IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オービックの特許一覧

特開2024-23847債権・債務計上部門特定装置、債権・債務計上部門特定方法および債権・債務計上部門特定プログラム
<>
  • 特開-債権・債務計上部門特定装置、債権・債務計上部門特定方法および債権・債務計上部門特定プログラム 図1
  • 特開-債権・債務計上部門特定装置、債権・債務計上部門特定方法および債権・債務計上部門特定プログラム 図2
  • 特開-債権・債務計上部門特定装置、債権・債務計上部門特定方法および債権・債務計上部門特定プログラム 図3
  • 特開-債権・債務計上部門特定装置、債権・債務計上部門特定方法および債権・債務計上部門特定プログラム 図4
  • 特開-債権・債務計上部門特定装置、債権・債務計上部門特定方法および債権・債務計上部門特定プログラム 図5
  • 特開-債権・債務計上部門特定装置、債権・債務計上部門特定方法および債権・債務計上部門特定プログラム 図6
  • 特開-債権・債務計上部門特定装置、債権・債務計上部門特定方法および債権・債務計上部門特定プログラム 図7
  • 特開-債権・債務計上部門特定装置、債権・債務計上部門特定方法および債権・債務計上部門特定プログラム 図8
  • 特開-債権・債務計上部門特定装置、債権・債務計上部門特定方法および債権・債務計上部門特定プログラム 図9
  • 特開-債権・債務計上部門特定装置、債権・債務計上部門特定方法および債権・債務計上部門特定プログラム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023847
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】債権・債務計上部門特定装置、債権・債務計上部門特定方法および債権・債務計上部門特定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/04 20120101AFI20240214BHJP
【FI】
G06Q40/04
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023217821
(22)【出願日】2023-12-25
(62)【分割の表示】P 2020130953の分割
【原出願日】2020-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 惠理
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
(57)【要約】
【課題】債権または債務を計上した部門とは異なる部門において前記債権に対する入金または前記債務に対する支払が行われた場合においても、入金消込または支払消込の際に、前記計上した部門を容易かつ正確に特定することができる債権・債務計上部門特定装置、債権・債務計上部門特定方法および債権・債務計上部門特定プログラムの提供を課題とする。
【解決手段】本実施形態では、(1)債権に対する入金消込時に、回収予定テーブルから、入金テーブル中の請求先と同じものと紐付く伝票番号を取得し、更に、債権計上テーブルから、当該取得した伝票番号と紐付く計上部門を取得し、(2)債務に対する支払時に、支払予定テーブルから、支払テーブル中の支払先と同じものと紐付く伝票番号を取得し、更に、債務計上テーブルから、当該取得した伝票番号と紐付く計上部門を取得する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える債権・債務計上部門特定装置であって、
前記制御部は、
債権が計上された部門である債権計上部門を特定するための債権計上部門特定手段および債務が計上された部門である債務計上部門を特定するための債務計上部門特定手段の少なくとも一方を備え、
前記債権計上部門特定手段は、
前記債権計上部門における前記債権の計上時に生成された債権計上テーブルおよび回収予定テーブルならびに前記債権計上部門と異なる部門に対して行われた前記債権に対する入金時に生成された入金テーブルを参照して、前記債権に対する入金消込時に、前記債権の請求先を識別するための請求先識別データと前記債権を識別するための債権識別データとを含む前記回収予定テーブルから、前記請求先識別データを含む前記入金テーブル中の前記請求先識別データと同じものと紐付く債権識別データを取得し、更に、前記債権識別データと前記債権計上部門を識別するための債権計上部門識別データとを含む前記債権計上テーブルから、前記取得した債権識別データと紐付く債権計上部門識別データを取得し、
前記債務計上部門特定手段は、
前記債務計上部門における前記債務の計上時に生成された債務計上テーブルおよび支払予定テーブルならびに前記債務計上部門と異なる部門で行った前記債務に対する支払時に生成された支払テーブルを参照して、前記債務に対する支払時に、前記債務の支払先を識別するための支払先識別データと前記債務を識別するための債務識別データとを含む前記支払予定テーブルから、前記支払先識別データを含む前記支払テーブル中の前記支払先識別データと同じものと紐付く債務識別データを取得し、更に、前記債務識別データと前記債務計上部門を識別するための債務計上部門識別データとを含む前記債務計上テーブルから、前記取得した債務識別データと紐付く債務計上部門識別データを取得すること、
を特徴とする債権・債務計上部門特定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、債権・債務計上部門特定装置、債権・債務計上部門特定方法および債権・債務計上部門特定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、企業における各事業部門の損益状況を的確に把握することが可能な、新管理会計システム及び新管理会計の実施方法が開示されている(特許文献1の0011段落参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-107227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のように、経営分析の観点から、各事業部門の損益を的確に把握することは重要である。このため、例えば、債権(例えば、売掛金)または債務(例えば、買掛金)を計上した部門(例えば、営業部)と異なる部門(例えば、財務部)で前記債権に対する入金または前記債務に対する支払を実行した場合に、入金消込または支払消込の際には、計上した部門を特定することが必要である。
【0005】
