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特開2024-22752血栓捕捉具及びそれを用いた血栓吸引用のボトル組立体
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  • 特開-血栓捕捉具及びそれを用いた血栓吸引用のボトル組立体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022752
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】血栓捕捉具及びそれを用いた血栓吸引用のボトル組立体
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/00 20060101AFI20240214BHJP
【FI】
A61M1/00 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022126065
(22)【出願日】2022-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】000135036
【氏名又は名称】ニプロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001966
【氏名又は名称】弁理士法人笠井中根国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【弁理士】
【氏名又は名称】笠井 美孝
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【弁理士】
【氏名又は名称】中根 美枝
(72)【発明者】
【氏名】秋濱 秀宣
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077CC03
4C077CC06
4C077EE01
4C077EE04
4C077KK13
4C077KK27
(57)【要約】
【課題】種々の吸引ボトルに適合して血栓を血液から分離捕捉することが可能とされた、新規な構造の血栓捕捉具を提供する。
【解決手段】血栓吸引用の吸引ボトル26に出し入れ可能とされて、吸引ボトル26に収容状態で配置されることにより吸引ボトル26に導き入れられる血液中の血栓を捕捉する血栓捕捉具10であって、血液を透過させて血栓を分離捕捉するフィルタ部24と、フィルタ部24の外周部分において上方に向かって立ち上がる外周壁部16と、フィルタ部24から下方に向かって突出してフィルタ部24を吸引ボトル26の底面34から上方に離れた位置に支持する支持脚部18とを、有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血栓吸引用の吸引ボトルに出し入れ可能とされて、該吸引ボトルに収容状態で配置されることにより該吸引ボトルに導き入れられる血液中の血栓を捕捉する血栓捕捉具であって、
血液を透過させて血栓を分離捕捉するフィルタ部と、
該フィルタ部の外周部分において上方に向かって立ち上がる外周壁部と、
該フィルタ部から下方に向かって突出して該フィルタ部を前記吸引ボトルの底面から上方に離れた位置に支持する支持脚部と
を、有する血栓捕捉具。
【請求項2】
前記外周壁部と前記支持脚部とを含む一体成形品に対してシート状のメッシュ部材が固着されることによって前記フィルタ部が構成されている請求項1に記載の血栓捕捉具。
【請求項3】
前記フィルタ部が水平方向に広がるフィルタ面を有している請求項1又は2に記載の血栓捕捉具。
【請求項4】
前記外周壁部が上方に向かって次第に小径となる逆テーパ状部を有している請求項1又は2に記載の血栓捕捉具。
【請求項5】
前記支持脚部が、
前記吸引ボトルの底面に重ね合わされて載置される載置部と、
前記フィルタ部から下方に向かって突出して該載置部に連結される脚部とを有している請求項1又は2に記載の血栓捕捉具。
【請求項6】
前記支持脚部が、前記フィルタ部の外周部分からそれぞれ下方に向かって突出した複数本の立足を有している請求項1又は2に記載の血栓捕捉具。
【請求項7】
前記支持脚部が、底壁と周壁とを有するカップ状とされて血液を貯留可能とされている請求項1又は2に記載の血栓捕捉具。
【請求項8】
カップ状のボトル本体と蓋体とを有する血栓吸引用の吸引ボトルに対して、請求項1又は2に記載の血栓捕捉具が収容状態で配置された血栓吸引用のボトル組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血管内の血栓を吸引して除去する血栓吸引療法に用いられて、吸引ボトルへ導き入れられた血液中の血栓を捕捉する血栓捕捉具と、それを用いた血栓吸引用のボトル組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
