(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023743
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】色変化洗剤組成物および使用方法
(51)【国際特許分類】
C11D 3/40 20060101AFI20240214BHJP
B08B 3/08 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
C11D3/40
B08B3/08 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023214875
(22)【出願日】2023-12-20
(62)【分割の表示】P 2022518325の分割
【原出願日】2020-09-23
(31)【優先権主張番号】62/904,033
(32)【優先日】2019-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510250467
【氏名又は名称】エコラボ ユーエスエー インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 肇
(74)【代理人】
【識別番号】100191444
【弁理士】
【氏名又は名称】明石 尚久
(72)【発明者】
【氏名】カーター エム.シルバーネイル
(72)【発明者】
【氏名】ケリー イー.ウォルターズ
(57)【要約】
【課題】pH感受性指示薬を含有する色変化アルカリ性器物洗浄用洗剤が開示される。
【解決手段】特に、器物洗浄用洗剤は、アルカリ性環境で色を変え得る。汚れレベルが上昇するかまたは洗剤が減ると、色変化は、器物洗浄機の排水および補充が必要であることを示す。色変化アルカリ性洗剤組成物を使用する方法もまた開示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ性源と、
pH感受性染料であって、前記pH感受性染料が約10.1未満のpHで色変化を示す、pH感受性染料と
を含む、色変化アルカリ性洗剤組成物。
【請求項2】
前記アルカリ性源が、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属メタケイ酸塩および/またはアルカリ金属ケイ酸塩を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記pH感受性染料が、アゾ染料である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記アゾ染料が、アリザリンイエローRである、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
非イオン性界面活性剤をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記非イオン性界面活性剤が、アルコキシル化非イオン性界面活性剤、ポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンポリマー化合物、および/または逆ポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンポリマー化合物を含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
水質調整ポリマーをさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記水質調整ポリマーが、ポリカルボン酸、ポリアクリレート、および/またはポリメタクリレートを含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、アミノカルボキシレート、ホスホネート、再堆積防止剤、および/または安定化剤から選択される少なくとも1つの追加の機能性成分をさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物の使用溶液が、少なくとも約10のpHを有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物の使用溶液が、約100~約2000ppmの前記アルカリ性源、および約1~約500ppmの前記pH感受性染料を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
洗浄組成物の濃度を検出する方法であって、前記方法は、
洗浄を必要とする表面または物品を、アルカリ性洗剤組成物と接触させることであって、前記組成物が、アルカリ性源およびpH感受性染料を含み、前記pH感受性染料が、約10.1未満のpHで色変化を示す、接触させることと、
前記組成物が色変化を示すかどうかを観察することにより、前記組成物が洗浄に有効な濃度を有するかどうかを決定することと、を含む、方法。
【請求項13】
前記アルカリ性洗剤組成物が、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
洗剤組成物の使用溶液を生成する工程をさらに含み、前記使用溶液が、少なくとも約10のpHを有する、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記使用溶液が、器物洗浄機内で生成される、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記pH感受性染料が、前記使用溶液中で約1ppm~約500ppmの濃度で提供される、請求項12~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記pH感受性染料が、アリザリンイエローRである、請求項12~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記色変化が赤色から黄色であり、前記赤色が、前記濃度が洗浄に有効であることを示す、請求項12~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
器物を洗浄する方法であって、前記方法は、
アルカリ性洗剤組成物を希釈することにより、使用溶液を生成することであって、前記組成物が、アルカリ性源およびpH感受性染料を含む、生成することと、
前記溶液を、食器洗浄機中で前記器物に適用することと、
前記使用溶液の色を監視することであって、前記pH感受性染料が約10.1未満のpHで色変化を示す、監視することと、
その後、前記色変化が発生したときに前記使用溶液を変更することと、を含む、方法。
【請求項20】
前記アルカリ性洗剤組成物が、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記使用溶液が、産業用器物洗浄機内で生成される、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
色変化が観察されたときに前記器物洗浄機を排水する工程をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記色変化が赤色から黄色であり、前記黄色が、前記器物洗浄機を排水し、かつ前記使用溶液を交換する必要があることを示す、請求項19~22のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年9月23日に出願された米国仮特許出願第62/904,033号に対する米国特許法第119条の下での優先権を主張し、これは、本明細書、特許請求の範囲、および要約、同様にそれらの任意の図、表、または実施例を限定なく含む、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書の実施形態は、一般に、器物洗浄用洗剤の分野およびそれを使用する方法に関する。特に、本明細書に開示される洗剤組成物は、アルカリ性環境で色を変え得る。色変化洗剤組成物を使用する方法も開示されている。
【背景技術】
【0003】
現在の固形器物洗浄用製品は、ディスペンサーから器物洗浄機に分配される。洗剤の濃度は、導電率プローブなどの安価な方法で制御されるが、食品汚れの存在は導電率の読み取りに干渉し、増加する汚れ負荷の機能として洗剤濃度の低下をもたらし得る。したがって、洗剤濃度が推奨範囲を下回っている場合、および/または食器洗浄機の汚水槽内の汚れ濃度が高い場合に、顧客に示し得る代替技術が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、特許請求される洗剤組成物の目的は、上記の問題の少なくとも1つに対処すること、および/または用途の利点を有する改良されたまたは代替の洗剤組成物を提供することである。
【0005】
本明細書に開示される洗剤組成物のさらなる目的は、pH感受性色変化指示薬染料を含有する洗剤組成物を提供することである。
【0006】
本明細書に開示される洗剤組成物のさらなる目的は、本明細書に開示される色変化洗剤組成物を使用するための方法およびプロセスを提供することである。
【0007】
本明細書に開示される洗剤組成物の他の目的、利点、および特徴ならびにその使用は、添付の図面と併せて以下の明細書から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、色変化アルカリ性洗剤組成物を提供することにより、上記のニーズを満たす。洗剤組成物は、濃度が推奨範囲を下回り、かつ/または汚れ濃度が高すぎると、色を変える。本明細書に開示される色変化洗剤組成物の使用は、洗剤の濃度が効果的な洗浄を達成するのに十分または不十分であるという一目でわかるシグナルを提供し得る。
【0009】
一態様では、本明細書で提供されるのは、アルカリ性源およびpH感受性染料を含む色変化アルカリ性洗剤組成物であって、pH感受性染料が、約10以下のpHの間で色変化を示す、色変化アルカリ性洗剤組成物である。いくつかの実施形態では、アルカリ性源は、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属メタケイ酸塩および/またはアルカリ金属ケイ酸塩を含む。いくつかの実施形態では、pH感受性染料は、アゾ染料である。好ましくは、pH感受性染料は、アリザリンイエローRである。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される洗剤組成物は、非イオン性界面活性剤、水質調整ポリマー、アミノカルボキシレート、ホスホネート、再堆積防止剤、および/または安定化剤を含む1つ以上の追加の機能性成分を含む。好ましくは、本明細書に開示される洗剤組成物の使用溶液は、10を超えるpHを有する。好ましくは、組成物の使用溶液は、約100~約2000ppmのアルカリ性源および約1~約500ppmのpH感受性染料を含む。
【0010】
別の態様では、本明細書で提供されるのは、洗浄を必要とする表面または物品を、本明細書に開示される色変化アルカリ性洗剤組成物と接触させること、および組成物が色変化を示すかどうかを観察することにより、組成物が洗浄に有効な濃度を有するかどうかを決定することを含む、洗浄組成物の濃度を検出する方法である。いくつかの実施形態では、方法は、洗剤組成物の使用溶液を生成することを含む。好ましくは、使用溶液は、器物洗浄機内で生成される。いくつかの実施形態では、色変化は、溶液のpHが最適な洗浄のための有効範囲外にあることを示している。特定の実施形態では、変化は、約10以下のpHにおけるある色から第2の色への変化であり、新しい洗剤を追加する必要があることを示す。
【0011】
さらに別の態様では、本明細書で提供されるのは、本明細書に開示される色変化アルカリ性洗剤組成物を希釈することによって使用溶液を生成すること、および使用溶液を器物表面に塗布することを含む、器物を洗浄する方法である。好ましくは、使用溶液は、器物洗浄機内で生成される。いくつかの実施形態では、方法は、色変化が観察されるときに器物洗浄機を排水することをさらに含む。いくつかの実施形態において、色変化は、使用される溶液が10.1未満または10未満のpHを達成するときに起こり、この色変化は、器物洗浄機を排水し、使用溶液を交換する必要があることを示す。
【0012】
