IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電気株式会社の特許一覧

特開2024-23001ピックアップ装置およびピックアップ装置の制御方法
<>
  • 特開-ピックアップ装置およびピックアップ装置の制御方法 図1
  • 特開-ピックアップ装置およびピックアップ装置の制御方法 図2
  • 特開-ピックアップ装置およびピックアップ装置の制御方法 図3
  • 特開-ピックアップ装置およびピックアップ装置の制御方法 図4
  • 特開-ピックアップ装置およびピックアップ装置の制御方法 図5
  • 特開-ピックアップ装置およびピックアップ装置の制御方法 図6
  • 特開-ピックアップ装置およびピックアップ装置の制御方法 図7
  • 特開-ピックアップ装置およびピックアップ装置の制御方法 図8
  • 特開-ピックアップ装置およびピックアップ装置の制御方法 図9
  • 特開-ピックアップ装置およびピックアップ装置の制御方法 図10
  • 特開-ピックアップ装置およびピックアップ装置の制御方法 図11
  • 特開-ピックアップ装置およびピックアップ装置の制御方法 図12
  • 特開-ピックアップ装置およびピックアップ装置の制御方法 図13
  • 特開-ピックアップ装置およびピックアップ装置の制御方法 図14
  • 特開-ピックアップ装置およびピックアップ装置の制御方法 図15
  • 特開-ピックアップ装置およびピックアップ装置の制御方法 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023001
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】ピックアップ装置およびピックアップ装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/67 20060101AFI20240214BHJP
   H01L 21/52 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
H01L21/68 E
H01L21/52 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022126512
(22)【出願日】2022-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】塙 康弘
【テーマコード(参考)】
5F047
5F131
【Fターム(参考)】
5F047FA04
5F047FA08
5F131AA04
5F131BA53
5F131BA54
5F131CA09
5F131DA03
5F131DA14
5F131DA33
5F131DA42
5F131DB22
5F131DB62
5F131EA07
5F131EB01
5F131EC33
5F131EC73
5F131EC74
5F131EC75
(57)【要約】
【課題】より構造が簡単で、ダイシングテープからの剥離の際に、チップ部品に加わる曲げモーメントが低減されるピックアップ装置等を提供する。
【解決手段】ピックアップ装置は、ダイシングテープの上に貼り付けられているチップ部品を前記ダイシングテープからピックアップするためのピックアップ装置であって、前記ダイシングテープの下面を介して前記チップ部品を押圧するための先端部を、前記ダイシングテープ側の一端部に備えた突き上げピンと、前記チップ部品の主面の法線に対して第1の角度だけ傾けた状態で、前記突き上げピンの長手方向にスライド可能となるように前記突き上げピンを支持するガイドと、前記先端部と前記ダイシングテープの接触部が前記チップ部品の端部から前記チップ部品の中央部に移動するように前記突き上げピンを前記チップ部品の方向に突き上げる突き上げ板と、を有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイシングテープの上に貼り付けられているチップ部品を前記ダイシングテープからピックアップするためのピックアップ装置であって、
前記ダイシングテープの下面を介して前記チップ部品を押圧するための先端部を、前記ダイシングテープ側の一端部に備えた突き上げピンと、
前記チップ部品の主面の法線に対して第1の角度だけ傾けた状態で、前記突き上げピンの長手方向にスライド可能となるように前記突き上げピンを支持するガイドと、
前記先端部と前記ダイシングテープの接触部が前記チップ部品の端部から前記チップ部品の中央部に移動するように前記突き上げピンを前記チップ部品の方向に突き上げる突き上げ板と、
を有することを特徴とするピックアップ装置。
【請求項2】
前記突き上げピンを前記突き上げ板に向かって付勢する付勢手段を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のピックアップ装置。
【請求項3】
前記突き上げピンを複数備え、
それぞれの前記突き上げピンは、
前記突き上げ板を前記チップ部品の方向に突き上げた際に、それぞれの前記先端部が、前記チップ部品の中央に向かうように設けられている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のピックアップ装置。
