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特開2024-22838形鋼の形状測定方法、及び、形鋼の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022838
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】形鋼の形状測定方法、及び、形鋼の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B21C 51/00 20060101AFI20240214BHJP
   G01B 11/02 20060101ALI20240214BHJP
   G01B 11/25 20060101ALI20240214BHJP
   B21B 38/04 20060101ALI20240214BHJP
   B21B 1/09 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
B21C51/00 L
G01B11/02 Z
G01B11/25
B21B38/04 Z
B21B1/09
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022126217
(22)【出願日】2022-08-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り JFE技報 No.48 2021年8月 ステンレス鋼・形鋼特集号 84頁~89頁
(71)【出願人】
【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村岡 稔基
(72)【発明者】
【氏名】安岡 優一
(72)【発明者】
【氏名】藤本 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】椋木 慶太
(72)【発明者】
【氏名】大久保 孝則
(72)【発明者】
【氏名】脇田 健太郎
【テーマコード(参考)】
2F065
4E002
【Fターム(参考)】
2F065AA01
2F065AA06
2F065AA21
2F065AA22
2F065AA24
2F065AA30
2F065AA45
2F065AA51
2F065AA52
2F065DD06
2F065FF09
2F065GG04
2F065HH05
2F065JJ05
2F065JJ25
2F065MM02
2F065MM06
2F065QQ17
4E002AC07
4E002AC11
(57)【要約】
【課題】寸法の測定精度を向上させることができる形鋼の形状測定方法、及び、形鋼の製造方法を提供すること。
【解決手段】形鋼の形状測定方法は、長手方向と直交する断面で一箇所の屈曲部を有する形鋼の断面の形状を表した断面プロフィールを、光切断法によって測定する断面プロフィール測定工程と、断面プロフィールを用いて形鋼の形状を測定する形状測定工程と、を有し、形状測定工程は、断面プロフィールにおける寸法の測定基準位置を設定する基準位置設定工程と、測定基準位置を基準にして断面プロフィールにおける特定部位の寸法を演算する寸法演算工程と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向と直交する断面で一箇所の屈曲部を有する形鋼の前記断面の形状を表した断面プロフィールを、光切断法によって測定する断面プロフィール測定工程と、
前記断面プロフィールを用いて前記形鋼の形状を測定する形状測定工程と、
を有し、
前記形状測定工程は、
前記断面プロフィールにおける寸法の測定基準位置を設定する基準位置設定工程と、
前記測定基準位置を基準にして前記断面プロフィールにおける特定部位の寸法を演算する寸法演算工程と、
を有することを特徴とする形鋼の形状測定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の形鋼の形状測定方法において、
前記特定部位の寸法として、フランジ幅、フランジ厚さ、フランジ足先部のR形状、山部のR形状、直角度、ウェブ高さ、ウェブ厚さ、ウェブ先端の形状、ウェブ反り、辺高さ、辺厚さ、辺足先部のR形状、辺反り、及び、球部高さの中から選ばれる1種以上の測定を実施することを特徴とする形鋼の形状測定方法。
【請求項3】
請求項2に記載の形鋼の形状測定方法において、
前記断面プロフィールに対して、
フランジ内面の図面上の形状が直線となる部分を近似した第1の近似直線、または、フランジ外面の図面上の形状が直線となる部分を近似した第2の近似直線のいずれか一方から第1の基準線を設定するか、あるいは、前記第1の近似直線と前記第2の近似直線との間の中心を通る直線を第1の基準線と設定し、
前記測定基準位置とすることを特徴とする形鋼の形状測定方法。
【請求項4】
請求項2に記載の形鋼の形状測定方法において、
前記断面プロフィールに対して、
ウェブ内面の図面上の形状が直線となる部分を近似した第3の近似直線、または、ウェブ外面の図面上の形状が直線となる部分を近似した第4の近似直線のいずれか一方から第2の基準線を設定するか、あるいは、前記第3の近似直線と前記第4の近似直線との間の中心を通る直線を第2の基準線と設定し、
前記測定基準位置とすることを特徴とする形鋼の形状測定方法。
【請求項5】
請求項2に記載の形鋼の形状測定方法において、
前記断面プロフィールに対して、前記屈曲部にて互いに接続された第1の辺と第2の辺とのうちの前記第1の辺において、辺内面の直線部分を近似した第5の近似直線、または、辺外面の直線部分を近似した第6の近似直線のいずれか一方から第3の基準線を設定するか、あるいは、前記第5の近似直線と前記第6の近似直線との間の中心を通る直線を第3の基準線と設定し、
前記測定基準位置とすることを特徴とする形鋼の形状測定方法。
【請求項6】
請求項3に記載の形鋼の形状測定方法において、
前記フランジ幅の測定では、前記断面プロフィールに対して、
前記第1の基準線から一定距離だけウェブ部側に入ったウェブ外面の点を通り、且つ、前記第1の基準線に対して垂直の第1の直線を引き、
フランジ足先部を通り、且つ、前記第1の基準線に対して垂直の第2の直線を引き、
前記第1の直線と前記第2の直線との間の距離を前記フランジ幅として算出することを特徴とする形鋼の形状測定方法。
【請求項7】
請求項3に記載の形鋼の形状測定方法において、
前記フランジ厚さの測定では、前記断面プロフィールに対して、
フランジの幅方向の任意の位置における、前記第1の基準線と直交する方向でフランジ内面とフランジ外面との間の距離を前記フランジ厚さとして算出することを特徴とする形鋼の形状測定方法。
【請求項8】
請求項3に記載の形鋼の形状測定方法において、
前記フランジ足先部のR形状の測定では、前記断面プロフィールに対して、
前記第1の近似直線を延長した第3の直線を引き、
前記第1の基準線に垂直で、且つ、フランジ先端と接する第4の直線を引き、
前記第3の直線と前記第4の直線との交点と、前記第3の直線及び前記第4の直線のそれぞれのフランジ部との接点と、の間の距離を算出することで、前記フランジ足先部のR形状を測定することを特徴とする形鋼の形状測定方法。
【請求項9】
請求項3に記載の形鋼の形状測定方法において、
前記山部のR形状の測定では、前記断面プロフィールに対して、
前記第1の近似直線を延長した第5の直線を引き、
前記第1の基準線に垂直で、且つ、前記第1の基準線から一定距離だけウェブ部側に入ったウェブ外面の点を通る第6の直線を引き、
前記第5の直線と前記第6の直線との交点と、前記第5の直線及び前記第6の直線のそれぞれの前記山部との接点と、の間の距離を算出することで、前記山部のR形状を測定することを特徴とする形鋼の形状測定方法。
【請求項10】
請求項3に記載の形鋼の形状測定方法において、
前記直角度の測定では、前記断面プロフィールに対して、
前記第1の基準線に対して垂直で、且つ、ウェブ先端から任意の距離を除いたウェブ外面とただ1点の接点を持つ第7の直線を引き、
前記第7の直線と、前記ウェブ先端から任意の距離だけ離れた位置との間の距離を算出する、あるいは、前記第1の基準線と前記ウェブ外面との交点から任意の距離だけウェブ部側に入ったウェブ部上の点と、前記第7の直線との間の距離を算出することによって、
前記直角度を測定することを特徴とする形鋼の形状測定方法。
【請求項11】
請求項4に記載の形鋼の形状測定方法において、
前記ウェブ高さの測定では、前記断面プロフィールに対して、
前記第2の基準線とフランジ外面との交点を通り、且つ、前記第2の基準線に対して垂直な第8の直線を引き、
ウェブ先端を通り、且つ、前記第2の基準線に対して垂直な第9の直線を引き、
前記第8の直線と前記第9の直線との間の距離を前記ウェブ高さとして算出することを特徴とする形鋼の形状測定方法。
【請求項12】
請求項4に記載の形鋼の形状測定方法において、
ウェブ部の高さ方向の任意の位置における、前記第2の基準線と直交する方向で前記ウェブ外面と前記ウェブ内面との間の距離を前記ウェブ厚さとして算出することを特徴とする形鋼の形状測定方法。
【請求項13】
請求項4に記載の形鋼の形状測定方法において、
前記ウェブ先端の形状の測定は、前記断面プロフィールに対して、
前記第2の基準線に対して垂直で、且つ、前記ウェブ先端に接する第10の直線を引き、
前記ウェブ外面または前記ウェブ内面のいずれかに沿った第11の直線と前記第10の直線との交点と、前記第10の直線及び前記第11の直線のそれぞれのウェブ部との接点と、の間の距離を算出することによって、前記ウェブ先端の形状を測定することを特徴とする形鋼の形状測定方法。
【請求項14】
請求項4に記載の形鋼の形状測定方法において、
前記ウェブ反りの測定では、前記断面プロフィールに対して、
前記第2の基準線とウェブ最端部との交点から、任意の距離だけウェブ部の内側の位置に前記第2の基準線と垂直な第12の直線を引き、
前記第2の基準線とフランジ部との交点から、任意の距離だけ前記フランジ部の内側の位置に前記第2の基準線と垂直な第13の直線を引き、
前記第12の直線及び前記第13の直線と、前記ウェブ外面または前記ウェブ内面と、の接点を第14の直線で結び、
前記ウェブ内面または前記ウェブ外面と前記第14の直線との間の距離を算出することによって、前記ウェブ反りを測定することを特徴とする形鋼の形状測定方法。
【請求項15】
請求項5に記載の形鋼の形状測定方法において、
前記辺高さの測定では、前記断面プロフィールに対して、
前記第3の基準線から所定距離だけ前記第2の辺側に入った前記第2の辺における辺外面上の点を通り、且つ、前記第3の基準線に対して垂直な第15の直線を引き、
前記第1の辺における辺先部の先端点を通り、且つ、前記第3の基準線に垂直な第16の直線を引き、
前記第3の基準線の延びる方向で、前記第15の直線と前記第16の直線との間の距離を辺高さとして算出することを特徴とする形鋼の形状測定方法。
【請求項16】
請求項5に記載の形鋼の形状測定方法において、
前記辺厚さの測定では、前記断面プロフィールに対して、
前記第1の辺の前記第3の基準線が延びる方向の任意の位置で、前記第3の基準線に対して垂直な第17の直線を引き、
前記第17の直線上において、前記第1の辺における辺内面と辺外面との間の距離を辺厚さとして算出することを特徴とする形鋼の形状測定方法。
【請求項17】
請求項5に記載の形鋼の形状測定方法において、
前記辺足先部のR形状の測定では、前記断面プロフィールに対して、
前記第1の辺の辺外面に沿って延びた第18の直線を引き、
前記第3の基準線に対して垂直であって、前記第1の辺の辺足先部の先端点を通り、且つ、前記第18の直線と交わる第19の直線を引き、
前記第3の基準線と直交する方向で、前記第18の直線と前記第19の直線とが交わる点と、前記第1の辺の辺足先部の先端点との間の距離を算出し、
前記第3の基準線の延びる方向で、前記第18の直線と前記第19の直線とが交わる点と、前記第18の直線が前記第1の辺の辺外面と最も前記第1の辺の辺足先部側で接する点との間の距離を算出することによって、