複数の実施形態が開示されているが、本発明のなお他の実施形態は、本発明の例証的な実施形態を図示および説明する以下の詳細な説明から、当業者には明らかになるであろう。したがって、図面および発明を実施するための形態は、本質的に例示的であり限定的ではないとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】pH10.7~10.1未満で赤から黄色への色変化を示す、洗浄サイクル3~45に観察された色変化を示す。
【
図2】187ppmの高温点汚れおよび62ppmの塩(塩化ナトリウム)を維持した45サイクルにわたる汚水槽洗剤滴定値のグラフである。
【0014】
洗剤組成物の様々な実施形態およびそれらの使用方法は、図面を参照して詳細に説明されるものとする。様々な実施形態への参照は、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書に示される図面は、様々な実施形態への限定ではなく、本明細書に開示される洗剤組成物の例示的な図示のために示される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施形態は、特定のアルカリ性洗剤組成物に限定されず、本発明の開示に基づいて、これらは異なり得、かつ当業者によって理解される。本明細書に使用されるすべての専門用語は、単に特定の実施形態を説明する目的のためであり、いかなる様式または範囲においても限定的であることを意図されないことがさらに理解されるべきである。例えば、本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、内容が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形の指示対象を含み得る。さらに、すべての単位、接頭辞、および記号は、そのSIによって認められた形態で示され得る。
【0016】
本明細書内に記載される数値範囲は、範囲を定義する数字を含んでおり、定義される範囲内の各整数を含む。本開示全体を通じて、本発明の様々な態様が、範囲形式で示される。範囲形式における説明は単に便宜および簡潔さのためであり、本発明の範囲への堅固な限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の説明は、その範囲内のすべての可能性のある部分範囲、分数、および個々の数値を具体的に開示しているとみなされるべきである。例えば、1~6のような範囲の説明は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などのような部分範囲、同様にその範囲内の個々の数字、例えば、1、2、3、4、5、および6、ならびに少数および分数、例えば、1.2、3.8、1と1/2、および4と3/4を具体的に開示されたとみなされるべきである。これは、範囲の幅に関わらず、適用される。
【0017】
定義
本明細書に開示される洗剤組成物およびその使用がより容易に理解されるように、特定の用語が最初に定義される。別段定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術および科学用語は、本発明の実施形態に関連する当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似、修正、または同等の多くの方法および材料を、過度の実験なしに本発明の実施形態の実施に使用することができ、好ましい材料および方法を本明細書に記載する。本発明の実施形態を説明および特許請求する上で、以下に記載される定義に従って以下の専門用語が使用されるものとする。
【0018】
「約」という用語は、本明細書において使用する場合、例えば、現実世界において濃縮物または使用溶液の作製に使用される典型的な測定および液体取扱い手順;それらの手順における不慮の誤差;組成物の作製または方法の実行に使用される成分の製造、供給源、または純度の違い等によって生じ得る、数量の変動を指す。「約」という用語はまた、特定の初期混合物から生じる組成物についての異なる平衡条件に起因して異なる量も包含する。「約」という用語により修飾されるか否かに関わらず、特許請求の範囲は、その量の当量を含む。
【0019】
「活性物質」または「活性物質パーセント」または「活性物質重量パーセント」または「活性物質濃度」は、本明細書において同義的に使用され、水または塩などの不活性成分を引いたパーセンテージとして表される清浄化に関与する成分の濃度を指す。
【0020】
本明細書で使用される場合、「洗浄」という用語は、汚れの除去を促進するか、またはそれらを助けるために使用される方法を指す。
【0021】
本明細書で使用される場合、「実質的に含まない」、「含まない」、「を実質的に含まない」または「を含まない」という用語は、その構成要素を完全に欠くか、または組成物の性能に影響しない程度の少量の構成要素を有する組成物を指す。構成成分は、不純物としてまたは汚染物質として存在してもよく、0.5重量%未満でなければならない。別の実施形態では、構成成分の量は0.1重量%未満であり、さらに別の実施形態では、構成成分の量は0.01重量%未満である。
【0022】
「再堆積防止剤」は、洗浄されている物体上に再堆積する代わりに水中に懸濁されたままであることを助ける化合物を指す。再堆積防止剤は、洗浄されている表面上の除去された汚れの再堆積の低減を補助するために、本発明において有用である。
【0023】
「閾値剤(threshold agent)」という用語は、溶液に由来する硬水イオンの結晶化を阻害するが、その硬水イオンと特定の錯体を形成する必要がない化合物を指す。種々の洗浄用途に適した閾値剤としては、ポリカルボン酸ポリマー、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、オレフィン/マレイン酸コポリマーなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
本明細書において使用される場合、「ポリマー」という用語は、一般に、これらに限定されないが、ホモポリマー、コポリマー、例えばブロック、グラフト、ランダムおよび交互コポリマーなど、ターポリマー、ならびにより高次の「x」量体を含み、それらの誘導体、組み合わせおよびブレンドをさらに含む。さらに、別段に具体的に限定されない限り、「ポリマー」という用語は、これらに限定されることはないが、アイソタクチック、シンジオタクチックおよびランダム対称、ならびにそれらの組み合わせを含む、分子のすべての可能な異性体構成を含むものとする。さらに、別段に具体的に限定されない限り、「ポリマー」という用語は、分子のすべての可能な幾何学構成を含むものとする。
【0025】
本明細書で使用される場合、「器物」という用語は、一般に、食器および調理器具、皿、ならびに他の硬質表面などの品物を指す。器物はまた、ガラス、セラミック、陶磁器、水晶、金属、プラスチックまたは天然物質(限定されないが、粘土、竹、麻等)を含む様々な基材で作製された品物を指す。本発明による組成物で清浄化され得るプラスチックの種類としては、これらに限定されるものではないが、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、スチレンアクリロニトリル(SAN)、ポリカーボネート(PC)、メラミンホルムアルデヒド樹脂またはメラミン樹脂(メラミン)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)、およびポリスルホン(PS)を含むものが挙げられる。本明細書に開示される洗剤組成物を使用して洗浄することができる他の例示的なプラスチックとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)ポリスチレンポリアミドが挙げられる。本明細書で使用される場合、「器物洗浄」という用語は、器物の洗浄、浄化、またはすすぎを指す。
【0026】
本明細書で使用される場合、「汚れ」という用語は、炭水化物、タンパク質、脂肪、油などを含むがこれらに限定されない極性もしくは非極性の有機または無機物質を指す。これらの物質は、それらの有機状態で存在するか、または金属と錯体形成して無機錯体を形成し得る。
【0027】
本明細書で使用される場合、「シミ(stain)」という用語は、金属酸化物、金属水酸化物、金属酸化物-水酸化物、粘土、砂、塵、天然物、カーボンブラック、黒鉛などの粒子状物質を含有する場合または含有しない場合がある極性または非極性物質を指す。
【0028】
「重量パーセント(weight percent)」、「重量%(wt-%)」、「重量パーセント(percent by weight)」、「重量%(% by weight)」という用語、およびそれらの変形は、本明細書で使用される場合、その物質の重量を組成物の総重量で除し、100を乗じた物質の濃度を指す。本明細書で使用される場合、「パーセント」、「%」などは、「重量パーセント」、「重量%」などと同義であることが意図されることが理解される。
【0029】
本発明の方法および組成物は、本明細書に記載される他の成分と同様に、本発明の構成成分および成分を含むか、これらから本質的になるか、またはこれらからなることができる。本明細書で使用される場合、「から本質的になる」は、さらなる工程、構成成分、または成分が、特許請求される方法および組成物の基本的かつ新規な特徴を実質的に変化させない場合に限り、方法および組成物が、さらなる工程、構成成分、または成分を含み得ることを意味する。
【0030】
組成物
本開示は、pH感受性色変化指示薬染料を含む洗剤組成物に関する。本開示はまた、色変化洗剤組成物を製造および使用する方法を記載する。洗剤組成物の例示的な範囲は、表1A~1Cに、洗剤組成物の重量百分率で示される。
【表1】
【表2】
【表3】
【0031】
洗剤組成物は、濃縮固体および/もしくは液体組成物を含み得るか、または希釈して、使用組成物ならびにすぐに使用できる組成物を形成し得る。概して、濃縮物は、水で希釈されて、対象物に接触して所望の洗浄、すすぎ等を提供する使用溶液を提供することが意図される組成物を指す。洗浄される物品または用品に接触する洗浄組成物は、方法で使用される配合に応じて、濃縮物または使用組成物(または使用溶液)と称することができる。pH感受性染料および他の成分の濃度は、洗浄組成物が濃縮物として提供されるか、または使用溶液として提供されるかに応じて変化することを理解すべきである。
【0032】
使用溶液は、所望の洗浄特性を有する使用溶液を提供する希釈比で濃縮物を水で希釈することによって、濃縮物から調製され得る。濃縮物を希釈して使用組成物を形成するために使用される水は、希釈水または希釈剤と称され得、場所によって変化し得る。典型的な希釈係数は、およそ1~およそ10,000であるが、水の硬度、除去される汚れの量などの要因に依存するであろう。一実施形態において、濃縮物は、約1:10~約1:10,000の濃縮物と水との比で希釈される。具体的には、濃縮物は、約1:100~約1:5,000の濃縮物と水との比で希釈される。より具体的には、濃縮物は、約1:250~約1:2,000の濃縮物と水との比で希釈される。
【0033】
一態様では、洗浄組成物の使用溶液は、約1ppm~約1000ppmのアルカリ度および約1ppm~約500ppmのpH感受性染料を有する。好ましい態様では、洗浄組成物の使用溶液は、約100ppm~約2000ppmのアルカリ度および約1ppm~約500ppmのpH感受性染料を有する。好ましい態様では、洗浄組成物の使用溶液は、約100ppm~約1500ppmのアルカリ度および約1ppm~約250ppmのpH感受性染料を有する。一態様では、洗浄組成物の使用溶液は、約2000ppm~約1250ppmのアルカリ度および約5ppm~約200ppmのpH感受性染料を有する。さらに、本発明に従って限定されることなく、列挙されたすべての範囲は、範囲を定義する数を含み、定義された範囲内の各整数を含む。
【0034】
