(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023597
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】ねじりシリーズ弾性アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
F16F 1/10 20060101AFI20240214BHJP
B25J 17/00 20060101ALN20240214BHJP
【FI】
F16F1/10
B25J17/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023206954
(22)【出願日】2023-12-07
(62)【分割の表示】P 2021502705の分割
【原出願日】2019-03-22
(31)【優先権主張番号】62/649,034
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520373176
【氏名又は名称】ロボリジェント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボンス キム
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ ダグラス デバッカー ジュニア
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ロボット応用で使用する回転式シリーズ弾性アクチュエータ(SEA)用のばね組立体の円盤状のねじりばねを提供する。
【解決手段】SEAは、モータ、ギアトランスミッション組立体、ばね組立体、および、センサを含む。ロボット関節は、SEA、ならびに、関節組立体で互いに結合された2つのリンクを含み、それらは、入力リンクおよび出力リンクに指定される。各リンクは、同心的に接続されるジョイントハウジング本体を有し、互いに自由に回転する。SEAのハウジングフレームは、入力リンクのジョイントハウジング本体に固定され、一方、ばね組立体の出力マウントは、出力リンクのジョイントハウジング本体と同心的に結合される。2つのリンク間に、外力またはトルクが印加されると制御ループの制御動作は、外力/トルクとリンクと一緒に動く体質量からの慣性力に釣り合うように、ばね組立体のたわみにつながるモータの回転と原動力をもたらす。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転シリーズ弾性アクチュエータ用のばね組立体の円盤状のねじりばねであって、
円形の内側マウント、
円形の外側マウント、および、
一組の弾性変形可能なスパイラルであって、各々の前記弾性変形可能なスパイラルは、前記円形の内側マウントに結合された、内側の厚いセグメント、前記円形の外側マウントに結合された、外側の厚いセグメント、および、前記内側の厚いセグメントと前記外側の厚いセグメントの間に結合された、中間の薄いセクションを含む、前記一組の弾性変形可能なスパイラル、を含むことを特徴とする円盤状のねじりばね。
【請求項2】
請求項1に記載の円盤状のねじりばねであって、前記内側の厚いセグメントの前記中間の薄いセクションに対する相対的な厚さは、11:1と8:1の間の比であり、前記中間の薄いセクションの前記外側の厚いセグメントに対する相対的な厚さは、1:10と1:7の間の比であることを特徴とするねじりばね。
【請求項3】
請求項1に記載の円盤状のねじりばねであって、前記ねじりばねは、400Nm/radと1800Nm/radの間の剛性を有することを特徴とするねじりばね。
【請求項4】
請求項1に記載の円盤状のねじりばねでわって、前記ねじりばねは、20Nmと100Nmの間の最大許容トルクを有することを特徴とするねじりばね。
【請求項5】
請求項1に記載の円盤状のねじりばねであって、前記一組の弾性変形可能なスパイラルは、少なくとも2つの個別のスパイラルを含むことを特徴とするねじりばね。
【請求項6】
請求項1に記載の円盤状のねじりばねであって、前記一組の弾性変形可能なスパイラルは、少なくとも2つの個別のスパイラルを含み、各々の前記弾性変形可能なスパイラルは、少なくとも1つの他の弾性変形可能なスパイラルが使用中に過度の変形を受けるのを防止することを特徴とする円盤状ねじりばね。
【請求項7】
回転シリーズ弾性アクチュエータ用のばね組立体であって、
第1の組の弾性変形可能なスパイラルと、第1の円形の内側マウントと、第1の円形の外側マウントを含む、第1のねじりばね、
第2の組の弾性変形可能なスパイラルと、第2の円形の内側マウントと、第2の円形の外側マウントを含む、第2のねじりばねであって、前記第1の円形の外側マウントは、スペーサを介して、前記第2の円形の外側マウントに結合される、前記第2のねじりばね、および、
前記第1のねじりばねと前記第2のねじりばねとの間に存在する内部機構であって、該内部機構は、前記ばね組立体の回転撓みを検出し、前記回転撓みを、測定されたトルク入力値として、モータコントローラに提供するセンサを含む、前記内部機構、を含むことを特徴とするばね組立体。
【請求項8】
請求項7に記載のばね組立体であって、前記第1のねじりばねは、前記第2のねじりばねと、同心に整列されることを特徴とするばね組立体。
【請求項9】
請求項7に記載のばね組立体であって、前記内部機構は、
第1の端部および第2の端部を含むベースアーム、
第1アームおよび第2アームを含むスイングアームであって、前記第1アームおよび前記第2アームは円弧状に形成された、前記スイングアーム、
前記ベースアームの前記第1の端部に結合され、前記ベースアームに対して自由に回転するように構成された、第1のプーリ、
前記ベースアームの前記第2の端部に結合され、前記ベースアームに対して自由に回転するように構成された、第2のプーリであって、前記第2の端部は、前記第1の端部の反対側に位置する、前記第2のプーリ、および、
前記スイングアームの前記第1アームと前記スイングアームの前記第2アームに連結され、前記第1のプーリ、前記センサのセンサシャフト、および、前記第2のプーリの周りに張力をかける、ストリング、を含むことを特徴とするばね組立体。
【請求項10】
請求項9に記載のばね組立体であって、
前記スイングアームが、前記第1の円形の内側マウントに固定され、
前記ベースアームが、前記第2の円形の内側マウントに固定され、
回転センサが、前記第2の円形の内側マウントに固定された静止部分を有し、センサシャフトが、前記第1のねじりばねと前記第2のねじりばねの間に配置され、前記第1の円形の内側マウントおよび前記第2の円形の内側マウントと同心に整列され、
前記スイングアームと前記ベースアームは、互いに向かい合っており、前記第1の円形の内側マウントと前記第2の円形の内側マウントの間に加えられたトルクに応じて、互いに対して、および、前記第1の円形の内側マウントおよび前記第2の円形の内側マウントと共に、相対的に回転するように構成されることを特徴とするばね組立体。
【請求項11】
請求項9に記載のばね組立体であって、前記ストリングは、最初に、前記第1のプーリの周りに、次に、前記センサの前記センサシャフトの周りに、次に、前記第2のプーリの周りに、張力がかけられることを特徴とするばね組立体。
【請求項12】
ねじりばねであって、
内側マウント、
外側マウント、
第1の弾性変形可能なスパイラルであって、前記第1の弾性変形可能なスパイラルは、前記内側マウントに結合された、内側の厚いセグメント、前記外側マウントに結合された、外側の厚いセグメント、および、前記内側の厚いセグメントと前記外側の厚いセグメントの間に結合された、中間の薄いセクションを含む、前記第1の弾性変形可能なスパイラル、および、
第2の弾性変形可能なスパイラルであって、前記第2の弾性変形可能なスパイラルは、前記内側マウントに結合された、内側の厚いセグメント、前記外側マウントに結合された、外側の厚いセグメント、および、前記内側の厚いセグメントと前記外側の厚いセグメントの間に結合された、中間の薄いセクションを含む、前記第1の弾性変形可能なスパイラル、
を含むことを特徴とするねじりばね。
【請求項13】
請求項1に記載の円盤状のねじりばねであって、前記外側の厚いセグメントと前記円形の外側マウントの間の結合部における、第1の弾性変形可能なスパイラルのコーナの半径は、0.57mm以上であることを特徴とする円盤状のねじりばね。
【請求項14】
