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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023937
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】外用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/192 20060101AFI20240214BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20240214BHJP
   A61K 47/28 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20240214BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20240214BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20240214BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20240214BHJP
   A61K 47/06 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20240214BHJP
   A61P 17/10 20060101ALI20240214BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 8/368 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 8/42 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 8/63 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 8/365 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
A61K31/192
A61K47/18
A61K47/28
A61K47/22
A61K47/12
A61K47/36
A61K47/10
A61K47/14
A61K47/44
A61K47/34
A61K47/06
A61K9/08
A61K9/10
A61K9/107
A61K9/12
A61K9/06
A61P17/10
A61Q19/00
A61K8/368
A61K8/42
A61K8/63
A61K8/44
A61K8/49
A61K8/73
A61K8/34
A61K8/365
A61K8/86
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023219895
(22)【出願日】2023-12-26
(62)【分割の表示】P 2020525706の分割
【原出願日】2019-06-15
(31)【優先権主張番号】P 2018115049
(32)【優先日】2018-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000115991
【氏名又は名称】ロート製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118382
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 央子
(74)【代理人】
【識別番号】100094477
【弁理士】
【氏名又は名称】神野 直美
(74)【代理人】
【識別番号】100078813
【弁理士】
【氏名又は名称】上代 哲司
(72)【発明者】
【氏名】安藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】井上 翔太
(57)【要約】
【課題】アダパレン及び/又はその塩を含む外用組成物であって、アダパレン及び/又はその塩の分散性が良好なものを提供する
【解決手段】(A)アダパレン及び/又はその塩と、(B)セラミド類、コレステロール類、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸及びその塩、乳酸及びその塩、尿素類、並びにムコ多糖類及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を含有する外用組成物は、アダパレン及び/又はその塩の分散性が良好なものになる。この外用組成物は、さらに、(C)多価アルコール、(D)乳化剤、及び/又は(E)炭化水素基剤を含有することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アダパレン及び/又はその塩と、(B)セラミド類、コレステロール類、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸及びその塩、乳酸及びその塩、尿素類、並びにムコ多糖類及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分と、(C)多価アルコールを含有する外用組成物。
但し、下記の場合を除く。
(1)ポリオキシエチレンアラキルエーテル、ステアリルアルコール、及び水を含む場合
(2)下記式(I)
【化1】

[式中、Rは、水素原子、ヒドロキシル基、1~4個の炭素原子を含む分岐又は非分岐のアルキル基、1~10個の炭素原子を含むアルコキシ基、又は置換若しくは非置換の脂環式基を表す。]
で表されるナフトエ酸誘導体、及び過酸化ベンゾイルを含む場合
(3)ベシフロキサシン塩酸塩を含む場合
(4)ダプソン、及びアダパレンを含む場合
(5)(a)アダパレンと、(b)過酸化ベンゾイルと、(c)オイル、オクチルドデカノール、セチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、リノールアルコール、リノレニルアルコール、セテアリルアルコール、及びベヘニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種の脂肪族アルコール、並びにミリスチン酸イソプロピル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の脂肪酸エステルから選ばれる1種以上とを含む場合
【請求項2】
(A)成分を0.001~1重量%含有する、請求項1に記載の外用組成物。
【請求項3】
(B)成分を0.0001~20重量%含有する、請求項1又は2に記載の外用組成物。
【請求項4】
(C)成分が、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、及びポリエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の外用組成物。
【請求項5】
さらに(D)乳化剤を含有する、請求項1~4の何れかに記載の外用組成物。
【請求項6】
(D)乳化剤が、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項5に記載の外用組成物。
【請求項7】
さらに(E)炭化水素基剤を含有する、請求項1~6の何れかに記載の外用組成物。
【請求項8】
組成物の剤型が、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ゲル剤、ローション剤、スプレー剤、又はエアゾール剤である、請求項1~7の何れかに記載の外用組成物。
【請求項9】
(A)アダパレン及び/又はその塩と(C)多価アルコールを含有する外用組成物に、(B)セラミド類、コレステロール類、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸及びその塩、乳酸及びその塩、尿素類、並びにムコ多糖類及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を含有させる、アダパレン及び/又はその塩の外用組成物中での分散性の向上方法。
但し、(B)成分を含有させた後に下記になる場合を除く。
(1)ポリオキシエチレンアラキルエーテル、ステアリルアルコール、及び水を含む場合
(2)下記式(I)
【化2】

[式中、Rは、水素原子、ヒドロキシル基、1~4個の炭素原子を含む分岐又は非分岐のアルキル基、1~10個の炭素原子を含むアルコキシ基、又は置換若しくは非置換の脂環式基を表す。]
で表されるナフトエ酸誘導体、及び過酸化ベンゾイルを含む場合
(3)ベシフロキサシン塩酸塩を含む場合
(4)ダプソン、及びアダパレンを含む場合
(5)(a)アダパレンと、(b)過酸化ベンゾイルと、(c)オイル、オクチルドデカノール、セチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、リノールアルコール、リノレニルアルコール、セテアリルアルコール、及びベヘニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種の脂肪族アルコール、並びにミリスチン酸イソプロピル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の脂肪酸エステルから選ばれる1種以上とを含む場合
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アダパレン及び/又はその塩を含む外用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
アダパレンは、ナフタレンカルボン酸の誘導体であり、尋常性ざ瘡(ニキビ)の外用治療剤の有効成分として用いられている。尋常性ざ瘡は、毛包脂腺系の皮脂分泌亢進と、角化亢進による毛包の閉塞により面皰として生じ、その後、炎症を伴った皮疹に進展する。アダパレンは、表皮の角化を制御して毛穴の詰まりを改善することで面皰の形成を抑える。
アダパレンを有効成分として含む外用剤としてデフェリンゲル0.1%(商品名)(ガルデルマ株式会社)が知られている。デフェリンゲル0.1%は、添加物として、プロピレングリコール、パラオキシ安息香酸メチル、カルボキシビニルポリマー、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(20)グリコール、エデト酸ナトリウム水和物、水酸化ナトリウムを含む(非特許文献1)。
ここで、外用剤の開発においては、外用剤中での成分の分散性が悪いと、その成分を均一に塗布することが難しい。また、成分が外用剤中で凝集すると、その成分の皮膚との接触面積が小さくなるため、所期の薬効が得られ難いという課題がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】デフェリンゲル0.1% 添付文書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、外用組成物中でのアダパレン及び/又はその塩の分散性が極めて悪いことを見出した。従って、本発明は、アダパレン及び/又はその塩を含む外用組成物であって、アダパレン及び/又はその塩の分散性が良好なものを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するために研究を重ね、(A)アダパレン及び/又はその塩を含む外用組成物に、(B)セラミド類、コレステロール類、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸及びその塩、乳酸及びその塩、尿素類、並びにムコ多糖類及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を添加することにより、組成物中のアダパレン及び/又はその塩の分散性が向上することを見出した。
【0006】
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、下記の外用組成物、並びにアダパレン及び/又はその塩の分散性向上方法を提供する。
項1. (A)アダパレン及び/又はその塩と、(B)セラミド類、コレステロール類、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸及びその塩、乳酸及びその塩、尿素類、並びにムコ多糖類及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を含有する外用組成物。
項2. (A)成分を0.001~1重量%含有する、項1に記載の外用組成物。
項3. (B)成分を0.0001~20重量%含有する、項1又は2に記載の外用組成物。
項4. さらに(C)多価アルコールを含有する、項1~3の何れかに記載の外用組成物。
