(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002370
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】紙葉類搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65H 5/00 20060101AFI20231228BHJP
B65H 5/22 20060101ALI20231228BHJP
B65H 29/38 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
B65H5/00 P
B65H5/22 A
B65H29/38
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101519
(22)【出願日】2022-06-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000108247
【氏名又は名称】株式会社ジェッター
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100096105
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 広
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】藤原 国明
【テーマコード(参考)】
3F049
3F101
3F106
【Fターム(参考)】
3F049AA01
3F049DB05
3F049DB06
3F049DB13
3F049FA02
3F049LB04
3F101LB04
3F106HA17
3F106LB04
(57)【要約】
【課題】ダクトの内壁に紙幣が張り付いた場合でも、キャリアによる紙幣の搬送を可能にする。
【解決手段】キャリア(100)の前面にはV字型溝(110)が形成されている。紙幣(50B)がダクト(11)の内壁に張り付いていても、V字型溝(110)の先端が紙幣(50B)とダクト(11)の間に入り込み、紙幣(50B)をダクト(11)の内壁から剥離させるため、キャリア(100)は紙幣(50B)を搬送することが可能になる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダクトと、
前記ダクト内を走行可能なキャリアと、
前記ダクト内において空気流を発生させる第一送風機と、
前記ダクト内において前記第一送風機とは逆の方向に空気流を発生させる第二送風機と、
を備え、
前記第一送風機が前記ダクト内に発生させた空気流により前記ダクト内において前記キャリアを走行させ、前記ダクト内に投入された紙葉類を前記キャリアを介して搬送する紙葉類搬送装置において、
前記ダクトは、
前記紙葉類が通過可能な矩形状断面を有する第一領域と、
前記第一領域の長さ方向における中心を中心とする円形の断面を有する第二領域と、
を備えており、
前記キャリアは、
前記第二領域を通過可能な円柱形状のキャリア本体と、
前記キャリア本体から前記第一領域の内部に突出し、前記第一領域を通過可能である突出体と、
を備えており、
前記キャリア本体の前面には、前記第一領域の長さ方向に延びる線を底辺とするV字型の溝が形成されていることを特徴とする紙葉類搬送装置。
【請求項2】
前記V字型の溝は前記第一領域の長さ方向の中心線を底辺とすることを特徴とする請求項1に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項3】
前記キャリア本体は前記キャリア本体の長さ方向の中心線の周囲に広がる円柱形状の空洞部を備えており、前記空洞部は前記V字型の溝と連続していることを特徴とする請求項1に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項4】
前記キャリア本体の外周には平面部が形成されており、前記V字型の溝は前記平面部に隣接して前記平面部の内側に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項5】
前記キャリア本体の背面側は前記V字型の溝が篏合可能な形状であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項6】
前記キャリア本体の背面にも前記V字型の溝と同一のV字型の溝が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項7】
前記キャリア本体には前記V字型の溝の底辺の少なくとも一部に沿って、または、前記空洞部の底面に、外側に突出する突状体が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項8】
前記キャリアは2個の前記突出体を備えており、2個の前記突出体は前記キャリアの長さ方向の中心線に関して相互に対称に位置していることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の紙葉類搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダクト内に発生させた空気流により紙幣その他のシート状の紙葉類をダクト内において搬送する紙葉類搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような紙葉類搬送装置の一例として特開2021-106754号公報(特許文献1)に記載されたものがある。
