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▶ アクトロニカ・エス・ア・エスの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023462
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】振動触覚アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   B06B 1/04 20060101AFI20240214BHJP
【FI】
B06B1/04 S
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023202481
(22)【出願日】2023-11-30
(62)【分割の表示】P 2020522782の分割
【原出願日】2018-07-04
(31)【優先権主張番号】1756450
(32)【優先日】2017-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】520004867
【氏名又は名称】アクトロニカ・エス・ア・エス
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アイワール,バンサン
(72)【発明者】
【氏名】コモ,ピエール
(72)【発明者】
【氏名】ピイエフスキ,ラファル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は振動触覚アクチュエータに関する。
【解決手段】平面(PB)内に隣接して位置決めされる平坦な電磁コイルのネットワーク(120)は、前記コイルのネットワークを通過する電流の影響下でラプラス力を生成することができ、コイルのネットワークと、コイルのネットワークの平面に対して平行な平面(PA)内に直線状に組み立てられ、コイルのネットワークに向かって配向される磁力線を生成するハルバッハネットワークを形成する永久磁石のネットワーク(110)であって、コイルのネットワークを通過する電流線と磁力線との間の電磁的相互作用が、ラプラス力の結果として、コイルのネットワークと磁石のネットワークとの間に相対的な並進運動を生じさせる、永久磁石のネットワークと、コイルのネットワーク及び磁石のネットワークの相対的な並進運動から、ハプティック振動を生成するための弾性案内手段(140)とを備える。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動触覚アクチュエータ(100)であって、
平面(PB)内に隣接して位置決めされ、および2つの並置されるコイルに隣り合ったセグメント内に共通の方向に電流が流れるように配置された平坦な電磁コイルのネットワーク(120)であって、共通の方向は一つの対から次の対へ交互に入れ替わり、前記コイルのネットワークは、前記コイルのネットワークを横切る電流の影響下でラプラス力を生成することができる、平坦な電磁コイルのネットワークと、
コイルのネットワークの平面に対して平行な平面(PA)内に直線状に組み立てられる永久磁石のネットワーク(110)であって、永久磁石の極性は異なる方向に位置合わせされ、前記磁石のネットワーク(110)は、コイルのネットワーク(120)に向かって位置合わせされる磁力線を生成するハルバッハ配列を形成し、コイルのネットワークを横切る電流線と磁力線との間の電磁的相互作用が、ラプラス力に起因して、コイルのネットワーク(120)と磁石のネットワーク(110)との間に相対的な並進運動を引き起こす、永久磁石のネットワークと、
コイルのネットワークと磁石のネットワークとの間の相対的な並進運動から、ハプティック振動を生成する弾性案内手段(140)とを備える、振動触覚アクチュエータ(100)。
【請求項2】
振動触覚アクチュエータは、コイルのネットワーク(120)及び磁石のネットワーク(110)が設置されるフレーム(130)を備えるという事実を特徴とする、請求項1に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項3】
弾性案内手段(140)は、フレーム(130)と、コイルのネットワーク又は磁石のネットワークのいずれかとの間に少なくとも部分的に設置されるという事実を特徴とする、請求項2に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項4】
弾性案内手段(140)はコイルのネットワークの平面(PB)内に長手方向に設置されるという事実を特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項5】
弾性案内手段(140)は磁石のネットワークの平面(PA)内に長手方向に設置されるという事実を特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項6】
弾性案内手段(140)は、それぞれがコイルのネットワーク又は磁石のネットワークの一端に設置される、少なくとも2つの案内及び復帰要素を備えるという事実を特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項7】
各案内及び復帰要素はS字形の薄いブレード(141)を備えるという事実を特徴とする、請求項5又は6に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項8】
各案内及び復帰要素はX字形の薄いブレード(142)を備えるという事実を特徴とする、請求項5又は6に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項9】
案内及び復帰要素は、フレーム(130)内に長手方向に取り付けられる、ガイドレール(143c)又はボールベアリングレースウェイ上をスライドするように設置されるという事実を特徴とする、請求項5又は6に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項10】
弾性案内手段(140)は、磁石のネットワーク又はコイルのネットワークに沿って横方向に設置されるという事実を特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項11】
弾性案内手段(140)は、案内及び復帰要素を備え、案内及び復帰要素は、それぞれが楕円形ループの形状を有する薄いブレード(151)を備え、コイルのネットワーク又は磁石のネットワークのいずれかの側に設置されるという事実を特徴とする、請求項10に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項12】
案内及び復帰要素は、磁石のネットワーク又はコイルのネットワークに対して垂直な方向において相対的な直線運動を抑制することができるインピーダンス手段(190)を備えるという事実を特徴とする、請求項6から10のいずれか一項に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項13】
コイルのネットワークの各コイル(121-124)は、平坦な巻きのスタックを備えるという事実を特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項14】
コイルのネットワーク(120)は、フレーム(130)に取り付けられ、磁石のネットワーク(110)は動く面(152)に取り付けられ、前記動く面は可撓性接続部(145)によってフレームに接続されるという事実を特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項15】
振動触覚アクチュエータ(100)であって、
