(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023292
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】遺伝子改変γδT細胞
(51)【国際特許分類】
C12N 5/10 20060101AFI20240214BHJP
C12N 15/12 20060101ALI20240214BHJP
A61K 35/17 20150101ALI20240214BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240214BHJP
A61P 31/00 20060101ALI20240214BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20240214BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
C12N5/10 ZNA
C12N15/12
A61K35/17
A61P35/00
A61P31/00
A61P31/12
A61P31/04
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023193255
(22)【出願日】2023-11-13
(62)【分割の表示】P 2020526472の分割
【原出願日】2018-11-13
(31)【優先権主張番号】201711124057.2
(32)【優先日】2017-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】514321264
【氏名又は名称】中国科学院広州生物医薬与健康研究院
【氏名又は名称原語表記】GUANGZHOU INSTITUTES OF BIOMEDICINE AND HEALTH,CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
【住所又は居所原語表記】190 Kai Yuan Avenue,Science Park Guangzhou,Guangdong 510530(CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】李懿
(72)【発明者】
【氏名】周佩佩
(57)【要約】 (修正有)
【課題】外因性CD8分子などの他のCD分子を同時形質転換することなく腫瘍抗原を特異的に認識することができるγδT細胞を提供する。
【解決手段】遺伝子改変γδT細胞であって、前記γδT細胞に高親和性αβTCR遺伝子を導入し、前記高親和性αβTCRとその特異的pMHCの親和性は、対応する野生型αβTCRの少なくとも2倍であり、他のCD分子を同時形質転換することなく腫瘍抗原を特異的に認識することができる、γδT細胞である。腫瘍または感染症の治療のための前記γδT細胞を含む医薬も提供する。また、高親和性αβTCR遺伝子をγδT細胞に形質導入するステップと、培養するステップとを含む、γδT細胞の調製のための方法を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遺伝子改変γδT細胞であって、
高親和性αβTCR遺伝子が導入されており、高親和性αβTCRのその特異的pMHCに対する親和性は、対応する野生型αβTCRのそれの少なくとも2倍である、γδT細胞。
【請求項2】
高親和性αβTCRのその特異的pMHCに対する親和性の平衡解離定数値KDが≦ 10μMである、
請求項1に記載のγδT細胞。
【請求項3】
高親和性αβTCRのその特異的pMHCに対する親和性の平衡解離定数値KDが≦ 4μMであり、例えば、5nM ≦ KD ≦ 4000nM、50nM ≦ KD ≦ 4000nM、100nM ≦ KD ≦ 4000nM、400nM ≦ KD ≦ 4000nM、450nM ≦ KD ≦ 4000nM、400nM ≦ KD ≦ 3000nM、500nM ≦ KD ≦ 3000nM、1000nM ≦ KD ≦ 3000nMまたは1500nM ≦ KD ≦ 3000nMである、
請求項1に記載のγδT細胞。
【請求項4】
高親和性αβTCRのその特異的pMHCに対する親和性の平衡解離定数値KDが、1nM ≦ KD ≦ 2000nMであり、例えば、100nM ≦ KD ≦ 2000nM、400nM ≦ KD ≦ 2000nM、450nM ≦ KD ≦ 2000nM、500nM ≦ KD ≦ 2000nM、1000nM ≦ KD ≦ 2000nMまたは1500nM ≦ KD ≦ 2000nMである、
請求項1に記載のγδT細胞。
【請求項5】
腫瘍または感染症を治療するための医薬を調製するために使用される、
請求項1~4のいずれか一項に記載のγδT細胞。
【請求項6】
感染は、ウイルス感染または細菌感染である、
請求項5に記載のγδT細胞。
【請求項7】
腫瘍または感染症の治療のための医薬を調製するための、請求項1~6のいずれか一項に記載のγδT細胞の使用。
【請求項8】
薬学的に許容される担体および請求項1~6のいずれか一項に記載のγδT細胞を含む、薬学的組成物。
【請求項9】
適切な量の請求項1~6のいずれか一項に記載のγδT細胞または請求項8に記載の薬学的組成物を、治療を必要とする対象に投与することを含む、疾患の治療のための方法。
【請求項10】
高親和性αβTCR遺伝子をγδT細胞に形質導入するステップ(i)と、
(i)に記載のγδT細胞を培養するステップ(ii)とを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のγδT細胞の調製のための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオテクノロジーの分野に関し、より具体的には、改変されたγδT細胞、および前記細胞の用途および調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
悪性腫瘍は、人間の健康を危険にさらす最も危険な病気の1つである。世界中で毎年約800万人が癌で亡くなっており、中国では1分あたり平均6人が悪性腫瘍と診断されており、悪性腫瘍の新薬や治療法の開発が世界的な注目を集めている。癌免疫療法は、2013年に「サイエンス」によって最も重要な科学的進歩であると評価された。その中で、養子細胞免疫療法は特に興味深いものである。
【0003】
養子細胞免疫療法は、患者自身の免疫細胞を体内外で拡大または修飾した後、腫瘍を治療する目的を達成するために体内に再導入することである。前記療法は、特異性が高く、副作用が少なく、特に後期に他の治療を受けられない患者さんに特に適しており、現在、Tリンパ球は養子免疫療法の新たなスターとなっている。
【0004】
Tリンパ球は、表面のT細胞受容体(TCR)の構造に基づいて、αβT細胞とγδT細胞の2つの主要なカテゴリーに分類される。ヒトγδT細胞は、保守的に進化した独特なTリンパ球サブセットであり、そのTCR受容体は、γ鎖とδ鎖で構成されており、体の免疫モニタリングに抗感染作用と抗腫瘍作用がある。γδT細胞は種類が多く、さまざまなサブタイプがあり、そのうちVδ鎖には1~8個、Vγ鎖には1~9個のサブタイプがある。ヒト末梢血では、γδT細胞は全Tリンパ球の1%~5%を占め、そのうちVγ9Vδ2γδT細胞は全γδT細胞の50%~95%を占める。αβT細胞と比較して、γδT細胞は広範囲の抗原認識タイプを認識し、主要な組織適合性複合体(MHC)による制限を受けない。
現在、T細胞養子免疫療法の研究は主にCAT-T療法とTCR-T療法に焦点を当てており、その中でもTCR-T療法は主に改変されたTCR遺伝子を使用してT細胞を修飾する。現在主に使用されているαβTCR形質導入αβT細胞プロトコルと比較して、αβTCR形質導入γδT細胞は自然的な利点を有し、その外因性αβTCRはγδT細胞の内因性γ鎖およびδ鎖とほとんどミスマッチせず、体に自己免疫反応を引き起こす可能性を避けた。
【0005】
2009年、日本の学者A Hiasaら[A Hiasa1 Gene Therapy(2009) 16, 620-628]が初めてαβTCRをγδT細胞に形質導入し、αβTCRによって形質導入されたγδT細胞は、自身のγδTCRを介して細胞に活性化シグナルを伝達できることを発見し、また、外因性αβTCRを介して特異的抗原に応答することができ、同時に活性化ダイナミクスから、αβTCR形質導入γδT細胞はαβTCR形質導入αβT細胞よりも速く応答する。しかし、この方案では未修飾の野生型αβTCRを使用し、αβTCRのみをγδT細胞に形質導入すると、腫瘍抗原を特異的に認識できなくなり、結局、認識を支援するために同時にCD8分子を形質導入することしかできない。これは間違いなく細胞の不安定性を増加させ、追加の遺伝子編集はより多くの予測不可能性と潜在的なリスクをもたらす。
【0006】
したがって、当技術分野では、他のCD分子を同時形質転換することなく腫瘍抗原を特異的に認識するγδT細胞が緊急に必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、他のCD分子を同時形質転換することなく腫瘍抗原を特異的に認識することができるγδT細胞を提供することである。
【0008】
本発明の目的はまた、前記γδT細胞の調製方法および使用を提供することである。
【0009】
第1の態様では、本発明は、遺伝子改変γδT細胞であって、前記γδT細胞に高親和性αβTCR遺伝子が導入されており、前記高親和性αβTCRのその特異的pMHCに対する親和性は、対応する野生型αβTCRの親和性の少なくとも2倍である、前記遺伝子改変γδT細胞を提供する。
【0010】
好ましい実施形態では、前記遺伝子改変γδT細胞は、外因性CD8分子なしで腫瘍抗原を特異的に認識することができ、好ましくは、遺伝子改変γδT細胞は、外因性CD分子なしで腫瘍抗原を特異的に認識することができ、最も好ましくは、前記遺伝子改変γδT細胞は、外因性補助分子なしで腫瘍抗原を特異的に認識することができる。
【0011】
具体的な実施形態では、前記高親和性αβTCRのその特異的pMHCに対する親和性の平衡解離定数値KDは≦ 10μMである。
【0012】
具体的な実施形態では、前記高親和性αβTCRのその特異的pMHCに対する親和性の平衡解離定数値KDは≦ 4μMであり、例えば、5nM ≦ KD ≦ 4000nM、50nM ≦ KD ≦ 4000nM、100nM ≦ KD ≦ 4000nM、400nM ≦ KD ≦ 4000nM、450nM ≦ KD ≦ 4000nM、400nM ≦ KD ≦ 3000nM、500nM ≦ KD ≦ 3000nM、1000nM ≦ KD ≦ 3000nM或いは1500nM ≦ KD ≦ 3000nMである。
【0013】
具体的な実施形態では、前記高親和性αβTCRのその特異的pMHCに対する親和性の平衡解離定数値KDは1nM ≦ KD ≦ 2000nMであり、例えば、100nM ≦ KD ≦ 2000nM、400nM ≦ KD ≦ 2000nM、450nM ≦ KD ≦ 2000nM、500nM ≦ KD ≦ 2000nM、1000nM ≦ KD ≦ 2000nM或いは1500nM ≦ KD ≦ 2000nMである。
【0014】
好ましい実施形態では、前記高親和性αβTCR遺伝子は、全長である。
【0015】
好ましい実施形態では、前記高親和性αβTCRのα鎖の核酸配列は配列番号:5であり、β鎖の核酸配列は配列番号:7であり、または、α鎖の核酸配列は配列番号:9であり、β鎖の核酸配列は配列番号:11であり、または、α鎖の核酸配列は配列番号:13であり、β鎖の核酸配列は配列番号:15であり、または、α鎖の核酸配列は配列番号:17であり、β鎖の核酸配列は配列番号:19であり、または、α鎖の核酸配列は配列番号:21であり、β鎖の核酸配列は配列番号:23である。
【0016】
好ましい実施形態では、前記高親和性αβTCRは、レンチウイルスベクターを含むがこれに限定されないウイルスベクターによってγδT細胞に形質導入される。
【0017】
好ましい実施形態では、前記γδT細胞のγδ対は、Vγ1-9およびVδ1-8である。
【0018】
好ましい実施形態では、前記細胞は、Vγ9Vδ2γδT細胞である。
【0019】
具体的な実施形態では、前記γδT細胞は、腫瘍または感染症を治療するための医薬を調製するために使用される。
【0020】
具体的な実施形態では、前記感染は、ウイルス感染または細菌感染である。
【0021】
好ましい実施形態では、前記γδT細胞は、治療対象自体または健康なドナーに由来することを特徴とする。
【0022】
第2の態様では、本発明は、腫瘍または感染症を治療するための医薬を調製するための、第1の態様記載のγδT細胞の使用を提供する。
好ましい実施形態では、前記感染は、ウイルス感染または細菌感染である。
【0023】
第3の態様では、本発明は、薬学的組成物であって、前記薬学的組成物は、薬学的に許容される担体および第1の態様に記載のγδT細胞を含む、前記薬学的組成物を提供することを特徴とする。
【0024】
第4の態様では、本発明は、疾患の治療のための方法であって、適切な量の第1の態様に記載のγδT細胞または第3の態様に記載の薬学的組成物を、治療を必要とする対象に投与することを含む、前記疾患の治療方法を提供する。
【0025】
好ましい実施形態では、前記疾患は、腫瘍または感染症である。
【0026】
好ましい実施形態では、前記感染は、ウイルス感染または細菌感染である。
【0027】
第5の態様では、本発明は、第1の態様に記載のγδT細胞の調製のための方法であって、
高親和性αβTCR遺伝子をγδT細胞に形質導入するステップ(i) と、
(i)に記載のγδT細胞を培養するステップ(ii)とを含む、前記γδT細胞の調製のための方法を提供する。
好ましい実施形態では、前記高親和性αβTCRのその特異的pMHCに対する親和性は、対応する野生型αβTCRの親和性の少なくとも2倍である。
【発明の効果】
【0028】
本発明の範囲内で、本発明の上記の技術的特徴および以下(例えば、実施例)に具体的に説明する各技術的特徴を互いに組み合わせて、新規または好ましい技術的解決手段を形成することができることを理解されたい。スペースの制限のため、ここでは繰り返しない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1a】1G4の32μMTCR(野生型)、4μMTCR、1.07μMTCR、450nMTCR、84nMTCRおよび5nMTCRに対するα鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列、ならびにβ鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列を順に示す。
【
図1b】1G4の32μMTCR(野生型)、4μMTCR、1.07μMTCR、450nMTCR、84nMTCRおよび5nMTCRに対するα鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列、ならびにβ鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列を順に示す。
【
図1c】1G4の32μMTCR(野生型)、4μMTCR、1.07μMTCR、450nMTCR、84nMTCRおよび5nMTCRに対するα鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列、ならびにβ鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列を順に示す。
【
図1d】1G4の32μMTCR(野生型)、4μMTCR、1.07μMTCR、450nMTCR、84nMTCRおよび5nMTCRに対するα鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列、ならびにβ鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列を順に示す。
【
図1e】1G4の32μMTCR(野生型)、4μMTCR、1.07μMTCR、450nMTCR、84nMTCRおよび5nMTCRに対するα鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列、ならびにβ鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列を順に示す。
【
図1f】1G4の32μMTCR(野生型)、4μMTCR、1.07μMTCR、450nMTCR、84nMTCRおよび5nMTCRに対するα鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列、ならびにβ鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列を順に示す。
【
図1g】1G4の32μMTCR(野生型)、4μMTCR、1.07μMTCR、450nMTCR、84nMTCRおよび5nMTCRに対するα鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列、ならびにβ鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列を順に示す。
【
図1h】1G4の32μMTCR(野生型)、4μMTCR、1.07μMTCR、450nMTCR、84nMTCRおよび5nMTCRに対するα鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列、ならびにβ鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列を順に示す。
【
図1i】1G4の32μMTCR(野生型)、4μMTCR、1.07μMTCR、450nMTCR、84nMTCRおよび5nMTCRに対するα鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列、ならびにβ鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列を順に示す。
【
