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特開2024-23214強化熱可塑性表面層およびコア層を含む多層アセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023214
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】強化熱可塑性表面層およびコア層を含む多層アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B32B 5/18 20060101AFI20240214BHJP
   B32B 5/32 20060101ALI20240214BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20240214BHJP
   A47G 27/02 20060101ALI20240214BHJP
   G10K 11/168 20060101ALI20240214BHJP
   G10K 11/16 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
B32B5/18 101
B32B5/32
B32B27/00 J
A47G27/02 102
G10K11/168
G10K11/16 120
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023187827
(22)【出願日】2023-11-01
(62)【分割の表示】P 2019550154の分割
【原出願日】2018-03-12
(31)【優先権主張番号】62/470,691
(32)【優先日】2017-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514102858
【氏名又は名称】ハンファ アズデル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウジンスキ,トッド・リチャード
(72)【発明者】
【氏名】メイソン,マーク・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】パーク,ユン・セオ
(72)【発明者】
【氏名】メッシナ,アンソニー・ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】エバース,ピーター・トーマス,ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】メイソン,マーク・オー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】多層アセンブリ、および多層アセンブリを含む車両積載床を提供する。
【解決手段】独立気泡材料を含むコア層と、前記コア層の第1の表面上に配設された第1の強化熱可塑性層であって、前記第1の繊維強化熱可塑性層が、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化材料によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、第1の強化熱可塑性層と、前記コア層の第2の表面上に配設された第2の強化熱可塑性層であって、前記第2の繊維強化熱可塑性層が、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化材料によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、第2の強化熱可塑性層と、を備える、多層アセンブリである。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層アセンブリであって、
独立気泡材料を含むコア層と、
前記コア層の第1の表面上に配設された第1の強化熱可塑性層であって、前記第1の繊維強化熱可塑性層が、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化材料によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、第1の強化熱可塑性層と、
前記コア層の第2の表面上に配設された第2の強化熱可塑性層であって、前記第2の繊維強化熱可塑性層が、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化材料によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、第2の強化熱可塑性層と、を備える、多層アセンブリ。
【請求項2】
前記独立気泡材料が、ポリウレタン発泡体でなく、または前記コア層が、セルロースを含まない、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項3】
前記コア層が、ポリウレタン材料またはセルロース系材料を含む、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項4】
前記第1の強化熱可塑性層の坪量が、前記第2の強化熱可塑性層の坪量と実質的に同じである、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項5】
前記第1の強化熱可塑性層の坪量が、前記第2の強化熱可塑性層の坪量とは異なる、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項6】
配設された前記第1の強化熱可塑性層が、配設された前記第2の強化熱可塑性層の強化材料とは異なる少なくとも1つの強化材料を含む、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項7】
前記コア層の前記独立気泡材料が、方向性圧縮膨張性ポリスチレン発泡体、方向性圧縮押出ポリエチレン発泡体、および方向性圧縮膨張性ポリプロピレン発泡体からなる群から選択される、方向性圧縮発泡体を含む、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項8】
前記第1の強化熱可塑性層の前記熱可塑性材料が、前記第2の強化熱可塑性層の前記熱可塑性材料とは異なる、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項9】
前記第1の強化熱可塑性層および前記第2の強化熱可塑性層の前記熱可塑性材料が、同じである、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項10】
前記第1の強化熱可塑性層および前記第2の強化熱可塑性層の前記強化材料が、同じである、請求項9に記載の多層アセンブリ。
【請求項11】
前記第1の強化熱可塑性層および前記第2の強化熱可塑性層の前記強化材料が、各々、強化繊維を含む、請求項10に記載の多層アセンブリ。
【請求項12】
前記第1の繊維強化熱可塑性層が、前記第2の繊維強化熱可塑性層の強化繊維とは異なる少なくとも1つの強化繊維を含む、請求項11に記載の多層アセンブリ。
【請求項13】
前記第1の繊維強化熱可塑性層および前記第2の繊維強化熱可塑性層の一方または両方が、ロフティング剤を含む、請求項11に記載の多層アセンブリ。
【請求項14】
前記ロフティング剤が、膨張性微小球および膨張性黒鉛材料のうちの少なくとも一方を
含む、請求項13に記載の多層アセンブリ。
【請求項15】
前記コア層にロフティング剤が存在しない、請求項14に記載の多層アセンブリ。
【請求項16】
前記第1の繊維強化熱可塑性層および前記第2の繊維強化熱可塑性層の前記熱可塑性材料および強化材料が、ロフティング剤の存在を伴わず、前記第1の繊維強化熱可塑性層および前記第2の繊維強化熱可塑性層のロフティングを可能にするように選択される、請求項11に記載の多層アセンブリ。
【請求項17】
前記第1の強化熱可塑性層と前記コア層との間の前記コア層の前記第1の表面上に配設された第1の接着層をさらに備える、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項18】
前記第2の強化熱可塑性層と前記コア層との間の前記コア層の前記第2の表面上に配設された第2の接着層をさらに備える、請求項17に記載の多層アセンブリ。
【請求項19】
前記第1の強化熱可塑性層および前記第2の強化熱可塑性層のうちの一方の上に配設された装飾層をさらに備える、請求項18に記載の多層アセンブリ。
【請求項20】
前記コア層の前記独立気泡材料が、方向性圧縮膨張性ポリスチレン発泡体を含み、前記第1の繊維強化熱可塑性層が、ポリプロピレンおよびガラス繊維を含み、前記第2の繊維強化熱可塑性層が、ポリプロピレンおよびガラス繊維を含み、前記第1および第2の接着層が、各々、コポリアミドを含む、請求項18に記載の多層アセンブリ。
【請求項21】
多層アセンブリであって、
いかなるポリウレタンまたはセルロース材料も有しない独立気泡材料を含むコア層であって、前記独立気泡材料が、実質的に非多孔性であり、かつ前記多層アセンブリに方向性圧縮強度を提供する、コア層と、
前記コア層の第1の表面上に配設された第1の接着層と、
前記コア層の第2の表面上に配設された第2の接着層と、
前記第1の接着層上に配設された第1の繊維強化熱可塑性層であって、前記第1の繊維強化熱可塑性層が、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化繊維によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、第1の繊維強化熱可塑性層と、
前記第2の接着層上に配設された第2の繊維強化熱可塑性層であって、前記第2の繊維強化熱可塑性層が、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化繊維によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、第2の繊維強化熱可塑性層と、を備える、多層アセンブリ。
【請求項22】
前記コア層が、方向性圧縮発泡体を含む、請求項21に記載の多層アセンブリ。
【請求項23】
前記方向性圧縮発泡体が、方向性圧縮膨張性ポリスチレン発泡体、方向性圧縮押出ポリエチレン発泡体、および方向性圧縮膨張性ポリプロピレン発泡体からなる群から選択される、請求項22に記載の多層アセンブリ。
【請求項24】
前記第1の繊維強化熱可塑性層の坪量が、前記第2の繊維強化熱可塑性層の坪量と実質的に同じである、請求項22に記載の多層アセンブリ。
【請求項25】
前記第1の繊維強化熱可塑性層の坪量が、前記第2の繊維強化熱可塑性層の坪量とは異なる、請求項22に記載の多層アセンブリ。
【請求項26】
配設された前記第1の繊維強化熱可塑性層が、配設された前記第2の繊維強化熱可塑性
層の強化繊維材料とは異なる少なくとも1つの強化繊維材料を含む、請求項22に記載の多層アセンブリ。
【請求項27】
前記第1の繊維強化熱可塑性層の前記熱可塑性材料が、前記第2の繊維強化熱可塑性層の前記熱可塑性材料とは異なる、請求項22に記載の多層アセンブリ。
【請求項28】
前記第1の繊維強化熱可塑性層および前記第2の繊維強化熱可塑性層の前記熱可塑性材料が、同じである、請求項22に記載の多層アセンブリ。
【請求項29】
前記第1の繊維強化熱可塑性層および前記第2の繊維強化熱可塑性層の前記強化繊維が、同じである、請求項28に記載の多層アセンブリ。
【請求項30】
前記第1の繊維強化熱可塑性層が、前記第2の繊維強化熱可塑性層の前記強化繊維とは異なる少なくとも1つの強化繊維をさらに含む、請求項29に記載の多層アセンブリ。
【請求項31】
前記第1の繊維強化熱可塑性層および前記第2の繊維強化熱可塑性層の一方または両方が、ロフティング剤を含む、請求項30に記載の多層アセンブリ。
【請求項32】
前記ロフティング剤が、膨張性微小球および膨張性黒鉛材料のうちの少なくとも一方を含む、請求項31に記載の多層アセンブリ。
【請求項33】
前記コア層にロフティング剤が存在しない、請求項32に記載の多層アセンブリ。
【請求項34】
前記第1の繊維強化熱可塑性層および前記第2の繊維強化熱可塑性層の前記熱可塑性材料および強化材料が、ロフティング剤の存在を伴わず、前記第1の繊維強化熱可塑性層および前記第2の繊維強化熱可塑性層のロフティングを可能にするように選択される、請求項22に記載の多層アセンブリ。
【請求項35】
前記第1の繊維強化熱可塑性層および前記第2の繊維強化熱可塑性層のうちの一方の上に配設された表皮層をさらに備え、前記表皮層が、布、スクリム、フィルム、およびこれらの組み合わせを含む、請求項22に記載の多層アセンブリ。
【請求項36】
前記第1の繊維強化熱可塑性層および前記第2の強化熱可塑性層のうちの一方に結合された装飾層をさらに備える、請求項22に記載の多層アセンブリ。
【請求項37】
前記第1の繊維強化熱可塑性層および前記第2の繊維強化熱可塑性層の各々の前記熱可塑性材料が、独立して、ポリオレフィン材料、熱可塑性ポリオレフィンブレンド材料、ポリビニルポリマー材料、ブタジエンポリマー材料、アクリルポリマー材料、ポリアミド材料、ポリエステル材料、ポリカーボネート材料、ポリエステルカーボネート材料、ポリスチレン材料、アクリロニトリルスチレンポリマー材料、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー材料、ポリエーテルイミド材料、ポリフェニレンエーテル材料、ポリフェニレンオキシド材料、ポリフェニレンスルフィド材料、ポリエーテル材料、ポリエーテルケトン材料、ポリアセタール材料、ポリウレタン材料、ポリベンズイミダゾール材料、ならびにこれらのコポリマーおよび混合物からなる群から選択される、請求項21に記載の多層アセンブリ。
【請求項38】
前記第1の繊維強化熱可塑性層および前記第2の繊維強化熱可塑性層の各々の前記強化材料が、独立して、ガラス繊維、炭素繊維、黒鉛繊維、合成有機繊維、無機繊維、天然繊維、鉱物繊維、金属繊維、金属化無機繊維、金属化合成繊維、セラミック繊維、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項37に記載の多層アセンブリ。
【請求項39】
前記第1の繊維強化熱可塑性層および前記第2の繊維強化熱可塑性層の各々に存在する繊維が、独立して、約5ミクロンよりも大きい直径と、約5mm~約200mmの長さと、を含む、請求項38に記載の多層アセンブリ。
【請求項40】
前記方向性圧縮発泡体が、方向性圧縮膨張性ポリスチレン発泡体であり、前記第1および第2の繊維強化熱可塑性層の各々が、ポリプロピレンおよびガラス繊維を含み、前記多層アセンブリが、前記第2の繊維強化熱可塑性層に結合された表皮をさらに含み、前記多層アセンブリが、前記表皮に結合された装飾層をさらに含む、請求項22に記載の多層アセンブリ。
【請求項41】
構造的強化を提供する車両積載床であって、
独立気泡材料を含むコア層と、
前記コア層の第1の表面上に配設された第1の強化熱可塑性層であって、前記第1の繊維強化熱可塑性層が、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化材料によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、第1の強化熱可塑性層と、
前記コア層の第2の表面上に配設された第2の強化熱可塑性層であって、前記第2の繊維強化熱可塑性層が、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化材料によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、第2の強化熱可塑性層と、を備え、
前記コア層、前記第1の強化熱可塑性層、および前記第2の強化熱可塑性層が、一緒に、220kg以下の重量で約25mm未満だけ撓む車両積載床を提供する、車両積載床。
【請求項42】
前記第1の強化熱可塑性層に結合された装飾層をさらに備える、請求項41に記載の車両積載床。
【請求項43】
前記装飾層が、カーペットを含む、請求項42に記載の車両積載床。
【請求項44】
前記装飾層と前記第1の強化熱可塑性層との間に接着層をさらに備える、請求項42に記載の車両積載床。
【請求項45】
前記第2の強化熱可塑性層に結合された第2の装飾層をさらに備える、請求項42に記載の車両積載床。
【請求項46】
前記第2の装飾層が、カーペットを含む、請求項45に記載の車両積載床。
【請求項47】
前記第2の装飾層と前記第2の強化熱可塑性層との間に接着層をさらに備える、請求項45に記載の車両積載床。
【請求項48】
前記積載床が、100kgの重量で約15mm未満、または150kgの重量で約15mm未満、または100kgの重量で約10mm未満、または220kgの重量で約5mm未満だけ撓む、請求項41に記載の車両積載床。
【請求項49】
前記第1の強化熱可塑性層の熱可塑性材料が、前記第2の強化熱可塑性層に存在する前記熱可塑性材料と同様または異なる少なくとも1つの熱可塑性材料を含む、請求項41に記載の車両積載床。
【請求項50】
前記コア層の前記独立気泡材料が、方向性圧縮膨張性ポリスチレン発泡体、方向性圧縮押出ポリエチレン発泡体、および方向性圧縮膨張性ポリプロピレン発泡体からなる群から選択される、方向性圧縮発泡体を含む、請求項41に記載の車両積載床。
【請求項51】
前記第1の繊維強化層および前記第2の繊維強化層の各々の前記熱可塑性材料が、独立して、ポリオレフィン材料、熱可塑性ポリオレフィンブレンド材料、ポリビニルポリマー材料、ブタジエンポリマー材料、アクリルポリマー材料、ポリアミド材料、ポリエステル材料、ポリカーボネート材料、ポリエステルカーボネート材料、ポリスチレン材料、アクリロニトリルスチレンポリマー材料、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー材料、ポリエーテルイミド材料、ポリフェニレンエーテル材料、ポリフェニレンオキシド材料、ポリフェニレンスルフィド材料、ポリエーテル材料、ポリエーテルケトン材料、ポリアセタール材料、ポリウレタン材料、ポリベンズイミダゾール材料、ならびにこれらのコポリマーおよび混合物からなる群から選択される、請求項50に記載の車両積載床。
【請求項52】
前記第1の繊維強化層および前記第2の繊維強化層の各々の熱可塑性材料が、独立して、樹脂または繊維である、請求項51に記載の車両積載床。
【請求項53】
前記第1の繊維強化層および前記第2の繊維強化層の各々の前記強化材料が、独立して、ガラス繊維、炭素繊維、黒鉛繊維、合成有機繊維、無機繊維、天然繊維、鉱物繊維、金属繊維、金属化無機繊維、金属化合成繊維、セラミック繊維、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項51に記載の車両積載床。
【請求項54】
前記繊維強化の第1の層および前記第2の繊維強化層の各々に存在する前記繊維が、約5ミクロンよりも大きい直径と、約5mm~約200mmの長さと、を含む、請求項53に記載の車両積載床。
【請求項55】
前記第1の繊維強化層および前記第2の繊維強化層の各々に存在する前記熱可塑性材料が、ポリプロピレンを含み、前記第1の繊維強化層および前記第2の繊維強化層の各々に存在する前記強化材料が、ガラス繊維である、請求項41に記載の車両積載床。
【請求項56】
前記第1および第2の繊維強化層の各々の前記坪量が、約500gsm~約3000gsmであり、前記コア層の前記坪量が、約300gsm~約2000gsmである、請求項55に記載の車両積載床。
【請求項57】
前記第1および第2の繊維強化層のうちの少なくとも一方が、ロフティング剤を含む、請求項56に記載の車両積載床。
【請求項58】
前記第1の繊維強化層および前記第2の繊維強化層のうちの少なくとも一方の上に配設されたカーペット層をさらに備える、請求項55に記載の車両積載床。
【請求項59】
前記第1の繊維強化層が、第1の接着層を介して前記コア層に結合されており、前記第2の繊維強化層が、第2の接着層を介して前記コア層に結合されている、請求項55に記載の車両積載床。
【請求項60】
前記第1の繊維強化層および前記第2の繊維強化層が、いかなるロフティング剤も含まず、前記第1の繊維強化層および前記第2の繊維強化層の前記熱可塑性材料および強化材料が、前記第1の繊維強化層および前記第2の繊維強化層にロフティング剤が存在しない場合に、前記第1の繊維強化層および前記第2の繊維強化層のロフティングを可能にするように、各々選択される、請求項545に記載の車両積載床。
【請求項61】
車両積載床を製造するためのキットであって、前記キットが、
コア層、および前記コア層から分離された第1の強化第1の強化熱可塑性層であって

前記コア層が、独立気泡材料を含み、
前記第1の強化熱可塑性層が、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化材料によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、コア層、および第1の強化熱可塑性層と、
前記第1の強化熱可塑性コア層を前記コア層の第1の表面に結合するための説明書と、を備える、キット。
【請求項62】
前記コア層および第1の強化第1の強化熱可塑性層とは別々の第2の強化熱可塑性層をさらに備える、請求項61に記載のキット。
【請求項63】
前記キットの前記第1の強化熱可塑性層が、前記キットの前記第2の強化熱可塑性層と同じである、請求項62に記載のキット。
【請求項64】
前記キットの前記第1の強化熱可塑性層の坪量が、前記キットの前記第2の強化熱可塑性層の坪量とは異なる、請求項62に記載のキット。
【請求項65】
前記コア層および前記第1の強化熱可塑性層とは別々の装飾層をさらに備える、請求項61に記載のキット。
【請求項66】
前記第1の強化熱可塑性層を前記コア層に接合するのに有効な接着材料をさらに備える、請求項61に記載のキット。
【請求項67】
表皮層をさらに備える、請求項61に記載のキット。
【請求項68】
前記表皮層が、布、スクリム、フィルム、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項67に記載のキット。
【請求項69】
前記コア層の前記独立気泡材料が、方向性圧縮膨張性ポリスチレン発泡体、方向性圧縮押出ポリエチレン発泡体、および方向性圧縮膨張性ポリプロピレン発泡体からなる群から選択される、方向性圧縮発泡体を含む、請求項61に記載のキット。
【請求項70】
前記コア層が平面シートとして構成される、請求項69に記載のキット。
【請求項71】
多層アセンブリを形成する方法であって、
強化熱可塑性層を形成することであって、
熱可塑性ポリマー、強化繊維、およびロフティング剤を水溶液に混ぜ合わせること、
前記熱可塑性ポリマー、強化繊維、およびロフティング剤を含む前記水溶液を混合して、前記強化繊維および前記ロフティング剤を前記熱可塑性ポリマー中に分散させて、水性発泡体分散液を提供すること、
前記水性発泡体分散液を形成要素上に配設すること、ならびに
前記配設された水性発泡体から液体を除去して、前記熱可塑性ポリマー、前記強化繊維、および前記ロフティング剤を含むウェブを含む強化熱可塑性層を提供すること、によって形成することと、
前記提供された強化熱可塑性層を、独立気泡材料を含むコア層の第1の表面上に配設することと、を含む方法。
【請求項72】
前記コア層の前記第1の表面上に前記提供された強化熱可塑性層を配設する前に、前記提供された強化熱可塑性層の前記ウェブの前記熱可塑性ポリマーの軟化温度を上回って、
前記提供された強化熱可塑性層を加熱することをさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記コア層の前記第1の表面上に前記提供された強化熱可塑性層を配設する前に、前記コア層の前記第1の表面上に接着層を配設することをさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項74】
前記コア層の第1の表面上に前記提供された強化熱可塑性層を配設する前に、前記提供された強化熱可塑性層の表面上に接着層を配設することをさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項75】
前記コア層の第2の表面上に第2の接着層を配設することをさらに含む、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記配設された第2の接着層上に別の強化熱可塑性層を配設することをさらに含む、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
別の強化熱可塑性層の表面上に第2の接着層を配設することをさらに含む、請求項74に記載の方法。
【請求項78】
前記コア層上に前記別の強化熱可塑性層を配設して、前記コア層を前記第2の接着層を介して前記別の強化熱可塑性層に結合することをさらに含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記提供された強化熱可塑性シートを加熱して、前記提供された強化熱可塑性シートをロフティングすることをさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項80】
方向性圧縮膨張性ポリスチレン発泡体、方向性圧縮押出ポリエチレン発泡体、および方向性圧縮膨張性ポリプロピレン発泡体からなる群から選択される、方向性圧縮発泡体を含むように、前記コア層を構成することをさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項81】
請求項1~50または93~96のいずれか一項に記載の多層アセンブリを備えるレクリエーション用車両の壁。
【請求項82】
請求項1~50または93~96のいずれか一項に記載の多層アセンブリを備えるレクリエーション用車両の天井。
【請求項83】
請求項1~50または93~96のいずれか一項に記載の多層アセンブリを備えるレクリエーション用車両のスライドアウトアセンブリ。
【請求項84】
請求項1~50または93~96のいずれか一項に記載の多層アセンブリを備えるスリーパキャブの寝台床。
【請求項85】
請求項1~50または93~96のいずれか一項に記載の多層アセンブリを備える外装パネル。
【請求項86】
請求項1~50または93~96のいずれか一項に記載の多層アセンブリを備える屋根ふきパネル。
【請求項87】
請求項1~50または93~96のいずれか一項に記載の多層アセンブリを備えるフローリングパネル。
【請求項88】
請求項1~50または93~96のいずれか一項に記載の多層アセンブリを備える自動車の積載床。
【請求項89】
