(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023555
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】エアロゾルの発生
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20240214BHJP
A24D 3/17 20200101ALI20240214BHJP
【FI】
A24D1/20
A24D3/17
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023205817
(22)【出願日】2023-12-06
(62)【分割の表示】P 2022531416の分割
【原出願日】2020-11-27
(31)【優先権主張番号】1917478.8
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】アビ アウン、ワリド
(72)【発明者】
【氏名】リア、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】リース、ケリー
(72)【発明者】
【氏名】ソフェ、ジョアンナ
(72)【発明者】
【氏名】トッド、リチャード
(57)【要約】 (修正有)
【課題】非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品および非燃焼系エアロゾル供給システムを提供する。
【解決手段】物品10は、フィルター3と、エアロゾル発生材およびカプセル化された第1のエアロゾル変性剤を含むエアロゾル発生部1とを含む。加熱の際、カプセル化された第1のエアロゾル変性剤は、閾値放出温度に達したら放出される。フィルター3は、第2のエアロゾル変性剤を保持する部材を含み、第2のエアロゾル変性剤は、選択的にこの部材から放出される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品であって、この物品は、フィルター(3)と、エアロゾル発生部(1)とを含み
エアロゾル発生部(1)は、エアロゾル発生材と、カプセル化された第1のエアロゾル変性剤とを含み、
カプセル化された第1のエアロゾル変性剤は、少なくとも閾値放出温度に加熱することで放出され、
フィルター(3)は、第2のエアロゾル変性剤を保持する部材(5)を含み、第2のエアロゾル変性剤は、選択的にこの部材から放出される物品。
【請求項2】
第1および/または第2のエアロゾル変性剤は、風味剤を含むことを特徴とする請求項1記載の物品。
【請求項3】
第2のエアロゾル変性剤は、それが加熱時に晒される温度を超えた放出温度を有することを特徴とする請求項1または2記載の物品。
【請求項4】
エアロゾル発生部は、エアロゾル形成材の少なくとも一部を囲むラッパーを含むことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の物品。
【請求項5】
カプセル化された第1のエアロゾル変性剤は、エアロゾル発生材と混合される複数の部材の形体であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の物品。
【請求項6】
第1および第2のエアロゾル変性剤は同じであることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の物品。
【請求項7】
第1および/または第2のエアロゾル変性剤は異なることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の物品。
【請求項8】
エアロゾル発生材はタバコ材を含むことを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項記載の物品。
【請求項9】
フィルターは、第2のエアロゾル変性剤を支える部材を保持するフィルタープラグを含み、フィルタープラグは、非エアロゾル化可能なフィルター材を含むことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載の物品。
【請求項10】
非エアロゾル化可能なフィルター材は、セルロースアセテート、セラミック材、ポリマーマトリックスおよび/または活性炭を含むことを特徴とする請求項9記載の物品。
【請求項11】
エアロゾル発生部は、第3のエアロゾル変性剤をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至10いずれか1項記載の物品。
【請求項12】
第3のエアロゾル変性剤はカプセル化されていない風味剤を含むことを特徴とする請求項11記載の物品。
【請求項13】
カプセル化された第1のエアロゾル変性剤はカプセル化材にカプセル化され、カプセル化材は、多糖材料、セルロース系材料、ゼラチン、ガム、プロテイン材、ポリオールマトリックス材、非晶質固体、ゲル、ワックス、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル重合物加水分解物、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリレート、ポリグリコール、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルまたはこれらの混合物のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1乃至12いずれか1項記載の物品。
【請求項14】
部材は破壊可能なカプセルを含み、破壊可能なカプセルは第2のエアロゾル変性剤を含むことを特徴とする請求項1乃至13いずれか1項記載の物品。
【請求項15】
ユーザーが吸入する際のフィルターの圧力差は、カプセルが壊されていない状態にあるときには30~90mmH2O、好適には35~60mmH2O、38~55mmH2Oまたは40~50mmH2Oの範囲内であることを特徴とする請求項14記載の物品。
【請求項16】
破壊可能なカプセルは、コア-シェル構造を有することを特徴とする請求項14または15記載の物品。
【請求項17】
コアは、コアの総重量基準で少なくとも約25%w/wの風味剤を含むことを特徴とする請求項16記載の物品。
【請求項18】
破壊可能なカプセルは、エアロゾル変性剤を保持するバリアー材を含み、バリアー材は、ゲル化剤、増量剤、着色剤、可塑剤および充填材うちの1つ以上を含むことを特徴とする請求項14乃至17いずれか1項記載の物品。
【請求項19】
破壊可能なカプセルは、実質的に球体であり、約0.4mm~約8.0mmの直径を有することを特徴とする請求項14乃至18いずれか1項記載の物品。
【請求項20】
破壊可能なカプセルは、約5mg~約60mgの重さがあることを特徴とする請求項14乃至19いずれか1項記載の物品。
【請求項21】
ヒーターと、請求項1乃至20いずれか1項記載の物品とを含み、ヒーターは、エアロゾルを発生させるために使用時に物品のエアロゾル発生部を加熱するために配されている非燃焼系エアロゾル供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾルの発生、特に限定はされないが非燃焼系エアロゾル供給システム内に使用するための物品および非燃焼系エアロゾル供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻きタバコ、シガーなどの喫煙品は使用時にタバコを燃やし、煙を発生させる。これらの種類の物品の代替物は、燃焼させずに化合物を放出する。
【0003】
エアロゾル発生材を燃やさずまたは燃焼させずにエアロゾル発生材を加熱してエアロゾル発生材の少なくとも1つの成分を揮発させて、典型的には吸入可能なエアロゾルを形成する装置が知られている。そのような装置は、場合によっては「非燃焼加熱」装置または「タバコ加熱製品」(THP)または「タバコ加熱デバイス」またはそれに類するものとして説明される。エアロゾル発生材の少なくとも1つの成分を揮発させるための種々の異なる構造が知られている。
【0004】
その材料は、例えばタバコまたは他の非タバコ製品またはニコチンを含んでも含まなくてもよいブレンドミックスなどの組み合わせであってもよい。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第1の態様では非燃焼系エアロゾル供給システム内に使用するための物品が提供され、この物品は、フィルターとエアロゾル発生部とを含み、エアロゾル発生部は、エアロゾル発生材と、カプセル化された第1のエアロゾル変性剤とを含み、カプセル化された第1のエアロゾル変性剤は、少なくとも閾値放出温度に加熱することで放出され、フィルターは、第2のエアロゾル変性剤を保持する部材を含み、第2のエアロゾル変性剤は、選択的にこの部材から放出される。
【0006】
