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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002318
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1333 20060101AFI20231228BHJP
   G02F 1/1343 20060101ALI20231228BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20231228BHJP
   G02F 1/1334 20060101ALI20231228BHJP
   G02F 1/133 20060101ALN20231228BHJP
   G02F 1/1337 20060101ALN20231228BHJP
【FI】
G02F1/1333 505
G02F1/1343
G02F1/1368
G02F1/1334
G02F1/133 535
G02F1/1337 520
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101431
(22)【出願日】2022-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥山 健太郎
【テーマコード(参考)】
2H092
2H189
2H190
2H192
2H193
2H290
【Fターム(参考)】
2H092JA25
2H092JA26
2H092JB57
2H092JB58
2H092KB22
2H092KB24
2H092NA16
2H092QA15
2H189AA04
2H189DA07
2H189DA48
2H189GA05
2H190HA05
2H190HA08
2H192AA24
2H192CB02
2H192CB05
2H192CB37
2H192EA64
2H192EA67
2H192FB42
2H192FB52
2H192GA42
2H192JA53
2H192JB01
2H193ZG27
2H193ZG28
2H193ZG34
2H290AA33
2H290BF52
2H290BF56
(57)【要約】
【課題】表示パネルの一方の面から、反対側の他方の面側への光の透過率を向上させつつ、画素電極と共通電極との短絡を抑制する、表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置は、アレイ基板と、対向基板と、液晶層とを備える。アレイ基板において、走査線及び信号線の上方を覆う格子状の有機絶縁層があり、画素電極の一部は、有機絶縁層の斜面の上方に重なる。対向基板は、少なくとも有機絶縁層の一部に重畳する共通電極のアレイ基板側を覆う絶縁性を有する保護膜を有する。開口部に重畳する領域では、共通電極と、第2配向膜とが保護膜を介さずに直接積層される、保護膜の非重畳領域がある。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイ基板と、
対向基板と、
前記アレイ基板と前記対向基板との間の液晶層と、を備え、
前記アレイ基板は、
表示領域において、
第1方向に間隔をおいて並ぶ複数の信号線と、
第2方向に間隔をおいて並ぶ複数の走査線と、
前記アレイ基板において前記走査線及び前記信号線に沿って前記走査線及び前記信号線の上方を覆う格子状の有機絶縁層と、
前記走査線及び前記信号線に囲まれる領域にそれぞれ設けられる複数の画素電極と、
前記画素電極を覆う第1配向膜と、
を有し、
前記画素電極の一部は、前記有機絶縁層の斜面の上方に重なり、
前記対向基板は、
前記複数の画素電極に少なくとも重なる位置にある共通電極と、
少なくとも前記有機絶縁層の一部に重畳する前記共通電極の前記アレイ基板側を覆う絶縁性を有する保護膜と、
前記保護膜及び前記共通電極を覆う第2配向膜と、
を有し、
前記走査線及び前記信号線に囲まれる開口部に重畳する領域では、前記共通電極と、前記第2配向膜とが前記保護膜を介さずに直接積層される、前記保護膜の非重畳領域がある、
表示装置。
【請求項2】
前記走査線の上方を覆う有機絶縁層の斜面の上方に、前記保護膜が重畳する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記走査線及び前記信号線の上方を覆う有機絶縁層の斜面の上方に、格子状の前記保護膜が重畳する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記走査線と前記信号線とに囲まれた領域には、スイッチング素子が設けられ、少なくとも前記スイッチング素子は、前記有機絶縁層で覆われており、前記有機絶縁層の上方には前記スイッチング素子よりも大きな面積の前記保護層が重畳している、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記保護膜は、無機絶縁材料で形成されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記保護膜の厚みは、50nm以上400nm以下である、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記有機絶縁層の斜面の上方に重なる前記画素電極の一部は、第2の保護膜に覆われている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記液晶層は、高分子分散型液晶を含み、
前記アレイ基板から前記対向基板の背景が視認され、前記対向基板から前記アレイ基板の背景が視認される、請求項1から7のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び特許文献2には、第1透光性基板と、第1透光性基板と対向して配置される第2透光性基板と、第1透光性基板と第2透光性基板との間に封入される高分子分散型液晶を有する液晶層と、第1透光性基板及び第2透光性基板の少なくとも1つの側面に対向して配置される少なくとも1つの発光部とを備える表示装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-021974号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2022/0187652号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている表示装置では、表示パネルの一方の面から、反対側の他方の面側の背景を視認可能である。表示パネルの一方の面から、反対側の他方の面側への光の透過率を向上させたい要望がある。
【0005】
本開示の目的は、表示パネルの一方の面から、反対側の他方の面側への光の透過率を向上させつつ、画素電極と共通電極との短絡を抑制する、表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に係る表示装置は、アレイ基板と、対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基板との間の液晶層と、を備え、前記アレイ基板は、表示領域において、第1方向に間隔をおいて並ぶ複数の信号線と、第2方向に間隔をおいて並ぶ複数の走査線と、前記アレイ基板において前記走査線及び前記信号線に沿って前記走査線及び前記信号線の上方を覆う格子状の有機絶縁層と、前記走査線及び前記信号線に囲まれる領域にそれぞれ設けられる複数の画素電極と、前記画素電極を覆う第1配向膜と、を有し、前記画素電極の一部は、前記有機絶縁層の斜面の上方に重なり、前記対向基板は、前記複数の画素電極に少なくとも重なる位置にある共通電極と、少なくとも前記有機絶縁層の一部に重畳する前記共通電極の前記アレイ基板側を覆う絶縁性を有する保護膜と、前記保護膜及び前記共通電極を覆う第2配向膜と、を有し、前記走査線及び前記信号線に囲まれる開口部に重畳する領域では、前記共通電極と、前記第2配向膜とが前記保護膜を介さずに直接積層される、前記保護膜の非重畳領域がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本実施形態に係る表示パネルの一例を表す斜視図である。
