(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023477
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】カテーテル制御システムのバックエンド機構
(51)【国際特許分類】
A61B 34/35 20160101AFI20240214BHJP
A61M 25/092 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
A61B34/35
A61M25/092 500
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023202971
(22)【出願日】2023-11-30
(62)【分割の表示】P 2020563765の分割
【原出願日】2019-05-10
(31)【優先権主張番号】62/671,958
(32)【優先日】2018-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510253996
【氏名又は名称】インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ブルメンクランツ,シュテファン ジェイ.
(57)【要約】
【課題】従来技術の問題を解決する。
【解決手段】操縦可能な医療器具のための制御システムのバックエンド機構が、細長い医療器具に対するコンパクトで確実な操縦制御を提供するように構成された操縦コンポーネント及び複数の駆動コンポーネントを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い部材を操縦するための制御システムであって、
操縦コンポーネント支持面と、対向する取付面とを含み、前記操縦コンポーネント支持面は、前記細長い部材を操縦するように構成されるプルワイヤに動作可能に結合されるキャプスタンを支持する、シャーシと、
前記取付面に配置され、前記キャプスタンを回転させて前記プルワイヤを変位させるように構成される、入力ディスクと、
前記取付面に配置され、前記操縦コンポーネント支持面から離れる方向に延びる、ファイバコネクタと、を含み、
前記入力ディスク及び前記ファイバコネクタは、前記シャーシの並進によって器具キャリッジと係合して前記シャーシを前記器具キャリッジに取り付けるように配置される、
制御システム。
【請求項2】
カバーを更に含み、前記カバー及び前記シャーシは、インターフェースで互いに封止されて、ハウジングの封止された領域を形成し、前記インターフェースは、流体の侵入を防止するように遮蔽される、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記シャーシは、周辺溝を含み、前記カバーは、前記周辺溝に封止的に嵌合する縁を有する、請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記シャーシを前記器具キャリッジに取り付けるコネクタを更に含む、請求項2に記載の制御システム。
【請求項5】
前記コネクタは、流体の侵入を防止するシールドを含む、請求項4に記載の制御システム。
【請求項6】
前記コネクタは、流体の侵入を防止するために前記封止される領域の外側に配置される、請求項4に記載の制御システム。
【請求項7】
前記入力ディスクは、前記シャーシにある開口を通過し、前記入力ディスクは、流体の侵入を防止する遮蔽面を有する、請求項1に記載の制御システム。
【請求項8】
前記ファイバコネクタは、形状センサから前記器具キャリッジに情報を通信するように構成される、請求項1に記載の制御システム。
【請求項9】
前記形状センサは、光センサであり、前記細長い部材の長さを通じて延在し、前記細長い部材の形状を検出するように構成される、請求項8に記載の制御システム。
【請求項10】
前記形状センサの近位端を支持するように構成される発射領域取付具を更に含む、請求項8に記載の制御システム。
【請求項11】
前記発射領域取付具は、支持体取付具に取り付けられ、前記支持体取付具は、前記シャーシに取り付けられる、請求項10に記載の制御システム。
【請求項12】
前記発射領域取付具は、不整列を防止するために前記形状センサをピンチする2つのクランプを含む、請求項10に記載の制御システム。
【請求項13】
前記発射領域取付具は、接着剤を介して前記形状センサに付着する、請求項10に記載の制御システム。
【請求項14】
前記形状センサは、前記発射領域取付具から90度~270度の間で回転し、前記細長い部材の近位部分に入ってサービスループを形成する、請求項10に記載の制御システム。
【請求項15】
ガイドスロットを更に含み、前記ガイドスロットは、前記サービスループの形態において前記形状センサを維持し、前記発射領域取付具から前記細長い部材の前記近位部分までの前記形状センサの可変長の弛みを可能にする、ように構成される、請求項14に記載の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
この出願は、2018年5月15日に出願された米国仮出願第62/671,958号の利益を主張し、その全文を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本開示は、医療処置において利用されるシステム及びそれらの処置中に使用される操作方法に向けられている。より具体的には、本開示は、カテーテル制御システムのバックエンド機構及び関連する方法に向けられている。
【背景技術】
【0003】
最小侵襲医療技法は、医療処置中に損傷を受ける組織の量を減らし、それによって、患者の回復時間、不快感、有害な副作用を減らすことを意図している。そのような最小侵襲技法は、患者の解剖学的構造における自然開口部を通じて或いは1以上(1つ又はそれよりも多く)の外科的切開部を通じて行われることがある。これらの自然開口部又は切開部を通じて、医師は、標的組織場所に到達するために、(手術器具、診断器具、治療器具、又は生検器具を含む)最小侵襲医療器具を挿入することがある。1つのそのような最小侵襲技法の1つは、解剖学的通路に挿入され、患者解剖学的構造内の関心領域に向かってナビゲートされることができる、可撓性カテーテルのような可撓性及び/又は操縦可能な細長いデバイスを使用することである。医療従事者によるそのような細長いデバイスの制御は、少なくとも細長いデバイスの挿入及び後退の管理並びにデバイスの操縦を含む、幾つかの自由度の管理を包含する。加えて、異なる動作モードがサポートされてもよい。
【0004】
バックエンド機構制御システムは、細長いデバイス又は細長いデバイスを通じて延びる器具の操縦又は操作を可能にするコンポーネント(構成要素)を含む。次に、バックエンド機構制御システムは、細長いデバイスと協働して、ヘルスケア提供者の制御の下で外科技法を実施する。成功裡の手術転帰の可能性を高めるために、使用時に安定し、コンパクトで、滅菌のために取り外し可能なバックエンド機構制御システムを提供することが望ましい。更に、細長いデバイスを制御するバックエンド機構制御システムのコンポーネントが、外科医の制御の下で、一貫した結果のために予測可能で反復可能な行為(action)を提供することが望ましい。加えて、最小侵襲技法中の使用に適することがある操縦可能なカテーテルのような操縦可能な細長いデバイスの制御をもたらすバックエンド機構制御システムを提供することは有利である。
【発明の概要】
【0005】
一般的に、本開示は、プルワイヤと協働してモータを介して作動可能に操縦するバックエンド機構を用いて細長い部材を操縦するシステム及び方法に向けられている。本発明の追加的な特定の実施形態は、本記述に続く請求項によって最良に要約される。
【0006】
幾つかの例示的な実装において、本開示は、プルワイヤを介して操縦可能な細長い部材のための制御システムに向けられている。制御システムは、使用中に細長い部材に対して所定の場所に固定可能なシャーシと、シャーシによって担持されるプーリとを含んでよい。プーリは、プルワイヤを支持するように構造的に構成されたプルワイヤ支持面を含んでよい。プーリは、第1の軸について回転可能であってよい。制御システムは、シャーシによって担持され、第1の軸に対してある角度で整列させられる第2の軸について回転可能な、キャプスタンを含んでよい。キャプスタンは、プルワイヤがキャプスタンに巻き付くことを可能にするプルワイヤ支持面を有してよい。
【0007】
幾つかの態様において、シャーシは、プルワイヤが延びる開口を有するポケットを含む。幾つかの態様において、制御システムは、キャプスタンを駆動可能に回転させるように構成された入力ディスクを含む。入力ディスクは、非円筒状の形状を有するシャフトを含んでよく、キャプスタンは、シャフトがキャプスタンを回転させることを可能にする方法で非円筒状の形状とインターフェース接続するように構成されてよい。幾つかの態様において、キャプスタンは、オーバーラップなくプルワイヤを巻くように構成された螺旋状の溝を含んでよい。幾つかの態様において、制御システムは、閾値位置を超えてキャプスタンが回転するのを防止するように構成された回転リミッタを含んでよい。幾つかの態様において、回転リミッタは、閾値位置を超えるキャプスタンの回転を防止するように構成された機械的ストップを含んでよい。
【0008】
幾つかの態様において、制御システムは、シャーシから延びる光ファイバコネクタを含んでよく、細長い部材の長さを通じて光ファイバコネクタから延びる形状感知光ファイバを含んでよい。形状センサは、細長い部材の形状を検出するように構成されてよい。光ファイバコネクタは、形状センサによって検出される情報を通信するように構成されてよい。幾つかの態様において、制御システムは、ハウジングの壁に隣接してサービスループを含む囲まれたハウジング(密閉ハウジング)(enclosed housing)を含む。ハウジングは、ハウジング内の発射領域取付具(launch region fixture)と細長い部材との間に延在する形状センサの曲げに順応するようなサイズとされた円弧面(arcing surface)を含んでよい。幾つかの態様において、サービスループは、形状センサ内の180度の曲がり(180 degree bend)である。幾つかの態様において、ハウジングは、形状センサが延在するガイドスロットを画定するガイドを含む。幾つかの態様において、シャーシは、第2の軸に実質的に平行に配置された第3の軸を画定する細長い部材開口を含む。幾つかの態様において、制御システムは、接続場所でシャーシに固定される近位端を有するコイルパイプを含む。コイルパイプの近位端は、細長い部材開口部によって画定される第3の軸に対して実質的に直交して配置されてよく、プルワイヤは、コイルパイプを通じてプーリに延びてよく、それによって、キャプスタンに延びてよい。幾つかの態様において、シャーシは、キャプスタンを駆動させるように構成された器具キャリッジとインターフェース接続するような形状及び構成とされた取付面を含む。取付面は、概ね取付平面に沿って延びてよく、取付面は、並んで配置される、第1のインターフェース部分と、第2の非インターフェース部分とを有してよい。第1のインターフェース部分は、ファイバコネクタと、回転入力部材とを有してよい。第2の非インターフェース部分は、細長い部材が取付平面に対して実質的に直交する方向において細長い部材開口から延びるように形成された第1の細長い部材開口を有してよい。幾つかの態様において、シャーシは、複数のV形状の溝及び複数の場所特定マウント(locating mounts)の一方を有する取付面を含み、器具キャリッジは、複数のV形状の溝及び複数の場所特定マウントの他方を含む。複数のV形状の溝は、複数の場所特定マウントを受け入れるように構成されてよい。
【0009】
幾つかの態様において、制御システムは、シャーシ内にキャビティを形成するように、インターフェースでシャーシに取り付けられるカバーを含み、プーリは、キャビティ内に配置される。入力ディスクが、シャーシの開口を通過し、キャプスタンを回転可能に駆動させるように構成されてよい。入力ディスクは、流体の侵入を防止する遮蔽面を有する。
【0010】
別の例示的な態様において、本開示は、細長い部材を操縦する複数の操縦コンポーネントを含むハウジングを含む細長い部材のための制御システムに向けられている。ハウジングは、操縦コンポーネントに入力を提供するように構成された器具キャリッジとインターフェース接続するような形状及び構成とされた取付面を有してよい。取付面は、概ね取付平面に沿って延在してよく、取付面は、並列して配置される、第1のインターフェース部分と、第2の非インターフェース部分とを有する。第1のインターフェース部分は、ファイバコネクタと、回転入力部材とを有してよく、第2の非インターフェース部分は、細長い部材開口内の細長い部材が取付平面に対して実質的に直交する方向に延在するように形成された第1の細長い部材開口を有してよい。
【0011】
幾つかの態様は、特異に決定された位置及び向きにおいてハウジングを器具キャリッジに選択的に接続するように構成された運動学的マウントを含む。幾つかの態様において、制御システムは、ハウジングを器具キャリッジに対して選択的に位置決めし且つ方向付けるように構成された運動学的マウントを含んでよい。幾つかの態様において、ハウジングは、ハウジングを器具キャリッジに選択的に固定するように構成された複数のラッチコネクタを含む。幾つかの態様において、取付面上の回転入力部材の各々は、器具キャリッジ上の出力ディスクに取付可能であり、器具キャリッジ状の出力ディスクによって駆動させられる、入力ディスクを含み、入力ディスクは、操縦コンポーネントと通信(連通)する。幾つかの態様において、取付面は、プリント回路アセンブリ及びポゴピンの一方を含み、器具キャリッジは、プリント回路アセンブリ及びポゴピンの他方を含み、回路アセンブリは、ポゴピンと通信(連通)するように構成される。
