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  • 特開-航海用低燃費航行方法 図1
  • 特開-航海用低燃費航行方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023133
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】航海用低燃費航行方法
(51)【国際特許分類】
   B63B 43/06 20060101AFI20240214BHJP
【FI】
B63B43/06 A
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023103958
(22)【出願日】2023-06-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-21
(31)【優先権主張番号】P 2022126012
(32)【優先日】2022-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】521474753
【氏名又は名称】株式会社 ASC
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【弁理士】
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 満晴
(57)【要約】
【課題】低燃費で船を航行させる方法を提供することである。
【解決手段】貨物船舶航海用低燃費航行方法は、貨物を積載して航海する総トン数が499トン以下の貨物船舶において、貨物を載せた状態のGM値を求める第1工程と、前記GM値が50cmとなるまでバラストの重量を調整することを繰り返し、前記GM値が50cmとなった状態で航海する第2工程と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1


【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨物を積載して航海する総トン数が499トン以下の貨物船舶において、貨物を載せた状態のGM値を求める第1工程と、
前記GM値が50cmとなるまでバラストの重量を調整することを繰り返し、前記GM値が50cmとなった状態で航海する第2工程と、
を備えることを特徴とする貨物船舶航海用低燃費航行方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航海用低燃費航行方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、船舶分野において、例えば、貨物船舶では、積載貨物が少ない状態、あるいは、貨物が全く存在しない空船状態のように船の喫水が浅い状態で航海すると、推進器や舵が水際にまで近づき、推進器の効率や舵効きが低下するという課題がある。例えば、空船状態では、船首の喫水が0.8m、船尾の喫水が3.2mであって速力(499トン型、2000馬力)が13ノットである。満船状態では、船首の喫水が3.8m、船尾の喫水が4.2mであり、速力(499トン型、2000馬力)が11ノットである。ゆえに、喫水が浅いという課題がある。このような障害を避けるには、バラストを積み、適切な喫水の確保と、トリム(船の前後喫水のつり合い)の調整等といった対策が講じられている。
【0003】
本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、複数の区画を有する船体の前後で隣接する区画の境界の舷側外板に面する部分に、これら区画とは別の損傷時導水区画と連通するダクトを備え、前記ダクトは、前記区画の境界となる隔壁と前記舷側外板とで形成されるコーナー部に配置され、前記舷側外板が当該ダクトの一部を形成していることを特徴とする船舶の復原力回復構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-55672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、バラストの重量を大きくする等のように重心が下方に位置するような対策を講じると船が安定すると考えられているが、重心が下方に位置して喫水が大きくなり過ぎると、海水の抵抗を受けて燃費が悪くなるという課題がある。
【0006】
本発明の目的は、低燃費で船を航行させる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る船舶航行方法は、貨物を積載して航海する総トン数が499トン以下の貨物船舶において、貨物を載せた状態のGM値を求める第1工程と、前記GM値が50cmとなるまでバラストの重量を調整することを繰り返し、前記GM値が50cmとなった状態で航海する第2工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、低燃費で船を航行させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る実施形態の航海用低燃費航行方法において、船を航行する手順を示すフローチャートである。
