(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023394
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】耳部を有する吸収性物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/56 20060101AFI20240214BHJP
【FI】
A61F13/56 210
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023199153
(22)【出願日】2023-11-24
(62)【分割の表示】P 2021576362の分割
【原出願日】2020-07-01
(31)【優先権主張番号】62/869,063
(32)【優先日】2019-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/916,655
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【弁理士】
【氏名又は名称】柳本 陽征
(72)【発明者】
【氏名】ネルソン、エドワード、グリーニング、ザ、サード
(72)【発明者】
【氏名】エリカ、リン、ロック
(72)【発明者】
【氏名】ウルミッシュ、ポパトラル、ダラル
(72)【発明者】
【氏名】マルクス、シェーンベック
(72)【発明者】
【氏名】マリア、オウデランシンク
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル、トリンカウス
(72)【発明者】
【氏名】マリウス、ヤナス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】エラストマー性部分を有する吸収性物品、特に、エラストマー性の耳部を有する吸収性物品に関する。
【解決手段】吸収性物品は、第1の腰部領域、第2の腰部領域、及び第1の腰部領域と第2の腰部領域との間に配置された股部領域を含む。吸収性物品は、トップシート、バックシート、トップシートとバックシートとの間に配置された吸収性コア、及び積層体10を更に含む。積層体は、伸縮性領域18を有する。積層体は、第1の不織布、第2の不織布、及び伸縮性領域において第1の不織布と第2の不織布との間に挟持されたエラストマー性材料を含む。積層体は、少なくとも4%の結合密度を有し、かつエラストマー性材料と少なくとも部分的に重なり合う結合領域40を含む。積層体は、少なくとも0.90Nの50%での無負荷力を示す。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品(100)であって、
第1の腰部領域(114)、第2の腰部領域(118)、及び前記第1の腰部領域と前記第2の腰部領域との間に配置された股部領域(116)と、
トップシート(124)、バックシート(126)、及び前記トップシートと前記バックシートとの間に配置された吸収性コア(128)と、
伸縮性領域(18)を備え、前記第1の腰部領域又は前記第2の腰部領域のうちの1つに配置された耳部(130)及び/又は腰部機構(180)に配置されている、積層体(10)であって、
第1の不織布(12)、第2の不織布(16)、並びに前記伸縮性領域において前記第1の不織布と前記第2の不織布との間に挟持されたエラストマー性材料(14)と、
複数の分離結合部(30)及び少なくとも4%の結合密度を含む結合領域(40)であって、前記結合領域が、前記エラストマー性材料と少なくとも部分的に重なり合う結合領域(40)と、
本明細書のヒステリシス試験法による、50%で少なくとも0.90Nの除荷力と、を更に有する、積層体(10)と、
を備える、吸収性物品(100)。
【請求項2】
前記分離結合部が格子パターン(36)で配置される、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記分離結合部が、互い違いのパターンで配置される、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記結合領域において、隣接する結合部が、3mm以下の最大横方向分離距離(DB)と、4mmより小さい、好ましくは2mm以下の最大長手方向分離距離(DA)によって分離される、請求項1~3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記複数の分離結合部が、複数の超音波結合部(32)を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記分離結合部のうちの1つ以上が、0.3mm2以上の分離結合領域を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記積層体が、少なくとも2のヒステリシス比を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記結合密度が、少なくとも4.25%である、請求項1~7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
デッドゾーン(140)を更に備え、前記結合領域が、前記デッドゾーンと少なくとも部分的に重なり合う、請求項1~8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記積層体が、少なくとも70gf/cmの平均剥離力を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項11】
前記デッドゾーンが、少なくとも90gf/cmである第2の平均剥離力を含む、請求項9又は10に記載の吸収性物品。
【請求項12】
前記結合密度よりも60%小さい第2の結合密度を含む第2の結合領域(42)を更に備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項13】
前記第2の結合領域が、波形領域(141)と少なくとも部分的に重なり合う、請求項12に記載の吸収性物品。
【請求項14】
前記積層体が、1.5Nの負荷で20%以上、好ましくは25%以上の伸びを有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項15】
前記積層体が、少なくとも330%のピーク伸びを有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エラストマー性部分を有する吸収性物品、特に、エラストマー性の耳部を有する吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の吸収性物品(例えば、おむつ、成人用失禁物品、婦人衛生パッド)などの吸収性物品が、尿及び/又はその他の身体排泄物(例えば、糞便、月経、糞便と尿との混合物、月経と尿との混合物など)を受容し、封入するという利点を提供することは、かなり以前から知られている。身体排出物を有効に封じ込めるためには、物品は着用者の腰部及び脚部周囲にぴったりとフィットする必要がある。
【0003】
製造業者は、心地の良いフィット感を実現するのを助けるために、物品内で伸縮性サイドパネル(即ち、耳部)などの延伸性領域をよく使用する。着用時には、伸縮性がある耳部によって着用者の臀部及び腰部の周囲に物品が延伸し、着用者の快適な移動を可能としながら使用中の製品をしっかりと固定することができる。着用者の周囲に製品を更に固定するために、締結システムが、典型的には耳部に接合される。伸縮性のある耳部は、典型的には、被覆材料(例えば、不織布)とエラストマー材との積層体である。
【0004】
伸縮性積層体を、超音波結合を用いて作成することが提案されている。このような場合、伸縮性エラストマー性材料を超音波結合を介して不織布と組み合わせる。組み合わせた後、積層体が弛緩状態にある場合に不織布は波形を形成する。これらの積層体は、接着剤及び機械的活性化の使用を回避しながら、(エラストマー材において付与された伸縮性のレベルに応じて)高伸縮性耳部を製造することができる。超音波結合積層体は望ましい伸縮性を提供し得るが、いくつかの構成では、より低い結合強度を提供することが知られている。耳部が必要な強度を欠いている場合、耳部の構成要素及び/又は耳部積層体の全体が裂ける又は剥離する場合があり、締結具が耳部から外れる可能性がある、及び/又は耳部が物品の残部から外れる可能性がある。このような破損により、物品自体が使用不能となる。したがって、好適な高結合強度が必要である。同様に、このような強度において、必要な延伸性とフィット感とのバランスをとることが重要である。換言すれば、結合部の数及び位置決めは、伸縮性を阻害してはいけない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、十分な強度及び十分な延伸性の両方を提供する積層体が依然として必要とされている。層間剥離及び/又は引き裂きを防止するために好適な強度を提供する改善されたパターンを有する伸縮性積層体に対する、継続的な必要性が存在する。更に、高い延伸性を提供して、エンドユーザの容易な延伸を可能にするパターンに対する継続的な必要性が存在する。コスト効果及び効率的な方法で所望の特性を作り出すために使用され得る結合パターンの必要性もまた存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、本明細書における独立請求項の特徴を含む。吸収性物品は、第1の腰部領域、第2の腰部領域、及び第1の腰部領域と第2の腰部領域との間に配置された股部領域と、トップシート、バックシート、及びトップシートとバックシートとの間に配置された吸収性コアと、積層体と、を備える。積層体は、伸縮性領域を備え、第1の腰部領域又は第2の腰部領域のうちの1つに配置された耳部機構及び/又は腰部機構内に配置される。積層体は、第1の不織布、第2の不織布、及び伸縮性領域において第1の不織布と第2の不織布との間に挟持されたエラストマー材を更に備える。積層体は、複数の分離結合部と、少なくとも4%の結合密度とを含む結合領域を備え、結合領域は、エラストマー材と少なくとも部分的に重なり合う。積層体は、本明細書のヒステリシス試験法に従って、50%で少なくとも0.90Nの除荷力を更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の非限定的な一実施形態による、積層体の概略分解図である。
【
図2】本発明の非限定的な一実施形態による、積層体の概略平面図である。
【
図3】本発明の非限定的な一実施形態による、結合パターンの概略平面図である。
【
図4】本発明の非限定的な一実施形態による、結合パターンの概略平面図である。
【
図6】本発明の非限定的な一実施形態による、例示的な吸収性物品の概略平面図である。吸収性物品は、平坦な非収縮状態で示されている。
【
図7A】本発明の非限定的な一実施形態による、吸水性パンツの概略斜視図である。
【
図7B】平らに広げられ、弾性誘導収縮に対して横方向に引き伸ばされた開放構成にある、
図7Aのパンツの例示的な前身的構造である。
【
図8】試験法手順の実例のための例示的な結合パターンの顕微鏡写真である。
【
図9】本発明の非限定的な一実施形態による、試験法手順の実例のための、耳部積層体の概略平面図である。
【
図10A】例示的な結合パターンの概略平面図である。
【
図10B】例示的な結合パターンの概略平面図である。
【
図11】本明細書の剥離試験法に使用するための試料の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
「弾性」、「エラストマー性」及び「弾性的延伸性」は、本明細書に記載されたヒステリシス試験による方向のうちの1つにて、所与の負荷において、破裂又は破損がない状態で少なくとも100%伸縮し、負荷が取り除かれた際に、弾性材料又は構成部品が少なくとも70%の回復を示す(即ち、30%未満の硬化を有する)材料の性能を意味する。歪み、歪みパーセント、工学歪み、延伸比、又は伸長と称されることもある伸縮性は、回復及び硬化と同様に、以下でより詳細に記載されるヒステリシス試験によってそれぞれ測定されてもよい。弾性ではない材料は、非弾性として称される。
