(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022774
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】車両情報管理方法および車両情報管理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240214BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022126108
(22)【出願日】2022-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154380
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100081972
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 豊
(72)【発明者】
【氏名】辻野 好宏
(72)【発明者】
【氏名】澤井 大輔
(72)【発明者】
【氏名】三上 真司
(72)【発明者】
【氏名】小山内 公希
(72)【発明者】
【氏名】玉置 大典
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】移動体を利用するユーザの利便性を高めること。
【解決手段】移動体としての車両に紐付けられた車両情報を管理する車両情報管理方法は、情報生成/更新部131が、車両情報に車両の全体および部分の少なくとも一つを示す画像情報を含める第1ステップと、情報生成/更新部131が、車両情報に車両に備わる機能の設定状態を示す設定情報を含める第2ステップと、閲覧許可部134が、車両の納車日前から車両のユーザが情報端末を介して車両情報を立体視または平面視により閲覧することを許可する第3ステップと、情報生成/更新部131が、情報端末からの操作情報に基づいて設定情報を更新する第4ステップと、情報生成/更新部131が、車両情報をブロックチェーンに記録される証明書付きトークンとして生成する第5ステップと、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に紐付けられた車両情報を管理する車両情報管理方法であって、
前記車両情報に前記車両の全体および部分の少なくとも一つを示す画像情報を含める第1ステップと、
前記車両情報に前記車両に備わる機能の設定状態を示す設定情報を含める第2ステップと、
前記車両の納車日前から前記車両のユーザが情報端末を介して前記車両情報を立体視または平面視により閲覧することを許可する第3ステップと、
前記情報端末からの操作情報に基づいて、前記設定情報を更新する第4ステップと、
前記車両情報をブロックチェーンに記録される証明書付きトークンとして生成する第5ステップと、
を備えることを特徴とする車両情報管理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の車両情報管理方法において、
前記車両に対し、前記更新後の前記設定情報に対応する機能の変更指示を発する第6ステップを、
さらに備えることを特徴とする車両情報管理方法。
【請求項3】
請求項2に記載の車両情報管理方法において、
前記車両情報に前記車両情報のステイタスを示すステイタス情報を含める第7ステップと、
納車日以降の前記車両の走行情報に応じて前記ステイタス情報を更新する第8ステップと、
をさらに備えることを特徴とする車両情報管理方法。
【請求項4】
請求項3に記載の車両情報管理方法において、
前記走行情報は、前記車両の走行距離または走行時間または複数の所定地点への到達を示す情報であることを特徴とする車両情報管理方法。
【請求項5】
請求項4に記載の車両情報管理方法において、
前記複数の所定地点は、それぞれ異なる特性情報を有し、
前記第8ステップは、前記所定の地点に到達すると前記特性情報を基に前記ステイタス情報を更新することを特徴とする車両情報管理方法。
【請求項6】
請求項5に記載の車両情報管理方法において、
前記複数の所定地点は、前記車両に対する充電または給油施設であることを特徴とする車両情報管理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の車両情報管理方法において、
前記充電または給油施設は、給電される電力または給油される燃料の由来に応じて前記特性情報が異なることを特徴とする車両情報管理方法。
【請求項8】
車両に紐付けられた車両情報を管理する車両情報管理装置であって、
前記車両情報に、前記車両の全体および部分の少なくとも一つを示す画像情報と、前記車両に備わる機能の設定状態を示す設定情報とを含める情報生成部と、
前記車両の納車日前から前記車両のユーザが情報端末を介して前記車両情報を立体視または平面視により閲覧することを許可する閲覧許可部と、
前記情報端末からの操作情報に基づいて、前記設定情報を更新する情報更新部と、を備え、
前記情報生成部は、前記車両情報をブロックチェーンに記録される証明書付きトークンとして生成することを特徴とする車両情報管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが使用する車両に関する車両情報を管理する車両情報管理方法および車両情報管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
NFT(Non-Fungible Token)技術を用いたサービスが増えている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-152815号公報
