(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023452
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】医療用途の加湿器システム内のヒータプレートアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61M 16/16 20060101AFI20240214BHJP
【FI】
A61M16/16 D
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023202020
(22)【出願日】2023-11-29
(62)【分割の表示】P 2021530770の分割
【原出願日】2019-08-09
(31)【優先権主張番号】62/717,217
(32)【優先日】2018-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/788,696
(32)【優先日】2019-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/817,968
(32)【優先日】2019-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】504298349
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100196221
【弁理士】
【氏名又は名称】上潟口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】ガーグ ブーヴァン
(72)【発明者】
【氏名】グリン フランシス
(72)【発明者】
【氏名】エヴァンス スティーヴン デヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】リャン ウェンジー ロビン
(72)【発明者】
【氏名】ユ インタオ
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ローガン ロス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】呼吸器又は手術用加湿器システムの加湿器チャンバの低水及び/又は水切れ状態を決定する改良されたシステム並びに方法を提供する。
【解決手段】呼吸器加湿器用の複数層ヒータプレートアセンブリ900は、上部加熱プレート910と、熱を発生させるように構成された加熱要素であって、上部加熱プレートより下に位置する加熱要素と、前記上部加熱プレートと前記加熱要素との間の熱インターフェース層であって、前記上部加熱プレートと前記加熱要素との間のエアギャップを変位させるように構成されたコンプライアント熱インターフェース材料を含む、熱インターフェース層と、を含む。
【選択図】
図9D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸器加湿器用の複数層ヒータプレートアセンブリであって、
上部加熱プレートと、
熱を発生させるように構成された加熱要素であって、上部加熱プレートより下に位置する加熱要素と、
前記上部加熱プレートと前記加熱要素との間の熱インターフェース層であって、前記上部加熱プレートと前記加熱要素との間のエアギャップを変位させるように構成されたコンプライアント熱インターフェース材料を含む、熱インターフェース層と、
を含む、複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項2】
前記熱インターフェース層は、前記上部加熱プレートと前記加熱要素との間の熱伝導率を向上させるために、前記上部加熱プレートと前記加熱要素との間のエアギャップを変位させるように構成されている、請求項1に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項3】
下部プレートを含み、前記加熱要素は、前記上部加熱プレート及び前記下部プレートによって画定される、請求項1又は2に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項4】
前記熱インターフェース層は、電気絶縁を提供するのに十分な厚さを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項5】
1つ以上の締結具によって互いに取り外し可能に結合されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項6】
前記下部プレートと前記上部加熱プレートとの間に前記加熱要素及び前記電気絶縁層がある状態で、前記下部プレートを前記上部加熱プレートにボルト締めすることによって形成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項7】
前記上部加熱プレートは、少なくとも1つの温度センサを受け入れるように構成されたセンサ取付ブロックを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項8】
前記センサ取付ブロックは、2つの温度センサを受け入れるように構成されている、請求項7に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの温度センサは、サーミスタを含む、請求項7又は8に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項10】
前記下部プレートに結合された安全機能部を更に含む、請求項3~10のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項11】
前記安全機能部は、サーマルカットオフユニットを含む、請求項10に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項12】
前記下部プレートは、前記安全機能部を支持するためのプラットフォームを含む、請求項10又は11に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項13】
前記安全機能部は、ねじによって前記プラットフォームに固定されている、請求項12に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項14】
前記プラットフォームは、前記下部プレートの残部から突出している、請求項12又は13に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項15】
前記下部プレートは、前記加熱要素からの前記安全機能部の隔離を向上させるために、前記安全機能部が前記下部プレートに結合される場所にスロットを含む、請求項10~14のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項16】
前記下部プレートは、前記スロットの長さに沿って切抜段部を更に含む、請求項15に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項17】
前記スロットはL字形である、請求項15又は16に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項18】
前記スロットは、前記加熱要素の周縁部で又は前記周縁部の近辺で終端する、請求項15~17のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項19】
前記スロットは、前記熱インターフェース層の周縁部を越えて半径方向外向きに延びる、請求項15~18のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項20】
前記下部プレートは、前記ヒータプレートアセンブリが組み立てられたときに、前記センサ取付ブロックの近辺に切抜段部を含む、請求項10~19のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項21】
前記熱インターフェース層は、50~100のショア00硬度スケールを有する、請求項1~20のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項22】
前記熱インターフェース層は、80のショア00硬度スケールを有する、請求項21に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項23】
少なくとも1つの非可撓性電気絶縁層を更に含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項24】
前記少なくとも1つの非可撓性電気絶縁層は、マイカを含む、請求項23に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項25】
前記熱インターフェース材料は電気絶縁性である、請求項1~24のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項26】
第2の熱インターフェース層を含み、前記第2の熱インターフェース層は、前記複数層ヒータプレートアセンブリの構成要素間のエアギャップを変位させるように構成されたコンプライアント熱インターフェース材料を含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項27】
前記第2の熱インターフェース層は、前記加熱要素と前記下部プレートとの間に位置する、請求項26に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項28】
前記第2の熱インターフェース層は、前記上部加熱プレートと前記下部プレートとの間に位置する、請求項26に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項29】
前記第2の熱インターフェース層は導電性である、請求項28に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項30】
前記コンプライアント熱インターフェース材料は、シリコーン又はシリコーン化合物を含む、請求項1~29のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項31】
前記コンプライアント熱インターフェース材料は、ガラス繊維基材と、前記基材に埋め込まれた又は前記基材上に配置された熱伝導性材料とを含む、請求項1~30のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項32】
前記コンプライアント熱インターフェース材料は、少なくとも4000V ACの破壊電圧を有する、請求項1~31のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項33】
前記コンプライアント熱インターフェース材料は、少なくとも6000V ACの破壊電圧を有する、請求項32に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項34】
前記コンプライアント熱インターフェース材料は、少なくとも1.8W/(m.K)の熱伝導率を有する、請求項1~33のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項35】
前記コンプライアント熱インターフェース材料は弾性である、請求項1~34のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項36】
呼吸器加湿器用の複数層ヒータプレートアセンブリであって、
上部加熱プレートと、
下部プレートと、
熱を発生させるように構成された加熱要素であって、前記上部加熱プレート及び前記下部プレートによって画定される加熱要素と、
前記下部プレートと前記上部加熱プレートとの間にあり、前記下部プレートと前記上部加熱プレートとの間のエアギャップを変位させるように構成されたコンプライアント熱インターフェース層と、
を含む、複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項37】
1つ以上の締結具によって互いに取り外し可能に結合されている、請求項36に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項38】
前記下部プレートと前記上部加熱プレートとの間に前記加熱要素及び前記電気絶縁層がある状態で、前記下部プレートを前記上部加熱プレートにボルト締めすることによって形成されている、請求項36又は37に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項39】
前記上部加熱プレートは、少なくとも1つの温度センサを受け入れるように構成されたセンサ取付ブロックを含む、請求項36~38のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項40】
前記センサ取付ブロックは、2つの温度センサを受け入れるように構成されている、請求項39に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項41】
前記少なくとも1つの温度センサは、サーミスタを含む、請求項39又は40に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項42】
前記コンプライアント熱インターフェース層は、前記下部プレートの縁部と前記上部加熱プレートとの間のエアギャップを変位させるように構成されている、請求項36~41のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項43】
前記コンプライアント熱インターフェース層は電気絶縁性である、請求項36~42のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項44】
前記上部加熱プレートと前記加熱要素との間のエアギャップを変位させるように構成された第2の熱インターフェース層を含む、請求項36~43のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項45】
少なくとも1つの非可撓性電気絶縁層を更に含む、請求項36~44のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項46】
前記少なくとも1つの非可撓性電気絶縁層は、マイカを含む、請求項45に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項47】
前記少なくとも1つの非可撓性電気絶縁層は、前記コンプライアント熱インターフェース層と前記加熱要素との間に位置する、請求項45又は46に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項48】
前記少なくとも1つの非可撓性電気絶縁層は、前記加熱要素と前記下部プレートとの間に位置する、請求項45~47のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項49】
医療処置で使用するための加湿器システムであって、
ベースユニットと、
前記ベースユニット上に受け入れ可能な加湿器チャンバと、
を含み、
前記ベースユニットは、請求項1~48のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリを含む、
システム。
【請求項50】
前記加湿器チャンバは伝導性ベースを含み、前記加湿器チャンバが前記ベースユニット上に配置されると、前記伝導性ベースは前記ヒータプレートアセンブリと強制的に接触させられる、請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前記ヒータプレートアセンブリは、前記チャンバを通過するガスを加湿するために、前記加湿器チャンバを加熱して前記チャンバの内容物を加熱する、請求項49又は50に記載のシステム。
【請求項52】
前記加湿器チャンバから患者インターフェースにガスを搬送するように構成されたチューブを更に含む、請求項49~51のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項53】
医療処置で使用するための加湿器システムであって、
加湿器チャンバを受け入れるように構成されたハウジングと、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に位置するヒータプレートアセンブリであって、前記ヒータプレートアセンブリは、
上部加熱プレートであって、前記加湿器チャンバが前記ハウジングによって受け入れられると前記加湿器チャンバのベースに接触するように構成されている、上部加熱プレートと、
前記上部加熱プレートに又は前記上部加熱プレートの近辺に位置するサーミスタと、
熱を発生させるように構成された加熱要素と、
前記上部加熱プレートと前記加熱要素との間の電気絶縁機構と、
を含む、ヒータプレートアセンブリと、
を含み、
前記電気絶縁機構は、前記加熱要素への電力信号によって発生した熱が前記上部加熱プレートに伝達されるように、前記加熱要素と前記上部加熱プレートとを熱的に結合し、
前記電気絶縁機構は、前記加熱要素と前記上部加熱プレートとの間の熱的結合を向上させる、
加湿器システム。
【請求項54】
前記電気絶縁機構は、可撓性及び/又は弾性絶縁シートを含む、請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
前記電気絶縁機構は、前記上部加熱プレートと前記加熱要素との間のエアギャップを変位させるように構成されたコンプライアント絶縁シートを含む、請求項53又は54に記載のシステム。
【請求項56】
前記電気絶縁シートは、前記加熱要素から前記上部加熱プレートへの熱伝導を向上させる、請求項53~55のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項57】
前記電気絶縁シートは、前記ヒータプレートアセンブリの構成要素間の熱伝導率が向上するように、前記ヒータプレートアセンブリの静電容量を低減させる、請求項53~56のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項58】
2つの絶縁要素を含む二重電気絶縁機構を更に含み、前記2つの絶縁要素は、2つの非可撓性絶縁層を含む、請求項53~57のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項59】
前記2つの非可撓性絶縁層は、マイカを含む、請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
前記2つの絶縁要素は、互いに別々の2つの層を含む、請求項58又は59に記載のシステム。
【請求項61】
前記二重電気絶縁機構は、前記電気絶縁機構と前記加熱要素との間に位置する、請求項58~60のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項62】
前記電気絶縁機構は、熱伝導性であるが電気絶縁性のエラストマーを含む、請求項53~61のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項63】
前記電気絶縁機構は、シリコーン又はシリコーン化合物を含む、請求項53~62のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項64】
前記電気絶縁機構は、ガラス繊維基材と、前記基材に埋め込まれた又は前記基材上に配置された熱伝導性材料とを含む、請求項53~63のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項65】
前記電気絶縁機構は、少なくとも4000V ACの破壊電圧を有する材料を含む、請求項53~64のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項66】
前記電気絶縁機構は、少なくとも6000V ACの破壊電圧を有する材料を含む、請求項65に記載のシステム。
【請求項67】
前記電気絶縁機構は、少なくとも1.8W/(m.K)の熱伝導率を有する材料を含む、請求項53~66のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項68】
前記電気絶縁機構は、前記加湿器チャンバ内の低水状態又は水切れ状態を検知するために前記電力信号に印加される波形が、電力が低減された波形であり得るように、前記加熱要素と前記上部加熱プレートとの間の熱的結合を向上させる、請求項53~67のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項69】
前記電気絶縁機構は、前記サーミスタの温度表示値が前記加湿器チャンバ内の水の温度により良好に対応するように、前記加熱要素と前記上部加熱プレートとの間の熱的結合を向上させる、請求項53~68のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項70】
前記ヒータプレートアセンブリは、下部プレートを含み、前記加熱要素及び前記電気絶縁機構は、前記下部プレートと前記上部加熱プレートとの間に画定される、請求項53~69のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項71】
前記下部プレートは前記電気絶縁機構に接触している、請求項70に記載のシステム。
【請求項72】
前記ヒータプレートアセンブリは、前記上部加熱プレートと前記下部プレートとの間に可撓性電気絶縁シートを含む、請求項70に記載のシステム。
【請求項73】
前記ヒータプレートアセンブリは、前記上部加熱プレートと前記下部プレートとの間に、前記上部加熱プレートと前記下部プレートとの間のエアギャップを変位させるように構成されたコンプライアント電気絶縁シートを含む、請求項70~72のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項74】
呼吸器又は手術用加湿器システムであって、
ベースユニットであって、
1つ以上の加熱要素を含むヒータプレートと、
前記ヒータプレートの前記1つ以上の加熱要素と電子通信し、前記ヒータプレートの前記1つ以上の加熱要素に通電するように構成されているハードウェアコントローラと、
を含む、ベースユニットと、
容積を画定し、伝導性ベースを含む加湿器チャンバであって、前記伝導性ベースは、前記伝導性ベースが前記ヒータプレートに接触するように、前記ベースユニット上に受け入れ可能であり、前記加湿器チャンバは、水位を保つように構成されている、加湿器チャンバと、
を含み、
前記ハードウェアコントローラは、前記加湿器チャンバの比熱容量を推測することができる値を決定し、前記決定された、前記比熱容量を推測することができる値に少なくとも一部基づいて、低水又は水切れ状態を決定するように構成されている、
呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項75】
前記ハードウェアコントローラは、前記決定された、前記比熱容量を推測することができる値が閾値未満であることに応答して、低水又は水切れ状態が存在すると決定する、請求項74に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項76】
前記ハードウェアコントローラは、前記比熱容量を推測することができる前記値を連続的に決定する、請求項74又は75に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項77】
前記ハードウェアコントローラは、前記比熱容量を推測することができる前記値を断続的に決定する、請求項74~76のいずれか一項に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項78】
前記比熱容量を推測することができる前記値は、数値スコアとして決定される、請求項74~77のいずれか一項に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項79】
前記ヒータプレートに結合された又は隣接する温度センサを含み、前記温度センサは、前記ヒータプレートの温度を決定する、請求項74~78のいずれか一項に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項80】
前記温度センサは、サーミスタを含む、請求項79に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項81】
前記温度センサは、2つのサーミスタを含み、各サーミスタは、分圧器として機能する、請求項79に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項82】
前記ハードウェアコントローラは、前記2つのサーミスタの電圧表示値から温度値を決定する、請求項81に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項83】
前記ハードウェアコントローラは、前記比熱容量を推測することができる値を、前記温度センサの前記温度表示値に基づいて決定する、請求項74~82のいずれか一項に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項84】
前記ハードウェアコントローラは、
前記ヒータプレートの前記1つ以上の加熱要素に特性通電信号を印加し、
前記特性通電信号に対応する、前記温度センサからの温度信号を処理し、
前記温度信号に基づいて、前記比熱容量を推測することができる前記値を決定し、
前記決定された、前記比熱容量を推測することができる値が閾値未満であることに応答して、低水又は水切れ警告を出力する
ように構成されている、請求項74~83のいずれか一項に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項85】
前記ハードウェアコントローラは、前記特性通電信号を連続的に及び/又は断続的に印加するように構成されている、請求項84に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項86】
前記ハードウェアコントローラは、前記特性通電信号をヒータプレート制御信号に印加するように構成されている、請求項84又は85に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項87】
前記ハードウェアコントローラは、前記特性通電信号を前記ヒータプレート制御信号に注入するように構成されている、請求項86に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項88】
前記特性通電信号は、ヒータプレート制御信号よりも周波数が高い、請求項84~87のいずれか一項に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項89】
前記ハードウェアコントローラは、前記特性通電信号の前記周波数に対応する温度測定値を通過させるように、前記温度センサの温度測定値を、前記特性通電信号の周波数に対応するフィルタ周波数を有するバンドパスフィルタに通過させる、請求項84~88のいずれか一項に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項90】
前記特性通電信号の前記周波数に対応する前記温度測定値を使用して、前記比熱容量を推測することができる前記値を決定する、請求項89に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項91】
前記ヒータプレートは、請求項1~48のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリを含む、請求項74~90のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項92】
呼吸器又は手術用加湿器システムであって、
ベースユニットであって、
1つ以上の加熱要素を含むヒータプレートと、
前記ヒータプレートの前記1つ以上の加熱要素と電子通信し、前記ヒータプレートの前記1つ以上の加熱要素に通電するように構成されているハードウェアコントローラと、
前記ヒータプレートに結合された又は隣接する温度センサであって、前記ヒータプレートの温度を示す信号を発生するように構成されている温度センサと、
を含む、ベースユニットと、
容積を画定し、伝導性ベースを含む加湿器チャンバであって、前記伝導性ベースは、前記伝導性ベースが前記ヒータプレートに接触するように、前記ベースユニット上に受け入れ可能であり、前記加湿器チャンバは、水位を保つように構成されている、加湿器チャンバと、
を含み、
前記ハードウェアコントローラは、
前記ヒータプレートの前記1つ以上の加熱要素に特性通電信号を印加し、
前記特性通電信号に対する応答を示す信号を受信し、
前記特性通電信号に対する前記応答を示す前記受信信号の大きさ及び/又は位相に基づいて低水又は水切れ状態を決定する、
ように構成されている、呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項93】
前記決定された、閾値を上回る大きさは、低水又は水切れ状態を示す、請求項92に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項94】
前記決定された、閾値を満たす大きさ及び/又は位相は、低水又は水切れ状態を示す、請求項92又は93に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項95】
大きさ及び/又は位相の二次元表現の既定の領域の範囲外又は範囲内である、前記決定された大きさ及び/又は位相は、低水又は水切れ状態を示す、請求項94に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項96】
前記大きさは、前記加湿器チャンバの比熱容量に反比例する、請求項92~95のいずれか一項に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項97】
