(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022758
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】携帯用食品収納容器内に設置する食材支持具並びに携帯用食品収納容器
(51)【国際特許分類】
B65D 81/32 20060101AFI20240214BHJP
【FI】
B65D81/32 Q
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022126078
(22)【出願日】2022-08-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】504330443
【氏名又は名称】栗原 俊孝
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】栗原 俊孝
【テーマコード(参考)】
3E013
【Fターム(参考)】
3E013AA10
3E013AB01
3E013AC13
3E013AD23
3E013AD28
3E013AE02
3E013AF07
3E013AF17
(57)【要約】
【課題】手で持って傾けることで、容器本体1の上部の飲み口部2から口内に、飲料3と食材4とが注出される容器で、この食材4を少量の飲料3だけをともないながら飲み口部2へと注出させ、所望どおりおよそ食材4だけを片手食べできる商品を容易に実現できる携帯用食品収納容器に設置する食材支持具を提供すること。
【解決手段】容器本体部1内に仕切り状態に挿入収納配置する食材支持部5に、飲料3の流出量が規制されこの規制少量の飲料3とともに食材4が飲み口部2から口内に注出されるように設定した通水穴8を設け、この食材支持部5に底部に接地させる設置用脚部6を垂設した食材支持具。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手で持って傾けることで、容器本体部の上部に設けられている飲み口部から口内に、この容器本体部内に収納した飲料と食材が注出される携帯用食品収納容器内に設置する食材支持具であって、
前記容器本体部内に仕切り状態に配置されこの容器本体部内に収納される食材を上側または内側に支承保持する食材支持部に、この容器本体部内の底部に当接してこの食材支持部を所定高さに配置させる設置用脚部、または容器本体部の上部に当接または係止してこの食材支持部を所定高さに配置させる設置用吊り下げ部が設けられていて、
この仕切り状態に配置される食材支持部には、前記食材は通過しないが前記飲料は通過する大きさに設定されている通水穴が設けられていて、この収納される飲料は、この通水穴を介して上部の前記飲み口部から注出されるように構成されていて、
前記容器本体部内に前記飲料を収納するとともに、前記食材を前記食材支持部に支承保持させた食品収納状態で、持った手で前記容器本体部を傾けて前記飲料を前記飲み口部から口内に注出させる際、前記食材支持部の前記通水穴を介してこの食材支持部の下側または外側から上側または内側への前記飲料の流出量が規制されこの流れ出る規制少量の前記飲料とともに、前記食材支持部で支承保持されている前記食材が前記飲み口部から口内に注出されて、飲食補助具を使用せずに手で傾けることで前記容器本体部内のこの食材が飲食されるように、前記食材支持部の高さ位置及び前記通水穴の開口総面積または開口位置が設定されている構成であることを特徴とする携帯用食品収納容器内に設置する食材支持具。
【請求項2】
前記食材支持部は、周辺部を前記容器本体部内面に密着当接させて配置され上下に仕切る平板状、皿板状、あるいはカップ状に構成、または前記容器本体部内に吊り下げ配置され下側を含む外側と上側を含む内側とを仕切るカップ状に構成されていることを特徴とする請求項1記載の携帯用食品収納容器内に設置する食材支持具。
【請求項3】
前記食材支持部は、周辺部を前記容器本体部内面に密着当接させて配置され上下に仕切る平板状、皿状、カップ状に構成されていて、
この食材支持部に、下方に突出していて前記容器本体部内の底部に当接してこの食材支持部を所定高さに配置させる前記設置用脚部が設けられていて、