【0009】
「伸張可能」とは、本明細書のヒステリシス試験での工程2による、少なくとも50%まで(特定の100%の歪みを50%の歪みに置き換える)、破裂又は破損なく伸縮する又は伸びる能力を意味する。
【0010】
吸収性物品に関連する「使い捨て」とは、その吸収性物品について、洗濯するか、又は別の方法で吸収性物品として復元されるか若しくは再利用されることが、一般的に意図されていないこと(すなわち、それらの吸収性物品について、1回の使用後に廃棄される、好ましくは、リサイクル、コンポスト化、又はその他の環境に適合する方法で廃棄されることが意図されていること)を意味する。
【0011】
「吸収性物品」とは、身体排泄物を吸収及び封じ込める器具を意味し、より詳細には、着用者の身体に接して、又は着用者の身体の近位に置かれて、身体から排出される種々の排泄物を吸収し、封じ込める器具を意味する。吸収性物品の例としては、おむつ、トレーニングパンツ、プルオンパンツ型おむつ(すなわち、米国特許第6,120,487号に例示されているようなあらかじめ形成された腰部開口部及び脚部開口部を有するおむつ)、再締結可能なおむつ若しくはパンツ型おむつ、失禁用ブリーフ及び下着、おむつホルダ及びライナー、パンティライナーなどの婦人用衛生衣類、吸収性挿入物等が挙げられる。
【0012】
「格子」とは、互いに交差して一連の正方形又は長方形を形成する線の網状組織に沿った、非互い違い状の結合部の配置を指す。結合部は、別個であっても連続的であってもよい。
【0013】
「配置された」とは、要素が、ある特定の場所又は位置に置かれていることを意味する。
【0014】
「接合された」とは、1つの要素をその他の要素に直接付着させることにより、その要素がその他の要素に直接貼り付けられている構成、及び要素を中間部材(複数)に付着させ、その中間部材(複数)が更にその他の要素に貼り付けられていることにより、その要素がその他の要素に間接的に貼り付けられている構成を意味する。
【0015】
「フィルム」とはシート状材料であって、材料の長さ及び幅が材料の厚さを大幅に超える(例えば、10倍、50倍又は更には1000倍)ものを意味する。フィルムは、典型的には液体不透過性であるが、通気性であるように構成されてもよい。
【0016】
「積層体」とは、当該技術分野で周知の任意の好適な方法(例えば、加熱されていない若しくは加熱されたパターン付きロールを用いた、接着結合、超音波結合、熱接着、又は圧力接着)によって、互いに結合された2つ以上の材料を意味する。
【0017】
「長手方向」とは、構成要素の長さでの方向を意味し、長手方向が構成要素のx-y平面の最大直線寸法に対して平行に延びる。本明細書に記載された吸収性物品では、長手方向は、吸収性物品が平らに延ばされた非収縮状態の場合に腰部縁部から対向する腰部縁部まで、又は2つ折りにされた物品の腰部縁部から股部底部まで、実質的に垂直に延びる。
【0018】
「横方向」とは、一般に、長手方向に対して垂直な方向を意味する。本明細書に記載された吸収性物品では、横方向は、側縁部から対向する側縁部まで、実質的に平行に延びる。
【0019】
「不織布」とは、連続的な(長い)フィラメント(繊維)及び/又は不連続な(短い)フィラメント(繊維)から、例えば、スパンボンド、メルトブローン、エアレイイング、カーディング、共形成、水流交絡などのプロセスなどから作製される多孔質な繊維状材料を意味する。不織布は、織られた又は編まれたフィラメントパターンを有さない。不織布は、液体透過性又は不透過性であってもよい。
【0020】
結合に関して「互い違い状の」とは、例えば
図5に示されるように、隣接する横方向に延在する行内の結合が横方向距離によりオフセットされるような、及び/又は隣接する長手方向に延在する列内の結合部が長手方向距離によりオフセットされるような、代替的な位置にある結合の配置を意味する。
【0021】
「弛緩された」とは、要素に作用する外力が重力以外に実質的にない、静止時の要素、材料又は構成部品の状態を意味する。
【0022】
積層体
図1に示されるように、積層体10は、第1の不織物12及びエラストマー層14を備える。種々の実施形態では、積層体は、第2の不織布16を備え、エラストマー層14は、第1の不織布と第2の不織布との間に挟持される。追加の層が含まれていてもよい(例えば、追加の不織布、非弾性材料、弾性又は延伸性材料等)。種々の実施形態では、積層体はエラストマー性である。1つ以上の積層体層は、
図2に示すように、超音波結合部32を備えてもよい複数の分離結合部30によって接合される。超音波結合は、エラストマー層を介して不織布層を接合させてもよい。超音波結合された積層体は、本願と同一出願人による米国特許出願第62/374,010号、同第62/419,515号に開示されているプロセス及び/又は設備によって形成されてもよい。
【0023】
任意の好適な不織布が、積層体10において使用されてもよい。好適な不織布は、少なくとも約8gsm、又は約30gsm以下、又は約22gsm以下、又は約17gsm以下、又は約10gsm~約22gsmの坪量を含んでもよく、当該範囲についてこの範囲内の1gsm増分毎に列挙する。好適な不織布としては、スパンボンド、スパンレイド、メルトブローン、エアースルー結合、スパンメルト、溶剤紡糸、電界紡糸、カーディング、フィルムフィブリル化、メルトフィルムフィブリル化、空気積層、乾式積層、湿式積層を施したステープルファイバー、及び当該技術分野で周知の、部分的又は全体的にポリマー繊維から形成されたその他の不織布ウェブ材料が挙げられるが、これらに限定されない。非限定的な実施例では、不織布は、メルトブローン層を備える。追加的に、又は代替的に、不織布は、スパンボンド層を備えてもよい。非限定的な実施例では、不織布は、2層以上のスパンボンド層を備える。更なる非限定的な実施例では、1つ以上の不織布は、SMS構成を備えてもよい。代替的に、耳部における不織布のうちの1つ以上は、メルトブローン層を有していなくてもよい。メルトブローン層は、接着を必要とする耳部における結合を強化することが判明しているが(多孔質不織布構造を介した接着の拡散をメルトブローン層が阻害することに鑑みて)、メルトブローン層は、強度が不足している場合が多い。いくつかの実施形態では、不織布は、スパンボンド層から本質的になる。いくつかの非制限的な実施例では、第1の不織物及び第2の不織布はいずれも、少なくとも2層のスパンボンド層、又は3層以上のスパンボンド層を備える。
【0024】
この不織布ウェブは、主にポリマー繊維で形成されてもよい。いくつかの実施例では、好適な不織布繊維材料としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、又は具体的には、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及び/又はこれらのブレンドなどのポリマー材料が挙げられてもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施例では、繊維は、米国特許第5,266,392号に記載されているものなどのPP/PEブレンドから形成されていてもよい。不織繊維は、脂肪族ポリエステル、熱可塑性ポリサッカライド、又はその他のバイオポリマーなどの成分から形成されてもよい、又はそれらの成分を、添加剤又は改質剤として含んでもよい。更なる有用な不織布、繊維組成物、繊維及び不織布の形成、並びに関連する方法は、米国特許第6,645,569号、同第6,863,933号、及び同第7,112,621号、並びに米国特許出願第10/338,603号、同第10/338,610号及び同第13/005,237号に記載されている。不織布層の個々の繊維は、単一成分又は多成分(二成分を含む)であってもよい。多成分繊維は、例えば、コア及びシース配列又は並列配置での種々のポリマー成分を含む、二成分とすることができる。個々の成分は、ポリプロピレン若しくはポリエチレン、又はそれらのコポリマーなどのポリオレフィン、あるいはポリエステル、熱可塑性ポリサッカライド、又はその他のバイオポリマーを含むことができる。更に、この不織布は、例えば、上記のポリマー繊維の種類から選択される、種々の繊維のブレンドを含んでもよい。いくつかの実施例では、それらの繊維の少なくとも一部は、螺旋形状を有するスパイラル捲縮を示しても良い。一例によれば、それらの繊維は、個別の繊維である、二成分の繊維を含むことができ、それぞれが、異なる材料、通常、第1のポリマー材料及び第2のポリマー材料を含む。並列型二成分繊維を使用することは、それらの繊維にスパイラル捲縮を付与するために有益であると考えられている。潜在的に好適な捲縮又は「牽縮」二成分繊維及びこれらから形成される不織布の例は、米国特許第5,382,400号、同第5,418,045号、同第5,707,468号、同第6,454,989号、同第6,632,386号、同第5,622,772号及び同第7,291,239号に記載されている。本明細書の目的のために、例えば、直前に引用されている特許及び/又は特許出願に記載されているものなどの、二成分又は多成分のひだ付き繊維から形成される不織布の使用は、1つ又は両方の不織物層として望ましい場合があるが、その理由は、これらが、特に手触りが柔らかく感じることができ(着用者にとって内側が快適であり、外側は審美的に感じのよい印象になる)、一般にかなり柔軟性に富むからである。その他の非限定的な実施例では、不織布は捲縮繊維を有していなくてもよい。
【0025】
積層体10が1つ超の不織布を含む場合、不織布は、同じ坪量又は異なる坪量を有していてもよい。同様に、不織布は、同じ層構成(例えば、SSS)又は異なる層構成(例えば、SMS)を備えてもよい。
【0026】
エラストマー層14は、層14の少なくとも一部に弾性をもたらす1つ以上のエラストマー性材料を含む。エラストマー性材料の非限定的な実施例としては、フィルム(例えば、ポリウレタンフィルム、ゴム及び/又はその他のポリマー材料から誘導されたフィルム)、別の基材に塗布されたエラストマーコーティング(例えば、ホットメルトエラストマー、エラストマー性接着剤、印刷エラストマー、又は別の基材に共押出されたエラストマー)、エラストマー性不織布、スクリム等が挙げられる。好適なエラストマー組成物は、スチレン系ブロックコポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルアミド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される熱可塑性エラストマーを含む。好適なスチレン系ブロックコポリマーは、ジブロック、トリブロック、テトラブロック、又は少なくとも1つのスチレンブロックを有するその他のマルチブロックコポリマーであってもよい。例示的なスチレン系ブロックコポリマーとしては、スチレン-ブタジエン-スチレン、スチレン-イソプレン-スチレン、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン、スチレン-エチレン/プロピレン-スチレン等が挙げられる。市販されているスチレン系ブロックコポリマーとしては、KRATON(スチレン系ブロックコポリマー;Kraton Chemical Company(Houston、TX)から入手可能)、SEPTON(スチレン系ブロックコポリマー;Kuraray America,Inc.(New York、NY)から入手可能)、VECTOR (スチレン系ブロックコポリマー;TSRC Dexco Chemical Company(Houston、TX)から入手可能)が挙げられ、使用され得る。更なる好適な市販のエラストマーは、ESTANE(ポリウレタン;Lubrizol,Inc(Ohio)から入手可能)、PEBAX(ポリエーテル系ブロックアミド;Arkema Chemicals(Philadelphia,PA)から入手可能)、及びHYTREL(ポリエステル;DuPont(Wilmington、DE)から入手可能)である。
【0027】