【0012】
更に他の例示的な態様において、本開示は、ハウジングを含む細長い部材を操縦する制御システムに向けられており、ハウジングは、シャーシと、カバーとを含み、シャーシ及びカバーは、それらの中にキャビティを形成するよう、インターフェースで互いに封止され、細長い部材を操縦する複数の操縦コンポーネントは、キャビティ内に配置され、インターフェースは、流体の侵入を防止するよう封止される。複数の入力ディスクが、シャーシの開口を通過し、操縦コンポーネントを回転可能に駆動させるように構成されてよく、入力ディスクは、流体の侵入を防止するために遮蔽又は封止され、或いは流体の侵入を防止するために封止カバーによって保護され、或いは流体の侵入を防止するために封止カバーによって保護される。
【0013】
幾つかの態様において、本開示は、ハウジングを器具キャリッジに取り付けるコネクタを含み、コネクタは、流体の侵入を防止するシールド又はシールを含む。幾つかの態様において、シャーシは、周辺溝を含み、カバーは、周辺溝に封止的に嵌合する縁を有する。幾つかの実装において、シーリングは、溶接によって達成される。
【0014】
更に別の例示的な実施形態において、本開示は、操縦コンポーネント支持面と、対向する取付面とを含む、シャーシを含む、細長い部材を操縦するための制御システムに向けられている。操縦コンポーネント支持面は、細長い部材を操縦するように構成されるプルワイヤに動作可能に連結されるキャプスタンを支持することがある。入力ディスクは、取付面に配置され、プルワイヤを変位させるためにキャプスタンを回転させるように構成される。光ファイバコネクタは、取付面に配置されてよく、操縦コンポーネント支持面から離れる方向に取付面から延び、入力ディスク及び光ファイバコネクタは、シャーシを器具キャリッジに取り付けるシャーシの並進によって器具キャリッジと係合するように配置される。
【0015】
前述の一般的な記述及び以下の詳細な記述の両方は、本質的に例示的かつ説明的であり、本開示の範囲を制限することなく本開示の理解をもたらすことを意図することが理解されるべきである。この点に関して、本開示の追加的な態様、構成、及び利点は、以下の詳細な記述から当業者に明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】幾つかの実施形態に従った患者に隣接する遠隔操作医療システムの簡略図である。
【0017】
【
図2A】幾つかの実施形態に係る医療器具システムの簡略図である。
【0018】
【
図2B】幾つかの実施形態に従った拡張医療ツールを備える医療器具の簡略図である。
【0019】
【
図3A】幾つかの実施形態に従った挿入アセンブリに取り付けられ且つ患者を治療するよう位置付けられた医療器具の側面の簡略図である。
【
図3B】幾つかの実施形態に従った挿入アセンブリに取り付けられ且つ患者を治療するよう位置付けられた医療器具の側面の簡略図である。
【0020】
【
図4】幾つかの実施形態に従った部分的に分解された構成における医療器具のバックエンド機構の図である。
【0021】
【
図5】幾つかの実施形態に従った部分的に分解された構成における医療器具の一部分のバックエンド機構の図である。
【0022】
【
図6】幾つかの実施形態に従った医療器具のバックエンド機構のハウジングの一部分の図である。
【0023】
【
図7】幾つかの実施形態に従ったハウジングの
図6の線7-7に沿う断面図である。
【0024】
【
図8】幾つかの実施形態に従った医療器具のバックエンド機構の図である。
【0025】
【
図9】幾つかの実施形態に従った医療器具のバックエンド機構のシャーシの一部分の図である。
【0026】
【
図10】幾つかの実施形態に従った医療器具のバックエンド機構のシャーシの取付面の図である。
【0027】
【
図11】幾つかの実施形態に従った医療器具のバックエンド機構のための駆動コンポーネントの図である。
【0028】
【
図12】幾つかの実施形態に従った医療器具のバックエンド機構のための分解された構成における駆動コンポーネントの図である。
【0029】
【
図13】幾つかの実施形態に従った医療器具のバックエンド機構のためのキャプスタンの図である。
【0030】
【
図14】幾つかの実施形態に従った医療器具のバックエンド機構の部分的アセンブリの図である。
【0031】
【
図15】幾つかの実施形態に従った医療器具の器具キャリッジの一部分の図である。
【0032】
【
図16】幾つかの実施形態に従った医療器具のバックエンド機構の図である。
【0033】
【
図17】幾つかの実施形態に従った医療器具のバックエンド機構のシャーシの一部分の図である。
【0034】
【
図18】幾つかの実施形態に従った医療器具のバックエンド機構を挿入アセンブリに連結する例示的な方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本開示の実施形態及びそれらの利点は、後続の詳細な記述を参照することによって最良に理解される。同等の参照番号は、図のうちの1以上(1つ又はそれよりも多く)の図に例示される同等の要素を識別するために使用され、それらに示されるものは、本開示の実施形態を例示するためのものであり、それらを限定するためのものではないことが理解されるべきである。
【0036】
本開示の原理の理解を促進する目的で、ここで図面に例示する実施形態を参照し、特定の用語を用いてそれらを記述する。以下の詳細な記述では、開示の実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が示される。しかしながら、この開示の実施形態がこれらの具体的な詳細なしに実施される場合があることは、当業者に明らかであろう。他の場合には、本発明の実施形態の態様を不必要に不明瞭にしないために、よく知られている方法、処置、コンポーネント、及び回路は詳細に記載されていない。
【0037】
記載のデバイス、器具、方法、及び本開示の原理のあらゆる更なる適用に対するいかなる変更及び更なる修正も、本開示が関係する当業者の心に通常思い浮かぶように完全に想定される。特に、1つの実施形態に関して記載した構成、コンポーネント、及び/又はステップは、本開示の他の実施形態に関して記載する構成、コンポーネント、及び/又はステップと組み合わせられてよいことが十分に想定される。加えて、本明細書で提供される寸法は、特定の例のためのものであり、異なるサイズ、寸法、及び/又は比率が、本開示の概念を実施するために利用されてよいことが想定される。不必要な記述的反復を避けるために、1つの例示的な実施形態に従って記載する1以上のコンポーネント又は行為は、他の例示的な実施形態から適用可能であるように使用されることができ或いは省略されることができる。簡潔性のために、これらの組み合わせの多数の反復を別個に記載しない。簡潔性のために、幾つかの例では、同じ又は類似の部分を指すために、図面を通じて同じ又は同等の参照番号が使用される。
【0038】
この開示は、様々な器具及び器具の部分を、三次元空間におけるそれらの状態に関して記載する。本明細書で使用するとき、「位置(position)」という用語は、三次元空間における物体又は物体の一部分の場所(例えば、デカルトx、y、及びz座標に沿う3つの並進自由度)を指す。本明細書で使用するとき、「向き(orientation)」という用語は、物体又は物体の一部分の回転配置(3つの回転自由度、例えば、ロール、ピッチ、及びヨー)を指す。本明細書で使用するとき、「姿勢(pose)」という用語は、少なくとも1つの並進自由度における物体又は物体の一部分の位置及び少なくとも1つ回転自由度(最大6つの自由度)における物体又は物体の一部分の向きを指す。本明細書で使用するとき、「形状(shape)」という用語は、物体に沿って測定される一組の姿勢、位置、又は向きを指す。
【0039】
図1は、幾つかの実施形態に従った遠隔操作医療システム100の簡略図である。幾つかの実施形態において、遠隔操作医療システム100は、例えば、外科処置、診断処置、治療処置、又は生検処置における使用に適している。幾つかの実施形態が、そのような処置に関して本明細書中で提供されるが、医療器具又は手術器具及び医療方法又は手術方法へのいかなる言及も、非限定的である。本明細書に記載するシステム、器具、及び方法は、動物、人間の死体、動物の死体、人間又は動物の解剖学的構造の一部、非外科的診断、ならびに産業システム及び一般的なロボット又は遠隔操作システムのために使用されてよい。
【0040】
図1に示すように、医療システム100は、一般的に、患者Pに対して様々な処置を行う際に医療器具104を操作するためのマニピュレータアセンブリ102を含む。マニピュレータアセンブリ102は、手術台Tに又はその付近に取り付けられる。マスタアセンブリ106は、操作者O(例えば、
図1に示す外科医、臨床医、又は医師)が介入部位を観察し、マニピュレータアセンブリ102を制御することを可能にする。
【0041】
マスタアセンブリ106は、オペレータコンソールに配置されてよく、オペレータコンソールは、通常、患者Pが配置される手術台の側面のような、手術台Tと同じ部屋に配置される。しかしながら、オペレータOは、患者Pとは異なる部屋又は全く異なる建物に位置し得ることが理解されるべきである。マスタアセンブリ106は、一般的に、マニピュレータアセンブリ102を制御するための1以上の制御デバイスを含む。制御デバイスは、ジョイスティック、トラックボール、データグローブ、トリガガン、手動コントローラ、音声認識デバイス、身体運動又は存在センサ、及び/又は同等物のような、任意の数の様々な入力デバイスを含んでよい。器具104を直接的に制御しているという強い感覚をオペレータOに提供するために、制御デバイスは、関連する医療器具104と同じ自由度を備えてよい。このようにして、制御デバイスは、テレプレゼンス又は制御デバイスが医療器具104と一体的であるという認識を医師Oに提供する。
【0042】
幾つかの実施形態において、制御デバイスは、関連する医療器具104よりも多い又は少ない自由度を有して、オペレータOに依然としてテレプレゼンスを提供することがある。幾つかの実施形態において、制御デバイスは、任意的に、手動入力デバイスであってよく、手動入力デバイスは、6つの自由度で動き、器具を作動させる(例えば、把持ジョーを閉じる、電極に電位を印加する、医薬治療を送達する、及び/又は同等のこと)のための作動可能なハンドルを含んでもよい、
【0043】
マニピュレータアセンブリ102は、医療器具104をサポートし、1以上の非サーボ制御リンク(例えば、一般的に、セットアップ構造と呼ばれる、手動で位置付けられて所定の場所にロックされてよい、1以上のリンク)、及び/又は1以上のサーボ制御リンク(例えば、制御システムからのコマンドに応答して制御されることがある1以上のリンク)、及び遠隔操作マニピュレータの運動学的構造を含んでよい。マニピュレータアセンブリ102は、制御システム(例えば、制御システム112)からのコマンドに応答して医療器具104に対する入力を駆動する複数のアクチュエータ又はモータを任意的に含んでよい。アクチュエータは、医療器具104に連結されるときに、医療器具104を自然に又は外科的に作られた解剖学的開口部に前進させることがある駆動システムを任意的に含んでよい。他の駆動システムは、医療器具104の遠位端を複数の自由度で動かしてよく、複数の自由度は、3つの程度の線形運動(例えば、X、Y、Zデカルト軸に沿う線形運動)及び3つの程度の回転運動(例えば、X、Y、Zデカルト軸についての回転)を含んでよい。加えて、アクチュエータを使用して、生検デバイス又は同等物のジョー内に組織を把持するための医療器具104の関節作動可能なエンドエフェクタを作動させることができる。レゾルバ、エンコーダ、ポテンショメータ、及び他の機構のようなアクチュエータ位置センサが、モータシャフトの回転及び向きを記述するセンサデータを医療システム100に提供してよい。この位置センサデータを使用して、アクチュエータによって操作される物体の動きを決定してよい。
【0044】
遠隔操作医療システム100は、マニピュレータアセンブリ102の器具に関する情報を受信する1以上のサブシステムを備えるセンサシステム108を含んでよい。そのようなサブシステムは、位置/場所センサシステム(例えば、電磁(EM)センサシステム)、医療器具104を構成することがある可撓体に沿う遠位端の及び/又は1以上のセグメントの位置、向き、速さ、速度、姿勢、及び/又は形状を決定する形状センサシステム、及び/又は医療器具104の遠位端から画像を取り込む視覚化システムを含んでよい。
【0045】
遠隔操作医療システム100は、センサシステム108のサブシステムによって生成される手術部位及び医療器具104の画像又は表現を表示するディスプレイシステム110も含む。ディスプレイシステム110及びマスタアセンブリ106は、オペレータOがテレプレゼンスの知覚で医療器具104及びマスタアセンブリ106を制御できるように方向付けられてよい。
【0046】
幾つかの実施形態において、医療器具104は、(以下でより詳細に議論する)視覚化システムを有してよく、視覚化システムは、手術部位の同時又はリアルタイム画像を記録し、その画像をディスプレイシステム110の1以上のディスプレイのような医療システム100の1以上のディスプレイを通じてオペレータ又はオペレータOに提供する、視認スコープアセンブリを含んでよい。同時画像は、例えば、手術部位内に位置付けられる内視鏡によって取り込まれる二次元又は三次元画像であってよい。幾つかの実施形態において、視覚化システムは、医療器具104に一体的に又は取り外し可能に連結されてよい内視鏡コンポーネントを含む。しかしながら、幾つかの実施形態では、別個のマニピュレータアセンブリに取り付けられた別個の内視鏡を医療器具104と共に使用して、手術部位を撮像してよい。視覚化システムは、制御システム112のプロセッサを含むことがある1以上のコンピュータプロセッサと対話(相互作用)するか或いはそれらによって他の方法で実行される、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせとして実装されてよい。
