(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002298
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20231228BHJP
G09B 19/00 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
G06Q50/20
G09B19/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101403
(22)【出願日】2022-06-23
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.実証実験日 令和3年7月5日 実証実験を行った場所 東海大学(神奈川県平塚市北金目4-1-1) 実証実験を行った者 株式会社イトーキ 2.実証実験日 令和3年9月1日 実証実験を行った場所 武蔵野大学 実証実験を行った者 株式会社イトーキ 3.実証実験日 令和3年10月5日 実証実験を行った場所 お茶の水女子大学(東京都文京区大塚2-1-1) 実証実験を行った者 株式会社イトーキ 4.実証実験日 令和3年11月2日 実証実験を行った場所 武蔵野大学 実証実験を行った者 株式会社イトーキ 5.公開日 令和3年11月19日 集会名、開催場所 Edvation×Summit2021オンライン 公開者 中西 崇文(武蔵野大学) 大橋 一広(株式会社イトーキ)
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】福島 浩介
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】教育環境において多様な活動を行う学習者の活動状況を把握する。
【解決手段】学習に関わる活動を行う学習者が存在する場所を示す場所情報、当該場所における学習者の活動内容を示す活動内容情報、および、当該場所における学習者の活動時間を示す活動時間情報、を取得する取得部(111、211)と、場所情報と、活動内容情報と、活動時間情報とを関連付けてデータベース30に記録する記録部(112、212)と、データベース30を参照して、場所と、活動内容と、活動時間とを関連づけて学習者の活動状況とし、活動状況を示す活動状況情報を出力する出力部(113、213)と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
学習に関わる活動を行う学習者が存在する場所を示す場所情報、前記場所における前記学習者の活動内容を示す活動内容情報、および、前記場所における前記学習者の活動時間を示す活動時間情報、を取得する取得部と、
前記場所情報と、前記活動内容情報と、前記活動時間情報とを関連付けてデータベースに記録する記録部と、
前記データベースを参照して、前記場所と、前記活動内容と、前記活動時間とを関連づけて前記学習者の活動状況とし、前記活動状況を示す活動状況情報を出力する出力部と、
を含む、情報処理装置。
【請求項2】
前記場所情報は、前記場所の分類を示す情報を含み、
前記活動内容情報は、前記活動内容の分類を示す情報を含み、
前記活動状況情報は、前記場所の分類に応じた活動状況、および、前記活動内容の分類に応じた活動状況、の一方または両方を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記活動状況情報は、前記学習者の活動状況に基づき生成され、前記学習者に推奨される活動内容を示すリコメンド情報を含む、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記活動状況情報は、前記学習者の活動状況と、前記学習者の過去の活動状況または他の学習者の活動状況とを比較した比較情報を含む、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、
前記学習者が利用する端末に対する前記学習者の入力操作、
前記場所に配置されたコード情報を読み取った読取結果、および
前記端末の位置情報の測位結果、
の一部または全部に基づいて、前記場所情報を取得する、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
学習に関わる活動を行う学習者が存在する場所を示す場所情報、前記場所における前記学習者の活動内容を示す活動内容情報、および、前記場所における前記学習者の活動時間を示す活動時間情報、を取得する取得ステップと、
前記場所情報と、前記活動内容情報と、前記活動時間情報とを関連付けてデータベースに記録する記録ステップと、
前記データベースを参照して、前記場所と、前記活動内容と、前記活動時間とを関連づけて前記学習者の活動状況とし、前記活動状況を示す活動状況情報を出力する出力ステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
学習に関わる活動を行う学習者が存在する場所を示す場所情報、前記場所における前記学習者の活動内容を示す活動内容情報、および、前記場所における前記学習者の活動時間を示す活動時間情報、を取得する取得ステップと、
前記場所情報と、前記活動内容情報と、前記活動時間情報とを関連付けてデータベースに記録する記録ステップと、
前記データベースを参照して、前記場所と、前記活動内容と、前記活動時間とを関連づけて前記学習者の活動状況とし、前記活動状況を示す活動状況情報を出力する出力ステップと、