しかしながら、従来においては、手動により計上した部門を特定するという方法を採用していたため、効率性および即時性に欠けるという問題があった。また、事前に配賦基準を決めて各部門に自動配賦するという方法もあるが、配賦基準は飽くまで、上記特許文献1の0014段落に記載のように各事業部門の売上高比等に基づいて決定された目安に過ぎないため、配賦基準を用いて算出した各部門の計上額と実際に各部門が計上した額との間には誤差があることが多く、正確性に欠けるという問題があった。特に、多くの部門を抱える企業においては、これらの問題は顕著であった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、債権または債務を計上した部門とは異なる部門において前記債権に対する入金または前記債務に対する支払が行われた場合においても、入金消込または支払消込の際に、前記計上した部門を容易かつ正確に特定することができる債権・債務計上部門特定装置、債権・債務計上部門特定方法および債権・債務計上部門特定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る債権・債務計上部門特定装置においては、制御部を備える債権・債務計上部門特定装置であって、前記制御部は、債権が計上された部門である債権計上部門を特定するための債権計上部門特定手段および債務が計上された部門である債務計上部門を特定するための債務計上部門特定手段の少なくとも一方を備え、前記債権計上部門特定手段は、前記債権計上部門における前記債権の計上時に生成された債権計上テーブルおよび回収予定テーブルならびに前記債権計上部門と異なる部門に対して行われた前記債権に対する入金時に生成された入金テーブルを参照して、前記債権に対する入金消込時に、前記債権の請求先を識別するための請求先識別データと前記債権を識別するための債権識別データとを含む前記回収予定テーブルから、前記請求先識別データを含む前記入金テーブル中の前記請求先識別データと同じものと紐付く債権識別データを取得し、更に、前記債権識別データと前記債権計上部門を識別するための債権計上部門識別データとを含む前記債権計上テーブルから、前記取得した債権識別データと紐付く債権計上部門識別データを取得し、前記債務計上部門特定手段は、前記債務計上部門における前記債務の計上時に生成された債務計上テーブルおよび支払予定テーブルならびに前記債務計上部門と異なる部門で行った前記債務に対する支払時に生成された支払テーブルを参照して、前記債務に対する支払時に、前記債務の支払先を識別するための支払先識別データと前記債務を識別するための債務識別データとを含む前記支払予定テーブルから、前記支払先識別データを含む前記支払テーブル中の前記支払先識別データと同じものと紐付く債務識別データを取得し、更に、前記債務識別データと前記債務計上部門を識別するための債務計上部門識別データとを含む前記債務計上テーブルから、前記取得した債務識別データと紐付く債務計上部門識別データを取得すること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る債権・債務計上部門特定方法においては、制御部を備える情報処理装置で実行される債権・債務計上部門特定方法であって、前記制御部で任意の順で実行される、債権が計上された部門である債権計上部門を特定するための債権計上部門特定ステップおよび債務が計上された部門である債務計上部門を特定するための債務計上部門特定ステップの少なくとも一方を含み、前記債権計上部門特定ステップは、前記債権計上部門における前記債権の計上時に生成された債権計上テーブルおよび回収予定テーブルならびに前記債権計上部門と異なる部門に対して行われた前記債権に対する入金時に生成された入金テーブルを参照して、前記債権に対する入金消込時に、前記債権の請求先を識別するための請求先識別データと前記債権を識別するための債権識別データとを含む前記回収予定テーブルから、前記請求先識別データを含む前記入金テーブル中の前記請求先識別データと同じものと紐付く債権識別データを取得し、更に、前記債権識別データと前記債権計上部門を識別するための債権計上部門識別データとを含む前記債権計上テーブルから、前記取得した債権識別データと紐付く債権計上部門識別データを取得し、前記債務計上部門特定ステップは、前記債務計上部門における前記債務の計上時に生成された債務計上テーブルおよび支払予定テーブルならびに前記債務計上部門と異なる部門で行った前記債務に対する支払時に生成された支払テーブルを参照して、前記債務に対する支払時に、前記債務の支払先を識別するための支払先識別データと前記債務を識別するための債務識別データとを含む前記支払予定テーブルから、前記支払先識別データを含む前記支払テーブル中の前記支払先識別データと同じものと紐付く債務識別データを取得し、更に、前記債務識別データと前記債務計上部門を識別するための債務計上部門識別データとを含む前記債務計上テーブルから、前記取得した債務識別データと紐付く債務計上部門識別データを取得すること、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る債権・債務計上部門特定プログラムにおいては、制御部を備える情報処理装置に実行させるための債権・債務計上部門特定プログラムであって、前記制御部において任意の順で実行させるための、債権が計上された部門である債権計上部門を特定するための債権計上部門特定ステップおよび債務が計上された部門である債務計上部門を特定するための債務計上部門特定ステップの少なくとも一方を含み、前記債権計上部門特定ステップは、前記債権計上部門における前記債権の計上時に生成された債権計上テーブルおよび回収予定テーブルならびに前記債権計上部門と異なる部門に対して行われた前記債権に対する入金時に生成された入金テーブルを参照して、前記債権に対する入金消込時に、前記債権の請求先を識別するための請求先識別データと前記債権を識別するための債権識別データとを含む前記回収予定テーブルから、前記請求先識別データを含む前記入金テーブル中の前記請求先識別データと同じものと紐付く債権識別データを取得し、更に、前記債権識別データと前記債権計上部門を識別するための債権計上部門識別データとを含む前記債権計上テーブルから、前記取得した債権識別データと紐付く債権計上部門識別データを取得し、前記債務計上部門特定ステップは、前記債務計上部門における前記債務の計上時に生成された債務計上テーブルおよび支払予定テーブルならびに前記債務計上部門と異なる部門で行った前記債務に対する支払時に生成された支払テーブルを参照して、前記債務に対する支払時に、前記債務の支払先を識別するための支払先識別データと前記債務を識別するための債務識別データとを含む前記支払予定テーブルから、前記支払先識別データを含む前記支払テーブル中の前記支払先識別データと同じものと紐付く債務識別データを取得し、更に、前記債務識別データと前記債務計上部門を識別するための債務計上部門識別データとを含む前記債務計上テーブルから、前記取得した債務識別データと紐付く債務計上部門識別データを取得すること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、債権または債務を計上した部門とは異なる部門において前記債権に対する入金または前記債務に対する支払が行われた場合においても、入金消込または支払消込の際に、前記計上した部門を容易かつ正確に特定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、債権・債務計上部門特定装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、従来における、債権計上の際に作成される一連の仕訳の一例を示す図である。
