(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023026
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】治験業務支援装置、治験業務支援プログラム、治験業務支援方法
(51)【国際特許分類】
G16H 20/10 20180101AFI20240214BHJP
【FI】
G16H20/10
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022126558
(22)【出願日】2022-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】522140792
【氏名又は名称】株式会社Buzzreach
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】猪川 崇輝
(72)【発明者】
【氏名】青柳 清志
(72)【発明者】
【氏名】井上 忠
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA25
(57)【要約】
【課題】治験実施施設を効果的に選定すること。
【解決手段】治験の実施施設の選定を支援する治験業務支援装置であって、前記治験の実施施設の選定に必要な項目を含む治験情報を前記実施施設の候補に送付し、前記候補から前記項目に対する回答を取得し、発注者に提示する実施施設選定支援部、を備え、前記実施施設選定支援部は、前記発注者から前記候補の選定情報を取得すること、を特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
治験の実施施設の選定を支援する治験業務支援装置であって、
前記治験の実施施設の選定に必要な項目を含む治験情報を前記実施施設の候補に送付し、前記候補から前記項目に対する回答を取得し、発注者に提示する実施施設選定支援部、
を備え、
前記実施施設選定支援部は、前記発注者から前記候補の選定情報を取得すること、
を特徴とする、治験業務支援装置。
【請求項2】
前記発注者と、前記発注者が選定した前記実施施設との間での契約締結を支援する契約支援部と、
を備えることを特徴とする、請求項1に記載の治験業務支援装置。
【請求項3】
前記実施施設の治験実績を含む医療施設情報を、発注者に提示する実施施設情報提示部と、
をさらに備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の治験業務支援装置。
【請求項4】
前記治験情報と前記医療施設情報と、のマッチ度を判定し、所定の値以上のマッチ度を示す医療施設を実施候補施設として発注者に提示する実施施設情報提示部と、
を備えること、を特徴とする請求項3に記載の治験業務支援装置。
【請求項5】
治験の実施施設の選定を支援する治験業務支援プログラムであって、
プロセッサに、
前記治験の実施施設選定に必要な項目を含む治験情報を前記実施施設の候補に送付し、前記候補から前記項目に対する回答を取得し、発注者に提示する実施施設選定支援ステップ、
を実行させ、
前記実施施設選定支援ステップは、前記発注者から前記候補の選定情報を取得すること、
を特徴とする、治験業務支援プログラム。
【請求項6】
治験の実施施設の選定を支援する治験業務支援方法であって、
プロセッサが、
前記治験の実施施設選定に必要な項目を含む治験情報を前記実施施設の候補に送付し、前記候補から前記項目に対する回答を取得し、発注者に提示する実施施設選定支援ステップ、
を実行し、
前記実施施設選定支援ステップは、前記発注者から前記候補の選定情報を取得すること、
を特徴とする、治験業務支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、治験業務支援装置、治験業務支援プログラム、治験業務支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品の開発段階において、人を対象として効果の有無や安全性を調べる治験(臨床試験ともいう)というステップがある。治験は、製薬企業や創薬研究を行う大学等の依頼により、病院等の医療施設の協力の下において行われる。
【0003】
治験業務は、治験実施施設の選定や、治験参加候補者の探索、治験プロジェクトの推進・進捗管理など、多様な業務が発生する。例えば、治験業務の一部である、治験の実施施設の候補を選定する業務を支援する技術が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術は、治験の経験の豊富な医師の情報をもとに候補となる実施施設を選定するものであるが、円滑な治験実施には他にも多くの要素を考慮する必要がある。
【0006】
そこで、本開示は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、施設選定に限らず治験に係る業務を支援することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、治験の実施施設の選定を支援する治験業務支援装置であって、前記治験の実施施設の選定に必要な項目を含む治験情報を前記実施施設の候補に送付し、前記候補から前記項目に対する回答を取得し、発注者に提示する実施施設選定支援部、を備え、前記実施施設選定支援部は、前記発注者から前記候補の選定情報を取得すること、を特徴とする、治験業務支援装置、が提供される。
【0008】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄および図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、治験に係る業務を支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係る健康支援システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】同実施形態に係るサーバ装置1のハード構成例を示す図である。