請求項1に記載の円盤状のねじりばねであって、前記内側の厚いセグメントと前記円形の内側マウントの間の結合部における、第1の弾性変形可能なスパイラルのコーナの半径は、0.6mm以上であることを特徴とする円盤状のねじりばね。
【請求項15】
請求項12に記載のねじりばねであって、さらに、第3の弾性変形可能なスパイラルであって、前記第3の弾性変形可能なスパイラルは、前記内側マウントに結合された、内側の厚いセグメント、前記外側マウントに結合された、外側の厚いセグメント、および、前記内側の厚いセグメントと前記外側の厚いセグメントの間に結合された、中間の薄いセクションを含む、前記第3の弾性変形可能なスパイラル、を含むことを特徴とするねじりばね。
【請求項16】
請求項15に記載のねじりばねであって、さらに、第4の弾性変形可能なスパイラルであって、前記第4の弾性変形可能なスパイラルは、前記内側マウントに結合された、内側の厚いセグメント、前記外側マウントに結合された、外側の厚いセグメント、および、前記内側の厚いセグメントと前記外側の厚いセグメントの間に結合された、中間の薄いセクションを含む、前記第4の弾性変形可能なスパイラル、を含むことを特徴とするねじりばね。
【請求項17】
請求項12に記載のねじりばねであって、一組の弾性変形可能なスパイラルの各々の前記弾性変形可能なスパイラルは、少なくとも1つの他の弾性変形可能なスパイラルが使用中に過度の変形を受けるのを防止することを特徴とするねじりばね。
【請求項18】
請求項12に記載のねじりばねであって、前記内側マウントは、円形であり、前記外側マウントは、円形であることを特徴とするねじりばね。
【請求項19】
請求項12に記載のねじりばねであって、前記ねじりばねは、円盤状であることを特徴とするねじりばね。
【請求項20】
請求項12に記載のねじりばねであって、前記ねじりばねは、回転シリーズ弾性アクチュエータ用のばね組立体に関連づけられることを特徴とするねじりばね。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、2018年3月28日に出願され、「ねじりシリーズ弾性アクチュエータ」という名称の、米国仮出願第62/649,034号の優先権を主張し、参照によって、その全体が、本明細書に組み込まれる。
【0002】
背景
本明細書に別に指示されない限り、このセクションに記載されている題材は、本願の特許請求の範囲に対する先行技術ではなく、このセクションに含めることによって先行技術であると認められない。
【背景技術】
【0003】
ロボットは、多くの場合、DC、ACモータ、油圧アクチュエータ、および、空気圧アクチュエータなどの、アクチュエータで動く可動の本体セグメントからなる、自動化された機械である。多くの応用において、ロボットは、その本体セグメントの位置、軌道、または速度に基づいて、タスクを実行するように設計および制御される。通常、アクチュエータは、ギアトランスミッションを装備され、出力速度を減少させ、特定のタスクに適した出力力を上昇させる。アクチュエータの出力の位置または速度を検出するセンサは、通常、アクチュエータの動きを制御する、コンピューティングデバイスにフィードバック信号を提供するために搭載される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
他の応用において、ロボットは、環境に、正確な力または回転力を加えることを必要とされ、または、より良い安定性、安全性、または、効率のために、力に基づいてタスクを実行することを要望される。例えば、剛体環境に物理的に接触する場合、位置制御ロボットは、不安定になる高い可能性を有し、力制御ロボットは、そのようにならない。人間と相互作用したり衝突したりする場合、力制御ロボットは、それらが、物理的な相互作用に準拠しているため、より安全である。人間の動きを支援する場合、人間の体は、力制御されるアクチュエータである筋肉によって動かされるため、力制御されるロボットは、より自然な相互作用を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ギア減速を備えた位置制御指向のアクチュエータは、通常、摩擦やスティクションなどの、ギア減速段階での力の非線形性により、制御ループでの力フィードバックなしに、出力力を正確に制御することを制限される。シリーズ弾性アクチュエータ(SEA)は、力計測用の対応要素を備えたアクチュエータ構成であり、固有の安定性、耐衝撃性、安全性を含む、いくつかの利点を備え、力制御において高性能を実現できる。SEAは、アクチュエータ、ギアトランスミッション組立体、弾性要素(例えば、ばね、または、一組のばね)、および、センサからなる。SEAの1つ以上のセンサは、弾性要素のたわみを検出するために使用される。弾性要素は、通常、ばねまたは一組のばねであり、その撓みは、それ自体に加えられる力に比例する。センサを備えた弾性要素またはスプリングは、SEAの出力に対して、アクチュエータと直列に配置され、力センサとして機能する。力フィードバック信号を使用する制御コンピューターのフィードバック制御ループは、SEAの出力力を制御する。本発明は、正確な回転力(トルク)を制御できる、回転シリーズ弾性アクチュエータを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
詳細な説明は、添付の図面を参照して説明される。図では、参照番号の左端の数字(複数の数字)は、参照番号が最初に現れる図を識別する。異なる図での同じ参照番号の使用は、類似または同一の構成部品または構造を示す。
【
図1】いくつかの実施態様による、例示的な回転シリーズ弾性アクチュエータ(SEA)を示す図である。
【
図2】いくつかの実施態様による、SEAを備えた、例示的なロボット関節組立体を示す図である。
【
図3】いくつかの実施態様による、SEAを除いた、例示的なロボット関節組立体を示す図である。
【
図4】いくつかの実施態様による、ロボット関節組立体を備えた、例示的なSEAの断面図を示す図である。
【
図5】いくつかの実施態様による、ロボット関節組立体を除いた、例示的なSEAの断面図を示す図である。
【
図6】いくつかの実施態様による、取り付けられる関節組立体を除いた、SEAの別の例示的な断面図を示す図である。
【
図7】いくつかの実施態様による、取り付けられる関節組立体を除いた、SEAのさらに別の例示的な断面図を示す。
【
図8】いくつかの実施態様による、SEAに組み込まれ得る、例示的なばね組立体を示す図である。
【
図9】いくつかの実施態様による、SEAのばね組立体内部の内部機構を示す図である。
【
図10】いくつかの実施態様による、ばね組立体の内部機構において、ストリングを締めるように設計された、例示的なツールチップを示す図である。
【
図11】いくつかの実施態様による、SEAのばね組立体の、例示的な円盤状ばねを示す図である。
【
図12】いくつかの実施態様による、SEAのばね組立体の、例示的なディスク形状のばねの上面図を示す図である。
【
図13】いくつかの実施態様による、SEAのばね組立体の、別の例示的な円盤状ばねを示す図である。
【
図14】いくつかの実施態様による、SEAのばね組立体の、別の例示的な円盤状ばねを示す図である。
【
図15】いくつかの実施態様による、SEAのばね組立体の、例示的な、内部機構、および、円盤状ばねの底部ねじりばねを示す図である。
【
図16】いくつかの実施態様による、SEAのばね組立体の例示的な配置を示す図である。
【
図17】いくつかの実施態様による、SEAのばね組立体の、別の例示的な配置を示す図である。
【
図18】いくつかの実施態様による、スペーサ314が取り外された、SEAのばね組立体の側面図を示す図である。
【
図19】いくつかの実施態様による、SEAのばね組立体の、例示的な分解図を示す。
【
図20】いくつかの実施態様による、応力下の円盤状ばねの、例示的な部分を示す図である。
【
図21】いくつかの実施態様による、応力下の円盤状ばねの、例示的な部分を示す図である。
【
図22】いくつかの実施態様による、SEA10を備えたロボット関節組立体の、別の例示的な分解図を示す図である。
【