閾値温度に加熱することで放出可能なカプセル化された第1のエアロゾル変性剤を設けることで、第1のエアロゾル変性剤を長時間放出させる。物品の第1のフィルター部に選択的に放出可能な第2のエアロゾル変性剤を設けることで、発生させたエアロゾルの組成をユーザーが調節する。ユーザーは第2のエアロゾル変性剤を放出するかそしていつ放出するかを選択することができる。
【0007】
本発明の第2の態様ではヒーターと、第1の態様による物品とを含む非燃焼系エアロゾル供給システムが提供され、ヒーターは、エアロゾルを発生させるために使用時に物品のエアロゾル発生部を加熱するために配されている。
【0008】
物品に関して本明細書に開示する特徴は、本発明のシステムと組み合わせておよびその逆と組み合わせて明確に開示されている。
【0009】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付図面を参照して単に一例として挙げられる本発明のいつかの例示の以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】非燃焼系エアロゾル供給システム内に使用するための物品の一例の斜視図である。
【
図2】非燃焼系エアロゾル供給システムの一例の斜視図である。
【
図3】下記実施例に記載の研究結果を示すグラフである。
【
図4】下記実施例に記載の研究結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のいくつかの例によるエアロゾル発生システムは、ここでは非燃焼加熱装置、タバコ加熱製品またはタバコ加熱デバイスと言う場合もある。
【0012】
上記のように、本発明は、非燃焼系エアロゾル供給システム内に使用するための物品が提供され、この物品は、フィルターとエアロゾル発生部とを含み、
エアロゾル発生部は、エアロゾル発生材と、カプセル化された第1のエアロゾル変性剤とを含み、カプセル化された第1のエアロゾル変性剤は、少なくとも閾値放出温度に加熱することで放出され、フィルターは、第2のエアロゾル変性剤を保持する部材を含み、第2のエアロゾル変性剤は、選択的にこの部材から放出される。
【0013】
これとは別にこのような物品を本明細書ではエアロゾル発生品と言う場合もある。
【0014】
本明細書では「エアロゾル変性剤」なる用語は、エアロゾル化可能であって、エアロゾル発生材を加熱することによって発生させたエアロゾルと組み合わせることができ、エアロゾルがどのようにユーザーに知覚されるかを変えるあらゆる化合物のことである。一部の実施態様ではエアロゾル変性剤は、エアロゾル形成材、風味剤、芳香剤および活性成分のうちの1つ以上を含んでもよい。一部の実施態様ではエアロゾル変性剤は、1つ以上の風味剤、好適にはメンソールを含む。場合によってはエアロゾル変性剤は、実質的にメンソールからなるまたはメンソールからなる。
【0015】
場合によっては第1および/または第2のエアロゾル変性剤は、風味剤、好適にはメンソールを含む、またはメンソールからなる。場合によっては第1および第2のエアロゾル変性剤は、同じである。場合によっては第1および/または第2のエアロゾル変性剤は異なる。
【0016】
第1のエアロゾル変性剤は、カプセル化され、エアロゾル変性剤は、カプセル化された変性剤を少なくとも閾値放出温度に加熱することによって放出される。カプセル化された第1のエアロゾル変性剤は、使用時に物品内のカプセル化された変性剤の場で達する温度より低いまたはその温度に等しい温度でそのカプセルから放出される。
【0017】
場合によっては閾値放出温度は、少なくとも50℃、場合によっては少なくとも100℃、場合によっては少なくとも150℃、そして場合によっては約300℃、約270℃または約250℃未満である。カプセル化は、エアロゾル変性剤の意図しない揮発を妨げるため、エアロゾル変性剤を長時間に亘って送出させるためそして使用前のエアロゾル発生材内のエアロゾル変性剤の移動を妨げるために使用することができる。
【0018】
第1のエアロゾル変性剤は、カプセル化材にカプセル化してもよい。場合によってはカプセル化材は、アルギネート、カラギーナンまたはペクチン材などの多糖材料、セルロース系材料、ゼラチン、ガム、プロテイン材、ポリオールマトリックス材、非晶質固体、ゲル、ワックス、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル重合物加水分解物、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリレート、ポリグリコール、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルまたはこれらの混合物またはこれらすべての混合物のうちの少なくとも1つを含む。
【0019】
場合によっては温度に依存する放出は、放出温度で風味剤を放出するために溶ける、分解する、反応する、崩壊する、膨潤するまたは変形するカプセル化材の使用によって行ってもよい。別の場合には加熱によってカプセル化されたエアロゾル変性剤を膨らませて、カプセル化材を破裂させてもよい。
【0020】
カプセル化された第1のエアロゾル変性剤は、粉、粒またはビーズであるカプセルの形体で提供されてもよい。場合によってはこれらのカプセルは基材に担持されてもよい。場合によってはカプセル化された第1のエアロゾル変性剤は、エアロゾル変性剤をカプセル化する非晶質固体の形体で提供されてもよい。非晶質固体は、多糖類マトリックスを含んでもよい。非晶質固体は、薄膜として提供されてもよい。この薄膜は、例えば刻まれたまたはシート状で提供されてもよい。場合によってはカプセル化された第1のエアロゾル変性剤は、これらの形体の混合物、例えばカプセルとカプセル化膜の組み合わせに含まれてもよい。
【0021】
一部の実施態様では非晶質固体は、1~60wt%のゲル化剤、0.1~50wt%のエアロゾル形成剤および0.1~80wt%の風味剤を含み、これらの重量は乾式重量基準で計算される。
【0022】
一部の別の実施態様では非晶質固体は、1~50wt%のゲル化剤、0.1~50wt%のエアロゾル形成剤および30~60wt%の風味剤を含み、これらの重量は乾式重量基準で計算される。
【0023】
一部の別の実施態様では非晶質固体は、非晶質固体の約40~80wt%の量のエアロゾル形成材と、ゲル化剤と任意の充填材(即ち、一部の例では充填材が非晶質固体に存在し、他の例では充填材は、非晶質固体に存在しない)とを含み、ゲル化剤と充填材の量は合わせて非晶質固体の約10~60wt%であり(即ち、ゲル化剤と充填材は合わせて非晶質固体の約10~60wt%を占める)、そして任意に活性物質および/または風味剤を非晶質固体の約20wt%以下の量で含む(即ち非晶質固体は、≦20wt%の活性物質を含む)。
【0024】
非晶質固体は乾燥ゲルから形成してもよい。上述の組成比を使用することは、ゲルが硬化した際に風味化合物がゲルマトリックス内で安定化し、非ゲル組成においてより多くの風味を投入することができることが分かっている。風味料(例えば、メンソール)は、高濃度で安定化され、良好な保存可能期間を供する。
【0025】
場合によっては非晶質固体は、約0.015mm~約1.5mmの壁厚を有する。好適には厚さは、約0.05mm、0.1mmまたは0.15mm~約0.5mm、0.3mmまたは1mmであってもよい。本発明者は0.2mmの厚さの材料が一部の実施態様で
特に適しているということを発見した。非晶質固体は2つ以上の層を含んでもよく、本明細書に記載の厚さはこれらの層の合計の厚さを意味する。
【0026】
非晶質固体は厚すぎると、加熱効率が損なわれる。これは使用時の電力消費に悪影響を与える。逆に非晶質固体が薄すぎると、製造および取り扱いが困難になり、非常に薄い材料はキャストしにくく、そして壊れやすくなる。
【0027】
好適には非晶質固体は、約1wt%、5wt%、10wt%、15wt%、20wt%、25wt%、30wt%または35wt%~約60wt%、55wt%、50wt%、45wt%、40wt%または35wt%のゲル化剤(全て乾式重量基準で計算して)を含んでもよい。例えば、非晶質固体は、1~60wt%、5~60wt%、20~60wt%、25~55wt%、30~50wt%、35~45wt%、5~45wt%、10~40wt%または20~35wt%のゲル化剤を含んでもよい。
【0028】
ゲル化剤は、セルロース系ゲル化剤、非セルロース系ゲル化剤、グァーガム、アカシアゴムおよびそれらの混合物から選択される1つ以上の化合物を含んでもよい。
【0029】