図11乃至
図16は同公報に記載された紙葉類搬送装置を示す。
図11は紙葉類搬送装置の全体構造及び紙葉類搬送装置が使用される周囲の環境を示す概略図、
図12は
図11の一部の分解斜視図である。
この紙葉類搬送装置は、紙幣などの紙葉類をその前面で押すことにより当該紙葉類を搬送するキャリア10(
図13参照)と、キャリア10の外形と相似し、かつ、キャリア10が走行可能な内部空間を有するダクト11(
図13参照)と、キャリア10が搬送してきた紙葉類を収容する紙幣収容室12(
図11参照)と、ダクト11の一端(
図11及び
図12の右端)に連結して配置され、ダクト11内においてキャリア10を紙幣収容室12に向かう方向に走行させる空気流を発生させる第一送風機13A(
図11及び
図12参照)と、ダクト11の他端に連結して配置され、ダクト11内においてキャリア10を紙幣収容室12から離れる方向に走行させる空気流を発生させる第二送風機13B(
図11参照)と、キャリア10をダクト11の内部に送り出すキャリア送り出し装置14(
図14参照)と、を備えている。
【0003】
図12に示すように、遊技店内には複数個のパチンコ台その他の遊技機器20が
図12の左右方向に一列に配置されており、各遊技機器20の横には遊技媒体(パチンコ玉やメダルなど)を貸し出すための遊技媒体貸し出し装置21が設置されている。遊技媒体貸し出し装置21に紙幣を投入すると、投入された紙幣の額に応じた数の遊技媒体が払い出される。
遊技機器20及び遊技媒体貸し出し装置21の背面側には、当該紙葉類搬送装置の一構成要素であるダクト11が遊技機器20の配列方向と平行に延びるように設置されており、ダクト11は遊技機器20及び遊技媒体貸し出し装置21の一群から離れた位置にある紙幣収容室12まで延びている。
図13(A)はキャリア10,紙幣50及びダクト11の位置関係を示す斜視図であり、
図13(B)はダクト11内のキャリア10及び紙幣50を示す一部分解斜視図である。
【0004】
キャリア10は、
図13(A)に示すように、中空の球状体をなしている。例えば、キャリア10はプラスチック製である。
ダクト11は、
図13(A)に示すように、第一領域11aと第二領域11bとから構成されている。
第一領域11aは上下に長い長方形断面の形状をなしており、その高さは紙幣50の短辺50a(
図13(A)参照)が通過できる高さであり、その幅は紙幣50が折り曲がっていたり、あるいは、湾曲している場合であっても、紙幣50が十分に通過できる幅である。
第二領域11bは円形の縦断面を有しており、キャリア10が通過できるような大きさ(半径)に設定されている。
第二領域11bは第一領域11aの長さ方向における中心を中心としている。すなわち、第一領域11aと第二領域11bとは部分的に重なり合っており、第一領域11aが第二領域11bの中心を通り、第二領域11bから上下の方向に突出している。
【0005】
図13(B)に示すように、キャリア10は紙幣50の短辺50aを押すことにより、ダクト11の内部において紙幣50を搬送する。紙幣50はダクト11の第一領域11aを通過し、キャリア10はダクト11の第二領域11bを通過する。
このように、第一領域11aは紙幣50のみが通過可能であり、キャリア10は第一領域11aを通過することはできない(正確には、キャリア10は第二領域11bから上下の方向に突出している第一領域11aの部分を通過することはできない)。
図14は第一送風機13A及びキャリア送り出し装置14の一部断面図を含む平面図である。
図14に示すように、第一送風機13Aはダクト11の一端(
図14の右端)にキャリア送り出し装置14を間に挟んで接続されている。
キャリア送り出し装置14は、ダクト11が延びる方向と直交する方向に延びる2個のキャリア収納室14Aと、各キャリア収納室14Aの内部において往復運動を行うピストン14Bと、を備えている。
【0006】
2個のキャリア収納室14Aの各々の内部には、キャリア10が1個ずつ収納されている。キャリア10をダクト11の内部に送り出すとき(後述するように、遊技媒体貸し出し機21を介してダクト11の内部に紙幣50が投入されたとき)には、2個のキャリア収納室14Aの一方のピストン14Bが上昇し、キャリア10をダクト11の内部に送り出す。この後、第一送風機13Aが作動し、キャリア10はダクト11の内部を紙幣収容室12に向かう走行を開始し、その途中でダクト11の内部に投入された紙幣50を捕捉する(
図13(B)参照)。
ダクト11の内部に2枚目の紙幣50が投入されたときには、同様にして、2個のキャリア収納室14Aの他方のピストン14Bが上昇し、キャリア10をダクト11の内部に送り出す。この後、第一送風機13Aが作動し、1個目のキャリア10と同様に、キャリア10はダクト11の内部を紙幣収容室12に向かう走行を開始し、その途中でダクト11の内部に投入された紙幣50を捕捉する(
図13(B)参照)。
【0007】