図1j】1G4の32μMTCR(野生型)、4μMTCR、1.07μMTCR、450nMTCR、84nMTCRおよび5nMTCRに対するα鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列、ならびにβ鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列を順に示す。
【
図1k】1G4の32μMTCR(野生型)、4μMTCR、1.07μMTCR、450nMTCR、84nMTCRおよび5nMTCRに対するα鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列、ならびにβ鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列を順に示す。
【
図1l】1G4の32μMTCR(野生型)、4μMTCR、1.07μMTCR、450nMTCR、84nMTCRおよび5nMTCRに対するα鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列、ならびにβ鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列を順に示す。
【
図1m】1G4の32μMTCR(野生型)、4μMTCR、1.07μMTCR、450nMTCR、84nMTCRおよび5nMTCRに対するα鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列、ならびにβ鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列を順に示す。
【
図1n】1G4の32μMTCR(野生型)、4μMTCR、1.07μMTCR、450nMTCR、84nMTCRおよび5nMTCRに対するα鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列、ならびにβ鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列を順に示す。
【
図1o】1G4の32μMTCR(野生型)、4μMTCR、1.07μMTCR、450nMTCR、84nMTCRおよび5nMTCRに対するα鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列、ならびにβ鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列を順に示す。
【
図1p】1G4の32μMTCR(野生型)、4μMTCR、1.07μMTCR、450nMTCR、84nMTCRおよび5nMTCRに対するα鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列、ならびにβ鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列を順に示す。
【
図1q】1G4の32μMTCR(野生型)、4μMTCR、1.07μMTCR、450nMTCR、84nMTCRおよび5nMTCRに対するα鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列、ならびにβ鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列を順に示す。
【
図1r】1G4の32μMTCR(野生型)、4μMTCR、1.07μMTCR、450nMTCR、84nMTCRおよび5nMTCRに対するα鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列、ならびにβ鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列を順に示す。
【
図1s】1G4の32μMTCR(野生型)、4μMTCR、1.07μMTCR、450nMTCR、84nMTCRおよび5nMTCRに対するα鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列、ならびにβ鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列を順に示す。
【
図1t】1G4の32μMTCR(野生型)、4μMTCR、1.07μMTCR、450nMTCR、84nMTCRおよび5nMTCRに対するα鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列、ならびにβ鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列を順に示す。
【
図1u】1G4の32μMTCR(野生型)、4μMTCR、1.07μMTCR、450nMTCR、84nMTCRおよび5nMTCRに対するα鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列、ならびにβ鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列を順に示す。
【
図1v】1G4の32μMTCR(野生型)、4μMTCR、1.07μMTCR、450nMTCR、84nMTCRおよび5nMTCRに対するα鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列、ならびにβ鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列を順に示す。
【
図1w】1G4の32μMTCR(野生型)、4μMTCR、1.07μMTCR、450nMTCR、84nMTCRおよび5nMTCRに対するα鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列、ならびにβ鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列を順に示す。
【
図1x】1G4の32μMTCR(野生型)、4μMTCR、1.07μMTCR、450nMTCR、84nMTCRおよび5nMTCRに対するα鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列、ならびにβ鎖の核酸配列および対応するアミノ酸配列を順に示す。
【
図2】親和性の異なる1G4TCR形質導入γδT細胞群のT2で特異的短いペプチドと対照短いペプチドを負荷した場合、および短いペプチドを負荷しなかった場合におけるサイトカイン(IFN-γ)の放出応答を示す。
【
図3】異なる親和性の1G4TCR形質導入γδT細胞群の腫瘍細胞株におけるサイトカイン(IFN-γ)の放出応答を示す。
【
図4】腫瘍細胞株における1G4TCR形質導入γδT細胞群の特異的殺害の比較を示す:LDH検出。
【
図5】ルシフェラーゼ(luciferase)反応による腫瘍細胞株における1G4TCR形質導入γδT細胞の殺害の違いを示す。
【
図6】腫瘍細胞株における異なる親和性の1G4TCR形質導入γδT細胞の殺傷動力学反応のリアルタイムでのモニタリングを示す
【発明を実施するための形態】
【0030】
徹底的かつ詳細な研究の結果、発明者らは、高親和性αβTCRをγδT細胞に形質導入した後、腫瘍抗原の特異的認識を達成するために他のCD分子を同時形質転換する必要がないことを予期せず発見した。そして、改変されたγδT細胞は、活性化機能および殺傷機能の実験において、予想外のより優れた効果を示した。支援のために他のCD分子を同時変換する必要がないため、この改変された細胞は安定性の面で明らかに有利であり、それによって調製プロセスにおける予測不能性と潜在的なリスクが大幅に減少する。これに基づいて、本発明を完成した。
【0031】
用語
pMHC:主要な組織適合性複合体(major histocompatibility complex)、すなわちMHCは、すべての生体適合性複合体抗原の総称であり、MHC遺伝子ファミリーによってコードされる分子である。ヒトMHCは通常HLA遺伝子またはHLA複合体と呼ばれる。腫瘍抗原は、細胞内でタンパク質分解により8~16アミノ酸のペプチドフラグメント、すなわちCTLエピトープに処理され、ペプチドフラグメントは、小胞体腔内のMHC分子と結合して、ペプチド-MHC複合体(peptide-MHC complex)、すなわちpMHCを形成する。pMHCは、CD8+T細胞の表面のαβT細胞受容体(αβTCR)による認識のために、最終的に細胞表面に提示される。異なるαβTCRは異なるpMHC分子を認識でき、αβTCRはpMHC認識に特異的である。野生型αβTCRは、その特異的のpMHCに対して一定の親和性を有する。
【0032】
高親和性αβTCR:その特異的pMHC分子に対する親和性が、対応する野生型αβTCRと前記pMHC分子の親和性の少なくとも2倍であるαβTCRを指す。
【0033】
腫瘍:病理学的タイプや感染のステージに関係なく、すべてのタイプの癌細胞の成長または発癌プロセス、転移組織または悪性の形質転換細胞、組織または臓器を指す。腫瘍の実施例は、固形腫瘍、軟部組織腫瘍、および転移性病変を含むが、これらに限定されない。固形腫瘍の実施例は、肉腫、肺扁平上皮癌、癌など、さまざまな臓器系の悪性腫瘍を含む。例えば、感染した前立腺、肺、乳房、リンパ、消化管(例えば、結腸)、尿生殖路(例えば、腎臓、上皮細胞)、咽頭。肺扁平上皮癌は、悪性腫瘍、例えば、多数の結腸癌、直腸癌、腎細胞癌、肝臓癌、肺の非小細胞癌、小腸癌、および食道癌を含む。本発明の教示に基づいて、当業者は、本発明の高親和性αβTCR形質導入γδT細胞が、腫瘍細胞の殺傷を達成するために、CD8分子などの外因性補助分子なしにまたは発現せずに腫瘍抗原を特異的に認識できることを理解できる。したがって、本発明のアイデアによって調製された様々な遺伝子改変γδT細胞は、様々な腫瘍に対して潜在的な治療効果を有する。
【0034】
薬用担体:賦形剤または安定剤とも呼ばれ、投与量および濃度は、それに曝露された細胞または個体に対して毒性がないものである。多くの場合、生理学的に許容される担体は、pH緩衝水溶液である。生理学的に許容される担体の例は、リン酸塩、クエン酸塩、その他の有機酸などの緩衝液と、アスコルビン酸などの抗酸化剤と、低分子量(約10残基未満)のポリペプチドと、血清アルブミン、ゼラチン、免疫グロブリンなどのタンパク質と、ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマーと、グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、リジンなどのアミノ酸、単糖類、二糖類、およびグルコース、マンノース、デキストリンなどの他の糖類と、EDTAなどの錯化剤と、マンニトールまたはソルビトールなどの糖アルコールと、ナトリウムなどの塩を形成する対イオンと、および/またはTWEENTM、ポリエチレングリコール(PEG)、PLURONICSTMなどの非イオン性界面活性剤を含む。
【0035】
遺伝子改変γδT細胞
徹底的かつ詳細な研究の結果、発明者らは、高親和性αβTCR遺伝子が導入され、高親和性αβTCRとその特異的pMHCの親和性がそれと対応する野生型αβTCRの少なくとも2倍である優れた性能を持つ遺伝子改変γδT細胞を得た。したがって、本発明のγδT細胞は、外因性CD8分子なしにまたは発現せずに腫瘍抗原を特異的に認識することができ、好ましくは、本発明のγδT細胞は、任意の外因性CD分子(例えば、CD8、CD4分子に限定されず)なしにまたは発現せずに腫瘍抗原を特異的に認識することができ、最も好ましくは、本発明のγδT細胞は、外因性補助分子なしにまたは発現せずに腫瘍抗原を特異的に認識することができる。
【0036】
具体的に、前記高親和性αβTCRとその特異的pMHCの親和性の平衡解離定数値はKD ≦ 10μMである。より具体的に、前記高親和性αβTCRとその特異的pMHCの親和性の平衡解離定数値はKD ≦ 4μMであり、例えば、5nM ≦ KD ≦ 4000nM、50nM ≦ KD ≦ 4000nM、100nM ≦ KD ≦ 4000nM、400nM ≦ KD ≦ 4000nM、450nM ≦ KD ≦ 4000nM、400nM ≦ KD ≦ 3000nM、500nM ≦ KD ≦ 3000nM、1000nM ≦ KD ≦ 3000nM或1500nM ≦ KD ≦ 3000nMである。
【0037】
別の好ましい例では、前記高親和性αβTCRとその特異的pMHCの親和性の平衡解離定数値KDは1nM ≦ KD ≦ 2000nMであり、例えば、100nM ≦ KD ≦ 2000nM、400nM ≦ KD ≦ 2000nM、450nM ≦ KD ≦ 2000nM、500nM ≦ KD ≦ 2000nM、1000nM ≦ KD ≦ 2000nM或1500nM ≦ KD ≦ 2000nMである。
【0038】
当業者は、αβTCRとその特異的pMHCとの間の親和性を決定する方法に精通している。任意の適切な機器を使用することができ、結合親和性は、Biacore SPRまたはForteBioなどを含むがこれらに限定されない任意の適切な方法によって測定することができ、例えば、関連する機器の取扱説明書に従って測定することができる。結合親和性を測定するとき、αβTCRおよびpMHCは両方とも可溶性タンパク質の形態である、すなわち、αβTCRおよびpMHCは両方とも水に可溶性であることに注意すべきである。当業者は、文献(Jonathan M.Boulter et al,2003,Protein Engineering,16(9):707-711)または特許文書PCT/CN2016/077680に記載のような、可溶性形態でαβTCRおよびpMHC複合体を得る方法に精通している。
【0039】
周知のように、親和性は平衡解離定数KDに反比例するため、TCRの親和性を2倍にすると、KD値が半分になる。当業者は、KD値単位間の変換関係、すなわち、1M = 1000μM、1μM = 1000nM、および1nM = 1000pMに精通している。結合定数はkaとして表され、解離定数はkdとして表され、KD = kd/ka。T1/2(半減期)は、In2を解離定数(kd)で除算して計算される。したがって、T1/2を2倍にすると、kdが半分になる。同じ試験プロトコルを使用して、所定のTCRの結合親和性または結合半減期を数回、例えば3回以上検出し、結果の平均を取ることが好ましい。
【0040】
好ましい実施形態では、これらの試験は、Biacore SPR法を使用して行われる。Biacore SPR:表面プラズモン共鳴測定法、すなわち、150 nmでのバイオセンサーの屈折率の変化に対する表面プラズモンの感度の共鳴原理を使用して、リアルタイムの非侵襲的な方法でバイオセンサーの表面上の分子の濃度の変化に反応する。したがって、バイオセンサーチップ上のリガンドと分析物との間の相互作用が検出される。
【0041】
Tリンパ球は、表面のT細胞受容体(TCR)の構造に基づいて、αβT細胞とγδT細胞の2つの主要なカテゴリーに分類される。αβT細胞表面のTCRは、α鎖とβ鎖で構成され、αβTCRと呼ばれ、γδT細胞表面のTCRは、γ鎖とδ鎖で構成され、γδTCRと呼ばれる。その中で、Vδ鎖には1~8個あり、Vγ鎖には1~9個の異なるサブタイプがある。その中で、Vγ9Vδ2γδT細胞はVδ2T細胞とも呼ばれ、本発明では両者を互換的に使用することができる。本発明の好ましい例では、γδT細胞に移入された高親和性αβTCR遺伝子は全長であり、細胞外領域、膜貫通領域、および細胞質領域を含む。
【0042】
好ましくは、高親和性αβTCRは、ウイルスベクターによってγδT細胞に形質導入される。ウイルスベクターは、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、ヘルペスウイルスベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、およびバキュロウイルスベクターを含むが、これらに限定されない。本発明の好ましい例では、使用されるベクターはレンチウイルスベクターである。好ましくは、高親和性αβTCR遺伝子は、γδT細胞の染色体に組み込まれる。
【0043】
本発明のγδT細胞は、腫瘍または感染症を治療するために使用することができる。前記腫瘍は、肝臓癌、肺癌、胃癌、悪性黒色腫、前立腺癌、膀胱癌、乳癌、多発性骨髄腫、肝細胞癌、口腔扁平上皮癌、および食道癌などを含むが、これらに限定されない。前記感染は、ウイルス感染症、細菌感染症、真菌感染症、原生動物感染症などを含む。本発明のγδT細胞は養子免疫療法に適用することができ、当業者は養子療法のための多くの適切な方法を知ることができる(例えば、Rosenbergら,(2008)Nat Rev Cancer8(4):299-308)。
【0044】
γδT細胞による抗原の認識は、主要組織適合性複合体(MHC)と特定の抗原の短いペプチドによって形成される複合体によって制限されず、広範な抗腫瘍および抗感染特性を有し、抗原によって刺激された後、迅速に応答し、大幅に拡大することができるため、臨床用量を満たすことができる。したがって、前記疾患の治療において、前記γδT細胞は患者からだけでなく他の健康なドナーからも抽出することができる。前記T細胞は、対象から単離されたT細胞に由来してもよく、または末梢血リンパ球(PBL)集団の一部など、対象から単離された混合細胞集団であってもよい。例えば、前記細胞は、末梢血単核細胞(PBMC)から単離することができる。あるいは、本発明の細胞はまた、造血幹細胞(HSC)などの幹細胞であり得るか、またはそれに由来し得る。
【0045】
関連疾患のある患者のγδT細胞を単離し、前記T細胞に高親和性αβTCRを導入した後、これらの遺伝子改変細胞を患者に再導入することにより治療できる。健康な人のγδT細胞を分離し、高親和性αβTCRをγδT細胞に導入し、改変されたγδT細胞を得て、将来の使用のためにそれらを保持して、必要な人にそれらを注入ことも可能である。再注入の回数は医師によって決定される。
【0046】
したがって、本発明のγδT細胞は、商業的供給源を含むがこれに限定されない様々な供給源から得ることができる。
【0047】
本明細書のアミノ酸名は、国際的な単一の英語の文字ロゴを採用しており、対応するアミノ酸名の3つの英文字の略語は、以下のとおりである:Ala(A)、Arg(R)、Asn(N)、Asp(D)、Cys(C)、Gln(Q)、Glu(E)、Gly(G)、His(H)、Ile(I)、Leu(L)、Lys(K)、Met(M)、Phe(F)、Pro(P)、Ser(S)、Thr(T)、Trp(W)、Tyr(Y)、Val(V)。
