(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002301
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20231228BHJP
G06F 1/18 20060101ALI20231228BHJP
H04N 21/436 20110101ALI20231228BHJP
【FI】
G06F1/16 312K
G06F1/18 G
H04N21/436
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101406
(22)【出願日】2022-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安藤 和博
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164GA02
5C164UB41S
5C164UB71P
5C164YA21
(57)【要約】
【課題】解像度やリフレッシュレートなどを低下させることなく接続される表示装置を増加することができる。
【解決手段】実施形態の電子機器は、内部表示装置と、スイッチ回路と、変換回路と、コネクタと、を備える。前記内部表示装置は、内部配線により接続される。前記スイッチ回路は、モードに基づいて、内部配線向けのインタフェース規格に適合する第1映像信号の出力先を、前記内部表示装置と、ケーブルを介して接続される外部装置と、で切り替える。前記変換回路は、前記第1映像信号を、ケーブル接続向けのインタフェース規格に適合する第2映像信号に変換する。前記コネクタは、前記変換回路により変換された前記第2映像信号を前記外部装置に出力する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部配線により接続された内部表示装置と、
モードに基づいて、内部配線向けのインタフェース規格に適合する第1映像信号の出力先を、前記内部表示装置と、ケーブルを介して接続される外部装置と、で切り替えるスイッチ回路と、
前記第1映像信号を、ケーブル接続向けのインタフェース規格に適合する第2映像信号に変換する変換回路と、
前記変換回路により変換された前記第2映像信号を前記外部装置に出力するコネクタと、
を備える電子機器。
【請求項2】
前記内部表示装置がキーボードに対向する位置に配置されたことを検知する検知部を更に備え、
前記スイッチ回路は、前記検知部による検知結果に応じた前記モードに基づいて、前記第1映像信号の出力先を、前記外部装置に切り替える、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1映像信号の出力先を前記外部装置に切り替える操作を受け付ける操作部を更に備え、
前記スイッチ回路は、前記操作部が受け付けた操作に応じた前記モードに基づいて、前記第1映像信号の出力先を、前記外部装置に切り替える、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記コネクタは、前記モードに応じて、前記外部装置から前記第2映像信号の入力を受け付け、
前記コネクタは、前記モードに応じて、前記第2映像信号を前記外部装置に出力する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記外部装置から入力された前記第2映像信号を前記内部表示装置に表示する前記モードにおいて、前記コネクタに接続された前記外部装置が表示装置である場合に、当該表示装置に映像を表示しないことを通知する通知部を更に備える、
請求項1から4の何れか一項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ラップトップ型のコンピュータや、タブレット端末や、スマートフォン等の電子機器に複数の表示装置を接続したいとのニーズがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器は、ドッキングステーションなどの中継装置に中継させることで、複数の表示装置に接続することができる。
【0005】
しかしながら、中継装置は、複数の表示装置が接続されている場合、映像信号をそれぞれの表示装置に分配するため、解像度やリフレッシュレートなどを低下させてしまう。
【0006】