平面(PB)内に隣接せずに位置決めされ、および各コイル内に同一の方向に電流が流れるように配置された平坦な電磁コイルのネットワーク(120)であって、前記コイルのネットワークは、前記コイルのネットワークを横切る電流の影響下でラプラス力を生成することができる、平坦な電磁コイルのネットワークと、
コイルのネットワークの平面に対して平行な平面(PA)内に直線状に組み立てられる永久磁石のネットワーク(110)であって、永久磁石の極性は異なる方向に位置合わせされ、前記磁石のネットワーク(110)は、コイルのネットワーク(120)に向かって位置合わせされる磁力線を生成するハルバッハ配列を形成し、コイルのネットワークを横切る電流線と磁力線との間の電磁的相互作用が、ラプラス力に起因して、コイルのネットワーク(120)と磁石のネットワーク(110)との間に相対的な並進運動を引き起こす、永久磁石のネットワークと、
コイルのネットワークと磁石のネットワークとの間の相対的な並進運動から、ハプティック振動を生成する弾性案内手段(140)とを備える、振動触覚アクチュエータ(100)。
【請求項16】
振動触覚アクチュエータは、コイルのネットワーク(120)及び磁石のネットワーク(110)が設置されるフレーム(130)を備えるという事実を特徴とする、請求項15に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項17】
弾性案内手段(140)は、フレーム(130)と、コイルのネットワーク又は磁石のネットワークのいずれかとの間に少なくとも部分的に設置されるという事実を特徴とする、請求項16に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項18】
弾性案内手段(140)は、コイルのネットワークの平面(PB)内に長手方向に設置されるという事実を特徴とする、請求項15から17のいずれか一項に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項19】
弾性案内手段(140)は、磁石のネットワークの平面(PA)内に長手方向に設置されるという事実を特徴とする、請求項15から17のいずれか一項に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項20】
弾性案内手段(140)は、それぞれがコイルのネットワーク又は磁石のネットワークの一端に設置される、少なくとも2つの案内及び復帰要素を備えるという事実を特徴とする、請求項15から19のいずれか一項に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項21】
各案内及び復帰要素は、S字形の薄いブレード(141)を備えるという事実を特徴とする、請求項19又は20に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項22】
各案内及び復帰要素は、X字形の薄いブレード(142)を備えるという事実を特徴とする、請求項19又は20に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項23】
案内及び復帰要素は、フレーム(130)内に長手方向に取り付けられる、ガイドレール(143c)又はボールベアリングレースウェイ上をスライドするように設置されるという事実を特徴とする、請求項19又は20に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項24】
弾性案内手段(140)は、磁石のネットワーク又はコイルのネットワークに沿って横方向に設置されるという事実を特徴とする、請求項15から17のいずれか一項に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項25】
弾性案内手段(140)は、案内及び復帰要素を備え、案内及び復帰要素は、それぞれが楕円形ループの形状を有する薄いブレード(151)を備え、コイルのネットワーク又は磁石のネットワークのいずれかの側に設置されるという事実を特徴とする、請求項24に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項26】
案内及び復帰要素は、磁石のネットワーク又はコイルのネットワークに対して垂直な方向において相対的な直線運動を抑制することができるインピーダンス手段(160)を備えるという事実を特徴とする、請求項20から24のいずれか一項に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項27】
コイルのネットワークの各コイル(121-124)は、平坦な巻きのスタックを備えるという事実を特徴とする、請求項15から26のいずれか一項に記載の振動触覚アクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流と相互作用するハルバッハ配列によって引き起こされる運動から振動が生成されることを可能にする振動触覚アクチュエータに関する。
【0002】
本発明は、振動触覚刺激を用いて触感を再現することが意図されるハプティックインターフェースの分野において、そして一般には、例えば、シミュレータの分野又は拡張現実の分野などの、振動が感覚を引き起こす全ての分野において用途を見いだす。
【背景技術】
【0003】
現在では、振動触覚アクチュエータを用いて、触覚手段によって人間にデータを伝達することが知られている。これらの振動触覚アクチュエータは、機械(例えば、モバイル電話又はコンピュータ)によって生成された電気信号を、触覚によって知覚可能である振動信号に変換する。
【0004】
モバイル電話は、振動触覚アクチュエータを装備するデバイスのよく知られている例である。この例において、振動触覚アクチュエータは一般に、電気モータによって回転するように作られた偏心質量を備え、偏心質量の動きによって、この質量が、角運動量保存則に起因して振動を生成し、その振動がユーザに情報、例えば、電話通信又はメッセージの受信を通知する。
【0005】
知られている振動触覚アクチュエータの別の例は、指をスライドさせることによって画面上のポインタが導かれることを可能にする、特定のタッチパッド内で使用される振動触覚アクチュエータである。一般に、タッチパッドにおいて、ポインタの動きは、もともと容易に検出可能な誘電特性を有する指の接近に関係する弱い電流を変えることによって得られる。また、この電気的な変動は、短い振動によって、マウスのボタンなどの機械的なボタンの「クリック」がシミュレートされることを可能にする。そのようなタッチパッドは、とりわけ、MacKenzie,I.Scott及びAleks Oniszczakによる論文「The tactile touchpad」(In CHI’97 Extended Abstracts on Human Factors in Computing Systems,pp.309-310,ACM,1997)において説明されている。
【0006】
しかしながら、これらの振動触覚アクチュエータは、相対的に厚いだけでなく、一般に単周波数(mono-frequential)である。それゆえ、振動触覚アクチュエータは、回転速度に、それゆえ、振動周波数に変更不能に(irremediably)関係しており、ユーザにとってただ1つの感覚をもたらす振動振幅の振動が生成されることを可能にする。別のファミリーの振動触覚アクチュエータは、ばね質量系の共振現象に基づいており、それゆえ、同じ不都合を有する。言い換えると、ユーザは振動を感じるものの、全ての振動が全く同一に知覚される。これらの知られている振動触覚アクチュエータは、それゆえ、触覚の豊富な感覚を再現することが要求されるハプティックアプリケーションにおいて利用できない。
【0007】
