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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002345
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】動力伝達装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 49/00 20060101AFI20231228BHJP
【FI】
F16H49/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101469
(22)【出願日】2022-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】山本 泰三
(72)【発明者】
【氏名】三成 貴浩
(72)【発明者】
【氏名】中川 博貴
(57)【要約】
【課題】動力を壁体を挟んで伝達することができ、かつ、高い動力伝達性能を有する動力伝達装置を提供する。
【解決手段】動力伝達装置(1)は、壁体(10)と、磁気変調ギヤ(20)とを備え、磁気変調ギヤの一部の要素が前記壁体に位置する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁体と、磁気変調ギヤとを備え、前記磁気変調ギヤの一部の要素が前記壁体に位置する動力伝達装置。
【請求項2】
前記磁気変調ギヤは、第1極対数を有する少極磁石と、前記第1極対数よりも大きな第2極対数を有する多極磁石と、周方向に沿って周期的な磁気抵抗の変化を有する変調子リングと、を有し、
前記少極磁石、前記多極磁石、又は、前記変調子リングが前記壁体に位置する、
請求項1記載の動力伝達装置。
【請求項3】
前記少極磁石、前記多極磁石又は前記変調子リングの3つの要素のうちの第1要素が前記壁体に位置し、
前記3つの要素のうちの第2要素と第3要素とが前記壁体を挟んだ一方と他方とにそれぞれ位置する、
請求項2記載の動力伝達装置。
【請求項4】
前記磁気変調ギヤは、動力の入力側から、前記少極磁石、前記変調子リング、前記多極磁石の順番で並ぶ、
請求項3記載の動力伝達装置。
【請求項5】
前記磁気変調ギヤは、前記少極磁石又は前記多極磁石が前記壁体に位置し、
前記変調子リングが、前記壁体を挟んだ一方に位置する
請求項3記載の動力伝達装置。
【請求項6】
前記壁体は、前記壁体を挟んだ一方から他方への液体又は気体の通過を遮る隔壁である、
請求項1記載の動力伝達装置。
【請求項7】
前記壁体は、円周に沿って複数の凹凸を有する磁性体であり、
前記複数の凹凸が前記変調子リングである、
請求項2記載の動力伝達装置。
【請求項8】
前記壁体は、非磁性体であり、前記少極磁石、前記多極磁石、又は、前記変調子リングが埋め込まれている、あるいは、前記少極磁石、前記多極磁石、又は、前記変調子リングが固定されている、
請求項2記載の動力伝達装置。
【請求項9】
前記少極磁石、前記多極磁石及び前記変調子リングが、前記磁気変調ギヤの回転軸に沿った方向に並ぶ、
請求項2記載の動力伝達装置。
【請求項10】
前記壁体は、円筒状の筒部を有し、
前記少極磁石、前記多極磁石又は前記変調子リングが前記筒部、又は、前記筒部の外面又は内面に対向するように配置され、
前記少極磁石、前記多極磁石及び前記変調子リングが、前記磁気変調ギヤの径方向に並ぶ、
請求項2記載の動力伝達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力伝達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から特許文献5には、マグネットカップリングを利用して隔壁を挟んだ一方から他方へ動力を伝達する装置が示されている。
【0003】
具体的には、特許文献1には、通常空間に設けられたモータから冷凍機の冷媒通路や真空槽内へ動力を伝達する装置が示されている。特許文献2には、真空チャンバの外から内へ回転動力を伝達し、真空チャンバ内で試料容器の保持機構を回転駆動する装置が示されている。
【0004】
特許文献3には、真空室で基板を搬送する装置において、大気中の駆動マグネットから隔壁部を介して搬送ローラの駆動力を伝達する装置が示されている。特許文献4には、プラントにおいて水槽外に配置されたモータから水槽内のインペラに回転動力を伝達する装置が示されている。特許文献5には、スクリュー圧縮機又はポンプにおいて隔壁外に配置されたモータから隔壁内の回転軸に回転動力を伝達する装置が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4247099号公報
