(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022824
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】洗濯乾燥機
(51)【国際特許分類】
D06F 58/22 20060101AFI20240214BHJP
D06F 58/02 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
D06F58/22
D06F58/02 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022126186
(22)【出願日】2022-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小沼 智史
(72)【発明者】
【氏名】高橋 幸太郎
(72)【発明者】
【氏名】藤井 崇博
(72)【発明者】
【氏名】額賀 晴樹
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA02
3B166AA04
3B166AB23
3B166AB30
3B166AB32
3B166AE02
3B166AE05
3B166AE07
3B166BA35
3B166BA38
3B166BA56
3B166BA73
3B166CA01
3B166CA11
3B166CB01
3B166CB11
3B166CB13
3B166DA04
3B166DD06
3B166DE04
3B166EA03
3B166EA14
3B166EA18
3B166EA34
3B166EB03
3B166EB17
3B166ED05
3B166GA22
(57)【要約】
【課題】給水圧に係らず良好に循環風路内のリント捕集用のフィルタを洗浄できる洗濯乾燥機を提供する。
【解決手段】本発明の洗濯乾燥機1は、外郭を形成する筐体2と、水を溜める外槽3と、洗濯物を収容する回転自在な内槽4と、湿った洗濯物を乾燥させるための加熱装置13および除湿装置15と、内槽4内に風を供給するための送風装置23と、外槽3と送風装置23とを繋ぐ循環風路25d、22、26と、乾燥時に発生するリントを捕集するフィルタ9と、フィルタ9を洗浄する洗浄部10とを備え、洗浄部10は、給水部17、貯水部18、放水部20を有している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外郭を形成する筐体と、
水を溜める外槽と、
洗濯物を収容する回転自在な内槽と、
湿った洗濯物を乾燥させるための加熱装置および除湿装置と、
前記内槽内に風を供給するための送風装置と、
前記外槽と前記送風装置とを繋ぐ循環風路と、
乾燥時に発生するリントを捕集するフィルタと、
前記フィルタを洗浄する洗浄部とを備え、
前記洗浄部は、給水部、貯水部、放水部を有している
ことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項2】
外郭を形成する筐体と、
水を溜める外槽と、
洗濯物を収容する回転自在な内槽と、
湿った洗濯物を乾燥させるための加熱装置および除湿装置と、
前記内槽内に風を供給するための送風装置と、
前記外槽と前記送風装置とを繋ぐ循環風路と、
乾燥時に発生するリントを捕集するフィルタと、
前記フィルタを洗浄する洗浄部とを備え、
前記洗浄部は、前記フィルタをオーバーフローした水で洗浄する
ことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項3】
外郭を形成する筐体と、
水を溜める外槽と、
洗濯物を収容する回転自在な内槽と、
湿った洗濯物を乾燥させるための加熱装置および除湿装置と、
前記内槽内に風を供給するための送風装置と、
前記外槽と前記送風装置とを繋ぐ循環風路と、
乾燥時に発生するリントを捕集するフィルタと、
前記フィルタを洗浄する洗浄部とを備え、
前記フィルタは、前記洗浄部により供給される水が上方の当接部に当たった後に自然落下して洗浄される
ことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項4】
請求項1に記載の洗濯乾燥機において、
前記給水部は少なくとも前記貯水部で貯水される貯水高さよりも低い位置に配置されている
ことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項5】
