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特開2024-23516注文送信用のグラフィカルユーザインターフェース
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023516
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】注文送信用のグラフィカルユーザインターフェース
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/04 20120101AFI20240214BHJP
【FI】
G06Q40/04
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023204423
(22)【出願日】2023-12-04
(62)【分割の表示】P 2022149989の分割
【原出願日】2018-01-10
(31)【優先権主張番号】62/444,711
(32)【優先日】2017-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】519248966
【氏名又は名称】ビージーシー パートナーズ,エル.ピー.
【氏名又は名称原語表記】BGC PARTNERS,L.P.
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】ラトニック,ハワード,ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】メルカド,アントニオ
(57)【要約】
【課題】注文送信用のグラフィカルユーザインターフェースを備える装置、方法及び非一時的コンピュータ可読媒体を提供する。
【解決手段】方法は、各行が商品フィールド、買い気配フィールド及び売り気配フィールドを含む複数の行を有するグラフィカルユーザインターフェースを表示し、複数の行の内の1行における買い気配フィールド又は売り気配フィールドの選択を、入力デバイスを介して検出し、選択が一定期間に渡って継続的に維持されているかどうか判定し、買い気配フィールド又は売り気配フィールドの選択の解除を検出し、選択が期間に渡って継続的に維持された後の、選択の解除に応答して、行の商品フィールド内で指定された商品の注文を、行の買い気配フィールド又は売り気配フィールド内で指定された価格で、ネットワークインターフェースを介して送信する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ画面と、
ネットワークインターフェースと、
入力デバイスと、
少なくとも1つのプロセッサと、を備える装置であって、前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記ディスプレイ画面上に、複数の行を有するグラフィカルユーザインターフェースを表示することであって、各行が商品フィールド、買い気配フィールド、及び売り気配フィールドを有する、ことと、
前記複数の行の内の1行における買い気配フィールド又は売り気配フィールドの選択を、前記入力デバイスを介して検出することと、
前記選択が一定期間に渡って継続的に維持されているかどうか判定することと、
前記買い気配フィールド又は前記売り気配フィールドの前記選択の解除を検出することと、
前記選択が前記期間に渡って継続的に維持された後の、前記選択の前記解除に応答して、前記行の前記商品フィールド内で指定された商品の注文を、前記行の前記買い気配フィールド又は前記売り気配フィールド内で指定された価格で、前記ネットワークインターフェースを介して送信することと、を行う為のものである、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、注文送信用のグラフィカルユーザインターフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピューティング/ネットワーキング技術の進歩により、電子取引を数分の1秒で受信、実行することが可能になっている。小さな価格変動を利用する為に短期ポジションに大量且つ高速に出入りする取引を、コンピューティングデバイスが発生させ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のように、現代のネットワーク化されたコンピュータは、かつてない速度で取引を実行し得る。残念ながら、ネットワークの速度が原因で生じる急激な価格変動によって、トレーダが所望の価格を獲得することが困難になる。