(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023424
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】高スループット血液成分収集のための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
A61M 1/02 20060101AFI20240214BHJP
A61M 1/38 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
A61M1/02 125
A61M1/38
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023201177
(22)【出願日】2023-11-29
(62)【分割の表示】P 2022192526の分割
【原出願日】2018-04-20
(31)【優先権主張番号】62/488,404
(32)【優先日】2017-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/539,053
(32)【優先日】2017-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507114521
【氏名又は名称】テルモ ビーシーティー、インコーポレーテッド
【住所又は居所原語表記】10811 West Collins Avenue, Lakewood, Colorado 80215, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003683
【氏名又は名称】弁理士法人桐朋
(72)【発明者】
【氏名】フェルト、トーマス ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ラヴィンカ、デニス ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ホームス、ブライアン エム.
(72)【発明者】
【氏名】オブライエン、ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ポロドナ、テイラー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】アフェレーシスによって血液成分を収集するためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】方法は、全血をドナーから遠心分離機内へ引き込むステップと、前記遠心分離機を回転させて、前記全血に遠心力を作用させ、前記全血を少なくとも第1の血液成分と第3の血液成分とに分離するステップと、第1の血液成分を前記全血から分離するステップと、前記第1の血液成分を容器内へ抽出するステップと、第2の血液成分が抽出されていることを検出するステップと、前記第2の血液成分が検出された後、前記遠心分離機が回転し続ける間、分離された前記第1の血液成分を前記遠心分離機へ戻し、少なくとも前記第3の血液成分を前記遠心分離機から移動させて前記ドナーへ戻すステップと、を含む。
【選択図】
図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アフェレーシスによって血液成分を収集するための方法であって、該方法は、
全血をドナーから遠心分離機内へ引き込むステップと、
前記遠心分離機を回転させて、前記全血に遠心力を作用させ、前記全血を少なくとも第1の血液成分と第3の血液成分とに分離するステップと、
第1の血液成分を前記全血から分離するステップと、
前記第1の血液成分を容器内へ抽出するステップと、
第2の血液成分が抽出されていることを検出するステップと、
前記第2の血液成分が検出された後、前記遠心分離機が回転し続ける間、分離された前記第1の血液成分を前記遠心分離機へ戻し、少なくとも前記第3の血液成分を前記遠心分離機から移動させて前記ドナーへ戻すステップと、
を含む方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、
前記第1の血液成分は、血漿、血小板、赤血球、及び/又は、高ヘマトクリット血液のうちの1つ以上である、
方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の方法において、
前記第2の血液成分は、血漿、血小板、赤血球、及び/又は、高ヘマトクリット血液のうちの1つ以上であり、前記第3の血液成分は、血漿、血小板、赤血球、及び/又は、高ヘマトクリット血液のうちの1つ以上である、
方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の方法において、
前記第1の血液成分は、血漿、血小板、赤血球、及び/又は、高ヘマトクリット血液のうちの2つ以上である、
方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の方法において、
前記遠心分離機は、前記第1の血液成分を前記全血から分離するときに第1の速度で回転する、
方法。
【請求項6】
請求項5記載の方法において、
前記遠心分離機は、分離された前記第1の血液成分を前記遠心分離機へと戻すときに前記第1の速度で回転し続ける、
方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の方法において、
前記遠心分離機は、全血を前記ドナーから前記遠心分離機内へ引き込むときに第2の速度で回転する、
方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法において、
前記第2の速度は、前記第1の速度よりも遅い、
方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の方法において、
前記第1の血液成分は、前記遠心分離機に挿入される血液成分収集セット内の前記全血から分離される、
方法。
【請求項10】
請求項9記載の方法において、
前記遠心分離機は、前記血液成分収集セットと関連付けられる血液成分収集ブラダを回転させるフィラーを含む、
方法。
【請求項11】
請求項10記載の方法において、
前記血液成分収集ブラダは、前記フィラーに形成される収集挿入チャネルに挿入されて保持される、
方法。
【請求項12】
アフェレーシスシステムにおいて、
管腔を有し、針と流体的に関連付けられると共に、全血をドナーから前記管腔を通じて移動させる第1のチューブと、
前記第1のチューブと係合され、前記全血を遠心分離機へ引き込む引き込みポンプと、
前記全血に遠心力を作用させるように回転して、前記全血を少なくとも第1の血液成分と第3の血液成分とに分離する前記遠心分離機と、
前記遠心分離機に挿入され、前記第1のチューブと流体的に関連付けられると共に、前記第1の血液成分を前記全血から分離する血液成分収集ブラダと、
前記血液成分収集ブラダと流体的に関連付けられると共に、前記血液成分収集ブラダから前記第1の血液成分を移動させる第2のチューブと、
前記第2のチューブと流体的に関連付けられると共に、前記アフェレーシスシステムから前記第1の血液成分を抽出する収集容器と、
前記第2のチューブに物理的に近接して位置され、第2の血液成分が前記全血から抽出されていることを検出するセンサと、
前記第2のチューブと係合され、前記第2の血液成分が前記センサにより検出された後、前記遠心分離機が回転し続ける間、分離された前記第1の血液成分を前記第2のチューブを通じて前記血液成分収集ブラダへ戻し、少なくとも前記第3の血液成分を前記血液成分収集ブラダから移動させて前記ドナーへ戻す戻しポンプと、
を備えるアフェレーシスシステム。
【請求項13】
請求項12記載のアフェレーシスシステムにおいて、
前記第1の血液成分は血漿であり、前記第2の血液成分は血小板、赤血球、及び/又は、高ヘマトクリット血液である、
アフェレーシスシステム。
【請求項14】
請求項12又は13記載のアフェレーシスシステムにおいて、
抗凝血剤を抗凝血剤バッグから引き込むと共に、前記第1のチューブと流体的に関連付けられるマニホールド又はジャンクションで前記抗凝血剤を全血と混合させるための抗凝血剤ポンプをさらに備える、
アフェレーシスシステム。
【請求項15】
請求項12~14のいずれか1項に記載のアフェレーシスシステムにおいて、
前記遠心分離機は、前記血液成分収集ブラダを回転させるフィラーを含む、
アフェレーシスシステム。
【請求項16】
請求項15記載のアフェレーシスシステムにおいて、
前記血液成分収集ブラダは、前記フィラーに形成される収集挿入チャネルに挿入されて保持される、
アフェレーシスシステム。
【請求項17】
アフェレーシスシステムと関連付けられる血液成分収集セットであって、該セットは、
全血をドナーから引き込むためにドナーの血管に挿入される針と、
管腔を有し、前記針と流体的に関連付けられると共に、前記管腔を通じて全血を移動させる第1のチューブであって、前記第1のチューブと係合される引き込みポンプが前記全血を前記ドナーから引き込む、第1のチューブと、
遠心分離機に挿入され、前記第1のチューブと流体的に関連付けられると共に、第1の血液成分及び第3の血液成分を前記全血から分離する血液成分収集ブラダと、
前記血液成分収集ブラダと流体的に関連付けられると共に、前記血液成分収集ブラダから前記第1の血液成分を移動させる第2のチューブと、
前記第2のチューブと流体的に関連付けられると共に、前記アフェレーシスシステムから前記第1の血液成分を抽出する収集容器であって、第2の血液成分が前記全血から抽出されていることを検出するためにセンサが前記第2のチューブに物理的に近接して位置され、前記第2の血液成分が前記センサにより検出された後、前記遠心分離機が回転し続ける間、前記第2のチューブと係合される戻しポンプが、分離された前記第1の血液成分を前記第2のチューブを通じて前記血液成分収集ブラダへ戻し、少なくとも前記第3の血液成分を前記血液成分収集ブラダから移動させて前記ドナーへ戻す、収集容器と、
を備える血液成分収集セット。
【請求項18】
請求項17記載の血液成分収集セットにおいて、
前記第1の血液成分は血漿であり、前記第2の血液成分は血小板である、
血液成分収集セット。
【請求項19】
請求項17又は18記載の血液成分収集セットにおいて、
前記戻しポンプが分離された前記第1の血液成分を前記第2のチューブを通じて前記血液成分収集ブラダへ戻して少なくとも前記第3の血液成分を前記血液成分収集ブラダから移動させて前記ドナーへ戻すときに、前記引き込みポンプは、非係合状態にされる、
血液成分収集セット。
【請求項20】
請求項17~19のいずれか1項に記載の血液成分収集セットにおいて、
前記血液成分収集ブラダは、前記遠心分離機において、前記血液成分収集ブラダを回転させるフィラー内に挿入されて保持される、
血液成分収集セット。
【請求項21】
多成分流体から1つの成分を分離するためのアセンブリであって、該アセンブリは、
ディスポーザブル品の分離ブラダを保持するためのチャネルを備えるフィラーであって、前記チャネルは2つの対向する壁を備える、フィラーと、
複数のベアリングを備えるループ回転位置決めガイドであって、前記分離ブラダが前記チャネル内に装着されるときに前記ループ回転位置決めガイドはディスポーザブル品の可撓性ループを保持する、ループ回転位置決めガイドと、
を備えるアセンブリ。
【請求項22】
請求項21記載のアセンブリにおいて、
前記ループ回転位置決めガイドは、ストッパプレートを備える、
アセンブリ。
【請求項23】
請求項21又は22記載のアセンブリにおいて、
前記可撓性ループは、前記ループ回転位置決めガイド内に保持されるときに前記ストッパプレートと接触する、
アセンブリ。
【請求項24】
請求項21~23のいずれか1項に記載のアセンブリにおいて、
前記アセンブリがアフェレーシス装置の一部である、
アセンブリ。
【請求項25】
請求項21~24のいずれか1項に記載のアセンブリにおいて、
前記アセンブリは、前記ループ回転位置決めガイドを回転軸の周りで回転させるロータに接続される、
アセンブリ。
【請求項26】
請求項21~25のいずれか1項に記載のアセンブリにおいて、
前記複数のベアリングは、複数対のローラベアリングを備える、
アセンブリ。
【請求項27】
遠心分離機アセンブリであって、該遠心分離機アセンブリは、
外面と内部キャビティとを有し、前記遠心分離機アセンブリの回転軸を中心に回転する、遠心分離機ハウジングと、
前記遠心分離機ハウジングの前記内部キャビティ内に少なくとも部分的に配置されると共に、前記回転軸を中心に前記遠心分離機ハウジングに対して回転するように構成される流体分離本体と、
前記遠心分離機ハウジングの一部に取り付けられて、前記遠心分離機ハウジングの前記外面の長さに沿って延びる流体ラインループアームと、
を備え、
前記流体ラインループアームは、前記外面の長さに沿うポイントに配置されるベアリングセットを含み、
前記ベアリングセットは、相互接続された流体ラインループのチューブ部と接触して、前記流体ラインループを前記遠心分離機ハウジングに対して係合位置に保持する一方で、前記流体ラインループが前記係合位置で回転できるようにするべく構成される、
遠心分離機アセンブリ。
【請求項28】
請求項27記載の遠心分離機アセンブリにおいて、
前記ベアリングセットは、一対のローラベアリングを備える、
遠心分離機アセンブリ。
【請求項29】
請求項27又は28記載の遠心分離機アセンブリにおいて、
前記ベアリングセットは、複数対のローラベアリングを備える、
遠心分離機アセンブリ。
【請求項30】
請求項27~29のいずれか1項に記載の遠心分離機アセンブリにおいて、
前記遠心分離機アセンブリは、アフェレーシス装置の一部である、
遠心分離機アセンブリ。
【請求項31】
請求項30記載の遠心分離機アセンブリにおいて、
前記流体ラインループは、該流体ラインループの第1の端部で、第1の確動位置決め(positively-located)コネクタを介して前記アフェレーシス装置の固定非回転部に取り付けられ、前記流体ラインループは、該流体ラインループの第2の端部で、第2の確動位置決めコネクタを介して前記内部キャビティ内の前記流体分離本体に相互接続される、
遠心分離機アセンブリ。
【請求項32】
請求項31記載の遠心分離機アセンブリにおいて、
前記流体ラインループの前記第2の端部は、前記流体分離本体と共に回転する、
遠心分離機アセンブリ。
【請求項33】
請求項31又は32記載の遠心分離機アセンブリにおいて、
前記流体ラインループは、前記第2の確動位置決めコネクタで使い捨て可能な流体分離ブラダに物理的に且つ流体的に取り付けられる、
遠心分離機アセンブリ。
【請求項34】
請求項33記載の遠心分離機アセンブリにおいて、
前記流体ラインループは複数の管腔を備え、前記流体分離ブラダは、第2の可撓性シートに取り付けられることで流体経路を形成する第1の可撓性シートを備え、前記流体経路の第1の部分は、前記流体経路の第2の部分よりも狭い、
遠心分離機アセンブリ。
【請求項35】
流体ラインループを遠心分離機アセンブリに自動的に装着するための方法であって、該方法は、
前記流体ラインループを第1の端部で前記遠心分離機アセンブリの流体分離本体に対して取り付けるステップと、
前記流体分離本体を前記遠心分離機アセンブリのハウジングに対して第1の回転方向に回転させるステップであって、前記流体分離本体を回転させることにより、前記流体ラインループを前記ハウジングに対して回転させて前記ハウジングの一部に取り付けられたループアームのチャネルへ案内するステップと、
を含み、
前記チャネルは、前記ループアームに取り付けられたベアリングセットに配置されたベアリングを含み、前記遠心分離機アセンブリが回転する際に前記ベアリングが前記流体ラインループを前記ハウジングに対して所定位置に保持する、ステップと、
を含む方法。
【請求項36】
請求項35記載の方法において、
前記流体ラインループが前記チャネル内で前記ハウジングに対して前記所定位置で回転する際に、前記ベアリングは、前記流体ラインループの一部と接触する、
方法。
【請求項37】
請求項35又は36記載の方法において、
遠心分離機ハウジングは、回転軸を中心に第1の角速度で第1の回転方向に回転し、前記流体分離本体は、前記流体ラインループにより与えられるねじれ力により、前記回転軸を中心に異なる第2の角速度で回転させられる、
方法。
【請求項38】
請求項37記載の方法において、
前記第2の角速度は、前記第1の角速度の略2倍である、
方法。
【請求項39】
請求項35~38のいずれか1項に記載の方法において、
前記流体ラインループは、前記流体分離本体内に少なくとも部分的に配置される使い捨て可能な流体分離ブラダに対して物理的に且つ流体的に取り付けられる、
方法。
【請求項40】
請求項35~39のいずれか1項に記載の方法において、
前記流体ラインループの第2の端部をアフェレーシス装置の回転方向で固定されるポイントに取り付けるステップと、
前記アフェレーシス装置のロータ・モータアセンブリを介して、前記回転軸を中心に、前記アフェレーシス装置の前記回転方向で固定されるポイントに対して前記遠心分離機アセンブリを回転させるステップと、
をさらに含む方法。
【請求項41】
複合流体から成分が分離される分離ブラダを保持するためのフィラーであって、
前記フィラーは、
前記複合流体からの成分の分離中に分離ブラダを保持するためのチャネルを備え、
前記チャネルは、
第1の壁と、
前記第1の壁と対向する第2の壁と、
を備え、
前記チャネルの第1の端部は、前記フィラーの中心部に隣接し、前記チャネルは、前記フィラーの外周へ向けて螺旋状を成す、
フィラー。
【請求項42】
請求項41記載のフィラーにおいて、
前記チャネルの上端部は、前記チャネルの中央部よりも狭い、
フィラー。
【請求項43】
請求項41又は42記載のフィラーにおいて、
前記第2の壁の少なくとも一部は、凹面を有する、
フィラー。
【請求項44】
請求項41~43のいずれか1項に記載のフィラーにおいて、
前記チャネルの第2の端部は、分離中に前記第1の端部よりも高い重力を受けるように位置される、
フィラー。
【請求項45】
請求項41~44のいずれか1項に記載のフィラーにおいて、
前記チャネルの上端部は、分離中に前記分離ブラダに対する補強を行なう、
フィラー。
【請求項46】
流体分離フィラーであって、該フィラーは、
本体であって、該本体の略質量中心に配置される回転軸を有する本体と、
前記本体内に配置されると共に、前記回転軸の近傍にある第1のポイントから前記本体の外周の近傍に配置される第2のポイントまで螺旋状に外側へ延びる略螺旋状経路をたどる流体収集挿入チャネルと、
を備え
前記流体収集挿入チャネルは、前記回転軸から最も離れて配置される前記流体収集挿入チャネルの第3のポイントを規定する前記略螺旋状経路の端部の近傍で前記本体の周部へ向かって外側に湾曲する、
流体分離フィラー。
【請求項47】
請求項46記載の流体分離フィラーにおいて、
前記本体内に配置されて前記略螺旋状経路の一部をたどる流体収集チャンバをさらに備え、前記流体収集挿入チャネルは、前記流体収集チャンバに接続して前記流体収集チャンバの内部と前記本体の外部との間にアクセス領域を画定する、
流体分離フィラー。
【請求項48】
請求項47記載の流体分離フィラーにおいて、
前記流体収集チャンバは、使い捨て可能な流体収集ブラダを受容するように構成される、
流体分離フィラー。
【請求項49】
請求項46~48のいずれか1項に記載の流体分離フィラーにおいて、
前記回転軸から前記略螺旋状経路の前記第3のポイントまでの寸法は、前記回転軸から前記略螺旋状経路の前記第2のポイントまでの寸法よりも大きい、
流体分離フィラー。
【請求項50】
請求項46~49のいずれか1項に記載の流体分離フィラーにおいて、
前記略螺旋状経路に沿うポイントにおける前記流体収集チャンバの幅は、前記略螺旋状経路に沿う前記ポイントにおける前記流体収集挿入チャネルの幅よりも大きい、
流体分離フィラー。
【請求項51】
請求項47又は48記載の流体分離フィラーにおいて、
前記流体収集チャンバは、前記略螺旋状経路の最も内側の部分をたどる第1の壁と、前記第1の壁と略平行で且つ前記略螺旋状経路の最も外側の部分をたどる第2の壁とをさらに備える、
流体分離フィラー。
【請求項52】
請求項51記載の流体分離フィラーにおいて、
前記流体収集チャンバは、前記第1の壁と前記第2の壁との間に配置される1つ以上のテーパ壁をさらに備え、前記1つ以上のテーパ壁は、前記使い捨て可能な流体収集ブラダを前記流体収集チャンバ内の着座位置へ案内するように構成される、
流体分離フィラー。
【請求項53】
請求項52記載の流体分離フィラーにおいて、
前記流体収集チャンバ内に設置される際の前記使い捨て可能な流体収集ブラダのための流体入口は前記回転軸に隣接して配置され、前記使い捨て可能な流体収集ブラダの第1の流体経路は、前記回転軸から最も離れて配置される前記流体収集挿入チャネルの前記第3のポイントに隣接して配置される前記使い捨て可能な流体収集ブラダの端部へ向けて外側へ前記略螺旋状経路をたどると共に、前記使い捨て可能な流体収集ブラダの前記第1の流体経路から分離され且つ前記第3のポイントから前記略螺旋状経路をたどって前記回転軸に隣接して配置される前記使い捨て可能な流体収集ブラダのための流体出口へと内側に向かう方向に延びる第2の流体経路と流体的に相互接続する、
流体分離フィラー。
【請求項54】
請求項53記載の流体分離フィラーにおいて、
前記流体入口及び前記流体出口は、前記使い捨て可能な流体収集ブラダに取り付けられるコネクタの一部であり、前記流体分離フィラーの前記本体は、前記コネクタと係合する接続ポイントを含む、
流体分離フィラー。
【請求項55】
請求項54記載の流体分離フィラーにおいて、
前記コネクタは、少なくとも1つのキー機能部を含み、前記接続ポイントは、少なくとも1つの嵌め合いキー機能部を含み、前記キー機能部は、前記接続ポイントに対して前記コネクタを確動的に位置決めする、
流体分離フィラー。
【請求項56】
遠心分離機アセンブリであって、該遠心分離機アセンブリは、
内部キャビティを有し、前記遠心分離機アセンブリの回転軸を中心に回転する、遠心分離機ハウジングと、
前記遠心分離機ハウジングの前記内部キャビティ内に少なくとも部分的に配置されると共に、前記回転軸を中心に前記遠心分離機ハウジングに対して回転するように構成される流体分離本体と、
を備え、
前記流体分離本体は、該流体分離本体内に配置されると共に、前記回転軸に隣接する第1のポイントから前記流体分離本体の外周に隣接して配置される第2のポイントまで螺旋状に外側へと延びる略螺旋状経路をたどる流体収集挿入チャネルを含み、
前記流体収集挿入チャネルは、前記回転軸から最も離れて配置される前記流体収集挿入チャネルの第3のポイントを規定する前記略螺旋状経路の端部の近傍で前記本体の外周へ向けて外側に湾曲する、
遠心分離機アセンブリ。
【請求項57】
請求項56記載の遠心分離機アセンブリにおいて、
前記流体分離本体は、前記本体内に配置されて前記略螺旋状経路の一部をたどる流体収集チャンバをさらに備え、前記流体収集挿入チャネルは、前記流体収集チャンバに接続して前記流体収集チャンバの内部と前記流体分離本体の外部との間にアクセス領域を画定する、
遠心分離機アセンブリ。
【請求項58】
請求項57記載の遠心分離機アセンブリにおいて、
前記流体収集チャンバ内に配置されて前記略螺旋状経路をたどる使い捨て可能な流体収集ブラダをさらに備え、前記使い捨て可能な流体収集ブラダは、前記回転軸に隣接して配置される流体入口を含み、前記使い捨て可能な流体収集ブラダの第1の流体経路は、前記回転軸から最も離れて配置される前記流体収集挿入チャネルの前記第3のポイントに隣接して配置される前記使い捨て可能な流体収集ブラダの端部へ向けて外側へと前記略螺旋状経路をたどると共に、前記使い捨て可能な流体収集ブラダの前記第1の流体経路から分離され且つ前記第3のポイントから前記略螺旋状経路をたどって前記回転軸に隣接して配置される前記使い捨て可能な流体収集ブラダのための流体出口へと内側に向かう方向に延びる第2の流体経路と流体的に相互接続する、
遠心分離機アセンブリ。
【請求項59】
請求項56~58のいずれか1項に記載の遠心分離機アセンブリにおいて、
前記遠心分離機アセンブリは、アフェレーシス装置の一部である、
遠心分離機アセンブリ。
【請求項60】
請求項56~59のいずれか1項に記載の遠心分離機アセンブリにおいて、
前記遠心分離機ハウジングは、上側ハウジングと下側ハウジングとに分けられ、前記上側ハウジングは、内部キャビティを含み、前記上側ハウジングは、前記回転軸に対してオフセットして前記回転軸に対して略垂直な回動軸を中心に開状態と閉状態との間で回動可能であり、前記流体分離本体の前記流体収集挿入チャネルは、前記開状態でアクセス可能であり、前記閉状態でアクセス不可能である、
遠心分離機アセンブリ。
【請求項61】
血液成分収集ループであって、該血液成分収集ループは、
可撓性ループと、
前記可撓性ループの第1の端部に配置されるシステム固定ループコネクタであって、前記システム固定ループコネクタは、遠心分離機と一体で回転するべく前記可撓性ループの前記第1の端部を固定するように前記遠心分離機の固定ループ接続部に接続される、システム固定ループコネクタと、
前記可撓性ループの前記第1の端部とは反対側の第2の端部に配置されるフィラーループコネクタであって、前記フィラーループコネクタは、フィラーのループ接続領域に接続され、前記可撓性ループにおけるねじれに基づくねじれ力が前記フィラーループコネクタを介して前記フィラーに与えられる、フィラーループコネクタと、
を備え、
前記可撓性ループは、前記遠心分離機に位置されるループ回転位置決めガイドによって捕捉されるように回転方向に移動される、
血液成分収集ループ。
【請求項62】
請求項61記載の血液成分収集ループにおいて、
前記血液成分収集ループは、血液成分収集セットの一部であり、前記血液成分収集セットは、アフェレーシスシステムと関連付けられる、
血液成分収集ループ。
【請求項63】
請求項61又は62記載の血液成分収集ループにおいて、
前記ループ回転位置決めガイドは、回転軸の周りで前記ループ回転位置決めガイド及び前記可撓性ループを回転させるロータに取り付けられる、
血液成分収集ループ。
【請求項64】
請求項61~63のいずれか1項に記載の血液成分収集ループにおいて、
前記血液成分収集ループは、ループ位置決めストッパプレートによって少なくとも部分的に位置決めされる、
血液成分収集ループ。
【請求項65】
請求項61~64のいずれか1項に記載の血液成分収集ループにおいて、
前記可撓性ループは、前記遠心分離機の周りで湾曲される、
血液成分収集ループ。
【請求項66】
請求項61~65のいずれか1項に記載の血液成分収集ループにおいて、
前記可撓性ループは、ループ格納ブラケットによって所定位置にも保持される、
血液成分収集ループ。
【請求項67】
請求項61~66のいずれか1項に記載の血液成分収集ループにおいて、
前記ループ回転位置決めガイドの少なくとも一部は、ループねじれ支持ベアリングを備える、
血液成分収集ループ。
【請求項68】
請求項67記載の血液成分収集ループにおいて、
前記ループねじれ支持ベアリングは、一対のローラベアリングを備える、
血液成分収集ループ。
【請求項69】
請求項68記載の血液成分収集ループにおいて、
前記ループねじれ支持ベアリングは、前記可撓性ループがねじれることができるようにする、
血液成分収集ループ。
【請求項70】
請求項69記載の血液成分収集ループにおいて、
前記ねじれによって前記フィラーが前記遠心分離機よりも大きい角速度で回転する、
血液成分収集ループ。
【請求項71】
請求項61~70のいずれか1項に記載の血液成分収集ループにおいて、
前記可撓性ループは、全血及び/又は血液成分を前記可撓性ループ内で移動させるための2つ以上の管腔を含むことができる、
血液成分収集ループ。
【請求項72】
第1のポートと、
第2のポートと、
前記第1のポート及び前記第2のポートに流体接続される直流管腔と、
ドリップチャンバであって、前記直流管腔を通過する流体が前記ドリップチャンバを通過するように前記直流管腔内に配置されるドリップチャンバと、
流体流れバイパス経路であって、該流体流れバイパス経路を通じて流れる流体が前記ドリップチャンバを迂回するように、前記第1のポートと前記ドリップチャンバとの間で前記第1のポートに隣接して前記直流管腔に流体接続されると共に、前記第2のポートと前記ドリップチャンバとの間で前記第2のポートに隣接して前記直流管腔に流体接続される流体流れバイパス経路と、
を備えるソフトカセット。
【請求項73】
請求項72記載のソフトカセットにおいて、
前記流体流れバイパス経路は、前記第1のポートに隣接して前記直流管腔に流体接続される第1のバイパス分岐部と、前記第2のポートに隣接して前記直流管腔に流体接続される第2のバイパス分岐部とから構成される、
ソフトカセット。
【請求項74】
請求項73記載のソフトカセットにおいて、
前記流体流れバイパス経路は、前記第1のバイパス分岐部と前記第2のバイパス分岐部との間に配置されてこれらのバイパス分岐部に流体接続される流体圧環をさらに備える、
ソフトカセット。
【請求項75】
請求項74記載のソフトカセットにおいて、
前記直流管腔は、前記第1のバイパス分岐部との第1の接続部と前記ドリップチャンバとの間に配置される第1の柔軟領域を備え、この第1の柔軟領域は、第1の流体制御弁が前記直流管腔を閉塞できるようにする、
ソフトカセット。
【請求項76】
請求項75記載のソフトカセットにおいて、