【
図3】同実施形態に係るサーバ装置1の機能構成例を示す図である。
【
図4】同実施形態に係る発注者情報記憶部131に記憶される情報の構成例を示す図である。
【
図5】同実施形態に係る実施施設情報記憶部132に記憶される情報の構成例を示す図である。
【
図6】同実施形態に係る治験情報記憶部133に記憶される情報の構成例を示す図である。
【
図7】同実施形態に係る回答情報記憶部134に記憶される情報の構成例を示す図である。
【
図8】同実施形態に係る進捗情報取得部118が生成する、治験の計画・進捗を表す情報、図の例である。
【
図9】同実施形態に係る進捗情報取得部118が生成する、治験の計画・進捗を表す情報、図の他の例である。
【
図10】同実施形態に係る進捗情報取得部118が生成する、治験の計画・進捗を表す情報、図の他の例である。
【
図11】同実施形態に係る進捗情報取得部118が生成する、治験の計画・進捗を表す情報、図の他の例である。
【
図12】同実施形態に係る進捗情報取得部118が生成する、治験の計画・進捗を表す情報、図の他の例である。
【
図13】同実施形態に係るサーバ装置1の処理の例を示す図である。
【
図14】同実施形態に係るプロジェクトデータの一例を示す他の図である。
【
図15】同実施形態に係るプロジェクトデータの一例を示す他の図である。
【
図16】同実施形態に係るプロジェクトデータの一例を示す他の図である。
【
図17】同実施形態に係るプロジェクトデータの一例を示す他の図である。
【
図18】同実施形態に係るプロジェクトデータの一例を示す他の図である。
【
図19】同実施形態に係るプロジェクトデータの一例を示す他の図である。
【
図20】同実施形態に係るプロジェクトデータの一例を示す他の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の一実施形態は、以下のような構成を備える。
[項目1]
治験の実施施設の選定を支援する治験業務支援装置であって、
前記治験の実施施設の選定に必要な項目を含む治験情報を前記実施施設の候補に送信し、前記候補から前記項目に対する回答を取得し、発注者に提示する実施施設選定支援部と、
を備え、
前記実施施設選定支援部は、前記発注者から前記候補の選定情報を取得すること、
を特徴とする、治験業務支援装置。
[項目2]
前記発注者と、前記発注者が選定した前記実施施設との間での契約締結を支援する契約支援部と、
を備えることを特徴とする、項目1に記載の治験業務支援装置。
[項目3]
前記実施施設の治験実績を含む医療施設情報を、発注者に提示する実施施設情報提示部と、
をさらに備えることを特徴とする、項目1または2に記載の治験業務支援装置。
[項目4]
前記治験情報と前記医療施設情報と、のマッチ度を判定し、所定の値以上のマッチ度を示す医療施設を実施候補施設として発注者に提示する実施施設情報提示部と、
を備えること、を特徴とする項目3に記載の治験業務支援装置。
[項目5]
治験の実施施設の選定を支援する治験業務支援プログラムであって、
プロセッサに、
前記治験の実施施設選定に必要な項目を含む治験情報を前記実施施設の候補に送信し、前記候補から前記項目に対する回答を取得し、発注者に提示する実施施設選定支援ステップ、
を実行させ、
前記実施施設選定支援機能は、前記発注者から前記候補の選定情報を取得すること、
を特徴とする、治験業務支援プログラム。
[項目6]
治験の実施施設の選定を支援する治験業務支援方法であって、
プロセッサが、
前記治験の実施施設選定に必要な項目を含む治験情報を前記実施施設の候補に送信し、前記候補から前記項目に対する回答を取得し、発注者に提示する実施施設選定支援ステップ、
を実行し、
前記実施施設選定支援ステップは、前記発注者から前記候補の選定情報を取得すること、
を特徴とする、治験業務支援方法。
<実施の形態の詳細>
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
==概要==
図1は治験業務支援システムの全体構成を示す図である。
図1に示すように、治験業務支援システムは、サーバ装置1、発注者端末3、受注担当者端末4、治験管理者端末5、治験担当者端末6、協力者端末7を有する。サーバ装置1は、ネットワーク2を介して発注者端末3、受注担当者端末4、治験管理者端末5、治験担当者端末6、協力者端末7と接続される。サーバ装置1、発注者端末3、受注担当者端末4、治験管理者端末5、治験担当者端末6、協力者端末7は1台だけ示してあるが、これ以上存在してもよいことは言うまでもない。
【0014】
==発注者端末3==
発注者端末3は、治験の発注者となる製薬企業や創薬研究を行う大学等の研究機関、更にはこれら発注者から委託を受けた医薬品開発業務受託機関(CRO)などの発注者の担当者が操作するコンピュータである。発注者端末3は、たとえば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどであるが、それらに限定されない。発注担当者は、たとえば発注者端末3で実行されるアプリケーションやWebブラウザによりサーバ装置1にアクセスすることができる。
【0015】
==受注担当者端末4==
受注担当者端末4は、治験を実施する大学病院や病院、クリニック等の医療施設(実施施設)における治験の受注を担当する受注担当者が操作するコンピュータである。なお、SMO(Site Management Organization:治験施設支援機関)など、実施施設の業務を支援する組織の受注担当者が操作する場合も含む。受注担当者端末4は、たとえば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどであるが、それらに限定されない。受注担当者は、たとえば受注担当者端末4で実行されるアプリケーションやWebブラウザによりサーバ装置1にアクセスすることができる。
【0016】
なお補足として、本実施形態において、以下に詳細を期す各処理部が実施施設に対して行う処理は、実施施設の業務を支援するSMOに対して行われるものも含むものとする。当該処理部の処理により情報取得等をしたSMOが、実施施設に対して情報を提示等することで、本実施形態の目的を達成することができる。
