(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024040
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】組立玩具セットおよび組立玩具セット用の組立要素
(51)【国際特許分類】
A63H 18/02 20060101AFI20240214BHJP
A63H 33/08 20060101ALI20240214BHJP
A63H 33/00 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
A63H18/02 A
A63H33/08 Z
A63H33/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023223723
(22)【出願日】2023-12-28
(62)【分割の表示】P 2020038028の分割
【原出願日】2019-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】石黒 知美
(72)【発明者】
【氏名】小川 真優子
(72)【発明者】
【氏名】村上 誠司
(72)【発明者】
【氏名】奈良岡 良介
(57)【要約】
【課題】興趣性を向上させた組立玩具セットを提供する。
【解決手段】組立玩具セットは、第1軌道部25を有する2個の第1組立要素20と、第2軌道部114を有し、前記第1組立要素とは形状が異なる第2組立要素110と、第2軌道部124を有する第2組立要素120とを含み、2個の第1組立要素20と第2組立要素110および120とを併設した状態において第1軌道部25と第2軌道部114および124とによって物品200を移動可能な移動経路部310を構築できるように構成されている。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組立玩具セットであって、
第1軌道部を有する少なくとも1個の第1組立要素と、前記第1軌道部とは態様が異なる第2軌道部を有し、前記第1組立要素とは形状が異なる少なくとも1個の第2組立要素とを含み、
前記第1組立要素と前記第2組立要素とを併設した状態において前記第1軌道部と前記第2軌道部とによって物品を移動可能な移動経路部を構築できるように構成されている、
組立玩具セット。
【請求項2】
前記併設した状態は、前記第1組立要素と前記第2組立要素とが接触した状態と、前記第1組立要素と前記第2組立要素とが近接した状態と、前記第1組立要素と前記第2組立要素とが連結された状態のいずれかである、
請求項1に記載の組立玩具セット。
【請求項3】
前記併設した状態は、前記物品が前記第2軌道部から前記第1軌道部に移動する場合、前記第2軌道部が位置する高さよりも前記第1軌道部が位置する高さが低くなる状態を含む、
請求項1または2に記載の組立玩具セット。
【請求項4】
前記併設した状態は、前記物品が前記第1軌道部から前記第2軌道部に移動する場合、前記第1軌道部が位置する高さよりも前記第2軌道部が位置する高さが低くなる状態を含む、
請求項1または2に記載の組立玩具セット。
【請求項5】
前記移動経路部が、併設された複数個の前記第1組立要素を含む場合、前記複数個の第1組立要素は各々の第1軌道部によって連続する軌道部を形成するように構成される、
請求項1~4のいずれか1項に記載の組立玩具。
【請求項6】
前記移動経路部が、併設された複数個の前記第2組立要素を含む場合、前記複数個の第2組立要素は各々の第2軌道部によって連続する軌道部を形成するように構成される、
請求項1~5のいずれか1項に記載の組立玩具。
【請求項7】
前記移動経路部における前記物品の移動は、前記物品の自重による移動である、
請求項1~6のいずれか1項に記載の組立玩具セット。
【請求項8】
前記物品は、転動を可能とした球状物品である、
請求項7に記載の組立玩具セット。
【請求項9】
前記第1軌道部と前記第2軌道部は各々の断面形状が異なる、
請求項1~8のいずれか1項に記載の組立玩具セット。
【請求項10】
前記第1軌道部と前記第2軌道部は溝から成る、
請求項9に記載の組立玩具セット。
【請求項11】
前記第1軌道部の最大幅は、前記第2軌道部の最大幅よりも小さい、
請求項10に記載の組立玩具セット。
【請求項12】
前記第1軌道部の最大深さは、前記第2軌道部の最大深さよりも小さい、
請求項10または11に記載の組立玩具セット。
【請求項13】
前記第1軌道部を前記物品が移動するときの該第1軌道部と該物品との接触状態は、前記第2軌道部を前記物品が移動するときの接触状態とは異なる、
請求項9~12のいずれか1項に記載の組立玩具セット。
【請求項14】
前記物品が転動を可能とした球状物品である場合、前記球状物品は、前記第1軌道部を2点接触状態で移動可能であり、前記第2軌道部を1点接触状態で移動可能である、
請求項13に記載の組立玩具セット。
【請求項15】
前記第1軌道部の最大幅は前記球状物品の直径よりも小さく、前記第2軌道部の最大幅は前記球状物品の直径よりも大きい、
請求項14に記載の組立玩具セット。
【請求項16】
前記第1組立要素は、連結部と、前記連結部が着脱可能に連結する第1被連結部とを有し、
前記第2組立要素は、前記第1組立要素の前記連結部が着脱可能に連結する第2被連結部を有する、
請求項1~15に記載の組立玩具セット。
【請求項17】
前記第1組立要素の前記連結部は、少なくとも1つの凸部から成り、
前記第1組立要素の前記第1被連結部と前記第2組立要素の第2被連結部は、前記少なくとも1つの凸部が連結可能な凹部から成る、
請求項16に記載の組立玩具セット。
【請求項18】
前記第1組立要素には少なくとも2つの膨出部が形成され、
前記第1組立要素の前記凹部の少なくとも一部は、前記膨出部の少なくとも一部により形成され、
前記第1軌道部は、隣接する前記膨出部の間に位置し、
前記第1軌道部の少なくとも一部は、前記膨出部の少なくとも一部により形成される、
請求項17に記載の組立玩具セット。
【請求項19】
前記第1組立要素の前記連結部は、各々の中心を結ぶ線が正方形となる4つの凸部から成り、