前記辺足先部のR形状を測定することを特徴とする形鋼の形状測定方法。
【請求項18】
請求項5に記載の形鋼の形状測定方法において、
前記直角度の測定では、前記断面プロフィールに対して、
前記第3の基準線に対して垂直で、且つ、辺足先部の先端点から任意の距離を除いた辺外面とただ1点の接点を持つ第20の直線を引き、
前記第20の直線と、前記辺足先部の先端から任意の距離だけ離れた位置との間の距離を算出することによって、前記直角度を測定することを特徴とする形鋼の形状測定方法。
【請求項19】
請求項5に記載の形鋼の形状測定方法において、
前記辺反りの測定では、前記断面プロフィールに対して、
前記第1の辺の辺足先部の先端点から所定距離だけ前記第3の基準線の延びる方向で内側の位置で、前記第3の基準線に垂直な第21の直線を引き、
前記第3の基準線から所定距離だけ前記第3の基準線と直交する方向で内側の位置で、前記第3の基準線と平行な第22の直線を引き、
前記第22の直線と前記第2の辺の辺外面とが交わる点から所定距離だけ前記第3の基準線の延びる方向で内側の位置で、前記第3の基準線に垂直な第23の直線を引き、
前記第3の基準線の延びる方向で、前記第21の直線と前記第1の辺の辺外面とが交わる点と、前記第23の直線と前記第1の辺の辺外面とが交わる点とを結ぶ第24の直線を引き、
前記第24の直線と前記第1の辺の辺外面との間の距離を算出することによって、前記辺反りを測定することを特徴とする形鋼の形状測定方法。
【請求項20】
請求項1乃至19のいずれか1項に記載の形鋼の形状測定方法において、
前記形鋼は、山形鋼または球平形鋼であることを特徴とする形鋼の形状測定方法。
【請求項21】
請求項1乃至19のいずれか1項に記載の形鋼の形状測定方法によって、前記形鋼の形状を測定する工程を備えることを特徴とする形鋼の製造方法。
【請求項22】
請求項20に記載の形鋼の形状測定方法によって、前記形鋼の形状を測定する工程を備えることを特徴とする形鋼の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、形鋼の形状測定方法、及び、形鋼の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、形鋼の寸法を自動測定する方法としては、複数のセンサを配置して被測定材が走間中に自動測定する方法と、被測定材を停止させた状態でセンサを走査させて自動測定する方法とが知られている。
【0003】
特許文献1には、H形鋼に対して所定の光を照射する光源部と、H形鋼からの反射光を入力する複数個のラインセンサと、各ラインセンサからの受光信号よりH形鋼のエッジ位置を検出するエッジ位置検出部と、H形鋼の表面までの距離を測定する複数個の光波距離計と、エッジ位置検出部及び光波距離計からの測定信号を入力して、H形鋼の所定の外形寸法を演算する演算処理部とから構成した寸法測定装置を用いて、H形鋼の寸法を測定する方法が開示されている。
【0004】
特許文献2及び特許文献3には、山形鋼とバルブプレート(一般には球平形鋼ともいう)寸法演算方法と、その装置に関する技術とが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平06-281429号公報
【特許文献2】特開2008-185491号公報
【特許文献3】特開2008-185492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された方法では、寸法測定装置によってH形鋼の搬送方向と直交する方向の同一断面における表面形状を、H形鋼の全周にわたって、且つ、H形鋼の長手方向の全長にわたって検出することができず、寸法測定装置の校正時に、H形鋼の各寸法の測定方向となる基準面を設定していた。そのため、寸法測定装置によってH形鋼の寸法を測定する際に、H形鋼を搬送する搬送テーブルの摩耗や搬送中のH形鋼のバタツキなどによって、測定断面が傾いて測定方向がずれることにより、幅寸法が小さく測定されてしまうなどの寸法の測定精度が悪化するという問題があった。
【0007】
特許文献2及び特許文献3に開示された方法のうち、山形鋼の寸法演算方法を例にすると、静止状態の山形鋼に対して、レーザー距離計を走査して、レーザー距離計の距離データ、傾斜角、及び、走査中のレーザー距離計の位置データから前記山形鋼の断面形状、すなわち断面プロフィールを求める。そして、この断面プロフィールのうち、山形鋼の短辺側の外側両端の角部となる2点を求め、この2点から、断面プロフィールの基準の傾きを補正している。このように2点の位置からのみ、傾きを補正しているため、この2点の測定誤差がそのまま、傾き補正の誤差につながる。特に、短辺先端には丸みが付与されている場合も多く、傾き補正を正確に行える代表点を選択するのは困難である。このような結果として、その後の各部の寸法演算の誤差が大きくなる、という問題があった。また、測定においては、レーザー距離計を山形鋼の幅方向に移動させていく必要があり、寸法計測に時間がかかるという問題や、移動時のレーザー距離計の振動や移動位置の測定誤差が山形鋼の寸法測定誤差につながる、という問題もあった。
【0008】
なお、上述した各問題については、搬送方向と直交する断面で一箇所の屈曲部を有する形鋼の寸法を測定する場合に同様に生じ得る。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、寸法の測定精度を向上させることができる形鋼の形状測定方法、及び、形鋼の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、長手方向と直交する断面で一箇所の屈曲部を有する形鋼の前記断面の形状を表した断面プロフィールを、光切断法によって測定する断面プロフィール測定工程と、前記断面プロフィールを用いて前記形鋼の形状を測定する形状測定工程と、を有し、前記形状測定工程は、前記断面プロフィールにおける寸法の測定基準位置を設定する基準位置設定工程と、前記測定基準位置を基準にして前記断面プロフィールにおける特定部位の寸法を演算する寸法演算工程と、を有することを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記特定部位の寸法として、フランジ幅、フランジ厚さ、フランジ足先部のR形状、山部のR形状、直角度、ウェブ高さ、ウェブ厚さ、ウェブ先端の形状、ウェブ反り、辺高さ、辺厚さ、辺足先部のR形状、辺反り、及び、球部高さの中から選ばれる1種以上の測定を実施することを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記断面プロフィールに対して、フランジ内面の図面上の形状が直線となる部分を近似した第1の近似直線、または、フランジ外面の図面上の形状が直線となる部分を近似した第2の近似直線のいずれか一方から第1の基準線を設定するか、あるいは、前記第1の近似直線と前記第2の近似直線との間の中心を通る直線を第1の基準線と設定し、前記測定基準位置とすることを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記断面プロフィールに対して、ウェブ内面の図面上の形状が直線となる部分を近似した第3の近似直線、または、ウェブ外面の図面上の形状が直線となる部分を近似した第4の近似直線のいずれか一方から第2の基準線を設定するか、あるいは、前記第3の近似直線と前記第4の近似直線との間の中心を通る直線を第2の基準線と設定し、前記測定基準位置とすることを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記断面プロフィールに対して、前記屈曲部にて互いに接続された第1の辺と第2の辺とのうちの前記第1の辺において、辺内面の直線部分を近似した第5の近似直線、または、辺外面の直線部分を近似した第6の近似直線のいずれか一方から第3の基準線を設定するか、あるいは、前記第5の近似直線と前記第6の近似直線との間の中心を通る直線を第3の基準線と設定し、前記測定基準位置とすることを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記フランジ幅の測定では、前記断面プロフィールに対して、前記第1の基準線から一定距離だけウェブ部側に入ったウェブ外面の点を通り、且つ、前記第1の基準線に対して垂直の第1の直線を引き、フランジ足先部を通り、且つ、前記第1の基準線に対して垂直の第2の直線を引き、前記第1の直線と前記第2の直線との間の距離を前記フランジ幅として算出することを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記フランジ厚さの測定では、前記断面プロフィールに対して、フランジの幅方向の任意の位置における、前記第1の基準線と直交する方向でフランジ内面とフランジ外面との間の距離を前記フランジ厚さとして算出することを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記フランジ足先部のR形状の測定では、前記断面プロフィールに対して、前記第1の近似直線を延長した第3の直線を引き、前記第1の基準線に垂直で、且つ、フランジ先端と接する第4の直線を引き、前記第3の直線と前記第4の直線との交点と、前記第3の直線及び前記第4の直線のそれぞれのフランジ部との接点と、の間の距離を算出することで、前記フランジ足先部のR形状を測定することを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記山部のR形状の測定では、前記断面プロフィールに対して、前記第1の近似直線を延長した第5の直線を引き、前記第1の基準線に垂直で、且つ、前記第1の基準線から一定距離だけウェブ部側に入ったウェブ外面の点を通る第6の直線を引き、前記第5の直線と前記第6の直線との交点と、前記第5の直線及び前記第6の直線のそれぞれの前記山部との接点と、の間の距離を算出することで、前記山部のR形状を測定することを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記直角度の測定では、前記断面プロフィールに対して、前記第1の基準線に対して垂直で、且つ、ウェブ先端から任意の距離を除いたウェブ外面とただ1点の接点を持つ第7の直線を引き、前記第7の直線と、前記ウェブ先端から任意の距離だけ離れた位置との間の距離を算出する、あるいは、前記第1の基準線と前記ウェブ外面との交点から任意の距離だけウェブ部側に入ったウェブ部上の点と、前記第7の直線との間の距離を算出することによって、前記直角度を測定することを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記ウェブ高さの測定では、前記断面プロフィールに対して、前記第2の基準線とフランジ外面との交点を通り、且つ、前記第2の基準線に対して垂直な第8の直線を引き、ウェブ先端を通り、且つ、前記第2の基準線に対して垂直な第9の直線を引き、前記第8の直線と前記第9の直線との間の距離を前記ウェブ高さとして算出することを特徴とするものである。
【0021】
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、ウェブ部の高さ方向の任意の位置における、前記第2の基準線と直交する方向で前記ウェブ外面と前記ウェブ内面との間の距離を前記ウェブ厚さとして算出することを特徴とするものである。
【0022】
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記ウェブ先端の形状の測定は、前記断面プロフィールに対して、前記第2の基準線に対して垂直で、且つ、前記ウェブ先端に接する第10の直線を引き、前記ウェブ外面または前記ウェブ内面のいずれかに沿った第11の直線と前記第10の直線との交点と、前記第10の直線及び前記第11の直線のそれぞれのウェブ部との接点と、の間の距離を算出することによって、前記ウェブ先端の形状を測定することを特徴とするものである。