を実行させる、情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの活動を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザの活動を管理する活動管理装置が記載されている。当該活動管理装置は、1又は複数のエリアごとに配置された1又は複数の設備を示す設備情報を記録する設備情報データベースと、1又は複数の設備ごとに予め定義されたユーザが実施する活動内容を示す活動内容情報を記録する活動内容情報データベースと、を有する。また、当該活動管理装置は、ユーザの位置を示すユーザ位置情報を取得し、取得したユーザ位置情報と、設備情報データベースに記録された設備情報と、活動内容情報データベースに記録された活動内容情報と、に基づいて、ユーザが所定エリアごとに実施した活動内容を特定する。また、当該活動管理装置は、所定期間において特定されたユーザの活動内容の配分と、予め設定された、ユーザの所定期間における活動内容の配分の目標値とを比較する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、学校等の教育環境においては、学習者は、場所および活動内容を柔軟に選んで活動することが考えられる。例えば、教育環境では、グループ学習、ソロ学習等の様々な形態の活動が行われる。そのような各種の活動は、昨今ではキャンパスだけでなく、サテライトキャンパス、図書館、自宅、カフェ等、様々な場所に分散して行われる傾向がある。このような学習者の多様な活動状況を、学習者自身が把握することは、活動の振り返りの観点から重要である。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された活動管理装置では、設備ごとに活動内容が予め定義されているため、教育環境において多様な活動を行う学習者の活動状況を把握する上では、改善の余地がある。本発明の一態様は、上述した課題を解決するためになされたもので、教育環境において多様な活動を行う学習者の活動状況を把握することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、学習に関わる活動を行う学習者が存在する場所を示す場所情報、前記場所における前記学習者の活動内容を示す活動内容情報、および、前記場所における前記学習者の活動時間を示す活動時間情報、を取得する取得部と、前記場所情報と、前記活動内容情報と、前記活動時間情報とを関連付けてデータベースに記録する記録部と、前記データベースを参照して、前記場所と、前記活動内容と、前記活動時間とを関連づけて前記学習者の活動状況とし、前記活動状況を示す活動状況情報を出力する出力部と、を含む。上記構成により、教育機関において多様な活動を行う学習者の活動状況を把握することができる。
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する情報処理方法であって、学習に関わる活動を行う学習者が存在する場所を示す場所情報、前記場所における前記学習者の活動内容を示す活動内容情報、および、前記場所における前記学習者の活動時間を示す活動時間情報、を取得する取得ステップと、前記場所情報と、前記活動内容情報と、前記活動時間情報とを関連付けてデータベースに記録する記録ステップと、前記データベースを参照して、前記場所と、前記活動内容と、前記活動時間とを関連づけて前記学習者の活動状況とし、前記活動状況を示す活動状況情報を出力する出力ステップと、を含む。上記構成により、上述した情報処理装置と同様の効果を奏する。
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、学習に関わる活動を行う学習者が存在する場所を示す場所情報、前記場所における前記学習者の活動内容を示す活動内容情報、および、前記場所における前記学習者の活動時間を示す活動時間情報、を取得する取得ステップと、前記場所情報と、前記活動内容情報と、前記活動時間情報とを関連付けてデータベースに記録する記録ステップと、前記データベースを参照して、前記場所と、前記活動内容と、前記活動時間とを関連づけて前記学習者の活動状況とし、前記活動状況を示す活動状況情報を出力する出力ステップと、を実行させる。上記構成により、上述した情報処理装置と同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、教育環境において多様な活動を行う学習者の活動状況を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態1に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態1に係る情報処理方法の流れを示すフロー図である。
【
図3】
図1に示す端末に表示される記録画面の一例を示す図である。
【
図4】
図1に示す端末に表示される振り返り画面の一例を示す図である。
【
図5】
図1に示す端末に表示されるリコメンド画面の一例を示す図である。
【
図6】
図1に示す端末に表示される比較画面の一例を示す図である。
【
図7】
図1に示す端末に表示される身に付けたいスキル画面の一例を示す図である。
【
図8】
図1に示す端末に表示される混雑状況画面の一例を示す図である。
【
図9】
図1に示す端末に表示される混雑予測画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態1について、詳細に説明する。本実施形態に係る情報処理システム1は、学習者が活動を行う場所、活動内容、および活動時間を記録し、記録した情報を元に、学習者の活動状況を示す活動状況情報を出力するシステムである。出力された情報は、学習者が自身の活動を振り返るために活用できる。ここで、学習者とは、学習に関わる活動を行う者であり、例えば、教育機関における学生である。
【0012】
