(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023726
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】電気セル用ポッティング化合物及び作製する方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/293 20210101AFI20240214BHJP
H01M 50/242 20210101ALI20240214BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20240214BHJP
【FI】
H01M50/293
H01M50/242
H01M50/204 401F
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023213972
(22)【出願日】2023-12-19
(62)【分割の表示】P 2023060826の分割
【原出願日】2019-02-15
(31)【優先権主張番号】62/631,584
(32)【優先日】2018-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】509292766
【氏名又は名称】エイチ.ビー.フラー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アルバート・エム・ジョルジーニ
(57)【要約】
【課題】電気セル及び電気セルと関連付けられたポッティング化合物を備える、バッテリモジュールの提供。
【解決手段】ポッティング化合物は、難燃剤成分、イソシアネート反応性化合物及び水を有する第1の成分、及び、イソシアネート化合物を有する第2の成分、で形成される。ポッティング化合物は、フォームである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリウレタンフォームポッティング化合物中にポッティングされている第1の電気セルを含むバッテリモジュールであって、
前記ポリウレタンフォームポッティング化合物が、
0.60g/cm3以下の密度、
UL94「プラスチックス材料燃焼性試験」によって測定したときに、少なくともV2レベルの耐燃性、及び、
少なくとも30のショアA硬度値
を示す、バッテリモジュール。
【請求項2】
前記ポッティング化合物が、UL94「プラスチックス材料燃焼性試験」によって測定したときに、少なくともV1レベルの耐燃性を有する、請求項1に記載のバッテリモジュール。
【請求項3】
前記ポッティング化合物が、UL94「プラスチックス材料燃焼性試験」によって測定したときに、少なくともV0レベルの耐燃性を有する、請求項1に記載のバッテリモジュール。
【請求項4】
前記ポッティング化合物が、前記ポッティング化合物の合計重量に基づいて、少なくとも15重量%~60重量%の液体難燃剤成分を含む、請求項1記載のバッテリモジュール。
【請求項5】
前記ポッティング化合物が、前記ポッティング化合物の合計重量に基づいて、少なくとも20重量%~60重量%の液体難燃剤成分を含む、請求項1記載のバッテリモジュール。
【請求項6】
前記ポッティング化合物が、前記ポッティング化合物の合計重量に基づいて、少なくとも30重量%~60重量%の液体難燃剤成分を含む、請求項1記載のバッテリモジュール。
【請求項7】
前記液体難燃剤成分が、非ハロゲン化リン酸エステルを含む、請求項4記載のバッテリモジュール。
【請求項8】
前記液体難燃剤成分が、ハロゲン化リン酸エステルを含む、請求項4記載のバッテリモジュール。
【請求項9】
前記ポッティング化合物が、
イソシアネート反応性化合物及び水を有する第1の成分、及び、
イソシアネート化合物を有する第2の成分
の架橋混合物を含み、
前記イソシアネート反応性化合物が、少なくとも1種のポリエーテルポリオールを含む、請求項1記載のバッテリモジュール。
【請求項10】
前記イソシアネート反応性化合物が、少なくとも1種のポリエーテルポリオールを少なくとも90重量%含む、請求項9記載のバッテリモジュール。
【請求項11】
ポリウレタンフォームポッティング化合物中にポッティングされている第1の電気セルを含むバッテリモジュールであって、
前記ポリウレタンフォームポッティング化合物が、
0.60g/cm3以下の密度、及び、
少なくとも30のショアA硬度値
を示し、
前記ポッティング化合物の合計重量に基づいて、少なくとも15重量%の液体難燃剤成分を含む、バッテリモジュール。
【請求項12】
前記ポッティング化合物が、UL94「プラスチックス材料燃焼性試験」によって測定したときに、少なくともV2レベルの耐燃性を有する、請求項11に記載のバッテリモジュール。
【請求項13】
前記ポッティング化合物が、UL94「プラスチックス材料燃焼性試験」によって測定したときに、少なくともV1レベルの耐燃性を有する、請求項11に記載のバッテリモジュール。
【請求項14】
前記ポッティング化合物が、UL94「プラスチックス材料燃焼性試験」によって測定したときに、少なくともV0レベルの耐燃性を有する、請求項11に記載のバッテリモジュール。
【請求項15】
前記ポッティング化合物が、前記ポッティング化合物の合計重量に基づいて、少なくとも20重量%~60重量%の液体難燃剤成分を含む、請求項11記載のバッテリモジュール。
【請求項16】
前記ポッティング化合物が、前記ポッティング化合物の合計重量に基づいて、少なくとも30重量%~60重量%の液体難燃剤成分を含む、請求項11記載のバッテリモジュール。
【請求項17】
前記液体難燃剤成分が、非ハロゲン化リン酸エステルを含む、請求項11記載のバッテリモジュール。
【請求項18】
前記液体難燃剤成分が、ハロゲン化リン酸エステルを含む、請求項11記載のバッテリモジュール。
【請求項19】
前記ポッティング化合物が、
イソシアネート反応性化合物及び水を有する第1の成分、及び、
イソシアネート化合物を有する第2の成分
の架橋混合物を含み、
前記イソシアネート反応性化合物が、少なくとも1種のポリエーテルポリオールを含む、請求項11記載のバッテリモジュール。
【請求項20】
ポリウレタンフォームポッティング化合物中にポッティングされている第1の電気セルを含むバッテリモジュールであって、
前記ポリウレタンフォームポッティング化合物が、
UL94「プラスチックス材料燃焼性試験」によって測定したときに、少なくともV2レベルの耐燃性、及び、
少なくとも30のショアA硬度値
を示す、バッテリモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポッティング化合物内に位置決めされた電気セルを含むバッテリモジュールに関する。より具体的には、本開示は、難燃剤を含有するフォームポッティング化合物内に位置決めされた電気セルを含むバッテリモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ポッティングは、エンクロージャの内の物体の互いに対する、かつエンクロージャに対する空間関係を維持する目的で、材料をエンクロージャに部分的又は完全に充填又は埋設するプロセスである。ポッティングは、衝撃及び振動に対する耐性を提供するために使用され得る。ポッティングに使用される特定の組成物は、水分、溶媒、及び腐食性物質に対するシールを作成するように設計され得る。
【0003】
ポッティング化合物を形成するために使用される材料は、非常に軟らかいものから硬いものまで硬度が異なり、また、様々な環境に耐えるように設計されている。電気セルをポッティングする際に使用するためのポッティング化合物は、例えば車両で使用することを意図したバッテリモジュールに対して、機械的安定性及び耐衝撃性を提供するように設計され得る。最小限の重量をバッテリモジュールに加えながら、機械的安定性を電気セルに提供する、ポッティング化合物が望まれている。また、機械的安定性を電気セルに提供し、かつ難燃性である、バッテリモジュールで使用するためのポッティング化合物も望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2011/192564号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2011/250475号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2012/003508号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2012/183819号明細書
【特許文献5】特開2011-148903号公報
【発明の概要】
【0005】
本明細書では、電気セル及び電気セルと関連付けられたポッティング化合物を備える、バッテリモジュールを開示する。ポッティング化合物は、難燃剤成分、イソシアネート反応性化合物及び水を有する第1の成分、及び、イソシアネート化合物を有する第2の成分、で形成される。ポッティング化合物は、硬化後のフォームである。
【0006】
ポッティング化合物は、UL94「プラスチックス材料燃焼性試験(Test for Flammability of Plastics)」によって測定したときに、少なくともV2レベルの耐燃性を有し得る。ポッティング化合物は、0.50g/cm3未満のフォーム密度を有し得る。難燃剤成分は、ポッティング化合物の合計重量に基づいて、少なくとも15重量%の量で存在し得る。難燃剤成分は、ポッティング化合物の合計重量に基づいて、少なくとも30重量%の量で存在し得る。ポッティング化合物を形成するように構成されたポッティング組成物は、電気セルの周囲で水平高さに安定するように、硬化前に十分な流動性を有し得る。
【0007】
第1の成分は、1超~100,000cp未満の粘度を有し得る。第2の成分は、約25℃~約35℃の温度で、1超~50,000cp未満の粘度を有し得る。第1の成分は、1超~1,500cp未満の粘度を有し得る。第2の成分は、約25℃~約35℃の温度で、1超~1,000cp未満の粘度を有し得る。
【0008】
また、ポッティング化合物内に位置決めされた電気セルを備えるバッテリモジュールも本明細書で開示する。ポッティング化合物は、イソシアネート反応性化合物を有する第1の成分、及びイソシアネート化合物を有する第2の成分の反応生成物から形成され得る。ポッティング化合物は、発泡剤、及びポッティング化合物の合計重量に基づいて約15重量%~約60重量%の量で存在する液体難燃剤成分を更に含み得る。
【0009】