半結晶性ポリオレフィン又はメタロセンポリオレフィンは、使い捨て吸収性製品において広く使用されている。それらの性能は、結晶化度の量に依存することが周知である。結晶化度は、立体規則性の減少と共に減少し、材料は、より多くの弾性挙動を示す。立体不規則性を導入すること、又はコモノマーを導入することなどによる、結晶化度を制御するための多くの方法が周知である。一部のホモポリオレフィン及びランダムコポリマー、並びにExxonMobilから入手可能な商標名VISTAMAXX(商標)及びDOWから入手可能なVERSIFY(商標)によって周知の、このようなランダムコポリマーのブレンドは、この原理に基づいて合成され、弾性性能を示す傾向がある。本明細書で有用なポリオレフィンエラストマー性材料としては、ポリエチレン及びポリプロピレンなどのポリオレフィンの任意のポリマー又はコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。エラストマーポリプロピレンの好適な例としては、弾性ランダムポリ(プロピレン/オレフィン)コポリマー、立体不規則性を含有するアイソタクチックポリプロピレン、アイソタクチック/アタクチックポリプロピレンブロックコポリマー、アイソタクチックポリプロピレン/ランダムポリ(プロピレン/オレフィン)コポリマーブロックコポリマー、ステレオブロック弾性ポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレンブロックポリ(エチレン-co-プロピレン)ブロックシンジオタクチックポリプロピレントリブロックコポリマー、アイソタクチックポリプロピレンブロックレジオレギュラーポリプロピレンブロックアイソタクチックポリプロピレントリブロックコポリマー、ポリエチレンランダム(エチレン/オレフィン)コポリマーブロックコポリマー、リアクタブレンドポリプロピレン、極めて低密度のポリプロピレン(又は同様な意味合いで、超低密度ポリプロピレン)、メタロセンポリプロピレン、及びこれらのブレンド又は組み合わせが挙げられる。結晶性アイソタクチックブロック及び非晶質アタクチックブロックを含む好適なポリプロピレンポリマーは、例えば、米国特許第6,559,262号、同第6,518,378号及び同第6,169,151号に記載されている。ポリマー鎖に沿った立体不規則性を有する好適なアイソタクチックポリプロピレンは、米国特許第6,555,643号及び欧州特許第1 256 594(A1)号に記載されている。好適な実施例としては、主鎖に組み込まれた低濃度のコモノマー(例えば、エチレン又はより高いα-オレフィン)を有するプロピレンを含むエラストマーランダムコポリマーが挙げられる。弾性ポリエチレンは、弾性ポリプロピレンの実施例と同様に作製することができ、本発明の弾性積層体を作製するために使用され得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、2つ以上のエラストマーをブレンドして、所望の弾性性能を達成し得る。例えば、スチレン系ブロックコポリマーをポリオレフィン系エラストマーとブレンドし得る、又はポリプロピレン系エラストマーをその他のポリオレフィン系エラストマーとブレンドし得る。本発明のエラストマー性組成物は、特定の用途のために組成物を調整するために当該技術分野において一般的に使用される1種以上の添加剤を含んでもよい。
【0029】
非限定的な実施例では、エラストマー層14はフィルム15を備える。フィルムは、単一層又は複数層を含み得る。フィルムは延伸性であってもよい、又は横方向及び/若しくは長手方向に弾性であってもよい。フィルムは、例えば米国特許第9,533,067号に開示されているように、結合に先立ってあらかじめ活性化されていてもよい。
【0030】
図2に示すように、エラストマー層は、積層体自体よりも積層体の1つ以上の寸法で短くてもよい。例えば、エラストマー層は第1の寸法Yを含んでもよく、Yは、同一方向に少なくとも10mmで、積層体の寸法W未満であってもよい。特定の実施形態では、Yは、Wの少なくとも約20%、又は約25%~約100%、又は約35%~約85%、又は約80%以下であり、各範囲についてこの範囲内の5%増分毎に列挙する。追加的に、又は代替的に、エラストマー層は、積層体の1つ以上の寸法に等しい寸法を有してもよい。例えば、エラストマー層は、エラストマー層の横方向幅全体にわたって実質的に同じ長手方向長さを含んでもよい。いくつかの実施形態では、エラストマー層は、約5~約150gsm、又は約10~約100gsm、又は約150gsm未満の坪量を有してもよく、各範囲についてこの範囲内の5gsm増分毎に列挙する。
【0031】
積層体10は、伸縮性領域18を備えてもよい。伸縮性領域18は、一般に、エラストマー性材料14の周縁によって画定される。伸縮性領域18は、以下に記載されるように、積層体が弛緩状態にある場合に、不織布層(複数可)がギャザーを形成する波形領域141を備えてもよい。積層体は、エラストマー層を含む非波形部分であるデッドゾーン140を備えてもよい。デッドゾーン140は、エラストマー層14の1つ以上の縁部に形成され得るが、当該弾性層は、積層体製造プロセス中に保持された。図の可視化のために、デッドゾーンは、仮想線DZ(直線である必要はない)によって波形領域から分離される。非波形手段は波形を実質的に含まず、ごく僅かな波形がデットゾーン140内に存在してもよいが、これは全体的な機能に寄与しないことを理解されたい。
【0032】
伸縮性領域18では、積層体は、弾性的延伸性である。いくつかの実施形態では、伸縮性領域の面積は、積層体の全面積の少なくとも約20%、又は約30%~約100%、又は約80%以下を含み、上記範囲についてこの範囲内の5%増分毎に列挙する。
【0033】
積層体は、1つ以上の非弾性領域を更に備えてもよい。特定の実施形態では、積層体10は、積層体の第1の積層体縁部9から第1のエラストマー性材料の縁部17まで横方向外側に延在する第1の非弾性領域20を備える。耳部は、第2の積層体縁部11から第2のエラストマー性材料の縁部19まで横方向内側に延在し得る第2の非弾性領域22を更に含んでもよい。第1の非弾性領域及び第2の非弾性領域は、同じ材料(複数可)で作製されてもよい、又は異なる材料で作製されてもよい。
【0034】
種々の実施形態では、積層体10は、積層中に層のうちの一層が残りの層よりも大きく歪むギャザー付き積層体24を含む。このように、低延伸性層(すなわち、不織布12、16)は、積層体24が弛緩状態にある場合に、ギャザー(すなわち、波形)を形成し得る。いくつかの実施形態では、エラストマー層の少なくとも一部は、積層中に不織布(複数可)が弛緩状態にある間に歪む。エラストマー層は、1つ以上の方向に引き伸ばされてもよい。次に、その後に形成された積層体24が弛緩状態にある場合に、伸縮性領域の不織布層(複数可)内に波形が形成される。積層された積層体を作製する場合、エラストマー層は、伸縮方向(すなわち、最終製品における伸縮の意図された方向)に引き伸ばされる。伸縮方向は、横方向及び/又は長手方向であってもよい。非限定的な実施例では、エラストマー層は、物品の横方向に対応する方向に引き伸ばされる。換言すれば、積層後に積層体をシャーシに接合させた場合に、積層体は、積層体が物品の横方向に伸縮可能であるように配向され得る。前述したように、積層体を形成している間、エラストマー層14は、1つ以上の縁部に固定され、その他の部分で伸縮されてもよい。当該固定領域は、組み立てられた積層体のデッドゾーン140になり得る。
【0035】
例えば、
図2に示されるように、2つ以上の積層体の層は、1つ以上の結合領域40によって接合される。結合領域は、超音波結合部32であり得る複数の分離結合部30を備える。超音波結合は、エラストマー層を介して不織布層を接合させてもよい。結合部は、長方形又は正方形であってもよい。分離結合部30は、本明細書で結合寸法試験法によって決定されるように、少なくとも約0.25mm
2、又は少なくとも約0.3mm
2、又は少なくとも約0.35mm
2、又は約0.2mm
2~約2mm
2の分離結合領域を備えても良く、当該範囲についてこの範囲内の0.05mm
2増分毎に列挙する。結合部を形成するために使用される結合ナブは、少なくとも約0.25mm
2、0.36mm
2、又は少なくとも約0.49mm
2、又は少なくとも約0.5mm
2、又は約0.4mm
2~約2mm
2であってもよく、当該範囲について0.05mm
2毎に列挙する。
【0036】
結合部は、パターン34内に配置されてもよい。パターン34は、例えば
図3に示されるような平行な行310及び平行な列312を有する格子36を含んでもよい。行は、実質的に横方向に延在してもよく、列は、実質的に長手方向に延在してもよい。理論に束縛されるものではないが、結合部を均一なパターン(ランダムに配置された結合部とは対照的に)配置することは、好適な引張強度並びに所望の伸縮特性を確実にすると考えられる。種々の非限定的な実施例では、パターンは、
図2~
図3に示されるように、非互い違い状であってもよい。その他の非限定的な実施例では、パターンは互い違い状であってもよい。
【0037】
隣接する延在する行における結合部は、約6mm以下、又は約5mm以下、又は約4mm以下、又は約2mm~約6mmの最大長手方向分離距離DAを含んでもよく、当該範囲についてこの範囲内の0.1mm増分毎に列挙する。隣接する延在する列における結合部は、約4mm以下、又は約3mm以下、又は約2.5mm以下、又は約1.5mm~約2mmの最大横方向分離距離DBを含んでもよく、当該範囲についてこの範囲内の0.05mm増分毎に列挙する。前述の分離距離は、本明細書の結合寸法試験法によって決定されてもよい。
【0038】
結合領域40は、本明細書で結合寸法試験法によって決定されるように、少なくとも約2.5%、又は少なくとも約3%、又は少なくとも約4%、又は約4.25%、又は約3%~約6%の結合密度を含んでもよく、当該範囲についてこの範囲内の0.1%増分毎に列挙する。理論に束縛されるものではないが、本明細書の結合密度値は、積層体の延伸性、より具体的にはピーク負荷における延伸性を著しく低下させることなく、好適な引張強度を確保すると考えられる。結合の増加が延伸性の影響を弱めることが知られているが、本発明者らは、本明細書で教示されるように配置された結合領域が、より多量の接着にもかかわらず、延伸性を著しく阻害しないことを見出した。
【0039】
上記に加えて、高い結合密度を有する場合であっても、積層体は、本明細書のヒステリシス試験法によって決定されるように、50%で少なくとも約0.9N、又は少なくとも約0.95N、又は少なくとも約1N、又は少なくとも約1.05N、又は約0.75N~約1.25Nの除荷力を含んでもよく、当該範囲についてこの範囲内の0.05N増分毎に列挙する。積層体は、本明細書のヒステリシス試験法によって決定されるように、少なくとも約15%、又は少なくとも約16%、又は少なくとも20%、又は約15%~約35%の力緩和を含んでもよく、当該範囲についてこの範囲内の1%増分毎に列挙する。
【0040】
追加的に、又は代替的に、本発明の積層体は、本明細書のヒステリシス試験法によって決定されるように、少なくとも約1.75、又は少なくとも約2、又は約1.5~約3のヒステリシス比を有してもよく、当該範囲についてこの範囲内の0.1増分毎に列挙する。このように、積層体は高弾性を示す。吸収性物品へと組み込まれる場合、本発明のヒステリシス比を有する積層体は、強度とのバランスのとれた延伸性を有する。本発明の積層体は、着用時に力を耐えるのに十分な能力を有しつつ、適用を容易にすることが可能である(例えば、適用後、伸縮性耳部が弛緩して、製品が着用者にぴったりと適合することを可能にする)。
【0041】