【0047】
ディスプレイシステム110は、視覚化システムによって取り込まれる手術部位の画像及び医療器具の画像を表示してもよい。幾つかの例において、遠隔操作医療システム100は、医療器具の相対位置がオペレータOの両眼及び両手の相対位置に類似するように、医療器具104及びマスタアセンブリ106の制御を構成してよい。このようにして、オペレータOは、あたかも実質的に真の存在(true presence)において作業空間を見るかのように、医療器具104及び手制御装置を操作することができる。真の存在とは、画像の提示が医療器具104を物理的に操作している医師の視点をシミュレートする真の透視画像であることを意味する。
【0048】
幾つかの例において、ディスプレイシステム110は、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴映像(MRI)、蛍光透視、サーモグラフィ、超音波、光干渉断層撮影(OCT)、熱撮像、インピーダンス撮像、レーザ撮像、ナノチューブX線撮像、及び/又は同等物のような、撮像技術からの画像データを使用して、術前又は術中に記録された手術部位の画像を提示してよい。術前又は術中の画像データは、二次元、三次元、又は(例えば、時間ベース又は速度ベースの情報を含む)四次元画像として、及び/又は術前又は術中の画像データセットから作られたモデルからの画像として提示されてよい。
【0049】
幾つかの実施形態では、しばしば画像誘導外科処置の目的のために、ディスプレイシステム110は、医療器具104の実際の位置が術前又は同時画像/モデルと位置合わせされる(すなわち、動的に参照される)仮想ナビゲーション画像を表示してよい。これは、医療器具104の視点からオペレータOに内部手術部位の仮想画像を提示するために行われてよい。幾つかの例において、視点は、医療器具104の先端からのものであってよい。医療器具104の先端の画像及び/又は他のグラフィカル又は英数字のインジケータを仮想画像上に重ね合わせて、オペレータOが医療器具104を制御するのを助けてよい。幾つかの例において、医療器具104は、仮想画像内では見えなくてよい。
【0050】
幾つかの実施形態において、ディスプレイシステム110は、医療器具104の実際の場所が術前又は同時画像と位置合わせされる仮想ナビゲーション画像を表示して、外部視点から手術部位内の医療器具104の仮想画像をオペレータOに提示してよい。医療器具104の一部分の画像又は他のグラフィカル又は英数字インジケータが、医療器具104の制御においてオペレータOを助けるために仮想画像上に重ね合わさせられてよい。本明細書で記載するように、データポイントの視覚的表現は、ディスプレイシステム110にレンダリング(描画)されてよい。例えば、測定されたデータポイント、移動させられたデータポイント、位置合わせされたデータポイント、及び本明細書に記載する他のデータポイントが、視覚的表現においてディスプレイシステム110上に表示されてよい。データポイントは、ディスプレイシステム110上の複数の点又はドットによって、或いはデータポイントのセットに基づいて作成されたメッシュ又はワイヤモデルのようなレンダリングされたモデルとして、ユーザインターフェース内で視覚的に表現されてよい。幾つかの例において、データポイントは、それらが表すデータに従ってカラーコード化されてよい。幾つかの実施形態では、各処理操作がデータポイントを変更するために実施された後に、視覚的表現がディスプレイシステム110においてリフレッシュされてよい。
【0051】
遠隔操作医療システム100は、制御システム112を含んでもよい。制御システム112は、少なくとも1つのメモリと、医療器具104、マスタアセンブリ106、センサシステム108、及びディスプレイシステム110の間の制御をもたらすための、少なくとも1つのコンピュータプロセッサ(図示せず)とを含む。制御システム112は、ディスプレイシステム110に情報を提供するための命令を含む、本明細書に開示する態様に従って記載する方法の一部又は全部を実施するためのプログラムされた命令(例えば、命令を格納する非一時的な機械可読媒体)を含む。制御システム112は、
図1の簡略図において単一ブロックとして示されているが、システムは、2以上(2つ又はそれよりも多く)のデータ処理回路を含んでよく、処理の1つの部分は、任意的に、マニピュレータアセンブリ102で又はそれに隣接して実行され、処理の別の部分は、マスタアセンブリ106で実行される、及び/又は同等のことである。制御システム112のプロセッサは、本明細書に開示し且つ以下により詳細に記載するプロセスに対応する命令を含む命令を実行してよい。多種多様な集中型又は分散型データ処理アーキテクチャのうちのいずれかが利用されてよい。同様に、プログラムされた命令は、多数の別個のプログラム又はサブルーチンとして実装されてよく、或いは、それらは、本明細書に記載する遠隔操作システムの多数の他の態様に統合されてよい。1つの実施形態において、制御システム112は、Bluetooth(登録商標)、IrDA、HomeRF、IEEE802.11、DECT、及びWireless Telemetryのような、無線通信プロトコルをサポートする。
【0052】
幾つかの実施形態において、制御システム112は、医療器具104からの力及び/又はトルクフィードバックを受信してよい。フィードバックに応答して、制御システム112は、マスタアセンブリ106に信号を送信してよい。幾つかの例において、制御システム112は、マニピュレータアセンブリ102の1以上のアクチュエータに命令して医療器具104を移動させる信号を送信してよい。医療器具104は、患者Pの体にある開口部を介して患者Pの体内の内部外科部位内に延びてよい。任意の適切な従来的な及び/又は特殊化されたアクチュエータが使用されてよい。幾つかの例において、1以上のアクチュエータは、マニピュレータアセンブリ102と別個であってよく、或いは一体化されてよい。幾つかの実施形態において、1以上のアクチュエータ及びマニピュレータアセンブリ102は、患者P及び手術台Tに隣接して位置付けられる遠隔操作カートの一部として提供される。
【0053】
制御システム112は、画像誘導処置中に医療器具104を制御するときにオペレータOにナビゲーション支援を提供するために、仮想視覚化システムを任意的に更に含んでよい。仮想視覚化システムを使用する仮想ナビゲーションは、解剖学的通路の取得した術前又は術中データセットを参照することに基づいてよい。仮想視覚化システムは、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴映像(MRI)、蛍光透視、サーモグラフィ、超音波、光干渉断層撮影(OCT)、熱撮像、インピーダンス撮像、レーザ撮像、ナノチューブX線撮像、及び/又は同等物のような撮像技術を用いて撮像される、手術部位の画像を処理する。手動入力と組み合わせにおいて使用されることがあるソフトウェアを使用して、記録された画像を、部分的な又は全体的な解剖学的器官又は解剖学的領域のセグメント化された二次元又は三次元の複合表現に変換する。画像データセットは、複合表現と関連付けられる。複合表現及び画像データセットは、通路の様々な場所及び形状、ならびにそれらの接続性を記述する。複合表現を生成するために使用される画像は、臨床処置中に術前又は術中に記録されてよい。幾つかの実施形態において、仮想視覚化システムは、標準的表現(すなわち、患者特異的でない表現)又は標準的表現と患者特異的データとのハイブリッドを使用してよい。複合表現及び複合表現によって生成される任意の仮想画像は、運動の1以上の段階中(例えば、肺の吸気/呼気サイクル中)の変形可能な解剖学的領域の静止姿勢を表すことがある。
【0054】
仮想ナビゲーション処置中、センサシステム108を使用して、患者Pの解剖学的構造に対する医療器具104の近似場所を計算してよい。その場所を使用して、患者Pの解剖学的構造のマクロレベル(外部)トラッキング画像及び患者Pの解剖学的構造の仮想内部画像の両方を生成することができる。システムは、1以上の電磁(EM)センサ、光ファイバセンサ、及び/又は他のセンサを実装して、仮想視覚化システムからのもののような術前に記録された手術画像と共に医療器具を位置合わせ及び表示してよい。例えば、その全文を参照によって本明細書に援用する(「Medical System Providing Dynamic Registration of a Model of an Anatomic Structure for Image-Guided Surgery」を開示する)(2011年5月13日に出願された)特許文献1は、1つのそのようなシステムを開示している。遠隔操作医療システム100は、更に、照明システム、操縦制御システム、洗浄システム、及び/又は吸引システムのような、任意的な操作及びサポートシステム(図示せず)を任意的に更に含んでよい。幾つかの実施形態において、遠隔操作医療システム100は、1つよりも多くの遠隔操作マニピュレータアセンブリ及び/又は1つよりも多くのマスタアセンブリを含んでよい。遠隔操作マニピュレータアセンブリの正確な数は、他の要因の中でも、手術処置と手術室内の空間的制約に依存する。マスタアセンブリ106は、同じ場所に配置されてよく、或いは、それらは、別個の場所に位置付けられてよい。複数のマスタアセンブリは、1人よりも多くのオペレータが様々な組み合わせにおいて1以上の遠隔操作マニピュレータアセンブリを制御することを可能にする。
【0055】
図2Aは、幾つかの実施形態に従った医療器具システム200の簡略図である。幾つかの実施形態において、医療器具システム200は、遠隔操作医療システム100で実行される画像誘導医療処置において医療器具104として使用されてよい。幾つかの例において、医療器具システム200は、遠隔操作されない探索的処置のために、又は内視鏡のような従来的な手動操作医療器具を含む処置において使用されてよい。任意的に、医療器具システム200は、患者Pのような患者の解剖学的通路内の場所に対応するデータポイントのセットを集める(すなわち、測定する)ために使用されてよい。
【0056】
医療器具システム200は、駆動ユニット204に連結される、可撓性カテーテルのような、細長い部材202を含む。幾つかの実施形態において、駆動ユニット204は、マニピュレータアセンブリ102に連結されてよく、或いはマニピュレータアセンブリ102内に一体化されてよい。細長い部材202は、近位端217と遠位端218とを有する可撓体216を含む。幾つかの実施態様において、可撓体216は、約3mmの外径を有する。他の可撓体の外径は、より大きくてよく、或いはより小さくてよい。
【0057】
医療器具システム200は、以下に更に詳細に記載するような1以上のセンサ及び/又は撮像デバイスを使用して、可撓体216に沿う遠位端218の及び/又は1以上のセグメント224の位置、向き、速さ、速度、姿勢、及び/又は形状を決定するためのトラッキングシステム230を更に含む。遠位端218と近位端217との間の可撓体216の全長は、セグメント224に効果的に分割されてよい。医療器具システム200が、遠隔操作医療システム100の医療器具104、トラッキングシステム230と一致するならば、トラッキングシステム230は、
図1の制御システム112のプロセッサを含んでよい1以上のコンピュータプロセッサと対話するか或いは1以上のコンピュータプロセッサによって他の方法で実行されるハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせとして任意的に実装されてよい。
【0058】
トラッキングシステム230は、形状センサ222を使用して、遠位端218及び/又はセグメント224のうちの1以上を任意的にトラッキング(追跡)してよい。形状センサ222は、(例えば、内部チャネル又は管腔(図示せず)内に設けられた或いは外部的に取り付けられた)可撓体216と整列させられる光ファイバを任意的に含んでよい。1つの実施形態において、光ファイバは、約200μmの直径を有する。他の実施形態において、寸法は、より大きくてよく、或いはより小さくてよい。形状センサ222の光ファイバは、可撓体216の形状を決定するための光ファイバ曲げセンサを形成する。1つの代替では、ファイバブラッググレーティング(FBC)を含む光ファイバが、1以上の次元において構造におけるひずみ測定を提供するために使用される。三次元における光ファイバの形状及び相対位置をモニタリング(監視)する様々なシステム及び方法は、(「Fiber optic position and shape sensing device and method relating thereto」を開示する)(2005年7月13日に出願された)特許文献2、(「Fiber-optic shape and relative position sensing」を開示する)(2004年7月16日に出願された)特許文献3、及び(「Optical Fibre Bend Sensor」を開示する)(1998年6月17日に出願された)特許文献4に記載されており、それらの全ての全文を参照により本明細書に援用する。幾つかの実施形態におけるセンサは、レイリー散乱、ラマン散乱、ブルリアン散乱、及び蛍光散乱のような、他の適切なひずみ感知技法を利用してよい。幾つかの実施形態において、細長い部材の形状は、他の技法を用いて決定されてよい。例えば、可撓体216の遠位端姿勢の履歴を使用して、時間間隔に亘る可撓体216の形状を再構成することができる。幾つかの実施形態において、トラッキングシステム230は、任意的に及び/又は追加的に、位置センサシステム220を使用して遠位端218をトラッキングしてよい。位置センサシステム220は、外部的に生成される電磁場に曝されることがある1以上の導電性コイルを含む位置センサシステム220を備えるEMセンサシステムのコンポーネントであってよい。その場合、EMセンサシステムの各コイルは、外部的に生成される電磁場に対するコイルの位置及び向きに依存する特性を有する誘導電気信号を生成する。幾つかの実施形態において、位置センサシステム220は、6つの自由度、例えば、3つの位置座標X、Y、Z、及び基点のピッチ、ヨー、及びロールを示す3つの向き角、又は5つの自由度、例えば、3つの位置座標X、Y、Z、及び基点のピッチ及びヨーを示す2つの向き角を測定するように構成及び位置決めされてよい。位置センサシステムの更なる記述は、(「Six-Degree of Freedom Tracking System Having a Passive Transponder on the Object Being Tracked」を開示する)(1999年8月11日に出願された)特許文献5に提供されており、その全体を参照により本明細書に援用する。
