(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002283
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】ウェアラブル電子装置及び認証サーバ
(51)【国際特許分類】
G06F 21/32 20130101AFI20231228BHJP
【FI】
G06F21/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101383
(22)【出願日】2022-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】影山 洸一
(57)【要約】
【課題】利便性と安全性に優れたウェアラブル電子装置を提供すること。
【解決手段】実施形態に係るウェアラブル電子装置は、第1のセンサ、第2のセンサ、メモリ、通信インタフェース、及びプロセッサを備える。前記第1のセンサは、身体への装着を検出する。前記第2のセンサは、脳の電気信号を検出する。前記メモリは、前記電気信号から検出される脳波に基づき認証条件が満たされる場合に認証済み情報を記憶する。前記通信インタフェースは、認証済み情報の受信に応じて動作する外部装置へ前記認証済み情報を送信する。前記プロセッサは、身体への装着が検出されないことに基づき前記認証済み情報を無効化する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体への装着を検出する第1のセンサと、
脳の電気信号を検出する第2のセンサと、
前記電気信号から検出される脳波に基づき認証条件が満たされる場合に認証済み情報を記憶するメモリと、
認証済み情報の受信に応じて動作する外部装置へ前記認証済み情報を送信する通信インタフェースと、
身体への装着が検出されないことに基づき前記認証済み情報を無効化するプロセッサと、
を備えるウェアラブル電子装置。
【請求項2】
前記第1のセンサは、身体への装着状態を検出し、
前記プロセッサは、装着状態から未装着状態への変化に基づき前記認証済み情報を無効化する、請求項1のウェアラブル電子装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記未装着状態の継続時間が設定時間を超えることに基づき前記認証済み情報を無効化する、請求項2のウェアラブル電子装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、身体への装着が検出されないことに基づき前記メモリから前記認証済み情報を消去する、請求項1のウェアラブル電子装置。
【請求項5】
前記メモリは、登録脳波データを記憶し、
前記第2のセンサは、身体への装着状態において脳の電気信号を検出し、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶される前記登録脳波データ及び前記電気信号から得られる取得脳波データを比較して認証条件を満たすか否かを判定し、認証条件が満たされる場合に認証済み情報を前記メモリへ記憶させる、請求項1のウェアラブル電子装置。
【請求項6】
登録脳波データを記憶するメモリと、
ウェアラブル電子装置から送信される認証要求に含まれる装置ID及び脳の電気信号を受信し、また、前記ウェアラブル電子装置から送信される動作要求に含まれる前記装置ID及び装着開始日時を受信する通信インタフェースと、
前記認証要求の受信に対応して、前記登録脳波データ及び前記脳の電気信号から得られる取得脳波データを比較して認証条件を満たすか否かを判定し、認証条件が満たされる場合に前記装置ID及び認証日時を含む認証済み情報を前記メモリに記憶させ、前記動作要求の受信に対応して、前記認証済み情報に含まれる前記装置ID及び前記認証日時と前記動作要求に含まれる前記装置ID及び前記装着開始日時に基づき動作を制御するプロセッサと、
を備える認証サーバ。
【請求項7】
前記ウェアラブル電子装置は、身体への装着検出に対応する前記装着開始日時を含む装着情報を記憶し、装着状態から未装着状態への変化に基づき前記装着情報を無効化し、
前記プロセッサは、前記装着開始日時が前記認証日時より過去の日時であることに基づき動作を許可する、請求項6の認証サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ウェアラブル電子装置及び認証サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、防犯意識の高まりからセキュリティゲート等が広く普及している。例えば、セキュリティゲートは、通行者から提示されるIC(integrated circuit)カードと通信し、カード認証に基づきゲートの開放を制御する。或いは、セキュリティゲートは、通行者の指、手のひら、又は手首から静脈を読み取り、静脈認証に基づきゲートの開放を制御する。
【0003】
カード認証に利用されるICカードは、第三者への貸与が比較的容易であるだけでなく、盗難のリスクもある。そのため、ICカードの管理又は運用の形態によっては、本人確認が手薄になることがあり得る。静脈認証は、この点を補うことができる。安全性を高めるため、カード認証と静脈認証を併用するセキュリティゲートも登場している。
