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特開2024-23837業務支援装置、業務支援方法および業務支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023837
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】業務支援装置、業務支援方法および業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20240214BHJP
【FI】
G06Q40/12 410
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023217716
(22)【出願日】2023-12-25
(62)【分割の表示】P 2020192810の分割
【原出願日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】P 2020043504
(32)【優先日】2020-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坪川 拓樹
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大介
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
(57)【要約】
【課題】入荷・仕入伝票に対して関税を付与するのではなく、関税の計上に対して仕入実績を紐付けることで、複数仕入に対する按分処理を実現できる業務支援装置等を提供することを課題とする。
【解決手段】本実施形態によれば、1)メイン画面に入力された抽出条件に紐づくレコードを抽出し、2)1)で抽出したレコードをメイン画面に表示し、3)明細画面を表示し、4)メイン画面から選択されたレコードの契約番号に紐付くレコードを仕入明細データから抽出し、5)4)で抽出したレコードを含む検索画面を表示し、6)検索画面から選択されたレコードを明細画面に表示し、7)関税金額、仕入金額、諸掛金額を抽出し、8)7)で抽出した金額を基に比の値を計算し、9)8)の計算結果を基に仕入取込ファイルを作成する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える業務支援装置であって、
商品の輸入または輸出ごとに課せられる関税金額を輸入または輸出ごとに締結される契約別に管理する輸出入関税データと、
商品の仕入金額を商品別且つ契約別に管理する仕入明細データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
前記輸出入関税データから、所定の契約に紐づく関税金額を抽出し、前記仕入明細データから、前記所定の契約に紐づく仕入金額を抽出する第一抽出手段と、
前記第一抽出手段が抽出した関税金額と仕入金額を基に、所定の諸掛金額を加味した、前記仕入金額の合計に対する前記関税金額の比の値を計算する計算手段と、
を備えること、
を特徴とする業務支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務支援装置、業務支援方法および業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
会計処理において、外国から仕入れた商品に課せられる関税を計上する際には、商品の原価を用いて関税を按分する必要がある。通常、関税の原価按分については入荷伝票・仕入伝票に対して計上が可能であった。
【0003】
特許文献1には、原価勘定・費用勘定の設定を、取引で発生する諸掛毎に行う方法について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-182782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、関税は、実務上は船積み単位で発生する費用のため、複数の入荷・仕入にまたがるものであるが、従来では複数伝票に対する按分処理ができていなかった。そのため、発注伝票としては複数に渡るが船積み単位ではまとまるような場合、関税などの諸掛は船積みに対して掛かるため、事前に伝票単位での諸掛金額を手動で按分する必要があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、入荷・仕入伝票に対して関税を付与するのではなく、関税の計上に対して仕入実績を紐付けることで、複数仕入に対する按分処理を実現できる業務支援装置、業務支援方法および業務支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援装置は、制御部を備える業務支援装置であって、商品の輸入または輸出ごとに課せられる関税金額を輸入または輸出ごとに締結される契約別に管理する輸出入関税データと、商品の仕入金額を商品別且つ契約別に管理する仕入明細データと、にアクセス可能であり、前記制御部は、前記輸出入関税データから、所定の契約に紐づく関税金額を抽出し、前記仕入明細データから、前記所定の契約に紐づく仕入金額を抽出する第一抽出手段と、前記第一抽出手段が抽出した関税金額と仕入金額を基に、所定の諸掛金額を加味した、前記仕入金額の合計に対する前記関税金額の比の値を計算する計算手段と、を備えること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る業務支援装置において、前記制御部は、前記計算手段による計算結果を基に、商品ごとに課せられる関税金額を伝票別に管理する仕入取込ファイルを作成する作成手段をさらに備えること、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る業務支援装置において、前記制御部は