図3図3は、従来における、債務計上の際に作成される一連の仕訳の一例を示す図である。
図4図4は、本実施形態に係る入金消込処理の概要の一例を示す図である。
図5図5は、本実施形態に係る支払処理の概要の一例を示す図である。
図6図6は、本実施形態における、債権計上時に作成される仕訳、債権計上テーブルおよび回収予定テーブルの一例を示す図である。
図7図7は、本実施形態における、入金時に作成される仕訳および入金テーブルの一例を示す図である。
図8図8は、本実施形態における、入金消込時に作成される仕訳、入金消込内訳テーブル、回収予定テーブルおよび債権計上テーブルの一例を示す図である。
図9図9は、本実施形態における、債務計上時に作成される仕訳、債務計上テーブルおよび支払予定テーブルの一例を示す図である。
図10図10は、本実施形態における、支払時に作成される仕訳、支払テーブル、支払予定テーブルおよび債務計上テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る債権・債務計上部門特定装置、債権・債務計上部門特定方法および債権・債務計上部門特定プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0013】
[1.構成]
本実施形態に係る債権・債務計上部門特定装置100の構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、債権・債務計上部門特定装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
債権・債務計上部門特定装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、債権・債務計上部門特定装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0015】
債権・債務計上部門特定装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。債権・債務計上部門特定装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0016】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、債権・債務計上部門特定装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、債権・債務計上部門特定装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する各種マスタ等のデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0017】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0018】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0019】
記憶部106は、例えば、債権計上テーブル106aと、債務計上テーブル106bと、回収予定テーブル106cと、支払予定テーブル106dと、入金テーブル106eと、支払テーブル106fと、入金消込内訳テーブル106gと、を備えている。
【0020】
債権計上テーブル106aは、債権(例えば、売掛金)が計上される部門である債権計上部門における前記債権の計上時に生成される、債権情報を管理するためのデータである。債権計上テーブル106aは、図6および図8に示すように、例えば、前記債権を識別するための債権識別データ(伝票番号)と、前記債権計上部門を識別するための債権計上部門識別データ(計上部門)と、前記債権の請求先を識別するための請求先識別データ(請求先)と、前記債権の金額と、等を含む。
【0021】
債務計上テーブル106bは、債務(例えば、買掛金)が計上される部門である債務計上部門における前記債務の計上時に生成される、債務情報を管理するためのデータである。債務計上テーブル106bは、図9および図10に示すように、例えば、前記債務を識別するための債務識別データ(伝票番号)と、前記債務計上部門を識別するための債務計上部門識別データ(計上部門)と、前記債務の支払先を識別するための支払先識別データ(支払先)と、前記債務の金額と、等を含む。
【0022】
回収予定テーブル106cは、前記債権計上部門における前記債権の計上時に生成される、回収予定の情報を管理するためのデータである。回収予定テーブル106cは、図6および図8に示すように、例えば、前記請求先識別データ(請求先)と、前記債権としての回収予定金額と、前記債権識別データ(伝票番号)と、前記回収予定金額のうち入金により消込が済んだ額である消込済額と、等を含む。
【0023】
支払予定テーブル106dは、前記債務計上部門における前記債務の計上時に生成される、支払予定の情報を管理するためのデータである。支払予定テーブル106dは、図9および図10に示すように、例えば、前記支払先識別データ(支払先)と、前記債務としての支払予定金額と、前記債務識別データ(伝票番号)と、前記支払予定金額のうち支払により消込が済んだ額である消込済額と、等を含む。
【0024】
入金テーブル106eは、前記債権計上部門と異なる部門に対して行われた前記債権に対する入金時に生成される、入金情報を管理するためのデータである。入金テーブル106eは、図7に示すように、例えば、前記請求先識別データ(請求先)と、入金額(振込入金)と、相手科目と、入金が行われた前記異なる部門についての部門識別データ(部門)と、等を含む。
【0025】
