(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022957
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】殺菌装置、殺菌装置に用いられる衣類用吊り下げ具、及び、殺菌方法
(51)【国際特許分類】
A61L 2/10 20060101AFI20240214BHJP
A61L 2/26 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
A61L2/10
A61L2/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022126423
(22)【出願日】2022-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100169063
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(72)【発明者】
【氏名】舩木 速人
(72)【発明者】
【氏名】桑村 健介
(72)【発明者】
【氏名】氏居 真弓
(72)【発明者】
【氏名】大島 野乃花
(72)【発明者】
【氏名】木下 一喜
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA03
4C058BB06
4C058EE22
4C058KK02
4C058KK22
4C058KK28
(57)【要約】
【課題】効率的に殺菌処理を行うことができる殺菌装置を提供する。
【解決手段】殺菌装置1は、殺菌対象物を収納可能な箱体10と、箱体10内に設置される少なくとも1つの紫外線照射ランプ20と、紫外線照射ランプ20に沿って配置され、殺菌対象物の箱体10内での収納領域を画定する少なくとも1つの仕切り部材30と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺菌対象物を収納可能な箱体と、
前記箱体内に設置される少なくとも1つの紫外線照射装置と、
前記紫外線照射装置に沿って配置され、前記殺菌対象物の前記箱体内での収納領域を画定する少なくとも1つの仕切り部材と、
を備える殺菌装置。
【請求項2】
前記箱体は、後壁を有し、
前記紫外線照射装置は、前記箱体内に向けて紫外線を照射するように前記後壁に取り付けられ、
前記仕切り部材は、前記後壁に支持されると共に前記後壁に沿って延在する、
請求項1に記載の殺菌装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの仕切り部材は、一対の第1仕切り部材を含み、
前記一対の第1仕切り部材は、前記紫外線照射装置をその間に挟むように対向すると共に前記紫外線照射装置の長手方向に沿ってそれぞれが延在する、
請求項1又は2に記載の殺菌装置。
【請求項4】
前記箱体は、後壁と前記後壁に対して交差する方向に広がる側壁とを有し、
前記紫外線照射装置は、前記箱体内に向けて紫外線を照射するように前記後壁に取り付けられ、
前記仕切り部材は、前記紫外線照射装置を前記側壁との間に挟むように前記後壁に取り付けられると共に前記紫外線照射装置の長手方向に沿って延在する、
請求項1又は2に記載の殺菌装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの紫外線照射装置は、水平方向において互いに隣接して設置される第1紫外線照射装置と第2紫外線照射装置とを含み、
前記少なくとも1つの仕切り部材は、水平方向において互いに隣接して設置される一対の第1仕切り部材と第2仕切り部材とを含み、
前記一対の第1仕切り部材は、前記第1紫外線照射装置をその間に挟むように対向すると共に前記第1紫外線照射装置の長手方向に沿ってそれぞれが延在し、
前記第2仕切り部材は、前記第2紫外線照射装置の長手方向に沿って延在し、
前記一対の第1仕切り部材のうち前記第2仕切り部材側に位置する第1仕切り部材と前記第2仕切り部材とが水平方向において対向する第1間隔は、前記一対の第1仕切り部材同士が水平方向に互いに対向する第2間隔よりも広く、前記第2仕切り部材側に位置する前記第1仕切り部材と前記第2仕切り部材との間に前記殺菌対象物の収納領域が画定される、
請求項1又は2に記載の殺菌装置。
【請求項6】
前記仕切り部材は、フレーム構造を有する、
請求項1又は2に記載の殺菌装置。
【請求項7】
前記仕切り部材は、紫外線を反射可能な材料から構成されている、
請求項1又は2に記載の殺菌装置。
【請求項8】
前記紫外線照射装置は、照射される紫外線の波長が200nm~280nmである紫外線照射ランプである、
請求項1又は2に記載の殺菌装置。
【請求項9】