前記ハードウェアコントローラは、特性周波数の前記特性通電信号を印加するように構成されている、請求項92~96のいずれか一項に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項98】
前記特性周波数は、前記ハードウェアコントローラが前記ヒータプレートの前記1つ以上の加熱要素に通電するヒータプレート制御動作周波数よりも高い、請求項97に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項99】
前記特性通電信号は、前記ヒータプレート制御動作周波数の少なくとも1.5倍の周波数である、請求項98に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項100】
前記ハードウェアコントローラは、前記特性通電信号を発生し、印加するように構成された信号発生器を含む、請求項92~99のいずれか一項に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項101】
前記ハードウェアコントローラは、前記特性通電信号を前記ヒータプレート制御信号に注入するように構成されている、請求項92~100のいずれか一項に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項102】
前記ハードウェアコントローラは、フィルタを含み、前記フィルタは、前記ヒータプレートの前記温度を示す信号をフィルタリングし、前記通電信号に対する前記応答を示す前記信号を得る、請求項92~101のいずれか一項に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項103】
前記フィルタは、バンドパスフィルタである、請求項102に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項104】
前記バンドパスフィルタは、前記特性通電信号の周波数に対応する帯域内の前記ヒータプレートの前記温度を示す前記信号をフィルタリングする、請求項103に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項105】
前記特性通電信号の前記周波数において、閾値を超える前記ヒータプレートの前記温度を示す前記信号の前記大きさは、低水又は水切れ状態を示す、請求項104に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項106】
前記受信信号は、前記ヒータプレートの前記温度を示す前記信号の周波数応答を含み、前記ハードウェアコントローラは、前記周波数応答に基づいて、低水又は水切れ状態を決定するように構成されている、請求項92に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項107】
前記特性通電信号に対する前記応答を示す前記受信信号の前記大きさは処理されてスコアが決定され、前記スコアが閾値を上回る場合、前記スコアは、低水又は水切れ状態を示す、請求項92~106のいずれか一項に記載の呼吸器又は手術用加湿器システム。
【請求項108】
前記ヒータプレートは、請求項1~48のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリを含む、請求項92~107のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項109】
呼吸器又は手術用加湿器システムの加湿器チャンバの低水又は水切れ状態を検知する方法であって、
前記呼吸器又は手術用加湿器システムのベースユニット内のハードウェアコントローラを使用して、
前記加湿器チャンバの比熱容量を推測することができる値を決定することであって、前記加湿器チャンバは、容積を画定し、水位を保つことができ、前記加湿器チャンバは伝導性ベースを含み、前記伝導性ベースは、前記伝導性ベースが前記ベースユニットのヒータプレートに接触するように、前記ベースユニット上に受け入れ可能であり、前記ヒータプレートは、1つ以上の加熱要素を含み、前記1つ以上の加熱要素は、前記ハードウェアコントローラと電子通信し、前記ハードウェアコントローラによって通電されるように構成されている、ことと、
前記決定された、前記比熱容量を推測することができる値に少なくとも一部基づいて、低水又は水切れ状態を決定することと、
を含む、方法。
【請求項110】
呼吸器又は手術用加湿器システムの加湿器チャンバの低水又は水切れ状態を検知する方法であって、
前記呼吸器又は手術用加湿器システムのベースユニット内のハードウェアコントローラを使用して、
前記ベースユニット内のヒータプレートの1つ以上の加熱要素に特性通電信号を印加することであって、前記ヒータプレートの前記1つ以上の加熱要素は、前記ハードウェアコントローラと電子通信し、前記ハードウェアコントローラによって通電されるように構成されており、前記呼吸器又は手術用加湿器システムは、加湿器チャンバを更に含み、前記加湿器チャンバは、容積を画定し、伝導性ベースを含み、前記伝導性ベースは、前記伝導性ベースが前記ヒータプレートに接触するように、前記ベースユニット上に受け入れ可能であり、前記加湿器チャンバは、水位を保つことができる、ことと、
前記ヒータプレートに結合された又は隣接する温度センサからの前記特性通電信号に対する応答を表す信号を受信することと、
前記特性通電信号に対する前記応答を示す前記受信信号の大きさ及び/又は位相に基づいて、低水又は水切れ状態を決定することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の分野
本開示は、呼吸器及び/又は手術用加湿器システム、並びに患者若しくは使用者に供給されるガス用の呼吸器又は呼吸補助システムに関する。
【背景技術】
【0002】
呼吸器装置は、病院、医療施設、在宅ケア、緩和ケア、又は自宅環境などの様々な環境で使用されている。様々な呼吸器用途において、患者又は使用者に供給されるガスを加湿することは有益である。これらの用途としては、ガスが患者若しくは使用者による呼吸用のものである場合及び/又はガスが患者若しくは使用者の手術中に供給される場合が挙げられる。
【0003】
非侵襲モードにおいてガスを呼吸する場合、吸気ガスが上気道を通過するときに、例えば、ガスがフェイスマスク又は鼻マスクを介して患者又は使用者に送達されるときに、湿度は、患者又は使用者の快適性を高め、非侵襲的換気療法(NIV:noninvasive ventilation)に対する患者又は使用者の耐性を向上させ、加湿されたガスは、患者又は使用者の気道の組織(例えば、鼻粘膜)を乾燥させにくくする。手術用ガス、又は患者に送達されるガスが上気道をバイパスする場合の侵襲モードの場合、ガスの加湿は、患者の快適性を向上させ、且つ粘液輸送の向上などの生理学的利益をもたらすことが判明しており、患者又は使用者の安全のために、例えば、気道分泌物の濃縮による気道閉塞、気道上皮の破壊を防止するために及び/又は術後転帰を向上させるために必要となり得る。高流量療法の場合、加湿されたガスは、非密閉インターフェースを介して高流量で患者又は使用者に送達される。患者又は使用者は、自発的に呼吸してもよく、又は麻酔下など、無呼吸であってもよい。加湿器を備えた流量療法装置を使用して高流量ガスを送達することができ、療法装置は、例えば、流量、温度、圧力、湿度、補助ガス濃度等を含む、ガス流などの特性を制御してもよい。気道陽圧(PAP:positive airway pressure)療法の場合、ブロワと加湿器とを含むPAP療法装置を使用して、使用者に圧力療法、例えば、持続気道陽圧療法(CPAP:continuous positive airway pressure therapy)を提供することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
患者又は使用者に供給するためのガスを加湿するための加湿器チャンバを組み込んだ呼吸器又は手術用加湿器システムにおいては、ガスを加湿するために加湿器システムがガス流に水蒸気を供給できるようにするために、ある最低水位を維持することが重要である。したがって、加湿されたガスを患者若しくは使用者に投与する医療関係者又は在宅投与の場合は患者若しくは使用者自身が水位を確認し、必要な場合には加湿器チャンバに更に水を追加することが重要である。この作業は見落とされる場合がある。これにより、気道が乾燥ガスに長期間暴露することによる危険が患者若しくは使用者にもたらされる可能性がある、患者若しくは使用者に不快感を生じさせる可能性がある、及び/又はガスの加湿操作の中断を招くおそれがある、又は幾つかの場合では、呼吸器加湿器システムが破損するおそれがある。水の不足、及びチャンバの水切れなどによるチャンバの乾燥もまた、送達される加湿の量を減少させるので、治療に支障を来す。
【0005】
幾つかの呼吸器加湿器システムは、水切れ状態を検知することができる及び/又は加湿器チャンバの熱伝導率の決定に基づいて水切れ警報を出力することができる。これらのシステムは、加湿器チャンバのヒータプレート、加湿器チャンバ出口、及び/又は呼吸回路の患者若しくは使用者端部などの、デバイスの様々な位置にあるフローセンサ及び/又は温度センサからの入力を必要とする場合がある。その結果、これらのフローセンサ及び/又は温度センサの全てを組み込んでいない呼吸器加湿器システムにはこのような水切れ検知及び/又は警報機能を実装することができない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、最小限の数のセンサ、例えば、ヒータプレートにある又はその近傍のわずか1つの温度センサからの入力によって水切れ状態を検知することができる及び/又は加湿器チャンバ水切れ警報を出力することができる呼吸器又は手術用加湿器システムの例を提供する。したがって、これらの水切れ検知及び/又は警報方法は、より多くの種類の加湿システム、又は加湿器を含み得る他の呼吸補助デバイス、例えば、高流量システム及び/若しくはCPAPシステムにおいて実施することができる。本明細書に開示される水切れ検知及び/又は警報方法は、補完電力入力波形(本明細書中の開示では、補完信号(supplementary signal)又は特性通電信号(characteristic energization signal)とも呼ばれ得る)を印加し、所定周波数でフィルタリングされたヒータプレート上の又はヒータプレート近傍の温度信号からヒータプレート温度信号及び/又は温度表示値の大きさ及び/又は位相を決定することによる、加湿器チャンバ(水などのその内容物を含む)の比熱容量の決定に基づくものであり得る。補完信号の印加は、補完信号を(例えば、待機モード中の)ヒータプレートの信号として印加することによって、又は補完信号をヒータプレート制御信号に注入することによって(例えば、ヒータプレート制御信号と補完信号とを合計する、調整する、インターリーブする、サイクリングする、又は同じ伝送線上で2つの信号を送信するための任意の他のスキームを使用することによって)実施され得る。この補完波形は、通常制御にバイアスをかけることなく、通常動作するヒータプレート電力信号などの通常のヒータプレート制御信号上に重畳され得る。補完波形は、周期的若しくは循環的であり得る、及び/又はゼロ平均を有し得る。波形は、通常制御にバイアスがかけられないようにすることができる。補完信号の周波数は、所定周波数であり得る。周波数は、周波数領域において、通常制御応答から分離されるように選択され得る。選択された周波数は、ヒータプレートの通常制御との干渉を回避するのに役立ち得る。一例では、補完信号の周波数は、従来の(ヒータプレート上に配置された加湿チャンバを加熱する目的での通常動作など)ヒータプレート制御信号よりも高くすることができ(例えば、その少なくとも1.5倍又は本明細書に開示されるその他の値である)、ヒータプレートを加熱するためのデューティサイクル等を出力することができる。
【0007】
本開示の全体を通して、加湿器チャンバの比熱容量は、特に明示的に記載されない限り、水などのその内容物を含む加湿器チャンバの比熱容量を指す。
【0008】
より少数のセンサを必要とすることに加えて、本明細書に開示される水切れ検知及び/又は警報方法はまた、以下の利点及び/又はその他の利点のいずれかを有し得る。例えば、本明細書に開示される水切れ検知及び/又は警報システムは、比熱容量の原理に基づいており、本質的に水量に関連している。これにより、システムをガスの流量から独立させることが可能になる。流量からの独立により、水切れ検知及び/又は警報方法を、流量に依存する検知方法に比べて、低流量非侵襲療法(例えば、約10L/min未満の小児非侵襲療法の流量)又は極めて低流量の侵襲療法(例えば、約5L/min未満の新生児侵襲療法)により適したものにすることを可能にできる。流量からの独立はまた、水切れ検知及び/又は警報方法が、フローセンサの誤差に影響されないこと又はシステムの流量状態について仮定する必要を回避することを可能にできる。本明細書中に記載される水切れ/警報方法は、様々な異なるプラットフォーム及び/又は様々な異なる種類のチャンバで機能することができるので、比熱容量をパラメータとして使用して水切れを決定することも有利である。記載される水切れ手法は、より柔軟であり且つより融通が利く。更に、本開示の水切れ検知方法は、例えば待機の場合時など、加湿器内にガス流がないときに水切れ状態(水のない又は実質的に水のない状態)を決定することができる。
【0009】
本明細書に開示される水切れ検知及び/又は警報方法はまた、湿度送達から独立させることができる又は湿度送達に対して不変であり得る。その結果、本明細書に開示される方法は、例えば、室内気の同伴及び/又はタービン駆動式フロー供給源を使用する非侵襲療法による、より低い湿度の発生につながる場合のガス送達により適し得る。これらのケースでは、流入湿度が高くなり得る(例えば、約10mg/L超)、流入ガス温度が高くなり得る(例えば、摂氏約30度超)、及び/又は周囲温度条件が高くなり得る(例えば、摂氏約25度超)。これにより、湿度添加要件の低下につながり、従来の水切れ検知方法には不利に影響する可能性がある。本明細書に開示される類似の水切れ方法は、高流量モード又は任意の他の動作モードでも使用することができる。
【0010】
本開示はまた、ヒータプレートの熱的結合を向上させ、モデル化されたヒータプレートのR成分及びC成分により熱伝達非効率性を低下させることができる改良ヒータプレート構造を提供する。特に、弾力性の電気絶縁体を含む改良ヒータプレートアセンブリは、水切れ検知のための補完信号を小さくすることを可能にし、振幅が増大した帰還信号を戻す。帰還信号は、信号対雑音比が向上したものである。弾力性の電気絶縁体は、以下に記載されるように、可撓性及び/又はコンプライアントであり得る。コンプライアント材料とは、材料が柔らかくなり、圧縮可能になる、及び/又は表面の形状に適合することができる能力を意味し得る。例えば、コンプライアント材料は、コンプライアント材料を挟むことができる他の材料の表面間のエアギャップを変位させることができてもよい。本開示の全体を通して、絶縁材料とは、熱伝導性でもあり得る電気絶縁材料を意味し得る。
【0011】
本明細書に開示される呼吸器加湿器システムのコントローラは、ヒータプレートの電力入力を変化させ、水切れ事象時にヒータプレート及び/又は加湿器チャンバの特定の応答を待つことだけではなくむしろ、ヒータプレート制御信号に補完信号を印加することができる。幾つかの例示的な構成では、コントローラは、補完信号を連続的に印加してもよい。コントローラは、ヒータプレートに補完信号を連続的に及び/又は断続的に印加してもよい。コントローラは、補完信号に対する応答を測定してもよい。コントローラは、補完信号に対する応答を連続的に及び/又は断続的にサンプリングしてもよい。したがって、検知及び/又は警報プロセスは、複雑な状態遷移(低流量状態と高流量状態との間の遷移など)及び/又はトリガー条件に依存する必要はない。本明細書中に記載されるプロセスは、ヒータプレートに通電する通常動作に影響を及ぼすことなく連続的に実行することができ、したがって、加湿器チャンバが実際に水切れになる前に警告を与えることができるように、調節可能な検知時間及び閾値を提供することができる。本明細書中に記載される水切れ検知方法はまた、方法が、ヒータを加熱又は冷却させるためのヒータプレートの制御の中断を含め、療法の中断を必要としないので有利である。補完信号は、通常動作周波数(即ち、ヒータプレート制御動作周波数)と実質的に異なる周波数であることができ、ゼロ平均のものであるので、システムに導入される正味エネルギーはない。本明細書中に記載される水切れ検知方法は、湿度発生又は患者若しくは使用者への加湿ガスの送達に対するマイナスの影響が最小限であり得る。
【0012】
以下でより詳細に記載するように、検知及び/又は警報方法は、また、目的の信号が、本明細書では印加周波数とも称される補完信号の周波数に自然にフィルタリングされるので、ノイズ耐性が高くなり得る。
【0013】
本明細書中に記載される検知及び/又は警報方法は、CPAPデバイス、高流量療法デバイス、手術用加湿器、呼吸器加湿器、乳児用CPAP、乳児用高流量、NIV療法等などの様々な呼吸器及び/又は手術用加湿器システムに組み込むことができる。
【0014】
幾つかの構成では、呼吸器加湿器用の複数層ヒータプレートアセンブリは、上部加熱プレートと、熱を発生させるように構成された加熱要素と、加熱プレートと加熱要素との間に電気絶縁を提供するように構成された二重絶縁機構とを含むことができ、二重絶縁機構は、2つの絶縁要素を含み、2つの絶縁要素の第1の絶縁要素は第1の可撓性を有し、2つの絶縁要素の第2の絶縁要素は、第1の可撓性と異なる第2の可撓性を有する。
【0015】
幾つかの構成では、複数層ヒータプレートアセンブリは、1つ以上の締結具によって互いに取り外し可能に結合され得る。
【0016】
幾つかの構成では、複数層ヒータプレートアセンブリは、下部プレートと上部加熱プレートとの間に加熱要素及び二重絶縁機構がある状態で、下部プレートを上部加熱プレートにボルト締めすることによって形成され得る。
【0017】
幾つかの構成では、上部加熱プレートは、少なくとも1つの温度センサを受け入れるように構成されたセンサ取付ブロックを含み得る。
【0018】
幾つかの構成では、センサ取付ブロックは、2つの温度センサを受け入れるように構成され得る。
【0019】
幾つかの構成では、少なくとも1つの温度センサは、サーミスタを含み得る。
【0020】
幾つかの構成では、安全機能部は、サーマルカットオフユニットを含み得る。
【0021】
幾つかの構成では、下部プレートは、安全機能部を支持するためのプラットフォームを含み得る。
【0022】
幾つかの構成では、安全機能部は、ねじによってプラットフォームに固定され得る。
【0023】
幾つかの構成では、プラットフォームは、下部プレートの残部から突出することができる。
【0024】
幾つかの構成では、下部プレートは、加熱要素からの安全機能部の隔離を向上させるために、安全機能部が下部プレートに結合される場所にスロットを含み得る。
【0025】
幾つかの構成では、下部プレートは、スロットの長さに沿って切抜段部(cut-out step)を更に含み得る。
【0026】
幾つかの構成では、スロットはL字形であり得る。
【0027】
幾つかの構成では、スロットは、加熱要素の周縁部で又は周縁部の近辺で終端することができる。
【0028】
幾つかの構成では、スロットは、二重絶縁機構の周縁部を越えて半径方向外向きに延びることができる。
【0029】
幾つかの構成では、下部プレートは、ヒータプレートアセンブリが組み立てられたときに、センサ取付ブロックの近辺に切抜段部を含み得る。
【0030】
幾つかの構成では、二重絶縁機構の1つの絶縁要素は、もう一方の絶縁要素に比べてより可撓性又はコンプライアントであり得る。幾つかの構成では、第1の絶縁要素は、第2の絶縁要素に比べてより可撓性であり得る。
【0031】
幾つかの構成では、二重電気絶縁機構の1つの絶縁要素は、上部加熱プレートと加熱要素との間のエアギャップを変位させるように構成されたコンプライアント絶縁材料を含み得る。
【0032】
幾つかの構成では、二重電気絶縁機構の1つの絶縁要素は、可撓性絶縁材料を含み得る。
【0033】
幾つかの構成では、絶縁要素の1つがもう一方の要素よりも柔らかいように、第1の絶縁要素は、第1の柔軟性を有することができ、第2の絶縁要素は、第2の柔軟性を有することができる。
【0034】
幾つかの構成では、第1の絶縁要素は、弾性材料を含み得る。
【0035】
幾つかの構成では、絶縁要素の1つは、50~100のショア00硬度スケールを有し得る。
【0036】
幾つかの構成では、絶縁要素の1つは、80のショア00硬度スケールを有し得る。
【0037】
幾つかの構成では、2つの絶縁要素は、少なくとも1つの非可撓性絶縁層を含み得る。
【0038】
幾つかの構成では、少なくとも1つの非可撓性絶縁層は、マイカを含み得る。
【0039】
幾つかの構成では、アセンブリは、コンプライアント絶縁材料の層を含み得る。
【0040】
幾つかの構成では、複数層ヒータプレートアセンブリは、ヒータプレートアセンブリの構成要素間のエアギャップを変位させるように構成されたコンプライアント絶縁材料の更なる層を更に含み得る。
【0041】
幾つかの構成では、2つの絶縁要素は、2つの非可撓性絶縁層を含み得る。
【0042】
幾つかの構成では、アセンブリは、コンプライアント絶縁材料の2つの層を含み得る。
【0043】
幾つかの構成では、2つの絶縁要素は、ヒータプレートアセンブリの構成要素間のエアギャップを変位させるように構成されたコンプライアント絶縁材料の2つの層を含み得る。
【0044】
幾つかの構成では、コンプライアント絶縁材料は、熱伝導性であるが電気絶縁性のエラストマーを含み得る。
【0045】
幾つかの構成では、コンプライアント絶縁材料は、シリコーン又はシリコーン化合物を含み得る。
【0046】
幾つかの構成では、コンプライアント絶縁材料は、ガラス繊維基材と、基材に埋め込まれた又は基材上に配置された熱伝導性材料とを含み得る。
【0047】
幾つかの構成では、コンプライアント絶縁材料は、少なくとも4000V ACの破壊電圧を有し得る。
【0048】
幾つかの構成では、コンプライアント絶縁材料は、少なくとも6000V ACの破壊電圧を有し得る。
【0049】
幾つかの構成では、コンプライアント絶縁材料は、少なくとも1.8W/(m.K)の熱伝導率を有し得る。
【0050】
幾つかの構成では、呼吸器加湿器用の複数層ヒータプレートアセンブリは、上部加熱プレートと、下部プレートと、熱を発生させるように構成された加熱要素であって、上部加熱プレート及び下部プレートによって画定される加熱要素と、上部加熱プレートと加熱要素との間の第1の弾性絶縁材料と、下部プレートと加熱要素との間の第2の弾性絶縁材料と、を含むことができ、第1の弾性絶縁材料及び第2の弾性絶縁材料は、それぞれ、上部加熱プレートと加熱要素との間のエアギャップ、及び下部と加熱要素との間のエアギャップを占めることができる。第1の絶縁材料又は第2の絶縁材料は、電気絶縁材料である。幾つかの構成では、第1の弾性電気絶縁材料及び第2の弾性電気絶縁材料は、それぞれ、上部加熱プレートと加熱要素との間のエアギャップ、及び下部プレートと加熱要素との間のエアギャップを変位させることができる。
【0051】
幾つかの構成では、複数層ヒータプレートアセンブリは、1つ以上の締結具によって互いに取り外し可能に結合され得る。
【0052】
幾つかの構成では、複数層ヒータプレートアセンブリは、下部プレートと上部加熱プレートとの間に加熱要素並びに第1及び第2の弾性絶縁材料がある状態で、下部プレートを上部加熱プレートにボルト締めすることによって形成され得る。
【0053】
幾つかの構成では、第1の弾性絶縁材料及び/又は第2の弾性絶縁材料は、50~100のショア00硬度スケールを有し得る。
【0054】
幾つかの構成では、第1の弾性絶縁材料及び/又は第2の弾性絶縁材料は、80のショア00硬度スケールを有し得る。
【0055】
幾つかの構成では、アセンブリは、2つの絶縁要素を含む二重電気絶縁機構を含み得る。
【0056】
幾つかの構成では、2つの絶縁要素は、2つの非可撓性電気絶縁層を含み得る。
【0057】
幾つかの構成では、複数層ヒータプレートアセンブリは、非可撓性電気絶縁層を更に含み得る。
【0058】
幾つかの構成では、非可撓性電気絶縁層は、マイカを含み得る。
【0059】
幾つかの構成では、2つの絶縁要素は、互いに別々の2つの層を含み得る。
【0060】
幾つかの構成では、第1の弾性電気絶縁材料と第2の弾性電気絶縁材料は、互いに別々の2つの層を含み得る。
【0061】
幾つかの構成では、第1の弾性電気絶縁材料及び/又は第2の弾性電気絶縁材料は、熱伝導性であるが電気絶縁性のエラストマーを含み得る。
【0062】
幾つかの構成では、第1の弾性電気絶縁材料及び/又は第2の弾性電気絶縁材料は、シリコーン又はシリコーン化合物を含み得る。
【0063】
幾つかの構成では、第1の弾性電気絶縁材料及び/又は第2の弾性電気絶縁材料は、ガラス繊維基材と、基材に埋め込まれた又は基材上に配置された熱伝導性材料とを含み得る。
【0064】
幾つかの構成では、第1の弾性電気絶縁材料及び/又は第2の弾性電気絶縁材料は、少なくとも4000V ACの破壊電圧を有し得る。
【0065】
幾つかの構成では、第1の弾性電気絶縁材料及び/又は第2の弾性電気絶縁材料は、少なくとも6000V ACの破壊電圧を有し得る。
【0066】
幾つかの構成では、第1の弾性電気絶縁材料及び/又は第2の弾性電気絶縁材料は、少なくとも1.8W/(m.K)の熱伝導率を有し得る。
【0067】
幾つかの構成では、第1の弾性電気絶縁材料及び/又は第2の弾性電気絶縁材料は、複数層ヒータプレートアセンブリの構成要素間のエアギャップを変位させるように構成されたコンプライアント材料を含み得る。
【0068】
幾つかの構成では、上部加熱プレートは、金属を含み得る。
【0069】
幾つかの構成では、上部加熱プレートは、下面上の空洞と、呼吸器加湿器の加湿器チャンバのベースに接触するために露出した上面とを含み得る。
【0070】
幾つかの構成では、上部加熱プレートは、少なくとも1つの温度センサを受け入れるように構成されたセンサ取付ブロックを含み得る。
【0071】
幾つかの構成では、センサ取付ブロックは、2つの温度センサを受け入れるように構成され得る。
【0072】
幾つかの構成では、少なくとも1つの温度センサは、サーミスタを含み得る。
【0073】
幾つかの構成では、安全機能部は、サーマルカットオフユニットを含み得る。
【0074】
幾つかの構成では、下部プレートは、安全機能部を支持するためのプラットフォームを含み得る。
【0075】
幾つかの構成では、安全機能部は、ねじによってプラットフォームに固定され得る。
【0076】
幾つかの構成では、プラットフォームは、下部プレートの残部から突出することができる。
【0077】
幾つかの構成では、下部プレートは、加熱要素からの安全機能部の隔離を向上させるために、安全機能部が下部プレートに結合される場所にスロットを含み得る。
【0078】
幾つかの構成では、下部プレートは、スロットの長さに沿って切抜段部を更に含み得る。
【0079】
幾つかの構成では、スロットはL字形であり得る。
【0080】
幾つかの構成では、スロットは、加熱要素の周縁部で又は周縁部の近辺で終端することができる。
【0081】
幾つかの構成では、スロットは、二重絶縁機構の周縁部を越えて半径方向外向きに延びることができる。
【0082】
幾つかの構成では、下部プレートは、ヒータプレートアセンブリが組み立てられたときに、センサ取付ブロックの近辺に切抜段部を含み得る。
【0083】
幾つかの構成では、呼吸器加湿器用の複数層ヒータプレートアセンブリは、上部加熱プレートと、熱を発生させるように構成された加熱要素であって、上部加熱プレートより下に位置する加熱要素と、上部加熱プレートと加熱要素との間の熱インターフェース層であって、上部加熱プレートと加熱要素との間のエアギャップを変位させるように構成されたコンプライアント熱インターフェース材料を含む、熱インターフェース層と、を含み得る。
【0084】
幾つかの構成では、熱インターフェース層は、上部加熱プレートと加熱要素との間の熱伝導率を向上させるために、上部加熱プレートと加熱要素との間のエアギャップを変位させるように構成され得る。
【0085】
幾つかの構成では、複数層ヒータプレートアセンブリは、1つ以上の締結具によって互いに取り外し可能に結合され得る。
【0086】
幾つかの構成では、複数層ヒータプレートアセンブリは、下部プレートを含むことができ、加熱要素は、上部加熱プレート及び下部プレートによって画定される。
【0087】
幾つかの構成では、熱インターフェース層は、電気絶縁を提供するのに十分な厚さを含み得る。
【0088】
幾つかの構成では、複数層ヒータプレートアセンブリは、下部プレートと上部加熱プレートとの間に加熱要素及び熱インターフェース層がある状態で、下部プレートを上部加熱プレートにボルト締めすることによって形成され得る。
【0089】
幾つかの構成では、上部加熱プレートは、少なくとも1つの温度センサを受け入れるように構成されたセンサ取付ブロックを含み得る。
【0090】
幾つかの構成では、センサ取付ブロックは、2つの温度センサを受け入れるように構成され得る。
【0091】
幾つかの構成では、少なくとも1つの温度センサは、サーミスタを含み得る。
【0092】
幾つかの構成では、複数層ヒータプレートアセンブリは、下部プレートに結合された安全機能部を更に含み得る。
【0093】
幾つかの構成では、安全機能部は、サーマルカットオフユニットを含み得る。
【0094】
幾つかの構成では、下部プレートは、安全機能部を支持するためのプラットフォームを含み得る。
【0095】
幾つかの構成では、安全機能部は、ねじによってプラットフォームに固定され得る。
【0096】
幾つかの構成では、プラットフォームは、下部プレートの残部から突出することができる。
【0097】
幾つかの構成では、下部プレートは、加熱要素からの安全機能部の隔離を向上させるために、安全機能部が下部プレートに結合される場所にスロットを含み得る。
【0098】
幾つかの構成では、下部プレートは、スロットの長さに沿って切抜段部を更に含み得る。
【0099】
幾つかの構成では、スロットはL字形であり得る。
【0100】
幾つかの構成では、スロットは、加熱要素の周縁部で又は周縁部の近辺で終端することができる。
【0101】
幾つかの構成では、スロットは、熱インターフェース層の周縁部を越えて半径方向外向きに延びることができる。
【0102】
幾つかの構成では、下部プレートは、ヒータプレートアセンブリが組み立てられたときに、センサ取付ブロックの近辺に切抜段部を含み得る。