【請求項4】
前記ガイドの前記第1の角度が調整可能である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のピックアップ装置。
【請求項5】
前記第1の角度が10°~80°の範囲内である
ことを特徴とする請求項1または2に記載のピックアップ装置。
【請求項6】
前記チップ部品の上面と対向する位置に設けられ、前記チップ部品を吸着するコレットと、
前記コレットを少なくとも前記法線の方向に移動させるコレット駆動手段と、
を有することを特徴とする請求項1または2に記載のピックアップ装置。
【請求項7】
前記ガイドの前記第1の角度が調整可能である、
ことを特徴とする請求項3に記載のピックアップ装置。
【請求項8】
前記第1の角度が10°~80°の範囲内である
ことを特徴とする請求項3に記載のピックアップ装置。
【請求項9】
前記チップ部品の上面と対向する位置に設けられ、前記チップ部品を吸着するコレットと、
前記コレットを少なくとも前記法線の方向に移動させるコレット駆動手段と、
を有することを特徴とする請求項3に記載のピックアップ装置。
【請求項10】
ダイシングテープの上に貼り付けられているチップ部品を前記ダイシングテープからピックアップするためのピックアップ装置の制御方法であって、
前記ピックアップ装置は、
前記ダイシングテープの下面を介して前記チップ部品を押圧するための先端部を、前記ダイシングテープ側の一端部に備えた突き上げピンと、
前記チップ部品の主面の法線に対して第1の角度だけ傾けた状態で、前記突き上げピンの長手方向にスライド可能となるように前記突き上げピンを支持するガイドと、
を備え、
前記先端部と前記ダイシングテープの接触部が前記チップ部品の端部から前記チップ部品の中央部に移動するように前記突き上げピンを前記チップ部品の方向に突き上げる、
ことを特徴とするピックアップ装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピックアップ装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体等のチップ部品の製造では、一般的に、1枚のウェハに複数のチップ部品が形成される。そして、ダイシング等の分割手法を用いて、ウェハが個々のチップ部品に分割される。一般的なダイシングでは、ダイシングテープが用いられる。ダイシングテープは片面に粘着性を有するフィルムである。ダイシングテープは、ダイシングシート、ウェハシート、粘着シートなどとも呼ばれる。
【0003】
ダイシングを行う際に、まずウェハの裏面がダイシングテープに貼付される。次にダイシングによってウェハが個々のチップ部品に分割される。ダイシングが終わると、次に、ダイシングテープを引き延ばす加工であるエキスパンドが施され、チップ部品とチップ部品の間に隙間が形成される。次に、紫外線照射等によって、ダイシングテープの粘着性が低下される。次にコレットと呼ばれる吸着手段を備えたピックアップ装置によって、チップ部品の表面が吸着され、チップ部品がピックアップされる。この際、一般的な方法では、突き上げピンによって、ダイシングテープの裏面が突き上げられる。この突き上げによって、チップ部品のダイシングテープからの剥離が促進される。
【0004】
上記のピックアップ装置では、チップ部品の中央を1本の突き上げピンで突き上げるのが最も簡単な構成である。この構成で突き上げを行うと、チップ部品の端部から剥離が始まる。この際、突き上げピンの先端部が突き当たっている場所を支点とし、チップ部品の端部を作用点とし、作用点にダイシングテープの粘着力(剥離力)が作用する曲げモーメントが発生する。チップ部品のサイズが大きくなると、支点から、作用点であるチップ部品の端部までの距離が長くなる。これに伴って、チップ部品に加わる曲げモーメントが大きくなる。この曲げモーメントによりチップ部品に加わる応力がチップ部品の破壊応力を超えると、チップ部品に破損が生じる。このため、チップ部品のサイズが大きくなると、チップ部品が破損するリスクが増大する。
【0005】
そこで、チップ部品に加わる曲げモーメントを低減する方法が特許文献1で提案されている。例えば、特許文献1には、チップ部品(チップ)の外周部から剥離を行うピックアップ方法および装置の発明が記載されている。特許文献1のピックアップ装置は、径の異なる複数の筒体(第1吸引筒体、第2吸引筒体、第1突き上げ筒体、第2突き上げ筒体)と複数の突き上げピンを備えている。
【0006】
ピックアップにおいては、まず、最も外側の筒体(第1吸引筒体)の吸引孔を介してダイシングテープ(貼付シート、ダイシングシート)を吸引することにより、ダイシングテープが第1吸引筒体の上端部に吸着される(引用文献1の図3(a))。
【0007】
次に、第1吸引筒体の内側に配置されている第1突き上げ筒体、第2吸引筒体、第2突き上げ筒体および突き上げピンを同じ高さまで上昇させて、ダイシングテープを介してチップ部品を上方に突き上げる(引用文献1の図3(b))。これにより、チップ部品が貼り付けられているダイシングテープのうち、第1突き上げ筒体の外周側でチップ部品の下面の外周縁からチップ部品の内側に向かってわずかに剥離される。この動作では、第1突き上げ筒体の突き当り部分が支点となり、第1吸引筒体の上のチップ部品端部が剥離ポイント(作用点)になる。