項5. (C)成分が、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、及びポリエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、項4に記載の外用組成物。
項6. さらに(D)乳化剤を含有する、項1~5の何れかに記載の外用組成物。
項7. (D)乳化剤が、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類からなる群より選ばれる少なくとも1種である、項6に記載の外用組成物。
項8. さらに(E)炭化水素基剤を含有する、項1~7の何れかに記載の外用組成物。
項9. 組成物の剤型が、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ゲル剤、ローション剤、スプレー剤、又はエアゾール剤である、項1~8の何れかに記載の外用組成物。
項10. (A)アダパレン及び/又はその塩を含有する外用組成物に、(B) セラミド類、コレステロール類、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸及びその塩、乳酸及びその塩、尿素類、並びにムコ多糖類及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を含有させる、アダパレン及び/又はその塩の外用組成物中での分散性の向上方法。
【発明の効果】
【0007】
アダパレン及び/又はその塩は、一般に、外用組成物中での分散性が極めて悪いが、本発明の外用組成物は、さらに、セラミド類、コレステロール類、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸及びその塩、乳酸及びその塩、尿素類、並びにムコ多糖類及びその塩からなる群より選ばれる成分を含むことにより、アダパレン及び/又はその塩の分散性及び分散維持性が良好である。これらの成分は、元来皮膚に存在する保湿因子であり保湿剤として化粧品などに配合されている。このような保湿成分がアダパレン及び/又はその塩の分散性を向上させることは驚くべきことである。
【0008】
本発明の外用組成物は、アダパレン及び/又はその塩の分散性が良いため、外用組成物の塗布時にアダパレン及び/又はその塩の塗布量が均一になる。さらに、製剤の製造中も、アダパレン及び/又はその塩の分散性が高く均一性が保たれるため、製剤の製造が容易である。また、外用組成物中での分散性が悪い成分は、一般に、組成物を塗布して乾燥させるときに著しく凝集が進行するが、本発明の組成物は、塗布後に乾燥した状態でのアダパレン及び/又はその塩の凝集も効果的に抑制されている。
本発明の外用組成物は、セラミド類、コレステロール類、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸、乳酸及びその塩、尿素類、ムコ多糖類及びその塩といった元来皮膚に存在する因子またはその類縁物質等を含むことにより、アダパレン及び/又はその塩の分散性が向上している。従って、分散性向上のために、皮膚のためには含有する必要が無い成分を添加しなくて良い。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の組成物は、(A)アダパレン及び/又はその塩、並びに(B)セラミド類、コレステロール類、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸及びその塩、乳酸及びその塩、尿素類、並びにムコ多糖類及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を含む外用組成物である。
【0010】
アダパレン及びその塩
アダパレンの塩は、薬学的又は生理学的に許容される塩であればよく、有機塩基との塩(メチルアミン塩、トリエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩、モルホリン塩、ピペラジン塩、ピロリジン塩、トリピリジン塩、ピコリン塩のような有機アミン塩など)、無機塩基との塩(アンモニウム塩;ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、亜鉛塩、アルミニウム塩のような金属塩など)が挙げられる。 本発明の組成物が、アダパレンの塩を含む場合、アダパレンの塩として配合されたものであってもよく、アダパレンと有機又は無機塩基とを別々に配合した結果、組成物中で塩となったものであってもよい。
アダパレン及びその塩は、中でも、アダパレン及びアダパレンと無機塩基との塩が好ましく、アダパレンがより好ましい。
【0011】
アダパレン及び/又はその塩の含有量は、組成物の全量に対して、0.001重量%以上が好ましく、0.01重量%以上がより好ましく、0.05重量%以上がより好ましく、0.1重量%以上がさらにより好ましい。また、1重量%以下が好ましく、0.3重量%以下がより好ましく、0.15重量%以下がさらにより好ましい。0.1重量%が最も好ましい。この範囲であれば、アダパレン及び/又はその塩の適切な薬理活性が得られると共に、アダパレン及び/又はその塩の分散性が十分である。
アダパレン及び/又はその塩の含有量としては、組成物の全量に対して、0.001~1重量%、0.001~0.3重量%、0.001~0.15重量%、0.01~1重量%、0.01~0.3重量%、0.01~0.15重量%、0.05~1重量%、0.05~0.3重量%、0.05~0.15重量%、0.1~1重量%、0.1~0.3重量%、0.1~0.15重量%が挙げられる。
【0012】
セラミド類
セラミド類としては、スフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、スフィンゴシンに脂肪酸がアミド結合したセラミド、セラミドに糖が結合したスフィンゴ糖脂質(代表的には、セレブロシド)、セラミドにリン酸と塩基が結合したスフィンゴリン脂質(代表的には、スフィンゴミエリン)、セラミドに類似した構造を有する合成セラミド(N-(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)-N-ヒドロキシエチルヘキサデカナミド、ヘキサデシロキシPGヒドロキセチルヘキサデカナミド、セチルPGヒドロキシエチルパルミタミドなど)、酵母などによる発酵によって得られるヒト型セラミド(例えば、セラミド2、セラミド3、発酵セラミド)、動物の脊髄や脳などから抽出した動物由来セラミド、米、大豆、トウモロコシ、小麦などから抽出した植物由来セラミド、セラミド1~10の何れかなどが挙げられる。
中でも、アダパレンの分散性向上効果が良い点で、合成セラミドが好ましく、中でもN-(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)-N-ヒドロキシエチルヘキサデカナミドがより好ましい。
セラミド類は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0013】
セラミド類の含有量は、組成物の全量に対して、0.0005重量%以上が好ましく、0.001重量%以上がより好ましく、0.005重量%以上がさらにより好ましく、0.01重量%以上が特に好ましい。また、5重量%以下が好ましく、1重量%以下がより好ましく、0.5重量%以下がさらにより好ましく、0.25重量%以下が特に好ましい。この範囲であれば、セラミド類の適切な生理活性が得られると共に、アダパレン及び/又はその塩の分散性が十分である。
セラミド類の含有量としては、組成物の全量に対して、0.0005~5重量%、0.0005~1重量%、0.0005~0.5重量%、0.0005~0.25重量%、0.001~5重量%、0.001~1重量%、0.001~0.5重量%、0.001~0.25重量%、0.005~5重量%、0.005~1重量%、0.005~0.5重量%、0.005~0.25重量%、0.01~5重量%、0.01~1重量%、0.01~0.5重量%、0.01~0.25重量%が挙げられる。
【0014】
アダパレン及び/又はその塩の含有量に対するセラミド類の含有量の比率は、アダパレン及び/又はその塩1重量部に対して、0.005重量部以上が好ましく、0.01重量部以上がより好ましく、0.05重量部以上がさらにより好ましく、0.1重量部以上が特に好ましい。また、50重量部以下が好ましく、10重量部以下がより好ましく、5重量部以下がさらにより好ましく、2.5重量部以下がより好ましい。この範囲であれば、セラミド類の適切な生理活性が得られると共に、アダパレン及び/又はその塩の分散性が十分である。
アダパレン及び/又はその塩の含有量に対するセラミド類の含有量の比率としては、アダパレン及び/又はその塩1重量部に対して、0.005~50重量部、0.005~10重量部、0.005~5重量部、0.005~2.5重量部、0.01~50重量部、0.01~10重量部、0.01~5重量部、0.01~2.5重量部、0.05~50重量部、0.05~10重量部、0.05~5重量部、0.05~2.5重量部、0.1~50重量部、0.1~10重量部、0.1~5重量部、0.1~2.5重量部が挙げられる。
【0015】
コレステロール類
コレステロール類としては、コレステロール、コレスタノール、ラノステロール、セレグロステロール、デヒドロコレステロール、コブロスタノールのような動物性ステロール類;フィトステロール、シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、エルゴステロール、フコステロール、スピナステロールのような植物性ステロール類;エルゴステロール、ミコステロール、チモステロールのような微生物由来ステロール類;これらのコレステロール類と脂肪酸(例えば、炭素数10~18の脂肪酸、具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸など)とのエステル、これらのコレステロール類の水酸基の水素原子を、炭素数1~10のアルキル基で置換したアルキルエーテル誘導体、炭素数1~10のアシル基で置換したアルキルエステル、糖残基で置換した配糖体のようなコレステロール類誘導体などが挙げられる。
中でも、アダパレン及び/又はその塩の分散性向上効果が良い点で、動物性ステロール類及びその誘導体が好ましく、コレステロール及びその誘導体がより好ましく、コレステロールがさらにより好ましい。
コレステロール類は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0016】
コレステロール類の含有量は、組成物の全量に対して、0.01重量%以上が好ましく、0.05重量%以上がより好ましく、0.1重量%以上がさらにより好ましく、0.2重量%以上が特に好ましい。また、5重量%以下が好ましく、2重量%以下がより好ましく、1重量%以下がさらにより好ましく、0.9重量%以下が特に好ましい。この範囲であれば、コレステロール類の適切な生理活性又は薬理活性が得られると共に、アダパレン及び/又はその塩の分散性が十分である。
コレステロール類の含有量としては、組成物の全量に対して、0.01~5重量%、0.01~2重量%、0.01~1重量%、0.01~0.9重量%、0.05~5重量%、0.05~2重量%、0.05~1重量%、0.05~0.9重量%、0.1~5重量%、0.1~2重量%、0.1~1重量%、0.1~0.9重量%、0.2~5重量%、0.2~2重量%、0.2~1重量%、0.2~0.9重量%が挙げられる。
【0017】
アダパレン及び/又はその塩の含有量に対するコレステロール類の含有量の比率は、アダパレン及び/又はその塩1重量部に対して、0.1重量部以上が好ましく、0.5重量部以上がより好ましく、1重量部以上がさらにより好ましく、2重量部以上が特に好ましい。また、50重量部以下が好ましく、20重量部以下がより好ましく、10重量部以下がさらにより好ましく、9重量部以下が特に好ましい。この範囲であれば、コレステロール類の適切な生理活性又は薬理活性が得られると共に、アダパレン及び/又はその塩の分散性が十分である。
アダパレン及び/又はその塩の含有量に対するコレステロール類の含有量の比率としては、アダパレン及び/又はその塩1重量部に対して、0.1~50重量部、0.1~20重量部、0.1~10重量部、0.1~9重量部、0.5~50重量部、0.5~20重量部、0.5~10重量部、0.5~9重量部、1~50重量部、1~20重量部、1~10重量部、1~9重量部、2~50重量部、2~20重量部、2~10重量部、2~9重量部が挙げられる。
【0018】
アミノ酸類