【特許文献2】特開2022-59707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施または提案されている複数のサービスには、NFT技術を四輪車および二輪車等の移動体のユーザと結び付けたものが存在していない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様は、移動体としての車両に紐付けられた車両情報を管理する車両情報管理方法であって、車両情報に車両の全体および部分の少なくとも一つを示す画像情報を含める第1ステップと、車両情報に車両に備わる機能の設定状態を示す設定情報を含める第2ステップと、車両の納車日前から車両のユーザが情報端末を介して車両情報を立体視または平面視により閲覧することを許可する第3ステップと、情報端末からの操作情報に基づいて、設定情報を更新する第4ステップと、車両情報をブロックチェーンに記録される証明書付きトークンとして生成する第5ステップと、を備える。
【0006】
本発明の第2の態様は、移動体としての車両に紐付けられた車両情報を管理する車両情報管理装置であって、車両情報に、車両の全体および部分の少なくとも一つを示す画像情報と、車両に備わる機能の設定状態を示す設定情報とを含める情報生成部と、車両の納車日前から車両のユーザが情報端末を介して車両情報を立体視または平面視により閲覧することを許可する閲覧許可部と、情報端末からの操作情報に基づいて、設定情報を更新する情報更新部と、を備え、情報生成部は、車両情報をブロックチェーンに記録される証明書付きトークンとして生成する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、移動体を利用するユーザの利便性を高めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】車両情報に基づく画像を表示する通信端末を例示する図。
【
図2】実施の形態に係る車両情報管理システムの概略構成図。
【
図3】
図2のサーバ装置の要部構成を示すブロック図。
【
図4】
図2の通信端末の要部構成を示すブロック図。
【
図5】
図2の車載端末の要部構成を示すブロック図。
【
図6】サーバ装置で行われる車両情報管理処理の流れを説明するフローチャート。
【
図7】サーバ装置で行われる車両情報管理処理の流れを説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して発明の実施の形態について説明する。
<車両情報の概要>
発明の一実施の形態に係る車両情報管理装置は、ユーザが使用する車両に関する情報(車両情報と呼ぶ)を管理する。車両情報は、画像情報と、基本情報と、設定情報とを含む。車両情報は、ブロックチェーン(block chain)と呼ばれる分散型データベースネットワークに記録される証明書付きトークン(NFT(Non-Fungible Token))として構成される。
【0010】
実施の形態では、車両を販売等する事業者等から、例えば電気自動車を購入または借り受けたユーザが、上記車両情報を車両のオプションとして購入する例を説明する。車両は、四輪車以外の二輪車等や、マイクロモビリティ等の小型乗物であってもよい。
なお、車両情報は購入でなく借り受けでもよく、上記事業者等から車両の購入者等へ無償で配布または譲渡されてもよい。
また、上記事業者等は、上記車両情報のうちの画像情報のみを車両のオプションとしてユーザへ販売、貸与または配布等する構成にしてもよい。
【0011】
<画像情報>
車両情報に含まれる画像情報は、車両情報を購入したユーザが使用する車両の全体および/または部分が写る画像と、上記車両の構成等がわかる図面、スケッチ、またはイラスト等を含む画像と、のうち少なくとも一つを含む。実施の形態では、ユーザが使用する車両と同じ車種の車両に関する画像のデータを画像情報として用いる例を説明するが、ユーザが使用する車両と異なる車種の車両に関する画像のデータであってもよい。
【0012】
<基本情報>
車両情報に含まれる基本情報は、車両情報を購入したユーザが使用する車両に対する点検整備のデータを含む。例えば、車両の点検整備記録、車両の走行距離、車両に搭載されている電池の充電状態、車両の潤滑油の残量、タイヤの空気圧等のデータは、基本情報に含めてよい。
<設定情報>
車両情報に含まれる設定情報は、車両情報を購入したユーザが使用する車両に備わる機能の設定状態(各機能に対する有効/無効の設定内容等)を示すデータを含む。
【0013】
<ユーザによる車両情報の閲覧>
車両情報を購入したユーザは、自らが使用する車両に関する車両情報を閲覧することができる。より具体的には、車両情報管理装置は、例えばユーザが使用する通信端末2Aを介して、そのユーザが使用する車両に関する車両情報をそのユーザが閲覧することを許可する。
図1は、車両情報に含まれる画像情報に基づく画像を表示する通信端末2Aを例示する図である。
また、車両情報管理装置は、車両に関する画像を表示する通信端末2Aの表示画面が指等でスワイプ(swipe)された場合に、スワイプ操作に応じた方向から見た車両の画像の閲覧を許可する。
【0014】
画像情報は、2D(二次元)画像の情報(平面視用)であってもよいし、3D(三次元)画像の情報(立体視用)であってもよい。画像情報が3D画像の情報である場合、車両情報を購入したユーザは、例えば通信端末2Aに対して不図示のVR(Virtual Reality)ゴーグルと呼ばれる頭部装着型のディスプレイ等を接続することにより、画像情報を3D画像として鑑賞することが可能となる。ディスプレイ等の接続は、有線接続でも無線接続でもよい。
【0015】
車両情報管理装置は、車両情報に含める画像情報を生成するための画像素材として、あらかじめ複数の画像情報を用意している。例えば、車両の外観(グレードの違い、オプション部品の有無による違い、車両の姿勢等による違いに応じた複数の外観)、および、車両の塗装色等の少なくとも一つが異なる画像が、車種別にそれぞれ複数用意されている。車両情報管理装置は、これら複数の画像情報の中から、車両情報を購入したユーザが使用する車両の車種に対応する画像情報を適宜選択して画像情報を生成する。
車両情報管理装置は、車両情報を購入したユーザ毎に、そのユーザが使用する車両に応じて生成した車両情報をユーザID(identification)に関連付けて管理する。関連付けることを紐付けると称してもよい。