図2図2は、実施形態1の表示装置を表すブロック図である。
図3図3は、実施形態1のフィールドシーケンシャル方式において、光源が発光するタイミングを説明するタイミングチャートである。
図4図4は、画素電極への印加電圧と画素の散乱状態との関係を示す説明図である。
図5図5は、表示装置の断面の一例を示す断面図である。
図6図6は、図1の表示装置の平面を示す平面図である。
図7図7は、図5の液晶層部分を拡大した拡大断面図である。
図8図8は、液晶層において非散乱状態を説明するための断面図である。
図9図9は、液晶層において散乱状態を説明するための断面図である。
図10図10は、画素において、走査線、信号線及びスイッチング素子を示す平面図である。
図11図11は、画素において、保持容量層を示す平面図である。
図12図12は、画素において、スイッチング素子配置領域を示す平面図である。
図13図13は、画素において、画素電極を示す平面図である。
図14図14は、画素において、遮光層を示す平面図である。
図15図15は、図12のXV-XV’の断面図である。
図16図16は、図14のXVI-XVI’の断面図である。
図17図17は、図14のXVII-XVII’の断面図である。
図18図18は、比較例の表示装置を説明するための平面図である。
図19図19は、図12のXIX-XIX’の断面図である。
図20図20は、平面視における保護膜の形状を説明するための平面図である。
図21図21は、実施形態2の平面視における保護膜の形状を説明するための平面図である。
図22図22は、実施形態3の表示装置の断面の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、開示の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る表示パネルの一例を表す斜視図である。図2は、実施形態1の表示装置を表すブロック図である。図3は、フィールドシーケンシャル方式において、光源が発光するタイミングを説明するタイミングチャートである。
【0010】
図1に示すように、表示装置1は、表示パネル2と、駆動回路4とを有する。アレイ基板10は、対向基板20よりもPX-PY平面の面積が大きく、対向基板20から露出したアレイ基板10の張り出し部分に、駆動回路4が設けられる。駆動回路4は、後述するゲート駆動回路43及びソース駆動回路44を少なくとも含む。ここで、表示パネル2の平面の一方向がPX方向とされ、PX方向と直交する方向が第2方向PYとされ、PX-PY平面に直交する方向が第3方向PZとされている。
【0011】
表示パネル2は、アレイ基板10と、対向基板20と、液晶層50(図5参照)とを備えている。アレイ基板10は、第1透光性基板であり、対向基板20は、第2透光性基板である。対向基板20は、アレイ基板10の表面に垂直な方向(図1に示すPZ方向)に対向する。液晶層50(図5参照)は、アレイ基板10と、対向基板20と、封止部18とで、後述する高分子分散型液晶LCが封止されている。
【0012】
図1に示すように、表示パネル2において、画像を表示可能なアクティブ領域AAと、アクティブ領域AAの外側の周辺領域FRと、がある。アクティブ領域AAには、複数の画素Pixがマトリクス状に配置されている。なお、本開示において、行とは、一方向に配列されるm個の画素Pixを有する画素行をいう。また、列とは、行が配列される方向と直交する方向に配列されるn個の画素Pixを有する画素列をいう。そして、mとnとの値は、垂直方向の表示解像度と水平方向の表示解像度に応じて定まる。また、複数の走査線GLが行毎に配線され、複数の信号線SLが列毎に配線されている。
【0013】
図2に示すように、光源3は、複数の発光部31を備えている。光源制御部32は、配線基板93上に、設けられる。配線基板93は、フレキシブルプリント基板又はPCB基板である。光源制御部32には、外部の上位制御部9の画像出力部91から光源制御信号LCSAが送出される。光源制御信号LCSAは、例えば、画素Pixへの入力階調値に応じて設定される発光部31の光量の情報を含む信号である。
【0014】
図1に示すように、駆動回路4は、アレイ基板10の表面に固定されている。図2に示すように、駆動回路4は、信号処理回路41、画素制御回路42、ゲート駆動回路43、ソース駆動回路44及び共通電位駆動回路45を備えている。
【0015】
信号処理回路41には、外部の上位制御部9の画像出力部91から、フレキシブルプリント基板92を介して、入力信号(RGB信号など)VSが入力される。
【0016】
信号処理回路41は、入力信号解析部411と、記憶部412と、信号調整部413とを備える。入力信号解析部411は、外部から入力された第1入力信号VSに基づいて第2入力信号VCSを生成する。
【0017】
第2入力信号VCSは、第1入力信号VSに基づいて、表示パネル2の各画素Pixにどのような階調値を与えるかを定める信号である。言い換えると、第2入力信号VCSは、各画素Pixの階調値に関する階調情報を含む信号である。
【0018】
信号調整部413は、第2入力信号VCSから第3入力信号VCSAを生成する。信号調整部413は、第3入力信号VCSAを画素制御回路42へ送出する。
【0019】
そして、画素制御回路42は、第3入力信号VCSAに基づいて水平駆動信号HDSと垂直駆動信号VDSとを生成する。本実施形態では、フィールドシーケンシャル方式で駆動されるので、水平駆動信号HDSと垂直駆動信号VDSとが発光部31が発光可能な色毎に生成される。
【0020】
ゲート駆動回路43は水平駆動信号HDSに基づいて1垂直走査期間内に表示パネル2の走査線GLを順次選択する。走査線GLの選択の順番は任意である。ゲート駆動回路43と、走査線GLとは、アクティブ領域AAの外側の周辺領域FR(図1参照)に配置された第2配線GPLで電気的に接続されている。
【0021】
ソース駆動回路44は垂直駆動信号VDSに基づいて1水平走査期間内に表示パネル2の各信号線SLに各画素Pixの出力階調値に応じた階調信号を供給する。
【0022】
本実施形態において、表示パネル2はアクティブマトリクス型パネルである。このため、平面視で第2方向PYに延在する信号(ソース)線SL及び第1方向PXに延在する走査(ゲート)線GLがあり、信号線SLと走査線GLとの交差部には、スイッチング素子Trがある。
【0023】
スイッチング素子Trとして薄膜トランジスタが用いられる。薄膜トランジスタの例としては、ボトムゲート型トランジスタ又はトップゲート型トランジスタを用いてもよい。スイッチング素子Trとして、シングルゲート薄膜トランジスタを例示するが、ダブルゲートトランジスタでもよい。スイッチング素子Trのソース電極及びドレイン電極のうち一方は信号線SLに接続され、ゲート電極は走査線GLに接続され、ソース電極及びドレイン電極のうち他方は、後述する高分子分散型液晶LCの容量の一端に接続されている。高分子分散型液晶LCの容量は、一端がスイッチング素子Trに画素電極PEを介して接続され、他端が共通電極CEを介してコモン電位配線COMLに接続されている。また、画素電極PEと、コモン電位配線COMLに電気的に接続されている保持容量電極IOとの間には、保持容量HCが生じる。なお、コモン電位配線COMLは、共通電位駆動回路45より供給される。
