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特開2024-23216リチウムの抽出と変換のための統合システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023216
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】リチウムの抽出と変換のための統合システム
(51)【国際特許分類】
   C22B 26/12 20060101AFI20240214BHJP
   C22B 3/42 20060101ALI20240214BHJP
   C22B 3/44 20060101ALI20240214BHJP
   C25C 3/02 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
C22B26/12
C22B3/42
C22B3/44
C25C3/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】34
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023187946
(22)【出願日】2023-11-01
(62)【分割の表示】P 2020543635の分割
【原出願日】2019-02-13
(31)【優先権主張番号】62/631,688
(32)【優先日】2018-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/781,515
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520301331
【氏名又は名称】ライラック ソリューションズ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スナイダッカー,デイビッド ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】グラント,アレクサンダー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ザーケシュ,ライアン アリ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】天然および合成の塩水、粘土および鉱物からの浸出物溶液、ならびに再資源製品といった、液体資源から精製リチウム塩を作り出すための統合システムを提供する。
【解決手段】(a)液体資源からリチウムイオンを取り出し、リチウム溶出溶液を作り出すためのイオン交換材料を含むイオン交換装置、(b)イオン交換材料によるリチウムイオン吸収に適した範囲に液体資源のpHを維持するように構成されたpH調節機構、(c)リチウム溶出溶液を処理して、精製リチウム溶液作り出すように構成された精製装置、(d)イオン交換装置と流体連通する電気化学セルであって、精製リチウム溶液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液およびリチウム塩溶液を作り出す、電気化学セル、(e)電気化学セルと流体連通している化学沈殿装置、(f)電気化学セルと流体連通している酸再利用システムを備える、統合システムとする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体資源から精製リチウム濃縮物を生成するための統合プロセスであって、
a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;
b)前記イオン交換装置中の前記イオン交換材料を前記液体資源と接触させる工程であって、前記イオン交換材料の水素イオンは、前記液体資源のリチウムイオンと交換されることで、前記イオン交換装置にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出す、工程;
c)前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、前記リチウムが豊富なイオン交換材料の前記リチウムイオンは、前記酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;
d)前記イオン交換装置と流体連通する膜セルを設ける工程であって、前記膜セルは、(i)電気化学還元電極を含む第1の区画、(ii)電気化学酸化電極を含む第2の区画、および(iii)前記第1の区画と前記第2の区画とを分けるイオン伝導膜を備えている、工程;
e)前記リチウム溶出液を前記膜セルに渡す工程;
f)前記膜セル中の前記リチウム溶出液を電流にさらす工程であって、前記電流は、前記リチウム溶出液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液および前記精製リチウム濃縮物を作り出す、工程;および
g)前記酸性化溶液を前記膜セルから(c)の前記イオン交換装置に戻して再利用する工程
を含む、統合プロセス。
【請求項2】
前記リチウムが豊富なイオン交換材料は前記イオン交換装置中で処理される、請求項1に記載の統合プロセス。
【請求項3】
前記リチウム溶出液は前記イオン交換装置中で作り出される、請求項1に記載の統合プロセス。
【請求項4】
前記リチウム溶出液は、前記イオン交換装置から前記膜セルへと渡される、請求項3に記載の統合プロセス。
【請求項5】
(b)の前に、前記イオン交換装置中のイオン交換材料を酸溶液により処理することで、前記イオン交換装置中に水素が豊富なイオン交換材料を作り出す、請求項1に記載の統合プロセス。
【請求項6】
(b)はさらにpH調節を含み、該pH調節は、前記液体資源のリチウムイオンと交換されている前記水素が豊富なイオン交換材料の水素イオンを支持して平衡状態を維持する、請求項1に記載の統合プロセス。
【請求項7】
前記統合プロセスはさらに、前記酸溶液に加えて塩基により、前記リチウムが豊富なイオン交換材料を処理する工程を含む、請求項1に記載の統合プロセス。
【請求項8】
前記塩基はCa(OH)またはNaOHである、請求項7に記載の統合プロセス。
【請求項9】
前記統合プロセスはさらに、前記イオン交換装置および前記膜セルと流体連通される逆浸透装置を設ける工程を含み、該逆浸透装置は透水性膜を備えている、請求項1に記載の統合プロセス。
【請求項10】
(d)の前に、前記リチウム溶出液は、前記透水性膜と接している前記逆浸透装置に渡され、前記リチウム溶出液の水分子は前記透水性膜を通過して、水と濃縮リチウム溶出液を作り出す、請求項9に記載の統合プロセス。
【請求項11】
前記濃縮リチウム溶出液はさらに、(d)から(g)にさらされる、請求項10に記載の統合プロセス。
【請求項12】
前記透水性膜は、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリビニルアミン、ポリピロリジン、ポリフラン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリピペラジン-アミド、ポリベンズイミダゾリン、ポリオキサジアゾール、アセチル化セルロース、セルロース、スルホン化、カルボキシル化、リン酸化、またはそれらの組み合わせの代替的な官能基化を伴うポリマー、他のポリマー層、またはそれらの組み合わせを含む、請求項9に記載の統合プロセス。
【請求項13】
前記透水性膜はさらに、布製、ポリマー製、複合体、または金属製の支持具を備えている、請求項9または請求項12に記載の統合プロセス。
【請求項14】
前記統合プロセスはさらに、前記イオン交換装置および前記膜セルと流体連通される熱蒸発装置を設ける工程を含み、該熱蒸発装置は発熱体を備えている、請求項1に記載の統合プロセス。
【請求項15】
前記統合プロセスはさらに、前記イオン交換装置および前記膜セルと流体連通している精製装置を備えている、請求項1に記載の統合プロセス。
【請求項16】
(d)の前に、前記リチウム溶出液を前記精製装置に渡すことで、精製リチウム濃縮物が作り出される、請求項15に記載の統合プロセス。
【請求項17】
前記精製リチウム濃縮物はさらに、(d)から(g)にさらされる、請求項16に記載の統合プロセス。
【請求項18】
前記統合プロセスはさらに、前記膜セルと流体連通している晶析装置を設ける工程を含む、請求項1に記載の統合プロセス。
【請求項19】
前記リチウム溶出液は前記晶析装置へと渡される、請求項18に記載の統合プロセス。
【請求項20】
前記リチウム溶出液を前記晶析装置により処理することで、リチウム塩が作り出される、請求項19に記載の統合プロセス。
【請求項21】
前記リチウム塩は、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、水酸化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、硫酸リチウム、硫酸水素リチウム、リン酸リチウム、リン酸水素リチウム、リン酸二水素リチウム、または硝酸リチウムである、請求項20に記載の統合プロセス。
【請求項22】
前記リチウム塩は、固体、水溶液、またはスラリー状である、請求項20に記載の統合プロセス。
【請求項23】
前記液体資源は、天然塩水、溶解塩原、海水、濃縮海水、脱塩流出物、濃縮塩水、加工塩水、油田塩水、イオン交換プロセス由来の液体、溶剤抽出由来の液体、合成塩水、鉱石またはその組み合わせ由来の浸出液、鉱物またはその組み合わせ由来の浸出液、粘土またはその組み合わせ由来の浸出液、再資源製品由来の浸出液、再利用材料由来の浸出液、またはそれらの組み合わせである、請求項1に記載の統合プロセス。
【請求項24】
前記イオン交換材料は、LiFePO、LiMnPO、LiMO(M=Ti、Mn、Sn)、LiTi12、LiMn12、LiMn、Li1.6Mn1.6、LiMO(M=Al、Cu、Ti)、LiTiO、LiTi1124、LiVO、LiSi、LiCuP、Al(OH)、LiCl.xAl(OH).yHO、SnO.xSb.yHO、TiO.xSb.yHO、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせから成る群から選択され;ここで、xは0.1-10であり、yは0.1-10である、請求項1に記載の統合プロセス。
【請求項25】
前記イオン交換材料は、被覆イオン交換粒子、非被覆イオン交換粒子、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の統合プロセス。
【請求項26】
前記被覆イオン交換粒子はポリマーコーティングを含む、請求項25に記載の統合プロセス。
【請求項27】
前記被覆イオン交換粒子の前記ポリマーコーティングは、クロロポリマー、フルオロポリマー、クロロ-フルオロポリマー、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む、請求項25に記載の統合プロセス。
【請求項28】
前記イオン交換材料は多孔質イオン交換材料である、請求項1に記載の統合プロセス。
【請求項29】
前記イオン交換材料は多孔質ビーズの形である、請求項28に記載の統合プロセス。
【請求項30】
前記イオン交換材料は、粉末またはスラリーの形である、請求項1に記載の統合プロセス。
【請求項31】
前記酸溶液は、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、塩素酸、過塩素酸、硝酸、ギ酸、酢酸、またはそれらの組み合わせから成る溶液である、請求項1に記載の統合プロセス。
【請求項32】
前記イオン伝導膜は、陽イオン伝導膜または陰イオン伝導膜である、請求項1に記載の統合プロセス。
【請求項33】
前記陽イオン伝導膜または陰イオン伝導膜は、スルホン化テトラフルオロエチレンベースのフッ素ポリマーコポリマー、スルホン化テトラフルオロエチレン、スルホン化フッ素ポリマー、MK-40、それらのコポリマーまたは組み合わせを含む、請求項32に記載の統合プロセス。
【請求項34】
前記陰イオン伝導膜は、官能化ポリマー構造を含む、請求項32に記載の統合プロセス。
【請求項35】
前記ポリマー構造は、ポリアリーレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレン、パーフルオロ化ポリマー、ポリベンゾイミダゾール、ポリエピクロロヒドリン、不飽和ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルベンジル塩化物、ポリホスファゼン、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、これらポリマーの代替物、他の種類のポリマー、またはそれらの複合物を含む、請求項34に記載の統合プロセス。
【請求項36】
前記陽イオン伝導膜は、リチウムイオンの移動を可能にするが、陰イオン基の移動を妨げる、請求項32に記載の統合プロセス。
【請求項37】
前記イオン伝導膜の厚みは約1μm~約1000μmである、請求項1に記載の統合プロセス。
【請求項38】
前記イオン伝導膜の厚みは約1mm~約10mmである、請求項1に記載の統合プロセス。
【請求項39】
前記電極は、チタン、ニオブ、ジルコニウム、タンタル、マグネシウム、二酸化チタン、それらの酸化物、またはそれらの組み合わせで構成される、請求項1に記載の統合プロセス。
【請求項40】
前記電極はさらに、白金、TiO、ZrO、Nb、Ta、SnO、IrO、RuO、混合金属酸化物、グラフェン、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせのコーティングを含む、請求項39に記載の統合プロセス。
【請求項41】
液体資源から精製リチウム塩を生成するための統合プロセスであって、
a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;
b)前記イオン交換装置中の前記イオン交換材料を前記液体資源と接触させる工程であって、前記イオン交換材料の水素イオンは、前記液体資源のリチウムイオンと交換されることで、前記イオン交換装置にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出す、工程;
c)前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、前記リチウムが豊富なイオン交換材料の前記リチウムイオンは、前記酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;
d)前記イオン交換装置と流体連通している化学沈殿装置を設ける工程であって、該化学沈殿装置は、前記精製されたリチウム塩を沈殿させるように前記リチウム溶出液の処理を容易にすることができる、工程;
e)前記イオン交換装置中の前記リチウム溶出液を前記化学沈殿装置に渡す工程;および
f)前記精製されたリチウム塩を作り出すために、前記化学沈殿装置中で前記リチウム溶出液を処理する工程
を含む、統合プロセス。
【請求項42】
前記精製リチウム塩はLiClである、請求項41に記載の統合プロセス。
【請求項43】
LiCOを作り出すために前記LiClをNaCOで処理する工程をさらに含む、請求項42に記載の統合プロセス。
【請求項44】
前記化学沈殿装置は、HClを含む混合物を蒸留して取り除く、請求項42に記載の統合プロセス。
【請求項45】
前記HClは(c)へと再利用される、請求項44に記載の統合プロセス。
【請求項46】
前記精製リチウム塩はLiSOである、請求項41に記載の統合プロセス。
【請求項47】
LiCOを作り出すために、前記LiSOをNaCOで処理する工程をさらに含む、請求項46に記載の統合プロセス。
【請求項48】
前記精製リチウム塩を前記化学沈殿装置においてNaCOで処理することで、LiCOが作り出される、請求項41に記載の統合プロセス。
【請求項49】
前記リチウムが豊富なイオン交換材料は前記イオン交換装置中で処理される、請求項41に記載の統合プロセス。
【請求項50】
前記リチウム溶出液は前記イオン交換装置中で作り出される、請求項41に記載の統合プロセス。
【請求項51】
前記リチウム溶出液は、前記イオン交換装置から前記化学沈殿装置へと渡される、請求項41に記載の統合プロセス。
【請求項52】
(b)の前に、前記イオン交換装置中のイオン交換材料を酸溶液により処理することで、前記イオン交換装置中に水素が豊富なイオン交換材料を作り出す、請求項41に記載の統合プロセス。
【請求項53】
(b)はさらにpH調節を含み、該pH調節は、前記液体資源のリチウムイオンと交換されている前記水素が豊富なイオン交換材料の水素イオンを支持して平衡状態を維持する、請求項41に記載の統合プロセス。
【請求項54】
リチウム溶出溶液は、アルカリまたはアルカリ金属水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩、それらの組み合わせ、またはNHの添加により精製されることで、塩基性沈殿物として不純物を沈殿させる、請求項41に記載の統合プロセス。
【請求項55】
前記アルカリまたはアルカリ金属水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩は、LiOH、NaOH、KOH、Ca(OH)、LiCO、NaCO、KCO、CaCO、またはそれらの組み合わせから選択される、請求項54に記載の統合プロセス。
【請求項56】
前記塩基性沈殿物は、pH調節のために(b)へ再利用される、請求項54または55に記載の統合プロセス。
【請求項57】
前記イオン交換材料は、被覆イオン交換粒子、非被覆イオン交換粒子、またはそれらの組み合わせを含む、請求項41に記載の統合プロセス。
【請求項58】
前記被覆イオン交換粒子はポリマーコーティングを含む、請求項57に記載の統合プロセス。
【請求項59】
前記被覆イオン交換粒子の前記ポリマーコーティングは、クロロポリマー、フルオロポリマー、クロロ-フルオロポリマー、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む、請求項58に記載の統合プロセス。
【請求項60】
液体資源から精製リチウム濃縮物を生成するための統合システムであって、
a)イオン交換材料を含むイオン交換装置であって、前記イオン交換装置により、
(i)前記イオン交換材料は前記液体資源に接触することでリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出すことができ;および
(ii)前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸性化溶液で処理することができる、イオン交換装置;
b)膜セルであって、(i)電気化学還元電極を含む第1の区画、(ii)電気化学酸化電極を含む第2の区画、および(iii)前記第1の区画と前記第2の区画とを分けるイオン伝導膜を備えている、膜セル;および
c)前記膜セルから前記イオン交換装置へと前記酸性化溶液を運ぶことが可能な再利用ループを備えており;
前記イオン交換装置、前記膜セル、および再利用システムは、流体連通状態にある、統合システム。
【請求項61】
前記統合システムはさらに、前記イオン交換装置および前記膜セルと流体連通される逆浸透装置を備え、該逆浸透装置は透水性膜を備えている、請求項60に記載の統合システム。
【請求項62】
前記透水性膜は、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリビニルアミン、ポリピロリジン、ポリフラン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリピペラジン-アミド、ポリベンズイミダゾリン、ポリオキサジアゾール、アセチル化セルロース、セルロース、スルホン化、カルボキシル化、リン酸化、またはそれらの組み合わせの代替的な官能基化を伴うポリマー、他のポリマー層、またはそれらの組み合わせを含む、請求項61に記載の統合システム。
【請求項63】
前記透水性膜はさらに、布製、ポリマー製、複合体、または金属製の支持具を備えている、請求項61または請求項62に記載の統合システム。
【請求項64】
前記統合システムはさらに、前記イオン交換装置および前記膜セルと流体連通される熱蒸発装置を備え、該熱蒸発装置は発熱体を備えている、請求項60に記載の統合システム。
【請求項65】
前記システムはさらに、前記イオン交換装置および前記膜セルと流体連通している精製装置を備えている、請求項60に記載の統合システム。
【請求項66】
前記統合システムはさらに、前記膜セルと流体連通している晶析装置を備えている、請求項60に記載の統合システム。
【請求項67】
前記液体資源は、天然塩水、溶解塩原、海水、濃縮海水、脱塩流出物、濃縮塩水、加工塩水、油田塩水、イオン交換プロセス由来の液体、溶剤抽出由来の液体、合成塩水、鉱石またはその組み合わせ由来の浸出液、鉱物またはその組み合わせ由来の浸出液、粘土またはその組み合わせ由来の浸出液、再資源製品由来の浸出液、再利用材料由来の浸出液、またはそれらの組み合わせである、請求項60に記載の統合システム。
【請求項68】
前記イオン交換材料は、LiFePO、LiMnPO、LiMO(M=Ti、Mn、Sn)、LiTi12、LiMn12、LiMn、Li1.6Mn1.6、LiMO(M=Al、Cu、Ti)、LiTiO、LiTi1124、LiVO、LiSi、LiCuP、Al(OH)、LiCl.xAl(OH).yHO、SnO.xSb.yHO、TiO.xSb.yHO、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせから成る群から選択され;ここで、xは0.1-10であり、yは0.1-10である、請求項60に記載の統合システム。
【請求項69】
前記イオン交換材料は、被覆イオン交換粒子、非被覆イオン交換粒子、またはそれらの組み合わせを含む、請求項60に記載の統合システム。
【請求項70】
前記被覆イオン交換粒子はポリマーコーティングを含む、請求項69に記載の統合システム。
【請求項71】
前記被覆イオン交換粒子の前記ポリマーコーティングは、クロロポリマー、フルオロポリマー、クロロ-フルオロポリマー、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む、請求項70に記載の統合システム。
【請求項72】
前記イオン交換材料は多孔質イオン交換材料である、請求項60に記載の統合システム。
【請求項73】
前記イオン交換材料は多孔質ビーズの形である、請求項60に記載の統合システム。
【請求項74】
前記イオン交換材料は粉末の形である、請求項60に記載の統合システム。
【請求項75】
前記酸性化溶液はHSOまたはHClの溶液である、請求項60に記載の統合システム。
【請求項76】
液体資源から精製リチウム塩を生成するための統合システムであって、
a)イオン交換材料を含むイオン交換装置であって、前記イオン交換材料により、
(i)前記イオン交換材料は前記液体資源に接触することでリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出すことができ;および
(ii)前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸性化溶液で処理することでリチウム溶出溶液を作り出すことができる、イオン交換装置;
b)酸回収装置であって、酸が前記リチウム溶出溶液から回収され、随意に前記イオン交換装置へと再利用される、酸回収装置;および
c)化学沈殿装置を備えており;
前記イオン交換装置、前記酸回収装置、および前記化学沈殿装置は、流体連通状態にある、統合システム。
【請求項77】
前記統合システムはさらに、前記イオン交換装置、前記酸回収装置、および前記化学沈殿装置と流体連通される逆浸透装置を備え、該逆浸透装置は透水性膜を備えている、請求項76に記載の統合システム。
【請求項78】
前記透水性膜は、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリビニルアミン、ポリピロリジン、ポリフラン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリピペラジン-アミド、ポリベンズイミダゾリン、ポリオキサジアゾール、アセチル化セルロース、セルロース、スルホン化、カルボキシル化、リン酸化、またはそれらの組み合わせの代替的な官能基化を伴うポリマー、他のポリマー層、またはそれらの組み合わせを含む、請求項77に記載の統合システム。
【請求項79】
前記透水性膜はさらに、布製、ポリマー製、複合体、または金属製の支持具を備えている、請求項77または請求項78に記載の統合システム。
【請求項80】
前記統合システムはさらに、前記イオン交換装置および前記膜セルと流体連通される熱蒸発装置を備え、該熱蒸発装置は発熱体を備えている、請求項76に記載の統合システム。
【請求項81】
前記統合システムはさらに、前記イオン交換装置および前記膜セルと流体連通している精製装置を備えている、請求項76に記載の統合システム。
【請求項82】
前記統合システムはさらに、前記リチウム溶出溶液にNaCOを添加することでLiCOを沈殿させるための炭酸化装置を備えている、請求項76に記載の統合システム。
【請求項83】
前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている、請求項76または82に記載の統合システム。
【請求項84】
前記液体資源は、天然塩水、溶解塩原、海水、濃縮海水、脱塩流出物、濃縮塩水、加工塩水、油田塩水、イオン交換プロセス由来の液体、溶剤抽出由来の液体、合成塩水、鉱石またはその組み合わせ由来の浸出液、鉱物またはその組み合わせ由来の浸出液、粘土またはその組み合わせ由来の浸出液、再資源製品由来の浸出液、再利用材料由来の浸出液、またはそれらの組み合わせである、請求項76に記載の統合システム。
【請求項85】
前記イオン交換材料は、LiFePO、LiMnPO、LiMO(M=Ti、Mn、Sn)、LiTi12、LiMn12、LiMn、Li1.6Mn1.6、LiMO(M=Al、Cu、Ti)、LiTiO、LiTi1124、LiVO、LiSi、LiCuP、Al(OH)、LiCl.xAl(OH).yHO、SnO.xSb.yHO、TiO.xSb.yHO、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせから成る群から選択され;ここで、xは0.1-10であり、yは0.1-10である、請求項76に記載の統合システム。
【請求項86】
前記イオン交換材料は、被覆イオン交換粒子、非被覆イオン交換粒子、またはそれらの組み合わせを含む、請求項76に記載の統合システム。
【請求項87】
前記被覆イオン交換粒子はポリマーコーティングを含む、請求項86に記載の統合システム。
【請求項88】
前記被覆イオン交換粒子の前記ポリマーコーティングは、クロロポリマー、フルオロポリマー、クロロ-フルオロポリマー、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む、請求項87に記載の統合システム。
【請求項89】
前記イオン交換材料は多孔質イオン交換材料である、請求項76に記載の統合システム。
【請求項90】
前記イオン交換材料は多孔質ビーズの形である、請求項76に記載の統合システム。
【請求項91】
前記イオン交換材料は粉末の形である、請求項76に記載の統合システム。
【請求項92】
前記溶液はHSOまたはHClの溶液である、請求項76に記載の統合システム。
【請求項93】
液体資源から精製リチウム塩を生成するための統合プロセスであって、
a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;
b)前記イオン交換装置中の前記イオン交換材料を前記液体資源と接触させる工程であって、前記イオン交換材料の水素イオンは、前記液体資源のリチウムイオンと交換されることで、前記イオン交換装置にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出す、工程;
c)前記イオン交換装置中の前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、前記リチウムが豊富なイオン交換材料の前記リチウムイオンは、前記酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;
d)前記イオン交換装置と流体連通している電気化学セルを設ける工程であって、前記電気化学セルは、(i)電気化学還元電極である第1の電極、(ii)電気化学酸化電極である第2の電極、および(iii)前記第1の電極と前記第2の電極とを分けるイオン伝導溶液を備えている、工程;
e)前記リチウム溶出液を前記電気化学セルに渡す工程;
f)前記電気化学セル中の前記リチウム溶出液を電流にさらす工程であって、前記電流は、前記リチウム溶出液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液およびリチウム塩溶液を作り出す、工程;
g)前記精製リチウム塩を形成するために前記リチウム塩溶液を結晶化する工程;および
h)前記酸性化溶液を前記電気化学セルから(c)の前記イオン交換装置に戻して再利用する工程
を含む、統合プロセス。
【請求項94】
前記リチウムが豊富なイオン交換材料は前記イオン交換装置中で処理される、請求項93に記載の統合プロセス。
【請求項95】
前記リチウム溶出液は前記イオン交換装置中で作り出される、請求項93に記載の統合プロセス。
【請求項96】
前記リチウム溶出液は、前記イオン交換装置から前記電気化学セルへと渡される、請求項95に記載の統合プロセス。
【請求項97】
(b)の前に、前記イオン交換装置中のイオン交換材料を酸溶液により処理することで、前記イオン交換装置中に水素が豊富なイオン交換材料を作り出す、請求項93に記載の統合プロセス。
【請求項98】
(b)はさらにpH調節を含み、該pH調節は、前記液体資源のリチウムイオンと交換されている前記水素が豊富なイオン交換材料の水素イオンを支持して平衡状態を維持する、請求項93に記載の統合プロセス。
【請求項99】
前記統合プロセスはさらに、前記イオン交換装置および前記電気化学セルと流体連通される逆浸透装置を設ける工程を含み、該逆浸透装置は透水性膜を備えている、請求項93に記載の統合プロセス。
【請求項100】
(d)の前に、前記リチウム溶出液は、前記透水性膜と接している前記逆浸透装置に渡され、前記リチウム溶出液の水分子は前記透水性膜を通過して、水と濃縮リチウム溶出液を作り出す、請求項99に記載の統合プロセス。
【請求項101】
前記濃縮リチウム溶出液はさらに、(d)から(h)にさらされる、請求項100に記載の統合プロセス。
【請求項102】
前記透水性膜は、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリビニルアミン、ポリピロリジン、ポリフラン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリピペラジン-アミド、ポリベンズイミダゾリン、ポリオキサジアゾール、アセチル化セルロース、セルロース、スルホン化、カルボキシル化、リン酸化、またはそれらの組み合わせの代替的な官能基化を伴うポリマー、他のポリマー層、またはそれらの組み合わせを含む、請求項99に記載の統合プロセス。
【請求項103】
前記透水性膜はさらに、布製、ポリマー製、複合体、または金属製の支持具を備えている、請求項99に記載の統合プロセス。
【請求項104】
前記統合プロセスはさらに、前記イオン交換装置および前記電気化学セルと流体連通される熱蒸発装置を設ける工程を含み、該熱蒸発装置は発熱体を備えている、請求項93に記載の統合プロセス。
【請求項105】
前記統合プロセスはさらに、前記イオン交換装置および前記電気化学セルと流体連通している精製装置を備えている、請求項93に記載の統合プロセス。
【請求項106】
(d)の前に、前記リチウム溶出液を前記精製装置に渡すことで、精製リチウム濃縮物が作り出される、請求項105に記載の統合プロセス。
【請求項107】
前記精製リチウム濃縮物はさらに、(d)から(h)にさらされる、請求項106に記載の統合プロセス。
【請求項108】
前記統合プロセスはさらに、前記イオン交換装置および前記電気化学セルと流体連通している晶析装置を備えている、請求項93に記載の統合プロセス。
【請求項109】
(d)の前に、前記リチウム溶出液を前記晶析装置に渡すことで、リチウム塩が作り出される、請求項108に記載の統合プロセス。
【請求項110】
前記リチウム塩は、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、水酸化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、硫酸リチウム、硫酸水素リチウム、リン酸リチウム、リン酸水素リチウム、リン酸二水素リチウム、または硝酸リチウムである、請求項109に記載の統合プロセス。
【請求項111】
前記リチウム塩は炭酸リチウムである、請求項109に記載の統合プロセス。
【請求項112】
前記リチウム塩は水酸化リチウムである、請求項109に記載の統合プロセス。
【請求項113】
前記リチウム塩は、固体、水溶液、またはスラリー状である、請求項109に記載の統合プロセス。
【請求項114】
前記液体資源は、天然塩水、溶解塩原、海水、濃縮海水、脱塩流出物、濃縮塩水、加工塩水、油田塩水、イオン交換プロセス由来の液体、溶剤抽出由来の液体、合成塩水、鉱石またはその組み合わせ由来の浸出液、鉱物またはその組み合わせ由来の浸出液、粘土またはその組み合わせ由来の浸出液、再資源製品由来の浸出液、再利用材料由来の浸出液、またはそれらの組み合わせである、請求項93に記載の統合プロセス。
【請求項115】
前記イオン交換材料は、LiFePO、LiMnPO、LiMO(M=Ti、Mn、Sn)、LiTi12、LiMn12、LiMn、Li1.6Mn1.6、LiMO(M=Al、Cu、Ti)、LiTiO、LiTi1124、LiVO、LiSi、またはLiCuPから成る群から選択される、請求項93に記載の統合プロセス。
【請求項116】
前記イオン交換材料は、被覆イオン交換粒子、非被覆イオン交換粒子、またはそれらの組み合わせを含む、請求項93に記載の統合プロセス。
【請求項117】
前記被覆イオン交換粒子はポリマーコーティングを含む、請求項116に記載の統合プロセス。
【請求項118】
前記被覆イオン交換粒子の前記ポリマーコーティングは、クロロポリマー、フルオロポリマー、クロロ-フルオロポリマー、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む、請求項117に記載の統合プロセス。
【請求項119】
前記イオン交換材料は被覆イオン交換粒子を含む、請求項93に記載の統合プロセス。
【請求項120】
前記イオン交換材料は、粉末またはスラリーの形である、請求項93に記載の統合プロセス。
【請求項121】
前記酸溶液は、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、塩素酸、過塩素酸、硝酸、ギ酸、酢酸、またはそれらの組み合わせから成る溶液である、請求項93に記載の統合プロセス。
【請求項122】
前記イオン伝導膜は、陽イオン伝導膜、陰イオン伝導膜、またはそれらの組み合わせである、請求項93に記載の統合プロセス。
【請求項123】
前記イオン伝導膜は、スルホン化テトラフルオロエチレンベースのフッ素ポリマーコポリマー、スルホン化テトラフルオロエチレン、スルホン化フッ素ポリマー、MK-40、それらのコポリマーまたは組み合わせを含む、請求項93に記載の統合プロセス。
【請求項124】
前記陰イオン伝導膜は、官能化ポリマー構造を含む、請求項122に記載の統合プロセス。
【請求項125】
前記官能化ポリマー構造は、ポリアリーレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレン、パーフルオロ化ポリマー、ポリベンゾイミダゾール、ポリエピクロロヒドリン、不飽和ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルベンジル塩化物、ポリホスファゼン、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、これらポリマーの代替物、他の種類のポリマー、またはそれらの複合物を含む、請求項124に記載の統合プロセス。
【請求項126】
前記陽イオン伝導膜は、リチウムイオンの移動を可能にするが、陰イオン基の移動を妨げる、請求項122に記載の統合プロセス。
【請求項127】
前記イオン伝導膜の厚みは約1μm~約1000μmである、請求項93に記載の統合プロセス。
【請求項128】
前記イオン伝導膜の厚みは約1mm~約10mmである、請求項93に記載の統合プロセス。
【請求項129】
前記電極は、チタン、ニオブ、ジルコニウム、タンタル、マグネシウム、二酸化チタン、それらの酸化物、またはそれらの組み合わせで構成される、請求項93に記載の統合プロセス。
【請求項130】
前記電極はさらに、白金、TiO、ZrO、Nb、Ta、SnO、IrO、RuO、混合金属酸化物、グラフェン、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせのコーティングを含む、請求項129に記載の統合プロセス。
【請求項131】
液体資源から精製リチウム塩を作り出すための統合プロセスであって、
a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;
b)前記イオン交換装置中の前記イオン交換材料を前記液体資源と接触させる工程であって、前記イオン交換材料の水素イオンは、前記液体資源のリチウムイオンと交換されることで、前記イオン交換装置にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出す、工程;
c)前記イオン交換装置中の前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、前記リチウムが豊富なイオン交換材料の前記リチウムイオンは、前記酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;
d)前記イオン交換装置と流体連通している晶析装置を設ける工程であって、該晶析装置は沈殿剤を前記リチウム溶出液に添加するように構成される、工程;
e)前記リチウム溶出液を前記晶析装置に渡す工程;
f)リチウム塩および残りの溶出液を沈殿させるために、沈殿剤により前記晶析装置中の前記リチウム溶出液を処理する工程;
g)前記晶析装置と流体連通している電気化学セルを設ける工程であって、該電気化学セルは、(i)第1の電気化学還元電極および(ii)第2の電気化学酸化電極を備えている、工程;
h)前記残りの溶出液を前記電気化学セルに渡す工程;
i)前記電気化学セル中の前記残りの溶出液を電流にさらす工程であって、前記電流は、前記残りの溶出液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液および塩基性化溶液を作り出す、工程;および
j)前記酸性化溶液および前記塩基性化溶液を、前記電気化学セルから、(a)~(c)の前記イオン交換装置のいずれか1つに戻して再利用する工程
を含む、統合プロセス。
【請求項132】
前記リチウムが豊富なイオン交換材料は前記イオン交換装置中で処理される、請求項131に記載の統合プロセス。
【請求項133】
前記リチウム溶出液は前記イオン交換装置中で作り出される、請求項131に記載の統合プロセス。
【請求項134】
(b)の前に、前記イオン交換装置中のイオン交換材料を酸溶液により処理することで、前記イオン交換装置中に水素が豊富なイオン交換材料を作り出す、請求項131に記載の統合プロセス。
【請求項135】
(b)はさらにpH調節を含み、該pH調節は、前記液体資源のリチウムイオンと交換されている前記水素が豊富なイオン交換材料の水素イオンを支持して平衡状態を維持する、請求項131に記載の統合プロセス。
【請求項136】
前記統合プロセスはさらに、塩基により、前記リチウムが豊富なイオン交換材料を処理する工程を含む、請求項131に記載の統合プロセス。
【請求項137】
前記塩基はCa(OH)またはNaOHである、請求項136に記載の統合プロセス。
【請求項138】
前記統合プロセスはさらに、前記イオン交換装置および前記晶析装置と流体連通される逆浸透装置を設ける工程を含み、該逆浸透装置は透水性膜を備えている、請求項131に記載の統合プロセス。
【請求項139】
(d)の前に、前記リチウム溶出液は、前記透水性膜と接している前記逆浸透装置に渡され、前記リチウム溶出液の水分子は前記透水性膜を通過して、水と濃縮リチウム溶出液を作り出す、請求項138に記載の統合プロセス。
【請求項140】
前記濃縮リチウム溶出液はさらに、(d)から(j)にさらされる、請求項139に記載の統合プロセス。
【請求項141】
前記透水性膜は、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリビニルアミン、ポリピロリジン、ポリフラン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリピペラジン-アミド、ポリベンズイミダゾリン、ポリオキサジアゾール、アセチル化セルロース、セルロース、スルホン化、カルボキシル化、リン酸化、またはそれらの組み合わせの代替的な官能基化を伴うポリマー、他のポリマー層、またはそれらの組み合わせを含む、請求項138に記載の統合プロセス。
【請求項142】
前記透水性膜はさらに、布製、ポリマー製、複合体、または金属製の支持具を備えている、請求項138に記載の統合プロセス。
【請求項143】
前記統合プロセスはさらに、前記イオン交換装置および前記晶析装置と流体連通される熱蒸発装置を設ける工程を含み、該熱蒸発装置は発熱体を備えている、請求項131に記載の統合プロセス。
【請求項144】
前記統合プロセスはさらに、前記イオン交換装置および前記電気化学セルと流体連通している精製装置を備えている、請求項131に記載の統合プロセス。
【請求項145】
(d)の前に、前記リチウム溶出液を前記精製装置に渡すことで、精製リチウム濃縮物が作り出される、請求項144に記載の統合プロセス。
【請求項146】
前記精製リチウム濃縮物はさらに、(d)から(j)にさらされる、請求項145に記載の統合プロセス。
【請求項147】
前記精製リチウム塩は、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、水酸化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、硫酸リチウム、硫酸水素リチウム、リン酸リチウム、リン酸水素リチウム、リン酸二水素リチウム、または硝酸リチウムである、請求項131に記載の統合プロセス。
【請求項148】
前記リチウム塩は炭酸リチウムである、請求項131に記載の統合プロセス。
【請求項149】
前記リチウム塩は水酸化リチウムである、請求項131に記載の統合プロセス。
【請求項150】
前記精製リチウム塩は、固体、水溶液、またはスラリー状である、請求項131に記載の統合プロセス。
【請求項151】
前記液体資源は、天然塩水、溶解塩原、海水、濃縮海水、脱塩流出物、濃縮塩水、加工塩水、油田塩水、イオン交換プロセス由来の液体、溶剤抽出由来の液体、合成塩水、鉱石またはその組み合わせ由来の浸出液、鉱物またはその組み合わせ由来の浸出液、粘土またはその組み合わせ由来の浸出液、再資源製品由来の浸出液、再利用材料由来の浸出液、またはそれらの組み合わせである、請求項131に記載の統合プロセス。
【請求項152】
前記イオン交換材料は、LiFePO、LiMnPO、LiMO(M=Ti、Mn、Sn)、LiTi12、LiMn12、LiMn、Li1.6Mn1.6、LiMO(M=Al、Cu、Ti)、LiTiO、LiTi1124、LiVO、LiSi、LiCuP、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせから成る群から選択され、ここで、xは0.1-10であり、yは0.1-10である、請求項131に記載の統合プロセス。
【請求項153】
前記イオン交換材料は、被覆イオン交換粒子、非被覆イオン交換粒子、またはそれらの組み合わせを含む、請求項131に記載の統合プロセス。
【請求項154】
前記イオン交換材料は被覆イオン交換粒子を含む、請求項131に記載の統合プロセス。
【請求項155】
前記被覆イオン交換粒子はポリマーコーティングを含む、請求項154に記載の統合プロセス。
【請求項156】
前記被覆イオン交換粒子の前記ポリマーコーティングは、クロロポリマー、フルオロポリマー、クロロ-フルオロポリマー、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む、請求項155に記載の統合プロセス。
【請求項157】
前記イオン交換材料は、粉末またはスラリーの形である、請求項131に記載の統合プロセス。
【請求項158】
前記酸溶液は、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、塩素酸、過塩素酸、硝酸、ギ酸、酢酸、またはそれらの組み合わせから成る溶液である、請求項131に記載の統合プロセス。
【請求項159】
前記イオン伝導膜は、陽イオン伝導膜または陰イオン伝導膜である、請求項131に記載の統合プロセス。
【請求項160】
前記陽イオン伝導膜または陰イオン伝導膜は、スルホン化テトラフルオロエチレンベースのフッ素ポリマーコポリマー、スルホン化テトラフルオロエチレン、スルホン化フッ素ポリマー、MK-40、それらのコポリマーまたは組み合わせを含む、請求項159に記載の統合プロセス。
【請求項161】
前記陰イオン伝導膜は、官能化ポリマー構造を含む、請求項159に記載の統合プロセス。
【請求項162】
前記ポリマー構造は、ポリアリーレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレン、パーフルオロ化ポリマー、ポリベンゾイミダゾール、ポリエピクロロヒドリン、不飽和ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルベンジル塩化物、ポリホスファゼン、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、これらポリマーの代替物、他の種類のポリマー、またはそれらの複合物を含む、請求項161に記載の統合プロセス。
【請求項163】
前記陽イオン伝導膜は、リチウムイオンの移動を可能にするが、陰イオン基の移動を妨げる、請求項159に記載の統合プロセス。
【請求項164】
前記イオン伝導膜の厚みは約1μm~約1000μmである、請求項131に記載の統合プロセス。
【請求項165】
前記イオン伝導膜の厚みは約1mm~約10mmである、請求項131に記載の統合プロセス。
【請求項166】
前記電極は、チタン、ニオブ、ジルコニウム、タンタル、マグネシウム、二酸化チタン、それらの酸化物、またはそれらの組み合わせで構成される、請求項131に記載の統合プロセス。
【請求項167】
前記電極はさらに、白金、TiO、ZrO、Nb、Ta、SnO、IrO、RuO、混合金属酸化物、グラフェン、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせのコーティングを含む、請求項166に記載の統合プロセス。
【請求項168】
前記沈殿剤は炭酸塩またはリン酸塩である、請求項131に記載の統合プロセス。
【請求項169】
前記沈殿剤は炭酸ナトリウムである、請求項131に記載の統合プロセス。
【請求項170】
液体資源から精製リチウム塩を作り出すための統合プロセスであって、
a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;
b)前記イオン交換装置中の前記イオン交換材料を前記液体資源と接触させる工程であって、前記イオン交換材料の水素イオンは、前記液体資源のリチウムイオンと交換されることで、前記イオン交換装置にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出し、水酸化ナトリウムを塩水に添加すると、イオン交換材料からプロトンが中和される、工程;
c)前記イオン交換装置中の前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、前記リチウムが豊富なイオン交換材料の前記リチウムイオンは、前記酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;
d)前記イオン交換装置と流体連通されている逆浸透装置を設ける工程であって、前記逆浸透装置は透水性膜を備えている、工程;
e)前記リチウム溶出液を前記イオン交換装置から前記逆浸透装置へと渡す工程であって、それにより前記リチウム溶出液は前記透水性膜と接触し、前記リチウム溶出液の水分子は前記透水性膜を通過することで、水および濃縮リチウム溶出液を作り出す、工程;
f)前記逆浸透装置と流体連通している熱蒸発装置を設ける工程であって、前記熱蒸発装置は発熱体を備えている、工程;
g)前記濃縮リチウム溶出液を前記逆浸透装置から前記熱蒸発装置へと渡す工程であって、それによりさらなる濃縮リチウム溶出液を作り出す、工程;
h)前記熱蒸発装置と流体連通している精製装置を設ける工程;
i)前記さらなる濃縮リチウム溶出液を前記熱蒸発装置から前記精製装置へと渡す工程であって、それにより精製リチウム濃縮物を作り出す、工程;
j)前記精製装置と流体連通している晶析装置を設ける工程であって、該晶析装置は沈殿剤を前記精製リチウム濃縮物に添加するように構成される、工程;
k)リチウム塩と残りの溶出液を沈殿させるために、前記精製リチウム濃縮物を前記沈殿剤で処理する工程;
l)前記晶析装置と流体連通している電気化学セルを設ける工程であって、該電気化学セルは、(i)第1の電気化学還元電極および(ii)第2の電気化学酸化電極を備えている、工程;
m)前記残りの溶出液を前記電気化学セルに渡す工程;
n)前記電気化学セル中の前記残りの溶出液を電流にさらす工程であって、前記電流は、前記残りの溶出液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液および塩基性化溶液を作り出す、工程;および
o)前記酸性化溶液および前記塩基性化溶液を、前記電気化学セルから、(a)~(c)の前記イオン交換装置のいずれか1つに戻して再利用する工程
を含む、統合プロセス。
【請求項171】
前記リチウムが豊富なイオン交換材料は前記イオン交換装置中で処理される、請求項170に記載の統合プロセス。
【請求項172】
前記リチウム溶出液は前記イオン交換装置中で作り出される、請求項170に記載の統合プロセス。
【請求項173】
(b)の前に、前記イオン交換装置中のイオン交換材料を酸溶液により処理することで、前記イオン交換装置中に水素が豊富なイオン交換材料を作り出す、請求項170に記載の統合プロセス。
【請求項174】
(b)はさらにpH調節を含み、該pH調節は、前記液体資源のリチウムイオンと交換されている前記水素が豊富なイオン交換材料の水素イオンを支持して平衡状態を維持する、請求項170に記載の統合プロセス。
【請求項175】
前記統合プロセスはさらに、前記酸溶液に加えて塩基により、前記リチウムが豊富なイオン交換材料を処理する工程を含む、請求項170に記載の統合プロセス。
【請求項176】
前記塩基はCa(OH)またはNaOHである、請求項175に記載の統合プロセス。
【請求項177】
前記透水性膜は、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリビニルアミン、ポリピロリジン、ポリフラン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリピペラジン-アミド、ポリベンズイミダゾリン、ポリオキサジアゾール、アセチル化セルロース、セルロース、スルホン化、カルボキシル化、リン酸化、またはそれらの組み合わせの代替的な官能基化を伴うポリマー、他のポリマー層、またはそれらの組み合わせを含む、請求項170に記載の統合プロセス。
【請求項178】
前記透水性膜はさらに、布製、ポリマー製、複合体、または金属製の支持具を備えている、請求項170に記載の統合プロセス。
【請求項179】
前記精製リチウム塩は、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、水酸化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、硫酸リチウム、硫酸水素リチウム、リン酸リチウム、リン酸水素リチウム、リン酸二水素リチウム、または硝酸リチウムである、請求項170に記載の統合プロセス。
【請求項180】
前記リチウム塩は炭酸リチウムである、請求項170に記載の統合プロセス。
【請求項181】
前記リチウム塩は水酸化リチウムである、請求項170に記載の統合プロセス。
【請求項182】
前記精製リチウム塩は、固体、水溶液、またはスラリー状である、請求項170に記載の統合プロセス。
【請求項183】
前記液体資源は、天然塩水、溶解塩原、海水、濃縮海水、脱塩流出物、濃縮塩水、加工塩水、油田塩水、イオン交換プロセス由来の液体、溶剤抽出由来の液体、合成塩水、鉱石またはその組み合わせ由来の浸出液、鉱物またはその組み合わせ由来の浸出液、粘土またはその組み合わせ由来の浸出液、再資源製品由来の浸出液、再利用材料由来の浸出液、またはそれらの組み合わせである、請求項170に記載の統合プロセス。
【請求項184】
前記イオン交換材料は、LiFePO、LiMnPO、LiMO(M=Ti、Mn、Sn)、LiTi12、LiMn12、LiMn、Li1.6Mn1.6、LiMO(M=Al、Cu、Ti)、LiTiO、LiTi1124、LiVO、LiSi、LiCuP、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項170に記載の統合プロセス。
【請求項185】
前記イオン交換材料は、被覆イオン交換粒子、非被覆イオン交換粒子、またはそれらの組み合わせを含む、請求項170に記載の統合プロセス。
【請求項186】
前記イオン交換材料は被覆イオン交換粒子を含む、請求項185に記載の統合プロセス。
【請求項187】
前記被覆イオン交換粒子はポリマーコーティングを含む、請求項186に記載の統合プロセス。
【請求項188】
前記被覆イオン交換粒子の前記ポリマーコーティングは、クロロポリマー、フルオロポリマー、クロロ-フルオロポリマー、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む、請求項187に記載の統合プロセス。
【請求項189】
前記イオン交換材料は、粉末またはスラリーの形である、請求項170に記載の統合プロセス。
【請求項190】
前記酸溶液は、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、塩素酸、過塩素酸、硝酸、ギ酸、酢酸、またはそれらの組み合わせから成る溶液である、請求項170に記載の統合プロセス。
【請求項191】
前記イオン伝導膜は、陽イオン伝導膜または陰イオン伝導膜である、請求項170に記載の統合プロセス。
【請求項192】
前記陽イオン伝導膜または陰イオン伝導膜は、スルホン化テトラフルオロエチレンベースのフッ素ポリマーコポリマー、スルホン化テトラフルオロエチレン、スルホン化フッ素ポリマー、MK-40、それらのコポリマーまたは組み合わせを含む、請求項191に記載の統合プロセス。
【請求項193】
前記陰イオン伝導膜は、官能化ポリマー構造を含む、請求項191に記載の統合プロセス。
【請求項194】
前記ポリマー構造は、ポリアリーレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレン、パーフルオロ化ポリマー、ポリベンゾイミダゾール、ポリエピクロロヒドリン、不飽和ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルベンジル塩化物、ポリホスファゼン、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、これらポリマーの代替物、他の種類のポリマー、またはそれらの複合物を含む、請求項193に記載の統合プロセス。
【請求項195】
前記陽イオン伝導膜は、リチウムイオンの移動を可能にするが、陰イオン基の移動を妨げる、請求項191に記載の統合プロセス。
【請求項196】
前記イオン伝導膜の厚みは約1μm~約1000μmである、請求項170に記載の統合プロセス。
【請求項197】
前記イオン伝導膜の厚みは約1mm~約10mmである、請求項170に記載の統合プロセス。
【請求項198】
前記電極は、チタン、ニオブ、ジルコニウム、タンタル、マグネシウム、二酸化チタン、それらの酸化物、またはそれらの組み合わせで構成される、請求項170に記載の統合プロセス。
【請求項199】
前記電極はさらに、白金、TiO、ZrO、Nb、Ta、SnO、IrO、RuO、混合金属酸化物、グラフェン、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせのコーティングを含む、請求項170に記載の統合プロセス。
【請求項200】
前記沈殿剤は炭酸塩またはリン酸塩である、請求項170に記載の統合プロセス。
【請求項201】
前記沈殿剤は炭酸ナトリウムである、請求項170に記載の統合プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2018年2月17日出願の米国仮出願第62/631,688号;および2018年12月18日出願の米国仮出願第62/781,515号の利益を主張するものであり、各出願はその全体を引用することによって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
リチウムは、高エネルギー充電式バッテリーなどの技術製品に必要とされる要素である。天然塩水や合成塩水、および鉱物や再資源製品由来の浸出溶液を含む、様々な液体溶液にリチウムを見出すことができる。
【発明の概要】
【0003】
リチウムは、無機イオン交換材料に基づくイオン交換プロセスを用いて液体資源から抽出可能である。無機イオン交換材料は、水素を放出しながら液体資源からリチウムイオンを吸収し、次いで、水素イオンを吸収しながら酸の中のリチウムイオンを溶出する。イオン交換プロセスを繰り返して、液体資源からリチウムイオンを抽出し、かつ濃縮リチウムイオン溶液を産出することができる。バッテリー産業などの産業に用いるために、濃縮リチウムイオン溶液を化学品へとさらに処理することができる。
