(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023979
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240214BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】28
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023221371
(22)【出願日】2023-12-27
(62)【分割の表示】P 2020559724の分割
【原出願日】2019-09-04
(31)【優先権主張番号】62/776,785
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】P 2019100498
(32)【優先日】2019-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】久原 俊介
(72)【発明者】
【氏名】東島 勝義
(57)【要約】
【課題】適切な対処者に、移動体の内部の汚損又は破損に対処させることができる情報処理方法等を提供すること。
【解決手段】情報処理方法は、コンピュータが、移動体300の内部に対するセンシング結果を取得し、センシング結果に基づいて、移動体300の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを認識する認識処理を実行し、認識処理の結果に従って、移動体300の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処する対処者を決定し、対処者が移動体300の内部を対処するための通知を出力する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
移動体の内部に対するセンシング結果を取得し、
前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損または破損を認識する認識処理を実行し、
前記認識処理の結果として認識された、複数の前記汚損または前記破損のうち、(i)対処を優先すべき破損、または(ii)対処を優先すべき汚損を特定し、
特定した(i)優先すべき前記破損、または(ii)優先すべき前記汚損を対処する対処者を決定し、
前記対処者が前記移動体の内部の(i)優先すべき前記破損、または(ii)優先すべき前記汚損を対処するための通知を出力する、
情報処理方法。
【請求項2】
前記対処者の決定は、さらに、
前記認識処理の結果として認識された、前記移動体の内部の(i)優先すべき前記汚損、または(ii)優先すべき前記破損の状態、及び、前記移動体の内部の(i)優先すべき前記汚損、または(ii)優先すべき前記破損に対処する対処予定時間を含む募集を対処者候補の端末に提示し、
前記募集に対して応募した対処者候補を前記対処者として決定する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記認識処理は、さらに認識した複数の前記汚損および前記破損の度合いを算出し、
前記特定は、複数の前記汚損および前記破損の度合いのうち、(i)閾値を超える度合いに対応する汚損を優先すべき前記汚損として特定する、または(ii)閾値を超える度合いに対応する破損を優先すべき前記破損として特定する、
請求項1または2のいずれかに記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記認識処理は、さらに認識した複数の前記汚損および前記破損のそれぞれに対処する前記対処予定時間をさらに算出し、
前記特定は、複数の前記汚損および前記破損の前記対処予定時間のうち、(i)予め決められた時間よりも短い対処時間に対応する汚損を優先すべき前記汚損として特定する、または(ii)予め決められた時間よりも短い対処時間に対応する破損を優先すべき前記破損として特定する、
請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記特定は、複数の前記汚損または前記破損のうち、前記コンピュータを利用するユーザにより設定された(i)対処を優先すべき破損、または(ii)対処を優先すべき汚損を特定する、
請求項1または2のいずれかに記載の情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータが、
移動体の内部に対するセンシング結果を取得し、
前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損または破損を認識する認識処理を実行し、
前記認識処理の結果として認識された、複数の前記汚損または前記破損のうち、対処の対象とする(i)少なくとも1の汚損または(ii)少なくとも1の破損を特定し、
特定した(i)少なくとも1の前記汚損、または(ii)少なくとも1の前記破損を対処する対処者を決定し、
前記対処者が前記移動体の内部を対処するための通知を出力する、
情報処理方法。
【請求項7】
前記対処者の決定は、さらに、
前記認識処理の結果として認識された、前記移動体の内部の(i)少なくとも1の前記汚損、または(ii)少なくとも1の前記破損の状態、及び、前記移動体の内部の(i)少なくとも1の前記汚損、または(ii)少なくとも1の前記破損に対処する対処予定時間を含む募集を対処者候補の端末に提示し、
前記募集に対して応募した対処者候補を前記対処者として決定する、
請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記特定は、予め設定された時刻、イベント情報、天候情報、または前記の移動体の利用要求履歴のいずれかに基づいて、前記対処の対象とする(i)少なくとも1の前記汚損、または(ii)少なくとも1の前記破損を特定する、
請求項6または7のいずれかに記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記認識処理は、さらに認識した複数の前記汚損および前記破損の度合いを算出し、
前記特定は、複数の前記汚損および前記破損の度合いのうち、(i)閾値を超える度合いに対応する汚損を少なくとも1の前記汚損として特定する、または(ii)閾値を超える度合いに対応する破損を少なくとも1の前記破損として特定する、
請求項6または7のいずれか記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記認識処理は、さらに認識した複数の前記汚損および前記破損のそれぞれに対処する前記対処予定時間をさらに算出し、
前記特定は、複数の前記汚損および前記破損の前記対処予定時間のうち、(i)予め決められた時間よりも短い対処時間に対応する汚損を少なくとも1の前記汚損として特定する、または(ii)予め決められた時間よりも短い対処時間に対応する破損を少なくとも1の前記破損として特定する、
請求項7に記載の情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータが、
移動体の内部に対するセンシング結果を取得し、
前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを認識する認識処理を実行し、
前記認識処理の結果として認識された、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処する対処者を決定し、
前記対処者が前記移動体の内部を対処するための通知を出力し、
前記決定は、さらに、
(i)前記移動体がサービスを終了した終了場所から、次のサービスを開始する開始場所までの移動経路、または(ii)前記移動体の位置を取得し、
1以上の対処者候補の位置を取得し、
前記1以上の対処者候補のうち、(i)前記移動経路、または(ii)前記移動体の位置から、所定の範囲内に位置する対処者候補者を前記対処者に決定する、
情報処理方法。
【請求項12】
前記決定は、さらに、
前記認識処理の結果として認識された、前記移動体の内部の汚損又は破損の状態、及び、前記移動体の内部の汚損又は破損に対処する対処予定時間を含む募集を複数の対処者候補の端末に提示し、
取得した前記1以上の対処者候補の位置は、前記複数の対処者候補のうち、前記募集に対して応募した1以上の対処者候補の位置である、
請求項11に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記1以上の対処者候補は、2以上の対処者候補であり、
取得した前記1以上の対処者候補の位置は、2以上の対処者候補の位置であり、
前記対処者として決定される前記対処者候補は、前記2以上の対処者候補のうち、(i)前記移動経路、または(ii)前記移動体の位置から、前記所定の範囲内であって、かつ前記移動体の前記次のサービスの開始場所から最も離れた対処者候補である、
請求項11または12のいずれかに記載の情報処理方法。
【請求項14】
さらに、前記移動体の移動経路又は位置、及び、対処者候補の位置を取得し、
前記移動経路又は位置から所定範囲にいる対処者候補を前記対処者に決定する
請求項1または6のいずれかに記載の情報処理方法。
【請求項15】
前記情報処理方法は、さらに、前記対処者に対応付けられる対処場の位置を取得し、
前記通知は、前記移動体に対する前記対処場への移動要求である
請求項1または6のいずれかに記載の情報処理方法。
【請求項16】
前記通知は、前記対処者に対する前記移動体への対処要求である
請求項1または6のいずれかに記載の情報処理方法。
【請求項17】
前記情報処理方法は、さらに、前記移動体の位置を取得し、
前記通知は、前記移動体の位置を含む
請求項16に記載の情報処理方法。
【請求項18】
さらに、前記対処者の位置、及び、前記移動体の位置を取得し、
前記対処者の位置、及び、前記移動体の位置から、対処場を決定し、
前記通知は、前記対処場の位置、前記対処者に対する対処要求、前記移動体に対する移動要求を含む
請求項1または6のいずれかに記載の情報処理方法。
【請求項19】
前記募集は、前記認識処理の結果として認識された、前記移動体の内部の汚損又は破損に対する対処に関わるコストをも含む
請求項12に記載の情報処理方法。
【請求項20】
さらに、対処者候補のそれぞれについて、当該対処者候補が過去に対処した移動体の利用者の満足度を取得し、
前記対処者候補のそれぞれについて、前記満足度に基づいて、当該対処者候補のスコアを算出し、
前記対処者候補のそれぞれについての前記スコアにも従って、前記対処者を決定する
請求項1、6、11のいずれかに記載の情報処理方法。
【請求項21】
前記認識処理の結果として認識された、前記移動体の内部の汚損又は破損の度合いに従って、前記対処者を決定する
請求項11に記載の情報処理方法。
【請求項22】
前記認識処理の結果として認識された、前記移動体の内部の汚損又は破損の種類に従って、前記対処者を決定する
請求項11に記載の情報処理方法。
【請求項23】
移動体の内部に対するセンシング結果を取得する取得部と、
前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損または破損を認識する認識処理を実行する認識処理実行部と、
前記認識処理の結果として認識された、複数の前記汚損または前記破損のうち、(i)対処を優先すべき破損、または(ii)対処を優先すべき汚損を特定し、特定した(i)優先すべき前記破損、または(ii)優先すべき前記汚損を対処する対処者を決定し、前記対処者が前記移動体の内部の(i)優先すべき前記破損、または(ii)優先すべき前記汚損を対処するための通知を出力する対処者決定部と、を備えた、
情報処理装置。
【請求項24】
移動体の内部に対するセンシング結果を取得する取得部と、
前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損または破損を認識する認識処理を実行する認識処理実行部と、