【0023】
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記ウェブ反りの測定では、前記断面プロフィールに対して、前記第2の基準線とウェブ最端部との交点から、任意の距離だけウェブ部の内側の位置に前記第2の基準線と垂直な第12の直線を引き、前記第2の基準線とフランジ部との交点から、任意の距離だけ前記フランジ部の内側の位置に前記第2の基準線と垂直な第13の直線を引き、前記第12の直線及び前記第13の直線と、前記ウェブ外面または前記ウェブ内面と、の接点を第14の直線で結び、前記ウェブ内面または前記ウェブ外面と前記第14の直線との間の距離を算出することによって、前記ウェブ反りを測定することを特徴とするものである。
【0024】
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記辺高さの測定では、前記断面プロフィールに対して、前記第3の基準線から所定距離だけ前記第2の辺側に入った前記第2の辺における辺外面上の点を通り、且つ、前記第3の基準線に対して垂直な第15の直線を引き、前記第1の辺における辺先部の先端点を通り、且つ、前記第3の基準線に垂直な第16の直線を引き、前記第3の基準線の延びる方向で、前記第15の直線と前記第16の直線との間の距離を辺高さとして算出することを特徴とするものである。
【0025】
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記辺厚さの測定では、前記断面プロフィールに対して、前記第1の辺の前記第3の基準線が延びる方向の任意の位置で、前記第3の基準線に対して垂直な第17の直線を引き、前記第17の直線上において、前記第1の辺における辺内面と辺外面との間の距離を辺厚さとして算出することを特徴とするものである。
【0026】
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記辺足先部のR形状の測定では、前記断面プロフィールに対して、前記第1の辺の辺外面に沿って延びた第18の直線を引き、前記第3の基準線に対して垂直であって、前記第1の辺の辺足先部の先端点を通り、且つ、前記第18の直線と交わる第19の直線を引き、前記第3の基準線と直交する方向で、前記第18の直線と前記第19の直線とが交わる点と、前記第1の辺の辺足先部の先端点との間の距離を算出し、前記第3の基準線の延びる方向で、前記第18の直線と前記第19の直線とが交わる点と、前記第18の直線が前記第1の辺の辺外面と最も前記第1の辺の辺足先部側で接する点との間の距離を算出することによって、前記辺足先部のR形状を測定することを特徴とするものである。
【0027】
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記直角度の測定では、前記断面プロフィールに対して、前記第3の基準線に対して垂直で、且つ、辺足先部の先端点から任意の距離を除いた辺外面とただ1点の接点を持つ第20の直線を引き、前記第20の直線と、前記辺足先部の先端から任意の距離だけ離れた位置との間の距離を算出することによって、前記直角度を測定することを特徴とするものである。
【0028】
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記辺反りの測定では、前記断面プロフィールに対して、前記第1の辺の辺足先部の先端点から所定距離だけ前記第3の基準線の延びる方向で内側の位置で、前記第3の基準線に垂直な第21の直線を引き、前記第3の基準線から所定距離だけ前記第3の基準線と直交する方向で内側の位置で、前記第3の基準線と平行な第22の直線を引き、前記第22の直線と前記第2の辺の辺外面とが交わる点から所定距離だけ前記第3の基準線の延びる方向で内側の位置で、前記第3の基準線に垂直な第23の直線を引き、前記第3の基準線の延びる方向で、前記第21の直線と前記第1の辺の辺外面とが交わる点と、前記第23の直線と前記第1の辺の辺外面とが交わる点とを結ぶ第24の直線を引き、前記第24の直線と前記第1の辺の辺外面との間の距離を算出することによって、前記辺反りを測定することを特徴とするものである。
【0029】
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記形鋼は、山形鋼または球平形鋼であることを特徴とするものである。
【0030】
また、本発明に係る形鋼の製造方法は、上記の発明の形鋼の形状測定方法によって、前記形鋼の形状を測定する工程を備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係る形鋼の形状測定方法、及び、形鋼の製造方法は、寸法の測定精度を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、実施形態に係る形鋼の製造設備の要部の概略構成を示した図である。
図2図2は、実施形態に係る形状測定装置の概略構成の一例を示したブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る形状測定装置の8つの測定センサの配置位置の一例を示した図である。
図4図4は、実施形態に係る測定センサの概略構成の一例を示した図である。
図5図5は、8つの測定センサが支持された支持部材をチルト装置によって回転させて傾けた状態の一例を示す図である。
図6図6は、不等辺不等厚山形鋼の断面プロフィールの一例を示した図である。
図7図7は、不等辺不等厚山形鋼の断面プロフィールにおいて第1の基準線の設定方法の一例を示した図である。
図8図8は、不等辺不等厚山形鋼の断面プロフィールにおいて第2の基準線の設定方法の一例を示した図である。
図9図9は、不等辺不等厚山形鋼のフランジ幅及びフランジ厚さの測定ロジックを示す図である。
図10図10は、不等辺不等厚山形鋼のフランジ足先部のR形状の測定ロジックを示す図である。
図11図11は、不等辺不等厚山形鋼の山部のR形状の測定ロジックを示す図である。
図12図12は、不等辺不等厚山形鋼の直角度の測定ロジックを示す図である。
図13図13は、不等辺不等厚山形鋼の直角度の測定ロジックの他例を示す図である。
図14図14は、不等辺不等厚山形鋼のウェブ高さ及びウェブ厚さの測定ロジックを示す図である。
図15図15は、不等辺不等厚山形鋼のウェブ足先部の先端形状の測定ロジックを示す図である。
図16図16は、不等辺不等厚山形鋼のウェブ反りの測定ロジックを示す図である。
図17図17は、等辺等厚山形鋼の断面プロフィールの一例を示した図である。
図18図18は、等辺等厚山形鋼の断面プロフィールにおいて基準線の設定方法の一例を示した図である。
図19図19は、等辺等厚山形鋼の辺高さ及び辺厚さの測定ロジックを示す図である。
図20図20は、等辺等厚山形鋼の辺足先部のR形状の測定ロジックを示す図である。
図21図21は、等辺等厚山形鋼の山部のR形状の測定ロジックを示す図である。
図22図22は、等辺等厚山形鋼の直角度の測定ロジックを示す図である。
図23図23は、等辺等厚山形鋼の辺反りの測定ロジックを示す図である。
図24図24は、球平形鋼の断面プロフィールの一例を示した図である。
図25図25は、球平形鋼の断面プロフィールにおいて基準線の設定方法の一例を示した図である。
図26図26は、球平形鋼のウェブ高さ、ウェブ厚さ、及び、球部高さの測定ロジックを示す図である。
図27図27は、球平形鋼のウェブ足先部のR形状の測定ロジックを示す図である。
図28図28は、球平形鋼の山部のR形状の測定ロジックを示す図である。
図29図29は、球平形鋼の直角度の測定ロジックを示す図である。
図30図30は、球平形鋼のウェブ反りの測定ロジックを示す図である。
図31図31は、サンプル試験片の各寸法について、実施形態に係る形状測定装置1によって測定された寸法と、5回手動測定した寸法の平均値との差(寸法差)をプロットした図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に、本発明に係る形鋼の形状測定方法、形鋼の製造方法、形鋼の形状測定装置、及び、形鋼の製造設備の実施形態について説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0034】
図1は、実施形態に係る形鋼2の製造設備10の要部の概略構成を示した図である。実施形態に係る形鋼2の製造設備10に適用される形鋼2の製造方法においては、不等辺不等厚山形鋼、等辺等厚山形鋼、及び、球平形鋼などの長手方向と直交する断面で一箇所の屈曲部を有する形鋼2の形状を測定する工程を備えている。実施形態に係る形鋼2の製造設備10では、形鋼圧延工程などによって目的とする形状に成形された形鋼2が、形状測定装置1などを用いた検査工程で形状や寸法などの検査が行われる。本実施形態の検査工程では、形鋼搬送装置3で検査対象の形鋼2を、形鋼2の長手方向に搬送中に、形状測定装置1によって形鋼2の形状や寸法を測定する。また、実施形態における形鋼2の製造設備10では、形状測定装置1による形鋼の測定の後工程に検査床があり、形状測定装置1の測定結果を基にして、作業者が形鋼2の形状や寸法などの最終判定を行っている。
【0035】
図1に示すように、形鋼搬送装置3は、形鋼2を長手方向に沿って搬送するための装置である。本実施形態の形鋼搬送装置3には、搬送方向に沿って配列した複数の搬送ローラ31が設けられており、複数の搬送ローラ31によって形鋼2を下側から支持して、形鋼2を長手方向に向けて搬送可能となっている。
【0036】
また、図1に示すように、形鋼搬送装置3には、形状測定装置1の入口側(搬送方向上流側)と出口側(搬送方向下流側)とのそれぞれに、形鋼2の幅方向で対向する一対の入口側可変ガイド32a,32b及び一対の出口側可変ガイド33a,33bが配置されている。すなわち、一対の入口側可変ガイド32a,32b及び一対の出口側可変ガイド33a,33bは、搬送ローラ31上に配置された形鋼2を挟んで対向配置している。一対の入口側可変ガイド32a,32b及び一対の出口側可変ガイド33a,33bは、形鋼2の搬送方向と直交する幅方向で位置を変更可能に設けられている。そして、一対の入口側可変ガイド32a,32b及び1対の出口側可変ガイド33a,33bの前記幅方向の位置を、形鋼搬送装置3で搬送される形鋼2の種類やサイズに応じて変更する。これにより、一対の入口側可変ガイド32a,32bによって形鋼2の搬送をガイドして、形鋼2の斜行を低減し、形状測定装置1に形鋼2が衝突することを抑制するとともに、形状測定装置1の測定領域F(図3参照)内に形鋼2を通過させることができる。また、一対の出口側可変ガイド33a,33bによって、形状測定装置1の測定領域F内を通過した後の形鋼2の搬送をガイドして、形鋼2の斜行を低減しつつ、後工程に形鋼2を搬送することができる。本願発明においては、このような設備構成とすることによって、搬送移動中の形鋼に対しても、短時間で精度よく寸法を測定することができる。
【0037】
実施形態に係る形状測定装置1に適用される形鋼2の形状測定方法は、搬送される形鋼2の搬送方向と直交する断面の表面形状を表した断面プロフィールを、光切断法によって測定する断面プロフィール測定工程と、前記断面プロフィールを用いて形鋼2の形状を測定する形状測定工程と、を有する。さらに、形状測定工程は、前記断面プロフィールにおける寸法の測定基準位置を設定する基準位置設定工程と、測定基準位置を基準にして前記断面プロフィールにおける特定部位の寸法を演算する寸法演算工程とを有する。
【0038】
図2は、実施形態に係る形状測定装置1の概略構成の一例を示したブロック図である。図2に示すように、実施形態に係る形状測定装置1は、複数の第1のセンサである8つの測定センサ100A~100H、入力装置110、制御装置120、寸法演算装置である演算処理装置130、表示装置140、及び、回転装置であるチルト装置160などを備えている。なお、本明細書においては、複数の第1のセンサである測定センサ100が8つの例について説明するが、複数の第1のセンサである測定センサの個数は8に限定されない。