【0004】
本明細書に記載される一態様は、液体資源から精製リチウム濃縮物を生成するための統合プロセスであって、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;b)前記イオン交換装置中の前記イオン交換材料を前記液体資源と接触させる工程であって、前記イオン交換材料の水素イオンは、前記液体資源のリチウムイオンと交換されることで、前記イオン交換装置にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出す、工程;c)前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、前記リチウムが豊富なイオン交換材料の前記リチウムイオンは、前記酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;d)前記イオン交換装置と流体連通する膜セルを設ける工程であって、前記膜セルは、(i)電気化学還元電極を含む第1の区画、(ii)電気化学酸化電極を含む第2の区画、および(iii)前記第1の区画と前記第2の区画とを分けるイオン伝導膜を備えている、工程;e)前記リチウム溶出液を前記膜セルに渡す工程;f)前記膜セル中の前記リチウム溶出液を電流にさらす工程であって、前記電流は、前記リチウム溶出液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液および前記精製リチウム濃縮物を作り出す、工程;およびg)前記酸性化溶液を前記膜セルから(c)の前記イオン交換装置に戻して再利用する工程を含む。
【0005】
一実施形態において、前記リチウムが豊富なイオン交換材料は、前記イオン交換装置中で処理される。一実施形態において、前記リチウム溶出液は、前記イオン交換装置中で作り出される。一実施形態において、前記リチウム溶出液は、前記イオン交換装置から前記膜セルへと渡される。
【0006】
一実施形態において、(b)の前に、前記イオン交換装置中のイオン交換材料を酸溶液により処理することで、前記イオン交換装置中に水素が豊富なイオン交換材料が作り出される。一実施形態において、(b)はさらにpH調節を含み、該pH調節は、前記液体資源のリチウムイオンと交換されている前記水素が豊富なイオン交換材料の水素イオンを支持して平衡状態を維持する。一実施形態において、前記統合プロセスはさらに、前記酸溶液に加えて塩基により、前記リチウムが豊富なイオン交換材料を処理する工程を含む。一実施形態において、塩基はCa(OH)またはNaOHである。
【0007】
一実施形態において、前記統合プロセスはさらに、前記イオン交換装置および前記膜セルと流体連通される逆浸透装置を設ける工程を含み、該逆浸透装置は透水性膜を備えている。一実施形態において、(d)の前に、前記リチウム溶出液は、前記透水性膜と接している前記逆浸透装置に渡され、前記リチウム溶出液の水分子は前記透水性膜を通過して、水と濃縮リチウム溶出液を作り出す。一実施形態において、濃縮リチウム溶出液はさらに、(d)から(g)にさらされる。
【0008】
一実施形態において、前記透水性膜は、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリビニルアミン、ポリピロリジン、ポリフラン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリピペラジン-アミド、ポリベンズイミダゾリン、ポリオキサジアゾール、アセチル化セルロース、セルロース、スルホン化、カルボキシル化、リン酸化、またはそれらの組み合わせの代替的な官能基化を伴うポリマー、他のポリマー層、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態において、前記透水性膜はさらに、布製、ポリマー製、複合体、または金属製の支持具を備えている。
【0009】
一実施形態において、前記統合プロセスはさらに、前記イオン交換装置および前記膜セルと流体連通している熱蒸発装置を設ける工程を含み、該熱蒸発装置は発熱体を備えている。一実施形態において、前記統合プロセスはさらに、前記イオン交換装置および前記膜セルと流体連通している精製装置を設ける工程を含む。一実施形態において、(d)の前に、前記リチウム溶出液を前記精製装置に渡すことで、精製リチウム濃縮物が作り出される。一実施形態において、前記精製リチウム濃縮物はさらに、(d)から(g)にさらされる。
【0010】
一実施形態において、前記統合プロセスはさらに、前記および膜セルと流体連通している晶析装置を設ける工程を含む。一実施形態において、前記リチウム溶出液は前記晶析装置へと渡される。一実施形態において、前記リチウム溶出液を前記晶析装置で処理することで、リチウム塩が作り出される。
【0011】
一実施形態において、前記リチウム塩は、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、水酸化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、硫酸リチウム、硫酸水素リチウム、リン酸リチウム、リン酸水素リチウム、リン酸二水素リチウム、または硝酸リチウムである。一実施形態において、前記リチウム塩は、固体、水溶液、またはスラリー状である。
【0012】
一実施形態において、前記液体資源は、天然塩水、溶解塩原、海水、濃縮海水、脱塩流出物、濃縮塩水、加工塩水、油田塩水、イオン交換プロセス由来の液体、溶剤抽出由来の液体、合成塩水、鉱石またはその組み合わせ由来の浸出液、鉱物またはその組み合わせ由来の浸出液、粘土またはその組み合わせ由来の浸出液、再資源製品由来の浸出液、再利用材料由来の浸出液、またはそれらの組み合わせである。
【0013】
一実施形態において、前記イオン交換材料は、LiFePO、LiMnPO、LiMO(M=Ti、Mn、Sn)、LiTi12、LiMn12、LiMn、Li1.6Mn1.6、LiMO(M=Al、Cu、Ti)、LiTiO、LiTi1124、LiVO、LiSi、LiCuP、Al(OH)、LiCl.xAl(OH).yHO、SnO.xSb.yHO、TiO.xSb.yHO、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせから成る群から選択され;ここで、xは0.1-10であり、yは0.1-10である。
【0014】
一実施形態において、前記イオン交換材料は、被覆イオン交換粒子、非被覆イオン交換粒子、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態において、前記イオン交換材料は、多孔質イオン交換材料である。一実施形態において、前記イオン交換材料は、多孔質ビーズの形態である。一実施形態において、前記イオン交換材料は、粉末またはスラリー状である。
【0015】
一実施形態において、前記酸溶液は、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、塩素酸、過塩素酸、硝酸、ギ酸、酢酸、またはそれらの組み合わせから成る溶液である。
【0016】
一実施形態において、前記イオン伝導膜は、陽イオン伝導膜または陰イオン伝導膜である。一実施形態において、前記陽イオン伝導膜または陰イオン伝導膜は、スルホン化テトラフルオロエチレンベースのフッ素ポリマーコポリマー、スルホン化テトラフルオロエチレン、スルホン化フッ素ポリマー、MK-40、それらのコポリマーまたは組み合わせを含む。一実施形態において、前記陰イオン伝導膜は、官能化ポリマー構造を含む。一実施形態において、前記ポリマー構造は、ポリアリーレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレン、パーフルオロ化ポリマー、ポリベンゾイミダゾール、ポリエピクロロヒドリン、不飽和ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルベンジル塩化物、ポリホスファゼン、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、これらポリマーの代替物、他の種類のポリマー、またはそれらの複合物を含む。
【0017】
一実施形態において、前記陽イオン伝導膜は、リチウムイオンの移動を可能にするが、陰イオン基の移動を妨げる。一実施形態において、前記イオン伝導膜の厚みは約1μm~約1000μmである。一実施形態において、前記イオン伝導膜の厚みは約1mm~約10mmである。
【0018】
一実施形態において、前記電極は、チタン、ニオブ、ジルコニウム、タンタル、マグネシウム、二酸化チタン、それらの酸化物、またはそれらの組み合わせで構成される。一実施形態において、前記電極はさらに、白金、TiO、ZrO、Nb、Ta、SnO、IrO、RuO、混合金属酸化物、グラフェン、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせのコーティングを含む。
【0019】
本明細書に記載される一態様は、液体資源から精製リチウム塩を生成するための統合プロセスであって、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;b)前記イオン交換装置中の前記イオン交換材料を前記液体資源と接触させる工程であって、前記イオン交換材料の水素イオンは、前記液体資源のリチウムイオンと交換されることで、前記イオン交換装置にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出す、工程;c)前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、前記リチウムが豊富なイオン交換材料の前記リチウムイオンは、前記酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;d)前記イオン交換装置と流体連通している化学沈殿装置を設ける工程であって、該化学沈殿装置は、前記精製されたリチウム塩を沈殿させるように前記リチウム溶出液の処理を容易にすることができる、工程;e)前記イオン交換装置中の前記リチウム溶出液を前記化学沈殿装置に渡す工程;およびf)前記精製されたリチウム塩を作り出すために、前記化学沈殿装置中で前記リチウム溶出液を処理する工程を含む。
【0020】
一実施形態において、前記精製リチウム塩はLiClである。一実施形態において、前記LiClをNaCOで処理することでLiCOが作り出される。一実施形態において、前記化学沈殿装置は、HClを含む混合物を蒸留して取り除く。一実施形態において、前記HClは、(c)へと再利用される。一実施形態において、前記精製リチウム塩はLiSOである。一実施形態において、前記プロセスはさらに、LiCOを作り出すために前記LiSOをNaCOで処理する工程を含む。一実施形態において、前記精製リチウム塩を前記化学沈殿装置中でNaCOにより処理することで、LiCOが作り出される。
【0021】
一実施形態において、前記リチウムが豊富なイオン交換材料は、前記イオン交換装置中で処理される。一実施形態において、前記リチウム溶出液は、前記イオン交換装置中で作り出される。一実施形態において、前記リチウム溶出液は、前記イオン交換装置から前記化学沈殿装置へと渡される。
【0022】
一実施形態において、(b)の前に、前記イオン交換装置中のイオン交換材料を酸溶液により処理することで、前記イオン交換装置中に水素が豊富なイオン交換材料が作り出される。一実施形態において、(b)はさらにpH調節を含み、該pH調節は、前記液体資源のリチウムイオンと交換されている前記水素が豊富なイオン交換材料の水素イオンを支持して平衡状態を維持する。一実施形態において、前記リチウム溶出溶液は、アルカリまたはアルカリ金属水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩、それらの組み合わせ、またはNHの添加により精製されることで、塩基性沈殿物として不純物を沈殿させる。
【0023】
一実施形態において、前記アルカリまたはアルカリ金属水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩は、LiOH、NaOH、KOH、Ca(OH)、LiCO、NaCO、KCO、CaCO、またはそれらの組み合わせから選択される。一実施形態において、前記塩基性沈殿物は、pH調節のために(b)へ再利用される。一実施形態において、前記イオン交換材料は、被覆イオン交換粒子、非被覆イオン交換粒子、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態において、前記被覆イオン交換粒子はポリマーコーティングを含む。一実施形態において、前記被覆イオン交換粒子の前記ポリマーコーティングは、クロロポリマー、フルオロポリマー、クロロ-フルオロポリマー、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む。
【0024】
本明細書に記載される一態様は、液体資源から精製リチウム濃縮物を生成するための統合システムであって、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置であって、前記イオン交換装置により、(i)前記イオン交換材料は前記液体資源に接触することでリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出すことができ;および(ii)前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸性化溶液で処理することができる、イオン交換装置;b)膜セルであって、(i)電気化学還元電極を含む第1の区画、(ii)電気化学酸化電極を含む第2の区画、および(iii)前記第1の区画と前記第2の区画とを分けるイオン伝導膜を備えている、膜セル;およびc)前記膜セルから前記イオン交換装置へと前記酸性化溶液を運ぶことが可能な再利用ループを備えており;前記イオン交換装置、前記膜セル、および再利用システムは、流体連通状態にある。
【0025】
一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記イオン交換装置および前記膜セルと流体連通される逆浸透装置を備え、該逆浸透装置は透水性膜を備えている。一実施形態において、前記透水性膜は、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリビニルアミン、ポリピロリジン、ポリフラン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリピペラジン-アミド、ポリベンズイミダゾリン、ポリオキサジアゾール、アセチル化セルロース、セルロース、スルホン化、カルボキシル化、リン酸化、またはそれらの組み合わせの代替的な官能基化を伴うポリマー、他のポリマー層、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態において、前記透水性膜はさらに、布製、ポリマー製、複合体、または金属製の支持具を備えている。
【0026】
一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記イオン交換装置および前記膜セルと流体連通している熱蒸発装置を備え、該熱蒸発装置は発熱体を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記イオン交換装置および前記膜セルと流体連通している精製装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記膜セルと流体連通している晶析装置を備えている。
【0027】
一実施形態において、前記液体資源は、天然塩水、溶解塩原、海水、濃縮海水、脱塩流出物、濃縮塩水、加工塩水、油田塩水、イオン交換プロセス由来の液体、溶剤抽出由来の液体、合成塩水、鉱石またはその組み合わせ由来の浸出液、鉱物またはその組み合わせ由来の浸出液、粘土またはその組み合わせ由来の浸出液、再資源製品由来の浸出液、再利用材料由来の浸出液、またはそれらの組み合わせである。
【0028】
一実施形態において、前記イオン交換材料は、LiFePO、LiMnPO、LiMO(M=Ti、Mn、Sn)、LiTi12、LiMn12、LiMn、Li1.6Mn1.6、LiMO(M=Al、Cu、Ti)、LiTiO、LiTi1124、LiVO、LiSi、LiCuP、Al(OH)、LiCl.xAl(OH).yHO、SnO.xSb.yHO、TiO.xSb.yHO、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせから成る群から選択され;ここで、xは0.1-10であり、yは0.1-10である。
【0029】
一実施形態において、前記イオン交換材料は、被覆イオン交換粒子、非被覆イオン交換粒子、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態において、前記イオン交換材料は、多孔質イオン交換材料である。一実施形態において、前記イオン交換材料は、多孔質ビーズの形態である。一実施形態において、前記イオン交換材料は、粉末状である。一実施形態において、前記酸性化溶液は、HSOまたはHClの溶液である。
【0030】
本明細書に記載される一態様は、液体資源から精製リチウム塩を生成するための統合システムであって、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置であって、前記イオン交換材料により、前記イオン交換材料は前記液体資源に接触することでリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出すことができ;および前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸性化溶液で処理することでリチウム溶出溶液を作り出すことができる、イオン交換装置;b)酸回収装置であって、酸が前記リチウム溶出溶液から回収され、随意に前記イオン交換装置へと再利用される、酸回収装置;およびc)化学沈殿装置を備えており;前記イオン交換装置、前記酸回収装置、および前記化学沈殿装置は、流体連通状態にある。
【0031】
一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記イオン交換装置、前記酸回収装置、および前記化学沈殿装置と流体連通している逆浸透装置を備え、該逆浸透装置は透水性膜を備えている。一実施形態において、前記透水性膜は、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリビニルアミン、ポリピロリジン、ポリフラン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリピペラジン-アミド、ポリベンズイミダゾリン、ポリオキサジアゾール、アセチル化セルロース、セルロース、スルホン化、カルボキシル化、リン酸化、またはそれらの組み合わせの代替的な官能基化を伴うポリマー、他のポリマー層、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態において、前記透水性膜はさらに、布製、ポリマー製、複合体、または金属製の支持具を備えている。
【0032】
一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記イオン交換装置および前記膜セルと流体連通している熱蒸発装置を備え、該熱蒸発装置は発熱体を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記イオン交換装置および前記膜セルと流体連通している精製装置を備えている。
【0033】
一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記リチウム溶出溶液にNaCOを添加することでLiCOを沈殿させるための炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。
【0034】
一実施形態において、前記液体資源は、天然塩水、溶解塩原、海水、濃縮海水、脱塩流出物、濃縮塩水、加工塩水、油田塩水、イオン交換プロセス由来の液体、溶剤抽出由来の液体、合成塩水、鉱石またはその組み合わせ由来の浸出液、鉱物またはその組み合わせ由来の浸出液、粘土またはその組み合わせ由来の浸出液、再資源製品由来の浸出液、再利用材料由来の浸出液、またはそれらの組み合わせである。
【0035】
一実施形態において、前記イオン交換材料は、LiFePO、LiMnPO、LiMO(M=Ti、Mn、Sn)、LiTi12、LiMn12、LiMn、Li1.6Mn1.6、LiMO(M=Al、Cu、Ti)、LiTiO、LiTi1124、LiVO、LiSi、LiCuP、Al(OH)、LiCl.xAl(OH).yHO、SnO.xSb.yHO、TiO.xSb.yHO、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせから成る群から選択され;ここで、xは0.1-10であり、yは0.1-10である。
【0036】
一実施形態において、前記イオン交換材料は、被覆イオン交換粒子、非被覆イオン交換粒子、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態において、前記イオン交換材料は、多孔質イオン交換材料である。一実施形態において、前記イオン交換材料は、多孔質ビーズの形態である。一実施形態において、前記イオン交換材料は、粉末状である。一実施形態において、前記酸溶液は、HSOまたはHClの溶液である。
【0037】
本明細書に記載される一態様は、液体資源から精製リチウム塩を生成するための統合プロセスであって、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;b)前記イオン交換装置中の前記イオン交換材料を前記液体資源と接触させる工程であって、前記イオン交換材料の水素イオンは、前記液体資源のリチウムイオンと交換されることで、前記イオン交換装置にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出す、工程;c)前記イオン交換装置中の前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、前記リチウムが豊富なイオン交換材料の前記リチウムイオンは、前記酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;d)前記イオン交換装置と流体連通している電気化学セルを設ける工程であって、前記電気化学セルは、(i)電気化学還元電極である第1の電極、(ii)電気化学酸化電極である第2の電極、および(iii)前記第1の電極と前記第2の電極とを分けるイオン伝導溶液を備えている、工程;e)前記リチウム溶出液を前記電気化学セルに渡す工程;f)前記電気化学セル中の前記リチウム溶出液を電流にさらす工程であって、前記電流は、前記リチウム溶出液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液およびリチウム塩溶液を作り出す、工程;g)前記精製リチウム塩を形成するために前記リチウム塩溶液を結晶化する工程;およびh)前記酸性化溶液を前記電気化学セルから(c)の前記イオン交換装置に戻して再利用する工程
を含む。
【0038】
一実施形態において、前記リチウムが豊富なイオン交換材料は、前記イオン交換装置中で処理される。一実施形態において、前記リチウム溶出液は、前記イオン交換装置中で作り出される。一実施形態において、前記リチウム溶出液は、前記イオン交換装置から前記電気化学セルへと渡される。
【0039】
一実施形態において、(b)の前に、前記イオン交換装置中のイオン交換材料を酸溶液により処理することで、前記イオン交換装置中に水素が豊富なイオン交換材料が作り出される。一実施形態において、(b)はさらにpH調節を含み、該pH調節は、前記液体資源のリチウムイオンと交換されている前記水素が豊富なイオン交換材料の水素イオンを支持して平衡状態を維持する。
【0040】
一実施形態において、前記統合プロセスはさらに、前記イオン交換装置および前記電気化学セルと流体連通している逆浸透装置を設ける工程を含み、該逆浸透装置は透水性膜を備えている。一実施形態において、(d)の前に、前記リチウム溶出液は、前記透水性膜と接している前記逆浸透装置に渡され、前記リチウム溶出液の水分子は前記透水性膜を通過して、水と濃縮リチウム溶出液を作り出す。一実施形態において、前記濃縮リチウム溶出液はさらに、(d)から(h)にさらされる。
【0041】
一実施形態において、前記透水性膜は、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリビニルアミン、ポリピロリジン、ポリフラン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリピペラジン-アミド、ポリベンズイミダゾリン、ポリオキサジアゾール、アセチル化セルロース、セルロース、スルホン化、カルボキシル化、リン酸化、またはそれらの組み合わせの代替的な官能基化を伴うポリマー、他のポリマー層、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態において、前記透水性膜はさらに、布製、ポリマー製、複合体、または金属製の支持具を備えている。
【0042】
一実施形態において、前記統合プロセスはさらに、前記イオン交換装置および前記電気化学セルと流体連通している熱蒸発装置を設ける工程を含み、該熱蒸発装置は発熱体を備えている。一実施形態において、前記統合プロセスはさらに、前記イオン交換装置および前記電気化学セルと流体連通している精製装置を設ける工程を含む。一実施形態において、(d)の前に、前記リチウム溶出液を前記精製装置に渡すことで、精製リチウム濃縮物が作り出される。一実施形態において、前記精製リチウム濃縮物はさらに、(d)から(h)にさらされる。
【0043】
一実施形態において、前記統合プロセスはさらに、前記イオン交換装置および前記電気化学セルと流体連通している晶析装置を設ける工程を含む。一実施形態において、(d)の前に、前記リチウム溶出液を前記晶析装置に渡すことで、リチウム塩が作り出される。一実施形態において、前記リチウム塩は、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、水酸化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、硫酸リチウム、硫酸水素リチウム、リン酸リチウム、リン酸水素リチウム、リン酸二水素リチウム、または硝酸リチウムである。一実施形態において、前記リチウム塩は炭酸リチウムである。一実施形態において、前記リチウム塩は水酸化リチウムである。一実施形態において、前記リチウム塩は、固体、水溶液、またはスラリー状である。
【0044】
一実施形態において、前記液体資源は、天然塩水、溶解塩原、海水、濃縮海水、脱塩流出物、濃縮塩水、加工塩水、油田塩水、イオン交換プロセス由来の液体、溶剤抽出由来の液体、合成塩水、鉱石またはその組み合わせ由来の浸出液、鉱物またはその組み合わせ由来の浸出液、粘土またはその組み合わせ由来の浸出液、再資源製品由来の浸出液、再利用材料由来の浸出液、またはそれらの組み合わせである。
【0045】
一実施形態において、前記イオン交換材料は、LiFePO、LiMnPO、LiMO(M=Ti、Mn、Sn)、LiTi12、LiMn12、LiMn、Li1.6Mn1.6、LiMO(M=Al、Cu、Ti)、LiTiO、LiTi1124、LiVO、LiSi、またはLiCuPから成る群から選択される。一実施形態において、前記イオン交換材料は、被覆イオン交換粒子、非被覆イオン交換粒子、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態において、前記被覆イオン交換粒子はポリマーコーティングを含む。一実施形態において、前記被覆イオン交換粒子の前記ポリマーコーティングは、クロロポリマー、フルオロポリマー、クロロ-フルオロポリマー、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む。一実施形態において、前記イオン交換材料は、被覆イオン交換粒子である。一実施形態において、前記イオン交換材料は、粉末またはスラリー状である。
【0046】
一実施形態において、前記酸溶液は、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、塩素酸、過塩素酸、硝酸、ギ酸、酢酸、またはそれらの組み合わせから成る溶液である。
【0047】
一実施形態において、前記イオン伝導膜は、陽イオン伝導膜、陰イオン伝導膜、またはそれらの組み合わせである。一実施形態において、前記イオン伝導膜は、スルホン化テトラフルオロエチレンベースのフッ素ポリマーコポリマー、スルホン化テトラフルオロエチレン、スルホン化フッ素ポリマー、MK-40、それらのコポリマーまたは組み合わせを含む。一実施形態において、前記陰イオン伝導膜は、官能化ポリマー構造を含む。
【0048】
一実施形態において、前記官能化ポリマー構造は、ポリアリーレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレン、パーフルオロ化ポリマー、ポリベンゾイミダゾール、ポリエピクロロヒドリン、不飽和ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルベンジル塩化物、ポリホスファゼン、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、これらポリマーの代替物、他の種類のポリマー、またはそれらの複合物を含む。一実施形態において、前記陽イオン伝導膜は、リチウムイオンの移動を可能にするが、陰イオン基の移動を妨げる。一実施形態において、前記イオン伝導膜の厚みは約1μm~約1000μmである。一実施形態において、前記イオン伝導膜の厚みは約1mm~約10mmである。
【0049】
一実施形態において、前記電極は、チタン、ニオブ、ジルコニウム、タンタル、マグネシウム、二酸化チタン、それらの酸化物、またはそれらの組み合わせで構成される。一実施形態において、前記電極はさらに、白金、TiO、ZrO、Nb、Ta、SnO、IrO、RuO、混合金属酸化物、グラフェン、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせのコーティングを含む。
【0050】
本明細書に記載される一態様は、液体資源から精製リチウム塩を作り出すための統合プロセスであって、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;b)前記イオン交換装置中の前記イオン交換材料を前記液体資源と接触させる工程であって、前記イオン交換材料の水素イオンは、前記液体資源のリチウムイオンと交換されることで、前記イオン交換装置にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出す、工程;c)前記イオン交換装置中の前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、前記リチウムが豊富なイオン交換材料の前記リチウムイオンは、前記酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;d)前記イオン交換装置と流体連通している晶析装置を設ける工程であって、該晶析装置は沈殿剤を前記リチウム溶出液に添加するように構成される、工程;e)前記リチウム溶出液を前記晶析装置に渡す工程;f)リチウム塩および残りの溶出液を沈殿させるために、沈殿剤により前記晶析装置中の前記リチウム溶出液を処理する工程;g)前記晶析装置と流体連通している電気化学セルを設ける工程であって、該電気化学セルは、(i)第1の電気化学還元電極および(ii)第2の電気化学酸化電極を備えている、工程;h)前記残りの溶出液を前記電気化学セルに渡す工程;i)前記電気化学セル中の前記残りの溶出液を電流にさらす工程であって、前記電流は、前記残りの溶出液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液および塩基性化溶液を作り出す、工程;およびj)前記酸性化溶液および前記塩基性化溶液を、前記電気化学セルから、(a)~(c)の前記イオン交換装置のいずれか1つに戻して再利用する工程を含む。
【0051】
一実施形態において、前記リチウムが豊富なイオン交換材料は、前記イオン交換装置中で処理される。一実施形態において、前記リチウム溶出液は、前記イオン交換装置中で作り出される。一実施形態において、(b)の前に、前記イオン交換装置中のイオン交換材料を酸溶液により処理することで、前記イオン交換装置中に水素が豊富なイオン交換材料が作り出される。一実施形態において、(b)はさらにpH調節を含み、該pH調節は、前記液体資源のリチウムイオンと交換されている前記水素が豊富なイオン交換材料の水素イオンを支持して平衡状態を維持する。
【0052】
一実施形態において、前記統合プロセスはさらに、前記リチウムが豊富なイオン交換材料を塩基で処理する工程を含む。一実施形態において、塩基はCa(OH)またはNaOHである。
【0053】
一実施形態において、前記統合プロセスはさらに、前記イオン交換装置および前記晶析装置と流体連通している逆浸透装置を設ける工程を含み、該逆浸透装置は透水性膜を備えている。一実施形態において、(d)の前に、前記リチウム溶出液は、前記透水性膜と接している前記逆浸透装置に渡され、前記リチウム溶出液の水分子は前記透水性膜を通過して、水と濃縮リチウム溶出液を作り出す。一実施形態において、前記濃縮リチウム溶出液はさらに、(d)から(j)にさらされる。
【0054】
一実施形態において、前記透水性膜は、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリビニルアミン、ポリピロリジン、ポリフラン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリピペラジン-アミド、ポリベンズイミダゾリン、ポリオキサジアゾール、アセチル化セルロース、セルロース、スルホン化、カルボキシル化、リン酸化、またはそれらの組み合わせの代替的な官能基化を伴うポリマー、他のポリマー層、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態において、前記透水性膜はさらに、布製、ポリマー製、複合体、または金属製の支持具を備えている。
【0055】
一実施形態において、前記統合プロセスはさらに、前記イオン交換装置および前記晶析装置と流体連通している熱蒸発装置を設ける工程を含み、該熱蒸発装置は発熱体を備えている。一実施形態において、前記統合プロセスはさらに、前記イオン交換装置および前記電気化学セルと流体連通している精製装置を設ける工程を含む。一実施形態において、(d)の前に、前記リチウム溶出液を前記精製装置に渡すことで、精製リチウム濃縮物が作り出される。一実施形態において、前記精製リチウム濃縮物はさらに、(d)から(j)にさらされる。
【0056】
一実施形態において、前記精製リチウム塩は、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、水酸化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、硫酸リチウム、硫酸水素リチウム、リン酸リチウム、リン酸水素リチウム、リン酸二水素リチウム、または硝酸リチウムである。一実施形態において、前記リチウム塩は炭酸リチウムである。一実施形態において、前記リチウム塩は水酸化リチウムである。一実施形態において、前記精製リチウム塩は、固体、水溶液、またはスラリー状である。
【0057】
一実施形態において、前記液体資源は、天然塩水、溶解塩原、海水、濃縮海水、脱塩流出物、濃縮塩水、加工塩水、油田塩水、イオン交換プロセス由来の液体、溶剤抽出由来の液体、合成塩水、鉱石またはその組み合わせ由来の浸出液、鉱物またはその組み合わせ由来の浸出液、粘土またはその組み合わせ由来の浸出液、再資源製品由来の浸出液、再利用材料由来の浸出液、またはそれらの組み合わせである。
【0058】
一実施形態において、前記イオン交換材料は、LiFePO、LiMnPO、LiMO(M=Ti、Mn、Sn)、LiTi12、LiMn12、LiMn、Li1.6Mn1.6、LiMO(M=Al、Cu、Ti)、LiTiO、LiTi1124、LiVO、LiSi、LiCuP、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせから成る群から選択され;ここで、xは0.1-10であり、yは0.1-10である。
【0059】
一実施形態において、前記イオン交換材料は、被覆イオン交換粒子、非被覆イオン交換粒子、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態において、前記イオン交換材料は、被覆イオン交換粒子である。一実施形態において、前記被覆イオン交換粒子はポリマーコーティングを含む。一実施形態において、前記被覆イオン交換粒子の前記ポリマーコーティングは、クロロポリマー、フルオロポリマー、クロロ-フルオロポリマー、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む。一実施形態において、前記イオン交換材料は、粉末またはスラリー状である。一実施形態において、前記酸溶液は、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、塩素酸、過塩素酸、硝酸、ギ酸、酢酸、またはそれらの組み合わせから成る溶液である。
【0060】
一実施形態において、前記イオン伝導膜は、陽イオン伝導膜または陰イオン伝導膜である。一実施形態において、前記陽イオン伝導膜または陰イオン伝導膜は、スルホン化テトラフルオロエチレンベースのフッ素ポリマーコポリマー、スルホン化テトラフルオロエチレン、スルホン化フッ素ポリマー、MK-40、それらのコポリマーまたは組み合わせを含む。一実施形態において、前記陰イオン伝導膜は、官能化ポリマー構造を含む。一実施形態において、前記ポリマー構造は、ポリアリーレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレン、パーフルオロ化ポリマー、ポリベンゾイミダゾール、ポリエピクロロヒドリン、不飽和ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルベンジル塩化物、ポリホスファゼン、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、これらポリマーの代替物、他の種類のポリマー、またはそれらの複合物を含む。
【0061】
一実施形態において、前記陽イオン伝導膜は、リチウムイオンの移動を可能にするが、陰イオン基の移動を妨げる。一実施形態において、前記イオン伝導膜の厚みは約1μm~約1000μmである。一実施形態において、前記イオン伝導膜の厚みは約1mm~約10mmである。
【0062】
一実施形態において、前記電極は、チタン、ニオブ、ジルコニウム、タンタル、マグネシウム、二酸化チタン、それらの酸化物、またはそれらの組み合わせで構成される。一実施形態において、前記電極はさらに、白金、TiO、ZrO、Nb、Ta、SnO、IrO、RuO、混合金属酸化物、グラフェン、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせのコーティングを含む。一実施形態において、前記沈殿剤は炭酸塩またはリン酸塩である。一実施形態において、前記沈殿剤は炭酸ナトリウムである。
【0063】
本明細書に記載される一態様は、液体資源から精製リチウム塩を作り出すための統合プロセスであって、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;b)前記イオン交換装置中の前記イオン交換材料を前記液体資源と接触させる工程であって、前記イオン交換材料の水素イオンは、前記液体資源のリチウムイオンと交換されることで、前記イオン交換装置にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出し、水酸化ナトリウムを塩水に添加すると、イオン交換材料からプロトンが中和される、工程;c)前記イオン交換装置中の前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、前記リチウムが豊富なイオン交換材料の前記リチウムイオンは、前記酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;d)前記イオン交換装置と流体連通されている逆浸透装置を設ける工程であって、前記逆浸透装置は透水性膜を備えている、工程;e)前記リチウム溶出液を前記イオン交換装置から前記逆浸透装置へと渡す工程であって、それにより前記リチウム溶出液は前記透水性膜と接触し、前記リチウム溶出液の水分子は前記透水性膜を通過することで、水および濃縮リチウム溶出液を作り出す、工程;f)前記逆浸透装置と流体連通している熱蒸発装置を設ける工程であって、前記熱蒸発装置は発熱体を備えている、工程;g)前記濃縮リチウム溶出液を前記逆浸透装置から前記熱蒸発装置へと渡す工程であって、それによりさらなる濃縮リチウム溶出液を作り出す、工程;h)前記熱蒸発装置と流体連通している精製装置を設ける工程;i)前記さらなる濃縮リチウム溶出液を前記熱蒸発装置から前記精製装置へと渡す工程であって、それにより精製リチウム濃縮物を作り出す、工程;j)前記精製装置と流体連通している晶析装置を設ける工程であって、該晶析装置は沈殿剤を前記精製リチウム濃縮物に添加するように構成される、工程;k)リチウム塩と残りの溶出液を沈殿させるために、前記精製リチウム濃縮物を前記沈殿剤で処理する工程;l)前記晶析装置と流体連通している電気化学セルを設ける工程であって、該電気化学セルは、(i)第1の電気化学還元電極および(ii)第2の電気化学酸化電極を備えている、工程;m)前記残りの溶出液を前記電気化学セルに渡す工程;n)前記電気化学セル中の前記残りの溶出液を電流にさらす工程であって、前記電流は、前記残りの溶出液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液および塩基性化溶液を作り出す、工程;およびo)前記酸性化溶液および前記塩基性化溶液を、前記電気化学セルから、(a)~(c)の前記イオン交換装置のいずれか1つに戻して再利用する工程を含む。
【0064】
一実施形態において、前記リチウムが豊富なイオン交換材料は、前記イオン交換装置中で処理される。一実施形態において、前記リチウム溶出液は、前記イオン交換装置中で作り出される。一実施形態において、(b)の前に、前記イオン交換装置中のイオン交換材料を酸溶液により処理することで、前記イオン交換装置中に水素が豊富なイオン交換材料が作り出される。
【0065】
一実施形態において、(b)はさらにpH調節を含み、該pH調節は、前記液体資源のリチウムイオンと交換されている前記水素が豊富なイオン交換材料の水素イオンを支持して平衡状態を維持する。一実施形態において、前記統合プロセスはさらに、前記酸溶液に加えて塩基により、前記リチウムが豊富なイオン交換材料を処理する工程を含む。一実施形態において、塩基はCa(OH)またはNaOHである。
【0066】
一実施形態において、前記透水性膜は、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリビニルアミン、ポリピロリジン、ポリフラン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリピペラジン-アミド、ポリベンズイミダゾリン、ポリオキサジアゾール、アセチル化セルロース、セルロース、スルホン化、カルボキシル化、リン酸化、またはそれらの組み合わせの代替的な官能基化を伴うポリマー、他のポリマー層、またはそれらの組み合わせを含む。
【0067】
一実施形態において、前記透水性膜はさらに、布製、ポリマー製、複合体、または金属製の支持具を備えている。一実施形態において、前記精製リチウム塩は、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、水酸化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、硫酸リチウム、硫酸水素リチウム、リン酸リチウム、リン酸水素リチウム、リン酸二水素リチウム、または硝酸リチウムである。一実施形態において、前記リチウム塩は炭酸リチウムである。一実施形態において、前記リチウム塩は水酸化リチウムである。一実施形態において、前記精製リチウム塩は、固体、水溶液、またはスラリー状である。
【0068】
一実施形態において、前記液体資源は、天然塩水、溶解塩原、海水、濃縮海水、脱塩流出物、濃縮塩水、加工塩水、油田塩水、イオン交換プロセス由来の液体、溶剤抽出由来の液体、合成塩水、鉱石またはその組み合わせ由来の浸出液、鉱物またはその組み合わせ由来の浸出液、粘土またはその組み合わせ由来の浸出液、再資源製品由来の浸出液、再利用材料由来の浸出液、またはそれらの組み合わせである。
【0069】
一実施形態において、前記イオン交換材料は、LiFePO、LiMnPO、LiMO(M=Ti、Mn、Sn)、LiTi12、LiMn12、LiMn、Li1.6Mn1.6、LiMO(M=Al、Cu、Ti)、LiTiO、LiTi1124、LiVO、LiSi、LiCuP、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0070】
一実施形態において、前記イオン交換材料は、被覆イオン交換粒子、非被覆イオン交換粒子、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態において、前記イオン交換材料は、被覆イオン交換粒子である。一実施形態において、前記被覆イオン交換粒子はポリマーコーティングを含む。一実施形態において、前記被覆イオン交換粒子の前記ポリマーコーティングは、クロロポリマー、フルオロポリマー、クロロ-フルオロポリマー、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む。一実施形態において、前記イオン交換材料は、粉末またはスラリー状である。
【0071】
一実施形態において、前記酸溶液は、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、塩素酸、過塩素酸、硝酸、ギ酸、酢酸、またはそれらの組み合わせから成る溶液である。
【0072】
一実施形態において、前記イオン伝導膜は、陽イオン伝導膜または陰イオン伝導膜である。一実施形態において、前記陽イオン伝導膜または陰イオン伝導膜は、スルホン化テトラフルオロエチレンベースのフッ素ポリマーコポリマー、スルホン化テトラフルオロエチレン、スルホン化フッ素ポリマー、MK-40、それらのコポリマーまたは組み合わせを含む。一実施形態において、前記陰イオン伝導膜は、官能化ポリマー構造を含む。一実施形態において、前記ポリマー構造は、ポリアリーレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレン、パーフルオロ化ポリマー、ポリベンゾイミダゾール、ポリエピクロロヒドリン、不飽和ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルベンジル塩化物、ポリホスファゼン、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、これらポリマーの代替物、他の種類のポリマー、またはそれらの複合物を含む。
【0073】
一実施形態において、前記陽イオン伝導膜は、リチウムイオンの移動を可能にするが、陰イオン基の移動を妨げる。一実施形態において、前記イオン伝導膜の厚みは約1μm~約1000μmである。一実施形態において、前記イオン伝導膜の厚みは約1mm~約10mmである。一実施形態において、前記電極は、チタン、ニオブ、ジルコニウム、タンタル、マグネシウム、二酸化チタン、それらの酸化物、またはそれらの組み合わせで構成される。
【0074】
一実施形態において、前記電極はさらに、白金、TiO、ZrO、Nb、Ta、SnO、IrO、RuO、混合金属酸化物、グラフェン、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせのコーティングを含む。一実施形態において、前記沈殿剤は炭酸塩またはリン酸塩である。一実施形態において、前記沈殿剤は炭酸ナトリウムである。
【0075】
引用による組み込み
本明細書で言及される出願公開、特許、および特許出願は全て、あたかも個々の出願公開、特許、または特許出願がそれぞれ引用により組み込まれるように具体的かつ個々に指示されるかのごとく同じ程度にまで、引用により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
本発明の新規な特徴は、とりわけ添付の特許請求の範囲と共に説明される。本発明の特徴と利点のより良い理解は、本発明の原理が用いられる実施形態を説明する以下の詳細な説明と、以下の添付図面とを参照することによって得られる。
図1】イオン交換カラム、混合タンク、沈降タンク、および再循環タンクを備えた、再循環バッチシステムを示す。
図2】イオン交換カラム、混合タンク、および再循環タンクを備えた、再循環バッチシステムを示す。
図3】塩水回路、水洗洗浄回路、および酸回路を備えた、カラム交換システムを示す。
図4】塩水回路、水洗洗浄回路、および酸再循環ループを備えた、カラム交換システムを示す。
図5】イオン交換ビーズを保持するためのタンク、塩基混合タンク、および浸透性区画を備えた、撹拌タンクシステムを示す。
図6】塩基を注入するためにカラムの長さに沿った複数のポートを伴うイオン交換カラムを備えた、ポート式イオン交換カラムシステムを示す。
図7】化学沈殿を用いて、LiClを介して塩水からLiCOを作り出すための統合システムを示す。
図8】化学沈殿を用いて、LiSOを介して塩水からLiCOを作り出すための統合システムを示す。
図9】膜電解を用いて、LiSOを介して塩水からLiOHを作り出すための統合システムを示す。
図10】膜電解を用いて、LiClを介して塩水からLiOHを作り出すための統合システムを示す。
図11】蒸発を用いて、LiSOを介して塩水からLiClを作り出すための統合システムを示す。
図12】化学沈殿を用いて、LiSOを介して塩水からLiCOを作り出すための統合システムを示す。
図13】被覆イオン交換粒子を示す。
図14】多孔質イオン交換ビーズを示す。
図15】炭酸塩の母液からHClおよびNaOHを電気透析再生(electrodialysis regeneration)することで炭酸リチウムを作り出すための統合システムを示す。
図16】炭酸塩の母液からHSOおよびNaOHを電気透析再生することで炭酸リチウムを作り出すための統合システムを示す。
図17】炭酸塩の母液からHClおよびNaOHを電解再生することで炭酸リチウムを作り出すための統合システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0077】
用語「リチウム」、「リチウムイオン」、および「Li」は、本明細書で互換的に使用されるものであり、特定の但し書きがない限りは同義語である。用語「水素」、「水素イオン」、「プロトン」、および「H」は、本明細書で互換的に使用されるものであり、特定の但し書きがない限りは同義語である。
【0078】
リチウムは、バッテリーなどの技術製品に必要とされる要素である。天然塩水や合成塩水、および鉱物や再資源製品由来の浸出溶液を含む、様々な液体資源に、リチウムを見出すことができる。リチウムは随意に、無機イオン交換材料に基づくイオン交換プロセスを用いて前記液体資源から抽出可能である。このような無機イオン交換材料は、水素を放出しながら液体資源からリチウムを吸収し、次いで、水素を吸収しながら酸の中のリチウムイオンを溶出する。このイオン交換プロセスを随意に繰り返して、液体資源からリチウムを抽出し、かつ濃縮リチウムイオン溶液を産出することができる。バッテリー産業などの産業に用いるために、濃縮リチウムイオン溶液を随意に化学品へとさらに処理することができる。
【0079】
イオン交換材料は随意にビーズへと形成され、該ビーズは随意に、リチウム抽出のためにイオン交換カラム、撹拌槽型反応器などの反応器、または反応器システムへと充填される。塩水、酸、および他の溶液の交液流は随意に、イオン交換カラム、反応器、または反応器システムを通ることで塩水からリチウムを抽出し、リチウム濃縮物を作り出す。この濃縮物は酸を用いてカラムから溶出される。塩水がイオン交換カラム、反応器、または反応器システムを通って流れると、イオン交換材料はリチウムを吸収しながら水素を放出する。そこではリチウムと水素は共に陽イオンである。塩水のpHが随意に、熱力学的に好ましいリチウム吸収と、それに付随する水素放出を促すのに適切な範囲に維持されなければ、リチウム吸収中の水素放出により塩水は酸性化され、リチウム吸収が制限されてしまう。一実施形態において、液体資源のpHは、液体資源へとイオン交換材料から放出される中和プロトンへの塩基の添加を介して、設定値付近で維持される。
【0080】
塩水pHを調節し、かつイオン交換カラム中のリチウム吸収に適した範囲にpHを維持するために、NaOH、Ca(OH)、CaO、KOH、またはNHなどの塩基が随意に、固体、水溶液、または他の形態として塩水に添加される。Mg、Ca Sr、またはBaなどの二価イオンを含有する塩水では、塩水への塩基の添加により、Mg(OH)またはCa(OH)などの固体の沈殿が生じる場合があり、これによりイオン交換反応に関する問題が生じるおそれがある。これら沈殿物により、少なくとも3つの問題が生じる。まず、沈殿により溶液から塩基を取り除くことができるが、プロトンを中和し、かつイオン交換カラム中でのリチウム吸収に適切な範囲にpHを維持するのに利用可能な塩基は溶液中にほとんど残らない。次に、塩基添加により形成される沈殿物はイオン交換カラムを詰まらせる場合があり、具体的には、イオン交換ビーズの表面や穴、そしてイオン交換ビーズ間の空隙を詰まらせてしまう。この詰まりが、リチウムのビーズへの進入、かつイオン交換材料による吸収を妨げるおそれがあり、さらに、カラム中の大規模な圧力水頭を生じかねない。最後に、カラムの中の沈殿物は酸溶出中に溶けてしまい、それにより、イオン交換システムが作り出したリチウム濃縮物は汚染されてしまう。イオン交換ビーズが塩水からリチウムを吸収するために、塩水に理想的なpH範囲は随意に、5~7、好ましくは随意に4~8、そして許容可能なpH範囲は随意に1~9である。一実施形態において、塩水のpH範囲は随意に、約1~約14、約2~約13、約3~約12、約4~約12、約4.5~約11、約5~約10、約5~約9、約2~約5、約2~約4、約2~約3、約3~約8、約3~約7、約3~約6、約3~約5、約3~約4、約4~約10、約4~約9、約4~約8、約4~約7、約4~約6、約4~約5、約5~約6、約5~約7、約5~約8、約6~約7、約6~約8、または約7~約8である。
【0081】
リチウムの抽出、精製、変換のための統合システム
本明細書に記載される本発明の一態様は、化学的入力の効果的な利用を可能にする形態でのリチウムの抽出、精製、および変換のための統合システムである。該統合システムの機能としては、イオン交換システムを用いて液体資源からリチウムイオンを抽出すること、イオン交換システムからリチウム溶出溶液を作り出すこと、リチウム溶出溶液を随意に濃縮および/または精製することで精製リチウム濃縮物を形成すること、および、リチウム溶出溶液または精製リチウム濃縮物を精製溶液または材料へと変換することである。統合システムは、酸試薬および/または塩基試薬用にループを再利用することを含む。
【0082】
本明細書に記載される本発明の一態様は、化学的入力の効果的な利用を可能にする形態でリチウムの抽出、精製、および変換を行うための統合化学施設である。該統合化学施設の機能としては、イオン交換システムを用いて液体資源からリチウムイオンを抽出すること、イオン交換システムからリチウム溶出溶液を作り出すこと、リチウム溶出溶液を随意に濃縮および/または精製することで精製リチウム濃縮物を形成すること、および、リチウム溶出溶液または精製リチウムリチウム濃縮物を精製溶液または材料へと変換することである。統合化学施設は、酸試薬および/または塩基試薬用にループを再利用することを含む。
【0083】
本明細書に記載される本発明の一態様は、リチウムリソースからのリチウムイオンの抽出、およびリチウムイオンから精製リチウム化学品への変換を行うための統合システムであり、該統合システムは、a)イオン交換材料;b)選択的リチウム吸収用のイオン交換システムであって、該システム中の液体資源のpHを上げるためのpH調節機構を備えており、酸を用いてリチウム塩溶液を溶出する、イオン交換システム;c)精製リチウム化学品を形成するためにリチウム塩溶液を処理するための1つ以上の処理システム;およびd)酸を再利用するための1つ以上の再利用および/または再生ループを備えている。本明細書に記載される本発明の一態様は、液体資源から精製リチウム濃縮物を生成するための統合システムであって、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置であって、イオン交換装置により、(i)イオン交換材料は液体資源に接触することでリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出すことができ;および(ii)リチウムが豊富なイオン交換材料を酸性化溶液で処理することができる、イオン交換装置;b)膜セルであって、(i)電気化学還元電極を含む第1の区画、(ii)電気化学酸化電極を含む第2の区画、および(iii)少なくとも第1の区画と第2の区画とを分けるイオン伝導膜を備えている、膜セル;およびc)膜セルからイオン交換装置へと酸性化溶液を運搬可能な再利用ループを備えており、前記イオン交換装置、前記膜セル、および前記再利用システムは流体連通している。
【0084】