前記第1組立要素の前記第1被連結部と前記第2組立要素の第2被連結部は、前記4つの凸部のうちの4つ、2つおよび1つが選択的に連結可能な凹部から成る、
請求項17または18に記載の組立玩具セット。
【請求項20】
前記第1組立要素は外観が6面体状で、前記連結部は1つの面に設けられ、前記第1被連結部は前記連結部が設けられた面と相対する面に設けられ、前記第1軌道部は残りの4面のうちの少なくとも1つに設けられており、
前記第2組立要素は外観が6面体状で、前記第2軌道部は1つの面に設けられ、前記第2被連結部は前記第2軌道部が設けられた面と相対する面に設けられている、
請求項16~19のいずれか1項に記載の組立玩具セット。
【請求項21】
前記第1組立要素は、前記連結部が設けられた面と前記第1被連結部が設けられた面を除く4面が長方形状を成す6面体状であり、前記第1軌道部は前記4面それぞれに設けられている、
請求項18に記載の組立玩具セット。
【請求項22】
前記第1組立要素は、前記連結部が設けられた面と前記第1被連結部が設けられた面を除く4面のうちの2つが直角台形状を成す6面体状であり、前記第1軌道部は前記4面のうちの最も長い面に設けられている、
請求項20に記載の組立玩具セット。
【請求項23】
請求項1~22のいずれか1項に記載の組立玩具セット用の第1組立要素。
【請求項24】
請求項1~22のいずれか1項に記載の組立玩具セット用の第2組立要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を移動可能な移動経路部を構築可能な組立玩具セットと、当該組立玩具セット用の組立要素に関する。
【背景技術】
【0002】
後記特許文献1には、複数の結合ピンと3以上の溝を上面に有し、かつ、複数のソケットを下面に有するブロックを用いて、球体が転がるコースを構築できるようにしたブロック玩具が開示されている。このブロック玩具は複数の同形状のブロックを組み合わせて各々の溝を利用してコースを構築するものであるため、十分な興趣を使用者に供与することは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、興趣性を向上させた組立玩具セットおよび組立玩具セット用の組立要素を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る組立玩具セットは、第1軌道部を有する少なくとも1個の第1組立要素と、前記第1軌道部と態様が異なる第2軌道部を有し、前記第1組立要素とは形状が異なる少なくとも1個の第2組立要素とを含み、前記第1組立要素と前記第2組立要素とを併設した状態において前記第1軌道部と前記第2軌道部とによって物品を移動可能な移動経路部を構築できるように構成されている。また、本発明に係る組立玩具セット用の組立要素は、前掲の第1組立要素、または、前掲の第2組立要素である。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る組立玩具および組立玩具セット用の組立要素によれば、興趣性を向上させた組立玩具セットおよび組立玩具セット用の組立要素を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1(A)~
図1(C)は第1組立要素の第1例に係る側面図、上面図および下面図である。
【
図2】
図2(A)~
図2(C)は第1組立要素の第2例に係る側面図、上面図および下面図である。
【
図3】
図3(A)~
図3(C)は第1組立要素の第3例に係る側面図、上面図および下面図である。
【
図4】
図4(A)~
図4(D)は第2組立要素の第1例に係る側面図、上面図おより下面図である。
【
図5】
図5(A)~
図5(C)は第2組立要素の第2例に係る側面図、上面図おより下面図である。
【
図6】
図6(A)~
図6(D)は第2組立要素の第3例に係る側面図、上面図おより下面図である。
【
図7】
図7(A)~
図7(C)は第2組立要素の基本的な併設方法の説明図である。
【
図8】
図8(A)~
図8(D)は移動経路部の第1例に係る側面図および上面図である。
【
図9】
図9(A)~
図9(D)は移動経路部の第2例に係る側面図および上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に係る組立玩具セットは、第1軌道部を有する少なくとも1個の第1組立要素と、第1軌道部と態様が異なる第2軌道部を有し、え第1組立要素とは形状が異なる少なくとも1個の第2組立要素とを含み、第1組立要素と第2組立要素とを併設した状態において第1軌道部と第2軌道部とによって物品を移動可能な移動経路部を構築できるように構成されている。以下に、第1組立要素、第2組立要素および移動経路部等の好ましい形態について説明する。
【0009】
《第1組立要素》
まず、
図1~
図3を用いて、本発明に係る組立玩具セットに含まれる第1組立要素の構成について説明する。ここでは、便宜上、
図1(A)と
図2(A)と
図3(A)それぞれの手前側を前、奥側を後、上側を上、下側を下、左側を左、右側を右と表記する。
【0010】
図1(A)~
図1(C)は第1組立要素の第1例(第1組立要素10)を示す。この第1組立要素10は、上面11と4つの側面(前面、後面、左面および右面)12-1~12-4と下面13とを有する6面体状であって、上面11と下面13の外郭は正方形状であり、4つの側面12-1~12-4の外郭は横長の長方形状である。また、4つの側面12-1~12-4の境界箇所それぞれには、上面11から下面13に及ぶ面取り部12aが形成されている。
【0011】
第1組立要素10の上面11には、各々の中心を結ぶ線が正方形となる4個の凸部が一体に形成されていて、当該4つの凸部は連結部14を構成している。各凸部は直径が等しく、かつ、上下方向寸法が等しい円柱状であり、各凸部の中心は上面11の対角線上に位置していて上面11の中心との間隔は等しく、角度間隔は上面視において90度である。
【0012】
