(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023515
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】非らせんカット配列を有する微細加工医療デバイス
(51)【国際特許分類】
A61M 25/00 20060101AFI20240214BHJP
A61M 25/09 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
A61M25/00 632
A61M25/09 550
A61M25/09 510
【審査請求】有
【請求項の数】45
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023204371
(22)【出願日】2023-12-04
(62)【分割の表示】P 2019565193の分割
【原出願日】2018-05-25
(31)【優先権主張番号】62/511,605
(32)【優先日】2017-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/595,425
(32)【優先日】2017-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515246317
【氏名又は名称】サイエンティア・バスキュラー・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】デイビス,クラーク・シー
(72)【発明者】
【氏名】リッパート,ジョン・エイ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】良好なトルク能力を維持しながら可撓性を提供するための微細加工された特徴を有する、カテーテルおよびガイドワイヤデバイス等の介入的デバイスを提供する。
【解決手段】介入的デバイスが、複数の周方向に延びるリングを結合する複数の軸方向に延びるビームを画定する穿孔の配列を有する細長い部材500を含む。穿孔は、結果として得られるビームが細長い部材の長さに沿って分散した非らせんおよび非直線パターンを形成するように配列されている。穿孔のパターンは、それによって好ましい曲げ軸を最小化または除去する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁および内部管腔を有する細長い部材であって、前記壁を通って延び前記管腔を露出させる複数の穿孔を含み、前記複数の穿孔は、複数の軸方向に延びるビームおよび複数の周方向に延びるリングを画定する、細長い部材を備え、
前記ビームは、前記細長い部材の長さに沿って配列されて、非らせんおよび非直線パターンを形成する介入的デバイス。
【請求項2】
前記介入的デバイスは、マイクロカテーテルデバイスである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記マイクロカテーテルデバイスは、ポリエーテルエーテルケトンまたはニチノールから少なくとも部分的に形成されている、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記介入的デバイスは、ガイドワイヤである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記ガイドワイヤは、コアを含み、前記細長い部材は、前記コアの遠位セクションが前記チューブ構造の少なくとも一部分中に入るように、前記コアに結合されたチューブ構造として形成されている、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記コアの遠位セクションの外面と前記チューブ構造の内面との間に設置されるように、前記チューブ構造内部に配設された1つまたは複数のコイルを更に備える、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記コアは、ステンレス鋼またはニチノールから形成されている、請求項5または請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記チューブ構造は、ニチノールから形成されている、請求項5~7のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記穿孔は、1-ビーム、2-ビームカット、3-ビームまたは4以上-ビームパターンに配列されている、請求項1~8のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記細長い部材は、セグメントの連続から形成され、それぞれのセグメントは、第1の対の周方向に対向したビームと、前記第1の対のビームから約90度だけ回転方向にオフセットされている第2の対の周方向に対向したビームと、を含む、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記非らせんおよび非線形パターンは、分散パターンを含み、前記分散パターンは、0度位置に設置されるように画定された前記細長い部材の第1のビーム対を含み、連続ビーム対が、回転オフセット制限を上回ることなくビーム位置の放射方向分散を最大にするように前記第1のビーム対から回転方向にオフセットされ、前記回転オフセット制限は、あるセグメントから次のセグメントへの許容回転を制限する、請求項1~10のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記回転オフセット制限は、1つのビーム対から次のビーム対までの前記回転オフセットを約60から120度まで、約70から110度までまたは約80から100度までの値に限定する、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
連続ビーム対が、前記回転オフセット制限を上回ることなく最大の残りの位置的な間隙
の中間点の近くに配置されている、請求項11または請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記連続セグメントは、最大の残りの位置的な間隙の前記中間点に、前記回転オフセット制限が許容する限り近くに配置されている、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記分散パターンは、約1から30度までの位置的な粒状度を有する、請求項11~14のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項16】
前記分散パターンは、0.1度から1度までの位置的な粒状度を有する、請求項11~15のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項17】
前記回転オフセット制限は、30度よりも大きい、請求項11に記載のデバイス。
【請求項18】
前記非らせんおよび非直線パターンの少なくとも一部分は、不完全ランプパターンを含む、請求項1~17のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項19】
前記不完全ランプパターン内部の1組の3つの連続セグメントまたはビーム対は、同じ回転オフセットに従って間隔をおいていない、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記不完全ランプパターンは、1つのビーム対から次のビーム対までに不完全回転オフセットを含み、前記不完全回転オフセットは、一定値±可変修正値に等しい、請求項18または請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
