(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023366
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】改善された電池セパレータ、電池、および関連方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/463 20210101AFI20240214BHJP
H01M 50/411 20210101ALI20240214BHJP
H01M 50/489 20210101ALI20240214BHJP
H01M 50/414 20210101ALI20240214BHJP
H01M 50/449 20210101ALI20240214BHJP
H01M 50/437 20210101ALI20240214BHJP
H01M 50/44 20210101ALI20240214BHJP
H01M 4/38 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
H01M50/463 B
H01M50/411
H01M50/489
H01M50/414
H01M50/449
H01M50/437
H01M50/44
H01M50/463 A
H01M4/38 Z
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023197894
(22)【出願日】2023-11-22
(62)【分割の表示】P 2021180350の分割
【原出願日】2015-11-05
(31)【優先権主張番号】PCT/US2014/64033
(32)【優先日】2014-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505458359
【氏名又は名称】ダラミック エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ミッタル,スレンドラ,ケー.
(72)【発明者】
【氏名】チェンバース,ジェフリー,ケー.
(72)【発明者】
【氏名】ダイテルス,ヨーグ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電池の電荷受容性の向上、電池の再充電性の向上、電池の水分損失の低減、電池の充電放電サイクリング効率の向上、および/または電池の寿命の延長など、電池性能における改善をもたらし得る電池セパレータ、並びに電池を提供する。
【解決手段】セパレータの少なくとも片側に鋸歯リブ形状を有するセパレータであって、該鋸歯リブ形状は鋸歯リブ突起部またはナブ12A、12Bの少なくとも20個の縦断的セットまたは列を含み、および鋸歯状のリブの隣接するセットの突起部またはナブは、互いに縦方向にオフセットまたは千鳥状になっている、セパレータと、を備え、前記セパレータは、HLB値が1~3である界面活性剤を有し、バックウェブ10は、300ミクロン~450ミクロンの厚さを有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極と、
電解質と、および
セパレータの少なくとも片側に鋸歯リブ形状を有するセパレータであって、該鋸歯リブ形状は鋸歯リブ突起部またはナブの少なくとも20個の縦断的セットまたは列を含み、および鋸歯状のリブの隣接するセットの突起部またはナブは、互いに縦方向にオフセットまたは千鳥状になっている、セパレータと、を備え、
前記セパレータは、HLB値が1~3である界面活性剤を有し、前記界面活性剤は脂肪族アルコールを除き、前記セパレータは、セパレータの中、セパレータの表面、またはセパレータの中と表面の両方に前記界面活性剤を有し、
前記セパレータは、バックウェブ(10)と、前記バックウェブ(10)の正側から伸長する鋸歯リブ突起部またはナブ(12)とを含み、
前記セパレータの前記バックウェブ(10)は、300ミクロン~450ミクロンの厚さを有する筒形の電池。
【請求項2】
前記鋸歯リブ突起部またはナブは、胸壁突起部またはナブである、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記界面活性剤は、鋸歯形状と相まって界面活性剤の添加レベルで添加され、その結果、前記セパレータが使用される際の電池に対して、水分損失の低減、酸の成層化の低減、電荷受容性の向上および/または再充電性の向上をもたらすように、前記電池セパレータの1平方メートルあたり界面活性剤4.1~10グラム(gsm)の量で添加され、電池セパレータが得られる、請求項1または2に記載の電池。
【請求項4】
前記セパレータは、ポリマー、1または複数の充填剤、および1または複数の可塑剤または油を備える、請求項1に記載の電池。
【請求項5】
前記セパレータは、他の層と共に使用され、または他の層に積層される、請求項1に記載の電池。
【請求項6】
前記他の層は、ガラス層、ポリマ層、不織布層、またはガラス繊維および何らかのポリマ繊維の両方を含む層である、請求項5に記載の電池。
【請求項7】
前記セパレータは、前記バックウェブ(10)の負側から伸長する更に小さな突起部またはミニリブを含む、請求項1~6のいずれかに記載の電池。
【請求項8】
セパレータの少なくとも片側に鋸歯リブ形状を有するセパレータであって、
前記鋸歯リブ形状は、鋸歯リブ突起部またはナブの少なくとも20個の縦断的セットを含み、および鋸歯状のリブの隣接するセットの突起部またはナブは、互いに縦方向にオフセットまたは千鳥状になっているセパレータを備え、
前記セパレータは、HLB値が1~3である界面活性剤を有し、前記界面活性剤は、脂肪族アルコールを除き、前記セパレータは、セパレータの中、セパレータの表面、またはセパレータの中と表面の両方に前記界面活性剤を有し、
前記セパレータは、バックウェブ(10)と、前記バックウェブ(10)の正側から伸長する鋸歯リブ突起部またはナブ(12)とを含み、
前記セパレータの前記バックウェブ(10)は、300ミクロン~450ミクロンの厚さを有する筒形の電池用のセパレータ。
【請求項9】
アンチモン(Sb)を備える1または複数の電極を有する筒形の電池における、再充電性を向上させる、または水分損失を低減するための方法であって、
請求項10に記載のセパレータの使用を含む、方法。
【請求項10】
前記界面活性剤は、鋸歯形状と相まって界面活性剤の添加レベルで添加され、その結果、前記セパレータが使用される際の電池に対して、電荷受容性の向上、水分損失の低減、および/または再充電性の向上をもたらすように、前記電池セパレータの1平方メートルあたり界面活性剤4.1~10グラム(gsm)の量で添加され、電池セパレータが得られる、
ステップをさらに備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
セパレータの少なくとも片側に正の鋸歯リブ形状を有するセパレータと、
前記鋸歯リブ形状は、鋸歯リブ突起部またはナブの少なくとも20個の縦断的セットを含み、
鋸歯状のリブの隣接するセットの突起部またはナブは、互いに縦方向にオフセットまたは千鳥状になっており、そして、
前記セパレータの他の側に負のクロスリブ(NCR)形状を有している前記セパレータとを備え、
前記セパレータは、HLB値が1~3である界面活性剤を有し、前記界面活性剤は脂肪族アルコールを除き、前記セパレータは、セパレータの中、セパレータの表面、またはセパレータの中と表面の両方に前記界面活性剤を有し、