つまり、トレーダが特定の価格で注文を入力しようとすると、その注文を入力する前に価格が急激に変動する。そして、取引は意図していない価格で実行され得る。この捉えがたい価格の問題は、コンピュータネットワーキング技術の分野に特定して発生する。というのは、こういった新たな課題は、近年のネットワークの速度によって市場価格が著しく不安定になることで生じるからである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上から、グラフィカルユーザインターフェース(「GUI」)を介しての注文の入力にかかる時間を大幅に短縮する、コンピュータ技術に基づく解決策が本明細書に開示される。そして本明細書に開示される装置、方法、及び非一時的コンピュータ可読媒体によって、所望の価格又はその近傍での注文の約定が可能になる。一実施例では、ディスプレイ画面、ネットワークインターフェース、入力デバイス、及び少なくとも1つのプロセッサを備える装置が開示される。他の実施例では、上記少なくとも1つのプロセッサは、以下の動作、つまり、上記ディスプレイ画面上に、複数の行を有するグラフィカルユーザインターフェースを表示することであって、各行が商品フィールド、買い気配フィールド、及び売り気配フィールドを有する、ことと、上記複数の行の内の1行における買い気配フィールド又は売り気配フィールドの選択を、上記入力デバイスを介して検出することと、上記選択が一定期間に渡って継続的に維持されているかどうか判定することと、上記買い気配フィールド又は上記売り気配フィールドの上記選択の解除を検出することと、上記選択が上記期間に渡って継続的に維持された後の、上記選択の上記解除に応答して、上記行の上記商品フィールド内で指定された商品の注文を、上記行の上記買い気配フィールド又は上記売り気配フィールド内で指定された価格で、上記ネットワークインターフェースを介して送信することと、を実行し得る。
【0005】
他の態様では、少なくとも1つのプロセッサによる以下の動作、つまり、ディスプレイ画面上に、複数の行を有するグラフィカルユーザインターフェースを表示することであって、各行が商品フィールド、買い気配フィールド、及び売り気配フィールドを有する、ことと、上記複数の行の内の1行における買い気配フィールド又は売り気配フィールドの選択を、入力デバイスを介して検出することと、上記選択が一定期間に渡って継続的に維持されているかどうか判定することと、上記買い気配フィールド又は上記売り気配フィールドの上記選択の解除を検出することと、上記選択が上記期間に渡って継続的に維持された後の、上記選択の解除に応答して、上記行の上記商品フィールド内で指定された商品の注文を、上記行の上記買い気配フィールド又は上記売り気配フィールド内で指定された価格で、ネットワークインターフェースを介して送信することと、を含む方法が本明細書に開示される。
【0006】
他の実施例では、装置が、ディスプレイ画面、ネットワークインターフェース、入力デバイス、メモリ、及び少なくとも1つのプロセッサを含み得る。上記少なくとも1つのプロセッサは、以下の動作、つまり、上記ディスプレイ画面上に、複数の行を有するグラフィカルユーザインターフェースを表示することであって、各行が商品フィールド、買い気配フィールド、及び売り気配フィールドを有し、各行が1つの注文に関連付けられる、ことと、上記入力デバイスにおける第1の入力の作動を検出することと、上記第1の入力の作動の検出に応答して、上記ディスプレイ画面上にターゲットアイコンを表示することと、上記複数の行の内の1つの行の買い気配フィールド又は売り気配フィールド上での上記ターゲットアイコンの移動を検出することと、を実行し、上記第1の入力が継続的に作動する間、且つ上記ターゲットアイコンが上記行の上記買い気配フィールド又は上記売り気配フィールド上に載っている間において、上記入力デバイスにおける第2の入力の作動を検出することと、上記行に関連付けられた注文が取引出来る状態になっていることを示す為に、上記第2の入力の作動に応答して、上記メモリ内の状態インジケータを変更することと、上記入力デバイスにおける第3の入力の作動を検出することと、上記第3の入力の作動の検出に応答して、上記行の上記商品フィールド内で指定された商品の注文を、上記ターゲットアイコンが上に載っている上記買い気配フィールド又は上記売り気配フィールド内で指定された価格で、上記ネットワークインターフェースを介して送信することと、を実行し得る。
【0007】
本明細書の開示の態様、特徴及び利点は、以下の実施例の説明及び添付の図面を参照して検討すれば理解されよう。以下の説明は用途を限定するものではない。むしろ、本明細書の開示の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本明細書の開示の態様による例示的な装置の図である。
