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特開2024-23179板状の複合部材を製造する方法およびそれにより製造された複合部材
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  • 特開-板状の複合部材を製造する方法およびそれにより製造された複合部材 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023179
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】板状の複合部材を製造する方法およびそれにより製造された複合部材
(51)【国際特許分類】
   B29C 43/20 20060101AFI20240214BHJP
   B32B 5/26 20060101ALI20240214BHJP
   B32B 3/24 20060101ALI20240214BHJP
   B29C 43/34 20060101ALI20240214BHJP
   B29K 101/12 20060101ALN20240214BHJP
   B29K 105/08 20060101ALN20240214BHJP
   B29L 9/00 20060101ALN20240214BHJP
【FI】
B29C43/20
B32B5/26
B32B3/24 Z
B29C43/34
B29K101:12
B29K105:08
B29L9:00
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023179560
(22)【出願日】2023-10-18
(62)【分割の表示】P 2022146946の分割
【原出願日】2018-04-03
(31)【優先権主張番号】17164504.7
(32)【優先日】2017-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】505412513
【氏名又は名称】ミツビシ ケミカル アドバンスド マテリアルズ コンポジッツ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Mitsubishi Chemical Advanced Materials Composites AG
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】バセル、ブラク
(57)【要約】      (修正有)
【課題】曲げに強く平らで必要に応じて3次元に形成され得る複合部材、及び相応する単純かつ経済的な製造方法を提供する。
【解決手段】2つのカバー層A、A’の間にコア層Bを有し、各カバー層とコア層が熱可塑性樹脂を含有した板状の複合部材を製造する方法で、a)層順序A-B-A’の加熱された積層体を用意し、b)加熱された積層体をプレスし、c)プレスされた積層体を冷却して固化されて材料間が結合した層が形成される。生産性を改善するために、固化していない一方のカバー層が熱可塑性樹脂繊維10~100重量%と強化繊維0~90重量%とからなる、単位面積当たりの重量が300~3000g/mの繊維不織布層を含み、固化していないコア層Bが、強化繊維と熱可塑性樹脂繊維のランダム配向繊維不織布層を含み、プレスの後に、固化したカバー層が5体積%未満の空隙率を有し、固化したコア層が20~80体積%の空隙率を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのカバー層(A、A’)の間に配置され材料間接合により前記カバー層と結合したコア層(B)を有し、前記カバー層がカバー層熱可塑性樹脂を含有し、前記コア層がコア層熱可塑性樹脂を含有する、板状の複合部材を製造する方法であって、
a)両カバー層およびコア層の相応する素材を用意し、前記素材から、前記カバー層熱可塑性樹脂および前記コア層熱可塑性樹脂の双方の融点を超える温度に加熱された層順序A-B-A’の積層体を形成する工程と、
b)加熱された前記積層体(A-B-A’)をプレスする工程と、
c)プレスされた前記積層体を冷却して、固化され材料間接合により互いに結合した層を有する前記板状の複合部材を形成する工程とを含み、
工程a)において、両カバー層(A、A’)の予め用意した素材が、固化していない柔軟な形態で予め装入され、少なくとも一方のカバー層(A)が、前記カバー層熱可塑性樹脂の熱可塑性樹脂繊維10~100重量%と強化繊維0~90重量%とから形成される、単位面積当たりの重量が300~3000g/mの固化していない柔軟な繊維不織布層(C)を含み、
工程a)において、前記コア層(B)の予め用意した素材が、強化繊維と前記コア層熱可塑性樹脂の熱可塑性樹脂繊維とから形成された、単位面積当たりの重量が500~10000g/mの少なくとも1つのランダム配向繊維不織布層(D)を含み、