【0016】
<納車日前に閲覧可>
車両情報管理装置は、生成した画像情報を含む車両情報について、車両がユーザのもとへ納入される前(換言すると、ユーザが車両を使用開始する前)から閲覧を許可する。
車両がユーザのもとへ届く(すなわち納車)前から車両情報の閲覧を許可することにより、ユーザは、実車がなくても3D画像を介して車両のデザイン、車両に備わる機能の設定状態、車両の整備状態を確認することが可能になる。
【0017】
<車両の機能設定可>
また、車両情報管理装置は、腕を曲げる、伸ばす、触る、掴む、回す等のユーザのアクションを検知するコントローラと、上述したVRゴーグルとを通信端末2Aに接続したユーザが、車両の操作部材が写る3D画像を見ながら車両に備わる機能に対する設定操作を行った場合に、その操作情報をユーザの通信端末2Aから取得する。そして、通信端末2Aから取得した操作情報に基づいて、車両に備わる機能の設定状態を示すデータ(設定情報)を変更する。設定情報の変更を設定情報の更新と呼んでもよい。さらに、更新後の設定情報に基づいて対応する機能の変更指示を、ユーザが使用する車両(車両がユーザのもとへ納車される前の場合には、そのユーザを担当する販売店等)へ送出する。
車両情報管理装置が機能の変更指示を販売店等へ送出する場合には、当該機能の変更作業を、販売店等に併設されたサービス工場で納車前の車両の点検作業を行う整備士等が、納車前の車両の点検作業時に行う。
このように構成したので、ユーザは、車両が納車される前に、車両に対する機能の設定操作をユーザの通信端末2Aから行うことが可能になる。また、ユーザは、実車がなくても3D画像を介して車両の機能操作を体感することが可能になる。
【0018】
一方、車両情報管理装置が変更指示を車両(より正しくは車両に搭載されている車載端末)へ送出する場合は、車両の車載端末が、例えば車両のパワースイッチオン時に当該機能の変更処理を行う。
このように構成したので、ユーザは、使用する車両から離れている場合でも、ユーザの通信端末2Aから車両に対する機能の設定操作を行うことが可能になる。
【0019】
<整備点検記録の確認可>
また、車両情報管理装置は、ユーザによる車両の使用開始後、販売店に併設されたサービス工場等で車両に対する点検整備が行われた場合には、その点検整備記録をサービス工場のサービス端末等から取得する。そして、最新の点検整備記録を上記基本情報に含める。
このように構成したので、ユーザは、車両の点検整備記録簿を見なくても、ユーザの通信端末2Aから点検整備記録を確認することが可能になる。
【0020】
<ステイタス情報>
実施の形態では、車両情報に含まれる画像情報を、車両情報を購入したユーザのステイタスを示す情報として扱う。画像情報には、ユーザが使用する車両の画像とは別に、ユーザのステイタスを示す画像を含めることが可能である。
【0021】
車両情報管理装置は、ユーザのステイタスを示す画像として、例えば車両をモチーフとしたキャラクター(character)画像を生成し、ユーザのステイタスの向上に伴ってキャラクター画像を変化させる。
【0022】
車両情報管理装置は、車両情報に含めるキャラクター画像を生成するための画像素材として、あらかじめ複数の画像情報を用意している。例えば、車両の外観(車種の違い、オプション部品の有無による違い、車両の姿勢等による違いに応じた複数の外観)、および、車両または車両を構成する部品の色の違いの少なくとも一つが異なる画像が、それぞれ複数用意されている。車両情報管理装置は、これら複数の画像情報のうちユーザが使用する車両をモチーフとする画像情報の中から、後に詳述する評価値に基づいて画像情報を選択し、ユーザのステイタスに対応するキャラクター画像を生成する。
【0023】
なお、ユーザが購入した当初の車両情報に含まれる初期態様のキャラクター画像は、例えば、車両の色が未着色で、車両の外装を飾るオプション部品等が未装着の状態の、シンプルな車両が表されたものとする。
車両情報管理装置は、ユーザが使用する車両が所定の条件を満たした場合に、そのユーザが所有する車両情報に含まれるキャラクター画像の態様を変化させる。例えば、車両または車両を構成する部品の色を変更したり、オプション部品を装着したりする等によりキャラクター画像に含まれる車両を加飾する。
【0024】
実施の形態では、ユーザのステイタスが高くなるほど、キャラクター画像により多くの色を使用することができ、よりたくさんのオプション部品を装着することが可能になる。また、キャラクター画像に含まれる車両のサイズを大きくする(ズームアップする)ことが可能になる。
【0025】
所定の条件とは、例えば、ユーザが使用する車両であらかじめ定められた地点に設けられた施設等へ出かけて当該施設を利用することである。上記施設には、例えば、あらかじめ定められた各地点に設けられた複数の充電スタンド(充電スポットまたは充電ステーションとも呼ばれる)が含まれるものとする。各充電スタンドは、単独で設置、または商業施設、オフィスビルの駐車場等に併設される。また、各充電スタンドには、評価値の算出に用いる充電スタンド固有の特性情報値がそれぞれ定められる。
【0026】
車両情報管理装置は、ユーザが、使用する車両で充電スタンドへ移動して充電を行うと、利用された充電スタンド固有の特性情報値に基づいて、そのユーザの評価値を算出する。
車両情報管理装置は、評価値の算出値に基づいて、ユーザのキャラクター画像に含まれる車両の態様を変化させたキャラクター画像を生成する。
車両情報管理装置は、キャラクター画像を含む車両情報を分散型データベースネットワークに記録する。
【0027】
車両の態様の変化は、車両の進化と呼んでもよい。キャラクター画像は、その車両の態様により、複数段階にランク分けされる。ユーザは、キャラクター画像を所有することにより、ランクに応じて施設の利用料金等の減額サービス、利用料金に充当可能なポイントの付与サービス、および、施設の優待利用サービスの少なくとも一つ(特典と呼んでもよい)を受けることが可能になる。優待利用サービスは、例えば複数のユーザが施設を利用する順番を待つ場合に、ランクが上のキャラクター画像を所有するユーザに優先利用を認めるサービスをいう。また、キャラクター画像のランクに応じてVR空間上で利用できるアイテム(item)の数を増やしてもよい。
