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特開2024-23170二酸化炭素リアクタ制御のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023170
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】二酸化炭素リアクタ制御のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   C25B 15/023 20210101AFI20240214BHJP
   C25B 9/00 20210101ALI20240214BHJP
   C25B 1/04 20210101ALI20240214BHJP
   C25B 1/23 20210101ALI20240214BHJP
   C07C 1/04 20060101ALI20240214BHJP
   C07C 9/00 20060101ALI20240214BHJP
   C07C 11/02 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
C25B15/023
C25B9/00 Z
C25B9/00 A
C25B1/04
C25B1/23
C07C1/04
C07C9/00
C07C11/02
【審査請求】有
【請求項の数】25
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023172392
(22)【出願日】2023-10-03
(62)【分割の表示】P 2020561577の分割
【原出願日】2019-01-22
(31)【優先権主張番号】62/619,996
(32)【優先日】2018-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/620,109
(32)【優先日】2018-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/685,771
(32)【優先日】2018-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520271481
【氏名又は名称】トゥエルブ ベネフィット コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クール、ケンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ケイブ、エトーシャ
(72)【発明者】
【氏名】フランダース、ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】マ、シチャオ
(72)【発明者】
【氏名】ツェン、クン
(72)【発明者】
【氏名】レオナルド、ジョージ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】二酸化炭素リアクタの分野におけるリアクタ制御のための新規且つ有用なシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】二酸化炭素リアクタ制御のための方法であって、好ましくは、方法は、所望の出力組成物に基づき、二酸化炭素リアクタの側面を選択する段階、制御されたプロセス条件下で二酸化炭素リアクタを稼働して、所望の出力組成物を生成する段階、および/または、プロセス条件を変更して、出力組成物を変更する段階を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解槽制御のための方法であって、
第1の気相電解槽において、気相二酸化炭素を含む入力を受け取る段階と、
前記第1の気相電解槽において、前記入力を受け取りつつ、セットのプロセス条件下で、前記入力から第1の還元生成物を電気化学的に生成する段階であって、
前記第1の還元生成物は、水素分子および炭素含有種(CCS)を含み、前記CCSは二酸化炭素ではない、および
前記第1の還元生成物は、第1の水素分子対CCSの比率(HCR)を定義する、段階と、
所望のHCRに基づき、第2の気相電解槽が前記セットのプロセス条件下で前記入力を受け取りつつ、前記入力から第2の還元生成物を生成するように、前記第2の気相電解槽のための構成を選択する段階であって、
前記第2の還元生成物は、水素分子および前記CCSを含み、および
前記第2の還元生成物は、前記第1のHCRとは実質的に異なる第2のHCRを定義する、段階と、を備える、方法。
【請求項2】
前記第1の気相電解槽は、第1のカソードと、第1のアノードと、ポリマー電解質種を含む第1のポリマー電解質膜(PEM)とを有し、前記第1のPEMは、前記第1のカソードと前記第1のアノードとの間に配置されており、
前記第2の気相電解槽は、第2のカソードと、第2のアノードと、前記ポリマー電解質種を含む第2のPEMとを有し、前記第2のPEMは、前記第2のカソードと前記第2のアノードとの間に配置されており、
前記構成を選択する段階は、前記所望のHCRに基づき、前記第2のPEMを選択する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のPEMは、第1の層厚みを定義する第1の陰イオン交換膜(AEM)を有しており、
前記第2のPEMを選択する段階は、前記第1の層厚みより実質的に薄い第2の層厚みを定義する第2のAEMを選択する段階を含み、
前記第2のHCRは、前記第1のHCRより実質的に大きい、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の気相電解槽は、第1のカソードと、第1のアノードと、ポリマー電解質種を含む第1のポリマー電解質膜(PEM)と、第1の還元触媒層とを有し、
前記第1のPEMは、前記第1のカソードと、前記第1のアノードとの間に配置され、
前記第1の還元触媒層は、前記第1のカソードと、前記第1のPEMとの間に配置され、
前記第2の気相電解槽は、第2のカソードと、第2のアノードと、前記ポリマー電解質種を含む第2のPEMと、第2の還元触媒層とを有し、
前記第2のPEMは、前記第2のカソードと、前記第2のアノードとの間に配置され、
前記第2の還元触媒層は、前記第2のカソードと、前記第2のPEMとの間に配置され、
前記構成を選択する段階は、前記所望のHCRに基づき、前記第2の還元触媒層を選択する段階を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の還元触媒層は、
触媒ナノ粒子から構成される第1の多孔性ネットワークと、
前記第1の多孔性ネットワーク内に配置された前記ポリマー電解質種と、を含み、
前記第2の還元触媒層は、
触媒ナノ粒子から構成される第2の多孔性ネットワークと、
前記第2の多孔性ネットワーク内に配置された前記ポリマー電解質種と、を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の還元触媒層は、第1のポリマー電解質対触媒ナノ粒子の比率(ECR)を定義し、
前記第2の還元触媒層を選択する段階は、前記第1のECRより実質的に大きい第2のECRを選択する段階を含み、
前記第2のHCRは、前記第1のHCRより実質的に大きい、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の多孔性ネットワークは、第1の気孔率を定義し、
前記第2の還元触媒層を選択する段階は、前記第1の気孔率より実質的に小さい第2の気孔率を選択する段階を含み、
前記第2のHCRは、前記第1のHCRより実質的に大きい、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の多孔性ネットワークは、第1の特性的ナノ粒子サイズを定義し、
前記第2の還元触媒層を選択する段階は、前記第1の特性的ナノ粒子サイズより実質的に大きい第2の特性的ナノ粒子サイズを選択する段階を含み、
前記第2のHCRは、前記第1のHCRより実質的に大きい、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の特性的ナノ粒子サイズおよび前記第2の特性的ナノ粒子サイズは、メジアンサイズである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の還元触媒層は、第1の層厚みを定義し、
前記第2の還元触媒層を選択する段階は、前記第1の層厚みより実質的に厚い第2の層厚みを選択する段階を含み、
前記第2のHCRは、前記第1のHCRより実質的に大きい、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
前記構成を選択することに応答して、前記構成における前記第2の気相電解槽を構成する段階と、
前記第2の気相電解槽を構成する段階の後、前記第2の気相電解槽において、気相二酸化炭素を含む第2の入力を受け取る段階と、
前記第2の気相電解槽において、前記第2の入力を受け取りつつ、第2のセットのプロセス条件下で、前記入力から、第3の還元生成物を電気化学的に生成する段階であって、
前記第3の還元生成物は、水素分子および前記CCSを含み、
前記第3の還元生成物は、第3のHCRを定義し、前記第1のHCRと前記所望のHCRとの間の第1の差異が前記第3のHCRと前記所望のHCRとの間の第2の差異より大きい、段階と、をさらに備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の入力は、前記入力と実質的に等しく、
前記第2のセットのプロセス条件は、前記セットのプロセス条件と実質的に等しく、
前記第3のHCRは、前記第2のHCRと実質的に等しい、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記入力は、第1の湿度を定義し、
前記第2の入力は、前記第1の湿度より実質的に大きい第2の湿度を定義し、
前記所望のHCRは、前記第1のHCRより大きく、
前記方法は、さらに、前記所望のHCRに基づき、前記第2の湿度を選択する段階をさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記CCSは一酸化炭素である、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記セットのプロセス条件は、50℃より高い電解槽温度と、10気圧より高い入力圧力とを有する、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
電解槽制御のための方法であって、気相電解槽において、気相二酸化炭素を含む入力から、水素分子および炭素含有種(CCS)を含む還元生成物を電気化学的に生成する段階であって、前記CCSは二酸化炭素ではない、段階を備え、
前記還元生成物を電気化学的に生成する段階は、
第1の時間間隔の間に、第1の水素分子対CCSの比率(HCR)で、前記還元生成物を生成する段階を含み、前記還元生成物を生成する段階は、前記気相電解槽を第1のセットのプロセス条件下で操業する段階を含み、および
前記第1の時間間隔の後の第2の時間間隔の間に、前記還元生成物のHCRを変更すべく、電解槽の操業を調整する段階を含み、前記調整する段階は、前記第1のHCRとは実質的に異なる第2のHCRで前記還元生成物を生成すべく、第2のセットのプロセス条件下で前記気相電解槽を操業する段階を含む、方法。
【請求項17】
前記第1の時間間隔の間に、前記入力は第1の湿度を定義し、
電解槽の操業を調整する段階は、前記第2の時間間隔の間に、前記入力が前記第1の湿度より実質的に大きい第2の湿度を定義するように、前記入力の湿度を変更する段階を含み、
前記第2のHCRは、前記第1のHCRより大きい、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記還元生成物のHCRを変更すべく、電解槽の操業を調整する段階は、前記第1のHCRとは実質的に異なる所望のHCRを判定する段階に応答して実行される、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記還元生成物を、下流リアクタに提供する段階と、