図23】いくつかの実施態様による、ばね組立体上に保護カバーを備えた、SEAの例示的な図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書に記載されるのは、ロボット応用のための例示的なアクチュエータ組立体の実施態様および実施形態であり、回転タイプのシリーズ弾性アクチュエータ(SEA)を含む。SEAは、モータ、ギアトランスミッション組立体、ばね組立体、センサを含む。モータとギアトランスミッションの固定部品は、通常、SEAハウジングフレームに固定される。モータの回転出力は、ギアトランスミッションの入力部に接続され、ギアトランスミッションの出力部は、ばね組立体の入力マウントに連結される。
【0008】
ばね組立体は、2つのディスク形状のばね、内部機構、および、回転位置センサを含み得る。ディスク状ばねは、同心である、円形の内側および外側マウントセグメントと、内側および外側マウントセグメントを接続する、一組の弾性変形可能なスパイラルを含み得る。2つのスプリングの2つの外側マウントセグメントは、スペーサを介して相互に結合され得る。一方のバネともう一方のバネの2つの内側マウントセグメントは、それぞれ、バネ組立体の入力マウントと出力マウントに指定される。内部機構は、2つのばね層の間に配置され、入力マウントと出力マウントとの間のばね組立体の撓みを増幅するように構成され得る。回転位置センサは、増幅されたたわみを読み取るために、内部機構と結合され得る。ばねのたわみのセンサ読み取り値は、トルク値に変換され、制御ループに戻して伝達される。
【0009】
ロボット関節では、関節組立体を介して、互いに結合された2つのリンクが存在し得る。2つのリンクは、入力リンクおよび出力リンクに指定される。各リンクは、ジョイントベアリングを介して同心的に接続され得るジョイントハウジング本体を有し得、それらは、互いに自由に回転する。SEAのハウジングフレームは、入力リンクのジョイントハウジング本体に固定され得、一方、SEAのばね組立体の出力マウントは、出力リンクのジョイントハウジング本体と同軸に結合され得る。モータ固定子に対するモータ回転子の回転は、入力リンクに対する出力リンクの回転に加え、もしあれば、ばねのたわみをもたらす。2つのリンク間に、外力またはトルクが印加されると、制御ループの制御動作は、外力/トルクと、リンクと一緒に動く体質量からの慣性力に釣り合うように、ばね組立体のたわみにつながる、モータの回転と原動力をもたらし得る。
【0010】
図面を参照すると、
図1は、回転シリーズ弾性アクチュエータ(SEA)10の例示的な実施形態を示す。回転SEAは、モータ100、ギアトランスミッション組立体200、センサ(例えば、アブソリュートエンコーダ)334を備えたばね組立体300、および、別のセンサ(例えば、アブソリュートエンコーダ)を含む。SEA10の追加の構成部品と詳細な態様は、追加の図に対応づけて、以下の段落でさらに説明される。
【0011】
モータ100は、他の可能性の中でもとりわけ、回転式直流(DC)モータ、交流(AC)モータ、油圧モータ、または、空気圧モータであり得る。例えば、モータタイプは、転流のために追加のセンサ(例えば、ホール効果センサ、または、クワドラチャエンコーダ)を必要とし得るブラシレスDCモータであり得る。モータは、静止部分(固定子)、回転部分(回転子)、および、回転子に取り付けられたモータ出力シャフトを含み得る。モータは、モータシャフトに、回転運動と原動力を発生させる。
【0012】
ギアトランスミッション組立体200は、一組のギアトランスミッション構成部品と、ギアトランスミッションセットの静止部分が固定されるSEAハウジングフレームを含み得る。モータ100の固定子もまた、SEAハウジングフレームで共通に固定され得る。1つの例示的なロボット関節組立体において、SEAハウジングフレームは、1つのロボットリンクで固定され得る。ギアトランスミッションセットは、入力、出力、および静止部品を有し得る。例えば、場合によっては、ギアトランスミッションが、ウェーブジェネレータ、フレクスプライン、および、サーキュラスプラインで構成されるハーモニックドライブ(登録商標)であり得る。本発明の好ましい構成において、ウェーブジェネレータ、フレクスプライン、および、サーキュラスプラインは、ギアトランスミッションセットの入力、出力、および静止部品として、それぞれ割り当てられ得る。モータ出力シャフトは、ギアトランスミッション組立体200の入力部分に結合され、回転運動および原動力を、ギアトランスミッションに伝達し得る。ギアトランスミッション組立体200の出力部は、トランスミッション出力部と結合され得る。ギアトランスミッション200の出力部の回転数は、ギアトランスミッション200の入力部の回転数から、歯車減速比の係数で減少させられ得るが、モータ100から、ギアトランスミッション200の入力部に印加される原動力は、ギアトランスミッション200の出力部分において、ギア減速比の係数で増幅され得る。
【0013】
センサ250は、アブソリュートエンコーダまたはポテンショメータであり得、他の可能性の中でもとりわけ、タイミングベルトを介して、ギアトランスミッション200のトランスミッション出力部に接続される回転シャフトを含み得る。センサ250は、ギアトランスミッション組立体の出力の回転角度を測定し得る。
【0014】
ばね組立体300は、2つのねじりばね360、スペーサ、および、センサ334を備えた内部機構を含み得る。2つのねじりばね360のそれぞれは、円形の内側マウントセグメント364、円形の外側マウントセグメント366、および、内側セグメントと外側セグメントを接続する一組の弾性変形可能なスパイラル362を含む。2つのスプリングは、スペーサを介して相互に結合され、内部メカニズムは、2つのスプリングの間にある。ばね組立体300の一方のばねには入力マウントがあり、他方のばねには出力マウントがある。ばね組立体300の入力マウントは、ギアトランスミッションセット200のトランスミッション出力部と結合され得、ばね組立体300の出力マウントは、別のロボットリンクに接続され得る。センサ334(例えば、アブソリュートエンコーダ)を備えた内部機構は、入力マウントと出力マウントとの間のばね組立体300の回転たわみを検出する。ばねのたわみは、ばね組立体の入力マウントと出力マウントとの間に印加された印加トルクに比例し得るため、センサ334の測定信号は、ばね組立体に印加された測定トルクに変換され得る。測定されたトルクは、モータ100を制御し得るフィードバック制御ループにフィードバックされ得、ばね組立体の出力マウントで所望のトルクを生成する。制御ループでの所望のトルクに相当する外部トルクが、ばね組立体の出力マウントに印加されると、ギアトランスミッションの出力の回転運動と力を引き起こすモータの制御動作は、ばね組立体を撓ませ得、外部トルクとバランスのとれた所望のトルクを生成する。一方、ばね組立体の出力マウントの回転位置または速度は、モータ100の転流センサ、または、センサ250からの位置フィードバック信号を使用して、モータ100の回転運動を制御するフィードバック制御ループによって制御され得る。ばね組立体の出力マウントの角度位置は、ギアトランスミッションの出力部分の角度位置と、ばね組立体300の偏向角度の合計であり得る。ギアトランスミッションの出力部の角度位置は、センサ250によって直接測定され得、また、マルチターンモータ角度から変換され得る。
【0015】
図2は、SEA10、入力リンク40、および、出力リンク50を含み得る、ロボット関節組立体の例を示す。SEA10のSEAハウジングフレームは、リンク40のジョイントハウジング本体42に取り付けられ得、一方、SEA10のばね組立体300の出力マウントは、ジョイントを介して出力リンク50のジョイントハウジング本体52に結合される。ジョイントでは、ジョイントベアリング(例えばクロスローラーベアリング)の外輪が、入力リンクのジョイントハウジング本体42に固定され得る。ジョイントベアリングの内輪に位置するボアシャフトの一方の側は、出力リンク50のジョイントハウジング本体52と結合され得、ボアシャフトの他方の側は、SEA10のばね組立体300の出力マウントと結合され得る。SEA10は、出力リンク50に伝達する原動トルクを生成する。出力リンクは、軸30の周りでリンク40に対して相対的に回転させられ得、環境に力を及ぼし得る。
【0016】
図3は、SEA10を除いたロボット関節組立体の例を示す。ボアシャフト60は、その外輪が、ジョイントハウジング本体42に取り付けられた、ジョイントベアリングの内輪に取り付けられる。ボアシャフト60の上部マウントセクション64は、SEA10のばね組立体300の出力マウントと結合され得る。ボアシャフト60の反対側は、リンク50のジョイントハウジング本体52に結合される。ボアシャフトは、電力ケーブルまたはセンサラインがジョイントを通って通過するための貫通穴68を有し得る。ボアシャフト60の突出部分66は、リンク40のジョイントハウジング本体の突出部分48と共に、ハードストップとして機能し得、リンク40に対するリンク50の回転角度を制限する。
