(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023215
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】廃水を処理する、及びクラスA汚泥を生産するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
C02F 3/12 20230101AFI20240214BHJP
【FI】
C02F3/12 B
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023187853
(22)【出願日】2023-11-01
(62)【分割の表示】P 2021506386の分割
【原出願日】2019-04-20
(31)【優先権主張番号】62/660,907
(32)【優先日】2018-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520407138
【氏名又は名称】アドバンスト・イノベーターズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ADVANCED INNOVATORS INC
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100156122
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 剛
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ホワイトマン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】危険性のある望ましくない成分の生成を最小化するように廃水を処理するための方法を提供する。
【解決手段】a.活性汚泥式廃水処理プラントから汚泥を得ることと;b.汚泥を沈降タンクに流し込むことと;c.微生物を沈降タンクに供給し、微生物が、汚泥中の汚染物質を分解するために選択され、微生物が、凍結又は凍結乾燥されておらず、これにより、微生物が、汚泥中の汚染物質を分解することと;d.保持期間にわたって沈降タンク内に汚泥を保持し、保持期間が、少なくとも60日であることと;e.保持期間の後に保持タンクから汚泥を抜き出し、抜き出された汚泥が、クラスA汚泥であり、これにより、保持期間の間、汚泥が、消毒剤プロセスを施されないこととを含む、消毒剤処理を必要とすることなくクラスA汚泥を生成する方法である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.汚染物質を含有する廃水の流入物を有する廃水処理システムにおいて、廃水処理システムが、第1の処理デバイス、第2の処理デバイス及び第3の処理デバイスを備え、廃水が、第1の処理デバイスから第2の処理デバイスを経由して第3の処理デバイスに流れることと;
b.制御された所定の投入速度において複数の微生物を廃水処理システムに供給し、微生物が、廃水から汚染物質を除去するために選択され、複数の微生物が、約103cfu/ml~1013cfu/mlを含有し、微生物が、決して凍結又は凍結乾燥されず、14日未満のD50日齢を有することと;
c.投入速度が、廃水処理システム内の廃水中の微生物のD50日齢を、日齢20日未満に維持することと;
d.廃水中の汚染物質が低減されて、DOD及びTSSによって測定して少なくとも約90%低減された汚染物質を有する流出物を生産することと
を含む、流入廃水流の処理において微生物の日齢を制御する方法。
【請求項2】
廃水処理プラントが、約5MGD~約40MGDの処理能力を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
廃水処理プラントが、約20MGD~約100MGDの処理能力を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
廃水処理プラントが、10MGD超の処理能力を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
廃水処理プラントが、100MGD超の処理能力を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
微生物が、第2の処理デバイスに供給される、請求項1、2、3、4又は5に記載の方法。
【請求項7】
微生物が、第3の処理デバイスに供給される、請求項1、2、3、4又は5に記載の方法。
【請求項8】
微生物が、第2及び第3の処理デバイスに供給され、投入速度が、各処理デバイスにおける投入速度の累積である、請求項1、2、3、4又は5に記載の方法。
【請求項9】
廃水処理プラントが、約200MGD~約300MGDの処理能力を有し、第4の処理デバイスを備え;
a.第1の処理デバイスが、スクリーン及び沈砂池を備え、これにより、粒子、プラスチック及び砂利が、廃水から除去され;
b.第2の処理デバイスが、溜池を備え;
c.第3の処理デバイスが、沈降タンクを備え;活性汚泥を含む返送流が、第2の処理デバイスに流され、流出物が、第3の処理デバイスから流され;
d.第4の処理デバイスが、保持タンクを備え、第3の処理デバイスからの汚泥が、第4の処理デバイスに流され、汚泥が、濃縮される、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
微生物が、第2の処理デバイスに供給される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
微生物が、第3の処理デバイスに供給される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
微生物が、第2及び第3の処理デバイスに供給され、これにより、投入速度が、各処理デバイスにおける投入速度の累積である、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
汚泥が、全蒸発残留物(乾燥重量)1グラム当たり1,000未満の最確数(MPN)の糞便性大腸菌レベル、及び、全蒸発残留物(乾燥重量)4グラム当たり3MPN未満のサルモネラ属菌を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
第2の用量の微生物が、第4の処理デバイスに供給される、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
第2のデバイスが、供給された酸素を有さない、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
a.活性汚泥式廃水処理プラントから汚泥を得ることと;
b.汚泥を沈降タンクに流し込むことと;
c.微生物を沈降タンクに供給し、微生物が、汚泥中の汚染物質を分解するために選択され、微生物が、凍結又は凍結乾燥されておらず、これにより、微生物が、汚泥中の汚染物質を分解することと;
d.保持期間にわたって沈降タンク内に汚泥を保持し、保持期間が、少なくとも60日であることと;
e.保持期間の後に保持タンクから汚泥を抜き出し、抜き出された汚泥が、クラスA汚泥であり、これにより、保持期間の間、汚泥が、消毒剤プロセスを施されないことと
を含む、消毒剤処理を必要とすることなくクラスA汚泥を生成する方法。
【請求項17】
a.汚染物質を含有する廃水の流入物を有する廃水処理システムにおいて、廃水処理システムが、第1の処理デバイス、第2の処理デバイス及び第3の処理デバイスを備え、廃水が、第1の処理デバイスから第2の処理デバイスを経由して第3の処理デバイスに流れることと;
b.制御された所定の投入速度において複数の微生物を廃水処理システムに供給し、微生物が、廃水から汚染物質を除去するために選択され、複数の微生物が、約103cfu/ml~1013cfu/mlを含有し、微生物が、決して凍結又は凍結乾燥されず、2日未満のD50日齢を有することと;
c.投入速度が、廃水処理システム内の廃水中の微生物のD50日齢を、日齢4日未満に維持することと;
d.廃水中の汚染物質が低減されて、DOD及びTSSによって測定して少なくとも約90%低減された汚染物質を有する流出物を生産することと
を含む、流入廃水流の処理において微生物の日齢を制御する方法。
【請求項18】
a.汚染物質を含有する廃水の流入物を有する廃水処理システムにおいて、廃水処理システムが、第1の処理デバイス、第2の処理デバイス及び第3の処理デバイスを備え、廃水が、第1の処理デバイスから第2の処理デバイスを経由して第3の処理デバイスに流れることと;
b.制御された所定の投入速度において複数の微生物を廃水処理システムに供給し、微生物が、廃水から汚染物質を除去するために選択され、複数の微生物が、約103cfu/ml~1040cfu/mlを含有し、微生物が、決して凍結又は凍結乾燥されず、10日未満の平均日齢を有することと;
c.投入速度が、廃水処理システムにおける廃水中の微生物の平均日齢を日齢20日未満に維持することと;
d.これにより、廃水中の汚染物質が低減されて、DOD及びTSSによって測定して少なくとも約90%低減された汚染物質を有する流出物を生産することと
を含む、流入廃水流の処理において微生物の日齢を制御する方法。
【請求項19】
a.若々しい微生物を活性汚泥に取り込ませることと;
b.活性汚泥中の取り込まれた微生物の日齢を所定の日齢未満に維持することと;
c.活性汚泥から固形物を除去し、除去された固形物が、取り込まれた微生物の少なくとも一部を含むことと;
d.さらなる若々しい微生物を、除去された固形物に供給し、30~160日の期間にわたって除去された固形物を保持し、これにより、0.1NPM/ml未満のサルモネラ(Samonella)を有するクリーンな汚泥が得られることと
を含む、消毒剤による後処理なしで廃水から直接病原体不含汚泥を生成する方法。
【請求項20】
クリーンな汚泥が、2MPN/mL未満の糞便性大腸菌を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
クリーンな汚泥が、2MPN未満/感染単位4乾燥重量グラムの培養可能で細胞変性作用のある腸ウイルスを有する、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
クリーンな汚泥が、重金属不含である、請求項19又は20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条(e)(1)により、その開示全体を参照により本明細書に組み込む2018年4月20日に出願された米国仮特許出願62/660,907号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、生体物質による廃水の処理と、このような処理を実施するためのシステム及び方法を用いる廃水の処理と、廃水からの有用で、安全で、環境の観点から許容される、液体を含む物質の生成とに関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、廃水処理システムは、地方自治体、工業用地、工場、雨水排水システム及び望ましくない物質によって汚染された水が存在する他の場所からの流出物を取り扱う。本明細書において使用されているとき、そうではないとの記載がない限り、「廃水処理システム」という用語は、可能な限りで最も広範な意味を与えられるべきであり、一次処理、二次処理又は三次処理並びにこれらの組合せ及び変更形態を有する産業システム及び都市システム;好気性、通性又は嫌気性生物学的廃水システム性、通性又は嫌気性生物学的廃水システム;好気性プロセスが、例えば、活性汚泥システム、好気性安定化池(ASB)、曝気ラグーン、一過式ラグーンシステム、安定化池、回転生物接触反応器及び散水ろ床を含み;通性プロセスが、例えば、通性ラグーンを含み;嫌気性プロセスが、例えば、嫌気性池、嫌気性消化槽、嫌気性ろ床又は嫌気性接触装置及び嫌気性処理システムを含み;クラリファイヤ、沈降タンク、消化槽、活性汚泥システム、ラグーン、一過式ラグーン並びにこれらの組合せ及び変更形態を有するシステム;活性汚泥システム、回転円板システム、浸漬型曝気ろ床、懸濁メディアろ床、逐次回分式反応槽、非電気式ろ床及び散水ろ床等のシステム;並びにこれらの組合せ及び変更形態、並びに廃水を浄化するための他のデバイスを含む。
【0004】
廃水処理プラントは、1日当たりの小さな体積、1日当たりの流量における測定単位、すなわち、ガロン・パー・デイ(GPD)から、百万(1,000,000)ガロン・パー・デイ(MGD)の流量で測定される大きな体積に至るまでの範囲であり得る。流量は、数十、数百、数千、数万及び数十万のGPDであってもよい。典型的に、都市の敷地及び工業用地に関しては、廃水の流量は、百万ガロン・パー・デイ(「MGD」)を単位とするものであり、1MGD~100MGDの範囲、5MGD~50MGDの範囲、約1MGD~約15MGDの範囲、約5MGD~約25MGDの範囲、約10MGD~約40MGDの範囲、約20MGD~約50MGDの範囲、約25MGD~約60MGDの範囲、約200MGD~約300MGDの範囲、より高い流量の範囲及びより低い流量の範囲、並びにこれらの範囲に含まれるすべての流量であり得る。
【0005】
廃水処理プラントの容量又はサイズは、人口当量(「PE」)において測定することもできる。PEは、流量を測定し、異なる処理プラント間の流量を比較するために使用される、標準化である。PEは、工業的な施設及びサービスによって24時間の間に生み出された汚染負荷の和の、同じ時間で1人の人物によって生み出された家庭下水中の個別の集団に対する比を表す数である。
【化1】
【0006】
一般的に、1単位のPEは、24時間当たりBOD54グラムに等しい。流量に関しては、1単位のPEは、一般的に、1人当たり1日につき50ガロン又は1人当たり1日につき200リットルに等しい。廃水処理プラントは、10,000~200,000PEの容量、50,000~100,000PEの容量、50,000~500,000PEの容量、100,000PE~2,000,000(2mm)PEの容量、1mm PE~4mm PEの容量、並びにこの範囲に含まれるすべての容量、並びにより高い容量及びより小さな容量を有し得る。
【0007】
一般に、汚泥安定化設備等、高価で時に信頼性が低い場合もある処理設備又は処理プロセスが存在しないため、廃水処理システムによって製造されており、そうではないと明示的に記載されていない限り本明細書において同義語として使用されている用語である、汚泥又は余剰スラッジ又はバイオソリッドは一般的には、コストがさらに高く環境的な観点において望ましくない処分法を必要とする、望ましくない物質を含有する。これらのプロセスは、大きな資本的支出を必要とし、高いカーボンフットプリントを伴う高い操業コストを有し、苛性化学物質及び酸性化学物質等の刺激が強くて危険な物質を使用し、さらには、他の不利な要件も加わる。特に、後に挙げた従前のpHに基づいたシステム、及び他の従前の消毒システムは、信頼性が低く、望ましくないものであることが判明しており、安全で、使用可能で、経済的及び環境的な観点において許容される汚泥、並びに他のこのようなプロセス目的物質の生成のための需要を満たしていなかった。しかしながら、堆肥化等、資本集約度が高くない他の変更形態は、樹皮等の充填剤を使用するという欠点を有し、このような充填剤は、法規制された糞便によって汚染され、糞便に関する基準を満たすことがより困難になる可能性がある。
【0008】