【0103】
幾つかの構成では、熱インターフェース層は、50~100のショア00硬度スケールを有し得る。
【0104】
幾つかの構成では、熱インターフェース層は、70~90のショア00硬度スケールを有し得る。
【0105】
幾つかの構成では、熱インターフェース層は、80のショア00硬度スケールを有し得る。
【0106】
幾つかの構成では、熱インターフェース材料は電気絶縁性であり得る。
【0107】
幾つかの構成では、複数層ヒータプレートアセンブリは、複数層ヒータプレートアセンブリの構成要素間のエアギャップを変位させるように構成されたコンプライアント絶縁材料の第2層を更に含み得る。
【0108】
幾つかの構成では、第2の熱インターフェース層は、加熱要素と下部プレートとの間に位置し得る。
【0109】
幾つかの構成では、第2の熱インターフェース層は、上部加熱プレートと下部プレートとの間に位置し得る。
【0110】
幾つかの構成では、複数層ヒータプレートアセンブリは、少なくとも1つの非可撓性電気絶縁層を含み得る。
【0111】
幾つかの構成では、少なくとも1つの非可撓性電気絶縁層は、コンプライアント熱インターフェース層と加熱要素との間に位置し得る。
【0112】
幾つかの構成では、複数層ヒータプレートアセンブリは、加熱要素と下部プレートとの間に少なくとも1つの非可撓性電気絶縁層を含み得る。
【0113】
幾つかの構成では、複数層ヒータプレートアセンブリは、加熱要素と下部プレートとの間に2つの非可撓性電気絶縁層を含み得る。
【0114】
幾つかの構成では、少なくとも1つの非可撓性電気絶縁層は、マイカを含み得る。
【0115】
幾つかの構成では、第2の熱インターフェース層は、導電性であり得る。
【0116】
幾つかの構成では、コンプライアント熱インターフェース材料は、熱伝導性であるが電気絶縁性のエラストマーを含み得る。
【0117】
幾つかの構成では、コンプライアント熱インターフェース材料は、シリコーン又はシリコーン化合物を含み得る。
【0118】
幾つかの構成では、コンプライアント熱インターフェース材料は、ガラス繊維基材と、基材に埋め込まれた又は基材上に配置された熱伝導性材料とを含み得る。
【0119】
幾つかの構成では、コンプライアント熱インターフェース材料は、少なくとも4000V ACの破壊電圧を有し得る。
【0120】
幾つかの構成では、コンプライアント熱インターフェース材料は、少なくとも6000V ACの破壊電圧を有し得る。
【0121】
幾つかの構成では、コンプライアント熱インターフェース材料は、少なくとも1.8W/(m.K)の熱伝導率を有し得る。
【0122】
幾つかの構成では、コンプライアント熱インターフェース材料は、弾性であり得る。
【0123】
幾つかの構成では、呼吸器加湿器用の複数層ヒータプレートアセンブリは、上部加熱プレートと、下部プレートと、熱を発生させるように構成された加熱要素であって、上部加熱プレート及び下部プレートによって画定される加熱要素と、下部プレートと上部加熱プレートとの間にあり、下部プレートと上部加熱プレートとの間のエアギャップを変位させるように構成されたコンプライアント熱インターフェース層と、を含み得る。
【0124】
幾つかの構成では、複数層ヒータプレートアセンブリは、1つ以上の締結具によって互いに取り外し可能に結合され得る。
【0125】
幾つかの構成では、複数層ヒータプレートアセンブリは、下部プレートと上部加熱プレートとの間に加熱要素及び二重電気絶縁機構がある状態で、下部プレートを上部加熱プレートにボルト締めすることによって形成され得る。
【0126】
幾つかの構成では、上部加熱プレートは、少なくとも1つの温度センサを受け入れるように構成されたセンサ取付ブロックを含み得る。
【0127】
幾つかの構成では、センサ取付ブロックは、2つの温度センサを受け入れるように構成され得る。
【0128】
幾つかの構成では、少なくとも1つの温度センサは、サーミスタを含み得る。
【0129】
幾つかの構成では、複数層ヒータプレートアセンブリは、下部プレートに結合された安全機能部を更に含み得る。
【0130】
幾つかの構成では、安全機能部は、サーマルカットオフユニットを含み得る。
【0131】
幾つかの構成では、下部プレートは、安全機能部を支持するためのプラットフォームを含み得る。
【0132】
幾つかの構成では、安全機能部は、ねじによってプラットフォームに固定され得る。
【0133】
幾つかの構成では、プラットフォームは、下部プレートの残部から突出することができる。
【0134】
幾つかの構成では、下部プレートは、加熱要素からの安全機能部の隔離を向上させるために、安全機能部が下部プレートに結合される場所にスロットを含み得る。
【0135】
幾つかの構成では、下部プレートは、スロットの長さに沿って切抜段部を更に含み得る。
【0136】
幾つかの構成では、スロットはL字形であり得る。
【0137】
幾つかの構成では、スロットは、加熱要素の周縁部で又は周縁部の近辺で終端することができる。
【0138】
幾つかの構成では、スロットは、コンプライアント熱インターフェース層の周縁部を越えて半径方向外向きに延びることができる。
【0139】
幾つかの構成では、下部プレートは、ヒータプレートアセンブリが組み立てられたときに、センサ取付ブロックの近辺に切抜段部を含み得る。
【0140】
幾つかの構成では、コンプライアント熱インターフェース層は、下部プレートの縁部と上部加熱プレートとの間のエアギャップを変位させるように構成され得る。
【0141】
幾つかの構成では、コンプライアント熱インターフェース層は、50~100のショア00硬度スケールを有し得る。
【0142】
幾つかの構成では、コンプライアント熱インターフェース層は、70~90のショア00硬度スケールを有し得る。
【0143】
幾つかの構成では、コンプライアント熱インターフェース層は、80のショア00硬度スケールを有し得る。
【0144】
幾つかの構成では、コンプライアント熱インターフェース層は電気絶縁性であり得る。
【0145】
幾つかの構成では、複数層ヒータプレートアセンブリは、上部加熱プレートと加熱要素との間のエアギャップを変位させるように構成された第2の熱インターフェース層を含み得る。
【0146】
幾つかの構成では、第2の熱インターフェース層は、導電性であり得る。
【0147】
幾つかの構成では、複数層ヒータプレートアセンブリは、少なくとも1つの非可撓性電気絶縁層を含み得る。
【0148】
幾つかの構成では、少なくとも1つの非可撓性電気絶縁層は、マイカを含み得る。
【0149】
幾つかの構成では、少なくとも1つの非可撓性電気絶縁層は、コンプライアント熱インターフェース層と加熱要素との間に位置し得る。
【0150】
幾つかの構成では、少なくとも1つの非可撓性電気絶縁層は、加熱要素と下部プレートとの間に位置し得る。
【0151】
幾つかの構成では、コンプライアント熱インターフェース層は、熱伝導性であるが電気絶縁性のエラストマーを含み得る。
【0152】
幾つかの構成では、コンプライアント熱インターフェース層は、シリコーン又はシリコーン化合物を含み得る。
【0153】
幾つかの構成では、コンプライアント熱インターフェース層は、ガラス繊維基材と、基材に埋め込まれた又は基材上に配置された熱伝導性材料とを含み得る。
【0154】
幾つかの構成では、コンプライアント熱インターフェース層は、少なくとも4000V ACの破壊電圧を有し得る。
【0155】
幾つかの構成では、コンプライアント熱インターフェース層は、少なくとも6000V ACの破壊電圧を有し得る。
【0156】
幾つかの構成では、コンプライアント熱インターフェース層は、少なくとも1.8W/(m.K)の熱伝導率を有し得る。
【0157】
幾つかの構成では、コンプライアント熱インターフェース層は、弾性であり得る。
【0158】
幾つかの構成では、呼吸器加湿器用の複数層ヒータプレートアセンブリは、上部加熱プレートと、熱を発生させるように構成された加熱要素であって、上部加熱プレートより下に位置する加熱要素と、上部加熱プレートと加熱要素との間の熱インターフェース層であって、弾性熱インターフェース材料を含む熱インターフェース層と、を含み得る。
【0159】
幾つかの構成では、複数層ヒータプレートアセンブリは、1つ以上の締結具によって互いに取り外し可能に結合され得る。
【0160】
幾つかの構成では、複数層ヒータプレートアセンブリは、下部プレートと上部加熱プレートとの間に加熱要素並びに第1及び第2の弾性電気絶縁材料がある状態で、下部プレートを上部加熱プレートにボルト締めすることによって形成され得る。
【0161】
幾つかの構成では、弾性電気絶縁材料は、50~100のショア00硬度スケールを有し得る。
【0162】
幾つかの構成では、弾性電気絶縁材料は、70~90のショア00硬度スケールを有し得る。
【0163】
幾つかの構成では、弾性電気絶縁材料は、80のショア00硬度スケールを有し得る。
【0164】
幾つかの構成では、複数層ヒータプレートアセンブリは、非可撓性電気絶縁層を含み得る。
【0165】
幾つかの構成では、非可撓性電気絶縁層は、マイカを含み得る。
【0166】
幾つかの構成では、弾性電気絶縁材料は、熱伝導性であるが電気絶縁性のエラストマーを含み得る。
【0167】
幾つかの構成では、弾性電気絶縁材料は、シリコーン又はシリコーン化合物を含み得る。
【0168】
幾つかの構成では、弾性電気絶縁材料は、ガラス繊維基材と、基材に埋め込まれた又は基材上に配置された熱伝導性材料とを含み得る。
【0169】
幾つかの構成では、弾性電気絶縁材料は、少なくとも4000V ACの破壊電圧を有し得る。
【0170】
幾つかの構成では、弾性電気絶縁材料は、少なくとも6000V ACの破壊電圧を有し得る。
【0171】
幾つかの構成では、弾性電気絶縁材料は、少なくとも1.8W/(m.K)の熱伝導率を有し得る。
【0172】
幾つかの構成では、上部加熱プレートは、金属を含み得る。
【0173】
幾つかの構成では、上部加熱プレートは、下面上の空洞と、呼吸器加湿器の加湿器チャンバのベースに接触するために露出した上面とを含み得る。
【0174】
幾つかの構成では、上部加熱プレートは、少なくとも1つの温度センサを受け入れるように構成されたセンサ取付ブロックを含み得る。
【0175】
幾つかの構成では、センサ取付ブロックは、2つの温度センサを受け入れるように構成され得る。
【0176】
幾つかの構成では、少なくとも1つの温度センサは、サーミスタを含み得る。
【0177】
幾つかの構成では、複数層ヒータプレートアセンブリは、下部プレートに結合された安全機能部を更に含み得る。
【0178】
幾つかの構成では、安全機能部は、サーマルカットオフユニットを含み得る。
【0179】
幾つかの構成では、下部プレートは、安全機能部を支持するためのプラットフォームを含み得る。
【0180】
幾つかの構成では、安全機能部は、ねじによってプラットフォームに固定され得る。
【0181】
幾つかの構成では、プラットフォームは、下部プレートの残部から突出することができる。
【0182】
幾つかの構成では、下部プレートは、加熱要素からの安全機能部の隔離を向上させるために、安全機能部が下部プレートに結合される場所にスロットを含み得る。
【0183】
幾つかの構成では、下部プレートは、スロットの長さに沿って切抜段部を更に含み得る。
【0184】
幾つかの構成では、スロットはL字形であり得る。
【0185】
幾つかの構成では、スロットは、加熱要素の周縁部で又は周縁部の近辺で終端することができる。
【0186】
幾つかの構成では、スロットは、第1の弾性絶縁材料及び/又は第2の弾性絶縁材料の周縁部を越えて半径方向外向きに延びることができる。
【0187】
幾つかの構成では、下部プレートは、ヒータプレートアセンブリが組み立てられたときに、センサ取付ブロックの近辺に切抜段部を含み得る。
【0188】
幾つかの構成では、医療処置で使用するための加湿器システムは、ベースユニットと、ベースユニット上に受け入れ可能な加湿器チャンバと、を含むことができ、ベースユニットは、上述の複数層ヒータプレートアセンブリ例のいずれかを含み得る。
【0189】
幾つかの構成では、加湿器チャンバは伝導性ベースを含むことができ、加湿器チャンバがベースユニット上に配置されると、伝導性ベースはヒータプレートアセンブリと強制的に接触させられる。
【0190】
幾つかの構成では、ヒータプレートアセンブリは、チャンバを通過するガスを加湿するために、加湿器チャンバを加熱してチャンバの内容物を加熱することができる。
【0191】
幾つかの構成では、システムは、加湿器チャンバから患者インターフェースにガスを搬送するように構成されたチューブを含み得る。
【0192】
幾つかの構成では、医療処置で使用するための加湿器システムは、加湿器チャンバを受け入れるように構成されたハウジングと、ハウジング内に少なくとも部分的に位置するヒータプレートアセンブリであって、ヒータプレートアセンブリは、上部加熱プレートであって、加湿器チャンバがハウジングによって受け入れられると加湿器チャンバのベースに接触するように構成されている、上部加熱プレートと、上部加熱プレートに又は上部加熱プレートの近辺に位置するサーミスタと、熱を発生させるように構成された加熱要素と、上部加熱プレートと加熱要素との間の電気絶縁機構と、を含む、ヒータプレートアセンブリと、を含むことができ、電気絶縁機構は、加熱要素への電力信号によって発生した熱が上部加熱プレートに伝達されるように、加熱要素と上部加熱プレートとを熱的に結合することができる。
【0193】
幾つかの構成では、電気絶縁機構は、加熱要素と上部加熱プレートとの間の熱的結合を向上させることができる。
【0194】
幾つかの構成では、医療処置で使用するための加湿器システムは、加湿器チャンバを受け入れるように構成されたハウジングと、ハウジング内に少なくとも部分的に位置するヒータプレートアセンブリであって、ヒータプレートアセンブリは、上部加熱プレートであって、加湿器チャンバがハウジングによって受け入れられると加湿器チャンバのベースに接触するように構成されている、上部加熱プレートと、上部加熱プレートに又は上部加熱プレートの近辺に位置するサーミスタと、熱を発生させるように構成された加熱要素と、上部加熱プレートと加熱要素との間の電気絶縁機構とを含む、ヒータプレートアセンブリと、を含むことができ、電気絶縁機構は、加熱要素への電力信号によって発生した熱が上部加熱プレートに伝達されるように、加熱要素と上部加熱プレートとを熱的に結合することができる。幾つかの構成では、電気絶縁機構は、加熱要素と上部加熱プレートとの間の熱的結合を向上させることができる。
【0195】
幾つかの構成では、電気絶縁機構は、可撓性又はコンプライアント絶縁シートを含み得る。
【0196】
幾つかの構成では、電気絶縁機構は、弾性絶縁シートを含み得る。
【0197】
幾つかの構成では、電気絶縁機構は、上部加熱プレートと加熱要素との間のエアギャップを変位させるように構成されたコンプライアント絶縁シートを含み得る。
【0198】
幾つかの構成では、可撓性又はコンプライアント絶縁シートは、加熱要素から上部加熱プレートへの熱伝導を向上させることができる。
【0199】
幾つかの構成では、電気絶縁シートは、加熱要素から上部加熱プレートへの熱伝導を向上させることができる。
【0200】
幾つかの構成では、可撓性又はコンプライアント絶縁シートは、ヒータプレートアセンブリの構成要素間の熱伝導率が向上するように、ヒータプレートアセンブリの静電容量を低減させることができる。
【0201】
幾つかの構成では、電気絶縁シートは、ヒータプレートアセンブリの構成要素間の熱伝導率が向上するように、ヒータプレートアセンブリの静電容量を低減させることができる。
【0202】
幾つかの構成では、システムは、2つの絶縁要素を含む二重電気絶縁機構を含み得る。
【0203】
幾つかの構成では、2つの絶縁要素は、2つの非可撓性絶縁層を含み得る。
【0204】
幾つかの構成では、2つの非可撓性絶縁層は、マイカを含み得る。
【0205】
幾つかの構成では、2つの絶縁要素は、互いに別々の2つの層を含み得る。
【0206】
幾つかの構成では、二重電気絶縁機構は、電気絶縁機構と加熱要素との間に位置し得る。
【0207】
幾つかの構成では、電気絶縁機構は、熱伝導性であるが電気絶縁性のエラストマーを含み得る。
【0208】
幾つかの構成では、電気絶縁機構は、シリコーン又はシリコーン化合物を含み得る。
【0209】
幾つかの構成では、電気絶縁機構は、ガラス繊維基材と、基材に埋め込まれた又は基材上に配置された熱伝導性材料とを含み得る。
【0210】
幾つかの構成では、電気絶縁機構は、少なくとも4000V ACの破壊電圧を有する材料を含む。
【0211】
幾つかの構成では、電気絶縁機構は、少なくとも6000V ACの破壊電圧を有する材料を含み得る。
【0212】
幾つかの構成では、電気絶縁機構は、少なくとも1.8W/(m.K)の熱伝導率を有する材料を含み得る。
【0213】
幾つかの構成では、絶縁機構は、加湿器チャンバ内の低水状態又は水切れ状態を検知するために電力信号に印加される波形が、電力が低減された波形であり得るように、加熱要素と上部加熱プレートとの間の熱的結合を向上させることができる。幾つかの構成では、絶縁機構は、加湿器チャンバ内の低水状態又は水切れ状態を検知するために電力信号に注入される波形が、電力が低減された波形であり得るように、加熱要素と上部加熱プレートとの間の熱的結合を向上させることができる。
【0214】
幾つかの構成では、電気絶縁機構は、サーミスタの温度表示値が加湿器チャンバ内の水の温度により良好に対応するように、加熱要素と上部加熱プレートとの間の熱的結合を向上させることができる。
【0215】
幾つかの構成では、ヒータプレートアセンブリは、下部プレートを含むことができ、加熱要素及び電気絶縁機構は、下部プレートと上部加熱プレートとの間に画定され得る。
【0216】
幾つかの構成では、下部プレートは、電気絶縁機構に接触することができる。
【0217】
幾つかの構成では、ヒータプレートアセンブリは、上部加熱プレートと下部プレートとの間に可撓性又はコンプライアント絶縁シートを含み得る。
【0218】
幾つかの構成では、ヒータプレートアセンブリは、上部加熱プレートと下部プレートとの間に可撓性電気絶縁シートを含み得る。
【0219】
幾つかの構成では、ヒータプレートアセンブリは、上部加熱プレートと下部プレートとの間に、上部加熱プレートと下部プレートとの間のエアギャップを変位させるように構成されたコンプライアント電気絶縁シートを含み得る。
【0220】
幾つかの構成では、上部加熱プレートは、少なくとも1つの温度センサを受け入れるように構成されたセンサ取付ブロックを含み得る。
【0221】
幾つかの構成では、センサ取付ブロックは、2つの温度センサを受け入れるように構成され得る。
【0222】
幾つかの構成では、温度センサは、サーミスタを含み得る。
【0223】
幾つかの構成では、安全機能部は、サーマルカットオフユニットを含み得る。
【0224】
幾つかの構成では、下部プレートは、安全機能部を支持するためのプラットフォームを含み得る。
【0225】
幾つかの構成では、安全機能部は、ねじによってプラットフォームに固定され得る。
【0226】
幾つかの構成では、プラットフォームは、下部プレートの残部から突出することができる。
【0227】
幾つかの構成では、下部プレートは、加熱要素からの安全機能部の隔離を向上させるために、安全機能部が下部プレートに結合される場所にスロットを含み得る。
【0228】
幾つかの構成では、下部プレートは、スロットの長さに沿って切抜段部を更に含み得る。
【0229】
幾つかの構成では、スロットはL字形であり得る。
【0230】
幾つかの構成では、スロットは、加熱要素の周縁部で又は周縁部の近辺で終端することができる。
【0231】
幾つかの構成では、スロットは、二重絶縁機構の周縁部を越えて半径方向外向きに延びることができる。
【0232】
幾つかの構成では、下部プレートは、ヒータプレートアセンブリが組み立てられたときに、センサ取付ブロックの近辺に切抜段部を含み得る。
【0233】
幾つかの構成では、低水及び/又は水切れ検知を備える呼吸器又は手術用加湿器システムは、1つ以上の加熱要素を含むヒータプレートと、ヒータプレートの1つ以上の加熱要素と電子通信し、ヒータプレートの1つ以上の加熱要素に通電するように構成されているハードウェアコントローラと、を含む、ベースユニットを含み得る。幾つかの構成では、システムは、容積を画定し、伝導性ベースを含む加湿器チャンバであって、伝導性ベースは、伝導性ベースがヒータプレートに接触するように、ベースユニット上に受け入れ可能であり、加湿器チャンバは、水位を保つように構成されている、加湿器チャンバを更に含み得る。幾つかの構成では、ハードウェアコントローラは、加湿器チャンバの比熱容量を推測することができる値を決定し、決定された、比熱容量を推測することができる値に少なくとも一部基づいて、低水又は水切れ状態を決定するように構成され得る。
【0234】
幾つかの構成では、ハードウェアコントローラは、加湿器チャンバの比熱容量値を決定し、決定された比熱容量値に少なくとも一部基づいて、低水又は水切れ状態を決定するように構成され得る。
【0235】
幾つかの構成では、ハードウェアコントローラは、決定された比熱容量値が閾値未満であることに応答して、低水又は水切れ状態が存在すると決定することができる。幾つかの構成では、ハードウェアコントローラは、決定された、比熱容量を推測することができる値が閾値未満であることに応答して、低水又は水切れ状態が存在すると決定することができる。
【0236】
幾つかの構成では、ハードウェアコントローラは、比熱容量値を連続的に決定することができる。幾つかの構成では、ハードウェアコントローラは、比熱容量を推測することができる値を連続的に決定することができる。
【0237】
幾つかの構成では、ハードウェアコントローラは、比熱容量値を断続的に決定することができる。幾つかの構成では、ハードウェアコントローラは、比熱容量を推測することができる値を断続的に決定することができる。
【0238】
幾つかの構成では、比熱容量値は、数値スコアとして決定され得る。幾つかの構成では、比熱容量を推測することができる値は、数値スコアであり得る。
【0239】
幾つかの構成では、システムは、ヒータプレートに結合された又は隣接する温度センサを含むことができ、温度センサは、ヒータプレートの温度を決定する。
【0240】
幾つかの構成では、温度センサは、サーミスタを含み得る。
【0241】
幾つかの構成では、温度センサは、2つのサーミスタを含むことができ、各サーミスタは、分圧器として機能する。
【0242】
幾つかの構成では、ハードウェアコントローラは、2つのサーミスタの電圧表示値から温度値を決定することができる。
【0243】
幾つかの構成では、ハードウェアコントローラは、温度センサの温度表示値に基づいて、比熱容量値を決定することができる。幾つかの構成では、ハードウェアコントローラは、温度センサの温度表示値に基づいて、比熱容量を推測することができる値を決定することができる。
【0244】
幾つかの構成では、ハードウェアコントローラは、ヒータプレートの1つ以上の加熱要素に特性通電信号を印加し、特性通電信号に対応する、温度センサからの温度信号を処理し、温度信号に基づいて、比熱容量値を決定し、決定された比熱容量値が閾値未満であることに応答して、低水又は水切れ警告を出力するように構成されている。幾つかの構成では、ハードウェアコントローラは、温度信号に基づいて、比熱容量を推測することができる値を決定し、決定された、比熱容量を推測することができる値が閾値未満であることに応答して、低水又は水切れ警告を出力するように構成されている。
【0245】
幾つかの構成では、ハードウェアコントローラは、特性通電信号を連続的に印加するように構成され得る。幾つかの構成では、ハードウェアコントローラは、特性通電信号を断続的に印加するように構成され得る。
【0246】
幾つかの構成では、ハードウェアコントローラは、特性通電信号をヒータプレート制御信号に印加するように構成され得る。幾つかの構成では、特性通電信号は、ヒータプレート制御信号に注入されることによって印加され得る。幾つかの構成では、ハードウェアコントローラは、ヒータプレート制御信号を提供する電力制御ラインに特性通電信号を印加するように構成され得る。
【0247】
幾つかの構成では、特性通電信号は、ヒータプレート制御信号よりも周波数が高くなり得る。
【0248】
幾つかの構成では、ハードウェアコントローラは、特性通電信号の周波数に対応する温度測定値を通過させることができるように、温度センサの温度測定値を、特性通電信号の周波数に対応するフィルタ周波数を有するバンドパスフィルタ又はハイパスフィルタなどのフィルタに通過させることができる。幾つかの構成では、フィルタは、ホモダインなどの直接変換受信機、又は無限インパルス応答フィルタであり得る。
【0249】
幾つかの構成では、特性通電信号の周波数に対応する温度測定値を使用して、比熱容量値を決定することができる。幾つかの構成では、特性通電信号の周波数に対応する温度測定値を使用して、比熱容量を推測することができる値を決定することができる。
【0250】
幾つかの構成では、ヒータプレートは、上述のヒータプレートアセンブリ例のいずれかを含み得る。
【0251】
幾つかの構成では、システムは、医療処置で使用するための上述の加湿器システムの1つ以上の特徴を含み得る。
【0252】
幾つかの構成では、低水及び/又は水切れ検知を備える呼吸器又は手術用加湿器システムは、1つ以上の加熱要素を含むヒータプレートと、ヒータプレートの1つ以上の加熱要素と電子通信し、ヒータプレートの1つ以上の加熱要素に通電するように構成されているハードウェアコントローラと、ヒータプレートに結合された又は隣接する温度センサであって、ヒータプレートの温度を示す信号を発生するように構成されている温度センサと、を含む、ベースユニットを含み得る。幾つかの構成では、システムは、容積を画定し、伝導性ベースを含む加湿器チャンバであって、伝導性ベースは、伝導性ベースがヒータプレートに接触するように、ベースユニット上に受け入れ可能であり、加湿器チャンバは、水位を保つように構成されている、加湿器チャンバを含み得る。幾つかの構成では、ハードウェアコントローラは、ヒータプレートの1つ以上の加熱要素に特性通電信号を印加し、特性通電信号に対する応答を示す信号を受信し、通電信号に対する応答を示す受信信号の大きさ及び/又は位相に基づいて、低水又は水切れ状態を決定するように構成され得る。
【0253】
幾つかの構成では、ハードウェアコントローラは、ヒータプレートの1つ以上の加熱要素に特性通電信号を印加し、特性通電信号に対する応答を示す信号を受信し、通電信号に対する応答を示す受信信号の大きさ及び/又は位相に基づいて、低水又は水切れ状態を決定するように構成され得る。
【0254】
幾つかの構成では、決定された、閾値を上回る大きさは、低水又は水切れ状態を示すことができる。
【0255】
幾つかの構成では、決定された、閾値を満たす大きさ及び/又は位相は、低水又は水切れ状態を示すことができる。
【0256】
幾つかの構成では、大きさ及び/又は位相の二次元表現の既定の領域の範囲外又は範囲内である、決定された大きさ及び/又は位相は、低水又は水切れ状態を示すことができる。
【0257】
幾つかの構成では、大きさは、加湿器チャンバの比熱容量に反比例し得る。
【0258】
幾つかの構成では、ハードウェアコントローラは、特性周波数の特性通電信号を印加するように構成され得る。
【0259】
幾つかの構成では、特性周波数は、ハードウェアコントローラがヒータプレートの1つ以上の加熱要素に通電する通常動作周波数よりも高くされ得る。幾つかの構成では、特性周波数は、ハードウェアコントローラがヒータプレートの1つ以上の加熱要素に通電するヒータプレート制御動作周波数よりも高くされ得る。
【0260】
幾つかの構成では、特性通電信号は、通常動作周波数の少なくとも1.5倍の周波数であり得る。幾つかの構成では、特性通電信号は、ヒータプレート制御動作周波数の少なくとも1.5倍の周波数であり得る。
【0261】
幾つかの構成では、ハードウェアコントローラは、特性通電信号を発生し、印加するように構成された信号発生器を含み得る。
【0262】
幾つかの構成では、ハードウェアコントローラは、特性通電信号をヒータプレート制御信号に印加するように構成され得る。幾つかの構成では、特性通電信号は、ヒータプレート制御信号に注入されることによって印加され得る。幾つかの構成では、ハードウェアコントローラは、ヒータプレート制御信号を提供する電力制御ラインに特性通電信号を印加するように構成され得る。
【0263】
幾つかの構成では、ハードウェアコントローラは、フィルタを含むことができ、フィルタは、ヒータプレートの温度を示す信号をフィルタリングし、通電信号に対する応答を示す信号を得る。
【0264】
幾つかの構成では、フィルタは、バンドパスフィルタ又はハイパスフィルタであり得る。幾つかの構成では、フィルタは、ホモダインなどの直接変換受信機、又は無限インパルス応答フィルタであり得る。
【0265】
幾つかの構成では、バンドパスフィルタは、特性通電信号の周波数に対応する帯域内のヒータプレートの温度を示す信号をフィルタリングすることができる。
【0266】
幾つかの構成では、特性通電信号の周波数において、閾値を超えるヒータプレートの温度を示す信号の大きさは、低水又は水切れ状態を示すことができる。
【0267】
幾つかの構成では、ヒータプレートの温度を示す受信信号は、ヒータプレートの温度を示す信号の周波数応答を含むことができ、ハードウェアコントローラは、周波数応答に基づいて、低水又は水切れ状態を決定するように構成されている。
【0268】
幾つかの構成では、特性通電信号に対する応答を示す受信信号の大きさを処理してスコアを決定することができ、スコアが閾値を上回る場合、スコアは、低水又は水切れ状態を示すことができる。
【0269】
幾つかの構成では、スコアは、特性通電信号に対する応答を示す受信信号の2乗又は2乗平均平方根(RMS:root-mean squared)温度値を得、特性通電信号に対する応答を示す受信信号を、受信信号をローパスフィルタに通過させることにより滑らかにし、スコアを計算することによって決定され得る。
【0270】
幾つかの構成では、特性通電信号は、3乗の三角波(cubed triangle wave)を含み得る。波は、ハードウェアコントローラのパルス幅変調(PWM:pulse-width modulation)モジュールによって印加されてもよい。
【0271】
幾つかの構成では、特性通電信号は、ゼロ平均信号であり得る。
【0272】
幾つかの構成では、ヒータプレートは、上述のヒータプレートアセンブリ例及び複数層ヒータプレートアセンブリ例のいずれかを含み得る。