支払テーブル106fは、前記債務計上部門と異なる部門で行った前記債務に対する支払時に生成される、支払情報を管理するためのデータである。支払テーブル106fは、図10に示すように、例えば、前記支払先識別データ(支払先)と、支払額(振込支払)と、相手科目と、支払を行った前記異なる部門についての部門識別データ(部門)と、等を含む。
【0026】
入金消込内訳テーブル106gは、入金消込の内訳情報を管理するためのデータである。入金消込内訳テーブル106gは、図8に示すように、例えば、前記債権識別データ(伝票番号)と、金額と、消込金額と、等を含む。
【0027】
制御部102は、債権・債務計上部門特定装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0028】
制御部102は、機能概念的に、例えば、(1)前記債権計上部門における前記債権の計上時に生成された債権計上テーブルおよび回収予定テーブルならびに前記債権計上部門と異なる部門に対して行われた前記債権に対する入金時に生成された入金テーブルを参照して、前記債権に対する入金消込時に、前記債権の請求先を識別するための請求先識別データと前記債権を識別するための債権識別データとを含む前記回収予定テーブルから、前記請求先識別データを含む前記入金テーブル中の前記請求先識別データと同じものと紐付く債権識別データを取得し、更に、前記債権識別データと前記債権計上部門を識別するための債権計上部門識別データとを含む前記債権計上テーブルから、前記取得した債権識別データと紐付く債権計上部門識別データを取得する債権計上部門特定手段としての債権計上部門特定部102aと、(2)前記入金テーブル中の前記入金額が、前記債権計上部門特定手段で取得した債権識別データと同じものと紐付く前記回収予定テーブル中の前記回収予定金額に達している場合、前記債権としての前記回収予定金額の消込を実行する入金消込実行手段としての入金消込実行部102bと、(3)前記入金が行われた前記異なる部門についての部門識別データおよび前記入金額を含む仕訳ならびに前記債権計上部門特定手段で取得した債権計上部門識別データおよび前記入金消込実行手段で消込を実行した回収予定金額を含む仕訳を作成する入金消込仕訳作成手段としての入金消込仕訳作成部102cと、(4)前記債務計上部門における前記債務の計上時に生成された債務計上テーブルおよび支払予定テーブルならびに前記債務計上部門と異なる部門で行った前記債務に対する支払時に生成された支払テーブルを参照して、前記債務に対する支払時に、前記債務の支払先を識別するための支払先識別データと前記債務を識別するための債務識別データとを含む前記支払予定テーブルから、前記支払先識別データを含む前記支払テーブル中の前記支払先識別データと同じものと紐付く債務識別データを取得し、更に、前記債務識別データと前記債務計上部門を識別するための債務計上部門識別データとを含む前記債務計上テーブルから、前記取得した債務識別データと紐付く債務計上部門識別データを取得する債務計上部門特定手段としての債務計上部門特定部102dと、(5)前記支払テーブル中の前記支払額が、前記債務計上部門特定手段で取得した債務識別データと同じものと紐付く前記支払予定テーブル中の前記支払予定金額に達している場合、前記債務としての前記支払予定金額の消込を実行する支払消込実行手段としての支払消込実行部102eと、(6)前記支払を行った前記異なる部門についての部門識別データおよび前記支払額を含む仕訳ならびに前記債務計上部門特定手段で取得した債務計上部門識別データおよび前記支払消込実行手段で消込を実行した支払予定金額を含む仕訳を作成する支払仕訳作成手段としての支払仕訳作成部102fと、を備えている。
【0029】
債権計上部門特定部102aは、前記債権計上部門における前記債権の計上時に生成された生成された債権計上テーブル106aおよび回収予定テーブル106cならびに前記債権計上部門と異なる部門に対して行われた前記債権に対する入金時に生成された入金テーブル106eを参照して、前記債権に対する入金消込時に、前記請求先識別データ(請求先)と前記債権識別データ(伝票番号)とを含む回収予定テーブル106cから、前記請求先識別データ(請求先)を含む入金テーブル106e中の前記請求先識別データ(請求先)と同じものと紐付く前記債権識別データ(伝票番号)を取得し、更に、前記債権識別データ(伝票番号)と前記債権計上部門識別データ(計上部門)とを含む債権計上テーブル106aから、前記取得した債権識別データ(伝票番号)と紐付く債権計上部門識別データ(計上部門)を取得する。
【0030】
入金消込実行部102bは、入金テーブル106e中の前記入金額(振込入金)が、債権計上部門特定部102aで取得した債権識別データ(伝票番号)と紐付く回収予定テーブル106c中の前記回収予定金額に達している場合、前記債権としての前記回収予定金額の消込を実行する。
【0031】
入金消込仕訳作成部102cは、前記入金が行われた前記異なる部門についての部門識別データ(部門)および前記入金額(振込入金)を含む仕訳ならびに債権計上部門特定部102aで取得した債権計上部門識別データ(計上部門)および入金消込実行部102bで消込を実行した回収予定金額を含む仕訳を作成する。
【0032】
債務計上部門特定部102dは、前記債務計上部門における前記債務の計上時に生成された債務計上テーブル106bおよび支払予定テーブル106dならびに前記債務計上部門と異なる部門で行った前記債務に対する支払時に生成された支払テーブル106fを参照して、前記債務に対する支払時に、前記支払先識別データ(支払先)と前記債務識別データ(伝票番号)とを含む支払予定テーブル106dから、前記支払先識別データ(支払先)を含む支払テーブル106f中の前記支払先識別データ(支払先)と同じものと紐付く債務識別データ(伝票番号)を取得し、更に、前記債務識別データ(伝票番号)と前記債務計上部門識別データ(計上部門)とを含む債務計上テーブル106bから、前記取得した債務識別データ(伝票番号)と紐付く債務計上部門識別データ(計上部門)を取得する。
【0033】
支払消込実行部102eは、支払テーブル106f中の前記支払額(振込支払)が、債務計上部門特定部102dで取得した債務識別データ(伝票番号)と同じものと紐付く支払予定テーブル106d中の前記支払予定金額に達している場合、前記債務としての前記支払予定金額の消込を実行する。
【0034】
支払仕訳作成部102fは、前記支払を行った前記異なる部門についての部門識別データ(部門)および前記支払額(振込支払)を含む仕訳ならびに債務計上部門特定部102dで取得した債務計上部門識別データ(計上部門)および支払消込実行部102eで消込を実行した支払予定金額を含む仕訳を作成する。
【0035】
[2.従来の処理]
本項目では、従来における仕訳作成の具体例を、図2および図3を用いて説明する。
【0036】