液体難燃剤は、リン酸エステルを含み得る。イソシアネート反応性化合物は、ポリエーテルポリオールであり得る。イソシアネート反応性化合物は、3以上のイソシアネート反応性官能価を有し得る。イソシアネート化合物は、2以上の平均イソシアネート官能価を有し得る。
【0010】
第1の成分は、1超~100,000cp未満の粘度を有し得る。第2の成分は、約25℃~約35℃の温度で、1超~50,000cp未満の粘度を有し得る。第1の成分は、1超~1,500cp未満の粘度有し得る。第2の成分は、約25℃~約35℃の温度で、1超~1,000cp未満の粘度を有し得る。
【0011】
本明細書ではまた、ポリウレタンフォームポッティング化合物内に位置決めされた第1の電気セルを備えるバッテリモジュールも開示する。ポッティング化合物は、0.50g/cm3未満の密度を有する。フォームポッティング化合物は、UL94「プラスチックス材料燃焼性試験」によって測定したときに、少なくともV2レベルの耐燃性を有し得る。ポッティング化合物は、第1の電気セルと第1の電気セルの周囲に位置決めされたバッテリモジュールケースとの間で実質的に水平高さに分散するように、硬化前に十分な流動性を有するポッティング組成物から形成され得る。
【0012】
複数の実施形態が開示されるが、本開示の例示的実施形態を示し、説明する以下の詳細な説明から、本開示の更に他の実施形態が当業者に明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、事実上例示的なものであり、制限的なものではないとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】特定の実施形態による、バッテリモジュールの斜視図である。
【
図2】いくつかの実施形態による、バッテリモジュールの上面図である。
【
図3】いくつかの実施形態による、バッテリモジュールの正面図である。
【
図4】特定の実施形態による、バッテリモジュールの斜視図である。
【
図5】いくつかの実施形態による、バッテリモジュールの上面図である。
【
図6】いくつかの実施形態による、バッテリモジュールの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書では、低密度かつ難燃性であるポッティング化合物を開示する。ポッティング化合物は、UL94「プラスチックス材料燃焼性試験」によって測定したときに、少なくともV2レベルの耐燃性を有する。いくつかの場合では、ポッティング化合物は、UL94「プラスチックス材料燃焼性試験」によって測定したときに、少なくともV1レベルの耐燃性を有し得る。いくつかの実施形態では、ポッティング化合物は、UL94「プラスチックス材料燃焼性試験」によって測定したときに、少なくともV0レベルの耐燃性を有し得る。
【0015】
ポッティング化合物は、液体として適用され、硬化してポッティング化合物を形成する、ポッティング組成物から形成され得る。ポッティング組成物は、ポッティング組成物が電気セルの周囲に液体として適用され、次いで、電気セルの周囲で実質的に水平高さに安定することを可能にするように、硬化前に十分な流動性を有する。本明細書で開示するポッティング組成物は、液体として適用され、硬化してポッティング化合物を形成する前に、電気セルの周囲に、及び隣接する電気セルの間を通って流れることができる。ポッティング化合物は、電気セルをポッティングし、軽量であるバッテリモジュールを形成するのに有用である。ポッティング化合物は、電気セルをポッティングし、硬化後の機械的安定性及び難燃性を提供するのに有用である。
【0016】
ポッティング化合物は、シリコーン、エポキシ、例えば1成分若しくは2成分エポキシ樹脂、又はポリウレタンを含む、硬化したときにフォームを形成する材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、ポッティング化合物は、ポリウレタンフォームを含む。ポッティング化合物は、硬化前に液体であり、フォームとして硬化して硬くなり、ポッティング化合物を形成する、ポリウレタン組成物から形成され得る。いくつかの実施形態では、ポッティング化合物は、低密度を有し、難燃剤を含むポリウレタンフォームから形成される。
【0017】
本明細書で使用するとき、フォームとは、物質の全体にわたる空洞を画定するバルク材料から形成された物質として定義される。空洞には、空気、酸素、二酸化炭素、窒素、又は任意の好適なガスなどの、ガスを充填することができる。空洞は、バルク材料の全体にわたってセル構造を形成する。例えば、ポッティング組成物は、互いに反応する成分で形成された液体混合物とすることができ、液体全体にわたって気泡を形成するガスを放出することができる。液体ポッティング組成物は、硬化したときに硬くなって、固体物質の全体にわたる空洞を有する固体物質である固体のポッティング化合物を形成する。空洞は、固体物質がセル構造のないバルク材料で完全に形成された場合よりも低い密度を有する固体物質をもたらす。フォームは、クローズドセル又はオープンセルとすることができる。クローズドセルとは、固体材料によって完全に取り囲まれた別々のポケットを形成する空洞を有するフォームを指す。オープンセルとは、互いに接続されたポケットを形成する空洞を有するフォームを指す。
【0018】
いくつかの場合では、低密度ポッティング化合物を、膨張した又は膨張していないマイクロバルーン、例えばシンタクチックフォームを含むバルク物質によって形成され得ることが更に想到される。例えば、ガス充填中心を画定するビーズ又は気泡などの三次元形状を形成するために、ガラス又はポリマー材料から形成された固体粒子が使用され得る。ビーズ又は気泡は、ビーズ又は気泡を硬化させて閉じ込めることができるバルク物質の全体にわたって分散させることができ、したがって、硬化したポッティング化合物の全体的な密度を減少させる。
【0019】
硬化後に、フォームであるポッティング化合物は、液体であるポッティング組成物の密度よりも低い密度を有する。いくつかの実施形態では、ポッティング化合物は、硬化後に、約0.60g/cm3未満、約0.50g/cm3未満、約0.40g/cm3未満、約0.30g/cm3未満、約0.20g/cm3未満、約0.10g/cm3未満、又は約0.05g/cm3未満の密度を有する。例えば、ポッティング化合物は、約0.02g/cm3、約0.05g/cm3、約0.10g/cm3、約0.20g/cm3から、約0.30g/cm3、約0.40g/cm3、若しくは0.50g/cm3のフォーム密度、又は任意の一対の上記の値の間の密度を有するフォームであり得るが、追加的な密度を有するポッティング化合物が更に想到される。
【0020】
ポッティング組成物は、第2の成分と反応する第1の成分から形成された2成分型組成物であり得る。第1の成分又は第2の成分のうちの少なくとも1つは、難燃剤を含有し得る。第1の成分及び第2の成分は、熱可塑性ポリウレタン成分(TPU)を形成するように選択され得る。第1の成分及び第2の成分を混合した後に、ポッティング組成物は、ポリウレタン成分と液体難燃剤成分との配合物であり得る。第1の成分及び/又は第2の成分はまた、1種又は2種以上の追加的な添加剤も含有し得る。
第1の成分
【0021】
第1の成分は、室温(約25℃~約35℃)で液体である。例えば、第1の成分は、室温で、1超~100,000センチポアズ(cP)未満の粘度を有する。いくつかの実施形態では、第1の成分は、約100cP、約200cP、約300cP、又は約400cPから、約1100cP、約1200cP、約1300cP、又は約1400cP、約10,000、約20,000、約30,000、約40,000の、又は100,000もの大きさの粘度、又は任意の一対の上記の値の間の粘度を有するが、代替的な粘度を有する成分が更に想到される。
【0022】
第1の成分は、1種又は2種以上のイソシアネート反応性化合物を含む。イソシアネート反応性化合物は、活性水素、例えばアミン、アルコール、又はチオールを含有する化合物であり得る。第1の成分は、2以上の官能価を有するイソシアネート反応性化合物を含む。好適なイソシアネート反応性化合物は、3以上の官能価を有するものである。好適なイソシアネート反応性化合物は、室温で液体であるものである。好適なイソシアネート反応性化合物は、室温で低粘度を有するものである。例えば、好適なイソシアネート反応性化合物は、室温で、1超から、約800cP未満、約700未満cP、約600cP未満、又は約500cP未満の粘度を有し得る。イソシアネート反応性化合物の好適な例としては、室温(約25℃~約35℃)で、約200cP未満、約190cP未満、約180cP未満、又は約170cP未満の粘度を有するものが挙げられる。
【0023】
イソシアネート反応性化合物は、ポリオールであり得る。イソシアネート反応性化合物は、2種以上のポリオールの組み合わせであり得る。例えば、イソシアネート反応性化合物は、ジオールポリオール、トリオールポリオール、テトラポリオール、又は高次ポリオール、及びこれらの組み合わせであり得る。イソシアネート反応性化合物として使用され得るポリオールの好適な例として、室温で低粘度を有するものが挙げられる。
【0024】
ポリオールは、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールからなる群から選択され得る。好適なポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレングリコールなどのポリオキシアルキレンポリオール、並びにそれらの混合物及び組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、好適なポリエーテルは、約200、約300、約400、約600から、約800、約1,000、約4,000、又は約6,000の数平均分子量(Mn)、又は任意の一対の上記の値の間の分子量を有し得るが、追加的な分子量を有するポリエーテルが更に想到される。
【0025】
いくつかの実施形態では、好適なポリオールとしては、置換又は非置換ポリアルキレンエーテルグリコール又はポリヒドロキシポリアルキレンエーテルを含むポリヒドロキシエーテル;ポリヒドロキシポリエステル;ポリオールのエチレン又は酸化プロピレン付加物及びグリセロールの置換エステル;インシトゥで重合したポリマーポリオール、例えばある割合のビニルモノマーを含有するグラフトポリオール;並びにこれらの混合物及び組み合わせが挙げられ得る。好適なポリオールの更なる例としては、ポリ(ジエチレングリコールアジペート)が挙げられる。
【0026】