キャラクター画像の所有権は、譲渡または貸渡しすることが可能である。
このような車両情報管理装置について、さらに詳細に説明する。
【0028】
<車両情報管理システムの概要>
図2は、実施の形態に係る車両情報管理システム100の概略構成図である。車両情報管理システム100として、ユーザU1が使用する車両10Aと、ユーザU1が使用する通信端末2Aと、ユーザU2が使用する車両10Bと、ユーザU2が使用する通信端末2Bと、所定の施設としての充電スタンド4と、車両情報管理装置としてのサーバ装置1と、分散型データベースネットワーク50と、を例示する。
【0029】
車両10Aおよび10Bにそれぞれ搭載される車載端末6Aおよび6B、通信端末2Aおよび2B、充電スタンド4、サーバ装置1、および分散型データベースネットワーク50は、通信網3を介して互いに通信可能に構成される。通信網3には、インターネット網や携帯電話網等に代表される公衆無線通信網だけでなく、所定の管理地域毎に設けられた閉鎖的な通信網、例えば無線LAN(Local Area Network)、Wi-Fi(登録商標)等も含まれる。
【0030】
図2では、車両10Aおよび10Bと、通信端末2Aおよび2Bと、充電スタンド4とを表示しているが、ユーザU1およびU2以外の他のユーザが使用する車両、ユーザU1およびU2以外の他のユーザが使用する通信端末、および充電スタンド4以外の他の充電スタンド等の施設は、図示した数に限らず多数存在してよい。
【0031】
サーバ装置1は、車両情報管理事業を行う事業体Pまたは車両情報管理事業を委託された事業者Qによって管理、運用される。サーバ装置1の詳細については後に詳述する。
【0032】
充電スタンド4等は、電池搭載車両に対する充電事業を行う事業体R等によって管理、運用される。充電スタンド4等は、不図示の制御部、通信部および認証部を備えており、例えば、ユーザU2が通信端末2Bを認証部にかざすことで、事前にクレジットカード情報等を登録したユーザU2であることを確認する。また、充電スタンド4等は、登録されているクレジットカードに対して当該施設の利用料金等を課金する処理を行う。
さらにまた、充電スタンド4等は、充電スタンド固有の識別情報と、認証したユーザの情報と、そのユーザが利用した充電量等を示す情報と、そのユーザが利用した時間帯を示す情報とを、充電スタンド4等の通信部から通信網3を介してサーバ装置1等へ送信する。
【0033】
通信端末2A、2Bは、それぞれユーザU1、U2が使用するスマートフォン等によって構成される。スマートフォン等の代わりに、それぞれユーザU1、U2が使用する車両10A、10Bに搭載された車載端末6A、6Bにより通信端末2A、2Bの機能を代用させてもよく、ユーザU1、U2が使用する通信端末2A、2Bと各車両の車載端末6A、6Bとを近距離無線通信等により連携させてもよい。
【0034】
分散型データベースネットワーク50は、不特定多数の参加者の処理装置が存在するネットワークにより構成される。分散型データベースネットワーク50は、不図示の記憶部およびプロセッサを備える複数の処理装置51を相互に接続し、1または複数の処理装置51によりノードを構成し、ノード間でそれぞれの記憶部に記憶している情報の検証を行う。
分散型データベースネットワーク50は、情報の改ざんに対して堅牢であることから、情報の真贋証明に利用されている。実施の形態では、サーバ装置1で生成した車両情報を分散型データベースネットワーク50にも記録することにより、車両情報の真贋判定を可能にする。
このような分散型データベースネットワーク50は公知であるため、詳細な説明については省略する。
【0035】
サーバ装置1は、通信端末2A、2Bからの要求により、通信網3を介して通信端末2A、2Bへ車両情報管理サービス利用のためのアプリケーションソフトウェア(application software:以後サービス利用アプリと呼ぶ)を供給する。サーバ装置1からサービス利用アプリの供給を受けた、換言すると、サービス利用アプリをダウンロード(Download)した通信端末2A、2Bは、車両情報管理サービスを利用するためのサービス利用アプリを実行することが可能になる。
【0036】
<サーバ装置>
図3は、
図2のサーバ装置1の要部構成を示すブロック図である。上述したように、サーバ装置1はサービスを提供する事業体P等で管理される。サーバ装置1は、クラウド上の仮想サーバ機能を利用して構成してもよく、複数の端末に分散して構成してもよい。
【0037】
サーバ装置1は、通信部11と、入出力部12と、処理部13と、記憶部14とを有する。通信部11は、通信網3を介して分散型データベースネットワーク50、通信端末2A、2B、車両10A、10Bに搭載された車載端末6A、6B、充電スタンド4等の外部機器と通信可能に構成される。このような構成により、サーバ装置1は、分散型データベースネットワーク50、サービス利用アプリのユーザU1、U2の通信端末2A、2B、充電スタンド4等との間で必要な情報を送受することができる。
【0038】
サービス利用アプリの使用を希望するユーザU1、U2は、サービスを提供する事業体P等にユーザ情報を登録した上で、記憶部14のアプリ保存部144に保存されているサービス利用アプリの供給を受けるものとする。登録された複数のユーザU1、U2のユーザ情報は、記憶部14のユーザ情報記憶部142に記憶されるものとする。
ユーザ情報の登録は、サーバ装置1と通信可能な、通信端末2A、2B等を用いて行われる。ユーザ情報には、例えばユーザID、住所、氏名、生年月日、電話番号、クレジットカード情報、連絡先等を含めることが可能である。
ユーザ情報の登録とともに、ユーザU1、U2が使用する車両10A、10Bの車両IDおよび車両10A、10Bの型式等の情報を登録してもよい。
ユーザU1、U2が購入した車両情報は、記憶部14の車両情報記憶部141に記憶されるものとする。