図2は、従来における、債権計上の際に作成される一連の仕訳の一例を示す図である。図2の例では、営業部Aにおける100円の債権(売掛金)の計上および営業部Bにおける200円の債権(売掛金)の計上が行われ、その後、財務部に対して250円の入金があった場合において、債権計上時、入金時、入金消込時および現預金振替時に仕訳を作成する場面を想定している。図2の入金消込時の仕訳は、事前に決めた配賦基準に基づいて算出した仮の数値を含む仕訳であるため、実際の数値(=営業部Aにおける売掛金100円および営業部Bにおける売掛金200円)と仮の数値(=営業部Aにおける売掛金100円および営業部Bにおける売掛金150円)との間には誤差が生じている。このため、会計システム上で、訂正仕訳を作成する処理が必要となってしまう。
【0037】
図3は、従来における、債務計上の際に作成される一連の仕訳の一例を示す図である。図3の例では、営業部Aにおける150円の債務(買掛金)の計上および営業部Bにおける200円の債務(買掛金)の計上が行われ、その後、財務部において350円の支払を行った場合において、債務計上時および支払時に仕訳を作成する場面を想定している。
【0038】
[3.処理の概要]
本項目では、本実施形態に係る処理の概要を、図4および図5を用いて説明する。本実施形態においては、入金消込処理または支払処理を行った際に、計上元の部門を取得して、発生した現預金勘定を発生部門ごとに振替処理し、各発生部門に振替られた現預金で消込する仕組みを構築した。
【0039】
図4は、本実施形態に係る入金消込処理の概要の一例を示す図である。図4の(1)に示すように、入金消込処理をする際に発生伝票の特定を行う。また、図4の(2)に示すように、計上した部門で入金を作成する。そして、図4の(3)に示すように、仮受金は現預金勘定に振替える。
【0040】
図5は、本実施形態に係る支払処理の概要の一例を示す図である。図5の(1)に示すように、支払処理をする際に発生伝票の特定を行う。また、図5の(2)に示すように、計上した部門で支払仕訳を作成する。そして、図5の(3)に示すように、CASHは現預金勘定に振替える。
【0041】
[4.処理の具体例]
本項目では、本実施形態に係る処理の具体例を、図6図10を用いて説明する。債権が計上されて後に入金消込処理がされる場合の具体例を以下の[4-1]で説明し、債務が計上されて後に支払消込処理がされる場合の具体例を以下の[4-2]で説明する。
【0042】
[4-1.入金消込処理]
(1)債権計上
まず、営業部Aにおいて請求先Xに対する100円の債権(売掛金)が計上され、営業部Bにおいて請求先Xに対する200円の債権(売掛金)が計上されたとする。この場合、図6に示すように、債権計上時仕訳、債権計上テーブル106aおよび回収予定テーブル106cが生成される。
【0043】
(2)入金
次に、請求先Xから財務部に対して、300円の入金が行われたとする。この場合、図7に示すように、入金時仕訳および入金テーブル106eが生成される。
【0044】
(3)入金消込
最後に、入金消込処理が、以下のようにして実行される。
【0045】
(3-1)債権計上部門特定処理
債権計上部門特定部102aは、図8の回収予定テーブル106cから、図7の入金テーブル106e中の請求先Xと同じものと紐付く伝票番号として、S001およびS002を取得し、更に、図8の債権計上テーブル106aから、前記取得した伝票番号S001と紐付く計上部門として「営業部A」を取得し、前記取得した伝票番号S002と紐付く計上部門として「営業部B」を取得する。
【0046】
(3-2)入金消込実行処理
また、入金消込実行部102bは、入金消込処理を実行する。図7の入金テーブル106e中の入金額は、300円である。一方で、債権計上部門特定部102aで取得した伝票番号S001と紐付く図8の回収予定テーブル106c中の回収予定金額は、100円であり、債権計上部門特定部102aで取得した伝票番号S002と紐付く図8の回収予定テーブル106c中の回収予定金額は、200円である。この場合、入金額300円は、回収予定金額の和300円に達しているため、入金消込実行部102bは、回収予定金額である100円および200円の消込を実行する。これにより、図8の回収予定テーブル106cに示すように、伝票番号S001の消込済額が0円から100円へと更新され、伝票番号S002の消込済額が0円から200円へと更新される。
【0047】
(3-3)入金消込仕訳作成処理
そして、入金消込仕訳作成部102cは、入金が行われた部門「財務部」および入金額「300円」を含む仕訳、具体的には、図8に示す「財務部 仮受金/財務部 社内現預金 300」という仕訳を作成する。また、入金消込仕訳作成部102cは、債権計上部門特定部102aで取得した計上部門「営業部A」および入金消込実行部102bで消込を実行した回収予定金額「100円」を含む仕訳、具体的には、図8に示す「営業部A 社内現預金/営業部A 売掛金 100」という仕訳を作成する。同様に、入金消込仕訳作成部102cは、債権計上部門特定部102aで取得した計上部門「営業部B」および入金消込実行部102bで消込を実行した回収予定金額「200円」を含む仕訳、具体的には、図8に示す「営業部B 社内現預金/営業部B 売掛金 200」という仕訳を作成する。
【0048】
以上、本項目[4-1]で説明したように、本実施形態に係る債権・債務計上部門特定装置100によれば、例えば、消込を実施した回収予定テーブル106cより、計上元の伝票番号を特定し、計上部門を把握することができる。
【0049】
[4-2.支払消込処理]
(1)債務計上
まず、営業部Aにおいて支払先Xに対する150円の債務(買掛金)が計上され、営業部Bにおいて支払先Xに対する200円の債務(買掛金)が計上されたとする。この場合、図9に示すように、債務計上時仕訳、債務計上テーブル106bおよび支払予定テーブル106dが生成される。
【0050】
(2)支払
次に、財務部から支払先Xに対して、350円の支払が行われたとする。この場合、図10に示すように、支払テーブル106fが生成される。
【0051】
(3)支払消込
最後に、支払消込処理が、以下のようにして実行される。
【0052】
(3-1)債務計上部門特定処理
債務計上部門特定部102dは、図10の支払予定テーブル106dから、図10の支払テーブル106f中の支払先Xと同じものと紐付く伝票番号として、K001およびK002を取得し、更に、図10の債務計上テーブル106bから、前記取得した伝票番号K001と紐付く計上部門として「営業部A」を取得し、前記取得した伝票番号K002と紐付く計上部門として「営業部B」を取得する。
【0053】
(3-2)支払消込実行処理