工程c)の後に、固化したカバー層が5体積%未満の空隙率を有し、固化したコア層が20~80体積%の空隙率を有する
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
工程a)で用意した前記コア層(B)の前記ランダム配向繊維不織布層(D)が、ニードルパンチされている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カバー層熱可塑性樹脂および前記コア層熱可塑性樹脂が、PP、PEI、PEEK、PPS、PA、PEAK、PEKKおよびPCから独立して選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記強化繊維が、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、バサルト繊維および高溶融熱可塑性樹脂繊維から選択される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
工程a)において、両カバー層(A、A’)および前記コア層(B)の素材が、冷たい状態において前記層順序A-B-A’で互いに積層化され、そのようにして形成された前記積層体(A-B-A’)が、前記カバー層熱可塑性樹脂および前記コア層熱可塑性樹脂の双方の融点を超える温度に加熱され、加熱された積層体(A-B-A’)が形成され、次いでプレス工程b)が実施される、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記カバー層熱可塑性樹脂および前記コア層熱可塑性樹脂が同一である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
工程a)において、前記コア層(B)の前記素材および前記カバー層(A、A’)の前記素材が、互いに独立して、対応する熱可塑性樹脂の融点を超える温度に加熱され、その後、加熱された状態にて前記層順序A-B-A’で互いに積層化されて加熱された積層体(A-B-A’)が形成され、次いでプレス工程b)が実施される、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
固化していない形態にある少なくとも1つの前記カバー層(A)は、前記繊維不織布層(C)とニードルパンチまたは縫合または熱的結合された、単位面積当たりの重量が100~2000g/mの、強化繊維から形成される織物層またはスクリム層(E)を有する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの前記カバー層(A)が、異なる強化繊維材料から形成される複数の織物層またはスクリム層(E1、E2など)を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
固化していない形態にある前記コア層(B)が、前記ランダム配向繊維不織布層(D)に隣接した少なくとも1つのさらなる構造層(F)、特に、異なる強化繊維割合を有するさらなるランダム配向繊維不織布層またはハニカム層もしくは発泡材層を有する、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記構造層(F)が、前記コア層の選択された領域にのみ備えられている、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記加熱された積層体(A-B-A’)をプレスする工程を、非平面型のプレス金型内で実施する、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法により製造され、2つのカバー層(A、A’)の間に配置され材料間接合により前記カバー層と結合したコア層(B)を有する、板状の複合部材。
【請求項14】
前記カバー層熱可塑性樹脂および前記コア層熱可塑性樹脂がPEEKであり、前記強化繊維が炭素繊維であり、前記カバー層(A、A’)が、1.0~2.0g/cmの密度、特に1.3~1.8g/cmの密度を有し、前記コア層(B)が、0.2~1.0g/cmの密度、特に0.3~0.6g/cmの密度を有する、請求項13に記載の板状の複合部材。
【請求項15】
前記カバー層熱可塑性樹脂および前記コア層熱可塑性樹脂がPEIであり、前記強化繊維が炭素繊維であり、前記カバー層(A、A’)が、1.0~2.0g/cmの密度、特に1.3~1.8g/cmの密度を有し、前記コア層(B)が、0.2~1.0g/cmの密度、特に0.3~0.6g/cmの密度を有する、請求項13に記載の板状の複合部材。
【請求項16】