【0273】
幾つかの構成では、システムは、医療処置で使用するための上述の加湿器システムの1つ以上の特徴を含み得る。
【0274】
幾つかの構成では、呼吸器又は手術用加湿器システムの加湿器チャンバの低水又は水切れ状態を検知する方法は、呼吸器又は手術用加湿器システムのベースユニット内のハードウェアコントローラを使用して、加湿器チャンバの比熱容量値を決定することであって、加湿器チャンバは、容積を画定し、水位を保つことができ、加湿器チャンバは伝導性ベースを含むことができ、伝導性ベースは、伝導性ベースがベースユニットのヒータプレートに接触するように、ベースユニット上に受け入れ可能であり、ヒータプレートは、1つ以上の加熱要素を含み、1つ以上の加熱要素は、ハードウェアコントローラと電子通信し、ハードウェアコントローラによって通電されるように構成されている、ことと、決定された比熱容量値に少なくとも一部基づいて、低水又は水切れ状態を決定することと、を含み得る。
【0275】
幾つかの構成では、呼吸器又は手術用加湿器システムの加湿器チャンバの低水又は水切れ状態を検知する方法は、呼吸器又は手術用加湿器システムのベースユニット内のハードウェアコントローラを使用して、加湿器チャンバの比熱容量を推測することができる値を決定することであって、加湿器チャンバは、容積を画定し、水位を保つことができ、加湿器チャンバは伝導性ベースを含むことができ、伝導性ベースは、伝導性ベースがベースユニットのヒータプレートに接触するように、ベースユニット上に受け入れ可能であり、ヒータプレートは、1つ以上の加熱要素を含み、1つ以上の加熱要素は、ハードウェアコントローラと電子通信し、ハードウェアコントローラによって通電されるように構成されている、ことと、決定された、比熱容量を推測することができる値に少なくとも一部基づいて、低水又は水切れ状態を決定することと、を含み得る。
【0276】
幾つかの構成では、決定された比熱容量値が閾値未満であることは、低水又は水切れ状態を示すことができる。幾つかの構成では、決定された、比熱容量を推測することができる値が閾値未満であることは、低水又は水切れ状態を示すことができる。
【0277】
幾つかの構成では、方法は、比熱容量値を連続的に決定することを含み得る。幾つかの構成では、方法は、比熱容量を推測することができる値を連続的に決定することを含み得る。
【0278】
幾つかの構成では、方法は、比熱容量値を断続的に決定することを含み得る。幾つかの構成では、方法は、比熱容量を推測することができる値を断続的に決定することを含み得る。
【0279】
幾つかの構成では、方法は、比熱容量値を数値スコアとして決定することを含み得る。幾つかの構成では、方法は、比熱容量を推測することができる値を、数値スコアとして決定することを含み得る。
【0280】
幾つかの構成では、呼吸器又は手術用加湿器システムは、ヒータプレートに結合された又は隣接する温度センサを含むことができ、温度センサは、ヒータプレートの温度を決定するように構成されている。
【0281】
幾つかの構成では、温度センサは、サーミスタを含み得る。
【0282】
幾つかの構成では、温度センサは、2つのサーミスタを含むことができ、各サーミスタは、分圧器として機能する。
【0283】
幾つかの構成では、方法は、2つのサーミスタの電圧表示値による温度値を、式を用いて変換することを含み得る。
【0284】
幾つかの構成では、方法は、温度センサの温度表示値に基づいて比熱容量値を決定することを含み得る。幾つかの構成では、方法は、温度センサの温度表示値に基づいて、比熱容量を推測することができる値を決定することを含み得る。
【0285】
幾つかの構成では、方法は、ヒータプレートの1つ以上の加熱要素に特性通電信号を印加することと、特性通電信号に対応する、温度センサからのフィルタリングされた温度信号を処理することと、温度信号に基づいて、比熱容量値を決定することと、決定された比熱容量値が閾値未満であることに応答して、低水又は水切れ警告を出力することと、を更に含み得る。幾つかの構成では、方法は、ヒータプレートの1つ以上の加熱要素に特性通電信号を印加することと、特性通電信号に対応する、温度センサからのフィルタリングされた温度信号を処理することと、温度信号に基づいて、比熱容量を推測することができる値を決定することと、決定された、比熱容量を推測することができる値が閾値未満であることに応答して、低水又は水切れ警告を出力することと、を更に含み得る。
【0286】
幾つかの構成では、方法は、特性通電信号を連続的に印加することを含み得る。幾つかの構成では、方法は、特性通電信号を断続的に印加することを含み得る。
【0287】
幾つかの構成では、方法は、ヒータプレート制御信号を提供する電力制御ラインに特性通電信号を印加することを含み得る。
【0288】
幾つかの構成では、特性通電信号は、ヒータプレート制御信号に印加され得る。幾つかの構成では、特性通電信号は、ヒータプレート制御信号に注入されることによって印加され得る。
【0289】
幾つかの構成では、特性通電信号は、ヒータプレート制御信号よりも周波数が高くなり得る。
【0290】
幾つかの構成では、方法は、特性通電信号の周波数に対応する温度測定値を通過させるように、温度センサの温度測定値をフィルタに通過させることを含み得る。幾つかの構成では、方法は、特性通電信号の周波数に対応する温度測定値を通過させるように、温度センサの温度測定値を、特性通電信号の周波数に対応するフィルタ周波数を有するバンドパスフィルタに通過させることを含み得る。幾つかの構成では、フィルタは、ハイパスフィルタであり得る。幾つかの構成では、フィルタは、ホモダインなどの直接変換受信機、又は無限インパルス応答フィルタであり得る。
【0291】
幾つかの構成では、方法は、特性通電信号の周波数に対応する温度測定値を使用して、比熱容量値を決定することを含み得る。幾つかの構成では、方法は、特性通電信号の周波数に対応する温度測定値を使用して、比熱容量を推測することができる値を決定することを含み得る。
【0292】
幾つかの構成では、ヒータプレートは、上述のヒータプレートアセンブリ例及び複数層ヒータプレートアセンブリ例のいずれかを含み得る。
【0293】
幾つかの構成では、システムは、医療処置で使用するための上述の加湿器システムの1つ以上の特徴を含み得る。
【0294】
幾つかの構成では、非一時的なコンピュータ可読媒体が、処理デバイス上で実行されると処理デバイスに方法を実施させることができるコンピュータ実行可能命令を格納する。
【0295】
幾つかの構成では、呼吸器又は手術用加湿器システムの加湿器チャンバの低水又は水切れ状態を検知する方法は、呼吸器又は手術用加湿器システムのベースユニット内のハードウェアコントローラを使用して、ベースユニット内のヒータプレートの1つ以上の加熱要素に特性通電信号を印加することであって、ヒータプレートの1つ以上の加熱要素は、ハードウェアコントローラと電子通信し、ハードウェアコントローラによって通電されるように構成されており、呼吸器又は手術用加湿器システムは、加湿器チャンバを更に含むことができ、加湿器チャンバは、容積を画定し、伝導性ベースを含み、伝導性ベースは、伝導性ベースがヒータプレートに接触するように、ベースユニット上に受け入れ可能であり、加湿器チャンバは、水位を保つことができる、ことと、ヒータプレートに結合された又は隣接する温度センサからの特性通電信号に対する応答を表す信号を受信することと、特性通電信号に対する応答を示す受信信号の大きさに基づいて、低水又は水切れ状態を決定することと、を含み得る。幾つかの構成では、方法は、特性通電信号に対する応答を示す受信信号の大きさ及び/又は位相に基づいて、低水又は水切れ状態を決定することを含み得る。
【0296】
幾つかの構成では、閾値を上回る大きさは、低水又は水切れ状態を示すことができる。大きさは、加湿器チャンバの比熱容量に反比例し得る。
【0297】
幾つかの構成では、決定された、閾値を満たす大きさ及び/又は位相は、低水又は水切れ状態を示すことができる。
【0298】
幾つかの構成では、大きさ及び/又は位相の二次元表現の所定の領域の範囲外又は範囲内である、決定された、大きさ及び/又は位相は、低水又は水切れ状態を示すことができる。
【0299】
幾つかの構成では、方法は、ヒータプレート制御信号を提供する電力制御ラインに特性通電信号を印加することを含み得る。
【0300】
幾つかの構成では、特性通電信号は、ヒータプレート制御信号に印加され得る。幾つかの構成では、特性通電信号は、ヒータプレート制御信号に注入されることによって印加され得る。
【0301】
幾つかの構成では、方法は、特性通電信号を連続的に印加することを含み得る。幾つかの構成では、方法は、特性通電信号を断続的に印加することを含み得る。
【0302】
幾つかの構成では、方法は、特性周波数の特性通電信号を印加することを含み得る。
【0303】
幾つかの構成では、特性周波数は、ハードウェアコントローラがヒータプレートの1つ以上の加熱要素に通電する通常動作周波数よりも高くされ得る。幾つかの構成では、特性周波数は、ハードウェアコントローラがヒータプレートの1つ以上の加熱要素に通電するヒータプレート制御動作周波数よりも高くされ得る。
【0304】
幾つかの構成では、特性通電信号は、通常動作周波数の少なくとも1.5倍の周波数であり得る。幾つかの構成では、特性通電信号は、ヒータプレート制御動作周波数の少なくとも1.5倍の周波数であり得る。
【0305】
幾つかの構成では、ハードウェアコントローラは、特性通電信号を発生し、印加するように構成された信号発生器を含み得る。
【0306】
幾つかの構成では、ハードウェアコントローラは、フィルタを含むことができ、フィルタは、ヒータプレートの温度を示す信号をフィルタリングし、特性通電信号に対する応答を示す信号を得る。
【0307】
幾つかの構成では、フィルタは、バンドパスフィルタであり得る。幾つかの構成では、フィルタは、ハイパスフィルタであり得る。幾つかの構成では、フィルタは、ホモダインなどの直接変換受信機、又は無限インパルス応答フィルタであり得る。
【0308】
幾つかの構成では、バンドパスフィルタは、特性通電信号の周波数に対応する帯域内のヒータプレートの温度を示す信号をフィルタリングすることができる。
【0309】
幾つかの構成では、特性通電信号の周波数において、閾値を超えるヒータプレートの温度を示す信号の大きさは、低水又は水切れ状態を示すことができる。
【0310】
幾つかの構成では、受信信号は、ヒータプレートの温度を示す信号の周波数応答を含むことができ、ハードウェアコントローラは、周波数応答に基づいて、低水又は水切れ状態を決定するように構成されている。
【0311】
幾つかの構成では、方法は、特性通電信号に対する応答を示す受信信号の大きさを処理してスコアを決定することを含むことができ、スコアが閾値を上回る場合、スコアは、低水又は水切れ状態を示すことができる。
【0312】
幾つかの構成では、方法は、特性通電に対する応答を示す受信信号の2乗又は2乗平均平方根(RMS)温度値を得、特性通電に対する応答を示す受信信号を、受信信号をローパスフィルタに通過させることにより滑らかにし、スコアを計算することによってスコアを決定することを含み得る。
【0313】
幾つかの構成では、特性通電信号は、3乗の三角波を含み得る。波は、ハードウェアコントローラのパルス幅変調(PWM)モジュールによって印加されてもよい。
【0314】
幾つかの構成では、特性通電信号は、ゼロ平均信号であり得る。
【0315】
幾つかの構成では、ヒータプレートは、上述のヒータプレートアセンブリ例及び複数層ヒータプレートアセンブリ例のいずれかを含み得る。
【0316】
幾つかの構成では、システムは、医療処置で使用するための上述の加湿器システムの1つ以上の特徴を含み得る。
【0317】
幾つかの構成では、非一時的なコンピュータ可読媒体が、処理デバイス上で実行されると処理デバイスに方法を実施させることができるコンピュータ実行可能命令を格納する。
【0318】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点を、特定の実施形態を概略的に示すことを意図し、本開示を限定しない特定の実施形態の図面を参照しながら記載する。
【図面の簡単な説明】
【0319】
【
図1A】例示的な呼吸器加湿器システムを概略的に示す。
【
図1B】
図1Aの呼吸器加湿器システムの例示的なヒータベースユニットを概略的に示す。
【
図1C】例示的な呼吸器加湿器システムを概略的に示す。
【
図1D】
図1Cの呼吸器加湿器システムの例示的なヒータベースユニットを概略的に示す。
【
図1E】
図1Cのヒータベースユニット及び例示的な呼吸回路加熱要素アダプタの部分図を概略的に示す。
【
図2A】別個のブロワユニットとヒータベースユニットを有し、鼻マスクに接続された例示的な呼吸器加湿器システムを概略的に示す。
【
図2B】鼻カニューレに接続された
図2Aの呼吸器加湿器システムを概略的に示す。
【
図2C】一体化されたブロワユニットとヒータベースユニットを有する例示的な呼吸器加湿器システムを概略的に示す。
【
図3A】呼吸器加湿器システムの加湿器チャンバ内の低水及び/又は水切れ状態を検知するための例示的なプロセスのフローチャートを示す。
【
図3B】呼吸器加湿器システムの加湿器チャンバ内の低水及び/又は水切れ状態を検知するための例示的なプロセスのフローチャートを示す。
【
図3C】水切れ状態の前及び水切れ状態中の例示的な帰還信号を示すグラフを示す。
【
図3D】水切れ状態を伴う例示的な帰還信号及び水切れ状態を伴わない例示的な帰還信号を時間領域で示す。
【
図3E】水切れ状態を伴う例示的な帰還信号及び水切れ状態を伴わない例示的な帰還信号を周波数領域で示す。
【
図3F】帰還信号の大きさ及び位相を示す例示的なデータ点、並びに帰還信号の大きさに基づいた例示的な水切れ分類境界を示す。
【
図3G】帰還信号の大きさ及び位相を示す例示的なデータ点、並びに帰還信号の位相に基づいた例示的な水切れ分類境界を示す。
【
図3H】帰還信号の大きさ及び位相を示す例示的なデータ点、並びに帰還信号の大きさ及び位相に基づいた2つの例示的な水切れ分類境界を示す。
【
図4A】低水及び/又は水切れ状態を検知するための例示的な加湿器システムの系統図を示す。
【
図4B】水切れ状態の前及び水切れ状態中の例示的なヒータプレート温度及び出力露点を時間領域及び周波数領域で示す。
【
図4C】加湿器システムのヒータプレート電力信号に印加する(例えば、注入する)ための補完信号の例示的な波形を示すグラフを示す。
【
図4E】加湿器システムの例示的なヒータプレート温度伝達関数を示す。
【
図4F】ヒータプレートの温度信号及び電力信号、T
HP’及びP
HP’を組み合わせた例示的な波形を示す。
【
図5A】帰還信号に基づいて低水及び/又は水切れ状態を決定するための例示的なアルゴリズムを示す。
【
図5B】水切れ状態の前及び水切れ状態中の例示的な水切れスコア及び露点を示す。
【
図6】帰還信号の大きさを決定するための例示的な漏洩検出器(leaky detector)を示す。
【
図7】異なるチャンバ及び/又は異なる流量における例示的なヒータプレート温度信号ゲイン並びに位相を示す。
【
図8A】加湿器チャンバの低水及び/又は水切れ状態を検知するための例示的な回路モデル又はシステムを示す。
【
図8B】加湿器チャンバの低水及び/又は水切れ状態を検知するための例示的な回路モデル又はシステムを示す。
【
図8C】
図8A又は
図8Bのシステムの抵抗項と静電容量項との間の相互作用によって形成された例示的な抵抗器-コンデンサ(RC)フィルタを示す。
【
図8D】低水及び/又は水切れ状態を検知するための例示的な印加(例えば、注入)波形のクリッピングを示す。
【
図9】例示的なヒータプレートアセンブリの分解図を示す。
【
図9A】別の例示的なヒータプレートアセンブリの分解図を示す。
【
図9B】
図9Aの例示的なヒータプレートアセンブリの様々な斜視図を、電源に接続するための線なしで示す。
【
図9C】
図9Aの例示的なヒータプレートアセンブリの様々な斜視図を、電源に接続するための線なしで示す。
【
図9E】例示的なヒータプレートアセンブリの一部分の斜視図を示す。
【
図10】例示的なヒータプレートの積み重ね構成を概略的に示す。
【
図11】別の例示的なヒータプレートの積み重ね構成を概略的に示す。
【
図12A】
図11のヒータプレートの積み重ね構成内の上部加熱プレートの例示的な3次元表現を示す。
【
図12B】
図11のヒータプレートの積み重ね構成内の上部加熱プレートの例示的な3次元表現の様々な図を示す。
【
図12C】
図11のヒータプレートの積み重ね構成内の上部加熱プレートの例示的な3次元表現の様々な図を示す
【
図12D】
図11のヒータプレートの積み重ね構成内の下部プレートの例示的な3次元表現の様々な図を示す。
【
図12E】
図11のヒータプレートの積み重ね構成内の下部プレートの例示的な3次元表現の様々な図を示す。
【
図12H】
図12Fの上部加熱プレートの側面図、上面図、底部斜視図、上部斜視図、及び底面図を示す。
【
図12I】
図12Fの上部加熱プレートの側面図、上面図、底部斜視図、上部斜視図、及び底面図を示す。
【
図12J】
図12Fの上部加熱プレートの側面図、上面図、底部斜視図、上部斜視図、及び底面図を示す。
【
図12K】
図12Fの上部加熱プレートの側面図、上面図、底部斜視図、上部斜視図、及び底面図を示す。
【
図12L】
図12Fの上部加熱プレートの側面図、上面図、底部斜視図、上部斜視図、及び底面図を示す。
【
図12M】
図12Fの上部加熱プレートの側面図、上面図、底部斜視図、上部斜視図、及び底面図を示す。
【
図12N】
図12Lの上部加熱プレートと共に使用されるように構成された下部プレートの上面図、上部斜視図、底面図、及び側面図を示す。
【
図12O】
図12Lの上部加熱プレートと共に使用されるように構成された下部プレートの上面図、上部斜視図、底面図、及び側面図を示す。
【
図12P】
図12Lの上部加熱プレートと共に使用されるように構成された下部プレートの上面図、上部斜視図、底面図、及び側面図を示す。
【
図12Q】
図12Lの上部加熱プレートと共に使用されるように構成された下部プレートの上面図、上部斜視図、底面図、及び側面図を示す。
【
図12R】
図12Lの上部加熱プレートと共に使用されるように構成された下部プレートの上面図、上部斜視図、底面図、及び側面図を示す。
【
図13A】熱インターフェース材料の動作を概略的に示す。
【
図13B】熱インターフェース材料の動作を概略的に示す。
【
図13C】熱インターフェース材料の動作を概略的に示す。
【
図13D】熱インターフェース材料の動作を概略的に示す。
【
図14】例示的なヒータプレートの積み重ね構成を概略的に示す。
【
図15】例示的なヒータプレートの積み重ね構成を概略的に示す。
【
図16A】例示的な加熱要素の第1及び第2の側面図を概略的に示す。
【
図16B】例示的な加熱要素の第1及び第2の側面図を概略的に示す。
【
図17A】
図15のヒータプレートの積み重ね構成内の上部加熱プレートの例示的な3次元表現の様々な図を示す。
【
図17B】
図15のヒータプレートの積み重ね構成内の上部加熱プレートの例示的な3次元表現の様々な図を示す。
【
図17C】
図15のヒータプレートの積み重ね構成内の上部加熱プレートの例示的な3次元表現の様々な図を示す。
【
図17D】
図15のヒータプレートの積み重ね構成内の上部加熱プレートの例示的な3次元表現の様々な図を示す。
【
図17E】
図15のヒータプレートの積み重ね構成内の上部加熱プレートの例示的な3次元表現の様々な図を示す。
【
図18A】
図15のヒータプレートの積み重ね構成内の下部プレートの例示的な3次元表現の様々な図を示す。
【
図18B】
図15のヒータプレートの積み重ね構成内の下部プレートの例示的な3次元表現の様々な図を示す。
【
図18C】
図15のヒータプレートの積み重ね構成内の下部プレートの例示的な3次元表現の様々な図を示す。
【
図18D】
図15のヒータプレートの積み重ね構成内の下部プレートの例示的な3次元表現の様々な図を示す。
【
図18E】
図15のヒータプレートの積み重ね構成内の下部プレートの例示的な3次元表現の様々な図を示す。
【
図18F】
図15のヒータプレートの積み重ね構成内の下部プレートの例示的な3次元表現の様々な図を示す。
【
図19A】別の例示的な下部プレートの様々な図を示す。
【
図19B】別の例示的な下部プレートの様々な図を示す。
【
図19C】別の例示的な下部プレートの様々な図を示す。
【
図19D】別の例示的な下部プレートの様々な図を示す。
【
図19E】別の例示的な下部プレートの様々な図を示す。
【
図19F】別の例示的な下部プレートの様々な図を示す。
【
図21A】別の例示的な下部プレートの様々な図を示す。
【
図21B】別の例示的な下部プレートの様々な図を示す。
【
図21C】別の例示的な下部プレートの様々な図を示す。
【
図21D】別の例示的な下部プレートの様々な図を示す。
【
図21E】別の例示的な下部プレートの様々な図を示す。
【
図21F】別の例示的な下部プレートの様々な図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0320】
特定の実施形態及び例を以下に記載するが、当業者であれば、本開示は、具体的に開示される実施形態及び/又は使用並びにそれらの明白な修正物及び等価物を超える範囲に及ぶことを理解するであろう。したがって、本明細書に開示される開示の範囲は、以下に記載する任意の特定の実施形態によって限定されるべきではないものとされる。例えば、本開示で提供される寸法は例であり、限定ではない。
【0321】
例示的な呼吸器加湿器システム
本開示は、患者又は使用者に加湿及び/又は加熱ガスを複数モードで供給するように構成された呼吸器又は手術用加湿器システムの例を提供する。モードは、少なくとも侵襲モード(例えば、バイパスした気道又は腹腔鏡下手術を伴う患者用)及び非侵襲モード(例えば、呼吸マスクを装着した患者又は使用者用)を含み得る。各モードは、露点出力設定点として表され得る個別化された湿度出力を有し得る。例えば、使用者は、動作モードを示し得る設定点を選択することができる。非侵襲モードは、摂氏31度、29度、27度、又はその他の設定点を有し得る。侵襲モードは、摂氏37度又はその他の設定点を有し得る。本明細書に開示されるいくつかの呼吸器加湿器システムはまた、高流量非密閉モード又は当業者に周知の任意の他のモードを含み得る。高流量非密閉モード(本明細書中ではOptiflow(登録商標)モードと呼ばれる)は、Auckland,New Zealandに所在のFisher and Paykel Healthcare LimitedによりOptiflow(登録商標)として市販されている。
【0322】
図1A及び
図1Cを参照すると、例示的な呼吸器加湿システム100、101は、ヒータプレート120(
図1B及び
図1Dを参照)を有するヒータベースユニット102を含み得る。ヒータプレート120は、1つ以上の加熱要素を含み得る。ヒータベースユニット102は、ハウジングと、ハウジング内に収容された、加熱要素へのエネルギーの供給を制御するためのコントローラ(例えば、マイクロプロセッサ)とを有し得る。
【0323】
加湿器ヒータプレート120は、温度センサ(
図2Aの温度センサ262を参照)(例えば、温度変換器、サーミスタ、又は他の種類の温度センサ)を有し得る。複数の異なる温度センサも使用してよい。温度センサは、ヒータプレート120の温度を測定することができる。コントローラがヒータプレート120の温度を監視することができるように、温度センサは、ヒータベースユニット102内のコントローラと電気通信することができる。温度センサによって生成された測定値は、以下に記載する低水及び/又は水切れ検知プロセスの入力として使用することができる。
【0324】
温度センサはまた、2つ以上のサーミスタを含むことができていてもよい。各サーミスタは、分圧器として機能し得る。2つのサーミスタの表示値の平均値を低水及び/又は水切れ検知プロセスの入力として使用することができる。冗長性のために2つ以上のサーミスタも使用してよい。追加のサーミスタも含めることができる。温度センサは、ヒータプレートの下表面上に配置されている。温度センサは、好ましくは、ヒータプレートアセンブリの上部加熱プレート上に配置されてもよい。上部加熱プレートは、加湿器チャンバと接触するプレートである。ヒータプレート120は、本明細書では、露出しており、加湿器チャンバがヒータベース上の動作位置に配置されると加湿器チャンバのベースに接触するように配置される上部加熱プレートを意味し得る。温度センサは、ヒータプレートの縁部に又はヒータプレートの実質的に中心に配置されてもよい。使用される加熱要素は、電気絶縁体ブロック又はコアに巻回されたニクロム線又は他の種類の加熱フィラメントである。ヒータプレートは、複数の電気絶縁層を含んでもよい。ヒータプレートは、複数の部品が互いにねじ止めされた又はボルトで固定された後部プレート又は下部プレートを含んでもよい。本明細書に開示される技術を実施するのに好適なヒータプレートの例の更なる詳細は、
図8A~
図18Fを参照して以下に記載する。代替的に、ヒータプレートは、一体的なヒータプレートを形成するために互いに積層され得る又は互いに接着され得る複数の層を含んでもよい。更なる代替的な構成では、ヒータプレートは、エッチング又は堆積又は任意の適切な構成によって半導体上に形成されてもよい。
【0325】
加湿器チャンバ103は、加湿器チャンバベースがヒータベースユニット102内のヒータプレート120と接触した状態で配置されるように、ヒータベースユニット102上に取り外し可能に受け入れられ、保持され得る。それぞれ
図1A及び
図1Cのヒータベースユニット102の例を示す
図1B及び
図1Dを参照すると、加湿ベース102は、
図1A及び
図1Cに示すように、加湿器チャンバ103のフランジと係合するためのカラー124を有し得る。カラー124は、加湿器チャンバ103のフランジと係合して加湿器チャンバ103をヒータベース102上の動作位置に保持するリップを画定する。加湿器チャンバ103は、伝導性ベースを含み得る。ヒータベースユニット102と係合すると、加湿器チャンバ103の伝導性ベースは、ヒータプレート120の上部加熱プレートの上面など、ヒータプレート120と接触することができる。加熱要素に電力信号が送られ、加熱要素に通電すると、チャンバ103内の水は加熱される。チャンバ103はまた、水供給源142(
図1C)に接続され得る。水供給源142は、チャンバ103内の水が少ない又は完全に切れたときにチャンバ103に水を追加することができる。水の追加は、低水又は水切れ状態が存在し得るとのシステム101からの警告時などに、手動で実施され得る又はコントローラによって制御され得る。
【0326】
図1A及び
図1Cを引き続き参照すると、加湿されるガスとしては、空気、酸素、麻酔薬、他の補助ガス、又はガスの任意の混合物のうちの1つ以上が挙げられ得る。ガスは、人工呼吸器、CPAP療法の場合はCPAPブロワなどのガス供給源、又は遠隔供給源に接続され得るガス入口104を介して加湿器チャンバ103に供給され得る。高流量療法においては、ブロワ、又は更に代替的には、流量及び/又は圧力調整器を備えた壁供給源によりガスを供給することができる。加湿器チャンバ103はまた、呼吸回路106に接続され得るガス出口105を含み得る。呼吸回路106は、加湿及び加熱されたガスを患者又は使用者に運ぶことができる。
図1Aに示すように、呼吸回路106の患者端部107は、鼻カニューレ113又は鼻マスク114などの患者インターフェースに接続することができる。呼吸回路106はまた、フルフェイスマスク、気管内チューブ、又はその他などの他の種類の患者又は使用者インターフェースに接続することができる。
図1Cの呼吸回路106はまた、本明細書に開示される任意の適切な患者インターフェースに接続され得る。
【0327】
加熱要素110(1つ以上のヒータ線など)が呼吸回路106内に提供され得る。加熱要素110は、呼吸回路106内における加湿ガスの結露を防止するのに役立ち得る。加熱要素110はまた、ヒータベースユニット102内のコントローラと電気連通することができていてもよい。
図1C及び
図1Eに示すように、呼吸回路加熱要素アダプタケーブル128は、ケーブル128の2つの端部に、ヒータベースユニット102(ヒータベースユニット102のコントローラなど)に加熱要素110を結合するための2つのコネクタを有し得る。加熱要素アダプタケーブル128は、加熱要素110とヒータベースユニット102との間の簡単な接続を容易にすることができる。加熱要素110は制御ユニットによって制御され、これには、制御ユニットによる加熱要素110への電力の制御を含む。呼吸回路106内の加熱要素110は、結露を低減するとともに、ガスの温度を所定の範囲内に維持することも確実にする。加熱要素アダプタケーブル128はまた、周囲温度センサ126を含み得る。周囲温度センサ126は、システム101が、周囲温度又は周囲温度の変化を補償するように加熱要素110の電力を調整することを可能にできる。加熱要素インジケータ130が、ヒータベースユニット102に接続するコネクタに埋設され得る。加熱要素インジケータ130は、適切に機能している加熱要素110がヒータベースユニット102に接続された場合に点灯することができる。加熱要素インジケータ130が点灯すると、システム101は、加湿器チャンバ103を通過するガスをヒータプレート120を介して加熱することに加えて、呼吸回路106内のガスを加熱要素110を介して加熱し、凝縮物を最小限にすることができる。加熱要素110が誤動作している若しくは接続されていない場合、又は加熱要素インジケータ130が点灯していない場合、システム101は、チャンバ103内の水をヒータプレート120を介して加熱することのみによってガスを加熱する場合がある。或いは、加熱要素インジケータ130は、アダプタケーブル128の故障又は断線がある場合に点灯されてもよい。点灯されたインジケータ130は、視覚的メッセージ又は視覚的警告として機能し得る。インジケータ130は、加熱要素110が適切に機能している場合は点灯されなくてもよい。
【0328】
呼吸器加湿器システム100、101のコントローラは、(例えば、加湿器チャンバ内、呼吸回路内、及び/又はシステム内の別の場所に)追加のセンサを有することなく、少なくともヒータプレート120、及び好ましくは又は任意選択的に、加熱要素110も制御することができる。これは、呼吸器加湿器システム100、101内のガスの流量を、コントローラが既に利用可能なパラメータを使用して推定することにより達成され得る。所与の呼吸器加湿器システムにおいては、コントローラは、ヒータプレート120に印加すべき適切な電力レベルを決定することができる。ヒータ120に電力を印加すると、湿度を生成し、ガスを加熱することができる。ヒータプレートに印加される電力は、所定の量の湿度を生成する速度のものであり得る。更に、より適切な通電レベルを加熱要素110に提供するために、コントローラはパラメータも使用することができていてもよい。