前記下流リアクタに関連付けられた操業メトリックを判定する段階と、をさらに備え、
前記所望のHCRを判定する段階は、前記操業メトリックに基づき実行される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記下流リアクタはバイオリアクタであり、
前記入力は、さらに、硫黄含有種(SCS)を含み、前記入力における前記SCSの濃度は、少なくとも5ppmであり、
前記方法は、前記還元生成物と混合された前記SCSを前記バイオリアクタに提供する段階をさらに備える、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のセットのプロセス条件は、50℃より高い第1の電解槽温度と、10気圧より高い第1の入力圧力と、を有し、
前記第2のセットのプロセス条件は、50℃より高い第2の電解槽温度と、10気圧より高い第2の入力圧力と、を有する、請求項16から20のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本願は、2018年1月22日に出願した米国仮出願第62/619,996号、2018年1月22日に出願した米国仮出願第62/620,109号、および、2018年6月15日に出願した米国仮出願第62/685,771号に基づく優先権の利益を主張し、当該出願の各々はそれら全体が本参照により組み込まれる。
[政府のサポートの声明]
【0002】
本発明は、アメリカ国立科学財団により授与されたアワード番号1738554の下、並びに、エネルギー省科学局により授与されたアワード番号DE-SC0015872、DE-SC0017725およびDE-SC0018549の下、政府のサポートを受けてなされた。政府は、本発明について特定の権利を有する。
【0003】
本発明は、概して二酸化炭素リアクタの分野に関し、具体的には、二酸化炭素リアクタの分野におけるリアクタ制御のための新規且つ有用なシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0004】
二酸化炭素リアクタ制御のための典型的なシステムおよび方法は、例えば、一酸化炭素(CO)の他のリアクタ生成物に対する比率(例えば、CO:H比率)、CO濃度、および/または、CO全出力量若しくはCO出力率の最大化等、COおよび/または他の炭素含有生成物(Carbon-Containing Product;CCP)の生成に関する側面を最大化することに重点を置いている。
【0005】
故に、二酸化炭素リアクタの分野において、リアクタ制御のための新規且つ有用なシステムおよび方法を創出するニーズが存在する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】方法の一実施形態に係るフローチャート図である。
【0007】
図2A】システムの一実施形態に係る概略図である。
図2B】当該実施形態の変形例に係る概略図である。
【0008】
図2C】システムの実施形態に係る第1の例の概略図である。
図2D】システムの実施形態に係る第2の例の概略図である。
【0009】
図3】システムの一例に係る概略図である。
【0010】
図4A】電流密度へのリアクタ出力の理想的な依存性の例である。
図4B】電流密度へのリアクタ出力の非理想的な依存性の例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[好ましい実施形態の説明]
以下の本発明の好ましい実施形態に関する説明は、本発明をこれらの好ましい実施形態に限定する意図はなく、当業者が本発明を作成および使用できるようにすることを意図する。
1.概要
【0012】
二酸化炭素リアクタ制御のためのシステムおよび/または方法は、例えば、リアクタ生成物の量、濃度および/または比率に関する側面等のリアクタの生成の側面を制御するよう機能することが好ましい。二酸化炭素リアクタ制御のための典型的なシステムおよび方法は、一酸化炭素(CO)の他のリアクタ生成物に対する比率(例えば、CO:H比率)、CO濃度および/またはCO全出力量若しくはCO出力率等の、COおよび/または他の炭素含有生成物(Carbon-Containing Product;CCP)(例えば、炭素含有種:Carbon-Containing Species;CCS)の生成に関する側面を最大化することに重点を置いてきた。
【0013】
しかしながら、本発明者らは、一部の適用については、単にアスペクト値を最大化することは望ましくない可能性があること、および、単なる最大化ではなくかかる側面を任意に制御(例えば、ターゲットのアスペクト値の範囲内の特定の値を満たすための動的なまたは選択的なアスペクト制御)することが有益であり得ることを見出した。例えば、リアクタ生成物のCO:H比率を選択的に制御(例えば、特定のシステムおよび/またはプロセスについて、可能な最大CO:H比率から約1:3以下のCO:Hに至るまでのスペクトル範囲内での任意の制御を可能にする)することが望ましくてよい。かかる制御を用いると、リアクタ出力は、フィッシャートロプシュプロセスによる(例えば、リアクタを制御して約1:2のCO:H出力比率をもたらす)、化学合成プロセスによる、および/または、ガス(例えば、合成ガス)発酵プロセス(例えば、バイオリアクタ)による液体炭化水素の生成等の適用に対し、より効率的に使用可能(例えば、リアクタ出力が後続の入力に直接供給される等)となる。
2.システム
【0014】
システムは、二酸化炭素を含む入力(好ましくは、流体ストリーム等の入力ストリーム)から、炭素含有生成物(例えば、CO、アルカン、アルコール等)および/または水素を生成するリアクタ等の、二酸化炭素リアクタを含んでよい(例えば、図2Aから2Dに示すような)。好ましくは、リアクタは、気相二酸化炭素入力を受け取り、および/または、気相二酸化炭素を用いる反応を行う(例えば、気相リアクタである)が、追加的にまたは代替的に、液相二酸化炭素入力、超臨界流体相二酸化炭素入力、固相二酸化炭素入力、および/または、任意の他の好適な二酸化炭素入力を受け取ってよい。好ましくは、リアクタは電解槽(例えば、電気化学リアクタ)であり、より好ましくは、気相ポリマー電解質膜電解槽であるが、追加的にまたは代替的に、任意の他の好適なリアクタを含んでよい。
【0015】
好ましくは、リアクタは、電極(例えば、アノード、カソード)、触媒(例えば、カソードおよび/またはアノードの内部および/またはその近傍)、ガス拡散層)(例えば、カソードおよび/またはアノードの近傍)、並びに/または、流れ場(例えば、当該電極および/またはガス拡散層の内部またはその近傍に画定された、ガス拡散層の向こうにカソードと対向して画定された1または複数のチャネル等)のうち、1または複数を含む。いくつかの実施形態において、リアクタは、1または複数のポリマー電解質膜(PEM)を含み、好ましくは、リアクタのアノードとカソードとの間におけるイオン伝達を提供する。一変形例において、リアクタは、膜スタックを含み、当該膜スタックは、還元触媒およびイオン伝導性ポリマーを含むカソード層;PEM膜(例えば、両極性膜、単極性膜等;陰イオン交換膜(AEM)等の1または複数の陰イオン伝導体、プロトン交換膜等のプロトンおよび/または陽イオン伝導体、および/または任意の他の好適なイオン伝導性ポリマーを含む膜;1または複数の緩衝層を含む膜等);および、酸化触媒およびイオン伝導性ポリマーを含むアノード層、を含む。各層のイオン伝導性ポリマーは、同一または異なるイオン伝導性ポリマーであってよい。
【0016】
いくつかの実施形態において、触媒(例えば、還元触媒、酸化触媒)の1または複数は、触媒粒子(例えば、粒子で構成される多孔性ネットワークを画定する)、好ましくはナノ粒子を含んでよい。追加的にまたは代替的に、触媒の1または複数は、1または複数のポリマー電解質を含んでよく、好ましくは、ポリマー電解質は、触媒ナノ粒子と混合される(例えば、多孔性ネットワークにより画定される開口領域に装填される等、多孔性ネットワーク内に配置される)。触媒ナノ粒子は、1または複数の特性サイズ(例えば、平均サイズ、メジアンサイズ、最小サイズ、最大サイズ、粒子サイズ分布の特定のパーセンタイルにおけるサイズ等)を定義してよく、および/または、多孔性ネットワークは、気孔率(例えば、多孔性ネットワーク内の空スペース率)、密度、遠回しの表現(circuitousness)(例えば、当該空スペースを通る経路、または、相互接続された粒子沿いの経路等の層厚みごとの特性経路長、面積、および/または体積等)、および/または任意の他の好適な多孔性ネットワークのメトリックを定義してよい。
【0017】
一例において("リアクタ構成A")、システムは、炭素繊維紙ガス拡散層(例えば、Sigracet 39BC);Vulcanカーボン上に約4nmの金粒子を約20重量%および陰イオン伝導性ポリマーを含む触媒層(例えば、Fumasep FAA-3);両極性PEM;並びに、単一、二重、三重または四重の蛇行流れ場若しくは相互篏合した流れ場等の流れ場を含む。具体例において、電極は、約25cmの面積を定義するが、追加的にまたは代替的に、任意の他の好適な面積を定義してよい。
【0018】
いくつかの実施形態において、リアクタは、2017年5月3日に出願された米国特許出願第15/586,182号(発明の名称「CO、COおよび他の化合物の電気化学反応のための高度なアーキテクチャを備えるリアクタ」)に記載されたもののような1または複数の要素を含み、当該出願は、本参照によりその全体が組み込まれる。しかしながら、追加的にまたは代替的に、リアクタは、任意の他の好適な要素を任意の好適な配置において含んでよい。
【0019】
システムおよび/または方法の随意の実施形態、および/または要素に関する追加情報(例えば、図3中に例示として示されるような)について、以下説明する。
【0020】
随意で、本発明のシステムは、本発明の二酸化炭素リアクタの入力に接続された二酸化炭素入力の上流ソースを含んでよく、上流ソースは、バイオガス生成システム;トウモロコシエタノール生成システム、ビール生成システム、ワイン生成システム等のエタノール発酵システム;天然ガスプロセッシングシステム;セメント生成システム;例えば、高炉ガスを生成可能なスチール高炉システム等の高炉システム;コークスガス生成システム;石油発電所システム、天然ガス発電所システム、石炭発電所システム等の発電所システム;石油精製システム;エチレン生成システム;アンモニア生成システム;水性ガス転化システム等の水素生成システム;天然ガスプロセッシングプラント(例えば、ベンフィールド処理);酸化エチレン生成システム;アルミニウム製錬システム;液化天然ガス(LNG)生成システム;固形原料ガス化器(例えば、都市固形廃棄物、バイオマス、または石炭原料);改質器(例えば、水蒸気メタン改質器、オートサーマル改質器);ブードワ反応を行うシステム;二酸化炭素プロセスのダイレクトエアーキャプチャ(DAC);および/または、二酸化炭素を生産可能な任意の他のシステム、のうち1または複数を含む。二酸化炭素の上流ソースは、本発明の二酸化炭素リアクタの入力(例えば、カソード流れ場および/またはガス拡散層等を介して還元触媒に接続される等して入力として機能する)に直接接続されてよく、または代替的に、上流ソースは、精製システム;ガス圧縮システム;または精製システムおよびガス圧縮システムの両方にいずれの順序において接続されてもよく、その後、本発明の二酸化炭素システムの入力に接続される。複数の精製および/またはガス圧縮システム(例えば、スクラバー等)が用いられてよい。
【0021】
本発明のシステムは、さらに、本発明の二酸化炭素リアクタの出力に接続された、本発明の二酸化炭素リアクタからの化学出力を変換可能な下流システムの入力を含んでよい。本発明の下流システムは、バイオリアクタシステム;フィッシャートロプシュシステム;嫌気性発酵システム;合成ガス発酵システム;ポリケトン生成システム;ギ酸塩生成システム;ギ酸エステル生成システム;ホルムアミド生成システム;ヒドロホルミル化システム成メタノール合成システム成エチレン重合システム;および/または、本発明の二酸化炭素リアクタから化学出力を変換可能な任意の他のシステム、のうち1または複数を含んでよい。本発明の二酸化炭素リアクタ出力は、下流システムに直接接続(例えば、カソード流れ場および/またはガス拡散層を介して)されてよく、および/または、二酸化炭素リアクタ出力は、精製システム;ガス圧縮システム;または精製システムおよびガス圧縮システムの両方にいずれの順序で接続されてもよく、その後、好ましくは、下流システムの入力に接続される。複数の精製システムおよび/またはガス圧縮システムが用いられてよい。