そこで、本発明は、解像度やリフレッシュレートなどを低下させることなく接続される表示装置を増加することが可能な電子機器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、実施形態の電子機器は、内部表示装置と、スイッチ回路と、変換回路と、コネクタと、を備える。前記内部表示装置は、内部配線により接続される。前記スイッチ回路は、モードに基づいて、内部配線向けのインタフェース規格に適合する第1映像信号の出力先を、前記内部表示装置と、ケーブルを介して接続される外部装置と、で切り替える。前記変換回路は、前記第1映像信号を、ケーブル接続向けのインタフェース規格に適合する第2映像信号に変換する。前記コネクタは、前記変換回路により変換された前記第2映像信号を前記外部装置に出力する。
【0008】
上記構成において、実施形態の電子機器は、前記内部表示装置がキーボードに対向する位置に配置されたことを検知する検知部を更に備える。前記スイッチ回路は、前記検知部による検知結果に応じた前記モードに基づいて、前記第1映像信号の出力先を、前記外部装置に切り替える。
【0009】
また、上記構成において、実施形態の電子機器は、前記第1映像信号の出力先を前記外部装置に切り替える操作を受け付ける操作部を更に備える。前記スイッチ回路は、前記操作部が受け付けた操作に応じた前記モードに基づいて、前記第1映像信号の出力先を、前記外部装置に切り替える。
【0010】
また、上記構成において、前記内部表示装置は、前記モードに応じて、前記コネクタを介して、前記外部装置から入力された第3映像信号を表示する。前記コネクタは、前記モードに応じて、前記第2映像信号を前記外部装置に出力する。
【0011】
また、上記構成において、実施形態の電子機器は、前記外部装置から入力された第3映像信号を前記内部表示装置に表示する前記モードにおいて、前記コネクタに接続された前記外部装置が表示装置である場合に、当該表示装置に映像を表示しないことを通知する通知部を更に備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明の上記態様によれば、解像度やリフレッシュレートなどを低下させることなく接続される表示装置を増加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施形態に係る表示システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る電子機器の概略的なハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る映像入出力回路の概略的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る電子機器が有する概略的な機能構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る電子機器によるモード設定処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して電子機器に係る実施形態を説明する。ただし、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、実施形態で明示しない種々の変形例や技術の適用を排除する意図はない。すなわち、本実施形態を、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、各図は、図中に示す構成要素のみを備えるという趣旨ではなく、他の機能等を含むことができる。
【0015】
図1は、実施形態に係る表示システム1の概略的な構成の一例を示す図である。表示システム1は、電子機器10と、第1外部装置21と、第2外部表示装置22と、第3外部表示装置23と、第4外部表示装置24とを備える。
【0016】
電子機器10は、ラップトップ型のパーソナルコンピュータである。すなわち、電子機器10は、ヒンジにより連結された2つの筐体の一方に内部表示装置15が設けられ、他方にキーボードと本体とが設けられている。
【0017】
また、電子機器10は、内部表示装置15を閉じることができる。そして、内部表示装置15が閉じられた場合、内部表示装置15は、キーボードに対向する位置に配置される。
【0018】
なお、電子機器10は、ラップトップ型のパーソナルコンピュータに限らず、タブレット端末や、スマートフォン等の情報処理装置であってもよい。電子機器10は、それぞれのケーブルを介して、第1外部装置21と、第2外部表示装置22と、第3外部表示装置23と、第4外部表示装置24と接続される。
【0019】
第1外部装置21は、電子機器10から出力された映像信号を表示する表示装置、又は電子機器10に対して映像信号を入力する映像入力装置である。例えば、映像入力装置は、ゲーム機やパーソナルコンピュータなどの情報処理装置である。電子機器10は、ゲーム機から入力された映像信号を表示する。
