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特開2024-237認知機能検査装置及び認知機能検査プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000237
(43)【公開日】2024-01-05
(54)【発明の名称】認知機能検査装置及び認知機能検査プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/00 20060101AFI20231225BHJP
   G09B 19/00 20060101ALI20231225BHJP
   G09B 7/06 20060101ALI20231225BHJP
   G16H 50/20 20180101ALI20231225BHJP
【FI】
A61B10/00 H
G09B19/00 H
G09B7/06
G16H50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098912
(22)【出願日】2022-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥川 美貴
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 悠加
(72)【発明者】
【氏名】安達 薫
【テーマコード(参考)】
2C028
5L099
【Fターム(参考)】
2C028AA12
2C028BA01
2C028BB04
2C028BC01
2C028BD01
5L099AA04
(57)【要約】
【課題】検査精度を向上させることが可能な認知機能検査装置及び認知機能検査プログラムを提供する。
【解決手段】本発明の一側面に係る認知機能検査装置は、記憶対象の検査単語を受検者に出力する出力処理と、「ピアノ」と、「朝顔」と、を含む複数の問題単語47について順次、出力処理において出力されたか否かの解答を受け付ける解答画像48,49を情報端末10に表示させることにより解答を受検者から受け付ける解答受付処理と、を実行する制御部を備える。制御部は、解答受付処理において、問題単語47を「ピアノ」から「朝顔」に切り替える際に、解答画像(肯定解答画像48b,否定解答画像49b)の表示態様を変更する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶対象の第1単語を受検者に出力する出力処理と、
前記第1単語と、前記第1単語と異なる第2単語と、を含む複数の問題単語について順次、前記出力処理において出力されたか否かの解答を受け付ける解答画像を表示装置に表示させることにより前記解答を前記受検者から受け付ける解答受付処理と、
を実行する制御部を備え、
前記制御部は、前記解答受付処理において、前記問題単語を切り替える際に、前記解答画像の表示態様を変更する、
認知機能検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の認知機能検査装置であって、
前記解答画像は、前記出力処理において出力されたことを解答するための第1解答画像と、前記出力処理において出力されなかったことを解答するための第2解答画像と、を含む、
認知機能検査装置。
【請求項3】
請求項2に記載の認知機能検査装置であって、
前記制御部は、前記解答受付処理において、前記問題単語を切り替える際に、前記第1解答画像及び前記第2解答画像の表示の配置を変更する、
認知機能検査装置。
【請求項4】
請求項2に記載の認知機能検査装置であって、
前記制御部は、前記解答受付処理において、前記問題単語を切り替える際に、前記第1解答画像及び前記第2解答画像の表示の間隔を変更する、
認知機能検査装置。
【請求項5】
請求項1に記載の認知機能検査装置であって、
前記制御部は、前記解答受付処理において、前記問題単語を切り替える際に、前記解答画像のサイズを変更する、
認知機能検査装置。
【請求項6】
請求項1に記載の認知機能検査装置であって、
前記制御部は、前記解答受付処理において、前記問題単語を切り替える際に、前記解答画像の形状を変更する、
認知機能検査装置。
【請求項7】
請求項1に記載の認知機能検査装置であって、
前記制御部は、前記解答受付処理において、前記問題単語を切り替える際に、前記解答画像の動きを変更する、
認知機能検査装置。
【請求項8】
請求項1に記載の認知機能検査装置であって、
前記制御部は、前記解答受付処理において、前記問題単語を切り替える際に、前記解答画像のデザインを変更する、
認知機能検査装置。
【請求項9】
請求項1に記載の認知機能検査装置であって、
前記制御部は、前記解答受付処理において、前記問題単語を切り替える際に、前記解答画像の表示のタイミングを変更する、
認知機能検査装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の認知機能検査装置であって、
前記制御部は、前記出力処理と前記解答受付処理の間において、前記受検者の認知に負荷をかけるコンテンツを再生するトレーニング処理を実行する、
認知機能検査装置。
【請求項11】
認知機能検査装置のプロセッサに、
記憶対象の第1単語を受検者に出力する出力処理と、