この食材支持部に、上方に突出していてこの食材支持部を前記設置用脚部を接地して前記容器本体部内の所定高さに収納配置する際または取り出す際に摘まむ着脱用摘み部が備えられていることを特徴とする請求項1記載の携帯用食品収納容器内に設置する食材支持具。
【請求項4】
前記食材支持部には、食材支持面に前記通水穴が形成されていない閉塞支持面部と、前記通水穴が複数並設形成されて前記飲料の流出量が規制される飲料規制流出支持面部とが設けられていて、
前記閉塞支持面部は、少なくともこの食材支持部の中央部または片半面に設けられ、前記飲料規制流出支持面部は、この食材支持部の周辺部または反対側の片半面に設けられていることを特徴とする請求項1記載の携帯用食品収納容器内に設置する食材支持具。
【請求項5】
前記飲料規制流出支持面部は、前記通水穴が周辺部の一部または片半面の一部に多数集合形成された構成とされていることを特徴とする請求項4記載の携帯用食品収納容器内に設置する食材支持具。
【請求項6】
前記食材支持部の周辺部または片半面に前記飲料規制流出支持面部が設けられていて、中央部または反対側の片半面に前記閉塞支持面部が設けられていて、この閉塞支持面部あるいはこの閉塞支持面部の近傍にも通気孔として機能する前記通水穴が設けられている構成であることを特徴とする請求項5記載の携帯用食品収納容器内に設置する食材支持具。
【請求項7】
前記食材支持部に前記飲料規制流出支持面部が複数設けられていて、それぞれ前記通水穴の総開口面積または開口位置が異なり飲料流出規制度合が異なるように構成されていることを特徴とする請求項5記載の携帯用食品収納容器内に設置する食材支持具。
【請求項8】
前記容器本体部内に、請求項1~7のいずれか1項に記載の携帯用食品収納容器内に設置する食材支持具が設置されていることを特徴とする携帯用食品収納容器。
【請求項9】
断熱構造あるいは保温構造が備えられている水筒または蓋付きタンブラーであることを特徴とする請求項8記載の携帯用食品収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手で持って傾けることで、例えば水筒や密閉蓋付きタンブラーなどの容器本体部の上部の飲み口部から口内に、この容器本体部内に収納した飲料と食材とが注出され飲食される(片手飲み、片手食べできる)ように携帯用食品収納容器内に設置する食材支持具、並びにこれを収納設置した携帯用食品収納容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
たとえば、飲料だけでなく、食材(具材)も収納して双方を同時に飲食する(片手飲みできる)ようにするには、例えば特表2010-515625号公報(特許文献1)などのように、飲み口を大きくして食材も収納できたり注出できるようにすればよいが、このような構成では当然予想されるとおり、飲料が多く注出されてしまいおよそ食材だけを飲食することはできず、それゆえ飲料を飲み干したにもかかわらず食材だけが残りかなりの食べ残しが生じてしまうため、このようなおよそ食材だけを最後まで片手飲みできるような商品は実現されていなかった。
【0003】
言い換えると、およそ食材だけを飲食できる容器や前述したような食べ残しが生じにくい容器を実現(製作)しようと考えた場合は、やはりこれまでのとおり容器を大きく開口できる構成に設計して箸やスプーンなどの飲食補助具を使って食べる容器に設計せざるを得なかった。
【0004】
すなわち、たとえばラーメンにしても、煮物やフルーツ入りドリンクなどにしても、飲料は最小限だけ注出されるようにして、ほぼ食材だけが注出片され片手飲みするかのように片手食べできる容器や商品は開発・提案されるには至っていなかった。
【0005】
そこで、本出願人は、特許文献3に示すように、片手飲み(ラッパ飲み)するようにして食材を片手食べできるラーメン容器やフルーツ入りドリンク容器を実現することができる画期的な発明をした。すなわち食材を飲食したいときに、キャップや開閉蓋を開けて、箸やスプーンなどの飲食補助具を一切使用せずに、片手で持って傾けてラッパ飲みするかのごとく傾けるだけで、不要に飲料を飲まずにラーメンやフルーツを片手食べできることになり、作業中でも運転中でも周囲をほとんど汚すこともなく、ゴミも余計に出さずに、スピィーディーに片手で飲食でき、これまでの食文化をさらに大きく変革させることができる画期的な携帯用食品収納容器を発明した。