前記箱体の内壁は、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼、又は、アルミニウム、鉄、若しくはステンレス鋼に酸化皮膜処理を施した材料のうちの何れかを主成分とした内装表面材を含む、
請求項1又は2に記載の殺菌装置。
【請求項10】
請求項1又は2に記載の殺菌装置に用いられる衣類用吊り下げ具であって、
衣類の肩部を支持する吊り下げ本体部と、
水平方向に対して下方に傾斜すると共に前記吊り下げ本体部から外側に延在し、前記衣類の袖部を支持する袖広げ部と、
を備える、吊り下げ具。
【請求項11】
請求項1又は2に記載の殺菌装置を用いた殺菌方法であって、
前記殺菌装置の前記箱体内において前記仕切り部材によって画定される前記収納領域に前記殺菌対象物を収納する工程と、
前記紫外線照射装置から紫外線を照射し、前記殺菌対象物を殺菌する工程と、
を備える、殺菌方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、殺菌装置、殺菌装置に用いられる衣類用吊り下げ具、及び、殺菌方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、衣類を収納する装置の上下に殺菌灯を設置すると共にオゾン発生装置を設置し、殺菌灯及びオゾン発生装置により衣類を殺菌する殺菌装置が開示されている。特許文献2及び3には、紫外線光源又は紫外線発生ランプを側面に設けた殺菌装置が開示されている。特許文献4には、オゾンによって衣類を除菌する殺菌装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-150194号公報
【特許文献2】特開平1-025865号公報
【特許文献3】特開2018-175506号公報
【特許文献4】特開2004-353121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の殺菌装置は、上方に設置された殺菌灯の下に設けられたポールに殺菌対象物である衣類が吊り下げられるように構成されている。しかしながら、特許文献1に記載の装置では、多数の衣類同士が密着するように収納されることもあり、この状態で衣類の殺菌が行われる。このため、衣類が重なりあう部分等の殺菌に時間がかかることがあり、効率的に殺菌を行うことができる装置が望まれている。
【0005】
本開示は、効率的に殺菌処理を行うことができる殺菌装置、当該殺菌装置に用いられる衣類用吊り下げ具、及び、殺菌方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本開示の一側面は、殺菌装置に関する。この殺菌装置は、殺菌対象物を収納可能な箱体と、箱体内に設置される少なくとも1つの紫外線照射装置と、紫外線照射装置に沿って配置され、殺菌対象物の箱体内での収納領域を画定する少なくとも1つの仕切り部材と、を備える。
【0007】
この殺菌装置には、殺菌対象物の箱体内での収納領域を画定する少なくとも1つの仕切り部材が設けられている。この場合、殺菌対象物を収納する収納領域を確実に画定して、その収納領域に殺菌対象物を収納して紫外線照射装置による紫外線照射で殺菌を行うことができる。よって、殺菌対象物同士が重なりあう等が防止された状態で殺菌を行うため、効率的に殺菌処理を行うことができる。また、この殺菌装置によれば、殺菌対象物を収納する収納領域に殺菌対象物を収納した上で殺菌を行うことから、殺菌対象物の全体を確実に殺菌することができる。更に、この殺菌装置では、仕切り部材が紫外線照射装置に沿って設置されている。この場合、仕切り部材を、殺菌対象物が紫外線照射装置に間違って触れることを防止する構造体としても利用できる。これにより、加熱した紫外線照射装置に殺菌対象物が触れたりすることを防止できる。
【0008】
[2]上記[1]の殺菌装置において、箱体は、後壁を有し、紫外線照射装置は、箱体内に向けて紫外線を照射するように後壁に取り付けられ、仕切り部材は、後壁に支持されると共に後壁に沿って延在してもよい。この場合、紫外線照射装置や仕切り部材を箱体の後壁側に集約するため、殺菌対象物を収納する収納領域をより広く確保することが可能となる。また、後壁側から箱体内に向けて紫外線を照射する構成であることから、殺菌対象物の上下方向の略全体に向けて紫外線を照射しやすくなり、殺菌対象物の全体を効率的に殺菌処理することができる。
【0009】
[3]上記[1]又は[2]の殺菌装置において、少なくとも1つの仕切り部材は、一対の第1仕切り部材を含み、一対の第1仕切り部材は、紫外線照射装置をその間に挟むように対向すると共に紫外線照射装置の長手方向に沿ってそれぞれが延在してもよい。この場合、一対の第1仕切り部材により、殺菌対象物が紫外線照射装置に間違って触れることをより確実に防止することができる。これにより、加熱した紫外線照射装置に殺菌対象物が触れることをより確実に防止できる。
【0010】
