(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002288
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】遠隔伝送システム、監視局および回線監視方法
(51)【国際特許分類】
G08B 29/12 20060101AFI20231228BHJP
G08B 25/08 20060101ALI20231228BHJP
G08B 21/10 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
G08B29/12
G08B25/08 A
G08B21/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101391
(22)【出願日】2022-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】淵上 寛文
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
5C086AA11
5C086BA30
5C086CA28
5C086DA14
5C086FA02
5C086FA06
5C086FA17
5C086FA18
5C087AA02
5C087AA09
5C087AA10
5C087AA19
5C087AA32
5C087AA37
5C087AA46
5C087BB20
5C087CC23
5C087DD02
5C087DD08
5C087DD49
5C087EE07
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF16
5C087GG08
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG84
(57)【要約】 (修正有)
【課題】親局と複数の子局との間の無線回線の状態を事前に知ることが可能な、遠隔伝送システム、監視局および回線監視方法を提供する。
【解決手段】親局(監視局1)と複数の子局(観測局TM)が無線回線により接続され、親局と複数の子局間で所定の周期でデータ伝送を行う遠隔伝送システムにおいて、子局は、所定の周期のうち、親局と子局との間で送信または受信される監視制御データの送信または受信する期間以外の空き時間に、少なくとも画像データを含み、符号化された予防保全データを送信する送信部を備える。親局は、子局から予防保全データを受信する受信部と、受信した予防保全データが正常に復号されたかどうかにより親局と子局との間の無線回線の状態を判定する状態判定部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
親局と複数の子局が無線回線により接続され、親局と複数の子局間で所定の周期でデータ伝送を行う遠隔伝送システムにおいて、
前記子局は、
前記所定の周期のうち、前記親局と前記子局との間で送信または受信される監視制御データの送信または受信する期間以外の空き時間に、少なくとも画像データを含み、符号化された予防保全データを送信する送信部を備え、
前記親局は、
前記子局から前記予防保全データを受信する受信部と、
受信した前記予防保全データが正常に復号されたかどうかにより前記親局と前記子局との間の前記無線回線の状態を判定する状態判定部と、
を備える、遠隔伝送システム。
【請求項2】
前記遠隔伝送システムは、前記親局が監視局で、前記子局が観測局であるテレメータシステムであり、
前記親局と前記子局との間で送信または受信される監視制御データは、前記観測局から前記監視局に対して送信される前記観測局で観測された観測データであり、
前記監視局の受信部は、所定の周期のうちの観測局から送信された前記観測データを受信した後の空き時間で、少なくとも画像データを含む、符号化された予防保全データを受信する、
請求項1に記載の遠隔伝送システム。
【請求項3】
前記テレメータシステムは、前記監視局からの呼出信号に応答して、前記観測局が前記観測データを送信する呼出型のテレメータシステムであり、
前記観測局から送信される前記予防保全データは、
前記監視局から前記観測データを取得するために送信する観測呼出に応じて所定の時間で受信する、
請求項2に記載の遠隔伝送システム。
【請求項4】
前記テレメータシステムは、前記観測局が予め設定された所定の時刻に自律的に前記観測データを送信する自立型のテレメータシステムであり、
前記観測局から受信する前記予防保全データは、所定時間に自律的に受信する、
請求項2に記載の遠隔伝送システム。
【請求項5】
前記親局は、
正常画像および受信異常画像を記憶した記憶部と、
前記予防保全データを正常に復号できないと判定した場合、前記受信異常画像を取得し、前記予防保全データを正常に復号できたと判定した場合、正常画像を取得し、前記取得した画像と前記子局それぞれを識別する情報とを組み合わせた画像を各子局分だけ合成した合成画像を生成する画像合成部と、
前記合成画像を表示装置に表示させる表示制御部と、
をさらに備える、請求項1に記載の遠隔伝送システム。
【請求項6】
前記合成画像は、全ての前記子局からの前記予防保全データを受信した後生成される、請求項5に記載の遠隔伝送システム。
【請求項7】
前記合成画像は、前記子局から前記予防保全データを受信するごとに更新される、請求項5に記載の遠隔伝送システム。
【請求項8】
前記子局の前記送信部は、取得した前記子局の周囲の画像、音声等を符号化して予防保全データとともに送信し、
前記親局の前記受信部は、
前記子局から送信された前記予防保全データに加えて、画像データ、および音声データを含む運用補助データを受信し、
前記親局の前記状態判定部は、前記運用補助データが正常に復号されたかどうかを判定し、
前記運用補助データが正常に復号されたと判定した場合、前記予防保全データが正常に復号されたかどうかに基づいて前記無線回線の状態を判定する、
請求項1に記載の遠隔伝送システム。
【請求項9】
前記状態判定部は、前記予防保全データが正常に復号されていないと判定した場合、前記音声データが正常に復号されたかどうかに基づいて前記無線回線の状態を判定する、
請求項8に記載の遠隔伝送システム。
【請求項10】
前記状態判定部は、前記音声データが正常に復号されていないと判定した場合、前記画像データが正常に復号されたかどうかに基づいて前記無線回線の状態を判定する、
請求項9に記載の遠隔伝送システム。
【請求項11】
前記親局は、
正常画像、受信異常画像、および音声画像を記憶した記憶部と、
前記運用補助データが正常に復号されていないと判定された場合、または前記画像データが正常に復号されていないと判定された場合、前記受信異常画像を取得し、前記予防保全データが正常に復号されたと判定した場合、前記正常画像を取得し、前記音声データが正常に復号されたと判定した場合、前記音声画像を取得し、前記画像データが正常に復号されたと判定した場合、前記画像データを取得し、取得した画像と前記子局それぞれを識別する情報とを組み合わせた画像を各観測局分だけ合成した合成画像を生成する画像合成部と、
前記合成画像を表示装置に表示させる表示制御部と、
をさらに備える、
請求項8に記載の遠隔伝送システム。
【請求項12】
前記記憶部は、前記合成画像を記憶し、
前記合成画像に基づいて前記子局と前記親局との間の前記無線回線の状況を解析する解析制御部と、
をさらに備える、請求項11に記載の遠隔伝送システム。
【請求項13】
前記親局は、
前記子局に対して予防保全データを送信する送信部をさらに備え、
前記子局の前記受信部は、受信した前記予防保全データを、前記親局に対して返信する、
請求項1に記載の遠隔伝送システム。
【請求項14】
前記遠隔伝送システムは、前記親局が監視局で、前記子局が警報局である放流警報システムであって、
前記親局と前記子局との間で送信または受信される前記監視制御データは、前記親局から前記子局に対して送信される回線点検信号であり、
前記監視局は、
前記回線点検信号を前記警報局に対して送信する送信部と、
前記回線点検信号を送信した後に前記予防保全データを受信する受信部と、
を備える、請求項1に記載の遠隔伝送システム。
【請求項15】
前記回線点検信号は、前記予防保全データを送信する期間を示す設定情報を含み、前記設定情報によって示される期間は、前記警報局それぞれによって異なる、
請求項14に記載の遠隔伝送システム。
【請求項16】
テレメータシステムにおける、観測局と無線回線により接続された監視局であって、
所定の周期のうちの前記観測局から監視制御データを受信した後の空き時間で、少なくとも画像データを含み、符号化された予防保全データを、前記観測局から受信する受信部と、
受信した前記予防保全データが正常に復号されたかどうかにより前記観測局と前記監視局との間の前記無線回線の状態を判定する状態判定部と、
を備える、監視局。
【請求項17】
放流警報システムにおける、警報局と無線回線により接続された監視局であって、
警報局に対して回線点検信号を送信する送信部と、
前記警報局に前記回線点検信号を送信した後の空き時間で、少なくとも画像データを含み、符号化された予防保全データを、前記警報局から受信する受信部と、
受信した前記予防保全データが正常に復号されたかどうかにより前記警報局と前記監視局との間の前記無線回線の状態を判定する状態判定部と、
を備える、監視局。
【請求項18】
テレメータシステムにおける回線監視方法であって、
監視局の受信部で、所定の周期のうちの前記監視局と無線回線により接続された観測局から監視制御データを受信した後の空き時間で、少なくとも画像データを含み、符号化された予防保全データを、前記観測局から受信することと、
前記監視局の状態判定部で、前記予防保全データが正常に復号されたかどうかにより前記観測局と前記監視局との間の前記無線回線の状態を判定することと、
を備える、回線監視方法。
【請求項19】
放流警報システムの回線監視方法であって、
監視局の送信部で、回線点検信号を送信することと、
前記監視局の受信部で、前記監視局と無線回線により接続された警報局に前記回線点検信号を送信した後の空き時間で、少なくとも画像データを含み、符号化された予防保全データを受信することと、
前記監視局の状態判定部で、前記予防保全データの状態を判定することによって前記警報局と前記監視局との間の前記無線回線の状態を判定することと、
を備える、回線監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、遠隔伝送システム、監視局および回線監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