【0008】
次に、第1吸着筒体と第1突き上げ筒体の高さを維持したまま、第1突き上げ筒体の内側に位置する第2突き上げ筒体と第2吸引筒体と突き上げピンを同じ高さだけ上昇させ、ダイシングテープを介してチップ部品をさらに上方に突き上げる(引用文献1の図3(c))。これにより、第2突き上げ筒体の外周側で、先の貼付面外周縁からチップ部品の内側に向って、さらにダイシングテープが剥離される。この動作では、第2突き上げ筒体の突き当り部分が支点となり、第1突き上げ筒体の上のチップ部品端部が剥離ポイント(作用点)になる。
【0009】
次に、第1吸着筒体と第1突き上げ筒体と第2突き上げ筒体の高さを維持したまま、第2突き上げ筒体よりも内側に位置する第2吸着筒体と突き上げピンを同じ高さだけさらに上昇させ、チップ部品をさらに突き上げる(引用文献1の図3(d))。これにより、第2吸着筒体の外周側で、先の貼付面外周縁からチップ1の内側に向って、さらにダイシングテープが剥離される。この動作では、第2突き上げ筒体の突き当り部分が支点となり、第1突き上げ筒体の上のチップ部品端部が剥離ポイント(作用点)になる。
【0010】
次に、第1吸着筒体、第1突き上げ筒体、第2突き上げ筒体および第2吸着筒体の高さが維持される。そして、この状態のまま、突き上げピンがさらに上昇される。これにより、チップ部品がさらに突き上げられる。その結果、突き上げピンの先端上にチップ部品が支持される(引用文献1の図3(e))。この時、第2吸着筒体の吸引溝からの吸引により第2吸着筒体に接するダイシングテープが第2吸着筒体に吸着されて固定される。こうして、突き上げピンにより、ダイシングテープからチップ部品がより効果的に剥離される。この動作では、突き上げピンの突き当り部分が支点となり、第2突き上げ筒体の上のチップ部品端部が剥離ポイント(作用点)になる。
【0011】
以上の各工程において、支点から作用点までの距離が、チップ部品の中心を1本の突き上げピンの突上げる構成と比較して、短くなる。このため、チップ部品の中心を1本の突き上げピンの突上げる構成に比べて、チップ部品に作用する曲げモーメントが大幅に低減される。そして、特許文献1に記載の技術では、剥離の進行に応じて、順次、内側の筒体や突き上げピンが突き上げられる。こうして、ダイシングテープがチップの外周縁から順次剥離され、ダイシングテープとチップ部品との間の貼付面積が徐々に減少される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2006-005030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献1のピックアップ装置では、複数の筒体や突き上げピンを独立して動かすために、複数のアクチュエータが複数の筒体や突き上げピンごとに設けられていた。このため構造が複雑になるという問題があった。
【0014】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、より構造が簡単で、ダイシングテープからの剥離の際に、チップ部品に加わる曲げモーメントが低減されるピックアップ装置等を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するため、本発明のピックアップ装置は、ダイシングテープの上に貼り付けられているチップ部品を前記ダイシングテープからピックアップするためのピックアップ装置であって、前記ダイシングテープの下面を介して前記チップ部品を押圧するための先端部を、前記ダイシングテープ側の一端部に備えた突き上げピンと、前記チップ部品の主面の法線に対して第1の角度だけ傾けた状態で、前記突き上げピンの長手方向にスライド可能となるように前記突き上げピンを支持するガイドと、前記先端部及び前記ダイシングテープの接触部が前記チップ部品の端部から前記チップ部品の中央部に移動するように前記突き上げピンを前記チップ部品の方向に突き上げる突き上げ板と、を有する。
【0016】
また、本発明のピックアップ装置の制御方法は、ダイシングテープの上に貼り付けられているチップ部品を前記ダイシングテープからピックアップするためのピックアップ装置の制御方法であって、前記ピックアップ装置は、前記ダイシングテープの下面を介して前記チップ部品を押圧するための先端部を、前記ダイシングテープ側の一端部に備えた突き上げピンと、前記チップ部品の主面の法線に対して第1の角度だけ傾けた状態で、前記突き上げピンの長手方向にスライド可能となるように前記突き上げピンを支持するガイドと、を備え、前記先端部と前記ダイシングテープの接触部が前記チップ部品の端部から前記チップ部品の中央部に移動するように前記突き上げピンを前記チップ部品の方向に突き上げる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の効果は、より構造が簡単で、ダイシングテープからの剥離の際に、チップ部品に加わる曲げモーメントが低減されるピックアップ装置等を提供できることである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1の実施形態のピックアップ装置を示す側面図である。