【0004】
認証技術の進歩により短時間で高精度な認証が可能となり、正規の利用者であれば、ストレスフリーでセキュリティゲートを通過することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、セキュリティゲートを通過する利用者の中には、荷物搬送等で両手が塞がっている者がいる。このような利用者にとって、カード認証又は静脈認証を利用するセキュリティゲートがストレスになることがある。特に、静脈認証においては、指や手のひらを翳すなどの動作が必要となり、両手が塞がっている利用者にとって負担は小さくない。カード認証においては、ICカードの携帯位置の工夫等でICカードの提示負担を軽減することはできるが、本人確認が手薄になる懸念が残る。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、利便性と安全性に優れたウェアラブル電子装置及び認証サーバを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係るウェアラブル電子装置は、第1のセンサ、第2のセンサ、メモリ、通信インタフェース、及びプロセッサを備える。前記第1のセンサは、身体への装着を検出する。前記第2のセンサは、脳の電気信号を検出する。前記メモリは、前記電気信号から検出される脳波に基づき認証条件が満たされる場合に認証済み情報を記憶する。前記通信インタフェースは、認証済み情報の受信に応じて動作する外部装置へ前記認証済み情報を送信する。前記プロセッサは、身体への装着が検出されないことに基づき前記認証済み情報を無効化する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る脳波認証システムによる登録処理を示す概念図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るウェアラブル電子装置の概略構成を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るウェアラブル電子装置の概略構成を示す側面図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るウェアラブル電子装置の概略構成を示す下面図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るウェアラブル電子装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る認証サーバの概略構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るセキュリティゲートの概略構成を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る脳波認証システムによる認証処理及び動作制御を示す概念図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係るウェアラブル電子装置による認証処理及びゲート利用の第1例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、実施形態に係るウェアラブル電子装置による認証処理及びゲート利用の第2例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施形態に係る認証サーバによる認証処理及びゲート制御の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る脳波認証システムについて図面を用いて説明する。
図1は、実施形態に係る脳波認証システムによる登録処理を示す概念図である。
図1に示すように、脳波認証システムは、ウェアラブル電子装置1、認証サーバ2、映像音声出力機器3、及びリーダライタ4を備える。
【0011】
例えば、ウェアラブル電子装置1は、リーダライタ4とワイヤレスで通信する通信装置であり、帽子やヘルメットなどのような形状である。ウェアラブル電子装置1は、頭部に装着した状態で、リーダライタ4を介して認証サーバ2に対して脳波の登録要求を送信し、認証サーバ2は、登録要求に基づき脳波の登録処理を実行する。登録要求は、装置ID及び脳の電気信号を含む。又は、ウェアラブル電子装置1は、頭部に装着した状態で、リーダライタ4を介して認証サーバ2又は外部装置(例えばセキュリティゲート)に対して脳波認証に基づく動作要求を送信し、認証サーバ2又はセキュリティゲートは、動作要求の受信に応じて動作する。動作要求は、装置ID及び認証済み情報を含む。
【0012】
本実施形態では、帽子やヘルメットの形状のウェアラブル電子装置1について説明するが、ウェアラブル電子装置1の形状はこれらに限定されるものではない。例えば、ウェアラブル電子装置1は、イヤホン型、ヘッドマウント型、又は眼鏡型のような頭部付近に装着可能な形状であってもよい。
【0013】