遠隔伝送システムの一例として、テレメータシステムがある。例えば、テレメータ観測システムにおいて、監視局(親局)は、観測局(子局)を一括呼出制御することにより、例えば、水位、雨量、気象観測データ等を含む各種データの収集および印字を行う。観測局は、取得した各種データを監視局からの呼出制御により自動的に返送する。また、監視局は、所定の間隔で実行される呼出または手動呼出により各種データの収集を行う。
【0003】
また、遠隔伝送システムの別の例として、ダム等から放流を行う際に下流に警報を行うための放流警報システムがある。
【0004】
テレメータシステムも放流警報システムも、災害発生時には重要なシステムであるため、災害の発生していない平時から、無線回線品質の点検が重要になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10-022945号公報
【特許文献2】特開2017-091064号公報
【特許文献3】特開平5-064270号公報
【特許文献4】特開2012-190171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、無線回線の伝送欠陥は、定期的な実動作確認で行ってきた。実動作確認では、欠測して初めて無線回線に問題があると分かるため、事後確認になってしまうという問題がある。すなわち、従来の方法では、事前に無線回線の状態を知り得ることが困難であるという問題がある。
【0007】
この発明の課題は、上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、無線回線データが欠測する前に無線回線の状態を確認し、且つ無線回線の状態が異常であるかどうかを監視局のモニタで確認することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る親局と複数の子局が無線回線により接続され、親局と複数の子局間で所定の周期でデータ伝送を行う遠隔伝送システムにおいて、前記子局は、前記所定の周期のうち、前記親局と前記子局との間で送信または受信される監視制御データの送信または受信する期間以外の空き時間に、少なくとも画像データを含み、符号化された予防保全データを送信する送信部を備え、前記親局は、前記子局から前記予防保全データを受信する受信部と、受信した前記予防保全データが正常に復号されたかどうかにより前記親局と前記子局との間の前記無線回線の状態を判定する状態判定部と、を備えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1の実施形態におけるテレメータ観測システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態における監視局の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態における観測局の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、予防保全データの一例を示した図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態における観測データおよび予防保全データ伝送手順の一例を示した図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態における予防保全データの復号表示手順の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、第1の実施形態における表示装置に表示される合成画像の一例を示した図である。
【
図8】
図8は、第2の実施形態における監視局の機能ブロック図の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、第2の実施形態における観測局の機能ブロック図の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、第2の実施形態における運用補助データ伝送手順の一例を示したフローチャートである。
【
図11】
図11は、運用補助データ生成手順のイメージを示した図である。
【
図12】
図12は、第2の実施形態における運用補助データの復号手順の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、第2の実施形態における表示装置に表示される合成画像の一例を示した図である。
【
図14】
図14は、合成画像の解析手順のイメージを示した図である。
【
図15】
図15は、第3の実施形態における監視局の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図16】
図16は、第3の実施形態における観測局の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図17】
図17は、第3の実施形態における観測データおよび予防保全データ伝送手順の一例を示した図である。
【
図18】
図18は、第3の実施形態における放流警報システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図19】
図19は、第3の実施形態における監視局の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図20】
図20は、第3の実施形態における警報局の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図21】
図21は、第4の実施形態における回線点検信号および予防保全データ伝送手順の一例を示した図である。
【
図22】
図22は、無線回線のS/N比と復号エラー数の関係および予防保全データ送信時間と復号エラー数の関係を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら遠隔伝送システム、監視局および回線監視方法について詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。例えば、複数の同一または類似の要素が存在する場合に、各要素を区別せずに説明するために共通の符号を用いることがあるし、各要素を区別して説明するために当該共通の符号に加えて枝番号を用いることもある。
【0011】
テレメータシステムは、親局である監視局から呼出信号に応答して、子局である観測局が観測/計測結果を返送する旧型のテレメータシステム(以下、区別するため「テレメータシステム(呼出型)」という)と、子局である観測局に計時機能を有し、観測局が設定時間になると自律的に観測/計測データを返送するテレメータシステム(以下、区別するため「テレメータシステム(自立型)」という)とがある。テレメータシステム(呼出型)は、例えば、国土交通省標準仕様(国電通仕第21号)に準じたシステム構成になっており、テレメータシステム(呼出型)は、例えば、国土交通省標準仕様(国電通仕第54号)に準じたシステム構成になっている。
また、放流警報システムは、例えば、国土交通省標準仕様(国電通仕第27号)に準じたシステム構成になっている。
【0012】
[第1の実施形態]
第1の実施形態として、テレメータシステム(呼出型)に適用した実施形態を説明する。
【0013】
(構成)
図1は、第1の実施形態におけるテレメータシステム(呼出型)の概略構成の一例を示すブロック図である。
テレメータシステム(呼出型)は、親局としての監視局1と、子局としての第1の観測局TM1と、第2の観測局TM2と、第3の観測局TM3と、を備える。ここで、第1の観測局TM1、第2の観測局TM2、第3の観測局TM3を区別する必要がない場合、単に観測局TMと記載する。
【0014】
テレメータシステム(呼出型)の各装置は、例えば、河川情報システムまたはダム管理システムにおいて、河川またはダム上流の雨量、水位等を観測するために設けられる。
【0015】
監視局1は、河川を管理する市区町村の行政庁舎またはダムを管理するダム管理事務所の所定の場所に配置される。例えば、監視局1は、所定の間隔(国電通仕第21号に準拠する場合、10分、15分、30分、または1時間間隔)ごとに、呼出を各データ子局22に送信し、データ子局22が順次応答することにより、監視制御データである観測データを収集する。
【0016】
監視局1と第1の観測局TM1、第2の観測局TM2、および第3の観測局TM3とは、例えば、70MHz帯/400MHz帯/450MHz帯の無線回線を介して、半二重に信号およびデータを送受信することが可能である。ここで、監視局1と第1の観測局TM1、第2の観測局TM2、または第3の観測局TM3は、図示しない中継局を介してデータの送受信が可能であってもよい。また、監視局1と各観測局TMとは、有線で接続されていても良い。
【0017】
監視局1は、監視装置11、データ親局12、無線装置13、アンテナ131、プリンタ14a、操作部14b、表示装置15a等を備える。監視局1の内部構成は、
図2を用いて、後で説明する。
【0018】
第1の観測局TM1は、水位や雨量を計測する子局である。第1の観測局TM1は、観測装置21aと、データ子局22aと、無線装置23aと、水位計24aと、雨量計24bと、を備える。観測装置21a、データ子局22a、無線装置23aについては、
図3を用いて後で、説明する。
【0019】
ここで、水位計24aは、観測データとして河川または湖沼の推移データを取得する。雨量計24bは、観測データとして雨量データを取得する。例えば、水位計24aおよび雨量計24bは、観測装置21aの求めに応じて取得した観測データを出力する。
【0020】
第2の観測局TM2は、気象観測設備を有する子局である。第2の観測局TM2は、観測装置21bと、データ子局22bと、無線装置23bと、気象観測設備24cと、を備える。
【0021】
気象観測設備24cは、観測データとして気温、湿度、気圧等を含む気象データを取得する。例えば、気象観測設備24cは、観測装置21aの求めに応じて取得した観測データを出力する。
【0022】
第3の観測局TM3は、気象観測設備を有する子局である。第3の観測局TM3は、観測装置21cと、データ子局22cと、気象観測設備24dと、無線装置23cと、を備える。
なお、観測局TMは、有線で監視局1と接続されていても良い。例えば、第3の観測局TM3が有線で監視局1と接続されてもよい。この場合、無線装置23cおよびアンテナ231cは、なくてよく、観測装置21cは、監視装置11から呼出を受信する。そして、観測装置21cは、気象観測設備24dで取得された観測データを監視局1に送信する。
【0023】
さらに、データ子局22cは、データ親局12から呼出を受信する。そして、データ子局22cは、予防保全データを取得し、取得した予防保全データをデータ親局12に送信する。