積層体、又はより具体的には、結合領域40は、少なくとも約5%、又は少なくとも約5.5%、又は少なくとも約5.75%、又は少なくとも約5.8%、又は約5%~約6.5%の、0.5Nの負荷での伸びを有してもよく、当該範囲についてこの範囲内の0.1増分毎に列挙する。積層体、又はより具体的には、結合領域40は、少なくとも約20%、又は少なくとも約21%、又は少なくとも約25%、又は少なくとも約26%、又は約20%~約30%、又は約21%~約28%の、1.5Nの負荷での伸びを有してもよく、各範囲についてこの範囲内の1%増分毎に列挙する。積層体、又はより具体的には、結合領域40は、少なくとも約100%、又は少なくとも約105%、又は少なくとも約110%、又は少なくとも約115%、又は約100%~約130%、又は約105%~125%の、3.0Nの負荷での伸びを有してもよく、各範囲についてこの範囲内の1%増分毎に列挙する。積層体、又はより具体的には、結合領域40は、少なくとも約7N/cm、又は少なくとも約7.5N/cm、又は少なくとも約8N/cm、又は少なくとも約8.5N/cm、又は少なくとも約8.75N/cm、又は約7N/cm~約10N/cm、又は約7.5N/cm~約9.5N/cm、又は約8N/cm~約9N/cmのピークでの負荷を含んでもよく、各範囲についてこの範囲内の0.5N/cm増分毎に列挙する。追加的に、又は代替的に、積層体、又はより具体的には、結合領域40は、少なくとも約250%、又は少なくとも約300%、又は少なくとも約325%、又は少なくとも約350%、又は少なくとも約375%、又は少なくとも約400%、又は約200%~約400%、又は約300%~約400%、又は約325%~約390%のピークでの伸びを有してもよく、各範囲についてこの範囲内の5%増分毎に列挙する。伸び値及び負荷値は、本明細書の引張試験法によって決定されてもよい。理論に束縛されるものではないが、前述の伸び値及び負荷値は、単独で又は組み合わせて、引き裂きに対する高い抵抗を示すと考えられる。
【0042】
いくつかの実施形態では、積層体は、
図4に示されるような第2の結合領域42を含んでもよい。第2の結合領域42は、第1の結合密度とは異なり得る第2の結合密度を含んでもよい。非限定的な実施例では、第2の結合密度は、第1の結合密度未満である。第2の結合密度は、第1の結合密度よりも少なくとも約30%、又は少なくとも約40%、又は少なくとも約45%、又は少なくとも約50%、又は約20%~約75%、又は約30%~約60%、又は約40%~約55%であってもよく、当該範囲についてこの範囲内の5%増分毎に列挙する。疑義を避けるために明記すると、結合密度の差を決定する計算:[(第1の結合密度-第2の結合密度)/第1の結合密度]
*100%=結合密度の差、である。
【0043】
第1の結合領域及び第2の結合領域はそれぞれ、
図4に示すような平均領域幅を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の領域の平均幅W
FRは、第2の領域の平均幅W
SR未満であってもよい。非限定的な実施例では、第1の領域の平均幅W
FRは、第2の領域の平均幅W
SRの少なくとも約10%、又は少なくとも約20%、又は少なくとも約25%、少なくとも約30%、又は約10%~約70%、又は約15%~約60%、又は約20%~約50%、又は約25%~約45%であり、当該範囲についてこの範囲内の1%増分毎に列挙する。このように、積層体は、好適な強度を確保するために、及び/又はフィルムのクリープを防止するために、1つ以上の縁部に沿って十分な固定で結合されてもよい。非限定的な実施例では、第1の結合領域は、より高い結合密度を有してもよく、領域は、デッドゾーンにわたって、かつエラストマー性材料(すなわち、上記の非弾性領域20)を含まない、又は実質的に含まない、積層体の領域内へと延在してもよい。第1の結合領域は、エラストマー層を有する積層体の領域と、不織布層のみを有する積層体の領域との間の境界面を架橋してもよい。いくつかの実施例では、第1の領域の平均幅WFRは、一般に、デッドゾーンにわたって、かつ非弾性領域にわたって均等に分布されてもよい。
【0044】
第2の結合領域42は、伸縮性領域18と少なくとも部分的に重なり合ってもよい。非限定的な実施例では、第2の結合領域42は、波形領域141と少なくとも部分的に重なり合い、第1の結合領域は、
図4に示されるように、少なくとも部分的にデッドゾーン140と重なり合う。このような場合、デッドゾーンは、フィルムのクリープを防止し得るより高密度の結合パターンによって結合されてもよい。第2の結合領域42は、少なくとも部分的にデッドゾーンと重なり合ってもよい、及び/又は第1の結合領域は、少なくとも部分的に波形領域と重なり合ってもよいこともまた想到される。結合領域の任意の好適な構成は、範囲内である。
【0045】
第2の結合領域は、結合密度、パターン、分離結合領域、結合型/材料、結合形状、結合配向、又はこれらの組み合わせにおいて、第1の結合領域と異なってもよい。非限定的な実施例では、
図4に示すように、第2の結合領域42を互い違い状にしてもよく、第1の結合領域40は格子パターンを含んでもよい。
【0046】
積層体は、第1の結合領域又は第2の結合領域と同じであっても異なっていてもよい第3の結合領域43を備えてもよい。
【0047】
上記に加えて、積層体は、デッドゾーン140において、少なくとも50gf/cm、又は少なくとも約60gf/cm、又は少なくとも約70gf/cm、又は少なくとも約75gf/cm、又は少なくとも約90gf/cm、又は約30gf/cm~約100gf/cm、又は約45gf/cm~約95gf/cmの平均剥離力を有してもよく、各範囲についてこの範囲内の5gf/cm増分毎に列挙する。積層体は、波形領域において、少なくとも約70gf/cm、又は少なくとも約75gf/cm、又は少なくとも約80gf/cm、又は少なくとも約100gf/cm、又は少なくとも125gf/cm、又は少なくとも130gf/cm、又は約70gf/cm~約150gf/cm、又は約75gf/cm~約135gf/cmの平均剥離力を有してもよく、当該範囲についてこの範囲内の5gf/cm増分毎に列挙する。具体的には、少なくとも5%の結合密度を有する結合領域において、平均剥離力は、少なくとも約100gf/cm、又は少なくとも約125gf/cm、又は少なくとも約130gf/cm、又は約100gf/cm~約150gf/cm、又は約120gf/cm~約140gf/cm、又は約125gf/cm~約135gf/cmであってもよく、当該範囲についてこの範囲内の1gf/cm増分毎に列挙する。平均剥離力値は、本明細書の剥離力試験法によって決定してもよい。理論に束縛されるものではないが、本明細書に記載された結合密度値を有するパターンは、剥離中の結合部のより広い接触表面領域のためにより良好な剥離力を提供すると考えられる。換言すれば、結合部の位置決め、数及び/又は領域は、剥離中により多くの表面領域を剥離することになる。
【0048】
特定の実施形態では、エラストマー性積層体10は、本明細書の空気透過性試験法に従って少なくとも約1m3/m2/分、又は約1m3/m2/分~約125m3/m2/分、又は約1m3/m2/分~約35m3/m2/分の空気透過性値を含んでもよく、各範囲についてこの範囲内の1m3/m2/分増分毎に列挙する。
【0049】
理論に束縛されるものではないが、上記の結合領域は、例えば、少なくとも200m/分のライン速度及び/又は少なくとも700Nの結合力を含む、高生産速度及び体積で特に有用であると考えられる。
【実施例0050】
次の積層体の実施例は、本明細書の発明の特性を実証する。4つの例示的な積層体は、
図3、
図4、及び
図5の3つのパターンを含むギャザー付き積層体の性能を示すために使用される。
【0051】
実施例1は、第1の不織布及び第2の不織布、並びに第1の不織布と第2の不織布との間に挟持されたエラストマーフィルムを含む。第1の不織布及び第2の不織布のそれぞれは、Fibertex、Denmarkから商標名B10170AFで入手可能な17gsmのSMSである。エラストマーフィルムは、Mondi、Germanyから入手可能なKG6707.130であり、48gsmの坪量を有する。フィルムを組み合わせる前に、リングロールを作動させる。フィルムは、弛緩状態で43mmの幅を含む。当該フィルムを195%歪み(すなわち、28.5mmが約84.3mmまで伸縮され、それぞれの側に約7.25mmのデッド(未伸縮)ゾーンを含む)まで伸縮した。その伸縮状態では、設定により、幅は約1.6mmまで伸びた。フィルムを記載のように伸縮させたが、第1の不織物及び第2の不織布は、
図4に示される結合パターンを使用して、フィルムを介して超音波結合された。波形領域では、パターンは互い違い状であり、結合密度は2.02%である。更に、D
Aは4.65mmであり、D
Bは7.37mmである。デッドゾーンでは、パターンは格子であり、結合密度は4.25%であり、D
Aは3.76mmであり、D
Bは2.14mmである。各分離結合部は、0.49mm
2の領域を有する正方形のナブを伴って形成された。実施例1は、
図4、及び
図5の波形領域の構造及び性能を示す。
図4のデッドゾーンは、試験のための十分なサイズを提供するために、実施例3に記載されている。
図5のデッドゾーンは、試験のための十分なサイズを提供するために、実施例4に記載されている。
【0052】
実施例2は、第1の不織布及び第2の不織布、並びに第1の不織布と第2の不織布との間に挟持されたエラストマーフィルムを含む。第1の不織布及び第2の不織布のそれぞれは、Fibertex、Denmarkから商標名B10170AFで入手可能な17gsmのSMSである。エラストマーフィルムは、Mondi、Germanyから入手可能なKG6707.130であり、48gsmの坪量を有する。フィルムを組み合わせる前に、リングロールを作動させる。フィルムは、弛緩状態で44mmの幅を含む。当該フィルムを216%歪み(すなわち、26.5mmが約84mmまで伸縮され、それぞれの側に約8.75mmのデッド(未伸縮)ゾーンを含む)まで伸縮した。その伸縮状態では、設定により、フィルムの幅は約1.3mm伸びた。フィルムを記載のように伸縮させたが、第1の不織物及び第2の不織布は、
図3に示される結合パターンを使用して、フィルムを介して超音波結合された。パターンは格子であり、結合密度は4.25%であり、D
Aは3.76mmであり、D
Bは2.14mmである。各分離結合部は、0.49mm
2の領域を有する正方形のナブを伴って形成された。実施例2は、
図3の波形領域の構造及び性能を示す。
図3のデッドゾーンは、試験のための十分なサイズを提供するために、実施例3に記載されている。
【0053】
実施例3は、第1の不織布及び第2の不織布、並びに第1の不織布と第2の不織布との間に挟持されたエラストマーフィルムを含む。第1の不織布及び第2の不織布のそれぞれは、Fibertex、Denmarkから商標名B10170AFで入手可能な17gsmのSMSである。エラストマーフィルムは、Mondi、Germanyから入手可能なKG6707.140であり、48gsmの坪量を有する。フィルムを組み合わせる前に、リングロールを作動させる。フィルムは、記載のように弛緩状態にあったが、第1の不織物及び第2の不織布は、
図3に示される結合パターンを使用して、フィルムを介して超音波結合された。パターンは格子であり、結合密度は4.25%、D
Aは3.76mmであり、D
Bは2.14mmである。実施例3は、
図3及び
図4におけるデッドゾーンの構造及び性能を示す。
【0054】
実施例4は、第1の不織布及び第2の不織布、並びに第1の不織布と第2の不織布との間に挟持されたエラストマーフィルムを含む。第1の不織布及び第2の不織布のそれぞれは、Fibertex、Denmarkから商標名B10170AFで入手可能な17gsmのSMSである。エラストマーフィルムは、Mondi、Germanyから入手可能なKG6707.130であり、48gsmの坪量を有する。フィルムを組み合わせる前に、リングロールを作動させる。フィルムは、弛緩状態で50mmの幅を含む。フィルムは、記載のように弛緩状態にあったが、第1の不織物及び第2の不織布は、
図5に示される結合パターンを使用して、フィルムを介して超音波結合された。パターンは互い違い状であり、結合密度は2.02%である。更に、D
Aは4.65mmであり、D
Bは7.37mmである。実施例は、
図5のデッドゾーンの構造及び性能を示す。
【0055】
以下の表1は、以下のデータが導出される試験されたパターン及び積層体を要約する。
