(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022831
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】吸引選別装置および物品検査システム
(51)【国際特許分類】
B07C 5/346 20060101AFI20240214BHJP
【FI】
B07C5/346
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022126199
(22)【出願日】2022-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003694
【氏名又は名称】弁理士法人有我国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】朝井 英治
(72)【発明者】
【氏名】菊池 壽晃
【テーマコード(参考)】
3F079
【Fターム(参考)】
3F079CA23
3F079CA44
3F079CB24
3F079CB34
3F079CC01
3F079CC05
3F079DA12
3F079EA01
3F079EA09
(57)【要約】
【課題】製品歩留まりの低下を抑制可能なピンポイントの吸引排除動作を所要の排除期間内に確実に実行でき、不良品の良品通過側への流出を確実に防止することのできる吸引選別装置を提供し、併せて、その吸引選別装置を備えた物品検査システムを提供する。
【解決手段】搬送路11上の複数の物品Pのうち特定の検査結果となった排除対象物品Pjを吸引ノズル31aにより吸い上げて搬送路11外に排除する吸引選別装置であって、排除対象物品Pjの検査画像形状に応じて吸引ノズル31aの水平移動方向D2が設定されるとともに、排除対象物品Pjの吸引開始時における吸引ノズル31aの開口中心位置Cnが排除対象物品Pjの中心部Cpに対し一方側に設定されており、その中心部Cpに対する一方側から他方側に向かって吸引ノズル31aの開口Scを移動させつつ排除対象物品Pjを吸引排除するように構成されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路(11)上の複数物品(P)のうちの排除対象物品(Pj)を吸引ノズル(31a)により吸い上げて前記搬送路外に排除する吸引選別装置であって、
前記排除対象物品の形状に応じて前記吸引ノズルの水平移動方向が設定されるとともに、前記排除対象物品の吸引開始時における前記吸引ノズルの開口中心位置(Cn)が前記排除対象物品の中心部に対し一方側に設定されており、該中心部に対する一方側から他方側に向かって前記吸引ノズルの開口を移動させつつ前記排除対象物品を吸引排除することを特徴とすることを特徴とする吸引選別装置。
【請求項2】
前記排除対象物品の検査画像(Pim)を基に前記排除対象物品の長手方向(D2)を特定し、前記吸引ノズルの開口を前記排除対象物品の長手方向において前記中心部に対する一方側から他方側に移動させる制御部(20)を有することを特徴とする請求項1に記載の吸引選別装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記長手方向における前記排除対象物品の外径(dp1)が前記吸引ノズルの開口径(dni)よりも大きいとき、前記吸引ノズルの開口を前記排除対象物品の長手方向において前記中心部に対する一方側から他方側に向かって移動させることを特徴とする請求項2に記載の吸引選別装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記検査画像に基づく前記排除対象物品の検査画像形状が通常の搬送時形状か否かを判定し、前記排除対象物品の検査画像形状が通常の搬送時形状から外れていることを条件に、前記排除対象物品の吸引排除時に、前記吸引ノズルの開口を前記排除対象物品の中心部に対して前記一方側から他方側に向かって移動させることを特徴とする請求項2に記載の吸引選別装置。
【請求項5】
前記排除対象物品の吸引排除時に、前記吸引ノズルを、前記検査画像の視線方向に対して前記排除対象物品の長手方向の一方側で前記中心部から離隔する側に傾斜させるノズル傾斜手段(32)を有することを特徴とする請求項2に記載の吸引選別装置。
【請求項6】
前記検査画像が、前記排除対象物品の厚さ(t)または質量の分布に対応する画像濃度を有しており、前記制御部は、前記排除対象物品の長手方向の一方側から他方側に向かって前記吸引ノズルの開口(Sc)を移動させるとき、前記吸引ノズルの開口を前記中心部に接近するよう前記排除対象物品の短手方向にも移動させることを特徴とする請求項2に記載の吸引選別装置。
【請求項7】
前記検査画像を基に前記排除対象物品の長手方向を特定するとき、前記検査画像のデータを基に前記排除対象物品の検査画像形状に対応する慣性等価楕円を算出し、該慣性等価楕円の長径方向を前記長手方向に設定することを特徴とする請求項2に記載の吸引選別装置。
【請求項8】
搬送中の物品を検査する物品検査装置(10)と、
前記物品検査装置の下流側に設けられた、請求項1ないし7のいずれか一項に記載された吸引選別装置(30)と、を備え、
前記物品検査装置の検査結果に応じて前記吸引選別装置を作動させることを特徴とする物品検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸引選別装置および物品検査システムに関し、特に、搬送中の物品を吸引して物品搬送系の外に排除する吸引選別装置、および、搬送中の物品を検査する物品検査装置の検査結果に応じて吸引選別装置を作動させる物品検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
小サイズの複数の物品を小搬送ピッチで搬送しつつ所定方式の物品検査を実行する物品検査システムにおいては、狭い搬送区間内に複数の不良品(品質状態がその特定ランクの範囲から外れる物品でもよい)が発生する程度に不良が頻発したとしても、不良品が下流側に流出してしまうのを確実に防止する必要がある。
【0003】
この種の物品検査システムとして、従前より、製品搬送路面上の所定エリア単位で物品検査を実行し、その検査エリアに対応する一定搬送距離毎に、不良品の有無に応じて所定搬送区間内の被検査物品を製品搬送路上から系外に排除するものが知られている。しかし、不良品の排除時に良品の一部まで系外排出するため、製品歩留まりが低下してしまうという問題がある。
【0004】
そこで、従来、透光性のコンベア上に分散配置した小塊状の被検査物に対しコンベア下方から検査光を照射するとともに、コンベア上方側のカメラで透過光量分布を撮像することで、透過光量を減少させる異物を検出し、その異物を含む被検査物をコンベアの下流側区間内で3次元方向に追従移動可能な吸引具により吸引して、物品搬送系の外に排除するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、粒状体からなる被検査物をコンベヤ上に広げて搬送しつつ、搬送中の粒状体に金属片等の混入異物が無いかX線検査装置で検査し、混入異物が検出されると、その異物の検出時の座標とその後の搬送距離に応じて、粒状体の幅に対し吸引面積が小さいバキュームヘッドをロボットで追従移動させ、異物とその周囲の粒状体を局部的に吸引して除去するようにしたものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001-70891
【特許文献2】特開2002-1231
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の物品検査システムやそのシステムに使用される吸引選別装置では、吸引ノズルの中心軸を不良品の被検査物の製品中心に向けて被検査物を吸引排除する構成となっていた。また、混入異物を除去するときに、その周囲のばら状の被検査物を必要以上に吸引することがないように、吸引ノズルの開口径を排除対象物品径に対して比較的小さく設定する構成となっていた。
【0008】
そのため、被検査物が非円形でその長径が吸引ノズルの口径より大きくなった場合等に、被検査物がその長径方向の両端側で吸引ノズルの開口縁部に引っ掛かり、所要の不良品排除期間内に正常に吸引排除できなくなることが懸念されていた。
【0009】
また、被検査物が搬送中に重なり合ったり被検査物に折れ、割れ、欠け等(以下、単に割れ・欠けという)が生じたりすると、重なりの上側の被検査物が異物混入品として吸引排除されたにもかかわらず、その下側の被検査物に異物が入っていたり、割れ・欠けの生じた異物混入品の主たる部分が吸引排除された後に、割れ・欠けにより主たる部分から離れた残り部分に異物が入っていたりする可能性があり、吸引選別装置の単独使用では、不良品が下流側に流出してしまい得ることが懸念されていた。
【0010】
本発明は、そのような未解決の課題を解決するものであり、製品歩留まりの低下を抑制可能なピンポイントの吸引排除動作を所要の排除期間内に確実に実行でき、不良品の良品通過側への流出を確実に防止できる吸引選別装置を提供し、併せて、検査結果に応じた正常な吸引排除動作を所要の排除期間内に確実に実行でき、製品歩留まりの低下や不良品の流出を確実に防止できる物品検査システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明に係る吸引選別装置は、上記目的達成のため、搬送路上の複数物品のうちの排除対象物品を吸引ノズルにより吸い上げて前記搬送路外に排除する吸引選別装置であって、前記排除対象物品の形状に応じて前記吸引ノズルの水平移動方向が設定されるとともに、前記排除対象物品の吸引開始時における前記吸引ノズルの開口中心位置が前記排除対象物品の中心部に対し一方側に設定されており、該中心部に対する一方側から他方側に向かって前記吸引ノズルの開口を移動させつつ前記排除対象物品を吸引排除することを特徴とする。