本明細書に開示される洗剤組成物は、固体濃縮組成物であり得る。「固体」組成物は、粉末、粒子、凝集体、薄片、顆粒、ペレット、錠剤、ロゼンジ錠、パック、ブリケット、ブリック、固体ブロック、単位用量、または当業者に既知の別の固体形態などの固体の形態である組成物を指す。「固体」という用語は、固体洗剤組成物の予測される保管および使用条件下での洗剤組成物の状態を指す。概して、洗剤組成物は、100°F、112°F、好ましくは120°Fの高温に曝露されたときに固体形態のままであることが予測される。鋳造、圧縮、または押出された「固体」は、ブロックを含む任意の形態をとり得る。鋳造、圧縮、または押出された固体に言及する場合、それは、硬化された組成物が、目に見えて流動せず、適度な応力、圧力、または単なる重力下でその形状を実質的に保持するであろうことを意味する。例えば、鋳型から取り外されたときの鋳型の形状、押出機からの押出に際して形成された物品の形状等である。固体鋳造組成物の硬度の程度は、コンクリートに類似した、比較的緻密で硬い溶融固体ブロックの硬度から、コーキング材に類似した、可鍛性でスポンジ様のものとして特徴付けられる軟度にわたり得る。
【0035】
本明細書に開示される洗剤組成物は、様々な表面、すなわち硬質表面上の用途に使用溶液を提供するために、使用前または使用時に希釈される濃縮物として(または希釈されて組み合わされる複数の濃縮物として)利用可能にすることができる。後で組み合わせたり希釈したりする濃縮物を提供する利点は、使用溶液よりも濃縮物を輸送および保管する方が安価であり、また、使用される梱包が少ないためにより継続可能であることから、輸送および保管コストを削減できることである。
【0036】
「洗剤組成物」という句は、本発明の濃縮物または使用組成物として提供される洗剤組成物を指し、これは、例えば、液体、固体、粉末、ペーストまたはゲルを含む様々な配合物で提供され得る。用語「濃縮物」は、希釈剤で希釈して使用組成物を形成し得る洗剤組成物の、比較的濃縮された形態を指す。濃縮物を希釈して使用組成物を形成するために使用され得る例示的な希釈剤は、水である。一般に、使用組成物は、所望の作用を提供するために物品に接触する組成物を指す。例えば、使用組成物として提供される器物洗浄用洗剤組成物は、器物を洗浄するために器物に接触し得る。さらに、濃縮物または希釈濃縮物を使用組成物として提供し得る。例えば、濃縮物は、希釈せずに物品に塗布される場合、使用組成物と呼ぶことができる。多くの場合、濃縮物を希釈して使用組成物を提供し、それを次いで物品に塗布することが期待される。いくつかの好ましい態様では、アルカリ性洗剤組成物の希釈比は、水中で約1:500~約1:5000である。
【0037】
pH指示薬(pH感受性染料)
pH指示薬の例は、リトマス、ブロモチモールブルー、メチルオレンジ、チモールブルー、ブロモクレゾールグリーン、アリザリンイエロー、チモールフタレイン、シアニジン、フェノールフタレインなどである。適切な指示薬を選択することで、洗浄剤使用組成物が繰り返し使用される際のpH値によって色が変化し得る。
【0038】
好ましい実施形態では、pH指示薬は、溶液が約10を超えるpHに近づくにつれて変化するものである。好ましい実施形態では、pH指示薬は、アゾ染料である。
【0039】
アゾ染料は、繊維、皮革製品、および一部の食品を処理するのに広く使用されている。アゾ化合物は、一般式R-N=N-R’(式中、RおよびR’はアリール(芳香族)またはアルキル(脂肪族)官能基のいずれかである)の化合物である。N=N基はアゾ基と呼ばれるが、親化合物であるHNNHはジイミドと呼ばれる。より安定なアゾ化合物は、2つのアリール基を含有する。アリールアゾ化合物は、鮮やかな色、特に、赤色、オレンジ色、および黄色を有する。メチルオレンジおよびメチルレッドなどの一部のアゾ化合物は、それらの酸および塩の形態が異なる色を有するので、酸塩基指示薬として使用される。メチルレッドは、4.4未満のpHで赤色、6.2を超えるpHで黄色、その中間でオレンジ色である。
【0040】
pH指示薬の例を、以下の表に示す。
【表4】
【表5】
【0041】
pH指示薬は、所望のpH目標に基づいて適切に選択され得る。例えば、10以上のpHで色変化を伴うpH指示薬には、フェノールフタレイン(第2の移行)、マラカイトグリーン(第2の移行)、フェノールフタレイン(第3の移行)、チモールフタレイン(第1の移行)、チモールフタレイン(第2の移行)、アリザリンイエローR、およびインジゴカルミンが挙げられる。好ましい実施形態において、pH指示薬は、以下の式を有するアリザリンイエローRである。
【化1】
【0042】
pH感受性染料は、一般に、約0.001重量%~約15重量%、好ましくは約0.005重量%~約10重量%、より好ましくは約0.01重量%~約5重量%の濃縮物で存在する。
【0043】
アルカリ性源
実施形態では、洗剤組成物は、アルカリ性源を含む。例示的なアルカリ性源には、アルカリ金属炭酸塩および/またはアルカリ金属水酸化物が含まれる。様々な態様において、アルカリ金属炭酸塩および/またはアルカリ金属水酸化物の両方の組み合わせが、アルカリ性源として使用される。
【0044】
洗剤の配合物に使用されるアルカリ金属炭酸塩は、しばしば灰系洗剤と呼ばれ、炭酸ナトリウムを最も頻繁に用いる。追加のアルカリ金属炭酸塩には、例えば、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムが含まれる。別の実施形態において、アルカリ金属炭酸塩およびアルカリ金属水酸化物は、重炭酸塩およびセスキ炭酸塩を含むことがさらに理解される。本明細書に開示される洗剤組成物により、任意の「灰系」または「アルカリ金属炭酸塩」は、すべてのアルカリ金属炭酸塩、重炭酸塩、および/またはセスキ炭酸塩を含むことも理解されるべきである。
【0045】
洗剤の配合物に使用されるアルカリ金属水酸化物は、しばしば苛性洗剤と呼ばれる。好適なアルカリ金属水酸化物の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および水酸化リチウムが挙げられる。例示的なアルカリ金属塩には、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、およびそれらの混合物が含まれる。アルカリ金属水酸化物は、固体ビーズ、水性溶液中への溶解、またはそれらの組み合わせを含む、当該技術分野で既知である任意の形態で組成物に添加され得る。アルカリ金属水酸化物は、約12~100のUSメッシュの範囲の混合した粒子サイズの混合物を有する小球化された固体もしくはビーズの形態の固体として、または水溶液として、例えば、45重量%および50重量%の溶液として、市販されている。
【0046】
第1のアルカリ性源に加え、洗剤組成物は、第2のアルカリ性源を含んでもよい。有用な第2のアルカリ性源の例としては、ケイ酸またはメタケイ酸ナトリウムまたはカリウムなどの金属ケイ酸塩;炭酸、重炭酸、セスキ炭酸ナトリウムまたはカリウムなどの金属炭酸塩;ホウ酸ナトリウムまたはカリウムなどの金属ホウ酸塩;ならびにエタノールアミンおよびアミンが挙げられるが、これらに限定されない。かかるアルカリ性薬剤は、水性または粉末形態のいずれかで一般に入手可能であり、いずれも本発明の洗剤組成物の配合に有用である。
【0047】
有効量の1つ以上のアルカリ性源が洗剤組成物中に提供される。本明細書において、有効量は、少なくとも約9、好ましくは少なくとも約10のpHを有する使用組成物を提供する量を指す。使用組成物が約9~約10のpHを有するとき、それは弱アルカリ性とみなされ、pHが約12より大きいとき、使用組成物は腐食性とみなすことができる。使用溶液のpH範囲は、好ましくは約8.0~約13.0、より好ましくは約10~12である。
【0048】
一実施形態では、特許請求される洗剤組成物は、約20重量%~約80重量%のアルカリ性源、約30重量%~約80重量%のアルカリ性源、約40重量%~約80重量%のアルカリ性源、および好ましくは約50重量%~約80重量%のアルカリ性源を含む。加えて、本明細書に開示される洗剤組成物により限定されるものではないが、すべての列挙される範囲は、その範囲を定義する数を含み、その定義される範囲内の各整数を含む。
【0049】
pH感受性染料
本明細書に開示される洗剤組成物は、pH感受性指示染料を含む。好ましい実施形態では、pH感受性染料は、約8~約12のpH、より好ましくは約9~約11、または最も好ましくは約9~約10.5のpHで色変化を示す。いくつかの実施形態では、pH感受性染料は、約10~約10.5のpHで色変化を示す。
【0050】
いくつかの実施形態において、pH感受性染料は、アゾ染料を含む。アゾ染料は、1つ以上のジアゼニル官能基を含む有機化合物であり、
【化2】
式中、RおよびR’は、アリール基またはアルキル基のいずれかである。好ましいアゾ染料には、Rが2~20個の炭素、より好ましくは4~16個の炭素を有し、R’が2~20個の炭素、より好ましくは4~16個の炭素を有するものが含まれる。好適なアゾ染料の詳細については、米国特許第4,029,598号の2列目7行目~5列目68行目を参照。参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0051】
例示的な実施形態において、pH感受性染料は、アラジリン(alazirin)イエローRである。
【化3】
【0052】
一実施形態では、本明細書に開示される洗剤組成物は、約0.01重量%~約15重量%のpH感受性染料、好ましくは約0.1重量%~約10重量%のpH感受性染料、より好ましくは約0.1重量%~約5重量%のpH感受性染料を含む。加えて、本明細書に開示される洗剤組成物により限定されるものではないが、すべての列挙される範囲は、その範囲を定義する数を含み、その定義される範囲内の各整数を含む。
【0053】
一実施形態では、アルカリ性洗剤組成物の使用溶液は、少なくとも約1ppm、少なくとも約5ppm、好ましくは少なくとも約10ppmのpH感受性染料を提供する。使用溶液は、約1ppm~約500ppmのpH感受性染料、好ましくは約1ppm~約250ppmのpH感受性染料、より好ましくは約5ppm~約200ppmのpH感受性染料を含むことができる。最も好ましくは、pH感受性染料の約10ppm~約100ppmの間である。加えて、本発明により限定されるものではないが、記載される比のすべての範囲は、その範囲を定義する数を含み、かつ、その定義される比の範囲内の各整数を含む。
【0054】
さらなる機能性成分
特許請求される洗剤組成物の構成要素は、アルカリ性洗剤または清浄化組成物を使用する器物洗浄および他の用途における使用に好適である様々な機能性構成要素とさらに組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、アルカリ性源およびpH感受性染料を含む特許請求される洗剤組成物は、洗剤組成物の総重量の大量、または実質的にすべてを構成する。例えば、いくつかの実施形態では、さらなる機能性成分は、ほとんどまたは全く、その中に配置されていない。
【0055】
他の実施形態では、追加の機能性成分が、特許請求される洗剤組成物中に含まれてもよい。機能性成分は、組成物に所望の特性および機能性を提供する。本出願の目的のために、「機能性成分」という用語は、水溶液などの使用溶液および/または濃縮溶液中に分散または溶解すると、特定の使用において有益な特性を提供する材料を含む。機能性材料のいくつかの特定の例は、以下により詳細に考察されるが、考察される特定の材料は単に例として挙げられているだけであり、多様な他の機能性成分が使用されてもよい。例えば、以下に考察される機能性材料の多くは、洗浄、具体的には、器物洗浄用途で使用される材料に関する。しかしながら、他の実施形態は、他の用途で使用するための機能性成分を含み得る。
【0056】
消泡剤
一実施形態において、本明細書に開示される洗剤組成物は、任意選択で消泡剤を含んでもよい。一実施形態において、本明細書に開示される洗剤組成物は、消泡剤を含む。好ましい実施形態では、消泡剤は、非イオン性界面活性剤である。好ましい実施形態では、消泡剤は、非イオン性アルコキシル化界面活性剤である。別の好ましい実施形態では、消泡剤は、式RO-(PO)0-5(EO)1-30(PO)1-30、またはRO-(PO)1-30(EO)1-30(PO)1-30を有する非イオン性界面活性剤であり、式中、RはC8-18直鎖または分岐アルキル基、EO=エチレンオキシド、PO=プロピレンオキシドである。例示的な好適なアルコキシル化界面活性剤としては、PluronicまたはPlurafac(登録商標)の名称で入手可能なものなどのエチレンオキシド/プロピレンブロックコポリマー(EO/POコポリマー)、キャップEO/POコポリマー、部分キャップEO/POコポリマー、完全キャップEO/POコポリマー、アルコールアルコキシレート、キャップアルコールアルコキシレート、それらの混合物などが挙げられる。