[4]上記[1]~[3]の何れかの殺菌装置において、箱体は、後壁と後壁に対して交差する方向に広がる側壁とを有し、紫外線照射装置は、箱体内に向けて紫外線を照射するように後壁に取り付けられ、仕切り部材は、紫外線照射装置を側壁との間に挟むように後壁に取り付けられると共に紫外線照射装置の長手方向に沿って延在してもよい。この場合、仕切り部材と側壁とにより、殺菌対象物が紫外線照射装置に間違って触れることをより確実に防止することができる。これにより、加熱した紫外線照射装置に殺菌対象物が触れることをより確実に防止できる。また、側壁を利用する接触防止構造であるため、殺菌対象物を収納する収納領域を狭めないようにすることができる。
【0011】
[5]上記[1]~[4]の何れかの殺菌装置において、少なくとも1つの紫外線照射装置は、水平方向において互いに隣接して設置される第1紫外線照射装置と第2紫外線照射装置とを含み、少なくとも1つの仕切り部材は、水平方向において互いに隣接して設置される一対の第1仕切り部材と第2仕切り部材とを含み、一対の第1仕切り部材は、第1紫外線照射装置をその間に挟むように対向すると共に第1紫外線照射装置の長手方向に沿ってそれぞれが延在し、第2仕切り部材は、第2紫外線照射装置の長手方向に沿って延在してもよい。この装置において、一対の第1仕切り部材のうち第2仕切り部材側に位置する第1仕切り部材と第2仕切り部材とが水平方向において対向する第1間隔は、一対の第1仕切り部材同士が水平方向に互いに対向する第2間隔よりも広く、第2仕切り部材側に位置する第1仕切り部材と第2仕切り部材との間に殺菌対象物の収納領域が画定されてもよい。この場合、殺菌対象物を収納する収納領域をより広く確保することができ、例えば厚手の殺菌対象物であっても、より確実に全体を殺菌することが可能となる。
【0012】
[6]上記[1]~[5]の何れかの殺菌装置において、仕切り部材は、フレーム構造を有してもよい。この場合、仕切り部材を紫外線照射装置に沿って配置したとしても、紫外線照射装置から照射される紫外線を仕切り部材が遮蔽してしまうことを抑制できる。よって、殺菌対象物の効率的な殺菌処理を行うことが可能となる。
【0013】
[7]上記[1]~[6]の何れかの殺菌装置において、仕切り部材は、紫外線を反射可能な材料から構成されていてもよい。上記[1]~[6]の何れかの殺菌装置では、仕切り部材を紫外線照射装置に沿って配置しているため、照射される紫外線の一部が仕切り部材によって遮蔽される場合がある。しかしながら、この殺菌装置によれば、そのような遮蔽された紫外線を反射させて殺菌対象物の殺菌処理に用いることが可能となる。よって、この殺菌装置によれば、殺菌対象物の効率的な殺菌処理を行うことが可能となる。
【0014】
[8]上記[1]~[7]の何れかの殺菌装置において、紫外線照射装置は、照射される紫外線の波長が200nm~280nmである紫外線照射ランプであってもよい。この場合、紫外線照射装置から照射される紫外線の殺菌力が高いため、殺菌対象物の効率的な殺菌処理を行うことが可能となる。
【0015】
[9]上記[1]~[8]の何れかの殺菌装置において、箱体の内壁は、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼、又は、アルミニウム、鉄、若しくはステンレス鋼に酸化皮膜処理を施した材料のうちの何れかを主成分とした内装表面材を含んでもよい。この場合、紫外線照射装置から照射された紫外線が箱体の内壁において反射し、反射した紫外線が殺菌対象物の殺菌処理に供されることになる。よって、この殺菌装置によれば、殺菌対象物をより効率的に殺菌することが可能となる。
【0016】
[10]本開示の別の側面は、衣類用吊り下げ具に関する。この衣類用吊り下げ具は、上記[1]~[9]の何れかの殺菌装置に用いられる衣類用吊り下げ具であって、衣類の肩部を支持する吊り下げ本体部と、水平方向に対して下方に傾斜すると共に吊り下げ本体部から外側に延在し、衣類の袖部を支持する袖広げ部と、を備えている。このような構成の衣類用吊り下げ具を用いることにより、殺菌対象物である衣類(特に袖部)をより確実に伸ばして殺菌処理を行うことができ、衣類の全体をより確実に殺菌することが可能となる。
【0017】
[11]本開示の別の側面は、殺菌方法に関する。この殺菌方法は、上記[1]~[9]の何れかの殺菌装置を用いた殺菌方法であって、殺菌装置の箱体内において仕切り部材によって画定される収納領域に殺菌対象物を収納する工程と、紫外線照射装置から紫外線を照射し、殺菌対象物を殺菌する工程と、を備えている。この場合、収納領域に殺菌対象物を収納した上で殺菌処理を行うため、殺菌対象物同士が重なりあう等が防止された状態で殺菌が行われ、効率的に殺菌処理を行うことができる。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、効率的に殺菌処理を行うことできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係る殺菌装置を前方から視た斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す殺菌装置の内部を拡大して示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す殺菌装置を前方から視た前面図である。