血管内の血栓を吸引カテーテルによって吸引して除去する血栓吸引療法を行う際に、血管内から血栓と共に吸引された血液は、吸引ボトルへ導き入れられる。この血液中の血栓は、例えば術中又は術後に血栓量や血栓の性状を確認するために、国際公開第2020/246431号(特許文献1)に示されているような血栓捕捉具(血栓捕捉部材)によって血液から分離される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2020/246431号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1では、血栓捕捉具が吸引ボトルの上部に対して引っ掛けられるようにして取り付けられる構造が提案されている。そして、吸引ボトルの蓋を貫通するポートを通じて導き入れられた血液が、血栓捕捉具のメッシュを上から下へ通過することにより、血液がメッシュの網目を通じて下方へ流れ落ちると共に、血栓がメッシュ上に捕捉される。
【0005】
しかしながら、特許文献1に係る血栓捕捉具では、吸引ボトルの上部に引っ掛けるようにして取り付けられることから、吸引ボトルのサイズや開口形状等に応じて設計された専用の血栓捕捉具が必要となって、汎用性に乏しかった。しかも、吸引ボトルのサイズや開口形状等を変更する場合には、血栓捕捉具の大きさや形状も併せて変更する必要が生じてしまうという課題もあった。
【0006】
本発明の解決課題は、種々の吸引ボトルに適合して血栓を血液から分離捕捉することが可能とされた、新規な構造の血栓捕捉具を提供することにある。
【0007】
また、本発明は、上述の血栓捕捉具を用いた、新規な構造の血栓吸引用のボトル組立体を提供することも、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、本発明を把握するための好ましい態様について記載するが、以下に記載の各態様は、例示的に記載したものであって、適宜に互いに組み合わせて採用され得るだけでなく、各態様に記載の複数の構成要素についても、可能な限り独立して認識及び採用することができ、適宜に別の態様に記載の何れかの構成要素と組み合わせて採用することもできる。それによって、本発明では、以下に記載の態様に限定されることなく、種々の別態様が実現され得る。
【0009】
第1の態様は、血栓吸引用の吸引ボトルに出し入れ可能とされて、該吸引ボトルに収容状態で配置されることにより該吸引ボトルに導き入れられる血液中の血栓を捕捉する血栓捕捉具であって、血液を透過させて血栓を分離捕捉するフィルタ部と、該フィルタ部の外周部分において上方に向かって立ち上がる外周壁部と、該フィルタ部から下方に向かって突出して該フィルタ部を前記吸引ボトルの底面から上方に離れた位置に支持する支持脚部とを、有するものである。
【0010】
本態様に従う構造とされた血栓捕捉具によれば、支持脚部によって吸引ボトル内で自立することから、吸引ボトルとの間に係合等の取付構造を設ける場合に比して、吸引ボトルに対してサイズや形状等を精度良く設定する必要がなく、サイズや形状が異なる複数種類の吸引ボトルに適用することも可能となる。このように、本態様の血栓捕捉具は、種々の吸引ボトルに適合可能な優れた汎用性を備えており、病院等が既に所持している吸引ボトルに対しても適用することができるし、吸引ボトルの形状やサイズ等の設計変更があったとしても、設計変更後の吸引ボトルに対する適用可能性がある。
【0011】
血栓捕捉具は、吸引ボトルに収容状態で配置する際に吸引ボトル内で自立して、フィルタ部が吸引ボトルの底面から離れた上方に保持されることから、フィルタ部によって捕捉された血栓が、吸引ボトルに貯留された血液中に沈むことなく分離されて、血栓の有無や大きさ、性状等の目視による確認が容易とされる。また、フィルタ部上に捕捉された血栓は、外周壁部によってフィルタ部から外周への零れ落ちが防止されており、血液から分離捕捉した血栓がフィルタ部上に安定して保持される。
【0012】
第2の態様は、第1の態様に記載された血栓捕捉具において、前記外周壁部と前記支持脚部とを含む一体成形品に対してシート状のメッシュ部材が固着されることによって前記フィルタ部が構成されているものである。
【0013】
本態様に従う構造とされた血栓捕捉具によれば、外周壁部と支持脚部とが一体成形品として形成されることにより、部品点数が少なくなって製造が容易になる。また、一体成形品に対してシート状のメッシュ部材を固着することにより、一体成形では実現し難いより微細な血栓の捕捉性能や優れた血液透過性等をフィルタ部において実現することができる。
【0014】
第3の態様は、第1又は第2の態様に記載された血栓捕捉具において、前記フィルタ部が水平方向に広がるフィルタ面を有しているものである。
【0015】