【0039】
入出力部12は、例えばキーボード、ポインティングデバイス、ディスプレイ、およびタッチパネル等を有する。入出力部12は、キーボード、ポインティングデバイス、およびタッチパネル等の操作に基づいて入力された信号を処理部13へ送出するとともに、処理部13から出力された信号に基づく情報をディスプレイ等に表示する。
【0040】
処理部13は、CPU(マイクロプロセッサ)およびその周辺回路等を有するコンピュータを含んで構成される。処理部13は、入出力部12を介して入力された信号、通信部11を介してサーバ装置1の外部から受信した信号、および記憶部14に記憶されたデータ等に基づいて所定の処理を実行し、通信部11、入出力部12および記憶部14に対する制御信号を出力する。
処理部13は、あらかじめ記憶部14に記憶されているプログラムを実行することにより、情報生成/更新部131、情報算出部132、関連付け部133、閲覧許可部134、情報入力部135、および情報出力部136として機能する。
【0041】
情報生成/更新部131は、画像情報と、基本情報と、設定情報とを含む車両情報を、ブロックチェーンに記録される証明書付きトークン(NFT)として生成する。また、情報生成/更新部131は、車両情報に含める画像情報を生成したり、初期態様の車両を含むキャラクター画像を生成したり、加飾した車両を含むキャラクター画像に更新したりする。
【0042】
情報算出部132は、ユーザ毎の評価値を算出する。
評価値の算出に先立ち、処理部13は、充電スタンド4等から送信された充電スタンド4等の識別情報に対応する特性情報を特性情報記憶部143から読出す。特性情報は、例えば、充電スタンド毎に異なる値が設定可能である。
【0043】
特性情報は、あらかじめ処理部13によって決定され、充電スタンド4等の識別情報に関連付けて特性情報記憶部143に記憶されている。上述したように、車両の態様の変化は加飾の一つであり、ユーザU1、U2が利用した充電スタンド4等に大きな値の特性情報が設定されているほど、キャラクター画像の車両の態様が大きく変化するように構成される。
【0044】
処理部13は、例えば充電スタンド4と、他の充電スタンドとの間の利用率を平準化するために、利用客が多く集まる充電スタンドの特性情報に比べて、利用客が集まりにくい充電スタンドに対して大きな値の特性情報を設定してもよい。
また、処理部13は、例えば同じ充電スタンドにおける昼間と夜間の利用率を平準化するために、利用客が増える時間帯に設定する特性情報に比べて、利用客が減る時間帯においてより大きな値の特性情報を設定してもよい。
【0045】
なお、処理部13は、前回利用した充電スタンドから今回利用する充電スタンドまでの車両10A、10Bの走行距離が長いほど、今回利用時の特性情報の値を大きくしてもよい。走行距離情報は、例えば、ユーザU1、U2が使用する車両10A、10Bの車載端末6A、6Bから取得した値を用いてもよい。
【0046】
情報算出部132は、上述した特性情報を用いてユーザ毎の評価値を算出する。例えば、特性情報を所定の算出式に代入することにより評価値を算出する。ユーザU1、U2による車両10A、10Bの利用状況がよい(例えば、あらかじめ定められた地点の施設(充電スタンド、販売店等)が利用されている、また、車両10A、10Bの走行速度が走行した道路に定められた制限速度内に収まっている)と、そのユーザの評価値の算出値がより大きくなってキャラクター画像の車両の態様の変化がより進むように、処理部13によって評価値の算出式が定められている。
【0047】
関連付け部133は、車両情報と、その車両情報を購入等したユーザのユーザIDと、そのユーザが使用する車両の車両IDとを関連付ける。
閲覧許可部134は、上述したように、ユーザU1等が使用する通信端末2A等を介して、ユーザU1等が使用する車両10A等に関する車両情報をユーザU1等が閲覧することを許可する。
【0048】
情報入力部135は、通信部11を介してサーバ装置1の外部から受信した情報、および記憶部14に記憶されたデータ等を処理部13に入力する。サーバ装置1の外部からの情報には、ユーザU1等の通信端末2A等から受信するユーザIDおよびその他の情報、充電スタンド4等から受信する充電スタンド4等の識別情報およびユーザに関する情報、分散型データベースネットワーク50から受信するキャラクター画像に関する情報等が含まれる。
【0049】
情報出力部136は、通信部11を介してサーバ装置1の外部へ情報を出力する。サーバ装置1の外部へ出力する情報には、ユーザU1、U2の通信端末2A、2Bへ送信するサービス利用アプリおよびその他の情報、充電スタンド4等に送信する情報、および分散型データベースネットワーク50へ送信する車両情報等が含まれる。
【0050】
実施の形態では、情報生成/更新部131が、車両情報を生成または更新する毎に、生成履歴情報が、サーバ装置1(車両情報記憶部141)と分散型データベースネットワーク50の両方に記録される。そのため、仮に、サーバ装置1側で記録が改ざんされたとしても、例えば改ざんされた情報のハッシュ値と分散型データベースネットワーク50上のハッシュ値を照合することにより、改ざんの検出が容易となる。
【0051】
また、上記生成履歴情報は、分散型データベースネットワーク50上において常に第三者による確認が可能であるため、車両情報を用いた取引の際に取引相手が真の所有者か否かを検証することが可能である。例えば、車両情報を所有するユーザがサーバ装置1から特典を受ける(例:利用料の減額サービスおよび施設の優待利用サービス等)際に、ユーザが所有する車両情報(とくにキャラクター画像)の真偽を検証することが可能である。
【0052】
記憶部14は、不図示の揮発性または不揮発性メモリを有する。記憶部14は、処理部13が実行する各種のプログラムや各種のデータ等を記憶する。また記憶部14は、車両情報記憶部141と、ユーザ情報記憶部142と、特性情報記憶部143と、アプリ保存部144として機能する。
【0053】
