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特開2024-23535情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023535
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20240214BHJP
   G08G 1/0968 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
G01C21/26 C
G08G1/0968
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023205022
(22)【出願日】2023-12-05
(62)【分割の表示】P 2020053146の分割
【原出願日】2020-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】500578216
【氏名又は名称】株式会社ゼンリンデータコム
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】河合 真諭
(57)【要約】
【課題】所定の施設に関する情報を常時提供すること。
【解決手段】一実施形態に係る情報処理装置は、高速道路を走行する車両に搭載又は持ち込みされることが可能な情報処理装置であって、第1表示領域と、前記第1表示領域とは異なる表示領域である第2表示領域とが含まれる表示画面を表示させる表示制御部を有し、前記表示制御部は、前記第1表示領域に、前記高速道路にある施設に関する情報のリストを、前記車両の位置を基準にスクロールが可能に表示させ、前記第2表示領域に、前記高速道路にある所定の施設に関する情報を固定的に表示させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高速道路を走行する車両に搭載又は持ち込みされることが可能な情報処理装置であって、
第1表示領域と、前記第1表示領域とは異なる表示領域である第2表示領域とが含まれる表示画面を表示させる表示制御部を有し、
前記表示制御部は、
前記第1表示領域に、前記高速道路にある施設に関する情報のリストを、前記車両の位置を基準にスクロールが可能に表示させ、
前記第2表示領域に、前記高速道路にある所定の施設に関する情報を固定的に表示させる、情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記車両の位置を基準に、前記第1表示領域内に表示可能な範囲内にある各種施設に関する情報を、前記第1表示領域に表示させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記所定の施設は、予め設定された施設である、請求項1、又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定の施設は、設定された条件を満たす施設である、請求項1、又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示画面を表示する表示部をさらに有する、請求項1~4の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、
前記車両の位置の移動又はユーザの操作に応じて、前記第1表示領域に表示されている前記リストをスクロールさせる、請求項1~5の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
高速道路を走行する車両に搭載又は持ち込みされることが可能な情報処理装置に、適用することが可能な情報処理方法であって、
第1表示領域と、前記第1表示領域とは異なる表示領域である第2表示領域とが含まれる表示画面を表示させるステップを有し、
前記ステップでは、
前記第1表示領域に、前記高速道路にある施設に関する情報のリストが、前記車両の位置を基準にスクロールが可能に表示され、
前記第2表示領域に、前記高速道路にある所定の施設に関する情報が固定的に表示される、情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
第1表示領域と、前記第1表示領域とは異なる表示領域である第2表示領域とが含まれる表示画面を表示させるステップを実行させ、
前記ステップでは、
前記第1表示領域に、前記コンピュータが搭載又は持ち込みされた車両が走行する高速道路にある施設に関する情報のリストが、前記車両の位置を基準にスクロールが可能に表示され、