【0017】
==治験管理者端末5==
治験管理者端末5は、治験の実施施設において、治験プロジェクトの管理を行う部門(治験管理室、治験事務局などと呼ばれるが、この呼称に限らない)の責任者(以下治験管理者。請求書の発行等を行う者を含んでもよい。)が操作するコンピュータである。なお、SMOなどの治験管理者が操作する場合も含む。治験管理者端末5は、たとえば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどであるが、それらに限定されない。治験管理者は、たとえば治験管理者端末5で実行されるアプリケーションやWebブラウザによりサーバ装置1にアクセスすることができる。
【0018】
==治験担当者端末6==
治験担当者端末6は、治験の実施施設において、治験プロジェクトの推進と進捗管理を行う治験担当者(治験コーディネータなどと呼ばれるが、この呼称に限らない)が操作するコンピュータである。なお、SMOなどの治験担当者が操作する場合も含む。治験担当者端末6は、たとえば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどであるが、それらに限定されない。治験担当者は、たとえば治験担当者端末6で実行されるアプリケーションやWebブラウザによりサーバ装置1にアクセスすることができる。
【0019】
==協力者端末7==
協力者端末7は、治験の実施において、投薬、データの採取、臨床検査などを行う、医師、看護師、臨床検査技師、更には病院外の企業などの協力者が操作するコンピュータである。協力者端末7は、たとえば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどであるが、それらに限定されない。協力者は、たとえば協力者端末7で実行されるアプリケーションやWebブラウザによりサーバ装置1にアクセスすることができる。
【0020】
なお、受注担当者と、治験管理者と、治験担当者と、協力者は兼務していることもあるため、受注担当者端末4は、治験管理者端末5と、治験担当者端末6と、協力者端末7と、のいずれかまたは複数を兼ねていてもよく、治験管理者端末5は、治験担当者端末6と、協力者端末7と、のいずれかまたは複数を兼ねていてもよく、治験担当者端末6は、協力者端末7を兼ねていてもよい。
【0021】
以下、サーバ装置1の構成について説明する。
【0022】
==サーバ装置1==
図2は、本実施形態のサーバ装置1のハードウェア構成例を示す図である。サーバ装置1は、プロセッサ101、メモリ102、記憶装置103、通信インタフェース104、入力装置105、出力装置106を備える。記憶装置103は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース104は、ネットワーク2に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置105は、たとえばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどを通じてデータの入力を受け付ける装置である。出力装置106は、データを出力する、たとえば、ディスプレイやプリンタ、スピーカーなどを備える。
【0023】
図3は、サーバ装置1の機能構成を示すブロック図である。
図3に示すように、サーバ装置1は、発注者情報取得部111と、実施施設情報取得部112と、治験情報取得部113と、調査票情報提示部114と、回答情報取得部115と、実施施設選定支援部116と、契約支援部117と、進捗情報取得部118と、進捗管理部119と、請求支援部120と、実施施設情報提示部121と、実施施設候補選定部122と、の各処理部と、発注者情報記憶部131と、実施施設情報記憶部132と、治験情報記憶部133と、回答情報記憶部134と、進捗情報記憶部135と、の各記憶部と、を含んで構成される。
【0024】
なお、上記各機能部は、サーバ装置1が備えるプロセッサ101が記憶装置103に記憶されているプログラムをメモリ102に読み出して実行することにより実現され、上記各記憶部は、サーバ装置1が備えるメモリ102及び記憶装置103が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0025】
ここで、本実施の形態において、発注者情報記憶部131と、実施施設情報記憶部132と、治験情報記憶部133と、回答情報記憶部134と、進捗情報記憶部135と、のデータ構成について示す。
【0026】
発注者情報記憶部131は、発注者情報取得部111が取得した、
図4に一例を示す発注者情報を記憶する。
図4に示すように、発注者情報は、一例として、大きく、発注者の基本的な情報である発注者基本情報と、実施中または過去実施済みの治験に関する治験実施情報を含む。発注者基本情報は、一例として、組織ID、組織名、住所、連絡先、担当者名、担当者所属部門、担当者連絡先などの情報を含む。治験情報は、治験ID、対象疾患、対象患者要件、対象患者数、治験を行う医薬品候補薬剤の物質名や剤型、投与の方法などの医薬品情報、実施期間、実施施設、実施施設に対する調査項目を含む調査票への回答などの情報を含む。
【0027】
実施施設情報記憶部132は、実施施設情報取得部112が取得した、
図5に一例を示す実施施設情報を記憶する。
図5に示すように、実施施設情報は、一例として、大きく、実施施設の基本的な情報である実施施設基本情報と、過去に実施した治験の実績に関する実績情報を含む。実施施設基本情報は、一例として、実施施設ID、組織名、住所、連絡先、診療科、医師、担当者、担当者所属部門、担当者連絡先、調査票への回答などの情報を含む。実績情報は、一例として、治験ID、対象疾患、対象患者、対象患者数、医薬品情報、実施期間、担当コーディネータ、担当医師などの情報を含む。
【0028】
治験情報記憶部133は、治験情報取得部113が取得した、
図6に一例を示す、実施を予定している治験に関する治験情報を記憶する。