請求項13乃至15のいずれか1項に記載の板状の複合部材の航空または車両製造における使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つのカバー層の間に配置され材料間接合によりこれらのカバー層と結合したコア層を有する板状の複合部材を製造する方法に関する。さらに、本発明は、本発明により製造される板状の複合部材、およびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維強化熱可塑性樹脂から形成される複合部材は、様々な技術分野で成形体として使用されることが増えている。
例えば特許文献1には、発泡体コアを有する複合部材であって、発泡体コアの表面において両側に、発泡体コアと材料間接合により結合したカバー層が配置されている、発泡体コアを有する複合部材について記載されている。複合部材を製造するために、カバー層および発泡体コアが加熱され、その後、カバー層が発泡体コアの表面に配置され、これらすべてが、完成品の複合部材を形成するプレス機または鋳型に入れられる。また、加熱は鋳型内で初めて行われてもよい。続いて、発泡体コアおよびカバー層が成形され、所定の成形時間の後に再び冷却され、発泡体コアとカバー層とが材料間接合により結合される。カバー層としては金属カバー層が記載されており、特にアルミニウムから形成されるが記載されている。代替例として繊維強化プラスチックから形成されるカバー層も記載されている。記載の方法は、成形工程の間にカバー層を発泡体コアの表面にずらすことが可能であることにより、特に複合形態を有する非平面型複合部材の製造にとって有利であると示されている。
【0003】
このタイプの複合部材およびこれを製造する方法は、特許文献2に記載されている。特許文献2は、
A.20~60重量%のガラス含量と5体積%未満の空隙率とを有する、ガラス繊維強化ポリプロピレンから形成される厚さ0.5~5mmの1つまたは2つのカバー層と、
B.35~80重量%のガラス含量と20~80体積%の空隙率とを有する、ガラス繊維強化ポリプロピレンから形成される厚さ2~40mmのコア層とを含む、曲げに強い複合板に関する。
【0004】
記載の製造方法では、使用されるコア層は多孔板として用意され、このコア層は、例えば特許文献3に記載されているように、ポリプロピレン繊維およびガラス繊維を乾式混合し、混合不織布をニードルパンチし、ホットプレスすることにより製造可能である。カバー層としては、従来のガラス繊維マット熱可塑性樹脂板(通常「GMT板」と称される)が用意される。カバー層の強化繊維およびコア層の強化繊維のどちらも、上流の加熱加工およびプレス加工による曲げに強い複合板の製造前にすでに、熱可塑性樹脂で含浸され、続いて、曲げに強い板要素として中間貯蔵される。その後、本来の複合板を製造するために、プレスすべき層が、板の形で予め装入され、プレス機内で互いに積層化され、180~220℃の温度で5~50分にわたってプレスされる。記載の複合板は、特に建設業界において隔壁および型枠要素として、また家具製造において合板の代替物として使用される。
【0005】
カバー層およびコア層がすでに固化して硬くなった板として用意される上記の方法により曲げに強い複合部材を製造するために、合計9回の加工工程、すなわち
コア層を用意する工程:1)不織布製造、2)強化繊維を熱プレス機内で含浸(圧力&温度下)、3)冷却プレス機内での固化;
カバー層を用意する工程:1)マット製造、2)押出成形、3)熱プレス機内で含浸、4)冷却プレス機内での固化;
複合板を製造する工程:1)熱プレス機内でのカバー膜およびコア膜の加熱、2)カバー膜&コア膜の冷却が必要である。
【0006】
特許文献4には、ガラスマットの復元力を理由に加熱において膨張し、かつ不均一な分布で気泡を含む繊維強化GMT板が記載されている。このGMT板を製造するために、まず相応するガラスマットが製造される。続いて、ガラスマットは、層状に押出成形されたポリプロピレン溶融物で、またはポリプロピレンフィルムで、熱プレス機内にて含浸させられ、続いて、冷却プレス機内で固化させられる。そのようにして製造されたGMT板は、固化後に必要に応じて再び加熱され、望ましい膨張がもたらされる。膨張したGMT板は、支持コアとしてカバー層と一緒にプレスされて、サンドウィッチ型の成形体にされてもよい。特許文献4に記載の製造方法は、室温に冷却され、それにより硬化した支持コアを、膨張していないGMTフィルムの形態にある外部層と一緒に熱間プレスすることに基づく。
【0007】
曲げに強い複合部材を特許文献4の方法により製造するために、12回もの加工工程、すなわち
コア層を用意する工程:1)マット製造、2)溶融物層をマットに押出成形、3)強化繊維を熱プレス機内で含浸(圧力&温度下)、4)冷却プレス機内での固化、5)固化したコア層の加熱、これらの膨張、6)コア層の冷却;
カバー層を用意する工程:1)マット製造、2)押出成形、3)熱プレス機内での含浸、4)冷却プレス機内での固化;
複合板を製造する工程:1)カバー層の加熱、2)カバー層と冷たいコア層との一緒のプレス;が必要であり、そのため、製造は平板に限定されており、3D部材については、コアを予めさらなる工程で相応して成形し、続いて、カバー膜と一緒にプレスする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2015/117799号