図2】本明細書の開示の態様による例示的なネットワークの図である。
図3】本明細書の開示の態様による例示的な方法のフロー図である。
図4】本明細書の開示の態様による一実施例の図である。
図5】本明細書の開示の態様による他の例示的な方法のフロー図である。
図6】本明細書の開示の態様による他の実施例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本明細書に開示される技術を実行する為の例示的コンピュータ装置100の概略図を示す。コンピュータ装置100は、命令を処理し、他のコンピュータとの間でデータを送受信出来る任意のデバイスを含み得、これらのデバイスは、ラップトップ、フルサイズのパーソナルコンピュータ、ハイエンドサーバ、又はローカルストレージ機能を持たないネットワークコンピュータを含む。コンピュータ装置100は、キーボード及びマウス、及び/又は例えばペン入力、ジョイスティック、ボタン、タッチスクリーン等その他の様々なタイプの入力デバイスと、例えばCRT、LCD、プラズマスクリーンモニタ、TV、プロジェクタ等を含み得る表示デバイスを含み得る。コンピュータ装置100はまた、ネットワークを介して他のデバイスと通信する為に、ネットワークインターフェース114を含み得る。コンピュータ装置100の全ての構成要素は同じブロック内にあるものとして機能的に示されているが、それらの構成要素は同じ物理的筐体内に格納されてもされなくてもよいことが理解されよう。
【0010】
コンピュータ装置100はまた、少なくとも1つのプロセッサ110を含み得、このプロセッサは、中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路(「ASICS」)、又はそれらの任意の組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。プロセッサは、Intel(登録商標)Pentium(登録商標)、Centrino(登録商標)、及び/又はCore(登録商標)プロセッサを含み得る。プロセッサ110は、命令を受け取り(例えばメモリデバイス112又は同様のデバイスから)、それらの命令を実行し、それによりそれらの命令によって定義される1つ又は複数の処理を実行し得る。
【0011】
上記のように、メモリデバイス112は、プロセッサ110が取り出し、実行し得る命令を格納し得る。メモリデバイス112は、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び非一時的コンピュータ可読媒体(「CRM」)を含み得るが、これらに限定されない。不揮発性媒体は、例えば、光又は磁気ディスク、読み取り専用メモリ(「ROM」)、及び他の永続メモリを含む。揮発性媒体はダイナミックランダムアクセスメモリを含み、これはコンピュータ装置100のメインメモリを構成し得る。メモリデバイス112はまた、前述及び/又は他のデバイスの内の1つ又は複数の任意の組み合わせを含み得る。図1には1つのプロセッサ110と1つのメモリデバイス112しか示されていないが、コンピュータ装置100は実際には、同じ物理的な筐体又は場所に格納されてもされなくてもよい追加のプロセッサ及びメモリを含み得ることが理解されよう。
【0012】
非一時的CRMは、例えば、電子媒体、磁気媒体、光学媒体、電磁気媒体、又は半導体媒体等の、数多くの物理媒体の内の何れか1つを含み得る。適切な非一時的CRMのより具体的な実施例は、フロッピーディスケット又はハードドライブ等のポータブル磁気コンピュータディスケット、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ、ポータブルコンパクトディスク、フラッシュドライブ、或いはコンピュータ装置100に直接又は間接的に結合され得る他の記憶装置を含むが、これらに限定されない。
【0013】
次に図2を参照すると、ネットワークインターフェース114及びネットワーク116を介して他のコンピュータ装置100に相互接続されているコンピュータ装置100が示されている。ネットワーク116は、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、インターネット等であり得る。ネットワーク116及びその間のノードは様々なプロトコルを使用し得、これらは、仮想プライベートネットワーク、ローカルイーサネット(登録商標)ネットワーク、及び1つ又は複数の会社独自の通信プロトコルを使用するプライベートネットワーク、セルラー/ワイヤレスネットワーク、HTTP、並びに前述のものの様々な組み合わせを含む。