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特開2024-23622乗物装飾部材、乗物用窓ガラスアセンブリ及びその製造方法並びに成形装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023622
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】乗物装飾部材、乗物用窓ガラスアセンブリ及びその製造方法並びに成形装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/04 20060101AFI20240214BHJP
   B32B 15/08 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
B60R13/04 Z
B32B15/08 H
【審査請求】有
【請求項の数】33
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023208759
(22)【出願日】2023-12-11
(62)【分割の表示】P 2021516927の分割
【原出願日】2019-11-07
(31)【優先権主張番号】201811329941.4
(32)【優先日】2018-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】500374146
【氏名又は名称】サン-ゴバン グラス フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100193404
【弁理士】
【氏名又は名称】倉田 佳貴
(72)【発明者】
【氏名】ユイ プーイン
(72)【発明者】
【氏名】カオ シンチアオ
(72)【発明者】
【氏名】ロマン ゴネ
(72)【発明者】
【氏名】カミーユ ダッソンビル
(57)【要約】
【課題】乗物装飾部材(10)、乗物装飾部材(10)を有する乗物窓ガラスアセンブリ、その製造方法及び成形装置を提供する。
【解決手段】乗物装飾部材(10)は、乗物のピラー板金及び/又は窓枠に配置され、装飾本体(11)、及び装飾本体(11)の表面に取り付けられている装飾フィルム(12)を含み、装飾本体(11)は、金属で作られており、装飾フィルム(12)の材料は、可撓性材料であり、装飾表面を形成している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物のピラー板金及び/又は窓枠に配置するための乗物装飾部材であって、前記乗物装飾部材が、装飾本体、及び前記装飾本体の表面に取り付けられている装飾フィルムを含み、前記装飾本体の材料が金属であり、前記装飾フィルムの材料が可撓性材料であり、装飾表面を形成している、乗物装飾部材。
【請求項2】
前記装飾本体が、ステンレス鋼から作られている、請求項1に記載の乗物装飾部材。
【請求項3】
前記装飾フィルムが、ポリマーから作られている、請求項1に記載の乗物装飾部材。
【請求項4】
前記装飾フィルムが、ポリフッ化ビニリデンから作られている、請求項3に記載の乗物装飾部材。
【請求項5】
前記装飾フィルムは、マット表面、ハイグロス表面、又は皮膚紋理状表面を有する、請求項1に記載の乗物装飾部材。
【請求項6】
前記装飾フィルムが、黒色の外観を有する、請求項1に記載の乗物装飾部材。
【請求項7】
前記装飾フィルムが、前記装飾本体の表面に積層され、コーティングされ、又は結合されている、請求項1に記載の乗物装飾部材。
【請求項8】
前記装飾フィルムの厚さが、0.01~0.2mmである、請求項1に記載の乗物装飾部材。
【請求項9】
ガラス本体、及び前記ガラス本体の周囲を覆っている包囲物を含み、請求項1~8のいずれか一項に記載の乗物装飾部材を更に含み、前記乗物装飾部材が、前記ガラス本体の少なくとも1つの周囲エッジで前記包囲物に取り付けられている、乗物窓ガラスアセンブリ。
【請求項10】
前記乗物装飾部材が、前記包囲物と一体成形されているか、又は前記包囲物に埋め込まれている、請求項9に記載の乗物窓ガラスアセンブリ。
【請求項11】
前記包囲物が、熱可塑性ポリマーから作られている、請求項9に記載の乗物窓ガラスアセンブリ。
【請求項12】
前記熱可塑性ポリマーが、熱可塑性加硫ゴム、ポリ塩化ビニル及びポリプロピレンから選択される、請求項11に記載の乗物窓ガラスアセンブリ。
【請求項13】
前記乗物窓は、前部ウィンドシールド、後部ウィンドシールド、前部ドアガラス窓、後部ドアガラス窓、サンルーフ又はクオータウィンドウを含む、請求項9に記載の乗物窓ガラスアセンブリ。
【請求項14】
以下の工程を含む、乗物窓ガラスアセンブリを製造するための方法、ここで、前記乗物窓ガラスアセンブリは、ガラス本体、及び前記ガラス本体の周囲を覆っている包囲物を含み、請求項1~8のいずれか一項に記載の乗物装飾部材を更に含む:
a.前記乗物装飾部材を金型のキャビティに配置し、前記乗物装飾部材の表面を前記キャビティの内壁に接着することを可能にすること、
b.切断し、かつ成形した前記ガラス本体を、キャビティに配置し、前記ガラス本体を所定の位置に固定すること、
c.熱可塑性ポリマーを前記キャビティに注入して前記包囲物を作製し、前記乗物装飾部材を、前記ガラス本体の少なくとも1つの周囲エッジで包囲物と一体成形することを可能にすること。
【請求項15】
工程cにおいて、前記キャビティを冷却する工程を更に含み、それにより、前記キャビティの温度を10℃~26℃に制御するようにする、請求項14に記載の乗物窓ガラスアセンブリの製造方法。