図15は第二送風機13B及び紙幣収容室12の斜視図である。
図15に示すように、紙葉類搬送装置は、紙幣収容室12の手前でダクト11から分岐するキャリア収納用ダクト15を有している。
図15に示すように、ダクト11を構成する第一領域11a及び第二領域11bのうち、第一領域11aは紙幣収容室12まで延びており、第二領域11bは紙幣収容室12の手前で第一領域11aから分岐している。この分岐した第二領域11bがキャリア収納用ダクト15を構成している。
キャリア収納用ダクト15の内部にはキャリア10を停止させる円形状のネットからなるストッパー16が嵌め込まれている。キャリア10はダクト11からキャリア収納用ダクト15を通過した後にストッパー16に当たって停止する。
キャリア収納用ダクト15はその先端において第二送風機13Bに接続されている。第二送風機13Bが発生させる空気流はネット状のストッパー16を通過して、キャリア収納用ダクト15に流入する。
【0008】
図15に示すように、キャリア収納用ダクト15がダクト11から湾曲を開始する位置にはキャリア10の通過を検知し、キャリア通過信号を中央制御装置(図示せず)に発信するセンサー17が配置されている。
図16は遊技媒体貸し出し装置21の内部構造を示す概略図である。
図16に示すように、遊技媒体貸し出し装置21は複数個のローラーからなるローラーユニット22を備えており、ローラーユニット22は遊技媒体貸し出し装置21の紙幣投入口21Aからダクト11の内部に紙幣50を送り出す紙幣送り出し口21Bまで延びる紙幣搬送路22Aを形成している。
遊技媒体貸し出し装置21の紙幣投入口21Aから投入された紙幣はローラーユニット22により紙幣搬送路22Aに沿って搬送され、真贋や額面などの検査を経て、紙幣送り出し口21Bを介してダクト11の内部に投入される。
【0009】
上記の構造を有する紙葉類搬送装置は以下のように作動する。
遊技機器20の顧客が遊技媒体貸し出し装置21の紙幣投入口21Aに紙幣50を投入すると、紙幣50はローラーユニット22により紙幣搬送路22Aに沿って搬送され、紙幣送り出し口21Bを介してダクト11の内部に投入される。
遊技媒体貸し出し装置21には紙幣感知センサー(図示せず)が設けられており、紙幣50がダクト11の内部に投入されると、紙幣感知センサーは紙幣投入を示す紙幣投入信号を中央制御装置(図示せず)に送信する。
紙幣投入信号を受信した中央制御装置は、
図14に示したように、キャリア送り出し装置14のピストン14Bを上昇させ、1個目のキャリア10をダクト11の内部に送り込み、その後、第一送風機13Aを作動させる。
【0010】
第一送風機13Aが作動を開始すると、ダクト11の内部には第一送風機13Aから紙幣収容室12に向う方向の空気流(風)が発生する。キャリア10は、この空気流による風圧を受けることにより、紙幣収容室12に向かう方向に走行を開始する。キャリア10は、紙幣収容室12に到達するまでの間に、ダクト11に投入された紙幣50を捕捉する(
図13(B)参照)。紙幣50を捕捉したキャリア10は捕捉した紙幣を押した状態を維持しながら紙幣収容室12に向う方向に走行を続ける。
キャリア10がキャリア収納用ダクト15に到達すると、ダクト11の第一領域11a内を走行していた紙幣50はキャリア10からの推進力によって第一領域11aが続く方向にそのまま走行を続ける。すなわち、紙幣50は単独で紙幣収容室12に向かって走行を継続し、最終的には、紙幣収容室12に収容される。
【0011】
これに対して、ダクト11の第二領域11bは紙幣収容室12の手前で湾曲しており、キャリア10は第二領域11b内のみを通過可能であるので、
図15に示すように、キャリア10は湾曲している第二領域11b(キャリア収納用ダクト15)にガイドされてキャリア収納用ダクト15の内部を走行する。この際、センサー17がキャリア10の通過を検知し、中央制御装置に1個目のキャリア通過信号を発信する。キャリア通過信号を受信した中央制御装置は第一送風機13Aの作動を一旦停止する。
その後、キャリア10はストッパー16に当たって停止する。キャリア10はこの停止位置にそのまま止め置かれる。
1個目のキャリア10が紙幣50を紙幣収容室12に搬送している間にも、各遊技媒体貸し出し装置21には新たな紙幣50が投入され続けており、投入された紙幣50は紙幣収容室12への搬送を待って遊技媒体貸し出し装置21の内部に待機している。
【0012】
1枚目の紙幣50の紙幣収容室12への搬送が完了すると、1個目のキャリア10をキャリア収納用ダクト15の内部に残したまま、中央制御装置はピストン14Bを上昇させ、2個目のキャリア10をダクト11の内部に送り出した後に第一送風機13Aを作動させ、2個目のキャリア10を紙幣収容室12に向かって走行させる。1個目のキャリア10と同様に、2個目のキャリア10も紙幣収容室12に向かう途中で紙幣50を捕捉し、紙幣収容室12に紙幣50を搬送する。
【0013】
2個目のキャリア10がキャリア収納用ダクト15に到達すると、1個目のキャリア10と同様に、紙幣50のみがダクト11の第一領域11aを紙幣収容室12に向かって走行し、紙幣50は最終的には紙幣収容室12に収容される。2個目のキャリア10は分岐した第二領域11b(キャリア収納用ダクト15)にガイドされキャリア収納用ダクト15の内部を走行し、既に停止している1個目のキャリア10に当たって停止する。
