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特開2024-23141供給装置、冷却ローラ装置及び薄膜延伸装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023141
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】供給装置、冷却ローラ装置及び薄膜延伸装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 48/25 20190101AFI20240214BHJP
   B29C 48/88 20190101ALI20240214BHJP
   B29C 48/305 20190101ALI20240214BHJP
   B29C 55/08 20060101ALI20240214BHJP
   B29C 55/02 20060101ALI20240214BHJP
   B29C 55/16 20060101ALI20240214BHJP
   B29C 55/06 20060101ALI20240214BHJP
   B29C 55/14 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
B29C48/25
B29C48/88
B29C48/305
B29C55/08
B29C55/02
B29C55/16
B29C55/06
B29C55/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023121236
(22)【出願日】2023-07-26
(31)【優先権主張番号】10 2022 118 971.6
(32)【優先日】2022-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】510331593
【氏名又は名称】ブリュックナー・マシーネンバウ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100082049
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 敬一
(74)【代理人】
【識別番号】100220711
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 朗
(72)【発明者】
【氏名】ステファン・フーステッター
(72)【発明者】
【氏名】フロリアン・アドラー
(72)【発明者】
【氏名】アントン・エドフェルダー
(72)【発明者】
【氏名】ギュンター・オードル
(72)【発明者】
【氏名】アンティモス・ジャポリス
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・マウラー
(72)【発明者】
【氏名】フロリアン・ケルンバーガー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電極と冷却ローラとの間に発生する火花放電を低減する供給装置、冷却ローラ装置及び薄膜延伸装置を提供する。
【解決手段】静電気により薄膜(16)を冷却ローラ(20)に付着する供給装置(22)は、第1の巻取器(28)と、第2の巻取器(30)と、第1の巻取器(28)と第2の巻取装置(30)との間に配置される付着領域(34)と、高電圧源(32)と、少なくとも2つの電極(24,26)とを備え、少なくとも2つの電極(24,26)の少なくとも第1の電極(24)は帯状である。高電圧源(32)からの高電圧が印加される2つの電極(24,26)は、第1の巻取器(28)から第2の巻取器(30)までの付着領域内に配置される。また、供給装置(22)は、冷却ローラ装置(12)と延伸装置とに設けられる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の巻取器(28)と、第2の巻取器(30)と、第1の巻取器(28)と第2の巻取器(30)との間に設けられる付着領域(34)と、高電圧源(32)と、少なくとも2つの電極(24,26)とを備え、薄膜(16)を冷却ローラ(20)に静電気で付着する供給装置において、
少なくとも2つの電極(24,26)の少なくとも第1の電極(24)は、帯状に形成され、
2つの電極(24,26)は、第1の巻取器(28)と第2の巻取器(30)との間に設けられる付着領域(34)に配置され、
高電圧源(32)の高電圧が2つの電極(24,26)に印加されることを特徴とする供給装置。
【請求項2】
2つの電極(24,26)の少なくとも第2の電極(26)は、帯状又は針金状、特に導体に形成される請求項1に記載の供給装置。
【請求項3】
帯状又は針金状、特に導体の第3の電極(72)を備える請求項1又は2に記載の供給装置。
【請求項4】
複数の電極(24,26,72)は、互いに平行に配置されかつ/又は各2側面を備え、複数の電極(24,26,72)の複数の側面の各1面で互いに対向する請求項1~3の何れか1項に記載の供給装置。