【0022】
本発明の下流システムは、二酸化炭素出力に加え、他の生成物出力を生成してよい。本発明のシステムは、さらに、下流システムの二酸化炭素含有出力と、二酸化炭素リアクタの入力との間の接続を含んでよい。下流システムの二酸化炭素含有出力は、本発明の二酸化炭素リアクタの入力に直接接続されてよく、または、代替的に、下流二酸化炭素含有出力は、精製システム;ガス圧縮システム;または精製システムおよびガス圧縮システムの両方にいずれの順序で接続されてもよく、その後、本発明の二酸化炭素リアクタの入力に接続される。複数の精製システムおよび/またはガス圧縮システムが用いられてよい。
【0023】
本発明の二酸化炭素リアクタは、下流システムおよびプロセスで使用可能な特定の範囲の生成物(例えば、メタン、エチレン、一酸化炭素(CO)、水素分子(H)、エタノール、ギ酸塩、ギ酸、アセテート、酢酸、プロパノール、ブタノール、エタン、メタノール)を作成してよい。異なる二酸化炭素リアクタ(例えば、異なる層スタック、触媒および/または触媒層、PEM、流れ場、ガス拡散層、セル圧縮構成、並びに/または任意の他の好適な態様等を含む)を用いて、異なる還元生成物(例えば、HCR等の生成物組成)を得てよいが、異なる還元生成物は、追加的にまたは代替的に、操業パラメータを調整することにより、および/またはそれ以外の方法で得られてよい。多くの可能性のある下流システムおよびプロセス(例として、メタンのバイオ利用、ギ酸またはギ酸塩のバイオ利用、酢酸またはアセテートのバイオ利用、フィッシャートロプシュ、メタノール合成が含まれる)がCOを放出する。これらの場合の多くにおいて、特定の適用のために適切にサイズ設定された二酸化炭素リサイクルシステムを用いて、下流システム出力からのCOを、本発明の二酸化炭素リアクタの入力に返して、プロセス全体の炭素効率性を上げてよい。
【0024】
本発明のシステムは、さらに、本発明の二酸化炭素リアクタに接続された電気エネルギーのソースを含んでよく、当該電気エネルギーのソースは、太陽光発電システム;風力発電システム;地熱発電システム;化石燃料発電システム;または電気エネルギー生成が可能な任意の他のシステムのうち、1または複数を含んでよい。
【0025】
本発明のシステムは、化学エネルギーの形態で電気エネルギーを貯蔵するために用いられてよい。例えば、電力生産者は、オフピーク利用期間中に、余剰電力を生成してよい。本発明のシステムは、余剰電力を消費するニーズに素早く応答可能である。当該システムは、操業のためにウォーミングアップする必要はなく、当該システムは、本発明の二酸化炭素リアクタの劣化を伴わずにパワーオン状態およびパワーオフ状態間で循環されてよい。電力利用ニーズに素早く応答できる能力は、本発明のシステムが、太陽光発電システムおよび風力発電システム等の断続的電力のソースとうまく連携動作することを可能にする。
【0026】
本発明のシステムの一実施形態は、上流バイオリアクタ、二酸化炭素リアクタ、および電気エネルギーの断続的ソースを含んでよい。太陽若しくは風、または低オフピーク要求、または他のソースから電力が利用可能な場合、電力利用可能性検出手段を用いて、二酸化炭素リアクタを開始してよい。また、システムは、例えば、上流バイオリアクタの温度を上昇させ、上流バイオリアクタへの栄養のフローを増大させることにより、上流バイオリアクタの出力を促進してよい。他の上流の二酸化炭素ソースについては、必要に応じて他の手段を用いて、本発明の二酸化炭素リアクタの入力への二酸化炭素のフローを増大させてよい。
【0027】
本発明のシステムは、さらに、本発明の二酸化炭素リアクタに接続された本システムの条件、出力および入力を測定するための手段(例えば、センサ、システム等)を含んでよい。このような手段は、ガスクロマトグラフ、質量分析計、赤外線分光計、可視光分光計および/または紫外光分光計等の化学特性測定システム;温度検出手段;流量測定手段;電力利用可能性検出器;および/または任意の他のモニタリングシステムを含んでよい。モニタリングシステムは、入力ストリームおよび/または出力ストリームのパラメータ、入力ストリームおよび/または出力ストリームのコンポーネントのパラメータ(例えば、不純物濃度、二酸化炭素濃度、生成物濃度等)をモニタリングしてよく、および/または、ストリームの任意の他の好適なパラメータをモニタリングしてよい。
【0028】
本発明のシステムは、さらに、本発明の二酸化炭素リアクタに接続されたシステム(例えば、センサ、システム等)において測定された条件に応答するための手段を含んでよい。かかる手段は、流量、温度、電力消費量または他のシステムパラメータを調整するためのシステムを含んでよい。
【0029】
本発明のシステムは、1または複数の二酸化炭素リアクタを含んでよい。
【0030】
しかしながら、追加的にまたは代替的に、システムは、任意の他の好適な要素を任意の好適な配置において含んでよい。
3.方法
【0031】
好ましくは、方法は、上記のシステムを用いて実装されるが、追加的にまたは代替的に、方法は任意の他の好適なシステムを用いて実装されてよい。好ましくは、方法は、制御されたプロセス条件(例えば、さらに詳しく後述するような)下でリアクタを稼働させて、所望の出力(例えば、CO、H等)を所望の比率(例えば、水素分子対CCP比率(HCR)および/またはCCP対水素分子比率)で生成する段階、および/または、当該プロセス条件を変更して、出力および/または出力比率を変更する段階、を含む(例えば、図1に示すように)。
【0032】
リアクタを稼働する段階は、二酸化炭素、二酸化炭素ソース(例えば、廃ガス)および/または水等の1または複数の入力(例えば、ガス、液体、固体等)を提供する段階と、当該入力の全部または一部に反応を受けさせる(例えば、装置の電極に電圧をかけることで)ことで、生成物を生成する段階と、および/または、リアクタから当該生成物を除去する段階(例えば、出力ガスストリームとして)とを含んでよい。かかる反応は、例えば、二酸化炭素および/または水を還元させて、CO(および/またはギ酸、メタノール、グリオキサール、メタン、酢酸、グリコールアルデヒド、エチレングリコール、アセトアルデヒド、エタノール、エチレン、ヒドロキシアセトン、アセトン、アリールアルコール、プロピオンアルデヒド、n-プロパノール等の他のCCP)、Hおよび/またはO等の生成物を生成する段階を含んでよい。しかしながら、リアクタを稼働する段階は、追加的にまたは代替的に、任意の他の好適な反応を生じさせる段階を含んでよく、および/または、リアクタを稼働する段階は、追加的にまたは代替的に、任意の好適な方式で実行される任意の他の好適な要素を含んでよい。
【0033】
方法は、システムを制御して、所望の出力メトリック値(例えば、CO:H比率等の所望のCCP:H比率)をもたらすことがわかっているプロセス条件等、所望のセットのプロセス条件(例えば、複数の側面)を達成する段階を含んでよい。方法は、追加的にまたは代替的に、実際の出力と所望の出力との間の差に基づく等により、プロセス条件を変更する段階(例えば、当該差を低減または除去すべく)を含んでよい。例えば、方法は、初期セットのプロセス条件を課す段階と;1または複数の出力メトリック(例えば、CCP:H比率)をモニタリングする段階と;出力メトリックがターゲット出力メトリックと異なる(例えば、ターゲットより大きいまたは小さい)と判定する段階と;当該出力メトリックの差を低減すべく、1または複数のプロセス条件を変更(例えば、出力メトリックがプロセス条件値の増大と共に増大または低減する傾向にある条件等のプロセス条件値を低減または増大する)する段階と;随意で、当該出力メトリックのモニタリングおよび/またはプロセス条件の変更を継続する(例えば、出力メトリックに基づき、プロセス条件の閉ループ制御を実施する)段階と、を含んでよい。
【0034】
随意で、方法は、ターゲット出力メトリックを判定する段階を含んでよく、これは、どのパラメータまたは側面(例えば、特定の適用または下流システムのための重要パラメータ)をターゲットとすべきかを判定するように機能する。特定のプロセスに対し、1または複数のターゲット出力メトリックが選択されてよい。ターゲット出力メトリックは、適用(例えば、フィッシャートロプシュ等の上記の適用)に関連付けられた(例えば、予め定められた、指示された等)出力メトリックであってよく、ランダムに選択された出力メトリックであってよく、経験則で判定された出力メトリックであってよく(例えば、下流の適用の性能の反復テストおよびモニタリングを通して)、最適化された出力メトリックであってよく(例えば、下流の適用操業パラメータ、リアクタ操業パラメータ等に基づき)、ユーザに指定された出力メトリックであってよく、および/または、それ以外の方法で判定された出力メトリックであってよい。
【0035】
随意で、方法は、ターゲット出力メトリックのターゲット値を判定する段階を含んでよく、当該段階は、ターゲットにする値(値の範囲から)を識別するように機能する。いくつかの変形例においては、ターゲット値は、最大値または最小値(例えば、最大実行可能最大値または最大実行可能最小値、理論的最大値または理論的最小値等)であってよい。しかしながら、追加的にまたは代替的に、ターゲット値は、極値であることはできない(例えば、中間値であってよく、または、最大値と最小値との間の値の範囲であってよい)。ターゲット値は、適用に関連付けられた(例えば、予め定められた、予め関連付けられた)値;ランダムに選択された値;経験則で判定された値(例えば、反復的なターゲット値の選択を通して、下流の適用の性能のモニタリングを通して、および当該適用の性能に基づくターゲット値の調整);最適化された値(例えば、下流の適用の操業パラメータに基づき、リアクタ操業パラメータに基づき、等);または、それ以外の態様で判定された値であってよい。しかしながら、ターゲット値は、任意の他の好適な値であってよく、任意の好適な方式で判定されてよい。
【0036】
いくつかの条件下では、方法は、95%(例えば、最大100%)より大きい二酸化炭素変換(例えば、CO分数歩留)を達成してよく、例えば、かかる条件下で稼働されるシステムは、少なくとも当該閾値の変換メトリックを達成してよい。しかしながら、追加的にまたは代替的に、方法は、50%、60%、70%、80%、90%より大きい;10%~100%の範囲内、例えば、10%~40%、30%~50%、40%~60%、50%~70%、60%~75%、70%~85%、80%~95%、90%~95%、92%~98%、および/または95%~100%の範囲内の二酸化炭素変換;並びに/または、任意の他の好適な二酸化炭素変換を達成する段階を含んでよい。
【0037】