請求項1~50または93~96のいずれか一項に記載の多層アセンブリを含む自動車積載床を備える車両。
【請求項90】
請求項51~60または97もしくは98のいずれか一項に記載の車両積載床を備える車両。
【請求項91】
請求項1~50または93~96のいずれか一項に記載の多層アセンブリを備えるタイヤカバー。
【請求項92】
請求項1~50のいずれか一項に記載の多層アセンブリを備えるデッキ。
【請求項93】
前記コア層、前記第1の強化熱可塑性層、および前記第2の強化熱可塑性層のうちの少なくとも1つが、難燃性材料を含む、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項94】
前記難燃性材料が、膨張性黒鉛材料、水酸化マグネシウム、および水酸化アルミニウムのうちの1つ以上を含む、請求項93に記載の多層アセンブリ。
【請求項95】
前記コア層、前記第1の強化熱可塑性層、および前記第2の強化熱可塑性層のうちの少なくとも1つが、難燃性材料を含む、請求項21に記載の多層アセンブリ。
【請求項96】
前記難燃性材料が、膨張性黒鉛材料、水酸化マグネシウム、および水酸化アルミニウムのうちの1つ以上を含む、請求項95に記載の多層アセンブリ。
【請求項97】
前記コア層、前記第1の強化熱可塑性層、および前記第2の強化熱可塑性層のうちの少なくとも1つが、難燃性材料を含む、請求項41に記載の車両積載床。
【請求項98】
前記難燃性材料が、膨張性黒鉛材料、水酸化マグネシウム、および水酸化アルミニウムのうちの1つ以上を含む、請求項97に記載の車両積載床。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権出願
この出願は、2017年3月13日に出願された米国仮出願第62/470,691号に関連し、この優先権および利益を主張し、その開示全体は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
この出願は、強化熱可塑性複合材および車両でのこれらの使用に関連する。より具体的には、本明細書に記載の特定の実施形態は、コア層と組み合わせた強化熱可塑性表面層を含む多層アセンブリ、ならびに車両および他の用途でのこれらの使用に関する。
【0003】
自動車および建設材料用途の物品は、通常、多数の競合する厳しい性能仕様を満たすように設計されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
実質的に非多孔性のコア層または強化熱可塑性層ではないコア層と組み合わせて1つ以上の多孔性強化熱可塑性表面層を含み得る、多層アセンブリおよびその構成要素を対象とする特定の構成が本明細書に記載される。特定の具体的な構成を以下に詳細に記載するが、表面層およびコア層に存在する厳密な材料は、多層アセンブリの使用目的によって変化し得る。
【0005】
一態様では、多層アセンブリは、独立気泡材料を含むコア層と、コア層の第1の表面上に配設された第1の強化熱可塑性層であって、第1の繊維強化熱可塑性層が、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化材料によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、第1の繊維強化熱可塑性層と、コア層の第2の表面上に配設された第2の強化熱可塑性層であって、第2の繊維強化熱可塑性層が、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化材料によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、第2の繊維強化熱可塑性層と、を含む。
【0006】
特定の構成では、独立気泡材料は、ポリウレタン発泡体でなく、またはコア層は、セルロースを含まない。他の構成では、コア層は、ポリウレタン材料、例えば、ポリウレタン発泡体など、またはセルロース系材料、例えば、紙、ハニカムなどを含む。特定の実施例では、第1の強化熱可塑性層の坪量は、 第2の強化熱可塑性層の坪量と実質的に同じである。いくつかの実施形態では、第1の強化熱可塑性層の坪量は、第2の強化熱可塑性層の坪量とは異なる。特定の実施例では、配設された第1の強化熱可塑性層は、配設された第2の強化熱可塑性層の強化材料とは異なる少なくとも1つの強化材料を含む。他の実施例では、コア層の独立気泡材料は、方向性圧縮膨張性ポリスチレン発泡体、方向性圧縮押出ポリエチレン発泡体、および方向性圧縮膨張性ポリプロピレン発泡体からなる群から選択される、方向性圧縮発泡体を含む。いくつかの実施例では、第1の強化熱可塑性層の熱可塑性材料は、第2の強化熱可塑性層の熱可塑性材料とは異なる。さらなる実施例では、第1の強化熱可塑性層および第2の強化熱可塑性層の熱可塑性材料は、同じである。いくつかの実施形態では、第1の強化熱可塑性層および第2の強化熱可塑性層の強化材料は、同じである。他の事例では、第1の強化熱可塑性層および第2の強化熱可塑性層の強化材料は、各々、強化繊維を含む。いくつかの構成では、第1の繊維強化熱可塑性層は、第2の繊維強化熱可塑性層の強化繊維とは異なる少なくとも1つの強化繊維を含む。他の構成では、第1の繊維強化熱可塑性層および第2の繊維強化熱可塑性層の一方または両方は、
ロフティング剤を含む。いくつかの実施例では、ロフティング剤は、膨張性微小球および膨張性黒鉛材料のうちの少なくとも一方を含む。追加の実施例では、コア層にロフティング剤は存在しない。他の実施例では、第1の繊維強化熱可塑性層および第2の繊維強化熱可塑性層の熱可塑性材料および強化材料は、ロフティング剤の存在を伴わず、第1の繊維強化熱可塑性層および第2の繊維強化熱可塑性層のロフティングを可能にするように選択される。いくつかの実施形態では、多層アセンブリは、第1の強化熱可塑性層とコア層との間のコア層の第1の表面上に配設された第1の接着層をさらに備える。追加の実施例では、多層アセンブリは、第2の強化熱可塑性層とコア層との間のコア層の第2の表面上に配設された第2の接着層をさらに備える。いくつかの構成では、多層アセンブリは、第1の強化熱可塑性層および第2の強化熱可塑性層のうちの一方の上に配設された装飾層を備える。いくつかの実施例では、コア層の独立気泡材料は、方向性圧縮膨張性ポリスチレン発泡体を含み、第1の繊維強化熱可塑性層は、ポリプロピレンおよびガラス繊維を含み、第2の繊維強化熱可塑性層は、ポリプロピレンおよびガラス繊維を含み、第1および第2の接着層は、各々、コポリアミドを含む。いくつかの実施例では、コア層、第1の強化熱可塑性層、および第2の強化熱可塑性層のうちの少なくとも1つは、難燃性材料を含む。特定の事例では、難燃性材料は、膨張性黒鉛材料、水酸化マグネシウム、および水酸化アルミニウムのうちの1つ以上を含む。
【0007】
別の態様では、多層アセンブリは、いかなるポリウレタンまたはセルロース材料も有しない独立気泡材料を含むコア層であって、独立気泡材料が、実質的に非多孔性であり、かつ多層アセンブリに方向性圧縮強度を提供する、コア層と、コア層の第1の表面上に配設された第1の接着層と、コア層の第2の表面上に配設された第2の接着層と、第1の接着層上に配設された第1の繊維強化熱可塑性層であって、第1の繊維強化熱可塑性層が、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化繊維によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、第1の繊維強化熱可塑性層と、第2の接着層上に配設された第2の繊維強化熱可塑性層であって、第2の繊維強化熱可塑性層が、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化繊維によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、第2の繊維強化熱可塑性層と、を備える。
【0008】
特定の実施例では、コア層は、方向性圧縮発泡体を含む。他の実施例では、方向性圧縮発泡体は、方向性圧縮膨張性ポリスチレン発泡体、方向性圧縮押出ポリエチレン発泡体、および方向性圧縮膨張性ポリプロピレン発泡体からなる群、または代わりに、ポリウレタン発泡体もしくはセルロース系材料から選択される。いくつかの実施形態では、第1の繊維強化熱可塑性層の坪量は、第2の繊維強化熱可塑性層の坪量と実質的に同じである。いくつかの実施例では、第1の繊維強化熱可塑性層の坪量は、第2の繊維強化熱可塑性層の坪量とは異なる。他の実施例では、配設された第1の繊維強化熱可塑性層は、配設された第2の繊維強化熱可塑性層の強化繊維材料とは異なる少なくとも1つの強化繊維材料を含む。特定の事例では、第1の繊維強化熱可塑性層の熱可塑性材料は、第2の繊維強化熱可塑性層の熱可塑性材料とは異なる。いくつかの実施例では、第1の強化熱可塑性層および第2の強化熱可塑性層の熱可塑性材料は、同じである。さらなる実施例では、第1の繊維強化熱可塑性層および第2の繊維強化熱可塑性層の強化繊維は、同じである。いくつかの事例では、第1の繊維強化熱可塑性層は、第2の繊維強化熱可塑性層の強化繊維とは異なる少なくとも1つの強化繊維をさらに含む。他の実施例では、第1の繊維強化熱可塑性層および第2の繊維強化熱可塑性層の一方または両方は、ロフティング剤を含む。いくつかの実施例では、ロフティング剤は、膨張性微小球および膨張性黒鉛材料のうちの少なくとも一方を含む。特定の実施例では、コア層にロフティング剤は存在しない。特定の構成では、第1の繊維強化熱可塑性層および第2の繊維強化熱可塑性層の熱可塑性材料および強化材料は、ロフティング剤の存在を伴わず、第1の繊維強化熱可塑性層および第2の繊維強化熱可塑性層のロフティングを可能にするように選択される。他の構成では、多層アセンブリは、第1の繊維強化熱可塑性層および第2の繊維強化熱可塑性層のうちの一方に配
設された表皮層を備え、表皮層は、布、スクリム、フィルム、およびこれらの組み合わせを含む。いくつかの事例では、多層アセンブリは、第1の繊維強化熱可塑性層および第2の強化熱可塑性層のうちの一方に結合された装飾層を備える。特定の実施例では、第1の繊維強化熱可塑性層および第2の繊維強化熱可塑性層の各々の熱可塑性材料は、独立して、ポリオレフィン材料、熱可塑性ポリオレフィンブレンド材料、ポリビニルポリマー材料、ブタジエンポリマー材料、アクリルポリマー材料、ポリアミド材料、ポリエステル材料、ポリカーボネート材料、ポリエステルカーボネート材料、ポリスチレン材料、アクリロニトリルスチレンポリマー材料、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー材料、ポリエーテルイミド材料、ポリフェニレンエーテル材料、ポリフェニレンオキシド材料、ポリフェニレンスルフィド材料、ポリエーテル材料、ポリエーテルケトン材料、ポリアセタール材料、ポリウレタン材料、ポリベンズイミダゾール材料、ならびにこれらのコポリマーおよび混合物からなる群から選択される。他の実施例では、第1の繊維強化熱可塑性層および第2の繊維強化熱可塑性層の各々の強化材料は、独立して、ガラス繊維、炭素繊維、黒鉛繊維、合成有機繊維、無機繊維、天然繊維、鉱物繊維、金属繊維、金属化無機繊維、金属化合成繊維、セラミック繊維、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第1の繊維強化熱可塑性層および第2の繊維強化熱可塑性層の各々に存在する繊維は、独立して、約5ミクロンよりも大きい直径と、約5mm~約200mmの長さと、を含む。他の実施形態では、方向性圧縮発泡体は、方向性圧縮膨張性ポリスチレン発泡体であり、第1および第2の繊維強化熱可塑性層の各々は、ポリプロピレンおよびガラス繊維を含み、多層アセンブリは、第2の繊維強化熱可塑性層に結合された表皮をさらに含み、多層アセンブリは、表皮に結合された装飾層をさらに含む。いくつかの実施例では、コア層、第1の強化熱可塑性層、および第2の強化熱可塑性層のうちの少なくとも1つは、難燃性材料を含む。特定の事例では、難燃性材料は、膨張性黒鉛材料、水酸化マグネシウム、および水酸化アルミニウムのうちの1つ以上を含む。所望であれば、接着層はまた、難燃性材料を含んでもよい。
【0009】
別の態様では、構造的強化を提供する車両積載床は、独立気泡材料を含むコア層と、コア層の第1の表面上に配設された第1の強化熱可塑性層であって、第1の繊維強化熱可塑性層が、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化材料によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、第1の強化熱可塑性層と、コア層の第2の表面上に配設された第2の強化熱可塑性層であって、第2の繊維強化熱可塑性層が、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化材料によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、第2の強化熱可塑性層と、を備え、コア層、第1の強化熱可塑性層、および第2の強化熱可塑性層は、一緒に、220kg以下の重量で約25mm未満だけ撓む車両積載床を提供する。
【0010】
特定の構成では、車両積載床は、第1の強化熱可塑性層に結合された装飾層を備える。いくつかの実施例では、装飾層は、カーペットを含む。特定の事例では、車両積載床は、装飾層と第1の強化熱可塑性層との間に接着層を備える。他の実施例では、車両積載床は、第2の強化熱可塑性層に結合された第2の装飾層を備える。いくつかの実施例では、第2の装飾層は、カーペットを含む。他の実施例では、車両積載床は、第2の装飾層と第2の強化熱可塑性層との間に接着層を備える。さらなる実施例では、車両積載床は、100kgの重量で15mm未満、または150kgの重量で15mm未満、または100kgの重量で10mm未満、または220kgの重量で5mm未満だけ撓む。いくつかの構成では、第1の強化熱可塑性層の熱可塑性材料は、第2の強化熱可塑性層に存在する熱可塑性材料と同様または異なる少なくとも1つの熱可塑性材料を含む。他の構成では、コア層の独立気泡材料は、方向性圧縮膨張性ポリスチレン発泡体、方向性圧縮押出ポリエチレン発泡体、および方向性圧縮膨張性ポリプロピレン発泡体からなる群、または代わりに、ポリウレタン発泡体もしくはセルロース系材料から選択される、方向性圧縮発泡体を含む。いくつかの事例では、第1の繊維強化層および第2の繊維強化層の各々の熱可塑性材料は、独立して、ポリオレフィン材料、熱可塑性ポリオレフィンブレンド材料、ポリビニルポ
リマー材料、ブタジエンポリマー材料、アクリルポリマー材料、ポリアミド材料、ポリエステル材料、ポリカーボネート材料、ポリエステルカーボネート材料、ポリスチレン材料、アクリロニトリルスチレンポリマー材料、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー材料、ポリエーテルイミド材料、ポリフェニレンエーテル材料、ポリフェニレンオキシド材料、ポリフェニレンスルフィド材料、ポリエーテル材料、ポリエーテルケトン材料、ポリアセタール材料、ポリウレタン材料、ポリベンズイミダゾール材料、ならびにこれらのコポリマーおよび混合物からなる群から選択される。他の構成では、第1の繊維強化層および第2の繊維強化層の各々の熱可塑性材料は、独立して、樹脂または繊維である。いくつかの実施形態では、第1の繊維強化熱可塑性層および第2の繊維強化熱可塑性層の各々の強化材料は、独立して、ガラス繊維、炭素繊維、黒鉛繊維、合成有機繊維、無機繊維、天然繊維、鉱物繊維、金属繊維、金属化無機繊維、金属化合成繊維、セラミック繊維、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。他の実施例では、繊維強化第1の層および第2の繊維強化層の各々に存在する繊維は、約5ミクロンよりも大きい直径と、約5mm~約200mmの長さと、を含む。いくつかの実施例では、第1の繊維強化層および第2の繊維強化層の各々に存在する熱可塑性材料は、ポリプロピレンを含み、第1の繊維強化層および第2の繊維強化層の各々に存在する強化材料は、ガラス繊維である。特定の事例では、第1および第2の繊維強化層の各々の坪量は、約500gsm~約3000gsmであり、コア層の坪量は、約300gsm~約2000gsmである。いくつかの実施例では、第1および第2の繊維強化層のうちの少なくとも一方は、ロフティング剤を含む。さらなる実施例では、車両積載床は、第1の繊維強化層および第2の繊維強化層のうちの少なくとも一方の上に配設されたカーペット層を備える。いくつかの実施形態では、第1の繊維強化層は、第1の接着層を介してコア層に結合されており、第2の繊維強化層は、第2の接着層を介してコア層に結合されている。他の実施形態では、第1の繊維強化層および第2の繊維強化層は、いかなるロフティング剤も含まず、第1の繊維強化層および第2の繊維強化層の熱可塑性材料および強化材料は、第1の繊維強化層および第2の繊維強化層にロフティング剤が存在しない場合に、第1の繊維強化層および第2の繊維強化層のロフティングを可能にするように、各々選択される。いくつかの実施例では、コア層、第1の強化熱可塑性層、および第2の強化熱可塑性層のうちの少なくとも1つは、難燃性材料を含む。特定の事例では、難燃性材料は、膨張性黒鉛材料、水酸化マグネシウム、および水酸化アルミニウムのうちの1つ以上を含む。所望であれば、接着層はまた、難燃性材料を含んでもよい。
【0011】
追加の態様では、車両積載床を製造するためのキットは、コア層、およびコア層から分離された第1の強化第1の強化熱可塑性層であって、コア層が、独立気泡材料を含み、第1の強化熱可塑性層が、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化材料によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、コア層を備える。キットはまた、第1の強化熱可塑性コア層をコア層の第1の表面に結合するための説明書を備えてもよい。
【0012】
いくつかの実施例では、キットは、コア層および第1の強化第1の強化熱可塑性層とは別々の第2の強化熱可塑性層を備える。他の実施例では、キットの第1の強化熱可塑性層は、キットの第2の強化熱可塑性層と同じである。いくつかの事例では、キットの第1の強化熱可塑性層の坪量は、キットの第2の強化熱可塑性層の坪量とは異なる。他の実施例では、キットは、コア層および第1の強化熱可塑性層とは別々の装飾層を備える。いくつかの実施形態では、キットは、第1の強化熱可塑性層をコア層に接合するのに有効な接着材料を備える。いくつかの実施例では、キットは、表皮層を備える。いくつかの事例では、表皮層は、布、スクリム、フィルム、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。他の実施例では、コア層の独立気泡材料は、方向性圧縮膨張性ポリスチレン発泡体、方向性圧縮押出ポリエチレン発泡体、および方向性圧縮膨張性ポリプロピレン発泡体からなる群から選択される、方向性圧縮発泡体を含む。特定の事例では、コア層は、平面シートとして構成される。
【0013】
別の態様では、多層アセンブリを形成する方法は、強化熱可塑性層を形成することであって、熱可塑性ポリマー、強化繊維、およびロフティング剤を水溶液に混ぜ合わせること、熱可塑性ポリマー、強化繊維、およびロフティング剤を含む水溶液を混合して、強化繊維およびロフティング剤を熱可塑性ポリマー中に分散させて、水性発泡体分散液を提供すること、水性発泡体分散液を形成要素上に配設すること、ならびに配設された水性発泡体から液体を除去して、熱可塑性ポリマー、強化繊維、およびロフティング剤を含むウェブを含む強化熱可塑性層を提供すること、によって形成することと、提供された強化熱可塑性層を、独立気泡材料を含むコア層の第1の表面上に配設することと、を含む。いくつかの実施例では、コア層、第1の強化熱可塑性層、および第2の強化熱可塑性層のうちの少なくとも1つは、難燃性材料を含む。特定の事例では、難燃性材料は、膨張性黒鉛材料、水酸化マグネシウム、および水酸化アルミニウムのうちの1つ以上を含む。所望であれば、接着材料はまた、難燃性材料を含んでもよい。
【0014】
特定の構成では、方法は、コア層の第1の表面上に提供された強化熱可塑性層を配設する前に、提供された強化熱可塑性層のウェブの熱可塑性ポリマーの軟化温度を上回って、提供された強化熱可塑性層を加熱することを含む。他の事例では、方法は、コア層の第1の表面上に提供された強化熱可塑性層を配設する前に、コア層の第1の表面上に接着層を配設することを含む。いくつかの実施例では、方法は、コア層の第1の表面上に提供された強化熱可塑性層を配設する前に、提供された強化熱可塑性層の表面上に接着層を配設することを含む。いくつかの実施例では、方法は、コア層の第2の表面上に第2の接着層を配設することを含む。他の構成では、方法は、配設された第2の接着層上に別の強化熱可塑性層を配設することを含む。いくつかの実施例では、方法は、別の強化熱可塑性層の表面上に第2の接着層を配設することを含む。特定の実施形態では、方法は、コア層上に別の強化熱可塑性層を配設して、コア層を第2の接着層を介して別の強化熱可塑性層に結合することを含む。他の実施例では、方法は、提供された強化熱可塑性シートを加熱して、提供された強化熱可塑性シートをロフティングすることを含む。特定の実施形態では、方法は、方向性圧縮膨張性ポリスチレン発泡体、方向性圧縮押出ポリエチレン発泡体、および方向性圧縮膨張性ポリプロピレン発泡体からなる群から選択される、方向性圧縮発泡体を含むように、コア層を構成することを含む。
【0015】
別の態様では、レクリエーション用車両の壁は、本明細書に記載の多層アセンブリのうちの1つ以上を含む。
【0016】
追加の態様では、レクリエーション用車両の天井は、本明細書に記載の多層アセンブリのうちの1つ以上を含む。
【0017】
別の態様では、レクリエーション用車両のスライドアウトアセンブリ、例えば、レクリエーション用車両にダイネット、バスルーム、または他の特徴部を含むものは、本明細書に記載の多層アセンブリのうちの1つ以上を含む。スライドアウトアセンブリの壁、天井、床、または構造部品のいずれかまたは全部は、本明細書に記載の多層アセンブリのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0018】
追加の態様では、スリーパキャブの寝台床は、本明細書に記載の多層アセンブリのうちの1つ以上を含む。
【0019】
別の態様では、外装パネルは、本明細書に記載の多層アセンブリのうちの1つ以上を含む。例えば、屋根ふきパネル、床パネル、壁パネル、住宅または商業構造で使用される内部または外部パネルなどは、本明細書に記載の多層アセンブリのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0020】
追加の態様では、屋根ふきパネルは、本明細書に記載の多層アセンブリのうちの1つ以上を含む。
【0021】
別の態様では、フローリングパネルは、本明細書に記載の多層アセンブリのうちの1つ以上を含む。
【0022】
追加の態様では、自動車積載床は、本明細書に記載の多層アセンブリのうちの1つ以上を含む。
【0023】
別の態様では、本明細書に記載の多層アセンブリの1つ以上を含む自動車積載床を備える車両が記載される。
【0024】
追加の態様では、本明細書に記載の車両積載床を備える車両が提供される。
別の態様では、タイヤカバーは、本明細書に記載の多層アセンブリのうちの1つ以上を含む。
【0025】
追加の態様では、デッキは、本明細書に記載の多層アセンブリのうちの1つ以上を含む。例えば、デッキは、所望であれば、住宅もしくは商業構造、またはレクリエーション用車両に取り付けることができる。
【0026】
追加の特徴、態様、実施例、構成、および実施形態は、以下でより詳細に記載される。
特定の実施形態を、添付の図面を参照して記載する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、特定の実施例による、表面層と、コア層と、を備える多層アセンブリの図である。
図2図2は、特定の構成による、2つの表面層と、コア層と、を備える多層アセンブリの図である。
図3A図3Aは、特定の構成による、コア層と、接着層と、表面層と、を備える多層アセンブリの図である。
図3B図3Bは、特定の構成による、表皮層または装飾層と組み合わせた図3Aのアセンブリを示す図である。
図4A図4Aは、特定の構成による、コア層と、2つの接着層と、2つの表面層と、を備える多層アセンブリの図である。
図4B図4Bは、特定の構成による、表皮層または装飾層と組み合わせた図4Aのアセンブリを示す図である。
図5A図5Aは、特定の構成による、2つのコア層と、1つの表面層と、を備える多層アセンブリの図である。
図5B図5Bは、別の表面層と組み合わせた図5Aのアセンブリを示す図である。
図5C図5Cは、特定の構成による、表皮層または装飾層と組み合わせた図5Bのアセンブリを示す図である。
図6A図6Aは、特定の構成による、2つのコア層と、2つの表面層と、を備える多層アセンブリの図である。
図6B図6Bは、別の表面層と組み合わせた図6Aのアセンブリを示す図である。
図6C図6Cは、特定の構成による、表皮層または装飾層と組み合わせた図6Bのアセンブリを示す図である。
図7図7は、特定の実施例による、車両床の図である。
図8図8は、特定の構成による、積載床の図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
当業者であれば、本開示の利益を踏まえて、より利用しやすい形の図面を提供するために、図面の中の特定の寸法または特徴が、拡大されて、歪まされて、あるいはその他の慣例にとらわれないまたは他の比例しない様式で示されている場合があることを認識するであろう。具体的な厚さ、幅、または長さは図面の描写によっては意図されず、また図面の構成要素の中の相対的なサイズは、図面の構成要素のうちのいずれかのサイズを限定することを意図するものではない。以下の説明で寸法または値が指定されている場合、寸法または値は、例示目的のみのために提供される。加えて、図面の特定の部分の陰影によって具体的な材料または配置が必要とされることは意図されておらず、また、図面の中の異なる構成要素は区別のために陰影を含む場合があるものの、異なる構成要素は、所望であれば同じまたは同様の材料を含んでもよい。
【0029】
本明細書に開示の技術のより利用しやすい説明を提供するために、単数形および複数形の用語に言及しつつ特定の実施形態が以下で説明される。これらの用語は便宜的に使用されているに過ぎず、本明細書に記載の具体的な実施形態の中に存在し、または本明細書に記載の具体的な実施形態から除外されるとして別段の記載がない限り、特定の特徴を含み、または排除するものとして、層、アセンブリ、物品、方法、および他の主題を限定することを意図するものではない。