【0024】
観測局TMが送信する観測データは、無線回線を介して監視局1に送信される。例えば、無線回線の状態が悪化すると、観測データは、監視局1に正しく送信することができなくなり、欠測してしまう。
【0025】
ここで、予防保全データは、デジタルデータである一方、観測データは、アナログデータとして送信される。一般に、デジタルデータの方がアナログデータと比較して無線回線の状態に大きく左右される。すなわち、無線回線の状態によっては、アナログデータは正しく受信することができる一方、デジタルデータはエラーが発生し、正しく受信できない場合がある。
【0026】
そこで、本実施形態において、監視局1によって予防保全データを正常に復号できるかどうかを判定することで、監視局1が無線回線の状態を観測データが欠測する前に知ることを可能にする。
【0027】
次に、監視局1の構成について、説明する。
【0028】
図2は、第1の実施形態における監視局1の機能ブロックの一例を示す図である。
【0029】
まず、無線装置13は、監視装置11からの各種呼出を、アンテナ131を通じて無線回線に送信する。なお、観測局TMが有線で接続されている場合、無線装置13およびアンテナ131は、監視局1が備えていなくとも良い。このことを示すため、
図1では無線装置13を点線で示している。
【0030】
監視装置11は、例えば、所定の時刻になると呼出を生成し、生成した呼出を無線装置13に出力する。或いは、有線で接続されている観測局TMに呼出を送信する。また、監視装置11は、無線装置13を介して、或いは有線で接続されている観測局TMから、呼出に応じた各種観測データを受信する。
【0031】
監視局1の監視装置11は、
図2に示すように、制御部111、プログラム記憶部112、データ記憶部113、通信インタフェース114、入出力インタフェース115を備えるコンピュータである。制御部111、プログラム記憶部112、データ記憶部113、通信インタフェース114、および入出力インタフェース115は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。また、入出力インタフェース115は、入出力装置14と通信可能に接続される。
【0032】
制御部111は、監視装置11を制御する制御部である。制御部111は、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサを備える。例えば、制御部111は、様々なプログラムを実行することが可能な集積回路であっても良い。
【0033】
また、制御部111は、観測呼出制御部1111および映像呼出制御部1112を備える。
【0034】
観測呼出制御部1111は、所定の間隔で呼出を生成し、生成した呼出を、通信インタフェース114を通じて無線装置13に出力する。そして、無線装置13は、受信した呼出を各観測局TMに送信する。
【0035】
映像呼出制御部1112は、管理者の指示または設定された時刻になると、映像呼出を生成し、生成した映像呼出を制御部121に出力する。
【0036】
プログラム記憶部112は、記憶媒体として、例えば、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリとを組み合わせて使用することができる。プログラム記憶部112は、各種処理を実行するために必要なプログラムを格納している。すなわち、制御部111は、プログラム記憶部112に格納されたプログラムを読み出して実行することにより各種制御および動作を実現し得る。
【0037】
データ記憶部113は、記憶媒体として、例えば、HDD、メモリカード等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリとを組み合わせて使用したストレージである。データ記憶部113は、制御部111がプログラムを実行して各種処理を行う過程で取得および生成されたデータを記憶するために用いられる。
【0038】
通信インタフェース114は、無線装置13およびデータ親局12との間で各種データの送受信を可能にするインタフェースである。
【0039】
入出力インタフェース115は、入出力装置14と接続される。入出力インタフェース115は、監視装置11と入出力装置14との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。また、入出力インタフェース115は、通信インタフェース114と一体であってもよい。
【0040】
入出力装置14は、
図1で示したプリンタ14a、操作部14b等を含む。
【0041】
プリンタ14aは、各種情報を紙媒体で出力するユーザインタフェースのうちの1つである。操作部14bは、管理者による各種操作または設定を受け付けるユーザインタフェースのうちの1つである。
【0042】
また、入出力装置14は、各種情報を入力するためのキーボードやポインティングデバイス等を含んで良い。また、入出力装置14は、USBメモリ等のメモリ媒体にデータを書込むまたは読み出すためのリーダライタを含んでも良い。さらに、入出力装置14は、管理者に各種データを表示するディスプレイ等を含んでも良い。
【0043】
データ親局12は、各種観測データを受信した後の空き時間で、無線装置13を介して、或いは有線で接続されている観測局TMから、呼出に対応した予防保全データを受信する。ここで、予防保全データは、後述する。
【0044】
データ親局12は、制御部121、プログラム記憶部122、データ記憶部123、通信インタフェース124、入出力インタフェース125を備えるコンピュータである。制御部121、プログラム記憶部122、データ記憶部123、通信インタフェース124、および入出力インタフェース125は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。また、入出力インタフェース125は、入出力装置15と通信可能に接続される。
【0045】
データ親局12の制御部121は、データ親局12を制御する制御部である。制御部121は、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサを備える。例えば、制御部121は、様々なプログラムを実行することが可能な集積回路であっても良い。
【0046】
また、制御部121は、受信部1211、復号制御部1212、復号状態判定部1213、画像合成部1214および表示制御部1215を備える。
【0047】
受信部1211は、観測局TMから送信された予防保全データを受信する。受信部1211は、受信した予防保全データを受信データ記憶部1231に記憶させてよい。
【0048】
復号制御部1212は、例えば、映像呼出制御部1112からの映像呼出の受信に応じて、受信データ記憶部1231に記憶された予防保全データを取得する。そして、復号制御部1212は、予防保全データを復号する。ここで、予防保全データは、例えば、ITC_H.264等の汎用画像圧縮規格を用いて符号化されている。そこで、復号制御部1212は、ITC_H.264等の汎用画像圧縮規格に準じた復号手法を用いて予防保全データを復号する。
【0049】
復号状態判定部1213は、復号された予防保全データが正常に復号されたかどうかを判定する。
【0050】
画像合成部1214は、後述するデータ記憶部123の画像データ記憶部1232に記憶された正常画像および受信異常画像と、観測局TMを識別する情報とを組み合わせた画像を各観測局TM分だけ合成した合成画像を生成する。
【0051】
表示制御部1215は、合成画像を入出力装置15に含まれる表示装置15aに表示させる。
【0052】
プログラム記憶部122は、記憶媒体として、例えば、EPROM、HDD、SSD等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリとを組み合わせて使用することができる。プログラム記憶部122は、各種処理を実行するために必要なプログラムを格納している。すなわち、制御部121は、プログラム記憶部122に格納されたプログラムを読み出して実行することにより各種制御および動作を実現し得る。
【0053】
データ記憶部123は、記憶媒体として、例えば、HDD、メモリカード等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて使用したストレージである。データ記憶部123は、制御部121がプログラムを実行して各種処理を行う過程で取得および生成されたデータを記憶するために用いられる。
【0054】
データ記憶部123は、受信データ記憶部1231および画像データ記憶部1232を備える。
【0055】
受信データ記憶部1231は、例えば、各観測局TMから送信された予防保全データを記憶するために用いられる。
【0056】
画像データ記憶部1232は、例えば、正常画像および受信異常画像等を記憶するために用いられる。例えば、正常画像および受信異常画像は、合成画像を生成する際に用いられる画像である。
【0057】
通信インタフェース124は、無線装置13および監視装置11との間で各種データの送受信を可能にするインタフェースである。
【0058】
入出力インタフェース125は、入出力装置15と接続される。入出力インタフェース125は、データ親局12と入出力装置15との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。また、入出力インタフェース125は、通信インタフェース124と一体であってもよい。
【0059】
入出力装置15は、
図1で示した表示装置15a等を含む。
【0060】
表示装置15aは、例えば、液晶パネルであり、各種情報を表示するとともに、管理者等によるタップ操作による各種操作および設定を受け付けるユーザインタフェースのうちの1つである。
【0061】
また、入出力装置15は、各種情報を入力するためのキーボードやポインティングデバイス等を含んで良い。また、入出力装置15は、USBメモリ等のメモリ媒体にデータを書込むまたは読み出すためのリーダライタを含んでも良い。
【0062】
ここで、
図1および
図2では、監視装置11とデータ親局12は、別個の装置である例を示しているが、1つの装置であってもよい。すなわち、監視装置11およびデータ親局12は、制御部、プログラム記憶部、データ記憶部、通信インタフェース、入出力インタフェースを1つずつ有していれば良い。また、入出力装置14および入出力装置15は、1つの入出力装置であってもよい。
【0063】
次に、観測局TMの構成について、説明する。
【0064】
図3は、第1の実施形態における観測局TMの機能ブロックの一例を示す図である。