好ましくは、方法は、リアクタ生成物(またはその部分集合)を、当該生成物の下流コンシューマ(例えば、上記したリアクタ出力の適用に関するもの、後述する付録にあるようなもの等)に供給する段階を含む。随意で、方法は、リアクタ生成物が生成された後、リアクタ生成物を変更する段階(例えば、変更された生成物を下流コンシューマに供給する前に等)を含んでよい。随意で、リアクタ生成物を変更する段階は、生成物を精製(例えば、SOおよび/またはNO等の不純物をリアクタ出力ストリームから除去する段階)する段階を含んでよい。追加的にまたは代替的に、リアクタ生成物を変更する段階は、例えば、所望の出力メトリックを達成するために、追加のガス(および/または他の物質)を、リアクタ出力ストリーム(および/または入力ストリーム)に混合する段階を含んでよい。一変形例において、リアクタ出力のCO:H比率が所望の値と異なる場合、当該比率は、リアクタ出力を他のガス(例えば、実質的に純粋なCOおよび/またはH;前に生成され、貯蔵されているリアクタの出力、第2のリアクタの出力、他のシステムの出力および/または廃ガス等のCOとHとの別の混合物等)と混合することにより調整されてよい。例えば、出力ストリーム(および/またはリアクタの任意の他の部分にあるガス)のCO:H比率はモニタリング(例えば、リアクタ生成の間に継続的に)されてよく、所望の値からの偏差が他のガスで混合(例えば、当該比率を上げるために、COおよび/またはCO豊富な混合物を追加する、当該比率を下げるために、Hおよび/またはH豊富な混合物を追加する)することにより補償されてよい。好ましくは、この例は、リアクタ出力を訂正すべく、プロセス条件を変更する段階も含む(例えば、上記のような閉ループ制御のような)。外部ガス供給(例えば、製鉄所のような1または複数の他のシステムの出力および/または廃ガス)が下流コンシューマ(例えば、ガス発酵槽)に供給される第2の変形例においては、リアクタ生成物を用いて、外部ガス供給のCCP:H比率(例えば、CO:H比率)が変更される(例えば、外部ガス供給のCCP:H比率が所望の値と異なる場合、所望の値を達成すべく、リアクタ生成物を混合する)。例えば、外部ガス供給の所望の値からの偏差に基づき、リアクタ生成物のCO:H比率を変更すべく、プロセス条件が制御(例えば、COが少ない外部ガス供給に応じて当該比率を増大させる、COが豊富な外部ガス供給に応じて当該比率を低減させる)されてよく、および/または、(例えば、所望の値を達成すべく、)外部ガス供給に混合されるリアクタ生成物の量が制御されてよい。しかしながら、追加的にまたは代替的に、リアクタ出力ストリームは、任意の他の好適な方式で変更されてよく、または、変更することなく用いられてもよい。
【0038】
いくつかの例において、方法は、システムの1または複数の上流の要素および/または下流の要素(例えば、下流リアクタ、上流入力等)と関連付けられた1または複数のメトリック(例えば、操業メトリック)を判定する段階を含んでよい。このような操業メトリックには、例えば、温度、圧力等のようなリアクタ条件;出力量、組成、純度等の下流リアクタおよび/または上流ソースの出力メトリック;入力量、組成、純度等の下流リアクタのための他の入力と関連付けられたメトリック;リアクタ効率性メトリック;および/または任意の他の好適なメトリックが含まれてよい。このような例において、好ましくは、方法は、例えば、二酸化炭素リアクタ出力のHCRを変更すること等により、当該メトリックに基づき、二酸化炭素リアクタ操業を変更する(例えば、下流リアクタの操業を改善および/または維持すべく;例えば、上流ソースにおける変更に対応するため等、二酸化炭素リアクタの操業を改善および/または維持すべく;変動する二酸化炭素ソースを仮定して等、HCRまたは還元生成物濃度等のターゲット出力メトリックを改善および/または維持すべく;その他)段階を含む。しかしながら、追加的にまたは代替的に、方法は、任意の他の好適なメトリックを判定する段階および/または任意の他の好適な方式で作用する段階(例えば、メトリックに基づき)を含んでよい。
4.プロセス条件
【0039】
プロセス条件には、入力二酸化炭素の流量および/または圧力、入力ガスの水和、電流密度、電圧(例えば、好ましくは、1.5V~3Vの範囲内で維持される、追加的にまたは代替的に、1.5V未満で、2V~2.5Vの範囲内で、2V~4Vの範囲内で、4Vを超えて、および/または、任意の他の好適な電圧で操業される)、および/または温度が含まれてよい。追加的にまたは代替的に、プロセス条件には、ガス拡散層の側面、触媒の側面、流れ場の側面、および/または、PEMの側面等のシステム構成が含まれてよい。しかしながら、任意の他の好適なプロセス条件は、制御されてよく、またはターゲットにされてよい。プロセス条件は、ターゲット値(例えば、ターゲット値は、リアクタ出力を受け取る適用、瞬時の若しくは予期されるリアクタ操業パラメータに基づき判定されてよい、または、それ以外の態様で判定されてよい)を満たすように、制御されなくてよく(例えば、上流システムにより指示される)、制御されてよく、あるいは、それ以外の態様で判定されてよい。
【0040】
好ましくは、プロセス条件には、大気圧より大きい(例えば、閾値圧力範囲内および/または閾値圧力範囲より大きい、例えば、1~5atm、5~10atm、10~20atm、20~50atm、50~100atm、100~300atm、300~1000atm、1~10atm、5~50atm、10~100atm、20~500atm、および/または、1000atmより大きい、14~50psi、50~150psi、100~300psi、200~500psi、500~1000psi、750~1500psi、1000~3000psi、3000~10,000psi、10,000~20,000psi、および/または20,000psiより大きい等)、および/または、気相電解槽以外の電解槽で通常実現可能な圧力より大きい圧力(例えば、入力ガス圧力、リアクタ圧力等)が含まれるが、追加的にまたは代替的に、実質的に1気圧に等しい圧力、1気圧未満の圧力、および/または、任意の他の好適な圧力が含まれてよい。好ましくは、プロセス条件には、通常の室温(例えば、閾値温度範囲内および/または閾値温度範囲より高い、例えば、25~50℃、40~60℃、50~100℃、50~75℃、70~100℃、および/または100℃を超える等)より高い温度(例えば、リアクタ温度)、および/または、気相電解槽以外の電解槽で通常実現可能な温度より高い温度(例えば、リアクタ温度)が含まれるが、追加的にまたは代替的に、実質的に室温に等しい温度(例えば、20~30℃)、室温未満、および/または任意の他の好適な温度が含まれてよい。しかしながら、追加的にまたは代替的に、プロセス条件には任意の他の好適なプロセス条件が含まれてよい。
【0041】
より多い二酸化炭素流量は、CO等のCCPの生成の増大(例えば、還元のための二酸化炭素のより大きな利用可能性により)、すなわち、CCP:H比率の増大をもたらしてよい(これに相応して、より少ない二酸化炭素流量は、CCP生成およびCCP:H比率の低下をもたらしてよい)。いくつかの実施形態において、より多い二酸化炭素流量はまた、二酸化炭素変換効率の低下をもたらしてよく、これにより、出力ストリーム(例えば、合成ガス出力)が未反応の二酸化炭素で希釈される。例えば、二酸化炭素流量(例えば、リアクタ入り口において測定された)は、0.1~1000sccm/cm(例えば、0.1~1sccm/cm、1~10sccm/cm、10~100sccm/cm、および/または、100~1000sccm/cm)の範囲内の1または複数の値で維持されてよい。
【0042】
入力ガス流量に基づく制御の第1の具体例において、三重蛇行流れ場を持つリアクタ構成Aが用いられ、リアクタ圧力は120psiで実質的に維持され、電流密度は500mA/cmで実質的に維持され、および、リアクタ温度は30℃で実質的に維持される。この具体例では、実質的に純粋な二酸化炭素ガスが、様々な流量で入力され、12sccm/cm、20sccm/cm、および40sccm/cmの入力流量(例えば、リアクタ入り口において測定された)が、それぞれ約1:1、2:1.1および4:1のCO:H比率をもたらす。
【0043】
入力ガス流量に基づく制御の第2の具体例では、蛇行流れ場を持つリアクタ構成Aが用いられ、リアクタ圧力は130psiで実質的に維持され、電流密度は500mA/cmで実質的に維持される。この具体例では、40sccm/cmの流量で入力される実質的に純粋な二酸化炭素ガスが、約8:2のCO:H比率をもたらし、一方で12sccm/cmの流量が約1:1の比率をもたらす。
【0044】
より大きい二酸化炭素圧力は、CCP分数歩留および/またはCCP:H比率の増大(これに相応して、より小さい二酸化炭素圧力は、CCP分数歩留および/またはCCP:H比率の低減)をもたらしてよい。第1に、二酸化炭素圧力の増大は、還元のための二酸化炭素の利用可能性の増大をもたらしてよく、これにより、CCP総生成が増大される。第2に、触媒における圧力の増大により、触媒への水の侵入(例えば、カソードからの)が低減されてよく、これにより、還元のために利用可能な水の量が低減され、このことにより、CCP:H比率を直接増大させてよく、および/または、触媒還元部位の競合および/または反応エネルギーを低減させてよい(例えば、これにより、二酸化炭素の還元に有利に働く)。故に、いくつかの実施形態(例えば、高CCP分数歩留および/またはCCP:H比率が望まれる)において、高いリアクタ圧力(例えば、100psiより大きい、1070psi以下の臨界圧力等の二酸化炭素の相転移圧力以下など)が用いられてよい。例えば、リアクタ圧力は、1~1100psiの範囲(例えば、1~10psi、10~100psi、100~300psi、200~600psi、および/または、500~1100psi)内の1または複数の値で維持されてよく、および/または、任意の他の好適な圧力で維持されてよい。
【0045】
リアクタ圧力に基づく制御の具体例において、単一蛇行流れ場を持つリアクタ構成Aが用いられ、実質的に純粋な二酸化炭素ガスが100sccm/cmで入力され、電流密度が150mA/cmで実質的に維持され、および、リアクタ温度が20℃で実質的に維持される。この具体例では、リアクタ圧力は、様々な圧力で実質的に維持され、25、50、75および100psiのリアクタ圧力はそれぞれ、約3:2、約2.4:1、約3:1および約5:1のCO:H比率、並びに、約59%、約69%、約75%および約84%のCO分数歩留をもたらす。
【0046】
入力ガスの水和作用の増大は、水の還元の増大(例えば、還元のための水の利用可能性の増大により)をもたらし得、これにより、CCP:H比率の低減をもたらす。実質的に純粋な二酸化炭素の入力の場合、少量の水のみが触媒に到達(ほぼ例外なくリアクタのカソード側から)し、より大きいCCP:H比率をもたらす。これに対し、水和された入力ガスが用いられる場合、入力ガスからの大量の水が触媒に到達し得、反応し得る。例えば、入力ガスの水和(例えば、入力ガス中の水蒸気の割合)が、0%(例えば、実質的に純粋な二酸化炭素、実質的に水和されていない入力ガス)から100%の範囲の1または複数の値(例えば、0~1、1~3パーセント、3~5パーセント、5~7パーセント、7~10パーセント、10~15パーセント、15~25パーセント、25~50パーセント、50~75パーセントおよび/または75~100パーセント)で維持されてよい。
【0047】
入力ガスの水和に基づく制御の具体例において、単一蛇行流れ場を持つリアクタ構成Aが用いられ、電流密度が50mA/cmで実質的に維持され、リアクタ圧力が12psiで実質的に維持され、リアクタ温度は20℃で実質的に維持される。この具体例では、様々な水和量の二酸化炭素ガスが100sccm/cmで入力され、純粋な二酸化炭素入力ガスが約3:2のCO:H比率をもたらし、12.2%水和の入力ガスは、約1:5.67のCO:H比率をもたらし、中間水和量は、これら2つの値の間のCO:H比率をもたらす。
【0048】
リアクタは、電流密度に対し、CCPおよびH生成の異なるレジームを呈してよい。理想的なリアクタにおいては、低い電流密度では、水還元は生じず、すべての電流は二酸化炭素の還元に向かい、その結果、電流へのCO生成の実質的に線形の依存性をもたらし、実質的にH生成がもたらされない。これに対し、より高い電流密度では、水を還元するために、追加の電流(例えば、実質的にすべての二酸化炭素が既に消費され尽くしている閾値電流を超える)が用いられ、その結果、追加の電流へのH生成の実質的に線形の依存性および実質的に一定のCO生成(例えば、図4Aに示されるような)をもたらす。多くの典型的なリアクタにおいては、これらの理想論は緩和されているが、2つの一般レジームは依然として示される。すなわち、低電流密度レジームでは、CO生成はH生成よりはるかに迅速に増大した後、より高い電流密度レジームでは平坦に到達する一方、H生成はより高速に増大する(例えば、図4Bに示されるように)。方法は、広範囲の電流密度のうちのいずれか、またはすべてで操業することにより、COおよび/またはH生成を制御(例えば、CO:H比率を制御)する段階を含んでよい(例えば、低電流密度レジーム内および/または高電流密度レジーム内でリアクタ操業を制御する等)。いくつかの実施形態において、気相入力二酸化炭素の使用により、比較的高い電流密度を可能にしてよい(これに対し、二酸化炭素水溶液を用いるリアクタは、数十mA/cm以下の電流密度に限定されてよい)。例えば、方法は、1mA/cm~100Acmの範囲内(例えば、1~75mA/cm、50~100mA/cm、100~200mA/cm、200~500mA/cm、500~1000mA/cm、50~1000mA/cm、0.5~10A/cm、1~2A/cm、2~5A/cm、5~10A/cm、5~100A/cm、10~20A/cm、20~50A/cm、50~100A/cm等;50mA/cm、65mA/cm、80mA/cm、90mA/cm、100mA/cm、110mA/cm、120mA/cm、130mA/cm、140mA/cm、150mA/cm、200mA/cm、300mA/cm、500mA/cm、700mA/cm、1000mA/cm、1500mA/cm等の閾値において、当該閾値を超えて、または当該閾値未満で)の電流密度で、および/または任意の他の好適な電流密度で操業する段階を含んでよい。