前記第2表示領域に、前記高速道路にある所定の施設に関する情報が固定的に表示される、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドライバーに対する情報提供を目的として、高速道路上の自車位置と次の施設(インターチェンジ、サービスエリア、パーキングエリア等)までの距離等を画面上に表示する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-168996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、自車位置を基準に画面内に表示可能な施設しか表示することができなかった。このため、ドライバー等のユーザは、例えば、自車位置よりもずっと先にあり、自車位置を基準とした画面内に表示されない施設までの距離等を確認することができなかった。
【0005】
一方で、例えば、ユーザ操作等によって画面をスクロールさせることで、自車位置を基準とした画面内に表示されない施設を表示することができる技術も存在するが、この場合、当該施設と自車位置とを同時に表示することができない。
【0006】
したがって、例えば、ジャンクション等の道路乗り換えのために重要な施設の情報を確認したい場合に、自車位置を基準とした画面内に表示されるまで確認できなかったり、自車位置と同時に確認することができなかったり等の不便があった。
【0007】
本発明の一実施形態は、上記の点に鑑みてなされたもので、所定の施設に関する情報を常時提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、一実施形態に係る情報処理装置は、高速道路を走行する車両に搭載又は持ち込みされることが可能な情報処理装置であって、第1表示領域と、前記第1表示領域とは異なる表示領域である第2表示領域とが含まれる表示画面を表示させる表示制御部を有し、前記表示制御部は、前記第1表示領域に、前記高速道路にある施設に関する情報のリストを、前記車両の位置を基準にスクロールが可能に表示させ、前記第2表示領域に、前記高速道路にある所定の施設に関する情報を固定的に表示させる。
【発明の効果】
【0009】
所定の施設に関する情報を常時提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る情報提供システムの全体構成の一例を示す図である。
図2】案内画面の一例を示す図(その1)である。
図3】案内画面の一例を示す図(その2)である。
図4】本実施形態に係るクライアント端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5】本実施形態に係るサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図6】本実施形態に係るクライアント端末及びサーバ装置の機能構成の一例を示す図である。
図7】本実施形態に係るクライアント端末及びサーバ装置が実行する処理の一例を示すシーケンス図である。
図8】本実施形態に係る案内画面の表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
図9】ダイアログの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態では、ユーザが高速道路を走行している場合に、自車位置を基準に表示可能な範囲内にある各種施設に関する情報に加えて、所定の施設に関する情報を常時提供する画面(以下、「案内画面」という。)をユーザの端末に表示する情報提供システム1について説明する。なお、高速道路は、自動車専用道路等と称されてもよい。
【0012】
ここで、施設としては、例えば、ジャンクション(JCT)、インターチェンジ(IC)、サービスエリア(SA)、パーキングエリア(PA)等が挙げられる。所定の施設は予め設定された施設のことであり、本実施形態では、JCTであるものとする。ただし、所定の施設としてはJCT以外の任意の施設(IC、SA又はPA)が設定されてもよいし、ユーザ等が指定した任意の条件を満たす施設(例えば、「大型車が駐車可能なPA」、「ガソリンスタンドがあるSA」、「キッズコーナーがあるSA」等)が設定されてもよい。
【0013】
また、施設に関する情報には、施設の種類(JCT、IC、SA又はPA)と施設名称と高速道路の起点(又は終点)から当該施設までの距離とが少なくとも含まれるものとする。ただし、これら以外にも、施設に関する情報には種々の情報(例えば、施設がPAである場合は駐車可能台数等)が含まれていてもよい。また、施設に関する情報には、自車位置から当該施設までの距離(つまり、自車位置からの相対距離)が含まれていてもよい。なお、以降では、「距離」と表記した場合は高速道路の起点(又は終点)からの距離を意味するものとする。
【0014】
<全体構成>
まず、本実施形態に係る情報提供システム1の全体構成について説明する。図1に示すように、本実施形態に係る情報提供システム1には、クライアント端末10と、サーバ装置20とが含まれる。また、クライアント端末10とサーバ装置20は、例えば、インターネットや携帯電話網等の任意の通信ネットワークNを介して通信可能に接続される。
【0015】