前記認識処理の結果として認識された、複数の前記汚損または前記破損のうち、対処の対象とする(i)少なくとも1の汚損または(ii)少なくとも1の破損を特定し、特定した(i)少なくとも1の前記汚損、または(ii)少なくとも1の前記破損を対処する対処者を決定し、前記対処者が前記移動体の内部を対処するための通知を出力する対処者決定部と、を備えた、
情報処理装置。
【請求項25】
移動体の内部に対するセンシング結果を取得する取得部と、
前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを認識する認識処理を実行する認識処理実行部と、
前記認識処理の結果として認識された、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処する対処者を決定し、前記対処者が前記移動体の内部を対処するための通知を出力する対処者決定部と、を備え、
前記対処者決定部は、さらに、
(i)前記移動体がサービスを終了した終了場所から、次のサービスを開始する開始場所までの移動経路、または(ii)前記移動体の位置を取得し、
1以上の対処者候補の位置を取得し、
前記1以上の対処者候補のうち、(i)前記移動経路、または(ii)前記移動体の位置から、所定の範囲内に位置する対処者候補を前記対処者に決定する、
情報処理装置。
【請求項26】
コンピュータに、
移動体の内部に対するセンシング結果を取得し、
前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損または破損を認識する認識処理を実行し、
前記認識処理の結果として認識された、複数の前記汚損または前記破損のうち、(i)対処を優先すべき破損、または(ii)対処を優先すべき汚損を特定し、
特定した(i)優先すべき前記破損、または(ii)優先すべき前記汚損を対処する対処者を決定し、
前記対処者が前記移動体の内部の(i)優先すべき前記破損、または(ii)優先すべき前記汚損を対処するための通知を出力する、
処理を実行させる、
プログラム。
【請求項27】
コンピュータに、
移動体の内部に対するセンシング結果を取得し、
前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損または破損を認識する認識処理を実行し、
前記認識処理の結果として認識された、複数の前記汚損または前記破損のうち、対処の対象とする(i)少なくとも1の汚損または(ii)少なくとも1の破損を特定し、
特定した(i)少なくとも1の前記汚損、または(ii)少なくとも1の前記破損を対処する対処者を決定し、
前記対処者が前記移動体の内部を対処するための通知を出力する、
処理を実行させる、
プログラム。
【請求項28】
コンピュータに、
移動体の内部に対するセンシング結果を取得し、
前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを認識する認識処理を実行し、
前記認識処理の結果として認識された、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処する対処者を決定し、
前記対処者が前記移動体の内部を対処するための通知を出力する処理を実行させ、
前記決定は、さらに、
(i)前記移動体がサービスを終了した終了場所から、次のサービスを開始する開始場所までの移動経路、または(ii)前記移動体の位置を取得し、
1以上の対処者候補の位置を取得し、
前記1以上の対処者候補のうち、(i)前記移動経路、または(ii)前記移動体の位置から、所定の範囲内に位置する対処者候補を前記対処者に決定する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動体に係る情報についての情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動体の運用を管理する技術が知られている(特許文献1)。
【0003】
また、移動体の内部を自動的に清掃するロボットを備える移動体に関する技術が開示されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-54537号公報
【特許文献2】特開2002-166379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
移動体の運用を管理するにあたって、移動体の内部に汚損又は破損がある場合には、適切な対処者に、その汚損又は破損に対処させることが望まれる。
【0006】
そこで、本開示は、適切な対処者に、移動体の内部の汚損又は破損に対処させることができる情報処理方法、情報処理装置、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、移動体の内部に対するセンシング結果を取得し、前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損または破損を認識する認識処理を実行し、前記認識処理の結果として認識された、複数の前記汚損または前記破損のうち、(i)対処を優先すべき破損、または(ii)対処を優先すべき汚損を特定し、特定した(i)優先すべき前記破損、または(ii)優先すべき前記汚損を対処する対処者を決定し、前記対処者が前記移動体の内部の(i)優先すべき前記破損、または(ii)優先すべき前記汚損を対処するための通知を出力する。
【0008】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、移動体の内部に対するセンシング結果を取得し、前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損または破損を認識する認識処理を実行し、前記認識処理の結果として認識された、複数の前記汚損または前記破損のうち、対処の対象とする(i)少なくとも1の汚損または(ii)少なくとも1の破損を特定し、特定した(i)少なくとも1の前記汚損、または(ii)少なくとも1の前記破損を対処する対処者を決定し、前記対処者が前記移動体の内部を対処するための通知を出力する。
【0009】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、移動体の内部に対するセンシング結果を取得し、前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを認識する認識処理を実行し、前記認識処理の結果として認識された、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処する対処者を決定し、前記対処者が前記移動体の内部を対処するための通知を出力し、前記決定は、さらに、(i)前記移動体がサービスを終了した終了場所から、次のサービスを開始する開始場所までの移動経路、または(ii)前記移動体の位置を取得し、1以上の対処者候補の位置を取得し、前記1以上の対処者候補のうち、(i)前記移動経路、または(ii)前記移動体の位置から、所定の範囲内に位置する対処者候補者を前記対処者に決定する。
【0010】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、移動体の内部に対するセンシング結果を取得する取得部と、前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損または破損を認識する認識処理を実行する認識処理実行部と、前記認識処理の結果として認識された、複数の前記汚損または前記破損のうち、(i)対処を優先すべき破損、または(ii)対処を優先すべき汚損を特定し、特定した(i)優先すべき前記破損、または(ii)優先すべき前記汚損を対処する対処者を決定し、前記対処者が前記移動体の内部の(i)優先すべき前記破損、または(ii)優先すべき前記汚損を対処するための通知を出力する対処者決定部と、を備える。
【0011】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、移動体の内部に対するセンシング結果を取得する取得部と、前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損または破損を認識する認識処理を実行する認識処理実行部と、前記認識処理の結果として認識された、複数の前記汚損または前記破損のうち、対処の対象とする(i)少なくとも1の汚損または(ii)少なくとも1の破損を特定し、特定した(i)少なくとも1の前記汚損、または(ii)少なくとも1の前記破損を対処する対処者を決定し、前記対処者が前記移動体の内部を対処するための通知を出力する対処者決定部と、を備える。
【0012】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、移動体の内部に対するセンシング結果を取得する取得部と、前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを認識する認識処理を実行する認識処理実行部と、前記認識処理の結果として認識された、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処する対処者を決定し、前記対処者が前記移動体の内部を対処するための通知を出力する対処者決定部と、を備え、前記対処者決定部は、さらに、(i)前記移動体がサービスを終了した終了場所から、次のサービスを開始する開始場所までの移動経路、または(ii)前記移動体の位置を取得し、1以上の対処者候補の位置を取得し、前記1以上の対処者候補のうち、(i)前記移動経路、または(ii)前記移動体の位置から、所定の範囲内に位置する対処者候補を前記対処者に決定する。
【0013】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、移動体の内部に対するセンシング結果を取得し、前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損または破損を認識する認識処理を実行し、前記認識処理の結果として認識された、複数の前記汚損または前記破損のうち、(i)対処を優先すべき破損、または(ii)対処を優先すべき汚損を特定し、特定した(i)優先すべき前記破損、または(ii)優先すべき前記汚損を対処する対処者を決定し、前記対処者が前記移動体の内部の(i)優先すべき前記破損、または(ii)優先すべき前記汚損を対処するための通知を出力する、処理を実行させる、プログラムである。
【0014】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、移動体の内部に対するセンシング結果を取得し、前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損または破損を認識する認識処理を実行し、前記認識処理の結果として認識された、複数の前記汚損または前記破損のうち、対処の対象とする(i)少なくとも1の汚損または(ii)少なくとも1の破損を特定し、特定した(i)少なくとも1の前記汚損、または(ii)少なくとも1の前記破損を対処する対処者を決定し、前記対処者が前記移動体の内部を対処するための通知を出力する、処理を実行させる、プログラムである。
【0015】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、移動体の内部に対するセンシング結果を取得し、前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを認識する認識処理を実行し、前記認識処理の結果として認識された、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処する対処者を決定し、前記対処者が前記移動体の内部を対処するための通知を出力する処理を実行させ、前記決定は、さらに、(i)前記移動体がサービスを終了した終了場所から、次のサービスを開始する開始場所までの移動経路、または(ii)前記移動体の位置を取得し、1以上の対処者候補の位置を取得し、前記1以上の対処者候補のうち、(i)前記移動経路、または(ii)前記移動体の位置から、所定の範囲内に位置する対処者候補を前記対処者に決定する、プログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本開示の一態様に係る情報処理方法、情報処理装置、及び、プログラムによれば、適切な対処者に、移動体の内部の汚損又は破損に対処させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1に係る対処者管理DBが記憶する対処者情報の一例を示す模式図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1に係る対処者管理DBが記憶する対処者情報の他の一例を示す模式図である。