図2】本発明に係る実施形態の航海用低燃費航行方法において、船舶が傾いた際に元に戻るための復原力を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0011】
図1は、本発明に係る実施形態の航海用低燃費航行方法において、船を航行する手順を示すフローチャートである。図2は、本発明に係る実施形態の航海用低燃費航行方法において、船舶が傾いた際に元に戻るための復原力を説明する図である。
【0012】
船舶は、例えば、貨物船舶の場合、積載貨物が少ない状態か、貨物が全く存在しない空船状態などのように船の喫水が浅い状態で航海すると、複数の障害が生じる。
【0013】
ここで、船舶について説明すると、積載貨物の重量が499トンの貨物船である。499トン型貨物船は、例えば、全長が75.00m、型幅が12.00m、型深が5.70mの船や全長が75.22m、型幅が12.50m、型深が7.00mの船や全長が76.38m、型幅が12.30m、型深が6.85mの船などが存在するが、船舶の製造メーカによって多少サイズが異なる。
【0014】
ここでは、貨物船の型を499トンとして説明するが、後述するように499トン以下であればよく、例えば、199トンの型であってもよい。199トンの型の貨物船は、例えば、全長が59.23mで、型幅が9.40mで、型深が5.55mなどの船が存在するが、船舶の製造メーカによって多少サイズが異なる。
【0015】
喫水が浅い状態で航行する障害の1つとして、推進器や舵が水際にまで近づいて一部が水面上に露出することがあるため推進器の効率や舵効きが低下してしまうことがある。
【0016】
また、他の障害として、船体の水面上の高さが増ますと風波による影響が大きくなり、船は不安定となって危険な状態になりやすく、また激しい動揺で推進器の一部が水面上に露出し、空転や波による折損、さらには機関故障を誘発したりすることがある。
【0017】
このような障害を避けるために、従来、主機の回転を下げることや、バラストを積むことで適切な喫水を確保するといった対策がなされている。バラストには、バラストタンクおよびディープタンクなどに海水を搭載する水バラストと、船倉や中甲板などに枠で囲って搭載する固形バラストとがある。
【0018】
海を航行する船舶が波で傾いても元に戻るのは、船舶の重さの中心である重心位置と船を浮かべる力の中心である浮心位置との位置関係で、傾いている船を元の状態に戻そうとする力が働いているからである。この力は、復原力(Stability)と呼ばれている。
【0019】
復原力は重心と浮心の位置関係で強く働く場合と、弱い場合があり、これが弱い場合は、大きな横波などを受けた時は転覆する恐れもあり、船を運航する人はこの復原力に最大の注意を払っている。
【0020】
図2(a)は、船舶が直立(Up right)して浮いている図である。直立状態では船の重心(G)と、浮心(B)は共に船の中心線(垂線)上にある。図2(b)は、船が外力を受けて傾斜(Heel)した図である。船が傾くと重心の位置は変化しないが、浮心の位置が移動する。
【0021】
浮心は常に水線面(WL)下の船体容積の中心に有るから、図2(a)と図2(b)では水線面下の形状が変化する。図2(b)で水線面下の船体容積の中心が(B)点とすれば、(G)点の作用線(垂線)と(B)点の作用線(垂線)とは離れてしまい、浮力は上向きに、重力は下向きに作用するので、船はもとの中立の状態に戻る。これを安定平衡(Stable equilibrium)という。
【0022】
B点がB'点に移動するのは、船が傾斜したために三角形b1 の面積 (容積)が三角形 b2に移動したためである。B点とB'点の移動距離は、b1点とb2点の距離×b1の重量(W)÷船の重量(W)で、移動方向はb1点とb2点の方向に平行移動する。
【0023】
B'点の作用線と船の中心線の交点M点をメタセンター(Metacenter)と言う。従って船の重心位置G点がM点の下方にある船は「安定平衡」な船であり、上方にある船は「不安定平衡」な船である。
【0024】
復原力の大きさはG点とM点の距離で表され、距離が大きい程、復原力は大きく、距離が小さい程、復原力は小さいことが分かる。従って、船の重心位置が下方ほど「復原力は強く」また、上方ほど「復原力は弱い」こととなる。復原力の目安として、船舶のGM(メタセンタ高さ)が注目されている。
【0025】
ここで、図2(c)を参照しながら、復原力の算出法について説明する。Mは船の傾斜角0~15°位までの小角度傾斜では位置が変化しないものと考えられ、15°位までの復原力を「初期復原力」という。初期復原力=W×GZ=W×GMsinθ(W:排水量、Z:復原艇、sinθ:船体傾斜角)の式を用いて算出する。