【0056】
【0057】
表2は、3つのパターンのオプションに関する、波形領域における引張値を示す。見ることができるように、より高密度のパターンは、異なる力の程度下でより良好な伸びを示した。
【0058】
【0059】
表3は、3つのパターンのオプションに関する、波形領域におけるヒステリシス値を示す。見ることができるように、より高密度のパターンは、結合量の増加にもかかわらず、より低密度のパターンに対して実質的に同等のヒステリシス性能を示す。
【0060】
【0061】
表4は、波形領域における平均剥離力値、及び3つのパターンのオプションに関するデッドゾーンにおける平均剥離力値を示す。見ることができるように、より高密度のパターンは、波形領域及びデッドゾーンの両方において、向上した剥離強度を提供する。これにより、層間剥離及び引き裂きが低減されるだけでなく、デッドゾーンにおける剥離強度の向上もまた、製品使用中のフィルムのクリープを低減する。
【0062】
【0063】
積層体を含む物品
本発明の積層体10は、使い捨て吸収性物品などの吸収性物品100に組み込まれてもよい。積層体は、シャーシ取り付け結合部102によってシャーシ120の1つ以上の層に取り付けられてもよい。シャーシ取り付け結合部は、超音波結合部、接着結合部、機械的結合部、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0064】
図6は、平坦な非収縮状態にある、本発明の吸収性物品100の例示的で非限定的な実施形態の平面図である。吸収性物品100の身体に面する表面115が、こちらを向いている。吸収性物品100は、長手方向中心線105及び横方向中心線110を含む。
【0065】
吸収性物品100は、シャーシ120を備える。吸収性物品100及びシャーシ120は、第1の腰部領域114、第1の腰部領域114の反対側にある第2の腰部領域118、及び第1の腰部領域114と第2の腰部領域118との間に位置する股部領域116を有するものとして示されている。腰部領域114及び腰部領域118は、一般に、着用時に着用者の腰部を取り囲む、吸収性物品のそれらの一部を備える。腰部領域114及び腰部領域118は、フィット感及び封じ込め性が向上するように、着用者の腰部周囲でギャザーをなすような弾性部材155を含んでいてもよい。股部領域116は、吸収性物品が着用された場合に、着用者の両脚の間に一般に位置付けられる吸収性物品の部分である。
【0066】
シャーシ120の外側周辺部は、長手方向縁部112及び腰部縁部(第1の腰部領域114における第1の腰部縁部113及び第2の腰部領域118における第2の腰部縁部119)によって画定される。シャーシ120は、長手方向中心線105に対して一般に平行に配向された、対向する長手方向縁部112を有してもよい。しかしながら、より良いフィット感のために、長手方向縁部112は、例えば、
図6に示されるように平面図で見た場合に「砂時計」形の物品が作製されるように、湾曲しているか又は角度が付けられていてもよい。シャーシ120は、横方向中心線110に対して一般に平行に配向された、対向する横方向縁部113、119(すなわち、第1の腰部縁部113及び第2の腰部縁部119)を有してもよい。
【0067】
シャーシ120は、液体透過性のトップシート124、バックシート126、及びトップシート124とバックシート126との間の吸収性コア128を備えてもよい。トップシート124は、コア128及び/又はバックシート126に接合されていてもよい。バックシート126は、コア128及び/又はトップシート124に接合されていてもよい。コア128とトップシート124との間、及び/又はコア128とバックシート126との間に、その他の構造体、要素、又は基材が位置付けられていてもよいことを認識すべきである。いくつかの実施形態では、トップシート126と吸収性コア128との間に、捕捉分配システム127が配置される。
【0068】
特定の実施形態では、シャーシ120は、複合吸収性物品構造を形成するために付加される他の機構と共に、吸収性物品100の主要構造を備える。トップシート124、バックシート126、及び吸収性コア128は、種々の周知の構成で組み立てられてもよいが、吸収性物品の構成は、一般に、米国特許第3,860,003号、同第5,151,092号、同第5,221,274号、同第5,554,145号、同第5,569,234号、同第5,580,411号、及び同第6,004,306号に記載されている。
【0069】
使い捨て吸収性物品の構成要素は、米国特許公開第2007/0219521(A1)号、同第2011/0139658(A1)号、同第2011/0139657(A1)号、同第2011/0152812(A1)号、及び同第2011/0139659(A1)号に記載されているように、バイオソース含有量で少なくとも部分的に構成され得る。これらの構成要素としては、トップシート、バックシートフィルム、バックシート不織布、耳部/耳部積層体、レッグガスケットシステム、超吸収体、捕捉層、コアラップ材料、接着剤、締結システム、及びランディングゾーンが挙げられるが、これらに限定されない。少なくとも1つの実施形態では、使い捨て吸収性物品構成要素は、ASTM D6866-10の方法Bを使用すると、約10%~約100%、又は約25%~約75%、又は約50%~約60%のバイオベース含有量値を含む。ASTM D6866-10の方法論を適用して、任意の構成要素のバイオベース含有量を決定するために、構成要素の代表的なサンプルを試験のために得なければならない。少なくとも1つの実施形態では、使い捨て吸収性物品の構成要素を、周知の粉砕法(例えば、WILEY(登録商標)ミル)を使用して、約20メッシュ未満の微粒子へと粉砕し、ランダムに混合された粒子から好適な質量の代表的試料を取り出し得る。
【0070】
1つ以上のマスキング層又は材料が、吸収性物品100内に提供されてもよい。マスキング層は、吸収性物品が衣類に面する表面又は着用者に面する表面から触れた場合にクッション性を提供する層であってもよい。マスキング層は、吸収性材料によって引き起こされる可能性があるざらざらした感触を「隠す(mask)」ことができる。マスキング層は、着用者に面する表面又は衣類に面する表面を見た場合に、身体排泄物が視認され得るのを「隠す」ことができる。マスキング層は、約15gsm~約50gsm又は約15gsm~約40gsmの範囲の坪量を有してもよい。マスキング層は、1つ以上の不織布材料(例えば水流交絡不織布材料)、発泡体、パルプ層、及び/又はその他の好適な材料を含んでもよい。マスキング層は、バックシートの外側カバー材料であってもよい。マスキング層は、コアラップの衣類に面する側又は着用者に面する側を形成する層であってもよい。マスキング層は、コアの衣類に面する表面と液体不透過性バックシートとの中間に位置付けられた別個の材料であってもよい。
【0071】
本発明の積層体10は、耳部、腰部機構、ベルト、及びこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない、物品の1つ以上の構成要素の一部を形成する、又はその一部である。
【0072】
トップシート:
トップシート124は、一般に、着用者に少なくとも部分的に接触する、又はより近位に配置されてもよい、吸収性物品100の一部である。好適なトップシート124は、多孔質発泡体、網状発泡体、有孔プラスチックフィルム、又は天然繊維(例えば、木材繊維若しくは綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル繊維若しくはポリプロピレン繊維)、又は天然繊維と合成繊維との組み合わせによる織布ウェブ又は不織布ウェブなどの、広範囲の材料から製造されてもよい。トップシート124は、一般に、着用者の肌に対してしなやかで柔らかい感触であり、非刺激性である。一般に、トップシート124の少なくとも一部は、液体透過性であり、液体をトップシート124の厚みを介して容易に透過させることができる。トップシート124は、有孔であってよい。トップシートは、米国特許第5,628,097号に開示されているように、材料をオーバーボンディングし、次にリングロールによってオーバーボンドを破断することによって有孔させてもよい。
【0073】
トップシートの任意の部分は、スキンケア組成物、抗菌剤、界面活性剤、及び/又はその他の有益な薬剤でコーティングされてもよい。トップシートは、親水性又は疎水性であってもよい、あるいは、親水性部分若しくは親水性層及び/又は疎水性部分若しくは疎水性層を有していてもよい。トップシートが疎水性である場合、身体排泄物がトップシートを通過し得るように、典型的には孔が存在することになる。
【0074】
吸収性コア:
吸収性コア128は、使い捨ておむつ及びその他の吸収性物品において一般に使用される多種多様の液体吸収性材料を含んでもよい。好適な吸収性材料の例としては、一般的に、エアフェルトクレープ紙綿と称される粉砕された木材パルプ、コフォームを含むメルトブローンポリマー、化学的に堅固化、改質、若しくは架橋されたセルロース繊維、薄紙の包装紙及び薄紙積層体を含む薄紙、吸収性発泡体、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収性ゲル化材料、又は任意のその他の吸収性材料若しくは材料の組み合わせが挙げられる。一実施形態では、吸収性コアの少なくとも一部は、実質的にセルロースを含まず、10重量%未満のセルロース繊維、5重量%未満のセルロース繊維、1重量%未満のセルロース繊維、微量のセルロース繊維を含有する、又はセルロース繊維を含有しない。微量のセルロース系材料は、実質的にセルロースを含まない吸収性コアの部分の薄さ、可撓性、及び吸収性のうちの少なくとも1つに実質的に影響を及ぼさないことを理解すべきである。その他の利点の中でも、吸収性コアの少なくとも一部が実質的にセルロースを含まない場合、吸収性コアのこの部分は、10重量%超のセルロース繊維を含む、同様の吸収性コアよりも著しく薄く、高い可撓性があると考えられる。吸収性コア中に存在する吸収性材料、例えば、吸収性粒子状ポリマー材料の量は、様々であってもよいが、特定の実施形態では、吸収性コアの約80重量%超、又は吸収性コアの約85重量%超、又は吸収性コアの約90重量%超、又はコアの約95重量%超の量で吸収性コア中に存在する。いくつかの実施形態では、吸収性コアは、1つ以上のチャネル129を備えてもよく、当該チャネルは、吸収性粒子状ポリマー材料を実質的に含まない。チャネル129は、長手方向又は横方向に延在してもよい。吸収性コアは、2つ以上のチャネルを更に備えてもよい。チャネルは、直線状であっても、曲線状であっても、角度をなしていても、これらの任意の機能可能な組み合わせであってもよい。非限定的な実施例では、長手方向軸線の周囲に、2つのチャネルが対称に配置される。
【0075】
バックシート:
バックシート126は、一般に、吸収性物品100の表面に面する衣類の少なくとも一部となり得るように位置付けられる。バックシート126は、当業者に周知の任意の取り付け方法によって、トップシート124、吸収性コア128、及び/又は吸収性物品の任意のその他の層の一部に接合されてもよい。バックシート126は、吸収性物品100によって吸収され、その中に収容された排泄物が、ベッドシーツ及び下着などの、吸収性物品100と接触し得る物品を汚すのを防止するように設計されてもよい。特定の実施形態では、バックシート126は、実質的に不透水性である。バックシートは、例えば、約0.012mm~約0.051mmの厚さを有する熱可塑性フィルムのような薄いプラスチックフィルムとする、又はこれを含んでもよい。その他の適切なバックシート材料は、吸収性物品から蒸気を逃がすことを可能にする一方で、依然として、身体排泄物がバックシートを通過することを防止する、又は少なくとも抑制する通気性材料を含んでもよい。
【0076】
バックシート126はまた、2層以上の層から構成されてもよい。バックシート126は、外側カバー及び内部層を備えてもよい。外側カバー材料は、結合パターン、孔、及び/又は三次元特徴部を含んでもよい。外側カバー材料は、水流交絡不織布材料などの不織布材料であってもよい。