【
図4A】
図4Aは、実施の形態1に係る移動体の内部の様子の一例を示す模式図である。
【
図4B】
図4Bは、実施の形態1に係る移動体の内部の様子の一例を示す模式図である。
【
図4C】
図4Cは、実施の形態1に係る移動体の内部の様子の一例を示す模式図である。
【
図5】
図5は、実施の形態1に係る認識処理実行部が記憶するテーブルの一例を示す模式図である。
【
図6】
図6は、実施の形態1に係る移動体の内部の所定のエリアにおける汚損又は破損の範囲の割合の具体例の一例を示す模式図である。
【
図7】
図7は、実施の形態1に係る対処者決定部が記憶する第1テーブルの一例を示す模式図である。
【
図8】
図8は、実施の形態1に係る対処者決定部が生成する比較情報の一例を示す模式図である。
【
図9】
図9は、実施の形態1に係る第1マッチング処理のシーケンス図である。
【
図10】
図10は、実施の形態1に係る第1移動体管制サーバ処理のフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施の形態2に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、実施の形態2に係る対処者端末が記憶する第2テーブルの一例を示す模式図である。
【
図13】
図13は、実施の形態2に係る第2マッチング処理のシーケンス図である。
【
図14】
図14は、実施の形態2に係る第2移動体管制サーバ処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(本発明の一態様を得るに至った経緯)
一般に、自動運転の移動体においては、運転手が不在であるため、移動体の内部に汚損又は破損がある場合に、運転者に、その汚損または破損に対処させることができない。このため、自動運転の移動体をユーザに提供する場合には、誰か適切な人物に、その移動体の内部の汚損又は破損に対処させる必要がある。
【0019】
発明者は、このような問題に鑑みて、鋭意検討、実験を繰り返した。その結果、発明者は、適切な対処者に、移動体の内部の汚損又は破損に対処させることができる、下記本開示の一態様に係る情報処理方法、情報処理装置、及び、プログラムに想到した。
【0020】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、移動体の内部に対するセンシング結果を取得し、前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを認識する認識処理を実行し、前記認識処理の結果に従って、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処する対処者を決定し、前記対処者が前記移動体の内部を対処するための通知を出力する。
【0021】
上記情報処理方法によると、移動体の内部のセンシング結果から移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処する対処者が決定され、決定された対処者が移動体の内部を対処するための通知が出力される。このため、適切な対処者に、移動体の内部の汚損又は破損に対処させることができる。言い換えると、適切な対処者の選定を自動化することができる。したがって、移動体の内部の汚損又は破損を効率よく抑制することができる。
【0022】
また、前記認識処理の結果として認識された、前記移動体の内部の汚損又は破損に対する対処能力を有する対処者候補を前記対処者に決定するとしてもよい。これにより、対処者を、移動体の内部の汚損又は破損に対する対処能力を有する人物とすることができる。
【0023】
また、前記認識処理の結果として認識された、前記移動体の内部の汚損又は破損に対する対処のための時間を有する対処者候補を前記対処者に決定するとしてもよい。これにより、対処者を、移動体の内部の汚損又は破損に対する対処のための時間を有する人物とすることができる。
【0024】
また、さらに、前記移動体の移動経路又は位置、及び、対処者候補の位置を取得し、前記移動経路又は位置から所定範囲にいる対処者候補を前記対処者に決定するとしてもよい。これにより、対処者を、移動体の移動経路又は位置から所定範囲にいる人物とすることができる。
【0025】
また、さらに、前記対処者に対応付けられる対処場の位置を取得し、前記通知は、前記移動体に対する前記対処場への移動要求であるとしてもよい。これにより、移動体を対処場へ移動させることができる。
【0026】
また、前記通知は、前記対処者に対する前記移動体への対処要求であるとしてもよい。これにより、対処者に、移動体への対処要求を通知することができる。
【0027】
また、さらに、前記移動体の位置を取得し、前記通知は、前記移動体の位置を含むとしてもよい。これにより、対処者に、移動体の位置を通知することができる。
【0028】
また、さらに、前記対処者の位置、及び、前記移動体の位置を取得し、前記対処者の位置、及び、前記移動体の位置から、対処場を決定し、前記通知は、前記対処場の位置、前記対処者に対する対処要求、前記移動体に対する移動要求を含むとしてもよい。これにより、対処者に、対処場の位置と移動体への対処要求とを通知し、移動体を、対処場へ移動させることができる。
【0029】
また、前記認識処理の結果として認識された、前記移動体の内部の汚損又は破損の状態、及び、前記移動体の内部の汚損又は破損に対処する対処予定時間を含む募集を対処者候補に提示し、前記募集に対して応募した対処者候補を前記対処者に決定するとしてもよい。これにより、対処者を、移動体の内部の破損又は汚損、及び、対処時間を考慮して応募した人物とすることができる。
【0030】
また、前記募集は、前記認識処理の結果として認識された、前記移動体の内部の汚損又は破損に対する対処に関わるコストをも含むとしてもよい。これにより、対処者を、コストを考慮して応募した人物とすることができる。
【0031】
また、さらに、対処者候補のそれぞれについて、当該対処者候補が過去に対処した移動体の利用者の満足度を取得し、前記対処者候補のそれぞれについて、前記満足度に基づいて、当該対処者候補のスコアを算出し、前記対処者候補のそれぞれについての前記スコアにも従って、前記対処者を決定するとしてもよい。これにより、対処者を、過去の対処実績における、移動体の利用者の満足度に基づいて決定することができる。
【0032】
また、前記認識処理の結果として認識された、前記移動体の内部の汚損又は破損の度合いに従って、前記対処者を決定するとしてもよい。これにより、対処者を、移動体の内部の汚損又は破損の度合いに応じて決定することができる。
【0033】
また、前記認識処理の結果として認識された、前記移動体の内部の汚損又は破損の種類に従って、前記対処者を決定するとしてもよい。これにより、対処者を、移動体の内部の汚損又は破損の種類に応じて決定することができる。
【0034】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、移動体の内部に対するセンシング結果を取得する取得部と、前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを認識する認識処理を実行する認識処理実行部と、前記認識処理の結果に従って、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処する対処者を決定し、前記対処者が前記移動体の内部を対処するための通知を出力する対処者決定部と、を備える。
【0035】
上記情報処理装置によると、移動体の内部のセンシング結果から移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処する対処者が決定され、決定された対処者が移動体の内部を対処するための通知が出力される。このため、適切な対処者に、移動体の内部の汚損又は破損に対処させることができる。
【0036】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、第1処理を実行させるためのプログラムであって前記第1処理は、前記コンピュータが、移動体の内部に対するセンシング結果を取得し、前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを認識する認識処理を実行し、前記認識処理の結果に従って、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処する対処者を決定し、前記対処者が前記移動体の内部を対処するための通知を出力する処理である。
【0037】
上記プログラムによると、移動体の内部のセンシング結果から移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処する対処者が決定され、決定された対処者が移動体の内部を対処するための通知が出力される。このため、適切な対処者に、移動体の内部の汚損又は破損に対処させることができる。
【0038】
以下、本開示の一態様に係る情報処理方法、情報処理装置、及びプログラムの具体例について、図面を参照しながら説明する。ここで示す実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。従って、以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、並びに、ステップ(工程)及びステップの順序等は、一例であって本開示を限定するものではない。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0039】
なお、本開示の包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0040】
(実施の形態1)
以下、実施の形態に係る情報処理システムについて説明する。この情報処理システムは、乗客又は貨物を輸送する移動体の運用を管理するシステムである。
【0041】
ここでは、一例として、移動体がライドシェアサービスで利用される自動運転車両であるとして説明するが、移動体は、乗客又は貨物を輸送可能な移動体であれば、必ずしもライドシェアサービスで利用される自動運転車両に限定される必要はない。また、運転手の有無や座席の有無も問わない。
【0042】
[1-1.情報処理システムの構成]
図1は、実施の形態に係る情報処理システム1の構成を示すブロック図である。
【0043】
図1に示されるように、情報処理システム1は、移動体管制サーバ100と、対処者管理サーバ200と、1以上の移動体300と、1以上の対処者端末400とを含んで構成される。
【0044】
移動体300は、ライドシェアサービスで利用される自動運転車両であって、乗客又は貨物を輸送する。
図1では、移動体300があたかも1台であるかのように図示されているが、移動体300の数は、必ずしも1台である場合に限定されず、複数台であってもよい。
【0045】
移動体300は、制御部30と、センシング部31と、操縦部32と、通信部33とを含んで構成される。
【0046】