【0065】
無線装置23aは、アンテナ231aを介して、観測装置21aまたはデータ子局22aから受信したデータを無線回線に送信する。なお、第1の観測局TM1が有線で接続されている場合、無線装置23aおよびアンテナ231aは、第1の観測局TM1が備えていなくともよい。このことを示すため、
図1では無線装置23aを点線で示している。
【0066】
観測設備24は、
図1で示した水位計24a、雨量計24b、気象観測設備24cの少なくとも1つを備える。
【0067】
観測装置21aは、無線装置23aを介して呼出を受信する。そして、観測装置21aは、観測設備24で取得された観測データを無線装置23aに出力する。
【0068】
図3に示すように、観測局TMの観測装置21は、制御部211、プログラム記憶部212、データ記憶部213、通信インタフェース214、入出力インタフェース215を備えるコンピュータである。制御部211、プログラム記憶部212、データ記憶部213、通信インタフェース214、および入出力インタフェース215は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。また、入出力インタフェース215は、観測設備24と通信可能に接続される。
【0069】
制御部211は、観測装置21を制御する。制御部211は、中央処理ユニット(CPU)等のハードウェアプロセッサを備える。例えば、制御部211は、様々なプログラムを実行することが可能な集積回路であっても良い。
【0070】
また、制御部211は、観測制御部2111および起動信号制御部2112を備える。
【0071】
観測制御部2111は、観測設備24によって観測された、監視制御データである観測データをデータ記憶部213に記憶させる。また、監視局1からの呼出を受信すると、データ記憶部213に記憶された観測データを取得し、取得した観測データを、通信インタフェース214を通じて、監視局1に送信する。
【0072】
起動信号制御部2112は、監視局からの呼出を受信した後、観測局TMごとに割当てられた所定の時間が経過すると、データ子局22に起動信号を出力する。
【0073】
プログラム記憶部212は、記憶媒体として、例えば、EPROM、HDD、SSD等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリとを組み合わせて使用することができる。プログラム記憶部212は、各種処理を実行するために必要なプログラムを格納している。すなわち、制御部211は、プログラム記憶部212に格納されたプログラムを読み出して実行することにより各種制御および動作を実現し得る。
【0074】
データ記憶部213は、観測設備24が観測した各種観測データを記憶するための記憶部である。データ記憶部213は、記憶媒体として、例えば、HDD、メモリカード等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて使用したストレージである。データ記憶部213は、制御部211がプログラムを実行して各種処理を行う過程で取得および生成されたデータを記憶するために用いられる。
【0075】
通信インタフェース214は、無線装置23および監視局1と有線で接続されたデータ子局22との間で各種データの送受信を可能にするインタフェースである。
【0076】
入出力インタフェース215は、観測設備24と接続され、観測装置21と観測設備24との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。また、入出力インタフェース215は、通信インタフェース214と一体であってもよい。
【0077】
データ子局22は、無線装置23を介して呼出を受信する装置である。データ子局22aは、予防保全データを取得し、取得した予防保全データを無線装置23に出力する。
【0078】
データ子局22は、制御部221、プログラム記憶部222、データ記憶部223、通信インタフェース224を備えるコンピュータである。制御部221、プログラム記憶部222、データ記憶部223、および通信インタフェース224は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
【0079】
制御部221は、データ子局22を制御する制御部である。制御部221は、中央処理ユニット(CPU)等のハードウェアプロセッサを備える。例えば、制御部221は、様々なプログラムを実行することが可能な集積回路であっても良い。
【0080】
また、制御部221は、送信部2211を備える。送信部2211は、起動信号制御部2112からの起動信号を受信すると、後述するデータ記憶部223に記憶された予防保全データを取得し、取得した予防保全データを、通信インタフェース224を通じて、監視局1に送信する。
【0081】
プログラム記憶部222は、各種処理を実行するために必要なプログラムを格納している。すなわち、制御部221は、プログラム記憶部222に格納されたプログラムを読み出して実行することにより各種制御および動作を実現し得る。プログラム記憶部222は、記憶媒体として、例えば、EPROM、HDD、SSD等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリとを組み合わせて使用することができる。
【0082】
データ記憶部223は、予防保全データ記憶部2231を備える。予防保全データ記憶部2231は、予防保全データを記憶するために用いられる。
【0083】
データ記憶部223は、記憶媒体として、例えば、HDD、メモリカード等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて使用したストレージである。データ記憶部223は、制御部221がプログラムを実行して各種処理を行う過程で取得および生成されたデータを記憶するために用いられる。
【0084】
図4は、予防保全データの一例を示した図である。
予防保全データは、例えば、ITC_H.264等の汎用画像圧縮伝送規格に準じたデータであり、スタートコード、ストリームID PES/PTS/STS/Stuffing、映像データを含むデータ群が備える。また、映像データは、デジタルデータであり、例えば、ITC_H.264等の汎用画像圧縮にて符号化された映像信号である。
【0085】
また、例えば、映像データは、10秒程度の単色を表示する画像データであってよい。そして、映像データは、符号化された状態で、12Kbit以下の伝送容量であって良い。例えば、映像データは、1200bps×10秒の伝送容量を有する。一方、符号化されていない場合、映像データは、例えば、36Kbit以下の伝送容量を有してもよい。例えば、符号化されていない映像データは、1200bps×30秒の伝送容量を有してもよい。
【0086】
また、予防保全データは、映像データを含むデータ群に加えて、スタートコードまたはストリームID PES/PTS/STS/Stuffing等の観測局TMを識別するための情報を含んでもよい。
【0087】
通信インタフェース224は、無線装置23および観測装置21との間で各種データの送受信を可能にするインタフェースである。
【0088】
ここで、
図1および
図3では、観測装置21とデータ子局22は、別個の装置である例を示しているが、1つの装置であってもよい。すなわち、観測装置21およびデータ子局22は、制御部、プログラム記憶部、データ記憶部、通信インタフェース、入出力インタフェースを1つずつ有していれば良い。
【0089】
(動作)
図5は、第1の実施形態における観測データおよび予防保全データ伝送手順の一例を示した図である。
図5に示すように、TM(テレメータ)データ期間は、所定の周期(
図5の例では10分周期)で繰り返される。TMデータ期間は、より詳細な観測が必要な場合(例えば、集中豪雨等で雨量が急増した場合等)は、状況に応じて間隔を短く例えば、通常時は10分間隔に対し、豪雨時は1分間隔に短縮)することができるようになっている。ここで、予防保全データ期間は、上記のTMデータ期間以外の観測データを送信していない空き時間(
図5の例では10分)の所定時間に設定される。
【0090】
図5に示すように、TMデータ期間になると、監視装置11の観測呼出制御部1111は、呼出を生成し、通信インタフェース114等を通じて、各観測局TMに呼出信号を送信する。観測装置21(
図5の例では、観測装置21a~観測装置21c)の観測制御部2111それぞれは、呼出に応じて、観測データ(例えば、水位データ、雨量、気象データ等)を監視装置11に送信する。観測データは、例えば、200bpsまたは1200bpsの伝送レートで送信されてよい。
【0091】
TMデータ期間が終了、すなわち、全ての観測局TMから観測データを受信した後、予防保全データ期間になる。
【0092】
予防保全データ期間において、観測装置21の起動信号制御部2112は、呼出を受信した後、観測局TMごとに割当てられた所定の時間が経過すると、起動信号を生成し、生成した起動信号をデータ子局22に出力する。起動信号を受信したデータ子局22(
図5の例では、データ子局22a~データ子局22c)の送信部2211は、予防保全データ記憶部2231に記憶された予防保全データを取得する。ここで、取得する予防保全データは、例えば、ITC_H.264等の汎用画像圧縮技術を用いて符号化されているものとする。そして、送信部2211は、取得した予防保全データをデータ親局12に送信する。予防保全データは、1200bpsの伝送レートで送信されてよい。
【0093】
図5で示すように、各データ子局22は、予め決められた順序および間隔で予防保全データを送信する。
【0094】
データ親局12の制御部121に設けられた受信部1211は、予防保全データを受信し、受信した予防保全データを受信データ記憶部1231に記憶させてよい。例えば、受信部1211は、予防保全データの受信する順番に応じて観測局TMを識別し、各観測局TMに対応付けて予防保全データを受信データ記憶部1231に記憶させる。或いは、予防保全データに含まれる識別情報に基づいて観測局TMを識別し、各観測局TMに対応付けて予防保全データを受信データ記憶部1231に記憶させてよい。
【0095】
図6は、第1の実施形態における予防保全データの復号表示手順の一例を示すフローチャートである。
データ親局12の制御部121がプログラム記憶部122に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。
【0096】