【0024】
発光部31は、第1色(例えば、赤色)の発光体33Rと、第2色(例えば、緑色)の発光体33Gと、第3色(例えば、青色)の発光体33Bを備えている。光源制御部32は、光源制御信号LCSAに基づいて、第1色の発光体33R、第2色の発光体33G及び第3色の発光体33Bのそれぞれを時分割で発光するように制御する。このように、第1色の発光体33R、第2色の発光体33G及び第3色の発光体33Bは、フィールドシーケンシャル方式で駆動される。
【0025】
図3に示すように、第1サブフレーム(第1所定時間)RFにおいて、第1色の発光期間RONで第1色の発光体33Rが発光するとともに、1垂直走査期間GateScan内に選択された画素Pixが光を散乱させて表示する。表示パネル2全体では、1垂直走査期間GateScan内に選択された画素Pixに、上述した各信号線SLに各画素Pixの出力階調値に応じた階調信号が供給されていれば、第1色の発光期間RONにおいて第1色のみ点灯している。
【0026】
次に、第2サブフレーム(第2所定時間)GFにおいて、第2色の発光期間GONで第2色の発光体33Gが発光するとともに、1垂直走査期間GateScan内に選択された画素Pixが光を散乱させて表示する。表示パネル2全体では、1垂直走査期間GateScan内に選択された画素Pixに、上述した各信号線SLに各画素Pixの出力階調値に応じた階調信号が供給されていれば、第2色の発光期間GONにおいて第2色のみ点灯している。
【0027】
さらに、第3サブフレーム(第3所定時間)BFにおいて、第3色の発光期間BONで第3色の発光体33Bが発光するとともに、1垂直走査期間GateScan内に選択された画素Pixが光を散乱させて表示する。表示パネル2全体では、1垂直走査期間GateScan内に選択された画素Pixに、上述した各信号線SLに各画素Pixの出力階調値に応じた階調信号が供給されていれば、第3色の発光期間BONにおいて第3色のみ点灯している。
【0028】
人間の眼には、時間的な分解能の制限があり、残像が発生するので、1フレーム(1F)の期間に3色の合成された画像が認識される。フィールドシーケンシャル方式では、カラーフィルタを不要とすることができ、カラーフィルタでの吸収ロスが低減するので、高い透過率が実現できる。カラーフィルタ方式では、第1色、第2色、第3色毎に画素Pixを分割したサブピクセルで一画素を作るのに対し、フィールドシーケンシャル方式では、このようなサブピクセル分割をしなくてもよい。なお、第4サブフレームをさらに有し、第1色、第2色及び第3色とは異なる第4色を発光するようにしてもよい。
【0029】
図4は、画素電極への印加電圧と画素の散乱状態との関係を示す説明図である。図5は、表示装置の断面の一例を示す断面図である。図6は、図1の表示装置の平面を示す平面図である。図7は、図5の液晶層部分を拡大した拡大断面図である。図8は、液晶層において非散乱状態を説明するための断面図である。図9は、液晶層において散乱状態を説明するための断面図である。
【0030】
1垂直走査期間GateScan内に選択された画素Pixに、上述した各信号線SLに各画素Pixの出力階調値に応じた階調信号が供給されていれば、階調信号に応じて画素電極PEへの印加電圧が変わる。画素電極PEへの印加電圧が変わると、画素電極PEと、共通電極CEとの間の電圧が変化する。そして、図4に示すように、画素電極PEへの印加電圧に応じて、画素Pix毎の液晶層50の散乱状態が制御され、画素Pix内の散乱割合が変化する。
【0031】
図4に示すように、画素電極PEへの印加電圧が飽和電圧Vsat以上となると、画素Pix内の散乱割合の変化が小さくなる。そこで、駆動回路4は、飽和電圧Vsatよりも低い電圧範囲Vdrにおいて、垂直駆動信号VDSに応じた画素電極PEへの印加電圧を変化させる。
【0032】
図5に示すように、表示装置1は、透光性の第1基材25と、表示パネル2と、透光性の第2基材27と、を備える。保護層75は、透光性の第1基材25の一面に設けられている。保護層76は、透光性の第2基材27の一面に設けられている。
【0033】
表示パネル2は、アレイ基板10と、対向基板20と、液晶層50とを備えている。対向基板20は、アレイ基板10の表面に垂直な方向(図1に示すPZ方向)に対向する。液晶層50は、アレイ基板10と、対向基板20と、封止部18とで、後述する高分子分散型の液晶が封止されている。
【0034】
図5及び図6に示すように、アレイ基板10は、第1主面10A、第2主面10B、第1側面10C、第2側面10D、第3側面10E及び第4側面10Fを備える。第1主面10Aと第2主面10Bとは、平行な平面である。また、第1側面10Cと第2側面10Dとは、平行な平面である。第3側面10Eと第4側面10Fとは、平行な平面である。
【0035】
図5及び図6に示すように、対向基板20は、第1主面20A、第2主面20B、第1側面20C、第2側面20D、第3側面20E及び第4側面20Fを備える。第1主面20Aと第2主面20Bとは、平行な平面である。第1側面20Cと第2側面20Dとは、平行な平面である。第3側面20Eと第4側面20Fとは、平行な平面である。
【0036】
図5及び図6に示すように、第1基材25は、第1主面25A、第2主面25B、第1側面25C、第2側面25D、第3側面25E及び第4側面25Fを備える。第1主面25Aと第2主面25Bとは、平行な平面である。第1側面25Cと第2側面25Dとは、平行な平面である。第3側面25Eと第4側面25Fとは、平行な平面である。
【0037】
第1基材25は、対向基板20の第1主面20Aに光学樹脂23を介して、貼り合わされている。第1基材25は、対向基板20の保護基板であり、例えばガラスもしくは透光性の樹脂により形成される。第1基材25がガラス基材で形成される場合、カバーガラスとも呼ばれる。また第1基材25が透光性の樹脂で形成される場合は、可撓性を有していてもよい。なお、アレイ基板10の第1主面10Aに光学樹脂を介して、第1基材25と同じ基材が貼り合わせられてもよい。
【0038】
図5及び図6に示すように、第2基材27は、第1主面27A、第2主面27B、第1側面27C、第2側面27D、第3側面27E及び第4側面27Fを備える。第1主面27Aと第2主面27Bとは、平行な平面である。第1側面27Cと第2側面27Dとは、平行な平面である。第3側面27Eと第4側面27Fとは、平行な平面である。
【0039】
第2基材27は、アレイ基板10の第2主面10Bに光学樹脂26を介して、貼り合わされている。第2基材27は、アレイ基板10の保護基板であり、例えばガラスもしくは透光性の樹脂により形成される。第2基材27がガラス基材で形成される場合、カバーガラスとも呼ばれる。また第2基材27が透光性の樹脂で形成される場合は、可撓性を有していてもよい。
【0040】
図5及び図6に示すように、光源3は、第1基材25の第2側面25Dに対向する。光源3は、サイド光源と呼ばれることもある。図5に示すように、光源3は、第1基材25の第2側面25Dへ光源光を照射する。光源3と対向する第1基材25の第2側面25Dは、光入射面となる。また、光源3と対向する光入射面は、対向基板20の第2側面25D、第2基材27の第2側面27Dであってもよい。
【0041】