いくつかの実施形態では、ホモポリマー及びポリオキシアルキレンのコポリマーが使用され得る。いくつかの実施形態では、ポリオキシアルキレンポリオールのコポリマーとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、2-エチルヘキサンジオール-1,3、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリス(ヒドロキシフェニル)プロパン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンを含む少なくとも1種の化合物の付加物;並びに酸化エチレン、酸化プロピレン、及び酸化ブチレンを含む1種の化合物が挙げられ得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、好適なポリエステルポリオールは、約2~約15個の炭素原子を有する1種又は2種以上の多価アルコールと、約2~約14個の炭素原子を有する1種又は2種以上のポリカルボン酸との反応から形成することができる。好適な多価アルコールの例として、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール及び1,3-プロピレングリコールなどのプロピレングリコール、グリセロール、ペンタエリトリトール、トリメチロールプロパン、1,4,6-オクタントリオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ドデカジオール、オクタンジオール、クロロペンタンジオール、グリセロールモノアルキルエーテル、グリセロールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、2-エチルヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,2,6-ヘキサントリオール、1,3,5-ヘキサントリオール、1,3-ビス-(2-ヒドロキシエトキシ)プロパン、及び類似する成分が挙げられる。
【0028】
いくつかの実施形態では、イソシアネート反応性化合物は、第1の成分の総重量に基づいて、約20パーセント、約30パーセント、又は約40パーセントから、約70パーセント、約80パーセント、約90パーセント、又は約100パーセントの重量パーセントで、又は任意の一対の上記の値の間の重量パーセントで、第1の成分中に存在する。好ましい実施形態では、イソシアネート反応性化合物は、第1の成分の総重量に基づいて、約20パーセント、約25パーセント、又は約30パーセントから、約35パーセント、約40パーセント、約45パーセント、又は約50パーセントの重量パーセントで、又は任意の一対の上記の値の間の重量パーセントで、第1の成分中に存在する。1種を超えるイソシアネート反応性化合物を有する実施形態では、第1の成分中に存在する全てのイソシアネート反応性化合物の合計量は、第1の成分の総重量に基づいて、約20パーセント、約30パーセント、又は約40パーセントから、約70パーセント、約80パーセント、約90パーセント、又は約100パーセントの組み合わせ重量パーセント、又は任意の一対の上記の値の間の重量パーセントを有する。
【0029】
ポリウレタンポッティング組成物を形成するために使用され得る好適な市販のポリオールとしては、ポリG 30-240の商品名で販売されているトリオールポリエーテルポリオール(Houston、TXにあるMonument Chemical Groupから入手可能)、商品名VORANOL 230-238の商品名で販売されているトリオールポリエーテルポリオール(Midland、MIにあるDow Chemical Companyから入手可能)、及びARCOL LHT-240の商品名で販売されているポリエーテルポリオール(Leverkusen、GermanyにあるCovestro AG)が挙げられる。
第2の成分
【0030】
第2の成分は、室温(約25℃~約35℃)で液体である。第2の成分は、室温で、1超~50,000未満センチポアズ(cP)の粘度を有する。例えば、第2の成分は、室温(約25℃~約35℃)で、約40cP、約60cP、約80cP、又は約100cPから、約600cP、約700cP、約800cP、約900cP、約1000、約10,000、約20,000、約30,000、又は約50,000もの大きさの粘度、又は任意の一対の上記の値の間の粘度を有し得るが、代替的な粘度を有する成分が更に想到される。好ましい実施形態では、第2の成分は、室温で、200cP以下の粘度を有する。
【0031】
第2の成分は、イソシアネート化合物を含む。イソシアネート化合物は、2以上の平均イソシアネート官能価を有する。好適なイソシアネート化合物としては、室温(約25℃~約35℃)で300cP以下、約200cP以下、又は約100cP以下の粘度を有するものを含む、室温で液体であるものが挙げられる。いくつかの実施形態では、イソシアネート化合物は、モノマーであり得る。いくつかの実施形態では、イソシアネート化合物は、プレポリマーであり得る。例えば、イソシアネート化合物は、イソシアネート末端オリゴマーなどのイソシアネート化合物と反応するポリマーであり得る。いくつかの実施形態では、イソシアネート化合物は、ポリメリックイソシアネートであり得る。
【0032】
好適なイソシアネート化合物としては、芳香族ジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート、又は脂肪族ジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネートが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、イソシアネート化合物は、イソシアネートによって置換された、1~10個の脂肪族基又は芳香族基を有する。
【0033】
好適なイソシアネート化合物としては、その異性体を含むジフェニルメタンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、カルボジイミド変性MDI、水素化メチレンジフェニルイソシアネート(HMDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ポリメリックメチレンジフェニルイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-2,2’-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4’-ジイソシアネート、及び他のオリゴマーメチレンイソシアネートなどのメチレンジフェニルイソシアネート化合物;その異性体を含むトルエンジイソシアナート化合物(TDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、ナフチレンジイソシアネートの異性体、トリフェニルメタントリイソシアネートの異性体、並びにこれらの混合物及び組み合わせが挙げられるが、追加的なイソシアネートが更に想到される。いくつかの例では、例えば水素化芳香族ジイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、又はシクロ脂肪族ポリイソシアネートを含む、脂肪族ジ、トリ、及びポリイソシアネートもまた、好適なイソシアネート化合物であるが、追加的なイソシアネートが更に想到される。市販されている好適なイソシアネート化合物としては、ISONATE 143Lの商品名で販売されている変性液体MDI(Midland、MIにあるThe Dow Chemical Companyから入手可能)、又はRUBINATE Mの商品名で販売されているポリメリックMDI(Woodlands、TXにあるHuntsman Corporationから入手可能)が挙げられる。
【0034】
いくつかの実施形態では、イソシアネート化合物は、第2の成分の総重量に基づいて、約20パーセント、約30パーセント、又は40パーセントから、約70パーセント、約80パーセント、約90パーセント、又は約100パーセントの重量パーセントで、又は任意の一対の上記の値の間の重量パーセントで、第2の成分中に存在する。好ましい実施形態では、イソシアネート化合物は、第2の成分の総重量に基づいて、約50パーセント、約55パーセント、又は約60パーセントから、約70パーセント、約75パーセント、約80パーセント、又は約85パーセントの重量パーセントで、又は任意の一対の上記の値の間の重量パーセントで、第2の成分中に存在する。1種を超えるイソシアネート化合物を有する実施形態では、第2の成分中に存在する全てのイソシアネート化合物の合計量は、第2の成分の総重量に基づいて、約20パーセント、約30パーセント、又は約40パーセントから、約70パーセント、約80パーセント、約90パーセント、又は約100パーセントの組み合わせ重量パーセント、又は任意の一対の上記の値の間の重量パーセントを有する。
発泡剤
【0035】
ポッティング組成物は、発泡剤を含む。好適な発泡剤は、ポッティング組成物の残留成分と反応して、ポッティング化合物が硬化したときに空洞を形成するガスのポケットをポッティング組成物内に作成することができるものである。化学発泡剤としては、水、(例えば、ビニルのための)アゾジカルボンアミド、熱可塑性フォーム及びエラストメリックフォームのためのヒドラジン及び他の窒素系材料、並びに熱可塑性発泡体のための重炭酸ナトリウムが挙げられる。いくつかの実施形態では、発泡剤は、ガスであり得る。例えば、発泡剤は、バッテリポッティング組成物内に注入して、ポッティング組成物の成分が混合された時点で、ポッティング組成物内にガスのポケットを作成するガスであり得る。バッテリポッティング組成物内に注入することができる好適な発泡剤としては、窒素又は二酸化炭素が挙げられる。
【0036】
いくつかの実施形態では、発泡剤は、液体であり得る。いくつかの実施形態では、発泡剤は、水である。例えば、ポッティング化合物がポリウレタンから形成される場合は、ポリウレタン成分が混合されるときに、ポリウレタン形成成分と反応して、二酸化炭素ガスを形成するために、水を含み得る。二酸化炭素ガスは、液体ポッティング組成物内に気泡を形成する。気泡は、ポリウレタンが硬化して硬くなった後にその中に空洞を形成し、フォームポッティング化合物をもたらす。いくつかの実施形態では、発泡剤は、第1の成分の総重量に基づいて、0超、約0.1パーセント、約0.5パーセント、約1.0パーセントから、約1.5パーセント、約2.0パーセントから、約2.5パーセント、又は約3.0パーセントの重量パーセント、又は任意の一対の上記の値の間の重量パーセントで、ポッティング組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、発泡剤が第1の成分中に含まれ得る。例えば、いくつかの実施形態では、発泡剤は、第1の成分中に含まれる液体発泡剤であり得る。