このフローチャートは、制御部111の映像呼出制御部1112から映像呼出を制御部121が受信することにより開始する。例えば、映像呼出制御部1112が映像呼出を生成し、制御部121に送信するタイミングは任意のタイミングで良く、例えば、全ての子局から予防保全データを受信した後であっても良い。
【0097】
ステップST101で、復号制御部1212は、受信データ記憶部1231に記憶された予防保全データを取得する。取得する予防保全データは、まだ復号していない最も番号の小さい観測局TMの予防保全データであって良い。
【0098】
例えば、映像呼出を受信した直後である場合、復号制御部1212は、第1の観測局TM1から受信した予防保全データを取得する。また、表示制御部1215から復号指示を受信した場合、当該復号指示に従って予防保全データを取得してよい。
【0099】
例えば、映像呼出指示を受信した後に復号指示を受信した場合、復号制御部1212は、第2の観測局TM2から受信した予防保全データを取得してよい。
【0100】
ステップST102で、復号制御部1212は、予防保全データを復号する。例えば、復号制御部1212は、予防保全データの符号化に使用されたITC_H.264等の汎用画像圧縮規格に準じた復号手法を用いて予防保全データを復号する。復号制御部1212は、復号した予防保全データを復号状態判定部1213に出力する。
【0101】
ステップST103で、復号状態判定部1213は、復号された予防保全データが復号エラーであるかどうかを判定する。例えば、無線回線の信号対ノイズ比(以下S/N比と表す)が高いと、予防保全データを正常に復号することができない。このような場合、処理はステップST104に進む。一方、無線回線のS/N比が低いと、予防保全データを正常に復号することができる。このような場合、処理は、ステップST105に進む。
【0102】
ステップST104で、画像合成部1214は、受信異常画像を取得する。予防保全データを正常に復号することができなかった場合、復号状態判定部1213は、予防保全データが正常に復号できなかったことを示す異常復号信号を画像合成部1214に出力する。
異常復号信号を受信した画像合成部1214は、画像データ記憶部1232に記憶された受信異常画像を取得する。
【0103】
ステップST105で、画像合成部1214は、正常画像を取得する。予防保全データを正常に復号できた場合、復号状態判定部1213は、予防保全データが正常に復号できたことを示す正常復号信号を画像合成部1214に出力する。正常復号信号を受信した画像合成部1214は、画像データ記憶部1232に記憶された正常画像を取得する。
【0104】
ステップST106で、画像合成部1214は、合成画像を生成する。画像合成部1214は、取得した画像(正常画像または受信異常画像)と当該画像に対応する観測局TMを識別する情報を組み合わせる。そして、画像合成部1214は、各観測局TMの組み合わされた画像を合成し、合成画像を生成する。画像合成部1214は、合成した合成画像を表示制御部1215に出力する。
【0105】
ステップST107で、表示制御部1215は、全ての観測局TMからの予防保全データを復号したかを判定する。例えば、合成画像にまだ合成されていない画像がある場合、表示制御部1215は、全ての観測局TMからの予防保全データを復号していないと判定する。そして、表示制御部1215は、復号指示を生成し、復号制御部1212に出力する。そして、処理は、ステップST101に戻る。
【0106】
一方、合成画像に全ての合成画像を有する場合、表示制御部1215は、合成画像が完成したと判定する。この場合、処理は、ステップST108に進む。
【0107】
ステップST108で、表示制御部1215は、合成画像を出力する。表示制御部1215は、入出力インタフェース125を通じて、入出力装置15の表示装置15aに合成画像を出力する。
【0108】
図7は、第1の実施形態における表示装置15aに表示される合成画像の一例を示した図である。
図7の例では、観測局TMが24個ある場合を示している。そして、
図7の例では、第1の観測局TM1~第7の観測局TM7、第9の観測局TM9~第16の観測局TM16、および第18の観測局TM18~第24の観測局TM24は、正常画像が表示される。一方、第8の観測局TM8および第17の観測局TM17は、受信異常画像が表示される(
図7の例では、斜線で示される)。
【0109】
このように、表示装置15aに映し出された合成画像を管理者が確認することにより、監視局1と観測局TMとの間の無線回線の状態を一目で確認することが可能となる。
【0110】
例えば、管理者は、何度も受信異常を表示する観測局TMに対して点検を行う際、無線回線の状態を確認し、観測データが欠測しないように保守することができる。
【0111】
また、
図6の例では、全ての観測局TMからの予防保全データを受信した後に監視装置11からの映像呼出を受信して合成画像を生成する例を示したが、データ親局12は、予防保全データを受信するたびに合成画像を更新するようにしても良い。すなわち、データ親局12が予防保全データを受信するたびに、ステップST102~ステップST106およびステップST108を実行し、合成画像を表示装置15aに出力してもよい。
【0112】
(第1の実施形態の作用効果)
以上説明した第1の実施形態によれば、デジタルデータである予防保全データの受信状態を確認することにより、無線回線の状態を確認することができる。これにより、観測データが欠測する前に無線回線の状態を知ることができる。
【0113】
[第2の実施形態]
(構成)
第1の実施形態では、既に符号化された予防保全データを監視局1に送信する例を説明したが、第2の実施形態では、観測局TMが取得した観測局TMの周囲の画像、音声等を符号化して予防保全データとともに送信する例を説明する。ここで、第2の実施形態におけるテレメータシステム(呼出型)は、
図1と同じである。
【0114】
図8は、第2の実施形態における監視局1の機能ブロック図の一例を示す図である。
第2の実施形態の監視局1は、データ親局12の制御部121が解析制御部1216を備え、データ記憶部123が表示データ記憶部1233を備える点で第1の実施形態と異なる。
【0115】
表示データ記憶部1233は、表示制御部1215が表示装置15aに表示した合成画像を記憶するために用いられる。
【0116】
解析制御部1216は、管理者の指示または所定の期間が経過した後、表示データ記憶部1233に記憶された合成画像を取得する。例えば、解析制御部1216は、取得した合成画像から所定の回数を超える受信異常画像を表示した観測局TMがないかを解析する。
【0117】
図9は、観測局TMの機能ブロック図の一例を示す図である。
第2の実施形態の観測局TMは、データ子局22が入出力インタフェース225を備え、入出力インタフェース225にカメラ25およびマイク26が接続される点で第1の実施形態と異なる。さらに制御部221が取得情報処理部2212および符号化部2213を備え、データ記憶部223が取得情報記憶部2232を備える点でも第1の実施形態と異なる。
【0118】
取得情報記憶部2232は、カメラ25が取得した画像データおよびマイク26が取得した音声データを記憶するために用いられる。
【0119】
カメラ25は、観測局TMが配置された場所における風景などを撮影し、画像データを取得する。ここで、画像データは、静止画であっても動画であってもよい。例えば、画像データは、解像度が1920×1080の静止画または動画であってよい。そして、画像データは、制御部111の制御の下、取得情報記憶部2232に記憶される。
【0120】
マイク26は、観測局TMが配置された場所の音声データを取得する。また、音声データは、制御部111の制御の下、取得情報記憶部2232に記憶される。
【0121】
取得情報処理部2212は、起動信号制御部2112からの起動信号を受信すると、取得情報記憶部2232に記憶された画像データおよび音声データを取得する。さらに取得情報処理部2212は、取得した画像データおよび音声データを例えば、1200bpsの低ビットレート伝送に適したサイズに変換する。
【0122】
符号化部2213は、画像データおよび音声データを符号化(圧縮)する。ここで、符号化手法は、例えば、1200bpsの低ビットレート伝送に適したサイズになるように符号化可能である一般的な手法を用いてよい。
【0123】
また、送信部2211は、予防保全データ記憶部2231に記憶された予防保全データを取得することに加えて、符号化された画像データおよび音声データを含む運用補助データを生成し、監視局1に送信する。すなわち、運用補助データは、第1の実施形態で説明した予防保全データの代わりに観測局TMが送信するデータである。
【0124】
(動作)
第2の実施形態において、観測データの伝送手順は
図5を参照して説明した手順と同じであるため、重複した説明を省略する。
【0125】
図10は、第2の実施形態における運用補助データ伝送手順の一例を示したフローチャートである。
データ子局22の制御部221がプログラム記憶部222に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。
【0126】
このフローチャートは、起動信号制御部2112からの起動信号をデータ子局22が受信することにより開始される。なお、起動信号制御部2112から起動信号が送信されるタイミングは、
図5を参照して説明したのと同じであってよい。
【0127】
ステップST201で、取得情報処理部2212は、画像データおよび音声データを取得する。制御部221が起動信号を受信すると、取得情報処理部2212は、取得情報記憶部2232に記憶された画像データおよび音声データを取得する。画像データは、取得情報記憶部2232に記憶された任意の時間の画像データであってよい。また、音声データも、取得情報記憶部2232に記憶された任意の時間の音声データであってよい。
【0128】
ステップST202で、取得情報処理部2212は、取得データに前処理を実行する。取得情報処理部2212は、前処理として、画像データをリサイズし、音声データの切り出しを実行する。画像データの解像度が1920×1080である場合、取得情報処理部2212は、例えば、1200bpsの低ビットレート伝送に適した解像度(例えば、解像度を160×128)にリサイズする。同様に、取得情報処理部2212は、音声データも低ビットレート伝送に適したサイズ(例えば、5秒間の音声データ)を切り出す。そして、取得情報処理部2212は、リサイズされた画像データおよび切り出された音声データを符号化部2213に出力する。
【0129】