【0048】
本発明の主な利点:
1.高親和性αβTCRを導入した本発明のγδT細胞は、腫瘍抗原のそれらの特異的同定を助けるために他のCD分子と同時形質転換する必要がなく、調製方法およびプロセスがより便利である。
2.高親和性αβTCRを導入した本発明のγδT細胞は、予想外の、より優れた活性化機能、および標的細胞を殺す効力を有する。
【0049】
以下、具体的な実施例に結びつけて、本発明をさらに説明する。これらの実施例は、単に本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲はこれに限定されないことを理解されたい。下記の実施例では、具体的な条件を明示していない実験方法は、一般に、例えば、(SambrookおよびRussellら、分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning-A Laboratory Manual)(第3版)(2001)CSHL出版社)に記載の条件、またはメーカーが提案する条件に従う。特に明記しない限り、パーセンテージと部は重量で計算される。特に明記しない限り、以下の実施例で使用される実験材料および試薬は、市販のチャネルから入手できる。
【0050】
本発明を説明する前に、本発明は、そのような方法と条件は異なる可能性があるため、記載された具体的な方法および実験条件に限定されないことを理解されたい。また、本明細書で使用される用語は、具体的な実施形態を説明するためのものであり、限定を意図するものではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることも理解されたい。
【0051】
特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。
【0052】
本発明に記載されるものと類似または同等の任意の方法および材料を本発明の実施または試験に使用することができるが、本明細書では好ましい方法および材料を例示する。
【0053】
実施例1.T細胞受容体遺伝子のレンチウイルスパッケージング
TCRαおよびβ鎖の全長遺伝子をレンチウイルス発現ベクターに接続した。
【0054】
主な材料源
3つのレンチウイルスパッケージングプラスミドpMDLg/pRRE(品番:12251)、pRSV-REV(品番:12253)、pMD2.G(品番:12259)はすべてaddgeneから購入し、プラスミドPEI(品番:23966)はpolyscienceから購入した。
【0055】
本発明者らは、リポソームトランスフェクション法を使用して、第3世代レンチウイルスシステム4プラスミド(レンチウイルスベクターとしてのpLenti(addgene)、および感染性であるが複製しないレンチウイルス粒子の構築に必要な他の成分を含む3つのプラスミド)を293Tパッケージング細胞でリポソームトランスフェクション法により同時トランスフェクトして、標的T細胞受容体遺伝子を含むレンチウイルスを調製した。
【0056】
方法
細胞培養:15cmディッシュで、1.5-2 * 107個の293T細胞懸濁液(10%FBSを含むDMEM培地)を各ディッシュに均一にプレーティングし、37度、5%CO2で一晩培養し、約80%の結合程度に成長すると、レンチウイルスのパッケージングを開始した。
レンチウイルスのパッケージング:発現プラスミドPLenti-TCRα-P2A-TCRβ(15ug/皿)およびパッケージングプラスミドpMDLg/pRRE(5ug/皿)、pRSV-REV(5ug/皿)およびpMD2.G(5ug/皿)および1800マイクロリットルのopti-MEM培地を十分に混合し、室温で5分間放置してDNA混合物を形成し、PEI(60ug/皿)と1800マイクロリットルのopti-MEM培地を取り、十分に混合し、室温で5分間放置してPEI混合液を形成した。DNA混合液とPEI混合液を混合し、室温で30分間放置してから、3150マイクロリットルのopti-MEM培地を加え、十分に混合した後、DMEM培地を11.25mlのopti-MEM培地に変換済みの293T細胞培養ディッシュに加え、穏やかに混合し、37度、5%CO2で7-8時間培養してから、トランスフェクション培地を10%FBSを含むDMEM培地に変更した。トランスフェクションの48時間後と72時間後にそれぞれ上澄みウイルスを収集した。収集したウイルス溶液を3000gで10~15分間遠心分離して細胞破片を除去し、0.45ミクロンのフィルターでろ過した後、50KDカットオフ濃縮チューブを使用して低温遠心濃縮を行い、最後に1皿を1mlのウイルス濃縮液に濃縮した後、分注後、-80度で凍結した。
【0057】
実施例2.標的遺伝子形質導入γδT細胞
実施例1で構築された標的遺伝子を含むレンチウイルス発現ベクターを使用して、γδT細胞で形質導入された。
【0058】
主な試薬と材料源
ヒト末梢血単核球(PBMC)は健康なドナーからのものであり、ZoledroneteはNOVARTIS社から購入し、製品バッチ番号:S0425輸入薬物登録アカウント:H20140218、注射液組換えヒトインターロイキン-2(IL-2):山東省 Quangang Pharmaceutical Co.、Ltd.、製品バッチ番号:201407004、IL-7:ブランドPEPROTECH品番:AF-200-07、IL-15:ブランドPEPROTECH品番:AF-200-15、IL-21:ブランドPEPROTECH品番:AF-200-21、培地:10%FBS(オーストラリアのウシ胎仔血清、不活化):Gibcoから購入 品番:1828728、PRMI1640(Gibco, Life Technologies)は、GMIから購入 品番:8117107 フローサイトメーター:BD社のFACSAria III。
【0059】
方法
(a)Vγ9Vδ2γδT細胞の刺激:健康なドナーからのPBMCをRPMI1640+10%Au+1%PS完全培地で再懸濁し、混合した。2×106/mlの濃度で細胞を24ウェルプレートに分註した。初期刺激をD0として記録し、分註されたPBMCにzoledronete(使用濃度は5uM)を添加し、同時にサイトカインIL-2(使用濃度100IU/ml)を追加し、このシステムで、PBMCに存在するVγ9Vδ2γδT細胞の活性化を方向性誘導し始まった。細胞培養プレートを37℃、5%CO2インキュベーターに入れて培養した。フォローアップ培養では、2~3日ごとに、培地の半分を新鮮な培地とIL-2を加えることにより交換した。
(b)Vγ9Vδ2γδT細胞のレンチウイルス形質導入:活性化D2/D3に、48ウェルプレート、200μlの感染システムで、MOI = 5の比率で標的遺伝子を含む濃縮レンチウイルスを追加した。同時に、10ug/mlのプロタミンを添加し、D4は、レンチウイルス感染Vγ9Vδ2γδT細胞を48ウェルプレートの200マイクロリットルシステムから24ウェルプレートの1mlシステムに移し、培養した。
【0060】
実施例3.αβTCRとその特異的pMHCとの間の親和性の測定
任意の適切な機器を使用することができ、結合親和性は、Biacore SPRまたはForteBioなどを含むがこれらに限定されない任意の適切な方法によって測定することができ、例えば、関連する機器の取扱説明書に従って測定することができる。結合親和性を測定するとき、αβTCRおよびpMHCは両方とも可溶性タンパク質の形態であることに注意すべきである。当業者は、文献(Jonathan M.Boulter et al,2003,Protein Engineering,16(9):707-711)または特許文書PCT/CN2016/077680に記載のような、可溶性形態でαβTCRおよびpMHC複合体を得る方法に精通している。
【0061】
可溶性pMHC複合体を調製は以下の方法を使用することができる、すなわち、封入体でMHCの重鎖と軽鎖を発現させ、短いペプチドを合成し、溶解したMHC重鎖軽鎖と短いペプチドを再生バッファーに追加し、再生および精製する。ビオチン化pMHC分子は、後で使用するために-80℃で個別に保存できる。
【0062】
本実施例では、αβTCRタンパク質とその特異的pMHCの間の親和性をGE社のBiacore装置によって測定した。ストレプトアビジンをアミノカップリング法によりCM5チップの表面に固定し、その固定量は数百RU以上である。参照チャネルと検出チャネルはそれぞれビオチン化非特異的pMHCと特異的pMHCをキャプチャした後、ビオチンを使用して、ストレプトアビジンの残りのビオチン結合部位をブロックした。ランニングバッファーを使用してTCRをいくつかの適切な濃度に希釈し、順次注入し、解離時間はTCRの親和性に依存する。Biacoreの分析ソフトウェアを使用して測定したデータを分析し、1:1の結合モデルを使用して動力学パラメーターを適合させ、平衡解離定数はKD = kd/kaである。
【0063】
実施例4.T2細胞に対して特異的応答する高親和性1G4TCR形質導入γδT細胞の活性化実験
この実験は、標的細胞T2に特異的に応答する高親和性1G4TCR形質導入γδT細胞の活性化を検証するために行われた。この効果は、野生型1G4TCRによって形質導入されたγδT細胞の効果よりもはるかに優れている。ELISPOTテストで検出されたIFN-γ産生を、TCR形質導入γδT細胞活性化の読み出し値として使用した。
【0064】
主な試薬と材料源
10%FBS(会社(Gibco)、カタログ番号16000-044)、RPMI 1640(会社(Gibco)、カタログ番号C11875500bt)、PVDF ELISPOT 96ウェルプレート(Merck Millipore、カタログ番号MSIPS4510)、ヒト IFN-γELISPOT PVDF酵素キット(BD)には、必要な他のすべての試薬(キャプチャーおよび検出抗体、ストレプトアビジン-アルカリホスファターゼおよびBCIP/NBT溶液)が含まれ、Elispotのキット(BDTMELISPOT ELISPOT Set Instruction Manual 品番:551282)、短いペプチド:P1Bは抗原NY-ESO-1 157-165段に特異的、その配列はSLLMWITQCで、そのHLA遺伝子ジェノタイピングはA0201で、P72Aは対照抗原GP100に対し、その配列はYLEPGPVTAで、対応するHLA遺伝子ジェノタイピングもA0201である。
【0065】
方法
標的細胞を調製
本実施例の標的細胞は、リンパ芽腫T2細胞であり、前記細胞のHLAタイピングはA0201であるが、1G4TCRに対する特異的抗原NY-ESO-1を発現せず、T2に抗原NY-ESO-1特異的短いペプチドP1B(負荷濃度0.1μM¥0.01μM¥0.0001μM)と対照ペプチドP72A(負荷濃度0.1μM)、および短いペプチドをロードしていないT2細胞をロードし、それぞれ本実験の3種類の標的細胞として使用した。
【0066】
エフェクター細胞の調製
異なる群のエフェクター細胞をそれぞれ調製した:1G4TCRを形質導入しないVδ2T細胞と、異なる親和性1G4TCRを形質導入するVδ2T細胞。γδT細胞の種類はVγ9Vδ2γδT細胞(Vδ2T細胞)である。前記1G4TCR(Yangbing Zhao,* The Journal of Immunology, 2007, 179:5845-5854)は、高親和性αβTCRであり、本実施例で使用されるTCRの親和性はそれぞれ、32μM(野生型)(そのα鎖の核酸配列は配列番号:1であり、アミノ酸配列は配列番号:2であり、そのβ鎖の核酸配列は配列番号:3であり、アミノ酸配列は配列番号:4)、4μM(そのα鎖の核酸配列は配列番号:5であり、アミノ酸配列は配列番号:6であり、そのβ鎖の核酸配列は配列番号:7であり、アミノ酸配列は配列番号:8であり)、1.07μM(そのα鎖の核酸配列は配列番号:9であり、アミノ酸配列は配列番号:10であり、そのβ鎖の核酸配列は配列番号:11であり、アミノ酸配列は配列番号:12であり)、450nM(そのα鎖の核酸配列は配列番号:13であり、アミノ酸配列は配列番号:14であり、そのβ鎖の核酸配列は配列番号:15であり、アミノ酸配列は配列番号:16であり)、84nM(そのα鎖の核酸配列は配列番号:17であり、アミノ酸配列は配列番号:18であり、そのβ鎖の核酸配列は配列番号:19であり、アミノ酸配列は配列番号:20であり)および5nM(そのα鎖の核酸配列は配列番号:21であり、アミノ酸配列は配列番号:22であり、そのβ鎖の核酸配列は配列番号:23であり、アミノ酸配列は配列番号:24であり)である。
【0067】
ELISPOT操作
メーカーによって提供される取扱説明書に従って次のようにウェルプレートを準備する:プレートあたり10mlの滅菌PBSで抗ヒトIFN-γキャプチャー抗体を1:200に希釈し、各ウェルに100μlの希釈されたキャプチャー抗体を添加する。ウェルプレートを4度で一晩インキュベートした。インキュベートした後、ウェルプレートを洗浄して過剰なキャプチャー抗体を除去した。10%FBSを含む100マイクロリットルのRPMI1640培地を各ウェルに加え、ウェルプレートを室温で2時間インキュベートしてウェルプレートを閉じた。その後、培地をウェルプレートから洗い流し、ELISPOTウェルプレートをフリックして紙の上で軽くたたくことにより、残りの洗浄バッファーを除去した。遠心分離とカウントにより、上記で調製したエフェクター細胞と標的細胞をELISPOTウェルプレートにそれぞれ添加した:1mlあたり100μlの標的細胞は2×105細胞(1ウェルあたり20000細胞)、1mlあたり100μlのエフェクター細胞は2×104細胞(ウェルあたり2000細胞)であり、注:勾配希釈によって生成された短いペプチド希釈は、T2細胞を再懸濁するために直接使用される。すべてのウェルに3回ずつ添加した。
【0068】
次に、ウェルプレートを4度で一晩(37度、5%CO2)インキュベートし、翌日、培地を捨て、ウェルプレートを再蒸留水で2回洗浄し、次にウォッシュプレートを3回洗浄し、ペーパータオルで軽くたたいて残留洗浄バッファーを取り除いた。次に、一次抗体を10%FBSを含むPBSで希釈し、各ウェルに100μl/ウェルで加えた。ウェルプレートを室温で2時間インキュベートし、洗浄バッファーで3回洗浄し、ペーパータオルで軽くたたいて余分な洗浄バッファーを取り除いた。
【0069】
10%FBSを含むPBSでストレプトアビジン-アルカリホスファターゼを1:100に希釈し、各ウェルに100μlの希釈したストレプトアビジン-アルカリホスファターゼを加え、ウェルを室温で1時間インキュベートした。次に、洗浄バッファーで3回、PBSで2回洗浄し、ウェルプレートをペーパータオルで軽くたたいて、余分な洗浄バッファーとPBSを除去した。洗浄後、キットで提供されるBCIP/NBT溶液を100μl/ウェルで添加して発現させた。光が当たらないように、発現中にウェルプレートをスズ箔紙で覆い、5~15分間放置した。この間、定期的に発現ウェルプレートのスポットを検査して、反応を停止するのに最適な時間を決定した。BCIP/NBT溶液を取り除き、ウェルプレートを再蒸留水でリンスして発現反応を停止させ、スピン乾燥させてからウェルプレートの底部を取り除き、各ウェルが完全に乾くまでウェルプレートを室温で乾燥させ、イムノスポットプレートカウンター(CTL、Cellular Technology Limited)でウェルプレートの底部メンブレンに形成されたスポットの数をカウントした。
【0070】
結果
ELISPOT実験(上記のとおり)で発明のTCRにより形質導入されたΓδT細胞のNY-ESO-1 157-165 P1B SLLMWITQC短いペプチドをロードしたTCR細胞および対照ペプチドP72AのT2細胞に対して反応するIFN-γの放出をテストした。検出されたスポットの数は、ソフトウェアGraphPad Prism7を使用して分析およびプロットした。
【0071】
実験結果は
図2に示したように、横軸は異なる処理を行ったエフェクター細胞群を示し、縦軸はIFN-γを産生するスポットの数を示し、スポットの数が多いほど、標的細胞とインキュベートしたときの対応するエフェクター細胞群の活性化効果が強くなり、高親和性αβTCRで形質導入されたγδT細胞は、特異的短いペプチドをロードしたT2細胞に対して強い特異的活性化効果があり、その効果は、野生型αβTCRで形質導入されたγδT細胞よりも著しく高く、より多くのIFN- γを放出する。例えば、短いペプチドの濃度が0.1μMの場合、親和性KDが4μM-5nMのαβTCRで形質導入されたγδT細胞のIFN-γ活性化IFN-γスポットの数は400~600で、そのほとんどが600近くであるが、野生型αβTCRを形質導入されたγδT細胞のIFN-γ活性化スポットの数は約150しかない。αβTCR親和性数値が4μM≦KD≦5nMである場合、形質導入されたγδT細胞は、標的細胞に対して強力な活性化応答を示すことができることを示している。しかし、非特異的な短いペプチドをロードして空にしたT2細胞に対して基本的に応答しない。外因性αβTCRを形質導入されていないVδ2T細胞も関連する腫瘍細胞株に対して基本的に応答しない。
【0072】
実施例5.腫瘍細胞株に対して特異的応答する高親和性1G4TCR形質導入γδT細胞の活性化実験
この実験は、腫瘍細胞株に特異的に応答する高親和性1G4TCR形質導入γδT細胞の活性化を検証するために行われた。この効果は、野生型1G4TCRによって形質導入されたγδT細胞の効果よりもはるかに優れている。ELISPOTテストで検出されたIFN-γ産生を、TCR形質導入γδT細胞活性化の読み出し値として使用した。ELISPOT実験の具体的な操作は、実施例4で説明したとおりである。
【0073】
主な試薬と材料源
10%FBS(会社(Gibco)、カタログ番号16000-044)、RPMI 1640(会社(Gibco)、カタログ番号C11875500bt)、PVDF ELISPOT 96ウェルプレート(Merck Millipore、カタログ番号MSIPS4510)、ヒト IFN-γELISPOT PVDF酵素キット(BD)には、必要な他のすべての試薬(キャプチャーおよび検出抗体、ストレプトアビジン-アルカリホスファターゼおよびBCIP/NBT溶液)が含まれ、Elispotのキット(BDTMELISPOT ELISPOT Set Instruction Manual 品番:551282)、腫瘍細胞株:IM9は多発性骨髄腫、HLA遺伝子ジェノタイピングはA0201で、NY-ESO-1抗原も発現し、U266B1は骨髄腫、形質細胞で、HLA遺伝子タイピングはA0201で、NY-ESO-1抗原も発現し、NCI-H1299は肺癌細胞株で、NY-ESO-1抗原を発現するが、HLA遺伝子ジェノタイピングはA0201ではなく、対照として使用され、LCLsは、不死化リンパ芽球細胞株で、NY-ESO-1抗原も発現せず、そのHLA遺伝子タイピングは、対照としてA0201ではない。上記の腫瘍細胞株はATCCから購入した。