以下では、情報処理システム1を、課題探求型学習(PBL:Project Based Learning)の学習環境を提供する教育機関において適用する例を中心に説明する。当該教育機関では、PBLの学習環境として、PBLの各プロセスに応じたアクティビティスペース(場所)が提供される。1つのプロセスに応じたアクティビティスペースは、1つであってもよいし、複数であってもよい。プロセスの具体例としては、(1)Search Space、(2)Study、(3)Pair Study、(4)Brainstorming、(5)Summary、(6)Prototype、(7)Presentationの各プロセスがある。各アクティビティスペースには、対応するプロセス(場所の分類)を表す二次元コード(コード情報の一例)が配置される。なお、以下では、コード情報として二次元コードが配置される例を中心に説明するが、その他のコード情報(例えば、一次元コード等)が配置されていてもよい。
【0013】
学習者は、PBLの各プロセスに応じた活動、またはそれ以外の他の活動を行う場所として、提供されたアクティビティスペースおよびそれ以外の他の場所の中から、自身の活動に合う場所を自律的に選択する。ここで、学習者は、あるプロセスに応じた活動を行う場所として、当該プロセスに応じたアクティビティスペースを選ぶ場合もあるし、他のプロセスに応じたアクティビティスペースまたは他の場所を選ぶ場合もある。また、学習者は、他の活動を行う場所として、何れかのプロセスに応じたアクティビティスペースを選ぶ場合もあるし、他の場所を選ぶ場合もある。なお、他の場所とは、自宅、カフェ、サテライトキャンパス等であるが、これらに限られない。このように、学習者は、場所および活動内容を柔軟に選んで学習に関わる活動を行う。
【0014】
(情報処理システム1の構成)
本実施形態に係る情報処理システム1の構成について、
図1を参照して説明する。
図1は、情報処理システム1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、情報処理システム1は、端末10と、サーバ20と、データベース30と、を含む。端末10およびサーバ20は、それぞれ、特許請求の範囲に記載した情報処理装置の一例である。なお、
図1には、1つの端末10を示しているが、情報処理システム1に含まれる端末10の数は、複数であってもよい。
【0015】
端末10およびサーバ20は、ネットワークN1を介して通信可能に接続される。ネットワークN1は、無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、モバイルデータ通信網・公衆回線網等のWAN(Wide Area Network)、またはこれらの一部または全部の組み合わせを含む。ただし、ネットワークN1は、これらに限られない。また、サーバ20は、データベース30に対して、データを入出力可能に接続される。データベース30は、サーバ20に周辺装置として接続されていてもよいし、ネットワークを介して接続されていてもよい。また、データベース30は、サーバ20に含まれていてもよい。
【0016】
端末10は、学習者が利用するコンピュータである。端末10は、学習者が活動を行う際に携帯可能なコンピュータであることが望ましい。例えば、端末10は、スマートフォン、タブレット、ノート型パーソナルコンピュータ、等であってもよいが、これらに限られない。学習者は、端末10を用いて自身の活動をリアルタイムに記録する。また、学習者は、端末10に表示される活動状況情報を視認して、自身の活動の振り返りに活用する。
【0017】
端末10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、表示部14と、入力部15と、カメラ16と、を含む。ただし、端末10は、少なくとも制御部11および記憶部12を含み、その他の各部の一部または全部は、端末10の外部に周辺装置等として接続されていてもよい。
【0018】
制御部11は、端末10の各部を統括して制御する。また、制御部11は、取得部111と、記録部112と、出力部113と、を含む。これらの各部の詳細については後述する。記憶部12は、制御部11が使用する各種のデータおよびプログラムを記憶する。通信部13は、ネットワークN1を介してサーバ20と通信を行う。
【0019】
表示部14は、後述する活動状況情報を表示する。表示部14は、例えば、液晶ディスプレイ、入力部15と一体に形成されたタッチパネル等であるが、これらに限られない。入力部15は、利用者の操作を受け付ける。入力部15は、例えば、キーボード、マウス、タッチパッド、表示部14と一体に形成されたタッチパネル等であるが、これらに限られない。カメラ16は、後述する二次元コードQを撮影して撮影画像を生成する。
【0020】
サーバ20は、学習者の活動を管理するコンピュータである。サーバ20は、端末10を介して学習者の活動に関する情報を取得して、データベース30に記録する。また、サーバ20は、データベース30に記録された情報を元に、学習者の活動状況情報を生成して端末10に送信する。
【0021】
サーバ20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、を含む。また、制御部21は、取得部211と、記録部212と、出力部213と、を含む。これらの各部の詳細については後述する。記憶部22は、制御部21が使用する各種のデータおよびプログラムを記憶する。通信部23は、ネットワークN1を介して端末10と通信を行う。
【0022】
(情報処理方法S1の流れ)
以上のように構成された情報処理システム1は、本実施形態に係る情報処理方法S1を実行する。情報処理方法S1の流れについて、
図2を参照して説明する。
図2は、情報処理方法S1の流れを説明するフロー図である。
図2に示すように、情報処理方法S1は、ステップS11~S21を含む。ステップS11~S18は、活動を記録する方法を示し、ステップS19~S21は、活動状況情報を出力する方法を示す。