光源3は、発光部31と、導光体33Lとを備えている。発光部31は、第1色(例えば、赤色)の発光体33Rと、第2色(例えば、緑色)の発光体33Gと、第3色(例えば、青色)の発光体33Bと、を含む。導光体33Lは、第1色の発光体33R、第2色の発光体33G、及び第3色の発光体33Bで発光した光を第1基材25の第2側面25Dに照射する。導光体33Lは、複数の発光部31の光を同時に受光し、内部で拡散させて、表示パネル2へ放出する。その結果、第1基材25の第2側面25Dに照射される、単位面積当たりの光の分布は、均一化される。
【0042】
また、導光体33Lは第3側面25Eから第4側面25Fにかけて一体的に形成される単一の導光体33Lである。導光体33Lは、第3側面25Eから第4側面25Fにかけて、分割された複数の導光体を並べて構成してもよい。導光体33Lは、第3側面25Eから第4側面25Fにかけて、分割された複数の導光体を並べて、隣り合う導光体同士を連結させる構成であってもよい。
【0043】
発光部31及び導光体33Lは、接着材などで固定され、支持体33Mに組み付けられ、光源モジュールとなっている。支持体33Mは、第1基材25の第1主面25Aに重なるように搭載され、第1基材25に接着材などで固定されている。
【0044】
配線基板93(フレキシブルプリント基板又はPCB基板)は、光源制御部32の集積回路を搭載しており、光源制御部32は、配線基板93(フレキシブルプリント基板又はPCB基板)を介して、光源3に接続されている。配線基板93は、支持体33Mに接着材などで固定されている。
【0045】
図5に示すように、光源3から照射された光源光は、第1基材25、アレイ基板10、対向基板20又は第2基材27のいずれかで反射しながら、第2側面20Dから遠ざかる方向(第2方向PY)に伝播する。
【0046】
図5に示すように、第1基材25、アレイ基板10、対向基板20又は第2基材27のいずれかの内部を伝播した光源光は、散乱状態となっている液晶がある画素Pixで散乱され、散乱光の入射角が臨界角よりも小さな角度となって、放射光68、68Aがそれぞれ対向基板20の第1主面20A(第1基材25の第1主面25A)、アレイ基板10の第1主面10Aから外部に放射される。対向基板20の第1主面20A、アレイ基板10の第1主面10Aからそれぞれ外部に放射された放射光68、68Aは、観察者に観察される。
【0047】
このため、図6に示すように、複数の発光部31が、アクティブ領域AAの第2方向PYに対応する領域に、所定のピッチで並べられている。
【0048】
図6に示すように、上述した駆動回路4は、ゲート駆動回路43の複数の集積回路、ソース駆動回路44の複数の集積回路を備えている。
【0049】
以下、図7から図9を用いて、散乱状態となっている高分子分散型液晶と、非散乱状態の高分子分散型液晶とについて説明する。
【0050】
図7に示すように、アレイ基板10には、第1配向膜AL1が設けられている。対向基板20には、第2配向膜AL2が設けられている。配向膜が配向処理される場合、例えば第1配向膜AL1の配向方向は第1方向PXの一方側であり、第2配向膜AL2の配向方向は第1方向PXの他方側に配向処理される。第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2は、例えば、垂直配向膜であっても良く、複数の発光部31が配置される第1方向PXに配向処理された配向膜であっても良い。配向処理はラビング処理もしくは光配向処理によって行われる。
【0051】
図7に示す液晶層50の高分子分散型液晶LCは、アレイ基板10と対向基板20との間に封入されている。次に、モノマー及び液晶を第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2によって配向させた状態で、紫外線又は熱によってモノマーを重合させ、3次元の網目状のポリマーネットワーク51を形成する。これにより、網目状に形成された3次元の網目状のポリマーネットワーク51の隙間に液晶分子52が分散されたリバースモードの高分子分散型液晶LCを有する液晶層50が形成される。
【0052】
このように、高分子分散型液晶LCは、3次元の網目状のポリマーネットワーク51と、液晶分子52と、を有する。
【0053】
液晶分子52の配向は、画素電極PEと共通電極CEとの間の電圧差によって制御される。画素電極PEへの印加電圧により、液晶分子52の配向が変化する。液晶分子52の配向が変化することにより、画素Pixを通過する光の散乱の度合いが変化する。
【0054】
例えば、図8に示すように、画素電極PEと共通電極CEとの間に電圧が印加されていない状態では、ポリマーネットワーク51の光軸Ax1と液晶分子52の光軸Ax2の向きは互いに概ね等しい。液晶分子52の光軸Ax2は、液晶層50のPX方向(図1)と平行である。またポリマーネットワーク51の光軸Ax1は、電圧の有無に関わらず、液晶層50のPX方向と平行である。
【0055】
ポリマーネットワーク51と液晶分子52の常光屈折率は互いに等しい。画素電極PEと共通電極CEとの間に電圧が印加されていない状態では、あらゆる方向においてポリマーネットワーク51と液晶分子52との間の屈折率差がほぼゼロになる。液晶層50は、光源光を散乱しない非散乱状態となる。光源光は、光源3(発光部31)から遠ざかる方向に伝播する。液晶層50が光源光を散乱しない非散乱状態であると、アレイ基板10の第1主面10Aから対向基板20の第1主面20A側の背景が視認され、対向基板20の第1主面20Aからアレイ基板10の第1主面10A側の背景が視認される。
【0056】
図9に示すように、電圧が印加された画素電極PEと共通電極CEとの間では、液晶分子52の光軸Ax2は、画素電極PEと共通電極CEとの間に発生する電界によって傾くことになる。ポリマーネットワーク51の光軸Ax1は、電界によって変化しないため、ポリマーネットワーク51の光軸Ax1と液晶分子52の光軸Ax2の向きは互いに異なる。電圧が印加された画素電極PEがある画素Pixにおいて、光源光が散乱される。上述したように散乱された光源光の一部がアレイ基板10の第1主面10A又は対向基板20の第1主面20Aから外部に放射された光は、観察者に観察される。
【0057】
電圧が印加されていない画素電極PEがある画素Pixでは、アレイ基板10の第1主面10Aから対向基板20の第1主面20A側の背景が視認され、対向基板20の第1主面20Aからアレイ基板10の第1主面10A側の背景が視認される。そして、本実施形態の表示装置1は、画像出力部91から第1入力信号VSが入力されると、画像が表示される画素Pixの画素電極PEに電圧が印加され、第3入力信号VCSAに基づく画像が背景とともに視認される。このように、高分子分散型液晶LCが散乱状態にあるとき、表示領域において画像が表示される。
【0058】
電圧が印加された画素電極PEがある画素Pixにおいて光源光が散乱されて外部に放射された光によって表示された画像は、背景に重なり、表示されることになる。換言すると、本実施形態の表示装置1は、放射光68又は放射光68Aと、背景との組み合わせにより、画像を背景に重ね合わせて表示することができる。
【0059】
図3に示す1垂直走査期間GateScanにおいて、書き込まれた各画素電極PE(図7参照)の電位が、各1垂直走査期間GateScanの後にある第1色の発光期間RON、第2色の発光期間GON及び第3色の発光期間BONの少なくとも1つに保持されている必要がある。書き込まれた各画素電極PE(図7参照)の電位が、各1垂直走査期間GateScanの後にある第1色の発光期間RON、第2色の発光期間GON及び第3色の発光期間BONの少なくとも1つで保持できないと、いわゆるフリッカーなどが生じやすい。言い換えると、走査線の選択時間である1垂直走査期間GateScanを短くし、いわゆるフィールドシーケンシャル方式で駆動における視認性を高めるためには、第1色の発光期間RON、第2色の発光期間GON及び第3色の発光期間BONのそれぞれで、書き込まれた各画素電極PE(図7参照)の電位を保持しやすくする要望がある。