【0020】
第2外部表示装置22と、第3外部表示装置23と、第4外部表示装置24とは、電子機器10から出力された映像信号を表示する表示装置である。
【0021】
なお、
図1に示す電子機器10は、1台の第1外部装置21が接続されている。しかしながら、電子機器10は、複数の第1外部装置21が接続可能であってもよい。また、
図1に示す電子機器10は、第2外部表示装置22と、第3外部表示装置23と、第4外部表示装置24との3台の表示装置が接続されている。しかしながら、電子機器10は、4台以上の表示装置が接続されていてもよいし、2台以下の表示装置が接続されていてもよい。
【0022】
そして、電子機器10は、映像入出力モードに応じて、映像信号の入出力を実行する。映像入出力モードには、単一モード、出力モード、入力モード、及び複数モードが有る。
【0023】
単一モードは、内部配線向けのインタフェース規格に適合する映像信号である第1映像信号を内部表示装置15に表示させるモードである。
【0024】
出力モードは、ケーブル接続向けのインタフェース規格に適合する第2映像信号を、第1外部コネクタ187(
図3参照)を介して接続された第1外部装置21に出力するモードである。更に詳しくは、出力モードは、内部表示装置15に表示させる第1映像信号を、第2映像信号に変換して第1外部装置21に表示させるモードである。
【0025】
入力モードは、第1外部コネクタ187(
図3参照)を介して接続された第1外部装置21から出力された第2映像信号の入力を受け付けるモードである。更に詳しくは、入力モードは、第1外部装置21から出力された第2映像信号を内部表示装置15に表示させるモードである。
【0026】
複数モードは、第2外部表示装置22、第3外部表示装置23、第4外部表示装置24との少なくとも一つの表示装置に第2映像信号を出力するモードである。
【0027】
次に、電子機器10のハードウェア構成について説明する。
【0028】
図2は、実施形態に係る電子機器10の概略的なハードウェア構成の一例を示すブロック図である。電子機器10は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、記憶装置14と、内部表示装置15と、操作部16と、開閉検知部17と、映像入出力回路18とを備える。
【0029】
CPU11は、電子機器10を統括的に制御するプロセッサである。RAM12は、各種プログラムやパラメータを記憶する不揮発性の主記憶装置である。ROM13は、CPU11の作業領域を提供する揮発性の補助記憶装置である。記憶装置14は、HDD(Hard Disk Drive)や、SSD(Solid State Drive)や、フラッシュメモリなどの補助記憶装置である。CPU11は、ROM13や記憶装置14に記憶されたプログラムに従い、RAM12をワーキングエリアに使用して各種演算処理を実行する。
【0030】
内部表示装置15は、映像を表示する表示装置である。また、内部表示装置15は、内部配線により接続される。更に詳しくは、内部表示装置15は、電子機器10の筐体の内部に設けられた配線により映像入出力回路18に接続される。内部表示装置15は、ヒンジにより閉じられた場合に、キーボードと対向する位置に配置される。
【0031】
操作部16は、各種操作を受け付ける。例えば、操作部16は、キーボードや、電子機器10の筐体に設けられたボタンなどの入力装置である。
【0032】
開閉検知部17は、ヒンジにより内部表示装置15が閉じられていることを検知する。言い換えると、開閉検知部17は、内部表示装置15がキーボードに対向する位置に配置されたことを検知する。
【0033】
例えば、開閉検知部17は、内部表示装置15が閉じられている場合に押下されるボタンであってもよいし、内部表示装置15が閉じられていることを光などにより検知するセンサであってもよいし、他の機構により内部表示装置15が閉じられていることを検知するセンサであってもよい。
【0034】
映像入出力回路18は、第1外部装置21と、第2外部表示装置22と、第3外部表示装置23と、第4外部表示装置24とに対する映像信号の入出力を制御する回路である。
【0035】