【0023】
(活動の記録)
ステップS11において、端末10の取得部111は、学習者が存在する場所を示す場所情報を取得する。具体的には、取得部111は、学習者が存在する場所に配置されたコード情報を読み取った読取結果に基づいて、場所情報を取得してもよい。ここで、当ステップの具体例について、
図3を参照して説明する。
図3は、当ステップにおいて端末10に表示される記録画面の具体例(G1、G2)を示す図である。
【0024】
例えば、学習者が、上述したアクティビティスペースの何れかに存在する場合について説明する。この場合、学習者は、端末10を操作して、アクティビティスペースに配置された二次元コードQを読み取る操作を行う。これにより、表示部14に画面G1が表示される。換言すると、取得部111は、利用者の操作に基づいて、カメラ16を制御して二次元コードQを撮影する。また、取得部111は、カメラ16が撮影した撮影画像を参照して、撮影画像に含まれる二次元コードQが示す場所情報を読み込む。
【0025】
ここで、場所情報は、場所の分類を示す情報を含む。場所の分類は、上述したPBLの7つのプロセスに対応する7分類(Search Space、Study Space、Pair Study Space、Brainstorming Space、Summary Space、Prototype Space、Presentation Space)と、それ以外を示す1分類(Other Space)と、の8分類である。取得部111は、場所情報を読み込むと、当該場所情報に含まれる場所の分類を示す情報G12を含めた記録画面G1を生成し、表示部14に表示する。
図3の例では、情報G12が示す場所の分類は、「Search Space」である。
【0026】
また、例えば、学習者が、上述したアクティビティスペース以外の他の場所に存在する場合について説明する。また、そのような他の場所には、二次元コードQが配置されていないとする。この場合、学習者は、端末10を操作して、記録画面G1を呼び出す操作を行う。これにより、表示部14に画面G1が表示される。ただし、場所の分類を示す情報G12は表示されていない。その後、後述するステップS12~S14が行われた場合(すなわち、二次元コードQを読み込むことなく、ログイン操作が行われた場合)、取得部111は、分類「Other Space」を含む場所情報を取得してもよい。
【0027】
ステップS12において、取得部111は、学習者のIDを取得する。
図3の例では、記録画面G1は、IDを入力するフィールドG11を含む。取得部111は、フィールドG11に対する学習者の操作に応じてIDを取得する。
図3の例では、取得したIDは、「ABCD1234000」である。
【0028】
ステップS13において、取得部111は、当該場所における学習者の活動内容を示す活動内容情報を取得する。具体的には、取得部111は、端末10に対する学習者の入力操作に基づいて、活動内容情報を取得する。ここで、活動内容情報は、活動内容の分類を示す情報を含む。活動内容の分類は、上述したPBLの7つのプロセスに対応する7分類(Search、Study、Pair Study、Brainstorming、Summary、Prototype、Presentation)と、それ以外を示す1分類(Other)と、の8分類である。このように、活動内容の分類は、場所の分類に対応しており、ある分類の活動内容を行うために適したスペースとして、当該分類の場所が提供されている。
【0029】
図3の例では、記録画面G1は、活動内容選択領域G13を含む。活動内容選択領域G13は、当該8分類に対応する8つの操作ボタンからなる。取得部111は、活動内容選択領域G13における何れかの操作ボタンに対する学習者の操作を受け付けると、当該操作ボタンに対応する活動内容の分類を取得する。
【0030】
ステップS14およびステップS15において、取得部111は、当該場所における学習者の活動時間を示す活動時間情報を取得する。具体的には、
図3に示すように、記録画面G1は、ログインボタンG14を含む。ステップS14において、取得部111は、ログインボタンG14に対する操作を受け付け、受け付けた時刻を、活動の開始時刻として取得する。また、取得部111は、ログインボタンG14に対する操作に応答して、ログイン中であることを示す記録画面G2を表示部14に表示する。
【0031】
記録画面G2は、記録画面G1において表示された場所の分類(ここでは「Search Space」)と、入力されたIDと、選択された活動内容の分類(ここでは、「Search」)と、を含む。また、記録画面G2は、ログアウトボタンG22を含む。ステップS15において、取得部111は、学習者によるログアウトボタンG22に対する操作を受け付け、受け付けた時刻を、活動の終了時刻として取得する。また、端末10は、ログアウトボタンG22に対する操作に応答して、記録画面G2の表示を終了する。これにより、取得部111は、活動の開始時刻および終了時刻を含む活動時間情報を取得する。
【0032】
ステップS16において、記録部112は、IDと、場所情報と、活動内容情報と、活動時間情報とを関連付けてデータベース30に記録するために、サーバ20に送信する。ステップS16は、端末10が実行する記録ステップの一例である。
【0033】
ステップS17において、サーバ20の取得部211は、端末10から送信された、IDと、場所情報と、活動内容情報と、活動時間情報とを取得する。ステップS17は、サーバ20が実行する取得ステップの一例である。ステップS18において、記録部212は、IDと、場所情報と、活動内容情報と、活動時間情報とを関連付けてデータベース30に記録する。ステップS18は、サーバ20が実行する記録ステップの一例である。