【
図4】
図4は、
図1に示す殺菌装置の水平方向に沿った断面を示す横断面図である。
【
図5】
図5は、
図1に示す殺菌装置の鉛直方向に沿った断面を示す縦断面図である。
【
図6】
図6は、
図1に示す殺菌装置に衣類を収納した状態の一例を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、
図1に示す殺菌装置での殺菌処理に用いられるハンガーの例を示す正面図である。
【
図8】
図8は、実施例に係る殺菌装置での殺菌処理の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る殺菌装置、殺菌装置に用いられるハンガー、及び、殺菌装置を用いた殺菌方法について詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いる場合があり、重複する説明は省略する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0021】
図1は、本開示の一実施形態に係る殺菌装置を前方から視た斜視図である。
図2は、
図1に示す殺菌装置の内部を拡大して示す斜視図である。
図1及び
図2に示すように、殺菌装置1は、箱体10、複数の紫外線照射ランプ20(紫外線照射装置)、複数の仕切り部材30(30A,30B)、吊り下げポール40、及び、棚板45を備えている。この殺菌装置1では、箱体10内に収納された衣類等の殺菌対象物を複数の紫外線照射ランプ20から照射される紫外線によって殺菌することができる(例えば、
図6を参照)。殺菌装置1では、衣類以外の殺菌対象物として、例えば、靴、手袋、その他の備品等を棚板45上に配置することで殺菌を行うことができる。
【0022】
箱体10は、殺菌対象物である衣類等を収納可能な領域を内部に有するスチール製の筐体であり、後壁11、第1側壁12、第2側壁13、上壁14、底壁15、扉16,17を有している。第1側壁12及び第2側壁13は、後壁11に対して直交(交差)する方向に広がる面であり、水平方向において互いに対向する。上壁14及び底壁15も同様に後壁11に対して直交する方向に広がる面であり、鉛直方向において互いに対向する。後壁11、第1側壁12、第2側壁13、上壁14、及び底壁15によって、箱体10の前方に矩形形状の開口18が画定される。第1側壁12及び第2側壁13の前方には、開口18を開閉可能なように扉16,17が取り付けられる。扉16,17は、開口18を閉じた状態において、後壁11と対向する(
図5を参照)。
【0023】
箱体10の内壁は、紫外線を効率よく反射できる材料で被覆されていることが好ましく、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼、又は、アルミニウム、鉄、若しくはステンレス鋼に酸化皮膜処理を施した材料のうちの何れかを主成分とした内装表面材を含むことが好ましい。箱体10の内壁にアルミニウムを用いる場合、純アルミニウム又は紫外線反射処理(又は反射構造)を施されたアルミニウム材を用いてもよい。また、箱体10の内壁の表面に微細な凹凸形状を付与して、紫外線の反射効率を高めてもよい。ここでいう箱体10の内壁には、例えば、後壁11、第1側壁12、第2側壁13、扉16,17の内面を含むことができ、上壁14や底壁15の内面を含んでもよい。
【0024】
紫外線照射ランプ20は、殺菌用の紫外線を照射することができるランプである。紫外線照射ランプ20としては、市販されている各種の紫外線照射ランプを用いることができるが、例えば、照射される紫外線の波長が200nm~280nmの紫外線ランプを用いることが好ましい。紫外線照射ランプ20は、長手方向に延在する形状を有しており、箱体10の鉛直方向に紫外線照射ランプ20の長手方向が揃うように、箱体10に設置される。本実施形態に係る殺菌装置1では、複数の紫外線照射ランプ20が箱体10の後壁11に取り付けられており、箱体10内に向けて紫外線を照射できるように構成されている。より具体的には、鉛直方向に沿って2つの紫外線照射ランプ20が後壁11に取り付けられ、このような一組の紫外線照射ランプ20が所定の間隔で水平方向に四組設けられている。但し、箱体10内に設置される紫外線照射ランプ20の設置数や設置箇所については、これに限定されない。なお、紫外線照射ランプ20は、箱体10の扉16,17が閉じた場合に装置の外部上方等に設けられた稼働スイッチを押すことで点灯するように構成されていてもよい。また、紫外線照射ランプ20が点灯する照射時間を制御できるように、タイマー機能を殺菌装置1に設けておいてもよい。