図3は、実施形態に係る映像入出力回路18の概略的な構成の一例を示すブロック図である。映像入出力回路18は、第1映像取得回路181、第1スイッチ回路182、第2スイッチ回路183、内部コネクタ184、変換回路185、第3スイッチ回路186、第1外部コネクタ187、スケーラー188、第2映像取得回路189、リタイマー回路190、第2外部コネクタ191、第3映像取得回路192、第3外部コネクタ193、第4映像取得回路194、及び第4外部コネクタ195、を備える。映像入出力回路18は、映像入出力モードに応じて、映像信号の入出力を切り替える。
【0036】
第1映像取得回路181は、内部配線向けのインタフェース規格に適合する映像信号である第1映像信号を取得する回路である。第1映像信号は、例えば、eDP(embedded Display Port)などの内部配線向けのインタフェース規格に適合した映像信号である。第1映像取得回路181は、CPU11などのプロセッサにより生成された第1映像信号を取得する。また、第1映像取得回路181は、配線を介して、第1スイッチ回路182と接続される。そして、第1映像取得回路181は、第1スイッチ回路182に第1映像信号を出力する。
【0037】
第1スイッチ回路182は、映像入出力モードに基づいて、内部配線向けのインタフェース規格に適合する第1映像信号の出力先を、内部表示装置15と、ケーブルを介して接続される第1外部装置21と、で切り替える回路である。第1スイッチ回路182は、配線を介して、第1映像取得回路181、第2スイッチ回路183、及び変換回路185と接続される。
【0038】
第1スイッチ回路182は、単一モードの場合に、第1映像信号を第2スイッチ回路183に出力する。また、第1スイッチ回路182は、出力モードの場合に、第1映像信号を変換回路185に出力する。
【0039】
ここで、第1スイッチ回路182は、内部表示装置15がキーボードと対向する位置に配置されていることが開閉検知部17により検知された場合に、出力モードに設定される。すなわち、第1スイッチ回路182は、開閉検知部17による検知結果に応じた映像入出力モードに基づいて、第1映像信号の出力先を、第1外部装置21に切り替える。
【0040】
第2スイッチ回路183は、映像入出力モードに基づいて、第1スイッチ回路182と、スケーラー188との何れから入力された映像信号を内部コネクタ184に出力するのか選択する回路である。第2スイッチ回路183は、配線を介して、第1スイッチ回路182、内部コネクタ184、及びスケーラー188と接続される。
【0041】
第2スイッチ回路183は、単一モードの場合に、第1スイッチ回路182から出力された第1映像信号を内部コネクタ184に出力する。第2スイッチ回路183は、入力モードの場合に、スケーラー188から出力された第1映像信号を内部コネクタ184に出力する。
【0042】
内部コネクタ184は、電子機器10の筐体の内部で内部表示装置15と接続するコネクタである。内部コネクタ184は、配線を介して、第2スイッチ回路183と接続される。さらに、内部コネクタ184は、内部配線を介して、内部表示装置15と接続される。そして、内部コネクタ184は、内部配線を介して、第1映像信号を内部表示装置15に出力する。
【0043】
変換回路185は、内部配線向けのインタフェース規格に適合する第1映像信号を、ケーブル接続向けのインタフェース規格に適合する第2映像信号に変換する。第2映像信号は、例えば、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)などの、ケーブル接続向けのインタフェース規格に適合した映像信号である。すなわち、変換回路185は、DP規格に適合した第1映像信号を、HDMI(登録商標)規格に適合した第2映像信号に変換する。
【0044】
また、変換回路185は、配線を介して、第1スイッチ回路182、及び第3スイッチ回路186と接続される。そして、変換回路185は、第1スイッチ回路182から入力された第1映像信号を、第2映像信号に変換して第3スイッチ回路186に出力する。
【0045】
第3スイッチ回路186は、映像入出力モードに基づいて、入力先と出力先との組み合わせを切り替える。第3スイッチ回路186は、配線を介して、変換回路185、第1外部コネクタ187、及びスケーラー188に接続される。
【0046】
第3スイッチ回路186は、出力モードの場合に、変換回路185から入力された第2映像信号を、第1外部コネクタ187へ出力する。第3スイッチ回路186は、入力モードの場合に、第1外部コネクタ187から入力された第2映像信号をスケーラー188へ出力する。
【0047】
第1外部コネクタ187は、第1外部装置21と接続するコネクタである。例えば、第1外部コネクタ187は、HDMI(登録商標)などのインタフェース規格に適合したコネクタである。第1外部コネクタ187は、配線を介して、第3スイッチ回路186と接続される。また、第1外部コネクタ187は、ケーブルを介して、第1外部装置21と接続される。