【0049】
いくつかの実施形態において、リアクタ温度の昇温がCO:H比率の低減をもたらしてよい(例えば、カソードからの水の侵入が増大することにより、水の反応性が高まることにより等)。方法は、CO:H比率および/または任意の他の好適な出力メトリックを制御すべく、最小温度(例えば、0℃のような水の凍結温度)と最大温度(例えば、40℃、50℃、60℃、75℃等;100℃のような水の沸騰温度)との間の範囲等の操業範囲内でリアクタ温度を制御する段階を含んでよい。
【0050】
リアクタ温度に基づく制御の具体例において、四重蛇行流れ場を持つリアクタ構成Aが用いられ、実質的に純粋な二酸化炭素ガスが70sccm/cmで入力され、電流密度が150mA/cmで実質的に維持され、および、リアクタ圧力が100psiで実質的に維持される。この具体例においては、リアクタ温度は、様々な温度で実質的に維持され、26.7、35、38.7および41.9℃のリアクタ温度はそれぞれ、約1:0.4、2:1、1:1.8および1:3のCO:H比率をもたらす。
【0051】
追加的にまたは代替的に、ガス拡散層(GDL)の特性を用いて、CCPおよび/またはH生成に影響を及ぼしてよい。例えば、GDLの疎水性がH生成を変更(例えば、水輸送に影響を及ぼすことにより)してよく、一方、より親水性のGDLはH生成に有利に働き(これにより、CCP:H比率を低減させる)、および、より疎水性のGDLはH生成を阻害する(これにより、CCP:H比率を増大させる)。厚みおよび/または孔のサイズ等の他のGDLの特性を用いて、リアクタ出力を変更してもよい。
【0052】
追加的にまたは代替的に、膜(例えば、ポリマー電解質膜)の特性を用いて、CCPおよび/またはH生成に影響を及ぼしてもよい。例において、CCP生成に有利に働く陰イオン交換膜を用いて、高CCP:H比率を達成してよく、H生成に有利に働く陽イオン交換膜を用いて、低いCCP:H比率を達成してよく、様々な陰イオンおよび陽イオン輸送特性(例えば、移動度)を示すハイブリッド膜(例えば、陰イオンおよび陽イオンの両方の輸送を可能にする)を用いて、様々な中間比率を達成してよい(例えば、より高い比率の陰イオン輸送に有利に働く膜、より低い比率の陽イオン輸送に有利に働く膜)。
【0053】
追加的にまたは代替的に、触媒の特性(例えば、粒子サイズ、触媒種等)を用いて、CCPおよび/またはH生成に影響を及ぼしてよい。例えば、より大きな触媒粒子は少ない二酸化炭素輸送をもたらし、これにより、CCP生成を阻害し、CCP:H比率を低減させてよく、これに対し、より小さな触媒粒子はCCP生成に有利に働き、これにより、当該比率を増大させてよい。追加的にまたは代替的に、水素発生のための高ターンオーバー頻度を持つ活性部位("水素部位")の総対数および二酸化炭素還元のための高ターンオーバー頻度を持つ活性部位("二酸化炭素部位")の総対数は、触媒粒子サイズに依存してよい。通常、より大きい触媒粒子は、水素部位の二酸化炭素部位に対するより大きい比率を有し、H生成に有利に働き、これに対し、通常、より小さい触媒粒子は、より小さい比率を有し、CO生成に有利に働く。追加的にまたは代替的に、触媒タイプ(例えば、触媒種)を用いて、例えば、1または複数の触媒材料の混合物を用いることにより、リアクタ出力を制御してよく、第1のセットの触媒材料(例えば、金)は、二酸化炭素還元に有利に働き、第2のセットの触媒材料(例えば、白金)は水の還元に有利に働く。例において、実質的に純粋な金触媒を用いて高CCP:H比率を達成してよく、実質的に純粋な白金触媒を用いて低CCP:H比率を達成してよく、可変の組成の金と白金の混合物(例えば、合金粒子、金粒子と白金粒子との混合物等)を用いて、様々な中間比率を達成してよい(例えば、より高い比率のためにはより多くの金、より低い比率のためにはより多くの白金)。追加的にまたは代替的に、触媒は、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Sn、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Hf、Ta、W、Re、Ir、Hg、Al、Si、In、Ga、Tl、Pb、Bi、Sb、Te、Sm、Tb、Ce、Ndおよび/またはこれらの組み合わせを含んでよい。追加的にまたは代替的に、触媒は、1または複数の支持構造体(例えば、支持粒子、支持基質等)、好ましくは、炭素、ホウ素がドープされたダイアモンドおよび/またはフッ素がドープされた酸化錫等の導電性支持構造体に関連付け(例えば、結合され、支持され、組み込まれ、隣接し、接触して等)られてよい。しかしながら、追加的にまたは代替的に、触媒は任意の他の好適な材料を含んでよい。
【0054】
触媒粒子サイズに基づく制御の具体例において、2つの触媒粒子サイズを持つリアクタ構成Aの変形例が用いられ、これら2つは両方とも、リアクタ温度が30℃で実質的に維持され、リアクタ圧力が100psiで実質的に維持され、相互篏合した流れ場であり、実質的に純粋な二酸化炭素ガスが10sccm/cmで入力され、電流密度は500mA/cmで実質的に維持される。第1のセットの触媒粒子は、4nmの特性サイズ(標準リアクタ構成Aと同様)を有し、1:1.6のHCRおよび3.8Vの電圧をもたらす。第2のセットの触媒粒子は、20nmの特性サイズを有し、1:2.8のHCRおよび4.2Vの電圧をもたらす。
【0055】
追加的にまたは代替的に、リアクタセル圧縮の特性を用いて、CCPおよび/またはH生成に影響を及ぼしてよい。リアクタセル圧縮に基づく制御の具体例において、2つの異なるガスケット厚みを持つリアクタ構成Aが用いられ(より大きいガスケット厚みに対しより大きい圧力がもたらされる)、これら2つは両方とも、リアクタ温度が30℃で実質的に維持され、リアクタ圧力が100psiで実質的に維持され、三重蛇行流れ場であり、実質的に純粋な二酸化炭素ガスが40sccm/cmで入力され、電流密度が500mA/cmで実質的に維持される。第1のガスケットは0.012インチ(0.3048ミリメートル)厚みであり、1:4のHCRおよび3.6Vの電圧をもたらす。第2のガスケットは0.010インチ(0.254ミリメートル)厚みであり、1:10.1のHCRおよび3.8Vの電圧をもたらす。
【0056】
追加的にまたは代替的に、流れ場の特性を用いて、CCPおよび/またはH生成に影響を及ぼしてよい。流れ場の特性に基づく制御の第1の具体例において、リアクタ構成Aが2つの異なるセットのプロセス条件下で用いられ、これら2つは両方とも、リアクタ温度が30℃で実質的に維持され、リアクタ圧力が120psiで実質的に維持される。第1のセットの条件においては、相互篏合した流れ場が用いられ、実質的に純粋な二酸化炭素ガスが10sccm/cmで入力され、電流密度が160mA/cmで実質的に維持され、1.6:1のCO:Hの比率をもたらす。第2のセットの条件においては、四重蛇行流れ場が用いられ、実質的に純粋な二酸化炭素ガスが40sccm/cmで入力され、電流密度が120mA/cmで実質的に維持され、18.5:1のCO:Hの比率をもたらす。
【0057】
流れ場の特性に基づく制御の第2の具体例において、リアクタ構成Aが2つの異なるセットのプロセス条件下で用いられ、これら2つは両方とも、リアクタ温度が30℃で実質的に維持され、リアクタ圧力が100psiで実質的に維持され、実質的に純粋な二酸化炭素ガスが40sccm/cmで入力され、電流密度が500mA/cmで実質的に維持される。第1のセットの条件においては、相互篏合した流れ場が用いられ、3.6Vの電圧が実質的に維持され、1.6:1のCO:Hの比率をもたらす。第2のセットの条件においては、三重蛇行流れ場が用いられ、3.8Vの電圧が実質的に維持され、10.1:1のCO:Hの比率をもたらす。
【0058】
しかしながら、追加的にまたは代替的に、任意の他の好適な流れ場を用いてリアクタ出力を制御してよく、追加的にまたは代替的に、プロセス条件は、任意の他の好適なリアクタ条件を含んでよく、方法は、追加的にまたは代替的に、任意の好適な方式でリアクタ出力を制御する段階を含んでよい。
5.不純物の耐性
【0059】
リアクタが高圧力で稼働される、および/または、触媒が低電圧(例えば、アノードに対する負の電圧)で保持されるような実施形態等の、いくつかの実施形態において、システムおよび/または方法は、不純物および/または希釈二酸化炭素入力に対する高い耐性、例えば、リアクタ入力内の不純物による中毒および/またはメタンCO、Oおよび/またはN等の種による希釈された入力に対する耐性(例えば、他の二酸化炭素リアクタと比べて)を達成してよい。例えば、方法は、不純物および/または希釈入力への耐性を達成するためのターゲットプロセス条件(例えば、PEMタイプ、高ターゲットリアクタ圧力等のようなリアクタ構成)を判定(例えば、かかるプロセス条件を常に選択する;不純状態および/または希釈状態等の、リアクタ入力の現在の状態および/または予期される状態に応じてかかるプロセス条件を選択する;その他)する段階を含んでよい。これらの不純物は、SOおよび/またはNO等のリアクタ入力ストリームに典型的に存在する種(例えば、石炭火力発電所または天然ガス火力発電所からの出力等、石炭燃焼および/または天然ガス燃焼の生成物)を含んでよく、および/または、任意の他の好適な不純物を含んでよい。一例において、システムおよび/または方法は、最大4%のCO、6%のO、10%のO、800ppmのNOおよび/または100ppmのSOを含む入力ストリームを用いて効率的に機能可能であり、好ましくはCO、OおよびNの不純物の合計が10%以下である。
【0060】
希釈入力耐性の具体例において、単一蛇行流れ場を持つリアクタ構成Aが用いられ、電流密度が160mA/cmで実質的に維持され、リアクタ圧力が110psiで実質的に維持され、リアクタ温度が20℃で実質的に維持され、メタンまたは窒素における様々な希釈レベルを持つ二酸化炭素含有ガスが、200sccm/cmで入力される。この具体例においては、リアクタ性能は、最大で少なくとも50%メタンまでのメタン希釈に対する高い耐性を有し、0%、25%および50%のメタン濃度が、9.5:1~8.5:1の範囲のCO:H比率、および90%より大きいCO分数歩留をもたらす。75%メタンを用いるとさらに大きな性能の低減が観察され、CO分数歩留が約84%に低減する。この具体例においては、窒素希釈にも同様の耐性が観察され、0%、25%、50%および75%の窒素濃度が、9:1~8:1の範囲のCO:H比率をもたらし、最大で50%の窒素濃度が85%より大きいCO分数歩留をもたらす(75%の窒素濃度が約81%のCO分数歩留をもたらす)。
【0061】
不純物耐性の具体例において、単一蛇行流れ場を持つリアクタ構成Aが用いられ、電流密度が150mA/cmで実質的に維持され、リアクタ圧力が100psiで実質的に維持され、リアクタ温度が20℃から25℃の範囲内で実質的に維持され、様々な不純物を持つ二酸化炭素含有ガスが100sccm/cmで入力される。この具体例においては、様々な不純物条件下でのリアクタ出力メトリック(例えば、CO分数歩留)が、同一条件下でのベースラインリアクタ性能と比較されるが、実質的に不純物のない二酸化炭素入力が用いられる。この具体例においては、リアクタ性能は、4%以下のCO濃度、800ppm以下のNO濃度、120ppm以下のSO濃度、または6%以下の酸素濃度のベースライン性能から大きく逸れないことが示された。