【0059】
幾つかの実施形態において、トラッキングシステム230は、代替的に及び/又は追加的に、呼吸のような交互の運動のサイクルに沿う器具システムの既知のポイントについて格納される履歴的な姿勢、位置、又は向きデータに依存してよい。この格納されるデータは、可撓体216に関する形状情報を開発するために使用されてよい。幾つかの例では、位置センサ220内のセンサに類似する電磁(EM)センサのような一連の位置センサ(図示せず)が、可撓体216に沿って位置決めされてよく、次に、形状感知のために使用されてよい。幾つかの例では、特に解剖学的通路が概ね静止的であるならば、処置中に取られるこれらのセンサのうちの1以上からのデータの履歴を使用して、細長い部材202の形状を表現してよい。
【0060】
可撓体216は、医療器具226を受け入れるようなサイズ及び形状にされたチャネル221(
図2B)を含む。
図2Bは、幾つかの実施形態に従って延在された医療器具226を備える可撓体216の簡略図である。幾つかの実施形態において、医療器具226は、手術、生検、切除、照明、洗浄、又は吸引のような処置のために使用されてよい。医療器具226は、可撓体216のチャネル221を通じて展開されることができ、解剖学的構造内の標的場所で使用されることができる。医療器具226は、例えば、画像キャプチャプローブ、生検機器、レーザアブレーションファイバ、及び/又は他の外科ツール、診断ツール、又は治療ツールを含んでよい。医療ツールは、メス、鈍らなブレード、光ファイバ、電極、及び/又は同等物のような、単一の作業部材を有する、エンドエフェクタを含んでよい。他のエンドエフェクタは、例えば、鉗子、グラスパ、ハサミ、クリップアプライヤ、針ドライバ、開創器、安定器、及び/又は同等物を含んでよい。他のエンドエフェクタは、電気手術電極、トランスデューサ、センサ、及び/又は同等物のような、電気的に活性化されたエンドエフェクタを更に含んでよい。様々な実施形態において、医療器具226は、標的解剖学的構造場所から試料組織又は細胞のサンプリングを除去するために使用されてよい、生検器具である。医療器具226は、可撓体216内でも画像キャプチャプローブと共に使用されてよい。様々な実施形態において、医療器具226は、表示のために視覚化システム231によって処理され且つ/或いは遠位端218及び/又はセグメント224のうちの1以上のトラッキングをサポートするためにトラッキングシステム230に提供される、(ビデオ画像を含む)画像を取り込むために可撓体216の遠位端218又はその付近に立体視又は平面視カメラを備える遠位部分を含む、画像キャプチャプローブであってもよい。画像キャプチャプローブは、取り込んだ画像データを送信するためにカメラに連結されるケーブルを含んでよい。幾つかの例において、画像キャプチャ器具は、視覚化システム231に連結するファイバースコープのような光ファイバ束であってよい。画像キャプチャ器具は、例えば、可視スペクトル、赤外スペクトル、及び/又は紫外スペクトルのうちの1以上において画像データを取り込む、単一又は複数スペクトルであってよい。代替的に、医療器具226自体が画像キャプチャプローブであってよい。医療器具226は、処置を行うためにチャネル221の開口部から前進させられてよく、処置が完了したときにチャネル内に後退させられてよい。医療器具226は、可撓体216の近位端217から又は可撓体216に沿う別の任意的な器具ポート(図示せず)から取り除かれてよい。
【0061】
医療器具226は、医療器具226の遠位端を制御可能に曲げるためにその近位端と遠位端との間に延びるケーブル、リンク装置(リンケージ)、又は他の作動制御装置(図示せず)を追加的に収容してよい。操縦可能な器具は、(「Articulated Surgical Instrument for Performing Minimally Invasive Surgery with Enhanced Dexterity and Sensitivity」を開示する)(2005年10月4日に出願された)特許文献6及び(「Passive Preload and Capstan Drive for Surgical Instruments」を開示する)(2008年9月30日に出願された)特許文献7に詳細に記載されており、それらの全文を参照により本明細書に援用する。幾つかの実施形態において、医療器具226は、医療器具226の遠位端部に固定される或いは医療器具226の遠位端部に一体化された関節作動可能なリストに固定される、前述のもののようなエンドエフェクタを含んでよい。ケーブル、リンケージ、又は他の作動制御装置を使用して、エンドエフェクタの作動(例えば、把持、ピンチング、及び/又は切断作動)を制御してよく、或いは関節作動可能なリストを介してエンドエフェクタの位置決めを制御してよい。そのようなケーブル、リンケージ、又は他の作動制御装置は、駆動ユニット204のような駆動ユニット内の機構で終端してよく、そのような機構によって制御されてよい。
【0062】
可撓体216は、例えば、遠位端218の破線描写219によって示すように、遠位端218を制御可能に曲げるために、駆動ユニット204と遠位端218との間に延びるケーブル、リンケージ、又は他の操縦制御装置(図示せず)を収容してもよい。幾つかの例では、少なくとも4つのケーブルが、遠位端218のピッチを制御するための「上下」ステアリング及び遠位端218のヨーを制御するための「左右」ステアリングを独立して提供するために使用される。操作可能な細長い部材は、(「Catheter with Removable Vision Probe」を開示する)(2011年10月14日に出願された)特許文献8に詳細に記載されており、その全文を参照により本明細書に援用する。医療器具システム200が遠隔操作アセンブリによって作動される実施形態において、駆動ユニット204は、遠隔操作アセンブリのアクチュエータのような駆動要素に取り外し可能に連結し、そのような駆動要素から電力を受け取る、駆動入力部を含んでよい。幾つかの実施形態において、医療器具システム200は、医療器具システム200の動きを手動制御するために、把持構成、手動アクチュエータ、又は他のコンポーネントを含んでよい。細長い部材202は、操縦可能であってよく、或いは、代替的に、システムは、遠位端218の曲げのオペレータ制御のための一体化された機構を備えずに操縦不能であってよい。幾つかの例では、医療器具を展開して標的手術場所で使用することができる1つ以上の管腔が可撓体216の壁に画定される。
【0063】
幾つかの実施形態において、医療器具システム200は、肺の検査、診断、生検、又は治療における使用のために、気管支鏡又は気管支カテーテルのような、可撓気管支器具を含んでよい。医療器具システム200は、結腸、腸、腎臓及び腎杯、脳、心臓、血管系を含む循環系、及び同等器官を含む、様々な解剖学的系のうちのいずれかにおいて自然に又は外科的に作られた接続された通路を介した、他の組織のナビゲーション及び治療にも適している。
【0064】
トラッキングシステム230からの情報は、ナビゲーションシステム232に送信されてよく、それは視覚化システム231からの情報及び/又は術前に得られたモデルと組み合わされて、リアルタイムの位置情報が医師又は他のオペレータに提供される。幾つかの例において、リアルタイムの位置情報は、医療器具システム200の制御における使用のために、
図1のディスプレイシステム110に表示されてよい。幾つかの例において、
図1の制御システム116は、医療器具システム200を位置決めするためのフィードバックとして位置情報を利用してよい。手術器具を手術画像と位置合わせして表示するために光ファイバセンサを使用するための様々なシステムが、特許文献1に提供されており、その全文を参照により本明細書に援用する。
【0065】
幾つかの例において、医療器具システム200は、
図1の医療システム100内で遠隔操作されてよい。幾つかの実施形態において、
図1のマニピュレータアセンブリ102は、直接オペレータ制御と置換されてよい。幾つかの例において、直接オペレータ制御は、器具のハンドヘルド (手持ち式)操作のための様々なハンドル及びオペレータインターフェースを含んでよい
【0066】
図3A及び
図3Bは、幾つかの実施形態に従った、挿入アセンブリに取り付けられた医療器具及び患者を治療するための位置の簡略化された側面図である。
図3A及び
図3Bに示すように、手術環境300は、
図1の手術台Tに位置付けられた患者Pを含む。患者Pは、患者の肉眼的な運動が鎮静、拘束、及び/又は他の手段によって制限されるという意味で、手術環境内で静止的であってよい。患者Pの呼吸及び心臓の動きを含む周期的な解剖学的運動は、患者が息を止めて呼吸の動きを一時的に停止させるように求められない限り、継続されることがある。従って、幾つかの実施形態において、データは、呼吸の特定の位相で集められ、その位相でタグ付けされ、識別されることがある。幾つかの実施形態において、データが収集される位相は、患者Pから収集される生理学的情報から推測されてよい。手術環境300内で、バックエンド機構304を器具キャリッジ306に取り外し可能に連結することができる。幾つかの実施形態において、バックエンド機構304は、遠位端318のピッチを制御するための上下ステアリング及び遠位端318のヨーを制御するための左右ステアリングを独立して提供するために使用されるケーブルのための作動コンポーネントを収容するハウジングで形成されてよい。加えて、バックエンド機構304は、EMセンサ、形状センサ、及び/又は他のセンサモダリティを含んでよく、且つ/或いは、感知モダリティを細長い部材310のような器具に連結するコネクタを提供してよい。
【0067】
器具キャリッジ306は、手術環境300内に固定される挿入ステージ308に取り付けられることができる。代替的に、挿入ステージ308は、移動可能であってよいが、手術環境300内に(例えば、トラッキングセンサ又は他のトラッキングデバイスを介して)既知の場所を有してよい。器具キャリッジ306は、挿入運動(すなわち、A軸に沿う動き)を制御し、そして、任意的に、ヨー、ピッチ、及びロールを含む多方向における細長い部材310の遠位端318の動きを制御する、遠隔操作マニピュレータ又は非遠隔操作マニピュレータアセンブリ(例えば、マニピュレータアセンブリ102)のコンポーネントであってよい。器具キャリッジ306又は挿入ステージ308は、挿入ステージ308に沿う器具キャリッジ306の動きを制御する、ヨー/ピッチにおける細長い部材310の遠位端318の動きを制御する、且つ/或いは長手軸に沿う細長い部材310のロール運動を制御する、サーボモータ(図示せず)のようなアクチュエータを含んでよい。
【0068】
細長い部材310は、バックエンド機構304に連結される。バックエンド機構304は、器具キャリッジ306に対して連結され、固定される。幾つかの実施形態では、光ファイバ形状センサ314が、バックエンド機構304上の近位ポイント316に固定される。幾つかの実施形態では、光ファイバ形状センサ314の近位ポイント316が、バックエンド機構304と共に移動可能であってよいが、近位ポイント316の場所は、(例えば、トラッキングセンサ又は他のトラッキングデバイスを介して)知られていてよい。形状センサ314は、近位ポイント316から遠位端318又は細長い部材310の遠位部分に沿うポイントのような別のポイントへの形状を測定する。
【0069】
位置測定デバイス320は、バックエンド機構が挿入軸Aに沿って挿入ステージ308上を移動するときのバックエンド機構304の位置に関する情報を提供する。位置測定デバイス320は、レゾルバ、エンコーダ、ポテンショメータ、及び/又は器具キャリッジ306の動作を制御し、結果的に、バックエンド機構304の動作を制御するアクチュエータの回転及び/又は向きを決定する他のセンサを含んでよい。幾つかの実施態様において、挿入ステージ308は、線形である。幾つかの実施形態において、挿入ステージ308は、湾曲してよく、或いは湾曲セクションと線形セクションとの組み合わせを有してよい。
【0070】
図3Aは、挿入ステージ308に沿う後退位置においてバックエンド機構304及び器具キャリッジ306を示している。この後退位置において、近位ポイント316は、軸A上の位置L
0にある。挿入ステージ308に沿うこの位置において、近位ポイント316の場所のコンポーネントが、ゼロ及び/又は別の基準値に設定されて、挿入ステージ308上の器具キャリッジ306、よって、近位ポイント316の位置を記述するベース参照が提供されてよい。バックエンド機構304及び器具キャリッジ306のこの後退位置を用いて、細長い部材310の遠位端318は、患者に対して近位に、例えば、患者Pの入口オリフィスの直ぐ内側、直ぐ外側、又はその他の近傍に位置付けられてよい。この位置において、位置測定デバイス320も、ゼロ及び/又は別の基準値(例えば、I=0)に設定されてよい。