難燃剤成分
【0037】
ポッティング組成物は、難燃剤成分を含む。難燃剤成分は、好ましくは、室温で液体である。いくつかの実施形態では、ポッティング組成物は、2種以上の難燃剤成分を含む。難燃剤成分は、第1の成分又は第2の成分の一方又は両方に存在し得る。いくつかの実施形態では、第1の成分は、第1の難燃剤成分を含み得、第2の成分は、第2の難燃剤成分を含み得る。
【0038】
好適な難燃剤成分としては、室温(約25℃~約35℃)で、約30cP、約40cP、約100cP、約200cP、約300cP、又は約400cPから、約600cP、約700cP、約800cP、又は900cP、又は約2000cPの粘度、又は任意の一対の上記の値の間の粘度を有するものが挙げられ得るが、代替的な粘度を有する液体難燃剤が更に想到される。好適な液体難燃剤成分としては、室温で約300cP以下の粘度を有するものが挙げられる。例えば、好適な液体難燃剤成分としては、室温で、約40、約60、又は約80、又は約100から、約150、約200、約250、又は約300の粘度、又は任意の一対の上記の値の間の粘度を有するものが挙げられるが、追加的な粘度を有する難燃剤が更に想到される。
【0039】
いくつかの実施形態では、難燃剤成分は、リン酸エステルを含む。難燃剤成分は、ハロゲン化リン酸エステルを含み得る。難燃剤成分は、臭素化リン酸エステル又は塩素化リン酸エステルの一方又は両方を含み得る。例えば、好適な液体難燃剤は、トリス(2-クロロイソプロピル)リン酸であり得る。
【0040】
難燃剤成分としては、臭素化ジオール、臭素化モノアルコール、臭素化エーテル、臭素化リン酸、及びこれらの組み合わせを含む臭素化有機化合物といった、他の例が挙げられ得る。好適な臭素化有機化合物としては、テトラブロモビスフェノール-A、ヘキサブロモシクロドデカン、ポリ(アクリル酸ペンタブロモベンジル)、アクリル酸ペンタブロモベンジル、テトラブロモビスフェノールA-ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル)、トリブロモフェノール、ジブロモネオペンチルグリコール、トリブロモネオペンチルアルコール、リン酸トリス(トリブロモネオペンチル)、及び4,4’-イソプロピリデンビス[2-(2,6-ジブロモフェノキシ)エタノール]が挙げられ得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、好適な市販の難燃剤成分は、(St.Louis、MOにあるICL Industrial Productsから)FYROL PCFの商品名で販売されている塩素化リン酸エステルであり得る。
【0042】
難燃剤成分は、第1の成分又は第2の成分のうちの少なくとも一方に存在する。難燃剤成分は、難燃剤成分が存在する成分(第1の成分又は第2の成分のいずれか)の合計重量に基づいて、0超パーセント、約10パーセント、約20パーセント、又は約30パーセントから、約40パーセント、約50パーセント、又は約60パーセント、約70パーセントの重量パーセントで、又は任意の一対の上記の値の間の重量パーセントで、第1の成分又は第2の成分のうちの少なくとも一方に存在し得る。いくつかの実施形態では、難燃剤成分は、第1の成分及び第2の成分の両方に存在し得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、ポッティング組成物の難燃剤成分の合計量は、ポッティング組成物の総重量に基づいて、約15パーセント、約20パーセント、約25パーセント、又は約30パーセントから、約40パーセント、約45パーセント、約50パーセント、約55パーセント、又は約60パーセントの重量パーセントであるか、又は任意の一対の上記の値の間の重量パーセントである。例えば、第1の難燃剤成分は、第1の成分の合計重量に基づいて、約30パーセント、約35パーセント、又は約40パーセントから、約45パーセント、約50パーセント、又は約55パーセントの重量パーセントで、又は任意の一対の上記の値の間の重量パーセントで、第1の成分中に存在し得、第2の難燃剤成分は、第2の成分の総重量に基づいて、約20パーセント、約25パーセント、又は約30パーセントから、約35パーセント、約40パーセント、又は約45パーセントの重量パーセントで、又は任意の一対の上記の値の間の重量パーセントで、第2の成分中に存在し得る。
【0044】
いくつかの場合では、ポッティング組成物中の難燃剤成分の好適な量は、他の所望の特性を危殆化することなく、好適なレベルの難燃性を提供することが分かっている。例えば、いくつかの場合では、特定のフォーム化合物の剛性、硬度、柔軟性、耐久性、又は構造弾性は、高レベルの難燃剤が存在するときに不適当であり得る。いくつかの実施形態では、好適なレベルの難燃性を提供し、かつ適切に強いポッティング化合物を提供するための、ポリウレタンフォーム中の難燃剤成分の好適な重量パーセントは、ポッティング組成物の合計重量に基づいて、約25パーセント、約30パーセント、又は最低約35パーセントから、約40パーセント、約45パーセント、又は約50パーセントであり得る。
任意の追加的な添加剤
【0045】
ポッティング組成物は、第1の成分及び/又は第2の成分を形成するための別々の構成要素として、又は上で説明した成分の1種又は2種以上に混合されるものとして、追加的な添加剤を随意に含むことができる。任意の追加的な添加剤は、ポッティング組成物の合計重量に基づいて、0超、約0.1、約0.5、又は約1から、約5、約10、約20パーセント、又は約30パーセントの重量パーセントで、又は任意の一対の上記の値の間の重量パーセントで、ポッティング組成物中に存在し得る。随意の追加的な添加剤の重量パーセンテージを、存在する全ての追加的な添加剤の組み合わせた全体に、又は別個に各追加的な添加剤に適用することができる。
【0046】
第1の成分又は第2の成分のどちらか又は両方に加えることができる追加的な添加剤のいくつかの例としては、架橋剤、鎖延長剤、湿潤剤、チキソトロップ、成核剤、界面活性剤、希釈剤、沈降防止剤、難燃性エンハンサ、並びにこれらの成分及び組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、任意の追加的な添加剤としては、ワックス、離型剤、酸化防止剤、補強充填剤、色素、熱安定剤、UV安定剤、可塑剤、レオロジー改質剤、加工助剤、潤滑油、離型剤、又は、これらの成分若しくは組み合わせが挙げられる。好適な補強充填剤としては、鉱物充填剤及びガラスファイバが挙げられる。
【0047】
追加的な成分の更なる例としては、触媒が挙げられる。ポリウレタンポッティング組成物の例では、当業者に知られている任意の従来の触媒を使用して、イソシアネート化合物と、イソシアネート反応性化合物及び残留成分とを反応させることができる。好適な触媒としては、トリオール触媒、テトラポリオール触媒、又は第三級アミン触媒が挙げられるが、これらに限定されない。好適な触媒の更なる例としては、アルキル部分が1~約20個の炭素原子を有するビスマス又はスズなどの、様々なアルキルアミン、アルキルエーテル、又はアルキルチオールエーテルが挙げられる。いくつかの例としては、オクタン酸ビスマス、ラウリン酸ビスマス、などが挙げられる。他の触媒としては、オクタン酸第一スズ、ジオクタン酸ジブチルスズ、ジラウリン酸ジブチルスズ、などの様々なスズ触媒が挙げられる。
【0048】
ポリウレタンポッティング組成物の例では、存在する触媒の量は、バッテリポッティング組成物の合計重量に基づいて、0超、約0.02、約0.05、又は約0.1から、約0.25、約0.75、又は約1パーセント、又は任意の一対の上記の値の間の重量パーセントであり得る。いくつかの実施形態では、架橋剤又は湿潤剤は、0超、約0.1、約0.5、又は約1から、約1、約5、約7、又は約10パーセントで、又は任意の一対の上記の値の間の重量パーセントで、ポッティング組成物中に存在し得る。いくつかの実施形態では、例えばフォーム構造を安定させるのを、又は湿潤させるのを補助するのに好適な界面活性剤は、ポッティング組成物の合計重量に基づいて、0超、約0.1、約0.5、又は約1から、約2、約3、又は約4パーセントで、又は任意の一対の上記の値の間の重量パーセンテージで、ポッティング組成物中に存在し得る。いくつかの実施形態では、成核剤は、バッテリポッティング組成物の合計重量に基づいて、0超、約0.1、又は約0.5から、約1、約1.5、又は約2パーセントの重量パーセントで、又は任意の一対の上記の値の間の重量パーセントで、バッテリポッティング組成物中に存在し得る。
【0049】
第1の成分及び第2の成分は、難燃剤成分を有するポッティング組成物を形成するように組み合わせられる。例えば、フォームポッティング組成物を形成するために使用されるポリウレタンの実施形態では、第1の成分及び第2の成分は、ポリウレタンを形成するように構成される。ポリウレタンは、ポッティング組成物の総重量に基づいて、約30パーセント、約40パーセント、又は約50パーセントから、約60パーセント、約70パーセント、又は約80パーセントの重量パーセントで、又は任意の一対の上記の値の間の重量パーセントで、ポッティング組成物中に存在し得る。いくつかの場合では、ポッティング組成物中に存在するポリウレタンの量を算出するための1つの技術は、出発成分に基づく理論計算を使用することである。ポリウレタンを形成する(出発成分が収率100%のポリウレタンを生成するためのものであった場合)、全ての成分の重量パーセンテージが合計される。次いで、そうした成分の合計量を、ポッティング組成物中のポリウレタン重量パーセントに到達するためのポッティング組成物の合計量の重量パーセントとしてとる。
【0050】