【請求項5】
複数の電極(24,26,72)は、互いに3mm~15mm、特に5mm~10mmの離間間隔で付着領域(34)に設けられる請求項1~4の何れか1項に記載の供給装置。
【請求項6】
複数の電極(24,26,72)は、同一幅又は異なる幅を有しかつ/又は複数の電極(24,26,72)の幅は、3mm~15mm、特に4mm以上及び13mm未満である請求項1~5の何れか1項に記載の供給装置。
【請求項7】
複数の電極(24,26,72)は、幅方向にずれて又は同一平面内に配置される請求項1~6の何れか1項に記載の供給装置。
【請求項8】
複数の電極(24,26,72)の1つ、複数又は全ては、第1の巻取器(28)と第2の巻取器(30)との間で長手方向に移動し、特に、複数の電極(24,26,72)の1つ、複数又は全てを部分的に巻き取る少なくとも1つの回転可能な巻枠(38)を第1の巻取器(28)及び第2の巻取器(30)に設けた請求項1~7の何れか1項に記載の供給装置。
【請求項9】
複数の巻取器(28,30)の少なくとも一方、特に両方の巻取器(28,30)に設けられる電圧供給装置(40)は、複数の電極(24,26,72)を少なくとも1つの高電圧源(32)に電気的に接続する請求項1~8の何れか1項に記載の供給装置。
【請求項10】
電圧供給装置(40)は、第1の電極(24)を案内するローラ(52)を有し及び/又は第2の電極(26)及び/又は第3の電極(72)は、電圧供給装置(40)に設けられる円弧部(54)に沿って案内される請求項9に記載の供給装置。
【請求項11】
第1の巻取器(28)及び/又は第2の巻取器(30)に設けられる減衰装置(48)は、付着領域(34)での複数の電極(24,26)の振動を減衰する請求項1~10の何れか1項に記載の供給装置。
【請求項12】
減衰装置(48)に設けられる減衰ローラ(66)の回転軸(R1)は、複数の電極(24,26)の長手方向に対して垂直でかつ複数の電極(24,26)の幅方向に対して垂直であり、幅方向に移動可能に軸支される減衰ローラ(66)は、複数の電極(24,26,72)の各外縁、特に冷却ローラとは逆方向の外縁に配置される請求項11に記載の供給装置。
【請求項13】
減衰装置(48)に設けられる2つの減衰ローラ(66)の回転軸(R2)は、複数の電極(24,26)の長手方向に対して垂直でありかつ複数の電極(24,26)の幅方向に対して平行であり、複数の電極(24,26,72)の各々は、複数の減衰ローラ(66)の1つに当接する請求項12に記載の供給装置。
【請求項14】
供給装置(22)に設けられる複数の絶縁装置(50)、特に複数の絶縁管、複数の絶縁縁当及び/又は複数の絶縁筒は、関連する巻取器(28,30)から付着領域(34)に向かって配置され、
複数の電極(24,26,72)は、複数の絶縁装置(50)内に配置され、特に、複数の絶縁装置(50)の少なくとも1つは、複数の電極(24,26,72)に対する複数の巻取器(28,30)の各々に接する請求項1~13の何れか1項に記載の供給装置。
【請求項15】
複数の絶縁装置(50)は、制振可能に減衰装置(48)に固定される請求項14に記載の供給装置。
【請求項16】
高電圧の印加に加えて、低電圧を複数の電極(24,26,72)の少なくとも1つに印加する請求項1~15の何れか1項に記載の供給装置。
【請求項17】
押出金型(18)と、冷却ローラ(20)と、請求項1~16の何れか1項に記載の供給装置(22)とを備え、冷却ローラ(20)が接地されることを特徴とする冷却ローラ装置。
【請求項18】
加熱炉(14)と、請求項17に記載の冷却ローラ装置(12)とを備えることを特徴とする薄膜を製造する延伸装置、横延伸装置、縦延伸装置及び/又は同時延伸装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電気により冷却ローラに薄膜を付着する供給装置、冷却ローラ装置及び冷却ローラ装置を備える薄膜延伸装置に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂薄膜(プラスチックフィルム)の製造時に、薄膜製造用の溶融樹脂をまず冷却ローラ上に供給し、溶融樹脂を冷却ローラ上で冷却しかつ固化して、薄膜が形成されるが、薄膜の全幅方向及び長さ方向に均一かつ連続的に薄膜を冷却ローラに付着し、溶融樹脂を均質に冷却して、均質な材料特性の薄膜を製造する必要がある。
【0003】
薄膜が通過する冷却ローラ表面近傍に、高強度の電界を複数の電極により発生して、機械的解決法により薄膜の変形付着を回避する技術が知られる。冷却ローラの表面は、帯電するため、薄膜の極性分子は、電界により配向する。薄膜と冷却ローラとの間に発生するクーロン力(静電引力)により、薄膜は、冷却ローラに均一に付着する。
【0004】