図6に示すように、治験情報は、一例として、治験ID、対象疾患、想定対象患者要件、想定対象患者数、治験を行う医薬品候補薬剤の物質名や剤型、投与の方法などの医薬品情報、想定実施期間、想定実施施設、実施施設に対する調査項目を含む調査票、前記調査項目に対して求める回答、優先順位などの情報を含む。
【0029】
前記調査票とは、発注者が実施施設の候補に対し、選定に際して事前に確認の必要がある質問の項目をまとめたものである。実施施設の候補は、質問票の項目に対して回答を準備する。当該項目は、治験の対象となる疾患の患者に対する対応の方針、当該患者の見込み数、実施施設が備える設備の有無、当該分野における治験の経験の有無や程度、担当できる医師が存在するか、などの項目を含む。
【0030】
回答情報記憶部134は、回答情報取得部115が取得した、
図7に一例を示す、調査票の項目への回答情報を記憶する。
【0031】
なお、治験情報記憶部133に記憶される調査票の項目は、治験の内容に応じて異なるものが設定されてもよい。また、回答情報記憶部134に記憶される、当該項目に対する回答は、提示された選択肢のいずれかまたは複数選定したもの、数値やテキスト情報を入力したもの、日付を入力、選択したもの、ドキュメントや画像(動画を含む)などの電子ファイルをアップロードしたものなどを含むが、これらに限定されない。
【0032】
進捗情報記憶部135は、進捗情報取得部118が取得した、治験プロジェクトの進捗に関する情報を記憶する。
【0033】
以上がサーバ装置1のデータ構成についての説明である。
【0034】
ここで、本実施の形態において、発注者情報取得部111と、実施施設情報取得部112と、治験情報取得部113と、調査票情報提示部114と、回答情報取得部115と、実施施設選定支援部116と、契約支援部117と、進捗情報取得部118と、進捗管理部119と、請求支援部120と、実施施設情報提示部121と、実施施設候補選定部122と、の機能について示す。
【0035】
発注者情報取得部111は、一例として、ネットワーク2を介して、発注者端末3に発注者情報に関する入力フォームを提示し、発注者に関する情報を取得する。当該送受信における通信は、有線、無線のいずれでもよく、また、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。なお、当該発注者情報の一部または全体を、サーバ装置1を用いる事業者が、前記発注者へのヒアリングやアンケート等で回収した情報を、サーバ装置1に直接入力してもよいし、ネットワーク2を介して事業者端末から入力してもよい。発注者情報取得部111は、当該発注者情報を、発注者情報記憶部131に記憶する。
【0036】
実施施設情報取得部112は、一例として、ネットワーク2を介して、受注担当者端末4に実施施設情報に関する入力フォームを提示し、実施施設に関する情報を取得する。当該送受信における通信は、有線、無線のいずれでもよく、また、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。なお、当該実施施設情報の一部または全体を、サーバ装置1を用いる事業者が、前記実施施設へのヒアリングやアンケート等で回収した情報を、サーバ装置1に直接入力してもよいし、ネットワーク2を介して事業者端末から入力してもよい。実施施設情報取得部112は、当該実施施設情報を、実施施設情報記憶部132に記憶する。
【0037】
治験情報取得部113は、一例として、ネットワーク2を介して、発注者端末3に計画中の治験に関する入力フォームを提示し、治験情報を取得する。当該送受信における通信は、有線、無線のいずれでもよく、また、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。なお、当該治験情報の一部または全体を、サーバ装置1を用いる事業者が、前記発注者へのヒアリングやアンケート等で回収した情報を、サーバ装置1に直接入力してもよいし、ネットワーク2を介して事業者端末から入力してもよい。治験情報取得部113は、当該治験情報を、治験情報記憶部133に記憶する。
【0038】
調査票情報提示部114は、一例として、ネットワーク2を介して、受注担当者端末4に治験情報記憶部133に記憶された調査票情報をもとに生成した回答フォームを提示する。調査票情報提示部114は、発注者情報記憶部131に、調査票回答情報が記憶されている(過去に他の調査票へ回答したことがある)場合に、当該調査票情報と突き合わせ、当該調査票回答情報に、当該調査票情報の回答として用いることができる情報を抽出し、当該回答フォームに回答案として入力済みの状態で、受注担当者端末4に当該回答フォームを提示してもよい。(電子ファイルを送付しても良い、紙で集めても良い)
【0039】
調査票情報提示部114は、前記回答フォームを、治験情報記憶部133が記憶する、発注者が指定した想定実施施設に提示してもよいし、後述する実施施設候補選定部122が選定した実施施設に提示してもよいし、その両方に提示してもよい。
【0040】
調査票情報提示部114は、後述する回答情報取得部115が取得した回答情報の数、または実施施設選定支援部116が取得した、実施施設の選定情報から取得した選定数が、事前に規定した実施施設数に満たない場合に、前記回答フォームを、他の実施施設候補に提示してもよい。
【0041】
回答情報取得部115は、一例として、ネットワーク2を介して、受注担当者端末4から、調査票情報提示部114が提示した回答フォームへ入力された回答情報を取得する。当該送受信における通信は、有線、無線のいずれでもよく、また、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。なお、当該回答情報の一部または全体を、サーバ装置1を用いる事業者が、前記発注者へのヒアリングやアンケート等で回収した情報を、サーバ装置1に直接入力してもよいし、ネットワーク2を介して事業者端末から入力してもよい。回答情報取得部115は、当該回答情報を、回答情報記憶部134に記憶する。
【0042】