【0039】
図3は、実施形態に係る形状測定装置1の8つの測定センサ100A~100Hの配置位置の一例を示した図である。なお、図3は、形鋼2の搬送方向で上流側から見た図である。図3に示すように、8つの測定センサ100A~100Hは、搬送される形鋼2の周りを囲むように支持部材11に支持されて配置されている。本実施形態では、形状測定装置1における形鋼2の搬送方向と直交する断面で左右対称となるように、支持部材11の内周に環状で配置されている。また、本実施形態では、形状測定装置1に搬送された形鋼2に対して、形鋼2の上方に3つの測定センサ100A,100B,100Hが配置され、形鋼2の幅方向で2つの測定センサ100C,100Gが形鋼2を挟むように対向配置され、形鋼2の下方に3つの測定センサ100D,100E,100Fが配置されている。なお、8つの測定センサ100A~100Hが、初期位置であるホームポジションに位置するときに、測定センサ100Aは最上位置に位置しており、測定センサ100Eが最下位置に位置している。
【0040】
8つの測定センサ100A~100Hは、形鋼2の搬送方向で位置を揃えて配置されており、光切断法を用いて、形鋼2の搬送方向と直交する方向の同一断面における表面形状を、形鋼2の全周にわたって測定する。実施形態に係る形状測定装置1では、8つの測定センサ100A~100Hに囲まれた所定の測定領域F内を形鋼2が通過する際に、形鋼2の所定の断面における表面形状の測定が行われる。
【0041】
なお、実施形態に係る形状測定装置1においては、8つの測定センサ100A~100Hの構成が同じであり、8つの測定センサ100A~100Hを特に区別しない場合には、単に測定センサ100と記載する。
【0042】
図4は、実施形態に係る測定センサ100の概略構成の一例を示した図である。図4に示すように、光切断法を用いて形鋼2の形状を測定する測定センサ100は、第1の光源であるスリット光源101、第1の撮像手段である撮像装置102、及び、筐体103などによって構成されている。
【0043】
スリット光源101は、例えば、半導体レーザー素子及びレンズを一体化したスリットレーザー光源を用いて実現され、所定の波長帯域の二次元レーザー光であるスリット光Li1を形鋼2の表面2aに照射する。実施形態に係る形状測定装置1では、8つの測定センサ100A~100Hのそれぞれに設けられたスリット光源101から、形鋼2の表面2aとして形鋼2の同一断面の外周面に、スリット光Li1を照射するように設定されている。
【0044】
撮像装置102は、スリット光源101に対して形鋼2の搬送方向で上流側に配置されており、形鋼2の表面2aで反射したスリット光Li1の反射光Li2を、スリット光Li1の照射方向とは別の方向から撮像する。また、撮像装置102は、撮影した反射光Li2に関する信号を、後述する演算処理装置130に出力する。
【0045】
筐体103は、スリット光源101及び撮像装置102を収容する収容部材であって、スリット光Li1及び反射光Li2が遮られないように、形鋼2と対向する側の面が開口した箱形状であり、支持部材11(図3参照)に固定されている。
【0046】
ここで、実施形態に係る形状測定装置1は、チルト装置160(図2参照)によって、8つの測定センサ100A~100Hが配置された支持部材11を、形鋼2の搬送方向に延びる回転軸線AXを中心に回転させて傾けることが可能なように構成されている。そして、実施形態に係る形状測定装置1では、形鋼2として、断面形状が非対称である不等辺不等厚山形鋼や球平形鋼などを測定する場合に、ホームポジションで最上位置にある測定センサ100Aのスリット光Li1が形鋼2のウェブに照射されるようにする。すなわち、図5に示すように、測定センサ100Aがウェブに対して垂直となる位置に位置するように、チルト装置160によって回転軸線AXを中心に支持部材11(8つの測定センサ100A~100H)を回転させて傾けることができる。このように、寸法測定を行う形鋼の形状に合わせて、測定センサ100の配置を変更することで、より精度の高い寸法測定を行うことができる。より具体的には、測定を行う形鋼のウェブ面やフランジ面に対して、垂直方向から計測できるように、測定センサを位置させることによって、形鋼のウェブ厚さ、ウェブ高さ、フランジ幅、及び、フランジ厚さなどの測定を最も精度よく行うことができるのである。
【0047】
図2に戻って、入力装置110は、物理スイッチやタッチパネルなどを用いて構成されており、作業者の入力操作に対応して、測定開始を指示する開始指示信号、測定終了を指示する終了指示信号、及び、測定対象の形鋼2の種類やサイズに関する信号などの各種信号を制御装置120に出力する。
【0048】
制御装置120は、入力装置110からの各種信号をもとに、8つの測定センサ100A~100H、及び、チルト装置160の動作などを制御する。
【0049】
演算処理装置130は、断面プロフィール生成部131と、基準設定部132と、寸法演算部133とを備えている。断面プロフィール生成部131は、8つの測定センサ100A~100Hのそれぞれの撮像装置102から出力されたデータをもとに、三角測量によって形鋼2の表面上における反射光Li2の反射位置(スリット光Li1の照射位置)と撮像装置102との間の距離を、8つの測定センサ100A~100H毎に演算して求めて、8つの二次元プロフィールとして取得する。そして、演算処理装置130は、形鋼2の同一断面における8つの二次元プロフィールを合成し、形鋼2の同一断面における全周の表面形状の情報として、1つの断面プロフィールを生成する。基準設定部132は、断面プロフィールにおける寸法の測定基準位置(基準線)を設定する。寸法演算部133は、前記測定基準位置(基準線)を基準にして断面プロフィールにおける特定部位の寸法を演算する。
【0050】
なお、演算処理装置130は、生成した断面プロフィールの形鋼2における長手方向の位置を、形状測定装置1の入口側(搬送方向上流側)に配置されたレーザードップラー式速度計4(図1参照)が測定した、形鋼2の搬送速度(移動速度)などを用いて導出している。演算処理装置130は、生成した断面プロフィールに基づいて、基準設定部132と寸法演算部133とにより、形鋼2の寸法を演算して導出する。また、演算処理装置130は、生成した断面プロフィールに関する信号や、導出した形鋼2の寸法に関する信号などの各種信号を、表示装置140に出力する。
【0051】
なお、実施形態に係る形状測定装置1は、形鋼2の搬送中に形鋼2の表面形状の測定を行うため、形鋼2の長手方向で連続的に複数の断面プロフィールを生成し、この生成した複数の断面プロフィールを形鋼2の長手方向で結合することによって、形鋼2の長手方向にわたる表面形状の情報である三次元プロフィールを生成することができる。
【0052】
表示装置140は、演算処理装置130から出力された各種信号に基づいて、形鋼2の断面プロフィール(表面形状)や寸法などをディスプレイに表示する。
【0053】
図1に戻って、実施形態に係る形鋼2の製造設備10では、製造ライン上で形鋼2の形状を測定するオンライン位置と、形状測定装置1のメンテナンスを行う、製造ラインから外れたオフライン位置との間を、リトラクト装置5によって形状測定装置1が移動可能に構成されている。
【0054】
図1に示すように、実施形態に係る形鋼2の製造設備10には、形状測定装置1のオフライン位置に対応させてサンプル測定用装置6が設置されている。サンプル測定用装置6は、例えば、アルミニウム合金で作製されたサンプル試験片を備えている。そして、オフライン位置で形状測定装置1にサンプル試験片の形状を測定させて、作業者が形状測定装置1の動作確認や測定精度の確認などを行う。
【0055】
また、実施形態に係る形鋼2の製造設備10では、形状測定装置1の8つの測定センサ100A~100Hの校正を行う校正装置を、形状測定装置1に搭載することができる。校正装置は、形状測定装置1がオフライン位置に位置するときに、形状測定装置1の内部に格納された校正専用の試験片を用いて、形状測定装置1の8つの測定センサ100A~100Hの校正を自動的に行うことが可能となっている。
【0056】
また、実施形態に係る形鋼2の製造設備10には、形状測定装置1によって形鋼2の形状の測定が行われる前に、形鋼2の表面に付着した水滴を、形鋼2の表面に空気を吹き付けて除去するためのエアパージを設置することができる。実施形態に係る形鋼2の製造設備10では、エアパージによって形鋼2の表面から水滴を除去して、形状測定装置1によって形鋼2の形状の測定を行うことにより、水滴による疵の過検出や水濡れによる断面プロフィールの欠損を抑制することができる。
【0057】
次に、実施形態に係る形状測定装置1による形鋼2の寸法の測定方法の一例について説明する。実施形態に係る形状測定装置1では、例えば、形鋼2の長手方向に1[mm]ピッチで、8つの測定センサ100A~100Hによって測定した断面プロフィールのうち、25[mm]毎の断面プロフィールを用いて、形鋼2の断面における特定部位の寸法の測定を行う。このような処理が、断面プロフィール測定工程に相当する。また、実施形態に係る形状測定装置1では、形鋼2の種類やサイズごとに作成した寸法測定プログラムに、各寸法の測定ロジックが組み込まれている。本実施形態においては、搬送方向と直交する断面で一箇所の屈曲部を有する形鋼2として不等辺不等厚山形鋼、等辺等厚山形鋼、及び、球平形鋼の断面における特定部位の寸法を測定する際の測定ロジックについて説明する。すなわち、以下、形状測定工程について、そして、基準位置設定工程及び寸法演算工程という形状測定工程に含まれる工程についても説明する。
【0058】
図6は、不等辺不等厚山形鋼の断面プロフィール200の一例を示した図である。なお、図6に示した断面プロフィール200は、不等辺不等厚山形鋼を搬送方向で下流側から見た断面に相当する。図6中、符号210はフランジ部、符号211はフランジ内面、符号212はフランジ外面、符号213はフランジ足先部、符号220はウェブ部、符号221はウェブ内面、符号222はウェブ外面、符号223はウェブ足先部、及び、符号230は山部である。
【0059】
本実施形態において、不等辺不等厚山形鋼の断面プロフィール200を用いて寸法測定を行うにあたり、まず、X軸とY軸を備える2次元座標平面上における断面プロフィール200の座標(座標位置)を決定する。例えば、ウェブの厚み方向をY軸方向として、このY軸と直交する方向をX軸方向とするX軸とY軸との2次元座標表面上における断面プロフィール200の座標を決める。
【0060】
図7は、不等辺不等厚山形鋼の断面プロフィール200において第1の基準線BL1の設定方法の一例を示した図である。実施形態に係る不等辺不等厚山形鋼の形状測定方法においては、不等辺不等厚山形鋼の断面プロフィール200に対して、図7中のY軸方向で山部230(ウェブ外面222)からウェブ厚さt1の公称値に所定距離a1を加えた範囲(図7中のY軸方向でウェブ外面222と直線L1との間の範囲)、及び、図7中のY軸方向でフランジ足先部213から所定距離s1の範囲(図7中のY軸方向でフランジ足先部213と直線L2との間の範囲)を除いた、フランジ内面211及びフランジ外面212のそれぞれの図面上の形状が直線となる部分を近似した近似直線L3,L4を引く。近似直線L3,L4を得るには、一般的な直線近似の手法を用いることができ、例えば、最小二乗法や最小絶対値法を採用することができるほか、直交回帰直線(最小距離二乗法)を用いることもできる。なお、ここでいう「図面上の形状が直線となる部分」とは、製造目標としている製品形状として直線状となる部分であり、実際には、製造のばらつきなどにより、直線形状とはならずに湾曲形状となる部分や凹凸部が含まれる場合もある。
【0061】
そして、「(1)近似直線L3を第1の基準線BL1とする。」、「(2)近似直線L4を第1の基準線BL1とする。」、及び、「(3)近似直線L3と近似直線L4との間の中心を通る直線を第1の基準線BL1とする。」という3つの方法から選択して、第1の基準線BL1を設定することができる。なお、(1)または(2)の方法を選択する場合は、使用しない近似直線は算出する必要はない。図7では(3)の方法を示している。