本明細書において使用されているとき、そうではないと明示的に記載されていない限り、「流入物」という用語は、可能な限りで最も広範な意味を与えられるべきであり、デバイス、システム、装置、貯蔵器、溜池、処理プロセス用処理システム、処理デバイス、タンク又は処理プラント若しくは処理施設に流れ込む、(生の(無処理の)又は部分的に処理された)廃水又は他の液体を意味する。
【0009】
本明細書において使用されているとき、そうではないと明示的に記載されていない限り、「汚泥」という用語は、可能な限りで最も広範な意味を与えられるべきであり、廃水処理プラントによって廃水から除去された物質を含む。典型的に、汚泥は、約0.2%~約80%の固形物、約1%~約60%の固形物、約0.25%~0.5%の固形物、約2%~約4%の固形物、約50%~約99%の固形物、約5%~約25%の固形物、約5%の固形物、約10%の固形物、約1%の固形物、約10%の固形物、約15%の固形物、約0.5%超の固形物、約2%超の固形物、約5%超の固形物、並びにこれらの組合せ及び変更形態、並びにこれらの範囲に含まれるすべての値を有し得る。
【0010】
本明細書において使用されているとき、そうではないと明示的に記載されていない限り、「フロック形成微生物」という用語、「フロック形成者」という用語、フロック形成という用語並びにこのような用語の類似用語は、可能な限りで最も広範な意味を与えられるべきであり、フロック形成を起こし、又は、フロキュレーションして、一緒になって機能する大きな細菌の集塊又はコミュニティを生じさせるある属性群の微生物を含み;次のフロック形成細菌(腐生菌)も含む:アクロモバクター(Achromobacter)、フラボバクテリウム(Flavobacterium)、アルカリゲネス(Alcaligenes)、アルスロバクター(Arthrobacter)、ズーグレア(Zooglea)、アシネトバクター(Acinetobacter)、シトロモナス(Citromonas);捕食動物:原生動物、ワムシ、線形動物 ツリガネムシ、アスピシディカ(Aspicidica)、パラメディウム(Paramedium);リン酸塩蓄積有機体(PAO)、藻(ラグーン)。
【0011】
本明細書において使用されているとき、そうではないとの記載がない限り、室温は、25℃である。加えて、標準温度及び標準圧力は、25℃及び1気圧である。
【0012】
一般に、そうではないと指定されていない限り、本明細書において使用されている「約」という用語は、得られた指定された値に関連付けられた±10%の分散又は範囲、実験誤差若しくは機器誤差、好ましくは、これらのうちで大きな方の値を包含することを意味する。
【0013】
本明細書において使用されているとき、そうではないと指定されていない限り、本明細書における値の範囲に関する言及は単に、範囲に含まれるそれぞれの別個の値を個別に言及する簡略的な方法として役立つように意図されている。そうではないと本明細書において示されていない限り、ある範囲に含まれるそれぞれの個別の値は、あたかも本明細書において個別に言及されたかのように、本明細書に組み込まれる。
【0014】
この背景技術の部は、本発明の実施形態と関連付けられ得る、当技術の様々な態様を導入するように意図されている。したがって、この部における上記の論述は、本発明をより深く理解するための枠組みを提供しており、従来技術を認定するものとして解すべきではない。
【発明の概要】
【0015】
危険性のある望ましくない成分の生成を最小化するように廃水を処理するための方法及び装置が、長年にわたって開発を必要とされてきた。本発明は特に、本明細書において教示、開示及び主張された組成、材料、生成物、デバイス及びプロセスを提供することによって、上記の必要性を解決する。
【0016】
汚染物質を含有する廃水の流入物を有する廃水処理システムにおいて、廃水処理システムが、第1の処理デバイス、第2の処理デバイス及び第3の処理デバイスを備え、廃水が、第1の処理デバイスから第2の処理デバイスを経由して第3の処理デバイスに流れることと;制御された所定の投入速度において複数の微生物を廃水処理システムに供給し、微生物が、廃水から汚染物質を除去するために選択され、複数の微生物が、約103cfu/ml~1040cfu/mlを含有し、微生物が、決して凍結又は凍結乾燥されず、14日未満のD50日齢を有することと;投入速度が、廃水処理システムにおける廃水中の微生物のD50日齢を日齢20日未満に維持することと;これにより、廃水中の汚染物質が低減されて、DOD及びTSSによって測定して少なくとも約90%低減された汚染物質を有する流出物を生産することとを含む、流入廃水流の処理において微生物の日齢を制御する方法が、提供される。
【0017】
さらに、次の特徴のうちの1つ以上を有するこれらの方法、システム及び処理が、提供される:廃水処理プラントが、約5MGD~約40MGDの処理能力を有すること;廃水処理プラントが、約20MGD~約100MGDの処理能力を有すること;廃水処理プラントが、10MGD超の処理能力を有すること;廃水処理プラントが、100MGD超の処理能力を有すること;微生物が、第2の処理デバイスに供給されること;微生物が、第3の処理デバイスに供給されること;微生物が、第2及び第3の処理デバイスに供給されること;これにより、投入速度が、各処理デバイスにおける投入速度の累積であること。
【0018】
らに、次の特徴のうちの1つ以上を有するこれらの方法、システム及び処理が、提供される:廃水処理プラントが、約200MGD~約300MGDの処理能力を有し;第4の処理デバイスを備え;第1の処理デバイスが、スクリーン及び沈砂池を備え、これにより、大きな粒子、プラスチック及び砂利が、廃水から除去されること;第2の処理デバイスが、溜池を備えること;第3の処理デバイスが、沈降タンクを備え、活性汚泥を含む返送流が、第2の処理デバイスに流され、流出物が、第3の処理デバイスから流されること;第4の処理デバイスが、保持タンクを備え、第3の処理デバイスからの汚泥が、第4の処理デバイスに流され、汚泥が、濃縮されること。
【0019】
さらに、次の特徴のうちの1つ以上を有するこれらの方法、システム及び処理が、提供される:微生物が、第2の処理デバイスに供給されること;微生物が、第3の処理デバイスに供給されること;微生物が、第2及び第3の処理デバイスに供給されること;これにより、投入速度が、各処理デバイスにおける投入速度の累積であること;汚泥が、全蒸発残留物(乾燥重量)1グラム当たり1,000未満の最確数(MPN)の糞便性大腸菌レベル、及び、全蒸発残留物(乾燥重量)4グラム当たり3MPN未満のサルモネラ属(salmonella sp.)菌を有すること;第2の用量の微生物が、第4の処理デバイスに供給されること;第2のデバイスが、供給された酸素を有さないこと。
【0020】
さらに、活性汚泥式廃水処理プラントから汚泥を得ることと;汚泥を沈降タンクに流し込むことと;微生物を沈降タンクに供給し、微生物が、汚泥中の汚染物質を分解するために選択され、微生物が、凍結又は凍結乾燥されておらず、これにより、微生物が、汚泥中の汚染物質を分解することと;保持期間にわたって沈降タンク内に汚泥を保持し、保持期間が、少なくとも60日であることと;保持期間の後に保持タンクから汚泥を抜き出し、抜き出された汚泥が、クラスA汚泥であり、これにより、保持期間の間、汚泥が、消毒剤プロセスを施されないこととを含む、消毒剤処理を必要とすることなくクラスA汚泥を生成する方法が、提供される。
【0021】
さらに、汚染物質を含有する廃水の流入物を有する廃水処理システムにおいて、廃水処理システムが、第1の処理デバイス、第2の処理デバイス及び第3の処理デバイスを備え、廃水が、第1の処理デバイスから第2の処理デバイスを経由して第3の処理デバイスに流れることと;制御された所定の投入速度において複数の微生物を廃水処理システムに供給し、微生物が、廃水から汚染物質を除去するために選択され、複数の微生物が、約103cfu/ml~1013cfu/mlを含有し、微生物が、決して凍結又は凍結乾燥されず、2日未満のD50日齢を有することと;投入速度が、廃水処理システムにおける廃水中の微生物のD50日齢を日齢4日未満に維持することと;これにより、廃水中の汚染物質が低減されて、DOD及びTSSによって測定して少なくとも約90%低減された汚染物質を有する流出物を生産することとを含む、流入廃水流の処理において微生物の日齢を制御する方法が、提供される。
【0022】
さらに、汚染物質を含有する廃水の流入物を有する廃水処理システムにおいて、廃水処理システムが、第1の処理デバイス、第2の処理デバイス及び第3の処理デバイスを備え、廃水が、第1の処理デバイスから第2の処理デバイスを経由して第3の処理デバイスに流れることと;制御された所定の投入速度において複数の微生物を廃水処理システムに供給し、微生物が、廃水から汚染物質を除去するために選択され、複数の微生物が、約103cfu/ml~1013cfu/mlを含有し、微生物が、決して凍結又は凍結乾燥されず、10日未満の平均日齢を有することと;投入速度が、廃水処理システムにおける排水中の微生物の平均日齢を日齢20日未満に維持することと;これにより、廃水中の汚染物質が低減されて、DOD及びTSSによって測定して少なくとも約90%低減された汚染物質を有する流出物を生産することとを含む、流入廃水流の処理において微生物の日齢を制御する方法が、提供される。
【0023】
さらに、若々しい微生物を活性汚泥に取り込ませることと;活性汚泥中の取り込まれた微生物の日齢を所定の日齢未満に維持することと;活性汚泥から固形物を除去し、除去された固形物が、取り込まれた微生物の少なくとも一部を含むことと;さらなる若々しい微生物を、除去された固形物に供給し、30~160日の期間にわたって除去された固形物を保持し、これにより、0.1NPM/ml未満のサルモネラ(Samonella)を有するクリーンな汚泥が得られることとを含む、消毒剤後処理なしで廃水から直接病原体不含汚泥を生成する方法が、提供される。
【0024】
さらに、次の特徴のうちの1つ以上を有するこれらの方法、システム及び処理が、提供される:クリーンな汚泥が、10MPN/mL未満の糞便性大腸菌を有すること;クリーンな汚泥が、5MPN/mL未満の糞便性大腸菌を有すること;クリーンな汚泥が、2MPN/mL未満の糞便性大腸菌を有すること;クリーンな汚泥が、1.5MPN/mL未満の糞便性大腸菌を有すること;クリーンな汚泥が、1MPN/mL未満の糞便性大腸菌を有すること;クリーンな汚泥が、0.5MPN/mL未満の糞便性大腸菌を有すること;これにより、5NPM/ml未満のサルモネラ(Samonella)を有するクリーンな汚泥が得られ;これにより、1NPM/ml未満のサルモネラ(Samonella)を有するクリーンな汚泥が得られ;これにより、0.01NPM/ml未満のサルモネラ(Samonella)を有するクリーンな汚泥が得られ;クリーンな汚泥が、2MPN未満/感染単位4乾燥重量グラムの培養可能で細胞変性作用のある腸ウイルスを有すること;クリーンな汚泥が、重金属不含であること;クリーンな汚泥が、本質的に重金属不含であること。
【0025】
さらに、次の特徴のうちの1つ以上を有する廃水処理のためのこれらのシステム及び方法が、提供される:生成された廃棄物の体積低減;生成された廃棄物の質量低減;生成された廃棄物からの病原体の除去のための廃棄物のコンディショニング;生成物廃棄物からの病原体の除去のための廃棄物の安定化;サルモネラ(Salmonella)及びE.コリ(E.coli)等の病原体の除去のためのコンディショニング、安定化及びこれらの両方;廃棄物の処分に関する向上した自由度;並びに、廃棄物の処分に関する低減されたコスト。
【0026】
さらに、次の特徴のうちの1つ以上を有する廃水処理のためのこれらのシステム及び方法が、提供される:微生物が液体の一部として供給される場合、液体状微生物を含有する液体は、約102cfu/ml~1013cfu/ml、103cfu/ml~108cfu/ml、106cfu/ml~108cfu/ml、107cfu/ml~1011cfu/ml、103cfu/ml超、108cfu/ml超、109cfu/ml超及び約105cfu/ml~約1013cfu/ml、約106cfu/ml~約1012cfu/ml、約108cfu/ml~1012を有し得る。約10-11g/mlの微生物~約10-1g/mlの微生物、約10-8g/mlの微生物~約10-2g/mlの微生物及び約10-4g/mlの微生物~約10-1g/mlの微生物を有する、微生物を含有する液体。これらの計算は、1グラム乾燥重量の微生物が、10-13cfu/mLに等価であることに基づいており、より大きな微生物に関しては、これらの重量は、10倍超から、100倍超、1000倍超までの範囲を有し得、より小さな微生物は、10-1~10-2、10-1~10-3の範囲の範囲を有し得る。
【0027】
さらに、廃水処理プロセスによって生成された固形物を取り扱うための次の特徴のうちの1つ以上を有する廃水処理のためのこれらのシステム及び方法が、提供される:生成された廃棄物の体積低減;生成された廃棄物の質量低減;生成された廃棄物からの病原体の除去のための廃棄物のコンディショニング;生成物廃棄物からの病原体の除去のための廃棄物の安定化;サルモネラ(Salmonella)及びE.コリ(E.coli)等の病原体の除去のためのコンディショニング、安定化及びこれらの両方;廃棄物の処分に関する向上した自由度;並びに、廃棄物の処分に関する低減されたコスト。
【0028】
さらに、廃水処理プロセスによって生成された余剰な固形物を取り扱うための次の特徴のうちの1つ以上を有する廃水処理のためのこれらのシステム及び方法が、提供される:生成された廃棄物の体積低減;生成された廃棄物の質量低減;生成された廃棄物からの病原体の除去のための廃棄物のコンディショニング;生成物廃棄物からの病原体の除去のための廃棄物の安定化;サルモネラ(Salmonella)及びE.コリ(E.coli)等の病原体の除去のためのコンディショニング、安定化及びこれらの両方;廃棄物の処分に関する向上した自由度;並びに、廃棄物の処分に関する低減されたコスト。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明によるシステム及び方法の一実施形態において使用された微生物の日齢の判定を示している、グラフである。
【0030】
【
図2】本発明によるシステム及び方法の実施形態によって得られた、汚泥の種類の実施形態を記載している、チャートである。
【0031】
【
図3】システム及び方法の実施形態が本発明によって実施された、廃水処理プラントの概略図である。
【0032】
【
図4】システム及び方法の実施形態が本発明によって実施された、廃水処理プラントの概略図である。
【0033】
【
図5】システム及び方法の実施形態が本発明によって実施された、廃水処理プラントの概略図である。
【0034】
【
図6】本発明による処理プラントによる固形物生成を示している、グラフである。
【0035】
【
図7】本発明によるF:Mに相関付けされたバイオソリッド生成を示す、図である。
【0036】
【
図8】本発明による毎日の汚泥生成を示している、図である。
【0037】
【
図9】本発明によるF:Mに対比させた除去されたBOD1lb当たりの廃棄されたVSSのlbを示す、図である。
【0038】
【
図11】本発明によるF:Mに対比させた除去されたBOD1lb当たりの廃棄されたVSSのlbを示す、図である。
【0039】
【
図12】本発明によるF:Mに対比させた除去されたBOD1lb当たりの廃棄されたVSSのlbを示す、図である。
【0040】
【
図13】本発明によるF:Mに対比させた除去されたBOD1lb当たりの廃棄されたVSSのlbを示す、図である。
【0041】
【