【0074】
方法
標的細胞の調製
本実験例の標的細胞はIM9およびU266B1であり、この2つの細胞株のHLA遺伝子タイピングはA0201であり、同時に本実験の陽性腫瘍細胞株として、抗原NY-ESO-1も発現し、NCI-H1299はNY-ESO-1抗原を発現するが、HLAの遺伝子タイピングはA0201ではなく、LCLsは、NY-ESO-1抗原も発現せず、そのHLA遺伝子タイピングは、A0201でもなく、これらの2つの細胞は、この実験で陰性腫瘍細胞株として使用された。
【0075】
エフェクター細胞の調製
エフェクター細胞の調製は、実施例に記載されているように、異なる群のエフェクター細胞をそれぞれ調製した:1G4TCRおよび1G4TCRの形質導入なしのVδ2T細胞と32μM(野生型)、4μM、1.07μM、450nM、84nMおよび5nMの異なる親和性で形質導入された1G4TCRのVδ2T細胞。
【0076】
実験結果は
図3に示したように、高親和性αβTCRで形質導入されたγδT細胞は、陽性腫瘍細胞株に対して強力な活性化効果があり、その効果は野生型αβTCRで形質導入されたγδT細胞よりも著しく高く、より多くのIFN-γを放出する。例えば、陽性細胞株IM9の場合、野生型αβTCRで形質導入されたγδT細胞には基本的に特異的な活性化応答がなく、KD値が4μMの高親和性αβTCRを形質導入すると、特異的活性化応答が増強され、IFN-γスポットの数は約100であり、親和性が上がると明らかに活性化応答が高まり、KD値が5nMになるとIFN-γスポットの数は約650に達する。しかし、陰性腫瘍細胞株には基本的に応答がなく、特異性が非常に高いことが示されている。外因性αβTCRを形質導入しなかったVδ2T細胞は、関連する腫瘍細胞株に基本的に応答しなかった。
【0077】
実施例6.非放射性細胞毒性実験
この試験では、従来の51Cr放出法の代わりに、比色法ベースの検出法であるCytoTox96(登録商標)非放射性細胞毒性試験を使用して、細胞溶解中に放出された乳酸脱水素酵素(LDH)を定量的に測定した。反応原理は次のとおりである:溶解により、細胞はLDHを培地の上清に放出するが、これは30分の共役酵素反応で検出でき、酵素反応では、LDHはテトラゾリウム塩(INT)を赤いホルマザン(formazan)に変換できる。生成された赤い産物の量は、溶解した細胞の数に正比例する。標準の96ウェルプレートリーダーを使用して、490 nmでの可視光吸収データを収集した。この方法は、エフェクター細胞と標的細胞を一緒にインキュベートしたときの標的細胞の殺傷力を反映するために使用される。
【0078】
材料
CytoTox96(登録商標)非放射性細胞毒性検出(会社:Promega;品番:G1780)キットとそのセットの基質混合物、試験緩衝液、溶解液および停止緩衝液。培地:10%FBS(Gibco社、カタログ番号:16000-044)、フェノールレッドを含まないRPMI1640(Gibco、カタログ番号:C11875500bt)培地に追加。注:FBSは使用前に非アクティブ化された。丸底96ウェル組織培養プレート(コーニング社、品番:3799);96ウェルイムノプレート(thermo社、品番:167008)。腫瘍細胞株:A375黒色腫(HLAタイピングはA0201であり、抗原NY-ESO-1を発現)およびNCI-H1650肺癌細胞株(HLAタイピングはA0201であり、抗原NY-ESO-1を発現しない)はATCCから購入、NCI-H1299肺癌細胞(HLAタイピングはA0201であり、抗原NY-ESO-1を発現)は、ATCCから研究所が購入した野生型の改変版である。
【0079】
方法
標的細胞の調製
実験で使用された陽性腫瘍細胞株(HLA-A2と抗原NY-ESO-1の両方を発現)は、A375とNCI-H1299で、陰性腫瘍細胞株(HLA-A2とNY-ESO-1の中1つを選択して発現)は、NCI-H1650である。調整後の標的細胞密度は2*105個/mlで、各ウェルは2*104個/100μlに分註した。
【0080】
エフェクター細胞の調製
エフェクター細胞の調製は、実施例2で説明したとおりであり、本試験中のエフェクター細胞はそれぞれ、レンチウイルス形質導入なしのVδ2γδT細胞(対照)、GFP形質導入ありのVδ2γδT細胞(対照)および野生型(KD=32μM)形質導入1G4TCRのVδ2γδT細胞、および異なる親和性の1G4TCR形質導入Vδ2γδT細胞であり、前記高親和性1G4TCRのKD値はそれぞれ、4μM、1.07μM、450nM、84nMおよび5nMであり、前記細胞はすべてBD Ariaフローソーティングで得られたポリクローナル細胞集団を拡大して得られたものである。エフェクター細胞と標的細胞の比率(E:T比)はそれぞれ、10:1、5:1、1:1、1:5である。
【0081】
実験群分け設定は次のとおりである:
NY-ESO-1特異的1G4TCR異なる親和性の変異体で形質導入されたVδ2γδT細胞特異的殺傷腫瘍細胞株実験群を設定:最初に100μlの標的細胞を96ウェルの丸底に添加し、次に4つの効率目標比率の標的エフェクター細胞を丸底の96ウェルプレートに100μlの容量で添加した。
【0082】
すべての対照群は次のように設定:エフェクター細胞自発LDH実験ウェル:100μlのエフェクター細胞懸濁液を添加、標的細胞自発LDH実験群:100μlの標的細胞懸濁液を添加、標的細胞最大LDH放出群:100μlの標的細胞懸濁液を添加、培地バックグラウンド対照群:200μlのみの培地、容量補正対照群:200μlのみの培地。すべての実験用ウェルと対照ウェルは3つずつ準備し、すべてのウェルの最終容量は200μlである(不十分な分はフェノールレッドを含まない完全培地で満たす)。
【0083】
37℃、5%CO2のインキュベーターにプレートを置き、24時間インキュベートした。標的細胞の最大LDH放出ウェルと容量補正ウェルに100μl培地あたり10μlの溶解液(10X)を加え、細胞を溶解し、37℃、5%加湿CO2インキュベーターで45分間インキュベートし、プレートを250xgで4分間遠心分離した。各ウェルから50μlの上清を取り、新しい96ウェル平底(酵素分析)プレートに移した。50μlの準備した基質混合液(12mlの室温のアッセイバッファーをSubstrate Mixに溶解)を各ウェルに加え、光が当たらないように、プレートをスズ箔または不透明ボックスで覆い、室温で30分間インキュベートした。各ウェルに50μlの停止液を加えて反応を停止させた。停止液を加えてから1時間以内に490nmでの吸光度値を測定し、分析のために、データをEXCELの形式でエクスポートして、保存した。計算式は次のとおりである。
【0084】
%細胞毒性 = [100*(実験-エフェクター細胞自発-標的細胞自発)]/(標的細胞最大-標的細胞自発)注:実験用ウェルは、異なる効果と標的の比率(平均値)-培地バックグラウンド(平均値)、標的細胞自発ウェルは標的細胞自発(平均値)-培地バックグラウンド(平均値)であり、エフェクター細胞自発ウェルは異なる比率のエフェクター細胞自発(平均値)-培地バックグラウンド(平均値)であり、標的細胞最大ウェルは標的細胞最大(平均値)-容量補正対照(平均値)である。最終的な描画ソフトウェアは、GraphPad Prism7によって描画された。
【0085】
結果
実験結果は、
図4に示したように、横軸は異なる効果と標的の比率を示し、縦軸はエフェクター細胞と標的細胞を一緒にインキュベートした後の標的細胞の特異的殺傷効率を示す。結果は、異なる高親和性αβ1G4TCRで形質導入されたγδT細胞が陽性腫瘍細胞株に対して強い殺傷効果を有し、その殺傷効力が野生型αβTCRで形質導入されたγδT細胞よりも著しく高かったことを示した。例えば、効果と標的の比率が10:1の場合、親和性KDが1.07μMの高親和性αβ1G4TCRで形質導入されたγδT細胞は、標的細胞に対して70%の殺傷率を示し、野生型αβ1G4TCRで形質導入されたγδT細胞の標的細胞に対する割合を少なくとも2倍である。別の例として、効果と標的の比率が5:1の場合、親和性KDが84nMの高親和性αβ1G4TCRで形質導入されたγδT細胞は、標的細胞に対して50%の殺傷率を示したが、野生型αβ1G4TCRで形質導入されたγδT細胞の殺傷率は30%未満、その他は10%未満である。
【0086】
概算によると、異なる効果と標的の比率において、αβTCR親和性のKD値が4μM~5nMの場合、形質導入されたγδT細胞による標的細胞の殺傷率は、野生型αβTCRと比較して少なくとも倍増加し、好ましくは、少なくとも2~3倍増加する。全体として、αβTCRの親和性が1.07μMの場合、γδT細胞の殺傷効率はより優れている。
異なる高親和性αβ1G4TCRで形質導入されたγδT細胞は、陰性腫瘍細胞株に対して基本的に殺害効果を持たない。外因性αβTCRを形質導入していないγδT細胞またはGFPで形質導入したのみのγδT細胞は、関連する腫瘍細胞株に対して基本的に応答しない。
【0087】
実施例7.ルシフェラーゼ測定実験
ルシフェラーゼレポーター遺伝子は、ホタルルシフェラーゼ(fireflyluciferase)活性を検出するための基質としてルシフェリン(luciferin)を使用するレポーターシステムを指す。ルシフェラーゼはルシフェリンのオキシルシフェリンへの酸化を触媒でき、ルシフェリンの酸化中に生物発光(bioluminescence)を放出する。ルシフェリンの酸化中に放出される生物発光を蛍光分析装置で測定した。これは、レドックス反応がエネルギーを提供するために細胞を必要とするからであり、我らは、エフェクター細胞と特異的標的細胞を使用して一緒にインキュベートするより、標的細胞を殺し、標的細胞のエネルギーを減少し、フルオレセイン基質を触媒するときの発光を減少する。したがって、エフェクター細胞の標的細胞への殺傷能力を間接的に反映でき、乳酸デヒドロゲナーゼLDHの機能を確認するための副次的検証として使用できる。この方法は、エフェクター細胞と標的細胞を一緒にインキュベートしたときの標的細胞の殺傷力を反映するために使用される。
【0088】
主な試薬と材料
ルシフェラーゼによって触媒される基質は、D-ルシフェリン(カリウムイオン塩、150μg/ml、Cayman Chemical、米国)であり、実験用96ウェルプレート:Corningから購入、品番:3792、腫瘍細胞株:A549、ルシフェラーゼはATCCから購入し、本実験ではNY-ESO-1抗原とHLA-A0201の両方を発現する細胞株を構築した。
【0089】
標的細胞の調製
標的細胞として、ルシフェラーゼ、NY-ESO-1、およびA0201を発現するA549を陽性腫瘍細胞として使用し、野生型A549(Luciferase)を陰性対照腫瘍細胞および対応する標的細胞のみを含む対照群として使用した。
【0090】
エフェクター細胞の調製
エフェクター細胞の調製は、実施例2で説明したとおりであり、レンチウイルス形質導入なしのVδ2T細胞群、GFPで形質導入されたVδ2T細胞群、および野生型αβ1G4TCR(KD = 32uM)で形質導入されたVδ2T細胞群とKD = 1.07uMの高親和性αβ1G4TCR形質導入Vδ2T細胞群
を含む。
【0091】
方法
RPMI1640+10%FBS+1%PS完全培地でエフェクター細胞と標的細胞を再懸濁し、E:T = 5:1、標的細胞2*104個/ウェルでエフェクター細胞と標的細胞を同時に96ウェルプレートに入れ、37度、5%のCO2で、24時間インキュベートし、実験群と対照群の各ウェルにそれぞれ100ulのルシフェラーゼ基質を添加し、光を避けて操作した。450nM励起光でマイクロプレートリーダーを使用して、実験群と対照群のタ標的細胞の生存率を検出し、Excelデータをエクスポートし、式に従ってエフェクター細胞の殺害効率を計算した。数式は次のとおりである:殺傷%=(1-実験群の信号/最大標的細胞の信号)%。最終的な描画ソフトウェアは、GraphPad Prism7によって描画された。
【0092】
結果
検出結果は、
図5に示したように、横軸は異なるエフェクター細胞群を示し、縦軸は検出用フルオレセイン基質を添加した場合の反応系1mlあたりの検出値の対数を示す。結果は、陽性腫瘍細胞株A549では、高親和性αβ1G4TCRで形質導入されたVδ2T細胞群の相対発光単位が、野生型αβ1G4TCRで形質導入されたVδ2T細胞群よりも著しく低く、高親和性αβTCRで形質導入されたVδ2T細胞がより強い殺害効果有することを示した。GFPが導入されていない、または導入されたVδ2T細胞では、発光ユニットは減少しなかった。陰性腫瘍細胞株では、各群の相対発光単位に有意な減少はなく、殺害は形質導入されたTCRに依存していることを示した。この実験はまた、ルシフェラーゼを用いた検出とLDH検出法の結果が一貫していることを示した。
【0093】
実施例8.異なる親和性の1G4TCRで形質導入されたVδ2T細胞の殺傷試験プロトコル
リアルタイムダイナミックライブセルイメージングアナライザー-IncuCyte Zoomは、細胞のリアルタイムの成長ステータスを記録する非侵襲的な方法である。γδTの形質導入後の異なる親和性を持つTCRの殺傷能力を動的に比較できる。
【0094】
主な試薬と材料
96ウェルプレート:Corningから購入、品番:3603
YO-YO-3染色:NCI-H1299肺癌細胞、ATCCから購入したのは、野生型発現抗原NY-ESO-1であるが、HLAタイピングはA0201ではない。
リアルタイムダイナミックライブセルイメージングアナライザー-IncuCyte Zoom:米国Essen社。
【0095】
標的細胞の調製
NCI-H1299:ATCCから購入した野生型を本実験室で形質転換し、HLA-A0201レンチウイルスで直接野生型NCI-H1299細胞株で形質導入され、NY-ESO-1抗原とHLA-A0201を発現できる陽性腫瘍細胞株を構築した。
【0096】
エフェクター細胞の調製
エフェクター細胞の調製は、実施例2で説明したとおりであり、1G4TCRを形質導入しないVδ2T細胞およびGFPを形質導入したVδ2T細胞群、および異なる親和性32μM(野生型)、4μM、1.07μM、450nM、84nMおよび5nMの1G4TCRを形質導入したVδ2T細胞をそれぞれ調製した。
【0097】
方法
標的細胞を消化して遠心分離し、フェノールレッドを含まないRPMI1640+10%FBS完全培地で再懸濁し、カウントし、7*103個/ウェル/100ulとし、標的細胞を96ウェルプレートに均一に広げ、37度、5%のCO2のインキュベーターに戻し、一晩インキュベートし、E:T=5:1にしたがってエフェクター細胞を準備し、遠心分離し、元の培地を廃棄し、新しいフェノールレッドを含まないRPMI1640+10%FBS培地(培地は、最終濃度10000*のYOYO-3色素が混合された)と交換し、3.5*104個/ウェル/100ulを使用して、エフェクター細胞と標的細胞を含む実験群を一緒にインキュベートし、標的細胞またはエフェクター細胞の対照群に、100ulの完全培地を各ウェルに追加して、各ウェルのYOYO-3色素の最終濃度が10000*であることを保証し、プレートをIncucyte検出専用のリアルタイムダイナミックライブセルイメージングアナライザー-IncuCyte ZooMに入れ、リアルタイム観察を開始して写真を撮り、IncuCyte ZooM 2016Aを採用して検出結果を処理し、データをエクスポートして分析した。最終的な描画ソフトウェアは、GraphPad Prism7によって描画された。
【0098】
結果
図6の検出結果に示したように、横軸はエフェクター細胞と標的細胞を一緒にインキュベートした時間を示し、縦軸は死滅細胞によるYO-YO-3色素の吸収レベルを示し、殺傷の強さを測定するために使用される。殺傷動力学の分析から、野生型TCRの形質導入と比較して、高親和性TCRで形質導入されたVδ2T細胞は、陽性腫瘍細胞株に対して有意に速い殺傷効果を示し、殺傷効率も大幅に向上された。
【0099】
【0100】
本発明で言及されるすべての文書は、あたかも各文書が個々に参照により組み込まれたかのように、本出願に参照により組み込まれている。さらに、本発明の上記の教示内容を読んだ後、当業者は本発明に様々な変更または修正を加えることができ、これらの同等の形態も本願に添付された特許請求の範囲によって定義される範囲内にあることを理解されたい。
(配列表)
Sequence listing
<110> GUANGZHOU INSTITUTES OF BIOMEDICINE AND HEALTH, CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
<120> GENETICALLY ENGINEERED gamma delte T CELL
<130> P2018-2048
<150> CN2017111240572
<151> 2017-11-14
<160> 24
<170> PatentIn version 3.5
<210> 1
<211> 822
<212> DNA
<213> Artificial sequence
<220>
<223> alpha chain nucleic acid sequence of TCR
<400> 1
atggagaccc tgctgggcct gctgatcctg tggctgcagc tccagtgggt gtccagcaag 60
caggaggtga cccagatccc tgccgccctg agcgtgcccg agggcgagaa cctggtgctg 120
aactgcagct tcaccgactc cgccatctac aacctgcagt ggttccggca ggaccccggc 180
aagggcctga ccagcctgct gctgattcaa tcctcgcagc gggagcagac cagcggacgg 240
ctgaacgcca gcctggacaa gagcagcggc cggagcaccc tgtacatcgc cgccagccag 300