【0030】
特定の事例では、本明細書に記載の材料を一緒に使用して、シート、パネル、フロアパン、積載床、車両の壁、天井、または床、例えば、レクリエーション用車両の壁、天井、または床、および他の物品を提供することができる。例えば、多層アセンブリは、壁または天井パネルとして、フローリング、サブフロアとして、または自動車用途、例えば車両積載床または車両のアンダーボディフロアなどで使用できる。アセンブリが車両積載床として使用される場合、積載床は車両車室内のアンダーボディアセンブリとして存在することがあり、または車両の1つ以上の異なる構成要素または区域として、例えば、車両後部の車両収納室内に引き込まれた積載床として存在することがある。いくつかの事例では、多層アセンブリは、いかなる車両からの支持構造的支持も伴わず、車両積載床として使用でき、例えば、積載床は、積載床の下の構造的支持または強化を提供することを必要とせずに、選択された重量の荷重を支持するように構築および配置されてもよい。本明細書に記載するように、多層アセンブリのいくつかの構成は、繊維強化熱可塑性表面層を使用して、かつ/またはいかなる繊維強化熱可塑性コア層も使用せずに製造されてもよい。他の事例では、多層アセンブリは、いかなるポリウレタンコア成分も使用せずに、またはいかなるポリウレタンもまったく使用せずに製造されてもよい。他の構成では、多層アセンブリは、いかなるセルロース系材料、例えばハニカム、紙などのも使用せずに製造されてもよい。しかし、所望であれば、層のうちの1つ以上は、ポリウレタン、ポリウレタン発泡体など、またはセルロース系材料、例えば、紙、ハニカムなどを含んでもよい。
【0031】
本明細書に記載のいくつかの実施形態では、コア層は、方向性圧縮発泡体などの方向性圧縮材料を含んでもよい。以下により詳細に記載するように、方向性圧縮性の材料は、概して、縦方向よりも横方向に大きな圧縮強度を含む(または、所望であれば逆の場合も同様である)。例えば、コア層は、コア層を含む物品全体により多くの剛性を付与するために、方向性圧縮強度を有する材料、例えば直交方向で異なる圧縮強度を有する材料を含んでもよい。コア層は通常、1つ以上の表面層または表皮とともに使用され、多くの形態をとることができる。いくつかの実施例では、表面層は、増加した多孔度を提供するため、および/または物品の全体の重量を減少するための非押出表面層である。
【0032】
特定の構成では、多層アセンブリは、互いに結合された2つ以上の異なる層を備えても
よい。図1を参照すると、2層アセンブリ100は、コア層110に結合された表面層120を含む。表面層120は、以下により詳細に記載するように、多孔性の強化熱可塑性表面層として構成することができる。コア層110は、通常、多孔性の強化熱可塑性層ではなく、水または他の流体の侵入を回避するために、独立気泡または実質的に非多孔性のコア層であってもよい。例示的なコア層を以下により詳細に説明するが、いくつかの構成では、コア層は、例えば、独立気泡発泡体、セルロース系製品、例えば、紙ハニカムまたは他の材料などの発泡体であってもよい。いくつかの構成では、コア層110は、非セルロースコア層または非ポリウレタンコア層として構成することができる。表面層120とコア層110との組み合わせは、例えば、床、壁、天井での使用を可能にするのに十分な積載荷重能力を提供する、軽量パネルまたは構造泰を提供することができる。
【0033】
特定の実施形態では、強化表面層120は、ガラスマット熱可塑性複合材(GMT)または軽量強化熱可塑性物質(LWRT)として構成され(またはそれにおいて使用され)てもよい。そのようなLWRTの1つは、HANWHA AZDEL、Inc.によって作製され、SUPERLITE(登録商標)マットの商標で販売されている。そのようなGMTまたはLWRTの面密度は、GMTまたはLWRTの約400グラム毎平方メートル(gsm)~約4000gsmの範囲になり得るが、面密度は、特定の用途の必要性に応じて具体的には、400gsm未満であり、または4000gsmよりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、上限密度は約4000gsm未満であり得る。特定の事例では、GMTまたはLWRTは、GMTまたはLWRTの空隙空間または細孔に配設された1つ以上のロフティング剤材料を含んでもよい。
【0034】
LWRTが表面層として使用される特定の実施例では、LWRTは、通常、連続気泡構造のウェブを一緒に形成する熱可塑性材料および複数の強化繊維を含む。例えば、表面層120は、通常、層内に空隙空間が存在するように、かなりの量の連続気泡構造を含む。いくつかの事例では、表面層120は、0~30%、10~40%、20~50%、30~60%、40~70%、50~80%、60~90%、0~40%、0~50%、0~60%、0~70%、0~80%、0~90%、10~50%、10~60%、10~70%、10~80%、10~90%、10~95%、20~60%、20~70%、20~80%、20~90%、20~95%、30~70%、30~80%、30~90%、30~95%、40~80%、40~90%、40~95%、50~90%、50~95%、60~95%、70~80%、70~90%、70~95%、80~90%、80~95%、またはこれらの例示的な範囲内の任意の例示的な値の空隙含有率または多孔度を含んでもよい。いくつかの事例では、表面層120は、0%よりも大きい多孔度または空隙含有率を含み、例えば、約95%まで完全に固化されていない。別段に明記しない限り、特定の空隙含有率または多孔度を含む表面層への言及は、その表面層の総体積に基づいており、必ずしも多層アセンブリの総体積に基づいているわけではない。
【0035】
特定の実施例では、表面層120は、GMTの形態で製造することができる。特定の事例では、GMTは、概して、チョップドガラス繊維、熱可塑性材料、任意でロフティング剤、および任意の熱可塑性ポリマーフィルム(複数可)、および/またはガラス繊維もしくは熱可塑性樹脂繊維、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、PC/PBTのブレンド、またはPC/PETのブレンドなどで作られた織布もしくは不織布を使用して作製することができる。いくつかの実施形態では、PP、PBT、PET、PC/PETブレンド、またはPC/PBTブレンドを樹脂として使用することができる。ガラスマットを製造するために、熱可塑性材料および強化材料を、羽根車を備えた上部開放混合槽に入れられた分散発泡体に添加し、または計量して入れることができる。何らかの特定の理論に拘束されることを望むものではないが、発泡体に捕捉された空気ポケットが存在することが、ガラス繊維、熱可塑性材料、およびロフティング剤の分散に役立つ可
能性がある。いくつかの実施例では、繊維と熱可塑性材料との分散混合物は、分散マニホールドを介して、抄紙機のワイヤ部分の上に位置しているヘッドボックスにポンプ移送されてもよい。分散混合物が真空を使用する可動ワイヤスクリーンに供給されて均一な繊維質の湿潤ウェブが連続的に製造されるのに伴って、繊維および熱可塑性樹脂ではなく発泡体を除去することができる。含水率を減少させ、熱可塑性材料を溶融または軟化させるために、湿潤ウェブを、好適な温度で乾燥機を通過させることができる。
【0036】
特定の実施形態では、表面層120に存在する高い多孔度は、層の全体の重量を減少することができ、空隙空間内に薬剤を含めることを可能にすることができる。例えば、ロフティング剤は、非共有接合様式で空隙空間に存在し得る。熱または他の摂動の適用は、非共有接合ロフティング剤の体積を増加させるように作用することができ、その結果、層の全体の厚さが増加し、例えば、ロフティング剤のサイズが増加するにつれて、および/または追加の空気が層に捕捉されるにつれて層が増加する。所望であれば、難燃剤、着色剤、発煙抑制剤、および他の材料を表面層120の空隙空間に含めてもよい。ロフティングの前に、表面層120を圧縮して全体の厚さを減少させることができ、例えば、その層が1つ以上の他の層に結合される前または後に圧縮することができる。
【0037】
特定の実施形態では、表面層120の熱可塑性材料は、少なくとも部分的に、可塑化されているものと可塑化されていないものの両方の、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、およびポリ塩化ビニル、ならびにこれらの材料の互いとのまたは他のポリマー材料とのブレンドのうちの1つ以上を含んでもよい。他の好適な熱可塑性樹脂としては、限定するものではないが、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、コポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、アモルファスナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、PARMAX(登録商標)として商業的に知られているポリ(1,4フェニレン)化合物、BayerのAPEC(登録商標)PCなどの高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、シリコーン、ならびにこれらの材料の互いとのまたは他のポリマー材料とのコポリマー、合金、およびブレンドが挙げられる。層120を形成するために使用される熱可塑性材料は、粉末形態、樹脂形態、ロジン形態、粒子形態、繊維形態、または他の好適な形態で使用することができる。様々な形態の例示的な熱可塑性材料が本明細書に記載されており、例えば、米国特許出願公開第20130244528およびUS20120065283にも記載されている。表面層120に存在する熱可塑性材料の厳密な量は変化し得、例示的な量は、約20重量%~約80重量%、例えば、30~70重量パーセントまたは35~65重量パーセントの範囲である。
【0038】
特定の実施例では、表面層120の強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、黒鉛繊維、合成有機繊維、特に、高弾性率有機繊維、(例えば、パラ-およびメタ-アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、または繊維としての使用に適した本明細書に記載の任意の高メルトフローインデックス樹脂など)、鉱物繊維(玄武岩)、ミネラルウール(例えば、ロックウールまたはスラグウール)、珪灰石、アルミナシリカなど、またはこれらの混合物など、金属繊維、金属化天然および/または合成繊維、セラミック繊維、糸繊維、またはこれらの混合物を含んでもよい。いくつかの実施形態では、繊維に望ましい官能基を提供するために、もしくは他の物理的特性を付与するために、前述の繊維のうちのいずれかを使用前に化学的に処理することができ、例えば、これらが熱可塑性材料、ロフティング剤、または両方と反応できるように、化学的に処理してもよい。層120の繊維含有量は、独立して、層の約20重量%~約90重量%、より具体的には、層の約30重量%~約70重量%であってもよい。通常、表面層120を含む多層アセンブリの繊維含有量
は、アセンブリの約20重量%~約90重量%、より具体的には、約30重量%~約80重量%、例えば、約40重量%~約70重量%の間で変化する。使用される繊維の特定のサイズおよび/または配向は、少なくとも部分的に、使用される熱可塑性ポリマー材料および/または表面層120の所望の特性によって異なり得る。好適な追加の繊維のタイプ、繊維のサイズ、および量は、本開示の利益を踏まえて、当業者によって容易に選択されるであろう。非限定的な一例では、表面層120を提供するための熱可塑性材料および任意でロフティング剤中に分散された繊維は、概して、約5ミクロンよりも大きい、より具体的には、約5ミクロン~約22ミクロンの直径および約5mm~約200mmの長さを有し、より具体的には、繊維の直径は約ミクロン~約22ミクロンであってもよく、繊維の長さは約5mm~約75mmであってもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、表面層120のロフティング能力は、1つ以上の追加のロフティング剤を含めることによって、さらに調整することができる。層120で使用されるロフティング剤の厳密なタイプは、例えば、所望のロフティング温度、所望のロフティングの度合いなどを含む多数の要因によって異なり得る。いくつかの事例では、微小球ロフティング剤、例えば、対流加熱にさらされるとサイズが増加し得る膨張性微小球を使用してもよい。例示的な市販のロフティング剤は、Kureha Corp.(日本)から入手可能である。他の事例では、第1の平均粒子サイズを有する第1のロフティング剤、および第1の平均粒子サイズとは異なる第2の平均粒子サイズを有する第2のロフティング剤を層120で使用してもよい。他の実施例では、ロフティング剤は、膨張性黒鉛材料であってもよい。
【0040】
いくつかの実施例では、コア層110は、独立気泡発泡体、または多孔性繊維強化熱可塑性層ではない他の材料を含んでもよく、例えば、独立気泡発泡体は、約5%、4%、3%、2%、または1%未満の多孔度を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コア層は、噴霧された、または噴霧可能なコア層ではないが、代わりに、コア層110の形成後に表面層120に結合され得る固体の平面層である。いくつかの実施例では、コア層110は、発泡体、厚紙、紙ハニカム、またはこれらの組み合わせのうちの1つ以上を含んでもよい。他の実施例では、コア層110は、ポリスチレン発泡体、膨張性または押出ポリオレフィン発泡体(例えば、押出ポリエチレンもしくは膨張性ポリプロピレン)または他の発泡体を含み、あるいはこれらであり得る。いくつかの事例では、コア層は、いかなるポリウレタン材料も欠いていてもよく、かつ/またはいかなるセルロース材料も欠いていてもよい。何らかの特定の理論に拘束されることを望むものではないが、ポリウレタンおよび/またはセルロースなどの特定の材料の存在は、縁部の変形をもたらし、かつ/または水分がコア層に浸透した場合にカビの成長を可能にする場合がある。特定の材料の発泡体コア層を使用することにより、きれいな縁部が存在し得、カビの成長の問題を回避することができ、より軽い面積重量でより高い圧縮強度を得ることができる。コア層110の例示的な坪量としては、限定するものではないが、約300gsm~約2000gsm、より具体的には、約500gsm~約1900gsm、または約500gsm~約1500gsmが挙げられる。
【0041】
いくつかの実施形態では、コア層110は、縦方向よりも横方向の圧縮強度が大きい発泡体を含んでもよい。例えば、コア層110は、コア層110および表面層120を含む物品全体により多くの剛性を付与するために、方向性圧縮強度を有する発泡体、例えば直交方向で異なる圧縮強度を有する発泡体を含んでもよい。方向性圧縮強度を提供できる発泡体は、Dow Corningおよびその他のサプライヤーから市販されている。コア層110は、通常、最初に発泡体(または他の材料)から形成され、次に表面層120に結合される。いくつかの構成では、コア層110の材料は、コア層110への実質的な損傷を伴わずに、コア層110の圧縮を可能にするように構築および配置することができる。コア層110の材料はまた、コア層110への実質的な損傷を伴わずに、物品100に
熱成形、例えば圧縮、成形などを行えるように選択することができる。繊維熱可塑性コア層と比較して、同等の坪量では、独立気泡発泡体(または非繊維強化熱可塑性材料)を含むコア層110の存在は、より良い性能およびより高い強度を提供することができる。
【0042】
いくつかの構成では、表面層120(および任意でコア層110)は、特定の用途のための有害物質の要件についての規制を満たすために、実質的にハロゲンを含まない、またはハロゲンを含まない層であってもよい。他の事例では、層110、120のうちの一方以上は、ハロゲン化難燃剤、例えば、より多くのF、Cl、Br、I、およびAtのうちの1つを含むハロゲン化難燃剤など、またはそのようなハロゲンを含む化合物、例えば、テトラブロモビスフェノール-Aポリカーボネートまたはモノハロ-、ジハロ-、トリハロ-、もしくはテトラハロ-ポリカーボネートを含んでもよい。いくつかの事例では、表面層120で使用される熱可塑性材料は、別の難燃剤を添加せずに、いくらかの難燃性を付与するために、1つ以上のハロゲンを含んでもよい。ハロゲン化難燃剤が存在する場合、難燃剤は、望ましくは難燃剤量で存在し、これは、存在する他の成分に応じて変化し得る。例えば、ハロゲン化難燃剤は、(層の重量を基準として)約0.1重量パーセント~約15重量パーセント、より具体的には、約1重量パーセント~約13重量パーセント、例えば、約5重量パーセント~約13重量パーセントで存在してもよい。所望であれば、2つの異なるハロゲン化難燃剤を層に添加してもよい。他の事例では、非ハロゲン化難燃剤、例えば、N、P、As、Sb、Bi、S、Se、およびTeのうちの1つ以上を含む難燃剤などを添加してもよい。いくつかの実施形態では、非ハロゲン化難燃剤は、リン酸化材料を含んでもよく、そのため層はより環境に優しいものとなり得る。非ハロゲン化難燃剤または実質的にハロゲンを含まない難燃剤が存在する場合、難燃剤は、望ましくは難燃剤量で存在し、これは、存在する他の成分に応じて変化し得る。例えば、実質的にハロゲンを含まない難燃剤は、(層の重量を基準として)約0.1重量パーセント~約15重量パーセント、より具体的には、層の重量を基準として、約1重量パーセント~約13重量パーセント、例えば、5重量パーセント~約13重量パーセントで存在してもよい。所望であれば、実質的にハロゲンを含まない2つの異なる難燃剤を層110、120のうちの一方以上に添加してもよい。特定の事例では、本明細書に記載の層110、120の一方以上は、1つ以上の実質的にハロゲンを含まない難燃剤と組み合わせて、1つ以上のハロゲン化難燃剤を含んでもよい。2つの異なる難燃剤が存在する場合、2つの難燃剤の組み合わせは、難燃剤量で存在してもよく、これは、存在する他の成分に応じて変化し得る。例えば、難燃剤の総重量は、(層の重量を基準として)約0.1重量パーセント~約20重量パーセント、より具体的には、層の重量を基準として、約1重量パーセント~約15重量パーセント、例えば、約2重量パーセント~約14重量パーセントであってもよい。本明細書に記載の層で使用される難燃剤は、熱可塑性材料および繊維を含む混合物に(ワイヤスクリーンもしくは他の処理構成要素上に混合物を配設する前に)添加することができ、または層が形成された後に添加することができる。いくつかの実施例では、難燃性材料は、膨張性黒鉛材料、水酸化マグネシウム(MDH)、および水酸化アルミニウム(ATH)のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0043】
特定の構成において図2を参照すると、多層アセンブリ200は、コア層210の各表面上に表面層220、230を含んでもよい。表面層220、230は同じであってもよく、またはそれらは異なっていてもよい。特定の事例では、表面層220、230は、概して、同じ材料を含んでもよいが、異なる量の材料、例えば、異なる量の強化繊維および/または異なる量の熱可塑性材料を有してもよい。他の実施例では、表面層220、230は、同じ熱可塑性材料を含んでもよいが、異なる強化繊維を含んでもよい。追加の構成では、表面層220、230は、同じ強化繊維を含んでもよいが、異なる熱可塑性材料を含んでもよい。他の事例では、表面層220、230は、同じ強化材料および熱可塑性材料を含んでもよいが、異なる坪量、異なる多孔度、または他の異なる物理的特性を有してもよい。いくつかの実施例では、表面層220、230は、同じ強化繊維および同じ熱可
塑性材料を含んでもよいが、可変のロフティング能力を提供するために、異なる厚さまたは異なる量のロフティング剤を有してもよい。
【0044】
特定の実施例では、表面層220、230の各々は、表面層120と同様に独立して構成されてもよく、例えば、表面層220、230の各々は、GMTまたはLWRTであってもよい。例えば、表面層220、230の各々は、1つ以上の熱可塑性材料を含むLWRTとして構成されてもよい。いくつかの実施例では、層220、230の各々に存在する熱可塑性材料は、独立して、少なくとも部分的に、可塑化されているものと可塑化されていないものの両方の、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、およびポリ塩化ビニル、ならびにこれらの材料の互いとのまたは他のポリマー材料とのブレンドのうちの1つ以上を含んでもよい。他の好適な熱可塑性樹脂としては、限定するものではないが、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、コポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、アモルファスナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、PARMAX(登録商標)として商業的に知られているポリ(1,4フェニレン)化合物、BayerのAPEC(登録商標)PCなどの高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、シリコーン、ならびにこれらの材料の互いとのまたは他のポリマー材料とのコポリマー、合金、およびブレンドが挙げられる。層220、230を形成するために使用される熱可塑性材料は、粉末形態、樹脂形態、ロジン形態、粒子形態、繊維形態、または他の好適な形態で使用することができ、異なる層220、230で使用される形態は同じである必要はない。様々な形態の例示的な熱可塑性材料が本明細書に記載されており、例えば、米国特許出願公開第20130244528およびUS20120065283にも記載されている。表面層220、230に存在する熱可塑性材料の厳密な量は変化し得、例示的な量は、約20重量%~約80重量%、例えば、30~70重量パーセントまたは35~65重量パーセントの範囲である。本明細書に記載するように、表面層220、230に存在する熱可塑性材料の量は、同じである必要はない。
【0045】
特定の実施例では、表面層220、230の強化繊維は、独立して、ガラス繊維、炭素繊維、黒鉛繊維、合成有機繊維、特に、高弾性率有機繊維、(例えば、パラ-およびメタ-アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、または繊維としての使用に適した本明細書に記載の任意の高メルトフローインデックス樹脂など)、鉱物繊維(玄武岩など)、ミネラルウール(例えば、ロックウールまたはスラグウール)、珪灰石、アルミナシリカなど、またはこれらの混合物、金属繊維、金属化天然および/または合成繊維、セラミック繊維、糸繊維、またはこれらの混合物を含んでもよい。いくつかの実施形態では、繊維に望ましい官能基を提供するために、もしくは他の物理的特性を付与するために、前述の繊維のうちのいずれかを使用前に化学的に処理することができ、例えば、これらが熱可塑性材料、ロフティング剤、または両方と反応できるように、化学的に処理してもよい。いくつかの事例では、表面層220、230のうちの一方の繊維は、化学的に処理され、表面層220、230のうちの他方の繊維は、化学的に処理されない。層220、230の各々の繊維含有量は、独立して、層の約20重量%~約90重量%、より具体的には、層の約30重量%~約70重量%であってもよい。通常、表面層220、230を含む多層アセンブリの繊維含有量は、アセンブリの約20重量%~約90重量%、より具体的には、約30重量%~約80重量%、例えば、約40重量%~約70重量%の間で変化する。使用される繊維の特定のサイズおよび/または配向は、少なくとも部分的に、使用される熱可塑性ポリマー材料および/または表面層220、230の所望の特性によって異なり得る。好適な追加の繊維のタイプ、繊維のサイズ、および量は、本開示の利益を踏まえて、当業者によって容易に選択されるであろう。非限定的な一例では、表面層220、2
30を提供するための熱可塑性材料および任意でロフティング剤中に分散された繊維は、概して、約5ミクロンよりも大きい、より具体的には、約5ミクロン~約22ミクロンの直径および約5mm~約200mmの長さを有し、より具体的には、繊維の直径は、約ミクロン~約22ミクロンであってもよく、繊維の長さは、約5mm~約75mmであってもよい。
【0046】
特定の実施形態では、表面層220、230は、異なる繊維材料または異なる繊維充填剤を含み得る。異なる繊維材料が存在する場合、繊維は完全に異なる繊維、例えば、ある層のガラス繊維および別の層の炭素繊維であってもよく、または、化学的に処理された同じ基材、例えば、ある層のガラス繊維および別の層で化学的に処理されたガラス繊維を含んでもよい。いくつかの事例では、繊維は同じ繊維材料であってもよいが、繊維の1つ以上の物理的特性は異なっていてもよい。例えば、層220の繊維は、たとえ層220、230の繊維材料が同じであっても異なっていても、層230に存在する繊維の直径とは異なる第1の直径を有してもよい。他の事例では、層220の繊維の長さは、たとえ層220、230に存在する繊維材料が同じであっても異なっていても、層230に存在する繊維の長さとは異なってもよい。追加の実施例では、層220、230に存在する繊維材料は同じであっても異なっていても、層220の繊維の長さおよび直径の両方は、層230の繊維の長さおよび直径とは異なってもよい。さらに他の実施例では、2つ以上の異なる繊維を層220、230のうちの一方で使用してもよく、単一のタイプの繊維が他の層に存在してもよい。本明細書に記載するように、繊維の量および/またはタイプを選択することにより、表面層220、230の物理的特性を変化させ、例えば、アセンブリの異なる表面層に異なるロフティング容量を提供することが可能である。
【0047】
いくつかの実施例では、コア層210は、独立気泡発泡体、または繊維強化熱可塑性層ではない他の材料を含んでもよく、例えば、コア層210の独立気泡発泡体は、約5%、4%、3%、2%、または1%未満の多孔度を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コア層は、噴霧された、または噴霧可能なコア層ではないが、代わりに、コア層210の形成後に表面層220、230に結合され得る固体の平面層である。いくつかの実施例では、コア層210は、発泡体、厚紙、紙ハニカム、またはこれらの組み合わせのうちの1つ以上を含んでもよい。他の実施例では、コア層210は、ポリスチレン発泡体、膨張性または押出ポリオレフィン発泡体(例えば、押出ポリエチレンもしくは膨張性ポリプロピレン)または他の発泡体を含み、あるいはこれらであり得る。いくつかの事例では、コア層は、いかなるポリウレタン材料も欠いていてもよく、かつ/またはいかなるセルロース材料も欠いていてもよい。コア層210に特定の発泡体材料を使用することによって、きれいな縁部が存在し得、カビの成長の問題を回避でき、より軽い面積重量でより高い圧縮強度を得ることができる。コア層210の例示的な坪量としては、限定するものではないが、約300gsm~約2000gsm、より具体的には、約500gsm~約1900gsm、または約500gsm~約1500gsmが挙げられる。