、前記輸出入関税データから、第一の画面に入力された輸出入関税データ抽出条件に紐づく全てのレコードを抽出する第二抽出手段と、前記第二抽出手段が抽出した全てのレコードを前記第一の画面に表示する第一表示手段と、前記第一の画面からレコードが選択されると、第二の画面を表示する第二表示手段と、前記仕入明細データから、前記第一の画面から選択されたレコードに格納されている契約に紐づく全てのレコードを抽出する第三抽出手段と、前記第三抽出手段が抽出した全てのレコードを含む第三の画面を表示する第三表示手段と、をさらに備え、前記第三表示手段は、前記第三の画面からレコードが選択されると、当該レコードを選択対象レコードとして前記第三の画面に表示し、前記第二表示手段は、前記選択対象レコードを、前記選択対象レコードに格納されている仕入金額に基づく諸掛金額と対応付けて前記第二の画面に表示し、前記第一抽出手段は、前記第一の画面から選択されたレコードに格納されている関税金額を抽出するとともに、前記第二の画面に表示されている諸掛金額と前記選択対象レコードに格納されている仕入金額を抽出し、前記所定の契約は、前記第一の画面から選択されたレコードに格納されている契約であること、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る業務支援方法は、制御部を備える情報処理装置で実行される業務支援方法であって、前記情報処理装置は、商品の輸入または輸出ごとに課せられる関税金額を輸入または輸出ごとに締結される契約別に管理する輸出入関税データと、商品の仕入金額を商品別且つ契約別に管理する仕入明細データと、にアクセス可能であり、前記制御部で実行される、前記輸出入関税データから、所定の契約に紐づく関税金額を抽出し、前記仕入明細データから、前記所定の契約に紐づく仕入金額を抽出する第一抽出ステップと、前記第一抽出ステップが抽出した関税金額と仕入金額を基に、所定の諸掛金額を加味した、前記仕入金額の合計に対する前記関税金額の比の値を計算する計算ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る業務支援プログラムは、制御部を備える情報処理装置に実行させるための業務支援プログラムであって、前記情報処理装置は、商品の輸入または輸出ごとに課せられる関税金額を輸入または輸出ごとに締結される契約別に管理する輸出入関税データと、商品の仕入金額を商品別且つ契約別に管理する仕入明細データと、にアクセス可能であり、前記制御部に実行させるための、前記輸出入関税データから、所定の契約に紐づく関税金額を抽出し、前記仕入明細データから、前記所定の契約に紐づく仕入金額を抽出する第一抽出ステップと、前記第一抽出ステップが抽出した関税金額と仕入金額を基に、所定の諸掛金額を加味した、前記仕入金額の合計に対する前記関税金額の比の値を計算する計算ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、入荷・仕入伝票に対して関税を付与するのではなく、関税の計上に対して仕入実績を紐付けることで、複数仕入に対する按分処理を実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、業務支援装置100の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、輸出入関税データ106aの一例を示す図である。
図3図3は、仕入明細データ106bの一例を示す図である。
図4図4は、仕入取込ファイル106cの一例を示す図である。
図5図5は、業務支援装置100で実行される処理に関するフローチャートの一例を示す図である。
図6図6は、メイン画面MAの一例を示す図である。
図7図7は、明細画面MBの一例を示す図である。
図8図8は、検索画面MCの一例を示す図である。
図9図9は、検索結果MC2(対象選択MC3)の一例を示す図である。
図10図10は、選択明細MB1の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る業務支援装置、業務支援方法および業務支援プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0015】
[1.構成]
ここでは、本実施形態に係る業務支援装置100の構成の一例について、図1等を参照して説明する。図1は、業務支援装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
業務支援装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、業務支援装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0017】
業務支援装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。業務支援装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0018】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、業務支援装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、業務支援装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0019】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0020】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0021】
記憶部106には、例えば、輸出入関税データ106a、仕入明細データ106b、および仕入取込ファイル106cなどが格納される。
【0022】