【0034】
このように、学習者は、自身が行う活動ごとに、端末10を操作してステップS11~S16の動作を実行させることにより、サーバ20にステップS17~S18の動作を実行させる。したがって、データベース30には、当該学習者が行う活動ごとに、当該活動に関する情報が記録されていく。また、複数の学習者が、それぞれの端末10を同様に操作することにより、データベース30には、複数の学習者の活動に関する情報が記録される。
【0035】
(活動状況情報の出力)
ステップS19において、端末10の出力部113は、学習者による活動状況情報を閲覧する操作を受け付ける。出力部113は、当該操作に応じて、活動状況情報の閲覧要求を、サーバ20に対して送信する。閲覧要求には、当該学習者のIDを示す情報が含まれる。例えば、閲覧する操作は、活動状況情報の閲覧サイトのネットワークアドレスを示す二次元コードを、カメラ16を用いて撮影する操作を含んでいてもよい。また、閲覧する操作は、IDを入力する操作を含んでいてもよい。この場合、出力部113は、撮影画像に含まれる二次元コードが示すネットワークアドレスと、IDと、を、サーバ20に送信する。
【0036】
ステップS20において、サーバ20の出力部213は、閲覧要求を受信すると、データベース30を参照して、活動状況情報を出力する。具体的には、出力部213は、データベース30から、閲覧要求に含まれるIDに関連付けられた場所情報、活動内容情報、および時間情報を読み込む。また、出力部213は、読み込んだ情報に基づいて、当該IDの学習者に関する活動状況情報を生成する。出力部213は、生成した活動状況情報を、端末10に対して送信する。ステップS20は、サーバ20が実行する出力ステップの一例である。ステップS21において、端末10の出力部113は、受信した活動状況情報を出力する。ステップS21は、端末10が実行する出力ステップの一例である。
【0037】
(活動状況情報の具体例1)
ステップS21において端末10に表示される活動状況情報の具体例として、
図4に示す振り返り画面G3について説明する。
図4は、振り返り画面G3を説明する図である。
図4に示すように、振り返り画面G3は、ID「ABCD1234000」の学習者に関する活動状況情報を示す。この例では、活動状況情報は、場所の分類に応じた活動状況G32、および活動内容の分類に応じた活動状況G33を含む。なお、この例では、活動状況情報は、活動状況G32、G33の両方を含んでいるが、何れか一方を含んでいてもよい。当該学習者は、活動状況G32を視認することにより、自身が活動を行う場所の分類ごとの割合を振り返ることができる。また、当該学習者は、活動状況G33を視認することにより、自身が行う活動内容の分類ごとの割合を振り返ることができる。以降、場所の分類ごとの割合を、「場所の配分」とも記載する。また、活動内容の分類ごとの割合を、「活動バランス」とも記載する。
【0038】
また、振り返り画面G3は、期間を選択するためのオブジェクトG31aを含む。学習者は、オブジェクトG31aを操作して期間を選択することにより、期間に応じた活動状況情報を含むよう、振り返り画面G3を更新することができる。具体的には、出力部113は、オブジェクトG31aに対する操作により期間を選択する操作を受け付けると、選択された期間を示す情報をサーバ20に送信する。サーバ20の出力部213は、受信した情報が示す期間に応じた活動状況情報を生成して端末10に送信する。
【0039】
また、振り返り画面G3は、リコメンドボタンG34と、比較ボタンG35と、身に付けたいスキルボタンG36と、を含む。学習者は、リコメンドボタンG34を操作することにより、リコメンド情報を含む活動状況情報を閲覧することができる。リコメンド情報は、学習者の活動状況に基づき生成され、学習者に推奨される活動内容を示す。また、学習者は、比較ボタンG35を操作することにより、比較情報を含む活動状況情報を閲覧することができる。比較情報は、学習者の活動状況と、学習者の過去の活動状況または他の学習者の活動状況とを比較した情報である。また、学習者は、身に付けたいスキルボタンG36を操作することにより、身に付けたいスキルに関するリコメンド情報を含む活動状況情報を閲覧することができる。
【0040】
出力部113は、これらのボタンG34、G35、G36に対する操作を受け付けると、それぞれに対応する種類の活動状況情報の閲覧要求を、サーバ20に送信する。サーバ20の出力部213は、受信した情報が示す種類の活動状況情報を生成して端末10に送信する。これらの各種類の活動状況情報の具体例について、以下に説明する。
【0041】
(活動状況情報の具体例2)
リコメンドボタンG34に対する操作に応じて端末10に表示される活動状況情報の具体例として、
図5に示すリコメンド画面G4について説明する。
図5は、リコメンド画面G4を説明する図である。
図5に示すように、リコメンド画面G4は、活動状況G41と、お勧め活動状況G42と、提案情報G43と、を含む。活動状況G41は、ID「ABCD1234000」の学習者の活動バランスを示す。お勧め活動状況G42は、当該学習者に対するお勧めの活動バランスを示す。提案情報G43は、活動状況G41およびお勧め活動状況G42の差分に基づき生成された、活動バランスの改善を提案する情報である。この例では、提案情報G43は、SearchとStudyの割合を増やすとの提案を含んでいる。また、提案情報G43は、これに替えて、または加えて、リフレッシュ時間を増やす提案を含んでいてもよい。学習者は、リコメンド画面G4を視認することにより、自身の活動バランスの改善点を知ることができる。
【0042】