一部の実施態様ではゲル化剤は親水コロイドを含む。一部の実施態様ではゲル化剤はアルギン酸塩類、ペクチン類、スターチ(および派生物)、セルロース類(および派生物)、ゴム、シリカまたはシリコーン化合物、クレー、ポリビニルアルコールおよびこれらの組み合わせから選択される1つ以上の化合物を含む。例えば一部の実施態様ではゲル化剤は、アルギン酸塩類、ペクチン類、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、プルラン、キサンタンガム、グァーガム、カラギーナン、アガロース、アカシアゴム、ヒュームドシリカ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ケイ酸ナトリウム、カオリンおよびポリビニルアルコールのうちの1つ以上を含む。場合によってはゲル化剤はアルギン酸塩および/またはペクチンを含み、非晶質固体の形成の際に硬化剤(カルシウム源などの)と混ぜてもよい。場合によっては非晶質固体はカルシウムで架橋したアルギン酸塩および/またはカルシウムで架橋したペクチンを含んでもよい。
【0030】
一部の実施態様ではセルロース系ゲル化剤は、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテート(CA)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0031】
一部の実施態様ではゲル化剤は、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース、グァーガムまたはアカシアゴムのうちの1つ以上を含む(またはである)。
【0032】
一部の実施態様ではゲル化剤は、寒天、キサンタンガム、アラビアゴム、グァーガム、イナゴマメゴム、ペクチン、カラギーナン、デンプン、アルギン酸塩、およびこれらの組み合わせを含む1つ以上の非セルロース系ゲル化剤を含む(またはである)が、これらに限定されない。好ましい実施態様では、非セルロース系ゲル化剤は、アルギン酸塩または寒天である。
【0033】
一部の実施態様では非晶質固体は、アルギン酸塩と、ペクチンとを含み、ペクチンに対するアルギン酸塩の比は、1:1~10:1である。ペクチンに対するアルギン酸塩の比は、通常は>1:1、即ちアルギン酸塩の方がペクチンの量より多い量で存在する。いくつかの例ではペクチンに対するアルギン酸塩の比は、約2:1~8:1または約3:1~6:1または約4:1である。
【0034】
一部の実施態様では非晶質固体は、充填材を非晶質固体の1~30wt%、例えば5~25wt%または10~20wt%の量で含む。いくつかの例では非晶質固体は、充填材を非晶質固体の1wt%超、5wt%または8wt%の量で含む。いくつかの例では非晶質固体は、充填材を非晶質固体の40wt%未満、30wt%、20wt%、15wt%、12wt%、10wt%、5wt%または1wt%の量で含む。他の例では非晶質固体は、充填材を含まない。
【0035】
いくつかの例では非晶質固体は、ゲル化剤と充填材を合わせての量で約10wt%、20wt%、25wt%、30wt%、35wt%、40wt%、45wt%、50wt%、55wt%~または約60wt%~の量で含む。いくつかの例ではゲル化剤と充填材の量は、合わせて非晶質固体の85wt%以下、80wt%、75wt%、70wt%、65wt%または60wt%以下である。いくつかの例では非晶質固体は、ゲル化剤と充填材を合わせて非晶質固体の約20~60wt%、25~55wt%、30~50wt%または35~45wt%の量で含む。
【0036】
充填材は含まれるのであれば炭酸カルシウム、パーライト、バーミキュライト、珪藻土、コロイドシリカ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウムおよびモレキュラーシーブなどの好適な無機吸着剤の内の1つ以上を含んでもよい。充填材はウッドパルプ、セルロースおよびセルロース派生物などの1つ以上の有機充填材を含んでもよい。特定の場合には非晶質固体はチョークなどの炭酸カルシウムを含む。
【0037】
充填材を含む一部の例では充填材は繊維性であってもよい。例えば、充填材はウッドパルプ、麻繊維、セルロースまたはセルロース派生物などの繊維性充填材であってもよい。いかなる理論にも束縛されることを望まないが、非晶質固体に繊維性充填材を含有させることは材料の引張強度を増加させることが確認されている。
【0038】
一部の例では非晶質固体はタバコ繊維を含まない。特定の例では非晶質固体は繊維材を含まない。
【0039】
一部の実施態様では非晶質固体は、約0.1wt%、0.5wt%、1wt%、3wt
%、5wt%、7wt%または10wt%~約80wt%、50wt%、45wt%、40wt%、35wt%、30wt%または25wt%のエアロゾル形成材を含む(全て乾式重量基準で計算して)。例えば、非晶質固体は、0.5~40wt%、3~35wt%または10~25wt%のエアロゾル形成材を含んでもよい。
【0040】
エアロゾル形成材は、可塑剤として機能してもよい。可塑剤の含有量が多すぎると、非晶質固体が水を吸収し、使用の際に適した消費経験を生じさせない材料になってしまう。可塑剤の含有量が少なすぎると、非晶質固体は脆弱になり、壊れやすくなる。
【0041】
一部の実施態様ではエアロゾル形成材は、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセリンなどの1つ以上の多価アルコール、グリセロールモノ、ジまたはトリアセテートなどの多価アルコールのエステルおよび/またはドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなどのモノ、ジまたはポリカルボン酸の脂肪族エステルを含む。
【0042】
場合によってはエアロゾル形成材は、エリトリトール、プロピレングリコール、グリセリン、トリアセチン、ソルビトールおよびキシリトールから選択される1つ以上の化合物を含む。場合によってはエアロゾル形成材は、グリセロールを含む、から実質的になるまたはからなる。
【0043】
一部の実施態様では非晶質固体は着色剤を含む。着色剤を加えることによって非晶質固体の外観を変えてもよい。非晶質固体中に着色剤が存在することで非晶質固体およびエアロゾル発生材の外観を向上させてもよい。非晶質固体に着色剤を加えることによって非晶質固体の色をエアロゾル発生材の他の成分または非晶質固体を含む物品の他の成分に合わせてもよい。
【0044】
種々の着色剤を非晶質固体の所望の色に応じて使用してもよい。非晶質固体の色は、例えば白、緑、赤、紫、青または黒であってもよい。また他の色も想定される。天然のまたは合成染料、食品グレードの着色剤および医薬品グレードの着色剤などの天然のまたは合成着色剤を使用してもよい。特定の実施態様において、着色剤は、非晶質固体を茶色の外観にするカラメルである。このような実施態様では非晶質固体の色は、非晶質固体を含むエアロゾル発生材中の他の成分(タバコ材など)の色と類似してもよい。一部の実施態様では非晶質固体に着色剤を加えることによってエアロゾル発生材の他の成分を視覚的に区別できるようにする。
【0045】
着色剤は、非晶質固体の形成中(例えば、非晶質固体を形成する材料を含むスラリーを形成中)に組み込んでもよく、あるいは非晶質固体にそれが形成された後に塗布してもよ
い(例えば、非晶質固体に噴霧することによって)。
【0046】
非晶質固体は、酸を含んでもよい。酸は有機酸であってもよい。これらの実施態様の一部において酸は、一塩基酸、二塩基酸および三塩基酸のうちの少なくとも1つであってもよい。一部のこのような実施態様では酸は、少なくとも1つのカルボン酸官能基を含んでもよい。一部のこのような実施態様では酸は、α-ヒドロキシ酸、カルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸およびケト酸のうちの少なくとも1つであってもよい。一部のこのような実施態様では酸はα-ケト酸であってもよい。
【0047】
一部のこのような実施態様では酸は、コハク酸、乳酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、レブリン酸、酢酸、リンゴ酸、ギ酸、ソルビン酸、安息香酸、プロパン酸およびピルビン酸のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0048】
好適な酸は乳酸である。他の実施態様では酸は安息香酸である。他の実施態様では酸は無機酸であってもよい。これらの実施態様の一部において酸は鉱酸であってもよい。一部のこのような実施態様では酸は、硫酸、塩酸、ホウ酸およびリン酸のうちの少なくとも1つであってもよい。一部の実施態様では酸はレブリン酸である。
【0049】
酸を含有させることは、非晶質固体がニコチンを含む実施態様において特に好ましい。このような実施態様では酸が存在することで非晶質固体が形成されるスラリーの溶解した種を安定させる。酸が存在することによりスラリーの乾燥時のニコチンの蒸発を減少させるまたは実質的に妨げ、これにより製造時のニコチンの損失を少なくする。
【0050】
一部の実施態様では非晶質固体は、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノール(CBN)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビエルソイン(CBE)およびカンナビシトラン(CBT)からなる群から選択される1つ以上のカンナビノイド化合物を含む。