本態様に従う構造とされた血栓捕捉具によれば、重力の作用によって鉛直上下方向に流れる血液をフィルタ部に対して直交方向に通過させて、血液中の血栓を効率的に分離捕捉することができると共に、血液がフィルタ面上に留まり難い。また、フィルタ面が水平方向に広がっていることによって、フィルタ部で捕捉された血栓がフィルタ面上で分散し易く、各血栓の大きさや形状等を確認し易い。
【0016】
第4の態様は、第1~第3の何れか1つの態様に記載された血栓捕捉具において、前記外周壁部が上方に向かって次第に小径となる逆テーパ状部を有しているものである。
【0017】
本態様に従う構造とされた血栓捕捉具によれば、逆テーパ状部において外周面が逆テーパ形状とされていれば、外周壁部が吸引ボトルの周壁に対して上方に向かってより大きく離隔することから、例えばフィルタ部で捕捉された血栓を外部に取り出して回収する際に、外周壁部を把持し易く、血栓捕捉具を吸引ボトルから取り出し易い。また、逆テーパ状部において内周面が逆テーパ形状とされていれば、フィルタ部によって捕捉された血栓がより零れ落ち難くなる。なお、逆テーパ状部は、外周面と内周面の少なくとも一方が逆テーパ形状とされていればよい。
【0018】
第5の態様は、第1~第4の何れか1つの態様に記載された血栓捕捉具において、前記支持脚部が、前記吸引ボトルの底面に重ね合わされて載置される載置部と、前記フィルタ部から下方に向かって突出して該載置部に連結される脚部とを有しているものである。
【0019】
本態様に従う構造とされた血栓捕捉具によれば、載置部によって吸引ボトルの底面上に自立すると共に、脚部によってフィルタ部が吸引ボトルの底面から上方へ離れた位置に保持されて、フィルタ部上に捕捉された血栓が吸引ボトル内に溜まる血液に浸かって視認し難くなるのを防ぐことができる。また、例えば、複数の脚部を設けると共に、それら脚部を相互に連結するように載置部を設けるようにすれば、各脚部を細くして、吸引ボトル内の視認性や吸引ボトル内における血液の流動性等への悪影響を抑えながら、支持脚部の剛性を確保して安定した自立を可能とすることができる。
【0020】
第6の態様は、第1~第5の何れか1つの態様に記載された血栓捕捉具において、前記支持脚部が、前記フィルタ部の外周部分からそれぞれ下方に向かって突出した複数本の立足を有しているものである。
【0021】
本態様に従う構造とされた血栓捕捉具によれば、複数本の立足によって、フィルタ部を吸引ボトルの底面から離れた位置に安定して保持することができる。また、例えば、フィルタ部を通過した血液が、複数本の立足の周方向間を通じて外周へ移動可能とされて、フィルタ部の下方だけに血液が溜まるのを防ぐことができる。
【0022】
第7の態様は、第1~第6の何れか1つの態様に記載された血栓捕捉具において、前記支持脚部が、底壁と周壁とを有するカップ状とされて血液を貯留可能とされているものである。
【0023】
本態様に従う構造とされた血栓捕捉具によれば、吸引ボトルへ導き入れられた血液を廃棄等する際に、支持脚部に血液が溜まった血栓捕捉具を吸引ボトルから取り出すことによって、血液を吸引ボトルから簡単に取り出すことができる。
【0024】
第8の態様は、血栓吸引用のボトル組立体であって、カップ状のボトル本体と蓋体とを有する血栓吸引用の吸引ボトルに対して、第1~第7の何れか1つの態様に記載された血栓捕捉具が収容状態で配置されたものである。
【0025】
本態様に従う構造とされた血栓吸引用のボトル組立体によれば、吸引ボトルに導き入れられた血液中の血栓を、血栓捕捉具によって分離捕捉することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、種々の吸引ボトルに適用可能な汎用性に優れた血栓捕捉具によって、血栓を捕捉することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の第1実施形態としての血栓捕捉具の斜視図
図2図1の血栓捕捉具を別の角度で示す斜視図
図3図1に示す血栓捕捉具の正面図
図4図3に示す血栓捕捉具の底面図
図5図3のV-V断面図
図6図3のVI-VI断面図
図7図1に示す血栓捕捉具を備えるボトル組立体の縦断面図
図8】本発明の第2実施形態としての血栓捕捉具の縦断面図
図9】本発明の第3実施形態としての血栓捕捉具の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0029】
図1図4には、本発明の第1実施形態としての血栓捕捉具10が示されている。血栓捕捉具10は、例えば血栓吸引療法において、吸引カテーテルで体外へ吸引された血液中の血栓を分離捕捉する。血栓捕捉具10は、図5にも示すように、一体成形品12にメッシュ部材14が固着された構造を有している。以下の説明において、原則として、上下方向とは使用状態の鉛直上下方向となる図3中の上下方向を言う。
【0030】
