(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023780
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】表示装置、表示方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04855 20220101AFI20240214BHJP
【FI】
G06F3/04855
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023215673
(22)【出願日】2023-12-21
(62)【分割の表示】P 2022022058の分割
【原出願日】2016-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(72)【発明者】
【氏名】賀田 寛夫
(72)【発明者】
【氏名】秋葉 貴広
(57)【要約】
【課題】通常時のスクロール操作部の大きさを限定することなく、より簡潔にスクロール操作部の表示態様を変更する。
【解決手段】表示装置は、スクロール操作を行うためのスクロール操作部を表示する。そして、外部入力の指示位置が、スクロール操作のための操作領域に侵入したことを検知した場合に、スクロール操作部の表示態様を変更する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクロール操作を行うためのスクロール操作部を表示する表示部と、
外部入力の指示位置が、前記スクロール操作のための操作領域に侵入したことを検知する検知部と、を備え、
前記表示部は、前記検知部が前記操作領域への前記指示位置の侵入を検知した場合に、前記スクロール操作部の表示態様を変更することを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置における表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置において、表示内容のスクロール量を変更する手法が特許文献1に記載されている。具体的に、特許文献1の装置は、表示コンテンツを第1単位スクロール量でスクロールさせるためのスクロールバー12aを、グリップ13aを含んで第1の表示内容で表示する。そして、使用者がスクロールバー12aのグリップ13aを長押しした場合には、スクロールバー12の表示内容を、スクロールバー12bとグリップ13bを含む第2の表示内容に変更する。第2の表示内容でグリップ13bが操作されると、特定情報が付与されたページ毎にスクロールする第2スクロール方式によってスクロールがなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の手法では、通常時にグリップ13aが長押しした場合、特定情報が付与されたページ毎にスクロールする第2スクロール方式に変更される。このため、通常時のグリップ13aを小さくしてしまうと、使用者がグリップ13aを長押しすることが困難になる。このため、通常時のグリップ13aはある程度の大きさが必要となり、大きさが限られてしまう。即ち、通常時のグリップ13aの大きさを、表示される情報量に合わせて調整することができなくなってしまう。
【0005】
本発明の解決しようとする課題としては、上記のものが一例として挙げられる。本発明は、通常時のスクロール操作部の大きさを限定することなく、より簡潔にスクロール操作部の表示態様を変更することが可能な表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、表示装置であって、スクロール操作を行うためのスクロール操作部を表示する表示部と、外部入力の指示位置が、前記スクロール操作のための操作領域に侵入したことを検知する検知部と、を備え、前記表示部は、前記検知部が前記操作領域への前記指示位置の侵入を検知した場合に、前記スクロール操作部の表示態様を変更することを特徴とする。
【0007】
請求項8に記載の発明は、表示装置により実行される表示方法であって、スクロール操作を行うためのスクロール操作部を前記表示装置に表示する表示工程と、外部入力の指示位置が、前記スクロール操作のための操作領域に侵入したことを検知する検知工程と、を備え、前記表示工程は、前記検知工程が前記操作領域への前記指示位置の侵入を検知した場合に、前記スクロール操作部の表示態様を変更することを特徴とする。