前記第1単語と、前記第1単語と異なる第2単語と、を含む複数の問題単語について順次、前記出力処理において出力されたか否かの解答を受け付ける解答画像を表示装置に表示させることにより前記解答を前記受検者から受け付ける解答受付処理と、
を実行させるための認知機能検査プログラムであって、
前記解答受付処理は、前記問題単語を切り替える際に、前記解答画像の表示態様を変更する処理を含む、
認知機能検査プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認知機能検査装置及び認知機能検査プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の単語を記憶用単語として受検者に記憶させ、その後、記憶用単語とダミー単語とを表示してその中から記憶用単語を選択させる痴呆症診断装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-89800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の痴呆症診断装置によれば、記憶用単語を順次表示して記憶させた後、記憶用単語にダミー単語を含めた単語の中から1つの単語をディスプレイに表示させる。また、ディスプレイに表示された単語が記憶用単語の中にあった場合に選択する「あった」ボタンと、記憶用単語の中になかった場合に選択する「なかった」ボタンと、どちらかわからない場合に選択する「わからない」ボタンを表示させて、受検者にいずれか1つのボタンを選択させる。
【0005】
しかしながら、特許文献1には、ディスプレイに表示される3個の選択ボタンがディスプレイ上にどのような配置で表示されるかについては記載されていない。そのため、3個の選択ボタンはそれぞれ所定の表示位置に固定して表示されていると想定される。このように、選択ボタンが所定の位置に固定されている場合、受検者は例えば問題数が増えてくると惰性で同じ位置のボタンを押し続ける可能性がある。このような場合、受検者の記憶機能を正しく評価できない問題が生じ得る。
【0006】
本発明は、一側面では、このような実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、検査精度を向上させることが可能な認知機能検査装置及び認知機能検査プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用する。
【0008】
(1)
記憶対象の第1単語を受検者に出力する出力処理と、
前記第1単語と、前記第1単語と異なる第2単語と、を含む複数の問題単語について順次、前記出力処理において出力されたか否かの解答を受け付ける解答画像を表示装置に表示させることにより前記解答を前記受検者から受け付ける解答受付処理と、
を実行する制御部を備え、
前記制御部は、前記解答受付処理において、前記問題単語を切り替える際に、前記解答画像の表示態様を変更する、
認知機能検査装置。
【0009】
(1)によれば、表示装置に出題される問題単語が切り替えられる際に、その問題単語に対して解答するための解答画像の表示態様が変更されるので、順次表示される複数の問題に対して受検者が惰性で解答することを抑制することができ、検査精度が向上する。
【0010】
(2)
(1)に記載の認知機能検査装置であって、
前記解答画像は、前記出力処理において出力されたことを解答するための第1解答画像と、前記出力処理において出力されなかったことを解答するための第2解答画像と、を含む、
認知機能検査装置。
【0011】
(2)によれば、第1解答画像又は第2解答画像の一方を選択することにより解答可能であるため、受検者が容易に解答できる。
【0012】
(3)
(2)に記載の認知機能検査装置であって、
前記制御部は、前記解答受付処理において、前記問題単語を切り替える際に、前記第1解答画像及び前記第2解答画像の表示の配置を変更する、
認知機能検査装置。
【0013】
(3)によれば、表示装置に出題される問題単語が切り替えられる際に、解答画像の表示の配置が変更されるので、複数の問題に対して受検者が惰性で解答することを抑制することができる。
【0014】
(4)
(2)又は(3)に記載の認知機能検査装置であって、
前記制御部は、前記解答受付処理において、前記問題単語を切り替える際に、前記第1解答画像及び前記第2解答画像の表示の間隔を変更する、
認知機能検査装置。
【0015】
(4)によれば、表示装置に出題される問題単語が切り替えられる際に、解答画像の表示の間隔が変更されるので、複数の問題に対して受検者が惰性で解答することを抑制することができる。
【0016】
(5)
(1)から(4)のいずれかに記載の認知機能検査装置であって、
前記制御部は、前記解答受付処理において、前記問題単語を切り替える際に、前記解答画像のサイズを変更する、
認知機能検査装置。
【0017】
(5)によれば、表示装置に出題される問題単語が切り替えられる際に、解答画像の表示のサイズが変更されるので、複数の問題に対して受検者が惰性で解答することを抑制することができる。
【0018】
(6)
(1)から(5)のいずれかに記載の認知機能検査装置であって、
前記制御部は、前記解答受付処理において、前記問題単語を切り替える際に、前記解答画像の形状を変更する、