【請求項16】
前記冷却する工程を、前記金型のキャビティに適合した冷却装置により行う、請求項15に記載の乗物窓ガラスアセンブリの製造方法。
【請求項17】
前記乗物装飾部材が接着されている前記キャビティの内壁に冷却部材を設けることにより、前記冷却する工程を更に行う、請求項16に記載の乗物窓ガラスアセンブリの製造方法。
【請求項18】
乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置であって、前記乗物窓ガラスアセンブリは、ガラス本体、前記ガラス本体の周囲を覆っている包囲物含み、前記乗物窓ガラスアセンブリは、請求項1~8のいずれか一項に記載の乗物装飾部材を更に含み、かつ前記成形装置は、キャビティを有する金型を含み、前記乗物装飾部材が接着される前記キャビティの内壁に、冷却部材が設けられている、成形装置。
【請求項19】
前記冷却部材が、前記乗物装飾部材が接着される前記キャビティの内側に取り付けられているか、又は前記キャビティの内側において、接触キャビティが、高い熱伝導率を有する材料から作られている、請求項18に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置。
【請求項20】
前記冷却部材が、金属又は合金から作られている、請求項18に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置。
【請求項21】
前記冷却部材が、ベリリウム銅から作られている、請求項20に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置。
【請求項22】
前記金型のキャビティに適合した冷却装置を更に含む、請求項18記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置。
【請求項23】
前記冷却装置が、水冷装置である、請求項22に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、乗物構成要素の製造の分野に関する。より詳細には、本発明は、乗物装飾部材、乗物装飾部材を有する乗物窓ガラスアセンブリ及びその製造方法、並びに乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車産業の急速な発展に伴い、乗物の外観は、あらゆるレベルで異なる消費者の好みに合うように絶えず変化している。乗物の外観品質を向上させるために、ますます多くの製造者が、装飾用に、乗物のドアの露出している板金及び窓枠に取り付けられている装飾用ストリップを使用している。伝統的な装飾ストリップは、一般に、プラスチック又は金属で作られている光輝性ストリップであり、乗物本体のピラー(Aピラー、Bピラー、及びCピラー)板金及び/又は窓枠を覆って、外面の光沢を増大させるために使用されており、これにより、乗物をより高級でスポーティに見えるようにする。
【0003】
現在、光輝性装飾ストリップは、通常、顔料噴霧処理又はクロムめっき処理によって製造され、高光沢又は半光沢の銀色の外観を有する。光輝性装飾ストリップの色は単調であり、色の選択肢は多くはない。したがって、ここで生じる「黒色でかつ光輝性である」効果は、消費者によって広く支持されている。いくつかの解決策では、上記の効果は、プラスチック及び表面フィルムの共押出成形、又は高光沢黒色材料の一体射出成形によって達成することができる。しかしながら、プラスチック装飾ストリップは、窓枠の成形方法に完全には適合しない。特に、プラスチック製の装飾ストリップは、一体射出成形方法の間、高温に適応できず、これにより、損傷を受けることになる。更に、このような方法は複雑であり、費用がかかる。いくつかの解決策では、アルミニウム装飾ストリップは、黒色の外観を達成するために陽極酸化される。しかしながら、このような方法は、コストが高いばかりでなく、重大な汚染を引き起こす。また、アルミニウム装飾ストリップは変形しやすい傾向にあり、脆性が高いため、金型のキャビティに固着することがほとんどできず、これにより、一体的な射出成形ができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決すること、及び低コストで所望の美的外観を得ることができ、乗物用窓部材の製造工程に良好に適応することができ、これにより、製品歩留まりを向上させ、使用中の外観不良の発生を抑制することができる、乗物装飾部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的のために、本発明の一態様によれば、乗物のピラー板金及び/又は窓枠に配置するための乗物装飾部材を提供する。乗物装飾部材は、装飾本体、及び装飾本体の表面に取り付けられている装飾フィルムを含む。装飾本体の材料は、金属であり、装飾フィルムの材料は、可撓性材料であり、かつ装飾表面を形成している。
【0006】
上記の技術思想によれば、本発明は、以下の任意の実施形態のうちのいずれか1つ又は複数を更に含むことができる。
【0007】
いくつかの任意の実施形態では、装飾本体は、ステンレス鋼で作られている。
【0008】
いくつかの任意の実施形態では、装飾フィルムは、ポリマーから作られている。
【0009】
いくつかの任意の実施形態では、装飾フィルムは、ポリフッ化ビニリデンから作られている。
【0010】