図1C及び
図1Eに示すように、システム101はまた、周囲温度センサ126を含み得る。周囲温度センサは、周囲空気に曝されているところならどこにでも位置することができる。例えば、システム101は、周囲温度センサ126を加熱要素アダプタケーブル128上に含み得る。
【0329】
図1Eに示すように、ヒータベースユニット102の前面パネルは、電源ボタン132、湿度設定押しボタン134、及び湿度設定押しボタン134の隣にある複数の(3つ、4つの、5つ以上などの)湿度設定インジケータ136(LEDライトを含み得る)などの、複数のユーザコントロール及びインジケータを含み得る。ユーザコントロール及びインジケータの位置、形状、及びサイズは限定されない。4つの湿度設定インジケータ136によって示される利用可能な4つの湿度設定レベルがあり得る。4つの湿度設定は、患者に提供される異なる種類の療法に対応してもよい。例えば、加湿器が侵襲療法モードで動作しているときには最大量の湿度が選択され得る。低流量酸素療法モードにおいては、最小量の湿度が適用され得る。湿度の量は、療法の要件若しくは療法の種類に基づいて選択され得る、又は事前に定められてもよい。或いは、加湿器100、101は、送達されるべき湿度の量を、療法モード、患者、又は患者に適用される療法の種類に基づいて自動的に選択するように構成されたコントローラを含んでもよい。任意選択的に、加湿器100、101は、使用者に情報を伝えることができるタッチスクリーンを含んでもよい。タッチスクリーンはまた、使用者からの入力を受け取るように構成されてもよい。
【0330】
湿度レベルは、湿度設定押しボタン134を押すことによって調節することができる。湿度設定押しボタン134はまた、モーメンタリ押しボタンであり得る。前面パネルはまた、以下の非限定的な状態の例、即ち、「水切れ」状態(低水及び水切れを含む)、加熱要素アダプタが接続されていない、聴覚警報がミュートにされている、を示すための複数の警報インジケータ138(LEDライトを含み得る)を含むことができ、「マニュアル参照」表示値は、システム101内で故障が発生したことを示すために使用される。
【0331】
システム101は、救命救急診療(例えば、病院内での)及び在宅ケアなどの異なる目的の呼吸器療法を提供するのに適し得る。システム101は、成人患者及び小児患者の両方に、非侵襲的な、高流量療法を提供するのに適している。
【0332】
以下で詳細に記載されるように、呼吸器加湿器システム100、101のコントローラはまた、温度センサからの入力を使用して、加湿器チャンバの低水及び/又は水切れ状態を決定することができる。コントローラは、水切れ検知のために、追加のセンサからの入力を必要としなくてもよい。1つのセンサのみを要することで、呼吸器加湿器システム100、101のコストが低下する、及び/又は呼吸器加湿器システム100、101を、複数のセンサを有する呼吸器加湿器システムに比べてより単純且つ軽量にすることができる。以下に記載するように、システム101はまた、システム内の熱的結合を向上させ、より低い電力レベルでの水切れ検知を可能にするように構成されており、これには、低流量、低湿度、又はチャンバのない場合を含む場合がある。記載されているアセンブリは、熱的結合を向上させる。即ち、発生した熱が上部加熱プレートに伝達され、サーミスタによって検知されるように、ヒータプレートアセンブリ構成要素の要素間の熱伝導率を向上させる。
【0333】
本明細書に開示される低水及び/又は水切れ検知方法並びにシステムは、1つより多いセンサを含み得る及び/又は異なる構成を有し得る、本明細書に開示される他の種類の呼吸器加湿器システムに組み込むこともできる。
図2A及び
図2Bに示すように、呼吸器加湿器システム200は、ブロワユニット203を含み得る。ブロワユニット203は、内部圧縮機ユニット、フロージェネレータ又はファンユニット213を有し得る。大気からの空気は、大気入口240を通ってブロワユニット203のハウジングに入ることができ、ファンユニット213を通して引き込まれ得る。ファンユニット213の出力は、ファン速度が可変であるように調節可能である。加圧されたガス流は、ファンユニット213及びブロワユニット203を出ることができ、接続導管204を通って加湿器チャンバ205に移動することができる。加圧されたガス流は、入口ポート223を通って加湿器チャンバ205に入ることができる。
【0334】
ブロワユニットはまた、空気流を発生させるように構成されたファン又はタービンを有する人工呼吸器と入れ替えることができていてもよい。人工呼吸器は、タンクなどの圧縮空気供給源からガスを受け取ることができる。人工呼吸器はまた、加湿器チャンバ205への空気の送達を制御するために1つ以上の弁を使用することができる。
【0335】
図2B又は
図2Cに示すように、呼吸器加湿器システム200はまた、使用者に酸素(O
2)又はO
2分画を供給することができる。システム200は、遠隔供給源から、及び/又は遠隔供給源から流入するO
2と大気とをブレンドすることによってO
2を受け取ることができる。大気と流入するO
2とのブレンドは、制御ユニット203内に位置するベンチュリ又は同様の入口を介して行われ得る。
【0336】
図2Cは、一体型のブロワ/ヒータベースユニット210を有する例示的な呼吸器加湿器システム200を示す。
図2Cのシステムは、ヒータベースユニットがブロワと一体化されており、ハウジング203とともに一体型のユニット210を形成していること以外は、
図2A及び
図2Bに示される呼吸器加湿器システム200と同様の手法で動作する。
【0337】
上述の加湿器チャンバ103と同様に、
図2A~
図2Cの加湿器チャンバ205は、ある量の水220を収容することができる。使用時、加湿器チャンバ205は、(例えば、ヒータプレート212と接触させること及び/又はヒータプレート212の上に配置されることによって)ヒータベースユニット221又は一体型のユニット210と係合することができる。ヒータプレート212は、加湿器チャンバ205の伝導性ベースを加熱するために給電され、それにより、加湿器チャンバ205内の内容物(ある量の水220など)を加熱することができる。入口ポート223を通って加湿器チャンバ205に入るガス流は、加熱及び加湿され、出口ポート209を通って加湿器チャンバ205を出て、呼吸回路206に入ることができる。
【0338】
加熱され加湿されたガスは、呼吸導管206の長さに沿って通過し、使用者インターフェース207を介して患者又は使用者202に供給され得る。呼吸導管206はまた、加熱され加湿されたガスの結露の防止を補助するために、加熱要素(ヒータ線210など)を介して加熱されることができていてもよい。
図2A及び
図2Cに示される使用者インターフェース207は、使用者202の鼻を取り囲んで覆う鼻マスクである。しかしながら、鼻カニューレ(
図2Bに示すような)、フルフェイスマスク、気管内チューブ、気管切開取付具、又は任意の他の適切な使用者インターフェースが、示される鼻マスクを代替できる。
【0339】
中央コントローラ又は制御システムは、ブロワユニット203(コントローラ208a)、ヒータベースユニット221(コントローラ208b)、又はこれらの両方(例えば、接続ケーブル又はその他を介して互いに電気通信する別個のブロワコントローラ208a及び加湿器コントローラ208b、又は
図2Cに示すような中央コントローラ208を有する)内に位置し得る。ブロワコントローラ8aと加湿器コントローラ8bは、マスターサーバント関係(例えば、コントローラの1つがもう一方のコントローラの機能を制御することができる)又はピア関係(例えば、各コントローラがもう一方から独立して機能することができる)にあることができていてもよい。例えば、加湿器コントローラ208bは、任意の種類のガス供給源とともに使用するように構成されている独立ユニットであり得る。
【0340】
制御システムは、ヒータベースユニット221、ブロワユニット202、又はこれらの両方に位置するユーザコントロール211を介して使用者入力を受け取ることができる。制御システムは、また、システム200全体の様々な場所に位置するセンサから入力を受け取ることができる。上述の呼吸器加湿器システム100と同様に、呼吸器加湿器システム200は、ヒータプレート212に隣接して位置する又はヒータプレート212に(例えば、ヒータプレート212の真下に)位置するヒータプレート温度センサ262を含み得る。ヒータプレート温度センサ262は、ヒータプレート212の温度を測定するように構成され得る。
【0341】
図2A~
図2Cに示すように、呼吸器加湿器システム200は、追加の温度センサを有することができる。
図2Aの加湿器に周囲温度センサ260が含まれてもよい。周囲温度センサ260は、ブロワユニット203のハウジング内、その近傍、若しくはその上に、又は別の場所に、例えば、ファンユニット213の下流及び/若しくは加湿器チャンバ205の入口223により近いガス流中に位置し得る。周囲センサは、チューブの入口に隣接して位置し得る、又はフライングリードアダプタによってヒータベースに接続されたヒータ線若しくはヒータ線アダプタに結合されてもよい。周囲温度センサ260は、大気からの流入空気の温度を測定するように構成され得る。出口温度センサは、加湿器チャンバイグジットポート209に若しくはその近傍、又は呼吸回路206のチャンバ端部(患者又は使用者端部の反対側)に位置し得る。出口温度センサは、加湿器チャンバ205を出るガス流の温度を測定するように構成され得る。出口温度センサによって生成された測定値は、また、低水及び/又は水切れ検知プロセスの入力として使用されることができていてもよい。患者又は使用者端部温度センサ215は、呼吸回路206の患者又は使用者端部に位置し得る。患者又は使用者端部温度センサ215は、また、患者又は使用者インターフェース207内又は患者又は使用者インターフェース207上に位置することができていてもよい。
【0342】
呼吸器加湿器システム200は、システム200内のガス流を測定するように構成されたフローセンサを含むことができていてもよい。フローセンサは、ファンユニット213の上流、ファンユニット213の下流、又はその他の場所に位置し得る。例えば、フローセンサ263は、加湿器チャンバ出口209に又は加湿器チャンバ出口209の近傍に、呼吸回路206のチャンバ端部に、及び/又は出口温度センサに隣接して位置し得る。センサ263は、温度センサ及び流量センサの両方を含むことができていてもよい。コントローラ208a、208bはまた、湿度、温度、圧力、流量、及び/又はガス流の他の特性を測定することができる1つ以上の他のセンサ250、280、290を含むことができていてもよい。
【0343】
コントロール211からの使用者入力及び/又はセンサから受信された入力信号に応答して、制御システムは、ヒータプレート212への電力、ファンユニット213の速度、及び/又はその他を調節するための信号を送ることができる1つ以上の制御出力を決定することができる。
【0344】
上述の呼吸器加湿器システム100、200のいずれにおいても、温度プローブもまた、加湿器チャンバ内のある量の水内に配置することができていてもよい。追加的に及び/又は代替的に、非接触温度センサ(赤外線センサなど)もまた、ヒータプレート及び/若しくは加湿器チャンバの内容物の温度、並びに/又はガス路の温度を測定するために使用され得る。
【0345】
加湿器チャンバのガス入口の下流及び/又はヒータプレートの近傍に位置する温度プローブ、非接触温度センサ、及び/又は任意の他の温度センサの表示値もまた、以下に記載する、低水及び/又は水切れ検知プロセスの入力として使用されることができていてもよい。
【0346】
図2Dは、医療処置中における例示的な送気システム1の使用を概略的に示す。手術用加湿システムは、手術用腔(例えば気腹)を加湿する。加湿器は、手術用腔内の組織を加湿し、脱水又は低温を含む乾燥による組織の損傷を防止することができる。
図2Dに示すように、患者2は、患者2の腔(例えば、腹腔鏡下手術の場合は患者2の腹部)内に挿入されたカニューレ207を有し得る。
【0347】
図2Dに示すように、カニューレ207は、(例えば、ルアーロックコネクタ4を介して)ガス送達導管206に接続され得る。カニューレ207は、患者2の腔内等の手術部位にガスを送達するために使用され得る。カニューレ207は、ガス及び/又は1つ以上の手術用機器を手術用腔に導入するための1つ以上の通路を含み得る。手術用機器は、スコープ、電気焼灼用器具、又は任意の他の機器であり得る。手術用機器は、画面を有し得る画像化デバイスに結合され得る。画像化デバイスは、複数の手術器具及び/又は装置を含み得る手術用スタックの一部であり得る。
【0348】
手術用送気システムは、排出用カニューレも含むことができていてもよい。排出用カニューレは、カニューレ207と実質的に同じ特徴を有し得る。排出用カニューレは、排出を可能にする弁を含んでもよい。弁は、ガス供給源(即ち、気腹器)に関連付けられたコントローラか、又は加湿器内のコントローラによって自動的に制御され得る。弁はまた、(例えば、手で又はフットペダル、或いは他の手法で栓を回すことによって)手動で作動させることができる。排出用カニューレは、スモーク等を濾過するための濾過システムに結合され得る。代替的に、排出用カニューレはまた、手術用腔からのガスを、手術用腔に再送達するために、気腹器に再循環させるように構成された再循環システムに結合され得る。ガスは、気腹器に戻される前に濾過及び/又は除湿され得る。特定の構成においては、カニューレは、2つ以上の通路を含んでもよい。1つの通路は、ガス及び/又は医療機器を手術用腔に送達するように構成され得る。別の通路は、手術用腔からガスを排出するように構成され得る。排出用通路は、弁及び/又は受動排出開口部を含んでもよい。カニューレ207はまた、医療機器(スコープ等)を送達通路に対して実質的に同心配向に保持するための保持機構(リブ等)を含んでもよい。
【0349】
ガス送達導管206は、可撓性プラスチックで作成することができ、入口ポート223で加湿器チャンバ205に接続され得る。任意選択的に又は好ましくは、加湿器チャンバ205は、更なる導管204を介してガス供給部9に直列接続され得る。ガス供給部又はガス供給源は、気腹器、ボンベ入りガス、又は壁ガス供給源であり得る。ガス供給部9は、加湿及び/又は加熱なしでガスを提供することができる。フィルタ6が、加湿器の出口209の下流に接続され得る。フィルタはまた、更なる導管209に沿って、又はカニューレ205の入口に位置し得る。フィルタは、加湿器又はガス供給源による手術部位の感染又は汚染を低減するために、病原体及び粒子状物質を濾過して除去するように構成され得る。ガス供給部は、連続的な又は断続的なガスの流れを提供することができる。更なる導管204もまた、好ましくは、可撓性プラスチックチュービングで作成され得る。
【0350】
ガス供給部9は、二酸化炭素等を含む1種以上の送気流体を加湿器チャンバ205に提供することができる。ガス供給部は、連続的なガス流又は断続的なガス流を提供することができる。ガスは、ある量の水220を収容し得る加湿器チャンバ205を通過する際に加湿され得る。幾つかの構成では、ガス供給部は、加湿器ユニットなしでカニューレ205に直接接続することもできる。
【0351】
加湿器チャンバ205を組み込む加湿器は、任意の種類の加湿器であり得る。加湿器チャンバ205は、プラスチックで形成されたチャンバを含み得る。プラスチックで形成されたチャンバは、それに対して封止された金属或いは他の導電性底部を有する。使用中、底部はヒータプレート212と接触し得る。チャンバ205内に収容されたある量の水220は、ヒータプレート212によって加熱され得る。ヒータプレート212は、加湿器のコントローラ又は制御手段208の制御下にあり得る。チャンバ205内の水220の量は、蒸発するように加熱することができ、水蒸気をチャンバ205内を流れるガスと混合させて、ガスを加熱及び加湿する。
【0352】
コントローラ又は制御手段208は、加湿器ベースユニット221内に収容され得る。加湿器ベースユニット221は、ヒータプレート212も収容することができる。ヒータプレート212は、ヒータプレート212内に電気加熱要素を有し得るか又はヒータプレート212と熱接触する電気加熱要素を有し得る。1つ以上の絶縁層が、ヒータプレート16とヒータ要素との間に位置してもよい。ヒータ要素は、ベース要素(又は中子)であることができ、このベース要素に線が巻回されている。線は、ニクロム線(又はニッケルクロム線)であり得る。ヒータ要素はまた、加熱トラックが電着された又はエッチングされた多層基板を含み得る。コントローラ又は制御手段208は、加熱要素へのエネルギーの供給を制御するためのマイクロプロセッサを含み得る電子回路を含み得る。加湿器ベースユニット221及び/又はヒータプレート212は、加湿器チャンバ205と取り外し可能に係合可能であり得る。また、代替的に又は追加的に、加湿器チャンバ205は、内蔵ヒータを含み得る。
【0353】
ヒータプレート212は、コントローラ208と電気接続することができる温度センサ、温度変換器等或いは他のものを含み得る。ヒータプレート温度センサは、加湿器ベースユニット221内に位置し得る。コントローラ221は、ヒータプレート212の温度を監視することができ、これにより、水220の温度を見積もることができる。
【0354】
温度センサはまた、出口209から加湿器チャンバ205を出る加湿ガスの温度を監視するために、出口209に又はその近辺に位置し得る。温度センサはまた、(例えば、ケーブルで又は無線で)コントローラ208に接続され得る。例えば、ガス送達導管206の患者端部におけるガスの特性(温度、湿度、流れ等、又はその他)を検出するための追加のセンサも組み込むことができていてもよい。
【0355】
ガスは、加湿器の出口209を通って出て、ガス送達導管206に入ることができる。ガスは、ガス送達導管206を通り、カニューレ207を介して患者2の手術用腔に入ることができ、それにより、腔を拡張させ、腔内の圧力を維持する。好ましくは、加湿器チャンバ205の出口209を出るガスは、最大100%、例えば約100%の相対湿度を有し得る。ガスがガス送達導管206に沿って移動する際、「更なる結露」が発生し得ることで、ガス送達導管206の壁に水蒸気が凝縮する場合がある。更なる結露は、望ましくない効果を有する可能性があり、例えば、患者に送達されるガスの水分を不利に減少させる。ガス送達導管206内の結露の発生を低減する及び/又は最小限にするために、ガス送達導管206内に、ガス送達導管206の全体にわたり、又はガス送達導管206の周りにヒータ線210が提供され得る。ヒータ線に給電するために、ヒータ線210は、例えば電気ケーブル219によって加湿器ベースユニット221に電子的に接続され得る。ケーブル219は、
図1D及び
図1Eに記載したような周囲センサを含むヒータ線アダプタケーブルに類似してもよい。或いは、加湿器は、共通ハウジング内で手術用加湿システムの気腹器と一体化されてもよい。加湿器と気腹器は、単一のコントローラによって制御されてもよい。手術用加湿システムはまた、手術部位からのガスを再循環し、このガスを再加湿するように構成された再循環システムを含んでもよい。再循環システムは、スモークフィルタを含んでもよく、ガスを洗浄する(scrub out)ためのスクラバを含んでもよい。再循環システムはまた、再循環されたガスから湿度又は結露を除去するためのデバイスを含んでもよい。
【0356】
ヒータ線210は、絶縁銅合金抵抗線、他の種類の抵抗線、若しくは他のヒータ要素を含み得る、及び/又は任意の他の適切な材料で作成され得る。ヒータ線は、真直線又は渦巻状に巻かれた要素であり得る。ヒータ線210を含む電気回路は、ガス送達チューブ206の壁内に位置し得る。ガス送達チューブ206は、螺旋巻きチューブであり得る。ヒータ線210は、ガス送達導管206の絶縁コアに螺旋状に巻回され得る。ヒータ線210の周りの絶縁コーティングは熱可塑性材料を含み得る。熱可塑性材料は、所定の温度まで加熱されると、その形状を変化させることができる状態になることができ、冷却時に、新たな形状が実質的に弾性的に保持され得る。ヒータ線210は、単一又は二重つる巻線に巻かれ得る。導管206の患者端部にある温度センサ及び/又は追加のセンサによる測定は、コントローラ208にフィードバックを提供することができるため、コントローラ208は、ヒータ線に通電して、患者に送達されるガスが37℃であるか又は37℃付近になるように(例えば、約35℃~約45℃)、ガス送達導管206内のガスの温度を上昇させる及び/又は維持することができていてもよい。
【0357】
コントローラ又は制御手段208は、例えば、ソフトウェアプログラムを保持することができる関連メモリ又は記憶手段を有するマイクロプロセッサ又は論理回路を含み得る。制御手段208によって実行されると、ソフトウェアは、ソフトウェア内の命令セットに従い、及び/又は外部入力に応じて、送気システム1の動作を制御することができる。例えば、コントローラ又は制御手段208に、ヒータプレート212の温度及び/又は電力使用に関する情報を提供することができるように、コントローラ又は制御手段208に、ヒータプレート212から入力を提供することができる。コントローラ又は制御手段208に、ガス流の温度の入力を提供することができる。例えば、温度センサは、ガスが加湿器チャンバ205の出口209を出る際の加湿ガス流の温度を示す入力を提供することができる。温度センサと同じ位置に又はその近辺に、又は送気システム1内の他の適切な位置に、フローセンサも提供されていてもよい。代替的に、システムは温度センサのみを含んでいてよい。コントローラ208は、システム1を介してガスの流量を調節するフローレギュレータを制御することができる。フローレギュレータは、電動式ファン等の、フローインデューサ及び/又は抑制部(inhibiter)を含み得る。追加的に又は代替的に、弁及び/又はベントを使用して、ガスの流量を制御することができる。
【0358】
加湿器ベースユニット221に位置する患者入力は、送達されるべき所望のガス温度及び/又はガス湿度レベルを使用者(外科医又は看護師等)が設定することを可能にできる。他の機能も、ヒータ線210によって送達される加熱の制御等もまた、使用者入力によって制御することができていてもよい。コントローラ208は、システム1を制御することができ、具体的には、患者に送達されるガスの流量、温度、及び/又は湿度を、システム1が使用される医療処置の種類に適切となるように制御することができる。
【0359】
加湿器ベースユニット221はまた、患者2に送達されているガス流の特性を使用者に対して表示するためのディスプレイを含み得る。
【0360】
図示しないが、加湿器はまた、ある量の水又は任意の他の種類の加湿流体を有するチャンバを含み得るが水を加熱するためのヒータプレートは含まなくてもよいパスオーバー式加湿器であることができてもよい。チャンバは、ある量の水上を送気ガスが通過する際に、ある量の水から転移した水蒸気によって送気ガスが加湿されるように、ガス供給部と流体連通することができる。
【0361】
図2Dの手術用加湿器システムの加湿器は、
図2Aに示される加湿器ユニット221及び加湿チャンバ205の特徴のいずれを組み込むこともできる。
【0362】
使用時、上述の加湿器は、「手術無菌ゾーン(operating sterile zone)」の外に、及び/又は気腹器に隣接して位置し得る。その結果、医療関係者は、手術中に手術用腔内で医療機器を操作するためにカニューレを移動させる際に加湿器に触れる必要はない。加湿器は、医療機器と同程度滅菌する必要がない場合がある。更に、「手術無菌ゾーン」の外に位置する加湿器により、手術処置中に、既に混雑した空間内で医療関係者及び/又は医療機器の移動を制限し得る医療関係者に対する障害物を減らすことができる。
【0363】
図2Eに、高流量療法システム10の概略図を提供する。システム10は、主デバイスハウジング100を含み得る。主デバイスハウジング100は、モータ/インペラ構成の形態であり得るフロージェネレータ11と、加湿器又は加湿チャンバ12と、コントローラ13と、ユーザインターフェース14とを収容することができる。ユーザインターフェース14は、ディスプレイと、ボタン、タッチスクリーン、タッチスクリーンとボタンとの組み合わせ等などの入力デバイスとを含み得る。コントローラ13は、1つ以上のハードウェア及び/又はソフトウェアプロセッサを含むことができ、装置の構成要素を制御するように構成され得る又はプログラムされ得る。制御は、患者に送達するためのガスの流れを生成するためにフロージェネレータ11を動作させること、ガス流を加湿及び/又は加熱するための加湿器12を動作させること、呼吸器システム10の再構成及び/又は使用者定義動作のためにユーザインターフェース14から使用者入力を受け取ること、並びに使用者に対して(例えば、ディスプレイ上に)情報を出力することが挙げられるが、これらに限定されない。使用者は、患者、医療関係者、又はその他であり得る。
【0364】
図2Eを引き続き参照すると、患者呼吸導管16は、呼吸器システム10の主デバイスハウジング100のガス流出口21に結合され得るとともに、マニホールド19と鼻プロング18とを有する鼻カニューレ等の非密閉インターフェースなどの患者インターフェース17に結合され得る。患者呼吸導管16はまた、フェイスマスク、鼻マスク、鼻ピローマスク、気管内チューブ、気管切開インターフェース、又はその他に結合され得る。
【0365】
ガス流は、フロージェネレータ11によって発生させることができ、患者導管16を通し、患者インターフェース17を介して患者に送達される前に加湿され得る。コントローラ13は、所望の流量のガス流を発生させるようにフロージェネレータ11を制御することができる、並びに/又は空気及び酸素若しくは他の呼吸に適したガスの混合を制御するために1つ以上の弁を制御することができる。コントローラ13は、患者に送達するために望ましいレベルの温度及び/又は湿度に達する望ましい温度にガスを加熱するように、加湿チャンバ12内の加熱要素を制御することができる。患者導管16は、患者へと通過するガス流を加熱するための、ヒータ線などの加熱要素16aを有することができる。加熱要素16aはまた、コントローラ13の制御下にあり得る。
【0366】
システム10は、ガス流の特性を監視するために及び/又は適切な療法を提供する状態でシステム10を動作させるために、コントローラ13と通信する超音波変換器、サーミスタフローセンサなどのフローセンサ、圧力センサ、温度センサ、湿度センサ、又は他のセンサを使用することができる。ガス流特性は、ガス濃度、流量、圧力、温度、湿度、又はその他を含み得る。圧力センサ、温度センサ、湿度センサ、及び/又はフローセンサなどのセンサ3a、3b、3c、20、25は、主デバイスハウジング100、患者導管16、及び/又は患者インターフェース17内の様々な場所に配置され得る。コントローラ13は、センサから出力を受信し、ガス流の適切な目標温度、流量、及び/又は圧力を決定するなどのために、呼吸器システム10が適切な療法を提供する状態で動作するのを支援することができる。適切な療法の提供には、患者の吸気需要を満たすことを含み得る。
【0367】
システム10は、コントローラ13が動作センサからデータ信号8を無線式に受信すること及び/又はシステム10の様々な構成要素を制御することを可能にするための無線データ送信機及び/若しくは受信機又はトランシーバ15を含み得る。追加的に又は代替的に、データ送信機及び/又は受信機15は、リモートサーバにデータを届けることができる又はシステム10の遠隔制御を可能にすることができる。システム10は、コントローラ13が動作センサからデータ信号8を受信すること及び/又はシステム10の様々な構成要素を制御することを可能にするために、例えば、ケーブル又は線を使用した有線接続を含み得る。
【0368】
流量療法装置10は、高流量療法装置を含んでもよい。本明細書に記載する高流量療法は、当業者に理解されるその典型的な通常の意味が与えられるものとされ、意図的に密閉されない患者インターフェースを介して、一般に、患者の吸気流を満たす又は超えることを意図した流量で、加湿呼吸ガスの目標流量を送達する呼吸補助システムを一般に意味する。典型的な患者インターフェースとしては、鼻又は気管患者インターフェースが挙げられるがこれらに限定されない。成人の典型的な流量は、多くの場合、約15リットル毎分~約60リットル毎分超の範囲であるがこれに限定されない。小児患者(新生児、乳児、及び子供など)の典型的な流量は、多くの場合、患者の体重1キログラムあたり約1リットル毎分~患者の体重1キログラムあたり約3リットル毎分超の範囲であるがこれに限定されない。高流量療法はまた、補助酸素を含む混合ガス組成物及び/又は治療的薬剤の投与を含むことができていてもよい。高流量療法は、多くの場合、一般的な名称の中でもとりわけ、経鼻高流量(NHF:nasal high flow)、加湿高流量鼻カニューレ(HHFNC:humidified high flow nasal cannula)、高流量経鼻酸素(HFNO:high flow nasal oxygen)、高流量療法(HFT:high flow therapy)、又は気管切開式高流量(THF:tracheal high flow)と呼ばれる。例えば、幾つかの構成では、成人患者においては、「高流量療法」とは、約10LPM~約100LPM、又は約15LPM~約95LPM、又は約20LPM~約90LPM、又は約25LPM~約85LPM、又は約30LPM~約80LPM、又は約35LPM~約75LPM、又は約40LPM~約70LPM、又は約45LPM~約65LPM、又は約50LPM~約60LPMなどの、約10リットル毎分(10LPM)以上の流量での患者へのガスの送達を意味する場合がある。幾つかの構成では、新生児、乳児、又は小児患者においては、「高流量療法」とは、約1LPM~約25LPM、又は約2LPM~約25LPM、又は約2LPM~約5LPM、又は約5LPM~約25LPM、又は約5LPM~約10LPM、又は約10LPM~約25LPM、又は約10LPM~約20LPM、又は約10LPM~15LPM、又は約20LPM~25LPMなどの、1LPM超の流量での患者へのガスの送達を意味する場合がある。成人患者、新生児、乳児、又は小児患者における高流量療法装置は、約1LPM~約100LPMの流量で、又は上述の部分範囲のいずれかの流量で患者にガスを送達してもよい。
【0369】