一実施形態において、統合システムはさらに、イオン交換装置および膜セルと流体連通される逆浸透装置を備え、該逆浸透装置は透水性膜を備えている。一実施形態において、透水性膜は、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリビニルアミン、ポリピロリジン、ポリフラン、または他のポリマー層を含む。一実施形態において、透水性膜は、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリピペラジン-アミド、ポリベンズイミダゾリン、ポリオキサジアゾール、アセチル化セルロース、セルロース、または、スルホン化、カルボキシル化、またはリン酸化などの代替的な官能化を伴う他のポリマー、または他のポリマーの層を含む。一実施形態において、透水性膜はさらに、布製、ポリマー製、複合体、または金属製の支持具を備えている。一実施形態において、統合システムはさらに、イオン交換装置および膜セルと流体連通している熱蒸発装置を備え、該熱蒸発装置は発熱体を備えている。一実施形態において、統合システムはさらに、前記イオン交換装置および前記膜セルと流体連通している精製装置を備えている。一実施形態において、統合システムはさらに、膜セルと流体連通している晶析装置を備えている。
【0085】
一実施形態において、液体資源は、天然塩水、溶解塩原、海水、濃縮海水、脱塩流出物、濃縮塩水、加工塩水、油田塩水、イオン交換プロセス由来の液体、溶剤抽出由来の液体、合成塩水、鉱石またはその組み合わせ由来の浸出液、鉱物またはその組み合わせ由来の浸出液、粘土またはその組み合わせ由来の浸出液、再資源製品由来の浸出液、再利用材料由来の浸出液、またはそれらの組み合わせである。一実施形態において、イオン交換材料は、LiFePO、LiMnPO、LiMO(M=Ti、Mn、Sn)、LiTi12、LiMn12、LiMn、Li1.6Mn1.6、LiMO(M=Al、Cu、Ti)、LiTiO、LiTi1124、LiVO、LiSi、LiCuP、Al(OH)、LiCl.xAl(OH).yHO、SnO.xSb.yHO、TiO.xSb.yHO、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせから成る群から選択され;ここで、xは0.1-10であり、yは0.1-10である。
【0086】
一実施形態において、イオン交換材料は、被覆イオン交換粒子、非被覆イオン交換粒子、またはそれらの組み合わせを含む。さらなる態様において、被覆材料はポリマーを含む。一実施形態において、被覆材料は、クロロポリマー、フルオロポリマー、クロロ-フルオロポリマー、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む。
【0087】
さらなる態様において、被覆材料は、コポリマー、ブロックコポリマー、線状ポリマー、分岐ポリマー、架橋ポリマー、熱処理したポリマー、溶液で処理したポリマー、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む。
【0088】
さらなる態様において、被覆材料は、ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、あらゆるポリアミド、ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、ポリブタジエン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン・テトラフルオロエチレンポリマー(ETFE)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)(PCTFE)、エチレン・クロロトリフルオロ・エチレン(Halar)、ポリフッ化ビニル(PVF)、フッ化エチレン-プロピレン(FEP)、パーフルオロ化エラストマー、クロロトリフルオロエチレンビニリデンフッ化物(FKM)、パーフルオロポリエーテル(PFPE)、パーフルオロスルホン酸(Nafion)、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレン-ブロック-ポリ(エチレングリコール)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリクロロプレン(ネオプレン)、ポリビニルブチラール(PVB)、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリジビニルベンゼン、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む。
【0089】
さらなる態様において、被覆材料は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン・クロロトリフルオロ・エチレン(Halar)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS))、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリフェニレンスルフィド、スルホン化ポリマー、カルボキシル化ポリマー、他のポリマー、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む。
【0090】
一実施形態において、イオン交換材料は、多孔質イオン交換材料である。一実施形態において、イオン交換材料は、多孔質ビーズの形態である。一実施形態において、イオン交換材料は、粉末状である。一実施形態において、酸溶液は、HSOまたはHClの溶液である。
【0091】
本明細書に記載される本発明の一態様は、液体資源から精製リチウム塩を生成するための統合システムであって、該統合システムは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置であって、イオン交換材料により、(i)イオン交換材料は液体資源に接触することでリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出すことができ;および(ii)リチウムが豊富なイオン交換材料を酸性化溶液で処理することで、残留酸を含むリチウム溶出溶液を作り出すことができる、イオン交換装置;b)酸回収装置であって、残留酸がリチウム溶出溶液から回収されることで、回収された酸を前記イオン交換装置へと再利用することができる、酸回収装置;およびc)化学沈殿装置を備えている。
【0092】
一実施形態において、統合システムはさらに、イオン交換装置および化学沈殿装置と流体連通している逆浸透装置を備え、該逆浸透装置は透水性膜を備えている。一実施形態において、透水性膜は、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリビニルアミン、ポリピロリジン、ポリフラン、または他のポリマー層を含む。一実施形態において、透水性膜は、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリピペラジン-アミド、ポリベンズイミダゾリン、ポリオキサジアゾール、アセチル化セルロース、セルロース、または、スルホン化、カルボキシル化、またはリン酸化などの代替的な官能化を伴う他のポリマー、または他のポリマーの層を含む。一実施形態において、透水性膜はさらに、布製、ポリマー製、複合体、または金属製の支持具を備えている。一実施形態において、統合システムはさらに、前記イオン交換装置および前記膜セルと流体連通している熱蒸発装置を備え、該熱蒸発装置は発熱体を備えている。一実施形態において、統合システムはさらに、前記イオン交換装置および前記膜セルと流体連通している精製装置を備えている。一実施形態において、統合システムはさらに、前記膜セルと流体連通している晶析装置を備えている。一実施形態において、液体資源は、天然塩水、溶解塩原、海水、濃縮海水、脱塩流出物、濃縮塩水、加工塩水、油田塩水、イオン交換プロセス由来の液体、溶剤抽出由来の液体、合成塩水、鉱石またはその組み合わせ由来の浸出液、鉱物またはその組み合わせ由来の浸出液、粘土またはその組み合わせ由来の浸出液、再資源製品由来の浸出液、再利用材料由来の浸出液、またはそれらの組み合わせである。一実施形態において、イオン交換材料は、LiFePO、LiMnPO、LiMO(M=Ti、Mn、Sn)、LiTi12、LiMn12、LiMn、Li1.6Mn1.6、LiMO(M=Al、Cu、Ti)、LiTiO、LiTi1124、LiVO、LiSi、LiCuP、Al(OH)、LiCl.xAl(OH).yHO、SnO.xSb.yHO、TiO.xSb.yHO、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせから成る群から選択され;ここで、xは0.1-10であり、yは0.1-10である。一実施形態において、イオン交換材料は、被覆イオン交換粒子、非被覆イオン交換粒子、またはそれらの組み合わせを含む。さらなる態様において、被覆材料はポリマーを含む。一実施形態において、被覆材料は、クロロポリマー、フルオロポリマー、クロロ-フルオロポリマー、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む。
【0093】
さらなる態様において、被覆材料は、コポリマー、ブロックコポリマー、線状ポリマー、分岐ポリマー、架橋ポリマー、熱処理したポリマー、溶液で処理したポリマー、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む。
【0094】
さらなる態様において、被覆材料は、ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、あらゆるポリアミド、ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、ポリブタジエン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン・テトラフルオロエチレンポリマー(ETFE)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)(PCTFE)、エチレン・クロロトリフルオロ・エチレン(Halar)、ポリフッ化ビニル(PVF)、フッ化エチレン-プロピレン(FEP)、パーフルオロ化エラストマー、クロロトリフルオロエチレンビニリデンフッ化物(FKM)、パーフルオロポリエーテル(PFPE)、パーフルオロスルホン酸(Nafion)、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレン-ブロック-ポリ(エチレングリコール)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリクロロプレン(ネオプレン)、ポリビニルブチラール(PVB)、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリジビニルベンゼン、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む。
【0095】
さらなる態様において、被覆材料は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン・クロロトリフルオロ・エチレン(Halar)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS))、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリフェニレンスルフィド、スルホン化ポリマー、カルボキシル化ポリマー、他のポリマー、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む。
【0096】
一実施形態において、イオン交換材料は、多孔質イオン交換材料である。一実施形態において、イオン交換材料は、多孔質ビーズの形態である。一実施形態において、イオン交換材料は、粉末状である。一実施形態において、酸溶液は、HSOまたはHClの溶液である。
【0097】
本明細書に記載される本発明の一態様は、リチウムの抽出、精製、および変換のための統合システムであって、該統合システムは、a)イオン交換材料;b)1つ以上のイオン交換システムであって、イオン交換材料を組み込んでおり、液体資源からリチウムイオンを抽出し、かつリチウムイオンをリチウム溶出液へと溶出するように機能する、1つ以上のイオン交換システム;c)リチウム濃縮物、精製リチウム溶出液、または精製リチウム濃縮物を形成するために、リチウム溶出液の濃縮および/または精製を行うための随意に1つ以上の機構;およびd)1つ以上の精製リチウム溶液または化合物を形成するために、リチウム濃縮物、精製リチウム溶出液、または精製リチウム濃縮物の変換を行うための随意に1つ以上の設定を含む。一実施形態において、酸および塩基を含む試薬を再利用かつ再生することで、統合システムの効率を改善する。
【0098】
一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記リチウム溶出溶液にNaCOを添加することでLiCOを沈殿させるための炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、LiCOはCOガスと反応すると、精製LiCOの沈殿前に精製される炭酸水素リチウム溶液を作り出す。一実施形態において、イオン交換媒体を用いて炭酸水素リチウム溶液を精製することで、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、鉄、遷移金属、他の不純物、またはそれらの組み合わせといった不純物が取り除かれる。一実施形態において、LiCOは連続プロセスにおいて精製される。一実施形態において、LiCOの精製用の装置として、溶解器、混合器、分散器、気体分散チューブ、冷却器、固体と気体を分離する静水化ウェル、結晶供給器(crystal feeder)、インラインフィルター、熱交換器、加熱ガス密封晶析装置(heated gas sealed crystallizer)、二酸化炭素または水溶液用のポンプとライン、固液分離用のフィルターなどの手段、母液流出、二酸化炭素源、シーブトレー、Scheibelカラム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0099】
一実施形態において、リチウム塩溶液は塩化リチウム溶液であり、酸は塩酸である。一実施形態において、リチウム塩溶液は硫酸リチウム溶液であり、酸は硫酸である。一実施形態において、精製リチウム化学品は炭酸リチウムである。一実施形態において、精製リチウム化学品は水酸化リチウムである。一実施形態において、精製リチウム化学品は塩化リチウムである。一実施形態において、精製リチウム化学品は硫酸リチウムである。一実施形態において、精製リチウム化学品はリン酸リチウムである。一実施形態において、精製リチウム化学品はリチウム金属である。一実施形態において、精製リチウム化学品は固体である。一実施形態において、精製リチウム化学品は水溶液またはスラリー中にある。一実施形態において、酸は塩酸であり、リチウム塩溶液は未反応HClを含有する塩化リチウム溶液であり、未反応HClは再生され、イオン交換システムへと再利用される。一実施形態において、HClは蒸留を介して再生される。一実施形態において、HClは膜蒸留を介して再生される。
【0100】
残りの溶出液を分割するためのシステム
本明細書に記載される本発明の一態様は、リチウムの抽出、精製、および精製形態への変換のためのシステムである。該システムの機能として、イオン交換を用いては液体資源からリチウムイオンを抽出し、リチウム溶出液を作り出し、リチウム溶出液を処理することでリチウム塩と残りの溶出液を沈殿させ、さらに、残りの溶出液を処理することで、リチウム抽出プロセスに戻って再利用可能な酸性化溶液と塩基溶液とを作り出すことができる。
【0101】
一実施形態において、前記システムは、選択的なリチウム抽出用のイオン交換システムを備えている。一実施形態において、イオン交換システムにより、酸と塩基を用いてリチウムの放出と吸収を誘導するリチウム溶液が産生される。一実施形態において、前記システムは、リチウム濃縮物を作り出すためのリチウム溶液の濃縮、中和、および精製用のシステムである。一実施形態において、前記システムは、ナトリウム溶液を産生するための炭酸ナトリウムの添加によるリチウム濃縮物からのリチウムの沈殿用のシステムである。一実施形態において、前記システムは、ナトリウム溶液からリチウムイオンを再生する。一実施形態において、前記システムは、酸性化ナトリウム溶液または塩基性化溶液を変換する。
【0102】
本明細書に記載される本発明の一態様は、液体資源から精製リチウム塩を作り出すための統合プロセスである。一例において、液体資源を本明細書に記載されるイオン交換プロセスにさらすと、リチウム溶出液が作り出される。リチウム溶出液は電気分解にさらされると、酸性化溶液およびリチウム塩溶液をもたらすことができる。次いで、リチウム塩溶液を結晶化することで精製リチウム塩を作り出すことができ、酸性化溶液はイオン交換プロセスへと戻って再利用することができる。
【0103】
本明細書に記載される一態様は、液体資源から精製リチウム塩を生成するための統合プロセスであって、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;b)pH調節を用いて前記イオン交換装置中の前記イオン交換材料を前記液体資源と接触させる工程であって、前記イオン交換材料の水素イオンは、前記液体資源のリチウムイオンと交換されることで、前記イオン交換装置中にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出し、前記pH調節は、前記液体資源のリチウムイオンと交換されている水素が豊富なイオン交換材料の水素イオンを支持して平衡状態を維持する、工程;c)前記イオン交換装置中の前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、前記リチウムが豊富なイオン交換材料の前記リチウムイオンは、前記酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;d)前記イオン交換装置と流体連通している電気化学セルを設ける工程であって、前記電気化学セルは、(i)電気化学還元電極である第1の電極、(ii)電気化学酸化電極である第2の電極、および(iii)前記第1の電極と前記第2の電極とを分けるイオン伝導溶液を備えている、工程;e)前記リチウム溶出液を前記電気化学セルに渡す工程;f)前記電気化学セル中の前記リチウム溶出液を電流にさらす工程であって、前記電流は、前記リチウム溶出液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液およびリチウム塩溶液を作り出す、工程;g)前記精製リチウム塩を形成するために前記リチウム塩溶液を結晶化する工程;およびh)前記酸性化溶液を前記電気化学セルから(c)の前記イオン交換装置に戻して再利用する工程を含む。
【0104】
一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記リチウム溶出溶液にNaCOを添加することでLiCOを沈殿させるための炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、LiCOはCOガスと反応すると炭酸水素リチウム溶液を作り出し、炭酸水素リチウム溶液は精製LiCOの沈殿前に精製される。一実施形態において、イオン交換媒体を用いて炭酸水素リチウム溶液を精製することで、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、鉄、遷移金属、他の不純物、またはそれらの組み合わせといった不純物が取り除かれる。一実施形態において、LiCOは連続プロセスにおいて精製される。一実施形態において、LiCOの精製用の装置として、溶解器、混合器、分散器、気体分散チューブ、冷却器、固体と気体を分離する静水化ウェル、結晶供給器、インラインフィルター、熱交換器、加熱ガス密封晶析装置、二酸化炭素または水溶液用のポンプとライン、固液分離用のフィルターなどの手段、母液流出、二酸化炭素源、シーブトレー、Scheibelカラム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0105】
本明細書に記載される一態様は、液体資源から精製リチウム塩を生成するための統合プロセスであって、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;b)前記イオン交換装置中の前記イオン交換材料を前記液体資源と接触させる工程であって、前記イオン交換材料の水素イオンは、前記液体資源のリチウムイオンと交換されることで、前記イオン交換装置にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出す、工程;c)前記イオン交換装置中の前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、前記リチウムが豊富なイオン交換材料の前記リチウムイオンは、前記酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;d)前記イオン交換装置および前記電気化学セルと流体連通している逆浸透装置を設ける工程であって、前記逆浸透装置は透水性膜を備えている、工程;e)前記リチウム溶出液を、前記透水性膜と接している前記逆浸透装置に通す工程であって、前記リチウム溶出液の水分子は前記透水性膜を通過して、水と濃縮リチウム溶出液を作り出す、工程;f)前記逆浸透装置と流体連通している電気化学セルを設ける工程であって、前記電気化学セルは、(i)電気化学還元電極である第1の電極、(ii)電気化学酸化電極である第2の電極、および(iii)前記第1の電極と前記第2の電極とを分けるイオン伝導溶液を備えている、工程;g)前記濃縮リチウム溶出液を前記電気化学セルに渡す工程;h)前記電気化学セル中の前記濃縮リチウム溶出液を電流にさらす工程であって、前記電流は、前記濃縮リチウム溶出液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液およびリチウム塩溶液を作り出す、工程;i)前記精製リチウム塩を形成するために前記リチウム塩溶液を結晶化する工程;およびj)前記酸性化溶液を前記電気化学セルから(c)の前記イオン交換装置に戻して再利用する工程を含む。
【0106】
一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記リチウム溶出溶液にNaCOを添加することでLiCOを沈殿させるための炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、LiCOはCOガスと反応すると、精製LiCOの沈殿前に精製される炭酸水素リチウム溶液を作り出す。一実施形態において、イオン交換媒体を用いて炭酸水素リチウム溶液を精製することで、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、鉄、遷移金属、他の不純物、またはそれらの組み合わせといった不純物が取り除かれる。一実施形態において、LiCOは連続プロセスにおいて精製される。一実施形態において、LiCOの精製用の装置として、溶解器、混合器、分散器、気体分散チューブ、冷却器、固体と気体を分離する静水化ウェル、結晶供給器、インラインフィルター、熱交換器、加熱ガス密封晶析装置、二酸化炭素または水溶液用のポンプとライン、固液分離用のフィルターなどの手段、母液流出、二酸化炭素源、シーブトレー、Scheibelカラム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0107】
本明細書に記載される一態様は、液体資源から精製リチウム塩を生成するための統合プロセスであって、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;b)前記イオン交換装置中の前記イオン交換材料を前記液体資源と接触させる工程であって、前記イオン交換材料の水素イオンは、前記液体資源のリチウムイオンと交換されることで、前記イオン交換装置にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出す、工程;c)前記イオン交換装置中の前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、前記リチウムが豊富なイオン交換材料の前記リチウムイオンは、前記酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;d)前記イオン交換装置および前記電気化学セルと流体連通している熱蒸発装置を設ける工程であって、前記熱蒸発装置は発熱体を備えている、工程;e)濃縮リチウム濃縮物を作り出すために前記リチウム溶出液を前記熱蒸発装置に通す工程;f)前記熱蒸発装置と流体連通している電気化学セルを設ける工程であって、前記電気化学セルは、(i)電気化学還元電極である第1の電極、(ii)電気化学酸化電極である第2の電極、および(iii)前記第1の電極と前記第2の電極とを分けるイオン伝導溶液を備えている、工程;g)前記濃縮リチウム溶出液を前記電気化学セルに渡す工程;h)前記電気化学セル中の前記濃縮リチウム溶出液を電流にさらす工程であって、前記電流は、前記リチウム溶出液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液およびリチウム塩溶液を作り出す、工程;i)前記精製リチウム塩を形成するために前記リチウム塩溶液を結晶化する工程;およびj)前記酸性化溶液を前記電気化学セルから(c)の前記イオン交換装置に戻して再利用する工程を含む。
【0108】
一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記リチウム溶出溶液にNaCOを添加することでLiCOを沈殿させるための炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、LiCOはCOガスと反応すると炭酸水素リチウム溶液を作り出し、炭酸水素リチウム溶液は精製LiCOの沈殿前に精製される。一実施形態において、イオン交換媒体を用いて炭酸水素リチウム溶液を精製することで、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、鉄、遷移金属、他の不純物、またはそれらの組み合わせといった不純物が取り除かれる。一実施形態において、LiCOは連続プロセスにおいて精製される。一実施形態において、LiCOの精製用の装置として、溶解器、混合器、分散器、気体分散チューブ、冷却器、固体と気体を分離する静水化ウェル、結晶供給器、インラインフィルター、熱交換器、加熱ガス密封晶析装置、二酸化炭素または水溶液用のポンプとライン、固液分離用のフィルターなどの手段、母液流出、二酸化炭素源、シーブトレー、Scheibelカラム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0109】
本明細書に提供される一態様は、液体資源から精製リチウム塩を生成するための統合プロセスであって、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;b)前記イオン交換装置中の前記イオン交換材料を前記液体資源と接触させる工程であって、前記イオン交換材料の水素イオンは、前記液体資源のリチウムイオンと交換されることで、前記イオン交換装置にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出す、工程;c)前記イオン交換装置中の前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、前記リチウムが豊富なイオン交換材料の前記リチウムイオンは、前記酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;d)前記イオン交換装置および前記電気化学セルと流体連通している精製装置を設ける工程;e)精製リチウム濃縮物を作り出すために前記リチウム溶出液を前記精製装置に渡す工程;f)前記イオン交換装置と流体連通している電気化学セルを設ける工程であって、前記電気化学セルは、(i)電気化学還元電極である第1の電極、(ii)電気化学酸化電極である第2の電極、および(iii)前記第1の電極と前記第2の電極とを分けるイオン伝導溶液を備えている、工程;g)前記精製リチウム溶出液を前記電気化学セルに渡す工程;h)前記電気化学セル中の前記精製リチウム溶出液を電流にさらす工程であって、前記電流は、前記リチウム溶出液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液およびリチウム塩溶液を作り出す、工程;h)前記精製リチウム塩を形成するために前記リチウム塩溶液を結晶化する工程;およびi)前記酸性化溶液を前記電気化学セルから(c)の前記イオン交換装置に戻して再利用する工程を含む。
【0110】
一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記リチウム溶出溶液にNaCOを添加することでLiCOを沈殿させるための炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、LiCOはCOガスと反応すると炭酸水素リチウム溶液を作り出し、炭酸水素リチウム溶液は精製LiCOの沈殿前に精製される。一実施形態において、イオン交換媒体を用いて炭酸水素リチウム溶液を精製することで、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、鉄、遷移金属、他の不純物、またはそれらの組み合わせといった不純物が取り除かれる。一実施形態において、LiCOは連続プロセスにおいて精製される。一実施形態において、LiCOの精製用の装置として、溶解器、混合器、分散器、気体分散チューブ、冷却器、固体と気体を分離する静水化ウェル、結晶供給器、インラインフィルター、熱交換器、加熱ガス密封晶析装置、二酸化炭素または水溶液用のポンプとライン、固液分離用のフィルターなどの手段、母液流出、二酸化炭素源、シーブトレー、Scheibelカラム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0111】
本明細書に記載される一態様は、液体資源から精製リチウム塩を生成するための統合プロセスであって、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;b)前記イオン交換装置中の前記イオン交換材料を前記液体資源と接触させる工程であって、前記イオン交換材料の水素イオンは、前記液体資源のリチウムイオンと交換されることで、前記イオン交換装置にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出す、工程;c)前記イオン交換装置中の前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、前記リチウムが豊富なイオン交換材料の前記リチウムイオンは、前記酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;d)前記イオン交換装置と流体連通している電気化学セルを設ける工程であって、前記電気化学セルは、(i)電気化学還元電極である第1の電極、(ii)電気化学酸化電極である第2の電極、および(iii)前記第1の電極と前記第2の電極とを分けるイオン伝導溶液を備えている、工程;e)前記リチウム溶出液を前記電気化学セルに渡す工程;f)前記電気化学セル中の前記リチウム溶出液を電流にさらす工程であって、前記電流は、前記リチウム溶出液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液およびリチウム塩溶液を作り出す、工程;g)前記イオン交換装置および前記電気化学セルと流体連通している晶析装置を設ける工程;h)前記精製リチウム塩を形成するために前記リチウム塩溶液を前記晶析装置へと結晶化する工程;およびi)前記酸性化溶液を前記電気化学セルから(c)の前記イオン交換装置に戻して再利用する工程を含む。
【0112】
一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記リチウム溶出溶液にNaCOを添加することでLiCOを沈殿させるための炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、LiCOはCOガスと反応すると炭酸水素リチウム溶液を作り出し、炭酸水素リチウム溶液は精製LiCOの沈殿前に精製される。一実施形態において、イオン交換媒体を用いて炭酸水素リチウム溶液を精製することで、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、鉄、遷移金属、他の不純物、またはそれらの組み合わせといった不純物が取り除かれる。一実施形態において、LiCOは連続プロセスにおいて精製される。一実施形態において、LiCOの精製用の装置として、溶解器、混合器、分散器、気体分散チューブ、冷却器、固体と気体を分離する静水化ウェル、結晶供給器、インラインフィルター、熱交換器、加熱ガス密封晶析装置、二酸化炭素または水溶液用のポンプとライン、固液分離用のフィルターなどの手段、母液流出、二酸化炭素源、シーブトレー、Scheibelカラム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0113】
本明細書に記載される一態様は、液体資源から精製リチウム塩を生成するための統合プロセスであって、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;b)pH調節を用いて前記イオン交換装置中の前記イオン交換材料を前記液体資源と接触させる工程であって、前記イオン交換材料の水素イオンは、前記液体資源のリチウムイオンと交換されることで、前記イオン交換装置中にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出し、前記pH調節は、前記液体資源のリチウムイオンと交換されている水素が豊富なイオン交換材料の水素イオンを支持して平衡状態を維持する、工程;c)前記イオン交換装置中の前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、前記リチウムが豊富なイオン交換材料の前記リチウムイオンは、前記酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;d)前記イオン交換装置および前記電気化学セルと流体連通している逆浸透装置を設ける工程であって、前記逆浸透装置は透水性膜を備えている、工程;e)前記リチウム溶出液を、前記透水性膜と接している前記逆浸透装置に通す工程であって、前記リチウム溶出液の水分子は前記透水性膜を通過して、水と濃縮リチウム溶出液を作り出す、工程;f)前記イオン交換装置と流体連通している電気化学セルを設ける工程であって、前記電気化学セルは、(i)電気化学還元電極である第1の電極、(ii)電気化学酸化電極である第2の電極、および(iii)前記第1の電極と前記第2の電極とを分けるイオン伝導溶液を備えている、工程;g)前記濃縮リチウム溶出液を前記電気化学セルに渡す工程;h)前記電気化学セル中の前記濃縮リチウム溶出液を電流にさらす工程であって、前記電流は、前記リチウム溶出液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液およびリチウム塩溶液を作り出す、工程;i)前記精製リチウム塩を形成するために前記リチウム塩溶液を結晶化する工程;およびj)前記酸性化溶液を前記電気化学セルから(c)の前記イオン交換装置に戻して再利用する工程を含む。
【0114】
一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記リチウム溶出溶液にNaCOを添加することでLiCOを沈殿させるための炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、LiCOはCOガスと反応すると、精製LiCOの沈殿前に精製される炭酸水素リチウム溶液を作り出す。一実施形態において、イオン交換媒体を用いて炭酸水素リチウム溶液を精製することで、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、鉄、遷移金属、他の不純物、またはそれらの組み合わせといった不純物が取り除かれる。一実施形態において、LiCOは連続プロセスにおいて精製される。一実施形態において、LiCOの精製用の装置として、溶解器、混合器、分散器、気体分散チューブ、冷却器、固体と気体を分離する静水化ウェル、結晶供給器、インラインフィルター、熱交換器、加熱ガス密封晶析装置、二酸化炭素または水溶液用のポンプとライン、固液分離用のフィルターなどの手段、母液流出、二酸化炭素源、シーブトレー、Scheibelカラム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0115】
本明細書に記載される一態様は、液体資源から精製リチウム塩を生成するための統合プロセスであって、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;b)pH調節を用いて前記イオン交換装置中の前記イオン交換材料を前記液体資源と接触させる工程であって、前記イオン交換材料の水素イオンは、前記液体資源のリチウムイオンと交換されることで、前記イオン交換装置中にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出し、前記pH調節は、前記液体資源のリチウムイオンと交換されている水素が豊富なイオン交換材料の水素イオンを支持して平衡状態を維持する、工程;c)前記イオン交換装置中の前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、前記リチウムが豊富なイオン交換材料の前記リチウムイオンは、前記酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;d)前記イオン交換装置および前記電気化学セルと流体連通している熱蒸発装置を設ける工程であって、前記熱蒸発装置は発熱体を備えている、工程;e)濃縮リチウム濃縮物を作り出すために前記リチウム溶出液を前記熱蒸発装置に通す工程;f)前記イオン交換装置と流体連通している電気化学セルを設ける工程であって、前記電気化学セルは、(i)電気化学還元電極である第1の電極、(ii)電気化学酸化電極である第2の電極、および(iii)前記第1の電極と前記第2の電極とを分けるイオン伝導溶液を備えている、工程;g)前記濃縮リチウム溶出液を前記電気化学セルに渡す工程;h)前記電気化学セル中の前記濃縮リチウム溶出液を電流にさらす工程であって、前記電流は、前記リチウム溶出液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液およびリチウム塩溶液を作り出す、工程;i)前記精製リチウム塩を形成するために前記リチウム塩溶液を結晶化する工程;およびj)前記酸性化溶液を前記電気化学セルから(c)の前記イオン交換装置に戻して再利用する工程を含む。
【0116】
一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記リチウム溶出溶液にNaCOを添加することでLiCOを沈殿させるための炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、LiCOはCOガスと反応すると炭酸水素リチウム溶液を作り出し、炭酸水素リチウム溶液は精製LiCOの沈殿前に精製される。一実施形態において、イオン交換媒体を用いて炭酸水素リチウム溶液を精製することで、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、鉄、遷移金属、他の不純物、またはそれらの組み合わせといった不純物が取り除かれる。一実施形態において、LiCOは連続プロセスにおいて精製される。一実施形態において、LiCOの精製用の装置として、溶解器、混合器、分散器、気体分散チューブ、冷却器、固体と気体を分離する静水化ウェル、結晶供給器、インラインフィルター、熱交換器、加熱ガス密封晶析装置、二酸化炭素または水溶液用のポンプとライン、固液分離用のフィルターなどの手段、母液流出、二酸化炭素源、シーブトレー、Scheibelカラム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0117】
本明細書に記載される一態様は、液体資源から精製リチウム塩を生成するための統合プロセスであって、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;b)pH調節を用いて前記イオン交換装置中の前記イオン交換材料を前記液体資源と接触させる工程であって、前記イオン交換材料の水素イオンは、前記液体資源のリチウムイオンと交換されることで、前記イオン交換装置中にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出し、前記pH調節は、前記液体資源のリチウムイオンと交換されている水素が豊富なイオン交換材料の水素イオンを支持して平衡状態を維持する、工程;c)前記イオン交換装置中の前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、前記リチウムが豊富なイオン交換材料の前記リチウムイオンは、前記酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;d)前記イオン交換装置および前記電気化学セルと流体連通している精製装置を設ける工程;e)精製リチウム濃縮物を作り出すために前記リチウム溶出液を前記精製装置に渡す工程;f)前記イオン交換装置と流体連通している電気化学セルを設ける工程であって、前記電気化学セルは、(i)電気化学還元電極である第1の電極、(ii)電気化学酸化電極である第2の電極、および(iii)前記第1の電極と前記第2の電極とを分けるイオン伝導溶液を備えている、工程;g)前記精製リチウム溶出液を前記電気化学セルに渡す工程;h)前記電気化学セル中の前記精製リチウム溶出液を電流にさらす工程であって、前記電流は、前記リチウム溶出液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液およびリチウム塩溶液を作り出す、工程;i)前記精製リチウム塩を形成するために前記リチウム塩溶液を結晶化する工程;およびj)前記酸性化溶液を前記電気化学セルから(c)の前記イオン交換装置に戻して再利用する工程を含む。
【0118】
一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記リチウム溶出溶液にNaCOを添加することでLiCOを沈殿させるための炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、LiCOはCOガスと反応すると、精製LiCOの沈殿前に精製される炭酸水素リチウム溶液を作り出す。一実施形態において、イオン交換媒体を用いて炭酸水素リチウム溶液を精製することで、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、鉄、遷移金属、他の不純物、またはそれらの組み合わせといった不純物が取り除かれる。一実施形態において、LiCOは連続プロセスにおいて精製される。一実施形態において、LiCOの精製用の装置として、溶解器、混合器、分散器、気体分散チューブ、冷却器、固体と気体を分離する静水化ウェル、結晶供給器、インラインフィルター、熱交換器、加熱ガス密封晶析装置、二酸化炭素または水溶液用のポンプとライン、固液分離用のフィルターなどの手段、母液流出、二酸化炭素源、シーブトレー、Scheibelカラム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0119】
本明細書に記載される一態様は、液体資源から精製リチウム塩を生成するための統合プロセスであって、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;b)pH調節を用いて前記イオン交換装置中の前記イオン交換材料を前記液体資源と接触させる工程であって、前記イオン交換材料の水素イオンは、前記液体資源のリチウムイオンと交換されることで、前記イオン交換装置中にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出し、前記pH調節は、前記液体資源のリチウムイオンと交換されている水素が豊富なイオン交換材料の水素イオンを支持して平衡状態を維持する、工程;c)前記イオン交換装置中の前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、前記リチウムが豊富なイオン交換材料の前記リチウムイオンは、前記酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;d)前記イオン交換装置と流体連通している電気化学セルを設ける工程であって、前記電気化学セルは、(i)電気化学還元電極である第1の電極、(ii)電気化学酸化電極である第2の電極、および(iii)前記第1の電極と前記第2の電極とを分けるイオン伝導溶液を備えている、工程;e)前記リチウム溶出液を前記電気化学セルに渡す工程;f)前記電気化学セル中の前記リチウム溶出液を電流にさらす工程であって、前記電流は、前記リチウム溶出液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液およびリチウム塩溶液を作り出す、工程;g)前記イオン交換装置および前記電気化学セルと流体連通している晶析装置を設ける工程;h)前記精製リチウム塩を形成するために前記リチウム塩溶液を結晶化する工程;およびi)前記酸性化溶液を前記電気化学セルから(c)の前記イオン交換装置に戻して再利用する工程を含む。
【0120】
一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記リチウム溶出溶液にNaCOを添加することでLiCOを沈殿させるための炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、LiCOはCOガスと反応すると、精製LiCOの沈殿前に精製される炭酸水素リチウム溶液を作り出す。一実施形態において、イオン交換媒体を用いて炭酸水素リチウム溶液を精製することで、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、鉄、遷移金属、他の不純物、またはそれらの組み合わせといった不純物が取り除かれる。一実施形態において、LiCOは連続プロセスにおいて精製される。一実施形態において、LiCOの精製用の装置として、溶解器、混合器、分散器、気体分散チューブ、冷却器、固体と気体を分離する静水化ウェル、結晶供給器、インラインフィルター、熱交換器、加熱ガス密封晶析装置、二酸化炭素または水溶液用のポンプとライン、固液分離用のフィルターなどの手段、母液流出、二酸化炭素源、シーブトレー、Scheibelカラム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0121】
本明細書に記載される本発明の一態様は、液体資源から精製リチウム塩を作り出すための統合プロセスである。一例において、液体資源を本明細書に記載されるイオン交換プロセスにさらすと、リチウム溶出液が作り出される。次いでリチウム溶出液を処理することで、リチウム塩および残りの溶出液を沈殿することができる。次いで、残りの溶出液は電気分解にさらされると、酸性化溶液および塩基性化溶液をもたらすことができる。次いで、酸性化溶液と塩基性化溶液を、前記システムのイオン交換プロセスに戻して再利用することができる。
【0122】
本明細書に記載される本発明の一態様は、液体資源から精製リチウム塩を作り出すための統合プロセスであって、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;b)前記イオン交換装置中の前記イオン交換材料を前記液体資源と接触させる工程であって、前記イオン交換材料の水素イオンは、前記液体資源のリチウムイオンと交換されることで、前記イオン交換装置にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出す、工程;c)前記イオン交換装置中の前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、前記リチウムが豊富なイオン交換材料の前記リチウムイオンは、前記酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;d)前記イオン交換装置と流体連通している晶析装置を設ける工程であって、該晶析装置は沈殿剤を前記リチウム溶出液に添加するように構成される、工程;e)前記リチウム溶出液を前記晶析装置に渡す工程;f)リチウム塩および残りの溶出液を沈殿させるために、沈殿剤により前記晶析装置中の前記リチウム溶出液を処理する工程;g)前記晶析装置と流体連通している電気化学セルを設ける工程であって、該電気化学セルは、(i)第1の電気化学還元電極および(ii)第2の電気化学酸化電極を備えている、工程;h)前記残りの溶出液を前記電気化学セルに渡す工程;i)前記電気化学セル中の前記残りの溶出液を電流にさらす工程であって、前記電流は、前記残りの溶出液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液および塩基性化溶液を作り出す、工程;およびj)前記酸性化溶液および前記塩基性化溶液を、前記電気化学セルから、(a)~(c)の前記イオン交換装置のいずれか1つに戻して再利用する工程を含む。
【0123】
一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記リチウム溶出溶液にNaCOを添加することでLiCOを沈殿させるための炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、LiCOはCOガスと反応すると、精製LiCOの沈殿前に精製される炭酸水素リチウム溶液を作り出す。一実施形態において、イオン交換媒体を用いて炭酸水素リチウム溶液を精製することで、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、鉄、遷移金属、他の不純物、またはそれらの組み合わせといった不純物が取り除かれる。一実施形態において、LiCOは連続プロセスにおいて精製される。一実施形態において、LiCOの精製用の装置として、溶解器、混合器、分散器、気体分散チューブ、冷却器、固体と気体を分離する静水化ウェル、結晶供給器、インラインフィルター、熱交換器、加熱ガス密封晶析装置、二酸化炭素または水溶液用のポンプとライン、固液分離用のフィルターなどの手段、母液流出、二酸化炭素源、シーブトレー、Scheibelカラム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0124】
本明細書に記載される本発明の一態様は、液体資源から精製リチウム塩を作り出すための統合プロセスであって、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;b)pH調節中に前記イオン交換装置中の前記イオン交換材料を前記液体資源と接触させる工程であって、前記イオン交換材料の水素イオンは、前記液体資源のリチウムイオンと交換されることで、前記イオン交換装置中にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出し、前記pH調節は、前記液体資源のリチウムイオンと交換されている水素が豊富なイオン交換材料の水素イオンを支持して平衡状態を維持する、工程;c)前記イオン交換装置中の前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、前記リチウムが豊富なイオン交換材料の前記リチウムイオンは、前記酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;d)前記イオン交換装置と流体連通している晶析装置を設ける工程であって、該晶析装置は沈殿剤を前記リチウム溶出液に添加するように構成される、工程;e)前記リチウム溶出液を前記晶析装置に渡す工程;f)リチウム塩および残りの溶出液を沈殿させるために、沈殿剤により前記晶析装置中の前記リチウム溶出液を処理する工程;g)前記晶析装置と流体連通している電気化学セルを設ける工程であって、該電気化学セルは、(i)第1の電気化学還元電極および(ii)第2の電気化学酸化電極を備えている、工程;h)前記残りの溶出液を前記電気化学セルに渡す工程;i)前記電気化学セル中の前記残りの溶出液を電流にさらす工程であって、前記電流は、前記残りの溶出液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液および塩基性化溶液を作り出す、工程;およびj)前記酸性化溶液および前記塩基性化溶液を、前記電気化学セルから、(a)~(c)の前記イオン交換装置のいずれか1つに戻して再利用する工程を含む。
【0125】
一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記リチウム溶出溶液にNaCOを添加することでLiCOを沈殿させるための炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、LiCOはCOガスと反応すると、精製LiCOの沈殿前に精製される炭酸水素リチウム溶液を作り出す。一実施形態において、イオン交換媒体を用いて炭酸水素リチウム溶液を精製することで、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、鉄、遷移金属、他の不純物、またはそれらの組み合わせといった不純物が取り除かれる。一実施形態において、LiCOは連続プロセスにおいて精製される。一実施形態において、LiCOの精製用の装置として、溶解器、混合器、分散器、気体分散チューブ、冷却器、固体と気体を分離する静水化ウェル、結晶供給器、インラインフィルター、熱交換器、加熱ガス密封晶析装置、二酸化炭素または水溶液用のポンプとライン、固液分離用のフィルターなどの手段、母液流出、二酸化炭素源、シーブトレー、Scheibelカラム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0126】
本明細書に記載される本発明の一態様は、液体資源から精製リチウム塩を作り出すための統合プロセスであって、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;b)前記イオン交換装置中の前記イオン交換材料を前記液体資源と接触させる工程であって、前記イオン交換材料の水素イオンは、前記液体資源のリチウムイオンと交換されることで、前記イオン交換装置にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出す、工程;c)前記イオン交換装置中の前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、前記リチウムが豊富なイオン交換材料の前記リチウムイオンは、前記酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;d)前記イオン交換装置および前記晶析装置と流体連通している逆浸透装置を設ける工程であって、前記逆浸透装置は透水性膜を備えている、工程;e)前記リチウム溶出液を、前記透水性膜と接している前記逆浸透装置に通す工程であって、前記リチウム溶出液の水分子は前記透水性膜を通過して、水と濃縮リチウム溶出液を作り出す、工程;f)前記逆浸透装置と流体連通している晶析装置を設ける工程であって、該晶析装置は沈殿剤を前記リチウム溶出液に添加するように構成される、工程;g)前記濃縮リチウム溶出液を前記晶析装置に渡す工程;h)リチウム塩および残りの溶出液を沈殿させるために、沈殿剤により前記晶析装置中の前記濃縮リチウム溶出液を処理する工程;i)前記晶析装置と流体連通している電気化学セルを設ける工程であって、該電気化学セルは、(i)第1の電気化学還元電極および(ii)第2の電気化学酸化電極を備えている、工程;j)前記残りの溶出液を前記電気化学セルに渡す工程;k)前記電気化学セル中の前記残りの溶出液を電流にさらす工程であって、前記電流は、前記残りの溶出液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液および塩基性化溶液を作り出す、工程;およびl)前記酸性化溶液および前記塩基性化溶液を、前記電気化学セルから、(a)~(c)の前記イオン交換装置のいずれか1つに戻して再利用する工程。
【0127】
一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記リチウム溶出溶液にNaCOを添加することでLiCOを沈殿させるための炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、LiCOはCOガスと反応すると、精製LiCOの沈殿前に精製される炭酸水素リチウム溶液を作り出す。一実施形態において、イオン交換媒体を用いて炭酸水素リチウム溶液を精製することで、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、鉄、遷移金属、他の不純物、またはそれらの組み合わせといった不純物が取り除かれる。一実施形態において、LiCOは連続プロセスにおいて精製される。一実施形態において、LiCOの精製用の装置として、溶解器、混合器、分散器、気体分散チューブ、冷却器、固体と気体を分離する静水化ウェル、結晶供給器、インラインフィルター、熱交換器、加熱ガス密封晶析装置、二酸化炭素または水溶液用のポンプとライン、固液分離用のフィルターなどの手段、母液流出、二酸化炭素源、シーブトレー、Scheibelカラム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0128】
