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特開2024-22917キャリアプレートおよびウインドレギュレータ
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  • 特開-キャリアプレートおよびウインドレギュレータ 図1A
  • 特開-キャリアプレートおよびウインドレギュレータ 図1B
  • 特開-キャリアプレートおよびウインドレギュレータ 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022917
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】キャリアプレートおよびウインドレギュレータ
(51)【国際特許分類】
   E05F 11/48 20060101AFI20240214BHJP
   B60J 1/17 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
E05F11/48 D
B60J1/17 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022126368
(22)【出願日】2022-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】390000996
【氏名又は名称】株式会社ハイレックスコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 剛史
(72)【発明者】
【氏名】舟橋 信裕
【テーマコード(参考)】
3D127
【Fターム(参考)】
3D127AA12
3D127BB01
3D127CB05
3D127CC13
3D127DF03
3D127DF09
3D127DF15
3D127DF26
3D127EE15
(57)【要約】
【課題】ウインドレギュレータにおいてキャリアプレートの下方に設けられた部品に雨水などの水が被水することを抑制することができるキャリアプレートおよびウインドレギュレータを提供する。
【解決手段】移動対象物が取り付けられ、移動対象物を昇降移動させるキャリアプレートであって、第1面と、第1面とは反対側の第2面とを有し、第2面に設けられ、水の流れを第2面側で案内する案内部と、案内部により流れが案内された水を第2面側から第1面側に流す流路部と、を有し、案内部は、第1案内部と第2案内部とを有し、第1案内部は、第2案内部において案内部に案内された水が第2案内部に案内されるように接続されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動対象物が取り付けられ、移動対象物を昇降移動させるキャリアプレートであって、
第1面と、前記第1面とは反対側の第2面とを有し、
前記第2面に設けられ、水の流れを前記第2面側で案内する案内部と、
前記案内部により前記流れが案内された水を前記第2面側から前記第1面側に流す流路部と、を有し、
前記案内部は、第1案内部と第2案内部とを有し、
前記第1案内部は、前記第2案内部において前記案内部に案内された水が前記第2案内部に案内されるように接続されている、
キャリアプレート。
【請求項2】
前記第1面には、前記流路部を流れた水が通過する連通部が設けられている請求項1に記載のキャリアプレート。
【請求項3】
前記キャリアプレートは、ガイドレールを摺動し、
前記連通部を通過した水を、前記連通部よりも前記ガイドレールから離れた位置で排出する排水部をさらに備える請求項2に記載のキャリアプレート。
【請求項4】
前記案内部と、前記流路部と、前記連通部とは、前記水を鉛直斜め下向き方向に案内する請求項3に記載のキャリアプレート。
【請求項5】
前記排水部は、排水側の先端に突出部を備え、前記水が前記突出部を流れることで、前記連通部を通過した水を、前記ガイドレールの幅方向において、前記連通部よりも前記ガイドレールから離れた位置で排出する請求項4に記載のキャリアプレート。
【請求項6】