【0077】
耳部/締結具:
吸収性物品100は、例えば、第1の腰部領域に配置された前方耳部132及び/又は第2の腰部領域に配置された後方耳134を含む、1つ以上の耳部130を含んでもよい。耳部130は、シャーシと一体であってもよく、耳部の1層以上をシャーシに接合し得るシャーシ取り付け結合部102においてシャーシ120に接合された別個の要素であってもよい。耳部130は、延伸性又は弾性であってもよい。耳部130は、1つ以上の不織布ウェブ、織布ウェブ、編布地、ポリマーフィルム及びエラストマー性フィルム、有孔フィルム、スポンジ、発泡体、スクリム、又はこれらのいずれかの組み合わせ及び/若しくは積層体から形成されてもよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、耳部130は、エラストマーを含んでもよく、これにより、耳部は伸縮性になる。特定の実施形態では、耳部130は、不織布/エラストマー性材料積層体又は不織布/エラストマー性材料/不織布積層体などの伸縮性積層体で形成されてもよく、このこともまた、耳部が伸縮性となることをもたらす。耳部120は、物品の横方向に延伸可能であってもよい。いくつかの実施形態では、耳部は、横方向に弾性である。更なる実施形態では、耳部130は、長手方向よりも横方向に長く延伸してもよい。代替的に、耳部は、横方向よりも長手方向に延伸してもよい。ある特定の非限定的な実施例では、耳部は、別々の弾性領域に沿って1つ以上の非弾性領域を含んでもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、耳部は、本発明の積層体に関して本明細書に記載された特徴又は積層体層のいずれかを有する積層体10などの、1つ以上の不織布、及び1つ以上の弾性材料の積層体を備える。
【0080】
任意の好適な不織布が、耳部130において使用されてもよい。好適な不織布は、少なくとも約8gsm、又は少なくとも約22gsm、又は約17gsm以下、又は約10gsm~約17gsmの坪量を含んでもよく、当該範囲についてこの範囲内の1増分毎に列挙する。耳部130が2つ以上の不織布を含む場合、不織布は、同じ坪量又は異なる坪量を含んでもよい。同様に、不織布は、同じ層構成又は異なる層構造を含んでもよい。更に、耳部における不織布は、バックシート、トップシート、脚部ガスケットシステム、及び/又は腰部機構において同じ又は異なる機構の不織布を含んでもよい。
【0081】
耳部は、例えば、米国特許出願第15/674,559号に開示されるような超音波結合耳部を備えてもよい。耳部は、ギャザー付き積層体24であってもよい。耳部は、例えば、米国特許公開第2013/0082418号、米国特許第5,167,897号、同第5,993,432号、同第5,156,793号、同第5,167,897号、同第7,062,983号、及び同第6,843,134号に開示のプロセスによって活性化されてもよい。
【0082】
耳部は、シャーシ取り付け結合部102でシャーシに接合されてもよい。いくつかの非限定的な実施例では、シャーシ取り付け結合部は、耳部の非弾性領域に位置する。
【0083】
吸収性物品100はまた、締結システム148を含んでもよい。締結システム148は、締結された場合、第1の腰部領域116と後方腰部領域118とを相互接続し、吸収性物品100の着用中に着用者を取り囲むことができる腰部外周を生じる。締結システム148は、例えば、テープタブ、フック・ループ締結構成部品、タブ及びスロットなどの相互係合締結具、バックル、ボタン、スナップ、並びに/又は雌雄同体の締結構成部品などの締結要素150を備えてもよいが、任意のその他の周知の締結手段も一般に許容可能である。吸収性物品は、締結要素が係合可能なランディングゾーン及び/又は使用前に締結要素を損傷(insult)から保護するリリーステープを更に備えても良い。いくつかの例示的な表面締結システムは、米国特許第3,848,594号、同第4,662,875号、同第4,846,815号、同第4,894,060号、同第4,946,527号、同第5,151,092号、及び同第5,221,274号に開示されている。例示的な相互係合締結システムは、米国特許第6,432,098号に開示されている。いくつかの実施形態では、締結システム148及び/又は要素150は、折り畳み可能である。
【0084】
締結システム148は、任意の好適な手段によって物品100の任意の好適な部分に接合されてもよい。締結システムは、層間で耳部に接合されてもよい。
【0085】
脚部ガスケットシステム
吸収性物品100は、シャーシ120に取り付けられた脚部ガスケットシステム170を備えてもよく、脚部ガスケットシステムは、1つ以上のカフを備えてもよい。脚部ガスケットシステムは、一対のバリア脚部カフ172を備えてもよい。各バリア脚部カフは、吸収性物品に結合される一片の材料によって形成されてもよいため、吸収性物品の着用者に面する表面から上方向に延在することができ、また、着用者の胴体と脚部との接合部付近で流体及びその他の排泄物の改良された封じ込めをもたらし得る。バリア脚部カフは、トップシート124及び/又はバックシート126に直接又は間接的に接合された近位縁部と、着用者の皮膚に接触し、封止部を形成することを意図する自由端縁部175とによって、境界が定められる。いくつかの実施形態では、自由端縁部175は折り曲げられた縁部を備える。バリア脚部カフ172は、長手方向中心線105の両側において吸収性物品の前方腰部縁部113と後方腰部縁部119との間に少なくとも部分的に延在し、かつ股部領域内に少なくとも存在する。バリア脚部カフは、接着、溶融接合、又はその他の好適な接合処理の組合せによって行うことができる接合によって、近位縁部で物品のシャーシと接合されてもよい。
【0086】
バリア脚部カフは、トップシート124又はバックシート126と一体であってもよい、又は物品のシャーシに接合された別々の材料であってもよい。各バリア脚部カフ172は、より良好な封止を提供するために、自由端縁部175に近接して1つ、2つ又はそれ以上の弾性要素155を備えてもよい。
【0087】
バリア脚部カフ172に加えて、物品は、吸収性物品のシャーシ、特にトップシート124及び/又はバックシート126に接合され、かつバリア脚部カフ172に対して外側に配置されたガスケットカフ176を備えてもよい。ガスケットカフ176は、着用者の大腿の周囲により良好な封止を提供し得る。ガスケットカフは、近位縁部及び自由端縁部177を備えてもよい。自由端縁部177は、折り曲げられた縁部を備えてもよい。各ガスケットカフは、脚部開口部の領域におけるトップシート124とバックシート126との間の吸収性物品のシャーシに、1つ以上の弾性要素155を備えてもよい。バリアレッグカフ及び/又はガスケットカフの全部又は一部を、ローション又は別のスキンケア組成物で処理してもよい。
【0088】
更なる実施形態では、脚部ガスケットシステムは、ガスケットカフと一体化されたバリア脚部カフを備える。吸収性物品の一部であり得る好適な脚部ガスケットシステムは、米国特許出願第62/134,622号、同第14/077,708号、米国特許第8,939,957号、同第3,860,003号、同第7,435,243号、同第8,062,279号に記載されている。
【0089】
弾性腰部機構
図6に示されるように、吸収性物品100は、改善されたフィット感及び封じ込めを提供するのに役立つ、少なくとも1つの弾性腰部機構180を備えてもよい。弾性腰部機構180は、一般的に、伸びて着用者の腰に動的にフィットすることが意図される。伸縮性腰部機構は、腰バンド、シャーシ120から取り外される腰部機構180の一部から形成されるポケットを有する腰部カフ、及び着用者の腹部の周囲にしっかりとフィットするように設計された腰部パネルを含む。伸縮性腰部機構の非限定的な実施例は、米国特許出願第13/490,543号、同第14/533,472号、及び同第62/134,622号に開示されている。腰部機構180は、第1の腰部領域114及び/又は第2の腰部領域118でシャーシ120に接合されてもよい。腰部機構は、着用者に物品を適切にフィットさせるための望ましい伸縮及び可撓性を提供するために、耳部130と併用され得る。腰部機構は、積層体に関して本明細書に記載された特徴のいずれかを有する積層体10を備えてもよい。腰部機構は、横方向及び/又は長手方向に延伸性又は弾性であってもよい。いくつかの実施形態では、腰部機構180は、ベルト220を備える。
【0090】
成人又は乳児用パンツ吸収性物品
いくつかの実施形態では、物品100は、
図7A及び
図7Bに示されるような吸収性パンツ200を含んでもよい。吸収性パンツは、シャーシ120、着用者の腰部の周囲に位置付けられるベルト220、及び所望により脚部ガスケットシステム170を備えてもよい。
図7Bは、平らに広げられ、弾性誘導収縮に対して横方向に引き伸ばされた開放構成にある、
図7Aのパンツの例示的な前身的構造を示す。パンツの最終アセンブリにおいて、前方ベルト部分222は、シーム224において、後方ベルト部分223に接合されるが、これは、恒久的であってもよい、又は再固定可能であってもよい。パンツ200を形成するため、前身的構造体を横方向中心線110で又はその周囲で折り畳み、トップシート124が内側に面するようにし、前方の222ベルト及び後方の223のベルト部分の長手方向縁部が、シーム224で接合され、脚部開口部、前方腰部縁部及び後方腰部縁部を有するパンツ構造体を形成してもよい。このように、パンツ200は、パンツ200の着用時に、着用者のために、あらかじめ形成された連続腰部開口部及びあらかじめ形成された連続脚部開口部を備えてもよい。
【0091】
前方ベルト部分222及び後方ベルト部分223は、パンツ200の前方領域及び後方領域を形成する、最も外側の構造体であってもよい。パンツは、前方領域、股領域及び後方領域の全体を包み、かつ最も外側のパンツ形状の構造体を形成する外側ラップ226を含んでもよい。いくつかの実施形態では、バックシートの外側カバーは、外側ラップを形成する。外側ラップ226は、不織物ウェブの1つ以上の区域から形成されてもよく、所望の場合、好適に調節した脚部開口部の縁部輪郭を提供する輪郭へと裁断されてもよい。
【0092】
ベルト220は、1つ以上の不織布層及び1つ以上のエラストマー層を含む前述の特徴のいずれかを有する、本発明の積層体10を備えてもよい。積層体層は、超音波結合によって接合されてもよい。ベルト部分は、ギャザー付き積層体を備えてもよい。
【0093】
いくつかの非限定的な実施例によれば、ベルト部分に使用される不織布は、外部圧力が印加されて除かれる場合に、良好な回復をもたらす材料を含んでもよい。
【0094】
ベルト部分などの腰部機構のエラストマー層は、1つ以上の弾性部材155を含んでもよい。弾性部材155は、種々のデシテックスレベルの、INVISTA(Wichita、KS)から入手可能なLYCRA(登録商標)繊維などのエラストマー性繊維であってもよい。弾性部材155はまた、当分野において周知の任意の熱収縮性の弾性材料を含んでいてもよい。その他の好適な弾性体は、ゴム、スチレンエチルブチレンスチレン、スチレンエチレンプロピレンスチレン、スチレンエチレンプロピレンスチレン、スチレンブタジエンスチレン、スチレンイソプレンスチレン、ポリオレフィンエラストマー、エラストマーポリウレタン、及び当該技術分野において周知のその他のエラストマー性材料、並びにこれらの組合せを含むがこれらに限定されない、種々のその他の材料から作製され得る。一部の非限定的な実施例では、弾性部材は、任意の数のストランド(又はフィラメント)を有する押し出しストランド弾性体であってもよい。いくつかの実施形態では、弾性部材は、50~2000範囲のデシテックス、又はこの範囲中の任意のデシテックス値に関する任意の整数値を有し得る。当業者であれば、所望の収縮量、及び本明細書において議論されているその他の原理に基づいて、適切なデシテックスを選択してもよい。更なる実施形態では、弾性部材はフィルムの形態であってもよい。フィルムの実施例は、先行特許出願に記載されている(例えば、米国特許出願公開第2010/0040826号を参照のこと)。このフィルムは、いくつかの副層のうちの少なくとも1層で組み合わされた、種々の樹脂を用いて作製することができ、これにより、そのフィルムには異なる有益性が提供される。