また、支払消込実行部102eは、支払消込処理を実行する。図10の支払テーブル106f中の支払額は、350円である。一方で、債務計上部門特定部102dで取得した伝票番号K001と紐付く図10の支払予定テーブル106d中の支払予定金額は、150円であり、債務計上部門特定部102dで取得した伝票番号K002と紐付く図10の支払予定テーブル106d中の支払予定金額は、200円である。この場合、支払額350円は、支払予定金額の和350円に達しているため、支払消込実行部102eは、支払予定金額である150円および200円の消込を実行する。これにより、図10の支払予定テーブル106dに示すように、伝票番号K001の消込済額が0円から150円へと更新され、伝票番号K002の消込済額が0円から200円へと更新される。
【0054】
(3-3)支払仕訳作成処理
そして、支払仕訳作成部102fは、支払を行った部門「財務部」および支払額「350円」を含む仕訳、具体的には、図10に示す「財務部 社内現預金/財務部 CASH 350」という仕訳を作成する。また、支払仕訳作成部102fは、債務計上部門特定部102dで取得した計上部門「営業部A」および支払消込実行部102eで消込を実行した支払予定金額「150円」を含む仕訳、具体的には、「図10に示す「営業部A 買掛金/営業部A 社内現預金 150」という仕訳を作成する。同様に、支払仕訳作成部102fは、債務計上部門特定部102dで取得した計上部門「営業部B」および支払消込実行部102eで消込を実行した支払予定金額「200円」を含む仕訳、具体的には、「図10に示す「営業部B 買掛金/営業部B 社内現預金 250」という仕訳を作成する。
【0055】
以上、本項目[4-2]で説明したように、本実施形態に係る債権・債務計上部門特定装置100によれば、例えば、消込を実施した支払予定テーブル106dより、計上元の伝票番号を特定し、計上部門を把握することができる。
【0056】
[5.本実施形態のまとめ]
以上説明してきたように、本実施形態に係る債権・債務計上部門特定装置100によれば、[4-1]の(3-1)および[4-2]の(3-1)で説明したように、債権または債務を計上した部門とは異なる部門において前記債権に対する入金または前記債務に対する支払が行われた場合においても、入金消込または支払消込の際に、前記計上した部門を容易かつ正確に特定することができる。
【0057】
また、本実施形態に係る債権・債務計上部門特定装置100によれば、[4-1]の(3-2)および[4-2]の(3-2)で説明したように、前記債権または前記債務の消込も自動で行うことができる。
【0058】
そして、本実施形態に係る債権・債務計上部門特定装置100によれば、[4-1]の(3-3)および[4-2]の(3-3)で説明したように、入金消込仕訳および支払仕訳の作成も自動で行うことができる。
【0059】
ここで、例えば多部門を有する事業会社等においては、部門別に貸借対照表(B/S)を作成することで、負債比率や現預金回転率を部門単位で把握し、事業戦略に生かすことが経営戦略上、よく求められる。
【0060】
このため、従来においては、各部門別のB/Sを把握するために、現預金勘定の部門間振替の仕訳を作成するという方法や、管理会計システム上で配賦する処理をすることで、部門別B/Sを作成するという方法を採用していた。
【0061】
しかしながら、前者の方法の場合、仕訳作成をするにあたり、補助簿から勘定科目・部門ごとに発生とそれに対する消込および残額を確認し、振替仕訳のデータを準備することが煩雑であり、相当な手間がかかってしまうという問題があった。また、後者の方法の場合、配賦処理を行うためには、配賦基準を決める必要があるが、配賦基準を使用して求めた金額は仮の金額に過ぎないため、実際の発生額との誤差が発生してしまう(言い換えると、現預金を特定の基準によって配賦する簡易的な手法をとると、実態との誤差が発生してしまう)という問題があった。
【0062】
そこで、本実施形態においては、例えば、入金消込処理または支払処理を行った際に、相手部門を自動的に特定できるようにすることで、管理部門で発生する現預金勘定を発生部門ごとに振替処理する仕組みを構築した。言い換えると、補助簿で発生した計上データを基に、社内現預金勘定の部分の振替の仕訳を自動作成できるようにした。より簡単にいうと、本実施形態においては、入金・支払発生部門と消込部門とが相違する場合において、部門間の振替をできるようにした。
【0063】
これにより、例えば、部門別のB/Sを即時に作成することが可能となり、経営判断に有効な負債比率や現預金回転率等の確認が可能となる。また、例えば、発生した都度B/Sに反映させることができるため、正確な数字を即時に経営戦略に生かすことができる。
【0064】
[6.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0065】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0066】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0067】
また、債権・債務計上部門特定装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0068】
例えば、債権・債務計上部門特定装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて債権・債務計上部門特定装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0069】
また、このコンピュータプログラムは、債権・債務計上部門特定装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0070】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0071】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0072】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0073】
また、債権・債務計上部門特定装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、債権・債務計上部門特定装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0074】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、あらゆる業界および業種において有用であるが、特に、部門数が多い企業等においては極めて有用である。