図2のネットワークには少数のコンピュータしか描かれていないが、ネットワークは追加の相互接続されたコンピュータを含み得、図2に示されている5つのコンピュータは説明を容易にする為のものであることを理解されたい。図2に描かれている各コンピュータ装置は、ネットワーク116内の個々のノードであり得る。この特定の実施例では、各コンピュータ装置100はクライアントコンピュータであり得、コンピュータ装置202はサーバコンピュータであり得る。以下に述べるグラフィカルユーザインターフェースは、所与のコンピュータ装置100上に表示され得る。他の実施例では、ネットワーク116が電子市場を形成し得、コンピュータ装置202が各コンピュータ装置100で入力された電子取引を監視し、各コンピュータ装置100で入力された買い注文と売り注文を適合させ得る。図2に示されているネットワークは、金融商品を含むがこれに限定されない任意のタイプの商品を取引する為に使用され得る。
【0014】
メモリデバイス112内にある命令は、プロセッサ110によって直接的(機械コード等)又は間接的(スクリプト等)に実行される任意の命令セットを含み得る。これに関して、「命令」、「スクリプト」、又は「モジュール」という用語は、本明細書では同義的に使用され得る。コンピュータ実行可能命令は、オブジェクトコード、又はソースコードのモジュール等、任意のコンピュータ言語又はフォーマットで格納され得る。命令は、SmallTalk(登録商標)、Java(登録商標)、C++、Ada、Python、又はC#(シーシャープ)等のオブジェクト指向プログラミング言語、関数型プログラミング言語、JavaScript(登録商標)等のスクリプトプログラミング言語、及び/又は論理プログラミング言語を含む様々なプログラミング言語で書かれ得る。更に、命令は、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせの形で実装され得、本明細書の実施例は単なる例示であることが理解されよう。
【0015】
本明細書に開示される技術的改良の一実施例が図3~4に示されている。具体的には、図3は、改良されたGUIを使用して注文をサブミットする為の例示的な方法300のフロー図を示し、図4は、それに対応する実施例を示す。図4に示されている動作を、図3のフロー図に関して以下に説明する。
【0016】
図3の例示的な方法300では、ブロック302において、コンピュータ装置100のプロセッサ110がGUIを表示し得る。図4は、コンピュータ装置100によって表示され得る例示的なGUI取引画面400を示す。例示的なGUI取引画面400は以下の列又はフィールド、つまり、商品、買い気配数量、買い気配値、売り気配値、及び売り気配数量のフィールドで表される。例示的なGUI取引画面400はまた、6つのデータ行で表される。各行は、特定の金融商品の市場データを含み得る。図3に戻って参照すると、ブロック304に示されているように、複数の行の内の所与の行における買い気配フィールド又は売り気配フィールドの選択を、プロセッサ110が検出し得る。図4の実施例では、97.2180という買い気配値を示している4行目の買い気配フィールドが選択されている。この買い気配値が選択された結果、図4に示されているように、特定のフィールド又はセルが強調表示され得る。
【0017】
図3に戻って参照すると、ブロック306において、上記セル又はフィールドの選択が最小期間に渡って継続的に維持されているかどうかを、プロセッサ110が判定し得る。この期間は設定可能であり得、メモリデバイス112に格納され得る。一実施例では、プロセッサ110は、ユーザの選択に応じて期間を変更し得る。プロセッサ110は、GUI内の行が表す各商品に対する状態インジケータを生成し、それらの状態インジケータをメモリデバイス112に格納し得る。つまり、プロセッサ110は、各状態インジケータとGUI内の各行との関連付けを生成し、これらの関連付けをメモリデバイス112内のテーブルに格納し得る。対応する行の選択が所定の期間(例えば1/2秒)に渡って維持されると、商品が取引出来る状態になっていることを示す為に、所与の状態インジケータが変更され得る。
【0018】