認証サーバ2は、汎用コンピュータ等で構成可能なサーバである。ウェアラブル電子装置1が、装置ID(identifier)を含む登録要求を送信すると、認証サーバ2は、登録要求を受信し、映像及び音声信号を出力する。映像音声出力機器3は、認証サーバ2から出力される映像及び音声信号に基づき映像及び音声を出力する。ウェアラブル電子装置1を装着した利用者は、映像音声出力機器3から出力される映像及び音声を視聴しながら登録処理を待つ。その間に、ウェアラブル電子装置1は、脳の電気信号を検出し、電気信号から得られる脳波を検出し、検出した脳波を含む登録情報を記憶(登録)する。又は、ウェアラブル電子装置1は、脳からの電気信号を検出し、装置ID及び脳の電気信号を含む仮登録情報を送信し、認証サーバ2は、仮登録情報を受信し、脳の電気信号から得られる脳波を検出し、装置ID及び脳波を含む登録情報を記憶(登録)する。本実施形態では、映像及び音声に基づく脳波登録及び脳波認証について説明するが、映像及び音声のどちらか一方に基づく脳波登録及び脳波認証を適用してもよい。
【0014】
図2は、実施形態に係るウェアラブル電子装置の概略構成を示す斜視図、
図3は、実施形態に係るウェアラブル電子装置の概略構成を示す側面図、
図4は、実施形態に係るウェアラブル電子装置の概略構成を示す下面図である。
図2、
図3、及び
図4のX軸はウェアラブル電子装置の前後方向を示し、Y軸は左右方向を示し、Z軸は高さ方向を示す。
【0015】
ウェアラブル電子装置1は、身体の一部である頭部に装着されるクラウン10を備える。例えば、クラウン10は、その外側に情報処理部11を備え、その内側に装着センサ12及び複数の脳センサ13を備える。
【0016】
装着センサ12は、光の明暗を検出するセンサであり、クラウン10のトップに設置される。装着センサ12は、クラウン10が頭部へ装着された場合に、頭部への装着を検出する。装着センサ12の設置場所はクラウン10のトップに限定されないし、装着センサ12の数も一つに限定されない。所定の位置に装着センサ12を複数設置して、情報処理部11が、各装着センサ12からの信号に基づき装着を判定するようにしてもよい。
【0017】
脳センサ13は、電圧計の一種であり、脳の電気信号を検出する。各脳センサ13からの電気信号の電位差に基づき脳波を検出することを前提として、各脳センサ13の設置位置は決定される。
【0018】
情報処理部11は、プロセッサ及びメモリ等により構成される。情報処理部11は、各脳センサ13の電気信号から脳波を検出する。例えば、情報処理部11は、各脳センサ13からの電気信号の電位差に基づき、脳から出現する基礎律動(脳波成分)を検出する。
【0019】
図5は、実施形態に係るウェアラブル電子装置の概略構成を示すブロック図である。
図5に示すように、ウェアラブル電子装置1は、情報処理部11、装着センサ12、複数の脳センサ13、アンテナ14、バッテリ15、及び情報出力部16を備える。
【0020】
情報処理部11は、プロセッサ111、メモリ112、通信インタフェース113を備える。
プロセッサ111は、メモリ112に記憶されたプログラムに基づいて演算及び制御などの各種処理を実行する。プロセッサ111は、CPU(central processing unit)、又はMPU(micro processing unit)等である。プロセッサ111は、認証処理部1111を備える。認証処理部1111は、各脳センサ13からの電気信号の電位差に基づき、フーリエ解析によりデルタ波、シータ波、アルファ波、又はベータ波等の脳波を検出する。また、認証処理部1111は、登録時に検出される登録脳波データ、及び認証時に検出される取得脳波データを比較し、登録脳波データ及び取得脳波データの類似度が基準値を超えて認証条件が満たされる場合(つまり認証が成功した場合)に、認証日時を含む認証済み情報をメモリ112に記憶させる。
【0021】
また、認証処理部1111は、装着センサ12からの信号に基づき、身体への装着が検出されないことに基づきメモリ112に記憶される認証済み情報を無効化する。例えば、認証処理部1111は、メモリ112に記憶される認証済み情報を消去する、又は認証済み情報に対応する無効フラグを設定することにより、有効な認証済み情報を無効化する。或いは、認証処理部1111は、脳センサ13からの信号をトリガーとして、メモリに記憶される認証済み情報を無効化してもよい。つまり、認証処理部1111は、脳センサ13から電気信号が検出されている期間は、メモリ112に記憶される認証済み情報を維持し、脳センサ13から電気信号が検出されなくなり一定期間が経過した場合に、メモリ112に記憶される認証済み情報を無効化する。
【0022】
なお、認証サーバ2が、認証処理部1111の一部処理を受け持ってもよい。例えば、ウェアラブル電子装置1が、各脳センサ13からの電気信号を認証サーバ2へ送信し、認証サーバ2が、各脳センサ13からの電気信号から脳波を検出し、登録脳波データ及び取得脳波データを比較し、この比較結果に基づき認証条件が満たされる場合に、認証日時を含む認証済み情報を生成し、ウェアラブル電子装置1へ認証済み情報を送信する。ウェアラブル電子装置1は、認証済み情報を受信し、メモリ112に記憶する。認証処理部111は、上記説明したように、メモリ112に記憶される認証済み情報を管理し、装着センサ12からの信号に基づき、身体への装着が検出されないことに基づきメモリ112に記憶される認証済み情報を無効化する。