【特許文献2】特許第6475062号公報
【特許文献3】特開2008-4898号公報
【特許文献4】特開2012-229681号公報
【特許文献5】特開2019-199891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の隔壁を介した動力伝達装置では動力の伝達性能が低いという課題がある。本発明は、動力を壁体を挟んで伝達することができ、かつ、高い動力伝達性能を有する動力伝達装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る動力伝達装置は、
壁体と、磁気変調ギヤとを備え、前記磁気変調ギヤの一部の要素が前記壁体に位置する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、磁気変調ギヤにより壁体を介して動力を伝達することができる。そして、磁気変調ギヤにより高い動力伝達性能が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態1に係る動力伝達装置を示す図であり、(A)は動力伝達装置の縦断面図、(B)は(A)のA-A線断面図である。
図2】実施形態1と比較例の特性を示すグラフであり、(A)は伝達トルク比率を示し、(B)はモータの体積比率を示す。
図3】実施形態2に係る動力伝達装置を示す図であり、(A)は動力伝達装置の縦断面図、(B)は(A)のA-A線断面図である。
図4】実施形態3に係る動力伝達装置を示す図であり、(A)は動力伝達装置の縦断面図、(B)は(A)のA-A線断面図である。
図5】実施形態7~9に係る動力伝達装置を示す縦断面図である。
図6】実施形態13に係る動力伝達装置を示す図であり、(A)は動力伝達装置の縦断面図、(B)は(A)のA-A線断面図である。
図7】実施形態14に係る動力伝達装置を示す縦断面図である。
図8図7の壁体及び変調子リングを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る動力伝達装置を示す図であり、(A)は動力伝達装置の縦断面図、(B)は(A)のA-A線断面図である。以下では、動力伝達装置1の回転軸Axに沿った方向を軸方向、回転軸Axに直交する方向を径方向、回転軸Axを中心とする回転方向を周方向と呼ぶ。
【0012】
<構成>
実施形態1に係る動力伝達装置1は、壁体10を挟んだ一方から他方へ動力を伝達する装置である。動力伝達装置1は、壁体10と磁気変調ギヤ20とを備える。
【0013】
磁気変調ギヤ20は、少極磁石21と、多極磁石22と、複数の磁極片23とを備える。以下、これらを、磁気変調ギヤ20の「3つの要素」とも呼ぶ。複数の磁極片23は、本発明に係る変調子リングの一例に相当する。上記3つの要素の各々は、周方向に連なる環状の構成、又は、周方向に並ぶ環状の構成を有する。3つの要素は、所定方向に順に並び、隣り合う2つの要素は当該所定方向に対向する。以下、当該方向のことを「対向方向」と呼ぶ。図1の実施形態1において、対向方向は径方向であり、磁気変調ギヤ20の3つの要素は、内周側から外周側へ、少極磁石21、複数の磁極片23及び多極磁石22の順で並ぶ。
【0014】
磁気変調ギヤ20は、磁力を用いて動力を伝達するギヤであり、極対数が異なる2列の磁石を備え、回転数及びトルクを変化させて動力を伝達する。
【0015】
少極磁石21は、環状の磁石(例えば永久磁石)であり、周方向において所定間隔ごとに磁極の向きが反転している。各磁極は上述した対向方向を向く。周方向において隣り合う1つのN極と1つのS極との組合せを「極対」と呼ぶ。少極磁石21の極対数はNiである。「Ni」は自然数であり、本発明に係る「第1極対数」に相当する。図1では、Ni=4である。
【0016】
多極磁石22は、環状の磁石(例えば永久磁石)であり、周方向において所定間隔ごとに磁極の向きが反転している。各磁極は上述した対向方向を向く。多極磁石22の極対数はNoであり、少極磁石21の極対数(Ni)よりも多い。「No」は自然数であり、本発明に係る「第2極対数」に相当する。図1では、No=13である。
【0017】
複数の磁極片23は、磁性体(例えば鉄系部材)であり、周方向において間隔を開けて並ぶ。周方向において、磁極片23が位置する箇所の磁気抵抗は低く、磁極片23が位置しない箇所(間隔の部分)の磁気抵抗は高い。すなわち、複数の磁極片23が間隔を開けて並んだ構成は、周方向に沿って周期的に磁気抵抗が変化する構成となる。複数の磁極片23が並んだ構成は、Np個の磁気抵抗の周期的な変化を有する。「Np」は自然数である。図1では、Np=17である。Npは「No+Ni」に設定されてもよい。あるいは、Npは「No-Ni」に設定されてもよい。