【0048】
いくつかの実施形態では、コア層210は、縦方向よりも横方向の圧縮強度が大きい発泡体を含んでもよい。例えば、コア層210は、コア層210および表面層220、230を含む物品全体により多くの剛性を付与するために、方向性圧縮強度を有する発泡体、例えば直交方向で異なる圧縮強度を有する発泡体を含んでもよい。方向性圧縮強度を提供できる発泡体は、Dow Corningおよびその他のサプライヤーから市販されている。コア層210は、通常、最初に発泡体(または他の材料)から形成され、次に表面層220、230に結合される。いくつかの構成では、コア層210の材料は、コア層210への実質的な損傷を伴わずに、コア層210の圧縮を可能にするように構築および配置することができる。コア層210の材料はまた、コア層210への実質的な損傷を伴わずに、物品200に熱成形、例えば圧縮、成形などを行えるように選択することができる。繊維熱可塑性コア層と比較して、同等の坪量では、独立気泡発泡体(または非繊維強化熱
可塑性材料)を含むコア層210の存在は、より良い性能とより高い強度を提供することができる。
【0049】
いくつかの構成では、表面層220、230(および任意でコア層210)は、特定の用途のための有害物質の要件についての規制を満たすために、実質的にハロゲンを含まない、またはハロゲンを含まない層であってもよい。他の事例では、層210、220、230のうちの1つ以上は、ハロゲン化難燃剤、例えば、より多くのF、Cl、Br、I、およびAtのうちの1つを含むハロゲン化難燃剤など、またはそのようなハロゲンを含む化合物、例えば、テトラブロモビスフェノール-Aポリカーボネートまたはモノハロ-、ジハロ-、トリハロ-、もしくはテトラハロ-ポリカーボネートを含んでもよい。いくつかの事例では、表面層220、230のうちの一方以上で使用される熱可塑性材料は、別の難燃剤を添加せずに、いくらかの難燃性を付与するために、1つ以上のハロゲンを含んでもよい。ハロゲン化難燃剤が存在する場合、難燃剤は、望ましくは難燃剤量で存在し、これは、存在する他の成分に応じて変化し得る。例えば、ハロゲン化難燃剤は、(層の重量を基準として)約0.1重量パーセント~約15重量パーセント、より具体的には、約1重量パーセント~約13重量パーセント、例えば、約5重量パーセント~約13重量パーセントで存在してもよい。所望であれば、2つの異なるハロゲン化難燃剤を層に添加してもよい。他の事例では、非ハロゲン化難燃剤、例えば、N、P、As、Sb、Bi、S、Se、およびTeのうちの1つ以上を含む難燃剤などを添加してもよい。いくつかの実施形態では、非ハロゲン化難燃剤は、リン酸化材料を含んでもよく、そのため層はより環境に優しいものとなり得る。非ハロゲン化難燃剤または実質的にハロゲンを含まない難燃剤が存在する場合、難燃剤は、望ましくは難燃剤量で存在し、これは、存在する他の成分に応じて変化し得る。例えば、実質的にハロゲンを含まない難燃剤は、(層の重量を基準として)約0.1重量パーセント~約15重量パーセント、より具体的には、層の重量を基準として、約1重量パーセント~約13重量パーセント、例えば、5重量パーセント~約13重量パーセントで存在してもよい。所望であれば、実質的にハロゲンを含まない2つの異なる難燃剤を層210、220、および230のうちの1つ以上に添加してもよい。特定の事例では、層210、220、および230のうちの1つ以上は、1つ以上の実質的にハロゲンを含まない難燃剤と組み合わせて、1つ以上のハロゲン化難燃剤を含んでもよい。2つの異なる難燃剤が存在する場合、2つの難燃剤の組み合わせは、難燃剤量で存在してもよく、これは、存在する他の成分に応じて変化し得る。例えば、難燃剤の総重量は、(層の重量を基準として)約0.1重量パーセント~約20重量パーセント、より具体的には、層の重量を基準として、約1重量パーセント~約15重量パーセント、例えば、約2重量パーセント~約14重量パーセントであってもよい。本明細書に記載の層で使用される難燃剤は、熱可塑性材料および繊維を含む混合物に(ワイヤスクリーンもしくは他の処理構成要素上に混合物を配設する前に)添加することができ、または層が形成された後に添加することができる。いくつかの実施例では、難燃性材料は、膨張性黒鉛材料、水酸化マグネシウム(MDH)、および水酸化アルミニウム(ATH)のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0050】
図2に示す構成では、表面層220、230のロフティング能力は、1つ以上の追加のロフティング剤を含めることによって、さらに調整することができる。層220、230で使用されるロフティング剤の厳密なタイプは、例えば、所望のロフティング温度、所望のロフティングの度合いなどを含む多数の要因によって異なり得る。いくつかの事例では、微小球ロフティング剤、例えば、対流加熱にさらされるとサイズが増加し得る膨張性微小球を使用してもよい。例示的な市販のロフティング剤は、Kureha Corp.(日本)から入手可能である。他の事例では、第1の平均粒子サイズを有する第1のロフティング剤、および第1の平均粒子サイズとは異なる第2の平均粒子サイズを有する第2のロフティング剤を使用してもよい。他の実施例では、ロフティング剤は、膨張性黒鉛材料であってもよい。表面層220、230は、同じロフティング能力または異なるロフティ
ング能力を提供するように構成することができる。例えば、熱または他のロフティング刺激にさらされると、層220のロフティング後の厚さは、層230の厚さよりも大きくなり得る。例えば、ロフティング前の層220の厚さは約1~2mmであってもよく、ロフティング後は約10~15mmであってもよい。ロフティング前の層220、230の厚さもまた、約1~2mmであってもよく、ロフティング後は約6~8mmであってもよい。これらの厚さの変化は、いかなるロフティング剤も添加しなくても発生し得る。例えば、何らかの特定の理論に拘束されることを望むものではないが、ロフティング中に熱可塑性材料は溶融し、強化材料の保持を解除して、強化材料がより多くの体積を占めることを可能にし得る。熱可塑性材料の後続の冷却は、事前にロフティングされたウェブよりも大きな体積を有する連続気泡構造のウェブの再形成をもたらし得る。層220内の熱可塑性材料および/または強化材料のレベルを調整することにより、層220の体積が増加できる程度を選択してもよい。対照的に、層230に存在する熱可塑性材料および/または強化材料の量は、ロフティング中の熱可塑性材料の溶融が全体の体積の実質的な増加をもたらさないように選択することができる。層230のウェブがロフティング後に再形成されるとき、結果として生じるロフティング後のウェブ体積は、ロフティング前のウェブ体積と実質的には異ならない。所望であれば、層220、230のうちの一方以上は、全体の体積をさらに増加させるために、追加のロフティング剤を含んでもよい。例えば、層220は、ロフティング後の全体の体積をさらに選択するために、追加のロフティング剤を含んでもよい。いくつかの事例では、ロフティング後の層220(および/またはロフティング後の層230)が約20~25mmの厚さを有するように、十分なロフティング剤が存在する。いくつかの実施例では、層220は、ポリオレフィン、強化繊維、およびロフティング剤を含んでもよく、層230は、ポリオレフィン(これは、層220中のポリオレフィンと同じであっても異なっていてもよい)および強化材料を含んでもよい。特定の構成では、層220、230の各々に存在するポリオレフィンは、ポリプロピレンまたはポリプロピレンを含むポリオレフィンコポリマーであってもよい。いくつかの実施形態では、層220、230の各々の強化材料は、任意で、他の繊維と組み合わせたガラス繊維を含んでもよい。層220、230の各々における熱可塑性材料および強化材料の厳密な重量パーセントは変化し得、層220、230における例示的な重量パーセントは、約40~60重量パーセントの熱可塑性材料であり、残りは強化材料である。所望であれば、表面層230は、層220よりも高いロフティング能力を有するように構成することができる。
【0051】
1つ以上のコア層と組み合わせて強化熱可塑性表面層を含む多層アセンブリの考えられる構成のいくつかをさらに示すために、いくつかの異なる例示的な層アセンブリをここに記載する。この開示の利益を踏まえると、追加の構成が当業者によって認識されるであろう。図3Aを参照すると、接着層315を介して互いに結合されたコア層310および表面層320を含む複合物品300が示されている。表面層320は、表面層120、220、または230のいずれかと同様に構成されてもよく、例えば、GMTまたはLWRTなどの多孔性繊維強化熱可塑性層であってもよい。図示されていないが、追加の表面層をコア層310の反対側の表面に結合することができる。
【0052】
特定の実施例では、表面層320は、ガラスマット熱可塑性複合材(GMT)または軽量強化熱可塑性物質(LWRT)を含むか、またはそれとして構成され(またはそれにおいて使用され)てもよい。そのようなGMTまたはLWRTの面密度は、GMTまたはLWRTの約400グラム毎平方メートル(gsm)~約4000gsmの範囲になり得るが、面密度は、特定の用途の必要性に応じて具体的には、400gsm未満であり、または4000gsmよりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、上限密度は約4000gsm未満であり得る。特定の事例では、GMTまたはLWRTは、GMTまたはLWRTの空隙空間または細孔に配設された1つ以上のロフティング剤材料を含んでもよい。LWRTが表面層320として使用される特定の実施例では、LWRTは、通常、連続気
泡構造のウェブを一緒に形成する熱可塑性材料および複数の強化繊維を含む。例えば、表面層320は、通常、層内に空隙空間が存在するように、かなりの量の連続気泡構造を含む。いくつかの事例では、表面層320は、0~30%、10~40%、20~50%、30~60%、40~70%、50~80%、60~90%、0~40%、0~50%、0~60%、0~70%、0~80%、0~90%、10~50%、10~60%、10~70%、10~80%、10~90%、10~95%、20~60%、20~70%、20~80%、20~90%、20~95%、30~70%、30~80%、30~90%、30~95%、40~80%、40~90%、40~95%、50~90%、50~95%、60~95%、70~80%、70~90%、70~95%、80~90%、80~95%、またはこれらの例示的な範囲内の任意の例示的な値の空隙含有率または多孔度を含んでもよい。いくつかの事例では、表面層320は、0%よりも大きい多孔度または空隙含有率を含み、例えば、約95%まで完全に固化されていない。別段に明記しない限り、特定の空隙含有率または多孔度を含む表面層への言及は、その表面層の総体積に基づいており、必ずしも多層アセンブリの総体積に基づいているわけではない。
【0053】
特定の実施例では、表面層320は、GMTの形態で製造することができる。特定の事例では、GMTは、概して、チョップドガラス繊維、熱可塑性材料、任意でロフティング剤、および任意の熱可塑性ポリマーフィルム(複数可)、および/またはガラス繊維もしくは熱可塑性樹脂繊維、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、PC/PBTのブレンド、またはPC/PETのブレンドなどで作られた織布もしくは不織布を使用して作製することができる。いくつかの実施形態では、PP、PBT、PET、PC/PETブレンド、またはPC/PBTブレンドを樹脂として使用することができる。ガラスマットを製造するために、熱可塑性材料および強化材料を、羽根車を備えた上部開放混合槽に入れられた分散発泡体に添加し、または計量して入れることができる。何らかの特定の理論に拘束されることを望むものではないが、発泡体に捕捉された空気ポケットが存在することが、ガラス繊維、熱可塑性材料、およびロフティング剤の分散に役立つ可能性がある。いくつかの実施例では、繊維と熱可塑性材料との分散混合物は、分散マニホールドを介して、抄紙機のワイヤ部分の上に位置しているヘッドボックスにポンプ移送してもよい。分散混合物が真空を使用する可動ワイヤスクリーンに供給されて均一な繊維質の湿潤ウェブが連続的に製造されるのに伴って、繊維および熱可塑性樹脂ではなく発泡体を除去することができる。含水率を減少させ、熱可塑性材料を溶融または軟化させるために、湿潤ウェブを、好適な温度で乾燥機を通過させることができる。
【0054】
特定の実施形態では、表面層320に存在する高い多孔度は、物品300の全体の重量を低下させることができ、空隙空間内に薬剤を含めることを可能にすることができる。例えば、ロフティング剤は、非共有接合様式で空隙空間に存在し得る。熱または他の摂動の適用は、非共有接合ロフティング剤の体積を増加させるように作用することができ、その結果、層の全体の厚さが増加し、例えば、ロフティング剤のサイズが増加するにつれて、および/または追加の空気が層に捕捉されるにつれて層が増加する。所望であれば、難燃剤、着色剤、発煙抑制剤、および他の材料を表面層320の空隙空間に含めてもよい。ロフティングの前に、表面層320を圧縮して全体の厚さを減少させることができ、例えば、その層が1つ以上の他の層に結合される前または後に圧縮することができる。
【0055】
特定の実施形態では、表面層320の熱可塑性材料は、少なくとも部分的に、可塑化されているものと可塑化されていないものの両方の、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、およびポリ塩化ビニル、ならびにこれらの材料の互いとのまたは他のポリマー材料とのブレンドのうちの1つ以上を含んでもよい。他の好適な熱可塑性樹脂としては、限定するものではないが、ポリアリーレ
ンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、コポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、アモルファスナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、PARMAX(登録商標)として商業的に知られているポリ(1,4フェニレン)化合物、BayerのAPEC(登録商標)PCなどの高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、シリコーン、ならびにこれらの材料の互いとのまたは他のポリマー材料とのコポリマー、合金、およびブレンドが挙げられる。層320を形成するために使用される熱可塑性材料は、粉末形態、樹脂形態、ロジン形態、粒子形態、繊維形態、または他の好適な形態で使用することができる。様々な形態の例示的な熱可塑性材料が本明細書に記載されており、例えば、米国特許出願公開第20130244528およびUS20120065283にも記載されている。表面層320に存在する熱可塑性材料の厳密な量は変化し得、例示的な量は、約20重量%~約80重量%、例えば、30~70重量パーセントまたは35~65重量パーセントの範囲である。
【0056】
特定の実施例では、表面層320の強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、黒鉛繊維、合成有機繊維、特に、高弾性率有機繊維、(例えば、パラ-およびメタ-アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、または繊維としての使用に適した本明細書に記載の任意の高メルトフローインデックス樹脂など)、鉱物繊維(玄武岩)、ミネラルウール(例えば、ロックウールまたはスラグウール)、珪灰石、アルミナシリカなど、またはこれらの混合物など、金属繊維、金属化天然および/または合成繊維、セラミック繊維、糸繊維、またはこれらの混合物を含んでもよい。いくつかの実施形態では、繊維に望ましい官能基を提供するために、もしくは他の物理的特性を付与するために、前述の繊維のうちのいずれかを使用前に化学的に処理することができ、例えば、これらが熱可塑性材料、ロフティング剤、または両方と反応できるように、化学的に処理してもよい。層320の繊維含有量は、独立して、層の約20重量%~約90重量%、より具体的には、層の約30重量%~約70重量%であってもよい。通常、表面層320を含む多層アセンブリの繊維含有量は、アセンブリの約20重量%~約90重量%、より具体的には、約30重量%~約80重量%、例えば、約40重量%~約70重量%の間で変化する。使用される繊維の特定のサイズおよび/または配向は、少なくとも部分的に、使用される熱可塑性ポリマー材料および/または表面層320の所望の特性によって異なり得る。好適な追加の繊維のタイプ、繊維のサイズ、および量は、本開示の利益を踏まえて、当業者によって容易に選択されるであろう。非限定的な一例では、表面層320を提供するための熱可塑性材料および任意でロフティング剤中に分散された繊維は、概して、約5ミクロンよりも大きい、より具体的には、約5ミクロン~約22ミクロンの直径および約5mm~約200mmの長さを有し、より具体的には、繊維の直径は、約ミクロン~約22ミクロンであってもよく、繊維の長さは、約5mm~約75mmであってもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、表面層320のロフティング能力は、1つ以上の追加のロフティング剤を含めることによって、さらに調整することができる。層320で使用されるロフティング剤の厳密なタイプは、例えば、所望のロフティング温度、所望のロフティングの度合いなどを含む多数の要因によって異なり得る。いくつかの事例では、微小球ロフティング剤、例えば、対流加熱にさらされるとサイズが増加し得る膨張性微小球を使用してもよい。例示的な市販のロフティング剤は、Kureha Corp.(日本)から入手可能である。他の事例では、第1の平均粒子サイズを有する第1のロフティング剤、および第1の平均粒子サイズとは異なる第2の平均粒子サイズを有する第2のロフティング剤を層320で使用してもよい。他の実施例では、ロフティング剤は、膨張性黒鉛材料であってもよい。
【0058】
特定の例では、コア層310は、本明細書に記載のコア層110、210と同様に構成
されてもよく、例えば、多孔性繊維強化熱可塑性層でなくてもよく、または独立気泡発泡体であってもよい。特定の構成では、コア層310は、独立気泡発泡体、または繊維強化熱可塑性層ではない他の材料を含んでもよく、例えば、コア層310の独立気泡発泡体は、約5%、4%、3%、2%、または1%未満の多孔度を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コア層は、噴霧された、または噴霧可能なコア層ではないが、代わりに、コア層310の形成後に接着層315に結合され得る固体の平面層であり、例えば、接着層315は、コア層の形成後にコア層310の表面上に配設し、またはその他の方法で追加することができる。いくつかの実施例では、コア層310は、発泡体、厚紙、紙ハニカム、またはこれらの組み合わせのうちの1つ以上を含んでもよい。他の実施例では、コア層310は、ポリスチレン発泡体、膨張性または押出ポリオレフィン発泡体(例えば、押出ポリエチレンもしくは膨張性ポリプロピレン)または他の発泡体を含み、あるいはこれらであり得る。いくつかの事例では、コア層は、いかなるポリウレタン材料も欠いていてもよく、かつ/またはいかなるセルロース材料も欠いていてもよい。コア層310に特定の発泡体材料を使用することによって、きれいな縁部が存在し得、カビの成長の問題を回避でき、より軽い面積重量でより高い圧縮強度を得ることができる。コア層310の例示的な坪量としては、限定するものではないが、約300gsm~約2000gsm、より具体的には、約500gsm~約1900gsm、または約500gsm~約1500gsmが挙げられる。
【0059】
いくつかの実施形態では、コア層310は、縦方向よりも横方向の圧縮強度が大きい発泡体を含んでもよい。例えば、コア層310は、コア層210および表面層320を含む物品全体により多くの剛性を付与するために、方向性圧縮強度を有する発泡体、例えば直交方向で異なる圧縮強度を有する発泡体を含んでもよい。方向性圧縮強度を提供できる発泡体は、Dow Corningおよびその他のサプライヤーから市販されている。コア層310は、通常、最初に発泡体(または他の材料)から形成され、次に接着層315を介して表面層320に結合される。いくつかの構成では、コア層310の材料は、コア層310への実質的な損傷を伴わずに、コア層310の圧縮を可能にするように構築および配置することができる。コア層310の材料はまた、コア層310への実質的な損傷を伴わずに、物品300に熱成形、例えば圧縮、成形などを行えるように選択することができる。繊維熱可塑性コア層と比較して、同等の坪量では、独立気泡発泡体(または非繊維強化熱可塑性材料)を含むコア層310の存在は、より良い性能およびより高い強度を提供することができる。
【0060】
いくつかの構成では、接着層315は、表面層320を下にあるコア層310に結合して、表面層320のコア層310からの分離を防ぐように作用することができる。限定するものではないが、好適な接着剤としては、限定するものではないが、ポリアミド、変性ポリオレフィン、ウレタン、およびポリオレフィンなどの感圧接着剤およびホットメルト接着剤を含む熱可塑性接着剤が挙げられる。いくつかの実施例では、接着層315の熱可塑性成分は、熱可塑性ポリマー、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどのポリオレフィンなどを含んでもよい。他の事例では、接着層の熱可塑性ポリマーは、可塑化されているものと可塑化されていないものの両方の、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、およびポリ塩化ビニル、ならびにこれらの材料の互いとのまたは他のポリマー材料とのブレンドを含んでもよい。接着層315での使用に適した他の熱可塑性ポリマーとしては、限定するものではないが、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、コポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、アモルファスナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、PARMAX(登録商標)として商業的に知られているポリ(1,4フェニレン)化合物、Bayer
のAPEC(登録商標)PCなどの高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、シリコーン、ならびにこれらの材料の互いとのまたは他のポリマー材料との合金およびブレンドが挙げられる。所望であれば、接着層315はまた、限定するものではないが、エポキシド、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリエステル樹脂、ウレタン、ポリウレタン、ジアリルフタレート、ポリイミド、シアン酸エステル、ポリシアヌレート、およびこれらの組み合わせを含む、いくつかの熱硬化性材料を含んでもよい。
【0061】
特定の構成では、コア層310は、反対側の表面で追加の層に結合され得る。図3Bを参照すると、物品350は、接着層315を介して表面層320に結合されたコア層310を含むものとして示されている。コア層310の反対側の表面は層360に結合されている。層360は、多くの形態をとることができ、通常、表面層320とは異なっており、例えば繊維強化熱可塑性層でなくてもよい。いくつかの実施形態では、層360は表皮の形態をとってもよい。表皮360は、例えば、フィルム(例えば、熱可塑性フィルムまたはエラストマーフィルム)、フリム、スクリム(例えば、繊維系スクリム)、ホイル、織布、不織布を含んでもよく、または無機コーティング、有機コーティング、もしくは熱硬化性コーティングとして存在してもよい。他の事例では、表皮360は、1996年付のISO4589に従って測定した場合に、約22よりも大きい限界酸素指数を含んでもよい。表皮360として(またはその一部として)熱可塑性フィルムが存在する場合、熱可塑性フィルムは、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテル-エーテルケトン)、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリ(アリーレンスルホン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アミド-イミド)、ポリ(1,4-フェニレン)、ポリカーボネート、ナイロン、およびシリコーンのうち少なくとも1つを含んでもよい。表皮360として(またはその一部として)繊維系スクリムが存在する場合、繊維系スクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、黒鉛繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、および金属化無機繊維のうちの少なくとも1つを含んでもよい。表皮360として(またはその一部として)熱硬化性コーティングが存在する場合、熱硬化性コーティングは、不飽和ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール系、およびエポキシのうち少なくとも1つを含んでもよい。表皮360として(またはその一部として)無機コーティングが存在する場合、無機コーティングは、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti、およびAlから選択されるカチオンを含む鉱物を含んでもよく、または石膏、炭酸カルシウム、およびモルタルのうち少なくとも1つを含んでもよい。表皮360として(またはその一部として)不織布が存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化性接合剤、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維、および金属化合成繊維を含んでもよい。所望であれば、表皮360はまた、ロフティング剤も含んでもよい。