cccggcgaca gcgccaccta cctgtgcgct gtgcggccta cctctggcgg cagctacatc 360
cccaccttcg gcagaggcac cagcctgatc gtgcacccct acatccagaa ccccgacccc 420
gccgtgtacc agctgcggga cagcaagagc agcgacaagt ctgtgtgcct gttcaccgac 480
ttcgacagcc agaccaatgt gagccagagc aaggacagcg acgtgtacat caccgacaag 540
accgtgctgg acatgcggag catggacttc aagagcaaca gcgccgtggc ctggagcaac 600
aagagcgact tcgcctgcgc caacgccttc aacaacagca ttatccccga ggacaccttc 660
ttccccagcc ccgagagcag ctgcgacgtg aaactggtgg agaagagctt cgagaccgac 720
accaacctga acttccagaa cctgagcgtg atcggcttca gaatcctgct gctgaaggtg 780
gccggattca acctgctgat gaccctgcgg ctgtggagca gc 822
<210> 2
<211> 274
<212> PRT
<213> Artificial sequence
<220>
<223> alpha chain amino acid sequence of TCR
<400> 2
Met Glu Thr Leu Leu Gly Leu Leu Ile Leu Trp Leu Gln Leu Gln Trp
1 5 10 15
Val Ser Ser Lys Gln Glu Val Thr Gln Ile Pro Ala Ala Leu Ser Val
20 25 30
Pro Glu Gly Glu Asn Leu Val Leu Asn Cys Ser Phe Thr Asp Ser Ala
35 40 45
Ile Tyr Asn Leu Gln Trp Phe Arg Gln Asp Pro Gly Lys Gly Leu Thr
50 55 60
Ser Leu Leu Leu Ile Gln Ser Ser Gln Arg Glu Gln Thr Ser Gly Arg
65 70 75 80
Leu Asn Ala Ser Leu Asp Lys Ser Ser Gly Arg Ser Thr Leu Tyr Ile
85 90 95
Ala Ala Ser Gln Pro Gly Asp Ser Ala Thr Tyr Leu Cys Ala Val Arg
100 105 110
Pro Thr Ser Gly Gly Ser Tyr Ile Pro Thr Phe Gly Arg Gly Thr Ser
115 120 125
Leu Ile Val His Pro Tyr Ile Gln Asn Pro Asp Pro Ala Val Tyr Gln
130 135 140
Leu Arg Asp Ser Lys Ser Ser Asp Lys Ser Val Cys Leu Phe Thr Asp
145 150 155 160
Phe Asp Ser Gln Thr Asn Val Ser Gln Ser Lys Asp Ser Asp Val Tyr
165 170 175
Ile Thr Asp Lys Thr Val Leu Asp Met Arg Ser Met Asp Phe Lys Ser
180 185 190
Asn Ser Ala Val Ala Trp Ser Asn Lys Ser Asp Phe Ala Cys Ala Asn
195 200 205
Ala Phe Asn Asn Ser Ile Ile Pro Glu Asp Thr Phe Phe Pro Ser Pro
210 215 220
Glu Ser Ser Cys Asp Val Lys Leu Val Glu Lys Ser Phe Glu Thr Asp
225 230 235 240
Thr Asn Leu Asn Phe Gln Asn Leu Ser Val Ile Gly Phe Arg Ile Leu
245 250 255
Leu Leu Lys Val Ala Gly Phe Asn Leu Leu Met Thr Leu Arg Leu Trp
260 265 270
Ser Ser
<210> 3
<211> 936
<212> DNA
<213> Artificial sequence
<220>
<223> beta chain nucleic acid sequence of TCR
<400> 3
atgagcatcg gcctgctgtg ctgcgccgcc ctgagcctgc tgtgggcagg acccgtgaac 60
gccggagtga cccagacccc caagttccag gtgctgaaaa ccggccagag catgaccctg 120
cagtgcgccc aggacatgaa ccacgagtac atgagctggt atcggcagga ccccggcatg 180
ggcctgcggc tgatccacta ctctgtgggc gccgggatca ccgaccaggg cgaggtgccc 240
aacggctaca atgtgagccg gagcaccacc gaggacttcc ccctgcggct gctgagcgct 300
gcccccagcc agaccagcgt gtacttctgc gccagcagct atgtgggcaa caccggcgag 360
ctgttcttcg gcgagggctc caggctgacc gtgctggagg acctgaagaa cgtgttcccc 420
cccgaggtgg ccgtgttcga gcccagcgag gccgagatca gccacaccca gaaggccaca 480
ctggtgtgtc tggccaccgg cttctacccc gaccacgtgg agctgtcctg gtgggtgaac 540
ggcaaggagg tgcacagcgg cgtgtctacc gacccccagc ccctgaagga gcagcccgcc 600
ctgaacgaca gccggtactg cctgtcctcc agactgagag tgagcgccac cttctggcag 660
aacccccgga accacttccg gtgccaggtg cagttctacg gcctgagcga gaacgacgag 720
tggacccagg accgggccaa gcccgtgacc cagattgtga gcgccgaggc ctggggcagg 780
gccgactgcg gcttcaccag cgagagctac cagcagggcg tgctgagcgc caccatcctg 840
tacgagatcc tgctgggcaa ggccaccctg tacgccgtgc tggtgtctgc cctggtgctg 900
atggctatgg tgaagcggaa ggacagccgg ggctaa 936
<210> 4
<211> 311
<212> PRT
<213> Artificial sequence
<220>
<223> beta chain amino acid sequence of TCR
<400> 4
Met Ser Ile Gly Leu Leu Cys Cys Ala Ala Leu Ser Leu Leu Trp Ala
1 5 10 15
Gly Pro Val Asn Ala Gly Val Thr Gln Thr Pro Lys Phe Gln Val Leu
20 25 30
Lys Thr Gly Gln Ser Met Thr Leu Gln Cys Ala Gln Asp Met Asn His
35 40 45
Glu Tyr Met Ser Trp Tyr Arg Gln Asp Pro Gly Met Gly Leu Arg Leu
50 55 60
Ile His Tyr Ser Val Gly Ala Gly Ile Thr Asp Gln Gly Glu Val Pro
65 70 75 80
Asn Gly Tyr Asn Val Ser Arg Ser Thr Thr Glu Asp Phe Pro Leu Arg
85 90 95
Leu Leu Ser Ala Ala Pro Ser Gln Thr Ser Val Tyr Phe Cys Ala Ser
100 105 110
Ser Tyr Val Gly Asn Thr Gly Glu Leu Phe Phe Gly Glu Gly Ser Arg
115 120 125
Leu Thr Val Leu Glu Asp Leu Lys Asn Val Phe Pro Pro Glu Val Ala
130 135 140
Val Phe Glu Pro Ser Glu Ala Glu Ile Ser His Thr Gln Lys Ala Thr
145 150 155 160
Leu Val Cys Leu Ala Thr Gly Phe Tyr Pro Asp His Val Glu Leu Ser
165 170 175
Trp Trp Val Asn Gly Lys Glu Val His Ser Gly Val Ser Thr Asp Pro
180 185 190
Gln Pro Leu Lys Glu Gln Pro Ala Leu Asn Asp Ser Arg Tyr Cys Leu
195 200 205
Ser Ser Arg Leu Arg Val Ser Ala Thr Phe Trp Gln Asn Pro Arg Asn
210 215 220
His Phe Arg Cys Gln Val Gln Phe Tyr Gly Leu Ser Glu Asn Asp Glu
225 230 235 240
Trp Thr Gln Asp Arg Ala Lys Pro Val Thr Gln Ile Val Ser Ala Glu
245 250 255
Ala Trp Gly Arg Ala Asp Cys Gly Phe Thr Ser Glu Ser Tyr Gln Gln
260 265 270
Gly Val Leu Ser Ala Thr Ile Leu Tyr Glu Ile Leu Leu Gly Lys Ala
275 280 285
Thr Leu Tyr Ala Val Leu Val Ser Ala Leu Val Leu Met Ala Met Val
290 295 300
Lys Arg Lys Asp Ser Arg Gly
305 310
<210> 5
<211> 822
<212> DNA
<213> Artificial sequence
<220>
<223> alpha chain nucleic acid sequence of TCR
<400> 5
atggagaccc tgctgggcct gctgatcctg tggctgcagc tccagtgggt gtccagcaag 60
caggaggtga cccagatccc tgccgccctg agcgtgcccg agggcgagaa cctggtgctg 120
aactgcagct tcaccgactc cgccatctac aacctgcagt ggttccggca ggaccccggc 180
aagggcctga ccagcctgct gctgattcaa tcctcgcagc gggagcagac cagcggacgg 240
ctgaacgcca gcctggacaa gagcagcggc cggagcaccc tgtacatcgc cgccagccag 300
cccggcgaca gcgccaccta cctgtgcgct gtgcggccta cctctggcgg cagctacatc 360
cccaccttcg gcagaggcac cagcctgatc gtgcacccct acatccagaa ccccgacccc 420
gccgtgtacc agctgcggga cagcaagagc agcgacaagt ctgtgtgcct gttcaccgac 480
ttcgacagcc agaccaatgt gagccagagc aaggacagcg acgtgtacat caccgacaag 540
accgtgctgg acatgcggag catggacttc aagagcaaca gcgccgtggc ctggagcaac 600
aagagcgact tcgcctgcgc caacgccttc aacaacagca ttatccccga ggacaccttc 660
ttccccagcc ccgagagcag ctgcgacgtg aaactggtgg agaagagctt cgagaccgac 720
accaacctga acttccagaa cctgagcgtg atcggcttca gaatcctgct gctgaaggtg 780
gccggattca acctgctgat gaccctgcgg ctgtggagca gc 822
<210> 6
<211> 274
<212> PRT
<213> Artificial sequence
<220>
<223> alpha chain amino acid sequence of TCR
<400> 6
Met Glu Thr Leu Leu Gly Leu Leu Ile Leu Trp Leu Gln Leu Gln Trp
1 5 10 15
Val Ser Ser Lys Gln Glu Val Thr Gln Ile Pro Ala Ala Leu Ser Val
20 25 30
Pro Glu Gly Glu Asn Leu Val Leu Asn Cys Ser Phe Thr Asp Ser Ala
35 40 45
Ile Tyr Asn Leu Gln Trp Phe Arg Gln Asp Pro Gly Lys Gly Leu Thr
50 55 60
Ser Leu Leu Leu Ile Gln Ser Ser Gln Arg Glu Gln Thr Ser Gly Arg
65 70 75 80
Leu Asn Ala Ser Leu Asp Lys Ser Ser Gly Arg Ser Thr Leu Tyr Ile
85 90 95
Ala Ala Ser Gln Pro Gly Asp Ser Ala Thr Tyr Leu Cys Ala Val Arg
100 105 110
Pro Thr Ser Gly Gly Ser Tyr Ile Pro Thr Phe Gly Arg Gly Thr Ser
115 120 125
Leu Ile Val His Pro Tyr Ile Gln Asn Pro Asp Pro Ala Val Tyr Gln
130 135 140
Leu Arg Asp Ser Lys Ser Ser Asp Lys Ser Val Cys Leu Phe Thr Asp
145 150 155 160
Phe Asp Ser Gln Thr Asn Val Ser Gln Ser Lys Asp Ser Asp Val Tyr
165 170 175
Ile Thr Asp Lys Thr Val Leu Asp Met Arg Ser Met Asp Phe Lys Ser
180 185 190
Asn Ser Ala Val Ala Trp Ser Asn Lys Ser Asp Phe Ala Cys Ala Asn
195 200 205
Ala Phe Asn Asn Ser Ile Ile Pro Glu Asp Thr Phe Phe Pro Ser Pro
210 215 220
Glu Ser Ser Cys Asp Val Lys Leu Val Glu Lys Ser Phe Glu Thr Asp
225 230 235 240
Thr Asn Leu Asn Phe Gln Asn Leu Ser Val Ile Gly Phe Arg Ile Leu
245 250 255
Leu Leu Lys Val Ala Gly Phe Asn Leu Leu Met Thr Leu Arg Leu Trp
260 265 270
Ser Ser
<210> 7
<211> 936
<212> DNA
<213> Artificial sequence
<220>
<223> beta chain nucleic acid sequence of TCR
<400> 7
atgagcatcg gcctgctgtg ctgcgccgcc ctgagcctgc tgtgggcagg acccgtgaac 60
gccggagtga cccagacccc caagttccag gtgctgaaaa ccggccagag catgaccctg 120
cagtgcgccc aggacatgaa ccacgagtac atgagctggt atcggcagga ccccggcatg 180
ggcctgcggc tgatccacta ctctgtgggc gccgggacca ccgaccaggg cgaggtgccc 240
aacggctaca atgtgagccg gagcaccacc gaggacttcc ccctgcggct gctgagcgct 300
gcccccagcc agaccagcgt gtacttctgc gccagcagct atctgggcga caccggcgag 360
ctgttcttcg gcgagggctc caggctgacc gtgctggagg acctgaagaa cgtgttcccc 420
cccgaggtgg ccgtgttcga gcccagcgag gccgagatca gccacaccca gaaggccaca 480
ctggtgtgtc tggccaccgg cttctacccc gaccacgtgg agctgtcctg gtgggtgaac 540
ggcaaggagg tgcacagcgg cgtgtctacc gacccccagc ccctgaagga gcagcccgcc 600
ctgaacgaca gccggtactg cctgtcctcc agactgagag tgagcgccac cttctggcag 660