【0062】
また、この第1の基準線BL1の延びる方向が、断面プロフィール200における不等辺不等厚山形鋼の高さ方向となり、第1の基準線BL1は断面プロフィール200における寸法の方向を決める役割を有する。この第1の基準線BL1の設定にあたり、不等辺不等厚山形鋼の断面プロフィールデータ中の、フランジを構成する部分の多数のデータを用いているため、正確な基準線として設定できるのである。このように、実施形態に係る不等辺不等厚山形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の不等辺不等厚山形鋼の姿勢によらず、且つ、山部230及びフランジ足先部213の影響を受けることなく、フランジ部210を基準とした第1の基準線BL1を設定することができる。
【0063】
さらには、フランジ内面211及びフランジ外面212のそれぞれの図面上の形状が直線となる部分を近似した近似直線L3,L4において、山部230からウェブ厚さt1の公称値に所定距離a1を加えた範囲分を除くことによって、フランジ部210とウェブ部220との接続部分におけるR形状を除外し、フランジ足先部213から所定距離s1の範囲分を除くことによって、フランジ足先部213の非直線部を除外し、フランジ内面211及びフランジ外面212のそれぞれの図面上の形状が直線となる部分に対して、より平行に近い第1の基準線BL1を設定することができる。
【0064】
なお、所定距離a1としては、上記の山部230からウェブ厚さt1の公称値に所定距離a1を加えた位置が、測定対象の不等辺不等厚山形鋼の前記接続部分におけるR形状の範囲に含まれないように設定することが好ましい。また、所定距離s1としては、上記のフランジ足先部213から所定距離s1だけ離れた箇所が、フランジ足先部213の非直線部を十分に除外できる値に設定することが好ましい。
【0065】
図8は、不等辺不等厚山形鋼の断面プロフィール200において第2の基準線BL2の設定方法の一例を示した図である。
【0066】
実施形態に係る不等辺不等厚山形鋼の形状測定方法においては、不等辺不等厚山形鋼の断面プロフィール200に対して、図8中のX軸方向で山部230(フランジ外面212)からフランジ厚さt2の公称値に所定距離a2を加えた範囲(図8中のX軸方向でフランジ外面212と直線L5との間の範囲)、及び、図8中のX軸方向でウェブ足先部223から所定距離s2の範囲(図8中のX軸方向でウェブ足先部223と直線L6との間の範囲)を除いた、ウェブ内面221及びウェブ外面222のそれぞれの図面上の形状が直線となる部分を近似した近似直線L7,L8を引く。近似直線L7,L8を得るには、一般的な直線近似の手法を用いることができ、例えば、最小二乗法や最小絶対値法を採用することができるほか、直交回帰直線(最小距離二乗法)を用いることもできる。
【0067】
そして、「(1)近似直線L7を第2の基準線BL2とする。」、「(2)近似直線L8を第2の基準線BL2とする。」、及び、「(3)近似直線L7と近似直線L8との間の中心を通る直線を第2の基準線BL2とする。」という3つの方法から選択して、第2の基準線BL2を設定することができる。なお(1)または(2)の方法を選択する場合は、使用しない近似直線は算出する必要はない。図8では(3)の方法を示している。
【0068】
また、この第2の基準線BL2の延びる方向が、断面プロフィール200における不等辺不等厚山形鋼の幅方向となり、第2の基準線BL2は断面プロフィール200における寸法の方向を決める役割を有する。この第2の基準線BL2の設定にあたり、不等辺不等厚山形鋼の断面プロフィールデータ中の、ウェブを構成する部分の多数のデータを用いているので、正確な基準線として設定できるのである。このように、実施形態に係る不等辺不等厚山形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の不等辺不等厚山形鋼の姿勢によらず、且つ、山部230及びウェブ足先部223の影響を受けることなく、ウェブ部220を基準とした第2の基準線BL2を設定することができる。
【0069】
さらには、ウェブ内面221及びウェブ外面222のそれぞれの図面上の形状が直線となる部分を近似した近似直線L7,L8において、山部230からフランジ厚さt2の公称値に所定距離a2を加えた範囲分を除くことによって、フランジ部210とウェブ部220との接続部分におけるR形状を除外し、ウェブ足先部223から所定距離s2の範囲分を除くことによって、ウェブ足先部223の非直線部を除外し、ウェブ内面221及びウェブ外面222のそれぞれの図面上の形状が直線となる部分に対して、より平行に近い第2の基準線BL2を設定することができる。
【0070】
なお、所定距離a2としては、上記の山部230からフランジ厚さt2の公称値に所定距離a2を加えた位置が、測定対象の不等辺不等厚山形鋼の前記接続部分におけるR形状の範囲に含まれないように設定することが好ましい。また、所定距離s2としては、上記のウェブ足先部223から所定距離s2だけ離れた箇所が、ウェブ足先部223の非直線部を十分に除外できる値に設定することが好ましい。
【0071】
図9は、不等辺不等厚山形鋼のフランジ幅B及びフランジ厚さt2の測定ロジックを示す図である。不等辺不等厚山形鋼のフランジ幅Bの測定では、断面プロフィール200に対して、第1の基準線BL1を引き、第1の基準線BL1から所定距離s3だけウェブ部220側に入ったウェブ外面222上に点P3を取る。なお、第1の基準線BL1から所定距離s3だけウェブ部220側に入った点P3を指定する理由としては、山部230の形状不良の影響を除外するためであり、第1の基準線BL1よりもウェブ足先部223側に設定することが好ましいが、所定距離s3を大きく取り過ぎた場合、直角度やウェブ反りの影響を受けてしまう。そのため、所定距離s3としては、0~20[mm]の範囲に設定することが好ましい。次に、点P3を通り、且つ、第1の基準線BL1に対して垂直な直線である垂線L9を引く。次に、フランジ足先部213の先端に点P4を取る。つぎに、点P4を通り、且つ、第1の基準線BL1に垂直な直線である垂線L10を引く。そして、第1の基準線BL1の延びる方向(不等辺不等厚山形鋼の高さ方向)で、垂線L9と垂線L10との間の距離をフランジ幅Bとして算出する。これにより、実施形態に係る不等辺不等厚山形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の不等辺不等厚山形鋼の姿勢、山部230の形状、フランジ足先部213の形状、及び、ウェブ反りによらず、より精度の高い不等辺不等厚山形鋼のフランジ幅Bの測定結果を得ることができる。
【0072】
また、不等辺不等厚山形鋼のフランジ厚さt2の測定では、フランジ部210のフランジ幅方向(第1の基準線BL1が延びる方向)の任意の位置で、第1の基準線BL1に対して垂直な直線である垂線L11を引く。垂線L11を引く任意の位置は、製品仕様や規格によって設定することができる。そして、垂線L11上において、フランジ内面211とフランジ外面212との間の距離をフランジ厚さt2として算出する。これにより、実施形態に係る不等辺不等厚山形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の不等辺不等厚山形鋼の姿勢によらず、より精度の高い不等辺不等厚山形鋼のフランジ厚さt2の測定結果を得ることができる。
【0073】
図10は、不等辺不等厚山形鋼のフランジ足先部213のR形状の測定ロジックを示す図である。不等辺不等厚山形鋼のフランジ足先部213のR形状の測定では、断面プロフィール200に対して、第1の基準線BL1を引く。次に、フランジ部210のフランジ外面212に沿って延びた直線L12を引く。次に、第1の基準線BL1に対して垂直であって、フランジ足先部213の、第1の基準線BL1が延びる方向で、最下端点となる点P5を通り、且つ、直線L12と交わる直線である垂線L13を引く。次に、直線L12と垂線L13とが交わる点を交点P6とする。次に、直線L12がフランジ外面212と最もフランジ足先部213側で接する点を接点P7とする。次に、第1の基準線BL1と直交する方向(不等辺不等厚山形鋼の幅方向)で、点P5と交点P6との間の距離D1を算出し、第1の基準線BL1の延びる方向(不等辺不等厚山形鋼の高さ方向)で、交点P6と接点P7との間の距離D2を算出する。そして、算出した距離D1と距離D2とから、フランジ足先部213のR形状を算出する。これにより、実施形態に係る不等辺不等厚山形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の不等辺不等厚山形鋼の姿勢によらず、より精度の高い不等辺不等厚山形鋼のフランジ足先部213のR形状の測定結果を得ることができる。なお、不等辺不等厚山形鋼のフランジ足先部213のR形状は製品仕様において定義される。例えば、距離D1と距離D2とがわかれば、フランジ足先部213の先端形状の概略がわかることから、距離D1と距離D2との2つの値を以って「R形状」の指標、とすることができる。
【0074】
図11は、不等辺不等厚山形鋼の山部230のR形状(曲面形状)の測定ロジックを示す図である。不等辺不等厚山形鋼の山部230のR形状の測定では、断面プロフィール200に対して、第1の基準線BL1を引く。次に、フランジ部210のフランジ外面212に沿って延びた直線L14を引く。この直線L14は、第1の基準線BL1を求める際の近似直線L4を延長したものに相当する。次に、ウェブ部220のウェブ外面222に沿って延び、直線L14と交わる直線である直線L15を引く。次に、直線L15がウェブ外面222と最もフランジ部210側で接する点を接点P8とする。次に、直線L14と直線L15とが交わる点を交点P9とする。次に、直線L14がフランジ外面212と最もウェブ部220側で接する点を接点P10とする。次に、接点P8と交点P9との間の距離D3を算出し、交点P9と接点P10との間の距離D4を算出する。そして、算出した距離D3と距離D4とから、山部230のR形状を算出する。これにより、実施形態に係る不等辺不等厚山形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の不等辺不等厚山形鋼の姿勢によらず、且つ、ウェブ反り及び直角度の影響を受けることなく、より精度の高い不等辺不等厚山形鋼の山部230のR形状の測定結果を得ることができる。なお、不等辺不等厚山形鋼の山部230のR形状は、製品仕様において定義される。例えば、距離D3と距離D4とがわかれば、山部230の形状の概略がわかることから、距離D3と距離D4との2つの値を以って「R形状」の指標、とすることができる。
【0075】
図12は、不等辺不等厚山形鋼の直角度の測定ロジックを示す図である。不等辺不等厚山形鋼の直角度の測定では、断面プロフィール200に対して、第1の基準線BL1を引く。次に、第1の基準線BL1に対して垂直であって、ウェブ足先部223の先端点P1から任意の距離の範囲を除いたウェブ外面222の部分とただ1点の接点P12で接する直線L16を引く。次に、ウェブ足先部223の先端点P11から所定距離s4だけウェブ部220の内側に入ったウェブ外面222上の点を点P13とする。また、所定距離s4としては、上記のウェブ足先部223から所定距離s4だけ離れた箇所が、ウェブ足先部223の非直線部を十分に除外できる値に設定することが好ましい。そして、第1の基準線BL1の延びる方向(不等辺不等厚山形鋼の高さ方向)で、直線L16と点P13との間の距離c1を算出し、算出した距離c1から直角度を判断する。これにより、実施形態に係る不等辺不等厚山形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の不等辺不等厚山形鋼の姿勢や、製造過程で形状欠陥の発生し易いウェブ足先部223の形状及び山部230の形状によらず、より精度の高い不等辺不等厚山形鋼の直角度の測定結果を得ることができる。