【0051】
非晶質固体は、カンナビジオール(CBD)およびTHC(テトラヒドロカンナビノール)からなる群から選択される1つ以上のカンナビノイド化合物を含んでもよい。
【0052】
非晶質固体は、カンナビジオール(CBD)を含んでもよい。
【0053】
非晶質固体はニコチンおよびカンナビジオール(CBD)を含んでもよい。
【0054】
非晶質固体は、ニコチン、カンナビジオール(CBD)およびTHC(テトラヒドロカンナビノール)を含んでもよい。
【0055】
場合によってはカプセル化された第1のエアロゾル変性剤は、エアロゾル発生材と混合される複数の部材の形体である。例えば、カプセル化された第1のエアロゾル変性剤は、エアロゾル発生材と混合される顆粒または粒子を含んでもよい。場合によってはカプセル化された第1のエアロゾル変性剤は、エアロゾル変性剤をカプセル化した非晶質固体を含んでもよく、非晶質固体は、エアロゾル発生材と混合された刻まれたシートの形体で提供される。
【0056】
誤解を避けるためにカプセル化された第1のエアロゾル変性剤は、エアロゾル変性剤の放出がユーザーによって力または圧力を加えることによって達成されるものではない。
【0057】
場合によってはエアロゾル発生材は、タバコ材を含む。
【0058】
一部の実施態様ではエアロゾル発生材は、非晶質材料を含む。この非晶質材料は、上述したようなものであってもよい。一部の実施態様ではエアロゾル発生材は、上述のような非晶質材料を含んでもよいが、エアロゾル変性剤を含まない。
【0059】
特定の実施態様においてエアロゾル発生材は、酸を含む。酸は上述の酸のうちの1つ以上であってもよい。
【0060】
特定の実施態様においてエアロゾル発生材は、セルロース系ゲル化剤および/または非セルロース系ゲル化剤、活性物質および酸を含むゲル化剤を含む。
【0061】
場合によってはエアロゾル発生材は、第3のエアロゾル変性剤をさらに含み、例えばこれはカプセル化されていない風味剤であってもよい。場合によってはエアロゾル発生部は、エアロゾル形成材をさらに含む。
【0062】
場合によってはエアロゾル発生部は、エアロゾル発生材の少なくとも一部を囲むラッパーを含む。
【0063】
非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品は、さらに換気開口部を追加で含んでもよい。これら換気開口部は発生品の側壁に設けられてもよい。場合によっては換気開口部はフィルターに設けてもよい。これらの開口部は冷却空気が使用時に物品内に引き込まれるようにすることができ、これは加熱されて揮発した成分と混ざることができ、これによってエアロゾルを冷却する。
【0064】
換気は発生品が使用時に加熱された際に発生品から目に見える加熱されて揮発した成分の発生を増加させる。加熱されて揮発した成分は、加熱されて揮発する成分の過飽和が起こるように加熱されて揮発した成分の冷却工程によって可視化される。加熱されて揮発した成分は、次に小滴に形成され、これは核形成としても知られていて、最終的に加熱されて揮発した成分のエアロゾル粒子の大きさは加熱されて揮発した成分のさらなる縮合および加熱されて揮発した成分から新たに形成された小滴の凝固によって大きくなる。
【0065】
場合によっては換気率として知られている加熱されて揮発した成分と冷却空気の合計に対する冷却空気の比率は少なくとも15%である。15%の換気率で加熱されて揮発した成分を上述の方法で見えるようにすることができる。加熱されて揮発した成分を見えるようにすることで、ユーザーは揮発した成分が発生したことを確認することができ、そして喫煙経験の知覚経験に加える。
【0066】
別の例では換気率は加熱されて揮発した成分をさらに冷却するために50%~85%である。場合によっては換気率は少なくとも60%または65%であってもよい。
【0067】
場合によってはフィルターは、第2のエアロゾル変性剤を支える部材を保持するフィルタープラグを含む。場合によってはフィルタープラグは、カプセル化された第2のエアロゾル変性剤を保持する非エアロゾル化可能なフィルター材を含む。好適には非エアロゾル化可能なフィルター材は、セルロースアセテート、セラミック材、ポリマーマトリックスおよび/または活性炭を含んでもよい。好適なセラミック材の例としては炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si3N4)、炭化チタンおよび二酸化ジルコニウム(ジルコニア)を含む。
【0068】
第2のエアロゾル変性剤は、選択的に放出可能である。第2のエアロゾル変性剤を放出するためにユーザーは放出機構を作動させる。誤解を避けるために第2のエアロゾル変性剤は、エアロゾル発生部の加熱だけで放出されるわけではない。
【0069】
場合によっては第2のエアロゾル変性剤を保持する部材は、圧縮性部材であり、これは圧縮力を加えることで第2のエアロゾル変性剤を放出する。例えば、この部材は、放出バルブを有する圧縮性カプセルであってもよく、この放出バルブは、閉じた位置に付勢されており、第2のエアロゾル変性剤を放出するために圧縮力を加えると開く。別の例(より詳しく後述する)では部材は破壊可能なカプセルを含み、この破壊可能なカプセルは第2のエアロゾル変性剤を含む。「破壊可能なカプセル」なる用語は、シェルがコアを放出するための圧力によって破壊できるカプセルを意味し、より具体的にはシェルは、ユーザーがカプセルのコアを放出したいときにユーザーの指(またはあらゆる他の圧力を生じさせる手段)によって加えられる圧力で破裂可能である。
【0070】
場合によっては第2のエアロゾル変性剤を保持する部材は、フィルターセクションの加熱によってエアロゾル変性剤を放出するように構成されている。重要なことは第2のエアロゾル変性剤は、エアロゾル発生部の加熱だけでは放出されず、ユーザーは、第2のエアロゾル変性剤の放出温度に確実に到達するようにフィルターセクションを直接加熱するブーストヒーターを選択的に始動させなければならない。事例的にはフィルターを例えばエアロゾル発生部の加熱から30℃~100℃の範囲の温度に晒してもよく、第2のエアロゾル変性剤の放出温度は、50℃を超えて120℃までであってもよい。
【0071】
上記のように場合によっては部材は破壊可能なカプセルを含み、破壊可能なカプセルは第2のエアロゾル変性剤を含む。「破壊可能なカプセル」なる用語は、シェルがコアを放出するための圧力によって破壊できるカプセルを意味し、より具体的にはシェルは、ユーザーがカプセルのコアを放出したいときにユーザーの指(またはあらゆる他の圧力を生じさせる手段)によって加えられる圧力で破裂可能である。
【0072】
好適にはフィルターの圧力差は、カプセルが壊されていない状態にあるときには約30mmH2O、33mmH2O、35mmH2O、38mmH2Oまたは40mmH2O~約90mmH2O、75mmH2O、65mmH2O、60mmH2O、55mmH2Oまたは50mmH2Oの範囲内であってもよい。事例的にはフィルターの圧力差は、カプセルが壊されていない状態にあるときには約35~60mmH2O、好ましくは38~55mmH2Oまたは40~50mmH2Oの範囲内であってもよい。
【0073】
本発明によるカプセルは、上述のようにコアと、シェルとを含む。カプセルは、約4.5N~約40Nまたは約25Nの破砕強度を呈してもよい。
【0074】
カプセルは、実質的に球体であってもよく、少なくとも約0.4mm、0.6mm、0
.8mm、1.0mm、2.0mm、2.5mm、2.8mmまたは3.0mmの直径を有してもよい。カプセルの直径は、約10.0mm、8.0mm、7.0mm、6.0mm、5.5mm、5.0mm、4.5mm、4.0mm、3.5mmまたは3.2mm未
満であってもよい。具体的にはカプセルの直径は、約0.4mm~約10.0mm、約0.8mm~約6.0mm、約2.5mm~約5.5mmまたは約2.8mm~約3.2mmの範囲であってもよい。場合によってはカプセルは約3.0mmの直径を有してもよい。これらの大きさは、カプセルを物品に組み込む上で特に好適である。
【0075】
場合によっては破壊可能なカプセルは、コア-シェル構造を有する。
【0076】
場合によってはカプセルの総重量は、約1mg~約100mg、好適には約5mg~約60mg、約10mg~約50mg、約15mg~約40mgまたは約15mg~約30mgの範囲であってもよい。
【0077】
場合によってはコアは、コアの総重量基準で少なくとも約25%w/wの風味剤を含む。
【0078】
場合によってはバリアー材は耐熱性である。即ち、場合によってはバリアーは、物品の加熱中にカプセルの箇所で到達する温度で破裂せず、溶融せずまたは機能する。事例的にはフィルター内に位置するカプセルは、例えば30℃~100℃の範囲内の温度に晒してもよく、バリアー材は、少なくとも約50℃~120℃にカプセルコアの第2のエアロゾル変性剤を保持し続ける。