第1の成分と第2の成分とを反応させるために、任意の既知のプロセスが使用され得る。ポリウレタンポッティング組成物を含む実施形態では、第1の成分及び第2の成分を組み合わせてポリウレタンフォームを作製するために、任意の既知の方法が使用され得る。いくつかの実施形態では、組み合わせるための方法は、全ての反応物をバケット又は反応器などの混合容器中で混合して、反応させる、及び/又は適用する、「ワンショット」プロセスであり得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、イソシアネート化合物と、イソシアネート反応性成分の合計当量との重量の比率は、約0.60、約0.65、約0.70、又は約0.75から、約0.80、約0.85、約0.90、又は約0.95、又は任意の一対の上記の値の間の比率であり得る。いくつかの実施形態では、イソシアネート化合物と、イソシアネート反応性化合物との比率は、イソシアネート反応性化合物上のイソシアネート反応基の合計数に対する過剰な反応性イソシアネート等価物が使用されるように選択される。
【0052】
いくつかの実施形態では、第1の成分のポリオールは、約10パーセント、約20パーセント、約30パーセント、約40パーセントから、約50パーセント、約60パーセント、約70パーセント、又は約80パーセント、又は任意の一対の上記の値の間の重量パーセントで、ポッティング組成物中に存在し得る。
【0053】
図1は、例示的なバッテリモジュール10の斜視図である。
図1に示されるように、バッテリモジュール10は、電気セル20と、バッテリケース22と、を含む。いくつかの実施形態では、電気セル20は、バッテリケース22内に位置決めされ、ポッティング化合物24内にポッティングされ得る。電気セル20は、一般に、底部30、頂部32、及びそれらの間に画定された長さを有する、任意の適切な形状であり得る。バッテリケース22は、一般に、底部36、頂部38、及びそれらの間に画定された壁40を有する、電気セル20を保持するための任意の適切な形状であり得る。バッテリケース22の底部36は、内面及び外面を画定し、バッテリケースの壁40は、内面及び外面を画定する。バッテリケース22は、内部容積を有する密閉空間を画定する。ポッティング化合物24は、バッテリケース22内に位置決めされ、バッテリケース22の内部容積の一部分を占める。ポッティング化合物24は、一般に、頂部42、底部44、及びその間に画定された高さを有する。
【0054】
図2は、
図1に示されるバッテリモジュール10の上面図である。
図2に示されるように、バッテリケース22は、電気セル20、及びワイヤ又は接続部などの他の構成要素を取り囲むのに十分大きい密閉空間を形成する。閉鎖空間は、バッテリケース22の内部容積を画定する。バッテリケース22の底部36は、閉鎖することができ、また、閉鎖空間の任意の内容物も含有することができる。バッテリケース22の頂部38は、開口部を画定することができる。頂部38及び/又は開口部は、カバーを受容するように成形及びサイズ決定され得、カバーは、バッテリケース22の外部から密閉空間の内部容積を分離するために閉鎖することができる。カバーは、バッテリケース22の外部から密閉空間の内部容積を封止して、流体又は炎などの潜在的危険源の侵入を防止するように構成され得る。バッテリケース22は、機械的又は構造的な支持を電気セル20に提供するように設計及び構成され得る。バッテリケース22はまた、電気セル20に損傷を与え得る湿気、熱、寒さ、又は任意の他の潜在的要因からの保護を提供するように構成され得る。
【0055】
示されるように、1つの可能な配設では、電気セル20は、円筒として成形され得る。更なる実施例では、電気セル20は、必要に応じて、立方体、球体、角錐などのような、任意の適切な形状に形成又はサイズに形成することができる。
図1に示される電気セルは、底部30、頂部32、及び底部30と頂部32との間に延在する壁を有する、円筒として成形される。底部30は、所望の配向に応じて、電気セル20の陽極端子であり得るか、又は負極端子であり得る。示されるように、電気セル20の底部30は、ポッティング化合物24内に位置決めされる。ポッティング化合物24は、バッテリケース22の内部容積の一部分を占め、また、バッテリケース22の底部36から頂部38に向かって壁40に沿った様々な地点において、実質的に等しい距離だけ延在する。
【0056】
電気セルは、バッテリを形成するために使用され得る。例えば、複数の電気セルを組み合わせて、単一の電気セルよりも高い電圧又はアンペアを有する単一のバッテリが形成され得る。
【0057】
図3は、電気セル52を含むバッテリモジュール50の正面図である。電気セル52の各々は、底部60と、頂部62と、長さを画定するそれらの間の壁と、を有する。電気セル52は、バッテリケース54内に位置決めされ得る。電気セル52は、各電気セルと、隣接する電気セルとの間に空隙80を画定する。空隙80は、幅を有する。バッテリケース54は、底部66と、頂部68と、それらの間の壁70と、を有する。底部66及び壁70は、密閉空間を画定する。バッテリケース54の密閉空間は、内部容積を画定する。バッテリケース54の内部容積は、電気セル52及びポッティング化合物56を受容するための好適な容積を有する。ポッティング化合物56は、底部82と、頂部84と、それらの間の高さ86と、を有する。ポッティング化合物56の底部82は、バッテリケース54の底部66の内面に隣接している。示されるように、ポッティング化合物56の頂部84は、バッテリケース54の底部66と頂部68との間にある。典型的に、ポッティング化合物56の頂部84は、電気セル52の頂部62よりも低いが、代替的な配設では、電気セル52の頂部62が、ポッティング化合物56の頂部84よりも低くなり得ることが想定される。
【0058】
示されるように、複数の電気セル52は、互いに近接させて配設することができ、電気セル52の各々は、同様に帯電した端子を同じ方向に向けて配向される。ワイヤは、電気セル52の端部に取り付けられ得る。ワイヤは、電気セル52からの電流を組み合わせて、例えば、組み合わせた電流又は電圧を有するバッテリを形成するように、電気通信で組み合わせられ得る。バッテリモジュール50は、家庭電化製品、屋外用電気機器、又は自動車若しくはボートなどの車両、などのいくつかの用途のいずれかに給電するために使用され得る。
【0059】
電気セル52を組み合わせてバッテリを形成するために、電気セル52は、電気セル52から電流を伝導するワイヤと接続される。電気セル52は、しばしば、互いに隣り合わせて、例えば列に又は積み重ねて配設して、使い易くするための、及び/又はワイヤを電気セル端子に接続するための規則正しい配設を形成する。空間を節約するために、及びコンパクトなバッテリを形成するために、電気セル52は、互いに隣接して位置決めされ得る。例えば、電気セル52は、列に、又はグリッドとして配設することができ、正極端子及び負極端子は、同じ方向に配向される。電気セル52は、規則正しい配設で位置決めし、バッテリケース54内に含めることができるが、いくつかの実施例では、バッテリケース54なしでバッテリモジュールが形成され得ることが想定される。例えば、電気セル52は、例えばワイヤ、ストリング、バンドなどの代替的な固定装置を使用して、電気セル52を束にして保持することができる。
【0060】
いくつかの場合では、いくつかの例として、例えばオートバイ、自動車、又はボートなどの車両の点火を開始するための、又はそれらに給電するためのバッテリの場合には、ポータブルなバッテリを有することが望ましい場合がある。バッテリがポータブルであることが望ましい場合では、典型的に、構造的に安定しており、かつ衝撃及び/又は振動などの力に耐えるようにしたバッテリを提供することが好ましい。また、いくつかの場合では、バッテリの通常動作温度以外の温度を含む、極端な温度に耐えるようにしたバッテリを提供することも望ましい。例えば、いくつかの場合では、バッテリは、高い熱を受ける場合があり、場合によって炎を生じ得る。1つの可能性のある炎源は、例えば電気短絡の結果として、又は電気セル壁の構造が危殆化した場合に、電気セルの1つ又は2つ以上であり得る。電気セル52を保護するために使用され得る1つの例示的な装置は、ポッティング化合物56である。ポッティング化合物56は、頂部、底部、又は電気セルの壁の1つ又は2つ以上に沿って電気セル52の周囲に位置決めされるなどの、電気セル52と関連付けることができる。1つ又は複数の電気セル52をポッティング化合物56内に収容又は埋設することができ、これは、互いに対する空間関係で及び/又はバッテリケース54に対する空間関係で電気セル52を保持する。
【0061】
図3に示されるように、電気セル52は、ポッティング化合物56内に位置決めされる。ポッティング化合物56は、電気セル52の各々の周囲に位置決めされる。バッテリが複数の電気セル52を含む場合では、ポッティング化合物56は、各電気セルの周囲に、及び個々の電気セル52の間に画定された空隙80又は空間内に位置決めされ得る。バッテリがバッテリケース54内に含まれる場合は、ポッティング化合物56は、1つ又は複数の電気セル52とバッテリケース54との間に位置決めされ得る。ポッティング化合物56は、好適な構造的又は機械的な支持を電気セル52に提供するように位置決めされ得る。
【0062】
いくつかの場合では、漏出又は火が生じた際に、個々の電気セル52が熱的及び/又は流体的に互いに隔離分離されるように、電気セル52は、隣接する電気セル52の間に好適な距離を伴って位置決めされ得る。いくつかの場合では、十分な衝撃の緩衝を提供して、電気セル52への損傷を防止するために、ポッティング化合物56の好適な厚さを隣接する電気セル52の間に位置決めされるように、電気セル52は、隣接する電気セル52の間に好適な距離を伴って位置決めされ得る。隣接する電気セル52及び/又はバッテリケース54の間の空間又は空隙80のサイズは、各電気セルのサイズ及び/又は重量、各電気セルの動作温度、各電気セルの寸法、並びにバッテリモジュール50の使用意図が挙げられるが、これらに限定されない、いくつかの変数に基づいて選択することができる。いくつかの実施例では、隣接する電気セル間の空間のサイズは、0mm超、約0.25mm、約0.50mm、約0.75mmから、約1.0mm、約1.5mm、又は約2.0mm、又は任意の一対の上記の値の間の長さであり得るが、追加的な構成を有するバッテリモジュールが更に想到される。いくつかの実施例では、電気セルとバッテリケースとの間の空間のサイズは、0mm超、約1.0mm、約2.0mm、約3.0mmから、約10mm、約12mm、又は約14mmであり得るが、追加的な構成を有するバッテリモジュールが更に想到される。
【0063】