さらに、機械学において、並進運動を生成するために、電気力学的なリニアモータを使用することが知られている。これらのリニアモータの中でも、文献US2014/0346901に説明されるリニアモータは、相対的に薄い構成を提供する。そのようなリニアモータ10は、図1A及び図1Bに表されるように、交互の極性を有する複数の位置合わせされた磁石11a、11bを備える、磁石のネットワーク11を備える。磁石のネットワーク11のこの構成が、前記ネットワークによって生成される力線の集中を可能にし、力線は磁石のネットワーク11の平面と概ね直交する。また、このリニアモータ10は電磁コイルの第1のアセンブリ12及び第2のアセンブリ13も備え、いずれも平坦で長方形である。コイルアセンブリ12、13はそれぞれ、前記磁石のネットワーク11のいずれかの側において、磁石のネットワーク11の平面に対して平行な平面内に位置決めされる。このようにして、それらを横切る電流の影響下で、コイルアセンブリ12、13は、コイルアセンブリの各平面と磁石のネットワークの平面との間に、水平なラプラス力を作る。このラプラス力の効果は、並進運動を引き起こすように、磁石のネットワーク11に対してコイルアセンブリ12、13を動かすこと、そして逆に、コイルアセンブリに対して磁石のネットワークを動かすことである。そのようなリニアモータの最も知られている用途のうちの1つが、コイルアセンブリと磁石のネットワークとの間の連続した相対的な動きが、列車を線路に沿って動かす磁気浮上列車である。
【0008】
リニアモータでは、磁石の特定の構成が、磁石のネットワークの平面の一方の側にのみ力線を案内するという特徴を有する。磁石のこの構成は、ハルバッハ配列と呼ばれ、図2A及び図2Bに表されるように、力線の経路の幾何学の対称性が破られるように磁石を位置決めすることにある。これを果たすために、磁石は、隣接する磁石の極性が異なるように位置合わせされる。例えば、2つの隣接する磁石の極性は、直交する方向に方向付けられることができるか、又は図2A図2Bの例の場合のように、90度未満の角度に位置合わせされることができ、その例では、極性方向の差の角度は45度程度である。極性間の角度が小さいほど、力線の分散が小さくなり、等しい電流に対し、より大きな相対的な並進運動を可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2014/0346901号明細書
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】MacKenzie,I.Scott及びAleks Oniszczak「The tactile touchpad」(In CHI’97 Extended Abstracts on Human Factors in Computing Systems, pp. 309-310,ACM,1997)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
知られている振動触覚アクチュエータの厚さ及び振動の単一レベルという、上記で言及された問題に対処するために、本出願人は、リニアモータによって引き起こされる並進運動が、スライドすること(sliding)又は弾性案内手段によってハプティック振動に変換される、ハルバッハ配列をもつリニアモータを備える振動触覚アクチュエータを提案する。
【0012】
第1の態様によれば、本発明は振動触覚アクチュエータであって:
- 平面内に隣接して位置決めされ、および2つの並置されるコイルの隣り合ったセグメント内に共通の方向に電流が流れるように配置された平坦な電磁コイルのネットワークであって、共通の方向は一つの対から次の対へ交互に入れ替わり、前記コイルのネットワークは、コイルのネットワークを横切る電流の影響下でラプラス力を生成することができる、平坦な電磁コイルのネットワークと、
- コイルのネットワークの平面に対して平行な平面内に直線状に組み立てられる永久磁石のネットワークであって、永久磁石の極性は異なる方向に方向付けられ、前記磁石のネットワークはコイルのネットワークに向かって方向付けられる磁力線を生成するハルバッハ配列を形成し、コイルのネットワークを横切る電流線と磁力線との間の電磁的相互作用が、ラプラス力によって、コイルのネットワークと磁石のネットワークとの間の相対的な並進運動を引き起こす、永久磁石のネットワークと、
- コイルのネットワークと磁石のネットワークとの間の相対的な並進運動から、ハプティック振動を生成する弾性案内手段とを備える、振動触覚アクチュエータに関する。
【0013】
この振動触覚アクチュエータは、広い帯域幅を有し、広範な振幅及び周波数の振動を生成することを可能にし、人間の触覚の感覚を再現することができるという利点を有する。また、このアクチュエータは、薄いという利点も有し、それは、全ての種類のデバイスに導入されうることを意味する。
【0014】
第2の態様によれば、本発明は振動触覚アクチュエータであって:
- 平面内に隣接せずに位置決めされ、および各コイル内に同一の方向に電流が流れるように配置された平坦な電磁コイルのネットワークであって、前記コイルのネットワークは、前記コイルのネットワークを横切る電流の影響下でラプラス力を生成することができる、平坦な電磁コイルのネットワークと、
- コイルのネットワークの平面に対して平行な平面内に直線状に組み立てられる永久磁石のネットワークであって、永久磁石の極性は異なる方向に方向付けられ、前記磁石のネットワークはコイルのネットワーク(120)に向かって方向付けられる磁力線を生成するハルバッハ配列を形成し、コイルのネットワークを横切る電流線と磁力線との間の電磁的相互作用が、ラプラス力によって、コイルのネットワークと磁石のネットワークとの間の相対的な並進運動を引き起こす、永久磁石のネットワークと、
- コイルのネットワークと磁石のネットワークとの間の相対的な並進運動から、ハプティック振動を生成する弾性案内手段とを備える、振動触覚アクチュエータに関する。
【0015】
有利には、本発明の1つ又は他の態様による振動触覚アクチュエータは、以下の特徴のうちの1つ以上を有することができる:
【0016】
- 振動触覚アクチュエータは、コイルのネットワーク及び磁石のネットワークが設置されるフレームを備える。
【0017】
- 弾性案内手段は、フレームと、コイルのネットワーク又は磁石のネットワークのいずれかとの間に少なくとも部分的に設置される。
【0018】
- 弾性案内手段は、コイルのネットワークの平面内に長手方向に設置される。
【0019】
- 弾性案内手段は、磁石のネットワークの平面内に長手方向に設置される。
【0020】
- 弾性案内手段は、それぞれコイルのネットワーク又は磁石のネットワークの一端に設置される、少なくとも2つの案内及び復帰要素を備える。
【0021】
- 案内及び復帰要素は弾性材料から作製され、その材料及び幾何学的形状が約10Hzと10kHzの間の帯域幅につながる。
【0022】
- 各案内及び復帰要素は薄いS字形ブレードを備える。
【0023】
- 各案内及び復帰要素は薄いX字形ブレードを備える。
【0024】
- 各案内及び復帰要素は、コイルのネットワーク又は磁石のネットワークのいずれかの側に横方向に設置される、楕円形ループのような形状の薄いブレードを備える。
【0025】
- 案内及び復帰要素は、任意選択で、磁石のネットワーク及びコイルのネットワークに対して垂直な方向における相対的な並進運動を抑制することができるインピーディング(impeding)手段を備える。
【0026】
- 微細なブレードは導電性であり、コイルのネットワークに電力を供給する。
【0027】
- 案内及び復帰要素は、フレーム内に長手方向に取り付けられるガイドレール上をスライドするように設置される。
【0028】
- 案内及び復帰要素は、回転することによって並進運動案内を確実にする球体を含むことができるレースウェイを含む。
【0029】
- コイルのネットワーク内の各コイルは、プリント回路内にエッチングされるトラックを備える。
【0030】
- コイルのネットワーク内の各コイルは巻かれた導体ストリップを備える。
【0031】
- コイルのネットワーク内の各コイルは平坦な巻きのスタックを備える。
【0032】