【0025】
仕切り部材30は、対応する紫外線照射ランプ20に沿って配置され、殺菌対象物である衣類等の箱体10内での収納領域R1を画定すると共に、殺菌対象物が紫外線照射ランプ20に接触しないようにするための誘導保護部材である。仕切り部材30のそれぞれは、例えば、U字形状(コの字形状)等のフレーム構造を有する部材であり、両端が後壁11に支持されて扉16,17に向けて突出すると共に、後壁11に沿って延在する。仕切り部材30は、V字形状、M字形状などの各種フレーム構造を有していてもよい。仕切り部材30は、紫外線を反射する材料から形成されていることが好ましく、例えば、ステンレス鋼から形成することができる。また、仕切り部材30の後壁11から扉16,17に向けた突出量は、殺菌対象物である衣類等の収納領域R1を画定する若しくは紫外線照射ランプ20に接触しないようにする機能を奏することができるものであれば特に限定されるものではないが、5cm以上であってもよく、10cm以上であってもよく、15cm以上であってもよく、50cm以下であってもよく、30cm以下であってもよい。一例として、仕切り部材30の突出量は20cm程度である。なお、仕切り部材30は、フレーム構造の他に、紫外線照射ランプ20の全体を覆うカバー形状とすることもできる。この場合、仕切り部材30は、紫外線を透過する材料(例えば、透明な樹脂材料やガラス材料)等から形成することができる。
【0026】
中央の二組の紫外線照射ランプ20に沿う仕切り部材30の配置については、各紫外線照射ランプ20をその間に挟むように、一対の仕切り部材30がそれぞれ配置されている。この場合、一対の仕切り部材30は、紫外線照射ランプ20の長手方向よりも長くなるように延在して、紫外線照射ランプ20への殺菌対象物の接触を防止する。また、側壁側の2組の紫外線照射ランプ20に沿う仕切り部材30の配置については、各紫外線照射ランプ20を対応する側壁(第1側壁12又は第2側壁13)との間に挟み込むように、1つの仕切り部材30がそれぞれ配置されている。
【0027】
ここで、
図3~
図5を参照して、紫外線照射ランプ20と仕切り部材30との配置関係について、より詳細に説明する。
図3は、殺菌装置1を前方から視た前面図である。
図4は、殺菌装置1の水平方向に沿った断面を示す横断面図である。
図5は、殺菌装置1の鉛直方向に沿った断面を示す縦断面図である。
図3~
図5に示すように、殺菌装置1では、水平方向に隣接する紫外線照射ランプ20同士の間に空間が形成されており、この空間が殺菌対象物である衣類等を収納する収納領域R1とされている。収納領域R1は、隣接する紫外線照射ランプ20それぞれに沿って設けられ且つ水平方向に互いに隣接する仕切り部材30によって画定される。このような収納領域R1の間隔D1(第1間隔)は、1つの紫外線照射ランプ20をその間に挟み込む一対の仕切り部材30の対向する保護領域R2における間隔D2(第2間隔)よりも広くなるように構成されている。具体的には、間隔D1は150mm以上であってもよく、間隔D2は100mm以上であってもよく、間隔D1は、例えば、間隔D2の1.4倍以上であってもよく、1.5倍以上であってもよく、2倍以下であってもよい。
【0028】
上述した収納領域R1のそれぞれには、例えば,
図6に示すように、殺菌対象物である衣類(白衣S及びジャンパーT)が収納されて、殺菌装置1による殺菌処理が行われる。殺菌装置1に殺菌対象物が収納される場合、殺菌対象物は、上述した収納領域R1に主に収納されるが、殺菌処理の効率化を阻害しない限りにおいては、殺菌対象物の一部が保護領域R2に位置していてもよい。但し、この場合も、殺菌対象物は、仕切り部材30によって紫外線照射ランプ20には接触しないようになっている。
【0029】
ここで、
図1及び
図2に戻り、説明を続ける。吊り下げポール40は、殺菌対象物である衣類等を吊り下げるためのハンガー50(
図7を参照)を吊り下げるための部材である。吊り下げポール40は、箱体10の上方において、第1側壁12と第2側壁13との間に連結されている。吊り下げポール40は、通常の丸棒形状であってもよいが、ハンガー50を吊り下げるように誘導された構成を有する吊り下げ部分41と、ハンガー50を吊り下げないように構成された部分42とを有して構成されてもよい。部分42は、吊り下げ部分41よりも外径が太くなるように形成されており、ハンガー50(引っ掛け部54)が引っ掛からないようになっている。このような構成により、ハンガー50に吊り下げられた殺菌対象物である衣類が、上述した収納領域R1に収納されるように、より確実に誘導される。なお、ハンガー50に吊り下げて収納する場合、ハンガー50に吊り下げられた殺菌対象物である衣類が箱体10内に収納された後に回転してしまうことが想定されるが、仕切り部材30によって衣類が収納領域R1からずれて、紫外線照射ランプ20に接触してしまうことは防止されている。