【0006】
この発明は、既存のペットボトルや水筒や密閉蓋付きタンブラーを改良することにより、ラーメンなどの麺料理だけでなく、煮物やフルーツ入りドリンクなどの食材(具材)入り料理やドリンクなど様々な食品について適用可能で、その食材を飲料はさほど飲まずに片手で飲食できることになるもので、この飲食スタイルが流行すれば、革命的商品が次々と企画商品化されることとなり、携帯食品のバリエーションも増え、食品消費が増大し、産業発達に寄与、貢献できることになる画期的な発明である。
【0007】
また、一方、例えば実用新案登録第3134971号公報(特許文献2)に示すように、
カップみそ汁において、みそ汁の具材が底に沈んでいて箸で掴みにくかったり食べわすれたりすることを防止するため、一様に通水穴が設けられた目皿状の中仕切りをみそ汁用カップ内の上部に架設し、この上にみそ汁の具材を載せた構成として、この具材を箸で取りやすくした即席みそ汁用カップ容器が提案されているが、このカップ容器はこれまでどおり上部開口部を塞いでいる紙蓋や被せ蓋を外して上部開口部を大きく開放させて、箸を使いながら飲食する構造で、開封した後は開閉自在に密封封止できないし、逆さにすることも振ることもできない構成であるし、カップ容器の上部開口部の縁に口をつけて具材を箸なしでみそ汁を飲むことはできても、具材をこのようにして箸なしで食べる発想やそのためにみそ汁の流出量を規制する流出規制や流量調整の発想の開示も、すなわち流出量を少なく規制させておよそ具材だけを飲むようにして食べる発想の開示も、まして前述したような片手食べする発想の開示も一切ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表2010-515625号公報
【特許文献2】登録実用新案第3134971号公報
【特許文献3】特許第6951501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記画期的な発明を実現するには、容器本体部内に飲料の流出量を規制してわずかな飲料を注出させつつ食材を口内に注出させる規制用の通水穴が所定位置に所定数形成されている食材支持部を、この容器本体部内に上下仕切り状態に設けなければならない。そのため、このような食材支持部を設計することも量産することも容易であるが、これを容器本体部内に上下仕切り状態に設けた容器の製作が簡易でなく、それゆえこの発明を商品化することは大きな資本や設備を新たに投入しなければならない問題があり、低価格で量産でき容易に商品化できる実用性に優れた構成に改善することが急務であることを出願人は見いだした。
【0010】
本発明は、このような技術課題を見いだし、これを解決したもので、革命的な商品(前記画期的な本出願人の発明(特許文献3))を世に送り出すことが容易に実現可能となる発明、すなわちたとえば安価に量産可能な食材支持具を、既存の水筒や蓋付きタンブラー内に設置するだけで前記画期的な発明を実現できる構成とした発明で、飲料の流出規制による飲料の流量調整により、およそ食材だけを飲み口部へと注出させ、所望するとおりおよそ食材だけを片手食べできる容器やこれを用いた商品を提供することが容易に実現でき、たとえば水筒や蓋付きタンブラー内に設置するだけで、およそ麺だけを片手食べできるボトルラーメンや同様にしておよそフルーツだけを片手食べできるフルーツ入りボトルドリンクなどの容器や商品を容易に実現できる画期的な携帯用食品収納容器内に設置する食材支持具並びにこれを収納設置した携帯用食品収納容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0012】