前記セパレータは、バックウェブ(10)と、前記バックウェブ(10)の正側から伸長する鋸歯リブ突起部またはナブ(12)とを含み、
前記セパレータの前記バックウェブ(10)は、300ミクロン~450ミクロンの厚さを有する電池セパレータ。
【請求項12】
セパレータの少なくとも片側に正の鋸歯リブ形状を有するセパレータと、
前記鋸歯リブ形状は、鋸歯リブ突起部またはナブの少なくとも20個の縦断的セットを含み、
鋸歯状のリブの隣接するセットの突起部またはナブは、互いに縦方向にオフセットまたは千鳥状になっており、そして、
前記セパレータの他の側に負のミニリブ形状を有している前記セパレータとを備え、
前記セパレータは、HLB値が1~3である界面活性剤を有し、前記界面活性剤は脂肪族アルコールを除き、前記セパレータは、セパレータの中、セパレータの表面、またはセパレータの中と表面の両方に前記界面活性剤を有し、
前記セパレータは、バックウェブ(10)と、前記バックウェブ(10)の正側から伸長する鋸歯リブ突起部またはナブ(12)とを含み、
前記セパレータの前記バックウェブ(10)は、300ミクロン~450ミクロンの厚さを有する電池セパレータ。
【請求項13】
前記セパレータは、ポリマー、1または複数の充填剤、および1または複数の可塑剤または油を備える、請求項11または12に記載の電池セパレータ。
【請求項14】
前記ポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはそれらの混合物もしくは化合物である、請求項13に記載の電池セパレータ。
【請求項15】
前記セパレータは、他の層と共に使用され、または他の層に積層される、請求項11に記載の電池セパレータ。
【請求項16】
前記他の層は、ガラス層、ポリマ層、不織布層、またはガラス繊維および何らかのポリマ繊維の両方を含む層である、請求項15に記載の電池セパレータ。
【請求項17】
前記界面活性剤は、鋸歯形状と相まって界面活性剤の添加レベルで添加され、その結果、前記セパレータが使用される際の電池に対して、水分損失の低減、酸の成層化の低減、電荷受容性の向上および/または再充電性の向上をもたらすように、前記電池セパレータの1平方メートルあたり界面活性剤4.1~10グラム(gsm)の量で添加され、電池セパレータが得られる、
請求項11に記載の電池セパレータ。
【請求項18】
前記セパレータは、他の層と共に使用され、または他の層に積層される、請求項12に記載の電池セパレータ。
【請求項19】
前記界面活性剤は、鋸歯形状と相まって界面活性剤の添加レベルで添加され、その結果、前記セパレータが使用される際の電池に対して、水分損失の低減、酸の成層化の低減、電荷受容性の向上および/または再充電性の向上をもたらすように、前記電池セパレータの1平方メートルあたり界面活性剤4.1~10グラム(gsm)の量で添加され、電池セパレータが得られる、
請求項12に記載の電池セパレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その全体が参照によって本願に組み込まれる、2014年11月5日に出願された同時係属中の国際特許出願第PCT/US2014/064033号に対する優先権およびその利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、新しく、改善され、または最適化された電池セパレータ、部品、電池、産業電池、インバータ電池、重工業用または軽工業用電池、フォークリフト電池、フロート充電電池、インバータ、蓄電池、システム、方法、形状、添加物、構成物、複合物、混合物、コーティング、および/または水分保持、水分損失防止、電荷受容性の向上、製造、使用、および/またはそれらの組み合わせの関連方法に関する。具体的には、本発明は、電池に組み込まれるとその電池に関する水分損失の低減、電荷受容性の向上、またはそれらの組み合わせをもたらし得る様々な改善点を有する1または複数の改善された電池セパレータに関する。また、本発明は、外形、および/または物理形状、および/または電池セパレータを製造するために使用される化学物質、添加物、混合物、コーティングなど(たとえば油、および/または電池セパレータを塗装、仕上げ、または改善するために使用される(たとえば界面活性剤などの)化学添加物または薬剤など)に関する様々な改善点を有する1または複数の改善された電池セパレータに関する。本発明の改善された電池セパレータは特に、たとえばインバータ電池、重工業用または軽工業用電池などの産業電池に有用である。
【背景技術】
【0003】
産業環境および/または深放電が望ましい環境において様々な電池が使用される。そのような電池は、たとえば鉛蓄電池、インバータ電池、太陽電池、ゴルフカート用電池、(たとえば床洗浄機などの)機器用電池、フォークリフトまたは他の機器用の電池、潜水艦用電池、筒形インバータ電池、平板インバータ電池、および/または浸水インバータ電池を含んでよいが、これに限定されない。知られているように、深く放電するということは、電池が長期間にわたり大量のエネルギを供給しなければならないことを意味し、その結果、そのような電池は、最初はエネルギ貯蔵のための比較的高い容量を有し、一定期間にわたる運転中に容量の一部を失い得る。そのような深放電は、そのような電池を全容量までフルに再充電するために比較的長い時間を要することを意味し得る。したがって、そのような電池の再充電性を向上させることが重要であり得、改善された充電状態または高い部分充電状態を備えた電池を得ることも電池産業において重要であり得る。
【0004】
少なくとも特定のアプリケーション、特に充電/放電サイクリングアプリケーションに関して、従来知られている電池セパレータと差別化された産業電池用電池セパレータを提供することが望ましい。電池セパレータは、電池セル内で正極と負極とを分け、すなわち「隔離」させる部品である。電池セパレータは、2つの主な機能を有し得る。第1に、電池セパレータは、正極と負極との間で電子電流が流れることを防止するために、正極と負極とが物理的に離れた状態を維持しなければならない。第2に、電池セパレータは、可能な限り電気抵抗がないように正極と負極との間のイオン電流を許容しなければならない。電池セパレータは、多くの様々な材料の中から製造され得るが、これら2つの相反する機能は、多孔質不導体で作られた電池セパレータによって良好に満たされる。
【0005】
産業電池(たとえばインバータ電池など)の再充電性を向上させることが望ましい。知られているように、インバータはDCをACに変換し、たとえば電力系統が不安定または劣化したエリアなど、広く様々な環境で役立ち得る。たとえばインバータ電池などの電池は、部分充電状態で主に動作する。常に部分充電状態で動作するということは、腐食が生じ、および/または電池寿命が損なわれ、および/または負極板の硫酸化がそのような電池の性能および寿命における制限要因になり得ることを意味し得る。電池の再充電性を向上させること、および電池が経験する水分損失量を低減することが望ましい。
【0006】
従来知られているいくつかの電池セパレータは、改善された特徴を有するにもかかわらず、それらが配置された産業電池の電荷受容性、およびそれに伴う再充電性を向上させることができていない。したがって、既知のセパレータに対する様々な改善点を提供する改善された産業電池用電池セパレータへのニーズが存在する。そのようなニーズを満たす改善された電池セパレータは、たとえば電池の電荷受容性の向上、電池の再充電性の向上、電池の水分損失の低減、電池の充電/放電サイクリング効率の向上、および/または電池の寿命の延長など、電池性能における改善をもたらし得る。