前記直流管腔は、前記第2のバイパス分岐部との第2の接続部と前記ドリップチャンバとの間に配置される第2の柔軟領域を備え、この第2の柔軟領域は、第2の流体制御弁が前記直流管腔を閉塞できるようにする、
ソフトカセット。
【請求項77】
請求項76記載のソフトカセットにおいて、
前記直流管腔は、前記第1のバイパス分岐部内に配置される第3の柔軟領域を備え、この第3の柔軟領域は、引き込み流体制御弁が前記第1のバイパス分岐部を閉塞できるようにする、
ソフトカセット。
【請求項78】
請求項77記載のソフトカセットにおいて、
前記第1のポートは、ドナーからの流体を前記ソフトカセットへ移動させる又は前記ソフトカセットからの流体を前記ドナーへ移動させるカセット入口チューブに流体接続され、前記第2のポートは、前記ソフトカセットからの流体を前記遠心分離機へ移動させる又は前記遠心分離機からの流体を前記ソフトカセットへ移動させるループ入口チューブに流体接続される、
ソフトカセット。
【請求項79】
請求項72~78のいずれか1項に記載のソフトカセットにおいて、
流体を前記ドナーから引き込むときに、流体が前記流体流れバイパス経路を通過する、
ソフトカセット。
【請求項80】
請求項72~79のいずれか1項に記載のソフトカセットにおいて、
流体を前記ドナーへ送るときに、流体が前記直流管腔を通過する、
ソフトカセット。
【請求項81】
請求項80記載のソフトカセットにおいて、
次の引き込みで流体を前記ドナーから引き込むときに、前記直流管腔を通じて前記ドナーへ前回送られた流体の一部は、流体が前記流体流れバイパス経路を通過する際、前記ドリップチャンバ内に保持されている、
ソフトカセット。
【請求項82】
請求項72~81のいずれか1項に記載のソフトカセットにおいて、
前記ソフトカセットは、血液成分収集セットの一部である、
ソフトカセット。
【請求項83】
請求項82記載のソフトカセットにおいて、
前記血液成分収集セットは、アフェレーシスシステムの一部である、
ソフトカセット。
【請求項84】
血液成分収集セットであって、該血液成分収集セットは、
血液成分を全血から分離するための遠心分離機と、
ドナーに流体接続されるカセット入口チューブと、
前記遠心分離機に流体接続されるループ入口チューブと、
ソフトカセットと、
を備え、
前記ソフトカセットは、
前記カセット入口チューブに流体接続される第1のカセットポートと、
前記ループ入口チューブに流体接続される第2のカセットポートと、
前記第1のカセットポート及び前記第2のカセットポートに流体接続される直流管腔と、
ドリップチャンバであって、前記直流管腔を通過する流体が前記ドリップチャンバを通過するように前記直流管腔内に配置されるドリップチャンバと、
流体流れバイパス経路であって、該流体流れバイパス経路を通じて流れる流体が前記ドリップチャンバを迂回するように、前記第1のカセットポートと前記ドリップチャンバとの間で前記第1のカセットポートに隣接して前記直流管腔に流体接続されると共に、前記第2のカセットポートと前記ドリップチャンバとの間で前記第2のカセットポートに隣接して前記直流管腔に流体接続される流体流れバイパス経路と、
を備える、
血液成分収集セット。
【請求項85】
請求項84記載の血液成分収集セットにおいて、
前記流体流れバイパス経路は、
前記第1のカセットポートに隣接して前記直流管腔に流体接続される第1のバイパス分岐部と、
前記第2のカセットポートに隣接して前記直流管腔に流体接続される第2のバイパス分岐部と、
前記第1のバイパス分岐部と前記第2のバイパス分岐部との間に配置されてこれらのバイパス分岐部に流体接続される流体圧環と、
を備える、
血液成分収集セット。
【請求項86】
請求項85記載の血液成分収集セットにおいて、
前記直流管腔は、前記第1のバイパス分岐部との第1の接続部と前記ドリップチャンバとの間に配置される第1の柔軟領域を備え、該第1の柔軟領域は、第1の流体制御弁が前記直流管腔を閉塞できるようにし、前記直流管腔は、前記第2のバイパス分岐部との第2の接続部と前記ドリップチャンバとの間に配置される第2の柔軟領域を備え、該第2の柔軟領域は、第2の流体制御弁が前記直流管腔を閉塞できるようにし、前記直流管腔は、前記第1のバイパス分岐部内に配置される第3の柔軟領域を備え、該第3の柔軟領域は、引き込み流体制御弁が前記第1のバイパス分岐部を閉塞できるようにする、
血液成分収集セット。
【請求項87】
請求項86記載の血液成分収集セットにおいて、
流体を前記ドナーから引き込むときに、
前記第1の流体制御弁及び前記第2の流体制御弁は、閉じられて、前記直流管腔を閉塞し、
前記引き込み流体制御弁は、開放して、全血が前記流体流れバイパス経路を通過できるようにする、
血液成分収集セット。
【請求項88】
請求項86又は87記載の血液成分収集セットにおいて、
流体を前記ドナーへ送るときに、
前記第1の流体制御弁及び前記第2の流体制御弁は、開放して、流体が前記直流管腔を通過できるようにし、
前記引き込み流体制御弁は、閉じられて、前記流体流れバイパス経路を閉塞する、
血液成分収集セット。
【請求項89】
請求項88記載の血液成分収集セットにおいて、
次の引き込みで流体を前記ドナーから引き込むときに、前記直流管腔を通じて前記ドナーへ前回送られた流体の一部は、流体が前記流体流れバイパス経路を通過する際、前記ドリップチャンバ内に保持されている、
血液成分収集セット。
【請求項90】
流体をソフトカセットに通過させて移動させるための方法において、該方法は、
ソフトカセットを用意するステップであって、前記ソフトカセットは、
カセット入口チューブに流体接続される第1のカセットポートと、
ループ入口チューブに流体接続される第2のカセットポートと、
前記第1のカセットポート及び前記第2のカセットポートに流体接続される直流管腔と、
ドリップチャンバであって、前記直流管腔を通過する流体が前記ドリップチャンバを通過するように前記直流管腔内に相互配置されるドリップチャンバと、
流体流れバイパス経路であって、該流体流れバイパス経路を通じて流れる流体が前記ドリップチャンバを迂回するように、前記第1のカセットポートと前記ドリップチャンバとの間で前記第1のカセットポートに隣接して前記直流管腔に流体接続されると共に、前記第2のカセットポートと前記ドリップチャンバとの間で前記第2のカセットポートに隣接して前記直流管腔に流体接続される流体流れバイパス経路と、
を備える、ステップを有し、
該方法は、
全血をドナーから引き込む場合、
前記カセット入口チューブに流体接続される第1のカセットポートで前記カセット入口チューブから全血を受容するステップと、
前記流体流れバイパス経路を通じて前記全血を前記第2のカセットポートへ移動させるステップと、
全血が前記直流管腔を通じて移動することを防止するステップと、
を有し、
該方法は、
赤血球を前記ドナーへ戻す場合、
前記ループ入口チューブに流体接続される第2のカセットポートで前記ループ入口チューブから赤血球を受容するステップと、
前記直流管腔及び前記ドリップチャンバを通じて前記赤血球を前記第1のカセットポートへ移動させるステップと、
赤血球が前記流体流れバイパス経路を通じて移動することを防止するステップと、
を有する、
方法。
【請求項91】
請求項90記載の方法において、
次の引き込みで流体を前記ドナーから引き込むときに、前記直流管腔を通じて前記ドナーへ前回送られた流体の一部は、赤血球を前記ドナーに戻すときに、全血が前記流体流れバイパス経路を再び通過する際、前記ドリップチャンバ内に保持されている、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、35 U.S.C.§119(e)の下、「ディスポーザブル品の装着(Disposable Loading)」と題された2017年4月21日に出願された米国仮特許出願第62/488,404号及び「成分収集(Component Collection)」と題された2017年7月31日に出願された米国仮特許出願第62/539,053号の優先権の利益を主張する。上記出願の全体の開示内容は、それらが教示する全てに関し、及び、全ての目的で、参照することによりその全体が本願に組み入られる。
【0002】
本開示は、一般に、多成分流体からの成分の分離に関し、特に、アフェレーシス方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
血液ドナー提供/収集に関しては2つの一般的な方法がある。第1の方法は、ドナーからの全血提供の後、血液成分の密度に基づいて全血から血液成分を分離する遠心分離プロセスが続く。所望の成分は、手動で、半自動で、又は、自動で、全血が遠心分離機によりもたらされる力の作用を受けている最中又は(場合によっては)その後に収集容器へと移動される。他の方法は、特殊な装置を必要とするアフェレーシス収集である。
【0004】
アフェレーシス方法は、ドナーが特殊な装置に接続された状態でドナーから全血を抽出する。全血は、望まれる血液成分(例えば、血漿)のみを収集するために再び遠心分離されると共に、同じ血液採取中に望まれない全ての他の血液成分を元のドナーへ戻すことができる。ドナーは、血液成分の分離収集中にアフェレーシス装置に接続される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
残念ながら、アフェレーシスプロセスは、非常に長時間であり、不快なものとなり得る。多くの場合、ドナーは、血液成分採取を行うために所定時間にわたって装置に接続されたままでなければならない。従って、アフェレーシス収集現場にとっては、血液採取処置をより効率的に行うことが現在も望まれている。
【0006】
血液採取時間を減らしてドナーの快適さを高めることができる血漿又は他の血液成分のシステムの必要性がある。本明細書中で与えられる実施形態は、遠心分離機を停止させて再始動させることなく、分離された血液成分を使用して望ましくない血液成分をドナーへ押し戻す又は推し戻すことによって、血液採取プロセスの効率を高めることができる。従って、本明細書中の実施形態は、血液採取プロセスをドナーにとってより効率的でより高速に行えるものにする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態は、医療装置内にディスポーザブル品の一部(例えばループ)を位置決めするための方法及び機器を提供してもよい。実施形態は、ループを自動的に案内するための表面の使用を伴うことができる。幾つかの実施形態において、医療装置は、アフェレーシス装置等の血液分離装置であってもよい。
【0008】
既に言及された必要性及び他の必要性は、様々な態様、実施形態、及び/又は、構成によって扱われる。また、典型的な実施形態に関して本開示が与えられるが、本開示の個々の態様を個別に特許請求の範囲に記載できることが理解されるべきである。
【0009】
実施形態は、多成分流体から1つの成分を分離するためのアセンブリを含み、該アセンブリは、ディスポーザブル品の分離ブラダを保持するためのチャネルを備えるフィラーであって、チャネルは2つの対向する壁を備える、フィラーと、複数のベアリングを備えるループ回転位置決めガイドであって、分離ブラダがチャネル内に装着されるときにループ回転位置決めガイドはディスポーザブル品の可撓性ループを保持する、ループ回転位置決めガイドとを備える。
【0010】
前記アセンブリの態様は、ループ回転位置決めガイドがストッパプレートを備えることを含む。前記アセンブリの態様は、可撓性ループが、ループ回転位置決めガイド内に保持されるときにストッパプレートと接触することを含む。前記アセンブリの態様は、アセンブリがアフェレーシス装置の一部であることを含む。前記アセンブリの態様は、アセンブリが、ループ回転位置決めガイドを回転軸の周りで回転させるロータに接続されることを含む。前記アセンブリの態様は、複数のベアリングが複数対のローラベアリングを備えることを含む。
【0011】
実施形態は、遠心分離機アセンブリを含み、該遠心分離機アセンブリは、外面と内部キャビティとを有し、遠心分離機アセンブリの回転軸を中心に回転する、遠心分離機ハウジングと、遠心分離機ハウジングの内部キャビティ内に少なくとも部分的に配置されると共に、回転軸を中心に遠心分離機ハウジングに対して回転するように構成される流体分離本体と、遠心分離機ハウジングの一部に取り付けられて、遠心分離機ハウジングの外面の長さに沿って延びる流体ラインループアームと、を備え、流体ラインループアームは、外面の長さに沿うポイントに配置されるベアリングセットを含み、ベアリングセットは、相互接続された流体ラインループのチューブ部と接触して、流体ラインループを遠心分離機ハウジングに対して係合位置に保持する一方で、流体ラインループが係合位置で回転できるようにするべく構成される。
【0012】
前記遠心分離機アセンブリの態様は、ベアリングセットが一対のローラベアリングを備えることを含む。前記遠心分離機アセンブリの態様は、ベアリングセットが複数対のローラベアリングを備えることを含む。前記遠心分離機アセンブリの態様は、遠心分離機アセンブリがアフェレーシス装置の一部であることを含む。前記遠心分離機アセンブリの態様は、流体ラインループが、該流体ラインループの第1の端部で、第1の確動位置決めコネクタを介してアフェレーシス装置の固定非回転部に取り付けられ、流体ラインループが、該流体ラインループの第2の端部で、第2の確動位置決めコネクタを介して内部キャビティ内の流体分離本体に相互接続されることを含む。前記遠心分離機アセンブリの態様は、流体ラインループの第2の端部が流体分離本体と共に回転することを含む。前記遠心分離機アセンブリの態様は、流体ラインループが、第2の確動位置決めコネクタで使い捨て可能な流体分離ブラダに物理的に且つ流体的に取り付けられることを含む。前記遠心分離機アセンブリの態様は、流体ラインループが複数の管腔を備え、流体分離ブラダが、第2の可撓性シートに取り付けられることで流体経路を形成する第1の可撓性シートを備え、流体経路の第1の部分が流体経路の第2の部分よりも狭いことを含む。
【0013】
実施形態は、流体ラインループを遠心分離機アセンブリに自動的に装着するための方法を含み、該方法は、流体ラインループを第1の端部で遠心分離機アセンブリの流体分離本体に対して取り付けるステップと、流体分離本体を遠心分離機アセンブリのハウジングに対して第1の回転方向に回転させるステップであって、流体分離本体を回転させることにより、流体ラインループをハウジングに対して回転させてハウジングの一部に取り付けられたループアームのチャネル内へ案内するステップとを含み、チャネルは、ループアームに取り付けられたベアリングセットに配置されたベアリングを含み、遠心分離機アセンブリが回転する際にベアリングが流体ラインループをハウジングに対して所定位置に保持する。
【0014】
前記方法の態様は、流体ラインループがチャネル内でハウジングに対して所定位置で回転する際にベアリングが流体ラインループの一部と接触することを含む。前記方法の態様は、遠心分離機ハウジングが、回転軸を中心に第1の角速度で第1の回転方向に回転し、流体分離本体が、流体ラインループにより与えられるねじれ力により、回転軸を中心に異なる第2の角速度で回転させられることを含む。前記方法の態様は、第2の角速度が第1の角速度の略2倍であることを含む。前記方法の態様は、流体ラインループが、流体分離本体内に少なくとも部分的に配置される使い捨て可能な流体分離ブラダに対して物理的に且つ流体的に取り付けられることを含む。前記方法の態様は、流体ラインループの第2の端部をアフェレーシス装置の回転方向で固定されるポイントに取り付けるステップと、アフェレーシス装置のロータ・モータアセンブリを介して、回転軸を中心にアフェレーシス装置の回転方向で固定されるポイントに対して遠心分離機アセンブリを回転させるステップとをさらに含む。
【0015】
実施形態は、アフェレーシスによって血液成分を収集するための方法を含み、該方法は、全血をドナーから遠心分離機内へ引き込むステップと、遠心分離機を回転させて、全血に遠心力を作用させ、全血を少なくとも第1の血液成分と第3の血液成分とに分離するステップと、第1の血液成分を全血から分離するステップと、第1の血液成分を容器内へ抽出するステップと、第2の血液成分が抽出されていることを検出するステップと、第2の血液成分が検出された後、遠心分離機が回転し続ける間、分離された第1の血液成分を遠心分離機へと押し戻し、少なくとも第3の血液成分を遠心分離機から移動させてドナーへ戻すステップと、を含む。
【0016】
前記方法の態様は、第1の血液成分が、血漿、血小板、赤血球、及び/又は、高ヘマトクリット血液のうちの1つ以上であることを含む。前記方法の態様は、第2の血液成分が、血漿、血小板、赤血球、及び/又は、高ヘマトクリット血液のうちの1つ以上であり、第3の血液成分が、血漿、血小板、赤血球、及び/又は、高ヘマトクリット血液のうちの1つ以上であることを含む。前記方法の態様は、第1の血液成分が、血漿、血小板、赤血球、及び/又は、高ヘマトクリット血液のうちの2つ以上であることを含む。前記方法の態様は、遠心分離機が、第1の血液成分を全血から分離するときに第1の速度で回転することを含む。前記方法の態様は、遠心分離機が、分離された第1の血液成分を遠心分離機へ戻すときに第1の速度で回転し続けることを含む。前記方法の態様は、遠心分離機が、全血をドナーから遠心分離機内へ引き込むときに第2の速度で回転することを含む。前記方法の態様は、第2の速度が第1の速度よりも遅いことを含む。前記方法の態様は、第1の血液成分が、遠心分離機に挿入される血液成分収集セット内の全血から分離されることを含む。前記方法の態様は、遠心分離機が、血液成分収集セットと関連付けられる血液成分収集ブラダを回転させるフィラーを含むことを含む。前記方法の態様は、血液成分収集ブラダが、フィラーに形成される収集挿入チャネルに挿入されて保持されることを含む。
【0017】
実施形態はアフェレーシスシステムを含み、該アフェレーシスシステムは、管腔を有し、針と流体的に関連付けられると共に、全血をドナーから管腔を通じて移動させる第1のチューブと、第1のチューブと係合され、全血をドナーから遠心分離機へ引き込む引き込みポンプと、全血に遠心力を作用させるように回転して、全血を少なくとも第1の血液成分と第3の血液成分とに分離する遠心分離機と、遠心分離機に挿入され、第1のチューブと流体的に関連付けられると共に、第1の血液成分を全血から分離する血液成分収集ブラダと、血液成分収集ブラダと流体的に関連付けられると共に、血液成分収集ブラダから第1の血液成分を移動させる第2のチューブと、第2のチューブと流体的に関連付けられると共に、アフェレーシスシステムから第1の血液成分を抽出する収集容器と、第2のチューブに物理的に近接して位置され、第2の血液成分が全血から抽出されていることを検出するセンサと、第2のチューブと係合され、第2の血液成分がセンサにより検出された後、遠心分離機が回転し続ける間、分離された第1の血液成分を第2のチューブを通じて血液成分収集ブラダへ戻し、少なくとも第3の血液成分を血液成分収集ブラダから移動させてドナーへ戻す戻しポンプと、を備える。
【0018】
前記アフェレーシスシステムの態様は、第1の血液成分が血漿であり、第2の血液成分が血小板、赤血球、及び/又は、高ヘマトクリット血液であることを含む。前記アフェレーシスシステムの態様は、抗凝血剤を抗凝血剤バッグから引き込むと共に、第1のチューブと流体的に関連付けられるマニホールド又はジャンクションで抗凝血剤を全血と混合させるための抗凝血剤ポンプをさらに備える。前記アフェレーシスシステムの態様は、遠心分離機が、血液成分収集ブラダを回転させるフィラーを含むことを含む。前記アフェレーシスシステムの態様は、血液成分収集ブラダが、フィラーに形成される収集挿入チャネルに挿入されて保持されることを含む。
【0019】
実施形態は、アフェレーシスシステムと関連付けられる血液成分収集セットを含み、該血液成分収集セットは、全血をドナーから引き込むためにドナーの血管に挿入される針と、管腔を有し、針と流体的に関連付けられると共に、管腔を通じて全血を移動させる第1のチューブであって、第1のチューブと係合される引き込みポンプが全血をドナーから引き込む、第1のチューブと、遠心分離機に挿入され、第1のチューブと流体的に関連付けられると共に、第1の血液成分及び第3の血液成分を全血から分離する血液成分収集ブラダと、血液成分収集ブラダと流体的に関連付けられると共に、血液成分収集ブラダから第1の血液成分を移動させる第2のチューブと、第2のチューブと流体的に関連付けられると共に、アフェレーシスシステムから第1の血液成分を抽出する収集容器であって、第2の血液成分が全血から抽出されていることを検出するためにセンサが第2のチューブに物理的に近接して位置され、第2の血液成分がセンサにより検出された後、遠心分離機が回転し続ける間、第2のチューブと係合される戻しポンプが、分離された第1の血液成分を第2のチューブを通じて血液成分収集ブラダへ戻し、少なくとも第3の血液成分を血液成分収集ブラダから移動させてドナーへ戻す、収集容器と、を備える。
【0020】
前記血液成分収集セットの態様は、第1の血液成分が血漿であり、第2の血液成分が血小板であることを含む。前記血液成分収集セットの態様は、戻しポンプが分離された第1の血液成分を第2のチューブを通じて血液成分収集ブラダへ戻して少なくとも第3の血液成分を血液成分収集ブラダから移動させてドナーへ戻すときに、引き込みポンプは非係合状態にされることを含む。前記血液成分収集セットの態様は、血液成分収集ブラダが、遠心分離機において該血液成分収集ブラダを回転させるフィラー内に挿入されて保持されることを含む。前記血液成分収集セットの態様は、血液成分収集ブラダを保持するために血液成分収集ブラダがフィラー内に形成される収集挿入チャネルに挿入されることを含む。
【0021】
実施形態は、複合流体から成分が分離される分離ブラダを保持するためのフィラーを含み、フィラーは、複合流体からの成分の分離中に分離ブラダを保持するためのチャネルを備え、該チャネルは、第1の壁と、第1の壁と対向する第2の壁とを備え、チャネルの第1の端部は、フィラーの中心部に隣接し、チャネルは、フィラーの外周へ向けて螺旋状を成す。
【0022】
前記フィラーの態様は、チャネルの上端部がチャネルの中央部よりも狭いことを含む。前記フィラーの態様は、第2の壁の少なくとも一部が凹面を有することを含む。前記フィラーの態様は、チャネルの第2の端部が、分離中にそれが第1の端部よりも高い重力を受けるように位置されることを含む。前記フィラーの態様は、チャネルの上端部が、分離中に分離ブラダに対する補強を行なうことを含む。
【0023】
実施形態は流体分離フィラーを含み、該流体分離フィラーは、本体であって、該本体の略質量中心に配置される回転軸を有する本体と、本体内に配置されると共に、回転軸の近傍にある第1のポイントから本体の外周の近傍に配置される第2のポイントまで螺旋状に外側へ延びる略螺旋状経路をたどる流体収集挿入チャネルと、を備え、流体収集挿入チャネルは、回転軸から最も離れて配置される流体収集挿入チャネルの第3のポイントを規定する略螺旋状経路の端部の近傍で本体の周部へ向かって外側に湾曲する。
【0024】
前記流体分離フィラーの態様は、本体内に配置されて略螺旋状経路の一部をたどる流体収集チャンバをさらに備え、流体収集挿入チャネルが、流体収集チャンバに接続して流体収集チャンバの内部と本体の外部との間にアクセス領域を画定する。前記流体分離フィラーの態様は、流体収集チャンバが、使い捨て可能な流体収集ブラダを受容するように構成されることを含む。前記流体分離フィラーの態様は、回転軸から略螺旋状経路の第3のポイントまでの寸法が、回転軸から略螺旋状経路の第2のポイントまでの寸法よりも大きいことを含む。前記流体分離フィラーの態様は、略螺旋状経路に沿うポイントにおける流体収集チャンバの幅が、略螺旋状経路に沿うポイントにおける流体収集挿入チャネルの幅よりも大きいことを含む。前記流体分離フィラーの態様は、流体収集チャンバが、略螺旋状経路の最も内側の部分をたどる第1の壁と、第1の壁と略平行で且つ略螺旋状経路の最も外側の部分をたどる第2の壁とをさらに備えることを含む。前記流体分離フィラーの態様は、流体収集チャンバが、第1の壁と第2の壁との間に配置される1つ以上のテーパ壁をさらに備え、1つ以上のテーパ壁が、使い捨て可能な流体収集ブラダを流体収集チャンバ内の着座位置へと案内するように構成されることを含む。前記流体分離フィラーの態様は、流体収集チャンバ内に設置される際の使い捨て可能な流体収集ブラダのための流体入口が回転軸に隣接して配置され、使い捨て可能な流体収集ブラダの第1の流体経路が、回転軸から最も離れて配置される流体収集挿入チャネルの第3のポイントに隣接して配置される使い捨て可能な流体収集ブラダの端部へ向けて外側へと略螺旋状経路をたどると共に、使い捨て可能な流体収集ブラダの第1の流体経路から分離され且つ第3のポイントから略螺旋状経路をたどって回転軸に隣接して配置される使い捨て可能な流体収集ブラダのための流体出口へと内側に向かう方向に延びる第2の流体経路と流体的に相互接続することを含む。前記流体分離フィラーの態様は、流体入口及び流体出口が、使い捨て可能な流体収集ブラダに取り付けられるコネクタの一部であり、流体分離フィラーの本体が、コネクタと係合する接続ポイントを含むことを含む。前記流体分離フィラーの態様は、コネクタが少なくとも1つのキー機能部を含み、接続ポイントが少なくとも1つの嵌め合いキー機能部を含み、キー機能部が、接続ポイントに対してコネクタを確動的に位置決めすることを含む。
【0025】
実施形態は遠心分離機アセンブリを含み、該遠心分離機アセンブリは、内部キャビティを有し、遠心分離機アセンブリの回転軸を中心に回転する、遠心分離機ハウジングと、遠心分離機ハウジングの内部キャビティ内に少なくとも部分的に配置されると共に、回転軸を中心に遠心分離機ハウジングに対して回転するように構成される流体分離本体と、を備え、流体分離本体は、該流体分離本体内に配置されると共に、回転軸に隣接する第1のポイントから流体分離本体の外周に隣接して配置される第2のポイントまで螺旋状に外側へと延びる略螺旋状経路をたどる流体収集挿入チャネルを含み、流体収集挿入チャネルは、回転軸から最も離れて配置される流体収集挿入チャネルの第3のポイントを規定する略螺旋状経路の端部の近傍で本体の外周へ向けて外側に湾曲する。
【0026】
前記遠心分離機アセンブリの態様は、流体分離本体が、本体内に配置されて略螺旋状経路の一部をたどる流体収集チャンバをさらに備え、流体収集挿入チャネルが、流体収集チャンバに接続して流体収集チャンバの内部と流体分離本体の外部との間にアクセス領域を画定することを含む。前記遠心分離機アセンブリの態様は、流体収集チャンバ内に配置されて略螺旋状経路をたどる使い捨て可能な流体収集ブラダをさらに備え、使い捨て可能な流体収集ブラダは、回転軸に隣接して配置される流体入口を含み、使い捨て可能な流体収集ブラダの第1の流体経路が、回転軸から最も離れて配置される流体収集挿入チャネルの第3のポイントに隣接して配置される使い捨て可能な流体収集ブラダの端部へ向けて外側へと略螺旋状経路をたどると共に、使い捨て可能な流体収集ブラダの第1の流体経路から分離され且つ第3のポイントから略螺旋状経路をたどって回転軸に隣接して配置される使い捨て可能な流体収集ブラダのための流体出口へと内側に向かう方向に延びる第2の流体経路と流体的に相互接続する。前記遠心分離機アセンブリの態様は、遠心分離機アセンブリがアフェレーシス装置の一部であることを含む。前記遠心分離機アセンブリの態様は、遠心分離機ハウジングが上側ハウジングと下側ハウジングとに分けられ、上側ハウジングが内部キャビティを含み、上側ハウジングが、回転軸に対してオフセットして回転軸に対して略垂直な回動軸を中心に開状態と閉状態との間で回動可能であり、流体分離本体の流体収集挿入チャネルが、開状態でアクセス可能であり、閉状態でアクセス不可能であることを含む。
【0027】
実施形態は血液成分収集ループを含み、該血液成分収集ループは、可撓性ループと、可撓性ループの第1の端部に配置されるシステム固定ループコネクタであって、システム固定ループコネクタは、遠心分離機と一体で回転するべく可撓性ループの第1の端部を固定するように遠心分離機の固定ループ接続部に接続される、システム固定ループコネクタと、可撓性ループの第1の端部とは反対側の第2の端部に配置されるフィラーループコネクタであって、フィラーループコネクタはフィラーのループ接続領域に接続され、可撓性ループにおけるねじれに基づくねじれ力がフィラーループコネクタを介してフィラーに与えられる、フィラーループコネクタと、を備え、可撓性ループは、遠心分離機に位置されるループ回転位置決めガイドによって捕捉されるように回転方向で移動される。
【0028】
前記血液成分収集ループの態様は、血液成分収集ループが血液成分収集セットの一部であり、血液成分収集セットがアフェレーシスシステムと関連付けられることを含む。前記血液成分収集ループの態様は、ループ回転位置決めガイドが、回転軸の周りでループ回転位置決めガイド及び可撓性ループを回転させるロータに取り付けられることを含む。前記血液成分収集ループの態様は、血液成分収集ループが、ループ位置決めストッパプレートによって少なくとも部分的に位置決めされることを含む。前記血液成分収集ループの態様は、可撓性ループが遠心分離機の周りで湾曲されることを含む。前記血液成分収集ループの態様は、可撓性ループがループ格納ブラケットによって所定位置にも保持されることを含む。前記血液成分収集ループの態様は、ループ回転位置決めガイドの少なくとも一部がループねじれ支持ベアリングを備えることを含む。前記血液成分収集ループの態様は、ループねじれ支持ベアリングが一対のローラベアリングを備えることを含む。前記血液成分収集ループの態様は、ループねじれ支持ベアリングが、可撓性ループがねじれることができるようにすることを含む。前記血液成分収集ループの態様は、ねじれによってフィラーが遠心分離機よりも大きい角速度で回転することを含む。前記血液成分収集ループの態様は、可撓性ループが、全血及び/又は血液成分を可撓性ループ内で移動させるための2つ以上の管腔を含むことができることを含む。