【0026】
次に、G(KG)の位置の求め方について説明する。空船状態のGは排水量等曲線図から求められるので、その後積載した貨物それぞれのg(Kg)を求め、KG={(KG0×W0)+(Kg×w)}/W(現排出量)の式を用いて算出する。なお、KMおよびKGの高さは、排水量等曲線に記載されている。GM=KM-KGで求められる。
【0027】
次いで、GMの実測による求め方について説明する。重さWの重量物を距離dだけ、排出量Wの船の幅方向に移動させたとき、その傾斜角θから計算で求められている。GM=w・d/w・tanθで求めることが出来る。
【0028】
GMの動揺周期から推算する方法としてGM=(4π・K)/(g・T)(T:動揺周期(秒)、B:船の幅、K:環動半径(大型商船≒0.4B)、g:重力加速度(9.8m/秒)を用いて求めることが出来る。K≒0.4Bとした場合に、常用近似式として、GM≒0.64×B/T、T≒0.8・B/(√GM)とすることが出来る。
【0029】
コンピュータでGMを計算する場合の利点として、GMのエクセルを予め作成してあれば個々の製品の重さを入力するだけで直ぐにGMが求まる。
【0030】
コンピュータでGMを計算する場合の欠点として、あくまで人の手で入力する為、入力した数字が間違っていると間違ったGMが示される。コンピュータは間違うはずがないという思い込みにより、間違いに気づきにくい。個々の製品の数が多いと手間がかかる。
【0031】
船舶のドラスト(喫水)でGMを計算する場合の利点として、四か所の喫水を確認するだけで、短時間で計算できる。船舶のドラスト(喫水)でGMを計算する場合の欠点として、出港後旋回による傾きを確認する必要がある。
【0032】
ここで、499トン型と1400トン型のコンテナ船について比較する。499トン型は、全長が75mで型幅が12.5mで型深が5.7mでハッチ(HATCH COVERS:雨風防止水密蓋)からの高さが5.5mでコンテナの側面積が260mである。
【0033】
これに対し、1400トン型は、全長が116mで型幅が9mで型深が15mでハッチからの高さが8mでコンテナの側面積が575mである。
【0034】
499トン型と1400トン型を比較すると横風を受けたときの横傾斜は1400型の船がより大きくなる。したがって、GMの値を499トン型に比べて少し高め(GM0.8メートル)にする必要がある。GMの値は50cm(0.5m)が最適な型は499トン型までである。なお、計算上は1400トン型のコンテナ船は499トン型のコンテナ船の風圧の2.2倍受けることになる。
【0035】
また、長距離を航海する大型船は、ボトムの位置にあるタンクの燃料と水(生活水等に使用)を大量に消費する事になる。出港時のGMが入港時に大幅に小さくなる。長距離を航海する木材運搬船も同じく出港時のGMが入港時に小さくなる。あわせて木材船は雨や潮のしぶきを木材が吸込む事によって重心が上がり、GMが小さくなる。
【0036】
以上の事は出港時と入港時のGMの値の差が大きいため、省エネの為のGMを50cmと限定する事は、又は、数値で確定することはできない。よって、省エネ走行のGM=50cmに適合する船型は比較的短距離のうち、船舶G/Tが、499トン以下が適切である。ここで言う「長距離」とは、GMに影響がある距離の事である。499トン型、2000馬力の船舶は1日の燃料の消費量が約6トン、乗組員5名であり、生活水1日2.5トン、その他1日2トンで合計10.5トン/日必要とされている。1400トン型7000馬力の船舶は1日の燃料の消費量が約20トン、乗組員11名であり、生活水1日5.5トン、その他1日4トンであり合計29.5トン/日必要とされている。1400トン型のコンテナの貨物船で10日間航海すると295トンの消費になり、GMに及ぼす値は約10cmになる。アメリカまで約3週間、ロンドンまで約1ヶ月かかる。
【0037】
復原力は船幅(B)が広い船ほど大きく、同一船で横揺れ周期(T)が短いほど大きい。従って、大きな復原力が必要な船、例えば、タグ・ボート(曳船)などは船の長さに比べて幅が広く作られている。
【0038】
しかし、復原力が強すぎると横揺れ周期が短くなり、少しの波でもグラグラと横揺れして乗り心地が非常に悪くなる。この様に復原力が強すぎる船を軽頭船(Stiff vessel) または、ボトム・ヘビー(Bottom heavy) という。
【0039】
ボトム・ヘビーの状態で航行すると、乗り心地が悪いばかりではなく、積荷が移動してしまって船内設備を破損する恐れがある。
【0040】
復原力が弱すぎると横揺れ周期が長くなり、片舷に傾き始めるとなかなか止まらず、このまま転覆するのではないかと不安になることがある。この様な復原力が弱すぎる船を重頭船(Tender vessel) または、トップ・ヘビー(Top heavey)という。
【0041】