【0017】
図4は、関節組立体を備えたSEA10の例示的な実施形態の断面図を示す。上述のように、SEA10は、モータ100、ギアトランスミッション組立体200、および、ばね組立体300を含む。SEA10のSEAハウジングフレーム211は、ジョイントハウジング本体42に取り付けられ、ばね組立体300は、ジョイントハウジング本体42の内側に配置される。SEA10のばね組立体300の出力マウントは、その他方の側のマウントが、他方のジョイントハウジング本体52に結合された、ボアシャフト60の、
図3の上部マウントセクション64と結合される。ボアシャフト60の丸い中央部分は、その外輪が、ジョイントハウジング本体42に固定された、ジョイントベアリング62の内輪に嵌め込まれる。ジョイントベアリング62は、好ましくは、
図3におけるリンク50からの全方向荷重を支持する、クロスローラーベアリングであり、
図2における軸30に対してのみ自由回転を可能にする。したがって、ばね組立体300の出力マウント、ボアシャフト60、および、ジョイントハウジング本体52は、しっかりと接続され、ジョイントハウジング42に対して一緒に回転する。ジョイントハウジング本体42またはSEAハウジングフレーム211に対する、ジョイントハウジング本体52の回転角度は、トランスミッション出力部240と、入力および出力マウントの間のばね組立体300の回転撓みとの合計である。モータ100からの適切に制御された原動力により、ばね組立体300の回転撓みは、ハウジング本体42に対してジョイントハウジング本体52に印加されたトルクに比例し得る。
【0018】
より具体的には、
図5は、関節組立体を除いた、SEA10の別の平面における断面図を示す。モータ100の静止部分は、モータベース106に取り付けられ得るが、モータシャフト104は、シャフトカプラー234およびカプラークランプ232を介して、ギアトランスミッションの入力部、ハーモニックドライブ(登録商標)のウェーブジェネレータ222に、しっかりと結合される。シャフトカプラー234は、ウェーブジェネレータ222に固定される。モータシャフト104上をスライドするシャフトカプラー234は、軸方向にいくつかのスロットを備えたテーパ外周を有し、そこに、テーパ外周の雌部分を有するリング型カプラークランプ232が着座する。シャフトカプラー234とカプラークランプ232を軸方向に接続する、一組のねじを締めることは、シャフトカプラー234のテーパ外周を収縮させ、シャフトカプラー234とモータシャフト104の間に強固な接続を形成する。
【0019】
ギアトランスミッションの静止部品である、ハーモニックドライブ(登録商標)のサーキュラスプライン226は、SEAハウジングフレーム211に固定される。ギアトランスミッションの出力部であるフレクスプライン224は、ベアリング212を介してSEAハウジングフレーム211で固定されるトランスミッション出力部240を介して、ばね組立体300の入力マウントに取り付けられる。ベアリング212は、好ましくは、4点接触薄肉ベアリングまたはクロスローラーベアリングであり、内側ベアリングキャップ214によって、トランスミッション出力部240に固定され、外側ベアリングキャップ216によって、SEAハウジングフレーム211に固定され得る。ハーモニックドライブ(登録商標)の構成部品は、フレクスプライン224の歯付き円周部分が、サーキュラスプライン226の内周の歯付き部分と噛み合う一方で、ウェーブジェネレータ222の外側リングが、フレクスプライン224の内周にスライドする、一般的な方法で組み立てられる。
【0020】
引き続き
図5を参照すると、トランスミッション出力部240は、センサ入力プーリ258およびタイミングベルト248を介して、センサ250と連結され得る、同心的に組み立てられたタイミングベルトプーリ244を含み得る。センサ250は、センサホルダ254を介して、SEAハウジングフレーム211に固定され得る。センサ250は、好ましくは、アブソリュートエンコーダまたは電位差計であり、
図3のリンク40に対する、
図3のリンク50の絶対角度位置を読み取るために使用され得る。ばね組立体300に関する更なる詳細は、
図8-19に関して、以下で説明される。
【0021】
図6は、関節組立体が取り付けられていない、別の例示的なSEA10Aの実施形態の断面図を示す。上述の
図4および
図5の例のSEA10と同様に、SEA10Aは、モータハウジング106Aに取り付けられた静止部品(固定子)102Aを含み、モータ回転子104Aは、固定子の内側に同心円状に配置され、モータ回転子ホルダ232Aに取り付けられる。モータ回転子ホルダ232Aは、ベアリング107Aを介して、モータハウジングと結合され、それにより、モータ回転子104Aおよび回転子ホルダ232Aは、固定子102Aに対して自由に回転する。回転子ホルダ232Aの一方の側は、ギアトランスミッションの入力部分であるハーモニックドライブ(登録商標)のウェーブジェネレータ222Aと結合された、モータシャフト234Aに固定される。円形ロータおよび静止部品からなる非接触センサ105A(例えば、クワドラチャエンコーダまたはアブソリュートエンコーダ)は、回転子ホルダ232Aの反対の側に組み立てられ得る。センサ105Aの静止部分は、モータハウジング106Aの延長部に取り付けられるが、センサ105Aの円形ロータは、回転子ホルダ232Aに同心円状に結合される。センサ105Aは、モータ転流、および/または、モータ回転子104Aおよびトランスミッション出力部240Aの位置の感知のために使用され得る。
【0022】
ギアトランスミッションの静止部品である、ハーモニックドライブ(登録商標)のサーキュラスプライン226Aは、モータハウジング106Aが取り付けられる、SEAハウジングフレーム211Aに固定される。ギアトランスミッションの出力部品である、フレクスプライン224Aは、ベアリング212Aを介してSEAハウジングフレーム211Aに固定された、トランスミッション出力部240Aを介して、
図5のばね組立体300の入力マウントに取り付けられる。ベアリング212Aは、好ましくは、4点接触薄肉ベアリングまたはクロスローラーベアリングであり、内側ベアリングキャップ214Aによって、トランスミッション出力部240Aに固定され、外側ベアリングキャップ216Aによって、SEAハウジングフレーム211Aに固定され得る。モータシャフト234Aは、延長され、ベアリング109Aを介して、トランスミッション出力部240Aの中心穴に接続され得、モータ固定子102Aに対して、回転子ホルダ232Aをよりしっかりとサポートする。ハーモニックドライブ(登録商標)の構成部品は、フレクスプライン224Aの歯付き円周部分が、サーキュラスプライン226Aの内周の歯付き部分と噛み合い、ウェーブジェネレータ222Aの外側リングが、フレクスプライン224Aの内周にスライドする、一般的な方法で組み合わせられる。
【0023】
トランスミッション出力部240Aは、センサ入力プーリとタイミングベルトを介して、
図5のセンサ250と結合され得る、同心的に組み立てられたタイミングベルトプーリ244Aを含み得る。センサ250は、SEAハウジングフレーム211Aに固定され得る。センサ250は、アブソリュートエンコーダまたは電位差計であり得、
図3のリンク40に対して、
図3のリンク50の絶対角度位置を読み取るために使用され得る。
【0024】