【0012】
この構成により、本発明では、排除対象物品の形状に基づいて吸引ノズルの水平移動方向の設定がなされるとともに、排除対象物品の吸引開始時における吸引ノズルの開口中心位置が排除対象物品の中心部、例えば平面形状の重心位置に対し一方側に設定される。そして、その中心部に対する一方側から他方側に向かって、吸引ノズルの開口を移動させつつ排除対象物品を吸い上げて搬送路外に排除する吸引排除動作が実行されることになる。したがって、排除対象物品は吸引ノズルへの吸い込みが容易な方向に傾斜しつつ浮き上がるように吸引力を受けることになり、排除対象物品が吸引ノズルの開口縁部に引っ掛かったり詰まったりし難くなることで、正常な吸引排除動作を所要の排除期間内に確実に実行可能となる。
【0013】
(2)本発明の好ましい実施形態においては、前記排除対象物品の検査画像を基に前記排除対象物品の長手方向を特定し、前記吸引ノズルの開口を前記排除対象物品の長手方向において前記中心部に対する一方側から他方側に移動させる制御部を有する構成とすることができる。この構成により、排除対象物品を吸引ノズルへの吸い込みが容易な方向に傾斜させつつ浮き上がらせる吸引力を的確に生じさせることができ、排除対象物品が吸引ノズルの開口縁部により引っ掛かり難くなる。
【0014】
(3)本発明の好ましい実施形態においては、前記制御部は、前記長手方向における前記排除対象物品の外径が前記吸引ノズルの開口径よりも大きいとき、前記吸引ノズルの開口を前記排除対象物品の長手方向において前記中心部に対する一方側から他方側に向かって移動させる構成とすることができる。この場合、吸引ノズルに対し相対的に大径の排除対象物品であっても、吸引ノズルへの吸い込みが容易な方向に傾斜させつつ浮き上がらせるように吸引力を的確に生じさせることができる。
【0015】
(4)本発明の好ましい実施形態においては、前記制御部は、前記検査画像に基づく前記排除対象物品の検査画像形状が通常の搬送時形状か否かを判定し、前記排除対象物品の検査画像形状が通常の搬送時形状から外れていることを条件に、前記排除対象物品の吸引排除時に、前記吸引ノズルの開口を前記排除対象物品の中心部に対して前記一方側から他方側に向かって移動させる構成とすることもできる。このようにすると、排除対象物品の重なりや割れ・欠け等によってその検査画像形状が通常の搬送時形状から外れているときには、それを条件に、排除対象物品の吸引排除時に、検査画像形状を基に特定される長手方向へと吸引ノズルの開口を移動させることができる。なお、通常の搬送時形状から外れているか否かは、定形の物品であれば、検査画像形状の相違、例えば長手方向の寸法の相違として容易に判定可能となる。
【0016】
(5)本発明の好ましい実施形態においては、前記排除対象物品の吸引排除時に、前記吸引ノズルを、前記検査画像の視線方向に対して前記排除対象物品の長手方向の一方側で前記中心部から離隔する側に傾斜させるノズル傾斜手段を有する構成とすることができる。この場合、除対象物品を吸引ノズルへの吸い込みが容易な方向に傾斜するタイミングが早まることになり、吸引ノズルに対し浮き上がり時の傾斜角を安定確保できるとともに、排除対象物品の落下方向の移動を吸引ノズル内で有効に制限できるので、安定した吸引排除動作が可能となる。なお、検査画像の視線方向とは、検査画像の正面視方向を意味する。
【0017】
(6)本発明の好ましい実施形態においては、前記検査画像が、前記排除対象物品の厚さまたは質量の分布に対応する画像濃度を有しており、前記制御部は、前記排除対象物品の長手方向の一方側から他方側に向かって前記吸引ノズルの開口を移動させるとき、前記吸引ノズルの開口を前記中心部に接近するよう前記排除対象物品の短手方向にも移動させる構成としてもよい。このようにすると、排除対象物品の重心位置を考慮したより的確な吸引排除動作が可能となる。
【0018】
(7)本発明の好ましい実施の形態においては、前記検査画像を基に前記排除対象物品の長手方向を特定するとき、前記検査画像のデータを基に前記排除対象物品の検査画像形状に対応する慣性等価楕円を算出し、該慣性等価楕円の長径方向を前記長手方向に設定する構成とすることができる。この場合、排除対象物品を慣性モーメントが等価な慣性等価楕円で近似するので、吸引ノズルによる吸引排除動作の条件を迅速・的確に設定可能となる。
【0019】
(8)本発明に係る物品検査システムは、搬送中の物品を検査する物品検査装置と、前記物品検査装置の下流側に設けられた、上記のいずれかの構成を有する吸引選別装置と、を備え、前記物品検査装置の検査結果に応じて前記吸引選別装置を作動させるものである。
【0020】
この構成により、本発明の物品検査システムでは、物品検査装置での検査結果に応じて排除対象物品が発生すると、その排除対象物品の形状に基づいて吸引ノズルの水平移動方向の設定がなされるとともに、排除対象物品の吸引開始時における吸引ノズルの開口中心位置が排除対象物品の中心部、例えば平面形状の重心に対し一方側に設定される。そして、その中心部に対する一方側から他方側に向かって、吸引ノズルの開口を移動させつつ排除対象物品を吸い上げて搬送路外に排除する吸引排除動作が実行されることで、排除対象物品は吸引ノズルへの吸い込みが容易な方向に傾斜しつつ浮き上がるように吸引力を受け、吸引ノズルの開口縁部に引っ掛かり難くなる。その結果、物品検査結果に応じて排除対象物品を吸引排除する動作が安定実行可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、製品歩留まりの低下を抑制可能なピンポイントの吸引排除動作を所要の排除期間内に確実に実行して不良品が良品通過側に流出するのを確実に防止し得る吸引選別装置を提供することができ、併せて、検査結果に応じた正常な吸引排除動作を所要の排除期間内に確実に実行して製品歩留まりの低下や不良品の流出を確実に防止し得る物品検査システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る物品検査システムの概略構成図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る物品検査システムの制御系の概略ブロック構成図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る物品検査システムにおけるピンポイント排除装置の概略構成図である。
【
図4】
図3に示すピンポイント排除装置におけるエジェクタ方式の吸引ダクト側の概略構成の説明図である。
【
図5】
図3に示すピンポイント排除装置における吸引ノズルの2つの姿勢の説明図である。
【
図6】
図3に示すピンポイント排除装置における吸引ノズルの吸引排除開始時の動作説明図で、(a)は搬送中の排除対象物品の検査画像の概略形状の説明図、(b)は排除対象物品に対する吸引ノズルの吸引排除開始時の設定位置の説明図、(c)は吸引ノズルの吸引排除開始時の傾斜姿勢の説明図である。
【
図7】(a)は
図3に示すピンポイント排除装置における吸引ノズルの吸引排除の開始位置および完了確定位置の説明図で、(b)はその吸引ノズルによる吸引排除の開始時における排除対象物品の状態変化の説明図である。
【
図8】排除対象物品の搬送形状が通常形状であって、排除対象物品をその長手方向の中間位置で吸引する場合を例示する比較例の説明図で、(a)は吸引ノズルの先端の開口径より大径の排除対象物品を示しており、(b)は吸引ノズルを傾斜させて中間位置を吸引する状態の説明図である。
【
図9】(a)は本発明の第1実施形態に係る物品検査システムにおいて排除対象物品の搬送形状が通常の形状から外れる一例として複数の検査済み搬送物品の重なり品を例示し、その長方向の一端側から他端側へと移動吸引する場合の吸引排除動作の説明図であり、(b)は(a)の複数の検査済み搬送物品の重なり品をその長手方向の中間で吸引する場合の不具合を例示する比較例の吸引排除動作の説明図である。
【
図10】(a)は本発明の第1実施形態に係る物品検査システムにおいて排除対象物品の搬送形状が通常の形状から外れる他の例として割れ・欠け状態の検査済み搬送物品を例示し、その長方向の一端側から他端側へと移動吸引する場合の吸引排除動作の説明図であり、(b)は(a)の割れ・欠け品をその長手方向の中間で吸引する場合の不具合を例示する比較例の吸引排除動作の説明図である。
【
図11】本発明の第1実施形態に係る物品検査システムのコンベアにおけるピンポイント排除装置の選別動作範囲の説明図で、第1の選別条件の成立時を例示するものである。
【
図12】本発明の第1実施形態に係る物品検査システムのコンベア上におけるピンポイント排除装置の選別動作範囲の説明図で、第1の選別条件の不成立時の一例を示すものである。
【
図13】本発明の第1実施形態に係る物品検査システムのコンベア上におけるピンポイント排除装置の選別動作範囲の説明図で、第1の選別条件の不成立時の他の例を示すものである。
【
図14】本発明の第1実施形態に係る物品検査システムにおけるピンポイント排除装置の吸引排除動作の概略処理手順を示すフローチャートである。
【
図15】本発明の第2実施形態に係る物品検査システムの概略正面構成図である。
【
図16】本発明の第2実施形態に係る物品検査システムの概略平面構成図である。
【
図17】本発明の第2実施形態に係る物品検査システムの制御系の概略ブロック構成図である。
【
図18】本発明の第3実施形態に係る物品検査システムの概略正面構成図である。