本明細書に記載される本発明の一態様は、液体資源から精製リチウム塩を作り出すための統合プロセスであって、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;b)前記イオン交換装置中の前記イオン交換材料を前記液体資源と接触させる工程であって、前記イオン交換材料の水素イオンは、前記液体資源のリチウムイオンと交換されることで、前記イオン交換装置にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出す、工程;c)前記イオン交換装置中の前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、前記リチウムが豊富なイオン交換材料の前記リチウムイオンは、前記酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;d)前記イオン交換装置と流体連通している熱蒸発装置を設ける工程であって、前記熱蒸発装置は発熱体を備えている、工程;e)濃縮リチウム溶離液を作り出すために前記リチウム溶出液を前記熱蒸発装置に渡す工程;f)前記イオン交換装置と流体連通している晶析装置を設ける工程であって、該晶析装置は沈殿剤を前記リチウム溶出液に添加するように構成される、工程;g)前記濃縮リチウム溶出液を前記晶析装置に渡す工程;h)リチウム塩および残りの溶出液を沈殿させるために、沈殿剤により前記晶析装置中の前記濃縮リチウム溶出液を処理する工程;i)前記晶析装置と流体連通している電気化学セルを設ける工程であって、該電気化学セルは、(i)第1の電気化学還元電極および(ii)第2の電気化学酸化電極を備えている、工程;j)前記残りの溶出液を前記電気化学セルに渡す工程;k)前記電気化学セル中の前記残りの溶出液を電流にさらす工程であって、前記電流は、前記残りの溶出液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液および塩基性化溶液を作り出す、工程;およびl)前記酸性化溶液および前記塩基性化溶液を、前記電気化学セルから、(a)~(c)の前記イオン交換装置のいずれか1つに戻して再利用する工程を含む。
【0129】
一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記リチウム溶出溶液にNaCOを添加することでLiCOを沈殿させるための炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、LiCOはCOガスと反応すると、精製LiCOの沈殿前に精製される炭酸水素リチウム溶液を作り出す。一実施形態において、イオン交換媒体を用いて炭酸水素リチウム溶液を精製することで、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、鉄、遷移金属、他の不純物、またはそれらの組み合わせといった不純物が取り除かれる。一実施形態において、LiCOは連続プロセスにおいて精製される。一実施形態において、LiCOの精製用の装置として、溶解器、混合器、分散器、気体分散チューブ、冷却器、固体と気体を分離する静水化ウェル、結晶供給器、インラインフィルター、熱交換器、加熱ガス密封晶析装置、二酸化炭素または水溶液用のポンプとライン、固液分離用のフィルターなどの手段、母液流出、二酸化炭素源、シーブトレー、Scheibelカラム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0130】
本明細書に記載される本発明の一態様は、液体資源から精製リチウム塩を作り出すための統合プロセスであって、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;b)前記イオン交換装置中の前記イオン交換材料を前記液体資源と接触させる工程であって、前記イオン交換材料の水素イオンは、前記液体資源のリチウムイオンと交換されることで、前記イオン交換装置にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出す、工程;c)前記イオン交換装置中の前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、前記リチウムが豊富なイオン交換材料の前記リチウムイオンは、前記酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;d)前記イオン交換装置と流体連通している精製装置を設ける工程;e)精製リチウム濃縮物を作り出すために前記リチウム溶出液を前記イオン交換装置から前記精製装置へと渡す工程;f)前記イオン交換装置と流体連通している晶析装置を設ける工程であって、該晶析装置は沈殿剤を前記リチウム溶出液に添加するように構成される、工程;g)前記精製リチウム溶出液を前記晶析装置に渡す工程;h)リチウム塩および残りの溶出液を沈殿させるために、沈殿剤により前記晶析装置中の前記精製リチウム溶出液を処理する工程;i)前記晶析装置と流体連通している電気化学セルを設ける工程であって、該電気化学セルは、(i)第1の電気化学還元電極および(ii)第2の電気化学酸化電極を備えている、工程;j)前記残りの溶出液を前記電気化学セルに渡す工程;k)前記電気化学セル中の前記残りの溶出液を電流にさらす工程であって、前記電流は、前記残りの溶出液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液および塩基性化溶液を作り出す、工程;およびl)前記酸性化溶液および前記塩基性化溶液を、前記電気化学セルから、(a)~(c)の前記イオン交換装置のいずれか1つに戻して再利用する工程を含む。
【0131】
一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記リチウム溶出溶液にNaCOを添加することでLiCOを沈殿させるための炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、LiCOはCOガスと反応すると、精製LiCOの沈殿前に精製される炭酸水素リチウム溶液を作り出す。一実施形態において、イオン交換媒体を用いて炭酸水素リチウム溶液を精製することで、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、鉄、遷移金属、他の不純物、またはそれらの組み合わせといった不純物が取り除かれる。一実施形態において、LiCOは連続プロセスにおいて精製される。一実施形態において、LiCOの精製用の装置として、溶解器、混合器、分散器、気体分散チューブ、冷却器、固体と気体を分離する静水化ウェル、結晶供給器、インラインフィルター、熱交換器、加熱ガス密封晶析装置、二酸化炭素または水溶液用のポンプとライン、固液分離用のフィルターなどの手段、母液流出、二酸化炭素源、シーブトレー、Scheibelカラム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0132】
本明細書に記載される本発明の一態様は、液体資源から精製リチウム塩を作り出すための統合プロセスであって、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;b)pH調節中に前記イオン交換装置中の前記イオン交換材料を前記液体資源と接触させる工程であって、前記イオン交換材料の水素イオンは、前記液体資源のリチウムイオンと交換されることで、前記イオン交換装置中にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出し、前記pH調節は、前記液体資源のリチウムイオンと交換されている水素が豊富なイオン交換材料の水素イオンを支持して平衡状態を維持する、工程;c)前記イオン交換装置中の前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、前記リチウムが豊富なイオン交換材料の前記リチウムイオンは、前記酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;d)前記イオン交換装置および前記晶析装置と流体連通している逆浸透装置を設ける工程であって、前記逆浸透装置は透水性膜を備えている、工程;e)前記リチウム溶出液を、前記透水性膜と接している前記逆浸透装置に通す工程であって、前記リチウム溶出液の水分子は前記透水性膜を通過して、水と濃縮リチウム溶出液を作り出す、工程;f)前記逆浸透装置と流体連通している晶析装置を設ける工程であって、該晶析装置は沈殿剤を前記リチウム溶出液に添加するように構成される、工程;g)前記濃縮リチウム溶出液を前記晶析装置に渡す工程;h)リチウム塩および残りの溶出液を沈殿させるために、沈殿剤により前記晶析装置中の前記濃縮リチウム溶出液を処理する工程;i)前記晶析装置と流体連通している電気化学セルを設ける工程であって、該電気化学セルは、(i)第1の電気化学還元電極および(ii)第2の電気化学酸化電極を備えている、工程;j)前記残りの溶出液を前記電気化学セルに渡す工程;k)前記電気化学セル中の前記残りの溶出液を電流にさらす工程であって、前記電流は、前記残りの溶出液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液および塩基性化溶液を作り出す、工程;およびl)前記酸性化溶液および前記塩基性化溶液を、前記電気化学セルから、(a)~(c)の前記イオン交換装置のいずれか1つに戻して再利用する工程を含む。
【0133】
一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記リチウム溶出溶液にNaCOを添加することでLiCOを沈殿させるための炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、LiCOはCOガスと反応すると、精製LiCOの沈殿前に精製される炭酸水素リチウム溶液を作り出す。一実施形態において、イオン交換媒体を用いて炭酸水素リチウム溶液を精製することで、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、鉄、遷移金属、他の不純物、またはそれらの組み合わせといった不純物が取り除かれる。一実施形態において、LiCOは連続プロセスにおいて精製される。一実施形態において、LiCOの精製用の装置として、溶解器、混合器、分散器、気体分散チューブ、冷却器、固体と気体を分離する静水化ウェル、結晶供給器、インラインフィルター、熱交換器、加熱ガス密封晶析装置、二酸化炭素または水溶液用のポンプとライン、固液分離用のフィルターなどの手段、母液流出、二酸化炭素源、シーブトレー、Scheibelカラム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0134】
本明細書に記載される本発明の一態様は、液体資源から精製リチウム塩を作り出すための統合プロセスであって、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;b)pH調節中に前記イオン交換装置中の前記イオン交換材料を前記液体資源と接触させる工程であって、前記イオン交換材料の水素イオンは、前記液体資源のリチウムイオンと交換されることで、前記イオン交換装置中にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出し、前記pH調節は、前記液体資源のリチウムイオンと交換されている水素が豊富なイオン交換材料の水素イオンを支持して平衡状態を維持する、工程;c)前記イオン交換装置中の前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、前記リチウムが豊富なイオン交換材料の前記リチウムイオンは、前記酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;d)前記イオン交換装置と流体連通している熱蒸発装置を設ける工程であって、前記熱蒸発装置は発熱体を備えている、工程;e)濃縮リチウム溶離液を作り出すために前記リチウム溶出液を前記熱蒸発装置に渡す工程;f)前記イオン交換装置と流体連通している晶析装置を設ける工程であって、該晶析装置は沈殿剤を前記リチウム溶出液に添加するように構成される、工程;g)前記濃縮リチウム溶出液を前記晶析装置に渡す工程;h)リチウム塩および残りの溶出液を沈殿させるために、沈殿剤により前記晶析装置中の前記濃縮リチウム溶出液を処理する工程;i)前記晶析装置と流体連通している電気化学セルを設ける工程であって、該電気化学セルは、(i)第1の電気化学還元電極および(ii)第2の電気化学酸化電極を備えている、工程;j)前記残りの溶出液を前記電気化学セルに渡す工程;k)前記電気化学セル中の前記残りの溶出液を電流にさらす工程であって、前記電流は、前記残りの溶出液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液および塩基性化溶液を作り出す、工程;およびl)前記酸性化溶液および前記塩基性化溶液を、前記電気化学セルから、(a)~(c)の前記イオン交換装置のいずれか1つに戻して再利用する工程を含む。
【0135】
一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記リチウム溶出溶液にNaCOを添加することでLiCOを沈殿させるための炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、LiCOはCOガスと反応すると炭酸水素リチウム溶液を作り出し、炭酸水素リチウム溶液は精製LiCOの沈殿前に精製される。一実施形態において、イオン交換媒体を用いて炭酸水素リチウム溶液を精製することで、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、鉄、遷移金属、他の不純物、またはそれらの組み合わせといった不純物が取り除かれる。一実施形態において、LiCOは連続プロセスにおいて精製される。一実施形態において、LiCOの精製用の装置として、溶解器、混合器、分散器、気体分散チューブ、冷却器、固体と気体を分離する静水化ウェル、結晶供給器、インラインフィルター、熱交換器、加熱ガス密封晶析装置、二酸化炭素または水溶液用のポンプとライン、固液分離用のフィルターなどの手段、母液流出、二酸化炭素源、シーブトレー、Scheibelカラム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0136】
本明細書に記載される本発明の一態様は、液体資源から精製リチウム塩を作り出すための統合プロセスであって、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;b)pH調節中に前記イオン交換装置中の前記イオン交換材料を前記液体資源と接触させる工程であって、前記イオン交換材料の水素イオンは、前記液体資源のリチウムイオンと交換されることで、前記イオン交換装置中にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出し、前記pH調節は、前記液体資源のリチウムイオンと交換されている水素が豊富なイオン交換材料の水素イオンを支持して平衡状態を維持する、工程;c)前記イオン交換装置中の前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、前記リチウムが豊富なイオン交換材料の前記リチウムイオンは、前記酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;d)前記イオン交換装置と流体連通している精製装置を設ける工程;e)精製リチウム濃縮物を作り出すために前記リチウム溶出液を前記イオン交換装置から前記精製装置へと渡す工程;f)前記イオン交換装置と流体連通している晶析装置を設ける工程であって、該晶析装置は沈殿剤を前記リチウム溶出液に添加するように構成される、工程;g)前記精製リチウム溶出液を前記晶析装置に渡す工程;h)リチウム塩および残りの溶出液を沈殿させるために、沈殿剤により前記晶析装置中の前記精製リチウム溶出液を処理する工程;i)前記晶析装置と流体連通している電気化学セルを設ける工程であって、該電気化学セルは、(i)第1の電気化学還元電極および(ii)第2の電気化学酸化電極を備えている、工程;j)前記残りの溶出液を前記電気化学セルに渡す工程;k)前記電気化学セル中の前記残りの溶出液を電流にさらす工程であって、前記電流は、前記残りの溶出液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液および塩基性化溶液を作り出す、工程;およびl)前記酸性化溶液および前記塩基性化溶液を、前記電気化学セルから、(a)~(c)の前記イオン交換装置のいずれか1つに戻して再利用する工程を含む。
【0137】
一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記リチウム溶出溶液にNaCOを添加することでLiCOを沈殿させるための炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、LiCOはCOガスと反応すると炭酸水素リチウム溶液を作り出し、炭酸水素リチウム溶液は精製LiCOの沈殿前に精製される。一実施形態において、イオン交換媒体を用いて炭酸水素リチウム溶液を精製することで、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、鉄、遷移金属、他の不純物、またはそれらの組み合わせといった不純物が取り除かれる。一実施形態において、LiCOは連続プロセスにおいて精製される。一実施形態において、LiCOの精製用の装置として、溶解器、混合器、分散器、気体分散チューブ、冷却器、固体と気体を分離する静水化ウェル、結晶供給器、インラインフィルター、熱交換器、加熱ガス密封晶析装置、二酸化炭素または水溶液用のポンプとライン、固液分離用のフィルターなどの手段、母液流出、二酸化炭素源、シーブトレー、Scheibelカラム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0138】
本明細書に記載される本発明の一態様は、液体資源から精製リチウム塩を作り出すための統合プロセスである。一例において、液体資源を本明細書に記載されるイオン交換プロセスにさらすと、リチウム溶出液が作り出される。次いでリチウムは、少なくとも1回濃縮され、かつ他の選択された金属イオンから精製することができる。精製リチウム濃縮物を処理することで、リチウム塩および残りの溶出液を沈殿することができる。次いで、残りの溶出液を電気分解にさらすことで酸性化溶液および塩基性化溶液が作り出され、これらは後に、イオン交換プロセスに戻って再利用される場合がある。
【0139】
本明細書に記載される本発明の一態様は、液体資源から精製リチウム塩を作り出すための統合プロセスであって、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;b)前記イオン交換装置中の前記イオン交換材料を前記液体資源と接触させる工程であって、前記イオン交換材料の水素イオンは、前記液体資源のリチウムイオンと交換されることで、前記イオン交換装置にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出し、水酸化ナトリウムを塩水に添加すると、イオン交換材料からプロトンが中和される、工程;c)前記イオン交換装置中の前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、前記リチウムが豊富なイオン交換材料の前記リチウムイオンは、前記酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;d)前記イオン交換装置と流体連通されている逆浸透装置を設ける工程であって、前記逆浸透装置は透水性膜を備えている、工程;e)前記リチウム溶出液を前記イオン交換装置から前記逆浸透装置へと渡す工程であって、それにより前記リチウム溶出液は前記透水性膜と接触し、前記リチウム溶出液の水分子は前記透水性膜を通過することで、水および濃縮リチウム溶出液を作り出す、工程;f)前記逆浸透装置と流体連通している熱蒸発装置を設ける工程であって、前記熱蒸発装置は発熱体を備えている、工程;g)前記濃縮リチウム溶出液を前記逆浸透装置から前記熱蒸発装置へと渡す工程であって、それによりさらなる濃縮リチウム溶出液を作り出す、工程;h)前記熱蒸発装置と流体連通している精製装置を設ける工程;i)前記さらなる濃縮リチウム溶出液を前記熱蒸発装置から前記精製装置へと渡す工程であって、それにより精製リチウム濃縮物を作り出す、工程;j)前記精製装置と流体連通している晶析装置を設ける工程であって、該晶析装置は沈殿剤を前記精製リチウム濃縮物に添加するように構成される、工程;k)リチウム塩と残りの溶出液を沈殿させるために、前記精製リチウム濃縮物を前記沈殿剤で処理する工程;l)前記晶析装置と流体連通している電気化学セルを設ける工程であって、該電気化学セルは、(i)第1の電気化学還元電極および(ii)第2の電気化学酸化電極を備えている、工程;m)前記残りの溶出液を前記電気化学セルに渡す工程;n)前記電気化学セル中の前記残りの溶出液を電流にさらす工程であって、前記電流は、前記残りの溶出液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液および塩基性化溶液を作り出す、工程;およびo)前記酸性化溶液および前記塩基性化溶液を、前記電気化学セルから、(a)~(c)の前記イオン交換装置のいずれか1つに戻して再利用する工程を含む。
【0140】
一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記リチウム溶出溶液にNaCOを添加することでLiCOを沈殿させるための炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、LiCOはCOガスと反応すると炭酸水素リチウム溶液を作り出し、炭酸水素リチウム溶液は精製LiCOの沈殿前に精製される。一実施形態において、イオン交換媒体を用いて炭酸水素リチウム溶液を精製することで、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、鉄、遷移金属、他の不純物、またはそれらの組み合わせといった不純物が取り除かれる。一実施形態において、LiCOは連続プロセスにおいて精製される。一実施形態において、LiCOの精製用の装置として、溶解器、混合器、分散器、気体分散チューブ、冷却器、固体と気体を分離する静水化ウェル、結晶供給器、インラインフィルター、熱交換器、加熱ガス密封晶析装置、二酸化炭素または水溶液用のポンプとライン、固液分離用のフィルターなどの手段、母液流出、二酸化炭素源、シーブトレー、Scheibelカラム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0141】
本明細書に記載される本発明の一態様は、炭酸リチウムを作り出す方法であって、該方法は、塩基を塩水に添加してプロトンを中和させながらリチウムを吸収し、かつプロトンを放出するために、リチウム選択イオン交換媒体を塩水に接触させる工程、媒体から残りの塩水を取り除くために前記リチウム選択イオン交換媒体を水と接触させる工程、リチウムイオンを放出し、かつリチウム溶液を作り出す間に、プロトンを吸収するために前記リチウム選択イオン交換媒体を酸と接触させる工程、リチウム溶液を精製かつ濃縮する工程、炭酸ナトリウムの添加によりナトリウム溶液を産生することにより炭酸リチウムとしてリチウムを沈殿させる工程、ナトリウム溶液からリチウムを随意に回収する工程、ナトリウム溶液を酸および塩基に変換する工程、リチウム選択イオン交換媒体からリチウムを溶出するために酸を再利用する工程、およびリチウム選択イオン交換媒体から塩水へと放出されたプロトンを中和するために塩基を再利用する工程を含む。一実施形態において、リチウム濃縮物を作り出すためにリチウム溶液の濃縮、中和、および精製のためのシステム、炭酸ナトリウムの添加によりナトリウム溶液を産生することによりリチウム濃縮物からリチウムを沈殿させるためのシステム、随意に、ナトリウム溶液からリチウムを回収するためのシステム、およびナトリウム溶液を酸および塩基へと変換するためのシステムが存在する。
【0142】
一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記リチウム溶出溶液にNaCOを添加することでLiCOを沈殿させるための炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、LiCOはCOガスと反応すると炭酸水素リチウム溶液を作り出し、炭酸水素リチウム溶液は精製LiCOの沈殿前に精製される。一実施形態において、イオン交換媒体を用いて炭酸水素リチウム溶液を精製することで、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、鉄、遷移金属、他の不純物、またはそれらの組み合わせといった不純物が取り除かれる。一実施形態において、LiCOは連続プロセスにおいて精製される。一実施形態において、LiCOの精製用の装置として、溶解器、混合器、分散器、気体分散チューブ、冷却器、固体と気体を分離する静水化ウェル、結晶供給器、インラインフィルター、熱交換器、加熱ガス密封晶析装置、二酸化炭素または水溶液用のポンプとライン、固液分離用のフィルターなどの手段、母液流出、二酸化炭素源、シーブトレー、Scheibelカラム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0143】
いくつかの実施形態において、リチウム抽出システムを用いてリチウムは塩水から抽出され、リチウム溶液は、イオン交換カラム、撹拌タンク反応器、または他の反応器システムにおいてイオン交換ビーズ、粒子、材料、または他の媒体から溶出され、リチウム溶液を随意に濃縮し、pH中和し、かつ精製することで、Mg、Ca Sr、Mn、Fe、および/またはBなどの種が取り除かれ、および、リチウム溶液を炭酸ナトリウムおよび/または水酸化ナトリウムで処理することで、炭酸リチウムが沈殿し、一方で低レベルのMg、Ca、および他の不純物を含むナトリウム溶液が残る。このナトリウム溶液をリチウム抽出システムで処理することで、ナトリウム溶液からリチウムを回収することができる。そうしてナトリウム溶液を酸および塩基に変換することができ、これらをリチウム抽出システム中で試薬として再使用することができる。
【0144】
いくつかの実施形態において、硫黄または塩酸を使用して、硫酸リチウムまたは塩化リチウムを作り出すリチウム抽出系からリチウムを溶出する。いくつかの実施形態において、硫酸リチウムまたは塩化リチウムを炭酸ナトリウムと共に試薬として添加すると、炭酸リチウム沈殿物、および硫酸ナトリウムまたは塩化ナトリウムを含む母液が産生される。いくつかの実施形態において、硫酸ナトリウムまたは塩化ナトリウムを含む母液は、電気透析、電気分解、または他の方法を用いて酸および塩基へと変換される。いくつかの実施形態において、水酸化ナトリウム塩基が母液から作り出される。いくつかの実施形態において、母液から作り出された水酸化ナトリウム塩基を使用して、塩水からのリチウム吸収中にプロトンを中和する。いくつかの実施形態において、母液から作り出された水酸化ナトリウム塩基は、統合リチウム抽出システムにおいて、pH補正、イオン交換、精製、または他の目的のために使用される。いくつかの実施形態において、硫黄または塩酸が母液から作り出される。いくつかの実施形態において、母液から作り出された硫黄または塩酸をリチウム抽出システムに使用して、イオン交換媒体からリチウムを溶出する。いくつかの実施形態において、酸および/または塩基は、リチウム抽出に関連する、または関連しない目的のために、現地で、または現地外で使用される。
【0145】
いくつかの実施形態において、リチウム溶液を炭酸ナトリウムで処理することで、炭酸リチウムが沈殿し、残りの炭酸塩の種を含有するナトリウム溶液が産生される。いくつかの実施形態において、それらの炭酸塩の種は、ナトリウム溶液を、ナトリウム溶液のpHを下げるリチウム抽出システムに通すことにより二酸化炭素(carbonate dioxide)に変換され、それによって炭酸塩陰イオンが二酸化炭素に変換される。いくつかの実施形態において、炭酸リチウムは、炭酸ナトリウム塩や溶液、または他の炭酸塩や溶液の添加により沈殿される。いくつかの実施形態において、塩酸または硫酸は、塩分解の前に炭酸塩含有リチウム溶液に添加される。いくつかの実施形態において、炭酸塩は、炭酸リチウム沈殿の後、かつ塩分解の前に、ナトリウム溶液から取り除かれる。
【0146】
本明細書に記載されるプロセスは、母液の電気分解から利益を得ることができる。一実施形態において、再生された酸および塩基は、リチウム抽出装置に使用される。これにより炭酸リチウムの生産が可能となり、一方で大量の酸溶液および塩基性液を供給する必要がなくなる。また、母液を廃棄する必要もなくなる場合がある。これらによって、本明細書に記載されるプロセスを用いた低コストでのリチウム生産が可能となる。
【0147】
一態様において、本開示は、液体資源から水酸化リチウム粉末を作り出すための統合プロセスを提供し、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;b)イオン交換装置中のイオン交換材料を液体資源と接触させる工程であって、イオン交換材料の水素イオンは、液体資源のリチウムイオンと交換されることで、イオン交換装置にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出す、工程;c)リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、リチウムが豊富なイオン交換材料のリチウムイオンは、酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;d)イオン交換装置と流体連通している膜セルを設ける工程であって、膜セルは、(i)電気化学還元電極を含む第1の区画、(ii)電気化学酸化電極を含む第2の区画、および(iii)第1の区画と第2の区画とを分けるイオン伝導膜を備えている、工程;e)リチウム溶出液を膜セルに渡す工程;f)膜セル中のリチウム溶出液を電流にさらす工程であって、電流は、リチウム溶出液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液および水酸化リチウム溶液を作り出す、工程;g)水酸化リチウム粉末を形成するために水酸化リチウム溶液を結晶化する工程;およびh)酸性化溶液を膜セルから(c)のイオン交換装置に戻して再利用する工程を含む。
【0148】
一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記リチウム溶出溶液にNaCOを添加することでLiCOを沈殿させるための炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、LiCOはCOガスと反応すると炭酸水素リチウム溶液を作り出し、炭酸水素リチウム溶液は精製LiCOの沈殿前に精製される。一実施形態において、イオン交換媒体を用いて炭酸水素リチウム溶液を精製することで、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、鉄、遷移金属、他の不純物、またはそれらの組み合わせといった不純物が取り除かれる。一実施形態において、LiCOは連続プロセスにおいて精製される。一実施形態において、LiCOの精製用の装置として、溶解器、混合器、分散器、気体分散チューブ、冷却器、固体と気体を分離する静水化ウェル、結晶供給器、インラインフィルター、熱交換器、加熱ガス密封晶析装置、二酸化炭素または水溶液用のポンプとライン、固液分離用のフィルターなどの手段、母液流出、二酸化炭素源、シーブトレー、Scheibelカラム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0149】
一態様において、本開示は、液体資源から水酸化リチウム粉末を作り出すための統合プロセスを提供し、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;b)イオン交換装置中のイオン交換材料を液体資源と接触させる工程であって、イオン交換材料の水素イオンは、液体資源のリチウムイオンと交換されることで、イオン交換装置にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出す、工程;c)リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、リチウムが豊富なイオン交換材料のリチウムイオンは、酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;d)イオン交換装置と流体連通している電解セルを設ける工程であって、該電解セルは、(i)第1の電気化学還元電極および(ii)第2の電気化学酸化電極を備えている、工程;e)リチウム溶出液を膜セルに渡す工程;f)膜セル中のリチウム溶出液を電流にさらす工程であって、電流は、前記リチウム溶出液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液および水酸化リチウム溶液を作り出す、工程;g)水酸化リチウム粉末を形成するために水酸化リチウム溶液を結晶化する工程;およびh)酸性化溶液を膜セルから(c)のイオン交換装置に戻して再利用する工程を含む。
【0150】
一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記リチウム溶出溶液にNaCOを添加することでLiCOを沈殿させるための炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、LiCOはCOガスと反応すると炭酸水素リチウム溶液を作り出し、炭酸水素リチウム溶液は精製LiCOの沈殿前に精製される。一実施形態において、イオン交換媒体を用いて炭酸水素リチウム溶液を精製することで、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、鉄、遷移金属、他の不純物、またはそれらの組み合わせといった不純物が取り除かれる。一実施形態において、LiCOは連続プロセスにおいて精製される。一実施形態において、LiCOの精製用の装置として、溶解器、混合器、分散器、気体分散チューブ、冷却器、固体と気体を分離する静水化ウェル、結晶供給器、インラインフィルター、熱交換器、加熱ガス密封晶析装置、二酸化炭素または水溶液用のポンプとライン、固液分離用のフィルターなどの手段、母液流出、二酸化炭素源、シーブトレー、Scheibelカラム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0151】
一態様において、本開示は、液体資源から炭酸リチウム粉末を作り出すための統合プロセスを提供し、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;b)イオン交換装置中のイオン交換材料を液体資源と接触させる工程であって、イオン交換材料の水素イオンは、液体資源のリチウムイオンと交換されることで、イオン交換装置にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出し、水酸化ナトリウムを塩水に添加すると、イオン交換材料からプロトンが中和される、工程;c)リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、リチウムが豊富なイオン交換材料のリチウムイオンは、酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;d)リチウム濃縮溶液を作り出すためにリチウム溶出溶液から水を取り除く工程;e)精製リチウム溶液を作り出すためにリチウム濃縮溶液を精製する工程;f)炭酸リチウム生成物を沈殿させ、かつナトリウム副産物溶液を作り出すために、前記精製リチウム溶液を炭酸ナトリウム溶液と反応させる工程;g)ナトリウム副産物溶液を電気化学セルに渡す工程;h)電気化学セル中のナトリウム副産物溶液を電流にさらす工程であって、電流は、ナトリウム副産物溶液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液および水酸化ナトリウム溶液を作り出す、工程;i)水酸化ナトリウム溶液を電気化学セルから(b)のイオン交換装置に戻して再利用する工程;およびj)酸性化溶液を電気化学セルから(c)のイオン交換装置に戻して再利用する工程を含む。
【0152】
一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記リチウム溶出溶液にNaCOを添加することでLiCOを沈殿させるための炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、LiCOはCOガスと反応すると炭酸水素リチウム溶液を作り出し、炭酸水素リチウム溶液は精製LiCOの沈殿前に精製される。一実施形態において、イオン交換媒体を用いて炭酸水素リチウム溶液を精製することで、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、鉄、遷移金属、他の不純物、またはそれらの組み合わせといった不純物が取り除かれる。一実施形態において、LiCOは連続プロセスにおいて精製される。一実施形態において、LiCOの精製用の装置として、溶解器、混合器、分散器、気体分散チューブ、冷却器、固体と気体を分離する静水化ウェル、結晶供給器、インラインフィルター、熱交換器、加熱ガス密封晶析装置、二酸化炭素または水溶液用のポンプとライン、固液分離用のフィルターなどの手段、母液流出、二酸化炭素源、シーブトレー、Scheibelカラム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0153】
一態様において、本開示は、液体資源からリン酸リチウム粉末を作り出すための統合プロセスを提供し、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;b)イオン交換装置中のイオン交換材料を液体資源と接触させる工程であって、イオン交換材料の水素イオンは、液体資源のリチウムイオンと交換されることで、イオン交換装置にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出し、水酸化ナトリウムを塩水に添加すると、イオン交換材料からプロトンが中和される、工程;c)リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、リチウムが豊富なイオン交換材料のリチウムイオンは、酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;d)リチウム濃縮溶液を作り出すためにリチウム溶出溶液から水を取り除く工程;e)精製リチウム溶液を作り出すためにリチウム濃縮溶液を精製する工程;f)リン酸リチウム生成物を沈殿させ、かつナトリウム副産物溶液を作り出すために、前記精製リチウム溶液をリン酸塩溶液と反応させる工程;g)ナトリウム副産物溶液を電気化学セルに渡す工程;h)電気化学セル中のナトリウム副産物溶液を電流にさらす工程であって、電流は、ナトリウム副産物溶液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液および水酸化ナトリウム溶液を作り出す、工程;i)水酸化ナトリウム溶液を電気化学セルから(b)のイオン交換装置に戻して再利用する工程;およびj)酸性化溶液を電気化学セルから(c)のイオン交換装置に戻して再利用する工程を含む。
【0154】
一実施形態において、イオン交換装置中のイオン交換材料は、LiFePO、LiMnPO、LiMO(M=Ti、Mn、Sn)、LiTi12、LiMn12、LiMn、Li1.6Mn1.6、LiMO(M=Al、Cu、Ti)、LiTiO、LiTi1124、LiVO、LiSi、LiCuP、Al(OH)、LiCl.xAl(OH).yHO、SnO.xSb.yHO、TiO.xSb.yHO、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせから成る群から選択され;ここで、xは0.1-10であり、yは0.1-10である。一実施形態において、イオン交換装置中の前記イオン交換材料は、LiFePO、LiMnPO、LiMO(M=Ti、Mn、Sn)、LiTi12、LiMn12、LiMn、Li1.6Mn1.6、LiMO(M=Al、Cu、Ti)、LiTiO、LiTi1124、LiVO、LiSi、またはLiCuPから成る群から選択される。
【0155】
一実施形態において、イオン交換装置中のイオン交換材料は、被覆イオン交換粒子、非被覆イオン交換粒子、またはそれらの組み合わせを含む。さらなる態様において、被覆材料はポリマーを含む。一実施形態において、被覆材料は、クロロポリマー、フルオロポリマー、クロロ-フルオロポリマー、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む。
【0156】
さらなる態様において、被覆材料は、コポリマー、ブロックコポリマー、線状ポリマー、分岐ポリマー、架橋ポリマー、熱処理したポリマー、溶液で処理したポリマー、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む。
【0157】
さらなる態様において、被覆材料は、ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、あらゆるポリアミド、ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、ポリブタジエン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン・テトラフルオロエチレンポリマー(ETFE)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)(PCTFE)、エチレン・クロロトリフルオロ・エチレン(Halar)、ポリフッ化ビニル(PVF)、フッ化エチレン-プロピレン(FEP)、パーフルオロ化エラストマー、クロロトリフルオロエチレンビニリデンフッ化物(FKM)、パーフルオロポリエーテル(PFPE)、パーフルオロスルホン酸(Nafion)、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレン-ブロック-ポリ(エチレングリコール)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリクロロプレン(ネオプレン)、ポリビニルブチラール(PVB)、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリジビニルベンゼン、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む。
【0158】
さらなる態様において、被覆材料は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン・クロロトリフルオロ・エチレン(Halar)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS))、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリフェニレンスルフィド、スルホン化ポリマー、カルボキシル化ポリマー、他のポリマー、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む。
【0159】
一実施形態において、イオン交換装置中のイオン交換材料は被覆イオン交換粒子を含む。一実施形態において、イオン交換装置中のイオン交換材料は、粉末またはスラリー状である。
【0160】
一実施形態において、統合プロセスにおける前記酸溶液は、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、塩素酸、過塩素酸、硝酸、ギ酸、酢酸、またはそれらの組み合わせから成る溶液である。
【0161】
いくつかの実施形態において、炭酸リチウム結晶は、約100ミクロン未満、約50ミクロン未満、約20ミクロン未満、約10ミクロン未満、約5ミクロン未満、約2ミクロン未満、約1ミクロン未満、または約100ミクロンを超える平均粒径を伴うサイズ範囲へと粉砕される。一実施形態において、水酸化リチウムはペレット状へと処理される。
【0162】
電気分解
本明細書に記載される本発明の一態様は、液体資源から精製リチウム濃縮物を生成するための統合プロセスであって、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;b)イオン交換装置中のイオン交換材料を液体資源と接触させる工程であって、イオン交換材料の水素イオンは、液体資源のリチウムイオンと交換されることで、イオン交換装置にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出す、工程;c)リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、リチウムが豊富なイオン交換材料のリチウムイオンは、酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;d)イオン交換装置と流体連通している膜セルを設ける工程であって、膜セルは、(i)電気化学還元電極を含む第1の区画、(ii)電気化学酸化電極を含む第2の区画、および(iii)少なくとも前記第1の区画と前記第2の区画とを分けるイオン伝導膜を備えている、工程;e)リチウム溶出液を膜セルに渡す工程;f)膜セル中のリチウム溶出液を電流にさらす工程であって、電流は、前記リチウム溶出液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液および精製リチウム濃縮物を作り出す、工程;およびg)前記酸性化溶液を膜セルから(c)のイオン交換装置に戻して再利用する工程を含む。
【0163】
一実施形態において、リチウムが豊富なイオン交換材料は、イオン交換装置中で処理される。一実施形態において、リチウム溶出液は、イオン交換装置中で作り出される。一実施形態において、リチウム溶出液は、イオン交換装置から膜セルへと渡される。一実施形態において、(b)の前に、イオン交換装置中のイオン交換材料を酸溶液により処理することで、イオン交換装置中に水素が豊富なイオン交換材料が作り出される。一実施形態において、(b)はさらにpH調節を含み、該pH調節は、液体資源のリチウムイオンと交換されている水素が豊富なイオン交換材料の水素イオンを支持して平衡状態を維持する。一実施形態において、統合プロセスはさらに、酸溶液に加えて塩基により、前記リチウムが豊富なイオン交換材料を処理する工程を含む。一実施形態において、塩基はCa(OH)またはNaOHである。
【0164】
一実施形態において、処理システムの1つは膜電気分解システムである。一実施形態において、膜電気分解システムは、リチウム塩溶液、および、イオン交換システムに戻される酸を作り出す。一実施形態において、膜電気分解システムは、硫酸リチウム溶液を、水酸化リチウム溶液、および、イオン交換システムに戻される硫酸溶液に変換する。一実施形態において、膜電気分解システムは、塩化リチウム溶液を、水酸化リチウム溶液、および、イオン交換システムに戻される塩酸に変換する。一実施形態において、膜電気分解システムは、塩化リチウム溶液を、水酸化リチウム溶液、水素ガス、および塩素ガスに変換し、水素ガスと塩素ガスは塩酸に変換され、これはイオン交換システムに戻される。
【0165】
一実施形態において、処理システムの1つは電気化学セルシステムである。一実施形態において、電気化学セルシステムは、リチウム塩溶液、および、イオン交換システムに戻される酸を作り出す。一実施形態において、電気化学セルシステムは、硫酸リチウム溶液を、水酸化リチウム溶液、および、イオン交換システムに戻される硫酸溶液に変換する。一実施形態において、電気化学セルシステムは、塩化リチウム溶液を、水酸化リチウム溶液、および、イオン交換システムに戻される塩酸に変換する。一実施形態において、電気化学セルシステムは、塩化リチウム溶液を、水酸化リチウム溶液、水素ガス、および塩素ガスに変換し、水素ガスと塩素ガスは塩酸に変換され、これはイオン交換システムに戻される。
【0166】
一実施形態において、処理システムの1つは電気透析システムである。一実施形態において、電気透析システムは、リチウム塩溶液、および、イオン交換システムに戻される酸を作り出す。一実施形態において、電気透析システムは、硫酸リチウム溶液を、水酸化リチウム溶液、および、イオン交換システムに戻される硫酸溶液に変換する。一実施形態において、電気透析システムは、塩化リチウム溶液を、水酸化リチウム溶液、および、イオン交換システムに戻される塩酸に変換する。一実施形態において、電気透析システムは、塩化リチウム溶液を、水酸化リチウム溶液、水素ガス、および塩素ガスに変換し、水素ガスと塩素ガスは塩酸に変換され、これはイオン交換システムに戻される。
【0167】
統合システムの一実施形態において、統合システムは1つ以上の電気分解システムを備えている。一実施形態において、電気分解システムは1つ以上の膜電解セルで構成されている。一実施形態において、電気分解システムは、リチウム塩溶液を変換することで、水酸化リチウム溶液、酸性化溶液、および随意に希釈リチウム塩溶液を形成する。一実施形態において、リチウム塩溶液は、イオン交換システムにより作り出される、随意に濃縮および/または精製されるリチウム溶出溶液であるか、またはそれに由来するものである。一実施形態において、電気分解システムからの酸性化溶液をイオン交換システムに戻すことで、より多くのリチウム溶出溶液が溶出される。
【0168】
統合システムの一実施形態において、統合システムは1つ以上の電気分解システムを備えている。一実施形態において、電気分解システムは1つ以上の電気化学セルで構成されている。一実施形態において、電気分解システムは、リチウム塩溶液を変換することで、水酸化リチウム溶液、酸性化溶液、および随意に希釈リチウム塩溶液を形成する。一実施形態において、リチウム塩溶液は、イオン交換システムにより作り出される、随意に濃縮および/または精製されるリチウム溶出溶液であるか、またはそれに由来するものである。一実施形態において、電気分解システムからの酸性化溶液をイオン交換システムに戻すことで、より多くのリチウム溶出溶液が溶出される。
【0169】
統合システムの一実施形態において、統合システムは1つ以上の電気分解システムを備えている。一実施形態において、電気分解システムは1つ以上の電気透析セルで構成されている。一実施形態において、電気分解システムは、リチウム塩溶液を変換することで、水酸化リチウム溶液、酸性化溶液、および随意に希釈リチウム塩溶液を形成する。一実施形態において、リチウム塩溶液は、イオン交換システムにより作り出される、随意に濃縮および/または精製されるリチウム溶出溶液であるか、またはそれに由来するものである。一実施形態において、電気分解システムからの酸性化溶液をイオン交換システムに戻すことで、より多くのリチウム溶出溶液が溶出される。
【0170】
一実施形態において、リチウム塩溶液は、イオン交換システムからの未反応酸を含んでいる。一実施形態において、イオン交換システムからのリチウム塩溶液中の未反応酸は、電気分解システムを通過し、さらに酸性化されることで、酸性化溶液を形成する。一実施形態において、イオン交換システム由来のリチウム塩溶液は、精製されることで、リチウム塩溶液中の未反応酸を中和することなく不純物を取り除かれ、次いで電気分解システムへと供給される。
【0171】
一実施形態において、電気分解システムにより作り出された酸性化溶液は、電気分解システムへと供給されるリチウム塩溶液のリチウムイオンを含有する。一実施形態において、リチウムイオンを含有する酸性化溶液は電気分解システムから出て、イオン交換システムに戻されると、リチウムを溶出し、より多くのリチウム塩溶液を作り出す。
【0172】
電気分解システムの一実施形態において、電解セルは電気化学セルである。電気化学セルの一実施形態において、膜は、陽イオン伝導膜および/または陰イオン伝導膜の場合がある。一実施形態において、電気化学セルは、チャンバー間のリチウムイオンの移動を可能にするが、塩化物、硫酸塩、および水酸化物基などの陰イオンの移動を妨げる、陽イオン伝導膜を持つ2区画のセルである。
【0173】
電気分解システムの一実施形態において、電解セルは電気透析セルである。電気透析セルの一実施形態において、膜は、陽イオン伝導膜および/または陰イオン伝導膜の場合がある。一実施形態において、電気透析セルは、チャンバー間のリチウムイオンの移動を可能にするが、塩化物、硫酸塩、および水酸化物基などの陰イオンの移動を妨げる、陽イオン伝導膜を持つ2区画のセルである。
【0174】
電気分解システムの一実施形態において、電解セルは膜電解セルである。膜電解セルの一実施形態において、膜は、陽イオン伝導膜および/または陰イオン伝導膜の場合がある。一実施形態において、膜電解セルは、チャンバー間のリチウムイオンの移動を可能にするが、塩化物、硫酸塩、および水酸化物基などの陰イオンの移動を妨げる、陽イオン伝導膜を持つ2区画のセルである。
【0175】
一実施形態において、膜電解セルは、電気化学還元電極を持つ区画を中央区画から分離する、リチウムイオンの移動を可能にする陽イオン伝導膜、および、電気化学酸化電極を持つ区画を中央区画から分離する、陰イオンの移動を可能にする陰イオン伝導膜を持つ、3区画のセルである。一実施形態において、陽イオン伝導膜は、塩化物、硫酸塩、または水酸化物などの陰イオンの移動を妨げる。一実施形態において、陰イオン伝導膜は、リチウム、ナトリウム、またはプロトンなどの陽イオンの移動を妨げる。
【0176】
膜電解セルの一実施形態において、膜は、Nafion(登録商標)、スルホン化テトラフルオロエチレン、スルホン化フッ素ポリマー、MK-40、コポリマー、他の膜材料、複合体、またはそれらの組み合わせで構成される場合がある。膜電解セルの一実施形態において、陽イオン交換膜は、Nafion(登録商標)、スルホン化テトラフルオロエチレン、スルホン化フッ素ポリマー、コポリマー、異なるポリマー、ポリマーの複合物、またはそれらの組み合わせであり得る、官能化ポリマー構造で構成される。膜電解セルの一実施形態において、陽イオン交換膜のポリマー構造は、スルホン基、カルボン酸基、リン酸基、他の負に帯電した官能基、またはそれらの組み合わせにより官能化される。
【0177】
電気化学セルの一実施形態において、膜は、Nafion(登録商標)、スルホン化テトラフルオロエチレン、スルホン化フッ素ポリマー、MK-40、コポリマー、他の膜材料、複合体、またはそれらの組み合わせで構成される場合がある。電気化学セルの一実施形態において、陽イオン交換膜は、Nafion(登録商標)、スルホン化テトラフルオロエチレン、スルホン化フッ素ポリマー、コポリマー、異なるポリマー、ポリマーの複合物、またはそれらの組み合わせであり得る、官能化ポリマー構造で構成される。電気化学セルの一実施形態において、陽イオン交換膜のポリマー構造は、スルホン基、カルボン酸基、リン酸基、他の負に帯電した官能基、またはそれらの組み合わせにより官能化される。
【0178】
電気透析セルの一実施形態において、膜は、Nafion(登録商標)、スルホン化テトラフルオロエチレン、スルホン化フッ素ポリマー、MK-40、コポリマー、他の膜材料、複合体、またはそれらの組み合わせで構成される場合がある。電気透析セルの一実施形態において、陽イオン交換膜は、Nafion(登録商標)、スルホン化テトラフルオロエチレン、スルホン化フッ素ポリマー、コポリマー、異なるポリマー、ポリマーの複合物、またはそれらの組み合わせであり得る、官能化ポリマー構造で構成される。電気透析セルの一実施形態において、陽イオン交換膜のポリマー構造は、スルホン基、カルボン酸基、リン酸基、他の負に帯電した官能基、またはそれらの組み合わせにより官能化される。
【0179】
膜電解セルの一実施形態において、陰イオン交換膜は、官能化ポリマー構造で構成される。ポリマー構造は、ポリアリーレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレン、パーフルオロ化ポリマー、ポリベンゾイミダゾール、ポリエピクロロヒドリン、不飽和ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルベンジル塩化物、ポリホスファゼン、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、これらポリマーの代替物、他の種類のポリマー、またはそれらの複合物で構成される場合がある。膜の一実施形態において、官能基はポリマー骨格の一部である。膜の一実施形態において、官能基は、プラズマ法、放射線グラフト、または他の官能基化反応により添加される。膜の一実施形態において、官能基は、ベンジルトリアルキルアンモニウム、アルキル側鎖第四級アンモニウム基、架橋二アンモニウム基、キヌクリジニウムベースの第四級アンモニウム基、イミダゾリウム基、ピリジニウム基、ペンタメチルグアニジニウム基、アルカリが安定した第四級ホスホニウム基、金属含有陽イオン基、他の陽イオン含有基、またはそれらの組み合わせの場合がある。
【0180】
電気化学セルの一実施形態において、陰イオン交換膜は、官能化ポリマー構造で構成される。ポリマー構造は、ポリアリーレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレン、パーフルオロ化ポリマー、ポリベンゾイミダゾール、ポリエピクロロヒドリン、不飽和ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルベンジル塩化物、ポリホスファゼン、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、これらポリマーの代替物、他の種類のポリマー、またはそれらの複合物で構成される場合がある。膜の一実施形態において、官能基はポリマー骨格の一部である。膜の一実施形態において、官能基は、プラズマ法、放射線グラフト、または他の官能基化反応により添加される。膜の一実施形態において、官能基は、ベンジルトリアルキルアンモニウム、アルキル側鎖第四級アンモニウム基、架橋二アンモニウム基、キヌクリジニウムベースの第四級アンモニウム基、イミダゾリウム基、ピリジニウム基、ペンタメチルグアニジニウム基、アルカリが安定した第四級ホスホニウム基、金属含有陽イオン基、他の陽イオン含有基、またはそれらの組み合わせの場合がある。
【0181】