【発明の概要】
【0007】
少なくとも選択された実施形態によると、本発明は、上述した要望、ニーズ、問題点、および/または難点に対処し、産業電池を含むがそれに限定されない電池に関する、新しく、改善され、または最適化された電池セパレータおよび方法を提供し得る。少なくとも選択された実施形態において、電池セパレータは、改善された特性を有する改善された電池セパレータを提供するために、改善された物理形状および/または外形を有してよく、最適化された量の、たとえば1または複数の界面活性剤など1または複数の化学添加物を含んでよい。また、本発明は、外形、および/または物理形状、および/または電池セパレータを製造するために使用される(たとえば油などの)化学物質、および/または電池セパレータを塗装、仕上げ、または改善するために使用される(たとえば界面活性剤などの)化学添加物に関する様々な改善点を有する1または複数の改善された電池セパレータに関する。本発明の改善された電池セパレータおよび方法は、そのようなセパレータが組み込まれた電池の改善された電池特性をもたらし得る。そのような改善された特性は、セパレータが使用された電池に関する電荷受容性の向上およびそのような電池に関する再充電性の向上、ならびにそのような電池に関する水分損失の低減を含むが、これに限定されない。本発明の改善された電池セパレータは、たとえばインバータ電池、重工業用または軽工業用電池などの産業電池に特に有用である。
【0008】
少なくとも選択された実施形態、態様、または目的によると、本発明は、従来技術の弱点に対処し得るものであり、新しく、改善され、または最適化された電池セパレータ、部品、電池、産業電池、インバータ電池、重工業用または軽工業用の電池、フォークリフト電池、フロート充電電池、インバータ、蓄電池、システム、方法、形状、添加物、構成物、複合物、混合物、コーティング、および/または水分保持、水分損失防止、電荷受容性の向上、製造、使用、および/またはそれらの組み合わせの関連方法に関する。具体的には、本発明は、電池に組み込まれるとその電池に関する水分損失の低減、電荷受容性の向上、またはそれらの組み合わせをもたらし得る様々な改善点を有する1または複数の改善された電池セパレータに関する。また、本発明は、外形、および/または物理形状、および/または電池セパレータを製造するために使用される化学物質、添加物、混合物、コーティングなど(たとえば油、および/または電池セパレータを塗装、仕上げ、または改善するために使用される(たとえば界面活性剤などの)化学物質または薬剤など)に関する様々な改善点を有する1または複数の改善された電池セパレータに関する。本発明の改善された電池セパレータは、たとえばインバータ電池、高負荷用または低負荷用の電池などの産業電池に特に有用である。
【0009】
本発明を説明することを目的として、現在の好適な形態が図内に示されるが、本発明は、図示される構成および手段そのものに限定されないことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の1つの実施形態に係る電池セパレータの写真画像であり、セパレータは改善された物理形状を有するポリエチレンセパレータであり、写真は、そのようなセパレータの、電池のカソードに面する正側を示す。
【
図2】本発明の1つの実施形態に係る電池セパレータの写真画像であり、セパレータは改善された物理形状を有するポリエチレンセパレータであり、写真は、そのようなセパレータの、電池のアノードに面する負側を示す。
【
図3】本発明の1つの実施形態に係る電池セパレータのいくつかの図を含み、そのような電池セパレータの正側(電池のカソードに面する側)の上面図である
図3(a)、セパレータの縦方向すなわち高さに沿って見た電池セパレータの断面図である
図3(b)、セパレータの横方向すなわち幅に沿って見た(具体的には
図3(a)の左側の矢印の方向から見た)電池セパレータの端形図である
図3(c)、および
図3(b)の円で囲った部分の拡大図でありセパレータの改善された形状を詳しく示す
図3(d)を含む。
【
図4】例において説明されるセパレータを用いる様々な電池を試験した第1の21日間にわたる平均水分損失(グラム単位)のグラフを含む。
【
図5】例において説明されるセパレータを用いる様々な電池を試験した第2の21日間にわたる平均水分損失(グラム単位)のグラフを含む。
【
図6】例において説明されるセパレータを用いる様々な電池を試験した第1および第2の21日間にわたる平均水分損失(グラム単位)のグラフを含む。
【
図7】例において説明される様々なセパレータを用いる(サンプル#1とした)3つの電池を試験した第1の21日間にわたるフロート電流(ミリアンペア単位)のグラフを含む。
【
図8】例において説明される様々なセパレータを用いる(サンプル#1とした)3つの電池を試験した第2の21日間にわたるフロート電流(ミリアンペア単位)のグラフを含む。
【
図9】例において説明される様々なセパレータを用いる(サンプル#2とした)3つの電池を試験した第1の21日間にわたるフロート電流(ミリアンペア単位)のグラフを含む。
【
図10】例において説明される様々なセパレータを用いる(サンプル#2とした)3つの電池を試験した第2の21日間にわたるフロート電流(ミリアンペア単位)のグラフを含む。
【
図11】例において説明される様々なセパレータを用いる(サンプル#3とした)3つの電池を試験した第1の21日間にわたるフロート電流(ミリアンペア単位)のグラフを含む。
【
図12】例において説明される様々なセパレータを用いる(サンプル#3とした)3つの電池を試験した第2の21日間にわたるフロート電流(ミリアンペア単位)のグラフを含む。
【
図13】例において説明される3つの異なるセパレータを用いる(サンプル#1とした)電池に関するバックアップ時間を示すグラフを含む。
【
図14】例において説明される2つの異なるセパレータを用いる(サンプル#2とした)電池に関するバックアップ時間を示すグラフを含む。
【
図15】例において説明される3つの異なるセパレータを用いる(サンプル#1とした)電池内部の電解質に関する比重傾向を示すグラフを含む。
【
図16】例において説明される2つの異なるセパレータを用いる(サンプル#2とした)電池内部の電解質に関する比重傾向を示すグラフを含む。
【
図17】例において説明される3つの異なるセパレータを用いる(サンプル#1とした)電池に関する複数サイクルにわたるエンド充電電流(ミリアンペア単位)を示すグラフを含む。
【
図18】例において説明される2つの異なるセパレータを用いる(サンプル#2とした)電池に関する複数サイクルにわたるエンド充電電流(ミリアンペア単位)を示すグラフを含む。
【
図19(a)】例において説明される2つの異なるセパレータを用いる(サンプル#1とした)電池に関する所与の数のサイクル後の充電電流(アンペア単位)対時間を示す4つのグラフを含む。
【
図19(b)】例において説明される2つの異なるセパレータを用いる(サンプル#1とした)電池に関する所与の数のサイクル後の充電電流(アンペア単位)対時間を示す4つのグラフを含む。
【
図19(c)】例において説明される2つの異なるセパレータを用いる(サンプル#1とした)電池に関する所与の数のサイクル後の充電電流(アンペア単位)対時間を示す4つのグラフを含む。
【
図19(d)】例において説明される2つの異なるセパレータを用いる(サンプル#1とした)電池に関する所与の数のサイクル後の充電電流(アンペア単位)対時間を示す4つのグラフを含む。