アミノ酸としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシンのようなアルキル鎖を有する中性アミノ酸;セリン、スレオニンのようなヒドロキシ基を有する中性アミノ酸;システイン、メチオニンのような硫黄を含む中性アミノ酸;アスパラギン、グルタミンのようなアミド基を有する中性アミノ酸;プロリンのようなイミノ基を有する中性アミノ酸;フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンのような芳香族環を有する中性アミノ酸(以上、中性アミノ酸);アスパラギン酸、グルタミン酸のような酸性アミノ酸;アルギニン、リジン、ヒスチジンのような塩基性アミノ酸などが挙げられる。また、タンパク質に含まれないアミノ酸として、オルニチン、シトルリン、γ-アミノ酪酸、クレアチン、サルコシン、ヒドロキシリジン、ヒドロキシプロリン、デスモシン、O-ホスホセリン、シスチンなどが挙げられる。
中でも、アダパレン及び/又はその塩の分散性向上効果が良い点で、塩基性アミノ酸が好ましく、アルギニンがより好ましい。また、グリシン、アラニン、プロリン、セリン、リジン、グルタミン酸、スレオニンも好ましい。
アミノ酸は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0019】
アミノ酸の含有量は、組成物の全量に対して、0.005重量%以上が好ましく、0.01重量%以上がより好ましく、0.05重量%以上がさらにより好ましく、0.1重量%以上が特に好ましい。また、5重量%以下が好ましく、1重量%以下がより好ましく、0.5重量%以下がさらにより好ましく、0.4重量%以下が特に好ましい。また、0.3重量%以下、又は0.2重量%以下とすることもできる。この範囲であれば、アミノ酸の適切な生理活性が得られると共に、アダパレン及び/又はその塩の分散性が十分である。
アミノ酸の含有量としては、組成物の全量に対して、0.005~5重量%、0.005~1重量%、0.005~0.5重量%、0.005~0.4重量%、0.005~0.3重量%、0.005~0.2重量%、0.01~5重量%、0.01~1重量%、0.01~0.5重量%、0.01~0.4重量%、0.01~0.3重量%、0.01~0.2重量%、0.05~5重量%、0.05~1重量%、0.05~0.5重量%、0.05~0.4重量%、0.05~0.3重量%、0.05~0.2重量%、0.1~5重量%、0.1~1重量%、0.1~0.5重量%、0.1~0.4重量%、0.1~0.3重量%、0.1~0.2重量%が挙げられる。
【0020】
アダパレン及び/又はその塩の含有量に対するアミノ酸の含有量の比率は、アダパレン及び/又はその塩1重量部に対して、0.05重量部以上が好ましく、0.1重量部以上がより好ましく、0.5重量部以上がさらにより好ましく、1重量部以上が特に好ましい。また、50重量部以下が好ましく、10重量部以下がより好ましく、5重量部以下がさらにより好ましく、4重量部以下が特に好ましい。また、3重量部以下、又は2重量部以下とすることもできる。この範囲であれば、アミノ酸の適切な生理活性が得られると共に、アダパレン及び/又はその塩の分散性が十分である。
アダパレン及び/又はその塩の含有量に対するアミノ酸の含有量の比率としては、アダパレン及び/又はその塩1重量部に対して、0.05~50重量部、0.05~10重量部、0.05~5重量部、0.05~4重量部、0.05~3重量部、0.05~2重量部、0.1~50重量部、0.1~10重量部、0.1~5重量部、0.1~4重量部、0.1~3重量部、0.1~2重量部、0.5~50重量部、0.5~10重量部、0.5~5重量部、0.5~4重量部、0.5~3重量部、0.5~2重量部、1~50重量部、1~10重量部、1~5重量部、1~4重量部、1~3重量部、1~2重量部が挙げられる。
【0021】
ピロリドンカルボン酸及びその塩
ピロリドンカルボン酸の塩は、薬学的又は生理学的に許容される塩であればよく、有機塩基との塩(メチルアミン塩、トリエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩、モルホリン塩、ピペラジン塩、ピロリジン塩、トリピリジン塩、ピコリン塩のような有機アミン塩など)、無機塩基との塩(アンモニウム塩;ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、亜鉛塩、アルミニウム塩のような金属塩など)が挙げられる。中でも、無機塩基との塩が好ましく、アルカリ金属塩がより好ましく、ナトリウム塩がさらにより好ましい。
本発明の組成物が、ピロリドンカルボン酸の塩を含む場合、ピロリドンカルボン酸の塩として配合されたものであってもよく、ピロリドンカルボン酸と有機又は無機塩基とを別々に配合した結果、組成物中で塩となったものであってもよい。
中でも、アダパレン及び/又はその塩の分散性向上効果が良い点で、ピロリドンカルボン酸が好ましい。
ピロリドンカルボン酸及びその塩は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0022】
ピロリドンカルボン酸及び/又はその塩の含有量は、組成物の全量に対して、0.001重量%以上が好ましく、0.005重量%以上がより好ましく、0.01重量%以上がさらにより好ましく、0.05重量%以上が特に好ましく、0.1重量%以上が最も好ましい。また、10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、2重量%以下がさらにより好ましく、1重量%以下が特に好ましく、0.9重量%以下がより好ましくい。この範囲であれば、ピロリドンカルボン酸及び/又はその塩の適切な生理活性が得られると共に、アダパレン及び/又はその塩の分散性が十分である。
ピロリドンカルボン酸及び/又はその塩の含有量としては、組成物の全量に対して、0.001~10重量%、0.001~5重量%、0.001~2重量%、0.001~1重量%、0.001~0.9重量%、0.005~10重量%、0.005~5重量%、0.005~2重量%、0.005~1重量%、0.005~0.9重量%、0.01~10重量%、0.01~5重量%、0.01~2重量%、0.01~1重量%、0.01~0.9重量%、0.05~10重量%、0.05~5重量%、0.05~2重量%、0.05~1重量%、0.05~0.9重量%、0.1~10重量%、0.1~5重量%、0.1~2重量%、0.1~1重量%、0.1~0.9重量%が挙げられる。
【0023】
アダパレン及び/又はその塩の含有量に対するピロリドンカルボン酸及び/又はその塩の含有量の比率は、アダパレン及び/又はその塩1重量部に対して、0.01重量部以上が好ましく、0.05重量部以上がより好ましく、0.1重量部以上がさらにより好ましく、0.5重量部以上が特に好ましく、1重量部以上が最も好ましい。また、100重量部以下が好ましく、50重量部以下がより好ましく、20重量部以下がさらにより好ましく、10重量部以下が特に好ましく、9重量部以下が最も好ましい。この範囲であれば、ピロリドンカルボン酸及び/又はその塩の適切な生理活性が得られると共に、アダパレン及び/又はその塩の分散性が十分である。
アダパレン及び/又はその塩の含有量に対するピロリドンカルボン酸及び/又はその塩の含有量の比率としては、アダパレン及び/又はその塩1重量部に対して、0.01~100重量部、0.01~50重量部、0.01~20重量部、0.01~10重量部、0.01~9重量部、0.05~100重量部、0.05~50重量部、0.05~20重量部、0.05~10重量部、0.05~9重量部、0.1~100重量部、0.1~50重量部、0.1~20重量部、0.1~10重量部、0.1~9重量部、0.5~100重量部、0.5~50重量部、0.5~20重量部、0.5~10重量部、0.5~9重量部、1~100重量部、1~50重量部、1~20重量部、1~10重量部、1~9重量部が挙げられる。
【0024】
乳酸及びその塩
乳酸の塩は、薬学的又は生理学的に許容される塩であればよく、有機塩基との塩(メチルアミン塩、トリエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩、モルホリン塩、ピペラジン塩、ピロリジン塩、トリピリジン塩、ピコリン塩のような有機アミン塩など)、無機塩基との塩(アンモニウム塩;ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、亜鉛塩、アルミニウム塩のような金属塩など)が挙げられる。中でも、無機塩基との塩が好ましく、アルカリ金属塩がより好ましく、ナトリウム塩がさらにより好ましい。
本発明の組成物が、乳酸の塩を含む場合、乳酸の塩として配合されたものであってもよく、乳酸と有機又は無機塩基とを別々に配合した結果、組成物中で塩となったものであってもよい。
中でも、アダパレン及び/又はその塩の分散性向上効果が良い点で、乳酸、乳酸ナトリウムが好ましい。
乳酸及びその塩は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0025】
乳酸及び/又はその塩の含有量は、組成物の全量に対して、0.005重量%以上が好ましく、0.01重量%以上がより好ましく、0.05重量%以上がさらにより好ましく、0.1重量%以上が特に好ましい。また、10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、3重量%以下がさらにより好ましく、1重量%以下が特に好ましい。この範囲であれば、乳酸及び/又はその塩の適切な生理活性又は薬理活性が得られると共に、アダパレン及び/又はその塩の分散性が十分である。
乳酸及び/又はその塩の含有量としては、組成物の全量に対して、0.005~10重量%、0.005~5重量%、0.005~3重量%、0.005~1重量%、0.01~10重量%、0.01~5重量%、0.01~3重量%、0.01~1重量%、0.05~10重量%、0.05~5重量%、0.05~3重量%、0.05~1重量%、0.1~10重量%、0.1~5重量%、0.1~3重量%、0.1~1重量%が挙げられる。
【0026】
アダパレン及び/又はその塩の含有量に対する乳酸及び/又はその塩の含有量の比率は、アダパレン及び/又はその塩1重量部に対して、0.05重量部以上が好ましく、0.1重量部以上がより好ましく、0.5重量部以上がさらにより好ましく、1重量部以上が特に好ましい。また、100重量部以下が好ましく、50重量部以下がより好ましく、30重量部以下がさらにより好ましく、10重量部以下が特に好ましい。この範囲であれば、乳酸及び/又はその塩の適切な生理活性又は薬理活性が得られると共に、アダパレン及び/又はその塩の分散性が十分である。
アダパレン及び/又はその塩の含有量に対する乳酸及び/又はその塩の含有量の比率としては、アダパレン及び/又はその塩1重量部に対して、0.05~100重量部、0.05~50重量部、0.05~30重量部、0.05~10重量部、0.1~100重量部、0.1~50重量部、0.1~30重量部、0.1~10重量部、0.5~100重量部、0.5~50重量部、0.5~30重量部、0.5~10重量部、1~100重量部、1~50重量部、1~30重量部、1~10重量部が挙げられる。
【0027】
尿素類
尿素類としては、尿素の他、メチル尿素、エチル尿素のような炭素数1~4のアルキル基を有するアルキル尿素;ヒドロキシエチル尿素、ジヒドロキシエチル尿素、ビス(ヒドロキシエチル)尿素、ヒドロキシプロピル尿素、ジヒドロキシプロピル尿素、ビス(ヒドロキシプロピル)尿素、ヒドキシブチル尿素、ジヒドキシブチル尿素、ビス(ヒドキシブチル)尿素のような炭素数1~10のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキル尿素が挙げられる。
中でも、アダパレン及び/又はその塩の分散性向上効果が良い点で、尿素が好ましい。
尿素類は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0028】
尿素類の含有量は、組成物の全量に対して、0.001重量%以上が好ましく、0.005重量%以上がより好ましく、0.01重量%以上がさらにより好ましく、0.05重量%以上が特に好ましく、0.1重量%以上が最も好ましい。また、10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、2重量%以下がさらにより好ましく、1重量%以下が特に好ましく、0.9重量%以下が最も好ましい。この範囲であれば、尿素類の適切な生理活性又は薬理活性が得られると共に、アダパレン及び/又はその塩の分散性が十分である。
尿素類の含有量としては、組成物の全量に対して、0.001~10重量%、0.001~5重量%、0.001~2重量%、0.001~1重量%、0.001~0.9重量%、0.005~10重量%、0.005~5重量%、0.005~2重量%、0.005~1重量%、0.005~0.9重量%、0.01~10重量%、0.01~5重量%、0.01~2重量%、0.01~1重量%、0.01~0.9重量%、0.05~10重量%、0.05~5重量%、0.05~2重量%、0.05~1重量%、0.05~0.9重量%、0.1~10重量%、0.1~5重量%、0.1~2重量%、0.1~1重量%、0.1~0.9重量%が挙げられる。
【0029】