【0062】
特定の事例では、層360は、装飾層として構成されてもよい。装飾層360は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性フィルムから形成されてもよい。装飾層360は、カーペット、ゴム、または他の審美的なカバーを含んでもよい。装飾層360はまた、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンなどから形成された発泡体コアを含む多層構造であってもよい。天然および合成繊維から作られた織布、ニードルパンチングなどの後の有機繊維不織布、起毛布、編み製品、植毛布、または他のそのような材料などの布が発泡体コアに接合されてもよい。布はまた、ポリアミド、変性ポリオレフィン、ウレタン、ポリオレフィンなどの感圧接着剤およびホットメルト接着剤などの熱可塑性接着剤で発泡体コアに接合してもよい。装飾層360はまた、スパンボンド、熱接合、スパンレース、メルトブローン、ウェットレイド、および/またはドライレイドプロセスを使用して製造されてもよい。図示されていないが、所望であれば、表皮、例えば、スクリム、フィルム、装飾層などを層320に結合することもできる。
【0063】
特定の構成において図4Aおよび4Bを参照すると、多層アセンブリ400(または図
4Bの450)は、コア層410の各表面上に表面層420、430を含んでもよい。表面層420、430は同じであってもよく、またはそれらは異なっていてもよい。特定の事例では、表面層420、430は、概して、同じ材料を含んでもよいが、異なる量の材料、例えば、異なる量の強化繊維および/または異なる量の熱可塑性材料を有してもよい。他の実施例では、表面層420、430は、同じ熱可塑性材料を含んでもよいが、異なる強化繊維を含んでもよい。追加の構成では、表面層420、430は、同じ強化繊維を含んでもよいが、異なる熱可塑性材料を含んでもよい。他の事例では、表面層420、430は、同じ強化材料および熱可塑性材料を含んでもよいが、異なる坪量、異なる多孔度、または他の異なる物理的特性を有してもよい。いくつかの実施例では、表面層420、430は、同じ強化繊維および同じ熱可塑性材料を含んでもよいが、可変のロフティング能力を提供するために、異なる厚さまたは異なる量のロフティング剤を有してもよい。
【0064】
特定の構成では、表面層420は、接着層415を介してコア層410に結合され、表面層430は、接着層425を介してコア層410に結合される。接着層415、425は、表面層420、430をそれぞれ下にあるコア層410に結合して、コア層410からの表面層420、430の分離を防ぐように作用することができる。接着層415、425は、同じ材料、厚さなどを有する必要はない。接着層415、425に独立して含めることができる例示的な接着剤としては、限定するものではないが、ポリアミド、変性ポリオレフィン、ウレタン、およびポリオレフィンなどの、限定するものではないが、感圧接着剤およびホットメルト接着剤を含む熱可塑性接着剤を挙げることができる。いくつかの実施例では、接着層415、425の熱可塑性成分は、独立して、熱可塑性ポリマー、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどのポリオレフィンなどを含んでもよい。他の事例では、接着層415、425の熱可塑性ポリマーは、独立して、可塑化されているものと可塑化されていないものの両方の、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、およびポリ塩化ビニル、ならびにこれらの材料の互いとのまたは他のポリマー材料とのブレンドを含んでもよい。接着層415、425での使用に適した他の熱可塑性樹脂としては、限定するものではないが、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、コポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、アモルファスナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、PARMAX(登録商標)として商業的に知られているポリ(1,4フェニレン)化合物、BayerのAPEC(登録商標)PCなどの高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、シリコーン、ならびにこれらの材料の互いとのまたは他のポリマー材料との合金およびブレンドが挙げられる。所望であれば、接着層415、425はまた、独立して、これらに限定するものではないが、エポキシド、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリエステル樹脂、ウレタン、ポリウレタン、ジアリルフタレート、ポリイミド、シアン酸エステル、ポリシアヌレート、およびこれらの組み合わせを含む、いくつかの熱硬化性材料を含んでもよい。
【0065】
特定の実施例では、表面層420、430の各々は、表面層120と同様に独立して構成されてもよく、例えば、表面層420、430の各々は、GMTまたはLWRTであってもよい。例えば、表面層420、430の各々は、1つ以上の熱可塑性材料を含むLWRTとして構成されてもよい。いくつかの実施例では、層420、430の各々に存在する熱可塑性材料は、独立して、少なくとも部分的に、可塑化されているものと可塑化されていないものの両方の、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、およびポリ塩化ビニル、ならびにこれらの材料の互いとのまたは他のポリマー材料とのブレンドのうちの1つ以上を含んでもよい。他の好適な熱可塑性樹脂としては、限定するものではないが、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネ
ート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、コポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、アモルファスナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、PARMAX(登録商標)として商業的に知られているポリ(1,4フェニレン)化合物、BayerのAPEC(登録商標)PCなどの高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、シリコーン、ならびにこれらの材料の互いとのまたは他のポリマー材料とのコポリマー、合金、およびブレンドが挙げられる。層420、430を形成するために使用される熱可塑性材料は、粉末形態、樹脂形態、ロジン形態、粒子形態、繊維形態、または他の好適な形態で使用することができ、異なる層420、430で使用される形態は同じである必要はない。様々な形態の例示的な熱可塑性材料が本明細書に記載されており、例えば、米国特許出願公開第20130244528およびUS20120065283にも記載されている。表面層420、430に存在する熱可塑性材料の厳密な量は変化し得、例示的な量は、約20重量%~約80重量%、例えば、30~70重量パーセントまたは35~65重量パーセントの範囲である。本明細書に記載するように、表面層420、430に存在する熱可塑性材料の量は、同じである必要はない。
【0066】
特定の実施例では、表面層420、430の強化繊維は、独立して、ガラス繊維、炭素繊維、黒鉛繊維、合成有機繊維、特に、高弾性率有機繊維、(例えば、パラ-およびメタ-アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、または繊維としての使用に適した本明細書に記載の任意の高メルトフローインデックス樹脂など)、鉱物繊維(玄武岩など)、ミネラルウール(例えば、ロックウールまたはスラグウール)、珪灰石、アルミナシリカなど、またはこれらの混合物、金属繊維、金属化天然および/または合成繊維、セラミック繊維、糸繊維、またはこれらの混合物を含んでもよい。いくつかの実施形態では、繊維に望ましい官能基を提供するために、もしくは他の物理的特性を付与するために、前述の繊維のうちのいずれかを使用前に化学的に処理することができ、例えば、これらが熱可塑性材料、ロフティング剤、または両方と反応できるように、化学的に処理してもよい。いくつかの事例では、表面層420、430のうちの一方の繊維は、化学的に処理され、表面層420、430のうちの他方の繊維は、化学的に処理されない。層420、430の各々の繊維含有量は、独立して、層の約20重量%~約90重量%、より具体的には、層の約30重量%~約70重量%であってもよい。通常、表面層420、430を含む多層アセンブリの繊維含有量は、アセンブリの約20重量%~約90重量%、より具体的には、約30重量%~約80重量%、例えば、約40重量%~約70重量%の間で変化する。使用される繊維の特定のサイズおよび/または配向は、少なくとも部分的に、使用される熱可塑性ポリマー材料および/または表面層420、430の所望の特性によって異なり得る。好適な追加の繊維のタイプ、繊維のサイズ、および量は、本開示の利益を踏まえて、当業者によって容易に選択されるであろう。非限定的な一例では、表面層420、430を提供するための熱可塑性材料および任意でロフティング剤中に分散された繊維は、概して、約5ミクロンよりも大きい、より具体的には、約5ミクロン~約22ミクロンの直径および約5mm~約200mmの長さを有し、より具体的には、繊維の直径は、約ミクロン~約22ミクロンであってもよく、繊維の長さは、約5mm~約75mmであってもよい。
【0067】
特定の実施形態では、表面層420、430は、異なる繊維材料または異なる繊維充填剤を含み得る。異なる繊維材料が存在する場合、繊維は完全に異なる繊維、例えば、ある層のガラス繊維および別の層の炭素繊維であってもよく、または、化学的に処理された同じ基材、例えば、ある層のガラス繊維および別の層で化学的に処理されたガラス繊維を含んでもよい。いくつかの事例では、繊維は同じ繊維材料であってもよいが、繊維の1つ以上の物理的特性は異なっていてもよい。例えば、層420の繊維は、たとえ層420、430の繊維材料が同じであっても異なっていても、層430に存在する繊維の直径とは異
なる第1の直径を有してもよい。他の事例では、層420の繊維の長さは、たとえ層420、430に存在する繊維材料が同じであっても異なっていても、層430に存在する繊維の長さとは異なってもよい。追加の実施例では、層420、430に存在する繊維材料は同じであっても異なっていても、層420の繊維の長さおよび直径の両方は、層430の繊維の長さおよび直径とは異なってもよい。さらに他の実施例では、2つ以上の異なる繊維を層420、430のうちの一方で使用してもよく、単一のタイプの繊維が他の層に存在してもよい。本明細書に記載するように、繊維の量および/またはタイプを選択することにより、表面層420、430の物理的特性を変化させ、例えば、アセンブリの異なる表面層に異なるロフティング容量を提供することが可能である。
【0068】
いくつかの実施例では、コア層410は、独立気泡発泡体、または繊維強化熱可塑性層ではない他の材料を含んでもよく、例えば、コア層410の独立気泡発泡体は、約5%、4%、3%、2%、または1%未満の多孔度を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コア層は、噴霧された、または噴霧可能なコア層ではないが、代わりに、コア層410の形成後に表面層420、430に結合され得る固体の平面層である。いくつかの実施例では、コア層410は、発泡体、厚紙、紙ハニカム、またはこれらの組み合わせのうちの1つ以上を含んでもよい。他の実施例では、コア層410は、ポリスチレン発泡体、膨張性または押出ポリオレフィン発泡体(例えば、押出ポリエチレンもしくは膨張性ポリプロピレン)または他の発泡体を含み、あるいはこれらであり得る。いくつかの事例では、コア層は、いかなるポリウレタン材料も欠いていてもよく、かつ/またはいかなるセルロース材料も欠いていてもよい。コア層410に特定の発泡体材料を使用することによって、きれいな縁部が存在し、カビの成長の問題を回避でき、より軽い面積重量でより高い圧縮強度を得ることができる。コア層410の例示的な坪量としては、限定するものではないが、約300gsm~約2000gsm、より具体的には、約500gsm~約1900gsm、または約500gsm~約1500gsmが挙げられる。
【0069】
いくつかの実施形態では、コア層410は、縦方向よりも横方向の圧縮強度が大きい発泡体を含んでもよい。例えば、コア層410は、コア層410と、表面層420、430と、を含む物品全体により多くの剛性を付与するために、方向性圧縮強度を有する発泡体、例えば直交方向で異なる圧縮強度を有する発泡体を含んでもよい。方向性圧縮強度を提供できる発泡体は、Dow Corningおよびその他のサプライヤーから市販されている。コア層410は、通常、最初に発泡体(または他の材料)から形成され、次に表面層420、430に結合される。いくつかの構成では、コア層410の材料は、コア層410への実質的な損傷を伴わずに、コア層410の圧縮を可能にするように構築および配置することができる。コア層410の材料はまた、コア層410への実質的な損傷を伴わずに、物品400(または物品450)に熱成形、例えば圧縮、成形などを行えるように選択することができる。繊維熱可塑性コア層と比較して、同等の坪量では、独立気泡発泡体(または非繊維強化熱可塑性材料)を含むコア層410の存在は、より良い性能およびより高い強度を提供することができる。
【0070】
いくつかの構成では、表面層420、430(および任意でコア層410および接着層415、425)は、特定の用途のための有害物質の要件についての規制を満たすために、実質的にハロゲンを含まない、またはハロゲンを含まない層であってもよい。他の事例では、層410、415、420、425、430のうちの1つ以上は、ハロゲン化難燃剤、例えば、より多くのF、Cl、Br、I、およびAtのうちの1つを含むハロゲン化難燃剤など、またはそのようなハロゲンを含む化合物、例えば、テトラブロモビスフェノール-Aポリカーボネートまたはモノハロ-、ジハロ-、トリハロ-、もしくはテトラハロ-ポリカーボネートを含んでもよい。いくつかの事例では、表面層420、430のうちの一方以上で使用される熱可塑性材料は、別の難燃剤を添加せずに、いくらかの難燃性を付与するために、1つ以上のハロゲンを含んでもよい。ハロゲン化難燃剤が存在する場
合、難燃剤は、望ましくは難燃剤量で存在し、これは、存在する他の成分に応じて変化し得る。例えば、ハロゲン化難燃剤は、(層の重量を基準として)約0.1重量パーセント~約15重量パーセント、より具体的には、約1重量パーセント~約13重量パーセント、例えば、約5重量パーセント~約13重量パーセントで存在してもよい。所望であれば、2つの異なるハロゲン化難燃剤を層に添加してもよい。他の事例では、非ハロゲン化難燃剤、例えば、N、P、As、Sb、Bi、S、Se、およびTeのうちの1つ以上を含む難燃剤などを添加してもよい。いくつかの実施形態では、非ハロゲン化難燃剤は、リン酸化材料を含んでもよく、そのため層はより環境に優しいものとなり得る。非ハロゲン化難燃剤または実質的にハロゲンを含まない難燃剤が存在する場合、難燃剤は、望ましくは難燃剤量で存在し、これは、存在する他の成分に応じて変化し得る。例えば、実質的にハロゲンを含まない難燃剤は、(層の重量を基準として)約0.1重量パーセント~約15重量パーセント、より具体的には、層の重量を基準として、約1重量パーセント~約13重量パーセント、例えば、5重量パーセント~約13重量パーセントで存在してもよい。所望であれば、実質的にハロゲンを含まない2つの異なる難燃剤を層410、415、420、425、および430のうちの1つ以上に添加してもよい。特定の事例では、層410、415、420、425、および430のうちの1つ以上は、1つ以上の実質的にハロゲンを含まない難燃剤と組み合わせて、1つ以上のハロゲン化難燃剤を含んでもよい。2つの異なる難燃剤が存在する場合、2つの難燃剤の組み合わせは、難燃剤量で存在してもよく、これは、存在する他の成分に応じて変化し得る。例えば、難燃剤の総重量は、(層の重量を基準として)約0.1重量パーセント~約20重量パーセント、より具体的には、層の重量を基準として、約1重量パーセント~約15重量パーセント、例えば、約2重量パーセント~約14重量パーセントであってもよい。本明細書に記載の層で使用される難燃剤は、熱可塑性材料および繊維を含む混合物に(ワイヤスクリーンもしくは他の処理構成要素上に混合物を配設する前に)添加することができ、または層が形成された後に添加することができる。いくつかの実施例では、難燃性材料は、膨張性黒鉛材料、水酸化マグネシウム(MDH)、および水酸化アルミニウム(ATH)のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0071】
図4A(および/または図4B)に示す構成では、表面層420、430のロフティング能力は、1つ以上の追加のロフティング剤を含めることによって、さらに調整することができる。層420、430で使用されるロフティング剤の厳密なタイプは、例えば、所望のロフティング温度、所望のロフティングの度合いなどを含む多数の要因によって異なり得る。いくつかの事例では、微小球ロフティング剤、例えば、対流加熱にさらされるとサイズが増加し得る膨張性微小球を使用してもよい。例示的な市販のロフティング剤は、Kureha Corp.(日本)から入手可能である。他の事例では、第1の平均粒子サイズを有する第1のロフティング剤、および第1の平均粒子サイズとは異なる第2の平均粒子サイズを有する第2のロフティング剤を使用してもよい。他の実施例では、ロフティング剤は、膨張性黒鉛材料であってもよい。表面層420、430は、同じロフティング能力または異なるロフティング能力を提供するように構成することができる。例えば、熱または他のロフティング刺激にさらされると、層420のロフティング後の厚さは、層430の厚さよりも大きくなり得る。例えば、ロフティング前の層420の厚さは約1~2mmであってもよく、ロフティング後は約10~15mmであってもよい。ロフティング前の層430の厚さもまた、約1~2mmであってもよく、ロフティング後は約6~8mmであってもよい。これらの厚さの変化は、いかなるロフティング剤も添加しなくても発生し得る。例えば、何らかの特定の理論に拘束されることを望むものではないが、ロフティング中に熱可塑性材料は溶融し、強化材料の保持を解除して、強化材料がより多くの体積を占めることを可能にし得る。熱可塑性材料の後続の冷却は、事前にロフティングされたウェブよりも大きな体積を有する連続気泡構造のウェブの再形成をもたらし得る。層420内の熱可塑性材料および/または強化材料のレベルを調整することにより、層420の体積が増加できる程度を選択してもよい。対照的に、層430に存在する熱可塑性材
料および/または強化材料の量は、ロフティング中の熱可塑性材料の溶融が全体の体積の実質的な増加をもたらさないように選択することができる。層430のウェブがロフティング後に再形成されるとき、結果として生じるロフティング後のウェブ体積は、ロフティング前のウェブ体積と実質的には異ならない。所望であれば、層420、430のうちの一方以上は、全体の体積をさらに増加させるために、追加のロフティング剤を含んでもよい。例えば、層420は、ロフティング後の全体の体積をさらに選択するために、追加のロフティング剤を含んでもよい。いくつかの事例では、ロフティング後の層420(および/またはロフティング後の層430)が約20~25mmの厚さを有するように、十分なロフティング剤が存在する。いくつかの実施例では、層420は、ポリオレフィン、強化繊維、およびロフティング剤を含んでもよく、層430は、ポリオレフィン(これは、層420中のポリオレフィンと同じであっても異なっていてもよい)および強化材料を含んでもよい。特定の構成では、層420、430の各々に存在するポリオレフィンは、ポリプロピレンまたはポリプロピレンを含むポリオレフィンコポリマーであってもよい。いくつかの実施形態では、層420、430の各々の強化材料は、任意で、他の繊維と組み合わせたガラス繊維を含んでもよい。層420、430の各々における熱可塑性材料および強化材料の厳密な重量パーセントは変化し得、層420、430における例示的な重量パーセントは、約40~60重量パーセントの熱可塑性材料であり、残りは強化材料である。所望であれば、表面層430は、層420よりも高いロフティング能力を有するように構成することができる。
【0072】
特定の構成では、表面層420、430の一方または両方を追加の層または材料に結合することができる。図4Bを参照すると、物品450は、層460に結合された表面層430を含むものとして示されている。層460は、多くの形態をとることができ、通常、表面層420、430とは異なっており、例えば繊維強化熱可塑性層でなくてもよい。いくつかの実施形態では、層460は表皮の形態をとってもよい。表皮460は、例えば、フィルム(例えば、熱可塑性フィルムまたはエラストマーフィルム)、フリム、スクリム(例えば、繊維系スクリム)、ホイル、織布、不織布を含んでもよく、または無機コーティング、有機コーティング、もしくは熱硬化性コーティングとして存在してもよい。他の事例では、表皮460は、1996年付のISO4589に従って測定した場合に、約22よりも大きい限界酸素指数を含んでもよい。表皮460として(またはその一部として)熱可塑性フィルムが存在する場合、熱可塑性フィルムは、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテル-エーテルケトン)、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリ(アリーレンスルホン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アミド-イミド)、ポリ(1,4-フェニレン)、ポリカーボネート、ナイロン、およびシリコーンのうち少なくとも1つを含んでもよい。表皮460として(またはその一部として)繊維系スクリムが存在する場合、繊維系スクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、黒鉛繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、および金属化無機繊維のうちの少なくとも1つを含んでもよい。表皮460として(またはその一部として)熱硬化性コーティングが存在する場合、熱硬化性コーティングは、不飽和ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール系、およびエポキシのうち少なくとも1つを含んでもよい。表皮460として(またはその一部として)無機コーティングが存在する場合、無機コーティングは、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti、およびAlから選択されるカチオンを含む鉱物を含んでもよく、または石膏、炭酸カルシウム、およびモルタルのうち少なくとも1つを含んでもよい。表皮460として(またはその一部として)不織布が存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化性接合剤、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維、および金属化合成繊維を含んでもよい。所望であれば、表皮460はまた、ロフティング剤も含んでもよい。
【0073】
特定の事例では、層460は、装飾層として構成されてもよい。装飾層460は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性エラストマーな
どの熱可塑性フィルムから形成されてもよい。装飾層460は、カーペット、ゴム、または他の審美的なカバーを含んでもよい。装飾層460はまた、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンなどから形成された発泡体コアを含む多層構造であってもよい。天然および合成繊維から作られた織布、ニードルパンチングなどの後の有機繊維不織布、起毛布、編み製品、植毛布、または他のそのような材料などの布が発泡体コアに接合されてもよい。布はまた、ポリアミド、変性ポリオレフィン、ウレタン、ポリオレフィンなどの感圧接着剤およびホットメルト接着剤を含む熱可塑性接着剤で発泡体コアに接合してもよい。装飾層460はまた、スパンボンド、熱接合、スパンレース、メルトブローン、ウェットレイド、および/またはドライレイドプロセスを使用して製造されてもよい。図示されていないが、所望であれば、表皮、例えば、スクリム、フィルム、装飾層などを層420に結合することもできる。
【0074】