【
図20(a)】例において説明される2つの異なるセパレータを用いる(サンプル#2とした)電池に関する所与の数のサイクル後の充電電流(アンペア単位)対時間を示す4つのグラフを含む。
【
図20(b)】例において説明される2つの異なるセパレータを用いる(サンプル#2とした)電池に関する所与の数のサイクル後の充電電流(アンペア単位)対時間を示す4つのグラフを含む。
【
図20(c)】例において説明される2つの異なるセパレータを用いる(サンプル#2とした)電池に関する所与の数のサイクル後の充電電流(アンペア単位)対時間を示す4つのグラフを含む。
【
図20(d)】例において説明される2つの異なるセパレータを用いる(サンプル#2とした)電池に関する所与の数のサイクル後の充電電流(アンペア単位)対時間を示す4つのグラフを含む。
【発明を実施するための形態】
【0011】
少なくとも特定の実施形態によると、本発明は、改善された物理形状および/または外形を有し、および/または、たとえば1または複数の界面活性剤などの1または複数の化学添加物を含む改善された電池セパレータを提供し、そのようなセパレータが用いられる電池に予想外の改善をもたらすものである。また、本発明は、1または複数の改善された電池セパレータおよび関連方法に関し、セパレータは、外形、および/または物理形状、および/またはそのような電池セパレータを製造するために使用される(たとえば油などの)化学物質、および/またはそのような電池セパレータを塗装、上塗り、または改善するために使用される(たとえば界面活性剤などの)化学添加物に関する様々な改善点を有する。
【0012】
多くの場合、(場合によっては深サイクルアプリケーションと呼ばれる)深放電アプリケーションは、深放電または深サイクル電池の使用を伴う。そのような電池は、様々な鉛蓄電池、産業電池、たとえば筒形インバータ電池または他のインバータまたは産業電池を含んでよい。そのような電池はフロート充電で維持されてよく、これは、酸混合の欠如および/または酸成層化によって電池セル内に電解質比重差が発現し得ることを意味し得る。そのような発生は、外見上のセル電圧を変え、および/または増加させ得る。しかし、そのような現象は結果的に、電池の電荷受容性または再充電性を妨げ得る。また、電池セパレータにおける界面活性剤の従来の利用において、そのような界面活性剤を電池セパレータに塗装することは、電池に関する水分損失の低減および電池システム内のグリッドの腐食の低減に成果があり、負極板または負極における不純物の影響を相殺し、充電中のセル電圧を効果的に増加させ得る。しかし、この界面活性剤コーティングは、電池の充電取込みまたは電荷受容性も低減させ得る。したがって、いくつかの従来の電池において、界面活性剤を添加して製造されたセパレータは、水分損失の低減という改善点と引き換えに、電池の電荷受容/再充電特性における低減という幾分かのトレードオフを伴うと見られる。
【0013】
しかし、本発明によると、電池の再充電性(または電荷受容性)に関する1または複数の問題点は、場合によっては鋸歯形状と称される特定の最適化された物理形状だけではなく、最適化された量の界面活性剤を中に有し、表面に被覆され、またはその両方である電池セパレータを提供することによって対処され得ることが分かった。いわゆる鋸歯形状によって、電池セル内の電解質の移動が良好になり、その結果、システム内の電解質の比重差の均等化が促進され得る。そのような現象は、フロート充電中の電池の再充電性を改善することができ、特に、異なる物理形状および/または異なるレベルの(たとえば界面活性剤などの)化学添加物を有する従来市販されているセパレータと比較すると、本発明の改善された電池セパレータは、電池システムに、電荷受容性の向上および再充電性の向上と、水分損失の低減または水分保持特性の改善との両方をもたらすことを意味し得る。再充電性が向上した電池は、従来の電池と比較した場合、低い水分損失特性とともに高いバックアップ時間を有する改善された(たとえばインバータ電池などの)電池を意味し得る。概してこれは、本発明の実施形態に係る長い電池寿命を有する電池をもたらし、非常に望ましい。
【0014】
本発明の少なくとも選択された実施形態に係る電池セパレータの1つの特徴は、たとえば産業電池、インバータ電池、筒形インバータ電池などの電池システム内に存在するアンチモン(Sb)と相互作用する能力の向上である。そのような電池におけるSbの既存レベルは、いくつかのアプリケーションにおいてたとえば約1%未満から5%より上まで変化してよい。
【0015】
本明細書で考えられている様々な電池システムにおいて、Sbは、電池の1または複数の極板または電極に存在し得る。たとえばインバータ電池などの産業電池の場合、電池極板または電極は、時間にわたって放電し得る高いエネルギ貯蔵容量を確実にするために大量の活物質を保持するため、比較的大きくなり得る。そのような電池は通常密封されておらず、ユーザは定期的に電池に水を追加する。そのような産業および/またはインバータ電池が、典型的な充電/放電サイクリング条件(たとえば部分充電状態条件)下で使用される場合、一方の極板から他方の極板へのSb移動が生じ、またはSbが電池セルまたはシステムの他の部品へ脱却し、またはSbが極板から浸出し得る。電池の充電または放電中、システム内のSbは、電池の過電圧に影響を及ぼし、気体(水素、酸素)の生成を招くことがあり、気体の発生は、気体を制御するための数々の市販の電池設計によって立証されるようによく理解され得る。電解質中の水分がそのような気体に分解すると、水分損失が生じる。電池が水分を失うと、電池の故障を防止するために電池システムに更に水を足す必要が生じ得る。
【0016】
水分損失は電池に関する問題点であるため、水分損失を食い止め、および/または防止する電池および電池セパレータを提供し、それによって追加の水を足さずに電池が使用され得る時間を長くし、早期の電池故障を回避することが非常に望ましい。追加の水供給のために電池の使用を停止する必要がないということは、電池(およびたとえばフォークリフトなど電池が使用される機器)は、従来の場合には必要である水供給のための再三にわたる停止と比べて、水供給レジメンによって経験するダウンタイムが少なくなることを意味する。
【0017】
したがって、少なくとも特定の実施形態において、本発明はとりわけ、最適化された(たとえば鋸歯形状などの)物理形状を有する電池セパレータに最適化された量の(たとえば界面活性剤などの)化学添加物が塗装(または添加)された、改善された電池セパレータ、電池、および関連方法を提供し、本発明の電池セパレータを様々な電池および方法において使用することによって好適に、電池に関する経時的な水分損失が低減されるとともに、通常、部分充電状態で動作する所与の電池に関する電荷容量または電荷受容性または再充電性が増加する。そのような部分充電状態アプリケーションは、たとえばインバータ電池などの様々な産業電池および/または電極に高いSb含有量を有する電池を含んでよいが、これに限定されない。
【0018】