一体成形品12は、例えば樹脂やガラスによって形成されて、透明乃至は半透明とされている。一体成形品12は、筒状の外周壁部16と、外周壁部16から下方へ延び出して設けられる支持脚部18とを、備えている。
【0031】
外周壁部16は、筒状とされており、本実施形態では略円筒形状とされている。外周壁部16は、外周面が上方に向けて次第に小径となる逆テーパ形状とされていると共に、内周面が上下方向に延びるストレートな円筒形状とされており、外周壁部16が上方に向けて徐々に薄肉となっている。外周壁部16は、上下方向の全長が上方に向けて次第に小径となる外周面を有した逆テーパ状部とされている。外周壁部16の外周面の上下方向に対する傾斜角度は、特に限定されないが、本実施形態では2度とされている。
【0032】
支持脚部18は、外周壁部16から下方へ離れた位置に載置部20を備えている。本実施形態の載置部20は、略円環形状とされている。載置部20は、外周面が上下方向に延びるストレートな円筒形状とされていると共に、内周面が下方に向けて次第に大径となる逆テーパ形状とされている。
【0033】
支持脚部18は、外周壁部16と載置部20とを連結する立足としての複数の脚部22を備えている。脚部22は、上下方向に直線的に延びる略板状とされており、図6に示すように、複数本(本実施形態では4本)が周方向で略均等に設けられている。脚部22は、外周壁部16から下方へ向けて延び出しており、下端が載置部20に一体的に連結されている。これにより、複数の脚部22の下端が相互に独立している場合に比して、変形剛性が大きく確保されて、支持脚部18の変形の抑制による後述するフィルタ部24のより安定した支持が実現される。脚部22は、図3図5に示すように、外周側の表面が上下方向に延びるストレートな円筒形状とされていると共に、内周側の表面が下方に向けて次第に大径となる逆テーパ形状とされており、下方に向けて徐々に薄肉となっている。脚部22の内周面が逆テーパ形状とされて、脚部22の下端が薄肉となっていることにより、後述する吸引ボトル28の底面34への接地の安定性が高められている。脚部22の内周側の表面の傾斜角度は、外周壁部16の内周面の傾斜角度よりも小さくされており、本実施形態では1度とされている。脚部22の内周側の表面の傾斜は、内周面の成形金型を下方へ脱型する際の抜きテーパとなっている。脚部22の幅寸法は、外周壁部16の下端部の周長に対して、1/8以下であることが望ましく、より好適には1/32以下とされる。脚部22の外周側表面及び内周側表面は、載置部20の外周面及び内周面と略同じ傾斜角度で連続している。
【0034】
支持脚部18の下端からメッシュ部材14までの上下方向の距離Hは、外周壁部16の上端からメッシュ部材14までの上下方向の距離hよりも大きくされている。支持脚部18の下端からメッシュ部材14までの上下方向の距離Hは、後述する吸引ボトル28における血液貯留領域の深さよりも大きくされていることが望ましい。
【0035】
メッシュ部材14は、略円形のシート状又は薄肉板状の部材であって、網目状の微小な穴が多数設けられることによって、血液の透過を許容し、血液中の血栓を分離捕捉する。メッシュ部材14の材質は、特に限定されないが、例えば金属や樹脂によって形成される。
【0036】
メッシュ部材14は、図5に示すように、外周端部が外周壁部16の下側で一体成形品12に固着されており、上下方向に対して直交する水平方向に広がって、外周壁部16の下開口を覆っている。これにより、一体成形品12の上下方向の途中に、血液を透過して血栓を分離捕捉するフィルタ部24が一体成形品12の一部とメッシュ部材14とを含んで構成されている。換言すれば、メッシュ部材14を含んで構成されたフィルタ部24が、フィルタ部24の外周部分において下方へ向かって延び出す支持脚部18によって、一体成形品12の下端から上方へ離れた位置に支持されていると共に、フィルタ部24の外周部分において筒状の外周壁部16が上方へ向かって突出している。メッシュ部材14の上面は、略水平方向に広がるフィルタ面25とされている。
【0037】
フィルタ部24の外周部分において上方へ突出する外周壁部16が透明乃至は半透明とされていることにより、フィルタ部24を構成するメッシュ部材14の上面(フィルタ面25)の視認性が確保されている。従って、メッシュ部材14の上面に分離捕捉された血栓は、外周側から目視で確認し易くされている。
【0038】
このような構造とされた血栓捕捉具10は、図7に示すように、血栓吸引用のボトル組立体26を構成した状態で使用される。ボトル組立体26は、血栓捕捉具10が血栓吸引用の吸引ボトル28に収容されることによって構成される。吸引ボトル28は、上方に開口を有するカップ状のボトル本体30と、ボトル本体30の開口を塞ぐ蓋体32とを、有している。
【0039】