【0057】
他の消泡剤としては、シリコーン化合物、例えばポリジメチルシロキサン中に分散されたシリカ、ポリジメチルシロキサン、および官能化ポリジメチルシロキサン、例えばAbil B9952の名称で入手可能なもの、脂肪アミド、炭化水素ワックス、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪アルコール、脂肪酸石鹸、エトキシレート、鉱油、ポリエチレングリコールエステル、アルキルリン酸エステル、例えばリン酸モノステアリルなどを挙げることができる。消泡剤の議論は、例えば、Martinらの米国特許第3,048,548号、Brunelleらの米国特許第3,334,147号、およびRueらの米国特許第3,442,242号に見ることができ、これらの開示はあらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0058】
非イオン性界面活性剤は、一般に、有機疎水性基および有機親水性基の存在を特徴とし、典型的に、有機脂肪族、アルキル芳香族、またはポリオキシアルキレン疎水性化合物と、慣習ではエチレンオキシドまたはその多水和生成物、ポリエチレングリコールである、親水性アルカリ酸化物部分との縮合により生成される。具体的には、反応性水素原子を有するヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、またはアミド基を有する任意の疎水性化合物は、エチレンオキシド、もしくはその多水和添加剤、またはプロピレンオキシドなどのアルコキシレンとのその混合物と縮合させて、非イオン性表面活性剤を形成することができる。任意の特定の疎水性化合物と縮合する親水性ポリオキシアルキレン部分の長さは、親水性特性と疎水性特性との間の所望の程度のバランスを有する水分散性または水溶性化合物を生成するように、容易に調節され得る。本発明によると、本組成物に有用な非イオン性界面活性剤は、低泡性非イオン性界面活性剤である。本発明に有用な非イオン性低泡性界面活性剤の例としては、以下のものが挙げられる。
【0059】
1.開始剤反応性水素化合物としての、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、およびエチレンジアミンをベースとするブロックポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンポリマー化合物。開始剤の逐次的プロポキシル化およびエトキシル化から作製されるポリマー化合物の例は、BASF Corp製のPluronic(登録商標)およびTetronicoの商品名で市販されている。Pluronic(登録商標)化合物は、エチレンオキシドを、プロピレングリコールの2つのヒドロキシル基へのプロピレンオキシドの付加により形成される疎水性塩基と縮合させることによって形成される、二官能性(2つの反応性水素)化合物である。分子のこの疎水性部分は、1,000~4,000の分子量を有する。次いで、この疎水性物質を親水性基の間に挟み込むようにエチレンオキシドが付加され、最終的な分子の約10重量%~約80重量%を構成するように長さが制御される。Tetronic(登録商標)化合物は、プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドの、エチレンジアミンへの逐次付加から得られる四官能性ブロックコポリマーである。プロピレンオキシドハイドロタイプの分子量は、500~7,000の範囲であり、親水性のエチレンオキシドは、分子の10重量%~80重量%を構成するように付加される。
【0060】
2.直鎖もしくは分岐鎖構成の、または単一もしくは二重アルキル構成物質のアルキル鎖が、8~18個の炭素原子を含有する、1モルのアルキルフェノールと、3~50モルのエチレンオキシドとの縮合生成物。アルキル基は、例えば、ジイソブチレン、ジ-アミル、ポリマー化プロピレン、イソ-オクチル、ノニル、およびジ-ノニルにより表され得る。これらの界面活性剤は、アルキルフェノールのポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリブチレンオキシド縮合物であり得る。この化学の市販化合物の例は、Rhone-Poulencによって製造されたIgepal(登録商標)およびDowによって製造されたTriton(登録商標)の商品名で市場で入手可能である。
【0061】
3.6~24個の炭素原子を有する、1モルの、飽和または不飽和の、直鎖または分岐鎖アルコールと、3~50モルのエチレンオキシドとの縮合生成物。アルコール部分は、上述された炭素範囲内のアルコールの混合物からなり得るか、またはこの範囲内の特定の数の炭素原子を有するアルコールからなり得る。同様の市販の界面活性剤の例は、Shell Chemical Co.製のNeodol(登録商標)、およびVista Chemical Co.製のAlfonic(登録商標)の商品名で市販されている。
【0062】
4.8~18個の炭素原子を有する、1モルの、飽和または不飽和の、直鎖または分岐鎖カルボン酸と、6~50モルのエチレンオキシドとの縮合生成物。酸部分は、上記に定義された炭素原子範囲内の酸の混合物からなり得るか、またはこの範囲内の特定の数の炭素原子を有する酸からなり得る。この化学の市販化合物の例は、Henkel Corporationによって製造されたNopalcol(登録商標)およびLipo Chemicals,Inc.によって製造されたLipopeg(登録商標)の商品名で市場で入手可能である。
【0063】
5.以下の構造:RO-(PO)0-5(EO)1-30(PO)1-30を有し、式中、Rは、C8~18の直鎖または分岐アルキル基であり、EO=エチレンオキシド、PO=プロピレンオキシドである、化合物。
【0064】
6.エチレンオキシドをエチレングリコールに付加して指定の分子量の親水性物質を提供し、次いで、プロピレンオキシドを付加して分子の外側(端部)に疎水性ブロックを得ることにより改質され、本質的に反転された、(1)からの化合物。この分子の疎水性部分は、1,000~3,100の分子量を有し、中心の親水性物質は、最終的な分子の10重量%~80重量%を含む。これらの逆Pluronics(登録商標)は、BASF Corporationによって、Pluronic(登録商標)R界面活性剤の商品名で作製されている。
【0065】
7.プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドをエチレンジアミンに逐次付加することにより生成されるアルコキシル化ジアミン。この分子の疎水性部分は、250~6,700の分子量を有し、中心の親水性物質は、最終的な分子の0.1重量%~50重量%を含む。この化学構造の市販の化合物の例は、Tetronic(商標)Surfactantsの商品名でBASF Corporationから入手可能である。
【0066】
8.エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドをエチレンジアミンに逐次付加することにより生成されるアルコキシル化ジアミン。この分子の疎水性部分は、250~6,700の分子量を有し、中心の親水性物質は、最終的な分子の0.1重量%~50重量%を含む。この化学構造の市販の化合物の例は、Tetronic R(商標)Surfactantsの商品名でBASF Corporationから入手可能である。
【0067】
9.プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、塩化ベンジルなどの疎水性小分子、および、1~5個の炭素原子を含有する短鎖脂肪酸、アルコール、もしくはハロゲン化アルキル、ならびにそれらの混合物との反応により発泡を低減させるために、(多官能性部分の)末端ヒドロキシ基または複数の末端ヒドロキシ基を、「キャッピング」もしくは「末端ブロック」することにより修飾された、基(1)、(2)、(3)、および(4)からの化合物。また、末端ヒドロキシ基を塩化物基に変換する塩化チオニルなどの反応物質も含まれる。末端ヒドロキシ基へのそのような修飾は、オールブロック、ブロック-ヘテリック、ヘテリック-ブロック、またはオールヘテリック非イオン性物質をもたらし得る。
【0068】
10.本発明の組成物において有利に使用されるポリオキシアルキレン表面活性剤は、式:P[(C3H6O)n(C2H4O)mH]xに対応し、式中、Pは、8~18個の炭素原子を有し、かつx個の反応性水素原子を含有する有機化合物の残基であり、ここでxは1または2の値を有し、nは、ポリオキシエチレン部分の分子量が少なくとも44となるような値を有し、mは、分子のオキシプロピレン含量が10重量%~90重量%となるような値を有する。いずれの場合においても、オキシプロピレン鎖は、任意に、しかし有利には、少量のエチレンオキシドを含有してもよく、オキシエチレン鎖は、任意に、しかし有利には、少量のプロピレンオキシドを含有してもよい。
【0069】
11.アルコキシル化アミン、または最も具体的には、アルコールアルコキシル化/アミノ化/アルコキシル化界面活性剤。これらの非イオン性界面活性剤は、少なくとも部分的に、以下の一般式:
R20--(PO)sN-(EO)tH、
R20--(PO)sN-(EO)tH(EO)tH、および
R20--N(EO)tHによって表され得、
によって表すことができ、式中、R20は、8~20個、好ましくは12~14個の炭素原子のアルキル、アルケニル、もしくは他の脂肪族基、またはアルキル-アリール基であり、EOは、オキシエチレンであり、POは、オキシプロピレンであり、sは、1~20、好ましくは2~5であり、tは、1~10、好ましくは2~5であり、uは、1~10、好ましくは2~5である。これらの化合物の範囲の他の変動は、代替式、
R20--(PO)v--N[(EO)wH][(EO)zH]
によって表すことができ、式中、R20は、上記の定義の通りであり、vは、1~20(例えば、1、2、3、または4(好ましくは2))であり、wおよびzは、独立して、1~10、好ましくは2~5である。これらの化合物は、商業的には、非イオン性界面活性剤としてHuntsman Chemicalsより販売されている製品ラインにより代表される。このクラスの好ましい化学薬品としては、Surfonic PEA 25アミンアルコキシレートが挙げられる。
【0070】
一実施形態において、特許請求される洗剤組成物は、約0.5重量%~約15重量%の消泡剤、約0.5重量%~約10重量%の消泡剤、約0.5重量%~約5重量の消泡剤、および好ましくは約0.5重量%~約3重量%、約1重量%、約3重量%、約5重量%、または約10重量%の消泡剤を含む。加えて、本明細書に開示される洗剤組成物により限定されるものではないが、すべての列挙される範囲は、その範囲を定義する数を含み、その定義される範囲内の各整数を含む。
【0071】
界面活性剤
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される洗剤組成物は界面活性剤を含む。いくつかの他の実施形態では、本明細書に開示される洗剤組成物は、非イオン性消泡界面活性剤または薬剤を含む。いくつかの他の実施形態では、本明細書に開示される洗剤組成物は、非イオン性消泡界面活性剤または薬剤とともに追加の界面活性剤を含む。本明細書に開示される洗剤組成物との使用に好適な界面活性剤には、これらに限定されるものではないが、追加の非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および双性イオン性界面活性剤が含まれる。さらにいくつかの他の実施形態において、本明細書に開示される洗剤組成物は、1つ以上の非イオン性消泡界面活性剤または薬剤以外の追加の界面活性剤を含まない。
【0072】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される洗剤組成物は、非イオン性消泡界面活性剤または薬剤に加えて、約0重量%~約50重量%の追加の界面活性剤、約0重量%~約25重量%、約0重量%~約15重量%、約0重量%~約10重量%、または約0重量%~約5重量%、約0重量%、約0.5重量%、約1重量%、約3重量%、約5重量%、約10重量%、または約15重量%の追加の界面活性剤を含む。