図7は、関節組立体が取り付けられていない、他の例示的なSEA10Bの実施形態のさらに別の断面図を示す。モータ100Bの静止部分(固定子)102Bが、モータハウジング106Bに取り付けられる一方で、モータ回転子104Bは、固定子の内側に同心円状に配置され、モータ回転子ホルダ232Bに取り付けられる。モータ回転子ホルダ232Bは、2つのベアリング107Bおよび109Bを介して、モータハウジングと連結されているので、モータ回転子104Bおよび回転子ホルダ232Bは、固定子102Bに対して自由に回転する。回転子ホルダ232Bの一端は、ギアトランスミッションの入力部である、ハーモニックドライブ(登録商標)のウェーブジェネレータ222Bに固定される。ウェーブジェネレータ222Bの中心穴にスライドする回転子ホルダ232Bの一端は、軸方向にいくつかのスロットを有するテーパ状円筒穴を有し、テーパ状円筒穴の雄型カウンターパートである、テーパ状円筒234Bが着座する。回転子ホルダ232Bとテーパ状円筒234Bを軸方向に接続する、一組のねじを締めることは、テーパシリンダーの穴を、ウェーブジェネレータ222Bの中心穴の壁に対して膨らませ、回転子ホルダ232Bとウェーブジェネレータ222Bの間の強固な接続を生成する。円形ロータおよび静止部品からなる非接触センサ105B(例えば、クワドラチャエンコーダまたはアブソリュートエンコーダ)は、回転子ホルダ232Bの反対側に組み立てられ得る。センサ105Bの静止部分が、モータハウジング106Bの延長部に取り付けられる一方で、センサ105Bの円形ロータは、回転子ホルダ232Bに同心状に結合される。センサ105Bは、モータ転流、および/または、モータ回転子104Bおよびトランスミッション出力部240Bの位置の感知のために使用され得る。
【0025】
ギアトランスミッションの静止部品であるハーモニックドライブ(登録商標)のサーキュラスプライン226Bは、モータハウジング106Bが取り付けられる、SEAハウジングフレーム211Bに固定される。ギアトランスミッションの出力部分である、フレクスプライン224Bは、ベアリング212Bを介してSEAハウジングフレーム211Bに固定される、トランスミッション出力部240Bを介して、
図5のばね組立体300の入力マウントに取り付けられる。ベアリング212Bは、好ましくは、4点接触薄肉ベアリングまたはクロスローラーベアリングであり、内側ベアリングキャップ214Bによって、トランスミッション出力部240Bに、および、外側ベアリングキャップ216Bによって、SEAハウジングフレーム211Bに固定され得る。ハーモニックドライブ(登録商標)の構成部品は、フレクスプライン224Bの歯付き円周部分が、サーキュラスプライン226Bの内周の歯付き部分と噛み合う一方で、ウェーブジェネレータ222Bの外側リングが、フレクスプライン224Bの円周にスライドする、一般的な方法で組み立てられる。
【0026】
トランスミッション出力部240Bは、センサ入力プーリとタイミングベルトを介して、
図5のセンサ250と結合され得る、同心的に組み立てられたタイミングベルトプーリ244Bを含み得る。センサ250は、SEAハウジングフレーム211Bに固定され得る。センサ250は、好ましくは、アブソリュートエンコーダまたは電位差計であり、
図3のリンク40に対する、
図3のリンク50の絶対角度位置を読み取るために使用され得る。
【0027】
図8は、ばねのたわみを検出するセンサ334を備えた、2つの平坦かつ円形のねじりばね360、スペーサ314、および、以下の
図9に示される、内部機構320を含む、ばね組立体300の例示的な実施形態を示す。平坦かつ円形のねじりばね360は、円形の内側マウントセグメント364、円形の外側マウントセグメント366、および、内側セグメントと外側セグメントを接続する一組の弾性変形可能なスパイラル362からなる。内側マウントセグメント364と外側マウントセグメント366は、同心である。2つのばねの外側セグメント366は、同心円状に重ねられ、スペーサ314を介して、互いにしっかりと結合される。ばねの撓みを検出するための、以下の
図9に示される内部機構320は、2つのばね360の間に配置され、センサ334と結合される。2つのばね360の内側マウントセグメント364は、それぞれ、ばね組立体300の入力および出力マウントに指定される。センサ334のケーブル配索の利便性のため、センサ334の側面の内側マウントセグメント364が、好ましくは、ばね組立体300の出力マウントであり得る。
【0028】
図9は、ベースアーム356、スイングアーム322、ストリング342、および、プーリ344を含み得る、ばね組立体300の内部機構320を示す。例えば、内部機構320は、ばね組立体300内のスペーサ314の内部空洞内に配置され得る。ベースアーム356の中央部分357は、1つのばね360の内側マウントセグメント364の内面に固定され得る。ベースアーム356の2つのアームは、
図6のばね360の外側マウントセグメント366の内径を超えないで、ばね表面上に広がり得る。アームの両端で、2つのプーリ344が、自由回転のためのベアリングを介して、ベースアーム356に接続され得る。
図8に現れる、センサ334の静止部分は、
図8のばね360の内側マウントセグメント364と同心円状に、ベースアームの中央部分357に取り付けられ得、センサ入力として、ベースアームの外に、センサ334の回転シャフト336の露出部を有する。スイングアーム322の中央部分327は、
図8の他方のばね上の内側マウントセグメント364の内面に固定され得る。スイングアーム322の2つのアームは、他のばね360の外側マウントセグメント366の内径を超えない範囲で、他のスプリングの表面上に広がり得る。スイングアーム322の2つのアームの端部部分は、その中心が、ばね360の内側マウントセグメント364の中心と一致し得る、円弧として形成され得る。ベースアーム356およびスイングアーム322は、スイングアーム322の2つのアームの端部部分が、ベースアームの広がったアームに対して、同じ側に配置され、ベースアーム上の2つのプーリと同じ高さとされるように構成され得、2つのばね360の2つの中心点を接続する軸310に対するそれらの相対的な回転中に物理的接触を有さない。
【0029】
引き続き
図9を参照すると、その一端がスイングアーム322の1つのアームの端に取り付けられ得る、ストリング342(例えばベクトランまたはケブラーストリング)は、スイングアーム322の1つのアームの円弧329と、ベースアーム356の1つのプーリ344を通り過ぎ、センサシャフト336の周りを巻き、ベースアーム356の他方のプーリ344とスイングアームの他方のアームの円弧329を通り過ぎ、スイングアーム322の他方のアームの端で固定される。スイングアームの両端で、ストリング342の各端部は、2本のねじを使用してスイングアーム本体に取り付けられ得る。固定する間、ストリングは、適切に張力をかけられ得る。ばね360の弾性撓み中に、スイングアーム322(または、ばね360の内側マウントセグメント364)が、ベースアーム(または、他のばね360の内側マウントセグメント364)に対して回転すると、スイングアーム322の相対的回転は、増幅され、センサ334の回転シャフト336に伝達され得る。増幅率は、スイングアームでの円弧の半径とセンサシャフト336の半径の間の、比率に比例し得る。増幅の比率は、1:5から1:30の間であり得る。この実施形態では、機構320は、約1:16の比を有し、センサ334の14ビットアブソリュートエンコーダと組み合わされるとき、ばねのたわみを検出する際に、合計約18ビットの分解能を形成する。ばね組立体360が、400Nm/radの剛性を有する場合、18ビットの分解能を有する機構320は、ばね組立体に印加されるトルクの、約0.01Nmの変化を検出し得る。他の例では、機構320は、約1:8から1:24の範囲の比を有し得、ばね組立体360は、約200Nm/radから約600Nm/radの範囲の剛性を有し得る。いくつかの特定の例では、機構320は、約200Nm/radから約900Nm/radの範囲の剛性を有し得る。
【0030】
ストリングに張力をかけることの詳細な説明として、
図10は、組立工程中、
図9のストリング342を締めるように設計された、ツールチップ400を示す。ストリング342の一端が、
図9のスイングアーム322の1つのアームの端部で、2つのねじ394で固定され、ストリングの他端は、ツールチップ400、および、上述の
図9に示される、2つのねじ394を使用して、締め付けられ、スイングアーム322の他のアームの端部に固定され得る。ツールチップ400は、軸方向に同心状に配置された、一体の小さな円筒部分410と大きな円筒部分を有し得る。大きな円筒部分には、六角キーまたは同等物のための開いた穴422と、ストリング342が引っ掛けられ得る、シリンダーの端の1つ以上のスロット426が存在し得る。小さな円筒部分は、ねじ394用の同心の貫通穴を有する。上述の