複数の電極間に9kV以上の高電圧を印加して、高強度の電界を発生すると、複数の電極と冷却ローラとの間に不都合な火花放電(爆発的火災現象)が発生して、冷却ローラの表面が損傷し、製造する薄膜の品質も低下することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の課題は、電極と冷却ローラとの間に発生する火花放電を低減する供給装置、冷却ローラ装置及び薄膜延伸装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の巻取器と、第2の巻取器と、第1の巻取器と第2の巻取器との間に設けられる付着領域と、高電圧源と、少なくとも2つの電極とを供給装置に設け、少なくとも2つの電極の少なくとも第1の電極を帯状に形成して、静電気を利用して冷却ローラに薄膜を付着する供給装置により、本発明の課題が、解決される。高電圧源から高電圧を印加する少なくとも2つの電極は、第1の巻取器から第2の巻取器までの付着領域に配置される。
【0007】
高電圧を印加する一対の帯状の電極を使用すると、高電界強度、特に最大電界強度を持つ均質な複数の電界が冷却ローラと薄膜との接触部分に発生する。他の解決手段に比べて、電界集中により、複数の同一強度の電界を発生する高電圧を低減する。複数の電極間の高電圧を低減して、火花放電の発生を減少し、削減し又は完全に回避する。
【0008】
帯状電極に印加される高電圧は、例えば、5kV~10kV、特に7kV~9kVであり、20kVに達することもある。
【0009】
本発明の実施の形態では、少なくとも2つの電極の第2の電極は、帯状又は針金状、特に針金に形成されて、電界強度の均質性を向上できる。
【0010】
本発明の他の実施の形態では、帯状又は針金状、特に針金状に形成される第3の電極により、均質な電界強度を更に改善する。
【0011】
例えば、互いに平行に配置される複数の電極により、電界強度は、極めて均質化する。
【0012】
両電極の各々に互いに対向して設けられる一対の側面は、均質な電界強度が一層改善される。
【0013】
互いに平行に電極の側面を配置することが好ましい。
【0014】
本発明の別の実施の形態では、複数の電極は、3mm~15mm、特に5mm~10mmの距離だけ付着領域で互いに離間して、特に良好な電界集中を達成する。
【0015】
例えば、複数の電極は、電界強度の均質性を更に向上する同一の幅を有するが、異なる幅でも、複数の最大電界強度状態に影響を与えられる。
【0016】
3mm~15mm、特に4mm以上及び13mm未満に複数の電極の幅を設定して、非常に均質な電界を確保できる。
【0017】
幅方向にずれて又は同一平面で複数の電極を配置して、冷却ローラ装置の実情に複数の電極を適合させることができる。
【0018】
例えば、幅方向は、ローラの半径方向に対応する。
【0019】
本発明の特定の実施の形態では、第1の巻取器と第2の巻取器との間に複数の電極の1つ、複数個又は全てを長手方向に移動可能に配置し、特に、第1の巻取器及び第2の巻取器内で、複数の電極の1つ、複数個又は全てを部分的に巻き上げる少なくとも1つの回転可能な巻枠を設けて、単一、複数個又は全ての電極上の電界品質に悪影響を与える堆積物を除去できる。
【0020】
例えば、複数の巻取器の各々に設けられる回転可能な巻枠上に対応する複数の電極が部分的に巻き上げられる。
【0021】
特に、回転可能な複数の巻枠の少なくとも1つの巻枠が駆動される。
【0022】
本発明の実施の形態では、複数の電極の1つ、特に第2の電極又は複数の電極が静止して、複数の静止電極の1つは、第2の巻取器に設けられる緊張装置に固定され又は第1の巻取器の固定位置で固定される。このように、電極を供給装置に良好に取り付けることができる。
【0023】
本発明の実施の形態では、複数の巻取器の少なくとも一方、特に両巻取器に、電圧供給装置を設けて、電圧供給装置により少なくとも1つの高電圧源に電極を電気的に接続し、複数の電極に高電圧を確実に印加できる。
【0024】
例えば、共通の高電圧源を両巻取器に設け又は各巻取器に別個の高電圧源が接続される。
【0025】
本発明の実施の形態の電圧供給装置は、第1の電極を案内するローラを有しかつ/又は電圧供給装置に設けられる円弧部は、高信頼性かつ省空間で複数の電極に接触しかつ第2の電極及び/又は第3の電極を案内する。
【0026】
例えば、電圧供給装置の円弧部の外側面は、円切片に形成される。
【0027】
第2の巻取器に設けられる減衰装置により、付着領域での電極の振動を減衰して、電極の有害な振動を防止する。
【0028】
例えば、巻取器に巻かれる電極は、複数の減衰装置から付着領域に導出される。
【0029】
減衰すべき振動は、特に、電極の側面に対して垂直な電極の幅方向の振幅を有しかつ/又は電極の長軸周りのねじり振動である。
【0030】
例えば、電極の長手方向にも幅方向にも垂直な回転軸を有する減衰ローラが減衰装置に設けられ、減衰ローラは、幅方向に移動可能に軸支され、かつ電極の各外縁、特に冷却ローラとは逆方向の外縁に当接して、単一の減衰ローラのみで減衰装置が実現される。
【0031】