aacccccgga accacttccg gtgccaggtg cagttctacg gcctgagcga gaacgacgag 720
tggacccagg accgggccaa gcccgtgacc cagattgtga gcgccgaggc ctggggcagg 780
gccgactgcg gcttcaccag cgagagctac cagcagggcg tgctgagcgc caccatcctg 840
tacgagatcc tgctgggcaa ggccaccctg tacgccgtgc tggtgtctgc cctggtgctg 900
atggctatgg tgaagcggaa ggacagccgg ggctaa 936
<210> 8
<211> 311
<212> PRT
<213> Artificial sequence
<220>
<223> beta chain amino acid sequence of TCR
<400> 8
Met Ser Ile Gly Leu Leu Cys Cys Ala Ala Leu Ser Leu Leu Trp Ala
1 5 10 15
Gly Pro Val Asn Ala Gly Val Thr Gln Thr Pro Lys Phe Gln Val Leu
20 25 30
Lys Thr Gly Gln Ser Met Thr Leu Gln Cys Ala Gln Asp Met Asn His
35 40 45
Glu Tyr Met Ser Trp Tyr Arg Gln Asp Pro Gly Met Gly Leu Arg Leu
50 55 60
Ile His Tyr Ser Val Gly Ala Gly Thr Thr Asp Gln Gly Glu Val Pro
65 70 75 80
Asn Gly Tyr Asn Val Ser Arg Ser Thr Thr Glu Asp Phe Pro Leu Arg
85 90 95
Leu Leu Ser Ala Ala Pro Ser Gln Thr Ser Val Tyr Phe Cys Ala Ser
100 105 110
Ser Tyr Leu Gly Asp Thr Gly Glu Leu Phe Phe Gly Glu Gly Ser Arg
115 120 125
Leu Thr Val Leu Glu Asp Leu Lys Asn Val Phe Pro Pro Glu Val Ala
130 135 140
Val Phe Glu Pro Ser Glu Ala Glu Ile Ser His Thr Gln Lys Ala Thr
145 150 155 160
Leu Val Cys Leu Ala Thr Gly Phe Tyr Pro Asp His Val Glu Leu Ser
165 170 175
Trp Trp Val Asn Gly Lys Glu Val His Ser Gly Val Ser Thr Asp Pro
180 185 190
Gln Pro Leu Lys Glu Gln Pro Ala Leu Asn Asp Ser Arg Tyr Cys Leu
195 200 205
Ser Ser Arg Leu Arg Val Ser Ala Thr Phe Trp Gln Asn Pro Arg Asn
210 215 220
His Phe Arg Cys Gln Val Gln Phe Tyr Gly Leu Ser Glu Asn Asp Glu
225 230 235 240
Trp Thr Gln Asp Arg Ala Lys Pro Val Thr Gln Ile Val Ser Ala Glu
245 250 255
Ala Trp Gly Arg Ala Asp Cys Gly Phe Thr Ser Glu Ser Tyr Gln Gln
260 265 270
Gly Val Leu Ser Ala Thr Ile Leu Tyr Glu Ile Leu Leu Gly Lys Ala
275 280 285
Thr Leu Tyr Ala Val Leu Val Ser Ala Leu Val Leu Met Ala Met Val
290 295 300
Lys Arg Lys Asp Ser Arg Gly
305 310
<210> 9
<211> 822
<212> DNA
<213> Artificial sequence
<220>
<223> alpha chain nucleic acid sequence of TCR
<400> 9
atggagaccc tgctgggcct gctgatcctg tggctgcagc tgcagtgggt gagctccaag 60
caggaggtga cacagatccc tgccgccctg agcgtgccag agggagagaa cctggtgctg 120
aattgctctt ttaccgacag cgccatctac aacctgcagt ggttccggca ggatccaggc 180
aagggcctga cctctctgct gctgatccag tctagccagc gggagcagac atctggcaga 240
ctgaatgcca gcctggacaa gtcctctggc agatccaccc tgtacatcgc agcctcccag 300
ccaggcgatt ctgccacata tctgtgcgcc gtgaggccac tgtacggagg aagctatatc 360
cctacctttg gccgcggcac atccctgatc gtgcaccctt acatccagaa cccagacccc 420
gccgtgtatc agctgaggga ctccaagagc tccgataaga gcgtgtgcct gttcaccgac 480
tttgattctc agacaaacgt gagccagtct aaggacagcg acgtgtacat caccgacaag 540
acagtgctgg atatgcgctc catggacttc aagagcaact ccgccgtggc ctggtctaat 600
aagagcgatt tcgcctgcgc caacgccttt aacaattcca tcatccctga ggataccttc 660
tttccttctc cagagtctag ctgtgacgtg aagctggtgg agaagtcctt cgagaccgat 720
acaaacctga attttcagaa cctgtctgtg atcggcttca ggatcctgct gctgaaggtg 780
gccggcttta atctgctgat gaccctgagg ctgtggtcct ct 822
<210> 10
<211> 274
<212> PRT
<213> Artificial sequence
<220>
<223> alpha chain amino acid sequence of TCR
<400> 10
Met Glu Thr Leu Leu Gly Leu Leu Ile Leu Trp Leu Gln Leu Gln Trp
1 5 10 15
Val Ser Ser Lys Gln Glu Val Thr Gln Ile Pro Ala Ala Leu Ser Val
20 25 30
Pro Glu Gly Glu Asn Leu Val Leu Asn Cys Ser Phe Thr Asp Ser Ala
35 40 45
Ile Tyr Asn Leu Gln Trp Phe Arg Gln Asp Pro Gly Lys Gly Leu Thr
50 55 60
Ser Leu Leu Leu Ile Gln Ser Ser Gln Arg Glu Gln Thr Ser Gly Arg
65 70 75 80
Leu Asn Ala Ser Leu Asp Lys Ser Ser Gly Arg Ser Thr Leu Tyr Ile
85 90 95
Ala Ala Ser Gln Pro Gly Asp Ser Ala Thr Tyr Leu Cys Ala Val Arg
100 105 110
Pro Leu Tyr Gly Gly Ser Tyr Ile Pro Thr Phe Gly Arg Gly Thr Ser
115 120 125
Leu Ile Val His Pro Tyr Ile Gln Asn Pro Asp Pro Ala Val Tyr Gln
130 135 140
Leu Arg Asp Ser Lys Ser Ser Asp Lys Ser Val Cys Leu Phe Thr Asp
145 150 155 160
Phe Asp Ser Gln Thr Asn Val Ser Gln Ser Lys Asp Ser Asp Val Tyr
165 170 175
Ile Thr Asp Lys Thr Val Leu Asp Met Arg Ser Met Asp Phe Lys Ser
180 185 190
Asn Ser Ala Val Ala Trp Ser Asn Lys Ser Asp Phe Ala Cys Ala Asn
195 200 205
Ala Phe Asn Asn Ser Ile Ile Pro Glu Asp Thr Phe Phe Pro Ser Pro
210 215 220
Glu Ser Ser Cys Asp Val Lys Leu Val Glu Lys Ser Phe Glu Thr Asp
225 230 235 240
Thr Asn Leu Asn Phe Gln Asn Leu Ser Val Ile Gly Phe Arg Ile Leu
245 250 255
Leu Leu Lys Val Ala Gly Phe Asn Leu Leu Met Thr Leu Arg Leu Trp
260 265 270
Ser Ser
<210> 11
<211> 936
<212> DNA
<213> Artificial sequence
<220>
<223> beta chain nucleic acid sequence of TCR
<400> 11
atgagcatcg gactgctgtg ctgtgccgcc ctgtccctgc tgtgggcagg acctgtgaac 60
gcaggagtga cccagacacc aaagtttcag gtgctgaaga ccggccagtc catgacactg 120
cagtgcgccc aggacatgaa tcacgagtac atgtcttggt ataggcagga tccaggaatg 180
ggactgaggc tgatccacta cagcgtggga gcaggaatca cagaccaggg agaggtgcct 240
aacggctata acgtgagccg gtctaccaca gaggattttc cactgagact gctgagcgcc 300
gcaccatccc agaccagcgt gtacttctgc gccagctcct atgtgggcaa caccggcgag 360
ctgttctttg gagagggatc ccggctgaca gtgctggagg acctgaagaa cgtgttcccc 420
cctgaggtgg ccgtgtttga gccaagcgag gccgagatct cccacaccca gaaggccacc 480
ctggtgtgcc tggccacagg cttctacccc gatcacgtgg agctgagctg gtgggtgaac 540
ggcaaggagg tgcacagcgg cgtgtccacc gacccacagc ccctgaagga gcagcctgcc 600
ctgaatgatt ctagatactg cctgtctagc cggctgagag tgagcgccac cttttggcag 660
aacccacgga atcacttcag atgtcaggtg cagttttatg gcctgagcga gaacgatgag 720
tggacccagg acagggcaaa gccagtgaca cagatcgtgt ccgccgaggc atggggaaga 780
gcagactgtg gcttcaccag cgagtcctat cagcagggcg tgctgtccgc caccatcctg 840
tacgagatcc tgctgggcaa ggccacactg tatgccgtgc tggtgtctgc cctggtgctg 900
atggccatgg tgaagaggaa ggatagccgc ggctaa 936
<210> 12
<211> 311
<212> PRT
<213> Artificial sequence
<220>
<223> beta chain amino acid sequence of TCR
<400> 12
Met Ser Ile Gly Leu Leu Cys Cys Ala Ala Leu Ser Leu Leu Trp Ala
1 5 10 15
Gly Pro Val Asn Ala Gly Val Thr Gln Thr Pro Lys Phe Gln Val Leu
20 25 30
Lys Thr Gly Gln Ser Met Thr Leu Gln Cys Ala Gln Asp Met Asn His
35 40 45
Glu Tyr Met Ser Trp Tyr Arg Gln Asp Pro Gly Met Gly Leu Arg Leu
50 55 60
Ile His Tyr Ser Val Gly Ala Gly Ile Thr Asp Gln Gly Glu Val Pro
65 70 75 80
Asn Gly Tyr Asn Val Ser Arg Ser Thr Thr Glu Asp Phe Pro Leu Arg
85 90 95
Leu Leu Ser Ala Ala Pro Ser Gln Thr Ser Val Tyr Phe Cys Ala Ser
100 105 110
Ser Tyr Val Gly Asn Thr Gly Glu Leu Phe Phe Gly Glu Gly Ser Arg
115 120 125
Leu Thr Val Leu Glu Asp Leu Lys Asn Val Phe Pro Pro Glu Val Ala
130 135 140
Val Phe Glu Pro Ser Glu Ala Glu Ile Ser His Thr Gln Lys Ala Thr
145 150 155 160
Leu Val Cys Leu Ala Thr Gly Phe Tyr Pro Asp His Val Glu Leu Ser
165 170 175
Trp Trp Val Asn Gly Lys Glu Val His Ser Gly Val Ser Thr Asp Pro
180 185 190
Gln Pro Leu Lys Glu Gln Pro Ala Leu Asn Asp Ser Arg Tyr Cys Leu
195 200 205
Ser Ser Arg Leu Arg Val Ser Ala Thr Phe Trp Gln Asn Pro Arg Asn
210 215 220
His Phe Arg Cys Gln Val Gln Phe Tyr Gly Leu Ser Glu Asn Asp Glu
225 230 235 240
Trp Thr Gln Asp Arg Ala Lys Pro Val Thr Gln Ile Val Ser Ala Glu
245 250 255
Ala Trp Gly Arg Ala Asp Cys Gly Phe Thr Ser Glu Ser Tyr Gln Gln
260 265 270
Gly Val Leu Ser Ala Thr Ile Leu Tyr Glu Ile Leu Leu Gly Lys Ala
275 280 285
Thr Leu Tyr Ala Val Leu Val Ser Ala Leu Val Leu Met Ala Met Val
290 295 300
Lys Arg Lys Asp Ser Arg Gly
305 310
<210> 13
<211> 822
<212> DNA
<213> Artificial sequence
<220>
<223> alpha chain nucleic acid sequence of TCR
<400> 13
atggagaccc tgctgggcct gctgatcctg tggctgcagc tccagtgggt gtccagcaag 60
caggaggtga cccagatccc tgccgccctg agcgtgcccg agggcgagaa cctggtgctg 120
aactgcagct tcaccgactc cgccatctac aacctgcagt ggttccggca ggaccccggc 180
aagggcctga ccagcctgct gctgattcaa tcctcgcagc gggagcagac cagcggacgg 240
ctgaacgcca gcctggacaa gagcagcggc cggagcaccc tgtacatcgc cgccagccag 300
cccggcgaca gcgccaccta cctgtgcgct gtgcggcctc tgacaggcgg cagctacatc 360
cccaccttcg gcagaggcac cagcctgatc gtgcacccct acatccagaa ccccgacccc 420
gccgtgtacc agctgcggga cagcaagagc agcgacaagt ctgtgtgcct gttcaccgac 480
ttcgacagcc agaccaatgt gagccagagc aaggacagcg acgtgtacat caccgacaag 540
accgtgctgg acatgcggag catggacttc aagagcaaca gcgccgtggc ctggagcaac 600
aagagcgact tcgcctgcgc caacgccttc aacaacagca ttatccccga ggacaccttc 660
ttccccagcc ccgagagcag ctgcgacgtg aaactggtgg agaagagctt cgagaccgac 720
accaacctga acttccagaa cctgagcgtg atcggcttca gaatcctgct gctgaaggtg 780