クライアント端末10は、ユーザ(例えば、高速道路を走行する車両のドライバー又はその車両の同乗者等)が所持するスマートフォン等の端末である。ユーザが高速道路を走行している間、クライアント端末10には、自車位置を基準に表示可能な範囲内にある施設名及び当該施設までの距離と、次のJCT名及び当該JCTまでの距離とを提供する案内画面が表示される。これにより、ユーザは、次のJCT名と当該jCTまでの距離とを常に確認することが可能となる。
【0016】
なお、クライアント端末10はスマートフォンに限られず、例えば、タブレット端末やウェアラブルデバイスであってもよいし、いわゆるカーナビ等を含む車載器であってもよい。
【0017】
サーバ装置20は、クライアント端末10が案内画面を表示する際に必要な施設データを提供するサーバである。施設データは、例えば、施設の名称と位置とが少なくとも含まれるデータである。
【0018】
なお、図1に示す情報提供システム1の構成は一例であって、他の構成であってもよい。例えば、案内画面を表示するために必要なデータ(上述した施設データの他、後述するネットワークデータ等)をクライアント端末10自身が保持している場合は、情報提供システム1にはサーバ装置20が含まれていなくてもよい。
【0019】
<案内画面>
ここで、高速道路を走行中のユーザのクライアント端末10に表示される案内画面の一例について説明する。
【0020】
図2に示す案内画面1000には、第1の表示領域1100と第2の表示領域1200とが含まれる。
【0021】
第1の表示領域1100には、自車両の進行方向の先にある次のJCT(つまり、最も近いJCT)のJCT名と当該JCTまでの距離とが固定で表示される。図2に示す例では、次のJCTのJCT名「宮野木」と当該JCTまでの距離「16.7kp」とが第1の表示領域1100に表示されている。なお、kpはキロポストのことであり、高速道路の起点(又は終点)からの距離を表す。
【0022】
第2の表示領域1200には、自車両の現在位置を表す自車位置アイコン1201と、施設名及び当該施設までの距離を表示する施設アイコンのリスト(以下、「施設アイコンリスト」という。)の中で当該自車位置アイコン1201を基準に表示可能な範囲内にある施設アイコンとが表示される。このとき、自車位置の移動に伴って、施設アイコンリストが画面下方向に動的にスクロール(以下、自車位置の移動に伴うスクロールを「自動スクロール」という。)される。図2に示す例では、IC名「湾岸市川」及び当該ICまでの距離「1.0kp」が表示される施設アイコン1211と、IC名「谷津船橋」及び当該ICまでの距離「5.5kp」が表示される施設アイコン1212とが第2の表示領域1200に表示されている。ここで、自車位置アイコン1201を基準に表示可能な範囲内にある施設アイコンとは、自車位置アイコン1201を第2の表示領域1200に固定表示した上で、自車位置の移動に伴って施設アイコンリストを画面下方向に動的にスクロールした際に、当該第2の表示領域1200内に含まれる施設アイコンのことである。
【0023】
第2の表示領域1200に表示される施設アイコンリストは、ユーザ操作(例えば、画面の下又は上方向へのスワイプ操作等)によってスクロール(以下、ユーザ操作によるスクロール「手動スクロール」という。)させることができる。施設アイコンリストを手動スクロールさせるための操作を「スクロール操作」とも表す。
【0024】
自動スクロール又は手動スクロールによって、次のJCTのJCT名及び距離を表示するアイコンが第2の表示領域1200に表示された場合、第1の表示領域1100には次の次のJCTのJCT名及び距離が表示される。例えば、JCT名「宮野木」と当該JCTまでの距離とが第1の表示領域1100に表示されている場合に、自動スクロール又は手動スクロールによって、JCT名「宮野木」と当該JCTまでの距離とが表示されるアイコンが第2の表示領域1200に表示されると、第1の表示領域1100には次の次のJCTのJCT名及び当該JCTまでの距離とが表示される。具体的には、図3に示すように、手動スクロールによって、JCT名「宮野木」と当該JCTまでの距離とが表示されるアイコン1221が第2の表示領域1200に表示されると、第1の表示領域1100には、宮野木JCTの次のJCTである成田JCTのJCT名及び当該JCTまでの距離とが表示される。
【0025】
このように、本実施形態に係るクライアント端末10には、所定の施設に関する情報が固定表示される第1の表示領域と、自車位置の移動に応じて施設アイコンリストが自動スクロールされる第2の表示領域とが含まれる案内画面が表示される。この案内画面により、ユーザは、第2の表示領域に表示される施設に関する情報だけでなく、所定の施設に関する情報を常に確認することが可能となる。このため、ユーザは、例えば、次のJCT名と次のJCTまでの距離とを常に確認することが可能となる。
【0026】
なお、図2に示す例では、高速道路の起点(又は終点)から該当の施設までの距離(kp)を表示したが、kpと共に(又はkpに代わりに)自車位置から当該施設までの相対距離が表示されてもよい。自車位置から当該施設までの相対距離が表示される場合、この相対距離は、自車位置の移動に伴って動的に更新される。