図14】本発明による汚泥及び流出物の特性のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
一般に、本発明は、廃水処理プラントによって生成及び排出される汚染物質の量を低減する、廃水を処理するためのシステム、装置及びプロセスに関する。したがって、本発明の実施形態は、生体物質による廃水の処理と、このような処理を実施するためのシステム及び方法と、廃水からの有用で、安全で、環境の観点から許容される、液体を含む物質の生成に関する。さらに、本発明の実施形態は、汚染物質が大幅に低減されており、大幅に低減された環境上の懸念対象の病原体を含み、この結果、農業目的で田畑に直接施用して使用することができる、汚泥を提供する。
【0043】
本明細書は、主に、都市廃水処理プラントに着目しているが、本発明は、都市廃水処理プラントに限定されるわけではない。本明細書に記載の本システム及び本方法の実施形態は、製紙産業、鉱業及び商業的な(工場)農場経営及び家畜用施設における廃水処理プラント等、工業的な廃水処理プラントに役立ち、適用可能であり、利益を提供する。
【0044】
廃水処理プラントにおける廃水の処理のための微生物の使用は、若い微生物を使用することと、処理されている廃水中に若々しい微生物集団を維持することとによって、大幅に増進されることが発見された。若い又は若々しいとは、廃水処理システムにおける供給された微生物の平均日齢が、日齢3週間未満、日齢2週間未満、日齢5日未満、日齢2日未満、日齢1日未満、日齢12時間未満並びにこれらの組合せ及び変更形態、並びにこれらの範囲に含まれるすべての日齢であることを意味する。集団をこの日齢レベルに維持するためには、微生物は、供給されるときの若いものにすべきであり、定期的及び周期的な方式により、廃水処理プラントにおいて処理されている廃水に供給されるべきである。
【0045】
活性汚泥システムに関しては、平均細胞滞留時間(「MCRT」)は、余剰汚泥質量/システムにおける汚泥質量に等しい。本システム及び本方法の実施形態において、微生物の平均日齢は、MCRTより25%少なくてもよく、MCRTより35%少なくてもよく、MCRTに対して50%未満であってもよい。複数の実施形態において、供給された微生物のD50日齢は、MCRTより少なくとも1日短く、MCRTより少なくとも5日短く、MCRTより少なくとも15日短い。複数の実施形態において、供給された微生物の平均日齢、D50日齢又はこれらの両方は、MCRTより短く、MCRTより少なくとも1日短く、MCRTより少なくとも5日短く、MCRTより少なくとも15日短い。
【0046】
活性汚泥システムに関しては、固形物保持時間(「STR」)は、異なる2つの意味を有し得る。STRは、MCRTの同義語として使用することができ、したがって、同じ意味を有する。STRは、曝気されている状況下の質量で割られた、曝気池への固形物の負荷を指すために使用される場合もあるが、このような固形物の負荷は、本明細書においては、分かりやすくするために、STR-aと呼ばれる。本システム及び本方法の実施形態において、微生物の平均日齢は、STR-aより25%短くてもよく、STR-aより35%短くてもよく、STR-aの50%未満であってもよい。複数の実施形態において、供給された微生物のD50日齢は、STR-aより少なくとも1日短く、STR-aより少なくとも5日短く、STR-aより少なくとも15日短い。複数の実施形態において、供給された微生物の平均日齢、D50日齢又はこれらの両方は、STR-aより短く、STR-aより少なくとも1日短く、STR-aより少なくとも5日短く、STR-aより少なくとも15日短い。
【0047】
一過式ラグーンに関しては、MCRTは、リサイクルが存在しないため、水圧滞留時間(「HRT」)に等しい。これらのシステムの実施形態において、若い微生物は、周期的に、所定の方式により、継続的に、並びにこれらの組合せ及び変更形態によって供給される。複数の実施形態における微生物の日齢(平均日齢又はD50日齢)は、MCRT未満である。一実施形態において、微生物のD50日齢は、MCRT未満である。
【0048】
上記微生物の日齢は、廃水処理システムに供給された総数の微生物の日齢を指すが、好ましい方法は、これらのシステムをモニタリングして、フロック形成者、又はフロック形成微生物の日齢を測定し、又はこれらに着目することである。廃水システムに関係する微生物の日齢の上記実施形態(例えば、MCRTより短い平均日齢)は、複数の実施形態においては、フロック形成者にも全く同じように当てはまる(例えば、フロック形成者の平均日齢がMCRTより短い等)。
【0049】
若いフロック形成者集団を維持する場合の一利点は、天然のフロキュレーションにより、清澄化された流出物の排出前に、クラリファイヤにおけるバイオマスの分離が可能になることである。このプロセスの信頼性は、汚泥の日齢又は平均細胞滞留時間、プロセスの種類、廃水、曝気及びいくつかの他の環境要因に応じて変化する。しかしながら、フロック形成者の量、特に若々しいフロック形成者の量の増大による本実施形態は、ほぼすべての廃水システムに関して、前述の利益を認める。
【0050】
これらのフィラメントによる粒子間の橋掛けのため、フロックが沈降しない又はズーグレアバルキングの場合においては、この「非繊維状」バルキング剤の単なる浮力の性質は圧倒的であり、又は集団の不均衡を発生させ、低いレベルにおいてさえも、プロセスへの有害事項を伴うことなく無害に生きる、バルキング又は繊維状バルキングとして公知の事象を生じさせ得る、ノカルジア(Nocardia)、ミクロスリックス(Microthrix)、並びに0041及び0675等の未同定の繊維状微生物を含む繊維状細菌等、望ましくないことが多い集団の低減又は軽減を可能にする
【0051】
本発明の実施形態は、バイオマスの良好なフロキュレーション及び沈降に基づく必要性をなくすための処理技術として、微生物より小さい又は0.2ミクロン未満の細孔径を有するメンブレン、たいていの場合は、0.02ミクロンの小ささのメンブレンを使用した膜分離システムを置き換え、数若しくはコストを低減し、必要性をなくすことができる。これらのシステムの多くは、運転が高価であり、あまり実施されない。
【0052】
Advanced Biofermentation Services Inc.、Fleming Island.Florida、32003 USAから得ることができる特殊な媒体を使用するものである、フロック形成者を計数するための方法の一実施形態。これは、特定のグラム陰性細菌における包括的なフロック形成集団のトラッキングを可能にするが、これらのグラム陰性細菌は、バイオマスの柔毛的健全性、したがって、充分に沈降する能力の良好な指標であることが示されている。 この媒体でのカウントが20,000~100,000cfu/mlのcfu/gを超える場合、フロック形成は、一般に良好であり、沈降容積指数(SVI)は、60~100mL/g未満である。 一般に、100mL/gのSVIは、良好な沈降汚泥又は沈降バイオマスであると考えられる。 この集団が20,000cfu/mL未満又は20,000cfu/g未満である場合、バイオマス集団は不均衡であり、健全性が不十分であり、一般には、繊維状微生物が支配する不十分な沈降特性を有する。 本出願において記述された量における液体状微生物の供給により、健全な、例えば、若々しいフロック形成者集団が維持され、これにより、良好なバイオマスの健全性、フロック構造、100mL/g未満のSVIをもたらすフロキュレーションが修復される。
【0053】
複数の実施形態において、30~60分ごとに倍加する高い増殖率を受ける微生物が供給され、したがって、実際には、これらの微生物は、供給された時点では、数時間の日齢、日齢1時間未満、又は日齢8時間未満であり、その後には、日齢は、MCRTに依存する。例えば8~10日ごとにのみ繁殖することができる硝化細菌及び45~90分ごとにのみ繁殖することができる他の微生物等の微生物がより緩やかな増殖率を示す実施形態において、微生物は好ましくは、最も若い日齢(D50日齢又は平均日齢)において供給され、その後には、日齢は、MCRTに依存する。
【0054】
したがって、例えば、Xである廃水の平均滞留時間(MCRT)と、Y MGDである通過流量(flow through)とを有する、一過式連続ラグーンの中にある処理池に微生物が供給されている場合、微生物は、活性汚泥のリサイクル、廃水及びこれらの両方によって微生物が溜池から外に連行されるため、溜池における微生物集団の平均日齢を若々しいレベルに維持するのに充分な速度で供給されなければならない。活性汚泥プラントにおいて、バイオマスは、リサイクルされ、したがって、平均MCRTは、余剰活性汚泥(WAS)として意図的に廃棄された質量、又は、全浮遊物質又は全揮発性浮遊物質として最終流出物中に意図せず廃棄された質量で割られた、生物学的システムにおける浮遊物質又はより一般的には揮発性浮遊物質として測定された質量に基づいた計算を要求する。
【0055】
微生物の平均日齢に加えて、微生物の日齢も、D50評価に基づくことができる。
図1に示されているように、廃水に供給された微生物の日齢のD10値、D50値及びD90値が、示されている。D50は、ある集団の一般的な日齢分布において、累積的な集団の50%を構成する微生物の日齢を表す値である。
【0056】
したがって、本発明の複数の実施形態において、特定の処理デバイスに供給された微生物の集団のD10日齢は、この特定のデバイス内では、2週間未満、1週間未満、12時間未満、日齢1時間未満、並びにこれらの日齢の組合せ及び変更形態、並びにこの範囲に含まれるすべての日齢、並びにより大きい値及びより小さい値であり得る。
【0057】
他の実施形態において、若々しい微生物がシステムに依然として供給されているが、バイオマスの平均日齢は、より古いバイオマスを有するように、MCRTの日齢又は日齢付近に維持される。これらの実施形態において、フロキュレーションは、フロキュレーション(すなわち、フロック構造が失われ、繊維状になる)の問題を起こすシステム内の他の微生物に対して優位に競合する供給された微生物(特に、若々しい微生物の供給において理論化されている)によって、好適に制御される。
【0058】
したがって、複数の実施形態において、バイオマスは、可能な限り古くてもよい。例えば、活性汚泥中においては、一般的に概算でy>5日(ただし、一部の純酸素注入は~2日作用する。)であり、一般には、集団日齢として<25~30日であり、フロック構造が失われ、繊維状になる。システムに供給される若い微生物、例えば、日齢48時間未満、日齢24時間未満、日齢12時間未満の微生物は、生存集団の平均日齢、D10日齢、D50日齢又はこれらのすべてを、5日以下に変更し、したがって、プロセスをより活発にし、例えば、類推によれば、より若い微生物は、古い微生物よりより多くの食物を消費する。
【0059】
一実施形態において、より若い微生物は、オンサイト型発酵システムにおいて、成長曲線のピークで供給される。このようなより若い微生物の供給は、当該システムにおけるこれらの微生物の成長曲線が平坦化し始めたときの時点である。
【0060】
複数の実施形態において、病原体、サルモネラ(Salmonella)、E.コリ(E.coli)、エンテロコッカス(Enterococcus)、蠕虫の卵及び腸ウイルス等の病原体は、若々しい微生物の存在によって、廃水、汚泥及びこれらの両方の中で低減される。
【0061】
したがって、本発明の実施形態において、特定の処理デバイスに供給された微生物集団のD90日齢は、5週間未満、4週間未満、日齢3週間未満、約1週間、日齢2日未満、日齢約5週間~1日、並びにより大きい値及びより小さい値、並びにこれらの範囲に含まれるすべての値であってもよい。
【0062】
したがって、本発明の実施形態において、特定の処理デバイスに供給された微生物の集団のD50日齢、平均日齢又はこれらの両方は、日齢約3週間、日齢約2週間、日齢約1週間、日齢約5日、日齢約2日、日齢約1日、日齢約12時間、日齢約5週間~約12時間、日齢約2週間~約日、日齢約1週間~約12時間、日齢約2日~約12時間、並びにより大きい値及びより小さい値、並びにこれらの範囲に含まれるすべての値であってもよい。
【0063】
好ましくは、廃水処理システムにおける特定の処理デバイス内の供給された微生物の集団は、上記D10値、D50値及びD90値の1つ以上を有する。
【0064】
微生物が供給される処理デバイス又は処理システムは、活性汚泥システム、返送活性汚泥(RAS)管路、無酸素又は嫌気性区域、一過式ラグーン、保持タンク、一次又は二次クラリファイヤ、クラリファイヤ、固定膜システム、フィルムに基づくシステム、好気性又は嫌気性消化槽、嫌気性システム、並びにこれらの組合せ及び変更形態、並びに本明細書の教示に基づいて開発され得る他のシステムであってよい。
【0065】
一実施形態において、微生物は、廃水収集システム、ウェットウェル、中継ステーション、収集装置又は収集用の溜池等の収集システム又は収集ネットワークに供給することができる。このようにして、汚染物質の負荷は、廃水が処理デバイス又は処理ネットワークに進む前に、複数の施用地点を用いて低減される。
【0066】
一実施形態において、微生物は、処理デバイスと、収集装置、収集ネットワーク又はネットワークとの両方に供給される。
【0067】
好ましい本発明の実施形態において、微生物は、決して凍結又は凍結乾燥されない。この好ましい本発明の実施形態において、微生物は、決して凍結又は凍結乾燥されないものであり、液体状態である。好ましい一実施形態において、微生物は、液体状であってよく、成長曲線のピークに対して48時間以内に、例えば、増殖率が徐々に減り始める直前又は徐々に減り始めたときに、処理デバイスに供給することができる。一般に、本明細書に記載の微生物によって廃水、汚泥及びこれらの両方を処理する実施形態及び方法は、微生物が凍結及び凍結乾燥されず、決して凍結及び凍結乾燥されず、又は保存料を含有し、若しくは保存料によって処理されていることが好ましい。
【0068】
したがって、微生物は、廃水処理プラントにおいて現場で処理用量に増殖され、又は、地域にある付近の施設で増殖され、次いで、生きた状態で現場に輸送される。複数の実施形態において、微生物は、貯蔵することが可能であり、48時間から7日までの期間、10日までの期間、14日までの期間、この範囲に含まれる想定されているすべての時間、並びにより早い時間及びより長い時間で出荷することができる。液体状態の微生物は、輸送のために濃縮することが可能であり、必要に応じて、後で、現場への施用のために希釈することができる。米国特許第9,409,803号及び第7,879,593号において教示及び開示された微生物、方法及びシステムを使用すれば、微生物は、増殖することが可能であり、処理用量は、得ることができ、これらのそれぞれの開示全体は、参照により本明細書に組み込む。微生物は、処理デバイスに直接供給することもできるし、又は、処理デバイス内への供給を行っている流れの流通用の管路(flow line)、デバイス、リサイクル管路又は他の流入物用の管路に直接供給することもできる。
【0069】