ステップST203で、符号化部2213は、画像データおよび音声データを符号化する。符号化部2213は、リサイズされた画像データおよび切り出された音声データに対して符号化(圧縮)を実行する。符号化手法は、例えば、1200bpsの低ビットレート伝送に適したサイズになるように符号化可能である一般的な手法を用いてよい。そして、符号化部2213は、符号化された画像データおよび音声データを送信部2211に出力する。
【0130】
ステップST204で、運用補助データを生成する。送信部2211は、予防保全データ記憶部2231に記憶された予防保全データを取得する。そして、送信部2211は、符号化された画像データ、音声データ、および予防保全データを含む運用補助データを生成する。
【0131】
ステップST205で、送信部2211は、運用補助データをデータ親局12に送信する。送信部2211は、少なくとも通信インタフェース214を通じて、生成した運用補助データをデータ親局12に送信する。
【0132】
また、
図5で説明したのと同様に、各データ子局22は、予め決められた順序および間隔で運用補助データを送信する。
【0133】
データ親局12の制御部121に設けられた受信部1211は、運用補助データを受信し、受信した運用補助データを受信データ記憶部1231に記憶させてよい。例えば、受信部1211は、全てのデータ子局22から送信された運用補助データを受信データ記憶部1231に記憶させてよい。
【0134】
図11は、運用補助データ生成手順のイメージを示した図である。
図11に示すように、最初に、カメラ25が観測局TMの設置された任意の場所の風景等を撮影し、画像データを生成する。また、マイク26が観測局TMの周辺の音声を収集することにより音声データが生成される。なお、生成された画像データおよび音声データは、取得情報記憶部2232に記憶される。
【0135】
そして、取得情報処理部2212は、低ビットレート伝送に適したサイズになるように、画像データをリサイズし、音声データを切り分ける等の前処理を実行する。そして、符号化部2213は、前処理された画像データおよび音声データを符号化する。そして、送信部2211は、予防保全データ記憶部2231に記憶された予防保全データを取得し、符号化された画像データおよび音声データと、予防保全データとを含む運用補助データを生成する。そして、送信部2211は、生成された運用補助データを監視局1に送信する。
【0136】
ここで、
図10および
図11では、運用補助データは、画像データ、音声データ、および予防保全データを含む例を示しているが、運用補助データは、画像データ、音声データ、予防保全データの少なくとも1つを含んでいればよい。
【0137】
例えば、データ子局22がカメラ25、マイク26、および予防保全データの全てを備えていない場合もある。例えば、データ子局22がカメラ25のみを有している場合、データ子局22が送信する運用補助データは、画像データおよび予防保全データを含むことになる。
【0138】
図12は、第2の実施形態における運用補助データの復号手順の一例を示すフローチャートである。
【0139】
データ親局12の制御部121がプログラム記憶部122に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。
【0140】
このフローチャートは、制御部111の映像呼出制御部1112から映像呼出を制御部121が受信することにより開始する。例えば、映像呼出制御部1112が映像呼出を生成し、制御部121に送信するタイミングは任意のタイミングで良く、例えば、全ての子局から運用補助データを受信した後であっても良い。
【0141】
ステップST301で、復号制御部1212は、受信データ記憶部1231に記憶された運用補助データを取得する。取得する運用補助データは、まだ復号していない最も番号の小さい観測局TMの運用補助データであって良い。例えば、映像呼出を受信した直後である場合、復号制御部1212は、第1の観測局TM1から受信した運用補助データを取得する。
【0142】
また、表示制御部1215から復号指示を受信した場合、当該復号指示に従って運用補助データを取得してよい。例えば、映像呼出指示を受信した後に復号指示を受信した場合、復号制御部1212は、第2の観測局TM2から受信した運用補助データを取得してよい。
【0143】
ステップST302で、復号制御部1212は、運用補助データを復号する。例えば、復号制御部1212は、運用補助データに使用された符号化に対応する復号手法を用いて運用補助データを復号する。復号制御部1212は、復号した運用補助データを復号状態判定部1213に出力する。
【0144】
ステップST303で、復号状態判定部1213は、運用補助データを正常に復号できた場合、復号状態判定部1213は、予防保全データを正常に受信できたかどうかを判定する。
【0145】
ステップST304で、画像合成部1214は、正常画像を取得する。予防保全データを正常に復号できた場合、復号状態判定部1213は、予防保全データが正常に復号できたことを示す正常復号信号を画像合成部1214に出力する。正常復号信号を受信した画像合成部1214は、画像データ記憶部1232に記憶された正常画像を取得する。
【0146】
ステップST305で、復号状態判定部1213は、運用補助データに音声データが含まれているかどうかを判定する。予防保全データを正常に復号できないと判定した場合、復号状態判定部1213は、運用補助データに音声データが含まれているかどうか判定する。そして、運用補助データに音声データが含まれていると判定した場合、復号状態判定部1213は、音声データが正常に復号できたかどうかを判定する。
【0147】
ステップST306で、画像合成部1214は、音声データを受信する。音声データが正常に復号できたと判定した場合、復号状態判定部1213は、復号された音声データを画像合成部1214に出力する。
【0148】
ステップST307で、復号状態判定部1213は、運用補助データに画像データが含まれているかどうかを判定する。運用補助データに音声データが含まれていない、または音声データを正常に復号できないと判定した場合、復号状態判定部1213は、運用補助データに画像データが含まれているかどうか判定する。そして、画像データが含まれていると判定した場合、復号状態判定部1213は、画像データが正常に復号できたかどうかを判定する。
【0149】
ステップST308で、画像合成部1214は、画像データを受信する。画像データが正常に復号できたと判定した場合、復号状態判定部1213は、復号された画像データを画像合成部1214に出力する。
【0150】
ステップST309で、画像合成部1214は、受信異常画像を取得する。運用補助データに画像データが含まれていない、または画像データを正常に復号できないと判定した場合、例えば、無線回線のS/N比が高い場合、復号状態判定部1213は、運用補助データを正常に復号することができないと判定する。この場合、復号状態判定部1213は、予防保全データ、音声データ、画像データのいずれもが正常に復号できなかったことを示す異常復号信号を画像合成部1214に出力する。異常復号信号を受信した画像合成部1214は、画像データ記憶部1232に記憶された受信異常画像を取得する。
【0151】
ステップST310で、画像合成部1214は、合成画像を生成する。画像合成部1214は、取得した画像(正常画像、音声データ、画像データ、または受信異常画像)と当該画像に対応する観測局TMを識別する情報を組み合わせる。
【0152】
ここで、音声データを合成画像として使用する場合、画像合成部1214は、例えば、画像として「音声」と表示するための情報をデータ記憶部123から取得しても良い。そして、画像合成部1214は、各観測局TMの組み合わされた画像を合成し、合成画像を生成する。画像合成部1214は、合成した合成画像を表示制御部1215に出力する。
【0153】
ステップST311で、表示制御部1215は、全ての観測局TMからの予防保全データを復号したかを判定する。例えば、合成画像にまだ合成されていない画像がある場合、表示制御部1215は、全ての観測局TMからの運用補助データを復号していないと判定する。そして、表示制御部1215は、復号指示を生成し、復号制御部1212に出力する。そして、処理は、ステップST301に戻る。
【0154】
一方、合成画像に全ての合成画像を有する場合、表示制御部1215は、合成画像が完成したと判定する。この場合、処理は、ステップST312に進む。
【0155】
ステップST312で、表示制御部1215は、合成画像を出力する。表示制御部1215は、入出力インタフェース125を通じて、入出力装置15の表示装置15aに合成画像を出力する。
【0156】
第2の実施形態では、表示制御部1215は、表示装置15aに出力する合成画像を表示データ記憶部1233に記憶させてよい。例えば、表示データ記憶部1233に記憶された合成画像は、管理者の指示に応じて表示装置15aに表示可能な形式で記憶されてよい。
【0157】
図13は、第2の実施形態における表示装置15aに表示される合成画像の一例を示した図である。
図13の例では、
図7で示した例と同様に観測局TMが24個ある場合を示している。
図13の例では、第1の観測局TM1等は、正常画像が表示される。第3の観測局TM3等は、画像データが表示され、第10の観測局TM10および第20の観測局TM20は、音声が表示される。一方、第8の観測局TM8および第17の観測局TM17は、受信異常画像が表示される。
【0158】
このように、表示装置15aに映し出された合成画像を管理者が確認することにより、監視局1と観測局TMとの間の無線回線の状態を一目で確認することが可能となる。
【0159】
図14は、合成画像の解析手順のイメージを示した図である。
上述したように、表示制御部1215は、表示データ記憶部1233に合成画像を記憶させる。解析制御部1216は、管理者の指示または所定の期間が経過した後、表示データ記憶部1233に記憶された合成画像を取得する。そして、解析制御部1216は、取得した合成画像から異常のある観測局TMがないかを解析する。例えば、解析制御部1216は、所定の回数を超える受信異常画像を表示した観測局TMがないかを解析する。
【0160】
解析の結果、異常のある観測局TMがあった場合、何かおかしいということを示すように表示を変えた合成画像を表示装置15aに出力して良い。
図14の例では、第8の観測局TM8および第17の観測局TM17を斜線で表示し、異常であることを示している。
【0161】
(第2の実施形態の作用効果)
以上説明した第2の実施形態によれば、デジタルデータである運用補助データ、予防保全データ、音声データ、および画像データが正常に復号されたかどうかを確認することにより、無線回線の状態を確認することができる。これにより、観測データが欠測する前に無線回線の状態を知ることができる。
