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特開2024-232271つ以上のメッシュ層を備えた多層アセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023227
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】1つ以上のメッシュ層を備えた多層アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B32B 5/18 20060101AFI20240214BHJP
   B32B 5/24 20060101ALI20240214BHJP
   B32B 5/28 20060101ALI20240214BHJP
   B29C 70/34 20060101ALI20240214BHJP
   B29C 70/68 20060101ALI20240214BHJP
   B29K 101/12 20060101ALN20240214BHJP
   B29K 105/08 20060101ALN20240214BHJP
   B29L 9/00 20060101ALN20240214BHJP
   B29K 105/04 20060101ALN20240214BHJP
【FI】
B32B5/18
B32B5/24 101
B32B5/28 Z
B29C70/34
B29C70/68
B29K101:12
B29K105:08
B29L9:00
B29K105:04
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023188571
(22)【出願日】2023-11-02
(62)【分割の表示】P 2019550804の分割
【原出願日】2018-03-19
(31)【優先権主張番号】62/473,048
(32)【優先日】2017-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514102858
【氏名又は名称】ハンファ アズデル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メイソン,マーク・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】メッシナ,アンソニー・ジョセフ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】強化熱可塑性複合材、ならびに車両および/または建築業界でのこれらの使用を提供する。
【解決手段】メッシュ層と、メッシュ層の第1の表面上に配設された第1の熱可塑性繊維強化熱可塑性層と、を含む多層アセンブリを提供する。多層アセンブリは、メッシュ層を介して互いに結合された2つの繊維強化熱可塑性層を含む。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層アセンブリであって、
熱可塑性材料によって適所に保持された強化繊維を含むメッシュ層と、
メッシュ層の第1の表面上に配設された第1の繊維強化熱可塑性層であって、前記第1の繊維強化熱可塑性層が、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化材料によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、第1の繊維強化熱可塑性層と、を備える、多層アセンブリ。
【請求項2】
前記第1の強化熱可塑性層が、いかなる介在する層または材料も伴わずに、前記メッシュ層に直接結合される、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項3】
メッシュ層の第2の表面上に配設された第2の強化熱可塑性層をさらに備え、前記第2の繊維強化熱可塑性層が、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化材料によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項4】
前記第2の強化熱可塑性層が、いかなる介在する層または材料も伴わずに、前記メッシュ層に直接結合される、請求項3に記載の多層アセンブリ。
【請求項5】
前記第1の強化熱可塑性層上に配設された第1の表皮層をさらに備える、請求項4に記載の多層アセンブリ。
【請求項6】
前記第2の強化熱可塑性層上に配設された第2の表皮層をさらに備える、請求項5に記載の多層アセンブリ。
【請求項7】
前記メッシュ層が、ガラス繊維およびポリプロピレンを含み、かつ織りテープ層として構成され、前記第1の繊維強化熱可塑性層および前記第2の繊維強化熱可塑性層が、各々、ポリプロピレンおよびガラス繊維と、約800gsm~約1000gsmの坪量と、を含む、請求項4に記載の多層アセンブリ。
【請求項8】
前記第1の繊維強化熱可塑性層および前記第2の繊維強化熱可塑性層のうちの一方に結合された装飾層をさらに備える、請求項7に記載の多層アセンブリ。
【請求項9】
前記装飾層が、布に接合された発泡体を含む、請求項8に記載の多層アセンブリ。
【請求項10】
前記第1の繊維強化熱可塑性層の前記熱可塑性材料が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、アモルファスナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、ポリ(1,4フェニレン)化合物、高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、シリコーン、またはこれらの材料の互いとのブレンドのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項11】
前記第1の繊維強化熱可塑性層の前記強化繊維が、ガラス繊維、アラミド繊維、黒鉛繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、および金属化無機繊維、繊維、またはこれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む、請求項10に記載の多層アセンブリ。
【請求項12】
前記第1の繊維強化熱可塑性層の表面に結合された表皮をさらに備える、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項13】
前記表皮が、熱可塑性フィルム、エラストマーフィルム、フリム、スクリム、ホイル、織布、不織布、繊維スクリム、無機コーティング、有機コーティング、熱可塑性コーティング、および熱硬化性コーティングからなる群から選択される、請求項12に記載の多層アセンブリ。
【請求項14】
前記第1の繊維強化熱可塑性層が、ロフティング剤をさらに含む、請求項12に記載の多層アセンブリ。
【請求項15】
前記第1の繊維強化熱可塑性層に結合された装飾層をさらに備える、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項16】
多層アセンブリであって、
第1のテープ層および第2のテープ層を含むメッシュ層であって、前記第1および第2のテープ層が、織られた配置で存在し、前記第1のテープ層および前記第2のテープ層の各々が、熱可塑性材料によって適所に保持された強化繊維を含む、メッシュ層と、
メッシュ層の第1の表面上に配設された第1の繊維強化熱可塑性層であって、前記第1の繊維強化熱可塑性層が、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化材料によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、第1の繊維強化熱可塑性層と、
メッシュ層の第2の表面に配設された第2の繊維強化熱可塑性層であって、前記第2の繊維強化熱可塑性層が、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化材料によって形成された連続気泡構造のウェブを含み、前記第1の繊維強化熱可塑性層および前記第2の繊維強化熱可塑性層の各々が、いかなる介在する層または材料も伴わずに、前記メッシュ層に直接結合されている、第2の繊維強化熱可塑性層と、を備える、多層アセンブリ。
【請求項17】
前記第2の繊維強化熱可塑性層の表面上に配設された第2のメッシュ層をさらに備える、請求項16に記載の多層アセンブリ。
【請求項18】
前記第1の繊維強化層の前記熱可塑性材料が、前記第2の繊維強化層の前記熱可塑性材料とは異なる、請求項16に記載の多層アセンブリ。
【請求項19】
前記第1の繊維強化層の前記熱可塑性材料が、前記第2の繊維強化層の前記熱可塑性材料と共通の材料を含む、請求項16に記載の多層アセンブリ。
【請求項20】
前記第1の繊維強化層の前記熱可塑性材料および前記第2の繊維強化層の前記熱可塑性材料が、各々、ポリプロピレンを含む、請求項19に記載の多層アセンブリ。
【請求項21】
前記第1の繊維強化層の前記強化繊維が、前記第2の繊維強化層の前記強化繊維とは異なる、請求項16に記載の多層アセンブリ。
【請求項22】
前記第1の繊維強化層の前記強化繊維が、前記第2の繊維強化層の前記強化繊維と共通の材料を含む、請求項16に記載の多層アセンブリ。
【請求項23】
前記第1の繊維強化層の前記強化繊維および前記第2の繊維強化層の前記強化繊維が、ガラス繊維を含む、請求項22に記載の多層アセンブリ。
【請求項24】
前記第1の強化熱可塑性層上に配設された第1の表皮をさらに備える、請求項16に記
載の多層アセンブリ。
【請求項25】
前記表皮が、熱可塑性フィルム、エラストマーフィルム、フリム、スクリム、ホイル、織布、不織布、繊維スクリム、無機コーティング、有機コーティング、熱可塑性コーティング、および熱硬化性コーティングからなる群から選択される、請求項24に記載の多層アセンブリ。
【請求項26】
前記第2の強化熱可塑性層上に配設された第2の表皮をさらに備える、請求項24に記載の多層アセンブリ。
【請求項27】
前記メッシュ層が、ガラス繊維およびポリプロピレンを含み、前記第1の繊維強化熱可塑性層および前記第2の繊維強化熱可塑性層が、各々、ポリプロピレンおよびガラス繊維と、約800gsm~約1000gsmの坪量と、を含む、請求項16に記載の多層アセンブリ。
【請求項28】
前記第1の繊維強化熱可塑性層の前記熱可塑性材料および前記第2の繊維強化熱可塑性層の前記熱可塑性材料が、独立して、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、アモルファスナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、ポリ(1,4フェニレン)化合物、高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、シリコーン、またはこれらの材料の互いとのブレンドのうちの1つ以上を含み、前記第1の繊維強化熱可塑性層の前記強化繊維および前記第2の繊維強化熱可塑性層の前記強化繊維が、ガラス繊維、アラミド繊維、黒鉛繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、および金属化無機繊維、繊維またはこれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む、請求項16に記載の多層アセンブリ。
【請求項29】
前記第1の繊維強化熱可塑性層および前記第2の繊維強化熱可塑性層が、各々、ロフティング剤をさらに含む、請求項16に記載の多層アセンブリ。
【請求項30】
前記第1の繊維強化熱可塑性層に結合された装飾層をさらに備える、請求項16に記載の多層アセンブリ。
【請求項31】
車両の乗員室を前記車両の貨物室から分離するように構成された仕切り壁であって、前記仕切り壁が、熱可塑性材料によって適所に保持された強化繊維を含むメッシュ層と、メッシュ層の第1の表面上に配設された第1の繊維強化熱可塑性層であって、前記第1の繊維強化熱可塑性層が、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化材料によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、第1の繊維強化熱可塑性層と、メッシュ層の第2の表面上に配設された第2の繊維強化熱可塑性層であって、前記第2の繊維強化熱可塑性層が、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化材料によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、第2の繊維強化熱可塑性層と、を備える、仕切り壁。
【請求項32】
前記仕切り壁が、前記乗員室と前記貨物室との間に開口部を備える、請求項31に記載の仕切り壁。