本発明の複数の実施形態において、廃水の処理から生成された、本方法の若々しい微生物集団を有する汚泥は、ある保持期間にわたって保持デバイス内に保持されることが可能であり、保持デバイスは、タンク、溜池、クラリファイヤ、池又は他のデバイスであってもよい。保持期間の間、本発明の日齢要件を満たす、例えば、日齢2週間未満、日齢1週間未満、日齢5日未満、日齢2日未満、日齢1日未満等、若々しいものであるという本発明の日齢要件を満たす、供給された微生物の集団が、病原体を含む汚染物質を消化し続けると理論化されている。したがって、少なくとも約30日の期間、少なくとも約60日の期間、少なくとも約90日の期間、少なくとも約120日の期間、約30日の期間、約60日の期間、約90日の期間、約30~約120日の期間、約45日~約100日の期間、約60日~約100日の期間、約60日~約150日の期間、約30日~約120日の期間、並びにより大きい値及びより小さい値、並びにこれらの範囲に含まれるすべての値にわたって汚泥を保持することによって、デバイスから抜き出された汚泥は、本質的に病原体不含であることが発見され得た。したがって、汚泥は、その開示全体を参照により本明細書に組み込むUS EPA規則(連邦規則集第40編第503条(2017)により、クラスA汚泥であると考えられる。汚泥は、合法的及び効果的な様式により、田畑及び作物の表面に直接施用されることが可能であり、これらの作物は、このように処理された作物の消費による人間又は動物へのリスク又は危険を伴うことなく、人間及び動物の消費のために使用され得、又は、公衆に直接販売され得る。若々しい微生物を使用する本方法の実施形態は、
図2の表において規定された本質的に病原体不含のクラスA汚泥を提供する。好ましくない実施形態において、本方法によって生成された汚泥は、
図2の表において規定されたクラスB汚泥である。
【0070】
これらの保持時間又は保持期間の間、
供給された微生物は、食物に関して、病原体と競合し、病原体の増殖と生存を停止させ、したがって、汚泥中における病原体の死滅及び低減をもたらすと理論化されている。病原体の低減は、大腸菌の測定等によって、直接測定することもできるし、又は、可能性としてあり得る病原体汚染を識別するために使用することができるエンテロコッカス(Enterococcus)等の指標有機体によって測定することもできる。低減又は排除される病原体は、
図2の病原体であってよく、これらの病原体は、クラスA汚泥に到達する必要があり、有害な、好ましくない又は危険なものであるとして規制機関によって現在認定されている又は将来認定されるいずれかの病原体であり、このような病原体の有機体レベルは、汚泥中において、モニタリングされるべきであり、又はそうではない場合は、規制されるべきである。
【0071】
本発明の実施形態によって提供されるクラスA汚泥及びクラスB汚泥は、重金属濃度が低くてもよく、好ましくは、重金属濃度が低く、比酸素吸収速度(SOUR:Specific Oxygen Uptake Rate)又はVSS低減を証明しなければならない、媒介生物誘引等の他の規制又は基準を満たす。
【0072】
若々しい微生物を使用する本方法の実施形態は、その開示全体を参照により本明細書に組み込む優先権書類米国特許出願第62/660,907号のAppendix Eの第6条に記載されているような、土地、草地及び作物への使用のための本質的に潜在的有害元素(「PTE:Potentially ToxicElements」)を不含の汚泥を提供する。本質的にPTE不含(「本質的に」不含は、PTEのレベルが、土地、草地又は作物への使用のための規制機関要求とされるレベル未満であることを意味するが、最小限度の量のPTEが存在してもよい)。Appendix Eの第6条におけるPTEのレベルは、Appendix Eの第4条に記載の汚泥処理プロセスの一部若しくはすべて、又は、さらなる下流側処理、石灰による安定化、堆肥化、好熱消化、熱乾燥、例えば苛性処理及び酸性処理を用いて殺生物剤としての次亜塩素酸塩を調合するBCRプロセス等の消毒プロセス、消毒手順又は消毒装置等の他のさらなる処理若しくはプロセスを必要とせず用いることもなく、本発明の実施形態によって得られる。汚泥は、田畑及び作物の表面に、合法的及び効果的に直接施用されることが可能であるが、これらの作物は、このようにして処理された作物の消費による人間又は動物へのリスク又は危険を伴うことなく、人間及び動物の消費のために使用され得る。このようにして処理された土壌も、Appendix Eの第7条、第7.1条、第7.2条及び第7.3条に記載の限界に収まる。
【0073】
一実施形態において、本発明の若々しい微生物プロセスを使用して処理された汚泥は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する、優先権書類米国特許出願第62/660,907号のAppendix Fに記載された汚泥の安全な使用に関する要件のすべてを満たす。好ましくは、本システムの実施形態は、例えば、石灰による安定化、堆肥化、好熱消化、熱乾燥、例えば苛性処理及び酸性処理を用いて殺生物剤としての次亜塩素酸塩を調合するBCRプロセス等の消毒プロセス、消毒手順又は消毒装置、又は、低温殺菌、嫌気性中温消化、好気性好熱消化、好熱性(Cambi)又は機械的な(Kady Mill)加水分解プロセス、オゾン処理及びpHによる(酸性又は苛性)処理において記載されたプロセスを含む、さらなる下流側処理等、後処理だと考えることができるさらなる処理又は加工の必要性も使用も伴うことなく、この安全な又はクリーンな汚泥を提供する。複数の実施形態において、本システムは、数が低減されており、より素早く、高価でなく、及びこれらの1つ以上である、後処理処理ステップを用いて、この安全又はクリーンな汚泥を提供する。したがって、本システムは、これらの後処理又はさらなるステップの1つ以上の必要性を低減し、最小化し、排除することができる。
【0074】
本質的にPTE不含の汚泥、クラスA汚泥、又は安全で有効なレベルのバイオソリッドを有する他の汚泥を得るために汚泥を処理する場合において、微生物の投入速度は、約50ガロン~500ガロン、約100ガロン、約200ガロン、約300ガロン、約50ガロン~約600ガロン・パー・ウイーク、並びにより多い量及びより少ない量(特に、システムのサイズ及びシステムへの負荷に依存する)、並びにこれらの範囲に含まれるすべての値であり得る。さらに、好ましくは、若々しい微生物等の微生物は、汚泥が消化槽等の保持容器に抜き出される前に、活性汚泥システムに供給され、次いで、消化槽内の汚泥は、約50ガロン~500ガロン、約100ガロン、約200ガロン、約300ガロン、約50ガロン~約600ガロン・パー・ウイーク、並びにより多い量及びより少ない量(特に、システムのサイズ及びシステムへの負荷に依存する)、並びにこれらの範囲に含まれるすべての値であり得る微生物の投入速度を使用して、好ましくは若々しい微生物によって処理される。活性汚泥及び消化槽に関する投入速度は、同じであっても異なっていてもよく、これらは、同時に供給することもできるし、又は異なる時間において供給することもできるし、周期的に又は継続的に供給することができる。供給の速度は、プロセスの途中に変更することができる。
【0075】
一般に、本明細書において開示された方法及び処理の様々な実施形態に関しては、投入液体中における微生物の濃度又は量は、システムの要件を満たすために必要とされる範囲にわたって変化し得る。したがって、例えば、微生物を含有する液体は、約102cfu/ml~1013cfu/ml、103cfu/ml~108cfu/ml、106cfu/ml~108cfu/ml、107cfu/ml~1011cfu/ml、103cfu/ml超、108cfu/ml超、109cfu/ml超及び約105cfu/ml~約1013cfu/ml、約106cfu/ml~約1012cfu/ml、108cfu/ml~1012を有しい得る。微生物を含有する液体は、約10-11g/mlの微生物~約10-1g/mlの微生物、約10-8g/mlの微生物~約10-2g/mlの微生物及び約10-4g/mlの微生物~約10-1g/mlの微生物を有する。これらの計算は、1乾燥重量グラムの微生物が10-13cfu/mLに等価であることに基づいており、より大きな微生物に関しては、これらの重量は、10倍超から、100倍超、1000倍超に至るまでの範囲であり得、又は、より小さな微生物は、10-1~10-2 10-3の範囲を有する。
【0076】
一実施形態において、消化槽への微生物、好ましくは若々しい微生物の使用は、嫌気性汚泥の沈降性を改善し、これにより、より多くの水をデカントされるようにできる。微生物は、デカント性を目的として沈降性を改善し、コストを低減するためのより長い保持及び脱水を目的として、好気性、通性又は嫌気性であってよい。保持時間は、本若々しい微生物処理の使用の前に、消化槽用の保持時間に比較して、5%、10%又は20%以上長くすることができる。本システムのさらなる利益は、より長い保持時間を有することによって、資本的支出を大幅に低減できることであり、これにより、さらなるタンクを構築する必要性を軽減することができる。したがって、保持時間は、例えば、30日の保持時間(本方法による処理の前)から、90~120日の保持時間(本方法を用いる場合)に長くすることができる。このようにして、一般には、保持時間は、2倍、3倍及び4倍以上延長することができる。
【0077】
本発明の一実施形態において、好ましくは凍結又は凍結乾燥されなかった若々しい微生物は、汚泥を保持している、保持デバイス又は移送タンク又は消化槽に供給される。この第2の用量の若々しい微生物は、本方法を使用して生成された汚泥、又は従来の方法を使用して生成された汚泥に供給され得る。クラスA汚泥は、保持時間の後に生成される。
【0078】
好ましくは、汚泥処理プロセスの一実施形態においては、微生物は、液体状であり、増殖率が成長曲線のピークから次第に減り始めてから48時間以内に供給される。
【0079】
次の例は、本発明の本システム及び本方法の様々な実施形態を説明するために提供されている。これらの例は、説明目的のものであるが、予測を述べるものでもあり得、限定を加えるものとして解すべきではなく、そうではない場合においても、本発明の範囲を限定しない。
【0080】
実施例1
【0081】
ある処理用量の若々しい微生物を活性汚泥システムに与える廃水処理プラントにおいては、バイオソリッド又は余剰活性汚泥が、活性汚泥システムから抜き出され、この活性汚泥システムが、曝気された保持タンクないでの30~90日の保持時間を有し、続いて、60~90日の期間にわたるタンクへの移送を有し、このタンクが、毎週1回又は2回8~48時間混合及び曝気されて、硝化を促進し、続いて、硝酸塩が使い果たされたときには、無曝気の通性消化段階の最中に脱窒素が行われるのだが、微生物は、活性汚泥システム内に存在する間、液体であり、凍結乾燥又は凍結されておらず、60日未満の平均日齢を有していた。余剰活性汚泥は、約90日の保持期間後に撹拌されたが、表1に記載の特性を有していた。
【0082】
【0083】
すべての法定限界以下の量で標準試験の検出方法以下に収まる程度に感染性病原体を含有した汚泥が、石灰による安定化、堆肥化、好熱消化、熱乾燥、例えば苛性処理及び酸性処理を用いて殺生物剤としての次亜塩素酸塩を調合するBCRプロセス等の消毒プロセス、消毒手順又は消毒装置等、いかなるさらなる下流側処理の必要性も使用も伴わない天然の手段によって得られた。この例の実施形態において、バイオソリッドのさらなる処理と、設備の運転及びメンテナンスとをなくすことによる節約は、約0.6~1MGDのプラント廃水流量の処理に関して、1年当たり100~200,000+ドルを超える。さらに、いずれかのバイオソリッドの処分は、6か月以上にわたって延期される。プロセスは、クラスAバイオソリッドのいずれかを処分することなく、12か月の持続的な運転まで継続することもできるし、又は12か月を超えて継続することもできると理論化されている。バイオソリッドは、すべての用途において、処分コストを低減するために、望ましい限りの間にわたって維持することができる。
【0084】
実施例1A
【0085】
一実施形態において、実施例1の処理プロセスは、処理バッチ微生物の競合により、環境上の懸念対象である病原体の増殖を防止するため、さらなる処理なしでも、EPA基準のクラスBバイオソリッドを、曝気池から直接得る。多くの場合において、本質的に病原体を不含のクラスB、病原体含量汚泥のためのクリーンクラスB、並びにこれらの組合せ及び変更形態を曝気池から直接生成することは、好気性消化又は嫌気性消化、ポリマー等の化学物質を使用する脱水プロセス等、バイオソリッドのすべての下流側処理を排除することによって、著しい経済的利益を有する。後に挙げたプロセスのコストは、廃水処理システムの操業コストの20~40%を占める。
【0086】
実施例1B
【0087】
活性汚泥システムが、約10~30日のMCRTを有し、移送タンク(1週間に1回又は2回の混合及び曝気がある)内での保持時間が、約30~120日である、実施例1の実施形態。
【0088】
実施例1C
【0089】
活性汚泥システムが、約10~20日のMCRTを有し、移送タンク(1週間に1回又は2回の混合及び曝気がある)内での保持時間が、約60~120日である、実施例1の実施形態。
【0090】
実施例1D
【0091】
活性汚泥システムが、約30~45日のMCRTを有し、移送タンク(1週間に1回又は2回の混合及び曝気がある)内での保持時間が、約30~120日、好ましくは90日未満である、実施例1実施形態。
【0092】
実施例2
【0093】
本方法によって生成された汚泥の実施形態は、本質的に病原体を不含であり、その開示全体を参照により本明細書に組み込む優先権書類米国特許出願第62/660,907号のAppendix Cに記載された詳細な特徴を有する。これらのデータは、本方法を使用した、廃水処理中の様々な地点における、汚泥中の病原体又は感染因子の低減を示している。下記の表2において以下に示されているこのデータは、分割仕切りから、本方法及び本システムによって得られた消化槽汚泥に至るまででの、病原体の劇的な低減を示している。
【0094】
【0095】
すべての法定限界以下の量で標準試験の検出方法以下に収まった感染性病原体を有した汚泥が、石灰による安定化、堆肥化、好熱消化、低温加熱殺菌又は機械的加水分解、熱乾燥、例えば苛性処理及び酸性処理を用いて殺生物剤としての次亜塩素酸塩を調合するBCRプロセス等の消毒プロセス、消毒手順又は消毒装置等、いかなる下流側処理の必要性も使用も伴うことなく得られた。
【0096】
実施例3
【0097】
本システム及び本方法の一実施形態は、その開示全体を参照により本明細書に組み込む、優先権書類米国特許出願第62/660,907号のAppendix Dに記載されている。
【0098】
返送活性汚泥(RAS)濃度が上昇し、結果として、返送され、廃棄され、又はこれらの両方を行われる体積が少なくなる。加えて、活性汚泥浮遊物質(「MLSS」)を増加させる能力ももたらす。さらに、二次的な廃棄物も低減する(一次クラリファイヤが存在しない場合、F:M(食物:質量は、M/Fともされるが、基本的には、バイオマスに対するシステムに進入する有機物負荷を意味する。)としての関係の変化が少なくなり、又はMCRTが長くなるが、このとき、除去されたBOD1lb当たりのバイオソリッドがより多く生成される)。フロック形成者は、繊維状細菌に対して優位に競合する。細菌は、フロックの表面に付着して、生存能力を改善し、したがって、処理を改善する。生菌の数の増加は、処理能力/流出物品質を改善する
【0099】
表3は、3か月の初期評価期間(微生物処理)、7か月中間処理期間(処理はないが、微生物は残留している。)及び3か月の評価期間(微生物処理)において、いずれかの微生物処理の前での、概略的な運転条件及び結果を記載している。
【0100】
【0101】
期間4は、期間1又は期間3に比較して処理能力、沈降性及び流出物品質を高めながら、バイオソリッド生成の低減の強い示唆を示している(期間3において、バイオマスは、依然として、大量の処理微生物を含有していた。
【0102】