いくつかの任意の実施形態では、装飾フィルムは、マット表面、ハイグロス表面、又は皮膚紋理状表面を有する。
【0011】
いくつかの任意の実施形態では、装飾フィルムは、黒色の外観を有する。
【0012】
いくつかの任意の実施形態では、装飾フィルムは、装飾本体の表面に積層され、コーティングされ、又は結合されている。
【0013】
いくつかの任意の実施形態では、装飾フィルムの厚さは、0.01~0.2mmである。
【0014】
本発明の別の態様によれば、乗物窓ガラスアセンブリを提供する。乗物窓ガラスアセンブリは、ガラス本体、及びガラス本体の周囲を覆っている包囲物を備える。乗物窓ガラスアセンブリは、上述の乗物装飾部材を更に含み、乗物装飾部材は、ガラス本体の少なくとも1つの周囲エッジで包囲物に取り付けられている。
【0015】
いくつかの任意の実施形態では、乗物装飾部材は、包囲物と一体的に射出成形されているか、又は包囲物に埋め込まれている。
【0016】
いくつかの任意の実施形態では、包囲物は、熱可塑性ポリマーから作られている。
【0017】
いくつかの任意の実施形態では、熱可塑性ポリマーは、熱可塑性加硫ゴム、ポリ塩化ビニル及びポリプロピレンから選択される。
【0018】
いくつかの任意の実施形態では、乗物窓は、前部ウィンドシールド、後部ウィンドシールド、前部ドアガラス窓、後部ドアガラス窓、サンルーフ又はクオータウィンドウを含む。
【0019】
本発明の別の態様によれば、乗物窓ガラスアセンブリを製造するための方法を提供する。乗物窓ガラスアセンブリは、ガラス本体、及びガラス本体の周囲を覆う包囲物を含む。乗物窓ガラスアセンブリは、上述の乗物装飾部材を更に含む。この方法は、以下の工程を含む:
a.乗物装飾部材を金型のキャビティ内に配置し、乗物装飾部材の表面をキャビティの内壁に接着することを可能にすること;
b.切断し、かつ成形したガラス本体をキャビティ内に配置し、ガラス本体を所定の位置に固定すること;
c.熱可塑性ポリマーをキャビティに注入して包囲物を作製し、乗物装飾部材を、ガラス本体の少なくとも1つの周囲エッジで包囲物と一体成形することを可能にする。
【0020】
いくつかの任意の実施形態では、工程cにおいて、キャビティを冷却する工程を更に含み、それにより、キャビティの温度が10℃~26℃に制御されるようにする。
【0021】
いくつかの任意の実施形態では、冷却する工程を、金型のキャビティに適合した冷却装置により行う。
【0022】
いくつかの任意選択の実施形態では、乗物装飾部材が接着されているキャビティの内壁に冷却部材を設けることにより、冷却する工程を更に行う。
【0023】
本発明の更に別の態様によれば、乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置を提供する。乗物窓ガラスアセンブリは、ガラス本体、及びガラス本体の周囲を覆っている包囲物を含む。乗物窓ガラスアセンブリは、上述の乗物装飾部材を更に含む。成形装置は、キャビティを有する金型を含む。乗物装飾部材が接着されるキャビティの内壁に、冷却部材が設けられている。
【0024】
いくつかの任意選択の実施形態では、冷却部材が、乗物装飾部材が接着されるキャビティの内側に取り付けられているか、又は、キャビティの内側において、接触キャビティが、高い熱伝導率を有する材料から作られている。
【0025】
いくつかの任意の実施形態では、冷却部材は、金属又は合金から作られている。
【0026】
いくつかの任意の実施態様において、冷却部材は、ベリリウム銅から作られている。
【0027】
いくつかの任意の実施形態では、成形装置は、金型のキャビティに適合した冷却装置を更に含む。
【0028】
いくつかの任意の実施形態では、冷却装置は、水冷装置である。
【0029】
本発明の乗物装飾部材は、従来のプラスチック材料で作られた、又は金属の陽極酸化によって得られる装飾部材よりも安定した性能を有する。金属装飾本体は、十分な剛性を有し、窓枠などの乗物構成要素に強固に取り付けられるように適合されている。更に、異なる表面特性を有する装飾フィルムを使用することによって、色、耐引掻き性、UV保護などの異なる外観のユーザーの要求を満たすことができる。乗物装飾部材を有する乗物窓ガラスアセンブリは特に、製造効率が高く、制御が容易であり、かつ様々な用途に広く使用することができる本発明の製造方法により、本発明の成形装置により容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して詳細に説明する以下の好ましい実施形態からより良く理解される筈である:
【0031】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る乗物装飾部材の構造を示す模式図である;
図2図2は、本発明の乗物装飾部材の乗物窓ガラスへの適用を示す模式図である;
図3図3は、本発明の実施形態に従って成形された乗物窓ガラスアセンブリを示す模式図である;
図4図4は、本発明の別の実施形態に従って作られた乗物窓ガラスアセンブリを示す模式図である;
図5図5は、本発明の一実施形態による、乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置の模式的な部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