認知機能検査装置。
【0019】
(6)によれば、表示装置に出題される問題単語が切り替えられる際に、解答画像の表示形状が変更されるので、複数の問題に対して受検者が惰性で解答することを抑制することができる。
【0020】
(7)
(1)から(6)のいずれかに記載の認知機能検査装置であって、
前記制御部は、前記解答受付処理において、前記問題単語を切り替える際に、前記解答画像の動きを変更する、
認知機能検査装置。
【0021】
(7)によれば、表示装置に出題される問題単語が切り替えられる際に、表示される解答画像の動きが変更されるので、複数の問題に対して受検者が惰性で解答することを抑制することができる。
【0022】
(8)
(1)から(7)のいずれかに記載の認知機能検査装置であって、
前記制御部は、前記解答受付処理において、前記問題単語を切り替える際に、前記解答画像のデザインを変更する、
認知機能検査装置。
【0023】
(8)によれば、表示装置に出題される問題単語が切り替えられる際に、解答画像の表示のデザインが変更されるので、複数の問題に対して受検者が惰性で解答することを抑制することができる。
【0024】
(9)
(1)から(8)のいずれかに記載の認知機能検査装置であって、
前記制御部は、前記解答受付処理において、前記問題単語を切り替える際に、前記解答画像の表示のタイミングを変更する、
認知機能検査装置。
【0025】
(9)によれば、表示装置に出題される問題単語が切り替えられる際に、解答画像の表示のタイミングが変更されるので、複数の問題に対して受検者が惰性で解答することを抑制することができる。
【0026】
(10)
(1)から(9)のいずれかに記載の認知機能検査装置であって、
前記制御部は、前記出力処理と前記解答受付処理の間において、前記受検者の認知に負荷をかけるコンテンツを再生するトレーニング処理を実行する、
認知機能検査装置。
【0027】
(10)によれば、出題処理と解答受付処理の間にトレーニング処理を実行することにより、検査精度を向上させることができる。認知に負荷をかけるトレーニング処理は、受検者に対して能動的タスクを実施させるコンテンツを再生する処理である。能動的タスクを行わせるコンテンツは、例えば、アンケート、クイズ、ゲーム等のコンテンツである。
【0028】
(11)
認知機能検査装置のプロセッサに、
記憶対象の第1単語を受検者に出力する出力処理と、
前記第1単語と、前記第1単語と異なる第2単語と、を含む複数の問題単語について順次、前記出力処理において出力されたか否かの解答を受け付ける解答画像を表示装置に表示させることにより前記解答を前記受検者から受け付ける解答受付処理と、
を実行させるための認知機能検査プログラムであって、
前記解答受付処理は、前記問題単語を切り替える際に、前記解答画像の表示態様を変更する処理を含む、
認知機能検査プログラム。
【0029】
(11)によれば、表示装置に出題される問題単語が切り替えられる際に、その問題単語に対して解答するための解答画像の表示態様が変更されるので、順次表示される複数の問題に対して受検者が惰性で解答することを抑制することができ、検査精度が向上する。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、検査精度を向上させることが可能な認知機能検査装置及び認知機能検査プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の認知機能検査装置を適用した情報端末の一例を示す図である。
図2】情報端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】認知機能検査の全体の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図4】出力処理において表示される検査単語の一例を示す図である。
図5】トレーニング処理において表示される画像の一例を示す図である。
図6】解答受付処理の開始時に表示される画像の一例を示す図である。
図7】解答受付処理の解答時に表示される解答画像の一例を示す図である。
図8】解答受付処理の解答時におけるタッチ操作の一例を示す図である。
図9】解答受付処理の解答時に表示される解答画像の一例を示す図である。
図10】解答画像の変更表示態様1を示す図である。
図11】解答画像の変更表示態様2を示す図である。
図12】解答画像の変更表示態様3を示す図である。
図13】解答画像の変更表示態様4を示す図である。
図14】解答画像の変更表示態様5を示す図である。
図15】解答画像の変更表示態様6を示す図である。
図16】解答画像の変更表示態様7を示す図である。
図17】解答画像の他の変更表示態様を示す図である。
図18】解答画像の他の変更表示態様を示す図である。
図19】結果出力処理において表示される画像の一例を示す図である。
図20】制御部の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0033】
§1 適用例
<本発明を適用した情報端末10>