本明細書で説明される改善された電池セパレータは、(たとえば1または複数の界面活性剤など他の添加物または薬剤に加えて)たとえばシリカなどの1または複数の充填剤およびたとえば鉱油などの1または複数の可塑剤または油とともに、ポリマ、たとえば1または複数のポリオレフィン、たとえばポリエチレンによって製造され得る。本発明のいくつかの実施形態において、電池セパレータは、ポリオレフィン、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、それらの組み合わせなどで製造され得る。本発明の様々な実施形態において、電池セパレータは、シート状、エンベロープ状、またはリーフ状などであってよく、一例として、ガラス層、(たとえばポリエステルなどの)ポリマ層、不織布層、ガラス繊維および何らかのポリマ繊維の両方を含む層などを備える他の層に積層され、または他の層と共に使用され得る。そのような実施形態において、たとえばポリオレフィン電池セパレータおよびたとえば不織布層などの他の層を備える積層物または複合物は、電極を互いに隔離するために電池の電極に連結される。たとえば筒状インバータ電池などの様々な実施形態において、電池セパレータはスリーブとして設けられてよく、スリーブは、上述した様々な材料を用いて筒形または棒状の電極の上に設けられ得る。他の実施形態において、インバータ電池は平板インバータ電池であってよく、本発明に係る電池セパレータは、スリーブまたはエンベロープの形状ではなくほぼ平面状である。
【0019】
電池セパレータの物理形状に関して、本発明の様々な実施形態において、セパレータは、バックウェブ、バックウェブの正側から伸長する突起部またはナブ、および任意選択的にバックウェブの負側から伸長する好適には更に小さな突起部またはミニリブを含む。
図1を参照すると、本発明の1つの実施形態に係る典型的な電池セパレータの正側の写真が示され、セパレータは、改善された「鋸歯」リブ形状を有するポリエチレンセパレータである。
図1は、そのようなセパレータの正側、すなわち一般的に電池のカソードに面する側を示す。同様に、
図2は、
図1に示すポリエチレンセパレータの負側を示し、負側は、一般的に電池のアノードに面する。表側および裏側リブおよびミニリブは縦断的であることが好ましいが、1つの実施形態において、表側リブは縦断的であり、裏側リブは横断するミニリブ(負クロスリブまたはNCR)である。好適ではないが、背面は平滑、すなわちリブが無くてもよい。
【0020】
本発明に係る様々なセパレータ実施形態の改善された形状は、
図3(a)~3(d)により明確に示される。
図3(d)(
図3(b)の円で囲った部分の拡大図)は、バックウェブ10とともに、セパレータのバックウェブの正側から伸長する突起部またはナブ12およびセパレータのバックウェブの負側から伸長する更に小さな突起部またはミニリブ14を示す。また、(
図3(a)の左側に示される矢印の方向から見た
図3(a)のセパレータの断面図である)
図3(c)は、縦方向すなわちセパレータの高さに沿って一列に縦断する突起部またはナブ12A(高リブ部)、および縦方向すなわちセパレータの高さに沿って別の列に縦に伸びる突起部またはナブ12Bを示す。突起部またはナブ12Aおよび12Bの先端は、好適には互いに対してオフセットされている。いくつかの例において、これは、鋸歯形状と称され得る。いくつかの実施形態において、突起部12Aおよび12Bはナブと称され、いくつかの実施形態においては胸壁ナブと称されてよい。考えられる様々な好適な実施形態において、突起部またはミニリブ14は、バックウェブの負側に沿って横方向、縦方向、または縦方向に一続きに間断なく走るので、リブ、突起部またはナブ12Aおよび12Bのような鋸歯状ではない。
【0021】
横方向ミニリブ(負クロスリブまたはNCR)は、一続きであっても一続きでなくてもよく、自動化封入装置における薄型セパレータ(または薄型バックウェブを有するセパレータ)の剛性および/または走行性を向上させ得る。
【0022】
様々な実施形態において、たとえばバックウェブ10などセパレータのバックウェブの厚さ(ナブまたはリブをどちらの面にも含まないセパレータの部分)は約200ミクロン~約500ミクロンであってよく、いくつかの実施形態において約250~約450ミクロン、いくつかの実施形態において約300~約450ミクロン、および他の実施形態において約300~約400ミクロンであってよい。表側および裏側リブを含む電池セパレータ全体の厚さは様々であってよい。いくつかの実施形態において、そのようなセパレータの全体厚さ(この厚さはバックウェブおよび両面のナブおよびリブを含む)は約0.5mm~約2.5mmまたはそれ以上であり、いくつかの実施形態において約1mm~約2mm、いくつかの実施形態において約1.1mm~約1.9mm、いくつかの実施形態において約1.2mm~約1.75mm、および他の実施形態において約1.25mm~約1.6mmである。1つの特定の例において、全体厚さは約1.75mm、バックウェブは厚さ約0.35mm、正リブは高さ約1.28mm、および負リブは高さ約0.12mmである。他の特定の例において、全体厚さは約2.00mm、バックウェブは厚さ約0.50mm、正リブは高さ約1.25mm、および負リブは高さ約0.25mmである。
【0023】
電池セパレータの他の改善された外形および形状が本発明に従って有用であってよい。たとえば、電池セパレータの様々な外形および形状は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第7,094,498号に開示される。
【0024】
上述したように、本発明の様々な実施形態において、上述した鋸歯形状の利点は、たとえば電池セパレータに添加(および/または塗装)される1または複数の界面活性剤など最適化された量の水分損失防止剤の利点と相まって、電池に、水分損失の改善とともに電荷受容性および/または再充電性の向上という予想外の取り合わせをもたらす電池セパレータが生じる。本発明の様々な実施形態において使用される界面活性剤は、比較的低いHLB値を有する界面活性剤であってよい。たとえば、本明細書の特定の実施形態において、使用される界面活性剤は、約6未満のHLB値を有し、いくつかの実施形態において約5未満、いくつかの実施形態において約4未満、他の実施形態において約3未満、また他の実施形態において約2未満、また他の実施形態において約1以下のHLB値を有する。当該技術において知られるように、「HLB」値は、所与の材料の親水性親油性バランスを指す。いくつかの実施形態において、たとえば界面活性剤などの添加剤化合物は、水および硫酸の各々に溶けず、または溶けにくい。本発明のまた他の実施形態において、界面活性剤は、その特性において親水性よりも疎水性が高いものである。他の実施形態において、本明細書で使用される界面活性剤は、油溶性または有機可用性界面活性剤であってよい。他の様々な特定の実施形態において、界面活性剤は、水、水溶液、または硫酸に溶けず、約1~約3のHLB値を有するものである。他の実施形態において、本明細書で使用される界面活性剤は、水、水溶液、または硫酸に溶けず、あるいは溶けにくく、約6未満、好適には約5未満のHLB値を有するものである。本発明の他の様々な実施形態において、電池セパレータに添加(またはその表面に塗装)される界面活性剤は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許公開第US2012/0094183号において説明されるような界面活性剤である。
【0025】
そのような界面活性剤は、本発明に従って製造されるセパレータの片面または両面にローラ塗装され得る。また、界面活性剤は、グラビアローラ、リバースグラビア、スロットダイ法、空気式スプレー法、浸漬塗装法、塗装用刷毛、スポンジ塗布などを含む数々の方法によって塗布および/または塗装され得る。様々な実施形態において、界面活性剤は、セパレータの負側(セパレータのアノードに面する側)にローラ塗装される。また、界面活性剤は、製造工程の最初に添加することによって、たとえば押出し成形される材料に添加(たとえば混合機または押出機内のポリオレフィンに添加)することによって、電池セパレータに組み込まれてもよい。