【
図19】本発明の第3実施形態に係る物品検査システムの概略平面構成図である。
【
図20】本発明の第3実施形態に係る物品検査システムの制御系の概略ブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0024】
(第1実施形態)
図1ないし
図14は、本発明の第1実施形態に係る吸引選別装置および同装置を有する物品検査システムの構成および動作手順を示している。
【0025】
まず、構成について説明する。
【0026】
図1ないし
図3に示すように、本実施形態に係る物品検査システム1においては、図示しない物品製造ライン中に配置されたコンベア等の物品搬送路11上で、搬送中の物品Pを物品検査装置10により順次検査する一方、物品検査装置10で不良品と判定された物品Pを排除対象物品Pjとして、吸引選別装置である第1の選別装置30によるピンポイントの排除(図中、除去動作)または第2の選別装置40による所定搬送区間でのエリア排出によって物品検査装置10より下流側の物品搬送路11上から排除するようになっている。なお、物品Pは、例えば食品(生鮮食品や加工食品)や薬品のように人や動物に摂取されるもの、あるいは、人や動物に装着されたり触れたりする製品として製造されるものであるが、特定の物品に限定されるものではない。
【0027】
物品検査システム1は、物品検査装置10として、X線検査機、例えばX線異物検出機を含んでおり、物品搬送路11上の所定の検査区間Z1を通過する各々の物品Pの品質状態を所定の検査手法で検査し、予め設定された判定条件を基に、例えばOK品すなわち良品かNG品すなわち不良品かを判定することができるようになっている。
【0028】
物品検査システム1においては、物品検査装置10に内蔵される検査制御部15(
図2参照)と、第1の選別装置30のコントローラおよび第2の選別装置40の駆動制御部(後述する)とが、後述する管理用PCやPLC等で構成される制御部20(制御装置)に所定通信方式でLAN接続されている。ここにいうLANは、例えばEthernetベースのフィールドバスで構成されており、コントローラ間でのデジタル通信(下位層での制御情報交換、上位層による下位層の稼働状況や各装置における事象のモニタリング等をなすための通信)が可能となっている。
【0029】
図2に示すように、物品検査装置10は、具体的には、物品搬送路11により搬送される各検査対象の物品Pに対しX線照射部12からX線を照射して、X線ラインセンサ13により所定時間毎の透過X線量を検出し、物品Pが検査領域を通過する間にその検出値を順次画像メモリ14に記憶させることで、検査制御部15にて物品Pの透過X線量分布を示すX線検査画像データPimを取得することができるようになっている。
【0030】
検査制御部15は、プロセッサやメモリを有するとともに、それらを用いて所定の機能を発揮させることができる各種の制御プログラムを内蔵しており、画像メモリ14からのX線検査画像データPimを基に画像処理機能を発揮する画像処理部16と、画像処理部16による画像処理結果に基づいて物品Pの品質状態の判定機能を発揮する品質判定部17と、品質判定部17の判定結果の表示や操作入力が可能なタッチパネル等の操作表示部19とを含んで構成されている。
【0031】
また、検査制御部15は、例えば、物品搬送路11上に搬入される物品Pが図示しない物品検知センサにより検知されたとき、その検知信号を基に物品Pを検査対象物品に設定し、この物品Pの搬送方向D1の全域が検査区間Z1内の特定位置(例:ラインセンサ13の検出位置)を通過する間中、X線照射部12を作動させるようになっている。
【0032】
品質判定部17は、画像処理部16による画像処理結果に基づき、例えば物品Pの品質状態を所定の検査単位領域(物品Pの搬送方向長さ以上の所定搬送距離区間内で任意の方向に等分された複数の検査領域の各々)毎に判定することができ、例えばその検査単位領域毎に異物が混入していないか判定するようになっている。よって、物品Pのサイズや搬送間隔によって検査判定の単位となるエリア内に複数の物品Pが入ることがある一方、そのエリア内に単一の物品Pのみが入ることがある。
【0033】
制御部20は、管理用PCおよびPLC(プログラマブルロジックコントローラ)等によって構成されており、それらを用いて所定の機能を発揮させることができる各種の制御プログラムを内蔵している。この制御部20は、管理用PCと協働してPLCに対するプログラミングツールや設定入力切替器として機能するタブレット型の情報端末を含んでいてもよい。
【0034】
また、制御部20は、物品検査システム1の状態監視を行うとともに、生産計画に関連付けた物品検査装置10の検査結果の管理と、第1の選別装置30および第2の選別装置40の駆動制御等を実行することができるようになっている。
【0035】
物品搬送路11を構成するコンベアには、図示しないロータリエンコーダが付設されており、制御部20は、物品搬送路11の一定搬送距離毎にエンコーダパルスを取得することで、検査対象となる物品Pの搬送方向D1の位置や、第1の選別装置30によるピンポイント排除動作が可能な所定搬送区間Z2(例えば、後述する個数判定領域Eまたはそこに入る所定数の選別判定区間Z2a)内に入る期間、その期間中の搬送位置等を計算できるようになっている。ここにいうピンポイント排除動作とは、物品搬送路11上の所定搬送区間Z2内に入った複数のあるいは広がった物品Pに対する局所的な排除動作で、例えば複数のうち一部となる単体(個体)もしくは少数を、あるいは、物品搬送路11上に広がる物品Pの一部を、物品搬送路11上から外方に排除する除去動作である。
【0036】
また、制御部20は、物品検査装置10の検査制御部15から検査済みの各物品Pについての品質判定部17での検査判定結果と位置情報を取得するとともに、X線検査画像データPimをその座標基準データと併せて取得する。そして、制御部20は、物品検査装置10による検査区間Z1と第1の選別装置30によるピンポイント排除動作エリアとなる所定搬送区間Z2の間で検査済みの物品Pが搬送される特定搬送区間について、X線検査画像データPim中の不良品判定された物品Pまたは検査単位領域の座標とその搬送に伴う位置の変化とをリンクさせ、第1の選別装置30による不良判定品のピンポイント排除動作位置を物品検査装置10の品質判定部17でのNG判定領域の座標に一致させるように、物品検査装置10および第1の選別装置30の動作を同期させる制御を実行するようになっている。
【0037】
第1の選別装置30は、予め設定された第1の選別条件が成立することを条件に、物品検査装置10による検査済みの物品Pを物品検査装置10による検査の結果に応じてピンポイント排除するものである。この第1の選別装置30は、エジェクタ方式の吸引選別ヘッドであるバキュームヘッド31を関節付きのロボットアーム32で少なくとも物品搬送方向と直交する搬送路幅員方向(ラインセンサ13の長手方向)に、ここでは水平多関節のロボットアーム32で物品搬送方向および搬送路幅員方向の双方に移動させることができ、物品搬送路11外(以下、系外ともいう)の不良品受け34に排出することができるようになっている。
【0038】
図2および
図3に示すように、エジェクタ方式のバキュームヘッド31は、例えば下端部に下向きの開口Scを有する昇降式の吸引ノズル31aと、吸引ノズル31aを昇降駆動軸35aを介して昇降駆動可能に支持するヘッド本体35と、吸引ノズル31aの上端部に接続された吸引用の可撓性のダクト33と、
図4に略図で例示するように吸引用のダクト33の出口の周囲から下流側に向けて高圧の駆動流体(ここでは圧縮空気であるエア)を噴射させて吸引用のダクト33内に負圧を発生させるエジェクタ機能を有する駆動流体噴射部37と、吸引用のダクト33および駆動流体噴射部37の出口側に接続され、不良品受け34に向かい内通路断面積が漸増するディフューザ通路を形成する排出用の可撓性のダクト36とを有している。そして、バキュームヘッド31は、吸引ノズル31aから吸引用のダクト33内に不良品の物品Pを吸い込ませ、排出用のダクト36から不良品受け34に排出させることができるようになっている。
【0039】
なお、
図3または
図4に示すように、不良品の物品Pが吸引ノズル31aに吸引されるとき、または吸引されてその入口を通過したとき、その物品Pは吸引ノズル31aまたは吸引用のダクト33の上流端部側に装着された反射型レーザセンサ等の小型の通過検知センサ31sで検知されるようになっている。また、不良品の物品Pが吸引用のダクト33内に吸引されて排出側に通過するとき、その物品Pは吸引用のダクト33の下流端部側または駆動流体噴射部37の近傍に装着された通過検知センサ36sで検知されるようになっている。
【0040】
バキュームヘッド31の吸引ノズル31aは、
図5(a)に示すように鉛直方向に対して傾斜させるか、
図5(b)に示すように鉛直方向と延びる姿勢とすることができるが、吸引用のダクト33および排出用のダクト36は、
図3に示すように、それぞれ駆動流体噴射部37に接続する端部側が上端側となるように傾斜および湾曲している。また、
図6および
図7に示すように、バキュームヘッド31の吸引ノズル31aは、具体的には、内奥側(下流側)に向かって開口Scの直径から徐々に拡径するテーパ状の内通路31bを有しており、吸引用のダクト33および排出用のダクト36の内径は、それぞれ内通路31bの最大内径以上に設定されている。
【0041】
ここで、吸引ノズル31aは、ヘッド本体35と共に第2アーム32eに一体に支持された昇降駆動機構32fによって、昇降駆動軸35aを介し
図3中に実線で示す上昇位置と