図1は、本発明の認知機能検査装置1を搭載した情報端末10の一例を示す図である。情報端末10は、認知機能検査を行う際の検査情報が表示される表示画面11を備える。情報端末10は、例えば、スマートフォンあるいはタブレット等の端末である。表示画面11は、検査情報を入力可能なタッチパネルとしても機能する。また、情報端末10は、検査情報を音声で出力するスピーカ(不図示)を備える。
【0034】
§2 構成例
<認知機能検査装置1のハードウェア構成>
図2は、認知機能検査装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。認知機能検査装置1のハードウェアは、例えば、図2に示す情報処理装置20により実現することができる。情報処理装置20は、プロセッサ21と、メモリ22と、通信インタフェース23と、ユーザインタフェース24と、を備える。プロセッサ21、メモリ22、通信インタフェース23、及びユーザインタフェース24は、例えば、バス25によって接続される。
【0035】
プロセッサ21は、信号処理を行う回路であり、例えば、情報処理装置20の全体の制御を司るCPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ21は、本発明の制御部の一例である。なお、プロセッサ21は、FPGA(Field Programmable Gate Array)やDSP(Digital Signal Processor)などの他のデジタル回路により実現されてもよい。また、プロセッサ21は、複数のデジタル回路を組み合わせて実現されてもよい。
【0036】
メモリ22には、例えば、メインメモリ及び補助メモリが含まれる。メインメモリは、例えばRAM(Random Access Memory)である。メインメモリは、プロセッサ21のワークエリアとして使用される。
【0037】
補助メモリは、例えば、磁気ディスク、光ディスク、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリである。補助メモリには、情報処理装置20を動作させる各種のプログラムが記憶されている。補助メモリに記憶されたプログラムは、メインメモリにロードされてプロセッサ21によって実行される。
【0038】
また、補助メモリは、情報処理装置20から取り外し可能な可搬型のメモリを含んでもよい。可搬型のメモリには、USB(Universal Serial Bus)フラッシュドライブやSD(Secure Digital)メモリカードなどのメモリカードや、外付けハードディスクドライブなどがある。
【0039】
通信インタフェース23は、情報処理装置20の外部(例えば、外部サーバ)との間でネットワーク通信を行う通信インタフェースである。通信インタフェース23は、プロセッサ21によって制御される。
【0040】
ユーザインタフェース24は、例えば、認知機能検査を受ける受検者からの操作入力を受け付ける入力デバイスや、受検者へ情報を出力する出力デバイスなどを含む。入力デバイスは、例えば、タッチパネルなどにより実現することができる。出力デバイスは、例えば、ディスプレイやスピーカなどにより実現することができる。ユーザインタフェース24は、プロセッサ21によって制御される。
【0041】
例えば、プロセッサ21は、認知機能の検査において、記憶対象の「検査単語」を受検者に対して出力する出力処理と、出力処理で出力された検査単語であるか否かの解答を受検者から受け付ける解答受付処理と、認知機能検査の結果を出力する結果出力処理と、を実行する。また、プロセッサ21は、出力処理と解答受付処理との間に、例えば、トレーニング処理を実行してもよい。
【0042】
<出力処理>
プロセッサ21は、複数の検査単語を情報端末10の表示画面11及びスピーカを介して受検者に再生する。例えば、プロセッサ21は、検査単語を順次、表示画面11に画像表示あるいはテキスト表示することにより、表示した検査単語を受検者に記憶させる。また、例えば、プロセッサ21は、画像表示やテキスト表示に組み合わせて検査単語を情報端末10のスピーカを介して音声出力してもよい。再生される検査単語は、画像情報、音声情報、及びテキスト情報としてメモリ22に記憶されている。検査単語は、第1単語及び第2単語の一例である。
【0043】
<解答受付処理>
プロセッサ21は、出力処理において受検者に出力した複数の検査単語と、それら複数の検査単語に含まれない複数の「否検査単語」とで構成する複数の「問題単語」を、順次、表示画面11に表示する。この場合においても、表示画面11への問題単語の表示は、画像表示であってもテキスト表示であってもよい。また、画像表示やテキスト表示に音声出力を組み合わせてもよい。また、プロセッサ21は、問題単語の表示と共に、その表示された問題単語が出力処理において出力された検査単語であるか否かの解答をするための「解答画像」を表示画面11に表示する。そして、プロセッサ21は、例えば、受検者からの解答画像のタッチ操作による選択に基づいて、表示した問題単語に対する解答を受け付ける。
【0044】
プロセッサ21は、表示画面11に表示する問題単語を他の問題単語へと切り替える際に、問題単語と共に表示する解答画像の表示態様を変更する。例えば、プロセッサ21は、問題単語を切り替える際に、解答画像の表示の配置を変更する。また、例えば、プロセッサ21は、問題単語を切り替える際に、解答画像同士の表示間隔を変更してもよいし、解答画像の表示サイズを変更してもよいし、解答画像の表示形状を変更してもよいし、解答画像の動きを変更してもよいし、解答画像のデザインを変更してもよいし、解答画像の表示のタイミングを変更してもよい。