前記可変修正値は、5から15度までの範囲に及ぶ、請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記不完全ランプパターンは、2-ビーム構成を有し、前記不完全回転オフセットの前記一定値部分は、約90度である、請求項20または請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記非らせんおよび非直線パターンの少なくとも一部分は、のこぎり歯状パターンを含む、請求項1~22のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項24】
前記のこぎり歯状パターンは、セクションが方向を逆にする前に前記細長い部材の周全体のまわりに重ならないように周期的に方向を逆にする回転オフセットを含む、請求項23に記載のデバイス。
【請求項25】
前記のこぎり歯状パターンは、第1の頂点および第2の頂点を含み、前記のこぎり歯状パターンの回転オフセットは、前記第1または第2の頂点に到達すると方向を逆にする、請求項23または請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
前記第1および第2の頂点は、約90度だけ分離されている、請求項25に記載のデバイス。
【請求項27】
壁および内部管腔を有する細長い部材であって、前記壁を通って延び前記管腔を露出させる複数の穿孔を含み、前記複数の穿孔は、分散パターンに配列された、複数の軸方向に延びるビームおよび複数の周方向に延びるリングを画定する、細長い部材を備え、
前記分散パターンは、0度位置に配置されるように画定された前記細長い部材の第1のビーム対を含み、連続ビーム対が、回転オフセット制限を上回ることなくビーム位置の放射方向分散を最大化するように前記第1のビーム対から回転方向にオフセットされ、前記回転オフセット制限は、あるセグメントから次のセグメントへの許容回転を制限する介入的デバイス。
【請求項28】
前記回転オフセット制限は、1つのビーム対から次のビーム対までの前記回転オフセットを約60から120度までの値、約70から110度までの値または約80から100度までの値に限定する、請求項27に記載のデバイス。
【請求項29】
連続ビーム対が、最大の残りの位置的な間隙の中間点の、前記回転オフセット制限が許容する限り近くに配置されている等、前記回転オフセット制限を上回ることなく最大の残りの位置的な間隙の中間点の近くに配置されている、請求項27または請求項28に記載のデバイス。
【請求項30】
前記分散パターンは、約1から30度までまたは約0.1度から1度までの位置的な粒状度を有する、請求項27~29のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項31】
前記回転オフセット制限は、30度よりも大きい、請求項27~30のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項32】
壁および内部管腔を有する細長い部材であって、前記壁を通って延び前記管腔を露出させる複数の穿孔を含み、前記複数の穿孔は、不完全ランプパターンに配列された、複数の軸方向に延びるビームおよび複数の周方向に延びるリングを画定する、細長い部材を備え、
前記不完全ランプパターン内の1組の3つの連続セグメントまたはビーム対が、同じ回転オフセットに従って間隔をあけていない介入的デバイス。
【請求項33】
前記不完全ランプパターンは、1つのビーム対から次のビーム対までに不完全回転オフセットを含み、前記不完全回転オフセットは、一定値±可変修正値に等しい、請求項32に記載のデバイス。
【請求項34】
前記可変修正値は、5から15度までの範囲に及ぶ、請求項33に記載のデバイス。
【請求項35】
前記不完全ランプパターンは、2-ビーム構成を有し、前記不完全回転オフセットの前記一定値部分は、約90度である、請求項32~34のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項36】
壁および内部管腔を有する細長い部材であって、前記壁を通って延び前記管腔を露出させる複数の穿孔を含み、前記複数の穿孔は、のこぎり歯状パターンに配列された、複数の軸方向に延びるビームおよび複数の周方向に延びるリングを画定する、細長い部材を備え、
前記のこぎり歯状パターンは、セクションが方向を逆にする前に前記細長い部材の周全体のまわりに重ならないように周期的に方向を逆にする回転オフセットを含む介入的デバイス。
【請求項37】
前記のこぎり歯状パターンは、第1の頂点および第2の頂点を含み、前記のこぎり歯状パターンの回転オフセットは、前記第1または第2の頂点に到達すると方向を逆にする、請求項36に記載のデバイス。
【請求項38】
前記第1と第2の頂点とは、約90度だけ分離されている、請求項37に記載のデバイス。
【請求項39】
前記介入的デバイスは、マイクロカテーテルデバイスまたはガイドワイヤデバイスである、請求項27~38のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項40】
前記介入的デバイスは、コアを含むガイドワイヤであり、前記細長い部材は、前記コアに結合されたチューブ構造として形成されることにより、前記コアの遠位セクションが前記チューブ構造の少なくとも一部分中に入る、請求項39に記載のデバイス。
【請求項41】
前記コアの遠位セクションの外面と前記チューブ構造の内面との間に配置されるように前記チューブ構造内部に配設された1つまたは複数のコイルを更に備える、請求項40に記載のデバイス。
【請求項42】
前記コアは、ステンレス鋼またはニチノールから形成されている、請求項40~41のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項43】
前記チューブ構造は、ニチノールから形成されている、請求項40~42のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項44】
前記穿孔は、1-ビーム、2-ビームカット、3-ビーム、または4以上-ビームパターンに配列されている、請求項27~43のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項45】
前記細長い部材は、セグメントの連続から形成され、それぞれのセグメントは、第1の対の周方向に対向したビームと、前記第1の対のビームから約90度だけ回転方向にオフセットされている第2の対の周方向に対向したビームと、を含む、請求項44に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2017年5月26日に出願された、名称が「Micro-Fabricated Medical Device having a Distributed Cut Arrangement」である米国仮特許出願第62/511,605号、および2017年12月6日に出願された、名称が「Micro-Fabricated Medical Device having a Non-Helical Cut Arrangement」である米国仮特許出願第62/595,425号に対する優先権およびそれらについての利益を主張する。上記出願の全ては、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002]ガイドワイヤおよびカテーテルなどの介入的デバイスは、人体内深いところで繊細な処置を行うために医療分野においてしばしば利用される。典型的には、カテーテルは、患者の腿血管、橈骨血管、頸動脈血管、または頸静脈血管に挿入され、必要に応じて心臓、脳、または他の目標の解剖学的構造まで患者の血管系を通じてナビゲートされる。しばしば、ガイドワイヤは、まず目標の解剖学的構造へ送られ、続いて1つまたは複数のカテーテルは、ガイドワイヤによって通され、目標の解剖学的構造へ送られる。配置された後で、カテーテルは、薬物、ステント、塞栓性デバイス、放射線不透過性染料、または患者を所望のやり方で治療するための他のデバイスもしくは物質を送達するために使用できる。