図3に戻って参照すると、ブロック308において、プロセッサ110が、フィールドの選択が解除されたことを検出し得る。ブロック310において、プロセッサ110は、セル又はフィールドの選択が、解除前に上述の最小期間に渡って維持されたかどうかを判定し得る。プロセッサ110は、セル又はフィールドが強調表示されている間に、マウスボタンの継続的な保持又はタッチスクリーンの継続的なタッチが解除されたことを検出し得る。上記選択が一定期間維持された後に解除された場合は、ブロック312において、プロセッサ110は、上記行の選択された買い気配フィールド又は売り気配フィールド内で指定されている価格又はその近傍で、商品フィールド内で指定されている商品の注文を送信し得る。上記選択が上記期間に達する前に解除された場合は、ブロック314において、プロセッサ110は注文を送信しない。他の実施例では、プロセッサ110が、注文送信前に、上記フィールド内にカーソルがある間に上記解除を行うことを必要とし得る。
【0019】
保持された価格フィールド選択の解除時に取引がネットワークにサブミットされることを可能にすることによって、注文の入力にかかる時間が大幅に短縮される。この取引は、他の価格以外の全ての情報が自動的に入力された状態でサブミットされ得る。例えば、注文は、デフォルトの数量及び注文タイプ(例えば、LIMIT(リミット)、FILL OR KILL(フィル・オア・キル)等)でサブミットされ得る。この他の価格以外の注文パラメータは、取引前にユーザによって事前設定され得る。これは、注文入力時にトレーダが必要な全てのフィールドに手動で入力することを必要とする従来のコンピュータ技術に対する改良になる。選択を保持することによって、ユーザが、価格変動を視覚的に監視し、所望の価格が価格フィールドに現れたときに選択を解除することも可能になる。
【0020】
状況によっては、あまり早期に注文のサブミットを可能にすると、不用意な注文送信を招き得る。この場合、取引が意図せずにサブミットされ、著しい金銭的損失が生じ得る。しかしながら、注文入力に対して過度に予防策を講じると、処理速度が落ち得る。従って、本明細書の開示の別の態様では、予防策を講じつつ注文入力を過度に制限することのない注文のサブミットを、装置、方法、及び非一時的コンピュータ可読媒体が可能にする。
【0021】
このバランスの取れた手法の実施例が、図5~6に示されている。図5は、ターゲットアイコン及び追加の安全機能を含んだ、注文をサブミットする為の例示的な方法500のフロー図を示し、図6はその実施例を示す。図6に示されている動作を、図5のフロー図に関して以下に説明する。
【0022】
図5を参照すると、ブロック502において、プロセッサ110が、ディスプレイ画面上にGUIを表示し得る。前述の実施例と同様に、図6は、商品を表す行を複数有する別の例示的なGUI取引画面600を示す。各行は、商品フィールド、買い気配数量フィールド、買い気配フィールド、売り気配数量フィールド、及び売り気配値フィールドを有する。図5に戻って参照すると、ブロック504において、プロセッサ110は第1の入力の作動を検出し得、この入力は、キーボードボタン(例えば、CTRLボタン)の作動、マウスボタンのクリック、タッチスクリーン上のタッチ等を含み得る。ブロック506に示されているように、第1の入力に応答して、プロセッサ110は、ターゲット又はブルズアイ(bullseye)のアイコンをディスプレイ画面上に表示し得る。別の実施例では、ブルズアイ又はターゲットのアイコンは、第1の入力が最小時間(例えば、1/2秒)に渡って保持されると表示され得る。図3~4の前述の実施例と同様に、この時間も設定可能であり得る。ブロック508において、プロセッサ110は、GUI上の複数の行の内の1つの行における買い気配フィールド又は売り気配フィールドの上で、ターゲットアイコンの移動を検出し得る。図6は、GUI取引画面600の3行目の特定の買い気配フィールドをターゲットとする例示的なターゲットアイコン602を示す。ターゲットアイコン602がその買い気配フィールドの上に載っている間、プロセッサ110は特定のセル又は行全体を強調表示し得る。
【0023】
図5を再び参照すると、ブロック510において、プロセッサ110は、ターゲットアイコンが上記買い気配フィールド又は売り気配フィールドの上に継続的に載っている間に、第1の入力が継続的に作動しているかどうかを判定し得る。そうでない場合は、ブロック502において、プロセッサ110は単にGUIを継続的に表示する。第1の入力が継続的に作動する間、且つターゲットアイコンが上記買い気配フィールド又は売り気配フィールド上に継続的に載っている間に、プロセッサ110はブロック512~518を実行し得る。ブロック512において、プロセッサ110は第2の入力の作動を検出し得る。ブロック514に示されているように、かかる第2の入力(例えば、マウスボタンの押し下げ又はタッチスクリーン上のタッチ)によって、商品が取引出来る状態になっていることを示す為に、メモリデバイス112内の商品の状態に変化が生じ得る。ブロック516において、プロセッサ110は第3の入力を検出し得る。第3の入力は、例えば、マウスボタンの解放又はタッチスクリーンの2回目のタッチであり得る。ブロック518において、第3の入力の作動の検出に応答して、ターゲットアイコンが価格セル上に載っている間且つ第1の入力(例えば、CTRLキー)が継続的に作動している間に、プロセッサ110は、ターゲットアイコン内の価格セルに示されている価格又はその近傍で、取引をネットワークにサブミットし得る。