【0029】
実施形態は、可撓性ループを装着するためのアセンブリを含み、該アセンブリは、血液成分収集セットの可撓性ループを保持するためのチャネルを備えるループ回転位置決めガイドと、可撓性ループを支持するためにループ回転位置決めガイドの一部でチャネル内に配置されるループねじれ支持ベアリングと、ループ捕捉アームとを備え、ループ捕捉アームは、チャネルに隣接して位置されて、ループ回転位置決めガイドに接続され、可撓性ループをチャネル内へと案内すると共に、ループねじれ支持ベアリングと接触する。
【0030】
前記アセンブリの態様は、アセンブリがアフェレーシス装置の一部であり、ループ回転位置決めガイドが、回転軸の周りでループ回転位置決めガイド及び可撓性ループを回転させる遠心分離機に接続されることを含む。前記アセンブリの態様は、ループ回転位置決めガイドが、可撓性ループをさらに位置決めするためのループ位置決めストッパプレートをさらに含むことを含む。前記アセンブリの態様は、可撓性ループをさらに捕捉するために、ループ回転位置決めガイドを伴う平面内に位置されて遠心分離機に配置されるループ格納ブラケットをさらに備える。
【0031】
実施形態は、可撓性ループをアセンブリに自動的に装着するための方法を含み、該方法は、可撓性ループの第1の端部に配置されるシステム固定ループコネクタを遠心分離機の固定ループ接続部に接続して、遠心分離機と一体で回転するように可撓性ループの第1の端部を固定するステップと、可撓性ループの第1の端部とは反対側の第2の端部に配置されるフィラーループコネクタをフィラーのループ接続領域に接続するステップであって、可撓性ループのねじれに基づくねじれ力がフィラーループコネクタを介してフィラーに与えられるステップと、可撓性ループを遠心分離機に位置されるループ回転位置決めガイドへ回転方向に移動させるステップと、を含む。
【0032】
前記方法の態様は、可撓性ループが、ループ回転位置決めガイドにより形成されるチャネル内に配置されるループねじれ支持ベアリングと係合し、ループねじれ支持ベアリングが可撓性ループを支持することを含む。前記方法の態様は、可撓性ループをチャネルへと案内しループねじれ支持ベアリングと接触させるために回転させる際、ループ捕捉アームが可撓性ループと接触することを含む。前記方法の態様は、ループ回転位置決めガイドが、チャネルを通り過ぎて可撓性ループが過回転することを防止するためにループ位置決めストッパプレートをさらに含むことを含む。前記方法の態様は、ループ回転位置決めガイドを伴う平面内に位置されて遠心分離機に配置されるループ格納ブラケットが、可撓性ループをさらに捕捉して保持することを含む。
【0033】
実施形態はソフトカセットを含み、該ソフトカセットは、第1のカセットポートと、第2のカセットポートと、第1のカセットポート及び第2のカセットポートに流体接続される直流管腔と、ドリップチャンバであって、直流管腔を通過する流体がドリップチャンバを通過するように直流管腔内に相互配置されるドリップチャンバと、流体流れバイパス経路であって、該流体流れバイパス経路を通じて流れる流体がドリップチャンバを迂回するように、第1のカセットポートとドリップチャンバとの間で第1のカセットポートに隣接して直流管腔に流体接続されると共に、第2のカセットポートとドリップチャンバとの間で第2のカセットポートに隣接して直流管腔に流体接続される流体流れバイパス経路とを備える。
【0034】
前記ソフトカセットの態様は、流体流れバイパス経路が、第1のカセットポートに隣接して直流管腔に流体接続される第1のバイパス分岐部と、第2のカセットポートに隣接して直流管腔に流体接続される第2のバイパス分岐部とから構成されることを含む。前記ソフトカセットの態様は、流体流れバイパス経路が、第1のバイパス分岐部と第2のバイパス分岐部との間に配置されてこれらのバイパス分岐部に流体接続される流体圧環をさらに備えることを含む。前記ソフトカセットの態様は、直流管腔が、第1のバイパス分岐部との第1の接続部とドリップチャンバとの間に配置される第1の柔軟領域を備え、この第1の柔軟領域は、第1の流体制御弁が直流管腔を閉塞できるようにすることを含む。前記ソフトカセットの態様は、直流管腔が、第2のバイパス分岐部との第2の接続部とドリップチャンバとの間に配置される第2の柔軟領域を備え、この第2の柔軟領域は、第2の流体制御弁が直流管腔を閉塞できるようにすることを含む。前記ソフトカセットの態様は、直流管腔が、第1のバイパス分岐部内に配置される第3の柔軟領域を備え、この第3の柔軟領域は、引き込み流体制御弁が前記第1のバイパス分岐部を閉塞できるようにすることを含む。前記ソフトカセットの態様は、第1のカセットポートが、ドナーからの流体をソフトカセットへ移動させる又はソフトカセットからの流体をドナーへ移動させるカセット入口チューブに流体接続され、第2のカセットポートが、ソフトカセットからの流体を遠心分離機へ移動させる又は遠心分離機からの流体をソフトカセットへ移動させるループ入口チューブに流体接続されることを含む。前記ソフトカセットの態様は、流体をドナーから引き込むときに、流体が流体流れバイパス経路を通過することを含む。前記ソフトカセットの態様は、流体をドナーへ送るときに、流体が直流管腔を通過することを含む。前記ソフトカセットの態様は、次の引き込みで流体をドナーから引き込むときに、直流管腔を通じてドナーへ前回送られた流体の一部は、流体が流体流れバイパス経路を通過する際、ドリップチャンバ内に保持されていることを含む。前記ソフトカセットの態様は、ソフトカセットが血液成分収集セットの一部であることを含む。前記ソフトカセットの態様は、血液成分収集セットがアフェレーシスシステムの一部であることを含む。
【0035】
実施形態は血液成分収集セットを含み、血液成分収集セットは、血液成分を全血から分離するための遠心分離機と、ドナーに流体接続されるカセット入口チューブと、遠心分離機に流体接続されるループ入口チューブと、ソフトカセットとを備え、ソフトカセットは、カセット入口チューブに流体接続される第1のカセットポートと、ループ入口チューブに流体接続される第2のカセットポートと、第1のカセットポート及び第2のカセットポートに流体接続される直流管腔と、ドリップチャンバであって、直流管腔を通過する流体がドリップチャンバを通過するように直流管腔内に配置されるドリップチャンバと、流体流れバイパス経路であって、該流体流れバイパス経路を通じて流れる流体がドリップチャンバを迂回するように、第1のカセットポートとドリップチャンバとの間で第1のカセットポートに隣接して直流管腔に流体接続されると共に、第2のカセットポートとドリップチャンバとの間で第2のカセットポートに隣接して直流管腔に流体接続される流体流れバイパス経路とを備える。
【0036】
前記血液成分収集セットの態様は、流体流れバイパス経路が、第1のカセットポートに隣接して直流管腔に流体接続される第1のバイパス分岐部と、第2のカセットポートに隣接して直流管腔に流体接続される第2のバイパス分岐部と、第1のバイパス分岐部と第2のバイパス分岐部との間に配置されてこれらのバイパス分岐部に流体接続される流体圧環とを備えることを含む。前記血液成分収集セットの態様は、直流管腔が、第1のバイパス分岐部との第1の接続部とドリップチャンバとの間に配置される第1の柔軟領域を備え、この第1の柔軟領域は、第1の流体制御弁が直流管腔を閉塞できるようにし、直流管腔が、第2のバイパス分岐部との第2の接続部とドリップチャンバとの間に配置される第2の柔軟領域を備え、この第2の柔軟領域は、第2の流体制御弁が直流管腔を閉塞できるようにし、直流管腔が、第1のバイパス分岐部内に配置される第3の柔軟領域を備え、この第3の柔軟領域は、引き込み流体制御弁が第1のバイパス分岐部を閉塞できるようにすることを含む。前記血液成分収集セットの態様は、流体をドナーから引き込むときに、第1の流体制御弁及び第2の流体制御弁が、閉じられて、直流管腔を閉塞し、引き込み流体制御弁が、開放して、全血が流体流れバイパス経路を通過できるようにすることを含む。前記血液成分収集セットの態様は、流体をドナーへ送るときに、第1の流体制御弁及び第2の流体制御弁が、開放して、流体が直流管腔を通過できるようにし、引き込み流体制御弁が、閉じられて、流体流れバイパス経路を閉塞することを含む。前記血液成分収集セットの態様は、次の引き込みで流体をドナーから引き込むときに、直流管腔を通じてドナーへ前回送られた流体の一部は、流体が流体流れバイパス経路を通過する際、ドリップチャンバ内に保持されていることを含む。
【0037】
実施形態は、流体をソフトカセットに通過させて移動させるための方法を含み、該方法は、ソフトカセットを用意するステップであって、ソフトカセットは、カセット入口チューブに流体接続される第1のカセットポートと、ループ入口チューブに流体接続される第2のカセットポートと、第1のカセットポート及び第2のカセットポートに流体接続される直流管腔と、ドリップチャンバであって、直流管腔を通過する流体がドリップチャンバを通過するように直流管腔内に相互配置されるドリップチャンバと、流体流れバイパス経路であって、該流体流れバイパス経路を通じて流れる流体がドリップチャンバを迂回するように、第1のカセットポートとドリップチャンバとの間で第1のカセットポートに隣接して直流管腔に流体接続されると共に、第2のカセットポートとドリップチャンバとの間で第2のカセットポートに隣接して直流管腔に流体接続される流体流れバイパス経路とを備える、ステップを有し、該方法は、全血をドナーから引き込む場合、カセット入口チューブに流体接続される第1のカセットポートでカセット入口チューブから全血を受容するステップと、流体流れバイパス経路を通じて全血を前記第2のカセットポートへと移動させるステップと、全血が直流管腔を通じて移動することを防止するステップと、を有し、該方法は、赤血球をドナーへ戻す場合、ループ入口チューブに流体接続される第2のカセットポートでループ入口チューブから赤血球を受容するステップと、直流管腔及びドリップチャンバを通じて赤血球を第1のカセットポートへと移動させるステップと、赤血球が流体流れバイパス経路を通じて移動することを防止するステップとを含む。
【0038】
前記方法の態様は、次の引き込みで流体をドナーから引き込むときに、直流管腔を通じてドナーへ前回送られた流体の一部は、赤血球をドナーに戻すときに、全血が流体流れバイパス経路を再び通過する際、ドリップチャンバ内に保持されていることを含む。
【0039】
本明細書中に実質的に開示される態様/実施形態のうちのいずれか1つ以上。
【0040】
任意に本明細書中に実質的に開示される任意の1つ以上の他の態様/実施形態と組み合わせた、本明細書中に実質的に開示される態様/実施形態のうちのいずれか1つ以上。
【0041】
本明細書中に実質的に開示される前記態様/実施形態のうちのいずれか1つ以上を実行するようになっている1つ以上の手段。
【0042】
本開示は、特定の態様、実施形態、及び/又は、構成に応じて多くの利点を与えることができる。必要とされない血液成分をドナーへと移動させて戻しつつ遠心分離機の回転速度を維持することにより、アフェレーシス処置の時間を、場合によっては、30%減らすことができる。この効率の向上は、より高速でより快適なドナー提供を可能にする。より高速のドナー提供時間では、ドナー提供センターは、典型的な1日でより多くのドナー提供を得ることができ、生産性及び収益が高まる。さらに、ドナー提供がより高速であれば、ドナーは、ドナー提供を再度行うために再来する可能性が高い。ドナー提供がより高速であれば、ドナー提供センターは、ドナー提供速度が遅い他のドナー提供センターを使用しているドナーを呼び込むこともできる。
【0043】
これら及び他の利点は、本開示から明らかである。
【0044】
「少なくとも1つの」、「1つ以上」、及び、「及び/又は」という語句は、作用において接続的及び離接的のいずれでもある非制約的な表現である。例えば、「A、B及びCのうちの少なくとも1つ」、「A、B又はCのうちの少なくとも1つ」、「A、B及びCのうちの1つ以上」、「A、B又はCのうちの1つ以上」、及び、「A、B、及び/又は、C」という表現のそれぞれは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBの両方、A及びCの両方、B及びCの両方、又は、A、B及びCの全てを意味する。
【0045】
「1つ(a)」又は「1つ(an)」の実体という用語は、その実体のうちの1つ以上を指す。従って、「1つ(a)」(又は「1つ(an)」)、「1つ以上」、及び、「少なくとも1つ」という用語は、本明細書中では置き換え可能に使用され得る。また、「備える」、「含む」、及び、「有する」という用語を置き換え可能に使用できることにも留意すべきである。
【0046】
本明細書中で使用される「ドナー」という用語は、流体、例えば全血をアフェレーシスシステムに提供する任意の人を意味し得る。ドナーは、アフェレーシスシステムに流体を一時的に提供もする患者であってもよいが、流体は、患者に戻して提供される前に処理され、処置され、操作等される。
【0047】
本明細書中で使用される「自動的」という用語及びその変形は、プロセス又は動作が行なわれる際に実質的な人の入力を伴うことなく行なわれる任意のプロセス又は動作を指す。しかしながら、プロセス又は動作は、プロセス又は動作の実行が実質的又は非実質的な人の入力を使用する場合であっても、その入力がプロセス又は動作の実行の前に受けられれば、自動的となり得る。人の入力は、そのような入力がプロセス又は動作の実行方法に影響を及ぼす場合には、実質的であると見なされる。プロセス又は動作の実行に同意する人の入力は、「実質的」であると見なされない。
【0048】
本明細書中で使用される「コンピュータ可読媒体」という用語は、実行のために命令をプロセスに与えることに関与する任意の有形の記憶装置及び/又は送信媒体を指す。そのような媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び、送信媒体を含む多くの形態を成し得るが、これらに限定されない。不揮発性媒体としては、例えば、NVRAM或いは磁気ディスク又は光ディスクが挙げられる。揮発性媒体として、主メモリ等のダイナミックメモリが挙げられる。コンピュータ可読媒体の一般的な形態としては、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、又は、任意の他の磁気媒体、磁気光学媒体、CD-ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを伴う任意の他の物理媒体、RAM、PROM、及び、EPROM、FLASH-EPROM、メモリカードのような固体媒体、任意の他のメモリチップ又はカートリッジ、後述する搬送波、又は、コンピュータが読み取り可能な任意の他の媒体が挙げられる。電子メールに添付されるデジタルファイル又は他の内蔵情報アーカイブ又はアーカイブのセットは、有形の記憶媒体と同等の配布媒体と見なされる。コンピュータ可読媒体がデータベースとして構成される場合には、データベースがリレーショナル、階層的、オブジェクト志向及び/又は同様のもの等の任意のタイプのデータベースであってもよいことが理解されるべきである。従って、本開示は、本開示のソフトウェア実装が記憶される有形記憶媒体又は配布媒体及び従来技術と認識される等価物及び後継媒体を含むものと考えられる。
【0049】
本明細書中で使用される「モジュール」という用語は、任意の既知の又は後に開発されるハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、人工知能、ファジー論理、又は、その要素と関連付けられる機能を果たすことができるハードウェア及びソフトウェアの組み合わせを指す。
【0050】
本明細書中で使用される「決定する」、「計算する」、及び、「演算する」という用語、並びに、その変形は、置き換え可能に使用されると共に、任意のタイプの方法論、プロセス、数学的演算、又は、技術を含む。
【0051】
本明細書中で使用される「手段」という用語には、35 U.S.C.§112の第6パラグラフに従ってその最も広い想定し得る解釈が与えられなければならないと理解されるべきである。従って、「手段」という用語を組み入れる特許請求項は、本明細書中に記載される全ての構造、材料、又は、行為、及び、その全ての等価物を網羅するものとする。さらに、構造、材料、又は、行為、及び、その等価物は、発明の概要、図面の簡単な説明、詳細な説明、要約、及び、特許請求の範囲自体に記載される全てのものを含むものとする。
【0052】
以上は、本開示の幾つかの態様の理解を与えるための開示の簡略化された概要である。この概要は、本開示及びその様々な態様、実施形態、及び/又は、構成の外延的な概要でもなく包括的な概要でもない。それは、本開示の重要な又は重大な要素を特定しようとするものではなく、本開示の範囲を線引きしようとするものでもなく、以下に与えられるより詳細な説明への序文として本開示の選択された概念を簡略的形態で与えようとするものである。理解できるように、前述の又は以下で詳しく説明する特徴のうちの1つ以上を単独で又は組み合わせて利用する本開示の他の態様、実施形態、及び/又は、構成が想定し得る。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】本開示の実施形態に係るアフェレーシスシステムの動作環境の斜視図を示す。
【
図2A】
図1に示されるアフェレーシスシステムの斜視図である。
【
図2B】本開示の実施形態に係るアフェレーシスシステムのポンプの第1の詳細な斜視図である。
【
図2C】本開示の実施形態に係るアフェレーシスシステムのポンプの第2の詳細な斜視図である。
【
図2D】本開示の実施形態に係る流体弁制御システムの詳細な斜視図である。
【
図3A】本開示の実施形態に係る使い捨て可能なソフトカセットアセンブリの詳細な斜視図である。
【
図3B】本開示の実施形態に係る使い捨て可能なソフトカセットの斜視図である。
【
図4A】本開示の実施形態に係るアフェレーシスシステムにおける遠心分離機アセンブリの斜視図を示す。
【
図4B】
図4Aに示される遠心分離機アセンブリの正面斜視図を示す。
【
図4C】
図4Aに示される遠心分離機アセンブリの背面斜視図を示す。
【
図4D】本開示の実施形態に係る閉状態の遠心分離機アセンブリの概略断面図である。
【
図4E】本開示の実施形態に係る部分的に開放した状態の遠心分離機アセンブリの概略断面図である。
【
図4F】本開示の実施形態に係る開放状態の遠心分離機アセンブリの概略断面図である。
【
図4G】本開示の実施形態に係る遠心分離機のためのフィラーの斜視図を示す。
【
図4H】本開示の実施形態に係る遠心分離機のためのフィラーの平面図である。
【
図4I】本開示の実施形態に係るフィラーのための略螺旋形状受け入れチャネルの概略平面図である。
【
図4K】本開示の実施形態に係るフィラーにおけるチャネルの一部の詳細な断面図である。
【
図4L】
図4Kのフィラーにおけるチャネル内に配置される流体収集ブラダの異なる状態を示す。
【
図5A】本開示の実施形態に係る流体成分収集セットの概略図を示す。
【
図5B】本開示の実施形態に係る流体成分収集ループの立面図を示す。
【
図5C】本開示の1つの実施形態に係る流体成分収集ループのブラダの断面図を示す。
【
図5D】本開示の他の実施形態に係る流体成分収集ループのブラダの断面図を示す。
【
図5E】本開示の実施形態に係る屈曲状態の流体成分収集ループの斜視図を示す。
【
図5F】本開示の実施形態に係る搭載状態の流体成分収集ループの斜視図を示す。
【
図5G】本開示の実施形態に係るフィラー内に搭載される流体成分収集ループの斜視図を示す。
【
図5H】本開示の実施形態に係るフィラー内に搭載された流体成分収集ループの斜視図を示す。
【
図6A】本開示の実施形態に係る第1のループ搭載状態の遠心分離機アセンブリの概略断面図を示す。
【
図6B】本開示の実施形態に係る第2のループ搭載状態の遠心分離機アセンブリの概略断面図を示す。
【
図6C】本開示の実施形態に係る第3のループ搭載状態の遠心分離機アセンブリの概略断面図を示す。
【
図7A】本開示の実施形態に係るループが搭載された状態の遠心分離機アセンブリの概略平面図を示す。
【
図7B】本開示の実施形態に係る動作状態の遠心分離機アセンブリの概略平面図を示す。
【
図8】本開示の実施形態に係るアフェレーシスシステムの一実施形態の機能図である。
【
図9】本開示の実施形態に係るアフェレーシスシステムの電気システムのブロック図である。
【
図10】本開示の実施形態に係るアフェレーシスシステムの電気システムの更なるブロック図である。
【
図11】本開示の実施形態に係るアフェレーシスシステムの電気システムの更なるブロック図である。
【
図12】本開示の実施形態に係るアフェレーシスを行なうための方法のプロセス図である。
【
図13】本開示の実施形態に係るアフェレーシスを行なうための方法のプロセス図である。
【
図14】本開示の実施形態に係るアフェレーシスを行なうための方法のプロセス図である。
【
図15】本開示の実施形態に係るアフェレーシスを行なうための方法のプロセス図である。
【
図16】本開示の実施形態に係るアフェレーシスシステムのフィラー内へディスポを挿入するための方法のプロセス図である。
【
図17A】本開示の実施形態に係るアフェレーシス処置中のアフェレーシスシステムの機能図である。
【
図17B】本開示の実施形態に係るアフェレーシス処置中のアフェレーシスシステムの他の機能図である。
【
図17C】本開示の実施形態に係るアフェレーシス処置中のアフェレーシスシステムの他の機能図である。
【
図17D】本開示の実施形態に係るアフェレーシス処置中のアフェレーシスシステムの他の機能図である。
【
図17E】本開示の実施形態に係るアフェレーシス処置中のアフェレーシスシステムの他の機能図である。
【
図17F】本開示の実施形態に係るアフェレーシス処置中のアフェレーシスシステムの他の機能図である。
【
図17G】本開示の実施形態に係るアフェレーシス処置中のアフェレーシスシステムの他の機能図である。
【
図17H】本開示の実施形態に係るアフェレーシス処置中のアフェレーシスシステムの他の機能図である。
【
図17I】本開示の実施形態に係るアフェレーシス処置中のアフェレーシスシステムの他の機能図である。
【
図17J】本開示の実施形態に係るアフェレーシス処置中のアフェレーシスシステムの他の機能図である。
【
図17K】本開示の実施形態に係るアフェレーシス処置中のアフェレーシスシステムの他の機能図である。
【
図17L】本開示の実施形態に係るアフェレーシス処置中のアフェレーシスシステムの他の機能図である。
【
図17M】本開示の実施形態に係るアフェレーシス処置中のアフェレーシスシステムの他の機能図である。
【
図17N】本開示の実施形態に係るアフェレーシス処置中のアフェレーシスシステムの他の機能図である。
【
図17O】本開示の実施形態に係るアフェレーシス処置中のアフェレーシスシステムの他の機能図である。
【
図17P】本開示の実施形態に係るアフェレーシス処置中のアフェレーシスシステムの他の機能図である。
【
図17Q】本開示の実施形態に係るアフェレーシス処置中のアフェレーシスシステムの他の機能図である。
【
図17R】本開示の実施形態に係るアフェレーシス処置中のアフェレーシスシステムの他の機能図である。
【
図17S】本開示の実施形態に係るアフェレーシス処置中のアフェレーシスシステムの他の機能図である。
【
図17T】本開示の実施形態に係るアフェレーシス処置中のアフェレーシスシステムの他の機能図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
添付の図では、同様の構成要素及び/又は特徴は、同じ参照ラベルを有する場合がある。さらに、同様の構成要素間を区別する文字が参照ラベルの後に続くことによって同じタイプの様々な構成要素が区別される場合がある。第1の参照ラベルのみが明細書中で使用される場合、その説明は、第2の参照ラベルに関係なく同じ第1の参照ラベルを有する同様の構成要素のうちの任意の1つに適用できる。
【0055】
アフェレーシス方法及びシステムに関連して本開示の実施形態について説明する。以下の実施形態は、全血から血液成分を分離することに関して記載される場合がある。しかしながら、この例の手法は、単に例示目的のために与えられる。なお、実施形態は以下の説明に限定されない。実施形態は、任意の複合液を分離するための製品、プロセス、装置、及び、システムで用いるようになっている。従って、本開示は、全血からの血液成分の分離に限定されない。
【0056】
図1を参照すると、本開示の実施形態に係るアフェレーシスシステム200の動作環境100の斜視図が示される。動作環境100は、アフェレーシスシステム200、ドナー102、及び、ドナー102からアフェレーシスシステム200へと及び/又はその逆へと延びる1つ以上の接続部(例えば、ドナー供給チューブ104、カセット入口チューブ108A、抗凝血剤チューブ110等)を含む。
図1に示されるように、ドナー供給チューブ104は、静脈穿刺によってドナー102の少なくとも1つの血管、例えば静脈と流体接続される。例えば、ドナー供給チューブ104の端部に接続されるカニューレが、ドナー102の皮膚に挿通されて、標的部位すなわち静脈へと挿入される。この接続は、血液がドナー102からアフェレーシスシステム200へと流れるための及び/又は血液成分が元のドナー102へと流れるための静脈経路を与える。幾つかの実施形態では、流路及び接続部がアフェレーシスシステム200の体外チューブ回路を形成してもよい。
【0057】
ドナー102から供給される血液は、ドナー供給チューブ104に沿ってチューブコネクタ106を通過し、カセット入口チューブ108Aに沿ってソフトカセットアセンブリ300内へと流れる。ソフトカセットアセンブリ300は、ドナー102への及び/又はドナー102からの血液の流れを選択的に制御するための1つ以上の流体制御経路及び弁を含んでもよい。アフェレーシスシステム200は、抗凝血剤(AC)バッグ114内に収容される抗凝血剤供給源を含んでもよい。抗凝血剤は、少なくとも抗凝血剤チューブ110及びチューブコネクタ106を通じて送出されてもよく、アフェレーシスシステム200内の血液の凝固を防止する。
【0058】
抗凝血剤は、クエン酸塩及び/又は非分画ヘパリンのうちの1つ以上を含むことができるが、これらに限定されない。本明細書中に記載されるACバッグ及び他のバッグ又はボトルは、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、可塑化PVC、ポリエチレン、酢酸ビニルを伴うエチレン(EVA)、ゴム、シリコン、熱可塑性物質、熱可塑性エラストマー、高分子、共重合体、及び/又は、これらの組み合わせのうちの1つ以上から形成され得るが、これらに限定されない。ACバッグ114内のACの量は、ドナー102の質量、ドナーからの血液の体積流量等を含む様々な因子に基づいて変化し得る。1つの例では、ACバッグ114内の容積が250~500mLであるが、ACバッグ114内の容積がこの容積より大きくてもよく又は小さくてもよい。
【0059】
幾つかの実施形態において、アフェレーシスシステム200は、血漿収集ボトル122又は容器、生理食塩水バッグ118内に収容される生理食塩水流体、及び、生理食塩水バッグ118及び血漿収集ボトル122をアフェレーシスシステム200の体外チューブ回路と接続する1つ以上のライン又はチューブ116、120(例えば、流体搬送チューブ等)を含んでもよい。生理食塩水バッグ118内に用意される生理食塩水の量は500~800mLであるが、生理食塩水バッグ118内の容積は、この容積より大きくてもよく又は小さくてもよい。血液成分(例えば血漿)の採血量の一例は880mLであってもよい。従って、血漿収集ボトル122が少なくともこの量の血漿を保持する。いくつかの実施形態において、血漿収集ボトル122は、(例えば、
図2Aに示されるように、血漿収集ボトル122が血漿収集クレードル232C内に設置されるときに)血漿収集ボトル122の略最底部に或いは隣接して或いは物理的に近接して配置される接続ポイントを含んでもよい。接続ポイントは、血漿を受容する及び/又は搬送するために血漿チューブ120と相互接続するように構成される1つ以上のコネクタを含んでもよい。血漿収集ボトル122の底部に接続ポイントを配置することは、気泡等を捕捉することなく、本明細書中に記載されるように、血漿収集ボトル122内に収容される血漿がラインを通じて血漿チューブ120から逆行できるようにする。いくつかの実施形態において、血漿収集ボトル122は、可撓性バッグ、硬質容器、及び/又は、他の容器として構成されてもよく、従って、血漿収集ボトル122は、ボトル又はボトル状容器に限定されない。
【0060】
図2Aは、
図1に記載されるアフェレーシスシステム200の斜視図を示す。アフェレーシスシステム200は、連続的な全血分離プロセスをもたらす。1つの実施形態において、全血は、ドナー102から採取されて、アフェレーシスシステム200の血液成分分離装置に略連続的に供給される。血液成分分離装置では、血液は種々の成分に分離され、また、これらの血液成分のうちの少なくとも1つがアフェレーシスシステム200から収集される。いくつかの実施形態において、分離された血液成分のうちの1つ以上は、その後の使用のために収集されてもよく、又は、ドナー102に戻されてもよい。血液は、ドナー102から採血されて、アフェレーシスシステム200のアクセスパネル224の開口220を通じてアフェレーシスシステム200の遠心分離機へと導かれる。1つの実施形態において、体外チューブ回路で使用されるチューブ104、108A、108B、112、116、120は、共同して、以下でさらに説明される、閉鎖系無菌ディスポーザブルシステム又は血液成分収集セットを形成する。