図9に示される、機構320の周りにストリング342を配策するプロセスにおいて、スイングアーム322の他方のアームの端部で、円弧329に近い方の外側ねじ394が、緩く締められ、ねじ頭とスイングアーム本体との間に隙間が存在する。六角穴422側から穴412に挿入された別のねじ394は、スイングアーム本体にわずかに締められ、ツールチップ400が、内側ねじ394の場所でスイングアーム本体に結合される。次に、ストリング342は、ねじ頭の下で外側ねじの周り、および、小円筒部分410の周りを巻き、スロット426に固定される。穴422に挿入された六角キーまたは同等物で、ツールチップ400を回転させることにより、小さな円筒410の周りでストリング342を巻き込むことが、ストリングに張力をかける。引っ張りプロセスの間、ツールチップとスイングアーム本体との間の合わせ面での摩擦は、ツールチップ400が巻き戻し方向に回転することを防止する。ストリング342が引っ張られると、外側ねじ394が、しっかりと締められて、ストリング342を、スイングアーム本体322に固定する。確実な固定のために、ツールチップ400が取り外され、別のねじ394が、最初の固定後に、吊り下がったストリングの端を再び固定し得る。
【0031】
図6のばね360の説明として、
図11~
図14は、ディスク形状のばね360の例示的な実施形態の詳細を示す。上述のように、ばね360は、円形の内側マウントセグメント364、円形の外側マウントセグメント366、および内側および外側マウントセグメントを接続する一組の変形可能なスパイラル362を含み得る。内側マウントセグメント364および外側マウントセグメント366は、同心の円形フープとして形作られる。内側364と外側366のマウントセグメントには、他の部品を接続するためのいくつかの貫通穴とねじ穴が存在する。ばね360の直径373および厚さ371は、意図された回転剛性、最大許容トルク、変形可能なスパイラルの形状、および材料の強度に依存し得る。例えば、変形可能なスパイラル362は、鋼合金材料から形成され得る。
図11および
図12において、ばね360は、直径が、約76ミリメートル(mm)、厚さが、約5mm、剛性が、約800Nm/rad、最大許容トルクが、約35Nmであり、安全係数は、推奨材料(例、マレージング鋼C300,または、H-900処理状態の17-4ステンレス鋼)の降伏強さに基づいて2を超える。したがって、2つのばね360の直列接続を含む、
図8のばね組立体300は、約400Nm/radの剛性、および、約35Nmの最大許容トルクを有する。
【0032】
スパイラルの形状の変化を伴った、ばね360の別の例示的な実施形態として、
図13のばね360Aは、同じ外径と厚さを有するが、約1000Nm/radの剛性と、約50Nmの最大許容トルクを有し、上記の同じ材料については、2を超える安全係数を有する。したがって、2つのばね360Aとの直列接続を含む、
図8のばね組立体300は、約500Nm/radの剛性、約50Nmの最大許容トルクを有する。ばねの設計のもう1つの変更は、同じ構成におけるばねの剛性に比例する厚さである。例えば、ばね360Aと同じ輪郭を有するばねが、約6ミリメートルの厚さを有する場合、ばねは、約1200Nm/radの剛性と、約60Nmの最大許容トルクを有し、
図8のばね組立体300に、約600Nm/radの剛性をもたらす。したがって、いくつかの例では、ばねは、60mmから90mmの間の直径、および、2mmから8mmの間の厚さを有し得る。これらの例では、ばねの剛性は、200Nm/radから1200Nm/radの間、および、25Nmから60Nmの最大許容トルクの間で変化し得る。他の例では、ばねの剛性は、400Nm/radと1800Nm/radの間、および、20Nmと100Nmの最大許容トルクの間で変化し得る。
【0033】
スパイラル362は、内側マウントセグメント364に近い、内側の厚いセクション363、中間の薄いセクション365、および、外側マウントセグメント366に近い、外側の厚いセクション367を有する。厚さが、スパイラルの2つの境界スプライン間の中心線に垂直に測定されると、内側の厚いセクション363の最も厚い部分、中央の薄いセクション365の最も薄い部分、および、外側の厚いセクション367の最も厚い部分の、厚さの比率は、
図12のばね360では、約10:1:9であり、
図13のばね360Aでは、約9:1:8である。また、中間の薄いセクション365の最も薄い厚さは、
図12のばね360では、約1.36mmであり、
図13のばね360Aでは、約1.47mmである。いくつかの例では、中央の薄い部分は、ばね360または306Aのいずれかに対し、1.00mmから1.70mmの間であり得る。内側マウントセグメント364から始まるスパイラル362は、外側マウントセグメント366に連続的に近づきながら、内側マウントセグメント364の周りを回り得る。スパイラルは、互いに接触することなく、可能な限り(ばね360と360Aにおいて半円以上)周りを回り、内側364と外側366のマウントセグメント間の内側領域の大部分を占めるように構成され、所定の剛性と最大許容トルクで、
図13のばね360の直径373および厚さ371を最小限にする。スパイラルのスプラインは、内側364と外側366のマウントセグメントの間にトルクが作用する際、応力集中することなく、スパイラル本体全体に均等に、スパイラルの変形が生じるように構成される。内側の急なコーナ375および外側の急なコーナ376の湾曲は、応力集中を回避するように設計され得る。
【0034】
図14は、いくつかの実施態様による、SEA10のばね組立体300の別の例示的な円盤形状のばねを示す。スパイラルの形状、および、スパイラルの数が変化した、ばね360Bの別の例示的な実施形態として、
図14のばね360Bは、ばね360および/または360Aより外径は小さいが、同じ厚さを有する。例えば、ばね360Bの直径は、66mmで、厚さは、5mmであるが、約820Nm/radの剛性、約30Nmの最大許容トルクを有し、上記のばね360および/または360Aと同じ材料に対して、2を超える安全係数を有する。
【0035】
上述のばね360、360A、および360Bは、SEA10と一体となって使用され得る、3つの例示のばねであるが、ばね360の他の配置が、また、使用され得ることが理解されるべきである。例えば、5つ以上の変形可能なスパイラルを有するばねが、使用され得る。
【0036】
図15は、いくつかの実施態様による、SEAの例示的な内部機構320、および、ばね組立体の円盤状ばねの底部ねじりばね360を示す。ばね360は、円形の内側マウントセグメント364、円形の外側マウントセグメント366、および内側および外側マウントセグメントを接続する、一組の変形可能なスパイラル362を含み得る。内部機構320は、ベースアーム356、スイングアーム322、ストリング342、および、プーリ344を含み得る。示されるように、内部機構320は、スペーサ314によって生成された内部空洞内で、底部ばね360上に配置される。現在の例では、アームの両端で、2つのプーリ344が自由回転のためのベアリングを介してベースアーム356に接続され得る。再び、
図10は、スイングアーム322の各アームの端部で、ねじ394によって固定されたストリング342を締めるように設計された、ツールチップ400を示す。
【0037】
図16および
図17は、いくつかの実施態様による、SEA10のばね組立体300Aおよび300Bの例示的な配置を示す。ばね組立体300Aでは、頂部および底部ばね360の両方のスパイラル362が、同じ方向に配置される。しかしながら、ばね360は、互いに90度だけオフセットされ、その結果、スパイラル362も、また、90度オフセットされる。ばね組立体300Bでは、頂部および底部ばねは、X軸およびY軸に沿って整列しているが(例えば、互いにオフセットされていない)、スパイラル362は、反対方向に配置される。
【0038】
上述のばね組立体300Aおよび300Bは、SEA10と一体となって使用され得る、2つの例示の組立体であるが、ばね組立体300の他の配置も使用され得ることが理解されるべきである。例えば、ばね組立体300は、同じ方向に配置され得る、一対の調和するばね360を有し得、スパイラルは、X軸およびY軸に沿って整列する。別の例では、ばね組立体300は、ばね300Aおよび300Bなどの、2つの異なるばねを利用し得る。
【0039】
図18は、いくつかの実施態様による、スペーサ314が取り外された、SEA10のばね組立体300の側面図を示す。現在の例では、ばね組立体300は、2つの平担な、および、円形のねじりばね360と、ばね360の撓みを検出するセンサ334を備えた内部機構320を含む。示されるように、2つのばねは、同心円状に積み重ねられ、Z方向に互いにオフセットしている。2つのばね360は、また、以下に、