前記キャリアプレートを下方に牽引するケーブルの端部を収容する収容部と前記案内部との間に、前記案内部により前記流れが案内された水の流量を制限する壁部をさらに備える請求項1に記載のキャリアプレート。
【請求項7】
前記キャリアプレートは、移動対象物を取り付ける取付部を有し、
前記第1案内部は、一端が前記取付部近傍に設けられ、他端が前記第2案内部に接続され、
前記第2案内部は、前記収容部近傍に設けられ、一端が前記第1案内部の他端に接続され、他端が前記流路部に接続され、
前記第1案内部は、前記第1案内部の一端から前記第1案内部の他端に向かって略直線状となるように設けられている、ことを特徴とする請求項6に記載のキャリアプレート。
【請求項8】
前記流路部の前記案内部側とは反対側の領域は、前記第2面側から前記第1面側に窪んでいる請求項1に記載のキャリアプレート。
【請求項9】
前記流路部は、前記案内部の流路部側の端部の位置と、前記連通部の前記第2面側の端部の位置とが前記第2案内部が延びる方向においてオフセットするように接続する、
請求項2に記載のキャリアプレート。
【請求項10】
請求項1に記載のキャリアプレートを備えるウインドレギュレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリアプレートおよびウインドレギュレータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両においては、窓ガラスを保持するキャリアプレートをケーブルで牽引してガイドレール上を摺動させ、窓ガラスを昇降させるウインドレギュレータが用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、雨水が窓ガラスを保持するキャリアプレートに付着した場合でも、その雨水をキャリアプレートのガイドレールに対向する面と反対側の面において排水して、雨水がガイドレールに付着することを抑制するウインドレギュレータが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-158984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、排水口の下部に、キャリアプレートを牽引するケーブルを巻き取るドラム、あるいは、そのドラムを回転させるモータなどの部品が配置されていると、そのような部品に水がかかって錆などが生じるおそれがある。そのため、キャリアプレートの一方の面に付着した雨水が、キャリアプレートの下方に設けられた部品にかかることを抑制する技術の開発が望まれている。
【0006】
本発明では、ウインドレギュレータにおいてキャリアプレートの下方に設けられた部品に被水することを抑制することができるキャリアプレートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明におけるキャリアプレートは、
移動対象物が取り付けられ、移動対象物を昇降移動させるキャリアプレートであって、
第1面と、前記第1面とは反対側の第2面とを有し、
前記第2面に設けられ、水の流れを前記第2面側で案内する案内部と、
前記案内部により前記流れが案内された水を前記第2面側から前記第1面側に流す流路部と、を有し、
前記案内部は、第1案内部と第2案内部とを有し、
前記第1案内部は、前記第2案内部において前記案内部に案内された水が前記第2案内部に案内されるように接続されている。
【0008】
本発明におけるウインドレギュレータは、
上記のキャリアプレートを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るキャリアプレートでは、ウインドレギュレータの下方に設けられた部品に被水することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A図1Aは、本発明の一実施の形態に係るウインドレギュレータの正面図である。
図1B図1Bは、本発明の一実施の形態に係るウインドレギュレータの側面図である。
図2図2は、キャリアプレートを厚さ方向一側から見たときの斜視図である。
図3図3は、キャリアプレートの一部を厚さ方向一側から見たときの部分拡大斜視図である。
図4図4は、キャリアプレート他の部分を厚さ方向一側から見たときの部分斜視図である。