図3Bにおいて、バックエンド機構304及び器具キャリッジ306は、挿入ステージ308の線形軌道に沿って前進しており、細長い部材310の遠位端318は、患者P内に前進している。この前進位置において、近位ポイント316は、軸A上の位置L
1にある。幾つかの例では、挿入ステージ308に沿う器具キャリッジ306及び/又は器具キャリッジ306及び/又は挿入ステージ308と関連付けられる1以上の位置センサの移動を制御する1以上のアクチュエータからのエンコーダ及び/又は他の位置データが、位置L
0に対する近位ポイント316の位置L
xを決定するために使用される。幾つかの例において、位置L
xは、細長い部材310の遠位端318が患者Pの解剖学的構造の通路内に挿入される距離又は挿入深さのインジケータ(指標)として更に使用されてよい。
【0071】
図3Aにおいて、バックエンド機構304は、取付平面(mounting plane)を画定することがある取付面460(mounting face)を含む。インターフェース領域と呼ぶ取付面460の一部分は、器具キャリッジ306に対して配置される一方で、非インターフェース領域と呼ぶ取付面460の別の部分は、器具キャリッジ306の縁(エッジ)を越えて外方に突出する。見て分かるように、細長い部材310は、バックエンド機構304から延出し、取付面460から出て、器具キャリッジ306を越えている。
【0072】
図4、
図5、及び
図8は、
図3A及び
図3Bからの器具キャリッジ306から独立し、細長い部材310の近位部分319を含む、バックエンド機構304の斜視図である。
図4は、部分的に分解された状態におけるバックエンド機構304を示しており、
図5は、より完全に分解された状態におけるバックエンド機構304の一部分を示している。
図8は、ハウジング400の一部分が透明である、組立状態のバックエンド機構304を示している。これらの図を参照すると、バックエンド機構304は、カバー402と、シャーシ404とを含む、ハウジング400を含む。視覚化を容易にするために、カバー402は、
図5に示されていない。シャーシ404は、複数の操縦コンポーネント406と、複数の駆動コンポーネント408と、支持体取付具410(support fixture)と、ファイバコネクタ412と、発射領域取付具414(launch region fixture)とを担持する(carries)。細長い部材310の近位部分319は、ハウジング400を通じて延び、ハウジング400内で終端する。
図4及び
図5は、細長い部材310の近位部分319から発射領域取付具414まで延びる形状センサ314も示しており、そして、複数のコイルパイプ417も示しており、細長い部材から延びる複数のコイルパイプ内に配置されるプルワイヤ416(引張ワイヤ)を備える。コイルパイプ417及びプルワイヤ416は、細長い部材310から複数の操縦コンポーネント406までも延びる。カバー402とシャーシ404とを含むハウジング400は、器具キャリッジ306(
図3A及び
図3B)に選択的に取り付け可能であり、手術環境から操縦及び感知コンポーネントを安全に保護するコンパクトな管理可能なユニットを提供する。幾つかの実装において、コイルパイプ417は、支持体取付具410に対して固定される近位末端(terminal proximal end)を有してよい。プルワイヤ416は、コイルパイプ417内の管腔を通じて延び、コイルパイプ417の近位末端から延出し、操縦コンポーネント406及び駆動コンポーネント408の周りを通る(route)。
【0073】
カバー402は、
図4、
図6及び
図7に示されている。
図6は、シャーシ及びシャーシによって担持されるコンポーネントから独立して、透明図においてカバー402を示している。
図7は、
図6の線7-7に沿って取られたカバー402の断面図を示している。カバー402は、操縦コンポーネント406、駆動コンポーネント408、及びシャーシ404によって担持される他のコンポーネントを覆い且つ保護するようなサイズ及び構成にされたキャビティ430を含んでよい。キャビティ430への開口432は、シャーシ404とインターフェース接続するような形状にされた縁433によって画定される。図示の実装において、カバー402は、開口432とは反対方向に延びる突出ボス436を含む。この実装において、突出ボス436は、細長い部材310が通じて延びることがある通路438を含む。突出ボス436の幾つかの例示的な実装は、細長い部材310の一部分のネジ山のような対応する接続構成と協働する、1つ以上の螺旋ネジ山のような接続構成を含む。
図4及び
図5を参照すると、細長い部材310は、近位部分319に係止コネクタ442を含むように示されている。幾つかの実施態様において、係止コネクタ442は、細長い部材310の近位部分319とインターフェース接続するように配置されたルアー取付具又は他のコネクタである。係止コネクタ442は、他の医療デバイスコンポーネントへの接続を許容することがある。
【0074】
図示の実装において、カバー402は、形状センサ314がサービスループ434(service loop)(
図8)を形成するように成形されるときに形状センサ314を案内し且つ拘束する一方で、発射領域取付具414から細長い部材310の近位部分319までの形状センサの可変な長さ又は弛み(slack)を可能にする、内部的な湾曲したサービスループガイドスロット444(service loop guide slot)を含む。換言すれば、内部ガイドスロット444は、形状センサ314のサービスループ434の可変な半径及び高さを提供する。可変の弛みは、ファイバが細長い部材の中心線又は曲げの中立軸から離れて配置されるので、カテーテルが屈曲すると、ファイバが細長い可撓シャフトの管腔に入れ子式に出入りさせられることの故に生じる。実装に依存して、上述したように光ファイバであってよい形状センサ314が、その形状感知区域内で厳しい曲げを受けないことが、形状感知精度のために重要なことがある。加えて、形状センサは、厳しい半径で曲げられるならば、故障を被ることがある。幾つかの実装において、サービスループ434は、発射領域取付具414から延出し、ガイドスロット444を通じて、細長い部材310の近位部分319に入り、細長い部材310の遠位端318に至ってよい(
図3A及び3B)。幾つかの実装では、厳しい曲げがサービスループ434を形成する形状センサ314部分の測定可能なひずみ要素を妨げて、データの正確性及び予測可能性がより少ない感知をもたらすことがある。同様に、これは細長い部材310の遠位端の場所を決定する際の精度の低下を引き起こし得る。
【0075】
カバー402の内部ガイドスロット444は、滑らかで十分なサイズの円弧においてサービスループ434を支持し、サービスループ434は、そこから細長い部材310の近位部分319を出て、発射領域取付具414内で終端するよう湾曲する。この実装において、内部ガイドスロット444は、サービスループ434が細長い部材から発射領域取付具414まで180°湾曲することを可能にする。従って、
図7に最良に見られるように、ガイドスロット444は、形状センサ314が配置されることがある滑らかな円弧表面446に沿ってサービスループ434を案内する。幾つかの実装において、形状センサ314は、直線構成に向かって自然に付勢されてよい。従って、サービスループ434は、発射領域取付具414から細長い部材310まで湾曲してよい。図示の実装において、内部ガイドスロット444は、また、1つ以上の安定化ガイド又は安定化ガイドリブセット448によって部分的に画定される。図示の実装は、キャビティ430内の円弧を描く表面446に沿って離間された2つの安定化ガイドリブセット448を含む。安定化ガイドリブセット448は、サービスループ434が通じて延びることがあるガイドスロット444の狭い開口を形成する。幾つかの実装において、狭い開口は、形状センサ314の直径よりも僅かにだけ大きい幅を有してよい。このようにして、形状センサ314は、細長い部材310の測定される位置の精度を妨害又は低下させることがある方法で形状センサ314の横方向の動きを最小限に抑えながら、所定の場所に維持されることがある。ここで、安定化ガイドリブセット448は、最小の厚さを有し、円弧を描く表面446からカバー402の開口432に向かって延びる。幾つかの実装において、カバー402は、フィンを提供するように成形され、フィンは、サービスループ434を収容する。幾つかの実装において、サービスループ434は、非対称である。幾つかの実装において、ガイドスロット444及び円弧を描く表面446は、細長い部材310及び発射領域取付具414と協働して、最小180°円弧角を有するループを有する形状センサを維持する。180度の円弧角を有する実装は、ファイバコネクタ及び細長い部材を互いに平行であるように整列させることがある。従って、バックエンド機構の連結は単純化されることがある。何故ならば、オペレータは、単に細長い部材310を押し込み、次に、ファイバコネクタ412を係合し、次に、(以下に記載する)運動学的マウントを押し込むからである。幾つかの実装において、形成されるループは、180°よりも大きい円弧角を有してよい。例えば、実装に依存して、ループは、90~270度の範囲内の円弧角内に入ることがあるが、他の円弧範囲、より大きい円弧及びより小さい円弧の両方が想定される。幾つかの代替的な実施形態は、カテーテル入力に対して垂直なファイバコネクタを有してよく、その場合、円弧角は、約90度であってよい。
【0076】
幾つかの実装において、カバー402は、バックエンド機構304のためのハンドラ把持表面として機能することがある。従って、カバー402は、人間の手による便利な把持のために成形され且つサイズ決定されてよい。
【0077】
シャーシ404は、バックエンド機構304のコンポーネントを支持するように構成される。例えば、シャーシ404は、操縦コンポーネント406、駆動コンポーネント408、支持体取付具410、ファイバコネクタ412、及び発射領域取付具414を支持してよい。シャーシ404は、取付面460と、対向する操縦コンポーネント支持面462とを含んでよい。複数の開口が、シャーシ404を通じて操縦コンポーネント支持面462から取付面460まで延びる。例えば、シャーシ404は、細長い部材開口464と、駆動コンポーネント開口466と、ファイバコネクタ開口468とを含む。細長い部材310は、細長い部材開口464を通じて延び、駆動コンポーネント408は、駆動コンポーネント開口466を通じて延び、ファイバコネクタ412は、ファイバコネクタ開口468を通じて延びる。これらの開口は、バックエンド機構304の外側部分を形成するコンポーネントとバックエンド機構304のハウジング400内に配置されるコンポーネントとの間の電気的又は機械的接続を提供するために使用されてよい。取付面460は、器具キャリッジ306とインターフェース接続するように構成されてよい。幾つかの実装において、器具キャリッジ306は、駆動モータのような駆動機構を含んでよく、駆動機構は、バックエンド機構304の駆動コンポーネント408とインターフェース接続し、バックエンド機構304の駆動コンポーネント408を駆動させ、例えば、プリント回路アセンブリ806(
図10)とインターフェース接続することがある電気通信インターフェースを提供することがあるピン又は他のコネクタを含んでよい。
【0078】
図9は、操縦コンポーネント支持面462をより詳細に示している。
図5及び
図9の両方を参照すると、操縦コンポーネント支持面462は、複数の突出ボスと、操縦コンポーネント406、駆動コンポーネント408、及び支持体取付具410を支持するような形状及び構成とされた構成とを含む。この実装において、操縦コンポーネント支持面462は、支持突起472を含み、各支持突起は、操縦コンポーネント406の一部分を支持する。
図9に最良に見られるように、この実装において、支持突起472は、それぞれ間隙474(ギャップ)によって分離された一対の壁473a、473bで構成されてよい。壁473a、473bは、それぞれ、プーリ心棒を支持するようなサイズ及び形状とされたトラフ475(谷)(trough)を含み、プーリホイール486が、後述のように、間隙474内に配置されてよい。
【0079】
図示の実装において、支持突起472は、駆動コンポーネント開口466のうちの1つに隣接して配置されている。各駆動コンポーネント開口466は、ポケット476を形成するシャーシ404の円形壁によって取り囲まれている。ポケット476は、駆動コンポーネント408のようなコンポーネントを所定の場所に安定させ、固定する。ポケットを形成する円形壁は、以下で議論するように、プルワイヤが自由に引っ張られる或いは操縦コンポーネントから分離されるのを防止するよう、操縦コンポーネント406の少なくとも一部分と協働するようなサイズとされる内径を有する。この実装において、各ポケット476は、プルワイヤ416のうちの1つを通過させるのに十分な幅を有するようなサイズとされたスリット477を含む。スリット477は、支持突起472の壁473a、473bの間の間隙474に面するか、或いはそのような間隙474と整列させられる。それは整列突起478にも面する。整列突起478は、プルワイヤの通過のためにスリット477と整列させられたスリット478aを含む。それはプーリのホイールに隣接して嵌合するように成形され、プーリが緩むことがあるときでさえも、プルワイヤがプーリから外れるのを防止するように構成される。この実装において、整列突起478は、プーリの溝内に嵌合するように成形される一方で、プルワイヤがプーリから延出し、整列突起478のスリット478aを通じ、スリット477を通じ、駆動コンポーネント408の一部分を形成するキャプスタンに至ることを可能にする。
【0080】