いくつかの実施形態では、ポッティング化合物56は、最初に、ポッティング組成物などの材料を、1つ又は2つ以上の電気セル52を保持するためのポッティング化合物56によって画定された空間を有する適切な形状に成形することによって形成することができる。ポッティング化合物56は、ポッティング化合物56がバッテリケース54内に位置決めされるようにサイズ及び形状を有するポッティング組成物を成形すること、及び空間内に位置決めされた1つ又は2つ以上の電気セル52を保持するために1つ又は2つ以上の空間を画定することによって形成され得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、ポッティング化合物56は、最初に、電気セル52を、例えばワイヤと共に又はバッテリケース54内に保持される、所望の最終位置に配設することによって形成することができる。電気セル52は、モールド又は足場を使用して、互いとの空間関係で適所に保持することができる。電気セル52は、電気セル52を取り囲むモールド又は他のケース内で適所に保持され、位置決めされ得る。更なる実施例では、電気セル52は、互いに対する空間関係で所望の最終位置に配設して、例えばバッテリケース54の底部66の内面に静置して、バッテリケース54内に配置することができる。電気セル52の所望の配設が達成された時点で、電気セル52の周囲に、及び隣接する電気セル52の間に画定された空隙80又は空間を通してポッティング組成物を流すことによって、ポッティング化合物56を形成することができる。ポッティング組成物は、隣接する電気セル52の間に、及び電気セル52とバッテリケース54の壁70との間に画定された空隙80を通ってポッティング組成物が流れるように、液体として適用することができる。上で説明したように、ポッティング組成物は、適用された後に固体に硬化し、ポッティング化合物56を形成する液体として適用されるように構成され得る。いくつかの実施形態では、ポッティング組成物は、ポッティング組成物が電気セル52の周囲に、及び隣接する電気セル52の間に画定された空隙80を通って流れ、次いで、反応の完了後に硬くなる液体として適用されるように、反応性であり得る。
【0065】
ポッティング組成物は、隣接する電気セル52の空隙80を通って流れ、電気セル52の周囲に、及び電気セル52の間に画定された空隙80又は空間内で水平高さに安定することができる。例えば、
図3を参照すると、ポッティング組成物は、電気セル52がその中に配設されたバッテリケース54の中へ注入することができる。液体ポッティング組成物は、液体ポッティング組成物が、隣接する電気セル52の間に、及び/又は電気セルとバッテリケース54との間に、空隙80によって画定された空間を通って流れることを可能にするように、硬化前に十分な流動性を有する。液体ポッティング組成物は、ポッティング化合物を形成するために、実質的に水平高さに安定するように、硬化前に十分な流動性を有する。
【0066】
本明細書で使用するとき、流動性とは、物質が特定の一組の条件の下で移動する容易性を指す。これらの条件のうちのいくつかとしては、物質の温度、物質の粘度、又は物質が通って流れることができる空間のサイズを挙げることができる。例えば、液体であるポッティング組成物の場合、液体の流動性は、注入されたときに液体がどのように振る舞うか、及び隣接する電気セルの間を、及び/又は電気セルとバッテリケースとの間をどのくらい良好に流れるか、を左右する。
【0067】
好ましい実施形態では、ポッティング組成物は、ポッティング組成物が硬化してポッティング化合物56を形成する前に、ポッティング組成物を電気セル又は電気セル52の周囲に注入し、電気セル又は電気セル52の周囲で実質的に水平高さに安定させることができるように、十分な流動性を有する。すなわち、ポッティング組成物は、高さ86まで分散するのに十分な流動性を有し、この高さは、ポッティング組成物が硬化して、ポッティング化合物を形成する前に、(例えば、バッテリケース54の全体にわたる)電気セル52の周囲の様々な位置で実質的に同じである。
【0068】
いくつかの実施形態では、実質的に水平高さを決定するために、ポッティング化合物56の高さ86を、ポッティング化合物の底部82からポッティング化合物56の頂部84まで測定することができる。この高さは、ケースの2つの対向側部から等距離などの、ポッティング化合物56の全体にわたる様々な位置(例えばバッテリケース54の壁の近くで)で、バッテリケース54の中心に向かって測定することができる。本明細書で使用するとき、実質的に水平高さとは、様々な位置のポッティング化合物の高さ86の測定値が互いの20パーセント以内にあることを意味する。
【0069】
いくつかの場合では、ポッティング化合物56の実質的に水平高さを決定するための検査は、以下のとおりであり得る。互いに隣り合って配設された電気セル52を有するバッテリモジュール50などのバッテリに関して、電気セル52が同じ長さであり、かつバッテリケース54の底部及び/又は頂部から同じ距離に位置決めされている場合、ポッティング化合物56が電気セル52の各々の長さに沿ってほぼ同じ距離にあれば、ポッティング化合物は、実質的に水平高さにある。本明細書で使用するとき、ほぼ同じ距離とは、距離の測定値の各々が互いの20パーセント以内であるものと定義される。いくつかの場合では、この試験を使用して、隣接する電気セル52の間の各空隙80の平均サイズが、例えば約1mm~約3mmの幅であるときの、ポッティング化合物56の実質的に水平高さが決定され得る。
【0070】
実質的に水平高さを形成するために十分な流動性を有するポッティング組成物を有することは、実質的に同じ高さで電気セルの各々を封入する、ポッティング化合物を形成する。これは、電気セルの各々の周囲に一貫した量の封入を提供する。これは、電気セル52の好適な封入が、火又は炎を封じ込めるための好適な量の構造安定性及び/又は好適な量の難燃剤などの、好適なレベルの保護を確実にすることを確実にし得る。実質的に水平高さを有するポッティング化合物を有することは、バッテリモジュール50の重量をバッテリモジュール50の全体にわたってバランスさせるのを補助することができる。好適なバランス又は重量分布は、例えば移動車両において使用されるときに、バッテリモジュール50の安定した状態を維持するのを補助する。適切にバランスさせたバッテリモジュールは、左右、前後、又は加速などの外力に応答して揺動又は傾動する傾向がより少なくなり得るので、車両における使用に好ましくなり得る。
【0071】
バッテリモジュールをよりポータブルにし得るので、また、バッテリモジュールを移動させるために必要なエネルギー量を低減させ得るので、低重量であるバッテリモジュールを有することが好ましくなり得る。例えば、電気自動車では、より重い実施形態と同じ電力量を生じることができる、より軽いバッテリモジュールを有することが有利であり得る。これを達成するための1つの選択肢は、同じタイプ及び数の電気セルを使用することであり得るが、他の構成要素の重量を低減させることであり得る。ポッティング化合物の密度を低減させることは、他の所望の品質を低減させることなく、ポッティング化合物の全体的な重量を低減させるのを補助し得る。また、難燃剤成分を有することは、バッテリモジュールからの無制御の火事の可能性を低減させるのも補助する。
【0072】
完全に硬化した後に、ポッティング化合物は、ある程度の弾力性を有し、それによって、バッテリモジュールの使用中にバッテリモジュールに付与される衝撃又は振動を緩和し得る。これは、電気セルの間の衝突及び/又はワイヤからの電気セルの取り外しによって生じる安全上の問題を防止するのを補助し得る。
【0073】
硬化したポッティング化合物は、ある程度の多孔性を有することができ、バッテリモジュールの安全性能を高めるために、1つの電気セルが安全上の問題及び漏出に関与した場合、流体又はガスなどの漏出材料が、隣接する電気セルの間に位置決めされたポッティング化合物によって封じ込められ、隔離されるように制御される。加えて、バッテリモジュールは、単純な構造、低密度、小さいサイズ、及び低コストといった利点を有する。
【0074】
低密度を有し、難燃剤を含有し、かつフォームであるポッティング化合物を開示する。ポッティング化合物は、バッテリモジュールを形成する際の使用に好適である。また、バッテリモジュールの全体にわたって実質的に水平高さを有するポッティング化合物を形成するための好適な流動性を有するポッティング組成物も開示する。
【0075】
図4は、例示的なバッテリモジュール100の斜視図である。
図4に示されるように、バッテリモジュール100は、電気セル120と、バッテリケース122と、を含む。いくつかの実施形態では、バッテリモジュール100は、1つを超える電気セル120を含む。電気セル120は、一般に、底部130、頂部132、及びそれらの間に画定された長さを有する、任意の適切な形状であり得る。バッテリケース122は、バッテリケース122内に電気セル120を位置決めするための任意の適切な形状であり得る。バッテリケース122は、一般に、底部136、頂部138、及びそれらの間に画定された壁140を有する、任意の好適な三次元形状であり得る。バッテリケース122の底部136は、内面及び外面を画定し、バッテリケース122の壁140は、内面及び外面を画定する。バッテリケース122は、内部容積を有する密閉空間を画定する。
【0076】
示されるように、電気セル120は、バッテリケース122内に位置決めされ得る。同じく示されるように、電気セル120は、ポッティング化合物124と関連付けられる。ポッティング化合物124は、バッテリケース122内に位置決めされ、バッテリケース122の内部容積の一部分を占める。
【0077】