復原力は、どの程度に設定するのかが重要であり、本発明者は、GM値を40~50cmに設定することが最適であることが分かった。したがって、GM値が40~50cmに収まるようにバラストの重量を調整する。
【0042】
続いて、本発明に係る実施形態の航海用低燃費航行方法の作用効果について説明する。一般的に、船の安定性を重視して、GM値を高く設定される傾向にある。例えば、「新訂 船舶載貨法(基本編)、著者:田中 岩吉、発行者:海文堂」には、横揺れ周期14.5~15.5s、GM=0.85m~1mの復原性を保持している時の航海状態が、最も安定かつ快適であったと報告されていると記載されている。
【0043】
しかしながら、GM値が大きいければ大きいほど、横揺れ周期が短くなって乗り心地が悪くだけでなく、喫水が深いと、水の抵抗力が大きくなるため、燃費が悪くなるという課題がある。
【0044】
そこで、発明者は、貨物船舶において、貨物を積載した状態で、GM値を求めて、GM値が40~50cmとなるようにバラストの調整を行った。40~50cmにGM値を設定した状態で、貨物船舶の航行を実行した。
【0045】
このように、GM値を40~50cmとすることで横揺れ周期を大きくして乗り心地を良くし、かつ、水の抵抗を小さくしながら喫水を確保することができるため、安定した状態で、かつ、低燃費で航行することが出来る。
【0046】
さらに、航海用低燃費方法について詳細に説明する。具体的には、通常の主機の回転負荷75%が55%となるように調整する。海水は、空気密度の800倍であるため、バラスト錘を軽くする。なお、満載貨物のときは、この方法は使用できない。コンテナ船の載貨重量は50%~80%が通常である。
【0047】
日本近海は潮流があるから、その流れを利用する。瀬戸内海は潮の満ち、引きの潮があるから関門、速吸、鳴門、来嶋亜土の通行時間帯を運行に支障がなければ、機関の負荷を減じる。
【0048】
省エネ舵を合わせて使用する。荷物は軽いほど船の速力も速くなる。荷物の重さに応じて喫水は決まるので、プロペラが水面に近づいても最低船尾の喫水は3.5m確保される。荒天のときはバラストを入れ喫水を確保又は機関の回転を減じる。
【0049】
発明者が実際に航海用低燃費方法を用いて運行した結果、499トン型、コンテナ貨物船、2000馬力、速力12.5ノットの船を平成30年5月~令和4年4月まで運行させたときの燃料消費量、走行距離、海里当たり(L(リットル))等を計算した。
【0050】
上記期間のうち、年間の航走距離平均は58,400海里である。他社が通常の航海をした場合の海里当たり(L)を計算すると16.60~17.80(平均17.20)である。これに対し、本発明の実施形態に係る航海用低燃費方法は、上記期間内の年間の燃費を調べると、海里当たり(L)で13.42~15.00(平均14.21)である。
【0051】
2022年8月時点においては、燃料の単価は、約80円/Lであるため、1海里あたりの必要な燃料の金額の差額は、本発明の実施形態に係る航海用低燃費方法の方が(17.2-14.21)×80=239.2円安い。したがって、年間の燃料費に換算しなおすと、年間の走行距離は平均して58,400海里であるため、本発明の実施形態に係る航海用低燃費方法の方が239.2×58,400=13,969,280円と一千万円以上の費用削減に寄与することが分かった。
【0052】
また、積載貨物の重量が499トン以下の貨物船を用い、バラストの調整により水の抵抗を減じた事によって速力が0.5ノット速くなったときの省エネの効果について検討する。例えば、大阪から沖縄までの距離は670マイルであるが、11ノット(水の抵抗を減じない場合)、265rpmで大阪から沖縄まで運行したときは61時間で到着する。この時、燃費が201リットル/h、18.3リットル/海里であるから消費燃料は12,261リットルである。
【0053】
次に、同じ貨物船で水の抵抗を減じるようにバラストを調整し、11.5ノット、260rpmで大阪から沖縄まで運行したときは58時間で到着する。この時、燃費が195リットル/h、16.8リットル/海里であるから消費燃料は11,256リットルである。このときの省エネ効果は、12,261-11,256=1005リットルであり、例えば、1リットル当たりの単価を80円とすると80,400円で節約することができる。
【0054】
さらに、上記のように、水の抵抗を減じるようにバラストを調整し、58時間ではなく61時間で到着するように負荷を調整し、例えば、246rpmまで落として11.2ノットで運行することが出来る。この時、燃費が164リットル/h、14.6リットル/海里であるから消費燃料は、10,004リットルである。
【0055】
大阪から沖縄までの移動時間は、61時間かかってもよい場合には、上記のように、水の抵抗を減じるようにバラストを調整し、さらに負荷を調整することで2.2リットル/海里×670マイル×80円=117,920円を更に節約することが出来る。
図1
図2