【0023】
メモリ112は、プロセッサ111により実行されるオペレーティングシステム又はアプリケーションソフトウェアなどのプログラムを記憶する。また、メモリ112は、プロセッサ111が各種処理を行う上で使用するデータなどを記憶する。また、メモリ112は、登録脳波データ及び取得脳波データを記憶し、認証条件が満たされる場合には認証日時を含む認証済み情報を記憶する。
【0024】
アンテナ14は、ワイヤレスでリーダライタ4と通信し、リーダライタ4へデータを送信し、また、リーダライタ4からのデータを受信する。通信インタフェース113は、アンテナ14を介してリーダライタ4へ送信するためのデータを出力し、また、アンテナ14を介してリーダライタ4から受信するデータを入力する。
【0025】
バッテリ15は、情報処理部11等の各部へ電力を供給する。
【0026】
情報出力部16は、各種情報を出力する表示部である。例えば、情報出力部16は、1又は複数のLED等の発光素子であり、点灯又は点滅により認証状態(認証済み又は未認証)を表示する。
【0027】
図6は、実施形態に係る認証サーバの概略構成を示すブロック図である。
図6に示すように認証サーバ2は、プロセッサ21、メモリ22、通信インタフェース23を備える。
【0028】
プロセッサ21は、メモリ22に記憶されたプログラムに基づいて演算及び制御などの各種処理を実行する。プロセッサ21は、CPU又はMPU等である。プロセッサ21は、認証処理部211を備える。認証処理部211は、ウェアラブル電子装置1の各脳センサ13からの電気信号を受信し、各脳センサ13からの電気信号の電位差に基づき、フーリエ解析によりデルタ波、シータ波、アルファ波、又はベータ波等の脳波を検出する。また、認証処理部211は、登録時に検出される登録脳波データ、及び認証時に検出される取得脳波データを比較し、登録脳波データ及び取得脳波データの類似度が基準値を超える比較結果が得られる場合、この比較結果に基づき認証条件が満たされる場合に認証日時を含む認証済み情報を生成し、ウェアラブル電子装置1へ認証済み情報を送信する。なお、ウェアラブル電子装置1が、認証処理部211の一部処理を受け持つようにしてもよい。
【0029】
メモリ22は、プロセッサ21により実行されるオペレーティングシステム又はアプリケーションソフトウェアなどのプログラムを記憶する。また、メモリ22は、プロセッサ21が各種処理を行う上で使用するデータなどを記憶する。また、メモリ22は、映像音声データを記憶し、認証サーバ2は、脳波登録又は脳波認証の際に、映像音声データに基づく映像音声信号を出力し、映像音声出力機器3は、映像音声信号に基づく映像音声を出力する。また、認証サーバ2が認証処理を受け持つ場合、メモリ22は、登録脳波データ及び取得脳波データを記憶し、さらに、認証条件が満たされる場合には認証済み情報を記憶する。
【0030】
通信インタフェース23は、リーダライタ4と通信し、リーダライタ4から送信されるデータを出力し、また、リーダライタ4で受信されるデータを入力する。
【0031】
図7は、実施形態に係るセキュリティゲートの概略構成を示すブロック図である。
セキュリティゲート5は、認証済み情報を含む動作要求の受信に応じて動作する外部装置である。
図7に示すようにセキュリティゲート5は、プロセッサ51、メモリ52、通信インタフェース53、リーダライタ54、通行制御部56、及び通行制御バー57を備える。
【0032】
プロセッサ51は、メモリ52に記憶されたプログラムに基づいて演算及び制御などの各種処理を実行する。プロセッサ51は、CPU又はMPU等である。例えば、プロセッサ51は、通行制御バー57の開閉を制御する制御信号を出力する。
【0033】
メモリ52は、プロセッサ51により実行されるオペレーティングシステム又はアプリケーションソフトウェアなどのプログラムを記憶する。また、メモリ52は、プロセッサ51が各種処理を行う上で使用するデータなどを記憶する。
【0034】
リーダライタ54は、ウェアラブル電子装置1とワイヤレスで通信する通信装置である。また、通信インタフェース53は、リーダライタ54と通信し、また、認証サーバ2と通信する。通信インタフェース53は、リーダライタ54を介して、ウェアラブル電子装置1と認証サーバ2の通信を中継する。
【0035】
通行制御部56は、プロセッサ51からの制御信号に基づき通行制御バー57を開閉する。
【0036】
図8は、実施形態に係る脳波認証システムによる認証処理及び動作制御を示す概念図である。
脳波の登録を済ませた利用者は、ウェアラブル電子装置1を装着し、映像音声出力機器3から出力される映像及び音声を視聴しながら認証処理を待つ。ウェアラブル電子装置1の装着センサ12は、クラウン10が頭部へ装着されたことを検出し、脳センサ13は、脳からの電気信号を検出する。ウェアラブル電子装置1又は認証サーバ2は、検出される脳の電気信号に基づき脳波データを取得し、登録脳波データと取得脳波データを比較し認証条件を満たすと判定した場合、認証済み情報が生成され、メモリ112には認証済み情報が記憶される。