【0027】
<ハードウェア構成>
次に、本実施形態に係るクライアント端末10及びサーバ装置20のハードウェア構成について説明する。
【0028】
≪クライアント端末10≫
図4に示すように、本実施形態に係るクライアント端末10は、ハードウェアとして、タッチパネル11と、外部I/F12と、通信I/F13と、プロセッサ14と、メモリ装置15と、GPS(Global Positioning System)受信機16とを有する。これら各ハードウェアは、それぞれがバス17を介して通信可能に接続されている。
【0029】
タッチパネル11は、ディスプレイ等の表示装置とタッチパッド等の表示装置とを組み合わせた電子部品であり、ユーザ操作の入力を受け付けると共にユーザに対して各種画面等を表示する。
【0030】
外部I/F12は、記録媒体12a等の外部装置とのインタフェースである。クライアント端末10は、外部I/F12を介して、記録媒体12aの読み取りや書き込み等を行うことができる。なお、記録媒体12aには、例えば、SDメモリカード(Secure Digital memory card)やUSB(Universal Serial Bus)メモリカード等がある。
【0031】
通信I/F13は、クライアント端末10を通信ネットワークNに接続するためのインタフェースである。プロセッサ14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の各種演算装置である。メモリ装置15は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の各種記憶装置である。GPS受信機16は、GPS衛星からの電波を受信する電子部品である。
【0032】
本実施形態に係るクライアント端末10は、図4に示すハードウェア構成を有することにより、後述する各種処理を実現することができる。
【0033】
≪サーバ装置20≫
図5に示すように、本実施形態に係るサーバ装置20は、ハードウェアとして、入力装置21と、表示装置22と、外部I/F23と、通信I/F24と、プロセッサ25と、メモリ装置26とを有する。これら各ハードウェアは、それぞれがバス27を介して通信可能に接続されている。
【0034】
入力装置21は、例えば、キーボードやマウス等である。表示装置22は、例えば、ディスプレイ等である。なお、サーバ装置20は、入力装置21及び表示装置22のうちの少なくとも一方を有していなくてもよい。
【0035】
外部I/F23は、記録媒体23a等の外部装置とのインタフェースである。サーバ装置20は、外部I/F23を介して、記録媒体23aの読み取りや書き込み等を行うことができる。なお、記録媒体23aには、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、SDメモリカード、USBメモリカード等がある。
【0036】
通信I/F24は、サーバ装置20を通信ネットワークNに接続するためのインタフェースである。プロセッサ25は、例えば、CPU等の各種演算装置である。メモリ装置26は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の各種記憶装置である。
【0037】
本実施形態に係るサーバ装置20は、図5に示すハードウェア構成を有することにより、後述する各種処理を実現することができる。
【0038】
<機能構成>
次に、本実施形態に係るクライアント端末10及びサーバ装置20の機能構成について説明する。
【0039】
≪クライアント端末10≫
図6に示すように、本実施形態に係るクライアント端末10は、通信部101と、測位部102と、表示制御部103とを有する。これら各機能部は、例えば、クライアント端末10にインストールされた1以上のプログラムがプロセッサ14に実行させる処理により実現される。
【0040】
通信部101は、サーバ装置20との間で各種データの送受信を行う。測位部102は、GPS受信機16により電波を受信することで、クライアント端末10の現在位置(つまり、当該クライアント端末10を所持するユーザが乗車する車両の自車位置)を測位する。表示制御部103は、案内画面をタッチパネル11上に表示する。
【0041】
≪サーバ装置20≫
図6に示すように、本実施形態に係るサーバ装置20は、通信部201と、特定部202と、施設取得部203とを有する。これら各機能部は、例えば、サーバ装置20にインストールされる1以上のプログラムがプロセッサ25に実行させる処理により実現される。
【0042】
また、本実施形態に係るサーバ装置20は、点列データ記憶部204と、ネットワークデータ記憶部205と、施設データ記憶部206とを有する。これら各記憶部は、例えば、メモリ装置26により実現可能である。
【0043】