請求項1に記載の洗濯乾燥機において、
前記貯水部には少なくとも一か所以上の穴部が設けられ、前記穴部は前記貯水部のうち、少なくとも水位がより低い箇所に設けられている
ことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項6】
請求項1に記載の洗濯乾燥機において、
前記貯水部と前記放水部の間には、水量を所定量以下に制限する抵抗流路が設けられている
ことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項7】
請求項1に記載の洗濯乾燥機において、
前記貯水部には少なくとも一か所以上の穴部が設けられ、
前記貯水部は、前記穴部に向かって下方への傾斜が設けられている
ことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項8】
請求項1に記載の洗濯乾燥機において、
前記放水部から放出された水は、前記フィルタに直接当たらない
ことを特徴とする洗濯乾燥機
【請求項9】
請求項1に記載の洗濯乾燥機において、
前記放水部から放出された水は、前記フィルタの上方の箇所に当った後に前記フィルタ上を流れる
ことを特徴とする洗濯乾燥機
【請求項10】
請求項1から請求項3のうちの何れか一項に記載の洗濯乾燥機において、
前記フィルタは、空気流の下流側の水平面に対して、35~55度の傾斜角度を有している
ことを特徴とする洗濯乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の洗濯乾燥機として、下記の特許文献1に記載の洗濯乾燥機がある。
特許文献1の洗濯乾燥機(10)によれば,乾燥時に発生する糸くず(リント)を捕集するためのリント捕集用のフィルタ(32)を乾燥用の循環風路(24)内に設ける。そして、リント捕集用のフィルタ(32)を洗浄すべく吐水部(50)で給水することで糸くず(リント)を除去し、乾燥性能を維持しつつ、メンテナンス性を改善することが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5897390号公報(
図6、段落0033~0037等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら,特許文献1の洗濯乾燥機(10)で示される給水方法では、顧客宅に供給される吐水部(50)の給水圧のばらつきに対応していない。そのため、吐水部(50)の給水圧によっては、意図しない箇所、例えば下流の循環風路(24)である乾燥風路内に洗浄水が浸入してしまう。
本発明は上記実状に鑑み創案されたものであり、給水圧に係らず良好に循環風路内のリント捕集用のフィルタを洗浄できる洗濯乾燥機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明の洗濯乾燥機は、外郭を形成する筐体と、水を溜める外槽と、洗濯物を収容する回転自在な内槽と、湿った洗濯物を乾燥させるための加熱装置および除湿装置と、前記内槽内に風を供給するための送風装置と、前記外槽と前記送風装置とを繋ぐ循環風路と、乾燥時に発生するリントを捕集するフィルタと、前記フィルタを洗浄する洗浄部とを備え、前記洗浄部は、給水部、貯水部、放水部を有している。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、給水圧に係らず良好に循環風路内のリント捕集用のフィルタを洗浄できる洗濯乾燥機を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明に係る実施形態の洗濯乾燥機を側方から見た断面模式図。
【
図2】実施形態のヒートポンプ装置の構成の模式図。
【
図4】第2風路フィルタと洗浄部とを上斜め左前から見た斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて、本発明の洗濯乾燥機の実施形態を説明する。なお、以下では、洗濯乾燥機の具体的構成として、内槽の回転軸が略水平のドラム式洗濯乾燥機を例示するが、内槽の回転軸が略垂直の縦型洗濯乾燥機に本発明を適用しても同様の効果を得ることができる。
【0009】
<洗濯乾燥機1>
図1に、本発明に係る実施形態の洗濯乾燥機1を側方から見た断面模式図を示す。
実施形態の洗濯乾燥機1は、筐体2によって外郭が形成されている。