減衰装置は、代替的又は追加的に2つの減衰ローラを有し、減衰ローラの回転軸は、電極の長手方向に対して垂直でかつ幅方向に対して平行であり、各電極は、減衰ローラの1つに当接する。これにより、各電極に発生する振動は、個々に減衰されるので、複数の電極が互いに影響し合わない。
【0032】
複数の減衰ローラは、特に複数の電極の側面に当接する。
【0033】
例えば、両電極は、両減衰ローラ間に貫通して配置される。
【0034】
本発明の実施の形態の供給装置は、該当する巻取器から付着領域に向かって配置される複数の絶縁装置、特に複数の絶縁管、複数の絶縁縁当及び/又は複数の絶縁筒を有し、複数の電極は、複数の絶縁装置内に配置され、特に、複数の絶縁装置の少なくとも1つは、複数の巻取器の各々で複数の電極の各々に設けられる。絶縁装置により、付着領域外での火花放電が確実に防止される。
【0035】
例えば、絶縁装置は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、特にアニール処理されるポリエーテルエーテルケトンにより構成される。
【0036】
絶縁装置は、少なくとも冷却ローラ方向の外縁で電極を包囲する。
【0037】
本発明の実施の形態では、減衰装置に振動減衰可能に固定される絶縁装置は、案内される電極の振動を最小限に制限する。
【0038】
本発明の実施の形態では、複数の電極の少なくとも1つに、特に高電圧の印加に加えて、低電圧を印加して、低電圧を印加する電極が加熱されても、主に低温の表面に堆積物又は凝縮物が形成されるため、電極に接する堆積物又は凝縮物の量が減少する。
【0039】
例えば、低電圧が印加される各電極を介して2つの巻取器間で電流が形成される。特に、接地されない電極に、亀裂が発生すると、電流が停止する。
【0040】
例えば、低電圧は、最大150Vで、例えば、60V~130V、特に120Vである。低電圧の印加により発生する電流量は、1A~8Aである。
【0041】
低電圧を印加する目的で、例えば、供給装置は、低電圧電源を有する。高電圧電源と低電圧電源とを単一の機器として実施できる。
【0042】
また、少なくとも押出金型と、冷却ローラ(「注型装置」ともいう)と、前記供給装置とを備える冷却ローラ装置、特に接地される冷却ローラを備える冷却ローラ装置により、本発明の課題は、解決される。
【0043】
印加される高電圧と、接地される冷却ローラとを使用して、ピニング電流と言う小さな電流が形成される。
【0044】
20kVの高電圧の電流量は、例えば、25mA~30mAの範囲である。9kVの高電圧では、約9mA~12mAの電流が生じる。
【0045】
電極に亀裂が形成されると、高電圧源がオフになる。高電圧源がオフ時のパルスエッジ波形を検出して、電極の亀裂を検知できる。
【0046】
供給装置に関する前記利点と特徴は、冷却ローラ装置にも同様に保有し、逆もまた同様に保有する。
【0047】
電極から冷却ローラまでの距離は、少なくとも薄膜の厚さ、例えば、少なくとも2mm及び/又は最大20mmである。
【0048】
また、加熱炉と冷却ローラ装置を備えて薄膜を製造する薄膜延伸装置、特に横延伸装置、縦延伸装置及び/又は同時延伸装置により、本発明の課題は、達成される。
【0049】
供給装置及び/又は冷却装置に関する前記利点と特徴は、薄膜延伸装置にも同様に適用でき、逆もまた同様に適用できる。
【0050】
本発明の他の特徴と利点は、添付図面に関する下記説明から明らかとなろう。添付図面は、下記を表示する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】本発明の冷却ローラ装置を備える本発明の薄膜+延伸装置の略示平面図
図2】本発明の供給装置を備える図1の冷却ローラ装置の略示斜視図
図3】作動する冷却ローラ装置の略示断面図
図4図2に示す供給装置に設けられる一方の巻取器の斜視図
図5】供給装置の第2の巻取器と第1の巻取器に設けられる部品と、対応する巻取器内の電極の配置状態を示す略示平面図
図6】供給装置の第2の巻取器と第1の巻取器に設けられる部品と、対応する巻取器内の電極の配置状態を示す略示平面図
図7図4の巻取器の絶縁装置から突出する電極の斜視図
図8図4の巻取器に設けられる減衰装置の斜視図
図9図8の減衰装置の断面を示す斜視図
図10】巻取器用減衰装置の第2の実施の形態を示す斜視図
図11図10の減衰装置とは異なる部分的に開放した斜視図
図12】作動する供給装置の第3の実施の形態を示す略示断面図
図13】作動する供給装置の第4の実施の形態を示す略示断面図
図14】作動する供給装置の第5の実施の形態を示す略示断面図
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1は、冷却ローラ装置12(「注型成形装置」ともいう)と加熱炉14とを備えて薄膜を製造する本発明の薄膜延伸装置10を示す。例えば、横延伸装置、縦延伸装置及び/又は同時延伸装置が薄膜延伸装置10として使用される。
【0053】
本実施の形態では、まず、冷却ローラ装置12は、製造する薄膜16(「注型薄膜」ともいう)を加熱炉14に供給して、更に延伸する薄膜を製造する。加熱炉14内の薄膜16は、公知の手段により縦方向及び/又は横方向に延伸されて、一軸又は二軸配向薄膜に製造される。