図2は、輸出入関税データ106aの一例を示す図である。輸出入関税データ106aは、商品の輸入または輸出ごとに課せられる関税金額などの情報を管理するデータである。輸出入関税データ106aは、行番号と、担当する部門の部門識別情報(例えば、部門番号など)と、輸出入区分(例えば、EX:輸出、IM:輸入、など)と、請求日付と、輸入または輸出ごとに締結される契約を識別する契約識別情報(例えば、契約番号など)と、関税金額と、担当者識別情報(例えば、担当者番号など)と、を含む。
【0023】
図3は、仕入明細データ106bの一例を示す図である。仕入明細データ106bは、商品の仕入金額などの情報を管理するデータである。仕入明細データ106bは、輸出入区分と、伝票識別情報(例えば、伝票番号など)と、行番号と、担当する部門の部門識別情報(例えば、部門の名称など)と、取引先識別情報(例えば、取引先の名称など)と、契約識別情報と、商品識別情報(例えば、商品の名称など)と、ロット番号と、員数と、商品の単価と、税額と、商品の仕入金額と、を含む。
【0024】
図4は、仕入取込ファイル106cの一例を示す図である。仕入取込ファイル106cは、商品ごとに課せられる関税金額などの情報を管理するデータである。仕入取込ファイル106cは、仕入区分(例えば、輸出諸掛、輸入諸掛、など)と、伝票識別情報と、行番号と、商品識別情報と、ロット番号と、員数と、商品の単価と、原価按分により計算された関税金額と、を含む。
【0025】
図1に戻り、制御部102は、業務支援装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0026】
制御部102は、機能概念的に、本発明の第一抽出手段に相当する第一抽出部102aと、本発明の第二抽出手段に相当する第二抽出部102bと、本発明の第三抽出手段に相当する第三抽出部102cと、本発明の第一表示手段に相当する第一表示部102dと、本発明の第二表示手段に相当する第二表示部102eと、本発明の第三表示手段に相当する第三表示部102fと、本発明の計算手段に相当する計算部102gと、本発明の作成手段に相当する作成部102hなどを備える。
【0027】
第一抽出部102aは、輸出入関税データ106aから、所定の契約に紐づく関税金額を抽出し、仕入明細データ106bから、当該所定の契約に紐づく仕入金額を抽出する。
【0028】
また、第一抽出部102aは、メイン画面MA(図6参照)から選択されたレコードに格納されている関税金額を抽出するとともに、明細画面MB(図7参照)に表示されている諸掛金額と選択対象レコードに格納されている仕入金額を抽出する。前記の所定の契約は、メイン画面MAから選択されたレコードに格納されている契約番号でもよい。メイン画面MAは、本発明の第一の画面に相当する。明細画面MBは、本発明の第二の画面に相当する。メイン画面MA、明細画面MB、および選択対象レコードについての詳しい説明は後述する。
【0029】
第二抽出部102bは、輸出入関税データ106aから、メイン画面MAに入力された輸出入関税データ抽出条件に紐づく全てのレコードを抽出する。
【0030】
第三抽出部102cは、仕入明細データ106bから、メイン画面MAから選択されたレコードに格納されている契約番号に紐づく全てのレコードを抽出する。
【0031】
第一表示部102dは、第二抽出部102bが抽出した全てのレコードをメイン画面MAに表示する。
【0032】
第二表示部102eは、メイン画面MAからレコードが選択されると、明細画面MBを表示する。
【0033】
また、第二表示部102eは、選択対象レコードを、選択対象レコードに格納されている仕入金額に基づく諸掛金額と対応付けて明細画面MBに表示する。
【0034】
第三表示部102fは、第三抽出部102cが抽出した全てのレコードを含む検索画面MC(図8参照)を表示する。検索画面MCは、本発明の第三の画面に相当する。検索画面MCについての詳しい説明は後述する。
【0035】
また、第三表示部102fは、検索画面MCからレコードが選択されると、当該レコードを選択対象レコードとして検索画面MCに表示する。
【0036】
計算部102gは、第一抽出部102aが抽出した関税金額と仕入金額を基に、「所定の諸掛金額を加味した、当該仕入金額の合計に対する当該関税金額の比の値」を計算する。
【0037】
作成部102hは、計算部102gによる計算結果を基に、仕入取込ファイル106cを作成する。
【0038】
制御部102を構成する各処理部が実行する処理の具体例については、以下に詳細に説明する。
【0039】
[2.処理の具体例]
ここでは、業務支援装置100で実行される処理の具体例について、図5等を参照して説明する。なお、本説明では、図2に示す輸出入関税データ106aと図3に示す仕入明細データ106bが、予め記憶部106に格納されていることを前提とする。
【0040】
図6は、メイン画面MAの一例を示す図である。まず、オペレータは、メイン画面MA内の抽出条件MA1に抽出条件を入力する。オペレータが抽出条件MA1を入力してメイン画面MA内の表示ボタンMA3を押下すると、第二抽出部102bは、図2に示す輸出入関税データ106aから、抽出条件MA1に紐づく全てのレコードを抽出する(ステップS1)。なお、図6では、抽出条件MA1が空欄となっているが、実際は、オペレータにより入力されている。
【0041】
つぎに、第一表示部102dは、第二抽出部102bが抽出した全てのレコードを、図6に示すメイン画面MA内の関税一覧MA2に表示する(ステップS2)。本説明では、第二抽出部102bが抽出した全てのレコードが、関税一覧MA2で示すように表示されたものとする。
【0042】
つぎに、オペレータが関税一覧MA2内の所定のレコードを選択すると、第二表示部102eは、図7に示す明細画面MBを表示する(ステップS3)。本説明では、オペレータは、図6の関税一覧MA2内のNo「1」、部門「83」、EX/IM「EX」、請求日付「2019/06/01」、契約番号「000847-1」、関税「19,800」、担当者「0012」のレコードを選択したものとする。