【0003】
[0003]多くの用途において、そのような介入的デバイスは、目標の解剖学的構造に到達するために、血管系通路の曲がりくねった曲げ部および曲線を通って曲げられなければならない。例えば、ガイドワイヤおよび/またはカテーテルを神経血管系の部分まで導くには、内頸動脈および別の曲がりくねった経路を通過することが必要である。そのような介入的デバイスは、そのような曲がりくねった経路をナビゲートするために、特にその遠位端のより近くで十分な可撓性を必要とする。しかしながら、他の設計面も考慮されなければならない。例えば、介入的デバイスは、十分なトルク能力(すなわち、近位端で印加されたトルクを遠位端までずっと伝達する能力)、押す能力(すなわち、曲がっているおよび結合している中間部分ではなく、遠位端への軸方向の押圧を伝達する能力)、および意図した医療機能を実行するための構造的完全性を与えることもできなければならない。
【0004】
[0004]トルク能力に関して、介入的デバイス(ガイドワイヤ等)のより大きい長さが血管系通路の中におよびそれを通して通過させられるとき、ガイドワイヤと血管系組織との間の摩擦面接触の量が増加して、血管系通路を通る容易な動作を妨げることになる。近位端から遠位端までのトルク力の伝達により、ガイドワイヤが回転して摩擦力を克服することが可能となり、そのために更なる前進および配置が可能となる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]本開示は、良好なトルク能力を維持しながら可撓性を提供するための微細加工された特徴を有する介入的デバイス(例えば、ガイドワイヤおよびカテーテル)に関する。一実施形態では、介入的デバイスは、壁および内部管腔を有する細長い部材を含む。細長い部材は、複数の軸方向に延びるビームおよび複数の周方向に延びるリングを画定する複数の穿孔を含む。ビームは、細長い部材の長さに沿って配列されて、曲げ軸を最適に分散させるように機能する非らせんおよび非直線パターンを形成することにより、細長い部材
の好ましい曲げ方向を有益に最小化または除去する。
【0006】
[0006]いくつかの介入的デバイスは、介入的デバイスの特定のセクションでの可撓性を増加させるように意図されたカット/穿孔を含む。しかし、これらの特徴を含む典型的なガイドワイヤおよびカテーテルデバイスは、穿孔の構造配置および間隔の結果として1つまたは複数の好ましい曲げ方向を有することになる。いくつかの用途において潜在的に役立つが、好ましい曲げ方向は、デバイスのナビゲーション能力にしばしば有害な影響を及ぼす。例えば、操作者が目標の解剖学的領域に到達することを試みるいくつかの状況では、好ましい曲げ方向は、デバイスを優先曲げ方向に向かって「スナップ」させる傾向がある。好ましい曲げ方向が所望の動作方向と整列していない場合、操作者がデバイスを目標までガイドすることが困難である場合がある。
【0007】
[0007]いくつかの介入的デバイスは、デバイスの長さに沿ってらせん配置に形成された穿孔を含む。そのようならせん配置は、好ましい曲げバイアスを低減する際に単純な交互するカットパターンよりも有益であることがある一方で、らせん配置自体が、デバイス内部に望ましくない好ましい曲げパターンを形成することがある。例えば、らせんカットパターンを有する介入的デバイスは、反対方向に湾曲することに対してデバイスのまわりのらせん回転の方向と一致する湾曲形状へとコイル状になるかまたは捩じれる可能性がより大きい。特定の解剖学的状況において、この傾向は、ナビゲーションの困難をもたらすことがあり、および/またはデバイスをスムースに制御するユーザの能力を抑制することがある。
【0008】
[0008]本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態は、デバイスの長さに沿って好ましい曲げ方向を最小化または除去するために曲げバイアスを効果的に分散させるカットパターンによって構成されている。有益なカットパターンは、非らせんおよび非直線方式で配列されることにより、らせんまたは直線カットパターンに依存するデバイスに固有の形状バイアスを付加的に回避する。
【0009】
[0009]便宜的に、本開示は、細長い部材の「セグメント」をときに指すことがある。本明細書で用いられるとき、「セグメント」は、細長い部材の繰り返し構造単位である。典型的な2-ビーム構成において、単一のセグメントが、2つの隣接したリング(1つの近位リングと1つの遠位リングと)の間に配設された第1の対の対向したビーム、および遠位リングから延びて、第1の対の対向したビームから約90度だけ回転方向にオフセットされている第2の対の対向したビームとして画定されてもよい。いくつかの実施形態では、回転オフセットは、全ての連続ビーム対においてではなく、むしろレベルをセグメント化するためにセグメントにおいて適用される。
【0010】
[0010]分散カットパターンは、細長い部材の最小長さを用いておよび/または最小数のカットを用いて好ましい曲げ軸を最適に広げる回転オフセットを提供する。分散カットパターンは、デバイスが患者の血管系をナビゲートするのに必要な曲がり部と整列した曲げ軸を含む可能性を有益に最大化する。本明細書で開示するような分散カットパターンの実施形態が、これらの効果を最小数のカットを用いてデバイスの短い長さの範囲内で多くの異なる方向に個々の曲げ軸を分散させることによって達成してもよい。
【0011】
[0011]例えば、細長い部材の所与の長さに対して、可能なビーム位置の放射方向間隔/分散が、可能な限り短い長さで(すなわち、可能な限り少ない数のカットで)最大化され、同時に連続回転オフセットを回転オフセット制限内に保持する。回転オフセット制限は、前のビーム対の位置が与えられたビーム対の許容回転のための制限を設定する。回転オフセット制限は、デバイスでの固定間隔アーチファクトの影響を最小化してもよい。いくつかの実施形態において、あるセグメントから次のセグメントへの回転オフセット制限は
、約10から30度まで(すなわち、2対前のビーム対から10から30度まで)である。
【0012】
[0012]いくつかの実施形態において、連続セグメントは、不完全ランプパターンを形成するように配置される。不完全ランプパターンは、一連の目的をもって設計された不完全性によって異なるらせん状パターンを意図的に乱すことによって形成される。不完全ランプパターンにおいて、ビームは、1組の3つの連続セグメントまたはビーム対が同じ回転オフセットに従って間隔をおくことがないように配列されている。言い換えると、細長い部材の円筒周面が平面に展開された場合、1組の3つのセグメントまたはビーム対が直線を形成することがない。不完全ランプパターンは、例えば、あるセグメントから次のセグメントへ5から15度までだけ変化してもよい可変回転オフセットを含む。
【0013】
[0013]いくつかの実施形態において、連続ビーム対またはセグメントは、のこぎり歯状パターンを形成するように配置される。のこぎり歯状パターンは、細長い部材の長さに沿って周期的に方向を逆にする回転オフセットを含む。典型的ならせんパターンが、単に細長い部材の周のまわりの複数の回転によって同じ向きの回転オフセットを続けるのに対して、のこぎり歯状パターンは、方向を逆にする前に第1の頂点位置に到達し、第2の頂点位置に向かって続く。第2の頂点位置に到達すると、のこぎり歯状パターンは、次いで、再び逆になり、第1の頂点に向かって戻るように続く。パターンは、次いで、細長い部材の所望の長さに沿ってこの方式を繰り返す。2-ビーム構成において、第1と第2の頂点とは、例えば、約90度だけ分離されてもよい。
【0014】