【0018】
磁気変調ギヤ20の一部の要素は、壁体10に位置する。実施形態1では、複数の磁極片23が壁体10に固定されている。壁体10は、非磁性体であり、磁極片23は、壁体10に埋め込まれていてもよい。
【0019】
少極磁石21の径方向内側には環状のヨーク31が設けられてもよい。少極磁石21及びヨーク31は、第1回転軸41に固定されている。第1回転軸41は、軸受51を介して枠体52に回転可能に支持されている。軸受51は、転がり軸受、すべり軸受、流体軸受など、様々な種類の軸受であってもよい。
【0020】
多極磁石22の径方向外側には環状のヨーク32が設けられてもよい。多極磁石22及びヨーク32は、第2回転軸42に固定されている。第2回転軸42は、軸受53を介して枠体54に回転可能に支持されている。軸受53は、転がり軸受、すべり軸受、流体軸受など、様々な種類の軸受であってもよい。
【0021】
第1回転軸41及び枠体52と、第2回転軸42及び枠体54とは、壁体10を挟んだ一方と他方とにそれぞれ配置されている。
【0022】
壁体10は、上記の磁気変調ギヤ20の配置を可能とするため、一部が円筒状に突出した筒部を有する。そして、複数の磁極片23は、筒部に位置する。更に、第2回転軸42は、一部の径が大きく広がりかつ内部が空洞の筒部を有する。そして、多極磁石22は筒部に位置する。そして、壁体10の筒部の径方向内方に第1回転軸41に固定された少極磁石21が位置し、第2回転軸42の筒部が壁体10の筒部の径方向外方に間隔を開けて配置される。すなわち、少極磁石21と多極磁石22とがそれぞれ筒部の内面と外面とに対向するように配置される。このような構造により、少極磁石21、多極磁石22及び複数の磁極片23を、径方向に対向させつつ、径方向に順に並べることができる。
【0023】
壁体10は、当該壁体10を挟んだ一方と他方との間で、気体又は液体の通過を遮る隔壁であってもよい。すなわち、壁体10は、容器の一部を構成していてもよい。壁体10を挟んだ一方の空間(「第1空間」と呼ぶ)と他方の空間(「第2空間」と呼ぶ)とで物理的な性質(圧力、温度、相状態、等々)又は化学的な性質(空間内の気相物質又は液相物質の組成等)が異なっていてもよい。第2空間が動力を発生させることが難しい性質を有し、第1空間が動力を発生させることが容易な性質を有し、さらに、第2空間において動力を要する場合がある。このような場合に、動力伝達装置1は、第1空間において容易に発生させた動力を、第2空間に伝達することができる。なお、壁体10は、必ずしも、空間自体を遮る構成である必要はなく、上記の第1空間と第2空間とは壁体10から外れた箇所で連通していてもよい。さらに、壁体10は、小さな孔を有し、流体を遮るのではなく、流体の流れを弱める作用を及ぼす構成であってもよい。
【0024】
第1回転軸41は、モータ15に連結され、磁気変調ギヤ20に動力を入力する駆動軸である。第1回転軸41は、モータ15に直接に連結されず、他の伝達機構を介してモータ15に接続されていてもよい。第2回転軸42は第1回転軸41からトルクが伝達されて回転する従動軸である。第2回転軸42には、駆動対象が連結されているか、あるいは、駆動対象が他の動力伝達機構を介して接続されている。駆動対象としては、例えばインペラ、試料の保持枠、ラックアンドピニオンのピニオン等々、様々な構成が適用されてもよい。すなわち、動力伝達装置1は、水槽内の撹拌層のポンプに動力を伝達する構成、半導体製造装置において外部から真空チャンバー内に動力を伝達する構成などに適用されてもよい。
【0025】
<動作>
モータ15が駆動すると、回転動力が伝達されることで少極磁石21が回転軸Axを中心に回転する。すると、少極磁石21の回転磁束が、複数の磁極片23を通過することで、複数の磁極片23の反対側(磁極片23と多極磁石22との間のギャップ)において、多極磁石22の極対数と同一波数の波形成分を含んだ空間磁束に変調される。そして、当該空間磁束と多極磁石22の磁束とが相互作用することで、多極磁石22にトルクが伝達され、多極磁石22が少極磁石21よりも低い回転速度で回転する。すなわち、第1回転軸41から第2回転軸42へトルクが増幅されて伝達され、第1回転軸41よりも低い回転速度で第2回転軸42が回転する(減速運転)。このときのギヤ比は「-No/Ni」である。
【0026】