【0048】
第1外部コネクタ187は、映像入出力モードに応じて、第1外部装置21から第2映像信号の入力を受け付ける。すなわち、第1外部コネクタ187は、入力モードの場合に、第1外部装置21から第2映像信号の入力を受け付ける。そして、第1外部コネクタ187は、第1外部装置21から入力された第2映像信号を第3スイッチ回路186に出力する。
【0049】
第1外部コネクタ187は、映像入出力モードに応じて、第2映像信号を第1外部装置21に出力する。すなわち、第1外部コネクタ187は、出力モードの場合に、第3スイッチ回路186から第2映像信号の入力を受け付ける。そして、第1外部コネクタ187は、第3スイッチ回路186から入力された第2映像信号を第1外部装置21に出力する。言い換えると、第1外部コネクタ187は、変換回路185により変換された第2映像信号を第1外部装置21に出力する。
【0050】
スケーラー188は、第2映像信号の解像度を変換する。スケーラー188は、配線を介して、第2スイッチ回路183、及び第3スイッチ回路186と接続される。
【0051】
ここで、第1外部コネクタ187には、第1外部コネクタ187のインタフェース規格に適合する様々な第1外部装置21が接続される。言い換えると、第1外部コネクタ187には、HDMI(登録商標)規格に適合する様々な解像度の第2映像信号が入力される。そして、第1外部コネクタ187を介して入力された第2映像信号は、内部表示装置15の解像度に適合しない場合がある。
【0052】
そこで、スケーラー188は、第1外部コネクタ187を介して入力された第2映像信号の解像度を変換する。例えば、スケーラー188は、SD(Standard Definition)やHD(High Definition)の第2映像信号を、FHD(Full High Definition)に変換する。
【0053】
さらに、スケーラー188は、ケーブル接続向けのインタフェース規格に適合する第2映像信号を、内部接続向けのインタフェース規格に適合する第1映像信号に変換してもよい。または、第2映像信号を第1映像信号に変換する回路は、スケーラー188以外に設けられていてよい。
【0054】
第2映像取得回路189は、ケーブル接続向けのインタフェース規格に適合する第2映像信号を取得する回路である。第2映像信号は、例えば、HDMI(登録商標)などの映像信号である。第2映像取得回路189は、CPU11などのプロセッサにより生成された第2映像信号を取得する。また、第2映像取得回路189は、配線を介して、リタイマー回路190に接続される。そして、第2映像取得回路189は、リタイマー回路190に第2映像信号を出力する。
【0055】
リタイマー回路190は、第2映像信号の波形を保つことにより信号品質を保持する回路である。リタイマー回路190は、配線を介して、第2映像取得回路189、及び第2外部コネクタ191と接続される。そして、リタイマー回路190は、第2映像取得回路189から入力された第2映像信号の波形の歪みを補正して、第2外部コネクタ191に出力する。
【0056】
第2外部コネクタ191は、第2外部表示装置22と接続するコネクタである。例えば、第2外部コネクタ191は、HDMI(登録商標)などの第2映像信号を出力するコネクタである。第2外部コネクタ191は、配線を介して、リタイマー回路190と接続される。また、第2外部コネクタ191は、ケーブルを介して、第2外部表示装置22と接続される。
【0057】
第2外部コネクタ191は、複数モードの場合に、リタイマー回路190から第2映像信号の入力を受け付ける。そして、第1外部コネクタ187は、リタイマー回路190から入力された第2映像信号を第2外部表示装置22に出力する。
【0058】
第3映像取得回路192は、ケーブル接続向けのインタフェース規格に適合する第3映像信号を取得する回路である。第3映像信号は、例えば、DP(Display Port)などの、ケーブル接続向けのインタフェース規格に適合した映像信号である。第3映像取得回路192は、CPU11などのプロセッサにより生成された第3映像信号を取得する。また、第3映像取得回路192は、配線を介して、第3外部コネクタ193と接続される。そして、第3映像取得回路192は、第3外部コネクタ193に第3映像信号を出力する。
【0059】