ボトル本体30は、透明乃至は半透明とされており、例えば血液の貯留量を示す目盛が周壁部分に設けられている。ボトル本体30は、目盛の上端まで血液を貯留可能とされており、底面34から目盛の上端までの内部空間が血液貯留領域とされている。ボトル本体30の血液貯留領域の容積は、特に限定されないが、例えば100mlや200mlとされる。
【0040】
蓋体32は、ボトル本体30の開口を覆う或いは開口に嵌め込まれることにより、ボトル本体30の開口を塞ぐものであって、ボトル本体30に対して着脱自在とされている。本実施形態の蓋体32は、全体として下方に向けて開口する凹形状(逆有底筒形状)とされており、周壁部の内側には環状に延びるOリング36が配されている。Oリング36は、蓋体32がボトル本体30に取り付けられた状態において、蓋体32の上底壁部とボトル本体30の開口端部との間で上下方向に圧縮されることで、蓋体32とボトル本体30の間を全周に亘って液密に封止する。
【0041】
蓋体32には、図示しない吸引カテーテルのルーメンに接続される患者側ポート38と、吸引カテーテルのルーメンに負圧を及ぼす図示しない吸引器に接続される吸引器側ポート40とが、設けられている。それらポート38,40は、蓋体32を貫通して設けられており、チューブ等が接続される筒状の接続部分が上方へ突出して設けられている。
【0042】
血栓捕捉具10は、図7に示すように、ボトル本体30に差し入れられて、ボトル本体30の底面34に支持脚部18の載置部20が重ね合わされて載置されることにより、ボトル本体30の底面34上に自立した状態で配される。これにより、血栓捕捉具10の上下方向の途中に設けられたフィルタ部24(メッシュ部材14)は、フィルタ部24の外周端部から下方へ延び出す脚部22によって、ボトル本体30の底面34から上方に離れた位置に支持される。そして、血栓捕捉具10を収容したボトル本体30に対して蓋体32が取り付けられることにより、血栓捕捉具10がボトル本体30の底面34と蓋体32との間で吸引ボトル28内に収容配置されて、血栓吸引用のボトル組立体26が構成される。
【0043】
このように、血栓捕捉具10が、底面34上に自立することによって、吸引ボトル28内に収容状態で配設可能とされていることから、例えばボトル本体30の開口部に引っ掛けられて取り付けられる場合に比して、血栓捕捉具10のサイズや形状等が吸引ボトル28のサイズや形状等によって制限され難い。それゆえ、サイズや形状等が相互に異なる吸引ボトル28に対して、共通の血栓捕捉具10を採用し易く、優れた汎用性を実現することができる。
【0044】
血栓捕捉具10の外径は、ボトル本体30に挿入可能な大きさとされており、好適には、血栓捕捉具10の外周面がボトル本体30の内周面に近接することで、血栓捕捉具10のボトル本体30内での移動が制限される。血栓捕捉具10の外径とボトル本体30の内径との差は、特に限定されないが、例えば、血栓捕捉具10の外周面の一部とボトル本体30の内周面の一部とが接触した状態において、接触部分の周方向位置に拘らず、患者側ポート38の下開口の全体が血栓捕捉具10の外周壁部16の上開口と上下方向の投影において重なり合うように設定される。
【0045】
支持脚部18の下端が載置部20で構成されていることによって、ボトル本体30の底面34に対する接触面積が大きく確保されており、血栓捕捉具10の吸引ボトル28内での安定した自立が実現されている。また、脚部22の下端が環状の載置部20につながっていることにより、脚部22の下端が独立している場合に比して、血栓捕捉具10をボトル本体30へ挿入する際に、支持脚部18の下端がボトル本体30の開口端部に引っ掛かり難く、血栓捕捉具10のボトル本体30への挿入が容易になる。
【0046】
ボトル組立体26は、患者側ポート38が図示しない吸引カテーテルに接続され、吸引器側ポート40が図示しない吸引器に接続されて、吸引カテーテルによって吸引された血栓を含む血液が、蓋体32の患者側ポート38を通じて吸引ボトル28内に導き入れられる。吸引ボトル28に入った血液は、目盛によって量を把握可能とされていてもよく、それによって、吸引によって患者の体内から取り出される血液量が過剰にならないようにコントロールすることができる。
【0047】
患者側ポート38を通じて吸引ボトル28内に導き入れられた血液は、血栓捕捉具10の外周壁部16の内周へ入って、フィルタ部24を構成するメッシュ部材14を通過する。メッシュ部材14の通過時に、血液はメッシュ部材14で捕捉されることなく下方へ流れ落ちるが、血液中に混在した血栓は、メッシュ部材14の編目の大きさ(メッシュサイズ)よりも大きい場合に、メッシュ部材14の網目を通過せず、メッシュ部材14上に分離捕捉されて残留する。
【0048】
メッシュ部材14上に捕捉された血栓は、外周壁部16によって外周側へ零れるのが防止されている。血栓のメッシュ部材14上からの脱落を有効に防止するために、外周壁部16の上下方向の長さ寸法hは、10mm以上とされることが望ましい。本実施形態では、外周壁部16が開口へ向けて小径となる逆テーパ状とされていることにより、血栓がメッシュ部材14上により確実に保持される。