【0061】
アフェレーシスシステム200のような本開示の実施形態と共に使用されてもよいアフェレーシスシステム、プラズマフェレーシスシステム、及び、他の分離システムの例としては、SPECTRA OPTIA(登録商標)アフェレーシスシステム、COBE(登録商標)スペクトルアフェレーシスシステム、及び、TRIMA ACCEL(登録商標)自動血液収集システムが挙げられるが(これらのシステムはコロラド州のレークウッドにあるTerumo BCTによって製造される)、これらに限定されない。
【0062】
様々なポンプ、弁、及び、血液成分分離装置、又は、遠心分離機の動作は、アフェレーシスシステム200に含まれる1つ以上のプロセッサによって制御されてもよく、また、好適には、コンピュータシステムの一部である複数の埋め込みコンピュータプロセッサを含んでもよい。コンピュータシステムは、例えば、メモリ及び記憶装置(RAM、ROM(例えば、CD-ROM、DVD)、磁気ドライブ、光学式ドライブ、フラッシュメモリ等)、通信/ネットワーク装置(例えば、モデム/ネットワークカード等の有線、又は、WiFi等の無線)、キーボード、タッチスクリーン、カメラ、及び/又は、マイクロホン等の入力装置、及び、ディスプレイ及びオーディオシステム等の出力装置を含めて、ユーザがコンピュータシステムとインタフェースをとることができるようにする構成要素を含んでもよい。アフェレーシスシステム200のオペレータをその操作の種々の態様で支援するために、血液成分分離装置又は遠心分離機の実施形態は、インタラクティブなタッチスクリーンを含むディスプレイを伴うグラフィカルユーザインタフェースを含んでもよい。
【0063】
アフェレーシスシステム200は、ハウジング204及び/又は構造フレーム、カバー210、アフェレーシスシステム200の前部202及び/又は後部206に配置されるアクセスパネル224、及び、フック、レスト、クレードル、アーム、突出部、プレート、及び/又は、バッグ又は容器114、118、122を保持する、載置する、及び/又は、さもなければ、支持する他のサポート機能を含む1つ以上の支持体232A~232Cを含んでもよい。幾つかの実施形態において、アフェレーシスシステム200の特徴は、座標系103及び/又はその1つ以上の軸に関連して説明される場合がある。ハウジング204は、装置フレーム(例えば、溶接され、ボルト締めされ、及び/又は、接続された構造要素、押し出し材料、梁等から形成される)を含んでもよく、この装置フレームには、1つ以上のパネル、カバー210、ドア、サブアセンブリ、及び/又は、構成要素が取り付けられる。1つの実施形態において、アフェレーシスシステム200の少なくとも1つのパネルは、ソフトカセットアセンブリ300、1つ以上のポンプ208、212、216、及び/又は、流体弁制御システム228(例えば、血漿・生理食塩水弁制御等)のための取付面を含んでもよい。
【0064】
アクセスパネル224は、1つ以上のハンドル、ロック、及び、回動軸又はヒンジ軸(例えば、ドアヒンジ、ピアノヒンジ、連続ヒンジ、クリーンルームヒンジ等)を含んでもよい。いずれにしても、アクセスパネル224は、アフェレーシスシステム200の内部、より具体的には、血液分離アセンブリ又は遠心分離機にアクセスできるように選択的に開放される。1つの実施形態において、アクセスパネル224は、血液成分収集セットにおける1つ以上の構成要素を遠心分離機に取り付ける及び/又は取り外すべくアクセスできてもよい。遠心分離機の詳細については、本明細書中において少なくとも
図4A~
図4Lに関してさらに詳しく説明される。
【0065】
アフェレーシスシステム200の内部は、少なくとも遠心分離部と制御部とに分けられてもよい。例えば、遠心分離部は、遠心分離機、回転モータ、及び、関連するハードウェアを受容するように構成されるキャビティを含む。この領域は、キャビティの1つ以上の壁によって制御部から物理的に分離されてもよい。幾つかの実施形態において、(例えば、モータコントローラ、CPU又はプロセッサ、電子機器、配線等を収容する或いは含むように構成される)制御部へのアクセスは、ハウジング204の強固に締結されるパネル及び/又はアクセスパネル224とは別体のパネルによって行なわれてもよい。
【0066】
幾つかの実施形態において、アフェレーシスシステム200は、アフェレーシスシステム200を通じた流体(例えば、血液及び/又は血液成分、抗凝血剤、生理食塩水等)の流れを制御するように構成される複数のポンプ208、212、216を含む。例えば、アフェレーシスシステム200は、ドナー102への及び/又はドナー102からアフェレーシスシステム200の遠心分離機への血流を制御する引き込みポンプ208を含む。引き込みポンプ208は、ソフトカセットアセンブリ300とアフェレーシスシステム200の遠心分離機との間に配置されるループ入口チューブ108Bの一部と係合してもよい。幾つかの実施形態において、アフェレーシスシステム200は、分離された血液成分(例えば血漿等)の遠心分離機から血漿収集ボトル122への流れ及び/又はその逆の流れを制御するように構成される戻しポンプ212を含んでもよい。これに加えて又は代えて、戻しポンプ212は、血液成分収集セット及び/又はアフェレーシスシステム200の全体にわたる(例えば、生理食塩水バッグ118から供給される)生理食塩水の流れを制御してもよい。抗凝血剤ポンプ216は、アフェレーシスシステム200の血液成分収集セットの全体にわたる抗凝血剤の流れを選択的に制御するために抗凝血剤チューブ110の一部と係合してもよい。
図2Aに示されるように、ポンプ208、212、216は、アフェレーシスシステム200のトップカバー210上に少なくとも部分的に配置され得る。
【0067】
図2B及び
図2Cは、本開示の実施形態に係るアフェレーシスシステム200のポンプ208、212、216の様々な斜視図を示す。
図2B及び
図2Cと関連して引き込みポンプ208が図示されて説明されるが、アフェレーシスシステム200の他のポンプアセンブリ、すなわち、戻しポンプ212及び抗凝血剤ポンプ216が、説明される引き込みポンプ208と全く同じではないにしても略同様の構成を含んでもよいことが理解されるべきである。
【0068】
引き込みポンプ208は、引き込みポンプ208の移動要素を少なくとも部分的に収容するように構成されるポンプカバー236又はハウジングを含んでもよい。幾つかの実施形態において、ポンプカバー236は、チューブガード回動軸242を中心に開閉するように構成されるヒンジ付きチューブガード240を含んでもよい。1つの実施形態において、チューブガード240は、チューブガード回動軸242に沿って配置される1つ以上の締結具を介してポンプカバー236に取り付けられてもよい。
図2B及び
図2Cに示されるように、ドナー102により供給される血液は、第1の引き込み又は遠心分離方向250Aで引き込みポンプ208により遠心分離機へと搬送され又は引き込まれてもよい。これに加えて又は代えて、遠心分離方向250Aとは反対のドナー方向250Bで血液又は他の流体が引き込みポンプ208によりドナー102へと搬送され又は引き込まれてもよい。
【0069】
幾つかの実施形態において、引き込みポンプ208及び/又は他のポンプ212、216は、チューブの少なくとも一部分内の流体(例えば、血液、血液成分、抗凝血剤、生理食塩水等)の流れを操作するように構成されるチューブポンプ、蠕動ポンプ、ダイヤフラムポンプ、及び/又は、他のポンプであってもよい。例えば、ポンプ208、212、216は、回転チューブ接触アセンブリと動作可能に相互接続されるモータを含んでもよい。動作時、チューブ(例えば、ループ入口チューブ108B、ループ出口チューブ112、抗凝血剤チューブ110等)がリードチューブガイド244、チューブ加圧ブロック248、及び、回転チューブ接触ヘッドに隣接する端部チューブガイド252に挿入されてもよい。1つの実施形態において、チューブ加圧ブロック248は、回転チューブ接触ヘッド又はポンプ208、212、216から離れる方向に移動されて取り込みクリアランス領域をもたらしてもよく、或いは、逆もまた同様である。回転チューブ接触ヘッドは、複数の回転加圧ローラ268を備え、各ローラはそれぞれの加圧ローラ回転軸264を中心に回転するように構成される。回転加圧ローラ268のそれぞれは、第1の回転ポンププレート272Aと第2の回転ポンププレート272Bとの間に配置され、この場合、プレート272A、272Bは、ポンプ回転軸260を中心に回転するように構成される。幾つかの実施形態において、回転加圧ローラ268は、回転ポンププレート272A、272Bの外周に配置される。
【0070】
ポンプ208、212、216のうちの1つ以上は、制限なく、全てがフロリダ州のプンタゴルダにあるPulsafeeder Inc.により製造されるPulsafeeder(登録商標)モデルUX-74130蠕動ポンプ、Pulsafeeder(登録商標)MEC-O-MATICシリーズのポンプを含んでもよく或いはこれらのポンプと同様に動作してもよい。ポンプ208、212、216の他の例としては、スイスのINTEGRA Biosciences AGにより製造されるINTEGRA DOSE ITラボラトリ蠕動ポンプ、及び、全てが日本の東京にあるWELCO Co.,Ltdにより製造されるWELCO WP1200、WP1100、WP1000、WPX1、及び/又は、WPMシリーズの蠕動ポンプが挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
チューブがリードチューブガイド244、チューブ加圧ブロック248、及び/又は、端部チューブガイド252に装填されると、回転加圧ローラ268の少なくとも一部が、回転チューブ接触ヘッドとチューブ加圧ブロック248との間に配置されるチューブと係合、或いは接触、或いは該チューブを圧縮する。回転ポンププレート272A、272Bがポンプ回転軸260を中心に回転すると、回転加圧ローラ268は、ポンプ208、212、216とチューブ加圧ブロック248との間のチューブの部分を圧縮し、チューブのその部分内の流体を、回転加圧ローラ268が移動する方向250A、250Bに確実に移動させることができる。例えば、回転ポンププレート272A、272Bがポンプ回転軸260を中心に反時計回り方向に回転すると、回転加圧ローラ268とチューブ加圧ブロック248との間のチューブを圧縮する回転加圧ローラ268の回転は、流体を遠心分離方向250Aに移動させる又は送出することができる。他の例として、回転ポンププレート272A、272Bがポンプ回転軸260を中心に時計回り方向に回転すると、回転加圧ローラ268とチューブ加圧ブロック248との間のチューブを圧縮する回転加圧ローラ268の回転は、流体をドナー方向250Bに移動させる又は送出することができる。能動的に送出しないときには、ポンプ208は、少なくとも1つの回転加圧ローラ268がチューブ108Bを閉塞し続ける状態、又は、回転加圧ローラ268がチューブ108Bを閉塞しない状態に維持される。従って、ポンプ208は、静止時の状態に基づき、流体移動を防止する又は許容するための「弁」としても作用し得る。この能力は、ポンプ212、216においても可能である。
【0072】
チューブガード240及びポンプカバー236は、ポンプ208、212、216の1つ以上の移動部分との偶発的な接触からオペレータ(例えば、瀉血専門医、アフェレーシス技師等)及び/又はドナー102を保護する役目を果たす。1つの実施形態において、チューブガード240は、チューブガード240、リードチューブガイド244、チューブ加圧ブロック248、及び/又は、端部チューブガイド252に配置される1つ以上のガード閉鎖機能部254を介して閉位置に保持される。これらのガード閉鎖機能部254は、チューブガード240、リードチューブガイド244、チューブ加圧ブロック248、及び/又は、端部チューブガイド252に収容されるマグネットであってもよい。幾つかの実施形態において、ポンプ208、212、216は、チューブガード240が開放しているときに停止されてもよく或いは移動/動作しないようにされてもよい。この実施形態では、ガード閉鎖センサが、ガード閉鎖機能部254、ガイド244、252、及び/又は、チューブ加圧ブロック248に含まれてもよい。
【0073】
アフェレーシスシステム200のチューブの全体にわたって搬送される流体の経路又は流れ方向を制御するために1つ以上の流体制御弁が使用される。幾つかの実施形態において、アフェレーシスシステム200は、生理食塩水バッグ118及び/又は血漿収集ボトル122に隣接して配置される血漿・生理食塩水弁制御システム228を含んでもよい。血漿・生理食塩水弁制御システム228は
図2Dの詳細な斜視図に示される。
【0074】
図2Dに示されるように、ループ出口チューブ112は、戻しポンプ212を通過して、生理食塩水・血漿チューブy-コネクタ280と相互接続される。生理食塩水・血漿チューブy-コネクタ280は、生理食塩水チューブ116ライン及び血漿チューブ120ラインに対するループ出口チューブ112の接続を可能にする。血漿・生理食塩水弁制御システム228は、生理食塩水・血漿弁ハウジング276の第1の端部に配置されてループ出口チューブ112の一部を取り囲む空気検出センサ284を含む。空気検出センサ284は、ループ出口チューブ112内の流体又は空気の存在を検出してその信号をアフェレーシスシステム200のコントローラに与えることができる任意の光、超音波、又は、他のタイプのセンサであってもよい。空気検出センサ284のタイプとしては、例えば、SONOTEC US Inc.により製造されるSONOCHECK ABD05、又は、他の同様のセンサを挙げることができる。
【0075】
生理食塩水・血漿弁ハウジング276は、チューブ112、116、120の一部及び/又は生理食塩水・血漿チューブy-コネクタ280を受容する複数の受け入れ機能部(例えば、溝、チャネル、レセプタクル等)を含む。ループ出口チューブ112内の空気を検出する際、血漿・生理食塩水弁制御システム228は、流体制御弁286、288のうちの1つ以上を選択的に作動させる。幾つかの実施形態において、空気検出センサ284を介した空気の検出結果は、動作ステップを信号で伝える及び/又は本明細書中に記載される制御方法のステップを引き起こすために使用される。
【0076】
血漿流量制御弁286及び/又は生理食塩水流量制御弁288は、チューブ112、116、120の特定の部分と関連付けられる流体通路を選択的に変える(例えば閉塞する)ように構成される電磁弁、リニアアクチュエータ、ピンチ弁、クランプ弁、チューブ弁、及び/又は、他の作動可能な弁であってもよい。
図2Dに示されるように、血漿流量制御弁286は、生理食塩水・血漿弁ハウジング276の受け入れ機能部内に少なくとも部分的に収容される血漿チューブ120の部分を締め付けるように構成されてもよい。生理食塩水流量制御弁288は、生理食塩水・血漿弁ハウジング276の受け入れ機能部内に少なくとも部分的に収容される生理食塩水チューブ116の部分を締め付けるように構成されてもよい。いずれにしても、制御弁286、288は、引き込み位置又は部分的引き込み位置から伸長位置又は部分的伸長位置へと移動して生理食塩水・血漿弁ハウジング276内に収容されるチューブの部分を締め付けるように作動可能で伸長可能なフィンガを含む。制御弁286、288はチューブを完全に締め付け(例えば、チューブを通じた流体の流れを完全に制限し)てもよいが、制御弁286、288は、チューブの一部を通じた流体の流れを部分的に制限する位置へと部分的に作動されてもよいと理解されるべきである。
【0077】
ここで
図3Aを参照すると、本開示の実施形態に係る使い捨て可能な(ディスポーザブル)ソフトカセットアセンブリ300の詳細な斜視図が示される。ソフトカセットアセンブリ300は、ベースプレートと、少なくとも1つのヒンジ及び/又はカセットアクセスドアラッチ308を介してベースプレートに取り付けられるカセットアクセスドア304とを含む。幾つかの実施形態において、カセットアクセスドア304は、カセットアクセスドアラッチ308を作動させることによってロック解除されて、カセットアクセスドアヒンジ軸306を中心に回動される。ソフトカセットアセンブリ300は、ソフトカセット340を内部に少なくとも部分的に収容する及び/又は位置決めするための1つ以上のソフトカセット受け入れ機能部324を伴って構成されてもよい。ソフトカセット340は、本明細書中に記載される血液成分収集セットの一部であってもよい。例えば、ソフトカセット340は、体外チューブ回路のカセット入口チューブ108Aとループ入口チューブ108Bとの間に配置されてもよい。幾つかの実施形態において、ソフトカセット340は、ドナー102からアフェレーシスシステム200への及び/又はその逆の血液及び/又は血液成分の流れを制御するための1つ以上の機能部を備える。
【0078】
ソフトカセットアセンブリ300は、空気検出センサ312、流体センサ316、及び、ソフトカセット340を通じた流体の経路又は流れ方向を制御するように構成される1つ以上の流体制御弁320A~320Cを含む。幾つかの実施形態において、これらの構成要素は、カセットアクセスドア304、ベースプレート、及び/又は、アフェレーシスシステム200のハウジング204の一部に埋め込まれてもよい。
図2B~
図2Cと関連して記載されるガード閉鎖機能部254と同様に、ソフトカセットアセンブリ300は1つ以上のドア閉鎖機能部328を含んでもよい。これらの機能部328としては、磁気キャッチ、突起、タブ及びスロット、及び/又は、他の接続を挙げることができるが、これらに限定されない。1つの実施形態において、ドア閉鎖機能部328は、ソフトカセットアセンブリ300内にソフトカセット340を保持する又は少なくとも部分的に位置決めするように構成される圧接面を含んでもよい。
【0079】
弁320A~320Cの例としては、ソフトカセット340の特定の部分と関連付けられる流体通路(例えば、断面積等)を選択的に変える(例えば閉塞する)ように構成される電磁弁、リニアアクチュエータ、ピンチ弁、クランプ弁、チューブ弁、及び/又は、他の作動可能な弁を挙げることができるが、これらに限定されない。ソフトカセットアセンブリ300は、カセット入口チューブ108Aに隣接するソフトカセット340の部分を締め付けるように構成される第1の流体制御弁320Aを含む。第2の流体制御弁320Bは、ループ入口チューブ108Bに隣接するソフトカセット340の部分を締め付けるように構成されてもよい。引き込み流体制御弁320Cは、カセット入口チューブ108Aに隣接するポイントからループ入口チューブ108Bに隣接するポイントまで延びる分岐チューブに沿うソフトカセット340の部分を締め付けるように構成されてもよい。いずれにしても、弁320A~320Cは、引き込み位置又は部分的引き込み位置から伸長位置又は部分的伸長位置へと移動してソフトカセットアセンブリ300内に収容されるソフトカセット340の一部分を締め付けるように作動可能で伸長可能なフィンガを含む。弁320A~320Cはソフトカセット340内の流路を完全に締め付け(例えば、この流路を通じた流体の流れを完全に制限し)てもよいが、弁320A~320Cは、ソフトカセット340の一部を通じた流体の流れを部分的に制限する位置へと部分的に作動されてもよいと理解されるべきである。
【0080】
センサ312、316は、超音波検出器、圧力センサ、磁気ポジションセンサ、及び/又は、同様のもののうちの1つ以上であってもよい。流体センサ316は、ソフトカセット340の一部に対するマグネットの位置に基づき、ソフトカセット340内に流体が存在するかどうかを決定してもよい。例えば、ソフトカセット340の一部に流体が充填されているときには、マグネットがソフトカセット340の表面から第1の位置に配置される。一方、ソフトカセット340の一部に空気が充填されているときには、マグネットからの力が、ソフトカセット340の一部を、第1の位置よりもソフトカセット340の表面に近い第2の位置へと圧縮する。いずれにしても、空気検出センサ312及び流体センサ316による空気又は流体の検出結果はそれぞれ、動作ステップを信号で伝える及び/又は本明細書中に記載される制御方法のステップを引き起こすために使用されてもよい。
【0081】
図3B~
図3Dは、本開示の実施形態に係るソフトカセット340の様々な図を示す。前述したように、ソフトカセット340は血液成分収集セットの一部であってもよい。例えば、ソフトカセット340は、本明細書中に記載される血液分離方法で使用される使い捨て可能な構成要素であってもよい。幾つかの実施形態において、ソフトカセット340は、実質的に柔軟な及び/又は可撓性がある材料から形成されてもよい。柔軟な材料は、化学的に不活性であってもよく、及び/又は、滅菌及び洗浄作業、温度、及び/又は、処理に耐えることができてもよい。ソフトカセット340は、ポリ塩化ビニル(PVC)、可塑化PVC、ポリエチレン、酢酸ビニルを伴うエチレン(EVA)、ゴム、シリコン、熱可塑性物質、熱可塑性エラストマー、高分子、共重合体、及び/又は、これらの組み合わせから形成されてもよい。幾つかの実施形態において、ソフトカセット340は、前述の材料のうちの1つ以上から、成形されるか、ロトモールドされるか、鋳造されるか、射出成形されるか、或いは、形成される。
【0082】
ソフトカセット340は、第1のカセットポート360A、第2のカセットポート360B、及び、第1のカセットポート360Aから第2のカセットポート360Bとの間で延びる直流管腔370を含んでもよい。幾つかの実施形態において、第1及び/又は第2のカセットポート360A、360Bは、血液成分収集セットの1つ以上のチューブを受容するように及び/又は該チューブと流体結合するように構成されてもよい。例えば、第1のカセットポート360Aは、カセット入口チューブ108Aと結合し、第2のカセットポート360Bは、ループ入口チューブ108Bと結合する。これらの結合は気密及び/又は流体密である。1つの実施形態において、第1及び/又は第2のカセットポート360A、360Bは、チューブ(例えば、カセット入口チューブ108A、ループ入口チューブ108B等)の端部の周囲で弾性的に伸張するように構成されるソフトカセット340内に配置される開口を含んでもよい。
【0083】
ドナー102により供給される血液は、ソフトカセット340内に配置される1つ以上の流路に沿って導かれる。1つの実施形態において、血液は、第1のカセットポート360Aから第2のカセットポート360Bへと直流管腔370に沿って導かれる。幾つかの実施形態において、この流路は、ソフトカセット340のドリップチャンバ354を通じて血液を導く。幾つかの実施形態において、ドナー102に戻される血液及び/又は他の流体は、第2のカセットポート360Bから第1のカセットポート360Aへ直流管腔370に沿って導かれる。
【0084】
ソフトカセット340は、第1のカセットポート360Aに隣接する又は第1のカセットポート360Aの一部としての直流管腔370の一部分に流体接続されるバイパス流管腔364を有する第1のバイパス分岐部358Aによって与えられる流体流れバイパス経路を含む。幾つかの実施形態において、バイパス流管腔364は、第1のカセットポート360Aに隣接する直流管腔370のポイントから、第1のバイパス分岐部358Aに沿って、流体圧環362を通過して第2のバイパス分岐部358Bへと延び、その後、第2のカセットポート360Bに隣接する又は第2のカセットポート360Bの一部としてのポイントで直流管腔370に再び接続される。名前が示唆するように、バイパス流管腔364は、ドリップチャンバ354を迂回するソフトカセット340内の流路を与える。
【0085】
ソフトカセット340内で流路を制御する又は流体を導くことは、ソフトカセットアセンブリ300の流体制御弁320A~320Cを作動させることで、該弁を種々の柔軟領域350A~350Cと相互作用させて、直流管腔370及び/又はバイパス流管腔364の複数部分を遮断し及び/又は開放することを含む。第1の柔軟領域350Aは、ソフトカセット340の第1のカセット端部342付近の第1のカセットポート360Aとドリップチャンバ354との間の直流管腔370に沿うポイントにピンチ弁領域を与える。第1の流体制御弁320Aが作動すると、弁320Aは、この第1の柔軟領域350Aで直流管腔370を締め付け、それにより、ソフトカセット340内のこのポイントで流体の流れを制限する又は完全に阻止する。第2の柔軟領域350Bは、第2のカセット端部346(例えば、第1のカセット端部342とは反対側の端部)付近の第2のカセットポート360Bとドリップチャンバ354との間の直流管腔370に沿うポイントにピンチ弁領域を与える。第2の流体制御弁320Bが作動すると、弁320Bは、この第2の柔軟領域350Bで直流管腔370を締め付け、それにより、ソフトカセット340内のこのポイントで流体の流れを制限する又は完全に阻止する。理解できるように、流体圧環362に隣接して第1のバイパス分岐部358Aに沿って配置される第3の柔軟領域350Cは、バイパス流管腔364に沿うポイントにピンチ弁領域を与えることができる。引き込み流体制御弁320Cが作動すると、弁320Cは、この第3の柔軟領域350Cでバイパス流管腔364を締め付けることができ、それにより、バイパス流管腔364を通じた流体の流れを制限する又は完全に阻止する。
【0086】
直流管腔370及びドリップチャンバ354を貫いて延びる平面に沿ってとられた
図3Cの立面断面図に示されるように、直流管腔370は、第1のカセットポート360Aからドリップチャンバ354のチャンバ内容積374を貫いて第2のカセットポート360Bへと延びる。直流管腔370は、ソフトカセット340の第1のチューブセクション368A、チャンバ内容積374、及び、第2のチューブセクション368Bの内側で延びる流路として形成される。
【0087】
幾つかの実施形態では、ソフトカセット340のバイパス経路は、流体圧環362を含む。流体は、この流体圧環362を通過して、第1のバイパス分岐部358Aから第2のバイパス分岐部358Bへ及び/又はその逆へ流れることができる。1つの実施形態において、流体圧環362内又は流体圧環362に隣接する領域には、ソフトカセット340の材料に圧力ダイヤフラム380が形成されてもよい。流体圧環362及び圧力ダイヤフラム380は、流体圧環362と第1及び第2のバイパス分岐部358A、358Bの一部とを貫いて延びる平面に沿ってとられた
図3Dの立面断面図に示される。圧力ダイヤフラム380は、流体圧環362及び/又はバイパス流管腔364が所定量の流体、空気、及び/又は、それらの組み合わせを含むかどうかを検出するために、流体センサ316の接触面又は測定面を与えてもよい。前述したように、流体が流体圧環362の一部を満たすと、流体は、流体圧環362が空気で満たされるときよりも大きな移動抵抗を与えることができる。抵抗のこの違いは、流体センサ316によって測定され、これにより、バイパス流管腔364内及び/又は流体圧環362内の流体(例えば、空気、血液等)の量及びタイプが決定される。
【0088】
図4Aは、本開示の実施形態に係るアフェレーシスシステム200の遠心分離機アセンブリ400の斜視図を示す。遠心分離機アセンブリ400はアフェレーシスシステム200の内部空間内に配置されてもよい。内部空間は、ハウジング204及び/又は遠心分離機チャンバの1つ以上の要素によって少なくとも部分的に取り囲まれてもよい。内部空間及び遠心分離機アセンブリ400へのアクセスは、アフェレーシスシステム200の前部202に配置されるアクセスパネル224によって行なわれてもよい。例えば、
図4Aのアクセスパネル224は、ヒンジ軸226に沿って開放された開位置で示される。前述したように、ヒンジ軸226は、ドアヒンジ、連続ヒンジ、クリーンルームヒンジ、及び/又は、何らかの他のパネルヒンジに対応してもよい。
【0089】
遠心分離機アセンブリ400は、該遠心分離機アセンブリ400がアフェレーシスシステム200のハウジング204及び/又は他の要素に対して回転できるようにアフェレーシスシステム200の内側に動作可能に装着される。遠心分離機アセンブリ400には、チューブ(例えば、ループ入口チューブ108B及びループ出口チューブ112等)をアフェレーシスシステム200の内部空間へ(例えば、
図2Aに示される開口220を介して)経路付けて、血液成分収集ループ520の一部を固定ループ接続部402に接続すると共に、血液成分収集ブラダ536をフィラー460に挿入することによって、血液成分収集セットの1つ以上の部分が装填される。固定ループ接続部402は、ループ入口チューブ108B及びループ出口チューブ112を固定位置に維持し、また、アフェレーシスシステム200の外側でのチューブ108B、112のねじれを防止できる。幾つかの実施形態において、血液成分収集ループ520は、1つ以上のキー付き機能部又は確動位置決め機能部(positive location features)を介して固定ループ接続部402に相互接続されてもよい。
【0090】
図4B~