図19に関して示されるように、ばね360およびスペーサ314の両方を通って延びる、ファスナ393を介して、互いにしっかりと結合される。一般に、2つのばね360の間に位置する内部機構320は、センサ334で、ばね360の撓みを検出するように構成される。場合によっては、内部機構320のスイングアーム322は、スペーサ314の内部空洞内に配置され得る。
【0040】
図19は、いくつかの実施態様による、SEA10のばね組立体300の例示的な分解図を示す。ばね組立体300は、2つの平坦かつ円形のねじりばね360、スペーサ314、および、ばねの撓みを検出するセンサ334を備えた内部機構320を含む。平坦かつ円形のねじりばね360のそれぞれは、円形の内側マウントセグメント364、円形の外側マウントセグメント366、および、内側セグメントと外側セグメントを接続する一組の弾性変形可能なスパイラル362からなる。2つのばねの外側セグメント366は、同心円状に積み重ねられ、スペーサ314を介して互いにしっかりと結合される。ばねのたわみを検出するための内部機構320は、2つのばね360の間に配置され、センサ334と結合される。2つのばね360の内側マウントセグメント364は、それぞれ、ばね組立体300の入力および出力マウントに指定される。センサ334のケーブル配索の利便性のため、センサ334の側部の内側マウントセグメント364は、好ましくは、ばね組立体300の出力マウントであり得る。現在の例では、ばね360は、弾性変形可能なスパイラル362のそれぞれのセットが、反対方向に走るように位置合わせされる。しかしながら、他の実施態様では、ばね360は、弾性変形可能なスパイラル362のそれぞれのセットが、同じ方向に走るか、または積み重なるように整列される。
【0041】
場合によっては、ばね組立体300の内部機構320は、ベースアーム356、スイングアーム322、および、プーリ344を含み得る。例えば、内部機構320は、ばね組立体300内で、示されるように、スペーサ314の内部空洞内に配置され得る。ベースアーム356は、ばね360の内側マウントセグメントの内面に固定され得る。ベースアーム356の2つのアームは、ばね360の外側マウントセグメントの内径を超えない範囲で、スプリング表面上に広がり得る。アームの両端で、2つのプーリ344が、自由回転のためのベアリングを介して、ベースアーム356に接続され得る。センサ334の静止部分は、ばね360の内側マウントセグメントと同心円状に、ベースアームに取り付けられ得る。
【0042】
ばね360の弾性撓み中に、スイングアーム322が、ベースアーム356に対して回転すると、スイングアーム322の相対回転が増幅され得、センサ334の回転シャフト336に伝達される。増幅率は、スイングアームでの円弧の半径とセンサシャフト336の半径の間の比率に、比例し得る。増幅の比率は1:5から1:30の間であり得る。場合によっては、機構320は、約1:16の比を有し、センサ334の14ビットアブソリュートエンコーダと組み合わされたとき、ばねのたわみを検出する際に、合計約18ビットの解像度を形成する。例えば、ばね組立体360が、400Nm/radの剛性を有する場合、18ビットの分解能を有する機構320は、ばね組立体に印加されるトルクの約0.01Nmの変化を検出できる。他の例では、機構320は、約1:8から1:24の範囲の比を有し得、ばね組立体360は、約200Nm/radから約900Nm/radの範囲の剛性を有し得る。
【0043】
上述のように、ばね360は、円形の内側マウントセグメント364、円形の外側マウントセグメント366、内側および外側マウントセグメントを接続する一組の変形可能なスパイラル362を含み得る。内側マウントセグメント364および外側マウントセグメント366は、同心の円形フープとして形作られる。内側364と外側366のマウントセグメントには、他の部品を接続するためのいくつかの貫通穴とねじ穴が存在する。ばね360の直径373および厚さ371は、意図された回転剛性、最大許容トルク、変形可能なスパイラルの形状、および材料の強度に依存し得る。
【0044】
図20および
図21は、いくつかの実施態様による、圧力下にある、ディスク形状のばね360の例示的な部分を示す。例えば、
図12の急なコーナ375の最小半径372は、0.6mm以上であり得、
図13の急なコーナ376の、
図21における最小半径374は、0.57mm以上であり得る。結果として、スパイラル362は、意図された最大許容トルク内でのみ、弾性的に変形し得る。例えば、30Nmのトルクが印加された場合、
図12のばね360と
図20のばね360Aのスパイラルに沿った応力(フォンミーゼス)は、それぞれ約460MPaと約410MPaを超えない。この特定の例では、4つの変形可能なスパイラルが存在する。異なる数のスパイラルが採用され得るが、特定の剛性と最大許容トルクに応じて、スパイラルの形状を変更し得る。
【0045】
引き続き
図12を参照すると、最大許容トルクが、内側364と外側366のマウントセグメントの間に印加されると、スパイラル体の複数の点が互いに干渉し、ハードストップとして機能する。過剰なトルクが、内側マウントセグメント364を、外側マウントセグメント366に対して反時計回りに回転させると、4つの外側の狭いチャネル381で、1つのスパイラル362の中央の薄いセクション365が膨らみ、他のスパイラル362の外側の厚いセクション367と干渉し得る。外側の狭いチャネルの幅は、
図12のばね360に対して、約0.7mm、
図13のばね360Aに対して、約0.8mmである。同様に、過剰なトルクが、逆方向に印加されると、4つの内側の狭いチャネル383で、一方のスパイラル362の中央の薄いセクション365が内側に収縮し、他方のスパイラル362の内側の厚いセクション363と干渉し得、スパイラルの過度の変形を防止する。内側の狭いチャネルの幅は、ばね360に対して、約0.8mm、ばね360Aに対して、約0.9mmである。これらの干渉は、ばね360の剛性の非線形増加を引き起こし、意図された最大許容トルクを超えて印加された場合に、ばねの過度の変形を防ぐためのハードストップとして機能する。いくつかの例では、ばね360または306Aのいずれかに対して、外側の狭いチャネルは0.5mmから0.9mmの間であり得、内側の狭いチャネルは0.6mmから1.1mmの間であり得る。
【0046】
図22は、いくつかの実施態様による、SEA10を備えたロボット関節組立体の別の例示的な分解図を示す。SEA10のSEAハウジングフレームは、リンク40のジョイントハウジング本体42に取り付けられ得、一方、SEA10のばね組立体300の出力マウントは、ジョイントベアリング62を介して、出力リンク50のジョイントハウジング本体52の上部マウントセクション64に結合される。ジョイントでは、ジョイントベアリング(例えば、クロスローラーベアリング)の外輪が、入力リンクのジョイントハウジング本体42に固定され得る。ジョイントベアリングの内輪に着座するボアシャフトの一方の側は、出力リンク50のジョイントハウジング本体52と結合され得、ボアシャフトの他方の側は、SEA10のばね組立体300の出力マウントと結合され得る。SEA10は、出力リンク50に伝達する原動トルクを生成する。出力リンクは、軸30の周りでリンク40に対して相対的に回転し得、環境に力を及ぼし得る。
【0047】
図23は、いくつかの実施態様による、ばね組立体上に保護カバーを備えた、SEA10の例示的な図を示す。現在の例では、回転式SEA10は、モータ100、ギアトランスミッション組立体200、および、センサ(例えば、アブソリュートエンコーダ)334を備えたばね組立体300を含む。SEA10の追加の構成部品と詳細な態様は、追加の図に関連して、次の段落でさらに説明される。
【0048】
図1~
図23は、様々な図、実施例、および、実施態様を示すが、
図1~23の特徴は、示されているどの実施態様にも適用され得ることが理解されるべきである。さらに、「約」、「およそ」、「実質的に」などの用語は、相対的な用語であり、2つの値は異なり得るが、それらの違いは、装置または方法が、依然として、指示されたまたは望ましい結果を提供するようなものか、または、器具の操作、または、方法が、意図された目的を実行できない点まで、悪影響を受けないようなものであるということを示す。限定ではなく例として、「約Xmm」の高さが記載される場合、目的の機能が実行され得るか、または、目的の結果が達成され得る場合、高さの下限または上限は、なお、「約Xmm」である。