【0049】
メッシュ部材14上に捕捉された血栓は、血栓捕捉具10の一体成形品12と吸引ボトル28とが何れも透明乃至は半透明であることによって、外部から目視で確認することができる。特に、血栓捕捉具10の外周壁部16とボトル本体30の周壁部とが透明乃至は半透明であることによって側方からの視認性が確保されていると共に、蓋体32が透明乃至は半透明であることによって上方からの視認性も確保されている。本実施形態では、外周壁部16とボトル本体30の周壁部とが、何れも全周に亘って透明乃至は半透明とされており、周方向の観測位置に拘らず血栓の目視が可能とされている。
【0050】
メッシュ部材14の上面であるフィルタ面25が水平方向に広がっていることから、フィルタ面25上に捕捉された血栓が散らばって位置し易い。それゆえ、例えば捕捉した血栓が一か所に偏り易い下方を頂点とする逆錘状のメッシュ部材等に比して、各血栓の大きさや形状等を外部から目視によって確認し易い。
【0051】
吸引ボトル28に収容された血栓捕捉具10は、フィルタ部24が支持脚部18によってボトル本体30の底面34から離れた上方に保持されており、メッシュ部材14が吸引ボトル28の血液貯留領域(目盛の上端)よりも上方に位置している。従って、吸引ボトル28に最大量の血液が貯留された状態において、メッシュ部材14は血液よりも上方に位置しており、メッシュ部材14上に捕捉された血栓が血液に浸かることで視認し難くなるのを回避できる。
【0052】
支持脚部18が周方向で部分的に設けられた複数の脚部22を有していることにより、メッシュ部材14を通過して流れ落ちた血液は、複数の脚部22の周方向間を通じて外周側へ流れ出して、吸引ボトル28内に貯留される。これにより、ボトル本体30の目盛等による吸引された血液量の管理が容易になる。各脚部22は、周方向で十分に幅狭とされていることから、吸引ボトル28内の視認性に対する脚部22の影響が抑えられている。更に、脚部22は、下端において環状の載置部20に連結されていることから、幅狭とされながら必要な変形剛性が確保されている。
【0053】
ところで、メッシュ部材14上に捕捉された血栓は、外部から目視で確認する他、吸引ボトル28から取り出して、血栓の量、サイズ、性状などを確認する場合もある。このような場合には、蓋体32だけを外してボトル本体30内の血栓捕捉具10から血栓を回収してもよいが、血栓捕捉具10を吸引ボトル28から取り出して、取り出した血栓捕捉具10から血栓を回収することもできる。血栓捕捉具10を吸引ボトル28から取り出す場合には、外周壁部16の上端部を把持するが、外周壁部16が上方へ向けて小径となる逆テーパ状とされていることによって、外周壁部16の上端部がボトル本体30の内周面から内周へ離れており、外周壁部16の上端部を把持し易くなっている。
【0054】
メッシュ部材14よりも上方に位置する外周壁部16は、吸引ボトル28に貯留される血液が付着し難い。それゆえ、血栓捕捉具10を吸引ボトル28から取り出す際に、外周壁部16を把持する手に血液が付着し難く、血液の付着による手の汚染や、手に付着した血液の飛散等が回避される。
【0055】
血栓捕捉具10は、ボトル本体30の底面34に載置されているだけで、吸引ボトル28に対する連結構造や位置決め構造が設けられていないことから、ボトル本体30から簡単に離脱させることができる。それゆえ、血栓捕捉具10をボトル本体30から取り出すに、連結構造による連結の解除等が必要なく、血液が飛散する等の不具合が生じ難い。
【0056】
血栓捕捉具10を吸引ボトル28から取り出す場合には、血栓がメッシュ部材14上から零れ落ちないようにする必要があるが、メッシュ部材14の周囲が筒状の外周壁部16によって囲まれていることから、血栓が外周側へ零れるのを防止できる。
【0057】
図8には、本発明の第2実施形態としての血栓捕捉具50が示されている。血栓捕捉具50は、一体成形品52にメッシュ部材14が固着された構造を有している。以下の説明において、第1実施形態と実質的に同一の部材及び部位については、図中に同一の符号を付すことにより、説明を省略する。
【0058】
一体成形品52は、外周壁部16と支持脚部54とを一体的に備えている。支持脚部54は、載置部としての底壁56と、立足としての周壁58とを備えるカップ状とされている。底壁56は、略円板形状とされており、周壁58の下開口を塞いでいる。
【0059】
周壁58は、略円筒形状とされており、外周壁部16から下方へ延び出している。周壁58は、外周面が上下方向に延びるストレートな円筒形状とされていると共に、内周面が下方へ向けて大径となる逆テーパ状とされており、下方へ向けて薄肉となっている。周壁58の上端部には、径方向に貫通する開口窓60が設けられている。開口窓60は、周壁58の周方向の一部に設けられており、周方向に1/4周よりも短い長さとされていることが望ましい。開口窓60は、周壁58の周方向と軸方向の少なくとも一方において複数箇所に形成されていてもよい。具体的には、例えば、開口窓60は、径方向の両側にそれぞれ設けられ得る。なお、周壁58には、支持脚部54に貯留された血液の量を示す目盛が設けられていてもよい。