【特許文献2】国際公開第2006/133586号
【特許文献3】国際公開第2006/105682号
【特許文献4】独国特許出願公開第19520477号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、特に曲げに強く平らで必要に応じて3次元に形成され得る複合部材に対する、または相応する単純かつ経済的な製造方法に対する強い需要が依然としてある。特に、特定の用途に対して特性が著しく改善された複合部材を製造する方法が望まれる。
【0010】
そこで、本発明の課題は、板状の複合部材を製造する方法を提供することである。本発明のさらなる課題は、相応する複合部材を用意すること、およびこの複合部材の使用を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の課題は、請求項1に特定されている製造方法により、請求項14に特定されている板状の複合部材により、および請求項16に特定されている複合部材の使用により解決される。
【0012】
本発明の有利な形態は、後述されており、従属請求項に特定されている。
2つのカバー層(A、A’)の間に配置され材料間接合によりこれらのカバー層と結合したコア層(B)を有し、カバー層がカバー層熱可塑性樹脂を含有し、コア層がコア層熱可塑性樹脂を含有する、板状の複合部材を製造する本発明の方法は、
a)両カバー層およびコア層の相応する素材(ブランク)を用意し、これらの素材から、カバー層熱可塑性樹脂およびコア層熱可塑性樹脂の双方の融点を超える温度に加熱された層順序A-B-A’の積層体を形成する工程と、
b)加熱された積層体(A-B-A’)をプレスする工程と、
c)プレスされた積層体を冷却して、固化され材料間接合により互いに結合した層を有する板状の複合部材を形成する工程と、を含む。
【0013】
工程a)において、両カバー層(A、A’)の予め用意した素材が、固化していない柔軟な形態で予め装入され、少なくとも一方のカバー層(A)が、カバー層熱可塑性樹脂の熱可塑性樹脂繊維10~100重量%と強化繊維0~90重量%とからなる、単位面積当たりの重量が300~3000g/mの固化していない柔軟な繊維不織布層(C)を含み、
工程a)において、コア層(B)の予め用意した素材が、強化繊維とコア層熱可塑性樹脂の熱可塑性樹脂繊維とから形成された、単位面積当たりの重量が500~10000g/mの少なくとも1つのランダム配向繊維不織布層(D)を含み、
工程c)の後に、固化したカバー層が5体積%未満の空隙率を有し、固化したコア層が20~80体積%の空隙率を有することにより、本発明による方法から様々な利点が得られる。
【0014】
特に、本発明による方法により、固有に形成された、平面ではない板状の部材(3D部材とも称される)の製造も可能になる。さらに、繊維不織布の柔軟な膜を有する用意されたカバー層およびコア層のドレープ性が高いことにより、高い成形度を達成することができる。
【0015】
さらに、本発明による方法は、経済的な加工手段ですなわち有利なほどに短い加工時間および/または比較的少ないエネルギー必要量で実施可能である。本発明による方法の場合、強化繊維の熱可塑性樹脂含浸は、部材製造において初めて行われる。したがって、特許文献2および特許文献4に比べて、著しく少ない加工工程、すなわち、以下の3回の工程:
コア膜を用意する工程:1)ランダム配向繊維不織布を製造;
カバー膜を用意する工程:1)好適には織物による繊維不織布製造;
複合部材を製造する工程:1)バリオサームプレス金型内で加熱および冷却(1回の工程)しか必要とされない。
【0016】
本発明による板状の複合部材は、その層配置を理由に、「サンドウィッチ型部材」とも称される。そのような部材は、平面または湾曲板として、また様々な厚さおよび変形度を有する部材として形成されてもよい。
【0017】
「相応する素材」という用語は、製造すべき複合部材の寸法に関する本文脈のなかで理解される。すなわち、カバー層のうちの1つについての材料の「相応する素材」は、実質的に複合部材の長さおよび幅を有することになる。このことは、コア層についての材料の「相応する素材」においても同様に当てはまることになるが、ただし、特定の実施形態において企図されるさらなる構造層をさらに考慮またはすでに挿入すべきである。さらに、「素材」という名称は、必ずしも単一のものを用意することを前提としてはいない。
【0018】
本文脈において、「予め用意した」という用語は、特に工程a)に関連すると考えられる。上記の工程a)において、予め用意した材料から出発して、加熱された積層体A-B-A’がもたらされ、これは、後にさらに説明されるように、基本的には様々な手法で実現可能である。
【0019】