【0045】
<結果出力処理>
プロセッサ21は、解答受付処理において受検者から受け付けた各問題単語に対する解答の正誤判定結果を表示画面11に表示する。プロセッサ21は、例えば、問題数に対する正解数を受検者の検査点数として表示画面11に表示する。
【0046】
§3 動作例
[認知機能検査装置の動作]
次に、図3から図19を参照して、認知機能検査装置1の認知機能検査における動作例を説明する。
【0047】
図3は、認知機能検査における全体の処理手順を示すフローチャートである。図3に示すように、認知機能検査装置1のプロセッサ21は、ステップS11の出力処理、ステップS12のトレーニング処理、ステップS13の解答受付処理、そしてステップS14の結果出力処理の順で認知機能の検査を行う。認知機能検査は、情報端末10における表示画面11のタッチ操作により開始される。
【0048】
<ステップS11の出力処理>
出力処理が開始すると、プロセッサ21は、例えば「これから、画面に表示される単語を覚えてください。問題は16問あります。それでは始めます。」とアナウンスする。そして、プロセッサ21は、例えば、図4に示すように、受検者に覚えてもらう検査単語31を一単語ずつ順次、表示画面11に表示する。検査単語31は、例えば、1問目から16問目まで表示される。各検査単語の表示時間は、任意に設定可能であるが、例えば、5秒程度に設定されている。図に示す例では、「月」という検査単語31が文字により表示されている。また、プロセッサ21は、現在の検査工程が「出力工程」、「トレーニング工程」、「解答工程」、「結果工程」のうちの「出力工程」であることを報知する出題マーク41aを表示画面11に表示する。また、プロセッサ21は、現在の問題が例えば16問中の第13問目であることを報知する問数マーク42と、出力工程の経過時間を示す経過時間バー43とを表示画面11に表示する。
【0049】
<ステップS12のトレーニング処理>
ステップS11の出力処理が終了すると、プロセッサ21は、受検者の認知に負荷をかけるために、認知機能検査とは別のコンテンツを再生するトレーニング処理を実行する。すなわち、トレーニング処理は、出力処理において記憶対象単語を記憶した受検者に、すぐに憶えた単語を解答させるのではなく、少し時間を空けてから解答させるために行うトレーニングである。
【0050】
出力処理からトレーニング処理へ移行すると、プロセッサ21は、図5に示すように、現在の工程がトレーニング工程であることを報知するトレマーク41bを表示するとともに、「それでは、解答までのお時間で脳のトレーニングをしましょう。」のようなコメント44を表示する。トレーニングは、例えば、トレーニングA、B、Cの中から受検者が任意に選択することができるように構成されている。プロセッサ21は、トレーニングの種類を選択するための選択ボタン45a~45cを表示する。
【0051】
<ステップS13の解答受付処理>
ステップS12のトレーニング処理が終了すると、プロセッサ21は、複数の単語を順次、表示画面11に表示して、その表示された単語が出力処理で出題された検査単語であるかどうかを解答させる解答受付処理を実行する。プロセッサ21は、例えば、図6に示すように、現在の工程が解答受付工程であることを報知する解答マーク41cを表示するとともに、「それでは、覚えた単語についてあったかどうか答えてください。」のようなコメント46を表示する。これにより、解答受付けの処理が開始される。
【0052】
図7は、各問題の解答時において表示画面11に表示される1問分の問題画像の一例である。プロセッサ21は、図7に示すように、検査単語の中にあったかどうかを解答してもらう問題単語47を順次、表示画面11に表示する。問題単語47は、例えば、1問目から32問目まで表示される。図に示す例では、「ピアノ」という問題単語47が文字により表示されている。
【0053】
また、プロセッサ21は、問題単語47と共に、その問題単語47が検査単語として出力されたことを解答するための肯定解答画像48aが表示されている解答ボタンと、その問題単語47が検査単語として出力されなかったことを解答するための否定解答画像49aが表示される解答ボタンとを表示する。また、プロセッサ21は、「この単語はありましたか?」のように質問コメント50を表示する。
【0054】
さらに、プロセッサ21は、現在の問題が例えば32問中の第25問目であることを報知する問数マーク51と、25問目の問題を解答する時間の経過を示す経過時間バー52とを表示する。各問題の解答時間は、任意に設定可能であるが、例えば、5秒程度に設定されている。肯定解答画像48aは、第1解答画像の一例である。否定解答画像49aは、第2解答画像の一例である。
【0055】
図7に示す問題画像において、受検者は、ピアノが検査単語の中にあったと記憶している場合には肯定解答画像48aをタッチ操作し、なかったと記憶している場合には否定解答画像49aをタッチ操作する。図8は、受検者が肯定解答画像48aをタッチ操作した様子を示す図である。そして、この受検者の解答に対して、ピアノが検査単語の中にあった場合には、図8に示すように、正解マーク53が表示される。一方、ピアノが検査単語の中になかった場合には、不正解マーク(例えば、「×」画像と「不正解」の文字)が表示される。