手で持って傾けることで、容器本体部1の上部に設けられている飲み口部2から口内に、この容器本体部1内に収納した飲料3と食材4が注出される携帯用食品収納容器内に設置する食材支持具であって、前記容器本体部1内に仕切り状態に配置されこの容器本体部1内に収納される食材4を上側または内側に支承保持する食材支持部5に、この容器本体部1内の底部に当接してこの食材支持部5を所定高さに配置させる設置用脚部6、または容器本体部1の上部に当接または係止してこの食材支持部5を所定高さに配置させる設置用吊り下げ部7が設けられていて、この仕切り状態に配置される食材支持部5には、前記食材4は通過しないが前記飲料3は通過する大きさに設定されている通水穴8が設けられていて、この収納される飲料3は、この通水穴8を介して上部の前記飲み口部2から注出されるように構成されていて、前記容器本体部1内に前記飲料3を収納するとともに、前記食材4を前記食材支持部5に支承保持させた食品収納状態で、持った手で前記容器本体部1を傾けて前記飲料3を前記飲み口部2から口内に注出させる際、前記食材支持部5の前記通水穴8を介してこの食材支持部5の下側または外側から上側または内側への前記飲料3の流出量が規制されこの流れ出る規制少量の前記飲料3とともに、前記食材支持部5で支承保持されている前記食材4が前記飲み口部2から口内に注出されて、飲食補助具を使用せずに手で傾けることで前記容器本体部1内のこの食材4が飲食されるように、前記食材支持部5の高さ位置及び前記通水穴8の開口総面積または開口位置が設定されている構成であることを特徴とする携帯用食品収納容器内に設置する食材支持具に係るものである。
【0013】
また前記食材支持部5は、周辺部を前記容器本体部1内面に密着当接させて配置され上下に仕切る平板状、皿板状、あるいはカップ状に構成、または前記容器本体部1内に吊り下げ配置され下側を含む外側と上側を含む内側とを仕切るカップ状に構成されていることを特徴とする請求項1記載の携帯用食品収納容器内に設置する食材支持具に係るものである。
【0014】
また前記食材支持部5は、周辺部を前記容器本体部1内面に密着当接させて配置され上下に仕切る平板状、皿状、カップ状に構成されていて、この食材支持部5に、下方に突出していて前記容器本体部1内の底部に当接してこの食材支持部5を所定高さに配置させる前記設置用脚部6が設けられていて、この食材支持部5に、上方に突出していてこの食材支持部5を前記設置用脚部6を接地して前記容器本体部1内の所定高さに収納配置する際または取り出す際に摘まむ着脱用摘み部9が備えられていることを特徴とする請求項1記載の携帯用食品収納容器内に設置する食材支持具に係るものである。
【0015】
また前記食材支持部5には、食材支持面に前記通水穴8が形成されていない閉塞支持面部10と、前記通水穴8が複数並設形成されて前記飲料3の流出量が規制される飲料規制流出支持面部11とが設けられていて、前記閉塞支持面部10は、少なくともこの食材支持部の中央部または片半面に設けられ、前記飲料規制流出支持面部11は、この食材支持部5の周辺部または反対側の片半面に設けられていることを特徴とする請求項1記載の携帯用食品収納容器内に設置する食材支持具に係るものである。
【0016】
また前記飲料規制流出支持面部11は、前記通水穴8が周辺部の一部または片半面の一部に多数集合形成された構成とされていることを特徴とする請求項4記載の携帯用食品収納容器内に設置する食材支持具に係るものである。
【0017】
また前記食材支持部5の周辺部または片半面に前記飲料規制流出支持面部11が設けられていて、中央部または反対側の片半面に前記閉塞支持面部10が設けられていて、この閉塞支持面部10あるいはこの閉塞支持面部10の近傍にも通気孔として機能する前記通水穴8が設けられている構成であることを特徴とする請求項5記載の携帯用食品収納容器内に設置する食材支持具に係るものである。
【0018】
また前記食材支持部11に前記飲料規制流出支持面部11が複数設けられていて、それぞれ前記通水穴8の総開口面積または開口位置が異なり飲料流出規制度合が異なるように構成されていることを特徴とする請求項5記載の携帯用食品収納容器内に設置する食材支持具に係るものである。
【0019】
また前記容器本体部1内に、請求項1~7のいずれか1項に記載の携帯用食品収納容器内に設置する食材支持具が設置されていることを特徴とする携帯用食品収納容器に係るものである。
【0020】