図3中に仮想線で示す下降位置との間で昇降させることができ、下降位置側で不良品をピンポイントに吸引して物品搬送路11外(以下、系外ともいう)に排除させることができるように、その下降位置の高さが物品Pの品種毎に設定されている。
【0042】
ロボットアーム32は、例えば第1アーム32aの基端部を支持台32bに旋回可能に支持するとともに、ギヤドモータ32cを介して旋回駆動可能とし、第1アーム32aの先端部にギヤドモータ32dを有する関節部を介して第2アーム32eを旋回駆動可能に支持させたものである。また、第2アーム32eは、バキュームヘッド31を一体的に支持しており、ロボットコントローラ39によってギヤドモータ32c、32dのサーボ制御によりそれぞれの駆動角度位置を目標値に制御することで、吸引ノズル31aを可動域内の任意の座標位置に移動させることができる。
【0043】
なお、ロボットアーム32は、第2アーム32eの手先側に吸引ノズル31aを任意の姿勢で保持する保持手段を装着したものでもよいのは勿論である。すなわち、ロボットアーム32は、吸引ノズル31aを移動させる移動手段として機能するだけでなく、手首側の関節機構等により、排除対象物品Pjの吸引排除時に、吸引ノズル31aをX線検査画像の視線方向(例えば鉛直方向V)に対して例えば排除対象物品Pjの長手方向の一方側(一方端側)であって中心部Cpから離隔する側に傾斜させることができるノズル傾斜手段として機能させることもできる。
【0044】
このように、第1の選別装置30においては、物品搬送路11上の複数の物品PのうちX線検査画像データPimの判定処理によって特定の検査結果となった排除対象物品Pjを、X線検査画像データPimに応じた高さや水平位置、姿勢を有する吸引ノズル31aにより吸い上げて物品搬送路11外に排除することができるようになっている。
【0045】
また、本実施形態では、
図6(a)に示すような排除対象物品PjのX線検査画像データPimに対応する検査画像形状(平面形状)を基に、制御部20は、
図6(b)および
図6(c)に示すように物品搬送方向D1に対し交差し得る排除対象物品Pjの長手方向を特定し、その長手方向を、ピンポイント排除動作時の吸引ノズル31aの水平移動方向D2として設定するようになっている。なお、
図6(b)中では、物品搬送方向D1に対して水平方向の角度ψをなす水平移動方向D2を例示している。
【0046】
また、
図6(a)および
図6(b)に示すように、制御部20は、排除対象物品Pjの吸引開始時における吸引ノズル31aの開口Scの中心Cnの水平方向位置(開口中心位置)を、排除対象物品Pjの長手方向の一方側の端点A(x11、y11)上に、例えば所定高さzとして設定する。その上で、制御部20は、長手方向一方側の端点(一方端)Aから長手方向の他方側の端点(他方端)B(x13、y13)に向かう水平移動方向D2に吸引ノズル31aの開口Scを移動させるように、排除対象物品Pjの搬送中の座標に応じた移動先の目標座標(x、y、z)を逐次設定する。そして、制御部20は、駆動流体噴射部37にエジェクタ機能を発揮させつつ吸引ノズル31aを目標座標へと水平移動方向D2に移動させることで、排除対象物品Pjを吸引排除させるようになっている(
図6(c)参照)。
【0047】
より具体的には、制御部20は、検査画像を表すX線検査画像データPimを基に排除対象物品Pjの長手方向D2を特定した上で、
図6(a)中の排除対象物品Pjの中心部Cp(x12,y12)に対し長手方向の一方側である
図6(b)および
図7(a)中の左方側に、排除対象物品Pjの長手方向の一方側の端点Aを、排除対象物品Pjの中心部Cpに対し他方側である
図6(b)および
図7(a)中の右方側に、排除対象物品Pjの長手方向の他方側の端点Bを、それぞれ設定し、吸引ノズル31aの開口Scの中心Cnを排除対象物品Pjの長手方向D2における中心部Cpに対する一方側の端点Aから他方側の端点Bへと移動させるようになっている。
【0048】
排除対象物品Pjについては、例えば排除対象物品PjのX線検査画像データPimを二値化し、ラベリング処理した画像(ここでは単に検査画像という)を基に、その検査画像に面積や慣性2次モーメントが等しく近似する楕円、すなわち
図8(a)に示す慣性等価楕円Eiを作成して、検査画像となった排除対象物品Pjの長手方向の長さ、これと直交する方向の幅、重心、物品搬送方向D1に対する排除対象物品Pjの幅方向中心線(長軸)の傾き等をそれぞれに計測し、長手方向D2におけるその慣性等価楕円の長径dp1の両端位置として、点A、Bを設定することができる。なお、慣性等価楕円における主要な特徴量の算出法については、例えば特開平07-105371号公報(手形状認識手法)に計算式が開示されている。
【0049】
ここでは、X線検査画像データPimを二値化するものとするが、X線透過画像の濃度分布を考慮して厚さを計測したり重心位置を計算することもでき、吸引ノズル31aの水平移動方向D2への移動時に開口Scの高さ方向の位置を変化させたり、水平移動方向D2の端点A、Bや中心部Cpの設定位置を、例えば重心側に偏倚させるように、吸引ノズル31aの開口Scの中心の移動方向や経路を重心位置に応じて優先する移動方向または/および重心側に偏倚する移動経路を設定することも考えられる。
【0050】
すなわち、X線検査画像データPimに基づく検査画像が、排除対象物品Pjの厚さtまたは質量の分布に対応する画像濃度を有している場合、排除対象物品Pjの長手方向D2の一方側から他方側(
図6、
図7中のD2の矢印方向)に向かって吸引ノズル31aの開口Scを移動させるときに、物品形状に応じて吸引開始側の位置を端点A、Bのうち重心に近いか遠い側を選択したり、吸引ノズル31aの開口Scを中心部Cpから重心側に接近するよう排除対象物品Pjの長手方向のみならず短手方向にも移動させたりすることができる。
【0051】
制御部20によるこのような吸引ノズル31aの移動条件設定は、
図8(a)に示すように、排除対象物品Pjの長手方向の外径dp1が吸引ノズル31aの開口径dniよりも大きいときに限って、吸引ノズル31aの開口Scを排除対象物品Pjの長手方向における中心部Cpに対して一方側から他方側に向かって移動させるような選択的な設定としてもよく、さらには、吸引ノズル31aの中心軸線Cpsを鉛直方向に対し角度θだけ傾斜させるような選択的な設定としてもよい。なお、
図8(b)に示す比較例では、吸引ノズル31aの中心軸線Cpsを排除対象物品Pjの中心部Cpに対する一方側(同図中の左側)に傾斜させることで、開口Scの中心Cnを排除対象物品Pjの中心部Cpに対し水平方向で左方側に位置させた状態となっているが、本発明にいう中心部Cpに対する一方側とは、吸引ノズル31aの中心軸線Cpsが排除対象物品Pjの上面と交差する位置が中心部Cpより一方側に位置することを意味するものとする。
【0052】
制御部20は、X線検査画像データPimに基づく排除対象物品Pjの検査画像形状が通常の搬送時形状か否かを判定し、排除対象物品Pjの検査画像形状が通常の搬送時形状から外れていることを条件に、排除対象物品Pjの吸引排除時に、吸引ノズル31aの開口Scを排除対象物品Pjの中心部Cpに対して一方側から他方側に向かって移動させるものとすることもできる。
【0053】
通常の搬送時形状から外れているか否かは、定形の物品Pであれば、その搬送時形状の異常、例えば重なり接触や折れ、割れ、欠け等の割れ・欠け状態での検査画像形状の物品として、前述の慣性等価楕円Eiの形状の主要方向の寸法や面積、製品中心(重心)等の相違として容易に判定可能となる。
【0054】
具体的には、例えば
図9(a)に示すように、NG品である排除対象物品Pjに他の物品Pが部分的に重なり合った状態で搬送されていたり、
図10(a)に示すように、NG品である排除対象物品Pjに割れ(同図中では二つに割れた部分Pja、Pjbを例示)や詳細は図示しない部分的な欠け等が生じた状態で搬送されていたりすると、通常の搬送時形状から外れていることになる。
【0055】
これらの場合、制御部20は、例えば排除対象物品Pjに部分的に重なって検査画像形状が実質的に一体化した複数の物品Pkを排除対象物品Pjと一体と見なし、あるいは、排除対象物品Pjから割れ・欠けにより生じた複数の近接する割れ・欠け品Pja、Pjb等を単一の排除対象物品Pjと見なして、対応する慣性等価楕円やその長径その他の特徴量を算出し、吸引ノズル31aの開口Scをその排除対象物品Pjの中心部Cpに対する一方側から他方側へと、長手方向一方側の端点Aから長手方向他方側の端点Bに向かって移動させる。
【0056】
複数の物品Pkを排除対象物品Pjを含む一体物品と見なす場合でも、複数の近接する割れ・欠け品Pja、Pjb等を単一の排除対象物品Pjと見なす場合でも、X線検査画像データPimに対応する検査画像の形状を基に排除対象物品Pjの長手方向を特定するときには、X線検査画像データPimを基に排除対象物品Pjの検査画像形状に近似する慣性等価楕円を算出することで、その慣性等価楕円の長径方向を長手方向に的確に設定することができる。
【0057】
物品検査システム1は、このように、排除対象物品Pjのピンポイント排除が可能な第1の選別装置30と、その上流側の検査位置で搬送中の物品Pを検査する物品検査装置10とを具備しており、物品検査装置10の検査結果に応じて第1の選別装置30を作動させるようになっている。そして、第1の選別装置30によるピンポイントの排除を補完するエリア選別方式の排除が可能な第2の選別装置40をさらに具備している。
【0058】