【0073】
アニオン性界面活性剤
疎水性基の電荷が負であるためアニオン性界面活性剤として分類される表面活性物質、またはpHが中性以上に上昇しない限り分子の疎水性部分が電荷を持たない界面活性剤(例えば、カルボン酸)もまた、本明細書に開示される洗剤組成物において有用である。カルボキシレート、スルホネート、スルフェート、およびホスフェートは、アニオン性界面活性剤中に見出される極性(親水性)可溶化基である。これらの極性基と関連したカチオン(対イオン)のうち、ナトリウム、リチウム、およびカリウムは、水溶性を付与し、アンモニウムおよび置換アンモニウムイオンは、水溶性および油溶性の両方を提供し、カルシウム、バリウム、およびマグネシウムは、油溶性を促進する。当業者に理解されるように、アニオン性界面活性剤は優れた洗浄性界面活性剤であり、したがって、強力洗剤組成物への好ましい追加物である。
【0074】
特許請求される洗剤組成物における使用に好適なアニオン性スルフェート界面活性剤としては、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルフェート、直鎖および分岐一級および二級アルキルスルフェート、アルキルエトキシスルフェート、脂肪オレイルグリセロールスルフェート、アルキルフェノールエチレンオキシドエーテルスルフェート、C5-C17アシル-N-(C1-C4アルキル)および-N-(C1-C2ヒドロキシアルキル)グルカミンスルフェート、ならびにアルキルポリグルコシドのスルフェートなどのアルキル多糖類のスルフェート、等が挙げられる。また、エチレンオキシドおよびノニルフェノールのスルフェートまたは濃縮製品(通常1分子当たり1~6個のオキシエチレン基を有する)などの、アルキルスルフェート、アルキルポリ(エチレンオキシ)エーテルスルフェート、および芳香族ポリ(エチレンオキシ)スルフェートも含まれる。
【0075】
特許請求される洗剤組成物における使用に好適なアニオン性スルホネート界面活性剤には、アルキルスルホネート、直鎖および分岐一級および二級アルキルスルホネート、ならびに置換基を有するまたは有しない芳香族スルホネートも含まれる。
【0076】
特許請求される洗剤組成物における使用に好適なアニオン性カルボキシレート界面活性剤としては、カルボン酸(および塩)、例えば、アルカン酸(およびアルカノエート)、エステルカルボン酸(例えば、アルキルスクシネート)、エーテルカルボン酸、スルホン化脂肪酸、例えば、スルホン化オレイン酸などが挙げられる。そのようなカルボキシレートとしては、アルキルエトキシカルボキシレート、アルキルアリールエトキシカルボキシレート、アルキルポリエトキシポリカルボキシレート界面活性剤、および石鹸(例えば、アルキルカルボキシル)が挙げられる。本組成物において有用な二級カルボキシレートには、二級炭素に接続されたカルボキシル単位を含有するものが含まれる。二級炭素は、例えば、p-オクチル安息香酸におけるように、またはアルキル置換シクロヘキシルカルボキシレートにおけるように、環構造にあってもよい。二級カルボキシレート界面活性剤は、通常、エーテル結合、エステル結合、およびヒドロキシル基を含有しない。さらに、これらは、通常、頭部基(両親媒性部分)内に窒素原子を欠く。好適な二級石鹸界面活性剤は、通常、11~13個の総炭素原子を含有するが、より多くの炭素原子(例えば、16個まで)が存在し得る。好適なカルボキシレートにはまた、例えば、アシルグルタメート、アシルペプチド、サルコシネート(例えば、N-アシルサルコシネート)、タウレート(例えば、N-アシルタウレートおよびメチルタウリドの脂肪酸アミド)などのアシルアミノ酸(および塩)が含まれる。
【0077】
好適なアニオン性界面活性剤には、以下の式のアルキルまたはアルキルアリールエトキシカルボキシレートが含まれ、
R-O-(CH
2CH
2O)
n(CH
2)
m-CO
2X(3)
式中、Rは、C
8~C
22アルキル基であるか、または
【化4】
R
1は、C
4-C
16アルキル基であり、nは、1~20の整数であり、mは、1~3の整数であり、Xは、水素、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウムなどの対イオン、またはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、もしくはトリエタノールアミンなどのアミン塩である。いくつかの実施形態では、nは4~10の整数であり、mは1である。いくつかの実施形態では、Rは、C
8-C
16アルキル基である。いくつかの実施形態では、Rは、C
12-C
14アルキル基であり、nは4であり、mは1である。
【0078】
他の実施形態では、Rは、
【化5】
であり、R
1は、C
6-C
12アルキル基である。さらにまた他の実施形態では、R
1は、C
9アルキル基であり、nは、10であり、mは、1である。
【0079】
そのようなアルキルおよびアルキルアリールエトキシカルボキシレートは、市販されている。これらのエトキシカルボキシレートは、通常、酸の形態として入手可能であり、それらは、アニオン性または塩の形態に容易に変換され得る。市販のカルボキシレートには、Neodox 23-4、C12-13アルキルポリエトキシ(4)カルボン酸(Shell Chemical)、およびEmcol CNP-110、C9アルキルアリールポリエトキシ(10)カルボン酸(Witco Chemical)が含まれる。カルボキシレート、例えば製品Sandopan(登録商標)DTC、C13アルキルポリエトキシ(7)カルボン酸もまた、Clariantから入手可能である。
【0080】
カチオン性界面活性剤
カチオン性四級界面活性剤/四級アルキルアミンアルコキシレート
カチオン性四級界面活性剤は、正味の正の変化を有する窒素中心カチオン部分に基づく物質である。好適なカチオン性界面活性剤は、四級アンモニウム基を含有する。好適なカチオン性界面活性剤は、特に一般式:N(+)R1R2R3R4X(-)のものを含み、式中、R1、R2、R3、およびR4は、互いに独立して、アルキル基、脂肪族基、芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、H+イオン表し、それぞれが1~22個の炭素原子を有し、基R1、R2、R3、およびR4のうちの少なくとも1個が、少なくとも8個の原子を有することを条件とし、X(-)が、アニオン、例えば、ハロゲン、アセテート、ホスフェート、硝酸塩、またはアルキルスルフェート、好ましくは塩化物を表す。脂肪族基はまた、架橋基または他の基、例えば、炭素および水素原子に加えて、追加のアミノ基を含有してもよい。
【0081】
特定のカチオン性活性成分としては、例えば、これらに限定されるものではないが、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム(ADBAC)、塩化アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ベンゼトニウム、N,N-ビス-(3-アミノプロピル)ドデシルアミン、グルコン酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシデン(chlorhexidene gluconate)の有機物および/もしくは有機塩、PHMB(ポリヘキサメチレンビグアニド)、ビグアニドの塩、置換ビグアニド誘導体、四級アンモニウム含有化合物の有機塩もしくは四級アンモニウム含有化合物の無機塩、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0082】
カチオン性界面活性剤は、好ましくは、少なくとも1つの長炭素鎖疎水性基および少なくとも1つの正に荷電した窒素を含有する化合物を含み、より好ましくはこれを指す。長炭素鎖基は、単純な置換によって窒素原子に直接結合され得るか、またはより好ましくは、所謂中断アルキルアミンおよびアミドアミン中の架橋官能基によって間接的に結合され得る。そのような官能基は、分子を、より親水性および/もしくはより水分散性にし、共界面活性剤混合物によってより容易に水に溶解されるようにし、ならびに/または水溶性にすることができる。水溶性の増大のために、さらなる一級、二級、もしくは三級アミノ基が導入され得るか、またはアミノ窒素が低分子量アルキル基を用いて四級化され得る。さらに、窒素は、多様な不飽和度の分岐鎖もしくは直鎖部分の一部、または飽和もしくは不飽和複素環式環の一部であり得る。それに加えて、カチオン性界面活性剤は、2個以上のカチオン性窒素原子を有する複雑な結合を含有してもよい。
【0083】
アミンオキシド、両性物質および双性イオンとして分類される界面活性剤化合物は、それ自体が一般的には中性近くから酸性pHの溶液中でカチオン性であり、界面活性剤の分類と重複する。ポリオキシエチル化カチオン性界面活性剤は、概して、アルカリ性溶液中で非イオン性界面活性剤のように作用し、酸性溶液中でカチオン性界面活性剤のように作用する。
【0084】
最も単純なカチオン性アミンであるアミン塩および四級アンモニウム化合物は、以下のように概略的に描かれ、
【化6】
のように概略的に描写され得、式中、Rは、長アルキル鎖を表し、R’、R’’、およびR’’’は、長アルキル鎖、またはより小さいアルキル基もしくはアリール基、または水素のいずれかであり得、Xは、アニオンを表す。アミン塩および四級アンモニウム化合物は、それらの高い水溶性の程度のため、本発明における実践的な使用に好ましい。
【0085】
好ましいカチオン性四級アンモニウム化合物は、以下のように概略的に示され得、
【化7】
式中、Rは、C8-C18アルキルまたはアルケニルを表し、R
1およびR
2は、C1-C4アルキル基であり、nは、10~25であり、xは、ハロゲン化物または硫酸メチルから選択されるアニオンである。
【0086】
大規模な商業用のカチオン性界面活性剤の大部分は、当業者に既知であり、「Surfactant Encyclopedia」、Cosmetics&Toiletries、104巻(2)86~96(1989年)に説明されている、4つの主要なクラスおよび追加の下位群に細分化され得る。第1のクラスは、アルキルアミンおよびそれらの塩を含む。第2のクラスは、アルキルイミダゾリンを含む。第3のクラスは、エトキシル化アミンを含む。第4のクラスは、例えば、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンゼン塩、複素環アンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩などの四級物を含む。カチオン性界面活性剤は、本組成物において有益であり得る多様な特性を有することが知られている。これらの望ましい特性としては、中性pH以下の組成物における洗浄力、抗微生物性効能、他の薬剤と連携した増粘またはゲル化などが含まれ得る。
【0087】
本明細書の特許請求される洗剤組成物において有用なカチオン性界面活性剤は、式R
1
mR
2
xYLZを有するもの(式中、各R
1は、最大3個のフェニルまたはヒドロキシ基で任意選択に置換され、以下の最大4つの構造で任意選択的に中断された、直鎖または分岐のアルキル基またはアルケニル基を含有する有機基である):
【化8】
またはこれらの構造の異性体もしくは混合物を含み、8~22個の炭素原子を含有する。R
1基は、付加的に最大12個のエトキシ基を含有し得る。mは、1~3の数である。好ましくは、分子中の1個以下のR
1基は、mが2であるときに16個以上の炭素原子を有するか、またはmが3であるときに12個を超える炭素原子を有する。各R
2は、1~4個の炭素原子またはベンジル基を含有するアルキルまたはヒドロキシアルキル基であり、かつ分子中の1個以下のR
2がベンジルであり、xは、0~11、好ましくは0~6の数である。Y基上の任意の炭素原子位置の残りは、水素によって充填される。
【0088】
Yは、以下、
【化9】
またはそれらの混合物を含む基であり得るが、これらに限定されることはない。
【0089】