なお、モータ15が第2回転軸42に連結され、第2回転軸42から磁気変調ギヤ20を介して第1回転軸41に回転動力が伝達されてもよい。この場合、第2回転軸42よりも高い回転速度で第1回転軸41が回転し(増速運転)、ギヤ比は「-Ni/No」となる。
【0027】
以上のように、実施形態1の動力伝達装置1によれば、壁体10を挟んだ一方から他方へ動力を伝達することができる。さらに、磁気変調ギヤ20を介して回転運動を伝達するため、マグネットカップリングを用いた従来の構成(特許文献1~5を参照)と比較して、大きなトルクの伝達が可能である。さらに、別途、減速装置を付加しなくても、磁気変調ギヤ20で増幅したトルクを伝達できる。さらに、小型のモータ15でも磁気変調ギヤ20がトルクを増幅し伝達できるので、伝達トルクを抑制することなく動力伝達装置1の総合的な体積のコンパクト化を図ることができる。
【0028】
さらに、マグネットカップリングを用いた従来の構成(特許文献1~5を参照)では、駆動軸と従動軸との間の結合力が、壁体10の磁気抵抗により弱まるので、壁体10を厚くすることが困難である。また、強度の高い金属系の材料を壁体10に適用すると、マグネットカップリングを用いた従来の構成では、壁体10に渦電流が発生し、伝達トルク及び効率が低下してしまう。したがって、上記従来の構成では、壁体10の強度を確保することが困難である。一方、実施形態1の動力伝達装置1によれば、壁体10が厚くても、磁極片23が磁束を通すので、大きなトルクの伝達が可能である。例えば、壁体10の厚さに応じて、各磁極片23の厚さを大きくすればよい。さらに、壁体10を厚くして壁体10の強度を容易に確保できることから、壁体10の強度確保のために渦電流が発生しやすい金属系の材料を使う必要もない。したがって、実施形態1の動力伝達装置1によれば、上記従来の構成と比較して、壁体10の強度確保が容易であり、かつ、大きなトルク伝達、並びに、高効率な動力伝達が可能となる。
【0029】
ここで、実施形態1の動力伝達装置1を適用した場合と、比較例の動力伝達装置を適用した場合とについて定量的に比較する。図2は、実施形態1と比較例の特性を示すグラフであり、(A)は伝達トルク比率を示し、(B)はモータの体積比率を示す。各グラフの縦軸は、基準値に対する比率を示す。ここで、「比較例の動力伝達装置」とは、壁体10に磁極片23を設けず、壁体10を挟んだ一方と他方とに同一磁極数の回転磁石を配置した装置、すなわち、マグネットカップリングを介してトルクを伝達する装置に相当する。
【0030】
実施形態1の動力伝達装置1によれば、図2(A)に示すように、比較例よりも大きなトルクを伝達することができ、かつ、図2(B)に示すように、比較例よりも顕著に小さなモータ15を採用することができる。なお、図2(A)、(B)のグラフは、伝達トルクをほぼ同等にした場合の構成を比較した例である。
【0031】
(実施形態2)
図3は、実施形態2に係る動力伝達装置を示す図であり、(A)は動力伝達装置の縦断面図、(B)は(A)のA-A線断面図である。
【0032】
実施形態2の動力伝達装置1Aは、磁気変調ギヤ20A、20Bの3つの要素(少極磁石21、多極磁石22及び複数の磁極片23)の並び順が、主に、実施形態1と異なる。加えて、上記3つの要素のうち、回転する要素と壁体10に固定される要素とが、実施形態1と異なる。
【0033】
すなわち、実施形態2の磁気変調ギヤ20Aは、内周側から外周側にかけて、少極磁石21、多極磁石22、複数の磁極片23が、この順で並ぶ。そして、多極磁石22が壁体10に固定され、複数の磁極片23が第2回転軸42に固定されている。少極磁石21は、実施形態1と同様に、ヨーク31を介して第1回転軸41に固定されている。
【0034】
壁体10は、非磁性体であり、多極磁石22は、壁体10に埋め込まれていてもよい。壁体10が磁性体であると、磁気変調ギヤ20Aの機能として要求される磁束の流れが乱れてしまうが、壁体10が非磁性体であることで、上記のような磁束の乱れを抑制できる。
【0035】
当該構成によっても、モータ15が駆動して少極磁石21が回転軸Axを中心に回転することで、少極磁石21の回転磁束が多極磁石22をまたいで複数の磁極片23に作用する。そして、複数の磁極片23と多極磁石22との間のギャップに、多極磁石22の極対数と同一波数の波形成分を含んだ空間磁束を発生させる。そして、当該空間磁束と壁体10の多極磁石22とが相互作用することで、多極磁石22から複数の磁極片23にトルクが伝達され、複数の磁極片23が少極磁石21よりも低い回転速度で回転する。すなわち、第1回転軸41から第2回転軸42へトルクが増幅されて伝達され、第1回転軸41よりも低い回転速度で第2回転軸42が回転する(減速運転)。このときのギヤ比は「Np/Ni」である。