【0054】
図2は、冷却ローラ装置12の拡大略示斜視図を示す。
【0055】
冷却ローラ装置12は、連続的に溶融樹脂を押出す押出金型18と、押出金型18から押出される溶融樹脂が連続的に供給される冷却ロール20と、冷却ロール20に対し溶融樹脂を静電気引力により付着する供給装置22とを備える。
【0056】
溶融樹脂を冷却する冷却ロール20を冷却ローラ又は「チルローラ」とも言う。
【0057】
冷却ロール20の上方に配置される押出金型18は、連続的に溶融樹脂を冷却ロール20上に供給し、冷却ロール20上に供給される溶融樹脂は、薄膜16に形成される。特にポリエチレンテレフタレート(PET)を使用して、冷却ロール20により薄膜16が形成されるが、薄膜16は、この樹脂には限定されない。
【0058】
供給装置22により冷却ロール20上に均一に供給される溶融樹脂は、薄膜16に形成される。図2の冷却ロール20は、反時計方向に回転される。図示の例では、冷却ロール20の全回転角度の約3/4回転時に生成される薄膜16は、最終的に冷却ロール20から剥離されて、必要に応じて更に冷却され、加熱炉14に供給される。
【0059】
静電式の供給装置22は、帯状の第1の電極24及び第2の電極26の2電極と、第1の巻取器28及び第2の巻取器30の2巻取器と、低電圧源31と、高電圧源32とを有する。
【0060】
図示の実施の形態の低電圧源31と高電圧源32とは、単一電源機器として形成される。別個の複数の電源機器として低電圧源31と高電圧源32とを構成してもよい。
【0061】
両巻取器28,30は、冷却ロール20の軸方向にかつ冷却ロール20の前後に配置される。溶融樹脂が冷却ロール20に供給され付着する両巻取器28,30間に形成される付着領域34は、冷却ロール20の軸方向に見て冷却ロール20上の薄膜16の領域も含む。
【0062】
帯状の一対の電極24,26は、一対の巻取器28,30間に支持されかつ付着領域34を通過して巻取器28,30間に張設される。
【0063】
図3は、冷却ロール20の軸方向に冷却ローラ装置12を見た端面図である。供給装置22の両電極24,26のみを簡略化して図示する。
【0064】
図3に示す第1の実施の形態では、供給装置22の両電極24,26の各々は、厚さよりはるかに長い幅、特に1桁長い幅の帯状に形成される。また、各電極24,26の長手方向寸法は、幅よりも桁違いに大きい。
【0065】
両電極24,26の各々は、電極24,26の長手方向寸法と幅方向寸法で形成される2側面と、2側面の両縁の2外縁とを有する。各電極24,26の外縁の一方は、冷却ロール20方向に配置され、各電極24,26の外縁の他方は、冷却ロール20とは逆方向に配置される。同一電極24,26の両外縁間方向を、両電極24,26の幅方向という。
【0066】
第1の実施の形態の両電極24,26は、例えば、3mm~15mm、特に4mm以上13mm以下の同一幅を有する。例えば、幅12.7mmが両電極24,26に付与される。
【0067】
図示の実施の形態の各電極24,26の一方の側面は、他方の電極26,24に対向する。両電極24,26は、少なくとも付着領域3内では互いに平行に配置される。
【0068】
両電極24,26は、付着領域34では、距離3mm~15mm、特に5mm~10mmだけ互いに離間して配置される。
【0069】
両電極24,26は、幅方向の同一平行平面に配置され、両電極24,26の外縁を結ぶ線は側面に対して垂直である。
【0070】
特に、両電極24,26の一方の幅方向は、冷却ロール20の半径方向に整合する。
【0071】
冷却ロール20の回転方向に押出金型18の下流側に、両電極24,26が、配置される。例えば、少なくとも薄膜16の厚さ分、例えば、少なくとも2mmの距離で、両電極24,26は、冷却ロール20から離間する。両電極24,26の冷却ロール20までの距離は、最大でも20mmである。
【0072】
高電圧発生源32から供給される高電圧電力は、両電極24,26に印加される。高電圧は、例えば、5kV~10kV、特に7kV~9kVである。
【0073】
接地される冷却ロール20と両電極24,26との間の付着領域34には、強電界が生成され、薄膜16は、強電界領域に案内され通過する。
【0074】
また、ピンニング電流と呼ばれる小電流が形成される。例えば、20kVの高電圧のピンニング電流は、約30mAである。9kVの高電圧では、約12mAのピンニング電流が発生することがある。
【0075】
両電極24,26の一方に亀裂が生じると、高電圧源のスイッチが切断される。両電極24,26の一方に亀裂が発生するとき、亀裂発生時に生ずるパルス信号端を、高電圧源により検出できる。
【0076】
両電極24,26の少なくとも一方又は両方に低電圧発生源31から、例えば、150V未満、特に60V~130V、例えば、120Vの低電圧も印加される。高電圧発生源32と低電圧発生源31は、適切に直列接続される。
