱力を加熱開始時の加熱力h0に変更し、第1期間t1と同期間にわたり変更後の加熱力を維持する(図5のS40、S42、S48、図9参照)。この構成によれば、コンロバーナ10の加熱力が加熱開始時の加熱力h0に制限されるので加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。
【0086】
制御部50は、第2加熱H2の実行中に、基準加熱力hrよりも大きく加熱開始時の加熱力h0よりも小さい加熱力hxに変更するための指示がコンロ操作部12で受け付けられる場合に、コンロバーナ10の加熱力を基準加熱力hrに変更し、第1期間t1と同期間にわたり変更後の加熱力を維持する(図5のS40、S44、S45、S47、S48、図10参照)。この構成によれば、コンロバーナ10の加熱力が基準加熱力hrに制限されるので加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。
【0087】
制御部50は、第2加熱H2の実行中に、第1加熱力h1よりも大きく基準加熱力hrよりも小さい加熱力hxに変更するための指示がコンロ操作部12で受け付けられる場合に、コンロバーナ10の加熱力を指示された加熱力hxに変更し、第1期間t1と同期間にわたり変更後の加熱力を維持する(図5のS40、S44、S45、S46、S48、図11参照)。この構成によれば、コンロバーナ10の加熱力が指示された加熱力に変更されるので加熱対象を適切に加熱することができる。
【0088】
また、制御部50は、第1加熱H1の実行中に、加熱開始時の加熱力h0よりも大きい加熱力hxに変更するための指示がコンロ操作部12で受け付けられる場合に、コンロバーナ10の加熱態様を、加熱開始時の加熱力h0による第1期間t1と同期間にわたる第3加熱H3と、第2加熱H2と、を交互に実行する加熱態様に変更する(図13のS20、S22、S70、図15参照)。この構成によれば、コンロバーナ10の加熱力を大きくしつつも、変更後の加熱力の上限を加熱開始時の加熱力h0に制限することにより、加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。よって、加熱対象を適切に加熱することができる。また、変更後の加熱力h0と第2加熱力h2とを反復するので、第1加熱力h1と第2加熱力h2とを反復するよりも加熱対象を十分に加熱することができる。
【0089】
また、制御部50は、第1加熱H1の実行中に、基準加熱力hrよりも大きく加熱開始時の加熱力h0よりも小さい加熱力hxに変更するための指示がコンロ操作部12で受け付けられる場合に、コンロバーナ10の加熱態様を、基準加熱力hrによる第1期間t1と同期間にわたる第3加熱H3と、第2加熱H2と、を交互に実行する加熱態様に変更する(図13のS20、S24、S25、S27、S70、図16参照)。この構成によれば、変更後の加熱力の上限を基準加熱力hrに制限することにより、加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。また、変更後の加熱力hrと第2加熱力h2とを反復するので、第1加熱力h1と第2加熱力h2とを反復するよりも加熱対象を十分に加熱することができる。
【0090】
また、制御部50は、第1加熱H1の実行中に、第1加熱力h1よりも大きく基準加熱力hrよりも小さい加熱力hxに変更するための指示がコンロ操作部12で受け付けられる場合に、コンロバーナ10の加熱態様を、指示された加熱力hxによる第1期間t1と同期間にわたる第3加熱H3と、第2加熱H2と、を交互に実行する加熱態様に変更する(図13のS20、S24、S25、S26、S70、図17参照)。この構成によれば、コンロバーナ10の加熱力が指示された加熱力hxに変更されるので加熱対象を適切に加熱することができる。また、変更後の加熱力hxと第2加熱力h2とを反復するので、第1加熱力h1と第2加熱力h2とを反復するよりも加熱対象を十分に加熱することができる。
【0091】
また、制御部50は、コンロバーナ10の加熱態様を変更した後に、温度センサ16の検出温度に基づいて加熱対象の温度Txが基準温度Thを超えると判断する場合に、コンロバーナ10の加熱態様を、第1加熱H1と第2加熱H2とを交互に実行する加熱態様に戻す(図13のS72、S74、図15図16図17参照)。この構成によれば、加熱対象の温度Txが基準温度Thを超えると判断される場合にコンロバーナ10の加熱態様が元に戻るので、加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。
【0092】
また、制御部50は、第2加熱H2の実行中に、第1加熱力h1よりも大きい加熱力に変更するための指示がコンロ操作部12で受け付けられる場合に、コンロバーナ10の加熱態様を、第1加熱力h1よりも大きい加熱力よる第1期間t1と同期間にわたる第4加熱H4と、第2加熱H2と、を交互に実行する加熱態様に変更する(図14のS40、S44、S80、図18図19図20参照)。この構成によれば、コンロバーナ10の加熱力を大きくしつつも、変更後の加熱力の持続期間を第1期間t1と同期間に制限することにより、加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。よって、加熱対象を適切に加熱することができる。また、変更後の加熱力と第2加熱力h2とを反復するので、第1加熱力h1と第2加熱力h2とを反復するよりも加熱対象を十分に加熱することができる。
【0093】