図5図5は、キャリアプレートを厚さ方向一側から見たときの斜視図である。
図6図6は、キャリアプレートの一部を厚さ方向他側から見たときの部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(1)ウインドレギュレータ
本発明の一実施の形態に係るウインドレギュレータ1について図1A図1B及び図2を参照して説明する。図1Aは、本発明の一実施の形態に係るウインドレギュレータの正面図である。図1Bは、本発明の一実施の形態に係るウインドレギュレータの側面図である。図2はキャリアプレートを厚さ方向一側から見たときの斜視図である。なお、以下の説明では、ウインドレギュレータ1の正面図を、ウインドレギュレータ1を平面視した場合の図として説明する。図1Aには、X軸、Y軸およびZ軸が描かれている。図1Aの紙面の奥行き方向を厚さ方向又はX方向といい、手前側を厚さ方向一側又は「+X方向」、奥側を厚さ方向他側又は「-X方向」という。また、図1Aにおいて左右方向を幅方向又はY方向といい、左方向を幅方向一側又は「+Y方向」、右方向を幅方向他側又は「-Y方向」という。また、図1Aにおいて上下方向を長さ方向又はZ方向といい、上方向を上側又は「+Z方向」、下方向を下側又は「-Z方向」という。なお、窓ガラスの昇降方向を上下方向(Z方向)といい、窓ガラスの上昇方向を「+Z方向」、窓ガラスの下降方向を「-Z方向」という場合がある。
【0012】
ウインドレギュレータ1は、車両のドアパネル(図示せず)に支持される。ウインドレギュレータ1は、移動対象物である窓ガラス(図示せず)を昇降移動させる機構である。
【0013】
図1Aおよび図2に示すように、ウインドレギュレータ1は、主に、ガイドレール31と、キャリアプレート32と、上昇側ケーブル33と、下降側ケーブル34と、駆動部35とを備えている。
【0014】
ガイドレール31は、窓ガラスの昇降方向(Z方向)に沿って設けられ、キャリアプレート32を窓ガラスの昇降方向に案内する部材である。ガイドレール31は、概ね車両上下方向(Z方向)に延びており、具体的には取り付けられる窓ガラスに対してわずかに斜めに傾斜するようにされている。
【0015】
図3は、ガイドレール31に組み付けられたキャリアプレート32の斜視図である。キャリアプレート32は、窓ガラスの下端部を保持するとともに、ガイドレール31に係合して窓ガラスの昇降方向に摺動案内される部材である。キャリアプレート32は、ガイドレール31の縁に沿って昇降する。キャリアプレート32の構造は後に詳細に説明する。
【0016】
ガイドレール31の上端部には、上昇側ケーブル33の移動方向を転換するための方向転換部材としての上部ケーブルガイド45(図1Aを参照)が設けられている。
【0017】
図1Aおよび図2に示すように、ガイドレール31の下端には、上昇側ケーブル33及び下降側ケーブル34の巻き取り及び繰り出しを行うための駆動部35が設けられている。駆動部35は、ドラムハウジング51と、ドラム(図示せず)と、駆動モータ56とを有している。ドラムハウジング51は、ガイドレール31の下端部に取り付けられ、車両のドアパネル(図示せず)にガイドレール31を固定する。
【0018】
ドラムハウジング51は、ドラムを回転自在に支持する。駆動モータ56は、ドラムハウジング51に一体的に取り付けられ、ドラムを正逆両方向に回転駆動する。
【0019】
上昇側ケーブル33及び下降側ケーブル34は、キャリアプレート32を上下方向(Z方向)に牽引するものであり、複数の金属素線または樹脂繊維素線を寄り合わせた公知のものを用いることができる。上昇側ケーブル33は、一端がキャリアプレート32に連結され、上部ケーブルガイド45に掛け回されて、他端がドラムに連結されている。下降側ケーブル34は、一端がキャリアプレート32に連結され、他端がドラムに連結されている。
【0020】
駆動モータ56は、ドラムを回転することにより、上昇側ケーブル33及び下降側ケーブル34を巻き取り及び繰り出を行う。
【0021】