第2の選別装置40は、所定搬送方向D1で第1の選別装置30より下流側に配置されており、物品検査装置10による検査後の物品Pを、物品検査装置10による検査の結果および予め設定された第2の選別条件に応じ、所定搬送距離分の選別区間Z3を単位として排除動作するようになっている。
【0059】
図2に示すように、第2の選別装置40は、第1の選別装置30によるピンポイント排除区間である所定搬送区間Z2より搬送方向に短い選別区間Z3を有する上下揺動式のコンベア41と、コンベア41をその搬送方向のいずれか一端側、例えば上流端41a側で上昇させるエアシリンダ等のアップアウト駆動アクチュエータ42と、不良品受け43とを有している。また、アップアウト駆動アクチュエータ42は、図示しない方向制御弁、エア供給制御弁およびフィルタレギュレータを介してエア供給源に接続されており、方向制御弁の切替えによりアップアウト駆動アクチュエータ42へのエアの給排制御方向が切り替わり、アップアウト選別機としての動作方向が切替え制御されるようになっている。
【0060】
この第2の選別装置40は、コンベア41を上流端41a側で上昇するよう傾動させたとき、物品搬送路11のうち所定搬送区間Z2を通過した物品Pを落下させて、物品搬送路11外の不良品受け43に排出させることができるようになっている。
【0061】
図2に示すように、制御部20は、管理用PCやPLCを用いて所定の制御プログラムで実現される複数の機能部として、検査情報取得部21と、選別条件判定部22と、選別要求出力部23とを有している。
【0062】
検査情報取得部21は、物品検査装置10の画像処理部16および品質判定部17からの判定結果と、物品Pまたは検査単位領域の座標および座標基準の情報と、第1の選別装置30によるピンポイントの排除動作が失敗したことを示す通過検知センサ31s、36sからのセンサ情報をそれぞれ取得することができる。ここにいうピンポイント排除動作が失敗したことを示すセンサ情報とは、通過検知センサ31s、36sのうち少なくとも片方が第1の選別装置30への選別指令(
図2中に示すピンポイント排除要求Raの出力)から所定時間内に不良品の物品Pの通過を検知せず、吸引によるピンポイント排除動作が失敗したことを示すもの、あるいは、吸引ノズル31aに装着された通過検知センサ31sでの物品Pの通過検知から吸引用のダクト33の下流端側に装着された通過検知センサ36sでの検知までの経過時間が、予め設定された許容吸引時間を超える遅れを示すものである。
【0063】
選別条件判定部22は、検査情報取得部21での取得情報を基に、物品検査装置10による検査の結果および検査済みの物品Pの搬送状態に応じて第1の選別条件が成立するか否かを判定するとともに、第1の選別条件の成立の有無および第1の選別装置30によるピンポイント排除の成否(成功の有無)に応じて第2の選別条件が成立するか否かを判定する選別条件判定手段となっている。
【0064】
また、選別条件判定部22は、第1の選別条件の不成立または第1の選別装置30によるピンポイント排除動作の不成功を条件に、第2の選別条件が成立すると判定するようになっている。第1の選別条件とは、第1の選別装置30によるピンポイント排除動作で所定搬送区間Z2内の所定品質条件外の物品P(不良品)が全て所定の選別期間内に排除可能となる条件であり、ここでは、
図11に示すような個数判定領域E内に入っている不良品の物品Pの数が予め設定された上限個数に達しないことである。
【0065】
この個数判定領域E内における不良品の物品Pの位置や姿勢のばらつき、第1の選別装置30によるピンポイント排除動作の失敗あるいは吸引ノズル31a内等での物品詰まりによるピンポイント排除動作の遅れ等により個数判定領域E内の全不良品の排除動作の完結が不確実となった場合には、第1の選別装置30によるピンポイント排除動作の不成功と判定して、第2の選別装置40による確実な排除を実行させることができる。
【0066】
選別条件判定部22は、第1の選別装置30を主に使用する場合は、第1の選別条件の不成立時に、または第1の選別装置30によるピンポイント排除動作の失敗時か所定時間内の成功が未確定であることを条件に、第2の選別条件を成立させ、第2の選別装置40を作動させることができる。
【0067】
また、ピンポイント排除動作の発生頻度が低く、第2の選別装置40を主に使用する場合は、選別条件判定部22は、第1の選別条件の成立または/および第1の選別装置30によるピンポイント排除動作の成功を条件に、第2の選別条件を一定時間不成立と判定させるように設定することもできる。例えば、選別条件判定部22は、製品からの物品Pのばらけによる脱落等により第1の選別条件が成立することを条件に、第2の選別条件を一定時間不成立と判定させてもよい。
【0068】
勿論、第1の選別装置30を主に使用するか、第2の選別装置40を主に使用するかを、手動または物品Pの品種に応じた自動のモード設定等により、可変設定するようにしてもよい。
【0069】
第1の選別装置30におけるエジェクタ方式のバキュームヘッド31は、検査済みの物品Pのうち検査結果が所定品質条件から外れる特定の物品、例えば不良品を吸引して物品搬送路11外に排除するピンポイント排除手段となっている。また、このバキュームヘッド31は、ロボットアーム32に支持されることで、物品検査装置10による検査の結果が所定品質条件から外れると、その検査の結果に応じて少なくとも所定搬送方向D1と直交する方向に、ここでは物品搬送路11の搬送方向D1およびこれと直交する幅員方向wの双方に移動する排除ヘッドとして作動する。
【0070】
選別条件判定部22は、所定の判定周期で物品検査装置10による検査の結果が所定品質条件から外れる物品P(NG品)の個数が例えば
図11に示すような所定面積の個数判定領域E内に設定数以上含まれるか否かを判定し、設定数以上含まれることを条件に、第2の選別条件が成立すると判定する。
【0071】
図11に示す個数判定領域Eは、第1の選別装置30にロボットアーム32を用いているので、物品搬送路11の幅員方向wで片側に位置する中心O1から所定半径R1内に設定されている。
【0072】
この個数判定領域Eは、所定品質条件外の物品P(不良品)をピンポイント排除期間として設定された所定時間内に設定個数だけ排除可能な範囲として設定されるが、物品Pの搬送位置や姿勢のばらつき、排除動作の失敗、詰まりによる遅れ等により個数判定領域E内の全不良品の排除動作の完結が不確実になる場合には、第2の選別装置40による確実な排除を実行させることができる。
【0073】
さらに、所定半径R1は、物品搬送路11の路面の幅員より大きく設定されており、選別条件判定部22での選別条件の各判定時点で、物品検査装置10より下流側の搬送路11dのうち所定搬送距離分(第2の選別装置40の選別区間Z3に相当)の選別判定区間Z2aが常に所定個数だけ完全に個数判定領域E内に含まれるように成立する。
【0074】
そして、制御部20は、所定搬送距離分の選別判定区間Z2aが所定個数だけ個数判定領域E内に成立したことを条件に、個数判定領域Eから下流側に一部または全部が出てしまっている先行区間Z2a´には、不良判定の物品P(NG品)が残らないように、個数判定領域E内の所定数の選別判定区間Z2aに入っている不良判定の物品P(NG品)を、更には個数判定領域E内の後続領域Z2a″に入っているNG品を、第1の選別装置30によりピンポイントに排除する制御を実行する。
【0075】
また、個数判定領域Eは、直前の判定時に個数判定領域に設定されてピンポイント排除が済んだ先行領域と一部重なるものであってもよく、ピンポイント排除が済んだ物品Pは後続する次の個数判定領域について個数のカウントを減らすことができる。よって、個数判定領域E内の所定数の選別判定区間Z2aに続く後続領域Z2a″内にあったNG品が除去された場合は、その後続領域Z2a″が選別判定区間Z2aに変化したときにNG品としての個数カウントを減らすことができる。
【0076】
より具体的には、制御部20は、個数判定領域E内の所定数の選別判定区間Z2aに入っている不良判定の物品P(NG品)のX線検査画像内の座標とコンベア搬送によるその位置の変化を基に、ピンポイント排除の個数と順序を設定する。ここでのピンポイント排除の個数は、設定数(例えば5個)未満であり、
図11中に一対で例示する複数の個数判定領域Z2aの範囲内に設定数以上の不良判定の物品P(NG品)が含まれる場合には、制御部20は、それを条件に、第2の選別条件が成立すると判定するようになっている。
【0077】
なお、選別判定区間Z2aは、選別区間Z3よりも小さい面積を有するよう、更に狭く設定されてもよい。すなわち、選別条件判定部22は、物品検査装置10による検査の結果が所定品質条件から外れる物品Pの個数が、選別区間Z3以下の所定面積を有するよう所定搬送方向に分割された複数の個数判定領域のいずれかに設定数以上含まれることを条件に、第2の選別条件が成立すると判定するものであってもよい。
【0078】
次に、作用について説明する。
【0079】
上述のように構成された本実施形態においては、複数の物品Pを含む製品の製造ライン中で、物品検査装置10によって物品搬送路11上の物品Pに対して順次所定検査方式の物品検査が実行され、検査済みの物品Pがその検査結果に応じて第1の選別装置30によりピンポイント排除され、あるいは、第1の選別装置30より下流側でその検査結果および第2の選別条件に応じて第2の選別装置40により所定搬送距離分の選別区間単位で系外に排除される。
【0080】
このとき、選別条件判定部22により、検査結果および検査済みの物品Pの搬送状態に応じて第1の選別条件が成立するか否かを判定するとともに、第1の選別条件の成立の有無および第1の選別装置30によるピンポイント排除動作の成否に応じて第2の選別条件が成立するか否かが判定され、その判定結果に応じて第1の選別装置30でのピンポイント排除による排除要求Raか、第2の選別装置40での所定搬送距離分のアップアウト排出による系外排出要求Rbかのいずれか一方が出力され、選別条件が切り替えられる。