洗濯乾燥機1の筐体2の前面開口には、洗濯物の出し入れに際して開閉される開閉自在なドア2aが取り付けられている。
洗濯乾燥機1は、内部に外槽3、内槽4、送風装置23、第1風路フィルタ6、第2風路フィルタ9、排水路(図示せず)、循環ポンプ(図示せず)、および循環水路(図示せず)を備えている。なお、第1風路フィルタ6と第2風路フィルタ9は、ともに、乾燥時に発生するリントを捕集するフィルタであるが、後記するように役割が異なる。また、後記するように洗浄部10により洗浄されるのが第2風路フィルタ9である。
【0010】
外槽3は、内部に洗濯水、すすぎ水等を貯める。
内槽4は、回転軸4a周りに回転自在に、外槽3の内部に配置されている。内槽4は、略有底円筒形状を有しており、周壁に小孔が多数設けられている
内槽4は、衣類等の洗濯物を入れた状態で、洗い、すすぎ、乾燥工程時に、回転軸4a周りに低速で回転し、脱水工程時に回転軸4a周りに高速で回転する。
送風装置は、乾燥工程時に
図1の二点鎖線矢印で示す循環風を発生させ、洗濯物を乾燥させる。
【0011】
排水路7は、外槽3から排水するための経路である。
<第1風路フィルタ6と第2風路フィルタ9>
洗濯乾燥機1の外槽3の背面板3hの右上後方には第1風路フィルタ6が大きな面積を有して設けられている。第1風路フィルタ6は乾燥工程時に洗濯物から生じるリント(糸くず)を捕集する。
第1風路フィルタ6の後方の吸込風路22の入口孔22aには、第2風路フィルタ9が設けられている。
【0012】
第2風路フィルタ9は、第1風路フィルタ6の後方上側に設けられている。
第2風路フィルタ9は、第1風路フィルタ6で捕集されなかったより細かいリントを捕集する。
第2風路フィルタ9は、第1風路フィルタ6より面積が小さい。
第1風路フィルタ6と第2風路フィルタ9との間に設けられるダクト25dの底板25d1には、リント排水経路29eが外槽3に接続する形状で設けられている。リント排水経路29eは、第2風路フィルタ9を洗浄した後の洗浄水と第2風路フィルタ9から除去したリントとが流れる。
【0013】
洗濯乾燥時に洗濯物から発生した糸屑(リント)は、第1風路フィルタ6のメッシュに捕集される。しかし、すべてのリントを第1風路フィルタ6において除去することは困難である。
第1風路フィルタ6をすり抜けた細かいリントは、後方の第2風路フィルタ9で捕集される。
第2風路フィルタ9の上方には、第2風路フィルタ9を洗浄するための洗浄部10が設けられている。
【0014】
ところで、洗濯乾燥機1は、洗濯物の乾燥機構として、ヒートポンプ装置1H(
図2参照)を採用している。
図2に、実施形態のヒートポンプ装置1Hの構成の模式図を示す。
【0015】
<ヒートポンプ装置1H>
ヒートポンプ装置1Hの構成と動作について説明する。
図2に示すヒートポンプ装置1Hは、圧縮機12と、空気への放熱用熱交換器(凝縮器13(加熱装置))、減圧装置14(膨張弁等)と、空気の除湿用熱交換器(蒸発器15(除湿装置))とを備えている。
ヒートポンプ装置1Hは、上述の機器(12、13、14、15)を冷媒配管16kにより順次接続して、樹脂製のケーシング26(
図1参照)内に収納したものである。機器(12、13、14、15)を冷媒配管16kにより順次接続したものを、冷媒回路16と称す。
【0016】
冷媒回路16内には冷媒が封入され、冷媒として例えば、HFC単一冷媒、HFC混合冷媒、HFO‐1234yf、HFO‐1234ze、自然冷媒(例えばCO2冷媒)等が用いられる。
冷媒は、
図2の矢印α1で示す方向に、圧縮機12、凝縮器13、減圧装置14、蒸発器15の順に流れ、再び圧縮機12に戻る。
【0017】
ヒートポンプ装置1Hを構成する蒸発器15、凝縮器13は空気と熱交換を行うため、積層したアルミフィンに伝熱管を貫通するように取り付けたクロスフィンチューブ式の熱交換器が用いられることが多い。以降、凝縮器13と蒸発器15を合わせて熱交換器と呼ぶ。
【0018】
図1に示すヒートポンプ装置1Hのケーシング26は、下部ケーシング26aと上部ケーシング26bに分離可能である。熱交換器(蒸発器15、凝縮器13)は側方に流れる空気と熱交換するように、上部ケーシング26bと下部ケーシング26aの間に挟み込むように設置され、空気の循環風路を形成する。
【0019】
圧縮機12は防振ゴム等を介して、下部ケーシング26aに設置されている。なお、
図1では、圧縮機12は図示していない。