センシング部31は、移動体300の内部をセンシングし、センシング結果を示すセンシング情報を出力する。センシング部31は、例えば、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等の撮像装置を備え、移動体300の内部にある座席を撮像し、撮像した画像をセンシング情報として出力するとしてもよい。また、センシング部31は、例えば、匂いセンサを備え、移動体300の内部空間の匂いをセンシングし、センシングした匂いを示す情報をセンシング情報として出力するとしてもよい。また、センシング部31は、例えば、赤外線センサを備え、移動体300の内部にある座席の表面温度を測定し、測定した表面温度をセンシング情報として出力するとしてもよい。また、センシング部31は、例えば、集音マイクを備え、移動体300の内部の音声を集音し、集音した音声をセンシング情報として出力するとしてもよい。
【0047】
操縦部32は、移動体300を操縦する。操縦部32は、例えば、専用ハードウエアにより実現されてもよいし、例えば、プロセッサとメモリとを備え、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することで実現されてもよい。
【0048】
通信部33は、通信可能な他の機器と通信する。他の機器には、移動体管制サーバ100が含まれる。通信部33は、例えば、無線通信機を備え、無線を利用して他の機器と通信するとしてもよい。
【0049】
制御部30は、センシング部31と、操縦部32と、通信部33とを制御する。制御部30は、例えば、専用ハードウエアにより実現されてもよいし、例えば、プロセッサとメモリとを備え、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することで実現されてもよい。
【0050】
対処者管理サーバ200は、移動体300を提供するサービス会社が利用するサーバである。
【0051】
対処者管理サーバ200は、制御部20と、表示部21と、操作部22と、通信部23と、対処者管理部70と、対処者管理DB80とを含んで構成される。対処者管理サーバ200は、例えば、プロセッサとメモリとを備えるコンピュータであって、プロセッサがメモリに記憶されるプログラムを実行することで、各種機能を実現してもよい。
【0052】
通信部23は、通信可能な他の機器と通信する。他の機器には、移動体管制サーバ100と、対処者端末400とが含まれる。通信部23は、例えば、無線通信機を備え、無線を利用して他の機器と通信するとしてもよい。
【0053】
表示部21は、対処者管理サーバ200を利用するユーザに対して、画像を表示する。表示部21は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示デバイスを備え、表示デバイスに画像を表示するとしてもよい。
【0054】
操作部22は、対処者管理サーバ200を利用するユーザからの操作を受け付ける。操作部22は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力デバイスを備え、入力デバイスを用いてなされるユーザによる操作を受け付けるとしてもよい。
【0055】
対処者管理DB80は、移動体300の内部の汚損又は破損に対処する対処者に係る対処者情報を記憶するデータベースである。対処者情報には、対処者の予約状況を示す情報が含まれていてもよい。また、対処者情報には予約状況を示す情報が含まれず、対処者管理DB80は、対処者情報とは別に、対処者の予約状況を示す情報を記憶するとしてもよい。
【0056】
図2は、対処者管理DB80が記憶する対処者情報の一例を示す模式図である。
【0057】
図2に示されるように、対処者情報は、例えば、対処者810と、位置情報820と、対処内容830と、営業状況840と、予約状況850と、料金860とが対応付けられて構成されてもよい。ここで、対処は、汚損の清掃又は破損の修繕であり、対処者は、清掃者又は修繕者である。対処者810は、対処者を示す情報であって、例えば、対処者名、対処者の連絡先であってもよい。例えば、連絡先は、電話番号、メールアドレス、IPアドレス等である。位置情報820は、対処者の位置を示す情報であって、例えば、対処者が待機する位置であってもよいし、対処者が対処する対処場の位置であってもよい。対処内容830は、対処者が対応可能な対処内容を示す情報である。営業状況840は、対処者の営業状況を示す情報である。予約状況850は、対処者の予約状況を示す情報であって、例えば、予約人数であってもよいし、予約時間であってもよいし、待ち時間であってもよいし、空き時間であってもよい。予約時間は、開始時刻、終了時刻、対処時間である。また、予約状況850は、例えば、対処内容830によって示される対処内容毎に予約状況を示す情報であってもよい。料金860は、対処の料金を示す情報である。料金860は、例えば、対処にかかる対処時間を示す情報であってもよい。
【0058】
対処者情報、又は予約状況を示す情報に、動的に変化する情報が含まれている場合には、定期的、または含まれる情報が変化した際に対処者情報又は予約状況を示す情報が更新されるとしてもよい。
【0059】
図3は、対処者管理DB80が記憶する対処者情報の他の一例を示す模式図である。
【0060】
図3に示されるように、対処者情報は、例えば、対処者毎に対応可能な対処内容を示す情報であってもよい。
【0061】
対処者管理部70は、対処者管理DB80が記憶する情報を管理する。
【0062】
対処者端末400は、対処者が所有する端末である。対処者端末400は、対処者からの操作を受け付ける入力デバイスと、対処者に対して情報(画像、音声等)を出力する出力デバイスとを備え、通信可能な他の機器と通信する。入力デバイスは、例えば、タッチパネル、マイクである。出力デバイスは、例えば、液晶ディスプレイ、スピーカである。通信可能な他の機器には、対処者管理サーバ200が含まれる。対処者端末400は、例えば、スマートフォンであってもよい。
【0063】
移動体管制サーバ100は、移動体300を管制する管制会社が利用するサーバである。
【0064】
移動体管制サーバ100は、制御部10と、表示部11と、操作部12と、通信部13と、移動体管理部14と、移動体管理DB15と、取得部40と、認識処理実行部50と、対処者決定部60とを含んで構成される。移動体管制サーバ100は、例えば、プロセッサとメモリとを備えるコンピュータであって、プロセッサがメモリに記憶されるプログラムを実行することで、各種機能を実現してもよい。
【0065】
通信部13は、通信可能な他の機器と通信する。他の機器には、移動体300と、対処者管理サーバ200とが含まれる。通信部13は、例えば、無線通信機を備え、無線を利用して他の機器と通信するとしてもよい。
【0066】
表示部11は、移動体管制サーバ100を利用するユーザに対して、画像を表示する。表示部11は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示デバイスを備え、表示デバイスに画像を表示するとしてもよい。
【0067】
操作部12は、移動体管制サーバ100を利用するユーザからの操作を受け付ける。操作部12は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力デバイスを備え、入力デバイスを用いてなされるユーザによる操作を受け付けるとしてもよい。
【0068】
移動体管理DB15は、移動体300の内部の汚損又は破損の状態に係る情報を記憶するデータベースである。
【0069】
移動体管理部14は、移動体管理DB15が記憶する情報を管理する。
【0070】
取得部40は、移動体300の内部に対するセンシング結果を取得する。より具体的には、取得部40は、移動体300のセンシング部31から出力されたセンシング情報を、移動体300の内部に対するセンシング結果として取得する。すなわち、取得部40は、移動体300の通信部33から送信され、移動体管制サーバ100の通信部13により受信されたセンシング情報を取得する。
【0071】
認識処理実行部50は、取得部40により取得された、移動体300の内部に対するセンシング結果に基づいて、移動体300の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを認識する認識処理を実行する。
【0072】
認識処理実行部50は、例えば、センシング情報が移動体300の内部の画像である場合に、その画像に対して画像処理を行い、移動体300の内部の汚損又は破損を検知してもよい。この場合、認識処理実行部50は、例えば、乗客の乗車前と降車後の画像の差分を検出し、検出した差分に対して画像認識処理を行うことで、移動体300の内部の汚損又は破損を検知してもよい。また、この場合、認識処理実行部50は、例えば、画像に対して画像認識処理を行うことで乗車中の乗客の動作を特定し、特定した動作に基づいて、移動体300の内部の汚損又は破損の種類を算出してもよい。認識処理実行部50は、例えば、乗客がお菓子を食べていたと特定した場合には、移動体300の内部の汚損又は破損がお菓子のこぼしであると算出してもよい。また、認識処理実行部50は、乗客がドリンクを飲んでいたと特定した場合には、移動体300の内部の汚損又は破損がドリンクのこぼしであると算出してもよい。また、認識処理実行部50は、乗客が鼻をかんでいたと特定した場合には、移動体300の内部の汚損がティッシュであると算出してもよい。
【0073】
図4Aは、移動体300の内部の汚損又は破損の種類が「お菓子のこぼし」である場合における、移動体300の内部の様子の一例を示す模式図であり、
図4Bは、移動体300の内部の汚損又は破損の種類が「ドリンクのこぼし」である場合における、移動体300の内部の様子の一例を示す模式図であり、
図4Cは、移動体300の内部の汚損又は破損の種類が「ペットボトル」である場合における、移動体300の内部の様子の一例を示す模式図である。
【0074】
認識処理実行部50は、例えば、センシング情報が移動体300の内部空間の匂いを示す情報である場合に、その匂いを示す情報に基づいて、移動体300内の空気の汚れを検知してもよい。
【0075】
認識処理実行部50は、例えば、センシング情報が移動体300の内部の表面温度である場合に、その移動体300の内部の表面温度に基づいて、移動体300内部の濡れを検知してもよい。例えば、シートの濡れが検知されてもよい。
【0076】
認識処理実行部50は、例えば、認識処理において、移動体300の内部の汚損又は破損の度合いを算出してもよい。
【0077】
認識処理実行部50は、例えば、移動体300の内部の汚損又は破損の個数を特定し、特定した汚損又は破損の個数に基づいて、汚損又は破損の度合いを算出してもよい。この場合、認識処理実行部50は、例えば、汚損又は破損の個数が比較的少ない場合に、汚損又は破損の度合いを「小」と算出し、汚損又は破損の個数が比較的中程度の場合に、汚損又は破損の度合いを「中」と算出し、汚損又は破損の個数が比較的多い場合に、汚損又は破損の度合いを「大」と算出してもよい。例えば、認識処理実行部50は、汚損又は破損の個数が3個以下の場合に、汚損又は破損の度合いを「小」と算出し、汚損又は破損の個数が4個以上6個以下の場合に、汚損又は破損の度合いを「中」と算出し、汚損又は破損の個数が7個以上の場合に、汚損又は破損の度合いを「大」と算出してもよい。ここで、汚損又は破損の個数は、移動体300の内部全体における汚損又は破損の個数、移動体300の内部の特定の場所における汚損又は破損の個数、あるいは汚損又は破損の単位面積当たりの個数(すなわち、密度)であってもよい。
【0078】
認識処理実行部50は、例えば、移動体300の内部が汚損又は破損してからの経過時間を特定し、特定した経過時間に基づいて、汚損又は破損の度合いを算出してもよい。例えば、移動体300の内部の汚損又は破損がドリンクのこぼしである場合には、ドリンクをこぼしてから時間が経過すればするほど、ドリンクのこぼしの清掃の時間又は料金が増加する。このため、認識処理実行部50は、例えば、移動体300の内部が汚損又は破損してからの経過時間が大きくなるほどより汚損又は破損の度合いが大きくなると算出してもよい。認識処理実行部50は、例えば、移動体300の内部が汚損又は破損してからの経過時間が1時間未満の場合に、汚損又は破損の度合いを「小」と算出し、移動体300の内部が汚損又は破損してからの経過時間が1時間以上3時間未満の場合に、汚損又は破損の度合いを「中」と算出し、移動体300の内部が汚損又は破損してからの経過時間が3時間以上の場合に、汚損又は破損の度合いを「大」と算出してもよい。