制御部50は、第2加熱H2の実行中に、加熱開始時の加熱力h0よりも大きい加熱力hxに変更するための指示がコンロ操作部12で受け付けられる場合に、コンロバーナ10の加熱態様を、加熱開始時の加熱力h0よる第1期間t1と同期間にわたる第4加熱H4と、第2加熱H2と、を交互に実行する加熱態様に変更する(図14のS40、S80、図18参照)。この構成によれば、コンロバーナ10の加熱力が加熱開始時の加熱力h0に制限されるので加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。また、変更後の加熱力h0と第2加熱力h2とを反復するので、第1加熱力h1と第2加熱力h2とを反復するよりも加熱対象を十分に加熱することができる。
【0094】
制御部50は、第2加熱H2の実行中に、基準加熱力hrよりも大きく加熱開始時の加熱力h0よりも小さい加熱力hxに変更するための指示がコンロ操作部12で受け付けられる場合に、コンロバーナ10の加熱態様を、基準加熱力hrよる第1期間t1と同期間にわたる第4加熱H4と、第2加熱H2と、を交互に実行する加熱態様に変更する(図14のS45、S80、図19参照)。この構成によれば、コンロバーナ10の加熱力が基準加熱力hrに制限されるので加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。また、変更後の加熱力hrと第2加熱力h2とを反復するので、第1加熱力h1と第2加熱力h2とを反復するよりも加熱対象を十分に加熱することができる。
【0095】
制御部50は、第2加熱H2の実行中に、第1加熱力h1よりも大きく加熱開始時の加熱力h0よりも小さい加熱力hxに変更するための指示がコンロ操作部12で受け付けられる場合に、コンロバーナ10の加熱態様を、指示された加熱力hxよる第1期間t1と同期間にわたる第4加熱H4と、第2加熱H2と、を交互に実行する加熱態様に変更する(図14のS44、S80、図20参照)。この構成によれば、コンロバーナ10の加熱力が指示された加熱力hxに変更されるので加熱対象を適切に加熱することができる。また、変更後の加熱力hxと第2加熱力h2とを反復するので、第1加熱力h1と第2加熱力h2とを反復するよりも加熱対象を十分に加熱することができる。
【0096】
また、制御部50は、コンロバーナ10の加熱態様を変更した後に、温度センサ16の検出温度に基づいて加熱対象の温度Txが基準温度Thを超えると判断する場合に、コンロバーナ10の加熱態様を、第1加熱H1と第2加熱H2とを交互に実行する加熱態様に戻す(図14のS82、S84、図18図19図20、参照)。この構成によれば、加熱対象の温度Txが基準温度Thを超えると判断される場合にコンロバーナ10の加熱態様が元に戻るので、加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。
【0097】
また、制御部50は、第2加熱H2の実行中に、第2加熱力h2よりも大きく第1加熱力h1よりも小さい加熱力hxに変更するための指示がコンロ操作部12で受け付けられる場合に、コンロバーナ10の加熱態様を、指示された加熱力hxによる第2期間t2と同期間にわたる第5加熱H5と、第1加熱H1と、を交互に実行する加熱態様に変更する(図14のS44、S50、S90、図21参照)。この構成によれば、コンロバーナ10の加熱力を大きくしつつも、変更後の加熱力の上限を第1加熱力h1に制限することにより、加熱対象を加熱し過ぎることを抑制することができる。よって、加熱対象を適切に加熱することができる。また、変更後の加熱力hxと第1加熱力h1とを反復するので、第1加熱力h1と第2加熱力h2とを反復するよりも加熱対象を十分に加熱することができる。
【0098】
また、制御部50は、コンロバーナ10の加熱態様を変更した後に、温度センサ16の検出温度に基づいて加熱対象の温度Txが基準温度Thを超えると判断する場合に、コンロバーナ10の加熱態様を、第1加熱H1と第2加熱H2とを交互に実行する加熱態様に戻す(図14のS82、S84、図21参照)。
【0099】
上記の各構成によれば、例えば煮物料理において、煮汁を早く沸騰させることができると共に煮汁が吹きこぼれることや具材が焦げ付くことを抑制することができる。また、ユーザが一時的に大きな加熱力が必要となっても、十分な加熱力にすることができるため、食材の加熱不足や調理時間の延長などの発生を抑制し、それに伴うユーザの不満を解消することができる。また、調理時間の短縮を図ることができる。
【0100】
以上、各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0101】
(変形例1)「加熱調理器」は、ガス燃焼式のビルトインコンロに限らず、例えば、IH調理器でもよい。
【0102】
(変形例2)「温度検出部」は、加熱調理器2の外側から加熱対象を撮影するサーモグラフィであってもよい。また、温度センサ16として、調理容器の温度を(非接触で)検出する赤外線センサを用いて、赤外線センサの計測温度の時系列データを用いてもよい。
【0103】
(変形例3)第1加熱モード及び第2加熱モードは、煮物調理のための煮物調理モード又は麺茹でのための麺茹でモードであってもよい。
【0104】
本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0105】
2:加熱調理器、4:本体、4a:前面、6:天板、8:グリル、10:コンロバーナ、12:コンロ操作部、14:コンロパネル、14a:表示部、14b:操作部、16:温度センサ、50:制御部、52:メモリ、54:タイマ、60:プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21