2個目のキャリア10がキャリア収納用ダクト15に収容された後、中央制御装置は第二送風機13Bを作動させる。第二送風機13Bが発生させた空気流はネット状のストッパー16を通過してキャリア収納用ダクト15の内部に流入する。この空気流によって、2個のキャリア10はキャリア送り出し装置14まで送り戻され、キャリア送り出し装置14のキャリア収納室14Aにそれぞれ収容される。この後、中央制御装置は第二送風機13Bの作動を停止させる。
以上の動作が、紙幣50が遊技媒体貸し出し装置21に投入されてから紙幣収容室12に収容されるまでの1サイクルの動作である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上記の従来の紙葉類搬送装置においては、紙幣50がダクト11の幅方向の中央付近に位置していれば、キャリア10は紙幣50を円滑に搬送することが可能である。しかしながら、紙幣50は第一送風機13Aが発生させた空気流の影響を受けるため、ダクト11の幅方向の中央付近に位置し続けることは極めて困難であるか、または、ほぼ不可能であることが多い。
図17はダクト11の内部の紙幣50の状態を示す断面図、
図18は
図17のX-X線におけるダクト11の断面図である。
遊技媒体貸し出し装置21からダクト11の内部に紙幣50が送り込まれた場合、紙幣50はキャリア10に捕捉されるまでの間において、第一送風機13Aが発生させた空気流の影響を受ける。紙幣50の一方の側(例えば、
図17における紙幣50の右側)に流れる空気流と紙幣50の他方の側(例えば、
図17における紙幣50の左側)に流れる空気流とが同量であれば、紙幣50は、紙幣50Aとして示すように、ダクト11の幅方向の中央付近に位置し続けることが可能であり、このような場合には、キャリア10は支障なく紙幣50Aを捕捉することが可能である。
【0016】
しかしながら、紙幣50の両方の側に流れる空気流が同量であることはほとんどなく、ほとんどの場合、紙幣50の一方の側に流れる空気流のほうが紙幣50の他方の側に流れる空気流より多い。例えば、紙幣50の左側に流れる空気流のほうが紙幣50の右側に流れる空気流より多ければ、紙幣50は左側から右側に向かう空気圧を受けることになり、
図17に紙幣50Bとして示すように、紙幣50Bは右側に向かって押され、紙幣50Bはダクト11の内壁に張り付いた状態になる。
このような状態のときに、キャリア10が紙幣50Bに到達したとしても、
図18に示すように、紙幣50Bはダクト11の内壁とキャリア10の外周との間の小さな隙間11cに入り込んでしまうため、キャリア10が紙幣50Bを押し進めること、すなわち、搬送することはほぼ不可能であり、紙幣詰まりの原因ともなる。
本発明は以上のような従来の紙葉類搬送装置における問題点に鑑みてなされたものであり、紙幣がダクトの内壁に張り付いたとしても、紙幣を円滑に搬送することを可能にする紙葉類搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この目的を達成するため、本発明は、ダクト(11)と、前記ダクト内を走行可能なキャリア(100,120,130,140,150,160,170)と、前記ダクト内において空気流を発生させる第一送風機と、前記ダクト内において前記第一送風機とは逆の方向に空気流を発生させる第二送風機(13B)と、を備え、前記第一送風機が前記ダクト内に発生させた空気流により前記ダクト内において前記キャリアを走行させ、前記ダクト内に投入された紙葉類を前記キャリアを介して搬送する紙葉類搬送装置において、前記ダクトは、前記紙葉類が通過可能な矩形状断面を有する第一領域と、前記第一領域の長さ方向における中心を中心とする円形の断面を有する第二領域(11b)と、を備えており、前記キャリアは、前記第二領域を通過可能な円柱形状のキャリア本体(100A)と、前記キャリア本体から前記第一領域の内部に突出し、前記第一領域を通過可能である突出体(100C)と、を備えており、前記キャリア本体の前面には、前記第一領域の長さ方向に延びる線を底辺とするV字型の溝(110)が形成されていることを特徴とする紙葉類搬送装置を提供する。
【0018】
前記第一領域の長さ方向に延びる線は前記第一領域の長さ方向の中心線であることが好ましい。
前記キャリア本体は前記キャリア本体の長さ方向の中心線の周囲に広がる円柱形状の空洞部(131)を備えており、前記空洞部は前記V字型の溝(110)と連続していることが好ましい。
前記キャリア本体の外周には平面部(121)が形成されており、前記V字型の溝は前記平面部に隣接して前記平面部の内側に形成されていることが好ましい。
前記キャリア本体の背面側は前記V字型の溝が篏合可能な形状(150B)であることが好ましい。
前記キャリア本体の背面にも前記V字型の溝と同一のV字型の溝(141)が形成されていることが好ましい。
【0019】
前記キャリア本体には前記V字型の溝の底辺の少なくとも一部に沿って、または、前記空洞部の底面に、外側に突出する突状体(161)が形成されていることが好ましい。
前記キャリアは2個の前記突出体(100C, 100D)を備えており、2個の前記突出体は前記キャリアの長さ方向の中心線(101)に関して相互に対称に位置していることが好ましい。