【0030】
棚板45は、箱体10内に収納されるメッシュ状の金属製の板部材であり、例えば、下側の紫外線照射ランプ20の更に下方に設置される。棚板45には、例えば、殺菌対象物である靴等を配置して、殺菌処理を行うことが可能である。また、棚板45は、
図5に示すように、上側の紫外線照射ランプ20と下側の紫外線照射ランプ20との間に設置してもよく、この場合、上側の棚板45には、例えば、殺菌対象物である靴、手袋、その他の備品等を配置して、殺菌処理を行うことが可能である。紫外線照射ランプ20を上下に分けた構成とすることで、棚板45を上下方向の中央に配置することも可能である。棚板45は、いずれも箱体10から取外し可能であることが好ましい。
【0031】
殺菌装置1は、
図5に示すように、更に、吸気口46及び排気口47を備えていてもよい。吸気口46は、例えば、箱体10の下方(棚板45の下方)に設置され、排気口47は、例えば、箱体10の上方に設置される。殺菌装置1の箱体10に吸気口46及び排気口47を設けてファン(不図示)を回すことで、箱体10内の換気を行うようにしてもよい。
【0032】
ここで、
図7を参照して、殺菌装置1での殺菌処理に用いられるハンガー50について説明する。
図7は、殺菌装置1での殺菌処理に用いられるハンガーの例を示す正面図である。
図7に示すように、ハンガー50は、殺菌対象物である衣類の肩部を支持する吊り下げ本体部51と、衣類の袖部を支持して広げる袖広げ部52,53と、ハンガー50を殺菌装置1の吊り下げポール40に吊り下げるための引っ掛け部54と、を備えている。吊り下げ本体部51は、例えば、略二等辺三角形形状を為すフレーム部材である。吊り下げ本体部51の両端51a,51bには、袖広げ部52,53が水平方向に対して下方に傾斜するように連結されており、吊り下げ本体部51から外側に延在している。袖広げ部52が水平方向に対して下方に傾斜する角度は、吊り下げ本体部51の二等辺三角形の等辺が水平方向に対して下方に傾斜する角度よりも大きくてもよく、衣類の袖部を適度に広げて殺菌が行えるように構成されている。また、袖広げ部52,53は、吊り下げ本体部51に対して固定されていてもよく、また、下方に傾斜する角度が調整できるように吊り下げ本体部51に対して取り付けられていてもよい。なお、殺菌装置1に用いられるハンガー50は、このような構成のものに限られず、一般的なハンガーであってもよい。
【0033】
次に、上述した構成を有する殺菌装置1とハンガー50とを用いて、殺菌対象物である衣類を殺菌する方法について説明する。この殺菌方法では、まず、ハンガー50のそれぞれに殺菌対象物である衣類を吊り下げる。続いて、各ハンガー50を吊り下げポール40の吊り下げ部分41に引っ掛ける。
図1及び
図2に示す殺菌装置1の場合、例えば、三つのハンガー50を引っ掛ける。吊り下げポール40の吊り下げ部分41に各ハンガー50を引っ掛けることにより、箱体10における収納領域R1にハンガー50に吊り下げられた衣類(
図6の白衣SやジャンパーT)が収納される。衣類が収納される収納領域R1は、上述したように、仕切り部材30によって画定されており、紫外線照射ランプ20に衣類が触れないようになっている。
【0034】
続いて、殺菌対象物である衣類が収納領域R1に収納されると、扉16,17を閉じて、紫外線照射ランプ20の稼働スイッチをONとする。これにより、各紫外線照射ランプ20から照射される紫外線によって殺菌対象物が殺菌される。
図4に示すように、各収納領域R1は、水平方向に隣接する2つの紫外線照射ランプ20によって挟まれるように構成されている。このため、各収納領域R1に収納された衣類は、一方の紫外線照射ランプ20による紫外線照射によって衣類の一方の面(例えば前面)が殺菌され、他方の紫外線照射ランプ20の紫外線照射によって衣類の他方の面(例えば裏面)が殺菌される。これにより、殺菌対象物の全体をより確実に殺菌処理することができる。紫外線照射ランプ20による殺菌処理は、所定の時間が経過すると、終了する。その後、紫外線照射ランプ20の稼働をOFFにしてから扉16,17を開けて、殺菌処理が終了した衣類等を取り出す。以上により、衣類等の殺菌処理が完了する。
【0035】