これ以降の説明において、本発明によるアクチュエータの異なる要素の位置決めは直交座標系XYZにおいて規定され、軸Xはアクチュエータの長手方向を規定し、軸Yはその横断方向を規定し、軸Zはその直角方向を規定する。磁石のネットワークの平面PA及びコイルのネットワークのPBは、座標系XYZの平面XYにおいて規定される平行な平面である。
【0033】
本発明の他の利点及び特徴は、図によって例示される説明を読めば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1A】上記で説明された、従来技術による、リニアモータの組立分解図である。
図1B】上記で説明された、従来技術による、リニアモータの斜視図である。
図2A】上記で説明された、ハルバッハ配列の斜視図である。
図2B】上記で説明された、この配列によって生成される力線とともにハルバッハ配列を表す図である。
図3A】本発明による、振動触覚アクチュエータの実装を表す図である。
図3B】本発明による、振動触覚アクチュエータの実装を表す図である。
図4】本発明による、振動触覚アクチュエータの実装を表す図である。
図5】本発明による、振動触覚アクチュエータの実装を表す図である。
図6】本発明による、振動触覚アクチュエータの実装を表す図である。
図7】本発明による、振動触覚アクチュエータの実装を表す図である。
図8】本発明による、振動触覚アクチュエータの実装を表す図である。
図9】本発明による、振動触覚アクチュエータの実装を表す図である。
図10A】本発明による、振動触覚アクチュエータのコイルのネットワークのコイルの実装を表す図である。
図10B】本発明による、振動触覚アクチュエータのコイルのネットワークのコイルの実装を表す図である。
図10C】本発明による、振動触覚アクチュエータのコイルのネットワークのコイルの実装を表す図である。
図11A】垂直方向におけるデバイスの性能の改善を可能にする実装を表す図である。
図11B】垂直方向におけるデバイスの性能の改善を可能にする実装を表す図である。
図11C】垂直方向におけるデバイスの性能の改善を可能にする実装を表す図である。
図11D】垂直方向におけるデバイスの性能の改善を可能にする実装を表す図である。
図12A】磁石のネットワークが動く面を動かす更なる実装を表す図である。
図12B】磁石のネットワークが動く面を動かす更なる実装を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
ハルバッハ配列をもつリニアモータを備え、リニアモータによって引き起こされる並進運動がハプティック振動に変換される、振動触覚アクチュエータの1つの例示的な実装が、添付の図を参照しながら、以下に詳細に説明される。この例は、本発明の特徴及び利点を例示する。しかしながら、本発明はこの例には限定されないことに留意されたい。
【0036】
図において、同一の要素は同一の参照番号によって識別される。図の見やすさを改善するために、表示される要素間の相対的な大きさの縮尺は順守されない。
【0037】
図3Aは、本発明の特定の実装による、振動触覚アクチュエータを表す。この振動触覚アクチュエータ100は、合わせてリニアモータを形成する、コイルのネットワーク120及び磁石のネットワーク110を備える。
【0038】
コイルのネットワーク120は、互いに長手方向に並置される複数の電磁コイルを備える。図3Aの例において、コイルのネットワークは、121、122、123、124で参照される4つのコイルを備える。コイルの数は、例えば、リニアモータの寸法又はコイルの寸法に応じて変わることができ、それでも、以下に説明されるようなアクチュエータの構成は変更されないことは、当業者には理解されよう。図において見えない電源によって電気的に電力を供給されるコイル121-124は、互いに接続され、コイルの直線状のネットワークを形成する。それらは、2つの並置されるコイルの隣り合ったセグメント内に共通の方向に電流が流れるように配置され、共通の方向は一つの対から次の対へ交互に入れ替わる。言い換えると、コイルは、第1のコイルの第1のセグメントが第2のコイルの第2のセグメントに隣接するときに、第1のコイル121の第1のセグメント、例えば121a、及び第2のコイル122の第2のセグメント122a内に同じ方向に電流が流れるように配置される。このようにして、図3Aの例では、コイル121のセグメント121a内の電流及びコイル122のセグメント122a内の電流が同一の第1の方向に流れるのに対して、コイル122のセグメント122b内の電流及びコイル123のセグメント123b内の電流が同一の第2の方向に流れ、この第2の方向は第1の方向とは反対である。同様に、コイル122のセグメント122a内の電流及びコイル124のセグメント124a内の電流は同じ方向、例えば、第1の方向に流れる。
【0039】
図3Bに表される、一変形形態によれば、コイルのネットワーク120は、互いに隣接しない複数の電磁コイルを備える。この変形形態では、コイルのネットワーク120は、同じ平面内に位置決めされるが、所定の距離だけ互いに離間されるコイルを備える。図3Bの例では、コイルのネットワーク120は、磁石のネットワーク110内の磁石の幅の程度の距離だけ離間された、121’及び123’によって参照される2つのコイルを備える。言い換えると、この変形形態において、コイルは互いに隣接せず、一つのコイルから次のコイルへ、その方向が同一である電流によって横切られる。図3Aの変形形態の場合と同様に、コイルの数は、例えば、リニアモータの寸法又はコイルの寸法に応じて変わることができ、それでも、説明されるアクチュエータの構成は変更されない。図において見えない電源によって電気的に電力を供給されるコイルは、互いに接続され、コイルの直線状のネットワーク120を形成する。それらは、各コイル内で電流が同一の方向に流れるように配置される。言い換えると、コイルは、第1のコイルの第1のセグメントが第2のコイルの第2のセグメントと隣りであるときに、第1のコイル121’の第1のセグメント、例えば121’a、及び第2のコイル122’の第2のセグメント122’a内に反対方向に電流が流れるように配置される。
【0040】
問題とする変形形態(隣接するコイル又は隣接しないコイル)にかかわらず、コイル121-124又は121-124’は、同じ第1の平面PB内に位置決めされる平坦なコイル、例えば、長方形の形状のコイルである。コイル121-124は、コイルのネットワーク120が平坦であることを確実にするために、平坦なブラケット125上に設置され、取り付けられることができる。このブラケット125は、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)又は任意の他の注入可能なプラスチックなどの、構造機能を有する絶縁性材料から作製されるプレートとすることができる。
【0041】
説明を簡単にするために、下記のいくつかの実装、変形形態及び例は、そのコイルが互いに離間している、すなわち、互いに隣接していないコイルのネットワークに関しても説明されうることの理解の下、コイルが互いに隣接しているコイルのネットワークに関して説明されることになる。
【0042】