前壁479が、細長い部材開口464と他の開口との間に配置されている。図示の実装において、シャーシ404の操縦コンポーネント支持面462は、カバー402の縁433を受け入れることがある周辺溝480(peripheral groove)を含む。幾つかの実施態様において、周辺溝480及び縁433は、ハウジング400内への流体の侵入を遮蔽又は封止し且つ防止するように協働してよい。他の実装において、シャーシ404は、突出縁を含んでよく、カバー402は、シャーシの突出縁を受け入れる受け溝を含んでよい。他の遮蔽又は封止構成が想定される。
【0081】
操縦コンポーネント406は、細長い部材310から延びるプルワイヤ416を駆動コンポーネント408に方向付けるように構成される。プルワイヤ416は、上述のように、細長い部材310の遠位端318を変位させるために軸方向に締め付けられてよく、或いは緩められてよい。各操縦コンポーネント406は、ホイール486と心棒488とを含むプーリ484を含む。この実装において、心棒は、細長い部材310の近位部分319の軸に対して実質的に直交するように配置されている。ここで、心棒488は、ホイール486が回転する軸を画定する。ホイール486は、心棒488についての自由な回転を可能にするために、低摩擦プーリ材料で形成されてよい。幾つかの実装において、低摩擦プーリ材料は、低摩擦軸受を備えるステンレス鋼又はアルミニウムのような金属である一方で、他の実施態様において、低摩擦プーリ材料は、非限定的に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アセタール(POM)、ポリアミド、及び他のもののような、ポリマ材料であり、これらの全ては、任意的に、PTFE、シリコーンオイル、パラフィンワックス、及び他のもののような複合された又は塗布された潤滑剤によって強化されてよい。ホイール486は、弛んだループがプーリホイールの外壁を越えてプーリ溝中心線から逸脱するときを含めて、プルワイヤ内の弛んだループを再捕捉するように構成された溝489として本明細書に図示され且つ言及される、深いV字形のプルワイヤ支持面を含んでよい。加えて、溝489は、捕捉を助けるように広くてよい。幾つかの実装において、プルワイヤの弛みは、細長い部材310の曲げ間に生成されることがある。溝489の幅は、たとえ弛みがプルワイヤを溝489から一時的に取り除くとしても、プルワイヤをホイール486上に再び方向付けることがある。幾つかの実装において、プルワイヤは、約0.015~約0.003インチの範囲の直径を有してよい。溝489は、約0.070~約0.250の幅を有してよいが、より大きい又はより小さい溝が想定される。幾つかの実施態様において、プルワイヤの直径と溝との比は、約27対1である。幾つかの実装において、溝489の幅は、ホイール486の直径の約10%~約30%の範囲内であってよい。しかしながら、他の直径、幅及び比が想定される。幾つかの実装において、プルワイヤは、プルワイヤが弛みを有するときに、横方向変位を引き起こす曲がりを有することがある。広い溝は、溝489内へのプルワイヤの再捕捉を助けることがある。溝489は、細長い部材310の軸と交差する接線基準線と整列させられてよく、或いはそれからオフセットされてよい。心棒488は、シャーシ404の支持突起472上の各端で支持されてよい。溝489の幾つかの実装は、V形状である。これらの実装の一部は、90°のV形状溝を含むことがある。他の実装は、約45度~135度の間であってよい角度を有するV形状溝を含んでよい。更に他のものが想定される。溝489は、ワイヤ上の弛みがワイール上に自動的に戻って留まる程に十分に広いようなサイズとされてよい。幾つかの実装では、溝489のピッチ直径とプルワイヤの直径との比は、約35:1~約10:1の範囲内にあってよい。しかしながら、他のサイズ比が想定される。
【0082】
駆動コンポーネント408(
図5)は、プルワイヤ416とインターフェース接続してよく、器具キャリッジ306上のモータによって駆動させられてよい。従って、駆動コンポーネント408は、プルワイヤ416における張力を増大及び減少させて、細長い部材310の遠位端318での移動をもたらしてよい。図示の実装において、各駆動コンポーネント408は、軸方向に延びるシャフト510を備える入力ディスク500と、キャプスタン504と、回転リミットリング516とを含んでよい。幾つかの実装では、中央に配置された係止シャフト506が、軸方向に延びるシャフト510及びキャプスタン504の中央開口を通じて延在する。
【0083】
図11~
図13は、駆動コンポーネント408をより詳細に示している。
図10は、入力ディスク500が容易に見えるバックエンド機構304の斜視底面図を示している。
図11は、組立状態の入力ディスク500及びキャプスタン504を含む単一の駆動コンポーネント408を示している。
図12は、分解状態の入力ディスク500及びキャプスタン504を含む単一の駆動コンポーネント408を示している。
図13は、他の駆動コンポーネントから独立したキャプスタン504を示している。
【0084】
これらの図を参照すると、入力部材と呼ぶこともある入力ディスク500は、器具キャリッジ306(
図3A及び3B)上の対応する出力ディスク(図示せず)とインターフェース接続するように構成されている。入力ディスク500は、ヘッド508と、軸方向に延びるシャフト部分510とを含んでよい。シャフト部分510は、ヘッド508から延びている。この実装において、シャフト部分510は、シャーシ404の駆動コンポーネント開口466を通じてハウジング400の外側からシャーシ404の操縦コンポーネント支持面462まで延びている。入力ディスク500のヘッド508は、シャーシ404の取付面460に配置されてよく、器具キャリッジ306上の出力ディスクと連結してよい。ヘッド508を器具キャリッジ306上の出力ディスクに連結することによって、器具キャリッジ306上のモータの回転は、入力ディスク500及び駆動コンポーネント408の対応する回転をもたらすことがある。
【0085】
幾つかの実施形態において、入力ディスク500は、器具キャリッジ306上の対応する出力ディスクの面とインターフェース接続し且つ係合し、出力ディスクから駆動コンポーネント408にトルクを加えるように構成された、底面514を含む。実装に依存して、底面514は、駆動コンポーネント408にトルクを加えるために使用されることがあるポケット、凹部、スプライン、突起、又は他の構成のような、出力ディスクと機械的に係合する構成を有してよい。また、入力ディスク500のヘッド508は、シャフト部分510及び軸受524(
図12)を流体の侵入から遮蔽することもある。追加的な遮蔽は、シャーシ404の取付面460が器具キャリッジ306に取り付けられるときに、シャーシ404の取付面460が器具キャリッジ306と嵌合する形状及び程度に起因してよい。
【0086】
入力ディスク500の幾つかの実装は、軸方向に延びる回転リミッタ512(rotation limiter)を含む。回転リミッタ512は、プルワイヤ416を曲げるか或いは破壊することがある閾値位置を超える入力ディスク500の逆回転運動を停止させる。図示の実装において、回転リミッタ512は、ヘッド508からシャフト部分510の方向に上方に延びる突起である。入力ディスク500がシャフト部分510について回転すると、回転リミッタ512は、回転制限リング516(rotation limit ring)上の対応する突出回転ストップ518と係合することがある。回転リミッタ512及び回転制限リング516は、具体的には、プルワイヤを張力付けること又は張力付け解除することによって操縦を提供するのに十分な回転を許容する一方で、弱いポイントに過度の応力を加えることがある方法で順回転方向又は逆回転方向のいずれかにおける過剰回転を防止するように位置付けられてよい。具体的には、回転リミッタ512は、回転制限リング516と共に、入力ディスク500の1つよりも多くの回転を可能にする一方で、機構を保護するために回転を制限する。更に、入力回転リミッタ512は、バックエンド機構304が器具キャリッジ306上のモータ出力から切り離されている間に、プルワイヤ及び内部機構を入力部の回転から保護することがある。また、回転リミッタ及び制限リングは、モータトルクが入力ディスク500のうちの1つ以上に加えられている間にバックエンド機構が器具キャリッジ306から取り外される場合に、プルワイヤ及び機構を保護する。
【0087】
図11に最良に見られるように、回転制限リング516上の突出回転ストップ518は、回転リミッタ512の高さよりも大きい厚さ又は高さを有する。回転リミッタ512は、シャーシ404の一部分に固定された或いはシャーシ404の一部分を形成する回転ストップに対して機械的に係合することなく、突出回転ストップ518と機械的に係合するように選択される、高さを有してよい。対照的に、突出回転ストップ518は、シャーシ404の一部分に固定される或いはシャーシ4040の一部分を形成する回転リミッタ512及び回転リミッタ512の両方と係合するようなサイズ及び位置にされてよい。回転制限リング516はシャーシ404上の回転ストップと係合する前にシャーシ404に対して略360°回転されることがあるので、並びに入力ディスク500は回転制限リング516に対して略360°回転されることがあるので、シャーシに対する入力ディスク500によって許容される全体的な回転は、360°よりも大きくてよく、720°未満であってよい。回転停止構成によって許容される回転の量は、回転リミッタ512及び突出回転ストップ518の円周方向厚さ(circumferential thickness)を調整することによって、変化させられてよい。
【0088】
加えて、回転リミッタ512は、器具がモータ出力部から切り離されている間に、プルワイヤを入力ディスクの回転から保護することがある。回転リミッタ512は、モータが入力部にトルクを加えている間に入力ディスク500が器具キャリッジ306から係合解除されるならば、プルワイヤ416を反跳誘発逆屈曲(recoil induced reverse bending)から保護することもある。幾つかの実装において、回転リミッタは、キャプスタン504の溝540からのプルワイヤの脱線を防止するのを助けることもある。
【0089】
軸方向に延びるシャフト部分510は、ヘッド508から延び、円筒状部分520と、非円筒状部分522とを含む。軸受524が、円筒状部分520の周りに配置されてよい。キャプスタン504は、非円筒状部分522の周りに配置されてよい。非円筒状部分522は、キャプスタン504が入力ディスク500に回転的に固定されることを保証することがある。
図12において、非円筒状部分522は、六角形の形状を有するが、他の多角形、スプライン、星状多角形、及び他の非円筒状の形状が使用されてよく、想定される。
【0090】
図13は、キャプスタン504を示している。キャプスタン504は、円筒状の外面530と、非円筒状の内面532と、端面534とを含む。上述のように、非円筒状の内面532は、入力ディスク500の軸方向に延びるシャフト部分510の非円筒状の部分522の周りに嵌合するように構成される。従って、この実装において、非円筒状の内面532は、六角形の形状を有するが、他の形状が想定される。端面534は、クリンプスロット536(crimp slot)を含む。この実装において、クリンプスロット536は、プルワイヤ416のうちの1つのプルワイヤの圧着端(crimped end)を受け入れるように成形される。クリンプスロット536は、端面534から軸方向に内方に延び、スロット開口538で円筒状の外面530と交差する。この実装において、クリンプスロット536は、球根状部分と、狭い部分とを含む。球根状部分は、クリンプ取付部を含むプルワイヤ416の球根状端を受け入れるように構成されてよく、プルワイヤのより狭い部分は、スロット開口538から延びる。
図13において、円筒状の外面530は、円周方向溝540(circumferential groove)を含む。この実装において、円周方向溝540は、外側の円筒状の外面530の周りに完全に延在する。スロット開口538の一部分が、円周方向溝540と交差し、プルワイヤ416は、スロット開口538から延びてよく、円周方向溝540内でキャプスタン504の周りに巻き付けられてよい。この実装において、円周方向溝540は、非対称である。すなわち、円周方向溝540の一部分は、半径方向溝の別の部分よりも幅が広い。このようにして、円周方向溝540は、キャプスタン504の周りのプルワイヤの単一よりも多くの巻き(wrap)を収容するように構成されてよい。図示の実装において、円周方向溝540は、スロット開口538で比較的より大きな幅を有し、スロット開口538に隣接するがスロット開口538の背後の場所で比較的より小さな幅を有する。幾つかの実装において、円周方向溝540は、追加的なワイヤの巻きが互いに重なり合わないように、螺旋状の溝であってよい。そのようなオーバーラップ(重なり合い)は、プルワイヤに局部的な高い応力を生じさせ得るし、場合によっては、プルワイヤが故障させることがある。
【0091】
この実装では、
図9を参照して記載したように、キャプスタン504は、シャーシ404の一部分として形成されたポケット476内に嵌合する。ポケット476は、プルワイヤ416がポケット476から出て1つだけの方向においてプーリ溝489に向かうことを可能にする一方で、ポケット476は、プルワイヤ416を全ての他の方向において保持する、スリット477を含む。よって、バックエンド機構304が器具キャリッジ306から取り外され、従って、キャプスタンに対するトルクがないときでさえも、プルワイヤ416は、シャーシ404のスリット477内に依然として維持される。幾つかの実装において、ポケット476は、キャプスタン504の周りに延在する内壁476a(