図2に示すように、上昇側ケーブル33又は下降側ケーブル34の一端には、エンド33aおよびエンド34aが設けられている。エンド33a及びエンド34aは、例えば、金属材料のダイカストにより形成されるものであり、上昇側ケーブル33又は下降側ケーブル34の一端が取り付けられる基端部と、基端部よりも大きい外径である鍔部とを有している。基端部は、円柱形状又は円錐台形状に形成され、接着、溶接、ボルト止め、その他の方法で上昇側ケーブル33又は下降側ケーブル34の一端が固定されている。
【0022】
エンド33a及びエンド34aには、それぞれコイルスプリング85及びコイルスプリング87が装着されている。コイルスプリング85及びコイルスプリング87は、上昇側ケーブル33及び下降側ケーブル34の弛みを取る方向にエンド33a及びエンド34aを付勢する付勢部材である。
【0023】
(2)ガイドレール
ガイドレール31は、キャリアプレート32と摺動可能に係合してキャリアプレート32の昇降を案内する部材であり、窓ガラスの移動方向に延伸し、自動車の窓ガラスの湾曲に合わせて緩く湾曲している。ガイドレール31の材料は、例えば、亜鉛めっき鋼板、ステンレススチール、アルミニウム合金等の金属や、硬質樹脂とすることができるが、キャリアプレート32を案内することができる所定の剛性を有する材料であれば特に限定されない。
【0024】
(3)ドラムハウジング
ドラムハウジング51は、ガイドレール31との嵌合部と円筒状のドラム収容部とを有する本体51a(図1Aを参照)を有している。本体51aには、ドラムを収容する円柱状の凹所が形成されている。凹所から上昇側ケーブル33及び下降側ケーブル34をそれぞれ通して外部に導出するための上昇側ケーブル導出溝57及び下降側ケーブル導出溝59が本体51aに形成されている。
【0025】
(4)キャリアプレートの構造
次に、本実施の形態におけるキャリアプレート32の構造について図2から図5を参照して説明する。図4は、キャリアプレート他の部分を厚さ方向一側から見たときの部分斜視図である。図5は、キャリアプレートを厚さ方向一側から見たときの斜視図である。
【0026】
図2および図5に示すように、キャリアプレート32は、本体32aを有している。本体32aは、基体であり、他の構造が形成される部分であればよい。
【0027】
本体32aは、面32b(本発明の「第2面」に対応する)と、面32c(本発明の「第1面」に対応する)と、上側縁部32dと、下側縁部32eと、一側縁部32fと、他側縁部32gとを有している。
【0028】
面32bは、本体32aの厚さ方向一側(+X方向)の面である。面32cは本外32aの厚さ方向他側(-X方向)の面である。
【0029】
上側縁部32dは、本体32aが有する外周縁のうち、上側(+Z方向)に位置し、幅方向一側(+Y方向)に位置する端から幅方向他側(-Y方向)に延在する縁である。
【0030】
下側縁部32eは、本体32aが有する外周縁のうち、下側(-Z方向)に位置し、幅方向一側(+Y方向)に位置する端から幅方向他側(-Y方向)に延在する縁である。
【0031】
一側縁部32fは、本体32aが有する外周縁のうち、幅方向一側(+Y方向)に位置し、上側(+Z方向)に位置する端から下方向(-Z方向)に対して幅方向一側(+Y方向)へ斜め方向に延在する縁である。
【0032】
他側縁部32gは、本体32aが有する外周縁のうち、幅方向他側(-Y方向)に位置し、上側(+Z方向)に位置する端から下方向(-Z方向)に対して幅方向一側(+Y方向)へ斜め方向に延在する縁である。
【0033】
図2および図5に示すように、面32b側には、上昇側エンドホルダ79、下降側エンドホルダ81(本発明の「収容部」に対応する)および取付部71,73が設けられている。上昇側エンドホルダ79および下降側エンドホルダ81は、面32bよりも厚さ方向他側(-X方向)に窪んだ面32b1に設けられている。
【0034】
図2および図5に示すように、取付部71,73には、窓ガラス(図示せず)を保持するためのホルダ(図示せず)が取り付けられる。ホルダは、所定厚を有するプレート状であって、所定の外形を有する。
【0035】