【0026】
乾燥が必要とされる実施形態において、塗装セパレータを乾燥する方法は、余分な水分を取り去るための多くのエネルギ形態を伴ってよい。たとえば、マイクロ波、強制空気オーブン、対流式オーブン、赤外線エネルギ、溶媒蒸発乾燥、共沸乾燥などである。セパレータを乾燥するために必要な接触時間は、方法、塗装の厚さおよび組成、およびセパレータの表面パターンおよび熱特性によって変わる。
【0027】
また、本発明の様々な実施形態において、そのような界面活性剤の添加レベルは、従来知られているものよりも高い。たとえば、添加レベルは最大約10gsm(平方メートル当たりのグラム)であってよく、いくつかの実施形態において最大約9gsm、他の実施形態において最大約8gsm、およびいくつかの実施形態において約7.4~7.5gsmの添加レベルであってよい。そのような界面活性剤の高い添加レベルと、改善され、最適化され、好適な、または選択された物理形状(たとえば鋸歯形状)とを併用した結果生じ得る電池セパレータは、そのようなセパレータが使用される電池に関する水分損失の低減および電荷受容性または再充電性の増加をもたらす。電池が直面する水分損失量を低減することは、特に、電池の水分損失が頻発し得るたとえばインドなどの市場において非常に望ましい。
【0028】
界面活性剤は高価であり、場合によってはセパレータに添加することが難しく、場合によっては電池セパレータを「塞ぐ」と思われ、電荷受容性を低減し、および/または再充電性を低くまたは遅くし得るため、高い添加レベルの界面活性剤を使用することは、そのようなセパレータを用いた既知の研究からは予測または予想されなかった。しかし、本発明の1つの実施形態について説明されるように、特定の形状の電池セパレータ(正側に千鳥状の突起部またはナブの鋸歯形状および負側にミニリブを有するもの)の片面に特定の塗装量(比較的多い塗装量)の特定の界面活性剤を使用する組み合わせは、全く予想外の望ましい特性を有する電池セパレータをもたらし、そのようなセパレータが電池に使用されると、電池は、水分損失の低減とともに電荷受容性および/または再充電性の向上を経験する。
【0029】
本明細書で説明される電池セパレータは、ポリオレフィン樹脂および油を押出機に加え、前駆体内に材料を押し出し、油を抽出し、セパレータを(たとえば鋸歯形状など)特定の外形または物理形状にするために抽出後の前駆体をカレンダ加工し、その後、セパレータをエンベロープ、スリーブ、またはパウチ型形状にローリングおよび/またはスリット加工および/または形成することを含む、たとえば湿式工程手順など既知の手順に従って製造され得る。
【0030】
電池セパレータを製造するために湿式工程が用いられる実施形態において、他の改善された電池セパレータは、電池セパレータに添加される界面活性剤の量を最適化すると同時に、電池セパレータを製造するために使用されるポリオレフィン樹脂に添加される油の量を最適化することによって提供され得る。そのような実施形態において、電池に組み込まれるとその電池に水分損失の改善(すなわち使用中の水分損失の低減)を予想外にもたらす電池セパレータが提供され得る。
【0031】
理論によって制限されることは望まれないが、本明細書の様々な実施形態において説明されるセパレータの物理形状および/または外形と、(たとえば界面活性剤などの)化学添加物との組み合わせが共に作用し、予想外に向上した電荷受容特性を有する電池セパレータが生じることによって、そのようなセパレータが使用される電池の再充電性が予想外に増加すると確信される。そのような実施形態に係る電池セパレータを使用する場合、その間中、電池の水分損失は低減される。水分損失の低減および電荷受容性および/または再充電性の向上という特徴を兼ね備えることは、たとえば産業電池などの電池にとって非常に望ましい。
【0032】
上記の電池セパレータ、電池、および関連方法は、以下の非限定的な例に関して詳述されるものとする。
【0033】
例
本発明の実施形態に従って様々な電池セパレータが製造された。
【0034】
例1
例1において、
図3に示すものに従う物理形状を有するセパレータが製造された。セパレータの写真が撮影され、
図1および2に示されている。
【0035】
例2
例2において、本発明に係る改善されたセパレータがどの程度機能するかを決定するために、いくつかの電池が組み立てられ、試験された。使用された電池は、インドのバンガロールに所在するAegan Batteries社が販売している筒形浸水インバータ電池であった。試験された電池は、20時間に12V100Ahであった。セルごとの極板の数は9(正が4および負が5)であった。グリッド内のアンチモン含有率は2.5%であった。正極板の平均乾燥板重量は474.5グラムであり、負極板の平均乾燥板重量は336グラムであった。正極板グループ重量は1898+/-2グラム/セルであり、負極板グループ重量は1680+/-1グラム/セルであった。
【0036】
実験用電池に関して、使用されたセパレータは、約400ミクロンのバックウェブ厚さ、約1.6mmの全体厚さ、および
図3に従う鋸歯形状を有する塗装ポリエチレンセパレータであった。そのような実験用セパレータは、(a)4.1gsmおよび(b)7.4gsmという2つの添加レベルで界面活性剤コーティングによって塗装された。対照電池に関して、使用されたセパレータは、約450ミクロンのバックウェブ厚さ、約1.6mの全体厚さ、および
図3に示す鋸歯形状とは異なる形状を有する未塗装(本明細書で説明される界面活性剤が塗装されていない)ポリエチレンセパレータであった(具体的には、対照または「比較」セパレータは、垂直から約10度の角度でセパレータの正側に斜め方向に一続きに延びるリブ、およびセパレータの負側に沿って縦方向に一続きに延びるミニリブを含み、ミニリブは、実験用電池セパレータのミニリブの約2倍の高さであり、実験用電池セパレータのミニリブ14の間隔距離の約2~3倍大きい間隔を有していた)。
【0037】
電池は、比較セパレータおよび本発明に係る鋸歯形状を有する塗装セパレータを用いて形成された。電池は、水分損失に関して42日間にわたり試験された。
図4は、試験の第1の21日間の後、本発明に係る塗装セパレータに関する水分損失量(779.3グラム)が、比較セパレータに関して観測された水分損失量(1014.7グラム)よりも大幅に少なかったことを示す。
図5は、試験の第2の21日間に関する同種の結果を示す。具体的には、本発明に係る塗装セパレータに関する水分損失量(791.3グラム)は、比較セパレータに関して観測された水分損失量(1050.0グラム)よりも大幅に少なかった。
図6は、
図4および5に提示されるデータを集約し、特定の形状(たとえば鋸歯形状)および界面活性剤コーティングを有する、本発明に係るセパレータの大幅に改善された水分損失性能を示す。
【0038】
また、電池に関するフロート電流データも得られ、
図7~12に提示される。
図7に示すように、固定電圧または維持電圧は14.4ボルトと記された。
図7は、比較セパレータおよび本発明に係る塗装セパレータを含む(「サンプル#1」と記された)電池に関する水分損失試験の第1の21日間に関するフロート電流データを示す。