図2】第1の実施形態のピックアップ装置の具体例を示す側面図である。
図3】第1の実施形態のピックアップ装置における力の関係を示す側面図である。
図4】第1の実施形態のピックアップ装置の第1の動作状態を示す側面図である。
図5】第1の実施形態のピックアップ装置の第2の動作状態を示す側面図である。
図6】第1の実施形態のピックアップ装置の第3の動作状態を示す側面図である。
図7】第1の実施形態のピックアップ装置の第4の動作状態を示す側面図である。
図8】第1の実施形態のピックアップ装置の変形例を示す側面図である。
図9】第2の実施形態のピックアップ装置を示す側面図である。
図10】第2の実施形態のピックアップ装置の一部を示す上面図である。
図11】第2の実施形態のピックアップ装置の第1の動作状態を示す側面図である。
図12】第2の実施形態のピックアップ装置の第2の動作状態を示す側面図である。
図13】第2の実施形態のピックアップ装置の第3の動作状態を示す側面図である。
図14】第2の実施形態のピックアップ装置の第4の動作状態を示す側面図である。
図15】第2の実施形態のピックアップ装置の変形例1を示す上面図である。
図16】第2の実施形態のピックアップ装置の変形例2を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお各図面の同様の構成要素には同じ番号を付し、説明を省略する場合がある。
【0020】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態のピックアップ装置を示す側面図である。ピックアップ装置100は、ダイシングテープ200の上に貼り付けられているチップ部品300をピックアップするための装置である。ピックアップ装置100は、突き上げピン10と、ガイド20と、突き上げ板30とを有する。
【0021】
突き上げピン10は、ダイシングテープ200の下面を介してチップ部品300を押圧するための先端部10aを備える。
【0022】
ガイド20は、突き上げピン10を支持する。この際、チップ部品300の主面の法線nに対して第1の角度θだけ傾けた状態で、突き上げピン10が支持される。また、突き上げピン10の長手方向に突き上げピン10がスライド可能となるように、突き上げピン10がガイド20に支持される。ガイド20は、例えば、貫通孔を有するブロックである。この貫通孔の貫通方向(貫通穴の中心線の方向)が第1の角度θに固定される。突き上げピン10は、貫通孔に挿通される。突き上げ板30が、突き上げピン10の後端10bを押すことによって、突き上げピン10が上昇する。この際、ガイド20の向きが固定されているので、突き上げピン10の長手方向が第1の角度θに保たれる。ガイド20は、例えば、ガイドホルダー21(図1で不図示。図2を参照。)にネジや、ボルトとナットなどで、動かないように固定される。また、例えば、滑り止めとして、ネジやボルトとガイドホルダー21の間にワッシャーが用いられても良い。例えば、ガイド20がガイドホルダー21にねじ止めされる構成では、ガイド20をガイドホルダー21に取り付ける際に、第1の角度θの大きさを調整することができる。また、例えば、貫通孔にボールブッシュ等のリニア軸受けを取り付けると、突き上げピン10が滑らかにスライドされる。
【0023】
ガイドホルダー21は、吸着ブロック40にネジや、ボルトとナットなどで固定される。ピックアップ対象のチップ部品300の隣のチップ部品300の下のダイシングテープ200を、吸着ブロック40が吸着する。なお、図1では、吸着ブロック40が、吸着を行う機構の図示は、省略されている。一般的な技術によって、吸着を行う機構が形成される。
【0024】
突き上げ板30は、突き上げピン10を、チップ部品300の方向に突き上げる。この際、常に、突き上げピン10は、チップ部品300の主面の法線nに対して第1の角度θだけ傾いている。このため、突き上げにともなって、先端部10aとダイシングテープ200との接触部が、チップ部品300の端部から中央部に移動する。
【0025】
以上の構成では、最初に、突き上げピン10によって、チップ部品300の端部下面が突き上げられる。これにより、チップ部品300の端部がダイシングテープ200から剥離する。続いて、突き上げピン10が上昇すると、先端部10aがチップ部品300の端部から中央に向かって移動する。これにより、チップ部品300の端部から中央に向かって、連続的に剥離が進行する。このような動作によって、剥離の際に、チップ部品300を折り曲げる曲げモーメントが低減される。
【0026】
図2は、第1の実施形態のピックアップ装置100の使用例を示す側面図である。ピックアップ装置100は、突き上げピン10と、ガイド20と、突き上げ板30と、ガイドホルダー21と、吸着ブロック40とを有する。
【0027】
突き上げピン10は、ダイシングテープ200の下面を介してチップ部品300を押圧するための先端部10aを備える。
【0028】
上述の通り、ガイド20は、ガイドホルダー21に取り付けられている。ガイドホルダー21は、吸着ブロック40に固定されている。また、常に、法線に対して第1の角度θだけ傾けた状態で、突き上げピン10がガイド20に支持される。突き上げピン10の長手方向にスライド可能となるように、突き上げピン10がガイド20に支持される。