【0056】
図7及び図8で説明したように第25問目に対する解答が終了すると、プロセッサ21は、第26問目の問題画像を表示画面11に表示する。図9は、第26問目の解答時に表示画面11に表示される問題画像の一例である。図9に示すように、プロセッサ21は、第26問目の問題画像における問題単語47として、「朝顔」を文字で表示する。
【0057】
また、プロセッサ21は、「朝顔」(問題単語47)と共に、朝顔が検査単語として出力されたことを解答するための肯定解答画像48bと、朝顔が検査単語として出力されなかったことを解答するための否定解答画像49bとを表示する。このとき、プロセッサ21は、第26問目の解答画像である肯定解答画像48bと否定解答画像49bの表示の配置を、第25問目の解答画像である肯定解答画像48aと否定解答画像49aの表示の配置から変更する。具体的には、プロセッサ21は、図7に示す第25問目の問題画像において表示画面11の右側に否定解答画像49aを表示し、左側に肯定解答画像48aを表示していたのに対して、図9に示す第26問目の問題画像では表示画面11の右側に肯定解答画像48bを表示し、左側に否定解答画像49bを表示する。なお、問数マーク51には、問題が32問中の第26問目であることを表示する。また、質問コメント50と経過時間バー52の表示内容は、第25問目と同様である。
【0058】
図9に示す問題画像において、受検者がタッチ操作により解答する以降の処理については、上記第25問目における解答の処理と同様である。
【0059】
<解答画像の変更表示態様>
上述した第26問目「朝顔」における解答画像の表示態様は第25問目「ピアノ」における解答画像の表示態様と比較して、表示の配置を変更するものであるが、これに限定されない。
【0060】
<変更表示態様1>
図10は、第26問目「朝顔」における解答画像の変更表示態様1を示す図である。図10に示すように、プロセッサ21は、第26問目「朝顔」の解答画像である肯定解答画像48cと否定解答画像49cの表示の間隔を、第25問目「ピアノ」の解答画像である肯定解答画像48aと否定解答画像49aの表示の間隔から変更してもよい。具体的には、プロセッサ21は、図7に示す第25問目「ピアノ」の問題画像において表示画面11に表示する肯定解答画像48aと否定解答画像49aとの表示間隔よりも、図10に示す第26問目「朝顔」の問題画像において表示画面11に表示する肯定解答画像48cと否定解答画像49cとの表示間隔を小さくしてもよい。
【0061】
<変更表示態様2>
図11は、第26問目「朝顔」における解答画像の変更表示態様2を示す図である。図11に示すように、プロセッサ21は、第26問目「朝顔」における解答画像のデザインを、第25問目「ピアノ」における解答画像のデザインから変更してもよい。具体的には、プロセッサ21は、図7に示す第25問目「ピアノ」の解答画像である肯定解答画像48aと否定解答画像49aの背景画像を無色で表示するのに対して、図11に示す第26問目「朝顔」の解答画像である肯定解答画像48dと否定解答画像49dの背景画像54を色付きで表示してもよい。ただし、「解答画像のデザイン」とは、解答画像に含まれる要素である「〇」、「×」、「あった」、「ない」等のデザイン以外の、受検者に伝える情報(「ピアノ」「朝顔」等のテキスト情報)や、見た目(意匠)に関する情報(解答画像の背景画像の色やフォントなど)のデザインであってもよい。あるいは、解答画像の外観のデザインでもよい。
【0062】
<変更表示態様3>
図12は、第26問目「朝顔」における解答画像の変更表示態様3を示す図である。図12に示すように、プロセッサ21は、第26問目「朝顔」の解答画像である肯定解答画像48eと否定解答画像49eの表示のタイミングを、第25問目「ピアノ」の解答画像である肯定解答画像48aと否定解答画像49aの表示のタイミングから変更してもよい。具体的には、プロセッサ21は、図7に示す第25問目「ピアノ」の問題画像において表示画面11に「ピアノ」(問題単語47)と肯定解答画像48a及び否定解答画像49aとを同時に表示させるのに対して、図12に示す第26問目「朝顔」の問題画像においては表示画面11に先ず「朝顔」(問題単語47)を表示し、少し遅れて(例えば、0.5秒後に)肯定解答画像48c及び否定解答画像49cを表示させてもよい。
【0063】
<変更表示態様4>
図13は、第26問目「朝顔」における解答画像の変更表示態様4を示す図である。図13に示すように、プロセッサ21は、第26問目「朝顔」の解答画像である肯定解答画像48fと否定解答画像49fの表示サイズを、第25問目「ピアノ」の解答画像である肯定解答画像48aと否定解答画像49aの表示サイズから変更してもよい。具体的には、プロセッサ21は、図7に示す第25問目「ピアノ」の問題画像において表示画面11に表示する肯定解答画像48aと否定解答画像49aの表示サイズよりも、図13に示す第26問目「朝顔」の問題画像において表示画面11に表示する肯定解答画像48fと否定解答画像49fの表示サイズを大きくしてもよい。