好ましくは、Lは、1または2であり、Y基は、Lが2であるとき、1~22個の炭素原子および2個の遊離炭素単結合を有するR1およびR2類似体(好ましくは、アルキレンまたはアルケニレン)から選択される部分によって分離されている。Zは、硫酸アニオン、メチル硫酸アニオン、水酸化物アニオンまたは硝酸アニオンなどの水溶性アニオンであり、特に、カチオン性成分の電気的中性を付与する数の硫酸アニオンまたはメチル硫酸アニオンが好ましい。
【0090】
特許請求される洗剤組成物中のカチオン性四級界面活性剤の好適な濃度は、特許請求される洗剤組成物の約0重量%~約10重量%であり得る。
【0091】
両性界面活性剤
両性または両性電解質界面活性剤は、塩基性および酸性親水性基の両方ならびに有機疎水性基を含有する。これらのイオン性実体は、他の型の界面活性剤について本明細書に記載される陰イオン性または陽イオン性基のいずれかであり得る。塩基性窒素および酸性カルボキシレート基は、塩基性および酸性親水性基として採用される典型的な官能基である。いくつかの界面活性剤では、スルホネート、スルフェート、ホスホネート、またはホスフェートは、負電荷を提供する。
【0092】
両性界面活性剤は、脂肪族二級および三級アミンの誘導体として広く記載することができ、ここで脂肪族ラジカルは、直鎖または分岐であってよく、脂肪族置換基のうちの1個は、約8~18個の炭素原子を含有し、1個は、アニオン性水可溶化基、例えば、カルボキシ、スルホ、スルファト、ホスファト、またはホスホノを含有する。両性界面活性剤は、当業者に既知であり、本明細書にその全体が参照により組み込まれる”Surfactant Encyclopedia”Cosmetics&Toiletries,Vol.104(2)69-71(1989)に記載される、2つの主要なクラスに細分される。第1のクラスは、アシル/ジアルキルエチレンジアミン誘導体(例えば、2-アルキルヒドロキシエチルイミダゾリン誘導体)およびそれらの塩を含む。第2のクラスには、N-アルキルアミノ酸およびそれらの塩が含まれる。一部の両性界面活性剤は、両方のクラスに当てはまると想像され得る。
【0093】
両性界面活性剤は、当業者に既知の方法によって合成され得る。例えば、2-アルキルヒドロキシエチルイミダゾリンは、長鎖カルボン酸(または誘導体)のジアルキルエチレンジアミンとの縮合および閉環によって合成される。商業的な両性界面活性剤は、その後の加水分解およびアルキル化によるイミダゾリン環の開環によって、例えば、クロロ酢酸または酢酸エチルを用いて誘導体化される。アルキル化の間に、1または2つのカルボキシ-アルキル基が反応して、三級アミンおよびエーテル結合を形成し、異なるアルキル化剤が、異なる三級アミンを生じる。
【0094】
本発明において用途を有する長鎖イミダゾール誘導体は、一般に以下の一般式を有し、
【化10】
中性pH双性イオン
【化11】
式中、Rは、約8~約18個の炭素原子を含有する非環式疎水性基であり、Mは、アニオンの電荷を中和するためのカチオン、一般的にはナトリウムである。本組成物に用いることができる商業的に有名なイミダゾリン由来両性化合物としては、例えば、ココアンホプロピオネート、ココアンホカルボキシ-プロピオネート、ココアンホグリシネート、ココアンホカルボキシ-グリシネート、ココアンホプロピル-スルホネート、およびココアンホカルボキシ-プロピオン酸が挙げられる。アンホカルボン酸は、脂肪族イミダゾリンから生成することができ、ここで、アンホジカルボン酸のジカルボン酸官能基は、二酢酸および/またはジプロピオン酸である。
【0095】
本明細書で上記のカルボキシメチル化化合物(グリシネート)は、しばしばベタインと呼ばれる。ベタインは、双性イオン界面活性剤と題した以下の節において、本明細書で以下に説明される特別なクラスの両性化合物である。
【0096】
長鎖N-アルキルアミノ酸は、反応RNH2によって容易に調製され、Rは、C8-C18直鎖または分岐鎖アルキル、ハロゲン化カルボン酸を有する脂肪アミンである。アミノ酸の一級アミノ基のアルキル化は、二級および三級アミンをもたらす。アルキル置換基は、複数の反応性窒素中心を提供する2つ以上のアミノ基を有してもよい。最も商業的なN-アルキルアミン酸は、ベータ-アラニンまたはベータ-N(2-カルボキシエチル)アラニンのアルキル誘導体である。本発明において用途を有する商業的なN-アルキルアミノ酸両性電解質の例は、アルキルベータ-アミノジプロピオネート、RN(C2H4COOM)2およびRNHC2H4COOMを含む。一実施形態において、Rは、約8~約18個の炭素原子を含有する非環式疎水性基であり得、Mは、アニオンの電荷を中和するためのカチオンである。
【0097】
好適な両性界面活性剤は、ココナッツ油またはココナッツ脂肪酸などのココナッツ製品から誘導されるものを含む。追加的な好適なココナッツ由来界面活性剤は、それらの構造の一部として、エチレンジアミン部分、アルカノールアミド部分、アミノ酸部分、例えば、グリシン、またはそれらの組み合わせ、および約8~18(例えば12)個の炭素原子の脂肪族置換基を含む。かかる界面活性剤はまた、アルキルアンホジカルボン酸とみなされ得る。これらの両性界面活性剤は、C12-アルキル-C(O)-NH-CH2-CH2-N+(CH2-CH2-CO2Na)2-CH2-CH2-OHまたはC12-アルキル-C(O)-N(H)-CH2-CH2-N+(CH2-CO2Na)2-CH2-CH2-OHとして表される化学構造を含み得る。ココアンホジプロピオン酸二ナトリウムは、1つの好適な両性界面活性剤であり、ニュージャージー州クランベリーにあるRhodia Inc.からMiranol(商標)FBSの商品名で市販されている。化学名ココアンホジ酢酸二ナトリウム(disodium cocoampho diacetate)を有する別の好適なココナッツ由来の両性界面活性剤は、同じくニュージャージー州クランベリーにあるRhodia Inc.からMirataine(商標)JCHAの商品名で販売されている。
【0098】
両性クラスおよびこれらの界面活性剤の種の典型的なリストは、1975年12月30日にLaughlin and Heuringに発行された米国特許第3,929,678号に与えられる。さらなる例は、“Surface Active Agents and Detergents”(Vol.I and II by Schwartz,Perry and Berch)に与えられる。これらの参考文献の各々は、本明細書に参照によりその全体が組み込まれる。
【0099】
双性イオン性界面活性剤
双性イオン性界面活性剤は、両性界面活性剤のサブセットと考えることができ、アニオン電荷を含み得る。双性イオン性界面活性剤は、二級および三級アミンの誘導体、複素環式二級および三級アミンの誘導体、または第四級アンモニウム、四級ホスホニウム、または三級スルホニウム化合物の誘導体として広義に説明され得る。典型的には、双性イオン性界面活性剤は、正荷電四級アンモニウム、または場合によってはスルホニウムもしくはホスホニウムイオン、負荷電カルボキシル基、およびアルキル基を含む。双性イオンは、一般に、分子の等電領域においてほぼ同程度にイオン化し、正-負電荷中心間に強い「内部塩」誘引を生じ得るカチオン性基およびアニオン性基を含有する。そのような双性イオン性の合成界面活性剤の例としては、脂肪族ラジカルが直鎖であっても分岐であってもよく、脂肪族置換基のうちの1つが8~18個の炭素原子を含有し、1つが陰イオン性水溶化基、例えば、カルボキシ、スルホネート、スルフェート、ホスフェート、またはホスホネートを含有する、脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム、およびスルホニウム化合物の誘導体が挙げられる。
【0100】
ベタインおよびスルタイン界面活性剤は、本明細書で使用するための例示的な双性イオン性界面活性剤である。これらの化合物の一般式は、
【化12】
であり、式中、R
1は、0~10個のエチレンオキシド部分および0~1つのグリセリル部分を有する8~18個の炭素原子のアルキル、アルケニル、またはヒドロキシアルキルラジカルを含有し、Yは、窒素、リン、および硫黄原子からなる群から選択され、R
2は、1~3個の炭素原子を含有するアルキルまたはモノヒドロキシアルキル基であり、xは、Yが硫黄原子であるとき1であり、Yが窒素またはリン原子であるとき2であり、R
3は、1~4個の炭素原子のアルキレンまたはヒドロキシアルキレンまたはヒドロキシアルキレンであり、Zは、カルボキシレート、スルホネート、スルフェート、ホスホネート、およびホスフェート基からなる群から選択されるラジカルである。
【0101】
上記の構造を有する双性イオン界面活性剤の例としては、4-[N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-N-オクタデシルアンモニオ]-ブタン-1-カルボキシレート、5-[S-3-ヒドロキシプロピル-S-ヘキサデシルスルホニオ]-3-ヒドロキシペンタン-1-スルフェート、3-[P,P-ジエチル-P-3,6,9-トリオキサテトラコサンホスホニオ]-2-ヒドロキシプロパン-1-ホスフェート、3-[N,N-ジプロピル-N-3-ドデコキシ-2-ヒドロキシプロピル-アンモニオ]-プロパン-1-ホスホネート、3-(N,N-ジメチル-N-ヘキサデシルアンモニオ)-プロパン-1-スルホネート、3-(N,N-ジメチル-N-ヘキサデシルアンモニオ)-2-ヒドロキシ-プロパン-1-スルホネート、4-[N,N-ジ(2(2-ヒドロキシエチル)-N(2-ヒドロキシドデシル)アンモニオ]-ブタン-1-カルボキシレート、3-[S-エチル-S-(3-ドデコキシ-2-ヒドロキシプロピル)スルホニオ]-プロパン-1-ホスフェート、3-[P,P-ジメチル-P-ドデシルホスホニオ]-プロパン-1-ホスホネート、およびS[N,N-ジ(3-ヒドロキシプロピル)-N-ヘキサデシルアンモニオ]-2-ヒドロキシ-ペンタン-1-スルフェートが挙げられる。当該洗剤界面活性剤に含有されるアルキル基は、直鎖または分岐でもよく、飽和または不飽和であり得る。
【0102】
本組成物における使用に好適な双性イオン性界面活性剤は、次の一般構造のベタインを含む。
【化13】
【0103】
これらの界面活性剤ベタインは、典型的に、極度のpHで強いカチオンもしくはアニオンの特徴を呈さないか、またはこれらの等電範囲で水溶性の減少を示さない。「外部の」四級アンモニウム塩とは異なり、ベタインは陰イオン性物質と相溶性がある。好適なベタインの例は、ココナッツアシルアミドプロピルジメチルベタイン、ヘキサデシルジメチルベタイン、C12-14アシルアミドプロピルベタイン、C8-14アシルアミドヘキシルジエチルベタイン、4-C14-16アシルメチルアミドジエチルアンモニオ-1-カルボキシブタン、C16-18アシルアミドジメチルベタイン、C12-16アシルアミドペンタンジエチルベタイン、およびC12-16アシルメチルアミドジメチルベタインを含む。
【0104】
本発明において有用なスルタインは、式(R(R1)2N+R2SO3-を有する化合物を含み、ここで、Rは、C6-C18ヒドロカルビル基であり、各R1は、典型的には独立して、C1-C3アルキル、例えばメチルであり、R2は、C1-C6ヒドロカルビル基、例えばC1-C3アルキレンまたはヒドロキシアルキレン基である。
【0105】
双性イオン性クラスおよびこれらの界面活性剤の種の典型的なリストは、1975年12月30日にLaughlin and Heuringに発行された米国特許第3,929,678号に与えられる。さらなる例は、“Surface Active Agents and Detergents”(Vol.I and II by Schwartz,Perry and Berch)に与えられる。これらの参照文献の各々は、本明細書にその全体が組み込まれる。
【0106】
水質調整ポリマー