取付部71は、面32bが備える幅方向一側(+Y方向)端部に配置され、面32bが配置される厚さ方向(X方向)の位置から厚さ方向他側(-X方向)に所定長さ窪んだ位置で、YZ平面に沿って広がる壁711を有する。壁711は厚さ方向(X方向)からの平面視で所定の外形形状に形成された壁面を有している。壁面が有する中央部には、ホルダを締結するボルトを通すための穴711aが配置されている。壁面が有する周縁のうち下側(-Z方向)に位置する縁711bは、幅方向一側(+Y方向)から半円周(穴711aの中心から所定半径を有する半円周)に相当する円弧に沿って幅方向他側(-Y方向)まで延在する縁である。
【0036】
壁面が有する周縁のうち幅方向他側(-Y方向)に位置する縁711cは、縁711bが有する幅方向他側(-Y方向)の端から上方向(+Z方向)に対して幅方向他側(-Y方向)へ斜め方向に延在する縁である。壁面が有する周縁のうち上側(+Z方向)に位置する縁711dは、縁711cが有する上方向(+Z方向)の端から幅方向一側(+Y方向)に延在し、さらに上方向(+Z方向)に延在する縁である。壁面が有する幅方向一側(+Y方向)に位置する縁711eは、縁711dが有する上方向(+Z方向)の端から下方向(-X方向)に対し幅方向一側(+Y方向)へ斜め方向に縁711bが有する幅方向一側(+Y方向)の端まで延在する縁である。
【0037】
取付部73は、面32bが備える幅方向他側(-Y方向)端部に配置され、面32bが配置される厚さ方向(X方向)の位置から厚さ方向他側(-X方向)に所定長さ窪んだ位置で、YZ平面に沿って広がる壁731を有する。壁731は厚さ方向(X方向)からの平面視で所定の外形形状に形成された壁面を有している。壁面が有する中央部には、ホルダを締結するボルトを通すための穴731aが配置されている。壁面が有する周縁のうち下側(-Z方向)に位置する縁731bは、幅方向一側(+Y方向)に位置する端を始端とし、その始端から穴731aが配置された位置を中心とし所定半径を有する半円周状に沿って幅方向他側(-Y方向)まで延在する縁である。
【0038】
壁面が有する周縁のうち幅方向他側(-Y方向)に位置する縁731cは、731bが有する幅方向他側(-Y方向)の端から上方向(+Z方向)に対し幅方向他側(-Y方向)へ斜め方向に延在する縁である。壁面が有する周縁のうち上側(+Z方向)に位置する縁731dは、縁731cが有する上方向(+Z方向)の端から幅方向一側(+Y方向)に延在し、さらに上方向(+Z方向)に延在する縁である。縁731dが有する上方向(+Z方向)の端は、上側縁部32dが有する幅方向他側(-Y方向)の端と同じ位置に位置する。壁面が有する幅方向一側(+Y方向)の縁731eは、縁731dが有する上方向(+Z方向)の端から下方向(-X方向)に位置する縁731bが有する幅方向一側(+Y方向)の端まで延在する縁である。
【0039】
上昇側エンドホルダ79は、コイルスプリング85を収容し、エンド33aを保持する。
【0040】
下降側エンドホルダ81は、コイルスプリング87を収容し、エンド34aを保持する。
【0041】
(下側縁部32eの詳細)
次に、下側縁部32eの詳細について図1Aから図6を参照して説明する。図6は、キャリアプレートの一部を厚さ方向他側から見たときの部分斜視図である。図2に示すように、下側縁部32eは、案内部74と、流路部75と、連通部76と、排水部77と、突出部78とを有する。以下の説明において、水の流れ方向の上流側の端を「上流側端」または「始端」という場合がある。また、水の流れ方向の下流側の端を「下流側端」または「終端」という場合がある。
【0042】
図2から図4に示すように、案内部74は、面32b側に設けられ、面32bが有する下側縁部から厚さ方向一側(+X方向)に立ち上がるフランジである。案内部74が水の流れを案内する場合において、フランジが水を案内する案内部74の底部となり、面32bが有する下側縁部32eが案内部74の壁部となる。案内部74は、第1案内部741と第2案内部742とを有する。
【0043】