【請求項33】
前記第1の強化熱可塑性層が、いかなる介在する層または材料も伴わずに、前記メッシュ層に直接結合される、請求項31に記載の仕切り壁。
【請求項34】
前記メッシュ層が、ガラス繊維およびポリプロピレンを含み、かつ織りテープ層として構成され、前記第1の繊維強化熱可塑性層および前記第2の繊維強化熱可塑性層が、各々、ポリプロピレンおよびガラス繊維と、約800gsm~約1000gsmの坪量と、を含む、請求項31に記載の仕切り壁。
【請求項35】
前記第1の繊維強化熱可塑性層および前記第2の繊維強化熱可塑性層のうちの一方に結合された装飾層をさらに備える、請求項31に記載の仕切り壁。
【請求項36】
前記第1の繊維強化熱可塑性層および前記第2の繊維強化熱可塑性層の熱可塑性材料が、各々独立して、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、アモルファスナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、ポリ(1,4フェニレン)化合物、高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、シリコーン、またはこれらの材料の互いとのブレンドのうちの1つ以上を含む、請求項31に記載の仕切り壁。
【請求項37】
前記第1の繊維強化熱可塑性層の前記強化繊維および前記第2の繊維強化熱可塑性層の前記強化繊維が、各々独立して、ガラス繊維、アラミド繊維、黒鉛繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、および金属化無機繊維、繊維、またはこれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む、請求項36に記載の仕切り壁。
【請求項38】
前記第1の繊維強化熱可塑性層の表面に結合された表皮をさらに備える、請求項31に記載の仕切り壁。
【請求項39】
前記表皮が、熱可塑性フィルム、エラストマーフィルム、フリム、スクリム、ホイル、織布、不織布、無機コーティング、有機コーティング、熱可塑性コーティング、および熱硬化性コーティングからなる群から選択される、請求項38に記載の仕切り壁。
【請求項40】
前記第2の繊維強化熱可塑性層の表面に結合された表皮をさらに備える、請求項38に記載の仕切り壁。
【請求項41】
壁パネルによって分離された乗員区域および貨物区域を備える車両であって、前記壁パネルが、熱可塑性材料によって適所に保持された強化繊維を含むメッシュ層と、メッシュ層の第1の表面上に配設された第1の繊維強化熱可塑性層であって、第1の繊維強化熱可塑性層が、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化材料によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、第1の繊維強化熱可塑性層と、メッシュ層の第2の表面上に配設された第2の繊維強化熱可塑性層であって、前記第2の繊維強化熱可塑性層が、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化材料によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、第2の繊維強化熱可塑性層と、備える、車両。
【請求項42】
前記壁パネルが、前記乗員区域と前記貨物区域との間に開口部を備える、請求項41に記載の車両。
【請求項43】
前記第1の強化熱可塑性層が、いかなる介在する層または材料も伴わずに、前記メッシュ層に直接結合される、請求項41に記載の車両。
【請求項44】
前記メッシュ層が、ガラス繊維およびポリプロピレンを含み、かつ織りテープ層として構成され、前記第1の繊維強化熱可塑性層および前記第2の繊維強化熱可塑性層が、各々、ポリプロピレンおよびガラス繊維と、約800gsm~約1000gsmの坪量と、を含む、請求項41に記載の車両。
【請求項45】
前記第1の繊維強化熱可塑性層および前記第2の繊維強化熱可塑性層のうちの一方に結合された装飾層をさらに備える、請求項41に記載の車両。
【請求項46】
前記第1の繊維強化熱可塑性層および前記第2の繊維強化熱可塑性層の熱可塑性材料が、各々独立して、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、アモルファスナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、ポリ(1,4フェニレン)化合物、高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、シリコーン、またはこれらの材料の互いとのブレンドのうちの1つ以上を含む、請求項41に記載の車両。
【請求項47】
前記第1の繊維強化熱可塑性層の前記強化繊維および前記第2の繊維強化熱可塑性層の前記強化繊維が、各々独立して、ガラス繊維、アラミド繊維、黒鉛繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、および金属化無機繊維、繊維、またはこれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む、請求項46に記載の車両。
【請求項48】
前記第1の繊維強化熱可塑性層の表面に結合された表皮をさらに備える、請求項41に記載の車両。
【請求項49】
前記表皮が、熱可塑性フィルム、エラストマーフィルム、フリム、スクリム、ホイル、織布、不織布からなる群から選択され、または無機コーティング、有機コーティング、熱可塑性コーティング、もしくは熱硬化性コーティングとして存在する、請求項48に記載の車両。
【請求項50】
前記第2の繊維強化熱可塑性層の表面に結合された表皮をさらに備える、請求項48に記載の車両。
【請求項51】
多層アセンブリを製造する方法であって、前記方法が、
第1の繊維強化熱可塑性層を形成することであって、
強化繊維および第1の熱可塑性材料を撹拌液体含有発泡体に添加して、第1の熱可塑性材料と強化繊維との分散混合物を形成すること、
前記強化繊維と第1の熱可塑性材料との分散混合物を形成支持要素上に堆積させること、
前記液体を排出してウェブを形成すること、
前記ウェブを前記第1の熱可塑性材料の軟化温度を上回って加熱すること、ならびに
前記加熱されたウェブを所定の厚さに圧縮して、前記第1の繊維強化熱可塑性層を形成すること、によって形成することと、
前記形成された第1の繊維強化熱可塑性層の第1の表面上にメッシュ層を配設して、前記多層アセンブリを提供することであって、前記メッシュ層が、繊維および熱可塑性材料を含む、提供することと、を含む方法。
【請求項52】
第2の繊維強化熱可塑性層を形成することであって、
強化繊維および第2の熱可塑性材料を撹拌液体含有発泡体に添加して、第2の熱可塑性材料と強化繊維との分散混合物を形成すること、
前記強化繊維と第2の熱可塑性材料との分散混合物を形成支持要素上に堆積させること、
前記液体を排出してウェブを形成すること、
前記ウェブを前記第2の熱可塑性材料の軟化温度を上回って加熱すること、ならびに
前記加熱されたウェブを所定の厚さに圧縮して、前記第2の繊維強化熱可塑性層を形成すること、によって形成することと、
前記メッシュ層上に前記形成された第2の繊維強化熱可塑性層を配設することと、をさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記第1の熱可塑性材料および前記第2の熱可塑性材料が、共通の材料を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
2つ以上のテープ層を一緒に織ることによって前記メッシュ層を形成することをさらに含み、各テープ層が、前記繊維と、前記熱可塑性材料と、を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
前記メッシュ層を前記第1の繊維強化層の前記第1の表面の実質的に全部と接触するようにサイズ決定することをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項56】
前記メッシュ層を、前記第1の繊維強化層の前記第1の表面よりも小さくなるようにサイズ決定することをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項57】
前記第1の熱可塑性材料をポリプロピレンを含むように構成することと、前記強化繊維をガラス繊維を含むように構成することと、前記メッシュ層をポリプロピレンおよびガラス繊維を含むように構成することと、をさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項58】
前記第1の繊維強化熱可塑性層に表皮を結合することをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項59】
前記表皮を、熱可塑性フィルム、エラストマーフィルム、フリム、スクリム、ホイル、織布、不織布、繊維スクリムとして、または無機コーティング、有機コーティング、熱可塑性コーティング、もしくは熱硬化性コーティングとして存在するように選択することをさらに含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記表皮を装飾層として選択することをさらに含む、請求項58に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権出願
この出願は、2017年3月17日に出願された米国仮出願第62/473,048号に関連し、この優先権および利益を主張し、その開示全体は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
この出願は、強化熱可塑性複合材、ならびに車両および/または建築業界でのこれらの使用に関する。より具体的には、本明細書に記載の特定の構成は、1つ以上の熱可塑性繊維強化層と組み合わせたメッシュ層に関する。
【背景技術】
【0003】
自動車は、通常、強度および/または構造的強化を提供するために、鋼製材料または他の材料を使用して製造される。鋼製材料を含めると、自動車の全体の重量が増加することがあり、これにより燃費が低下し、運用コストが増加する可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つ以上のメッシュ層および1つ以上の熱可塑性繊維強化層を含む多層アセンブリの特定の態様、実施形態、構成、および実施例について以下に記載する。
【0005】
一態様では、多層アセンブリは、メッシュ層と、第1の繊維強化熱可塑性層と、を備える。いくつかの実施例では、メッシュ層は、熱可塑性材料によって適所に保持された強化繊維を含み、例えば、メッシュ層は、実質的に非多孔性のテープ層またはテープ層を含んでもよい。特定の実施例では、第1の繊維強化熱可塑性層は、メッシュ層の第1の表面上に配設される。第1の繊維強化熱可塑性層は、熱可塑性材料と一緒に接合された複数の強化材料によって形成された連続気泡構造のウェブを含んでもよく、例えば、繊維強化熱可塑性層は、メッシュ層に直接結合され得る多孔性層として構成されてもよい。
【0006】
特定の実施例では、第1の強化熱可塑性層は、いかなる介在する層または材料も伴わずに、メッシュ層に直接結合される。他の実施例では、多層アセンブリは、メッシュ層の第2の表面上に配設された第2の強化熱可塑性層を備え、第2の繊維強化熱可塑性層は、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化材料によって形成された連続気泡構造のウェブを含む。いくつかの実施例では、第2の強化熱可塑性層は、いかなる介在する層または材料も伴わずに、メッシュ層に直接結合される。
【0007】
他の事例では、多層アセンブリは、第1の強化熱可塑性層上に配設された第1の表皮層を備える。いくつかの実施例では、多層アセンブリは、第2の強化熱可塑性層上に配設された第2の表皮層を備える。
【0008】
特定の実施例では、メッシュ層は、ガラス繊維およびポリプロピレンを含み、かつ織りテープ層として構成され、第1の繊維強化熱可塑性層および第2の繊維強化熱可塑性層は、各々、ポリプロピレンおよびガラス繊維と、約800gsm~約1000gsmの坪量と、を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、多層アセンブリは、第1の繊維強化熱可塑性層および第2の繊維強化熱可塑性層のうちの一方に結合された装飾層を備える。他の実施例では、装飾層は、布に接合された発泡体を含む。
【0010】
いくつかの事例では、第1の繊維強化熱可塑性層の熱可塑性材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、アモルファスナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、ポリ(1,4フェニレン)化合物、高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、シリコーン、またはこれらの材料の互いとのブレンドのうちの1つ以上を含む。