また断熱構造あるいは保温構造が備えられている水筒または蓋付きタンブラーであることを特徴とする請求項8記載の携帯用食品収納容器に係るものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明は上述のように構成したから、革命的な商品(前記画期的な本出願人の発明(特許文献3))を世に送り出すことが容易に実現可能となる発明、すなわちたとえば安価に量産可能な食材支持具を、既存の水筒や蓋付きタンブラー内に設置するだけで前記画期的な発明を実現できる構成とした発明で、飲料の流出規制による飲料の流量調整により、およそ食材だけを飲み口部へと注出させ、所望するとおりおよそ食材だけを片手食べできる容器やこれを用いた商品を提供することが容易に実現でき、たとえば水筒や蓋付きタンブラー内に設置するだけで、およそ麺だけを片手食べできるボトルラーメンや同様にしておよそフルーツだけを片手食べできるフルーツ入りボトルドリンクなどの容器や商品を容易に実現できる画期的な携帯用食品収納容器内に設置する食材支持具並びにこれを収納設置した携帯用食品収納容器となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図2】実施例1の携帯用食品収納容器に設置した状態を示す説明図である。
【
図3】実施例1のラーメンを収納した状態の説明図である。
【
図4】実施例1の片手で傾けてラーメンを片手食べしている状態を示す説明図である。
【
図8】実施例3の携帯用食品収納容器に設置した状態を示す説明図である。
【
図10】実施例4の携帯用食品収納容器に設置した状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0024】
たとえば水筒や蓋付きタンブラーなどの携帯用食品収納容器の容器本体部1内の底部に設置用脚部6を当接して食材支持部5をこの容器本体部1内の所定高さに仕切り状態に配置させる、または容器本体部1の上部に設置用吊り下げ部7を当接または係止してこの食材支持部5をこの容器本体部1内の所定高さに仕切り状態に吊り下げ配置させて、この容器本体部1内に本食材支持具を設置する。
【0025】
たとえば、水筒や蓋付きタンブラーなどの携帯用食品収納容器の容器本体部1内挿入し、底部に設置用脚部6を当接して食材支持部5の周辺部を内面に密着当接してこの食材支持部5を容器本体部1内の所定高さに上下仕切り状態に配置させ、この容器本体部1内に本食材支持具を設置する。
【0026】
この食材支持具の仕切り状態に配置される食材支持部5には、前記食材4は通過しないが前記飲料3は通過する大きさに設定されている通水穴8が設けられていて、この収納される飲料3は、この通水穴8を介して上部の前記飲み口部2から注出されるように構成されている。
【0027】
また持った手で前記容器本体部1を傾けて前記飲料3を前記飲み口部2から口内に注出させる際、前記食材支持部5の前記通水穴8を介してこの食材支持部5の下側または外側から上側または内側への前記飲料3の流出量が規制されこの流れ出る規制少量の前記飲料3とともに、前記食材支持部5で支承保持されている前記食材4が前記飲み口部2から口内に注出されて、飲食補助具を使用せずに手で傾けることで前記容器本体部1内のこの食材4が飲食されるように、前記食材支持部5の高さ位置及び前記通水穴8の開口総面積または開口位置が設定されている。
【0028】
そのため、容器本体部1内に飲料3と食材4を収納させるとともに、この収納させた食材4を容器本体部1内に仕切り状態に設けられている食材支持部5に支承保持させた食品収納状態で、前述のように、持った手で前記容器本体部1を傾けて飲料3を前記飲み口部2から口内に注出させる際、所定高さ位置に設定されていて開口総面積または開口位置が所定値または所定位置に設定されている前記食材支持部5の前記通水穴8を介してこの食材支持部5の下側または外側から上側または内側への前記飲料3の流出量が規制され流れ出でて、この規制少量の飲料3に食材4が押し流されるまたはこの飲料3の流れに沿い、この規制少量の飲料3とともに食材4は前記飲み口部2から口内に注出されることとなる。
【0029】
したがって、箸などの飲食補助具を使用せずに手で傾けることで食材4が飲食される、すなわち、ほぼ食材4だけを、片手飲みするかのようにして片手食べできることとなる。言い換えると、飲料3を少し飲んだ後、あるいは飲料3と食材4とを一緒に少し飲んだ後、または飲料3をたくさん飲む前に、飲料3により味付けされるくらいあるいは飲料3に浸されるくらいだけの少量の飲料3だけをともない、およそ食材4だけが注出されるようにしておよそ食材4を片手食べできることとなる。