括弧中の参照符号は後述する実施形態との対応関係を示すためだけのものであり、権利範囲を限定するものではない。
【発明の効果】
【0020】
紙幣がダクトの内壁に張り付いている場合、ダクトの内部においてキャリアが紙幣に到達すると、V字型溝の頂点はダクトの内壁に沿って進んでいるため、V字型溝の頂点はダクトの内壁と紙幣との間に入り込む。キャリアがさらに進むと、V字型溝の頂点はダクトの内壁と紙幣との間にさらに入り込み、紙幣の端部はV字型溝の底辺にまで到達する。このように、ダクトの内壁に張り付いていた紙幣がV字型溝の作用によってダクトの中央の方向に寄せられると、ダクトの内壁と紙幣との間には空気流の通過が可能な隙間が発生する。空気流がこの隙間を通過することにより、紙幣のダクトの内壁への張り付きは解消され、キャリアは紙幣を支障なく紙幣収容室まで搬送することが可能になる。
以上のように、本発明に係る紙葉類搬送装置によれば、紙幣がダクトの内壁に張り付いた状態となり、そのままでは紙幣の搬送が不可能である場合であっても、キャリアのキャリア本体に形成されたV字型溝の作用によって、紙幣のダクトの内壁への張り付きを解消することができ、紙幣詰まりを発生させることなく、紙幣を紙幣収容室まで搬送することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1(A)は本発明の第一の実施形態におけるキャリアの右側面図、
図1(B)はキャリアの平面図、
図1(C)はキャリアの底面図、
図1(D)はキャリアの正面図、
図1(E)はキャリアの背面図である。
【
図2】
図2(A)は
図1に示したキャリアを背面側から見たときの斜視図、
図2(B)はキャリアを正面側から見たときの斜視図である。
【
図3】
図3(A)乃至
図3(D)はキャリアが紙幣を捕捉するときの状況を示す断面図である。
【
図4】
図4(A)は本発明の第二の実施形態におけるキャリアの右側面図、
図4(B)はキャリアの平面図、
図4(C)はキャリアの底面図、
図4(D)はキャリアの正面図、
図4(E)はキャリアの背面図である。
【
図5】
図5(A)は
図4に示したキャリアを背面側から見たときの斜視図、
図5(B)はキャリアを正面側から見たときの斜視図である。
【
図6】本発明の第三の実施形態に係る紙葉類搬送装置に使用するキャリアの横断面図である。
【0022】
【
図7】本発明の第四の実施形態に係る紙葉類搬送装置に使用するキャリアの横断面図である。
【
図8】本発明の第五の実施形態に係る紙葉類搬送装置に使用するキャリアの横断面図である。
【
図9】
図9(A)は本発明の第六の実施形態に係る紙葉類搬送装置に使用するキャリアの横断面図、
図9(B)はキャリアを前面から見たときの正面図である。
【
図10】本発明の第七の実施形態に係る紙葉類搬送装置に使用するキャリアの正面図である。
【
図11】従来の紙葉類搬送装置の全体構造及び紙葉類搬送装置が使用される周囲の環境を示す概略図である。
【0023】
【
図13】
図13(A)はキャリア,紙幣及びダクトの位置関係を示す斜視図であり、
図13(B)はダクト内のキャリア及び紙幣を示す一部分解斜視図である。
【
図14】従来の紙葉類搬送装置における第一送風機及びキャリア送り出し装置の一部断面図を含む平面図である。
【
図15】従来の紙葉類搬送装置における第二送風機及び紙幣収容室の斜視図である。
【
図16】遊技媒体貸し出し装置の内部構造を示す概略図である。
【
図17】従来の紙葉類搬送装置におけるダクトの内部の紙幣の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第一の実施形態)
図1及び
図2は本発明の第一の実施形態に係る紙葉類搬送装置に使用するキャリア100を示す図である。
図1(A)はキャリア100の右側面図、
図1(B)はキャリア100の平面図、
図1(C)はキャリア100の底面図、
図1(D)はキャリア100の正面図、
図1(E)はキャリア100の背面図である。
図2(A)はキャリア100を背面側から見たときの斜視図、
図2(B)はキャリア100を正面側から見たときの斜視図である。
本発明の第一の実施形態に係る紙葉類搬送装置は、従来の紙葉類搬送装置と比較して、キャリア10に代えてキャリア100を用いる点のみ異なる。この点以外の構造に関しては、本発明の第一の実施形態に係る紙葉類搬送装置は従来の紙葉類搬送装置と同一である。以下の実施形態においても同様である。ただし、キャリア100以外の点において本発明の第一の実施形態に係る紙葉類搬送装置の各構成要素を改変または改良することを妨げるものではない。
【0025】
キャリア100は、円柱形状のキャリア本体100Aと、キャリア本体100Aの背面側においてキャリア本体100Aと連続して形成されているドーム(半球)形状の後方部分100Bと、キャリア本体100Aから外側に突出している単一の突出体100Cと、を備えている。
キャリア100は軽量化を図るために、例えば、中空構造とされている。
キャリア本体100Aはダクト11の第二領域11bを通過可能な大きさに設定されている。