【0077】
図4は、開放状態の第2の巻取器30の斜視図を示す。第2の巻取器30は、図2の冷却ロール20の左側に配置される。
【0078】
冷却ロール20の右側に配置される第1の巻取器28は、第2の巻取器30と同一の構成を有するが、鏡面対称に配置される。第1の巻取器28と第2の巻取器30とに相違点を個別に示す。
【0079】
筐体36と、回転可能な巻枠38と、電圧供給装置40と、第1の転向ローラ42と、緊張装置44と、第2の転向ローラ46と、減衰装置48と、2つの絶縁装置50とが第2の巻取器30に設けられる。
【0080】
図5は、両電極24,26と、両電極24,26を案内する構成部品のみの巻取器30を簡略化して示す。例えば、筐体36と、減衰装置48と、絶縁装置50の図示を省略する。
【0081】
回転可能な巻枠38と電圧供給装置40との間に張設される帯状の第1の電極24は、回転可能な巻枠38上に部分的に巻き取られる。
【0082】
高電圧源32に電気的に接続される電圧供給装置40は、転向ローラ52と円弧部54とを有する。
【0083】
転向ローラ52により帯状の第1の電極24の移動を案内するとき、高電圧源32から供給される高電圧は、第1の電極24に印加される。
【0084】
第1の電極24は、転向ローラ52から更に第1の転向ローラ42に移動し、巻取器30を離れて、付着領域34に移動する。
【0085】
モータ58(図4)により操作する第2の巻取器30の緊張装置44に引張ボルト56が設けられ、帯状の第2の電極26の端部は、引張ボルト56に固定される。
【0086】
電圧供給装置40に配置される帯状の第2の電極26は、電圧供給装置40に設けられる円弧部54に沿って方向変換する。
【0087】
円弧部54は、第2の電極26の移動を案内する円弧状外面を有する。例えば、円弧状外面は、円切片に形成される。
【0088】
円弧部54に接触する帯状の第2の電極26には、高電圧源32からの高電圧が、印加される。
【0089】
第2の転向ローラ46に巻回される帯状の第2の電極26は、第2の転向ローラ46での方向変換により、帯状の第1の電極24に対し平行に配置される。その後、両電極24,26は、第2の巻取器30から付着領域34を通り、図6に単純化して示す第1の巻取器28に最終的に導入される。
【0090】
第2の巻取器30の説明とは逆順序で、帯状の第1の電極24は、第1の転向ローラ42と電圧供給装置40の転向ローラ52とを介して移動し、最後に回転可能な巻枠38に巻き取られる。
【0091】
第1の巻取器28の電圧供給装置40も、高電圧源32に電気的に接続されるが、複数の巻取器28,30に個別の高電圧源を設けてもよい。
【0092】
第1の巻取器28と第2の巻取器30の回転可能な両巻枠38を駆動して、第1の巻取器28と第2の巻取器30との間で、第1の電極24を移動できる。例えば、第1の巻取器28の回転可能な巻枠38から第1の電極24を解放して、付着領域34を通り第2の巻取器30に導入して、第2の巻取器30の回転可能な巻枠38に第1の電極24を巻き取ることができる。
【0093】
また、回転駆動される巻枠38の回転力により、帯状の第1の電極24の張力又は内部応力を設定できる。
【0094】
図示の実施の形態では、第1の電極24とは逆に、帯状の第2の電極26は、静止状態に保持される。第2の電極26は、第1の巻取器28内に配置され、第2の転向ローラ46から電圧供給装置40に導かれる。更に、第2の電極26は、第1の巻取器28内の端末片60により固定される。第2の巻取器30とは異なり、第1の巻取器28には引張装置44が設けられない。
【0095】
第2の電極26の張力又は機械的応力は、緊張装置44により設定される。
【0096】
端末片60と緊張装置44との代わりに、第1の電極24用の回転可能な複数の巻枠38と同様に、回転可能な複数の巻枠38を第2の電極26用に設けて、第2の電極26も、移動可能に構成できる。
【0097】
例えば、回転可能な各電極24,26用の巻枠を各巻取器28,30内に設けてもよい。
【0098】
回転可能な同一の巻枠38上に複数の電極24,26を巻き取る例も考えられる。例えば、異なる複数の電極24,26に対して異なる複数の領域を備える共通の回転可能な巻枠38を設けて、異なる複数の電極24,26の機械的張力を緊張装置で個別に設定できる。
【0099】
図4に示す複数の電極24,26は、複数の巻取器28,30から複数の減衰装置48を通り、最後に複数の絶縁装置50を通り複数の巻取器28,30から解放される。
【0100】
減衰装置48から始まり付着領域34まで配置される複数の絶縁装置50の構成は、図2からも理解できよう。
【0101】
複数の絶縁装置50は、特に冷却ロール20の薄膜16の非塗布領域に沿って設けられる。
【0102】
図7は、付着領域34に向く複数の絶縁装置50の端部の斜視図を示す。図7の複数の電極24,26は、複数の絶縁装置50から付着領域34に導出される。
【0103】
複数の絶縁装置50は、例えば、略長方形の細長い断面を有する絶縁管、絶縁縁当(グロメット)及び/又は絶縁筒である。例えば、丸角状又は円弧状短辺に形成される。