【0011】
特定の実施例では、第1の繊維強化熱可塑性層の強化繊維は、ガラス繊維、アラミド繊維、黒鉛繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、および金属化無機繊維、繊維、またはこれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む。
【0012】
いくつかの構成では、多層アセンブリは、第1の繊維強化熱可塑性層の表面に結合された表皮を備える。特定の実施例では、表皮は、熱可塑性フィルム、エラストマーフィルム、フリム、スクリム、ホイル、織布、不織布、繊維スクリムからなる群から選択され、または無機コーティング、有機コーティング、熱可塑性コーティング、もしくは熱硬化性コーティングとして存在する。
【0013】
いくつかの実施例では、第1の繊維強化熱可塑性層はさらにロフティング剤を含む。
他の実施例では、多層アセンブリは、第1の繊維強化熱可塑性層に結合された装飾層を備える。
【0014】
別の態様では、多層アセンブリは、メッシュ層と、第1の繊維強化熱可塑性層と、第2の繊維強化熱可塑性層と、を備える。メッシュ層は、第1のテープ層および第2のテープ層を含んでもよく、第1および第2のテープ層は、織られた配置で存在し、第1のテープ層および第2のテープ層の各々は、熱可塑性材料によって適所に保持された強化繊維を含む。第1の繊維強化熱可塑性層は、メッシュ層の第1の表面上に配設され得る。第1の繊維強化熱可塑性層は、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化材料によって形成された連続気泡構造のウェブを含む。第2の繊維強化熱可塑性層は、メッシュ層の第2の表面上に配設され得る。第2の強化熱可塑性層は、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化材料によって形成された連続気泡構造のウェブを含む。第1の繊維強化熱可塑性層および第2の繊維強化熱可塑性層の各々は、いかなる介在する層または材料も伴わずに、メッシュ層に直接結合され得る。
【0015】
特定の実施例では、多層アセンブリは、第2の繊維強化熱可塑性層の表面上に配設された第2のメッシュ層を備える。
【0016】
いくつかの実施例では、第1の繊維強化層の熱可塑性材料は、第2の繊維強化層の熱可塑性材料とは異なる。他の実施例では、第1の繊維強化層の熱可塑性材料は、第2の繊維強化層の熱可塑性材料と共通の材料を含む。特定の事例では、第1の繊維強化層の熱可塑性材料および第2の繊維強化層の熱可塑性材料は、各々、ポリプロピレンを含む。いくつかの実施例では、第1の繊維強化層の強化繊維は、第2の繊維強化層の強化繊維とは異なる。他の実施例では、第1の繊維強化層の強化繊維は、第2の繊維強化層の強化繊維と共通の材料を含む。いくつかの実施形態では、第1の繊維強化層の強化繊維および第2の繊維強化層の強化繊維は、ガラス繊維を含む。
【0017】
いくつかの実施例では、多層アセンブリは、第1の強化熱可塑性層上に配設された第1
の表皮層を備える。いくつかの構成では、表皮は、熱可塑性フィルム、エラストマーフィルム、フリム、スクリム、ホイル、織布、不織布、繊維スクリムからなる群から選択され、または無機コーティング、有機コーティング、熱可塑性コーティング、もしくは熱硬化性コーティングとして存在する。他の実施例では、多層アセンブリは、第2の強化熱可塑性層上に配設された第2の表皮を備える。
【0018】
特定の実施例では、メッシュ層は、ガラス繊維およびポリプロピレンを含み、第1の繊維強化熱可塑性層および第2の繊維強化熱可塑性層は、各々、ポリプロピレンおよびガラス繊維と、約800gsm~約1000gsmの坪量と、を含む。
【0019】
特定の構成では、第1の繊維強化熱可塑性層の熱可塑性材料および第2の繊維強化熱可塑性層の熱可塑性材料は、独立して、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、アモルファスナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、ポリ(1,4フェニレン)化合物、高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、シリコーン、またはこれらの材料の互いとのブレンドのうちの1つ以上を含み、第1の繊維強化熱可塑性層の強化繊維および第2の繊維強化熱可塑性層の強化繊維が、ガラス繊維、アラミド繊維、黒鉛繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、および金属化無機繊維、繊維またはこれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む。
【0020】
いくつかの実施例では、第1の繊維強化熱可塑性層および第2の繊維強化熱可塑性層は、各々、ロフティング剤をさらに含む。
【0021】
他の実施例では、多層アセンブリは、第1の繊維強化熱可塑性層もしくは第2の繊維強化熱可塑性層または両方に結合された装飾層を備える。
【0022】
追加の態様では、車両の乗員室を車両の貨物室から分離するように構成された仕切り壁が記載される。いくつかの構成では、仕切り壁は、熱可塑性材料によって適所に保持された強化繊維を含むメッシュ層と、メッシュ層の第1の表面上に配設された第1の繊維強化熱可塑性層であって、第1の繊維強化熱可塑性層が、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化材料によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、第1の繊維強化熱可塑性層と、メッシュ層の第2の表面上に配設された第2の繊維強化熱可塑性層であって、第2の繊維強化熱可塑性層が、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化材料によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、第2の繊維強化熱可塑性層と、を備える。
【0023】
いくつかの実施例では、仕切り壁は、乗員室と貨物室との間に開口部を備える。
仕切り壁の特定の実施例では、第1の強化熱可塑性層は、いかなる介在する層または材料も伴わずに、メッシュ層に直接結合される。いくつかの事例では、メッシュ層は、ガラス繊維およびポリプロピレンを含み、かつ織りテープ層として構成され、第1の繊維強化熱可塑性層および第2の繊維強化熱可塑性層は、各々、ポリプロピレンおよびガラス繊維と、約800gsm~約1000gsmの坪量と、を含む。
【0024】
他の実施例では、仕切り壁は、第1の繊維強化熱可塑性層および第2の繊維強化熱可塑性層のうちの一方に結合された装飾層をさらに備える。
【0025】
特定の実施例では、第1の繊維強化熱可塑性層および第2の繊維強化熱可塑性層の熱可
塑性材料は、各々独立して、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、アモルファスナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、ポリ(1,4フェニレン)化合物、高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、シリコーン、またはこれらの材料の互いとのブレンドのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施例では、第1の繊維強化熱可塑性層の強化繊維および第2の繊維強化熱可塑性層の強化繊維は、各々独立して、ガラス繊維、アラミド繊維、黒鉛繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、および金属化無機繊維、繊維、またはこれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む。
【0026】
特定の事例では、仕切り壁は、第1の繊維強化熱可塑性層の表面に結合された表皮をさらに備える。いくつかの実施例では、表皮は、熱可塑性フィルム、エラストマーフィルム、フリム、スクリム、ホイル、織布、不織布、繊維スクリムからなる群から選択され、または無機コーティング、有機コーティング、熱可塑性コーティング、もしくは熱硬化性コーティングとして存在する。他の実施例では、仕切り壁は、第2の繊維強化熱可塑性層の表面に結合された表皮を備える。
【0027】
別の態様では、車両は、壁パネルによって分離された乗員区域および貨物区域を備える。いくつかの構成では、壁パネルは、熱可塑性材料によって適所に保持された強化繊維を含むメッシュ層と、メッシュ層の第1の表面上に配設された第1の繊維強化熱可塑性層であって、第1の繊維強化熱可塑性層が、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化材料によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、第1の繊維強化熱可塑性層と、メッシュ層の第2の表面上に配設された第2の繊維強化熱可塑性層であって、第2の繊維強化熱可塑性層が、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化材料によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、第2の繊維強化熱可塑性層と、を含む。
【0028】
特定の実施例では、車両の壁パネルは、乗員区域と貨物区域との間に開口部を含む。車両の壁パネルの他の実施例では、第1の強化熱可塑性層は、いかなる介在する層または材料も伴わずに、メッシュ層に直接結合される。
【0029】
車両の壁パネルのいくつかの実施例では、メッシュ層は、ガラス繊維およびポリプロピレンを含み、かつ織りテープ層として構成され、第1の繊維強化熱可塑性層および第2の繊維強化熱可塑性層は、各々、ポリプロピレンおよびガラス繊維と、約800gsm~約1000gsmの坪量と、を含む。
【0030】
追加の実施例では、車両の壁パネルは、第1の繊維強化熱可塑性層および第2の繊維強化熱可塑性層のうちの一方に結合された装飾層をさらに含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、第1の繊維強化熱可塑性層および第2の繊維強化熱可塑性層の熱可塑性材料は、各々独立して、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、アモルファスナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、ポリ(1,4フェニレン)化合物、高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、シリコーン、またはこれらの材料
の互いとのブレンドのうちの1つ以上を含む。
【0032】
特定の実施例では、第1の繊維強化熱可塑性層の強化繊維および第2の繊維強化熱可塑性層の強化繊維は、各々独立して、ガラス繊維、アラミド繊維、黒鉛繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、および金属化無機繊維、繊維、またはこれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む。
【0033】
他の実施例では、車両の壁パネルは、第1の繊維強化熱可塑性層の表面に結合された表皮をさらに含む。いくつかの実施形態では、表皮は、熱可塑性フィルム、エラストマーフィルム、フリム、スクリム、ホイル、織布、不織布、繊維スクリムからなる群から選択され、または無機コーティング、有機コーティング、熱可塑性コーティング、もしくは熱硬化性コーティングとして存在する。他の実施例では、車両の壁パネルは、第2の繊維強化熱可塑性層の表面に結合された表皮をさらに含む。
【0034】
別の態様では、多層アセンブリを製造する方法は、第1の繊維強化熱可塑性層を形成することであって、強化繊維および第1の熱可塑性材料を撹拌液体含有発泡体に添加して、第1の熱可塑性材料と強化繊維との分散混合物を形成すること、強化繊維と第1の熱可塑性材料との分散混合物を形成支持要素上に堆積させること、液体を排出してウェブを形成すること、ウェブを第1の熱可塑性材料の軟化温度を上回って加熱すること、ならびに加熱されたウェブを所定の厚さに圧縮して、第1の繊維強化熱可塑性層を形成すること、によって形成することを含む。方法はまた、形成された第1の繊維強化熱可塑性層の第1の表面上にメッシュ層を配設して、多層アセンブリを提供することを含んでもよい。例えば、メッシュ層は、繊維および熱可塑性材料を含んでもよい。