実施形態の実施及び使用を、以下で詳細に論じる。しかし、本明細書で論じる特定の実施形態は、本発明の技術的範囲を限定することなく、本発明を実施し使用する特定の方法の単なる例示であることを理解すべきである。種々の構成要素の構造的な位置の説明において、「上」、「下」、「頂」、「底」等の方向の表現は、絶対的なものではなく、相対的なものである。種々の構成要素が図面に示されているように配置されるときに、これらの方向の表現は適切となる。しかしながら、図面内の種々の構成要素の位置が変更されると、これらの方向の表現もそれに応じて変更される。
【0033】
ここで、「外側」及び「内側」とは、乗物本体に対する方向をいい、「外側」とは乗物本体から離れる方向をいい、「内側」とは乗物本体の方を向いている方向をいう。
【0034】
ここで、「ガラス」とは、ケイ酸塩の非金属材料である半固体の半液状の透明な物質をいう。溶融時には、ガラスは、連続的な網目構造を形成する。冷却時には、ガラスの粘度が徐々に上昇し、ガラスが結晶化することなく硬化する。「プラスチック」とは、モノマー原料を合成又は縮合反応により重合させることによって作られる材料であり、プラスチックの主成分は、高分子のポリマーである。
【0035】
本明細書において、「ポリマー」は、熱硬化性ポリマー及び熱可塑性ポリマーを含む。熱硬化性ポリマーは、硬化剤の存在下で硬化反応によりプレポリマーから生成する。熱可塑性ポリマーは、繰り返して加熱及び溶融することができ、軟化状態又は流動状態で成形することができ、かつ冷却後に型の形状を維持することができるポリマーである。通常、熱可塑性ポリマーの成形工程においては、硬化剤を使用する必要はない。
【0036】
本発明の概念によれば、本発明の目的は、乗物の光輝性装飾ストリップのための従来の熱処理方法における共通の欠陥(例えば、光輝性装飾ストリップは、変形及び腐食しやすく、高い脆性を有する)を克服し、乗物本体の外観及び乗物の競争力を改善することである。
【0037】
まず、図1を参照して、本発明は、乗物のピラー板金及び/又は窓枠に配置可能な乗物装飾部材10を提供する。乗物装飾部材は、装飾本体11、装飾本体11の表面に取り付けられている装飾フィルム12を含む。装飾本体11は金属で作られている。装飾フィルム12の材料は、可撓性材料であり、装飾フィルム12は、乗物本体に装着された後の装飾部材の外面(すなわち、装飾表面)を構成している。
【0038】
いくつかの実施態様において、装飾本体11は、低コスト及び高剛性を達成するために、ステンレス鋼で作られてもよい。装飾フィルム12は、高温耐性ポリマーから作られており、それによって、装飾フィルム12を乗物構成要素に一体的に取り付けることができ(例えば、射出成形によって)、これにより、製造方法を単純化し、製造効率を改善するようにされていてよい。いくつかの実施形態では、装飾フィルム12は、170℃の融点、316℃以上の熱分解温度、及び-40~150℃の長期使用温度を有するポリフッ化ビニリデン(PVDF)から作られていてもよく、これにより、装飾フィルムが射出成形方法中に溶融し、摩耗する傾向があるという課題を効果的に解決することができる。しかしながら、同様の特性を有する他のポリマーもまた実現可能である。
【0039】
異なる外観を得て異なるユーザーのニーズを満たすために、装飾フィルムには、異なる色の表面、例えば、黒色、灰色、更には銀色などの任意の色の光輝性装飾ストリップを提供してもよい。同様に、装飾フィルムは、異なる外観を有する表面、例えば、マット表面、ハイグロス表面、及び皮膚紋理状表面などの任意の表面を有していてもよい。いくつかの実施形態では、装飾フィルムは、黒色高光沢PVDFフィルムであってもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、装飾フィルムは、0.01~0.2mmの厚さ、例えば約0.05mmなどの厚さを有する。これによれば、装飾フィルムの存在は、装飾本体の厚さを有意に増加させることはなく、装飾フィルムは、ほとんどの既存の装飾本体に適用可能である。装飾フィルムは、積層、コーティング、又は接着結合によって装飾本体に取り付けられていてよい。積層プロセスでは、従来のフィルム積層装置を使用して、装飾フィルムを装飾本体に取り付けることができる。コーティング方法は、ドロップコーティング、浸漬コーティング、ブラシコーティング、スプレーコーティング、蒸着、電気めっきなどを含むが、これらに限定されない。接着結合プロセスでは、感圧接着剤などの接着剤を使用して、装飾フィルムと装飾本体との間の信頼性のある結合を達成することができる。
【0041】
図2は、本発明の乗物装飾部材を乗物本体に適用した実施形態を示し、後部クオータウィンドウの乗物窓ガラスアセンブリを示す。乗物窓ガラスアセンブリは、ガラス本体20、及びガラス本体20の周囲を覆っている包囲物30を含む。乗物装飾部材10は、ガラス本体20の少なくとも1つの周囲エッジで包囲物30に取り付けられている。「シール材料」とも呼ばれる包囲物は、乗物窓ガラスアセンブリの射出成形プロセス中に溶融状態で金型に射出される材料を指すことを理解すべきである。一般に、包囲物は、熱可塑性ポリマーであり、シール機能を有する。熱可塑性ポリマーは例えば、エチレンプロピレンジエンモノマー、熱可塑性加硫物(TPV)、フルオロゴム、シリコーンゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ウレタンゴム、アクリレートゴム、スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS+PP)、ポリスルフィドゴム、及びポリメチルメタクリレート(PMMA)を含むが、これらに限定されない、シールに使用され得るゴム、複合材料又は他の材料であり得る。更に、後部クオータウィンドウを例として図示して説明しているが、この窓は、前部ウィンドシールド、後部ウィンドシールド、前部ドアガラス窓、後部ドアガラス窓、サンルーフ等を含むが、これらに限定されない。