第1組立要素10の各側面12-1~12-4の左右方向および前後方向の中央には、上面11から下面13に及ぶ溝が形成されていて、当該溝それぞれは第1軌道部15を構成している。本実施の形態においては、第1軌道部15を構成する各溝の断面形状はサイズが等しい等脚台形状であるものとして記載しているが、各側面の断面形状のサイズが異なる溝とすることも可能である。各側面の断面形状のサイズが異なる場合には、断面形状のサイズに応じた軌道部を構成可能であり、1つの組立要素で多様な軌道部を提供することが可能となる。
【0013】
第1組立要素10の下面13(即ち、上面11が設けられた面と相対する面)には、円柱状(または円筒状)の区画部17を中央に有する凹部が形成されていて、当該凹部は第1被連結部16を構成している。凹部および区画部17の上下方向寸法は前記4つの凸部の上下方向寸法よりも僅かに大きく、しかも、上面視において区画部17の中心は上面11の中心と一致しているため、区画部27の周囲には前記4つの凸部を着脱可能に連結する4つの凹所が連続して存在する。
【0014】
すなわち、第1組立要素10は、4つの凸部から成る連結部15を上面11側に有するとともに、当該連結部15が着脱可能に連結する凹部から成る第1被連結部16を下面13側に有している。第1被連結部16には、連結部15を構成する4つの凸部のうちの4つ、2つおよび1つが選択的に連結可能である。ここで、4つの側面12-1~12-4の境界箇所それぞれには、上面11から下面13に及ぶ面取り部12aが形成されているが、面取り部12aには、凹部の形状に応じて膨らんだ膨出部(符号省略)が形成されている。即ち、凹部から成る第1被連結部16は、この膨出部の少なくとも一部により形成されているともいえる。また、第1軌道部15を構成する各溝は、隣接する膨出部の間に位置し、第1軌道部15の少なくとも一部は、膨出部の少なくとも一部により形成されているともいえる。
【0015】
図2(A)~
図2(C)は第1組立要素の第2例(第1組立要素20)を示す。この第1組立要素20は、上面21と4つの側面(前面、後面、左面および右面)22-1~22-4と下面23とを有する6面体状であって、上面21と下面23の外郭は正方形状であり、4つの側面22-1~22-4の外郭は横長の長方形状である。また、4つの側面22-1~22-4の境界箇所それぞれには、上面21から下面23に及ぶ面取り部22aが形成されている。
【0016】
第1組立要素20の上面21には、各々の中心を結ぶ線が正方形となる4個の凸部が一体に形成されていて、当該4つの凸部は連結部24を構成している。各凸部は直径が等しく、かつ、上下方向寸法が等しい円柱状であり、各凸部の中心は上面21の対角線上に位置していて上面21の中心との間隔は等しく、角度間隔は上面視において90度である。本実施の形態においては、、連結部24を構成する4つの凸部の態様は、前記第1組立要素10の連結部14と同じである。
【0017】
第1組立要素20の各側面22-1~22-4の左右方向および前後方向の中央には、上面21から下面23に及ぶ溝が形成されていて、当該溝それぞれは第1軌道部25を構成している。本実施の形態においては、第1軌道部25を構成する各溝の断面形状はサイズが等しい等脚台形状であるものとして記載しているが、各側面の断面形状のサイズが異なる溝とすることも可能である。また、当該断面形状は前記第1組立要素10の第1軌道部15と同じである。
【0018】
第1組立要素20の下面23(即ち、上面21が設けられた面と相対する面)には、円柱状(または円筒状)の区画部27を中央に有する凹部が形成されていて、当該凹部は第1被連結部26を構成している。凹部および区画部27の上下方向寸法は前記4つの凸部の上下方向寸法よりも僅かに大きく、しかも、上面視において区画部27の中心は上面21の中心と一致しているため、区画部27の周囲には前記4つの凸部を着脱可能に連結する4つの凹所が連続して存在する。本実施の形態においては、、第1被連結部26を構成する4つの凹所の態様は、前記第1組立要素10の第1被連結部16と同じである。
【0019】
すなわち、第1組立要素20は、4つの凸部から成る連結部25を上面21側に有するとともに、当該連結部25が着脱可能に連結する凹部から成る第1被連結部26を下面23側に有している。第1被連結部26には、連結部25を構成する4つの凸部のうちの4つ、2つおよび1つが選択的に連結可能である。ここで、4つの側面22-1~22-4の境界箇所それぞれには、上面21から下面23に及ぶ面取り部22aが形成されているが、面取り部22aには、凹部の形状に応じて膨らんだ膨出部(符号省略)が形成されている。即ち、凹部から成る第1被連結部26は、この膨出部の少なくとも一部により形成されているともいえる。また、第1軌道部25を構成する各溝は、隣接する膨出部の間に位置し、第1軌道部25の少なくとも一部は、膨出部の少なくとも一部により形成されているともいえる。
【0020】
本実施の形態においては、第1組立要素20は、その連結部24を除く上下方向寸法を、
図1に示した第1組立要素10の連結部14を除く上下方向寸法の2倍としたものである。すなわち、第1組立要素20は、第1組立要素10の2倍の上下方向寸法を得るときに有用である。
【0021】
図3(A)~
図3(C)は第1組立要素の第3例(第1組立要素30)を示す。この第1組立要素3020は、上面31と4つの側面(前面、後面、左面および右面)32-1~32-4と下面33とを有する6面体状であって、上面31の外郭は正方形状であり、下面33の外郭は横長の長方形状であり、前面32-1および後面32-2の外郭は直角台形状であり、左面32-3および右面32-4の外郭は縦長の長方形状である。本実施の形態においては、、左面32-3は平坦な面でなく、湾曲した面から成る。また、4つの側面32-1~32-4の境界箇所それぞれには、上面31から下面33に及ぶ面取り部32aが形成されている。
【0022】
第1組立要素30の上面31には、各々の中心を結ぶ線が正方形となる4個の凸部が一体に形成されていて、当該4つの凸部は連結部34を構成している。各凸部は直径が等しく、かつ、上下方向寸法が等しい円柱状であり、各凸部の中心は上面31の対角線上に位置していて上面31の中心との間隔は等しく、角度間隔は上面視において90度である。本実施の形態においては、、連結部34を構成する4つの凸部の態様は、前記第1組立要素10および20の連結部14および24と同じである。