【0024】
他の実施例では、第2又は第3の入力が検出される前に第1の入力が中断された場合、プロセッサ110は、「取引準備完了」状態をメモリデバイス112から削除し得る。これにより、上記入力シーケンスが検出されるまで注文のサブミットが防止され得る。上記アイコンが所望の価格をターゲットとしている間第1の入力の作動を保つこと、且つ第2及び第3の入力の検出を待つことによって、図5~6の実施例は不用意な注文入力の可能性を低減する。同時に、図5~6の実施例は注文の入力処理を過度に妨げない。
【0025】
有利には、上述の装置、非一時的コンピュータ可読媒体、及び方法は、ネットワークとコンピュータの速度に起因する急激な価格変動があっても、取引を所望の価格又はその近傍で入力することを可能にする。更に、ここに開示される技術は、注文入力処理を過度に遅らせることなく不用意な注文入力の可能性を低減する、特定の予防的動作も含む。従って、本明細書の開示は、コンピュータネットワーキングの領域で生じるソフトウェア技術の問題に対する解決策を示している。ここに開示されるGUIの解決策により、トレーダ取引の精度が向上することによって、技術の働きが向上する。
【0026】
本明細書における開示を、特定の実施例を参照して説明したが、これらの実施例は単に本明細書の開示の原理を例示しているに過ぎないことを理解されたい。従って、本明細書の開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、各実施例に対して多数の修正を加えることが出来、他の構成を考案出来ることを理解されたい。
【0027】
[付記]
[付記1]
ディスプレイ画面と、
ネットワークインターフェースと、
入力デバイスと、
少なくとも1つのプロセッサと、を備える装置であって、前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記ディスプレイ画面上に、複数の行を有するグラフィカルユーザインターフェースを表示することであって、各行が商品フィールド、買い気配フィールド、及び売り気配フィールドを有する、ことと、
前記複数の行の内の1行における買い気配フィールド又は売り気配フィールドの選択を、前記入力デバイスを介して検出することと、
前記選択が一定期間に渡って継続的に維持されているかどうか判定することと、
前記買い気配フィールド又は前記売り気配フィールドの前記選択の解除を検出することと、
前記選択が前記期間に渡って継続的に維持された後の、前記選択の前記解除に応答して、前記行の前記商品フィールド内で指定された商品の注文を、前記行の前記買い気配フィールド又は前記売り気配フィールド内で指定された価格で、前記ネットワークインターフェースを介して送信することと、を行う為のものである、装置。
[付記2]
前記少なくとも1つのプロセッサが更に、前記期間を変更するように構成される、付記1に記載の装置。
[付記3]
前記期間が1/2秒である、付記1に記載の装置。
[付記4]
前記入力デバイスが、前記ディスプレイ画面上に積層されたタッチスクリーンである、付記1に記載の装置。
[付記5]
前記入力デバイスがマウスである、付記1に記載の装置。
[付記6]
メモリデバイスを更に備え、前記少なくとも1つのプロセッサが更に、前記メモリデバイス内に、前記複数の行の内の前記行に対する状態インジケータを生成するように構成される、付記1に記載の装置。
[付記7]
前記少なくとも1つのプロセッサが更に、前記選択が前記期間に渡って継続的に維持されたという判定に応答して、前記行の前記商品フィールド内で指定された前記商品が取引出来る状態になっていることを示すように、前記状態インジケータを変更するよう構成される、付記6に記載の装置。
[付記8]
前記少なくとも1つのプロセッサが更に、前記選択が一定期間に渡って継続的に維持されたという判定に応答して、前記行の前記買い気配フィールド又は売り気配フィールド上にターゲットアイコンを重ね合わせるように構成される、付記1に記載の装置。
[付記9]