例えば、お勧め活動状況G42は、データベース30に情報が記録された学習者から抽出された、1または複数の模範的な学習者の活動バランスに基づき生成されてもよい。また、そのような模範的な学習者は、当該学習者と属性が同一(例えば、学年、クラス、または居住地など)の中から抽出されてもよい。また、そのような模範的な学習者は、当該学習者と同じ目的を設定した学習者の中から抽出されてもよい。また、そのような模範的な学習者は、所定の観点に基づき付与された得点に基づき抽出されてもよい。
【0043】
なお、リコメンド画面G4は、
図5に示す例に限られない。例えば、リコメンド画面G4は、時系列での活動の順序を含んでいてもよい。一例として、リコメンド画面G4は、活動状況G41に替えて、ID「ABCD1234000」の学習者が行った活動の順序(例えば、Search、Study、Prototype、…の順に活動を行ったこと)を示す情報を含んでいてもよい。また、リコメンド画面G4は、お勧め活動状況G42に替えて、お勧めの活動の順序(例えば、Search、Study、Pair Study、…の順に活動を行うこと)を示す情報を含んでいてもよい。お勧めの活動の順序は、上述したような1または複数の模範的な学習者の活動の順序に基づき生成されてもよい。学習者は、このようなリコメンド画面G4を視認することにより、自身の活動の順序の改善点を知ることができる。
【0044】
(活動状況情報の具体例3)
比較ボタンG35に対する操作に応じて端末10に表示される活動状況情報の具体例として、
図6に示す比較画面G5について説明する。
図6は、比較画面G5を説明する図である。
図6に示すように、比較画面G5は、ID「ABCD1234000」の学習者に関する活動状況G51と、模範者Aに関する活動状況G52と、模範者Bに関する活動状況G53と、を含む。模範者A、Bは、模範的な学習者であり、例えば、活動状況情報の具体例2で述べたような手法により抽出された学習者であってもよい。活動状況G51、G52、G53は、活動時間合計に対応する長さの棒グラフであり、活動内容の分類ごとに塗分けられている。学習者は、比較画面G5を視認することにより、自身の活動状況(活動時間合計および活動バランス)を、模範者の活動状況との違いという観点から振り返ることができる。
【0045】
なお、比較画面G5は、模範者A、Bに関する活動状況G52、G53に替えて、当該学習者の過去の活動状況を含むようにしてもよい。この場合、これにより、学習者は、自身の活動状況を、過去からの変化という観点から振り返ることができる。
【0046】
(活動状況情報の具体例4)
身に付けたいスキルボタンG36に対する操作に応じて端末10に表示される活動状況情報の具体例として、
図7に示す「身に付けたいスキル画面G6」について説明する。
図7は、「身に付けたいスキル画面G6」を説明する図である。
図7に示すように、「身に付けたいスキル画面G6」は、身に付けたいスキルを選択する選択ボタンG61aを含む。学習者は、選択ボタンG61aを操作することにより、身に付けたいスキルを選択し、選択したスキルに応じた情報(G61~G65)を含むよう、「身に付けたいスキル画面G6」を更新することができる。出力部113は、選択ボタンG61aの操作を受け付けると、当該操作により選択されたスキルを示す情報を、サーバ20に送信する。サーバ20の出力部213は、データベース30を参照して、当該スキルに応じた情報(G61~G65)を生成し、端末10に送信する。
【0047】
図7の例では、情報G61は、学習者により選択されたスキルを示す。この例では、「コミュニケーション能力」が選択されている。情報G62は、当該スキルを身に付けるための理想の活動バランスを示す。情報G63は、当該スキルを身に付けるための理想の活動時間合計を示す。情報G64は、当該スキルを身に付けるための理想の最終退出時間を示す。情報G65は、当該スキルが高い学習者の活動状況を示す。
【0048】
例えば、情報G62~G64(理想の活動バランス、理想の活動時間合計、理想の最終退出時間)は、情報G65が示す各学習者の活動状況に基づき(例えば、平均値などとして)生成されたものであってもよい。また、当該スキルが高い学習者は、データベース30に情報が記録された学習者のうち、当該スキルに関して付与された得点が所定条件を満たす(例えば、閾値以上、上位から所定順位まで、等の条件を満たす)学習者であってもよい。
【0049】
このように、学習者は、身に付けたいスキル画面G6で身に付けたいスキルを選択することにより、理想の活動状況を示す情報G62~G64と、当該スキルの高い他の学習者の活動状況を示す情報G65を参照することができる。また、学習者が、これらを参照して、当該スキルを身に付けるべく自身の活動を行うと、当該学習者の活動がデータベース30に記録される。その結果、学習者は、当該スキルを身に付けるべく行った自身の活動状況を、画面G3~G5で振り返ることができる。この場合、例えば、リコメンド画面G4は、お勧め活動状況G42として、身に付けたいスキルに応じた理想の活動バランスを含んでいてもよい。また、例えば、比較画面G5は、模範者の活動状況G52、G53として、当該スキルの高い他の学習者の活動バランスを含んでいてもよい。これにより、学習者は、理想の活動状況とのギャップを認識し、さらなる活動状況の改善に活用することができる。
【0050】
(本実施形態の効果)
本実施形態によれば、学習者が存在する場所を示す場所情報、当該場所における学習者の活動内容を示す活動内容情報、および当該場所における学習者の活動時間を示す活動時間情報を取得し、これらを関連付けてデータベース30に記録する。また、本実施形態によれば、データベース30を参照して、場所と、活動内容と、活動時間とを関連づけて学習者の活動状況とし、当該活動状況を示す活動状況情報を出力する。これにより、学習者は、出力された情報を参照して、自身が行った多様な活動状況を容易に把握することができる。
【0051】