【0030】
すなわち、片手飲みするようにして飲み口部2に口を添え、容器本体部1を片手で携帯してその手で傾けるだけで、容器本体部1内を仕切っている食材支持部5の通水穴8の形状、数、配置(開口総面積や配開口配置)により下側または外側の飲料3の上側または内側への流出量が規制されて少量となり、この規制少量の飲料3が流出されてくることで、この少量の飲料3に押し流されまたはこの流れに沿って食材4は飲み口部2の注口から口内へと注出され、所望のとおりおよそ食材4だけを箸を使わず片手飲みするかのように片手食べできることとなる。
【0031】
また本発明は、このような作用効果を果たす食材支持部5を携帯用食品収納容器の容器本体部1内に仕切り状態に設けるに際して、前述したように、容器本体部1に加工を施さずとも、または口部や蓋部のごく一部の加工のみで、この容器本体部1内に本食材支持具を挿入し、単に設置用脚部6を容器本体部1内の底部に接地させる、または設置用吊り下げ部7を当接また係止されるだけで、食材支持部5を所定高さに仕切り状態に配置することができ、所期の携帯用食品収納容器が完成できる。
【0032】
具体的には、たとえば携帯用食品収納容器を既存のあるいは市販の水筒や蓋付きタンブラーとし、この容器本体部1内に前述したように、前記量産した本食材支持具を挿入し収納設置するだけで、前記作用効果を果たす携帯用食品収納容器が容易に実現できることとなり、たとえば前述したように、いわゆる片手飲み(片手食べ)できるボトルラーメンを提供することが容易に実現できることとなる。
【0033】
すなわち、水筒やタンブラー内の所定高さに上下仕切り状態に設けられ所定の前記通水穴8が設けられている前記食材支持部5の上部に、予め食材4として麺(たとえばラーメンの麺)を載置収納し、さらに予め塊状、粉状または液状のスープの素を入れておく場合は、麺にお湯17を注ぐが、麺が即席乾麺でなく茹でてある麺の場合には出来上がりスープを注ぎ入れる。前記即席麺の場合でも蓋をして逆さにすれば数分で柔らかくほぐれ、また麺を確実に液浸させ、スープの素が溶け混ざり一様なスープとなるように振ることもできる。
【0034】
このように本発明は、開閉自在の蓋で密封できる容器を用いれば、飲食途中で密封できるだけでなく、このようにひっくり返したり、振り混ぜたりすることもでき、極めて実用性に優れた構成となる。そしてたとえばこのようにしてテイクアウト用としての容器詰めラーメンを販売することもでき、また即席ラーメンの場合はお湯を注いで数分たてば出来上がる即席ボトルラーメンを販売でき、購入者は、前述したように、手で傾けて飲料3としてのスープを食材支持部5の通水穴8から飲み口部2へ規制流出させることで、スープとともに麺を飲食できるだけでなく、食材支持部5の下側または外側の飲料3の上側または内側への流出が少量に規制されることで、所望のとおりこの麺や具材がこの規制少量のスープの流出により飲み口部2から口内へと注出され、箸などの飲食補助具を使用しないで所望どおりおよそ麺や具材だけを片手食べできることとなる極めて画期的な革新的なボトル麺を容易に提供できることとなる。
【実施例0035】
本発明の具体的な実施例1について図面に基づいて説明する。
【0036】
本実施例は、手で持って傾けることで、既存の断熱構造や保冷構造を備えた水筒や蓋付きタンブラーなどの携帯用飲料容器内に収納設置することで、この携帯用飲料容器の容器本体部1の上部に設けられている飲み口部2から口内に、この容器本体部1内に収納した飲料3と食材4が注出される食材支持具(携帯用食品収納容器内に設置する食材支持具)であって、容器本体部1内に途中内面に周辺部が屈曲して密着当接し上下仕切り状態に配置されこの容器本体部1内に収納される食材4を上側に支承保持する食材支持部5に、この容器本体部1内の底部に当接してこの食材支持部5を所定高さに配置させる設置用脚部6を設けた構成としている。
【0037】
具体的には、前記食材支持部5は、挿入することで周辺部が前記容器本体部1内面に密着当接して配置され容器本体部1内を上下に仕切る平板状、皿板状、あるいはカップ状に構成している。たとえば少なくともこの内面に当接させる周辺部は屈曲自在なシリコンゴムに形成し、挿入することで内面に屈曲密着当接して上下を封止状態に仕切り、通水穴8以外から飲料3が流通しないように構成している。