【0042】
実際の必要性に応じて、乗物装飾部材10は、射出成形によって包囲物30と一体成形されていてもよく、又は包囲物30に埋め込まれていてもよい。特に、図3及び図4を参照すると、図3は、一体射出成形方式で成形された乗物窓ガラスアセンブリの模式図を示す。乗物装飾部材10は、乗物窓ガラスアセンブリの射出成形プロセスにおいて、ガラス20及び包囲物30と一体成形されている。図4は、埋め込み方式で作られた乗物窓ガラスアセンブリの模式図を示す。乗物窓ガラス20は、予め包囲物30と射出成形された後、包囲物30に設けられた切欠き31に乗物装飾部材10が装着される。乗物装飾部材10は、包囲物30の隙間32に埋め込むことができる遠位端13を有する。所定の位置に埋め込んだら、遠位端13を曲げて、包囲物30と密接させ、それによって、乗物窓ガラスアセンブリの組み立てを完了することができる。曲げられていない遠位端13は、図4に鎖線で示している。
【0043】
生産プロセス及び効率の点で、好ましくは、乗物装飾部材を、一体成形方式で乗物窓ガラスアセンブリに一体化する。一体成形方式は、乗物装飾部材の組立欠陥を避けるのに役立ち、乗物窓ガラスアセンブリを乗物に取り付けた後、装飾部材に亀裂又は隆起部が発生して、外観及び使用に影響を及ぼすという問題がある。
【0044】
乗物窓ガラスアセンブリが一体射出成形された乗物装飾部材を含む実施形態では、本発明による乗物装飾部材の装飾フィルムは、装飾本体よりも柔らかく、包囲物を形成するために金型のキャビティに射出される射出成形材料は、高温、通常は180℃よりも高い温度を有し、一方、装飾フィルムの融点は低い。したがって、射出成形時に装飾フィルムに影響を及ぼす(例えば、装飾フィルムを引掻き傷がつく傾向にすること、及び溶融する傾向にする等)高温環境を抑制するために、本発明に係る成形装置では、乗物装飾部材が接着されるキャビティの内壁に冷却部材を設けることが有利である。
【0045】
いくつかの実施形態では、冷却部材は、高い熱伝導率を有する金属又は合金から作られていてよく、この金属又は合金は、ベリリウム銅を含むが、これに限定されない。ベリリウム銅は、105W/m・K(20℃)以上の熱伝導率を有し、特に射出成形用金型の内側のインサートに適している。いくつかの実施形態では、冷却部材をキャビティの内壁に取り付けることができ、その取付方法は、機械的接続又は接着結合を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、乗物装飾部材と接触しているキャビティの領域は、冷却部材を形成するために優れた熱伝導率を有する材料から作られていてもよい。例えば、図5に示すように、金型のキャビティ40内では、ガラス又は包囲物と接触する内壁41は、従来の材料で作られていてよく、乗物装飾部材10と接触する領域42は、ベリリウム銅などの材料で作って、別個の接触キャビティを形成し、それによって、この領域での放熱を容易にするようにすることができる。
【0046】
好ましくは、成形装置は、金型のキャビティに適合した冷却装置を更に含む。いくつかの実施態様において、冷却装置は、水冷装置である。周囲の環境、空間、コスト等に応じて、任意の他の実行可能な冷却装置を採用してもよいことを理解すべきである。
【0047】
乗物窓ガラスアセンブリに乗物装飾部材を適用するための製造工程を以下に概説する。製造方法は、以下の工程を含む:
工程a.乗物装飾部材を金型のキャビティに配置し、装飾表面を、キャビティの内壁に接着することを可能にすること、ここで、キャビティの内壁は、例えばベリリウム銅で作られている上述の接触キャビティを有することができる;
工程b.切断し、かつ成形したガラス本体をキャビティ内に配置し、ガラス本体を所定の位置に固定すること;
工程c.熱可塑性ポリマーをキャビティに注入して包囲物を作製し、乗物装飾部材を、ガラス本体の少なくとも1つの周囲エッジで包囲物と一体成形することを可能にすること。
【0048】
また、工程cにおいて、キャビティを冷却する工程が更に含まれ、これにより、キャビティ温度を10℃~26℃(例えば、25℃未満)に制御して、装飾フィルムが溶融すること、及びより高い温度で引掻き傷がつく傾向になるのを抑制する。この温度制御は、上述した水冷装置などの、金型のキャビティに適合した冷却装置によって行うことができる。乗物窓ガラスアセンブリを製造するための方法は、射出成形方法を監視する工程、特にキャビティ温度を監視する工程を更に含むことを理解されたい。加えて、乗物装飾部材がキャビティと完全に接触することを可能にするための型締めの程度を監視及び調整し、それによって、高温の射出成形材料が漏れること、及び乗物装飾部材の外観に悪影響を及ぼすことを抑制する必要がある。
【0049】
本発明による乗物装飾部材は、安定した性能を有し、異なる外観のユーザーの要求を満たすことができる。乗物装飾部材を乗物窓ガラスアセンブリに適用すると、成形処理及び日常での使用プロセスでの衝突又は擦過に起因する外観不良を抑制できる。本発明に係る乗物窓ガラスアセンブリの成形装置及び製造方法は、実現が容易であり、コスト的に経済的であり、かつ用途の展望が広いものである。
【0050】