【0104】
絶縁装置50の長手方向の内径は、電極24,26の幅に相当するため、単一の電極24,26は、複数の絶縁装置50の一方内で案内される。
【0105】
図示の実施の形態の複数の絶縁装置50の各々は、周辺環境に対し、収容する電極24,26を完全に包囲する。
【0106】
尤も、互いに対しかつ/又は冷却ロール20に向かい、各絶縁装置50で包囲する構造でも、複数の電極24,26を完全に包囲しない構造も考えられる。
【0107】
複数の絶縁装置50は、アニール処理される樹脂、特にポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で作成される。アニール処理されるPEEK製の複数の絶縁装置50は、特に高耐久性が証明されている。
【0108】
複数の絶縁装置50は、図8に示す固定装置74により複数の減衰装置48の出口に固定される。
【0109】
固定装置74は、例えば、弾性材料で作られる複数の制動子を構成する複数の振動減衰部材76を有し、複数の振動減衰部材76間に絶縁装置50が張設される。例えば、ねじにより、張設構造を取り付けてもよい。
【0110】
各巻取器28,30の筐体36から付着領域34まで配置されるアーム62に複数の減衰装置48を設けることができる。
【0111】
例えば、電動機及びラック・ピニオンギアにより、アーム62の長さを調節できる。
【0112】
図8及び図9は、支持枠64と減衰ローラ66とを有する減衰装置48の拡大斜視図を示す。
【0113】
支持枠64は、両電極24,26の反対面に対向して配置される2つの支柱68を有し、両電極24,26は、両支柱68間を貫通する。
【0114】
減衰ローラ66は、冷却ロール20とは逆方向で両電極24,26の上方に配置される。電極24,26の長手方向に対し垂直でかつ電極24,26の幅方向に対し垂直な回転軸R1周りに、減衰ローラ66は、回転可能に支持枠64に軸支される。
【0115】
冷却ロール20とは逆側の両電極24,26の上外縁上に配置される減衰ローラ66は、巻枠38の巻上げ時又は繰出し時に、第1の電極24の移動に伴って回転する。
【0116】
例えば、ばねで付勢される減衰ローラ66は、両電極24,26の幅方向に移動可能に軸支される。
【0117】
薄膜延伸装置10の作動中に、互いに平行に配置される帯状の両電極24,26に高電圧を印加すると、供給装置22の冷却ロール20と両電極24,26との間に高電圧電界が発生する。冷却ロール20の回転運動時に、押出金型18から冷却ロール20上に供給されて薄膜16となる溶融樹脂は、両電極24,26と冷却ロール20との間に形成される電界領域を通過する。
【0118】
電界領域を通過する冷却ロール20の表面は、帯電するため、電界領域を通過する薄膜16の樹脂材料の極性分子は、配向するので、冷却ロール20に接触する薄膜16の接触面は、冷却ロール20と薄膜16との間に生じる静電引力により冷却ロール20に均一に付着する。
【0119】
両電極24,26と冷却ロール20との間に電界領域が形成される間に、第1の電極24は、第1の巻取器28の巻枠から繰り出され、長手方向に継続的に移動し、第2の巻取器30で巻上げられ(対応する巻枠38が回転して、第2の電極26も長手方向に継続的に移動することもある)、又は逆に第2の巻取器30の巻枠38から繰り出される第1の電極24が長手方向に継続的に移動して、第1の巻取器28で巻上げられる場合もある。このように、薄膜16の樹脂材料の堆積物が蒸発により除去されて、電界の均質性が向上する。
【0120】
また、両電極24,26に印加される低電圧でも、樹脂材料の堆積物は、減少する。両電極24,26に印加される低電圧は、加熱電流ともいうべき電流を生じ、電流量1A~8Aの加熱電流は、第1の巻取器28から第2の巻取器30まで(又はその逆方向)両電極24,26の各々を流れる。
【0121】
例えば、幅3mmの帯状電極24,26を流れる電流量は、2A~2.5Aであり、幅12.7mmの帯状電極24,26を流れる電流は、約7Aである。電極26に針金を使用する場合、電流量は、より小さい。
【0122】
無接地の両電極24,26の一方に亀裂が生じると、加熱電流が遮断される。
【0123】
加熱電流により加熱される両電極24,26に対する薄膜16の樹脂材料の蒸発物の凝縮物量は、減少する。
【0124】
機械的張力が両電極24,26に負荷されるか否かに関わらず、巻枠38の回転又は緊張装置44の作動により、例えば、両電極24,26の幅方向及び/又は長手方向の軸周りに、垂直振幅振動が両電極24,26の側面に発生することがある。減衰装置48は、両電極24,26の垂直振幅振動を減衰し又は防止して、一定の電界を維持するので、冷却ロール20への薄膜16の付着率が更に向上する。
【0125】
付着領域34で両電極24,26の波状振動を抑止する構造も考えられる。供給装置22による両電極24,26の移動案内時に、供給装置22に設けられる支持体の複数の突起により両電極24,26の振動を抑止できる。