【0081】
したがって、可能な限り第1の選別装置30によるピンポイント排除動作を実行することで、不良品の排除を確実に実行可能であるものの不良品と共に良品の一部まで排除してしまう第2の選別装置40での排除動作の頻度を抑えることができる。その結果、複数の物品Pで構成される製品の歩留まりの低下を有効に抑制しつつ、不良品が良品通過側に流出することを確実に防止することができる。
【0082】
排除要求Raに応じて第1の選別装置30によるピンポイント排除動作を実行するか、排除要求Rbに応じて第2の選別装置40でのエリア排出による排除動作を実行するかは、例えば
図14に示すような処理を制御部20で実行することによって切り替えられる。
【0083】
この処理は、物品検査装置10で不良品判定の物品Pが発生し、その物品Pが第1の選別装置30によるピンポイント除去の排除対象物品Pjに設定されたときに、排除要求Raが出力されることで、開始される。
【0084】
図14に示すように、まず、排除対象物品PjのX線検査画像データPimがその検査に係る時間情報等と共に取得され(ステップS11)、排除対象物品PjのX線検査画像データPimの二値化およびラベリング処理後の検査画像を基にその慣性等価楕円Eiが作成され、排除対象物品Pjの長手方向、長径dp1、重心、搬送方向D1に対する幅方向中心線(長軸)の傾きψ等の特徴量が計測されて、慣性等価楕円Eiの長径dp1の両端位置として、点A、Bが設定される(ステップS12)。
【0085】
次いで、排除対象物品Pjの長手方向の外径である慣性等価楕円Eiの長径dp1が吸引ノズル31aの開口径dniよりも大きいか否かがチェックされ(ステップS13)、大きい場合(ステップS13のNOの場合)には、排除対象物品Pjに対する吸引ノズル31aの相対変位量が物品搬送速度に応じて変化する所定時間毎の端点A、Bの座標に応じて逐次設定されるとともに、必要なノズル傾斜角θが設定される(ステップS14)。
【0086】
次いで、吸引選別期間中の排除対象物品Pjの搬送方向への移動に追従して、必要時に相対的に吸引ノズル31aの開口中心Cnを端点A上から端点B上に移動させるように、吸引ノズル31aの逐次の目標座標(x、y、z)が設定され(ステップS15)、その設定座標へと吸引ノズル31aが移動される(ステップS16)。
【0087】
次いで、通過検知センサ31s、36sの検知情報から排除対象物品Pjが排除済みか否かが判定され(ステップS17)、排除要求Raの出力時点から所定時間が経過したか否かが判別され(ステップS18)、未経過の場合(ステップS18でNOの場合)、逐次の目標座標設定以降の処理が再度実行される(ステップS15~S17)。
【0088】
このとき、通過検知センサ31s、36sの検知情報から排除対象物品Pjが排除済みと判定されれば(ステップS17でYESの場合)、今回の処理が終了する。また、排除要求Raの出力時点から所定時間が経過すると(ステップS18のYESの場合)、エリア選別の排除要求Rbが発出され(ステップS19)、第2の選別装置40によるエリア排出に切り替えられる。
【0089】
本実施形態においては、このように、ピンポイント排除用の排除要求Raが発出されると、まず、排除対象物品Pjの検査画像形状に基づいて吸引ノズル31aの水平移動方向(高さの変化を伴うか否かを問わない)が設定がなされるとともに、排除対象物品Pjの吸引開始時における吸引ノズル31の開口Scの中心Cnが排除対象物品Pjの中心部Cp、例えばX線透過画像の重心に対して一方側の端点A上に設定される。そして、その中心部Cpに対する一方側から他方側に向かって、吸引ノズル31aの開口Scを排除対象物品Pjの長手方向D2に移動させつつ排除対象物品Pjを吸い上げて物品搬送路11外に排除する吸引排除動作が実行されることになる。
【0090】
したがって、駆動流体噴射部37がエジェクタ機能を発揮するとき、
図6(c)に示すように、排除対象物品Pjが吸引ノズル31aへの吸い込みが容易な方向に傾斜しつつ浮き上がるように吸引力を受けることになり、排除対象物品Pjが吸引ノズル31aの開口Scの周縁部に引っ掛かり難くなる。
【0091】
また、本実施形態では、制御部20が、X線検査画像データPimに基づく検査画像の形状から排除対象物品Pjの長手方向D2を特定した上で、吸引ノズル31aの開口Scを排除対象物品Pjの長手方向に移動させる。したがって、長手方向D2の明確化により、排除対象物品Pjを吸引ノズル31aへの吸い込みが容易な方向に傾斜させつつ浮き上がらせる吸引力をより的確に生じさせることができる。
【0092】
さらに、本実施形態では、制御部20が、長手方向における排除対象物品の外径dp1が吸引ノズルの開口径dniよりも大きいときに、吸引ノズル31aの開口Scを排除対象物品Pjの長手方向における中心部Cpに対して一方側から他方側に向かって移動させる。したがって、吸引ノズル31aに対し相対的に大径の排除対象物品Pjであっても、吸引ノズル31aへの吸い込みが容易な方向に傾斜させつつ浮き上がらせるように吸引力を的確に生じさせ、開口Scを通過する位置での排除対象物品Pjの横断面積を小さく抑えることができ、吸引ノズル31aの詰まりを有効に抑制可能となる。
【0093】
加えて、本実施形態では、X線検査画像データPimで表される検査画像に基づく排除対象物品Pjの検査画像形状が通常の搬送時形状か否かを制御部20が判定し、排除対象物品Pjの検査画像形状が通常の搬送時形状から外れていることを条件に、排除対象物品Pjの吸引排除時に、吸引ノズル31aの開口Scを排除対象物品Pjの中心部Cpに対して一方側から他方側に向かって移動させる。したがって、排除対象物品Pjの折れや他物品との重なり、割れ・欠け等によってその検査画像形状が通常の搬送時形状から外れているときには、それを条件に、排除対象物品Pjの吸引排除時に、検査画像形状を基に特定される長手方向D2へと吸引ノズル31aの開口Scを移動させることができる。ちなみに、
図9(a)に示すように、複数の物品Pkを排除対象物品Pjと一体と見なした場合に、対応する慣性等価楕円Eiの重心位置での吸引排除動作を行うとすれば、特にその重なりが大きいと、
図9(b)に示すように、重なりの上側の物品Pが吸引排除され、その下側に排除対象物品Pjが残ってしまうことが懸念される。また、
図10(a)に示すように、排除対象物品Pjから割れ・欠けにより生じた複数の近接する割れ・欠け品Pja、Pjb等を単一の排除対象物品Pjと見なした場合にも、対応する慣性等価楕円Eiの重心位置での吸引排除動作を行うとすれば、
図10(b)に示すように、割れ・欠けの生じた異物混入品である排除対象物品Pjの主たる部分Pjaが吸引排除された後に、その主たる部分Pjaから離れた残り部分Pjbに異物が残ることが懸念される。本実施形態では、そのような懸念を払拭できることになる。
【0094】
しかも、本実施形態では、排除対象物品Pjの吸引排除時に、吸引ノズル31aを、検査画像の視線方向に対して排除対象物品Pjの長手方向D2の一方側で中心部Cpから離隔する側に所定角度θだけ傾斜させるノズル傾斜手段としてのロボットアーム32を有している。したがって、排除対象物品Pjを吸引ノズル31aへの吸い込みが容易な方向に傾斜するタイミングが早まることになり、吸引ノズル31aに対し排除対象物品Pjの浮き上がり時の傾斜角を安定確保できるとともに、排除対象物品Pjの落下方向の移動を吸引ノズル31a内で有効に制限できるので、安定した吸引排除動作が可能となる。
【0095】
また、X線検査画像データPimで表される検査画像が、排除対象物品Pjの厚さtまたは質量の分布に対応する画像濃度を有している場合に、排除対象物品Pjの長手方向D2の一方側から他方側に向かって吸引ノズル31aの開口Scを移動させるとき、吸引ノズル31aの開口Scを重心側に接近するよう排除対象物品Pjの短手方向にも移動させることができるし、吸引開始位置も有利な方向に設定できる。したがって、排除対象物品Pjの重心位置を考慮したより的確な吸引排除動作が可能となる。
【0096】
また、本実施形態においては、検査画像Pimを基に排除対象物品Pjの長手方向D2を特定するとき、X線検査画像データPimを基に排除対象物品Pjの検査画像形状に対応する慣性等価楕円を算出し、その慣性等価楕円の長径方向を長手方向に設定することができる。したがって、排除対象物品Pjを慣性モーメントが等価な慣性等価楕円で近似するので、吸引ノズル31aによる吸引排除動作の条件を迅速・的確に設定可能となる。
【0097】
以上のように、本実施形態の物品検査システム1においては、搬送中の物品Pを検査する物品検査装置10と、物品検査装置10の検査結果に応じて作動する第1の選別装置30と、第1の選別装置30の作動を制御する制御部20(制御装置)とを備えるものであり、その第1の選別装置30は、少なくとも排除対象物品Pjの長手方向D2の寸法が吸引ノズル31aの開口Scに対し大きくなるときに、その長手方向D2の一方側から他方側に向かって吸引ノズル31aの開口Scを移動させるものである。そして、排除対象物品Pjを慣性モーメントが等価な慣性等価楕円で近似することで、吸引ノズル31aによる吸引排除動作の条件を迅速・的確に設定可能である。
【0098】