【0076】
図13は、不等辺不等厚山形鋼の直角度の測定ロジックの他例を示す図である。不等辺不等厚山形鋼の直角度の測定では、断面プロフィール200に対して、第1の基準線BL1を引く。次に、第1の基準線BL1に対して垂直であって、ウェブ足先部223の先端点P14から所定距離s5の範囲(図13中のX軸方向で先端点P14と直線L18との間の範囲)を除いたウェブ外面222の部分とただ1点の交点P15で交わる直線L19を引く。また、所定距離s5としては、上記のウェブ足先部223から所定距離s5だけ離れた箇所が、ウェブ足先部223の非直線部を十分に除外できる値に設定することが好ましい。次に、第1の基準線BL1と平行であって、第1の基準線BL1から所定距離s6だけウェブ部220の内側の任意の位置に直線L20を引く。所定距離s6を大きく取り過ぎた場合には、直角度やウェブ反りの影響を受けてしまう。そのため、所定距離s6としては、0~20[mm]の範囲に設定することが好ましい。次に、直線L20とウェブ外面222とが交わる点を交点P16とする。そして、第1の基準線BL1の延びる方向(不等辺不等厚山形鋼の高さ方向)で、直線L19と交点P16との間の距離c2を算出し、算出した距離c2から直角度を判断する。これにより、実施形態に係る不等辺不等厚山形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の不等辺不等厚山形鋼の姿勢や、製造過程で形状欠陥の発生し易いウェブ足先部223の形状及び山部230の形状によらず、より精度の高い不等辺不等厚山形鋼の直角度の測定結果を得ることができる。
【0077】
図14は、不等辺不等厚山形鋼のウェブ高さA及びウェブ厚さt1の測定ロジックを示す図である。不等辺不等厚山形鋼のウェブ高さAの測定では、断面プロフィール200に対して、前述と同様の手順により第2の基準線BL2を引き、第2の基準線BL2とフランジ外面212とが交わる点を交点P17とする。次に、交点P17を通り、且つ、第2の基準線BL2に対して垂直な直線である垂線L21を引く。次に、ウェブ足先部223の先端点P18を通り、且つ、第2の基準線BL2に対して垂直な直線である垂線L22を引く。そして、第2の基準線BL2の延びる方向(不等辺不等厚山形鋼の幅方向)で、垂線L21と垂線L22との間の距離をウェブ高さAとして算出する。これにより、実施形態に係る不等辺不等厚山形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の不等辺不等厚山形鋼の姿勢、ウェブ足先部223の形状、直角度、及び、ウェブ反りによらず、より精度の高い不等辺不等厚山形鋼のウェブ高さAの測定結果を得ることができる。
【0078】
また、不等辺不等厚山形鋼のウェブ厚さt1の測定では、ウェブ部220のウェブ高さ方向(第2の基準線BL2が延びる方向)の任意の位置で、第2の基準線BL2に対して垂直な直線である垂線L23を引く。そして、垂線L23上において、ウェブ内面221とウェブ外面222との間の距離をウェブ厚さt1として算出する。垂線L23を引く位置は、製品仕様や規格などによって設定することができる。これにより、実施形態に係る不等辺不等厚山形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の不等辺不等厚山形鋼の姿勢によらず、より精度の高い不等辺不等厚山形鋼のウェブ厚さt1の測定結果を得ることができる。
【0079】
図15は、不等辺不等厚山形鋼のウェブ足先部223の先端形状の測定ロジックを示す図である。不等辺不等厚山形鋼のウェブ足先部223の先端形状の測定では、断面プロフィール200に対して、第2の基準線BL2を引く。次に、第2の基準線BL2に対して垂直であって、ウェブ足先部223の先端点P19を通る(接する)直線L24を引く。次に、ウェブ部220のウェブ外面222に沿って延び、直線L24と交わる直線L25を引く。次に、ウェブ部220のウェブ内面221に沿って延び、直線L24と交わる直線L26を引く。次に、直線L24と直線L25とが交わる点を交点P20とする。次に、直線L24がウェブ足先部223と最もウェブ外面222側で接する点を接点P21とする。次に、直線L25がウェブ外面222と最もウェブ足先部223側で接する点を接点P22とする。次に、直線L24がウェブ足先部223と最もウェブ内面221側で接する点を接点P24とする。次に、直線L26がウェブ内面221と最もウェブ足先部223側で接する点を接点P25とする。
【0080】
次に、第2の基準線BL2の延びる方向(不等辺不等厚山形鋼の高さ方向)で、交点P20と接点P22との間の距離D5を算出する。次に、第2の基準線BL2と直交する方向(不等辺不等厚山形鋼の幅方向)で、交点P20と接点P21との間の距離D6を算出する。次に、第2の基準線BL2の延びる方向(不等辺不等厚山形鋼の高さ方向)で、交点P23と接点P25との間の距離D7を算出する。次に、第2の基準線BL2と直交する方向(不等辺不等厚山形鋼の幅方向)で、交点P20と接点P24との間の距離D8を算出する。
【0081】
そして、算出した距離D5と距離D6、及び、距離D7と距離D8から、ウェブ足先部223の先端形状を算出する。これにより、実施形態に係る不等辺不等厚山形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の不等辺不等厚山形鋼の姿勢によらず、より精度の高い不等辺不等厚山形鋼のウェブ足先部223の先端形状の測定結果を得ることができる。なお、不等辺不等厚山形鋼のウェブ足先部233の先端形状は、製品仕様において定義される。例えば、距離D5、距離D6、距離D7、及び、距離D8がわかれば、ウェブ足先部233の先端形状の少なくとも概略がわかることから、距離D5、距離D6、距離D7、及び、距離D8の4つの値を以ってウェブ足先部233の先端形状の指標とすることができる。
【0082】
図16は、不等辺不等厚山形鋼のウェブ反りWa1の測定ロジックを示す図である。不等辺不等厚山形鋼のウェブ反りWa1の測定では、断面プロフィール200に対して、前述と同様の手順により第2の基準線BL2を引く。次に、ウェブ足先部223の先端点P26から所定距離s7だけウェブ部220の高さ方向(第2の基準線BL2の延びる方向)で内側の任意の位置で、第2の基準線BL2に垂直な直線である垂線L27を引く。また、所定距離s7としては、上記のウェブ足先部223から所定距離s7だけ離れた箇所が、ウェブ足先部223の非直線部を十分に除外できる値に設定することが好ましい。ただし、所定距離s7が大きすぎるとウェブ反りWa1の値に影響を及ぼすので、所定距離s7は、5~15[mm]の範囲に設定することが好ましい。次に、垂線L27とウェブ外面222とが交わる点を交点P27とする。次に、第2の基準線BL2とフランジ外面212とが交わる点を交点P28とする。次に、交点P28から所定距離s8だけウェブ部220の高さ方向(第2の基準線BL2の延びる方向)で内側の任意の位置で、第2の基準線BL2に垂直な直線である垂線L28を引く。また、所定距離s8としては、山部230から所定距離s8だけ離れた箇所が、山部230の非直線部を十分に除外できる値に設定することが好ましい。ただし、所定距離s8が大きすぎるとウェブ反りWa1の値に影響を及ぼすので、所定距離s8は、10~20[mm]の範囲に設定することが好ましい。次に、第2の基準線BL2とウェブ外面222とが交わる点を交点P29とする。次に、交点P27と交点P29とを結ぶ直線L29を引く。次に、第2の基準線BL2の延びる方向で、直線L29の任意の位置に垂線L30を引く。なお、垂線L30は、直線L29とウェブ外面222との間の距離が最大値となる位置に引く。そして、垂線L30上における、直線L29とウェブ外面222との間の距離をウェブ反りWa1として算出する。これにより、実施形態に係る溝形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の溝形鋼の姿勢や、製造過程で形状欠陥の発生し易いウェブ足先部223の形状及び山部230の形状によらず、より精度の高い不等辺不等厚山形鋼のウェブ反りWa1の測定結果を得ることができる。
【0083】
図17は、等辺等厚山形鋼の断面プロフィール300の一例を示した図である。なお、図17に示した断面プロフィール300は、等辺等厚山形鋼を搬送方向で下流側から見た断面に相当する。図17中、符号310は辺、符号311は辺内面、符号312は辺外面、符号313は辺足先部、符号320は辺、符号321は辺内面、符号322は辺外面、符号323は辺足先部、及び、符号330は山部である。
【0084】
本実施形態において、等辺等厚山形鋼の断面プロフィール300を用いて寸法測定を行うにあたり、まず、X軸とY軸を備える2次元座標平面上における断面プロフィール300の座標(座標位置)を決定する。例えば、X軸とY軸との2次元座標表面上における断面プロフィール300の座標を決める。
【0085】
図18は、等辺等厚山形鋼の断面プロフィール200において基準線BL3の設定方法の一例を示した図である。実施形態に係る等辺等厚山形鋼の形状測定方法においては、等辺等厚山形鋼の断面プロフィール300に対して、図18中のY軸方向で山部330(辺外面322)から辺厚さt11の公称値に所定距離a11を加えた範囲、及び、図18中のY軸方向で辺足先部313から所定距離s11の範囲を除いた、辺内面311及び辺外面312のそれぞれの直線部分を近似した近似直線L41,L42を引く。近似直線L41,L42を得るには、一般的な直線近似の手法を用いることができ、例えば、最小二乗法や最小絶対値法を採用することができるほか、直交回帰直線を用いることもできる。そして、近似直線L41と近似直線L42との間の中心を通る直線を基準線BL3として引く。なお、基準線BL3としては、不等辺不等厚山形鋼の場合と同様に、近似直線L41や近似直線L42を基準線BL3とすることもできる。この基準線BL3の延びる方向が、断面プロフィール300における等辺等厚山形鋼の高さ方向となり、基準線BL3は断面プロフィール300における寸法の方向を決める役割を有する。このように、実施形態に係る等辺等厚山形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の等辺等厚山形鋼の姿勢によらず辺310を基準とした基準線BL3を設定することができる。なお、所定距離a11としては、上記の山部330から辺厚さt11の公称値に所定距離a11を加えた位置が、測定対象の等辺等厚山形鋼の山部330におけるR形状の範囲に含まれないように設定することが好ましい。また、所定距離s11としては、上記の辺足先部313から所定距離s11だけ離れた箇所が、辺足先部313の非直線部を十分に除外できる値に設定することが好ましい。
【0086】
この基準線BL3の設定にあたり、等辺等厚山形鋼の断面プロフィールデータ中の、辺を構成する部分の多数のデータを用いているので、正確な基準線として設定できるのである。このように、実施形態に係る等辺等厚山形鋼の形状測定方法においては、8つの測定センサ100A~100Hにより、光切断法によって取得した断面プロフィール300上に、等辺等厚山形鋼の形状及び姿勢に基づいた、寸法測定の基準となる基準線BL3を設定することによって、寸法の測定精度を向上させることができる。
【0087】
図19は、等辺等厚山形鋼の辺高さAD及び辺厚さtA1の測定ロジックを示す図である。等辺不等厚山形鋼の辺高さADの測定では、断面プロフィール300に対して、基準線BL3を引き、基準線BL3から所定距離s12だけ辺320側に入った辺外面322上に点P42を取る。次に、点P42を通り、且つ、基準線BL3に対して垂直な直線である垂線L43を引く。次に、辺足先部313の先端点P43を通り、且つ、基準線BL3に垂直な直線である垂線L44を引く。そして、基準線BL3の延びる方向(等辺等厚山形鋼の高さ方向)で、垂線L43と垂線L44との間の距離を辺高さADとして算出する。これにより、実施形態に係る不等辺不等厚山形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の等辺等厚山形鋼の姿勢によらず、より精度の高い等辺等厚山形鋼の辺高さADの測定結果を得ることができる。