【0008】
請求項9に記載の発明は、コンピュータを備える表示装置により実行されるプログラムであって、スクロール操作を行うためのスクロール操作部を表示する表示部と、外部入力の指示位置が、前記スクロール操作のための操作領域に侵入したことを検知する検知部、として前記コンピュータを機能させ、前記表示部は、前記検知部が前記操作領域への前記指示位置の侵入を検知した場合に、前記スクロール操作部の表示態様を変更することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施例に係る表示装置の外観及び内部構成を示す。
【
図3】スクロールバーを拡大した場合の表示例を示す。
【
図4】表示装置による表示処理のフローチャートである。
【
図5】スクロールバーを拡大した場合の他の表示例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の1つの好適な実施形態では、表示装置は、スクロール操作を行うためのスクロール操作部を表示する表示部と、外部入力の指示位置が、前記スクロール操作のための操作領域に侵入したことを検知する検知部と、を備え、前記表示部は、前記検知部が前記操作領域への前記指示位置の侵入を検知した場合に、前記スクロール操作部の表示態様を変更する。
【0011】
上記の表示装置は、スクロール操作を行うためのスクロール操作部を表示する。そして、外部入力の指示位置が、表示部上におけるスクロール操作のための操作領域に侵入したことを検知した場合に、表示部はスクロール操作部の表示態様を変更する。これにより、ユーザがスクロール操作をしようとしたときに、スクロール操作がしやすくなるようにスクロール操作部の表示態様が変更される。
【0012】
上記の表示装置の一態様では、前記検知部は、前記スクロール操作部以外による他のスクロール操作を検知し、前記表示部は、前記検知部が前記他のスクロール操作を検知した場合に、前記スクロール操作部の表示態様を変更する。この態様では、スクロール操作部の操作によるスクロール操作以外の他のスクロール操作が検知されたときに、スクロール操作部の表示態様を変更する。
【0013】
上記の表示装置の他の一態様では、前記表示部は、前記検知部が前記指示位置の侵入又は前記他のスクロール操作を検知していない場合には前記表示部に表示される全情報の情報量に応じたサイズで前記スクロール操作部を表示し、前記検知部が前記指示位置の侵入又は前記他のスクロール操作を検知した場合には前記スクロール操作部を拡大して表示する。これにより、スクロール操作が行われていない場合にはユーザはスクロール操作部のサイズにより表示部に表示される情報の全体の情報量を把握することができ、スクロール操作を行う際にはユーザがスクロール操作しやすいようにスクロール操作部が拡大される。
【0014】
上記の表示装置の他の一態様では、前記表示部は、前記情報量が所定量より少ない場合には、前記スクロール操作部の表示態様を変更しない。この態様では、表示部に表示される情報量が少ない場合には、スクロール操作部はユーザが操作しやすいサイズを有するため、表示態様を変更しない。
【0015】
上記の表示装置の他の一態様では、前記表示部は、情報量が予め決まっている情報を表示する場合には前記検知部の検知結果によらず前記スクロール操作部を一定のサイズで表示し、情報量が予め決まっていない情報を表示する場合には前記検知部の検知結果に基づいて前記スクロール操作部の表示態様を変更する。この態様では、情報量が予め決まっている情報を表示する場合には、スクロール操作部のサイズによって情報量を把握する必要が無いので、スクロール操作部はユーザが操作しやすい一定のサイズで表示される。一方、情報量が予め決まっていない情報を表示する場合には、ユーザがスクロール操作部のサイズによって全体の情報量を把握できるようにし、さらにスクロール操作が行われることが検知されたときにはスクロール操作部をユーザが操作しやすいサイズで表示する。
【0016】
上記の表示装置の他の一態様では、前記検知部が前記指示位置の侵入又は前記他のスクロール操作を検知しなくなった場合、前記表示部は前記スクロール操作部の表示態様を変更前の表示態様に戻す。この態様では、スクロール操作の終了後はスクロール操作部の表示態様が元に戻り、ユーザはスクロール操作部のサイズに基づいて全体の情報量を把握できるようになる。
【0017】