図7において、7.4gsmの界面活性剤コーティングが充填され、鋸歯形状を有する塗装セパレータに関するフロート電流(ミリアンペア単位)は他の2つよりも低く、この電池が他の2つに比べて低い自己充電を示し、および/または少ない水分損失(少ない水分消費または電気分解)を示したことを表す。
図8は、水分損失試験の第2の21日間にわたる「サンプル#1」とラベル付けされた電池に関する同種のフロート電流データを示す。
図8にも同じ現象が見られ、フロート電流は、7.4gsmの界面活性剤コーティングで塗装され鋸歯形状を有するセパレータに関して低い。
【0039】
図7および8と同様、
図9および10は、「サンプル#2」と記された電池に関する同種のデータを示す。
図9および10と同様、
図11および12は、「サンプル#3」と記された電池に関する同種のデータを示す。
【0040】
サイクル数の関数として電池の放電持続時間を決定するために電池の追加の試験が実行された(たとえば
図13を参照)。この試験中、100%DoDという表記は「100%の放電深度」を表し、電池は、各電池に関するバックアップ時間を決定するために試験された。バックアップ時間は、ユーザが電池からエネルギを引き出すことができる時間の量を指し得る。
図13および14は、本発明に係るセパレータを使用することによって、電池が最大容量付近で動作し得る時間の長さが延長したことを示した。また本発明のセパレータを使用することによって、サイクルごとに追加の電池使用時間が生じ、これは非常に望ましいことである。
【0041】
これらの例における電池は、電解質の比重の観点からも調査された。電池がサイクルを重ねると、電池システムの電解質内の硫酸が、様々な濃度の層状に形成され得る。そのような酸の成層化を最小限にし、電解質の比重を均一に保つことが重要であり、それによって電池の寿命が引き延ばされ得る。
【0042】
図15および16は、複数回の電池サイクルが生じたそのような電池内の電解質に関する比重傾向を示すために行われた電池試験の結果を示す。
図15および16の両方に関して、鋸歯形状を有するように形成された塗装電池セパレータは、比重傾向に関して望ましいデータを示した。
【0043】
これらの例のために形成された電池は、エンド充電電流(ミリアンペア単位)に関しても試験された。そのような試験に関するデータが
図17および18に示される。たとえば、7.4gsmの界面活性剤コーティングおよび鋸歯形状を有する
図18の塗装セパレータに関する低いエンド充電電流(ミリアンペア単位)は、本発明に係る界面活性剤で塗装され鋸歯形状を有するセパレータを使用する電池に関する少ない水分損失の兆候を表す。
【0044】
最後に、これらの例のために形成された電池は、様々なサイクルにおける充電電流(アンペア単位)対持続時間を決定するためにも試験された。基本的にこの試験は、様々な電池がどの程度迅速に再充電され得るかを決定するために役立った。
図19(a)~19(d)および
図20(a)~20(d)に示される結果は、本発明に係る塗装セパレータ(鋸歯形状を有するもの)が組み込まれた電池は、より長い期間にわたり最大電荷量を受容することができたということを示した。したがって、本明細書で説明される様々な実施形態に係る電池セパレータを使用した結果、電池のサイクル寿命にわたり性能が維持される。サイクル寿命の改善、サイクル寿命にわたる性能の維持、再充電性の向上、電荷受容性の向上、および電池が経験する水分損失量の(低減による)改善は全て、本明細書に提示される様々な実施形態に係る電池セパレータに関連し得る非常に望ましい特徴である。
【0045】
少なくとも選択された実施形態、態様、または目的によると、本発明は、従来技術の弱点に対処し得るものであり、新しく、改善され、または最適化された電池セパレータ、部品、電池、インバータ、蓄電池、システム、方法、形状、添加物、構成物、複合物、混合物、コーティング、および/または水分保持、水分損失防止、電荷受容性の向上、製造、使用、および/またはそれらの組み合わせの関連方法に関する。具体的には、本発明は、電池に組み込まれるとその電池に関する水分損失の減少、電荷受容性の向上、またはそれらの組み合わせをもたらし得る、様々な改善点を有する1または複数の改善された電池セパレータに関する。また、本発明は、外形、および/または物理形状、および/または電池セパレータを製造するために使用される化学物質、添加物、混合物、コーティングなど(たとえば油、および/または電池セパレータを塗装、仕上げ、または改善するために使用される(たとえば界面活性剤などの)化学添加物または薬剤など)に関する様々な改善点を有する1または複数の改善された電池セパレータに関する。本発明の改善された電池セパレータは、たとえばインバータ電池、重工業用または軽工業用電池などの産業電池に特に有用である。少なくとも選択された実施形態、態様、または目的によると、本発明は、本明細書に示されおよび/または説明されるような産業電池のための新しく、改善され、または最適化された電池セパレータ、新しく、改善され、または最適化された電池セパレータ、部品、電池、インバータ、蓄電池、システム、方法、形状、添加物、構成物、複合物、混合物、コーティング、および/または水分保持、水分損失防止、電荷受容性の向上、製造、使用、および/またはそれらの組み合わせの関連方法、電池に組み込まれるとその電池に関する水分損失の減少、電荷受容性の向上、またはそれらの組み合わせをもたらし得る、様々な改善点を有する1または複数の改善された電池セパレータ、外形、および/または物理形状、および/または電池セパレータを製造するために使用される化学物質、添加物、混合物、コーティングなど(たとえば油、および/または電池セパレータを塗装、仕上げ、または改善するために使用される(たとえば界面活性剤などの)化学添加物または薬剤など)に関する様々な改善点を有する1または複数の改善された電池セパレータ、たとえばインバータ電池、重工業用または軽工業用電池などの産業電池に特に有用な改善された電池セパレータ、産業電池を含むがこれに限定されない電池に関する新しく、改善され、または最適化された電池セパレータおよび方法であって、改善された特性を有する改善された電池セパレータを提供するために、改善された物理形状および/または外形を有し、最適化された量のたとえば1または複数の界面活性剤など1または複数の化学添加剤または薬剤を含み得る電池セパレータ、外形、および/または物理形状、および/または電池セパレータを製造するために使用される(たとえば油などの)化学物質、および/または電池セパレータを塗装、仕上げ、または改善するために使用される(たとえば界面活性剤などの)化学添加剤に関する様々な改善点を有する1または複数の改善された電池セパレータ、改善された電池セパレータおよび/またはそのような電池セパレータが組み込まれた電池に関する改善された電池特性を提供する方法であって、改善された特性は、セパレータが使用される電池に関する電荷受容性の向上、そのような電池に関する再充電性の向上、およびそのような電池に関する水分損失の低減を含んでよいがこれに限定されない電池セパレータ、たとえば電池の電荷受容性の向上、電池の再充電性の向上、電池の水分損失の低減、電池の充電/放電サイクリング効率の向上、および/または電池の寿命の延長など、電池特性における改善をもたらす改善された電池セパレータ、
図3の鋸歯リブ形状を有する上記のいずれかの改善された電池セパレータ、および/または、鉛蓄電池、浸水鉛蓄電池、たとえばインバータ電池、重工業用または軽工業用電池などの産業電池などに特に有用である、界面活性剤コーティングを有する上記の改善された電池セパレータに関し、またはそれらを提供し得る。
【0046】