実施施設選定支援部116は、発注者が、治験を実施する医療施設を選定する支援を行う。実施施設選定支援部116は、回答情報記憶部134に記憶された回答情報と、当該回答情報を入力した実施施設の選定を受け付ける機能を発注者端末3に提示する。当該選定を受け付ける機能は、チェックボックスなどでよいがこれに限定されない。実施施設選定支援部116は、発注者端末3と、回答情報を入力した実施施設の受注担当者端末4との間で、選定前に互いに質疑応答をすることを目的としてメッセージを送受信する機能を提供してもよく、当該メッセージを送受信する機能は、テキスト情報、画像情報、音声情報を送受信するものでもよいし、音声通話、オンライン面談などの機能であってもよい。
【0043】
実施施設選定支援部116は、発注者情報と、実施施設情報と、治験情報と、回答情報と、のいずれかまたは複数の情報をもとに、発注者に、適切な治験施設を提案してもよい。実施施設選定支援部116は、例えば、発注者情報または実施施設情報に含まれる、実績情報をもとに、発注者に治験施設を提案しても良い。具体的には、実施施設選定支援部116は、発注者が従前に治験を依頼した事がある治験施設から回答情報を得た場合、または、実施施設が受注をしたことがある発注者に対して回答情報を入力した場合に、当該実施施設を発注者に提示する。また、実施施設選定支援部116は、例えば、治験情報と回答情報のマッチ度をもとに、マッチ度の高い実施施設を、発注者に提案しても良い。具体的には、実施施設選定支援部116は、発注者から取得した、調査票の各項目に求める回答と、実施施設から取得した回答情報を比較し、そのテキストや選択肢同士をマッチさせ、重なる度合いが高い回答の数が多い順に、実施施設を発注者に提示してもよい。調査票の各項目に求める回答のなかで、優先する項目がある場合には、実施施設選定支援部116は、当該優先する項目における、発注者が求める回答と実施施設から取得した回答情報とのマッチ度をもとに、マッチ度の高い実施施設を発注者に提示してもよい。
【0044】
契約支援部117は、発注者が、選定した実施施設との間での、契約の締結を支援する。契約支援部117は、発注者端末3から、契約書案の電子ファイルのアップロードを受け付け、受注担当者端末4にダウンロード可能に提示する。契約支援部117は、当該契約書に関する質疑応答ができるメッセージ送受信機能を提供してもよいし、受注担当者端末4から、当該契約書案の電子ファイルを修正した修正案電子ファイルのアップロードを受付けてもよい。契約支援部117は、両者が合意した契約書の最終版電子ファイルのアップロードを発注者端末3または受注担当者端末4から受付け、相手側にダウンロード可能に提示する。電子証明書やタイムスタンプを付与し、電子契約が締結できる機能を提供してもよい。また、契約支援部117は、契約後に実施施設に対し、発注者から治験に必要な資材の一部や、実施にあたってのトレーニングメニュ等が提供されるが、これら資材の到着報告や、トレーニングを実施した報告を、発注者に対して行う機能を提供してもよい。
【0045】
進捗情報取得部118は、実施施設で実施することになった治験プロジェクトに対応付けて、実施の計画と、進捗に関する情報を取得し、進捗情報記憶部135に記憶する。進捗情報取得部118は、実施施設で実施することとなった治験に関するプロトコル(治験計画書)を、発注者端末3または治験実施施設の端末(受注担当者端末4,治験管理者端末5、治験担当者端末6)から取得する。進捗情報取得部118は、
図8、
図9、
図10に一例を示す、ガントチャートやタスクリストなどの、タスクとスケジュール計画を作成、タスクの担当者割り振り・変更、進捗を管理するツールを提供する。進捗情報取得部118は、当該プロトコルの情報を基に、当該ツールを用いてガントチャートやタスクリストなどを生成しても良いし、発注者または治験担当者が、当該ツールを用いて治験の計画を作成してもよい。進捗情報取得部118は、当該プロトコルの情報を基に、エントリープランは治験コーディネータが作成してもよい。進捗情報取得部118は、当該エントリープランにおいて、患者の来院日が設定されている場合に、当該来院日の前後に所定の日数の幅をもたせて来院日を設定してもよい。進捗情報取得部118は、症例登録できた患者数(ビジット:来院)などのKPIを作成し、その数値の入力を受付けてもよい。また、当該計画においては、治験プロジェクトの重要な時点(治験契約締結時などを含むが、これに限定されない)や治験計画書に定められたタスク(マイルストーンと呼び、請求のタイミングなどを含む。マイルストーンには治験審査委員会開催時などを含むが、これに限定されない。)を作成してもよい。また、進捗情報取得部118は、
図9、
図10に一例を示すように、進捗情報をもとに、当該KPIの進捗や、計画の進行の状況を可視化する画像や情報を生成してもよいし、当該画像や情報を発注者、受注担当者、治験管理者、治験担当者、協力者のいずれかまたは複数に対して提示してもよい。進捗情報取得部118は、治験担当者端末6から、当該計画の進捗に関する情報や、KPIの数値、ガントチャートの修正などの情報を取得し、進捗情報記憶部135に記憶する。なお、進捗情報取得部118は、治験に参加する患者が用いる情報端末(患者端末)から、当該計画の進捗に関する情報(例えば、患者が投薬を受けたり内服したりした場合)を、当該患者端末上で動くアプリやブラウザなどにより患者から入力を受け付けて、ネットワークを通じて取得してもよい。これら患者端末から取得した進捗情報も、進捗情報取得部118によって生成される当該計画や、KPIの進捗や計画の進行の状況を可視化する画像を生成するために使用されてもよい。
【0046】
進捗管理部119は、医師、看護師、臨床検査技師などの医療現場で治験のための投薬や検査を行う協力者に対し、依頼内容(来院する患者情報と来院の予定日、問診・検査内容等)の提示やスケジュールのリマインドなどを行ってもよい。また、進捗管理部119は、治験に参加する患者に対し、通院日や服薬に関する情報の提示や、スケジュールのリマインドなどを行ってもよい。進捗管理部119は、治験担当者端末6から、当該協力者への依頼内容とメールアドレスやSNS、電話(SMS)などの連絡先、その起点の日時、締め切りの日時に関する情報を取得する。進捗管理部119は、当該起点の日時、締め切りの日時の1週間前、3日前、1日前など所定の日数、時間前の時点に、当該依頼内容を協力者端末7に対して通知する。当該通知は、メールアドレスに対するメールの送信、SNS、電話(SMS)などを通じたメッセージ送付、協力者端末7のディスプレイにポップアップする、などの方式でよい。