一実施形態では、特許請求された洗剤組成物は、1つ以上の水質調整ポリマーを含む。水質調整ポリマーとしては、ポリカルボキシレートが挙げられ得るが、これに限定されない。ビルダーおよび/または水質調整ポリマーとして使用され得る例示的なポリカルボキシレートとしては、これらに限定されるものではないが、ポリアクリル酸ホモポリマー、ポリマレイン酸ホモポリマー、マレイン酸/オレフィンコポリマー、スルホン化コポリマーまたはターポリマー、アクリル/マレイン酸コポリマーまたはターポリマーポリメタクリル酸ホモポリマー、ポリメタクリル酸コポリマーまたはターポリマー、アクリル酸-メタクリル酸コポリマー、加水分解ポリアクリルアミド、加水分解ポリメタクリルアミド、加水分解ポリアミド-メタクリルアミドコポリマー、加水分解ポリアクリロニトリル、加水分解ポリメタクリロニトリル、加水分解アクリロニトリル-メタクリロニトリルコポリマー、およびそれらの組み合わせなどのペンダントカルボキシレート(-CO2-)基を有するものが挙げられる。キレート剤/隔離剤のさらなる考察については、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、Kirk-Othmer、Encyclopedia of Chemical Technology、第3版、第5巻、339~366ページおよび第23巻、319~320ページを参照されたい。これらの材料はまた、準化学量論的レベルで使用されて結晶調整剤としても機能し得る。
【0107】
実施形態では、特許請求される洗剤組成物は、約0.1重量%~約25重量%の水質調整ポリマー(複数可)、約1重量%~約20重量%の水質調整ポリマー(複数可)、約1重量%~約15重量%の水質調整ポリマー(複数可)、好ましくは約1重量%~約10重量%の水質調整ポリマー(複数可)を含む。加えて、本明細書に開示される洗剤組成物により限定されるものではないが、すべての列挙される範囲は、その範囲を定義する数を含み、その定義される範囲内の各整数を含む。
【0108】
アミノカルボキシレート
一実施形態では、本明細書に開示される洗剤組成物は、アミノカルボキシレート(またはアミノカルボン酸材料)を含む。好適なアミノカルボキシレートとしては、例えば、N-ヒドロキシエチルアミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、ヒドロキシエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、グルタミン酸N,N-二酢酸(GLDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、イミノジコハク酸(IDS)、エチレンジアミンジコハク酸(EDDS)、3-ヒドロキシ-2,2-イミノジコハク酸(HIDS)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HEIDA)、およびカルボン酸置換基を有するアミノ基を有する他の同様の酸が挙げられる。
【0109】
一実施形態において、本明細書に開示される洗剤組成物は、約0.1重量%~約25重量%の1つ以上のアミノカルボキシレート、約1重量%~約20重量%の1つ以上のアミノカルボキシレート、約1重量%~約15重量%の1つ以上のアミノカルボキシレート、好ましくは約5重量%~約15重量%、または約10重量%~約20重量%の1つ以上のアミノカルボキシレートを含む。加えて、本明細書に開示される洗剤組成物により限定されるものではないが、すべての列挙される範囲は、その範囲を定義する数を含み、その定義される範囲内の各整数を含む。
【0110】
ホスホネート
いくつかの実施形態では、特許請求される洗剤組成物はホスホネートを含んでもよい。ホスホネートの例としては、米国特許第8,871,699号および同第9,255,242号に記載されているホスフィノコハク酸オリゴマー(PSO);2-ホスフィノブタン-1,2,4-トリカルボン酸(PBTC)、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、CH2C(OH)[PO(OH)2]2;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、N[CH2PO(OH)2]3;アミノトリ(メチレンホスホネート)、ナトリウム塩(ATMP)、N[CH2PO(ONa)2]3;2-ヒドロキシエチルイミノビス(メチレンホスホン酸)、HOCH2CH2N[CH2PO(OH)2]2;ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、(HO)2POCH2N[CH2CH2N[CH2PO(OH)2]2]2;ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホネート)、ナトリウム塩(DTPMP)、C9H(28-x)N3NaxO15P5(x=7);ヘキサメチレンジアミン(テトラメチレンホスホネート)、カリウム塩、C10H(28-x)N2KxO12P4(x=6);ビス(ヘキサメチレン)トリアミン(ペンタメチレンホスホン酸)、(HO2)POCH2N[(CH2)2N[CH2PO(OH)2]2]2;モノエタノールアミンホスホネート(MEAP);ジグリコールアミンホスホネート(DGAP)およびリン酸、H3PO3が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいホスホネートは、PBTC、HEDP、ATMP、およびDTPMPである。混合物に添加される前の、中和されたホスホネートもしくはホスホネートアルカリ、またはホスホネートとアルカリ性源の組み合わせは、これにより、ホスホネートの添加時に、中和反応により熱またはガスがほとんどもしくは全く発生しないようになることが好ましい。しかしながら、一実施形態では、特許請求される洗剤組成物は、リンを含まない。
【0111】
本明細書に開示される洗剤組成物に含まれるホスホネートの好適な量としては、洗剤組成物の重量の約0%~約25%、洗剤組成物の重量の約0.1%~約20%、約0%~約15%、約0%~約10%、約0%~約5%、約0.5%~約10%、約0.5%~約5%、または約0.5%~約15%が挙げられる。
【0112】
再堆積防止剤
アルカリ性洗剤組成物は、洗浄溶液中の汚れの持続した懸濁を促進し、かつ除去された汚れが洗浄されている基材上に再付着するのを防ぐための再堆積防止剤を含み得る。好適な再堆積防止剤の例には、ポリアクリレート、スチレン無水マレイン酸コポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体が含まれるが、これらに限定されない。洗剤組成物が再堆積防止剤を含む場合、再堆積防止剤は、約0.5重量%~約10重量%、および約1重量%~約5重量%の量で含まれ得る。記載されるすべての範囲は、範囲を定義する数を含み、かつ、定義される範囲内の各整数を含む。
【0113】
安定化剤
アルカリ性洗剤組成物はまた、安定化剤を含み得る。好適な安定化剤の例には、一級脂肪族アミン、ベタイン、ボレート、カルシウムイオン、クエン酸ナトリウム、クエン酸、ギ酸ナトリウム、グリセリン、マロン酸、有機二酸、ポリオール、プロピレングリコール、およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。濃縮物は、安定化剤を含む必要はないが、洗剤組成物が安定化剤を含む場合、安定化剤は、濃縮物の所望のレベルの安定性を提供する量で含まれ得る。安定化剤の例示的な範囲には、最大でおよそ20重量%、およそ0.05重量%~およそ15重量%、およびおよそ0.1重量%~およそ10重量%が含まれる。記載されるすべての範囲は、範囲を定義する数を含み、かつ、定義される範囲内の各整数を含む。
【0114】
使用方法
アルカリ性洗剤組成物を使用する使用方法は、物品および表面を洗浄、消毒および/または殺菌するための閉鎖系、例えば、食器または器物洗浄システムでの使用に特に適している。本発明の実施形態によれば、アルカリ性洗剤組成物は、処理された表面を洗浄するための産業用または企業用の器物洗浄に特によく適している。
【0115】
この方法は、物品または表面を、本発明のアルカリ性洗剤組成物または洗剤使用組成物と接触させて、表面を洗浄することを含む。この方法は、ガラス、セラミック、プラスチック、磁器、アルミニウムなどで作られたものを含む表面または物品を含む様々な表面または物体のいずれかに液体を接触させ得る。
【0116】
接触は、組成物を噴霧する、組成物に物体を浸漬する、またはそれらの組み合わせなど、組成物を塗布するための多数の方法のいずれかを含み得る。本発明の化合物の濃縮物または使用濃度は、対象物に洗浄化合物を塗布するための任意の従来の方法または装置によって、物品に塗布され得るか、または接触させられ得る。例えば、対象物は、化合物、または組成物から作製された使用溶液で拭き取られ得るか、それを噴霧され得るか、かつ/またはその中に浸漬され得る。組成物は、表面上で噴霧され得るか、もしくは表面を拭き取られ得るか、組成物は、表面上で流動させられ得るか、または表面は、組成物中に浸され得る。接触は、手動または機械によって行うことができる。
【0117】
物品または表面に接触する前に、濃縮洗剤組成物を、使用前または使用場所でまず水で希釈することにより、使用溶液を提供し得る。一態様では、アルカリ性洗剤使用溶液は、濃縮アルカリ性洗剤組成物を水で約1:500~約1:5000に希釈することによって形成される。組成物を自動器物洗浄機または食器洗浄機で使用する場合、使用場所は、自動器物洗浄機内であることが予想される。機械に応じて、組成物は、単位用量形態または多目的形態で提供され得る。より大きな器物洗浄機では、各洗浄サイクルに対して単位用量の組成物の放出を可能にする区画中に大量の組成物を提供し得る。そのような区画は、器物洗浄機の一部として、または器物洗浄機に接続された別個の構造として提供され得る。
【0118】
使用溶液は、多くの場合、複数のサイクルで再利用される。最適な洗浄が達成されないレベル(pH10未満)までアルカリ度が低下したことを示す色変化が発生すると、水および溶液が排出され、交換される。
【0119】
本発明の方法は、処理された物品または表面に対して1回以上のすすぎ工程をさらに使用することができる。一態様では、高温でのアルカリ性洗剤組成物の商業的使用は、好ましくは、すすぎ助剤を使用するすすぎ工程を含み、これには、例えば、米国特許出願第13/480,031号(参照することによりその全体が本明細書中で援用される)に記載されるすすぎ助剤の使用の開示が挙げられる。
【0120】
製造方法
本明細書に開示される洗剤組成物は、本明細書に開示される重量パーセンテージおよび比で構成要素を組み合わせることにより形成され得る。本明細書に開示される洗剤組成物は、固体として提供することができ、器物洗浄プロセス(または他の用途の使用)中に使用溶液が形成される。
【0121】
本明細書に開示される固体洗剤組成物は、固化マトリックスを使用して形成することができ、バッチまたは連続混合システムを使用して製造される。例示的な実施形態では、一軸または二軸押出機を使用して、1つ以上の成分を高剪断で組み合わせ、混合して、均質な混合物を形成する。いくつかの実施形態において、加工温度は、構成要素の溶融温度以下である。加工される混合物は、形成、鋳造、または洗剤組成物が固体形態に硬化するのに好適な他の手段によって、混合器から分注され得る。マトリックスの構造は、その硬度、融点、材料分布、結晶構造、および当該技術分野における既知の方法による他の同様の特性に従って、特徴付けられ得る。概して、本発明の方法に従って加工される固体組成物は、その質量全体を通して成分の分布に関して実質的に均質であり、かつ寸法的に安定である。
【0122】
具体的には、形成プロセスにおいて、液体および固体の構成要素は、最終混合システム内に導入され、構成要素は、構成要素がその質量全体に分布した実質的に均質な半固体混合物を形成するまで、連続的に混合される。例示的な実施形態において、構成要素は、混合システム内で少なくともおよそ5秒間混合される。混合物は、次いで、混合システムからダイもしくは他の成形手段の中へ、またはそれを通して排出される。生成物は、次いで、梱包される。例示的な実施形態において、形成された組成物は、およそ1分間~およそ3時間で固体形態に硬化し始める。具体的には、形成された組成物は、およそ1分間~およそ2時間で固体形態に硬化し始める。より具体的には、形成された組成物は、およそ1分間~およそ20分間で固体形態に硬化し始める。
【0123】