磁石のネットワーク110は、図4に表されるような、ハルバッハ配列であり、その極性が3つ以上の異なる方向に方向付けられる複数の平坦な永久磁石を備える。例えば、第1の磁石118の極性は方向Xに方向付けられることができ、一方、第2の磁石117(第1の磁石に隣接する)の極性は方向X及び方向Yと90度の角度を形成する方向に方向付けられ、一方、第3の磁石116(第2の磁石に隣接する)は方向-Xに方向付けられ、一方、第4の磁石115(第3の磁石に隣接する)は方向-X及び方向-Yと90度の角度を形成する方向に方向付けられる。そのようなハルバッハ配列が、磁石のネットワークによって生成される磁界が前記ネットワークの同じ面に位置合わせされることを可能にする。図4の例では、ハルバッハ配列110は、下記において単に「磁石」と呼ばれる、9つの永久磁石111-119を備え、それらは、4つの方向の異なる極性を有する。磁石の極性は、例えば、方向Y又は-Yに、そして平面XYの数多くの異なる方向に方向付けられることができるので、磁石の数及び極性の方向の数は変わることができ、それでも、以下に説明されるようなアクチュエータの構成を変更しないことは当業者には理解されよう。磁石111-119は、長手方向に連続して配置され、例えば、ボンディング、埋め込み又はフレッティングによって互いに組み立てられる。これらの磁石111-119は、2つの連続した磁石が異なるアライメントの極性を有するように位置決めされる。図4の例では、磁石111の極性は軸Xに対して-90度の方向に方向付けられ、磁石112の極性は軸Xに対して反対の方向に方向付けられ、磁石113の極性は軸Xに対して90度の方向に方向付けられ、磁石114の極性はX軸の方向に方向付けられ、磁石115-119に関しても、極性のアライメントの同じ図が再現される。
【0043】
磁石のネットワーク110の磁石は、図3Aに表されるように、コイルのネットワーク120の平面PBに対して平行な平面PA内に直線状に配置される。磁石のネットワークの平面PA及びコイルのネットワークのPBは、座標系XYZの軸X及びYに従って規定される平行な平面である。磁石のネットワークの平面PAは、コイルのネットワークと磁石のネットワークとの間に(軸Zにおいて)空隙eが作り出されるように、コイルのネットワーク120の平面PBから軸Zにおいて離間される。この空隙eは、磁石のネットワーク及びコイルのネットワークの長手方向寸法及び横断方向寸法に比べて小さい。この構成を用いて、コイルのネットワーク120は、コイル121-124が磁石111-119と向かい合うようにして、磁石のネットワーク110の真上に位置決めされる。
【0044】
特定の実装によれば、コイルのネットワーク120は、図3Aに表されるように、磁石のネットワーク110の上方に位置決めされる。言い換えると、方向Zにおいて、振動触覚アクチュエータ100は、順に、フレーム130、磁石のネットワーク110及びコイルのネットワーク120を備える。コイルのネットワーク120は、その際、磁石のネットワーク110の真上に存在する。
【0045】
図4に表される実施形態などの他の実装では、磁石のネットワーク110がコイルのネットワーク120の上方に位置決めされる。言い換えると、これらの実装では、方向Zにおいて、振動触覚アクチュエータ100は、順に、フレーム130、コイルのネットワーク120及び磁石のネットワーク110を備える。永久磁石である磁石のネットワーク110は、その際、コイルのネットワーク120の真上に存在する。
【0046】
コイルのネットワーク120及び磁石のネットワーク110の相対的な配置にかかわらず、前記磁石のネットワークが、コイルのネットワーク120の方へ導かれる磁力線を引き起こす。コイルのネットワーク120内に振動電流が流れるとき、軸Xにおいて、振動するラプラス力が生成される。コイルのネットワーク120を横切る電流線と、磁石のネットワーク110によって生成される磁束との間の電磁的相互作用が、電気エネルギーを線形機械エネルギーに変換し、前記磁石のネットワークと前記コイルのネットワークとの間の相対的な並進運動を引き起こす。
【0047】
本発明による振動触覚アクチュエータは、図3及び図4において140で参照される、部品110及び120の互いに対する長手方向の動きを確実にするように設計された弾性案内手段を備えており、部品110及び120のうちの一方が外部物体に接続される場合に、自由な部品の任意の動きが、角運動量保存則に起因して、外部物体の動きという結果になり、それにより、電気エネルギーをハプティック振動に変換する。これらの弾性案内手段140は、ネットワークのうちの一方を他方に対して概ね直線的な軌道において案内する弾性サスペンションを形成する。これらの弾性案内手段140は、より簡潔には復帰要素と呼ばれる、例えば、1つ以上の案内及び復帰要素の形をとるか、代替的には、以下に説明されるような、ガイドレールシステムの形をとることができ、そのゴールは、この目的のためにラプラス力を用いて、電気エネルギーを、コイルのネットワーク120及び磁石のネットワーク110の相互作用によって、ハプティック振動に変換することである。実際には、弾性案内手段140は、それらの弾性特性に起因して、広い振動振幅を提供する。
【0048】
特定の実装によれば、振動触覚アクチュエータは、コイルのネットワーク120及び磁石のネットワーク110を少なくとも部分的に収容するフレーム130を備える。このフレーム130は、その端部の少なくとも一方において、支持アーム132を装備する長手方向ベッド131を備えることができる。図3及び図4の例において、フレーム130のベッド131は、その長手方向端部のそれぞれにおいて、支持アーム132を備える。これらの実装において、弾性案内手段140は、フレーム130内に設置されることができ、支持アーム132と、コイルのネットワーク120又は磁石のネットワーク110のいずれかとに確実に取り付けられることができる。
【0049】
図3Aの実装において、磁石のネットワーク110は、フレーム130のベッド131に確実に取り付けられ、コイルのネットワーク120は、案内手段140を介して、磁石のネットワーク110の上方に懸架される。その際、磁石のネットワーク110とコイルのネットワーク120との間に、振動触覚アクチュエータの他の寸法に比べて狭い空隙eが作り出される。この空隙eは、例えば、数十マイクロメートルにすることができる。コイルのネットワーク120と磁石のネットワーク110との間の電磁的相互作用の影響下で、コイルのネットワーク120は、磁石のネットワーク110に対して方向X(方向+X及び方向-Xに)に並進運動によって自由に動く。
【0050】
特定の実装において、弾性案内手段140は、図3Aに表されるように、コイルのネットワーク120と支持アーム132との間に、又は図4に表されるように、磁石のネットワーク110と支持アーム132との間に設置される復帰要素140を備えることができる。これらの例では、ネットワーク(コイル又は磁石)のうちの一方がフレーム130のベッド131に取り付けられ、一方、他方のネットワークが復帰要素140間に懸架される。これらの実装は、復帰要素140がフレームのベッドで擦れないようにしながら、ネットワークのうちの一方の相対的な動きを可能にすることによって、ハプティック振動の生成を最適化する。
【0051】
復帰要素140は、コイルのネットワーク120又は磁石のネットワーク110とフレーム130の支持アーム132との間にそれぞれ位置決めされる、例えば、薄いブレード141、142とすることができる。各薄いブレード141は、平面PA又は平面PBにおいてS字形を有することができ、第1の先端141aが支持アーム132に取り付けられ、第2の先端141bがコイルのネットワーク又は磁石のネットワークの長手方向端部に取り付けられている。S字形ブレード141の例が図3及び図4に表される。そのような薄いS字形ブレードは、ねじれに関して大きなスティッフネスを有する。
【0052】
図5及び図6に表される他の例によれば、復帰要素140は、平面PA又は平面PBにおいて、X字形を有する薄いブレード142とすることができ、Xの2つの脚部142aが支持アーム132に取り付けられ、Xの他方の2つの脚部142bがコイルのネットワーク又は磁石のネットワークの長手方向端部に取り付けられている。これらの実装は、結果として、薄いS字形ブレード141によってもたらされる案内よりはるかに正確な案内がもたらされるという利点を有する。
【0053】