【0064】
<変更表示態様5>
図14は、第26問目「朝顔」における解答画像の変更表示態様5を示す図である。図14に示すように、プロセッサ21は、第26問目「朝顔」の解答画像である肯定解答画像48gと否定解答画像49gの表示文字の種類を、第25問目「ピアノ」の解答画像である肯定解答画像48aと否定解答画像49aの表示文字の種類から変更してもよい。具体的には、プロセッサ21は、図7に示す第25問目「ピアノ」の問題画像において表示画面11に表示する肯定解答画像48aと否定解答画像49aの表示文字を平仮名で表示しているのに対して、図14に示す第26問目「朝顔」の問題画像において表示画面11に表示する肯定解答画像48gと否定解答画像49gの表示文字を、漢字を含む文字列で表示してもよい。
【0065】
<変更表示態様6>
図15は、第26問目「朝顔」における解答画像の変更表示態様6を示す図である。図15に示すように、プロセッサ21は、第26問目「朝顔」の解答画像である肯定解答画像48hと否定解答画像49hの表示の形状を、第25問目「ピアノ」の解答画像である肯定解答画像48aと否定解答画像49aの表示の形状から変更してもよい。具体的には、プロセッサ21は、図7に示す第25問目「ピアノ」の問題画像において肯定解答画像48aが表示される解答ボタンと否定解答画像49aが表示される解答ボタンの形状を矩形状で表示しているのに対して、図15に示す第26問目「朝顔」の問題画像において肯定解答画像48hが表示される解答ボタンと否定解答画像49hが表示される解答ボタンの形状を、角を丸めた矩形状や略円形状などで表示してもよい。
【0066】
<変更表示態様7>
図16は、第26問目「朝顔」における解答画像の変更表示態様7を示す図である。図16に示すように、プロセッサ21は、第26問目「朝顔」の解答画像である肯定解答画像48iと否定解答画像49iを表示画面11上で表示位置を移動させてもよい。具体的には、プロセッサ21は、肯定解答画像48iと否定解答画像49iとを表示画面11における左右方向へ逆向きに往復移動させて、両画像を近づけたり遠ざけたりしながら表示してもよい。なお、解答画像の移動方向は、左右方向に限定されない。
【0067】
<その他の変更表示態様>
プロセッサ21は、例えば、図17に示すように、解答画像である肯定解答画像48jと否定解答画像49jをそれぞれ複数個ずつ表示画面11上に表示するようにしてもよい。また、プロセッサ21は、例えば、図9等の例において、図18に示すように、解答画像である肯定解答画像48k及び否定解答画像49kの表示サイズを時間経過で大きくしたり小さくしたり変化させながら表示するようにしてもよい。
【0068】
<ステップS14の結果出力処理>
ステップS13の解答受付処理が終了すると、プロセッサ21は、検査結果を知らせる結果出力処理を実行する。解答受付処理から結果出力処理へ移行すると、プロセッサ21は、図19に示すように、現在の工程が結果出力工程であることを報知する結果画面マーク41dを表示するとともに、32問中31問正解であったことを示す検査結果55と、「お疲れ様でした。とても良い結果です!!」のようなコメント56を表示する。
【0069】
なお、この例では、解答受付処理で出力された各単語(ダミー単語を含む)の中で、出力処理で出題された検査単語であるか否かを何問正解できたかを検査結果(例えば32問中の正解数)として出力する場合について説明したが、プロセッサ21は、出力処理で出題された検査単語(ダミー単語を含まない)の中で、解答受付処理で出力された際に検査単語であると回答できた数(例えば16問中の正解数)を検査結果として出力するようにしてもよい。
【0070】
以上説明したように、認知機能検査装置1は、情報端末10に出題する問題単語を切り替える際に、その問題単語に対して解答するための解答画像(肯定解答画像及び否定解答画像)の表示態様を変更する。このため、変更される解答画像の表示態様に受検者の緊張感が高まり、情報端末10に順次表示される複数の問題に対して、解答する際に受検者が惰性で解答画像をタッチ操作することを抑制でき、検査精度を向上させることができる。
【0071】
例えば、認知機能検査装置1は、情報端末10に出題する問題単語を切り替える際に、図9に示すように、肯定解答画像48bと否定解答画像49bの表示の配置を、肯定解答画像48aと否定解答画像49aの表示の配置(図7)から変更して逆にする。このため、順次表示する複数の問題に対して受検者が惰性で解答画像をタッチ操作することを抑制することができる。
【0072】
また、例えば、認知機能検査装置1は、情報端末10に出題する問題単語を切り替える際に、図10に示すように、肯定解答画像48cと否定解答画像49cの表示の間隔を、肯定解答画像48aと否定解答画像49aの表示の間隔(図7)よりも小さくするように変更する。このため、順次表示する複数の問題に対して受検者が惰性で解答画像をタッチ操作することを抑制することができる。
【0073】
また、例えば、認知機能検査装置1は、情報端末10に出題する問題単語を切り替える際に、図11に示すように、肯定解答画像48dと否定解答画像49dの背景画像54を色付きにすることにより、肯定解答画像48aと否定解答画像49aの無色の背景画像(図7)とは異なるデザインに変更する。このため、順次表示する複数の問題に対して受検者が惰性で解答画像をタッチ操作することを抑制することができる。