アダパレン及び/又はその塩の含有量に対する尿素類の含有量の比率は、アダパレン及び/又はその塩1重量部に対して、0.01重量部以上が好ましく、0.05量部以上がより好ましく、0.1重量部以上がさらにより好ましく、0.5重量部以上が特に好ましく、1重量部以上が最も好ましい。また、100重量部以下が好ましく、50重量部以下がより好ましく、20重量部以下がさらにより好ましく、10重量部以下が特に好ましく、9重量部以下が最も好ましい。この範囲であれば、尿素類の適切な生理活性又は薬理活性が得られると共に、アダパレン及び/又はその塩の分散性が十分である。
アダパレン及び/又はその塩の含有量に対する尿素類の含有量の比率としては、アダパレン及び/又はその塩1重量部に対して、0.01~100重量部、0.01~50重量部、0.01~20重量部、0.01~10重量部、0.01~9重量部、0.05~100重量部、0.05~50重量部、0.05~20重量部、0.05~10重量部、0.05~9重量部、0.1~100重量部、0.1~50重量部、0.1~20重量部、0.1~10重量部、0.1~9重量部、0.5~100重量部、0.5~50重量部、0.5~20重量部、0.5~10重量部、0.5~9重量部、1~100重量部、1~50重量部、1~20重量部、1~10重量部、1~9重量部が挙げられる。
【0030】
ムコ多糖類及びその塩
ムコ多糖類は、ガラクトサミン又はグルコサミンといったアミノ糖と、グルクロン酸、イズロン酸といったウロン酸又はガラクトースとからなる多糖類である。
ムコ多糖類としては、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリンなどが挙げられる。
ムコ多糖類の塩は、薬学的又は生理学的に許容される塩であればよく、有機塩基との塩(メチルアミン塩、トリエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩、モルホリン塩、ピペラジン塩、ピロリジン塩、トリピリジン塩、ピコリン塩のような有機アミン塩など)、無機塩基との塩(アンモニウム塩;ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、亜鉛塩、アルミニウム塩のような金属塩など)が挙げられる。中でも、無機塩基との塩が好ましく、アルカリ金属塩がより好ましく、ナトリウム塩がさらにより好ましい。
本発明の組成物が、ムコ多糖類の塩を含む場合、ムコ多糖類の塩として配合されたものであってもよく、ムコ多糖類と有機又は無機塩基とを別々に配合した結果、組成物中で塩となったものであってもよい。
中でも、アダパレン及び/又はその塩の分散性向上効果が良い点で、ヒアルロン酸又はその塩(特にナトリウム塩)が好ましい。ヒアルロン酸は、例えば鶏冠などから抽出した天然品を用いることができ、あるいは、天然品を、酸、アルカリ、又は酵素で分解した低分子量(例えば、平均分子量10万以下)のヒアルロン酸を用いることもできる。
ムコ多糖類及びその塩は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0031】
ムコ多糖類及びその塩の含有量は、組成物の全量に対して、0.001重量%以上が好ましく、0.005重量%以上がより好ましく、0.01重量%以上がさらにより好ましく、0.05重量%以上が特に好ましい。また、5重量%以下が好ましく、2重量%以下がより好ましく、1重量%以下がさらにより好ましく、0.9重量%以下が特に好ましい。また、0.5重量%以下、0.2重量%以下、0.15重量%以下、又は0.1重量%以下も好ましい。この範囲であれば、ムコ多糖類及びその塩の適切な生理活性が得られると共に、アダパレン及び/又はその塩の分散性が十分である。
ムコ多糖類及びその塩の含有量としては、組成物の全量に対して、0.001~5重量%、0.001~2重量%、0.001~1重量%、0.001~0.9重量%、0.001~0.5重量%、0.001~0.2重量%、0.001~0.15重量%、0.001~0.1重量%、0.005~5重量%、0.005~2重量%、0.005~1重量%、0.005~0.9重量%、0.005~0.5重量%、0.005~0.2重量%、0.005~0.15重量%、0.005~0.1重量%、0.01~5重量%、0.01~2重量%、0.01~1重量%、0.01~0.9重量%、0.01~0.5重量%、0.01~0.2重量%、0.01~0.15重量%、0.01~0.1重量%、0.05~5重量%、0.05~2重量%、0.05~1重量%、0.05~0.9重量%、0.05~0.5重量%、0.05~0.2重量%、0.05~0.15重量%、0.05~0.1重量%が挙げられる。
【0032】
アダパレン及び/又はその塩の含有量に対するムコ多糖類及びその塩の含有量の比率は、アダパレン及び/又はその塩1重量部に対して、0.01重量部以上が好ましく、0.05重量部以上がより好ましく、0.1重量部以上がさらにより好ましく、0.5重量部以上が特に好ましい。また、50重量部以下が好ましく、20重量部以下がより好ましく、10重量部以下がさらにより好ましく、9重量部以下が特に好ましい。また、5重量部以下、2重量部以下、又は1.5重量部以下も好ましい。また、1重量部以下であってもよい。この範囲であれば、ムコ多糖類及びその塩の適切な生理活性が得られると共に、アダパレン及び/又はその塩の分散性が十分である。
アダパレン及び/又はその塩の含有量に対するムコ多糖類及びその塩の含有量の比率としては、アダパレン及び/又はその塩1重量部に対して、0.01~50重量部、0.01~20重量部、0.01~10重量部、0.01~9重量部、0.01~5重量部、0.01~2重量部、0.01~1.5重量部、0.01~1重量部、0.05~50重量部、0.05~20重量部、0.05~10重量部、0.05~9重量部、0.05~5重量部、0.05~2重量部、0.05~1.5重量部、0.05~1重量部、0.1~50重量部、0.1~20重量部、0.1~10重量部、0.1~9重量部、0.1~5重量部、0.1~2重量部、0.1~1.5重量部、0.1~1重量部、0.5~50重量部、0.5~20重量部、0.5~10重量部、0.5~9重量部、0.5~5重量部、0.5~2重量部、0.5~1.5重量部、0.5~1重量部が挙げられる。
【0033】
(B)成分の含有量
(B)成分の含有量は、組成物の全量に対して、0.0001重量%以上が好ましく、0.0005重量%以上がより好ましく、0.001重量%以上がさらにより好ましく、0.005重量%以上が特に好ましく、0.01重量%以上が最も好ましい。また、20重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましく、5重量%以下がさらにより好ましく、1重量%以下が特に好ましく、0.9重量%以下が最も好ましい。この範囲であれば、(B)成分の適切な生理活性又は薬理活性が得られると共に、アダパレン及び/又はその塩の分散性が十分である。
(B)成分の含有量としては、組成物の全量に対して、0.0001~20重量%、0.0001~10重量%、0.0001~5重量%、0.0001~1重量%、0.0001~0.9重量%、0.0005~20重量%、0.0005~10重量%、0.0005~5重量%、0.0005~1重量%、0.0005~0.9重量%、0.001~20重量%、0.001~10重量%、0.001~5重量%、0.001~1重量%、0.001~0.9重量%、0.005~20重量%、0.005~10重量%、0.005~5重量%、0.005~1重量%、0.005~0.9重量%、0.01~20重量%、0.01~10重量%、0.01~5重量%、0.01~1重量%、0.01~0.9重量%が挙げられる。
【0034】
アダパレン及び/又はその塩の含有量に対する(B)成分の含有量の比率は、アダパレン及び/又はその塩1重量部に対して、0.001重量部以上が好ましく、0.005重量部以上がより好ましく、0.01重量部以上がさらにより好ましく、0.05重量部以上が特に好ましく、0.1重量部以上が最も好ましい。また、200重量部以下が好ましく、100重量部以下がより好ましく、50重量部以下がさらにより好ましく、10重量部以下が特に好ましく、9重量部以下が最も好ましい。この範囲であれば、(B)成分の適切な生理活性又は薬理活性が得られると共に、アダパレン及び/又はその塩の分散性が十分である。
アダパレン及び/又はその塩の含有量に対する(B)成分の含有量の比率としては、アダパレン及び/又はその塩1重量部に対して、0.001~200重量部、0.001~100重量部、0.001~50重量部、0.001~10重量部、0.001~9重量部、0.005~200重量部、0.005~100重量部、0.005~50重量部、0.005~10重量部、0.005~9重量部、0.01~200重量部、0.01~100重量部、0.01~50重量部、0.01~10重量部、0.01~9重量部、0.05~200重量部、0.05~100重量部、0.05~50重量部、0.05~10重量部、0.05~9重量部、0.1~200重量部、0.1~100重量部、0.1~50重量部、0.1~10重量部、0.1~9重量部が挙げられる。
【0035】
多価アルコール
本発明の外用組成物は、(C)多価アルコールを含むことができ、それにより、アダパレン及び/又はその塩の分散性が一層向上する。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール(トリメチレングリコール)、ブチレングリコール(1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、2,3-ブチレングリコール)、1,4-ブタンジオール(テトラメチレングリコール)、3-メチル-1,3-ブタンジオール、2-ブテン-1,4-ジオール、1,5-ペンタンジオール(ペンタメチレングリコール)、1,2-ペンタンジオール、イソプレングリコール(イソペンチルジオール)、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600、ポリエチレングリコール1000、ポリエチレングリコール1500、ポリエチレングリコール1540、ポリエチレングリコール4000、ポリエチレングリコール6000、ポリエチレングリコール20000、ポリエチレングリコール35000など)、ポリプロピレングリコール(ポリプロピレングリコール700、ポリプロピレングリコール1000、ポリプロピレングリコール2000など)などの2価アルコール;グリセリン、トリメチロールプロパンなどの3価アルコール;ジグリセリン、ポリグリセリンなどが挙げられる。
中でも、2価アルコール、3価アルコールが好ましく、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール(特に、1,3-ブチレングリコール)、ポリエチレングリコール、グリセリンがより好ましい。
多価アルコールは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0036】
多価アルコールの好ましい組み合わせとしては、ジプロピレングリコールと1,3-ブチレングリコールとの組み合わせ、ジプロピレングリコールとポリエチレングリコールとの組み合わせ、ジプロピレングリコールとグリセリンとの組み合わせ、1,3-ブチレングリコールとポリエチレングリコールとの組み合わせ、1,3-ブチレングリコールとグリセリンとの組み合わせ、ポリエチレングリコールとグリセリンとの組み合わせ;ジプロピレングリコールと1,3-ブチレングリコールとポリエチレングリコールとの組み合わせ、ジプロピレングリコールと1,3-ブチレングリコールとグリセリンとの組み合わせ、ジプロピレングリコールとポリエチレングリコールとグリセリンとの組み合わせ、1,3-ブチレングリコールとポリエチレングリコールとグリセリンとの組み合わせ;ジプロピレングリコールと1,3-ブチレングリコールとポリエチレングリコールとグリセリンとの組み合わせなどが挙げられる。
【0037】
多価アルコールの含有量は、組成物の全量に対して、0.001重量%以上が好ましく、0.01重量%以上がより好ましく、0.1重量%以上がさらにより好ましく、1重量%以上が特に好ましい。また、90重量%以下が好ましく、60重量%以下がより好ましく、30重量%以下がさらにより好ましく、15重量%以下が特に好ましい。この範囲であれば、アダパレン及び/又はその塩の分散性が十分に向上し、また一層皮膚を乾燥させ難い外用組成物とすることができる。
多価アルコールの含有量としては、組成物の全量に対して、0.001~90重量%、0.001~60重量%、0.001~30重量%、0.001~15重量%、0.01~90重量%、0.01~60重量%、0.01~30重量%、0.01~15重量%、0.1~90重量%、0.1~60重量%、0.1~30重量%、0.1~15重量%、1~90重量%、1~60重量%、1~30重量%、1~15重量%が挙げられる。
【0038】