【0079】
認識処理実行部50は、例えば、移動体300の内部の汚損又は破損の種類を特定し、特定した汚損又は破損の種類の個数に基づいて、汚損又は破損の度合いを算出してもよい。この場合、認識処理実行部50は、例えば、汚損又は破損の種類の個数が1個である場合に、汚損又は破損の度合いを「小」と算出し、汚損又は破損の種類の個数が2個である場合に、汚損又は破損の度合いを「中」と算出し、汚損又は破損の種類の個数が3個以上である場合に、汚損又は破損の度合いを「大」と算出してもよい。
【0080】
認識処理実行部50は、例えば、移動体300の内部の汚損又は破損の種類を特定し、特定した汚損又は破損の種類に応じた対処方法を特定し、特定した対処方法に基づいて、汚損又は破損の度合いを算出してもよい。この場合、認識処理実行部50は、例えば、対処方法の数が1つである場合に、汚損又は破損の度合いを「小」と算出し、対処方法の数が2つである場合に、汚損又は破損の度合いを「中」と算出し、対処方法の数が3つ以上である場合に、汚損又は破損の度合いを「大」と算出してもよい。この場合、認識処理実行部50は、例えば、汚損又は破損の種類と、対処方法とを対応付けたテーブルを記憶し、記憶するテーブルを参照して、特定した汚損又は破損の種類に応じた対処方法を特定してもよい。
【0081】
図5は、認識処理実行部50が記憶するテーブルの一例を示す模式図である。
【0082】
認識処理実行部50は、例えば、移動体300の内部の汚損又は破損の種類を特定し、特定した汚損又は破損の種類に応じて、汚損又は破損委対処するための対処コストを特定し、特定した対処コストに基づいて、汚損又は破損の度合いを算出してもよい。対処コストは、例えば、対処時間又は対処料金である。この場合、認識処理実行部50は、例えば、対処コストが対処時間である場合、対処時間が10分未満である場合に、汚損又は破損の度合いを「小」と算出し、対処コストが10分以上1時間未満である場合に、汚損又は破損の度合いを「中」と算出し、対処コストが1時間以上である場合に、汚損又は破損の度合いを「大」と算出してもよい。また、この場合、認識処理実行部50は、例えば、汚損又は破損の種類と、対処時間又は対処料金方法とを対応付けたテーブルを記憶し、記憶するテーブルを参照して、特定した汚損又は破損の種類から対処方法を特定してもよい。記憶するテーブルの一例として、例えば
図3に図示されたテーブルであってもよい。対処時間、対処料金は、予め設定された値であってもよいし、過去の履歴から算出された値であってもよいし、外部の業者等から取得した値であってもよい。
【0083】
認識処理実行部50は、例えば、移動体300の内部の所定のエリアにおける汚損又は破損の範囲の割合を特定し、特定した汚損又は破損の範囲の割合に基づいて、汚損又は破損の度合いを算出してもよい。この場合、認識処理実行部50は、例えば、汚損又は破損の範囲の割合が1割未満である場合に、汚損又は破損の度合いを「小」と算出し、汚損又は破損の範囲の割合が1割以上3割未満である場合に、汚損又は破損の度合いを「中」と算出し、汚損又は破損の範囲の割合が3割以上である場合に、汚損又は破損の度合いを「大」と算出してもよい。
【0084】
図6は、移動体300の内部の所定のエリアにおける汚損又は破損の範囲の割合の具体例の一例を示す模式図である。
【0085】
ここで、汚損又は破損は、移動体300の内部の一か所に集中している場合もあれば、複数個所に分散している場合もあるため、認識処理実行部50は、例えば、汚損又は破損の位置から、移動体300内部の所定エリアにおける使用可能範囲を決定し、決定した使用可能範囲の割合に応じて、汚れの度合いを算出するとしてもよい。移動体300内部の所定エリアにおける使用可能範囲の例として、例えば、汚損又は破損のそれぞれの位置から所定範囲内の領域を使用不可能領域とし、所定のエリアにおける使用不可能領域以外の領域を使用可能範囲としてもよい。
【0086】
認識処理実行部50は、上記汚損又は破損の度合いの算出を組み合わせることで、汚損又は破損の度合いを算出してもよい。
【0087】
認識処理実行部50は、例えば、移動体300の内部の場所毎に、汚損又は破損の度合いを算出してもよい。
【0088】
認識処理実行部50は、例えば、移動体300の内部の各場所における破損又は汚損の度合いに応じて、移動体300の内部の全体としての汚損又は破損の度合いを算出するとしてもよい。認識処理実行部50は、例えば、移動体300の内部の各場所における破損又は汚損の度合いを数値化し、それらの合計を移動体300の内部の全体としての汚損又は破損の度合いとして算出してもよい。また、認識処理実行部50は、例えば、移動体300の内部の各場所における破損又は汚損の度合いの最高値を、移動体300の内部の全体としての汚損又は破損の度合いとして算出してもよい。また、認識処理実行部50は、例えば、移動体300の内部の各場所における破損又は汚損の度合いを数値化し、移動体300の内部のパーツ毎に合計した値のうち最高値を、移動体300の内部の全体としての汚損又は破損の度合いとして算出してもよい。例えば、当該パーツは、シート、床、窓等である。また、認識処理実行部50は、例えば、移動体300の内部の各場所における破損又は汚損の度合いを数値化し、それらの平均を移動体300の内部の全体としての汚損又は破損の度合いとして算出してもよい。
【0089】
認識処理実行部50は、例えば、さらに、移動体300外部の装置により取得された情報にも基づいて、移動体300の外観の汚損又は破損を検知するとしてもよい。例えば、当該情報は、移動体300を格納する格納庫に設置された監視カメラにより撮像された画像、移動体300以外の移動体の車載カメラにより撮像された画像等である。
【0090】
認識処理実行部50は、さらに、移動体300の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処するための対処タイミングを決定する。
【0091】
認識処理実行部50は、例えば、認識処理において、移動体300の内部の汚損又は破損の度合いが所定の閾値を超えたと算出した場合に、対処タイミングであると決定してもよい。また、認識処理実行部50は、例えば、移動体管制サーバ100が、移動体管制サーバ100を利用するユーザから、移動体300の内部の汚損又は破損への対処指示を受け付けた場合に、対処タイミングであると決定してもよい。また、認識処理実行部50は、例えば、移動体300が複数台である場合には、一の移動体300についての対処タイミングの決定を、その一の移動体300についての汚損又は破損の度合いと、他の移動体300についての汚損又は破損の度合いとの比較に応じて、その一の移動体300についての対処タイミングを決定してもよい。
【0092】
対処者決定部60は、認識処理実行部50により実行された認識処理の結果に従って、移動体300の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処する対処者を決定する。
【0093】
対処者決定部60は、例えば、認識処理実行部50による認識処理の結果として認識された、移動体300の内部の汚損又は破損に対する対処能力を有する対処者候補を対処者に決定してもよい。この場合、対処者決定部60は、例えば、認識処理実行部50による認識処理の結果として認識された、移動体300の内部の汚損又は破損の状態から、対処内容を決定し、決定した対処内容に対応することができる対処者候補を対処者に決定してもよい。このとき、対処者決定部60は、例えば、移動体300の内部の汚損又は破損の種類と、移動体300の内部の汚損又は破損の度合いと、移動体300の内部の汚損又は破損に対応する対処内容とを対応付けたテーブル(以下、「第1テーブル」とも称する。)を記憶し、記憶する第1テーブルを参照して、対処内容を決定してもよい。
【0094】
図7は、対処者決定部60が記憶する第1テーブルの一例を示す模式図である。
【0095】
対処者決定部60が
図7に示される第1テーブルを記憶している場合において、認識処理実行部50による認識処理の結果として認識された、移動体300の内部の汚損又は破損の種類が「菓子こぼれ」であって、汚損又は破損の度合いが「中」であるときには、対処者決定部60は、第1テーブルを参照して、対処内容を「掃除機掛け」に決定してもよい。
【0096】
対処者決定部60は、対処内容を決定した場合に、対処者管理DB80に記憶される対処者情報を参照して、決定した対処内容に対応することができる人物の中から対処者を決定してもよい。対処者決定部60は、例えば、対処者管理DB80が、
図3に示される対処者情報を記憶する場合において、対処内容を「ゴミ除去」と決定したときには、対処者を、対処者A、対処者C、対処者Dの中から決定してもよい。
【0097】
対処者決定部60は、対処内容を決定した場合において、決定した対処内容に対応することができる対処者候補が複数いる場合には、所定の条件を満たす対処者候補を対処者に決定してもよい。この場合、対処者決定部60は、例えば、複数の対処者候補それぞれの条件を比較することができる比較情報を生成し、生成した比較情報を参照して、所定の条件を満たす対処者候補を対処者に決定してもよい。
【0098】
図8は、対処者決定部60が生成する比較情報の一例を示す模式図である。
【0099】
対処者決定部60が
図8に示される比較情報を生成した場合において、所定の条件が「対処時間が最も短い」という条件である場合には、対処者Aが対処者に決定されてよい。所定の条件が「対処料金が最も安い」という条件である場合には、対処者Cが対処者に決定されてよい。所定の条件が「待ち時間がない」という条件である場合には、対処者Dが対処者に決定されてよい。所定の条件が「移動時間が最も短い」という条件である場合には、対処者Aが対処者に決定されてよい。また、所定の条件は上記例に限られず、対処に関わる条件であればどのような条件であってもよい。
【0100】
対処者決定部60は、必ずしも全ての対処内容に対応することが可能な対処者が存在するとは限らないため、移動体300の内部の汚損又は破損の種類、又は度合いに応じて優先させたい対処内容を決定し、優先させたい対処内容に対応することができる対処者候補を対処者に決定してもよい。対処者決定部60は、例えば、汚損又は破損の度合いが比較的高い汚損又は破損を、優先させたい対処内容と決定してもよい。これにより、汚損又は破損の度合いが比較的高いためにサービスが制限される移動体300に対して、サービスの制限を比較的早く解除することができる。また、対処者決定部60は、例えば、対処時間が比較的短い汚損又は破損を、優先させたい対処内容に決定してもよい。これにより、同程度の汚損又は破損が複数存在しているためにサービスが制限されている移動体300に対して、サービスの制限を比較的早く解消することができる。また、優先させたい対処内容は、情報処理システム1を利用するユーザにより設定可能であるとしてもよい。また、優先させたい対処内容は、状況により変更されるとしてもよい。例えば、汚損又は破損の程度が互いに異なる汚損又は破損が複数存在する場合と、汚損又は破損の程度が互いに同程度の汚損又は破損が複数存在する場合とで、優先させたい対処内容が変更されるとしてもよい。また、対処者決定部60は、例えば、汚損又は破損の度合いを比較的大きく改善することができる対処内容を、優先させたい対処内容に決定してもよい。
【0101】
対処者決定部60は、汚損又は破損に対処することで、移動体300内部の汚損又は破損の度合いを上記所定の閾値を下回るようにすることができる対処内容を、優先させたい対処内容に決定してもよい。これにより、移動体300のサービスの稼働率を上げることができる。特に繁忙期に有用である。また、対処者決定部60は、上記所定の閾値を下回る汚損又は破損の度合いを、優先させたい対処内容ではないと決定してもよい。これにより、移動体300のサービスの稼働率を上げることができる。特に繁忙期に有用である。