【0060】
このような構造とされた血栓捕捉具50は、吸引ボトル28に収容された状態において、支持脚部54によってボトル本体30の底面34上に自立する。そして、吸引ボトル28に収容された状態で吸引ボトル28に導入された血液がメッシュ部材14を上から下へ通過することにより、血液中の血栓がメッシュ部材14上に分離捕捉される。
【0061】
メッシュ部材14を通過した血液は、カップ状とされた支持脚部54内に貯留可能とされている。従って、本実施形態では、血液が支持脚部54の外周側には導かれず、血液が吸引ボトル28に直接貯留されない。支持脚部54の周壁58とボトル本体30の周壁部とが何れも透明乃至は半透明であることから、支持脚部54内に貯留された血液を外部から目視で確認することができる。例えば、支持脚部54の周壁58に目盛を設けることにより、支持脚部54内の血液の貯留量を簡単に把握することもできる。
【0062】
支持脚部54内に溜まった血液は、支持脚部54の周壁58を貫通する開口窓60を通じて排出される。即ち、血栓捕捉具50を吸引ボトル28から取り出した後、血栓捕捉具を傾けて、血液を開口窓60へ導くことにより、支持脚部54内の血液を外部へ排出することができる。これによれば、血液を排出するためにボトル本体30を傾ける等の操作は必要なく、血栓捕捉具50を取り扱うだけで済むことから、血栓捕捉具50を吸引ボトル28から取り出して血栓の回収と血液の排出とを簡単に行うことができる。開口窓60は、支持脚部54における血液の貯留領域よりも上側に位置しており、血栓捕捉具50が吸引ボトル26内に配された状態において、血液が開口窓60を通じて外周側へ流出しないようになっている。
【0063】
開口窓60は、支持脚部54の上端部に設けられており、血栓捕捉具50の取扱い時に把持される外周壁部16よりも下方に位置している。それゆえ、開口窓60から排出される血液が血栓捕捉具50を把持する手に触れ難く、血液の付着や飛散を防ぎ易いことから、血液の吸引ボトル28からの排出を伴う連続した使用に際して清潔を保つことが容易になる。
【0064】
このように、本発明の一態様としては、血栓吸引用の吸引ボトルに出し入れ可能とされて、該吸引ボトルに収容状態で配置されることにより該血栓吸引用のボトル本体に導き入れられる血液中の血栓を捕捉する血栓捕捉具であって、血液を透過させて血栓を分離捕捉するフィルタ部と、該フィルタ部の外周部分において上方に向かって立ち上がる外周壁部と、該フィルタ部から下方に向かって突出して底壁と周壁とを有するカップ状とされることで血液を貯留可能とされた血液貯留部とを、有し、該血液貯留部の該周壁には該血液貯留部に貯留された血液を排出する開口窓が設けられている血栓捕捉具を含む。
従来では、吸引ボトルに血液が直接導き入れられていたことから、吸引ボトルから取り出す際に、吸引ボトルから蓋体を取り外して、吸引ボトルの上開口部から血液を外部に排出する必要があり、勢いよく流れ出した血液が飛散したり、吸引ボトルを把持する手に血液が付着する等の不具合が生じ易かった。
そこで、上記本発明の一態様としての血栓捕捉具は、血液貯留部がカップ状とされて血液を貯留可能とされており、血液貯留部の周壁に形成された開口窓を通じて貯留された血液を排出可能とされている。これにより、吸引ボトルの上開口部から血液を排出する必要がなく、外周壁部を把持して血栓捕捉具を吸引ボトルから取り出して、血液貯留部に貯留された血液を外周壁部よりも下方に開口する開口窓を通じて排出することで、血液の飛散を抑えることができると共に、血液の手などへの付着を防ぐことができる。なお、開口窓は、血液の飛散の抑制や不用意な血液排出の防止などの観点から、カップ状周壁の高さ方向で中央よりも上方に設けられることが望ましい。
【0065】
図9には、本発明の第3実施形態としての血栓捕捉具70が示されている。血栓捕捉具70は、一体成形品72にメッシュ部材78が固着された構造を有している。一体成形品72は、外周壁部16の下端に桟状部74を備えていると共に、桟状部74から下方へ延び出す支持脚部76を備えている。
【0066】
桟状部74は、径方向に延びており、外周側の端部が外周壁部16の下端と一体的につながっている。本実施形態の桟状部74は、全体として十字状とされているが、桟状部は、例えば、径方向に延びる一文字状や三方向以上の複数方向に延びる放射状などであってもよい。外周壁部16の下端部と桟状部74とで囲まれた各領域には、メッシュ部材78がそれぞれ固着されており、外周壁部16の下端部と桟状部74とメッシュ部材78とによって、本実施形態のフィルタ部80が構成されている。換言すれば、本実施形態のフィルタ部80は、外周端部において外周壁部16に固着されたメッシュ部材78が、桟状部74によって周方向の複数箇所で分割された構造となっている。