【0047】
進捗管理部119は、前記協力者に対して提示する、治験業務に関する書類(治験業務等で利用されている院内書式一般)を生成し、提示してもよい。進捗管理部119は、前記プロトコルの情報や、前記タスクの情報を、院内書式の雛形に用意された枠にあてはめて院内書式の電子ファイルを生成する。進捗管理部119は、生成した院内書式の電子ファイルを編集可能に治験管理者、治験担当者に提示し、修正を受け付けてもよい。進捗管理部119は、生成した院内書式の電子ファイルを、プリンタ等を通じて紙として出力してもよいし、協力者端末7に提示してもよい。また、サーバ装置1は、事前に各治験実施施設で用いられている院内書式の雛形の情報を記憶しておき、進捗管理部119は治験実施施設ごとに受け付けた雛形を用いて、院内書式の電子ファイルを生成してもよい。
【0048】
進捗管理部119は、
図11に一例を示すように、受注担当者、治験管理者、治験担当者、協力者からテキスト情報や画像情報を受け付け、受注担当者、治験管理者、治験担当者、協力者のいずれかまたは複数(当該テキスト情報を入力した者から、指定を受付けてもよいし、事前に作成されたグループの選定を受付けてもよい)に対して、進捗に関する情報を共有する。
【0049】
進捗管理部119は、治験プロジェクトの進捗に関する情報を発注者に対して提示する。進捗管理部119は、進捗情報記憶部135に含まれる、前記KPIに関する情報やマイルストーンに関する進捗管理情報を、発注者端末3に提示する。例えば、
図12は進捗管理部119が生成する、発注者に提示する進捗に関する情報の一例である。発注者はこれにより、患者名などの個人情報などを取得することなく、進捗を把握することができる。また、進捗管理部119は、発注者と治験担当者間でメッセージを送受信できる機能を提供してもよい。
【0050】
進捗管理部119は、治験プロジェクトが完了した際に、治験情報記憶部133に記憶された、当該治験プロジェクトに紐づく依頼治験情報と、当該依頼治験情報が実際にどのような患者数、スケジュールで行われたのかを修正した修正治験情報を、発注者情報記憶部131の治験実施情報、実施施設情報記憶部132の実績情報として記憶してもよい。
【0051】
請求支援部120は、前記マイルストーンや、プロジェクト完了時、その他の任意の時期に、実施施設からの請求書発行を支援する。請求支援部120は、治験管理者端末5から、請求のタイミング、費目、金額に関する情報を取得する。請求支援部120は、契約時に見積りの電子ファイルを生成する機能を提供してもよく、請求支援部120は、見積の情報をもとに、納品書、請求書の電子ファイルを生成してもよい。請求支援部120は、当該請求のタイミング(請求支援部120が前記マイルストーンを達成したことを判定してもよい)となった場合に、治験管理者端末5に請求のタイミングとなったことを通知する。請求支援部120は、治験管理者端末5からの指示を受付け、当該請求書を電子ファイルとして出力してもよいし、発注者端末3に、当該請求書データを提示してもよい。
【0052】
実施施設情報提示部121は、実施施設の情報を発注者に提示する。このとき、実施施設情報提示部121は、実施施設を検索できる機能を有してもよい。実施施設情報提示部121は、一例として、実施施設情報記憶部132に記憶される実施施設基本情報と、実績情報と、回答情報記憶部134に含まれる調査票への回答情報と、の一部または全体を、発注者に提示する。実施施設情報提示部121は、実施施設の検索ができる機能を有し、発注者端末3から受付けた検索キーワードや、実績数、対象疾患患者等の、絞り込みに必要な情報をもとに、実施施設情報記憶部132または回答情報記憶部134の情報をマッチングし、ヒットした実施施設の前述した情報を、発注者端末3に提示する。このとき、実施施設情報提示部121は、当該絞り込みに必要な情報とのマッチングの数が多い順に提示してもよいし、発注者が当該絞り込みに必要な情報の中でも重要視する情報の選択を受付け、当該重要視する情報をもとに順位付けして提示してもよい。
【0053】
実施施設候補選定部122は、発注者に、治験を実施できる可能性がある実施施設の情報を提示する。実施施設候補選定部122は、一例として、治験情報記憶部133が記憶する、依頼治験情報と、実施施設情報記憶部132が記憶する実施施設基本情報と、実績情報と、の一部または全体のテキスト情報のマッチ度をもとに、所定のマッチ度を超えた実施施設を実施施設候補として選定することができる。実施施設候補選定部122が選定した実施施設候補に対し、調査票情報提示部114は調査票を提示してもよいし、調査票情報提示部114は当該実施施設候補を発注者に提示し、調査票を提示するかどうかの判断の入力を発注者端末3から受付け、当該判断の情報をもとに調査票を提示してもよい。なお、実施施設候補選定部122は、当該マッチ度を判定する際に、サーバ装置1に記憶されたシソーラスや表記ゆれのデータを用いてマッチ度を判定してもよい。
【0054】
治験提案部123は、発注者の予定している治験計画と、類似の他の治験の実績をもとに、発注者が治験計画を見直すことができる機能を有する。治験提案部123は、治験情報記憶部133が記憶する依頼治験情報と、発注者情報記憶部131が記憶する治験実施情報と、実施施設情報記憶部132が記憶する実績情報と、の一部または全体の情報をもとに、依頼治験情報と類似の治験情報を判定する。治験提案部123は、例えば対象疾患や実施施設が同じ場合に、類似の治験であると判定してもよい。治験提案部123は、類似と判定した治験の情報をもとに、当該依頼治験情報と比較でき、編集ができる比較画面を発注者端末3に提示する。これにより、発注者は対象患者数や実施期間を参考に、修正を行うことができる。また、治験提案部123は、類似と判定した治験の情報をもとに、当該依頼治験情報が不十分であると判定した場合に、適切な提案をしてもよい。治験提案部123は、一例として、類似と判定した治験の対象患者数や実施期間などの数値の平均値を算定し、当該平均値と、当該依頼治験情報に含まれる対象患者数や実施期間が所定の値以上離れている場合に、当該比較画面に警告を提示してもよいし、当該平均値を提示してもよい。なお、治験提案部123は、インターネット上に公開されている治験情報をもとに、依頼治験情報と類似の治験情報を取得してもよい。