車両情報記憶部141は、登録されているサービス利用アプリのユーザU1、U2が利用する車両10A、10Bに関する車両情報であって、情報生成/更新部131で生成された車両情報を、ユーザIDに関連付けて記憶する。
ユーザ情報記憶部142は、登録されているユーザのユーザ情報をユーザIDに関連付けて記憶する。
【0054】
特性情報記憶部143は、処理部13により決定された特性情報を、充電スタンド4等の識別情報に関連付けて記憶する。
アプリ保存部144は、ユーザU1等へ提供するサービス利用アプリを記憶する。
【0055】
<通信端末>
図4は、通信端末2Aの要部構成を示すブロック図である。通信端末2Bの構成も通信端末2Aと同様である。
図4に示すように、通信端末2Aは、通信部21と、出力部22と、入力部23と、処理部24と、記憶部25とを有する。通信端末2Aは、ユーザU1により操作されるスマートフォン等の、通信網3に接続可能な機器により構成される。
【0056】
通信部21は、通信網3を介してサーバ装置1等と通信可能に構成される。
出力部22は、例えば文字情報や画像等を表示する表示部と、音声等を再生するスピーカ部等を含む。
入力部23は、タッチ操作部材やキーボード等のユーザU1が操作する各種スイッチ部と、ユーザU1が発する音声を入力するマイク部等を含む。ユーザU1は、入力部23を介して各種情報の入力を行う。
【0057】
処理部24は、マイクロコンピュータおよびその周辺回路等から構成される。処理部24は、入力部23を介して入力された信号、通信部21を介して外部機器から受信した信号、および記憶部25に記憶されたデータ等に基づいて所定の処理を実行し、通信部21、出力部22、および記憶部25等の通信端末2Aの各部に対する制御信号を出力する。
処理部24は、さらに通信部21に制御信号を出力し、通信端末2Aとサーバ装置1との間の信号の送受信、通信端末2Aと車載端末6Aとの間の信号の送受信を制御する。処理部24で行う処理により、ユーザU1は、出力部22に表示される情報を見ながら、車両10Aに関する車両情報の確認および登録した利用者情報の変更等を行うことができる。
【0058】
記憶部25は、図示しない揮発性または不揮発性メモリを有する。記憶部25は、処理部24が実行する各種プログラムや各種のデータを記憶する。記憶部25はさらに、利用者情報等を記憶する。
【0059】
<車載端末>
図5は、車載端末6Aの要部構成を示すブロック図である。車載端末6Bの構成も車載端末6Aと同様である。
図5に示すように、車載端末6Aは、制御部60と、測位センサ61と、ナビゲーション装置62と、センサ群63と、通信ユニット64と、操作部65とを含む。
【0060】
測位センサ61は、GPS衛星等から送信された測位信号を受信する。測位センサ61は、受信した測位信号に基づいて車両10Aの現在位置を測位する。ナビゲーション装置62は、ユーザU1により入力された目的地までの道路上の目標経路を検索するとともに、目標経路に沿った案内を行う装置である。目的地の入力は、操作部65を介して行われる。
【0061】
センサ群63は、車両10Aの状態等を検出する複数のセンサの総称である。センサ群63は、一例として、車両10Aの走行速度(車速)を検出する車速センサ、車両10Aの角速度を検出するジャイロセンサ等を含む。
処理部601は、測位センサ61で受信された測位信号、あるいは、ジャイロセンサで検出されたヨーレート、車速センサで検出された車速等の検出信号に基づく自律航法の算出処理により、車両10Aの現在位置を算出する。
【0062】
通信ユニット64は、通信網3を介してサーバ装置1等の外部機器と無線通信可能に構成される。なお、通信ユニット64は、例えば通信端末2Aを使用するユーザU1が車両10Aに乗車中である場合に、通信網3を介することなくBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信により通信端末2Aとの間で情報を送受することも可能に構成されている。
【0063】
制御部60は、マイクロコンピュータ等の処理部601と、車両10Aに備わる機能を設定する設定部602と、ROM、RAM、ハードディスク等の記憶部603と、図示しないその他の周辺回路と、を有するコンピュータを含んで構成される。処理部601は、あらかじめ記憶部603に記憶されているプログラムを実行することで、情報受信部601aおよび情報送信部601bとして機能する。
【0064】
情報受信部601aは、車載端末6Aの各部により検出等される各種情報や各種信号を受信する。例えば、情報受信部601aは、測位センサ61により測位された車両10Aの位置情報およびセンサ群63による検出信号等を受信する。
【0065】
情報送信部601bは、必要に応じて、情報受信部601aが受信した各種情報および各種信号を、通信ユニット64を介して、通信端末2A等、またはサーバ装置1等の外部機器に送信することが可能に構成される。例えば、処理部601で算出された車両10Aの位置情報を、サーバ装置1に送信する。
【0066】
<フローチャートの説明>
図6は、サーバ装置1で行われる車両情報管理処理の流れを説明するフローチャートである。サーバ装置1の処理部13は、例えば、ユーザU1等が使用する通信端末2A等から所定のログイン操作が行われると、ログイン処理を行って
図6に例示するステップに沿って処理を開始する。ログイン操作によりユーザID等が入力される。
【0067】
ステップS110において、処理部13は、ユーザU1等が使用する車両10A等に関する情報を取得する。処理部13は、ユーザIDに関連付けられている車両情報を車両情報記憶部141から読出すと、ステップS120へ進む。車両情報には、情報生成/更新部131により、車両10A等の全体および部分の少なくとも一つを示す画像情報と、車両10A等に備わる機能の設定状態を示す設定情報とが含められている。
【0068】
ステップS120において、処理部13は、閲覧許可部134により、ユーザU1等が使用する車両10A等に関する車両情報の閲覧を許可してステップS130へ進む。上述したように、ユーザU1等が車両10A等を使用開始する前であっても、処理部13によって車両情報の閲覧が許可される。