「固化した」という用語は、本発明により企図されるプレス工程との文脈で考えられる。よって、「固化した」とは、必ずしも、「完全に固化した」または「無孔質」であると理解されるのではなく、高温の状態でのプレスの結果として得られる状態と理解される。
【0020】
それに対して、「固化していない形態にある」という用語は、熱可塑性樹脂母材(マトリックス)がまだ実質的に形成されていない、出発材料についての参照状態として理解される。
【0021】
「カバー層熱可塑性樹脂」および「コア層熱可塑性樹脂」という用語は、基本的に、対応する層中に存在する熱可塑性樹脂繊維が形成される熱可塑性樹脂の記載と理解される。これは、所定の層中の熱可塑性樹脂繊維が1種の熱可塑性樹脂材料のみから形成されなくてはならないことを必ずしも前提としてはいない。特に、様々な、ただし適合した熱可塑性樹脂から形成される混合繊維も使用可能である。材料間接合による結合を可能にする熱可塑性樹脂が「適合している」と理解される。同様に、カバー層AおよびA’において2種の異なるカバー層熱可塑性樹脂が使用されることも除外されてはいない。
【0022】
工程b)によるプレスについて、「加熱された」という用語が、熱可塑成形に適した温度が存在すると理解すべきであることは自明である。したがって、すなわち、成形が企図されるすべての熱可塑性樹脂範囲は、各熱可塑性樹脂融点よりも幾分高くに加熱されることが望ましい。
【0023】
使用される熱可塑性樹脂材料に応じて、プレスは、約180℃(例えばポリプロピレンを使用する場合)~約400℃(例えばPEEKを使用する場合)の範囲にある温度および0.5~5barの圧力で行われる。加工は、バリオサーム(同じ金型内での加熱およびプレス)により、または接触型炉、遠赤外線炉または循環空気炉内で予め加熱することにより、続いて金型内でプレスすることにより行われる。
【0024】
本発明によると、両カバー層(A、A’)の予め用意した素材が、固化していない柔軟な形態で予め装入される。少なくとも1つのカバー層(A)の予め用意した素材は、カバー層熱可塑性樹脂の熱可塑性樹脂繊維10~100重量%と強化繊維0~90重量%とからなる、全体として単位面積当たりの重量が300~3000g/mの固化していない柔軟な繊維不織布層(C)を含む。これが層AおよびA’のうちの一方に当てはまる限り、この層は、一般性を制限することなく、層Aとして定義される。この最後に挙げた場合において、さらなる層A’は、例えば、同様に固化していない柔軟な形態で予め装入される、熱可塑性樹脂繊維と、場合によって強化繊維とを含有する構造物を含む。
【0025】
特許文献1で使用される発泡体コアとは反対に、固化していない形態にある本発明によるコア層(B)は、強化繊維と熱可塑性樹脂繊維とから形成された少なくとも1つのランダム配向繊維不織布層(D)を含む。このような層は、ノンウーブン材料とも称される。
【0026】
さらに、本発明によると、プレスの後に、固化したカバー層が5体積%未満の空隙率を有し、固化したコア層が20~80体積%の空隙率を有することが企図されている。それにより、耐久力のある、比較的強固かつ硬い外部層と、密度が比較的低く、容積の大きい防音性かつ断熱性の内部層とを有する部材ができあがる。それに相応して、部材は、所定の剛性のわりに比較的軽い。
【0027】
先に言及した構造は、予め用意した加熱された積層体をプレスする際に、固化工程が、エッジ近くの層Aおよび場合によってA’で始めに優先的に進行する一方で、コア層の領域ではランダム配向繊維層の復元力を理由に固化がそれよりも大幅には起こらないようにすることで、かなりの程度で生じる。
【0028】
プレスされた部材において、カバー層は0.1mm~10mmの厚さを有し、コア層は0.5mm~50mmの厚さを有する。カバー層およびノンウーブン材料から形成されるコア層は、同じまたは適合した母材を有し、それにより、カバー層とコア層との接着が、材料間接合により、かつさらなる接着フィルムまたは接着剤なしで行われることが好ましい。
【0029】
母材としての熱可塑性樹脂繊維と任意で強化繊維とから形成される、コア層で使用されるランダム配向繊維不織布層には、柔軟であり、かつプレスされる部材における最終厚さよりも著しく大きな厚さ(4倍~8倍、場合によって10倍までのこともあり得る)を有し得るという利点がある。サンドウィッチ製造の場合、ノンウーブン材料から形成されるコア層は、最終厚さに圧縮される。発泡材とは反対に、本発明による方法では、ノンウーブン材料から形成されるコアが温度および圧力の負荷で崩壊して、それにより必要な厚さが達成できなくなるというリスクがない。これは、ノンウーブン材料の強化繊維が、圧力&温度下でのプレス工程の際に、「膨張力」とも称されるz方向(すなわち層平面に対して垂直)の抵抗を及ぼすことにより達成される。プレス工程全体の間の常に存在する「膨張力」により、(崩壊することなく)4倍までの厚さの完全に固化した厚さを達成することができる。
【0030】