【0043】
図7は、明細画面MBの一例を示す図である。オペレータが図7に示す明細画面MB内の明細検索ボタンMB2を押下すると、第三抽出部102cは、図3に示す仕入明細データ106bから、メイン画面MAから選択されたレコードに格納されている契約番号に紐づく全てのレコードを抽出する(ステップS4)。本説明では、契約番号「000847-1」に紐づく全てのレコードを、図3に示す仕入明細データ106bから抽出する。
【0044】
つぎに、第三表示部102fは、第三抽出部102cが抽出した全てのレコードを含む検索画面MCを表示する(ステップS5)。図8は、検索画面MCの一例を示す図である。図8では、抽出条件MC1と検索結果MC2が空欄となっているが、実際は、抽出条件MC1には、契約番号「000847-1」が表示される。また、図8の検索結果MC2には、図9に示すように、第三抽出部102cがステップS4で抽出した、契約番号「000847-1」に紐づく全てのレコードが表示される。
【0045】
つぎに、オペレータが図8の検索結果MC2内の所定のレコードを選択すると、第三表示部102fは、選択されたレコードを選択対象レコードとして、図8に示す検索画面MC内の対象選択MC3に表示する(ステップS6)。本説明では、オペレータは、図9に示す検索結果MC2内にある2つのレコードを両方とも選択したものとする。図8では、対象選択MC3が空欄となっているが、実際は、図9に示すように、対象選択MC3に選択対象レコードが表示される。
【0046】
つぎに、オペレータが検索画面MC内の選択ボタンMC5を押下すると、第二表示部102eは、選択対象レコードを、選択対象レコードに格納されている仕入金額に基づく諸掛金額と対応付けて、図7に示す明細画面MBに表示する(ステップS7)。図7では、選択明細MB1が空欄となっているが、実際は、図10に示すように、選択明細MB1に選択対象レコードが表示される。
【0047】
図10に示すように、選択明細MB1に選択対象レコードが表示される際、選択対象レコードに格納されている仕入金額に基づく諸掛金額も表示される。最初、この諸掛金額には、仕入金額と同じ金額が表示されるが、必要に応じてオペレータが任意の金額を入力して変更してもよい。本説明では、図10に示すように、はじめは金額「110,000」と同じ諸掛金額「110,000」が表示されていたが、オペレータによる入力で、諸掛金額「132,000」、「88,000」にそれぞれ変更されたものとする。
【0048】
オペレータが、図7の選択明細MB1に表示されている選択対象レコードの諸掛金額を入力し、図6の出力ボタンMA5を押下すると、第一抽出部102aは、図6に示すメイン画面MAから選択されたレコードに格納されている関税金額を抽出するとともに、図7に示す明細画面MBに表示されている諸掛金額と選択対象レコードに格納されている仕入金額を抽出する(ステップS8)。本説明では、図6に示すメイン画面MAから選択されたレコードに格納されている関税「19,800」、図10に示す選択明細MB1に表示されている金額「110,000」、「110,000」、および、図10に示す選択明細MB1に表示されている諸掛金額「132,000」、「88,000」を抽出する。
【0049】
つぎに、計算部102gは、第一抽出部102aが抽出した各金額を基に、比の値を計算する(ステップS9)。本説明では、図4に示す計算式で比の値の計算が行われたものとする。
【0050】
つぎに、作成部102hは、計算部102gによる計算結果を基に、仕入取込ファイル106cを作成する(ステップS10)。本説明では、図4に示す仕入取込ファイル106cが作成されたものとする。
【0051】
以上の処理から、入荷・仕入伝票に対して関税を付与するのではなく、関税の計上に対して仕入実績を紐付けることで、複数仕入に対する按分処理が実行できる。輸出入に掛かる関税について、仕入商品に対して原価按分を行うことで、より精緻な粗利の算出が可能となる。本実施形態は、輸出入業務が多くある流通小売業界や、商社業界などにおいて有用である。
【0052】
[3.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0053】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0054】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0055】
また、業務支援装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0056】
例えば、業務支援装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて業務支援装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0057】
また、このコンピュータプログラムは、業務支援装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0058】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0059】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0060】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0061】