[0014]本発明の上記および他の利点および特徴が得られ得るやり方を説明するために、簡潔に上述された本発明のより多くの特定の説明は、添付図面に示されるその特定の実施形態を参照して与えられる。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示しており、したがって本発明の範囲の限定であるとみなされるべきではないことを理解し、本発明は、添付図面を用いることによってさらなる特異性および詳細で記述および説明される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】[0015]本明細書に記載した有益な微細加工特徴を含んでもよい例示的な介入的デバイスを示す。
【
図2】[0016]本明細書に記載した有益な微細加工特徴を含んでもよい例示的なガイドワイヤ装置の遠位セクションを示す。
【
図3A】[0017]直線カットパターンを有する様々な細長い部材を示す。
【
図3B】直線カットパターンを有する様々な細長い部材を示す。
【
図3C】直線カットパターンを有する様々な細長い部材を示す。
【
図4】[0018]従来のらせんカットパターンを有する細長い部材を示す。
【
図5】[0019]曲げ軸を有益に分散させ、好ましい曲げ方向を最小化または低減させるための非らせんおよび非直線カットパターン(分散カットパターン)を有する細長い部材の例を示す。
【
図6A】[0020]分散非らせんおよび非直線カットパターンを形成するための例示的なビーム対配置を示す。
【
図6B】[0021]不完全ランプカットパターンを形成するための例示的なビーム対配置を示す。
【
図6C】[0022]のこぎり歯状カットパターンを形成するための例示的なビーム対配置を示す。
【
図6D】のこぎり歯状カットパターンを形成するための例示的なビーム対配置を示す。
【
図7】[0023]異なるサイズの回転オフセットジャンプにより生じる間隔の人為構造の差を示す回転オフセットの差を示す図である。
【
図8】異なるサイズの回転オフセットジャンプにより生じる間隔の人為構造の差を示す回転オフセットの差を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
イントロダクション
[0024]本開示は、可撓性を提供する微細加工された特徴を有し、同時にまた曲がりくねった血管系を通して有効にナビゲートするための有効なトルク能力および押す能力を維持するガイドワイヤおよびカテーテル等の介入的デバイスに関する。ここでいう微細加工された特徴とは、介入的デバイスの可撓性を増加させ、同時に良好なトルク能力を維持しながら好ましい曲げ方向を形成することがないように配列された穿孔を形成するカットパターンを含む。
【0017】
[0025]本明細書中に説明されるカットパターンは、細長い部材に沿った所与の長手方向位置におけるカットの各セットから生じるビームの個数によって定められる異なる構成を有してもよい。例えば、「2-ビーム」構成では、デバイスの長さに沿った各カット位置は、一対の対向したカットを含み、一対の対向した軸方向延在ビームという結果になる。典型的には、結果として得られるビーム対内のツービームは、細長い部材の周のまわりに対称的に間隔をおいている(すなわち、180度離れて間隔をおいている)。この180度の放射方向対称性のために、0度位置のビーム対は、180度だけ回転方向にオフセットされたビーム対から区別できないことになる。したがって、本開示全体にわたって、ビーム対についての可能な回転位置は、0~180度の範囲におよび、0と180度位置とは互いに等しいと言える。
【0018】
[0026]以下の説明のうちの大部分が、2-ビーム構成を有する実施形態に費やされることになる一方、同じ原理が、また、「1-ビーム」構成、「3-ビーム」構成、およびそれぞれのカット位置に3つ以上のビームを有する構成に適用されてもよいことが理解されるであろう。そのような構成において、異なる角度対称が、2-ビーム構成で用いられる値にいくつかの調整を必要とすることもまた理解されるであろう。例えば、2-ビーム構成でのそれぞれの対のカットが、180度放射対称を示す一方で、1-ビーム構成でのそれぞれのカットは、放射対称を示すことにはならず、3-ビーム構成でのそれぞれの三つ組のカットは、120度放射対称を示すことになり、4-ビーム構成でのそれぞれの組の4つのカットは、90度放射対称を示すことになる、等である。したがって、3-ビーム構成での可能な区別可能な回転位置の間隔は、0から120度までの範囲におよび、4-ビーム構成では0から90度の範囲に及ぶ、等になる。1-ビーム構成では、可能な回転位置の間隔は、0から360度までの範囲に及ぶことになる。
【0019】
[0027]2-ビーム構成の例を続けると、所与のカット位置でのそれぞれの対のカットは、結果として得られるビームの回転位置を規定し、結果として得られるビームの回転位置は、その位置での好ましい曲げ軸を規定する。細長い部材の所与の長さに対して、連続ビーム対についての関連する回転配置は、細長い部材全体にわたって好ましい曲げ軸の型式および強度を決定する。
【0020】
[0028]典型的には、それぞれの連続ビーム対は、90度に前のビーム対からの一定の修正値を加算したものだけ回転させられる。「直線」カットパターンでは、修正値はゼロであり、細長い部材の軸方向長さに沿って1つのビーム対から次のビーム対までで90度の一定回転オフセットを提供し、連続ビーム対が0度位置と90度回転位置との間で交互することになることを意味する。この型式のカットパターンは、細長い部材の長さに対して0および90度の好ましい曲げ軸を細長い部材に残す。修正値が5度である場合、例えば、らせん状に分散した曲げ軸を有する「らせん」カットパターンが結果として得られるこ
とになる。
【0021】
[0029]そのような直線およびらせんカットパターンとは対照的に、ここで述べる実施形態は、デバイスでの好ましい曲げ方向を最小化するのに有効な個々の曲げ軸の分散を提供する。このことは、患者の血管系をナビゲートするのに有効なナビゲーション能力をデバイスに有益に提供する。
介入的デバイスの概要
[0030]
図1は、ハンドルまたはハブ102と、細長い部材104と、を含む介入的デバイス100(例えば、カテーテルまたはガイドワイヤデバイス)を示す。細長い部材104は、ハブ102に結合された近位端106と、ハブ102から離れる方に延びる遠位端108と、を有する。ハブ102は、パドル、ハンドル、グリップまたはユーザが装置を把持して、装置100を回転させ、押し/引きし、および別様に操作することを可能にするようなものを含んでもよい。細長い部材104は、ガイドワイヤとしてまたはカテーテルとして形成されてもよい。ガイドワイヤ等のいくつかの実施形態は、ハブ102を省略してもよく、そして、トルクデバイス等の付属物と共に用いられてもよい。
【0022】
[0031]細長い部材104は、それの外面中にカットされた複数の穿孔を含む。穿孔は、穿孔を残すカットパターンを形成するように、1つまたは複数のストック材料片をカットすることによって形成されてもよい。穿孔は、細長い部材104の可撓性/曲げ性を増加させることを含む様々な利点を提供してもよい。いくつかの実施形態では、穿孔は、(穿孔が無いストック材料の同様のセクションに対して)向上した可撓性を提供し、同時にトルクを伝達するのに十分な外周構造を維持し、それにより細長い部材104の良好なトルク能力を維持するように配列されている。
【0023】
[0032]細長い部材104は、患者の解剖学的構造を目標の解剖学的領域に到達するようにナビゲートするのに必要な任意の長さであってもよい。例えば、典型的な長さは、約50から300cmまでの範囲内にあってもよい。カテーテル実施形態において、細長い部材104の外径が、約0.254mm(約0.010インチ)から約3.81mm(約0.150インチ)の範囲内にあってもよいけれども、より大きいかまたはより小さい直径が、また、選好および/または適用必要性に従って利用されてもよい。ガイドワイヤ実施形態において、細長い部材104の外径は、約0.355mm(約0.014インチ)であるか、または約0.203mm(約0.008インチ)から約3.68mm(約0.145インチ)までの範囲内にあってもよいけれども、より大きいかまたはより小さいサイズが、また、ユーザ選好および/または適用必要性に従って利用されてもよい。