電気透析セルの一実施形態において、陰イオン交換膜は、官能化ポリマー構造で構成される。ポリマー構造は、ポリアリーレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレン、パーフルオロ化ポリマー、ポリベンゾイミダゾール、ポリエピクロロヒドリン、不飽和ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルベンジル塩化物、ポリホスファゼン、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、これらポリマーの代替物、他の種類のポリマー、またはそれらの複合物で構成される場合がある。膜の一実施形態において、官能基はポリマー骨格の一部である。膜の一実施形態において、官能基は、プラズマ法、放射線グラフト、または他の官能基化反応により添加される。膜の一実施形態において、官能基は、ベンジルトリアルキルアンモニウム、アルキル側鎖第四級アンモニウム基、架橋二アンモニウム基、キヌクリジニウムベースの第四級アンモニウム基、イミダゾリウム基、ピリジニウム基、ペンタメチルグアニジニウム基、アルカリが安定した第四級ホスホニウム基、金属含有陽イオン基、他の陽イオン含有基、またはそれらの組み合わせの場合がある。
【0182】
膜電解セルの一実施形態において、膜の厚みは、10μm未満、50μm未満、200μm未満、400μm未満、または1,000μm未満の場合がある。膜電解セルの一実施形態において、膜の厚みは、1,000μmを超える場合がある。膜電解セルの一実施形態において、膜の厚みは、約1μm~約1000μm、約1μm~約800μm、約1μm~約600μm、約1μm~約400μm、約1μm~約200μm、約1μm~約100μm、約1μm~約90μm、約1μm~約80μm、約1μm~約70μm、約1μm~約60μm、約1μm~約50μm、約1μm~約40μm、約1μm~約30μm、約1μm~約20μm、約1μm~約15μm、または約1μm~約10μmの場合がある。
【0183】
電気化学セルの一実施形態において、膜の厚みは、10μm未満、50μm未満、200μm未満、400μm未満、または1,000μm未満の場合がある。電気化学セルの一実施形態において、膜の厚みは、1,000μmを超える場合がある。電気化学セルの一実施形態において、膜の厚みは、約1μm~約1000μm、約1μm~約800μm、約1μm~約600μm、約1μm~約400μm、約1μm~約200μm、約1μm~約100μm、約1μm~約90μm、約1μm~約80μm、約1μm~約70μm、約1μm~約60μm、約1μm~約50μm、約1μm~約40μm、約1μm~約30μm、約1μm~約20μm、約1μm~約15μm、または約1μm~約10μmの場合がある。
【0184】
電気透析セルの一実施形態において、膜の厚みは、10μm未満、50μm未満、200μm未満、400μm未満、または1,000μm未満の場合がある。電気透析セルの一実施形態において、膜の厚みは、1,000μmを超える場合がある。電気透析セルの一実施形態において、膜の厚みは、約1μm~約1000μm、約1μm~約800μm、約1μm~約600μm、約1μm~約400μm、約1μm~約200μm、約1μm~約100μm、約1μm~約90μm、約1μm~約80μm、約1μm~約70μm、約1μm~約60μm、約1μm~約50μm、約1μm~約40μm、約1μm~約30μm、約1μm~約20μm、約1μm~約15μm、または約1μm~約10μmの場合がある。
【0185】
一実施形態において、電気分解システムは、2区画の電解セル、または3区画の電解セルであり得る、電解セルを含んでいる。
【0186】
2区画の電解セルの一実施形態において、セルは、電気化学酸化電極を含む第1の区画を含んでいる。リチウム塩溶液は、第1の区画に進入し、酸性化溶液に変換される。2区画の電解セルの一実施形態において、セルは、電気化学還元電極を含む第2の区画を含んでいる。この第2の区画は、入力として水または希釈LiOH溶液を取り込み、出力としてより濃縮されたLiOH溶液を作り出す。一実施形態において、この区画は、陰イオンの輸送を制限する陽イオン伝導膜により分離される。
【0187】
3区画の電解セルの一実施形態において、セルは、電気化学酸化電極を含む第1の区画を含んでいる。第1の区画は、入力として水または希釈食塩水を取り込み、出力として酸性化溶液を作り出す。3区画の電解セルの一実施形態において、セルは、電気化学還元電極を含む第2の区画を含んでいる。この第2の区画は、入力として水または希釈LiOH溶液を取り込み、出力としてより濃縮されたLiOH溶液を作り出す。3区画の電解セルの一実施形態において、セルは、電極を含まない第3の電極を含んでおり、これは、第1の区画と第2の区画との間に位置し、入力として濃縮リチウム塩溶液を取り込み、出力として希釈リチウム塩溶液を作り出す。一実施形態において、第1および第3の区画は、陽イオンの輸送を制限する陰イオン伝導膜により分離される。一実施形態において、第2および第3の区画は、陰イオンの輸送を制限する陽イオン伝導膜により分離される。
【0188】
電解セルの一実施形態において、電極は、チタン、ニオブ、ジルコニウム、タンタル、マグネシウム、二酸化チタン、それらの酸化物、またはそれらの組み合わせで構成される。電解セルの一実施形態において、電極は、白金、TiO、ZrO、Nb、Ta、SnO、IrO、RuO、PtOx、混合金属酸化物、グラフェン、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせで被覆される場合がある。電解セルの一実施形態において、電極は、鋼、ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル合金、鋼合金、またはグラファイトで構成される場合がある。
【0189】
電気分解システムの一実施形態において、リチウム塩溶液は、HClを随意に含むLiCl溶液である。電気分解システムの一実施形態において、電気化学酸化電極は塩化物イオンを酸化させることで、塩素ガスを作り出す。
【0190】
電気分解システムの一実施形態において、リチウム塩溶液は、HSOを随意に含むLiSO溶液である。電気分解システムの一実施形態において、電気化学酸化電極は、水、水酸化物、または他の種を酸化させることで、酸素ガスを作り出す。
【0191】
電気分解システムの一実施形態において、電気化学還元電極は、水素イオンを還元することで、水素ガスを作り出す。電気分解システムの一実施形態において、電気化学還元電極を含むチャンバーは、LiOH溶液を作り出すか、または溶液のLiOH濃度を増大させる。
【0192】
電気分解システムの一実施形態において、塩素ガスおよび水素ガスは、燃焼することでHClバーナーにHClを作り出す。一実施形態において、HClバーナーは、約100-300℃で維持されたカラムである。一実施形態において、HClバーナーに作り出されたHClは、熱交換により冷却され、吸収塔において水に吸収されることで、HCl溶液を作り出す。一実施形態において、HClバーナーから作り出されたHCl溶液を使用することで、イオン交換システムからリチウムを溶出する。
【0193】
一実施形態において、電気分解システムに進入するリチウム塩溶液中のリチウム濃度は、1,000mg/L、5,000mg/L、20,000mg/L、50,000mg/L、または200,000mg/Lを超える場合がある。
【0194】
一実施形態において、電気分解システムから出るLiOH溶液中のリチウム濃度は、1,000mg/L、5,000mg/L、20,000mg/L、50,000mg/L、または200,000mg/Lを超える場合がある。
【0195】
一実施形態において、電解セルから出る酸性化溶液のpHは、2未満、1未満、または0未満の場合がある。
【0196】
いくつかの実施形態において、膜電解セルは、複数の区画を持つ電気透析セルである。いくつかの実施形態において、電気透析セルは、約2、約5、約10、または約20よりも多くの区画をもつ場合がある。いくつかの実施形態において、電気透析セルは、LiSO溶液をLiOH溶液やHSO溶液に、そしてNaSO溶液をNaOH溶液やHSOの溶液に変換することができる。
【0197】
いくつかの実施形態において、1、2、または3つ以上の区画を持つ電気化学セルを使用することで、LiSO、LiCl、NaSO、NaCl、KSO、KCl、RbSO、RbCl、CsSO、CsCl、またはそれらの組み合わせは、酸性および塩基溶液に分割される。いくつかの実施形態において、1、2、または3つ以上の区画を持つ電気化学セルを使用することで、LiSO、LiCl、NaSO、NaCl、KSO、KCl、RbSO、RbCl、CsSO、CsCl、またはそれらの組み合わせは、酸性および塩基溶液に分割され、ここで、酸はイオン交換材料からリチウムを溶出するために使用され、塩基はイオン交換材料から放出されたプロトンを中和するために使用される。
【0198】
化学沈殿
本明細書に記載される本発明の一態様は、液体資源から精製リチウム塩を生成するための統合プロセスであって、該統合プロセスは、a)イオン交換材料を含むイオン交換装置を設ける工程;b)イオン交換装置中のイオン交換材料を液体資源と接触させる工程であって、イオン交換材料の水素イオンは、液体資源のリチウムイオンと交換されることで、イオン交換装置にリチウムが豊富なイオン交換材料を作り出す、工程;c)リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理する工程であって、リチウムが豊富なイオン交換材料のリチウムイオンは、酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出液を作り出す、工程;d)イオン交換装置と流体連通している化学沈殿装置を設ける工程であって、該化学沈殿装置は、精製されたリチウム塩を沈殿させるようにリチウム溶出液の処理を容易にことができる、工程;e)イオン交換装置中のリチウム溶出液を化学沈殿装置に渡す工程;およびf)精製リチウム塩を作り出すために、化学沈殿装置中でリチウム溶出液を処理する工程を含む。
【0199】
一実施形態において、精製リチウム塩はLiClである。一実施形態において、化学沈殿装置は、HClおよび水を蒸留して取り除く。一実施形態において、HClは、(c)へと再利用される。一実施形態において、精製リチウム塩はLiSOである。一実施形態において、精製リチウム塩を前記化学沈殿装置中でNaCOにより処理することで、NaSOとLiCOが作り出される。一実施形態において、リチウムが豊富なイオン交換材料は、前記イオン交換装置中で処理される。
【0200】
一実施形態において、リチウム溶出液は、イオン交換装置中で作り出される。一実施形態において、リチウム溶出液は、イオン交換装置から化学沈殿装置へと渡される。一実施形態において、(b)の前に、イオン交換装置中のイオン交換材料を酸溶液により処理することで、前記イオン交換装置中に水素が豊富なイオン交換材料が作り出される。一実施形態において、(b)はさらにpH調節を含み、該pH調節は、液体資源のリチウムイオンと交換されている水素が豊富なイオン交換材料の水素イオンを支持して平衡状態を維持する。
【0201】
一実施形態において、処理システムの1つは、リチウム塩溶液の炭酸リチウムへの化学変換を対象とする。一実施形態において、炭酸ナトリウムをリチウム塩溶液に添加することで、炭酸リチウムが沈殿する。一実施形態において、COを水酸化リチウム溶液に添加することで、炭酸リチウムが沈殿する。一実施形態において、NaCOの水溶液を塩化リチウム溶液に添加することで、LiCOが沈殿する。一実施形態において、NaCOの水溶液を硫酸リチウム溶液に添加することで、LiCOが沈殿する。一実施形態において、NaCOの水溶液を硫酸リチウム溶液に添加することで、LiCOが沈殿し、次いで、残りの硫酸塩溶液から水を取り除くことで、NaSOが沈殿する。一実施形態において、炭酸リチウムは、二酸化炭素の存在下で炭酸リチウムを溶解し、次いで溶液を加熱して精製炭酸リチウムを沈殿させることにより、精製される。一実施形態において、処理システムは、水酸化リチウムへのリチウム塩溶液の化学変換を対象とする。一実施形態において、二価水酸化物を硫酸リチウム溶液に添加することで、二価硫酸塩が沈殿し、一方で溶液にLiOHが残る。一実施形態において、Ca(OH)を硫酸リチウム溶液に添加することで、CaSOが沈殿し、一方で溶液にLiOHが残る。
【0202】
統合システムの一実施形態において、統合システムは、溶液からリチウムイオンを沈殿させて固形リチウム化合物を形成するための1つ以上の化学沈殿装置を備えている。一実施形態において、化学沈殿装置は、LiCO、LiPO、またはLiOHを沈殿させるために使用される。一実施形態において、化学物質を固体、溶液、またはスラリーとして添加することで、化学沈殿を容易にすることができ、これら化学物質は、炭酸塩、水酸化物、塩基、または他の化学物質の場合がある。一実施形態において、NaCOは、水溶液、固体、またはスラリーとして添加されてもよい。一実施形態において、NaPOなどの他の沈殿剤は、水溶液、固体、またはスラリーとして添加されてもよい。
【0203】
一実施形態において、前記統合システムはさらに、前記リチウム溶出溶液にNaCOを添加することでLiCOを沈殿させるための炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、前記統合システムはさらに、COの添加によりLiCOを精製するための重炭酸化装置を備えている。一実施形態において、LiCOはCOガスと反応すると炭酸水素リチウム溶液を作り出し、炭酸水素リチウム溶液は精製LiCOの沈殿前に精製される。一実施形態において、イオン交換媒体を用いて炭酸水素リチウム溶液を精製することで、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、鉄、遷移金属、他の不純物、またはそれらの組み合わせといった不純物が取り除かれる。一実施形態において、LiCOは連続プロセスにおいて精製される。一実施形態において、LiCOの精製用の装置として、溶解器、混合器、分散器、気体分散チューブ、冷却器、固体と気体を分離する静水化ウェル、結晶供給器、インラインフィルター、熱交換器、加熱ガス密封晶析装置、二酸化炭素または水溶液用のポンプとライン、固液分離用のフィルターなどの手段、母液流出、二酸化炭素源、シーブトレー、Scheibelカラム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0204】
化学沈殿装置の一実施形態において、LiCl溶液をNaCOで処理することでLiCOが沈殿し、一方でNaClが溶液に残る。化学沈殿装置の一実施形態において、LiSO溶液をNaCOで処理することでLiCOが沈殿する。化学沈殿装置の一実施形態において、LiSO溶液をNaCOの溶液で処理することで、最初にLiCOが沈殿し、その間にNaCOの量を制限することでNaSOの沈殿が回避され、次いで、別の工程において水を取り除くことでNaSOが沈殿する。一実施形態において、NaCO溶液の添加によるLiCOの沈殿、および水の除去によるNaSOの沈殿を含むサイクルに、リチウム含有硫酸塩溶液を繰り返しさらすことができる。一実施形態において、LiCOは、約50℃超、約60℃超、約70℃超、超約80℃超、超約85℃超、約90℃超、約95℃超、約100℃未満、約95℃未満、約90℃未満、約85℃未満、約80℃未満、約50℃~約100℃、約60℃~約100℃、約70℃~約100℃、約80℃~約100℃、約85℃~約100℃、約90℃~約100℃、約95℃~約100℃、約80℃~約95℃、約85℃~約95℃、約90℃~約95℃、約80℃~約90℃、約85℃~約90℃の温度で沈殿する。一実施形態において、LiCOは、高い高度で高温を促す圧力下で沈殿する。いくつかの実施形態において、LiCOは、約0メートル、約1,000メートル、約2,000メートル、約3,000メートル、または約4,000メートルを超える高度で沈殿する。いくつかの実施形態において、LiCOは、約1.0atm、約0.95atm、約0.9atm、約0.85atm、または約0.8atm未満の圧力で沈殿する。
【0205】
一実施形態において、一連の沈殿タンクは、LiSO溶液を処理して、別個のタンクにLiCOおよびNaSOを沈殿させるために使用される。一実施形態において、NaCOは、LiCOの回収を最大にしつつNaSOの沈殿を最小限にする量で、LiSO溶液に添加することができる。一実施形態において、LiCO、LiOH、またはLiPOの種結晶は、沈殿中に添加されると、それらまたは他の種の結晶化を容易にすることができる。
【0206】
化学沈殿装置の一実施形態において、リチウム含有溶液をCOや皮下の化学試薬で処理することでLiCOが沈殿する。化学沈殿装置の一実施形態において、リチウム含有溶液をCOやNaOHで処理することでLiCOが沈殿する。
【0207】
化学沈殿装置の一実施形態において、リチウム溶液をリン酸塩種で処理することでLiPOが沈殿する。化学沈殿装置の一実施形態において、塩化リチウム、硫酸リチウム、または他のリチウム塩の溶液を、リン酸ナトリウム、他のリン酸塩化合物、またはそれらの組み合わせで処理することで、LiPOが沈殿する。
【0208】
一実施形態において、硫酸リチウム溶液を、CaO、BaO、SrO、Ca(OH)、Ba(OH)、またはSr(OH)で処理することで、CaSO、BaSO、またはSrSOが沈殿し、一方で溶液はLiOHを主に含有する溶液へと変換される。一実施形態において、CaSO、BaSO、またはSrSOの沈殿物を焙焼することで、酸化物および/または水酸化物が再生され、結果として生じる硫黄酸化物ガスが捕捉されて再処理されることで、硫酸が形成され、この硫酸を使用することで、イオン交換システムからより多くの硫酸リチウム溶液を溶出することができる。
【0209】
一実施形態において、化学沈殿装置に供給されるLi含有溶液中のリチウム濃度は、1,000mg/L、5,000mg/L、20,000mg/L、50,000mg/L、または200,000mg/Lを超える場合がある。
【0210】
一実施形態において、化学沈殿により作り出された化合物の純度は、50%、90%、または99.9%を超える場合がある。
【0211】
濃縮と精製
本明細書に記載される本発明の一態様は、構成部分が逆浸透装置であるプロセスである。一実施形態において、逆浸透装置は、リチウム塩溶液から水を取り除くための装置である。一実施形態において、処理システムの1つは、リチウム塩溶液から水を取り除くための蒸発である。一実施形態において、処理システムの1つは、水酸化物、炭酸塩、または他の化学入力を用いた塩基性沈殿物の形成により不純物を取り除くためのものである。一実施形態において、塩基性沈殿物は、pH調節のためにイオン交換システムへ再利用される。一実施形態において、処理システムの1つは、ポリマーイオン交換樹脂を用いて不純物を取り除くためのものである。一実施形態において、ポリマーイオン交換樹脂は、MgとCaを吸収し、一方でNaを放出する。
【0212】
一実施形態において、逆浸透装置はイオン交換装置と流体連通している。一実施形態において、逆浸透装置は膜セルと流体連通している。一実施形態において、逆浸透装置は熱蒸発装置と流体連通している。一実施形態において、逆浸透装置は晶析装置と流体連通している。一実施形態では、逆浸透装置は、イオン交換装置、膜セル、熱蒸発装置、または晶析装置のうち少なくとも1つと流体連通している。
【0213】
一実施形態において、前記方法はさらに、イオン交換装置および膜セルと流体連通される逆浸透装置を備え、該逆浸透装置は透水性膜を備えている。一実施形態において、(d)の前に、リチウム溶出液は、透水性膜と接している逆浸透装置に渡され、リチウム溶出液の水分子は透水性膜を通過して、水と濃縮リチウム溶出液を作り出す。一実施形態において、濃縮リチウム溶出液はさらに、(d)から(g)にさらされる。一実施形態において、透水性膜は、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリビニルアミン、ポリピロリジン、ポリフラン、または他のポリマー層を含む。一実施形態において、透水性膜は、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリピペラジン-アミド、ポリベンズイミダゾリン、ポリオキサジアゾール、アセチル化セルロース、セルロース、または、スルホン化、カルボキシル化、またはリン酸化などの代替的な官能化を伴う他のポリマー、または他のポリマーの層を含む。
【0214】
一実施形態において、透水性膜はさらに、布製、ポリマー製、複合体、または金属製の支持具を備えている。一実施形態において、前記方法はさらに、前記イオン交換装置および前記膜セルと流体連通している熱蒸発装置を備え、該熱蒸発装置は発熱体を備えている。一実施形態において、前記方法はさらに、イオン交換装置および膜セルと流体連通している精製装置を備えている。一実施形態において、(d)の前に、リチウム溶出液を精製装置に渡すことで、精製リチウム濃縮物が作り出される。一実施形態において、精製リチウム濃縮物はさらに、(d)から(g)にさらされる。一実施形態において、前記方法はさらに、膜セルと流体連通している晶析装置を備えている。一実施形態において、リチウム溶出液は晶析装置へと渡される。一実施形態において、リチウム溶出液を晶析装置で処理することで、リチウム塩が作り出される。一実施形態において、リチウム塩は、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、水酸化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、硫酸リチウム、硫酸水素リチウム、リン酸リチウム、リン酸水素リチウム、リン酸二水素リチウム、または硝酸リチウムである。一実施形態において、リチウム塩は、固体、水溶液、またはスラリー状である。
【0215】
統合システムの一実施形態において、イオン交換システムから作り出されたリチウム溶出溶液を濃縮することで、水が取り除かれる。一実施形態において、逆浸透システムまたは熱蒸発システムにより、水が取り除かれる。一実施形態において、リチウムは膜システムの残余分において濃縮され、一方で大半の水の溶液が透過物(permeate)として取り除かれ、統合システムの他の場所で再利用される。
【0216】
一実施形態において、水は、電気脱イオン化、逆浸透、熱蒸発、太陽蒸発、太陽熱蒸発、濃縮太陽蒸発、蒸発池、真空蒸留、多段平衡蒸留、多重効用蒸留、蒸気圧縮蒸留、凍結融解法、電気透析、逆電気透析、膜蒸留、膜脱水系、化学吸着、化学協調、またはそれらの組み合わせを用いて、液体溶液から取り除かれる。一実施形態において、水は、電気脱イオン化、逆浸透、熱蒸発、太陽蒸発、太陽熱蒸発、濃縮太陽蒸発、蒸発池、真空蒸留、多段平衡蒸留、多重効用蒸留、蒸気圧縮蒸留、凍結融解法、電気透析、逆電気透析、膜蒸留、膜脱水系、化学吸着、化学協調、またはそれらの組み合わせを用いて、リチウム溶液、ナトリウム溶液、酸溶液、塩基溶液、または別の食塩水から取り除かれる。一実施形態において、塩は、電気脱イオン化、逆浸透、熱蒸発、太陽蒸発、太陽熱蒸発、濃縮太陽蒸発、蒸発池、真空蒸留、多段平衡蒸留、多重効用蒸留、蒸気圧縮蒸留、凍結融解法、電気透析、逆電気透析、膜蒸留、膜脱水系、化学吸着、化学協調、またはそれらの組み合わせを用いて、液体溶液から取り除かれる。
【0217】
統合システムの一実施形態において、イオン交換システムから作り出されたリチウム塩溶液を濃縮することで、水が取り除かれる。
【0218】
一実施形態において、リチウム塩溶液は、蒸発により濃縮される。リチウム流は、沸点未満の温度、または沸点温度に加熱されることで、蒸気を作り出す場合がある。蒸気を流れの沸点より高い温度に加熱され、統合システムの他の場所での加熱に使用される場合がある。一実施形態において、蒸気または水蒸気は凝結され、統合プロセスの他の場所での清浄水流として使用される。一実施形態において、太陽蒸発を使用して、リチウム流から水が取り除かれる。一実施形態において、熱交換器を使用して、熱が植物の他の場所に作り出されるリチウム流が暖められる。一実施形態において、リチウム流は、ボイラーにより加熱される。一実施形態において、蒸留の生成物として水はリチウム流から取り除かれる。一実施形態において、蒸発は、絶対圧力の1バール未満、または1バールを超える圧力で生じる。
【0219】
一実施形態において、逆浸透システムやナノ濾過システムを用いて、リチウム流が精製および/または濃縮される。一実施形態において、逆浸透またはナノ濾過用の膜として、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリビニルアミン、ポリピロリジン、ポリフラン、または他のポリマー層が挙げられる。膜として、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリピペラジン-アミド、ポリベンズイミダゾリン、ポリオキサジアゾール、アセチル化セルロース、セルロース、または、スルホン化、カルボキシル化、またはリン酸化などの代替的な官能化を伴う他のポリマー、または他のポリマーの層が挙げられる。膜は、布製、ポリマー製、複合物、または金属製の支持具を備えている場合がある。膜は官能化ポリマーを含む場合がある。一実施形態において、ナノ複合膜は、逆浸透装置またはナノ濾過装置に使用される。一実施形態において、膜は、ゼオライト、金属、複合物、セラミック、または他の無機媒体などの材料で構成される。一実施形態において、膜は等方性または異方性である。一実施形態において、膜は微孔質であり、または膜全体にわたり様々な多孔性を含んでいる。
【0220】
一実施形態において、リチウムを濃縮するための装置が平行して使用される。一実施形態において、リチウムを濃縮するための装置が連続して使用される。一実施形態において、リチウムを濃縮するための装置のネットワークは、平行して、かつ連続して使用される。一実施形態において、残余分中の水の拒絶により、供給物に比べて、ナノ濾過装置のリチウムが豊富な透過物が濃縮される。一実施形態において、膜は、プレートとフレーム、管状、巻き付き、または中空繊維の構成で構成されてもよい。一実施形態において、膜は、ケークの構築を最小限にし、かつ高束を維持するために、逆流または直交流により操作される場合がある。一実施形態において、膜は、絶対圧力の1バール未満、5バール未満、20バール未満、または20バールを超えて操作される場合がある。一実施形態において、スケール抑制剤、消毒剤、および他のスケール抑制剤は、膜のファウリングを逆転するために膜を介して定期的に洗い流される。
【0221】
一実施形態において、ナノ濾過膜または他の膜を用いてリチウム溶出液が精製される。一実施形態において、不純物を残余分へと分離しつつリチウムを透過物へと分離するためのナノ濾過膜を用いて、リチウム溶出溶液が精製される。一実施形態において、多価イオンはナノ濾過膜により保持される場合がある一方、一価イオンは膜を通過する。一実施形態において、残余分中の高濃度の多価イオンは、膜を介して一価イオンの浸透圧を作り出し、透過物中の一価イオンの濃縮を引き起こす。一実施形態において、有機材料または重金属が、ナノ濾過システムの残余分に保持される。
【0222】
統合システムの一実施形態において、化学沈殿剤を用いて、イオン交換システムから作り出されたリチウム溶出溶液を精製することで、不純物が取り除かれる。一実施形態において、不純物は、水酸化物含有試薬、炭酸塩含有試薬、重炭酸塩含有試薬、蓚酸塩含有試薬、または他の化学試薬を用いた化学沈殿を介して、取り除かれる。一実施形態において、不純物は、NaOH、KOH、RbOH、Mg(OH)、Ca(OH)、Sr(OH)、Ba(OH)、MgCO、CaCO、SrCO、CO、または蓚酸塩化合物を用いた化学沈殿を介して、取り除かれる。一実施形態において、不純物は、O、KMnO、H、Cl、NaOCl、または他の酸化剤を用いた酸化を介して、取り除かれる。一実施形態において、不純物は、下流の結晶化装置から再利用された母液を用いて取り除かれる。一実施形態において、アルミニウム、水酸化物、または他の薬剤などの凝集剤を使用すると、リチウム溶出液から汚染物質が取り除かれる。一実施形態において、浮遊を用いることで、リチウム溶出液から汚染物質または綿状の(flocced)汚染物質が取り除かれる。一実施形態において、電気化学的に生成されたヒドロキシル基を使用すると、汚染物質が沈殿する。
【0223】
不純物を取り除く化学沈殿の一実施形態において、1つ以上の連続する沈殿タンクを使用して、沈殿析出物を定着させ、それを酸性溶出液から取り除く。一実施形態において、整流装置と堰を使用して、沈殿タンク中での混合を制御する。一実施形態において、キャンドルフィルター、限外濾過、マイクロ濾過、ナノ濾過、または逆浸透装置を使用して、酸性溶出液から沈殿物を取り除く。一実施形態において、遠心力を使用して、沈殿物を取り除く。一実施形態において、圧力または他の力を使用して、沈殿した汚染物質または綿状の(floccs)孔から捕捉されたリチウム溶出液を取り除く。一実施形態において、電解採取などの電気化学技術を使用して、汚染物質を取り除く。一実施形態において、電気化学的酸化反応を使用して、リチウム溶出液から溶解有機物を鉱化する。
【0224】
統合システムの一実施形態において、沈殿した析出物は、高pHを維持するためにイオン交換反応装置システム中でアルカリ性pH調整剤として使用される。一実施形態において、析出物は再使用前に石灰にされる。
【0225】
統合システムの一実施形態において、リチウムとナトリウムの溶液を処理することで、NaSO・10HO(「グラウバー塩」)、NaSO、水和NaSO、またはそれらの組み合わせが沈殿する。一実施形態において、溶液を冷やすと、グラウバー塩、NaSO、水和NaSO、またはそれらの組み合わせが沈殿する。一実施形態において、溶液を冷やすと、グラウバー塩、NaSO、水和NaSO、またはそれらの組み合わせの固体が沈殿し、結果として生じる溶液は、主にリチウムである陽イオンを含んでいる。一実施形態において、溶液を処理することで、グラウバー塩、NaSO、水和NaSO、またはそれらの組み合わせが取り除から、溶液からナトリウムが取り除かれ、その結果、溶液は、ナトリウム含有量が少ない水酸化リチウムへとさらに処理され得る。一実施形態において、溶液を冷やすと、グラウバー塩、NaSO、水和NaSO、またはそれらの組み合わせが、約40℃未満、約20℃未満、約10℃未満、約0℃未満、または約-10℃未満で沈殿する。いくつかの実施形態において、グラウバー塩、NaSO、水和NaSO、またはそれらの組み合わせは、酸および塩基へと再び処理される。いくつかの実施形態において、グラウバー塩、NaSO、水和NaSO、またはそれらの組み合わせは、水溶液へと再溶解され、かつ酸および塩基へと処理される。いくつかの実施形態において、グラウバー塩、NaSO、水和NaSO、またはそれらの組み合わせは、水溶液へと再溶解され、かつ電気化学セルユニットを用いて酸および塩基へと処理される。いくつかの実施形態において、水を溶液から取り除くことで、グラウバー塩、NaSO、水和NaSO、またはそれらの組み合わせが沈殿する。
【0226】
統合システムの一実施形態において、イオン交換システムから作り出されたリチウム溶出溶液を精製することで、不純物が取り除かれる。一実施形態において、不純物は、水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、蓚酸塩、または他の化学試薬を用いた化学沈殿により取り除かれる。一実施形態において、沈殿される不純物として、Mg(OH)、Ca(OH)、Sr(OH)、Ca(OH)、MgCO、CaCO、SrCO、BaCO、Al(OH)、Fe(OH)x、Mn(OH)x、他の水酸化物種、他の炭酸塩種、他の重炭酸塩種、または他の蓚酸塩種が挙げられる。一実施形態において、不純物は、アルカリまたはアルカリ金属水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、蓚酸塩、またはそれらの組み合わせを用いた化学沈殿により取り除かれる。一実施形態において、不純物は、NHを用いた化学沈殿により取り除かれる。一実施形態において、不純物は、NaOH、KOH、RbOH、Mg(OH)、Ca(OH)、Sr(OH)、Ba(OH)、MgCO、CaCO、またはSrCOを用いた化学沈殿を介して、取り除かれる。一実施形態において、不純物は、LiOH、NaOH、KOH、Ca(OH)、LiCO、NaCO、KCO、またはそれらの組み合わせを用いた化学沈殿により取り除かれる。一実施形態において、不純物は、LiOHまたはLiCOを用いた化学沈殿により取り除かれる。一実施形態において、不純物は、高純度リチウム溶液を得るためにLiOHまたはLiCOを添加することで取り除かれる。一実施形態において、NaCOは、炭酸塩を沈殿させるために添加される。一実施形態において、NaCOは、MgCO、CaCO、SrCO、BaCO、FeCO、MnCO、または他の炭酸塩を沈殿させるために添加される。一実施形態において、Ca(OH)は、Mg(OH)または他の水酸化物塩を沈殿させために添加される。
【0227】
一実施形態において、リチウム溶出溶液は、優先的にリチウムに結合する、または優先的に不純物に結合するために、有機液相による溶媒抽出を用いて精製される。一実施形態において、リチウム溶出溶液は、優先的に一価イオンに結合する、優先的に二価イオンに結合する、または優先的に多価イオンに結合するために、有機液相による溶媒抽出を用いて精製される。一実施形態において、溶媒抽出は、ネオデカン酸またはジ-(2-エチルヘキシル)リン酸を用いて実行される。一実施形態において、リチウム塩溶液またはリチウム酸溶出溶液の流れは、一連の1つ以上のカラム/タンクに送り出されて他の液相の流れに対向して流れ、他の液相は、灯油、またはネオデカン酸を含有する他の溶剤、ジ-(2-エチルヘキシル)リン酸、または、非塩水溶剤相において溶解され、または非塩水溶剤相自体であり得る他の抽出用溶剤であってもよい。一実施形態において、MgおよびCaは、別個の剥離カラム中で濃縮HClまたは別の酸を用いて、溶剤から剥離される。
【0228】
一実施形態において、リチウム溶出溶液は、優先的に不純物を吸収するために陽イオン交換樹脂を用いて精製される。一実施形態において、リチウム溶出溶液は、優先的に多価イオンを吸収しつつナトリウムを放出するために陽イオン交換樹脂を用いて精製される。一実施形態において、リチウム溶出溶液は、優先的に多価イオンを吸収しつつ水素を放出するために陽イオン交換樹脂を用いて精製される。一実施形態において、リチウム溶出溶液は、優先的に多価イオンを吸収しつつリチウムを放出するために陽イオン交換樹脂を用いて精製される。一実施形態において、陽イオン交換樹脂は、スルホン化ポリマーまたはカルボキシル化ポリマーでもよい。一実施形態において、陽イオン交換樹脂は、スルホン化ポリスチレンポリマー、スルホン化ポリスチレン-ブタジエンポリマー、またはカルボキシル化ポリアクリル酸ポリマーでもよい。一実施形態において、陽イオン交換樹脂にNaを充填すると、Mg、Ca、および他の多価イオンとしてNaが放出され、吸収される。一実施形態において、陽イオン交換樹脂にLiを充填することで、Mg、Ca、および他の多価イオンが吸収されるとLiが放出される。
【0229】
一実施形態において、リチウム溶出溶液は、優先的に不純物を吸収するために陰イオン交換樹脂を用いて精製される。
【0230】
一実施形態において、イオン交換システムから作り出されたリチウム溶出溶液を精製することで、不純物が取り除かれ、一方でpHは低く維持され、それにより、酸性プロトンは後に再利用して、イオン交換システムからリチウムを溶出することができる。
【0231】
一実施形態において、優先的にリチウムを吸収するために、無機イオン交換材料を含むイオン交換システムから作り出されたリチウム溶出溶液は、優先的にリチウムを吸収するために無機イオン交換材料を含む別のイオン交換システムを用いることにより、精製される。
【0232】
一実施形態において、リチウム塩溶液は、沈殿を補助するために溶液を冷却する、または暖めることにより精製される。
【0233】
一実施形態において、リチウム塩溶液は、BaSOとして硫酸塩を沈殿させるためにBaClを添加することにより精製される。
【0234】
一実施形態において、リチウム塩溶液は、NaSOなどの不純物を沈殿させるために水を取り除くことにより精製される。
【0235】
結晶化
本明細書に記載される本発明の一態様は、構成部分が晶析装置であるプロセスである。一実施形態において、晶析装置はイオン交換装置と流体連通している。一実施形態において、晶析装置は膜セルと流体連通している。一実施形態において、晶析装置は熱蒸発装置と流体連通している。一実施形態において、晶析装置は逆浸透装置と流体連通している。一実施形態では、晶析装置は、イオン交換装置、膜セル、熱蒸発装置、または逆浸透装置のうち少なくとも1つと流体連通している。
【0236】
一実施形態において、LiOH溶液は、水の除去によりLiOH固体を形成するために結晶化される。一実施形態において、LiCl溶液は、水の除去によりLiCl固体を形成するために結晶化される。一実施形態において、1つ以上のポリアニオン化合物を焙焼することで、1つ以上の塩基性酸化物および1つ以上の気体が作り出される。一実施形態において、1つ以上の気体は、硫酸中で変換されるSOを含む。一実施形態において、1つ以上の気体は、LiCOを沈殿または精製するために使用されるCOを含む。一実施形態において、CaCOを焙焼することで、CaOおよびCOが作り出される。一実施形態において、CaSOを焙焼することで、CaOおよびHSOが作り出される。
【0237】
統合システムの一実施形態において、晶析装置を使用して、リチウム塩溶液を固形リチウム塩に変換する。晶析装置の一実施形態において、水酸化リチウム溶液は、固形水酸化リチウムを形成するために結晶化される。晶析装置の一実施形態において、沈殿を制御することで、リチウムまたは他の化合物が選択的に沈殿する。晶析装置の一実施形態において、沈殿を制御することで、水酸化リチウムが選択的に沈殿し、一方で水酸化ナトリウムが溶液に残る。一実施形態において、炭酸ナトリウムを、リチウムを含む溶液に添加することで、炭酸リチウムが沈殿する。一実施形態において、炭酸ナトリウム溶液を、リチウムを含む溶液に添加することで、炭酸リチウムが沈殿する。一実施形態において、炭酸ナトリウムのスラリーを、リチウムを含む溶液に添加することで、炭酸リチウムが沈殿する。一実施形態において、炭酸ナトリウムを、炭酸ナトリウムの種結晶が存在する状態でリチウムを含む溶液に添加することで、炭酸リチウムが沈殿する。一実施形態において、遠心分離機、ピーラー式遠心分離機、ペンデュラム式遠心分離機、デカンダ式遠心分離機(solid bowl centrifuge)、プッシャー遠心分離機、コニカルプレート遠心分離機、円筒型遠心分離機、ろ布反転型遠心分離機、スライディング放電遠心分離機、画面スクロール遠心分離機、デカンター遠心分離機、またはそれらの組み合わせを用いて、炭酸リチウム結晶が水から分離される。一実施形態において、炭酸リチウム結晶は、メッシュ、フィルター、固液分離装置、またはそれらの組み合わせを用いて分離される。一実施形態において、炭酸リチウム結晶は、乾燥器を用いて乾燥される。一実施形態において、炭酸リチウム結晶は、蒸発器、晶析装置、乾燥器、連続乾燥器、真空乾燥器、またはそれらの組み合わせを用いて乾燥される。一実施形態において、炭酸リチウム結晶は、粉砕機、ミル、ジェットミル、エアーミル(air mill)、分級ミル、空気分級ミル、分級器、またはそれらの組み合わせを用いて粉砕される。一実施形態において、炭酸リチウム結晶は、約100ミクロン未満、約50ミクロン未満、約20ミクロン未満、約10ミクロン未満、約5ミクロン未満、約2ミクロン未満、約1ミクロン未満、または約100ミクロンを超える平均粒径を伴うサイズ範囲へと粉砕される。一実施形態において、炭酸リチウムはペレット状へと処理される。
【0238】
統合システムの一実施形態において、リチウム塩溶液は最初に結晶化され、次いで溶解され、再結晶化されると、不純物が取り除かれる。一実施形態において、LiCOを水およびCOと混合することで、溶解LiHCO溶液が形成される。一実施形態において、不純物はLiHCO溶液から取り除かれる。一実施形態において、不純物は、ポリマーイオン交換樹脂を用いてLiHCO溶液から取り除かれる。次いで、LiHCO溶液を加熱することで、不純物が最小のLiCOが再結晶される。一実施形態において、COは、LiHCO溶液から放出され、および再利用のために再び捕捉される。一実施形態において、LiCOを乾燥し、微粉状にすると、超微粉が製造される。
【0239】
晶析装置の一実施形態において、液相に残るリチウムは、リチウムが晶析装置に戻る前に、イオン交換システムまたは精製システムに戻される。
【0240】
晶析装置の一実施形態において、水は、熱および対流を用いて取り除かれる。一実施形態において、晶析装置は、フラッシュ冷却晶析装置、円筒型流下膜式蒸発器、掻き取り面型晶析装置、オスロ型晶析装置、円筒型強制循環型蒸発器、プレート型強制循環型蒸発器、強制循環晶析装置、表面冷却晶析装置、ドラフト管バッフル晶析装置、プレート型流下膜式蒸発器、またはバッチ真空型晶析装置である。
【0241】
統合システムの一実施形態において、晶析装置の前には、沈降濃縮装置、浄化器、加圧ろ過器、遠心分離機、または蒸発器が存在する。
【0242】
晶析装置の一実施形態において、晶析装置中の溶液の温度を制御することで、結果として生じる固形リチウム化合物中の不純物が管理される。一実施形態において、水酸化リチウム固体、水酸化リチウム結晶、水酸化リチウム一水和物、水酸化リチウムスラリー、または水酸化リチウムの他の形態を溶解し、再結晶化することで、不純物が取り除かれる。一実施形態において、水酸化リチウム固体、水酸化リチウム結晶、水酸化リチウム一水和物、水酸化リチウムスラリー、または水酸化リチウムの他の形態を溶解し、精製し、再結晶化することで、不純物が取り除かれる。一実施形態において、水酸化リチウム固体、水酸化リチウム結晶、水酸化リチウム一水和物、水酸化リチウムスラリー、または水酸化リチウムの他の形態を溶解し、イオン交換により精製して不純物を吸収させ、再結晶化することで、高純度の水酸化リチウム材料が作り出される。一実施形態において、水酸化リチウム結晶は、蒸発器、晶析装置、乾燥器、連続乾燥器、真空乾燥器、またはそれらの組み合わせを用いて乾燥される。一実施形態において、炭酸リチウム結晶は、約100ミクロン未満、約50ミクロン未満、約20ミクロン未満、約10ミクロン未満、約5ミクロン未満、約2ミクロン未満、約1ミクロン未満、または約100ミクロンを超える平均粒径を伴うサイズ範囲へと粉砕される。一実施形態において、水酸化リチウムはペレット状へと処理される。
【0243】
LiOH-LiCO変換
一実施形態において、LiCOの水溶液またはスラリーを生成し、かつCa(OH)、Sr(OH)、またはBa(OH)を添加することにより、LiCOはLiOHへと変換され、それにより、Ca、Sr、またはBaは、不溶性のCaCO、SrCO、またはBaCOの沈殿物を形成し、主にLiOHの溶液を残す。
【0244】
一実施形態において、Ca(OH)、Sr(OH)、またはBa(OH)を添加することにより、LiSOはLiOHへと変換され、それにより、Ca、Sr、またはBaは、不溶性のCaCO、SrCO、またはBaCOの沈殿物を形成し、主にLiOHの溶液を残す。
【0245】
一実施形態において、LiOHの水溶液またはスラリーを生成し、かつCOと共に溶液またはスラリーを散布することでLiCOを沈殿させることにより、LiOHはLiCOへと変換される。統合システムの一実施形態において、LiOHの水溶液またはスラリーを生成し、かつNaCOまたは別の炭酸塩化合物を添加することでLiCOを沈殿することにより、LiOHはLiCOへと変換される。一実施形態において、COの存在下でLiOHの溶液を噴霧乾燥することにより、LiOHはLiCOへと変換される。
【0246】
一実施形態において、リチウム塩は、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、水酸化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、硫酸リチウム、硫酸水素リチウム、リン酸リチウム、リン酸水素リチウム、リン酸二水素リチウム、または硝酸リチウムである。一実施形態において、リチウム塩は、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、水酸化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、硫酸リチウム、硫酸水素リチウム、リン酸リチウム、リン酸水素リチウム、または硝酸リチウムである。一実施形態において、リチウム塩は、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、水酸化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、硫酸リチウム、硫酸水素リチウム、リン酸リチウム、または硝酸リチウムである。一実施形態において、リチウム塩は、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、水酸化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、硫酸リチウム、硫酸水素リチウム、リン酸リチウム、または硝酸リチウムである。一実施形態において、リチウム塩は、炭酸リチウム、水酸化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、硫酸リチウム、硫酸水素リチウム、リン酸リチウム、または硝酸リチウムである。一実施形態において、リチウム塩は、炭酸リチウム、水酸化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、硫酸リチウム、硫酸水素リチウム、またはリン酸リチウムである。一実施形態において、リチウム塩は、炭酸リチウム、水酸化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、硫酸リチウム、または硫酸水素リチウムである。一実施形態において、リチウム塩は、炭酸リチウム、水酸化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウムまたは硫酸リチウムである。一実施形態において、リチウム塩は、炭酸リチウム、水酸化リチウム、塩化リチウム、または臭化リチウムである。一実施形態において、リチウム塩は、炭酸リチウム、水酸化リチウム、または塩化リチウムである。一実施形態において、リチウム塩は、炭酸リチウムまたは水酸化リチウムである。一実施形態において、リチウム塩は炭酸リチウムである。一実施形態において、リチウム塩は水酸化リチウムである。
【0247】
一実施形態において、前記精製リチウム塩はLiCOである。一実施形態において、前記精製リチウム塩はLiPOである。いくつかの実施形態において、前記リチウム塩は、LiCOまたはLiPOであり、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、他の炭酸塩、または他のリン酸塩の添加により沈殿される。いくつかの実施形態において、前記精製リチウム塩は無機塩である。いくつかの実施形態において、前記精製リチウム塩は有機塩である。いくつかの実施形態において、前記リチウム溶出液は、塩化リチウム溶液、硫酸リチウム溶液、または他のリチウム塩溶液であり、かつ、精製されているか、不純物を含む場合がある。
【0248】
一実施形態において、炭酸リチウム結晶は、約100ミクロン未満、約50ミクロン未満、約20ミクロン未満、約10ミクロン未満、約5ミクロン未満、約2ミクロン未満、約1ミクロン未満、または約100ミクロンを超える平均粒径を伴うサイズ範囲へと粉砕される。一実施形態において、水酸化リチウムはペレット状へと処理される。
【0249】
装置の操作
統合システムの一実施形態において、LiOH溶液は、LiOH結晶化の前に逆浸透を用いて生成かつ濃縮される。
【0250】
統合システムの一実施形態において、塩素アルカリの機構を使用して、NaCl水溶液からHClおよびNaOHが生成される。一実施形態において、HClを使用して、選択的リチウム吸収のためにイオン交換システムからリチウムが溶出され、リチウム溶出溶液が作り出される。一実施形態において、塩素アルカリの機構からのNaOHを使用して、選択的リチウム吸収のためにイオン交換システム中の塩水のpHが制御される。一実施形態において、NaOHを使用して、リチウム溶出溶液から不純物が沈殿される。一実施形態において、前記アルカリまたはアルカリ金属水酸化物、炭酸塩、または重炭酸塩は、LiOH、NaOH、KOH、Ca(OH)、LiCO、NaCO、KCO、CaCO、およびそれらの組み合わせから選択される。一実施形態において、前記塩基性沈殿物は、pH調節のために(b)へ再利用される。
【0251】
統合システムの一実施形態において、塩基性の溶液および化合物は、精製、化学沈殿、変換、または膜電気分解の工程において生成され、イオン交換システムでのpH制御または不純物の沈殿など、統合プロセスにおける他の工程のために使用され、または再利用される。一実施形態において、Mg(OH)のスラリーは、リチウム溶出液溶液の精製から生じるものであり、イオン交換プロセスでのpH制御に再利用される。一実施形態において、LiOHとNaOHの不純物の溶液は、LiOH結晶化プロセスの副産物として作り出され、この溶液は、Mg(OH)および/または他の不純物の沈殿によるリチウム溶出溶液の精製に再利用される。一実施形態において、LiOHからLiCOへの変換中に作り出される、LiOH、NaOH、LiCO、および/またはNaCOの溶液またはスラリーは、Mg(OH)、Ca(OH)、および/または他の不純物の沈殿によるリチウム溶出溶液の精製に再利用される。
【0252】
統合システムの一実施形態において、化学試薬は、固体、液体、またはスラリーとして、タンク、処理機(processes)、および反応装置に添加される場合がある。
【0253】
統合システムの一実施形態において、Ca(OH)の添加を介したLiCOからLiOHへの変換中に作り出されるCaCOを焙焼することで、変換プロセス、イオン交換システムでのpH制御、または他のプロセスに再利用されるCaOおよび/またはCa(OH)が作り出される。イオン交換システムの一実施形態において、リチウム溶出溶液の精製中に作り出されるCaCOを焙焼することでCaOが作り出され、および、随意に消和させる(slaked)ことで、精製プロセス、イオン交換システムでのpH制御、または他のプロセスに再利用されるCa(OH)が作り出される。
【0254】
統合システムの一実施形態において、CaSO、BaSO、および/またはSrSOを焙焼することで、CaO、BaO、および/またはSrOが生成され、結果として生じるSOガス種を捕捉することでHSOが作り出される。イオン交換システムの一実施形態において、CaSO、BaSO、および/またはSrSOを低圧で焙焼することで、SOガス種が生成され、これは、Vまたは他の触媒を含む触媒充填反応装置ベッド(packed catalyst reactor bed)を用いてSOへと変換される。一実施形態において、SOガスは、冷却のために熱交換を通過して、HSOおよびHOと反応することで、HSOができる。
【0255】
統合システムの一実施形態において、CaCO、BaCO、SrCO、または他の炭酸塩を焙焼することで、CaO、BaO、SrO、または他の酸化物が作り出される。一実施形態において、CaCO、BaCO、SrCO、または他の炭酸塩を焙焼することで作り出されたCOを使用することで、LiOHからLiCOが形成され、精製のためにLiCOがLiHCOに変換され、または、炭酸塩沈殿物として溶液から不純物が沈殿する。一実施形態において、CaCO、BaCO、SrCO、または他の炭酸塩を焙焼することで作り出された酸化物を使用して、リチウム吸収のためにイオン交換システム中でpHが制御され;水溶液から不純物が沈殿し;CaSO、BaSO、SrSO、または他の硫酸塩の種の沈殿により、LiSO溶液がLiOH溶液に変換され;CaCO、BaCO、SrCO、または他の炭酸塩の種の沈殿により、LiCOがLiOHに変換され;またはCa、Mg Sr、または他のリン酸塩の種の沈殿により、LiPOがLiOHに変換される。一実施形態において、大気由来の、または、炭素や炭化水素の燃焼由来のCOを使用して、LiCOが作り出されるか、または精製され、あるいは、CaCOまたは他の不純物が沈殿する。
【0256】
統合システムの一実施形態において、イオン交換システムから生成される、主にLiClとHClから成るリチウム溶出溶液を濃縮し、蒸留することで、水とHClを回収する。一実施形態において、回収したHClをイオン交換システムに再利用することで、より多くのリチウム溶出溶液が作り出される。一実施形態において、HClは、真空蒸留または膜蒸留を介して蒸留される。一実施形態において、逆浸透システムを使用してリチウム溶出溶液から水が取り除かれ、透過物は希釈HClを含有しており、これは、他の酸流れと組み合わせて、リチウム溶出のために随意に再利用することができる。一実施形態において、HClと水は、逆浸透と蒸発との組み合わせを用いて、リチウム溶出溶液から取り除かれる。
【0257】
統合システムの一実施形態において、イオン交換システムから生成される、主にLiClとHClから成るリチウム溶出溶液を蒸留装置に通過させることで、より濃縮された形態のHClを回収する。一実施形態において、作り出されたHClの濃度は、約0.5N未満のHCl、約1N未満のHCl、約5N未満のHCl、または約5Nを超えるHClの場合がある。一実施形態において、作り出されたHClは、LiClを全く含まないか、約0.5N未満のLiClしか含まないか、または約0.5Nを超えるLiClを含む場合がある。一実施形態において、回収したHClをイオン交換システムに直接再利用することで、より多くのリチウム溶出溶液が作り出される。一実施形態において、回収したHClは、水蒸気により凝結されるか、水またはLiCl溶液と接触されることで、液体HCl流を作り出す。一実施形態において、HCl流は、イオン交換システム中で再利用することができる。一実施形態において、HCl蒸気はイオン交換反応装置に直接送られ、その中で蒸気は、中間液体酸流を伴わずに酸またはLiCl溶液へと直接吸収される。
【0258】
蒸留装置の一実施形態において、蒸留前と同様の濃度、蒸留前の流れに比べて約2倍、約5倍、約20倍、または約100倍に濃縮された濃度未満でLiClを含む、LiCl水溶液の流れが作り出される。蒸留装置の一実施形態において、約0.1N未満のHCl、約1N未満のHCl、または約1Nを超えるHClを含む、液状水の流れが作り出される場合がある。蒸留装置の一実施形態において、蒸気の流れが作り出される場合がある。
【0259】
蒸留装置の一実施形態において、1つ以上の蒸留カラムが使用される場合がある。一実施形態において、蒸留カラムは、絶対圧力の約0.25バール未満、約1バール未満、約4バール未満、または約4バールを超える圧力で操作される場合がある。一実施形態において、カラムは同じ圧力で操作される場合がある。一実施形態において、カラムは異なる圧力で操作される場合がある。一実施形態において、蒸留カラムは同じ温度で操作される場合がある。一実施形態において、蒸留カラムは異なる温度で操作される場合がある。
【0260】
蒸留装置の一実施形態において、溶存種は、HClの蒸気圧を増大させることでHClの蒸気液体分離を補助することができる。一実施形態において、溶存種は、蒸留装置に進入するLiClおよびHClの溶液の一部であり得る。一実施形態において、溶存種は、LiClおよびHClの溶液に添加され、蒸留後に溶液から取り除かれる場合がある。一実施形態において、溶存種は再生され、LiCl溶液からの取り除いた後に蒸留装置に再利用される場合がある。一実施形態において、溶存種は別の形態に変換され、リチウム抽出のために統合システムの他の場所に使用される場合がある。一実施形態において、溶存種は、MgCl、CaCl、LiCl、NaCl、またはKClなどの塩化物である。
【0261】
一実施形態において、蒸留装置は、HClまたは水の蒸気液体分離を加えるための膜を含む。一実施形態において、蒸留装置は、1つ以上の平衡蒸留装置ドラムを含む場合がある。一実施形態において、酸性溶出液流は蒸留カラムまたは平衡蒸留ドラムに供給され、その中で、温度が増大し、および/または圧力が減少すると、溶液からHClが蒸発し、次いでこれを吸収塔に供給し、その中でHClは水または希釈HClに吸収され、より濃縮されたHCl溶液ができる。
【0262】
統合システムの一実施形態において、統合システムは、1つの場所または複数の場所にある化学施設で構成される。統合システムの一実施形態において、統合システムは、複数の場所にある化学施設で構成され、リチウム溶出溶液、濃縮リチウム溶出溶液、精製リチウム溶出溶液、精製濃縮リチウム溶出溶液、炭酸リチウム、水酸化リチウム、またはリン酸リチウムなどの、化学物質、溶液、および/または材料は、1つの場所から別の場所へと輸送される場合がある。一実施形態において、炭酸リチウム、水酸化リチウム、リン酸リチウム、または他の化合物は、溶液、スラリー、湿潤粉末、または乾燥粉末として輸送される場合がある。
【0263】
統合システムの一実施形態において、生成物は、最小限の処理によりできた溶液、スラリー、湿潤粉末、または乾燥粉末であり得る。統合システムの一実施形態において、生成物は、20wt%未満、2wt%未満、0.2wt%未満、または0.02wt%未満の不純物を有する場合がある。統合システムの一実施形態において、生成物は、20wt%を超える不純物を有する場合がある。
【0264】
統合システムの一実施形態において、LiCl溶液を蒸発により結晶化することで、LiCl粉末が作り出される。統合システムの一実施形態において、LiSO溶液を蒸発により結晶化することで、LiSO粉末が作り出される。統合システムの一実施形態において、LiSO、LiCl、LiPO、または他のリチウム含有粉末を別の場所に運んで、LiCO、LiOH、Li金属、または他のリチウム含有粉末へとさらに処理することができる。
【0265】
一実施形態において、炭酸リチウム結晶は、約100ミクロン未満、約50ミクロン未満、約20ミクロン未満、約10ミクロン未満、約5ミクロン未満、約2ミクロン未満、約1ミクロン未満、または約100ミクロンを超える平均粒径を伴うサイズ範囲へと粉砕される。一実施形態において、水酸化リチウムはペレット状へと処理される。
【0266】