キャリア本体100Aから外側に突出している突出体100Cは、キャリア100がダクト11の内部にあるときに、ダクト11の第一領域11aの内部に突出し、第一領域11aの内部を通過可能である大きさを有している。
キャリア本体100Aの前面(前面とは、キャリア100が第一送風機13Aから紙幣収容室12に向かう方向に走行するときの前側の面)にはV字型溝110が形成されている。
【0026】
V字型溝110はダクト11の第一領域11aの長さ方向の中心線に平行な線あるいはキャリア本体100Aの長さ方向の中心線101に直交する線を底辺110Cとして有している。すなわち、V字型溝110は、キャリア本体100Aの任意の直径の一端から底辺110Cに向かって延びる斜面110Aと、同じ直径の他端から底辺110Cに向かって延びる斜面110Bと、から構成されている。二つの斜面110A及び斜面110BはV字型溝110の底辺110Cで交差している。
V字型溝110の深さDは、例えば、紙幣50の長辺50b(
図13(A)参照)の1/5から3/5の長さの範囲内である。V字型溝110の深さDは紙幣50がV字型溝110に安定的に収容される深さであれば任意の深さを選択することができる。
キャリア本体100Aから突出している突出体100Cはダクト11の第一領域11aに入り込むため、V字型溝110の底辺110Cはダクト11の内部に投入された紙幣50の短辺50a(
図13(A)参照)と平行である。
【0027】
図3(A)乃至
図3(D)はキャリア100が紙幣50B(
図17参照)を捕捉するときの状況を示す断面図である。
図3(A)に示すように、紙幣50Bがダクト11の内壁に張り付いた状態にある場合を想定する。
図3(B)に示すように、ダクト11の内部においてキャリア100が紙幣50Bに到達すると、V字型溝110の一方の頂点111はダクト11の内壁に沿って進んでいるため、V字型溝110の頂点111はダクト11の内壁と紙幣50Bとの間に入り込む。この結果、紙幣50Bの端部51(短辺50a)はV字型溝110を構成している一方の斜面110Aに沿って斜面110A上をスライドする。
図3(C)に示すように、キャリア100がさらに進むと、V字型溝110の頂点111はダクト11の内壁と紙幣50Bとの間にさらに入り込み、紙幣50Bの端部51はV字型溝110の底辺110Cにまで到達する。
【0028】
このように、ダクト11の内壁に張り付いていた紙幣50BがV字型溝110の作用によってダクト11の中央の方向に寄せられると、
図3(D)に示すように、ダクト11の内壁と紙幣50Bとの間には空気流の通過が可能な隙間112が発生する。空気流が隙間112を通過することにより、紙幣50Bのダクト11の内壁への張り付きは解消され、キャリア100は紙幣50Bを支障なく紙幣収容室12まで搬送することが可能になる。
以上のように、本実施形態に係る紙葉類搬送装置によれば、紙幣50Bがダクト11の内壁に張り付いた状態となり、そのままでは紙幣50Bの搬送が不可能である場合であっても、キャリア100のキャリア本体100Aに形成されたV字型溝110の作用によって、紙幣50Bのダクト11の内壁への張り付きを解消することができ、紙幣詰まりを発生させることなく、紙幣50Bを紙幣収容室12まで搬送することが可能になる。
【0029】
(第二の実施形態)
図4及び
図5は本発明の第二の実施形態に係る紙葉類搬送装置に使用するキャリア120を示す図である。
図4(A)はキャリア120の右側面図、
図4(B)はキャリア120の平面図、
図4(C)はキャリア120の底面図、
図4(D)はキャリア120の正面図、
図4(E)はキャリア120の背面図である。
図5(A)はキャリア120を背面側から見たときの斜視図、
図5(B)はキャリア120を正面側から見たときの斜視図である。
第一の実施形態におけるキャリア100はV字型溝110の頂点111は尖っている形状であったのに対して、第二の実施形態におけるキャリア120はキャリア本体100Aの両端に形成された一対の平面部121を有している。このため、V字型溝110は平面部121に隣接して平面部121の内側に形成される。
V字型溝110の頂点111が尖っていると、頂点111が折れやすい、あるいは、曲がりやすいという欠点を伴う。V字型溝110の周囲に平面部121を形成することにより、V字型溝110の頂点は平面状になるため、そのような欠点を小さくすることができる。
【0030】
(第三の実施形態)
図6は本発明の第三の実施形態に係る紙葉類搬送装置に使用するキャリア130の横断面図である。
図6に示すように、キャリア130のキャリア本体100Aはキャリア本体100Aの長さ方向の中心線101の周囲に広がる円柱形状の空洞部131を備えている。空洞部131はV字型溝110と連続している。すなわち、空洞部131はV字型溝110を構成する二つの斜面110A、110Bの下端からキャリア130の後方部分100Bに向かって延びている。
キャリア130の先端から空洞部131の底面までの深さは特に制限されない。空洞部131の内部に紙幣50Bを確実に収納し、その状態で紙幣50Bを搬送できる深さであれば任意の深さを設定することができる。
キャリア130がキャリア本体100Aに有する溝の形状から明らかであるように、キャリア本体100Aの前面にV字型溝が形成されていれば、それ以外の溝の形状は、紙幣50Bを収容し得る形状である限りは、任意の形状とすることができる。