【0079】
場合によっては破壊可能なカプセルは、エアロゾル変性剤を保持するバリアー材を含み、バリアー材は、ゲル化剤、増量剤、着色剤、可塑剤および充填材うちの1つ以上を含んでもよい。
【0080】
好適には、ゲル化剤は、例えば多糖またはセルロース系ゲル化剤、ゼラチン、ゴム、ゲル、ワックスまたはそれらの混合物であってもよい。好適な多糖類は、アルギン酸塩類、デキストラン類、マルトデキストリン類、シクロデキストリン類およびペクチン類を含む。好適なアルギン酸塩類は、例えばアルギン酸の塩、エステル化されたアルギン酸塩またはアルギン酸グリセリルを含む。アルギン酸の塩としてはアルギン酸アンモニウム、アルギン酸トリエタノールアミンおよびアルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウムおよびアルギン酸マグネシウムのようなIまたはII族金属イオンのアルギン酸塩などが挙げられる。エステル化アルギン酸塩としてはアルギン酸ポリプロピレングリコールおよびアルギン酸グリセリルが挙げられる。ある実施態様ではバリアー材はアルギン酸ナトリウムおよび/またはアルギン酸カルシウムである。好適なセルロース系材料は、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテートおよびセルロースエーテル類などである。ゲル化剤は1つ以上の加工でんぷんを含んでもよい。ゲル化剤はカラギーナンを含んでもよい。好適なゴムは、寒天、ジェランガム、アラビアゴム、プルランゴム、マンナンガム、ガッチゴム、トラガカントゴム、カラヤゴム、イナゴマメ、アカシアゴム、グァー、マルメロ種子ゴムおよびキサンタンガムなどである。好適なゲルは寒天、アガロース、カラギーナン、フロイダンおよびフルツセレランなどである。好適なワックスはカルナウバワックスなどである。場合によってはゲル化剤はカラギーナンおよび/またはジェランゴムを含んでもよく、これらのゲル化剤は、得られるカプセルを壊すのに必要とされる圧力が特に適している際のゲル化剤として含有させるのに特に好適である。
【0081】
バリアー材は、スターチ、加工スターチ(酸化スターチなどの)およびマルチトールなどの糖アルコールなどの増量剤を1つ以上含んでもよい。
【0082】
バリアー材は、製造時にタバコ産業製品内にカプセルの配置を簡単にする着色剤を含んでもよい。着色剤は、好ましくは着色料および顔料の中から選択される。
【0083】
バリアー材は、クエン酸塩化合物またはリン酸化合物などの少なくとも1つのバッファーをさらに含んでもよい。
【0084】
バリアー材は少なくとも1つの可塑剤をさらに含んでもよく、これはグリセロール、ソルビトール、マルチトール、トリアセチン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールまたは可塑性を有する別の多価アルコールそして特にクエン酸、フマル酸、リンゴ酸等の任意の一酸、二酸または三酸型の内の1つの酸などである。可塑剤の量は、シェルの合計乾式重量の1~30重量%、好ましくは2~15重量%、さらにより好ましくは3~10重量%の範囲である。
【0085】
またバリアー材は1つ以上の充填材料を含む。好適な充填材料は、デキストリン、マルトデキストリン、シクロデキストリン(アルファ、ベータまたはガンマ)などのスターチ誘導体またはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、カルボキシ-メチルセルロース(CMC)などのセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリオールまたはこれらの混合物などである。デキストリンは好ましい充填材である。シェル中の充填材量は、シェルの総乾式重量で最大で98.5重量%、好ましくは25~95重量%、より好ましくは40~80重量%、さらにより好ましくは50~60重量%である。
【0086】
カプセルシェルは疎水性の外層を追加で含んでもよく、これはカプセルが水分によって崩壊しないようにするためのものである。疎水性の外層は、好適にはワックス、特にカルナウバワックス、カンデリラワックスまたは蜜ろう、カルボワックス、セラック(アルコール溶液または水性溶液に入った)エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ラテックス組成物、ポリビニルアルコール、またはこれらを組み合わせたものを含む群から選択される。より好ましくはその少なくとも1つの水分バリアー剤は、エチルセルロースまたはエチルセルロースとセラックの混合物である。
【0087】
カプセルの製造方法は、押し出しなどであり、選択的にその後遠心分離そして硬化および/または乾燥を行ってもよい。さらなる詳細は、国際出願公開2007/010407A2に開示されており、その内容をその全体において参照することにより組み込まれる。
【0088】
非燃焼系エアロゾル供給システム
上述の通り、本発明の第2の態様は、ヒーターと、第1の態様による物品とを含み、ヒーターは、使用時に物品のエアロゾル発生部を加熱してエアロゾルを発生させるために配されている非燃焼系エアロゾル供給システムを提供する。
【0089】
場合によっては本発明のシステムを部品からなるキットとして提供してもよい。
【0090】
場合によってはヒーターは、少なくとも50℃、選択的に少なくとも100℃、選択的に少なくとも150℃そして選択的に約300℃未満、約270℃未満または約250℃未満に物品のエアロゾル発生部を加熱するように構成されている。場合によっては本発明のシステムは、物品のエアロゾル発生部を加熱するために配されたヒーターの作動の結果としてフィルターが30℃~100℃の範囲内の温度に晒されるように構成されている。
【0091】
場合によっては本発明のシステムは、フィルターを直接加熱するために配されたブーストヒーターをさらに含む。場合によってはブーストヒーターは、50℃を超え、120℃までの温度にフィルターを加熱するように構成してもよい。
【0092】
場合によってはエアロゾル発生システムに設けられた該または各ヒーターは、薄膜電気抵抗性ヒーターなどの電気抵抗性ヒーターであってもよい。別の場合には該または各ヒーターは、誘導ヒーターなどを含んでもよい。誤解を避けるために、1つ超のヒーターがある場合、ヒーターは互いに同じでも異なってもよい。
【0093】
一般に該または各ヒーターは、バッテリーに接続され、バッテリーは、充電可能なバッテリーまたは充電不可のバッテリーであってもよい。好適なバッテリーとしてはリチウムイオンバッテリー、ニッケルバッテリー(ニッケル-カドミウムバッテリーなどの)、アルカリバッテリーなどがある。バッテリーは、ヒーターに電気的に接続され、必要に応じてエアロゾル発生材を加熱するために(エアロゾル発生材を燃やさずにエアロゾル発生材の成分を揮発させるために)電力を供給するように適当な回路を介して制御可能である。
【0094】
1つの例では該または各ヒーターは、一般に使用時に加熱するためにエアロゾル発生材が挿入される中空の内部加熱チェンバーを画定する中空の円筒状管の形状である。ヒーターの寸法は、実質的にエアロゾル発生材の全体が使用時に加熱されるような寸法であってもよい。
【0095】
他の例では該または各ヒーターは、使用時にエアロゾル発生材に挿入されるブレードの形状であってもよい。
【0096】
該または各ヒーターは、その長さの少なくとも一部に沿ってエアロゾル発生システムの外部へヒーターから移動する熱の減少に役立つ断熱材に囲まれてもよい。これは一般的に熱損失を少なくするのでヒーターに必要な電力を下げることに役立つ。また断熱材は、ヒーターの操作中にエアロゾル発生システムの外部を冷やし続けることに役立つ。
【0097】
場合によっては本発明のシステムは、記憶された加熱プロファイルのライブラリを有するメモリを含んでもよく、システムによって適用される加熱プロファイルは、エアロゾル化可能な材料の組成に依存してもよく、その組成は、システムによって検知してもよい。例えば、物品は、バーコード、RFIDなどの独自の識別子を含んでもよく、これはその組成を識別し、システムによって検知され、次にシステムは記憶されているプロファイルのライブラリから適した加熱プロファイルを選択する。
【0098】
本発明のさらなる実施態様を図面を参照して説明する。
【0099】
図1に例示するように非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品10は、実質的に円筒状形状であってもよい。物品は、第1端部2の方でエアロゾル発生部1を第2端部4の方でフィルター3を含む。第2端部4は吸い口端である。エアロゾル発生部1は、タバコ材などのエアロゾル発生材と、メンソールなどのカプセル化されたエアロゾル変性剤とを含む。
【0100】