上記の表示装置の他の一態様では、前記表示部は、前記スクロール操作部の表示態様を変更した後、前記指示位置が前記スクロール操作部の領域に入ったときに、前記スクロール操作部の表示態様を変更前の表示態様に戻す。この態様では、ユーザがスクロール操作部を利用してスクロール操作を始めた後は、スクロール操作部のサイズによって全体の情報量が把握できるようにスクロール操作部の表示態様が元に戻される。
【0018】
本発明の他の好適な実施形態では、表示装置により実行される表示方法は、スクロール操作を行うためのスクロール操作部を前記表示装置に表示する表示工程と、外部入力の指示位置が、前記スクロール操作のための操作領域に侵入したことを検知する検知工程と、を備え、前記表示工程は、前記検知工程が前記操作領域への前記指示位置の侵入を検知した場合に、前記スクロール操作部の表示態様を変更する。この方法によっても、スクロール操作のために外部入力の指示位置がスクロール操作のための操作領域に入ったときに、スクロール操作がしやすいようにスクロール操作部の表示態様を変更することができる。
【0019】
本発明の他の好適な実施形態では、コンピュータを備える表示装置により実行されるプログラムは、スクロール操作を行うためのスクロール操作部を表示する表示部と、外部入力の指示位置が、前記スクロール操作のための操作領域に侵入したことを検知する検知部、として前記コンピュータを機能させ、前記表示部は、前記検知部が前記操作領域への前記指示位置の侵入を検知した場合に、前記スクロール操作部の表示態様を変更する。このプログラムを実行することにより、スクロール操作のために外部入力の指示位置がスクロール操作のための操作領域に入ったときに、スクロール操作がしやすいようにスクロール操作部の表示態様を変更することができる。このプログラムは、記憶媒体に記憶して取り扱うことができる。
【実施例0020】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
[装置構成]
図1(A)は実施例に係る表示装置の外観を示す。表示装置10は、入力装置としてタッチパネルを備える表示装置(以下、「タッチパネル型表示装置」と呼ぶ。)10aと、入力装置としてマウスを備える表示装置(以下、「マウス入力型表示装置」と呼ぶ。)10bとを含む。タッチパネル型装置10aとしては、スマートフォン、タブレット型端末、カーナビゲーション装置などが挙げられる。また、マウス入力型装置10bとしては、パーソナルコンピュータが挙げられる。なお、以下の説明において、タッチパネル型装置10aとマウス入力型表示装置10bを区別しない場合には、単に「表示装置10」と記す。
【0021】
図1(B)は、表示装置10の内部構成を示すブロック図である。表示装置10は、CPU11と、RAM12と、ROM13と、表示部14と、入力部15とを備える。ROM13は、各種のアプリケーションのプログラムを記憶する。CPU11は、ROM13に記憶されているプログラムを実行することにより、各種のアプリケーション(以下、「アプリ」とも呼ぶ。)を実行する。RAM12は、CPU11が各種の処理を行う際の作業メモリとして機能する。なお、CPU11は本発明の検知部として機能する。
【0022】
表示部14は、アプリケーションの実行中に各種の表示内容が表示される。入力部15には、アプリケーションの起動や実行の際にユーザにより操作入力がなされる。表示装置10がタッチパネル型表示装置10aである場合、入力部15は表示部14上に設けられたタッチパネルとなる。また、表示装置10がマウス入力型表示装置10bである場合、入力部15はキーボード及びマウスとなる。
【0023】
[スクロールバーの表示]
(基本処理)
次に、実施例におけるスクロールバーの表示について説明する。
図2(A)は、マウス入力型表示装置10bにおいてナビゲーションアプリを実行し、目的地を住所検索により設定している場合の表示例を示す。表示画面20には、リスト表示部21と、スクロールバー22と、スクロール操作領域23と、カーソル24とが表示されている。リスト表示部21には、都道府県のリストが表示されている。スクロール操作部23は、スクロールバー22が移動可能な領域である。カーソル24は、マウスの操作により選択された位置を示している。なお、スクロールバー22は本発明のスクロール操作部に相当する。
【0024】