【0049】
主題は、構造的特徴に特有の言語で説明されたが、添付の特許請求の範囲で定義される主題は、説明された特定の特徴に必ずしも限定されないことが理解されるべきである。むしろ、特定の特徴は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示される。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転シリーズ弾性アクチュエータ用のばね組立体の円盤状のねじりばねであって、
円形の内側マウント、
円形の外側マウント、および、
一組の弾性変形可能なスパイラルであって、各々の前記弾性変形可能なスパイラルは、前記円形の内側マウントに結合された、内側の厚いセグメント、前記円形の外側マウントに結合された、外側の厚いセグメント、および、前記内側の厚いセグメントと前記外側の厚いセグメントの間に結合された、中間の薄いセクションを含む、前記一組の弾性変形可能なスパイラル、を含み、
前記一組の弾性変形可能なスパイラルは、少なくとも3つの個別のスパイラルを含むことを特徴とする円盤状のねじりばね。
【請求項2】
請求項1に記載の円盤状のねじりばねであって、前記内側の厚いセグメントの前記中間の薄いセクションに対する相対的な厚さは、11:1と8:1の間の比であり、前記中間の薄いセクションの前記外側の厚いセグメントに対する相対的な厚さは、1:10と1:7の間の比であることを特徴とするねじりばね。
【請求項3】
請求項1に記載の円盤状のねじりばねであって、前記ねじりばねは、400Nm/radと1800Nm/radの間の剛性を有することを特徴とするねじりばね。
【請求項4】
請求項1に記載の円盤状のねじりばねでわって、前記ねじりばねは、20Nmと100Nmの間の最大許容トルクを有することを特徴とするねじりばね。
【請求項5】
請求項1に記載の円盤状のねじりばねであって、前記外側の厚いセグメントと前記円形の外側マウントの間の結合部における、第1の弾性変形可能なスパイラルのコーナの半径は、0.57mm以上であることを特徴とする円盤状のねじりばね。
【請求項6】
請求項1に記載の円盤状のねじりばねであって、前記内側の厚いセグメントと前記円形の内側マウントの間の結合部における、第1の弾性変形可能なスパイラルのコーナの半径は、0.6mm以上であることを特徴とする円盤状のねじりばね。
【請求項7】
請求項1に記載の円盤状のねじりばねであって、各々の前記弾性変形可能なスパイラルは、少なくとも1つの他の弾性変形可能なスパイラルが使用中に過度の変形を受けるのを防止することを特徴とする円盤状ねじりばね。
【請求項8】
回転シリーズ弾性アクチュエータ用のばね組立体であって、
第1の組の弾性変形可能なスパイラルと、第1の円形の内側マウントと、第1の円形の外側マウントを含む、第1のねじりばね、
第2の組の弾性変形可能なスパイラルと、第2の円形の内側マウントと、第2の円形の外側マウントを含む、第2のねじりばねであって、前記第1の円形の外側マウントは、スペーサを介して、前記第2の円形の外側マウントに結合される、前記第2のねじりばね、および、
前記第1のねじりばねと前記第2のねじりばねとの間に存在する内部機構であって、該内部機構は、前記ばね組立体の回転撓みを検出し、前記回転撓みを、測定されたトルク入力値として、モータコントローラに提供するセンサを含む、前記内部機構、を含み、
前記第1の組の弾性変形可能なスパイラルと、前記第2の組の弾性変形可能なスパイラルは、それぞれ、少なくとも3つの個別のスパイラルを含むことを特徴とするばね組立体。
【請求項9】
請求項8に記載のばね組立体であって、前記第1のねじりばねは、前記第2のねじりばねと、同心に整列されることを特徴とするばね組立体。
【請求項10】
請求項8に記載のばね組立体であって、前記内部機構は、
第1の端部および第2の端部を含むベースアーム、
第1アームおよび第2アームを含むスイングアームであって、前記第1アームおよび前記第2アームは円弧状に形成された、前記スイングアーム、
前記ベースアームの前記第1の端部に結合され、前記ベースアームに対して自由に回転するように構成された、第1のプーリ、
前記ベースアームの前記第2の端部に結合され、前記ベースアームに対して自由に回転するように構成された、第2のプーリであって、前記第2の端部は、前記第1の端部の反対側に位置する、前記第2のプーリ、および、
前記スイングアームの前記第1アームと前記スイングアームの前記第2アームに連結され、前記第1のプーリ、前記センサのセンサシャフト、および、前記第2のプーリの周りに張力をかける、ストリング、を含むことを特徴とするばね組立体。
【請求項11】
請求項10に記載のばね組立体であって、
前記スイングアームが、前記第1の円形の内側マウントに固定され、
前記ベースアームが、前記第2の円形の内側マウントに固定され、
回転センサが、前記第2の円形の内側マウントに固定された静止部分を有し、センサシャフトが、前記第1のねじりばねと前記第2のねじりばねの間に配置され、前記第1の円形の内側マウントおよび前記第2の円形の内側マウントと同心に整列され、
前記スイングアームと前記ベースアームは、互いに向かい合っており、前記第1の円形の内側マウントと前記第2の円形の内側マウントの間に加えられたトルクに応じて、互いに対して、および、前記第1の円形の内側マウントおよび前記第2の円形の内側マウントと共に、相対的に回転するように構成されることを特徴とするばね組立体。
【請求項12】
請求項10に記載のばね組立体であって、前記ストリングは、最初に、前記第1のプーリの周りに、次に、前記センサの前記センサシャフトの周りに、次に、前記第2のプーリの周りに、張力がかけられることを特徴とするばね組立体。
【請求項13】
ねじりばねであって、
内側マウント、
外側マウント、
第1の弾性変形可能なスパイラルであって、前記第1の弾性変形可能なスパイラルは、前記内側マウントに結合された、内側の厚いセグメント、前記外側マウントに結合された、外側の厚いセグメント、および、前記内側の厚いセグメントと前記外側の厚いセグメントの間に結合された、中間の薄いセクションを含む、前記第1の弾性変形可能なスパイラルと、
第2の弾性変形可能なスパイラルであって、前記第2の弾性変形可能なスパイラルは、前記内側マウントに結合された、内側の厚いセグメント、前記外側マウントに結合された、外側の厚いセグメント、および、前記内側の厚いセグメントと前記外側の厚いセグメントの間に結合された、中間の薄いセクションを含む、前記第2の弾性変形可能なスパイラルと、
第3の弾性変形可能なスパイラルであって、前記第3の弾性変形可能なスパイラルは、前記内側マウントに結合された、内側の厚いセグメント、前記外側マウントに結合された、外側の厚いセグメント、および、前記内側の厚いセグメントと前記外側の厚いセグメントの間に結合された、中間の薄いセクションを含む、前記第3の弾性変形可能なスパイラルと、
を含むことを特徴とするねじりばね。
【請求項14】
請求項13に記載のねじりばねであって、さらに、第4の弾性変形可能なスパイラルであって、前記第4の弾性変形可能なスパイラルは、前記内側マウントに結合された、内側の厚いセグメント、前記外側マウントに結合された、外側の厚いセグメント、および、前記内側の厚いセグメントと前記外側の厚いセグメントの間に結合された、中間の薄いセクションを含む、前記第4の弾性変形可能なスパイラル、を含むことを特徴とするねじりばね。
【請求項15】
請求項13に記載のねじりばねであって、一組の弾性変形可能なスパイラルの各々の前記弾性変形可能なスパイラルは、少なくとも1つの他の弾性変形可能なスパイラルが使用中に過度の変形を受けるのを防止することを特徴とするねじりばね。
【請求項16】
請求項13に記載のねじりばねであって、前記内側マウントは、円形であり、前記外側マウントは、円形であることを特徴とするねじりばね。
【請求項17】
請求項13に記載のねじりばねであって、前記ねじりばねは、円盤状であることを特徴とするねじりばね。
【請求項18】
請求項13に記載のねじりばねであって、前記ねじりばねは、回転シリーズ弾性アクチュエータ用のばね組立体に関連づけられることを特徴とするねじりばね。