アダパレン及び/又はその塩の含有量に対する多価アルコールの含有量の比率は、アダパレン及び/又はその塩1重量部に対して、0.01重量部以上が好ましく、0.1重量部以上がより好ましく、1重量部以上がさらにより好ましく、10重量部以上が特に好ましい。また、900重量部以下が好ましく、600重量部以下がより好ましく、300重量部以下がさらにより好ましく、150重量部以下が特に好ましい。この範囲であれば、アダパレン及び/又はその塩の分散性が十分に向上し、また一層皮膚を乾燥させ難い外用組成物とすることができる。
アダパレン及び/又はその塩の含有量に対する多価アルコールの含有量の比率としては、アダパレン及び/又はその塩1重量部に対して、0.01~900重量部、0.01~600重量部、0.01~300重量部、0.01~150重量部、0.1~900重量部、0.1~600重量部、0.1~300重量部、0.1~150重量部、1~900重量部、1~600重量部、1~300重量部、1~150重量部、10~900重量部、10~600重量部、10~300重量部、10~150重量部が挙げられる。
【0039】
乳化剤
本発明の外用組成物は、(D)乳化剤を含むことができ、それにより、アダパレン及び/又はその塩の分散性が一層向上する。
乳化剤としては、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、及びテトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタンのようなソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸プロピレングリコールのようなプロピレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(HCO-40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO-50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO-60)、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80(HCO-80)など)のような硬化ヒマシ油誘導体;ポリオキシエチレンヒマシ油のようなヒマシ油誘導体;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、及びイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタンのようなポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル;グリセリンアルキルエーテル;アルキルグルコシド;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテルのようなポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ステアリルアミン、及びオレイルアミンのようなアミン類;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、及びPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンのようなシリコーン系界面活性剤;レシチンなどのリン脂質、サーファクチン、及びサポニンのような天然界面活性剤;ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、及びステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミドのような脂肪酸アミドアミン;トリラウリルアミン、ジメチルステアリルアミン、及びジ-2-エチルヘキシルアミンのようなアルキルアミン;ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、及びラウリルヒドロキシスルホベタインのようなベタイン系両性界面活性剤;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(ポロクサマー124など);ポリグリセリン脂肪酸エステル類;グリセリン脂肪酸エステル類;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類などが挙げられる。
中でも、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類が好ましく、ステアリン酸ソルビタン(ソルビタンモノステアレート)、オレイン酸ソルビタン(ソルビタンモノオレエート)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(HCO-40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO-50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO-60)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)がより好ましい。
乳化剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0040】
乳化剤の含有量は、組成物の全量に対して、0.05重量%以上が好ましく、0.1重量%以上がより好ましく、0.5重量%以上がさらにより好ましく、1重量%以上が特に好ましい。また、10重量%以下が好ましく、8重量%以下がより好ましく、6重量%以下がさらにより好ましく、4重量%以下が特に好ましい。この範囲であれば、アダパレン及び/又はその塩の分散性が十分に向上する。
乳化剤の含有量としては、組成物の全量に対して、0.05~10重量%、0.05~8重量%、0.05~6重量%、0.05~4重量%、0.1~10重量%、0.1~8重量%、0.1~6重量%、0.1~4重量%、0.5~10重量%、0.5~8重量%、0.5~6重量%、0.5~4重量%、1~10重量%、1~8重量%、1~6重量%、1~4重量%が挙げられる。
【0041】
アダパレン及び/又はその塩の含有量に対する乳化剤の含有量の比率は、アダパレン1重量部に対して、0.5重量部以上が好ましく、1重量部以上がより好ましく、5重量部以上がさらにより好ましく、10重量部以上が特に好ましい。また、100重量部以下が好ましく、80重量部以下がより好ましく、60重量部以下がさらにより好ましく、40重量部以下が特に好ましい。この範囲であれば、アダパレン及び/又はその塩の分散性が十分に向上する。
アダパレン及び/又はその塩の含有量に対する乳化剤の含有量の比率としては、アダパレン1重量部に対して、0.5~100重量部、0.5~80重量部、0.5~60重量部、0.5~40重量部、1~100重量部、1~80重量部、1~60重量部、1~40重量部、5~100重量部、5~80重量部、5~60重量部、5~40重量部、10~100重量部、10~80重量部、10~60重量部、10~40重量部が挙げられる。
【0042】
炭化水素基剤
本発明の外用組成物は、(E)炭化水素基剤を含むことができ、これにより、アダパレン及び/又はその塩の分散性が一層向上する。
炭化水素基剤としては、ワセリン(白色ワセリン、黄色ワセリン)、ゲル化炭化水素(プラスチベースなど)、オゾケライト、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワレン、スクワラン、α-オレフィンオリゴマー、パラフィン、流動パラフィン、及び軽質流動パラフィンなどが挙げられる。
中でも、ワセリン(白色ワセリン、黄色ワセリン)、ゲル化炭化水素(プラスチベースなど)、オゾケライト、セレシン、マイクロクリスタリンワックスのような常温(25℃)で固体の炭化水素基剤が好ましく、ワセリン、オゾケライト、セレシン、マイクロクリスタリンワックスがより好ましく、ワセリンがさらにより好ましい。スクワレン、スクワラン、α-オレフィンオリゴマー、パラフィン、流動パラフィン、軽質流動パラフィンのような常温(25℃)で液体の炭化水素基剤も好ましい。
炭化水素基剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0043】
炭化水素基剤の含有量は、組成物の全量に対して、0.000001重量%以上が好ましく、0.00001重量%以上がより好ましく、0.0001重量%以上がさらにより好ましく、0.001重量%以上が特に好ましい。また、0.01重量%以上、0.1重量%以上、又は1重量%以上とすることもできる。また、50重量%以下が好ましく、30重量%以下がより好ましく、20重量%以下がさらにより好ましく、10重量%以下が特に好ましい。また、1重量%以下、0.1重量%以下、又は0.01重量%以下も好ましい。この範囲であれば、アダパレン及び/又はその塩の分散性が十分に向上し、また一層皮膚を乾燥させ難い外用組成物とすることができる。
炭化水素基剤の含有量としては、組成物の全量に対して、0.000001~50重量%、0.000001~30重量%、0.000001~20重量%、0.000001~10重量%、0.000001~1重量%、0.000001~0.1重量%、0.000001~0.01重量%、0.00001~50重量%、0.00001~30重量%、0.00001~20重量%、0.00001~10重量%、0.00001~1重量%、0.00001~0.1重量%、0.00001~0.01重量%、0.0001~50重量%、0.0001~30重量%、0.0001~20重量%、0.0001~10重量%、0.0001~1重量%、0.0001~0.1重量%、0.0001~0.01重量%、0.001~50重量%、0.001~30重量%、0.001~20重量%、0.001~10重量%、0.001~1重量%、0.001~0.1重量%、0.001~0.01重量%、0.01~50重量%、0.01~30重量%、0.01~20重量%、0.01~10重量%、0.01~1重量%、0.01~0.1重量%、0.1~50重量%、0.1~30重量%、0.1~20重量%、0.1~10重量%、0.1~1重量%、1~50重量%、1~30重量%、1~20重量%、1~10重量%が挙げられる。
【0044】
アダパレン及び/又はその塩の含有量に対する炭化水素基剤の含有量の比率は、アダパレン及び/又はその塩1重量部に対して、0.00001重量部以上が好ましく、0.0001重量部以上がより好ましく、0.001重量部以上がさらにより好ましく、0.01重量部以上が特に好ましい。また、0.1重量部以上、1重量部以上、又は10重量部以上とすることもできる。また、500重量部以下が好ましく、300重量部以下がより好ましく、200重量部以下がさらにより好ましく、100重量部以下が特に好ましい。また、10重量部以下、1重量部以下、又は0.1重量部以下も好ましい。この範囲であれば、アダパレン及び/又はその塩の分散性が十分に向上し、また一層皮膚を乾燥させ難い外用組成物とすることができる。
アダパレン及び/又はその塩の含有量に対する炭化水素基剤の含有量の比率としては、アダパレン及び/又はその塩1重量部に対して、0.00001~500重量部、0.00001~300重量部、0.00001~200重量部、0.00001~100重量部、0.00001~10重量部、0.00001~1重量部、0.00001~0.1重量部、0.0001~500重量部、0.0001~300重量部、0.0001~200重量部、0.0001~100重量部、0.0001~10重量部、0.0001~1重量部、0.0001~0.1重量部、0.001~500重量部、0.001~300重量部、0.001~200重量部、0.001~100重量部、0.001~10重量部、0.001~1重量部、0.001~0.1重量部、0.01~500重量部、0.01~300重量部、0.01~200重量部、0.01~100重量部、0.01~10重量部、0.01~1重量部、0.01~0.1重量部、0.1~500重量部、0.1~300重量部、0.1~200重量部、0.1~100重量部、0.1~10重量部、0.1~1重量部、1~500重量部、1~300重量部、1~200重量部、1~100重量部、1~10重量部、10~500重量部、10~300重量部、10~200重量部、10~100重量部が挙げられる。
【0045】
その他の成分
本発明の外用組成物は、(A)成分、(B)成分、及び必要に応じて配合される上記各成分を、必要に応じて、医薬品、医薬部外品、又は化粧品に使用される基剤又は担体、添加剤、その他の生理活性又は薬理活性成分などと混合して、医薬品、医薬部外品、又は化粧品の外用組成物とすることができる。特に、医薬組成物(医薬外用組成物)であり得る。
【0046】
添加剤としては、例えば、酸化防止剤、増粘剤、防腐剤又は保存剤、pH調整剤、安定化剤、キレート剤、紫外線吸収剤又は紫外線散乱剤、刺激軽減剤、着色剤、清涼化剤、香料などが挙げられる。