特定の構成において図5A図5B、および図5Cを参照すると、多層アセンブリ500(または図5Bの525または図5Cの450)は、表面層520と、互いと結合された2つ以上のコア層510、512と、含んでもよい。以下に記載するように、コア層510、512は同じであってもよく、または異なっていてもよい。いくつかの実施例では、コア層510、512は、独立気泡発泡体、または繊維強化熱可塑性層ではない他の材料を含んでもよく、例えば、コア層510、512または両方の独立気泡発泡体は、約5%、4%、3%、2%、または1%未満の多孔度を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コア層510、512の一方または両方は、噴霧された、または噴霧可能なコア層ではないが、代わりに、コア層510、512の形成後に表面層520に結合され得る固体の平面層である。いくつかの実施例では、コア層510、512の各々は、独立して、発泡体、厚紙、紙ハニカム、またはこれらの組み合わせのうちの1つ以上を含んでもよい。他の実施例では、コア層510、512の各々は、ポリスチレン発泡体、膨張性または押出ポリオレフィン発泡体(例えば、押出ポリエチレンもしくは膨張性ポリプロピレン)または他の発泡体を含み、あるいはこれらであり得る。いくつかの事例では、コア層510、512の一方または両方は、いかなるポリウレタン材料も欠いていてもよく、かつ/またはいかなるセルロース材料も欠いていてもよい。コア層510、512の一方または両方に特定の発泡体材料を使用することによって、きれいな縁部が存在し得、カビの成長の問題を回避でき、より軽い面積重量でより高い圧縮強度を得ることができる。コア層510、512の各々の例示的な坪量としては、限定するものではないが、約300gsm~約2000gsm、より具体的には、約500gsm~約1900gsm、または約500gsm~約1500gsmが挙げられる。コア層510、512の坪量は同じであってもよく、または異なっていてもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、コア層510、512の各々は、縦方向よりも横方向の圧縮強度が大きい発泡体を含んでもよい。例えば、コア層510、512の一方または両方は、コア層510、512および表面層520を含む物品全体により多くの剛性を付与するために、方向性圧縮強度を有する発泡体、例えば直交方向で異なる圧縮強度を有する発泡体を含んでもよい。方向性圧縮強度を提供できる発泡体は、Dow Corningおよびその他のサプライヤーから市販されている。コア層510、512の各々は、通常、最初に発泡体(または他の材料)から形成され、次に互いにおよび表面層520に結合される。いくつかの構成では、コア層510、512の一方または両方の材料は、コア層510、512への実質的な損傷を伴わずに、コア層510、512の圧縮を可能にするように構築および配置することができる。コア層510、512の材料はまた、コア層510、512への実質的な損傷を伴わずに、物品500(または物品525、550)に熱成形、例えば圧縮、成形などを行えるように選択することができる。繊維熱可塑性コア層と比較して、同等の坪量では、独立気泡発泡体(または非繊維強化熱可塑性材料)を含むコア層510、512の存在は、より良い性能およびより高い強度を提供することができる。コア層510、512は、いかなる介在する層または材料も伴わずに、互いに直接結合
することができ、または例えば、接着層(図示せず)を使用して互いに結合することができる。
【0076】
特定の実施形態では、表面層520(および/または存在する場合は表面層530)は、ガラスマット熱可塑性複合材(GMT)または軽量強化熱可塑性物質(LWRT)として構成され(またはそれにおいて使用され)てもよい。そのようなLWRTの1つは、HANWHA AZDEL、Inc.によって作製され、SUPERLITE(登録商標)マットの商標で販売されている。そのようなGMTまたはLWRTの面密度は、GMTまたはLWRTの約400グラム毎平方メートル(gsm)~約4000gsmの範囲になり得るが、面密度は、特定の用途の必要性に応じて具体的には、400gsm未満であり、または4000gsmよりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、上限密度は約4000gsm未満であり得る。特定の事例では、GMTまたはLWRTは、GMTまたはLWRTの空隙空間または細孔に配設された1つ以上のロフティング剤材料を含んでもよい。
【0077】
LWRTが表面層520(および/または存在する場合は表面層530)として使用される特定の実施例では、LWRTは、通常、連続気泡構造のウェブを一緒に形成する熱可塑性材料および複数の強化繊維を含む。例えば、表面層520(および/または層530)は、通常、層内に空隙空間が存在するように、かなりの量の連続気泡構造を含む。いくつかの事例では、表面層520は、0~30%、10~40%、20~50%、30~60%、40~70%、50~80%、60~90%、0~40%、0~50%、0~60%、0~70%、0~80%、0~90%、10~50%、10~60%、10~70%、10~80%、10~90%、10~95%、20~60%、20~70%、20~80%、20~90%、20~95%、30~70%、30~80%、30~90%、30~95%、40~80%、40~90%、40~95%、50~90%、50~95%、60~95%、70~80%、70~90%、70~95%、80~90%、80~95%、またはこれらの例示的な範囲内の任意の例示的な値の空隙含有率または多孔度を含んでもよい。いくつかの事例では、表面層520(および/または層530)は、0%よりも大きい多孔度または空隙含有率を含み、例えば、約95%まで完全に固化されていない。別段に明記しない限り、特定の空隙含有率または多孔度を含む表面層への言及は、その表面層の総体積に基づいており、必ずしも多層アセンブリの総体積に基づいているわけではない。
【0078】
特定の実施例では、表面層520(および/または層530)は、GMTの形態で製造することができる。特定の事例では、GMTは、概して、チョップドガラス繊維、熱可塑性材料、任意でロフティング剤、および任意の熱可塑性ポリマーフィルム(複数可)、および/またはガラス繊維もしくは熱可塑性樹脂繊維、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、PC/PBTのブレンド、またはPC/PETのブレンドなどで作られた織布もしくは不織布を使用して作製することができる。いくつかの実施形態では、PP、PBT、PET、PC/PETブレンド、またはPC/PBTブレンドを樹脂として使用することができる。ガラスマットを製造するために、熱可塑性材料および強化材料を、羽根車を備えた上部開放混合槽に入れられた分散発泡体に添加し、または計量して入れることができる。何らかの特定の理論に拘束されることを望むものではないが、発泡体に捕捉された空気ポケットが存在することが、ガラス繊維、熱可塑性材料、およびロフティング剤の分散に役立つ可能性がある。いくつかの実施例では、繊維と熱可塑性材料との分散混合物は、分散マニホールドを介して、抄紙機のワイヤ部分の上に位置しているヘッドボックスにポンプ移送してもよい。分散混合物が真空を使用する可動ワイヤスクリーンに供給されて均一な繊維質の湿潤ウェブが連続的に製造されるのに伴って、繊維および熱可塑性樹脂ではなく発泡体を除去することができる。含水率を減少させ、熱可塑性材料
を溶融または軟化させるために、湿潤ウェブを、好適な温度で乾燥機を通過させることができる。
【0079】
特定の実施形態では、表面層520(および/または層530)に存在する高い多孔度は、層の全体の重量を減少することができ、空隙空間内に薬剤を含めることを可能にすることができる。例えば、ロフティング剤は、非共有接合様式で空隙空間に存在し得る。熱または他の摂動の適用は、非共有接合ロフティング剤の体積を増加させるように作用することができ、その結果、層の全体の厚さが増加し、例えば、ロフティング剤のサイズが増加するにつれて、および/または追加の空気が層に捕捉されるにつれて層が増加する。所望であれば、難燃剤、着色剤、発煙抑制剤、および他の材料を表面層520(および/または層530)の空隙空間に含めてもよい。ロフティングの前に、表面層520(および/または層530)を圧縮して全体の厚さを減少させることができ、例えば、その層が1つ以上の他の層に結合される前または後に圧縮することができる。
【0080】
特定の実施形態では、表面層520(および/または層530)の熱可塑性材料は、少なくとも部分的に、可塑化されているものと可塑化されていないものの両方の、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、およびポリ塩化ビニル、ならびにこれらの材料の互いとのまたは他のポリマー材料とのブレンドのうちの1つ以上を含んでもよい。他の好適な熱可塑性樹脂としては、限定するものではないが、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、コポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、アモルファスナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、PARMAX(登録商標)として商業的に知られているポリ(1,4フェニレン)化合物、BayerのAPEC(登録商標)PCなどの高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、シリコーン、ならびにこれらの材料の互いとのまたは他のポリマー材料とのコポリマー、合金、およびブレンドが挙げられる。層520(および/または層530)を形成するために使用される熱可塑性材料は、粉末形態、樹脂形態、ロジン形態、粒子形態、繊維形態、または他の好適な形態で使用することができる。様々な形態の例示的な熱可塑性材料が本明細書に記載されており、例えば、米国特許出願公開第20130244528およびUS20120065283にも記載されている。表面層520(および/または層530)に存在する熱可塑性材料の厳密な量は変化し得、例示的な量は、約20重量%~約80重量%、例えば、30~70重量パーセントまたは35~65重量パーセントの範囲である。
【0081】
特定の実施例では、表面層520(および/または層530)の強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、黒鉛繊維、合成有機繊維、特に、高弾性率有機繊維、(例えば、パラ-およびメタ-アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、または繊維としての使用に適した本明細書に記載の任意の高メルトフローインデックス樹脂など)、鉱物繊維(玄武岩)、ミネラルウール(例えば、ロックウールまたはスラグウール)、珪灰石、アルミナシリカなど、またはこれらの混合物など、金属繊維、金属化天然および/または合成繊維、セラミック繊維、糸繊維、またはこれらの混合物を含んでもよい。いくつかの実施形態では、繊維に望ましい官能基を提供するために、もしくは他の物理的特性を付与するために、前述の繊維のうちのいずれかを使用前に化学的に処理することができ、例えば、これらが熱可塑性材料、ロフティング剤、または両方と反応できるように、化学的に処理してもよい。層520(および/または層530)の繊維含有量は、独立して、層の約20重量%~約90重量%、より具体的には、層の約30重量%~約70重量%であってもよい。通常、表面層520(および/または層530)を含む多層アセンブリの繊維含有量は、アセンブリの約20重量%~約90重量%、より具体的には、約30重量%~約80重
量%、例えば、約40重量%~約70重量%の間で変化する。使用される繊維の特定のサイズおよび/または配向は、少なくとも部分的に、使用される熱可塑性ポリマー材料および/または表面層520(および/または層530)の所望の特性によって異なり得る。好適な追加の繊維のタイプ、繊維のサイズ、および量は、本開示の利益を踏まえて、当業者によって容易に選択されるであろう。非限定的な一例では、表面層520(および/または層530)を提供するための熱可塑性材料および任意でロフティング剤中に分散された繊維は、概して、約5ミクロンよりも大きい、より具体的には、約5ミクロン~約22ミクロンの直径、および約5mm~約200mmの長さを有し、より具体的には、繊維の直径は、約ミクロン~約22ミクロンであってもよく、繊維の長さは、約5mm~約75mmであってもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、表面層520(および/または層530)のロフティング能力は、1つ以上の追加のロフティング剤を含めることによって、さらに調整することができる。層520(および/または層530)で使用されるロフティング剤の厳密なタイプは、例えば、所望のロフティング温度、所望のロフティングの度合いなどを含む多数の要因によって異なり得る。いくつかの事例では、微小球ロフティング剤、例えば、対流加熱にさらされるとサイズが増加し得る膨張性微小球を使用してもよい。例示的な市販のロフティング剤は、Kureha Corp.(日本)から入手可能である。他の事例では、第1の平均粒子サイズを有する第1のロフティング剤、および第1の平均粒子サイズとは異なる第2の平均粒子サイズを有する第2のロフティング剤を層520(および/または層530)で使用してもよい。他の実施例では、ロフティング剤は、膨張性黒鉛材料であってもよい。
【0083】
特定の実施形態において図5Bを参照すると、表面層520、530は同じであってもよく、またはそれらは異なっていてもよい。特定の事例では、表面層520、530は、概して、同じ材料を含んでもよいが、異なる量の材料、例えば、異なる量の強化繊維および/または異なる量の熱可塑性材料を有してもよい。他の実施例では、表面層520、530は、同じ熱可塑性材料を含んでもよいが、異なる強化繊維を含んでもよい。追加の構成では、表面層520、530は、同じ強化繊維を含んでもよいが、異なる熱可塑性材料を含んでもよい。他の事例では、表面層520、530は、同じ強化材料および熱可塑性材料を含んでもよいが、異なる坪量、異なる多孔度、または他の異なる物理的特性を有してもよい。いくつかの実施例では、表面層520、530は、同じ強化繊維および同じ熱可塑性材料を含んでもよいが、可変のロフティング能力を提供するために、異なる厚さまたは異なる量のロフティング剤を有してもよい。
【0084】
特定の構成では、表面層520は、接着層(図示せず)を介してコア層510に結合されており、表面層540は、接着層(図示せず)を介してコア層512に結合され得る。接着層(存在する場合)は、表面層520、530を下にあるコア層510、512にそれぞれ結合して、表面層520、530のコア層510、512からの分離を防ぐように作用することができる。接着層は、同じ材料、厚さなどを有する必要はない。接着層に独立して含めることができる例示的な接着剤としては、限定するものではないが、ポリアミド、変性ポリオレフィン、ウレタン、およびポリオレフィンなどの、限定するものではないが、感圧接着剤およびホットメルト接着剤を含む熱可塑性接着剤を挙げることができる。いくつかの実施例では、接着層の熱可塑性成分は、独立して、熱可塑性ポリマー、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどのポリオレフィンなどを含んでもよい。他の事例では、接着層の熱可塑性ポリマーは、独立して、可塑化されているものと可塑化されていないものの両方の、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、およびポリ塩化ビニル、ならびにこれらの材料の互いとのまたは他のポリマー材料とのブレンドを含んでもよい。接着層での使用に適した他の熱可塑性樹脂としては、限定するも
のではないが、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、コポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、アモルファスナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、PARMAX(登録商標)として商業的に知られているポリ(1,4フェニレン)化合物、BayerのAPEC(登録商標)PCなどの高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、シリコーン、ならびにこれらの材料の互いとのまたは他のポリマー材料との合金およびブレンドが挙げられる。所望であれば、接着層はまた、独立して、これらに限定するものではないが、エポキシド、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリエステル樹脂、ウレタン、ポリウレタン、ジアリルフタレート、ポリイミド、シアン酸エステル、ポリシアヌレート、およびこれらの組み合わせを含む、いくつかの熱硬化性材料を含んでもよい。
【0085】
特定の実施形態では、表面層520、530は、異なる繊維材料または異なる繊維充填剤を含み得る。異なる繊維材料が存在する場合、繊維は完全に異なる繊維、例えば、ある層のガラス繊維および別の層の炭素繊維であってもよく、または、化学的に処理された同じ基材、例えば、ある層のガラス繊維および別の層で化学的に処理されたガラス繊維を含んでもよい。いくつかの事例では、繊維は同じ繊維材料であってもよいが、繊維の1つ以上の物理的特性は異なっていてもよい。例えば、層520の繊維は、たとえ層520、530の繊維材料が同じであっても異なっていても、層530に存在する繊維の直径とは異なる第1の直径を有してもよい。他の事例では、層520の繊維の長さは、たとえ層520、530に存在する繊維材料が同じであっても異なっていても、層530に存在する繊維の長さとは異なってもよい。追加の実施例では、層520、530に存在する繊維材料は同じであっても異なっていても、層520の繊維の長さおよび直径の両方は、層530の繊維の長さおよび直径とは異なってもよい。さらに他の実施例では、2つ以上の異なる繊維を層520、530のうちの一方で使用してもよく、単一のタイプの繊維が他の層に存在してもよい。本明細書に記載するように、繊維の量および/またはタイプを選択することにより、表面層520、530の物理的特性を変化させ、例えば、アセンブリの異なる表面層に異なるロフティング容量を提供することが可能である。
【0086】
いくつかの構成では、表面層520、530(および任意でコア層510、512)は、特定の用途のための有害物質の要件についての規制を満たすために、実質的にハロゲンを含まない、またはハロゲンを含まない層であってもよい。他の事例では、層510、512、520、および530のうちの1つ以上は、ハロゲン化難燃剤、例えば、より多くのF、Cl、Br、I、およびAtのうちの1つを含むハロゲン化難燃剤など、またはそのようなハロゲンを含む化合物、例えば、テトラブロモビスフェノール-Aポリカーボネートまたはモノハロ-、ジハロ-、トリハロ-、もしくはテトラハロ-ポリカーボネートを含んでもよい。いくつかの事例では、表面層520、530のうちの一方以上で使用される熱可塑性材料は、別の難燃剤を添加せずに、いくらかの難燃性を付与するために、1つ以上のハロゲンを含んでもよい。ハロゲン化難燃剤が存在する場合、難燃剤は、望ましくは難燃剤量で存在し、これは、存在する他の成分に応じて変化し得る。例えば、ハロゲン化難燃剤は、(層の重量を基準として)約0.1重量パーセント~約15重量パーセント、より具体的には、約1重量パーセント~約13重量パーセント、例えば、約5重量パーセント~約13重量パーセントで存在してもよい。所望であれば、2つの異なるハロゲン化難燃剤を層に添加してもよい。他の事例では、非ハロゲン化難燃剤、例えば、N、P、As、Sb、Bi、S、Se、およびTeのうちの1つ以上を含む難燃剤などを添加してもよい。いくつかの実施形態では、非ハロゲン化難燃剤は、リン酸化材料を含んでもよく、そのため層はより環境に優しいものとなり得る。非ハロゲン化難燃剤または実質的にハロゲンを含まない難燃剤が存在する場合、難燃剤は、望ましくは難燃剤量で存在し、これは、存在する他の成分に応じて変化し得る。例えば、実質的にハロゲンを含まない難燃
剤は、(層の重量を基準として)約0.1重量パーセント~約15重量パーセント、より具体的には、層の重量を基準として、約1重量パーセント~約13重量パーセント、例えば、5重量パーセント~約13重量パーセントで存在してもよい。所望であれば、実質的にハロゲンを含まない2つの異なる難燃剤を層510、512、520、および530のうちの1つ以上に添加してもよい。特定の事例では、層510、512、520、および530のうちの1つ以上は、1つ以上の実質的にハロゲンを含まない難燃剤と組み合わせて、1つ以上のハロゲン化難燃剤を含んでもよい。2つの異なる難燃剤が存在する場合、2つの難燃剤の組み合わせは、難燃剤量で存在してもよく、これは、存在する他の成分に応じて変化し得る。例えば、この総重量は、(層の重量を基準として)約0.1重量パーセント~約20重量パーセント、より具体的には、層の重量を基準として、約1重量パーセント~約15重量パーセント、例えば、約2重量パーセント~約14重量パーセントであってもよい。本明細書に記載の層で使用される難燃剤は、熱可塑性材料および繊維を含む混合物に(ワイヤスクリーンもしくは他の処理構成要素上に混合物を配設する前に)添加することができ、または層が形成された後に添加することができる。いくつかの実施例では、難燃性材料は、膨張性黒鉛材料、水酸化マグネシウム(MDH)、および水酸化アルミニウム(ATH)のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0087】
図5A(および/または図5Bおよび図5C)に示す構成では、表面層520、530のロフティング能力は、1つ以上の追加のロフティング剤を含めることによって、さらに調整することができる。層520、530で使用されるロフティング剤の厳密なタイプは、例えば、所望のロフティング温度、所望のロフティングの度合いなどを含む多数の要因によって異なり得る。いくつかの事例では、微小球ロフティング剤、例えば、対流加熱にさらされるとサイズが増加し得る膨張性微小球を使用してもよい。例示的な市販のロフティング剤は、Kureha Corp.(日本)から入手可能である。他の事例では、第1の平均粒子サイズを有する第1のロフティング剤、および第1の平均粒子サイズとは異なる第2の平均粒子サイズを有する第2のロフティング剤を使用してもよい。他の実施例では、ロフティング剤は、膨張性黒鉛材料であってもよい。表面層520、530は、同じロフティング能力または異なるロフティング能力を提供するように構成することができる。例えば、熱または他のロフティング刺激にさらされると、層520のロフティング後の厚さは、層530の厚さよりも大きくなり得る。例えば、ロフティング前の層520の厚さは約1~2mmであってもよく、ロフティング後は約10~15mmであってもよい。ロフティング前の層530の厚さもまた、約1~2mmであってもよく、ロフティング後は約6~8mmであってもよい。これらの組の厚さの変化は、いかなるロフティング剤も添加しなくても発生し得る。例えば、何らかの特定の理論に拘束されることを望むものではないが、ロフティング中に熱可塑性材料は溶融し、強化材料の保持を解除して、強化材料がより多くの体積を占めることを可能にし得る。熱可塑性材料の後続の冷却は、事前にロフティングされたウェブよりも大きな体積を有する連続気泡構造のウェブの再形成をもたらし得る。層520内の熱可塑性材料および/または強化材料のレベルを調整することにより、層520の体積が増加できる程度を選択してもよい。対照的に、層530に存在する熱可塑性材料および/または強化材料の量は、ロフティング中の熱可塑性材料の溶融が全体の体積の実質的な増加をもたらさないように選択することができる。層530のウェブがロフティング後に再形成されるとき、結果として生じるロフティング後のウェブ体積は、ロフティング前のウェブ体積と実質的には異ならない。所望であれば、層520、530のうちの一方以上は、全体の体積をさらに増加させるために、追加のロフティング剤を含んでもよい。例えば、層520は、ロフティング後の全体の体積をさらに選択するために、追加のロフティング剤を含んでもよい。いくつかの事例では、ロフティング後の層520(および/またはロフティング後の層530)が約20~25mmの厚さを有するように、十分なロフティング剤が存在する。いくつかの実施例では、層520は、ポリオレフィン、強化繊維、およびロフティング剤を含んでもよく、層530は、ポリオレフィン(これは、層520中のポリオレフィンと同じであっても異なっていてもよい)お
よび強化材料を含んでもよい。特定の構成では、層520、530の各々に存在するポリオレフィンは、ポリプロピレンまたはポリプロピレンを含むポリオレフィンコポリマーであってもよい。いくつかの実施形態では、層520、530の各々の強化材料は、任意で、他の繊維と組み合わせたガラス繊維を含んでもよい。層520、530の各々における熱可塑性材料および強化材料の厳密な重量パーセントは変化し得、層520、530における例示的な重量パーセントは、約40~60重量パーセントの熱可塑性材料であり、残りは強化材料である。所望であれば、表面層530は、層520よりも高いロフティング能力を有するように構成することができる。
【0088】
特定の構成では、表面層520、530の一方または両方を追加の層または材料に結合することができる。図5Cを参照すると、物品550は、層560に結合された表面層530を含むものとして示されている。層560は、多くの形態をとることができ、通常、表面層520、530とは異なっており、例えば繊維強化熱可塑性層でなくてもよい。いくつかの実施形態では、層560は表皮の形態をとってもよい。表皮560は、例えば、フィルム(例えば、熱可塑性フィルムまたはエラストマーフィルム)、フリム、スクリム(例えば、繊維系スクリム)、ホイル、織布、不織布を含んでもよく、または無機コーティング、有機コーティング、もしくは熱硬化性コーティングとして存在してもよい。他の事例では、表皮560は、1996年付のISO4589に従って測定した場合に、約22よりも大きい限界酸素指数を含んでもよい。表皮560として(またはその一部として)熱可塑性フィルムが存在する場合、熱可塑性フィルムは、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテル-エーテルケトン)、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリ(アリーレンスルホン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アミド-イミド)、ポリ(1,4-フェニレン)、ポリカーボネート、ナイロン、およびシリコーンのうち少なくとも1つを含んでもよい。表皮560として(またはその一部として)繊維系スクリムが存在する場合、繊維系スクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、黒鉛繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、および金属化無機繊維のうちの少なくとも1つを含んでもよい。表皮560として(またはその一部として)熱硬化性コーティングが存在する場合、熱硬化性コーティングは、不飽和ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール系、およびエポキシのうち少なくとも1つを含んでもよい。表皮560として(またはその一部として)無機コーティングが存在する場合、無機コーティングは、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti、およびAlから選択されるカチオンを含む鉱物を含んでもよく、または石膏、炭酸カルシウム、およびモルタルのうち少なくとも1つを含んでもよい。表皮560として(またはその一部として)不織布が存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化性接合剤、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維、および金属化合成繊維を含んでもよい。所望であれば、表皮560はまた、ロフティング剤も含んでもよい。