【0024】
[0033]細長い部材104は、カテーテル実施形態において、典型的には約3000MPaから約4500MPaまで、または約3500MPaから約4000MPaまでの弾性係数を有する材料から形成される。一例示的実施形態において、細長い部材104は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から形成されるか、またはそれを含む。より高い係数を有する別のポリマが、また、コストおよび/または製造要件がそれを正当化する場合に利用されてもよい。いくつかの実施形態では、細長い部材104は、体温において超弾性特性を有するニッケル-チタン合金を含むか、またはそれから形成される。いくつかの実施形態では、細長い部材104の近位部分が、類似の応力-歪および弾性係数特性を有するステンレス鋼または別の材料から形成される。典型的には、細長い部材104が2つ以上の異なる材料から形成される場合、より高い係数材料が、より近位セクションに用いられ、より低い係数材料が、より遠位セクションに用いられる。
【0025】
[0034]
図2は、ガイドワイヤ200として構成された介入的デバイスについての実施形態の遠位端を示す。
図2に示す実施形態は、
図1の細長い部材104のガイドワイヤ実施形態の遠位端108を表してもよい。示しているガイドワイヤ200は、コア212と、
コア212に結合されたチューブ構造214と、を含む。示すように、コア212の遠位セクション221が、チューブ214中に延びて、チューブ214によって包囲されている。いくつかの実施形態では、コア212の遠位セクション221は、遠位端のより小さい直径(例えば、約0.0508mm(約0.002インチ))まで次第に先細になるように研削されている。コア212の遠位セクション221は、円形断面、長方形断面または別の好適な断面形状を有してもよい。この例では、コア212とチューブ214とは、それらが互いに隣接して付着するところの付着点213において実質的に同様の外径を有する。
【0026】
[0035]チューブ214は、ねじり力がコア212からチューブ214まで伝達され、それによってチューブ214によって更に遠位に伝達されるのを可能にする態様でコア212に(例えば、接着剤、はんだ付けおよび/または溶接を用いて)結合される。医療等級接着剤220が、デバイスの遠位端においてチューブ214をコア212に結合して、非外傷性被覆を形成するために用いられてもよい。
【0027】
[0036]ガイドワイヤ200は、また、コイル224を含んでもよく、このコイルは、コア212の遠位セクションの外面とチューブ214の内面との間に配置されるようにチューブ214内部に配設されてもよい。コイル224は、プラチナ等のX線不透過性材料から形成されてもよい。示しているコイル224は、1つの一体的部品として形成される。代替実施形態において、コイル224は、積み重ねられた、互いに隣接して配置された、および/または絡み合いによってインターロックされた複数の別個のセクションを含む。
【0028】
[0037]チューブ214は、好ましい曲げ方向を形成することなく、介入的デバイスの有効な可撓性およびトルク能力を提供するように構成された微細加工された穿孔を含む。いくつかの実施形態は、その追加または代替として、コア212の遠位セクション221に沿って等、コア自体に形成されたカットを含んでもよい。
カットパターン
[0038]
図3A~3Cは、直線カットパターンについての実施形態を示し、
図3Aは、典型的な「2-ビーム」直線カットパターンを示し、
図3Bは、典型的な「1-ビーム」直線カットパターンを示し、
図3Cは、典型的な「3-ビーム」直線カットパターンを示す。
【0029】
[0039]
図3Aに表すように、細長い部材600は、複数の軸方向に延びるビーム632と、周方向に延びるリング634と、を含む。細長い部材600は、2つの周方向に対向するビーム632が、それぞれの対の隣接したリング634の間に配設されているので、2-ビームカットパターンを有する。示しているカットパターンは、回転オフセットがあるセグメントから次のセグメントで適用されていないので、直線カットパターンである。
【0030】
[0040]上記のように、「セグメント」は、細長い部材の繰り返し構造単位である。いくつかの実施形態では、単一のセグメントが、2つの隣接したリング634(1つの近位リングと1つの遠位リングと)の間に配設された第1の対の対向したビーム632、および遠位リングから延び、第1の対の対向するビーム632から約90度だけ回転方向にオフセットされている第2の対の対向するビーム632として画定されてもよい。セグメントの直線配列は、細長い部材600の穿孔に整列した好ましい曲げ方向の形成をもたらす。
【0031】
[0041]
図3Bは、複数のビーム932およびリング934を有する細長い部材900を示す。細長い部材900は、単一のビーム932がそれぞれの対の隣接したリング934の間に配設されているので、1-ビームカットパターンの例である。そのような1-ビームカットパターンにおいて、単一のセグメントが、2つの隣接したリング934(1つの近位リングと1つの遠位リングと)の間に配設された第1のビーム934、および遠位リ
ングから延びて、第1のビーム932から約180度だけ回転方向にオフセットされている第2のビーム932として画定されてもよい。細長い部材600と同様に、細長い部材900は、回転オフセットがあるセグメントから次のセグメント、つまりセグメントごとで適用されていないので、直線カットパターンを有する。
【0032】
[0042]
図3Cは、複数のビーム1032およびリング1034を有する細長い部材1000を示す。細長い部材1000は、3つのビーム1032がそれぞれの対の隣接したリング1034の間に配設されているので、3-ビームカットパターンの例である。そのような3-ビームカットパターンにおいて、単一のセグメントが、2つの隣接したリング1034(1つの近位リングと1つの遠位リングと)の間に配設された第1の三つ組のビーム1032、および遠位リングから延びて、第1の三つ組から約60度だけ回転方向にオフセットされている第2の三つ組のビーム1032として画定されてもよい。細長い部材600および900と同様に、細長い部材1000は、回転オフセットがあるセグメントから次のセグメント、つまりセグメントごとで適用されていないので、直線カットパターンを有する。
【0033】
[0043]前述の例から、様々なカットパターンが利用されてもよいことが理解されるであろう。例えば、それぞれの対の隣接したリングの間に4つ以上のビームを提供するカットパターンが、特定の適用必要性に従って利用されてもよい。通常、それぞれの対の隣接したリングの間に残されたビームの数が多い程、細長い部材の剛性が比例的により大きくなる。
【0034】
[0044]
図4は、微細加工されたガイドワイヤまたはカテーテルデバイスにおける好ましい曲げ方向を最小化するように意図された典型的ならせんカットパターンの実施形態を示す。示すように、細長い部材300に作成されたカットは、中空部材の長手方向軸線についての対向する側に位置する複数の対の対向するビームを残している。それぞれの対のそのようなカットは、隣接したリング334(実質的に横方向および周方向に延びる)を接続するツービーム332(実質的に軸方向に延びる)を形成する。
【0035】
[0045]回転オフセットが、細長い部材300のそれぞれの連続セグメントに適用されることにより、らせんパターンを形成する。ここで用いられるとき、「回転オフセット」は、2つの隣接セグメントの間の角度回転である。回転オフセットは、そのため、たとえセグメント内の個々のカットが、また、互いにオフセットされていることがあっても、あるセグメントから次のセグメント、つまりセグメントごとで適用される。
【0036】