【0095】
なお、弾性部材155は、複数の構成をとってもよい。例えば、幅は変化してもよく、弾性材料の単一のストランド又は複数の平行若しくは非平行のストランドが使用されてもよい、直線及び曲線を含む種々の形状が使用されてもよい、又は種々の断面形状を使用し得る(円形、長方形、正方形等)。
【0096】
腰部機構(例えば、ベルト部分)及び/又はシャーシ120の層を、層間に堆積する接着剤によって、熱接着によって、圧着によって、又はこれらの組合せによって、弾性ストランド155の周囲に一緒に接合してもよい。その他の実施例では、1つ以上の弾性部材は、エラストマー性材料から形成されるフィルムのストリップ又は断片であってもよい。弾性部材が細長い場合、ストランド155が、例えば
図7Bに示されているように、より長い方の寸法が横方向に配向される、又は横方向に実質的に整列していることさえ望ましい場合がある。
【0097】
ベルト部分又は腰部機構のその他の形態は、少なくとも3つの腰部弾性部材、少なくとも5つの弾性部材、少なくとも10の腰部弾性部材、又は少なくとも15の腰部弾性部材、又は約2~約35の腰部弾性部材、又は約5~約25の腰部弾性部材を備えてもよく、各範囲についてこの範囲内の1増分毎に列挙する。
【0098】
一実施形態では、隣接する弾性部材155は、部材の一方の縁部から部材の他方の縁部まで少なくとも3.5mmの長手方向距離で、所望により少なくとも4mmの長手方向距離で、所望により少なくとも4.5mmの長手方向距離で、所望により少なくとも5mmの長手方向距離で、所望により少なくとも5.5mmの長手方向距離で、所望により少なくとも6mmの長手方向距離で、所望により少なくとも6.5mmの長手方向距離で、所望により少なくとも7mmの長手方向距離で、所望により少なくとも7.5mmの長手方向距離で、所望により少なくとも8mmの長手方向距離で、所望により少なくとも8.5mmの長手方向距離で、所望により少なくとも9mmの長手方向距離で、所望により少なくとも9.5mmの長手方向距離で、所望により少なくとも10mmの長手方向距離で、所望により少なくとも10.5mmの長手方向距離で、所望により少なくとも11mmの長手方向距離で、所望により少なくとも11.5mmの長手方向距離で、所望により少なくとも12mmの長手方向距離で、離間される。弾性部材間の間隔設定は、腰部機構の長手方向の長さに対して同じであってもよい、又は異なっていてもよい。例えば、隣接する弾性部材間の間隔設定は、均一に7mmとし得る、又は種々の間隔設定(すなわち、2つの隣接する弾性部材は3mm離れており、別の2つは、6.5mm離れている等)とし得る。
【0099】
腰部機構の製造中に、弾性部材155は、腰部機構に組み込むのに望ましい量によって、あらかじめ歪みが与えられてもよい。腰部機構のその後の緩和に際して、弾性部材は、それらの非歪み長さに向かって横方向に収縮し得る。これにより、腰部機構の層にギャザーが付き、一般に、弾性部材155の長さに対して横切ってz方向に延在する隆起及び谷部分を有するシワ又はひだを形成する場合がある。
【0100】
特定の実施形態では、
図7Bにおいて示唆されるように、前方ベルト部分及び/又は後方ベルト部分の角は、切り取られていてもよい。特定の湾曲脚部縁部の輪郭をもたらすことが望ましいものとなり得るように、角は、直線に沿って切り取られてもよい、又はベルト部分の残りの領域に関して凹又は凸のどちらかで曲線状となっている切り取り経路に沿って切り取られてもよい。上記のこのような切り取り、及び弾性ストランドの構成と関連して、それぞれのベルト部分222、223の縁部に沿って、層間に結合を付与することが望ましい場合がある。このような結合は、不揃いな外観を作り出す一因となり得る縁部に沿った層の任意の分離を防止するために役立てることができ、シーム224より下の弾性ストランドの収縮力下で、後方ベルト部分を内側に横方向で中心シャーシ120に向かって効率的に引っ張る手助けもすることができる。結合は、例えば、米国特許第4,854,984号及び同第4,919,738号に記載の機械的結合/圧着によって、熱接着若しくは溶接によって、又は層間の接着剤の堆積によって、作用し得る。非限定的な実施例では、このような結合は、縁部に沿ってパターンを形成し得る。このような結合は、一般に、それぞれのベルト部分222、223を積層構造体として一緒に保持する層間の任意の結合を補うものであってもよい。
【0101】
サイドシーム224は、恒久的であっても再締結可能であってもよい。恒久的なシームは、任意の結合機構によって前方ベルト部分と後方ベルト部分との間で形成されてもよく、前方ベルト部分及び後方ベルト部分は、前方ベルト部分及び後方ベルト部分の片方又は両方に大きな損傷を与えることなく、又は実質的な再取り付け若しくは再固定を作用し得る機構を含ませることなく、強制的に分離することができない場合がある。恒久的なシームを形成する結合は、圧着、熱接合/溶接、超音波接合、又は接着結合を含んでもよい。再固定可能なシームは、前方ベルト部分及び後方ベルト部分の実質的に非破壊性の強制的分離、及び後続する同じ位置における実質的な再取り付け又は再固定を可能にするように構成されている任意の機構によって、前方ベルト部分と後方ベルト部分との間に形成されてもよい。このような機構の一例は、面ファスナー締結システム、例えば、VELCRO締結システムである。好適なサイズ及び形状のフック構成要素は、これらが一緒になって係合し、シーム224を形成し得る位置において、その長手方向縁部に沿って前方ベルト部分又は後方ベルト部分のうちの一方に結合されてもよく、またその長手方向縁部に沿って前方ベルト部分又は後方ベルト部分の他方に結合されてもよい。
【0102】
試験法
結合部寸法試験法
結合部寸法試験を使用して、種々の結合領域における積層体の結合密度を測定する。結合部寸法試験を、実体光学顕微鏡(Zeiss V20 Stereoscopeなど)及び取り付けカメラ(Carl ZeissAxio Cam MRc5など)を使用して生成される透過光顕微鏡画像で実施する。取得した場合に、画像内に配置された尺度に対して、較正されたImage Pro Plusソフトウェア(Version 7.0.0.591、Media Cybernetics、USA)におけるラインルール又は不規則領域ツールを使用して、測定を実施する。顕微鏡によって生成された尺度の精度を、画像及び測定値が取得される前に定規/キャリパーに照らして確認する。この方法の目的上、結合は、2層以上の意図的な接合であり、結合プロセス中に生じる変形した領域である(例えば、結合部位における低減されたキャリパー)。場合によっては、変形した領域は1つ以上の開口部を含む場合があると認識される。不織布が接合されていないエラストマー層内の引き裂き又は細長い裂け目は、結合部30がナブの形状に実質的に一致する一般に正方形の領域である
図8に示されるように、結合と見なされない。
図8の結合部の側面は、不織布が当該引き裂き内に結合されていないフィルム引き裂き300であるより明るい領域である。このような引き裂き領域300は、結合部又は結合の部分ではない。
【0103】
伸縮性領域内の結合部寸法を測定するために、積層体は、シワ又は波形が平らになるまで完全に引き伸ばされる。波形弾性領域の引き伸ばし過ぎを回避するために注意を払わなければならず、その結果、不織布又はプラスチック基材の塑性変形が生じる。
【0104】
試料収集
1. 均一パターン領域:均一なパターンを有する結合領域の結合密度を測定するために、少なくとも1cm
2の領域の正方形の試料を積層体のパターン化された結合領域から切り出す。異なる場合、隣接する領域から試料を収集することを避ける又はそれを測定するために、注意を払わなければならない。1cm
2の正方形の試料収集サイズがパターン化された領域よりも大きい場合、1cm
2の領域を有する長方形の試料を収集し、パターン化された領域のより短い寸法が長方形の一辺を形成し、他方は、長方形の領域が1cm
2になるように選択される。
2. その他の領域:均一なパターンを有しない結合領域の結合密度を測定するために、対象となる複数の結合を特定し、
図9のように得られる周辺部の輪郭を描く。周辺部に沿って切断することによって、試料を収集する。
3. 結合領域が識別できない程度に、3つの長手方向に延在する領域に耳部を分割してよい:第1の領域は、耳部の近位縁部と耳部の遠位縁部に最も近接するシャーシ結合の縁部との間の最大幅に対応する幅を有する。第2の領域は、遠位縁部と耳部の近位縁部に最も近接する締結具取り付け結合部の縁部との間の最大幅に対応する幅を有する。第3の領域は、第1の領域と第2の領域との間に延在する幅を有する。各領域は、それぞれの領域において耳部の長さに対して長手方向に延在し、それぞれの領域において耳部の長さが変化すると同じように長さが変化してもよい。
【0105】
顕微鏡及び/又はイメージングソフトウェアを使用して、0.01mmの精度で結合部寸法及び分離距離を測定する。合計5つの測定値を使用して、平均分離距離(すなわち、最大横方向分離距離又は最大長手方向分離距離)が計算される。最大横方向分離距離は、
図10A~
図10Bに示されるように、第1の結合部30Aの第1の長手方向結合部縁部301上の最も遠い点と、最も横方向に近接する第2の結合部30Bの第1の長手方向結合部縁部301(すなわち、同等の縁部)との間で、横方向軸線に平行な線に沿って、測定される。最大長手方向分離距離は、第1の結合部30Aの第1の横方向結合部縁部302上の最も遠い点と、最も長手方向に近接する第2の結合部30Cの第1の横方向結合部縁部302(すなわち、同等の縁部)との間で、長手方向軸線に平行な線に沿って測定される。行が物品の横方向と整列しない程度に、行が横方向分離距離を測定する前に物品の横方向と整列するように、試料が再配向されるべきである。列が物品の長手方向と整列しない程度に、列が長手方向分離距離を測定する前に物品の長手方向と整列するように、試料が再配向されるべきである。
【0106】
行を有する規則的なパターンを有さない領域では、横方向の180°±10°の線に沿って隣接する結合部上の最も遠い点の間で、横方向分離距離が測定される。試料における最も長い横方向分離距離は、最大横方向分離距離として取られる。列を有する規則的なパターンを有さない領域では、長手方向の180°±10°の線に沿って隣接する結合部上の最も遠い点の間で長手方向分離距離が測定される。試料における最も長い長手方向分離距離は、最大長手方向分離距離として取られる。
【0107】
分離結合領域は、(
図8に示すように)明るい領域のみを選択し、より暗いグレーの尺度として現れる隣接した周辺部を除くことによって、Image Pro Plusソフトウェア又は同等のプログラムにおける不規則領域ツール15を使用して測定される。少なくとも5つの結合部の平均分離結合領域を計算する。凝集結合領域は、1cm
2の試料領域の結合数を乗じた平均分離結合領域である。結合密度は、試料領域(すなわち、1cm
2)で除した凝集結合領域である。得られた結合密度を1cm
2の試料領域に正規化し、報告する。
【0108】
引張試験法
TestWorks4(登録商標)ソフトウェア又は同等のものを備えたMTSモデルAlliance RT/1などの、コンピュータと接続された適切な引張試験機が使用される。引張試験機は、22℃±2℃及び相対湿度50±10%の恒温室内に置かれる。製造業者の指示書に従って計器を較正する。データ取得速度は少なくとも50ヘルツに設定される。試験に使用される把持部は試料よりも幅が広い。幅50.8mmの把持部を使用してもよい。把持部は、全把持力を試験応力の方向に対して垂直な単一の線に沿って集中させるように設計された、1つの平坦面及び対向面を有する空気圧式の把持部であり、対向面からは、試料の滑りを最小限に抑えるための半円形(半径=6mm、例えばMTS Systems Corp.からの部品番号:56-163-827)が突出している、又は同等な把持部である。ロードセルは、測定される力が使用されるロードセルの容量の10%~90%であるように選択される。把捉力線間の初期距離(ゲージ長)は25.4mmに設定されている。器具の負荷測定値は、取付具及び把持部の質量を考慮してゼロにされる。