【0035】
特定の実施例では、方法は、第2の繊維強化熱可塑性層を形成することであって、強化繊維および第2の熱可塑性材料を撹拌液体含有発泡体に添加して、第2の熱可塑性材料と強化繊維との分散混合物を形成すること、強化繊維と第2の熱可塑性材料との分散混合物を形成支持要素上に堆積させること、液体を排出してウェブを形成すること、ウェブを第2の熱可塑性材料の軟化温度を上回って加熱すること、加熱されたウェブを所定の厚さに圧縮して、第2の繊維強化熱可塑性層を形成すること、によって形成することを含む。方法はまた、メッシュ層上に形成された第2の繊維強化熱可塑性層を配設することを含んでもよい。
【0036】
いくつかの実施例では、第1の熱可塑性材料および第2の熱可塑性材料は、共通の材料を含む。
【0037】
他の実施例では、方法は、2つ以上のテープ層を一緒に織ることによってメッシュ層を形成することを含み、各テープ層は、繊維と、熱可塑性材料と、を含む。
【0038】
いくつかの事例では、方法は、メッシュ層を第1の繊維強化層の第1の表面の実質的に全部と接触するようにサイズ決定することを含む。他の実施例では、方法は、メッシュ層を、第1の繊維強化層の第1の表面よりも小さくなるようにサイズ決定することを含む。
【0039】
他の実施例では、方法は、第1の熱可塑性材料をポリプロピレンを含むように構成することと、強化繊維をガラス繊維を含むように構成することと、メッシュ層をポリプロピレンおよびガラス繊維を含むように構成することと、を含む。
【0040】
いくつかの実施例では、方法は、第1の繊維強化熱可塑性層に表皮を結合することを含む。特定の実施形態では、方法は、表皮を、熱可塑性フィルム、エラストマーフィルム、フリム、スクリム、ホイル、織布、不織布、繊維スクリムとして、または無機コーティン
グ、有機コーティング、熱可塑性コーティング、もしくは熱硬化性コーティングとして存在するように選択することを含む。他の実施例では、方法は、装飾層となる表皮を選択することを含む。
【0041】
特定の実施形態を、添付の図面を参照して記載する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1A図1Aは、特定の実施例による、熱可塑性繊維強化層と、メッシュ層と、を備える多層アセンブリの図である。
図1B図1Bは、特定の実施例による、熱可塑性繊維強化層と、メッシュ層と、表面層と、を備える多層アセンブリの図である。
図1C図1Cは、特定の実施例による、2つの熱可塑性繊維強化層と、メッシュ層と、を備える多層アセンブリの図である。
図1D図1Dは、特定の実施例による、熱可塑性繊維強化層、表面層、メッシュ層の2つの層を備える多層アセンブリの図である。
図1E図1Eは、特定の実施例による、2つの熱可塑性繊維強化層と、2つの表面層と、メッシュ層と、を備える多層アセンブリの図である。
図2図2は、いくつかの実施例による、熱可塑性繊維強化層と、2つのメッシュ層と、を備える多層アセンブリの図である。
図3図3は、いくつかの実施例による、熱可塑性繊維強化層と、メッシュ層と、メッシュ層に結合された表面層と、を備える多層アセンブリの図である。
図4図4は、いくつかの実施例による、熱熱可塑性繊維強化層と互いに結合された2つのメッシュ層を備える多層アセンブリの図である。
図5図5は、いくつかの実施例による、メッシュ層によって分離された2つの熱可塑性繊維強化層と、2つの熱可塑性繊維強化層の片面にある表皮層と、を備える多層アセンブリの図である。
図6A図6Aは、いくつかの実施例による仕切り壁の図である。
図6B図6Bは、いくつかの実施例による仕切り壁の図である。
図6C図6Cは、いくつかの実施例による仕切り壁の図である。
図7A図7Aは、特定の実施形態による、熱可塑性繊維強化層上に配設されたテープメッシュ層を備える多層アセンブリの図である。
図7B図7Bは、特定の実施形態による、熱可塑性繊維強化層上に配設されたテープメッシュ層を備える多層アセンブリの図である。
図8図8は、特定の実施形態による、熱可塑性繊維強化層上に配設されるメッシュ層を形成するために一緒に織られたテープ層の図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
当業者であれば、本開示の利益を踏まえて、より利用しやすい形の図面を提供するために、図面の中の特定の寸法または特徴が、拡大されて、歪まされて、あるいはその他の慣例にとらわれないまたは他の比例しない様式で示されている場合があることを認識するであろう。具体的な厚さ、幅、または長さは図面の描写によっては意図されず、また図面の構成要素の中の相対的なサイズは、図面の構成要素のうちのいずれかのサイズを限定することを意図するものではない。以下の説明で寸法または値が指定されている場合、寸法または値は、例示目的のみのために提供される。加えて、図面の特定の部分の陰影によって具体的な材料または配置が必要とされることは意図されておらず、また、図面の中の異なる構成要素は区別のために陰影を含む場合があるものの、異なる構成要素は、所望であれば同じまたは同様の材料を含んでもよい。
【0044】
本明細書に開示の技術のより利用しやすい説明を提供するために、単数形および複数形の用語に言及しつつ特定の実施形態が以下で説明される。これらの用語は便宜的に使用さ
れているに過ぎず、本明細書に記載の具体的な実施形態の中に存在し、または本明細書に記載の具体的な実施形態から除外されるとして別段の明記がない限り、特定の特徴を含み、または排除するものとして、層、アセンブリ、物品、方法、および他の主題を限定することを意図するものではない。
【0045】
特定の事例では、本明細書に記載の材料を一緒に使用して、シート、パネル、フロアパン、積載床、車両の壁、仕切りパネル、車両の仕切り板、天井、または床、例えば、レクリエーション用車両の壁、天井、または床、および他の物品を提供することができる。例えば、多層アセンブリは、壁または天井板として、フローリング、サブフロアとして、または自動車用途、例えば車両積載床または車両のアンダーボディフロアなどで使用できる。いくつかの実施例では、多層アセンブリを仕切りとして使用して、車両の乗員室を車両の別の区域から分離することができる。他の実施例では、アセンブリは、外装、屋根、床、壁パネルなどのような建築用途に使用することができる。本明細書に記載の多層アセンブリの使用は、例えば、重量の減少および耐衝撃性の増加を含む望ましい属性を提供することができる。
【0046】
いくつかの実施例では、本明細書に記載の多層アセンブリは、メッシュ層に結合された1つ以上の熱可塑性繊維強化層を含んでもよい。熱可塑性繊維強化(TFR)層という用語は、本明細書では「繊維強化熱可塑性層」という用語と交換可能に使用される。所望であれば、熱可塑性繊維強化層を、いかなる介在する構成要素または層を伴わずに、例えば、メッシュ層と熱可塑性繊維強化層との間に接着層または他の層を使用せずに、メッシュ層に直接結合することができる。図1Aは、熱可塑性繊維強化(TFR)層120と、メッシュ層110と、を含む多層アセンブリを示している。本明細書に記載するように、熱可塑性繊維強化層120は、いかなる介在する構成要素または層も伴わずに、メッシュ層110に直接結合することができ、メッシュ層110の特性は、メッシュ層および強化層120が少なくともいくらかの度合いで互いに接着するように選択することができる。ただし、所望であれば、層110と層120との間に接着層または他の材料を存在させることができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、メッシュ層110は、概して、繊維の配置、および任意で1つ以上の熱可塑性材料、例えば、ポリオレフィン材料などを含んでもよい。特定の事例では、メッシュ層110は、1つ以上の非熱可塑性繊維、例えば、ガラス繊維、炭素繊維などと任意に組み合わせた熱可塑性繊維の配置を含んでもよい。いくつかの構成では、メッシュ層110は、1つ以上の非熱可塑性繊維と任意に組み合わせたポリオレフィン繊維の配置を含んでもよい。例えば、ポリエチレン繊維もしくはポリプロピレン繊維、またはその両方は、メッシュ層110中のガラス繊維と組み合わせて存在させることができる。所望であれば、熱可塑性繊維および/または任意の非熱可塑性繊維と組み合わせて1つ以上の熱可塑性材料を存在させることもできる。いくつかの実施例では、メッシュ層の繊維は、不織パターン、織パターン、または他のパターンで配置されてもよい。いくつかの実施例では、メッシュ層の繊維は、それらがメッシュ層に興味を持ち、または交差するように配置されてもよい。他の実施例では、繊維または繊維の特定の区域は、いくつかの区域で交差または重複しないように配置されてもよい。いずれかの1つの構成に拘束されることを望むものではないが、メッシュ層110は、TFR層120の別の層または構造への結合を可能にする結合層として機能することができる。いくつかの事例では、メッシュ層110は、いかなる接着剤も使用せずに、TFR層120を別の層に結合するのに効果的である。ただし、所望であれば、TFR層120とメッシュ層110との間に接着層または材料を存在させることができ、またはメッシュ層110の上に追加することができる。
【0048】
特定の構成では、メッシュ層の厳密な厚さは変化し得、熱可塑性強化繊維層の厚さもしくは坪量よりも小さい厚さおよび/もしくは坪量、または熱可塑性強化繊維層の厚さまた
は坪量と同様の厚さおよび/もしくは坪量、またはさらには熱可塑性強化繊維層の厚さもしくは坪量よりも大きい厚さおよび/もしくは坪量を含み得る。いくつかの実施例では、メッシュ層110は、長さおよび幅が10cm当たりの選択された数のテープを有するストリップまたはテープ層として構成されてもよい。例えば、長さ10cmあたり1~6本のテープ(10cmあたり1~6本)が存在してもよく、かつ/または幅10cmあたり1~6本のテープ(10cmあたり1~6本)が存在してもよい。いくつかの実施例では、長さ10cmあたり3~5本のテープ(10cmあたり3~5本)が存在してもよく、かつ/または幅10cmあたり3~5テープ(10cmあたり3~5本)が存在してもよい。例えば、メッシュ層は、幅10cmあたり4本のテープおよび長さ10cmあたり4本のテープが存在する、10cmあたり4/4メッシュ層として構成されてもよい。
【0049】
他の事例では、メッシュ層の全体の幅は、約10mm~約200cmで変化し得る。メッシュ層の幅が所望の幅よりも小さい場合、異なるメッシュ層をTFR層120の表面上に互いに並べて配置して、TFR層120の表面全体に所望のレベルのカバレッジを提供することができる。以下により詳細に記載するように、メッシュ層110は、メッシュ層110を提供するために一緒に織られる2つ以上の異なるテープ層で構成されてもよい。いくつかの事例では、メッシュ層110の坪量は、約400グラム毎平方メートル(gsm)~約1000gsm、より具体的には、約500gsm~約900gsm、または約600~850gsmであってもよい。いくつかの実施例では、メッシュ層110の多孔度は、10%未満、または5%未満、またはさらには0%付近、または0%であってもよい。メッシュ層110が、一緒に織られた2つ以上のテープ層を含む織られた材料として構成される場合、テープ層織りの交差点の穴または開口部は、メッシュ層110にいくつかの全体的な多孔度を提供し得る。
【0050】
特定の実施例では、メッシュ層110は、通常、TFR層よりもはるかに薄い繊維強化熱可塑性物質を含んでもよい。例えば、層110は、繊維の一方向配向もしくは繊維の双方向配向、または他の繊維配向を有し得る繊維強化メッシュテープとして構成することができる。メッシュ層の熱可塑性繊維および強化繊維は、TFR層に関連して記載したもののいずれかでもよく、例えば、ポリプロピレン、ガラス繊維などのようなポリオレフィンでもよい。例えば、一方向のガラス繊維の長いストランドを、ポリプロピレンでメッシュ/テープの形態に一緒に保持することができる。いくつかの実施例では、繊維のカットシートを織ってメッシュ層を提供することができる。所望であれば、異なる方向の繊維を織り合わせて、メッシュ層110に双方向の繊維配向を提供することができる。特定の実施例では、メッシュ層110の強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、黒鉛繊維、合成有機繊維、特に、高弾性率有機繊維、(例えば、パラ-およびメタ-アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、または繊維としての使用に適した本明細書に記載の任意の高メルトフローインデックス樹脂など)、鉱物繊維(玄武岩)、ミネラルウール(例えば、ロックウールまたはスラグウール)、珪灰石、アルミナシリカなど、またはこれらの混合物など、金属繊維、金属化天然および/または合成繊維、セラミック繊維、糸繊維、またはこれらの混合物を含んでもよい。いくつかの実施形態では、繊維に望ましい官能基を提供するために、もしくは他の物理的特性を付与するために、前述の繊維のうちのいずれかを使用前に化学的に処理することができ、例えば、これらが熱可塑性材料、ロフティング剤、または両方と反応できるように、化学的に処理してもよい。熱可塑性材料がメッシュ層110に存在する場合、メッシュ層110の熱可塑性材料は、少なくとも部分的に、可塑化されているものと可塑化されていないものの両方の、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、およびポリ塩化ビニル、ならびにこれらの材料の互いとのまたは他のポリマー材料とのブレンドのうちの1つ以上を含んでもよい。他の好適な熱可塑性樹脂としては、限定するものではないが、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、
ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、コポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、アモルファスナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、PARMAX(登録商標)として商業的に知られているポリ(1,4フェニレン)化合物、BayerのAPEC(登録商標)PCなどの高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、シリコーン、ならびにこれらの材料の互いとのまたは他のポリマー材料とのコポリマー、合金、およびブレンドが挙げられる。
【0051】
ここで図1Bを参照すると、熱可塑性繊維強化層120と、メッシュ層110と、表面層120と、を含む多層アセンブリの図が示されている。本明細書に記載するように、熱可塑性繊維強化(TFR)層120は、いかなる介在する構成要素または層も伴わずに、メッシュ層110に直接結合することができ、所望であれば、TFR層120を表皮または表面層130に直接結合することができる。図1Cは、2つの熱可塑性繊維強化層120、160と、2つの層120、160の間のメッシュ層110と、を含む多層アセンブリの図を示す。熱可塑性繊維強化層120、160は、各々、いかなる介在する構成要素または層も伴わずに、例えば、接着層を使用せずに、メッシュ層110に直接結合することができる。TFR層120、160は同じであっても異なっていてもよく、例えば、坪量の異なる厚さを含んでもよい。図1Dは、2つの熱可塑性繊維強化層120、160と、表面層170と、層120、160間のメッシュ層110と、を含む多層アセンブリを示す。熱可塑性繊維強化層120、160は、各々、いかなる介在する構成要素または層も伴わずに、例えば、メッシュ層110と他の層120、160との間にいかなる接着層も存在することなく、メッシュ層110に直接結合することができる。所望であれば、TFR層120を表面層170に直接結合することができる。図1Eは、2つの熱可塑性繊維強化層120、160と、2つの表面層170、180と、メッシュ層110と、を含む多層アセンブリを示す。所望であれば、TFR層120を表面層170に直接結合することができ、TFR層160を表面層180に直接結合することができ、例えば、層間にいかなる接着層も存在しない。
【0052】
特定の実施例では、本明細書に記載のTFR層は、ガラスマット熱可塑性複合材(GMT)または軽量強化熱可塑性物質(LWRT)として構成され(またはそれにおいて使用され)てもよい。そのようなLWRTの1つは、HANWHA AZDEL、Inc.によって作製され、SUPERLITE(登録商標)材料の商標で販売されている。そのようなGMTまたはLWRTの面密度は、GMTまたはLWRTの約400グラム毎平方メートル(gsm)~約4000gsmの範囲になり得るが、面密度は、特定の用途の必要性に応じて具体的には、400gsm未満であり、または4000gsmよりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、上限密度は約4000gsm未満であり得る。特定の事例では、GMTまたはLWRTは、GMTまたはLWRTの空隙空間または細孔に配設された1つ以上のロフティング剤材料を含んでもよい。2つ以上のGMTまたはLWRT層が存在する場合、GMTまたはLWRT層は同じであっても異なっていてもよい。
【0053】
LWRTが表面層として使用される特定の実施例では、LWRTは、通常、連続気泡構造のウェブを一緒に形成する熱可塑性材料および複数の強化繊維を含む。例えば、TFR層は、通常、層内に空隙空間が存在するように、かなりの量の連続気泡構造を含む。いくつかの事例では、TFR層120(および/またはTFR層160)は、0~30%、10~40%、20~50%、30~60%、40~70%、50~80%、60~90%、0~40%、0~50%、0~60%、0~70%、0~80%、0~90%、10~50%、10~60%、10~70%、10~80%、10~90%、10~95%、20~60%、20~70%、20~80%、20~90%、20~95%、30~70%、30~80%、30~90%、30~95%、40~80%、40~90%、40~95%、50~90%、50~95%、60~95%、70~80%、70~90%、70
~95%、80~90%、80~95%、またはこれらの例示的な範囲内の任意の例示的な値の空隙含有率または多孔度を含んでもよい。いくつかの事例では、TFR層は、0%よりも大きい多孔度または空隙含有率を含み、例えば、約95%まで完全に固化されていない。別段に明記しない限り、特定の空隙含有率または多孔度を含むTFR層への言及は、そのTFR層の総体積に基づいており、必ずしも多層アセンブリの総体積に基づいているわけではない。
【0054】
特定の実施例では、TFR層は、GMTまたはLWRTシートの形態で製造することができる。特定の事例では、シートは、概して、チョップドガラス繊維、熱可塑性材料、任意でロフティング剤、および任意の熱可塑性ポリマーフィルム(複数可)、および/またはガラス繊維もしくは熱可塑性樹脂繊維、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、PC/PBTのブレンド、またはPC/PETのブレンドなどで作られた織布もしくは不織布を使用して作製することができる。いくつかの実施形態では、PP、PBT、PET、PC/PETブレンド、またはPC/PBTブレンドを樹脂として使用することができる。シートを製造するために、熱可塑性材料および強化材料を、羽根車を備えた上部開放混合槽に入れられた分散発泡体に添加し、または計量して入れることができる。何らかの特定の理論に拘束されることを望むものではないが、発泡体に捕捉された空気ポケットが存在することが、ガラス繊維、熱可塑性材料、およびロフティング剤の分散に役立つ可能性がある。いくつかの実施例では、繊維と熱可塑性材料との分散混合物は、分散マニホールドを介して、抄紙機のワイヤ部分の上に位置しているヘッドボックスにポンプ移送してもよい。分散混合物が真空を使用する可動ワイヤスクリーンに供給されて均一な繊維質の湿潤ウェブが連続的に製造されるのに伴って、繊維および熱可塑性樹脂ではなく発泡体を除去することができる。含水率を減少させ、熱可塑性材料を溶融または軟化させるために、湿潤ウェブを、好適な温度で乾燥機を通過させることができる。得られる製品は、例えば、ニップローラーまたは他の技術を使用して、プレスまたは圧縮されてシートを形成し、次いで、メッシュ層および任意で別のGMTまたはLWRTシートに結合することができる。
【0055】
特定の実施形態では、TFR層に存在する高い多孔度は、層の全体の重量を減少することができ、空隙空間内に薬剤を含めることを可能にすることができる。例えば、ロフティング剤は、非共有接合様式で空隙空間に存在し得る。熱または他の摂動の適用は、非共有接合ロフティング剤の体積を増加させるように作用することができ、その結果、層の全体の厚さが増加し、例えば、ロフティング剤のサイズが増加するにつれて、および/または追加の空気が層に捕捉されるにつれて層が増加する。所望であれば、難燃剤、着色剤、発煙抑制剤、および他の材料をTFR層の空隙空間に含めてもよい。ロフティングの前に、TFR層を圧縮して全体の厚さを減少させることができ、例えば、その層が1つ以上の他の層に結合される前または後に圧縮することができる。
【0056】
特定の実施形態では、TFR層の熱可塑性材料は、少なくとも部分的に、可塑化されているものと可塑化されていないものの両方の、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、およびポリ塩化ビニル、ならびにこれらの材料の互いとのまたは他のポリマー材料とのブレンドのうちの1つ以上を含んでもよい。他の好適な熱可塑性樹脂としては、限定するものではないが、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、コポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、アモルファスナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、PARMAX(登録商標)として商業的に知られているポリ(1,4フェニレン)化
合物、BayerのAPEC(登録商標)PCなどの高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、シリコーン、ならびにこれらの材料の互いとのまたは他のポリマー材料とのコポリマー、合金、およびブレンドが挙げられる。TFR層を形成するために使用される熱可塑性材料は、粉末形態、樹脂形態、ロジン形態、粒子形態、繊維形態、または他の好適な形態で使用することができる。様々な形態の例示的な熱可塑性材料が本明細書に記載されており、例えば、米国特許出願公開第20130244528およびUS20120065283にも記載されている。TFR層120に存在する熱可塑性材料の厳密な量は変化し得、例示的な量は、約20重量%~約80重量%、例えば、30~70重量パーセントまたは35~65重量パーセントの範囲である。
【0057】
特定の実施例では、TFR層120、160の強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、黒鉛繊維、合成有機繊維、特に、高弾性率有機繊維、(例えば、パラ-およびメタ-アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、または繊維としての使用に適した本明細書に記載の任意の高メルトフローインデックス樹脂など)、鉱物繊維(玄武岩)、ミネラルウール(例えば、ロックウールまたはスラグウール)、珪灰石、アルミナシリカなど、またはこれらの混合物など、金属繊維、金属化天然および/または合成繊維、セラミック繊維、糸繊維、またはこれらの混合物を含んでもよい。いくつかの実施形態では、繊維に望ましい官能基を提供するために、もしくは他の物理的特性を付与するために、前述の繊維のうちのいずれかを使用前に化学的に処理することができ、例えば、これらが熱可塑性材料、ロフティング剤、または両方と反応できるように、化学的に処理してもよい。TFR層120、160の繊維含有量は、独立して、層の約20重量%~約90重量%、より具体的には、層の約30重量%~約70重量%であってもよい。通常、TFR層120を含む多層アセンブリの繊維含有量は、アセンブリの約20重量%~約90重量%、より具体的には、約30重量%~約80重量%、例えば、約40重量%~約70重量%の間で変化する。使用される繊維の特定のサイズおよび/または配向は、少なくとも部分的に、使用される熱可塑性ポリマー材料および/またはTFR層の所望の特性によって異なり得る。好適な追加の繊維のタイプ、繊維のサイズ、および量は、本開示の利益を踏まえて、当業者によって容易に選択されるであろう。非限定的な一例では、TFR層を提供するための熱可塑性材料および任意でロフティング剤中に分散された繊維は、概して、約5ミクロンよりも大きい、より具体的には、約5ミクロン~約22ミクロンの直径および約5mm~約200mmの長さを有し、より具体的には、繊維の直径は、約ミクロン~約22ミクロンであってもよく、繊維の長さは、約5mm~約75mmであってもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、TFR層のロフティング能力は、1つ以上の追加のロフティング剤を含めることによって、さらに調整することができる。TFR層で使用されるロフティング剤の厳密なタイプは、例えば、所望のロフティング温度、所望のロフティングの度合いなどを含む多数の要因によって異なり得る。いくつかの事例では、微小球ロフティング剤、例えば、対流加熱にさらされるとサイズが増加し得る膨張性微小球を使用してもよい。例示的な市販のロフティング剤は、Kureha Corp.(日本)から入手可能である。他の事例では、第1の平均粒子サイズを有する第1のロフティング剤、および第1の平均粒子サイズとは異なる第2の平均粒子サイズを有する第2のロフティング剤をTFR層120で使用してもよい。他の実施例では、ロフティング剤は、多層アセンブリにいくらかの難燃性を付与することもできる膨張性黒鉛材料であってもよい。