【0162】
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、予防保全データをデータ親局12と子局との間で半二重に送受信可能とすることで、下り無線回線と上り無線回線の両方の品質の予防保全を行う実施形態について説明する。
【0163】
(構成)
第3の実施形態では、テレメータシステム(呼出型)において、予防保全データを半二重で送受信可能なデータ親局12およびデータ子局22を配置する。ここで、テレメータシステム(呼出型)の概略構成は、
図1を参照して説明したブロック図と同じで良いため重複の説明を省略する。
【0164】
図15は、第3の実施形態における監視局1の機能ブロックの一例を示す図である。
第3の実施形態の親局である監視局1は、制御部121が送信部1217を備え、データ記憶部123が予防保全データ記憶部1234を備える点で第1の実施形態と異なる。 予防保全データ記憶部1234は、予防保全データを記憶するために用いられる。なお、予防保全データは、第1の実施形態と同様に符号化された予防保全データであってよい。
【0165】
送信部1217は、管理者の指示または所定の時刻になると、予防保全データを取得し、通信インタフェース124を通じて、観測局TMに予防保全データを送信する。
【0166】
図16は、第3の実施形態における観測局TMの機能ブロックの一例を示す図である。 第3の実施形態の子局である観測局TMは、制御部221が受信部2214を備え、データ記憶部223が取得情報記憶部2232を備え、制御部211が起動信号制御部2112を備えない点で第1の実施形態と異なる。
【0167】
取得情報記憶部2232は、予防保全データを一時的に記憶する記憶部である。
【0168】
観測局TMの受信部2214は、データ親局12から送信された予防保全データを受信する受信部である。そして、受信した予防保全データを取得情報記憶部2232に記憶させる。
【0169】
(動作)
図17は、第3の実施形態における観測データおよび予防保全データ伝送手順の一例を示した図である。
TMデータ期間に送信する呼出および観測データは、
図5を参照して説明した伝送手順と同様であるため、ここでの重複の説明を省略する。
【0170】
TMデータ期間が終了、すなわち、全ての観測局TMから観測データを受信した後、予防保全データ期間になる。
【0171】
予防保全データ期間において、データ親局12の送信部1217は、管理者の指示または所定の時刻になると、予防保全データ記憶部1234に記憶された予防保全データを取得し、通信インタフェース124を通じて、観測局TMに予防保全データを送信する。ここで、取得する予防保全データは、例えば、ITC_H.264等の汎用画像圧縮技術を用いて符号化されているものとする。
【0172】
ここで、
図17の例では、送信部1217は、データ子局22aに予防保全データを送信する。
【0173】
データ子局22aの受信部2214は、データ親局12から送信された予防保全データを受信する。そして、受信した予防保全データを取得情報記憶部2232に記憶させる。また、受信部2214は、送信部2211に予防保全データ受信したことを示す信号を出力してよい。
【0174】
送信部2211は、取得情報記憶部2232に記憶された予防保全データを取得する。そして、送信部2211は、取得した予防保全データをデータ親局12に返信する。
【0175】
図17に示すように、送信部1217は、全てのデータ子局22に予防保全データを送信する。一方、予防保全データを受信したデータ子局22は、受信した予防保全データをデータ親局12に返信することで、予防保全データが半二重に送受信される。
【0176】
なお、データ親局12は、予め決められた順序および間隔で予防保全データを送信してよい。
【0177】
データ親局12における予防保全データの復号表示手順は、
図6を参照して説明した復号表示手順と同様であるため、ここでの重複の説明を省略する。
【0178】
(第3の実施形態の作用効果)
以上説明した第3の実施形態によれば、監視局1から各観測局TMにデジタルデータである予防保全データを送信し、各観測局TMから予防保全データの返信を受けることで、下り無線回線と上り無線回線の両方を含めた無線回線の受信状態を確認することにより、無線回線の状態を確認することができる。これにより、観測データが欠測する前に無線回線の状態を知ることができる。
【0179】
[第1、第2、第3の実施形態の変形例]
なお、上記第1、第2、および第3の実施形態は、親局(監視局1からの呼出信号に応答して観測結果を返信する、いわゆる呼出型のテレメータの実施形態について説明したが、これに限定されるものではない。本発明を適用するテレメータシステムが、国電通仕54号に記載されたようなテレメータシステム(自立型)にも適用が可能である。
【0180】
例えば、テレメータシステム(自立型)の場合、監視局1の監視装置11が、第1の観測局TM1の観測装置21に送信する呼出は、不要となる。また、観測データの収集間隔は、国電通仕第54号に準拠する場合、5分、10分、30分、または1時間間隔ごとに、監視制御データである観測データを収集する。ここで、各観測局TMの送信タイミングは、観測データが衝突しないように、送信タイミングが適宜、予め調整されているものとする。
【0181】
すなわち、テレメータシステム(自立型)の場合では、所定の時刻になると、観測局TMの各観測装置21は、予め設定した時刻に、自律的に観測データを監視局1の監視装置11に送信する。
【0182】
この場合、観測局TMのデータ子局22は、監視局1の監視装置11の観測データの送信後所定の時間経過した後、予防保全データまたは運用補助データを、第1、第2、第3の実施形態の態様で、監視局1のデータ親局12に送信するように構成すればよい。
【0183】
また、テレメータシステムでは、テレメータシステム(呼出型)と、テレメータシステム(自立型)を併用したシステム構成であってもよい。
【0184】
この場合、テレメータシステム(呼出型)に対しては、監視局1の監視装置11が、呼出型の観測局TMに対し呼出信号が必要となる。また、観測局TMから監視局1の監視装置11への計測データを送信タイミングは、呼出型と観測局TMの送信タイミングと自立型の観測局TMの送信タイミングが、ぶつからないように、あらかじめ調整されているものとする。
【0185】
このため、予防保全データまたは運用補助データは、呼出型の観測局TM及び自立型の観測局TMが送信しないタイミングに、送信することで、実現できる。
【0186】
[第4の実施形態]
次に、放流警報システムに適用した場合を、第4の実施形態として説明する。
【0187】
放流警報システムは、ダム等の下流に設けられ、ダムから緊急放流等を行う場合に、下流の水位が急激に上昇する恐れがある場合に、緊急放送を行ったり、サイレンを鳴動したりして警報を行うシステムである。
【0188】
(構成)
図18は、第4の実施形態における放流警報システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
放流警報システムは、親局となる監視局1と、複数の子局となる第1の警報局AL1と、第2の警報局AL2と、第3の警報局AL3と、を備える。ここで、第1の警報局AL1、第2の警報局AL2、第3の警報局AL3を区別する必要がない場合、単に警報局ALと記載する。
【0189】
監視局1および警報局ALは、それぞれ、例えば、国電通仕第27号に準拠した監視局1および警報局ALである。
【0190】
監視局1は、制御監視装置16、データ親局12、無線装置13、アンテナ131、プリンタ14a、操作部14b、表示装置15a等を備える。データ親局12、無線装置13、アンテナ131、プリンタ14a、操作部14b、および表示装置15aは、
図1を参照して説明した監視局1の構成と同様で良いため、ここでの重複した説明を省略する。
【0191】
監視局1の制御監視装置16は、ダム等から緊急放流等の放流を行う際に、警報局ALに対して警報制御信号を送信することにより、サイレン吹鳴、擬似音吹鳴および音声放送等の動作を行わせる。また、警報制御信号を受けた警報局ALは、サイレン吹鳴、擬似音吹鳴および音声放送等の動作を行うと、監視局1の制御監視装置16に対し警報応答信号を返送する。監視局1の制御監視装置16は、警報応答信号の受信により、警報局ALの動作状況を把握し、印字および表示を行わせる。
【0192】
また、監視局1の制御監視装置16は、警報局ALの動作状態を確認するため、所定の間隔(例えば1回/日)で、各警報局ALに対し回線点検信号を送信する。回線点検信号を受信した警報局ALは、所定動作の点検を行い、点検結果を回線点検応答信号として、返送する。監視局1の制御監視装置16は、回線点検応答信号を受信することで、各警報局ALの動作状況を把握する。
【0193】
第1の警報局AL1は、サイレン警報装置31aと、データ子局32aと、無線装置33aと、スピーカ34aと、サイレン34bと、回転灯34cとを備えるサイレン警報局である。
【0194】
第2の警報局AL2は、スピーカ警報装置31bと、データ子局32bと、無線装置33bと、スピーカ34aと、回転灯34cと、を備えるスピーカ警報局である。
【0195】
第3の警報局AL3は、サイレン警報装置31cと、データ子局32cと、無線装置33cと、サイレン34bと、回転灯34cとを備える。ここで、データ子局32bおよびサイレン警報装置31cは、上で説明したデータ子局32aおよびサイレン警報装置31aと同様の構成でよいため、重複の説明を省略する。
【0196】
図19は、第4の実施形態における監視局1の機能ブロックの一例を示す図である。
制御監視装置16は、制御部161、プログラム記憶部162、データ記憶部163、通信インタフェース164、入出力インタフェース165を備えるコンピュータである。制御部161、プログラム記憶部162、データ記憶部163、通信インタフェース164、および入出力インタフェース165は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。また、入出力インタフェース165は、入出力装置14と通信可能に接続される。
【0197】
入出力装置14、制御部161、プログラム記憶部162、データ記憶部163、通信インタフェース164、入出力インタフェース165は、
図2を参照しながら説明した制御部111、プログラム記憶部112、データ記憶部113、通信インタフェース114、入出力インタフェース115と同様の機能を有しているので、重複の説明を省略する。
【0198】
なお、制御部161は、回線点検制御部1611を備える点で第1の実施形態の制御部111と異なる。
【0199】