【0023】
第1組立要素30の前面32-1および後面32-2の右側には、上面31から下面33に及ぶ溝35-1が形成されている他、これよりも上下方向寸法が小さい2つの溝35-2が溝35-1の左側に2つ形成されている。また、第1組立要素30の左面32-3の前後方向中央には、上面31から下面33に及ぶ溝35-3が形成され、右面32-4の前後方向中央には、上面31から下面33に及ぶ溝35-4が形成されている。本実施の形態においては、各溝35-1~35-4の断面形状はサイズが等しい等脚台形状であるものとして記載しているが、各溝の断面形状のサイズを異なるようにすることも可能である。が、また、本実施の形態においては、第1組立要素30にあっては最も長い左面32-3の溝35-3のみが第1軌道部(以下、第1軌道部35-3と言う)としているが、組立要素同士のレイアウトを工夫することで、溝35-3以外の溝を第1軌道部とも可能である。また、本実施の形態においては、第1軌道部35-3の断面形状は前記第1組立要素10および20の第1軌道部15および25と同じであるものとして記載しているが、各軌道部の断面形状のサイズが異なるようにすることも可能であり、種類の異なる組立要素を適宜組み立てることにより、より多様な軌道部を提供することが可能となる。。
【0024】
第1組立要素30の下面33(即ち、上面31が設けられた面と相対する面)には、円柱状(または円筒状)の区画部37を左右に間隔をおいて2個有する凹部が形成されていて、当該凹部は第1被連結部36を構成している。凹部および区画部37の上下方向寸法は前記4つの凸部の上下方向寸法よりも僅かに大きく、しかも、上面視における右側の区画部37の中心は上面31の中心と一致しており、左側の区画部37と右側の区画部37との間隔が凸部の直径の2倍であるため、右側の区画部37の周囲には前記4つの凸部を着脱可能に連結する4つの凹所が連続して存在し、右側の区画部37の周囲にも前記4つの凸部を着脱可能に連結する4つの凹所が連続して存在する。本実施の形態においては、、第1被連結部36を構成する8つの凹所の態様は、前記第1組立要素10および20の第1被連結部16および26と同じである。
【0025】
すなわち、第1組立要素30は、4つの凸部から成る連結部35を上面31側に有するとともに、当該連結部35が着脱可能に連結する凹部から成る第1被連結部36を下面33側に有している。第1被連結部36には、連結部35を構成する4つの凸部のうちの4つ、2つおよび1つが選択的に連結可能である。ここで、4つの側面32-1~32-4の境界箇所それぞれには、上面31から下面33に及ぶ面取り部32aが形成されているが、面取り部32aには、凹部の形状に応じて膨らんだ膨出部(符号省略)が形成されている。即ち、凹部から成る第1被連結部36は、この膨出部の少なくとも一部により形成されているともいえる。また、第1軌道部35を構成する各溝は、隣接する膨出部の間に位置し、第1軌道部35-3の少なくとも一部は、膨出部の少なくとも一部により形成されているともいえる。
【0026】
本実施の形態においては、第1組立要素30は、その連結部34を除く上下方向寸法を、
図1に示した第1組立要素10の連結部14を除く上下方向寸法の6倍とし、下面33の左右方向寸法を
図1に示した第1組立要素10の下面13の左右方向寸法の2倍とし、左面32-3を湾曲したものとして当該左面32-3のみに第1軌道部35-3を設けたものである。すなわち、第1組立要素30は、第1組立要素10の6倍の上下方向寸法を得るときに有用である。
【0027】
《第2組立要素》
次に、
図4~
図6を用いて、本発明に係る組立玩具セットに含まれる第1組立要素の構成について説明する。ここでは、便宜上、
図4(A)と
図5(A)と
図6(A)それぞれの手前側を前、奥側を後、上側を上、下側を下、左側を左、右側を右と表記する。
【0028】
図4(A)~
図4(D)は第2組立要素の第1例(第2組立要素110)を示す。この第2組立要素110は、上面111と4つの側面(前面、後面、左面および右面)112-1~112-4と下面113とを有する6面体状であって、上面111と4つの側面112-1~112-4と下面113の外郭は横長の長方形状である。
【0029】
第2組立要素110の上面111の前後方向中央には、左面112-3から右面112-4に及ぶ溝が形成されていて、当該溝は第2軌道部114を構成している。本実施の形態においては、溝の断面形状は半円状であり、その最大幅および最大深さは、前述の第1組立要素10、20および30の第1軌道部15、25および35-3の最大幅と最大深さよりも大きい。
【0030】
第2組立要素110の下面113(即ち、第2軌道部110が設けられた面と相対する面)には、円柱状(または円筒状)の区画部116を左右に間隔をおいて5個有する凹部が形成されていて、当該凹部は第2被連結部115を構成している。凹部および区画部116の上下方向寸法が、前述の第1組立要素10、20および30の連結部14、24および34を構成する4つの凸部の上下方向寸法よりも僅かに大きく、しかも、凹部の前後方向寸法と区画部116の直径および位置が、前述の第1組立要素10、20および30の第1被連結部16、26および36を構成する凹部の前後方向寸法と区画部17、27および37の直径および位置と同じであるため、各区画部116の周囲には、前述の第1組立要素10、20および30の連結部14、24および34を構成する4つの凸部を着脱可能に連結する4つの凹所(
図4(C)に2点鎖線で描いた円を参照)が連続して存在する。
【0031】
図5(A)~
図5(C)は第2組立要素の第2例(第2組立要素120)を示す。この第2組立要素120は、上面121と4つの側面(前面、左面、内側面および外側面)122-1~122-4と下面123とを有する6面体状であって、上面121および下面123の外郭はL字状であり、前面122-1および左面112-2の外郭は横長の長方形状であって前面122-1と左面112-2には90度の角度差がある。