【0102】
対処者決定部60は、必ずしも全ての対処内容に対応することが可能な対処者が存在するとは限らないため、例えば、互いに異なる対処内容に対応する複数の対処者を決定してもよい。
【0103】
対処者決定部60は、例えば、繁忙期、閑散期に応じて、対応の対象とする汚損又は破損を変更してもよい。対処者決定部60は、例えば、繁忙期には、対応の対象とする汚損又は破損を、汚損又は破損の度合いが「大」、及び/又は、対処時間が「10分未満」となる汚損又は破損に限定し、閑散期には、対応の対象とする汚損又は破損を限定しないとしてもよい。繁忙期、閑散期は、例えば、予め設定された時刻、イベント情報、天候情報、過去の移動体の利用要求履歴等に基づき決定されてもよい。
【0104】
移動体300が複数台である場合には、対処者決定部60は、例えば、利用可能な移動体300の空き具合に基づいて、対応の対象とする汚損又は破損を変更してもよい。
【0105】
対処者決定部60は、例えば、対処場において移動体300の内部の汚損又は破損に対応する対処者候補を対処者に決定してもよいし、移動体300に乗り込んで、移動体300の内部の汚損又は破損に対応する対処者候補を対処者に決定してもよい。対処者決定部60は、例えば、移動体300に乗り込んで、移動体300の内部の汚損又は破損に対応する対処者候補を対処者に決定する場合には、移動体300の一のサービスの終了場所から、次のサービスの開始場所へと移動する移動期間中に対処することができる対処者候補を対処者に決定してもよい。この場合、対処者決定部60は、例えば、移動体300の移動経路又は位置、及び、対処者候補の位置を取得し、移動体300の移動経路又は位置から所定の範囲にいる対処者候補を対処者に決定してもよい。また、この場合、対処者決定部60は、次のサービスの開始場所から最も離れた対処者候補を対処者に決定してもよい。これにより、対処者が対処する期間を長くすることができる。
【0106】
対処者決定部60は、例えば、認識処理実行部50による認識処理の結果として認識された、移動体300の内部の汚損又は破損に対する対処のための時間を有する対処者候補を対処者に決定してもよい。この場合、対処者決定部60は、例えば、予め対処時間が予測できるとき、又は、予め対処時間が決定しているときには、予測される又は決定している対処時間に対処することができる対処者候補を対処者に決定してもよい。
【0107】
対処者決定部60は、例えば、認識処理実行部50による認識処理の結果として認識された、移動体300の内部の汚損又は破損の度合いに従って、対処者を決定してもよい。
【0108】
対処者決定部60は、例えば、認識処理実行部50による認識処理の結果として認識された、移動体300の内部の汚損又は破損の種類に従って、対処者を決定してもよい。
【0109】
対処者決定部60は、対処者を決定すると、決定した対処者が移動体300の内部を対処するための通知を出力する。対処者決定部60は、例えば、対処者に対応付けられる対処場の位置を取得し、上記通知は、移動体300に対する対処場への移動要求であってもよい。また、上記通知は、対処者に対する移動体300への対処要求であってもよい。この場合、対処者決定部60は、移動体300の位置を取得し、上記通知は、移動体300の位置を含むとしてもよい。対処者決定部60は、例えば、対処者の位置、及び移動体300の位置を取得し、取得した対処者の位置、及び、移動体の位置から、対処場を決定してよい。上記通知は、例えば、決定した対処場の位置、対処者に対する対処要求、移動体300に対する移動要求を含むとしてもよい。
【0110】
制御部10は、表示部11と、操作部12と、通信部13と、移動体管理部14と、取得部40と、認識処理実行部50と、対処者決定部60と、対処者管理部70とを制御する。
【0111】
[1-2.情報処理システムの動作]
以下、上記構成の情報処理システム1の行う動作について説明する。
【0112】
情報処理システム1は、一例として、第1マッチング処理を行う。
【0113】
第1マッチング処理は、移動体管制サーバ100が、移動体300の内部のセンシング結果に従って、移動体300の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処する対処者を決定する処理である。
【0114】
以下、第1マッチング処理について、
図9及び
図10を参照しながら説明する。
【0115】
【0116】
図10は、第1マッチング処理において、移動体管制サーバ100が行う処理(以下、この処理のことを「第1移動体管制サーバ処理」とも称する)のフローチャートである。
【0117】
移動体300において、センシング部31は、移動体300の内部をセンシングし、センシング結果を示すセンシング情報を出力する。そして、通信部33は、センシング部31から出力されたセンシング情報を、移動体管制サーバ100に送信する(ステップS10)。
【0118】
センシング情報が送信されると、移動体管制サーバ100において、通信部13は、そのセンシング情報を受信する。センシング情報が受信されると、取得部40は、通信部13により受信されたセンシング情報を、移動体300の内部に対するセンシング結果として取得する(ステップS15)。センシング結果が取得されると、認識処理実行部50は、取得されたセンシング結果に基づいて、移動体300の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを認識する認識処理を実行する(ステップS20)。そして、認識処理実行部50は、対処タイミングを決定する。
【0119】
一方で、対処者端末400は、対処者情報を対処者管理サーバ200に送信する(ステップS25)。
【0120】
対処者情報が送信されると、対処者管理サーバ200において、通信部23は、その対処者情報を受信する。対処者情報が受信されると、対処者管理部70は、通信部23により受信された対処者情報を、対処者管理DB80に登録する(ステップS30)。
【0121】
移動体管制サーバ100において、対処タイミングが到来すると(ステップS33:Noを繰り返した後ステップS33:Yes(
図10参照))、通信部13は、対処者情報の要求を、対処者管理サーバ200に送信する(ステップS35)。
【0122】
対処者情報の要求が送信されると、対処者管理サーバ200において、通信部23は、その対処者情報の要求を受信する。対処者情報の要求が受信されると、対処者管理部70は、通信部23により受信された対処者情報の要求に対応する対処者情報を、対処者管理DB80から取得する(ステップS40)。そして、通信部23は、対処者管理部70により取得された対処者情報を、移動体管制サーバ100に送信する(ステップS45)。
【0123】
対処者情報が送信されると、移動体管制サーバ100において、通信部13は、その対処者情報を受信する(ステップS46)。そして、対処者決定部60は、通信部13により受信された対処者情報と、認識処理実行部50により実行された認識処理の結果とを用いて、対処者と移動体300とをマッチングさせる(ステップS50)。
【0124】
ステップS50の処理は、より具体的には、移動体300の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処する対処者を決定する処理であって、
図10に示されるステップS510の処理~ステップS540の処理を含んで構成される。
【0125】
ステップS50の処理が開始されると、対処者決定部60は、認識処理実行部50により実行された認識処理の結果として、特定の汚損又は破損が認識されたか否かを調べる(ステップS510)。
【0126】
ステップS510の処理において、特定の汚損又は破損が認識された場合に(ステップS510:Yes)、対処者決定部60は、対処者情報により示される対処者候補の中から、認識された特定の汚損又は破損に対応可能な対処者候補をスクリーニングする(ステップS520)。さらに、対処者決定部60は、認識処理実行部50により実行された認識処理の結果として認識された汚損又は破損の度合いに応じた対処時間で対処者候補をスクリーニングする(ステップS530)。
【0127】
ステップS510の処理において、特定の汚損又は破損が認識されなかった場合に(ステップS510:No)、対処者決定部60は、ステップS520の処理をスキップして、ステップS530の処理を行う。
【0128】
ステップS530の処理において対処者候補がスクリーニングされると、対処者決定部60は、スクリーニングされた対処者候補の中から対処者を決定する(ステップS540)。対処者決定部60は、決定した対処者が移動体300の内部を対処するための通知として、決定した対処者に対する移動体300への対処要求と、移動体300に対する対処場への移動要求とを出力する。
【0129】
対処要求が出力されると、移動体管制サーバ100において、通信部13は、その対処要求を、対処者管理サーバ200に送信する(ステップS55)。
【0130】
対処要求が送信されると、対処者管理サーバ200において、通信部23は、その対処要求を受信する。そして、対処者管理部70は、通信部23により受信された対処要求の内容で、対処者管理DB80を更新する(ステップS60)。通信部23は、その対処要求を、その対処要求の要求先である対処者の対処者端末400に送信する(ステップS65)。そして、対処者端末400は、送信された対処要求を受信し、受信した対処要求を、対処者端末400を利用するユーザに提示する(ステップS70)。
【0131】
一方で、移動体300に対する対処場への移動要求が出力されると、移動体管制サーバ100において、通信部13は、その移動要求を、移動体300に送信する(ステップS75)。
【0132】
移動要求が送信されると、移動体300において、通信部33は、その移動要求を受信する。そして、操縦部32は、移動要求に従って、移動体300を対処場へ移動させる(ステップS80)。
【0133】
[1-3.考察]
上述したように、情報処理システム1によると、移動体300の内部のセンシング結果から移動体300の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処する対処者が決定され、決定された対処者が移動体300の内部を対処するための通知が出力される。このため、適切な対処者に、移動体300の内部の汚損又は破損に対処させることができる。
【0134】
(実施の形態2)
以下、実施の形態1に係る情報処理システム1から、その構成の一部が変更された実施の形態2に係る情報処理システムについて説明する。
【0135】
[2-1.情報処理システムの構成]
図11は、実施の形態2に係る情報処理システム1Aの構成を示すブロック図である。以下では、情報処理システム1Aについて、実施の形態1に係る情報処理装置1と同様の構成要素については、既に説明済みであるとして同じ符号を振ってその詳細な説明を省略し、情報処理システム1との相違点を中心に説明する。
【0136】
図11に示されるように、情報処理システム1Aは、実施の形態1に係る情報処理システム1から、移動体管制サーバ100が移動体管制サーバ100Aに変更され、対処者端末400が対処者端末400Aに変更されて構成される。移動体管制サーバ100Aは、移動体管制サーバ100から、対処者決定部60が対処者決定部60Aに変更されて構成される。
【0137】