第1案内部741は、第2案内部742よりも幅方向一側(+Y方向)であって、取付部71の近傍に設けられている。第1案内部741は、YZ平面上における位置が縁711bに備えられた幅方向一側(+Y方向)の端とほぼ同じ位置である上流側端(始端)から縁711bが有する円弧に沿って穴711aの中心位置の下方向(-Z方向)の位置まで延在し、さらに、その位置から本体32aが有する幅方向(Y方向)の中央部である下流側端(終端)に向かって略直線状となるように延在する。第1案内部741は、幅方向他側(-Y方向)に対して斜め下方向に傾斜する。第1案内部741が有する下流側端(終端)は、第2案内部742が有する上流側端(始端)に接続される。また、第1案内部741は、案内部74に案内された水が第2案内部742に案内されるように接続されている。これにより、第1案内部741と第2案内部742とを接続する接続部で水がたまらないようにすることができる。
【0044】
第1案内部741が有する上流側端から下流側端までの範囲においては、面32bが有する下側縁部である壁部7411の上下方向(Z方向)の高さは、ほぼ一定である。
【0045】
面32bが有する幅方向(Y方向)の中央部に位置する領域は、面32bが有する幅方向一側(-Y方向)に位置する領域よりも、厚さ方向一側(+X方向)に位置している。換言すれば、面32bにおいては幅方向(Y方向)の中央部に位置する領域が幅方向一側に位置する領域よりも厚さ方向一側(+X方向)へ出っ張っている。面32bが厚さ方向一側に出張っている分だけ、第1案内部741の下流側端(終端)側におけるフランジ幅は、第1案内部741の上流側端(始端)側におけるフランジ幅よりも狭くなる。
【0046】
第2案内部742は、第1案内部741が有する下流側端(終端)にその上流側端(始端)が接続され、上流側端から下降側エンドホルダ81の近傍位置(終端位置)まで延在する。第2案内部742は、幅方向他側(-Y方向)に対して斜め下方向に傾斜する。また、第2案内部742におけるフランジ幅は、第1案内部741の終端側におけるフランジ幅とほぼ同じ幅である。
【0047】
第2案内部742においては、面32bが有する下側縁部である壁部7421の高さは、上流側端(始端)から下流側端(終端)に向かって徐々に低くなっている。壁部7421と下降側エンドホルダ81と間には第2壁部7422が配置されている。第2壁部7422は、壁部7421よりも所定高さ分だけ上方向(+Z方向)に位置する。第2壁部7422によって、第2案内部742により案内された水の水量を制限することが可能となり、水の下降側エンドホルダ81内への浸水を防ぐことで、ガイドレール31等への被水を防ぐことができる。
【0048】
流路部75は、面32b1が有する下側縁部から厚さ方向一側(+X方向)に立ち上がるフランジである。流路部75が有する上流側端は、第2案内部742が有する下流側端に接続されている。流路部75が有する下流側端は、上流側端よりも幅方向他側(-Y方向)に位置している。流路部75が有する下流側端は、連通部76が有する上流側端に接続されている。これにより、流路部75は、案内部74の流路部75側の端部の位置(流路部75が有する上流側端の位置)と、連通部76の面32b1側の位置(流路部75が有する下流側端の位置)とが第2案内部742が延びる方向(Y方向)においてオフセットするように接続している。
【0049】
流路部75は、案内部74によって案内された水を面32b側から面32c側へと流すものである。なお、流路部75が水を案内する方向は、厚さ方向他側(-X方向)への方向成分を有していればよく、厚さ方向他側(-X方向)に対して傾斜角度を有してもよい。そして、傾斜角度の大小は問わない。流路部75は上流側端から下流側端に向かって下方向(-Z方向)に傾斜している。流路部75は、面32bが有する下側縁部から厚さ方向一側(+X方向)に立ち上がるフランジが底部を構成し、面32b1が壁部751を構成する。
【0050】
底部であるフランジおよび壁部751のそれぞれは、幅方向他側(-Y方向)に対して厚さ方向他側(-X方向)へ斜め方向に傾斜している。これにより、流路部75は、幅方向他側(-Y方向)に対して厚さ方向他側(-X方向)へ斜め方向に傾斜する。流路部75が有する幅方向他側(-Y方向)に位置する領域(フランジおよび壁部751)は、第2案内部742が有する壁部7421から厚さ方向他側(-X方向)に窪んでいる。なお、底部であるフランジおよび壁部751のそれぞれは、少なくとも窓ガラスで窓を閉じたときにおいて、幅方向他側(-Y方向)に対して厚さ方向他側(-X方向)へ斜め方向に傾斜していれば良い。
【0051】