【0060】
図10は、画素において、走査線、信号線及びスイッチング素子を示す平面図である。図11は、画素において、保持容量層を示す平面図である。図12は、画素において、スイッチング素子配置領域を示す平面図である。図13は、画素において、画素電極を示す平面図である。図14は、画素において、遮光層を示す平面図である。図15は、図12のXV-XV’の断面図である。図16は、図14のXVI-XVI’の断面図である。図17は、図14のXVII-XVII’の断面図である。図1図2及び図10に示すように、アレイ基板10には、複数の信号線SLと複数の走査線GLとが平面視において格子状に設けられている。言い換えると、アレイ基板10の一方の面には、第1方向PXに間隔をおいて並ぶ複数の信号線と、第2方向PYに間隔をおいて並ぶ複数の走査線と、を備える。
【0061】
図10に示すように、隣り合う走査線GLと隣り合う信号線SLとで囲まれる領域が、画素Pixである。画素Pixには、画素電極PEとスイッチング素子Tr(図2参照)のスイッチング素子配置領域SWとが設けられている。
【0062】
図10に示すように、走査線GLは、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)等の金属、これらの積層体又はこれらの合金の配線である。信号線SLは、アルミニウム等の金属又は合金の配線である。
【0063】
図12に示すように、光源3(図5参照)から照射された光源光Lは、第2方向PYを入射方向として、入射してくる。入射方向とは、光源3(図5参照)に最も近い第2側面20Dから、第2側面20Dの対向面である第1側面20Cへ向かう方向である。光源光Lの入射方向が第2方向PYである場合、スイッチング素子配置領域SWの第2方向PYの長さが、スイッチング素子配置領域SWの第1方向PXの長さよりも小さい。これにより、光源光Lの入射方向に交差する方向のスイッチング素子配置領域SWの長さが小さくなり、光リークの影響が低減する。
【0064】
本実施形態において、スイッチング素子Trは、ボトムゲート型の薄膜トランジスタである。スイッチング素子Trは、走査線GLと電気的に接続されているゲート電極GEと平面視において重畳する半導体SCを有する。図12に示すように、半導体SCは、平面視において、ゲート電極GEからはみ出さないように設けられている。これにより、ゲート電極GE側から半導体SCに向かう光源光Lが反射され、半導体SCに光リークが生じにくくなる。
【0065】
図12に示すように、スイッチング素子Trは、半導体SCと、走査線GLと一体のゲート電極GEと、信号線SLと一体のソース電極SEと、ドレイン電極DEと、補助ゲート電極AGと、を備えている。ソース電極SE及びドレイン電極DEは、それぞれ第2方向PYに沿って延出し、間隔をおいて第1方向PXに沿って並んでいる。ソース電極SEは、スイッチング素子Trに半導体SCの各々の一端側に接している。ドレイン電極DEは、半導体SCの各々の他端側に接している。ドレイン電極DEは、中途で屈曲し、画素Pixの内側へ延出している。ドレイン電極DEは、中途で屈曲し、コンタクト電極DEAまで延出している。
【0066】
半導体SCは、例えば、酸化物半導体である。半導体SCは、多結晶シリコンや非晶質シリコンであってもよい。半導体SCは、第2方向PYに間隔をおいて複数配置されている。例えば、3個の半導体SCは、ゲート電極GEに重畳し、間隔をおいて第2方向PYに沿って並んでいる。
【0067】
補助ゲート電極AGは、ゲート電極GE及び半導体SCに重畳している。半導体SCは、ゲート電極GEと補助ゲート電極AGとの間に位置している。補助ゲート電極AGは、さらに、走査線GLに重畳している。なお、ゲート電極GEがあれば、補助ゲート電極AGは、なくてもよい。
【0068】
走査線GLと補助ゲート電極AGとの間には、接続電極CN2が介在し、電気的に接続している。具体的には、走査線GLと接続電極CN2との間に介在する絶縁膜にはコンタクトホールCH21が形成されている。接続電極CN2は、コンタクトホールCH21において、走査線GLに接している。接続電極CN2と補助ゲート電極AGの間に介在する絶縁膜にはコンタクトホールCH22が形成されている。補助ゲート電極AGは、コンタクトホールCH22において、接続電極CN2に接している。これにより、補助ゲート電極AGは、ゲート電極GEと同様に、走査線GLと電気的に接続される。その結果、ゲート電極GE及び補助ゲート電極AGは、走査線GLと同電位である。
【0069】
ドレイン電極DEの一端部のコンタクト電極DEAは、画素Pixの開口部AP(図15参照)の内側に位置し、接続電極CN3に重畳している。ドレイン電極DEと接続電極CN3との間に介在する絶縁膜にはコンタクトホールCH3が形成されている。ドレイン電極DEは、コンタクトホールCH3において、接続電極CN3に接している。
【0070】
接続電極CN1は、接続電極CN3に接している。これにより、接続電極CN1は、スイッチング素子Trと電気的に接続され、コンタクトホールCH1において、図13に示した画素電極PEと電気的に接続される。なお、接続電極CN1は保持容量電極IOと同一材料によって形成された透光性の電極であり、また、ドレイン電極DE及び接続電極CN3は金属材料によって形成されている。
【0071】
平面視において、コンタクトホールCH1は、ドレイン電極DE及び接続電極CN3に重畳しない位置に形成されている。コンタクトホールCH3及びコンタクトホールCH1は、第1方向PXに並んでいる。また、ドレイン電極DE及びコンタクトホールCH1、あるいは、接続電極CN3及びコンタクトホールCH1は、第1方向PXに並んでいる。コンタクトホールCH3、ドレイン電極DE、及び、接続電極CN3は、第1方向PXにおいて、保持容量電極IOとコンタクトホールCH1との間に位置している。
【0072】
図12に示すように、遮光層LSは、平面視において、ドレイン電極DE、接続電極CN3、及び、コンタクトホールCH3に重畳し、コンタクトホールCH1には重畳しない。コンタクトホールCH1は、遮光層LSの開口部APに位置している。接続電極CN1のうち、金属材料によって形成されたドレイン電極DE及び接続電極CN3と重畳する部分については、遮光層LSに重畳しており、接続電極CN1のその他の部分については、遮光層LSの開口部APに重畳している。
【0073】
図14に示すように、遮光層LSは、複数の信号線SL及び複数の走査線GLに重なるように、平面視において格子状に設けられている。遮光層LSの開口部APは、走査線GL及び信号線SLに囲まれる開口部よりも小さい範囲となる。
【0074】
図15に示すように、アレイ基板10は、例えばガラスで形成された第1透光性基材19を有している。第1透光性基材19は、透光性を有していれば、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂でもよい。
【0075】
図15に示すように、第1透光性基材19上には、走査線GL(図10参照)及びゲート電極GEが設けられる。
【0076】
図15に示すように、また、走査線GL及びゲート電極GEを覆って第1絶縁層11が設けられている。第1絶縁層11は、例えば、窒化シリコンなどの透明な無機絶縁材料によって形成されている。