ここで、図1図5に示す実施形態は、本発明による乗物装飾部材、乗物窓ガラスアセンブリ、及び成形装置の種々の任意の構成の任意の形状、サイズ、及び配置のみを示しており、これらは単に例示的なものであり、限定的なものではないことを理解すべきである。本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく、他の形状、サイズ、及び配置を採用することができる。上述の様々な実施形態では、ガラス本体を、通常のガラス、強化ガラス、超薄ガラス、平板ガラス、湾曲ガラスなどから選択することができる。ガラスの形状、大きさ等は、異なる用途及び外観に対する異なる要件に従って変更することができることが理解され得る。
【0051】
本発明の技術的内容及び技術的特徴を、上記に開示している。しかしながら、当業者は、上記に開示した概念に様々な変更及び改良を加えることができるが、全ての変更及び改良は、本発明の保護の範囲内にあることが理解される筈である。上記の実施形態の説明は、例示的であり、限定的ではなく、本発明の保護の範囲は、特許請求の範囲によって定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-01-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
本発明の技術的内容及び技術的特徴を、上記に開示している。しかしながら、当業者は、上記に開示した概念に様々な変更及び改良を加えることができるが、全ての変更及び改良は、本発明の保護の範囲内にあることが理解される筈である。上記の実施形態の説明は、例示的であり、限定的ではなく、本発明の保護の範囲は、特許請求の範囲によって定義される。以下の項目[態様1]~[態様23]に本発明の実施形態の例を列記する。
[態様1]
乗物のピラー板金及び/又は窓枠に配置するための乗物装飾部材であって、前記乗物装飾部材が、装飾本体、及び前記装飾本体の表面に取り付けられている装飾フィルムを含み、前記装飾本体の材料が金属であり、前記装飾フィルムの材料が可撓性材料であり、装飾表面を形成している、乗物装飾部材。
[態様2]
前記装飾本体が、ステンレス鋼から作られている、態様1に記載の乗物装飾部材。
[態様3]
前記装飾フィルムが、ポリマーから作られている、態様1に記載の乗物装飾部材。
[態様4]
前記装飾フィルムが、ポリフッ化ビニリデンから作られている、態様3に記載の乗物装飾部材。
[態様5]
前記装飾フィルムは、マット表面、ハイグロス表面、又は皮膚紋理状表面を有する、態様1に記載の乗物装飾部材。
[態様6]
前記装飾フィルムが、黒色の外観を有する、態様1に記載の乗物装飾部材。
[態様7]
前記装飾フィルムが、前記装飾本体の表面に積層され、コーティングされ、又は結合されている、態様1に記載の乗物装飾部材。
[態様8]
前記装飾フィルムの厚さが、0.01~0.2mmである、態様1に記載の乗物装飾部材。
[態様9]
ガラス本体、及び前記ガラス本体の周囲を覆っている包囲物を含み、態様1~8のいずれか一つに記載の乗物装飾部材を更に含み、前記乗物装飾部材が、前記ガラス本体の少なくとも1つの周囲エッジで前記包囲物に取り付けられている、乗物窓ガラスアセンブリ。
[態様10]
前記乗物装飾部材が、前記包囲物と一体成形されているか、又は前記包囲物に埋め込まれている、態様9に記載の乗物窓ガラスアセンブリ。
[態様11]
前記包囲物が、熱可塑性ポリマーから作られている、態様9に記載の乗物窓ガラスアセンブリ。
[態様12]
前記熱可塑性ポリマーが、熱可塑性加硫ゴム、ポリ塩化ビニル及びポリプロピレンから選択される、態様11に記載の乗物窓ガラスアセンブリ。
[態様13]
前記乗物窓は、前部ウィンドシールド、後部ウィンドシールド、前部ドアガラス窓、後部ドアガラス窓、サンルーフ又はクオータウィンドウを含む、態様9に記載の乗物窓ガラスアセンブリ。
[態様14]
以下の工程を含む、乗物窓ガラスアセンブリを製造するための方法、ここで、前記乗物窓ガラスアセンブリは、ガラス本体、及び前記ガラス本体の周囲を覆っている包囲物を含み、態様1~8のいずれか一つに記載の乗物装飾部材を更に含む:
a.前記乗物装飾部材を金型のキャビティに配置し、前記乗物装飾部材の表面を前記キャビティの内壁に接着することを可能にすること、
b.切断し、かつ成形した前記ガラス本体を、キャビティに配置し、前記ガラス本体を所定の位置に固定すること、
c.熱可塑性ポリマーを前記キャビティに注入して前記包囲物を作製し、前記乗物装飾部材を、前記ガラス本体の少なくとも1つの周囲エッジで包囲物と一体成形することを可能にすること。
[態様15]
工程cにおいて、前記キャビティを冷却する工程を更に含み、それにより、前記キャビティの温度を10℃~26℃に制御するようにする、態様14に記載の乗物窓ガラスアセンブリの製造方法。
[態様16]
前記冷却する工程を、前記金型のキャビティに適合した冷却装置により行う、態様15に記載の乗物窓ガラスアセンブリの製造方法。
[態様17]
前記乗物装飾部材が接着されている前記キャビティの内壁に冷却部材を設けることにより、前記冷却する工程を更に行う、態様16に記載の乗物窓ガラスアセンブリの製造方法。
[態様18]
乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置であって、前記乗物窓ガラスアセンブリは、ガラス本体、前記ガラス本体の周囲を覆っている包囲物含み、前記乗物窓ガラスアセンブリは、態様1~8のいずれか一つに記載の乗物装飾部材を更に含み、かつ前記成形装置は、キャビティを有する金型を含み、前記乗物装飾部材が接着される前記キャビティの内壁に、冷却部材が設けられている、成形装置。