また、本実施形態では、場所情報は、場所の分類を含み、活動内容情報は、活動内容の分類を含み、出力される活動状況情報は、場所の分類に応じた活動状況情報、および、活動内容の分類に応じた活動状況、の一方または両方を含む。これにより、学習者は、自身の活動バランスと、活動を行った場所の配分と、を参照して、自身の活動状況を振り返ることができる。例えば、活動内容については「Study」の割合が最も多く、かつ、場所については「Brainstorming Space」の割合が最も多い場合、学習者は、活動内容「Study」を「Brainstorming Space」で行うことも多いという自身の傾向を振り返ることができる。
【0052】
また、本実施形態では、場所の分類および活動内容の分類として、PBLの7つのプロセスに対応する7分類と、その他の1分類との計8分類を採用している。これにより、PBLの学習環境を提供する教育機関において、学習者の活動状況を把握することができる。また、そのような教育機関において予め定められた場所で行われる予め定められた内容の活動だけでなく、予め定められていない場所において行われる予め定められていない内容の活動も含めて、学習者の活動状況を把握することができる。
【0053】
また、本実施形態では、活動状況情報は、学習者の活動状況に基づき生成され、学習者に推奨される活動内容を示すリコメンド情報を含む。これにより、学習者は、自身の活動状況を、リコメンド情報を参照して改善することができる。また、本実施形態では、活動状況情報は、学習者の活動状況と、学習者の過去の活動状況または他の学習者の活動状況とを比較した比較情報を含む。これにより、学習者は、自身の活動状況を、過去からの変化または他の学習者との差という観点から振り返ることができる。また、本実施形態では、活動状況情報は、学習者が選択した、「身に付けたいスキル」に関するリコメンド情報を含む。これにより、学習者は、自身が身に付けたいスキルに応じて自身の活動状況を改善することができる。
【0054】
また、本実施形態では、場所情報を、当該場所に配置されたコード情報を読み取った読取結果に基づき取得する。これにより、予め提供された場所で活動が行われる場合に、当該場所情報を容易に取得することができる。
【0055】
上述したように、本実施形態に係る情報処理システム1は、教育機関における学習者に対して、自身の活動状況の振り返りに活用するための情報を提供することができる。このような効果は、例えば、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)の目標4「質の高い教育をみんなに」等の達成にも貢献するものである。
【0056】
〔変形例1〕
本実施形態は、個々の学習者が既に行った活動状況を振り返る用途だけでなく、複数の学習者が現在行っている活動状況を把握する用途に適合するよう変形することができる。例えば、活動状況情報は、混雑状況情報を含んでいてもよい。混雑状況情報は、複数の学習者の現在の活動の場所に基づく場所ごとの混雑状況を示す。例えば、サーバ20の出力部213は、データベース30を参照することにより混雑状況情報を生成し、端末10に送信する。
【0057】
本変形例における活動状況情報の具体例として、
図8に示す混雑状況画面G7について説明する。
図8は、混雑状況画面G7を説明する図である。混雑状況画面G7は、端末10の表示部14に表示される。
図8に示すように、混雑状況画面G7は、8分類の各場所に対応する情報G71~G78を含む。なお、この例では、1分類につき1つの場所に対応する情報が表示されているが、同じ分類(例えば、Search Space)について複数の場所(例えば、図書室A、図書室B)に対応する情報が表示されてもよい。
【0058】
情報G71は、混雑状況G71aと、利用状況G71bとを含む。混雑状況G71aは、当該場所(図書室A)の混雑度を示す。混雑度は、この例では、最も少ない混雑度L1から最も多い混雑度L5までの5段階で表され、当該場所(図書室A)は混雑度L3である。また、利用状況G71bは、当該場所(図書室A)にいる学習者の活動内容の内訳を示す。この例では、活動「Search」を行っている学習者が32人、「Study」を行っている学習者が4人であることを示している。情報G72~G78は、情報G71と同様に、混雑状況を示す情報と、利用状況を示す情報を含む。これらについては、情報G71とほぼ同様に説明されるため、詳細な説明を繰り返さない。
【0059】
学習者は、混雑状況画面G7を視認することにより、自身が活動を行うことが可能な場所の混雑状況および利用状況を把握することができる。その結果、学習者は、自身が行う活動の場所を、混雑状況に応じて選択することができる。また、学習者は、自身が活動を行う活動の場所を、当該場所を現在利用している人が何をしているかに応じて選択することができる。その結果、学習者は、自身の活動を効率的に行うことができる。
【0060】
〔変形例2〕
本実施形態は、複数の学習者が現在行っている活動状況を把握する用途だけでなく、複数の学習者の将来の活動状況を把握する用途に適合するよう変形することができる。例えば、活動状況情報は、混雑予測情報を含んでいてもよい。混雑予測情報は、複数の学習者が将来活動を行う場所の予測を示す。例えば、サーバ20の出力部213は、データベース30を参照することにより混雑予測情報を生成し、端末10に送信する。
【0061】
本変形例における活動状況情報の具体例として、
図9に示す混雑予測画面G8について説明する。
図9は、混雑予測画面G8を説明する図である。混雑予測画面G8は、端末10の表示部14に表示される。
図9に示すように、混雑予測画面G8は、ある場所(この例では、打合せエリアA)における曜日ごとおよび時間帯ごとの混雑度の予測を示す。このような混雑予測情報は、予測モデルを用いて生成されてもよい。
【0062】