【0029】
なお、ガイドホルダー21に対するガイド20の取り付け方を調整することによって、第1の角度θは調整可能である。ガイド20をガイドホルダー21に取り付ける際に、例えば、10°~80°の範囲内で、第1の角度θが調整される。その理由は以下の通りである。第1の角度θが小さ過ぎると、先端部10aがチップ部品300の中央に向かって移動する速度が小さくなるため効率が悪い。また、第1の角度θが大きすぎると、チップ部品300をダイシングテープ200から剥離させる力が小さくなるため効率が悪い。これらの理由を考慮して、例えば、30°~60°の範囲に第1の角度θが設定されても良い。第1の角度θの大きさは、チップ部品300の大きさや、突き上げピン10の長さや大きさや、ダイシングテープ200のと突き上げピン10の先端部10aとの摩擦力などを考慮しながら、調整される。
【0030】
突き上げ板30は、突き上げピン10を、チップ部品300の方向に突き上げる。この際、突き上げピン10は、チップ部品300の主面の法線nに対して第1の角度θだけ傾いている。このため、突き上げにともなって、先端部10aとダイシングテープ200との接触部が、チップ部品300の端部から中央部に移動する。なお、突き上げ板30は、たとえば、電動モータなどによって、法線nと平行な方向に上下に移動可能に、設けられている。
【0031】
吸着ブロック40は、ダイシングテープ200の裏面を吸着する。吸着ブロック40において、ピックアップの対象となるチップ部品300に対応する部分は、開口部となっている。つまり、ピックアップを行う領域では、ダイシングテープ200が吸着されない。
【0032】
ここで、ピックアップの際にチップ部品300に作用する力について説明する。図3は、第1の実施形態のピックアップ装置100における力の関係を示す側面図である。チップ部品300の一端部の点Qから距離L1の位置の点Pで、突き上げピン10がダイシングテープ200の裏面に当接している。ここで、点Pからチップ部品300の他端部の点Rまでの距離がL2とされている。後述する理由によって、L1<<L2である。つまり、L1は小さく、0に近い値とすることも可能である。
【0033】
図3に示すように、突き上げピン10の突き上げによって点Pには、力F1が作用する。F1は、常に、法線nに対して第1の角度θだけ傾いている。剥離が始まるチップ部品300の一端には剥離力F2が作用する。剥離力F2は、ダイシングテープ200がチップ部品300を引っ張る力である。つまりダイシングテープ200の粘着力である。
【0034】
点Pから点Qの間のチップ部品300には、点Pを支点とし、点Qを作用点とする曲げモーメントM1が作用する。M1は次式で表される。

M1=F2×L1 (式1)
【0035】
既述の通り、L1<<L2である。比較の対象となる一般的な装置では、突き上げピン10がチップ部品300の中央を突き上げる際は、L1=L2=(L1+L2)/2である。本実施形態のL1と比較すると、次式の関係となる。このため、曲げモーメントM1は比較例と比べて大幅に小さくなる。

L1<<(L1+L2)/2 (式2)
【0036】
一方、力F1は点Pから点Rの間のチップ部品300についても作用する。ここで、ダイシングテープ200は柔軟である。このため、ダイシングテープ200は、点Rを中心とするチップ部品300の回転を妨げない。その結果、力F1は、点Rを中心とする回転のモーメントM2として作用する。M2は次式で表される。

M2=(F1・cosθ-F2)×L2 (式3)
【0037】
既述の通り、ダイシングテープ200は、点Rを中心とするチップ部品300の回転を妨げない。このため、チップ部品300の点Pから点Rの間の領域には、曲げモーメントは作用しないと考えられる。
【0038】
以上に説明したように、本実施形態のピックアップ装置100では、チップ部品300の中央を突き上げる方式に比べて、ピックアップの際にチップ部品300に作用する曲げモーメントが低減される。
【0039】
次に、ピックアップ装置100の動作について説明する。図4は、第1の実施形態のピックアップ装置100の第1の動作状態を示す側面図である。突き上げピン10の先端部10aがダイシングテープ200の裏面に当接している。また、その場所は、チップ部品300の一端部である。
【0040】
図5は、第1の実施形態のピックアップ装置100の第2の動作状態を示す側面図である。突き上げ板30が突き上げピン10を押し上げている。そして、先端部10aによって、チップ部品300の一端部が、第2の位置まで突き上げられている。これにより、チップ部品300の一端部で、チップ部品300がダイシングテープ200から剥離される。この際、常に、突き上げピン10が法線nに対して第1の角度θだけ傾いているため、先端部10aが、チップ部品300の中央に向かって移動する。
【0041】
図6は、第1の実施形態のピックアップ装置100の第3の動作状態を示す側面図である。突き上げ板30が突き上げピン10を押し上げている。そして、先端部10aによって、チップ部品300の一端部が第3の位置まで突き上げられている。これにより、チップ部品300のダイシングテープ200からの剥離が進行する。この際、常に、突き上げピン10が法線nに対して第1の角度θだけ傾いているため、先端部10aが、チップ部品300の中央に向かってさらに移動する。