【0088】
また、等辺等厚山形鋼の辺厚さtA1の測定では、辺310の辺高さ方向(基準線BL3が延びる方向)の任意の位置で、基準線BL3に対して垂直な直線である垂線L45を引く。垂線L45は、製品仕様や規格などに従って設定することができ、例えば、辺足先部313から辺高さADの半分の値であるAD/2だけ離れた位置をとることができる。そして、垂線L45上において、辺内面311と辺外面312との間の距離を辺厚さtA1として算出する。これにより、実施形態に係る等辺等厚山形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の等辺等厚山形鋼の姿勢によらず、より精度の高い等辺等厚山形鋼の辺厚さtA1の測定結果を得ることができる。
【0089】
図20は、等辺等厚山形鋼の辺足先部313のR形状(曲面形状)の測定ロジックを示す図である。等辺等厚山形鋼の辺足先部313のR形状の測定では、断面プロフィール300に対して基準線BL3を引く。次に、辺310の辺外面312に沿って延びた直線L46を引く。次に、基準線BL3に対して垂直であって、辺足先部313の先端点P44を通り、且つ、直線L46と交わる直線L47を引く。次に、直線L46と直線L47とが交わる点を交点P45とする。次に、直線L46が辺外面312と最も辺足先部313側で接する点を接点P46とする。次に、基準線BL3と直交する方向(等辺等厚山形鋼の幅方向)で、交点P45と先端点P44との間の距離D9を算出し、基準線BL3の延びる方向(等辺等厚山形鋼の高さ方向)で、交点P45と接点P46との間の距離D10を算出する。そして、算出した距離D9と距離D10とから、辺足先部313のR形状を算出する。これにより、実施形態に係る等辺等厚山形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の等辺等厚山形鋼の姿勢によらず、より精度の高い等辺等厚山形鋼の辺足先部313のR形状の測定結果を得ることができる。なお、等辺等厚山形鋼の辺足先部313のR形状は、製品仕様において定義される。例えば、距離D9と距離D10とがわかれば、辺足先部313の先端形状の概略がわかることから、距離D9と距離D10との2つの値を以って「R形状」の指標、とすることができる。
【0090】
図21は、等辺等厚山形鋼の山部330のR形状の測定ロジックを示す図である。等辺等厚山形鋼の山部330のR形状の測定では、断面プロフィール300に対して基準線BL3を引く。次に、辺310の辺外面312に沿って延びた直線L48を引く。次に、基準線BL3に対して垂直であって、辺320の辺外面322に沿って延び、直線L48と交わる直線である垂線L49を引く。次に、垂線L49が辺外面322と最も辺310側で接する点を接点P47とする。次に、直線L48と垂線L49とが交わる点を交点P48とする。次に、直線L48が辺外面312と最も辺320側で接する点を接点P49とする。次に、基準線BL3と直交する方向(等辺等厚山形鋼の幅方向)で、接点P47と交点P48との間の距離D11を算出し、基準線BL3の延びる方向(等辺等厚山形鋼の高さ方向)で、交点P48と接点P49との間の距離D12を算出する。そして、算出した距離D11と距離D12とから、山部330のR形状を算出する。これにより、実施形態に係る等辺等厚山形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の等辺等厚山形鋼の姿勢によらず、より精度の高い等辺等厚山形鋼の山部330のR形状の測定結果を得ることができる。なお、等辺等厚山形鋼の山部330RのR形状は、製品仕様において定義される。例えば、距離D11と距離D12とがわかれば、山部330の形状の概略がわかることから、距離D11と距離12との2つの値を以って「R形状」の指標、とすることができる。
【0091】
図22は、等辺等厚山形鋼の直角度の測定ロジックを示す図である。等辺等厚山形鋼の直角度の測定では、断面プロフィール300に対して基準線BL3を引く。次に、基準線BL3に対して垂直であって、山部330から所定の距離の範囲を除いた辺外面322の部分とただ1点の接点P51で接する直線L50を引く。接点P51は、山部330近傍の非直線部の影響を受けない程度に山部330から離れていることが好ましく、その位置は製品仕様や規格に従って設定することができる。次に、辺足先部323の先端点P50から所定距離s13だけ辺320の内側に入った辺外面322上の点を点P52とする。また、所定距離s13としては、上記の辺足先部323から所定距離s13だけ離れた箇所が、辺足先部323の非直線部を十分に除外できる値に設定することが好ましく、例えば、辺足先部323の曲面形状の起点とすることができる。そして、基準線BL3の延びる方向で、直線L50と点P52との間の距離c3を算出し、算出した距離c3から直角度を判断する。これにより、実施形態に係る等辺等厚山形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の等辺等厚山形鋼の姿勢によらず、より精度の高い等辺等厚山形鋼の直角度の測定結果を得ることができる。
【0092】
図23は、等辺等厚山形鋼の辺反りの測定ロジックを示す図である。等辺等厚山形鋼の辺反りの測定では、断面プロフィール300に対して基準線BL3を引く。次に、辺足先部313の先端点P53から所定距離s14だけ辺310の高さ方向(基準線BL3の延びる方向)で内側の位置で、基準線BL3に垂直な直線である垂線L52を引く。所定距離s14としては、上記の辺足先部313から所定距離s14だけ離れた箇所が、辺足先部313の非直線部を十分に除外できる値に設定することが好ましい。次に、垂線L52と辺外面312とが交わる点を交点P54とする。次に、基準線BL3から所定距離s15だけ辺320の幅方向(基準線BLと直交する方向)で内側の位置で、基準線BL3と平行な直線L53を引く。所定距離s15としては、山部330から所定距離s15だけ離れた箇所が、山部330の非直線部を十分に除外できる値に設定することが好ましい。一方、所定距離s15を大きく取り過ぎた場合、辺320の反りの影響を受けてしまう。そのため、所定距離s15としては、20[mm]以下の範囲に設定することが好ましい。次に、直線L53と辺外面322とが交わる点を交点P55とする。次に、交点P55から所定距離s16だけ辺310の高さ方向(基準線BL3の延びる方向)で内側の位置で、基準線BL3に垂直な直線である垂線L54を引く。所定距離s16としては、山部330から所定距離s16だけ離れた箇所が、山部330の非直線部を十分に除外できる値に設定することが好ましい。次に、垂線L54と辺外面312とが交わる点を交点P56とする。次に、基準線BL3の延びる方向(等辺等厚山形鋼の高さ方向)で、交点P54と交点P56とを結ぶ直線L55を引く。次に、直線L55と垂直であって、直線L55を4等分する複数の垂線L56,L57,L58を引く。そして、各垂線L56,L57,L58上において、直線L55と辺外面312との間の距離Wa11,Wa12,Wa13を算出し、算出した各距離Wa11,Wa12,Wa13の最大値を辺反りとする。これにより、実施形態に係る等辺等厚山形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の等辺等厚山形鋼の姿勢によらず、より精度の高い等辺等厚山形鋼の辺反りの測定結果を得ることができる。
【0093】
図24は、球平形鋼の断面プロフィール400の一例を示した図である。なお、図24に示した断面プロフィール400は、球平形鋼を搬送方向で下流側から見た断面に相当する。図24中、符号410は球部、符号411は球部側面、符号412は球部上面、符号420はウェブ部、符号421はウェブ下面(ウェブ内面)、符号422はウェブ上面(ウェブ外面)、符号423はウェブ足先部、及び、符号430は山部である。
【0094】
本実施形態において、球平形鋼の断面プロフィール400を用いて寸法測定を行うにあたり、まず、X軸とY軸を備える2次元座標平面上における断面プロフィール400の座標(座標位置)を決定する。例えば、X軸とY軸との2次元座標表面上における断面プロフィール400の座標を決める。
【0095】
図25は、球平形鋼の断面プロフィール400において基準線BL4の設定方法の一例を示した図である。この基準線BL4は、不等辺不等厚山形鋼における第2の基準線BL2に相当する基準線であり、本願発明でいう第2の基準線となる。
【0096】
実施形態に係る球平形鋼の形状測定方法においては、断面プロフィール400に対して、図25中のX軸方向でウェブ足先部423の先端点P61から所定距離s21の範囲(図25中のX軸方向でウェブ足先部423の先端点P61と直線L61との間の範囲)、及び、図25中のX軸方向で球部410の最端点P62(球部側面411)から所定距離s22の範囲(図25中のX軸方向で球部側面411と直線L62との間の範囲)を除いた、ウェブ下面421及びウェブ上面422のそれぞれの直線部分を近似した近似直線L63,L64を引く。所定距離s21としては、上記のウェブ足先部423から所定距離s21だけ離れた箇所が、ウェブ足先部423の非直線部を十分に除外できる値に設定することが好ましい。また、所定距離s22としては、上記の球部410の最端点P62(球部側面411)から所定距離s22だけ離れた箇所が、球部410近傍の非直線部を十分に除外できる値に設定することが好ましい。近似直線L63,L64を得るには、一般的な直線近似の手法を用いることができ、例えば、最小二乗法や最小絶対値法を採用することができるほか、直交回帰直線を用いることもできる。そして、近似直線L63と近似直線L64との間の中心を通る直線を基準線BL4として引く。なお、基準線BL4としては、不等辺不等厚山形鋼や等辺等厚山形鋼の場合と同様に、近似直線L63や近似直線L64を基準線BL4とすることもできる。この基準線BL4の延びる方向が、断面プロフィール400における球平形鋼の幅方向となり、基準線BL4は断面プロフィール400における寸法の方向を決める役割を有する。このように、実施形態に係る球平形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の球平形鋼の姿勢によらず、ウェブ部420を基準とした基準線BL4を設定することができる。
【0097】
この基準線BL4の設定にあたり、球平形鋼の断面プロフィールデータ中の、ウェブを構成する部分の多数のデータを用いているので、正確な基準線として設定できるのである。このように、実施形態に係る球平形鋼の形状測定方法においては、8つの測定センサ100A~100Hにより、光切断法によって取得した断面プロフィール400上に、球平形鋼の形状及び姿勢に基づいた、寸法測定の基準となる基準線BL4を設定することによって、寸法の測定精度を向上させることができる。
【0098】
図26は、球平形鋼のウェブ高さA21、ウェブ厚さt21、及び、球部高さhの測定ロジックを示す図である。球平形鋼のウェブ高さA21の測定では、断面プロフィール400に対して、基準線BL4を引き、基準線BL4に対して垂直であって、ウェブ足先部423の先端点P63を通る直線である垂線L65を引く。次に、基準線BL4と球部側面411とが交わる交点P64を通り、基準線BL4に対して垂直な直線である垂線L66を引く。そして、基準線BL4の延びる方向(球平形鋼の幅方向)で、垂線L65と垂線L66との間の距離をウェブ高さA21として算出する。これにより、実施形態に係る球平形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の球平形鋼の姿勢によらず、より精度の高い球平形鋼のウェブ高さA21の測定結果を得ることができる。