【0089】
特定の事例では、層560は、装飾層として構成されてもよい。装飾層560は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性フィルムから形成されてもよい。装飾層560は、カーペット、ゴム、または他の審美的なカバーを含んでもよい。装飾層560はまた、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンなどから形成された発泡体コアを含む多層構造であってもよい。天然および合成繊維から作られた織布、ニードルパンチングなどの後の有機繊維不織布、起毛布、編み製品、植毛布、または他のそのような材料などの布が発泡体コアに接合されてもよい。布はまた、ポリアミド、変性ポリオレフィン、ウレタン、ポリオレフィンなどの感圧接着剤およびホットメルト接着剤を含む熱可塑性接着剤で発泡体コアに接合されてもよい。装飾層560はまた、スパンボンド、熱接合、スパンレース、メルトブローン、ウェットレイド、および/またはドライレイドプロセスを使用して製造してもよい。図示されていないが、所望であれば、表皮、例えば、スクリム、フィルム、装飾層などを層520に結合することもできる。
【0090】
特定の実施例において図6A図6B、および図6Cを参照すると、多層アセンブリ600(または図6Bの625または図6Cの650)は、繊維強化熱可塑性層620を介して互いに結合された2つ以上のコア層610、612を含んでもよい。また、任意の表面層630が、物品600、625、および650に存在してもよい。特定の実施例では、コア層610、612は同じであってもよく、または異なっていてもよい。いくつかの実施例では、コア層610、612は、独立気泡発泡体、または繊維強化熱可塑性層ではない他の材料を含んでもよく、例えば、コア層610、612または両方の独立気泡発泡体は、約5%、4%、3%、2%、または1%未満の多孔度を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コア層610、612の一方または両方は、噴霧された、または噴霧可能なコア層ではないが、代わりに、コア層610、612の形成後に層620および表面層630に結合され得る固体の平面層である。いくつかの実施例では、コア層610、612の各々は、独立して、発泡体、厚紙、紙ハニカム、またはこれらの組み合わせのうちの1つ以上を含んでもよい。他の実施例では、コア層610、612の各々は、ポリスチレン発泡体、膨張性または押出ポリオレフィン発泡体(例えば、押出ポリエチレンもしくは膨張性ポリプロピレン)または他の発泡体を含み、あるいはこれらであり得る。いくつかの事例では、コア層610、612の一方または両方は、いかなるポリウレタン材料も欠いていてもよく、かつ/またはいかなるセルロース材料も欠いていてもよい。コア層610、612の一方または両方に特定の発泡体材料を使用することによって、きれいな縁部が存在し得、カビの成長の問題を回避でき、より軽い面積重量でより高い圧縮強度を得ることができる。コア層610、612の各々の例示的な坪量としては、限定するものではないが、約300gsm~約2000gsm、より具体的には、約500gsm~約1900gsm、または約500gsm~約1500gsmが挙げられる。コア層610、612の坪量は同じであってもよく、または異なっていてもよい。
【0091】
いくつかの実施形態では、コア層610、612の各々は、縦方向よりも横方向の圧縮強度が大きい発泡体を含んでもよい。例えば、コア層610、612の一方または両方は、コア層610、612、ならびに層620および任意の表面層630を含む物品全体により多くの剛性を付与するために、方向性圧縮強度を有する発泡体、例えば直交方向で異なる圧縮強度を有する発泡体を含んでもよい。方向性圧縮強度を提供できる発泡体は、Dow Corningおよびその他のサプライヤーから市販されている。コア層610、612の各々は、通常、最初に発泡体(または他の材料)から形成され、次に層620および任意で1つ以上の接着層(図示せず)を介して互いに結合される。いくつかの構成では、コア層610、612の一方または両方の材料は、コア層610、612への実質的な損傷を伴わずに、コア層610、612の圧縮を可能にするように構築および配置することができる。コア層610、612の材料はまた、コア層610、612への実質的な損傷を伴わずに、物品600(または物品625、650)に熱成形、例えば圧縮、成形などを行えるように選択することができる。繊維熱可塑性コア層と比較して、同等の坪量では、独立気泡発泡体(または非繊維強化熱可塑性材料)を含むコア層610、612の存在は、より良い性能およびより高い強度を提供することができる。コア層610は、いかなる介在する層または材料も伴わずに、任意の表面層630に直接結合することができ、または例えば、接着層(図示せず)を使用して層630に結合することができる。
【0092】
特定の実施形態では、層620(および/または存在する場合は表面層630)は、ガラスマット熱可塑性複合材(GMT)または軽量強化熱可塑性物質(LWRT)として構成され(またはそれにおいて使用され)てもよい。そのようなLWRTの1つは、HANWHA AZDEL、Inc.によって作製され、SUPERLITE(登録商標)マットの商標で販売されている。そのようなGMTまたはLWRTの面密度は、GMTまたはLWRTの約400グラム毎平方メートル(gsm)~約4000gsmの範囲になり得るが、面密度は、特定の用途の必要性に応じて具体的には、400gsm未満であり、ま
たは4000gsmよりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、上限密度は約4000gsm未満であり得る。特定の事例では、GMTまたはLWRTは、GMTまたはLWRTの空隙空間または細孔に配設された1つ以上のロフティング剤材料を含んでもよい。
【0093】
LWRTが表面層620(および/または存在する場合は表面層630)として使用される特定の実施例では、LWRTは、通常、連続気泡構造のウェブを一緒に形成する熱可塑性材料および複数の強化繊維を含む。例えば、表面層620(および/または層630)は、通常、層内に空隙空間が存在するように、かなりの量の連続気泡構造を含む。いくつかの事例では、表面層620は、0~30%、10~40%、20~50%、30~60%、40~70%、50~80%、60~90%、0~40%、0~50%、0~60%、0~70%、0~80%、0~90%、10~50%、10~60%、10~70%、10~80%、10~90%、10~95%、20~60%、20~70%、20~80%、20~90%、20~95%、30~70%、30~80%、30~90%、30~95%、40~80%、40~90%、40~95%、50~90%、50~95%、60~95%、70~80%、70~90%、70~95%、80~90%、80~95%、またはこれらの例示的な範囲内の任意の例示的な値の空隙含有率または多孔度を含んでもよい。いくつかの事例では、表面層620(および/または層630)は、0%よりも大きい多孔度または空隙含有率を含み、例えば、約95%まで完全に固化されていない。別段に明記しない限り、特定の空隙含有率または多孔度を含む表面層への言及は、その表面層の総体積に基づいており、必ずしも多層アセンブリの総体積に基づいているわけではない。
【0094】
特定の実施例では、層620(および/または層630)は、GMTの形態で製造することができる。特定の事例では、GMTは、概して、チョップドガラス繊維、熱可塑性材料、任意でロフティング剤、および任意の熱可塑性ポリマーフィルム(複数可)、および/またはガラス繊維もしくは熱可塑性樹脂繊維、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、PC/PBTのブレンド、またはPC/PETのブレンドなどで作られた織布もしくは不織布を使用して作製することができる。いくつかの実施形態では、PP、PBT、PET、PC/PETブレンド、またはPC/PBTブレンドを樹脂として使用することができる。ガラスマットを製造するために、熱可塑性材料および強化材料を、羽根車を備えた上部開放混合槽に入れられた分散発泡体に添加し、または計量して入れることができる。何らかの特定の理論に拘束されることを望むものではないが、発泡体に捕捉された空気ポケットが存在することが、ガラス繊維、熱可塑性材料、およびロフティング剤の分散に役立つ可能性がある。いくつかの実施例では、繊維と熱可塑性材料との分散混合物は、分散マニホールドを介して、抄紙機のワイヤ部分の上に位置しているヘッドボックスにポンプ移送してもよい。分散混合物が真空を使用する可動ワイヤスクリーンに供給されて均一な繊維質の湿潤ウェブが連続的に製造されるのに伴って、繊維および熱可塑性樹脂ではなく発泡体を除去することができる。含水率を減少させ、熱可塑性材料を溶融または軟化させるために、湿潤ウェブを、好適な温度で乾燥機を通過させることができる。
【0095】
特定の実施形態では、層620(および/または層630)に存在する高い多孔度は、層の全体の重量を減少することができ、空隙空間内に薬剤を含めることを可能にすることができる。例えば、ロフティング剤は、非共有接合様式で空隙空間に存在し得る。熱または他の摂動の適用は、非共有接合ロフティング剤の体積を増加させるように作用することができ、その結果、層の全体の厚さが増加し、例えば、ロフティング剤のサイズが増加するにつれて、および/または追加の空気が層に捕捉されるにつれて層が増加する。所望であれば、難燃剤、着色剤、発煙抑制剤、および他の材料を層620(および/または層6
30)の空隙空間に含めてもよい。ロフティングの前に、層620(および/または層630)を圧縮して全体の厚さを減少させることができ、例えば、その層が1つ以上の他の層に結合される前または後に圧縮することができる。
【0096】
特定の実施形態では、層620(および/または層630)の熱可塑性材料は、少なくとも部分的に、可塑化されているものと可塑化されていないものの両方の、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、およびポリ塩化ビニル、ならびにこれらの材料の互いとのまたは他のポリマー材料とのブレンドのうちの1つ以上を含んでもよい。他の好適な熱可塑性樹脂としては、限定するものではないが、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、コポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、アモルファスナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、PARMAX(登録商標)として商業的に知られているポリ(1,4フェニレン)化合物、BayerのAPEC(登録商標)PCなどの高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、シリコーン、ならびにこれらの材料の互いとのまたは他のポリマー材料とのコポリマー、合金、およびブレンドが挙げられる。層620(および/または層630)を形成するために使用される熱可塑性材料は、粉末形態、樹脂形態、ロジン形態、粒子形態、繊維形態、または他の好適な形態で使用することができる。様々な形態の例示的な熱可塑性材料が本明細書に記載されており、例えば、米国特許出願公開第20130244528およびUS20120065283にも記載されている。層620(および/または層630)に存在する熱可塑性材料の厳密な量は変化し得、例示的な量は、約20重量%~約80重量%、例えば、30~70重量パーセントまたは35~65重量パーセントの範囲である。
【0097】
特定の実施例では、層620(および/または層630)の強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、黒鉛繊維、合成有機繊維、特に、高弾性率有機繊維、(例えば、パラ-およびメタ-アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、または繊維としての使用に適した本明細書に記載の任意の高メルトフローインデックス樹脂など)、鉱物繊維(玄武岩)、ミネラルウール(例えば、ロックウールまたはスラグウール)、珪灰石、アルミナシリカなど、またはこれらの混合物など、金属繊維、金属化天然および/または合成繊維、セラミック繊維、糸繊維、またはこれらの混合物を含んでもよい。いくつかの実施形態では、繊維に望ましい官能基を提供するために、もしくは他の物理的特性を付与するために、前述の繊維のうちのいずれかを使用前に化学的に処理することができ、例えば、これらが熱可塑性材料、ロフティング剤、または両方と反応できるように、化学的に処理してもよい。層620(および/または層630)の繊維含有量は、独立して、層の約20重量%~約90重量%、より具体的には、層の約30重量%~約70重量%であってもよい。通常、層620(および/または層630)を含む多層アセンブリの繊維含有量は、アセンブリの約20重量%~約90重量%、より具体的には、約30重量%~約80重量%、例えば、約40重量%~約70重量%の間で変化する。使用される繊維の特定のサイズおよび/または配向は、少なくとも部分的に、使用される熱可塑性ポリマー材料および/または層620(および/または層630)の所望の特性によって異なり得る。好適な追加の繊維のタイプ、繊維のサイズ、および量は、本開示の利益を踏まえて、当業者によって容易に選択されるであろう。非限定的な一例では、層620(および/または層630)を提供するための熱可塑性材料および任意でロフティング剤中に分散された繊維は、概して、約5ミクロンよりも大きい、より具体的には、約5ミクロン~約22ミクロンの直径、および約5mm~約200mmの長さを有し、より具体的には、繊維の直径は、約ミクロン~約22ミクロンであってもよく、繊維の長さは、約5mm~約75mmであってもよい。
【0098】
いくつかの実施形態では、層620(および/または層630)のロフティング能力は、1つ以上の追加のロフティング剤を含めることによって、さらに調整することができる。層620(および/または層630)で使用されるロフティング剤の厳密なタイプは、例えば、所望のロフティング温度、所望のロフティングの度合いなどを含む多数の要因によって異なり得る。いくつかの事例では、微小球ロフティング剤、例えば、対流加熱にさらされるとサイズが増加し得る膨張性微小球を使用してもよい。例示的な市販のロフティング剤は、Kureha Corp.(日本)から入手可能である。他の事例では、第1の平均粒子サイズを有する第1のロフティング剤、および第1の平均粒子サイズとは異なる第2の平均粒子サイズを有する第2のロフティング剤を層620(および/または層630)で使用してもよい。他の実施例では、ロフティング剤は、膨張性黒鉛材料であってもよい。
【0099】
特定の実施形態では、層620、630は同じであってもよく、またはそれらは異なっていてもよい。特定の事例では、表面層620、630は、概して、同じ材料を含んでもよいが、異なる量の材料、例えば、異なる量の強化繊維および/または異なる量の熱可塑性材料を有してもよい。他の実施例では、層620、630は、同じ熱可塑性材料を含んでもよいが、異なる強化繊維を含んでもよい。追加の構成では、層620、630は、同じ強化繊維を含んでもよいが、異なる熱可塑性材料を含んでもよい。他の事例では、層620、630は、同じ強化材料および熱可塑性材料を含んでもよいが、異なる坪量、異なる多孔度、または他の異なる物理的特性を有してもよい。いくつかの実施例では、層620、630は、同じ強化繊維および同じ熱可塑性材料を含んでもよいが、可変のロフティング能力を提供するために、異なる厚さまたは異なる量のロフティング剤を有してもよい。
【0100】
特定の構成では、層620は、接着層(図示せず)を介してコア層610、612に結合されており、表面層630は、接着層(図示せず)を介してコア層610に結合され得る。所望であれば、図6Bに示すように、別の表面層640を接着層を介してコア層612に結合することができる。接着層(存在する場合)は、様々な層を下にあるコア層610、612に結合して、層620、630、640のコア層610、612からの分離を防ぐように作用することができる。接着層は、同じ材料、厚さなどを有する必要はない。接着層に独立して含めることができる例示的な接着剤としては、限定するものではないが、ポリアミド、変性ポリオレフィン、ウレタン、およびポリオレフィンなどの、限定するものではないが、感圧接着剤およびホットメルト接着剤を含む熱可塑性接着剤を挙げることができる。いくつかの実施例では、接着層の熱可塑性成分は、独立して、熱可塑性ポリマー、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどのポリオレフィンなどを含んでもよい。他の事例では、接着層の熱可塑性ポリマーは、独立して、可塑化されているものと可塑化されていないものの両方の、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、およびポリ塩化ビニル、ならびにこれらの材料の互いとのまたは他のポリマー材料とのブレンドを含んでもよい。接着層での使用に適した他の熱可塑性ポリマーとしては、限定するものではないが、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、コポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、アモルファスナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、PARMAX(登録商標)として商業的に知られているポリ(1,4フェニレン)化合物、BayerのAPEC(登録商標)PCなどの高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、シリコーン、ならびにこれらの材料の互いとのまたは他のポリマー材料との合金およびブレンドが挙げられる。所望であれば、接着層はまた、独立して、これらに限定するものではないが、エポキシド、エポキシ樹
脂、ポリエステル、ポリエステル樹脂、ウレタン、ポリウレタン、ジアリルフタレート、ポリイミド、シアン酸エステル、ポリシアヌレート、およびこれらの組み合わせを含む、いくつかの熱硬化性材料を含んでもよい。
【0101】
特定の実施形態では、表面層620、640は、異なる繊維材料または異なる繊維充填剤を含み得る。異なる繊維材料が存在する場合、繊維は完全に異なる繊維、例えば、ある層のガラス繊維および別の層の炭素繊維であってもよく、または、化学的に処理された同じ基材、例えば、ある層のガラス繊維および別の層で化学的に処理されたガラス繊維を含んでもよい。いくつかの事例では、繊維は同じ繊維材料であってもよいが、繊維の1つ以上の物理的特性は異なっていてもよい。例えば、層630の繊維は、たとえ層630、640の繊維材料が同じであっても異なっていても、層640に存在する繊維の直径とは異なる第1の直径を有してもよい。他の事例では、層630の繊維の長さは、たとえ層630、640に存在する繊維材料が同じであっても異なっていても、層640に存在する繊維の長さとは異なってもよい。追加の実施例では、層630、640に存在する繊維材料は同じであっても異なっていても、層630の繊維の長さおよび直径の両方は、層640の繊維の長さおよび直径とは異なってもよい。さらに他の実施例では、2つ以上の異なる繊維を層630、640のうちの一方で使用してもよく、単一のタイプの繊維が他の層に存在してもよい。本明細書に記載するように、繊維の量および/またはタイプを選択することにより、表面層630、640の物理的特性を変化させ、例えば、アセンブリの異なる表面層に異なるロフティング容量を提供することが可能である。
【0102】
いくつかの構成では、表面層630、640(ならびに任意でコア層610、612および層620)は、特定の用途のための有害物質の要件についての規制を満たすために、実質的にハロゲンを含まない、またはハロゲンを含まない層であってもよい。他の事例では、層610、612、620、630、および640のうちの1つ以上は、ハロゲン化難燃剤、例えば、より多くのF、Cl、Br、I、およびAtのうちの1つを含むハロゲン化難燃剤など、またはそのようなハロゲンを含む化合物、例えば、テトラブロモビスフェノール-Aポリカーボネートまたはモノハロ-、ジハロ-、トリハロ-、もしくはテトラハロ-ポリカーボネートを含んでもよい。いくつかの事例では、表面層630、640のうちの一方以上で使用される熱可塑性材料は、別の難燃剤を添加せずに、いくらかの難燃性を付与するために、1つ以上のハロゲンを含んでもよい。ハロゲン化難燃剤が存在する場合、難燃剤は、望ましくは難燃剤量で存在し、これは、存在する他の成分に応じて変化し得る。例えば、ハロゲン化難燃剤は、(層の重量を基準として)約0.1重量パーセント~約15重量パーセント、より具体的には、約1重量パーセント~約13重量パーセント、例えば、約5重量パーセント~約13重量パーセントで存在してもよい。所望であれば、2つの異なるハロゲン化難燃剤を層に添加してもよい。他の事例では、非ハロゲン化難燃剤、例えば、N、P、As、Sb、Bi、S、Se、およびTeのうちの1つ以上を含む難燃剤などを添加してもよい。いくつかの実施形態では、非ハロゲン化難燃剤は、リン酸化材料を含んでもよく、そのため層はより環境に優しいものとなり得る。非ハロゲン化難燃剤または実質的にハロゲンを含まない難燃剤が存在する場合、難燃剤は、望ましくは難燃剤量で存在し、これは、存在する他の成分に応じて変化し得る。例えば、実質的にハロゲンを含まない難燃剤は、(層の重量を基準として)約0.1重量パーセント~約15重量パーセント、より具体的には、層の重量を基準として、約1重量パーセント~約13重量パーセント、例えば、5重量パーセント~約13重量パーセントで存在してもよい。所望であれば、実質的にハロゲンを含まない2つの異なる難燃剤を層610、612、620、630、および640のうちの1つ以上に添加してもよい。特定の事例では、層610、612、620、630、および640のうちの1つ以上は、1つ以上の実質的にハロゲンを含まない難燃剤と組み合わせて、1つ以上のハロゲン化難燃剤を含んでもよい。2つの異なる難燃剤が存在する場合、2つの難燃剤の組み合わせは、難燃剤量で存在してもよく、これは、存在する他の成分に応じて変化し得る。例えば、難燃剤の総重量
は、(層の重量を基準として)約0.1重量パーセント~約20重量パーセント、より具体的には、層の重量を基準として、約1重量パーセント~約15重量パーセント、例えば、約2重量パーセント~約14重量パーセントであってもよい。本明細書に記載の層で使用される難燃剤は、熱可塑性材料および繊維を含む混合物に(ワイヤスクリーンもしくは他の処理構成要素上に混合物を配設する前に)添加することができ、または層が形成された後に添加することができる。いくつかの実施例では、難燃性材料は、膨張性黒鉛材料、水酸化マグネシウム(MDH)、および水酸化アルミニウム(ATH)のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0103】
図6A(および/または図6Bおよび図6C)に示す構成では、層620、630、および640のロフティング能力は、1つ以上の追加のロフティング剤を含めることによって、さらに調整することができる。層620、630、640で使用されるロフティング剤の厳密なタイプは、例えば、所望のロフティング温度、所望のロフティングの度合いなどを含む多数の要因によって異なり得る。いくつかの事例では、微小球ロフティング剤、例えば、対流加熱にさらされるとサイズが増加し得る膨張性微小球を、層620、630、および640のうちのいずれか1つ以上で使用してもよい。例示的な市販のロフティング剤は、Kureha Corp.(日本)から入手可能である。他の事例では、第1の平均粒子サイズを有する第1のロフティング剤、および第1の平均粒子サイズとは異なる第2の平均粒子サイズを有する第2のロフティング剤を使用してもよい。他の実施例では、ロフティング剤は、膨張性黒鉛材料であってもよい。層620、630、および640は、同じロフティング能力または異なるロフティング能力を提供するように構成することができる。例えば、熱または他のロフティング刺激にさらされると、層620のロフティング後の厚さは、層630の厚さよりも大きくなり得る。例えば、ロフティング前の層620の厚さは約1~2mmであってもよく、ロフティング後は約10~15mmであってもよい。ロフティング前の層630の厚さもまた、約1~2mmであってもよく、ロフティング後は約6~8mmであってもよい。これらの厚さの変化は、いかなるロフティング剤も添加しなくても発生し得る。例えば、何らかの特定の理論に拘束されることを望むものではないが、ロフティング中に熱可塑性材料は溶融し、強化材料の保持を解除して、強化材料がより多くの体積を占めることを可能にし得る。熱可塑性材料の後続の冷却は、事前にロフティングされたウェブよりも大きな体積を有する連続気泡構造のウェブの再形成をもたらし得る。層620内の熱可塑性材料および/または強化材料のレベルを調整することにより、層620の体積が増加できる程度を選択してもよい。対照的に、層630に存在する熱可塑性材料および/または強化材料の量は、ロフティング中の熱可塑性材料の溶融が全体の体積の実質的な増加をもたらさないように選択することができる。層630のウェブがロフティング後に再形成されるとき、結果として生じるロフティング後のウェブ体積は、ロフティング前のウェブ体積と実質的には異ならない。所望であれば、層620、630、および640のうちの1つ以上は、全体の体積をさらに増加させるために、追加のロフティング剤を含んでもよい。例えば、層620は、ロフティング後の全体の体積をさらに選択するために、追加のロフティング剤を含んでもよい。いくつかの事例では、ロフティング後の層620(および/またはロフティング後の層630、640)が約20~25mmの厚さを有するように、十分なロフティング剤が存在する。いくつかの実施例では、層620は、ポリオレフィン、強化繊維、およびロフティング剤を含んでもよく、層630、640は、各々、ポリオレフィン(これは、層620中のポリオレフィンと同じであっても異なっていてもよい)および強化材料を含んでもよい。特定の構成では、層620、630、および640の各々に存在するポリオレフィンは、ポリプロピレンまたはポリプロピレンを含むポリオレフィンコポリマーであってもよい。いくつかの実施形態では、層620、630、および640の各々の強化材料は、任意で、他の繊維と組み合わせたガラス繊維を含んでもよい。層620、630、および640の各々における熱可塑性材料および強化材料の厳密な重量パーセントは変化し得、層620、630、および640における例示的な重量パーセントは、約40~60重量パーセントの熱可塑性