図6は、データを正規化するために、除去されたBOD1lb当たりの運搬されたガロンを示している。データは、期間4(第2の評価)に関しては、期間1に対比させた場合、除去されたBOD1lb当たり運搬されたガロンの35%の低減を示しており、期間3「中間」に比較した場合、44%の低減を示している。これは、2.38~2.75より少ない運搬されるMGに相当し、これは、タンカー一隻当たり6000ガロンの平均においては、82日間で396~458隻少ないタンカーという低減に相当する(1日当たり4.8隻のタンカーがより少ない)。タンカー一隻当たり200ドルというわずかな費用では、これは、1日当たり965+ドル又は1年当たり352,000+ドルという運搬コストの節約に相当する。
【0103】
図7は、F:Mに相関付けられたバイオソリッド生成を示している。
【0104】
【0105】
図9は、期間1にわたるF:Mに対比させた除去されたBOD1lb当たりの廃棄されたVSSのlbを示している。
【0106】
図11は、期間1を期間4に比較して、F:Mに対比させた除去されたBOD1lb当たりの廃棄されたVSSのlbを示している。
【0107】
図12は、期間1を期間3に比較して、F:Mに対比させた除去されたBOD1lb当たりの廃棄されたVSSのlbを示している。
【0108】
図13は、4つすべての期間を比較して、F:Mに対比させた除去されたBOD1lb当たりの廃棄されたVSSのlbを示している。
【0109】
期間1又は期間3に対してなされた期間4の比較で、残留処理用微生物がすでに存在しており、微生物学の主要部分だった場合、データは、期間4においては、35~50%のバイオソリッド生成の低減;改善された処理能力;14~33%の高められた沈降性が存在することを結論として示している。数多くの利益のうちの1つは、1年当たり500,000ドル以上という、汚泥の運搬コストの著しい低減である。
【0110】
実施例4
【0111】
図3を参照すると、廃水処理プラントの概略
図300が示されている。処理プラント300は、供給源301(家庭、事業、表面流出)から廃水を受け入れ、ポンプステーション302によって流入物スクリーン303に圧送される。流入物スクリーン303は、プラスチック、木及び布等の大きな固形物を除去する。次いで、廃水は、曝気された沈砂池304に流れ、(矢印305によって示されているように)砂及び砂岩等のより小さな粒子が除去される。次いで、廃水は、Unoxシステム306等の酸素化池に流れ込み、酸素が廃水に供給され、廃水が混合又は撹拌される。Unoxシステム306からは、廃水が沈降タンク308に流れ込む。沈降タンクにおいて、細菌によって活性化された汚泥が、タンクの底部に沈降する。活性汚泥の一部は、管路351によってUnoxシステム306に返送される。残りの活性汚泥は、管路352によって汚泥処理ステップに移送される。処理された廃水、ここでは処理水は、管路309によって、砂ろ過器310及び塩素接触池311等の三次処理システムに移送され、その後、地下への圧送312等で処分される。
【0112】
汚泥処理段階は、タンク353における汚泥濃縮及び消化槽354における汚泥消化(バイオガス、メタンが、消化槽から放出される)を含む。脱水された汚泥は、消化槽354から抜き出され、例えば田畑355への散布によって、処分される。
【0113】
液体状微生物は現場で増殖され、いかなる形態であってもよいが、好ましくは、施用前のあらゆる時点においていかなる様式においても凍結乾燥又は凍結されない。これらの微生物は、システム全体にわたって容量を分配し、若しくは出入りのしやすさによっては返送活性汚泥(RAS)リサイクル管路351に用量を注入し、又はこれらの両方を行うように、Unox池306への流入流に供給される。さらに、さらなるバッチは、このような条件下で増殖するE.コリ(E.coli)及びサルモネラ(Salmonella)等の病原体に対して優位に競合するバイオマスの沈降性を向上し、又は、このようなバイオマスのデカント性並びにさらなる消化及びコンディショニング又は安定化を改善するために、消化槽354に供給されてもよい。
【0114】
Unoxシステム306は、約5,000ガロン・パー・デイ(gpd)~約175,000gpdの速度、約10,000gpd~約50,000gpdの速度、約20,000gpd~約75,000gpdの速度、約5,000gpd~約100,000gpdの速度、約10,000gpd未満の速度、約20,000gpd未満の速度、約50,000gpd未満の速度、約100,000gpd未満の速度、並びにより高い速度及びより低い速度、並びにこれらの範囲に含まれるすべての速度において、約106cfu/mL~約1011cfu/mLの濃度の微生物を供給する。好ましくは、供給は、毎日実施されるが、バッチは、2日ごとに1回、3日ごとに1回又は毎週1回又は毎月1回等、毎日より頻度を減らして供給することも可能である。嫌気性システム354は、バイオソリッドをより長く保持するという目的で、並びに/又は、微生物活性及び固形物の消化の鈍化を示唆するメタン生成の減少があった場合においては、水をデカントして固形物を取り除く能力に基づいて投入を受ける。揮発性浮遊物質の破壊又はバイオソリッドの破壊を増進する目的の1つは、エネルギー回収及びコスト低減のために、メタン生成を向上することである。嫌気性消化槽354は、Unoxシステム306と同様の量の投入を受けるが、1日以内又は1週間以内又は1か月以内に1回、2回又は3回投入を受ける。これらのバッチを投入する目的の1つは、活性汚泥システムと嫌気性消化槽との両方において、病原菌の増殖に対して優位に競合し、これにより、死滅を引き起こすことであり、したがって、活性汚泥システムから、クラスB汚泥若しくはクリーンクラスB汚泥若しくはクラスA汚泥の等価物を生成できるようにすること、好ましくは、クラスA汚泥若しくはクラスB汚泥若しくはクリーンクラスB汚泥を得ることを可能にすること、又は、消化槽若しくは補助タンクの中にクラスB汚泥若しくはクリーンクラスB汚泥を十分に長く保持して、処分用のクラスAを得ることを可能にすることである。活性汚泥システムと嫌気性消化槽との間に必要な保持時間は、30日未満、60日未満、90日未満、120日未満又は150日未満である。バイオソリッドは、より長く保持されてもよく、この場合、さらなる下流側処理を低減するという利益がある。
【0115】
若々しい微生物は、Unoxシステム306及び消化槽354の少なくとも1つに供給することができ、両方に供給することが好ましい。しかしながら、若々しい微生物は、前述の場所に加えて、さらには、前述の場所の代わりに、他の地点に供給することも可能であると認識されており、これらの地点は、タンク353における汚泥濃縮、管路351、管路352、タンク353、及びデバイス304又は303における流入物を含む。
【0116】
実施例5
【0117】
図4を参照すると、廃水処理プラントの概略
図400が示されている。プラント400は、スクリーニング用グリットチャネル型デバイス410に流れ込む、家庭下水429、前処理された通商廃棄物(工業的)426を有する。システムもまた雨水越流経路428を有する。廃水は、スクリーン410から一次沈降ユニット411に流れ込む。沈降ユニット411から、廃水は、散水ろ床412又は活性汚泥システム413に流れ込む。散水ろ床412からの水は、Humusタンク414に流れ、汚泥が抜き出され、二次汚泥処理427に送達され、水は沈降タンク415に送達される。活性汚泥システム411からの水もまた、沈降タンク415に送達される。汚泥は、沈降タンク415から抜き出され、活性汚泥システム413に返送され、又は嫌気性消化槽416に送達される。嫌気性消化槽416における嫌気性消化の生成物は、メタン422、地上処分用の汚泥土地425、乾燥及び埋立て処分された汚泥424、及び堆肥化された汚泥423である。管路421は、流出物の三次処理又は研磨処理のためのものであり、管路420は、流出物の排出のためのものである。
【0118】
このプロセスの処理は、特にアクセス及び散水ろ床に応じて、処理バッチを、一次クラリファイヤ流出物411に供給すること;活性汚泥プラント413に直接供給すること;返送活性汚泥用管路(415を413に接続している管路)に供給すること;並びに、これらの組合せ及び変更形態を含む。さらなるバッチは、30日未満、60日未満、90日未満又は120日未満であり得る、クラスB汚泥又はクラスA汚泥を得るのに充分なほど長くなるまで保持時間を延長するための、汚泥のデカント性及びさらなる消化を確保するという目的で、嫌気性消化槽に供給することができ、又は、この物質は、処分コストを低減するために、望ましい限りの間にわたって維持することができる。複数の実施形態において通常、充填剤として使用される木との混合を伴うが、廃棄物が、環境上の懸念対象の病原体をかなり担持する、堆肥化のために利用される後続の物質に関しては、本方法によるさらなるバッチは、これらの病原体を除去するために、乾燥物質10米トン当たり1000ガロン未満の速度において、供給され得る。
【0119】
若々しい微生物は、クラリファイヤ411、活性汚泥システム413及び消化槽416、並びにこれらの供給地点の1つ以上又はすべての組合せの少なくとも1つに供給することができる。しかしながら、若々しい微生物は、前述の場所に加えて、さらには、前述の場所の代わりに、他の地点に供給することも可能であると認識されており、これらの地点は、沈降タンク415、スクリーン410、ユニット411と413、415と413、415と416、411と416、413及び415との間の管路を含む。
【0120】
実施例6
【0121】
図5を参照すると、廃水処理プラント500の概略図が示されている。
【0122】
プラント500は、予備処理ユニット501に進入し、次いで、一次クラリファイヤ502に流れ込む、廃水流入物523を有する。一次クラリファイヤ502からの汚泥は、管路522によってクラリファイヤを退出し、汚泥の処理及び処分525に進む。クラリファイヤ502を退出した廃水は、曝気タンク503に進入し、空気が供給される。廃棄物は、曝気タンク503を退出し、二次クラリファイヤ504に進入する。処理された水は、二次クラリファイヤ504を退出し、消毒ユニット505を通過し、流出物524として排出される。二次クラリファイヤからの活性汚泥は、管路521を介して曝気タンク503に返送され、又は管路520を介して汚泥の処理及び処分525に送達される。
【0123】
このシステムにおいて、処理バッチ、好ましくは若々しい微生物は、一次クラリファイヤ502の流出物に供給され、活性汚泥プラント503に直接供給され、又は出入りのしやすさによっては返送活性汚泥用管路521に供給される。この目的は、活性汚泥システム503において十分な処理を実施して、廃棄前のクラスB汚泥を得ることである。これは、塊状物質の平均日齢ではなく平均生存日齢を低下させる若々しい微生物の供給によって、沈降性を喪失することなく、平均MCRTを20日超、25日超又は30日超に押し上げることを要求する。下流側消化プロセスはまた、汚泥/バイオソリッドのデカント性及び継続的な消化を確保するために、好気性プロセス、嫌気性プロセス、中温性プロセス又は好熱性プロセスのいずれかによっても処理される。
【0124】
若々しい微生物は、一次クラリファイヤ502、二次クラリファイヤ504及び曝気タンク(活性汚泥プラント)503の少なくとも1つ、並びにこれらの供給地点の1つ以上又はすべての組合せに供給することができる。しかしながら、若々しい微生物は、前述の場所に加えて、さらには、前述の場所の代わりに、他の地点に供給することも可能であると認識されている。
【0125】
実施例7
【0126】
1,000cfu/g未満のクラスA、又は1,000,000cfu/g未満の汚泥クラスB、又は100,000cfu/g未満のクリーンクラスBを提供する、本プロセスの微生物競合による大腸菌の低減。
【0127】
実施例7A
【0128】
好ましく若々しい微生物を用いる本微生物処理の一実施形態においては、クラスB汚泥は、曝気池において得られる。
【0129】
実施例7B
【0130】
好ましくは若々しい微生物を用いる本微生物処理の一実施形態においては、約2,500cfu/g未満を有する汚泥は、通性条件、好気性条件又は嫌気性条件を生成するようにサイクル運転されている消化槽の中に汚泥を保持することによって、10,000,000cfu/mL超を有する出発用の汚泥から得られる。この純度レベルは、バイオソリッドを取り扱うための下流側処理設備を必要とせず用いることなく得られ、これらの下流側ステップ及び設備は、ここで、置き換えられてもよいし、又は数若しくはコストを低減されてもよいし、又はなくされてもよい。
【0131】
実施例7C
【0132】
好ましくは若々しい微生物を用いる本微生物処理の一実施形態において、通性条件を生成するために好気性又は嫌気性をサイクル運転される消化槽の中のクラスA汚泥は、10,000,000cfu/mL超を有する出発用の汚泥から得られる。この純度レベルは、バイオソリッドを取り扱うための下流側処理設備を必要とせず用いることなく得られ、これらの下流側ステップ及び設備は、ここで、なくされてもよい。
【0133】
実施例7D
【0134】
好ましくは若々しい微生物を用いる本微生物処理の一実施形態においては、約1,000cfu/g未満を有する汚泥は、通性条件、好気性条件又は嫌気性条件を生成するようにサイクル運転されている消化槽の中に汚泥を保持することによって、10,000,000cfu/mL超を有する出発用の汚泥から得られる。この純度レベルは、バイオソリッドを取り扱うための下流側処理設備を必要とせず用いることなく得られ、これらの下流側ステップ及び設備は、ここで、なくされてもよい。
【0135】
実施例8
【0136】
窒素除去:廃水処理システムにおける廃水の同時的な硝化及び脱窒素。本プロセスを使用する。SRT/MCRTが低すぎて、従来の硝化を維持することができない曝気タンク/容器の中における硝化/脱窒素。このようにして、SND集団が増大される。
【0137】
実施例9A
【0138】
タイプ1 従来の活性汚泥:窒素除去は従来は、活性汚泥プラントの前に無酸素区域を設置することによって達成され、又は、ニトロソモナス(Nitrosomonas)等、亜硝酸塩へのアンモニアの変換を可能にする細菌種と、好気性条件下において硝酸塩への亜硝酸塩の変換するためのニトロバクター(Nitrobacter)とを使用して、プラントの中で空気のオン/オフをサイクル運転し、続いて、揮発性脂肪酸(VFA)等の容易に生分解できる炭素化合物の存在を必要とする、無酸素区域における嫌気性条件下でのシュードモナス(Pseudomonas)種等の従属栄養性細菌による窒素ガスへの硝酸塩の変換による、脱窒素を行うことによって、達成される。
【0139】
実施例9B
【0140】
タイプ2-非従来型のプロセス-同時的な単一ステップ型プロセスとして、同時的なBODの安定化と、アンモニアを亜硝酸塩に変換し、次いで、脱窒素ステップ及びリン酸塩安定化として窒素ガスに直行させることとを同時に行うことができる微生物共同体を含有する粒状汚泥粒子をもたらす、新たなプロセスが開発されてきた。この利点は、硝酸塩への亜硝酸塩の変換が起きないことによる、より小さなフットプリント、良好な沈降性及び25%少ない硝化エネルギーである。これらのプロセスは、25%少ない汚泥/バイオソリッドを生成することも報告されている。
【0141】