【0067】
支持脚部76は、桟状部74から下方へ延び出す脚部82と、脚部82の下端に一体的に連結された載置部84とを、備えている。脚部82は、上下方向に直線的に延びるロッド状とされており、十字状とされた桟状部74の中央から下方へ延び出している。載置部84は、板状とされており、脚部82の下端が中央部分に一体的に連結されている。本実施形態の載置部84は円板形状とされているが、例えば、円形以外の板状であってもよいし、放射状に延びる複数のスポーク状部の外周端が環状のリム状部で連結された形状等であってもよい。
【0068】
このような本実施形態に従う構造の血栓捕捉具70によっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、脚部82が中央部分に位置していることから、脚部82が吸引ボトル28に溜まる血液の外周からの目視を妨げ難い。
【0069】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、フィルタ部24は、網目状の通孔を有するメッシュ部材14の他、樹脂や金属の多孔プレート部材等で構成することもできる。
【0070】
前記実施形態のメッシュ部材14は、展張状態で水平に広がって配されていたが、メッシュ部材や多孔プレート部材は、例えば、外周へ向けて下傾する錘状や、下方に膨らんだ袋状とされていてもよい。
【0071】
前記実施形態のメッシュ部材14は、一体成形品12に対して固定されていたが、メッシュ部材や多孔プレート部材は、例えば、外周壁部16及び/又は支持脚部18に対して着脱可能とされていてもよい。
【0072】
前記実施形態では、外周壁部16と支持脚部18が一体成形品12とされており、メッシュ部材14が一体成形品12に固着されることでフィルタ部24が一体的に設けられていたが、それら外周壁部16と支持脚部18とフィルタ部24との少なくとも1つが、他とは別部品として形成されて組み付けられていてもよい。
【0073】
前記実施形態の外周壁部16は、全体が逆テーパ状部とされていたが、逆テーパ状部は、外周壁部16に部分的に設けることもできる。逆テーパ状部は、例えば、外周壁部16の軸方向で部分的に設けられていてもよいし、外周壁部16の周方向で部分的に設けられていてもよい。
【0074】
前記実施形態の外周壁部16では、外周面が逆テーパ形状とされた逆テーパ状部を例示したが、逆テーパ状部は、例えば、内周面が逆テーパ形状とされていてもよく、内周面と外周面の少なくとも一方が上方へ向けて次第に小径となる逆テーパ形状とされていればよい。内周面が逆テーパ形状とされた逆テーパ状部によれば、フィルタ部24によって分離捕捉された血栓が、外周壁部の上開口を通じた外部への零れ出しをより防止され易くなる。
【0075】
外周壁部16は、前記実施形態に示した血液の通過を許容しない構造の他、例えば、血液の通過を許容し、血栓の通過を制限するメッシュ部材で構成されていてもよい。この外周壁部を構成するメッシュ部材は、フィルタ部24を構成するメッシュ部材14と同じものであってもよいし、例えば編目(メッシュサイズ)をより細かくする等、メッシュ部材14とは異なるものであってもよい。
【0076】
例えば、フィルタ部から下方へ延び出す複数の立足の下端を、載置部で相互に連結することなく相互に独立させて、ボトル本体の底面に対して複数箇所でそれぞれ独立して接地するようにしてもよい。このようにすれば、例えば、ボトル本体の底面に凹凸がある場合などにも、血栓捕捉具の吸引ボトル内での安定した自立が実現される。また、同様な効果を期待して、例えば第2実施形態の血栓捕捉具50においてカップ状とされた支持脚部54の底壁56や、第3実施形態の血栓捕捉具70における支持脚部76の載置部84から、下方に突出して接地する突起を、周方向で3箇所以上に設けることも可能である。
【符号の説明】
【0077】
10 血栓捕捉具(第1実施形態)
12 一体成形品
14 メッシュ部材
16 外周壁部
18 支持脚部
20 載置部
22 脚部(立足)
24 フィルタ部
25 フィルタ面
26 ボトル組立体
28 吸引ボトル
30 ボトル本体
32 蓋体
34 底面
36 Oリング
38 患者側ポート
40 吸引器側ポート
50 血栓捕捉具(第2実施形態)
52 一体成形品
54 支持脚部
56 底壁(載置部)
58 周壁(立足)
60 開口窓
70 血栓捕捉具(第3実施形態)
72 一体成形品
74 桟状部
76 支持脚部
78 メッシュ部材
80 フィルタ部
82 脚部(立足)
84 載置部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9