【符号の説明】
【0076】
100 債権・債務計上部門特定装置
102 制御部
102a 債権計上部門特定部
102b 入金消込実行部
102c 入金消込仕訳作成部
102d 債務計上部門特定部
102e 支払消込実行部
102f 支払仕訳作成部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 債権計上テーブル
106b 債務計上テーブル
106c 回収予定テーブル
106d 支払予定テーブル
106e 入金テーブル
106f 支払テーブル
106g 入金消込内訳テーブル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-01-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える債権・債務計上部門特定装置であって、
前記制御部は、
債権が計上された部門である債権計上部門を特定するための債権計上部門特定手段および債務が計上された部門である債務計上部門を特定するための債務計上部門特定手段の少なくとも一方を備え、
前記債権計上部門特定手段は、
前記債権計上部門における前記債権の計上時に生成された債権計上テーブルおよび回収予定テーブルならびに前記債権計上部門と異なる部門に対して行われた前記債権に対する入金時に生成された入金テーブルを参照して、前記債権に対する入金消込時に、前記入金テーブルに記憶されている前記債権の請求先と同じ請求先の債権識別データを前記回収予定テーブルから取得し、更に、前記債権識別データと前記債権計上部門を識別するための債権計上部門識別データとを含む前記債権計上テーブルから、前記取得した債権識別データと紐付く債権計上部門識別データを取得し、
前記債務計上部門特定手段は、
前記債務計上部門における前記債務の計上時に生成された債務計上テーブルおよび支払予定テーブルならびに前記債務計上部門と異なる部門で行った前記債務に対する支払時に生成された支払テーブルを参照して、前記債務に対する支払時に、前記支払テーブルに記憶されている前記債務の支払先と同じ支払先の債務識別データを前記支払予定テーブルから取得し、更に、前記債務識別データと前記債務計上部門を識別するための債務計上部門識別データとを含む前記債務計上テーブルから、前記取得した債務識別データと紐付く債務計上部門識別データを取得すること、
を特徴とする債権・債務計上部門特定装置。
【請求項2】
前記入金テーブルは、更に、入金額を含み、
前記回収予定テーブルは、更に、前記債権としての回収予定金額を含み、
前記支払テーブルは、更に、支払額を含み、
前記支払予定テーブルは、更に、前記債務としての支払予定金額を含み、
前記制御部は、
入金に対する前記債権の消込を実行するための入金消込実行手段および支払に対する前記債務の消込を実行するための支払消込実行手段の少なくとも一方を更に備え、
前記入金消込実行手段は、
前記入金テーブル中の前記入金額が、前記債権計上部門特定手段で取得した債権識別データと同じものと紐付く前記回収予定テーブル中の前記回収予定金額に達している場合、前記債権としての前記回収予定金額の消込を実行し、
前記支払消込実行手段は、
前記支払テーブル中の前記支払額が、前記債務計上部門特定手段で取得した債務識別データと同じものと紐付く前記支払予定テーブル中の前記支払予定金額に達している場合、前記債務としての前記支払予定金額の消込を実行すること、
を特徴とする請求項1に記載の債権・債務計上部門特定装置。
【請求項3】
前記制御部は、
入金が行われた前記異なる部門についての部門識別データおよび前記入金額に基づいて、借方を前記部門における前記入金額の仮受金とし、貸方を前記部門における前記入金額の社内現預金とした仕訳を作成し、また、前記債権計上部門特定手段で取得した債権計上部門識別データおよび前記入金消込実行手段で消込を実行した回収予定金額に基づいて、借方を前記債権計上部門における前記回収予定金額の社内現預金とし、貸方を前記債権計上部門における前記回収予定金額の売掛金とした仕訳を作成する入金消込仕訳作成手段を更に備えること、
を特徴とする請求項2に記載の債権・債務計上部門特定装置。
【請求項4】
前記制御部は、
支払を行った前記異なる部門についての部門識別データおよび前記支払額に基づいて、借方を前記部門における前記支払額の社内現預金とし、貸方を前記部門における前記支払額のCASHとした仕訳を作成し、また、前記債務計上部門特定手段で取得した債務計上部門識別データおよび前記支払消込実行手段で消込を実行した支払予定金額に基づいて、借方を前記債務計上部門における前記支払予定金額の買掛金とし、貸方を前記債務計上部門における前記支払予定金額の社内現預金とした仕訳を作成する支払仕訳作成手段を更に備えること、
を特徴とする請求項2に記載の債権・債務計上部門特定装置。
【請求項5】
制御部を備える情報処理装置で実行される債権・債務計上部門特定方法であって、
前記制御部で任意の順で実行される、
債権が計上された部門である債権計上部門を特定するための債権計上部門特定ステップおよび債務が計上された部門である債務計上部門を特定するための債務計上部門特定ステップの少なくとも一方を含み、
前記債権計上部門特定ステップは、
前記債権計上部門における前記債権の計上時に生成された債権計上テーブルおよび回収予定テーブルならびに前記債権計上部門と異なる部門に対して行われた前記債権に対する入金時に生成された入金テーブルを参照して、前記債権に対する入金消込時に、前記入金テーブルに記憶されている前記債権の請求先と同じ請求先の債権識別データを前記回収予定テーブルから取得し、更に、前記債権識別データと前記債権計上部門を識別するための債権計上部門識別データとを含む前記債権計上テーブルから、前記取得した債権識別データと紐付く債権計上部門識別データを取得し、
前記債務計上部門特定ステップは、
前記債務計上部門における前記債務の計上時に生成された債務計上テーブルおよび支払予定テーブルならびに前記債務計上部門と異なる部門で行った前記債務に対する支払時に生成された支払テーブルを参照して、前記債務に対する支払時に、前記支払テーブルに記憶されている前記債務の支払先と同じ支払先の債務識別データを前記支払予定テーブルから取得し、更に、前記債務識別データと前記債務計上部門を識別するための債務計上部門識別データとを含む前記債務計上テーブルから、前記取得した債務識別データと紐付く債務計上部門識別データを取得すること、
を特徴とする債権・債務計上部門特定方法。
【請求項6】
制御部を備える情報処理装置に実行させるための債権・債務計上部門特定プログラムであって、
前記制御部において任意の順で実行させるための、