【0099】
また、球平形鋼のウェブ厚さt21の測定では、垂線L66からウェブ高さA21の公称値AHの半分の距離(AH/2)だけ、ウェブ部420のウェブ高さ方向(基準線BL4が延びる方向)で内側の位置で、基準線BL4に対して垂直な直線である垂線L67を引く。そして、垂線L67上において、ウェブ下面421とウェブ上面422との間の距離をウェブ厚さt21として算出する。これにより、実施形態に係る球平形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の球平形鋼の姿勢によらず、より精度の高い球平形鋼のウェブ厚さt21の測定結果を得ることができる。
【0100】
また、球平形鋼の球部高さhの測定では、基準線BL4と球部側面411とが交わる交点P64から所定距離s23だけ、基準線BL4が延びる方向で球部410の内側の位置に、基準線BL4に対して垂直な直線である垂線L68を引く。所定距離s23としては、上記の交点P64から所定距離s23だけ離れた箇所が、山部430の影響を十分に除外できる距離として所定距離s23は、例えば、10~25[mm]とすることが好ましい。次に、垂線L68とウェブ下面421とが交わる点を交点P65とする。次に、交点P65を通り、基準線BL4と平行な直線L69を引く。次に、最高点P66を通り、基準線BL4と平行な直線L70を引く。そして、基準線BL4と直交する方向(球平形鋼の高さ方向)で、直線L69と直線L70との間の距離を球部高さhとして算出する。これにより、実施形態に係る球平形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の球平形鋼の姿勢によらず、より精度の高い球平形鋼の球部高さhの測定結果を得ることができる。
【0101】
図27は、球平形鋼のウェブ足先部423のR形状の測定ロジックを示す図である。球平形鋼のウェブ足先部423のR形状の測定では、断面プロフィール400に対して前述と同様の手順により基準線BL4を引く。次に、ウェブ部420のウェブ下面421に沿って延びた直線L71を引く。次に、基準線BL4に対して垂直であって、基準線BL4とウェブ足先部423の先端点P67を通り、且つ、直線L71と交わる直線L72を引く。次に、直線L71と直線L72とが交わる点を交点P68とする。次に、直線L71がウェブ下面421と最もウェブ足先部423側で接する点を接点P69とする。次に、基準線BL4と直交する方向(球平形鋼の高さ幅方向)で、先端点P67と交点P68との間の距離D21を算出し、基準線BL4の延びる方向(球平形鋼の幅方向)で、交点P68と接点P69との間の距離D22を算出する。そして、算出した距離D21と距離D22とから、ウェブ足先部423のR形状を算出する。これにより、実施形態に係る球平形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の球平形鋼の姿勢によらず、より精度の高い球平形鋼のウェブ足先部423のR形状の測定結果を得ることができる。なお、球山形鋼のウェブ足先部423のR形状は、製品仕様において定義される。例えば、距離D21と距離D22とがわかれば、ウェブ足先部423の先端形状の少なくとも概略がわかることから、距離D21と距離D22との2つの値を以って「R形状」の指標、とすることができる。
【0102】
図28は、球平形鋼の山部430のR形状の測定ロジックを示す図である。球平形鋼の山部430のR形状の測定では、断面プロフィール400に対して基準線BL4を引く。次に、ウェブ部420のウェブ下面421に沿って延びた直線L73を引く。次に、基準線BL4に対して垂直であって、球部410の球部側面411に沿って延び、直線L73と交わる直線である垂線L74を引く。次に、直線L73がウェブ下面421と最も球部410側で接する点を接点P70とする。次に、直線L73と垂線L74とが交わる点を交点P71とする。次に、基準線BL4の延びる方向(球平形鋼の幅方向)で、接点P70と交点P71との間の距離D23を算出し、基準線BL4と直交する方向(球平形鋼の高さ方向)で、交点P71と基準線BL4との間の距離D24を算出する。そして、算出した距離D23と距離D24とから、山部430のR形状を算出する。これにより、実施形態に係る球平形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の球平形鋼の姿勢によらず、より精度の高い球平形鋼の山部430のR形状の測定結果を得ることができる。なお、球平形鋼の山部430のR形状は、製品仕様において定義される。例えば、距離D23と距離D24とがわかれば、山部430の形状の概略がわかることから、距離D23と距離D24との2つの値を以って「R形状」の指標、とすることができる。
【0103】
図29は、球平形鋼の直角度の測定ロジックを示す図である。球平形鋼の直角度の測定では、断面プロフィール400に対して、球部側面411の直線となる部分に沿う基準の垂線L75を引く。なお、基準の垂線L75は、図7に示した近似直線L4と同様の方法で引くことができる。次に、基準の垂線L75に対して垂直であって、ウェブ下面421上で最も下方となる点P72を通過する直線L76を引く。次に、基準の垂線L75に平行であって所定距離s27だけウェブ部420へ向かった直線を直線L77とする。所定距離s27としては、上記の山部430から所定距離s27だけ離れた箇所が、山部430の影響を十分に除外できる値に設定することが好ましい。そして、直線L77とウェブ下面421とが交わる点を点P73とする。次に、ウェブ足先部423の先端点P74を通り、垂線L75に平行な直線L78を引く。そして、直線L78に平行であって所定距離s24だけウェブ部420の内側に入った直線を直線L79とする。所定距離s24としては、上記のウェブ足先部423から所定距離s24だけ離れた箇所が、ウェブ足先部423の影響を十分に除外できる値に設定することが好ましい。そして、直線L79とウェブ下面421とが交わる点を点P75とする。点P73から直線L76までの距離を距離c5、点P75から直線L76までの距離を距離c4として、距離c5と距離c4とのうちの絶対値の大きいほうの値で直角度を判断する。これにより、実施形態に係る球平形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の球平形鋼の姿勢によらず、より精度の高い球平形鋼の直角度の測定結果を得ることができる。
【0104】
図30は、球平形鋼のウェブ反りの測定ロジックを示す図である。球平形鋼のウェブ反りの測定では、断面プロフィール400に対して基準線BL4を引く。次に、ウェブ足先部423の先端点P76から所定距離s25だけウェブ部420の高さ方向(基準線BL4の延びる方向)で内側の任意の位置に、基準線BL4に垂直な直線である垂線L80を引く。所定距離s25としては、上記のウェブ足先部423の先端点P76から所定距離s25だけ離れた箇所が、ウェブ足先部423の非直線部を十分に除外できる値に設定することが好ましい。次に、垂線L80とウェブ下面421とが交わる点を交点P77とする。次に、基準線BL4と球部側面411とが交わる交点P78から所定距離s26だけウェブ部420の高さ方向(基準線BL34の延びる方向)で内側の任意の位置に、基準線BL4に対して垂直な直線である垂線L81を引く。所定距離s26としては、上記の交点P78から所定距離s26だけ離れた箇所が、山部430近傍の非定常部や非直線部を十分に除外できる値に設定することが好ましい。次に、垂線L81とウェブ下面421とが交わる点を交点P79とする。次に、基準線BL4の延びる方向(球平形鋼の幅方向)で、交点P77と交点P79とを結ぶ直線L82を引く。次に、直線L82と垂直であって、直線L82を4等分する複数の垂線L83,L84,L85を引く。そして、各垂線L83,L84,L85上において、直線L82とウェブ下面421との間の距離Wa21,Wa22,Wa23を算出し、算出した各距離Wa21,Wa22,Wa23の最大値をウェブ反りとする。これにより、実施形態に係る球平形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の球平形鋼の姿勢によらず、より精度の高い球平形鋼のウェブ反りの測定結果を得ることができる。
【実施例0105】
本実施例では、不等辺不等厚山形鋼のサンプル試験片の各寸法(ウェブ高さ、フランジ幅、ウェブ厚さ、フランジ厚さ、直角度、ウェブ反り)を、実施形態に係る形鋼2(不等辺不等厚山形鋼)の形状測定方法を用いた形状測定装置1によって測定した。なお、本実施形態では、オンラインで形鋼搬送装置3によって搬送されている搬送中のサンプル試験片の測定を5回繰り返して行った。このとき、形状測定装置1の入口側と出口側のそれぞれについて、入口側可変ガイド32a,32bと、出口側可変ガイド33a,33bとによって、測定中の不等辺不等厚山形鋼の搬送時の左右位置を決め、斜行を防止するガイドを行った。また、比較のために、本実施形態での測定を行った不等辺不等厚山形鋼の測定部位から断面形状を確認できるカットサンプルを切り出した。そして、従来から行っている、ノギス、マイクロメータ、直定規、及び、隙見ゲージを用いた手動の測定方法でも各寸法を測定した。この手動測定も5回繰り返して行い、5回手動測定した寸法の平均値を本実施例での寸法精度を評価するための「真値」とした。
【0106】
図31は、サンプル試験片の各寸法について、実施形態に係る形状測定装置1によって測定された寸法と、5回手動測定した寸法の平均値との差(寸法差)をプロットした図である。図31では、第1の基準線BL1を図7に示した方法で決定し、第2の基準線BL2を図8に示した方法で決定し、寸法を演算した場合を適合例1として、白塗りの丸の記号で示している。また、特許文献2及び特許文献3に開示された方法を模倣して、フランジ外面212上の代表2点から第1の基準線BL1を決定し、ウェブ外面222上の代表2点から第2の基準線BL2を決定し、寸法を演算した場合を適合例2として、白塗りの三角形の記号で示している。また、図31中の「3σ」は、適合例1について、5回繰り返した寸法測定のばらつきの標準偏差をσとしたときのσの3倍の値であって、ばらつきの程度を示している。
【0107】
本実施例では、ウェブ高さとフランジ幅は寸法差-1.0~+1.0[mm]以内、その他の寸法は寸法差-0.5~+0.5[mm]以内を目標としている。図31から、サンプル試験片の各寸法のいずれにおいても、実施形態に係る形状測定装置1によって、サンプル試験片の各寸法を繰り返し精度よく測定できていることがわかる。特に、第1の基準線BL1を図7に示した方法で決定し、第2の基準線BL2を図8に示した方法で決定し、寸法を演算した適合例1で非常に良い測定精度となっている。
【符号の説明】
【0108】
1 形状測定装置
2 形鋼
3 形鋼搬送装置
4 レーザードップラー式速度計
5 リトラクト装置
6 サンプル測定用装置
10 製造設備
31 搬送ローラ
32a,32b 入口側可変ガイド
33a,33b 出口側可変ガイド
100 測定センサ
110 入力装置
120 制御装置
130 演算処理装置
140 表示装置
160 チルト装置
200 断面プロフィール
210 フランジ部
211 フランジ内面
212 フランジ外面
213 フランジ足先部
220 ウェブ部
221 ウェブ内面
222 ウェブ外面
223 ウェブ足先部
230 山部
300 断面プロフィール
310 辺
311 辺内面
312 辺外面
313 辺足先部
320 辺
321 辺内面
322 辺外面
323 辺足先部
330 山部
400 断面プロフィール
410 球部
411 球部側面
412 球部上面
420 ウェブ部
421 ウェブ下面
422 ウェブ上面
423 ウェブ足先部
430 山部
図1
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