【0036】
なお、モータ15が第2回転軸42に連結され、第2回転軸42から磁気変調ギヤ20Aを介して第1回転軸41に回転動力が伝達されてもよい。この場合、第2回転軸42よりも高い回転速度で第1回転軸41が回転し(増速運転)、ギヤ比は「Ni/Np」となる。
【0037】
実施形態2の動力伝達装置1Aによれば、壁体10を挟んだ一方の空間に複数の磁極片23を配置できる。したがって、上記一方の空間の性質と磁石との適性が低い場合に、当該一方の空間から、少極磁石21と多極磁石22とを離して配置できる。例えば、磁石は、水素あるいは高温媒体により性質が劣化することがある。具体的には、ネオジウム磁石は水素に弱い。したがって、壁体10を挟んだ一方の空間が水素又は高温媒体を多く含むような場合、当該空間に配置される要素を複数の磁極片23とすることで、信頼性の高い動力伝達を実現できるという効果が得られる。
【0038】
(実施形態3)
図4は、実施形態3に係る動力伝達装置を示す図であり、(A)は動力伝達装置の縦断面図、(B)は(A)のA-A線断面図である。
【0039】
実施形態3の動力伝達装置1Bは、磁気変調ギヤ20A、20Bの3つの要素(少極磁石21、多極磁石22及び複数の磁極片23)の並び順が、主に、実施形態1と異なる。加えて、上記3つの要素のうち、回転する要素と壁体10に固定される要素とが、実施形態1と異なる。
【0040】
すなわち、実施形態3の磁気変調ギヤ20Bは、内周側から外周側にかけて、複数の磁極片23、少極磁石21、多極磁石22が、この順で並ぶ。そして、少極磁石21が壁体10に固定され、複数の磁極片23が第1回転軸41に固定されている。多極磁石22は、実施形態1と同様にヨーク32を介して第2回転軸42に固定されている。
【0041】
壁体10は、非磁性体であり、少極磁石21は、壁体10に埋め込まれていてもよい。壁体10が磁性体であると、磁気変調ギヤ20Bの機能として要求される磁束の流れが乱れてしまうが、壁体10が非磁性体であることで、上記のような磁束の乱れを抑制できる。
【0042】
当該構成によっても、モータ15が駆動して複数の磁極片23が回転軸Axを中心に回転することで、少極磁石21の磁束を受けた複数の磁極片23の回転運動により、複数の磁極片23の外周側に多極磁石22の極対数と同一波数の波形成分を含んだ空間磁束を発生させる。そして、当該空間磁束が少極磁石21をまたいで多極磁石22に作用することで、多極磁石22にトルクが伝達され、多極磁石22が複数の磁極片23よりも低い回転速度で回転する。すなわち、第1回転軸41から第2回転軸42へトルクが伝達され、第1回転軸41よりも高い回転速度で第2回転軸42が回転する(増速運転)。このときのギヤ比は「-No/Np」である。なお、Np=No-Niの設定では、減速運転となり、第1回転軸41よりも低い回転速度で第2回転軸42が回転する。
【0043】
なお、モータ15が第2回転軸42に連結され、第2回転軸42から磁気変調ギヤ20Bを介して第1回転軸41に回転動力が伝達されてもよい。この場合、第2回転軸42よりも低い回転速度で第1回転軸41が回転し(減速運転)、ギヤ比は「-Np/No」となる。なお、Np=No-Niの設定では、増速運転となり、第2回転軸42よりも高い回転速度で第1回転軸41が回転する。
【0044】
実施形態3の動力伝達装置1Bによれば、壁体10を挟んだ一方の空間に複数の磁極片23を配置できる。したがって、上記一方の空間の性質と磁石との適性が低い場合に、当該一方の空間から、少極磁石21と多極磁石22とを離して配置できる。例えば、磁石は、水素あるいは高温媒体により性質が劣化することがある。具体的には、ネオジウム磁石は水素に弱い。したがって、壁体10を挟んだ一方の空間が水素又は高温媒体を多く含むような場合、当該空間に配置される要素を複数の磁極片23とすることで、信頼性の高い動力伝達を実現できるという効果が得られる。
【0045】
なお、図示は省略するが、磁気変調ギヤの3つの要素(少極磁石21、多極磁石22及び複数の磁極片23)の並び順は、上記の例に限られず、次の[構成表1]の各行に示す並び順であってもよい。すなわち、上記3つの要素のうち、いずれか1つである第1要素が壁体10に位置し、残りの第2要素と第3要素とが壁体10を挟んだ一方と他方とにそれぞれ位置するように並んでもよい。[構成表1]のタイプ1~3が、上述した実施形態1~3にそれぞれ対応する。
【0046】
【表1】
【0047】
(実施形態4)