【0059】
いくつかの構成では、TFR層は、特定の用途のための有害物質の要件についての規制を満たすために、実質的にハロゲンを含まない、またはハロゲンを含まない層であってもよい。他の事例では、層のうちの一方以上は、ハロゲン化難燃剤、例えば、より多くのF、Cl、Br、I、およびAtのうちの1つを含むハロゲン化難燃剤など、またはそのようなハロゲンを含む化合物、例えば、テトラブロモビスフェノール-Aポリカーボネートまたはモノハロ-、ジハロ-、トリハロ-、もしくはテトラハロ-ポリカーボネートを含
んでもよい。いくつかの事例では、TFR層で使用される熱可塑性材料は、別の難燃剤を添加せずに、いくらかの難燃性を付与するために、1つ以上のハロゲンを含んでもよい。ハロゲン化難燃剤が存在する場合、難燃剤は、望ましくは難燃剤量で存在し、これは、存在する他の成分に応じて変化し得る。例えば、ハロゲン化難燃剤は、(層の重量を基準として)約0.1重量パーセント~約15重量パーセント、より具体的には、約1重量パーセント~約13重量パーセント、例えば、約5重量パーセント~約13重量パーセントで存在してもよい。所望であれば、2つの異なるハロゲン化難燃剤を層に添加してもよい。他の事例では、非ハロゲン化難燃剤、例えば、N、P、As、Sb、Bi、S、Se、およびTeのうちの1つ以上を含む難燃剤などを添加してもよい。いくつかの実施形態では、非ハロゲン化難燃剤は、リン酸化材料を含んでもよく、そのため層はより環境に優しいものとなり得る。非ハロゲン化難燃剤または実質的にハロゲンを含まない難燃剤が存在する場合、難燃剤は、望ましくは難燃剤量で存在し、これは、存在する他の成分に応じて変化し得る。例えば、実質的にハロゲンを含まない難燃剤は、(層の重量を基準として)約0.1重量パーセント~約15重量パーセント、より具体的には、層の重量を基準として、約1重量パーセント~約13重量パーセント、例えば、5重量パーセント~約13重量パーセントで存在してもよい。所望であれば、2つの異なる実質的にハロゲンを含まない難燃剤を図1A図1Eに示す1つ以上の層に追加してもよい。特定の事例では、本明細書に記載の層のうちの1つ以上は、1つ以上の実質的にハロゲンを含まない難燃剤と組み合わせて1つ以上のハロゲン化難燃剤を含んでもよい。2つの異なる難燃剤が存在する場合、2つの難燃剤の組み合わせは、難燃剤量で存在してもよく、これは、存在する他の成分に応じて変化し得る。例えば、難燃剤の総重量は、(層の重量を基準として)約0.1重量パーセント~約20重量パーセント、より具体的には、層の重量を基準として、約1重量パーセント~約15重量パーセント、例えば、約2重量パーセント~約14重量パーセントであってもよい。本明細書に記載の層で使用される難燃剤は、熱可塑性材料および繊維を含む混合物に(ワイヤスクリーンもしくは他の処理構成要素上に混合物を配設する前に)添加することができ、または層が形成された後に添加することができる。いくつかの実施例では、難燃性材料は、膨張性黒鉛材料、水酸化マグネシウム(MDH)、および水酸化アルミニウム(ATH)のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0060】
2つのTFR層がメッシュ層を挟む特定の実施例(図1Cを参照)では、2つのTFR層は同じであっても異なっていてもよい。TFR層160は、TFR層120に関連して説明したこれらの材料のいずれかを含んでもよい。いくつかの実施例では、TFR層120、160の強化繊維および熱可塑性材料は同じ材料であってもよいが、TFR層120、160の坪量または厚さは異なり得る。他の実施例では、TFR層120、160の坪量の厚さは同じであり得るが、強化繊維もしくは熱可塑性材料、またはTFR層120、160の両方は異なり得る。いくつかの事例では、TFR層120、160の坪量の厚さは異なっていてもよく、強化繊維もしくは熱可塑性材料、またはTFR層120、160の両方もまた異なっていてもよい。
【0061】
特定の実施形態では、表面層130、170、180は、各々独立して、多数の形態をとることができ、通常、TFRおよびメッシュ層とは異なる。いくつかの実施形態では、層130、170、および180は、各々、表皮の形態をとってもよい。表皮130、170、および180は、各々例えば、フィルム(例えば、熱可塑性フィルムまたはエラストマーフィルム)、フリム、スクリム(例えば、繊維系スクリム)、ホイル、織布、不織布を含んでもよく、または無機コーティング、有機コーティング、もしくは熱硬化性コーティングとして存在してもよい。他の事例では、表皮130、170、および180は、各々、1996年付のISO4589に従って測定した場合に、約22よりも大きい限界酸素指数を含んでもよい。表皮130、170、または180として(またはその一部として)熱可塑性フィルムが存在する場合、熱可塑性フィルムは、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテル-エーテルケトン)、ポリ(フェニレンスル
フィド)、ポリ(アリーレンスルホン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アミド-イミド)、ポリ(1,4-フェニレン)、ポリカーボネート、ナイロン、およびシリコーンのうち少なくとも1つを含んでもよい。表皮130、170、または180として(またはその一部として)繊維系スクリムが存在する場合、繊維系スクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、黒鉛繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、および金属化無機繊維のうちの少なくとも1つを含んでもよい。表皮130、170、または180として(またはその一部として)熱硬化性コーティングが存在する場合、熱硬化性コーティングは、不飽和ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール系、およびエポキシのうち少なくとも1つを含んでもよい。表皮130、170、または180として(またはその一部として)無機コーティングが存在する場合、無機コーティングは、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti、およびAlから選択されるカチオンを含む鉱物を含んでもよく、または石膏、炭酸カルシウム、およびモルタルのうち少なくとも1つを含んでもよい。表皮130、170、または180として(またはその一部として)不織布が存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化性接合剤、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維、および金属化合成繊維を含んでもよい。所望であれば、表皮はまた、ロフティング剤も含んでもよい。
【0062】
特定の事例では、層130、170、および180のうちの1つ以上を、装飾層として構成されてもよい。装飾層は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性フィルムから形成されてもよい。装飾層130、170、または180は、カーペット、ゴム、または他の審美的なカバーを含んでもよい。装飾層130、170、または180はまた、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンなどから形成された発泡体コアを含む多層構造であってもよい。天然および合成繊維から作られた織布、ニードルパンチングなどの後の有機繊維不織布、起毛布、編み製品、植毛布、または他のそのような材料などの布が発泡体コアに接合されてもよい。布はまた、ポリアミド、変性ポリオレフィン、ウレタン、ポリオレフィンなどの感圧接着剤およびホットメルト接着剤を含む熱可塑性接着剤で発泡体コアに接合されてもよい。装飾層はまた、スパンボンド、熱接合、スパンレース、メルトブローン、ウェットレイド、および/またはドライレイドプロセスを使用して製造されてもよい。
【0063】
特定の実施例では、多層アセンブリの層の各々を個別に製造し、次に一緒に組み合わせて多層アセンブリを形成することができる。例えば、層の各々は、ウェットレイドまたは他のプロセスで別々に製造され、次に一緒に組み合わされて多層アセンブリを提供してもよい。本明細書に記載の様々な繊維強化熱可塑性層の製造において、ウェットレイドプロセスを使用することが望ましい場合がある。例えば、分散した材料、例えば、熱可塑性材料、繊維、および任意でロフティング剤材料を任意で本明細書に記載の任意の1つ以上の添加剤(例えば、他のロフティング剤または難燃剤)とともに含む液体または流体媒体を、ガス、例えば、空気または他のガスの存在下で撹拌(stirred)または撹拌(agitated)することができる。次いで、分散液を、支持体、例えば、ワイヤスクリーンまたは他の支持材料に乗せることができる。撹拌された分散液は、1つ以上の活性剤、例えば、アニオン性、カチオン性、または非イオン性活性剤、例えば、Industrial Soaps Ltd.によりACE液体の名前で販売されているもの、Glover Chemicals Ltd.によりTEXOFOR(登録商標)FN 15材料として販売されているもの、およびFloat-Ore Ltd.によりAMINE Fb 19材料として販売されているものなどを含むことができる。成分を、空気の存在下で、混合槽、浮選セル、または他の好適な装置に添加して、分散液を提供することができる。水性分散液の使用が望ましいものの、分散を補助し、流体の粘度を変更し、または分散液もしくは層に所望の物理的もしくは化学的特性を何かしら付与するために、1つ以上の非水性流体をまた存在させてもよい。
【0064】
特定の事例では、分散液が十分な期間混合された後、材料が分散した流体をスクリーン上に配設し、ワイヤまたは他の好適な支持構造体を動かして、上に乗った材料のウェブを提供することができる。ウェブに吸引または減圧をかけて、上に乗った材料からあらゆる液体を除去して、熱可塑性材料、ロフティング剤、および存在する他のあらゆる材料、例えば、繊維、添加剤などを残してもよい。得られるウェブを、乾燥、固結、プレス、ロフティング、積層化、サイズ決定、または何かしらさらに処理して、所望の層または物品を提供することができる。いくつかの事例では、添加剤または追加のロフティング剤材料を、乾燥、固結、プレス、ロフティング、積層化、サイズ決定または何かしらさらに処理して、所望の層または物品を提供する前に、添加することができる。他の事例では、ロフティング剤は、乾燥、固結、プレス、ロフティング、積層化、サイズ決定または何かしらさらに処理して、所望の層または物品を提供するのに続いてウェブに添加することができる。ウェットレイドプロセスを使用することができるものの、存在する熱可塑性材料、ロフティング剤材料、および他の材料の性質に依存して、その代わりにエアレイドプロセス、乾燥ブレンドプロセス、カージングおよびニードルプロセス、または不織製品の作製に使用される他の既知のプロセスを使用することが望ましい場合がある。
【0065】
いくつかの構成では、本明細書に記載の繊維強化熱可塑性層は、熱可塑性材料、繊維、および任意の微小球ロフティング剤を、界面活性剤の存在下で、水溶液または発泡体に混ぜ合わせることによって、製造することができる。混ぜ合わせた成分を、十分な時間混合または撹拌することで、様々な材料を分散させ、材料の実質的に均質な水性混合物を提供することができる。次いで、分散混合物を、任意の好適な支持構造体、例えば、所望の多孔度を有する、ワイヤメッシュまたは他のメッシュまたは支持体に乗せる。次いで、ワイヤメッシュを通して水を排出し、ウェブを形成することができる。ウェブを乾燥し、熱可塑性粉末の軟化点を上回って加熱する。次いで、ウェブを冷却し、所定の厚さにプレスして、約1パーセント~約95パーセントの空隙率を有する複合体シートを製造する。代替の実施形態では、水性発泡体はまた、接合剤材料も含む。いくつかの構成では、ウェブを熱可塑性粉末の軟化点を上回って加熱した後、熱可塑性ポリマーおよび熱硬化性材料を含む接着層を、ウェブ上に配設することができる。
【0066】