冷媒配管16kは、圧縮機12の回転振動の伝搬により破断することを防ぐため、蛇行した状態で放熱用の凝縮器13と除湿用の蒸発器15のそれぞれと接続されている。
【0020】
圧縮機12は、例えば、ピストン式、ロータリー式、スクロール式等が用いられる。圧縮機12は、インバータ制御により、低速から高速まで回転速度が可変である。
【0021】
また、冷媒が液相で圧縮機12に戻ると、圧縮機12の摺動面での潤滑不良により信頼性を低下させることがある。これを抑止するために、圧縮機12の冷媒の吸入側にアキュムレータ(図示せず)を設けるとよい。
【0022】
圧縮機12から吐出された高温高圧のガス冷媒は、凝縮器13へ流入し、循環空気に放熱することにより凝縮して液化し、低温高圧の冷媒となる。液化した冷媒は、所定の開度に調整された膨張弁(減圧装置14)により減圧され、低温低圧の気液二相状態となり、蒸発器15へ流入する。そして、冷媒は循環空気から吸熱することにより蒸発して気化する。気化した冷媒は中温低圧の冷媒となり、圧縮機12に吸入される。中温低圧の冷媒は、圧縮機12により再び圧縮され高温高圧のガス冷媒となる。このようにしてヒートポンプ装置1Hが形成される。
【0023】
図1に示すように、ヒートポンプ装置1Hは、外槽3の下部の筐体2の後方のベース5b上に設置している。循環空気は内槽4から、第1風路フィルタ6を通って、吸気口6aを経て排出される。排出された空気は、外槽3上部から下部に向かって吸込風路22を経由してヒートポンプ装置1Hに流入する。ヒートポンプ装置1Hにおいて蒸発器15で除湿され、凝縮器13で加熱された循環空気は、送風装置23から吹出され、外槽3下部から上部に向かう吐出風路24とダクト24aを通り、外槽3の前面上部に設けた吹出口5cにより内槽4内に吹き込まれる。
【0024】
<第2風路フィルタ9の洗浄構成>
図3に、
図1のI部拡大模式図を示す。
第2風路フィルタ9は、吸込風路22における水平面Sに対して傾斜角度θを有している。なお、θ=55度±20度の範囲が好適である。
θ<35度の場合には、第2風路フィルタ9の傾斜角度θが小さく、第2風路フィルタ9を洗浄した後の洗浄水が吸込風路22に浸入する事象が発生する。
【0025】
55度<θの場合には、第2風路フィルタ9の傾斜角度θが大き過ぎ、洗浄水が第2風路フィルタ9に付着したリントを除去しないまま、第2風路フィルタ9から落下してしまう。
【0026】
図4に、第2風路フィルタ9と洗浄部10とを上斜め左前から見た斜視図を示す。
図5に、
図4のIII-III断面図を示す。
洗浄部10は、給水部17と貯水部18と抵抗流路部19と放水部20と導水部21とを有している。
給水部17は、第2風路フィルタ9に付着したリントを除去するための洗浄水を供給する。
【0027】
貯水部18は、供給された洗浄水を貯留する。給水部17は、貯水部18における貯水高さ18hよりも低い位置に配置されている。これにより、洗浄水として、貯水部18からオーバーフローした洗浄水を用いることができる。
抵抗流路部19は、貯水部18の抵抗流路を形成している。
【0028】
図3、
図5に示すように、抵抗流路部19は、下流路板19aと、上流路板19bと、下流路板19aと上流路板19bとの間の開口である開口部19cとを有している。抵抗流路部19は、下流路板19aと上流路板19bとで開口部19cを制限することで、開口部19cから排出される水量を所定量以下に制限している。これにより、洗浄水の圧力を所定圧に制限できる。
抵抗流路部19は、貯水部18に貯留される洗浄水が下流路板19aをオーバーフローして流出することで放水部20に洗浄水を流す。
【0029】
放水部20は、第2風路フィルタ9に洗浄水を直接供給する場所である。
導水部21は、洗浄水が第2風路フィルタ9の上方箇所の洗浄水当接部21aに当たるように案内する。導水部21を設けることで洗浄水が直接第2風路フィルタ9当たらず、洗浄水が第2風路フィルタ9の上方の洗浄水当接部21aに当たってから第2風路フィルタ9上に流れる。
何故なら、洗浄水が直接第2風路フィルタ9に当たる場合、洗浄水が水圧により第2風路フィルタ9を突き抜け、吸込風路22の側に流れてしまうという事象が発生するおそれがある。導水部21を設けることで洗浄水が第2風路フィルタ9に直接当たらず,洗浄水が洗浄水当接部21aに当たってから下方の第2風路フィルタ9上に自然落下して流れる。これにより、洗浄水が洗浄水当接部21aに当たった後の水圧は低く洗浄水が第2風路フィルタ9を突き抜けて吸込風路22に流れる事象が抑制される。