高流量療法は、患者の吸気需要を満たす若しくは超えること、患者の酸素投与を増加させること、及び/又は呼吸の仕事を減少させることにおいて効果的であり得る。更に、高流量療法は、上気道の解剖学的死腔が高流量の流入ガス流によってフラッシュされるように、鼻咽頭内にフラッシング効果を発生させることができる。フラッシング効果は、二酸化炭素、窒素等の再呼吸を最小限にしながら、全ての呼吸で利用可能な新鮮なガスの貯蔵部を作ることができる。
【0370】
高流量療法で使用するための患者インターフェースは、大気に対する圧力差に起因する肺又は患者の呼吸器系の他の器官の組織損傷を含み得る気圧外傷を防止するための非密閉インターフェースであり得る。患者インターフェースは、マニホールドと鼻プロングとを有する鼻カニューレ、及び/又はフェイスマスク、及び/又は鼻ピローマスク、及び/又は鼻マスク、及び/又は気管切開インターフェース、又は任意の他の適切な種類の患者インターフェースであり得る。
【0371】
例示的な低水及び/又は水切れ検知プロセス
例示的な低水及び/又は水切れ検知プロセスを、
図3A~
図7を参照して説明する。これらの検知プロセスは、上述のハードウェア構成、手術用送気システム(
図2Dに示すような)、又は任意の他の加湿呼吸補助デバイス構成のいずれかにおいて実施され得る。
図3Aに示すように、低水及び/又は水切れ状態を検知するための例示的なプロセス300の工程302において、呼吸器加湿器システムのコントローラは、加湿器チャンバの熱容量を測定することができる。水は、1℃の温度上昇ごとの1キログラムあたりの比熱容量が約4,184ジュールであり、加湿器チャンバの材料(加湿器チャンバ内の内容物を含まない)の比熱容量よりも大きい。このため、工程302で測定される加湿器チャンバの比熱容量は、水の量が減少することにより減少する。なぜなら、各温度単位で、この減少した量の水を加熱するのに必要なエネルギーが減少するからである。加湿器チャンバの熱容量は水切れの場合において最も低いので、チャンバの温度変化が、所与の電源入力の変化に対して最も速くなる。これと比較して、加湿器チャンバ内に存在する水の量が多いと、同じ電源入力に対する温度変化はより遅くなる。これは、比熱容量の増加と相関する。水の量が多いほど、吸収される熱エネルギーが多くなる。
【0372】
以下でより詳細に記載するように、コントローラは、比熱容量値を実際に計算することなく、(例えば、比熱容量値に関連する水切れスコアを決定することによって)比熱容量の値を推測することができる。コントローラは、また、比熱容量値の計算に必要な加湿器チャンバ、水、ヒータプレート、又はその他の既知の変数に基づいて、加湿器チャンバの比熱容量の実際値を計算することができていてもよい。コントローラは、比熱容量の実際値を、決定された値から、例えば水切れスコアから推測することができていてもよい。
【0373】
プロセス300の決定工程304において、コントローラは、加湿器チャンバ内の水の量を加湿器チャンバの熱容量に基づいて推測することによって水切れ検知解析を実施することができる。コントローラは、決定された比熱容量値が低水又は水切れ閾値未満であるかどうかを決定することができる。決定された比熱容量値が閾値未満である場合、コントローラは、工程306において低水及び/又は水切れ警報を出力することができ、コントローラは工程302に戻ることができる。決定された比熱容量値が閾値未満でない場合、コントローラは工程302に戻ることができる。
【0374】
図3Bは、低水及び/又は水切れ状態を検知するための例示的なプロセス310を示す。プロセス310は、ヒータプレートにある又はヒータプレート近傍の温度センサによって温度測定値の変化を測定することができる。より具体的には、プロセス310は、ヒータプレートにある又はヒータプレート近傍の温度センサからの特定周波数の信号を処理及び解析することによって加湿器チャンバの比熱容量を決定し、低水及び/又は水切れ状態を検知することができる。工程312において、コントローラは、注入などによって、ヒータプレート電力信号に補完信号を印加することができる。本明細書中の開示では、補完信号は、特性通電信号とも呼ばれる。補完信号は、従来のヒータプレート制御電力信号と異なる(例えばより高い又はより低い)所定周波数のものであり得る。工程314において、コントローラは、ヒータプレートにある又はヒータプレート近傍の温度センサからのデータから得られた、バンドパスフィルタ(
図4Aのバンドパスフィルタ426を参照)を通過した後の、帰還信号を受信することができる。即ち、帰還信号は、印加信号と同じ所定周波数であり、補完信号に対する応答を表す。
【0375】
工程316において、コントローラは、例えば周波数領域フィルタリングによって、補完信号と相関する帰還信号成分の大きさを測定することができる。大きさは、0からの偏差と定義される。所与の印加信号周波数においては、多い量の水を有する加湿器チャンバは、少ない量の水を有する加湿器チャンバに比べて、帰還信号をより減衰させることができる(即ち、より低いゲインを有する)。
図3Cに示すように、水切れ状態の期間は、x軸の、黒色矢印の後又は黒色矢印の右側によって示される。水切れ中、例示的な帰還信号の振幅/偏差は、水切れ前(黒色矢印の前又は黒色矢印の左側)よりも大きい。したがって、帰還信号の大きさ及び/又は位相は、加湿器チャンバの比熱容量に反比例し得る。大きさ(及び/又は位相)と比熱容量との間の逆相関の理由は、水が切れる又は水の量が減少してくると比熱容量が低下することで、補完信号の吸収が少なくなるからである。水が切れる又は水の量が減少してくると、温度変化は大きくなる。したがって、ヒータプレートのサーミスタは、より大きな温度変化を検知する。更に、チャンバ内に水がほとんどない又は全くない場合、ヒータプレート電力の変化がヒータプレート温度の変化として現れるのにかかる時間が減少し得る。チャンバ内に十分な水がある場合、温度偏差の応答はより遅くなり得る。本明細書に開示されるように、大きさは、特定の周波数帯域において測定され得る。プロセス310においては、1つより多い周波数の補完信号も使用され得る。複数の周波数が使用される場合、コントローラは、大きさの絶対値ではなく、帰還信号の大きさの比率として、異なる周波数における大きさの加重和を決定することができる。任意の周期及び/又は振幅の補完信号を使用することができる。好ましくは、振幅は、通常のヒータプレート(HP)制御を含む通常の湿度制御に補完信号が干渉しないように、十分に小さい。
【0376】
図3Dは、時間領域における、補完信号に対する例示的なヒータプレート応答を示す。
図3Dに示すように、チャンバ内に十分な水がある場合(「ウェット」)324とチャンバ内に水がほとんどない又は全くない場合(「ドライ」)322との間の応答は、大きさ及び/又は位相が異なり得る。
図3Eは、周波数領域における2つの応答(チャンバ内に十分な水がある場合(「ウェット」)326及びチャンバ内に水がほとんどない又は全くない場合(「ドライ」)328)を示す。上述のように、2つの応答の基本周波数の大きさの差によって、水切れ状態の検知を可能にすることができる。
【0377】
図3Eのチャートは、2つの応答の位相差に関する情報は提供しない。大きさの差及び位相の差は1つのグラフで示され得る。コントローラは、補完信号に対する応答の大きさ及び/又は位相に関する情報を受信することができ、これは特定の周波数帯域(例えば、補完信号の周波数)であってもなくてもよい。大きさの情報は、本開示の別の場所に開示される任意の方法で抽出され得る。更に、大きさ及び/又は位相情報は、他の方法、例えば、有限インパルス応答(FIR:finite impulse response)フィルタ、相互相関の使用、ホモダイン検出若しくは直角位相変調の実施、及び/又はフーリエ変換によって抽出され得る。例えば、特定のビン又は周波数のフーリエ変換を計算するプロセスが実施され得る。上述の方法は、補完信号に対する応答を、
図3F~
図3Hに示すような極座標又はデカルト座標(実数値及び虚数値を有する)として示され得る二次元空間内のデータ点に変換することができる。
【0378】
図3F~
図3Hは、信号空間ダイヤグラムの象限(0°~90°)として描かれた二次元空間内の大きさ及び位相の両方の例示的な表現、並びに例えば、大きさのみに基づく(
図3F)、位相のみに基づく(
図3G)、並びに大きさ及び位相の両方に基づく(
図3H)、水切れ状態の異なる分類手法を示す。このダイヤグラムは、補完信号の位相に関する、補完信号に対する応答の高調波成分を示すことができる。例えば、基本(第1としても知られる)高調波成分がプロットされている。他の高調波成分が用いられる場合、分類器が他の高調波成分を単独で又は基本波成分と組み合わせて使用することができる。
図3F~
図3Hに示すように、データ点は、全般的に、「ウェット」(水を有するチャンバ)領域330及び「ドライ」(水がほとんどない又は全くないチャンバ)領域332にクラスター化され得る。これら2つの領域を区別するために分類器を使用してもよく、それゆえ、コントローラは、水切れ状態が存在するかどうかを検知することができる。
【0379】
図3Fに示すように、補完信号に対する応答の大きさのみに基づいた水切れ検知方法は、分類境界334を決定することができる。分類境界334は、信号空間ダイヤグラムに対して同心の円弧であり得、円弧上の全ての点が、異なる位相における同じ大きさを表す。信号空間ダイヤグラムの原点から遠い方の、分類境界334の側にある任意のデータ点は、水切れ状態を示し得る。
【0380】
図3Gに示すように、補完信号に対する応答の位相のみに基づいた水切れ検知方法は、別の分類境界336を決定することができる。分類境界336は、信号空間ダイヤグラムの原点から生じた線であり得、線上の全ての点が、異なる大きさにおける同じ位相を表す。分類境界336から下の任意のデータ点は、水切れ状態を示し得る。
【0381】
水切れ状態が存在する分類境界の外側もまた、大きさ情報及び位相情報の両方を考慮に入れた任意の二次元形状のものであり得る。例えば、形状は、円形、エクリプス、ジグザグ線、信号空間ダイヤグラムの原点から生じない線、信号空間ダイヤグラムと非同心の円弧、又は自由形式境界であり得る。
図3Hは、大きさ情報及び位相情報の両方を考慮に入れた分類境界の2つの例示的な二次元形状338、340を示す。データ点が、形状338の右側又は形状340によって囲まれた領域の外側の領域上にある場合、水切れ状態が検知され得る。大きさ情報及び位相情報の両方を使用すると、データ点が、大きさ又は位相のみに基づいた分類境界334、336に比べて境界から更に遠ざかることができるので、分類境界を向上させることができる。
【0382】
分類境界の位置及び/又は形状は、任意の適切な方法、例えば、多変量回帰、機械学習(例えば、サポートベクターマシン)、及び/又は他の訓練モデルを使用して決定され得る。
【0383】
図3Bに戻ると、決定工程318において、コントローラは、温度信号の大きさに基づいて加湿器チャンバ内の水の量を推測することによって水切れ検知解析を実施することができる。コントローラは、決定された大きさが低水及び/又は水切れ閾値を上回るかどうかを決定することができる。工程320において、決定された大きさが閾値を上回る場合、コントローラは、低水及び/又は水切れ警報を出力することができる。決定された大きさが閾値を上回らない場合、コントローラは、工程312に戻ることができる。
【0384】
本明細書に開示される、印加(例えば、注入)工程、受信工程、及び/又は測定工程などの検知プロセスは、大きさが閾値を上回るか否かと独立して連続的に起こり得る。したがって、
図3A及び
図3Bを参照して記載される工程は、工程306、320においてそれぞれ低水及び/又は水切れ警報を出力後、
図3A及び
図3Bのプロセスが第1工程(
図3Aの工程302及び
図3Bの工程312)に戻ることができるように、連続的に動作し続ける。
【0385】
図4Aは、上述のプロセス300、310を実施するための系統図を示す。
図4Aに示すように、加湿器システム400は、上述のシステム100、200、10、1の特徴のいずれかであり得る及び/又は加湿器システム400は、上述のシステム100、200、10、1の特徴のいずれかを組み込むことができる。例えば、加湿器システム400は、使用中に加湿器チャンバ403の伝導性ベースと接触し得るヒータプレート420を有するヒータベースユニット402を含み得る。ヒータプレート420は、加湿器チャンバ403を加熱するための1つ以上の加熱要素を含み得る。ヒータベースユニット402はまた、上述のように、1つ以上のヒータプレート温度センサ(少なくとも1つのサーミスタなど)を含み得る。
【0386】
ヒータベースユニット402のハウジング内に位置し得る加湿器システム400の制御ユニットは、加湿療法の送達を制御するために定常状態のヒータプレート電力信号P
HPを制御するためのヒータプレート電力コントロール422を含み得る。固有のシステムの応答の制約により、ヒータプレートコントロール及びその出力電力信号P
HPは緩慢であり、そのスペクトル成分は、DCから約0.005Hzにまで及ぶ。これは、
図4Bに示され、
図4Bでは、制御応答によるスペクトルエネルギーがスペクトログラムの底部近傍に低周波数でクラスター化している。制御ユニットはまた、波形発生器424を含み得る。波形発生器424は、補完又は特性電力又は通電信号ΔP
WOを発生し、これをヒータプレート電力信号P
HPに重畳するように構成されている。補完信号ΔP
WOは、約5W~約30W、又は約10W~約25W、又は約15W~約20W、又は約16W、又は約5W~15W、又は約5W~10W、又は約7W~10W、又は約8Wの全振幅を有し得る。1つの例示的な実装形態では、全振幅は、約5W~約30Wである。
【0387】
補完信号ΔPWOは、所定周波数を有し得る(例えば、約0.005Hz~約0.025Hz、又は約40秒~約200秒、若しくは約50秒~約150秒、若しくは約75秒~約125秒、若しくは約100秒の周期を有する、又は約0.0055Hz~約0.015Hz、若しくは約0.006Hz~約0.010Hz、若しくは約0.00833Hz、又は約120秒の周期を有する)。補完信号ΔPWOの1つ又は複数の周波数(frequency or frequencies)は、ヒータプレート電力信号PHPの周波数と異なり得る(例えば、ヒータプレート電力信号PHPの周波数よりも高い、又はヒータプレート電力信号PHPの周波数の少なくとも1.5倍)。補完信号ΔPWOは、は、合成ヒータプレート電力信号PHP’を得るためにヒータプレート電力信号PHPと合計される。これは、2つの信号の周波数分割多重化に類似する。以下に記載するように、ヒータプレート電力信号PHPと補完信号ΔPWOとの間の周波数領域保護周波数帯により、後のステージにおけるこれら信号の分離/逆多重化を容易にすることができる。
【0388】
図4Bは、約40秒~約200秒、又は約80秒~約120秒の周期を有する補完信号ΔP
WOを伴う、スペクトログラム上に示される周波数領域内並びに時間領域内のヒータプレート温度信号T
HP’の例示的な波形を示す。1つの例示的な実装形態では、周期は120秒である。約1/120Hzの周波数帯域は、従来のヒータプレート制御信号P
HP上に付加された補完信号ΔP
WOに対応する成分である。以下でより詳細に記載するように、これは、低水及び/又は水切れ状態が存在するかどうかを決定するために、バンドパスフィルタを通され、検出器428に送られる信号ΔT
WOを生成し得る。約1/120Hzの周波数帯域よりも弱い約2/120Hzの周波数帯域は、選択した印加波形形状のアーチファクトとしての、補完信号ΔP
WOの第2高調波である。約1/120Hzの周波数帯域に比べてより高い強度を有する0Hz~約0.005Hzの周波数応答が、起動時及び水切れ状態時の従来のヒータプレートコントローラの応答を表す。
【0389】
補完信号ΔPWOは、三角波、方形波、鋸波、又はその他などの任意の周期的波形であり得る。波形は、従来のヒータプレートコントローラ及びその出力PHPのバイアスを回避するためにゼロ平均を有する。しかしながら、合計された電力PHP’は負になることができないので、選択される波形の負の振幅には限界がある。補完信号ΔPWOは、所与の負の振幅に関して伝達される振幅を増大させ(場合によっては最大化し)、信号対雑音比を向上させるために非対称波形を有し得る。更に、補完信号ΔPWOの波形は、実行時に容易に発生させることができる。補完信号ΔPWOの波形はまた、ヒータプレートコントローラとの干渉を回避するために、低い高調波成分を有し得る。
【0390】
図4Cは、補完信号の波形候補の例、即ち、ゼロ平均に正規化後の、同じ負の振幅を有する、単純な三角波及び3乗した三角波を示す。3乗の三角波は、正の振幅と負の振幅との間の比が、単純な三角波などの対称な波形の比の1:1と比較すると、3:1である。
【0391】
図4Dは、フーリエ解析により計算した2つの波形候補のスペクトル成分を示す。3乗した三角波は、上位高調波(upper harmonics)における高いエネルギーを犠牲にして、同じ負の振幅に対し、基本周波数においてほぼ2倍のエネルギーを発することが分かる。これらの高調波は、ヒータプレートコントローラに干渉する場合がある。しかしながら、
図4Eのヒータプレート温度のボード線図(周波数伝達のプロット)に示すように、周波数が高いほど高度に減衰されるので、制御ユニットによるヒータプレート温度の制御に上位高調波が及ぼす影響は少ない及び/又はごくわずかである。
【0392】
図4Aを引き続き参照すると、コントローラは、合成ヒータプレート電力信号P
HP’を呼吸器加湿器システム400のヒータプレート420に送り、ヒータプレート420に通電することができる。コントローラは、ヒータプレート温度センサから温度センサ信号T
HP’を受信することができる。温度センサ信号T
HP’は、ヒータプレート電力信号P
HP及び補完信号ΔP
WOに応答したものである。
図4Fは、合成信号P
HP’の例示的な波形及び温度センサ信号T
HP’の例示的な波形を示す。
【0393】
図4Aを更に参照すると、温度センサ信号T
HP’は、(例えば、バンドパスフィルタ426によって)フィルタリングすることにより逆多重化することができる。補完信号による外乱は、フィルタによって遮断され、定常状態のヒータプレート温度信号T
HPが生成されて、ヒータプレートコントロール422に戻り、呼吸器加湿器システム400の通常動作を維持することができる。補完信号ΔP
WOと同じ基本周波数の、帰還温度信号ΔT
WO(フィルタ426を介してT
HP’を帯域通過させるにより生成され得る)は検出器428に供給され得る。検出器428は、任意の適切な水切れ検知アルゴリズムを実施することができる。
【0394】
図4Gは、ヒータプレート温度信号T
HPと帰還温度信号ΔT
WOとを分離するための、2次の無限インパルス応答(IIR:infinite impulse response)フィルタである例示的なフィルタを示す。IIRフィルタは、帰還信号ΔT
WOを生成するためのバンドパスフィルタ又は定常状態のヒータプレート温度信号T
HPを生成するためのバンドストップフィルタであり得る。このフィルタリングを実施するために、有限インパルス応答(FIR)フィルタ又はカスケード型積分器櫛形(CIC:Cascaded integrator-Comb)フィルタなどの異なる種類のフィルタを実装することができる。コントローラは、また、計算作業負荷を低減するためにサンプリングを毎秒行わなくてもよいマルチレート処理を実施することができていてもよい。
【0395】
ヒータプレートのサーミスタによる例示的な温度測定
ヒータプレート温度は、1つのサーミスタによって測定することができ、サーミスタの抵抗は温度に関係する。ヒータプレート温度は、2つのサーミスタによって測定されることができていてもよい。制御ユニットは、2つのサーミスタから1つの入力を受け取ることができる。
【0396】
サーミスタは、分圧器回路を使用し、サーミスタの抵抗の変化から生じる電圧の変化を測定することによって温度を測定することができる。サーミスタの抵抗は、温度が変化するにつれて変化する。サーミスタの抵抗は、サーミスタの電圧の変化に相関する。このサーミスタの電圧は、制御ユニットのマイクロコントローラなどのマイクロコントローラのアナログデジタル変換器(ADC:analog-digital converter)入力に送られる。制御ユニットは、サーミスタのデータシートに基づき、計算モデル(多項方程式又はその他など)を用いて、電圧表示値を温度値に変換することができる。電圧表示値からの温度の計算は、電圧表示値を抵抗値に変換し直して、ルックアップテーブルから対応する温度値を探すことに比べてより効率的になり得る。
【0397】
例示的な低水及び/又は水切れ検知アルゴリズム
上述のプロセス300、310の最後の工程で実施され得る例示的な低水及び/又は水切れ検知アルゴリズムについて、
図5Aを参照しながらここで説明する。制御ユニットは、帰還信号の大きさ及び/又は位相を数値スコアに変換することができる。低水及び/又は水切れ状態の作動閾値の数値スコアに達すると、制御ユニットは、低水及び/又は水切れ通知を出力することができる、及び/又はバイナリマスク値1を出力することにより低水及び/又は水切れ警報を作動させることができる。閾値の数値スコアが作動停止閾値未満になると、制御ユニットは、バイナリマスク値0を出力することにより低水及び/又は水切れ警報を作動停止させることができる。
【0398】
図5Aに示すように、工程502において、制御ユニットは、過渡事象による誤った表示値を排除するために、温度表示値のスパイクをクリップすることができる。その閾値は、線外値の下流の影響を低減する一方で正常な応答に影響を及ぼさないように、正常な信号振幅のすぐ外側になるように設定される。高速の過渡事象(transients)及び/又はスパイクは、フィルタの初期化、フィルタのリンギング、物理的外乱、加湿器チャンバの水充填等などの事象に起因し得る。高速の過渡事象は、豊富な高調波成分を有する場合があり(例えば、ディラックのデルタインパルスは、全周波数にエネルギーを有し得る)、数値スコアの急なスパイク及び/又は誤った水切れ警報を引き起こす可能性がある。バンドフィルタのQ値もまた、フィルタの選択性を向上させるために、群遅延を低減するために、及び/又はフィルタのリンギング効果を低減するために、最適化され得る。例えば、リンギングを低減するために、低いQ値を持つバンドフィルタが選択され得る。
【0399】
工程504において、帰還温度信号ΔTWOを受信すると、制御ユニットは、帰還温度信号ΔTWOの大きさを測定することができる。コントローラは、帰還温度信号ΔTWOの瞬時値を2乗し、この2乗値を下流のローパスフィルタを用いて平均化することによって、2乗平均平方根(RMS)操作に似た大きさを測定することができる。コントローラはまた、真のRMS値を得るために、平均値の2乗平均平方根を計算することができていてもよい。しかしながら、これは必須でなくてもよく、平方根工程は省略することができ、制御ユニットの計算負荷を低減することができる。
【0400】
図5Aに示すように、工程502において得られた大きさの瞬時値を平均化するために、工程506において、ローパスフィルタ(IIRフィルタなど)を適用することができる。
【0401】
工程506において、制御ユニットはまた、誤検知による水切れ警報を引き起こすおそれのある高速の過渡スパイクにフィルタが反応することを防ぐために外乱抑圧策を用いることができる。外乱抑圧策としては、ヒータプレートが設定点温度にない場合にフィルタの更新を選択的に減速することが挙げられ得る。選択的減速は、ヒータプレート温度の制御偏差(εHP)にフィルタ係数を乗じ、εHPが大きいときの以前の値に近い値を出力することによって達成され得る。
【0402】
工程508において、制御ユニットは、工程506の後で得られた数値スコアが閾値境界を上回るか下回るかを決定することができる閾値弁別器(ヒステリシスを有する単純な閾値弁別器など)を適用することができる。閾値境界は、0.17度RMS(2d.p.)に等しくなり得る又は任意の他の適切な境界であり得る。工程506の後で得られた数値スコアが閾値境界を超える場合、制御ユニットは、低水及び/又は水切れ通知を出力することができる、及び/又は警報(視覚及び/又は音声キュー又はその他など)を発することができる。
図5Bは、水切れ状態が起こる際の例示的な水切れスコアを示す。
図5Bに示すように、コントロールは、水切れスコアが約10を超えると水切れ警報を作動させることができる。
【0403】
例示的な更なる温度信号大きさ決定
工程502において、帰還温度信号ΔTWOの大きさはまた、直接変換受信機(ホモダイン)に似た原理を使用して決定されることができていてもよい。具体的には、整合フィルタリングを、帰還信号ΔTWOと補完信号ΔPWOとを畳み込み積分することにより実施することができ、これには、大きさ情報及び位相情報の両方を含む。これにより、全ての高調波を同時に処理することを可能にするとともに、弁別性能の向上を提供することができる。複数の周波数を有する信号を同時に処理することができる。制御ユニットは、制御ユニットの計算負荷を低減するために、帰還温度信号ΔTWOの大きさを、位相を決定することなく整合フィルタリングによって計算することができていてもよい。
【0404】
帰還温度信号ΔT
WOの大きさはまた、
図6に示される電子回路に似た漏洩ピーク(leaky peak)検出器(漏れを制御したピーク検出器)の実装を使用して決定されることができていてもよい。帰還温度信号ΔT
WOの振幅が高い場合、コンデンサはピークに一致するまで蓄電する。帰還温度信号ΔT
WOの振幅が低い場合、コンデンサはゆっくりと放電する。抵抗器の抵抗値及びコンデンサの静電容量値は、コンデンサが放電し、振幅の低下に反応するのにかかる時間を制御するように選択され得る。コンデンサの最大充電振幅は、帰還温度信号ΔT
WOの最大の大きさを示す。
【0405】
例示的な警報リセット
低水及び/又は水切れ警報を出力後、制御ユニットは、数値的な水切れスコアに基づくものと異なる手法で警報をリセットすることができる。即ち、低水及び/又は水切れ検知アルゴリズムからのバイナリマスク出力0を待つ。工程506におけるローパスフィルタは、過渡条件による誤った作動を回避するよう緩慢になるように選択される。これにより、水切れスコアが、水の補充後ある期間にわたって高いままになり得る。したがって、水切れスコアを用いた水切れ警報のリセットは緩慢になる場合がある(例えば、温度信号減衰は数分ほどになり得る)。
【0406】
制御ユニットは、ヒータプレート温度の温度低下がその設定点を下回るのを監視することにより(例えば、THP<(THP_SETPOINT-3℃)であれば)水切れ警報をリセットすることができていてもよい。このリセット条件は、加湿器チャンバに冷水が補充される際に、制御ユニットが約30秒の検知時間を有することを可能にできる。通常動作下において、ヒータプレート温度コントロールは、ヒータプレートを設定点に近い状態に維持する。それゆえ、ヒータプレート温度の低下を使用して冷水の補充を検知することができる。これは、ヒータプレート温度をこのように素早く低下させるケースは冷水の補充以外にないからである。この方法は、より高温の水が加湿器チャンバに補充される場合には異なる検知時間を有し得る。リセット条件の閾値として3℃以外の値も使用することができる。このリセット条件は、制御ユニットがバイナリマスク出力0に戻るような信号減衰を待つのに比べてより効果的であり得る。
【0407】
本明細書に開示される低水及び/又は水切れ検知システム並びに方法は、他の温度センサの表示値、ガス流量、及びその他に典型的に依存する熱伝導率決定に基づく水切れの検知に比べてより有利であり得る。以下に説明するように、本低水及び/又は水切れ検知開示は、低水及び/又は水切れ状態のより早い検知、低水及び/又は水切れ状態のより正確及び/又は信頼性の高い検知を提供するとともに、より少数のセンサ構成要素を必要とする。
【0408】
本明細書に開示される低水及び/又は水切れ検知システム並びに方法は、流量変化から独立させることができる。流量変化は、ヒータプレート伝達関数のDC(即ち、定常状態)動作点を変化させる場合がある(例えば、流量増加時には温度を維持するためにより多くの電力が必要であり、DCゲイン(℃/W)の減少をもたらす)が、補完信号が存在する場合、高周波成分には影響を及ぼさない。
図7に示すように、ヒータプレート温度ゲインの変化は、低水及び/又は水切れ検知アルゴリズムが適用されるより高い周波数ではごくわずかである。呼吸器加湿器システムではまた、低流量非侵襲療法(例えば、約10L/min未満の小児非侵襲療法の流量)又は極めて低流量の侵襲療法(例えば、約5L/min未満の新生児侵襲療法)の場合における水切れ状態の検知がより正確になり得る。
【0409】
本明細書に開示される低水及び/又は水切れ検知システム並びに方法はまた、ヒータプレートコントロールから独立させることができる。水切れ検知プロセスがシステムの通常動作に取って代わる必要はない。伝達関数全体で低水及び/又は水切れ状態を検知するのではなく、特定の周波数における加湿器チャンバの特性を使用して、エラーに曝されるのを低減し、検知方法のレジリエンスを向上させる。補完信号は、多重化され、その後、周波数分割を介してヒータプレート制御信号から逆多重化され得る。この(逆)多重化プロセスは、透明であることができ、湿度送達に使用されるヒータプレートコントロールに干渉することはできない。したがって、システムの通常動作に取って代わることを必要とする一部の検知プロセスとは異なり、本明細書に開示される低水及び/又は水切れ検知プロセスは、連続的に実行することができる。水切れ検知プロセスはまた、複雑な状態遷移及び/又はトリガー条件を伴わない。
【0410】
水切れ検知プロセスは加湿器チャンバの比熱容量を連続的に測定し、数値スコアを出力することができるので、制御ユニットはまた、数値的な水切れスコアを様々な閾値境界と比較することができる。様々な閾値境界により、制御ユニットがまた、実際の水切れ状態が起こる前に、「低水」警告などの潜在的な警告を任意選択的に提供することを可能にすることができる。
【0411】
本明細書に開示される水切れ検知プロセスはまた、制御ユニットが異なる種類の加湿器チャンバを区別することができる及び/又はチャンバがヒータベースユニットと係合していない場合に検知することができるように、特徴的な応答を観測することを可能にできる。
【0412】
例示的な低水及び/又は水切れ検知システムの概要
本明細書に記載されるように、加湿器チャンバ内の低水及び/又は水切れ状態を検知する特定の例示的な方法は、ヒータプレートの温度測定値に一部基づく。しかしながら、ヒータプレートアセンブリの他の構成要素の存在は、ヒータプレートアセンブリの加熱要素に提供される所与の電力に対する真のヒータプレート温度に測定温度T