特定の実施例では、繊維強化熱可塑性層のうち1つ以上は、GMTの形態で製造することができる。特定の事例では、GMTは、概して、チョップドガラス繊維、熱可塑性材料、ロフティング剤、および任意の熱可塑性ポリマーフィルム(複数可)、および/またはガラス繊維もしくは熱可塑性樹脂繊維、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、PC/PBTのブレンド、またはPC/PETのブレンドなどで作られた織布もしくは不織布を使用して作製することができる。いくつかの実施形態では、PP、PBT、PET、PC/PETブレンド、またはPC/PBTブレンドを樹脂として使用することができる。ガラスマットを製造するために、熱可塑性材料、強化材料、ロフティング剤、および/または他の添加剤を、羽根車を備えた上部開放混合槽に入れられた分散発泡体に添加し、または計量して入れることができる。何らかの特定の理論に拘束されることを望むものではないが、発泡体に捕捉された空気ポケットが存在することが、ガラス繊維、熱可塑性材料、およびロフティング剤の分散に役立つ可能性がある。いくつかの実施例では、ガラスと樹脂との分散混合物は、分散マニホールドを介して、抄紙機のワイヤ部分の上に位置しているヘッドボックスにポンプ移送してもよい。分散混合物が真空を使用する可動ワイヤスクリーンに供給されて均一な繊維質の湿潤ウェブが連続的に製造されるのに伴って、ガラス繊維、ロフティング剤、または熱可塑性物質ではなく発泡体を除去することができる。含水率を減少させ、熱可塑性材料を溶融または軟化させるために、湿潤ウェブを、好適な温度で乾燥機を通過させることができる。熱ウェブが乾燥機を出たところで、ガラス繊維、ロフティング剤、熱可塑性材料、およびフィルムのウェブを、加熱され
た一組のローラーのニップを通過させ、続いて接着剤をウェブ表面に噴霧することによって、表面層、例えば、熱可塑性ポリマーおよび熱硬化性材料を含む接着層などをウェブに乗せることができる。所望であれば、追加の層、例えば、不織布および/または織布層または表皮層なども、ウェブの片側または両側に取り付けて、ガラス繊維強化マットを取り扱いやすくすることができる。次いで、複合体を、テンションロールを通過させ、その後最終製品へと形成するために、所望のサイズに連続切断(ギロチン断裁)することができる。そのようなGMT複合体の製造に関するさらなる情報は、そのような複合体の形成に使用される好適な材料および処理条件も含めて、例えば、米国特許第6,923,494号、同第4,978,489号、同第4,944,843号、同第4,964,935号、同第4,734,321号、同第5,053,449号、同第4,925,615号、同第5,609,966号、ならびに米国特許出願公開第US 2005/0082881号、同第US2005/0228108号、同第US2005/0217932号、同第US2005/0215698号、同第US2005/0164023号、および同第US2005/0161865号に記載される。
【0067】
いくつかの事例では、繊維強化熱可塑性層の各々を、シートとして別々に形成することができ、次いで、シートを使用して多層物品または多層アセンブリを提供する。例えば、ウェットレイドプロセスを使用して、低ロフティング能力を有する第1の繊維強化熱可塑性シートを製造することができる。ウェットレイドプロセスを使用して、第1のシートよりも高いロフティング能力を有する第2の繊維強化熱可塑性シートを製造することもできる。各シートを、メッシュ層を介して互いに結合する前に処理してもよい。例えば、各シートを、所望の厚さを提供するために圧縮してもよい。製造された繊維強化熱可塑性シートのうちのいずれか1つ、または2つ以上を、メッシュ層に結合して、本明細書に記載の多層アセンブリを提供することができる。結合プロセスは変化し得るが、いくつかの事例では、1枚の第1の繊維強化熱可塑性シートを、熱可塑性成分が軟化する温度に加熱する。次いで、加熱された繊維強化熱可塑性シートをメッシュ層に結合することができる。所望であれば、第1の繊維強化熱可塑性プラスチックと同じであっても異なっていてもよい第2の繊維強化熱可塑性シートを、メッシュ層の他の表面に配設する。配設された第2の繊維強化熱可塑性シートを軟化するために、任意の追加の加熱を加える。次いで、結合された2つまたは3つの層を圧縮し、またはさらに処理することができる。例えば、成形、熱成形などのようなプロセスを使用して、圧力および/または温度を加えて、シートを互いに結合するのを助け、かつ/または物品に所望の形状を付与してもよい。いくつかの実施形態では、アセンブリは、自動車内装車両部品、建築製品、または他の最終物品の所望の形状に成形することができる。例えば、本明細書に記載の物品は、好適なプロセスを使用して所望の構成または形状になるように処理することができ、そのようなプロセスとしては、限定するものではないが、鋳造成形、熱成形、絞り成形、または他の成形プロセスが挙げられる。いくつかの事例では、そのようなプロセスは、所望の構成、厚さを付与するため、および/または物品の様々な層をロフティングさせるために使用される。
【0068】
ここで図2を参照すると、熱可塑性繊維強化層120と、2つのメッシュ層110、115と、を含む多層アセンブリの図が示されている。メッシュ層110、115は同じであってもよく、または異なっていてもよい。いくつかの実施例では、メッシュ層110、115の材料は同じであるが、メッシュ層110、115の坪量または厚さは異なる。他の事例では、メッシュ層110、115の材料は異なるが、メッシュ層110、115の坪量または厚さは同じである。追加の構成では、メッシュ層110、115の材料は異なり、メッシュ層110、115の坪量または厚さも異なる。所望であれば、1つ以上の追加のメッシュ層をメッシュ層110、115に結合して、TFR層120の片面にメッシュ層の積み重ねを提供することができる。積み重ねられたメッシュ層は、積み重ねられたメッシュ層をTFR層120に追加する前に互いに結合することができ、またはTFR層120に追加した後に互いに結合することができる。所望であれば、TFR層とメッシュ
層110、115との間に接着剤または他の材料が存在しなくてもよい。いくつかの事例では、メッシュ層110、115のうちの一方とTFR層120との間に接着層が存在してもよい。追加の事例では、メッシュ層110、115の各々とTFR層120との間に接着層が存在し得る。いくつかの事例では、メッシュ層110、115は、TFR層120の表面全体に広がる必要はないが、所望であれば、TFR層120の一方の側または区域に存在してもよい。所望であれば、追加のTFR層(図示せず)をメッシュ層115またはメッシュ層110に結合して、メッシュ層によって分離されたTFR層の積み重ねを提供することができる。加えて、装飾層、表皮または他の層も、所望であれば、メッシュ層115またはメッシュ層110に結合することができる。
【0069】
特定の実施例では、図3を参照すると、一方の表面でTFR層120に結合され、反対の表面で表皮層130に結合されたメッシュ層115を含む多層アセンブリが示されている。図示されていないが、別のメッシュ層、TFR層、装飾層、または表皮層は、メッシュ層115が結合される場所とは反対側の表面でTFR層120に結合することができる。いくつかの事例では、表皮130は、表皮130に関して上述した布、スクリム、または他の材料であってもよい。メッシュ層110は、メッシュ層110を参照して記載した任意のメッシュ層であってもよい。いくつかの実施例では、メッシュ層115および表皮130は、TFR層120に結合する前に互いと結合することができる。他の事例では、メッシュ層115を最初にTFR層120に結合し、次に表皮130をメッシュ層115の表面に追加することができる。いくつかの実施形態では、メッシュ層115は、層115、120の間にいかなる他の層も存在することなく、例えば、接着層を使用することなく、TFR層120に結合することができる。同様に、層115、130の間にいかなる他の層も存在することなく、例えば、接着層を使用することなく、表皮130をメッシュ層115に結合することができる。ただし、所望であれば、図3に示すいずれかの層の間に接着剤または他の材料が存在してもよい。
【0070】
特定の構成において図4を参照すると、一方の表面でTFR層120に結合され、第2の表面で別のメッシュ層115に結合されたメッシュ層110を含む多層アセンブリが示されている。メッシュ層110、115は同じであってもよく、または異なっていてもよい。いくつかの実施例では、メッシュ層110、115の材料は同じであるが、メッシュ層110、115の坪量または厚さは異なる。他の事例では、メッシュ層110、115の材料は異なるが、メッシュ層110、115の坪量または厚さは同じである。追加の構成では、メッシュ層110、115の材料は異なり、メッシュ層110、115の坪量または厚さも異なる。所望であれば、1つ以上の追加のメッシュ層をメッシュ層110、115に結合して、TFR層120の片面にメッシュ層の積み重ねを提供することができる。代わりに、別のメッシュ層または他の層をTFR層120の反対側の表面に結合することができる。積み重ねられたメッシュ層110、115は、積み重ねられたメッシュ層をTFR層120に追加する前に互いに結合することができ、またはTFR層120に追加した後に互いに結合することができる。所望であれば、TFR層とメッシュ層110、115との間に接着剤または他の材料が存在しなくてもよい。いくつかの事例では、メッシュ層110とTFR層120との間に接着層が存在してもよい。追加の事例では、メッシュ層110および115の各々の間に接着層が存在し得る。いくつかの事例では、メッシュ層110、115は、TFR層120の表面全体に広がる必要はないが、所望であれば、TFR層120の1つの区域に存在してもよい。所望であれば、メッシュ層115に追加のTFR層(図示せず)を結合して、2つのメッシュ層110、115によって分離されたTFR層の積み重ねを提供することができる。加えて、装飾層、表皮または他の層も、所望であれば、メッシュ層115に結合することができる。
【0071】
特定の実施例において図5を参照すると、メッシュ層110によって分離されたTFR層120、160を含む多層アセンブリが示されている。表皮130は、TFR層120
の反対側の表面に存在し、表皮135は、TFR層160の反対側の表面に存在する。TFR層120、160は、各々、いかなる介在する構成要素または層も伴わずに、例えば、接着層を使用せずに、メッシュ層110に直接結合することができる。TFR層120、160は同じであっても異なっていてもよく、例えば、坪量の異なる厚さを含んでもよい。同様に、表皮層130、135は同じであっても異なっていてもよく、接着層を使用して、または使用せずに、それぞれTFR層120、160に結合することができる。いくつかの事例では、表皮層130、135は、同じ材料を含んでもよいが、異なる厚さまたは坪量を含んでもよい。他の事例では、表皮層130、135は、異なる同じ材料を含んでもよいが、同じ坪量または厚さを含んでもよい。追加の実施例では、表皮層130、135は、異なる同じ材料を含んでもよく、異なる坪量または厚さも含んでもよい。表皮130、135は、各々例えば、フィルム(例えば、熱可塑性フィルムまたはエラストマーフィルム)、フリム、スクリム(例えば、繊維系スクリム)、ホイル、織布、不織布を含んでもよく、または無機コーティング、有機コーティング、もしくは熱硬化性コーティングとして存在してもよい。他の事例では、表皮130、135は、各々独立して、1996年付のISO4589に従って測定した場合に、約22よりも大きい限界酸素指数を含んでもよい。表皮130、135として(またはその一部として)熱可塑性フィルムが存在する場合、熱可塑性フィルムは、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテル-エーテルケトン)、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリ(アリーレンスルホン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アミド-イミド)、ポリ(1,4-フェニレン)、ポリカーボネート、ナイロン、およびシリコーンのうち少なくとも1つを含んでもよい。表皮130、135として(またはその一部として)繊維系スクリムが存在する場合、繊維系スクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、黒鉛繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、および金属化無機繊維のうちの少なくとも1つを含んでもよい。表皮130、135として(またはその一部として)熱硬化性コーティングが存在する場合、熱硬化性コーティングは、不飽和ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール系、およびエポキシのうち少なくとも1つを含んでもよい。表皮130、135として(またはその一部として)無機コーティングが存在する場合、無機コーティングは、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti、およびAlから選択されるカチオンを含む鉱物を含んでもよく、または石膏、炭酸カルシウム、およびモルタルのうち少なくとも1つを含んでもよい。表皮130、135として(またはその一部として)不織布が存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化性接合剤、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維、および金属化合成繊維を含んでもよい。所望であれば、表皮130、135はまた、ロフティング剤も含んでもよい。いくつかの実施例では、表皮130、135の一方または両方が装飾層の形態をとってもよい。装飾層は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性フィルムから形成されてもよい。装飾層130、135は、独立して、カーペット、ゴム、または他の審美的なカバーを含んでもよい。装飾層130、135はまた独立して、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンなどから形成された発泡体コアを含む多層構造であってもよい。天然および合成繊維から作られた織布、ニードルパンチングなどの後の有機繊維不織布、起毛布、編み製品、植毛布、または他のそのような材料などの布が発泡体コアに接合されてもよい。布はまた、ポリアミド、変性ポリオレフィン、ウレタン、ポリオレフィンなどの感圧接着剤およびホットメルト接着剤を含む熱可塑性接着剤で発泡体コアに接合されてもよい。装飾層130、135はまた独立して、スパンボンド、熱接合、スパンレース、メルトブローン、ウェットレイド、および/またはドライレイドプロセスを使用して製造されてもよい。