少なくとも1つのプロセッサによって、ディスプレイ画面上に、複数の行を有するグラフィカルユーザインターフェースを表示することであって、各行が商品フィールド、買い気配フィールド、及び売り気配フィールドを有する、ことと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記複数の行の内の1行における買い気配フィールド又は売り気配フィールドの選択を、入力デバイスを介して検出することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記選択が一定期間に渡って継続的に維持されているかどうか判定することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記買い気配フィールド又は前記売り気配フィールドの前記選択の解除を検出することと、
前記選択が前記期間に渡って継続的に維持された後の、前記選択の解除に応答して、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記行の前記商品フィールド内で指定された商品の注文を、前記行の前記買い気配フィールド又は前記売り気配フィールド内で指定された価格で、ネットワークインターフェースを介して送信することと、を含む方法。
[付記10]
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記期間を設定することを更に含む、付記9に記載の方法。
[付記11]
前記期間が1/2秒である、付記9に記載の方法。
[付記12]
前記入力デバイスが、前記ディスプレイ画面上に積層されたタッチスクリーンである、付記9に記載の方法。
[付記13]
前記入力デバイスがマウスである、付記9に記載の方法。
[付記14]
前記少なくとも1つのプロセッサによって、メモリデバイス内に、前記複数の行の内の前記行に対する状態インジケータを生成することを更に含む、付記9に記載の方法。
[付記15]
前記選択が前記期間に渡って継続的に維持されたという判定に応答して、前記行の前記商品フィールド内で指定された前記商品が取引出来る状態になっていることを示すように、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記状態インジケータを変更することを更に含む、付記14に記載の方法。
[付記16]
前記選択が一定期間に渡って継続的に維持されたという判定に応答して、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記行の前記買い気配フィールド又は売り気配フィールド上にターゲットアイコンを重ね合わせることを更に含む、付記9に記載の方法。
[付記17]
ディスプレイ画面と、
ネットワークインターフェースと、
入力デバイスと、
メモリと、
少なくとも1つのプロセッサと、を備える装置であって、前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記ディスプレイ画面上に、複数の行を有するグラフィカルユーザインターフェースを表示することであって、各行が商品フィールド、買い気配フィールド、及び売り気配フィールドを有し、各行が1つの注文に関連付けられる、ことと、
前記入力デバイスにおける第1の入力の作動を検出することと、
前記第1の入力の作動の検出に応答して、前記ディスプレイ画面上にターゲットアイコンを表示することと、
前記複数の行の内の1つの行の買い気配フィールド又は売り気配フィールド上での前記ターゲットアイコンの移動を検出することと、を行う為のものであって、
前記第1の入力が継続的に作動する間、且つ前記ターゲットアイコンが前記行の前記買い気配フィールド又は前記売り気配フィールド上に載っている間において、
前記入力デバイスにおける第2の入力の作動を検出することと、
前記行の前記商品フィールド内で指定された商品が取引出来る状態になっていることを示す為に、前記第2の入力の作動に応答して、前記メモリ内の状態インジケータを変更することと、
前記入力デバイスにおける第3の入力の作動を検出することと、
前記第3の入力の作動に応答して、前記行の前記商品フィールド内で指定された前記商品の注文を、前記ターゲットアイコンが上に載っている前記買い気配フィールド又は前記売り気配フィールド内で指定された価格で、前記ネットワークインターフェースを介して送信することと、を行う為のものである、装置。
[付記18]
前記入力デバイスが、前記ディスプレイ画面上に積層されたタッチスクリーンである、付記17に記載の装置。
[付記19]
前記入力デバイスがマウスである、付記17に記載の装置。
【符号の説明】
【0028】
100 コンピュータ装置
110 プロセッサ
112 メモリデバイス
114 ネットワークインターフェース
116 ネットワーク
202 コンピュータ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6