例えば、予測モデルは、データベース30に記録された学習者の活動状況を入力として、当該学習者の将来の活動状況を出力するモデルであってもよいが、これに限られない。また、当該予測モデルは、機械学習により生成されたモデルであってもよいし、ルールベースモデルであってもよいが、これらに限られない。例えば、サーバ20の出力部213は、データベース30に記録された情報と、予測モデルとを用いて、混雑所測情報を生成可能である。
【0063】
学習者は、混雑予測画面G8を視認することにより、自身が活動を行うことが可能な場所の将来の混雑状況を把握することができる。その結果、学習者は、自身が将来行う活動の場所を、将来の混雑状況に応じて選択することができる。その結果、学習者は、自身の活動を効率的に行うことができる。
【0064】
〔変形例3〕
また、情報処理システム1は、管理者が利用する管理端末をさらに含むよう変形可能である。本変形例では、活動状況情報は、複数の学習者の活動状況を示すグループ活動状況情報を含む。グループ活動状況情報は、管理端末に表示される。例えば、グループ活動状況情報は、あるグループの活動状況情報(例えば、該当グループに属する複数の学習者の活動バランスの平均など)と、他のグループの活動状況情報とを比較する情報を含んでいてもよい。また、グループ活動状況情報は、複数の学習者それぞれの活動内容およびその場所をリアルタイムに示すマップを含んでいてもよい。これにより、管理者は、自身が管理する複数の学習者の活動状況を把握することができる。
【0065】
〔変形例4〕
上述した実施形態および各変形例において、取得部111および取得部211は、コード情報の読取結果に限らず、その他の情報に基づいて場所情報を取得してもよい。例えば、取得部111は、端末10に対する学習者の入力操作に基づいて、場所情報を取得してもよい。具体的には、
図3に示した記録画面G1は、場所の分類を選択するための選択肢を含んでいてもよい。この場合、取得部111および213は、学習者の操作により選択された分類を含む場所情報を取得する。
【0066】
また、例えば、取得部111および取得部211は、端末10の位置情報の測位結果に基づいて、場所情報を取得してもよい。本変形例では、端末10は測位部を有する。測位部は、例えば、GPS(Global Positioning System)、ビーコン、アクセスポイント等を用いて位置を測位するものであってもよいが、これに限られない。また、情報処理システム1は、場所の分類を含む場所情報と、領域を示す情報とを関連付けて記憶したデータベースを有する。この場合、取得部111および取得部211は、測位部により得られた位置情報を含む領域に関連付けられた場所情報を取得する。また、測位部により得られた位置情報を含む領域がデータベースに記録されていない場合、取得部111および取得部211は、分類「Other Space」を含む場所情報を取得してもよい。
【0067】
〔変形例5〕
また、取得部111および取得部211は、学習者の活動内容に関する活動内容情報を、学習者の入力操作に基づき取得することに限らず、学習者の状態を検出するセンサから取得されるセンサ情報に基づき取得してもよい。例えば、活動を行う場所にカメラ(センサの一例)が設置されている場合、取得部111および取得部211は、カメラから、学習者を被写体として含む撮影画像(センサ情報の一例)を取得する。また、取得部111および取得部211は、当該撮影画像を解析することにより、活動内容情報を取得してもよい。これにより、学習者が活動内容を入力する操作を行わなくても、活動状況を記録することができる。
【0068】
〔変形例6〕
また、取得部111および取得部211は、学習者の活動時間に関する時間情報を、学習者の入力操作(ログイン操作、またはログアウト操作)に基づき取得することに限らず、端末10の位置の検出結果に基づき取得してもよい。例えば、活動の開始時刻および終了時刻の少なくとも一方は、端末10の位置の検出結果に基づき取得されてもよい。具体例として、取得部111は、学習者のログイン操作に基づき活動の開始時刻を示す情報を取得した後、ログイン操作を受け付けたときの場所から当該端末10が離れたことを検出すると、当該活動が終了したものとして終了時刻を示す情報を取得してもよい。また、取得部111は、ログイン操作を受け付けたときの場所から当該端末10が離れたことを検出した後、離れたまま所定時間経過した場合に、当該活動が終了したものとして終了時刻を示す情報を取得してもよい。これにより、学習者がログイン操作を行って活動を開始した後、活動の終了時にログアウト操作を行わなくても、活動状況を精度よく記録することができる。
【0069】
〔ソフトウェアによる実現例〕
情報処理システム1を構成する端末10およびサーバ20(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部11、21に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0070】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0071】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0072】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0073】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
1 情報処理システム
10 端末
20 サーバ
30 データベース
11、21 制御部
12、22 記憶部
13、23 通信部
14 表示部
15 入力部
16 カメラ
111、211 取得部
112、212 記録部
113、213 出力部