少なくとも選択された実施形態、態様、または目的によると、本発明は、上述したセパレータを含む新しく、改善され、または最適化された電池であって、
i)鋸歯形状を有し、中、表面、またはその両方に、約6より低いHLB値を有する特定の量の界面活性剤を有するセパレータ、および
ii)少なくとも1つの極板または電極がアンチモン(Sb)を備える1または複数の極板または電極を備え、上記電池は、上記少なくとも1つの極板または電極が約1%未満~5%より多くの量のアンチモン(Sb)を備え、上記電池は密封されず、上記セパレータがポリマ、1または複数の充填剤、および1または複数の可塑剤または油を備え、上記ポリマがポリオレフィンであり、上記ポリオレフィンがポリエチレン、ポリプロピレン、またはそれらの混合物または化合物であり、上記セパレータが他の層とともに使用され、または他の層に積層され、上記他の層は、ガラス層、ポリマ層、不織布層、またはガラス繊維および何らかのポリマ繊維の両方を含む層であり、上記セパレータは、バックウェブ、バックウェブの正側から伸長する突起部またはナブ、および任意選択的にバックウェブの負側から伸長するより小さな突起部またはミニリブまたはNCRを含み、セパレータのバックウェブは、約200ミクロン~約500ミクロンの厚さを有し、上記界面活性剤は、水、水溶液、または硫酸に溶けず約1~約3のHLB値を有するものであり、界面活性剤の添加レベルは、上記セパレータの1平方メートル当たり最大10gであることなどの少なくとも1つである電池、i)鋸歯形状を有し、6を下回るHLB値を有する一定量の界面活性剤を中、表面、またはその両方に更に有する電池セパレータを電池において使用する方法であって、電池は更に、ii)少なくとも1つの極板または電極がアンチモン(Sb)を備える1または複数の極板または電極を備え、電池の水分損失を低減するための電池はインバータ電池であり、インバータ電池の水分損失の低減は、電池の深放電中に生じること、i)鋸歯形状を有し、約6より低いHLB値を有する一定量の界面活性剤を中、表面、またはその両方に有する電池セパレータを電池において使用し、電池は更に、ii)少なくとも1つの極板または電極がアンチモン(Sb)を備える1または複数の極板または電極を備え、電池の再充電性を改善するための電池はインバータ電池であり、上記インバータ電池は筒形インバータ電池であることなどに関し、またはこれを提供するものであってよい。
【0047】
少なくとも選択された実施形態、態様、または目的によると、本発明は、従来技術の弱点に対処し得るものであり、および/または新しく、改善され、または最適化された電池セパレータ、部品、電池、産業電池、インバータ電池、重工業用または軽工業用電池、フォークリフト電池、フロート充電電池、インバータ、蓄電池、システム、方法、形状、添加物、構成物、複合物、混合物、コーティング、および/または水分保持、水分損失防止、電荷受容性の向上、製造、使用、および/またはそれらの組み合わせの関連方法に関し、またはそれを提供し得る。
【0048】
本発明は、その趣旨および不可欠な属性から逸脱することなく他の形式で具現化されてよく、したがって、本発明の範囲を示すものとして、上記明細書ではなく特許請求の範囲が参照されなければならない。また、本明細書に例示的に開示される本発明は、本明細書に具体的に開示されない任意の要素がなくとも適切に実施され得る。本明細書における教示の観点から、当業者には本発明の他の多くの修正例および変形例が可能である。したがって、特許請求の範囲において、本発明は、本明細書に明確に説明された方法以外でも実施され得ることが理解される。
【0049】
本願は以下の発明をも包含する。
[1] 鋸歯形状を有し、約6より低いHLB値を有する一定量の界面活性剤を中、表面、またはその両方に有するセパレータと、
少なくとも1つの極板または電極がアンチモン(Sb)を備える1または複数の極板または電極と
を備える電池。
[2] 前記アンチモン(Sb)は、約1%未満~5%を超える量である、[1]に記載の電池。
[3] 密封されていない、[1]に記載の電池。
[4] 前記セパレータは、ポリマ、1または複数の充填剤、および1または複数の可塑剤または油を備える、[1]に記載の電池。
[5] 前記ポリマはポリオレフィンである、[4]に記載の電池。
[6] 前記ポリオレフィンはポリエチレン、ポリプロピレン、またはそれらの混合物もしくは化合物である、[5]に記載の電池。
[7] 前記セパレータは、他の層と共に使用され、または他の層に積層される、[1]に記載の電池。
[8] 前記他の層は、ガラス層、ポリマ層、不織布層、またはガラス繊維および何らかのポリマ繊維の両方を含む層である、[7]に記載の電池。
[9] 前記セパレータは、バックウェブと、前記バックウェブの正側から伸長する突起部またはナブとを含む、[1]に記載の電池。
[10] 前記セパレータは、前記バックウェブの負側から伸長する更に小さな突起部またはミニリブを含む、[9]に記載の電池。
[11] 前記ミニリブは縦方向に延びる、[10]に記載の電池。
[12] 前記ミニリブは横方向に延びる、[10]に記載の電池。
[13] 前記セパレータの前記バックウェブは、約200ミクロン~約500ミクロンの厚さを有する、[9]に記載の電池。
[14] 前記界面活性剤は、水、水溶液、または硫酸に溶けないものである、[1]に記載の電池。
[15] 前記HLB値は約1~約3である、[1]に記載の電池。
[16] 前記界面活性剤の添加レベルは、最大で前記セパレータの1平方メートル当たり10gである、[1]に記載の電池。
[17] アンチモン(Sb)を備える1または複数の極板または電極を有する電池における水分損失を低減するための方法であって、
鋸歯形状を有し、約6より低いHLB値を有する一定量の界面活性剤を中、表面、またはその両方に有するセパレータを、前記電池内に設置または提供すること
のステップを備える方法。
[18] 前記電池は、鉛蓄電池、産業電池、インバータ電池、および筒形インバータ電池の少なくとも1つである、[17]に記載の方法。
[19] 前記インバータ電池の水分損失の前記低減は、前記電池の深放電中に生じる、[18]に記載の方法。
[20] アンチモン(Sb)を有する1または複数の極板または電極を有する電池の再充電性を向上させるための方法であって、
鋸歯形状を有し、約6より低いHLB値を有する一定量の界面活性剤を中、表面、またはその両方に有するセパレータを、前記電池内に設置または提供すること
のステップを備える方法。
[21] 前記電池は、鉛蓄電池、産業電池、インバータ電池、および筒形インバータ電池の少なくとも1つである、[20]に記載の方法。
[22] 鋸歯形状を有し、約6より低いHLB値を有する一定量の界面活性剤を中、表面、またはその両方に有する、産業電池用の改善された電池セパレータであって、前記セパレータが組み込まれた前記電池に、水分損失の低減、電荷受容性の向上、再充電性の向上、充電/放電サイクリング効率の向上、寿命の延長、および/またはそれらの組み合わせをもたらすセパレータ。
[23]
図3の鋸歯リブ形状を有する、[22]に記載の改善された電池セパレータ。
[24] 負クロスリブ(NCR)形状を備え、約6より低いHLB値を有する一定量の界面活性剤を中、表面、またはその両方に備える、鉛蓄電池用の改善された電池セパレータであって、前記セパレータが組み込まれた前記電池に、水分損失の低減、電荷受容性の向上、再充電性の向上、充電/放電サイクリング効率の向上、寿命の延長、および/またはそれらの組み合わせをもたらすセパレータ。