【0032】
第2組立要素120の上面121の中央には、前面122-1から左面122-2に及ぶ湾曲した溝が形成されていて、当該溝は第2軌道部124を構成している。溝の断面形状は半円状であり、その最大幅および最大深さは、前述の第1組立要素10、20および30の第1軌道部15、25および35-3の最大幅と最大深さよりも大きい。本実施の形態においては、第2軌道部124の断面形状は前記第2組立要素110の第2軌道部114と同じである。
【0033】
第2組立要素120の下面123(即ち、第2軌道部120が設けられた面と相対する面)には、円柱状の区画部126を前面側部分と左面側部分に各々2個有する凹部が形成されていて、当該凹部は第2被連結部125を構成している。凹部および区画部126の上下方向寸法が、前述の第1組立要素10、20および30の連結部14、24および34を構成する4つの凸部の上下方向寸法よりも僅かに大きく、しかも、凹部の前面側部分の左右方向寸法および左面側部分の前後方向寸法と区画部126の直径および位置が、前述の第1組立要素10、20および30の第1被連結部16、26および36を構成する凹部の前後方向寸法と区画部17、27および37の直径および位置と同じであるため、各区画部126(内側の区画部126を除く)の周囲には、前述の第1組立要素10、20および30の連結部14、24および34を構成する4つの凸部を着脱可能に連結する4つの凹所(
図5(C)に2点鎖線で描いた円を参照)が連続して存在する。
【0034】
図6(A)~
図6(D)は第2組立要素の第3例(第2組立要素130)を示す。この第2組立要素130は、上面131と4つの側面(前面、後面、左面および右面)132-1~113-4と下面133とを有する6面体状であって、上面131と左面132-3と右面132-4と下面133の外郭は横長の長方形状であり、前面132-1と後面132-2の外郭は中央が湾曲した形状であって左面側部分と右面側部分には寸法Vdの高低差がある。本実施の形態においては、、この寸法Vdは、第1組立要素20の連結部24を除く上下方向寸法に一致している。
【0035】
第2組立要素130の上面131の中央には、左面132-3から右面132-4に及ぶ溝が形成されていて、当該溝は第2軌道部134を構成している。溝の断面形状は半円状であり、その最大幅および最大深さは、前述の第1組立要素10、20および30の第1軌道部15、25および35-3の最大幅と最大深さよりも大きい。本実施の形態においては、第2軌道部134の断面形状は前記第2組立要素110および120の第2軌道部114および124と同じである。
【0036】
第2組立要素130の下面133(即ち、第2軌道部130が設けられた面と相対する面)には、円柱状の区画部136を左面側部分と右面側部分に各々2個有する凹部が形成されていて、当該凹部は第2被連結部135を構成している。凹部および区画部136の上下方向寸法が、前述の第1組立要素10、20および30の連結部14、24および34を構成する4つの凸部の上下方向寸法よりも僅かに大きく、しかも、凹部の前後方向寸法と区画部136の直径および位置が、前述の第1組立要素10、20および30の第1被連結部16、26および36を構成する凹部の前後方向寸法と区画部17、27および37の直径および位置と同じであるため、各区画部136(内側の区画部136を除く)には、前述の第1組立要素10、20および30の連結部14、24および34を構成する4つの凸部を着脱可能に連結する4つの凹所(
図6(C)に2点鎖線で描いた円を参照)が連続して存在する。
【0037】
《第2組立要素の基本的な併設方法》
次に、
図7を用いて、前述の第2組立要素110、120および130の基本的な併設方法について説明する。
【0038】
図7(A)は2個の第2組立要素110を1個の第1組立要素10を用いて直線的に併設したものであって、当該併設は、左側の第2組立要素110の第2被接続部115の最も右側の2つの凹所を第1組立要素10の連結部14を構成する4つの凸部のうちの左側の2つに連結し、右側の第2組立要素110の第2被接続部115の最も左側の2つの凹所を第1組立要素10の連結部14を構成する4つの凸部のうちの右側の2つに連結する、ことによって行うことができる。
【0039】
この併設方法では、左側の第2組立要素110の右面と右側の第2組立要素110の左面が整合した状態で接触または近接するため、左側の第2組立要素110の第2軌道部114と右側の第2組立要素110の第2軌道部114とが直線的に連続した軌道部を形成することができる。
【0040】
図7(B)は2個の第2組立要素110を2個の第1組立要素10を用いて直線的に併設したものであって、当該併設は、左側の第2組立要素110の第2被接続部115の最も右側の4つの凹所を第1組立要素10の連結部14を構成する4つの凸部に連結し、右側の第2組立要素110の第2被接続部115の最も左側の4つの凹所を第1組立要素10の連結部14を構成する4つの凸部に連結して、左側の第2組立要素110の右面と右側の第2組立要素110の左面とを整合状態で接触または近接させる、ことによって行うことができる。
【0041】
この併設方法では、左側の第2組立要素110の右面と右側の第2組立要素110の左面が整合した状態で接触または近接するため、左側の第2組立要素110の第2軌道部114と右側の第2組立要素110の第2軌道部114とが直線的に連続した軌道部を形成することができる。
【0042】
図7(C)は2個の第2組立要素110を1個の第1組立要素10を用いて角度差が生じるように併設したものであって、当該併設は、第1組立要素10を上面視で45度回転させておき、左側の第2組立要素110の第2被接続部115の最も右側の角にある1つの凹所を第1組立要素10の連結部14を構成する4つの凸部のうちの左側の1つに連結し、右側の第2組立要素110の第2被接続部115の最も左側の角にある1つの凹所を第1組立要素10の連結部14を構成する4つの凸部のうちの右側の1つに連結する、ことによって行うことができる。
【0043】