gccggattca acctgctgat gaccctgcgg ctgtggagca gc 822
<210> 14
<211> 274
<212> PRT
<213> Artificial sequence
<220>
<223> alpha chain amino acid sequence of TCR
<400> 14
Met Glu Thr Leu Leu Gly Leu Leu Ile Leu Trp Leu Gln Leu Gln Trp
1 5 10 15
Val Ser Ser Lys Gln Glu Val Thr Gln Ile Pro Ala Ala Leu Ser Val
20 25 30
Pro Glu Gly Glu Asn Leu Val Leu Asn Cys Ser Phe Thr Asp Ser Ala
35 40 45
Ile Tyr Asn Leu Gln Trp Phe Arg Gln Asp Pro Gly Lys Gly Leu Thr
50 55 60
Ser Leu Leu Leu Ile Gln Ser Ser Gln Arg Glu Gln Thr Ser Gly Arg
65 70 75 80
Leu Asn Ala Ser Leu Asp Lys Ser Ser Gly Arg Ser Thr Leu Tyr Ile
85 90 95
Ala Ala Ser Gln Pro Gly Asp Ser Ala Thr Tyr Leu Cys Ala Val Arg
100 105 110
Pro Leu Thr Gly Gly Ser Tyr Ile Pro Thr Phe Gly Arg Gly Thr Ser
115 120 125
Leu Ile Val His Pro Tyr Ile Gln Asn Pro Asp Pro Ala Val Tyr Gln
130 135 140
Leu Arg Asp Ser Lys Ser Ser Asp Lys Ser Val Cys Leu Phe Thr Asp
145 150 155 160
Phe Asp Ser Gln Thr Asn Val Ser Gln Ser Lys Asp Ser Asp Val Tyr
165 170 175
Ile Thr Asp Lys Thr Val Leu Asp Met Arg Ser Met Asp Phe Lys Ser
180 185 190
Asn Ser Ala Val Ala Trp Ser Asn Lys Ser Asp Phe Ala Cys Ala Asn
195 200 205
Ala Phe Asn Asn Ser Ile Ile Pro Glu Asp Thr Phe Phe Pro Ser Pro
210 215 220
Glu Ser Ser Cys Asp Val Lys Leu Val Glu Lys Ser Phe Glu Thr Asp
225 230 235 240
Thr Asn Leu Asn Phe Gln Asn Leu Ser Val Ile Gly Phe Arg Ile Leu
245 250 255
Leu Leu Lys Val Ala Gly Phe Asn Leu Leu Met Thr Leu Arg Leu Trp
260 265 270
Ser Ser
<210> 15
<211> 936
<212> DNA
<213> Artificial sequence
<220>
<223> beta chain nucleic acid sequence of TCR
<400> 15
atgagcatcg gcctgctgtg ctgcgccgcc ctgagcctgc tgtgggcagg acccgtgaac 60
gccggagtga cccagacccc caagttccag gtgctgaaaa ccggccagag catgaccctg 120
cagtgcgccc aggacatgaa ccacgagtac atgagctggt atcggcagga ccccggcatg 180
ggcctgcggc tgatccacta ctctgtgggc gccgggacca ccgaccaggg cgaggtgccc 240
aacggctaca atgtgagccg gagcaccacc gaggacttcc ccctgcggct gctgagcgct 300
gcccccagcc agaccagcgt gtacttctgc gccagcagca atgtgggcaa caccggcgag 360
ctgttcttcg gcgagggctc caggctgacc gtgctggagg acctgaagaa cgtgttcccc 420
cccgaggtgg ccgtgttcga gcccagcgag gccgagatca gccacaccca gaaggccaca 480
ctggtgtgtc tggccaccgg cttctacccc gaccacgtgg agctgtcctg gtgggtgaac 540
ggcaaggagg tgcacagcgg cgtgtctacc gacccccagc ccctgaagga gcagcccgcc 600
ctgaacgaca gccggtactg cctgtcctcc agactgagag tgagcgccac cttctggcag 660
aacccccgga accacttccg gtgccaggtg cagttctacg gcctgagcga gaacgacgag 720
tggacccagg accgggccaa gcccgtgacc cagattgtga gcgccgaggc ctggggcagg 780
gccgactgcg gcttcaccag cgagagctac cagcagggcg tgctgagcgc caccatcctg 840
tacgagatcc tgctgggcaa ggccaccctg tacgccgtgc tggtgtctgc cctggtgctg 900
atggctatgg tgaagcggaa ggacagccgg ggctaa 936
<210> 16
<211> 311
<212> PRT
<213> Artificial sequence
<220>
<223> beta chain amino acid sequence of TCR
<400> 16
Met Ser Ile Gly Leu Leu Cys Cys Ala Ala Leu Ser Leu Leu Trp Ala
1 5 10 15
Gly Pro Val Asn Ala Gly Val Thr Gln Thr Pro Lys Phe Gln Val Leu
20 25 30
Lys Thr Gly Gln Ser Met Thr Leu Gln Cys Ala Gln Asp Met Asn His
35 40 45
Glu Tyr Met Ser Trp Tyr Arg Gln Asp Pro Gly Met Gly Leu Arg Leu
50 55 60
Ile His Tyr Ser Val Gly Ala Gly Thr Thr Asp Gln Gly Glu Val Pro
65 70 75 80
Asn Gly Tyr Asn Val Ser Arg Ser Thr Thr Glu Asp Phe Pro Leu Arg
85 90 95
Leu Leu Ser Ala Ala Pro Ser Gln Thr Ser Val Tyr Phe Cys Ala Ser
100 105 110
Ser Asn Val Gly Asn Thr Gly Glu Leu Phe Phe Gly Glu Gly Ser Arg
115 120 125
Leu Thr Val Leu Glu Asp Leu Lys Asn Val Phe Pro Pro Glu Val Ala
130 135 140
Val Phe Glu Pro Ser Glu Ala Glu Ile Ser His Thr Gln Lys Ala Thr
145 150 155 160
Leu Val Cys Leu Ala Thr Gly Phe Tyr Pro Asp His Val Glu Leu Ser
165 170 175
Trp Trp Val Asn Gly Lys Glu Val His Ser Gly Val Ser Thr Asp Pro
180 185 190
Gln Pro Leu Lys Glu Gln Pro Ala Leu Asn Asp Ser Arg Tyr Cys Leu
195 200 205
Ser Ser Arg Leu Arg Val Ser Ala Thr Phe Trp Gln Asn Pro Arg Asn
210 215 220
His Phe Arg Cys Gln Val Gln Phe Tyr Gly Leu Ser Glu Asn Asp Glu
225 230 235 240
Trp Thr Gln Asp Arg Ala Lys Pro Val Thr Gln Ile Val Ser Ala Glu
245 250 255
Ala Trp Gly Arg Ala Asp Cys Gly Phe Thr Ser Glu Ser Tyr Gln Gln
260 265 270
Gly Val Leu Ser Ala Thr Ile Leu Tyr Glu Ile Leu Leu Gly Lys Ala
275 280 285
Thr Leu Tyr Ala Val Leu Val Ser Ala Leu Val Leu Met Ala Met Val
290 295 300
Lys Arg Lys Asp Ser Arg Gly
305 310
<210> 17
<211> 822
<212> DNA
<213> Artificial sequence
<220>
<223> alpha chain nucleic acid sequence of TCR
<400> 17
atggagaccc tgctgggcct gctgatcctg tggctgcagc tccagtgggt gtccagcaag 60
caggaggtga cccagatccc tgccgccctg agcgtgcccg agggcgagaa cctggtgctg 120
aactgcagct tcaccgactc cgccatctac aacctgcagt ggttccggca ggaccccggc 180
aagggcctga ccagcctgct gctgattcaa tcctcgcagc gggagcagac cagcggacgg 240
ctgaacgcca gcctggacaa gagcagcggc cggagcaccc tgtacatcgc cgccagccag 300
cccggcgaca gcgccaccta cctgtgcgct gtgcggccta tgattggcgg cacctacatc 360
cccaccttcg gcagaggcac cagcctgatc gtgcacccct acatccagaa ccccgacccc 420
gccgtgtacc agctgcggga cagcaagagc agcgacaagt ctgtgtgcct gttcaccgac 480
ttcgacagcc agaccaatgt gagccagagc aaggacagcg acgtgtacat caccgacaag 540
accgtgctgg acatgcggag catggacttc aagagcaaca gcgccgtggc ctggagcaac 600
aagagcgact tcgcctgcgc caacgccttc aacaacagca ttatccccga ggacaccttc 660
ttccccagcc ccgagagcag ctgcgacgtg aaactggtgg agaagagctt cgagaccgac 720
accaacctga acttccagaa cctgagcgtg atcggcttca gaatcctgct gctgaaggtg 780
gccggattca acctgctgat gaccctgcgg ctgtggagca gc 822
<210> 18
<211> 274
<212> PRT
<213> Artificial sequence
<220>
<223> alpha chain amino acid sequence of TCR
<400> 18
Met Glu Thr Leu Leu Gly Leu Leu Ile Leu Trp Leu Gln Leu Gln Trp
1 5 10 15
Val Ser Ser Lys Gln Glu Val Thr Gln Ile Pro Ala Ala Leu Ser Val
20 25 30
Pro Glu Gly Glu Asn Leu Val Leu Asn Cys Ser Phe Thr Asp Ser Ala
35 40 45
Ile Tyr Asn Leu Gln Trp Phe Arg Gln Asp Pro Gly Lys Gly Leu Thr
50 55 60
Ser Leu Leu Leu Ile Gln Ser Ser Gln Arg Glu Gln Thr Ser Gly Arg
65 70 75 80
Leu Asn Ala Ser Leu Asp Lys Ser Ser Gly Arg Ser Thr Leu Tyr Ile
85 90 95
Ala Ala Ser Gln Pro Gly Asp Ser Ala Thr Tyr Leu Cys Ala Val Arg
100 105 110
Pro Met Ile Gly Gly Thr Tyr Ile Pro Thr Phe Gly Arg Gly Thr Ser
115 120 125
Leu Ile Val His Pro Tyr Ile Gln Asn Pro Asp Pro Ala Val Tyr Gln
130 135 140
Leu Arg Asp Ser Lys Ser Ser Asp Lys Ser Val Cys Leu Phe Thr Asp
145 150 155 160
Phe Asp Ser Gln Thr Asn Val Ser Gln Ser Lys Asp Ser Asp Val Tyr
165 170 175
Ile Thr Asp Lys Thr Val Leu Asp Met Arg Ser Met Asp Phe Lys Ser
180 185 190
Asn Ser Ala Val Ala Trp Ser Asn Lys Ser Asp Phe Ala Cys Ala Asn
195 200 205
Ala Phe Asn Asn Ser Ile Ile Pro Glu Asp Thr Phe Phe Pro Ser Pro
210 215 220
Glu Ser Ser Cys Asp Val Lys Leu Val Glu Lys Ser Phe Glu Thr Asp
225 230 235 240
Thr Asn Leu Asn Phe Gln Asn Leu Ser Val Ile Gly Phe Arg Ile Leu
245 250 255
Leu Leu Lys Val Ala Gly Phe Asn Leu Leu Met Thr Leu Arg Leu Trp
260 265 270
Ser Ser
<210> 19
<211> 936
<212> DNA
<213> Artificial sequence
<220>
<223> beta chain nucleic acid sequence of TCR
<400> 19
atgagcatcg gcctgctgtg ctgcgccgcc ctgagcctgc tgtgggcagg acccgtgaac 60
gccggagtga cccagacccc caagttccag gtgctgaaaa ccggccagag catgaccctg 120
cagtgcgccc aggacatgaa ccacgagtac atgagctggt atcggcagga ccccggcatg 180
ggcctgcggc tgatccacta ctctgtgggc gcccagacca ccgaccaggg cgaggtgccc 240
aacggctaca atgtgagccg gagcaccatc gaggacttcc ccctgcggct gctgagcgct 300
gcccccagcc agaccagcgt gtacttctgc gccagcagct atctgggcaa caccggcgag 360
ctgttcttcg gcgagggctc caggctgacc gtgctggagg acctgaagaa cgtgttcccc 420
cccgaggtgg ccgtgttcga gcccagcgag gccgagatca gccacaccca gaaggccaca 480
ctggtgtgtc tggccaccgg cttctacccc gaccacgtgg agctgtcctg gtgggtgaac 540
ggcaaggagg tgcacagcgg cgtgtctacc gacccccagc ccctgaagga gcagcccgcc 600
ctgaacgaca gccggtactg cctgtcctcc agactgagag tgagcgccac cttctggcag 660
aacccccgga accacttccg gtgccaggtg cagttctacg gcctgagcga gaacgacgag 720
tggacccagg accgggccaa gcccgtgacc cagattgtga gcgccgaggc ctggggcagg 780
gccgactgcg gcttcaccag cgagagctac cagcagggcg tgctgagcgc caccatcctg 840
tacgagatcc tgctgggcaa ggccaccctg tacgccgtgc tggtgtctgc cctggtgctg 900
atggctatgg tgaagcggaa ggacagccgg ggctaa 936
<210> 20
<211> 311
<212> PRT
<213> Artificial sequence
<220>
<223> beta chain amino acid sequence of TCR
<400> 20
Met Ser Ile Gly Leu Leu Cys Cys Ala Ala Leu Ser Leu Leu Trp Ala
1 5 10 15