【0055】
図13を用いて、本実施形態の代表的な処理の流れを説明する。発注者情報取得部111が、発注者端末3から発注者情報を取得する(1001)。実施施設情報取得部112が、受注担当者端末4から実施施設情報を取得する(1002)。治験情報取得部113が、発注者端末3から治験情報を取得する(1003)。調査票情報提示部114が、受注担当者端末4に質問票の回答フォームを提示する(1004)。回答情報取得部115が、受注担当者端末4から回答情報を取得する(1005)。実施施設選定支援部116は、発注者端末3に回答情報を提示し、発注者端末3から選定の情報を取得する(1006)。契約支援部117は、発注者端末3から契約書案電子ファイルのアップロードを受付け、受注担当者端末4に提示し、電子契約の処理を行う(1007)。進捗情報取得部118は、治験担当者端末6からタスクやスケジュールなどの計画情報を取得する(1008)。さらに、進捗情報取得部118は、治験担当者端末6から進捗に関する情報を取得する(1009)。進捗管理部119は、治験担当者端末6から取得した進捗に関する情報から、KPIやマイルストーンに関わる情報を抽出し、発注者端末3に提示する(1010)。
【0056】
本開示の治験は、機能性食品等の食品の臨床試験、医師主導治験(臨床研究)も含んでよく、実施施設は大学や企業、自治体、独立行政法人などを含んでいてもよいし、SMO等の実施施設の業務支援を行う事業者と、実施施設の連携体であってもよい。
【0057】
サーバ装置1は、治験実施施設(以下、主実施施設)が連携している他の医療施設(以下、連携医療施設)から患者をエントリーする機能を有していてもよい。この場合、調査票情報提示部114は、前記治験情報や、前記調査票情報を、連携医療施設が使用している情報端末に提示する。この時、調査票情報提示部114は、主実施施設の同意の元、連携医療施設に前記治験情報や、前記調査票情報を提示してもよい。また、サーバ装置1は、主実施施設から、連携医療施設の登録を受け付けてもよい。回答情報取得部115は、連携医療施設から、前記調査票への回答や、エントリー可能な患者数などの情報の入力を受け付け、連携医療施設ごと、または集計をした上で、主実施施設に提示する。回答情報取得部115は、主実施施設が、連携医療施設から提示された調査票への回答やエントリー可能な患者数などの情報を基にした、調査票への回答情報を取得し、発注者に提示してもよい。更に、契約支援部117は、発注者と主実施施設の間の契約と同様に、主実施施設と連携医療施設の間の契約の締結を支援してもよい。主実施施設が連携医療施設との連携を前提とした治験プロジェクトを受注した場合、進捗情報取得部118は、主実施施設の同意の元、当該治験プロジェクトに係るプロトコルや、プロトコルを基にしたガントチャート等のスケジュール管理機能の一部または全てを、連携医療施設に共有してもよい。また、進捗情報取得部118は、連携医療施設からの紹介により治験に参加する患者に関するカルテ等に含まれる情報、診療情報提供書、問診票などを、連携医療施設から取得し、主実施施設に提示してもよい。また、進捗管理部119は、連携医療施設からも進捗の報告などの入力を受け付けても良い。請求支援部120は、発注者と主実施施設の間の請求と同様に、主実施施設と連携医療施設の間の請求、または連携医療機関とサーバ装置1を用いて事業を行う事業者間の請求に関しても支援してもよい。
【0058】
なお、サーバ装置1は、主実施施設または連携医療施設から、患者の治療情報や健康状態などの情報を含むカルテ等の情報を取得し、調査票情報と比較をすることで、当該患者が治験の対象者として適切か否かを判定する機能を含んでも良い。この場合、サーバ装置1は、ある患者のカルテ等に含まれるテキスト情報と、調査票に含まれるテキスト情報を比較し、マッチ度が高い場合に、当該患者が治験対象者として適切と判断すればよいが、この手法に限定されない。
【0059】
サーバ装置1は、SDV(Source Date Verification)に必要な機能を有してもよい。この場合、サーバ装置1は、実施医療施設の治験コーディネータや、医師、検査技師などの協力者が作成する原資料(カルテ情報、検査結果等の情報であり、治験における分析対象となる情報を含む資料)を、治験管理者端末5、治験担当者端末6、協力者端末7などから取得し、記憶する。サーバ装置1は、所定の条件を満たす発注者のみが当該原資料を閲覧できるように制御すればよい。また、サーバ装置1は、当該発注者が原資料を閲覧した場合に、閲覧された原資料、閲覧された日時、閲覧した発注者の氏名(IDやアカウント名などでもよい)の情報を記憶する。
【0060】
サーバ装置1は、SDVの予約機能を有してもよい。この場合、サーバ装置1は、発注者端末3から、SDVの予約情報を取得する。当該予約情報は、閲覧を希望する原資料の種類、希望日時、担当者名(IDやアカウント名などでもよい)を含み、サーバ装置1は当該予約情報を治験管理者端末5、治験担当者端末6に提示し、治験管理者端末5、治験担当者端末6から、承認または非承認、日程の再検討依頼などの応答情報を取得し、発注者端末3に提示してもよい。なお、サーバ装置1は、発注者端末3と、治験管理者端末5または治験担当者端末6の間でメッセージのやり取り、チャット、オンライン通話、オンライン面談の機能などを有していてもよい。また、サーバ装置1は、治験管理者端末5、治験担当者端末6から、SDVの実施が可能な日程の情報を取得して、発注者端末3に提示し、発注者端末3から当該日程の選択を受け付けてもよい。
【0061】