HP(ヒータプレート温度)が対応しないような、エネルギー損失及び/又は熱の非効率性を生じさせる可能性がある。幾つかの別の構成では、ヒータプレート温度が、水温を表すものとして又は水温の代替として使用される場合がある。これは、低水及び/又は水切れ状態検知手法の精度を低下させる。更に、ヒータプレートアセンブリの様々な構成要素間の乏しい熱接触による追加的な損失が、低水及び/又は水切れ状態検知の不正確性に寄与するおそれがある。
図8A及び
図8Bは、寄生容量要素及び/又は低水及び/若しくは水切れ検知の抵抗をいかにして低下させるかの理解を助けるための例示的なシステム又は回路モデル800、801を概略的に示す。システム800、801はまた、水の静電容量の検知を高める又は最大化するように構成され得る。システム800、801は、加熱要素並びに上部加熱プレート及び下部プレートを含むヒータプレート構成要素の熱的結合を向上させ、加湿器チャンバとヒータプレートとの間の接触を向上させるように構成され得る。
【0413】
システム800、801は、ヒータプレート温度測定点T_HPで見られるような特定の周波数における伝達関数のゲインを測定することができる。このゲインは、水の存在又は欠如(又は必要であれば比熱容量)と相関し得る。
【0414】
システム800、801に見られるように、ヒータプレート温度測定点にある又はヒータプレート温度測定点の下流の構成要素は全てゲインに寄与し得る。システム全体の効果的な電気モデルは、寄生静電容量及び抵抗を含む、システムの全体的なゲインの理解の向上を提供する。静電容量C
waterに加えて、構成要素はまた、静電容量C
heaterPlate、C
chamber、並びに抵抗θ2(ヒータプレート-チャンバ接点)及び抵抗θ3(チャンバ-水接点)を含む。水の抵抗θ
evaporationは、DC動作点を変化させるが、高周波では伝達関数に大きな影響を及ぼさない。更に、システム801においては、ヒータプレート温度測定点の両側にある全ての構成要素が、ヒータプレートで観測される温度値に影響し得る。システム801の各ステージ(例えば、上部加熱プレート、加湿器チャンバ等)は、熱がチャンバ内の水に進入する際に温度上昇の信号を減衰させる抵抗器-コンデンサ(RC)ステージ(
図8Cを参照)として解釈され得る。これにより、異なる測定点における定常状態温度差(DC減衰)並びに、高周波におけるローパスフィルタリング及び/又は追加的な減衰を生じさせる。
【0415】
これらの余分な寄生項(C
heaterPlate、C
chamber、θ2、及びθ3など)を最小限にし、C
waterの寄与のみを測定することが望ましい場合がある。例えば、C項が、C
waterに比べて大きい場合(例えば、厚い金属ベースを有するチャンバの場合のC
chamber、又はC
heaterPlate、C
topPlate及び/又はC
botPlateが大きい場合)、例えば、0~5ではなく10~15の差が存在するので、C
waterによるゲインの変化はより小さくなる。同様に、熱抵抗θ項(例えば、θ2又はθ3)が大きい場合、C
waterは、ヒータプレート温度測定値からより切り離されることになる。その結果、C
waterによる変化が、測定されるゲインにほとんど影響を及ぼさない可能性がある。寄生項が増加すると、印加特性通電信号が寄生項内で失われるので、水切れ検知方法の精度が低下する。信号の損失、又は水で受信される特性通電信号が減少することにより、水切れ検知方法の精度及び有効性が低下する。
図8Bは、システムのより詳細なモデルを示す。
図8Bは、ヒータプレートが、ヒータ要素並びに上部加熱プレート及び下部プレートとしてモデル化され得ることを示す。システム内の各要素は、RC回路としてモデル化される。
図8Bに見られるように、下部プレートは、抵抗器及び静電容量としてモデル化される。加熱要素及び上部加熱プレートは、同様にモデル化される。
【0416】
図8Cに示すように、
図8A及び
図8Bのシステム内のこれら抵抗項と静電容量項との間の相互作用により、RCフィルタを形成し、各RCステージに極を導入することによって高周波信号を減衰させる。一次RCフィルタの帯域幅は、その時定数τ=RCに関連する。これは、出力が入力の63%に到達する時間を表し、その帯域幅(ラジアン/秒)の逆数でもある。高周波において、時定数が小さいフィルタは最小限の効果を有するが、大きい時定数はより大きな減衰効果を有し得る。低水及び/又は水切れ検知プロセスにおいて印加される波形の高周波エネルギーを加湿器チャンバ内の水により直接的に伝達することを可能にするために、寄生項においては低いτ値が望ましい。時定数が大きいほど、印加波形の減衰を生じさせることができ、印加波形の帰還振幅の低下をもたらす。
【0417】
R項又は/及びC項の値を減少させて、τを減少させることができる。Cの値の減少は、(上部及び/又は下部プレートにより少ない材料を使用するなどによって)C
botPlate及びC
topPlateを減少させることによって達成され得る。Rの値(即ち、θ1a、θ1b、及びθ1c)の減少は、熱エネルギー伝達を向上させることによって達成され得る。以下でより詳細に記載するように、コンプライアント電気絶縁体材料を付加して、加熱要素と上部加熱プレート及び下部プレートとの熱的結合を向上させることができる。電気絶縁体は熱伝導体である。コンプライアント絶縁体を使用すると、システムの要素、特にヒータプレートアセンブリの構成要素間の熱的結合が向上することによりR項が減少する。ヒータプレートアセンブリのR値の減少により、同じ帰還信号振幅の達成に必要な、低水及び/又は水切れ検知のための特性通電信号の波形を小さくすることが可能になる(したがって、
図8Dに示すようなより低い電力レベルにおけるクリッピングの可能性が低下する)。
【0418】
図8Dは、印加特性通電信号の例示的なクリッピングを示す。
図8Dは正弦波を示すが、クリッピングを減少させる原理は、3乗の三角波形などの他の波形に等しく当てはまり得る。本明細書に開示されるヒータプレートにおいて負電力を得ることはできない。したがって、負電力値はクリッピングされる。幾つかの場合では、電源限界に到達した場合、大きな正電力がクリッピングされ得る。本開示の加湿器は、概して、電源電力から切り離した状態で動作する、又はバッテリー電源を含んでもよい。動作電力範囲は、正電力値のクリッピングをもたらさない可能性がある。クリッピングの範囲を低減するために、印加特性通電信号の負の振幅|min(P
wave)|は、通常使用|P
ss|時の最低定常状態電力よりも小さく維持され得る。例えば、より低流量の状況時にはより低い定常状態電力が発生し得る。しかしながら、その一方で、より大きな特性通電信号(例えば、より大きな注入信号)振幅は、信号対雑音比を向上させることができるとともに、帰還信号のセンシング及び/又は測定を向上させることができる。損失を補償し、帰還信号を得るためには、より大きな印加信号が必要な場合がある。帰還信号の振幅の一層の増大又は信号対雑音比の向上は、水切れ検知を補助することができる。より大きな印加信号はまた、ヒータプレートの様々な構成要素を介した熱損失が原因で必要な場合がある。電気絶縁体材料は、所与の信号振幅における特性通電信号の熱応答性を高めることができる。換言すると、電気絶縁体材料は、より小さな特性通電信号振幅で同じ熱応答性の大きさを達成することを可能にし、これにより印加信号のクリッピングの可能性を低下させる。
【0419】
図9は、国際公開第2015038014号に記載されているような例示的なヒータプレートアセンブリ900を示す。
図9Aに示すように、ヒータプレートアセンブリ900は、とりわけ、上部加熱プレート910と、下部プレート920と、加熱要素サブアセンブリ930と、加熱要素サブアセンブリ930と上部加熱プレート910との間の単一の絶縁シート940とを含み得る。絶縁シート940は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)材料、又は本明細書に開示される可撓性及びコンプライアント熱インターフェース材料であってもよい。本開示におけるコンプライアントとは、材料を挟んでいる表面(例えば、
図13B及び
図13Dの熱インターフェース材料1338を参照)間のエアギャップを材料が変位させることができるように、材料が柔らかくなり、圧縮可能になる、及び/又は表面の形状に適合することができる能力を意味し得る。絶縁シート940はまた、弾性であることができ、これにより、絶縁シート940が上部加熱プレート及び/又は下部プレートの剪断力及び動きに適応することを可能にする。
【0420】
図9Aは、電気絶縁シート940又はシート941に使用される熱インターフェース材料などの、少なくとも熱インターフェース材料の層を少なくとも使用することにより熱移動を向上させた別の例示的なヒータプレートアセンブリ900を示す。
図9B~
図9Dは、組み立てられたときの(電源に接続するための線は示さない)
図9Aのヒータプレートアセンブリ900を示す。熱インターフェース材料を使用すると、ヒータプレートから加湿器チャンバへの結合が向上し、印加される特性通電信号の波形の振幅を減少させることができる。これにより更に、低流量時、低湿度時、及び/又はチャンバのない場合などの、本明細書に開示される低水及び/又は水切れ検知方法をより低い電力レベルで実施することが可能になる。更に、熱インターフェース材料を使用すると、ヒータプレートの構成要素の熱的結合が向上し、加熱要素サブアセンブリによって発生した熱の大部分(又は全て)が上部加熱プレート及び加湿器チャンバ内の水により効率的に伝達される。
【0421】
図9Aに示すように、ヒータプレートアセンブリ900は、とりわけ、上部加熱プレート910と、下部プレート920と、加熱要素サブアセンブリ930と、絶縁シート940と、シート941とを含み得る。絶縁シート940は、電気ショックリスクを生じさせるおそれのある短絡並びに/又は上部加熱プレート910及び/若しくは下部プレート920への電流の伝達を防ぐための電気絶縁体であり得る。シート941は、電気絶縁性であってもなくてもよい(即ち、シート941は、導電性であってもなくてもよい)。絶縁シート940又はシート941は、1つのPEEKシートと1つのコンプライアント熱インターフェース材料とを含んでもよい。1つの構成では、絶縁シート940及びシート941は両方とも、ヒータプレートアセンブリ900にボルトで固定され得る柔らかいコンプライアント熱インターフェース材料であることができ、したがって、加熱要素と上部加熱プレート及び下部プレートを含むヒータプレートアセンブリの構成要素との熱的結合(即ち、加熱要素と上部加熱プレート及び下部プレートを含むヒータプレートアセンブリの構成要素との間の熱接触)を向上させるために、側方に動くことができる、又は好ましくは、全方向に動くことができる。上部加熱プレート910及び下部プレート920は、剛性であり得る。上部加熱プレート910は、使用されていないときに周囲空気に少なくとも一部曝されてもよい。例えば、上部加熱プレート910の上面は、加湿器チャンバがヒータベース上に配置されていないときに周囲空気に少なくとも一部曝されてもよい。加湿器チャンバがヒータベース上に配置されると、上部加熱プレート910の上面は、加湿器チャンバの底面(即ちベース)に接触することができる。上部加熱プレート910は熱伝導性材料から作成され得る。加湿器チャンバの底面もまた、熱伝導性材料を含んでもよい。上部加熱プレート910及び下部プレート920は、アルミニウムなどの金属材料を含み得る。ヒータプレートアセンブリの例示的な構成要素の更なる詳細は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2015038014号に記載されている。
【0422】
図9Eは、例示的な加熱要素サブアセンブリ930を示す。加熱要素サブアセンブリ930は、1つ以上の電気絶縁層を含むことができ、1つ以上の電気絶縁層の間に加熱要素が挟まれている。加熱要素は、非導電性コアに巻回された1つ以上の加熱フィラメントを含み得る。
図9Eに示すように、加熱要素サブアセンブリ930は、加熱要素を電源に接続するための線936を含み得る。加熱要素サブアセンブリ930はまた、第1の電気絶縁層932及び第2の電気絶縁層934を含み得る。それ自体も加熱要素である物理的なプレートは項θ1a~θ1b(
図8Bを参照)を完全に排除することが可能である。しかしながら、加熱要素は商用電源によって給電されるので、電気絶縁層により安全性を向上させることができる。複数の絶縁層932、934のそれぞれが、電気絶縁及び熱伝導を提供することができる。複数の絶縁層932、934は、マイカシート、又はシリコーン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、若しくはポリイミド(例えば、Kapton、E.I.du Pont de Nemours and Co.の登録商標)などの他のシート電気絶縁体から作成され得る。絶縁層932、934は、加熱要素サブアセンブリ930に接着又はそうでなければ締結することができ、ヒータプレートアセンブリ900の他の構成要素に対して動かすことはできない。追加の絶縁層を、テープで貼り付けること又はそうでなければ締結することができていてもよい。絶縁層932、934は、非可撓性又は剛性であり得る。絶縁層932、934は、同じ厚さを有することができる、又は代替的に、1つの層をもう一方の層よりも厚くすることができる、異なる厚さのものであり得る。例えば、絶縁層の1つ以上は、厚さ約0.4mm超、又は厚さ約0.4mm未満であり得る。第3の電気絶縁体層(
図9Eに図示しない)を加熱要素サブアセンブリ930に含めることができる。例えば、第3層は、第2層934に隣接して又は第1層932に隣接して位置することができる。
【0423】
幾つかの構成では、加熱要素サブアセンブリ930は、サブアセンブリ930の両面にマイカシートを有する。マイカシート及び絶縁シート940又はシート941は、加熱要素と上部加熱プレート920との間に二重電気絶縁を提供することができる。
【0424】
絶縁シート940又はシート941は、コンプライアント又は可撓性であり得る(例えば、限定されるものではないが、約50~約100、又は約70~約90、又は一例では約80のショア00硬度値を有するなど)。絶縁シート940又はシート941は、滑らかな表面を持つコンプライアント材料を有するシリコーン系のガラス繊維強化熱インターフェース材料を含み得る。絶縁シート940は、シートの両面において非粘着性であり得る。絶縁シート940とシート941は、同じ材料又は異なる材料で作成され得る。
【0425】
絶縁シート940又はシート941の例としては、例えば、限定されるものではないが、Bergquistにより製造されているSil-Pad A1200、Sil-Pad 900S、Sil-Pad A2000、若しくはGap Pad VO、又はLaird Technologiesにより製造されているTgon 805-A0(接着剤なし)若しくはTgon 805-A1(片面に接着剤あり)が挙げられ得る。
【0426】
絶縁シート940又はシート941は、接着剤を含み得る又は接着剤なしであり得る。熱インターフェース材料は、例えば、限定されるものではないが、少なくとも4kV AC、又は少なくとも5kV AC、又は少なくとも6kV ACの最小破壊電圧を有するなど、IEC 60601-1規格に準拠し得る。絶縁シート940又はシート941は、例えば、約0.002”(0.05mm)~約0.04”(1.02mm)、又は約0.002”(0.05mm)、約0.003”(0.08mm)、約0.005”(0.13mm)、約0.006”(0.15mm)、約0.009”(0.23mm)、約0.012”(0.31mm)、約0.015”(0.38mm)、約0.016”(0.41mm)、約0.018”(0.46mm)、約0.02”(0.51mm)、約0.025”(0.64mm)、約0.03”(0.76mm)、又は約0.04”(1.02mm)の厚さを有し得るが、これらに限定されない。絶縁シート940又はシート941は、電気絶縁を提供することができるとともに、加熱要素930と上部加熱プレートとの間の熱伝導(例えば、限定されるものではないが、約1.8W/(m.K)の熱伝導率を有する)も向上させることができる。コンプライアント絶縁シート940は、加熱要素930と上部加熱プレート910との間の形状に適合し、加熱要素930を上部加熱プレート910により良好に熱的に結合することによって熱伝導率を向上させることができる。絶縁シート940又はシート941はまた、加熱要素サブアセンブリ930と上部加熱プレート910との間の任意のギャップを埋めるために、非可撓性又は剛性の絶縁層934に対して摺動又は並進させることができる。加熱要素サブアセンブリ930と上部加熱プレート910との間の熱的結合の向上は、水切れ方法を向上させることができる。
【0427】
熱的結合を向上させた例示的なヒータプレートアセンブリの更なる詳細については、
図10~
図19Fを参照して記載する。
図10は、熱インターフェース材料のない構成を示す。
図10は、二重絶縁を備えたヒータプレートの積み重ね構成1000を示す。二重絶縁とは、加熱要素と各プレートとの間の2つの別個の離散的な絶縁材料層を意味する。この絶縁は、電気絶縁である。
図10では、第1の二重電気絶縁機構は、加熱要素1035と上部加熱プレート1010との間の1つのマイカ層1036及びPEEK層1038である。第2の二重電気絶縁機構は、加熱要素1035と下部プレート1020との間の2つのマイカ層1032、1034である。2つの別個の絶縁材料層は、冗長性を提供することができる。即ち、1つが破損した場合に、第2の絶縁材料層が存在する。熱インターフェース材料を有するヒータプレートアセンブリにおいては、第1の二重電気絶縁機構は、加熱要素と上部加熱プレートとの間の1つのマイカ層及び熱インターフェース材料であってもよい。二重電気絶縁を達成するように配置することができる絶縁体シートのいくつかの異なる順列及び組み合わせがある。幾つかの構成では、2つを超える絶縁体シートがある。上部加熱プレート1010は、下部プレート1020に面する側にある第1絶縁層1032及び第2絶縁層1034と、上部加熱プレート1010に面する側にある第3絶縁層1036及び第4絶縁層1038との間に挟まれた加熱要素1035を受け入れるための凹部を含み得る。第1層1032、第2層1034、及び第3層1036は、マイカシートを含み得る。第4層1038は、可撓性/コンプライアント熱インターフェース材料を含み得る。代替的な構造では、第4層1038は、PEEKシートを含み得る。コンプライアント熱インターフェース材料は、移動して上部プレート及び下部プレートの形状に適合できることと、間に熱インターフェース材料が配置されている様々な構成要素間のエアギャップを埋めるように圧縮でき、熱接触を向上させることができることが理由で好ましい。下部プレート1020は、ほぼ均一な厚さ(略円盤形状を有するなど)を有することができ、第1絶縁層1032に隣接して配置され得る。下部プレート1020の外縁は、上部加熱プレート1010に接触することができる。
【0428】
ヒータプレートアセンブリは、1つのコンプライアント熱インターフェース材料層を有することができていてもよい。この1つの層は、加熱要素と上部加熱プレートとの間に位置し得る。1つのコンプライアント熱インターフェース材料層は、必要な電気絶縁を提供するのに十分な厚さを有し得る。或いは、コンプライアント熱インターフェース材料層は、別の場所に記載されるような更なる電気絶縁層とともに使用することができる。ヒータプレートアセンブリはまた、2つのコンプライアント熱インターフェース材料層を有することができる。
【0429】
図11は、ヒータプレート構成要素の熱的結合を向上させる例示的なヒータプレートの積み重ね構成1100を示す。熱的結合の向上は、必要な電気絶縁も達成しつつ達成される。スタック構成により、加熱要素から各プレートを電気的に絶縁してショックを防ぐための二重電気絶縁機構を達成する。上部加熱プレート1110は、下部プレート1120に面する側にある第1絶縁層1132及び第2絶縁層1134と、上部加熱プレート1110に面する側にある第3絶縁層1136及び第4絶縁層1138との間に挟まれた加熱要素1135を受け入れるための凹部を含み得る。第1層1132、第2層1134、及び第3層1136は、マイカシートを含み得る。第4層1138は、上述のシート940又はシート941の材料であり得る熱インターフェース材料を含み得る。
図12Aに示すように、絶縁層A(
図11の第4層1138であり得る)は、上部加熱プレート1210の下面に位置し、加熱要素サブアセンブリと接触するように構成されている。熱インターフェース材料の第4層1138即ち絶縁層Aは、上部加熱プレートと加熱要素サブアセンブリとの間の接触を向上させることができる。
【0430】
図11に示すように、別個の熱インターフェース材料層1139が、上部加熱プレート1110と下部プレート1120との境界面に位置し得る。2つの熱インターフェース材料層1138、1139は、
図9Aの絶縁シート940又はシート941であり得る。別個の層1139は電気絶縁性であってもよいが、電気絶縁性である必要はない(即ち、導電性であってもよい)。この別個の層1139はまた、
図12Aに絶縁層Bとして例示される。層Bは、上部加熱プレート1210の下面上に隆起した表面上に位置し得る。層1139即ち層Bは、上部加熱プレートと下部プレートとの間の表面積接触を向上させることができる。第2層1139はまた、加熱要素を受け入れるための切抜部又は開口部を含み得る。第2層1139は、第1層1138と同じ材料で作成されてもよい。層1138、1139は、
図9Aの絶縁シート940又はシート941の形状を有する。第2層1139は、上部加熱プレート1110と下部プレート1120との間に挟まれている。層1139は、ヒータプレートアセンブリ1100が互いにボルトで固定されると上部加熱プレート1110と下部プレート1120との間に挟まれる。或いは、層1139は、上部加熱プレート1110の下面上に接着されてもよい。層1139は、
図12Bに示されるサーミスタ用ウェル1211及びボルト用開口部1219などのサーミスタ用ウェル及びボルト用開口部を収容するための開口部を層1139内に有する。
図12B~
図12C、
図12F、及び
図12Jは、上部加熱プレート1210の下面を絶縁層なしで示す。破線1213は、
図12D及び
図12Eに示すような、上部加熱プレート1210と接触するように構成されている下部プレート1220の外周部を示す。上部加熱プレート1210の下面は、加熱要素サブアセンブリを受け入れるための凹部1217を更に含む。
図12D及び
図12Eは、上部加熱プレート1210によって受け入れられるように構成されている下部プレート1220の下面を示す。破線1223は、下部プレート1220と接触するように構成されている、加熱要素サブアセンブリの一方の面上にあるマイカ絶縁シートなどの加熱要素サブアセンブリの外周部を示す。下部プレート1220の縁部と破線1223との間の領域は、上部加熱プレート1210と下部プレート1220との間の接触領域を示す。
図12L及び
図12Mは、上部加熱プレート1210の下面を絶縁層なしで示す。破線1214は、
図12N~
図12Rに示すような、上部加熱プレート1210と接触するように構成されている下部プレート1221の外周部を示す。下部プレート1220と比較すると、下部プレート1221は、サーミスタ用ウェル1211と下部プレート1221との間の熱的分離を向上させるためにより大きな切抜部領域を含む。下部プレート1221の縁部と下部プレート1221上の破線1223との間の領域は、上部加熱プレート1210と下部プレート1223との間の接触領域を示す。上述のように、本明細書で参照する絶縁シートは、電気絶縁を提供する電気絶縁体である。熱インターフェース材料などのこれら絶縁体は、熱絶縁体ではなく熱伝導体である。
【0431】
図13A~
図13Dは、熱インターフェース材料の使用による熱接触の向上を顕微鏡的レベルで示す。
図13Aに示すように、上部加熱プレート、並びに加熱要素サブアセンブリ1330のPEEK層1332及びマイカ層などの剛性絶縁層の粗面により、上部加熱プレートと剛性絶縁層との間にエアポケット又はギャップが捕捉されるせいで、不良熱伝導に至るおそれがある。同様に、
図13Cに示すように、上部加熱プレート1310及び下部プレート1320の粗面もまた、剛性の上部加熱プレート1310と剛性の下部プレート1320との間にエアポケット又はギャップが捕捉されるせいで、最適に満たない熱移動に至るおそれがある。
図13B及び
図13Dに示すように、上述の絶縁シート940又はシート941などのコンプライアント熱インターフェース材料層1338は、エアポケット又はギャップを変位させ、利用可能な表面積接触を向上させることができる。
【0432】
図13Bに示すように、コンプライアント熱インターフェース材料層1338が
図13Aの剛性のPEEK層1332を代替して、加熱要素サブアセンブリ1330と上部加熱プレート1310との間のより良好な表面積接触を可能にすることができる。このコンプライアント熱インターフェース材料層1338は、
図8Bの等価回路モデル又はシステム801内のθ1aを低下させることができる。
【0433】
図13Dに示すように、コンプライアント熱インターフェース材料層1338を上部加熱プレート1310と下部プレート1320との間に付加して、上部加熱プレート1310と下部プレート1320との間の表面積接触を増大させることができる。このコンプライアント熱インターフェース材料層1338は、
図8Bの等価回路モデル又はシステム801内のθ1cを低下させることができる。
図13Dは、シート1139(層B)によって提供される上部加熱プレートと下部プレートとの間の熱接触、即ち熱的結合を示す。
図13Bは、シート1138(層A)によって得られる加熱要素アセンブリと上部加熱プレートとの間の熱的結合を示す。
【0434】
図8Bの等価回路モデル又はシステム801に見られるように、θ1a及び/又はθ1cが低下すると、ヒータプレートアセンブリ内部の固有のフィルタリング効果を低減させることができる。その結果、印加される波形の振幅又は電力Pwaveを低減させて、T_HPにおいて同じ目標の大きさを得ることができる。低水の検知及び/又は水切れ検知の目的で、下部プレートと上部加熱プレートとの間の接触領域だけでなく、下部プレートの全面に沿って熱インターフェース材料を導入することによってθ1bを低下させることも有益であり得る。
【0435】
図14は、熱的結合を損なわずに材料費を低下させる別の例示的なヒータプレートの積み重ね構成1400を示す。上部加熱プレート1410は、下部プレート1420を受け入れるための凹部を含み得る。下部プレート1420は、下部プレート1420に面する側にある第1絶縁層1432及び第2絶縁層1434と、上部加熱プレート1410に面する側にある第3絶縁層1436及び第4層1438(加熱要素サブアセンブリを形成する)との間に挟まれた加熱要素1435を受け入れるための凹部を含み得る。第1層1432、第2層1434、及び第3層1436は、マイカシートを含み得る。第4層1438は、上述の絶縁シート940又はシート941の材料であり得る熱インターフェース材料を含み得る。
図14の第4層1438は、実質的に上部加熱プレート1210の下表面全体に位置することができ、下部プレート1420及び第3絶縁層1436と接触するように構成され得る。熱インターフェース材料の第4層1438は、上部加熱プレート1410と下部プレート1420との間の接触、及び上部加熱プレート1410と加熱要素サブアセンブリとの間の接触を向上させることができる。
【0436】
図14に示すように、別個の熱インターフェース材料層1439が、下部プレート1420の下面と第1絶縁層1432との境界面に位置し得る。この別個の層1439は、下部プレート1420と加熱要素サブアセンブリとの間の表面積接触を向上させることができる。
図14に示すようなこの代替形態では、層1439は、加熱要素1435を下部プレート1420に熱的に結合し、下部プレート1420は、層1438によって上部加熱プレート1410に熱的に結合される。これにより、加熱要素1435から上部加熱プレート1410への熱伝導を向上させる。更に、下部プレート1420への熱は、層1438を介して上部加熱プレートに伝導される。これにより、サーミスタの温度表示値を向上させることができる。この熱的結合の向上は、水切れ検知も向上させることができる。
【0437】
図15は、構成1500が下部プレート1520と第1絶縁層1532との間に別個の熱インターフェース材料層を含まなくてもよいこと以外は
図14の構成1400と実質的に同じヒータプレートスタック構成1500を示す。
図14と
図15の同じ特徴は同じ下二桁を共有し、簡略化のために、繰り返されない。熱インターフェース材料の第4層1538は、
図12Aの層A及び層Bなどの2つの部分に分割される必要はない。即ち、単一の熱インターフェース材料層を使用して、上部加熱プレート1510と下部プレート1520との間の熱接触、及び上部加熱プレート1510と加熱要素サブアセンブリとの間の熱接触を向上させることができる。これにより、組み立て時間の減少によって製造プロセスを向上させることができる。下部プレート1520の縁部は、加熱要素サブアセンブリを受け入れるための凹部を作成するために、押し出す又は高くすることができる。凹部は、加熱要素サブアセンブリを内包し、熱インターフェース材料1538と接触させることができる、又は熱インターフェース材料1538と上部加熱プレート1510とを熱的に結合し、熱エネルギーを上部加熱プレート1510に戻るように向け直すことができる。
図8Bを参照すると、熱インターフェース材料の第4層1538の配置により、θ1cを低下させることができる。
【0438】
図16A及び
図16Bに示すように、抵抗加熱要素1635は、加熱フィラメント1637が、要素1635の非導電性コア1633の一方の側(上部加熱プレートに面する側など)に主に巻き付くように設計され得る。フィラメント1637は、加熱フィラメントが主として非導電性コアの一方の側にあるように、コア1633の突起1631の周りで輪を作ることができる。この巻き付き構成は、熱伝導に、z軸(
図14を参照)内の一方向にバイアスをかけることを可能にする。抵抗加熱要素1635は、本明細書に開示されるヒータプレートスタック構成のいずれにも実装することができる。抵抗加熱フィラメント構成の別の構造又は加熱要素上の加熱トラック、例えば、銅エッチングトラックを有するプリント回路基板(PCB)を使用することができる。