統合システムの一実施形態において、LiCl粉末を処理することで、溶融塩電解細胞を介してLi金属が形成される。溶融塩電解セルの一実施形態において、LiClをKClと混合することで、電解質が形成される。溶融塩電解セルの一実施形態において、電流をLi含有電解質に流すことで、電気化学還元陰極にリチウム金属が生成される。溶融塩電解セルの一実施形態において、電流をLi含有電解質に流すことで、電気化学酸化陽極に塩素ガスが生成される。溶融塩電解セルの一実施形態において、セルは約400~500℃の温度で維持される。
【0267】
統合システムの一実施形態において、リチウム含有粉末を水で洗浄することで、不純物が取り除かれる。一実施形態において、LiCOを95℃で水により洗浄することで、LiCOの溶解が最小限の不純物が取り除かれる。一実施形態において、リチウム含有粉末の洗浄に使用される水は、微量の炭酸リチウム、水酸化リチウム、または他のリチウム塩を含んでいる。一実施形態において、リチウム含有粉末の洗浄に使用される水は、リチウム溶出溶液の精製などの他のプロセスに再利用される。
【0268】
一実施形態において、統合システムにより作り出されたリチウム化合物の純度は、約50%、約90%、約99.9%、または約99.99%を超える場合がある。
【0269】
リチウム抽出のためにpHを調節するシステム
統合システムの一実施形態において、統合システムは、塩水または他のイオン含有液体資源からのリチウム吸収中でのpH制御を可能とする形態にある、リチウム抽出用のイオン交換反応装置を備えている。この反応装置の機能は、リチウム吸収中に放出される水素を中和し、一方で塩基付加による沈殿に関連する問題を解決することである。
【0270】
統合システムの一実施形態において、統合システムは、液体資源からのリチウムイオン抽出用のイオン交換システムを備えており、該イオン交換システムは、a)イオン交換材料;およびb)システム中の液体資源のpHを増大させるためのpH調節機構を備えている。イオン交換材料は、液体資源からリチウムイオンを抽出する。イオン交換材料による液体資源からのリチウムイオンの抽出中に、液体資源のpHは随意に減少する。pH調節機構の使用によりシステム中の液体資源のpHを増大させることで、イオン交換材料によるリチウムイオン吸収に適した範囲にpHが維持される。一実施形態において、pH調節機構は、システムのpHの測定、および、リチウム抽出に理想的なpH範囲へのシステムのpHの調整を含む。一実施形態において、イオン交換材料が塩水からリチウムを吸収するために、塩水に理想的なpH範囲は随意に、5~7、好ましくは随意に4~8であり、そして許容可能なpH範囲は随意に1~9である。一実施形態において、pH調節機構は、システムのpHの測定を含み、システムのpHは、6未満、4未満、または2未満であり、システムのpHは、1~9、4~8、または5~7に調製される。
【0271】
バッチシステムの再循環
イオン交換システムの一実施形態において、イオン交換材料はカラムに充填される。システムの一実施形態において、pH調節機構は、イオン交換材料を充填したカラムに接続される。システムの一実施形態において、pH調節機構は1つ以上のタンクを備えている。
【0272】
イオン交換システムの一実施形態において、1つ以上のイオン交換カラムに、イオン交換材料の固定床または流動床が充填される。システムの一実施形態において、イオン交換カラムは、出入口のポートを備えた円柱状構築物である。さらなる実施形態において、イオン交換カラムは随意に、出入口のポートを備えた非円柱状構築物である。さらなる実施形態において、イオン交換カラムはタンクである。さらなる実施形態において、イオン交換カラムは随意に、塩水を汲み出すための出入口のポート、および、カラムにイオン交換材料を充填し、かつカラムから材料を取り出すための追加のドアまたはハッチを有している。さらなる実施形態において、イオン交換カラムには随意に、イオン交換材料の喪失、漏れ、または盗用のリスクを減らすための1つ以上のセキュリティデバイスが備わっている。イオン交換材料は、塩水からリチウムを可逆的に吸収し、酸の中にリチウムを放出することができる。一実施形態において、イオン交換材料は、イオン交換材料の溶解または分解を制限するために、SiO、ZrO、またはTiOなどの被覆材料で随意に保護される、粒子で構成されている。一実施形態において、イオン交換材料は粉末の形態でもよい。一実施形態において、イオン交換材料はビーズの形態でもよい。一実施形態において、ビーズは、イオン交換材料に結合する、耐酸性ポリマーなどの構造成分を含んでいる。一実施形態において、ビーズは、塩水、酸、水(aqueous)、および他の溶液がビーズへと浸透して、ビーズへと、およびビーズからリチウムと水素を送達し、またはビーズを洗浄するのを容易にする、穴を備えている。一実施形態において、ビーズの穴は、穴のサイズが分布している穴の接続網を形成するように構造化され、かつ、ビーズ形成中にフィルター材料を組み込み、その後に液体または気体にあるフィルター材料を取り除くことにより構造化される。
【0273】
イオン交換システムの一実施形態において、システムは再循環バッチシステムであり、これは、塩基を塩水へと混合し、塩基付加後に任意の沈殿を沈降させ、かつイオン交換カラムまたは他のタンクへの再注入前に塩水を貯蔵するために、1つ以上のタンクに接続される、イオン交換カラムを備えている。再循環バッチシステムの一実施形態において、塩水は、1つ以上のタンクに充填され、イオン交換カラムを通って汲み出され、一連のタンクを通って汲み出され、次いで1つのループでイオン交換カラムに戻される。一実施形態において、塩水は随意にこのループを繰り返す。一実施形態において、塩水をイオン交換カラムに通して再循環させることで、材料による随意のリチウム吸収が可能となる。一実施形態において、塩基は、pHがリチウム吸収に適切なレベルで維持されるような方法、およびイオン交換カラム中の塩基関連沈殿物の量が最小化されるような方法で、塩水に添加される。
【0274】
一実施形態において、塩水が再循環バッチシステムにより汲み出されると、リチウム吸収中のイオン交換材料からの水素放出により、塩水のpHはイオン交換カラムにおいて低下し、固体、水溶液、または他の形態として塩基を添加することにより、塩水のpHは上方調整される。一実施形態において、イオン交換システムは、ほぼ完了に近づくまでイオン交換反応を導き、イオン交換カラムに残る塩水のpHは、イオン交換カラムに進入する塩水のpHに近づく。一実施形態において、添加される塩基の量を随意に制御することで、塩基性沈殿物が形成されないような方法でイオン交換材料により放出される水素が中和される。一実施形態において、過剰な塩基、または一時的に過剰な塩基は随意に、塩基性沈殿物が形成されるような方法で添加される。一実施形態において、塩基性沈殿物は一時的に形成され、次いで、イオン交換カラムから放出される水素により部分的または完全に再溶解される。システムの一実施形態において、塩基は随意に、イオン交換カラムの前、イオン交換カラムの後、1つ以上のタンクの前、または1つ以上のタンクの後に塩水流に添加される。
【0275】
再循環バッチシステムの一実施形態において、タンクは混合タンクを備えており、その中で塩基が塩水と混合される。一実施形態において、タンクは沈降タンクを備えており、その中で、Mg(OH)などの沈殿物は随意に、イオン交換カラムへの沈殿物の注入を回避するために、沈降タンクの底部に沈降する。一実施形態において、タンクは貯蔵タンクを備えており、その中で塩水は、イオン交換カラム、混合タンク、沈降タンク、または他のタンクへの再注入前に貯蔵される。一実施形態において、タンクは酸再循環タンクを備えている。一実施形態において、再循環バッチ反応装置中のタンクの一部は随意に、塩基混合タンク、沈降タンク、酸循環タンク、または貯蔵タンクを含んで、目的の組み合わせを果たす。任意の実施形態において、タンクは随意に、同時に2つの機能を果たさない。例えば、タンクは、塩基混合タンクや沈降タンクではない。
【0276】
再循環バッチシステムの一実施形態において、塩基は混合タンクに添加され、これは随意に、連続撹拌タンクシステム、静的ミキサーに従う酸性化塩水流と塩基流の合流部、擢型ミキサーに従う酸性化塩水流と塩基流の合流部、タービン攪拌機に従う酸性化塩水流と塩基流の合流部、または、底部で十分に混合され、頂部付近で沈降される垂直カラムの形態にある連続撹拌タンクシステムである。一実施形態において、塩基は、固体または水溶液として随意に添加される。一実施形態において、塩基は、一定速度、または様々な速度で連続して随意に添加される。一実施形態において、塩基は、一定または様々なアリコートやバッチにおいて、個々で随意に添加される。一実施形態において、塩基は、1つ以上のpHメーターに従い随意に添加され、該pHメーターは随意に、イオン交換カラムの下流にある、または再循環バッチシステムの他の場所にある塩水をサンプリングする。一実施形態において、フィルターを随意に使用して、沈殿物が混合タンクの残るのを防ぐ。一実施形態において、フィルターは随意に、プラスチックメッシュスクリーン、砂、シリカ、またはアルミナなどの粒状媒体を含む小さな充填カラム、多孔質媒体フィルターを備えた小さな充填カラム、または膜である。
【0277】
再循環バッチシステムの一実施形態において、沈降タンクは随意に、底部に流入水、頂部に流出水を含む沈降タンク、または、一端に流入水、他端に流出水を含む沈降タンクである。一実施形態において、仕切られた堰を使用すると、沈殿物は完全に沈降し、次いで塩水が反応装置へと再循環される。一実施形態において、固形塩基沈殿物は、沈降タンクの底部で集められ、ミキサーへと再循環される。一実施形態において、Mg(OH)などの沈殿物は随意に、タンクの底部付近に沈降する。一実施形態において、塩水は沈降タンクの上部から取り除かれ、そこでは、浮遊した沈殿物の量が最小である。一実施形態において、沈殿物は随意に、重力、遠心作用、または他の力などにより沈降する。一実施形態において、フィルターを随意に使用して、沈殿物が沈降タンクに残るのを防ぐ。一実施形態において、フィルターは随意に、プラスチックメッシュスクリーン、砂、シリカ、またはアルミナなどの粒状媒体を含む小さな充填カラム、多孔質媒体フィルターを備えた小さな充填カラム、または膜である。一実施形態において、整流装置を随意に使用して、沈殿物の沈降を確実なものとし、沈殿物が沈降タンクを出てカラムに入るのを防ぐ。
【0278】
再循環バッチシステムの一実施形態において、塩基性沈殿物は沈降タンクから随意に集められ、混合タンクなどの場所にて塩水に注入されると、塩水のpHが調整される。
【0279】
再循環バッチシステムの一実施形態において、1つ以上のイオン交換カラムは、1つ以上のタンクまたは一連のタンクに随意に接続される。再循環バッチシステムの一実施形態において、分配されている一組の混合タンク、沈降タンク、および貯蔵タンクを通じて塩水を再循環させる、複数のイオン交換カラムが随意に存在する。再循環バッチシステムの一実施形態において、複数組の混合タンク、沈降タンク、および貯蔵タンクを通じて塩水を再循環させる、1つのイオン交換カラムが随意に存在する。
【0280】
カラム交換システム
統合システムの一実施形態において、統合システムは、イオン交換材料が複数のカラムに充填されるイオン交換システムを備えている。一実施形態において、pH調節機構は、複数のカラムに接続される複数のタンクを備えており、複数のタンクの各々が即座に複数のカラムのうち1つに接続されている。一実施形態において、複数のカラムに接続される複数のタンクのうち2つ以上が、少なくとも1つの回路を形成する。一実施形態において、複数のカラムに接続される複数のタンクのうち3つ以上が、少なくとも2つの回路を形成する。一実施形態において、複数のカラムに接続される複数のタンクのうち3つ以上が、少なくとも3つの回路を形成する。一実施形態において、少なくとも1つの回路は、液体資源回路である。一実施形態において、少なくとも1つの回路は、水洗洗浄回路である。一実施形態において、少なくとも1つの回路は、酸溶液回路である。一実施形態において、少なくとも2つの回路は、水洗洗浄回路である。
【0281】
イオン交換システムの一実施形態において、システムはカラム交換システムであり、そこでは、イオン交換カラムが、塩水回路、酸回路、水洗洗浄回路、および随意に他の回路を形成するように接続されている。塩水回路の一実施形態において、塩水は、塩水回路中の第1カラムを通り、塩水回路中の次のカラムなどへと流れて、それにより、塩水が1つ以上のカラムを通って流れると、リチウムが塩水から取り除かれる。塩水回路の一実施形態において、塩水回路中の各イオン交換カラム、または特定のイオン交換カラムの前後に塩基を塩水に添加することで、イオン交換材料によるリチウム吸収に適切な範囲に塩水のpHが維持される。酸回路の一実施形態において、酸は、酸回路中の第1のカラムを通って、酸回路中の次のカラムなどへ流れて、それにより、リチウムが酸によりカラムから溶出し、リチウム溶出液が作り出される。酸回路の一実施形態において、酸は、酸回路中の第1のカラムを通って、随意に酸回路中の次のカラムなどへ流れて、それにより、リチウムが酸によりカラムから溶出し、リチウム溶出液が作り出される。水洗洗浄回路の一実施形態において、水は、水洗洗浄回路中の第1のカラムを通って、随意に水洗洗浄回路中の次のカラムなどへ流れて、それにより、水洗洗浄回路中のカラムの空隙空間、穴空間、またはヘッドスペースにある塩水が、洗い流される。
【0282】
カラム交換システムの一実施形態において、イオン交換カラムは、塩水回路と、水洗洗浄回路と、酸回路との間で交換される。一実施形態において、塩水回路中の第1のカラムにリチウムが充填され、次いで、水洗洗浄回路へと交換することで、カラムの空隙空間、穴空間、またはヘッドスペースから塩水が取り除かれる。一実施形態において、水洗洗浄回路中の第1カラムを洗浄することで塩水が取り除かれ、次いで、酸回路と交換され、そこでは、リチウムを酸で溶出することによりリチウム溶出液が形成される。一実施形態において、酸回路中の第1のカラムは酸で溶出され、次いで塩水回路と交換されることで、塩水からリチウムが吸収される。カラム交換システムの一実施形態において、2つの水洗洗浄回路を使用して、塩水回路と酸回路の両方の後にカラムが洗浄される。カラム交換システムの一実施形態において、1つの水洗洗浄回路のみを使用して、塩水回路の後にカラムが洗浄されるが、余剰酸は塩基で中和されるか、塩水回路においてカラムから洗い流される。
【0283】
カラム交換システムの一実施形態において、塩水回路中の第1のカラムは、水洗洗浄回路中の最後のカラムとなるように交換される。カラム交換システムの一実施形態において、水洗洗浄回路中の第1のカラムは、酸回路中の最後のカラムとなるように交換される。カラム交換システムの一実施形態において、酸回路中の第1のカラムは、塩水回路中の最後のカラムとなるように交換される。
【0284】
カラム交換システムの一実施形態において、塩水回路中の各カラムは、塩基を塩水に混合し、後の塩基付加を行う任意の塩基性沈殿物を随意に沈降させるための1つ以上のタンクまたはジャンクションを備えている。カラム交換システムの一実施形態において、塩水回路中の各カラムは、沈降または濾過を介して塩基性沈殿物などの粒子を取り除くための1つ以上の関連タンクまたはジャンクションを備えている。カラム交換システムの一実施形態において、各カラム、またはカラムの様々な集合体は、イオン交換材料またはビーズから分離する粒子を含むイオン交換材料を捕捉する、固液分離に用いる1つ以上の関連する沈降タンクやフィルターなどの手段を備えている。
【0285】
カラム交換システムの一実施形態において、塩水回路のカラムの数は随意に、約3未満、約10未満、約30、または約100未満である。カラム交換システムの一実施形態において、酸回路のカラムの数は随意に、約3未満、約10未満、約30、または約100未満である。カラム交換システムの一実施形態において、水洗洗浄回路のカラムの数は随意に、約3未満、約10未満、約30、または約100未満である。ある実施形態において、塩水回路のカラムの数は、1~10である。いくつかの実施形態において、酸回路のカラムの数は、1~10である。いくつかの実施形態において、洗浄回路のカラムの数は、1~10である。
【0286】
カラム交換システムの一実施形態において、随意に1つ以上の塩水回路、1つ以上の酸回路、および1つ以上の水洗洗浄回路が存在する。カラム交換システムの一実施形態において、イオン交換カラムには、カラムの操作を妨害することのない新たなイオン交換材料が随意に供給される。カラム交換システムの一実施形態において、性能が劣化した材料を有するイオン交換カラムは、カラムの操作を妨害することのない新たなイオン交換材料を有するイオン交換カラムと随意に交換される。
【0287】
イオン交換システムの一実施形態において、イオン交換材料はイオン交換カラムに充填され、塩水からのリチウム吸収後、酸再循環ループを用いてリチウムはイオン交換カラムから溶出される。酸再循環ループの一実施形態において、酸は、イオン交換カラムを通ってタンクへと流れ、次いでイオン交換カラムを通って再循環されると、リチウム溶出を最適にする。イオン交換システムの一実施形態において、イオン交換材料はイオン交換カラムに充填され、塩水からのリチウム吸収後、酸を貫流させることでリチウムは各イオン交換カラムから溶出される。イオン交換システムの一実施形態において、イオン交換材料はイオン交換カラムに充填され、塩水からのリチウム吸収後、カラム交換回路を用いてリチウムはイオン交換カラムから溶出される。
【0288】
イオン交換システムの一実施形態において、再循環バッチシステムを用いて塩水をイオン交換カラムに流すことで、イオン交換カラムはリチウムを充填され、次いでリチウムは、カラム交換システムを用いてカラムから溶出される。イオン交換の一実施形態において、カラム交換システムを用いて塩水をイオン交換カラムに流すことで、イオン交換カラムはリチウムを充填され、次いでリチウムは、再循環バッチシステムを用いてカラムから溶出される。イオン交換の一実施形態において、再循環バッチシステムを用いて塩水をイオン交換カラムに流すことで、イオン交換カラムはリチウムを充填され、次いでリチウムは、再循環バッチシステムを用いてカラムから溶出される。イオン交換の一実施形態において、カラム交換システムを用いて塩水をイオン交換カラムに流すことで、イオン交換カラムはリチウムを充填され、次いでリチウムは、カラム交換システムを用いてカラムから溶出される。
【0289】
撹拌タンクシステム
統合システムの一実施形態において、統合システムは、pH調節機構がタンクであるイオン交換システムを備えており、該タンクは、a)1つ以上の区画;およびb)1つ以上の区画に液体資源を通すための手段を備えている。一実施形態において、イオン交換材料は少なくとも1つの区画に充填される。一実施形態において、1つ以上の区画に液体資源を通すための手段は、パイプであり、かつ適切に構成されたポンプである。一実施形態において、タンクはさらに、タンク全体に液体資源を循環させるための手段を備えている。一実施形態において、タンク全体に液体資源を循環させるための手段は、混合デバイスである。いくつかの実施形態において、タンクはさらに注入ポートを備えている。
【0290】
イオン交換システムの一実施形態において、システムは、イオン交換ビーズが充填される透過性のパレット、ケース、ボックス、または他の容器などの透過性ビーズ区画を含有する、塩水タンクで構成されている撹拌タンクシステムであり、塩水はバッチプロセスにおいてタンクを通って撹拌される。撹拌タンクシステムの一実施形態において、塩基は、固体として、または水溶液中で徐々にまたは一度に、タンクに直接添加される。撹拌タンクシステムの一実施形態において、塩水吸収段階が完了した後、透過性ビーズ容器は随意に、酸溶出のために別のタンクに移される。撹拌タンクシステムの一実施形態において、透過性ビーズ区画は、塩水段階の間、および塩水段階の後に、撹拌タンクの底部に位置しており、次いで、塩水を取り除き、かつ、透過性ビーズ区画が最適な体積の酸で覆われるような方法で、撹拌タンクの底部に酸を満たすことでリチウムを溶出する。
【0291】
撹拌タンクシステムの一実施形態において、イオン交換ビーズは、プラスチック製の構造支持物を用いて、内部混合デバイスを有するタンクに浮遊させられる。撹拌タンクシステムの一実施形態において、塩水の流れはタンクから取り除かれ、カラムを通過し、その中でイオン交換により作り出される塩水中の水素イオンは、溶液中の、または固体として添加される犠牲塩基を用いて、またはイオン交換樹脂により中和される。pH補正した流れをシステムに戻し、その中でリチウムの除去を継続できる。撹拌タンクシステムの一実施形態において、ビーズ区画を通過した塩水は、随意にタンクの内部または外部にある管を通ってタンクの反対側に戻される。撹拌タンクシステムの一実施形態において、塩基は随意に、タンクの内部にある塩水、またはタンク外部の塩基付加タンクにある塩水に添加される。
【0292】
撹拌タンクシステムの一実施形態において、新たな塩水をシステムに供給することで、バッチモードの代わりに連続撹拌タンクシステムモードでシステムが操作される。再循環バッチシステムの一実施形態において、新たな塩水をシステムに供給することで、バッチモードの代わりに連続撹拌タンクシステムモードでシステムが操作される。
【0293】
他のタイプのシステム
統合システムの一実施形態において、統合システムはイオン交換システムを備えており、その中でカラムは複数の注入ポートを備えており、複数の注入ポートは、システム中の液体資源のpHを上げるために使用される。
【0294】
イオン交換システムの一実施形態において、システムは、イオン交換カラムと混合室とを備えた塩基混合システムであり、ここで塩基は、塩水をカラムに注入する直前に塩水と混合される。
【0295】
イオン交換システムの一実施形態において、システムは、カラムを通る塩水流れの方向に沿って間隔をおいた、塩基水溶液の注入用の複数のポートを備える、ポートイオン交換カラムシステムである。塩水がカラムを通って流れるため、ビーズのリチウム吸収速度が最大になるカラムの領域が存在し、この領域は、カラムを通って塩水流の方向に移動する。ポートイオン交換柱システムにおいて、塩基を前記領域付近に注入すると、イオン交換反応により放出されるプロトンが中和される。ビーズにリチウムが染み込み、かつプロトンの放出速度が遅くなったカラムの領域において、塩基の注入を減らし、または終えることで、塩基性沈殿物の形成が回避される。
【0296】
イオン交換システムの一実施形態において、システムは、塩水流の反対方向に移動するビーズの移動床を有しており、イオン交換反応が最大速度でカラムに生じるとイオン交換反応から放出されたプロトンが中和される場所に近い領域において、塩基はカラムの1つ以上の固定点にて注入される。イオン交換システムの一実施形態において、塩水に添加される塩基は随意に、NaOH、KOH、Mg(OH)、Ca(OH)、CaO、NH、NaSO、KSO、NaHSO、KHSO、NaOCl、KOCl、NaClO、KClO、NaHBO、NaHBO、NaBO、KHBO、KHBO、KBO、MgHBO、CaHBO、NaHCO、KHCO、NaCO、KCO、MgCO、CaCO、NaO、KO、NaCO、KCO、NaPO、NaHPO、NaHPO、KPO、KHPO、KHPO、CaHPO、MgHPO、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、ポリ(ビニルピリジン)、ポリ(ビニルアミン)、ポリアクリロニトリル、他の塩基、またはそれらの組み合わせである。一実施形態において、塩基は随意に、固形形態、水溶液、または水溶液として塩水に添加される。一実施形態において、塩基は随意に、ガス状NHなどのガス状態で添加される。一実施形態において、塩基は随意に、安定した流れ、可変的な流れ、安定した一定分量、または可変的な一定分量で、塩水に添加される。一実施形態において、塩基は随意に、電気化学セルを用いてHとClガスを取り除くことにより塩水に作成され、これを随意に分離システムの中で組み合わせるとHCl酸が作成され、システムからのリチウムの溶出や、他の目的のために使用される。
【0297】
イオン交換システムの一実施形態において、塩水は、NaOH、CaO、またはCa(OH)などの固形の犠牲塩基粒子を含有するpH制御カラムを通って流れて、塩水へと溶解され、塩水のpHを上げる。イオン交換システムの一実施形態において、塩水は、再生可能な固定されたOH含有イオン交換樹脂を含有するpH制御カラムを通って流れて、水素イオン、または、HClに抱合する固定ポリピリジンなどの再生可能な塩基種と反応し、それにより酸性化塩水を中和する。OH基が不足し、またはHClが染み込むと、イオン交換樹脂はNaOHなどの塩基により随意に再生される。
【0298】
イオン交換システムの一実施形態において、システム中のタンク、パイプ、カラム、および他の構成部分にpHメーターを随意に設置することで、pHをモニタリングし、システム全体の様々な場所における塩基付加の速度と量を制御する。
【0299】
イオン交換システムの一実施形態において、システム中のカラム、タンク、パイプ、および他の構成部分は随意に、プラスチック、プラスチックライニングを施した金属、または、塩水や酸による腐食に強い他の材料を用いて構築される。
【0300】
イオン交換システムの一実施形態において、イオン交換カラムを、随意に緩衝液を含有する軽度に酸性の水で随意に洗浄すると、酸溶出の前にカラムから任意の塩基性沈殿物が取り除かれる。
【0301】
イオン交換柱にリチウムが染み込むか、ほぼ染み込んだ後、酸を用いてリチウムをイオン交換カラムから洗い流す。カラムの中に1回以上通して酸を流して、リチウムを溶出する。一実施形態において、タンクに接続したイオン交換カラムで構成される再循環バッチシステムを用いて、イオン交換カラムに通して酸を随意に流す。一実施形態において、酸流に使用されるタンクは随意に、塩水流に使用されるのと同じタンクである。さらなる実施形態において、酸流に使用されるタンクは随意に、塩水流に使用されるのとは異なるタンクである。さらなる実施形態において、酸をイオン交換カラムに分配すると、余分なタンクを含まないカラムに行き渡り、直ちに再循環される。一実施形態において、酸流に使用されるタンクを用いることなく、酸付加を随意に行う。
【0302】
一実施形態において、リチウムは、水と1つ以上の酸溶液との組み合わせを用いて、イオン交換材料から溶出される。一実施形態では、リチウムは、初期体積の水または酸を使用し、その後に別個にまたは連続して酸を添加することにより、イオン交換材料から溶出される。初期体積の酸は、0.2M未満、0.5M未満、1.0M未満、2.0M未満、または5.0M未満など、低濃度の場合がある。後の酸の追加は、0.2M超、0.5M超、1.0M超、2.0M超、または5.0M超の、高濃度で行われる場合がある。例えば、初期の酸濃度は0.5Mであり、追加の酸は6.0Mである場合がある。一実施形態において、水と酸の異なる組み合わせを伴う、この酸溶出は、撹拌タンク反応装置またはイオン交換カラムにおいて随意に実行することができ、それらの何れかは、ネットワークにおいて複数の反応装置やカラムが接続されている、より大きなイオン交換システムの一部の場合がある。
【0303】
イオン交換システムの一実施形態において、カラムは随意に、塩水および/または酸の工程の後に水で洗浄され、洗浄により流出した水をpH中和や逆浸透を用いて処理することで、処理水が産出される。
【0304】
イオン交換システムの一実施形態において、イオン交換カラムは随意に、円筒形や長方形などの形状で形成される。一実施形態において、イオン交換カラムの形状は随意に、その直径よりも大きい、または小さい高さを持つ円筒形である。一実施形態において、イオン交換カラムの形状は随意に、10cm未満、1メートル未満、または10メートル未満の高さを持つ円筒形である。一実施形態において、イオン交換カラムの形状は随意に、10cm未満、1メートル未満、または10メートル未満の直径を持つ円筒形である。
【0305】
イオン交換システムの一実施形態において、システムは随意に、イオン交換カラムを、新たなイオン交換材料を充填した新たなイオン交換カラムと交換することにより、新たなイオン交換材料を再供給される。イオン交換システムの一実施形態において、システムは随意に、カラムからビーズを取り除き、かつ新たな材料をカラムに充填することにより、新たなイオン交換材料を再供給される。イオン交換システムの一実施形態において、新たな材料は随意に、システム中の全カラムへと同時に供給される。イオン交換システムの一実施形態において、新たな材料は随意に、1つ以上のカラムへと一度に供給される。イオン交換システムの一実施形態において、新たな材料は随意に、随意に作動し続ける他のカラムを妨害することなく、1つ以上のカラムに供給される。
【0306】
イオン交換システムの一実施形態において、塩水の汲み出しは、随意に約30分未満、約1時間未満、約2時間未満、約4時間未満、約8時間未満、約24時間未満、約48時間未満、または約1週間未満の期間にわたり、イオン交換材料があるリチウム飽和点に近づくまで随意に継続する。イオン交換システムの一実施形態において、塩水の汲み出しは、随意に1週間より長い期間にわたり、イオン交換材料があるリチウム飽和点に近づくまで随意に継続する。イオン交換システムのある実施形態において、塩水の汲み出しは、随意に30分~24時間の期間にわたり、イオン交換材料があるリチウム飽和点に近づくまで随意に継続する。イオン交換システムの一実施形態において、酸の汲み出しは、随意に約5分未満、15分未満、30分未満、1時間未満、約2時間未満、約4時間未満、約8時間未満、約24時間未満、または約48時間未満の期間にわたり、イオン交換材料がある水素飽和点に近づくまで随意に継続する。イオン交換システムの一実施形態において、塩水の汲み出しは、随意に48時間より長い期間にわたり、イオン交換材料がある水素飽和点に近づくまで随意に継続する。イオン交換システムのある実施形態において、塩水の汲み出しは、随意に2分~2時間の期間にわたり、イオン交換材料がある水素飽和点に近づくまで随意に継続する。
【0307】
イオン交換材料
統合システムの一実施形態において、統合システムは、イオン交換材料が複数のイオン交換粒子を含むイオン交換システムを備えている。一実施形態において、イオン交換材料中の複数のイオン交換粒子は、非被覆イオン交換粒子、被覆イオン交換粒子、およびそれらの組み合わせから選択される。一実施形態において、イオン交換材料は、多孔質イオン交換材料である。一実施形態において、多孔質イオン交換材料は、多孔質イオン交換材料の表面から複数のイオン交換粒子へと液体が素早く移動するのを可能にする、穴のネットワークを備えている。一実施形態において、イオン交換材料は、多孔質イオン交換ビーズの形態である。
【0308】
一実施形態において、液体資源は、天然塩水、溶解塩原、海水、濃縮海水、脱塩流出物、濃縮塩水、加工塩水、油田塩水、イオン交換プロセス由来の液体、溶剤抽出由来の液体、合成塩水、鉱石またはその組み合わせ由来の浸出液、鉱物またはその組み合わせ由来の浸出液、粘土またはその組み合わせ由来の浸出液、再資源製品由来の浸出液、再利用材料由来の浸出液、またはそれらの組み合わせである。一実施形態において、液体資源は、塩酸、硫酸、硝酸、他の酸、またはそれらの組み合わせを用いて、鉱石、粘土、沈殿物、廃棄物、屑、消費後物資、スラリー、または他の材料を浸出することにより作り出される。一実施形態において、液体資源は、約0.1N超、約1.0N超、約10N超、または約20N超の濃度の酸を用いて材料を浸出することにより作り出される一実施形態において、液体資源は、加熱され、石灰化され、酸化され、還元され、または化学的に改質される材料を浸出することにより作り出される。一実施形態において、液体資源は、水、溶剤、または他の液体のみを含む材料を浸出することにより作り出される。
【0309】
一実施形態において、前記液体資源は、リチウムが不足、または部分的に不足している、使用済みの塩水からリチウムを取り除くために処理される、塩水である。一実施形態において、使用済みの塩水は、地下注入、地下層への注入、塩水を抽出した場所よりも深い地下層への注入、湖(salar)への注入、塩水を抽出した場所とは異なる地下層にある地下層への注入、リザーバーへの注入、水域への汲み出し、湖への汲み出し、蒸発池への流し込み、塩原への流し込み、地面への浸透、またはそれらの組み合わせにより、廃棄される。
【0310】
一実施形態において、塩水は、1つの井田から作り出され、別の井田に廃棄される。一実施形態において、塩水は、1つ以上の生産井から作り出され、生の塩水を処理してリチウムを回収する。一実施形態において、塩水を処理してリチウムを回収してから、使用済みの塩水を1つ以上の廃棄井に廃棄する。一実施形態において、生産井は地下層の中心付近にあり、廃棄井は地下層の外周部付近にある。一実施形態において、生産井は地下層の周辺付近にあり、廃棄井は地下層の中心付近にある。一実施形態において、生産井は地下層の上部付近にあり、廃棄井は地下層の底部付近にある。一実施形態において、生産井は地下層の底部付近にあり、廃棄井は地下層の上部付近にある。一実施形態において、廃棄または注入のために、他の廃棄物流を使用済みの塩水と組み合わせることができる。一実施形態において、水、カリウム、ホウ素、ナトリウム、マグネシウム、または他の種は、リチウム回収の前後、および、生産井または廃棄井からの汲み出しの前後に、生の塩水または使用済みの塩水から再生することができる。一実施形態において、井戸は、地面の上または下から水を汲み出すポンプであり得る。イオン交換材料は通常、小さな粒子であり、一体的に微粉を構築している。いくつかの実施形態において、小さな粒子径により、リチウムがイオン交換粒子のコアへと移動する必要がある拡散距離が最短となる。場合によっては、これらの粒子を随意に保護表面被覆で被覆することで、イオン交換材料の溶解が最小限となり、粒子への、および粒子からのリチウムと水素の効率的な移動が可能となる。
【0311】
一実施形態において、被覆イオン交換粒子は、イオン交換材料と被覆材料とで構成され、イオン交換材料はLiMn12、Li1.6Mn1.6、LiMO(M=Ti、Mn、Sn)、LiFePO、それらの固溶体、または組み合わせを含み、被覆材料はTiO、ZrO、SiO、MoO、LiTiO、LiZrO、LiNbO、AlF、SiC、Si、黒鉛状炭素、非晶質炭素、ダイヤモンド様炭素、またはそれらの組み合わせを含む。被覆イオン交換粒子の平均直径は約1ミクロン未満、約10ミクロン未満、約100ミクロン未満、または約1,000ミクロン未満であり、被覆の厚みは、約5nm未満、約100nm未満、約2,000nm、または約40,000nm未満である。水熱合成法、固相反応法、またはマイクロウェーブ法などの方法を用いてイオン交換材料を最初に合成することにより、粒子が作成される。次いで、被覆材料は、化学蒸着法、水熱合成法、ソルボサーマル法、ゾルゲル法、沈殿法、またはマイクロウェーブ法などの方法を用いてイオン交換材料の表面上に堆積する。被覆イオン交換粒子は、塩酸、硫酸、硝酸、またはそれらの組み合わせで調製された酸溶液で処理され、ここで酸溶液の濃度は、約0.1M超、約1.0M超、約5M超、約10M超、またはそれらの組み合わせである。酸処理の間、粒子は水素を吸収し、一方でリチウムを放出する。イオン交換材料は、水素が豊富な組成を持つプロトン化状態へと変換される。被覆材料は、イオン交換材料への水素の拡散、およびイオン交換材料からのリチウムの拡散をそれぞれ可能とし、一方でイオン交換材料の溶解を制限する防御壁をもたらす。酸処理の後、プロトン化被覆イオン交換粒子は液体資源で処理され、ここで液体資源は、天然塩水、溶解塩原、濃縮塩水、処理塩水、合成塩水、イオン交換プロセス由来の液体、溶剤抽出由来の液体、鉱物由来の浸出液、粘土由来の浸出液、再資源製品由来の浸出液、再利用材料由来の浸出液、またはそれらの組み合わせである。被覆イオン交換粒子はリチウムを吸収し、一方で水素を放出する。その後、リチウム塩溶液が集められる。次いで、有能な被覆イオン交換粒子は、約10サイクル超、約30サイクル超、約100サイクル超、約300サイクル超、または約1,000のサイクル超の多数のサイクルにわたり、イオン交換反応を繰り返し実行する。
【0312】
さらなる態様において、被覆材料はポリマーを含む。一実施形態において、被覆材料は、クロロポリマー、フルオロポリマー、クロロ-フルオロポリマー、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む。
【0313】
さらなる態様において、被覆材料は、コポリマー、ブロックコポリマー、線状ポリマー、分岐ポリマー、架橋ポリマー、熱処理したポリマー、溶液で処理したポリマー、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む。
【0314】
さらなる態様において、被覆材料は、ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、あらゆるポリアミド、ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、ポリブタジエン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン・テトラフルオロエチレンポリマー(ETFE)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)(PCTFE)、エチレン・クロロトリフルオロ・エチレン(Halar)、ポリフッ化ビニル(PVF)、フッ化エチレン-プロピレン(FEP)、パーフルオロ化エラストマー、クロロトリフルオロエチレンビニリデンフッ化物(FKM)、パーフルオロポリエーテル(PFPE)、パーフルオロスルホン酸(Nafion)、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレン-ブロック-ポリ(エチレングリコール)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリクロロプレン(ネオプレン)、ポリビニルブチラール(PVB)、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリジビニルベンゼン、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む。
【0315】
さらなる態様において、被覆材料は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン・クロロトリフルオロ・エチレン(Halar)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS))、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリフェニレンスルフィド、スルホン化ポリマー、カルボキシル化ポリマー、他のポリマー、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む。
【0316】
さらなる態様において、乾燥混合、溶剤中の混合、エマルジョン、押し出し、1つの溶剤の別の溶剤への泡立て、鋳造、加熱、蒸発、真空蒸発、噴霧乾燥、蒸着、化学蒸着、マイクロウェーブ、水熱合成、重合、共重合、架橋、照射、触媒作用、泡沫化、他の堆積方法、またはそれらの組み合わせにより、コーティングはイオン交換粒子に堆積する。さらなる態様において、n-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、エタノール、アセトン、他の溶剤、またはそれらの組み合わせを含む溶剤を用いて、コーティングは堆積する。
【0317】
固定床にて無機イオン交換粒子を用いたリチウム抽出の主な問題の1つは、詰まりが最小限のカラムに通して塩水と酸を随意に効率よく汲み出すような方法で、粒子を固定床に充填することである。材料はビーズへと随意に形成され、ビーズはカラムへと随意に充填される。このビーズ充填により、ビーズ間に空隙ができ、この空隙によりカラムを介した汲み出しが容易になる。ビーズはイオン交換粒子を適所に保持し、カラム全体での粒子の自由な動きを妨げる。材料をビーズへと形成すると、ビーズに塩水と酸溶液を浸透させる速度は遅くなり、問題となる。遅い速度で酸と塩水の溶液をビーズに対流かつ拡散させると、リチウムの吸収と放出の動態が遅くなる。このような遅い動態により、カラム操作の問題が生じかねない。遅い動態には、カラムを介した遅い汲み出し速度が必要となり得る。遅い動態により、塩水から回収できるリチウムが少なくなり、リチウム溶出での酸の使用が非効率的になりかねない。
【0318】
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズは、イオン交換カラムを介して汲み出される溶液のビーズへの輸送を容易にする穴のネットワークを持つ、多孔質イオン交換ビーズである。穴のネットワークを随意に戦略的に制御すると、塩水と酸の溶液に対する迅速で広範囲のアクセスが提供され、ビーズへと浸透し、リチウムと水素がイオン交換粒子に送達される。多孔質イオン交換ビーズの一例を図14に示す。
【0319】
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズは、イオン交換粒子、マトリクス材料、および充填材料を混合することで形成される。これら構成部分を混合すると、ビーズが形成される。次いで、充填材料をビーズから取り除くと、後に穴が残る。速い動態でのリチウムと水素の輸送を可能にする穴構造が後に残るような方法で、充填材料がビーズにて分散される。この方法は随意に、複数のイオン交換材料、複数の高分子材料、および複数の充填材料を必要とする。
【0320】
無機イオン交換材料を用いたリチウム抽出に関する別の主な問題は、特に酸におけるリチウム溶出中のほか、液体資源におけるリチウム吸収中での材料の溶解と分解である。イオン交換プロセスからの高濃度のリチウムイオンを含むリチウム溶出溶液を産出するために、酸を使用してリチウムを溶出させ、大抵は、濃縮酸溶液を用いてリチウムを溶出するのが望ましい。しかし、酸溶液、特に濃縮酸溶液は無機イオン交換材料を溶解・分解し、これにより材料の性能と寿命が減る。それゆえ、イオン交換材料を随意に被覆すると、イオン交換材料と、粒子表面を保護する被覆材料とで構成される、リチウム抽出用の被覆イオン交換粒子が形成される。被覆によってイオン交換材料は、酸におけるリチウム溶出、液体資源からのリチウム吸収、およびイオン交換プロセスの他の態様の間に溶解・分解から保護される。このように粒子を被覆することで、イオン交換プロセスでのイオン交換材料の寿命が改善し、より強力な酸の使用によって高濃度のリチウムイオンを持つリチウム溶出溶液の産出が可能となる。被覆イオン交換粒子の一例を図13に示す。被覆イオン交換粒子は、粉末またはビーズの形態で、リチウム吸収に使用されてもよい。
【0321】
本発明において、イオン交換材料は、高いリチウム吸収能力、ナトリウムやマグネシウムなどのイオンに比べて高い液体資源中のリチウムへの選択性、低濃度のリチウムを含有するものを含む液体資源中での強力なリチウム吸収、わずかに過剰な酸を含有するリチウムの容易な溶出、およびイオンの高速拡散のために選択される。被覆材料は随意に、酸の中でのリチウム回収中のほか、様々な液体資源中でのリチウム吸収中に、粒子を溶解および化学分解から保護するために選択される。被覆材料は随意に、粒子と液体資源との間でのリチウムおよび水素の拡散を容易にし、構造支持体への粒子の付着を可能にし、かつ粒子の構造的・機械的分解を抑えるためにも選択される。
【0322】
イオン交換材料をイオン交換システムに用いると、リチウムを含有する液体資源はイオン交換システムを介して汲み出され、それにより、イオン交換材料は液体資源からリチウムを吸収し、一方で水素を放出する。材料がリチウムを吸収した後、酸溶液はカラムを介して汲み出され、それにより材料は酸溶液へとリチウムを放出し、一方で水素を吸収する。カラムは随意に並行流モードで操作され、その中で液体資源と酸溶液は、カラムを通って同じ方向へと交互に流れる。または、カラムは随意に対向流モードで操作され、その中で液体資源と酸溶液は、カラムを通って反対方向へと交互に流れる。液体資源流と酸溶液流との間で、カラムは随意に、カラム中のpHを調整し、または汚染物質が生じる可能性を排除するなどの目的のために、水などの溶液により処理、または洗浄される。材料は随意に固定床または移動床を形成し、移動床は随意に、逆流して塩水および酸の流れへと移動する。材料は随意に、撹拌、回転、汲み出し、またはそれらの組み合わせにより、撹拌タンク反応装置の中に浮遊させることができる。材料は随意に、移動床により複数のカラム間を移動し、その中で様々なカラムが塩水、酸、水、または他の流れに対して使用される。液体資源がカラムを通って流れる前後、液体のpHは随意に、固体、液体、またはスラリーの形態で、Ca(OH)、NaOH、または他の化学品により調整され、イオン交換反応のほか、使用済みの液体資源の取り扱いや廃棄も容易となる。液体資源がカラムを通って流れる前後、液体資源は随意に、他のイオン交換プロセス、溶媒抽出、蒸発、化学的処理、またはリチウム除去のための沈殿を含む、他のプロセスにさらされて、他の化学種が取り除かれ、または塩水が処理される。
【0323】
イオン交換材料が酸で処理されと、リチウム溶液が作り出される。このリチウム溶液をさらに随意に処理すると、リチウム化学品が作り出される。これらリチウム化学品は随意に、工業用途のために供給される。いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、酸化物、リン酸塩、オキシフルオリド、フルオロリン酸、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、LiFePO、LiMnPO、LiMO(M=Ti、Mn、Sn)、LiTi12、LiMn12、LiMn、Li1.6Mn1.6、LiMO(M=Al、Cu、Ti)、LiTiO、LiTi1124、LiVO、LiSi、LiCuP、Al(OH)、LiCl.xAl(OH).yHO、SnO.xSb.yHO、TiO.xSb.yHO、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせから選択される。さらなる態様において、イオン交換材料は、LiFePO、LiSnO、LiMnO、LiTiO、LiTi12、LiMn12、Li1.6Mn1.6、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせを含む。
【0324】
本明細書に記載されるさらなる態様において、被覆材料により、イオン交換材料への、かつイオン交換材料からの拡散が可能になる。特に、被覆材料により、粒子と液体資源との間でのリチウムおよび水素の拡散が容易になり、構造支持体への粒子の付着が可能になり、かつ粒子の構造的機械的分解が抑えられる。本明細書に記載されるさらなる態様において、被覆材料は、炭化物、窒化物、酸化物、リン酸塩、フッ化物、ポリマー、炭素、炭素材、またはそれらの組み合わせを含む。さらなる態様において、被覆材料は、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、フルオロポリマー、クロロポリマー、またはフルオロ-クロロ-ポリマーを含む。さらなる態様において、被覆材料は、Nb、Ta、MoO、TiO、ZrO、SnO、SiO、LiO、LiTiO、LiZrO、LiMoO、LiNbO、LiTaO、LiSiO、LiSi、LiMnO、ZrSiO、AlPO、LaPO、ZrP、MoP、Mo12、BaSO、AlF、SiC、TiC、ZrC、Si、ZrN、BN、炭素、黒鉛状炭素、非晶質炭素、硬質炭素、ダイヤモンド様炭素、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせを含む。さらなる態様において、被覆材料は、TiO、ZrO、SiO、LiTiO、LiZrO、LiMnO、ZrSiO、またはLiNbOを含む。
【0325】
本明細書に記載されるさらなる態様において、被覆イオン交換粒子の平均直径は、約0.1ミクロン未満、約1ミクロン未満、約10ミクロン未満、約100ミクロン未満、または約1,000ミクロン未満である。さらなる態様において、被覆イオン交換粒子の平均サイズは、約50ミクロン未満、約100ミクロン未満、または約200ミクロン未満である。さらなる態様において、被覆イオン交換粒子は随意に、平均直径が約10nm未満、約100nm未満、約1,000nm未満、約10,000nm未満、または約100,000nm未満であるより小さな一次粒子で構成された、二次微粒子である。さらなる態様において、コーティングは随意に、一次イオン交換粒子を被覆する。さらなる態様において、コーティングは随意に、二次イオン交換粒子を被覆する。さらなる態様において、コーティングは随意に、二次イオン交換粒子を被覆する。さらなる態様において、コーティングは随意に、一次イオン交換粒子と二次イオン交換粒子を被覆する。さらなる態様において、一次イオン交換粒子は随意に第1のコーティングを有し、二次イオン交換粒子は随意に、第1の被覆の組成と随意に同じ、類似、または異なる第2のコーティングを有する。
【0326】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態において、被覆材料の厚みは、約1nm未満、約10nm未満、約100nm未満、約1000nm未満、約10000nm未満、または約100000nm未満である。さらなる実施形態において、被覆材料の厚みは、約1ミクロン未満または約10ミクロン未満である。いくつかの実施形態において、イオン交換粒子には、10nm未満、100nm未満、1,000nm未満、または10,000nm未満から選択される厚みを持つ被覆材料がある。いくつかの実施形態において、被覆材料の厚みは、0.1ミクロン未満、1ミクロン未満、または10ミクロン未満から選択される。ある実施形態において、被覆材料の厚みは、約0.1ミクロン~10ミクロンである。いくつかの実施形態において、被覆材料の厚みは、約1ミクロン~10ミクロンである。
【0327】
本明細書に記載されるさらなる態様において、イオン交換材料と被覆材料は1つ以上の濃度勾配を形成し、そこでは粒子の化学組成は、2つ以上の組成間で変動する。さらなる態様において、化学組成は随意に、粒子の様々な領域において連続し、不連続であり、または連続かつ不連続である様式で、イオン交換材料と被覆との間で変動する。さらなる態様において、イオン交換材料と被覆材料は、約1nm未満、約10nm未満、約100nm未満、約1,000nm未満、約10,000nm未満、または約100,000nm未満の厚みにわたり広がる濃度勾配を形成する。さらなる態様において、イオン交換材料と被覆材料は、約1nm~約1,000nmの厚みにわたり広がる濃度勾配を形成する。さらなる態様において、イオン交換材料及び被覆材料との間の分裂期層を形成するために、イオン交換材料は、被覆材料に部分的に反応するかもしれない。
【0328】
本明細書に記載されるさらなる態様において、イオン交換材料は、水熱合成法、ソルボサーマル法、ゾルゲル法、固相反応法、溶融塩流束法、イオン交換法、マイクロウェーブ法、ボールミル粉砕法、化学沈殿法、共沈法、蒸着法、またはそれらの組み合わせなどの方法により合成される。さらなる態様において、イオン交換材料は、化学沈殿法、水熱合成法、固相反応法、またはそれらの組み合わせなどの方法により合成される。
【0329】
本明細書に記載されるさらなる態様において、被覆材料は、化学蒸着法、原子層堆積法、物理蒸着法、水熱合成法、ソルボサーマル法、ゾルゲル法、固相反応法、溶融塩流束法、イオン交換法、マイクロウェーブ法、化学沈殿法、共沈法、ボールミル粉砕法、粉末混合法、混和法、熱分解法、またはそれらの組み合わせなどの方法により堆積される。さらなる態様において、被覆材料は、ゾルゲル法、化学沈殿法、またはそれらの組み合わせなどの方法により堆積される。さらなる態様において、被覆材料は、随意にバッチタンク反応装置、連続タンク反応装置、バッチ炉、連続炉、管状炉、回転式管状炉、またはそれらの組み合わせである、反応装置に堆積する。
【0330】
いくつかの実施形態において、被覆材料は、結晶、アモルファス、完全適用範囲、部分適用範囲、均一性、不均一性、またはそれらの組み合わせから選択される物理的特性により堆積する。
【0331】
いくつかの実施形態において、複数の被覆が随意に、同心配置、パッチワーク配置、またはそれらの組み合わせから選択される配置でイオン交換材料に堆積する。
【0332】
いくつかの実施形態において、マトリクスは、ポリマー、酸化物、リン酸塩、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、構造支持体は、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリテトロフルオロエチレン(polytetrofluoroethylene)、スルホン化ポリテトロフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリジビニルベンゼン、ポリブタジエン、スルホン化ポリマー、カルボキシル化ポリマー、Nafion、それらのコポリマー、およびそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、構造支持体は、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、スルホン化ポリテトロフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリジビニルベンゼン、それらのコポリマー、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、構造支持体は、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、マトリクス材料は、耐熱性、耐酸性、および/または他の化学的耐性のために選択される。
【0333】
一実施形態において、被覆材料は、クロロポリマー、フルオロポリマー、クロロ-フルオロポリマー、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む。一実施形態において、被覆材料は、コポリマー、ブロックコポリマー、線状ポリマー、分岐ポリマー、架橋ポリマー、熱処理したポリマー、溶液で処理したポリマー、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む。一実施形態において、被覆材料は、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、あらゆるポリアミド、ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、ポリブタジエン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン・テトラフルオロエチレンポリマー(ETFE)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)(PCTFE)、エチレン・クロロトリフルオロ・エチレン(Halar)、ポリフッ化ビニル(PVF)、フッ化エチレン-プロピレン(FEP)、パーフルオロ化エラストマー、クロロトリフルオロエチレンビニリデンフッ化物(FKM)、パーフルオロポリエーテル(PFPE)、パーフルオロスルホン酸(Nafion)、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレン-ブロック-ポリ(エチレングリコール)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリクロロプレン(ネオプレン)、ポリビニルブチラール(PVB)、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリジビニルベンゼン、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む。一実施形態において、被覆材料は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン・クロロトリフルオロ・エチレン(Halar)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリフェニレンスルフィド、スルホン化ポリマー、カルボキシル化ポリマー、他のポリマー、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む。
【0334】
さらなる態様において、被覆材料は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン・クロロトリフルオロ・エチレン(Halar)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリフェニレンスルフィド、スルホン化ポリマー、カルボキシル化ポリマー、他のポリマー、それらのコポリマー、混合物、または組み合わせを含む。
【0335】
一実施形態において、乾燥混合、溶剤中の混合、エマルジョン、押し出し、1つの溶剤の別の溶剤への泡立て、鋳造、加熱、蒸発、真空蒸発、噴霧乾燥、蒸着、化学蒸着、マイクロウェーブ、水熱合成、重合、共重合、架橋、照射、触媒作用、泡沫化、他の堆積方法、またはそれらの組み合わせにより、コーティングはイオン交換粒子に堆積する。一実施形態において、n-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、エタノール、アセトン、他の溶剤、またはそれらの組み合わせを含む溶剤を用いて、コーティングは堆積する。
【0336】
いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、イオン交換粒子、マトリクス材料、および充填材料を一度にまとめて混合することにより形成される。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、最初にイオン交換粒子とマトリクス材料を混合し、次いでそれを充填材料と混合することにより形成される。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、最初にイオン交換粒子と充填材料を混合し、次いでそれをマトリクス材料と混合することにより形成される。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、最初にマトリクス材料と充填材料を混合し、次いでそれをイオン交換粒子と混合することにより形成される。
【0337】
いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、イオン交換粒子、マトリクス材料、および/または充填材料を、構成成分のうち1つ以上を溶解する溶剤と共に混合することにより形成される。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、混合器またはボールミル中でイオン交換粒子、マトリクス材料、および/または充填材料を乾燥粉末として混合することにより形成される。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、噴霧乾燥器においてイオン交換粒子、マトリクス材料、および/または充填材料を混合することにより形成される。
【0338】
いくつかの実施形態において、マトリクス材料は、n-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、またはそれらの組み合わせから選択される溶剤を用いて、イオン交換粒子および/または充填材料剤で溶解かつ混合される。いくつかの実施形態において、充填材料は、水、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、またはそれらの組み合わせから選択される溶剤を用いて、イオン交換粒子および/またはマトリクス材料で溶解かつ混合される、塩である。
【0339】
いくつかの実施形態において、充填材料は、水、エタノール、イソプロピルアルコール、界面活性剤混合物、酸、塩基、またはそれらの組み合わせから選択される溶液を用いて穴を形成するためにビーズから溶解される、塩である。いくつかの実施形態において、充填材料は、高温でガスを形成するように熱分解する材料であり、それにより、ガスはビーズから離れて穴を形成し、ここでガスは、水蒸気、酸素、窒素、塩素、二酸化炭素、窒素酸化物、有機蒸気、またはそれらの組み合わせから選択される。
【0340】
いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、機械プレス、ペレットプレス、錠剤プレス、丸剤プレス、ロータリープレス、またはそれらの組み合わせを用いて乾燥粉末から形成される。いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、スラリーを異なる液体溶液へと滴下させることによりスラリー溶剤から形成される。スラリー溶剤は随意に、n-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、またはそれらの組み合わせの溶剤を用いて形成される。異なる液体溶液は随意に、それらの水、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、またはそれらの組み合わせを用いて形成される。
【0341】
いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、ほぼ球状であり、その平均直径は、10μm未満、100μm未満、1mm未満、1cm未満、または10cm未満から選択される。いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、ほぼ球状であり、その平均直径は、200μm未満、2mm未満、または20mm未満から選択される。ある実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、ほぼ球状であり、その平均直径は10μm~2mmである。
【0342】
いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは錠剤状であり、その直径は1mm未満、2mm未満、4mm未満、8mm未満、または20mm未満であり、高さは1mm未満、2mm未満、4mm未満、8mm未満、または20mm未満である。ある実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは錠剤状であり、直径は500μm~10mmである。
【0343】
いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは支持構造に埋め込まれており、支持構造は随意に、膜、渦巻き型膜(spiral-wound membrane)、中空糸膜、またはメッシュである。いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、ポリマー、セラミック、またはそれらの組み合わせで構成される支持構造に埋め込まれる。いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、追加の支持構造を含まないイオン交換カラムに直接充填される。
【0344】
いくつかの実施形態において、液体資源は、天然塩水、溶解塩原、地熱塩水、海水、濃縮海水、脱塩流出物、濃縮塩水、加工塩水、イオン交換プロセス由来の液体、溶剤抽出プロセス由来の液体、合成塩水、鉱石由来の浸出液、鉱物由来の浸出液、粘土由来の浸出液、再資源製品由来の浸出液、リサイクル材料由来の浸出液、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、液体資源は、天然塩水、溶解塩原、濃縮塩水、加工塩水、合成塩水、地熱塩水、イオン交換プロセス由来の液体、溶剤抽出プロセス由来の液体、鉱物由来の浸出液、粘土由来の浸出液、再資源製品由来の浸出液、リサイクル材料由来の浸出液、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、液体資源は随意に、イオン交換反応装置に進入して浮遊物質、炭化水素、または有機分子を取り除く前に事前処理される。いくつかの実施形態において、液体資源は随意に、そのソースから任意の事前処理を行うことなく、イオン交換反応装置に進入する。
【0345】
いくつかの実施形態において、100,000ppm未満、10,000ppm未満、1,000ppm未満、100ppm未満、10ppm未満、またはそれらの組み合わせから選択されるリチウム濃度を持つ液体資源が選択される。いくつかの実施形態において、5,000ppm未満、500ppm未満、50ppm未満、またはそれらの組み合わせから選択されるリチウム濃度を持つ液体資源が選択される。
【0346】
リチウム抽出のためにpHを調節する方法
本明細書に記載される本発明の一態様は、液体資源からリチウムイオンを抽出する方法であって、該方法は、リチウム溶出溶液を作り出すべく、選択的リチウム吸収のために液体資源をイオン交換システムに通して流す工程;リチウム塩溶液を形成するためにリチウム溶出溶液から得た酸を精製、濃縮、および/または回収する工程;およびリチウム塩溶液を精製リチウム含有化合物または溶液へと変換する工程を含む。
【0347】
本明細書に記載される本発明の一態様は、液体資源からリチウムイオンを抽出する方法であって、該方法は、リチウム溶出溶液を作り出すべく、選択的リチウム吸収のために液体資源をイオン交換システムに通して流す工程;リチウム塩溶液を形成するためにリチウム溶出溶液から得た酸を精製、濃縮、および/または回収する工程;および膜電気分解システムを用いてリチウム塩溶液をLiOH溶液へと変換する工程を含む。
【0348】
本明細書に記載される本発明の一態様は、液体資源からリチウムイオンを抽出する方法であって、該方法は、リチウム溶出溶液を作り出すべく、選択的リチウム吸収のために液体資源をイオン交換システムに通して流す工程;リチウム塩溶液を形成するためにリチウム溶出溶液から得た酸を精製、濃縮、および/または回収する工程;および化学沈殿を用いてリチウム塩溶液を固形リチウム化合物へと変換する工程を含む。
【0349】
本明細書に記載される本発明の一態様は、液体資源からリチウムイオンを抽出する方法であって、該方法は、リチウム溶出溶液を作り出すべく、選択的リチウム吸収のために液体資源をイオン交換システムに通して流す工程;および濃縮リチウム塩溶液または固形リチウム化合物を形成するために溶出溶液から酸と水を取り除く工程を含む。
【0350】
一実施形態において、本明細書に記載されるイオン交換装置においてイオン交換材料を処理した後、リチウムが豊富なイオン交換材料が作り出される。一実施形態において、リチウム溶出液は、本明細書に記載されるイオン交換装置中で作り出される。一実施形態において、リチウム溶出液は、本明細書に記載されるイオン交換装置から膜セルへと渡される。一実施形態において、イオン交換装置中のイオン交換材料を酸溶液により処理することで、イオン交換装置中に水素が豊富なイオン交換材料が作り出される。一実施形態において、本明細書に記載されるプロセスはpH調節を含む。pH調節は、液体資源から得たリチウムイオンと交換されている、水素が豊富なイオン交換材料の水素イオンを支持して平衡状態を維持することができる。
【0351】
いくつかの実施形態において、液体資源は、天然塩水、溶解塩原、地熱塩水、海水、濃縮海水、脱塩流出物、濃縮塩水、加工塩水、イオン交換プロセス由来の液体、溶剤抽出プロセス由来の液体、合成塩水、鉱石由来の浸出液、鉱物由来の浸出液、粘土由来の浸出液、再資源製品由来の浸出液、リサイクル材料由来の浸出液、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、液体資源は、天然塩水、溶解塩原、濃縮塩水、加工塩水、合成塩水、地熱塩水、イオン交換プロセス由来の液体、溶剤抽出プロセス由来の液体、鉱物由来の浸出液、粘土由来の浸出液、再資源製品由来の浸出液、リサイクル材料由来の浸出液、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、液体資源は随意に、イオン交換反応装置に進入して浮遊物質、炭化水素、または有機分子を取り除く前に事前処理される。いくつかの実施形態において、液体資源は随意に、そのソースから任意の事前処理を行うことなく、イオン交換反応装置に進入される。
【0352】
一実施形態において、液体資源は、天然塩水、溶解塩原、海水、濃縮海水、脱塩流出物、濃縮塩水、加工塩水、油田塩水、イオン交換プロセス由来の液体、溶剤抽出由来の液体、合成塩水、鉱石またはその組み合わせ由来の浸出液、鉱物またはその組み合わせ由来の浸出液、粘土またはその組み合わせ由来の浸出液、再資源製品由来の浸出液、再利用材料由来の浸出液、またはそれらの組み合わせである。
【0353】
いくつかの実施形態において、100,000ppm未満、10,000ppm未満、1,000ppm未満、100ppm未満、10ppm未満、またはそれらの組み合わせから選択されるリチウム濃度を持つ液体資源が選択される。いくつかの実施形態において、5,000ppm未満、500ppm未満、50ppm未満、またはそれらの組み合わせから選択されるリチウム濃度を持つ液体資源が選択される。
【0354】
いくつかの実施形態において、イオン交換反応装置からリチウムを回収するのに使用される酸は、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、塩素酸、過塩素酸、硝酸、ギ酸、酢酸、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズからリチウムを回収するのに使用される酸は、塩酸、硫酸、硝酸、またはそれらの組み合わせから選択される。
【0355】
一実施形態において、酸溶液は、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、塩素酸、過塩素酸、硝酸、ギ酸、酢酸、またはそれらの組み合わせを含む。
【0356】
いくつかの実施形態において、イオン交換システムからリチウムを回収するのに使用される酸の濃度は、0.1M未満、1.0M未満、5M未満、10M未満、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズからリチウムを回収するのに使用される酸の濃度は、10Mを超えている。
【0357】
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズは、イオン交換反応を繰り返し実行し、一方で、10より多く、30より多く、100より多く、300より多く、または1,000より多くから選択されるサイクルの回数にわたって、適切なリチウム吸収能を維持する。いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、50より多く、100より多く、または200より多くから選択されるサイクルの回数にわたって、イオン交換反応を繰り返し実行する。いくつかの実施形態において、適切なリチウム吸収能は、95%超、90%超、80%超、60%超、または20%超から選択される初期の吸収能のパーセンテージとして随意に規定される。いくつかの実施形態において、適切なリチウム吸収能は、20%未満などの初期の吸収能のパーセンテージとして随意に規定される。
【0358】
いくつかの実施形態において、イオン交換反応装置から産出されるリチウム溶出溶液は、溶媒抽出、イオン交換、化学沈殿、電気透析、電解採取、電気分解、直接太陽エネルギーによる蒸発、濃縮太陽エネルギーによる蒸発、濃縮太陽エネルギーで加熱した熱媒体による蒸発、地熱塩水からの熱による蒸発、燃焼からの熱による蒸発、pH中和、またはそれらの組み合わせから選択される方法を用いて、リチウム原料へとさらに処理される。いくつかの実施形態において、イオン交換反応装置から産出されるリチウム溶出溶液は、逆浸透または膜技術を用いて濃縮される。
【0359】
いくつかの実施形態において、イオン交換反応装置から産出されるリチウム溶出溶液は、塩化リチウム、炭酸リチウム、水酸化リチウム、リチウム金属、リチウム金属酸化物、リン酸リチウム金属、硫酸リチウム、またはそれらの組み合わせから選択されるリチウム化学品へとさらに処理される。いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズから産出されるリチウム溶出溶液は、固体、液体、水和形態、または無水形態であるリチウム化学品へとさらに処理される。
【0360】
いくつかの実施形態において、イオン交換反応装置を用いて作り出されるリチウム化学品は、リチウムバッテリー、金属合金、ガラス、グリース、またはそれらの組み合わせから選択される工業用途に使用される。いくつかの実施形態において、被覆イオン交換粒子を用いて作り出されるリチウム化学品は、リチウムバッテリー、リチウムイオンバッテリー、リチウム‐硫黄バッテリー、リチウム固体電池、およびそれらの組み合わせから選択される用途に使用される。
【0361】
いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、副格子がリチウムにより完全または部分的に占有されているリチウム化状態で合成される。いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、副格子が水素により完全または部分的に占有されているプロトン化状態で合成される。
【0362】
いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、液体資源からリチウムイオンを抽出する。イオン交換材料による液体資源からのリチウムイオンの抽出中に、液体資源のpHは随意に減少する。pH調節機構の使用によりシステム中の液体資源のpHを増大させることで、イオン交換材料によるリチウムイオン吸収に適した範囲にpHが維持される。一実施形態において、pH調節機構は、システムのpHの測定、および、リチウム抽出に理想的なpH範囲へのシステムのpHの調整を含む。一実施形態において、イオン交換材料が塩水からリチウムを吸収するために、塩水に理想的なpH範囲は随意に、5~7、好ましくは随意に4~8であり、そして許容可能なpH範囲は随意に2~9である。一実施形態において、pH調節機構は、システムのpHの測定を含み、システムのpHは、約5未満、約4未満、または約2未満であり、システムのpHは、2~9、4~8、または5~7に調製される。
【0363】
リチウム抽出のためにpHを調節するプロセス
本明細書に記載される本発明の一態様は、液体資源からリチウムイオンをするプロセスであって、該プロセスは、a)イオン交換材料を液体資源と接触させる工程;b)イオン交換材料との接触前、イオン交換材料との接触中、イオン交換材料との接触後、またはそれらの組み合わせにおいて、液体資源のpHを上げる工程;c)リチウム溶出液溶液を作り出すために酸を用いてイオン交換材料からリチウムを溶出する工程;d)溶出に再利用されるリチウム溶出溶液から未使用の酸を回収する工程;およびe)リチウム溶出溶液を、精製した溶液、化合物、またはそれらの組み合わせへと濃縮、精製、および変換する工程を含む。
【0364】
本明細書に記載される本発明の一態様は、イオン交換材料がイオン交換システムへと充填されるプロセスである。一実施形態において、前記プロセスはさらに、a)リチウム含有溶液を作り出すために1つ以上のイオン交換システムへと液体資源を流す工程;b)リチウム含有溶液を濃縮および/または精製するための1つ以上の装置にイオン交換システムを接続する工程;およびc)リチウム含有溶液を水酸化リチウム溶液に変換するために、濃縮および/または精製用の装置から膜電気分解装置へとリチウム含有溶液を通す工程を含む。一実施形態において、前記プロセスはさらに、リチウム溶出に再利用されるリチウム含有溶液から酸を回収および/または再生する工程を含む。
【0365】
本明細書に記載される本発明の一態様は、イオン交換材料がイオン交換システムへと充填されるプロセスである。一実施形態において、前記プロセスはさらに、a)リチウム含有溶液を作り出すために1つ以上のイオン交換システムへと液体資源を流す工程;b)リチウム含有溶液を濃縮および/または精製するための1つ以上の装置にイオン交換システムを接続する工程;およびc)リチウム含有溶液を固形リチウム化合物に変換するために、濃縮および/または精製用の装置から化学沈殿装置へとリチウム含有溶液を通す工程を含む。一実施形態において、前記プロセスはさらに、リチウム溶出に再利用されるリチウム含有溶液から酸を回収および/または再生する工程を含む。
【0366】
本明細書に記載される本発明の一態様は、イオン交換材料が反応装置へと充填されるプロセスである。一実施形態において、前記プロセスはさらに、a)液体資源を1つ以上の液体資源タンクに充填する工程;b)反応装置を1つ以上の液体資源タンクに接続する工程;およびc)液体資源を1つ以上の液体資源タンクから反応装置に通す工程であって、液体資源の通貨は少なくとも1回行われる、工程を含む。一実施形態において、前記プロセスはさらに、1つ以上のpH上昇タンクにおいて液体資源のpHを上げる工程を含む。一実施形態において、前記プロセスはさらに、1つ以上の沈降タンクにおいて沈殿物を沈降させる工程を含む。一実施形態において、前記プロセスはさらに、カラムを通って液体資源を循環させること前または後に、1つ以上の貯蔵タンクに液体資源を貯蔵する工程を含む。
【0367】
本明細書に記載される本発明の一態様は、以下をさらに含むプロセスである:a)液体資源を1つ以上の液体資源タンクに充填する工程;b)カラムを1つ以上の液体資源タンクに接続する工程;c)液体資源を1つ以上の液体資源タンクからカラムに通す工程であって、液体資源の通貨は少なくとも1回行われる、工程;d)1つ以上のpH上昇タンクにおいて(c)から生じる液体のpHを上げる工程;e)1つ以上の沈降タンクにおいて(d)から生じる液体の沈殿物を沈降させる工程;およびf)1つ以上の貯蔵タンクに(e)から生じる液体を貯蔵する工程。
【0368】
本明細書に記載される本発明の一態様は、イオン交換材料が複数のカラムへと充填されるプロセスである。一実施形態において、複数のタンクは複数のカラムに接続されており、複数のタンクの各々が即座に複数のカラムのうち1つに接続されている。一実施形態において、複数のカラムのうち2つ以上が、少なくとも1つの回路を形成する。一実施形態において、少なくとも1つの回路は、液体資源回路、水洗洗浄回路、および酸溶液回路から選択される。一実施形態において、液体資源のpHは、液体資源回路において複数のカラムに接続された複数のタンクにおいて上げられる。一実施形態において、液体資源回路は、複数のタンクに接続される複数のカラムを備え、複数のタンクの各々が即座に複数のカラムのうち1つに接続されている。
【0369】
本明細書に記載される本発明の一態様は、a)液体資源回路において液体資源を複数のカラムに通す工程;b)酸溶液回路において酸溶液を複数のカラムに1回以上通す工程;およびc)水洗洗浄回路において水を複数のカラムに通す工程をさらに含む、プロセスである。一実施形態において、前記プロセスはさらに、液体資源回路と、水洗洗浄回路と、酸溶液回路との間で複数のカラムを交換する工程を含み、それにより、a)液体資源回路の複数のカラムのうち少なくとも1つが、水洗洗浄回路の複数のカラムのうち少なくとも1つ、および/または酸溶液回路の複数のカラムのうち少なくとも1つとなり;b)水洗洗浄回路の複数のカラムのうち少なくとも1つが、酸溶液回路の複数のカラムのうち少なくとも1つ、および/または液体資源回路の複数のカラムのうち少なくとも1つとなり;および/またはc)酸溶液回路の複数のカラムのうち少なくとも1つが、液体資源回路の複数のカラムのうち少なくとも1つ、および/または水洗洗浄回路の複数のカラムのうち少なくとも1つとなる。
【0370】
本明細書に記載される本発明の一態様は、イオン交換材料がタンク中の1つ以上の区画へと充填されるプロセスである。一実施形態において、前記プロセスはさらに、液体資源をタンク中の1つ以上の区画に通す工程を含む。いくつかの実施形態において、タンクは注入ポートを備えている。一実施形態において、前記プロセスはさらに、イオン交換材料との接触前、イオン交換材料との接触中、イオン交換材料との接触後、およびそれらの組み合わせにおいて、液体資源のpHを上げるために注入ポートを使用する工程を含む。
【0371】
本明細書に記載される本発明の一態様は、カラムが複数の注入ポートを備えているプロセスである。一実施形態において、前記プロセスはさらに、イオン交換材料との接触前、イオン交換材料との接触中、イオン交換材料との接触後、およびそれらの組み合わせにおいて、液体資源のpHを上げるために複数の注入ポートを使用する工程を含む。
【0372】
一実施形態において、イオン交換材料は、複数のイオン交換粒子を含んでいる。一実施形態において、イオン交換材料中の複数のイオン交換粒子は、非被覆イオン交換粒子イオン交換粒子、被覆イオン交換粒子、およびそれらの組み合わせから選択される。一実施形態において、イオン交換材料は、多孔質イオン交換材料である。一実施形態において、多孔質イオン交換材料は、多孔質イオン交換材料の表面から複数のイオン交換粒子へと液体が素早く移動するのを可能にする、穴のネットワークを備えている。一実施形態において、イオン交換材料は、多孔質イオン交換ビーズの形態である。
【0373】
一実施形態において、イオン交換材料は、液体資源からリチウムイオンを抽出する。イオン交換材料による液体資源からのリチウムイオンの抽出中に、液体資源のpHは随意に減少する。システム中の液体資源のpHを上げることで、イオン交換材料によるリチウムイオン吸収に適した範囲にpHが維持される。一実施形態において、pHの上昇は、システムのpHの測定、および、リチウム抽出に理想的なpH範囲へのシステムのpHの調整を含む。一実施形態において、イオン交換材料が塩水からリチウムを吸収するために、塩水に理想的なpH範囲は随意に、6~9、好ましくは随意に4~9であり、そして許容可能なpH範囲は随意に2~9である。一実施形態において、pHの上昇は、システムのpHの測定を含み、システムのpHは、6未満、4未満、または2未満であり、システムのpHは、2~9、4~8、または5~7に調製される。
【0374】
一実施形態において、リチウムイオン交換前に塩水から溶存種を取り除くための事前処理システムが使用される。このシステムは、リチウムイオン交換材料による溶存種の吸収を制限することができる。事前処理システムは、遷移金属、他の金属、有機金属複合体、または他の種を取り除くために使用することができる。一実施形態において、事前処理は、活性炭などの特定の種を取り除くための、吸着技術または吸収技術である。一実施形態において、事前処理は、ある種を酸化または還元する電解技術である。一実施形態において、事前処理は、pHまたは酸化還元電位(ORP)を変化させるために化学試薬の添加を必要とする。一実施形態において、種は固体沈殿により取り除かれる。一実施形態において、種は気体または液体として取り除かれる。
【0375】
一実施形態において、リチウムイオン交換前に塩水から鉄、マンガン、ニッケル、バナジウム、および他の遷移金属を取り除くための事前処理システムが使用される。一実施形態において、NaOH、NaCO、Ca(OH)、KOH、他の塩基、またはそれらの組み合わせであり得る塩基を用いて、塩水からの遷移金属を沈殿させるために、pH調節が使用される。一実施形態において、塩基を連続添加して、回収および使用のために遷移金属が選択的に分離される。一実施形態において、遷移金属を取り除いてpHを下げた後、酸が塩水に添加される。
【0376】
一実施形態において、遷移金属は、塩素ガス、オゾンガス、異性重亜硫酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素、空気、それらの組み合わせ、または他の酸化体を含む酸化プロセスを用いて、塩水から取り除かれる。一実施形態において、酸化のプロセスはpH補正と組み合わせて使用される。一実施形態において、酸化体が添加されると、塩水のORPがモニタリングされ、および酸化の程度が制御される。
【0377】
一実施形態において、撹拌タンク反応装置に遷移金属を沈殿させるために、酸化ガスが塩水と接触される。一実施形態において、酸化ガスはカラムにおいて塩水と接触される。一実施形態において、酸化はバッチにおいて行われ、別の実施形態において、酸化が連続して行われる。一実施形態において、酸化ガスは、酸化反応装置の溶出時に再捕捉され、塩水と再度接触される。一実施形態において、塩水において酸化ガスを均一に分配し、かつ気泡の大きさを制御するために、整流装置、プレート、またはバイオボールを備えたカラムが使用される。一実施形態において、酸化反応装置を出る酸化ガスは、新たな塩水を含む酸化反応装置において再利用され、これにより対向流様式で配置される。いくつかの実施形態において、酸化ガスは、オゾン、塩素、酸素、硫黄酸化物、窒素酸化物、それらの組み合わせ、または別の酸化ガスであってもよい。
【0378】
溶出液精製システムの一実施形態において、溶出液のpHを上げるために、NaOH、Ca(OH)、Mg(OH)、KOH、NaCO、CaCO、MgCO、またはKCOが使用される。精製システムの一実施形態において、Mg、Ca、Sr、Mn、Fe、およびVなどの多価イオンを沈殿させるために、NaOH、Ca(OH)、Mg(OH)、KOH、NaCO、CaCO、MgCO、またはKCOが使用される。一実施形態において、pHを上げ、かつ同時に多価イオンを沈殿させるために、塩基の組み合わせが使用される。一実施形態において、溶液の温度を上昇させて、多価イオンの沈殿速度を速くする。一実施形態において、水を添加して、多価イオンの沈殿速度を速くする。一実施形態において、精製後の溶出液中のLi濃度は、約10,000~約25,000mg/Lである。一実施形態において、溶出液中のLi濃度は約10,000mg/L未満である。一実施形態において、溶出液中のLi濃度は約25,000mg/Lを超える。
【0379】
本明細書に記載される別の態様は、液体資源からリチウムイオンを抽出する方法であって、該方法は、a)リチウム化イオン交換材料を作り出すために、液体資源を、タンクを備えたシステムへと流す工程であって、前記タンクはさらに、(i)1つ以上の区画、(ii)イオン交換材料、(iii)混合デバイス、および(iv)システム中の液体資源のpHを変更するためのpH調節機構を備えている、工程;およびb)水素が豊富なイオン交換材料、およびリチウムイオンを含む塩溶液を作り出すために、(a)から生じたリチウム化イオン交換材料を酸溶液で処理する工程を含む。
【0380】
いくつかの実施形態において、前記方法はさらに、(b)の前に、リチウム化イオン交換材料を水溶液で洗浄する工程を含む。いくつかの実施形態において、前記方法はさらに、(b)の前に、水素が豊富なイオン交換材料を水溶液で洗浄する工程を含む。いくつかの実施形態において、水溶液は水である。
【0381】
いくつかの実施形態において、前記方法はさらに、(b)の前に、リチウム化イオン交換材料を洗浄システムへと流す工程を含む。いくつかの実施形態において、前記方法はさらに、(b)の前に、リチウム化イオン交換材料を含む懸濁液を移す工程を含む。いくつかの実施形態において、前記方法はさらに、(b)の前に、リチウム化イオン交換材料を洗浄システムへと流す工程、およびリチウム化イオン交換材料を溶液で洗浄する工程を含む。いくつかの実施形態において、前記方法はさらに、(b)の前に、リチウム化イオン交換材料を洗浄システムへと流す工程、およびリチウム化イオン交換材料を、水を含む溶液で洗浄する工程を含む。いくつかの実施形態において、前記方法はさらに、(b)の前に、リチウム化イオン交換材料を洗浄システムへと流す工程、およびリチウム化イオン交換材料を水溶液で洗浄する工程を含む。いくつかの実施形態において、リチウム化イオン交換材料は水溶液で洗浄される。
【0382】
いくつかの実施形態において、前記方法はさらに、(b)の前に、リチウム化イオン交換材料を剥離システムへと流す工程を含む。いくつかの実施形態において、前記方法はさらに、(b)の前に、リチウム化イオン交換材料を剥離システムへと流す工程、およびリチウム化イオン交換材料を剥離する工程を含む。いくつかの実施形態において、前記方法はさらに、(b)の前に、リチウム化イオン交換材料を剥離システムへと流す工程、およびリチウム化イオン交換材料から揮発性構成成分を剥離する工程を含む。いくつかの実施形態において、前記方法はさらに、(b)の前に、リチウム化イオン交換材料を剥離システムへと流す工程、およびリチウム化イオン交換材料から、水を含む揮発性構成成分を剥離する工程を含む。
【0383】
いくつかの実施形態において、pH調節機構は、pH測定デバイス、および塩基をタンクに添加するための入口を備えている。いくつかの実施形態において、pH測定デバイスはpH計である。いくつかの実施形態において、入口はパイプである。いくつかの実施形態において、入口は注入ポートである。
【0384】
いくつかの実施形態において、前記方法はさらに、(a)の間に、pH調節機構を用いて液体資源のpH変化を測定する工程を含む。いくつかの実施形態において、pH変化が測定されると、塩基を添加してリチウム吸収を維持する。いくつかの実施形態において、pHが約2~約9のpHより下に変化すると、塩基を添加してリチウム吸収を維持する。いくつかの実施形態において、pHが約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、または約9のpHより下に変化すると、塩基を添加してリチウム吸収を維持する。いくつかの実施形態において、pHが約2~約4、約3~約5、約4~約6、約5~約7、約6~約8、または約7~約9のpHより下に変化すると、塩基を添加してリチウム吸収を維持する。いくつの実施形態において、塩基を液体資源に添加すると、液体資源のpHは約2~約3、約3~約4、約4~約5、約5~約6、約6~約7、約7~約8、または約8~約9の範囲に維持される。いくつかの実施形態において、塩基を液体資源に添加すると、液体資源のpHは約4~約5、約5~約6、約6~約7、または約7~約8の範囲に維持される。いくつかの実施形態において、液体資源のpHは、リチウム吸収を容易にするほど高く、かつ液体資源からの金属の沈殿を回避するほど低い、標的範囲に維持される。いくつかの実施形態において、液体資源のpHは、Mgの沈殿を回避するためにpH約8より下に維持される。いくつかの実施形態において、液体資源のpHは、金属の沈殿を回避するために、pH約2より下、約3より下、約4より下、約5より下、約6より下、約7より下、約8より下、または約9より下に維持される。いくつかの実施形態において、液体資源のpHは、イオン交換材料からのプロトンの放出により標的pH範囲から低下し、pH調節機構は、標的pH範囲に戻るよう液体資源のpHを調整することができる。いくつかの実施形態において、液体資源のpHは、液体資源がシステムに進入する前に標的pH範囲より上に調整され、次いで、イオン交換材料から放出されたプロトンは、システムのpHを標的範囲に下げることができる。いくつかの実施形態において、液体資源のpHは、ある範囲で制御され、その範囲は経時的に変化する場合がある。いくつかの実施形態において、液体資源のpHは、ある範囲で制御され、次いで液体資源のpHは低下される場合がある。いくつかの実施形態において、液体資源のpHは、ある範囲で制御され、次いで液体資源のpHは、低下してコロイドまたは固体を可溶化させる場合がある。いくつかの実施形態において、塩基を液体資源に添加して、pHを測定することなくプロトンを中和することができる。いくつかの実施形態において、塩基を液体資源に添加して、塩基の体積と質量をモニタリングしながらプロトンを中和することができる。いくつかの実施形態において、液体資源のpHは、イオン交換材料によるリチウム吸収をモニタリングするために測定される場合がある。いくつかの実施形態において、液体資源のpHは、イオン交換材料から液体資源を分離する時間を判断するためにモニタリングされる場合がある。いくつかの実施形態において、液体資源のpHの変化速度は、リチウム吸収速度をモニタリングするために測定される場合がある。いくつかの実施形態において、液体資源のpHの変化速度は、イオン交換材料から液体資源を分離する時間を判断するために測定される場合がある。
【0385】
いくつかの実施形態において、タンクはさらに多孔質隔壁を備えている。いくつかの実施形態において、多孔質隔壁は多孔質ポリマー隔壁である。いくつかの実施形態において、多孔質隔壁はメッシュまたは膜である。いくつかの実施形態において、多孔質隔壁はメッシュまたはポリマー膜である。いくつかの実施形態において、多孔質隔壁は、メッシュ、膜、または他の多孔質構造で構成される複数の層を有している。いくつかの実施形態において、多孔質隔壁は、構造支持体を設ける1つ以上の粗いメッシュ、および濾過を行う1つ以上の細かなメッシュまたは膜を有している。いくつかの実施形態において、多孔質隔壁は、ポリエーテルエーテルケトンメッシュ、ポリプロピレンメッシュ、ポリエチレンメッシュ、ポリスルホンメッシュ、ポリエステルメッシュ、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレンメッシュ、エチレン・テトラフルオロエチレンポリマーメッシュ、ステンレス鋼メッシュ、ポリマーで被覆されたステンレス鋼メッシュ、セラミックで被覆されたステンレス鋼メッシュ、またはそれらの組み合わせを含む。
【0386】
いくつかの実施形態において、前記方法はさらに、(a)の後に、リチウム化イオン交換材料を作り出してから液体資源を多孔質隔壁に通して排出する工程を含む。
【0387】
いくつかの実施形態において、前記方法はさらに、(b)の後に、水素が豊富なイオン交換材料を作り出してから、リチウムイオンを含む塩溶液を多孔質隔壁に通して排出する工程を含む。
【0388】
いくつかの実施形態において、前記方法はさらに、(a)に続いて、水素が豊富なイオン交換材料、およびリチウムイオンを含む塩溶液を作り出すために、タンクを備えた別のシステムにイオン交換材料を流す工程を含み、他のシステムのタンクはさらに、(i)1つ以上の区画および(ii)混合デバイスを備えている。
【0389】
いくつかの実施形態において、システムは複数のタンクを備えており、複数のタンクの各々は、(i)1つ以上の区画、(ii)イオン交換材料、(iii)混合デバイス、および(iv)システムのpHを変更するためのpH調節機構を備えている。
【0390】
本明細書に記載される一態様は、液体資源からリチウムイオンを抽出する方法であって、該方法は、a)タンクを備えた第1のシステムへと液体資源を流す工程であって、前記第1のシステムのタンクはさらに、リチウム化イオン交換材料を作り出すために、(i)1つ以上の区画、(ii)イオン交換材料、(iii)混合デバイス、および(iv)第1のシステム中の液体資源のpHを変更するためのpH調節機構を備えている、工程;b)タンクを備えた第2のシステムに(a)のリチウム化イオン交換材料を流す工程であって、前記第2のシステムのタンクは、(i)1つ以上の区画および(ii)混合デバイスを備えている、工程;およびc)水素が豊富なイオン交換材料、およびリチウムイオンを含む塩溶液を作り出すために、(b)から生じたリチウム化イオン交換材料を酸溶液で処理する工程を含む。
【0391】
いくつかの実施形態において、前記方法はさらに、(a)に続いて、リチウム化イオン交換材料を水溶液で洗浄する工程を含む。
【0392】
いくつかの実施形態において、前記方法はさらに、(b)の前に、流体状のリチウム化イオン交換材料を形成するために水溶液をリチウム化イオン交換材料に添加する工程を含む。
【0393】
いくつかの実施形態において、前記方法はさらに、(c)の前に、水素が豊富なイオン交換材料を水溶液で洗浄する工程を含む。いくつかの実施形態において、水溶液は水である。
【0394】
いくつかの実施形態において、pH調節機構は、pH測定デバイス、および塩基を添加するための入口を備えている。いくつかの実施形態において、pH測定デバイスはpH計である。いくつかの実施形態において、入口はパイプである。いくつかの実施形態において、入口は注入ポートである。
【0395】
いくつかの実施形態において、前記方法はさらに、(a)の間に、pH調節機構を用いて液体資源のpH変化を測定する工程を含む。いくつかの実施形態において、pHが変化すると、塩基を添加してリチウム吸収を維持する。
【0396】
本明細書に記載される一態様は、液体資源からリチウムイオンを抽出する方法であって、該方法は、a)リチウム化イオン交換材料を作り出すために複数のタンクを備えた第1のシステムに液体資源を流す工程であって、第1のシステム中の複数のタンクの各々は、第1のシステム中の複数のタンクの1つおきと流体連通しており、第1のシステム中の複数のタンクの各々はさらに、(i)1つ以上の区画、(ii)イオン交換材料、(iii)混合デバイス、および(iv)第1のシステム中の複数のタンクの各々のpHを変更するためのpH調節機構を備えている、工程;b)複数のタンクを備えた第2のシステムにリチウム化イオン交換材料を流す工程であって、第2のシステム中の複数のタンクの各々は、第2のシステム中の複数のタンクの1つおきと流体連通しており、第2のシステム中の複数のタンクの各々は、(i)1つ以上の区画および(ii)混合デバイスを備えている、工程;およびc)水素が豊富なイオン交換材料、およびリチウムイオンを含む塩溶液を作り出すために、(b)から得たリチウム化イオン交換材料を、第2のシステム中の複数のタンクのうち少なくとも1つにおいて酸溶液で処理する工程を含む。
【0397】
いくつかの実施形態において、前記方法はさらに、(c)に続いて、水素が豊富なイオン交換材料を、第2のシステム中の複数のタンクのうち少なくとも1つにおいて水溶液で洗浄する工程を含む。
【0398】
いくつかの実施形態において、前記方法はバッチモードで操作される。いくつかの実施形態において、前記方法は連続モードで操作される。いくつかの実施形態において、前記方法は連続モードおよびバッチモードで操作される。いくつかの実施形態において、前記方法は、連続モード、バッチモード、半連続モード、またはそれらの組み合わせで操作される。
【0399】
いくつかの実施形態において、pH調節機構は、pH測定デバイス、および塩基を添加するための入口を備えている。いくつかの実施形態において、pH測定デバイスはpH計である。いくつかの実施形態において、入口はパイプである。いくつかの実施形態において、入口は注入ポートである。
【0400】
いくつかの実施形態において、前記方法はさらに、(a)の間に、pH調節機構を用いて液体資源のpH変化を測定する工程を含む。いくつかの実施形態において、pHが変化すると、塩基を添加してリチウム吸収を維持する。
【0401】
本明細書に記載される一態様は、液体資源からリチウムイオンを抽出する方法であって、該方法は、a)リチウム化イオン交換材料を作り出すために、タンクを備えた第1のシステムに液体資源を流す工程であって、前記タンクはさらに、(i)1つ以上の区画、(ii)イオン交換材料、および(iii)混合デバイスを備えている、工程;b)タンクを備えた第2のシステムに(a)から得たリチウム化イオン交換材料を流す工程であって、前記タンクはさらに、(i)1つ以上の区画、(ii)酸溶液、および(iii)混合デバイスを備えている、工程;およびc)水素が豊富なイオン交換材料、およびリチウムイオンを含む塩溶液を作り出すために、リチウム化イオン交換材料を剥離する工程を含む。
【0402】
いくつかの実施形態において、(b)の前に、リチウム化イオン交換材料は洗浄される。いくつかの実施形態において、リチウム化イオン交換材料は水溶液で洗浄される。
【0403】
本明細書に記載される一態様は、液体資源からリチウムイオンを抽出する方法であって、該方法は、a)イオン交換材料、1つ以上の区画を備えたタンク、および混合デバイスを含む、システムを設ける工程であって、(i)イオン交換材料は酸化物ベースであり、水素イオンをリチウムイオンと交換し、および(ii)混合デバイスは、1つ以上の区画を含むタンクの周りで液体資源を移動させることができる、工程;b)液体資源を(a)のシステムに流す工程であって、それにより液体資源はイオン交換材料と接触し、イオン交換材料は、液体資源において水素イオンをリチウムイオンと交換して、リチウム化イオン交換材料を作り出す、工程;c)(b)のシステムから液体資源を取り除く工程;d)酸溶液を(c)のシステムに流す工程であって、それにより酸溶液はリチウム化イオン交換材料と接触し、リチウム化イオン交換材料は、酸溶液においてリチウムイオンを水素イオンと交換して、イオン交換材料、およびリチウムイオンを含む塩溶液をリチウム化イオン交換材料から作り出す、工程;およびe)さらに処理するために、リチウムイオンを含む塩溶液を集める工程を含む。
【0404】
いくつかの実施形態において、リチウムイオンを含む塩溶液は、結晶化を受ける。
【実施例0405】
実施例1:被覆イオン交換粒子を用いたリチウム抽出
被覆イオン交換粒子を用いて、リチウムを塩水から抽出する。塩水は、50,000ppmのNaおよび1,000ppmのLiを含有する水溶液である。被覆イオン交換粒子は、イオン交換材料および被覆材料で構成されている。イオン交換材料はLiMn12であり、被覆材料はZrOである。粒子は、活性材料98wt.%、および被覆材料2wt.%で構成される。粒子の平均径は1.0ミクロンであり、コーティングの厚みは約2nmである。
【0406】
最初にLiMn12を合成し、次いでLiMn12の表面にコーティングを堆積させることで、粒子を作成する。粒子をHCl酸で処理して、溶液中にLiClを産生する。酸処理の間、粒子は水素を吸収し、一方でリチウムを放出する。LiMn12の活性物質を、水素が豊富な組成を持つプロトン化状態へと変換する。ZrOの被覆により、活性材料への水素の拡散、および活性材料からのリチウムの拡散がそれぞれ可能となり、一方で活性材料からのマンガンと酸素の溶解を制限する防御壁がもたらされる。要素分析のために溶液を集め、リチウム収率を測定する。
【0407】
酸処理の後、プロトン化粒子を塩水で処理し、ここで粒子はリチウムを吸収し、一方で水素を放出する。プロトン化状態から、リチウムが豊富な組成を持つリチウム化状態へと粒子を変換する。要素分析のために溶液を集め、リチウム吸収を測定する。
【0408】
次いで、リチウム化材料を再び酸で処理し、前述のような溶液中にリチウムを産生する。プロトン化とリチウム化のサイクルを繰り返して、塩水からリチウムを抽出し、LiCl溶液を産生する。酸における活性材料の溶解と分解は、防御壁をもたらす被覆により制限される。撹拌後、酸溶液の要素分析により活性材料の溶解を測定する。
【0409】
実施例2:被覆イオン交換粒子を含むビーズを充填したイオン交換カラムを用いたリチウム抽出
被覆イオン交換粒子を含有するビーズを充填したイオン交換カラムを用いて、リチウムを塩水から抽出する。塩水は、約500ppmのLi、50,000ppmのNa、および、K、Mg、Ca、硫酸塩を含む他の化学種を含む、天然の塩水である。ビーズは、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)マトリクス10wt.%、および被覆イオン交換粒子90wt.%で構成されている。被覆イオン交換粒子は、活性材料および保護表面コーティングで構成されている。活性材料はLiMn12であり、コーティングはZrOである。粒子は、活性材料98wt.%、およびコーティング2wt.%で構成される。粒子の平均径は1.0ミクロンであり、被覆の厚みは約2nmである。
【0410】
最初にLiMn12を合成し、次いでLiMn12の表面にコーティングを堆積させることで、粒子を作成する。N-メチル-2-ピロリドン(NMP)にPVDFを溶解することでビーズを作成し、溶液を形成する。次いで、溶液を被覆イオン交換粒子と混合し、スラリーを形成する。スラリーを脱イオン水に垂らして、ビーズを形成する。ビーズの平均直径は2mm、孔隙率は35%である。
【0411】
イオン交換カラムは、長さ2メートル、直径50cmである。カラムにビーズを充填する。1M HClをカラムの底部へと汲み出して、カラムの頂部からLiCl溶液を溶出する。粒子は水素を吸収し、一方でリチウム放出して、LiClを産生する。LiMn12の活性物質を、水素が豊富な組成Li4xMn12を持つプロトン化状態へと変換する。pH測定と要素分析を用いて、カラムからのリチウム回収をモニタリングする。リチウム回収後、カラムを水で洗い流す。
【0412】
酸処理の後、カラムを介して塩水を下方に汲み出す。粒子はリチウムを吸収し、一方で水素を放出する。プロトン化材料を、リチウムが豊富な組成LiMn12を持つリチウム化状態へ変換する。pH測定と要素分析を用いて、カラム中のイオン交換ビーズによるリチウム吸収をモニタリングする。NaOHを用いて、カラムから出る塩水のpHを中性に調整し、次いで塩水リザーバーへと再注入する。リチウム吸収後、カラムを水で洗い流す。
【0413】
前述の酸と塩水を交互に汲み出す工程を繰り返すことで、カラムを操作する。このカラム操作の機能は、塩水からリチウムを抽出し、かつLiCl溶出溶液を作り出すものである。カラム操作中、表面被覆によりイオン交換粒子を溶解と分解から保護する。表面コーティングは防御壁を設けている。
【0414】
カラム操作から産生されるLiCl溶液を、LiCO、LiOH、およびLi金属を含むリチウム原料へと処理する。このリチウム原料は、バッテリー、合金、および他の製品での使用のために販売されている。
【0415】
実施例3:混合タンク、沈降タンク、および再循環タンクを伴う再循環バッチシステムを用いたリチウム抽出
再循環バッチシステム(図1)を用いてリチウムを塩水から抽出する。前記システムは、イオン交換カラム(101)、塩基用の混合タンク(102)、塩基性沈殿物用の沈降タンク(103)、塩水再循環タンク(104)、および酸再循環タンク(105)を備えている。塩水は、約100ppmのLi、40,000ppmのNa、30,000ppmのCa、および3,000ppmのMGを含む、天然の塩化物水溶液である。イオン交換カラムに、多孔質イオン交換ビーズの充填床を充填する(図14)。多孔質イオン交換ビーズは、イオン交換粒子およびポリマーマトリクスで構成されている。イオン交換粒子は、ZrOコーティングを持つLiMn12コアで構成された、被覆イオン交換粒子である(図13)。粒子は、平均径3.0ミクロンのほぼ球状であり、被覆の厚みは約4.0nmである。ポリマーマトリクスはポリビニリデンジフルオリドで構成されている。多孔質ビーズは多孔質ネットワークを含有しており、孔径の拡散が制御されることで、ビーズ表面からビーズ内部に、そしてイオン交換粒子へと拡散チャネルがもたらされる。ビーズには、平均直径2.0mmの形状の分布がある。
【0416】
イオン交換カラムは、高さ50cm、直径1.3cmである。1.0M HCl酸200mLを、酸再循環タンクへ充填する。毎分10mLの流量で、イオン交換カラムにより酸を汲み出す。酸溶液はイオン交換柱を通って流れ、そこでは、酸由来のプロトンがイオン交換ビーズに進入し、リチウムと交換される。これにより、リチウムはビーズから放出され、酸溶液に進入する。酸溶液は、酸再循環タンクへ戻り、6時間にわたりカラムを通って再循環される。この6時間後、酸溶液を塩化リチウム溶液に変換すると、ある程度のHClが残った。HClがある程度残った塩化リチウム溶液をシステムから取り除き、さらに処理することで炭酸リチウム粉末を作り出す。
【0417】
水500mLを、再循環タンクへ充填する。毎分20mLの流量で水をイオン交換カラムにより汲み出して、カラムから残りの酸を洗浄する。水はイオン交換カラムを通り、次いで酸再循環タンクへ戻り、イオン交換カラムを通って再循環される。2時間の水洗洗浄後、水を酸再循環タンクから取り除き、水のpHを中和し、水を捨てる。
【0418】
塩水10リットルを塩水再循環タンクへ充填する。毎分40mLの流量で、イオン交換カラムにより塩水を汲み出す。塩水はカラムを通り、イオン交換ビーズは塩水からリチウムを吸収し、一方でプロトンを放出する。酸性化された塩水をイオン交換カラムから混合タンクへと流して、その中でNaOH塩基水溶液を塩基水溶液タンク(106)から注入して、塩水のpHを約7.5に調整する。混合タンクの中で塩基を塩水と混合する。塩水を混合タンクから沈降タンクに流し、その中でMg(OH)沈殿物を随意に底部に沈降させる。Mg(OH)沈殿物は、スラリー水溶液を形成するものであり、沈降タンクの底部から汲み出されて、混合タンクへと再注入される。混合タンクに出入りする塩水のpHをモニタリングし、混合タンクへの塩基注入の速度を制御する。塩水は沈降タンクから出て、塩水再循環タンクへ進入する。次いで塩水をイオン交換柱に戻して再循環させる。36時間後、イオン交換ビーズによるリチウム吸収の速度は遅くなり、システムによる汲み出しを終えて、使用済みの塩水をシステムから流して捨てる。次いで、前述のように水500mLでシステムを再び洗浄する。前述のようにシステムを酸で溶出して、リチウム溶出液を回収する。
【0419】
これらシステム操作を繰り返して、塩水からリチウムを抽出し、かつ炭酸リチウムまたは他のリチウム化学品の生産のために塩化リチウム溶出液を産出する。
【0420】
実施例4:混合タンクおよび再循環タンクを伴う再循環バッチシステムを用いるリチウム抽出
再循環バッチシステム(図2)を用いてリチウムを塩水から抽出する。前記システムは、イオン交換カラム(201)、塩基用の混合タンク(202)、塩水再循環タンク(203)、および酸再循環タンク(204)を備えている。塩水は、約100ppmのLi、40,000ppmのNa、30,000ppmのCa、および3,000ppmのMGを含む、天然の塩化物水溶液である。イオン交換カラムに、多孔質イオン交換ビーズの充填床を充填する。多孔質イオン交換ビーズは、イオン交換粒子およびポリマーマトリクスで構成されている。イオン交換粒子は、ZrOコーティングを持つLiMn12コアで構成された、被覆イオン交換粒子である。粒子は、平均径3.0ミクロンのほぼ球状であり、被覆の厚みは約4.0nmである。ポリマーマトリクスはポリビニリデンジフルオリドで構成されている。多孔質ビーズは多孔質ネットワークを含有しており、孔径の拡散が制御されることで、ビーズ表面からビーズ内部に、そしてイオン交換粒子へと拡散チャネルがもたらされる。ビーズには、平均直径2.0mmの形状の分布がある。
【0421】
イオン交換カラムは、高さ50cm、直径1.3cmである。1.0M HCl酸200mLを、酸再循環タンクへ充填する。毎分10mLの流量で、イオン交換カラムにより酸を汲み出す。酸溶液はイオン交換柱を通って流れ、そこでは、酸由来のプロトンがイオン交換ビーズに進入し、リチウムと交換される。これにより、リチウムはビーズから放出され、酸溶液に進入する。酸溶液は酸再循環タンクへ戻り、6時間にわたりカラムを通って再循環される。この6時間後、酸溶液を塩化リチウム溶液に変換すると、ある程度のHClが残った。HClがある程度残った塩化リチウム溶液をシステムから取り除き、さらに処理することで炭酸リチウム粉末を作り出す。
【0422】
水500mLを、再循環タンクへ充填する。毎分20mLの流量で水をイオン交換カラムにより汲み出して、カラムから残りの酸を水洗する。水はイオン交換カラムを通り、次いで酸再循環タンクへ戻り、イオン交換カラムを通って再循環される。2時間の水洗洗浄後、水を酸再循環タンクから取り除き、水のpHを中和し、水を捨てる。
【0423】
塩水10リットルを塩水再循環タンクへ充填する。毎分40mLの流量で、イオン交換カラムにより水を汲み出す。塩水はカラムを通り、イオン交換ビーズは塩水からリチウムを吸収し、一方でプロトンを放出する。酸性化された塩水をイオン交換カラムから混合タンクへと流して、その中でNaOH塩基水溶液を塩基水溶液タンク(205)から注入して、塩水のpHを約7.0に調整し、一方で任意の塩基性沈殿物の形成を制限する。混合タンクの中で塩基を塩水と混合する。混合タンクに出入りする塩水のpHをモニタリングし、混合タンクへの塩基注入の速度を制御する。塩水は混合タンクから出て、塩水再循環タンクへ進入する。次いで塩水をイオン交換柱に戻して再循環させる。36時間後、イオン交換ビーズによるリチウム吸収の速度は遅くなり、システムによる汲み出しを終えて、使用済みの塩水をシステムから流して捨てる。次いで、前述のように水500mLでシステムを再び洗浄する。前述のようにシステムを酸で溶出して、リチウム溶出液を回収する。
【0424】
これらシステム操作を繰り返して、塩水からリチウムを抽出し、かつ炭酸リチウムまたは他のリチウム化学品の生産のために塩化リチウム溶出液を産出する。
【0425】
実施例5:塩水回路、酸回路、および水洗洗浄回路を伴うカラム交換システムを用いるリチウム抽出
6つのイオン交換カラムを含むカラム交換システム(図3)を用いてリチウムを塩水から抽出し、イオン交換カラムは、塩水回路、水洗洗浄回路、および酸回路へと分割される。塩水は、約50ppmのLi、40,000ppmのNa、30,000ppmのCa、および3,000ppmのMGを含む、天然の塩化物水溶液である。イオン交換カラムに、多孔質イオン交換ビーズの充填床を充填する。多孔質イオン交換ビーズは、イオン交換粒子およびポリマーマトリクスで構成されている。イオン交換粒子は、ZrOコーティングを持つLiMn12コアで構成された、被覆イオン交換粒子である。粒子は、平均径3.0ミクロンのほぼ球状であり、被覆の厚みは約4.0nmである。ポリマーマトリクスはポリビニリデンジフルオリドで構成されている。多孔質ビーズは多孔質ネットワークを含有しており、孔径の拡散が制御されることで、ビーズ表面からビーズ内部に、そしてイオン交換粒子へと拡散チャネルがもたらされる。ビーズには、平均直径2.0mmの形状の分布がある。
【0426】
6つのイオン交換カラムの各々は、高さ150cm、直径75cmである(303、305、307、311、314、316)。各イオン交換カラムには関連する混合タンクがあり、その中で塩基を塩水と混合してから、塩水をカラム(302、304、306、310、313、315)へ注入する。カラムのうち3つ(303、305、307)は、関連する混合タンク(302、304、306)と共に連結され、塩水回路を形成する。塩水は、塩水管(301)から流れて第1の混合タンク(302)、第1のイオン交換カラム(303)、第2の混合タンク(304)、第2のイオン交換カラム(305)、第3の混合タンク(306)、第3のイオン交換カラム(307)を通って、処理管(308)へと向かう。塩水回路(303、305、307)中の混合タンクでは、NaOHの塩基水溶液を添加して、塩水のpHを7.5に上げる。塩水回路中の各混合タンクの前後に塩水のpHをモニタリングし、塩基水溶液の添加の速度を制御する。塩水回路中の第1の混合タンク(302)において、塩水はpH6.5で塩水管から混合タンクに進入し、比較的微量の塩基が添加される。塩水回路(304、306)中の他の混合タンクにおいて、塩水はpH3.5で先のイオン交換カラムの出口から混合タンクに進入し、比較的大量の塩基を添加すると、先のイオン交換カラムにより放出されられるプロトンが中和される。
【0427】
水洗洗浄回路は、水管(309)から、リチウムが染み込んだイオン交換カラム(311)を通って水を汲み出すことを必要とし、次いで水を処理管へ汲み出す。この水洗洗浄回路によりカラムから残りの塩水が取り除かれると、不純物が最小限の酸溶出が調製される。
【0428】
酸回路は2つのイオン交換カラムを備えており、それらを硫酸1.0Mで溶出すると、硫酸リチウム溶出液が産出される。酸溶液は、酸貯蔵タンク(312)から、酸回路の第1のイオン交換カラム(314)に向かい、次いで酸回路の第2のイオン交換カラム(316)へと流れる。酸回路に関連付けられる混合タンクは動いていない(313、315)。酸は酸回路を通って流れる間、イオン交換ビーズはプロトンを吸収し、一方でリチウムを放出して、硫酸リチウム溶液を形成する。結果として生じる硫酸リチウム溶出液はチウム溶出液管(317)へと流れ、次いで変換施設に運ばれて、バッテリーに使用可能な水酸化リチウムへと処理される。
【0429】
塩水回路、水洗洗浄回路、および酸の回路の流量を交換事象のために調和し、これは、値の切り替えによりシステムを通る流れを再配向することを特徴とする。交換事象の間、塩水回路の第1のカラムを水洗洗浄回路に交換し、水洗洗浄回路のカラムを酸回路に交換し、酸回路の第1のカラムを塩水回路に交換する。
【0430】
塩水が塩水回路を通って流れると、リチウムはイオン交換カラムのイオン交換ビーズへと吸収される。塩水回路の第1のイオン交換カラムには先ずリチウムが染み込み、次いで第1のカラムを水洗洗浄回路に交換する。酸溶液が酸回路を通って流れると、リチウムがイオン交換カラムのイオン交換ビーズから放出される。酸回路の第1のイオン交換カラムには先ずプロトンが染み込み、次いで第1のカラムを塩水回路の端部に交換する。イオン交換カラムにおける塩水回路の端部に残る酸を塩水で洗い流し、pHを中和してから捨てた。
【0431】