有利な実施形態(請求項2)において、工程a)で用意した、コア層(B)のランダム配向繊維不織布層(D)は、ニードルパンチされている。それにより、専門用語で「ロフト」とも称されるz方向の復元効果がさらに強化される。その際、繊維の膨張力は、繊維含量、繊維長さおよびニードルパンチのパラメータに応じて影響を受け得る。
【0031】
基本的に、本発明による方法には、すべての適切な熱可塑性樹脂が利用可能であり、その選択は専門知識の範囲にある。有利な実施形態(請求項3)によると、カバー層熱可塑性樹脂およびコア層熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン(PP)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアミド(PA)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)およびポリカーボネート(PC)から独立して選択される。
【0032】
強化繊維の選択についても、すべての適切な繊維材料が利用可能である。有利な実施形態(請求項4)によると、強化繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、バサルト繊維および高溶融熱可塑性樹脂繊維から選択される。「高溶融熱可塑性樹脂繊維」という用語は、本発明による加熱およびプレス工程で使用される作業温度を超える融点を有する熱可塑性樹脂から形成される繊維である。
【0033】
熱可塑性樹脂および繊維材料の選択、ならびに相応して熱可塑性樹脂および繊維材料の組み合わせも、製造すべき部材の適用範囲に強く影響されることが理解される。
本方法の有利な実施形態(請求項5)によると、工程a)において、用意した両カバー層(A、A’)およびコア層(B)の素材は、冷たい状態において層順序A-B-A’で互いに積層化され、そのようにして形成された積層体(A-B-A’)は、カバー層熱可塑性樹脂およびコア層熱可塑性樹脂の双方の融点を超える温度に加熱される。すなわち、この実施形態の場合、冷たい素材から出発して、まず積層体A-B-Aが構築され、全体的に加熱される。続いて、加熱された積層体は、工程b)でプレス金型内にてプレスされ、工程c)で冷却される。プレス金型の形状は、製造すべき部材の所望の形状に応じて選択される。この実施形態の場合、カバー層熱可塑性樹脂およびコア層熱可塑性樹脂は、それらの熱可塑変形が適切な温度範囲で同時に可能であるように、互いに適合している必要がある。方法を実施するために、例えば、組み合わされた加熱、プレスおよび冷却ステーションを使用してもよい(いわゆるバリオサーム法)。しかしながら、加熱処理を独立した接触式加熱ステーションで実施し、続いて下流のプレス装置内でプレスおよび冷却することも可能である。本方法の有利なさらなる形態(請求項6)によると、カバー層熱可塑性樹脂およびコア層熱可塑性樹脂は同一である。それにより、個々の層同士の接着は、互いに材料間接合により、かつさらなる接着フィルムまたは接着剤なしで行われる。
【0034】
長く確立されているコスト面で有利かつ信頼できる組み合わせの材料は、熱可塑性樹脂としてのポリプロピレン、および強化繊維材料としてのガラスに基づく。機械的に優れた特性および比較的低い重量を有するより高価値な組み合わせの材料としては、熱可塑性樹脂としてのPEEKまたはPEI、および強化繊維材料としての炭素繊維がある。炭素繊維には、復元力がより強いという利点、すなわちロフト効果がより強いという利点もあり、このことは、高度な多孔性コア層を有する部材の製造に都合が良い。
【0035】
本方法の別の有利な実施形態(請求項7)によると、工程a)において、コア層(B)の素材およびカバー層(A、A’)の素材は、互いに独立して、対応する熱可塑性樹脂の融点を超える温度に加熱され、その後、加熱された形態にて層順序A-B-A’で互いに積層化される。この場合でも、加熱された積層体(A-B-A’)が形成される。独立した加熱工程を理由に、様々な層を様々な温度に加熱することができ、これは、特に様々なコア層およびカバー層熱可塑性樹脂を使用する際に必要となることがある。
【0036】
すべての実施形態において、加熱された積層体のプレスは即時実施される必要があると、すなわち、予定より早い熱可塑性樹脂の凝固が起こってはならないと理解される。それに相応して、最後に挙げた実施形態では、カバー層およびコア層を独立して加熱するために専用の加熱ステーションを備え、並行稼働を可能にすることが好ましい。
【0037】