対処者決定部60Aは、認識処理実行部50により実行された認識処理の結果に従って、移動体300の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処する対処者を決定する。より具体的には、対処者決定部60Aは、認識処理の結果として認識された、移動体300の内部の汚損又は破損の状態、及び、移動体300の内部の汚損又は破損に対する対処予定時間を含む募集を対処者候補に提示し、提示した募集に対して応募してきた対処者候補を対処者に決定する。ここでは、対処者決定部60Aが募集を生成すると、通信部13は、生成された募集を、対象者候補が所有する対処者端末400に、対処者管理サーバ200を介して送信する。そして、通信部13が、送信した募集に呼応して対処者端末400から送信された、対処可否情報を含む応募を、対処者管理サーバ200を介して受信すると、対処者決定部60Aは、受信された応募に含まれる対処可否情報に基づいて、応募してきた対処者候補の中から対処者を決定する。
【0138】
ここで、汚損又は破損の状態は、例えば、認識処理の結果として認識された、汚損又は破損の種類、汚損又は破損の場所、汚損又は破損の場所の材質、又は汚損又は破損の度合いであってもよい。汚損の種類は、例えば、菓子のこぼれ、ドリンクのこぼし、ペットボトル等であり、破損の種類は、シートの繊維のほつれ、シートの穴等である。汚損又は破損の場所は、例えば、シート、床、窓、移動体300の外観等である。汚損又は破損の場所の材質は、例えば、革、布、木、プラスチック等である。汚損又は破損の度合いは、例えば、小、中、大等である。汚損又は破損の度合いには、例えば、汚損又は破損の度合いを決めるルールが含まれてもよい。当該ルールは、例えば、汚損又は破損してからの経過時間等である。汚損又は破損の度合いを決めるルールが複数ある場合には、汚損又は破損の度合いには、それら複数のルールが含まれてもよい。また、汚損又は破損の度合いは、移動体300の内部をセンシングするセンサの種類、センシングに関する情報等が含まれてもよい。ここで、センシングに関する情報は、例えば、センシング値、センシングの時間又は場所に関する情報等であってもよい。センシングの時間又は場所に関する情報は、例えば、画像を撮像した際の撮像情報に含まれる撮像時間又は撮像時の位置情報である。
【0139】
対処者決定部60Aは、例えば、対処予定時間を、移動体300の運用計画により予め定められた次回のサービス開始時刻に基づいて決定してもよい。この場合、対処者決定部60Aは、例えば、次回のサービス開始時刻が16時と定められている場合には、対処予定時間を16時までと決定してもよい。この場合、対処予定時間は、汚損又は破損に対処するための対処時間に基づいて決定されているわけではないので、必ずしも、対処予定時間内に全ての対処が完了するとは限らない。このため、対処者決定部60Aは、対処内容を選択してもよいし、対処内容に優先度をつけてもよい。対処内容を選択する、又は、対処内容に優先度をつける場合には、対処予定時間に、選択した対処内容を示す情報、又は、対処内容につけた優先度を示す情報を含める必要がある。例えば、汚損又は破損の度合いがより大きい方が選択されてもよい。また、例えば、汚損又は破損の度合いが閾値を超えているもの、又は閾値に比較的近いものが選択されてもよい。また、例えば、汚損又は破損の度合いがより大きい方の優先度が高くなるように設定されてもよい。また、例えば、より急いで対処することが望まれる対処内容の優先度がより高くなるように設定されてもよい。
【0140】
対処者決定部60Aは、例えば、対処予定時間を、認識処理の結果として認識された、汚損又は破損に基づいて決定してもよい。対処者決定部60Aは、例えば、認識処理の結果として、対処するために2時間かかる汚損又は破損が認識された場合には、対処予定時間を、対処開始から2時間後と決定してもよい。この場合にも、対処者決定部60Aは、対処内容を選択してもよいし、対処内容に優先度をつけてもよい。
【0141】
対処者決定部60Aは、例えば、対処予定時間を、汚損又は破損に対処するために予め割り当てられた所定期間に基づいて決定してもよい。対処者決定部60Aは、例えば、汚損又は破損に対処するために予め割り当てられた所定期間が、対処するための移動期間も含めて2時間である場合には、対処時間を、対処するための移動を開始してから2時間後と決定してもよい。この場合にも、対処者決定部60Aは、対処内容を選択してもよいし、対処内容に優先度をつけてもよい。
【0142】
対処予定時間の具体例として、例えば、対処開始時刻であってもよい。この場合、対処予定時間は、例えば、対処開始時刻が14時までであることを示す情報、又は対処開始時刻が14時から14時30分までであることを示す情報であってもよい。対処予定時間の具体例として、例えば、対処終了時刻であってもよい。この場合、対処予定時間は、例えば、対処終了時刻が15時までであることを示す情報、又は対処終了時刻が14時30分から15時までであることを示す情報であってもよい。対処予定時間の具体例として、例えば、対処期間であってもよい。この場合、対処予定時間は、例えば、対処開始から対処終了までの期間が14時から15時までであることを示す情報であってもよい。対処予定時間の具体例として、例えば、対処完了後に移動予定の移動先に到着する到着時刻であってもよい。この場合、対処予定時間は、例えば、対処完了後の移動先に到着する時刻が16時までであることを示す情報であってもよい。ここで、到着時刻とは、例えば、次のサービスの開始時刻、待機開始時刻である。対処予定時間を、対処完了後に移動予定の移動先に到着する到着時刻とする場合には、対処予定時間に、移動先の位置又は地域を示す情報を含める必要がある。このようにすることで、募集に応募する応募者は、移動先の移動時間等も考慮にいれて応募することができる。対処時間の具体例として、例えば、できるだけ早くということを示す情報であってもよい。この場合には、応募者は、対処時間を示す情報を含めて応募するとしてもよい。
【0143】
募集は、例えば、認識処理の結果として認識された、移動体300内部の汚損又は破損に対する対処に関わるコストをも含むとしてもよい。コストの具体例として、例えば、対処金額の範囲を示す情報、対処金額の下限を示す情報、対処金額の上限を示す情報等であってもよい。このようにすることで、所定の料金に収まるように、対処を依頼することができる。
【0144】
募集は、例えば、対処させたい地域に関する情報をも含むとしてもよい。このようにすることで、所定の地域内の対処者に対処を依頼することができる。
【0145】
募集は、例えば、対処希望の汚損又は破損に関する情報をも含むとしてよい。対処希望の汚損又は破損に関する情報は、例えば、対処を希望する汚損又は破損を示す情報、又は対処を希望しない汚損又は破損を示す情報であってもよい。このようにすることで、汚損又は破損の度合いが比較的大きいものに対してのみ対処を希望したり、汚損又は破損の度合いが比較的小さいものに対しは対処を希望しないようにしたりすることができる。さらには、例えば、繁忙期には、汚損又は破損の度合いが比較的大きなものに対してのみ対処を希望したり、汚損又は破損の度合いが比較的小さいものに対しては対処を希望しないようにしたりすることで、移動体300の稼働率を高めることができる。
【0146】
募集は、例えば、対処必須の汚損又は破損に関する情報、又は、対処必須でない汚損又は破損に関する情報をも含むとしてもよい。このようにすることで、移動体300の運用計画により、対処時間があまりとれない場合には、対処必須の汚損又は破損への対処を優先し、対処必須でない汚損又は破損への対処はできる範囲で対処するようにすることができる。対処必須の汚損又は破損は、例えば、汚損又は破損の度合いが「大」である汚損又は破損であるとしてもよいし、例えば、汚損又は破損の度合いが所定の閾値を超えている汚損又は破損であるとしてもよい。
【0147】
募集は、例えば、移動体の種別に関する情報をも含むとしてもよい。このようにすることで、応募者は、移動体の特徴も考慮に入れて応募することができる。
【0148】
募集は、例えば、移動体の現在位置に関する情報をも含むとしてもよい。このようにすることで、応募者は、移動体がいつ対処場に到着し、応募者自身が対処に費やすことができる時間を算出することができる。この場合、募集は、例えば、さらに、対処場への出発予定時間や、そのときの移動体の位置をも含むとしてもよい。
【0149】
対処者決定部60Aは、通信部13が対処可否情報を含む応募を受信した場合に、受信された募集に含まれる対処可否情報に基づいて、応募してきた対処者候補と移動体300とをマッチングさせる。そして、対処者決定部60Aは、マッチングの結果に基づいて、応募してきた対処者候補の中から対処者を決定する。
【0150】
対処可否情報は、例えば、対処可否を示す情報、対処場所を示す情報、対処時間を示す情報、対処内容を示す情報、又は対処料金を示す情報を含んでもよい。対処時間は、例えば、対処開始予定時刻、対処終了予定時刻、対処期間等である。対処内容は、対処可能な内容、対処不可能な内容等である。
【0151】
対処者決定部60Aは、例えば、所定の条件を記憶し、記憶する所定の条件を用いて、対処可否情報に基づいて、対処者を決定してもよい。
【0152】
所定の条件は、例えば、対処料金が最も安いという条件であってもよいし、対処時間が最も短いという条件であってもよいし、移動時間を含めた対処にかかる全ての時間が最も短いという条件であってもよいし、より多くの汚損又は破損に対応可能であるという条件であってもよい。
【0153】
対処者決定部60Aは、さらに、対処候補者のそれぞれについて、対処候補者が過去に対処した移動体300の利用者の満足度を取得し、対処者候補のそれぞれについて、取得した満足度に基づいて、対処者候補のスコアを算出し、対処者候補のそれぞれについてのスコアにも従って、対処者を決定してもよい。
【0154】
対処者端末400Aは、対処者が所有する端末である。対処者端末400Aは、対処者からの操作を受け付ける入力デバイスと、対処者に対して情報を出力する出力デバイスとを備え、通信可能な他の機器と通信する。入力デバイスは、例えば、タッチパネル、マイクである。出力デバイスは、例えば、液晶ディスプレイ又はスピーカ等の画像又は音声等を出力するデバイスである。通信可能な他の機器には、対処者管理サーバ200が含まれる。対処者端末400Aは、例えば、スマートフォンであってもよい。
【0155】
対処者端末400Aは、対処者管理サーバ200から募集を受信すると、受信した募集に呼応した、対処可否情報を含む応募を生成し、生成した応募を対処者管理サーバ200に送信する。
【0156】
対処者端末400Aは、例えば、対処者管理サーバ200から募集を受信すると、募集の内容を、対処者端末400Aを利用するユーザに提示し、提示に呼応してなされるユーザからの対処可否情報の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作に基づいて、対処可否情報を含む応募を生成してもよい。
【0157】
対処者端末400Aは、例えば、対処者管理サーバ200から募集を受信すると、募集に含まれる、移動体300の内部の汚損又は破損の状態、及び、移動体300の内部の汚損又は破損に対する対処予定時間に基づいて、対処の可否を判定する。そして、対処者端末400Aは、その判定結果に基づいて対処可否情報を含む応募を生成してもよい。この場合、対処者端末400Aは、例えば、移動体300の内部の汚損又は破損の度合いと、移動体300の内部の汚損又は破損に対処する対処時間とを対応付けたテーブル(以下、「第2テーブル」とも称する。)を記憶し、記憶する第2テーブルを参照して、対処の可否を決定してもよい。
【0158】
図12は、対処者端末400Aが記憶する第2テーブルの一例を示す模式図である。
【0159】
対処者端末400Aは、
図12に示される第2テーブルを記憶している場合において、募集を受信すると、第2テーブルを参照して、募集に含まれる移動体300の内部の汚損又は破損の度合いから、その汚損又は破損に対処する対処時間を算出する。対処者端末400Aは、算出した対処時間が、募集に含まれる、移動体300の内部の汚損又は破損に対する対処予定時間に収まるか否かを判定する。対処者端末400Aは、収まると判定した場合には、対処可と決定し、収まらないと判定した場合には対処不可と決定してもよい。
【0160】