【0069】
ステップS130において、処理部13は、ユーザU1等が使用する通信端末2A等から操作情報を取得してステップS140へ進む。操作情報は、例えば、ユーザU1等が通信端末2A等に表示されている車両10A等の操作部材が写る3D画像を見ながら行った機能設定操作を、上述したアクション検知コントローラで検知した情報である。
【0070】
ステップS140において、処理部13は、情報生成/更新部131により、車両10A等に備わる機能の設定状態を示す設定情報を、操作情報に基づいて変更(更新と呼んでもよい)してステップS150へ進む。
【0071】
ステップS150において、処理部13は、更新後の設定情報に基づいて対応する機能の変更指示を車両10A等へ送出してステップS160へ進む。なお、上述したように、車両10A等がユーザU1等のもとへ納車される前の場合には、車両10A等に代えて販売店等へ変更指示を送出する。
【0072】
ステップS160において、処理部13は、関連付け部133により、ユーザU1等毎の車両情報(変更後の設定情報を含む)をユーザIDに関連付ける。処理部13は、関連付け部133によって関連付けを行うと、ステップS170へ進む。
【0073】
ステップS170において、処理部13は、記録処理を行う。処理部13は、車両情報を車両情報記憶部141に記録するとともに、分散型データベースネットワーク50にも記録してステップS180へ進む。
【0074】
ステップS180において、処理部13は、処理を終了するか否かを判定する。処理部13は、ユーザU1等が使用する通信端末2A等から所定のログオフ操作が行われると、ステップS180を肯定判定して
図6による処理を終了する。処理部13は、ログオフ操作が行われない場合は、ステップS180を否定判定して
図6による処理を繰り返す。
【0075】
図7は、サーバ装置1で行われる別の車両情報管理処理の流れを説明するフローチャートである。サーバ装置1の処理部13は、例えば、ユーザU1等の使用する車両10A等が所定の条件を満たしたことを示す情報が充電スタンド4等から情報入力部135に入力されると、
図7に例示するステップに沿って処理を開始する。充電スタンド4等から入力される情報には、充電スタンド4等の識別情報、および、充電スタンド4等を利用したユーザU1等のユーザIDを含むユーザU1等に関する情報が含まれている。
【0076】
ステップS210において、処理部13は、ユーザU1等が使用する車両10A等に関する情報を取得する。処理部13は、ユーザIDに関連付けられている車両情報を車両情報記憶部141から読出すと、ステップS220へ進む。
なお、充電スタンド4等を利用した実績がない(登録したばかりの場合)ユーザのユーザIDに関連付けられている車両情報に含まれる画像情報の中のキャラクター画像は、初期態様のキャラクター画像である。
【0077】
ステップS220において、処理部13は、特性情報を取得する。より具体的には、処理部13は、充電スタンド4等の識別情報に対応する特性情報を特性情報記憶部143から読出すと、ステップS230へ進む。
【0078】
ステップS230において、処理部13は、情報算出部132により、ユーザ毎の評価値を算出する。処理部13は、情報算出部132が特性情報を所定の算出式に代入して評価値を算出すると、ステップS240へ進む。
【0079】
ステップS240において、処理部13は、情報生成/更新部131により、ユーザ毎のキャラクター画像を加飾する。情報生成/更新部131は、算出した評価値に基づいて、ユーザ毎のキャラクター画像に含まれた車両の態様を変化させたキャラクター画像を生成すると、ステップS250へ進む。情報生成/更新部131は、キャラクター画像を生成するときに、評価値の算出値とキャラクター画像における車両の態様との関係を示すテーブルを用いてもよい。例えば、算出値をテーブルに入力することにより、対応するキャラクター画像のデータがテーブルから出力される。
【0080】
ステップS250において、処理部13は、関連付け部133により、ユーザ毎の車両情報(キャラクター画像を含む)をユーザIDに関連付ける。処理部13は、関連付け部133によって関連付けを行うと、ステップS260へ進む。
【0081】
ステップS260において、処理部13は、記録処理を行う。処理部13は、キャラクター画像を含む車両情報を車両情報記憶部141に記録するとともに、分散型データベースネットワーク50にも記録する。
処理部13はさらに、充電スタンド4等の利用履歴情報をユーザ情報記憶部142に記録して
図7による処理を終了する。
【0082】
以上説明した実施の形態において、ユーザU1等は、ユーザ間でステイタス情報としてのキャラクター画像の車両を進化させる手法を伝授し合ってもよい。例えばSNS(Social Networking Service)等を利用して、より早くオプション部品を装着させる手法、より早く希少の色でキャラクター画像の車両を着色する手法として、充電スタンド4等を利用する順番、1回当たりの充電スタンド4等の利用時間(充電時間)、および充電スタンド4等の利用時間帯等の情報を交換してもよい。
【0083】
また、ユーザU1等は、各自が所有しているキャラクター画像を、SNS等に投稿して他のユーザに紹介してもよい。他のユーザは、キャラクター画像における車両の進化した姿を知ることができる。
【0084】
さらに、ユーザU1等は、各自が所有しているキャラクター画像を含む画像情報(ひいては車両情報)を売買してもよい。車両情報を分散型データベースネットワーク50に記録しておくことにより、ブロックチェーン上のデータを参照して所有権を証明することができるため、持続的な取引が可能である。なお、キャラクター画像の車両の変化履歴を示す情報をブロックチェーン上のデータに加えてもよい。
【0085】
以上説明した実施の形態によれば、以下のような作用効果が得られる。