図9)を含む。内壁476aは、キャプスタン504の直径よりも僅かに大きい直径を有してよい。幾つかの実装では、間隙がポケット476の内壁476aとキャプスタン504の外周530との間に形成されてよい。実装に依存して、この間隙は、プルワイヤの直径の2倍又は2倍より少ない、好ましくは、プルワイヤの直径よりも少ないサイズとされてよい。例えば、直径0.007インチのプルワイヤを使用する実装において、ポケット476の内壁476aとキャプスタン504の外周との間の間隙は、約0.007インチ~約0.005インチ以下の範囲内にあってよい。この隙間は、たとえプルワイヤに弛みがあるときでさえも、プルワイヤがキャプスタン504の溝540から外れることを防止することがある。従って、ポケット476は、キャプスタン504上にプルワイヤを保持するのを補助することがある。図示の実装において、ポケット476は、シャーシ404の一部分としてモノリシックに形成される。特に、間隙がプルワイヤの直径の2倍以下であることが望ましい。好ましい実装は、プルワイヤの直径以下のサイズの間隙を有する。他の好ましい実装は、プルワイヤの直径の約2倍以下の間隙を有する。
【0092】
図17は、キャプスタン504がシャーシ404とは別のコンポーネントとして形成されたポケット490内に嵌合する実装を示している。ここでは、ポケット490を浮動ポケットと呼ぶ。何故ならば、ポケットは、シャーシ404に取り付けられていないからである。図示の例において、ポケット490は、円周壁として形成された丸い本体491と、本体491から外側に延びる少なくとも1つのウイング492(翼)と、本体491にあるスリット494とを含んでよい。ここで、本体491は、キャプスタン504の周辺(periphery)の周りに適合する(印されていない)比較的円筒状の内面を含む。幾つかの例において、浮動ポケット490は、キャプスタン504の外径又は周辺530と接触してよい。
図17は、本体491から半径方向に外方に延びる2つのウイング492を示している。これらの突出するウイング492は、シャーシのコンポーネント又は他のコンポーネントと協働してキャプスタン504と一緒のポケット490の回転を防止する機械的ストップとして作用することがある。この実装において、シャーシ404は、2つの突出ストップ495を含み、各突出ストップ495は、ウイング492のうちの1つと機械的に干渉して、1つの方向におけるポケット490の回転を制限するように配置される。共に作用して、突出ストップ495及びウイング492は、回転を制限又は防止するので、スリット494は、プーリ484のホイール486と協働する整列突起478のスリット478aと実質的に整列させられたままである。スリット478aをプルワイヤ出口間隙と呼ぶこともある。図示の実装において、スリット494は、ポケット490の軸方向長さに延在する。従って、スリット494は、ポケット490が撓むことを許容することがあり、それによって、その内径を弾性的に変化させることがある。浮動ポケット490の幾つかの実装は、キャプスタン504が浮動ポケット490内で回転することを可能にする比較的低い摩擦を有するようにサイズ決定されてよく、或いは弾性的に形成されてよい。そうすることによって、スリット494は、たとえキャプスタン504がポケット490内で回転するとしても、ホイール486と依然として整列することがある。
【0093】
幾つかの実装において、ポケット490は、ポケット490の内壁がキャプスタン504の外周530と接触するように、キャプスタンの直径よりも僅かに小さな内径を有する自然の状態においてサイズ決定される。ポケット490の弾性的な性質の故に、キャプスタンは、ポケット490に対して回転することがある。しかしながら、緊密な嵌合は、プルワイヤに弛みがあるときでさえも、プルワイヤがキャプスタン504から外れるのを防止することがある。従って、ポケット490は、キャプスタン504にある溝540内にプルワイヤを保持するのを補助することがある。幾つかの実装において、ポケット490は、キャプスタン504にある溝540内にプルワイヤを保持するために、キャプスタンの実質的に全周の周りに軽いバネ接触を維持するように構成される。
【0094】
図示の例において、ポケット490の本体491は、端がスリット494を形成するロール状のストリップとして成形される。本体491の形状は、キャプスタン504上の接触力、摩擦係数、及び結果として生じる摩擦ドラグトルクを有利に減少させるコンプライアントな(compliant)低摩擦プラスチック材料から成形されることもできる。他の端の上への1つの端の重なり合いは、「6」の形状を形成し、湾曲した部分491aは、実質的に円筒状の本体491を形成し、線形部分491bは、スリット494で円の接線から延びる。しかしながら、他の形状が想定される。例えば、別の態様において、本体491は、キャプスタン504の周囲に沿って離間する間隔でキャプスタン504と接触してよい。
【0095】
図9は、キャプスタン504がプーリ484に対して所定の場所にあるシャーシ404を示している。プーリ484の心棒488は、キャプスタン504の回転軸802に対して直交する回転軸800を画定する。この実施形態において、キャプスタン504の回転軸は、細長い部材202の長手方向軸と実質的に平行でもある。このため、プーリ484の回転軸は、細長い部材の長手軸に対して実質的に直交する。
【0096】
図14は、支持体取付具410の追加的な詳細を示している。この実施形態において、支持体取付具410は、操縦コンポーネント406及び駆動コンポーネント408を所定の場所に固定するためにシャーシ404に付着するように構成される。図示の具体的な実施形態において、突出結節(projecting nubs)又はポスト(posts)として示される整列要素580(
図9)は、支持体取付具410上のノッチ(notches)又は結節受入孔(nub-receiving apertures)として示される整列要素582(
図14)と協働するようにシャーシ404上に配置される。幾つかの実装において、
図9の整列要素580の細長いポスト580aは、
図14の整列要素582の図示の細長い穴582aと係合して、支持体取付具410をシャーシ404と正確に整列させる。
図9の整列要素580の円形結節は、
図14の整列要素の円形穴と係合し、
図14の円形穴のカウンタシンク内に熱かしめされて(heat staked)、支持体取付具410をシャーシ404に締め付ける(fasten)。支持体取付具410が所定の場所にあるならば、プーリ484の心棒488は、支持突起472のトラフ475内に固定される。同様に、駆動コンポーネント408は、適切な場所で支持体取付具410に固定されてよい。
【0097】
図示の実装において、支持体取付具410は、コイルパイプ417を保持し且つプルワイヤ416をプーリ484内の溝489と整列させるように構成されたコイルパイプマウント584も含むので、プルワイヤ416は、プーリ484にある溝の底に対応する高さに配置される。コイルパイプマウント584は、支持体取付具410内にモノリシックに形成されてよく、この実装では、細長い部材310の遠位端まで延びるコイルパイプ417とインターフェース接続するように構成される管状パイプ要素588を受け入れるようなサイズ及び構成とされたトラフ586を含む。説明を容易にするために、1つの管状パイプ要素588のみが
図14に示されている。管状パイプ要素588は、内側通路を含み、内側通路の内側で、コイルパイプ417が結合される一方で、プルワイヤ416は、プーリ484のホイール486の溝489の両方を通じて延びる。コイルパイプ417は、コイルパイプマウント584で締め付けられ、コイルパイプマウント584は、コイルパイプがプーリ484に向かって近位に移動するのを防止する。
【0098】
ここで
図5に戻ると、ファイバコネクタ412は、シャーシ404の取付面460から突出する。整合する受入れコネクタ(図示せず)が、器具キャリッジ306上に配置される。ファイバコネクタ412は、形状センサ314からの情報を器具キャリッジ306に通信し、最終的には、制御システム112に通信する。
【0099】
発射領域取付具414は、
図5、
図8及び
図14に示されている。発射領域取付具414は、形状センサ314の近位端を剛的に支持するように構成された一連の安定化コンポーネントで構成される。この実施形態において、発射領域取付具414は、支持体取付具410の一部分に取り付けられ、移動又は不整列を防止するために形状センサ314をピンチする2つのクランプ590及び592を含む。この実装において、2つのクランプ590及び592は、細長い部材がハウジング400から出るときに細長い部材の軸と実質的に平行な軸に沿って互いに離間して配置される。クランプを介して固定されているように記載されているが、他の実装において、発射領域取付具414は、接着剤又は他の付着機構を介して形状センサ314に付着してよい。発射領域取付具414から、形状センサ314は、
図4に示すように、180°回転し、細長い部材310に入る。
【0100】
ここで一般的な動作を参照すると、細長い部材の円周(circumference)に沿って90°だけ離間させられた、4つのプルワイヤ416を利用する実装において、各プルワイヤが細長い部材310の遠位端に固定され、細長い部材の遠位端から延びることは、留意するに値する。代替的な実施形態では、各プルワイヤが細長い部材310の遠位端から延びる、所望の操縦構成に依存して細長い部材の円周に沿って様々な距離で離間させられた、任意の数のプルワイヤが利用されてよい。本明細書では単一のプルワイヤの実装が記載されているが、この実装は、細長い部材310を作動させるプルワイヤの各々に適用されてよいことが留意されるべきである。プルワイヤの近位端は、本明細書に記載のキャプスタンに巻き付けられてよい。ヨー又はピッチのような同じ軸における関節作動を提供するプルワイヤは、バックエンド機構304内で互いに対角に位置付けられるキャプスタンの周りに巻き付けられてよい。幾つかの実装において、各プルワイヤ416は、細長い部材310の遠位区画に連結されるコイルパイプ417を通じて走る。各コイルパイプ417は、プルワイヤ416とペアにされて、細長い部材の長さを細長い部材の遠位部分まで延ばし、細長い部材を近位部分で出る。細長い部材におけるプルワイヤ及びコイルパイプの例は、参照により本明細書に援用する2017年7月21日に出願された「Flexible Elongate Devices Systems and Methods」という名称の特許文献9に見出されることがある。幾つかの実装において、コイルパイプ及びその中に配置されるプルワイヤは、バックエンド機構304の細長い部材310から出る。幾つかの実装において、各コイルパイプ及びその中に配置されるプルワイヤは、細長い部材310から支持体取付具410に進み、90°曲がる。その場合、コイルパイプ417は、管状パイプ要素588を収容するコイルパイプマウント584で支持体取付具410に固定される末端で終端してよい。コイルパイプ417は、管状パイプ要素588を通じて進んで終端し、管状パイプ要素588の内側で結合されるが、プルワイヤ416は、管状パイプ要素588を通過し、管状パイプ要素588を越え、プーリ484のホイール486の周りに進み(route)、次に、キャプスタン504の周りに巻き付いて、最終的に、キャプスタン504のクリンプスロット536内に固定される。細長い部材から管状パイプ要素588へのコイルパイプにおける曲げは、細長い部材を曲げること又は操縦することによって誘発されることがあるピストン作用(pistoning)又は軸方向変位のための若干の弛みも提供する。
【0101】
本明細書に記載するように、キャプスタン504は、プーリ484から直角に方向付けられる。このこと及びプルワイヤをプーリの周りで180度経路指定することは、プルワイヤ内のより大きな半径の曲げを可能にすることがある一方で、コンパクトなサイズのバックエンド機構304を依然として提供する。加えて、ポケット476の壁にあるスリット477は、プーリ484のホイール486と協働する整列突起478と組み合わされて、プルワイヤへの支持をもたらし、プルワイヤが軌道から外れるように弛んで変位するようになるリスクを減少させる。更に、コイルパイプと管状パイプ要素588との整列は、プーリ溝ピッチ円に対する接線に沿ってプーリ内にプーリワイヤを給送することがある。よって、コイルパイプは、プルワイヤをプーリ溝内に整列させるのを助ける。幾つかの実装において、コイルパイプは、それらを所定の場所に固定するために、例えば、接着剤を用いて、管状パイプ要素588に接着されてよい。他の付着方法も使用されてよい。
【0102】
実装に依存して、幾つかの実装において光ファイバである形状センサは、細長い部材内のファイバ管腔を通じて細長い部材の遠位端から近位部分に進み、バックエンド機構304内で終端することによって、細長い部材内に一体化されてよい。幾つかの実装において、ファイバは、細長い部材から出て、180°曲がり、発射領域取付具を通過し、ファイバコネクタ内で終端する。発射領域取付具は、原点として並びに較正のために形状感知中に使用される既知の線形構成において形状センサを保持する。幾つかの実装において、形状センサは、同心状の、重い壁の、小さな内径の、金属チューブで作られる、ハイポチューブに埋め込まれる。幾つかの実装において、ハイポチューブは、0.0143ID×0.020壁、304ステンレス鋼ハイポチューブであるように選択され、ハイポチューブ内のファイバを結合するためにショアA40デュロメータシリコーンゴム接着剤/シーラントが使用される。幾つかの実装において、形状センサの近位部分は、接着剤又は接着剤でハイポチューブ内に接着される。形状センサ314は、発射領域取付具から細長い部材の遠位端までの形状感知データを得ることがある。更に、サービスループ434は、形状センサ314が、細長い部材内で長手方向に軸方向に変位するインスタンスに順応することがある。サービスループ434は、形状センサ314が細長い部材の遠位部分に固定されることがあり、形状センサ314が細長い部材202の可撓体216のような細長い部材の可撓体に含まれる管腔内に浮く例において、そのような変位又はピストン作用に順応することがある。