【0038】
またこの食材支持部5は、シリコンゴムなどの柔軟性を有する材質で構成してもよいが、通水穴8を設けた合成樹脂製の円形板の周囲にシリコンゴム製の密着封止用周辺板や密着封止用周辺リングを設けた構成としても良いし、実施例2として切込みを設けた周辺板を設けて挿入することで変形して内面に密着当接するように構成してもよい。
【0039】
さらに本実施例の食材支持部5には、下方に突出していて前記容器本体部1内の底部に当接してこの食材支持部5を所定高さに配置させる前記設置用脚部6を設けるとともに、上方に突出していてこの設置用脚部6を底部に接地して容器本体部1内の所定高さに食材支持部5を収納配置する際または取り出す際に摘まむ棒状の着脱用摘み部9を設けた構成としている。
【0040】
たとえば食材支持部5の下部中央に棒状の設置用脚部6を垂設し、上部中央に棒状の着脱用摘み部9を設けた構成とし、それぞれ伸縮調整自在な構成としても良いし、設置用脚部6の下端接地部には吸盤を設けてもよいし、着脱用摘み部9は容器本体部1の上部開口部を栓体や蓋体で覆う際に上端部が押圧され確固に固定されるように構成してもよい。
【0041】
また本実施例のこの仕切り状態に配置される食材支持部5には、前記食材4は通過しないが前記飲料3は通過する大きさに設定した通水穴8を設けて、この収納される飲料3は、この通水穴8を介してのみ上部の前記飲み口部2から注出されるように構成している。
【0042】
また容器本体部1内に飲料3を収納するとともに、食材4を前記食材支持部5に支承保持させた食品収納状態で、持った手で前記容器本体部1を傾けて前記飲料3を前記飲み口部2から口内に注出させる際、前記食材支持部5の前記通水穴8を介してこの食材支持部5の下側から上側への前記飲料3の流出量が規制されこの流れ出る規制少量の前記飲料3とともに、前記食材支持部5で支承保持されている前記食材4が前記飲み口部2から口内に注出されて、飲食補助具を使用せずに手で傾けることで前記容器本体部1内のこの食材4が飲食されるように、前記食材支持部5の高さ位置及び前記通水穴8の開口総面積または開口位置を設定した構成としている。
【0043】
さらに説明すると、本実施例の前記食材支持部5には、食材支持面に前記通水穴8が形成されていない閉塞支持面部10と、前記通水穴8が複数並設形成されて前記飲料3の流出量が規制される飲料規制流出支持面部11とを設け、前記閉塞支持面部10は、少なくともこの食材支持部の中央部に設け、前記飲料規制流出支持面部11は、この食材支持部5の周辺部に設けた構成としている。
【0044】
またこの飲料規制流出支持面部11は、前記通水穴8が周辺部の一部に多数集合形成した構成とし、中央部やこの飲料規制流出支持面部11を設けた以外の周辺部には前記閉塞支持面部10を設けた構成とし、この閉塞支持面部10あるいはこの閉塞支持面部10の近傍に通気孔として機能する前記通水穴8を設けた構成または前記飲料規制流出支持面部11の一部の通水穴8を通気孔として機能する構成としている。
【0045】
また本実施例では、前記食材支持部5に周辺部に前記飲料規制流出支持面部11を複数設け、それぞれ前記通水穴8の総開口面積または開口位置が異なり飲料流出規制度合がそれぞれ異なるように構成して、手で持った向きを変えることで、飲料3の流出量が変化するように構成している。
【0046】
さらに説明すると、前記閉塞支持面部10は、この食材支持部5の中央部に設けられ、前記飲料規制流出支持面部11は、この食材支持部5の周辺部に沿って複数並設形成した構成、すなわち中央部に設けた前記閉塞支持面部10を挟んで対向周辺部に設けた構成としている。
【0047】
したがって、容器本体部1内に飲料3と食材4を収納させるとともに、この収納させた食材4を容器本体部1内に上下仕切り状態に設けられている食材支持部5に支承保持させた食品収納状態で、飲み口部2を密閉している蓋部5を開放し、持った手で前記容器本体1を傾けて飲料3を飲み口部2から口内に注出させると、所定高さ位置に設定配置されていて開口総面積や数及び開口位置が所定値及び所定位置に設定されている前記食材支持部5の通水穴8を介して、下側の飲料3の上側への流出量が規制されて流れ出でて、この規制少量の飲料3に押し流されるまたはこの飲料3の流れに沿い、前記食材支持部5上の前記食材4がこの規制少量の飲料3とともに前記飲み口部2から口内に注出されることとなるように構成している。