ユーザは、マウスを操作してリスト表示部21に表示されている項目の位置でクリックなどを行うことにより、その項目を選択することができる。また、リスト表示部21に表示されていない項目を表示したい場合には、ユーザはスクロール操作を行う。即ち、ユーザは、マウスを操作してカーソル24をスクロールバー22の位置に移動させ、上下にドラッグ操作(マウスをクリックしたまま上下に移動させる操作)を行うことにより、リスト表示部21を上下にスクロールさせることができる。具体的に、ユーザがスクロールバー22をスクロール操作領域23内で上方向に移動させると、リスト表示部21の表示内容が上方向にスクロールし、「関東地方」より上にある「東北地方」の項目がリスト表示部21に現れる。一方、ユーザがスクロールバー22をスクロール操作領域23内で下方向に移動させると、リスト表示部21の表示内容が下方向にスクロールし、「中部地方」の「新潟県」以下の項目がリスト表示部21に現れる。
【0025】
スクロールバー22のサイズ(大きさ)は、リスト表示部21に表示される表示内容全体の情報量に応じて可変となっている。具体的に、スクロールバー22のサイズは、リスト表示部21に表示可能な表示内容全体の情報量に対する、現在リスト表示部21に表示されている情報量の割合に応じて変更される。リスト表示部21に一度に表示可能な情報量は固定であるため、表示内容全体の情報量が少ないほどスクロールバー22は大きく(長く)なり、表示内容全体の情報量が多いほどスクロールバー22は小さく(短く)なる。
図2(B)は、辞書アプリで「d」で始まる英単語を表示した場合の表示例を示す。この場合、「d」で始まる英単語は多数あり、表示内容全体の情報量が多いため、スクロールバー22は
図2(A)の例と比べて小さくなっている。
【0026】
このように、表示内容全体の情報量が多い場合、それに応じてスクロールバー22は小さくなるが、スクロールバー22が小さくなるとスクロール操作が難しくなるという問題がある。スクロール操作は、カーソル24をスクロールバー22の位置に重ねて、上下にドラッグすることにより行われるが、スクロールバー22が小さくなると、カーソル24をスクロールバー22の位置に重ねることが難しくなる。
【0027】
これは、タッチパネル型表示装置10aの場合も同様である。タッチパネル型表示装置10aの場合、表示画面20にカーソル24は無く、ユーザが指やタッチペンなどでスクロールバー22の部分に直接タッチ(接触)してスクロールバー22を上下にドラッグすることによりスクロール操作がなされる。よって、この場合でも、表示内容全体の情報量が多く、スクロールバー22が小さくなると、スクロール操作が難しくなる。
【0028】
そこで、本実施例では、マウス入力型表示装置10bにおけるカーソル24の位置又はタッチパネル型表示装置10aにおけるタッチ位置(以下、両方を含めて「指示位置」と呼ぶ。)が、スクロール操作領域23に入った場合に、スクロールバー22の表示態様を変更する。具体的には、スクロールバー22を拡大して表示する。これにより、ユーザはカーソル24や指によりスクロールバー22をドラッグしやすくなり、スクロール操作がしやすくなる。なお、スクロールバー22の拡大方法としては、例えば
図2に示すようにスクロール方向が上下方向である場合にはスクロールバー22の上下方向の長さを長くし、スクロール方向が左右方向である場合にはスクロールバー22の左右方向の長さを長くする。
【0029】
図3(A)は、
図2(B)に示す表示例において、カーソル24の指示位置がスクロール操作領域23に侵入し、その結果スクロールバー22が拡大された状態を示す。拡大後のスクロールバー22xは、
図2(B)に示すスクロールバー22よりも上下方向の長さが長くなっている。
図3(B)は、拡大後のスクロールバー22xをカーソル24によりドラッグする様子を示す。カーソル24の指示位置は拡大されたスクロールバー22x上に移動している。このように、カーソル24の指示位置がスクロール操作領域23に入ったときにスクロールバー22を拡大することにより、その後にスクロールバー22をドラッグすることによるスクロール操作を容易に行うことが可能となる。
【0030】
なお、
図3(A)、(B)は、マウス入力型表示装置10bの場合の表示例を示しているが、タッチパネル型表示装置10aの場合も同様である。外部入力の指示位置、即ち、ユーザの指やタッチペンなどのタッチ位置がスクロール操作領域23に入ったときに、