すなわち、物品検査システム1では、物品検査装置10での検査結果に応じて排除対象物品Pjが発生すると、その排除対象物品Pjの検査画像形状に基づいて吸引ノズル31aの水平移動方向の設定がなされるとともに、排除対象物品Pjの吸引開始時における吸引ノズル31aの開口中心Cnの位置が排除対象物品Pjの中心部Cp、例えばX線透過画像の重心に対し一方側の端点A上に設定される。そして、その中心部Cpに対する一方側から他方側に向かって吸引ノズル31aの開口Scを移動させつつ排除対象物品Pjを吸い上げる吸引排除動作が実行される。したがって、排除対象物品Pjは吸引ノズル31aへの吸い込みが容易な方向に傾斜しつつ浮き上がるように吸引力を受け、吸引ノズル31aの開口Scの周縁部に引っ掛かり難く、かつ詰まり難くなる。その結果、物品検査結果に応じて排除対象物品Pjを吸引排除する動作が安定実行可能となる。
【0099】
ちなみに、
図11は、個数判定領域E内の所定数の個数判定領域Z2a内に入っている不良品の物品Pの数が予め設定された上限個数(設定個数)に達しないことで、第1の選別条件が成立し、第1の選別装置30によるピンポイント排除動作が実行される場合を示している。個数判定領域E中のNG品に添える番号(1、2、3)は、排除の順序を例示するものである。
【0100】
これに対し、
図12は、個数判定領域E内の所定数の個数判定領域Z2a内に入っている不良品の物品Pの数が予め設定された設定個数、例えば5個に達することで、第1の選別条件が成立し、第1の選別装置30によるピンポイント排除動作が実行される場合を示している。
【0101】
一方、
図13は、個数判定領域E内の所定数の個数判定領域Z2a内に入っている不良品の物品Pの数が予め設定された設定個数、例えば5個に達しないものの、一度ピンポイント排除が実行された先行領域Z2a´内に不良品の物品Pが残っている、すなわち失敗品が残ったまま次の選別条件判定時期になってしまった場合を示している。
【0102】
この場合、先行領域Z2a´内に不良品の物品Pが残っていることで、個数判定領域E内の不良品間の距離が一定値を超えてしまうといった理由で第1の選別条件が不成立となり、第2の選別条件が成立することとなる。ただし、同図に示すように物品数が少なく、個数判定領域E内の先行領域Z2a´(ハッチング領域)と隣接する個数判定領域E内の個数判定領域Z2aの中には1個の不良品の物品Pが存在するのみであることから、この条件下で第1の選別装置30によるピンポイント排除動作を実行させることも考えられる。
【0103】
個数判定領域E内における不良品の物品Pの位置や姿勢のばらつき、第1の選別装置30によるピンポイント排除動作の失敗あるいは吸引ノズル31a内等での物品詰まりによるピンポイント排除動作の遅れ等により、個数判定領域E内の全不良品の排除動作の完結が不確実となった場合には、第1の選別装置30によるピンポイント排除動作の不成功と判定して、第2の選別装置40による確実な排除を実行させることができる。
【0104】
また、本実施形態においては、選別条件判定部22が、第1の選別条件の不成立または第1の選別装置30によるピンポイント排除動作の不成功を条件に、第2の選別条件が成立すると判定する。したがって、第1の選別装置30を主に作動させることで、不良品と共に良品が系外排出される選別の頻度を有効に抑制し、検査対象の物品Pで構成される製品の歩留まりを向上させることができる。
【0105】
さらに、選別条件判定部22が、第1の選別装置30によるピンポイント排除動作の所定時間内での成功が未確定であることを条件に、第2の選別条件を成立させると、選別条件の判定処理を迅速に実行しつつ的確な選別条件判定を実行させることができる。
【0106】
加えて、本実施形態では、第1の選別装置30が、検査済みの物品Pのうち検査結果が所定品質条件から外れる特定の物品Pを吸引して搬送路11外に排除するバキュームヘッド31(ピンポイント排除手段)を含んで構成されているので、所定品質条件から外れる不良品等を的確に系外に排除しつつ、複数の物品Pで構成される製品の所要の歩留まりを確保することができる。
【0107】
また、本実施形態においては、バキュームヘッド31が、物品検査装置10による検査の結果が所定品質条件から外れると、その検査の結果に応じて少なくとも搬送路幅員方向wに移動する排除ヘッドを構成しているので、物品搬送速度と所定品質条件から外れる物品Pの間隔や位置に応じてバキュームヘッド31を最短経路で移動させると、効率良くピンポイント排除動作が可能となる。
【0108】
さらに、本実施形態では、選別条件判定部22が、物品検査装置10による検査の結果が所定品質条件から外れる物品Pの個数が所定面積の個数判定領域内に設定数以上含まれることを条件に、第2の選別条件が成立すると判定する。したがって、所定面積の個数判定領域Eを所定品質条件外の物品Pの発生位置のばらつきに関係なく確実に排除可能な範囲内に設定し、不確実になる設定個数以上の場合には、第2の選別装置による確実な排除を実行させることができる。
【0109】
また、本実施形態においては、個数判定領域Eが、搬送路幅員方向wの片側に位置する中心から所定半径R1内に設定されている。この場合、第1の選別装置30にロボットアーム32等を有効利用することができる。この場合の個数判定領域Eは、所定時間毎に設定され、直前に設定されピンポイント排除が済んだ個数判定領域と一部重なるものであってもよく、ピンポイント排除が済んだ物品は個数のカウントを減らすことができる。
【0110】
本実施形態においては、さらに、選別条件判定部22が、物品検査装置10による検査の結果が所定品質条件から外れる物品Pの個数が、選別区間Z3以下の所定面積を有するよう所定搬送方向D1に分割された複数の個数判定領域Z2aのいずれかに設定数以上含まれることを条件に、第2の選別条件が成立すると判定する。したがって、搬送方向に等分割された個数判定領域Z2aを容易に設定でき、ピンポイント排除動作の選別領域形状が所定搬送距離分の選別区間Z3に含まれるものとなり、検査対象物品を含む製品の所要の歩留まりを有効に確保することができる。
【0111】
以上のように、本実施形態においては、第1の選別装置30により、製品歩留まりの低下を抑制可能な吸引排除動作を所要の排除期間内に確実に実行でき、不良品が良品通過側に流出することを確実に防止できる吸引選別装置を提供することができる。併せて、検査結果に応じた正常な吸引排除動作を所要の排除期間内に確実に実行でき、製品歩留まりの低下や不良品の流出を確実に防止することができる物品検査システム1を提供することができる。
【0112】
(第2実施形態)
図15ないし
図17は、本発明の第2実施形態に係る吸引選別装置および同装置を有する物品検査システムを示している。
【0113】
なお、以下の説明において、既に述べた実施形態の構成と同様の構成部分については同一符号を用いて、その詳細な説明を省略する。
【0114】
図15ないし
図17に示すように、本実施形態の物品検査システム2は、図示しない前段の製造装置から投入装置51を介して複数の物品Pが複数列の整列コンベア52に並列に投入されるものであり、複数列の整列コンベア52の下流側には、それぞれ秤(はかり)である計量コンベア53が設けられるとともに、各計量コンベア53への物品Pの搬入を検知する物品検知センサ54が設置されている。
【0115】
投入装置51から投入される各物品Pは、整列コンベア52上でガード52aにより幅方向(幅員方向)の位置が所定範囲内に規定された後、各計量コンベア53の入口でその搬入タイミングを物品検知センサ54により検知されるようになっている。
【0116】
また、複数列の計量コンベア53の下流側には、ピンポイント排除装置である第1の選別装置60と、所定搬送距離分の選別区間Z3を単位として系外排出の選別を実行する第2の選別装置40と、後段の箱詰め装置等への搬出用のコンベア80とが設けられている。
【0117】
本実施形態においては、ピンポイント排除装置である第1の選別装置60は、物品把持用のロボットハンド61をロボットアーム62の手先側に装着して、そこに第1実施形態に用いたのと同様な吸引ノズル31aおよび吸引用のダクト33を支持させたもので、ピンポイント排除用コンベア63上の個々の物品Pの座標を特定することで、ピンポイント排除が可能なものである。吸引用のダクト33がエジェクタ機能を有する駆動流体噴射部37を介して排出用のダクト36に接続されており、排除対象物品Pjを吸引ノズル31aから吸引用のダクト33内に吸引し、排出用のダクト36から物品搬送路11外の不良品受け34に排出することができるようになっている点は、第1実施形態と概略同様である。
【0118】
ロボットアーム62は、例えば第1アーム62aの基端部を支持台62bに旋回可能に支持するとともに、図示しないギヤドモータを介して旋回駆動可能とし、第1アーム62aの先端部にギヤドモータを有する関節部を介して第2アーム62cを旋回駆動可能に支持させたものである。また、第2アーム62cの先端側にロボットハンド61が装着されている。このようなワーク把持用のロボットは公知であるので、ここでは、より詳細な説明は割愛するが、ロボットコントローラ69によって前述のギヤドモータのサーボ制御による駆動位置の制御と、ロボットハンド61のワーク把持制御とを実行することで、可動域内の任意の座標位置の物品Pに対するピンポイント排除動作を実行させることができるようになっている。
【0119】
各計量コンベア53は、秤量台53b付きのコンベアユニット53aからの重量を検出する荷重センサ部53cを有しており、計量コンベア53上を通過する物品Pの数や通過状態に応じて荷重センサ部53cから逐次の荷重検出信号が出力される。
【0120】
また、複数列の計量コンベア53の列毎に荷重センサ部53cから出力される逐次の荷重検出信号は計量部55に取り込まれ、例えばn列目の荷重センサ部53cの荷重検出信号から風袋荷重を除いた逐次の検出荷重に対応する計量信号が、計量部55から出力されるようになっている。