Gly Pro Val Asn Ala Gly Val Thr Gln Thr Pro Lys Phe Gln Val Leu
20 25 30
Lys Thr Gly Gln Ser Met Thr Leu Gln Cys Ala Gln Asp Met Asn His
35 40 45
Glu Tyr Met Ser Trp Tyr Arg Gln Asp Pro Gly Met Gly Leu Arg Leu
50 55 60
Ile His Tyr Ser Val Gly Ala Gln Thr Thr Asp Gln Gly Glu Val Pro
65 70 75 80
Asn Gly Tyr Asn Val Ser Arg Ser Thr Ile Glu Asp Phe Pro Leu Arg
85 90 95
Leu Leu Ser Ala Ala Pro Ser Gln Thr Ser Val Tyr Phe Cys Ala Ser
100 105 110
Ser Tyr Leu Gly Asn Thr Gly Glu Leu Phe Phe Gly Glu Gly Ser Arg
115 120 125
Leu Thr Val Leu Glu Asp Leu Lys Asn Val Phe Pro Pro Glu Val Ala
130 135 140
Val Phe Glu Pro Ser Glu Ala Glu Ile Ser His Thr Gln Lys Ala Thr
145 150 155 160
Leu Val Cys Leu Ala Thr Gly Phe Tyr Pro Asp His Val Glu Leu Ser
165 170 175
Trp Trp Val Asn Gly Lys Glu Val His Ser Gly Val Ser Thr Asp Pro
180 185 190
Gln Pro Leu Lys Glu Gln Pro Ala Leu Asn Asp Ser Arg Tyr Cys Leu
195 200 205
Ser Ser Arg Leu Arg Val Ser Ala Thr Phe Trp Gln Asn Pro Arg Asn
210 215 220
His Phe Arg Cys Gln Val Gln Phe Tyr Gly Leu Ser Glu Asn Asp Glu
225 230 235 240
Trp Thr Gln Asp Arg Ala Lys Pro Val Thr Gln Ile Val Ser Ala Glu
245 250 255
Ala Trp Gly Arg Ala Asp Cys Gly Phe Thr Ser Glu Ser Tyr Gln Gln
260 265 270
Gly Val Leu Ser Ala Thr Ile Leu Tyr Glu Ile Leu Leu Gly Lys Ala
275 280 285
Thr Leu Tyr Ala Val Leu Val Ser Ala Leu Val Leu Met Ala Met Val
290 295 300
Lys Arg Lys Asp Ser Arg Gly
305 310
<210> 21
<211> 822
<212> DNA
<213> Artificial sequence
<220>
<223> alpha chain nucleic acid sequence of TCR
<400> 21
atggagaccc tgctgggcct gctgatcctg tggctgcagc tccagtgggt gtccagcaag 60
caggaggtga cccagatccc tgccgccctg agcgtgcccg agggcgagaa cctggtgctg 120
aactgcagct tcaccgactc cgccatctac aacctgcagt ggttccggca ggaccccggc 180
aagggcctga ccagcctgct gctgattcaa tcctcgcagc gggagcagac cagcggacgg 240
ctgaacgcca gcctggacaa gagcagcggc cggagcaccc tgtacatcgc cgccagccag 300
cccggcgaca gcgccaccta cctgtgcgct gtgcggcctc tgctggacgg cacctacatc 360
cccaccttcg gcagaggcac cagcctgatc gtgcacccct acatccagaa ccccgacccc 420
gccgtgtacc agctgcggga cagcaagagc agcgacaagt ctgtgtgcct gttcaccgac 480
ttcgacagcc agaccaatgt gagccagagc aaggacagcg acgtgtacat caccgacaag 540
accgtgctgg acatgcggag catggacttc aagagcaaca gcgccgtggc ctggagcaac 600
aagagcgact tcgcctgcgc caacgccttc aacaacagca ttatccccga ggacaccttc 660
ttccccagcc ccgagagcag ctgcgacgtg aaactggtgg agaagagctt cgagaccgac 720
accaacctga acttccagaa cctgagcgtg atcggcttca gaatcctgct gctgaaggtg 780
gccggattca acctgctgat gaccctgcgg ctgtggagca gc 822
<210> 22
<211> 274
<212> PRT
<213> Artificial sequence
<220>
<223> alpha chain amino acid sequence of TCR
<400> 22
Met Glu Thr Leu Leu Gly Leu Leu Ile Leu Trp Leu Gln Leu Gln Trp
1 5 10 15
Val Ser Ser Lys Gln Glu Val Thr Gln Ile Pro Ala Ala Leu Ser Val
20 25 30
Pro Glu Gly Glu Asn Leu Val Leu Asn Cys Ser Phe Thr Asp Ser Ala
35 40 45
Ile Tyr Asn Leu Gln Trp Phe Arg Gln Asp Pro Gly Lys Gly Leu Thr
50 55 60
Ser Leu Leu Leu Ile Gln Ser Ser Gln Arg Glu Gln Thr Ser Gly Arg
65 70 75 80
Leu Asn Ala Ser Leu Asp Lys Ser Ser Gly Arg Ser Thr Leu Tyr Ile
85 90 95
Ala Ala Ser Gln Pro Gly Asp Ser Ala Thr Tyr Leu Cys Ala Val Arg
100 105 110
Pro Leu Leu Asp Gly Thr Tyr Ile Pro Thr Phe Gly Arg Gly Thr Ser
115 120 125
Leu Ile Val His Pro Tyr Ile Gln Asn Pro Asp Pro Ala Val Tyr Gln
130 135 140
Leu Arg Asp Ser Lys Ser Ser Asp Lys Ser Val Cys Leu Phe Thr Asp
145 150 155 160
Phe Asp Ser Gln Thr Asn Val Ser Gln Ser Lys Asp Ser Asp Val Tyr
165 170 175
Ile Thr Asp Lys Thr Val Leu Asp Met Arg Ser Met Asp Phe Lys Ser
180 185 190
Asn Ser Ala Val Ala Trp Ser Asn Lys Ser Asp Phe Ala Cys Ala Asn
195 200 205
Ala Phe Asn Asn Ser Ile Ile Pro Glu Asp Thr Phe Phe Pro Ser Pro
210 215 220
Glu Ser Ser Cys Asp Val Lys Leu Val Glu Lys Ser Phe Glu Thr Asp
225 230 235 240
Thr Asn Leu Asn Phe Gln Asn Leu Ser Val Ile Gly Phe Arg Ile Leu
245 250 255
Leu Leu Lys Val Ala Gly Phe Asn Leu Leu Met Thr Leu Arg Leu Trp
260 265 270
Ser Ser
<210> 23
<211> 936
<212> DNA
<213> Artificial sequence
<220>
<223> beta chain nucleic acid sequence of TCR
<400> 23
atgagcatcg gcctgctgtg ctgcgccgcc ctgagcctgc tgtgggcagg acccgtgaac 60
gccggagtga cccagacccc caagttccag gtgctgaaaa ccggccagag catgaccctg 120
cagtgcgccc aggacatgaa ccacgagtac atgagctggt atcggcagga ccccggcatg 180
ggcctgcggc tgatccacta ctctgtgggc gccgggacca ccgaccgcgg cgaggtgccc 240
aacggctaca atgtgagccg gagcaccatc gaggacttcc ccctgcggct gctgagcgct 300
gcccccagcc agaccagcgt gtacttctgc gccagcagct atgtgggcga caccggcgag 360
ctgttcttcg gcgagggctc caggctgacc gtgctggagg acctgaagaa cgtgttcccc 420
cccgaggtgg ccgtgttcga gcccagcgag gccgagatca gccacaccca gaaggccaca 480
ctggtgtgtc tggccaccgg cttctacccc gaccacgtgg agctgtcctg gtgggtgaac 540
ggcaaggagg tgcacagcgg cgtgtctacc gacccccagc ccctgaagga gcagcccgcc 600
ctgaacgaca gccggtactg cctgtcctcc agactgagag tgagcgccac cttctggcag 660
aacccccgga accacttccg gtgccaggtg cagttctacg gcctgagcga gaacgacgag 720
tggacccagg accgggccaa gcccgtgacc cagattgtga gcgccgaggc ctggggcagg 780
gccgactgcg gcttcaccag cgagagctac cagcagggcg tgctgagcgc caccatcctg 840
tacgagatcc tgctgggcaa ggccaccctg tacgccgtgc tggtgtctgc cctggtgctg 900
atggctatgg tgaagcggaa ggacagccgg ggctaa 936
<210> 24
<211> 311
<212> PRT
<213> Artificial sequence
<220>
<223> beta chain amino acid sequence of TCR
<400> 24
Met Ser Ile Gly Leu Leu Cys Cys Ala Ala Leu Ser Leu Leu Trp Ala
1 5 10 15
Gly Pro Val Asn Ala Gly Val Thr Gln Thr Pro Lys Phe Gln Val Leu
20 25 30
Lys Thr Gly Gln Ser Met Thr Leu Gln Cys Ala Gln Asp Met Asn His
35 40 45
Glu Tyr Met Ser Trp Tyr Arg Gln Asp Pro Gly Met Gly Leu Arg Leu
50 55 60
Ile His Tyr Ser Val Gly Ala Gly Thr Thr Asp Arg Gly Glu Val Pro
65 70 75 80
Asn Gly Tyr Asn Val Ser Arg Ser Thr Ile Glu Asp Phe Pro Leu Arg
85 90 95
Leu Leu Ser Ala Ala Pro Ser Gln Thr Ser Val Tyr Phe Cys Ala Ser
100 105 110
Ser Tyr Val Gly Asp Thr Gly Glu Leu Phe Phe Gly Glu Gly Ser Arg
115 120 125
Leu Thr Val Leu Glu Asp Leu Lys Asn Val Phe Pro Pro Glu Val Ala
130 135 140
Val Phe Glu Pro Ser Glu Ala Glu Ile Ser His Thr Gln Lys Ala Thr
145 150 155 160
Leu Val Cys Leu Ala Thr Gly Phe Tyr Pro Asp His Val Glu Leu Ser
165 170 175
Trp Trp Val Asn Gly Lys Glu Val His Ser Gly Val Ser Thr Asp Pro
180 185 190
Gln Pro Leu Lys Glu Gln Pro Ala Leu Asn Asp Ser Arg Tyr Cys Leu
195 200 205
Ser Ser Arg Leu Arg Val Ser Ala Thr Phe Trp Gln Asn Pro Arg Asn
210 215 220
His Phe Arg Cys Gln Val Gln Phe Tyr Gly Leu Ser Glu Asn Asp Glu
225 230 235 240
Trp Thr Gln Asp Arg Ala Lys Pro Val Thr Gln Ile Val Ser Ala Glu
245 250 255
Ala Trp Gly Arg Ala Asp Cys Gly Phe Thr Ser Glu Ser Tyr Gln Gln
260 265 270
Gly Val Leu Ser Ala Thr Ile Leu Tyr Glu Ile Leu Leu Gly Lys Ala
275 280 285
Thr Leu Tyr Ala Val Leu Val Ser Ala Leu Val Leu Met Ala Met Val
290 295 300
Lys Arg Lys Asp Ser Arg Gly
305 310
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2023-12-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遺伝子改変γδT細胞であって、
高親和性αβTCR遺伝子が導入されており、高親和性αβTCRのその特異的pMHCに対する親和性は、対応する野生型αβTCRのそれの少なくとも2倍であり、
他のCD分子を同時形質転換することなく腫瘍抗原を特異的に認識することができる、γδT細胞。
【請求項2】
高親和性αβTCRのその特異的pMHCに対する親和性の平衡解離定数値KDが≦ 10μMである、
請求項1に記載のγδT細胞。
【請求項3】
高親和性αβTCRのその特異的pMHCに対する親和性の平衡解離定数値KDが≦ 4μMである、
請求項1に記載のγδT細胞。
【請求項4】
高親和性αβTCRのその特異的pMHCに対する親和性の平衡解離定数値KDが5nM ≦ KD ≦ 4000nM、50nM ≦ KD ≦ 4000nM、100nM ≦ KD ≦ 4000nM、400nM ≦ KD ≦ 4000nM、450nM ≦ KD ≦ 4000nM、400nM ≦ KD ≦ 3000nM、500nM ≦ KD ≦ 3000nM、1000nM ≦ KD ≦ 3000nMまたは1500nM ≦ KD ≦ 3000nMである、
請求項3に記載のγδT細胞。
【請求項5】
高親和性αβTCRのその特異的pMHCに対する親和性の平衡解離定数値KDが、1nM ≦ KD ≦ 2000nMである、
請求項1に記載のγδT細胞。
【請求項6】
高親和性αβTCRのその特異的pMHCに対する親和性の平衡解離定数値KDが、100nM ≦ KD ≦ 2000nM、400nM ≦ KD ≦ 2000nM、450nM ≦ KD ≦ 2000nM、500nM ≦ KD ≦ 2000nM、1000nM ≦ KD ≦ 2000nMまたは1500nM ≦ KD ≦ 2000nMである、
請求項5に記載のγδT細胞。
【請求項7】
高親和性αβTCRのα鎖の核酸配列は配列番号:5であり、β鎖の核酸配列は配列番号:7であり、または、
α鎖の核酸配列は配列番号:9であり、β鎖の核酸配列は配列番号:11であり、または、
α鎖の核酸配列は配列番号:13であり、β鎖の核酸配列は配列番号:15であり、または、
α鎖の核酸配列は配列番号:17であり、β鎖の核酸配列は配列番号:19であり、または、
α鎖の核酸配列は配列番号:21であり、β鎖の核酸配列は配列番号:23である、
請求項1に記載のγδT細胞。
【請求項8】
腫瘍または感染症を治療するための医薬を調製するために使用される、
請求項1~7のいずれか一項に記載のγδT細胞。
【請求項9】
感染は、ウイルス感染または細菌感染である、
請求項8に記載のγδT細胞。
【請求項10】
腫瘍または感染症の治療のための、請求項1~9のいずれか一項に記載のγδT細胞を含む医薬。
【請求項11】
薬学的に許容される担体および請求項1~9のいずれか一項に記載のγδT細胞を含む、薬学的組成物。
【請求項12】
高親和性αβTCR遺伝子をγδT細胞に形質導入するステップ(i)と、
(i)に記載のγδT細胞を培養するステップ(ii)とを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のγδT細胞の調製のための方法。
【外国語明細書】