[0046]典型的な実施形態において、単一のセグメントは、2つの隣接したリング334(1つの近位と1つの遠位と)の間に配設された第1の対の対向するビーム332、および遠位リングから延びて、第1の対の対向するビーム332から約90度だけ回転方向にオフセットされている第2の対の対向したビーム332として画定されてもよい。カットは、あるセグメントから次のセグメント、つまりセグメントごとで実質的に一貫した回転オフセットを形成するように配置されている。例えば、示している実施形態は、あるセグメントから次のセグメント、つまりセグメントごとで約5度の回転オフセットを表している。そのような角度オフセットを有する複数の連続セグメントが形成されるとき、細長い部材300の十分な長さに沿って結果として得られるビームのパターンは、連続的に回転するらせんパターンの細長い部材300の軸線のまわりで重なる。
【0037】
[0047]この型式のらせん配置は、また、異なるカットパターンを有する実施形態において用いられてもよい。例えば、それぞれのカットがそれぞれの組の隣接したリングの間に単一のビームを残しているところに「1-ビーム」または「バイパス」カットパターンを有する細長い部材は、それぞれの連続カットまたは1組のカットの間に一定の回転オフセ
ットを有してもよい。
【0038】
[0048]らせん配置が、また、3以上-ビームカットパターンを有する実施形態に適用されてもよい。例えば、同じらせん形成回転オフセットが、3ビーム実施形態(
図3Cに示すようなもの等)または隣接したリングの間に4以上のビームを有する実施形態に適用されてもよい。
【0039】
[0049]
図4に表すもの等のらせんカットパターンは、細長い部材の好ましい方向曲げ傾向のうちの一部を有益に最小化してもよい。しかし、らせん構造自体は、好ましい曲げ湾曲を画定する。らせんカットパターンを有する細長い部材が、反対方向に湾曲することに反するようにらせん回転の方向と一致する湾曲へとコイル状になるかまたは捩じれる可能性がより大きい。
分散パターン
[0050]
図5は、分散カットパターンを有する細長い部材500のセクションを示す。
カットは、それぞれのビーム対の回転方向間隔を効果的に分散させるように有益に配列されている。この態様において、非らせんおよび非線形カットパターンは、細長い部材500の長さに沿った好ましい曲げ方向を有効に除去または最小化する。
図5に表すカットパターンは、らせんカットパターンと対照的に、細長い部材500の結果として得られるビームが細長い部材500の軸線のまわりにらせんパターンで配列されないので、「非らせん」である。
【0040】
[0051]
図5に表すカットパターンもまた、「非直線」であり、その理由は、デバイスの連続セグメントに適用された回転オフセットが存在し、そして、細長い部材500を構成するセグメントに適用された回転オフセットが、あるセグメントから次のセグメント、つまりセグメントごとで必ずしも等しいかまたは一定であるわけではないからである。
【0041】
[0052]らせんは、一般的には、表面が平面に展開された場合、直線になるような円錐または円筒表面上の湾曲に追従するように画定される。一例として
図4に表すらせんカットパターンを用いると、細長い部材300の長さに沿ったビーム/セグメントの配列を追跡する任意の曲線は、細長い部材300が切り開かれて平面に「展開される」場合、直線を形成することになる。逆に、
図5に示すカットパターンを用いると、細長い部材500の長さに沿ってビーム/セグメントの配列を追跡する任意の線は、直線を形成しないことになる。例えば、
図5の細長い部材500の長さに沿って1組の任意の3つの連続するビーム対またはセグメントが与えられると、細長い部材500が平面に展開された場合、3つの連続ビーム対またはセグメントの回転位置は、直線を形成しない。
【0042】
[0053]らせんは、また、典型的には、それが上に存在する円錐形/円筒形表面のまわりに少なくとも1つの全周回転を必要とすると理解される。したがって、カットパターンは、また、結果として得られるビーム対またはセグメントの回転配列が方向を変える前に少なくとも1度だけ細長い部材の周のまわりに完全に重なるパターンを形成しない場合、非らせんであると考えられてもよい。例えば、細長い部材の円筒周面が平面に展開され、その平面が直線に位置的に適合された一連の3つ以上のセグメントを含む場合、一連のセグメントは、直線が少なくとも1度だけ細長い部材の周のまわりで重ならないならば、それでもらせんを構成しないことになる。
【0043】
[0054]回転オフセットが、1つのビーム対から次のビーム対までで適用されてもよい。その代替として、回転オフセットが、セグメントの細長い部材に適用されて、レベルをセグメント化してもよい。上記のように、細長い部材のそれぞれのセグメントは、近位リングと遠位リングとの間の第1の対の対向するビーム、および第1の対のビームから約90度だけオフセットされている、遠位リングから延びる第2の対のビームとして画定されて
もよい。代替の実施形態は、異なるサイズのセグメントの間に、および/または異なる内部オフセットを有するセグメントの間に分散回転オフセットパターンを適用してもよい。例えば、いくつかの実施形態は、3つ以上の対のビーム(および3つ以上の対応するリング)を有するおよび/または90度と異なる内部オフセットを有するセグメントを含んでもよい。更に、たとえ示している例が、それぞれの対の対向したカットが2つの周方向に対向したビームをもたらす2-ビームカットパターンを表すとしても、分散オフセットパターンは、また、1-ビームカットパターン(
図3Bを参照)、3-ビームカットパターン(
図3Cを参照)および隣接したリングの間に4つ以上のビームを有するパターンに適用されてもよいことが認識されるであろう。
【0044】
[0055]
図6Aは、分散配置の一例と従来のらせん配置をグラフで比較する。図示するように、らせんカットパターンは、細長い部材の長さに沿ってあるセグメントから次のセグメント、つまりセグメントごとに一定の回転オフセットを適用する。分散カットパターンは、らせんパターンに頼らずに曲げ軸を有効に分散させる回転オフセットを適用する。
【0045】
[0056]スタートのビーム対がゼロ度位置に任意の割り当てられる場合、できるだけ迅速に(すなわち、できるだけ少ないカットで)利用可能な180度の放射方向空間にわたってビーム位置の直径方向分散を最大化するために、連続するビーム対は、回転オフセットされる。しかしながら、例示した実施形態では、(
図7および
図8に関連して以下にさらに説明される)固定間隔の人為構造の形成を防ぐために、回転オフセット制限も適用される。
【0046】
[0057]回転オフセット制限は、1つのビーム対から次のビーム対まで、またはあるセグメントから次のセグメント、つまりセグメントごとの許容できる回転「ジャンプ」に関する制限を定める。あるセグメントから次のセグメント、つまりセグメントごとに約10から30度の値を有する回転オフセット制限、または90度±その値だけ連続するビーム対を回転させる回転オフセット制限は、過度に固定間隔の人為構造を引き起こさずに曲げの有効な分散を与えるために示されている。例えば、回転オフセット制限は、約60から120度、または約70から110度、または約80から100度の範囲内の値まで、1つのビーム対から次のビーム対までの回転を規制することができる。他の実施形態は、特定の製品および/または応用の必要に応じて、他の回転オフセット制限を利用してもよく、または回転オフセット制限を省略することさえもできる。例えば、結果として得られる間隔の人為構造が特定の応用について許容できる場合、回転オフセット制限は、30度よりも大きい値まで高められてもよい。
【0047】
[0058]