図4Cは、説明を明確にするために、アフェレーシスシステム200から分離した遠心分離機アセンブリ400の様々な斜視図を示す。遠心分離機アセンブリ400は、上側ハウジング404Bに回動可能に接続される下側ハウジング404Aを備える遠心分離機分割ハウジング404を含む。上側ハウジング404Bは、血液成分収集ブラダ又は血液成分収集セットの他の構成要素を遠心分離機アセンブリ400内に装填するためのアクセスを行なうべく開放することができる。幾つかの実施形態において、上側ハウジング404Bは、分割ハウジング回動軸406(例えば、ヒンジ、ピン、締結具、ショルダーボルト等として構成される)を中心に回動する。
【0091】
遠心分離機分割ハウジング404の異なる半体(例えば、下側ハウジング404A及び上側ハウジング404B)は、互いにロックする及び/又はロック解除するように構成されてもよい。下側ハウジング404Aに対して上側ハウジング404Bのロックを解除すると、遠心分離機アセンブリ400の内部へアクセスできる。この選択的なロックは、遠心分離機回転軸430を中心に下側ハウジング404Aに対して上側ハウジング404Bを回転させることによって行われてもよい。
図4B~
図4Cでは、遠心分離機分割ハウジング404がロック解除状態で示されるが、上側ハウジング404Bを、遠心分離機回転軸430を中心に(例えば反時計回り方向に)回転させて、(
図4Cに示されるように)上側ハウジング404Bの1つ以上のロッキングタブ428又は要素を下側ハウジング404Aに配置されるロッキングスロット432と係合させることができると理解されるべきである。上側ハウジング404Bは、ロック解除位置にあるとき、血液成分収集ループ520及び/又は血液成分収集ブラダ536を遠心分離機アセンブリ400に装填するために、分割ハウジング回動軸406を中心に開放され又は回動される。上側ハウジング404Bは、ロック位置にあるとき、下側ハウジング404Aに対して回転方向でロックされ、遠心分離機分割ハウジング404の2つの半体は、遠心分離動作中又は血液分離動作中に、互いにロックされて一体に回転する。
【0092】
遠心分離機アセンブリ400は、少なくとも1つの時計回り回転ストッパ408A、反時計回り回転ストッパ408B、上側ハウジング時計回り回転フラグ410A、及び/又は、上側ハウジング反時計回り回転フラグ410Bを含んでもよい。幾つかの実施形態において、回転ストッパ408A、408Bは、下側ハウジング404Aの遠心分離機回転軸430に対して回転方向で固定される。回転フラグ410A、410Bは、上側ハウジング404Bに取り付けられ又は形成され、遠心分離機分割ハウジング404の2つの半体を互いにロックする及び/又はロック解除するときにそれぞれの回転ストッパ408A、408Bと接触して下側ハウジング404Aに対する上側ハウジング404Bの過回転を防止するように構成される。例えば、遠心分離機回転軸430を中心に上側ハウジング404Bを時計回りに又はロック解除方向に回転する際、上側ハウジング時計回り回転フラグ410Aの一部は、時計回り回転ストッパ408Aと接触して、時計回り方向の更なる回転を防止してもよい。これに加えて又は代えて、遠心分離機回転軸430を中心に上側ハウジング404Bを反時計回りに又はロック方向に回転する際、上側ハウジング反時計回り回転フラグ410Bの一部は、反時計回り回転ストッパ408Bと接触して、反時計回り方向の更なる回転を防止してもよい。幾つかの実施形態では、遠心分離機分割ハウジング404は、1つ以上のロッキング要素を含む。該ロッキング要素は、これらのロッキング要素が係合される間、遠心分離機分割ハウジング404の半体をロック状態に維持するように構成される。
【0093】
1つの実施形態において、遠心分離機分割ハウジング404は、分割ハウジング回動軸406を中心に下側ハウジング404Aに対して上側ハウジング404Bを回動させるために、上側ハウジング404Bの一部に取り付けられる引きリング412を含む。引きリング412は開口を備え、ユーザは、この開口に指を挿通して、回転方向においてロック解除される上側ハウジング404Bに対して引張力を加えることができる。
【0094】
遠心分離機アセンブリ400は、電気的に相互接続される電気ケーブル420を介して制御される及び/又は給電されるロータ・モータアセンブリ414を含んでもよい。電気ケーブル420は、コントローラ、プロセッサ、及び/又は、電源に取り付けられるコネクタを含む。この電気ケーブル420は、ロータ・モータアセンブリ414とアフェレーシスシステム200の1つ以上のコントローラ/プロセッサとの間で電力及び/又はデータ信号を伝えることができる。ロータ・モータアセンブリ414は、アフェレーシスシステム200に対して(例えば、ハウジング204の一部及び/又はアフェレーシスシステム200のベースに対して)遠心分離機アセンブリ400の全体を回転させる電気モータ及び/又は電気モータの一部として構成されてもよい。言い換えると、ロータ・モータアセンブリ414は、遠心分離機アセンブリ400を(例えば、遠心分離機分割ハウジング404の両方の半体を一緒に)アフェレーシスシステム200の内側で回転させる1つ以上の構成要素を含む。
【0095】
本明細書中に記載されるように、遠心分離機アセンブリ400は、遠心分離機分割ハウジング404に対して血液成分収集セットの要素を案内する、収容する、及び/又は、位置決めするための1つ以上の機能部を含んでもよい。例えば、
図4Bは、血液成分収集ループ520が、ループ捕捉アーム416を備えるループ回転位置決めガイド424内に動作位置で捕捉された状態を示している。ループ回転位置決めガイド424は、血液成分収集ループ520を動作位置に少なくとも部分的に支持するように配置される複数のベアリング417及び/又はベアリング面を含む。動作位置において、血液成分収集ループ520は、ループ回転位置決めガイド424のベアリング417によってもたらされる支持の範囲内でその長さに沿ってねじれる(twist)ことが可能である。例えば、血液成分収集ループ520は、一端がアフェレーシスシステム200の固定ループ接続部402に取り付け固定され、一方、血液成分収集ループ520の他端はフィラー460(例えば、遠心分離機アセンブリ400の内側回転構成要素)に取り付けられる。遠心分離機アセンブリ400が遠心分離動作中に回転すると、固定ループ接続部402とフィラー460における接続部との間の血液成分収集ループ520のねじれ(twisting)によって、フィラー460が遠心分離機アセンブリ400の遠心分離機分割ハウジング404に対して回転する。1つの実施形態において、遠心分離機アセンブリ400がアフェレーシスシステム200内で回転する際の血液成分収集ループ520のねじれと相まったフィラー460の低い慣性は、フィラー460を、遠心分離機分割ハウジング404の角速度の2倍の角速度で、同じ回転方向に回転させる。この例では、遠心分離機分割ハウジング404が第1の角速度1ωで遠心分離機回転軸430を中心に反時計回り方向に回転すると、フィラー460は、第2の角速度2ω(例えば、第1の角速度の略2倍等)で反時計回り方向に遠心分離機分割ハウジング404内で回転する。
【0096】
遠心分離機アセンブリ400は、遠心分離機アセンブリ400の遠心分離機回転軸430の周りに配置される1つ以上の釣り合わせ機能部、要素、及び/又は、構造を含んでもよい。これらの釣り合わせ機能部は、遠心分離機アセンブリ400を遠心分離機回転軸430中心に回転させる際にアフェレーシスシステム200に対して振動を実質的に与えないように、軸方向で釣り合わされた遠心分離機アセンブリ400をもたらすことができる。1つの実施形態では、遠心分離機釣り合い錘418は、遠心分離機分割ハウジング404の一部(例えば、下側ハウジング404A及び/又は上側ハウジング404B等)に取り付けられる。この遠心分離機釣り合い錘418を遠心分離機アセンブリ400のためにカスタム調整することができ、従って、遠心分離機釣り合い錘418を遠心分離機アセンブリ400に対して選択的に取り付け及び取り外しすることができる。遠心分離機釣り合い錘418の調整は、特に血液成分収集セットの1つ以上の要素が装填されたときに完全に釣り合わされた遠心分離機アセンブリ400をもたらすように、計算され及び/又は実験的に導き出される。
【0097】
図4Cは、本開示の実施形態に係る遠心分離機アセンブリ400の背面斜視図を示す。上側ハウジング404Bの開口を通じてフィラー460の一部が見える。血液成分収集ループ520が初期ループ装填位置520Aで示され、この初期ループ装填位置520Aでは、第1の端部がフィラー460と相互接続され、第2の端部が固定ループ接続部402(図示せず)に取り付け固定される。血液成分収集ループ520は、遠心分離機分割ハウジング404のループアクセスクリアランス436を通過していることが示される。血液成分収集ループ520がループ装填位置520Aに装填されるとき、血液成分収集ループ520の一部は、ループ格納ブラケット426によって部分的に収容され、保持され、及び/又は、支持される。ループ格納ブラケット426は、血液成分収集ループ520が遠心分離機アセンブリ400に対してねじれる際に血液成分収集ループ520を少なくとも部分的に支持するように配置された1つ以上のベアリング417(例えば、ローラベアリング、ボールベアリング、ニードルベアリング等、及び/又は、そのアセンブリ等)又はベアリング面を含む。幾つかの実施形態において、血液成分収集ループ520は、(例えば、設置又は装着した状況及び/又は状態等において)可撓性ループ524の長さに沿って延びる軸を中心に回転して、ループ回転位置決めガイド424に対する可撓性ループ524の相対回転動作を可能にする。例えば、ループは、「らせん状に巻かれていく(twist up)」ことはなく、実際には、1つ以上のベアリング417間でループ回転位置決めガイド424(例えば支持構造体)に対して回転する又は転がる。可撓性ループ524を巻き付けたり又はらせん状に巻かれたりすることのないこの回転又はねじりは、本明細書中では「ねじれ(twist)」と称される場合がある。このねじれにより、可撓性ループ524は、可撓性ループ524の管腔の内径を略減少させることなく、回転力をフィラー460に伝えることができる。ある場合には、可撓性ループ524の管腔の内径は全く減少しない。
【0098】
前述したように、上側ハウジング404Bが、
図4B~
図4Cに示される回転方向でのロック解除位置から、回転方向でのロック位置へと回転されると、上側ハウジング404Bのロッキングタブ428が下側ハウジング404Aのロッキングスロット432と係合する。これに加えて又は代えて、回転方向でのロック位置へと移動されると、ループ格納ブラケット426は、血液成分収集ループ520及び上側ハウジング404Bと共に、ループ係合位置520Bに沿うループ回転位置決めガイド424と一直線になる位置へと回転する。幾つかの実施形態において、上側ハウジング404B及び血液成分収集ループ520がループ係合位置520Bへと回転する際に、ループ捕捉アーム416は、血液成分収集ループ520をループ回転位置決めガイド424のベアリング417及び/又はベアリング面へと案内できる。血液成分収集ループ520の装填に関する更なる詳細については
図6A~
図7Bと関連して説明する。
【0099】
図4D~
図4Fは、遠心分離機アセンブリ400の中心を通った(例えば、遠心分離機回転軸430によって遠心分離機アセンブリ400を二等分する等)様々な概略断面図を示す。前述のように、遠心分離機アセンブリ400は、分割ハウジング回動軸406又はヒンジによって回動可能に上側ハウジング404Bに取り付けられる下側ハウジング404Aを含む。上側ハウジング404Bは、引きリング412に取り付けられる上側ハウジングブッシングブロック442に対して回転可能に接続される上側ハウジングアダプタ440に取り付けられる。1つの実施形態において、ベアリング417、ブッシュ、又は、ベアリング面は、上側ハウジングアダプタ440と上側ハウジングブッシングブロック442との間に配置されて、上側ハウジング404Bが遠心分離機回転軸430に沿ってロック位置からロック解除位置へと及びその逆へと回転できるようにしてもよい。引きリング412は、下側ハウジング404Aに対して遠心分離機回転軸430周りの回転方向において固定されてもよい。幾つかの実施形態では、上側ハウジングアダプタ440及び上側ハウジング404Bが一体構造から形成されてもよい。
【0100】
フィラー460は、遠心分離機回転軸430を中心に上側ハウジング404Bに対して回転するように構成されるフィラーマンドレル434に取り付け固定される。1つの実施形態では、フィラーマンドレル434は、フィラー460の一部から形成される。いずれにしても、1つ以上のマンドレル支持ベアリング444をフィラーマンドレル434と上側ハウジングアダプタ440との間に配置して、フィラー460が遠心分離機分割ハウジング404及び遠心分離機アセンブリ400の内側で遠心分離機回転軸430を中心に回転できるようにされる。幾つかの実施形態では、フィラーマンドレル434は、少なくとも1つの保持ナット438により動作位置に保持される。フィラー460及びフィラーマンドレル434は、遠心分離機分割ハウジング404に対して一体に回転できる。
【0101】
図4Dは、例えば血液成分収集ループ520を装填する前の本開示の実施形態に係る閉状態の遠心分離機アセンブリ400の概略断面図を示す。下側ハウジング404Aに対する上側ハウジング404Bのロック解除時、オペレータは、引きリング412を引いて、分割ハウジング回動軸406を中心に上側ハウジング404B及びフィラー460の全体を回動させる。1つの実施形態において、上側ハウジング404B及びフィラー460は、
図4Eに示されるように分割ハウジング回動軸406を中心に構成要素を開放方向446に回動させることによって部分的に開放される。遠心分離機アセンブリ400が部分的に開放された状態を示す
図4Eに示されるように、上側ハウジング404B及びフィラー460は、下側ハウジング回転軸430Aから軸が離間するように回転される。この位置で、フィラー460は、フィラー回転軸430Bを中心に回転できるようにされてもよい。下側ハウジング404A及び上側ハウジング404Bが閉状態にあるとき、下側ハウジング回転軸430A及びフィラー回転軸430Bは、遠心分離機回転軸430を形成するように(一致するように又は略一致するように)一直線になる。
【0102】
分割ハウジング回動軸406のY軸を中心に上側ハウジング404B及びフィラー460を開放方向446に(例えば、引きリング412を引き続けることによって)回転し続けることにより、上側ハウジング404B及びフィラー460は、
図4Dに示される閉位置から略180°回動できる。
図4Fに示されるように、遠心分離機アセンブリ400は開放状態又は搭載中の状態にある。この位置で、上側ハウジング404B及びフィラー460は、アフェレーシスシステム200の内部空間の外側で回動できる。例えば、上側ハウジング404B及び/又はフィラー460の少なくとも一部は、開放されたアクセスパネル224の開放空間を介して位置付け配置される。この位置では、フィラー460のループ接続領域454に対して装填アクセス領域450が与えられる。理解できるように、上側ハウジング404Bを開放位置にすると、上側ハウジング404B及びフィラー460の内部に容易にアクセスできる。とりわけ、この配置は、オペレータがループ接続領域454で血液成分収集ループ520をフィラー460に取り付けるための十分なスペースを与えることができる。
【0103】
図4Gを参照すると、本開示の実施形態に係る遠心分離機アセンブリ400のためのフィラー460の斜視図が示される。幾つかの実施形態において、フィラー460は、例えばプラスチック、炭素繊維、アルミニウム等の軽量材料から形成される。一実施形態において、フィラー460は、3D印刷機によって三次元(3D)印刷されてもよい。例えば、フィラー460は、熱溶解積層法又は溶融堆積モデリング(FDM)、選択的レーザ焼結(SLS)、ステレオリソグラフィ(SLA)、及び/又は、付加製造機等の付加製造技術又はシステムによって製造されてもよい。とりわけ、これらの付加急速プロトタイピング製造技術は、従来の機械加工又は製造プロセスの使用では不可能な場合があるフィラー460のより複雑な幾何学的形態を可能にする。幾つかの実施形態において、フィラー460の材料は、フィラー460の所望の質量、製造されるフィラー460の所望の物理的強度、及び/又は、製造で用いるのに適した材料に基づいて選択される。
【0104】
フィラー460は、該フィラー460の略中心に配置されるループ接続領域454を含む。ループ接続領域454は、血液成分収集ループ520の一部が係合するための1つ以上のキーイング機能部又は確動位置決め機能部を含む。
図4Gに示されるように、ループ接続領域454は、フィラー460の中心軸の一部に沿って配置される第1の確動位置決め機能部478を含む。第1の確動位置決め機能部478は、血液成分収集ループ520上に配置される嵌め合い機能部と係合するためのキー溝、溝、スロット、又は、他の機能部であってもよい。幾つかの実施形態において、フィラー460は、ループ接続領域454に第2の確動位置決め機能部480を有する。位置決め機能部478、480は、ループ接続領域454で血液成分収集ループ520の回転を防止し及び/又は血液成分収集ループ520がフィラー460のループ接続領域454から離脱するのを防止する。
【0105】
幾つかの実施形態において、フィラー460は、血液成分収集セットの血液成分収集ブラダ、より具体的には、血液成分収集ループ520を受容し、少なくとも部分的に収容するように構成される収集挿入チャネル466を含む。収集挿入チャネル466は、フィラー460の中心から略螺旋状に外側に延在する溝、スロットとして構成される。幾つかの実施形態において、収集挿入チャネル466は、フィラー460の中心から(例えば、フィラー460の中心に対して)略一定の半径まで収集挿入チャネル466の外周の長さに沿って外側に延びる第1の螺旋経路部を含む略螺旋形状の経路をたどる。いずれにしても、経路は、本明細書中では、螺旋経路又は略螺旋経路と称される。収集挿入チャネル466は、フィラー本体464の中心付近のチャネル入口468から始まり、フィラー本体464の中心から最も離れたポイント付近のチャネル端部472で終わる。
図4G~
図4Iに示されるように、収集挿入チャネル466は、フィラー回転軸430B近傍のポイントからチャネル端部472まで延びる略螺旋経路490に沿って延在する。略螺旋経路490は、チャネル端部472に近い又は隣接するポイントにチャネル経路ジョグ476を含む。このチャネル経路ジョグ476は、フィラー本体464の中心から収集挿入チャネル466の離間距離を伸ばし、それにより、収集挿入チャネル466のチャネル端部472における求心力及び遠心力を増大する。一実施形態において、このチャネル経路ジョグ476は、フィラー460の収集挿入チャネル466内に少なくとも部分的に挿入又は配置される血液成分収集ブラダ536内の最大径方向位置にある臨界入口・出口ポートに対応する。幾つかの実施形態において、フィラー460は、フィラー本体464の一部に、又は、一部付近に配置される1つ以上のフィラー釣り合い突起482を含んでもよい。これらのフィラー釣り合い突起482は、特に収集挿入チャネル466が血液成分収集ブラダ及び流体(例えば、血液、血液成分等)を含むときに、軸方向で釣り合わされた(例えば、フィラー回転軸430Bを中心に釣り合わされた)フィラー460をもたらすことができる。
【0106】
図4Iは、本開示の実施形態に係るフィラー460における、略螺旋形状の受容チャネル又は収集挿入チャネル466の概略平面図である。この概略平面図は、略螺旋経路490に沿う第1のポイントにおける(例えば、フィラー回転軸430B等近傍の)フィラー本体464の中心からの収集挿入チャネル466の第1の距離R1と、チャネル経路ジョグ476近傍のポイントを通り過ぎた収集挿入チャネル466のフィラー本体464の中心からの第2の距離R2とを示す。
図4Iに示されるように、第2の距離R2は、第1の距離R1よりもフィラー本体464の中心から離れている。距離のこの増分によって、略螺旋経路490に沿う任意の他のポイントにおけるよりもチャネル端部472又はその近傍のポイントにおいて高い求心力又は遠心力をチャネルに与えることができる。幾つかの実施形態では、血液成分収集ブラダの端部がチャネル端部472と略一致し、それにより、ブラダの端部で最も大きい血液分離力がもたらされる。
【0107】
図4J~
図4Lは、フィラー460、より具体的には、フィラー本体464の内側に配置される収集挿入チャネル466及びフィラー挿入チャンバ492の様々な立面断面図を示す。幾つかの実施形態において、収集挿入チャネル466は、フィラー本体464内の略螺旋経路490に略従った断面又は形状を含む。収集挿入チャネル466は、略平坦な又は未充填の血液成分収集ブラダを受容するように構成される挿入溝を含む。血液成分収集ブラダは、収集挿入チャネル466内及び略螺旋経路490に沿ってフィラー本体464内に形成されるフィラー挿入チャンバ492内に挿入される。フィラー挿入チャンバ492は、略螺旋経路490をたどるキャビティを形成する1つ以上の側壁494、496によって画定される。
図4Kに示されるように、フィラー挿入チャンバ492は、少なくとも1つの外側チャンバ壁496から所与の距離を隔てた内側チャンバ壁494を含む。フィラー挿入チャンバ492は、フィラー460を3D印刷することによって及び/又は何らかの1つ又は複数の他の金属又はプラスチック成形工程(例えば、鋳造、成型、成形等)によってフィラー460に形成されてもよい。幾つかの実施形態では、フィラー挿入チャンバ492は、1つ以上の挿入ガイド機能部498を含む。これらの挿入ガイド機能部498は、フィラー460のフィラー挿入チャンバ492の内側に血液成分収集ブラダを案内する、位置決めする、及び/又は、着座させるように構成される。挿入ガイド機能部498は、フィラー挿入チャンバ492の面取りされた又は引き込み機能部として示されるが、挿入された血液成分収集ブラダの一部を導く及び/又は方向付けるように構成される1つ以上の半径、面取り、傾斜、テーパ、抜き勾配、レセプタクル、溝、及び/又は、他の成形された材料を含んでもよい。
【0108】
図4Lは、フィラー460の収集挿入チャネル466及びフィラー挿入チャンバ492内に配置される流体収集ブラダ(例えば、血液成分収集ブラダ等)の異なる状態を示す。前述したように、血液成分収集ブラダは、略平坦なすなわち未充填の状態S1で収集挿入チャネル466内に挿入される。略平坦な状態S1において、血液成分収集ブラダは、収集挿入チャネル466の上側開口に入ってフィラー挿入チャンバ492内で充填前状態に維持されるように寸法付けらる。フィラー460が回転してドナー102により供給される血液から血液成分を分離し始めると、血液成分収集ブラダは、略平坦な第1の状態S1から、膨張したすなわち充填状態S2へ膨張する。幾つかの実施形態において、血液成分収集ブラダは、血液成分収集ブラダの壁がフィラー挿入チャンバ492の壁494、496と接触するまで血液及び/又は血液成分によって膨張し得る。1つの実施形態において、フィラー挿入チャンバ492の形状は、フィラー挿入チャンバ492内に収集され及び/又は分離され得る流体の量を最適化する(例えば、フィラー460のための材料の量を最小限に抑えつつ流体の量を最大にする)ように設計される。
【0109】
図5Aは、本開示の実施形態に係る血液成分収集セット500の概略図を示す。血液成分収集セット500は、チューブ(例えば、ドナー供給チューブ104、カセット入口チューブ108A、ループ入口チューブ108B、抗凝血剤チューブ110、ループ出口チューブ112、生理食塩水チューブ116、血漿チューブ120等のうちの1つ以上)、コネクタ(例えば、チューブコネクタ106、生理食塩水・血漿チューブy-コネクタ280、チューブ取付具504、チューブ取付具508、バッグスパイク取付具等のうちの1つ以上)、ソフトカセット340、及び、血液成分収集ループ520を含む。
【0110】
チューブは、流体を搬送するように構成される中心管腔を有する任意のチューブである。チューブは、ポリ塩化ビニル(PVC)、可塑化PVC、ポリエチレン、酢酸ビニルを伴うエチレン(EVA)、ゴム、高分子、共重合体、及び/又は、それらの組み合わせから形成することができる。コネクタは、チューブと(例えば、チューブの1つ以上の端部等で)流体的に相互接続するように構成される。コネクタは、チューブの中心管腔に挿入され及び/又はチューブの外面に取り付けられてもよい。幾つかの実施形態において、コネクタは、1つ以上の他の取付具、コネクタ、チューブ、針、及び/又は、医用付属品に対するユニバーサルな及び/又は信頼できる相互接続をもたらすために様々な取付具(例えば、ルアー取付具、ねじり接続、及び/又は、他の小孔カップリング等)を伴って構成されてもよい。1つの実施形態において、バッグスパイク取付具512は、受け入れバッグ(例えば、生理食塩水バッグ118等)に挿入するように構成されてもよい。
【0111】
血液成分収集ループ520は、システム固定ループコネクタ528とフィラーループコネクタ532との間に配置される可撓性ループ524を備える。可撓性ループ524は、ループ入口チューブ108B及びループ出口チューブ112の少なくとも一部を受容し及び/又は収容するように構成される中空の可撓性チューブとして構成されてもよい。幾つかの実施形態において、可撓性ループ524は、可撓性ループ524の一端から他端へねじれを伝えることができる高い可撓性を有する熱可塑性エラストマーから形成されてもよい。これらのタイプのエラストマーは、プラスチックの強度及びトルク特性を維持しつつゴムの可撓性をもたらすことができる。熱可塑性エラストマーの例としては、コポリエステル、デュポン(商標)Hytrel(登録商標)熱可塑性エラストマー、Eastman Neostar(商標)エラストマー、Celanese Riteflex(登録商標)エラストマー、TOYOBO PELPRENE(登録商標)、及び/又は、高い可撓性及び強度特性を与える他のブランドのエラストマーを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0112】
幾つかの実施形態において、血液成分収集ループ520は、ブラダループ端部540Aとブラダ自由端部540Bとを有する血液成分収集ブラダ536を含む。血液成分収集ブラダ536は、フィラーループコネクタ532で可撓性ループ524に接続される第1の収集フローチャンバ544を含む。特に、流体は、可撓性ループ524及びコネクタ528、532を介してループ入口チューブ108Bと第1の収集フローチャンバ544との間で流れることができ及び/又は逆もまた同様である。ブラダループ端部540Aから第1の収集フローチャンバ544に沿ってブラダ自由端部540Bへ向かう方向で流れる流体は、フローチャンバ移行部548に達して、第2の収集フローチャンバ552に入ることができる。1つの実施形態において、第2の収集フローチャンバ552は、フィラーループコネクタ532で可撓性ループ524に相互接続される。特に、流体は、可撓性ループ524及びコネクタ528、532を介してループ出口チューブ112と第2の収集フローチャンバ552との間で流れることができ及び/又は逆もまた同様である。
【0113】
血液成分収集ループ520の詳細が
図5Bの立面図と関連して説明される。血液成分収集ループ520は、ループ入口チューブ108Bのための第1の経路とループ出口チューブ112のための第2の経路とを含むチューブとして構成される可撓性ループ524を含む。幾つかの実施形態において、ループ入口チューブ108Bは、可撓性ループ524を通過し、フィラーループコネクタ532を介してブラダループ端部540Aで第1の収集フローチャンバ544と相互接続する。これに加えて又は代えて、ループ出口チューブ112は、可撓性ループ524を通過し、フィラーループコネクタ532を介してブラダループ端部540Aで第2の収集フローチャンバ552と相互接続してもよい。第1の経路は第2の経路とは分離している。この構成によって、血液は、第1の収集フローチャンバ544を介して可撓性ループ524及び血液成分収集ブラダ536に入って1つ以上の血液成分に分かれることができる。その後、血液成分は、第2の収集フローチャンバ552に沿って可撓性ループ524内のループ出口チューブ112へと搬送される。
【0114】
第1の収集フローチャンバ544は、フローチャンバセパレータ542を介して第2の収集フローチャンバ552から分離される。フローチャンバセパレータ542は、血液成分収集ブラダ536のヒートシールされた部分であってもよい。例えば、血液成分収集ブラダ536は、血液成分収集ブラダ536の長さに沿って互いに重なり合う材料の層から形成されてもよい。材料の層は、成形される(例えば、切断される或いは成形される等)と共に、流体容器を形成する1つ以上の縁部に沿ってヒートシールされてもよい。フローチャンバセパレータ542は、実質的に例示された経路に沿って材料の1つの層を材料の他の層に対してヒートシールすることによって流体容器内に形成されてもよい。フローチャンバセパレータ542は、血液成分収集ブラダ536の全長にわたって延在せずに、流体(例えば、血液、血液成分等)が第1の収集フローチャンバ544から第2の収集フローチャンバ552へと及び/又はその逆へと通過するためのフローチャンバ移行部548をもたらす。1つの実施形態において、フィラー460のフィラー挿入チャンバ492内に収容される血液成分収集ブラダ536内の流体(血液及び/又は血液成分等)は、第1の収集フローチャンバ544に沿ってブラダ自由端部540Bへと向かう方向でフローチャンバセパレータ542の端部の周囲で(例えば、血液成分移動方向546をたどって)第2の収集フローチャンバ552へと移動できる。この例において、血液成分(例えば、血漿等)は、第2の収集フローチャンバ552に沿ってループ出口チューブ112を通過して(例えば、血漿収集ボトル122へと)フィラー本体464の中心へ向けて略螺旋経路490に沿って押し戻されてもよい。