材料であり、残りは強化材料である。所望であれば、表面層630および640は、層620よりも高いロフティング能力を有するように構成することができる。
【0104】
特定の構成では、表面層630、640の一方または両方を追加の層または材料に結合することができる。図6Cを参照すると、物品650は、層660に結合された表面層640を含むものとして示されている。層660は、多くの形態をとることができ、通常、表面層630、640とは異なっており、例えば繊維強化熱可塑性層でなくてもよい。いくつかの実施形態では、層660は表皮の形態をとってもよい。表皮660は、例えば、フィルム(例えば、熱可塑性フィルムまたはエラストマーフィルム)、フリム、スクリム(例えば、繊維系スクリム)、ホイル、織布、不織布を含んでもよく、または無機コーティング、有機コーティング、もしくは熱硬化性コーティングとして存在してもよい。他の事例では、表皮660は、1996年付のISO4589に従って測定した場合に、約22よりも大きい限界酸素指数を含んでもよい。表皮660として(またはその一部として)熱可塑性フィルムが存在する場合、熱可塑性フィルムは、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテル-エーテルケトン)、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリ(アリーレンスルホン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アミド-イミド)、ポリ(1,4-フェニレン)、ポリカーボネート、ナイロン、およびシリコーンのうち少なくとも1つを含んでもよい。表皮660として(またはその一部として)繊維系スクリムが存在する場合、繊維系スクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、黒鉛繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、および金属化無機繊維のうちの少なくとも1つを含んでもよい。表皮660として(またはその一部として)熱硬化性コーティングが存在する場合、熱硬化性コーティングは、不飽和ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール系、およびエポキシのうち少なくとも1つを含んでもよい。表皮660として(またはその一部として)無機コーティングが存在する場合、無機コーティングは、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti、およびAlから選択されるカチオンを含む鉱物を含んでもよく、または石膏、炭酸カルシウム、およびモルタルのうち少なくとも1つを含んでもよい。表皮660として(またはその一部として)不織布が存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化性接合剤、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維、および金属化合成繊維を含んでもよい。所望であれば、表皮660はまた、ロフティング剤も含んでもよい。
【0105】
特定の事例では、層660は、装飾層として構成されてもよい。装飾層660は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性フィルムから形成されてもよい。装飾層560は、カーペット、ゴム、または他の審美的なカバーを含んでもよい。装飾層660はまた、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンなどから形成された発泡体コアを含む多層構造であってもよい。天然および合成繊維から作られた織布、ニードルパンチングなどの後の有機繊維不織布、起毛布、編み製品、植毛布、または他のそのような材料などの布が発泡体コアに接合されてもよい。布はまた、ポリアミド、変性ポリオレフィン、ウレタン、ポリオレフィンなどの感圧接着剤およびホットメルト接着剤を含む熱可塑性接着剤で発泡体コアに接合されてもよい。装飾層660はまた、スパンボンド、熱接合、スパンレース、メルトブローン、ウェットレイド、および/またはドライレイドプロセスを使用して製造されてもよい。図示されていないが、所望であれば、表皮、例えば、スクリム、フィルム、装飾層などを層630に結合することもできる。
【0106】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の繊維強化熱可塑性層は、所望の物理的または化学的特性を付与するために、追加の材料または添加剤を含んでもよい。例えば、1つ以上の染料、質感改良剤、着色剤、粘度調整剤、防煙剤、相乗材料、ロフティング剤、粒子、粉末、殺生物剤、発泡体、または他の材料を層と混合し、またはこれに追加することができる。いくつかの事例では、層は、約0.2重量パーセント~約10重量パーセント
の量の1つ以上の防煙剤組成物を含んでもよい。例示的な防煙剤組成物としては、限定するものではないが、スズ酸塩、ホウ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、ケイ酸マグネシウム、モリブデン酸亜鉛カルシウム、ケイ酸カルシウム、水酸化カルシウム、およびこれらの混合物が挙げられる。所望であれば、層の物理的特性を強化するために相乗材料を存在させることができる。所望であれば、ロフティング機能を強化する相乗材料を存在させることができる。例示的な相乗剤材料としては、限定するものではないが、トリクロロベンゼンスルホン酸ナトリウムカリウム、ジフェニルスルホン-3-スルホン酸塩、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0107】
特定の実施例では、多層アセンブリの層の各々を個別に製造し、次いで、一緒に組み合わせて多層アセンブリを形成することができる。例えば、層の各々は、ウェットレイドまたは他のプロセスで別々に製造され、次いで、一緒に組み合わされて多層アセンブリを提供してもよい。本明細書に記載の様々な繊維強化熱可塑性層の製造において、ウェットレイドプロセスを使用することが望ましい場合がある。例えば、分散した材料、例えば、熱可塑性材料、繊維、および任意でロフティング剤材料を任意で本明細書に記載の任意の1つ以上の添加剤(例えば、他のロフティング剤または難燃剤)とともに含む液体または流体媒体を、ガス、例えば、空気または他のガスの存在下で撹拌(stirred)または撹拌(agitated)することができる。次いで、分散液を、支持体、例えば、ワイヤスクリーンまたは他の支持材料に乗せることができる。撹拌された分散液は、1つ以上の活性剤、例えば、アニオン性、カチオン性、または非イオン性活性剤、例えば、Industrial Soaps Ltd.によりACE液体の名前で販売されているもの、Glover Chemicals Ltd.によりTEXOFOR(登録商標)FN 15材料として販売されているもの、およびFloat-Ore Ltd.によりAMINE Fb 19材料として販売されているものなどを含むことができる。成分を、空気の存在下で、混合槽、浮選セル、または他の好適な装置に添加して、分散液を提供することができる。水性分散液の使用が望ましいものの、分散を補助し、流体の粘度を変更し、または分散液もしくは層に所望の物理的もしくは化学的特性を何かしら付与するために、1つ以上の非水性流体をまた存在させてもよい。
【0108】
特定の事例では、分散液が十分な期間混合された後、材料が分散した流体をスクリーン上に配設し、ワイヤまたは他の好適な支持構造体を動かして、上に乗った材料のウェブを提供することができる。ウェブに吸引または減圧をかけて、上に乗った材料からあらゆる液体を除去して、熱可塑性材料、ロフティング剤、および存在する他のあらゆる材料、例えば、繊維、添加剤などを残してもよい。得られるウェブを、乾燥、固結、プレス、ロフティング、積層化、サイズ決定、または何かしらさらに処理して、所望の層または物品を提供することができる。いくつかの事例では、添加剤または追加のロフティング剤材料を、乾燥、固結、プレス、ロフティング、積層化、サイズ決定または何かしらさらに処理して、所望の層または物品を提供する前に、添加することができる。他の事例では、ロフティング剤は、乾燥、固結、プレス、ロフティング、積層化、サイズ決定または何かしらさらに処理して、所望の層または物品を提供するのに続いてウェブに添加することができる。ウェットレイドプロセスを使用することができるものの、存在する熱可塑性材料、ロフティング剤材料、および他の材料の性質に依存して、その代わりにエアレイドプロセス、乾燥ブレンドプロセス、カージングおよびニードルプロセス、または不織製品の作製に使用される他の既知のプロセスを使用することが望ましい場合がある。
【0109】
いくつかの構成では、本明細書に記載の繊維強化熱可塑性層は、熱可塑性材料、繊維、および任意の微小球ロフティング剤を、界面活性剤の存在下で、水溶液または発泡体に混ぜ合わせることによって、製造することができる。混ぜ合わせた成分を、十分な時間混合または撹拌することで、様々な材料を分散させ、材料の実質的に均質な水性混合物を提供することができる。次いで、分散混合物を、任意の好適な支持構造体、例えば、所望の多
孔度を有する、ワイヤメッシュまたは他のメッシュまたは支持体に乗せる。次いで、ワイヤメッシュを通して水を排出し、ウェブを形成することができる。ウェブを乾燥し、熱可塑性粉末の軟化点を上回って加熱する。次いで、ウェブを冷却し、所定の厚さにプレスして、約1パーセント~約95パーセントの空隙率を有する複合体シートを製造する。代替の実施形態では、水性発泡体はまた、接合剤材料も含む。いくつかの構成では、ウェブを熱可塑性粉末の軟化点を上回って加熱した後、熱可塑性ポリマーおよび熱硬化性材料を含む接着層を、ウェブ上に配設することができる。
【0110】
特定の実施例では、繊維強化熱可塑性層のうち1つ以上は、GMTの形態で製造することができる。特定の事例では、GMTは、概して、チョップドガラス繊維、熱可塑性材料、ロフティング剤、および任意の熱可塑性ポリマーフィルム(複数可)、および/またはガラス繊維もしくは熱可塑性樹脂繊維、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、PC/PBTのブレンド、またはPC/PETのブレンドなどで作られた織布もしくは不織布を使用して作製することができる。いくつかの実施形態では、PP、PBT、PET、PC/PETブレンド、またはPC/PBTブレンドを樹脂として使用することができる。ガラスマットを製造するために、熱可塑性材料、強化材料、ロフティング剤、および/または他の添加剤を、羽根車を備えた上部開放混合槽に入れられた分散発泡体に添加し、または計量して入れることができる。何らかの特定の理論に拘束されることを望むものではないが、発泡体に捕捉された空気ポケットが存在することが、ガラス繊維、熱可塑性材料、およびロフティング剤の分散に役立つ可能性がある。いくつかの実施例では、ガラスと樹脂との分散混合物は、分散マニホールドを介して、抄紙機のワイヤ部分の上に位置しているヘッドボックスにポンプ移送してもよい。分散混合物が真空を使用する可動ワイヤスクリーンに供給されて均一な繊維質の湿潤ウェブが連続的に製造されるのに伴って、ガラス繊維、ロフティング剤、または熱可塑性物質ではなく発泡体を除去することができる。含水率を減少させ、熱可塑性材料を溶融または軟化させるために、湿潤ウェブを、好適な温度で乾燥機を通過させることができる。熱ウェブが乾燥機を出たところで、ガラス繊維、ロフティング剤、熱可塑性材料、およびフィルムのウェブを、加熱された一組のローラーのニップを通過させ、続いて接着剤をウェブ表面に噴霧することによって、表面層、例えば、熱可塑性ポリマーおよび熱硬化性材料を含む接着層などをウェブに乗せることができる。所望であれば、追加の層、例えば、不織布および/または織布層または表皮層なども、ウェブの片側または両側に取り付けて、ガラス繊維強化マットを取り扱いやすくすることができる。次いで、複合体を、テンションロールを通過させ、その後最終製品へと形成するために、所望のサイズに連続切断(ギロチン断裁)することができる。そのようなGMT複合体の製造に関するさらなる情報は、そのような複合体の形成に使用される好適な材料および処理条件も含めて、例えば、米国特許第6,923,494号、同第4,978,489号、同第4,944,843号、同第4,964,935号、同第4,734,321号、同第5,053,449号、同第4,925,615号、同第5,609,966号、ならびに米国特許出願公開第US 2005/0082881号、同第US2005/0228108号、同第US2005/0217932号、同第US2005/0215698号、同第US2005/0164023号、および同第US2005/0161865号に記載される。
【0111】
いくつかの事例では、繊維強化熱可塑性層の各々を、シートとして別々に形成することができ、次いで、シートを使用して多層物品を提供する。例えば、ウェットレイドプロセスを使用して、低ロフティング能力を有する第1の繊維強化熱可塑性シートを製造することができる。ウェットレイドプロセスを使用して、第1のシートよりも高いロフティング能力を有する第2の繊維強化熱可塑性シートを製造することもできる。各シートを、互いに結合する前に処理してもよい。例えば、各シートを、所望の厚さを提供するために圧縮してもよい。製造された繊維強化熱可塑性シートのうちのいずれか1つ、または2つ以上
を、本明細書に記載の多層アセンブリのコア層に結合することができる。結合プロセスは変化し得るが、いくつかの事例では、1枚の第1の繊維強化熱可塑性シートを、熱可塑性成分が軟化する温度に加熱する。次いで、加熱された繊維強化熱可塑性シートをコア層に結合することができる。所望であれば、第1の繊維強化熱可塑性プラスチックと同じであっても異なっていてもよい第2の繊維強化熱可塑性シートを、コア層の他の表面に配設する。配設された第2の繊維強化熱可塑性シートを軟化するために、任意の追加の加熱を加える。次いで、結合された2つまたは3つの層を圧縮し、またはさらに処理することができる。例えば、成形、熱成形などのようなプロセスを使用して、圧力および/または温度を加えて、シートを互いに結合するのを助け、かつ/または物品に所望の形状を付与してもよい。
【0112】
本明細書に記載の物品は、好適なプロセスを使用して所望の構成または形状になるように処理することができ、そのようなプロセスとしては、限定するものではないが、鋳造成形、熱成形、絞り成形、または他の成形プロセスが挙げられる。いくつかの事例では、そのようなプロセスは、所望の構成を付与するため、および/または物品の様々な層をロフティングさせるために使用される。例えば、物品が車両床として機能するように設計されている場合、床を、所望の様式で造形および/または切断することができる。図7を参照すると、車両床700が、構成要素705a、705bを含む車両フレームに配設され、これと結合しているものとして示されている。床700は、概して、本明細書に記載の多層アセンブリ、例えば、図1図6Cに関連して図示および記載されるもの、または本開示の利益を踏まえて当業者によって選択されることになる他の同様な多層アセンブリのうちの1つ以上を含む、平坦な構造である。床700は、ボルト、ネジなどのような好適な締め具を介して、および任意で1つ以上の接着剤でフレームと結合させることができる。いくつかの事例では、車両のドア、ルーフアセンブリ、および他の構成要素を、床700上に配設して車室を提供してもよい。所望であれば、審美的または他の理由からカーペット、発泡体詰め物などを、床700と結合させてもよい。
【0113】
いくつかの実施形態では、後部収納室用の積載床は、本明細書に記載の物品を使用して製造されてもよい。図8を参照すると、積載床として使用できる深絞りされた物品800の側面図が示されている。物品800は、通常、車両の後部、例えば、スポーツ用多目的車またはミニバンの後部収納部分に位置決めされ、構成要素、道具、荷物、スペアタイヤなどを収容するように設計される。蓋または覆い(図示せず)も存在させることで、積載床800内の構成要素を囲い、それらを視界から隠してもよい。積載床800は、例えば、本明細書に記載の多層アセンブリ、例えば、図1図6Cに関連して図示および記載されるもの、または本開示の利益を踏まえて当業者により選択されることになる他の同様な多層アセンブリのうちのいずれかを含んでもよい。いくつかの事例では、積載床800は十分な重量支持能力を提供し、そのため車両を支持するために下にある支持部材が存在する必要はない。
【0114】
いくつかの実施形態では、積載床は、所望であれば、追加の強度を提供するために、構造部材またはスラットを含み得る。例えば、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の金属棒または部材を、積載床内、例えば、コア層の中または任意の他の層の中に位置決めして、追加の強度を提供することができる。積載床の特定の構成は、選択された重量下で、例えば、2010年4月1日付けのASTM D790-10を使用して試験した場合に、所望の量を超えない撓みを提供し得る。特定の積載床構成が、所望の量、例えば、100kg荷重下で10mmを超えて撓む場合、所望の仕様を満たす積載床を提供するために、例えば、材料を変更することによって、および/または構造部材を含ませることによって、コア層または他の層を変更することができる。
【0115】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の物品は、車両外装または船殻、例えば、レ
クリエーション用車両外装パネル、ボート船殻、またはいくらかの重量もしくは力に耐える必要があり得る他の構造パネルの形態に構成してもよい。パネルは、湿度の高い環境で使用するのに特に望ましく、というのも、コア層は、概して、水との接触に敏感ではなく、水と接触しても性質が実質的な度合いで変化することがないからである。
【0116】
特定の実施形態では、本明細書に記載の物品は、車両の内壁、天井または床、例えば、いくらかの重量または力に耐える必要があり得るレクリエーション用車両の内壁、天井、または床パネルの形態で構成してもよい。パネルは、湿度の高い環境で使用するのに特に望ましく、というのも、コア層は、概して、水との接触に敏感ではなく、水と接触しても性質が実質的な度合いで変化することがないからである。
【0117】
他の構成では、本明細書に記載の物品を車両の構造部品として使用することができる。例えば、物品は、道路用車両およびレクリエーション用車両のキャビン寝台に存在する場合があり、例えば、物品は、折りたたみ式ベッド、折りたたみ式もしくはベッドを形成できる構成可能なダイネット、また人間が寝ることができる他の用途で使用することができる。いくつかの実施例では、レクリエーション用車両(RV)の外面から離れて増加した内部空間を提供するように設計されたRVのスライドアウト構造に物品を存在させることができる。物品の軽量性により、スライドアウト構造の全体の重量を軽減し、スライドアウト構造の伸縮に使用されるギアとモーターへのストレスを軽減することができる。加えて、物品の耐水性により、反りやカビの成長に耐えるスライド式天井を提供することができる。
【0118】
特定の実施例では、コア層および選択された他の層の厳密な性質は、少なくとも部分的に、様々な層を含む物品の所望の音響特性によって異なる場合がある。例えば、本明細書に記載のコア層の特定の構成は、優れた吸音性を提供できるが、所望の防音特性を有しない場合がある。表皮または他の層を、音響特性がコア層の音響特性を補うように選択して、良好な吸音性および防音性を有する複合構造体を提供することができる。
【0119】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の物品のコア層は、耐水性であることが可能である。例えば、積載床の多くの構成において、コア層は、紙系材料であることが可能である。紙系材料を水と接触させることは、コア層強度を大幅に低下させる可能性があり、カビの発生を助長する可能性がある。本明細書に記載のコア層を使用することにより、水との接触は、物品の全体強度を変更させない。
【0120】
本明細書に開示の実施例の要素を紹介する際の、冠詞「a」、「an」、「the」、および「前記」は、1つ以上の要素が存在することを意味することが意図されている。「含む(comprising、including)」および「有する(having)」という用語は、非制限的であることが意図されており、列挙されている要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味する。本開示の利益を踏まえて、実施例の様々な構成要素を他の実施例の様々な構成要素と交換または置換できることが当業者に認識されるであろう。
【0121】
特定の態様、実施例、および実施形態が上述されているが、本開示の利益を踏まえて、開示されている例示的な態様、実施例、および実施形態の追加、置換、修正、および変更が可能であることが当業者に認識されるであろう。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-12-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層アセンブリであって、
前記多層アセンブリに方向性圧縮強度を提供するコア層であって、方向性圧縮材料が方向性圧縮膨張性ポリスチレン発泡体、方向性圧縮押出ポリエチレン発泡体、または方向性圧縮膨張性ポリプロピレン発泡体からなるからなる群から選択され、前記方向性圧縮材料が、前記多層アセンブリにより多くの剛性を付与するために、直交方向で異なる圧縮強度を含む、前記コア層と、
前記コア層の第1の表面上に配設された第1の非押出多孔質強化熱可塑性層であって、ポリプロピレンで結合された複数の強化ガラス繊維によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、前記第1の非押出繊維強化熱可塑性層と、
前記コア層の第2の表面上に配設された第2の非押出多孔質強化熱可塑性層であって、ポリプロピレンで結合された複数の強化ガラス繊維によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、前記第2の非押出繊維強化熱可塑性層と、を備える、多層アセンブリ。
【請求項2】
前記第1の非押出多孔質強化熱可塑性層の坪量が、前記第2の非押出多孔質強化熱可塑性層の坪量と実質的に同じである、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項3】
前記第1の非押出多孔質強化熱可塑性層の坪量が、前記第2の非押出多孔質強化熱可塑性層の坪量と異なる、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項4】
前記コア層上に配設された前記第1の非押出多孔質強化熱可塑性層が、配設された前記第2の非押出多孔質強化熱可塑性層の強化繊維とは異なる少なくとも1つの強化繊維を含む、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項5】
前記方向性圧縮材料が方向性圧縮押出ポリスチレン発泡体であり、前記コア層が独立気泡材料である、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項6】
前記方向性圧縮材料が方向性圧縮押出ポリエチレン発泡体であり、前記コア層が独立気泡材料である、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項7】
前記方向性圧縮材料が方向性圧縮押出ポリプロピレン発泡体であり、前記コア層が独立気泡材料である、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項8】
前記第1の非押出多孔質強化熱可塑性層が、ロフティング剤を含む、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項9】
前記第2の非押出多孔質強化熱可塑性層が、ロフティング剤を含む、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項10】
前記第1の非押出多孔質強化熱可塑性層および前記第2の非押出多孔質強化熱可塑性層の両方がロフティング剤を含む、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項11】
前記ロフティング剤が、膨張性微小球および膨張性黒鉛材料のうちの少なくとも一方を含む、請求項10に記載の多層アセンブリ。
【請求項12】
前記コア層中にロフティング剤が存在しない、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項13】
前記第1の非押出多孔質強化熱可塑性層および前記第2の非押出多孔質強化熱可塑性層のポリプロピレンおよび強化ガラス繊維が、ロフティング剤が存在しない前記第1の非押出多孔質強化熱可塑性層および前記第2の非押出多孔質強化熱可塑性層のロフティングを可能にするように選択される、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項14】
前記第1の非押出多孔質強化熱可塑性層と前記コア層との間の前記コア層の前記第1の表面上に配設された第1の接着層をさらに含む、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項15】
前記第2の非押出多孔質強化熱可塑性層と前記コア層との間の前記コア層の前記第2の表面上に配設された第2の接着層をさらに含む、請求項14に記載の多層アセンブリ。
【請求項16】
前記第1の多孔質強化熱可塑性層および前記第2の多孔質強化熱可塑性層のうちの一方の上に配設された装飾層をさらに含む、請求項15に記載の多層アセンブリ。
【請求項17】
前記コア層の前記方向性圧縮材料が、方向性圧縮膨張性ポリスチレン発泡体を含み、前記第1の接着層および前記第2の接着層が、各々、コポリアミドを含み、前記コア層の前記圧縮強度が縦方向よりも横方向の方が大きい、請求項16に記載の多層アセンブリ。
【外国語明細書】