好気性条件下においてアンモニアを亜硝酸塩に変換し、次いで、窒素ガスに直接変換することができる、チオスフェラ・パントトロファ(Thiosphera pantotropha)(TP)等の微生物の単離によれば、一利点は、この細菌又は前述の能力を有する他の細菌を、好気性条件下におけるより高い信頼性を有する連続貫流式又は回分処理式の活性汚泥プロセスに導入することによって発生し得るが、これは、TPが、この変換を、比較的高い溶存酸素濃度において実施することができるためである。別の利点は、これらの微生物が、ニトロソモナス(Nitrosomonas)及びニトロバクター(Nitrobacter)より速く増殖することであり、これにより、生物発酵を用いて24時間以内に処理バッチを増殖させることが有利になることであるが、一方で、ニトロソモナス(Nitrosomonas)及びニトロバクター(Nitrobacter)を使用する従来の硝化プロセスは、増殖のためにほぼ10日を必要とする。使用され得る別の細菌は、コンモノックス(Commonox)と呼ばれており、これらの微生物共同体の微生物学的同定は、より洗練されたものになっているため、使用することが可能なより多くの細菌が単離される。したがって、本教示によれば、本システム及び本方法において使用され得る、生物学的栄養塩除去を担う機能性細菌を提供する、他の微生物が発見又は単離される。
【0142】
実施例9C
【0143】
タイプ3:コンモノックス(Commonox)等の新規な微生物による従来との違いは、このような細菌の増殖を促進する新たなエンジニアリング構造体又はプロセスを必要とすることなく、既存の活性汚泥又は固定膜システムの中での変換を実現するために求められ得る。コンモノックス(Commonox)は、外部で増殖させて、処理バッチによって導入して、生化学反応に基づく所望の結果をもたらすこともできる。したがって、本教示によれば、本システム及び本方法において使用され得る、生物学的栄養塩除去を担う機能性細菌を提供する、他の微生物が発見又は単離される。
【0144】
実施例10
【0145】
リン酸塩除去-一実施形態において、一般的にバイオマス集団全体の1%未満であるリン酸塩蓄積有機体(PAO)は、5%又は10%以上増加させ、増殖後には、二次コンディショニングタンクの中で、揮発性脂肪酸(VFA)等の短鎖炭素物質を使用してコンディショニングして、ポリヒドロキシブチレート(PHB)生成を促進することが可能であるが、これは、PAOによるふんだんなリン酸塩吸収を目的とする好気性条件下において要求されることが知られている。このPAOの増加は好ましくは、容易に生分解できる炭素要件を低減し又はなくすことと組み合わせて、実施され得る。一実施形態において、主要な処理システムにおいて容易に生分解できる炭素供給源を使用することなく、嫌気性区域の使用又は主要な処理システムへのさらなるタンクの追加もなしで、リン酸塩除去のために若々しい微生物を使用する方法が存在する
【0146】
実施例10A
【0147】
タイプ1型プロセス 化学物質:塩化鉄(III)(FeCl3)又はミョウバン等の化学物質を使用して、リン(P)を沈殿させることも可能であるが、Pは通常、一次クラリファイヤにおいて施用され、又は、有機物質の分解から出たPが非常に多い嫌気性消化残渣に施用され、又は研磨のために二次クラリファイヤに施用される。しかしながら、このプロセスは、処分すべき化学汚泥を生成する、非常に高価な三次処理プロセスである。したがって、生物学的栄養塩除去を担う機能性細菌を単離し、特に、処理バッチとしてこれらの機能性細菌を既存の処理システムに供給して、生物学的栄養塩除去を改善することが、提供される。
【0148】
実施例10B
【0149】
タイプ2a型プロセス 生物学的栄養塩除去(BNR):生物学的プロセスは、嫌気性/無酸素/好気性チャンバを用いてバイオマス/MLSSをサイクル運転して、リン酸塩蓄積有機体(PAO)と一般に呼ばれるリン酸塩を蓄積する細菌を選択することによって、選択プロセスを用いるが、グルコース蓄積有機体(GAO)は、PAOの集団を低減する容易に生分解できる炭素を対象にして競合する。最近までは、大半がPAOを有し、GAOは同定されていなかった。カンジダス・アキュムレイター(Candidatus Accumulator)、テトラスフェラ・クラデII(Tetrasphera Clade II)及びカンジダス・コンパクチバクテル(Candidatus compactibacter)が使用されてもよい。これらの細菌の単離によって、処理バッチを製造し、エンジニアリングの変更又はP除去の速度又は質量を高める必要なしで、活性汚泥プラントに導入することができる。したがって、生物学的栄養塩除去を担う機能性細菌を単離し、処理バッチとしてこれらの機能性細菌を既存の処理システムに供給して、生物学的栄養塩除去を改善する、一実施形態が、提供される。
【0150】
これらのすべてのBNRプロセスは、容易に生分解できる有機体を必要とする。現在の技術は、容易に生分解できる炭素供給源を対象にして競合する、バイオマス中のすべての細菌をもたらす。P除去を担う個別の細菌の単離及び増殖によれば、個別の細菌を増殖させて、処理バッチを用意し、増殖後の第2のステップにおいて、容易に生分解できる炭素供給源によって、コンディショニングすることによって、生物学的処理システムにおける無酸素区域又は炭素供給源型補助物質の必要性は、なくすことができる。これらの細菌は、上記の他の事例において記述された同様の速度において、導入される。したがって、生物学的栄養塩除去を担う機能性細菌を単離し、処理バッチとしてこれらの機能性細菌を既存の処理システムに供給して、生物学的栄養塩除去を改善する、一実施形態が、提供される。
【0151】
実施例10C
【0152】
タイプ2b型:サイドストリーム型反応槽の中でバイオマス「全体」をコンディショニングする、サイドストリーム型反応槽による生物学的栄養塩除去(BNR);これは、BNRチャンバを有する既存の連続貫流式施設に施用されてもよい。このプロセスは高価であるが、固有の不安定性の大部分を克服している。したがって、生物学的栄養塩除去を担う機能性細菌を単離し、処理バッチとしてこれらの機能性細菌を既存の処理システムに供給して、生物学的栄養塩除去を改善する、一実施形態が、提供される。
【0153】
実施例10D
【0154】
タイプ2c型:商業的にはNeradaと呼ばれる逐次回分式反応槽において使用される、粒状活性汚泥バイオマス-欠点は、「未開発」の用地又は既存のSBRの後付け装置に施用しなければならない、高価なプロセスであること。このプロセスは、フロースルー型システム又は廃水プラントの90%においては、使用することができない。したがって、機能性細菌を単離し、これらの機能性細菌を処理バッチとして供給して、沈降性を改善するための、一実施形態が提供される。
【0155】
実施例11
【0156】
粒状汚泥形成。本プロセスは、システムに播種して、バイオマスを素早く構築するために使用される。したがって、粒状汚泥生成を担う機能性細菌を単離し、処理バッチとしてこれらの機能性細菌を既存の処理システムに供給して、沈降性を改善する、一実施形態が提供される。
【0157】
実施例12
【0158】
本発明の一態様は、1日に24時間、1週間に7日曝気されなければならない好気性消化槽を利用し、この好気性消化槽を、空気を用いて、1週間当たり1~2日であってよいオンの状態にすることによって通性の状態にすることである。
【0159】
実施例13
【0160】
一実施形態において、汚泥は、いくつかのタンク内に保持され、並行して移動され、順次移動され又はこれらの組合せによって移動される。汚泥はタンク間を移送されるため、これらのタンクのうちの1つ以上への微生物の供給、又はある期間の時間により、最終タンク又は排出タンクにおいて、クラスA汚泥が得られる。
【0161】
実施例14
【0162】
供給された微生物、(一実施形態においては、好ましくは若々しい微生物であり、一実施形態においては、若々しいフロック形成者であり、一実施形態においては、これらの組合せ及び変更形態である)の集団は、病原体に対して優位に競合して、汚泥中の病原体の数を著しく減少させる。本明細書において記述された病原体は、人間、動物又は魚に疾患を引き起こす、微生物又は微小生物を指す。これらの微生物は一般的に、下水、医療系廃棄物、農場からの流出水、及び水泳用に使用される水に含まれる。したがって、環境保護担当機関は、下水処理及び工業的な処理の従事者に、見かけの病原体又はこのような病原体の「指標」をモニタリングすることを要求しているが、このような病原体又は指標は、特殊な設備又は専門知識なしで平均的な検査技師によってより容易に測定することが可能である。
【0163】
一般的に、都市廃水処理において、排出前の液体状の最終流出物は、都市プラントによって処理された糞便中に見受けられる過剰な量の大腸菌を排除するために、塩素化又はオゾン化若しくは紫外光によって処理され、若しくは過酢酸によって処理されなければならず、又は海水浴場基準が適用される場合においては、このような基準は慣例的に、落ち口を延長して、より多くの希釈を実現することによって満たされる。このプロセスは、コストが非常に高くなり得、適正に実施されないせいで、潜在的に危険な高レベルの病原体の放出につながる可能性がある。
【0164】
本処理システム及び本処理方法の実施形態は、存在する病原体、したがって、排出前に処理されなければならない病原体の量を大幅に減少させる。このようにして、本処理システム及び本処理方法は、慣例的な化学式又は光学式のシステムによる処理の必要性を最小化し、潜在的にはこのような処理の必要性をなくしながら、流出物中の病原体の量を低減することができる。さらに、これらの従来のシステムの安全性及び有効性は、本処理システム及び本処理方法によって大幅に向上される。
【0165】
二次処理プラント又は一次汚泥又は好気性若しくは嫌気性消化槽の種類及びサイズに応じて本明細書に記載の量、場所及び頻度で液体状微生物を用いる処理は、炭素供給源を対象にする競合によって病原体、特に大腸菌のさらなる増殖及び生存を著しく低減し、これにより、便汚染又は他の病原体汚染を、前述の処理が存在しない場合に比べて、バイオソリッドにおいては少なくとも1log多く低減し、液体状流出物においては少なくとも0.25log多く低減する。糞便汚染に関しては、液体状微生物の供給は、100ML当たり150,000未満又は75,000未満又は50,000未満又は25,000未満又は10,000未満又は5,000未満又は1,000未満又は500未満の液体状流出物濃度をもたらすが、好ましい実施形態においては、これらのレベルは、淡水への放出であるか海洋への放出であるかにかかわらず、関係する環境保護担当機関によって要求される希釈の時点において、受水基準又は海水浴場基準に関する基準を満たすレベルにまで低減され、スケール、サイズ及びコストの低減も可能である完全に慣例的なエンジニアリングソリューションは必要とされない。
【0166】
実施例15
【0167】
上記と同じ目的のために,本システム及び本方法の複数の実施形態において、固形物又はバイオソリッドと呼ばれる一次処理又は二次処理からの廃棄固形物中の病原体は、大幅に低減される。一般的に、運転中においては、廃水処理プラントは、固形物又はバイオソリッドと呼ばれる一次処理又は二次処理からの廃棄固形物中の病原体含量をモニタリングする。
【0168】
本システム及び本方法の複数の実施形態において、二次処理プラント又は一次汚泥又は好気性若しくは嫌気性消化槽の種類及びサイズに応じて本明細書に記載の量、場所及び頻度で液体状微生物を用いる処理は、炭素供給源を対象にする競合によって病原体、特に大腸菌のさらなる増殖及び生存を著しく低減し、これにより、糞便汚染又は他の病原体汚染を、バイオソリッドにおいては少なくとも1log低減する。糞便汚染に関しては、液体状微生物の供給は、1グラム当たり2,000,000未満又は1,000,000未満又は500,000未満又は250,000未満又は100,000未満又は50,000未満又は10,000未満又は1000未満のバイオソリッド濃度をもたらし、又は、さらなる下流側処理の有無にかかわらず処分に関する基準を満たすのに十分なほど良好なバイオソリッド濃度をもたらす。
【0169】
実施例16
【0170】
一実施形態において、米国特許第9,409,803号及び第7,879,593号において開示及び記述された種類のオンサイト型発酵システムは、地域への配分用の用地に配置されている。処理バッチは、この場所で調製され、次いで調製後には、処理バッチ中に存在する水の量を約10%、約20%、約30%、約50%、約20%~約80%低減することによって濃縮される。濃縮された処理バッチは、濃縮された処理バッチが地域への配分用の用地の近くに配置された処理施設に廃水に供給される前において、2週間未満の日齢(平均日齢又はD50日齢)を有する。次いで、濃縮された処理バッチは、これらのシステムにおける微生物の日齢をMCRT以下又は他の望ましい日齢限界以下に維持し、又はシステムにおける病原体の量又はレベルを最小限度に保つ量及び供給速度において、供給される。
【0171】
実施例17
【0172】
本実施形態のシステム及び方法は、実施例17A~17に記載された次の特徴及び使用の1つ以上、好ましくはすべてを有する土壌を生産するための、汚泥及び土壌の処理を提供する。次いで、これらの汚泥は、農業を目的とする場合、土壌に直接施用され、例えば地表に施用され、又は地表に施用されるが、この土壌への施用によって、下記の特性を有する土壌をもたらす。これらの汚泥は、次のものの1つ以上、好ましくはすべての必要性も使用も伴うことなく得られる:低温殺菌、嫌気性中温消化、好気性好熱消化、堆肥化、石灰による安定化、オゾン処理及びpHによる(酸性又は苛性)処理;好熱消化、熱乾燥、例えば苛性処理及び酸性処理を用いて殺生物剤としての次亜塩素酸塩を調合するBCRプロセス等の消毒プロセス、消毒手順又は消毒装置。
【0173】
実施例17A
【0174】
濃度限界を有する汚泥は、次のもの以下である:モリブデン3、セレニウム2、ヒ素2、フッ化物200(乾燥固形分1kg当たりのmg)。
【0175】
実施例17B
【0176】
本システム及び本方法から得た本質的に病原体不含の汚泥によって処理されており、EPA規則又は州規則の媒介生物誘引要件及び表4に記載のパラメータを有する、土壌。
【0177】
【0178】
実施例17C
【0179】
乾燥固形分1kg当たり1,200mg未満の鉛と、乾燥固形分1kg当たり1,000mg未満のフッ化物とを有する、好ましくは、これらの両方を有する、汚泥。
【0180】
実施例18
【0181】
若々しい微生物を用いて処理するシステム及び方法は、住民150万人からなる人口にサービスを提供しており、アメリカ合衆国フロリダ州Miami-Dadeにて運転されている廃水処理プラントの1つ以上等の複数の廃水処理プラントを有する、米国南部の大型の大都市用廃水処理プラントにおいて、使用されている。現在、廃水処理プラントは、一次クラリファイヤ及び質量余剰なバイオソリッドを低減するための嫌気性消化と、後続する慣例的な機械的脱水施設及び処分とを用いることがない、Unoxと呼ばれる純酸素注入式活性汚泥プラントである。液体状微生物は現場で増殖され、施用前のあらゆる時点においていかなる様式においても凍結乾燥若しくは凍結されず、又は保管されない。これらの微生物は、システム全体にわたって用量を分配し、又は出入りのしやすさによっては返送活性返送活性汚泥(RAS)リサイクル管路に用量を注入するように、Unox池への流入流に供給される。さらに、さらなるバッチが、E.コリ(E.coli)、大腸菌及びサルモネラ(Salmonella)又はこのような条件下で増殖若しくは再増殖する他の懸念対象の病原体等の病原体に対して優位に競合するバイオマスの沈降性を向上し、又は、このようなバイオマスのデカント性並びにさらなる消化及びコンディショニング若しくは安定化を改善するために、消化槽に供給されてもよい。
【0182】