[態様19]
前記冷却部材が、前記乗物装飾部材が接着される前記キャビティの内側に取り付けられているか、又は前記キャビティの内側において、接触キャビティが、高い熱伝導率を有する材料から作られている、態様18に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置。
[態様20]
前記冷却部材が、金属又は合金から作られている、態様18に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置。
[態様21]
前記冷却部材が、ベリリウム銅から作られている、態様20に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置。
[態様22]
前記金型のキャビティに適合した冷却装置を更に含む、態様18記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置。
[態様23]
前記冷却装置が、水冷装置である、態様22に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含む、乗物窓ガラスアセンブリを製造するための方法、ここで、前記乗物窓ガラスアセンブリは、ガラス本体、及び前記ガラス本体の周囲を覆っている包囲物を含み、乗物装飾部材を更に含み、前記乗物装飾部材が、装飾本体、及び前記装飾本体の表面に取り付けられている装飾フィルムを含み、前記装飾本体の材料が金属であり、前記装飾フィルムの材料が可撓性材料であり、装飾表面を形成している:
a.前記乗物装飾部材を金型のキャビティに配置し、前記乗物装飾部材の表面を前記キャビティの内壁に接着することを可能にすること、
b.切断し、かつ成形した前記ガラス本体を、前記キャビティに配置し、前記ガラス本体を所定の位置に固定すること、
c.熱可塑性ポリマーを前記キャビティに注入して前記包囲物を作製し、前記乗物装飾部材を、前記ガラス本体の少なくとも1つの周囲エッジで前記包囲物と一体成形することを可能にすること、
ここで、前記方法は、工程cにおいてキャビティを冷却する工程を更に含み、前記乗物装飾部材が接着されている前記キャビティの前記内壁に冷却部材を設けることにより、前記冷却する工程を行う。
【請求項2】
工程cにおいて、前記キャビティを冷却する工程により、前記キャビティの温度を10℃~26℃に制御するようにする、請求項1に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための方法。
【請求項3】
前記冷却する工程を、前記金型の前記キャビティに適合した冷却装置により更に行う、請求項2に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための方法。
【請求項4】
前記乗物窓ガラスアセンブリの前記乗物装飾部材が、乗物のピラー板金及び/又は窓枠に配置され、前記乗物装飾部材が、前記ガラス本体の少なくとも1つの周囲エッジで前記包囲物に取り付けられている、請求項1~3のいずれか一項に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための方法。
【請求項5】
前記乗物装飾部材が、前記包囲物と一体成形されているか、又は前記包囲物に埋め込まれている、請求項4に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための方法。
【請求項6】
前記包囲物が、熱可塑性ポリマーから作られている、請求項4に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための方法。
【請求項7】
前記熱可塑性ポリマーが、熱可塑性加硫ゴム、ポリ塩化ビニル及びポリプロピレンから選択される、請求項6に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための方法。
【請求項8】
前記乗物窓は、前部ウィンドシールド、後部ウィンドシールド、前部ドアガラス窓、後部ドアガラス窓、サンルーフ又はクオータウィンドウを含む、請求項4に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための方法。
【請求項9】
前記乗物装飾部材の前記装飾本体が、ステンレス鋼から作られている、請求項4に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための方法。
【請求項10】
前記乗物装飾部材の前記装飾フィルムが、ポリマーから作られている、請求項4に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための方法。
【請求項11】
前記乗物装飾部材の前記装飾フィルムが、ポリフッ化ビニリデンから作られている、請求項10に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための方法。
【請求項12】
前記乗物装飾部材の前記装飾フィルムは、マット表面、ハイグロス表面、又は皮膚紋理状表面を有する、請求項4に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための方法。
【請求項13】
前記乗物装飾部材の前記装飾フィルムが、黒色の外観を有する、請求項4に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための方法。
【請求項14】