【0042】
図7は、第1の実施形態のピックアップ装置100の第4の動作状態を示す側面図である。突き上げ板30が突き上げピン10を押し上げている。そして、先端部10aによって、チップ部品300の一端部が第4の位置まで突き上げられている。これにより、チップ部品300のダイシングテープ200からの剥離がさらに進行する。この際、常に、突き上げピン10が法線nに対して第1の角度θだけ傾いているため、先端部10aが、チップ部品300の中央に向かってさらに移動する。以上のような動作によって、チップ部品300のピックアップが容易な状態が形成される。
【0043】
以上に説明したピックアップ装置100では、特許文献1のピックアップ装置と同様に、ダイシングテープ200からの剥離において、チップ部品300に加わる曲げモーメントが低減される。そして、突き上げ板30のみで突き上げピン10を上下動させているので、複数のアクチュエータを使用していた特許文献1のピックアップ装置100より簡単な構成で、同様な動作が実現される。
【0044】
図8は、第1の実施形態のピックアップ装置100の変形例を示す側面図である。この変形例では、突き上げピン10を突き上げ板30に向かって付勢する付勢手段11を、ピックアップ装置100が備えている。例えば、図7の状態で突き上げが完了されると、次の動作に備えるために、突き上げ板30が図4の位置に戻る。この構成では、自重によって、突き上げピン10が元の位置に戻る。元の位置とは、突き上げピン10の他端部が、突き上げ30に接触する位置である。
【0045】
一方、本変形例では、付勢手段11によって、突き上げピン10が突き上げ板30に押し付けられる。このため、突き上げピン10の位置が、確実に初期の位置に戻される。
【0046】
以上、本実施形態のピックアップ装置100等について説明した。
【0047】
本実施形態のピックアップ装置100は、ダイシングテープの上に貼り付けられているチップ部品を前記ダイシングテープからピックアップする。ピックアップ装置100は、突き上げピン10と、ガイド20と、突き上げ板30とを有する。突き上げピン10は、先端部10aを、ダイシングテープ側(200側)の一端部に備える。そして、ダイシングテープ200の下面を介して、先端部10aがチップ部品300を押圧する。ガイド20は、突き上げピン10を支持する。この際、チップ部品300の主面の法線nに対して第1の角度θだけ傾けた状態で、突き上げピン10が支持される。また、突き上げピン10の長手方向にスライド可能となるように、突き上げピン10が、ガイドに支持される。突き上げ板30は、突き上げピン10を突き上げる。突き上げの際には、先端部10aとダイシングテープ200の接触部が、チップ部品300の端部からチップ部品300の中央部に移動する。
【0048】
以上の構成では、最初に、突き上げピン10によって、チップ部品300の端部下面が突き上げられる。これにより、チップ部品300の端部がダイシングテープ200から剥離する。続いて、突き上げピン10が上昇すると、先端部10aがチップ部品300の端部から中央に向かって移動する。これにより、チップ部品300の端部から中央に向かって、連続的に剥離が進行する。このような動作によって、剥離の際に、チップ部品300を折り曲げる曲げモーメントが低減される。
【0049】
ここで、特許文献1に記載の発明では、上述の通り、複数の筒体や突き上げピンを独立して動かすために、複数のアクチュエータが複数の筒体や突き上げピンごとに設けられていた。このため構造が複雑になるという問題があった。
【0050】
これに対して、本実施形態のピックアップ装置100では、突き上げ板30のみで突き上げピン10を上下動させているので、複数のアクチュエータを使用していた特許文献1のピックアップ装置100より簡単な構成で、同様な動作が実現される。
【0051】
したがって、本実施形態のピックアップ装置100では、より構造が簡単で、ダイシングテープからの剥離の際に、チップ部品に加わる曲げモーメントが低減される。
【0052】
また一態様によれば、ピックアップ装置100が、付勢手段11を有する。突き上げ板30に向かって、付勢手段11が、突き上げピン10を付勢する。
【0053】
付勢手段11によって、突き上げ完了後に、突き上げピン10が確実に初期位置に戻される。
【0054】
また一態様によれば、ピックアップ装置100のガイド20において、第1の角度θが調整可能である。チップ部品300の寸法やダイシングテープ200の粘着力に応じて、突き上げの角度の最適化が可能になる。
【0055】
また一態様によれば、ピックアップ装置100における第1の角度が10°~80°の範囲内である。この範囲内では、剥離する力と剥離が進行する速さの組み合わせについて、効率の良い選択が可能である。
【0056】