【0109】
(ウェブのCDに沿って、又は積層体の意図される引き伸ばし方向に沿って)50.8mmを測定する試料を、(ウェブのMDに沿って、又は積層体の意図される引き伸ばし方向に垂直で)25.4mmを測定する試料にまで、積層体を有する物品構成要素、(積層体をその中に有する)構成要素ウェブ又は積層体ウェブのいずれかで切断する。試料は、伸縮性領域が中心にあり、CDで少なくとも25.4mmの長さである、又は積層体の意図される引き伸ばし方向にあるように切断される。長さ50.8mmの試料が利用できない場合、CDで、又は意図された引き伸ばし方向で、32mmほど小さい試料を使用し得る。たるみがなく、かつ測定される負荷が0.00N~0.02Nであるように、試料を把持部に取り付ける。試料の引き伸ばし方向が印加された引張応力と平行になるように、試料を把持部の中央に取り付ける。試料は、伸縮性領域がゲージ長全体を覆うように把持される、すなわち、伸縮性領域は上部把持部で始まり、底部把持部の最後まで走るように把持される。
【0110】
試料が破断するまで、典型的には>100%の歪みとなるまで、少なくとも50ヘルツのデータ取得速度で、試料を508mm/分で延伸させる。歪み%は、次の式を使用して、把持部ライン間の長さL、及び初期ゲージ長L0から計算する。
【0111】
【0112】
試料が破裂する(すなわち、ポストピーク力応答が、ピーク力の10%未満の値に到達する)まで引っ張る。破断点は、材料が破損又は破裂する点として定義され、力は、ゼロ値まで急速に低下する。
【0113】
試験は、5つの別個の試料について繰り返され、少なくとも4つの試料の平均及び標準偏差が報告される。記録した標準偏差が5%よりも高い場合、新しい5つの試料のセットを試験する。以下のそれぞれの平均値:0.5Nの負荷での伸び、1.5Nの負荷での伸び、3.0Nの負荷での伸び、ピーク負荷、及びピーク伸びを記録する。伸びデータは、歪み%で報告される。ピーク力は試料の幅によって正規化され、ピークでの負荷はN/cmとして報告される。
【0114】
ヒステリシス試験法
上記の項の引張試験の設定に記載されるように機器をセットアップする。ゲージ長及びクロスヘッド速度は、以下の試験及び表に従って調整される。データ取得率は少なくとも50ヘルツに設定される。
【0115】
【0116】
試料の準備:
弾性率試験に関して:試料を、積層体Xの意図する引き伸ばし方向に10mm、積層体の意図する引き伸ばし方向に対して垂直な方向に25.4mmの寸法に切断する。非弾性領域又は弾性領域のいずれかから、試料を収集する。
【0117】
試料ヒステリシス試験に関して:試料を、積層体Xの意図する引き伸ばし方向に50.8mm(又は最小で32mm)、意図する引き伸ばし方向に対して垂直な方向に25.4mmの寸法に切断する。引き伸ばし方向に少なくとも25.4mmの長さの波形領域を有するように、弾性領域から試料を収集する。
【0118】
試験プロトコル
1. 前負荷:均一な幅がゲージ長方向に対して垂直な方向に沿って位置するように、把持部に試料を置く。試料を上側把持部で固定し、試料をたるんだ状態で垂れ下がるようにし、次に下側把持部を閉じる。試料ヒステリシス試験では、波形長さは、ゲージ長全体に及ぶべきである(すなわち、上部把持部と底部把持部との間には、非弾性領域又はデッドゾーンが存在するべきではない)。5グラム重量の力でたるみ前負荷をセットする。これは、(13mm/分の一定のクロスヘッド速度で)たるみが5グラム重量の力で取り除かれた場合に、データ収集が開始されることを意味する。歪みは、調整されたゲージ長(lini)に基づいて計算されるが、調整されたゲージ長は5グラム重量の力の引張試験機の把持部の間の試料長さである。この調整されたゲージ長を最初の試料長さとするが、それは歪み0%に対応している。試験の任意の点における歪み率は、調整されたゲージ長で割って100を掛けた、調整されたゲージ長に対する長さの変化として定義される。
2. 第1周期負荷:表5に記載されているように、一定のクロスヘッド速度で100%の歪みまで試料を引っ張る。負荷を75%の歪みで記録し、100%の歪み(Fini)で記録する。0.001mm単位の、100%の歪み(lmax)での第1周期における把持部間の試料長さを記録する。
3. 第1の保持:試料を、100%の歪みで30秒間保持する。30秒の保持の終わりに、100%の歪み(Fend)で負荷を記録する。
4. 第1周期の除荷:表5に記載されているような一定のクロスヘッド速度で、クロスヘッドをその開始位置(初期の試料長さlini)に戻す。50%の歪みで除荷を報告する。
5. 第2の保持:試料を、1分間緩んだ状態で保持する。
6. 第2周期負荷:表5に記載されているように、一定のクロスヘッド速度で100%の歪みまで試料を引っ張る。0.001mm単位の、第2周期の7グラム重量の負荷力(lext)での、把持部間の試料長さを記録する。
7. 第2周期の保持及び除荷:次に、100%の歪みで試料を30秒間保持し、次に、表5に記載されているような一定のクロスヘッド速度で、クロスヘッドをその新たな開始位置(ゲージ長の調節前)に戻す。
【0119】
試験は、5つの別個の試料について繰り返され、少なくとも4つの試料の平均及び標準偏差が報告される。記録した標準偏差が5%よりも高い場合、新しい5つの試料のセットを試験する。
【0120】
ニュートン(N)における測定値及び記録された力は、工程(2)における75%及び100%の歪みでの負荷力、工程(3)の終わりにおける100%での負荷力、及び工程(4)における50%の歪みでの除荷力である。記録された平均長さは、lini、lmax、及びlextである。
【0121】
(Fini-Fend)/Fini
*100として定義される力緩和%を、0.01%単位で記録する。
【0122】
(lext-lini)/(lmax-lini)*100%として定義されるセット%を、0.01%単位で記録する。
【0123】
ヒステリシス比=75%での負荷力/50%での除荷力
【0124】
上記のそれぞれに関する平均値を報告する。
【0125】
剥離力試験法:
上記の項の引張試験の設定に記載されるように機器をセットアップする。把捉力線間の初期距離(ゲージ長)は50.8mmに設定されている。器具の負荷測定値は、取付具及び把持部の質量を考慮してゼロにされる。
【0126】
試料の準備:
試料は、積層体を有する物品構成要素、物品構成要素ウェブ、又はラミネートウェブのいずれかから、積層体Xの意図する引き伸ばし方向に25.4mm、積層体の意図する引き伸ばし方向に対して垂直な方向に152.4mmの寸法に切断される。試料は、その他の方法が指定されない限り、試料の伸縮性領域から収集される。伸縮性領域の波形領域内の剥離力を測定するために、試料は波形領域から収集される。同様に、デッドゾーン試料は、伸縮性領域のデッドゾーンから収集される。試料の幅が十分でない、又は十分に長くない場合、次に、試料を切断及び試験するための本方法の終了時に、記載される手順に従う。
【0127】
最低5つの試料を収集し、同一の吸収性物品製品又は積層体ウェブの同じ部分から切断し、分離プロセス中の試料の損傷を防止するように注意を払わなければならない。
【0128】
図11を参照すると、試料の横方向端部500のうちの1つで開始されるが、第1の基材12が第2の基材16及びエラストマー層14からおよそ30mm分離されるまで、ピンセット又は感度の鋭い指を使用することにより、結合の境界で第1の基材12を第2の基材16から慎重に分離することによって試料の剥離を開始する。
【0129】
たるみがなく、かつ測定される負荷が0.00N~0.02Nであるような様式で、試料を把持部に取り付ける。試料の剥離方向が、印加される引張応力と平行になるように、試料を把持部の中心に取り付ける。結合領域の長手方向寸法が、把持部頭部に対して垂直になるように、試料を把持部間に置き、第1の把持部が把持線Aで第1の基材(不織物)を保持し、第2の把持部が把持線Bで弾性フィルム及び第2の基材(不織物)を保持し、それによって、180°の剥離方向で、弾性フィルム及び第2の基材から第1の基材を剥離する。剥離試験を開始し、試料が完全に分離されるまで、少なくとも50ヘルツのデータ取得速度で、試料を300mm/分で延伸する。各試料の剥離変位は、ミリメートル単位でのクロスヘッド移動をx軸上に報告されるが、各試料の分離力は、力(gf、グラム重量)でy軸上に報告される。分離力(gf)は、25.4mm~およそ127mmの剥離変位(移動)で平均化される。平均化された力は、以下の式を使用して、試料の結合領域幅によって正規化される。
【0130】
【0131】
これは、試料剥離力として報告される。少なくとも4つの試料の、gf/cmでの試料の剥離力及び標準偏差の算術平均を記録し、平均剥離力(gf/cm)として報告する。記録した標準偏差が15%よりも高い場合、新しい4つの試料のセットを試験する。
【0132】
剥離法では、その他の寸法の結合試料も使用されてよいことが、当業者には理解されよう。これは、異なるゲージ長の使用を必要とする場合があり、分離力は、25.4mm~127mmではなく、異なる剥離距離にわたって平均化される。クロスヘッド速度は、300mm/分での方法と同じに保たれるべきである。例えば、引き伸ばし方向に幅15mm、引き伸ばし方向で垂直な方向に長さ40mmの試料を、10mmのゲージ長を使用して評価し得る。このような試料の分離力は、10mm~50mmの剥離距離にわたって平均されるべきである。分離力は、剥離距離(移動)の最小40mmにわたって平均化されるべきであり、第1の10mmの剥離データを含むべきではない。試料の結合領域幅が試料幅よりも狭い場合、次に、剥離試験中に、有効な結合領域は試料の中心に置かれるべきである。平均化された分離力は、以下の式を使用して、試料の結合領域幅によって正規化されるべきである。
【0133】
【0134】
空気透過性試験
特定の圧力低下によって駆動される、試験試料を介した標準状態の空気の流速を測定することによって、積層体又は基材(例えば、フィルム、不織布、又は物品の構成要素)の空気透過率を決定する。本試験は、不織布、有孔積層体等などの、比較的高い空気透過性を有する材料に特に適している。以下のように変更して、ASTM D737を用いた。
【0135】
Textest AG、Switzerland、又はAdvanced Testing Instruments ATI、Spartanburg SC、USA)から入手可能なTexTest FX 3300機器又は等価物を使用する。TEXTEST FX 3300空気透過性テスタマニュアルの操作説明にある、気密性試験並びに機能及び較正チェックにおいて記載されている手順を行う。異なる器具を使用する場合、製造業者の説明書により、気密性及び較正に関する同様の規定に従う。
【0136】
試料は、完全に引き伸ばされた状態(すなわち、シワ又は波形がなく、プラスチック基材(複数可)に塑性変形がない状態)で試験される。
【0137】
試験圧力低下を125パスカルに設定し、38.3cm2の領域の試験ヘッド(FX3300-5モデル)又は等価物を使用する。結果を3桁の有効数字で記録する。5つの試料の平均を計算し、空気透過性値(m3/m2/分)として報告する。
【0138】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0139】
相互参照される又は関連する任意の特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又はその他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0140】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく種々のその他の変更及び修正を行うことができる点が、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。