有利な実施形態(請求項8)によると、固化していない形態にある少なくとも1つのカバー層(A)は、繊維不織布層(C)とニードルパンチまたは縫合または熱的結合された、単位面積当たりの重量が100~2000g/mの、強化繊維から形成される織物層またはスクリム層(E)を有する。このような積層物は、国際公開第2006/111037号に記載されたものであってよく、例えば「Q-Tex」という名称で知られている。この方法の有利なさらなる形態(請求項9)によると、少なくとも1つのカバー層(A)は、異なる強化繊維材料から形成される複数の織物層またはスクリム層(E1、E2など)を有する。例えば、第1の層には炭素繊維が、第2の層にはアラミド繊維が、第3の層にはガラス繊維が備えられてもよい。カバー層は、剛性および展延性の負荷に耐えられる構造を得るために、様々な配向を有する複数の膜から構築されてもよい。例えば、+45°または+45°の配向を有するガラス繊維のスクリム、および一方向ガラス繊維を有するさらなる膜が備えられてもよい。
【0038】
さらなる有利な実施形態(請求項10)によると、固化していない形態にあるコア層(B)は、ランダム配向繊維不織布層(D)に隣接した少なくとも1つのさらなる構造層(F)を有し、これは特に、異なる強化繊維割合を有するさらなるランダム配向繊維不織布層であっても、またはハニカム層もしくは発泡材層であってもよい。実施形態の変形形態の幾つかにおいて、構造層は、熱可塑性樹脂、特にコア層熱可塑性樹脂から形成されている。さらなる形態(請求項11)によると、構造層(F)は、コア層の選択された領域にのみ備えられている。別の実施形態では、より高い融点を有する材料、例えばアルミニウムまたはNomex(登録商標)から形成される構造層が使用される。
【0039】
個別にまたは組み合わせで実施可能な先に挙げた手段により、部材の局所的特性の変形が大幅にカスタマイズされて達成される。
本方法の有利な実施形態(請求項12)によると、加熱された積層体のプレスは、非平面型のプレス金型内で実施される。それにより、様々な種類の3次元構造の板状の複合部材が製造される。
【0040】
通常、本発明のさらなる態様(請求項13)は、2つのカバー層(A、A’)の間に配置され材料間接合によりこれらのカバー層と結合したコア層(B)を有する板状の複合部材であって、本発明による方法により製造される複合部材に関する。有利な形態(請求項14)によると、カバー層熱可塑性樹脂およびコア層熱可塑性樹脂としては、一致してPEEKが使用され、強化繊維は炭素繊維であり、カバー層(A、A’)は、1.0~2.0g/cm、特に1.3~1.8g/cmの密度を有し、コア層(B)は、0.2~1.0g/cm、特に0.3~0.6g/cmの密度を有する。さらなる形態(請求項15)によると、カバー層熱可塑性樹脂およびコア層熱可塑性樹脂としては、一致してPEIが使用される。
【0041】
本発明による板状の複合材には、多方面にわたる適用範囲がある。本発明の態様(請求項16)によると、本発明による複合材は、航空または車両製造において使用される。
本発明の実施例について、以下で図面を用いてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】第1の板状の複合部材の概略透視図。
図2】固化していないカバー膜の構成の概略断面図。
図3】第2の板状の複合部材の概略透視図。
図4】第3の板状の複合部材の概略透視図。
図5】第4の板状の複合部材の概略透視図。
図6】積層体を加工するための組み合わされた加熱、プレスおよび冷却装置の概略透視図。
図7】積層体を加工するために加熱ステーションと、下流のプレスおよび冷却装置とを有する装置の概略透視図。
図8】積層体を加工するために個々の層のための個別の加熱ステーションと、下流のプレスおよび冷却装置とを有する装置の概略透視図。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1~5に図示される板状の複合部材は、単に、長手方向にずらされた層を有する層構造を分かりやすくするために図示されている。それに対して、実際の使用の場合、個々の層端は面一になっていることが一般的である。さらに、図1~5は、基本的な層構造のみを示すものであって、層の相対的な厚さを示すものではない。それに相応して、図1~5に示される配置は、基本的に、それぞれ用意した積層体およびプレス工程の後に生じた複合部材のどちらにも当てはまる。
【0044】
図1に示される複合部材は、2つのカバー層AおよびA’の間に配置されたコア層Bを有する。
カバー層Aの可能な形態が図2に示されている。予め用意した形態においてこの層は、繊維不織布層C、および繊維不織布層Cとニードルパンチされた、強化繊維から形成される織物層Eを含む。そのような層は、例えば、層CおよびEを互いに隣接させることおよびニードルパンチすることにより製造されてもよく、ニードルパンチの場合、不織布繊維Cの一部に強化繊維層Eが貫通する。それに相応して、強化繊維層Eは、両側で不織布繊維Cに囲まれている。
【0045】
図3に図示されている複合部材において、カバー層AおよびA’のそれぞれが、異なる強化繊維材料を有する2つの織物層E1およびE2から形成されている。