【0037】
ウェアラブル電子装置1を装着した利用者が、ウェアラブル電子装置1を取り外すことなく、セキュリティゲート5を通過する場合、ウェアラブル電子装置1とセキュリティゲート5の通信により、ウェアラブル電子装置1は、セキュリティゲート5に対して認証済み情報を送信する。セキュリティゲート5は、認証サーバ2に対して認証済み情報を送信する。認証サーバ2は、認証済み情報の受信に対応して、通行制御バー57の開放を指示する開放制御信号を出力する。セキュリティゲート5の通行制御部56は、開放制御信号に基づき通行制御バー57を開放する。以上により、ウェアラブル電子装置1を装着した利用者は、セキュリティゲート5を通過できる。このとき、ウェアラブル電子装置1を装着した利用者が、荷物搬送等で両手が塞がっていたとしても、ストレス無くセキュリティゲート5を通過できる。
【0038】
利用者が、ウェアラブル電子装置1を一度でも取り外すと、ウェアラブル電子装置1の装着センサ12は、クラウン10が頭部から取り外されたことを検出する。プロセッサ111は、装着センサ12からの信号に基づき、装着状態から未装着状態への変化を検出し、変化の検出に基づき、メモリ112に記憶される認証済み情報を無効化する。例えば、プロセッサ111は、未装着状態の継続時間が設定時間を超えることに基づき認証済み情報を無効化する。
【0039】
この状態で、ウェアラブル電子装置1が第三者に貸与され、ウェアラブル電子装置1を貸与された第三者が、セキュリティゲート5を通過しようとしても、ウェアラブル電子装置1は、セキュリティゲート5に対して認証済み情報(又は有効な認証済み情報)を送信することはできない。認証サーバ2は、認証済み情報(又は有効な認証済み情報)を受信できないので、通行制御バー57の閉鎖を指示する閉鎖制御信号を出力する。セキュリティゲート5の通行制御部56は、閉鎖制御信号に基づき通行制御バー57を閉鎖する。
【0040】
図9は、実施形態に係るウェアラブル電子装置による認証処理及びゲート利用の第1例を示すフローチャートである。
前提として、認証サーバ2のメモリ22は、映像音声データを記憶する。また、ウェアラブル電子装置1のメモリ112は、登録脳波データを記憶する。或いは、認証サーバ2のメモリ22は、登録脳波データを記憶する。
【0041】
まず、ST101~ST106の前処理について説明する。脳波登録を済ませた利用者は、ウェアラブル電子装置1を装着し、映像音声出力機器3から出力される映像及び音声を視聴しながら認証処理を待つ。ウェアラブル電子装置1の装着センサ12は、クラウン10が頭部へ装着されたことを検出し(ST101、YES)、脳センサ13は、頭部への装着状態において取得される脳の電気信号を検出し(ST102)、プロセッサ111(認証処理部1111)は、脳の電気信号から脳波を取得し、脳波に基づく認証処理を実行する(ST103)。
【0042】
プロセッサ111は、予め登録された登録脳波データとST102で取得された取得脳波データを比較し、認証条件を満たすと判定した場合(ST104、YES)、認証済み情報を生成し、メモリ112に認証済み情報を記録し(ST105)、情報出力部16に認証済みを示す情報(認証成功)を案内表示させる。プロセッサ111は、認証条件を満たさないと判定した場合(ST104、NO)、認証失敗処理を実行する(ST106)。例えば、プロセッサ111は、情報出力部16に未認証を示す情報(認証失敗)を案内表示させる。
【0043】
なお、認証サーバ2が、プロセッサ111(認証処理部1111)の一部処理を受け持ってもよい。その場合、ウェアラブル電子装置1は、リーダライタ4を介して、認証サーバ2に対して、脳の電気信号を送信し、認証サーバ2は、脳の電気信号を受信する。認証サーバ2のプロセッサ21(認証処理部211)は、脳の電気信号を受信し、脳の電気信号から脳波を検出し、脳波に基づく認証処理を実行し、認証結果(認証成功又は認証失敗)を出力する。認証サーバ2は、ウェアラブル電子装置1に対して認証結果を送信し、ウェアラブル電子装置1は、認証結果を受信し記憶する。例えば、メモリ112は、認証成功の受信に対応して、認証済み情報を記憶する。
【0044】
続いて、ST107~ST110のゲート利用について説明する。装着センサ12は、クラウン10が頭部から取り外されたことを検出すると(ST107、YES)、プロセッサ111(認証処理部1111)は、取り外し検出に基づき、認証済み情報を無効化する(ST108)。例えば、プロセッサ111は、メモリ112に記憶される認証済み情報を消去する、或いは認証済み情報に対応する無効フラグを設定する。
【0045】
脳波の認証を済ませた利用者は、ウェアラブル電子装置1を装着したまま(ST107、NO)、セキュリティゲート5を通過することができる。即ち、ウェアラブル電子装置1を装着した利用者が、セキュリティゲート5を通過しようとすると、ウェアラブル電子装置1とセキュリティゲート5の近接無線通信が開始される。なお、セキュリティゲート5が、人感センサを備え、利用者の近接を検出し、近接検出をトリガーにしてウェアラブル電子装置1と通信を開始するようにしてもよい。