回線点検制御部1611は、管理者の指示を受けるまたは事前に設定された時刻になると、制御監視信号である、回線点検信号を生成する。回線点検信号は、例えば、各データ子局32のいずれかのための信号であり、予防保全データを返送する指示を含む。そして、回線点検制御部1611は、少なくとも通信インタフェース164を通じて、生成した回線点検信号をデータ子局32に送信する。
【0200】
なお、制御部161は、管理者の呼出指示に応じて、警報呼出を生成し、警報局ALに警報呼出を送信することが可能なのは勿論である。
【0201】
ここで、
図17および
図18では、制御監視装置16とデータ親局12は、別個の装置である例を示しているが、1つの装置であってもよい。すなわち、制御監視装置16およびデータ親局12は、制御部、プログラム記憶部、データ記憶部、通信インタフェース、入出力インタフェースを1つずつ有していれば良い。また、入出力装置14および入出力装置15は、1つの入出力装置であってもよい。
【0202】
図20は、第4の実施形態における警報局ALの機能ブロックの一例を示す図である。
図20に示すように、警報局ALの警報装置31は、制御部311、プログラム記憶部312、データ記憶部313、通信インタフェース314、入出力インタフェース315を備えるコンピュータである。制御部311、プログラム記憶部312、データ記憶部313、通信インタフェース314、および入出力インタフェース315は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
【0203】
また、入出力インタフェース315は、警報機34と通信可能に接続される。ここで、警報機34は、
図16で示したスピーカ34a、サイレン34b、および回転灯34cの少なくとも1つを含む。
【0204】
無線装置33aは、
図1を参照して説明した無線装置23aと同様の構成で良いため、ここでの重複した説明を省略する。
【0205】
サイレン警報装置31aは、制御監視装置16からの警報制御信号により、スピーカ34a、サイレン34b、および回転灯34cを用いてサイレン吹鳴、擬似音吹鳴、および音声放送等の動作を行う。ここで、第1の警報局のスピーカ警報装置31bではサイレン吹鳴、擬似音吹鳴、および音声放送等の動作を行うのに対し、第2の警報局のスピーカ警報装置31bは、上述したサイレン警報装置31aのサイレン吹鳴を除いた動作、第3の警報局のサイレン警報装置31cは、上述したサイレン警報装置31aの疑似音吹鳴を除いた動作を行う。
【0206】
また、サイレン警報装置31aは、当該動作とともに、動作状況を制御監視装置16へ返送する。
【0207】
制御部311、プログラム記憶部312、データ記憶部313、通信インタフェース314、入出力インタフェース315は、
図3を参照しながら説明した制御部211、プログラム記憶部212、データ記憶部213、通信インタフェース214、入出力インタフェース215と同様の機能を有しているので、重複の説明を省略する。
【0208】
なお、制御部311は、警報呼出を受信すると、警報機34を動作させて警報動作を実行してよいのは勿論である。
【0209】
データ子局32aは、データ親局12からの制御監視データである、回線点検信号を受信し、当該回線点検信号に応じて予防保全データをデータ親局12に送信する。
【0210】
データ子局32は、制御部321、プログラム記憶部322、データ記憶部323、通信インタフェース324を備えるコンピュータである。制御部321、プログラム記憶部322、データ記憶部323、および通信インタフェース324は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
【0211】
なお、制御部321は、受信部3212を備える点で第1の実施形態の制御部221と異なる。
【0212】
制御部321、プログラム記憶部322、データ記憶部323、通信インタフェース324は、
図3を参照しながら説明した制御部221、プログラム記憶部222、データ記憶部223、通信インタフェース224と同様の機能を有しているので、重複の説明を省略する。
【0213】
受信部3212は、少なくとも通信インタフェース324を通じて、回線点検信号を受信する。そして、受信部3212は、回線点検信号を送信部3211に出力する。
【0214】
(動作)
図21は、第4の実施形態における回線点検信号および予防保全データ伝送手順の一例を示した図である。
図21に示すように、制御監視装置16における制御部161の回線点検制御部1611は、管理者の指示を受けるまたは事前に設定された時刻になると、回線点検信号を生成する。回線点検信号は、例えば、各データ子局32のいずれかのための信号であり、予防保全データを返送する指示を含む。また、回線点検信号は、予防保全データをどのくらいの長さ送信すれば良いかの時間設定も含む。
【0215】
そして、回線点検制御部1611は、少なくとも通信インタフェース164を通じて、生成した回線点検信号をデータ子局32に送信する。
図21の例では、回線点検制御部1611は、最初にデータ子局32aに回線点検信号を送信する。
【0216】
データ子局32の受信部3212は、少なくとも通信インタフェース324を通じて、回線点検信号を受信する。そして、受信部3212は、回線点検信号を送信部3211に出力する。
【0217】
送信部3211は、回線点検信号に含まれる設定時間に応じた時間だけ、予防保全データ記憶部2231に記憶された予防保全データを取得する。ここで、取得する予防保全データは、例えば、ITC_H.264等の汎用画像圧縮技術を用いて符号化されているものとする。そして、送信部3211は、取得した予防保全データをデータ親局12に送信する。
【0218】
なお、データ親局12における予防保全データの復号手順は、
図6を参照して説明した手順と同じであるため重複の説明を省略する。
【0219】
図21に示すように、制御監視装置16は、各データ子局32に回線点検信号を送信し、各データ子局32は、回線点検信号によって設定された時間だけ予防保全データを送信する。ここで、各データ子局32が送信する予防保全データの送信時間を各子局で異なるように設定してよい。
【0220】
図22は、無線回線のS/N比と復号エラー数の関係および予防保全データ送信時間と復号エラー数の関係を示した図である。
図22(a)に示すように、無線回線のS/N比が増大する、すなわち無線回線の状態が悪くなるほど復号エラー数が増大するという比例関係にある。また、
図22の(b)に示すように、予防保全データ送信時間が延びる、すなわち予防保全データ量が増大すると符号エラー数も増加するという比例関係にある。これらのことから予防保全データの送信時間が無線回線S/N比の目安にすることが可能である。
【0221】
また、
図22(a)の例では、アナログデータである観測データ/制御データが欠測するよりも低いS/N比でデジタルデータであるデータ符号化エラー(予防保全データの欠測)が発生することを示している。予防保全データを観測することにより、S/N比が増大している状態を早期に発見でき予防保全に繋げることが可能となる。
【0222】
(第4の実施形態の作用効果)
以上説明した第4の実施形態によれば、デジタルデータである予防保全データの受信状態を確認することにより、無線回線の状態を確認することができる。これにより、観測データが欠測する前に無線回線の状態を知ることができる。
【0223】
また、各データ子局32から送信する予防保全データの送信時間を変更することにより、無線回線のS/N比の目安を探ることができる。
【0224】
[第4の実施形態の変形例]
第4の実施形態は、放流警報装置に適用した実施形態であるが、上記の構成に限定されるものではない。第4の実施形態は、上記第2の実施形態~第3実施形態と組み合わせてもよい。
【0225】
具体的には、放流警報システムにおいて、上記第2実施形態のように、予防保全データの他に、警報局ALが取得した警報局ALの周囲の画像、音声等を符号化して予防保全データとともに送信するようにしてもよい。
【0226】
また、放流警報システムにおいて、上記第3の実施形態のように、親局である監視局1と子局である警報局ALとの間で、予防保全データを半二重で送受信するようにしてもよい。この場合、下り無線回線との上り無線回線の情報を含めた無線回線の品質の確認をできるようにしてもよい。
【0227】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0228】
1…監視局
11…監視装置
111…制御部
1111…観測呼出制御部
1112…映像呼出制御部
112…プログラム記憶部
113…データ記憶部
114…通信インタフェース
115…入出力インタフェース
12…データ親局
121…制御部
1211…受信部
1212…復号制御部
1213…復号状態判定部
1214…画像合成部
1215…表示制御部
1216…解析制御部
1217…送信部
122…プログラム記憶部
123…データ記憶部
1231…受信データ記憶部
1232…画像データ記憶部
1233…表示データ記憶部
1234…予防保全データ記憶部
124…通信インタフェース
125…入出力インタフェース
13…無線装置
131…アンテナ
14…入出力装置
14a…プリンタ
14b…操作部
15…入出力装置
15a…表示装置
16…制御監視装置
161…制御部
1611…回線点検制御部
162…プログラム記憶部
163…データ記憶部
164…通信インタフェース
165…入出力インタフェース
TM…観測局
21…観測装置
211…制御部
212…プログラム記憶部
213…データ記憶部
214…通信インタフェース
215…入出力インタフェース
22…データ子局
221…制御部
2111…観測制御部
2112…起動信号制御部
2211…送信部
2212…取得情報処理部
2213…符号化部
2214…受信部
222…プログラム記憶部
223…データ記憶部
2231…予防保全データ記憶部
2232…取得情報記憶部
224…通信インタフェース
225…入出力インタフェース
23…無線装置
231…アンテナ
24…観測設備
24a…水位計
24b…雨量計
24c…気象観測設備
24d…気象観測設備
25…カメラ
26…マイク
AL…警報局
31…警報装置
311…制御部
312…プログラム記憶部
313…データ記憶部
314…通信インタフェース
315…入出力インタフェース
32…データ子局
321…制御部
3211…送信部
3212…受信部
322…プログラム記憶部
323…データ記憶部
324…通信インタフェース
325…入出力インタフェース
33…無線装置
34…警報機
34a…スピーカ
34b…サイレン
34c…回転灯