この併設方法では、左側の第2組立要素110の右面と右側の第2組立要素110の左面が角度差をもって近接するため、左側の第2組立要素110の第2軌道部114と右側の第2組立要素110の第2軌道部114と近接する第2組立要素110の間に位置する連結部14とにより、所定角度で軌道方向が変化するように連続する軌道部を形成することができる。
【0044】
図示を省略したが、前述の併設方法は、第1組立要素10を前述の第1組立要素20または30に変えた場合や、第2組立要素110を前述の第2組立要素120または130に変えた場合でも同様に行うことができる。また、
図7(B)からも分かるように、前述の第1組立要素10、20および30は、前述の第2組立要素110、120および130の高さ位置を調整することにより、第2軌道の高さ位置を調整するものとしても利用することができる。
【0045】
《移動経路部》
次に、
図8および
図9を用いて、前述の第1組立要素10、20および30と前述の第2組立要素110、120および130とを適宜組み合わせて、第1軌道部(15、25および35-3)と第2軌道部(114、124および134)とによって物品を移動可能な移動経路部を構築した場合の構成および機能について説明する。
【0046】
後述の移動経路部310および320は、自重によって移動可能で、かつ、転動を可能とした球状物品200を移動対象とするものである。本実施の形態においては、
図8および
図9に例示した球状物品200は、その直径が、第1軌道部15、25および35-3の最大幅よりも小さく、かつ、第2軌道部114、124および134の最大幅よりも大きい。
【0047】
加えて、球状物品200を移動対象とする場合、第2組立要素110の第2軌道部114は球状物品200を直線的に移動させるのに適し、第2組立要素120の第2軌道部124は球状物品200を非直線的に移動、例えば、移動向きを変更するのに適し、第2組立要素130は高さ変化を伴う移動を行う場合に適している。
【0048】
図8(A)は移動経路部の第1例(移動経路部310)を示す。この移動経路部310は、2個の第1組立要素10と、3個の第1組立要素20と、1個の第2組立要素110と、1個の第2組立要素120とによって構成されている。
【0049】
移動経路部310の構築は、2個の第1組立要素10を連結して上側の第1組立要素10の連結部14を構成する4つの凸部のうちの左側の2つを第2組立要素110の第2被接続部115の最も右側の2つの凹所に連結し、かつ、右側2つを第2組立要素120の第2被接続部125の最も左側の2つの凹所に連結し、第1組立要素20の連結部24を構成する4つの凸部を第2組立要素110の第2被接続部115の最も左側の4つの凹所に連結して、2個連結の第1組立要素10の下面と1個の第1組立要素20の下面を平坦面FSに載置するとともに、2個の第1組立要素20を連結して各々の第1軌道部25が上を向くように90度傾けて平坦面FSに載置し、2個連結の第1組立要素20の右端を第2組立要素110および第1組立要素20の左端に接触させる、ことによって行うことができる。
【0050】
この移動経路部310は、
図8(B)の右から左に向かって、第2組立要素120の第2軌道部124と、第2組立要素110の第2軌道部114と、2個の第1組立要素20の第1軌道部25から成る連続軌道部(符号省略)と、が並んで構成されているため、第2組立要素120の第2軌道部124に送り込まれた球状物品200を、
図8(B)に矢印で示したように移動させることができる。
【0051】
すなわち、第2軌道部124および114の最大幅が球状物品20の直径よりも大きく、第1軌道部25の最大幅が球状物品20の直径よりも小さい場合、球状物品20と第1軌道部25との接触状態と球状物品20と第2軌道部124および114との接触状態とは異なり、球状物品20は、第1軌道部25と第2軌道部124および114とを異なる接触状態で移動する。具体的には、球状物品200は、第2軌道部124および114を1点接触状態で転がりながら移動し、第2軌道部114から第1軌道部25に移行し、連続した2つの第1軌道部25を2点接触状態で転がりながら移動し得る。
【0052】
また、
図8(C)に示したように、移動経路部310を構成する第2組立要素110の第2軌道部114が位置する高さよりも第1組立要素20の第1軌道部25が位置する高さが低いため、第2軌道部114から第1軌道部25への球状物品200の移行を支障なく行うことができる。
【0053】
なお、
図8(A)および
図8(B)には、2個連結の第1組立要素20の右端を第2組立要素110および第1組立要素20の左端に接触させたものを示したが、
図8(D)に示したように、2個連結の第1組立要素20の右端と第2組立要素110および第1組立要素20の左端との間に隙間GAが生じていても、当該隙間GAが小さければ、例えば、隙間GAが球状物品200の直径の1/2以下であれば、第2軌道部114から第1軌道部25への球状物品200の移行を支障なく行うことができる。
【0054】
図9(A)は移動経路部の第2例(移動経路部320)を示す。この移動経路部320は、2個の第1組立要素10と、1個の第1組立要素30と、1個の第2組立要素110とによって構成されている。
【0055】
移動経路部320の構築は、1個の第1組立要素10の連結部14を構成する4つの凸部を第2組立要素110の第2被接続部115の最も右側の4つの凹所に連結し、1個の第1組立要素10の連結部14を構成する4つの凸部のうちの右側2つを第2組立要素110の第2被接続部125の最も左側の2つの凹所に連結して、各1個の第1組立要素10の下面を平坦面FSに載置するとともに、1個の第1組立要素30を第1軌道部35-3が上を向くように90度傾けて平坦面FSに載置して当該第1組立要素30の連結部34を第2組立要素110および第1組立要素10の右端に接触させる、ことによって行うことができる。
【0056】
この移動経路部320は、
図9(B)の右から左に向かって、第1組立要素30の第1軌道部35-3と、第2組立要素110の第2軌道部114とが並んでいるため、第1組立要素30の第1軌道部35-3に送り込まれた球状物品200を、