X字形、S字形のいずれにしても、薄いブレード141、142は、支持アーム132とコイルのネットワーク又は磁石のネットワークとの間に長手方向にとどまるほど十分に硬質であり、線形機械エネルギーを可変振幅の振動に変換するほど十分に弾性である材料から作製される。薄いブレード141、142は、コイルのネットワーク及び磁石のネットワークから導かれる線形機械エネルギーから、ハプティック振動が生成されることを可能にする、ポリシロキサン、ゴムなどのエラストマから、又は特定の銅合金又は鋼などの高い弾性限界を有する金属ストリップから作成されることができる。薄いブレードは、ベリリウム銅合金が10Hzから数kHzまでのオーダーの広い帯域幅を与えるために十分に可撓性及び弾性であるという利点を有するので、特にこの材料から作成されることができる。特定の実装によれば、薄いS字形ブレード141の先端又は薄いX字形ブレード142の脚部は、例えば、ボンディングによって、支持アーム132及び/又はコイルのネットワーク又は磁石のネットワークの長手方向端部に取り付けられる。他の実装によれば、薄いS字形ブレード141の先端又は薄いX字形ブレード142の脚部は、支持アーム132及び/又はコイルのネットワークの支持端125とともに、例えば射出によって、成形される。
【0054】
特定の実装、例えば、図3及び図5の実装では、薄いブレード141又は142は、導電性材料から製造される。それゆえ、薄いブレードは、アクチュエータ100の復帰要素を形成するだけでなく、コイルを電源に電気的に接続する電気的接続部も形成する。
【0055】
特定の実装、例えば、図4及び図6の実装では、磁石のネットワーク110は熱橋を形成するという利点を有し、それは、電流が加えられたときに、コイル121-124内にジュール効果によってもたらされる熱の放散を容易にする。
【0056】
他の実装によれば、復帰要素140は、ガイドレール143c上をスライドするように設置され、前記ガイドレールとともにガイドレールシステム143を形成するスライド143a、143bである。そのような実施形態の例が、図7及び図8に表される。このガイドレールシステム143は、例えばコイルのネットワーク12の(図7の例)又は磁石のネットワーク110のいずれかの側に(図8の例)長手方向に位置決めされる、例えば、2つの平行なガイドレール143cを備える。これらのガイドレール143cは、フレーム130の支持アーム132内の各長手方向端部に取り付けられる。ガイドレールシステム143のスライド143a、143bは、ガイドレール143c上をスライドするように設計される。スライド143a、143bは、コイルのネットワーク120に(図7の例)又は磁石のネットワーク110に(図8の例)確実に取り付けられる動く横断要素である。これらのスライド143a、143bはそれぞれ、例えば、ボンディングによって、コイルのネットワーク又は磁石のネットワークの長手方向端部に取り付けられることができるか、あるいは例えば、成形によって、コイルのネットワーク120の支持体125とともに、単一の部品として形成されることができる。ガイドレールシステムに関係する別の実装によれば、案内はローリングシステムによって提供されることができ、そのシステムでは、金属、プラスチック又はエラストマから作製される球体が、当業者によく知られているタイプのレースウェイによって閉じ込められる。
【0057】
図7及び図8の実装では、スライド143a、143bは、スライドをアイドル位置に向かって中央に戻すように設計される圧縮ばね、例えば、2つのそのような圧縮ばねに関連付けられることができる。
【0058】
図7及び図8の実装では、焼結ブロンズに対する鋼、又は自己潤滑性プラスチックに対する鋼などの、摩擦係数が低い一対の材料から作製されるスライド143a、143bが、コイルのネットワーク又は磁石のネットワークの相互作用から発生する動く部分の運動がハプティック振動として正確に案内されることを可能にする。
【0059】
特定の実装では、コイルのネットワーク120及び磁石のネットワーク110は、図9の例の場合のように、少なくとも部分的にケーシング150に入れられる。このケーシング150は、フレーム130のベッド131に対する直線的動きとともに動かされることができるように、コイルのネットワーク120に(図示されない実装)又は磁石のネットワーク110に(図9の実装)取り付けられる。それで、ケーシング150は、自らが確実に取り付けられるネットワーク(コイル又は磁石の)と同時に、直線状に動く。この実装では、復帰要素140はケーシング150とフレーム130の支持アーム132との間に設置され、これは、アクチュエータ100内の復帰要素140の簡単な設置を可能にする。
【0060】
図12A及び図12Bに表される変形形態では、コイルのネットワーク120及び磁石のネットワーク110は、フレーム130と動く面152との間に位置決めされる。動く面152、例えば、タッチスクリーン又は歪曲面(skew surface)などの平坦な表面が磁石のネットワーク110に取り付けられ、コイルのネットワーク120に関してはフレーム130に取り付けられる。これらの変形形態では、コイルのネットワーク120及び磁石のネットワーク110は、動く面152がフレーム130に対して動くことができるように、互いに向かい合うように、および離間して位置決めされる。動く面152及びフレーム130は、例えば、フレキシブルリンクなどの弾性案内手段140によって接続され、これらは、前記動く面152が動くことを可能にする。このようにして、コイルのネットワーク120及び磁石のネットワーク110のアセンブリは、動く面152においてハプティックフィードバックを生成する。図12Aの例では、コイルの単一のネットワーク120及び磁石の単一のネットワーク110が、動く面152の概ね中央に、互いに向かい合うように位置決めされる。図12Bの例では、コイルのネットワーク120及び磁石のネットワーク110の第1のアセンブリが動く面152の一端に位置決めされ、コイルのネットワーク120’及び磁石のネットワーク110’の第2のアセンブリが前記動く面の別の端部に位置決めされる。コイルのネットワーク及び磁石のネットワークのアセンブリの数、及びそれらの位置決めは、例えば、動く面の寸法及び/又は質量、コイルのネットワーク及び磁石のネットワークの寸法、要求される用途などの種々の基準に依存する可能性があることは当業者には理解されよう。
【0061】
実装にかかわらず、本発明の振動触覚アクチュエータでは、動く質量が最適化され、これは、前記アクチュエータが、軸X及びYにおける寸法に比べて小さいZ軸寸法を有することを可能にする。本発明の振動触覚アクチュエータは4mm厚未満にすることができ、その寸法比がウェーハの寸法比に類似である型を与えることができる。
【0062】
特定の実装では、コイルのネットワーク120のコイル121-124は、多層プリント回路内にエッチングされた導電性トラックによって作製されることができる。そのようなコイルのネットワークを備えるアクチュエータの一例が図10Aに表される。これらの実装では、コイルのネットワークが基板160内にエッチングされ、基板の表面には、ハプティック振動以外の用途のためにデバイスによって使用される電子コンポーネント161が接続される。基板160は、コイルのネットワークだけでなく、フレームのベッド131も構成する。その際、支持アーム132が基板160に直に取り付けられ、エッチングされたコイルの上方に磁石のネットワーク110を保持する。これらの実装は、コイルのネットワークが基板160内にエッチングされるので、振動触覚アクチュエータの妨害を更に低減させるという利点を有する。アクチュエータの厚さは、その際、電子コンポーネントの厚さと概ね等しい。また、これらの実装は、コイルのネットワークを製造し、コイルのネットワークの電源のために必要とされる接続部を除去するために知られている方法を使用することによって、アクチュエータの製造を簡単にし、アクチュエータの信頼性を高めながら、その製造コストを低減させるという利点も有する。
【0063】
特定の実装において、コイルのネットワークの各コイル121-124は、長方形の平坦なコイルを形成するために、例えば、長方形断面のマンドレルの周りに巻かれた円形断面の電線を備える。
【0064】