また、業務支援装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、業務支援装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0062】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、特に、外国から商品を仕入れる流通小売業界、商社業界において有用である。
【符号の説明】
【0064】
100 業務支援装置
102 制御部
102a 第一抽出部
102b 第二抽出部
102c 第三抽出部
102d 第一表示部
102e 第二表示部
102f 第三表示部
102g 計算部
102h 作成部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 輸出入関税データ
106b 仕入明細データ
106c 仕入取込ファイル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-01-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える業務支援装置であって、
商品の輸入または輸出ごとに課せられる関税金額を輸入または輸出ごとに締結される契約別に管理する輸出入関税データと、
商品の仕入金額を商品別且つ契約別に管理する仕入明細データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
前記輸出入関税データから、所定の契約に紐づく関税金額を抽出し、前記仕入明細データから、前記所定の契約に紐づく仕入金額を抽出する第一抽出手段と、
前記第一抽出手段が抽出した関税金額と仕入金額を基に、所定の諸掛金額を加味した、前記仕入金額の合計に対する前記関税金額の比の値を計算する計算手段と、
前記輸出入関税データから、第一の画面に入力された輸出入関税データ抽出条件に紐づく全てのレコードを抽出する第二抽出手段と、
前記第二抽出手段が抽出した全てのレコードを前記第一の画面に表示する第一表示手段と、
前記第一の画面からレコードが選択されると、第二の画面を表示する第二表示手段と、
前記仕入明細データから、前記第一の画面から選択されたレコードに格納されている契約に紐づく全てのレコードを抽出する第三抽出手段と、
前記第三抽出手段が抽出した全てのレコードを含む第三の画面を表示する第三表示手段と、
を備えること、
を特徴とする業務支援装置。
【請求項2】
前記第三表示手段は、前記第三の画面からレコードが選択されると、当該レコードを選択対象レコードとして前記第三の画面に表示し、
前記第二表示手段は、前記選択対象レコードを、前記選択対象レコードに格納されている仕入金額に基づく諸掛金額と対応付けて前記第二の画面に表示し、
前記第一抽出手段は、前記第一の画面から選択されたレコードに格納されている関税金額を抽出するとともに、前記第二の画面に表示されている諸掛金額と前記選択対象レコードに格納されている仕入金額を抽出し、
前記所定の契約は、前記第一の画面から選択されたレコードに格納されている契約であること、
を特徴とする請求項1に記載の業務支援装置。
【請求項3】
制御部を備える情報処理装置で実行される業務支援方法であって、
前記情報処理装置は、
商品の輸入または輸出ごとに課せられる関税金額を輸入または輸出ごとに締結される契約別に管理する輸出入関税データと、
商品の仕入金額を商品別且つ契約別に管理する仕入明細データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部で実行される、
前記輸出入関税データから、所定の契約に紐づく関税金額を抽出し、前記仕入明細データから、前記所定の契約に紐づく仕入金額を抽出する第一抽出ステップと、
前記第一抽出ステップが抽出した関税金額と仕入金額を基に、所定の諸掛金額を加味した、前記仕入金額の合計に対する前記関税金額の比の値を計算する計算ステップと、
前記輸出入関税データから、第一の画面に入力された輸出入関税データ抽出条件に紐づく全てのレコードを抽出する第二抽出ステップと、
前記第二抽出ステップが抽出した全てのレコードを前記第一の画面に表示する第一表示ステップと、
前記第一の画面からレコードが選択されると、第二の画面を表示する第二表示ステップと、
前記仕入明細データから、前記第一の画面から選択されたレコードに格納されている契約に紐づく全てのレコードを抽出する第三抽出ステップと、
前記第三抽出ステップが抽出した全てのレコードを含む第三の画面を表示する第三表示ステップと、
を含むこと、
を特徴とする業務支援方法。
【請求項4】
制御部を備える情報処理装置に実行させるための業務支援プログラムであって、
前記情報処理装置は、
商品の輸入または輸出ごとに課せられる関税金額を輸入または輸出ごとに締結される契約別に管理する輸出入関税データと、
商品の仕入金額を商品別且つ契約別に管理する仕入明細データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部に実行させるための、
前記輸出入関税データから、所定の契約に紐づく関税金額を抽出し、前記仕入明細データから、前記所定の契約に紐づく仕入金額を抽出する第一抽出ステップと、
前記第一抽出ステップが抽出した関税金額と仕入金額を基に、所定の諸掛金額を加味した、前記仕入金額の合計に対する前記関税金額の比の値を計算する計算ステップと、
前記輸出入関税データから、第一の画面に入力された輸出入関税データ抽出条件に紐づく全てのレコードを抽出する第二抽出ステップと、
前記第二抽出ステップが抽出した全てのレコードを前記第一の画面に表示する第一表示ステップと、
前記第一の画面からレコードが選択されると、第二の画面を表示する第二表示ステップと、
前記仕入明細データから、前記第一の画面から選択されたレコードに格納されている契約に紐づく全てのレコードを抽出する第三抽出ステップと、
前記第三抽出ステップが抽出した全てのレコードを含む第三の画面を表示する第三表示ステップと、
を含むこと、
を特徴とする業務支援プログラム。