また、本実施形態のピックアップ装置の制御方法は、ピックアップ装置100を制御する。ピックアップ装置100は、ダイシングテープの上に貼り付けられているチップ部品を前記ダイシングテープからピックアップするための装置である。そして、ピックアップ装置は、突き上げピン10と、ガイド20と、突き上げ板30とを有する。突き上げピン10は、先端部10aを、ダイシングテープ側(200側)の一端部に備える。そして、ダイシングテープ200の下面を介して、先端部10aがチップ部品300を押圧する。ガイド20は、突き上げピン10を支持する。この際、チップ部品300の主面の法線nに対して第1の角度θだけ傾けた状態で、突き上げピン10が支持される。また、突き上げピン10の長手方向にスライド可能となるように、突き上げピン10が、ガイドに支持される。そして、ピックアップ装置100の制御方法では、ピックアップ装置100によって突き上げピン10が突き上げられる。この突き上げの際には、先端部10aとダイシングテープ200の接触部が、チップ部品300の端部からチップ部品300の中央部に移動する。
【0057】
本実施形態のピックアップ装置の制御方法においても、上述の本実施形態のピックアップ装置100と同様の効果を奏することができる。 (第2の実施形態)
第1の実施形態では、突き上げピン10が1本のピックアップ装置100について説明した。本実施形態では、突き上げピン10を複数備えたピックアップ装置について説明する。
【0058】
図9は、第2の実施形態のピックアップ装置101を示す側面図である。また、図10は、第2の実施形態のピックアップ装置の一部を示す上面図である。ピックアップ装置101は、突き上げピン10を2本備えている。図9の左側の突き上げピン10の先端部10aは、法線nに対して第1の角度θだけ右に傾いている。図9の右側の突き上げピン10の先端部10aは、法線nに対して第1の角度θだけ左に傾いている。また、左側の突き上げピン10の先端部10aと、右側の突き上げピン10の先端部10aの高さが同じになっている。
【0059】
なお、ガイドホルダー21に対する取り付け方を調整することによって、それぞれの突き上げピン10の傾きは調整可能である。また、ガイドホルダー21に対する取り付け方を調整することによって、2つの突き上げピン10の間隔を調整することも可能である。例えば、ピックアップを行うチップ部品300のサイズに応じて、2つの突き上げピン10の間隔が調整される。ガイドホルダー21に対する取り付け方について、具体的な方法は、第1の実施の形態で説明した内容と同様である。
【0060】
次に、ピックアップ装置101の具体的な構成と動作について説明する。図11は、第2の実施形態のピックアップ装置101の第1の動作状態を示す側面図である。図9では省略されていたが、ピックアップ装置101は、コレット90と、コレット駆動手段91とを備えている。
【0061】
コレット90は、チップ部品300の上面と対向する位置に設けられる。そして、コレット90は、チップ部品300を吸着する。
【0062】
コレット駆動手段91は、コレット90を少なくとも法線nの方向に移動させる。コレット駆動手段91はコレットに負荷する力を調整できるようになっている。また、図示はしていないが、コレット90の位置は、コレット位置検出手段で検出される。
【0063】
図11に示す第1の動作状態では、左側の突き上げピン10の先端部10aがダイシングテープ200の裏面に当接している。その場所は、チップ部品300の左端部である。同様に、右側の突き上げピン10の先端部10aがダイシングテープ200の裏面に当接している。その場所は、チップ部品300の右端部である。そして、コレット90がチップ部品300の上面を吸着している。また、コレット90に下方向の荷重がかからないように、コレット駆動手段91の荷重が調整されている。
【0064】
図12は、第2の実施形態のピックアップ装置101の第2の動作状態を示す側面図である。突き上げ板30が突き上げピン10を押し上げている。2つの先端部10aがチップ部品300の両端部を第2の位置まで突き上げている。これにより、チップ部品300の両端部で、チップ部品300がダイシングテープ200から剥離される。この際、突き上げピン10が法線nに対して第1の角度θだけ傾いているため、2つの先端部10aが、それぞれチップ部品300の中央に向かって移動する。なお、コレット90に下方向の荷重がかからないように、コレット駆動手段91の荷重が調整されている。
【0065】
上記の動作から明らかなように、第2の実施形態のピックアップ装置101においても、第1の実施形態のピックアップ装置100と同様に、チップ部品300に加わる曲げモーメントが低減される。
【0066】
図13は、第2の実施形態のピックアップ装置101の第3の動作状態を示す側面図である。突き上げ板30が突き上げピン10を押し上げている。そして、2つの先端部10aがチップ部品300の両端部を第3の位置まで突き上げている。これにより、チップ部品300のダイシングテープ200からの剥離が進行する。この際、2つの先端部10aが、それぞれ、チップ部品300の中央に向かってさらに移動する。
【0067】
ここで、コレット90の位置には、予め定めたピックアップ位置が定められている。コレット90がピックアップ位置まで上昇すると、突き上げ板30の上昇が停止する。これにより、先端部10aの上昇も停止する。本例では、上記の第3の位置がピックアップ位置となっている。
【0068】