図3(A)に示すように、拡大したスクロールバー22xを表示すればよい。これにより、ユーザは指などでスクロールバー22xを容易にドラッグしてスクロール操作を行うことができる。
【0031】
(応用処理1)
上記の例では、カーソル24やユーザの指などの指示位置がスクロール操作領域23に入ったときにスクロールバー22を拡大しているが、これに加えて、スクロールバー22を利用する方法以外の方法により実際にスクロール操作が開始されたときにスクロールバー22を拡大することとしてもよい。例えば、マウス入力型表示装置12bの場合、マウスホイールを操作することにより表示内容を上下にスクロールすることができる。また、タッチパネル型表示装置10aの場合、いわゆるフリック操作又はスワイプ操作により表示内容を上下又は左右にスクロールすることができる。なお、「フリック操作」とはタッチパネルに接触した指などをある方向に払ったり弾いたりするように動かす操作をいい、「スワイプ操作」とはタッチパネルに接触した指などを一定方向に掃くように動かす操作を言う。
【0032】
これらの操作によっても表示内容をスクロールすることができるが、スクロール量が大きい場合にはスクロール操作が大変であり、時間を要してしまう。即ち、マウスホイール操作やフリック/スワイプ操作は1回の操作によるスクロール量が少ないため、表示内容を大きくスクロールするためには同じ操作を繰り返し行わなければならない。そこで、これらの操作によりユーザがスクロールを開始したことを検出したときには、
図3(A)に示すように、スクロールバー22を拡大表示する。これにより、ユーザは、マウスホイール操作やフリック/スワイプ操作を繰り返すよりも、拡大されたスクロールバー22xを操作して一気にスクロールする方が簡単であると判断し、スクロールバー22xによるスクロール操作に切りかえることができる。この応用処理1は、上記の基本処理と組み合わせて実行することができる。
【0033】
(応用処理2)
また、スクロールバー22の拡大は、表示内容全体の情報量が多い場合に行い、表示内容全体の情報量が少ない場合にはスクロールバー22を拡大しないこととしてもよい。これは、表示内容全体の情報量が少ない場合には、表示内容全体の情報量に対する、リスト表示部21に表示されている情報量の割合が比較的大きいため、もともとスクロールバー22はある程度のサイズで表示されているからである。具体的には、表示内容全体の情報量が所定量より多い場合にスクロールバー22を拡大表示し、所定量より少ない場合にはスクロールバー22を拡大しないこととしてもよい。この応用処理2は、基本処理と組み合わせて実行してもよく、基本処理及び応用処理1と組み合わせて実行してもよい。
【0034】
(応用処理3)
同様の考え方で、現在表示されているスクロールバー22のサイズに基づいて、スクロールバー22の拡大を行うか否かを決定してもよい。多少の個人差はあるものの、マウスや指などによって容易にスクロール操作を行えるスクロールバー22のサイズはある程度決まったサイズとなる。よって、標準的なユーザにとって容易にスクロール操作を行えるスクロールバー22のサイズを基本サイズとして予め決めておき、現在表示されているスクロールバー22のサイズが基本サイズより小さい場合に、スクロールバー22を拡大することとしてもよい。即ち、ユーザによる指示位置がスクロール操作領域23に入ったり、別の操作方法によりスクロール操作が開始されたときに、現在表示中のスクロールバー22のサイズが基本サイズより小さい場合にはスクロールバー22を拡大し、基本サイズ以上である場合にはスクロールバー22を拡大せずそのまま表示すればよい。この応用処理2は、基本処理と組み合わせて実行してもよく、基本処理及び応用処理1と組み合わせて実行してもよい。
【0035】
[表示処理]
次に、表示装置10による表示処理について説明する。
図4は、表示処理のフローチャートである。この処理は、表示装置10のCPU11が、予め用意されたプログラムを実行して表示部14及び入力部15を制御することにより実施される。なお、この表示処理は、上記の基本処理と応用処理1とを組み合わせて行った場合の例である。
【0036】
まず、所定のアプリケーションが起動されると、CPU11は、表示部14に表示内容及びスクロールバー22を表示する(ステップS10)。例えば、表示部14には、
図2(B)に示す表示画面20が表示される。次に、CPU11は、入力部15が検出したユーザによる入力操作に基づいて、スクロール操作が開始されたか否かを判定する(ステップS11)。具体的には、CPU11は、前述のように、マウスホイール操作、又は、フリック/スワイプ操作により、スクロール操作が開始されたか否かを判定する。