図示を省略するが、実施形態4の磁気変調ギヤは、上記構成表1のタイプ4に示すように、内周側から外周側にかけて、複数の磁極片23、多極磁石22、少極磁石21が、この順で並ぶ。そして、多極磁石22が壁体10に固定され、複数の磁極片23が第1回転軸41に固定され、少極磁石21が第2回転軸42に固定されている。
【0048】
実施形態4の動力伝達装置によれば、変速比をNi/Npにすることができる。
【0049】
(実施形態5)
図示を省略するが、実施形態5の磁気変調ギヤは、上記構成表1のタイプ5に示すように、内周側から外周側にかけて、多極磁石22、複数の磁極片23、少極磁石21が、この順で並ぶ。そして、複数の磁極片23が壁体10に固定され、多極磁石22が第1回転軸41に固定され、少極磁石21が第2回転軸42に固定されている。
【0050】
実施形態5の動力伝達装置によれば、変速比を-Ni/Noにすることができる。
【0051】
(実施形態6)
図示を省略するが、実施形態6の磁気変調ギヤは、上記構成表1のタイプ5に示すように、内周側から外周側にかけて、多極磁石22、少極磁石21、複数の磁極片23が、この順で並ぶ。そして、少極磁石21が壁体10に固定され、多極磁石22が第1回転軸41に固定され、複数の磁極片23が第2回転軸42に固定されている。
【0052】
実施形態6の動力伝達装置によれば、変速比を-Np/Noにすることができる。
【0053】
以上のように、実施形態1~実施形態6の動力伝達装置によれば、磁気変調ギヤの3つの要素の並び順を適宜選定することで、要求されるトルク又は動力に合わせた変速比を適用できるなど、動力の高い伝達性能が得られる。また、実施形態2、3、4、6のように、壁体10を挟んだ一方の空間又はもう一方の空間に複数の磁極片23が配置される構成によれば、当該空間内の性質と磁石との適性が低い場合に対応して、当該空間から少極磁石21又は多極磁石22を離して配置することができる。したがって、上記のような空間を対象とする場合でも、実施形態の動力伝達装置を適用できる。例えば、磁石は、水素あるいは高温媒体により性質が劣化することがある。具体的には、ネオジウム磁石は水素に弱い。したがって、壁体10を挟んだ一方の空間が水素又は高温媒体を多く含むような場合、当該空間に配置される要素を複数の磁極片23とすることで、信頼性の高い動力伝達を実現できるという効果が得られる。
【0054】
(実施形態7~9)
図5(A)~(C)は、実施形態7~9に係る動力伝達装置を示す縦断面図である。当該図は、動力伝達装置1C~1Eの回転軸Axに沿った縦断面を示す。
【0055】
実施形態7~9の動力伝達装置1C~1Eは、磁気変調ギヤ20C~20Eの3つの要素(少極磁石21、多極磁石22及び複数の磁極片23)が並ぶ方向(隣り合う一対の要素の対向方向)が、主に、実施形態1~3と異なる。以下では、実施形態1~3と異なる箇所についてのみ詳細に説明する。
【0056】
実施形態7~9では、磁気変調ギヤ20C~20Eの3つの要素(少極磁石21、多極磁石22及び複数の磁極片23)の対向方向が軸方向であり、3つの要素が軸方向の一方から他方へ順に並ぶ。
【0057】
少極磁石21、多極磁石22及び複数の磁極片23は、対向方向が軸方向である点を除いて、実施形態1の構成と同様の構造を有する。少極磁石21及び多極磁石22の磁極は、軸方向を向く。
【0058】
実施形態7~9において、壁体10は軸方向に直交する方向に延びる平板状であってもよい。
【0059】
図5(A)に示すように、実施形態7の磁気変調ギヤ20Cは、第1回転軸41側から第2回転軸42側に、少極磁石21、複数の磁極片23、多極磁石22が、この順で並ぶ。複数の磁極片23が壁体10に位置し、少極磁石21が第1回転軸41に固定され、多極磁石22が第2回転軸42に固定される。少極磁石21と多極磁石22とはそれぞれヨーク31、32を介して第1回転軸41と第2回転軸42とに固定されてもよい。ヨーク31は、少極磁石21の軸方向(磁極片23の反対側)に設けられる。ヨーク32は、多極磁石22の軸方向(磁極片23の反対側)に設けられる。
【0060】
実施形態7の動力伝達装置1Cは、実施形態1の動力伝達装置1と同様の作用により、同様のギヤ比で動力を伝達できる。さらに、実施形態7の動力伝達装置1Cによれば、実施形態1と比較して、壁体10、第1回転軸41、並びに、第2回転軸42の形状を単純化できる。
【0061】