通信部201は、クライアント端末10との間で各種データの送受信を行う。特定部202は、クライアント端末10の位置(つまり、自車位置)の点列を示す点列データと、ネットワークデータ記憶部205に記憶されているネットワークデータとを用いて、当該クライアント端末10のユーザが走行している高速道路と方面(上り方面又は下り方面)とを特定する。施設取得部203は、特定部202により特定された高速道路及び方面を用いて、施設データ記憶部206から該当の施設データを取得する。
【0044】
点列データ記憶部204は、自車位置の点列を示す点列データを記憶する。ネットワークデータ記憶部205は、道路ネットワークに関するデータであるネットワークデータを記憶する。施設データ記憶部206は、施設データを記憶する。なお、ネットワークデータには、道路ネットワークを構成するリンクに関するデータと、リンクの端点を示すノードに関するデータとが含まれる。リンクに関するデータには、例えば、当該リンクが表す道路の道路種別や道路名等の情報が含まれている。
【0045】
<処理の詳細>
次に、本実施形態に係るクライアント端末10及びサーバ装置20が実行する処理の流れについて説明する。図7は、本実施形態に係るクライアント端末10及びサーバ装置20が実行する処理の一例を示すシーケンス図である。以降では、クライアント端末10のユーザは高速道路を走行中であるものとする。
【0046】
クライアント端末10の測位部102は、GPS受信機16により電波を受信することで、当該クライアント端末10の現在位置を測位する(ステップS101)。次に、クライアント端末10の通信部101は、測位部102により測位された現在位置を示す位置情報をサーバ装置20に送信する(ステップS102)。なお、クライアント端末10の通信部101は、位置情報と共に、当該クライアント端末10を識別する識別情報(例えば、ユーザIDや端末ID等)もサーバ装置20に送信する。
【0047】
サーバ装置20の特定部202は、通信部201により位置情報をクライアント端末10から受信すると、当該位置情報を点列データ記憶部204に格納する(ステップS103)。このとき、特定部202は、例えば、当該クライアント端末10の識別情報と位置情報とを対応付けて点列データ記憶部204に格納する。これにより、当該クライアント端末10の位置情報の時系列が点列データとして点列データ記憶部204に記憶される。
【0048】
なお、上記のステップS102で位置情報を送信するのではなく、点列データが送信されてもよい。すなわち、上記のステップS102において、クライアント端末10は或る所定の時間幅における位置情報を点列データとしてサーバ装置20に送信してもよい。
【0049】
ステップS103に続いて、サーバ装置20の特定部202は、点列データ記憶部204に記憶されている点列データと、ネットワークデータ記憶部205に記憶されているネットワークデータとを用いて、当該クライアント端末10のユーザが走行している高速道路と方面(上り方面又は下り方面)とを特定する(ステップS104)。特定部202は、例えば、マップマッチング等の既知の手法により、点列データとネットワークデータとを用いてユーザが走行している高速道路と方面とを特定すればよい。
【0050】
次に、サーバ装置20の施設取得部203は、特定部202により特定された高速道路及び方面を用いて、施設データ記憶部206から該当の施設データを取得する(ステップS105)。ここで、該当の施設データとは、当該高速道路において当該方面の方向(つまり、ユーザの進行方向)にある施設に関する施設データのことである。
【0051】
そして、サーバ装置20の通信部201は、施設取得部203により取得された施設データを当該クライアント端末10に送信する(ステップS106)。
【0052】
なお、例えば、該当の施設データを当該クライアント端末10に送信済である場合等には、上記のステップS105~ステップS106は実行されなくてもよい。
【0053】
クライアント端末10の表示制御部103は、案内画面の表示制御処理を実行する(ステップS107)。すなわち、表示制御部103は、例えば、上記のステップS101で測位された現在位置に応じて案内画面中の第2の表示領域に表示されている施設アイコンリストをスクロールさせると共に、このスクロールによって次のJCTに関する情報が第2の表示領域に表示された場合はその次のJCTに関する情報を第1の表示領域に表示する。なお、案内画面の表示制御処理の詳細については後述する。
【0054】
上記のステップS101~ステップS107は、所定の時間毎(例えば、数秒毎)に繰り返し実行される。
【0055】
また、案内画面上でユーザによって第2の表示領域のスクロール操作が行われた場合、クライアント端末10の表示制御部103は、案内画面の表示制御処理を実行する(ステップS201)。すなわち、表示制御部103は、例えば、スクロール操作に応じて案内画面中の第2の表示領域に表示されている施設アイコンリストをスクロールさせると共に、このスクロールによって次のJCTに関する情報が第2の表示領域に表示された場合はその次のJCTに関する情報を第1の表示領域に表示する。
【0056】
≪案内画面の表示制御処理≫