図6Aに示す例示的な分散カットパターンは、30度の回転オフセット制限を利用する。図示するように、第1のビーム対は任意の0度に位置に配置され、第2のビーム対は90度に配置される。利用可能な180度空間内の残りの最大間隙は、0から90度の間、および90から180度の間である(ただし、0および180度は同じ位置を表す)。45度などのこれらの間隙のうちの1つの中点の近くに次のビーム対を配置することは、デバイスの曲げ軸を最もよく分散させる。しかしながら、次のビーム対を45度に配置することは、30度の回転オフセット制限を破る。したがって、次のビーム対が、回転オフセット制限を破ることなく、残りの間隙の中点に近くなるように配置される。この例では、第3のビーム対は、30度に配置される。第4のビーム対は、120度に配置され、これは第3のビーム対から90度である。この特定の例では、1つおきのビーム対が、先のビーム対から90度オフセットされる。代替の実施形態は、必ずしもこの特定のパターンに従う必要はない。
【0048】
[0059]
図6Aの分散の例を続けると、最大の残っている位置的な間隙は、現在、30から90度の間、および120から180度の間にある。第5および第6のビーム対は、そ
れぞれ60および120度に配置される。残りの位置的な間隙は、現在、30度ごと(すなわち、0から30度の間、30から60度の間、60から90度の間など)に位置する。パターンが続くとき、残りの角度位置は、回転オフセット制限を破ることなくビーム対をできるだけ速く径方向に間隔をおいて配置するやり方で満たされる。
【0049】
[0060]例示した例では、利用可能な角度位置は、10度の粒状度で与えられる。言い換えれば、全ての角度位置は、各10度の増加が満たされているとき満たされたとみなされ得る。したがって、例示したパターンは、リセッティング前に、約10度の位置ごとに配置されたビーム対を備えることができる。そのような配置は、10度の「位置的な粒状」を有するものとして本明細書中で呼ばれる。代替の実施形態は、例えば、0.1、0.5、1、3、5、10、15、18、20、25、または30度の粒状度などの異なる位置的な粒状度を利用してもよい。
【0050】
[0061]例示した正確な位置決めは調整されてもよく、
図6Aに示すパターンが唯一の例示であると理解されよう。例えば、位置的な間隙は、回転ジャンプが予め決定された回転オフセット制限内にある限り、異なる特定のシーケンスを用いて満たされてもよい。好ましくは、回転位置間の間隙を満たすとき、次のビーム対は、回転オフセット制限を破ることなく、最大の残りの位置的な間隙のほぼ中心の近くであるように配置される。例えば、0度の位置と30度の位置の間に間隙が存在する場合、セグメントは、10から20度の位置に配置され得る。
【0051】
[0062]さらに、代替の実施形態は、10度よりも大きいまたは10度よりも小さい位置を満たす位置的な粒状度を利用してもよい。パターンをリセッティングする前により少ないセグメントが使用される場合、各適切な位置のサイズ範囲は、より大きくなり、パターンをリセッティングする前により多くのセグメントが使用される場合、サイズの範囲は、より小さくなる。いくつかの実施形態は、180度の径方向空間内の満たされた角度位置の利用可能性がリセットされる前に、約6から36個のビーム対、または約10から18個のビーム対を含むことができる。他の実施形態は、利用可能な位置がリセットされる前に多くのより多いビーム対を含むことができる。予め決定された位置的な粒状度が低くされるにつれて、全ての利用可能な角度位置を満たすのに必要なビーム対の個数は上昇する。したがって、1度の位置的な粒状度を有するデバイスは、180個の利用可能な角度位置を満たすために180個のビーム対を使用する。また、選択された分散パターンの予め決定されたパラメータ(例えば、位置的な粒状度および回転オフセット制限)に従って利用可能な角度位置を満たす複数のやり方があるので、リセッティング後に、分散カットパターンは、全く同じにそれ自体を繰り返す必要はない。したがって、本明細書に使用されるとき、用語「リセット」、「リセッティング」などは、それがビーム対によって満たされた後、180度の径方向空間内の角度位置の利用可能性をリセットすることを指し、この用語は、細長い部材の次のセクションに沿った角度位置の続くリフィリングが以前のパターンを正確に繰り返すことを必ずしも示唆しない。実際には、少なくともいくつかの実施形態では、分散パターンの全長は、繰り返しでなくてもよい。
【0052】
[0063]前述の原理が1-ビーム配置を有する実施形態、3-ビーム配置を有する実施形態、または4つ以上のビーム配置を有する実施形態に適用することもできると理解されよう。例えば、
図5に表す1-ビーム実施形態は、示されているらせんカットパターンではなくむしろ非らせんおよび非直線カットパターンに従うように修正されてもよい。上記と同じ原理が、満たすべき角度位置の範囲が360度まで及ぶことを除いて、1-ビーム実施形態に適用されてもよい。同様に、同じ原理が、満たすべき角度位置の範囲が120度まで及ぶことを除いて、通常、3-ビーム実施形態に適用されてもよい。
不完全ランプパターン
[0064]
図6Bは、一連の目的をもって設計された不完全を有する他のらせんパターンを
意図的に混乱させることによって形成された非らせんカットパターンの他の実施形態をグラフで示す。このタイプのカットパターンは、本明細書中で「不完全ランプ」パターンと呼ばれる。有益なことに、不完全ランプパターンの意図的な逸脱は、真のらせん配置に固有の好ましいねじれおよび湾曲の残存物を減少または防ぐように働く。図示するように、セグメントは、3つの連続するビーム対またはセグメントが同じ回転オフセットに従って間隔をおいて配置されないように配置される。言い換えると、3つのビーム対またはセグメントは、円筒形の長い部材が平面に展開された場合に、直線を形成するように配置されない。
【0053】
[0065]
図6Bの不完全ランプパターンとは対照的に、真のらせんパターンは、典型的には、一定の値で各連続するセグメントまたは各連続するビーム対を回転オフセットすることによって形成される。例えば、2-ビーム構造における真のらせんパターンは、5度、85度、95度の一定の値、または90度の倍数でないいくつかの他の一定の値だけ各連続するカット対を回転オフセットすることによって形成することができる。
【0054】
[0066]不完全ランプカットパターンでは、修正値は、定数ではなく変数に意図的になされる。例えば、
図6Bにおけるように、不完全ランプパターンは、各連続するビーム対を一定の値±可変修正値だけ回転オフセットすることによって形成することができる。一定の値±可変修正値を含む回転オフセットは、本明細書中では「不完全回転オフセット」と呼ばれる。
【0055】
[0067]可変修正値は、5から15度の範囲であり得る。他の実施形態では、可変修正値は、2.5から30度の範囲の範囲であり得、または結果として得られるデバイスの意図した目的に適したいくつかの他の範囲であり得る。好ましくは、可変修正値は、それが適用されるセグメントまたはビーム対ごとにランダムに選択され、ランダム選択の上限および下限は、修正値の範囲(例えば、5から15度)によって定められる。典型的には、オフセットの一定の値の部分は、1-ビームパターンにおいて180度、2-ビームパターンにおいて90度、3-ビームパターンにおいて60度などである。
【0056】
[0068]代替の実施形態は、異なるサイズのセグメント間および/または異なる内部オフセットを有するセグメント間で不完全ランプパターンを適用することができる。例えば、いくつかの実施形態は、3つ以上の対のビーム(および3つ以上の対応するリング)、および/または90度とは異なる内部オフセットを有するセグメントを含むことができる。さらに、例示した例は、対向したカットの各対が2つの周方向に対向したビームになる2-ビームカットパターンを示すが、分散オフセットパターンは、1-ビームカットパターン(
図3Bを参照)、3-ビームカットパターン(
図3Cを参照)、および隣接したリング間に4つ以上のビームを有するパターンに適用することもできることを理解されよう。のこぎり歯状パターン
[0069]