Unoxシステムは、約5,000ガロン・パー・デイ(gpd)~約175,000gpdの速度、約10,000gpd~約50,000gpdの速度、約20,000gpd~約75,000gpdの速度、約5,000gpd~約100,000gpdの速度、約10,000gpd未満の速度、約20,000gpd未満の速度、約50,000gpd未満の速度、約100,000gpd未満の速度、並びにより高い速度及びより低い速度、並びにこれらの範囲に含まれるすべての速度において投入を受ける。好ましくは、供給は、毎日実施されるが、バッチは、2日ごとに1回、3日ごとに1回又は毎週1回又は毎月1回等、毎日より頻度を減らして供給することも可能である。嫌気性システムは、バイオソリッドをより長く保持するという目的で、並びに/又は、固形物の微生物活性及び消化の鈍化を示唆するメタン生成の減少があった場合においては、メタン生成を増進するという目的で、水をデカントして固形物を取り除く能力に基づいて、投入を受ける。嫌気性消化槽は、Unoxシステムへの同様の量の投入を受けるが、1日又は1週間又は1か月以内に1回、2回又は3回投入を受ける。これらのバッチを投入する目的は、活性汚泥システムと嫌気性消化槽との両方において、病原菌の増殖に対して優位に競合し、これにより、死滅を引き起こすことであり、したがって、活性汚泥システムから、より多くのメタンを生成しながら、クラスB若しくはクリーンクラスB若しくはクラスAの等価物を生成できるようにすること、又は、消化槽若しくは補助タンクの中にクラスB汚泥を十分に長く保持して、処分用のクラスAを得ることを可能にすることである。活性汚泥システムと嫌気性消化槽との間に必要な保持時間は、30日未満、60日未満、90日未満、120日未満又は150日未満である。バイオソリッドは、より長く保持されてもよく、この場合、さらなる下流側処理を低減するという利益がある。堆肥化等、バイオソリッドのさらなる非機械的な処理方法が使用された場合、堆肥の山積みに含まれる残留バイオソリッドは、病原体のさらなる再増殖を防止するため、並びに/又は、中温菌及び/若しくは好熱菌によって堆肥化プロセスを加速させて、より速い堆肥化プロセスの作業終了と、この結果としての運転コストの低下とを可能にするために投入を受けるが;懸念対象の病原体を同伴し得る堆肥化プロセスにおいて使用されるいずれかのウッドチップ、ワラ又は他の充填剤のバッチを用いる前処理は、汚染及びさらなる再増殖の防止において必須のものであり得;堆肥の山積み、移送されてきたバイオソリッド及び/又はいずれかの充填剤は、約1ガロン毎トン(gal/ton)~約1000gal/tonの速度、約10gal/ton~約500gal/tonの速度、約20gal/ton~約750gal/tonの速度、約50gal/ton~約1000gal/tonの速度、約1gal/ton未満、約20gal/ton未満、約50gal/ton未満、約1000gal/ton未満、並びにより高い速度及びより低い速度、並びにこれらの範囲に含まれるすべての速度において、投入を受ける。好ましくは、供給は、毎日実施されるが、バッチは、いつ物質が処理されているかに応じて、したがって、公衆又は地元の農家に対して直接販売又はコストなしで無料提供され得るクラスAバイオソリッド物質の等価物を生成することがいつ可能になるかに応じて、2日ごとに1回、3日ごとに1回又は毎週1回又は毎月1回等、毎日より頻度を減らして供給することも可能である。
【0183】
実施例19
【0184】
若々しい微生物を用いて処理するシステム及び方法は、アイルランド及び英国においては、大型、中型及び小型の大都市向け及び農村部用の廃水処理プラントで使用される。多くの場所では、廃水処理プラントは、人口増大、環境基準の変更及びこれらの両方に対して後れを取っている。このようなプラントの多くは、設計容量に至っているため、排出に関する許可要件を満たすことが困難であり、大量の再設計が予定されている。これらの再設計は、はなはだしく高価なこともあり、かなりの資本的支出を要求することもあり得る。これらの老朽化したプラントのうちの1つに施用された場合、本システム及び本方法は、加水分解に関するコンプライアンスを満たす能力というその有効性を大幅に高め、操業コストを低減し、コストがかかる資本的更新の必要性を低減及び排除し、及びこれらの両方を行うことができる。
【0185】
例えば、アイルランド北部には、公共水道に接続された約795,000の家庭用、農業用、商業用及び事業用の物件と、公共下水道システムに接続された660,000のこれらの物件とが存在する。 Northern Ireland Water(NIW)は、毎日6億1900百万リットルの水を供給し、毎年1億3400百万立方メートルの廃水を処理している。この会社は、40の貯水池、44の主要な水処理工場(総計では65)、490の配水池、287の揚水場及び26,500キロメートルの給水本管を運用している。この会社はさらに、1,194の廃水ポンプステーション、14,500キロメートルの下水道及び1,124の廃水処理工場も所有及び運用している。DuncrueにあるBelfast主要プラントは現在、300,000の人口当量(PE)と、バイオソリッド/汚泥焼却炉から出る流出物の内部的な供給源とを処理しているが、この流出物の内部的な供給源は、おおよそ10~25%のさらなる負荷を廃水プラントに加えると見積もられている。人口当量(PE)1人当たり200リットル/d、又は、米国においては50~70gal/dを使用することは、周知のエンジニアリング上の慣行であるが、これは、150~300mg/L BOD、又は6.2.5~175lb BOD/d/1000PE、又は1000 PE当たり28.4~79.5kgに関連付けられており;これは、1000で割ることによって、PE当たりで表され得る。汚泥焼却炉は、灰の処分前の最終処理ステップとして、アイルランド北部全域からの汚泥を処理する。本システム及び本処理は、これらの処理施設及び処理プラントの1つ以上又はすべてに使用することができる。
【0186】
実施例19A
【0187】
廃水処理プラントは、一次クラリファイヤと、拡散空気を用いる二次生物学的処理と、後続する二次クラリファイヤと、塩素化と、海洋への放出とを伴う機構である。この例においては、プラントは、設計に至っているため、放出に関する許可要件を満たすことが困難であり、大量の再設計が予定されていると仮定されている。本発明の一実施形態は、最小限のコストでこのような施設を更新するための新規な方法であり、これらの無酸素区域を作り出して生物学的処理プロセスに統合するために、流動様式及び一次クラリファイヤの機能を再設計している。更新された処理設計は、向上した処理を可能にするが、プラントは、バイオソリッド生成及び関連する病原体を低減しながら、沈降性を改善し、325,000PE~500,000PE、若しくは350,000PE~750,000PE、若しくはこれらの範囲の間のPEにまで、又は、10~20%より高いPE、若しくは20~40%より高いPE、若しくは10~200%より高いPE、若しくはこれらの範囲の間の%の増加に至るまで、水圧負荷及び/又は有機物負荷の速度の容量を増大させ、クラスBバイオソリッド、クリーンクラスBバイオソリッド若しくはクラスAバイオソリッドの等価物を生成する。プラントは、入口設備若しくは無酸素区域、リサイクル活性汚泥(RAS)管路、分割仕切りのところで投入を受けてもよいし、又は曝気池において直接投入されてもよい。プラントは、バイオソリッド生成をさらに低減し、クラスAの等価物又はより良好なバイオソリッドを生成するという目的で、微生物のさらなる投入が上記の他の例と同様の速度において実施され得る、好気性又は嫌気性消化槽を含むようにさらに更新されてもよい。プラントは、約1,000リットルパーデイ(l/d)~約50,000l/dの速度、約10,000l/d~約50,000l/dの速度、約20,000l/d~約75,000l/dの速度、約1,000l/d~約100,000l/dの速度、約1000l/d未満の速度、約20,000l/d未満の速度、約50,000l/d未満の速度、約100,000l/d未満の速度、並びにより高い速度及びより低い速度、並びにこれらの範囲に含まれるすべての速度において、投入を受ける。好ましくは、供給は、毎日実施されるが、バッチは、2日ごとに1回、3日ごとに1回又は毎週1回又は毎月1回等、毎日より頻度を減らして供給することも可能である。バッチは、バッチに供給される食物の量の増大及び/又はバッチに供給される食物の量の減少によって、複数の濃度から構成されることも可能であり、上記例は、1Xであり、ここで、1Xは、製造された微生物1,000リットル当たり0.1kgの食物、又は1,000リットル当たり1kgの食物、又は1,000リットル当たり10kgの食物、又は1,000リットルの100kgの食物を表す。微生物のための食物は、Advanced Biofermentation Services Inc、Fleming Island、FL 32006 USAから調達することができる。
【0188】
さらに、サイズが異なる多数のプラントを運転するという目的では、好ましい実践は、最大の又は中規模の廃水プラントにおいて、より小さなプラント用の用量を製造することである。これらの容量は、膜分離システムの当業者に周知の技術を使用して、2~100倍の範囲又は5~20倍の範囲又は20~50倍の範囲又はこれらの倍数の範囲の濃度を組み入れたバッチ濃度及び体積低減又はこれらの間の範囲を伴うように体積をさらに濃縮する、運搬又は濃縮される液体の体積を減少させるための異なる濃度において送達されてもよい。適切な膜分離システムは、Advanced Biofermentation Services、Fleming Island、アメリカ合衆国フロリダ州から得ることができる。小型のプラントに50~2000リットルではなく1~20リットルを投入することの一利点は、小型のバン又は専用車を用いるルート担当者が、配達を実施することができ、したがって、24時間以内、48時間以内、1~7日以内又はこれらの間の範囲内での用量の供給を可能にしながら、輸送コストを著しく低減できることを意味する。距離又は交通が制約となった場合においては、地域施設は、配達及びロジスティクスに関する人物、交通、時間、コストに基づいて設立されるように、経済的な最適経路を満たすように設立される。
【0189】
実施例20
【0190】
若々しい微生物を用いて処理するシステム及び方法は、人口が過度に高密度なこともあり得るアメリカ合衆国中部大西洋岸において、大型、中型及び小型の大都市向け及び農村部用の廃水処理プラントで使用される。例えば、コロンビア特別区のColumbia Water and Sewer Authorityは、その全体を参照により本明細書に組み込む2017年9月1日付けのNPDES許可DC0021199を有し、Blue Plainsとして公知である、ワシントンDCエリアの廃水プラントを運転している。このプラントにおける本処理のための液体状微生物は現場で増殖され、施用前のあらゆる時点においていかなる様式においても凍結乾燥若しくは凍結されず、又は保管されない。これらの微生物は、システム全体にわたって用量を分配し、又は出入りのしやすさによっては返送活性汚泥(RAS)リサイクル管路に用量を注入するように、入口設備の流入流、一次クラリファイヤの流入流、曝気池の流入流又は硝化/脱窒素プロセス(以下、廃水システム)に供給される。さらに、さらなるバッチが、このような条件下で増殖する又は熱加水分解プロセスを生存するE.コリ(E.coli)、大腸菌及びサルモネラ(Salmonella)等の病原体対して優位に競合するバイオマスのデカント性並びにさらなる消化及びコンディショニング又は安定化を改善するために、好熱加水分解後に嫌気性消化槽に供給されてもよい。
【0191】
廃水システムは、約5,000ガロン・パー・デイ(gpd)~約175,000gpdの速度、約10,000gpd~約50,000gpdの速度、約20,000gpd~約75,000gpdの速度、約5,000gpd~約100,000gpdの速度、約10,000gpd未満の速度、約20,000gpd未満の速度、約50,000gpd未満の速度、約100,000gpd未満の速度、並びにより高い速度及びより低い速度、並びにこれらの範囲に含まれるすべての速度において、投入を受ける。好ましくは、供給は、毎日実施されるが、バッチは、2日ごとに1回、3日ごとに1回又は毎週1回又は毎月1回等、毎日より頻度を減らして供給することも可能である。嫌気性システムは、バイオソリッドをより長く保持するという目的で、並びに/又は、固形物の微生物活性及び消化の鈍化を示唆するメタン生成の減少があった場合においては、メタン生成を増進するという目的で、水をデカントして固形物を取り除く能力に基づいて、投入を受ける。嫌気性消化槽は、Unoxシステムへの同様の量の投入を受けるが、1日又は1週間又は1か月以内に1回、2回又は3回投入を受ける。これらのバッチを投入する目的は、活性汚泥システムと嫌気性消化槽との両方において、病原菌の増殖に対して優位に競合し、これにより、死滅を引き起こすことであり、したがって、活性汚泥システムから、より多くのメタンを生成しながら、クラスB若しくはクラスAの等価物を生成できるようにすること、又は、消化槽若しくは補助タンクの中にクラスB汚泥を十分に長く保持して、処分用のクラスAを得ることを可能にすることである。活性汚泥システムと嫌気性消化槽との間に必要な保持時間は、30日未満、60日未満、90日未満、120日未満又は150日未満である。バイオソリッドは、より長く保持されてもよく、この場合、さらなる下流側処理を低減するという利益がある。
【0192】
実施例21
【0193】
若々しい微生物を用いて処理するシステム及び方法は、人口が過度に高密度なこともあり得るアメリカ合衆国中部大西洋岸において、大型、中型及び小型の大都市向け及び農村部用の廃水処理プラントで使用される。例えば、Massachusetts Water Authorityは、Bostonエリアでサービスを提供しているDeer Island廃水処理プラントを運用している。
【0194】
実施例22
【0195】
汚泥、流出物状の廃水又はこれらの両方は、後加工又は後処理を必要とすることも用いることもなく、次のことを満たす、本若々しい微生物処理を使用する廃水処理プラントから生成される:連続30日の期間に収集された流出物試料の値の幾何平均が、100ml当たり200を超えないようにすべきこと、及び、連続7日の期間に収集された流出物試料の値の幾何平均が、1ml当たり400を超えないようにすべきこと。
【0196】
実施例23
【0197】
後加工又は後処理を必要とすることも用いることもなく、表5の特性を有する汚泥、流出物又はこれらの両方が、本若々しい微生物処理を使用する廃水処理プラントから生成される。
【0198】
【0199】
別の実施形態において、この廃棄物は、最小限の数又は低減された数の後処理ステップによって生成される。
【0200】
実施例24
【0201】
複数の実施形態において、二次処理プラントの種類及びサイズに応じて本明細書に記載の量、場所及び頻度で液体状微生物を用いる処理は、病原体、媒介生物誘引及び金属に関する連邦規則集第40編パート503に記載のEPA基準を満たす汚泥又はバイオソリッドを生成するが、肥料価値をさらに高める。 100日を超える延長された保持時間にもかかわらず、懸念対象の金属が蓄積していないことを示している、金属含量に関するフロリダ州スターク市の例が、
図14に示されている。 実際、液体状微生物を用いる処理は、1.0から2.38へのN:P比の向上及び0.21から1000へのP:K比の向上によって、バイオソリッドの肥料価値を向上するが、これらのN:P比及びP:K比は、肥料を目的とする場合、より高いカリウム比及びN:P比が非常に有益であるが、同時に、農産物中の全リンは、2.3~2.1mg/Kgに10%低下し、これにより、リン含量によって規制された土地に施用されるバイオソリッドを10%多くすることが可能になる。