第3外部コネクタ193は、第3外部表示装置23と接続するコネクタである。第3外部コネクタ193は、配線を介して、第3映像取得回路192と接続される。また、第3外部コネクタ193は、ケーブルを介して、第3外部表示装置23と接続される。例えば、第3外部コネクタ193は、第3映像取得回路192から出力された第3映像信号を出力するUSB(Universal Serial Bus) Type-Cのコネクタである。
【0060】
第3外部コネクタ193は、複数モードの場合に、第3映像取得回路192から第3映像信号の入力を受け付ける。そして、第3外部コネクタ193は、第3映像取得回路192から入力された第3映像信号を第3外部表示装置23に出力する。
【0061】
第4映像取得回路194は、第4外部表示装置24に対する映像信号である第3映像信号を取得する回路である。第4映像信号は、例えば、DPなどの映像信号である。第4映像取得回路194は、CPU11などのプロセッサにより生成された第4映像信号を取得する。第4映像取得回路194は、配線を介して、第4外部コネクタ195と接続される。そして、第4映像取得回路194は、第4外部コネクタ195に第4映像信号を出力する。
【0062】
第4外部コネクタ195は、第4外部表示装置24と接続するコネクタである。第4外部コネクタ195は、配線を介して、第4映像取得回路194と接続される。また、第4外部コネクタ195は、ケーブルを介して、第4外部表示装置24と接続される。例えば、第4外部コネクタ195は、第4映像取得回路194から出力された第4映像信号を出力するUSB Type-Cのコネクタである。
【0063】
第4外部コネクタ195は、複数モードの場合に、第4映像取得回路194から第3映像信号の入力を受け付ける。そして、第4外部コネクタ195は、第4映像取得回路194から入力された第3映像信号を第4外部表示装置24に出力する。
【0064】
次に、電子機器10が有する特徴的な機能について説明する。
【0065】
図4は、実施形態に係る電子機器10が有する概略的な機能構成の一例を示す図である。CPU11は、ROM13や記憶装置14に記憶されたプログラムに従い、RAM12をワーキングエリアに使用して各種処理を実行することで、
図4に示す機能を実現する。
【0066】
電子機器10は、モード制御部1001、及び通知部1002を有する。
【0067】
モード制御部1001は、映像入出力モードを制御する。モード制御部1001は、初期状態では単一モードに設定する。
【0068】
モード制御部1001は、入力モードに設定する設定条件が満たれたか否かを判定する。更に詳しくは、モード制御部1001は、第1外部コネクタ187に第1外部装置21が接続された場合に、第1外部装置21から入力された情報に基づいて、第1外部装置21が映像入力装置であるか否かを判定する。また、モード制御部1001は、操作部16が入力モードに設定する操作を受け付けたか否かを判定する。例えば、入力モードに設定する操作とは、特定のキーを押下する操作や、特定のボタンを押下する操作や、ソフトウェアボタンを押下する操作などである。そして、モード制御部1001は、第1外部コネクタ187に接続された第1外部装置21が映像入力装置であり、且つ、入力モードに設定する操作を受け付けた場合に、入力モードに設定する。
【0069】
モード制御部1001は、出力モードに設定する設定条件が満たれたか否かを判定する。更に詳しくは、モード制御部1001は、開閉検知部17による検知結果に応じて出力モードに設定する。すなわち、モード制御部1001は、内部表示装置15が閉じられたことを開閉検知部17により検知したか否かを判定する。また、モード制御部1001は、第1外部コネクタ187に第1外部装置21が接続された場合に、第1外部装置21から入力された情報に基づいて、第1外部装置21が表示装置であるか否かを判定する。そして、モード制御部1001は、内部表示装置15が閉じられ、且つ第1外部コネクタ187に接続された第1外部装置21が表示装置の場合に、出力モードに設定する。
【0070】
モード制御部1001は、複数モードに設定する設定条件が満たれたか否かを判定する。更に詳しくは、モード制御部1001は、第2外部コネクタ191、第3外部コネクタ193、又は第4外部コネクタ195の何れかに表示装置が接続されたか否かを判定する。そして、モード制御部1001は、第2外部コネクタ191、第3外部コネクタ193、又は第4外部コネクタ195の何れかに表示装置が接続された場合に、複数モードに設定する。
【0071】