【0046】
ウェアラブル電子装置1は、セキュリティゲート5からの認証確認要求を受信し(ST109、YES)、メモリ112に記憶された認証済み情報を含む動作要求を送信する(ST110)。セキュリティゲート5は、認証済み情報を含む動作要求の受信に対応して、通行制御バー57を開放する制御信号を出力し、通行制御部56は、制御信号に基づき通行制御バー57を開放する。或いは、セキュリティゲート5は、認証済み情報を含む動作要求を認証サーバ2へ送信し、認証サーバ2は、動作要求に含まれる認証済み情報に基づき通行制御バー57を開放する制御信号を出力する。セキュリティゲート5は、認証サーバ2からの制御信号を受信し、通行制御部56は、制御信号に基づき通行制御バー57を開放する。
【0047】
この後、ウェアラブル電子装置1がパワーオフされることなく(ST111、NO)、利用者がウェアラブル電子装置1を装着し続けていれば(ST107、NO)、ウェアラブル電子装置1を装着した利用者は、再度の認証処理を受けることなく、セキュリティゲート5を通過することができる。
【0048】
一方で、利用者がウェアラブル電子装置1を取り外したりすると(ST107、YES)、認証済み情報が無効化される(ST108)。第三者が、このようなウェアラブル電子装置1を持参してセキュリティゲート5を通過しようとしても、セキュリティゲート5は、ウェアラブル電子装置1から認証済み情報を受信しないので、通行制御バー57を開放しない。
【0049】
図10は、実施形態に係るウェアラブル電子装置による認証処理及びゲート利用の第2例を示すフローチャートである。
図9に示す第1例では、主に、ウェアラブル電子装置1に記憶される認証済み情報に基づくゲート利用について説明したが、第2例では、認証サーバ2に記憶される認証済み情報に基づくゲート利用について説明する。
【0050】
前提として、認証サーバ2のメモリ22は、脳波登録又は脳波認証の際に出力される映像音声に対応する脳波映像音声データを記憶する。また、ウェアラブル電子装置1のメモリ112は、登録脳波データを記憶する。或いは、認証サーバ2のメモリ22は、登録脳波データを記憶する。
【0051】
まず、ST201~ST204の前処理について説明する。脳波登録を済ませた利用者は、ウェアラブル電子装置1を装着し、映像音声出力機器3から出力される映像及び音声を視聴しながら認証処理を待つ。ウェアラブル電子装置1の装着センサ12は、クラウン10が頭部へ装着されたことを検出し(ST201、YES)、プロセッサ111は、頭部への装着検出に対応する装着情報をメモリ112に記憶させる(ST202)。装着情報は、装置ID及び装着開始日時を含む。装着開始日時は、装着が検出された日時を示す。脳センサ13は、装着検出に対応して、脳の電気信号を検出し(ST203)、プロセッサ111は、認証サーバ2に対して認証要求を出力する(ST204)。認証要求は、装置ID及び脳の電気信号を含む。
【0052】
認証サーバ2は、認証要求を受信し、認証サーバ2のプロセッサ21(認証処理部211)は、脳の電気信号から脳波を取得し、脳波に基づく認証処理を実行し、認証結果(認証成功又は認証失敗)を出力する。プロセッサ21は、予め登録された登録脳波データと取得された取得脳波データを比較し認証条件を満たすと判定した場合、認証済み情報を生成する。認証済み情報は、装置ID及び認証日時を含む。ウェアラブル電子装置1の装着タイミングは、認証タイミングより過去であるため、装着情報に含まれる装着開始日時は、認証済み情報に含まれる認証日時より過去の日時を示すことになる。なお、同一の装置IDを含む装置情報と認証済み情報が対象である。
【0053】
続いて、ST205~ST208のゲート利用について説明する。装着センサ12が、クラウン10が頭部から取り外されたことを検出すると(ST205、YES)、プロセッサ111は、装着情報を更新する(ST206)。即ち、プロセッサ111は、装着状態から未装着状態への変化に基づき装着情報を更新する。例えば、プロセッサ111は、装着情報を削除する、又は取り外し情報を記録する。取り外し情報は、取り外し日時を含む。
【0054】
この後、装着センサ12が、クラウン10が頭部へ装着されたことを検出すると(ST201、YES)、プロセッサ111は、メモリ112に装着情報を記憶させる(ST202)。装着情報は、装置ID及び装着開始日時を含む。このように、メモリ112には、最新の装着情報が記憶される。
【0055】
脳波の認証を済ませた利用者は、ウェアラブル電子装置1を装着したまま(ST205、NO)、セキュリティゲート5を通過することができる。即ち、ウェアラブル電子装置1を装着した利用者が、セキュリティゲート5を通過しようとすると、ウェアラブル電子装置1とセキュリティゲート5の近接無線通信が開始される。なお、セキュリティゲート5が、人感センサを備え、利用者の近接を検出し、近接検出をトリガーにしてウェアラブル電子装置1と通信を開始するようにしてもよい。
【0056】