【0439】
図17A~
図17E及び
図18A~
図18Fは、
図15のヒータプレートスタック構成1500を実装するために使用され得る例示的な上部加熱プレート1710及び下部プレート1820を示す。
図17Aにおいて、陰影付き領域1711は、
図15の第4層1538であり得る熱インターフェース材料のダイカットの形状を示す。
図18A、
図18E、及び
図18Fにおいて、陰影付き領域1821は、熱インターフェース材料(
図15の第4層1538など)との接触を可能にしながら、本明細書に開示される加熱要素及び他の絶縁層などの加熱要素サブアセンブリも内包するために高くされる、下部プレート1820の縁部領域を示す。
図19A~
図19Eは、別の例示的な下部プレート1920を示す。
【0440】
加熱要素の両側で、異なる熱インターフェース材料を使用することができる。熱インターフェース材料は、加熱要素からの熱のベクトルが実質的に上部加熱プレートに向けられるように選択され得る。マイカ絶縁層の全て又は組み合わせを熱インターフェース材料と入れ替えることができる。例えば、下部プレートと上部加熱プレートとの間のマイカ絶縁層の少なくとも1つを、
図11、
図14、及び
図16に示すように、入れ替えることができる。熱インターフェース材料は、任意選択的に、加熱要素の抵抗加熱トラック又はフィラメントに直接隣接させて配置してもよい(即ち、それらの間に剛性絶縁層はない)。熱インターフェース材料はマイカシートよりも低温に定格され得るので、安全性の理由から、熱インターフェース材料はまた、加熱要素の抵抗加熱トラックに直接隣接させて配置しなくてもよい(即ち、それらの間にマイカシートなどの剛性絶縁層の少なくとも1つの層を有する)。ヒータプレートアセンブリ全体は、互いにボルトで固定することができる(例えば、接着剤なしで)。互いにボルトで固定されている要素は、破損した要素をより容易に取り外す又は交換することを可能にする。互いにボルトで固定されている要素はまた、ギャップを吸収し、エアギャップを除去するために、コンプライアント絶縁体シート(熱インターフェース材料層)が他の要素に対して移動することを可能にする。これにより、加熱要素と、下部プレートと、上部加熱プレートとの熱的結合を向上させることができる。熱的結合は、加熱要素から熱の大部分を上部加熱プレートにより効率的に伝達し、サーミスタによって検知されることを確実にすることができる。これにより、水切れ検知方法の精度も向上させることができる。
【0441】
本明細書に開示されるヒータプレートスタック構成に追加の熱インターフェース材料層も付加することができる。例えば、熱インターフェース材料は、
図14に示すように、下部プレートとマイカ絶縁層との間に、その領域内に形成する可能性のあるエアポケットを低減するために、配置されてもよい。この追加の層の組み立ては、加熱要素の組み立てプロセスの一部とすることができる、又は別の工程であってもよい。
【0442】
システム800、801、802はまた、ヒータプレート温度センサと異なる位置及び/又は手法で行われた温度測定を低水及び/又は水切れ検知のために使用することができることを示す。例えば、水温は、上記の他の因子による影響を排除するために直接測定され得る。また、例えば、温度TheaterPlateと温度Tchamberとの間又は温度TtopPlateと温度Tchamberとの間の差の差分測定を行うことによって、これら寄生項による影響を打ち消すことが可能である。例えば、一方が他方よりも要素に近い2つのサーミスタをヒータプレート上に有することも可能である。この2つのサーミスタの構成は、寄生項を打ち消すことができるので、水切れ検知プロセスを向上させることができる。
【0443】
本明細書中に記載されるシステムはまた、本明細書に開示されるヒータプレート温度センサなどのセンサを外部からの熱の寄与から分離するように構成された特徴を含み得る。上述のように、ヒータプレート温度センサは、上部加熱プレート温度を測定することができ、上部加熱プレート温度は、低水及び/又は水切れ検知アルゴリズムに供給することができ、その最中に、より高い周波数の補完信号がヒータプレート制御信号の波形に印加される。補完信号及び反射応答信号は、温度測定値のノイズにより敏感であり得る及び/又は温度測定値のノイズによって減衰され得る。検知アルゴリズムをより信頼性の高いものにするために、ヒータプレートアセンブリの加熱要素に提供される所与の電力に関して、測定温度THP(ヒータプレート温度)が真のヒータプレート温度により良好に対応すると有益であり得る。
【0444】
本明細書に開示される上部加熱プレートは、上部加熱プレートの底面に、上部加熱プレートの温度を測定するために使用される2つのサーミスタを収容するための2つのサーミスタ用ウェル(
図12Aのサーミスタ用ウェル1211及び
図20Bのサーミスタ用ウェル2011を参照)を有するセンサ取付ブロックを含み得る。サーミスタは、上部加熱プレート温度を電圧の形態で測定することができる。サーミスタは、分圧器構成で配置されている。温度が変化するとサーミスタの抵抗も変化し、抵抗は電圧の変化に相関する。このサーミスタの電圧は、(本明細書に開示されるコントローラなどの)マイクロコントローラのADC入力に送られる。その後、電圧は、多項方程式などの数学関数を用いて温度値に直接変換される。関数は、サーミスタ及び使用される分圧器回路のデータシート内に与えられた抵抗対温度の関係から導出することができる。したがって、温度値を決定するために1つの工程のみを必要とし得る。図示例では2つのサーミスタを使用しているが、温度測定は、1つのサーミスタを使用して実施することもできる。システムは1つのサーミスタを使用することができ、第2のサーミスタは冗長センサとして存在する。或いは、コントローラは、2つの温度センサの平均温度値を使用してもよい。
【0445】
サーミスタに対する、上部加熱プレート以外のヒータプレートアセンブリの材料からの熱の寄与により、精度の低い表示値がもたらされる可能性がある。サーミスタの温度測定値が上部加熱プレートの温度を一層良く表すようにするために、安全機能部(例えば、
図9及び
図9A~
図9Dの安全機能部950、並びに
図20A~
図20Cの安全機能部2050を参照)を下部プレート上に配置し、サーミスタを外部からの熱の寄与から分離することができる。安全機能部は、サーマルカットオフユニットであり得る。サーマルカットオフユニットは、安全でない動作を示す1つ以上の条件が1つ以上のセンサによって検知された場合、例えば、ヒータプレートの温度が閾値を超えたときに、ヒータプレートへの電力を切断するハードウェアデバイスである。安全機能部は、ヒータプレートアセンブリのハードウェアに実装されているソフトウェア又は他の保護回路の障害の場合に、ヒータプレートへの電力の供給を不可逆的に不能にすることができる。或いは、サーマルカットオフユニットは、使用者によってリセットされ得るリセット可能なハードウェアユニットであってもよい。サーマルカットオフユニットは、ハードウェア回路をリセットするために使用され得るアクセス可能なスイッチ、ボタン、又はアクチュエータを有してもよい。安全機能部は、システム障害に対する追加的な予防策を提供することができる。安全機能部は、例えば、2つのねじ又は他の種類の締結機構若しくは固定機構を使用して下部プレートに固定され得る。
【0446】
安全機能部は、主として、加湿チャンバのベースに接触している上部加熱プレートの温度に応答する。これにより、安全機能部の精度を確保することができるとともに、安全機能部の誤作動を低減及び/又は防止することができる。しかしながら、ニクロム線を含み得る加熱フィラメントは、安全機能部の信頼性及び/又は適切な作動に対して外部から影響を及ぼすおそれがある。加熱フィラメントの影響を低減するために、下部プレート内に、加熱フィラメントの境界をわずかに超えるL字形スロットを含み、安全機能部に対する加熱フィラメントの熱の寄与を低減することができる。L字形スロット1921を有する例示的な下部プレート1920を
図19A~
図19Fに示す。スロット1921は、L字形以外の任意の形状を有することもできる。L字形スロット1921は、簡略化された形態で
図20A~
図20Cに示される安全機能部2050と、加熱フィラメントの境界縁部2031との間の離隔距離を増大させることができる。サーマルカットオフユニットなどの安全機能部2050は、プラットフォーム上に配置され得る。プラットフォームは、安全機能部を取り付けるために使用され得る。
図19A~
図19Eにおいて、プラットフォームは、L字形スロット1921に隣接する2つの穴1923を含む。2つの穴1923は、安全機能部2050を下部プレート1920に固定するためにねじを使用することを可能にできる。
【0447】
離隔距離の増大は、安全機能部2050が実質的に一定の熱エネルギー分配を受け、(加熱フィラメントなどからの)「過渡的な」寄与によって起動されないようにするのに役立ち得る。L字形スロット1921により、下部プレート1920の構造的完全性を含む(comprising)ことなく、下部プレート1920及び安全機能部2050のバルクからいくつかの伝導経路を取り除くことなどにより、安全機能部2050と下部プレート1920との間の金属を削減する。更に、安全機能部2050と下部プレート1920との離隔を更に増大させて、下部プレート1020内の熱による安全機能部2050のノイズを更に低減するために、小さな階段部1922が、L字形スロットの長縁部に機械加工されてもよい(
図19Cの陰影付き領域によって示されるとともに、
図20A~
図20Cにも示される)。離隔の増大により、加熱フィラメントからL字形スロット1921への熱の寄与及び安全機能部2050の誤作動を防止することができる。
【0448】
マイカシート及び/又は熱インターフェース材料などの、本明細書中に記載される絶縁シートは、加熱フィラメントから下部プレートに熱を伝達するように機能し得る。したがって、
図20Aの破線円によって示されるように、L字形スロット1921は、絶縁シートの境界縁部2041を越えて延びることができ、これにより更に、絶縁シートから安全機能部への熱の寄与を低下させることができる。
【0449】
或いは、
図18C及び
図18Dに示すように、下部プレート1820の残部から突出するプラットフォーム1852を残しつつ、下部プレート1820の全体的な厚さを、例えば、
図12D及び
図12Eに示される下部プレートと比較して低減することができる。例えば、限定されるものではないが、全体的な厚さは、約2mm~約9mm、又は約3mm~約4mm、又は約3mmに低減することができる。プラットフォーム1852は、例えば、限定されるものではないが、下部プレート1820の残部から約1mm~約3mm、又は約2mm突出することができる。プラットフォーム1852における下部プレート1820の厚さは、例えば、限定されるものではないが、約4mm~約10mm、又は約4mm~約6mm、又は約5mmであり得る。安全機能部はプラットフォーム1852上に配置することができる。安全機能部は、プラットフォーム1852の上に配置することができる。プラットフォーム1852は、下部プレート1820の残部を薄くすることによって作成又は画定され得る。或いは、プラットフォームは、下部プレート内に形成された受け部内に画定されてもよい。プラットフォーム1852は、下部プレート1820への安全機能部の固定を向上させるために十分なねじ又は他の締結ツール深さを提供することができる。プラットフォーム1852はまた、安全機能部の周囲の領域の熱質量を増大させることによってサーミスタのデカップリングを向上させることができる。換言すると、プラットフォーム1852は、加熱フィラメントによる不要な効果を安全機能部へと減衰させることができる。
【0450】
或いは、
図21A~
図21F及び
図22A~
図22Bに示すように、プラットフォーム2152及びL字形スロット2121を含む下部プレート2120を有するように、下部プレート1820の特徴と下部プレート1920の特徴を組み合わせることができる。
図21A及び
図21Eに示すように、スロット2121は、プラットフォーム2152の縁部の周りに位置し得る。スロット2121の長い側に沿った階段部(下部プレート1920の階段部1922など)は図示しないが、このような階段部は、任意選択的に、下部プレート2120内に含まれてもよい。スロット2121はまた、L字形以外の任意の形状を有することができる。
【0451】
図22A~
図22Bに示すように、安全機能部2250の一部分は、その下表面がプラットフォーム2152によって支持されない。この支持されていない部分は締結ねじ又は他の締結ツールに結合されておらず、主として、安全機能部2250を更に安定させるために機能するので、このことは安全機能部の性能に影響しない。
【0452】
図20A~
図20C及び
図22A~
図22Bに示されるヒータプレートアセンブリは、
図12Aに示される層A及び層Bなどの2つの熱インターフェース材料絶縁層を収容することができる。絶縁層A及び/又は絶縁層Bは、例えば、約0.002”(0.05mm)又は約0.04”(1.02mm)の間、又は約0.002”(0.05mm)、約0.003”(0.08mm)、約0.005”(0.13mm)、約0.006”(0.15mm)、約0.009”(0.23mm)、約0.012”(0.31mm)、約0.015”(0.38mm)、約0.016”(0.41mm)、約0.018”(0.46mm)、約0.02”(0.51mm)、約0.025”(0.64mm)、約0.03”(0.76mm)、又は約0.04”(1.02mm)の厚さを有し得るが、これらに限定されない。
【0453】
サーミスタの温度測定値が上部加熱プレートの温度を一層良く表すようにするために、サーミスタと下部プレートとの間の離隔距離も増大させることができる。サーミスタと下部プレートとの間の離隔が大きいほど、下部プレートからサーミスタの測定値への熱の寄与の程度を低減することができ、サーミスタにより上部加熱プレートのより正確且つ信頼性の高い温度が得られる。
【0454】
例えば、下部プレートのある領域の厚さを低減して、下部プレートと上部加熱プレートの底面上に配置されたサーミスタとの間の離隔距離をより大きくすることができる。例示的な厚さの低減は、
図19B~
図19C、
図20A~
図20C、
図21A、及び
図21Eに示される。厚さの低減により、階段部1925、2125が下部プレート1920、2120の底面上に形成されることになり得る。階段部は、下部プレートをサーミスタから更に熱的に隔離することができる。
【0455】
下部プレートとサーミスタとの離隔を増大させるために、
図20B及び
図20Cの上部加熱プレートのセンサ取付ブロック2010などの上部加熱プレートのセンサ取付ブロックもまた、例えば
図12Aに示される上部加熱プレートのセンサ取付ブロック1210と比較した場合に、サイズ(例えば、幅及び/又は長さ)を低減することができる。例えば、
図20B及び
図20Cのより小さなセンサ取付ブロックは、約3mm~約9mm、又は約5mm~約7mmの厚さを有し得る。センサ取付ブロックにおける、センサ取付ブロックを含む上部加熱プレート2010の総高さは、約6mm~約15mm、又は約8mm~約11mm、又は約9mm~約10mmであり得る。上部加熱プレート2010のセンサ取付ブロック及び隆起したリップを含む上部加熱プレート2010の総高さは、その最も厚い点において、約10mm~約12mm、又は約11.5mmであり得る。
【0456】
センサ取付ブロックサイズの低減により、サーミスタを余分な加熱源から及び/又は加熱フィラメントとの潜在的な直接接触からより良好に隔離するように、金属の量を低減することができる。より小さなセンサ取付ブロックはまた、サーミスタを上部加熱プレートにより良好に熱的に結合することができる。更に、より小さなセンサ取付ブロックは、下部プレートの温度変化による誤差を回避するために、センサ取付ブロックを下部プレートから更に遠くに離隔させることができる。
【0457】
用語
呼吸器加湿システム及び関連構成要素並びに方法の例を、図を参照しながら記載してきた。図は、様々なシステム及びモジュール及びそれらの間の接続を示す。様々なモジュールとシステムは様々な構成で組み合わせることができ、様々なモジュールとシステムとの間の接続は、物理的リンク又は論理的リンクを表し得る。図中の表現は、原理を明確に示すために提示され、モジュール又はシステムの分割に関する詳細は、別個の物理的な実施形態を詳述しようとするのではなく、説明を容易にするために提供されている。例及び図は、説明を意図しており、本明細書に記載される本発明の範囲を限定するものではない。例えば、本明細書の原理は、呼吸器加湿器のみならず、手術用加湿器を含む他の種類の加湿システムに適用されてもよい。本明細書の原理は、呼吸器用途に適用し得るとともに、呼吸器システム内で水が使用可能かどうかを決定する他のシナリオにも適用し得る。
【0458】
本明細書で使用する場合、「プロセッサ」という用語は、任意の適切なデバイス、論理ブロック、モジュール、回路、又は命令を実行するための要素の組み合わせを広く意味する。例えば、コントローラ8は、Pentium(登録商標)プロセッサ、MIPS(登録商標)プロセッサ、Power PC(登録商標)プロセッサ、AMD(登録商標)プロセッサ、ARM(登録商標)プロセッサ、又はALPHA(登録商標)プロセッサなどの任意の従来の汎用シングル若しくはマルチチップマイクロプロセッサを含み得る。更に、コントローラ122は、デジタルシグナルプロセッサ又はマイクロコントローラなどの任意の従来の専用マイクロプロセッサを含み得る。本明細書に開示した実施形態に関連して記載した様々な例証的な論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート若しくはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェアコンポーネント、又は本明細書に記載される機能を実施するように設計されたこれらの任意の組み合わせ、又はメインプロセッサ内の純粋なソフトウェアと共に実施又は実行することができる。例えば、ロジックモジュール504は、任意の追加の及び/又は特殊なハードウェア要素を利用しないソフトウェア実施機能ブロックであり得る。コントローラ8は、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、マイクロコントローラとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと併用する1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成として実施され得る。
【0459】
データストレージは、データをプロセッサによって記憶及び検索することを可能にする電子回路を指すことができる。データストレージは、外部デバイス又はシステム、例えば、ディスクドライブ又はソリッドステートドライブを指すことができる。データストレージはまた、通信バス又はコントローラ8に直接接続される、ソリッドステート半導体ストレージ(チップ)、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は様々な形態の読み出し専用メモリ(ROM)を指すことができる。他の種類のデータストレージとしては、バブルメモリ及びコアメモリが挙げられる。データストレージは、データを非一時的な媒体に記憶するように構成された物理的ハードウェアであり得る。
【0460】
特定の実施形態及び例を本明細書に開示しているが、本発明の主題は、特に開示された実施形態以外に、他の代替的な実施形態及び/又は使用、並びにそれらの修正物及び等価物にまで及ぶ。したがって、本明細書に添付の特許請求の範囲又は実施形態の範囲は、本明細書に記載される特定の実施形態のいずれかによって限定されるものではない。例えば、本明細書に開示される任意の方法又はプロセスにおいて、方法又はプロセスの行為若しくは操作は、任意の適切な順序で実施することができ、任意の特定の開示された順序に必ずしも限定されるものではない。様々な操作は、特定の実施形態の理解に有用となり得る手法で、複数の別々の操作として順に記載され得る。しかしながら、記載の順序は、これらの操作が順序に依存することを示唆するものとして解釈されるべきではない。更に、本明細書に記載される構造体は、一体型の構成要素として又は別個の構成要素として具現化することができる。様々な実施形態を比較する目的で、これら実施形態の特定の態様及び利点が記載されている。このような態様又は利点の全てが任意の特定の実施形態によって必ずしも達成されるわけではない。したがって、例えば、様々な実施形態は、本明細書に同じく教示又は提案され得る他の態様又は利点を必ずしも達成することなく、本明細書に教示される1つの利点又は利点の群を達成するか又は最適化する手法で実行され得る。
【0461】
本明細書中で使用される、とりわけ、「~できる(can)」、「~できる(could)」、「~の可能性がある(might)」、「~してもよい(may)」、「例えば(e.g.)」等のような条件付きの文言は、別段の記載のない限り、又は使用される文脈内で理解される限り、一般に、特定の実施形態が特定の特徴、要素及び/又は状態を含む一方で、他の実施形態は特定の特徴、要素及び/又は状態を含まないと伝えることを意図する。したがって、このような条件付きの文言は、一般に、1つ以上の実施形態に、特徴、要素及び/又は状態が何らかの形で必要であることを示唆するものではない。本明細書で使用する場合、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、又はこれらの任意の他の変化形は、非排他的な包含を含むものである。例えば、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置は、これらの要素のみに必ずしも限定されるものではなく、明示的にリスト化されていない又はそのようなプロセス、方法、物品、若しくは装置に固有でない他の要素を含んでもよい。また、「又は(or)」という用語は、例えば、要素のリストを接続するために使用される場合、「又は」という用語が、リスト内の要素のうちの1つ、幾つか、又は全てを意味するように、(その排他的な意味ではなく)その包含的な意味で使用される。「X、Y及びZのうちの少なくとも1つ」という語句などの接続語は、別段の記載のない限り、一般的に使用される文脈において、項目、用語等がX、Y又はZのいずれかであり得ることを伝えるものと理解される。したがって、このような接続語は、一般に、特定の実施形態に、少なくとも1つのX、少なくとも1つのY、及び少なくとも1つのZがそれぞれ存在することを必要とすることを示唆するものではない。本明細書で使用する場合、「約(about)」又は「約(approximately)」という語は、値が、記載された値の±10%以内、±5%以内、又は±1%以内であることを意味し得る。
【0462】
本明細書に記載される方法及びプロセスは、1つ以上の汎用及び/又は専用コンピュータによって実行されるソフトウェアコードモジュール内で具現化されてもよく、これを介して部分的に又は完全に自動化されてもよい。「モジュール」という語は、ハードウェア及び/若しくはファームウェアで具現化されたロジック、又は例えば、C又はC++などのプログラミング言語で記述された、可能であれば入口点及び出口点を有するソフトウェア命令の集合を意味する。ソフトウェアモジュールは、コンパイルされ、実行可能なプログラムにリンクされてもよく、動的にリンクされたライブラリにインストールされてもよく、又は例えば、BASIC、Perl、若しくはPythonなどのインタプリタ型プログラミング言語で記述されてもよい。ソフトウェアモジュールは、他のモジュールから若しくはそれら自身から呼び出し可能であってもよく、及び/又は検知されたイベント若しくは割り込みに応答して呼び出されてもよいことは理解されるであろう。ソフトウェア命令は、消去可能なプログラム可能な読み出し専用メモリ(EPROM)などのファームウェアに組み込まれてもよい。更に、ハードウェアモジュールは、ゲート及びフリップフロップなどの接続された論理ユニットを含んでもよい、並びに/又はプログラマブルゲートアレイ、特定用途向け集積回路、及び/若しくはプロセッサなどのプログラマブルユニットを含んでもよいことは理解されるであろう。本明細書に記載されるモジュールは、ソフトウェアモジュールとして実装され得るが、また、ハードウェア及び/又はファームウェアで示されてもよい。更に、幾つかの実施形態では、モジュールは別々にコンパイルされてもよいが、他の実施形態では、モジュールは、別々にコンパイルされたプログラムの命令のサブセットを表してもよく、他の論理プログラムユニットに利用可能なインターフェースを有していなくてもよい。
【0463】
特定の実施形態では、コードモジュールが、任意の種類のコンピュータ可読媒体又は他のコンピュータ記憶デバイスに実装及び/若しくは格納されてもよい。幾つかのシステムでは、システムに入力されたデータ(及び/又はメタデータ)、システムによって生成されたデータ、及び/又はシステムによって使用されたデータは、リレーショナルデータベース及び/又はフラットファイルシステムなどの、任意の種類のコンピュータデータリポジトリに格納され得る。本明細書に記載されるシステム、方法、及びプロセスのいずれも、使用者、オペレータ、他のシステム、コンポーネント、プログラム等との対話を可能にするように構成されたインターフェースを含んでもよい。
【0464】
本明細書に記載される実施形態に多くの変形及び修正を施してもよいことを強調すべきであり、これらの要素は、とりわけ許容可能な例であると理解されるべきである。このような修正及び変形は全て、本明細書においては本開示の範囲内に含まれ、以下の特許請求の範囲によって保護されるものとする。更に、前述の開示のいずれも、任意の特定の構成要素、特性、又はプロセス段階が必要であること又は必須であることを示唆するものではない。
【0465】
本明細書で使用する場合、パラメータが推測され得る値は、この値とパラメータとの間の関係を示唆するが、この値とパラメータとの間の直接的な相関関係を必ずしも示すものではない。しかしながら、「パラメータが推測され得る」という用語は、パラメータが推測され得る値からパラメータが直接導出され得るような、値とパラメータとの間の直接的な相関関係を包含するほど十分に広く解釈されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸器加湿器用の複数層ヒータプレートアセンブリであって、
上部加熱プレートと、
下部プレートと、
熱を発生させるように構成された加熱要素であって、前記上部加熱プレート及び前記下部プレートによって画定される加熱要素と、
前記下部プレートと前記上部加熱プレートとの間に挟まれ、前記上部加熱プレートの下表面の形状に適合かつ圧縮することにより、前記下部プレートと前記上部加熱プレートとの間のエアギャップを変位させるように構成された第1のコンプライアント熱インターフェース層と、
を含み、
互いに取り外し可能に結合されている、複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項2】
1つ以上の締結具によって互いに取り外し可能に結合されている、請求項1に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項3】
前記下部プレートと前記上部加熱プレートとの間に前記加熱要素及び電気絶縁層がある状態で、前記下部プレートを前記上部加熱プレートにボルト締めすることによって形成されている、請求項1又は2に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項4】
前記第1のコンプライアント熱インターフェース層は、前記下部プレートの縁部と前記上部加熱プレートとの間のエアギャップを変位させるように構成されている、及び/又は、前記第1のコンプライアント熱インターフェース層は電気絶縁性である、請求項1~3のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項5】
前記上部加熱プレートと前記加熱要素との間のエアギャップを変位させるように構成された第2のコンプライアント熱インターフェース層を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項6】
前記第2のコンプライアント熱インターフェース層は、前記上部加熱プレートと前記加熱要素との間の熱伝導率を向上させるために、前記上部加熱プレートと前記加熱要素との間のエアギャップを変位させるように構成されている、請求項5に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項7】
少なくとも1つの非可撓性電気絶縁層を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの非可撓性電気絶縁層は、前記加熱要素と前記下部プレートとの間に位置する、請求項7に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの非可撓性電気絶縁層は前記第2のコンプライアント熱インターフェース層と前記加熱要素との間に位置する、及び/又は、
前記少なくとも1つの非可撓性電気絶縁層はマイカを含む、及び/又は、
前記第2のコンプライアント熱インターフェース層は電気絶縁性である、請求項7又は8に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項10】
前記複数層ヒータプレートアセンブリの構成要素間のエアギャップを変位させるように構成された第3のコンプライアント熱インターフェース層を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項11】
前記第3のコンプライアント熱インターフェース層は、前記加熱要素と前記下部プレートとの間に位置する、及び/又は、電気絶縁性である、請求項10に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項12】
前記コンプライアント熱インターフェース層のいずれか1つ以上は、シリコーン又はシリコーン化合物を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【請求項13】
前記コンプライアント熱インターフェース層の1つ以上は、ガラス繊維基材と、前記基材に埋め込まれた又は前記基材上に配置された熱伝導性材料とを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の複数層ヒータプレートアセンブリ。
【外国語明細書】