図5(B)に示すように、実施形態6の磁気変調ギヤ20Dは、第1回転軸41側から第2回転軸42側に、複数の磁極片23、少極磁石21、多極磁石22が、この順で並ぶ。少極磁石21が壁体10に位置し、複数の磁極片23が第1回転軸41に固定され、多極磁石22が第2回転軸42に固定される。多極磁石22は、実施形態7と同様に、ヨーク32を介して第2回転軸42に固定されてもよい。
【0062】
実施形態8の動力伝達装置1Dは、実施形態2の動力伝達装置1Aと同様の作用により、同様のギヤ比で動力を伝達できる。さらに、実施形態8の動力伝達装置1Dによれば、実施形態2と比較して、壁体10、第1回転軸41、並びに、第2回転軸42の形状を単純化できる。
【0063】
図5(C)に示すように、実施形態7の磁気変調ギヤ20Eは、第1回転軸41側から第2回転軸42側に、少極磁石21、多極磁石22、複数の磁極片23が、この順で並ぶ。多極磁石22が壁体10に位置し、少極磁石21が第1回転軸41に固定され、複数の磁極片23が第2回転軸42に固定される。少極磁石21は、実施形態7と同様に、ヨーク31を介して第1回転軸41に固定されてもよい。
【0064】
実施形態6の動力伝達装置1Eは、実施形態3の動力伝達装置1Bと同様の作用により、同様のギヤ比で動力を伝達できる。さらに、実施形態6の動力伝達装置1Eによれば、実施形態3と比較して、壁体10、第1回転軸41、並びに、第2回転軸42の形状を単純化できる。
【0065】
なお、磁気変調ギヤの3つの要素(少極磁石21、多極磁石22及び複数の磁極片23)が軸方向に並ぶ構成においても、3つの要素の並び順は、上記の例に限られず、上記[構成表1]の各行に示す並び順であってもよい。[構成表1]のタイプ1~3が、上述した実施形態7~9にそれぞれ対応する。
【0066】
(実施形態10)
図示を省略するが、実施形態10の磁気変調ギヤは、上記構成表1のタイプ4に示すように、動力の入力側から出力側にかけて、複数の磁極片23、多極磁石22、少極磁石21が、この順で軸方向に並ぶ。そして、多極磁石22が壁体10に固定され、複数の磁極片23が第1回転軸41に固定され、少極磁石21が第2回転軸42に固定されている。
【0067】
実施形態10の動力伝達装置によれば、変速比をNi/Npにすることができる。
【0068】
(実施形態11)
図示を省略するが、実施形態11の磁気変調ギヤは、上記構成表1のタイプ5に示すように、動力の入力側から出力側にかけて、多極磁石22、複数の磁極片23、少極磁石21が、この順で軸方向に並ぶ。そして、複数の磁極片23が壁体10に固定され、多極磁石22が第1回転軸41に固定され、少極磁石21が第2回転軸42に固定されている。
【0069】
実施形態11の動力伝達装置によれば、変速比を-Ni/Noにすることができる。
【0070】
(実施形態12)
図示を省略するが、実施形態12の磁気変調ギヤは、上記構成表1のタイプ5に示すように、動力の入力側から出力側にかけて、多極磁石22、少極磁石21、複数の磁極片23が、この順で軸方向に並ぶ。そして、少極磁石21が壁体10に固定され、多極磁石22が第1回転軸41に固定され、複数の磁極片23が第2回転軸42に固定されている。
【0071】
実施形態12の動力伝達装置によれば、変速比を-Np/Noにすることができる。
【0072】
以上のように、実施形態7~実施形態12の動力伝達装置によれば、磁気変調ギヤの3つの要素の並び順を適宜選定することで、要求されるトルク又は動力に合わせた変速比を適用できるなど、動力の高い伝達性能が得られる。また、実施形態8、9、10、12のように、壁体10を挟んだ一方の空間又はもう一方の空間に複数の磁極片23が配置される構成によれば、当該空間内の性質と磁石との適性が低い場合に対応して、当該空間から少極磁石21又は多極磁石22を離して配置することができる。したがって、上記のような空間を対象とする場合でも、実施形態の動力伝達装置を適用できる。例えば、磁石は、水素あるいは高温媒体により性質が劣化することがある。具体的には、ネオジウム磁石は水素に弱い。したがって、壁体10を挟んだ一方の空間が水素又は高温媒体を多く含むような場合、当該空間に配置される要素を複数の磁極片23とすることで、信頼性の高い動力伝達を実現できるという効果が得られる。
【0073】
なお、実施形態1~12においては、磁気変調ギヤの3つの要素のうち、第1要素(少極磁石21、多極磁石22、又は、複数の磁極片23)が壁体10に埋め込まれた例を示した。しかしながら、上記第1要素は、壁体10に埋め込まれるのではなく、壁体10から第1要素の一端又は両端が露出するように壁体10に固定されてもよい。当該構成によれば、第1要素を壁体10に容易に設けることができる。さらに、壁体10が薄い場合でも、第1要素を壁体10に設けることができる。
【0074】