いくつかの実施形態では、バッテリケース122は、電気セル120、及びワイヤ、端子、又は接続部などの他の構成要素を取り囲む密閉空間を形成する。密閉空間は、バッテリケース122の内部容積を画定する。バッテリケース122の頂部138は、開口部を画定し得る。頂部138は、カバーを受容するように成形及びサイズ決定され得、カバーは、バッテリケース122の外側から密閉空間の内部容積を分離するために閉鎖することができる。バッテリケース122は、機械的又は構造的な支持を電気セル120に提供するように構成され得る。バッテリケース122は、電気セル120への潜在的損傷、例えば湿気、熱、寒さ、化学薬品、衝撃、振動、パンク、又は炎からの保護を提供するように構成され得る。いくつかの実施形態では、バッテリケース122は、例えば、電気セル120の下側、第1の及び隣接する電気セル120の間、電気セル120の上側、又は電気セル120とバッテリケースの壁140との間を含む、電気セル120に対して相対的にポッティング化合物124を受容するように構成され得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、電気セル120に対してポッティング化合物124を位置決めするための方法は、最初に、電気セル120をバッテリケース122の内側に位置決めすることを含む。1つ又は2つ以上の電気セル120は、隣接する電気セル120の間に画定された空隙180を有するバッテリケース内に共に位置決めされ得る。いくつかの実施形態では、空隙180は、電気セル120とバッテリケース122の壁140との間に画定され得る。いくつかの実施例では、ポッティング化合物124は、別々の容器内で準備し、次いで、バッテリケース122の中へ注入することができる。例えば、ポッティング化合物124の成分は、混合して、フォームを形成するように硬化可能である組成物を形成し、次いで、フォームを電気セル120の頂部132に適用することができる。ポッティング化合物124は、厚さを有するポッティング化合物124の層が電気セル120の頂部132の上に配置されるように加えることができる。いくつかの実施形態では、ポッティング化合物124は、隣接する電気セル120の間の空隙180内に位置決めすることができる。ポッティング化合物124は、壁120と電気セル120との間の空隙180内に位置決めすることができる。ポッティング化合物124は、ポッティング化合物124の頂部とバッテリケース122の頂部138との間に空間が画定されるように位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、ある量のポッティング化合物124を、好適な予備成形された形状に硬化させることができ、予備成形された形状は、電気セル120に対する好適な位置でバッテリケース122の中へ加えることができる。
【0079】
図5は、例示的なバッテリモジュール200の上面図である。バッテリモジュール200は、互いに隣接して位置決めされた電気セル220を含む。
図5に示されるように、電気セル220は、頂部238を有するバッテリケース222内に位置決めされる。バッテリケース222は、内部容積を画定する。示されるように、バッテリケース222は、バッテリケース222の頂部232と電気セル220の頂部232との間に空間を伴って、電気セル222をバッテリケース222の内部容積内に位置決めすることができるようにサイズ決定される。また、バッテリケース222の内部容積内に位置決めされたポッティング化合物224も示される。示されるように、ポッティング化合物224は、略平面形状を有し、電気セル220の頂部232に沿って延在する。ポッティング化合物224は、電気セル220の端子290をユーザが利用できるように構成することができる。いくつかの実施形態では、電気セル220は、電気セル220の頂部232に位置決めされた端子290を含む。ポッティング化合物224は、端子290の周囲に、及び電気セル220の頂部232とバッテリケース222の頂部238との間に位置決めすることができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、電気セル220に対してポッティング化合物224を位置決めするための方法は、最初に、電気セル220をバッテリケース222の内側に位置決めすることを含む。ポッティング化合物224は、別々の容器内で準備し、次いで、バッテリケース222の中へ注入することができる。厚さを有するポッティング化合物224の層が、電気セル220の頂部232の上又は隣接する電気セル220の間のうちの少なくとも1つに配置されるように、好適な量のポッティング化合物224を加えることができる。いくつかの実施形態では、ポッティング化合物224の層が、端子290がポッティング化合物224の厚さを通して突出している状態で、電気セル220の頂部232を覆うのに好適な厚さを有するように、ポッティング化合物224を加えることができる。ポッティング化合物は、例えば端子290のポッティング又は封入などによって互いに対して電気セル220を保持することによって、電気セル220を互いに空間関係に維持することができる。
【0081】
図6は、例示的なバッテリモジュール300の分解図である。バッテリモジュール300は、互いに隣接して位置決めされた電気セル320を含む。いくつかの実施形態では、バッテリモジュール300は、バッテリケース322を含む。電気セル220は、端子290が電気セル220の頂部232に位置決めされた状態で示されている。また、電気セル320と関連付けられたポッティング化合物324も示される。
図6に示されるように、電気セル320は、一般に、平面形状を有することができる。示されるように、ポッティング化合物224の区画は、一般に、平面形状を有する。いくつかの構成において、ポッティング化合物324の区画は、隣接する電気セル320の間に位置決めすることができる。例えば、ポッティング化合物324の区画は、平面形状を有することができ、また、電気セル320の平面と平行に位置決めすることができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、電気セル320に対してポッティング化合物324を位置決めするための方法は、最初に、互いに対して空間関係で電気セル320を位置決めすることを含み、次いで、ポッティング化合物324は、隣接する電気セル320の間に画定された空間の中へ位置決めすることができる。例えば、ポッティング化合物324は、隣接する電気セル320の間の空間に注入し、硬化させることができる。更なる一実施例として、ポッティング化合物324は、予備成形された区画の中へ硬化させ、形成することができ、次いで、隣接する電気セル320の間の空間に位置決めすることができる。好適な厚さを有するポッティング化合物324の区画が隣接する電気セル220の間に配置されるように、好適な量のポッティング化合物324を提供することができる。いくつかの実施形態では、ポッティング化合物324の区画が好適なレベルの耐燃性を提供するのに好適な厚さを有するように、ポッティング化合物224の区画を提供することができる。いくつかの実施形態では、ポッティング化合物320は、電気セル320の互いの空間関係を維持することができ、例えば、バッテリモジュール300の衝撃又は振動を吸収する。
【実施例0083】
以下の非限定的な実施例は、本開示の様々な実施形態を更に例示するために含まれており、本開示の範囲を制限するものではない。
試験方法:
粘度試験
【0084】
粘度は、20rpmのスピンドル速度、及び25℃(77°±2°F)の温度で、(Middleboro、MassachusettsにあるAMETEK Brookfieldからの)Brookfield粘度計モデルRVFによって測定する。スピンドルは、試験している組成物に依存して、番号1(最高500cps)、番号2(最高2000cps)、又は番号5(最高20,000cps)のいずれかを使用する。
フォーム濃度の測定
【0085】
空の測定装置、ここでは計量カップの重量は、0.1グラム以内と記録された。測定デバイスの最大容積は、測定装置に水を満たし、測定デバイスの内部容積を満たすために必要な水量を、ミリリットルで記録することによって測定した。様々な成分を計量し、測定装置に加えた。
【0086】
フォームを生成するための成分を、15~20秒にわたって激しく混合した。全ての成分が反応することを確実にするために、測定装置の側部及び底部を十分にスクレープした。測定装置を硬質表面に軽く打ちつけることによって測定装置を激しく叩いて、液体を水平にした。測定装置は、水平面に配置し、フォームを邪魔することなく自由に立ち上がらせた。フォームは、60~70分にわたって硬化及び冷却させた。硬化後に、フォームバン(bun)の頂部を測定装置の頂部と水平に、平坦な工具、この場合ではナイフ又は鋸を使用して切断した。
【0087】
残りのフォームを含む測定装置を計量して、重量をグラムで記録した。残りのフォームを含む測定装置の重量から空の測定装置の重量を減算して、フォームの重量を得た。フォームの重量を測定装置の容積で除算することによって密度を計算した。
流動性試験
【0088】
試験する組成物を、20~25秒の撹拌時間で、手動混合によって混合した。次いで、65~70グラムの試験する組成物の試料を、26個の18650型の円筒バッテリセルを容器内に直立させた8cm×15cm×9cmの容器寸法を有する容器の片側に注入した。試験は、21℃~24℃(約70°F~約75°F)の周囲温度で実行した。
【0089】
組成物は、円筒バッテリセルの間を流れるときに肉眼で観察する。硬化時に組成物が安定するレベルを、バッテリセルの周囲の均一な平面高さにおいてどのくらい十分に組成物が硬化したかに応じて、「許容不可」、「許容可能」、「良好」、又は「非常に良好」で評価した。「非常に良好」は、容器内の試験位置でのばらつきが10%未満である、バッテリセルの周囲の高さに対応する。
燃焼試験
【0090】
燃焼試験は、UL94「プラスチックス材料燃焼性試験」、「垂直燃焼試験(Vertical Burning Test)」方法に従って行った。燃焼試験用試料棒を、長さ125~152mm×幅13mm、厚さ9.5mm又は厚さ6.35mmの寸法を有する金型内で調製した。フォームを8~12時間にわたって金型内で硬化させた後に取り出した。成形後、試料棒を、試験前に、最低48時間にわたって25±2℃及び50±5%のRHで調整した。
【0091】
材料は、5個一組の試験片に関して、バーナーの炎から試験片を取り出した後に個々の試験片の炎が10秒以内に消え、火炎時間後の合計時間が50秒以内であり、かつ綿インジケータにいかなる発火もなかった場合に、V-0と評価した。V-1の評価及びV-2の評価は、5個一組の試験片に関して、バーナーの炎から試験片を取り出した後に個々の試験片の炎が30秒以内に消え、かつ火炎時間後の合計時間が250秒以内である場合と定めた。V-2の評価は、綿インジケータが炎粒子によって着火することを可能にした。
【0092】
ポッティング化合物を形成するための例示的な方法を説明する。この同じプロセスを、全ての試料ポッティング化合物に使用し、各成分の量を下の表1に列記する。
第1の成分及び第2の成分の形成プロセス
【0093】
第1の成分を形成するために、最初に、液体ポリエーテルトリオールを混合容器に加えた。液体ポリエーテルトリオールを混合容器に加えながら、混合を開始した。液体ポリエーテルトリオールを加えるときのミキサー速度は、25~30rpmであった。全ての液体ポリエーテルトリオールを加えた時点で、ミキサー速度を600~800rpmに増速した。
【0094】