図3および図4に示すように、連通部76は、面32cに設けられる。面32cの位置は、連通部76が有する下流側端の位置となる。連通部76は、本体32aを厚さ方向(X方向)に貫通する。面32b1の位置は、連通部76が有する上流側端の位置となる。連通部76が有する上流側端は、流路部75が有する下流側端に接続されている。連通部76は上流側端から下流側端に向かって下方向(-Z方向)に傾斜している。これにより、流路部75を流れた水は、連通部76を厚さ方向他側(-X方向)に通過する。
【0052】
図5および図6に示すように、排水部77は、面32cに設けられている。排水部77は、連通部75が有する下流側端(終端)に接続される。排水部77は、突出部78を有する。突出部78は、排水部77において水が流れる排水側に位置する先端に配置される。なお、突出部78は、排水部77の少なくとも先端に配置されていればよい。突出部78は、面32cから厚さ方向他側(-Y方向)に出っ張る所定の厚さを有する。排水部77は、連通部75が有する下流側端(終端)側から幅方向一側(-Y方向)に対して斜め下方向に延在している。これにより、連通部76を通過した水は、排水部77を介して突出部78に沿って幅方向一側(-Y方向)の位置であるガイドレール31から離れた位置に排出されるため、ガイドレール31が被水し難くなる。
【0053】
上記の本実施の形態におけるキャリアプレート32は、窓ガラスが取り付けられ、窓ガラスを昇降移動させるキャリアプレートであって、面32cと、面32cとは反対側の面32bとを有し、面32bに設けられ、水の流れを面32b側で案内する案内部74と、案内部74により流れが案内された水を面32b側から面32c側に流す流路部75と、を有し、案内部74は、第1案内部741と第2案内部742とを有し、第1案内部741は、第2案内部742において案内部74に案内された水が第2案内部742に案内されるように接続されている構成される。
【0054】
上記構成により、水の流れが案内部74等によって案内されるため、水が溜まらないようにすることができる。ひいては、溜まった水がこぼれ落ちてしまうことがないため、キャリアプレートの下方に設けられた部品が被水することを抑制することができる。
【0055】
また、上記実施の形態におけるキャリアプレート32では、面32cには、流路部75を流れた水が通過する連通部76が設けられている。水が連通部76を通過して面32c側に流れる。また、面32c側から落ちる水はドアパネルの裏側等に当たり易くなるため、キャリアプレート32の下方に設けられた部品に被水することを抑制する効果を高めることができる。
【0056】
また、上記実施の形態におけるキャリアプレート32では、キャリアプレート32は、ガイドレール31を摺動し、連通部76を通過した水を、連通部76よりもガイドレール31から離れた位置で排出する排水部77をさらに備える。これにより、排水部77から流れる水がガイドレール31にかかり難くすることができる。また、窓ガラスで窓を閉じた場合、図1Bに示すようにキャリアプレート32は面32c側へ傾くため、排水部77から流れる水をドアパネルの裏面側に積極的に当てることが可能となる。このため、キャリアプレート32の下方に設けられた部品に被水することを抑制する効果をさらに高めることができる。
【0057】
また、上記実施の形態におけるキャリアプレート32では、案内部74と、流路部75と、連通部76とは、水を鉛直斜め下向き方向に案内する。これにより、案内部74等で水が溜まらないようにすることができる。ひいては、キャリアプレートの下方に設けられた部品に被水することを抑制することができる。
【0058】
また、上記実施の形態におけるキャリアプレート32では、排水部77は、排水側の先端に突出部78を備え、水が突出部78を流れることで、連通部76を通過した水を、ガイドレール31の幅方向において、連通部76よりもガイドレール31から離れた位置で排出する。これにより、突出部78の先端が、ガイドレール31から大きく外れるため、排水部77からの水がガイドレール31にかかり難くする効果を高めることができる。
【0059】