【0115】
血液成分収集ブラダ536は、ポリ塩化ビニル(PVC)、可塑化PVC、ポリエチレン、酢酸ビニルを伴うエチレン(EVA)、熱可塑性物質、熱可塑性エラストマー、高分子、共重合体、及び/又は、それらの組み合わせから形成されてもよい。幾つかの実施形態において、血液成分収集ブラダ536は、複数の材料層から形成されてヒートシールされてもよいし、それ自体の上に折り重ねられた単一の材料層から形成されてもよいし、及び/又は、これらの組み合わせであってもよい。
【0116】
幾つかの実施形態において、血液成分収集ループ520は、アフェレーシスシステム200及び/又はフィラー460に対して血液成分収集ループ520の複数の箇所を確実動作的に(positively)位置決めするように構成される多くの確動位置決め機能部又はキー機能部530A、530Bを含んでもよい。例えば、血液成分収集ループ520は、システム固定ループコネクタ528上に第1のコネクタ位置決め機能部530Aと、フィラーループコネクタ532上に第2のコネクタ位置決め機能部530Bとを含む。機能部530A、530Bは、コネクタ528、532から延びる材料からなるキー、タブ、及び/又は、他の突出部として構成されてもよい。幾つかの実施形態において、第2のコネクタ位置決め機能部530Bは、フィラー460のループ接続領域454の第1の確動位置決め機能部478及び/又は第2の確動位置決め機能部480と相互接続する又は係合する(mate with)機能部を含んでもよい。同一ではないにしても、同様の確動位置決め機能部が、アフェレーシスシステム200の固定ループ接続部402と関連付けられるか又は固定ループ接続部402に含まれてもよい。
【0117】
図5C及び
図5Dは、本開示の実施形態に係る血液成分収集ループ520の血液成分収集ブラダ536の断面を示す。例えば、断面は、第1の収集フローチャンバ544が血液成分収集ブラダ536の長さに沿って第2の収集フローチャンバ552から分離していることを示している。幾つかの実施形態において、この分離は、第1の収集フローチャンバ544と第2の収集フローチャンバ552との間に配置されるフローチャンバセパレータ542によってもたらされ得る。フローチャンバセパレータ542は、血液成分収集ブラダ536のシール領域に対応してもよい。フローチャンバセパレータ542は、例えばブラダ第1側材料536Aとブラダ第2側材料536Bとを接合する材料のヒートシールされた領域として形成されてもよい。ある場合には、ブラダ第1側材料536A及びブラダ第2側材料536Bは、(例えば、上側ブラダシール554A領域又は下側ブラダシール554B領域のうちの一方に隣接する)縁部で折り重ねられる単一の材料部材であってもよい。
【0118】
図5Dに示される断面は、シール前の血液成分収集ブラダ536に対応してもよく、また、
図5Cに示される断面は、上側ブラダシール554A、下側ブラダシール554B、及び/又は、フローチャンバセパレータ542が形成され又はシールされた(例えば、ブラダ第1側材料536Aをブラダ第2側材料536Bに対して溶着する等)後の血液成分収集ブラダ536に対応してもよい。形成された時点で、ブラダの幅WBは、非拡張状態S1(例えば、
図4L参照)における第1の収集フローチャンバ544及び/又は第2の収集フローチャンバ552の幅に対応してもよい。動作中、流体が血液成分収集ブラダ536の少なくとも一部を満たすと、ブラダの幅WBの寸法が
図5Cに示される寸法から増大し得る。例えば、ブラダの幅WBは、フィラー460のフィラー挿入チャンバ492のサイズまで実質的に増大し得る。幾つかの実施形態において、血液成分収集ブラダ536を製造する際に形成される溶着部(例えば、RF、超音波等)はフィラー460で支持されてもよい。1つの実施形態では、フィラー460の上端が上側の2つの溶着部を支持し、フィラー460の下端が下側の溶着部を支持する。
【0119】
図5E~
図5Hは、血液成分収集ループ520の屈曲状態の様々な斜視図(例えば、
図5E~
図5F)、並びに、血液成分収集ループ520の屈曲された血液成分収集ブラダ536がフィラー460内に挿入されている図(例えば、
図5G~
図5H)を示す。血液成分収集ループ520の様々な構成要素は、可撓性があってもよく、及び/又は、力の印加によって形成され又は成形され得る。幾つかの実施形態において、この可撓性は、血液成分収集ループ520の様々な部分の形成が構成要素を恒久的に変形させないような弾性であってもよい。
図5Eは、本開示の実施形態に係る屈曲状態の血液成分収集ループ520を示す。例えば、可撓性ループ524がその長さに沿って弾性的に曲げられて示されると共に、血液成分収集ブラダ536がその長さに沿って多くの屈曲部分又は曲線部分に従って示されている。可撓性ループ524は、構成要素が屈曲状態にある間、ループ入口チューブ108Bを介して供給される流体を血液成分収集ブラダ536の第1の収集フローチャンバ544に依然として搬送し、逆もまた同様である。これに加えて又は代えて、可撓性ループ524は、構成要素が屈曲状態にある間、血液成分収集ブラダ536の第2の収集フローチャンバ552からの流体をループ出口チューブ112に搬送してもよく、逆もまた同様である。
【0120】
幾つかの実施形態において、血液成分収集ループ520は、
図5Fの斜視図に示されるように、フィラー460の収集挿入チャネル466内に嵌合するように予備成形されてもよい。この予備成形は、収集挿入チャネル466の略螺旋経路490と適合するように血液成分収集ループ520の血液成分収集ブラダ536を曲げることを含んでもよい。予備成形された時点で、血液成分収集ループ520の機能部は、
図5Gに示されるように、フィラー460の1以上の機能部と位置合わせされてもよい。1つの実施形態において、血液成分収集ループ520のフィラーループコネクタ532は、第2のコネクタ位置決め機能部530Bが第1の確動位置決め機能部478に係合するべく位置合わせされるように、フィラー460のループ接続領域454と位置合わせされる。これに加えて又は代えて、血液成分収集ブラダ536は、フィラー460における収集挿入チャネル466の略螺旋経路490と適合するように(例えば、手等により)成形され又は整形されてもよい。ある場合には、この成形又は整形は、血液成分収集ブラダ536のブラダ自由端部540Bをフィラー460における収集挿入チャネル466のチャネル端部472と位置合わせすることを含んでもよい。構成要素が互いに大まかに位置合わせされる際に、血液成分収集ループ520は、(
図5Gに示されるように)収集挿入チャネル466及びループ接続領域454へと向かう方向に移動されてもよい。
【0121】
幾つかの実施形態では、フィラーループコネクタ532がフィラー460のループ接続領域454内へと移動される際に、第1の確動位置決め機能部478は、血液成分収集ループ520のフィラーループコネクタ532の第2のコネクタ位置決め機能部530Bに相互接続する及び/又は第2のコネクタ位置決め機能部530Bを保持する。この相互接続は、フィラーループコネクタ532がフィラー460に対して回転することを防止する。ある場合には、この相互接続は、血液成分収集ループ520のフィラーループコネクタ532をフィラー460のループ接続領域454内に保持する。
図5Hは、本開示の実施形態に係るフィラー460内に装填された血液成分収集ループ520の斜視図を示す。
【0122】
図6A~
図6Cは、本開示の実施形態に係る様々なループ装着状態における遠心分離機アセンブリ400の概略断面図を示す。
図6A~
図6Cに示される遠心分離機アセンブリ400は、特に
図4D~
図4Fと関連して前述した遠心分離機アセンブリ400に対応している。特に、
図6Aは、第1のループ装着状態の概略断面図を示し、
図6Bは、第2のループ装着状態の概略断面図を示し、また、
図6Cは、遠心分離機アセンブリ400のための第2のループ装着状態の概略断面図を示す。
【0123】
図6Aでは、遠心分離機アセンブリ400が開状態のループ装着位置で示され、この位置では、上側ハウジング404Bが閉位置又は動作位置から180度回動された状態にある。この開位置は、
図4Fに示される遠心分離機アセンブリ400の位置に対応し得る。しかしながら、
図6Aでは、血液成分収集ループ520は、フィラー460内に挿入され、フィラーループコネクタ532は、フィラー本体464のループ接続領域454に相互接続されている。血液成分収集ループ520の他端部は、システム固定ループコネクタ528を介して固定ループ接続部402に接続される。この第1のループ装着状態では、可撓性ループ524は、固定ループ接続部402に回転しないように固定されるが、ループ接続領域454ではフィラー460と一体で回転する。
【0124】
図6Bでは、遠心分離機アセンブリ400が部分的に閉じられた位置で示され、この位置では、上側ハウジング404Bが開放位置から閉位置又は動作位置へと移動中の状態である。上側ハウジング404Bが回動すると、可撓性ループ524が遠心分離機アセンブリ400に対して静止位置へと移動できる。可撓性ループ524は固定ループ接続部402において回転方向で固定されるが、フィラー460は、フィラー回転軸430Bを中心に自由に回転できる(例えば、回転方向で固定される可撓性ループ524によってのみ制限される)。
【0125】
図6Cでは、遠心分離機アセンブリ400が閉位置又は動作位置で示され、この位置では、上側ハウジング404Bは(下側ハウジング404Aと上側ハウジング404Bとが遠心分離機回転軸430を中心に一体で回転できるように)下側ハウジング404Aに係止され得る。この位置において、可撓性ループ524は、フィラー460のループ接続領域454から遠心分離機分割ハウジング404のループアクセスクリアランス436を通じて固定ループ接続部402へと延在する。幾つかの実施形態において、可撓性ループ524は、遠心分離機分割ハウジング404の1つ以上の部分と接触して又は接触することなくループアクセスクリアランス436内で自由に移動できる。この位置では、遠心分離機アセンブリ400が遠心分離機回転軸430を中心に回転すると、固定ループ接続部402において回転方向で固定される可撓性ループ524は、可撓性ループ524の長さに沿ってねじれることができ、それにより、フィラー460を遠心分離機アセンブリ400内で(例えば、遠心分離機回転軸430に沿って)回転させる。前述したように、遠心分離機アセンブリ400に対するフィラー460の回転は2:1の比率であってもよい。例えば、遠心分離機アセンブリ400が1周り回転すると、回転方向で固定される(例えば、固定ループ接続部402で固定される)可撓性ループ524は、ループ接続領域454でねじれ(例えば、遠心分離機アセンブリ400の回転によってねじられないようにほどけようとする等)、それにより、フィラー460を遠心分離機アセンブリ400と同じ回転方向に回転させるが、略2周り回転させる。可撓性ループ524のその長さに沿うねじれによるフィラー460のこの回転は、遠心分離機アセンブリ400とフィラー460との間のかみ合いを必要としない。
【0126】
図7A~
図7Bは、ループを遠心分離の動作位置(例えば、血液分離)へ自動装着する遠心分離機アセンブリ400の概略平面図を示す。
図7A~
図7Bに示される遠心分離機アセンブリ400は、前述した及び/又は
図4A~
図4F及び
図6A~
図6Cと関連して説明した遠心分離機アセンブリ400に対応してもよい。
図6Cに示されるように血液成分収集ループ520が遠心分離機アセンブリ400内に装着されると、
図7A~
図7Bに示されるように可撓性ループ524がループ係合位置520Bに自動的に装着される。
【0127】
1つの実施形態では、上側ハウジング404Bが下側ハウジング404Aにロックされると、可撓性ループ524がフィラー460のループ接続領域454からアフェレーシスシステム200の固定ループ接続部402へと延在する。可撓性ループ524はシステム固定ループコネクタ528で固定ループ接続部402に回転方向で固定されてもよいが、遠心分離機分割ハウジング404のループアクセスクリアランス436を通過する可撓性ループ524は、遠心分離機アセンブリ400のループ回転位置決めガイド424及び/又は他の機能部によって最初は保持されなくてもよいし又は少なくとも部分的に捕捉されなくてもよい。ループ回転位置決めガイド424又はループアームに対する可撓性ループ524のこの状態は、未捕捉ループ状態700Aに対応する。言い換えると、可撓性ループ524は、ループ回転位置決めガイド424、ループ位置決めストッパプレート704、及び/又は、1つ以上のループねじれ支持ベアリング708、又は、ベアリングセットに対して何らかの角度αで方向付けられてもよい。幾つかの実施形態において、ループねじれ支持ベアリング708は、
図4B~
図4Cと関連して説明されたベアリング417に対応してもよい。ループ格納領域又はチャネルがループ位置決めストッパプレート704及び/又は上側ハウジング404Bの長さに沿って配置される1つ以上のループねじれ支持ベアリング708によって形成されてもよい。幾つかの実施形態において、この方向性は、
図6A~
図6Cと関連して説明されたループ装着中にアクセス及び/又は装着の容易さを可能にするべく設計されてもよい。
【0128】
遠心分離機アセンブリ400が遠心分離機回転軸430を中心にループ・フィラー回転方向712に回転されると、可撓性ループ524は、未捕捉ループ状態700Aから
図7Bに示される捕捉ループ状態700Bへと移動できる。この回転は、遠心分離機アセンブリ400及び/又はフィラー460をループ・フィラー回転方向712に回転させるオペレータによって及び/又は遠心分離機回転軸430を中心に遠心分離機アセンブリ400を回転させるロータ・モータアセンブリ414によって引き起こされてもよい。幾つかの実施形態では、可撓性ループ524がループ・フィラー回転方向712に回転すると、可撓性ループ524の外側部分がループ位置決めストッパプレート704又はループ回転位置決めガイド424の他の回転ストッパ面と接触する。
【0129】
可撓性ループ524がループ回転位置決めガイド424内に保持される又は少なくとも部分的に収容される状態で、可撓性ループ524の一部は、ループねじれ支持ベアリング708のうちの1つ以上の中で移動できる。前述したように、可撓性ループ524は、血液成分収集ループ520と関連付けられるシステム固定ループコネクタ528の第1のコネクタ位置決め機能部530Aを介して固定ループ接続部402に回転方向で固定されてもよい。この回転方向で固定される接続は、可撓性ループ524が固定ループ接続部402でアフェレーシスシステム200に対して回転するのを防止する。可撓性ループ524の他端部は、この端部がフィラー460及び/又は遠心分離機アセンブリ400と共に移動できるフィラー460のループ接続領域454で相互接続されてもよい。遠心分離機アセンブリ400がループ・フィラー回転方向712に回転し続けると、可撓性ループ524からのほどけようとする又は巻き付くことを回避しようとする力が、フィラー460及び該フィラーに取り付けられる可撓性ループ524の端部を回転させる。
【0130】
いずれにしても、本明細書中に記載される流体分離方法が完了された時点で、遠心分離機アセンブリ400の回転は停止され、血液成分収集セット500の使い捨て可能な要素を遠心分離機アセンブリ400から除去するべく遠心分離機分割ハウジング404が開放される。ある場合には、可撓性ループ524は、ループ・フィラー回転方向712とは反対の方向に遠心分離機アセンブリ400及び/又はフィラー460を回転させることによって
図7Bに示される捕捉ループ状態700Bから
図7Aに示される未捕捉ループ状態700Aへと移動されてもよい。
【0131】
アフェレーシスシステム200の機能図は、本開示の実施形態に従って
図8に示されるようなものであってもよい。ここでの説明は、アフェレーシス処置又はプロセス中にドナー102の全血から血漿又は他の血液成分を抽出するためのシステム200の動作を表わすべく、機能図において、
図1~
図7Bで既に説明した構成要素を示す。
【0132】
システム200は抗凝血剤(AC)ポンプ216を含むことができる。ACポンプ216は、ACバッグ114から流体をACチューブ110内に送出する。ACポンプ216、ACチューブ110、及び/又は、ACバッグ114は上述したものでよい。また、ACチューブ110は、ACチューブ110内の空気又は流体を検出するためにAC空気検出センサ(ADS)804を含んでもよい。AC ADS804は、タイプ及び/又は機能が既に説明したセンサ284及び/又はセンサ312と同じ又は同様であってもよい。ACチューブ110は、チューブコネクタ106でドナー供給チューブ104及びカセット入口チューブ108Aと交わって流体的に関連付けられる。チューブコネクタ106は、既に説明したように、チューブ110、104及び/又はチューブ108A間の任意のタイプの接続部であってもよい。
【0133】
ドナー供給チューブ104はドナー102から進行しており、この場合、ドナー102にはルーメン針又は他の装置が穿刺されてもよく、それにより、全血がドナー102からアフェレーシスシステム200内へと流れることができると共に、血液成分がドナー102へと流れ戻ることができる。チューブ108Aはソフトカセット340へ延びる。さらに、チューブ108A内の流体及び/又は空気の存在を検出するためにドナー空気検出センサ312をチューブ108A上又はチューブ108A内に配置できる。
【0134】
既に説明したように、ソフトカセット340は、「Y」コネクタ又はセクション又は分岐部として機能し得る、「Y」コネクタ又はセクション又は分岐部を含むことができる、及び/又は、「Y」コネクタ又はセクション又は分岐部に略近接し得る第1のカセットポート360Aを含むことができ、この第1のカセットポート360Aは、チューブ108Aを第1のバイパス分岐部358Aと第1のチューブセクション368Aとに分離する(「Y」セクションが参照文字360Aによって示される)。2つのチューブセクション358、368は、同様に第2の「Y」コネクタ又はセクションとして機能し得る、第2の「Y」コネクタ又はセクションを含むことができる、及び/又は、第2の「Y」コネクタ又はセクションに略近接し得る第2のカセットポート360Bで再接続し得る(第2の「Y」セクションが参照文字360Bによって示される)。チューブ358は流体センサ316によって2つに分けられ、流体センサ316は、チューブ358を第1のバイパス分岐部358Aと第2のバイパス分岐部358Bとに分離する。同様に、チューブ368はドリップチャンバ354によって2つに分けられ、ドリップチャンバ354は、チューブ368を第1のチューブセクション368Aと第2のチューブセクション368Bとに分離する。
【0135】
第1のチューブセクション368Aは第1の流体制御弁320Aを含むことができる。第2のチューブセクション368Bも同様に第2の流体制御弁320Bを含むことができる。第1のバイパス分岐部358Aも同様に引き込み流体制御弁320Cを含むことができる。従って、システム200の形態に基づき及びシステム200の動作に応じて、チューブ368A、358A、358B、368Bの様々なセクションを弁320A、320B及び/又は弁320Cによって分離できる。
【0136】
ドリップチャンバ354は、第1のチューブセクション368Aと第2のチューブセクション368Bとの間に配置されてもよい。ドリップチャンバ354は、後述するように、システム200の動作に応じて所定量の全血及び/又は高ヘマトクリット血液(赤血球の割合が高い血液)を収集できる。流体センサ316は、既に説明したように、第1のバイパス分岐部358Aと第2のバイパス分岐部358Bとの間に配置されてもよい。
【0137】
ループ入口チューブ108Bは、第2のカセットポート360Bに接続できると共に、ソフトカセット340を可撓性ループ524に接続できる。また、ループ入口チューブ108Bは、可撓性ループ524のシステム固定ループコネクタ528と接続する前にチューブ108B上又はチューブ108B内に配置される、チューブ108Bと共に配置される、センサ808を含んでもよい。圧力センサ(CPS)808は、チューブ108B内の流体又は空気の圧力、有無、及び/又は、場合により流体の他の特性のうちの1つ以上を検出してもよいが、これらに限定されない。さらに、引き込みポンプ208によってチューブ108Bを通じて流体をソフトカセット340から離れるように或いはソフトカセット340へポンピングすることができる。
【0138】
システム固定ループコネクタ528を介して2つ以上の異なるチューブを可撓性ループ524に接続することができ、また、2つ以上の異なるチューブは、流体を血液成分収集ブラダ536に供給する又は流体を血液成分収集ブラダ536から受けることができる。ループ出口チューブ112が可撓性ループ524からシステム固定ループコネクタ528を抜け出る。このループ出口チューブ112は、可撓性ループ524からくる流体、空気、細胞内濃度、色、及び/又は、流体における色変化を検出するためにループ出口チューブ上又はループ出口チューブ内に配置される他のラインセンサ812を含むこともでき、ラインセンサ812は、タイプ及び/又は機能が既に説明したセンサ804、312、320、808及び/又はセンサ284と同じ又は同様であってもよい。第2のCPSセンサ816又は流体センサは、ライン112内又はライン112上に配置されてもよい。センサ816は、チューブ112内の流体の有無、圧力、及び/又は、チューブ112内の流体の他の特性のうちの1つ以上を検出してもよいが、これらに限定されない。同様に、センサ816は、タイプ及び/又は機能が既に説明したセンサ804、312、320、808、812及び/又はセンサ284と同じ又は同様であってもよい。
【0139】
ループ出口チューブ112は、その後、生理食塩水・血漿チューブy-コネクタ280がチューブ112を生理食塩水チューブ116と血漿チューブ120とに分離する前に血漿空気検出センサ284に流れ込んでもよい。戻しポンプ212がループ出口チューブ112と相互作用してもよく、この戻しポンプにより、流体又は空気がチューブ112を通じて可撓性ループ524から又は生理食塩水バッグ118及び/又は血漿収集ボトル122から流れることができる。
【0140】
生理食塩水バッグ118及び関連するチューブは、既に説明したようになっていてもよく、システム200を通じて生理食塩水を元のドナー102に供給することができる。生理食塩水流量制御弁288は、生理食塩水バッグ118をシステム200の残りの部分から分離することができる。さらに、血漿収集ボトル122は、血漿を、処理される又は全血から分離されるときに可撓性ループ524から受けることができる。血漿収集ボトル122は、血漿流量制御弁286によってシステムから選択的に分離され得る。
【0141】
アフェレーシスシステム200の機能を制御する電気・制御システム900の実施形態が、本開示の実施形態に従って
図9に示されるようになっていてもよい。制御システム900は1つ以上のノードを含むことができ、該ノードは、アフェレーシスシステム200の機械的、電気機械的、及び、電気的な構成要素を制御する及び/又はこれらの構成要素と通信するように構成される様々なハードウェア、ファームウェア、及び/又は、ソフトウェアを含むことができる。
【0142】
各ノードは、アフェレーシスシステム200の異なる部分を制御するように機能してもよい。例えば、制御システム900は、血液成分収集セット500(及び、ソフトカセットアセンブリ300とインタフェースをとる関連ハードウェア又は機械的構成要素)及び遠心分離機アセンブリ400(及び、遠心分離機アセンブリと関連付けられる関連ハードウェア又は機械的構成要素)の構成要素を制御する又は該構成要素と通信することができるカセットノード904及び遠心分離機ノード908を含むことができる。カセットノード904及び遠心分離機ノード908は、無線で或いは何らかの他の電気的接続又はデータ接続を介して通信してもよい。幾つかの形態では、別個のノード904、908が単一のノード902の2つの部分であってもよい。従って、各ノード904、908は、異なる機能を制御するように動作する同じ物理的なハードウェアを有してもよい。カセットノード904の一例を
図10と関連して説明することができ、遠心分離機ノード908を
図11と関連して説明することができる。
【0143】
ノード904、908のそれぞれは、1つ以上のセンサ916、920及び/又はセンサ924と通信していてもよい。省略記号928により表わされるように、
図9に示されるセンサよりも多い又は少ないセンサが存在してもよい。各ノード904、908は、各センサ916~924に直接に通信することができ、又は、バス912を介して幾つかのセンサ916~924と通信してもよい。バス912は、ユニバーサルシリアルバス(USB)、ユニバーサル非同期送受信機(UART)、又は、他のタイプのバスシステム又は並列通信接続等の任意のタイプの通信プロトコルによって通信してもよい。従って、バス912は、随意的であるが、様々なセンサ916~924と通信するための想定し得る通信プラットフォームとして示される。センサ916~924は、本明細書中に記載されるように、光、流体、空気の存在、色、圧力等に関する情報を通信できる任意のタイプのセンサであってもよい。センサ916~924の幾つかは、センサ312、316、804、808、812、816及び/又はセンサ284を含むことができる。これらのセンサ912~924の機能は後述するようになっていてもよい。
【0144】
ノード904、908は、単に「ポンプ」と称される1つ以上のポンプドライブ、ポンプモータ等936、940、944と通信してもよい。省略記号948により表わされるように、
図9に示されるよりも多い又は少ないポンプが存在してもよい。ノード904、908は、直接的な有線又は無線通信を介して或いはバス932を介してポンプ936~944と通信できる。バス932は、ポンプ936~944と通信するためのコントロール・エリア・ネットワーク(CAN)バス、USB、又は、他のタイプのバスアーキテクチャであってもよい。ポンプ936~944は、既に説明したように、ポンプ216、208及び/又はポンプ212を含むことができる。ポンプ936~944の機能は本明細書に記載されるようになっていてもよい。
【0145】
カセットノード904の一実施形態は、本開示の実施形態に従って
図10に示されるようになっていてもよい。カセットノード904は、コントローラ1004、メモリ1008、弁コントローラ1020、及び/又は、CANバス1016、UART1012、又は、他のタイプのバスのための通信インタフェースのうちの1つ以上を含むことができる。カセットノード904は、明確にするために示されない他のハードウェア、ファームウェア、及び/又は、ソフトウェアを含むことができる。
【0146】
コントローラ1004は、任意のタイプのマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)等であってもよい。コントローラ1004の一例は、32ビットアーキテクチャを伴うマイクロコントローラユニットであるN9P USA、Incorporatedによって製造されて販売されるNK10DN512VOK10マイクロコントローラであってもよい。他のタイプのコントローラも想定し得る。コントローラ1004は、例えば弁320A、320B、320C、286、288、ポンプ936~944等、他のタイプの装置を制御できる又は他のタイプの装置の機能を導くことができる。さらに、コントローラ1004は、アフェレーシスシステム200の機能に関する情報を受ける又は送るために様々なセンサ916~924又は他の装置と通信できる。
【0147】
本明細書中に記載されるようなプロセッサ又はマイクロコントローラ1004の他の例は、Qualcomm(登録商標)Snapdragon(登録商標)800及び801、4G LTE Integration及び64ビットコンピューティングを伴うQualcomm(登録商標)Snapdragon(登録商標)610及び615、64ビットアーキテクチャを伴うApple(登録商標)A7プロセッサ、Apple(登録商標)M7モーションコプロセッサ、Samsung(登録商標)Exynos(登録商標)シリーズ、Intel(登録商標)Core(商標)プロセッサファミリー、Intel(登録商標)Xeon(登録商標)プロセッサファミリー、Intel(登録商標)Atom(商標)プロセッサファミリー、Intel Itanium(登録商標)プロセッサファミリー、Intel(登録商標)Core(登録商標)i5-4670K及びi7-4770K 22nm Haswell、Intel(登録商標)Core(登録商標)i5-3570K 22nm IvyBridge、AMD(登録商標)FX(商標)プロセッサファミリー、AMD(登録商標)FX-4300、FX-6300、及び、FX-8350 32nm Vishera、AMD(登録商標)Kaveriプロセッサ、ARM(登録商標)Cortex(商標)-Mプロセッサ、ARM(登録商標)Cortex-A及びARM926EJ-S(商標)プロセッサ、他の工業相当プロセッサのうちの少なくとも1つを含んでもよいが、これらに限定されず、また、任意の既知の又は将来開発される標準的な命令セット、ライブラリ、及び/又は、アーキテクチャを使用してコンピュータ機能を果たしてもよい。