サーバ装置1は、治験実施施設の担当者間、発注者と治験実施施設の間、また、主実施施設と連携医療施設の間で情報を共有するファイルサーバの機能を有してもよい。サーバ装置1は、発注者端末3と、治験管理者端末5、治験担当者端末6、協力者端末7、連携医療施設の担当者が使用する情報端末などから、電子ファイルのアップロードを受付け、記憶する。サーバ装置1は、ファイルのアップロードを行ったユーザから、当該ファイルやフォルダに対して閲覧、編集、ダウンロード等の権限設定を受け付けることができる。
【0062】
サーバ装置1は、業務関連報告書(レポート)の作成支援機能を有していてもよい。サーバ装置1は、業務関連報告書(例えば、逸脱報告、監査報告、実地調査、業務記録等を含むが、これらに限定されない)のテンプレートを記憶する。サーバ装置1は、治験管理者端末5、治験担当者端末6、協力者端末7、連携医療施設の担当者が使用する情報端末などから、作成する報告書の種類の選択を受け付け、当該選択を受け付けた端末に対して対応するテンプレートを提示する。また、サーバ装置1は、当該テンプレートに入力が必要な情報の項目を記憶しておき、当該項目に対する入力または選択を受け付ける。
【0063】
例えば、サーバ装置1は、治験担当者端末6から逸脱報告の選択を受け付けた場合に、治験担当者端末6に、逸脱報告のテンプレートを提示する。さらに、サーバ装置1は、項目としてプロジェクト、被験者、日時、内容などに関して入力、選択を受け付けるフォームを治験担当者端末6に提示し、入力、選択された情報を取得して当該テンプレートに流し込む。なお、サーバ装置1は、当該治験担当者を認識しているため、当該治験担当者が担当しているプロジェクトのリストを治験担当者端末6に提示して選択を受け付けてもよいし、選択されたプロジェクトにエントリーしている被験者のリストを治験担当者端末6に提示して選択を受け付けてもよい。さらに、サーバ装置1は、内容に関して、進捗情報記憶部135や、前記ファイルサーバに記憶されたレポートや資料に含まれる内容の選択を受け付け、選択された内容をテンプレートの内容に該当する枠に流し込めばよい。なお、サーバ装置1は、治験担当者端末6から当該テンプレートに流し込んだ情報の削除、編集を受け付けてもよい。さらに、サーバ装置1は、治験担当者端末6から受け付けた、作成した資料の共有、送付先に対して、当該資料を提示してもよい。
【0064】
サーバ装置1は、進行中の治験に係るプロジェクトデータを生成し、発注者、または治験実施施設の担当者が使用する端末に提示してもよい。当該プロジェクトデータとは、例えば、プロジェクトごとの売上や請求のタイミング等の収益に係るデータ、各プロジェクトへの人材リソースの配分状況(例は
図14)、治験担当者や協力者ごとに携わっているプロジェクトの数やプロジェクトに関わる被験者の数、対応が必要な日数等(例は
図15、
図16)、逸脱等の集計したもの(例は
図17)、プロジェクトの進捗(当日の試験や被験者の来院時間等、治験担当者や協力者のタスク、週間・月間・プロジェクト期間のカレンダーと日に対応した予定、共有用のメモ、システムを利用するユーザがインプットしたToDoメモ等である。例は
図18)、などでよい。また、当該プロジェクトデータは、
図19に一例を示すように、プロジェクトごとの詳細(プロジェクト管理番号、プロトコル番号、発注者名、治験薬、契約症例数、実施症例数、試験期間、エントリー期間、IRB初回承認日等)を含んでも良い。また、あるプロジェクトに参加する被験者のリストの情報を含んでもよい(例は
図20)。
【0065】
サーバ装置1は、発注者ごと、または治験実施施設ごとに、当該プロジェクトデータをまとめて提示してもよい。例えば、サーバ装置1は、発注者端末3に対して、進行中の治験プロジェクトを提示し、選択を受け付けた場合に当該プロジェクトデータを提示すれば良い。また、例えば、サーバ装置1は、治験実施施設に対しては、進行中の治験プロジェクトを提示しても良いし、治験コーディネータごとに担当している治験プロジェクトとしてまとめて提示をしてもよいが、提示の方法はこれらに限定されない。
【0066】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0067】
本明細書において説明した装置は、単独の装置として実現されてもよく、一部または全部がネットワークで接続された複数の装置(例えばクラウドサーバ)等により実現されてもよい。例えば、サーバ装置1の各機能部および各記憶部は、互いにネットワークで接続された異なるサーバにより実現されてもよい。
【0068】
本明細書において説明した装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。本実施形態に係るサーバ装置1の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、PC等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【0069】
また、本明細書においてフローチャート図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0070】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【符号の説明】
【0071】
1 サーバ装置
2 ネットワーク
3 発注者端末
4 受注担当者端末
5 治験管理者端末
6 治験担当者端末
7 協力者端末
101 プロセッサ
102 メモリ
103 記憶装置
104 通信インタフェース
105 入力装置
106 出力装置
111 発注者情報取得部
112 実施施設情報取得部
113 治験情報取得部
114 調査票情報提示部
115 回答情報取得部
116 実施施設選定支援部
117 契約支援部
118 進捗情報取得部
119 進捗管理部
120 請求支援部
121 実施施設情報提示部
122 実施施設候補選定部
123 治験提案部
131 発注者情報記憶部
132 実施施設情報記憶部
133 治験情報記憶部
134 回答情報記憶部
135 進捗情報記憶部