図9(B)に矢印で示したように移動させることができる。
【0057】
すなわち、第1軌道部35-3の最大幅が球状物品20の直径よりも小さく、第2軌道部114の最大幅が球状物品20の直径よりも大きい場合、前述したように、球状物品20は、第1軌道部35-3と第2軌道部114とを異なる接触状態で移動する。具体的には、球状物品200は、第1軌道部35-3を2点接触状態で転がりながら移動し、第1軌道部35-3から第2軌道部114に移行し、第2軌道部114を1点接触状態で転がりながら移動し得る。
【0058】
また、
図9(C)に示したように、移動経路部320を構成する第1組立要素30の第1軌道部35-3が位置する高さよりも第2組立要素110の第2軌道部114が位置する高さが低いため、第1軌道部35-3から第2軌道部114への球状物品200の移行を支障なく行うことができる。
【0059】
さらに、
図9(A)および
図9(B)に示したように、第1組立要素30の連結部34を第2組立要素110および第1組立要素10の右端に接触させた場合でも、第1軌道部35-3と第2軌道部114との間に連結部34の左右方向寸法に相当する隙間が生じるが、第1軌道部35-3と第2軌道部114とが近接状態にあるため、第1軌道部35-3から第2軌道部114への球状物品200の移行を支障なく行うことができる。
【0060】
なお、
図9(A)および
図9(B)には、第1組立要素30の連結部34を第2組立要素110および第1組立要素10の右端に接触させたものを示したが、
図9(D)に示したように、第1組立要素30の連結部34を第2組立要素110および第1組立要素10の右端との間に前記隙間とは異なる隙間GAが生じていても、当該隙間GAが小さければ、例えば、前記隙間と隙間GAとの和が球状物品200の直径の1/2以下であれば、第1軌道部35-3から第2軌道部114への球状物品200の移行を支障なく行うことができる。
【0061】
図示を省略したが、
図8または
図9に示した組み合わせ以外の第1組立要素(10、20および30)と第2組立要素(110、120および130)との組み合わせによって移動経路部の構築することも可能であり、この場合でも第1軌道部(15、25および35-3)から第2軌道部(114、124および134)への球状物体200の移動、ならびに、第2軌道部(114、124および134)から第1軌道部(15、25および35-3)への球状物体200の移動を前記同様に行うことができる。
【0062】
また、第1組立要素30は
図10に例示したような活用も可能であり、当該活用例は、2個の第1組立要素30と5個の第1組立要素20によって構成されている。この活用例の組立は、2個の第1組立要素20を連結して各々の第1軌道部25が上を向くように90度傾けて平坦面FSに載置し、1個の第1組立要素30を第1軌道部35-3が上を向くように90度傾けてその連結部34を構成する4つの凸部を2個連結の第1組立要素20の右側の第1組立要素20の第1被接続部26の4つの凹所に連結するとともに、3個の第1組立要素20を連結して各々の第1軌道部25が上を向くように90度傾けて平坦面FSに載置して3個連結の左側の第1組立要素20の連結部24を構成する4つの凸部を前記第1組立要素30の第1被接続部36の8つの凹所のうちの下側4つの凹所に連結し、2個目の第1組立要素30を第1軌道部35-3が上を向くように90度傾けて3個連結の第1組立要素20のうえに載置してその連結部34を構成する4つの凸部を2個目の第1組立要素30の第1被接続部36の残り4つの凹所に連結する、ことによって行うことができる。
【0063】
この活用例は、
図10(B)の右から左に向かって、2個連結の第1組立要素30の第1軌道部35-3から成る連続軌道部(符号省略)と、2個連結の第1組立要素20の第1軌道部25から成る連続軌道部(符号省略)とが並んでいるため、右側の第1組立要素30の第1軌道部35-3に送り込まれた球状物品200を、
図10(B)に矢印で示したように移動させることができる。
【0064】
すなわち、
図10に例示した活用例に前述の第2組立要素110、120および130を適宜組み合わせても、前述の移動経路部310および320とは異なる移動経路部を構築することができる。
【0065】
このように、前述の組立玩具セットおよび組立玩具セット用の第1組立要素(10、20および30)と第2組立要素(110、120および130)によれば、少なくとも1個の第1組立要素(10、20および30)の第1軌道部(15、25および35-3)と少なくとも1個の第2組立要素(110、120および130)の第2軌道部(114、124および134)とによって球状物品200を移動可能な移動経路部(310および320他)を好みに応じて構築できるため、同じ態様の軌道部のみを用いて移動経路部に相当するものを構築する場合に比べて、興趣性を向上させることができる。また、第1組立要素(10、20および30)をさらに併用することよってより多様な移動経路部を構築することもできる。
【0066】
《変形例》
次に、前述の組立玩具セットおよび組立玩具セット用の第1組立要素(10、20および30)と第2組立要素(110、120および130)の変形例について説明する。
【0067】
(1)
図1には第1組立要素10の各側面12-1~12-4に第1軌道部15を設けたものを例示し、
図2には第1組立要素20の各側面22-1~22-4に第1軌道部25を設けたものを例示したが、第1組立要素10にあっては4つの側面12-1~12-4のうちの少なくとも1つに第1軌道部15を設けるようにしてもよいし、第1組立要素20にあっても4つの側面22-1~22-4のうちの少なくとも1つに第1軌道部25を設けるようにしてもよい。
【0068】
(2)
図1~
図3には4つの凸部から構成された連結部14、24および35を例示するともに当該連結部14、24および35に対応した第1被連結部16、26および36を例示し、
図4~
図6には連結部14、24および35に対応した第2被連結部115、125および135を例示したが、連結部を2つの凸部から構成し、第1被連結部と第2被連結部をこの連結部に対応したものとしてもよい。