【0030】
<貯水部18>
図6Aに、
図1に示す貯水部18のII方向矢視拡大図を示す。
図6Bに、
図5AのIV-IV断面図を示す。
貯水部18は底面18aとして、第1底面18a1と第2底面18a2とを有している。
第1底面18a1の最下部には、第1水抜き小孔19b1が形成されている。
【0031】
第2底面18a2の最下部には、第2水抜き小孔19b2が形成されている。
第1底面18a1は、第1水抜き小孔19b1が貯水部18の第1水抜き小孔19b1周辺の最下位置になるように傾斜が付けられている(穴部(第1水抜き小孔19b1)に向かって下方への傾斜)。そのため、貯水部18に残った洗浄水は、第1水抜き小孔19b1に向かって流れ(
図6Bの矢印β11)、第1水抜き小孔19b1から排水される。
第2底面18a2は、第2水抜き小孔19b2が貯水部18の第2水抜き小孔19b2周辺の最下位置になるように傾斜が付けられている(穴部(第2水抜き小孔19b2)に向かって下方への傾斜)。そのため、貯水部18に残った洗浄水は、第2水抜き小孔19b2に向かって流れ(
図6Bの矢印β12)、第2水抜き小孔19b2から排水される。
なお、第1水抜き小孔19b1または第2水抜き小孔19b2が何れか一つ設けられる場合は、一つの水抜き小孔が貯水部18の最下位置になるように傾斜が付けられる(穴部に向かって下方への傾斜)。
【0032】
このように、第2風路フィルタ9の洗浄後に貯水部18に残った水は、第1水抜き小孔19b1と第2水抜き小孔19b2とから排水することができる。そのため、貯水部18に残った水が腐敗して悪臭を放つことが抑制される。
ここで、給水部17からの洗浄水の給水量と、抵抗流路部19の開口部19cからの洗浄水の放水量と、第1・第2水抜き小孔19b1、19b2とからの洗浄水の残水排水量には、下記の関係がある。
【0033】
第1に、
給水部17からの給水量 ≧ 抵抗流路部19の開口部19cからの放水量 > 第1・第2水抜き小孔19b1、19b2とからの残水排水量
の関係が成立する。
第2に、 抵抗流路部19の開口部19cからの放水量は、第1・第2水抜き小孔19b1、19b2からの残水排水量よりも遥かに大きい必要がある。例えば、抵抗流路部19の開口部19cからの放水量は、第1・第2水抜き小孔19b1、19b2からの残水排水量の10倍以上とする。
【0034】
<第2風路フィルタ9の洗浄>
第2風路フィルタ9の洗浄は、下記のように行われる。
図3、
図5に示すように、給水部17から貯水部18に洗浄水が供給される(
図3、
図5の矢印α11)。すると、貯水部18に洗浄水が貯留していく。時間が経つと、貯水部18からオーバーフローした洗浄水が抵抗流路部19の開口部19cから放水部20に流出する(
図3、
図5の矢印α12)。貯水部18からオーバーフローした洗浄水を第2風路フィルタ9の洗浄に用いるこで、洗浄水の水圧を一定圧にできる。
【0035】
放水部20からの洗浄水は導水部21に向かって流れ、導水部21に案内されて洗浄水当接部21aに当たる(
図3、
図5の矢印α13)。導水部21に当たった洗浄水は、第2風路フィルタ9の上部9aから、第2風路フィルタ9に付着したリントを除去しつつ、第2風路フィルタ9の下部9bに向かって流れる(
図3、
図5の矢印α14)。
実施形態の洗濯乾燥機1によれば、第2風路フィルタ9の洗浄部10に、給水部17、貯水部18、放水部20を有し、かつ、導水部21を有することで、第2風路フィルタ9の洗浄が、各利用者宅の水圧の状況によらず、効果的に行える。
【0036】
<<その他の実施形態>>
1.本発明は、前記した実施形態、変形例の構成に限られることなく、添付の特許請求の範囲内で様々な変形形態、具体的形態が可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 洗濯乾燥機
2 内槽
3 外槽
5 筐体
9 第2風路フィルタ(フィルタ)
10 洗浄部
13 凝縮器(加熱装置)
15 蒸発器(除湿装置)
17 給水部
18 貯水部
18h 貯水高さ
19 抵抗流路部(抵抗流路)
19b1 第1水抜き小孔(穴部)
19b2 第2水抜き小孔(穴部)
20 放水部
21a 洗浄水当接部(当接部、フィルタの上方の箇所)
22 吸込風路(循環風路)
23 送風装置
25d ダクト(循環風路)
26 ケーシング(循環風路)
S 水平面(空気流の下流側の水平面)
θ 傾斜角度