【0031】
(第四の実施形態)
図7は本発明の第四の実施形態に係る紙葉類搬送装置に使用するキャリア140の横断面図である。
図7に示すキャリア140は、
図1に示したキャリア100と比較して、2個のV字型溝を有している点が異なっている。
具体的には、キャリア140のキャリア本体100Aは後方部分100Bを有しておらず、その代わりに、キャリア本体100Aの背面側にV字型溝110と同一形状の第二V字型溝141を有している。
このように、キャリア本体100Aの前面側と背面側に同一形状のV字型溝110,141を形成することにより、キャリア140の前面と背面とを区別することなく用いることが可能になる。例えば、キャリア本体100Aの前面側に形成されているV字型溝110が破損したような場合には、背面側に形成されているV字型溝141を用いることができる。
なお、上述の第二及び第三の実施形態におけるキャリア120,130にも本実施形態を適用することが可能である。
【0032】
(第五の実施形態)
図8は本発明の第五の実施形態に係る紙葉類搬送装置に使用するキャリア150の横断面図である。
キャリア150は、
図1に示したドーム形状の後方部分100Bに代えて、断面がV字型形状の後方部分150Bを有している。後方部分150Bはキャリア本体100Aの前面側に形成されているV字型溝110に篏合可能な形状である。
このように、後方部分150BをV字型溝110に篏合可能な形状とすることにより、複数個のキャリア150をその長さ方向において隙間なく重ね合わせることができ、複数個のキャリア150の収納スペースを小さくすることができる。
【0033】
(第六の実施形態)
図9(A)は本発明の第六の実施形態に係る紙葉類搬送装置に使用するキャリア160の横断面図、
図9(B)はキャリア160を前面から見たときの正面図である。
図9(A)及び
図9(B)に示すように、キャリア160は
図1に示したキャリア100と比較して突状体161を追加的に備えている。
突状体161はV字型溝110の底辺110Cの一部に沿って形成され、キャリア160のキャリア本体100Aの長さ方向の中心線101に沿って外側に向かって延びる壁状の形状をなしている。
例えば、
図8に示したようにV字型の後方部分150Bを設けるときに突状体161を設けることによって、隣接する2個のキャリア160が密着することを避けることができる。
突状体161はV字型溝110の底辺110Cの一部に沿って形成されているが、底辺110Cの全部に沿って形成することも可能である。さらに、壁状ではなく、棒状体とすることもできる。突状体161を棒状体として形成する場合には、1個でもよく、あるいは、複数個を設けることが可能である。
突状体161は第二乃至第五の実施形態におけるキャリア120,130,140,150にも適用することが可能である。キャリア130(
図6参照)に突状体161を設ける場合には、空洞部131の底面の任意の位置に設けることができる。
【0034】
(第七の実施形態)
図10は本発明の第七の実施形態に係る紙葉類搬送装置に使用するキャリア170の正面図である。
キャリア170は、
図1に示したキャリア100と比較して、第二の突出体100Dを有している。第二の突出体100Dは突出体100Cと同一の形状を有しており、キャリア170の長さ方向の中心線に関して突出体100Cと対称の位置に設けられている。
このように、2個の突出体100C、100Dを有することにより、2個の突出体100C、100Dがそれぞれダクト11の第一領域11a内を走行するため、キャリア170はダクト11の内部を安定的に走行することが可能になる。
第二の突出体110Dは第二乃至第六の実施形態におけるキャリア120-160にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0035】
100 本発明の第一の実施形態におけるキャリア
110 V字型溝
120 本発明の第二の実施形態におけるキャリア
130 本発明の第三の実施形態におけるキャリア
131 空洞部
140 本発明の第四の実施形態におけるキャリア
150 本発明の第五の実施形態におけるキャリア
160 本発明の第六の実施形態におけるキャリア
161 第二の突出体
170 本発明の第七の実施形態におけるキャリア
【手続補正書】
【提出日】2022-09-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項7
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項7】
前記キャリア本体には前記V字型の溝の底辺の少なくとも一部に沿って、または、前記空洞部の底面に、外側に突出する突状体が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の紙葉類搬送装置。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
ダクトと、
前記ダクト内を走行可能なキャリアと、
前記ダクト内において空気流を発生させる第一送風機と、
前記ダクト内において前記第一送風機とは逆の方向に空気流を発生させる第二送風機と、
を備え、