通知部1002は、第1外部装置21から入力された第2映像信号を内部表示装置15に表示する映像入出力モードにおいて、第1外部コネクタ187に接続された第1外部装置21が表示装置である場合に、この表示装置に映像を表示しないことを通知する。すなわち、通知部1002は、映像入出力モードが出力モード以外のモードであり、且つ、第1外部コネクタ187に接続された第1外部装置21が表示装置の場合に、第1外部コネクタ187に接続された表示装置に映像を表示しないことを通知する。
【0072】
ここで、電子機器10は、出力モードの場合に、内部表示装置15に表示する第1映像信号を、第1外部コネクタ187に接続された第1外部装置21に映像を表示する。すなわち、電子機器10は、内部表示装置15が閉じられている場合に、内部表示装置15に表示する第1映像信号を、第1外部コネクタ187に接続された第1外部装置21に表示する。
【0073】
また、電子機器10は、映像入出力モードが出力モード以外のモードの場合には、第1映像信号を内部表示装置15に表示し、第1外部コネクタ187に接続された第1外部装置21に映像しない。例えば、電子機器10は、内部表示装置15が開かれている場合には、第1外部コネクタ187に接続された第1外部装置21に映像しない。
【0074】
そこで、通知部1002は、映像入出力モードが出力モード以外のモードであって、且つ第1外部コネクタ187に接続された第1外部装置21が表示装置の場合に、第1外部コネクタ187に接続された表示装置に映像しないことを通知する。
【0075】
例えば、通知部1002は、第1外部コネクタ187に接続された表示装置に映像しないことを示すメッセージを内部表示装置15に表示することで通知する。なお、通知部1002は、メッセージに限らず、画像や動作を内部表示装置15に表示することで、第1外部コネクタ187に接続された表示装置に映像しないことを通知してもよい。
【0076】
さらに、通知部1002は、内部表示装置15による表示に限らず、他の表示装置に表示することで通知してもよいし、第1外部コネクタ187に接続された表示装置に映像しないことを示す音声により通知してもよいし、他の方法により通知してもよい。
【0077】
次に、電子機器10による映像入出力モードのモード設定処理について説明する。
【0078】
図5は、実施形態に係る電子機器10によるモード設定処理の一例を示すフローチャートである。
【0079】
モード制御部1001は、第1映像信号を内部表示装置15に表示する単一モードに設定する(ステップS1)。
【0080】
モード制御部1001は、映像入出力モードにおいて、入力モードの設定条件が満たされたか否かを判定する(ステップS2)。例えば、モード制御部1001は、入力モードの設定条件として、ケーブルを介して第1外部コネクタ187に映像入力装置が接続され、操作部16が入力モードに設定する操作を受け付けたか否かを判定する。
【0081】
入力モードの設定条件が満たされた場合に(ステップS2;Yes)、モード制御部1001は、入力モードに設定する(ステップS3)。
【0082】
モード制御部1001は、入力モードを終了する終了条件が満たされたか否かを判定する(ステップS4)。例えば、モード制御部1001は、第1外部コネクタ187を介した映像入力装置の接続解除や、操作部16が入力モードの終了操作を受け付けたか否かを判定する。
【0083】
入力モードの終了条件が満たされていない場合に(ステップS4;No)、モード制御部1001は、ステップS3で待機する。入力モードの終了条件が満たされた場合に(ステップS4;Yes)、モード制御部1001は、ステップS1に移行する。
【0084】
入力モードの設定条件が満たされていない場合に(ステップS2;No)、モード制御部1001は、映像入出力モードにおいて、複数モードの設定条件が満たされたか否かを判定する(ステップS5)。例えば、モード制御部1001は、複数モードの設定条件として、開閉検知部17が内部表示装置15の閉鎖を検知したか否かを判定する。
【0085】
複数モードの設定条件が満たされた場合に(ステップS5;Yes)、モード制御部1001は、複数モードに設定する(ステップS6)。
【0086】
モード制御部1001は、複数モードを終了する終了条件が満たされたか否かを判定する(ステップS7)。例えば、モード制御部1001は、開閉検知部17が内部表示装置15の開放を検知したか否かを判定する。
【0087】
複数モードの終了条件が満たされていない場合に(ステップS7;No)、モード制御部1001は、ステップS6で待機する。複数モードの終了条件が満たされた場合に(ステップS7;Yes)、モード制御部1001は、ステップS1に移行する。
【0088】