図14は、第2の実施形態のピックアップ装置101の第4の動作状態を示す側面図である。上記のように、第3の位置で、2つ先端部10aが停止している。この時点で、チップ部品300のダイシングテープ200からの剥離が進行している。このため、チップ部品300は、ピックアップが容易な状態になっている。そこで、コレット90がチップ部品300を吸着した状態で、コレット駆動手段91がコレット90を法線方向に上昇させる。これにより、チップ部品300が、ダイシングテープ200から取り外され、ピックアップが完了する。
【0069】
以上に説明したように、ピックアップ装置101によれば、特許文献1のピックアップ装置と同様に、ダイシングテープ200からの剥離において、チップ部品300に加わる曲げモーメントが低減される。そして、2つの突き上げピン10がチップ部品300の両端から突き上げを開始して、両端から剥離が開始される。そして、チップ部品300の中央に向かって両側から剥離が進行する。このため、チップ部品300が傾けずに、ピックアップが容易な状態が形成される。これは、特許文献1のピックアップ装置と同様な動作である。しかしながら、特許文献1のピックアップ装置100より簡単な構成で、同様な動作が実現される。
【0070】
(変形例1)
次に、第2の実施形態のピックアップ装置101の変形例について説明する。上記の説明では、突き上げピン10が2本の例について説明した。しかしながら、突き上げピン10の数は、3以上の任意の数であっても良い。図15は、第2の実施形態のピックアップ装置101の変形例1を示す上面図である。
【0071】
変形例1は、突き上げピン10が4本の例である。そして、図15の左側の2本の突き上げピン10の先端部10aが右に傾いている。また、右側の2本の突き上げピン10の先端部10aが左に傾いている。突き上げ板30が上昇すると、それぞれの先端部10aが図15の矢印の方向に向かって移動する。つまり、変形例1で、図15の左右方向において、それぞれの先端部10aがチップ部品300の中央に向かって移動する。
【0072】
上記の構成では、力の作用点が4つになっているため、作用点が2つの場合に比べて、1カ所にかかる力が小さくなる。
【0073】
(変形例2)
図16は、第2の実施形態のピックアップ装置101の変形例2を示す上面図である。
【0074】
変形例1は、突き上げピン10が4本の例である。そして、図16左上の突き上げピン10の先端部10aが右下に傾いている。また、左下の突き上げピン10の先端部10aが右上に傾いている。同様に、図16右上の突き上げピン10の先端部10aが左下に傾いている。また、右下の突き上げピン10の先端部10aが左上に傾いている。
【0075】
突き上げ板30が上昇すると、それぞれの先端部10aが、図15の矢印の方向、すなわちチップ部品300の中心に向かって移動する。
【0076】
上記の構成では、力の作用点が4つになっているため、変形例1の場合と同様に、作用点が2つの場合に比べて、1カ所にかかる力が小さくなる。
【0077】
なお、変形例1および2では、突き上げピン10が4本の例について説明したが、突き上げピン10の数は、3もしくは5以上であっても良い。
【0078】
以上、本実施形態のピックアップ装置101等について説明した。
【0079】
本実施形態のピックアップ装置101は、突き上げピン10を複数備える。そして、それぞれの突き上げピン10が、突き上げ板30によってチップ部品の方向に突上げられる。また、突き上げ板30が突き上げられた際に、それぞれの先端部10aが、チップ部品300の中央に向かうように、突き上げピン10が設けられている、
上記の構成では、突き上げ力が複数の突き上げピンに分散されているので、突き上げの際に1点に加わる力が低減される。また、チップ部品300を傾かずに突き上げが実行される。
【0080】
また一態様によれば、ピックアップ装置101が、コレット90と、コレット駆動手段91とを有する。コレット90は、チップ部品300の上面と対向する位置に設けられる。そして、コレット90がチップ部品を吸着する。また、コレット駆動手段91が、コレット90を、少なくとも法線nの方向に移動させる。
【0081】
コレット90がチップ部品300を吸着し、コレット駆動手段91がコレット90を移動させることで、ピックアップ装置101がチップ部品300をダイシングテープ200からピックアップされる。
【0082】
上述した第1乃至第2の実施形態の処理を、コンピュータに実行させるプログラムおよび該プログラムを格納した記録媒体も本発明の範囲に含む。記録媒体としては、例えば、磁気ディスク、磁気テープ、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ、などを用いることができる。
【0083】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上記実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【符号の説明】
【0084】
10 突き上げピン
10a 先端部
11 付勢手段
20 ガイド
30 突き上げ板
90 コレット
91 コレット駆動手段
100、101 ピックアップ装置
200 ダイシングテープ
300 チップ部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16