添加剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
また、添加剤は、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。
【0047】
酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、p-ヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体(アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、ジパルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸モノリン酸エステル、アスコルビン酸ジリン酸エステル、アスコルビン酸トリリン酸エステル、アスコルビン酸硫酸エステルなど)、トコフェロール、トコフェロール誘導体(酢酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、コハク酸トコフェロールカルシウムなど)、エリソルビン酸、L-システイン塩酸、リコピン、グルタチオン、没食子酸プロピル、タンニン酸、エピガロカテキン、アントシアニン、ヒドロキシチロソール、ノルヒドログアセレテン酸、カフェイン酸、酵素(カタラーゼ、スーパーオキシドディスムターゼ、グルタチオンパーオキシダーゼ、エラスターゼなど)などが挙げられる。
【0048】
増粘剤としては、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ベントナイト、アルギン酸、マクロゴール、並びにセルロース系増粘剤(メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及びカルボキシエチルセルロースなど)などが挙げられる。
【0049】
防腐剤又は保存剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、ソルビン酸及びその塩、グルコン酸クロルヘキシジン、アルカンジオール、並びにグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0050】
pH調整剤としては、無機酸(塩酸、硫酸など)、有機酸(乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウムなど)、無機塩基(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなど)などが挙げられる。
【0051】
安定化剤としては、ポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、及びブチルヒドロキシアニソールなどが挙げられる。
【0052】
キレート剤としては、EDTA・2ナトリウム塩、EDTA・カルシウム・2ナトリウム塩などが挙げられる。
【0053】
刺激低減剤としては、甘草エキス、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0054】
紫外線吸収剤又は紫外線散乱剤としては、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ジベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピロン酸エチルヘキシル、エトルヘキシルトリアゾリン、パラアミノ安息香酸およびその誘導体、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル、サリチル酸エチレングリコール、ジヒドロキシベンゾフェノン、酸化チタン、酸化亜鉛などが挙げられる。
【0055】
着色料としては、法定色素ハンドブック(日本化粧品工業連合会編(2004))に記載された色素などが挙げられる。
【0056】
清涼化剤としては、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、アネトール、リモネン、オイゲノールのようなテルペン類(これらはd体、l体又はdl体の何れでもよい。);ユーカリ油、ベルガモット油、ペパーミント油、クールミント油、スペアミント油、ウイキョウ油、ハッカ油、ケイヒ油、ローズ油、テレビン油のような精油などが挙げられる。
香料としては、ラベンダー油、ローズマリー油、クラリセージ油、タイム油、ベルガモット油、ユーカリ油等のハーブ系精油、オレンジ油、レモン油、グレープフルーツ油等の柑橘系精油のような各種精油、調合香料などが挙げられる。
【0057】
その他の生理活性又は薬理活性成分((A)成分及び(B)成分以外の生理活性又は薬理活性成分)としては、例えば、抗炎症剤、殺菌剤又は抗菌剤、尿素以外の角質軟化剤又は角質融解剤、鎮痒剤、(B)成分及び多価アルコール以外の保湿成分、局所麻酔剤、ビタミン類、ペプチド又はその誘導体、血行促進成分、細胞賦活化成分、老化防止成分、収斂成分、タンパク質、植物エキス、海藻エキス、抗真菌剤、美白成分などが挙げられる。
その他の生理活性又は薬理活性成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
また、その他の生理活性又は薬理活性成分は、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。
【0058】
抗炎症剤としては、アラントイン、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸メチル、グリチルリチン酸ステアリル、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、アセトアミノフェン、イプシロン-アミノカプロン酸、ベルベリン、アズレン、ブロメライン、亜鉛;甘草抽出物、セージエキス、ローズマリーエキスのような植物抽出物;リゾチーム、セラペプターゼ、セミアルカリプロティナーゼのような酵素系抗炎症剤;メフェナム酸、フルフェナム酸、トルフェナム酸のようなフェナム酸系抗炎症剤;アセメタシン、インドメタシン、インドメタシンファルネシル、エドトラク、ジクロフェナク、スリンダク、ナブトメン、フェンブフェン、プログルメタシン、モフェゾラクのようなアリール酢酸系抗炎症剤;アミノブロフェン、イブプロフェン、オキサプロジン、ケトプロフェン、ザルトプロフェン、チアプロフェン酸、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ザルトプロフェン、イブプロフェンピコノール、フルルビプロフェンアキセチル、フェノプロフェン、プラノプロフェン、ロキソプロフェンのようなプロピオン酸系抗炎症剤;アンピロキシカム、テノキシカム、ピロキシカム、メロキシカム、ロルノキシカムのようなオキシカム系抗炎症剤などが挙げられる。これらは非ステロイド性抗炎症剤である。
また、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、ジフルプレドナード、モメタゾン、ジフルコルトロン、フルオニシド、フルオシノニド、クロベタゾール、ベクロメタゾン、デプロドン、アルクロメタゾン、フルメタゾン、アムシノニド、クロベタゾン、ジフロラゾン、及びこれらの誘導体(特にエステル)のようなステロイド系抗炎症剤も使用できる。
上記ステロイドの誘導体としては、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(PVA)、プレドニゾロンコハク酸エステル、プレドニゾロン酢酸エステル、プレドニゾロンリン酸エステルなどのプレドニゾロンエステル、ベタメタゾンプロピオン酸エステル、ベタメタゾン吉草酸エステル、デキサメタゾン吉草酸エステル、デキサメタゾンプロピオン酸エステル、デキサメタゾン酢酸エステル、デキサメタゾンリン酸エステル、デキサメタゾンメタスルホ安息香酸エステル、デキサメタゾンシペシル酸エステル、デキサメタゾンパルミチン酸エステルなどのデキサメタゾンエステル、ヒドロコルチゾン酪酸エステル(特に、ヒドロコルチゾン-17-ブチレート)、ヒドロコルチゾン酢酸エステル、ヒドロコルチゾンコハク酸エステル、ヒドロコルチゾン酪酸エステル、ヒドロコルチゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル、ヒドロコルチゾンリン酸エステルなどのヒドロコルチゾンエステル、モメタゾンフランカルボン酸エステル、ジフルコルトロン吉草酸エステル、クロベタゾールプロピオン酸エステル、ベクロメタゾンプロピオン酸エステル、ベクロメタゾンジプロピオン酸エステル、クロベタゾン酪酸エステル、デプロドンプロピオン酸エステル、アルクロメタゾンプロピオン酸エステル、フルメタゾンピバル酸エステル、クロベタゾンプロピオン酸エステル、クロベタゾン酪酸エステル、ジフロラゾン酢酸エステルなどが挙げられる。
【0059】
殺菌剤又は抗菌剤としては、クリンダマイシンのようなアミノグリコシド系抗生物質、ナジフロキサシン、ベシフロキサシン、クリナジフロキサシン、フルリフロキサシン、オゼノキサシンのようなキノロン系抗生物質、過酸化ベンゾイル、イソプロピルメチルフェノール、フェノキシエタノール、塩化デカリニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルへキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、塩化セチルピリジニウム、安息香酸ナトリウム、エタノール、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、サリチル酸、クレゾール、トリクロサン、及びビグアニド化合物などが挙げられる。殺菌剤又は抗菌剤の中には、防腐剤又は保存剤として含まれるものもある。
【0060】
なお、本発明の外用組成物は、過酸化ベンゾイルを含まないものとすることができる。
また、本発明の外用組成物は、薬物抵抗性ざ瘡および治療用量のクリンダマイシン、ミノサイクリン、テトラサイクリンまたはエリスロマイシンに非応答性/耐性のP.アクネを含むざ瘡の治療または予防における使用のための製剤を包含しないことができ、中でも、薬物抵抗性ざ瘡および治療用量のクリンダマイシン、ミノサイクリン、テトラサイクリンまたはエリスロマイシンに非応答性/耐性のP.アクネを含むざ瘡の治療または予防における使用のための製剤であって、アダパレンと抗炎症剤を含む製剤を包含しないことができ、中でも、薬物抵抗性ざ瘡および治療用量のクリンダマイシン、ミノサイクリン、テトラサイクリンまたはエリスロマイシンに非応答性/耐性のP.アクネを含むざ瘡の治療または予防における使用のための製剤であって、抗細菌剤とアダパレンと抗炎症剤を含む製剤を包含しないことができる。
また、本発明は、細菌感染症の治療または予防のための2つの別個の作用メカニズムを有する二重作用合理的療法分子(アダパレンを除く)を包含しないものとすることができ、中でも、細菌感染症の治療または予防のための2つの別個の作用メカニズムを有する二重作用合理的療法分子とアダパレンと抗炎症剤を含む薬物担体又は製剤を包含しないものとすることができる。
特に、感受性および抵抗性の両方のグラム陽性菌およびグラム陰性菌によって引き起こされる細菌感染症の処置のために、特にざ瘡ならびに異なる皮膚感染症および皮膚構造感染症を治癒し、追加的に抵抗性の発生を防止するための二重作用合理的療法分子(アダパレンを除く)を包含しないものとすることができ、中でも、感受性および抵抗性の両方のグラム陽性菌およびグラム陰性菌によって引き起こされる細菌感染症の処置のために、特にざ瘡ならびに異なる皮膚感染症および皮膚構造感染症を治癒し、追加的に抵抗性の発生を防止するための二重作用合理的療法分子とアダパレンと抗炎症剤を含む薬物担体又は製剤を包含しないものとすることができる。
また、本発明は、キノロン系抗生剤、中でも8-クロロフルオロキノロン、中でもベシフロキサシン又はベシフロキサシン塩酸塩を含まないものとすることができる。キノロン系抗生剤、中でも8-クロロフルオロキノロンを含まないことにより、キノロン系抗生剤による光線過敏症を引き起こさない組成物となり、また、キノロン系抗生剤の光劣化による組成物の変性が回避される。また、キノロン系抗生剤、中でも8-クロロフルオロキノロン、中でもベシフロキサシン又はベシフロキサシン塩酸塩を含まないことにより、本発明の効果が一層顕著に奏される。
【0061】
尿素以外の角質軟化剤又は角質融解剤としては、サリチル酸及びその誘導体(サリチル酸メチル、アセチルサリチル酸など)、グリコール酸、フルーツ酸、フィチン酸、イオウ、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、炭酸プロピレン、ヘキシルドデカノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、トリエタノールアミン、ジイソプロピルアジペート、エチルラウリレート、ラノリン、脂肪酸ジアルキロールアミド、イオウ、レゾルシン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