前記乗物装飾部材の前記装飾フィルムが、前記装飾本体の表面に積層され、コーティングされ、又は結合されている、請求項4に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための方法。
【請求項15】
前記乗物装飾部材の前記装飾フィルムの厚さが、0.01~0.2mmである、請求項4に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための方法。
【請求項16】
乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置であって、前記乗物窓ガラスアセンブリは、ガラス本体、前記ガラス本体の周囲を覆っている包囲物を含み、前記乗物窓ガラスアセンブリは、乗物装飾部材を更に含み、前記乗物装飾部材が、装飾本体、及び前記装飾本体の表面に取り付けられている装飾フィルムを含み、前記装飾本体の材料が金属であり、前記装飾フィルムの材料が可撓性材料であり、装飾表面を形成し、かつ前記成形装置は、キャビティを有する金型を含み、前記乗物装飾部材が接着される前記キャビティの内壁に、冷却部材が設けられている、成形装置。
【請求項17】
前記冷却部材が、前記乗物装飾部材が接着される前記キャビティの前記内壁に取り付けられているか、又は前記キャビティの前記内壁において、接触キャビティが、高い熱伝導率を有する材料から作られている、請求項16に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置。
【請求項18】
前記冷却部材が、金属又は合金から作られている、請求項16に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置。
【請求項19】
前記冷却部材が、ベリリウム銅から作られている、請求項18に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置。
【請求項20】
前記金型の前記キャビティに適合した冷却装置を更に含む、請求項16に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置。
【請求項21】
前記冷却装置が、水冷装置である、請求項20に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置。
【請求項22】
前記乗物窓ガラスアセンブリの前記乗物装飾部材が、乗物のピラー板金及び/又は窓枠に配置され、前記乗物装飾部材が、前記ガラス本体の少なくとも1つの周囲エッジで前記包囲物に取り付けられている、請求項16~21のいずれか一項に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置。
【請求項23】
前記乗物装飾部材が、前記包囲物と一体成形されているか、又は前記包囲物に埋め込まれている、請求項22に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置。
【請求項24】
前記包囲物が、熱可塑性ポリマーから作られている、請求項22に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置。
【請求項25】
前記熱可塑性ポリマーが、熱可塑性加硫ゴム、ポリ塩化ビニル及びポリプロピレンから選択される、請求項24に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置。
【請求項26】
前記乗物窓は、前部ウィンドシールド、後部ウィンドシールド、前部ドアガラス窓、後部ドアガラス窓、サンルーフ又はクオータウィンドウを含む、請求項22に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置。
【請求項27】
前記乗物装飾部材の前記装飾本体が、ステンレス鋼から作られている、請求項22に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置。
【請求項28】
前記乗物装飾部材の前記装飾フィルムが、ポリマーから作られている、請求項22に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置。
【請求項29】
前記乗物装飾部材の前記装飾フィルムが、ポリフッ化ビニリデンから作られている、請求項28に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置。
【請求項30】
前記乗物装飾部材の前記装飾フィルムは、マット表面、ハイグロス表面、又は皮膚紋理状表面を有する、請求項22に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置。
【請求項31】
前記乗物装飾部材の前記装飾フィルムが、黒色の外観を有する、請求項22に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置。
【請求項32】
前記乗物装飾部材の前記装飾フィルムが、前記装飾本体の表面に積層され、コーティングされ、又は結合されている、請求項22に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置。
【請求項33】
前記乗物装飾部材の前記装飾フィルムの厚さが、0.01~0.2mmである、請求項22に記載の乗物窓ガラスアセンブリを製造するための成形装置。
【外国語明細書】