カプセル5がフィルター3内で物品10内に配置されている。カプセルは、メンソールなどのエアロゾル変性剤を含む。カプセル5は、
図2に例示するデバイス100(以下に説明する)での加熱時にはカプセル化されているエアロゾル変性剤を放出せず、カプセル5がユーザーによって潰されてその内容物を放出する。
【0101】
フィルター3は、セルロースアセテートトウから形成してもよい。紙の鞘6が部材を円筒状構造に保持し、エアロゾル発生材1とフィルター3との間に経路7を供している。さらなる短い経路がフィルター3と第2端部4の間に示されている。これは別の実施態様では省略してもよい。
【0102】
場合によってはエアロゾル発生材のロッド1の長さは、34mm~50mmであり、よ
り好ましくはエアロゾル発生材のロッド1の長さは、38mm~46mmであり、より好ましくはエアロゾル発生材のロッド1の長さは、42mmである。
【0103】
場合によっては物品10の全長は、71mm~95mmであり、より好ましくは79mm~87mm、さらにより好ましくは物品10の全長は、83mmである。
【0104】
紙の鞘6は、物品10の第2端部4から第1端部2へと延びてもよい。これとは別にそれは第2端部4に近いエアロゾル発生材1の端部に到達するように第2端部4から延びてもよい。場合によっては紙の鞘6の長さは、42mm~50mm、好適には46mmであってもよい。
【0105】
場合によってはフィルターの長さは、8mm~14mm、好適には9mm~13mmまたは10mm~12mmであってもよい。
【0106】
場合によってはフィルター3と第2端部4の間の短い経路の長さは、3mm~7mm、好適には4mm~6mmであってもよい。この短い経路とフィルターの合計の長さは、場合によっては約15mm~約17mmであってもよい。
【0107】
場合によってはカプセルは、フィルターの中央に位置してもよい。即ち、カプセルは、フィルターの長さに沿ってほぼ半分のところに配置されてもよい。
【0108】
場合によっては経路7は、少なくとも15mmである。場合によっては経路7の長さは、20mm~30mm、特に23mm~27mm、特に25mm~27mmおよび特に25mmである。この経路7は、エアロゾルを形成するためにエアロゾル発生材1の揮発した成分を縮合させる。経路7は、感熱性のフィルターおよびカプセルが受ける温度を制限し、これらの部材が損傷しないように設けられる。
【0109】
別の実施態様では実質的に円筒状物品10は、フィルター3(経路7が省略されている)に直に隣接したエアロゾル発生材1を含んでもよい。経路は、フィルターのエアロゾル発生材とは反対側に設けられてもよく、経路がなくてもよい。
【0110】
物品10は、加熱されて吸入可能なエアロゾルを形成できるように使用時にデバイス100(以下に説明する
図2に示す)内に少なくとも一部が挿入される。物品10は、デバイスに挿入される加熱される部分と、デバイスから突出し、そこからエアロゾルが吸入されるマウスピース部とを含む。マウスピース部はヒーターによって直に加熱されない。場合によってはカプセルは、フィルター内でマウスピース部内に設けられてもよい。
【0111】
換気領域(図示せず)を物品10に設けて、外部から空気が物品10内部に流れるようにしてもよい。ある場合には換気領域は、物品10の外層を通って形成された1つ以上の換気孔の形体であってもよい。換気孔は、使用時にエアロゾルの冷却を補助するために経路7に配置してもよい。1つの例では換気領域は、1つ以上の列の孔を含み、好ましくは孔の各列は物品10の長手方向軸に実質的に直交する断面において物品10の周囲を円周方向に配置される。1つの例では物品10を換気するための1~4の換気孔の列がある。換気孔の各列は12~36個の換気孔を有する。換気孔は、例えば直径が100~500μmであってもよい。1つの例では換気孔の列間の軸方向の間隔は、0.25mm~0.
75mm、より好ましくは換気孔の列間の軸方向の間隔は0.5mmである。
【0112】
1つの例では換気孔の大きさは均一である。別の例では換気孔の大きさは異なる。換気孔は、あらゆる好適な技術、例えばレーザー技術、経路7の機械的穿孔または物品内に形成される前の経路7の予備穿孔などの技術の1つ以上を使用して設けることができる。換気孔は物品10を効果的に冷却するために配置される。
【0113】
1つの例では換気孔の列は、物品10の第2端部4から少なくとも11mmのところに位置し、より好ましくは換気孔は、物品10の第2端部4から17mm~20mmのところに位置する。換気孔の位置は、ユーザーが物品10の使用時に換気孔を塞がないように配置される。
【0114】
物品10の第2端部4から17mm~20mm離れて換気孔の列を設けることで使用時に換気孔がデバイスの外側に配置することが可能になるので有利である。デバイスの外側に換気孔を配置することによって加熱されていない空気が換気孔を介して物品10に入ることができ、使用時にエアロゾルの冷却を補助する。
【0115】
使用後、物品10はデバイスから外され、通常は廃棄される。デバイスのその後の使用では別のエアロゾル発生物品が使用される。
【0116】
図1の物品10は、挿入ポイント120で
図2に示すデバイス100に取り外し可能に挿入される。物品10の第2端部4は、完全に挿入されると(図示したように)、デバイス100の外側に留まる。
【0117】
ここでより詳しく
図2を参照すると、デバイス100の一例が示されており、これはエアロゾル発生材1を加熱してエアロゾル発生材1の少なくとも1つの成分を揮発させ、通常吸入可能なエアロゾルを形成するように構成されている。デバイス100は、エアロゾル発生材を熱するが燃やさずに化合物を放出する加熱装置である。
【0118】
第1端部103は、本明細書ではデバイス100の吸い口または近位端103と言う場合もあり、第2端部105は、本明細書ではデバイス100の遠位端と言う場合もある。デバイス100は、デバイス100を全体としてユーザーの要望に応じてスイッチを入れたり切ったりするオン/オフボタン107を有する。デバイス100は、デバイス100の種々の内部部品を配置し、保護するためのハウジング109を含む。
【0119】
図2に示すデバイスは、国際出願公開2019/105750の
図7~9に示されているようなデバイスと同じである。この文献のデバイスに関するそれらの図および説明を参照することでここで引用したものとする。(誤解を避けるために国際出願公開2019/105750のエアロゾル発生物品は本発明のものと異なり、同じなのはデバイスだけである。)
【0120】
定義
本明細書中では「タバコ材」なる用語は、タバコまたはその派生物を含むあらゆる材料を意味する。「タバコ材」なる用語はタバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品の内の1つ以上を含んでもよい。タバコ材は粉タバコ、タバコ繊維、刻みタバコ、押し出しされたタバコ、タバコ葉柄、再生タバコおよび/またはタバコ抽出物の内の1つ以上を含んでもよい。
【0121】
タバコ材を製するために使用されるタバコは、バージニアおよび/またはバーレーおよび/またはオリエンタルを含む単独グレードまたはブレンド、刻まれたクズまたは葉全体などのあらゆる好適なタバコであってもよい。またタバコ粒子「微粉末」またはダスト、膨張タバコ、葉柄、膨張葉柄および裁断圧延葉柄などの他の処理された葉柄材であってもよい。タバコ材は粉タバコまたは再生タバコ材であってもよい。再生タバコ材はタバコ繊維であってもよく、キャスティング、タバコ抽出物を後で追加するフォードリニア系製紙法または押し出しによって形成してもよい。
【0122】
本明細書中では「エアロゾル形成材」なる用語は、エアロゾルの発生を促す薬剤を意味する。エアロゾル形成材は、気体の初期の気化および/または吸入可能な固体および/または液体エアロゾルへの凝集を促進することによってエアロゾルの発生を促してもよい。
【0123】
好適なエアロゾル形成材としては、ソルビトール、グリセロールおよびプロピレングリコールまたはトリエチレングリコールのようなグリコール類などのポリオール、一価アルコールなどの非ポリオール、高沸点炭化水素、乳酸などの酸類、グリセリン誘導体、ジアセチン、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセタート、クエン酸トリエチルまたはミリスチン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルを含むミリスチン酸エステルなどのエステル類およびステアリン酸メチル、ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類が挙げられるが、これらに限定されない。
【0124】