以上、本実施形態に係る殺菌装置1には、殺菌対象物の箱体10内での収納領域R1を画定する仕切り部材30が設けられている。このため、殺菌対象物を収納する収納領域R1を確実に画定して、収納領域R1に殺菌対象物を収納して紫外線照射ランプ20による紫外線照射で殺菌を行うことができる。この殺菌装置1では、殺菌対象物同士が重なりあう等が防止された状態で殺菌を行うため、効率的に殺菌処理を行うことができる。また、殺菌装置1によれば、殺菌対象物を収納する収納領域R1に殺菌対象物を収納した上で殺菌を行うことから、殺菌対象物の全体を確実に殺菌することができる。更に、殺菌装置1では、仕切り部材30が紫外線照射ランプ20に沿って設置されている。このため、仕切り部材30を、殺菌対象物が紫外線照射ランプに間違って触れることを防止する構造体としても利用できる。これにより、加熱した紫外線照射ランプ20に殺菌対象物が触れたりすることを防止できる。
【0036】
また、本実施形態に係る殺菌装置1では、紫外線照射ランプ20は、箱体10内に向けて紫外線を照射するように後壁11に取り付けられ、仕切り部材30は、後壁11に支持されると共に後壁11に沿って延在している。この構成によれば、紫外線照射ランプ20や仕切り部材30を箱体10の後壁11側に集約するため、殺菌対象物を収納する収納領域R1をより広く確保することが可能となる。また、後壁11側から箱体10内に向けて紫外線を照射する構成であることから、殺菌対象物の上下方向の略全体に向けて紫外線を照射しやすくなり、殺菌対象物の全体を効率的に殺菌処理することができる。
【0037】
また、本実施形態に係る殺菌装置1では、一対の仕切り部材30は、紫外線照射ランプ20をその間に挟むように対向すると共に紫外線照射ランプの長手方向に沿ってそれぞれが延在している。このような一対の仕切り部材30により、殺菌対象物が紫外線照射ランプ20に間違って触れることをより確実に防止することができる。これにより、加熱した紫外線照射ランプ20に殺菌対象物が触れることをより確実に防止できる。
【0038】
また、本実施形態に係る殺菌装置1では、箱体10は、後壁11と後壁11に対して直交する方向に広がる第1側壁12及び第2側壁13とを有し、紫外線照射ランプ20は、箱体10内に向けて紫外線を照射するように後壁11に取り付けられ、仕切り部材30は、紫外線照射ランプ20を第1側壁12又は第2側壁13との間に挟むように後壁11に取り付けられると共に紫外線照射ランプ20の長手方向に沿って延在している。このように、仕切り部材30と第1側壁12又は第2側壁13とにより、殺菌対象物が紫外線照射ランプ20に間違って触れることをより確実に防止することができる。これにより、加熱した紫外線照射ランプ20に殺菌対象物が触れることをより確実に防止できる。また、側壁を利用する接触防止構造であるため、殺菌対象物を収納する収納領域R1を狭めないようにすることができる。
【0039】
また、本実施形態に係る殺菌装置1では、1つの紫外線照射ランプ20を挟み込む一対の仕切り部材30のうち隣接する仕切り部材30側に位置する仕切り部材30とその隣接する仕切り部材30とが水平方向において対向する間隔D1は、1つの紫外線照射ランプ20を挟み込む一対の仕切り部材30同士が水平方向に互いに対向する間隔D2よりも広くなっている。これにより、殺菌対象物を収納する収納領域R1をより広く確保することができ、例えば厚手の殺菌対象物であっても、より確実に全体を殺菌することが可能となる。
【0040】
また、本実施形態に係る殺菌装置1では、仕切り部材30は、フレーム構造を有してもよい。この場合、仕切り部材30を紫外線照射ランプ20に沿って配置したとしても、紫外線照射ランプ20から照射される紫外線を仕切り部材30が遮蔽してしまうことを抑制できる。よって、殺菌対象物の効率的な殺菌処理を行うことが可能となる。
【0041】
また、本実施形態に係る殺菌装置1では、仕切り部材30は、紫外線を反射可能な材料から構成されていてもよい。殺菌装置1では、仕切り部材30を紫外線照射ランプ20に沿って配置しているため、照射される紫外線の一部が仕切り部材30によって遮蔽される場合がある。しかしながら、このような材料からなる仕切り部材30によれば、そのような遮蔽された紫外線を反射させて殺菌対象物の殺菌処理に用いることが可能となる。よって、殺菌装置1によれば、殺菌対象物の効率的な殺菌処理を行うことが可能となる。
【0042】
また、本実施形態に係る殺菌装置1では、紫外線照射ランプ20は、照射される紫外線の波長が200nm~280nmであってもよい。この場合、紫外線照射ランプ20から照射される紫外線の殺菌力が高いため、殺菌対象物の効率的な殺菌処理を行うことが可能となる。
【0043】
また、本実施形態に係る殺菌装置1では、箱体10の内壁は、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼、又は、アルミニウム、鉄、若しくはステンレス鋼に酸化皮膜処理を施した材料のうちの何れかを主成分とした内装表面材を含んでもよい。この場合、紫外線照射ランプ20から照射された紫外線が箱体10の内壁において反射し、反射した紫外線が殺菌対象物の殺菌処理に供されることになる。よって、殺菌装置1によれば、殺菌対象物をより効率的に殺菌することが可能となる。