【0103】
図示の実装では、
図3Aを参照すると、バックエンド機構304は、直交方向において器具キャリッジ306に取り付けられる。すなわち、器具キャリッジ306内の作動モータは、それらの回転軸が細長い部材310の挿入軸に平行なように位置付けられる。本明細書に記載するように、
図10を参照すると、シャーシ404の取付面460は、入力ディスク500の面514を含むので、細長い部材開口464、駆動コンポーネント開口466は、両方とも平行軸を有する。すなわち、各々は、シャーシ404の取付面460から延びる軸を有する。この実施では、ファイバコネクタ412も、取付面460から細長い部材310の方向に延びる。幾つかの実施態様では、
図10を参照すると、取付面460の一部分のみが器具キャリッジ306と実装にインターフェース接続する。例えば、幾つかの実装において、取付面460は、インターフェース部分526と、非インターフェース部分528とを含む。インターフェース部分526は、入力ディスク500とファイバコネクタ412とを含む部分であってよい。インターフェース部分526は、
図3Aの器具キャリッジ306に当接してよい。非インターフェース部分528は、インターフェース部分526と並列してよい。この実装において、非インターフェース部分528は、細長い部材が延びる細長い部材開口464を含む。従って、ファイバコネクタ412及び入力ディスク500の面514が器具キャリッジ306と係合し且つインターフェース接続する間であっても、細長い部材310が器具キャリッジ306を通過せずに並びに器具キャリッジ306による干渉なしに細長い部材開口464を通じて延びることがあるように、細長い部材310は器具キャリッジ306の側面を越えて取付面460の非インターフェース部分から突出するように配置されてよい。幾つかの実装は、器具キャリッジ306と通信することがあるプリント回路アセンブリ806も含む。
【0104】
依然として
図10を参照すると、インターフェース部分526は、器具キャリッジ306と係合するように構成される複数のマウント560を含んでよい。幾つかの実装において、インターフェース部分526は、特定の姿勢におけるバックエンド機構の位置決め及び方向付けにおける安定性及び反復性を提供する運動学的マウントを提供するように成形され構成された3つのマウント560を含む。運動学的マウントを使用することは、バックエンド機構が係合解除されて再係合されるときでさえも、測定の信頼性及び精度を向上させることがある。図示の実施形態において、取付面460のマウント560は、各々が器具キャリッジ306上に対応するボール又は半球形のヘッドを収容するV形状の溝又はスロットで形成される。3つのボール(又は半球形のヘッド)及びV形状の溝は、バックエンド機構の反復可能で安定した取付けのために協働する。図示の実装において、マウント560の各々は、ボール(又は半球形のヘッド)を収容する窪み又はポケットを一緒に形成する2つの交差する直交して方向付けられたV形状の溝を含む。図示の例示的な実施形態において、各マウント560のV形状の溝のうちの1つは、対応する他のV形状の溝よりも広く或いはそのような溝とは異なっては角度付けられる。より広いV形状の溝は、ボール又は半球形のヘッドがV形状の溝によって形成される窪み又はポケットに容易に入ることを可能にすることがある。より狭いV形状の溝は、ボール又は半球形のヘッドを器具キャリッジ306に対して正確な位置に案内することがある。このため、運動学的マウントは、器具キャリッジ306に対するバックエンド機構の反復可能で正確な位置決めを行う。参照のために、
図10は、3つの基準軸780a、780b、及び780cを含み、各基準軸は、3つのマウント560のより狭いV形状の溝と整列させられる。見ることができるように、基準軸780a、780b、及び780cは、それぞれ、異なる方向に延び、それによって、運動学的マウントに安定性を提供すると同時に、交差する直交するV形状の溝の各々は、ボール又は半球形のヘッドをより狭い安定化するV形状の溝に案内する容易な整列を可能にする。3つの基準軸780a、780b、及び780cの不整列は、6つの自由度における望ましくない変位を防止する。
【0105】
図15及び
図16は、器具キャリッジ700及びバックエンド機構750の他の実装及び図を示している。器具キャリッジ700及びバックエンド機構750の原理及び教示は、器具キャリッジ306及びバックエンド機構304に実装されることがあり、含まれることがある。
【0106】
図15の器具キャリッジ700は、バックエンド機構750上のプリント回路アセンブリと通信(連通)することがある複数のポゴピン702を含む。器具キャリッジ700は、出力ディスク704と、雌ファイバコネクタ706と、運動学的マウントコンポーネント708と、ラッチレバー710とを含む。出力ディスク704は、器具キャリッジ700上に担持されるモータによって駆動させられ、バックエンド機構の入力ディスクと係合することがある。雌ファイバコネクタ706は、バックエンド機構上に突出ファイバコネクタを受け入れることあり、運動学的マウントコンポーネント708は、バックエンド機構上の対応する運動学的マウントコンポーネントと係合するような形状及び構成にされてよい。この実装において、運動学的マウントコンポーネント708は、バックエンド機構上のV溝スロットと係合するように固定的に配置されたボール又は半球である。ラッチレバー710は、器具キャリッジ700の対応する側面から突出してよく、器具キャリッジにバックエンド機構を係合し且つ固定するように構成されてよい。
【0107】
図16のバックエンド機構750は、プリント回路アセンブリ752と、入力ディスク754と、マウント756と、キャリッジラッチコネクタ758と、ファイバコネクタ759とを含む、取付面751を有する。プリント回路アセンブリ752は、器具キャリッジ700上のポゴピン702と通信(連通)してよい。入力ディスク754は、出力ディスク704と係合し、出力ディスク704によって駆動されてよい。マウント756は、器具キャリッジ700上に運動学的マウントコンポーネント708を受け入れるように配置されたV形状の溝であってよい。キャリッジラッチコネクタ758は、ラッチレバー710を受け入れるスロットとして示されている。この実施形態において、キャリッジラッチコネクタ758は、バックエンド機構750の両側に配置されている。加えて、ラッチレバー710は、矢じり形状の要素のようなコネクタを含んでよく、キャリッジラッチコネクタ758は、バックエンド機構750が器具キャリッジ700上の所定の場所にスナップ留めされることを可能にする方法で矢じり形状の要素と係合するように構成されるショルダ(肩部)を含んでよい。他のコネクタが想定される。幾つかの実装において、ラッチコネクタは、流体の侵入を防止するために、封止された領域の外側に配置される。ある態様において、コネクタは、流体の侵入を防止するシールド又はシールを含む。幾つかの実装において、接続は、ユーザによって片手で実行されてよい。見て分かるように、バックエンド機構750の取付面は、細長い部材開口760を含み、細長い部材762は、細長い部材開口760を通じて延びる。本明細書の他の実装に記載し且つ図示するように、取付面751は、細長い部材開口760と非インターフェース部分とを備える、インターフェース部分と非インターフェース部分とを有する。すなわち、器具キャリッジ700のポゴピンがバックエンド機構750の回路アセンブリ752と整列させられるとき、取付面751の非インターフェース部分は、器具キャリッジ700の側面を越えて上方に突出する。従って、細長い部材開口760は、器具キャリッジ700とインターフェース接続しない場所に配置される。取付面751がポゴピン702を含むことがあり、器具キャリッジがプリント回路アセンブリ752を含むことがあるように、幾つかの実装が逆の状態で配置されたコンポーネントを有することは、留意するに値する。
【0108】
幾つかの実装において、バックエンド機構750は、段階的な係合及び整列プロセスを用いて器具キャリッジ700に取り付けられてよい。これは器具キャリッジ700上へのバックエンド機構の片手での低力の正確な装着を可能にすることがある。そうする際に、入力ディスクは、出力ディスクと係合することがある。幾つかの実装において、係合の順序は、嵌合構成の高さ又は長さによって決定され、より少ない制約及び反復可能性からより多い制約及び反復可能性の嵌合構成へ連続的に進行する。係合の順序において、これは、細長い部材762の嵌合と、後続の光ファイバコネクタの嵌合と、バックエンド機構750のスロットに入るキャリッジラッチレバーの嵌合を含む。この後にV形状の溝の運動学的マウントシートに入るボールマウントが続く。理解を容易にするために、
図10を参照して図示し且つ記載した基準軸780a、780b、及び780cも、運動学的マウント756の方向と整列させられたものとして
図16で特定されている。幾つかの実装において、
図16のマウント756は、
図10を参照して記載したマウント560の機能を実行することがある。このときに、ポゴピンは、プリント回路アセンブリ接点パッドと接触する。最後のステップにおいて、出力ディスクは、入力ディスクのスロットと係合するように回転してよい。最後に、バックエンド機構750内のプリント回路アセンブリは、偽造を回避するために、ファイバ較正情報、シリアル番号、ツールタイプ情報、使用カウント情報、及び暗号化データを通信してよい。
【0109】
幾つかの実装において、バックエンド機構304は、器具キャリッジ306に連結されるので、器具キャリッジは、患者Pに向かって又は患者Pから離れて前進させられることがある(
図3A及び
図3Bを参照)。
図18は、バックエンド機構304を器具キャリッジ306のような挿入アセンブリに連結する例示的な方法1800のフローチャートを示している。それは1802で開始し、細長い部材310を患者に導入することを含む。本明細書に記載するように、細長いデバイスは、形状センサ314を含んでもよい。この段階では、細長いデバイスの遠位部分のみが患者に導入されることがある。
【0110】
1804で、バックエンド機構は、ファイバコネクタが器具キャリッジ上の対応するコネクタと係合するまで、器具キャリッジを細長いデバイスの方向に前進させることによって、器具キャリッジ306と係合してよい。幾つかの実装において、ファイバコネクタは、所定の場所にスナップ留めされてよい。
【0111】
1806で、取付面に配置されて、バックエンド機構から器具キャリッジに向かって突出することがある、ラッチインターフェース496(
図4及び
図10)は、器具キャリッジにあるレセプタクルに導入されてよい。ラッチレバー710を含む実施形態も係合を開始してよい。
【0112】
1808で、マウント756は、運動学的マウントコンポーネント708を受け入れる。V形状の溝を有するマウントの実施形態は、一貫した反復可能な位置決めを可能にすることがある。幾つかの実装において、運動学的マウントコンポーネント708は、半球形ボールとして成形され、マウントは、本明細書に記載する方法で全ての6つの自由度においてバックエンド機構の十分な拘束を達成するために、運動学的マウントコンポーネントの半球形ボールを正確な場所に案内してよい。
【0113】
器具キャリッジ及びバックエンド機構の特定のインターフェース構成は、本明細書に記載の原理から逸脱することなく、一方から他方に切り替えられてよいことが留意されるべきである。例えば、器具キャリッジは、運動学的マウントコンポーネントを含んでよく、バックエンド機構は、マウントを含んでよい。
【0114】
幾つかの実装において、ラッチ機構は、生検針ハンドルに加えられるユーザ力及び駆動反力に対抗する高い剛性を提供しながら、挿入軸キャリッジのモータ出力に対するバックエンド機構の片手装着を可能にする。
【0115】
幾つかの実装において、キャリッジ上のラッチコネクタはバネ荷重され、バックエンド機構を器具キャリッジから解放するために対向する側面によって圧搾されてよい。幾つかの実装において、ハウジング及び入力部を覆うカバーに対するクランプは、完全に浸水した洗浄及び高水準消毒プロセスの間の流体の侵入を防止することがある。
【0116】
手術器具及び手術方法に対する如何なる参照も非限定的である。何故ならば、本明細書に記載する器具及び方法は、動物、人間の死体、動物の死体、人間又は動物の解剖学的構造の部分、非外科的診断、産業システム、及び一般的なロボット又は遠隔操作システムに使用されることがあるからである。
【0117】
例示的な実施形態を図示し且つ記載したが、広範囲の修正、変更及び置換が、前述の開示において想定され、ある場合には、実施形態の幾つかの構成は、他の構成の対応する使用を伴わずに利用されてよい。当業者は、多くの変形、代替、及び修正を認識するであろう。よって、本発明の範囲は、後続の請求項によってのみ限定されるべきであり、請求項は、本明細書に開示する実施形態の範囲と一致する方法で広義に解釈されることが適切である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0118】
【特許文献1】米国特許出願第13/107,562号明細書
【特許文献2】米国特許出願第13/180,389号明細書
【特許文献3】米国特許出願第12/047,056号明細書
【特許文献4】米国特許第6,389,187号明細書
【特許文献5】米国特許第6,380,732号明細書
【特許文献6】米国特許第7,316,681号明細書
【特許文献7】米国特許出願第12/286,644号明細書
【特許文献8】米国特許出願第13/274,208号明細書
【特許文献9】米国仮特許出願第62/535,673号明細書
【外国語明細書】