【0077】
第1絶縁層11上には、半導体SCが積層されている。
【0078】
第1絶縁層11上には、半導体SCの一部を覆うソース電極SE及び信号線SLと、半導体SCの一部を覆うドレイン電極DEとが設けられている。ドレイン電極DEは、信号線SLと同じ材料で形成されている。半導体SC、信号線SL及びドレイン電極DE上には、第2絶縁層12が設けられている。第2絶縁層12は、例えば、第1絶縁層と同様に、窒化シリコンなどの透明な無機絶縁材料によって形成される。
【0079】
第2絶縁層12上には、第2絶縁層12の一部を覆う第3絶縁層13が形成されている。第3絶縁層13は、例えばアクリル樹脂などの透光性を有する有機絶縁材料により形成されている有機絶縁層である。第3絶縁層13は、無機系材料によって形成された他の絶縁膜と比べて厚い膜厚を有している。
【0080】
図15図16及び図17に示すように、第3絶縁層13がある領域と、第3絶縁層13がない領域とがある。図16及び図17に示すように、第3絶縁層13がある領域は、走査線GLの上方及び信号線SLの上方である。第3絶縁層13は、走査線GL及び信号線SLに沿って走査線GL及び信号線SLの上方を覆う格子状になる。また、図15に示すように、第3絶縁層13がある領域は、半導体SCの上方、つまりスイッチング素子Trの上方である。このため、スイッチング素子Tr、走査線GL、信号線SLは保持容量電極ITOから比較的距離をおいて離れることで、保持容量電極ITOからのコモン電位の影響を受けにくくなる。さらに、アレイ基板10において、走査線GLと信号線SLとに囲まれた領域には第3絶縁層13がない領域ができるので、平面視で信号線SL及び走査線GLに重なる絶縁層の厚さよりも絶縁層の厚さが小さい領域ができる。走査線GLと信号線SLとに囲まれた領域では、走査線GLの上方及び信号線SLの上方よりも相対的に、光の透過率が向上し、透光性が向上する。
【0081】
図15に示すように、第3絶縁層13上には、保持容量電極IOが設けられている。保持容量電極IOは、ITO(Indium Tin Oxide)などの透光性導電材料によって形成されている。保持容量電極IOは、第3透光性電極ともいう。図11に示すように、保持容量電極IOは、走査線GLと信号線SLとに囲まれた領域に透光性導電材料がない領域IOXを有する。保持容量電極IOは、隣り合う画素Pixに跨がって、複数の画素Pixに渡って設けられている。保持容量電極IOは、透光性導電材料がある領域が走査線GL又は信号線SLに重なり、隣の画素Pixに延びている。
【0082】
接続電極CN1は、保持容量電極IOから離間し、第3絶縁層13の開口部、あるいは、保持容量電極IOの開口部OPCにおいて、第2絶縁層12の上に配置されている。保持容量電極IO及び接続電極CN1は、実質的に同一層に位置しており、同一材料で形成される。接続電極CN1は、接続電極CN3の上に配置され、接続電極CN3に接している。
【0083】
図15に示すように、第3絶縁層13上及び保持容量電極IO上には、金属層TMが設けられている。導電性の金属層TMは、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)等の金属、これらの積層体又はこれらの合金の配線である。金属層TMは、保持容量電極IOよりも低抵抗であるので、画素Pixごとの保持容量のばらつきが小さくなる。図12に示すように、金属層TMは、平面視において、信号線SL、走査線GL及びスイッチング素子Trに重なる領域に設けられている。これにより、金属層TMは、格子状となり、金属層TMで囲まれた開口部ができる。このように、金属層TMは、保持容量の電位を給電する給電線となる。
【0084】
保持容量電極IOは、走査線GL及び信号線SLに沿って走査線GL及び信号線SLの上方を覆う格子状である。これにより、透光性導電材料がない領域IOXと、画素電極PEとの間の保持容量HCが減少するので、透光性導電材料がない領域IOXの大きさにより保持容量HCが調整される。
【0085】
図12に示すように、走査線GLと信号線SLとに接続されたスイッチング素子Trが設けられ、少なくともスイッチング素子Trは、有機絶縁層である第3絶縁層13で覆われており、第3絶縁層13の上方にはスイッチング素子Trよりも大きな面積の金属層TMがある。これにより、スイッチング素子Trの光リークを抑制することができる。
【0086】
より具体的には、アレイ基板10には、少なくともスイッチング素子Trを覆う有機絶縁層である第3絶縁層13と、第3絶縁層13の上方に重畳して設けられ、スイッチング素子Trよりも大きな面積の金属層TMとがある。走査線GLと信号線SLとに囲まれた領域には、平面視で走査線GL及び信号線SLに重なる第3絶縁層13の厚さよりも厚さが小さい領域がある。このため、平面視でスイッチング素子Trよりも光源3に近い側にある第3絶縁層13の厚みが変化する斜面ができる。
【0087】
図13図15図16及び図17に示すように、第3絶縁層13の厚みが変化する斜面には、画素電極PEの一部が重なる。これにより、隣り合う画素Pixの間の液晶分子の挙動が安定する。
【0088】
図16に示すように、平面視で、信号線SLに重なる金属層TMの幅は、信号線SLの幅よりも大きい。これにより、信号線SLのエッジで反射する反射光を表示パネル2より放出することを抑制する。ここで、金属層TMの幅及び信号線SLの幅は、信号線SLの延在する方向に交差する方向の長さである。
【0089】
また、図17に示すように、走査線GLに重なる金属層TMの幅は、走査線GLの幅よりも大きい。ここで、金属層TMの幅及び走査線GLの幅は、走査線GLの延在する方向に交差する方向の長さである。
【0090】
図15に示すように、保持容量電極IO及び金属層TMの上には、第4絶縁層14が設けられている。第4絶縁層14は、例えば、窒化シリコンなどの透明な無機絶縁材料によって形成されている無機絶縁層である。
【0091】
図15に示すように、第4絶縁層14上には、画素電極PEが設けられている。画素電極PEは、ITOなどの透光性導電材料によって形成されている。画素電極PEは、第4絶縁層14及び第2絶縁層12に設けられたコンタクトホールCH1、コンタクトホールCH3を介してコンタクト電極DEAと電気的に接続されている。図13に示すように、画素電極PEは、画素Pix毎に区画されている。画素電極PEの上には、第1配向膜AL1が設けられている。
【0092】
図12及び図16に示すように、実施形態1の表示装置では、走査線GLと同層の遮光層GSが、信号線SLに沿って延在し、かつ信号線SLの一部と重なる位置に設けられている。遮光層GSは、走査線GLと同じ材料で形成されている。遮光層GSは、走査線GLと信号線SLとが平面視において交差する部分には設けられていない。
【0093】
図10に示すように、遮光層GSと、信号線SLとは、コンタクトホールCHGで電気的に接続されている。これにより、信号線SLのみの配線抵抗に比べて、遮光層GS及び信号線SLで構成する配線抵抗が下がる。その結果、信号線SLに供給された階調信号の遅延が抑制される。なお、コンタクトホールCHGがなく、遮光層GSと、信号線SLとが接続されていなくてもよい。
【0094】
図16に示すように、遮光層GSは、信号線SLに対して金属層TMとは反対側に設けられている。遮光層GSの幅は、信号線SLの幅よりも大きく、金属層TMの幅より小さい。遮光層GSの幅、金属層TMの幅及び信号線SLの幅は、信号線SLの延在する方向に交差する方向の長さである。このように、遮光層GSは、信号線SLよりも幅が広くなっているので、信号線SLのエッジで反射する反射光を表示パネル2より放出することを抑制する。その結果、表示装置1において、画像の視認性が向上する。