【0062】
しかしながら、追加的にまたは代替的に、システムおよび/または方法は、不純な入力および/または希釈入力に対する任意の好適な耐性を示してよく、あるいは、このような耐性を示さなくてもよい。
6.システム構成選択
【0063】
随意で、方法は、好ましくは出力HCRの考慮事項に基づき、例えば、所望の出力HCR(例えば、特定のセットのプロセス条件および/または許容可能なプロセス条件の範囲を仮定して)および/またはHCR範囲に基づき、1または複数のシステム構成を選択する段階を含んでよい。
【0064】
いくつかの実施形態において、これは、第1のリアクタ(例えば、電解槽、好ましくは気相電解槽)において、二酸化炭素を含む入力を受け取り、当該入力から、第1の還元生成物(例えば、第1のHCRでの水素分子および/または二酸化炭素以外の1または複数のCCPを含む)を、電気化学的に生成(例えば、第1のセットのプロセス条件下で)する段階と;所望のHCRおよび/またはHCR範囲を判定(例えば、下流リアクタメトリック、市場価格メトリック、効率性メトリックおよび/または任意の他の好適なメトリックに基づき)する段階と;第1のHCRおよび/または所望のHCRに基づき、システム構成(例えば、第2のリアクタのための)を選択する(例えば、第2のリアクタが、第1のHCRに対する所望のHCRにより近いHCRを持つ還元生成物を出力する、または出力できるように;好ましくは、実質的に第1のセットのプロセス条件下であるが、追加的にまたは代替的に、任意の他の好適なプロセス条件下で)段階と、を含む。例えば、第2のリアクタが、好ましくは第1のリアクタの条件と実質的に一致する条件下で、入力から第2の還元生成物を生成するように、第2のリアクタのための構成は選択されてよく(例えば、第1のセットのプロセス条件下で入力を受け取る間に)、第2の還元生成物は、水素分子および第1の還元生成物と同一のCCSを含み(例えば、第1の還元生成物に存在するすべての種を実質的に含む)、第2の還元生成物は、第1のHCRと実質的に異なる第2のHCRを定義し、好ましくは第2のHCRは、第1のHCRより所望のHCRに近い。この例および/または本明細書に記載の任意の他の実施形態について、第1のHCRと第2のHCRとの間の実質的な差異は、第2のHCRが第1のHCRより所望のHCRに近いこと;第1のHCRから少なくとも1%分、5%分、10%分、30%分、40%分、50%分、60%分、70%分、80%分、90%分、0.5~5%分、2~10%分、5~25%分、20~50%分、40~80%分、および/または75~100%分異なる(例えば、第1のHCRより大きいまたは小さい);並びに/または、それ以外の態様で第1のHCRとは異なることが含まれてよい。
【0065】
いくつかの実施形態において、システム構成を選択する段階は、出力HCRを変更する等のために、PEMの1または複数の態様を選択する段階を含んでよい。かかる選択は、膜の組成(例えば、異なるポリマー種)および/または微細構造を選択する段階、膜の層厚みを選択する段階、および/または、PEMの任意の他の好適な側面を選択する段階を含んでよい。いくつかの例において、かかる選択は、陰イオン交換膜および/またはプロトン交換膜の厚みを選択する(例えば、AEM寄りの両極性PEMは、プロトン交換膜寄りの両極性PEMよりも、低い出力HCRを生成する傾向にあろう)段階を含む。第1の具体例において、より薄いAEM(例えば、第1のリアクタのAEMの厚み等の、参照AEMの厚みより薄い、最適なCCP生成に実質的に対応する最適化されたAEMの厚みよりも薄い)を選択する段階は、より高い出力HCRを生成するよう構成されたリアクタをもたらしてよく、これに対し、より厚いAEM(例えば、参照AEMの厚みより厚いが、好ましくは最適化されたAEMの厚みよりは厚くない)を選択する段階は、より低い出力HCRを生成するよう構成されたリアクタをもたらしよい。
【0066】
追加的にまたは代替的に、システム構成を選択する段階は、出力HCRを変更する等のために、リアクタ触媒(例えば、還元触媒、酸化触媒)の1または複数の態様を選択する段階を含んでよい。いくつかの変形例において、リアクタ触媒の態様を選択する段階は、触媒層の厚み(例えば、より厚みのある還元触媒は、より高いHCRを生成する傾向にあろう)を選択する段階を含んでよい。一例において、より厚い還元触媒層(例えば、第1のリアクタ還元触媒層の厚み等、参照還元触媒層の厚みより厚い、最適なCCP生成に実質的に対応する最適化された還元触媒層の厚みより厚い)を選択する段階は、より高い出力HCRを生成するよう構成されたリアクタをもたらしてよく、これに対し、より薄い還元触媒層(例えば、参照還元触媒層の厚みより薄いが、好ましくは、最適化された還元触媒層の厚みよりは薄くない)を選択する段階は、より低い出力HCRを生成するよう構成されたリアクタをもたらしてよい。
【0067】
追加的にまたは代替的に、リアクタ触媒の態様を選択(例えば、触媒層が多孔性ネットワークを定義する触媒粒子、好ましくはナノ粒子を含む実施形態において)する段階は、触媒気孔率(例えば、より多孔性の還元触媒ネットワークは、より低いHCRを生成する傾向があろう)を選択する段階を含んでよい。一例において、より多孔性の低い還元触媒ネットワーク(例えば、第1のリアクタ還元触媒ネットワークの気孔率等の参照還元触媒より多孔性が低い、最適なCCP生成に実質的に対応する最適化された還元触媒より多孔性が低い等)を選択する段階は、より高い出力HCRを生成するよう構成されたリアクタをもたらしてよく、これに対し、より多孔性の高い還元触媒(例えば、参照還元触媒よりも多孔性が高いが、好ましくは、最適化された還元触媒より多孔性が高くない)を選択する段階は、より低い出力HCRを生成するよう構成されたリアクタをもたらしよい。
【0068】
追加的にまたは代替的に、リアクタの触媒の態様を選択する段階は、(例えば、触媒層が触媒粒子、好ましくはナノ粒子および1または複数のポリマー電解質を含む実施形態において、触媒粒子がポリマー電解質を含む多孔性ネットワークを定義し、および/または、当該ポリマー電解質を含む媒体と混合される)例えば、多孔性還元触媒ネットワークに装填するポリマー電解質の等級を選択することにより、触媒対ポリマー電解質の比率(CPR)(例えば、より高い還元触媒CPRはより高いHCRをもたらす傾向があろう)を選択する段階を含んでよい。一例において、より高い還元触媒CPR(例えば、第1のリアクタ還元触媒ネットワークのCPR等、参照還元触媒CPRより高いCPR、最適なCCP生成に実質的に対応する最適化された還元触媒より高いCPR等)を選択する段階は、より高い出力HCRを生成するよう構成されたリアクタをもたらしてよく、これに対し、より低いCPR還元触媒(例えば、参照還元触媒より低いCPRであるが、好ましくは、最適化された還元触媒CPRよりは低くない)を選択する段階は、より低い出力HCRを生成するよう構成されたリアクタをもたらしてよい。
【0069】
追加的にまたは代替的に、リアクタの触媒態様を選択する段階(例えば、触媒層が触媒粒子、好ましくはナノ粒子を含む実施形態において)は、特性的な触媒粒子サイズを選択する段階を含んでよい(例えば、より大きい粒子サイズは、より高いHCRを生成する傾向があろう)。一例において、より大きな還元触媒粒子サイズ(例えば、第1のリアクタ還元触媒等の参照還元触媒の粒子より大きい、最適なCCP生成に実質的に対応する最適化された還元触媒より大きい等)を選択する段階は、より高い出力HCRを生成するよう構成されたリアクタをもたらしてよく、これに対し、より小さな還元触媒粒子サイズ(例えば、参照還元触媒の粒子より小さいが、好ましくは、最適化された還元触媒の粒子よりは小さくない)を選択する段階は、より低い出力HCRを生成するよう構成されたリアクタをもたらしてよい。しかしながら、追加的にまたは代替的に、方法は、任意の他の好適なリアクタ触媒の態様を選択する段階を含んでよい。
【0070】
追加的にまたは代替的に、方法は、リアクタセル圧縮(例えば、より低い圧縮はより高いHCRをもたらす傾向があり、より高い圧縮はより低いHCRをもたらす傾向があろう)、流れ場、および/または、システムの任意の他の好適な態様を選択する段階を含んでよい。
7.付録
【0071】
以下に、随意の実施形態、並びに/または、システムおよび/または方法の要素に関する追加情報について記載する。
【0072】
本発明の二酸化炭素リアクタからの生成ガスは、1または複数の下流プロセスで用いられてよい。例えば、合成ガス生成用に構成された本発明の二酸化炭素リアクタは、CO、Hおよび/またはCOのストリームを出力してよい。この出力ストリームは、バイオリアクタの入力に供給されてよく、そこでは、微生物(例えば、クロストリジウム・オートエタノゲナム、クロストリジウム・カルボキシドボラン、クロストリジウム・リュングダリイ、クロストリジウム・ラグスダレイ、クロストリジウム・サーモアセチカム、クロストリジウム・サーモオートトロフィカム、ユーバクテリウム・リモスム、ペプトストレプトコッカス・プロダクツス、ブチリバクテリウム・メチロトロフィクム、アセトゲン、大腸菌等)が、CO、H並びに/またはCOおよびCOに含まれる炭素の一部のエネルギーを用いて、1または複数のバイオ製品(例えば、エタノール、酢酸、ブタノール、酪酸、メタン等)を作成する。未使用の炭素は、下流バイオリアクタの出力から放出(例えば、COとして、随意で水蒸気および/または他の揮発性化合物と共に)されてよい。
【0073】
随意で、放出されたCOおよび下流バイオリアクタの出力はリサイクルされ、本発明の二酸化炭素リアクタの入力に再生利用(例えば、バイオ製品生成の炭素効率を向上させるため、二酸化炭素リアクタ操業を制御するため等)されてよい。いくつかの実施形態において、このCOが本発明の二酸化炭素リアクタに入る(例えば、再び入る)前に、このCOを処理することが望まれてよい。例えば、水蒸気が除去されてよく、二酸化炭素リアクタの機能を阻害するであろう任意の揮発性生成物が除去されてよく、および/または、COは、本発明の二酸化炭素リアクタの操業に所望されるレベルに加圧されてよい。バイオリアクタを出る二酸化炭素は、大気圧に近くてよく、および/または、任意の他の好適な圧力を有してよく、典型的な二酸化炭素リアクタの圧力は、20psiから800psi、50psiから400psi、100psiから500psi、および/または、任意の他の好適な範囲であってよい。いくつかの例においては、水蒸気は相分離器および/または乾燥剤(例えば、相分離器の後に乾燥剤)によって除去される。いくつかの例においては、揮発性生成物は、酸化により、好適な吸着剤への吸着により、および/または凝縮により、除去される。COコンプレッサを用いて、COの圧力を、本発明の二酸化炭素リアクタに好適な圧力まで高めてよい。二酸化炭素リアクタが低圧力COで稼働可能であり、下流バイオリアクタからのCOストリーム出力中に検出される水蒸気または任意の揮発性化合物により阻害されることがなければ、システムは、不要な精製および圧縮のシステムおよびプロセスをなくすよう簡素化できる。
【0074】
下流バイオリアクタ内の培地の毎リットルにつき、本発明の二酸化炭素リアクタの出力からの、1sccmから1000sccm、または、1sccmから2000sccm、または、10sccmから500sccmの範囲のガス、または、任意の他の好適な範囲のガスの流量が望ましくてよい。下流バイオリアクタ内の培地の毎リットルにつき、放出されるCOは、1sccmから2000sccm、または、10sccmから1000sccm、または、10sccmから500sccmの範囲にあってよく、または、任意の他の好適な範囲にあってよい。下流バイオリアクタ内の培地の毎リットルにつき、バイオリアクタを出る出力ガスストリーム中の水蒸気は、1%~2%のストリームの体積パーセント、2%~5%のストリームの体積パーセント、5%~10%のストリームの体積パーセント、10%~25%のストリームの体積パーセント、25%~50%のストリームの体積パーセント、50%~90%のストリームの体積パーセント、および/または、任意の他の好適な量であってよい。下流バイオリアクタを出る揮発性生成物は、ストリームの体積パーセントの0.1%未満、0.5%未満、ストリームの体積パーセントの1%未満、ストリームの体積パーセントの4%未満、および/または、任意の他の好適なストリームの量を構成してよい。