【0121】
そして、各計量コンベア53から出力される計量信号に基づき、同コンベア上の物品Pの質量が許容範囲内か否かが品質判定部56でチェックされ、その物品Pの品質状態の良否(良または不良)が判定され、その判定結果(例えば、n列目の計量コンベア53から出力される良否判定結果Jnおよびその出力タイミングTn)が所定のタイミングで操作表示部19に表示出力される。
【0122】
また、品質判定部56からの判定結果情報(Jn、Tn)は検査情報取得部21に取り込まれ、判定結果、例えばn列目の計量コンベア53から出力される良否判定結果Jnおよびその出力タイミングTnが、判定結果および対応する物品Pの座標情報として把握されるようになっている。
【0123】
検査情報取得部21は、また、第1の選別装置60によるピンポイント排除動作が失敗したことを示すロボットコントローラ69からのフィードバック情報を取得することができるようになっている。
【0124】
選別条件判定部22は、検査情報取得部21での取得情報を基に、計量コンベア53による検査の結果および検査済みの物品Pの搬送状態に応じて第1の選別条件が成立するか否かを判定するとともに、第1の選別条件の成立の有無および第1の選別装置60によるピンポイント排除動作の成否に応じて第2の選別条件が成立するか否かを判定する選別条件判定手段となっている。
【0125】
第1の選別条件は、第1実施形態の場合と同様で、第1の選別装置60による排除で所定搬送区間Z2内の所定品質条件外の物品P(不良品)が全て所定の選別期間内に排除可能となる条件であり、ここでは、
図16に示すような所定搬送区間Z2のうち第2の選別装置40で系外排出可能な選別区間Z3分の個数判定領域内に入っている不良品の物品Pの数が予め設定された上限個数に達しないことである。
【0126】
また、第2の選別条件は、第1の選別条件の不成立または第1の選別装置60によるピンポイント排除動作の不成功を条件に、成立判定されるようになっている。
【0127】
本実施形態においても、選別条件判定部22により、計量による検査結果および検査済みの物品Pの搬送状態に応じて第1の選別条件が成立するか否かを判定するとともに、第1の選別条件の成立の有無および第1の選別装置60によるピンポイント排除動作の成否に応じて第2の選別条件が成立するか否かが判定され、その判定結果に応じて第1の選別装置60でのピンポイント排除による排除要求Raか、第2の選別装置40での所定搬送距離分のアップアウト排出による系外排出要求Rbかのいずれか一方が出力され、選別条件が切り替えられる。
【0128】
したがって、可能な限り第1の選別装置60によるピンポイント排除動作を実行することで、不良品の排除を確実に実行可能であるものの不良品と共に良品の一部まで排除してしまう第2の選別装置40での排除動作の頻度を抑えることができる。その結果、複数の物品Pで構成される製品の歩留まりの低下を有効に抑制しつつ、不良品が良品通過側に流出することを確実に防止することができる。
【0129】
(第3実施形態)
図18ないし
図20は、本発明の第3実施形態に係る吸引選別装置および同装置を有する物品検査システムを示している。
【0130】
図18および
図19に示すように、本実施形態の物品検査システム3は、図示しない前段の製造装置から投入コンベア71を介して複数の物品Pが検査コンベア72に投入されるものであり、検査コンベア72の上方には、搬送状態をモニタするためのカメラ73が配置され、検査コンベア72の上流端側には、磁石による磁化手段74が設けられている。
【0131】
検査対象となる物品Pは、例えばレトルト食品や菓子等、包装材にアルミニウム箔が使用されている食品であり、物品検査システム3は、このような食品に製造段階で混入し得る金属異物を磁化手段74により強制磁化(着磁)させ、検査コンベア72中に設けたピックアップコイル等の磁気センサ75で着磁した異物を検出する、いわゆる直流型の金属検出システムとなっている。
【0132】
本実施形態では、ピンポイント排除用コンベア63上の個々の物品Pの座標をカメラ73で取得される2次元画像データを基に特定することで、第1の選別装置60によるピンポイント排除動作が可能となる。
【0133】
詳細は図示しないが、本実施形態において、検査情報取得部21は、また、第1の選別装置60によるピンポイント排除動作が失敗したことを示すロボットコントローラ69からのフィードバック情報を取得することができるようになっている。
【0134】
また、各磁気センサ75からのセンサ信号、カメラ画像処理部76で特定された各物品Pの座標情報、およびコンベア搬送速度に応じたエンコーダ情報に基づき、同コンベア上の物品Pの位置が特定されるとともに、その品質状態が許容範囲内か否か、すなわち、異物が検出されない良品品質か混入異物を含む不良品質かが品質判定部56でチェックされ、その判定結果が所定のタイミングで操作表示部19に表示出力される。
【0135】
また、品質判定部56からの判定結果情報およびカメラ画像処理部76で特定された各物品Pの座標情報が検査情報取得部21に取り込まれる。
【0136】
そして、選別条件判定部22は、検査情報取得部21での取得情報を基に、検査コンベア72による検査の結果および検査済みの物品Pの搬送状態に応じて第1の選別条件が成立するか否かを判定するとともに、第1の選別条件の成立の有無および第1の選別装置60によるピンポイント排除動作の成否に応じて第2の選別条件が成立するか否かを判定する選別条件判定手段となっている。
【0137】
本実施形態においても、可能な限り第1の選別装置60によるピンポイント排除動作を実行することで、不良品の排除を確実に実行可能であるものの不良品と共に良品の一部まで排除してしまう第2の選別装置40での選別動作の頻度を抑えることができる。その結果、前述の第1、第2実施形態と同様に、複数の物品Pで構成される製品の歩留まりの低下を有効に抑制しつつ、不良品が良品通過側に流出することを確実に防止することができる。
【0138】
なお、上述の各実施形態においては、制御部20が、物品検査装置10の検査制御部15や、第1の選別装置30(または60)のロボットコントローラ39(または69)から独立した制御装置となっていたが、本発明にいう制御装置は、検査制御部15やロボットコントローラ39等に機能を分散させたものであってもよく、独立した制御部を設けないものであってもよいことはいうまでもない。また、所定搬送距離分の選別区間Z3内の物品Pを検査結果に応じて系外排出する第2の選別装置40を、アップアウト排出方式としたが、他の方式、例えばドロップダウン式、シャトル式、シュート方式等であってもよい。
【0139】
以上説明したように、本発明は、製品歩留まりの低下を抑制可能な吸引排除を所要の排除期間内に確実に実行して不良品が良品通過側に流出するのを確実に防止し得る吸引選別装置を提供することができ、併せて、検査結果に応じた正常な吸引排除動作を所要の排除期間内に確実に実行して製品歩留まりの低下や不良品の流出を確実に防止し得る物品検査システムを提供することができるという効果を奏する。かかる本発明は、物品検査結果に応じてピンポイント排除動作を実行する吸引選別装置や、物品検査装置と吸引選別装置を併有する物品検査システム全般に有用である。
【符号の説明】
【0140】
1、2、3 物品検査システム
10 物品検査装置
11 物品搬送路(搬送路)
11d 検査区間より下流側の搬送路
12 X線照射部
13 X線ラインセンサ
14 画像メモリ
15 検査制御部
16 画像処理部
17 品質判定部
19 操作表示部
20 制御部(制御装置)
21 検査情報取得部
22 選別条件判定部(選別条件判定手段)
23 選別要求出力部
30、60 第1の選別装置
31 バキュームヘッド(ピンポイント排除手段、排除ヘッド)
31a 吸引ノズル
31b 内通路
31s、36s 通過検知センサ
32、62 ロボットアーム(ノズル傾斜手段)
32a、62a 第1アーム
32b、62b 支持台
32c、32d ギヤドモータ
32e、62c 第2アーム
32f 昇降駆動機構
33 吸引用のダクト
35 ヘッド本体
35a 昇降駆動軸
36 排出用のダクト
37 駆動流体噴射部
38 ディフューザ
39、69 ロボットコントローラ
40 第2の選別装置
41、80 コンベア
41a 上流端
42 アップアウト駆動アクチュエータ
51 投入装置
52 整列コンベア
52a ガード
53 計量コンベア
53a コンベアユニット
53b 秤量台
53c 荷重センサ部
54 物品検知センサ
55 計量部
56 品質判定部
61 ロボットハンド
63 ピンポイント排除用コンベア
71 投入コンベア
72 検査コンベア
73 カメラ
74 磁化手段
75 磁気センサ
76 カメラ画像処理部
A 点(中心部に対し一方側の端点、一方側の端点)
B 点(中心部に対し他方側の端点、他方側の端点)
Cn 中心(開口中心、開口中心位置)
Cp 中心部(製品中心、重心)
Cpa 幅方向中心線(長軸)
Cs 開口
D1 物品搬送方向(所定搬送方向)
D2 水平移動方向(長手方向、一方側から他方側への向き)
E 個数判定領域
Jn 良否判定結果
O1 中心
P 物品
Pj 排除対象物品
Pja 割れ・欠け品(主たる部分)
Pjb 割れ・欠け品(残りの部分)
R1 所定半径
Tn 出力タイミング
Z1 検査区間
Z2 所定搬送区間(ピンポイント排除動作エリア)
Z2a 選別判定区間(個数判定領域)
Z2a´ 先行区間
Z2a″ 後続領域
Z3 選別区間?
θ ノズル傾斜角(所定角度)
ψ 水平方向の角度