債権が計上された部門である債権計上部門を特定するための債権計上部門特定ステップおよび債務が計上された部門である債務計上部門を特定するための債務計上部門特定ステップの少なくとも一方を含み、
前記債権計上部門特定ステップは、
前記債権計上部門における前記債権の計上時に生成された債権計上テーブルおよび回収予定テーブルならびに前記債権計上部門と異なる部門に対して行われた前記債権に対する入金時に生成された入金テーブルを参照して、前記債権に対する入金消込時に、前記入金テーブルに記憶されている前記債権の請求先と同じ請求先の債権識別データを前記回収予定テーブルから取得し、更に、前記債権識別データと前記債権計上部門を識別するための債権計上部門識別データとを含む前記債権計上テーブルから、前記取得した債権識別データと紐付く債権計上部門識別データを取得し、
前記債務計上部門特定ステップは、
前記債務計上部門における前記債務の計上時に生成された債務計上テーブルおよび支払予定テーブルならびに前記債務計上部門と異なる部門で行った前記債務に対する支払時に生成された支払テーブルを参照して、前記債務に対する支払時に、前記支払テーブルに記憶されている前記債務の支払先と同じ支払先の債務識別データを前記支払予定テーブルから取得し、更に、前記債務識別データと前記債務計上部門を識別するための債務計上部門識別データとを含む前記債務計上テーブルから、前記取得した債務識別データと紐付く債務計上部門識別データを取得すること、
を特徴とする債権・債務計上部門特定プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る債権・債務計上部門特定装置においては、制御部を備える債権・債務計上部門特定装置であって、前記制御部は、債権が計上された部門である債権計上部門を特定するための債権計上部門特定手段および債務が計上された部門である債務計上部門を特定するための債務計上部門特定手段の少なくとも一方を備え、前記債権計上部門特定手段は、前記債権計上部門における前記債権の計上時に生成された債権計上テーブルおよび回収予定テーブルならびに前記債権計上部門と異なる部門に対して行われた前記債権に対する入金時に生成された入金テーブルを参照して、前記債権に対する入金消込時に、前記入金テーブルに記憶されている前記債権の請求先と同じ請求先の債権識別データを前記回収予定テーブルから取得し、更に、前記債権識別データと前記債権計上部門を識別するための債権計上部門識別データとを含む前記債権計上テーブルから、前記取得した債権識別データと紐付く債権計上部門識別データを取得し、前記債務計上部門特定手段は、前記債務計上部門における前記債務の計上時に生成された債務計上テーブルおよび支払予定テーブルならびに前記債務計上部門と異なる部門で行った前記債務に対する支払時に生成された支払テーブルを参照して、前記債務に対する支払時に、前記支払テーブルに記憶されている前記債務の支払先と同じ支払先の債務識別データを前記支払予定テーブルから取得し、更に、前記債務識別データと前記債務計上部門を識別するための債務計上部門識別データとを含む前記債務計上テーブルから、前記取得した債務識別データと紐付く債務計上部門識別データを取得すること、を特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また、本発明に係る債権・債務計上部門特定方法においては、制御部を備える情報処理装置で実行される債権・債務計上部門特定方法であって、前記制御部で任意の順で実行される、債権が計上された部門である債権計上部門を特定するための債権計上部門特定ステップおよび債務が計上された部門である債務計上部門を特定するための債務計上部門特定ステップの少なくとも一方を含み、前記債権計上部門特定ステップは、前記債権計上部門における前記債権の計上時に生成された債権計上テーブルおよび回収予定テーブルならびに前記債権計上部門と異なる部門に対して行われた前記債権に対する入金時に生成された入金テーブルを参照して、前記債権に対する入金消込時に、前記入金テーブルに記憶されている前記債権の請求先と同じ請求先の債権識別データを前記回収予定テーブルから取得し、更に、前記債権識別データと前記債権計上部門を識別するための債権計上部門識別データとを含む前記債権計上テーブルから、前記取得した債権識別データと紐付く債権計上部門識別データを取得し、前記債務計上部門特定ステップは、前記債務計上部門における前記債務の計上時に生成された債務計上テーブルおよび支払予定テーブルならびに前記債務計上部門と異なる部門で行った前記債務に対する支払時に生成された支払テーブルを参照して、前記債務に対する支払時に、前記支払テーブルに記憶されている前記債務の支払先と同じ支払先の債務識別データを前記支払予定テーブルから取得し、更に、前記債務識別データと前記債務計上部門を識別するための債務計上部門識別データとを含む前記債務計上テーブルから、前記取得した債務識別データと紐付く債務計上部門識別データを取得すること、を特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
また、本発明に係る債権・債務計上部門特定プログラムにおいては、制御部を備える情報処理装置に実行させるための債権・債務計上部門特定プログラムであって、前記制御部において任意の順で実行させるための、債権が計上された部門である債権計上部門を特定するための債権計上部門特定ステップおよび債務が計上された部門である債務計上部門を特定するための債務計上部門特定ステップの少なくとも一方を含み、前記債権計上部門特定ステップは、前記債権計上部門における前記債権の計上時に生成された債権計上テーブルおよび回収予定テーブルならびに前記債権計上部門と異なる部門に対して行われた前記債権に対する入金時に生成された入金テーブルを参照して、前記債権に対する入金消込時に、前記入金テーブルに記憶されている前記債権の請求先と同じ請求先の債権識別データを前記回収予定テーブルから取得し、更に、前記債権識別データと前記債権計上部門を識別するための債権計上部門識別データとを含む前記債権計上テーブルから、前記取得した債権識別データと紐付く債権計上部門識別データを取得し、前記債務計上部門特定ステップは、前記債務計上部門における前記債務の計上時に生成された債務計上テーブルおよび支払予定テーブルならびに前記債務計上部門と異なる部門で行った前記債務に対する支払時に生成された支払テーブルを参照して、前記債務に対する支払時に、前記支払テーブルに記憶されている前記債務の支払先と同じ支払先の債務識別データを前記支払予定テーブルから取得し、更に、前記債務識別データと前記債務計上部門を識別するための債務計上部門識別データとを含む前記債務計上テーブルから、前記取得した債務識別データと紐付く債務計上部門識別データを取得すること、を特徴とする。