【0148】
メモリ1008は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリー・メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、ポータブルコンパクトディスクリード・オンリー・メモリ(CD-ROM)、光学記憶装置、磁気記憶装置、以上の任意の適した組み合わせ、又は、コントローラ1004をプログラミングして制御するための命令を記憶して与える他のタイプの記憶装置又はメモリ装置を含む任意のタイプのメモリであってもよい。メモリ1008は、後述するように、コントローラ1004の機能をプログラミングする全てのタイプのソフトウェア又はファームウェアを与えてもよい。
【0149】
コントローラ1004は1つ以上の弁コントローラ1020と通信することができる。本明細書中に記載される各弁320A、320B、320C、286、288は、本明細書中に記載されるように、弁コントローラ1020によって制御されてもよく、システム200の構成要素と関連付けられてもよい。弁コントローラ1020は、本明細書中に記載される弁のうちのいずれか1つ、例えば、生理食塩水・血漿弁ハウジング276、血漿流量制御弁286、第1の流体制御弁320A、第1の流体制御弁320A、及び/又は、引き込み流体制御弁320C等を閉鎖又は開放するために電気信号、動作命令、又は、電力を供給することができる。
【0150】
コントローラ1004の外側に設けられる又はコントローラ1004と一体のトランシーバ1012、1016を介してコントローラ1004をバス912、932(例えば、UARTバス、CANバス)又は他のバスに接続することもできる。UARTトランシーバ1012は、センサ916~924又は他の装置のうちの1つ以上と通信してもよい。同様に、CANバストランシーバ1016は、ポンプコントローラ936~944又は他の装置のうちの1つ以上と通信することができる。UARTトランシーバ1012及びバスとCANバストランシーバ1016及びバスは、当該技術分野において良く知られており、本明細書中でさらに説明する必要はない。
【0151】
遠心分離機ノード908の一実施形態が本開示の実施形態に従って
図11に示され得る。遠心分離機ノード908は、カセットノード904と同じ又は同様のタイプの構成要素を含むことができる。例えば、遠心分離機ノード908は、コントローラ1104、UARTトランシーバ1112等を含むことができる。コントローラ1004と同様に、コントローラ1104は、任意のタイプのプロセッサ又はマイクロコントローラ、例えば、既に言及したN9P USA、Incorporatedが提供する32ビットアーキテクチャを伴うNK10DN512VOK10マイクロコントローラユニット、又は、他のコントローラ、プロセッサ等、例えば、既に言及した装置となり得る。
【0152】
コントローラ1104は、UARTトランシーバ1112を介して又は他のバス又はシステムを介して直接にセンサ916~924と通信できる。また、コントローラ1104は、遠心分離機400を制動する又は減速させる及び停止させることができるブレーキコントローラ1124と通信することもできる。同様に、コントローラ1104はモータトランシーバ1116と通信でき、モータトランシーバ1116は、遠心分離機400をスピンアップさせる又は回転させる或いは遠心分離機400の速度設定又は他の機能を制御するように機能するモータパワーシステム又はモータコントローラと通信する。
【0153】
幾つかの形態において、コントローラ1104は、アフェレーシスプロセス中にドナーの腕にある圧力カフの圧力を変える又は設定することができるカフコントローラ1122と通信することもできる。さらに、コントローラ1104は、既に説明したように、アフェレーシスシステム200のオペレータがフィラー460の動作を見ることができるように、モータの回転速度と同期する周期性で点滅する任意の光となり得るストロボ1112と通信できる及び/又はストロボ1112を制御できる。従って、コントローラ1104は、ストロボ光1112の点滅の周波数、ストロボ光1112の強度等を変えるためにストロボ1112と通信できる。
【0154】
システム200を用いて、血液成分(例えば血漿)アフェレーシスを完了するために使用される方法1200の実施形態が、本開示の実施形態に従って、
図12で示される。方法1200は、
図17A~
図17Tと関連して説明され得る。従って、これらの図に関して又はこれらの図を参照して方法1200を説明する。方法1200のステップにおける一般的な順序が
図12に示される。一般に、方法1200は、開始工程1204から始まり、工程1220で終わる。方法1200は、これよりも多い又は少ないステップを含むことができ、或いは、
図12に示される順序とは異なってステップの順序を設定できる。方法1200は、コンピュータシステム、プロセッサ、カセットマイクロコントローラ1004、遠心分離機マイクロコントローラ1104、及び/又は、他の装置によって実行されてエンコードされる又はコンピュータ可読媒体に記憶されるコンピュータ実行可能命令のセットとして少なくとも部分的に実行され得る。他の形態において、方法1200は、ハードウェア装置においてもたらされる一連の構成要素、回路、ゲート等、例えばシステムオンチップ(SOC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、及び/又は、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)によって少なくとも部分的に実行されてもよい。以下では、
図1~
図11と関連して説明したシステム、装置、弁、ポンプ、センサ、構成要素、回路、モジュール、ソフトウェア、データ構造、信号送信プロセス、モデル、環境、アフェレーシスシステム等に関連して方法1200を説明するものとする。
【0155】
一般に、方法1200を3つの段階に分けることができ、この場合、各段階は一連のステップ又はプロセスを含む。3つの段階のそれぞれは、
図12に記載されると共に、ステップ又はプロセスを説明する
図13~
図16と関連して記載される。方法1200は、ステップ1208において、システム準備段階を含むことができる。この段階1208において、オペレータは、アフェレーシスのためのシステム200を準備することができ、その準備は、ドナー102に針を刺入するステップ、他の動作を行なって採血の準備をするステップ、血液成分収集セット500をシステムに挿入するステップ等を含んでもよい。システム準備段階1208に含まれてもよいステップの例が
図13と関連して記載され得る。
【0156】
方法1200は、その後、ステップ1212において、血漿引き込み段階に入ってもよい。血漿引き込み段階1212は
図14と関連して記載され得る。血漿引き込み段階1212は、血液の引き込み、血漿(及び/又は、他の血液成分)を抽出するための血液の遠心分離、高ヘマトクリット血液(例えば、赤血球)及び/又は他の血液成分を様々な戻しサイクルで(血漿及び/又は他の血液成分の全サンプルが収集されるまで)ドナー102へ押し戻すこと等を含むことができる。戻しサイクルの開始は、アフェレーシスシステム内の何らかの所定の位置での1つ以上の血液成分、例えば、血小板、赤血球等の存在に基づいて引き起こされてもよい。
【0157】
方法1200の最終段階は、ステップ1216において、ディスポーザブル品取り外し段階となり得る。ディスポ除去段階1216は
図15と関連して記載され得る。ディスポーザブル品取り外し段階1216は、アフェレーシスプロセスの完了、ドナー102からの針の除去、血液成分収集セット500の除去、及び、処置の完了を含むことができる。ここで、以下では、3つの段階1208~1216のそれぞれ、及び、これらの段階と関連付けられるステップ又はプロセスについて説明する。
【0158】
段階1208において記載されるアフェレーシスシステム200を準備する方法は、本開示の実施形態に従って
図13に示されるようになっていてもよい。
図13には、方法1300のステップにおける一般的な順序が示される。一般に、方法1300は、開始工程1304から始まり、工程1328で終わる。方法1300は、これよりも多い又は少ないステップを含むことができ、或いは、
図13に示される順序とは異なってステップの順序を設定できる。方法1300は、コンピュータシステム、プロセッサ、カセットマイクロコントローラ1004、遠心分離機マイクロコントローラ1104、及び/又は、他の装置によって実行されてエンコードされる又はコンピュータ可読媒体に記憶されるコンピュータ実行可能命令のセットとして少なくとも部分的に実行され得る。他の形態において、方法1300は、ハードウェア装置においてもたらされる一連の構成要素、回路、ゲート等、例えばSOC、ASIC、及び/又は、FPGAによって少なくとも部分的に実行されてもよい。以下では、
図1~
図12と関連して説明したシステム、装置、弁、ポンプ、センサ、構成要素、回路、モジュール、ソフトウェア、データ構造、信号送信プロセス、モデル、環境、アフェレーシスシステム、方法等に関連して方法1300を説明するものとする。
【0159】
ユーザ又はオペレータは、ステップ1308において、血液成分収集セット500を装着する。このステップ1308において、ユーザは、可撓性ループ524をループ格納ブラケット426に挿入すること及び血液成分収集ブラダ536をフィラー460に挿入すること(いずれも
図16に記載されるようになっていてもよい)を含めて、血液成分収集セット500をシステム200に装着することができる。さらに、ソフトカセット340は、
図1、
図2A、
図2B、
図3A、及び/又は、
図3Bに記載されるように、ソフトカセットアセンブリ300に装着されてもよい。ループ入口チューブ108B及び血液成分収集セット500の他の部分で流体移動を引き起こすために、ループ入口チューブ108Bを引き込みポンプ208へのリードチューブガイド244及び/又は端部チューブガイド252に挿入することができる。同様に、ACポンプ216が抗凝血剤を抗凝血剤チューブ110又は血液成分収集セット500の他の部分へと移動させることができるようにするために、抗凝血剤チューブ110をガイド244、252と同様のチューブガイド内に配置できる。戻しポンプ212が血液成分(例えば、血漿)を血漿収集ボトル122へと移動させることができる又は生理食塩水を生理食塩水バッグ118からループ出口チューブ112又は血液成分収集セット500の他の部分へと移動させることができるようにするために、ループ出口チューブ112を同様のガイド244、252に挿入することができる。
【0160】
図2Dに示されるように、弁286、288が血漿収集ボトル122及び/又は生理食塩水バッグ118からの及び/又は血漿収集ボトル122及び/又は生理食塩水バッグ118への流体の流れを制御できるようにするために、生理食塩水・血漿チューブy-コネクタ280を血漿・生理食塩水弁制御システム228に装着できる。
図1~
図2Bに記載されるように、ACバッグ114が抗凝血剤支持体232Aに装着されてもよく、血漿収集ボトル122を血漿収集クレードル232C内に配置することができ、及び、生理食塩水バッグ118を生理食塩水支持体232Bに装着できる。血液成分収集セット500がアフェレーシスシステム200に装着された状態では、アフェレーシスシステム200が
図17及び
図17Bに示されるようになる。アフェレーシスシステム200の様々な構成要素の状態は、このステップ中、以下に示されるようになっている。
【0161】
【0162】
上記の表及び後続の表に示されるように、引き込みポンプ208及び戻しポンプ212は、ループ入口チューブ108B及び抗凝血剤チューブ110をそれぞれ閉塞できる。このように、引き込みポンプ208及び戻しポンプ212は、流体の流れを選択的に許可する又は許可しない「弁」として機能する。「流量」列におけるマイナス記号「-」は、ポンプが反時計回り回転で動作していることを表わす。略称「AF」は、「Auto-flow」を意味し、ドナー102からくる血液の流量でポンプが機能していることを表わす。AF流量は、アフェレーシスシステム200がドナー102から血液を吸い上げること又は血流をドナー102へと戻すことを防止し、及び/又は、AFは、ドナーの安全を向上させつつ、引き込み流量及び戻し流量を最適化する。
【0163】
ステップ1312において、生理食塩水バッグ118がスパイク穿刺されてもよい。ユーザは、生理食塩水チューブ116の遠位端で、バッグスパイク取付具512から任意の安全カバーを取り外して、生理食塩水を収容する生理食塩水バッグ118を穿刺する。他の形態では、生理食塩水チューブ116が生理食塩水バッグ118に対して(例えば、ルアーコネクタによって)機械的に取り付けられてもよく、また、生理食塩水バッグ118からの生理食塩水の流れを可能にするために、破断可能装置又は他の除去可能なバリアがユーザによって部分的に変形されてもよい。従って、生理食塩水バッグ118をスパイク穿刺することにより、生理食塩水は、生理食塩水流量制御弁288へと又は生理食塩水流量制御弁288を介して血液成分収集セット500に流れ込むことができる。アフェレーシスシステム200の様々な構成要素の状態は、このステップ中、以下に示されるようになっている。
【0164】
【0165】
ステップ1316では、生理食塩水1712がプライミングされる。生理食塩水1712のプライミングは、
図17Dに示されるように、カセットマイクロコントローラ1004が生理食塩水流量制御弁288の開放を指示することを含む。カセットマイクロコントローラ1004は、生理食塩水1712をプライミングすることにより始まる、アフェレーシスプロセスを始めるためのユーザインタフェース用の命令又はプログラムを受けることができる。従って、生理食塩水1712は、生理食塩水バッグ118から、生理食塩水流量制御弁288を介して、血漿空気検出センサ284へと移動する。カセットマイクロコントローラ1004は、生理食塩水バッグ118から血漿・生理食塩水弁制御システム228に装着される生理食塩水チューブ116及び生理食塩水・血漿チューブy-コネクタ280を介した血漿空気検出センサ284への生理食塩水1712の体積流を引き起こすために戻しポンプ212の反時計回りの回転を指示する。血漿空気検出センサ284がループ出口チューブ112内の液体の存在又は空気の欠如のいずれかを検出すると、信号がカセットマイクロコントローラ1004に送られる。カセットマイクロコントローラ1004は、その後、戻しポンプ212に回転を停止するように指示すると共に、生理食塩水流量制御弁288に閉じるように指示し、それにより、生理食塩水1712が血漿空気検出センサ284を実質的に越えてループ出口チューブ112にさらに入ることが防止される。プロセスのこの時点で、アフェレーシスシステムは、
図17Eに示されるようになる。アフェレーシスシステム200の様々な構成要素の状態は、このステップ中、以下に示されるようになっている。
【0166】
【0167】
戻しポンプ212が反時計回り回転で動作していると記載されていることに留意すべきである。この回転方向は、ループ出口チューブ112に対する戻しポンプ212の位置と関連付けられる。戻しポンプ212が該戻しポンプ212の下方にループ出口チューブ112を伴って装着される場合、戻しポンプ212は、生理食塩水1712を生理食塩水バッグ118から移動させるように時計回り方向に回転する。従って、この説明の全体にわたって、戻しポンプ212、引き込みポンプ208、及び/又は、ACポンプ216に関してポンプ回転の方向が記載されるが、それらの回転方向は、ポンプ208、212、216が異なって装着される又は配置される場合には異なる場合がある。さらに、他のタイプのポンプが使用されてもよく、それにより、ポンプがシステム200内の様々な液体又は空気を移動させるべく動作する方法が変わり得る。当業者は、これらの修正を行なって以下のプロセス及びステップに記載される同様の結果を達成する方法を理解し得る。
【0168】
さらに、アフェレーシスシステム200内での移動量及び移動速度は、本明細書中に含まれる表に言及され又は記載される。しかしながら、これらの量及び速度は、チューブのサイズ、使用されるバッグのサイズ、収集される血液成分の所望される量(例えば、880mLの血漿)、及び、他の考慮すべき事項によって決まる。州の法律又は国の法律及び他の指令がアフェレーシスシステム200で使用される量及び速度を規定する場合があり、或いは、医療専門家の指示に基づいて又はドナー102の特徴に基づいてこれらの移動量及び移動速度を予め決定することができる。従って、移動量及び移動速度は例示に過ぎず、当業者は、以下のステップ及びプロセスのためにいずれの移動量及び移動速度を定めるべきかを理解できる。
【0169】
以下、ステップ1320において、抗凝血剤(AC)1702がスパイク穿刺されてもよい。抗凝血剤1702のスパイク穿刺は、生理食塩水1712のスパイク穿刺と同様のプロセスとなり得る。例えば、ユーザによってチューブ取付具508をACバッグ114に取り付けることができる。このとき、ユーザは、破断可能部材を破壊するか或いは弁や他の装置を開にするか或いはAC1702が抗凝血剤チューブ110に流れ込むことができるようにする何らかの構造を変形する。他の形態では、ユーザによって針がACバッグ114に刺されてもよい。プロセスのこの時点で、アフェレーシスシステム200は
図17Eに示されるようになる。カセットマイクロコントローラ1004には、ACバッグ114が接続された又はスパイク穿刺されたことが、ユーザインタフェース又は他のユーザ入力装置を介してユーザにより信号で伝えられてもよい。アフェレーシスシステム200の様々な構成要素の状態は、このステップ中、以下に示されるようになっている。
【0170】
【0171】
ユーザからの信号に応じて、カセットマイクロコントローラ1004は、その後、ステップ1324において、AC1702をプライミングする。AC1702をプライミングするために、カセットマイクロコントローラ1004は、
図17F及び
図17Gに示されるように、抗凝血剤1702をACバッグ114から抗凝血剤チューブ110へと送出するべく時計回り方向に動作する又は回転するようにACポンプ216に指示することができる。ドナー供給チューブ104は、クランプ、破断可能装置、又は、他の構造によって遮断される。従って、AC1702は、ドナー供給チューブ104からドナー102へと流れない。むしろ、ACポンプ216は、抗凝血剤1702をカセット入口チューブ108Aへ、ソフトカセット340へ、及び、部分的にループ入口チューブ108Bへと押し進めることができる。実施形態において、AC1702は、第1のバイパス分岐部358A、第2のバイパス分岐部358B、及び/又は、流体センサ316を通じて流れるが、必ずしも第1のチューブセクション368A又は第2のチューブセクション368Bに流れ込むとは限らない。従って、カセットマイクロコントローラ1004は、AC1702が第1のチューブセクション368A、ドリップチャンバ354、又は、第2のチューブセクション368Bへ流れ込むことを防止するために第1の流体制御弁320Aを閉鎖できる。AC1702を第1のバイパス分岐部358A、第2のバイパス分岐部358B、及び/又は、流体センサ316内へ予め配置することは、ドナー102からの全血の最初の引き込み中に全血の適切な流れを確保すると共に、赤血球がプロセスでその後に戻されるときに多量のAC1702がドリップチャンバ354からドナー102に戻されることを防止する。
【0172】
ACポンプ216をいつ停止すべきかを決定するために、カセットマイクロコントローラ1004は、流体がセンサ312、316に存在する又はセンサ312、316を通過していることを知らせる信号を流体センサ316及び/又はドナー空気検出センサ312から受けることができる。AC1702がセンサ316に到達したという通知を流体センサ316がカセットマイクロコントローラ1004に与えているとき、カセットマイクロコントローラ1004は、既知の量のAC1702が第2のカセットポート360Bを介して部分的にループ入口チューブ108Bへと送出されるまで所定の期間にわたってACポンプ216に指示し続けることができる。従って、AC1702のプライミングは、アフェレーシスシステム200を
図17Gに示される状態にする。アフェレーシスシステム200の様々な構成要素の状態は、このステップ中、以下に示されるようになっている。
【0173】
【0174】
幾つかの形態では、
図17Gに示されるように、ACポンプ216の方向が逆にされてもよい。抗凝血剤1702の少なくとも一部は、その後、ACバッグ114へ及び/又はカセット入口チューブ108A及び/又は抗凝血剤チューブ110の一部へ送り戻されてもよい。実施形態において、カセットマイクロコントローラ1004は、引き込み流体制御弁320Cを閉じるように指示して、ACを第1のバイパス分岐部358A、第2のバイパス分岐部358B、及び/又は、流体センサ316に保持することができる。ドナー空気検出センサ312は、AC1702がセンサ312を通過するのをいつ停止するかを判定すると共に、信号をカセットマイクロコントローラ1004に送ることができる。この場合も先と同様に、カセットマイクロコントローラ1004は、既知の量のAC1702がカセット入口チューブ108Aを通じて送り戻されるまで、所定の期間にわたってACポンプ216に指示し続けることができる。従って、AC1702は、アフェレーシスシステム200を
図17Hに示される状態にする。カセット入口チューブ108A、チューブコネクタ106、及び/又は、抗凝血剤チューブ110に残される抗凝血剤の量は、抗凝血剤1702がドナー空気検出センサ312を通過した後の所定の時間までにカセットマイクロコントローラ1004によって決定されてもよい。このプロセスは、幾らかの抗凝血剤をカセット入口チューブ108A内に残すが、入ってくる全血と過剰な量のACが混合されるという問題を回避するために使用されるACの量を減少させる。この時点で、アフェレーシスシステム200は、準備されており、段階1212(
図12)において、いつでも全血を引き込める状態にある。アフェレーシスシステム200の様々な構成要素の状態は、このステップ中、以下に示されるようになっている。
【0175】
【0176】
血漿引き込み段階1212を表わす方法1400の一実施形態は、本開示の実施形態に従って、
図14に示される。
図14には、方法1400のステップにおける一般的な順序が示される。一般に、方法1400は、開始工程1404から始まり、工程1440で終わる。方法1400は、これよりも多い又は少ないステップを含むことができ、或いは、
図14に示される順序とは異なってステップの順序を設定できる。方法1400は、コンピュータシステム、プロセッサ、カセットマイクロコントローラ1004、遠心分離機マイクロコントローラ1104、及び/又は、他の装置によって実行されてエンコードされる又はコンピュータ可読媒体に記憶されるコンピュータ実行可能命令のセットとして少なくとも部分的に実行され得る。他の形態において、方法1400は、ハードウェア装置においてもたらされる一連の構成要素、回路、ゲート等、例えばSOC、ASIC、及び/又は、FPGAによって少なくとも部分的に実行されてもよい。以下では、
図1~
図13と関連して説明したシステム、装置、弁、ポンプ、センサ、構成要素、回路、モジュール、ソフトウェア、データ構造、信号送信プロセス、モデル、環境、アフェレーシスシステム、方法等に関連して方法1400を説明するものとする。
【0177】
ステップ1408では、ドナー102に針が穿刺されてもよい。瀉血専門医、アフェレーシス技術者、又は、他の医療専門家は、管腔を有する針をチューブ取付具504に取り付けて、針をドナー102の血管(例えば、静脈)内に配置することができる。従って、アフェレーシスシステム200は、ドナー102に流体的に接続されて、いつでも全血を引き込める状態にあってもよい。そのため、アフェレーシスシステム200は、
図17Hに示されるようにドナー102が全血をいつでも供給できる状態で血漿引き込み段階1212を開始する。アフェレーシスシステム200の様々な構成要素の状態は、このステップ中、以下に示されるようになっている。
【0178】
【0179】
アフェレーシスシステム200のカセットマイクロコントローラ1004は、ステップ1412において、全血1706を引き込み始めることができる。カセットマイクロコントローラ1004は、ACポンプ216、引き込みポンプ208、及び/又は、戻しポンプ212に対して、時計回り回転で回転することによって動作するように指示する。ACポンプ216は、ドナー102からチューブコネクタ106内(及び、場合により、ドナー供給チューブ104内)及びチューブコネクタ106よりも遠位側にある他の構成要素内に引き込まれる全血1706とAC1702が混合するように抗凝血剤1702を血漿収集ボトル122へ向けて押し進める。引き込みポンプ208及び/又は戻しポンプ212は、ドナー102からの全血1706(及びAC)をソフトカセット340内、可撓性ループ524内、及び/又は、血液成分収集ブラダ536内へ引き込む。このプロセス1412中、カセットマイクロコントローラ1004及び遠心分離機マイクロコントローラ1008は、引き込みが始まったことを遠心分離機マイクロコントローラ1008に知らせるように通信できる。引き込み開始の通知に応じて、遠心分離機マイクロコントローラ1008は、遠心分離機アセンブリ400のロータ・モータアセンブリ414に対して、回転又はスピンし始めるように指示する。初期回転速度は、血液成分収集ブラダ536がフィラー挿入チャンバ492内に着座されるようになると共に全血1706を血液成分収集ブラダ536内へ引き込むことができるようにするべく、より遅くてもよい。このステップ1412中のアフェレーシスシステム200の状態は、
図17Iにおけるようになる。アフェレーシスシステム200の様々な構成要素の状態は、このステップ中、以下に示されるようになっている。
【0180】
【0181】
ステップ1416では、チャネル入口468、チャネル端部472、及び/又は、チャネル経路ジョグ476に隣接する血液成分収集ブラダ536の領域に全血1706がプライミングされる。カセットマイクロコントローラ1004は、戻しポンプ212の動作を停止させるが、ACポンプ216及び引き込みポンプ208を動作させ続ける。全血1706は、第1のチューブセクション368A、ドリップチャンバ354、及び/又は、第2のチューブセクション368Bを通じて押し進められる。ソフトカセット340から、全血1706は、可撓性ループ524を通じて血液成分収集ブラダ536内へと押し進められ、ブラダ自由端部540Bへと押し進められる。抗凝血剤ポンプ216は、抗凝血剤バッグ114からの抗凝血剤1702をドナー102から引き込まれる全血1706と混合させるように動作し続ける。アフェレーシスシステム200は、ステップ1416中に
図17Jに示されるようになる。アフェレーシスシステム200の様々な構成要素の状態は、このステップ中、以下に示されるようになっている。
【0182】
【0183】
チャネルのプライミングを知らせるために更なる通信がカセットマイクロコントローラ1004と遠心分離機マイクロコントローラ1008との間で行なわれる。これらの通信に応じて、遠心分離機マイクロコントローラ1008は、遠心分離機アセンブリ400のロータ・モータアセンブリ414に対して、より高い回転数(RPM)で回転又はスピンし始めるように指示する。
【0184】
ここで、ステップ1420を参照すると、カセットマイクロコントローラ1004は、全血1706からの血漿1704又は他の血液成分の最初の引き込みを実行し始める。カセットマイクロコントローラ1004は、抗凝血剤1702をカセット入口チューブ108Aに供給してドナー102からの全血1706と混合させるべくACポンプ216を動作させ続ける。さらに、カセットマイクロコントローラ1004は、全血1706を血液成分収集ブラダ536内へ移動させて血漿1704を全血1706から分離させるべく引き込みポンプ208を動作させ続ける。血漿1704の分離をもたらすために、カセットマイクロコントローラ1004は、引き込みステップが始まったことを遠心分離機マイクロコントローラ1008に知らせる。これらの通信に応じて、遠心分離機マイクロコントローラ1008は、
図17Kに示されるように、赤血球1708を血漿1704から分離させ始めるべく、より一層高い回転数(RPM)、例えば略5000RPMで回転又はスピンし始めるように遠心分離機アセンブリ400のロータ・モータアセンブリ414に指示する。引き込みポンプ208は、可撓性ループ524、システム固定ループコネクタ528を介して血漿1704をループ出口チューブ112内へと押し進め続ける。引き込みプロセス1420は、ある時点で、
図17Lに示されるように、全血1706から分離される血小板1710がラインセンサ812に到達するまで続き、ラインセンサ812は、血液成分収集ブラダ536内へ押し込まれた全血1706からの血漿1704の全量が抽出されたことをカセットマイクロコントローラ1004に信号で伝える。そして、カセットマイクロコントローラ1004がステップ1424へと移行する。アフェレーシスシステム200の様々な構成要素の状態は、このステップ中、以下に示されるようになっている。
【0185】
【0186】