ウェアラブル電子装置1は、セキュリティゲート5からの認証確認要求を受信し(ST207、YES)、メモリ112に記憶された装着情報を含む動作要求を送信する(ST208)。動作要求は、装置ID及び装着情報を含む。装着情報は、装着開始日時を含む。
【0057】
セキュリティゲート5は、ウェアラブル電子装置1から装着情報を含む動作要求を受信し、認証サーバ2に対して動作要求を送信する。
【0058】
認証サーバ2は、認証済み情報及び動作要求に基づき動作を制御する。即ち、プロセッサ21は、動作要求に含まれる装置IDと同じ装置IDを含む認証済み情報を選択し、動作要求に含まれる装着開始日時が認証済み情報に含まれる認証日時より過去の日時であることに基づき動作を許可し、通行制御バー57を開放する制御信号を出力する。セキュリティゲート5は、認証サーバ2からの制御信号を受信し、通行制御部56は、制御信号に基づき通行制御バー57を開放する。
【0059】
この後、ウェアラブル電子装置1がパワーオフされることなく(ST209、NO)、利用者がウェアラブル電子装置1を装着し続けていれば(ST205、NO)、ウェアラブル電子装置1を装着した利用者は、再度の認証処理を受けることなく、セキュリティゲート5を通過することができる。
【0060】
一方で、利用者がウェアラブル電子装置1を取り外したりすると(ST205、YES)、装着情報は更新される(ST206)。第三者が、このようなウェアラブル電子装置1を持参してセキュリティゲート5を通過しようとしても、セキュリティゲート5は、ウェアラブル電子装置1から認証日時より過去の装着開始日時を受信しないので、通行制御バー57を開放しない。
【0061】
図11は、実施形態に係る認証サーバによる認証処理及びゲート制御の一例を示すフローチャートである。
図11は、
図10に示すウェアラブル電子装置の動作に対応する認証サーバの動作を示すフローチャートである。
まず、ST301~ST305の前処理について説明する。認証サーバ2は、ウェアラブル電子装置1からの認証要求を受信する(ST301、YES)。認証要求は、ウェアラブル電子装置1の装置ID及び脳の電気信号を含む。認証サーバ2のプロセッサ21(認証処理部211)は、認証要求の受信に対応して、脳の電気信号から脳波を検出し、脳波に基づく認証処理を実行し(ST302)、認証結果(認証成功又は認証失敗)を出力する。例えば、プロセッサ21は、登録脳波データと取得脳波データを比較し認証条件を満たすと判定した場合(ST303、YES)、認証済み情報を生成する。認証済み情報は、装置ID及び認証日時を含む。メモリ22は、認証済み情報を記憶する(ST304)。プロセッサ21は、認証条件を満たさないと判定した場合(ST303、NO)、認証失敗処理を実行する(ST305)。
【0062】
例えば、ウェアラブル電子装置1を装着した利用者が、セキュリティゲート5を通過すると、セキュリティゲート5は、ウェアラブル電子装置1に対して認証確認要求を送信し、ウェアラブル電子装置1は、セキュリティゲート5からの認証確認要求を受信し(
図10のST207)、メモリ112に記憶された装着情報を含む動作要求を送信する(
図10のST208)。動作要求は、装置ID及び装着情報を含む。装着情報は、装着開始日時を含む。セキュリティゲート5は、ウェアラブル電子装置1から動作要求を受信し、認証サーバ2へ動作要求を送信する。
【0063】
認証サーバ2は、セキュリティゲート5から動作要求を受信する(ST306、YES)。認証サーバ2は、認証済み情報及び動作要求に基づき動作を制御する。即ち、プロセッサ21は、動作要求の受信に対応して、動作要求に含まれる装置IDと同じ装置IDを含む認証済み情報を選択し、動作要求に含まれる装着開始日時が認証済み情報に含まれる認証日時より過去の日時であることに基づき動作を許可し(ST307、YES)、通行制御バー57を開放する制御信号を出力する(ST308)。セキュリティゲート5は、認証サーバ2からの制御信号を受信し、通行制御部56は、制御信号に基づき通行制御バー57を開放する。
【0064】
また、プロセッサ21は、動作要求に含まれる装着開始日時が認証済み情報に含まれる認証日時より過去の日時でない場合は動作を許可せず(ST307、NO)、通行制御バー57を閉鎖する制御信号を出力する(ST309)。セキュリティゲート5は、認証サーバ2からの制御信号を受信し、通行制御部56は、制御信号に基づき通行制御バー57を閉鎖する。
【0065】
認証サーバ2による制御が停止されなければ(ST310、NO)処理は継続し、制御が停止されると(ST310、YES)、処理は終了する。
【0066】
上記の説明では、脳波の登録処理において所定の映像音声が出力されるケースについて説明したが、所定の映像音声の出力だけに限定されるものではない。映像音声出力機器3から出力される映像音声を適宜変更して、登録及び認証を行うようにしてもよい。例えば、認証サーバ2が、第1及び第2の映像音声データを記憶し、映像音声出力機器3が、第1及び第2の映像音声データに対応する第1及び第2の映像音声を順に出力する。
認証サーバ2は、第1の映像音声データの出力に対応して、第1の登録脳波データが得られる場合は、第1の映像音声データに関連付けて第1の登録脳波データを記憶する。また、認証サーバ2は、第2の映像音声データの出力に対応して、第2の登録脳波データが得られる場合は、第2の映像音声データに関連付けて第2の登録脳波データを記憶する。