(実施形態13)
図6は、実施形態13に係る動力伝達装置を示す図であり、(A)は動力伝達装置の縦断面図、(B)は(A)のA-A線断面図である。
【0075】
実施形態13の動力伝達装置1Fは、磁気変調ギヤ20Fの変調子リング23A(複数の磁極片として機能する構成要素)が、壁体10と一体化された例であり、その他の構成要素は、実施形態1と同様である。
【0076】
実施形態13において、壁体10は磁性体であり、少極磁石21と多極磁石22とに挟まれた部位において、壁体10は円周に沿って複数の凹凸(複数の凹部10a及び複数の凸部10b)を有する。複数の凹部10aと凸部10bとは、周方向において等間隔に並んでいてもよい(図6(B)及び図8を参照)。そして、当該複数の凹部10aと凸部10bが変調子リング23Aに相当する。
【0077】
図6では、磁気変調ギヤ20Fの3つの要素が径方向に並ぶ構成であるので、壁体10の凸部10bは径方向に突出している。図6において、凸部10bは多極磁石22側に突出しているが、少極磁石21側に突出していてもよいし、多極磁石22側と少極磁石21側との両方に突出していてもよい。
【0078】
上記のように変調子リング23Aが構成されることで、凸部10bが位置する箇所の磁気抵抗は低く、凹部10aが位置する箇所の磁気抵抗は高いというように、変調子リング23Aは、周方向に沿って周期的な磁気抵抗の変化を有する構成となる。
【0079】
壁体10は、全体が磁性体であってもよいし、変調子リング23Aが設けられる箇所及びその周辺のみが磁性体であってもよい。
【0080】
実施形態13の動力伝達装置1Fによれば、壁体10を磁性体から構成することができ、壁体10の設計自由度が増す。また、実施形態1のように壁体10に複数の磁極片を固定する構成と比較して、動力伝達装置1F、1Gの組立工数の削減を図ることができる。
【0081】
(実施形態14)
図7は、実施形態14に係る動力伝達装置を示す縦断面図である。図8は、図7の壁体を示す斜視図である。
【0082】
実施形態14の動力伝達装置1Gは、磁気変調ギヤ20Gの変調子リング23A(複数の磁極片として機能する構成要素)が、壁体10と一体化された例であり、その他の構成要素は、実施形態7と同様である。
【0083】
実施形態14において、壁体10は磁性体であり、少極磁石21と多極磁石22とに挟まれた部位において、壁体10は円周に沿って複数の凹凸(複数の凹部10a及び複数の凸部10b)を有する。複数の凹部10aと凸部10bとは、周方向において等間隔に並んでいてもよい(図8を参照)。そして、当該複数の凹部10aと凸部10bが変調子リング23Aに相当する。
【0084】
図7では、磁気変調ギヤ20Gの3つの要素が軸方向に並ぶ構成であるので、壁体10の凸部10bは軸方向に突出している。図7において、凸部10bは多極磁石22側に突出しているが、少極磁石21側に突出していてもよいし、多極磁石22側と少極磁石21側との両方に突出していてもよい。
【0085】
上記のように変調子リング23Aが構成されることで、凸部10bが位置する箇所の磁気抵抗は低く、凹部10aが位置する箇所の磁気抵抗は高いというように、変調子リング23Aは、周方向に沿って周期的な磁気抵抗の変化を有する構成となる。
【0086】
壁体10は、全体が磁性体であってもよいし、変調子リング23Aが設けられる箇所及びその周辺のみが磁性体であってもよい。
【0087】
実施形態14の動力伝達装置1Gによれば、壁体10を磁性体から構成することができ、壁体10の設計自由度が増す。また、実施形態7のように壁体10に複数の磁極片を固定する構成と比較して、動力伝達装置1Gの組立工数の削減を図ることができる。
【0088】
以上、本発明の各実施形態について説明した。しかし、本発明は上記の実施形態に限られない。例えば、例えば、実施形態1~12において、変調子リングとして、複数の磁極片23を示した。しかし、複数の磁極片23は、1つの環状の磁性体に凹凸を有する構成に代替されてもよい。その他、実施の形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0089】
1、1A~1G 動力伝達装置
10 壁体
10a 凹部
10b 凸部
15 モータ
20、20A~20G 磁気変調ギヤ
21 少極磁石
22 多極磁石
23 磁極片
23A 変調子リング
31、32 ヨーク
41 第1回転軸
42 第2回転軸
51、53 軸受
52、54 枠体
Ax 回転軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8