(1)ユーザU1等が使用する車両10A等に紐付けられた車両情報を管理する車両情報管理方法は、第1ステップとして、情報生成/更新部131が車両情報に車両10A等の全体および部分の少なくとも一つを示す画像情報を含め、第2ステップとして、情報生成/更新部131が車両情報に車両10A等に備わる機能の設定状態を示す設定情報を含め、第3ステップとして、閲覧許可部134が、車両10A等の納車日前から車両10A等のユーザU1等が情報端末としての通信端末2A等を介して車両情報を立体視または平面視により閲覧することを許可し、第4ステップとして、情報生成/更新部131が通信端末2A等からの操作情報に基づいて設定情報を更新し、第5ステップとして、情報生成/更新部131が車両情報をブロックチェーンに記録される証明書付きトークンとして生成する。
このように構成したので、ユーザU1等は、車両10A等の納車を待たずに車両情報に基づく3D画像または2D画像を介して車両10A等のデザインを確認したり、車両10A等に備わる機能の設定状態を確認したり、機能の設定状態を更新したりすることが可能になる。この結果、車両情報を利用するユーザU1等の利便性が高まる。
また、第5ステップを含めたことにより、車両情報の真贋判定が可能になり、車両情報を唯一無二の存在として扱うことが可能になる。
【0086】
(2)上記(1)の車両情報管理方法は、さらに第6ステップとして、処理部13が車両10A等に対し、設定状態の更新後の設定情報に対応する機能の変更指示を発する。
このように構成したので、ユーザU1等が車両10A等から離れた場所に滞在している場合でも、車両10A等に対する機能の変更を行うことが可能になる。
【0087】
(3)上記(1)または(2)の車両情報管理方法は、さらに第7ステップとして、情報生成/更新部131が車両情報に、車両情報のステイタスを示すステイタス情報としてのキャラクター画像を含め、第8ステップとして、情報生成/更新部131が納車日以降の車両10A等の走行情報に応じてキャラクター画像を更新する。
このように構成したので、キャラクター画像を更新することに惹かれたユーザU1等に対し、車両10A等による走行を促すことが可能となる。
キャラクター画像は、例えば、変化する車両の進化が一目瞭然であることから、ユーザU1等に対し、キャラクター画像の車両の進化を楽しみながら走行してもらうことが可能になる。
【0088】
(4)上記(3)の走行情報は、車両10A等の走行距離または走行時間または複数の所定地点への到達を示す情報である。
このように構成したので、ユーザU1等に、車両10A等であらかじめ定められた走行距離または走行時間の走行をしてもらうこと、または、車両10A等であらかじめ定められた地点へ移動してもらうことが可能になる。
【0089】
(5)上記(4)の複数の所定地点は、それぞれ異なる特性情報を有し、上記第8ステップでは、所定の地点に到達すると情報生成/更新部131が特性情報を基にキャラクター画像を更新する。
このように構成したので、例えば、キャラクター画像の車両の進化に対する寄与が大きい特性情報を有する地点にユーザU1等を惹きつけ、ユーザU1等に車両10A等でその地点に移動してもらうことが可能になる。
【0090】
(6)上記複数の所定地点は、車両10A等に対する充電施設である。
このように構成したので、充電スタンド4等にユーザU1等を惹きつけ、ユーザU1等に充電スタンド4等を利用してもらうことが可能になる。
【0091】
(7)上記(6)の充電施設としての充電スタンド4等は、給電される電力の由来に応じて特性情報が異なる。
このように構成したので、例えば太陽光、風力、地熱等の再生可能エネルギー(Renewable Energy)を利用した発電により得られた電力で賄われる充電スタンド4等の特性情報の値を、再生可能エネルギーを利用していない他の充電スタンドの特性情報よりも大きく設定することで、充電スタンド4等を利用した場合のキャラクター画像の車両の進化に対する寄与を大きくすることが可能になる。この結果、ユーザU1等に再生可能エネルギーの利用を促すことが可能になる。
【0092】
上記実施の形態は、種々の形態に変形することができる。以下、変形例について説明する。
(変形例1)
ユーザU1等が利用する施設として充電スタンド4等を例示したが、ユーザU1等が車両10A等で移動して利用する施設であれば、給油スタンドでもよい。また、充電および給油に限らず他の商品またはサービスを提供する商業施設でもよい。
【0093】
(変形例2)
処理部13は、充電量または給油量が多いほど、今回利用時の特性情報の値を大きくしてもよい。変形例2によれば、充電量または給油量が多いと評価値の算出値が大きくなり、キャラクター画像の車両の進化が進むようになる。
【0094】
(変形例3)
実施の形態では、ユーザが使用する車両と同じ車種の車両に関する画像のデータを画像情報として用いる例を説明したが、過去に販売されていた車両、試作車、またはコンセプトモデル等の販売されていない車両に関する画像のデータを画像情報として用いてもよい。なお、変形例3の場合は、ユーザが使用する車両に関する情報ではないため、車両情報から基本情報を省略してもよい。
【0095】
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施の形態および変形例により本発明が限定されるものではない。上記実施の形態と変形例の1つまたは複数を任意に組み合わせることも可能であり、変形例同士を組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0096】
1 サーバ装置、2A,2B 通信端末、3 通信網、4 充電スタンド、6A,6B 車載端末、10A,10B 車両、11 通信部、12 入出力部、13 処理部、14 記憶部、50 分散型データベースネットワーク、100 車両情報管理システム、131 情報生成/更新部、132 情報算出部、133 関連付け部、134 閲覧許可部、135 情報入力部、136 情報出力部、141 車両情報記憶部、142 ユーザ情報記憶部、143 特性情報記憶部、144 アプリ保存部、U1,U2 ユーザ