他の実装では、コイルのネットワークの各コイル121-124は、コイル状の導電性ストリップ170を備える。図10Bに表されるような長方形コイルを形成するために、例えば、銅又は十分に純度があるアルミニウムから作製されるこの導電性ストリップ170が、長方形で、その長さに沿って巻かれる。このコイルは平坦なコイルであり、その厚さは、導電性ストリップの幅に等しい。
【0065】
他の実装では、コイルのネットワークの各コイル121-124は、図10Cに表されるように、巻きのスタックを備える。巻き180は、その数がコイルのために望ましい厚さ及び/又は電力に依存し、導電性材料のシートから作製され、長方形リングの形に切り込まれ、上下に積み重ねられる。複数の巻きを備える平坦なコイルを形成するために、例えば、はんだ付け箇所181によって、各巻き180が後続の巻き、又は先行する巻きに接続される。巻きのスタックをもつそのようなコイルは、媒体内に直に製造することができ、特に微細なアクチュエータがもたらされることを可能にするという利点を有する。
【0066】
特定の実装では、磁石のネットワーク110とコイルのネットワーク120との間の距離を非常に小さい値まで低減させることによって、振動触覚アクチュエータの性能を最適化することが関心を引く可能性がある。実際には、図2Bに示されるように、ハルバッハ配列の力線は、対称領域においてネットワークの主面に概ね直交するが、隣り合う領域において発散する傾向がある。それゆえ、そのアクチュエータが低周波数において使用されるとき、それゆえ、動きが大きいときに、ラプラス力はアクチュエータの主面(磁石のネットワーク及び/又はコイルのネットワークの平面)に対して完全に接線方向にあるわけではなく、これは、垂直方向Yにおける相対運動を伴って動く部品の、タイミングの悪い動きを引き起こす可能性がある。そのようなタイミングの悪い動きを防ぐために、案内及び復帰要素は、図11Aに表されるように、フレーム132と磁石のネットワーク110又はコイルのネットワーク120との間に横方向に位置決めされるループ状の薄いブレード151とすることができる。これらの薄いブレード151は、薄い金属ストリップから形成されることができるか、又は上記で言及されたようなエラストマから作製されることができ、これらは、磁石のネットワーク及びコイルのネットワークの平面PA、PBに対して垂直なY方向において大きい剛性を有し、接線方向Zにおいて大きい可撓性を有するという利点を有する。これらのループ151は動く部品、例えば、第一に磁石のネットワーク110に、そして第二にフレーム132に接続される。これらの実装は、より強力な磁界を利用するので、アクチュエータを薄くするだけでなく、より効果的にするという二重の利点を有する。
【0067】
特定の用途において、特に高性能の用途において、動く部品、特に磁石のネットワーク又はコイルのネットワークの相互運動を垂直方向Yにおいて実質的に抑制するのが好都合である可能性がある。そのような抑制は、図11Bに表されるように、磁石のネットワーク110とコイルのネットワーク120との間の、すなわち、相互に動く部品間の利用可能な隙間空間の中に導入される流体190などのインピーダンス(impedance)手段によって得られることができ、その厚さに関する所望の値は10ミクロン未満のオーダーであることが好ましい。そのような流体190は、非毒性であり、適度な粘性を有する、グリセリン、エチレングリコール又は精製鉱油などの適切な流体を使用することから生じる毛管力に起因して永久に適所に維持される。一例が図11Cによって示される、磁石のネットワーク110とコイルのネットワーク120との間の接合部における、平均半径Rのメニスカスの存在は、流体190の表面張力から生じる圧力に起因する毛管力に関連付けられる。この圧力Pは式P=γ(2cosθ/G)によって推定することができ、ただし、γは表面張力であり、θは液体-固体接触角であり、Gは隙間空間の厚さである。前述の式で速算は、上記で列挙された材料の場合に、この力は1平行センチメートルの向かい合う表面に関して1ミリニュートンのオーダーになり、それゆえ、案内システムの寸法決定の際にそれを考慮に入れることが必要な場合があることを示す。2つの相互に動く部品間に粘性の低い液体が存在することは、動く部品が接線方向Zにおいて動くのを妨げるのではなく、垂直方向Yにおける全ての高速振動を抑制する。この変形形態が、非常に小さい隙間空間Gを有する振動触覚アクチュエータをもたらすことを可能にし、これは、薄く、効果的なアクチュエータをもたらすことを可能にする。
【0068】
また、アクチュエータの平面PA及びPBに対して垂直な方向Yにおける案内の別の実装は、相互運動する磁石のネットワーク110及びコイルのネットワーク120の端部に追加される少なくとも一対のフランジ161からなることができる。これらのフランジ161は、図11Dによって示されるように、2つの薄いセクションを備える部品から形成されることができる。速算は、磁石のネットワーク110及びコイルのネットワーク120の振幅2Dの動きがリンク162の概ね30度の傾斜を引き起こす場合に、隙間空間Gの変動が14%超えないことを示す。
【0069】
本発明による振動触覚アクチュエータは、任意のタイプのデバイスにハプティック振動を伝達するために、前記デバイスに挿入されるか、又は取り付けられることができる。実際には、フレーム130のベッド131が、振動が伝達されなければならない構造に取り付けられる場合には、角運動量保存則を適用することによって、動く質量と、磁石のネットワーク又はコイルのネットワークによって形成されるサスペンションとからなるアセンブリの、固有共振周波数より高い周波数において、コイルの速度と、振動させられなければならない構造の質量の速度との比は、それらの相互の質量に反比例する。その小さい寸法に起因して、そのようなアクチュエータは、振動によってユーザに時間を知らせるために、例えば、腕時計タイプのブレスレットに取り付けられることができる。また、例えば、靴底に、衣類のアイテムに、又はユーザと接触している任意の要素に取り付けられることができる。
【0070】
いくつかの例、変形形態及び実装を通して説明されてきたが、本発明による振動触覚アクチュエータは、当業者にとって明らかであるように思われる種々の変形形態、変更形態及び改善形態を含み、これらの変形形態、変更形態及び改善形態が本発明の範囲内にあることは理解されよう。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
【手続補正書】
【提出日】2023-12-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動触覚アクチュエータ(100)であって、
平面(PB)内に隣接して位置決めされ、および2つの並置されるコイルに隣り合ったセグメント内に共通の方向に電流が流れるように配置された平坦な電磁コイルのネットワーク(120)であって、共通の方向は一つの対から次の対へ交互に入れ替わり、前記コイルのネットワークは、前記コイルのネットワークを横切る電流の影響下でラプラス力を生成することができる、平坦な電磁コイルのネットワークと、
コイルのネットワークの平面に対して平行な平面(PA)内に直線状に組み立てられる連続する永久磁石のネットワーク(110)であって、永久磁石の極性は異なる2よりも多い方向に方向付けられ、前記磁石のネットワーク(110)は、コイルのネットワーク(120)に向かって方向付けられる磁力線を生成するハルバッハ配列を形成し、コイルのネットワークを横切る電流線と磁力線との間の電磁的相互作用が、ラプラス力に起因して、コイルのネットワーク(120)と磁石のネットワーク(110)との間に相対的な並進運動を引き起こす、永久磁石のネットワークと、
コイルのネットワークと磁石のネットワークとの間の相対的な並進運動から、ハプティック振動を生成する弾性案内手段(140)と
コイルのネットワーク(120)及び磁石のネットワーク(110)が設置されるフレーム(130)と、
を備え、