対処者端末400Aは、例えば、移動体300の内部の汚損又は破損の種別と、移動体300の内部の汚損又は破損に対処する対処時間とを対応付けたテーブルを記憶し、記憶するテーブルを参照して、対処の可否を決定してもよい。また、例えば、対処者端末400Aは、移動体300の内部の汚損又は破損の場所と、移動体300の内部の汚損又は破損に対処する対処時間とを対応付けたテーブルを記憶し、記憶するテーブルを参照して、対処の可否を決定してもよい。また、例えば、対処者端末400Aは、移動体300の内部の汚損又は破損の場所と、移動体300の内部の汚損又は破損に対処する対処時間とを対応付けたテーブルを記憶し、記憶するテーブルを参照して、対処の可否を決定してもよい。また、例えば、対処者端末400Aは、移動体300の内部の汚損又は破損の場所の材質と、移動体300の内部の汚損又は破損に対処する対処時間とを対応付けたテーブルを記憶し、記憶するテーブルを参照して、対処の可否を決定してもよい。
【0161】
[2-2.情報処理システムの動作]
以下、上記構成の情報処理システム1Aの行う動作について説明する。
【0162】
情報処理システム1Aは、一例として、第2マッチング処理を行う。
【0163】
第2マッチング処理は、移動体管制サーバ100Aが、移動体300の内部のセンシング結果に従って、移動体300の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処する対処者を募集し、募集に応募する応募者の中から対処者を決定する処理である。
【0164】
以下、第2マッチング処理について、
図13及び
図14を参照しながら説明する。
【0165】
図13は、第2マッチング処理のシーケンス図である。
【0166】
図14は、第2マッチング処理において、移動体管制サーバ100Aが行う処理(以下、この処理のことを「第2移動体管制サーバ処理」とも称する)のフローチャートである。
【0167】
第2マッチング処理において、ステップS110の処理~ステップS130(
図13及び
図14参照)の処理、及びステップS133の処理(
図14参照)は、それぞれ、実施の形態1に係る第1マッチング処理における、ステップS10の処理~ステップS30の処理(
図9及び
図10参照)、及びステップS33の処理(
図10参照)に対して、移動体管制サーバ100を移動体管制サーバ100Aに読み替え、対処者決定部60を対処者決定部60Aに読み替え、対処者端末400を対処者端末400Aに読み替えた処理と同様の処理である。このため、ここでは、ステップS110の処理~ステップS130の処理、及び、ステップS133の処理は既に説明済みであるとしてその詳細な説明を省略し、ステップS135の処理~ステップS175の処理(
図13及び
図14参照)について説明する。
【0168】
移動体管制サーバ100において、対処タイミングが到来すると(ステップS133:Noを繰り返した後ステップS133:Yes(
図14参照))、対処者決定部60Aは、移動体300の運用計画と、認識処理実行部50により実行された認識処理の結果として認識された、移動体300の内部の汚損又は破損の状態とから、対処予定時間を算出する(ステップS135)。対処者決定部60Aは、移動体300の内部の汚損又は破損の状態、及び、移動体300の内部の汚損又は破損に対する対処予定時間を含む募集を生成する。
【0169】
募集が生成されると、通信部13は、生成された募集を対処者管理サーバ200に送信する(ステップS140)。
【0170】
移動体管制サーバ100Aから募集が送信されると、対処者管理サーバ200において、通信部23は、その募集を受信し、受信した募集を、対処者端末400Aに送信する。なお、ステップS140の処理において、通信部13は、生成された募集を対処者端末400Aに直接送信してもよく、この場合、通信部23は、募集を、対処者端末400Aに送信する必要はない。
【0171】
対処者管理サーバ200から募集が送信されると、対処者端末400Aはその募集を受信する。そして、対処者端末400Aは、受信した募集の内容を、対処者端末400Aを利用するユーザに提示し、提示に呼応してなされるユーザからの対処可否情報の入力操作を受け付ける(ステップS145)。
【0172】
対処可否情報の入力操作を受け付けると、対処者端末400Aは、受け付けた入力操作に基づいて、対処可否情報を含む応募を生成し、生成した応募を、対処者管理サーバ200に送信する(ステップS150)。
【0173】
対処者端末400Aから応募が送信されると、対処者管理サーバ200において、通信部23は、その応募を受信し、受信した応募を、移動体管制サーバ100Aに送信する。なお、ステップS150の処理において、対処者端末400Aは、生成された募集を移動体管理サーバ100Aに直接送信してもよく、この場合、通信部23は、応募を、移動体管制サーバ100Aに送信する必要はない。
【0174】
移動体管制サーバ100Aから応募が送信されると、移動体管制サーバ100Aにおいて、通信部13は、その応募を受信する。応募が受信されると、対処者決定部60Aは、受信された募集に含まれる対処可否情報に基づいて、応募してきた対処者候補と移動体300とをマッチングさせる。(ステップS155の処理の一部、すなわち
図14におけるステップS156)対処者決定部60Aは、対処者候補の中から、移動体300の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処する対処者を決定する(ステップS155の処理の一部、すなわち
図14におけるステップS157)。対処者決定部60Aは、決定した対処者が移動体300の内部を対処するための通知として、決定した対処者に対する移動体300への対処要求と、移動体300に対する対処場への移動要求とを、出力する。
【0175】
対処要求が出力されると、移動体管制サーバ100Aにおいて、通信部13は、その対処要求とマッチング結果とを、対処者管理サーバ200に送信する(ステップS160)。
【0176】
対処要求とマッチング結果とが送信されると、対処者管理サーバ200において、通信部23は、それら対処要求とマッチング結果とを受信する。通信部23は、受信した対処要求を、決定された対処者の所有する対処者端末400Aに送信し、受信したマッチング結果を、応募を送信した対処者端末400Aに送信する。対処者端末400Aは、送信された対処要求及びマッチング結果、又は、送信されたマッチング結果を受信する。対処者端末400Aは、受信した対処要求及びマッチング結果、又は、受信したマッチング結果を、対処者端末400Aを利用するユーザに提示する(ステップS165)。なお、ステップS160の処理において、通信部13は、生成された対処要求を、決定された対処者の所有する対処者端末400Aに直接送信し、マッチング結果を、応募を送信した対処者端末400Aに直接送信してもよい。この場合、通信部23は、対処要求及びマッチング結果を、対処者端末400Aに送信する必要はない。
【0177】
一方で、移動体300に対する対処場への移動要求が出力されると、移動体管制サーバ100Aにおいて、通信部13は、その移動要求を、移動体300に送信する(ステップS170)。
【0178】
移動要求が送信されると、移動体300において、通信部33は、その移動要求を受信する。そして、操縦部32は、移動要求に従って、移動体300を対処場へ移動させる(ステップS175)。
【0179】
[2-3.考察]
上述したように、情報処理システム1Aによると、移動体300の内部のセンシング結果から移動体300の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処する対処者が決定され、決定された対処者が移動体300の内部を対処するための通知が出力される。このため、適切な対処者に、移動体300の内部の汚損又は破損に対処させることができる。
【0180】
(他の実施の形態)
以上、本開示の1つまたは複数の態様に係る情報処理システムについて、実施の形態1及び実施の形態2に基づいて説明したが、本開示は、これら実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の1つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0181】
(1)実施の形態1において、情報処理システム1は、一例として、移動体管制サーバ100と対処者管理サーバ200との2つのサーバを含んで構成されるとして説明した。しかしながら、情報処理システム1は、移動体管制サーバ100と対処者管理サーバ200とにより実現される機能と同様の機能を実現することができれば、必ずしも、移動体管制サーバ100と対処者管理サーバ200とを含んで構成される例に限定される必要はない。情報処理システム1は、例えば、移動体管制サーバ100と対処者管理サーバ200とにより実現される機能と同様の機能を実現することができる1つのサーバを含んで構成されてもよい。例えば、情報処理システム1は、互いに協調して動作することで、移動体管制サーバ100と対処者管理サーバ200とにより実現される機能と同様の機能を実現することができる3つ以上のサーバを含んで構成されてもよい。
【0182】
(2)実施の形態1において、情報処理システム1は、一例として、移動体管制サーバ100が、認識処理を実行し、対処者を決定する構成であるとして説明した。しかしながら情報処理システム1は、認識処理を実行し、対処者を決定することができれば、必ずしも、移動体管制サーバ100が、認識処理を実行し、対処者を決定する構成に限定される必要はない。情報処理システム1は、例えば、移動体300が、認識処理の一部または全部を実行する構成であってもよいし、対処者を決定する処理の一部又は全部を実行する構成であっても構わない。
【0183】
(3)移動体管制サーバ100、対処者管理サーバ200、移動体300、対処者端末400が備える構成要素の一部又は全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含んで構成されるコンピュータシステムである。ROMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0184】
なお、ここでは、システムLSIとしたが、集積度の違いにより、IC、LSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、あるいはLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブルプロセッサを利用してもよい。
【0185】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0186】
(4)本開示の一態様は、このような情報処理システムだけではなく、情報処理システムに含まれる特徴的な構成部をステップとする情報処理方法であってもよい。また、本開示の一態様は、情報処理方法に含まれる特徴的な各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであってもよい。また、本開示の一態様は、そのようなコンピュータプログラムが記録された、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体であってもよい。
【0187】
(5)実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウエアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0188】
本開示は、移動体を運用するシステムに広く利用可能である。
【符号の説明】
【0189】
1、1A 情報処理システム
10、20、30 制御部
11、21 表示部
12、22 操作部
13、23、33 通信部
14 移動体管理部
15 移動体管理DB
31 センシング部
32 操縦部
40 取得部
50 認識処理実行部
60、60A 対処者決定部
70 対処者管理部
80 対処者管理DB
100、100A 移動体管制サーバ
200 対処者管理サーバ
300 移動体
400、400A 対処者端末