【0126】
帯状の両電極24,26の使用時に、冷却ロール20に最初に接触する薄膜の表面に、最大電界値が生じるが、冷却ロール20に対する薄膜の付着特性を劣化させずに、電界集中により、高電圧レベルを低減して、火花放電を抑制できる。
【0127】
本発明に使用する冷却ローラ装置12又は供給装置22の図10図11に示す第2の実施の形態は、基本的に第1の実施の形態と同一であるから、図10図11では、構成上及び機能上同一の部品には、先の図面と同一の符号を付して、両者の相違点のみを以下説明する。。
【0128】
図10図11は、供給装置22の第2の実施の形態の減衰装置48を示す。
【0129】
第2の実施の形態の減衰装置48は、単一の軸受基台70に夫々固定される2つの減衰ローラ66を有する。
【0130】
各軸受基台70は、ばね付勢されて軸支される減衰ローラ66を有し、両電極24,26の側面に対し減衰ローラ66を垂直に押圧する状態で軸受基台70が設けられる。
【0131】
各減衰ローラ66は、電極24,26の長手方向に垂直でかつ幅方向に平行に配置される回転軸R2周りに回転する。換言すれば、回転軸R2は、減衰ローラ66側面に対して平行にかつ両電極24,26の長手方向に対し垂直に配置される。
【0132】
両減衰ローラ66間を通り両電極24,26が案内されるとき、両電極24,26の一方の側面は、減衰ローラ66の一方に接触するが、両電極24,26は、互いに接触しない。
【0133】
換言すれば、電極24又は26の一方に割り当てられる各減衰ローラ66は、電極24又は26の側面に対向して配置される。
【0134】
第2の実施の形態の両減衰ローラ66に加えて、第1の実施の形態の図8図9に示す減衰ローラ66を設けて減衰効果を向上できる。
【0135】
図12図14は、図3に示す第1の実施の形態とは供給装置22が異なるが、第2の実施の形態の特徴を備える第3の実施の形態を示す。図12図14では、図3に示す構造上及び機能上同一の部分には、同一の参照符号を付して、両実施の形態の相違点のみを以下で説明する。
【0136】
図12は、図3の第1の実施の形態と同様の供給装置22の第3の実施の形態の断面図を示す。
【0137】
図12に示す実施の形態では、帯状の両電極24,26の幅は、非同一で異なる。
【0138】
図示の実施の形態の第1の電極24の幅は、第2の電極26よりも小さい。また、第2の電極26の幅は、第1の電極24より小さいこともある。
【0139】
第2の電極26は、第1の電極24に対し幅方向にずれる。例えば、供給装置22、冷却ローラ装置12又は電界領域を押出金型18の特定の実情に適合できる。
【0140】
付着領域34内に平行に配置される3つ以上の帯状電極を供給装置22に設けてもよい。設ける単一、複数又は全ての電極を長手方向に移動する構造も採用できる。
【0141】
図13は、供給装置22の第4の実施の形態を示す図3と同様の断面図である。
【0142】
第4の実施の形態の第2の電極26は、例えば、針金状、特に非帯状の導体として実施される。第2の電極26を任意の別の断面形状に形成してもよい。
【0143】
例えば、冷却ロール20に面する第1の電極24の外縁と冷却ロール20との同一の距離で、第4の実施の形態の第2の電極26を配置できる。
【0144】
冷却ロール20からより離間して第2の電極26を配置してもよい。
【0145】
図14は、供給装置22の第5の実施の形態の図3と同様の断面図を示す。
【0146】
第5の実施の形態の供給装置22は、第1の電極24と第2の電極26に加えて、第3の電極72を含む3電極24,26,72を有する。
【0147】
第1の電極24は、基本的に帯状である。第2の電極26及び第3の電極72は、基本的に針金状、特に導体として実施される。また、第2の電極26及び/又は第3の電極72をほぼ任意の他の断面形状に形成できる。
【0148】
第2の電極26と第3の電極72は、第1の電極24に対して異なる側に配置される。第1の電極24から等距離に第2の電極26と第3の電極72を配置できる。
【0149】
第2の電極26と第3の電極72との間に第1の電極24を直接配置する図示の例とは異なり、第2の電極26と第3の電極72との間の仮想線とは、交差せずに第1の電極24を配置できる。
【0150】
第2の電極26及び第3の電極72からずれて、第1の電極24を冷却ロール20に対し配置できる。
【0151】
冷却ロール20から等距離に第2の電極26と第3の電極72を配置してもよい。
【0152】
電極24,26,72の異なる配置と形態形成により、各用途、特に各樹脂材料の使用状態に適合する電界領域を形成できる。
【0153】
帯状の第2の電極26及び/又は第3の電極72も考えられる。
【0154】
3電極24,26,72の各々に高電圧及び/又は低電圧を印加しかつ長手方向に移動可能又は静止可能に3電極24,26,72を設けることもできる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【外国語明細書】