図6Cは、本明細書中で「のこぎり歯状」パターンと呼ばれる非らせんカットパターンの他の実施形態を示す。本明細書中に説明される他の非らせんカットパターンと同様に、有益なことに、のこぎり歯状カットパターンは、らせんパターンに固有の好ましい湾曲方向も制限しつつ、好ましい曲げ軸を避けることができる。らせんパターンとは対照的に、のこぎり歯状カットパターンは、回転オフセットの方向を周期的に逆にさせる。
【0057】
[0070]
図6Cののこぎり歯状パターンとらせんパターンの両方は、隣接したセグメント間で約10度の角度オフセットを有し、各セグメント内の各カット対は、90度だけオフセットされる。らせんパターンは、細長い部材の周囲のまわりの複数の回転によって同じ方向にこれらのオフセット値を単に続けるのに対して、のこぎり歯状パターンは、方向を逆にする前に第1の頂点位置に到達し、第2の頂点位置に向かって続く。第2の頂点位置に到達すると、次いで、のこぎり歯状パターンは、再び逆になり、第1の頂点に向けて戻
り続ける。次いで、パターンは、細長い部材の所望の長さに沿って繰り返す。
【0058】
[0071]例えば、第1の頂点位置は、約90度(すなわち、セグメントの第1のカット対について90度、およびセグメントの第2のカット対について180度)に設定される。第1の頂点位置に到達すると、パターンは、第2の頂点位置に向かって逆になる。この実施形態では、第2の頂点位置は、約0度(すなわち、セグメントの第1のカット対について0度、およびセグメントの第2のカット対について90度)に設定される。代替の実施形態は、他の頂点位置を含んでもよい。任意のゼロ度開始位置が与えられる場合、第1の頂点位置は、1-ビーム構成において360度未満、2-ビーム構成において180度未満、3-ビーム構成において120度未満などである。好ましくは、第1の頂点位置は、1-ビーム構成について約180度、2-ビーム構成について90度、3-ビーム構成について60度などである。
【0059】
[0072]上述したように、あるセグメントから次のセグメント、つまりセグメントごとの角度オフセットは、
図6Cののこぎり歯状パターンにおいて約10度である。のこぎり歯状カットパターンの他の実施形態では、角度オフセットは、約5度から約30度などの10度より大きいまたは10度よりも小さいものであり得る。さらに、または代替として、頂点間のカットパターンの部分は、可変オフセットを含み得る。例えば、頂点間の1つまたは複数の部分は、上述したような不完全な回転オフセットを含むことができる。
図6Dは、1つのそのような実施形態を示す。
図6Dに表すのこぎり歯状カットパターンは、
図6Cに表すパターンに類似したのこぎり歯状パターンに従うけれども、また、頂点同士の間に可変/不完全回転オフセットのいくつかのセクションを含む。
【0060】
[0073]代替の実施形態は、異なるサイズのセグメント間および/または異なる内部オフセットを有するセグメント間でのこぎり歯状パターンを適用することができる。例えば、いくつかの実施形態は、3つ以上の対のビーム(および3つ以上の対応するリング)および/または90度とは異なる内部オフセットを有するセグメントを含むことができる。さらに、対向したカットの各対が2つの周方向に対向したビームになる2-ビームカットパターンを示すが、分散オフセットパターンは、1-ビームカットパターン(
図3Bを参照)、3-ビームカットパターン(
図3Cを参照)、および隣接したリング間に4つ以上のビームを有するパターンに適用することもできることを理解されよう。
間隔の人為構造
[0074]
図7は、回転オフセット制限が適用されない場合に生じ得る望ましくない間隔の人為構造の一例を示す。
図7は、第1のセグメント750aおよび第2のセグメント750bを有する細長い部材700のセクションを示す。第1のセグメント750aは、第1の対のビーム730a(それらのうちのたった1つがこの図に見える)と、第1の対から90度だけオフセットされている第2の対のビーム730bおよび730cとを備える。第2のセグメント750bは、第1の対のビーム730dおよび730eと、第1の対から90度だけオフセットされている第2の対のビーム730fおよび730gとを備える。対内の各ビームは、その対応するビームから180度だけ周方向に間隔をおいて配置される。第2のセグメント750bは、第1のセグメント750aから45度だけオフセットされ、これは、第1の対のビーム730dおよび730eを第1の対のビーム730aから45度だけずらして配置し、第2の対のビーム730fおよび730fを第2の対のビーム730bおよび730cから45度だけずらして配置する。
【0061】
[0075]第1のセグメント750aから第2のセグメント750bへのそのような45度のオフセットの適用は、それが第1のセグメント750aの曲げ軸の中間に第2のセグメント750bの曲げ軸を配置するので、望ましい。しかしながら、45度のジャンプは、細長い部材700の部分に過度に固定の人為構造を残し得るセグメント間のビーム間隔という結果にもなる。図示した部材700では、ビーム730dは、ビーム730bから4
5度だけ間隔をおいて配置されるのに過ぎないのに対して、ビーム730eは、ビーム730bから135度だけ間隔をおいて配置される。同様に、ビーム730eは、ビーム730cから45度だけ間隔をおいて配置されるのに過ぎないのに対して、ビーム730dは、ビーム730cから135度だけ間隔をおいて配置される。この不釣り合いな間隔は、より小さい間隔を有する細長い部材700の領域が過度に固定であり得るおよび/またはより大きい間隔を有す領域が過度に可撓性であるので望ましくないものであり得る。
【0062】
[0076]対照的に、あるセグメントから次のセグメント、つまりセグメントごとに適用される回転オフセットのより限られたジャンプは、セグメント間のビーム間隔の食い違いを最小にする。例えば、
図8は、第1のセグメント850aと第2のセグメント850bの間に適用される約20度のより限られた回転オフセットを有する細長い部材800のセクションを示す。
図7の細長い部材700におけるように、第1のセグメント850aは、第1の対のビーム830aと、第2の対のビーム830bおよび830cとを備え、第2のセグメント850bは、第1の対のビーム830dおよび830eと、第2の対のビーム830fおよび830gとを備える。しかしながら、第2のセグメント850bは、第1のセグメント850aからより限られた20度だけオフセットされているので、ビーム830b、830c、830d、および830eの間の間隔の食い違いは、あまり顕著でない。ビーム830dは、ビーム830bから70度広げられ、ビーム830eはビーム830bから110度広げられる。同様に、ビーム830eは、ビーム830cから70度広げられ、ビーム830dは、ビーム830cから110度広げられる。したがって、間隔の食い違いは、セグメント間に依然として存在するが、それは、適切な回転オフセット制限を与えることによって適切な度に制御され得る。
【0063】
[0077]本明細書中に使用されるとき、用語「約(approximately)」、「約(about)」、および「ほぼ、実質的に(substantially)」は、所望の機能をさらに実行するまたは所望の結果を実現する示した量または条件に近い量または条件を表す。例えば、用語「約(approximately)」、「約(about)」、および「ほぼ、実質的に(substantially)」は、示した量または条件から10%未満だけ、または5%未満だけ、または1%未満だけ、または0,1%未満、または0.01%未満だけ逸脱する量または条件を指し得る。
【0064】
[0078]本発明は、それの趣旨または本質的特徴から逸脱することなく、別の形式で具現化されてもよい。説明した実施形態は、あらゆる点で例示に過ぎず限定ではないと見なされるべきである。本発明の範囲は、そのため、前述の説明によるよりむしろ添付クレームによって示される。クレームの意味および均等の範囲に及ぶ全ての変化は、それらの範囲内に包含されるべきである。
【外国語明細書】