【0074】
また、例えば、認知機能検査装置1は、情報端末10に出題する問題単語を切り替える際に、図12に示すように、肯定解答画像48eと否定解答画像49eの表示タイミングを解答画像「朝顔」の表示タイミングよりも少し遅らせることにより、解答画像肯定解答画像48a及び否定解答画像49aと問題単語「ピアノ」とを同時に表示する場合(図7)と相違させる。このため、順次表示される複数の問題に対して受検者が惰性で解答画像をタッチ操作することを抑制することができる。
【0075】
また、例えば、認知機能検査装置1は、情報端末10に出題する問題単語を切り替える際に、図13に示すように、肯定解答画像48fと否定解答画像49fの表示のサイズを、肯定解答画像48aと否定解答画像49aの表示のサイズ(図7)よりも大きくするように変更する。このため、順次表示する複数の問題に対して受検者が惰性で解答画像をタッチ操作することを抑制することができる。
【0076】
また、例えば、認知機能検査装置1は、情報端末10に出題する問題単語を切り替える際に、図14に示すように、肯定解答画像48gと否定解答画像49gの表示文字の種類を漢字とすることにより、肯定解答画像48aと否定解答画像49aの平仮名表示(図7)と相違させる。このため、順次表示する複数の問題に対して受検者が惰性で解答画像をタッチ操作することを抑制することができる。
【0077】
また、例えば、認知機能検査装置1は、情報端末10に出題する問題単語を切り替える際に、図15に示すように、肯定解答画像48hと否定解答画像49hの表示形状を円形状にすることにより、肯定解答画像48aと否定解答画像49aの矩形状(図7)と相違させる。このため、順次表示する複数の問題に対して受検者が惰性で解答画像をタッチ操作することを抑制することができる。
【0078】
また、例えば、認知機能検査装置1は、情報端末10に出題する問題単語を切り替える際に、図16に示すように、肯定解答画像48iと否定解答画像49iの表示画面11上での表示位置を移動させることにより、肯定解答画像48aと否定解答画像49aの表示位置を移動させない場合(図7)と相違させる。このため、順次表示される複数の問題に対して受検者が惰性で解答画像をタッチ操作することを抑制することができる。
【0079】
§4 変形例
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明したが、上記の説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができる。例えば、以下のような変更が可能である。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、上記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。以下の変形例は適宜組み合わせ可能である。
【0080】
[変形例1]
<プロセッサ(制御部)21の変形例>
図20を参照して、プロセッサ(制御部)21の変形例について説明する。上述した実施の形態では、情報端末10の情報処理装置20に搭載されたプロセッサ21によって認知機能検査装置1を実現する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、図20に示すように、インターネット等の広域ネットワークNを介して情報端末10と接続可能な外部サーバ60によって認知機能検査装置1を実現するようにしてもよい。すなわち、認知機能検査は、情報端末10からウェブブラウザで閲覧可能な認知機能検査ページとして設けられていてもよい。
【0081】
§5 プログラム
なお、前述した実施形態で説明した認知機能検査方法は、予め用意された認知機能検査プログラムをコンピュータで実行することにより実現できる。本認知機能検査プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録され、記憶媒体から読み出されることによって実行される。また、本認知機能検査プログラムは、フラッシュメモリ等の非一過性の記憶媒体に記憶された形で提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介して提供されてもよい。本認知機能検査プログラムを実行するコンピュータは、認知機能検査装置に含まれるものであってもよいし、認知機能検査装置と通信可能なスマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータ等の電子機器に含まれるものでもあってもよいし、これら認知機能検査装置及び電子機器と通信可能なサーバ装置に含まれるものであってもよい。
【符号の説明】
【0082】
1 認知機能検査装置
10 情報端末
11 表示画面
21 プロセッサ
31 検査単語(第1単語、第2単語)
47 問題単語
48 肯定解答画像(第1解答画像)
49 否定解答画像(第2解答画像)
60 外部サーバ
N 広域ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
図18
図19
図20