【0062】
鎮痒剤としては、ジフェンヒドラミン、ブロモジフェンヒドラミン、クレマスチン、クロルフェノキサミン、ジフェニルピラリン、ドキシラミン、オルフェナドリン、フェニルトロキサミンのようなエタノールアミン系抗ヒスタミン剤、クロルフェニラミン、ジメチンデン、タラスチンのようなプロピルアミン系抗ヒスタミン剤、メピラミン、メタピリレン、トリペレナミンのようなエチレンジアミン系抗ヒスタミン剤、アリメマジン、ヒドロキシエチルプロメタジン、イソチペンジル、メキタジン、オキソメマジン、プロメタジンのようなフェノチアジン系抗ヒスタミン剤、ブクリジン、セチリジン、ホモクロルシクリジン、シクリジン、ヒドロキシジン、レボセチリジン、メクリジン、オキサトミドのようなピペラジン系抗ヒスタミン剤、ケトチフェン、オロパタジン、フェキソフェナジン、ロラタジン、テルフェナジン、アンタゾリン、アザタジン、バミピン、シプロヘプタジン、デプトロピン、エバスチン、エメダスチン、エピナスチン、メブヒドロリン、ミゾラスチン、ピメチキセン、ピロブタミン、キフェナジン、ルパタジン、トリプロリジン、アクリバスチン、アステミゾール、アゼラスチン、ビラスチン、デスロラタジン、及びこれらの塩のような抗ヒスタミン剤が挙げられる。
また、クロタミトン、イクタモール、モクタール、チモールのような抗ヒスタミン剤でない成分も挙げられる。
【0063】
(B)成分及び多価アルコール以外の保湿成分としては、トレハロース、キシリトール、ソルビトールのような糖類、ケラチン、キチン、キトサンのような高分子化合物、リン脂質のような脂質、カミツレエキス、ハマメリスエキス、チャエキス、アロエエキスのような植物抽出エキスなどが挙げられる。
【0064】
局所麻酔剤としては、リドカイン、ジブカイン、メピバカイン、ブピバカイン、ロピバカイン、レボブピバカイン、オキセサゼイン、及びこれらの塩のようなアミン構造及びアミド構造を有する局所麻酔剤、コカイン、プロカイン、クロロプロカイン、テトラカイン、及びこれらの塩のようなアミン構造及びエステル構造を有する局所麻酔剤、エステル構造を有するアミノ安息香酸エチル、オキシポリエトキシドデカンなどが挙げられる。
【0065】
ビタミン類としては、dl-α-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロールカルシウム等のビタミンE類、ユビキノン誘導体及びその薬学的又は生理学的に許容される塩、リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’-リン酸エステルナトリウム、リボフラビンテトラニコチン酸エステル、ニコチン酸dl-α-トコフェロール、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸メチル、ニコチン酸β-ブトキシエチル、ニコチン酸1-(4-メチルフェニル)エチル、アスコルビゲン-A、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、ジパルミチン酸L-アスコルビル、メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、フィロキノン、ファルノキノン、γ-オリザノール、ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステル、チアミントリリン酸エステルモノリン酸塩、塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、5’-リン酸ピリドキサール、塩酸ピリドキサミン、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、デオキシアデノシルコバラミン、葉酸、プテロイルグルタミン酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D-パンテサイン、D-パンテチン、補酵素A、パントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、ビオチン、ビオチシン、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、カルニチン、フェルラ酸、α-リポ酸、オロット酸、ヘスペリジン、γ-オリザノール、オロチン酸、ルチン、エリオシトリンなどが挙げられる。
【0066】
ペプチド又はその誘導体としては、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、コラーゲン、ゼラチン、エラスチン、エラスチン分解ペプチド、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、加水分解シルクなどが挙げられる。
【0067】
血行促進成分としては、植物由来成分が好ましく例示される。例えば、オタネニンジン、アシタバ、アルニカ、イチョウ、エンメイソウ、オランダカシ、カロット、ゲンチアナ、ゴボウ、コメ、サンザシ、シイタケ、セイヨウサンザシ、セイヨウネズ、センキュウ、センブリ、タイム、チョウジ、チンピ、トウキ、トウニン、トウヒ、ニンジン、ニンニク、ブッチャーブルーム、ブドウ、ボタン、マロニエ、メリッサ、ユズ、ヨクイニン、ローズマリー、ローズヒップ、モモ、アンズ、クルミ、トウモロコシなどに由来する成分(これらの植物の抽出物など)や、グルコシルヘスペリジンなどが挙げられる。
【0068】
細胞賦活成分としては、γ-アミノ酪酸、γ-アミノ-β-ヒドロキシ酪酸、ε-アミノカプロン酸のような(B)成分以外のアミノ酸類、レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸類、ビオチンのようなビタミン類、グリコール酸のようなα-ヒドロキシ酸類、タンニン、フラボノイド、サポニン、アラントイン、感光素301号、胎盤抽出液、ヒノキチオール、セファランチン、キウイ種子抽出物などが挙げられる。
【0069】
老化防止成分としては、パンガミン酸、カイネチン、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N-メチル-L-セリン、メバロノラクトンなどが挙げられる。
【0070】
収斂成分としては、パラフェノールスルホン酸亜鉛、酸化亜鉛、メントール、及びエタノールなどが挙げられる。
【0071】
植物エキスとしては、ソウハクヒ、ユキノシタ、シソ、米糠、酒粕、白芥子、シャクヤク、ムラサキシキブ、ハス種子、ハトムギ種子、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)、アルカンジェリシア・フラバ(Arcangelicia flava Merrilli)、カミツレ、サンゴ草、イネの葉、アンズ果実、カタメンキリンサイ、バラの花、タケノコの皮、ゲンチアナ、ニンジン、オタネニンジン、紅参、ヘチマ、モモ、桃仁、キウイ、ヒマワリ、ジュアゼイロ(Zizyphus joazeiro)、パウダルコ、萱草(デイリリー)、ハイビスカスの花、ハゴロモグサ、チェリモヤ、マンゴー、紅富貴、シラン、山椒果皮又は種皮、ベニバナ花、カサブランカ、グアバ葉、ドクダミ、晩白柚、アロエイチジク花、リンゴ、ホワイトアスパラガス、マテ茶、サクラ葉、イランイラン葉(ylang ylang leaves)などの植物の抽出物が挙げられる。
【0072】
海藻エキスとしては、クロレラ・ブルガリス、クロレラ・ピレノイドサ、クロレラ・エリプソイデイア、アオノリ、アオサ、アナアオサのような緑藻類;コンブ(ガゴメコンブ、マコンブ、リシリコンブ、ホソメコンブ、ミツイシコンブなど)、ジャイアントケルプ、ワカメ又はアオワカメ、モズク、ヒロメ、ヒジキ、ヒバマタ、ウミウチワ、ウスバウミウチワ、キレバノウミウチワ、アカバウミウチワ、コナウミウチワ、オキナウチワ、ウスユキウチワ、エツキウミウチワのような褐藻類;ヒジリメン、マクサ又はテングサ、ヒラクサ、オニクサ、オバクサ、カタオバクサ、ヤタベグサ、ユイキリ、シマテングサ、トサカノリ、トゲキリンサイ、アマクサキリンサイ、キリンサイ、ビャクシンキリンサイ、ツノマタ、オオバツノマタ、トチャカ又はヤハズツノマタ、エゾツノマタ、トゲツノマタ、ヒラコトジ、コトジツノマタ、イボツノマタ、マルバツノマタ、ヒラコトジ、スギノリ、シキンノリ、カイノリ、ヤレウスバノリ、カギウスバノリ、スジウスバノリ、ハイウスバノリ、アカモミジノリのような紅藻類などが挙げられる。
【0073】
抗真菌剤としては、テルビナフィン、ナフチフィン、ブテナフィン、トルナフタート、リラナフタート、ミコナゾール、ラノコナゾール、ルリコナゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、ネチコナゾール、スルコナゾール、ビホナゾール、オキシコナゾール、エコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、ホスフルコナゾール、ボリコナゾール、エフィコナゾール、ブトコナゾール、フェンチコナゾール、セルタコナゾールなどが挙げられる。
【0074】
美白成分としては、トコフェロール、アスコルビン酸、トラネキサム酸、アルブチン、4-アルキルレゾルシノ-ル、4-メトキシサリチル酸、ハイドロキノン、コウジ酸、それらの塩、又はそれらの誘導体、胎盤抽出物、オウバク抽出物、ユキノシタ抽出物、アロエ抽出物などが挙げられる。
【0075】
基剤又は担体
基剤又は担体としては、油性基剤、水性基剤が挙げられる。
油性基剤としては、前述した炭化水素基剤の他に、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、及びベヘニルアルコールのような高級アルコール;シアバター、カルバナロウ、カカオ脂、及びキャンデリラロウのような植物脂;ラノリン、オレンジラフィー油、スクワラン、馬油、鯨ロウ、及びミツロウのような動物油脂;硬化油;メチルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、架橋型アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコン、フェニル変性シリコーン、及びシリコーンレジンのようなシリコーン油;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カチオン化グアガム、及びアセチル化ヒアルロン酸のような天然高分子誘導体;ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、及びアクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体のような合成高分子;カラギーナン、アルギン酸、セルロース、グアーガム、クインスシード、デキストラン、及びジェランガムのような天然高分子;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、及びトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルのようなエステル類;デキストリン、及びマルトデキストリンのような多糖類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノプロピルエーテルのようなグリコールエーテルなどが挙げられる。
また、水性基剤としては、水、緩衝液の他に、エタノール、及びイソプロパノールのような低級アルコールなどが挙げられる。多価アルコールは水性基剤としても機能する。
基剤又は担体は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0076】
本発明の外用組成物が水を含む場合の含有量は、組成物の全量に対して、3重量%以上、5重量%以上、30重量%以上、50重量%以上、70重量%以上、又は95重量%以上とすることができる。また、97重量%以下、95重量%以下、70重量%以下、50重量%以下、30重量%以下、又は5重量%以下とすることができる。
水の含有量としては、3~97重量%、3~95重量%、3~70重量%、3~50重量%、3~30重量%、5~97重量%、5~95重量%、5~70重量%、5~50重量%、5~30重量%、30~97重量%、30~95重量%、30~70重量%、30~50重量%、50~97重量%、50~95重量%、50~70重量%、70~97重量%、70~95重量%、95~97重量%が挙げられる。
【0077】
本発明の外用組成物は、ポリオキシエチレンアラキルエーテル、ステアリルアルコール、又は液体の油性成分(例えば、液体の炭化水素基剤などの液体の油性基剤)を含まないものとすることができる。本発明の外用組成物から、特に、アダパレン、ポリオキシエチレンアラキルエーテル、ステアリルアルコール、液体の油性成分(例えば、液体の炭化水素基剤などの液体の油性基剤)、保湿成分、及び水を含む組成物を除外することができる。