【0075】
一部の微生物プロセスは、本発明の二酸化炭素リアクタにより生成される合成ガスを用いてよい。CO、HおよびCOの合成ガス出力ストリームは、下流バイオリアクタのための原料として用いられてよく、ここで、微生物プロセスは、一定の範囲の有用な化合物(例には、エタノール、酢酸、ブタノール、酪酸、メタンが含まれる)を作成するために行われる。合成ガスストリーム自体は、下流バイオリアクタ内の微生物が成長するために必要なすべての栄養を含んでいなくてよい。微生物が成長し、生成物を生成するために、バイオリアクタへの他の栄養の追加が必要とされてよい。好適な微生物の例には、クロストリジウム・オートエタノゲナム、クロストリジウム・カルボキシドボラン、クロストリジウム・リュングダリイ、クロストリジウム・ラグスダレイ、クロストリジウム・サーモアセチカム、クロストリジウム・サーモオートトロフィカム、ユーバクテリウム・リモスム、ペプトストレプトコッカス・プロダクツス、ブチリバクテリウム・メチロトロフィクム、アセトゲンおよび/または大腸菌が含まれる。
【0076】
下流バイオリアクタに導入が特に困難となり得る栄養の1つは硫黄である。多くの微生物は、特定のアミノ酸合成および酵素プロセスのために硫黄を必要とする。硫黄に耐性を有する本発明の二酸化炭素リアクタは、下流バイオリアクタへの硫黄の追加を単純化してよい(例えば、合成ガスを下流バイオリアクタに提供することに追加する等)。HS,SOおよび/または他の硫黄酸化物(SO)等の1または複数の硫黄含有種(SCS)の形態における硫黄が、本発明の二酸化炭素リアクタの入力に供給されるCOガスに存在していてよい。HSは、変更されないまま、本発明の二酸化炭素リアクタを通過し、合成ガス出力ストリームと共に出てよい。SCS(例えば、SOおよび/またはSO)は、変更されないまま通過してよく、および/または、SCSは1または複数の他のSCS(例えば、HS)に変換されてよく、好ましくは合成ガス出力ストリームと共に出力される。この後、さらに硫黄種(例えば、HS、SOおよび/またはSO)を含む合成ガスは、下流バイオリアクタの入力に供給されてよい(例えば、追加の硫黄の栄養の必要はない)。硫黄種の濃度は、1ppm~10ppm、5ppm~50ppm、5ppm~100ppm、10ppm~200ppm、20ppm~l000ppmの範囲にあってよく、および/または、任意の他の好適な範囲にあってよい。
【0077】
いくつかの実施形態において、二酸化炭素リアクタは、1または複数のガス発酵リアクタ(例えば、二酸化炭素リアクタの1または複数の生成物を受け取る等、二酸化炭素リアクタの下流で)に連結されてよい。随意で、方法は、炭素効率および/またはエネルギー効率を最適化する等のために、この連結に基づき、リアクタ操業を制御する段階を含んでよい。表1に示されるエネルギーバランスに示されるように、純粋なCOを入力として持つアセトゲンは最もエネルギー効率がよく、多くの場合において、所望の最終生成物への最も高い選択性も示す。しかしながら、複数の理由のために、水素含有合成ガスを用いるための一体化された電気化学ガス発酵システムが設計され得る場合が存在する。
【表1】
【0078】
通常、下流バイオリアクタにおいて、電子移動化学の大半または全部のためにCOを用いると、COの生成をもたらし、その後、当該バイオリアクタの出力ストリーム中に排気されてよい。通常、合成ガス中の水素の比率が増大するにつれ、COの生成が少なくなり、CO副産物は化学量論的に、水素の一酸化炭素に対する特定の比率を超えて除去されてよい。例えば、エタノールへのガス発酵の場合、通常、1:2未満のCO:H比率が、すべての入力炭素のエタノール最終生成物への組み込みをもたらすであろう。従って、本発明の二酸化炭素リアクタの出力ストリーム中のCO:H比率を調整することで、操業者が、より多くのH生成へ向けてシフトすることで炭素効率を最適化(例えば、CO排出量を最小化すべく)すること、および/または、より高いCO生成へ向けてシフトすることでエネルギー効率を最適化すること、を可能にしてよい。時間帯の電気料金または炭素利用のためのインセンティブ等の入力コストをモニタリングすることで、いつでも最適な操業パラメータを通知できるであろう。この方式で生成を調整することで、例えば、より多いエタノール生成(例えば、より高いCO)またはより多いアセテート生成(例えば、より高いH)に向けて駆動することにより、出力も変更し得る。出力の市場価格をモニタリングすることで、いずれの特定の時間においても、最適な操業パラメータを通知できるであろう(例えば、生成物の市場価格を最適化するために、またはリアクタ操業からの利益総額を最適化する等のために、操業パラメータは市場価格に基づき判定される)。
【0079】
しかしながら、追加的にまたは代替的に、システムおよび/または方法は、任意の他の好適な要素を含んでよい。
【0080】
好ましくは、代替的な実施形態は、上記の方法の一部または全部を、コンピュータ可読命令を格納したコンピュータ可読媒体で実装する。命令は、好ましくは通信ルーティングシステムと統合されたコンピュータ実行可能コンポーネントにより、実行されることが好ましい。通信ルーティングシステムは、通信システム、ルーティングシステムおよび価格設定システムを含んでよい。コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM,フラッシュメモリ、EEPROM、光学デバイス(CDまたはDVD)、ハードドライブ、フロッピードライブ、または任意の好適なデバイス等の任意の好適なコンピュータ可読媒体内に格納されてよい。コンピュータ実行可能コンポーネントは、好ましくはプロセッサであるが、代替的または追加的に、命令は、任意の好適な専用ハードウェアデバイスによって実行されてよい。
【0081】
簡単にするため省略したが、システムおよび/または方法の実施形態は、様々なシステムコンポーネントおよび様々な方法プロセスのあらゆる組み合わせおよび置換を含んでよく、本明細書に記載の当該方法および/またはプロセスの1または複数の例は、本明細書に記載のシステム、要素、および/またはエンティティのうちの1または複数の例により、および/または、当該例を用いて、非同期的(例えば、シーケンシャルに)、並行(例えば、パラレルで)して、または任意の他の好適な順序で実行されてよい。
【0082】
図面は、好ましい実施形態、例示的な構成、およびそれらの変形例によるシステム、方法、およびコンピュータプログラムプロダクトに係る可能な実装に関するアーキテクチャ、機能および操作を示している。この点に関し、フローチャートまたはブロック図中の各ブロックは、モジュール、セグメント、ステップまたはコードの一部を表わしてよく、これは、指定された論理的機能を実装するための1または複数の実行可能な命令を含む。また、いくつかの代替的な実装においては、ブロック図に記載された機能は、図に記載された順序とは異なって行われてよいことに留意されたい。例えば、連続的に示される2つのブロックは、実際には、実質的に並行して実行されてよく、あるいは、これらブロックは、関連する機能により、逆順で実行される場合があってもよい。また、ブロック図および/またはフローチャート図の各ブロック、および、ブロック図および/またはフローチャート図のブロックの組み合わせは、指定の機能または動作を実行する専用ハードウェアベースのシステムにより、または、専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせにより、実装されてよいことにも留意されたい。
【0083】
上記の詳細な説明から、および、図面および特許請求の範囲から当業者が理解するように、本発明の好ましい実施形態に対し修正および変更を加えることは可能であり、それらは、以降の特許請求の範囲で画定される本発明の範囲から逸脱することはない。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4A
図4B
【手続補正書】
【提出日】2023-11-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解槽制御のための方法であって、
還元触媒およびポリマー電解質膜と接触したイオン伝導性ポリマーを含むカソード層を含む気相電解槽において、気相二酸化炭素を含む第1の入力を受け取る段階と、
記気相電解槽において、前記第1の入力を受け取りつつ、第1のセットのプロセス条件下で、前記第1の入力から第1の還元生成物ストリームを電気化学的に生成する段階であって、
前記第1の還元生成物ストリームは、水素分子および一酸化炭素を含み
前記第1の還元生成物ストリームは、第1の水素分子対一酸化炭素の比率(HCR)を定義する、段階と、
前記気相電解槽の操業中に、前記第1のHCRをモニタリングする段階と、
水素分子および/または一酸化炭素を前記第1の還元生成物ストリームに追加し、所望の第2のHCRを有する第2の生成物ストリームを生成する段階と、を備える、方法。
【請求項2】
第2の電解槽から水素分子を生成する段階をさらに備え、前記水素分子は、前記第1の還元生成物ストリームに追加され、前記所望の第2のHCRを得る、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記所望の第2のHCRは、1:5から3:1の範囲内である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記所望の第2のHCRは、2:1以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の生成物ストリームをフィッシャートロプシュリアクタを含む下流システムに向ける段階をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記下流システムは、精製システムを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記下流システムは、ガス圧縮システムを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
二酸化炭素から液体炭化水素を製造するための方法であって、
還元触媒およびポリマー電解質膜と接触したイオン伝導性ポリマーを含み、前記二酸化炭素の一酸化炭素への化学的還元を促進するためのカソード層を含む二酸化炭素還元電解槽を用いて、二酸化炭素を化学的に一酸化炭素に還元する段階と、
前記二酸化炭素還元電解槽からの前記一酸化炭素と水素とを、リアクタに輸送する段階と、
前記リアクタにおいて、前記一酸化炭素と前記水素から液体炭化水素の混合物を生成する段階とを備える、方法。
【請求項9】
水素とリアクタに輸送される一酸化炭素の水素分子対一酸化炭素の比率は、1:5から3:1の範囲内である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
水素と前記リアクタに輸送される一酸化炭素の水素分子対一酸化炭素の比率は、2:1以上である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記一酸化炭素と前記水素を前記リアクタに導入する前に、前記二酸化炭素還元電解槽の出力ストリームを圧縮する段階をさらに備える、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記一酸化炭素と前記水素を前記リアクタに導入する前に、前記二酸化炭素還元電解槽の出力ストリームを精製する段階をさらに備える、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記液体炭化水素の混合物を生成することは、フィッシャートロプシュプロセスを実行することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
二酸化炭素から液体炭化水素を生成するためのシステムであって、
(a)還元触媒およびポリマー電解質膜と接触したイオン伝導性ポリマーを含み、前記二酸化炭素の一酸化炭素への化学的還元を促進するためのカソード層を含む二酸化炭素還元電解槽;および、