【0095】
図14及び図15に示すように、対向基板20には、遮光層LSが設けられている。遮光層LSは、平面視において、信号線SL、走査線GL及びスイッチング素子Trに重なる領域に設けられている。
【0096】
図14図15図16及び図17に示すように、遮光層LSは、金属層TMよりも大きい幅を有している。これにより、信号線SL、走査線GL及び金属層TMのエッジで反射する反射光を表示パネル2より放出することを抑制する。その結果、表示装置1において、画像の視認性が向上する。
【0097】
図18は、比較例に係る、図12のXV-XV’の断面図である。図18に示す比較例の表示装置では、保護膜21がない。図18に示すように、第3絶縁層13の周辺に、導電性の異物FMが到達すると、第1配向膜AL1と、第2配向膜AL2が異物FMに破られ、第3絶縁層13の上方にある画素電極PEと共通電極CEとの間に、短絡が起こる可能性がある。図18に示すように、画素電極PEが第3絶縁層13の縁を覆っている場合は、画素電極PEを覆う第1配向膜AL1が異物FMに破られる可能性がある。
【0098】
実施形態1の表示装置1は、対向基板20に保護膜21を有している。保護膜21は、第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2よりも異物FMに破られにくい。仮に、画素電極PEを覆う第1配向膜AL1が異物FMに破られたとしても、保護膜21が異物FMに破られていないのであれば、画素電極PEと共通電極CEとの間の短絡が抑制される。
【0099】
図19は、図12のXIX-XIX’の断面図である。具体的には、図15及び図19に示す対向基板20は、例えばガラスで形成された第2透光性基材29を有している。第2透光性基材29は、透光性を有していれば、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂でもよい。第2透光性基材29の第2主面20Bには、共通電極CEが設けられている。共通電極CEは、ITOなどの透光性導電材料によって形成されている。保護膜21は、共通電極CEのアレイ基板10側を覆う、絶縁性及び透光性を有する窒化シリコンや酸化シリコンなどの無機絶縁材料によって形成されている。保護膜21のアレイ基板10側には、第2配向膜AL2が設けられている。保護膜21は、遮光性の無機絶縁膜でもよい。
【0100】
図15図16図17、及び図19に示すように、保護膜21は、第3絶縁層13に重畳する位置に形成されている。開口部APに重畳する領域では、保護膜21を介さずに、共通電極CEと第2配向膜ALとが直接積層される。このため、図20に示すように、保護膜21の平面形状が格子状となり、保護膜21の非重畳領域NOIができる。そして、保護膜21は、開口部APには形成されていない。
【0101】
図16に示すように、保護膜21の幅WX21は、第3絶縁層13の幅WX13以上、遮光層LSの幅WXLS以下である。図17に示すように、保護膜21の幅WY21は、第3絶縁層13の幅WY13以上、遮光層LSの幅WYLS以下である。図20に示すように、スイッチング素子Trを覆う第3絶縁層13の上方には、スイッチング素子配置領域SWよりも大きな面積の保護膜21が重畳している。このため、図19に示すように、スイッチング素子配置領域SWのある断面で、保護膜21の長さL21は、スイッチング素子Trを覆う第3絶縁層13の長さL13よりも大きくなる。
【0102】
保護膜21の厚みは、50nm以上400nm以下である。保護膜21の厚みは、共通電極CEの厚み以上になっている。保護膜21の厚みが、50nmより小さいと、異物が保護膜21を突き抜けやすくなりやすい。保護膜21の厚みが、400nmを超えると、表示パネル2の一方の面から、反対側の他方の面側への光の透過が低下しやすい。また、保護膜21の厚みが、400nmを超えると、保護膜21の誘電率の影響が大きくなり、共通電極CEと、画素電極PEとの間の実効電圧が低下する可能性がある。
【0103】
また、対向基板20は、第2透光性基材29と共通電極CEとの間に遮光層LSを有する。遮光層LSは黒色の樹脂又は金属材料で形成されている。
【0104】
また、図19に示すように、アレイ基板10と対向基板20との間にスペーサPSが形成され、スペーサPSは、保護膜21と第2配向膜AL2とで挟まれて、保護膜21と接している。スペーサPSの厚みは、第3絶縁層13の厚みの分小さくできるので、1μm以上4μm以下にできる。その結果、第3絶縁層13の頂部と、対向基板20との距離が小さくなる。スペーサPSは、アクリル系樹脂やエチレン系樹脂などの有機絶縁体で形成されている。これにより、スペーサPSは、透光性を有するので、光を遮光しにくい。アレイ基板10と対向基板20との間には、スペーサSPが配置されているので、アレイ基板10と対向基板20との間の距離の均一性を向上する。なお、スペーサPSと共通電極CEとの間には、保護膜21がなくてもよい。
【0105】
[評価例]
液晶層50の内部に導電性の異物FMを封入した、比較例1、比較例2、比較例3、実施例1及び実施例2を同じ大きさの表示パネルとして製造した。
【0106】
比較例1は、図18に示す保護膜21のない構造の表示装置である。比較例2及び比較例3は、保護膜21がある。比較例2及び比較例3では、保護膜21がある領域は、第3絶縁層13に重畳ずる部分だけではなく、走査線GL及び信号線SLに囲まれる開口部にも重畳する。比較例2の保護膜21の厚みは、50nmであり、比較例3の保護膜21の厚みは、200nmである。
【0107】
実施例1及び実施例2は、保護膜21がある。実施例1及び実施例2では、図20に示す保護膜21がある領域は、第3絶縁層13に重畳ずる部分であり、走査線GL及び信号線SLに囲まれる開口部には、保護膜21は、重畳していない。実施例1の保護膜21の厚みは、50nmであり、実施例2の保護膜21の厚みは、200nmである。
【0108】
比較例1、比較例2、比較例3、実施例1及び実施例2に対して、滅点の有無を確認した。比較例1、比較例2、比較例3、実施例1及び実施例2に対して、光源3を一定の光量で発光し、同じ白ウィンドー画像を表示したときの同じ位置の表示パネルの中心輝度を測定した。
【0109】
比較例1、比較例2、比較例3、実施例1及び実施例2に対して、光源3を一定の光量で発光し、同じ白ウィンドー画像を表示したときの最も第2側面20D側に近いアクティブ領域AAの輝度と、最も第1側面20C側に近いアクティブ領域AAの輝度との百分比率を輝度傾斜として測定した。均一性は、100-輝度傾斜(%)となる。なお、輝度傾斜とは、光の散乱度合いが光源3により近い位置の方が強く、光源3の反対側(光源3から遠い位置)の方が弱くなる傾向を生じることよって生じる光源3に近い側とその反対側との間の輝度分布における輝度の不均一の度合いである。評価結果が表1に示されている。
【0110】
【表1】
【0111】
表1によれば、保護膜21は、導電性の異物により滅点を抑制する効果がある。実施形態1と比較例2とを比較すると、走査線GL及び信号線SLに囲まれる開口部にある、保護膜21は、中心輝度を低下させ、輝度傾斜が生じて、均一性が低下する。比較例2と比較例3とを比較すると、開口部にある、保護膜21の厚みが大きいほど、中心輝度が低下し、均一性が低下する。実施例1と実施例2とを比較すると、保護膜21の厚みが増えることによる、中心輝度の変化率及び均一性が低下率は、比較例に比べ、小さく押さえられる。
【0112】