血小板1710、赤血球、高ヘマトクリット血液、及び/又は、他の血液成分がラインセンサ812に到達し、その到達が流体の色の変化又は他の特性を観察するセンサ812によって決定されると、カセットマイクロコントローラ1004は、ステップ1426において、ドナー提供が完全であるかどうかを判定する。完全なドナー提供とは、必要とされる又は望まれる血漿1704の全量が引き込まれて血漿収集ボトル122に入れられたことを意味する。実施形態において、カセットマイクロコントローラ1004は、重量で又は容積で完全なドナー提供(例えば、880mL)が抽出されたかどうかを決定できる。この状況は、
図17Lに示され、この場合、血漿1704は、抽出されており、依然としてループ出口チューブ112内に存在し、血漿チューブ120を通じて血漿収集ボトル122に供給される。それが不完全なドナー提供である場合(すなわち、血漿収集ボトル122が所望の重量限界又は容積限界に到達していない場合)、プロセス1400がNOとなって戻しステップ1428に移行する。それが完全なドナー提供である場合、方法1400がYESとなって最後の戻しステップ1432へ移行する。
【0187】
図17Lに描かれる戻しステップ1428において、カセットマイクロコントローラ1004は、引き込みポンプ208に停止するように指示すると共に、反時計回りの動きで動作するように戻しポンプ212の方向を逆にして、血漿1704を血漿収集ボトル122から血漿チューブ120を通じてループ出口チューブ112へと押し進めてソフトカセット340へと向かわせる。カセットマイクロコントローラ1004は、引き込み流体制御弁320Cに閉鎖するようにさらに指示すると共に、第1の流体制御弁320A及び第2の流体制御弁320Bの両方を開放するようにさらに指示する。これらの構成変更により、血漿1704は、赤血球1708及び血小板1710をループ出口チューブ112、可撓性ループ524、血液成分収集ブラダ536からドリップチャンバ354を通じてドナー102へと押し出す。重要なことは、
図17Lにおいて分かるように、フィラー460は、この戻しステップ1428中、抽出速度、例えば5000RPMで回転し続けることである。システム200は、
図17Mに示されるように、血漿1704がセンサ808を通過してドリップチャンバ354に到達した可能性があると色/圧力センサ808が判定するまで赤血球1708をドナー102へと押し戻し続ける。その時点で、弁320B、320Aが再び閉鎖され、全血1706は、第1のバイパス分岐部358A、第2のバイパス分岐部358B、及び/又は、流体センサ316を通じて再び流れることができる。アフェレーシスシステム200の様々な構成要素の状態は、このステップ1428中、以下に示されるようになっている。
【0188】
【0189】
戻しステップ1428は、その後、第2の引き込みステップ1420へ移行する。新たな引き込みは、前述したステップ1420へと同様の態様で移行する。しかしながら、ドリップチャンバ354内に残存する高ヘマトクリット血液の部分がある。全血1706の新たな流れを第1のバイパス分岐部358A、第2のバイパス分岐部358B、及び/又は、流体センサ316を通じて移動させることにより、高ヘマトクリット血液の殆どが血液成分収集ブラダ536へ戻されず、赤血球からより多くの血漿1704を抽出することができない。従って、ソフトカセット340により与えられるバイパスは、第2の引き込みステップ1420及びその後の引き込みステップにおける全血1706からの血漿1704の除去をより効率的にする。
【0190】
戻しステップ1428及び継続する引き込みステップ1420は、何回か、繰り返される。最後の引き込みステップ1420が
図17Nに示される。
図17Nに示されるように、血漿収集ボトル122内の血漿1704は、所望の及び/又は最大の量、例えば880mLに達している。この時点で、ステップ1432では、最後の戻しが必要とされる。アフェレーシスシステム200の様々な構成要素の状態は、このステップ中、以下に示されるようになっている。
【0191】
【0192】
ステップ1432では、ドナー102から抽出された血漿1704の全量が血漿収集ボトル122内にあり、また、アフェレーシスシステム200は、残存する血漿1704を通じて、赤血球1708及び任意の他の血液成分をドナー102へと押し進めることができる。カセットマイクロコントローラ1004は、血漿流量制御弁286に対して、閉じるように指示し、血漿収集ボトル122内の血漿ドナー提供を維持する。戻しポンプ212は、反時計回りの回転で動作し続け、赤血球1708及び任意の血漿1704又は他の血液成分をドナー102へ押し戻す。
【0193】
最後の戻し1432の後又はその一環として、ステップ1436では、
図17Oに示されるように、生理食塩水1712がドナー102に戻されてもよい。このステップ1436において、カセットマイクロコントローラ1004は、生理食塩水流量制御弁288を開放して、第1の流体制御弁320A及び第2の流体制御弁320Aを開放したままにする。戻しポンプ212は反時計回り方向で動作し続ける。遠心分離機マイクロコントローラ1008は、フィラー460を回転しないように停止させる。生理食塩水バッグ118からの生理食塩水1712は、血液成分収集ブラダ536、ドリップチャンバ354、及び、様々なチューブを通じてドナー102に押し戻される。血液成分収集セット500内に残存する様々な血液成分は、幾らかの量の生理食塩水1712と共にドナー102へと押し戻される。生理食塩水1712は、ドナー102のための流体を補充するのに役立ち、幾つかの管轄で必要とされる。この生理食塩水1712の戻しは、生理食塩水バッグ118から出た生理食塩水1712の重量又は容積により決定される所定量の生理食塩水1712がユーザに供給されるまで続く。この時点で、
図17Oに示されるように、血漿ドナー提供は完全である。アフェレーシスシステム200の様々な構成要素の状態は、このステップ中、以下に示されるようになっている。
【0194】
【0195】
取り出し段階1216に記載されるような血漿及び血液成分収集セット500をアフェレーシスシステム200から取り外すための方法の実施形態は、本開示の実施形態に従って、
図15に示される。
図15には、方法1500のステップにおける一般的な順序が示される。一般に、方法1500は、開始工程1504から始まり、工程1528で終わる。方法1500は、これよりも多い又は少ないステップを含むことができ、或いは、
図15に示される順序とは異なってステップの順序を設定できる。方法1500は、コンピュータシステム、プロセッサ、カセットマイクロコントローラ1004、遠心分離機マイクロコントローラ1104、及び/又は、他の装置によって実行されてエンコードされる又はコンピュータ可読媒体に記憶されるコンピュータ実行可能命令のセットとして少なくとも部分的に実行され得る。他の形態において、方法1500は、ハードウェア装置においてもたらされる一連の構成要素、回路、ゲート等、例えばSOC、ASIC、及び/又は、FPGAによって少なくとも部分的に実行されてもよい。以下では、
図1~
図14と関連して説明したシステム、装置、弁、ポンプ、センサ、構成要素、回路、モジュール、ソフトウェア、データ構造、信号送信プロセス、モデル、環境、アフェレーシスシステム、方法等に関連して方法1500を説明するものとする。
【0196】
ステップ1508では、チャネルが真空引きされる。実施形態において、カセットマイクロコントローラ1004は、
図17Pに示されるように、引き込みポンプ208を反時計回り方向に動作させて、生理食塩水1712を血液成分収集ブラダ536と血液成分収集セット500の残りの部分とから略完全に推し出し続ける。ある時点で、血液成分及び/又は生理食塩水1712の略全量がドナー102に押し戻され、この場合、全てのポンプ216、208、212が動作を停止する。そして、流体制御弁320A、第1の流体制御弁320A、生理食塩水流量制御弁288、及び、任意の他の弁は、カセットマイクロコントローラ1004によって閉められる。この時点で、血液成分収集セット500内には微量の生理食塩水1712しか残存していない又は生理食塩水1712が全く残存していないはずである。アフェレーシスシステム200の状態は、
図17Qに示される。アフェレーシスシステム200の様々な構成要素の状態は、このステップ中、以下に示されるようになっている。
【0197】
【0198】
この時点で、ステップ1512では、
図17Rに示されるように、血液成分収集セット500をシールすることができる。血液成分収集セット500のシールは、ドナー102に通じるドナー供給チューブ104をクランプすること、及び、様々な場所でチューブを融着シールすることを含むことができる。
図17Rに示されるように、チューブが熱可塑性物質である場合は、シールは、チューブの融着で行われる。例えば、抗凝血剤チューブ110、生理食塩水チューブ116、血漿チューブ120(血漿流量制御弁286の上方)、及び、ドナー供給チューブ104は全て熱融着されて、ACバッグ114、血漿収集ボトル122、生理食塩水バッグ118、及び、ドナー102を血液成分収集セット500の残りの部分から分離する。アフェレーシスシステム200の様々な構成要素の状態は、このステップ中、以下に示されるようになっている。
【0199】
【0200】
この時点で、ステップ1516では、
図17Rに示されるように、針がドナー102から抜き去られる。アフェレーシスシステム200の様々な構成要素の状態は、このステップ中、以下に示されるようになっている。
【0201】
【0202】
ステップ1520では、血液成分収集セット500がアフェレーシスシステム200から取り外される。これは、
図13及び
図16と関連して記載された処置の少なくとも一部を逆にすることを伴う。アフェレーシスシステム200の様々な構成要素の状態は、このステップ中、以下に示されるようになっている。
【0203】
【0204】
取り外されると、使用済みの血液成分収集セット500を医療廃棄物として使い捨てできる。
図17Sに示されるように、血漿収集ボトル122が血漿チューブ120上でシールされてもよい。その結果、シール領域によって、任意の液体が血漿収集ボトル122、生理食塩水バッグ118、又は、抗凝血剤バッグ114から漏れ出すことを防止できる。そして、血漿が必要とされるあらゆる手順で、血漿収集ボトル122を取り外して使用することができる。残りの部材は医療廃棄物として廃棄されてもよく、
図17Tに示されるように、ステップ1524において、処置が完了される。アフェレーシスシステム200の様々な構成要素の状態は、このステップ中、以下に示されるようになっている。
【0205】
【0206】
アフェレーシスシステム200のフィラーへディスポーザブル品を挿入するための方法1600の実施形態は、本開示の実施形態に従って、
図16に示されるようになっていてもよい。
図16には、方法1600のステップにおける一般的な順序が示される。一般に、方法1600は、開始工程1604から始まり、工程1632で終わる。方法1600は、これよりも多い又は少ないステップを含むことができ、或いは、
図16に示される順序とは異なってステップの順序を設定できる。方法1600は、コンピュータシステム、プロセッサ、カセットマイクロコントローラ1004、遠心分離機マイクロコントローラ1104、及び/又は、他の装置によって実行されてエンコードされる又はコンピュータ可読媒体に記憶されるコンピュータ実行可能命令のセットとして少なくとも部分的に実行され得る。他の形態において、方法1600は、ハードウェア装置においてもたらされる一連の構成要素、回路、ゲート等、例えばSOC、ASIC、及び/又は、FPGAによって少なくとも部分的に実行されてもよい。以下では、
図1~
図15と関連して説明したシステム、装置、弁、ポンプ、センサ、構成要素、回路、モジュール、ソフトウェア、データ構造、信号送信プロセス、モデル、環境、アフェレーシスシステム、方法等に関連して方法1600を説明するものとする。
【0207】
ステップ1608では、アフェレーシスシステム200のフィラー460が用意される。フィラー460は、アフェレーシスシステム200の構成要素となることができ、血液成分収集セット500の少なくとも一部を受容するように構成される。実施形態において、フィラー460は、該フィラー460を含む上側ハウジング404Bの内部を露出させるべく回動する分割ハウジング回動軸406に装着される。ユーザは、上側ハウジング404Bを回動させて収集挿入チャネル466を露出させてもよく、或いは、幾つかの実施形態では、フィラー460は、モータ又は他の機械的な装置によって自動的に回動されてもよい。この回動及び/又は取り付けは、前述の
図4D~
図4F及び/又は
図6A~
図6Cと関連して記載されるようであってよい。
【0208】
ステップ1612では、血液成分収集ブラダ536を含む血液成分収集セット500が用意される。血液成分収集セット500は、パッケージに入れられ、パッケージから取り出される。ユーザは、血液成分収集ブラダ536を収集挿入チャネル466に挿入するために露出させる。これは、ブラダ自由端部540Bが収集挿入チャネル466のチャネル経路ジョグ476に位置されることと共にフィラーループコネクタ532がループ接続領域454に位置されることを確実にすることを含む。血液成分収集ブラダ536が適切に位置された状態で、ユーザは、
図5F~
図5Hに示されるように、ステップ1616において、血液成分収集ブラダ536を、略収集挿入チャネル466及びチャネル経路ジョグ476の形状に変形することができる。従って、ユーザは、血液成分収集ブラダ536を、収集挿入チャネル466の形状に適合する略円形形状又は任意の他の形状にできる。
【0209】
そして、ユーザは、ステップ1620において、
図5G~
図5Hに示されるように、血液成分収集ブラダ536のブラダ自由端部540Bを収集挿入チャネル466のチャネル経路ジョグ476に挿入した状態で、形状に合わせた血液成分収集ブラダ536をフィラー460の収集挿入チャネル466に挿入する。ユーザは、フィラー挿入チャンバ492内の略中心位置で血液成分収集ブラダ536を収集挿入チャネル466に挿入することができる。遠心力によって、血液成分収集ブラダ536は、自動的にフィラー挿入チャンバ492内の正しい位置に位置合わせされる。しかしながら、遠心力が血液成分収集ブラダ536に作用する際に位置決めされなければ、血液成分収集ブラダ536を収集挿入チャネル466から取り出すことができる。位置決めされた時点で、血液成分収集ブラダ536を所定位置に固定される。
【0210】
ステップ1624において、ユーザは、血液成分収集ブラダ536のフィラーループコネクタ532を収集挿入チャネル466のループ接続領域454に接続できる。ユーザがフィラーループコネクタ532をループ接続領域454にスナップ係合させることよって機械的な接続が行なわれてもよい。このとき、フィラー挿入チャンバ492の寸法及び物理的な特徴は、フィラーループコネクタ532がループ接続領域454内で安定した状態で、遠心分離機400の動作中に血液成分収集ブラダ536がフィラー挿入チャンバ492の中心に入り込むことができるようにする安定した位置に血液成分収集ブラダ536を保持できる。フィラー460の外部又は外側に残っている可撓性ループ524の部分をループ捕捉アーム416に装着できる。可撓性ループ524のこの装着によって、遠心分離機400の1ω/2ω作用を可能にする。
【0211】
可撓性ループ524が装着された後、ステップ1628において、上側ハウジング404Bが所定位置へ反転される。従って、フィラー460は、ヒンジ軸406(例えば、ヒンジ等)によってシステムハウジング204の内部へ回動されてもよい。そして、血液成分収集ループ520が遠心分離機分割ハウジング404のループアクセスクリアランス436を通過した状態で遠心分離機ハウジング404が回転される。血液成分収集ループ520がループ装填位置520Aに装着されると、
図4A~
図4Cと関連して記載されたように、血液成分収集ループ520の一部がループ格納ブラケット426によって部分的に収容され、保持され、及び/又は、支持される。アクセスパネル224は、システム200の動作を可能にする閉位置へ回動される。
【0212】
アフェレーシス方法及びシステムに関してこの開示の典型的なシステム及び方法を説明してきた。しかしながら、本開示を不必要に曖昧にするのを避けるため、先の説明は、多くの既知の構造及び装置を省略している。この省略は、特許請求の範囲に記載される開示内容の範囲を限定するものとして解釈されるべきでない。特定の詳細な記述は、本開示の理解を与えるために記載される。しかしながら、本開示が本明細書中に記載される特定の詳細な記述以外の様々な方法で実施されてもよいことが理解されるべきである。
【0213】
さらに、本明細書中に例示される典型的な態様、実施形態、及び/又は、構成は、配置されるシステムの様々な構成要素を示すが、システムの特定の構成要素は、LAN及び/又はインターネット等の分散型ネットワークの遠隔部で、又は、専用のシステム内で、遠隔的に位置決めされ得る。従って、システムの構成要素をカセットノード904及び遠心分離機ノード908等の1つ以上の装置へと組み合わせることができる、或いは、システムの構成要素をアナログ及び/又はデジタル遠隔通信ネットワーク、パケット-スイッチネットワーク、又は、回路交換ネットワーク等の分散型ネットワークの特定のノードに配置することができることが理解されるべきである。先の説明から、また、計算効率のため、システムの動作に影響を及ぼすことなくシステムの構成要素を構成要素の分散型ネットワーク内の任意の位置に配置できることが理解される。例えば、PBX及びメディアサーバ、ゲートウェイ等のスイッチ、1つ以上の通信装置、1つ以上のユーザの敷地、又は、これらの何らかの組み合わせに様々な構成要素を位置させることができる。同様に、システムの1つ以上の機能部を遠隔通信装置と関連するコンピュータ装置との間に配設することができる。
【0214】
さらに、要素を接続する様々なリンクが、有線リンク又は無線リンク、或いは、それらの任意の組み合わせ、或いは、接続された要素へ及び該要素からデータを供給及び/又は通信できる任意の他の既知の又は後に開発される要素であってもよいことが理解されるべきである。また、これらの有線リンク又は無線リンクは、安全なリンクとなり得ると共に、暗号化された情報を通信できてもよい。リンクとして使用される送信媒体は、例えば、同軸ケーブル、銅線、及び、光ファイバを含む電気信号に適した任意のキャリアであってもよく、また、例えば電波・赤外線データ通信中に生成されるような音波又は光波の形態を成してもよい。
【0215】
また、事象の特定のシーケンスに関してフローチャートを論じて例示してきたが、開示された実施形態、構成、及び、態様の動作に実質的に影響を及ぼすことなくこのシーケンスに対する変更、追加、及び、省略を行なうことができることが理解されるべきである。
【0216】
本開示の多くの変形及び修正を使用できる。本開示の幾つかの特徴を他の特徴を与えることなく提供できる。
【0217】
更なる他の実施形態において、この開示のシステム及び方法は、専用コンピュータ、プログラムされたマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ及び周辺集積回路素子、ASIC又は他の集積回路、デジタル信号プロセッサ、ハード・ワイヤード電子機器又は個別素子回路等の論理回路、プログラマブル論理デバイス又はゲートアレイ、例えばPLD、PLA、FPGA、PAL、専用コンピュータ、任意の同等の手段等と関連して実施され得る。一般に、本明細書中に示される方法論を実施できる任意の装置又は手段は、この開示の様々な態様を実施するために使用され得る。開示された実施形態、構成、及び、態様のために使用され得る典型的なハードウェアとしては、コンピュータ、携帯装置、電話(例えば、携帯電話、インターネット使用可能、デジタル、アナログ、ハイブリッド等)、及び、当該技術分野において知られる他のハードウェアが挙げられる。これらの装置の一部は、プロセッサ(例えば、単一又は複数のマイクロプロセッサ)、メモリ、不揮発性記憶装置、入力装置、及び、出力装置を含む。さらに、分散処理又はコンポーネント/オブジェクト分散処理、並列処理、又は、バーチャルマシン処理を含むがこれらに限定されない他のソフトウェア実装を、本明細書中に記載される方法を実施するように構築することもできる。
【0218】
更なる他の実施形態において、開示された方法は、様々なコンピュータ又はワークステーションプラットフォームで使用され得るポータブルソースコードを与えるオブジェクト又はオブジェクト指向ソフトウェア開発環境を使用するソフトウェアと関連して容易に実施され得る。或いは、開示されたシステムは、標準的な論理回路又はVLSI設計を使用するハードウェアで部分的に又は完全に実施され得る。この開示に係るシステムを実装するためにソフトウェア又はハードウェアが使用されるかどうかは、システムの速度要件及び/又は効率要件、特定の機能、及び、利用されている特定のソフトウェア又はハードウェアシステム又はマイクロプロセッサ又はマイクロコンピュータシステムに依存する。
【0219】
更なる他の実施形態において、開示された方法は、記憶媒体に記憶されて、コントローラ及びメモリの協働を伴ってプログラムされた汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ等で実行され得るソフトウェアにおいて部分的に実装されてもよい。これらの場合、この開示のシステム及び方法は、アプレット、JAVA(登録商標)又はCGIスクリプト等のパーソナルコンピュータに組み込まれるプログラムとして、サーバ又はコンピュータワークステーションに存在するリソースとして、専用の測定システム、システムコンポーネントに組み込まれるルーチン等として実装され得る。また、システムは、システム及び/又は方法をソフトウェア及び/又はハードウェアシステムに物理的に組み込むことによっても実装され得る。
【0220】
本開示は、特定の標準規格及びプロトコルに関連する態様、実施形態、及び/又は、構成で実装される構成要素及び機能について記載するが、態様、実施形態、及び/又は、構成は、そのような標準規格及びプロトコルに限定されない。本明細書中で言及されない他の同様の標準規格及びプロトコルが存在しており、これらは本開示に含まれると見なされる。さらに、本明細書中で言及される標準規格及びプロトコル並びに本明細書中で言及されない他の同様の標準規格及びプロトコルは、定期的に、略同じ機能を有するより速い又はより効果的な等価物に取って代えられる。同じ機能を有するそのような代替的標準規格及びプロトコルは、本開示に含まれる等価物であると見なされる。
【0221】
様々な態様、実施形態、及び/又は、構成の本開示は、様々な態様、実施形態、構成実施形態、サブコンビネーション、及び/又は、そのサブセットを含めて、実質的に図示されて本明細書中に記載される構成要素、方法、プロセス、システム、及び/又は、機器を含む。当業者は、本開示を理解した後に開示された態様、実施形態、及び/又は、構成を作り出して使用する方法を理解できる。様々な態様、実施形態、及び/又は、構成の本開示は、例えば、性能を向上させる、容易さを得る、及び/又は、実施コストを低減するために、先の装置又はプロセスで使用され得たような項目の不存在下を含めて、図示しない及び/又は本明細書中に記載されない項目の不存在下で或いはその様々な態様、実施形態、及び/又は、構成で装置及びプロセスを提供することを含む。
【0222】
以上の説明は、例示及び説明の目的で与えられてきた。以上の説明は、本明細書中に開示される1つ又は複数の形態に開示内容を限定しようとするものではない。例えば前述の詳細な説明では、開示を簡素化する目的で、本開示の様々な特徴が1つ以上の態様、実施形態、及び/又は、構成で一緒にまとめられる。本開示の態様、実施形態、及び/又は、構成の特徴は、前述したもの以外の代わりの態様、実施形態、及び/又は、構成で組み合わされてもよい。開示のこの方法は、特許請求項が各請求項に明示的に列挙されるより多くの特徴を必要とするという意図を反映するものと解釈されるべきでない。むしろ、以下の特許請求項が反映するように、発明の態様は、前述の単一の開示された態様、実施形態、及び/又は、構成の全ての特徴よりも少ない特徴にある。従って、それにより、以下の特許請求項はこの詳細な説明に組み入れられ、各請求項は、本開示の別個の好ましい実施形態としてそれ自体存在する。
【0223】
さらに、明細書本文は、1つ以上の態様、実施形態、及び/又は、構成、及び、特定の変形及び修正の説明を含んできたが、他の変形、組み合わせ、及び、修正は、本開示を理解した後に、本開示の範囲内であり、例えば、当業者の技能及び知識の範囲内となり得る。それは、特許請求の範囲に記載されるものに代わる置き換え可能な及び/又は等価な構造、機能、範囲又はステップを含めて、そのような代わりの置き換え可能な及び/又は等価な構造、機能、範囲又はステップが本明細書中に開示されるか否かにかかわらず、及び、任意の特許可能な主題を公然と使用しようとすることなく、他の態様、実施形態、及び/又は、構成を含む権利を許される程度まで得ようとするものである。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体ラインループを遠心分離機アセンブリに自動的に装着するための方法であって、該方法は、
前記流体ラインループを第1の端部で前記遠心分離機アセンブリの流体分離本体に対して取り付けるステップと、
前記流体分離本体を前記遠心分離機アセンブリのハウジングに対して第1の回転方向に回転させるステップであって、前記流体分離本体を回転させることにより、前記流体ラインループを前記ハウジングに対して回転させて前記ハウジングの一部に取り付けられたループアームのチャネルへ案内するステップと、
を含み、
前記チャネルは、前記ループアームに取り付けられたベアリングセットに配置されたベアリングを含み、前記遠心分離機アセンブリが回転する際に前記ベアリングが前記流体ラインループを前記ハウジングに対して所定位置に保持する、ステップと、
を含む方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、
前記流体ラインループが前記チャネル内で前記ハウジングに対して前記所定位置で回転する際に、前記ベアリングは、前記流体ラインループの一部と接触する、
方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の方法において、
遠心分離機ハウジングは、回転軸を中心に第1の角速度で前記第1の回転方向に回転し、前記流体分離本体は、前記流体ラインループにより与えられるねじれ力により、前記回転軸を中心に異なる第2の角速度で回転させられる、
方法。
【請求項4】
請求項3記載の方法において、
前記第2の角速度は、前記第1の角速度の略2倍である、
方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の方法において、
前記流体ラインループは、前記流体分離本体内に少なくとも部分的に配置される使い捨て可能な流体分離ブラダに対して物理的に且つ流体的に取り付けられる、
方法。
【請求項6】
請求項3記載の方法において、
前記流体ラインループの第2の端部をアフェレーシス装置の回転方向で固定されるポイントに取り付けるステップと、
前記アフェレーシス装置のロータ・モータアセンブリを介して、前記回転軸を中心に、前記アフェレーシス装置の前記回転方向で固定されるポイントに対して前記遠心分離機アセンブリを回転させるステップと、
をさらに含む方法。
【請求項7】
流体をソフトカセットに通過させて移動させるための方法において、該方法は、
カセット入口チューブに流体接続される第1のカセットポートと、
ループ入口チューブに流体接続される第2のカセットポートと、
前記第1のカセットポート及び前記第2のカセットポートに流体接続される直流管腔と、
前記直流管腔を通過する流体が通過するように前記直流管腔内に相互配置されるドリップチャンバと、
内部を流れる流体が前記ドリップチャンバを迂回するように、前記第1のカセットポートと前記ドリップチャンバとの間で前記第1のカセットポートに隣接して前記直流管腔に流体接続されると共に、前記第2のカセットポートと前記ドリップチャンバとの間で前記第2のカセットポートに隣接して前記直流管腔に流体接続される流体流れバイパス経路と、
を備える、ソフトカセットを用意するステップを有し、
該方法は、
全血をドナーから引き込む場合、
前記カセット入口チューブに流体接続される前記第1のカセットポートで前記カセット入口チューブから全血を受容するステップと、
前記流体流れバイパス経路を通じて全血を前記第2のカセットポートへ移動させるステップと、
全血が前記直流管腔を通じて移動することを防止するステップと、
を有し、
該方法は、
赤血球を前記ドナーへ戻す場合、
前記ループ入口チューブに流体接続される前記第2のカセットポートで前記ループ入口チューブから赤血球を受容するステップと、
前記直流管腔及び前記ドリップチャンバを通じて赤血球を前記第1のカセットポートへ移動させるステップと、
赤血球が前記流体流れバイパス経路を通じて移動することを防止するステップと、
を有する、
方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法において、
次の引き込みで流体を前記ドナーから引き込むときに、前記直流管腔を通じて前記ドナーへ前回送られた流体の一部は、赤血球を前記ドナーに戻すときに、全血が前記流体流れバイパス経路を再び通過する際、前記ドリップチャンバ内に保持されている、
方法。
【外国語明細書】