【0048】
ゆえに、単に本発明品の食品支持具をたとえば水筒やタンブラー内に設置用脚部6が底部に当接させるように挿入するだけで、前記作用効果を果たす所期の携帯用食品収納容器が完成でき、飲食補助具を使用せずに手で傾けることで食材4が飲食される、すなわち、ほぼ食材4だけを、片手飲みのように片手食べできる携帯用食品収納容器が容易に実現できることとなる。
【0049】
たとえば傾けて飲む向きを周辺部に比較的開口総面積が少ない飲料規制流出面部11が設けられている側(比較的通水穴8の数が少ない側)を手前側にして、飲料3による味付けがなされるくらいまたは飲料3に浸されるくらいの少量の飲料3だけをともなう程度に飲料3の流出を規制することで、およそ食材4だけが注出されるようにしておよそ食材4を片手食べできることとなる。
【0050】
すなわち、片手飲みするようにして飲み口部2に口を添え、容器本体部1を片手で携帯してその手で傾けるだけで、容器本体部1内を上下に仕切っている食材支持部5の通水穴8の形状、数、配置(開口総面積や配開口配置)により下側の飲料3の上側への流出量が規制されて少量となり、この規制少量の飲料3が流出されてくることで、この少量の飲料3に押し流されまたはこの流れに沿って食材4は飲み口部2の注口6から口内へと注出され、所望のとおりおよそ食材4だけを箸を使わず片手飲みするかのように片手食べできることとなる。そして、飲料3をメインに飲みたいときは、持ち変えるなどして傾ける容器本体部1の向きを変えて通水穴8が多数形成されている側を手前にして傾けることで、流出規制が少なくなりたくさんの飲料3が注出され片手飲みできることとなる。
【0051】
また、この食材支持部5の高さ、通水穴8の配置、形状、数などは、企画する商品すなわち容器本体部1の形状、収納する食材4、飲料3、そしてこれをどのように飲食するかの所望の流出規制度合により設計設定されるが、本実施例では、円形の食材支持部5の中央部には通水穴8を全くあるいはほとんど形成しない構成とした閉塞支持面部10を設け、手前の周辺部に小さな通水穴8を複数並設形成した(対向周辺部に比べれば少数並設形成した)飲料規制流出部11を設け、反対側の対向周辺部には流出時の空気抜き穴となり脈動流出を防止しこの反対側を手前側にして飲むときには飲料3の規制が減じて比較的大量に飲食3を飲むことができる別の飲料規制流出面部11とを設けた構成としている。なお、この通水穴8の大きさ、位置、数は、実験を繰り返し最適な値に設定することが望ましい。
【0052】
また具体的には、本実施例に限らず、たとえば本発明を飲料3の注出量が調整できる流量調整機能付きボトル実現用として商品化し、たとえばこれを購入したラーメン屋さんがお持ちかえりラーメンとして、たとえば市販のあるいは別途販売される携帯用飲料容器に本発明品を挿入収納設置して、この流量調整機能付きボトル(本携帯食品収納容器)を実現し、これに麺と具材を食べやすく切ったものを食材4として、ラーメンスープを飲料3として収納し店頭販売するようにするなど、片手食べできるテイクアウト容器およびテイクアウト用ボトル麺が提供できる構成としている。
【0053】
この場合、たとえば前述したような密閉蓋部5付きのタンブラーを採用し、蓋部を外せば上部開口部を大きく開口でき、またさらに栓体を取り外す構成の水筒であればこれを外すことで、本発明である本食材支持具を容易に挿入セットでき、セット後麺やスープも収納しやすくし、収納後は密閉でき、片手食べするときは飲み口部2となる上部開口部や注通部や注ぎカップ部を開放し、これに口をつけ片手食べできるようにしてもよい。
【0054】
したがって、たとえば携帯用食品収納容器を既存のあるいは市販の水筒や蓋付きタンブラーとし、この容器本体部1内に前述したように、前記量産した本食材支持具を挿入し収納設置するだけで、前記作用効果を果たす携帯用食品収納容器が容易に実現できることとなり、たとえば前述したように、いわゆる片手飲み(片手食べ)できるテイクアウト用ボトル麺などを容易に提供できることとなる。