また、上記実施の形態におけるキャリアプレート32では、キャリアプレート32を下方に牽引する下降側ケーブル34のエンド34aを収容する下降側エンドホルダ81と案内部74との間に、案内部74により流れが案内された水の流量を制限する第2壁部7422をさらに備える。これにより、下降側エンドホルダ81内のエンド34a等を水から保護することができる。
【0060】
また、上記実施の形態におけるキャリアプレート32では、キャリアプレート32は、窓ガラスを取り付ける取付部71を有し、第1案内部741は、一端が取付部71近傍に設けられ、他端が第2案内部742に接続され、第2案内部742は、下降側エンドホルダ81近傍に設けられ、一端が第1案内部741の他端に接続され、他端が流路部75に接続され、第1案内部741は、第1案内部741の一端から第1案内部741の他端に向かって略直線状となるように設けられている。これにより、取付部71側からの水の流れが第1案内部741等で案内されるため、水が溜まらないようにすることができる。ひいては、キャリアプレートの下方に設けられた部品に被水することを抑制することができる。
【0061】
また、上記実施の形態におけるキャリアプレート32では、流路部75の案内部74側とは反対側の領域は、面32b側から面32c側に窪んでいる。反対側の領域を面32b側から面32c側に窪ませることで、流路部75において水の流れを面32b側から面32c側にすることができるとともに、単に、水の流れを面32b側から面32c側にする流路を設ける場合と比べて、本体32aの厚さ方向の厚みが厚くなることを抑えることができる。
【0062】
また、上記実施の形態におけるキャリアプレート32では、流路部75は、案内部74の流路部75側の端部の位置と、連通部76の面32b側の端部の位置とが第2案内部742が延びる方向においてオフセットするように接続する。これにより、流路部75において、水を本体32aの端部に導くことができる。ひいては、キャリアプレートの下方に設けられた部品に被水することを抑制することができる。
【0063】
なお、上記実施の形態では、連通部76を、本体32aを厚さ方向(X方向)に貫通する連通孔として示したが、本発明はこれに限らず、面32b側から面32c側へ水を導く水路であってもよい。
【0064】
また、上記実施の形態におけるキャリアプレート32は、キャリアプレートの下方に設けられた部品に雨水がかかることを抑制するものであるが、車両洗車時の洗浄水などがかかることを抑制するものでもある。
【0065】
また、上記実施の形態におけるキャリアプレート32は、キャリアプレートの下方に設けられた部品に被水することを抑制するものであるが、想定している水量は、窓ガラスを保持するホルダからにじみ落ちる程度の水量である。
【0066】
また、上記実施の形態におけるキャリアプレート32では、面32b側の案内部74等で案内された水を面32cにおいて排出するものであるが、面32bにおいて排出するものであってもよい。
【0067】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、自動車の窓ガラスを昇降駆動するためのウインドレギュレータに適用できる。
【符号の説明】
【0069】
1 ウインドレギュレータ
31 ガイドレール
32 キャリアプレート
32a 本体
32b 面
32b1 面
32c 面
32d 上側縁部
32e 下側縁部
32f 一側縁部
32g 他側縁部
33 上昇側ケーブル
33a エンド
34 下降側ケーブル
34a エンド
35 駆動部
45 上部ケーブルガイド
51 ドラムハウジング
51a 本体
56 駆動モータ
57 上昇側ケーブル導出溝
59 下降側ケーブル導出溝
71 取付部
711 壁
711a 穴
711b 縁
711c 縁
711d 縁
711e 縁
73 取付部
731 壁
731a 穴
731b 縁
731c 縁
731d 縁
731e 縁
74 案内部
741 第1案内部
742 第2案内部
7421 壁部
7422 第2の壁部
75 流路部
751 壁部
76 連通部
77 排水部
78 突出部
79 上昇側エンドホルダ
81 下降側エンドホルダ
85 コイルスプリング
87 コイルスプリング
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6