複数モードの設定条件が満たされていない場合に(ステップS5;No)、モード制御部1001は、映像入出力モードにおいて、出力モードの設定条件が満たされたか否かを判定する(ステップS8)。例えば、モード制御部1001は、出力モードの設定条件として、第2外部表示装置22と、第3外部表示装置23と、第4外部表示装置24と、の少なくとも一つが接続されたか否かを判定する。
【0089】
出力モードの設定条件が満たされていない場合に(ステップS8;No)、モード制御部1001は、ステップS2に移行する。
【0090】
出力モードの設定条件が満たされた場合に(ステップS8;Yes)、モード制御部1001は、出力モードに設定する(ステップS9)。
【0091】
モード制御部1001は、出力モードを終了する終了条件が満たされたか否かを判定する(ステップS10)。例えば、モード制御部1001は、第2外部表示装置22と、第3外部表示装置23と、第4外部表示装置24と、の接続が解除されたか否かを判定する。
【0092】
複数モードの終了条件が満たされていない場合に(ステップS10;No)、モード制御部1001は、ステップS9で待機する。複数モードの終了条件が満たされた場合に(ステップS10;Yes)、モード制御部1001は、ステップS1に移行する。
【0093】
以上により、電子機器10は、モード設定処理を終了する。
【0094】
実施形態に係る電子機器10は、筐体の内部で接続された内部表示装置15を有する。第1スイッチ回路182は、映像入出力モードに基づいて、第1映像取得回路181から取得した第1映像信号を内部表示装置15と、第1外部装置21とで切り替える。変換回路185は、第1スイッチ回路182から取得した第1映像信号をHDMI(登録商標)等の第2映像信号に変換する。そして、第1外部コネクタ187は、変換回路185により変換された第2映像信号を第1外部装置21に出力する。このように、電子機器10は、内部表示装置15に表示させる映像信号を、第1外部装置21に表示する。よって、電子機器10は、解像度やリフレッシュレートなどを低下させることなく接続される表示装置を増加することができる。
【0095】
(変形例1)
上述の実施形態では、モード制御部1001は、内部表示装置15が閉じられたことを開閉検知部17が検知した場合に、出力モードに設定すると説明した。しかしながら、出力モードに設定する設定条件は、これに限らない。例えば、モード制御部1001は、操作部16等により出力モードに設定する操作が受け付けられた場合に、出力モードに設定してもよい。
【0096】
更に詳しくは、操作部16は、第1映像信号の出力先を内部表示装置15から第1外部装置21に切り替える操作を受け付ける。モード制御部1001は、操作部16により出力モードに設定する操作が受け付けられた場合に、内部表示装置15が開いていても映像入出力モードを出力モードに設定する。すなわち、モード制御部1001は、内部表示装置15がキーボードに対向する位置に配置されたことを開閉検知部17が検知していなくても、操作部16により出力モードに設定する操作が受け付けられた場合に、映像入出力モードを出力モードに設定する。そして、第1スイッチ回路182は、操作部16が受け付けた操作に応じた映像入出力モードに基づいて、第1映像信号の出力先を、第1外部装置21に切り替える。
【0097】
この場合、内部表示装置15は、閉じられない。すなわち、内部表示装置15は、キーボードと対向する位置に配置されない。したがって、ユーザは、電子機器10のキーボードを使用して、操作を入力することができる。
【0098】
以上、本発明の実施形態及び変形例を説明したが、実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0099】
1…表示システム、10…電子機器、11…CPU(Central Processing Unit)、12…RAM(Random Access Memory)、13…ROM(Read Only Memory)、14…記憶装置、15…内部表示装置、16…操作部、17…開閉検知部、18…映像入出力回路、21…第1外部装置、22…第2外部表示装置、23…第3外部表示装置、24…第4外部表示装置、181…第1映像取得回路、182…第1スイッチ回路、183…第2スイッチ回路、184…内部コネクタ、185…変換回路、186…第3スイッチ回路、187…第1外部コネクタ、188…スケーラー、189…第2映像取得回路、190…リタイマー回路、191…第2外部コネクタ、192…第3映像取得回路、193…第3外部コネクタ、194…第4映像取得回路、195…第4外部コネクタ、1001…モード制御部、1002…通知部。