【0044】
また、本実施形態に係るハンガー50は、衣類の肩部を支持する吊り下げ本体部51と、水平方向に対して下方に傾斜すると共に吊り下げ本体部51から外側に延在し、衣類の袖部を支持する袖広げ部52,53と、を備えている。このような構成のハンガー50を用いることにより、殺菌対象物である衣類(特に袖部)をより確実に伸ばして殺菌処理を行うことができ、衣類の全体をより確実に殺菌することが可能となる。
【0045】
また、本実施形態に係る殺菌方法は、殺菌装置1を用いた殺菌方法であって、殺菌装置1の箱体10内において仕切り部材30によって画定される収納領域R1に殺菌対象物を収納する工程と、紫外線照射ランプ20から紫外線を照射し、殺菌対象物を殺菌する工程と、を備えている。このように、収納領域R1に殺菌対象物を収納した上で殺菌処理を行うため、殺菌対象物同士が重なりあう等が防止された状態で殺菌が行われ、効率的に殺菌処理を行うことができる。
【実施例0046】
以下、実施例により本開示を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0047】
まず、
図1及び
図2に示す構成の殺菌装置1を準備した。具体的には、幅980mm、高さ1750mm、奥行き760mmの箱体10を有し、且つ、全ての仕切り部材30が
図2に示す構成の仕切り部材30Aである殺菌装置1を準備した。箱体10の内部には、アルホワイト(株式会社SDAT製)の内装材を取り付けた。また、殺菌装置1の箱体10の内部には、上面から65mm低い位置に、吊り下げポール40を設置した。紫外線照射ランプ20は、
図1及び
図2に示すように、鉛直方向に二個連続したものを四列設け、計八個の紫外線照射ランプ20を後壁11に設置した。使用した紫外線照射ランプ20は、例えば、長さが435mmであり且つ最大幅が約17mm、最大厚みが約8mmであるエキシマランプ(株式会社クォークテクノロジー製)であり、222nmの波長の紫外線を照射することができるものであった。
【0048】
また、試験に使用した殺菌装置1では、中央の二列の紫外線照射ランプ20それぞれの両側に一対の仕切り部材30を設け、他方、側壁寄りの紫外線照射ランプ20には、対応する側壁との間でランプを挟み込むように1つの仕切り部材30を設けた。ランプ同士の間に設置される仕切り部材30は、水平方向に170mm程度離れるように設置し、このスペースを衣類等を収納する収納領域R1とした。また、ランプの両側に配置される仕切り部材30は、水平方向に110mm程度離れるように設置し、このスペースをランプの保護領域R2とした。使用した仕切り部材30は、U字形状のステンレス材であった。なお、殺菌装置1には吸気口及び排気口を設けて、換気を行いながら、殺菌処理を行えるようにした。
【0049】
このような殺菌装置1が準備されると、二つの白衣Sと一つのジャンパーTとのそれぞれを、
図7に示す構成のハンガー50に吊り下げて、そのハンガー50を殺菌装置1の吊り下げポール40に取り付けた。この際、各仕切り部材30や吊り下げポール40の部分41等により、二つの白衣Sと一つのジャンパーTとのそれぞれが対応する収納領域R1に位置するようになった(例えば
図6を参照)。その後、殺菌装置1の扉16,17を閉じて、紫外線照射ランプ20を稼働させ、紫外線を白衣SやジャンパーT等の殺菌対象物に照射した。紫外線の照射時間は5分とした。この際、衣類の肩部や袖部、又は下端部等における紫外線の照射状態がわかるように、UVラベルを衣類の数ヶ所に貼り付けた。
【0050】
続いて、紫外線照射ランプ20による所定時間の紫外線照射が完了すると、扉16,17を開けて、殺菌対象物である白衣SやジャンパーTを取り出して、UVラベルの変色を確かめた。
図8に、紫外線照射の結果を示す。色の濃淡によって照射度合いが示されている。
図8の(a)は、
図6の左側の白衣Sの紫外線照射結果を示すものであり、
図8の(b)は、
図6の真ん中のジャンパーTの紫外線照射結果を示すものであり、
図8の(c)は、
図6の右側の白衣Sの紫外線照射結果を示すものである。
図8に示すように、紫外線の照射結果の分布に多少のずれが見られたものの、衣類のいずれの部分においても5分という短時間で紫外線が確実に照射されたことが確認できた。即ち、この殺菌装置1によれば、殺菌対象物である衣類等を効率的に殺菌できることが確認された。
1…殺菌装置、10…箱体、11…後壁、12…第1側壁、13…第2側壁、18…開口、20…紫外線照射ランプ(紫外線照射装置)、30,30A,30B…仕切り部材、40…吊り下げポール、50…ハンガー(吊り下げ具)、51…吊り下げ本体部、52,53…袖広げ部、R1…収納領域、R2…保護領域。