次いで、それらが含まれる試料に、液体グリセリン、トリエタノールアミン、ポリエーテル、及び沈降防止剤を混合容器に加えた。次いで、それらが含まれる試料に、チキソトロップ(ヒュームドシリカ)、成核剤、臭素化難燃剤成分、及び難燃剤エンハンサ(三酸化アンチモン)を混合容器に加えた。混合容器の内容物を約15~約20分にわたって混合した。
【0095】
次いで、蒸留水を混合容器に加えた。それらが含まれる試料に、混合容器の内容物を混合しながら、第三級アミン触媒及び界面活性剤を加えた。次いで、リン酸エステル難燃剤を加えた。混合容器の内容物を約30分にわたって混合して、第1の成分を形成した。約30分後に、混合を停止し、混合容器から第1の成分を出して空にした。
【0096】
第2の成分を形成するために、液体イソシアネートを混合容器に加えた。液体イソシアネートを混合容器に加えながら、25~30rpmのミキサー速度で混合した。次いで、第2の成分に含まれる難燃剤を有する試料において、リン酸エステル難燃剤を混合容器に加えた。混合容器の内容物を15~20分にわたって混合して、第2の成分を形成した。15~20分後に、混合を停止し、混合容器から第2の成分を出して空にした。
ポッティング組成物及びポッティング化合物形成プロセス
【0097】
好適な割合の第1の成分及び第2の成分を混合容器に注入した。使用した混合容器は、混合されている材料の総量よりも大きくして、活発に混合することを可能にした。例えば、材料の総量が75グラムの場合、提案される容器の最小サイズは、150mLの混合用容器である。
【0098】
より高い濃度の成分を最初に混合容器の中へ入れ、次いで、第2の成分を第1の成分の上に緩やかに加えた。これは、材料の予反応を、界面での単なる反応に制限するのを補助した。ほぼ全ての測定材料が混合容器に加えられることを確実にするために、個々の計量容器の側部及び底部をスクレープした。
【0099】
タイマーを開始し、材料が外観的に均質かつ均一になるまで、混合容器の内容物を平坦面の撹拌用具によって20~30秒にわたって激しく混合した。混合中に、混合容器の側部及び底部をスクレープした。混合後に、混合容器の内容物を直ちに金型の中へ注入した。
【0100】
非難燃性試料を形成するために、難燃性材料について説明したステップと実質的に同じステップを使用した。しかしながら、難燃剤は、第1の成分又は第2の成分のどちらかに加えた。
【0101】
比較実施例及び試料1~10を、商品名及び入手可能な供給元によって与えられる以下の成分、及び表1に記載した量で準備した:2000MnのPPGジオールポリエーテルポリオール(低粘度ポリオール-EOキャップあり)(Houston、TXにあるMonument Chemical Groupから入手可能なポリG 55-56);グリセリン99.5%(トリオール架橋剤/湿潤剤)(Midland、MIにあるDow Chemical Companyから入手可能);トリエチアノール99%(トリオール架橋剤/湿潤剤/触媒)(Midland、MIにあるDow Chemical Companyから入手可能);ヒュームドシリカ(チキソトロップ)(Essen、GermanyにあるEvonik Industriesから入手可能なAEROSIL200);ステアリン酸亜鉛(成核剤)(Memphis、TNにあるPMC Groupから入手可能なNB-60);ホウ酸亜鉛(難燃剤)(Cologne、GermanyにあるLanxess Aktiengesellschaftから入手可能なZB-467)。エチレンビステトラブロモフタルイミド(臭素化難燃剤)(Baton Rouge、LAにあるAlbemarle Corporationから入手可能なSAYTEX BT-93);蒸留水(フォーム発泡剤);1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン溶液(第三級アミン触媒)(Essen、GermanyにあるEvonik Industriesから入手可能なDABCO 33LV);二酸化チタン(着色剤/成核剤);第三級アミン触媒(Essen、GermanyにあるEvonik Industriesから入手可能なDABCO 8154);700MnのPPGトリオールポリオール(低粘度ポリオール)(Houston、TXにあるMonument Chemical Groupから入手可能なポリG 30-240);700Mnポリエーテルのポヨール(ポリプロピレン酸化物ベースのトリオール)(Leverkusen、GermanyにあるCovestroから入手可能なARCOL LHT-240);4官能性ポリエーテルポリオール(Norwalk、CTにあるArch Chemicals,Inc.から入手可能なポリ-Q 40-800E);280Mnのアミン/PPGテトラポリオール(テトラ架橋剤/湿潤剤/触媒)(Midland、MIにあるThe Dow Chemical Companyから入手可能なVORANOL 800);ポリエーテルポリオール(Midland、MIにあるThe Dow Chemical Companyから入手可能なVORANOL 230-238);シリコーン界面活性剤(フォームセル界面活性剤)(Dow Chemical Companyから入手可能なVORASURF DC5160);ハロゲン化リン酸エステル(難燃剤)(St.Louis、MOにあるICL Industrial Productsから入手可能なFYROL PCF);トリメチルペンタニルジイソブチレート(粘度希釈剤)(Kingsport、TNにあるEastman Chemical Companyから入手可能なEASTMAN TXIB);リン酸エステル(難燃剤)(St.Louis、MOにあるICL Industrial Productsから入手可能なFYROL A710);イソプロピル化トリアリールリン酸エステル(リン系難燃剤)(Cologne、GermanyにあるLanxess Aktiengesellschaftから入手可能なREOFOS 35);リン酸クレジルジフェニル(難燃剤)(Cologne、GermanyにあるLanxess Aktiengesellschaftから入手可能なKRONITEX CDP);三酸化アンチモン(難燃剤性能向上剤)(Gloucester City、NJにあるAmspec Chemical Corporationから入手可能なAMSPEC SELECT);変性尿素溶液(レオロジー添加剤/沈降防止剤)(Wallingford、CTにあるBYK USA Inc.,から入手可能なBYK-410);変性液体MDI(イソシアネート-29% NCO)(Midland、MIにあるDow Chemical Companyから入手可能なISONATE 143L);ポリメリックMDI(官能価2.7)(Woodlands、TXにあるHuntsman Corporationから入手可能なRUBINATE M)。
【0102】
組成物は、上で説明した試験方法に従って作製し、試験した。結果及び所見を表1に記載する。
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
試料11~14を、試料1~10に関する説明に類似するプロセスによって準備した。試料11~14は、商品名及び入手可能な供給元によって与えられる以下の成分、及び表2に記載した量で準備した:グリセリン99.5%(トリオール架橋剤/湿潤剤)(Midland、MIにあるDow Chemical Companyから入手可能);トリエチアノール99%(トリオール架橋剤/湿潤剤/触媒)(Midland、MIにあるDow Chemical Companyから入手可能);ヒュームドシリカ(チキソトロップ)(Boston、MAにあるCabot Corp.から入手可能なTS-720);ステアリン酸亜鉛(成核剤)(Memphis、TNにあるPMC Groupから入手可能なNB-60);エチレンビステトラブロモフタルイミド(臭素化難燃剤)(Baton Rouge、LAにあるAlbemarle Corporationから入手可能なSAYTEX BT-93);蒸留水(フォーム発泡剤);1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン溶液((第1の)第三級アミン触媒)(Essen、GermanyにあるEvonik Industriesから入手可能なDABCO 33LV));(第2の)第三級アミン触媒(Essen、GermanyにあるEvonik Industriesから入手可能なDABCO DMDEE);700MnのPPGトリオールポリオール(低粘度ポリオール)(Houston、TXにあるMonument Chemical Groupから入手可能なポリG 30-240);280Mnのアミン/PPGテトラポリオール(テトラ架橋剤/湿潤剤/触媒)(Midland、MIにあるThe Dow Chemical Companyから入手可能なVORANOL 800);シリコーン界面活性剤(フォームセル界面活性剤)(The Dow Chemical Companyから入手可能なVORASURF DC5160);ハロゲン化リン酸エステル(難燃剤)(St.Louis、MOにあるICL Industrial Productsから入手可能なFYROL PCF);シリコーン界面活性剤(Evonik Industriesから入手可能なEPH190);ジアミン(硬化剤)(Allendale、NJにあるLonza,Inc.,から入手可能なLONZACURE DETDA80);三酸化アンチモン(難燃剤性能向上剤)(Gloucester City、NJにあるAmspec Chemical Corporationから入手可能なAMSPEC SELECT);変性尿素溶液(レオロジー添加剤/沈降防止剤)(Wallingford、CTにあるBYK USA Inc.,から入手可能なBYK-410/BYK-430);ヒュームドシリカ(TS-720);ポリメリックMDI(官能価2.7)(Woodlands、TXにあるHuntsman Corporationから入手可能なRUBINATE M);ハロゲン化リン酸エステル(FYROL PCF):シリコーン界面活性剤(Dow Chemical Companyから入手可能なVORASUF DC5098)。
【0107】
組成物は、上で説明した試験方法に従って作製し、試験した。結果及び所見を表2に記載する。
【0108】
【0109】
様々な修正及び追加が、本発明の範囲から逸脱することなく、論じられている例示的な実施形態に行われ得る。例えば、上で説明した実施形態は、特定の特徴を指すが、本発明の範囲はまた、上で説明した特徴の全てを含まない特徴及び実施形態の異なる組み合わせを有する実施形態も含む。