また、本発明の外用組成物が、平均分子量4000以下のマクロゴール(ポリエチレングリコール)、グリセリン、1,3-ブチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む場合は、その含有量は、組成物の全量に対して5重量%未満又は40重量%超とすることができる。
【0078】
本発明の外用組成物に含まれる成分は、何れも、水和物、半水和物、又は無水物であり得る。
【0079】
剤型
本発明の外用組成物の剤型としては、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、スプレー剤、エアゾール剤、パウダー剤、パップ剤、不織布等のシートに薬液を含浸させたシート剤などが挙げられる。中でも、本願発明の効果がより顕著に奏される点、塗布時の皮膚に対する刺激が低下する点で、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ゲル剤、ローション剤、スプレー剤、エアゾール剤が好ましく、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ゲル剤、ローション剤がより好ましい。
乳剤、クリーム剤、乳剤性軟膏剤などの乳化状態の剤型である場合は、水中油型又は油中水型の何れでも良いが、使用感が良く、またアダパレンの分散性が良い点で、水中油型が好ましい。
【0080】
pH
本発明の外用組成物のpHは、2以上、3以上、又は4以上とすることができる。また、8以下、7以下、又は6以下とすることができる。
【0081】
使用方法
本発明の外用組成物は、通常は、皮膚の尋常性ざ瘡ができている部位に適用することができる。皮膚には頭皮が含まれる。
本発明の外用組成物は、通常、1日1~3回、特に1日1回、患部に適量を塗布すればよい。
【0082】
アダパレン及び/又はその塩の分散性向上方法
本発明は、(A)アダパレン及び/又はその塩を含有する外用組成物に、(B)セラミド類、コレステロール類、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸及びその塩、乳酸及びその塩、尿素類、並びにムコ多糖類及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を含ませる、アダパレン及び/又はその塩の分散性向上方法を包含する。各成分の種類及び含有量、組成物の性状などは本発明の外用組成物について説明した通りである。
【実施例0083】
以下、実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
試験例1(分散性評価)
表1、表2、表3に示す組成の外用組成物である製剤を常法により調製した。表1の各製剤の剤型は乳剤であり、表2、表3の各製剤の剤型は、ローション剤である。
これらの製剤を用いて、アダパレンの分散性を評価した。具体的には、各製剤を撹拌して均一にした後、スライドガラスに50μL滴下し、マイクロスコープ(品名 VHX-5000;キーエンス社)を用いて粒子を観察、及び撮影し、自動画像処理にて粒子部分のみを抽出し、その粒子の平均面積(平均粒子面積)を測定した。
アダパレンが凝集すると、観察される粒子面積が大きくなる。従って、アダパレンが組成物中でより均一に分散しているほど、平均粒子面積は小さくなる。
【0084】
次いで、下記式(1)に従い、対応する比較例と比べた粒子面積低下率(%)を算出した。実施例1A~1Bに対応する比較例は比較例1であり、実施例2A~2Eに対応する比較例は比較例2であり、実施例3Aに対応する比較例は比較例3である。

粒子面積低下率(%)
=〔(対応する比較例の平均粒子面積-実施例の平均粒子面積)/対応する比較例の平均粒子面積〕×100 ・・・・・(1)
【0085】
結果を、表1~表3に示す。
【表1】
【0086】
【表2】
※表2中の数値は、乳酸液については、乳酸としての含有量を示し、乳酸ナトリウム液については、乳酸ナトリウムとしての含有量を示し、dl-ピロリドンカルボン酸ナトリウム液については、dl-ピロリドンカルボン酸ナトリウムとしての含有量を示す。
【0087】
【表3】
【0088】
表1~3が示す通り、アダパレンを含む外用組成物に、N-(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル-N-ヒドロキシエチルヘキサデカナミド、コレステロール、乳酸、乳酸ナトリウム、アルギニン、尿素、ピロリドンカルボン酸、又はヒアルロン酸ナトリウムを配合することにより、組成物中のアダパレンの粒子面積が低下した。(B)成分の配合により組成物中でのアダパレンの分散性が向上したことが分かる。
【0089】
試験例2(分散持続性評価)
表4、表5に示す組成の外用組成物である製剤を常法により調製した。表4、表5の各製剤の剤型はローション剤である。
これらの製剤を用いて、アダパレンの分散の持続性を評価した。具体的には、各製剤を100mL容量ガラスバイアルに100mLずつ分注し、2日間、室温遮光下で静置した。
次に、上記ガラスバイアルに充填された製剤を、超音波洗浄機(型番:US-107、製造会社:株式会社エスエヌディ)を用いて5分間ソニケーションした後に、5回上下に振盪し、室温遮光下で10分間静置した。
撹拌、即ち「超音波洗浄機を用いたソニケーション、振盪、及び室温遮光下での10分間静置」の前後に、上記ガラスバイアル内の液面とガラスバイアル底面との間の高さの中央部から各製剤を200μLずつサンプリングして、96ウェルプレート(FALCON社製、Tissue Calture Plate)に入れ、プレートリーダー(Molecular Decices製、VERSA max)を用いて、600nmにおける吸光度を測定した。600nmにおける吸光度は濁度の指標である。
【0090】
撹拌後の濁度から撹拌前の濁度を引いた値を、分離度とした。撹拌による濁度の増大が小さいと分離度は小さくなる。分離度が小さいことは、製剤中でのアダパレンの分散の持続性が高いことを示している
【0091】
各製剤について分離度を求め、下記式(2)に従い、対応する比較例と比べた分散持続性改善率(%)を算出した。実施例4A~4Cに対応する比較例は比較例4であり、実施例5Aに対応する比較例は比較例5である。

分散持続性改善率(%)
=〔(対応する比較例の分離度-各実施例の分離度)/対応する比較例の分離度〕×100 ・・・・・(2)
【0092】
結果を、表4、表5に示す。
【表4】
※表4中の数値は、乳酸ナトリウム液については、乳酸ナトリウムとしての含有量を示し、dl-ピロリドンカルボン酸ナトリウム液については、dl-ピロリドンカルボン酸ナトリウムとしての含有量を示す。
【0093】
【表5】
【0094】
表4、表5が示す通り、アダパレンを含む外用組成物に、乳酸ナトリウム、アルギニン、ピロリドンカルボン酸、又はヒアルロン酸ナトリウムを配合することにより、製剤中のアダパレンの分散の持続性が顕著に改善した。
【0095】
試験例3(製剤塗布後の分散性評価)
表6、表7に示す組成の外用組成物である製剤を常法により調製した。表6、表7の各製剤の剤型はローション剤である
これらの製剤を用いて、塗布後のアダパレンの分散性を評価した。具体的には、各製剤を撹拌して均一にした後、スライドガラスに50μL滴下し、室温、遮光下、約18時間乾燥させた。その後、マイクロスコープ(品名 VHX-5000;キーエンス社)を用いて粒子を観察、及び撮影し、自動画像処理にて粒子部分のみを抽出し、その粒子の平均面積(平均粒子面積)を測定した。
【0096】
製剤の乾燥中及び乾燥後にアダパレンが凝集すると、観察される粒子面積が大きくなる。本試験は、塗布後の製剤中でのアダパレンの凝集し易さを評価するものである。観察される粒子面積が小さい場合、製剤を塗布したときに、塗布部位にアダパレンを均一に塗り広げ易くなる。
【0097】
上記式(1)に従い、対応する比較例と比べた粒子面積低下率(%)を算出した。対応する比較例は、実施例6A~6Eに対応する比較例は比較例6であり、実施例7Aに対応する比較例は比較例7である。
【0098】
結果を表6、表7に示す。
【表6】
※表6中の数値は、乳酸液については、乳酸としての含有量を示し、乳酸ナトリウム液については、乳酸ナトリウムとしての含有量を示し、dl-ピロリドンカルボン酸ナトリウム液については、dl-ピロリドンカルボン酸ナトリウムとしての含有量を示す。
【0099】
【表7】
【0100】
表6、表7が示す通り、アダパレンを含む外用組成物に、乳酸、乳酸ナトリウム、アルギニン、尿素、ピロリドンカルボン酸、又はヒアルロン酸ナトリウムを配合することにより、組成物の塗布、乾燥後の粒子面積が著しく低下した。(B)成分の配合により、本発明の外用組成物を皮膚に塗布した後にアダパレンが凝集し難くなることが分かる。
【0101】
試験例4(分散性評価)
表8~表11に示す組成の外用組成物である製剤を常法により調製した。表8~表11の各製剤の剤型は乳剤である。
これらの製剤を用いて、アダパレンの分散性を評価した。具体的には、各製剤を撹拌して均一にした後、スライドガラスに50μL滴下し、マイクロスコープ(品名 VHX-5000;キーエンス社)を用いて粒子を観察、及び撮影し、自動画像処理にて粒子部分のみを抽出し、その粒子の平均面積(平均粒子面積)を測定した。
【0102】
アダパレンが凝集すると、観察される粒子面積が大きくなる。従って、アダパレンが組成物中でより均一に分散しているほど、平均粒子面積は小さくなる。
【0103】
次いで、上記式(1)に従い、対応する比較例と比べた粒子面積低下率(%)を算出した。実施例8A~8Eに対応する比較例は比較例8であり、実施例9A~9Bに対応する比較例は比較例9であり、実施例10A~10Bに対応する比較例は比較例10であり、実施例11A~11Eに対応する比較例は比較例11である。
【0104】
結果を、表8~表11に示す。
【表8】
【0105】
【表9】
【0106】
【表10】
【表11】
※表11中の数値は、乳酸液については、乳酸としての含有量を示し、乳酸ナトリウム液については、乳酸ナトリウムとしての含有量を示し、dl-ピロリドンカルボン酸ナトリウム液については、dl-ピロリドンカルボン酸ナトリウムとしての含有量を示す。
【0107】
表8~表11に示す各実施例製剤は、表1~表3に示す各実施例製剤とは、N-(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル-N-ヒドロキシエチルヘキサデカナミド、コレステロール、乳酸、乳酸ナトリウム、アルギニン、尿素、ピロリドンカルボン酸、又はヒアルロン酸ナトリウムの濃度が異なり、また、多価アルコールとしてグリセリン、1,3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、及び/又はプロピレングリコールを用いている。これらの場合も、アダパレンを含む外用組成物に、N-(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル-N-ヒドロキシエチルヘキサデカナミド、コレステロール、乳酸、乳酸ナトリウム、アルギニン、尿素、ピロリドンカルボン酸、又はヒアルロン酸ナトリウムを配合することにより、組成物中のアダパレンの粒子面積が低下した。(B)成分の配合により組成物中でのアダパレンの分散性が向上したことが分かる。
【0108】
製剤例
下記に記載の処方で、外用組成物(処方例1~98)を調製した。
【表12】
※表12中の乳酸液の数値は、乳酸としての含有量を示し、
乳酸ナトリウム液の数値は、乳酸ナトリウムとしての含有量を示す。
【0109】
【表13】
【0110】
【表14】
※表14中のdl-ピロリドンカルボン酸ナトリウム液の数値は、
dl-ピロリドンカルボン酸ナトリウムとしての含有量を示す。
【0111】
【表15】
【0112】
【表16】
【0113】
【表17】
※表17中の、乳酸液の数値は、乳酸としての含有量を示し、
乳酸ナトリウム液の数値は、乳酸ナトリウムとしての含有量を示す。
【0114】
【表18】
※表18中の、乳酸液の数値は、乳酸としての含有量を示し、
乳酸ナトリウム液の数値は、乳酸ナトリウムとしての含有量を示す。
【0115】
【表19】
※表19中のdl-ピロリドンカルボン酸ナトリウム液の数値は、
dl-ピロリドンカルボン酸ナトリウムとしての含有量を示す。
【0116】
【表20】
※表20中のdl-ピロリドンカルボン酸ナトリウム液の数値は、dl-ピロリドンカルボン酸ナトリウムとしての含有量を示す。
【0117】
【表21】
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明の外用組成物は、アダパレン及び/又はその塩の分散性が良好であるため、アダパレンを患部に均一に塗布することができ、またアダパレン及び/又はその塩の凝集が抑制されていることから所期の薬効が十分に得られる。