【0037】
スクロール操作が開始された場合(ステップS11:Yes)、処理はステップS13へ進む。一方、スクロール操作が開始されていない場合(ステップS11:No)、CPU11は、マウス又は指などによる指示位置がスクロール操作領域23内に入ったか否かを判定する(ステップS12)。指示位置がスクロール操作領域23に入っていない場合(ステップS12:No)、処理はステップS10へ戻る。
【0038】
一方、ステップS11でスクロール操作が開始したと判定された場合、及び、ステップS12で指示位置がスクロール操作領域23に入ったと判定された場合、CPU11はスクロールバー22を拡大表示する(ステップS13)。これにより、
図3(A)に例示するようにスクロールバー22が拡大され(スクロールバー22x参照)、ユーザは容易にスクロールバー22を使用したスクロール操作を行うことができるようになる。
【0039】
次に、CPU11は、スクロールバー22によるスクロール操作が開始されたか否かを判定する(ステップS14)。スクロールバー22を拡大した後、一定時間スクロール操作が開始されない場合(ステップS14:No)、処理はステップS10へ戻る。一方、スクロール操作が開始された場合(ステップS14:Yes)、CPU11は、スクロール処理を行う(ステップS15)。具体的には、CPU11は、表示部14を制御して、ユーザによるスクロール量に応じて表示内容を更新するとともに、スクロール操作領域23内におけるスクロールバー22の位置を移動させる。
【0040】
次に、CPU11は、スクロール操作が終了したか否かを判定する(ステップS16)。スクロール操作が終了していない場合(ステップS16:No)、CPU11はスクロール処理を継続する。一方、スクロール操作が終了した場合(ステップS16:Yes)、CPU11は、ステップS10へ戻り、スクロールバー22を拡大前の通常表示に戻す。なお、この表示処理は、アプリケーションの終了などにより終了する。
【0041】
[変形例]
(変形例1)
リスト表示部21に表示する内容が、全体の情報量がわかっているものであるか否かに応じて、スクロールバーの拡大を行うか否かを決定することとしてもよい。例えば、
図2(A)の例に示す都道府県リストや住所のリストなどのように、予め全体の件数がわかっているものを表示する場合には、ユーザがスクロールバー22を見てその長さによって全体の件数を把握できるようにする必要が無い。このため、スクロールバー22のサイズを全体の情報量に応じて変更せず、前述の基本サイズなど、スクロール操作のしやすいサイズに固定して表示する。一方、何らかの検索結果など、全体の件数がわからないものを表示する場合には、スクロールバー22のサイズを見て全体の件数を把握できるようにする必要がある。よって、通常は全体の情報量に応じてスクロールバー22のサイズを変更して表示し、上記のように指示位置がスクロール操作部23に入った場合、及び、マウスホイールやフリック/スワイプ操作によりスクロール操作が開始された場合に、スクロールバー22を拡大する。
【0042】
(変形例2)
上記の実施例では、拡大後のスクロールバー22xを利用したスクロール操作が終了したときにスクロールバー22xを元のサイズに戻しているが、その代わりに、拡大後のスクロールバー22xをユーザがつかんだとき、具体的には、ユーザがカーソル24や指で拡大後のスクロールバー22xによるスクロール操作を開始したときにスクロールバー22xを元のサイズに戻してもよい。但し、
図5(A)に示すように、ユーザが拡大後のスクロールバー22xの拡大された部分(即ち、拡大後のスクロールバー22xの上端や下端をカーソル24や指でつかんでスクロール操作を開始した場合は、スクロールバー22xのサイズを元に戻してしまうと、表示画面上ではユーザはスクロールバー22でない部分をつかんでスクロール操作を行っているような状態となり、違和感を覚える可能性がある。このため、ユーザが拡大後のスクロールバー22xによるスクロール操作を開始した場合に、
図5(B)に示すように、拡大後のスクロールバーの拡大された部分を透明にしたり、別の色にしたりして表示してもよい。これにより、ユーザは元のスクロールバー22のサイズを見て表示内容の全体の情報量を意識しながらスクロール操作を行うことができる。