弾性案内手段(140)は、それぞれがコイルのネットワークが取り付けられた平坦なブラケット又は磁石のネットワークの一端とフレームとの間に設置される、少なくとも2つの案内及び復帰要素を備える、
振動触覚アクチュエータ(100)。
【請求項2】
弾性案内手段(140)は、フレーム(130)と、コイルのネットワーク又は磁石のネットワークのいずれかとの間に少なくとも部分的に設置されるという事実を特徴とする、請求項に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項3】
弾性案内手段(140)はコイルのネットワークの平面(PB)内に長手方向に設置されるという事実を特徴とする、請求項1または2に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項4】
弾性案内手段(140)は磁石のネットワークの平面(PA)内に長手方向に設置されるという事実を特徴とする、請求項1または2に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項5】
各案内及び復帰要素はS字形の薄いブレード(141)を備えるという事実を特徴とする、請求項に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項6】
各案内及び復帰要素はX字形の薄いブレード(142)を備えるという事実を特徴とする、請求項に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項7】
案内及び復帰要素は、フレーム(130)内に長手方向に取り付けられる、ガイドレール(143c)又はボールベアリングレースウェイ上をスライドするように設置されるという事実を特徴とする、請求項に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項8】
弾性案内手段(140)は、磁石のネットワーク又はコイルのネットワークに沿って横方向に設置されるという事実を特徴とする、請求項1または2に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項9】
弾性案内手段(140)は、案内及び復帰要素を備え、案内及び復帰要素は、それぞれが楕円形ループの形状を有する薄いブレード(151)を備え、コイルのネットワーク又は磁石のネットワークのいずれかの側に設置されるという事実を特徴とする、請求項に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項10】
案内及び復帰要素は、磁石のネットワーク又はコイルのネットワークに対して垂直な方向において相対的な直線運動を抑制することができるインピーダンス手段(190)を備えるという事実を特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項11】
コイルのネットワークの各コイル(121-124)は、平坦な巻きのスタックを備えるという事実を特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項12】
コイルのネットワーク(120)は、フレーム(130)に取り付けられ、磁石のネットワーク(110)は動く面(152)に取り付けられ、前記動く面は可撓性接続部(145)によってフレームに接続されるという事実を特徴とする、請求項1または2に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項13】
振動触覚アクチュエータ(100)であって、
平面(PB)内に隣接せずに位置決めされ、および各コイル内に同一の方向に電流が流れるように配置された平坦な電磁コイルのネットワーク(120)であって、前記コイルのネットワークは、前記コイルのネットワークを横切る電流の影響下でラプラス力を生成することができる、平坦な電磁コイルのネットワークと、
コイルのネットワークの平面に対して平行な平面(PA)内に直線状に組み立てられる連続する永久磁石のネットワーク(110)であって、永久磁石の極性は異なる2よりも多い方向に方向付けられ、前記磁石のネットワーク(110)は、コイルのネットワーク(120)に向かって方向付けられる磁力線を生成するハルバッハ配列を形成し、コイルのネットワークを横切る電流線と磁力線との間の電磁的相互作用が、ラプラス力に起因して、コイルのネットワーク(120)と磁石のネットワーク(110)との間に相対的な並進運動を引き起こす、永久磁石のネットワークと、
コイルのネットワークと磁石のネットワークとの間の相対的な並進運動から、ハプティック振動を生成する弾性案内手段(140)と
コイルのネットワーク(120)及び磁石のネットワーク(110)が設置されるフレーム(130)と、
を備え、
弾性案内手段(140)は、それぞれがコイルのネットワークが取り付けられた平坦なブラケット又は磁石のネットワークの一端とフレームとの間に設置される、少なくとも2つの案内及び復帰要素を備える、
振動触覚アクチュエータ(100)。
【請求項14】
弾性案内手段(140)は、フレーム(130)と、コイルのネットワーク又は磁石のネットワークのいずれかとの間に少なくとも部分的に設置されるという事実を特徴とする、請求項13に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項15】
弾性案内手段(140)は、コイルのネットワークの平面(PB)内に長手方向に設置されるという事実を特徴とする、請求項13または14に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項16】
弾性案内手段(140)は、磁石のネットワークの平面(PA)内に長手方向に設置されるという事実を特徴とする、請求項13または14に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項17】
各案内及び復帰要素は、S字形の薄いブレード(141)を備えるという事実を特徴とする、請求項13に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項18】
各案内及び復帰要素は、X字形の薄いブレード(142)を備えるという事実を特徴とする、請求項13に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項19】
案内及び復帰要素は、フレーム(130)内に長手方向に取り付けられる、ガイドレール(143c)又はボールベアリングレースウェイ上をスライドするように設置されるという事実を特徴とする、請求項13に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項20】
弾性案内手段(140)は、磁石のネットワーク又はコイルのネットワークに沿って横方向に設置されるという事実を特徴とする、請求項13または14に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項21】
弾性案内手段(140)は、案内及び復帰要素を備え、案内及び復帰要素は、それぞれが楕円形ループの形状を有する薄いブレード(151)を備え、コイルのネットワーク又は磁石のネットワークのいずれかの側に設置されるという事実を特徴とする、請求項20に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項22】
案内及び復帰要素は、磁石のネットワーク又はコイルのネットワークに対して垂直な方向において相対的な直線運動を抑制することができるインピーダンス手段(160)を備えるという事実を特徴とする、請求項13から20のいずれか一項に記載の振動触覚アクチュエータ。
【請求項23】
コイルのネットワークの各コイル(121-124)は、平坦な巻きのスタックを備えるという事実を特徴とする、請求項13から22のいずれか一項に記載の振動触覚アクチュエータ。
【外国語明細書】