以上説明したように、表示装置1は、アレイ基板10と、対向基板20と、液晶層50と、を備える。アレイ基板10は、画素Pix毎に配置された第1透光性電極である複数の画素電極PEを有する。アレイ基板10には、第1方向PXに間隔をおいて並ぶ複数の信号線SLと、第2方向PYに間隔をおいて並ぶ複数の走査線GLと、が設けられている。対向基板20は、平面視で、画素電極PEと重畳する位置に第2透光性電極である共通電極CEを有する。保護膜21が、少なくとも第3絶縁層13の一部に重畳する共通電極CEのアレイ基板10側を覆う。液晶層50は、アレイ基板10と対向基板20との間に封入される高分子分散型液晶LCを有する。第2配向膜は、保護膜21及び共通電極CEを覆う。走査線GL及び信号線SLに囲まれる開口部に重畳する領域では、共通電極CEと、第2配向膜ALとが保護膜21を介さずに直接積層される、保護膜21の非重畳領域NOIがある。
【0113】
これにより、異物による画素電極PEと共通電極CEとの間の短絡が抑制される。例えば、保護膜21が窒化シリコンである場合、窒化シリコンの屈折率は、1.9程度である。光源3から照射された光源光は、第2側面20Dから遠ざかる方向(第2方向PY)に伝播するうちに、第1基材25、アレイ基板10、対向基板20又は第2基材27のいずれかで何度も反射する。その結果、上述した比較例1や比較例2では、光源光が保護膜21を何度も通過する度に、光源光の輝度が低下し、輝度傾斜が増加する。これに対し、実施例1及び実施例2では、保護膜21の非重畳領域NOIがある分、光源光が保護膜21を通過する回数が減り、光源光の輝度低下が起こりにくくなる。このように、保護膜21の非重畳領域NOIは、表示装置1の輝度を向上させ、輝度傾斜を抑制できる。その結果、表示装置1の平面内の輝度分布の均一性が向上する。
【0114】
図16に示すように、信号線SLの上方を覆う第3絶縁層の斜面の上方に、保護膜21が重畳する。図17に示すように、走査線GLの上方を覆う第3絶縁層13の斜面の上方に、保護膜21が重畳する。これにより、保護膜21の平面視の形状が格子状となる。その結果、アレイ基板10と対向基板20との距離が小さくなる領域において異物FMによる画素電極PEと共通電極CEとの短絡を抑制することができる。
【0115】
走査線GLとSL信号線とに囲まれた領域には、スイッチング素子Trが設けられ、少なくともスイッチング素子Trは、第3絶縁層13で覆われており、第3絶縁層の上方には、スイッチング素子配置領域SWよりも大きな面積の保護膜21が重畳している。その結果、アレイ基板10と対向基板20との距離が小さくなる領域において異物FMによる画素電極PEと共通電極CEとの短絡を抑制することができる。
【0116】
(実施形態2)
図21は、実施形態2の平面視における保護膜の形状を説明するための平面図である。上述した本実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0117】
実施形態1では、図14に示すように、遮光層LSは、複数の信号線SL及び複数の走査線GLに重なるように、平面視において格子状に設けられている。遮光層LSは、光源光Lの入射方向と平行に延びる部分は、光源光Lの反射が少ないので、省略することができる。この場合、遮光層LSは、第1方向PXに延びる部分だけになる。これにより、遮光層LSの面積が減り、表示装置1の透過率が向上する。遮光層LSが、第1方向PXに延びる部分だけになると、図21に示すように、保護膜21も第1方向PXに延びる部分だけになる。これにより、保護膜21がある部分において、仮に、画素電極PEを覆う第1配向膜AL1が異物FMに破られたとしても、保護膜21が異物FMに破られていないのであれば、画素電極PEと共通電極CEとの間の短絡が抑制される。なお、光源光Lの入射方向を第1方向PXへ変更し、遮光層LSを第2方向PYに延びる部分だけとした場合は、遮光層LSが、第2方向PYに延びる部分だけの形状としてもよい。
【0118】
(実施形態3)
図22は、実施形態3の表示装置の断面の一例を示す断面図である。上述した本実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図22は、図19と同様に、図12のXIX-XIX’の断面図である。
【0119】
図22に示すように、実施形態3では、有機絶縁材料の第3絶縁層13の斜面の上方において、画素電極PEを覆う保護膜15が配置されている。保護膜15の対向基板20側には、第1配向膜AL1が設けられている。
【0120】
保護膜15は、絶縁性及び透光性を有する窒化シリコンや酸化シリコンなどの無機絶縁材料によって形成されている。保護膜15は、第1配向膜AL1よりも異物FMに破られにくい。仮に、画素電極PEを覆う第1配向膜AL1が異物FMに破られたとしても、保護膜15が異物FMに破られていないのであれば、画素電極PEと共通電極CEとの間の短絡が抑制される。実施形態1よりも実施形態3の表示装置1は、保護膜21及び保護膜15により、画素電極PEと共通電極CEとの間の短絡が抑制される。
【0121】
なお、保護膜15は、遮光性の無機絶縁膜でもよい。また、保護膜15があれば、保護膜21は、省略してもよい。
【0122】
以上、好適な実施の形態を説明したが、本開示はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本開示の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本開示の技術的範囲に属する。
【0123】
例えば、本開示について、スイッチング素子Trがボトムゲート型であるとして説明を行ったが、上述しているようにスイッチング素子Trは、ボトムゲート構造に限らずトップゲート型であってもよい。スイッチング素子Trがトップゲート型であれば、図15の絶縁膜積層構造を参考に説明すると、半導体SCは第1透光性基材19と第1絶縁層その間に配置され、ゲート電極GEは第1絶縁層11と第2絶縁層12との間に配置され、ソース電極SE及びコンタクト電極DEAは第2絶縁層12と第3絶縁層13との間に形成される構造となる。
【0124】
さらに、コモン電位については、直流電圧が供給される、つまり一定のコモン電位であってもよく、また交流電圧が共有される、つまり上限値と下限値の2つを有するコモン電位であってもよい。コモン電位が直流であっても交流であっても保持容量電極IO及び共通電極CEには共通の電位が供給される。
【0125】
また、格子状の有機絶縁膜である第3絶縁層13については、格子状の内側の第3絶縁層13が完全に除去され下層の第2絶縁層12や保持容量電極IOを露出する構造を開示しているが、これに限られない。例えば、複数の信号線SLと複数の走査線GLとで囲まれる格子状領域の内側については、ハーフトーン露光で第3絶縁層13の膜厚の一部を薄く残す構造であってもよい。これにより、第3絶縁層13は、複数の信号線SLと複数の走査線GLとで囲まれる格子状領域よりも、格子状領域の内側の膜厚が薄くなる。
【符号の説明】
【0126】
1 表示装置
2 表示パネル
3 光源
4 駆動回路
9 上位制御部
10 アレイ基板
13 第3絶縁層
14 第4絶縁層
15 保護膜
18 封止部
19 第1透光性基材
20 対向基板
21 保護膜
25 第1基材
27 第2基材
29 第2透光性基材
31 発光部
32 光源制御部
GL 走査線
ITO 保持容量電極
LS 遮光層
NOI 非重畳領域
PE 画素電極
PS スペーサ
PX 第1方向
PY 第2方向
PZ 第3方向
Pix 画素
TM 金属層
Tr スイッチング素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図22