本発明で使用する活性成分は、生理反応を達成するまたは高めることを意図した材料である生理的に活性な材料である。活性成分は、例えば栄養補助食品、向知性薬、向精神薬から選択されてもよい。有効成分は、天然に存在するものでも、合成的に得られるものでもよい。活性成分は、例えばニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、B6またはB12またはCなどのビタミン、メラトニン、カンナビノイド、またはこれらの成分、派生物または混合物を含んでもよい。活性成分はタバコ、大麻または他の植物の成分、派生物または抽出物の1つ以上を含んでもよい。
【0125】
一部の実施態様では活性成分は、ニコチンを含む。
【0126】
一部の実施態様では活性成分は、カフェイン、メラトニンまたはビタミンB12を含む。
【0127】
本明細書で説明するように活性成分は、1つ以上のカンナビノイドまたはテルペンなどの大麻の成分、派生物または抽出物の1つ以上を含んでもよい。
【0128】
カンナビノイドは脳内の神経伝達物質放出を抑える細胞内のカンナビノイド受容体(即ち、CB1およびCB2)に作用する天然または合成化合物群である。カンナビノイドは大麻などの植物から自然発生したもの(植物性カンナビノイド)または動物から自然発生したもの(動物性カンナビノイド)または人工的に製造したもの(合成カンナビノイド)であってもよい。大麻種は少なくとも85の異なる植物性カンナビノイドを示し、カンナビゲロール類、カンナビクロメン類、カンナビジオール類、テトラヒドロカンナビノール類、カンナビノール類およびカンナビノジオール類およびその他のカンナビノイド類を含むサブクラスに分けられる。アサ属に見られるカンナビノイド類は、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)、カンナビノジオール(CBDL)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビネロール酸、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノールプロピル変異体(CBNV)、カンナビノトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)およびテトラヒドロカンナビバリン酸(THCV A)を含むが、これらに限定されない。
【0129】
本明細書で説明するように活性成分は、植物またはその成分、派生物または抽出物を含むまたはそれらから派生したものであってもよい。ここで言う「植物」なる用語は抽出物、葉、樹皮、繊維、茎、根、種、花、果実、花粉、殻、さやなどの植物から派生したあらゆる材料を含むがこれらに限定されない。これとは別に材料は合成して得られる植物に天然に存在する活性化合物を含んでもよい。材料は液体、気体、固体、粉体、塵、粉砕された粒子、粒、ペレット、小片、ストリップ、シートなどの形体であってもよい。植物の例としてはタバコ、ユーカリ、トウシミキ、オオアサ、ココア、大麻、ウイキョウ、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、ルイボス、カミツレ、亜麻、ショウガ、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、月桂樹、リコリス(甘草)、抹茶、マテ茶、オレンジの皮、パパイヤ、バラ、セージ、緑茶または紅茶などの茶、タイム、チョウジ、シナモン、コーヒー、アニシード(アニス)、バジル、月桂樹の葉、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、ラベンダー、レモン果皮、ミント、ビャクシン、ニワトコの花、バニラ、ヒメコウジ、シオガマギク、クルクマ、ターメリック、サンダルウッド、シラントロ、ベルガモット、橙花、ギンバイカ、カシス、カノコソウ、ピメント、メース、ダミエン、ハナハッカ、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、ウイキョウ、バーベナ、タラゴン、ゼラニウム、桑、朝鮮人参、テアニン、テアクリン、マカ、アシュワガンダ、ダミアナ、ガラナ、クロロフィル、バオバブまたはこれらのあらゆる組み合わせがある。ミントは次のミント種から選択されてもよい、ハッカ、モロッコミント、エジプトミント、ペパーミント、オーデコロンミント、キャンディミント、カーリーミント、ケンタッキーカーネルミント、ホースミント、パイナップルミント、ペニーロイヤルミント、イングリッシュスペアミントおよびマルバハッカ。
【0130】
一部の実施態様では植物は、ユーカリ、トウシミキ、ココアおよびオオアサから選択される。
【0131】
一部の実施態様では植物は、ルイボスおよびウイキョウから選択される。
【0132】
本明細書中で使用する「風味料」および「風味剤」なる用語は各地の条例で許可されており、成人消費者が望む味や香りを製品に加えるのに用いることができる材料を指す。このような材料としては、抽出物(例えば、カンゾウ、アジサイ、ホオノキの葉、カミツレ、フェヌグリーク、クローブ、メントール、ニホンハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ヒメコウジ、サクランボ、ベリー、モモ、リンゴ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、ハチミツエキス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイランノキ、セージ、ウイキョウ、ピメント、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、ハッカ属のいずれかの種からのハッカ油など)、調味料、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容器部位活性化剤または刺激剤、糖及び/または糖置換体(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、サイクラミン酸塩、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、マンニトールなど)や、木炭、クロロフィル、鉱物、植物、息消臭剤などのその他の添加剤などが挙げられる。これら材料は模造品、合成または天然成分であってもよく、またはこれらのブレンドであってもよい。これら材料は、例えば油、液体、粉末などの任意の好適な形体であってもよい。一部の実施態様では感覚受容器部位活性化剤または刺激剤は冷却剤などの感覚惹起剤である。好適な冷却剤は、N-エチル-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサンカルボキサミド(WS-3、CAS:39711-79-0、FEMA:3455としても知られている)、2-イソプロピル-N-[(エトキシカルボニル)メチル]-5-メチルシクロヘキサンカルボキサミド(WS-5、CAS:68489-14-5、FEMA:4309としても知られている)、2-イソプロピル-N-(4-メトキシフェニル)-5-メチルシクロヘキサンカルボキサミド(WS-12、FEMA:4681としても知られている)および2-イソプロピル-N,2,3-トリメチルブタンアミド(WS-23、FEMA:3804としても知られている)からなる群から選択される1つ以上の化合物を含んでもよい。
【0133】
風味料は、好適には1つ以上のミント風味料を含み、好適にはハッカ属のいずれかの種からのハッカ油を含む。風味料は好適にはメンソールを含む、メンソールから実質的になる、またはメンソールからなる。
【0134】
一部の実施態様では風味料はメンソール、スペアミントおよび/またはペパーミントを含む。
【0135】
一部の実施態様では風味料はキュウリ、ブルーベリー、柑橘類および/またはレッドベリーの風味成分を含む。
【0136】
一部の実施態様では風味料はオイゲノールを含む。
【0137】
一部の実施態様では風味料はタバコから抽出された風味成分を含む。
【0138】
一部の実施態様では風味料は大麻から抽出された風味成分を含む。
【0139】
一部の実施態様では風味料は、感覚惹起剤を含んでもよく、これはアロマまたは味覚神経に加えてまたは代わりに通常第5脳神経(三叉神経)の刺激によって化学的に誘発そして認識され、それらは加熱、冷却、ヒリヒリ感、しびれ感を与える薬剤を含んでもよい。好適な熱作用剤は、バニリルエチルエーテルであるが、これに限定されず、好適な冷却剤はオイカリプトール、WS-3であるが、これらに限定されない。
【0140】
本明細書中では「カプセル化された」などの用語は、放出特性が同じ環境において自由な(即ち、カプセル化されていない)材料と比較して変えられるようにあらゆる方法で閉じ込められた材料を意味する。「カプセル化された」なる用語は、バリアーまたはカプセル化材によって材料が完全に囲まれる必要はない。例えば、マトリックス構造に捕捉された材料もここでは「カプセル化された」と言う。
【0141】
誤解を避けるために、本明細書で「含む(comprises)」が本発明または本発明の特徴