ここで、上記のステップS107又はステップS201における案内画面の表示制御処理について説明する。図8は、本実施形態に係る案内画面の表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0057】
表示制御部103は、測位部102により測位された現在位置又はスクロール操作に応じて、案内画面中の第2の表示領域に表示される施設アイコンリストをスクロールさせる(ステップS301)。
【0058】
次に、表示制御部103は、上記のステップS301でのスクロールの結果、次のJCTのJCT名及び当該JCTまでの距離を表示するアイコンが第2の表示領域に表示されているか否かを判定する(ステップS302)。
【0059】
次のJCTのJCT名及び当該JCTまでの距離を表示するアイコンが第2の表示領域に表示されていないと判定された場合(ステップS302でNO)、表示制御部103は、サーバ装置20から受信した施設データを参照して、ユーザの進行方向にJCTがあるか否かを判定する(ステップS303)。
【0060】
ユーザの進行方向にJCTがあると判定された場合(ステップS303でYES)、表示制御部103は、当該JCT(つまり、次のJCT)のJCT名と当該JCTまでの距離とを第1の表示領域に表示する(ステップS304)。
【0061】
ユーザの進行方向にJCTがないと判定された場合(ステップS303でNO)、表示制御部103は、第1の表示領域には何も表示しない(ステップS305)。
【0062】
次のJCTのJCT名及び当該JCTまでの距離を表示するアイコンが第2の表示領域に表示されていると判定された場合(ステップS302でYES)、表示制御部103は、サーバ装置20から受信した施設データを参照して、次の次のJCTがあるか否かを判定する(ステップS306)。
【0063】
次の次のJCTがあると判定された場合(ステップS306でYES)、表示制御部103は、次の次のJCTのJCT名と当該JCTまでの距離とを第1の表示領域に表示する(ステップS307)。
【0064】
次の次のJCTがないと判定された場合(ステップS306でNO)、表示制御部103は、第1の表示領域には何も表示しない(ステップS308)。
【0065】
以上のように、ユーザが高速道路を走行している間、本実施形態に係るクライアント端末10には、所定の施設に関する情報が固定表示される第1の表示領域と、自車位置の移動に応じて施設アイコンリストが自動スクロールされる第2の表示領域とが含まれる案内画面が表示される。これにより、ユーザは、第2の表示領域に表示される施設に関する情報だけでなく、所定の施設に関する情報(例えば、次のJCTのJCT名及び当該JCTまでの距離等)を常に確認することが可能となる。
【0066】
なお、案内画面中の第1の表示領域はユーザのタップ操作等により押下可能に構成されてもよい。例えば、JCT名「宮野木」のJCTに関する情報が第1の表示領域に表示されている場合、当該第1の表示領域がユーザにより押下されると、図9に示すダイアログ1300が表示されてもよい。このダイアログ1300には、「東関東自動車道 上り」、「京葉道路 上り」及び「京葉道路 下り」が選択可能に表示されており、いずれかを選択すると、選択した高速道路及び方面における当該JCTの交通情報が表示される。例えば、ダイアログ1300で「京葉道路 下り」が選択された場合、宮野木JCTの京葉道路下り方面における交通情報を表示するウインドウ1400が表示される。このように、第1の表示領域を押下することで、ユーザは、この第1の表示領域に表示されているJCTにおける交通情報を確認することが可能となる。このような交通情報は、例えば、クライアント端末10が備えるスピーカー等から音声出力されてもよい。
【0067】
なお、交通情報は一例であって、第1の表示領域に表示されている施設に関する情報に関連する有益な情報であってもよい。例えば、「大型車が駐車可能なPA」に関する情報が第1の表示領域に表示されている場合は駐車場の空き状況を示す情報であってもよいし、「ガソリンスタンドがあるSA」に関する情報が第1の表示領域に表示されている場合はガソリンスタンドの混雑状況を表す情報であってもよいし、「キッズコーナーがあるSA」に関する情報が第1の表示領域に表示されている場合はキッズコーナーの混雑状況を表す情報であってもよい。
【0068】
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から逸脱することなく、種々の変形や変更、既知の技術との組み合わせ等が可能である。
【符号の説明】
【0069】
1 情報提供システム
10 クライアント端末
20 サーバ装置
101 通信部
102 測位部
103 表示制御部
201 通信部
202 特定部
203 施設取得部
204 点列データ記憶部
205 ネットワークデータ記憶部
206 施設データ記憶部
N 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9