交換事象の後、塩水回路は、3つのイオン交換カラム(320、322、324)、および塩基付加用の3つの混合タンク(319、321、323)で構成される。酸回路は、2つのイオン交換カラム(331、333)で構成される。酸回路に関連付けられる混合タンクは動いていない(330、332)。水洗洗浄回路は、1つのイオン交換カラム(328)で構成される。交換事象の後、バルブを用いて、塩水管(318)、水管(326)、酸タンク(329)、処理管(325)、およびリチウム溶出液管(324)を新たな回路に交換する。
【0432】
この実施例の変形例において、塩水回路は随意に、各カラムに対して関連する塩基混合タンクを伴う、50以上のイオン交換カラムで構成される。この多数のイオン交換カラムと混合タンクにより、リチウム濃度が50ppmを超える塩水からリチウムを多く回収することができ、その間に塩水のpHは4-8の範囲に維持される。そのような多数のイオン交換カラムの例示は困難であるため、説明と例示を容易にするために、カラムが3つしかない塩水回路をこの実施例で使用する。
【0433】
実施例6:塩水回路、酸再循環ループ、および水洗洗浄回路を伴うカラム交換システムを用いるリチウム抽出
5つのイオン交換カラムを含むカラム交換システム(図4)を用いてリチウムを塩水から抽出し、イオン交換カラムは、塩水回路、水洗洗浄回路、および酸再循環ループへと分割される。塩水は、約50ppmのLi、40,000ppmのNa、30,000ppmのCa、および3,000ppmのMGを含む、天然の塩化物水溶液である。イオン交換カラムに、多孔質イオン交換ビーズの充填床を充填する。多孔質イオン交換ビーズは、イオン交換粒子およびポリマーマトリクスで構成されている。イオン交換粒子は、ZrOコーティングを持つLiMn12コアで構成された、被覆イオン交換粒子である。粒子は、平均径3.0ミクロンのほぼ球状であり、被覆の厚みは約4.0nmである。ポリマーマトリクスはポリビニリデンジフルオリドで構成されている。多孔質ビーズは多孔質ネットワークを含有しており、孔径の拡散が制御されることで、ビーズ表面からビーズ内部に、そしてイオン交換粒子へと拡散チャネルがもたらされる。ビーズには、平均直径2.0mmの形状の分布がある。
【0434】
5つのイオン交換カラムの各々は、高さ150cm、直径75cmである(403、405、407、411、414)。各イオン交換カラムには関連する混合タンクがあり、その中で塩基を塩水と混合してから、塩水をカラム(402、404、406、410、413)へ注入する。カラムのうち3つ(403、405、407)は、関連する混合タンク(402、404、406)と共に連結され、塩水回路を形成する。塩水は、塩水管(401)から流れて第1の混合タンク(402)、第1のイオン交換カラム(403)、第2の混合タンク(404)、第2のイオン交換カラム(405)、第3の混合タンク(406)、第3のイオン交換カラム(407)を通って、処理管(408)へと向かう。塩水回路(403、405、407)中の混合タンクでは、NaOHの塩基水溶液を添加して、塩水のpHを7.5に上げる。塩水回路中の各混合タンクの前後に塩水のpHをモニタリングし、塩基水溶液の添加の速度を制御する。塩水回路中の第1の混合タンク(402)において、塩水はpH6.5で塩水管から混合タンクに進入し、比較的微量の塩基が添加される。塩水回路(404、406)中の他の混合タンクにおいて、塩水はpH3.5で先のイオン交換カラムの出口から混合タンクに進入し、比較的大量の塩基を添加すると、先のイオン交換カラムにより放出されられるプロトンが中和される。
【0435】
水洗洗浄回路は、水管(409)から、リチウムが染み込んだイオン交換カラムを通って水を汲み出すことを必要とし、次いで水を処理管へ汲み出す。この水洗洗浄回路によりカラムから残りの塩水が取り除かれると、不純物が最小限の酸溶出が調製される。
【0436】
酸再循環ループは、1つのイオン交換カラム(414)および酸再循環タンク(412)を備えている。タンクには1.0M HCl酸が充填されており、これはイオン交換カラムへと汲み出されて、タンクに戻り、カラムを通って再循環される。酸溶液がカラムを通って流れると、イオン交換ビーズはプロトンを吸収し、一方でリチウムを放出する。経時的に、酸溶液は塩化リチウム溶出液へと変換される。イオン交換カラムに関連付けられる混合タンクは動いていない(413)。次いで、結果として生じる塩化リチウム溶出液のpHを中和し、逆浸透により濃縮し、研磨することで、微量の二価イオンを取り除き、炭酸化により処理することで、バッテリーに使用可能な炭酸リチウム粉末を産出する。
【0437】
塩水回路、水洗洗浄回路、および酸再循環ループの流量を交換事象のために調和し、これは、値の切り替えによりシステムを通る流れを再配向することを特徴とする。交換事象の間、塩水回路の第1のカラムを水洗洗浄回路に交換し、水洗洗浄回路のカラムを酸再循環ループに交換し、酸再循環ループのカラムを塩水回路に交換する。
【0438】
塩水が塩水回路を通って流れると、リチウムはイオン交換カラムのイオン交換ビーズへと吸収される。塩水回路の第1のイオン交換カラムには先ずリチウムが染み込み、次いで第1のカラムを水洗洗浄回路に交換する。酸再循環ループのイオン交換カラムには先ずプロトンが染み込み、次いで第のカラムを塩水回路の端部に交換する。イオン交換カラムにおける塩水回路の端部に残る酸を塩水で洗い流し、pHを中和してから捨てた。
【0439】
交換事象の後、バルブを用いて、塩水管(401)、水管(409)、酸タンク(412)、および処理管(408)を新たな回路に交換する。
【0440】
この実施例の変形例において、塩水回路は随意に、各カラムに対して関連する塩基混合タンクを伴う、50以上のイオン交換カラムで構成される。この多数のイオン交換カラムと混合タンクにより、リチウム濃度が50ppmを超える塩水からリチウムを多く回収することができ、その間に塩水のpHは4-8の範囲に維持される。そのような多数のイオン交換カラムの例示は困難であるため、説明と例示を容易にするために、カラムが3つしかない塩水回路をこの実施例で使用する。
【0441】
実施例7:撹拌タンクシステムを用いるリチウム抽出
撹拌タンクシステム(図5)を用いてリチウムを塩水から抽出する。前記システムは、タンク(501)、塩基付加用の混合タンク(502)、塩水再循環管(503)、タンク内部でイオン交換ビーズを支持するための浸透性区画(504)、および酸再循環管(505)を備えている。塩水は、約100ppmのLi、40,000ppmのNa、30,000ppmのCa、および3,000ppmのMGを含む、天然の塩化物水溶液である。イオン交換カラムに、多孔質イオン交換ビーズの充填床を充填する。多孔質イオン交換ビーズは、イオン交換粒子およびポリマーマトリクスで構成されている。イオン交換粒子は、ZrOコーティングを持つLiMn12コアで構成された、被覆イオン交換粒子である。粒子は、平均径3.0ミクロンのほぼ球状であり、被覆の厚みは約4.0nmである。ポリマーマトリクスはポリビニリデンジフルオリドで構成されている。多孔質ビーズは多孔質ネットワークを含有しており、孔径の拡散が制御されることで、ビーズ表面からビーズ内部に、そしてイオン交換粒子へと拡散チャネルがもたらされる。ビーズには、平均直径2.0mmの形状の分布がある。
【0442】
タンクは、高さ3.5メートル、直径の2.5メートルである(501)。イオン交換ビーズを支持するための浸透性区画は、タンク内部のタンクの底部付近に取り付けられる。区画が十分な低さでタンクに取り付けられると、ビーズからのリチウムの溶出に必要な最小量の酸により区画が沈むことになる。ビーズを含む区画は、リチウム化状態のビーズを含むタンクに充填される。次いで、1.0M HCl酸をタンクへ充填し、酸循環管(505)に通して再循環した。この酸溶液はプロトンをビーズに送達し、一方でビーズからリチウムを吸収する。酸溶液は、区画上の点にあるタンクから汲み出されて酸循環パイプを通り、タンクの底部へと再注入される。次いで、酸溶液は区画全体に行き渡り、その中で溶液はイオン交換ビーズに接触して、ビーズからリチウムを溶出する。リチウム溶出が遅くなると、結果として生じるリチウム濃縮物をシステムから取り除き、中和、逆浸透による濃縮、炭酸化、および再結晶によりバッテリーに使用可能な炭酸リチウム生成物へと処理する。
【0443】
水をタンクへ充填し、酸再循環管を通って再循環させて、残りの酸を洗い流す。
【0444】
塩水をタンクに充填し、タンクの頂部から塩基混合タンク(502)へと汲み出す。次いで、塩水は塩水循環パイプを通って流れ、区画の下のタンクの底部へと再注入される。塩水はタンクを通って上に流れ、区画全体に行き渡る。塩水はイオン交換ビーズと接触し、ビーズは塩水からリチウムを吸収し、一方でプロトンを放出する。酸性化された塩水は、区画の上を流れて、塩基混合タンクへ送り込まれる。塩基混合タンクにおいて、塩基NaOH水溶液を添加して、ビーズにより放出されるプロトンを中和し、塩水のpHを6-8の範囲に維持する。次いで、中和された塩水は塩水再循環管を通って流れ、さらなるリチウム吸収のためにタンクに戻って再循環される。リチウム吸収が遅くなると、使用済みの塩水をタンクから取り除く。次いで、前述のようにタンクを水で再び洗浄する。酸工程を繰り返して、塩化リチウム溶出液を産出する。このサイクルを繰り返してリチウム溶出液を産出し、これをバッテリーに使用可能な炭酸リチウムへと処理する。
【0445】
実施例8:ポート(Ported)イオン交換カラムシステムを用いるリチウム抽出
複数の塩基注入ポート(604)を備えたカラム(602)を含む、ポートイオン交換カラムシステム(図6)を用いて、リチウムを塩水から抽出する。塩水は、約100ppmのLi、40,000ppmのNa、30,000ppmのCa、および3,000ppmのMGを含む、天然の塩化物水溶液である。イオン交換カラムに、多孔質イオンビーズの充填床を充填する。多孔質イオン交換ビーズは、イオン交換粒子およびポリマーマトリクスで構成されている。イオン交換粒子は、ZrOコーティングを持つLiMn12コアで構成された、被覆イオン交換粒子である。粒子は、平均径3.0ミクロンのほぼ球状であり、被覆の厚みは約4.0nmである。ポリマーマトリクスはポリビニリデンジフルオリドで構成されている。多孔質ビーズは多孔質ネットワークを含有しており、孔径の拡散が制御されることで、ビーズ表面からビーズ内部に、そしてイオン交換粒子へと拡散チャネルがもたらされる。ビーズには、平均直径2.0mmの形状の分布がある。
【0446】
イオン交換ビーズをポートイオン交換カラムシステムに充填する。1.0M HCl酸をシステムに通して流すと、塩化リチウム溶出液が溶出される。次いで、システムを酸で洗浄して、残りの酸を取り除く。塩水管(601)からシステムの底部へ塩水を流す。塩水をカラムに通して流すと、ビーズは塩水からリチウムを吸収し、プロトンを塩水へと放出し、塩水を酸性化する。塩水のpHを4-8の範囲に維持するために、NaOHの塩基水溶液を塩基注入ポートへ注入する。塩水が先ずカラムに進入し、カラムの底部付近にある新しいビーズに接触すると、カラムの底部付近でイオン交換反応が最も早く生じ、そうして最初に塩基は、より速い速度でカラムの底部にあるポートを通って注入される。カラムの底部付近にあるビーズが染み込むと、イオン交換の速度が最も高いカラムの領域をカラムの上方に動かす。次いで、カラムの高い場所にある塩水にて放出されるプロトンを中和するために、塩基をカラムの高い場所に注入し、カラムの底部付近の塩基注入は遅くなり、最終的に終了する。カラムの底部での塩基注入が終了すると、カラムにおけるMg(OH)および他の塩基性沈殿物の沈殿が回避され、その領域では、プロトンは、塩基を中和するのに十分な速度でこれ以上放出されない。塩水がカラムを通って上方へ移動すると、pHは4-8の範囲に維持され、一方でビーズはリチウムを吸収し、プロトンを放出して、塩基性沈殿物の形成が制限される。カラムの至る所にあるビーズがリチウムに飽和され、またはほぼ飽和されると、カラムを水で洗浄し、リチウムを硫酸で溶出して、硫酸リチウム溶出液を形成する。次いで、リチウム溶出液を水酸化リチウム生成物へと処理する。
【0447】
実施例9:LiClを介して塩水からLiCOを作り出すための統合システム
統合システム(図7)からLiCO粉末を産生する。前記システムは、選択的リチウム吸収用のイオン交換システム(701)、逆浸透システム(702)、蒸留システム(703)、精製システム(704)、炭酸化システム(705)、および酸再利用システム(706)を備えている
【0448】
選択的リチウム吸収のためのイオン交換システムは、イオン交換材料およびイオン交換反応装置機構を備えている。イオン交換材料は、材料の溶解と分解を防ぐために10wt%のSiOコーティングを備えた、典型的に直径20~50ミクロンであるLiMn12粒子を含む。イオン交換反応装置機構は、イオン交換材料を含む7つで一組の撹拌タンク反応装置を備えており、このタンクは、塩水回路、水洗洗浄回路、および酸溶出回路へと分割される。塩水回路は、最後の塩水タンクに行き着くまでに塩水が第1のタンクから次のタンクへと流れるように直列で接続された4つの撹拌タンク反応装置で構成されており、塩水が塩水回路を通って流れると、タンク中のイオン交換材料は塩水からリチウムを吸収して、水素を放出する。Ca(OH)塩基をスラリー水溶液として、塩基回路のタンクに添加して、pHを4~6に維持する。水洗洗浄回路は、水が第1の水タンクから第2の水タンクへ流れるように直列で接続された2つの撹拌タンク反応装置で構成されており、水が水洗洗浄回路を通って流れると、水はイオン交換材料から残りの塩水や他の不純物を取り除く。酸回路は1つの撹拌タンク反応装置で構成されており、酸回路中のイオン交換材料はリチウムを放出し、一方で水素を吸収する。タンク配管接続を回路間で切り替えることで、塩水回路の第1のタンクは水洗洗浄回路の最後のタンクとなり、水洗洗浄回路の第1のタンクは酸溶出回路の最後のタンクとなり、酸溶出回路の第1のタンクは塩水回路の最後のタンクとなる。塩水は、180mg/LのLi、70,000mg/LのNa、20,000mg/LのCa、および3,000mg/LのMgを含む。HCl酸を酸タンクに添加して、塩化リチウム溶液を溶出する。酸回路を出る溶液は、約6,000mg/LのLiを含有し、かつ、合計約1,000mg/LのNa、Mg、Caなどの不純物を含有する、リチウム溶出溶液である。
【0449】
逆浸透システムを使用して、リチウム溶出溶液から水を取り除く。逆浸透システムからの透過物は、微量のHClを含む水である。残余分は、リチウム濃度が約40,000mg/Lの濃縮リチウム溶液を含んでいる。
【0450】
蒸留システムを使用して、残りのHClをリチウム溶出溶液から取り除く。蒸留システムによりリチウム溶出溶液を加熱してHCl蒸気を生成し、吸収カラムを使用して水溶液においてHClを再び捕捉する。
【0451】
酸再利用システム(706)は、逆浸透システムからの透過物と組み合わせて蒸留システムからHCl溶液を使用して、HCl酸水溶液を生成し、これを選択的リチウム吸収のためにイオン交換システムでの酸溶出に再び使用する。
【0452】
精製システムを使用して、水酸化ナトリウムおよび炭酸ナトリウムの添加を介して二価および多価の不純物を取り除く。水酸化ナトリウムを添加し、Mg(OH)および他の不純物を沈殿させる。炭酸ナトリウムを添加し、CaCOおよび他の不純物を沈殿させる。
【0453】
炭酸化システムを使用して、NaCOの添加を介して濃縮精製リチウム塩溶液からLiCO固体を沈殿させる。LiCO固体を分離し、再結晶プロセスにより精製する。ここで、LiCOをCOの存在下で水の中で再溶解してLiHCOを形成し、次いで、溶液の加熱によりLiCOを再結晶化することでCOを放出する。COを捕捉して再利用する。最終のLiCO生成物の純度は99%を超えている。
【0454】
実施例10:LiSOを介して塩水からLiCOを作り出すための統合システム
統合システム(図8)からLiCO粉末を産生する。前記システムは、選択的リチウム吸収用のイオン交換システム(801)、蒸発システム(802)、中和・精製システム(803)、炭酸化システム(804)、および塩基再利用システム(805)を備えている。
【0455】
選択的リチウム吸収用のイオン交換システムは、イオン交換材料およびイオン交換反応装置機構を備えている。イオン交換材料は、材料の溶解と分解を防ぐためにZrOコーティング3wt%を備えた、典型的に直径25~35ミクロンであるLiMn12粒子を含む。イオン交換反応装置機構は、イオン交換材料を含む、20個で一組の撹拌タンク反応装置を含む。塩水、水、および酸の工程のサイクルを通じて、各タンクを操作する。塩水工程の間、イオン交換材料を塩水と混合し、Ca(OH)塩基を、塩水回路のタンクに水ベースのスラリーとして添加して、pHを4~6に維持する。水工程の間、イオン交換材料を水で洗浄し、残りの塩水を取り除く。酸工程の間、イオン交換材料を酸で処理して材料からリチウムイオンを溶出し、一方で材料は水素イオンを吸収する。塩水は、300mg/LのLi、50,000mg/LのNa、30,000mg/LのCa、および10,000mg/LのMgを含む。酸は0.75M HSOである。酸回路を出る溶液は、6,000mg/LのLiを含有し、かつ、合計約1,200mg/LのNa、Mg、Caなどの不純物を含有する、硫酸陰イオンに基づくリチウム溶出溶液である。
【0456】
蒸発システムに熱を加えてリチウム溶出溶液から水を取り除き、リチウムの濃度を上げる。濃縮リチウム溶液はLi約12,000mg/Lを含む。リチウム濃度が上がると、不純物の除去が容易になる。
【0457】
中和・精製システムはNaOHを使用して、リチウム溶出溶液中の酸を中和する。追加のNaOHを添加し、Mg(OH)および他の不純物を沈殿させる。NaCOを添加し、CaCOおよび他の不純物を沈殿させる。
【0458】
炭酸化システムにより、硫酸リチウム溶液からLiCOを作り出す。NaCOの水溶液を硫酸リチウム溶液に95℃で添加することにより、第1の工程においてLiCOを沈殿させる。第1の工程で添加されるNaCOの量を制限して、LiCO沈殿中のNaSOの沈殿を回避する。第1の沈殿工程において、リチウム回収は約85%である。残りの溶液を濃縮してNaSOと追加の水を沈殿させ、NaCO水溶液を添加して、より多くのLiCOを沈殿させながら、NaSOの沈殿を回避する。濾過によりLiCO固体を分離し、LiHCOの形成によりCOの存在下で再溶解し、再結晶化して、純度が99%を超えるLiCO粉末を算出する。
【0459】
塩基再利用システムは、精製システムから濾過装置を通ってMg(OH)沈殿物を集め、塩基性材料を使用してイオン交換システム中のpHを制御し、選択的リチウム吸収を行う。塩水からのリチウム吸収中、Mg(OH)材料のスラリー水溶液を撹拌タンク反応装置に添加して、塩水のpHを4~7に維持する。
【0460】
実施例11:LiSOを介して塩水からLiOHを作り出すための統合システム
統合システム(図9)からLiOH粉末を産生する。前記システムは、選択的リチウム吸収用のイオン交換システム(901)、不純物除去用の樹脂イオン交換システム(902)、逆浸透システム(903)、膜電解システム(904)、結晶化システム(905)、および酸再利用システム(906)を備えている。
【0461】
選択的リチウム吸収用のイオン交換システムは、イオン交換材料およびイオン交換反応装置機構を備えている。イオン交換材料は、材料の溶解と分解を防ぐためにSiOコーティング5wt%を備えた、典型的に直径15~45ミクロンであるLiMn12粒子を含む。イオン交換反応装置機構は、6つで一組の再循環バッチリアクターを備えている。循環バッチリアクターはそれぞれタンクを備えており、そこにはタンクの底部付近にあるタンク断面に及ぶ区画が備わっている。区画はイオン交換材料を含んでおり、タンクへと充填される。区画はイオン交換材料を含んでいるが、液体溶液の流れを通すことができる。バッチリアクターはそれぞれ塩水で満ちており、塩水は、前記区画上にあるタンク頂部から、前記区画の下にあるタンク底部へと汲み出される。この塩水循環は、塩水を区画に通してイオン交換材料と接触させ、それによりイオン交換材料が塩水からリチウムを吸収し、一方で水素を放出できるように機能する。NaOH塩基の水溶液を反応装置に添加して、材料から放出されたプロトンを中和し、塩水のpHを5~7の範囲に維持して、リチウム吸収プロセスを容易にする。6時間後、塩水をタンクから排出し、水を用いてタンクからの残りの塩水を洗浄する。逆浸透を用いて、洗浄に用いた水を精製し、再利用する。酸をタンクに添加して、イオン交換材料からリチウムを溶出し、リチウム溶出液溶液を作り出す。塩水は、80mg/LのLi、60,000mg/LのNa、40,000mg/LのCa、および5,000mg/LのMgを含む。酸は、濃度範囲0.5~2.0Nの硫酸水溶液である。リチウム溶出溶液は、3,500mg/LのLi、および、合計約300mg/LのNa、Mg、Caなどの不純物を含有している。
【0462】
不純物を取り除くための樹脂イオン交換システムは、スルホン化ポリスチレンベースのポリマービーズを含んでいる。リチウム溶出溶液を一連のカラムにおいてビーズに通して濾過すると、ビーズは溶液からMg、Ca、Mn、および他の多価イオンを取り除き、一方でNaを放出する。
【0463】
逆浸透システムを使用して、精製リチウム溶出溶液から水を取り除く。逆浸透システムからの透過物は水であり、これを酸再利用システムに供給する。残余分は、リチウム濃度が約25,000mg/L、pHが約0~1の濃縮硫酸リチウム溶液を含んでいる。
【0464】
膜電気分解システムは、入力として精製濃縮硫酸リチウム溶液、希釈LiOH溶液、および電流を取る。膜電気分解システムは、陽イオン伝導膜により分割された2つの区画電解セルに基づいてある。膜電気分解システムは、LiSOとLiOH水溶液の構成成分がわずかなHSOを含む酸性化溶液を作り出す。
【0465】
蒸発により水を取り除くことで、結晶化システムは、LiOH溶液をLiOH粉末へと変換する。この蒸発と結晶化は、強制循環型蒸発缶において行われる。LiOH粉末の純度は、蒸発プロセス中に高濃度のNaOHとKOHを含有する液体を取り除くことによって制御される。
【0466】
酸再利用システムにより、膜電気分解システムから酸性化溶液を集め、逆浸透システムから水を集めて、イオン交換システム中での溶出用の酸溶液を作り出し、選択的リチウム吸収を行う。
【0467】
実施例12:LiClを介して塩水からLiOHを作り出すための統合システム
LiOH粉末を統合システム(図10)から作り出す。前記統合システムは、選択的リチウム吸収用のイオン交換システム(1001)、逆浸透システム(1002)、HCl蒸留システム(1003)、精製システム(1004)、膜電気分解システム(1005)、HClバーナー(1006)、晶析装置(1007)、および酸再利用システム(1008)を備えている。
【0468】
選択的リチウム吸収用のイオン交換システムは、イオン交換材料およびイオン交換反応装置機構を備えている。イオン交換材料はLiMn12粒子を含んでいる。イオン交換反応装置機構は、イオン交換材料を含む7つで一組の撹拌タンク反応装置を備えており、このタンクは、塩水回路、水洗洗浄回路、および酸溶出回路へと分割される。塩水回路は、最後の塩水タンクに行き着くまでに塩水が第1のタンクから次のタンクへと流れるように直列で接続された4つの撹拌タンク反応装置で構成されており、塩水が塩水回路を通って流れると、タンク中のイオン交換材料は塩水からリチウムを吸収して、水素を放出する。Ca(OH)塩基をスラリー水溶液として、塩基回路のタンクに添加して、pHを4~6に維持する。水洗洗浄回路は、水が第1の水タンクから第2の水タンクへ流れるように直列で接続された2つの撹拌タンク反応装置で構成されており、水が水洗洗浄回路を通って流れると、水はイオン交換材料から残りの塩水や他の不純物を取り除く。酸回路は1つの撹拌タンク反応装置で構成されており、酸回路中のイオン交換材料はリチウムを放出し、一方で水素を吸収する。タンク配管接続を回路間で切り替えることで、塩水回路の第1のタンクは水洗洗浄回路の最後のタンクとなり、水洗洗浄回路の第1のタンクは酸溶出回路の最後のタンクとなり、酸溶出回路の第1のタンクは塩水回路の最後のタンクとなる。塩水は、150mg/LのLi、60,000mg/LのNa、30,000mg/LのCa、および2,000mg/LのMgを含む。HCl酸を酸タンクに添加して、塩化リチウム溶液を溶出する。酸回路を出る溶液は、約4,000mg/LのLiを含有し、かつ、合計約1,000mg/LのNa、Mg、Caなどの不純物を含有する、リチウム溶出溶液である。
【0469】
逆浸透システムを使用して、リチウム溶出溶液から水を取り除く。逆浸透システムからの透過物は、微量のHClを含む水である。残余分は、リチウム濃度が約70,000mg/Lの濃縮リチウム溶液を含んでいる。
【0470】
蒸留システムを使用して、残りのHClをリチウム溶出溶液から取り除く。蒸留システムによりリチウム溶出溶液を加熱してHCl蒸気を生成し、吸収カラムを使用して水溶液においてHClを再び捕捉する。
【0471】
精製システムを使用して、水酸化ナトリウムおよび炭酸ナトリウムの添加を介して二価および多価の不純物を取り除く。水酸化ナトリウムを添加し、Mg(OH)および他の不純物を沈殿させる。炭酸ナトリウムを添加し、CaCOおよび他の不純物を沈殿させる。次いで溶液を、多価イオンに結合しつつナトリウムを放出するイオン交換樹脂を含有する、一連のカラムに通す。
【0472】
膜電気分解システムは、入力として精製濃縮塩化リチウム溶液、希釈LiOH溶液、および電流を取る。膜電気分解システムは、陽イオン伝導膜により分割された2つの区画電解セルに基づいてある。膜電気分解システムは、電気化学酸化電極にてClガスを作り出し、電気化学還元電極にてHガスを作り出す。電気化学還元電極を含有する区画により、LiOH水溶液を作り出す。電気化学酸化電極を含有する区画により、LiClの希釈溶液を作り出し、これを酸溶出溶液に再利用する。
【0473】
酸再利用システムにより、蒸留システムから、および逆浸透システムの透過物と組み合わせてHClバーナーからHClを使用し、LiCl溶液を膜電気分解システムから希釈して希釈LiClを含有するHCl酸水溶液を生成し、これを再利用して、イオン交換システム中のイオン交換材料からリチウム溶出溶液を溶出して、選択的リチウム吸収を行う。
【0474】
実施例13:塩水からLiClを作り出すための統合システム
LiCO粉末を統合システム(図11)から作り出す。前記統合システムは、選択的リチウム吸収用のイオン交換システム(1101)、逆浸透システム(1102)、HCl蒸留システム(1103)、精製システム(1104)、結晶化システム(1105)、および酸再利用システムを備えている。
【0475】
選択的リチウム吸収用のイオン交換システムは、イオン交換材料およびイオン交換反応装置機構を備えている。イオン交換材料は、典型的には直径15-45ミクロンであるLiMn12粒子を含む。イオン交換反応装置機構は、6つで一組の再循環バッチリアクターを備えている。循環バッチリアクターはそれぞれタンクを備えており、そこにはタンクの底部付近にあるタンク断面に及ぶ区画が備わっている。区画はイオン交換材料を含んでおり、タンクへと充填される。区画はイオン交換材料を含んでいるが、液体溶液の流れを通すことができる。バッチリアクターはそれぞれ塩水で満ちており、塩水は、前記区画上にあるタンク頂部から、前記区画の下にあるタンク底部へと汲み出される。この塩水循環は、塩水を区画に通してイオン交換材料と接触させ、それによりイオン交換材料が塩水からリチウムを吸収し、一方で水素を放出できるように機能する。Ca(OH)塩基のスラリー水溶液を反応装置に添加して、材料から放出されたプロトンを中和し、塩水のpHを5~7の範囲に維持して、リチウム吸収プロセスを容易にする。6時間後、塩水をタンクから排出し、水を用いてタンクからの残りの塩水を洗浄する。酸をタンクに添加して、イオン交換材料からリチウムを溶出し、リチウム溶出液溶液を作り出す。塩水は、500mg/LのLi、70,000mg/LのNa、10,000mg/LのCa、および2,000mg/LのMgを含む。酸は、濃度範囲0.5~2.0Nの塩酸水溶液である。リチウム溶出溶液は、4,500mg/LのLi、および、合計約300mg/LのNa、Mg、Caなどの不純物を含有している。
【0476】
逆浸透システムを使用して、リチウム溶出溶液から水を取り除く。逆浸透システムからの透過物は、微量のHClを含む水である。残余分は、リチウム濃度が約100,000mg/Lの濃縮リチウム溶液を含んでいる。
【0477】
蒸留システムを使用して、残りのHClをリチウム溶出溶液から取り除く。蒸留システムによりリチウム溶出溶液を加熱してHCl蒸気を生成し、吸収カラムを使用して水溶液においてHClを再び捕捉する。
【0478】
精製システムを使用して、水酸化ナトリウムおよび炭酸ナトリウムの添加を介して二価および多価の不純物を取り除く。水酸化リチウムを添加し、Mg(OH)および他の不純物を沈殿させる。炭酸リチウムを添加し、CaCOおよび他の不純物を沈殿させる。
【0479】
結晶化システムによりドラフト管バッフル晶析装置を用いて、濃縮精製塩化リチウム溶液から水を取り除き、かつLiCl固体を沈殿させる。固体を乾燥させ、粉砕し、放送し、輸送する。
【0480】
酸性再利用システムにより、蒸留システムからHClを集め、HClを逆浸透システムの水を含んだ水と組み合わせてHCl水溶液を作り出し、選択的リチウム吸収用のイオン交換システムからリチウム溶出溶液を溶出する。
【0481】
実施例14:LiSOおよびCaSOを介して塩水からLiOHを作り出すための統合システム
LiOH粉末を統合システム(図12)から作り出す。前記統合システムは、選択的リチウム吸収用のイオン交換システム(1201)、逆浸透システム(1202)、化学沈殿システム(1203)、精製システム(1204)、結晶化システム(1205)、焙焼システム(1206)、石灰再利用システム(1207)、および酸再利用システム(1208)を備えている。
【0482】
選択的リチウム吸収用のイオン交換システムは、イオン交換材料およびイオン交換反応装置機構を備えている。イオン交換材料は、材料の溶解と分解を防ぐためにSiOコーティング8wt%を備えた、典型的に直径25~45ミクロンであるLiMn12粒子を含む。イオン交換反応装置機構は、イオン交換材料を含む7つで一組の撹拌タンク反応装置を備えており、このタンクは、塩水回路、水洗洗浄回路、および酸溶出回路へと分割される。塩水回路は、最後の塩水タンクに行き着くまでに塩水が第1のタンクから次のタンクへと流れるように直列で接続された4つの撹拌タンク反応装置で構成されており、塩水が塩水回路を通って流れると、タンク中のイオン交換材料は塩水からリチウムを吸収して、水素を放出する。Ca(OH)塩基をスラリー水溶液として、塩基回路のタンクに添加して、pHを4~6に維持する。水洗洗浄回路は、水が第1の水タンクから第2の水タンクへ流れるように直列で接続された2つの撹拌タンク反応装置で構成されており、水が水洗洗浄回路を通って流れると、水はイオン交換材料から残りの塩水や他の不純物を取り除く。酸回路は1つの撹拌タンク反応装置で構成されており、酸回路中のイオン交換材料はリチウムを放出し、一方で水素を吸収する。タンク配管接続を回路間で切り替えることで、塩水回路の第1のタンクは水洗洗浄回路の最後のタンクとなり、水洗洗浄回路の第1のタンクは酸溶出回路の最後のタンクとなり、酸溶出回路の第1のタンクは塩水回路の最後のタンクとなる。塩水は、150mg/LのLi、60,000mg/LのNa、30,000mg/LのCa、および5,000mg/LのMgを含む。酸は、濃度範囲0.5~2.0Nの硫酸水溶液である。リチウム溶出溶液は、4,000mg/LのLi、および、合計約1,200mg/LのNa、Mg、Caなどの不純物を含有している。
【0483】
逆浸透システムを使用して、リチウム溶出溶液から水を取り除く。逆浸透システムからの透過物は水であり、これを酸再利用システムに供給する。残余分は、リチウム濃度が約25,000mg/L、pHが約0~1の濃縮硫酸リチウム溶液を含んでいる。
【0484】
化学沈殿システムにより濃縮硫酸リチウム溶液をCa(OH)と組み合わせ、溶液を中和し、CaSOを沈殿させる。硫酸リチウム溶液を水酸化リチウム溶液へと変換する。
【0485】
精製システムにより水酸化リチウム溶液を処理し、不純物を取り除く。NaCOを添加し、CaCOを沈殿させる。濾過によりCaCO固体を取り除く。
【0486】
蒸発により水を取り除くことで、結晶化システムは、LiOH溶液をLiOH粉末へと変換する。この蒸発と結晶化は、強制循環型蒸発缶において行われる。LiOH粉末の純度は、蒸発プロセス中に高濃度のNaOHとKOHを含有する液体を取り除くことによって制御される。
【0487】
焙焼システムにより、化学沈殿システムからCaSOを加熱してCaOを再生させ、これを高温の水との反応によりCa(OH)へと変換する。この焙焼システムは熱と低圧力を用いることで、固体からSO種を発生させる。SOガスを焙焼中に放出し、このガスを処理して硫酸を形成する。
【0488】
石灰再利用システムにより、焙焼システムからCa(OH)を集め、化学沈殿システムへの添加に適したCa(OH)スラリーを形成する。
【0489】
酸再利用システムにより、焙焼システムから硫酸を集め、硫酸を逆浸透システムからの水と組み合わせて、イオン交換システム中での溶出用の酸溶液を作り出し、選択的リチウム吸収を行う。
【0490】
実施例15:炭酸塩母液からのHClおよびNaOHの電気透析再生により炭酸リチウムを作り出すための統合システム
LiCO粉末を統合システム(図15)から作り出す。統合システムは、選択的リチウム吸収用のイオン交換システム(1501)、逆浸透システム(1502)、蒸発濃縮器システム(1503)、中和・精製システム(1504)、炭酸化システム(1505)、選択的リチウム吸収用の二次的イオン交換システム(1506)、炭酸化母液から酸と塩基を再生するための電気透析システム(1507)、酸再利用システム(1508)、および水酸化物再利用システム(1509)を備えている。
【0491】
選択的リチウム吸収用のイオン交換システム(1501)は、イオン交換媒体およびイオン交換反応装置機構を備えている。イオン交換媒体は、約100ミクロンの媒体を備えたポリマーマトリクスに埋め込まれたLiMn12粒子を含む。イオン交換反応装置機構は、イオン交換媒体を含有する100台で一組の撹拌タンク反応装置を備えており、撹拌を用いて、塩水、水、酸という交互の流れに媒体を接触させる。媒体が塩水に接触すると、媒体は塩水からリチウムを吸収し、プロトンを放出する。水酸化ナトリウムを塩水に添加して、塩水のpHを約4~7の範囲に維持する。リチウムの85%を塩水から回収し、媒体に吸収させた後、塩水をタンクから取り除き、タンクを水で洗浄して残りの塩水を取り除く。次いで、酸を使用して、プロトンを吸収し、かつリチウムイオンを放出するイオン交換媒体でリチウムを溶出して、リチウム溶出溶液を作り出す。塩水は、200mg/LのLi、100,000mg/LのNa、3,000mg/LのCa、および2,000mg/LのMgを含む。酸は、1.0Nの塩酸水溶液である。リチウム溶出溶液は、Li5,000mg/L、およびNa、Mg、およびCaを含む不純物を含んでいる。
【0492】
逆浸透システム(1502)を使用して、リチウム溶出溶液から水を取り除く。逆浸透システムからの透過物は水であり、これは統合システムにおいて再利用される。残余分は、リチウム濃度が約15,000mg/Lの濃縮塩化リチウム溶液を含んでいる。
【0493】
蒸発濃縮器システム(1503)を使用して、リチウム溶出溶液からより多くの水を取り除き、この水は統合システムにおいて再利用される。蒸発濃縮器は、リチウム濃度が約25,000mg/Lの、さらに濃縮された塩化リチウム溶液をもたらす。
【0494】
中和・精製システム(1504)は、さらに濃縮された塩化リチウム溶液をNaOHおよびNaCOと組み合わせることで、溶液を中和し、CaCO、Mg(OH)、および他の沈殿物などの水酸化物や炭酸塩固体として、多価のカチオンを沈殿させる。中和・精製システムはさらに、イオン交換樹脂を使用して、溶液から微量のMg、Ca、B、および他の不純物を取り除く。中和・精製システムの生成物は、Li、Na、およびKを含む、濃縮一価塩化物溶液である。
【0495】
炭酸化システム(1505)を使用して、濃縮一価塩化物溶液中のリチウムを炭酸リチウムに変換し、これを沈殿させ、炭酸リチウムとしてシステムから取り除く。炭酸リチウム流の一部を、水酸化カルシウムの添加により水酸化リチウムへと変換する。炭酸化システムの他の生成物は、Na、K、および残りのLiを含有する塩化物溶液を含む、炭酸塩母液である。選択的リチウム吸収用の二次的イオン交換システム(1506)を使用して、炭酸塩母液から残りのLiを取り除き、NaおよびK塩化物溶液の大半を残す。
【0496】
入力として電気および炭酸塩母液を用いて、電極を伴う膜セルを含む電気透析システム(1507)を使用すると、炭酸塩母液が塩基流と酸流とに変換される。電気透析システムの1つの生成物は、塩酸溶液を含む酸再利用流(1508)である。電気透析システムの1つの生成物は、水酸化物溶液を含む塩基再利用流(1509)である。
【0497】
選択的リチウム吸収用のイオン交換システムでのリチウム吸収中に、塩基再利用流を塩水への塩基付加に使用して、イオン交換媒体から放出されるプロトンを中和して、pHを約4~7の範囲に調整する。選択的リチウム吸収用のイオン交換システム、および選択的リチウム吸収用の二次的イオン交換システムに、酸を使用して、イオン交換媒体、および他の目的のためにリチウムを溶出する。また、酸再利用流を使用して、精製回路に使用される陽イオン交換式のイオン交換樹脂を再生する。
【0498】
実施例16:炭酸塩母液からのHSOおよびNaOHの電気透析再生により炭酸リチウムを作り出すための統合システム
LiCO粉末を統合システム(図16)から作り出す。統合システムは、選択的リチウム吸収用のイオン交換システム(1601)、逆浸透システム(1602)、蒸発濃縮器システム(1603)、中和・精製システム(1604)、炭酸化システム(1605)、選択的リチウム吸収用の二次的イオン交換システム(1606)、炭酸化母液から酸と塩基を再生するための電気透析システム(1607)、酸再利用システム(1608)、および水酸化物再利用システム(1609)を備えている。
【0499】
選択的リチウム吸収用のイオン交換システム(1601)は、イオン交換媒体およびイオン交換反応装置機構を備えている。イオン交換媒体は、粒子の溶解と分解を防ぐために保護コーティングを備えたLiMn12粒子を含んでいる。イオン交換反応装置機構は、イオン交換媒体を含有する50台で一組の撹拌タンク反応装置を備えており、撹拌を用いて、塩水、水、酸という交互の流れに媒体を接触させる。媒体が塩水に接触すると、媒体は塩水からリチウムを吸収し、プロトンを放出する。水酸化ナトリウムを塩水に添加して、塩水のpHを約4~7の範囲に維持する。リチウムの85%を塩水から回収し、媒体に吸収させた後、塩水をタンクから取り除き、タンクを水で洗浄して残りの塩水を取り除く。次いで、酸を使用して、プロトンを吸収し、かつリチウムイオンを放出するイオン交換媒体でリチウムを溶出して、リチウム溶出溶液を作り出す。塩水は、200mg/LのLi、100,000mg/LのNa、3,000mg/LのCa、および2,000mg/LのMgを含む。酸は、1.0Nの硫酸水溶液である。リチウム溶出溶液は、5,000mg/LのLi、およびNa、Mg、およびCaを含む不純物を含んでいる。
【0500】
逆浸透システム(1602)を使用して、リチウム溶出溶液から水を取り除く。逆浸透システムからの透過物は水であり、これは統合システムにおいて再利用される。残余分は、リチウム濃度が約15,000mg/Lの濃縮硫酸リチウム溶液を含んでいる。
【0501】
蒸発濃縮器システム(1603)を使用して、リチウム溶出溶液からより多くの水を取り除き、この水は統合システムにおいて再利用される。蒸発濃縮器は、リチウム濃度が約25,000mg/Lの、さらに濃縮された硫酸リチウム溶液をもたらす。
【0502】
中和・精製システム(1604)は、さらに濃縮された塩化リチウム溶液をNaOHおよびNaCOと組み合わせることで、溶液を中和し、CaCO、Mg(OH)、および他の沈殿物などの水酸化物や炭酸塩固体として、多価のカチオンを沈殿させる。中和・精製システムはさらに、イオン交換樹脂を使用して、溶液から微量のMg、Ca、B、および他の不純物を取り除く。中和・精製システムの生成物は、Li、Na、およびKを含む、濃縮一価塩化物溶液である。
【0503】
炭酸化システム(1605)を使用して、濃縮一価硫酸塩溶液中のリチウムを炭酸リチウムに変換し、これを沈殿させ、炭酸リチウムとしてシステムから取り除く。炭酸リチウム流の一部を、水酸化カルシウムの添加により水酸化リチウムへと変換する。炭酸化システムの他の生成物は、Na、K、および残りのLiを含有する硫酸塩溶液を含む、炭酸塩母液である。選択的リチウム吸収用の二次的イオン交換システム(1606)を使用して、炭酸塩母液から残りのLiを取り除き、NaおよびK硫酸塩溶液の大半を残す。
【0504】
入力として電気および炭酸塩母液を用いて、電極を伴う膜セルを含む電気透析システム(1607)を使用すると、炭酸塩母液が塩基流と酸流とに変換される。電気透析システムの1つの生成物は、塩酸溶液を含む酸再利用流(1608)である。電気透析システムの1つの生成物は、水酸化物溶液を含む塩基再利用流(1609)である。
【0505】
選択的リチウム吸収用のイオン交換システムでのリチウム吸収中に、塩基再利用流を塩水への塩基付加に使用して、イオン交換媒体から放出されるプロトンを中和して、pHを約4~7の範囲に調整する。選択的リチウム吸収用のイオン交換システム、および選択的リチウム吸収用の二次的イオン交換システムに、酸を使用して、イオン交換媒体、および他の目的のためにリチウムを溶出する。また、酸再利用流を使用して、精製回路に使用される陽イオン交換式のイオン交換樹脂を再生する。
【0506】
実施例17:炭酸塩母液からのHClとNaOHとの電気分解再生により炭酸リチウムを作り出すための統合システム
LiCO粉末を統合システム(図17)から作り出す。統合システムは、選択的リチウム吸収用のイオン交換システム(1701)、逆浸透システム(1702)、蒸発濃縮器システム(1703)、中和・精製システム(1704)、炭酸化システム(1705)、炭酸化母液から酸と塩基を再生するための電気分解システム(1706)、HClバーナー(1707)、酸再利用システム(1708)、および水酸化物再利用システム(1709)を備えている。
【0507】
選択的リチウム吸収用のイオン交換システム(1701)は、イオン交換媒体およびイオン交換反応装置機構を備えている。イオン交換媒体は、約100ミクロンの媒体を備えたポリマーマトリクスに埋め込まれたLiMn12粒子を含む。イオン交換反応装置機構は、イオン交換媒体を含有する100台で一組の撹拌タンク反応装置を備えており、撹拌を用いて、塩水、水、酸という交互の流れに媒体を接触させる。媒体が塩水に接触すると、媒体は塩水からリチウムを吸収し、プロトンを放出する。水酸化ナトリウムを塩水に添加して、塩水のpHを約4~7の範囲に維持する。リチウムの85%を塩水から回収し、媒体に吸収させた後、塩水をタンクから取り除き、タンクを水で洗浄して残りの塩水を取り除く。次いで、酸を使用して、プロトンを吸収し、かつリチウムイオンを放出するイオン交換媒体でリチウムを溶出して、リチウム溶出溶液を作り出す。塩水は、200mg/LのLi、100,000mg/LのNa、3,000mg/LのCa、および2,000mg/LのMgを含む。酸は、1.0Nの塩酸水溶液である。リチウム溶出溶液は、5,000mg/LのLi、およびNa、Mg、およびCaを含む不純物を含んでいる。
【0508】
逆浸透システム(1702)を使用して、リチウム溶出溶液から水を取り除く。逆浸透システムからの透過物は水であり、これは統合システムにおいて再利用される。残余分は、リチウム濃度が約15,000mg/Lの濃縮塩化リチウム溶液を含んでいる。
【0509】
蒸発濃縮器システム(1703)を使用して、リチウム溶出溶液からより多くの水を取り除き、この水は統合システムにおいて再利用される。蒸発濃縮器は、リチウム濃度が約25,000mg/Lの、さらに濃縮された塩化リチウム溶液をもたらす。
【0510】
中和・精製システム(1704)は、さらに濃縮された塩化リチウム溶液をNaOHおよびNaCOと組み合わせることで、溶液を中和し、CaCO、Mg(OH)、および他の沈殿物などの水酸化物や炭酸塩固体として、多価のカチオンを沈殿させる。化学沈殿システムの生成物は、Li、Na、およびKを含む、濃縮一価塩化物溶液である。
【0511】
炭酸化システム(1705)を使用して、濃縮一価塩化物溶液中のリチウムを炭酸リチウムに変換し、これを沈殿させ、炭酸リチウムとしてシステムから取り除く。炭酸リチウム流の一部を、水酸化カルシウムの添加により水酸化リチウムへと変換する。炭酸化システムの他の生成物は、Na、K、および残りのLiを含有する塩化物溶液を含む、炭酸塩母液である。
【0512】
電気分解システム(1706)は、入力として、炭酸塩母液、NaCl、LiCl、KClの溶液、および電流を取得する。膜電気分解システムは、電気化学酸化電極にてClガスを作り出し、電気化学還元電極にてHガスを作り出す。水酸化アルカリ溶液も作り出され、これは水酸化物再利用システム(1709)に供給される。
【0513】
HClバーナー(1707)は、入力として、水と組み合わせた電気分解からClおよびHの流れを取得して、塩酸溶液を作り出し、これを酸再利用システム(1708)に供給する。
【0514】
選択的リチウム吸収用のイオン交換システムでのリチウム吸収中に、塩基再利用流を塩水への塩基付加に使用して、イオン交換媒体から放出されるプロトンを中和して、pHを約4~7の範囲に調整する。塩基再利用流は、リチウム溶出溶液の中和と精製にも使用される。選択的リチウム吸収用のイオン交換システム、および選択的リチウム吸収用の二次的イオン交換システムに、酸を使用して、イオン交換媒体、および他の目的のためにリチウムを溶出する。また、酸再利用流を使用して、精製回路に使用される陽イオン交換式のイオン交換樹脂を再生する。
【0515】
本発明の好ましい実施形態が本明細書中で示され、かつ記載されてきたが、このような実施形態はほんの一例として提供されるものであることは、当業者に明白である。多数の変形、変更、および置き換えは、本発明から逸脱することなく、当業者によって現在想到されるものである。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代案が、本発明の実施において随意に利用されるかもしれないことを理解されたい。以下の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義するものであり、この特許請求の範囲およびその同等物の範囲内の方法と構造は、それにより包含されることが、意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2023-11-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体資源からリチウム塩を生成するための統合システムであって、
(a)イオン交換材料を含むイオン交換装置であって、前記イオン交換装置は、
(i)前記液体資源を前記イオン交換材料に接触させ、前記イオン交換材料の水素イオンが前記液体資源のリチウムイオンと交換されることで、リチウムが豊富なイオン交換材料を作り出すこと、および
(ii)前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液により処理し、前記リチウムが豊富なイオン交換材料の前記リチウムイオンが前記酸溶液の水素イオンと交換されることで、リチウム溶出溶液を作り出すこと
を行うように構成される、イオン交換装置、
(b)前記イオン交換材料によるリチウムイオン吸収に適した範囲に前記液体資源のpHを維持するように構成されたpH調節機構、
(c)前記リチウム溶出溶液を処理して、精製リチウム溶液を作り出すように構成された精製装置、
(d)前記イオン交換装置と流体連通する電気化学セルであって、前記電気化学セルは、
(i)電気化学還元する第1の電極、
(ii)電気化学酸化する第2の電極、および
(iii)前記第1の電極と前記第2の電極とを分ける1つ以上のイオン伝導膜
を備えており、前記電気化学セルは、前記精製リチウム溶液を電流にさらすように構成され、前記電流は、前記精製リチウム溶液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液およびリチウム塩溶液を作り出す、電気化学セル、
(e)前記電気化学セルと流体連通している化学沈殿装置であって、前記リチウム塩溶液からリチウム塩を作り出すように構成される、化学沈殿装置、ならびに
(f)前記電気化学セルと流体連通している酸再利用システムであって、前記酸性化溶液を(a)の前記イオン交換装置へと再利用するように構成される、酸再利用システム
を備える、統合システム。
【請求項2】
前記イオン交換装置および前記電気化学セルと流体連通している逆浸透装置をさらに備え、前記逆浸透装置は透水性膜を備えており、前記リチウム溶出溶液または前記精製リチウム溶液を前記透水性膜に接触させて、水および濃縮リチウム溶出溶液または濃縮精製リチウム溶液を作り出すように構成され、前記濃縮リチウム溶出溶液または前記濃縮精製リチウム溶液は、前記電気化学セル中の前記精製リチウム溶液の代わりに使用される、請求項1に記載の統合システム。
【請求項3】
前記イオン交換装置および前記電気化学セルと流体連通している熱蒸発装置をさらに備え、前記熱蒸発装置は発熱体を備えており、前記リチウム溶出溶液、前記精製リチウム溶液、または前記濃縮精製リチウム溶液から水を取り除いて、濃縮リチウム溶出溶液を作り出すように構成され、前記濃縮リチウム溶出溶液は、前記電気化学セル中の前記精製リチウム溶液の代わりに使用される、請求項1または2に記載の統合システム。
【請求項4】
液体資源からリチウム塩を生成するための統合システムであって、
(a)イオン交換材料を含むイオン交換装置であって、前記イオン交換装置により、
(i)前記イオン交換材料は前記液体資源に接触することで、リチウムが豊富なイオン交換材料を作り出すことができ、および
(ii)前記リチウムが豊富なイオン交換材料を酸溶液で処理することでリチウム溶出溶液を作り出すことができる、イオン交換装置、
(b)酸回収装置であって、酸が前記リチウム溶出溶液から回収され、随意に前記イオン交換装置へと再利用される、酸回収装置、ならびに
(c)化学沈殿装置
を備えており、前記イオン交換装置、前記酸回収装置、および前記化学沈殿装置は、流体連通状態にある、統合システム。
【請求項5】
前記イオン交換装置、前記酸回収装置、および前記化学沈殿装置と流体連通している精製装置をさらに備えており、前記精製装置は、前記リチウム溶出溶液を処理することで、前記酸回収装置および前記化学沈殿装置中の前記リチウム溶出溶液の代わりに使用される精製リチウム溶液を提供するように構成される、請求項4に記載の統合システム。
【請求項6】
前記イオン交換材料によるリチウムイオン吸収に適した範囲に前記液体資源のpHを維持するように構成されたpH調節機構をさらに備える、請求項4に記載の統合システム。
【請求項7】
前記pH調節機構は、Ca(OH) またはNaOHを前記液体資源に添加するように構成される、請求項1または6に記載の統合システム。
【請求項8】
前記イオン交換装置、前記酸回収装置、および前記化学沈殿装置と流体連通している逆浸透装置をさらに備えており、前記逆浸透装置は透水性膜を備える、請求項4に記載の統合システム。
【請求項9】
前記透水性膜は、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリビニルアミン、ポリピロリジン、ポリフラン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリピペラジン-アミド、ポリベンズイミダゾリン、ポリオキサジアゾール、アセチル化セルロース、セルロース、スルホン化、カルボキシル化、リン酸化、またはそれらの組み合わせの代替的な官能基化を伴うポリマー、他のポリマー層、またはそれらの組み合わせを含む、請求項2または8に記載の統合システム。
【請求項10】
前記透水性膜は、布製、ポリマー製、複合体、または金属製の支持具をさらに備えている、請求項2または8に記載の統合システム。
【請求項11】
前記イオン交換装置および前記逆浸透装置と流体連通している熱蒸発装置をさらに備えており、前記熱蒸発装置は発熱体を備えている、請求項8に記載の統合システム。
【請求項12】
前記化学沈殿装置は、Na CO の添加によりLi CO を沈殿させるための炭酸化装置を備えている、請求項1または4に記載の統合システム。
【請求項13】
前記化学沈殿装置は、CO の添加によりLi CO を精製するための重炭酸化装置を備えている、請求項1または4に記載の統合システム。
【請求項14】
前記液体資源は、天然塩水、溶解塩原、海水、濃縮海水、脱塩流出物、濃縮塩水、加工塩水、油田塩水、イオン交換プロセス由来の液体、溶剤抽出プロセス由来の液体、合成塩水、鉱石またはその組み合わせ由来の浸出液、鉱物またはその組み合わせ由来の浸出液、粘土またはその組み合わせ由来の浸出液、再資源製品由来の浸出液、再利用材料由来の浸出液、またはそれらの組み合わせである、請求項1または4に記載の統合システム。
【請求項15】
前記リチウムが豊富なイオン交換材料は、LiFePO 、LiMnPO 、Li MO (M=Ti、Mn、Sn)、Li Ti 12 、Li Mn 12 、LiMn 、Li 1.6 Mn 1.6 、LiMO (M=Al、Cu、Ti)、Li TiO 、Li Ti 11 24 、Li VO 、Li Si 、Li CuP 、Al(OH) 、LiCl.xAl(OH) .yH O、SnO .xSb .yH O、TiO .xSb .yH O、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせから成る群から選択され、ここで、xは0.1~10であり、yは0.1~10である、請求項1または4に記載の統合システム。
【請求項16】
前記イオン交換材料は、被覆イオン交換粒子、非被覆イオン交換粒子、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1または4に記載の統合システム。
【請求項17】
前記被覆イオン交換粒子は、ポリマーコーティングまたは酸化コーティングを備えている、請求項16に記載の統合システム。
【請求項18】
前記被覆イオン交換粒子は、ZrO 、TiO 、SiO 、またはそれらの組み合わせを含む、請求項17に記載の統合システム。
【請求項19】
前記被覆イオン交換粒子の前記ポリマーコーティングは、クロロポリマー、フルオロポリマー、クロロ-フルオロポリマー、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、それらのコポリマー、それらの混合物、またはそれらの組み合わせを含む、請求項17に記載の統合システム。
【請求項20】
前記イオン交換材料は多孔質イオン交換材料である、請求項1または4に記載の統合システム。
【請求項21】
前記多孔質イオン交換材料は多孔質ビーズの形である、請求項20に記載の統合システム。
【請求項22】
前記イオン交換材料は、粉末の形である、請求項1または4に記載の統合システム。
【請求項23】
前記酸溶液は、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、塩素酸、過塩素酸、硝酸、ギ酸、酢酸、またはそれらの組み合わせの溶液である、請求項1または4に記載の統合システム。
【請求項24】
前記酸溶液は塩酸を含む、請求項23に記載の統合システム。
【請求項25】
前記酸溶液は硫酸を含む、請求項23に記載の統合システム。
【請求項26】
i)前記リチウム塩は、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、水酸化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、硫酸リチウム、硫酸水素リチウム、リン酸リチウム、リン酸水素リチウム、リン酸二水素リチウム、または硝酸リチウムであり、ii)前記リチウム塩は、固体、水溶液、またはスラリー状である、請求項1または4に記載の統合システム。
【請求項27】
前記リチウム塩は、炭酸リチウム、水酸化リチウム、またはリン酸リチウムである、請求項26に記載の統合システム。
【請求項28】
前記リチウム塩は、水酸化リチウムを含む、請求項26に記載の統合システム。
【請求項29】
前記酸回収装置は電気化学セルを備えており、前記電気化学セルは、
a.電気化学還元する第1の電極、
b.電気化学酸化する第2の電極、および
c.前記第1の電極と前記第2の電極とを分ける1つ以上のイオン伝導膜
を備えており、前記電気化学セルは、前記リチウム溶出溶液を電流にさらすように構成され、前記電流は、前記リチウム溶出溶液の電気分解を引き起こすことで、酸性化溶液およびリチウム塩溶液を作り出す、請求項4に記載の統合システム。
【請求項30】
前記1つ以上のイオン伝導膜は、1つ以上の陽イオン伝導膜または1つ以上の陰イオン伝導膜を含む、請求項1または29に記載の統合システム。
【請求項31】
前記1つ以上の陽イオン伝導膜または前記1つ以上の陰イオン伝導膜は、スルホン化テトラフルオロエチレンベースのフッ素ポリマーコポリマー、スルホン化テトラフルオロエチレン、スルホン化フッ素ポリマー、スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンポリマー(MK-40)、それらのコポリマー、またはそれらの組み合わせを含む、請求項30に記載の統合システム。
【請求項32】
前記1つ以上の陰イオン伝導膜は、官能化ポリマー構造を含む、請求項30に記載の統合システム。
【請求項33】
前記官能化ポリマー構造は、ポリアリーレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレン、パーフルオロ化ポリマー、ポリベンゾイミダゾール、ポリエピクロロヒドリン、不飽和ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルベンジル塩化物、ポリホスファゼン、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、これらポリマーの代替物、またはそれらの複合物を含む、請求項32に記載の統合システム。
【請求項34】
前記1つ以上のイオン伝導膜は、陽イオン伝導膜および陰イオン伝導膜を含む1つ以上の膜を含む、請求項1または29に記載の統合システム。
【外国語明細書】