認証時には、認証サーバ2は、メモリ22に記憶される出力パターンを指定するプログラムに基づき、第1の映像音声データを出力する場合には、第1の映像音声データに関連付けられた第1の登録脳波データと取得脳波データとを比較して認証処理を実行する。また、認証サーバ2は、出力パターンを指定するプログラムに基づき、第2の映像音声データを出力する場合には、第2の映像音声データに関連付けられた第2の登録脳波データと取得脳波データとを比較して認証処理を実行する。このように映像音声の出力パターンを可変にすることにより、安全性に優れた認証を提供することができる。
【0067】
また、ウェアラブル電子装置1を装着する利用者の意思に応じて得られる脳波を利用するようにしてもよい。例えば、ウェアラブル電子装置1及び認証サーバ2は、ゲート開放の意思に応じて得られる登録脳波データと取得脳波データを利用し、脳波認証を実行するようにしてもよい。
【0068】
また、ウェアラブル電子装置1による脳波認証を利用し、車両等を運転できるようにしてもよい。例えば、脳波認証の際に、脳波から睡眠不足や体調不良を検出した場合は、認証結果に関わらず、車両等の運転を制限するようにしてもよい。
【0069】
上記説明した実施形態によれば、利便性と安全性に優れたウェアラブル電子装置及び認証サーバを提供することができる。
【0070】
ウェアラブル電子装置1は、身体への装着が検出されている間は有効な認証済み情報を記憶(維持)し、身体への装着が検出されなくなると認証済み情報を無効化(放棄)する。これにより、ウェアラブル電子装置1を装着した利用者が、有効な認証済み情報の受信に対応して通行を許可するセキュリティゲート5を通過する際に、ウェアラブル電子装置1がセキュリティゲート5に対して有効な認証済み情報を送信することにより、ウェアラブル電子装置1を装着した利用者は、ストレス無くセキュリティゲート5を通過することができる。また、不正にウェアラブル電子装置1を所持又は装着した第三者は、不正に取得されたウェアラブル電子装置1から有効な認証済み情報が送信されないため、セキュリティゲート5を通過することはできない。
【0071】
また、ウェアラブル電子装置1は、装着に対応して装着開始日時を記憶し、認証サーバ2へ、装置ID及び脳の電気信号を含む認証要求を送信する。認証サーバ2は、認証要求を受信し、認証要求に含まれる脳の電気信号から取得される取得脳波データを記憶する。また、認証サーバ2は、登録脳波データと取得脳波データの比較により、認証条件が満たされる場合に、装置ID及び認証日時を含む認証済み情報を記憶する。
その後、認証サーバ2が、セキュリティゲート5を介して、セキュリティゲート5から装置ID及び装着開始日時を含む動作要求を受信した場合に、装着開始日時が認証日時より過去の日時であることに基づきセキュリティゲート5の開放を制御する。これにより、ウェアラブル電子装置1を装着した利用者は、ストレス無くセキュリティゲート5を通過することができる。また、不正にウェアラブル電子装置1を所持又は装着した第三者は、セキュリティゲート5を通過することはできない。
【0072】
さらに、ウェアラブル電子装置1は、未装着検出及び位置情報を利用し、メモリ112に記憶される認証済み情報の無効化の実行可否を判定するようにしてもよい。例えば、セキュリティゲート5の内側の第1のエリア(セキュリティエリア)と、その外側の第2のエリア(非セキュリティエリア)を定義する。メモリ112は、第1のエリアと第2のエリアを定義したマップデータを記憶する。ウェアラブル電子装置1は、通信インタフェース113を介して認証サーバ3又は外部サーバから位置情報を受信する。プロセッサ111は、マップデータ及び位置情報に基づき、現在位置が第1のエリア又は第2のエリアの何れに含まれるかを判定する。
プロセッサ111は、メモリ112に有効な認証済み情報が記憶された状態で、取り外しを検出し、且つ現在位置が第1のエリアに含まれることを検出した場合は、認証済み情報を無効化せずに有効な認証済み情報を維持する。また、プロセッサ111は、メモリ112に有効な認証済み情報が記憶された状態で、取り外しを検出し、且つ現在位置が第2のエリアに含まれることを検出した場合は、認証済み情報を無効化する。これにより、利便性と安全性の両立を図ることができる。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
1…ウェアラブル電子装置
2…認証サーバ
3…映像音声出力機器
4…リーダライタ
5…セキュリティゲート
10…クラウン
11…情報処理部
11…プロセッサ
12…装着センサ
13…脳センサ
14…アンテナ
15…バッテリ
16…情報出力部
21…プロセッサ
22…メモリ
23…通信インタフェース
51…プロセッサ
52…メモリ
53…通信インタフェース
54…リーダライタ
56…通行制御部
57…通行制御バー
111…認証処理部
111…プロセッサ
112…メモリ
113…通信インタフェース
211…認証処理部
1111…認証処理部