【0069】
(3)
図1~
図3には第1軌道部15、25およびおよび35-3としてその断面形状が等脚台形状の溝を示したが、その代わりとして、断面形状が半円状の溝や2等辺3角形状の溝や矩形状の溝等を用いることも可能である。また、
図4~
図6には第2軌道部114、124およびおよび134としてその断面形状が半円状の溝を示したが、その代わりとして、断面形状が等脚台形状の溝や2等辺3角形状の溝や矩形状の溝等を用いることも可能である。
【0070】
(4)
図8および
図9には移動対象となる物品として球状物品200を例示したが、自重による移動が可能であれば、非球状の物品を移動対象とすることも可能であり、自重により移動可能な模型車両や自走式の模型車両を物品として用いることも可能である。たとえば、模型車両を移動対象とする場合には、第2組立要素(110、120および130)の第2軌道部(114、124および134)として模型車両の外側を案内可能な断面矩形状の溝を採用し、第1組立要素(10、20および30)の第1軌道部(15、25および35-3)として模型車両の左右車輪の内側を案内可能な断面矩形状の突条を採用するとよい。
【符号の説明】
【0071】
10…第1組立要素、14…連結部、15…第1軌道部、16…第1被連結部、20…第1組立要素、24…連結部、25…第1軌道部、26…第1被連結部、30…第1組立要素、34…連結部、35-3…第1軌道部、36…第1被連結部、110…第2組立要素、114…第2軌道部、115…第2被連結部、120…第2組立要素、124…第2軌道部、125…第2被連結部、130…第2組立要素、134…第2軌道部、135…第2被連結部、200…球状物品、310,320…移動経路部。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組立玩具セットであって、
第1軌道部を有する少なくとも1個の第1組立要素と、前記第1軌道部とは態様が異なる第2軌道部を有し、前記第1組立要素とは形状が異なる少なくとも1個の第2組立要素とを含み、
前記第1組立要素と前記第2組立要素とを併設した状態において前記第1軌道部と前記第2軌道部とによって物品を移動可能な移動経路部を構築できるように構成されている、
組立玩具セット。
【請求項2】
前記併設した状態は、前記第1組立要素と前記第2組立要素とが接触した状態と、前記第1組立要素と前記第2組立要素とが近接した状態と、前記第1組立要素と前記第2組立要素とが連結された状態のいずれかである、
請求項1に記載の組立玩具セット。
【請求項3】
前記併設した状態は、前記物品が前記第2軌道部から前記第1軌道部に移動する場合、前記第2軌道部が位置する高さよりも前記第1軌道部が位置する高さが低くなる状態を含む、
請求項1または2に記載の組立玩具セット。
【請求項4】
前記併設した状態は、前記物品が前記第1軌道部から前記第2軌道部に移動する場合、前記第1軌道部が位置する高さよりも前記第2軌道部が位置する高さが低くなる状態を含む、
請求項1または2に記載の組立玩具セット。
【請求項5】
前記移動経路部が、併設された複数個の前記第1組立要素を含む場合、前記複数個の第1組立要素は各々の第1軌道部によって連続する軌道部を形成するように構成される、
請求項1~4のいずれか1項に記載の組立玩具。
【請求項6】
前記移動経路部が、併設された複数個の前記第2組立要素を含む場合、前記複数個の第2組立要素は各々の第2軌道部によって連続する軌道部を形成するように構成される、
請求項1~5のいずれか1項に記載の組立玩具。
【請求項7】
前記移動経路部における前記物品の移動は、前記物品の自重による移動である、
請求項1~6のいずれか1項に記載の組立玩具セット。
【請求項8】
前記物品は、転動を可能とした球状物品である、
請求項7に記載の組立玩具セット。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組立玩具セットであって、
第1軌道部を有する複数の第1組立要素と、前記第1軌道部とは態様が異なる第2軌道部を有し、前記第1組立要素とは形状が異なる複数の第2組立要素とを含み、
前記第1組立要素と、前記第2組立要素と、他の前記第1組立要素と当該他の前記第1要素上に載置した他の前記第2組立要素とを併設した状態において前記第1軌道部と前記第2軌道部と前記他の第2組立要素とによって物品を移動可能な移動経路部を構築できるように構成されている、
組立玩具セット。
【請求項2】
前記併設した状態は、前記第1組立要素と前記第2組立要素とが連結された状態、前記第2組立要素と前記他の第2組立要素とが連結された状態、および前記第2組立要素と前記他の第1組立要素とが連結された状態である、
請求項1に記載の組立玩具セット。
【請求項3】
前記移動経路部における前記物品の移動は、前記物品の自重による移動である、
請求項1または2に記載の組立玩具セット。
【請求項4】
前記物品は、転動を可能とした球状物品である、
請求項3に記載の組立玩具セット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明に係る組立玩具セットは、第1軌道部を有する少なくとも1個の第1組立要素と、前記第1軌道部と態様が異なる第2軌道部を有し、前記第1組立要素とは形状が異なる少なくとも1個の第2組立要素とを含み、前記第1組立要素と前記第2組立要素とを併設した状態において前記第1軌道部と前記第2軌道部とによって物品を移動可能な移動経路部を構築できるように構成されている。また、本発明に係る組立玩具セット用の組立要素は、前掲の第1組立要素、または、前掲の第2組立要素である。また、本発明に係る組立玩具セットは、第1軌道部を有する複数の第1組立要素と、前記第1軌道部とは態様が異なる第2軌道部を有し、前記第1組立要素とは形状が異なる複数の第2組立要素とを含み、前記第1組立要素と、前記第2組立要素と、他の前記第1組立要素と当該他の前記第1要素上に載置した他の前記第2組立要素とを併設した状態において前記第1軌道部と前記第2軌道部と前記他の第2組立要素とによって物品を移動可能な移動経路部を構築できるように構成されている。