圧縮は、錠剤または他の従来の固体組成物を形成するために用いられる従来の圧力と比較して低い圧力を用いることができる。例えば、一実施形態において、本方法は、約5000psi以下の圧力を固体上に用いる。ある特定の実施形態において、本方法は、約3500psi以下、約2500psi以下、約2000psi以下、または約1000psi以下の圧力を用いる。特定の実施形態では、本方法は、約1~約1000psi、約2~約900psi、約5psi~約800psi、または約10psi~約700psiの圧力を用いてもよい。
【0124】
具体的には、鋳造プロセスにおいて、液体および固体の構成要素は、最終混合システム内に導入され、構成要素は、構成要素がその質量全体に分布した実質的に均質な液体混合物を形成するまで、連続的に混合される。例示的な実施形態において、構成要素は、混合システム内で少なくともおよそ60秒間混合される。混合が完了すると、生成物は梱包容器に移され、そこで凝固が起こる。例示的な実施形態において、鋳造組成物は、およそ1分間~およそ3時間で固体形態に硬化し始める。具体的には、鋳造組成物は、およそ1分間~およそ2時間で固体形態に硬化し始める。より具体的には、鋳造組成物は、およそ1分間~およそ20分間で固体形態に硬化し始める。
【0125】
「固体形態」という用語は、硬化組成物が、適度な応力もしくは圧力または単なる重力下で流動せず、その形状を実質的に保持するであろうことを意味する。固体鋳造組成物の硬度の程度は、例えば、コンクリートのような、比較的緻密で硬い溶融固体生成物の硬度から、硬化されたペーストとして特徴付けられる軟度にわたり得る。加えて、「固体」という用語は、固体洗剤組成物の予測される保管および使用条件下での洗剤組成物の状態を指す。概して、洗剤組成物は、最大およそ100°F、具体的にはおよそ120°Fを超える温度に曝露されるときに、固体形態のままであることが予測される。
【0126】
得られる固体組成物は、これらに限定されるものではないが、圧縮された固体、鋳造固体生成物、押出、成型、もしくは形成された固体ペレット、ブロック、錠剤、粉末、顆粒、剥片を含む形態をとってもよく、または形成された固体は、その後、粉末、顆粒、もしくは薄片に粉砕もしくは形成され得る。例示的な実施形態において、固化マトリックスによって形成される押出ペレット材料は、およそ50グラム~およそ250グラムの重量を有し、固化マトリックスによって形成される押出固体は、およそ100グラム以上の重量を有し、固化マトリックスによって形成される固体ブロック洗剤は、およそ1~およそ10キログラムの質量を有する。固体組成物は、機能性材料の安定化された供給源を提供する。いくつかの実施形態において、固体組成物は、濃縮溶液および/または使用溶液を生成するために、例えば、水性媒体または他の媒体中に、溶解されてもよい。この溶液は、その後の使用および/もしくは希釈のために貯水槽に方向づけられ得るか、または使用点に対して直接適用され得る。代替的に、固体アルカリ性洗剤組成物は単位用量の形態で提供され、典型的にはおよそ1グラム~およそ100グラムのサイズを有する鋳造固体、押出ペレット、または錠剤として提供される。別の代替形態では、ブロックまたは複数のペレットなどの複数回使用の固体を提供することができ、繰り返し使用して複数サイクルの水性洗剤組成物を生成することができる。
【0127】
本明細書におけるすべての刊行物および特許出願は、本発明が関連する技術分野における通常の技術レベルを示している。すべての刊行物および特許出願は、あたかも各個々の刊行物または特許出願が具体的かつ個々に参照により組み込まれるのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【実施例0128】
本明細書に開示される洗剤組成物の実施形態は、以下の非限定的な実施例においてさらに定義される。これらの実施例は、本明細書に開示される洗剤組成物の特定の実施形態を示してはいるが、単に例証として与えられていることが理解されるべきである。上記の考察およびこれらの実施例から、当業者は、本明細書に開示される洗剤組成物の本質的な特徴を確認することができ、その趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な利用法および条件にそれを適合するために本明細書に開示される洗剤組成物の実施形態の様々な変更および修正を行うことができる。したがって、本明細書に開示される洗剤組成物の実施形態の様々な修正が、本明細書に示され説明されるものに加えて、前述の記載から当業者には明らかとなるであろう。そのような修正もまた、添付の特許請求の範囲であることが意図される。
【0129】
実施例1
対照:Ecolabから市販されているアルカリ性器物洗浄用洗剤
試験:市販のアルカリ性器物洗浄用洗剤+アリザリンイエローR
【化14】
アラジリンイエローR-赤色指示薬
【0130】
装置および材料
1.適切な水供給部が取り付けられた企業用機械
2.試験を完了するのに十分な洗剤
3.高温点およびビーフシチュー汚れ
4.アルカリ度を用量設定するための滴定装置および試薬
5.水の硬度試験キット
【0131】
汚れ
ビーフシチューおよび高温点汚れを50/50で組み合わせたものを4000ppmで使用した。汚れは、以下の成分から構成された。
1.2缶のDinty Mooreのビーフシチュー(1360g)
2.1缶(大)のトマトソース(822g)
3.15.5本のBlue Bonnetマーガリン(1746.g)
4.粉末牛乳(436.4g)
【0132】
調製
1.食器洗浄機を5GPGの水で満たす。水の硬度を試験する。値を記録する。タンクヒーターの電源を入れる。
2.食器洗浄機の電源を入れ、150~160°Fの洗浄温度および175~190°Fのすすぎ温度に到達するまで、機械による洗浄またはすすぎサイクルを実行する。
3.コントローラーを、1500ppmの市販のアルカリ性器物洗浄用洗剤を洗浄タンクに分注するよう設定する。滴定して洗剤濃度を確認する。
4.187ppmの高温点汚れおよび62ppmの塩(汚水槽の量を占める)を追加する。
5.45サイクル試験を開始する。各サイクルの後、適切な量の高温点汚れおよび塩を機械に添加して、187ppmの食品汚れおよび62ppmの塩(塩化ナトリウム)を維持する。
6.各洗浄サイクルの初めに、適切な量の洗剤を器物洗浄機内へ自動的に分注して、最初の洗剤濃度を維持する。洗剤濃度を、導電率プローブによって制御する。
7.3サイクルごとに試料を取り出し、色変化を観察し、pHを測定する。
【0133】
洗浄条件:1500ppmの市販のアルカリ性器物洗浄用洗剤、50ppmのアリザリンイエローR、5gpgの水硬度、187ppmの高温点汚れおよび62ppmの塩(塩化ナトリウム)、70℃の洗浄温度
【0134】
結果を、
図1、
図2、および表1に示す。pH10.7(赤色)~10.1以下(黄色)で、赤色から黄色への色変化が観察される。表1は、サイクル3~45で記録されたpH値を示す。
【表6】
【0135】
本発明はこのように説明されているが、これは多くの方法で変動し得ることは明らかであろう。このような変更は、本発明の趣旨および範囲からの逸脱とみなされるべきではなく、すべてのこのような修正は、以下の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。上記明細書は、開示された組成物および方法の製造および使用の説明を提供する。本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく多くの実施形態を行うことができるため、本発明は特許請求の範囲に属する。
本発明はこのように説明されているが、これは多くの方法で変動し得ることは明らかであろう。このような変更は、本発明の趣旨および範囲からの逸脱とみなされるべきではなく、すべてのこのような修正は、以下の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。上記明細書は、開示された組成物および方法の製造および使用の説明を提供する。本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく多くの実施形態を行うことができるため、本発明は特許請求の範囲に属する。以下の項目[1]~[23]に、本開示の実施形態の例を列記する。
[1]
アルカリ性源と、
pH感受性染料であって、前記pH感受性染料が約10.1未満のpHで色変化を示す、pH感受性染料と
を含む、色変化アルカリ性洗剤組成物。
[2]
前記アルカリ性源が、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属メタケイ酸塩および/またはアルカリ金属ケイ酸塩を含む、項目1に記載の組成物。
[3]
前記pH感受性染料が、アゾ染料である、項目1または2に記載の組成物。
[4]
前記アゾ染料が、アリザリンイエローRである、項目3に記載の組成物。
[5]
非イオン性界面活性剤をさらに含む、項目1~4のいずれか一項に記載の組成物。
[6]
前記非イオン性界面活性剤が、アルコキシル化非イオン性界面活性剤、ポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンポリマー化合物、および/または逆ポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンポリマー化合物を含む、項目5に記載の組成物。
[7]
水質調整ポリマーをさらに含む、項目1~6のいずれか一項に記載の組成物。
[8]
前記水質調整ポリマーが、ポリカルボン酸、ポリアクリレート、および/またはポリメタクリレートを含む、項目7に記載の組成物。
[9]
前記組成物が、アミノカルボキシレート、ホスホネート、再堆積防止剤、および/または安定化剤から選択される少なくとも1つの追加の機能性成分をさらに含む、項目1~8のいずれか一項に記載の組成物。
[10]
前記組成物の使用溶液が、少なくとも約10のpHを有する、項目1~9のいずれか一項に記載の組成物。
[11]
前記組成物の使用溶液が、約100~約2000ppmの前記アルカリ性源、および約1~約500ppmの前記pH感受性染料を含む、項目1~10のいずれか一項に記載の組成物。
[12]
洗浄組成物の濃度を検出する方法であって、前記方法は、
洗浄を必要とする表面または物品を、アルカリ性洗剤組成物と接触させることであって、前記組成物が、アルカリ性源およびpH感受性染料を含み、前記pH感受性染料が、約10.1未満のpHで色変化を示す、接触させることと、
前記組成物が色変化を示すかどうかを観察することにより、前記組成物が洗浄に有効な濃度を有するかどうかを決定することと、を含む、方法。
[13]
前記アルカリ性洗剤組成物が、項目1~11のいずれか一項に記載の組成物である、項目12に記載の方法。
[14]
洗剤組成物の使用溶液を生成する工程をさらに含み、前記使用溶液が、少なくとも約10のpHを有する、項目12または13に記載の方法。
[15]
前記使用溶液が、器物洗浄機内で生成される、項目12~14のいずれか一項に記載の方法。
[16]
前記pH感受性染料が、前記使用溶液中で約1ppm~約500ppmの濃度で提供される、項目12~15のいずれか一項に記載の方法。
[17]
前記pH感受性染料が、アリザリンイエローRである、項目12~16のいずれか一項に記載の方法。
[18]
前記色変化が赤色から黄色であり、前記赤色が、前記濃度が洗浄に有効であることを示す、項目12~17のいずれか一項に記載の方法。
[19]
器物を洗浄する方法であって、前記方法は、
アルカリ性洗剤組成物を希釈することにより、使用溶液を生成することであって、前記組成物が、アルカリ性源およびpH感受性染料を含む、生成することと、
前記溶液を、食器洗浄機中で前記器物に適用することと、
前記使用溶液の色を監視することであって、前記pH感受性染料が約10.1未満のpHで色変化を示す、監視することと、
その後、前記色変化が発生したときに前記使用溶液を変更することと、を含む、方法。
[20]
前記アルカリ性洗剤組成物が、項目1~11のいずれか一項に記載の組成物である、項目19に記載の方法。
[21]
前記使用溶液が、産業用器物洗浄機内で生成される、項目19または20に記載の方法。
[22]
色変化が観察されたときに前記器物洗浄機を排水する工程をさらに含む、項目21に記載の方法。
[23]
前記色変化が赤色から黄色であり、前記黄色が、前記器物洗浄機を排水し、かつ前記使用溶液を交換する必要があることを示す、項目19~22のいずれか一項に記載の方法。