(b)前記一酸化炭素と水素から液体炭化水素の混合物を生成するように構成されたリアクタ、
を備え、
前記二酸化炭素還元電解槽からの前記一酸化炭素と水素とを、前記リアクタに輸送するように構成された、システム。
【請求項15】
水素と前記リアクタに輸送される一酸化炭素の水素分子対一酸化炭素の比率は、1:5から3:1の範囲内である、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
水素と前記リアクタに輸送される一酸化炭素の水素分子対一酸化炭素の比率は、2:1以上である、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記二酸化炭素還元電解槽の出力ストリームを圧縮するためのガス圧縮システムをさらに備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記二酸化炭素還元電解槽の出力ストリームを精製するための精製システムをさらに備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記リアクタは、フィッシャートロプシュリアクタである、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
気相二酸化炭素を含む第1の入力を第1の気相電解槽に導入し、前記第1の入力から電気化学的に第1の還元生成物ストリームを生成する段階であって、前記第1の気相電解槽は、還元触媒およびポリマー電解質膜と接触したイオン伝導性ポリマーを含むカソード層を含み、前記第1の還元生成物ストリームは、炭素含有種(CCS)を含み、前記CCSは、二酸化炭素の電気化学的還元の生成物である、段階と、
第2の入力を第2の電解槽に導入し、前記第2の入力から電気化学的に第2の還元生成物ストリームを生成する段階であって、前記第2の還元生成物ストリームは水素分子を含む、段階と、
前記第1の還元生成物ストリームの少なくとも一部及び前記第2の還元生成物ストリームの少なくとも一部をフィッシャートロプシュリアクタに導入する段階と、
を備える、方法。
【請求項21】
前記CCSが一酸化炭素(CO)である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第2の電解槽が液相電解槽であり、前記第2の入力が水を含む液体である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の還元生成物ストリームが、さらに水素分子を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の還元生成物ストリームの少なくとも一部及び前記第2の還元生成物ストリームの少なくとも一部を、前記フィッシャートロプシュリアクタに導入する前に精製システムに導入する段階をさらに備える、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記フィッシャートロプシュリアクタに導入され、前記第1の還元生成物ストリームの前記少なくとも一部及び前記第2の還元生成物ストリームの前記少なくとも一部を含む入力ストリームが、水素分子対CCS比率(HCR)が1:5から3:1の間である、請求項20に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0083】
上記の詳細な説明から、および、図面および特許請求の範囲から当業者が理解するように、本発明の好ましい実施形態に対し修正および変更を加えることは可能であり、それらは、以降の特許請求の範囲で画定される本発明の範囲から逸脱することはない。
以下の項目もまた、開示される。
[項目1]
電解槽制御のための方法であって、
第1の気相電解槽において、気相二酸化炭素を含む入力を受け取る段階と、
前記第1の気相電解槽において、前記入力を受け取りつつ、セットのプロセス条件下で、前記入力から第1の還元生成物を電気化学的に生成する段階であって、
前記第1の還元生成物は、水素分子および炭素含有種(CCS)を含み、前記CCSは二酸化炭素ではない、および
前記第1の還元生成物は、第1の水素分子対CCSの比率(HCR)を定義する、段階と、
所望のHCRに基づき、第2の気相電解槽が前記セットのプロセス条件下で前記入力を受け取りつつ、前記入力から第2の還元生成物を生成するように、前記第2の気相電解槽のための構成を選択する段階であって、
前記第2の還元生成物は、水素分子および前記CCSを含み、および
前記第2の還元生成物は、前記第1のHCRとは実質的に異なる第2のHCRを定義する、段階と、を備える、方法。
[項目2]
前記第1の気相電解槽は、第1のカソードと、第1のアノードと、ポリマー電解質種を含む第1のポリマー電解質膜(PEM)とを有し、前記第1のPEMは、前記第1のカソードと前記第1のアノードとの間に配置されており、
前記第2の気相電解槽は、第2のカソードと、第2のアノードと、前記ポリマー電解質種を含む第2のPEMとを有し、前記第2のPEMは、前記第2のカソードと前記第2のアノードとの間に配置されており、
前記構成を選択する段階は、前記所望のHCRに基づき、前記第2のPEMを選択する段階を含む、項目1に記載の方法。
[項目3]
前記第1のPEMは、第1の層厚みを定義する第1の陰イオン交換膜(AEM)を有しており、
前記第2のPEMを選択する段階は、前記第1の層厚みより実質的に薄い第2の層厚みを定義する第2のAEMを選択する段階を含み、
前記第2のHCRは、前記第1のHCRより実質的に大きい、項目2に記載の方法。
[項目4]
前記第1の気相電解槽は、第1のカソードと、第1のアノードと、ポリマー電解質種を含む第1のポリマー電解質膜(PEM)と、第1の還元触媒層とを有し、
前記第1のPEMは、前記第1のカソードと、前記第1のアノードとの間に配置され、
前記第1の還元触媒層は、前記第1のカソードと、前記第1のPEMとの間に配置され、
前記第2の気相電解槽は、第2のカソードと、第2のアノードと、前記ポリマー電解質種を含む第2のPEMと、第2の還元触媒層とを有し、
前記第2のPEMは、前記第2のカソードと、前記第2のアノードとの間に配置され、
前記第2の還元触媒層は、前記第2のカソードと、前記第2のPEMとの間に配置され、
前記構成を選択する段階は、前記所望のHCRに基づき、前記第2の還元触媒層を選択する段階を含む、項目1から3のいずれか一項に記載の方法。
[項目5]
前記第1の還元触媒層は、
触媒ナノ粒子から構成される第1の多孔性ネットワークと、
前記第1の多孔性ネットワーク内に配置された前記ポリマー電解質種と、を含み、
前記第2の還元触媒層は、
触媒ナノ粒子から構成される第2の多孔性ネットワークと、
前記第2の多孔性ネットワーク内に配置された前記ポリマー電解質種と、を含む、項目4に記載の方法。
[項目6]
前記第1の還元触媒層は、第1のポリマー電解質対触媒ナノ粒子の比率(ECR)を定義し、
前記第2の還元触媒層を選択する段階は、前記第1のECRより実質的に大きい第2のECRを選択する段階を含み、
前記第2のHCRは、前記第1のHCRより実質的に大きい、項目5に記載の方法。
[項目7]
前記第1の多孔性ネットワークは、第1の気孔率を定義し、
前記第2の還元触媒層を選択する段階は、前記第1の気孔率より実質的に小さい第2の気孔率を選択する段階を含み、
前記第2のHCRは、前記第1のHCRより実質的に大きい、項目5に記載の方法。
[項目8]
前記第1の多孔性ネットワークは、第1の特性的ナノ粒子サイズを定義し、
前記第2の還元触媒層を選択する段階は、前記第1の特性的ナノ粒子サイズより実質的に大きい第2の特性的ナノ粒子サイズを選択する段階を含み、
前記第2のHCRは、前記第1のHCRより実質的に大きい、項目5に記載の方法。
[項目9]
前記第1の特性的ナノ粒子サイズおよび前記第2の特性的ナノ粒子サイズは、メジアンサイズである、項目8に記載の方法。
[項目10]
前記第1の還元触媒層は、第1の層厚みを定義し、
前記第2の還元触媒層を選択する段階は、前記第1の層厚みより実質的に厚い第2の層厚みを選択する段階を含み、
前記第2のHCRは、前記第1のHCRより実質的に大きい、項目4に記載の方法。
[項目11]
前記構成を選択することに応答して、前記構成における前記第2の気相電解槽を構成する段階と、
前記第2の気相電解槽を構成する段階の後、前記第2の気相電解槽において、気相二酸化炭素を含む第2の入力を受け取る段階と、
前記第2の気相電解槽において、前記第2の入力を受け取りつつ、第2のセットのプロセス条件下で、前記入力から、第3の還元生成物を電気化学的に生成する段階であって、
前記第3の還元生成物は、水素分子および前記CCSを含み、
前記第3の還元生成物は、第3のHCRを定義し、前記第1のHCRと前記所望のHCRとの間の第1の差異が前記第3のHCRと前記所望のHCRとの間の第2の差異より大きい、段階と、をさらに備える、項目1から10のいずれか一項に記載の方法。
[項目12]
前記第2の入力は、前記入力と実質的に等しく、
前記第2のセットのプロセス条件は、前記セットのプロセス条件と実質的に等しく、
前記第3のHCRは、前記第2のHCRと実質的に等しい、項目11に記載の方法。
[項目13]
前記入力は、第1の湿度を定義し、
前記第2の入力は、前記第1の湿度より実質的に大きい第2の湿度を定義し、
前記所望のHCRは、前記第1のHCRより大きく、
前記方法は、さらに、前記所望のHCRに基づき、前記第2の湿度を選択する段階をさらに備える、項目11に記載の方法。
[項目14]
前記CCSは一酸化炭素である、項目1から13のいずれか一項に記載の方法。
[項目15]
前記セットのプロセス条件は、50℃より高い電解槽温度と、10気圧より高い入力圧力とを有する、項目1から14のいずれか一項に記載の方法。
[項目16]
電解槽制御のための方法であって、気相電解槽において、気相二酸化炭素を含む入力から、水素分子および炭素含有種(CCS)を含む還元生成物を電気化学的に生成する段階であって、前記CCSは二酸化炭素ではない、段階を備え、
前記還元生成物を電気化学的に生成する段階は、
第1の時間間隔の間に、第1の水素分子対CCSの比率(HCR)で、前記還元生成物を生成する段階を含み、前記還元生成物を生成する段階は、前記気相電解槽を第1のセットのプロセス条件下で操業する段階を含み、および
前記第1の時間間隔の後の第2の時間間隔の間に、前記還元生成物のHCRを変更すべく、電解槽の操業を調整する段階を含み、前記調整する段階は、前記第1のHCRとは実質的に異なる第2のHCRで前記還元生成物を生成すべく、第2のセットのプロセス条件下で前記気相電解槽を操業する段階を含む、方法。
[項目17]
前記第1の時間間隔の間に、前記入力は第1の湿度を定義し、
電解槽の操業を調整する段階は、前記第2の時間間隔の間に、前記入力が前記第1の湿度より実質的に大きい第2の湿度を定義するように、前記入力の湿度を変更する段階を含み、
前記第2のHCRは、前記第1のHCRより大きい、項目16に記載の方法。
[項目18]
前記還元生成物のHCRを変更すべく、電解槽の操業を調整する段階は、前記第1のHCRとは実質的に異なる所望のHCRを判定する段階に応答して実行される、項目16または17に記載の方法。
[項目19]
前記還元生成物を、下流リアクタに提供する段階と、
前記下流リアクタに関連付けられた操業メトリックを判定する段階と、をさらに備え、
前記所望のHCRを判定する段階は、前記操業メトリックに基づき実行される、項目18に記載の方法。
[項目20]
前記下流リアクタはバイオリアクタであり、
前記入力は、さらに、硫黄含有種(SCS)を含み、前記入力における前記SCSの濃度は、少なくとも5ppmであり、
前記方法は、前記還元生成物と混合された前記SCSを前記バイオリアクタに提供する段階をさらに備える、項目19に記載の方法。
[項目21]
前記第1のセットのプロセス条件は、50℃より高い第1の電解槽温度と、10気圧より高い第1の入力圧力と、を有し、
前記第2のセットのプロセス条件は、50℃より高い第2の電解槽温度と、10気圧より高い第2の入力圧力と、を有する、項目16から20のいずれか一項に記載の方法。
【外国語明細書】