の定義に使用される場合、本発明または特徴が「含む(comprises)」の代わりに「から
実質的になる(consists essentially of)または「からなる(consists of)」を使用して定義することができる実施態様も開示される。
【0142】
ここに記載されている重量パーセント(wt%で示される)は、特に明記しない限り乾式重量基準で算出されている。全ての重量比も乾式重量基準で算出されている。乾式重量基準で示される重量は、水以外の抽出物またはスラリーまたは材量の全体を意味し、グリセロールなどのそれ自体は室温および室圧で液体である成分を含んでもよい。逆に言うと、湿式重量基準の重量割合は水を含む全ての成分を意味する。
【0143】
実施例
知覚評価を行い、非燃焼系エアロゾル供給システム内で加熱された物品からのエアロゾル変性剤の例としてメンソールの放出を比較した。3つの異なる物品を試験した。最初の物品はユーザー作動カプセルのみにメンソールを含んでいた。第2の物品は非晶質固体内にカプセル化され、エアロゾル発生材のロッドに含まれたメンソールを含んでいた。第3の物品は、ユーザー作動カプセルおよび非晶質固体にカプセル化され、エアロゾル発生材ロッドにメンソールを含んでいた。
【0144】
これらの物品は、ロッド状のエアロゾル発生材と、アルミニウム箔ラッパーと、熱変位チェンバー、1つのカプセルを含むセルロースアセテートプラグおよび管状マウスピースセクションを含むフィルターとを含むデミスリムスティック形状であった。カプセルは、4.5mgのメンソールを含有した標準的な脆弱なコア-シェルカプセルであった。
【0145】
エアロゾル発生材のロッドにカプセル化されたメンソールを含む物品では40mgの非晶質材料が含まれていた。非晶質固体は以下のものを含んでいた。
メンソール:40%
グリセロール:16%
バインダー(アルギン酸塩/ペクチン混合物):24%
繊維(ウッドパルプ):20%
【0146】
試験のために物品を市販の非燃焼系エアロゾル供給システム、即ちGlo Hyper装置に挿入し、加熱した(通常の市販装置の加熱パラメータ通りに)。メンソールカプセルの効果を評価した際に最初のパフの前にカプセルを潰した。20秒ごとにパフし、冷感およびメンソール味強度を順位付けした。
【0147】
結果を
図3および4に示し、
図3は風味知覚の順位を
図4は冷感知覚の順位を示している。非晶質固体にカプセル化され、エアロゾル発生材のロッドに含まれたエアロゾル変性剤とユーザー起動カプセル内のエアロゾル変性剤の組み合わせは、味および冷感知覚を向上させたことがわかった。これらの結果は物品のエアロゾル発生セクション内のカプセル化されたエアロゾル変性剤とフィルター内のエアロゾル変性剤を含む部材の組み合わせは、長く、一定の風味を送出することができることを示している。
【0148】
上述の例は本発明を例示する例として理解されるべきである。当然のことながら任意の1つの実例について説明したあらゆる特徴は単独または説明された他の特徴と組み合わせて使用してもよく、他の実例のいずれかの1つ以上の特徴または他の実例のいずれかのあらゆる組み合わせと組み合わせて使用してもよい。さらに上記で説明されていない同等物および修飾物も添付の特許請求の範囲に規定されている本発明の範囲を逸脱することなく採用することも可能である。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品であって、この物品は、フィルター(3)と、エアロゾル発生部(1)とを含み、
エアロゾル発生部(1)は、エアロゾル発生材と、カプセル化された第1のエアロゾル変性剤とを含み、
カプセル化された第1のエアロゾル変性剤は、第1のエアロゾル変性剤とカプセル化材とを含み、さらに第1のエアロゾル変性剤は、少なくとも閾値放出温度に加熱することでカプセル化材が溶ける、反応する、崩壊するまたは変形すると放出され、
フィルター(3)は、第2のエアロゾル変性剤を保持する部材(5)を含み、第2のエアロゾル変性剤は、物品のユーザーが選択した時に、選択的にこの部材から放出される物品。
【請求項2】
第1および/または第2のエアロゾル変性剤は、風味剤を含むことを特徴とする請求項1記載の物品。
【請求項3】
第2のエアロゾル変性剤は、それが加熱時に晒される温度を超えた放出温度を有することを特徴とする請求項1または2記載の物品。
【請求項4】
エアロゾル発生部は、エアロゾル形成材の少なくとも一部を囲むラッパーを含むことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の物品。
【請求項5】
カプセル化された第1のエアロゾル変性剤は、エアロゾル発生材と混合される複数の部材の形体であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の物品。
【請求項6】
カプセル化された第1のエアロゾル変性剤は、粉、粒、ビーズまたは薄膜の形体であることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の物品。
【請求項7】
第1および第2のエアロゾル変性剤は同じであることを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の物品。
【請求項8】
第1および/または第2のエアロゾル変性剤は異なることを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の物品。
【請求項9】
エアロゾル発生材はタバコ材を含むことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載の物品。
【請求項10】
フィルターは、第2のエアロゾル変性剤を支える部材を保持するフィルタープラグを含み、フィルタープラグは、非エアロゾル化可能なフィルター材を含むことを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項記載の物品。
【請求項11】
非エアロゾル化可能なフィルター材は、セルロースアセテート、セラミック材、ポリマーマトリックスおよび/または活性炭のうちの1つ以上を含むことを特徴とする請求項10記載の物品。
【請求項12】
エアロゾル発生部は、第3のエアロゾル変性剤をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項記載の物品。
【請求項13】
第3のエアロゾル変性剤はカプセル化されていない風味剤を含むことを特徴とする請求項12記載の物品。
【請求項14】
カプセル化された第1のエアロゾル変性剤はカプセル化材にカプセル化され、カプセル化材は、多糖材料、セルロース系材料、ゼラチン、ガム、プロテイン材、ポリオールマトリックス材、非晶質固体、ゲル、ワックス、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル重合物加水分解物、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリレート、ポリグリコール、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルまたはこれらの混合物のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1乃至13いずれか1項記載の物品。
【請求項15】
第2のエアロゾル変性剤を保持する部材は破壊可能なカプセルを含み、破壊可能なカプセルは第2のエアロゾル変性剤を含むことを特徴とする請求項1乃至14いずれか1項記載の物品。
【請求項16】
ユーザーが吸入する際のフィルターの圧力差は、カプセルが壊されていない状態にあるときには30~90mmH2O、好適には35~60mmH2O、38~55mmH2Oまたは40~50mmH2Oの範囲内であることを特徴とする請求項15記載の物品。
【請求項17】
破壊可能なカプセルは、コア-シェル構造を有することを特徴とする請求項15または16記載の物品。
【請求項18】
コアは、コアの総重量基準で少なくとも約25%w/wの風味剤を含むことを特徴とする請求項17記載の物品。
【請求項19】
破壊可能なカプセルは、エアロゾル変性剤を保持するバリアー材を含み、バリアー材は、ゲル化剤、増量剤、着色剤、可塑剤および充填材うちの1つ以上を含むことを特徴とする請求項15乃至18いずれか1項記載の物品。
【請求項20】
破壊可能なカプセルは、実質的に球体であり、約0.4mm~約8.0mmの直径を有することを特徴とする請求項15乃至19いずれか1項記載の物品。
【請求項21】
破壊可能なカプセルは、約5mg~約60mgの重さがあることを特徴とする請求項15乃至20いずれか1項記載の物品。
【請求項22】
ヒーターと、請求項1乃至21いずれか1項記載の物品とを含み、ヒーターは、エアロゾルを発生させるために使用時に物品のエアロゾル発生部を加熱するために配されている非燃焼系エアロゾル供給システム。
【外国語明細書】