前記第一送風機が前記ダクト内に発生させた空気流により前記ダクト内において前記キャリアを走行させ、前記ダクト内に投入された紙葉類を前記キャリアを介して搬送する紙葉類搬送装置において、
前記ダクトは、
前記紙葉類が通過可能な矩形状断面を有する第一領域と、
前記第一領域の長さ方向における中心を中心とする円形の断面を有する第二領域と、
を備えており、
前記キャリアは、
前記第二領域を通過可能な円柱形状のキャリア本体と、
前記キャリア本体から前記第一領域の内部に突出し、前記第一領域を通過可能である突出体と、
を備えており、
前記キャリア本体の前面には、前記第一領域の長さ方向に延びる線を底辺とするV字型の溝が形成されており、
前記突出体は前記キャリアの走行方向において前記キャリア本体の前面より後方に位置していることを特徴とする紙葉類搬送装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
この目的を達成するため、本発明は、ダクト(11)と、前記ダクト内を走行可能なキャリア(100,120,130,140,150,160,170)と、前記ダクト内において空気流を発生させる第一送風機と、前記ダクト内において前記第一送風機とは逆の方向に空気流を発生させる第二送風機(13B)と、を備え、前記第一送風機が前記ダクト内に発生させた空気流により前記ダクト内において前記キャリアを走行させ、前記ダクト内に投入された紙葉類を前記キャリアを介して搬送する紙葉類搬送装置において、前記ダクトは、前記紙葉類が通過可能な矩形状断面を有する第一領域と、前記第一領域の長さ方向における中心を中心とする円形の断面を有する第二領域(11b)と、を備えており、前記キャリアは、前記第二領域を通過可能な円柱形状のキャリア本体(100A)と、前記キャリア本体から前記第一領域の内部に突出し、前記第一領域を通過可能である突出体(100C)と、を備えており、前記キャリア本体の前面には、前記第一領域の長さ方向に延びる線を底辺とするV字型の溝(110)が形成されており、前記突出体(100C)は前記キャリアの走行方向において前記キャリア本体(100A)の前面より後方に位置していることを特徴とする紙葉類搬送装置を提供する。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】手続補正書
【補正対象項目名】手続補正1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダクトと、
前記ダクト内を走行可能なキャリアと、
前記ダクト内において空気流を発生させる第一送風機と、
前記ダクト内において前記第一送風機とは逆の方向に空気流を発生させる第二送風機と、
を備え、
前記第一送風機が前記ダクト内に発生させた空気流により前記ダクト内において前記キャリアを走行させ、前記ダクト内に投入された紙葉類を前記キャリアを介して搬送する紙葉類搬送装置において、
前記ダクトは、
前記紙葉類が通過可能な矩形状断面を有する第一領域と、
前記第一領域の長さ方向における中心を中心とする円形の断面を有する第二領域と、
を備えており、
前記キャリアは、
前記第二領域を通過可能な円柱形状のキャリア本体と、
前記キャリア本体から前記第一領域の内部に突出し、前記第一領域を通過可能である突出体と、
を備えており、
前記キャリア本体の前面には、前記第一領域の長さ方向に延びる線を底辺とするV字型の溝が形成されており、
前記突出体は前記キャリアの走行方向において前記キャリア本体の前面より後方に位置していることを特徴とする紙葉類搬送装置。
【請求項2】
前記V字型の溝は前記第一領域の長さ方向の中心線を底辺とすることを特徴とする請求項1に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項3】
前記キャリア本体は前記キャリア本体の長さ方向の中心線の周囲に広がる円柱形状の空洞部を備えており、前記空洞部は前記V字型の溝と連続していることを特徴とする請求項1に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項4】
前記キャリア本体の外周には平面部が形成されており、前記V字型の溝は前記平面部に隣接して前記平面部の内側に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項5】
前記キャリア本体の背面側は前記V字型の溝が篏合可能な形状であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項6】
前記キャリア本体の背面にも前記V字型の溝と同一のV字型の溝が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項7】
前記キャリア本体には前記V字型の溝の底辺の少なくとも一部に沿って、または、前記空洞部の底面に、外側に突出する突状体が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項8】
前記キャリアは2個の前記突出体を備えており、2個の前記突出体は前記キャリアの長さ方向の中心線に関して相互に対称に位置していることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の紙葉類搬送装置。