【0202】
実施例25
【0203】
一実施形態において、液体状微生物の供給、又は、二次処理プラントの種類及びサイズに応じて本明細書に記載の量、場所及び頻度で液体状微生物を用いる処理は、全糞便、E.コリ(E.coli)又はエンテロコッカス(Enterococcus)のいずれかに関して、以下においてジョージア州基準との関連で表6に示されている病原体含量を対象とする、淡水の受水河川への排出又は海洋への排出を目的とする特性を満たす、液体状流出物を生成する。 液体状微生物によって処理されている製紙産業の典型を示すクラフト工場から得た、約8か月の期間にわたる添付データは、幾何平均が、E.コリ(E.coli)を表す糞便性大腸菌に関しては、62.05未満であることを示しているが、これは、表7に示された基準未満である。 アメリカ合衆国のジョージア州は、200cfu/100mLの1か月当たり平均である、統計学的平均を採用することが、想定されており、一日最大限度は、400cfu/100mLである。 「液体状微生物の供給、又は、二次処理プラントの種類及びサイズに応じて本明細書に記載の量、場所及び頻度で液体状微生物を用いる処理は、アメリカ合衆国におけるいずれかの現在のEPA規則又は州規則に関して、淡水の受水河川への排出又は海洋への排出を目的とする特性を満たす、液体状流出物を生成する。
【0204】
【0205】
【表7】
a aの状態は、どの指標が、沿岸レクリエーション用の淡水水に当てはまるかを判定することができるが;aの状態がこの判定をなすまでは、E.コリ(E.coli)が適用可能な指標である
b 分析方法1103.1、1603、1604又は生菌を測定する等価な方法を用いた、使用のための値
c 単一の最大限度=幾何平均
*10^(信頼水準因子
*log標準偏差)を使用して計算されており、ここで、信頼水準因子は、75%:0.68;82%:0.94;90%:1.28;95%:1.65であり;EPAの疫学的研究から得たlog標準偏差は、0.4である
d 分析方法1106.1、1600又は生菌を測定する等価な方法を用いた使用のための値
e 単一の最大限度=幾何平均
*10^(信頼水準因子
*log標準偏差)を用いて計算されており、ここで、信頼水準因子は、75%:0.68;82%:0.94;90%:1.28;95%:1.65であり;EPAの疫学的研究から得たlog標準偏差は、0.7である
CL=信頼水準
【0206】
実施例26
【0207】
多重タンクシステムの一実施形態が、提供される。
【0208】
本明細書においては同じものである二次処理プロセス用の余剰固形物又はバイオソリッドが、バイオソリッドの質量をさらに減少させるために使用される保持タンク、好気性、嫌気性又は通性消化槽の中へと、さらなる処理のために抜き出された後には次いで、残留物は、ベルトプレス又は遠心分離装置等の脱水設備を使用して濃縮されるが、好熱性プロセス、乾燥又は化学的プロセスによってバイオソリッドを処理して、最終埋め立て処分、若しくは農耕のための土地への施用、若しくは焼却の前に病原体を破壊するというオプションもあり、又はペレタイザー内での乾燥が用いられる場合においては、最終製品は、Milorganite等の肥料として商業的に販売され得る。種類及びサイズに応じて本明細書に記載の量、場所及び頻度で液体状微生物を用いる好気性又は嫌気性又は通性の処理は、EPA連邦ガイドライン又は州規則によるクラスA又はクラスB又はクラスクリーンBであるバイオソリッドを生成するために、さらなる競合優位な懸念病原体に対して実施され、このような懸念病原体の再増殖を防止する。このような好気性、嫌気性又は通性消化槽又はタンクは、通性若しくは嫌気的に若しくはこれらの両方で動作する好気性消化槽等、他のモードで機能するように使用され、若しくは元々の設計から変更されることも可能であり、又は、嫌気性消化槽若しくは嫌気性タンクは、1週間当たり1日未満若しくは1週間当たり2日未満若しくは1週間当たり3日未満若しくは1週間当たり4日未満若しくは1週間当たり5日未満若しくは1日当たり3時間未満若しくは1日当たり6時間未満若しくは1日当たり12時間未満若しくは1日当たり18時間未満にわたって、空気を用いてシステムのオンオフを連続で切り替えることによって、好気的に若しくは通性若しくはこれらの両方で機能するように変更される。保持タンク又は好気性若しくは嫌気性若しくは通性消化槽が1つのみ存在する場合、さらなるタンクは、汚泥又はバイオソリッドが廃棄されるときに、タンクが病原体によってさらに汚染された状態にならないように、追加されてもよい。好ましい方法は、汚泥又はバイオソリッドが保持され、新たな汚泥又はバイオソリッドが二次処理システムから廃棄されるときに逐次移送され得る、本明細書において記述された保持時間をもたらすという目的で、クラスAバイオソリッドを満たすための一連の2つのタンク又は3つのタンク又は4つのタンクを有することである。これらの消化槽のいずれかは、好気性から通性を経て嫌気性に至るまでのいずれかのモードで運転されることが可能であり、又は、特定のシステムの好ましい配向に応じて入れ替えられることが可能である。これらのタンクは、有機物の分解から放出されたアンモニア(TKNとして測定される)が、窒素ガスへの脱窒素を行い、これにより、通常であればより多くのアンモニアを処理しなければならない二次処理システムにおける酸素要求量を低減することによって、放出され得るような態様において、硝化及び脱窒素サイクルを通過するように配向されてもよい。これは、好気性条件下でのみ起きる硝化が存在しないため、嫌気性システムには特に当てはまる。複数のモードにおける複数のタンクの使用は、主要な二次処理システムに戻るアンモニア負荷を低減することを希求している。さらに、一旦消化されたアンモニア液が硝酸塩に変換されたら、これは、二次処理システムのためのさらなる酸素供給源として使用され得、このさらなる酸素供給源は、曝気前に、無酸素又は嫌気性区域において使用され、これにより、二次処理システムにおける曝気用の電気のためのエネルギーを低減する。バイオソリッドの分解から液相中に放出されたリンは、化学的に除去されることも可能であり、又は、第1、第2若しくは第3の好気性若しくは通性消化槽若しくは保持タンクから抜き取られ、本明細書において記述された脱水設備を使用して濃縮されることも可能であり、又は、無酸素若しくは嫌気性消化槽若しくは保持タンクにおける硝酸塩の除去後に、本明細書において記述された量及び頻度で液体状微生物を供給することによって播種されたPAO微生物を使用するリン除去専用の別個のサイドストリーム型生物反応槽において処理されることも可能である。PAOを保持するための膜分離技術と組み合わせられたこのようなサイドストリーム型反応槽の使用によって、この反応槽における汚泥又はバイオソリッド中でのリンの濃度は、Pとして1%超又は2%超又は5%超又は10%超又は15%超又は20%超又は30重量%超に高められ得る。このバイオソリッド又は汚泥は、後で回収しておき、高濃度型の徐放性リン酸塩肥料として使用されてもよい。
【0209】
実施例27
【0210】
製紙工場からの液体状流出物のための処理システム及び処理方法の一実施形態が、提供される。
【0211】
製紙産業は、1~60MGDに及ぶ水の最大の工業的使用者である。受水河川中に排出される流出物中への病原体の放出については、近年、懸念が高まってきている。産業界によって実施され、National Council for Air and Stream Improvementによって提供された研究においては、Advanced Biofermentation Services Inc.、Fleming Island、Florida 32003 USA等のマテリアルから入手可能であり、参照により本明細書に組み込む、この研究のコピーは、大腸菌の数が、100mL当たり180~160,000の範囲であり得ることを示している。USEPAによって設定された水評価基準は、本明細書中のNCASI Bulletin表7において提案されているが、個別の州によってより厳格になるように修正され得る。製紙産業によって一般的に使用される一過式ラグーン、曝気安定化システム又は活性汚泥プラント等の二次処理システムへの液体状微生物の供給によって、懸念対象の病原体の限界は、工場を節減するさらなる処理、多量の水の消費及び排出を理由にしてこれらの新たな基準を満たすという目的のための過剰な量の資本コスト及び高い操業コストなしでも、満たされ得る。二次処理プラントの種類及びサイズに応じて本明細書に記載の量、場所及び頻度で液体状微生物を用いる処理は、規制基準を満たすために実施され、この規制基準の例は、表7に提供されている。
【0212】
本発明の実施形態を対象とした又は本発明の実施形態に関連付けられた、新規で革新的なプロセス、材料、性能又は他の有益な特徴及び特性に基づく理論を提供し、又は取り扱う必要はない。しかしながら、本明細書では、当技術分野におけるさらなる先進技術に対して様々な理論が提供されている。そうではないと明示的に記載されていない限り、本明細書に記載の理論は、特許請求の範囲に記載の発明によって与えられる保護範囲を決して制限又は狭めることがない。これらの理論は、本発明を利用するために要求又は実践され得ない。本発明は、本発明の方法、物品、材料、デバイス及びシステムの実施形態に関する機能上の特徴を説明する、これまでに知られていなかった新たな理論につながり得るが、このような後で開発された理論は、本発明に与えられた保護範囲を限定すべきでないことが、さらに理解されている。
【0213】
本明細書において記載されたシステム、設備、技法、方法、活動及び操作の様々な実施形態は、本明細書において記載されたもの以外の、様々な他の活動のため、及び他の田畑においても、使用され得る。さらに、これらの実施形態は例えば、将来において開発され得る他の設備又は活動と一緒にして使用されてもよいし、本明細書の教示に基づいて部分的に修正され得る既存の設備又は活動と一緒にして使用されてもよい。さらに、投入量及び投入速度、微生物の日齢、微生物供給地点を含む、本明細書において記載された様々な実施形態は、これらの例のうちのいずれか1つ以上、これらの実施形態のいずれか1つ以上、並びに異なる及び様々な組合せにおいて、互いに一緒にして使用されてもよい。したがって、例えば、本明細書の様々な実施形態において提供された構成は、互いに一緒にして使用されてもよく、本発明によって与えられた保護範囲は、特定の実施形態、例又は特定の図面における一実施形態に記載された、特定の実施形態、構成又は配置に限定されるべきでない。
【0214】
本発明は、本発明の趣旨又は本質的な特徴から逸脱することなく、本明細書において明示的に開示された形態とは他の形態において、具体化されてもよい。記述された実施形態は、あらゆる観点において説明用のものであり、限定を加えるものではないと考えられるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
さらに、若々しい微生物を活性汚泥に取り込ませることと;活性汚泥中の取り込まれた微生物の日齢を所定の日齢未満に維持することと;活性汚泥から固形物を除去し、除去された固形物が、取り込まれた微生物の少なくとも一部を含むことと;さらなる若々しい微生物を、除去された固形物に供給し、30~160日の期間にわたって除去された固形物を保持し、これにより、0.1MPN/ml未満のサルモネラ(Samonella)を有するクリーンな汚泥が得られることとを含む、消毒剤後処理なしで廃水から直接病原体不含汚泥を生成する方法が、提供される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
さらに、次の特徴のうちの1つ以上を有するこれらの方法、システム及び処理が、提供される:クリーンな汚泥が、10MPN/mL未満の糞便性大腸菌を有すること;クリーンな汚泥が、5MPN/mL未満の糞便性大腸菌を有すること;クリーンな汚泥が、2MPN/mL未満の糞便性大腸菌を有すること;クリーンな汚泥が、1.5MPN/mL未満の糞便性大腸菌を有すること;クリーンな汚泥が、1MPN/mL未満の糞便性大腸菌を有すること;クリーンな汚泥が、0.5MPN/mL未満の糞便性大腸菌を有すること;これにより、5MPN/ml未満のサルモネラ(Samonella)を有するクリーンな汚泥が得られ;これにより、1MPN/ml未満のサルモネラ(Samonella)を有するクリーンな汚泥が得られ;これにより、0.01MPN/ml未満のサルモネラ(Samonella)を有するクリーンな汚泥が得られ;クリーンな汚泥が、2MPN未満/感染単位4乾燥重量グラムの培養可能で細胞変性作用のある腸ウイルスを有すること;クリーンな汚泥が、重金属不含であること;クリーンな汚泥が、本質的に重金属不含であること。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.活性汚泥式廃水処理プラントから汚泥を得ることと;
b.汚泥を沈降タンクに流し込むことと;
c.微生物を沈降タンクに供給し、微生物が、汚泥中の汚染物質を分解するために選択され、微生物が、凍結又は凍結乾燥されておらず、これにより、微生物が、汚泥中の汚染物質を分解することと;
d.保持期間にわたって沈降タンク内に汚泥を保持し、保持期間が、少なくとも60日であることと;
e.保持期間の後に保持タンクから汚泥を抜き出し、抜き出された汚泥が、クラスA汚泥であり、これにより、保持期間の間、汚泥が、消毒剤プロセスを施されないことと
を含む、消毒剤処理を必要とすることなくクラスA汚泥を生成する方法。
【請求項2】
前記廃水処理プラントが、5MGD(19ML/日)~40MGD(152ML/日)のスループットを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記廃水処理プラントが、20MGD(76ML/日)~100MGD(380ML/日)のスループットを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記廃水処理プラントが、10MGD(38ML/日)より高いスループットを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記廃水処理プラントが、100MGD(380ML/日)より高いスループットを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
a.若々しい微生物を活性汚泥に取り込ませることと;
b.活性汚泥中の取り込まれた微生物の日齢を所定の日齢未満に維持することと;
c.活性汚泥から固形物を除去し、除去された固形物が、取り込まれた微生物の少なくとも一部を含むことと;
d.さらなる若々しい微生物を、除去された固形物に供給し、30~160日の期間にわたって除去された固形物を保持し、これにより、0.1MPN/ml未満のサルモネラ(Samonella)を有するクリーンな汚泥が得られることと
を含む、消毒剤による後処理なしで廃水から直接病原体不含汚泥を生成する方法。
【請求項7】
クリーンな汚泥が、2MPN/mL未満の糞便性大腸菌を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
クリーンな汚泥が、2MPN未満/感染単位4乾燥重量グラムの培養可能で細胞変性作用のある腸ウイルスを有する、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
クリーンな汚泥が、重金属不含である、請求項6又は7に記載の方法。
【外国語明細書】