図4に示される複合部材において、固化していない形態にあるコア層Bは、両側において、ランダム配向繊維不織布層Dの内側に配置された構造層Fを、異なる強化繊維割合を有するハニカム板またはランダム配向繊維層の形態で有する。示される例において、構造層は面全体に形成されており、よって、サンドウィッチ状に2つのランダム配向繊維層の間に埋め込まれている。
【0046】
図5に図示されている複合部材において、構造層Fは、コア層Bの選択された領域にのみ存在している。図5から分かるように、示される例において、構造層Fは、中央の条片としてコア層Bの内側に配置されており、上部および下部ランダム配向繊維不織布層D1およびD2の間かつ側部ランダム配向繊維不織布層D3およびD4の間に埋め込まれている。
【0047】
この製造方法の実施形態において、図6に示されているように、予め用意した冷たい積層体A-B-A’は、組み合わされた加熱、プレスおよび冷却装置2に導入され、そこで加熱され、プレスされて、板状の複合部材になる。
【0048】
さらなる実施形態において、図7に示されているように、予め用意した柔軟な冷たい積層体A-B-A’は、接触式加熱装置4に導入され、そこで加熱される。続いて、そのようにして形成された加熱された積層体は、プレス装置6内でプレスされて、板状の複合部材になる。
【0049】
さらなる実施形態において、図8に示されているように、示される例において複数の膜から形成される固化していない形態にあるコア層Bは、第1の加熱装置4aに導入され、そこで加熱される。実質的に同時に、固化していない形態にあるカバー層Aが、第2の加熱装置4bに導入され、そこで同様に加熱される。図示されてはいないさらなるカバー層A’は、第3の加熱装置内で、またはすぐに続いて、第2の加熱装置4b内で同様に加熱される。そのようにして形成された加熱されたカバー層およびコア層から、熱い積層体A-B-A’が形成され、続いて、この積層体は、プレス装置6内でプレスされて、板状の複合部材になる。個別の加熱装置を使用することにより、一方ではコア層Bについて、他方ではカバー層AおよびA’について、異なる加熱温度を使用することができる。これにより、コア層およびカバー層において異なる熱可塑性樹脂材料を使用することが可能になる。
【0050】
実施例1…最大繊維割合および厚さについての注釈
以下の表は、熱可塑性樹脂およびガラス繊維(GF)としてのPPおよびPEEK、ならびに強化繊維としての炭素繊維(CF)の様々な組み合わせについての関連する値の一覧を示しており、
【0051】
【表1】

ここでは、以下の計算基準を使用した。
【0052】
体積割合について、
【0053】
【数1】

式中:VF 繊維の体積割合
WF 繊維の重量割合
WP ポリマーの重量割合
DF 繊維の密度(kg/m
DP ポリマーの密度(kg/m)。
【0054】
密度について、
【0055】
【数2】

式中:DC 複合材の密度(kg/m)。
【0056】
厚さについて、
【0057】
【数3】

式中:tC 複合材の厚さ(m)
AC 複合材の単位面積当たりの重量。
【0058】
繊維の体積割合が、形状的な理由から、正方形の配置の場合に最大79%、六角形の配置の場合に最大91%であることに留意されたい。上記表1では、最大繊維体積割合75%から出発した。
【0059】
実施例2…一定の厚さを有する複合部材
本発明による曲げに強い層構造A-B-Aの複合部材を製造した。炭素繊維織物とPEI熱可塑性樹脂繊維とを有する単位面積当たりの重量が440g/mの繊維不織布素材から両カバー層Aを用意した。PEI熱可塑性樹脂繊維を有する炭素繊維から形成される、単位面積当たりの重量が4×500g/mである合計4つの膜のランダム配向繊維不織布からコア層Bを用意した。
【0060】
これらから製造した非平面型の曲げに強い複合部材は、厚さがおよそ4mm、単位面積当たりの重量が2880g/m、密度が0.7g/mであった。
実施例3…異なる厚さの領域を有する複合部材
本発明による曲げに強い層構造A-B-Aの複合部材を製造した。炭素繊維織物とPEI熱可塑性樹脂繊維とを有する単位面積当たりの重量が440g/mの繊維不織布素材から両カバー層Aを用意した。PEI熱可塑性樹脂繊維を有する炭素繊維から形成される単位面積当たりの重量が7×500g/mである合計7つの膜のランダム配向繊維不織布からコア層Bを用意した。
【0061】
これらから製造した異なる厚さの領域を有する曲げに強い複合部材は、より強く固化した領域において、厚さがおよそ3.5mmであり、それよりも強くは固化していない領域において、厚さがおよそ8mmであった。単位面積当たりの重量は4380g/mであり、密度は、強く固化した領域において1.26g/m、それよりも強くは固化していない領域において0.55g/mであった。
【0062】
実施例4…材料試験の結果
以下の表は、本発明による様々な複合部材について測定した機械的特性を示す。
【0063】
【表2】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】