【0072】
いくつかの実施例では、本明細書に記載の多層アセンブリは、仕切りパネル、天井パネル、建築基材(例えば、壁、床材など)、自動車の壁または仕切り、レクリエーション用車両のパネル、レクリエーション用車両の天井、レクリエーション用車両の床、レクリエーション用車両の収納室またはドアなどを含む多くの異なる物品として使用することがで
きる。図6Aを参照すると、メッシュ層610によって分離された2つのTFR層620、660を含む多層アセンブリ600の一例が示されている。TFR層620、660の各々は、本明細書に記載のTFR層120と同様に独立して構成されてもよい。いくつかの実施例では、TFR層の各々は、ポリプロピレンおよびガラス繊維を含み、約800gsm~1000gsmの坪量を含むLWRTシートとして構成される。メッシュ層610は、メッシュ層110と同様に構成されてもよい。一事例では、メッシュ層610は、ガラス繊維およびポリプロピレンを含んでもよく、約500~1000gsmの坪量を含む。多層アセンブリは、例えば、車両の貨物区域を乗員区域から分離するための仕切り壁として使用することができる。図6Bおよび6Cを参照すると、多層アセンブリ600を含む仕切り壁675が示されている。仕切り壁675の全体の重量は、従来の鋼製仕切りパネルよりも実質的に小さくすることができ、例えば、多層アセンブリが使用される場合、仕切り壁重量は、鋼が存在する場合の重量と比較して、25%、30%、または40%小さくなり得る。仕切り壁は、車両の一方の側から他方の側まで連続的または中実である必要はない。例えば、乗員区域の乗員が貨物区域アに移動できるようにする通路が存在してもよい。そのような通路は、仕切り壁が、運転者が車両を運転するために座っている区域とは別々の寝室区域を含む商用トラックで使用される場合に特に有用であり得る。
【0073】
特定の実施形態において図7Aを参照すると、多層アセンブリ700は、繊維強化熱可塑性層720と、第1のTFR層720の第1の表面のいくつかの部分に配設されたメッシュ層710と、を含んでもよい。メッシュ層710は、メッシュ層110と同様に構成することができ、TFR層720は、TFR層120と同様に構成することができる。図7Aでは、メッシュ層710は、TFR層720の上に配設されるテープ層として構成される。所望であれば、追加のテープ層711~714(図7Bを参照)をテープ層710に隣接して配設することができ、これによりテープ層がTFR層720の第1の表面全体に広がるようにする。追加のテープ層711~714は、テープ層710と平行である必要はないが、代わりに横方向または他の方向に配置されてもよい。加えて、追加のテープ層711~714は、テープ層710と同じ組成を有する必要はなく、互いに同じ組成を有する必要もない。さらに、テープ層710~714は、所望であれば、異なる坪量、繊維、熱可塑性材料、厚さなどを有してもよい。
【0074】
いくつかの実施例では、TFR層の表面上に配置する前に、2つ以上のテープ層を一緒に織ってもよい。図8を参照すると、テープ層811a~811fで織られた複数のテープ層810~810jを含むメッシュ層800が示されている。メッシュ層800に存在する異なるテープ層の厳密な数は、幅方向に10cmあたり約1~10本のテープ層から、長さ方向に10cmあたり約1~10本のテープ層まで変化し得る。ただし、所望であれば、いずれの方向にもより少ないまたはより多いテープ層を存在させることができる。メッシュ層800の全体の幅および長さは、約10mm幅から約200cm幅まで、および約10mm長さから約400cm長さまで変化し得る。所望であれば、メッシュ層800の寸法は、メッシュ層全体がTFR層の表面の実質的に全部を覆うことができるようにサイズ決定することができる。代わりに、メッシュ層800のうちの2つ以上をTFR層の表面上に配設して、TFR層の表面全体を覆うことができる。テープ層810a~810jおよび811a~811fは、独立して同じであってもよく、または所望であれば異なってもよい。いくつかの実施例では、テープ層810a~810jの各々は実質的に同じ組成を含み、テープ層811a~811jの各々は実質的に同じ組成を含み、これはテープ層811a~811jの組成とは異なり得る。テープ層の各々の坪量は、約50gsm~約1000gsmまで変化し得る。いくつかの実施例では、メッシュ層800全体は、約100gsm~約1000gsmの坪量を含んでもよい。図8に示すように、メッシュ層は、各テープ層自体が所望であれば実質的に非多孔性または多孔性であっても、テープ層を一緒に織ることから形成される開口部によって提供されるいくらかの多孔度を有し得る。
【0075】
本明細書に開示の実施例の要素を紹介する際の、冠詞「a」、「an」、「the」、および「前記」は、1つ以上の要素が存在することを意味することが意図されている。「含む(comprising、including)」および「有する(having)」という用語は、非制限的であることが意図されており、列挙されている要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味する。本開示の利益を踏まえて、実施例の様々な構成要素を他の実施例の様々な構成要素と交換または置換できることが当業者に認識されるであろう。
【0076】
特定の態様、実施例、および実施形態が上述されているが、本開示の利益を踏まえて、開示されている例示的な態様、実施例、および実施形態の追加、置換、修正、および変更が可能であることが当業者に認識されるであろう。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-12-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層アセンブリであって、
熱可塑性材料によって適所に保持された強化繊維を含むメッシュ層と、
メッシュ層の第1の表面上に配設された第1の繊維強化熱可塑性層であって、前記第1の繊維強化熱可塑性層が、熱可塑性材料で一緒に接合された複数の強化材料によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、第1の繊維強化熱可塑性層と、を備える、多層アセンブリ。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層アセンブリであって、
熱可塑性材料によって適所に保持された強化繊維の配設を含むメッシュ層であって、ポリオレフィン材料と組み合わせて互いに交差または重なり合う繊維の配設を含む織りテープ層を含む前記メッシュ層と、
メッシュ層の第1の表面上に配設された第1の多孔性繊維強化熱可塑性層であって、前記第1の多孔性繊維強化熱可塑性層は、ポリプロピレンで結合された複数の強化ガラス繊維によって形成された連続気泡構造のウェブを含み、30重量%~70重量%の強化ガラス繊維を含む前記第1の多孔性繊維強化熱可塑性層と、
メッシュ層の第2の表面上に配設された第2の多孔性繊維強化熱可塑性層であって、前記第2の多孔性繊維強化熱可塑性層は、ポリプロピレンで結合された複数の強化ガラス繊維によって形成された連続気泡構造のウェブを含み、30重量%~70重量%の強化ガラス繊維を含む前記第2の多孔性繊維強化熱可塑性層と、を備え、
前記メッシュ層は、いかなる介在する層または材料も伴わずに、前記第1の多孔性繊維強化熱可塑性層を前記第2の多孔性繊維強化熱可塑性層に直接結合するように機能する、多層アセンブリ。
【請求項2】
前記メッシュ層が、前記第1の多孔性繊維強化熱可塑性層および前記第2の多孔質繊維強化熱可塑性層よりも小さい厚さおよび坪量を含む、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項3】
前記織テープ層が、長さ10cm当たり1~6本のテープ、および幅10cm当たり1~6本のテープを含む、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項4】
前記第1の多孔性繊維強化熱可塑性層上に配設された第1の表皮層をさらに含む、請求項3に記載の多層アセンブリ。
【請求項5】
前記第2の多孔性繊維強化熱可塑性層上に配設された第2の表皮層をさらに含む、請求項4に記載の多層アセンブリ。
【請求項6】
前記織テープ層の強化繊維がガラス繊維を含み、前記織テープ層の前記ポリオレフィン熱可塑性材料がポリプロピレンであり、前記第1の多孔性繊維強化熱可塑性層の熱可塑性ポリオレフィン材料がポリプロピレンであり、前記第2の多孔性繊維強化熱可塑性層の熱可塑性ポリオレフィン材料がポリプロピレンであり、前記第1の多孔性繊維強化熱可塑性層の複数の強化繊維はガラス繊維であり、前記第2の多孔性繊維強化熱可塑性層の複数の強化繊維はガラス繊維であり、前記第1の多孔性繊維強化熱可塑性層および前記第2の多孔性繊維強化熱可塑性層のそれぞれが800gsm~1000gsmの坪量を含む、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項7】
前記第1の多孔性繊維強化熱可塑性層および前記第2の多孔性繊維強化熱可塑性層のうちの一方に結合された装飾層をさらに含む、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項8】
前記装飾層が布に接着された発泡体を含む、請求項7に記載の多層アセンブリ。
【請求項9】
前記スキンが、熱可塑性フィルム、エラストマーフィルム、フリム、スクリム、フォイル、織布、不織布、繊維スクリム、無機コーティング、有機コーティング、熱可塑性コーティング、および熱硬化性コーティングからなる群から選択される、請求項4に記載の多層アセンブリ。
【請求項10】
前記第1の多孔性繊維強化熱可塑性層がさらにロフティング剤を含む、請求項4に記載の多層アセンブリ。
【請求項11】
前記第1の多孔性繊維強化熱可塑性層に結合された装飾層をさらに含む、請求項1に記載の多層アセンブリ。
【請求項12】
多層アセンブリであって、
第1織物テープ層および第2織物テープ層を含むメッシュ層であって、前記第1織物テープ層および前記第2織物テープ層のそれぞれが、熱可塑性ポリオレフィン材料によって適所に保持された強化繊維の配列を含み、前記第1テープ層および前記第2テープ層のそれぞれが、ポリオレフィン材料と組み合わせて互いに交差または重なり合う強化ガラス繊維の配列を含む、前記メッシュ層と、
メッシュ層の第1の表面上に配設された第1の多孔性繊維強化熱可塑性層であって、ポリプロピレンで結合された複数の強化ガラス繊維によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、前記第1の多孔性繊維強化熱可塑性層と、
メッシュ層の第2の表面上に配置された第2の多孔性繊維強化熱可塑性層であって、ポリプロピレンで結合された複数の強化ガラス繊維によって形成された連続気泡構造のウェブを含む、前記第2の多孔性繊維強化熱可塑性層と、
記第1の多孔性繊維強化熱可塑性層を前記第2の多孔性繊維強化熱可塑性層のそれぞれは、いかなる介在する層または材料も伴わずに、前記メッシュ層に直接結合するように機能する、多層アセンブリ。
【請求項13】
前記第2の多孔性繊維強化熱可塑性層の表面上に配設された第2のメッシュ層をさらに含む、請求項12に記載の多層アセンブリ。
【外国語明細書】